説明

電子装置およびその製造方法

【課題】マザー基板の一面側に電子部品を搭載してなる電子装置において、マザー基板の一面側の全面ではなく、電子部品の実装部位に限定したマザー基板の多層化を図る。
【解決手段】マザー基板10と、マザー基板10の一面11側に搭載された電子部品30とを備える電子装置において、マザー基板10の一面11側の一部には、層状をなす配線部材20が搭載されており、電子部品30は配線部材20を介してマザー基板10に電気的・機械的に接続されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板の一面側に電子部品を搭載してなる電子装置およびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、この種の一般的な電子装置は、基板と、基板の一面側に搭載された電子部品とを備えて構成されている。このような電子装置においては、電子部品の高密度実装が要望されており、電子部品に合わせたランドや配線の高密度化を図るべく、基板の多層化が図られている。
【0003】
このような基板としては、たとえばアルミナなどのグリーンシートを積層したセラミック基板や、樹脂層を積層したプリント基板(たとえばビルドアップ基板など)が挙げられる。
【0004】
一方で、既存の実装技術を用いて高密度の電子部品を、既存仕様のマザー基板に実装する方法としては、当該部品の電極配列をインターポーザと呼ばれる変換基板を用いて、所望の電極配列に広げた後、当該電子部品をインターポーザと一体にマザー基板上に実装する手法が提案されている(たとえば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開平11−97571号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記高密度化を図るべく単純に基板全体を多層化する方法では、工程長、歩留まり、資材などの点から、高コスト化を招くことになる。また、上記インターポーザを用いる方法では、インターポーザのコストおよび電子部品を事前にインターポーザに実装する工程が必要であり、やはりコストアップにつながる。
【0006】
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、基板の一面側に電子部品を搭載してなる電子装置において、基板の一面側の全面ではなく、電子部品の実装部位に限定した基板の多層化を図ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、基板(10)と、基板(10)の一面(11)側に搭載された電子部品(30)とを備える電子装置において、基板(10)の一面(11)側の一部には、層状をなす配線部材(20)が搭載されており、電子部品(30)は配線部材(20)を介して基板(10)に電気的・機械的に接続されていることを特徴とする。
【0008】
それによれば、基板(10)の一面(11)側の全面ではなく、実質的に電子部品(30)が搭載される部位のみにて、層状の配線部材(20)の分、見かけ上、多層化が図れるため、基板(10)の一面(11)側の全面ではなく、電子部品(30)の実装部位に限定した基板(10)の多層化が図れる。その結果、安価で高密度化に適した基板構成が実現される。
【0009】
ここで、請求項2に記載の発明のように、配線部材(20)の電子部品(30)に対向する一面(21)側に、電子部品(30)の電極(31)に対応して配置され当該電極(31)と電気的に接続された部品用端子(23)を設け、配線部材(20)の基板(10)に対向する他面(22)側に、基板(10)の電極(13)に対応して配置され当該電極(13)と電気的に接続された基板用端子(27)を設け、さらに配線部材(20)に、部品用端子(23)と基板用端子(27)とを電気的に接続する端子間配線(26)を設ければ、両端子(23、27)および端子間配線(26)を介して電子部品(30)と基板(10)とを適切に電気的に接続できる。
【0010】
ここで、端子間配線(26)は、配線部材(20)の一面(21)側から端面を回って他面(22)側へ行くものでもよいが、請求項3に記載の発明のように、端子間配線(26)は、配線部材(20)の一面(21)側から内部を通って他面(22)側へ通じる配線であってもよい。
【0011】
また、請求項4に記載の発明のように、基板用端子(27)と基板(10)の電極(13)とは、熱圧着により接続されているものでもよい。
【0012】
また、請求項5に記載の発明のように、配線部材(20)を、樹脂をベースとしてなるものとし、当該樹脂を基板(10)に熱圧着することにより、配線部材(20)を基板(10)に固定してもよい。
【0013】
また、請求項6に記載の発明のように、配線部材(20)を、複数の層(20a、20b)が積層されてなるものにすれば、配線部材(20)を含めた基板(10)のさらなる多層化がなされ、高密度化に好ましい。
【0014】
また、請求項7に記載の発明のように、配線部材(20)に、その厚さ方向に貫通して設けられ電子部品(30)からの熱を基板(10)に放熱するサーマルビア(60)を設けてもよい。それによれば、電子部品(30)の放熱に好ましい。
【0015】
また、請求項8に記載の発明のように、基板(10)の一面(11)に凹部(80)を設け、この凹部(80)に配線部材(20)を入り込ませることにより、配線部材(20)の電子部品(30)に対向する一面(21)と基板(10)の一面(11)とを、同一平面に位置させるようにしてもよい。それによれば、電子部品(30)の実装高さに制限がある場合に好ましい。
【0016】
また、請求項9に記載の発明のように、基板(10)の一面(11)とは反対側の他面(12)側の一部にも、基板(10)の一面(11)と同じ構成の配線部材(20)を設ければ、基板(10)の両面(11、12)で熱膨張係数による応力を近いものにでき、基板(10)の反り低減に有効である。
【0017】
また、請求項10に記載の発明では、上記請求項1に記載の電子装置において、基板(10)の一面(11)には、配線部材(20)を介して電子部品(30)が搭載されるとともに、基板(10)の一面(11)のうち配線部材(20)以外の部位には、電子部品(30)よりも厚い他の部品(70)が搭載されており、基板(10)の一面(11)側には、電子部品(30)および他の部品(70)を覆うように基板(10)の一面(11)に対向する平坦な面(411)を有する放熱部材(410)が設けられており、電子部品(30)とこれを搭載する配線部材(20)との合計厚さは、他の部品(70)の厚さよりも大きいものとなっていることにより、電子部品(30)は放熱部材(410)の平坦な面(411)に接して熱的に接続されていることを特徴とする。
【0018】
それによれば、放熱部材(410)に凹凸を設けることなく電子部品(30)の放熱を行える。
【0019】
この場合、請求項11に記載の発明のように、配線部材(20)が、樹脂をベースとして内部には当該樹脂よりも硬いビア(26)が設けられているものであるとき、ビア(26)は、配線部材(20)の内部のうち電子部品(30)を配線部材(20)に投影した領域以外の部位に配置されていることが好ましい。
【0020】
それによれば、電子部品(30)を配線部材(20)に搭載するときの押し付けによって、電子部品(30)と配線部材(20)との接続部に加わる応力を、ビア(26)よりも軟らかい樹脂により緩和できるので、好ましい。
【0021】
また、請求項12に記載の発明では、上記請求項1に記載の電子装置において、配線部材(20)は、樹脂をベースとしてなるものであり、電子部品(30)と配線部材(20)とは、直接接して熱圧着されることにより接合されており、電子部品(30)の外周端部は、当該電子部品(30)を搭載する配線部材(20)の樹脂が溶出することにより形成されたフィレット形状の樹脂部(20d)にて被覆されていることを特徴とする。
【0022】
それによれば、当該樹脂部(20d)により、実装後、電子部品(30)の外周端部にかかるストレスが緩和される。
【0023】
また、請求項13に記載の発明のように、上記請求項1の発明の特徴を有する電子装置を製造する製造方法としては、配線部材(20)が基板(10)の一面(11)より配線部材(20)の厚さ分、突出するように、配線部材(20)を基板(10)の一面(11)側に搭載する工程と、その後、配線部材(20)における電子部品(30)が搭載される一面(21)、および、基板(10)の一面(11)のうち配線部材(20)以外の部位に、はんだ(35)を印刷して配置する工程と、次に、はんだ(35)を介して電子部品(30)を配線部材(20)に接続するとともに、はんだ(35)を介して他の部品(70)を基板(10)の一面(11)のうち配線部材(20)以外の部位に接続する工程とを備えるものにできる。
【0024】
そして、このような製造方法においては、はんだ(35)の印刷に用いるマスク(200)を、配線部材(20)の部位がそれ以外の部位に比べて凹んだ凹部とされることによりマスク厚が薄くなっているものを採用することが好ましい。
【0025】
配線部材(20)上へのはんだ(35)の印刷は、基板(10)の一面(11)のうち配線部材(20)以外の部位へのはんだ(35)の印刷に比べて、高密度であり、より微細な印刷が必要であるが、本製造方法によれば、配線部材(20)上へのはんだ(35)の供給量をそれ以外の部位への供給量に比べて少量にできるため、好ましい。
【0026】
また、請求項14に記載の発明は、上記請求項1の電子装置を製造する製造方法であり、配線部材(20)として樹脂をベースとしてなるものを用い、電子部品(30)における配線部材(20)に対向する面である対向面に、予め当該対向面より突出する電極(31)を設けておき、配線部材(20)における電子部品(30)に対向する面である対向面(21)に、電子部品(30)の電極(31)に対応した穴であって当該穴の底部に前記配線部材(20)の内層配線(26)が露出する穴部(28)を設けておき、電子部品(30)の配線基板(20)への搭載工程では、電子部品(30)の電極(31)を配線部材(20)の穴部(28)へ挿入し、当該電極(31)と配線部材(20)の内層配線(26)との接合、および、電子部品(30)と配線部材(20)との両対向面同士の接合を、加熱・加圧により行うことを特徴とする。
【0027】
それによれば、電子部品(30)と配線部材(20)との両対向面の間に、アンダーフィルを充填することが不要となり、アンダーフィルレス化が図れる。
【0028】
また、請求項15に記載の発明は、上記請求項1の電子装置を製造する製造方法であり、配線部材(20)における電子部品(30)が搭載される面である搭載面(21)をプレス加工することにより、当該搭載面(21)のうち電子部品(30)の搭載領域が、その周囲よりも凹んだ状態とし、電子部品(30)の配線部材(20)への搭載工程では、この凹んだ搭載領域に電子部品(30)を搭載した後、電子部品(30)と配線部材(20)との間隙にアンダーフィル(40)を注入し充填することを特徴とする。
【0029】
それによれば、凹んだ搭載領域に注入されたアンダーフィル(40)は、当該搭載領域の周囲が高くなっているため、当該搭載領域からはみ出しにくくなる。
【0030】
また、請求項16に記載の発明は、上記請求項1の電子装置を製造する製造方法であり、配線部材(20)が基板(10)の一面(11)より配線部材(20)の厚さ分、突出するように、配線部材(20)を基板(10)の一面(11)側に搭載する工程と、その後、配線部材(20)における電子部品(30)が搭載される一面(21)に、はんだ(35)を印刷して配置する工程と、次に、はんだ(35)を介して電子部品(30)を配線部材(20)に接続する工程とを備える。
【0031】
さらに、この請求項16に記載の製造方法では、基板(10)の一面(11)上に、厚さの異なる複数個の配線部材(20)を搭載するものであり、それぞれの配線部材(20)の上に1個以上の電子部品(30)を搭載するものであり、はんだ(35)の印刷に用いるマスク(200)は、平板状であってそれぞれの配線部材(20)に対向する面に、当該配線部材(20)の厚さ分凹むとともに当該配線部材(20)が入り込むことができる大きさの凹部(203)を設けることによりマスク(200)における当該凹部(203)の底部側の厚さを薄くしたものである。
【0032】
それによれば、配線部材(20)の厚さを異ならせることで、供給されるはんだ量は配線部材(20)が厚いほど少なくなる。つまり、配線部材(20)の厚さを変えることで、必要なはんだ量の異なる複数個の電子部品(30)を適切に搭載できる。
【0033】
なお、特許請求の範囲およびこの欄で記載した各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示す一例である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0034】
以下、本発明の実施形態について図に基づいて説明する。なお、以下の各実施形態相互において、互いに同一もしくは均等である部分には、説明の簡略化を図るべく、図中、同一符号を付してある。
【0035】
(第1実施形態)
図1(a)は、本発明の第1実施形態に係る電子装置100の概略断面構成を示す図であり、図1(b)は、(a)中の配線部材20の単体構成を拡大して示す概略断面図である。本実施形態の電子装置100は、大きくは、基板としてのマザー基板10の一面上に、配線部材20を介して電子部品30を搭載してなる。
【0036】
本実施形態のマザー基板10は、加熱により軟化し流動性を示す性質を有する樹熱可塑性樹脂よりなる樹脂基板である。マザー基板10を構成する熱可塑性樹脂としては、たとえば、液晶ポリマー、熱可塑性ポリイミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルイミドなどが挙げられる。ここでは、マザー基板10は、図示しない複数の樹脂層が積層されてなるプリント基板である。
【0037】
また、マザー基板10の一面11および他面12さらに内部には各種の電極13および配線14が設けられている。これら電極13および配線14は、上記複数の樹脂層およびこれら樹脂層の間に設けられたものである。
【0038】
たとえば、これら電極13および配線14は、当該樹脂層の表面に設けられたCu箔や、樹脂層を貫通する穴に充填されたAg、Snなどよりなるスルーホールなどにより構成されている。
【0039】
ここで、マザー基板10の一面11および他面12に位置する配線14は、当該一面11および他面12を被覆するレジスト材料などよりなる被覆膜15により保護されている。また、マザー基板10の電極13は、当該基板10の一面11に設けられ、被覆膜15に被覆されずに露出しており、配線部材20と電気的に接続されている。
【0040】
配線部材20は、層状をなすものであり、マザー基板10の一面11側の全体ではなく当該一面11の一部に設けられている。そして、電子部品30は配線部材20を介して基板10に電気的・機械的に接続されている。つまり、配線部材20は、その一面21にてマザー基板10の一面11に対向し、他面22にて電子部品30に対向している。
【0041】
この配線部材20は、樹脂をベースとしてなるものであり、たとえば上記したマザー基板10と同様の熱可塑性樹脂よりなる。さらに言うならば、配線部材20の基材である樹脂は、マザー基板10との接着が可能な樹脂材料であり、熱硬化性樹脂たとえば、エポキシ、ガラス(もしくは不織布)エポキシ、熱可塑性樹脂や、ポリイミド+活性樹脂層などであってもよい。
【0042】
ここで、ポリイミド+活性樹脂層とは、たとえば、特開2004−303895号公報に記載されているようなポリイミドよりなる配線部材とマザー基板との間に、活性樹脂層を介在させ、加圧・加熱することで、マザー基板に接合されるものである。
【0043】
配線部材20における電子部品30が搭載される搭載面である一面21、すなわち、配線部材20の電子部品30に対向する一面21側には、部品用端子23を含む上層回路配線24が設けられている。これら部品用端子23および上層回路配線24は、CuやAuなどの箔よりなる。
【0044】
ここで、配線部材20の一面21は、レジスト材料などよりなる保護膜25により被覆されている。そして、上層回路配線24のうち保護膜25に被覆されていない部位が、部品用端子23として構成されている。つまり、ここでは、部品用端子23は上層回路配線24の一部として上層回路配線24に一体形成されたものである。
【0045】
また、配線部材20においては、当該配線部材20の一面21側から内部を通って他面22側へ通じる配線26が設けられているが、この配線26は端子間配線26である。この端子間配線26は、配線部材20の厚さ方向を貫通する穴に充填されたAgやSnなどの導体材料よりなる。この配線部材20の厚さ方向を貫通する穴に充填される導体材料としては、さらに金属系のペーストやCu、はんだ、Cuとはんだの混合物などであってもよい。
【0046】
そして、この端子間配線26は、配線部材20の一面21側にて上層回路配線24に電気的に接続されており、それにより部品用端子23と電気的に接続されている。また、端子間配線26は、配線部材20におけるマザー基板10に対向する他面22側に露出している。この端子間配線26の当該他面22側の露出部27は、基板用端子27として構成されている。
【0047】
つまり、ここでは、基板用端子27は端子間配線26の一部として端子間配線26に一体形成されたものである。この基板用端子27は、マザー基板10の電極13に対応する位置に設けられている。そして、これら基板用端子27とマザー基板10の電極13とは、熱圧着により電気的・機械的に接続されている。
【0048】
また、上述したように、配線部材20は、ベースが上記樹脂で形成されているが、ここでは、当該樹脂をマザー基板10の一面11に熱圧着することにより、配線部材20はマザー基板10に固定されている。
【0049】
このような配線部材20は、限定するものではないが、たとえば、層状の樹脂素材に対して、穴あけ加工により端子間配線26を形成するための穴を空けた後、当該穴に印刷などにより導体ペーストを充填・硬化して端子間配線26を形成し、さらに、Cu箔などの貼り付け・パターニングを行って上層回路配線24を形成することで作製される。
【0050】
また、電子部品30は、ICチップやフリップチップ、モールドICなどの表面実装品である。ここでは、電子部品30は、電極として、はんだやAu、Cuなどよりなるバンプ31を有するものであり、このバンプ31を介して配線部材20に電気的に接続されている。
【0051】
ここで、配線部材20の部品用端子23は、この電子部品30の電極としてのバンプ31に対応する位置に設けられている。そして、これら部品用端子23とバンプ31とが電気的・機械的に接続されている。部品用端子23とバンプ31とは、はんだ接続や熱圧着により接続されている。
【0052】
また、図1に示されるように、電子部品30と配線部材20との間のうちバンプ31以外の部位には、アンダーフィル40が充填されている。このアンダーフィル40は、エポキシ樹脂などの一般的なものであり、電子部品30と配線部材20との機械的接続の補強を担っている。
【0053】
こうして、電子部品30と配線部材20とは、バンプ31と部品用端子23との接続により電気的に接続されている。そして、上述したように、配線部材20の一面21側から内部を通って他面22側へ通じる端子間配線26によって、部品用端子23と基板用端子27とが導通しているため、これら両端子23、27および端子間配線26を介して電子部品30とマザー基板10とが電気的に接続されている。
【0054】
次に、本実施形態の電子装置100の製造方法について、図2を参照して述べる。図2は、本製造方法を示す工程図である。
【0055】
まず、図2(a)に示されるように、配線部材20をマザー基板10の一面11上の所定の部位に位置決めし、配線部材20をマザー基板10の一面11上に搭載する。このとき、配線部材20とマザー基板10とを加熱・加圧し、配線部材20のベースである樹脂をマザー基板10に熱圧着させて接着させると同時に、基板用端子27をマザー基板10の電極13に熱圧着させて接合する。
【0056】
次に、配線部材20の一面21上に電子部品30を実装する。この実装は、上記バンプ31と部品用端子23との接続により行う。そのバンプ31の接続方法としては、たとえば、スタッドバンプボンディング、熱圧着、あるいは、はんだ接続である。そして、バンプ31の接続後、アンダーフィル40の注入・硬化を行うことにより、電子部品30の実装が完了し、本実施形態の半導体装置100ができあがる。
【0057】
ところで、本実施形態によれば、マザー基板10の一面11側の一部に、層状をなす配線部材20を搭載し、電子部品30を、配線部材20を介してマザー基板10に電気的・機械的に接続している。
【0058】
そのため、マザー基板10の一面11側の全面ではなく、実質的に電子部品30が搭載される部位のみにて、層状の配線部材20の分、見かけ上、多層化が図れる。こうして、本実施形態によれば、マザー基板10の一面11側の全面ではなく、電子部品30の実装部位に限定したマザー基板10の多層化が図れる。その結果、安価で高密度化に適した基板構成を実現できる。
【0059】
(第2実施形態)
図3は、本発明の第2実施形態に係る電子装置101の概略断面構成を示す図である。本実施形態では、配線部材20を多層化したものであり、配線部材20は複数の樹脂層20a、20bが積層されてなる。
【0060】
各樹脂層20a、20bは、上記したベースとしての樹脂よりなるものである。そして、この場合も、部品用端子23は、配線部材20の一面21に形成されており、端子間配線26は、配線部材20の内部にて各樹脂層20a、20bを貫通する配線と、樹脂層20a、20bの界面に設けられ当該貫通する配線間を接続する配線とによりして構成されている。
【0061】
また、基板用端子27は、配線部材20の他面22における端子間配線26の露出部として構成されている。そして、本実施形態では配線部材20を多層化したことにより、部品用端子23および基板用端子27を高密度化してより多数設けた構造となっており、電子部品30および基板10と配線部材20との接続部を多くできる。
【0062】
このような積層構造および配線構造を有する配線部材20は、上記第1実施形態にて述べたような複数の樹脂層が積層されてなるマザー基板10と同様の方法により、作製することができる。なお、図3に示される例では、配線部材20は2層の樹脂層20a、20bよりなるが、3層以上の積層構造であってもよい。
【0063】
そして、本実施形態によっても、マザー基板10の一面11側の全面ではなく、電子部品30の実装部位に限定したマザー基板10の多層化が図れる。特に、本実施形態では、さらなる多層化がなされ、さらなる高密度化に好ましい構成となることから、たとえば、電子部品30の電極31が面配置されている場合に有効である。
【0064】
(第3実施形態)
図4は、本発明の第3実施形態に係る電子装置102の概略断面構成を示す図である。本実施形態の電子装置102は、図4に示されるように、配線部材20に、電子部品30以外の部品50を同時に実装したものであり、それ以外の部分については、上記第1実施形態と同様である。
【0065】
この部品50としては、チップコンデンサなどが挙げられる。ノイズ対策など、部分的な設計変更が必要な場合に、設計変更を、配線部材20に限定して実施することができ、設計変更の納期短縮、コストダウンに有効である。なお、上記第2実施形態のような多層化した配線部材20について、本実施形態のように電子部品30以外の部品50を同時に実装してもよい。
【0066】
(第4実施形態)
図5は、本発明の第4実施形態に係る電子装置103の概略断面構成を示す図である。本実施形態では、配線部材20に伝熱経路となるサーマルビア60を形成した構造である。
【0067】
サーマルビア60は、配線部材20の厚さ方向に貫通して設けられたもので、AgやCuなど熱伝導性に優れた材料よりなる。その形成方法は、スルーホールなどと同様に、配線部材20に穴あけ加工をし、その穴にAgやCuなどの導電ペーストを充填し、これを硬化すればよい。
【0068】
ここでは、サーマルビア60の一端側は、配線部材20の一面21に設けられた上層回路配線24と接触し、他端側はマザー基板10の一面11に設けられた配線14と接続し、これら両配線14、24を熱的に接続している。また、マザー基板10の内部にてサーマルビア60の下方には、サーマルビア60からの熱をマザー基板10の他面12へ放熱するための放熱経路となる配線14が設けられている。
【0069】
このサーマルビア60により、電子部品30からの熱をマザー基板10に放熱するようになっている。つまり、電子部品の高放熱化に有効である。なお、本実施形態は、配線部材20にサーマルビア60を設けるものであり、上記各実施形態に組み合わせて適用が可能である。
【0070】
(第5実施形態)
図6は、本発明の第5実施形態に係る電子装置104の概略断面構成を示す図である。本実施形態では、マザー基板10の一面11とは反対側の他面12側の一部にも、マザー基板10の一面11側と同じ構成の配線部材20を設けている。
【0071】
この場合、マザー基板10の他面12側の配線部材20はダミーであり、電子部品30は搭載しない。それによれば、マザー基板10の両面11、12で熱膨張係数による応力を近いものにでき、熱によるマザー基板10の反り低減に有効である。
【0072】
(第6実施形態)
図7は、本発明の第6実施形態に係る電子装置の製造方法を示す工程図である。本実施形態の製造方法は、配線部材20とマザー基板10の接続と、電子部品30と配線部材20の接続とを一括で行う方法である。
【0073】
本実施形態では、図7(a)に示されるように、電子部品30の電極31を突起形状とし、一方、配線部材20の部品用端子23、基板用端子27を共に端子間配線26の一部として構成している。つまり、部品用端子23、基板用端子27は、それぞれ配線部材20の一面21、他面22に露出する端子間配線26の部分として構成している。
【0074】
これにより、図7(a)、(b)に示されるように、マザー基板10と配線部材20、配線部材20と電子部品30を位置決めし、加熱・加圧により一括接続する。このとき、電子部品30の電極31は、部品用端子23に食い込ませて接続する。それにより、電子部品30のうち電極31以外の部位を、配線部材20のベースである樹脂に対して、熱圧着させる。
【0075】
これにより、電子部品30の下に充填する上記アンダーフィルが不要となる。一方、配線部材20とマザー基板10とは上記実施形態と同様の接続形態とする。こうして、本実施形態の製造方法によれば、電子部品30、配線部材20、マザー基板10を一括して接続でき、工程が短縮できる。
【0076】
なお、図7では配線部材20は2層構造だったが、単層でもよい。また、図7では、電子部品30の電極31は、突起形状であったが、電子部品30における配線部材20側の面と当該電子装置31とが同一平面であってもよい。この場合も、電子部品30の電極31と配線部材20の部品用端子23とを熱圧着させれば、アンダーフィルが不要で一括接続が可能である。
【0077】
(第7実施形態)
図8は、本発明の第7実施形態に係る電子装置の製造方法を示す工程図であり、はんだ35の印刷中の様子を示している。そして、図8中には、はんだ35を介してその後接続される電子部品30および他の部品70を、破線にて示している。他の部品70は、一般的な表面実装部品である。
【0078】
本実施形態の製造方法は、はんだ35を介して電子部品30を配線部材20に接続するとともに、はんだ35を介して他の部品70をマザー基板10の一面11のうち配線部材20以外の部位に接続するものである。この場合、電子部品30の電極と部品用端子23とが、はんだ35を介して接続される。
【0079】
まず、本実施形態の製造方法では、図8に示されるように、配線部材20がマザー基板10の一面11より配線部材20の厚さ分、突出するように、配線部材20をマザー基板10の一面11側に搭載する(配線部材搭載工程)。配線部材20とマザー基板10との電気的・機械的接続は、上記同様である。
【0080】
その後、配線部材20の一面21の部品用端子23に、はんだ35を印刷するとともに、マザー基板10の一面11のうち配線部材20以外の部位に、はんだ35を印刷して配置する(はんだ印刷工程)。
【0081】
ここにおいて、はんだ35の印刷に用いるマスク200は、図8に示されるように、配線部材20に対向する部位がそれ以外の部位に比べて凹んだ凹部とされており、この凹部によって、マスク200は、配線部材20の部位がそれ以外に比べてマスク厚が薄くなっている。そして、当該凹部は、配線部材20が入り込むことができる大きさすなわち平面サイズを有している。
【0082】
そして、このマスク200とブレード201を用いて、はんだ35を印刷することにより、図8に示されるように、配線部材20の一面21の部品用端子23では、はんだ35が薄く印刷され、マザー基板10の一面11のうち配線部材20以外の部位では、はんだ35が厚く印刷される。
【0083】
次に、本製造方法では、はんだ35を介して、電子部品30を配線部材20に接続するとともに、はんだ35を介して、他の部品70をマザー基板10の一面11のうち配線部材20以外の部位に接続する(はんだ接続工程)。このはんだ接続の完了に伴い、本実施形態の電子装置ができあがる。
【0084】
配線部材20上へのはんだ35の印刷は、マザー基板10の一面11のうち配線部材20以外の部位へのはんだ35の印刷に比べて、高密度であり微細な印刷が必要である。本製造方法によれば、配線部材20上へのはんだ35の供給量を、それ以外の部位への供給量、すなわち他の部品70に対するはんだ35の供給量に比べて少量にできる。
【0085】
つまり、本製造方法は、高密度実装に必要な極微小量のはんだ35と、通常量のはんだ35とを同時に供給できるものであり、さらなる微細化に対応した製造方法である。そして、本製造方法は、上記した各実施形態の電子装置において、電子部品30および他の部品70をはんだ付けする場合に、適用が可能である。
【0086】
(第8実施形態)
図9は、本発明の第8実施形態に係る電子装置の製造方法を示す工程図である。まず、マザー基板10の一面11に、配線部材20が入り込むことの可能なサイズの凹部80を設ける。また、凹部80の深さは、実質的に配線部材20の厚さと同等とする。この凹部80は、マザー基板10をザグリ加工すれば形成できる。
【0087】
そして、図9(a)に示されるように、この凹部80に配線部材20を入り込ませる。このとき、マザー基板10の電極13は、凹部80の底に設けておき、この電極13と配線部材20の基板用端子27とを接続する。これにより、図9(b)に示されるように、配線部材20において凹部80の開口部から露出する一面21とマザー基板10の一面11とが、実質的に同一の高さに位置する。
【0088】
そして、できあがった本実施形態の電子装置は、図9(b)に示されるものであり、マザー基板10の一面11に設けられた凹部80に配線部材20が入り込むことにより、配線部材20の電子部品30に対向する一面21とマザー基板10の一面11とが、実質的に同一平面に位置している。
【0089】
このように、配線部材20において電子部品30が搭載される一面21とマザー基板10の一面11とを、面一(ツライチ)の関係とするため、電子部品30の実装高さに制限がある場合に好ましいものとなる。また、本実施形態は、上記した各実施形態と組み合わせて適用が可能である。
【0090】
(第9実施形態)
図10は、本発明の第9実施形態に係る電子装置の製造方法を示す工程図である。本実施形態の製造方法は、配線部材20とマザー基板10の接続と、電子部品30と配線部材20の接続とを一括で行う方法である。
【0091】
本実施形態では、配線部材20として上記同様の樹脂をベースとしてなるものを用い、配線部材20をマザー基板10の一面11上に搭載し、配線部材20の上に電子部品30を搭載して電子部品30と配線部材20とを電気的・機械的に接続する。
【0092】
ここで、本実施形態では、図10に示されるように、電子部品30における配線部材20に対向する面である対向面に、予め当該対向面より突出する電極31を設けておく。一方、配線部材20における電子部品30に対向する面である対向面、すなわち、配線部材20における電子部品30が搭載される一面21に、電子部品30の電極31に対応した穴部28を設けておく。このとき、この電極31の突出長さは、当該穴部28の深さと同等かやや長目とすることで、後述する両者の接合を可能とする。
【0093】
この穴部28は、その底部に配線部材20の内層配線としての端子間配線26が露出している。ここでは、端子間配線26のうち穴部28の底部に露出する部位は、電子部品30の電極31と電気的に接続される部品用端子として構成されている。つまり、端子間配線26の一部である当該露出部が部品用端子を兼用している。
【0094】
そして、図10(a)、(b)に示されるように、電子部品30の搭載工程では、電子部品30の電極31を配線部材20の穴部28へ挿入し、当該電極31と端子間配線26との接合を加熱・加圧により行う。これにより、電極31と端子間配線26とは金属接合などにより電気的・機械的に接続される。
【0095】
また、この加熱・加圧によって、電子部品30と配線部材20との両対向面同士の接合を行う。つまり、電子部品30のうち電極31以外の部位は、配線部材20のベースである樹脂に対して、熱圧着され、電子部品30と配線部材20とは接合される。こうして、図10(b)に示されるような本実施形態の電子装置が完成する。
【0096】
本実施形態の製造方法によれば、電子部品30の下に充填する上記アンダーフィルが不要となる。一方、配線部材20とマザー基板10とは上記実施形態と同様の接続形態とする。こうして、本実施形態の製造方法によれば、電子部品30、配線部材20、マザー基板10を一括して接続でき、工程が短縮できる。
【0097】
なお、図10では配線部材20は2層構造だったが、3層以上の多層構造であっても、単層でもよい。また、電子部品30の電極31および配線部材20の内層配線としての端子間配線26は、上記実施形態と同様の材質であるが、これら電極31と端子間配線26との接合前に、これら両部材26、31の表面にメッキ等により事前にはんだを供給しておいてもよい。
【0098】
(第10実施形態)
図11は、本発明の第10実施形態に係る電子装置の製造方法を示す工程図である。本実施形態の製造方法も、配線部材20をマザー基板10の一面11上に搭載する工程と、配線部材20をマザー基板10の一面11上に搭載し、配線部材20の上に電子部品30を搭載して電子部品30と配線部材20とを電気的・機械的に接続する工程とを備えている。
【0099】
ここで、本実施形態では、図11(a)、(b)に示されるように、配線部材20における電子部品30が搭載される面である搭載面21、すなわち配線部材20の一面21を、プレス型300を用いてプレスする。
【0100】
このプレス型300には、図11に示されるように、突起部が設けられており、この突起部の先端面にて配線部材20の一面21をプレスする。この突起部の先端面は、配線部材20の一面21のうち電子部品30および後述するアンダーフィル40が配置される領域である電子部品30の搭載領域と同等かそれ以上の大きさであって、当該一面21とりも小さいものである。
【0101】
このようなプレス型300の突起部にてプレスすると配線部材20を構成する樹脂が変形することにより、配線部材20の一面21のうち電子部品30の搭載領域が、その周囲よりも凹んだ状態となり、当該一面21の周囲部は当該搭載領域よりも盛り上がったものとなる。
【0102】
図11(a)では当該一面21のうち当該搭載領域の周囲に、当該搭載領域よりも高いダム20cが形成されている。このダム20cは、搭載領域の外周を取り囲むように環状に形成されている。
【0103】
そして、電子部品30の搭載工程では、このダム20cの内周に位置し凹んだ搭載領域に電子部品30を搭載する。このとき、電子部品30と配線部材20との接合方法は上記第1実施形態と同様である。その後、上記第1実施形態と同様に、電子部品30と配線部材20との間隙にアンダーフィル40を注入し充填する。こうして、図11(c)に示されるような本実施形態の電子装置が完成する。
【0104】
このような本実施形態の製造方法によれば、凹んだ搭載領域に注入されたアンダーフィル40は、当該搭載領域よりも高いダム20cによって、当該搭載領域からはみ出しにくくなる。そのため、本実施形態では、アンダーフィル40を注入する際のはみ出し量の制御するために、別体のダムなどの流れ防止構造を設ける場合に比べ、コストアップを回避できる。
【0105】
なお、本実施形態の製造方法は、上記した各実施形態のうち電子部品30と配線部材20との間に、アンダーフィル40を注入・充填する工程を有する製造方法であるならば、組み合わせて適用することが可能である。
【0106】
(第11実施形態)
図12は、本発明の第11実施形態に係る電子装置の製造方法を示す工程図である。本実施形態の製造方法は、上記第7実施形態(上記図8参照)の変形であり、上記第7実施形態のようなマスク200を用いて、厚さの異なる複数個の配線部材20をマザー基板10に搭載し、はんだ接合するものである。
【0107】
本実施形態の製造方法においても、図12(a)に示されるように、配線部材20がマザー基板10の一面11より配線部材20の厚さ分、突出するように、配線部材20をマザー基板10の一面11側に搭載した(配線部材搭載工程)後、配線部材20における電子部品30が搭載される一面21に、マスク200を用いて、はんだ35を印刷して配置する(はんだ印刷工程)。その後、図12(b)に示されるように、はんだ35を介して電子部品30を配線部材20に接続する(はんだ接続工程)。
【0108】
ここで、本製造方法の配線部材搭載工程では、図12に示されるように、マザー基板10の一面11上に、厚さの異なる複数個の配線部材20を搭載し、それぞれの配線部材20の一面21上に1個電子部品30を搭載し、はんだ接合する。なお、ここでは、はんだ35を介して他の部品70をマザー基板10の一面11のうち配線部材20以外の部位に接続するが、この他の部品70は無いものであってもよい。
【0109】
本製造方法では、はんだ35の印刷に用いるマスク200は、図12(a)に示されるように、平板状をなすものであり、配線部材20の一面21にはんだ35を供給するための開口部202が設けられている。これらのことは、上記図8と同様である。
【0110】
本実施形態のマスク200では、それぞれの配線部材20に対向する面に、当該配線部材20の厚さ分凹むとともに当該配線部材20が入り込むことができる大きさの凹部203を設けるとともに、当該配線部材20に対向する面とは反対側の面は全体が平坦な面とすることにより、マスク200における凹部203の底部側の厚さを薄くしたものである。
【0111】
つまり、上記図8に示した凹部を、複数の配線部材20毎に、当該配線部材20の厚さに対応した深さにて設けたものが、本実施形態のマスク200である。具体的には、各凹部203の深さとこれに対向する配線部材20の厚さとは実質同等であり、配線部材20が厚いほど、これに対応する凹部203は深くなり、その底部の厚さは薄くなる。
【0112】
そして、はんだ印刷工程では、このマスク200を用いて、上記図8と同様に、マスク200における配線部材20に対向する面とは反対側の面から、はんだ35を印刷する。このとき、各配線部材20の厚さ分凹んだ凹部203を設けることで、各配線部材20は対向する凹部203に入り込み、マスク200における凹部203の底部側の部位が薄くなるため、マスク200において凹部203の底部側の厚さが、供給されるはんだ量を規定する。
【0113】
ここでは、凹部203が深いほど、すなわち配線部材20が厚いほど、配線部材20の一面21上に供給されるはんだ35の厚さが少なくなる。こうして、本実施形態では、配線部材20の厚さを変え、それに応じてマスク200に凹部203を設けることで、実質的に、はんだ35の供給量を制御することが可能である。
【0114】
そこで、本実施形態では、はんだ印刷後のはんだ接続工程では、各配線部材20の一面21に、各電子部品30をはんだ接合するにあたって、厚い配線部材20ほど、必要なはんだ供給量が少ない電子部品30を搭載する。
【0115】
ここでは、厚い配線部材20ほど、隣り合うはんだ35の間の距離、すなわち、はんだのピッチが小さな電子部品30を搭載している。図12に示される例では、図12(b)の右から左に行くほど、配線部材20は厚く、電子部品30のはんだピッチは小さくなっている。
【0116】
なお、図12では、一番右に位置する電子部品30は、たとえばモールドICであり、残り2個の電子部品30は、たとえば半導体のICチップなどであり、また、他の部品70はたとえばコンデンサなどである。
【0117】
図12では、はんだピッチの大きい順としては、他の部品70、一番右の電子部品30、右から2番目の電子部品30、一番左の電子部品30であるが、それぞれのピッチは、限定するものではないが、たとえば500μm、400μm、200μm、80μm程度である。
【0118】
こうして、各部品30、70を、はんだ35を介して搭載した後、はんだリフローを行って、はんだ接続を完了させることにより、図12(b)に示されるような本実施形態の電子装置が完成する。
【0119】
このように、本実施形態の製造方法によれば、配線部材20の厚さを変え、それに応じてマスク200に凹部203を設けることで、はんだ35の供給量を制御し、必要なはんだ量の異なる複数個の電子部品30を適切に搭載できる。
【0120】
なお、上記図12の例では、マザー基板10の一面11上に搭載された厚さの異なる複数個の配線部材20のそれぞれについて、1個の電子部品30が搭載されたが、1個の配線部材20について、はんだ供給量が同等である2個以上の電子部品30が搭載されていてもよい。
【0121】
また、本実施形態では、厚い配線部材20ほど、必要なはんだ供給量が少ない電子部品30を搭載するが、この電子部品30における必要なはんだ供給量は、上記したはんだピッチの大小によるものに限らないことは、もちろんである。
【0122】
(第12実施形態)
ところで、上記各実施形態に示したようなマザー基板10の一面11側に電子部品30を搭載してなる電子装置においては、電子部品30の熱を放熱するために、放熱部材を設ける構成が採られることがある。本発明の第12実施形態は、このような放熱部材を有する構成に適用したものである。
【0123】
図13は、本実施形態の比較例として、放熱部材410を有する電子装置の従来の一般的な断面構成を示す概略断面図である。
【0124】
この電子装置は、マザー基板10の一面11に、電子部品30を搭載するとともに、マザー基板10の一面11および他面12には他の部品70が、はんだ接合されている。これら各部材20、30、70の結合形態は上記各実施形態と同様のものにできる。
【0125】
そして、この電子装置は、ケース400に収納されている。このケース400は、金属などよりなり、電子装置においてマザー基板10の一面11側に位置する上側ケース410と、マザー基板10の他面12側に位置し上側ケース410に一体に組み付けられた下側ケース420とにより構成されている。
【0126】
特に、上側ケース410は、放熱部材410として構成されており、放熱製に優れたCuやアルミ、鉄などの金属などよりなる。そして、上側ケース410は、電子部品30および他の部品70を覆うようにマザー基板10の一面11に対向して設けられている。
【0127】
ここで、マザー基板10の一面11において、他の部品70は電子部品30よりも厚く、上方に突出しているため、上側ケース410における電子部品30に対向する部位は、凸状をなして突出しており、この突出部にて電子部品30に接している。
【0128】
この突出部による接触により、放熱部材としての上側ケース410と電子部品30とが熱的に接続され、電子部品30から上側ケース410への放熱が可能となっている。このように、従来では、電子部品30とこれよりも厚い他の部品70とが混載されている場合、放熱部材410に凹凸を設ける必要があった。
【0129】
本実施形態では、放熱部材410に凹凸を設けることなく、放熱部材410と電子部品30との放熱経路を形成するものである。図14は、本第12実施形態に係る電子装置をケース400に収納した構成を示す概略断面図である。
【0130】
図14に示されるように、電子装置におけるマザー基板10の一面11には、配線部材20を介して電子部品30が搭載されるとともに、マザー基板10の一面11のうち配線部材20以外の部位には、電子部品30よりも厚い他の部品70が搭載されている。そして、この電子装置は、上記図13と同様に、ケース400に収納されている。
【0131】
ここで、本実施形態では、マザー基板10の一面11側には、上記した放熱部材としての上側ケース410が設けられているが、本実施形態の上側ケース410は、電子部品30および他の部品70を覆うようにマザー基板10の一面11に対向する平坦な面411を有する。
【0132】
そして、電子部品30とこれを搭載する配線部材20との合計厚さは、他の部品70の厚さよりも大きいものとなっている。これらの厚さは、マザー基板10の一面11を基準としたときの、それぞれ電子部品30の最上部までの高さt1、他の部品70の最上部までの高さt2である(図14参照)。
【0133】
換言すれば、本実施形態の電子装置においては、マザー基板10の一面11を基準として、当該一面11に搭載されている配線部材20およびこの配線部材20に搭載されている電子部品30のユニットにおける電子部品30の最上部までの高さt1は、当該一面11に搭載されている他の部品70の最上部までの高さt2よりも高いものとなっている。
【0134】
こうすることにより、電子部品30は、他の部品70よりも高く基板70の一面11上に突出し、放熱部材410の平坦な面411に接して熱的に接続されている。このように、本実施形態によれば、放熱部材410に凹凸を設けることなく電子部品30の放熱を行うことができる。そして、たとえば、設計変更などにより電子部品30の配置が変わってもケース400の設計を変更する必要がない。
【0135】
なお、電子部品30と放熱部材410の平坦な面411との熱的な接続は、ここでは、シリコーン樹脂などの高熱伝導性のグリスやゲルなどよりなる熱伝導部材500を介した接触により行われているが、十分な熱経路が確保されるならば、電子部品30と放熱部材410の平坦な面411とが直接接触することにより、これら両部材30、410の熱的な接続がなされていてもよい。
【0136】
また、放熱部材としては、電子部品30および他の部品70を覆うようにマザー基板10の一面11に対向する平坦な面411を有するものであれば、上記した上側ケース410に限定されるものではなく、たとえば、単なる板状の金属板などでもよい。
【0137】
(第13実施形態)
図15は、本発明の第13実施形態に係る電子装置をケース400に収納した構成における要部を示す概略断面図である。
【0138】
本実施形態は、上記第12実施形態(上記図14参照)の一部を改良したものである。本実施形態の電子装置およびケース400の構成は、上記図14と同様であるが、配線部材20の内部構成について、より好ましい形態を採用したものである。
【0139】
図15に示されるように、本実施形態の配線部材20も、上記したような樹脂をベースとして内部に端子間配線26が設けられている。ここで、端子間配線26は、上述したように、配線部材20の厚さ方向を貫通する穴に導体材料を充填してなるものであり、いわゆるビアと言われるものである。そして、このビアとしての端子間配線26は、配線部材20のベースである樹脂よりも硬い。
【0140】
ここで、本実施形態では、端子間配線26は、配線部材20の内部のうち電子部品30を配線部材20に投影した領域以外の部位、すなわち、配線部材のうち電子部品30の直下に位置する部位を避けて配置されている。
【0141】
図15では、配線部材20の一面21の中央部に電子部品30が位置しており、配線部材20の一面21に対して電子部品30を投影した領域から外れている周辺部に、端子間配線26が位置している。
【0142】
電子部品30を配線部材20に搭載するときの押し付けによって、電子部品30と配線部材20との接続部には、応力が加わる。もし、端子間配線26が電子部品30の直下に位置すると、硬い端子間配線26の反発力により当該応力が大きくなり、電子部品30と配線部材20との接続部や端子間配線26自体にダメージが加わる恐れがある。
【0143】
その点、本実施形態によれば、上記応力は、端子間配線26よりも軟らかいベースとしての樹脂の弾性によって、緩和されるため、そのようなダメージの発生を極力防止することができる。
【0144】
なお、図15では、配線部材20は単層構造であるが、2層以上の多層構造であっても、本実施形態の構成を適用してもよいことはもちろんである。多層構造の場合、ビアとは、ある1つの層または連続する複数の層を配線部材20の厚さ方向を貫通する穴に導体材料を充填したものである。
【0145】
(第14実施形態)
図16は、本発明の第14実施形態に係る電子装置の概略断面構成を示す図である。本実施形態の電子装置では、配線部材20は、上記したような樹脂をベースとしてなるものであり、電子部品30と配線部材20とは、直接接して熱圧着されることにより接合されている。
【0146】
ここにおいて、図16に示されるように、電子部品30の外周端部は、フィレット形状の樹脂部20dにて被覆されている。この樹脂部20dは、電子部品30と配線部材20とを直接接触させ、加熱・加圧して熱圧着させるときに、電子部品30を搭載する配線部材20の樹脂が溶出することにより形成されたものである。
【0147】
具体的には、電子部品30を加熱しながら、配線部材20に押し付けると、電子部品30が配線部材30にめり込み、電子部品30の外周部の樹脂が盛り上がることにより、樹脂部20dが形成される。
【0148】
それによれば、樹脂部20dにより、電子部品30の外周端部が被覆されて保護されるため、実装後、電子部品30の外周端部にかかるストレスが緩和される。その結果、電子部品30の外周端部におけるクラックの発生防止などに好ましい。
【0149】
(他の実施形態)
なお、上記実施形態では、マザー基板は樹脂層を積層したプリント基板であったが、アルミナなどのセラミック層を積層したセラミック積層基板でもよい。また、マザー基板としては、多層基板でなくても単層基板であってもよい。
【0150】
また、配線部材は、層状をなすとともに電子部品を搭載し、この電子部品をマザー基板に電気的・機械的に接続するものであればよく、ベースが樹脂であるもの以外にも、セラミックよりなるものであってもよい。また、配線部材を構成するベースとマザー基板とは、異なる材質でも同じ材質であってもよい。
【0151】
また、上記実施形態では、配線部材は、ベースの樹脂をマザー基板に熱圧着することにより、配線部材とマザー基板との固定を行っていたが、配線部材とマザー基板とを、別体の接着剤を介して接着してもよい。
【0152】
また、上記実施形態では、端子間配線26は、配線部材20の一面21側から内部を通って他面22側へ通じる配線であったが、端子間配線としては、配線部材20の一面21側から端面を回って他面22側へ行くというように、配線部材20の表面に形成されたものでもよい。
【0153】
また、上記実施形態では、基板用端子27は端子間配線26の一部として端子間配線26に一体形成されたものであったが、端子間配線26とは別体に形成されたものでもよい。たとえば、配線部材20の他面22に形成されたCu箔などにより、基板用端子を構成してもよい。
【0154】
また、上記実施形態では、部品用端子23は、端子間配線26とは別体に形成されたものであったが、端子間配線26に一体形成されたものであってもよい。たとえば、配線部材20の一面21に端子間配線26の端部を露出させ、この露出部を、部品用端子として構成してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0155】
【図1】(a)は、本発明の第1実施形態に係る電子装置の概略断面図であり、(b)は、(a)中の配線部材の単体構成を示す概略断面図である。
【図2】第1実施形態に係る電子装置の製造方法を示す工程図である。
【図3】本発明の第2実施形態に係る電子装置の概略断面図である。
【図4】本発明の第3実施形態に係る電子装置の概略断面図である。
【図5】本発明の第4実施形態に係る電子装置の概略断面図である。
【図6】本発明の第5実施形態に係る電子装置の概略断面図である。
【図7】本発明の第6実施形態に係る電子装置の製造方法を示す工程図である。
【図8】本発明の第7実施形態に係る電子装置の製造方法を示す工程図である。
【図9】本発明の第8実施形態に係る電子装置の製造方法を示す工程図である。
【図10】本発明の第9実施形態に係る電子装置の製造方法を示す工程図である。
【図11】本発明の第10実施形態に係る電子装置の製造方法を示す工程図である。
【図12】本発明の第11実施形態に係る電子装置の製造方法を示す工程図である。
【図13】本発明の第12実施形態の比較例としての放熱部材を有する電子装置の概略断面図である。
【図14】第12実施形態に係る電子装置をケースに収納した構成を示す概略断面図である。
【図15】本発明の第13実施形態に係る電子装置の要部を示す概略断面図である。
【図16】本発明の第14実施形態に係る電子装置の概略断面図である。
【符号の説明】
【0156】
10 基板としてのマザー基板
11 マザー基板の一面
12 マザー基板の他面
13 マザー基板の電極
20 配線部材
20a、20b 樹脂層
20d 樹脂部
21 配線部材の一面
22 配線部材の他面
23 部品用端子
26 端子間配線
27 基板用端子
28 穴部
30 電子部品
31 電子部品の電極としてのバンプ
60 サーマルビア
70 他の部品
80 凹部
200 マスク
203 マスクの凹部
410 放熱部材としての上側ケース
411 平坦な面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板(10)と、
前記基板(10)の一面(11)側に搭載された電子部品(30)とを備える電子装置において、
前記基板(10)の一面(11)側の一部には、層状をなす配線部材(20)が搭載されており、
前記電子部品(30)は前記配線部材(20)を介して前記基板(10)に電気的・機械的に接続されていることを特徴とする電子装置。
【請求項2】
前記配線部材(20)の前記電子部品(30)に対向する一面(21)側には、前記電子部品(30)の電極(31)に対応して配置され当該電極(31)と電気的に接続された部品用端子(23)が設けられ、
前記配線部材(20)の前記基板(10)に対向する他面(22)側には、前記基板(10)の電極(13)に対応して配置され当該電極(13)と電気的に接続された基板用端子(27)が設けられ、
さらに前記配線部材(20)には、前記部品用端子(23)と前記基板用端子(27)とを電気的に接続する端子間配線(26)が設けられており、
前記両端子(23、27)および前記端子間配線(26)を介して前記電子部品(30)と前記基板(10)とが電気的に接続されていることを特徴とする請求項1に記載の電子装置。
【請求項3】
前記端子間配線(26)は、前記配線部材(20)の前記一面(21)側から内部を通って前記他面(22)側へ通じる配線であることを特徴とする請求項2に記載の電子装置。
【請求項4】
前記基板用端子(27)と前記基板(10)の電極(13)とが、熱圧着により接続されていることを特徴とする請求項2または3に記載の電子装置。
【請求項5】
前記配線部材(20)は、樹脂をベースとしてなるものであり、当該樹脂を前記基板(10)に熱圧着することにより、前記配線部材(20)は前記基板(10)に固定されていることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1つに記載の電子装置。
【請求項6】
前記配線部材(20)は複数の層(20a、20b)が積層されてなるものであることを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1つに記載の電子装置。
【請求項7】
前記配線部材(20)には、その厚さ方向に貫通して設けられ前記電子部品(30)からの熱を前記基板(10)に放熱するサーマルビア(60)が設けられていることを特徴とする請求項1ないし6のいずれか1つに記載の電子装置。
【請求項8】
前記基板(10)の一面(11)に凹部(80)が設けられ、この凹部(80)に前記配線部材(20)が入り込むことにより、前記配線部材(20)の前記電子部品(30)に対向する一面(21)と前記基板(10)の一面(11)とが、同一平面に位置していることを特徴とする請求項1ないし7のいずれか1つに記載の電子装置。
【請求項9】
前記基板(10)の一面(11)とは反対側の他面(12)側の一部にも、前記基板(10)の一面(11)と同じ前記配線部材(20)が設けられていることを特徴とする請求項1ないし8のいずれか1つに記載の電子装置。
【請求項10】
前記基板(10)の一面(11)には、前記配線部材(20)を介して前記電子部品(30)が搭載されるとともに、前記基板(10)の一面(11)のうち前記配線部材(20)以外の部位には、前記電子部品(30)よりも厚い他の部品(70)が搭載されており、
前記基板(10)の一面(11)側には、前記電子部品(30)および前記他の部品(70)を覆うように前記基板(10)の一面(11)に対向する平坦な面(411)を有する放熱部材(410)が設けられており、
前記電子部品(30)とこれを搭載する前記配線部材(20)との合計厚さは、前記他の部品(70)の厚さよりも大きいものとなっていることにより、前記電子部品(30)は前記放熱部材(410)の前記平坦な面(411)に接して熱的に接続されていることを特徴とする請求項1に記載の電子装置。
【請求項11】
前記配線部材(20)は、樹脂をベースとして内部には当該樹脂よりも硬いビア(26)が設けられているものであり、
前記ビア(26)は、前記配線部材(20)の内部のうち前記電子部品(30)を前記配線部材(20)に投影した領域以外の部位に配置されていることを特徴とする請求項10に記載の電子装置。
【請求項12】
前記配線部材(20)は、樹脂をベースとしてなるものであり、
前記電子部品(30)と前記配線部材(20)とは、直接接して熱圧着されることにより接合されており、
前記電子部品(30)の外周端部は、当該電子部品(30)を搭載する前記配線部材(20)の前記樹脂が溶出することにより形成されたフィレット形状の樹脂部(20d)にて被覆されていることを特徴とする請求項1に記載の電子装置。
【請求項13】
請求項1に記載の電子装置の製造方法であって、
前記配線部材(20)が前記基板(10)の一面(11)より前記配線部材(20)の厚さ分、突出するように、前記配線部材(20)を前記基板(10)の一面(11)側に搭載する工程と、
その後、前記配線部材(20)における前記電子部品(30)が搭載される一面(21)、および、前記基板(10)の一面(11)のうち前記配線部材(20)以外の部位に、はんだ(35)を印刷して配置する工程と、
次に、前記はんだ(35)を介して前記電子部品(30)を前記配線部材(20)に接続するとともに、前記はんだ(35)を介して他の部品(70)を前記基板(10)の一面(11)のうち前記配線部材(20)以外の部位に接続する工程とを備え、
前記はんだ(35)の印刷に用いるマスク(200)は、前記配線部材(20)の部位がそれ以外の部位に比べて凹んだ凹部とされることによりマスク厚が薄くなっているものであることを特徴とする電子装置の製造方法。
【請求項14】
請求項1に記載の電子装置の製造方法であって、
前記配線部材(20)として樹脂をベースとしてなるものを用い、
前記配線部材(20)を前記基板(10)の一面(11)上に搭載する工程と、
前記配線部材(20)の上に前記電子部品(30)を搭載して、前記電子部品(30)と前記配線部材(20)とを電気的・機械的に接続する工程とを備え、
前記電子部品(30)における前記配線部材(20)に対向する面である対向面に、予め当該対向面より突出する電極(31)を設けておき、
前記配線部材(20)における前記電子部品(30)に対向する面である対向面(21)に、前記電子部品(30)の電極(31)に対応した穴であって当該穴の底部に前記配線部材(20)の内層配線(26)が露出する穴部(28)を設けておき、
前記電子部品(30)の搭載工程では、前記電子部品(30)の電極(31)を前記配線部材(20)の前記穴部(28)へ挿入し、当該電極(31)と前記配線部材(20)の内層配線(26)との接合、および、前記電子部品(30)と前記配線部材(20)との両対向面同士の接合を、加熱・加圧により行うことを特徴とする電子装置の製造方法。
【請求項15】
請求項1に記載の電子装置の製造方法であって、
前記配線部材(20)を前記基板(10)の一面(11)上に搭載する工程と、
前記配線部材(20)の上に前記電子部品(30)を搭載して、前記電子部品(30)と前記配線部材(20)とを電気的・機械的に接続する工程とを備え、
前記配線部材(20)における前記電子部品(30)が搭載される面である搭載面(21)をプレス加工することにより、当該搭載面(21)のうち前記電子部品(30)の搭載領域が、その周囲よりも凹んだ状態とし、
前記電子部品(30)の搭載工程では、この凹んだ搭載領域に前記電子部品(30)を搭載した後、前記電子部品(30)と前記配線部材(20)との間隙にアンダーフィル(40)を注入し充填することを特徴とする電子装置の製造方法。
【請求項16】
請求項1に記載の電子装置の製造方法であって、
前記配線部材(20)が前記基板(10)の一面(11)より前記配線部材(20)の厚さ分、突出するように、前記配線部材(20)を前記基板(10)の一面(11)側に搭載する工程と、
その後、前記配線部材(20)における前記電子部品(30)が搭載される一面(21)に、はんだ(35)を印刷して配置する工程と、
次に、前記はんだ(35)を介して前記電子部品(30)を前記配線部材(20)に接続する工程とを備え、
前記基板(10)の一面(11)上に、厚さの異なる複数個の前記配線部材(20)を搭載するものであり、それぞれの前記配線部材(20)の上に1個以上の前記電子部品(30)を搭載するものであり、
前記はんだ(35)の印刷に用いるマスク(200)は、平板状であってそれぞれの前記配線部材(20)に対向する面に、当該配線部材(20)の厚さ分凹むとともに当該配線部材(20)が入り込むことができる大きさの凹部(203)を設けることにより、前記マスク(200)における当該凹部(203)の底部側の厚さを薄くしたものであることを特徴とする電子装置の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2009−135391(P2009−135391A)
【公開日】平成21年6月18日(2009.6.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−23811(P2008−23811)
【出願日】平成20年2月4日(2008.2.4)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】