電極構造体及びその製造方法、並びに半導体装置
【課題】精度良く形成された小型化された電極を備えた電極構造体及びその製造方法、並びに半導体装置を提供する。
【解決手段】第1の層間絶縁膜13に、第1の方向に延在する複数の第1の溝16を形成し、第1の溝16の対向する2つの側面及び底面を覆うように第1の導電膜32を形成し、第1の導電膜32が形成された複数の第1の溝16を第1の絶縁膜19で充填し、第1の層間絶縁膜13、第1の絶縁膜19、及び第1の導電膜32の上面に、第2の方向に延在する複数の開口部を有したハードマスク層33を形成し、異方性エッチング法により、複数の開口部から露出された部分の第1の絶縁膜19及び第1の導電膜32を除去することで、第1の溝16に第1の導電膜32よりなる電極を形成すると共に、第1の層間絶縁膜13に第1の溝16と交差する第2の溝17を複数形成し、ハードマスク層33を除去した後、第2の溝17を第2の絶縁膜21で充填する。
【解決手段】第1の層間絶縁膜13に、第1の方向に延在する複数の第1の溝16を形成し、第1の溝16の対向する2つの側面及び底面を覆うように第1の導電膜32を形成し、第1の導電膜32が形成された複数の第1の溝16を第1の絶縁膜19で充填し、第1の層間絶縁膜13、第1の絶縁膜19、及び第1の導電膜32の上面に、第2の方向に延在する複数の開口部を有したハードマスク層33を形成し、異方性エッチング法により、複数の開口部から露出された部分の第1の絶縁膜19及び第1の導電膜32を除去することで、第1の溝16に第1の導電膜32よりなる電極を形成すると共に、第1の層間絶縁膜13に第1の溝16と交差する第2の溝17を複数形成し、ハードマスク層33を除去した後、第2の溝17を第2の絶縁膜21で充填する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電極構造体及びその製造方法、並びに該電極構造体を備えた半導体装置に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体記憶装置として相変化材料層(以下、「抵抗値可変材料層」という)の抵抗値変化を利用した相変化メモリ(Phase change Memory;以下、「PRAM」という)の開発が行われている(例えば、特許文献1参照。)。
PRAMでは、抵抗値可変材料層と接触する電極に電流を流して、抵抗値可変材料層を高抵抗のアモルファス状態から低抵抗の結晶状態に遷移させたり、或いは、結晶状態からアモルファス状態に遷移させたりすることで、記録素子として機能させる。
PRAMでは、抵抗値可変材料層と電極とが接触する面積を小さくして、相変化する領域を小さくすることで、PRAMの動作特性を向上できる。言い換えれば、電極のサイズを小さくすることで、PRAMの動作特性を向上できる。そのため、電極のサイズを小型化することが望まれている。
【0003】
電極のサイズを小型化可能な電極の形成方法としては、例えば、特許文献1には、絶縁膜にコンタクトホールを形成後、コンタクトホールの側壁にコンタクトホールの径を小さくするためのスペーサを形成し、その後、スペーサが形成されたコンタクトホールに導電膜を埋め込むことで電極を形成することが開示されている。
また、特許文献2,3には、絶縁層上に、第1の方向に延在する複数の第1の溝を有した第1のレジストマスクと、第1の方向とは異なる第2の方向に延在し、第1の溝と交差する複数の第2の溝を有した第2のレジストマスクとを重ね合わせ、第1及び第2のレジストマスクを介して絶縁層をエッチングすることで、絶縁層に微細なコンタクトホールを形成することが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−019688号公報
【特許文献2】特開2003−229497号公報
【特許文献3】特開2005−150333号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1の電極形成方法では、コンタクトホールの径方向にスペーサの厚さを厚くした場合、コンタクトホールの底部にスペーサが残る虞があるため、所望の形状となるように複数の電極を精度良く形成することができないという問題があった。
また、コンタクトホールの底部にスペーサが残らなかったとしても、スペーサが形成されたコンタクトホールの開口径はかなり小さくなる。そのため、スペーサが形成されたコンタクトホール内部にボイド(空洞)を生じることなく、電極の母材となる金属膜を埋め込むことが困難となるので、所望の形状とされた複数の電極を精度良く形成することができない。
【0006】
また、特許文献2,3の電極形成方法においても、微細な開口径とされたコンタクトホール内に電極の母材となる金属膜を埋め込むことが困難となるため、所望の形状とされた複数の電極を精度良く形成することができないという問題があった。
特に、コンタクトホールのアスペクト比(=コンタクトホールの深さ/コンタクトホールの開口径)が高い場合には、コンタクトホール内に電極の母材となる金属膜を埋め込むことが困難となるため、上記問題が顕著となる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一観点によれば、第1の層間絶縁膜を形成する第1の層間絶縁膜形成工程と、異方性エッチング法により、前記第1の層間絶縁膜を貫通し、第1の方向に延在する複数の第1の溝を形成する第1の溝形成工程と、前記第1の溝の対向する2つの側面、及び前記第1の溝の底面を覆うように、第1の導電膜を形成する第1の導電膜形成工程と、前記第1の導電膜が形成された複数の前記第1の溝を第1の絶縁膜で充填する第1の絶縁膜充填工程と、前記第1の層間絶縁膜、前記第1の絶縁膜、及び前記第1の導電膜の上面に、前記第1の方向と交差する第2の方向に延在する複数の開口部を有したハードマスク層を形成するハードマスク層形成工程と、異方性エッチング法により、前記ハードマスク層に形成された複数の前記開口部から露出された部分の前記第1の絶縁膜及び前記第1の導電膜を除去することで、前記第1の溝に前記第1の導電膜よりなる電極を複数形成すると共に、前記第1の層間絶縁膜をエッチングすることで、前記第1の層間絶縁膜に、前記第1の溝と交差する前記第2の溝を複数形成する電極及び第2の溝形成工程と、前記電極及び第2の溝形成工程後、前記ハードマスク層を除去するハードマスク層除去工程と、前記ハードマスク層除去工程後、複数の前記第2の溝を第2の絶縁膜で充填する第2の絶縁膜充填工程と、を含むことを特徴とする電極構造体の製造方法。が提供される。
【発明の効果】
【0008】
本発明の電極構造体の製造方法によれば、従来のホールでは無く、第1の方向に延在する第1の溝内に電極の母材となる第1の導電膜を形成することにより、第1の溝の2つの側面及び第1の溝の底面に、均一な厚さとなるように第1の導電膜を形成することが可能となる。これは、第1の溝が従来のホールと同程度の幅を有する場合でも、第1の溝の延在する第1の方向においては、第1の溝の側面の影響を受けないため、第1の溝内への第1の導電膜の成膜が容易になるためである。
また、異方性エッチング法により、ハードマスク層に形成された複数の開口部から露出された部分の第1の絶縁膜及び第1の導電膜を除去することで、第1の溝に電極を複数形成することで、複数の電極間の形状ばらつきを抑制することが可能となり、小型化された複数の電極を所望の形状に加工することができる。
また、ハードマスク層に形成された複数の開口部の第1の方向に対する幅を広くすることで、第1の方向に対する複数の電極の幅を容易に小さくすることができる。つまり、第1の方向に対する複数の電極のサイズを容易に小型化することができる。
さらに、上記複数の電極の形状がコの字型となるため、電極の上端(例えば、抵抗値可変材料層と接触する部分)の面積を小さくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る電極構造体を備えた構造体を説明するための概略図であって、図1(a)は構造体の平面図であり、図1(b)は図1(a)のA−A線方向の構造体の断面図であり、図1(c)は図1(a)のB−B線方向の構造体の断面図であり、図1(d)は図1(a)のC−C線方向の構造体の断面図である。
【図2】本発明の実施の形態に係る電極構造体を備えた構造体の製造工程を示す図(その1)であり、図2(a)は平面図であり、図2(b)は図2(a)に示す構造体のA−A線方向の断面図であり、図2(c)は図2(a)に示す構造体のB−B線方向の断面図である。
【図3】本発明の実施の形態に係る電極構造体を備えた構造体の製造工程を示す図(その2)であり、図3(a)は平面図であり、図3(b)は図3(a)に示す構造体のA−A線方向の断面図であり、図3(c)は図3(a)に示す構造体のB−B線方向の断面図である。
【図4】本発明の実施の形態に係る電極構造体を備えた構造体の製造工程を示す図(その3)であり、図4(a)は平面図であり、図4(b)は図4(a)に示す構造体のA−A線方向の断面図であり、図4(c)は図4(a)に示す構造体のB−B線方向の断面図である。
【図5】本発明の実施の形態に係る電極構造体を備えた構造体の製造工程を示す図(その4)であり、図5(a)は平面図であり、図5(b)は図5(a)に示す構造体のA−A線方向の断面図であり、図5(c)は図5(a)に示す構造体のB−B線方向の断面図である。
【図6】本発明の実施の形態に係る電極構造体を備えた構造体の製造工程を示す図(その5)であり、図6(a)は平面図であり、図6(b)は図6(a)に示す構造体のA−A線方向の断面図であり、図6(c)は図6(a)に示す構造体のB−B線方向の断面図である。
【図7】本発明の実施の形態に係る電極構造体を備えた構造体の製造工程を示す図(その6)であり、図7(a)は平面図であり、図7(b)は図7(a)に示す構造体のA−A線方向の断面図であり、図7(c)は図7(a)に示す構造体のB−B線方向の断面図である。
【図8】本発明の実施の形態に係る電極構造体を備えた構造体の製造工程を示す図(その7)であり、図8(a)は平面図であり、図8(b)は図8(a)に示す構造体のA−A線方向の断面図であり、図8(c)は図8(a)に示す構造体のB−B線方向の断面図である。
【図9】本発明の実施の形態に係る電極構造体を備えた構造体の製造工程を示す図(その8)であり、図9(a)は平面図であり、図9(b)は図9(a)に示す構造体のA−A線方向の断面図であり、図9(c)は図9(a)に示す構造体のB−B線方向の断面図である。
【図10】本発明の実施の形態に係る電極構造体を備えた構造体の製造工程を示す図(その9)であり、図10(a)は平面図であり、図10(b)は図10(a)に示す構造体のA−A線方向の断面図であり、図10(c)は図10(a)に示す構造体のB−B線方向の断面図である。
【図11】本発明の実施の形態に係る電極構造体を備えた構造体の製造工程を示す図(その10)であり、図11(a)は平面図であり、図11(b)は図11(a)に示す構造体のA−A線方向の断面図であり、図11(c)は図11(a)に示す構造体のB−B線方向の断面図である。
【図12】本発明の実施の形態に係る電極構造体を備えた構造体の製造工程を示す図(その11)であり、図12(a)は平面図であり、図12(b)は図12(a)に示す構造体のA−A線方向の断面図であり、図12(c)は図12(a)に示す構造体のB−B線方向の断面図であり、図12(d)は図12(a)に示す構造体のC−C線方向の断面図である。
【図13】本発明の実施の形態に係る電極構造体を備えた構造体の製造工程を示す図(その12)であり、図13(a)は平面図であり、図13(b)は図13(a)に示す構造体のA−A線方向の断面図であり、図13(c)は図13(a)に示す構造体のB−B線方向の断面図であり、図13(d)は図13(a)に示す構造体のC−C線方向の断面図である。
【図14】本発明の第1の実施の形態に係る電極構造体の他の製造工程を示す図である。
【図15】図1に示す電極構造体を備えた半導体装置に設けられた活性領域、ゲート電極、ビット線、接地用配線、電極、第3のコンタクトプラグ、及び第4のコンタクトプラグの位置関係を説明するための概略平面図である。
【図16】図15に示す半導体装置のD−D線方向の断面図である。
【図17】図15に示す半導体装置のE−E線方向の断面図である。
【図18】図1に示す電極構造体を備えた半導体装置の製造工程を示す断面図(その1)である。
【図19】図1に示す電極構造体を備えた半導体装置の製造工程を示す断面図(その2)である。
【図20】図1に示す電極構造体を備えた半導体装置の製造工程を示す断面図(その3)である。
【図21】図1に示す電極構造体を備えた半導体装置の製造工程を示す断面図(その4)である。
【図22】図15に示す半導体装置45のE―E線方向の断面に対応する図21に示す構造体の断面図である。
【図23】図1に示す電極構造体を備えた半導体装置の製造工程を示す断面図(その5)である。
【図24】図15に示す半導体装置45のE―E線方向の断面に対応する図23に示す構造体の断面図である。
【図25】図1に示す電極構造体を備えた半導体装置の製造工程を示す断面図(その6)である。
【図26】図15に示す半導体装置45のE―E線方向の断面に対応する図25に示す構造体の断面図である。
【図27】図27は、本発明の第2の実施の形態に係る電極構造体を備えた構造体を説明するための概略図であり、図27(a)は構造体の平面図であり、図27(b)は図27(a)に示す構造体のA−A線方向の断面図であり、図27(c)は図27(a)に示す構造体のB−B線方向の断面図であり、図27(d)は図27(a)に示す構造体のC−C線方向の断面図である。
【図28】本発明の第2の実施の形態に係る電極構造体の製造工程を示す図(その1)である。
【図29】本発明の第2の実施の形態に係る電極構造体の製造工程を示す図(その2)である。
【図30】本発明の第2の実施の形態に係る電極構造体の製造工程を示す図(その3)である。
【図31】図27に示す電極構造体を備えた半導体装置の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照して本発明を適用した実施の形態について詳細に説明する。なお、以下の説明で用いる図面は、本発明の実施形態の構成を説明するためのものであり、図示される各部の大きさや厚さや寸法等は、実際の構造体、電極構造体、及び半導体装置の寸法関係とは異なる場合がある。
【0011】
(第1の実施の形態)
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る電極構造体を備えた構造体を説明するための概略図である。図1(a)は平面図であり、図1(b)は図1(a)のA−A線方向の断面図であり、図1(c)は図1(a)のB−B線方向の断面図であり、図1(d)は図1(a)のC−C線方向の断面図である。
【0012】
図1を参照するに、構造体5は、第1の実施の形態の電極構造体10と、第1の絶縁層11と、コンタクトプラグ12を有する。
電極構造体10は、第1の層間絶縁膜13を構成するシリコン窒化膜14及びシリコン酸化膜15と、第1の溝16と、第2の溝17と、電極18と、第1の絶縁膜19と、第2の絶縁膜21とを有する。
【0013】
シリコン窒化膜14は、第1の絶縁層11の上面11aに設けられている。シリコン酸化膜15は、シリコン窒化膜14の上面14aに設けられている。シリコン窒化膜14としては、例えば、Si3N4膜(例えば、厚さが10〜30nm)を用いることができる。
第1の溝16は、Y方向に延在する溝であり、シリコン窒化膜14及びシリコン酸化膜15を貫通するように形成されている。第1の溝16は、X方向に対して所定の間隔で複数配列されている。第1の溝16の底面16cは、第1の溝16から露出された部分のコンタクトプラグ12の上端面12a及び第1の絶縁層11の上面11aにより構成されている。
なお、図1において、複数の第1の溝16は、X方向に延在する複数の第2の溝17により複数の位置で交差している。また、図1では、第1の溝16と第2の溝17との交差する角度が90度の場合を例に挙げて図示しているが、第1の溝16と第2の溝17とが交差する角度は、これに限定されない。
第2の溝17は、X方向に延在する溝であり、シリコン酸化膜15を貫通するように複数形成されている。第2の溝17は、X方向に対して所定の間隔で配列されている。第2の溝17は、シリコン窒化膜14の上面14aを露出している。
【0014】
電極18は、複数の第1の溝16のうち、第2の溝17と交差しない部分の第1の溝16に設けられている。電極18は、コの字型の形状とされており、第1の導電膜(例えば、金属膜であるTiN膜)により構成されている。電極18は、第1の導電部23と、第2の導電部24と、第3の導電部25とを有する。
第1の導電部23は、第1の溝16の一方の側面16aに設けられている。第1の導電部23の上端面23aは、第1の絶縁層11及びシリコン酸化膜15から露出されている。
第1の導電部23の上端面23aとシリコン酸化膜15の上面15aとは、面一とされている。第1の導電部23の上端面23aは、例えば、電極構造体10上に抵抗値可変材料層(図示せず)を配置した場合、抵抗値可変材料層と接触する部分である。
【0015】
第2の導電部24は、第1の溝16の他方の側面16b(側面16aと対向する側面)に設けられている。第2の導電部24は、第1の導体と対向するように配置されている。第2の導電部23の上端面24a(電極18の端部)は、第1の絶縁層11及びシリコン酸化膜15から露出されている。第2の導電部24の上端面24aとシリコン酸化膜15の上面15aとは、面一とされている。第2の導電部24の上端面24aは、例えば、電極構造体10上に抵抗値可変材料層(図示せず)を配置した場合、抵抗値可変材料層と接触する部分である。
第3の導電部25は、第1の導体23と第2の導体24との間に位置する部分の第1の溝16の底面16cに設けられている。第3の導電部25は、第1及び第2の導体部23,24と一体的に構成されている。
【0016】
第1の絶縁膜19は、電極18が形成された部分の複数の第1の溝16を充填するように設けられている。第1の絶縁膜19の上面19a、第1及び第2の導電部23,24の上端面23a,24aと、及びシリコン酸化膜15の上面15aは、面一とされている。第1の絶縁膜19としては、例えば、シリコン酸化膜(SiO2膜)を用いることができる。好ましくは、第1の絶縁膜19としては、例えば、埋め込み特性に優れたスピンナ法により形成された塗布系の絶縁膜であるSOD(Spin On Dielectrics)膜を用いるとよい。
【0017】
第2の絶縁膜21は、複数の第2の溝17を充填するように設けられている。第2の絶縁膜21の上面21aは、シリコン酸化膜15の上面15aに対して面一とされている。第2の絶縁膜21としては、例えば、シリコン酸化膜(SiO2膜)を用いることができる。好ましくは、第2の絶縁膜21としては、例えば、埋め込み特性に優れたスピンナ法により形成された塗布系の絶縁膜であるSOD膜を用いるとよい。
【0018】
第1の絶縁層11は、複数のコンタクトプラグ12が形成される層である。第1の絶縁層11としては、例えば、シリコン酸化膜(SiO2膜)を用いることができる。
コンタクトプラグ12は、第1の絶縁層11を貫通するように複数設けられている。複数のコンタクトプラグ12は、コンタクトプラグ12の上端面12aが第1の溝16から露出されるように、第1の方向であるY方向に所定の間隔で配置されている。
【0019】
本実施の形態の電極構造体によれば、第1の溝16に配置された電極18の形状がコの字型であるため、第1及び第2の導電部23,24の上端面23a,24aの面積を小さくすることが可能となる。これにより、例えば、電極構造体10上に第1及び第2の導電部23,24の上端面23a,24aと接触する抵抗値可変材料層(図示せず)を設けた場合、電極18と抵抗値可変材料層とが接触する部分の面積を小さくすることができる。
【0020】
図2〜図13は、本発明の実施の形態に係る電極構造体を備えた構造体の製造工程を示す図である。なお、図2〜図13において、図1に示す構造体5と同一構成部分には、同一符号を付す。
なお、図2(a)は平面図であり、図2(b)は図2(a)に示す構造体のA−A線方向の断面図であり、図2(c)は図2(a)に示す構造体のB−B線方向の断面図である。
また、図3(a)は平面図であり、図3(b)は図3(a)に示す構造体のA−A線方向の断面図であり、図3(c)は図3(a)に示す構造体のB−B線方向の断面図である。
また、図4(a)は平面図であり、図4(b)は図4(a)に示す構造体のA−A線方向の断面図であり、図4(c)は図4(a)に示す構造体のB−B線方向の断面図である。
また、図5(a)は平面図であり、図5(b)は図5(a)に示す構造体のA−A線方向の断面図であり、図5(c)は図5(a)に示す構造体のB−B線方向の断面図である。
また、図6(a)は平面図であり、図6(b)は図6(a)に示す構造体のA−A線方向の断面図であり、図6(c)は図6(a)に示す構造体のB−B線方向の断面図である。
また、図7(a)は平面図であり、図7(b)は図7(a)に示す構造体のA−A線方向の断面図であり、図7(c)は図7(a)に示す構造体のB−B線方向の断面図である。
また、図8(a)は平面図であり、図8(b)は図8(a)に示す構造体のA−A線方向の断面図であり、図8(c)は図8(a)に示す構造体のB−B線方向の断面図である。
【0021】
また、図9(a)は平面図であり、図9(b)は図9(a)に示す構造体のA−A線方向の断面図であり、図9(c)は図9(a)に示す構造体のB−B線方向の断面図である。
また、図10(a)は平面図であり、図10(b)は図10(a)に示す構造体のA−A線方向の断面図であり、図10(c)は図10(a)に示す構造体のB−B線方向の断面図である。
また、図11(a)は平面図であり、図11(b)は図11(a)に示す構造体のA−A線方向の断面図であり、図11(c)は図11(a)に示す構造体のB−B線方向の断面図である。
また、図12(a)は平面図であり、図12(b)は図12(a)に示す構造体のA−A線方向の断面図であり、図12(c)は図12(a)に示す構造体のB−B線方向の断面図であり、図12(d)は図12(a)に示す構造体のC−C線方向の断面図である。
また、図13(a)は平面図であり、図13(b)は図13(a)に示す構造体のA−A線方向の断面図であり、図13(c)は図13(a)に示す構造体のB−B線方向の断面図であり、図13(d)は図13(a)に示す構造体のC−C線方向の断面図である。
【0022】
図2〜図13を参照して、構造体5を製造する場合を例に挙げて、第1の実施の形態の電極構造体10の製造方法について説明する。
始めに、図2に示す工程では、第1の絶縁層11を形成後、第1の絶縁層11に複数の貫通孔26を形成し、その後、複数の貫通孔26を充填するコンタクトプラグ12を形成する。第1の絶縁層11としては、例えば、シリコン酸化膜(SiO2膜)を用いることができる。また、コンタクトプラグ12としては、例えば、チタン(Ti)層、窒化チタン(TiN)層、及びタングステン(W)膜とが順次積層された積層膜を用いることができる。
次いで、第1の絶縁層11の上面11aからコンタクトプラグ12の上端が突出した場合には、研磨により、突出した部分(不要な部分)のコンタクトプラグ12を除去する。これにより、第1の絶縁層11の上面11aとコンタクトプラグ12の上面12aとは、面一となる。不要な部分のコンタクトプラグ12の除去には、例えば、CMP(Chemical Mechanical Polishing)法を用いることができる。
【0023】
次いで、第1の絶縁層11の上面11a及びコンタクトプラグ12の上面12aを覆うシリコン窒化膜14を形成し、次いで、シリコン窒化膜14の上面14aを覆うシリコン酸化膜15を形成する(第1の層間絶縁膜形成工程)。
これにより、シリコン窒化膜14及びシリコン酸化膜15よりなる第1の層間絶縁膜13が形成される。シリコン窒化膜14としては、例えば、Si3N4膜(例えば、厚さが10〜30nm)を用いることができる。また、シリコン酸化膜15としては、例えば、SiO2膜(例えば、厚さが70nm)を用いることができる。
【0024】
次いで、図3に示す工程では、シリコン酸化膜15の上面15a(第1の層間絶縁膜13の上面13aに相当する面)を覆う第1の反射防止膜27を形成する。
第1の反射防止膜27としては、例えば、BARC(Bottom Anti−Reflection Coating)膜を用いることができる。第1の反射防止膜27は、例えば、シリコン酸化膜15の上面15a(第1の層間絶縁膜13の上面13a)にアクリル系の有機材料を30〜100nmの厚さで塗布することで形成できる。
次いで、第1の反射防止膜27の上面27aに、フォトリソ技術により、第1の溝16(図1参照)を形成する際のエッチング用マスクとなる第1のレジストパターン28を形成する。
【0025】
このとき、第1の溝16(図1参照)の形成領域に対応する部分の第1のレジストパターン28に、第1の反射防止膜27の上面27aを露出する開口部29を複数形成する。複数の開口部29は、Y方向に延在するように形成する。また、複数の開口部29は、シリコン窒化膜14、シリコン酸化膜15、及び第1の反射防止膜27を介して、Y方向に配置された複数のコンタクトプラグ12の上面12aと対向するように形成する。
具体的には、第1のレジストパターン28は、第1の反射防止膜27の上面27aにレジスト膜(図示せず)を塗布後、露光装置(図示せず)に配置されたレチクルを介してレジスト膜を露光し、その後、露光されたレジスト膜を現像処理することで形成する。
【0026】
このように、第1の反射防止膜27上に第1のレジストパターン28を形成することにより、レジスト膜(図示せず)を露光する際に、シリコン酸化膜15により反射された光がレジスト膜に到達することを抑制できるため、開口部29の形状(例えば、X方向における開口部29の幅)が所望の形状となるように、開口部29を精度よく形成することができる。
上記第1のレジストパターン28を形成する際の露光装置として、ArF(フッ化アルゴン)レーザを光源とする液浸露光装置を用いる場合、開口部29のX方向の幅は、例えば、40〜45nmとすることができる。
【0027】
次いで、図4に示す工程では、第1のレジストパターン28を介した異方性エッチング法(例えば、ドライエッチング法)により、開口部29に露出された部分の第1の層間絶縁膜13及び第1の反射防止膜27を除去することで、第1の層間絶縁膜13に、第1の絶縁層11の上面11a、及びY方向に配置された複数のコンタクトプラグ12の上面12aを露出する第1の溝16を複数形成する(第1の溝形成工程)。
複数の第1の溝16は、Y方向に延在するように形成する。第1の溝16は、複数の電極18(図1参照)を形成するための溝であり、対向する側面16a,16b(2つの側面)及び底面16cを有する。複数の第1の溝16は、第1の層間絶縁膜13を貫通するように形成する。
このように、第1の層間絶縁膜13を貫通するように複数の第1の溝16を形成することにより、複数の電極18の底部に相当する部分に、電極構造体10の下方に配置されたコンタクトプラグ12(図1参照)を接続させることが可能となる。
【0028】
上記異方性エッチング法としてドライエッチング法を用いる場合、エッチング装置としては、例えば、マグネトロンRIE(Reactive Ion Etching)装置を用いることができる。
この場合、第1の反射防止膜27をエッチングする第1の反射防止膜エッチングステップと、第1の層間絶縁膜13をエッチングする第1の層間絶縁膜エッチングステップとに分けてエッチングを行う。
第1の反射防止膜エッチングステップでは、例えば、CF4ガス(例えば、流量が100sccm)とCHF3(例えば、流量が50sccm)とを混合したエッチングガスを用いて、圧力が60mTorr、RFパワーが500Wの条件でエッチングを行う。
また、第1の層間絶縁膜エッチングステップでは、例えば、CF4ガス(例えば、流量が100sccm)、CH2F2(例えば、流量が30sccm)、及びO2ガス(例えば、流量が50sccm)を混合したエッチングガスを用いて、圧力が60mTorr、RFパワーが500Wの条件でエッチングを行う。
【0029】
このように、異方性エッチング法により、複数の電極18が配置される第1の溝16を形成することで、第1の溝16のX方向の幅を狭く(例えば、40〜45nm)した場合でも、第1の溝16のY方向の幅が非常に広いため、X方向の幅の狭い第1の溝16を容易に形成することができる。
言い換えれば、第1の溝16のアスペクト比(=第1の溝16の深さ/Yの方向に対する第1の溝16の幅)は、従来の微細なコンタクトホールのアスペクト比(=コンタクトホールの深さ/コンタクトホールの開口径)よりも小さいため、異方性エッチング法により、容易にX方向の幅の狭い第1の溝16を形成することができる。
なお、第1の溝16のX方向の幅を狭くすることで、複数の電極18のX方向の幅を狭くすることが可能となるので、複数の電極18のX方向のサイズの小型化を図ることができる。
なお、図3及び図4に示す工程が、第1の溝形成工程に相当する工程である。
【0030】
次いで、図5に示す工程では、図4に示す第1のレジストパターン28及び第1の反射防止膜27を除去する。
次いで、図6に示す工程では、複数の第1の溝16の側面16a,16b及び底面16cを覆う第1の導電膜32を形成する(第1の導電膜形成工程)。
これにより、第1の溝16の底面16cに形成された部分の第1の導電膜32は、複数のコンタクトプラグ12の上面12aと接触する。
また、第1の導電膜形成工程では、第1の溝16の一方の側面16aに形成された第1の導電膜32と、第1の溝16の他方の側面16bに形成された第1の導電膜32との間に隙間が形成されるように、第1の導電膜32を形成する。
例えば、第1の溝16のX方向の幅が45nmの場合、第1の導電膜32の厚さは、例えば、10nmとすることができる。
【0031】
第1の導電膜形成工程では、例えば、CVD(Chemical Vapor Deposition)法により第1の導電膜32を形成する。
このように、CVD法を用いて、複数の第1の溝16に第1の導電膜32を形成することで、複数の第1の溝16の側面16a,16b及び底面16cに均一な厚さとなるように、第1の導電膜32を形成することができる。
なお、CVD法を用いて第1の導電膜32を形成する場合、シリコン酸化膜15の上面15aにも第1の導電膜32(図示せず)が形成される(図28に示す第1の導電膜32参照。)。
第1の導電膜32としては、例えば、窒化チタン(TiN)膜を用いることができるが、窒化チタン(TiN)膜以外の金属膜を用いてもよい。
【0032】
次いで、第1の導電膜32が形成された複数の第1の溝16を第1の絶縁膜19で充填する(第1の絶縁膜充填工程)。
第1の絶縁膜19としては、例えば、シリコン酸化膜(SiO2膜)やシリコン窒化膜等を用いることができる。第1の絶縁膜19としてシリコン酸化膜を用いる場合、第1の絶縁膜19は、例えば、スピンナ法やALD(Atomic Layer Deposition)法等の方法により形成することができる。
このように、埋め込み特性に優れたスピンナ法を用いて複数の第1の溝16を塗布系の第1の絶縁膜19で充填することにより、第1の絶縁膜19にボイドが発生することを防止できる。
第1の絶縁膜としてシリコン窒化膜を用いる場合、第1の絶縁膜19は、例えば、LP−CVD(低圧化学気相蒸着)法により形成することができる。
なお、第1の絶縁膜充填工程では、シリコン酸化膜15の上面15a上に位置する部分の第1の導電膜32上にも第1の絶縁膜19が形成される(図29に示す第1の絶縁膜19参照。)。
【0033】
次いで、シリコン酸化膜15の上面15a(第1の層間絶縁膜13の上面13aに相当する面)から突出した部分の第1の導電膜32及び第1の絶縁膜19を除去する(第1の導電膜及び第1の絶縁膜除去工程)。
第1の導電膜及び第1の絶縁膜除去工程では、例えば、シリコン酸化膜15の上面15aから突出した部分の第1の導電膜32及び第1の絶縁膜19をエッチバック法或いはCMP法により除去する。
これにより、図6(b)に示すように、シリコン酸化膜15の上面15a、第1の絶縁膜19の上面19a、及び第1の導電膜32の上面32a,32bが同一平面上に配置される。
【0034】
次いで、図7に示す工程では、シリコン酸化膜15の上面15a、第1の絶縁膜19の上面19a、及び第1の導電膜32の上面32a,32bに、ハードマスク層33の母材となる膜を成膜する。この段階では、ハードマスク層33に、複数の開口部は形成されていない。ハードマスク層33の母材となる膜としては、例えば、メタン(CH4)等のハイドロカーボンを原料としてCVD法で形成したアモルファスカーボン膜(例えば、厚さ100nm)を用いることができる。
次いで、図7に示すハードマスク層33の上面33aに、第2の反射防止膜34を形成する。第2の反射防止膜34としては、例えば、ARL(Anti−Reflection Layer)膜を用いることができる。また、ARL膜としては、例えば、酸窒化シリコン(SiON)を含有した膜(例えば、厚さ30nm)を用いることができる。
【0035】
次いで、図8に示す工程では、第2の反射防止膜34の上面34aに、フォトリソ技術により、ハードマスク層33に複数の開口部を形成する際のエッチング用マスクとなる第2のレジストパターン36を形成する。
このとき、第2の溝17(図1参照)の形成領域に対応する部分の第2のレジストパターン36に、第2の反射防止膜34の上面34aを露出すると共に、X方向に延在する開口部37を複数形成する。
第2のレジストパターン36は、電極18及び電極18の形成領域に対応する部分の第1の絶縁膜19の上方に位置する部分の第2の反射防止膜34の上面34aを覆うように形成する。
【0036】
具体的には、複数の開口部37を有した第2のレジストパターン36は、第2の反射防止膜34の上面34aにレジスト膜(図示せず)を塗布後、露光装置(図示せず)に配置されたレチクル(図示せず)を介してレジスト膜を露光し、その後、露光されたレジスト膜を現像処理することで形成する。
このように、第2の反射防止膜34上に第2のレジストパターン36を形成することにより、レジスト膜(図示せず)を露光する際に、ハードマスク層33により反射された光がレジスト膜に到達することを抑制できるため、開口部37の形状(例えば、Y方向における開口部37の幅)が所望の形状となるように、開口部37を精度よく形成することができる。
これにより、後述する図10に示す工程において、ハードマスク層33に、所望の形状とされた複数の開口部39を形成することができる。
【0037】
次いで、図9に示す工程では、複数の開口部37を有した第2のレジストパターン36を介した異方性エッチング法により、複数の開口部37に露出された部分のハードマスク層33及び第2の反射防止膜34を除去することで、ハードマスク層33に、X方向に延在する複数の開口部39を形成する。このとき、複数の開口部39は、シリコン酸化膜15の上面15aを露出するように形成する。複数の開口部39は、Y方向に対して交差している。
【0038】
図9に示す工程において、異方性エッチング法としてドライエッチング法を用いる場合、エッチング装置としては、例えば、マグネトロンRIE(Reactive Ion Etching)装置を用いることができる。
この場合、第2の反射防止膜34をエッチングする第2の反射防止膜エッチングステップと、ハードマスク層33をエッチングするハードマスク層エッチングステップとに分けてエッチングを行う。
第2の反射防止膜エッチングステップでは、例えば、CF4ガス(例えば、流量が240sccm)とO2(例えば、流量が5sccm)とを混合したエッチングガスを用いて、圧力が40mTorr、RFパワーが400Wの条件でドライエッチングを行う。
【0039】
ハードマスク層エッチングステップでは、ハードマスク層33としてアモルファスカーボン膜を用いる場合、例えば、Arガス(例えば、流量が150sccm)とO2(例えば、流量が90sccm)とを混合したエッチングガスを用いて、圧力が15mTorr、RFパワーが500Wの条件でドライエッチングを行う。
第2のレジストパターン36を形成する際の露光装置として、ArF(フッ化アルゴン)レーザを光源とする液浸露光装置(図示せず)を用いる場合、ハードマスク層33に形成される開口部39のY方向の幅は、例えば、40〜45nmとすることができる。
ハードマスク層33の母材となる膜としてアモルファスカーボン膜を用いた場合には、そのドライエッチングにおいて、第2のレジストパターン36は同時に除去されるが、酸窒化シリコンを含有した膜で第2の反射防止膜34を形成しておくことにより、第2のレジストパターン36のマスク形状を維持することができる。
すなわち、アモルファスカーボン膜をエッチングする際に耐性を備えた材料で第2の反射防止膜34を形成しておくことにより、第2の反射防止膜34をハードマスクとしても機能させることができる。
次いで、図10に示す工程では、図9に示す第2のレジストパターン36を除去する。なお、図7〜図10に示す工程が、ハードマスク層形成工程に相当する工程である。
【0040】
次いで、図11に示す工程では、異方性エッチング法(例えば、ドライエッチング法)により、図10に示す複数の開口部39から露出された部分の第1の絶縁膜19及び第1の導電膜32を除去することで、ハードマスク層33に覆われた部分の第1の溝16に電極18を形成すると共に、複数の開口部39から露出された部分のシリコン酸化膜15を除去する(言い換えれば、第1の層間絶縁膜13をエッチングする)ことで、Y方向に延在し、第1の溝16と交差する第2の溝17を複数形成する(電極及び第2の溝形成工程)。
このとき、ハードマスク層33上に形成された第2の反射防止膜34は、第1の絶縁膜19及びシリコン酸化膜15をエッチングする際に除去される。
第1の導電膜32として窒化チタン(TiN)膜を用いた場合、第1の導電膜32は、例えば、Cl2ガス(例えば、流量が50sccm)、CF4(例えば、流量が100sccm)、及びArガス(例えば、流量が40sccm)を混合したエッチングガスを用いて、圧力が10mTorr、ICPソースパワーが800W、RFバイアスパワーが80Wの条件でドライエッチングを行う。
上記電極及び第2の溝形成工程では、第1の溝16の一方の側面16aに形成され、上端面23aが第1の絶縁層11及びシリコン酸化膜15から露出された第1の導電部23と、第1の溝16の他方の側面16bに形成され、上端面24aが第1の絶縁層11及びシリコン酸化膜15から露出された第2の導電部24と、第1の導体23と第2の導体24との間に位置する部分の第1の溝16の底面16cに形成された第3の導電部25とを有し、コの字型形状とされた電極18が複数形成される。
【0041】
このように、複数の開口部39を有したハードマスク層33を介した異方性エッチング法により、第1の溝16の側面16a,16b及び底面16cに形成された第1の導電膜32をパターニングして、第1の溝16に第1の導電膜32よりなる電極18を複数形成することで、容易に小型化された電極18(所望の形状とされた電極18)を形成することができると共に、複数の電極18間の形状ばらつきを抑制することができる。
また、複数の電極18の形状がコの字型となるため、従来の円柱形状とされた電極と比較して、第1及び第2の導電部23,24の上端面23a,24aの面積を小さくすることができる。
【0042】
次いで、図12に示す工程では、図11に示すハードマスク層33を除去する(ハードマスク層除去工程)。
ハードマスク層33としてアモルファスカーボン層を用いた場合、ハードマスク層33は、例えば、酸素(O2)ガスを用いたアッシングにより除去する。
【0043】
次いで、図13に示す工程では、複数の第2の溝17を第2の絶縁膜21で充填する(第2の絶縁膜充填工程)。これにより、電極構造体10を備えた構造体5が製造される。なお、
第2の絶縁膜充填工程では、第2の絶縁膜21の上面21aが、シリコン酸化膜15の上面15a、第1の絶縁膜19の上面19a、及び第1及び第2の導電部23,24の上端面23a,24aに対して面一となるように、第2の絶縁膜21を形成する。
具体的には、第2の絶縁膜21は、例えば、複数の第2の溝17にシリコン酸化膜又はシリコン窒化膜を埋め込んだ後、シリコン酸化膜15の上面15aから突出した部分のシリコン酸化膜及びシリコン窒化膜を除去することで形成する。シリコン酸化膜15の上面15aから突出した部分のシリコン酸化膜及びシリコン窒化膜は、例えば、エッチバック法やCMP法の方法により除去することができる。
【0044】
第2の絶縁膜21としてシリコン酸化膜を用いる場合、第2の絶縁膜21は、例えば、スピンナ法やALD(Atomic Layer Deposition)法等の方法により形成することができる。
このように、埋め込み特性に優れたスピンナ法を用いて複数の第2の溝17を塗布系の第2の絶縁膜21で充填することにより、第2の絶縁膜21にボイドが発生することを防止できる。
また、第2の絶縁膜21としてシリコン窒化膜を用いる場合、第2の絶縁膜21は、例えば、LP−CVD(低圧化学気相蒸着)法により形成することができる。
【0045】
本実施の形態の電極構造体の製造方法によれば、従来のホールでは無く、Y方向に延在する第1の溝16内に電極18の母材となる第1の導電膜32を形成することにより、第1の溝16の2つの側面16a,16b及び底面16cに、均一な厚さとなるように第1の導電膜32を形成することが可能となる。
これは、第1の溝16が従来のホールと同程度の幅を有する場合でも、第1の溝16の延在するY方向においては、第1の溝16の側面の影響を受けないため、第1の溝16内への第1の導電膜32の成膜が容易になるためである。
【0046】
また、異方性エッチング法により、ハードマスク層33に形成された複数の開口部39から露出された部分の第1の導電膜32を除去することで、第1の溝16に第1の導電膜32よりなる電極18を複数形成することで、容易に小型化された電極18(所望の形状とされた電極18)を形成することができると共に、複数の電極18間の形状ばらつきを抑制することができる。
また、複数の電極18の形状がコの字型となるため、従来の円柱形状とされた電極と比較して、第1及び第2の導電部23,24の上端面23a,24aの面積を小さくすることができる。
【0047】
図14は、本発明の第1の実施の形態に係る電極構造体の他の製造工程を示す図である。なお、図14(a)は、平面図であり、図14(b)は、図14(a)に示す構造体のA−A線方向の断面図であり、図14(c)は、図14(a)に示す構造体のB−B線方向の断面図である。
ここで、図14を参照して、電極構造体10の他の製造方法について説明する。
先に説明した図11に示す工程(電極及び第2の溝形成工程)において、図14に示すように、開口部39に対応する部分のハードマスク層33がサイドエッチングされるエッチング条件を用いて、複数の第2の溝17を形成してもよい。
【0048】
このように、開口部39に対応する部分のハードマスク層33がサイドエッチングされるエッチング条件を用いて複数の第2の溝17を形成することにより、図14に示す開口部39間に位置する部分のハードマスク層33のY方向の幅W2が図11に示すハードマスク層33のY方向の幅W1よりも狭くなる。
これにより、図14に示す電極18のY方向の幅を図11に示す電極18のY方向の幅よりも狭くすることが可能となるので、複数の電極18のY方向のサイズを容易に小型化することができる。言い換えれば、複数の電極18のY方向のサイズを露光装置(図示せず)の解像限界以下の数値にすることができる。
これにより、図14に示す電極18を構成する第1及び第2の導電部23,24の上端面23a,24aの面積を、図11に示す電極18を構成する第1及び第2の導電部23,24の上端面23a,24aの面積よりも小さくすることができる。
【0049】
図15は、図1に示す電極構造体を備えた半導体装置に設けられた活性領域、ゲート電極、ビット線、接地用配線、電極、第3のコンタクトプラグ、及び第4のコンタクトプラグの位置関係を説明するための概略平面図である。図16は、図15に示す半導体装置のD−D線方向の断面図であり、図17は、図15に示す半導体装置のE−E線方向の断面図である。
なお、図15〜図17では、半導体装置の一例として相変化メモリ(Phase change Memory;以下、「PRAM」という)を例に挙げて図示する。また、図15に、図16及び図17に示す半導体装置45の構成要素を全て図示することは困難なため、図15には、半導体装置45の構成要素の一部のみ図示する。
また、図15では、実際には半導体装置45の厚さ方向に対して異なる平面上に配置された活性領域56、ゲート電極61、ビット線49、接地用配線71、電極18、第3のコンタクトプラグ69、及び第4のコンタクトプラグ73を同一平面上に図示している。
また、図16及び図17において、図1に示す電極構造体10と同一構成部分には同一符号を付す。
【0050】
図15〜図17を参照するに、半導体装置45は、電極構造体10と、半導体基板46と、多層配線構造体47と、ビット線49と、第5の層間絶縁膜51と、配線52と、保護膜53とを有する。
電極構造体10は、多層配線構造体47上に設けられている。電極構造体10は、多層配線構造体47とビット線49と間に配置されており、多層配線構造体47及びビット線49と電気的に接続されている。
半導体基板46は、多層配線構造体47を形成するための第1の導電型(例えば、P型)の基板である。半導体基板46としては、例えば、シリコン基板を用いることができる。
多層配線構造体47は、素子分離領域55と、活性領域56と、第1の不純物拡散領域57と、第2の不純物拡散領域58と、ゲート絶縁膜59と、ゲート電極61と、シリコン窒化膜62と、サイドウォール膜63と、第2の層間絶縁膜64と、第1のコンタクトプラグ66と、第2のコンタクトプラグ67と、第3の層間絶縁膜68と、第3のコンタクトプラグ69と、接地用配線71と、第4の層間絶縁膜72と、第4のコンタクトプラグ73とを有する。
【0051】
素子分離領域55は、半導体基板46に形成されている。素子分離領域55は、絶縁膜(例えば、シリコン酸化膜)により構成されている。素子分離領域55としては、例えば、STI(Shallow Trench Isolation)を用いることができる。
活性領域56は、素子分離領域55により区画された領域である。
第1の不純物拡散領域57は、第2の不純物拡散領域58間に位置する部分の半導体基板46に形成されている。第2の不純物拡散領域58は、第1の不純物拡散領域57を挟み込むように配置されている。第1及び第2の不純物拡散領域57,58は、第2の導電型不純物(例えば、N型不純物)が拡散された領域である。第1及び第2の不純物拡散領域57,58は、一方がソース領域、他方がドレイン領域として機能する不純物拡散領域である。
【0052】
ゲート絶縁膜59は、半導体基板46の表面46a(第1及び第2の不純物拡散領域57,58の上面を含む面)、及び素子分離領域55の上面に設けられている。
ゲート電極61は、第1の不純物拡散領域57と第2の不純物拡散領域58との間に配置されたゲート絶縁膜59上に設けられている。ゲート電極61は、X方向に延在している。ゲート電極61は、ワード線として機能する電極である。
シリコン窒化膜62は、ゲート電極61上に設けられている。シリコン窒化膜62は、ゲート電極61を保護する膜である。
サイドウォール膜63は、ゲート電極61の側面を覆うように設けられている。サイドウォール膜63としては、例えば、シリコン窒化膜を用いることができる。
【0053】
第2の層間絶縁膜64は、ゲート電極61、シリコン窒化膜62、及びサイドウォール膜63を覆うように、ゲート絶縁膜59上に設けられている。第2の層間絶縁膜64としては、例えば、シリコン酸化膜(SiO2膜)を用いることができる。
第1のコンタクトプラグ66は、第1の不純物拡散領域57上に位置する部分の第2の層間絶縁膜64を貫通するように設けられている。これにより、第1のコンタクトプラグ66の下端は、第1の不純物拡散領域57と接触している。
第2のコンタクトプラグ67は、第2の不純物拡散領域58上に位置する部分の第2の層間絶縁膜64を貫通するように設けられている。これにより、第2のコンタクトプラグ67の下端は、第2の不純物拡散領域58と接触している。
上記構成とされた第1及び第2のコンタクトプラグ66,67の材料としては、例えば、リンを含有した多結晶シリコンやタングステン(W)等を用いることができる。
【0054】
第3の層間絶縁膜68は、第2の層間絶縁膜64の上面64aに設けられている。第3の層間絶縁膜68としては、例えば、シリコン酸化膜を用いることができる。
第3のコンタクトプラグ69は、第1のコンタクトプラグ66の上端と対向する部分の第3の層間絶縁膜68を貫通するように設けられている。第3のコンタクトプラグ69の下端は、第1のコンタクトプラグ66の上端と接触している。これにより、 第3のコンタクトプラグ69は、第1のコンタクトプラグ66を介して、第1の不純物拡散領域57と電気的に接続されている。第3のコンタクトプラグ69の材料としては、例えば、タングステン(W)を用いることができる。
【0055】
接地用配線71は、図15に示すようにX方向に延在する配線であり、X方向に配置された複数の第3のコンタクトプラグ69と接触している。接地用配線71は、複数の第3のコンタクトプラグ69を接地電位にするための配線である。
第4の層間絶縁膜72は、接地用配線71を覆うように、第3の層間絶縁膜68の上面68aに設けられている。第4の層間絶縁膜72の上面72aには、電極構造体10を構成するシリコン窒化膜14が形成されている。
【0056】
第4のコンタクトプラグ73は、第2のコンタクトプラグ67上に位置する部分の第3及び第4の層間絶縁膜68,72を貫通するように設けられている。第4のコンタクトプラグ73の下端は、第2のコンタクトプラグ67の上端と接触している。これにより、第4のコンタクトプラグ73は、第2のコンタクトプラグ67を介して、第2の不純物拡散領域58と電気的に接続されている。
第4のコンタクトプラグ73の上端面73aは、第4の層間絶縁膜72の上面72aに対して面一となるように配置されている。
第4のコンタクトプラグ73の上端面73aは、電極構造体10に設けられた第3の接続部25と接続されている。これにより、電極18は、第2のコンタクトプラグ67及び第4のコンタクトプラグ73を介して、第2の不純物拡散領域58と電気的に接続されている。第4のコンタクトプラグ73の材料としては、例えば、タングステン(W)を用いることができる。
【0057】
ビット線49は、抵抗値可変材料層75と、配線76とが順次積層された構成とされている。抵抗値可変材料層75は、Y方向に延在するように、シリコン酸化膜15の上面15a、第1の絶縁膜19の上面19a、及び第2の絶縁膜21の上面21aの一部に設けられている。
抵抗値可変材料層75は、Y方向に配列された複数の電極18の上端(具体的には、第1及び第2の導電部23,24の上端面23a,24a)と接触している。
このように、第1〜第3の導電部23〜25を備え、コの字型形状とされた電極18を設け、第1及び第2の導電部23,24の上端面23a,24aと抵抗値可変材料層75とを接触させることにより、従来の円柱形状とされた電極と抵抗値可変材料層との接触面積と比較して、抵抗値可変材料層75を加熱する電極18と抵抗値可変材料層75との接触面積を小さくすることが可能となる。
これにより、抵抗値可変材料層75の抵抗を変化(具体的には、高抵抗のアモルファス状態から低抵抗の結晶状態に変化、或いは結晶状態からアモルファス状態に変化)させる領域を小さくすることが可能となるので、データの書き込みや読み込みを高速で行うことができる。
【0058】
抵抗値可変材料層75の材料としては、例えば、カルコゲナイド材料を用いることができる。カルコゲナイド材料とは、ゲルマニウム(Ge)、アンチモン(Sb)、テルル(Te)、インジウム(In)、セレン(Se)等の元素を少なくとも一つ以上含む合金のことである。
具体的には、カルコゲナイド材料としては、例えば、GaSb、InSb、InSe、Sb2Te3、GeTe等の2元系元素、Ge2Sb2Te5、InSbTe、GaSeTe(GST)、SnSb2Te4、InSbGe等の3元系元素、AgInSbTe、(GeSn)SbTe、GeSb(SeTe)、Te81Ge15Sb2S2等の4元系元素を用いることができる。
【0059】
配線76は、抵抗値可変材料層75上に設けられている。これにより、配線76は、Y方向に延在している。配線76としては、例えば、チタン(Ti)膜や窒化チタン(TiN)膜、或いは、チタン(Ti)膜と窒化チタン(TiN)膜とが積層されたTi/TiN積層膜等を用いることができる。
【0060】
第5の層間絶縁膜51は、ビット線49を覆うように、第2の絶縁膜21の上面21aに設けられている。第5の層間絶縁膜51としては、例えば、シリコン酸化膜(SiO2膜)を用いることができる。
配線52は、第5の層間絶縁膜51の上面51aに設けられている。配線52は、多層配線構造体47と電気的に接続されている。配線52は、外部接続用のパッドである電極パッド部(図示せず)を有する。配線52の材料としては、例えば、アルミニウム(Al)や銅(Cu)等を用いることができる。
【0061】
本実施の形態の半導体装置によれば、コの字型形状とされた電極18を構成する第1及び第2の導電部23,24の上端面23a,24aと抵抗値可変材料層75とを接触させて、抵抗値可変材料層75を加熱する電極18と抵抗値可変材料層75との接触面積を小さくすることが可能となる。
これにより、抵抗値可変材料層75の抵抗を変化(具体的には、高抵抗のアモルファス状態から低抵抗の結晶状態に変化、或いは結晶状態からアモルファス状態に変化)させる領域を小さくすることが可能となるので、データの書き込みや読み込みを高速で行うことができる。
【0062】
図18〜図21、図23、及び図25は、図1に示す電極構造体を備えた半導体装置の製造工程を示す断面図である。図22は、図15に示す半導体装置45のE―E線方向の断面に対応する図21に示す構造体の断面図である。図24は、図15に示す半導体装置45のE―E線方向の断面に対応する図23に示す構造体の断面図である。図26は、図15に示す半導体装置45のE―E線方向の断面に対応する図25に示す構造体の断面図である。
なお、図18〜図21、図23、及び図25は、図15に示す半導体装置45のD−D線方向の断面に対応する図(言い換えれば、図16に示す半導体装置45に対応する図)である。また、図18〜図26において、図16に示す半導体装置45と同一構成部分には同一符号を付す。
【0063】
図18〜図26を参照して、図1に示す電極構造体10を備えた半導体装置45の製造方法について説明する。
始めに、図18に示す工程では、第1の導電型(例えば、P型)の半導体基板46に、素子分離領域55として例えば、STI(Shallow Trench Isolation)を形成する。次いで、半導体基板46の表面46a及び素子分離領域55上に、ゲート絶縁膜59を形成する。ゲート絶縁膜59としては、例えば、シリコン酸化膜を用いることができる。次いで、周知の手法により、ゲート絶縁膜59上にゲート電極61及びシリコン窒化膜62を順次形成する。次いで、半導体基板46に第2の導電型不純物(例えば、N型不純物であるリン)を注入することで、第1及び第2の不純物拡散領域57,58を形成する。次いで、周知の手法により、ゲート電極61の側面を覆うサイドウォール膜63を形成する。
なお、図18には、図示していないが、サイドウォール膜63を形成後に、半導体基板46に高濃度の第2の導電型不純物を注入することで、LDD(Lightly Doped Drain)構造のトランジスタを形成してもよい。
【0064】
次いで、図19に示す工程では、シリコン窒化膜62及びサイドウォール膜63を覆うように、第2の層間絶縁膜64を形成する。第2の層間絶縁膜64としては、例えば、シリコン酸化膜を用いることができる。
次いで、第2の層間絶縁膜64及びゲート絶縁膜を貫通する貫通孔81,82を形成する。貫通孔81は、第1の不純物拡散領域57を露出するように形成する。貫通孔81は、第2の不純物拡散領域58を露出するように形成する。
次いで、貫通孔81に第1のコンタクトプラグ66を形成すると共に、貫通孔82に第2のコンタクトプラグ67を形成する。このとき、第1及び第2のコンタクトプラグ66,67の上端面66a,67aを、第2の層間絶縁膜64の上面64aに対して面一にする。
第1及び第2のコンタクトプラグ66,67は、例えば、貫通孔81,82にリン含有した多結晶シリコンやタングステン(W)を埋め込むことで形成する。
【0065】
次いで、図20に示す工程では、第2の層間絶縁膜64の上面64aに、第1のコンタクトプラグ66の上端面66aを露出する貫通孔84を有した第3の層間絶縁膜68を形成する。第3の層間絶縁膜68としては、例えば、シリコン酸化膜を用いることができる。
次いで、貫通孔84に第3のコンタクトプラグ69を形成する。第3のコンタクトプラグ69の材料としては、例えば、タングステン(W)を用いることができる。
次いで、第3の層間絶縁膜68の上面68aに、第3のコンタクトプラグ69の上端と接触する接地用配線71を形成する。
次いで、第3の層間絶縁膜68の上面68aに、接地用配線71を覆う第4の層間絶縁膜72を形成する。第4の層間絶縁膜72としては、例えば、シリコン酸化膜を用いることができる。
【0066】
次いで、第3及び第4の層間絶縁膜68,72に、第2のコンタクトプラグ67の上面67aを露出する貫通孔85を形成する。
次いで、貫通孔85内を充填するように、第4のコンタクトプラグ73を形成する。
このとき、第4のコンタクトプラグ73の上端面73aを第4の層間絶縁膜72の上面72aに対して面一にする。第4のコンタクトプラグ73の材料としては、例えば、タングステン(W)を用いることができる。
これにより、半導体基板46に多層配線構造体47が形成される。
【0067】
次いで、図21に示す工程では、第4の層間絶縁膜72の上面72a及び第4のコンタクトプラグ73の上端面73a(多層配線構造体47の上面)に、先に説明した図2〜図13に示す工程と同様な手法により電極構造体10を形成する。
このとき、電極18を構成する第3の導電部25が、第4のコンタクトプラグ73の上端面73aと接触するように、電極構造体10を形成する。これにより、多層配線構造体47と電極構造体10とが電気的に接続される。
図21に示す工程では、図22に示すように、第2の溝17に第2の絶縁膜21が充填されている。
【0068】
次いで、図23に示す工程では、図23及び図24に示すように、シリコン酸化膜15の上面15a(第1の層間絶縁膜13の上面13a)及び第2の絶縁膜21の上面21aに、Y方向に配置された複数の電極18に設けられた第1及び第2の導電部23,24の上端面23a,24a及び第1の絶縁膜19の上面19aと接触する抵抗値可変材料層75と、抵抗値可変材料層75上に配置される配線76とを順次積層させることで、抵抗値可変材料層75及び配線76よりなるビット線49を形成する。
【0069】
このように、第1〜第3の導電部23〜25を備え、コの字型形状とされた電極18を設け、第1及び第2の導電部23,24の上端面23a,24aと抵抗値可変材料層75とを接触させることにより、従来の円柱形状とされた電極と抵抗値可変材料層との接触面積と比較して、抵抗値可変材料層75を加熱する電極18と抵抗値可変材料層75との接触面積を小さくすることが可能となる。
これにより、抵抗値可変材料層75の抵抗を変化(具体的には、高抵抗のアモルファス状態から低抵抗の結晶状態に変化、或いは結晶状態からアモルファス状態に変化)させる領域を小さくすることが可能となるので、データの書き込みや読み込みを高速で行うことができる。
【0070】
次いで、図25に示す工程では、図23及び図24に示す構造体に設けられたシリコン酸化膜15の上面15a(第1の層間絶縁膜13の上面13a)及び第2の絶縁膜21の上面21aに、ビット線49を覆う第5の層間絶縁膜51を形成する。次いで、第5の層間絶縁膜51の上面51aに、配線52を形成し、その後、第5の層間絶縁膜51の上面51aに、配線52を覆う保護膜53を形成する。
これにより、本実施の形態の半導体装置45が製造される。
【0071】
(第2の実施の形態)
図27は、本発明の第2の実施の形態に係る電極構造体を備えた構造体を説明するための概略図である。図27(a)は平面図であり、図27(b)は図27(a)のA−A線方向の断面図であり、図27(c)は図27(a)のB−B線方向の断面図であり、図27(d)は図27(a)のC−C線方向の断面図である。
なお、図27において、図1に示す第1の実施の形態の構造体5と同一構成部分には同一符号を付す。
【0072】
図27を参照するに、第2の実施の形態の構造体90は、第1の実施の形態の構造体5に設けられた電極構造体10の代わりに、電極構造体95を設けた以外は構造体5と同様な構成とされている。
【0073】
電極構造体95は、電極構造体10の構成に、さらに第2の導電膜96を設けた以外は電極構造体10と同様に構成される。
第2の導電膜96は、第1の絶縁膜19と第3の導電部25との間に位置する部分の複数の第1の溝16に設けられている。第2の導電膜96の材料としては、例えば、タングステン(W)を用いることができる。
【0074】
本実施の形態の電極構造体によれば、第1の絶縁膜19と第3の導電部25との間に位置する部分の複数の第1の溝16に第2の導電膜96を設けることにより、電極18の抵抗値を低くすることができる。
また、第1の絶縁膜19と第3の導電部25との間に位置する部分の複数の第1の溝16に埋め込む第2の導電膜96の厚さGは、第2の導電膜96が埋め込まれた電極18の抵抗値が所望の抵抗値となるように設定する。
【0075】
図28〜図30は、本発明の第2の実施の形態に係る電極構造体の製造工程を示す図である。図28〜図30は、図27(a)に示す構造体90のA−A線方向の断面に対応する断面図である。図28〜図30において、図27に示す構造体90と同一構成部分には同一符号を付す。
【0076】
図28〜図30を参照して、第2の実施の形態の電極構造体95の製造方法について説明する。
始めに、第1の実施の形態で説明した図2〜図5に示す工程と同様な処理を行うことで、図5に示す構造体を形成する。次いで、第1の実施の形態で説明した図6に示す第1の導電膜形成工程を行うことで、複数の第1の溝16に第1の導電膜32を形成する(第1の導電膜形成工程)。このとき、後述する図28に示すように、シリコン酸化膜15の上面15aにも第1の導電膜32が形成される。つまり、この段階では、複数の第1の溝16以外にも第1の導電膜32が形成される。
【0077】
次いで、図28に示す工程では、複数の第1の溝16に、第2の導電膜96を埋め込み、次いで、第2の導電膜96を全面エッチバックすることで、複数の第1の溝16内に厚さGとされた第2の導電膜96を形成する(第2の導電膜埋込工程)。
第2の導電膜96の材料は、第1の導電膜32の材料とは異なる材料を用いるとよい。
このように、第2の導電膜96の材料と第1の導電膜32の材料とを異ならせることにより、第2の導電膜96を全面エッチバックする際に、第1の溝16に形成された第1の導電膜32がエッチングされることを防止できる。つまり、第2の導電膜96を選択的にエッチングすることができる。
第1の導電膜32の材料として窒化チタン膜(TiN)を用いる場合、第2の導電膜96の材料としては、例えば、タングステン(W)を用いることができる。
なお、第2の導電膜埋込工程では、第1の導電膜32が形成された第1の溝16の深さよりも浅い深さまで、第2の導電膜96を埋め込む。
【0078】
次いで、図29に示す工程では、第2の導電膜96が形成された複数の第1の溝16内に、第1の絶縁膜19を充填する(第1の絶縁膜充填工程)。
第1の絶縁膜19は、第1の実施の形態の図6で説明した形成方法と同様な手法により形成する。このとき、図29に示すように、第1の導電膜32上にも第1の絶縁膜19が形成される。
【0079】
次いで、図30に示す工程では、図29に示すシリコン酸化膜15の上面15a(第1の層間絶縁膜13の上面13a)から突出した部分の第1の導電膜32及び第1の絶縁膜19を除去する(第1の導電膜及び第1の絶縁膜除去工程)。
その後、第1の実施の形態で説明した図7〜図10に示す工程と同様な処理を行う。次いで、第1の実施の形態で説明した図11に示す工程(電極及び第2の溝形成工程)において、異方性エッチング法(例えば、ドライエッチング法)により、複数の開口部39から露出された部分の第1の絶縁膜19、第1の導電膜32、及び第2の導電膜96(図示せず)を除去することで、ハードマスク層33に覆われた部分の第1の溝16に第2の導電膜96を備えた電極18を形成すると共に、複数の開口部39から露出された部分のシリコン酸化膜15を除去する(第1の層間絶縁膜13をエッチングする)ことで、Y方向に延在し、第1の溝16と交差する第2の溝17を複数形成する。
その後、第1の実施の形態で説明した図12及び図13に示す工程を行うことで、図27に示す本実施の形態の電極構造体95が製造される。
【0080】
本実施の形態の電極構造体の製造方法によれば、第1の導電膜形成工程と第1の絶縁膜充填工程との間に、第1の導電膜32が形成された第1の溝16の深さよりも浅い深さまで、第2の導電膜96を埋め込む工程(第2の導電膜埋込工程)を設けることで、電極18の抵抗値を低くすることができる。
【0081】
図31は、図27に示す電極構造体を備えた半導体装置の断面図である。なお、図31では、半導体装置の一例としてPRAMを用いた場合を例に挙げて図示する。また、図31において、図16に示す第1の実施の形態の半導体装置45、及び図27に示す電極構造体95と同一構成部分には同一符号を付す。
図31を参照するに、第2の実施の形態の半導体装置100は、第1の実施の形態の半導体装置45(図16参照)に設けられた電極構造体10の代わりに、図27に示す電極構造体95を設けた以外は、半導体装置45と同様な構成とされている。
【0082】
電極構造体95は、ビット線49と多層配線構造体47との間に設けられている。これにより、電極構造体95は、ビット線49及び多層配線構造体47と電気的に接続されている。電極構造体95は、多層配線構造体47上に、電極18を構成する第3の導電部25が第4のコンタクトプラグ73の上端面73aと接触するように形成されている。また、電極18を構成する第1及び第2の導電部23,24の上端面23a,24aは、抵抗値可変材料層75と接触している。
【0083】
上記構成とされた半導体装置100は、図28〜図30で説明した方法により、電極構造体95を形成する以外は、第1の実施の形態の半導体装置45と同様な手法により製造することができる。
【0084】
以上、本発明の好ましい実施の形態について詳述したが、本発明はかかる特定の実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲内に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
例えば、第1及び第2の実施の形態では、半導体装置45,100の一例としてPRAMを用いた場合を例に挙げて説明したが、PRAM以外の半導体装置に第1及び第2の実施の形態で説明した電極構造体10,95を設けてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0085】
本発明は、電極を備えた電極構造体及びその製造方法、並びに該電極構造体を備えた半導体装置に適用可能である。
【符号の説明】
【0086】
5,90…構造体、10,95…電極構造体、11…第1の絶縁層、11a,13a,14a,15a,19a,21a,27a,32a,32b,33a,34a,51a,64a,72a…上面、12…コンタクトプラグ、12a,23a,24a,66a,67a,73a…上端面、13…第1の層間絶縁膜、14…シリコン窒化膜、15…シリコン酸化膜、16…第1の溝、16a,16b…側面、16c…底面、17…第2の溝、18…電極、19…第1の絶縁膜、21…第2の絶縁膜、23…第1の導電部、24…第2の導電部、25…第3の導電部、27…第1の反射防止膜、26,81,82,84,85…貫通孔、28…第1のレジストパターン、29,37,39…開口部、32…第1の導電膜、33…ハードマスク層、34…第2の反射防止膜、36…第2のレジストパターン、45,100…半導体装置、46…半導体基板、46a…表面、47…多層配線構造体、49…ビット線、51…第5の層間絶縁膜、52…配線、53…保護膜、55…素子分離領域、56…活性領域、57…第1の不純物拡散領域、58…第2の不純物拡散領域、59…ゲート絶縁膜、61…ゲート電極、62…シリコン窒化膜、63…サイドウォール膜、64…第2の層間絶縁膜、66…第1のコンタクトプラグ、67…第2のコンタクトプラグ、68…第3の層間絶縁膜、69…第3のコンタクトプラグ、71…接地用配線、72…第4の層間絶縁膜、73…第4のコンタクトプラグ、75…抵抗値可変材料層、76…配線、96…第2の導電膜、G…厚さ、W1,W2…幅、
【技術分野】
【0001】
本発明は、電極構造体及びその製造方法、並びに該電極構造体を備えた半導体装置に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体記憶装置として相変化材料層(以下、「抵抗値可変材料層」という)の抵抗値変化を利用した相変化メモリ(Phase change Memory;以下、「PRAM」という)の開発が行われている(例えば、特許文献1参照。)。
PRAMでは、抵抗値可変材料層と接触する電極に電流を流して、抵抗値可変材料層を高抵抗のアモルファス状態から低抵抗の結晶状態に遷移させたり、或いは、結晶状態からアモルファス状態に遷移させたりすることで、記録素子として機能させる。
PRAMでは、抵抗値可変材料層と電極とが接触する面積を小さくして、相変化する領域を小さくすることで、PRAMの動作特性を向上できる。言い換えれば、電極のサイズを小さくすることで、PRAMの動作特性を向上できる。そのため、電極のサイズを小型化することが望まれている。
【0003】
電極のサイズを小型化可能な電極の形成方法としては、例えば、特許文献1には、絶縁膜にコンタクトホールを形成後、コンタクトホールの側壁にコンタクトホールの径を小さくするためのスペーサを形成し、その後、スペーサが形成されたコンタクトホールに導電膜を埋め込むことで電極を形成することが開示されている。
また、特許文献2,3には、絶縁層上に、第1の方向に延在する複数の第1の溝を有した第1のレジストマスクと、第1の方向とは異なる第2の方向に延在し、第1の溝と交差する複数の第2の溝を有した第2のレジストマスクとを重ね合わせ、第1及び第2のレジストマスクを介して絶縁層をエッチングすることで、絶縁層に微細なコンタクトホールを形成することが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−019688号公報
【特許文献2】特開2003−229497号公報
【特許文献3】特開2005−150333号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1の電極形成方法では、コンタクトホールの径方向にスペーサの厚さを厚くした場合、コンタクトホールの底部にスペーサが残る虞があるため、所望の形状となるように複数の電極を精度良く形成することができないという問題があった。
また、コンタクトホールの底部にスペーサが残らなかったとしても、スペーサが形成されたコンタクトホールの開口径はかなり小さくなる。そのため、スペーサが形成されたコンタクトホール内部にボイド(空洞)を生じることなく、電極の母材となる金属膜を埋め込むことが困難となるので、所望の形状とされた複数の電極を精度良く形成することができない。
【0006】
また、特許文献2,3の電極形成方法においても、微細な開口径とされたコンタクトホール内に電極の母材となる金属膜を埋め込むことが困難となるため、所望の形状とされた複数の電極を精度良く形成することができないという問題があった。
特に、コンタクトホールのアスペクト比(=コンタクトホールの深さ/コンタクトホールの開口径)が高い場合には、コンタクトホール内に電極の母材となる金属膜を埋め込むことが困難となるため、上記問題が顕著となる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一観点によれば、第1の層間絶縁膜を形成する第1の層間絶縁膜形成工程と、異方性エッチング法により、前記第1の層間絶縁膜を貫通し、第1の方向に延在する複数の第1の溝を形成する第1の溝形成工程と、前記第1の溝の対向する2つの側面、及び前記第1の溝の底面を覆うように、第1の導電膜を形成する第1の導電膜形成工程と、前記第1の導電膜が形成された複数の前記第1の溝を第1の絶縁膜で充填する第1の絶縁膜充填工程と、前記第1の層間絶縁膜、前記第1の絶縁膜、及び前記第1の導電膜の上面に、前記第1の方向と交差する第2の方向に延在する複数の開口部を有したハードマスク層を形成するハードマスク層形成工程と、異方性エッチング法により、前記ハードマスク層に形成された複数の前記開口部から露出された部分の前記第1の絶縁膜及び前記第1の導電膜を除去することで、前記第1の溝に前記第1の導電膜よりなる電極を複数形成すると共に、前記第1の層間絶縁膜をエッチングすることで、前記第1の層間絶縁膜に、前記第1の溝と交差する前記第2の溝を複数形成する電極及び第2の溝形成工程と、前記電極及び第2の溝形成工程後、前記ハードマスク層を除去するハードマスク層除去工程と、前記ハードマスク層除去工程後、複数の前記第2の溝を第2の絶縁膜で充填する第2の絶縁膜充填工程と、を含むことを特徴とする電極構造体の製造方法。が提供される。
【発明の効果】
【0008】
本発明の電極構造体の製造方法によれば、従来のホールでは無く、第1の方向に延在する第1の溝内に電極の母材となる第1の導電膜を形成することにより、第1の溝の2つの側面及び第1の溝の底面に、均一な厚さとなるように第1の導電膜を形成することが可能となる。これは、第1の溝が従来のホールと同程度の幅を有する場合でも、第1の溝の延在する第1の方向においては、第1の溝の側面の影響を受けないため、第1の溝内への第1の導電膜の成膜が容易になるためである。
また、異方性エッチング法により、ハードマスク層に形成された複数の開口部から露出された部分の第1の絶縁膜及び第1の導電膜を除去することで、第1の溝に電極を複数形成することで、複数の電極間の形状ばらつきを抑制することが可能となり、小型化された複数の電極を所望の形状に加工することができる。
また、ハードマスク層に形成された複数の開口部の第1の方向に対する幅を広くすることで、第1の方向に対する複数の電極の幅を容易に小さくすることができる。つまり、第1の方向に対する複数の電極のサイズを容易に小型化することができる。
さらに、上記複数の電極の形状がコの字型となるため、電極の上端(例えば、抵抗値可変材料層と接触する部分)の面積を小さくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る電極構造体を備えた構造体を説明するための概略図であって、図1(a)は構造体の平面図であり、図1(b)は図1(a)のA−A線方向の構造体の断面図であり、図1(c)は図1(a)のB−B線方向の構造体の断面図であり、図1(d)は図1(a)のC−C線方向の構造体の断面図である。
【図2】本発明の実施の形態に係る電極構造体を備えた構造体の製造工程を示す図(その1)であり、図2(a)は平面図であり、図2(b)は図2(a)に示す構造体のA−A線方向の断面図であり、図2(c)は図2(a)に示す構造体のB−B線方向の断面図である。
【図3】本発明の実施の形態に係る電極構造体を備えた構造体の製造工程を示す図(その2)であり、図3(a)は平面図であり、図3(b)は図3(a)に示す構造体のA−A線方向の断面図であり、図3(c)は図3(a)に示す構造体のB−B線方向の断面図である。
【図4】本発明の実施の形態に係る電極構造体を備えた構造体の製造工程を示す図(その3)であり、図4(a)は平面図であり、図4(b)は図4(a)に示す構造体のA−A線方向の断面図であり、図4(c)は図4(a)に示す構造体のB−B線方向の断面図である。
【図5】本発明の実施の形態に係る電極構造体を備えた構造体の製造工程を示す図(その4)であり、図5(a)は平面図であり、図5(b)は図5(a)に示す構造体のA−A線方向の断面図であり、図5(c)は図5(a)に示す構造体のB−B線方向の断面図である。
【図6】本発明の実施の形態に係る電極構造体を備えた構造体の製造工程を示す図(その5)であり、図6(a)は平面図であり、図6(b)は図6(a)に示す構造体のA−A線方向の断面図であり、図6(c)は図6(a)に示す構造体のB−B線方向の断面図である。
【図7】本発明の実施の形態に係る電極構造体を備えた構造体の製造工程を示す図(その6)であり、図7(a)は平面図であり、図7(b)は図7(a)に示す構造体のA−A線方向の断面図であり、図7(c)は図7(a)に示す構造体のB−B線方向の断面図である。
【図8】本発明の実施の形態に係る電極構造体を備えた構造体の製造工程を示す図(その7)であり、図8(a)は平面図であり、図8(b)は図8(a)に示す構造体のA−A線方向の断面図であり、図8(c)は図8(a)に示す構造体のB−B線方向の断面図である。
【図9】本発明の実施の形態に係る電極構造体を備えた構造体の製造工程を示す図(その8)であり、図9(a)は平面図であり、図9(b)は図9(a)に示す構造体のA−A線方向の断面図であり、図9(c)は図9(a)に示す構造体のB−B線方向の断面図である。
【図10】本発明の実施の形態に係る電極構造体を備えた構造体の製造工程を示す図(その9)であり、図10(a)は平面図であり、図10(b)は図10(a)に示す構造体のA−A線方向の断面図であり、図10(c)は図10(a)に示す構造体のB−B線方向の断面図である。
【図11】本発明の実施の形態に係る電極構造体を備えた構造体の製造工程を示す図(その10)であり、図11(a)は平面図であり、図11(b)は図11(a)に示す構造体のA−A線方向の断面図であり、図11(c)は図11(a)に示す構造体のB−B線方向の断面図である。
【図12】本発明の実施の形態に係る電極構造体を備えた構造体の製造工程を示す図(その11)であり、図12(a)は平面図であり、図12(b)は図12(a)に示す構造体のA−A線方向の断面図であり、図12(c)は図12(a)に示す構造体のB−B線方向の断面図であり、図12(d)は図12(a)に示す構造体のC−C線方向の断面図である。
【図13】本発明の実施の形態に係る電極構造体を備えた構造体の製造工程を示す図(その12)であり、図13(a)は平面図であり、図13(b)は図13(a)に示す構造体のA−A線方向の断面図であり、図13(c)は図13(a)に示す構造体のB−B線方向の断面図であり、図13(d)は図13(a)に示す構造体のC−C線方向の断面図である。
【図14】本発明の第1の実施の形態に係る電極構造体の他の製造工程を示す図である。
【図15】図1に示す電極構造体を備えた半導体装置に設けられた活性領域、ゲート電極、ビット線、接地用配線、電極、第3のコンタクトプラグ、及び第4のコンタクトプラグの位置関係を説明するための概略平面図である。
【図16】図15に示す半導体装置のD−D線方向の断面図である。
【図17】図15に示す半導体装置のE−E線方向の断面図である。
【図18】図1に示す電極構造体を備えた半導体装置の製造工程を示す断面図(その1)である。
【図19】図1に示す電極構造体を備えた半導体装置の製造工程を示す断面図(その2)である。
【図20】図1に示す電極構造体を備えた半導体装置の製造工程を示す断面図(その3)である。
【図21】図1に示す電極構造体を備えた半導体装置の製造工程を示す断面図(その4)である。
【図22】図15に示す半導体装置45のE―E線方向の断面に対応する図21に示す構造体の断面図である。
【図23】図1に示す電極構造体を備えた半導体装置の製造工程を示す断面図(その5)である。
【図24】図15に示す半導体装置45のE―E線方向の断面に対応する図23に示す構造体の断面図である。
【図25】図1に示す電極構造体を備えた半導体装置の製造工程を示す断面図(その6)である。
【図26】図15に示す半導体装置45のE―E線方向の断面に対応する図25に示す構造体の断面図である。
【図27】図27は、本発明の第2の実施の形態に係る電極構造体を備えた構造体を説明するための概略図であり、図27(a)は構造体の平面図であり、図27(b)は図27(a)に示す構造体のA−A線方向の断面図であり、図27(c)は図27(a)に示す構造体のB−B線方向の断面図であり、図27(d)は図27(a)に示す構造体のC−C線方向の断面図である。
【図28】本発明の第2の実施の形態に係る電極構造体の製造工程を示す図(その1)である。
【図29】本発明の第2の実施の形態に係る電極構造体の製造工程を示す図(その2)である。
【図30】本発明の第2の実施の形態に係る電極構造体の製造工程を示す図(その3)である。
【図31】図27に示す電極構造体を備えた半導体装置の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照して本発明を適用した実施の形態について詳細に説明する。なお、以下の説明で用いる図面は、本発明の実施形態の構成を説明するためのものであり、図示される各部の大きさや厚さや寸法等は、実際の構造体、電極構造体、及び半導体装置の寸法関係とは異なる場合がある。
【0011】
(第1の実施の形態)
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る電極構造体を備えた構造体を説明するための概略図である。図1(a)は平面図であり、図1(b)は図1(a)のA−A線方向の断面図であり、図1(c)は図1(a)のB−B線方向の断面図であり、図1(d)は図1(a)のC−C線方向の断面図である。
【0012】
図1を参照するに、構造体5は、第1の実施の形態の電極構造体10と、第1の絶縁層11と、コンタクトプラグ12を有する。
電極構造体10は、第1の層間絶縁膜13を構成するシリコン窒化膜14及びシリコン酸化膜15と、第1の溝16と、第2の溝17と、電極18と、第1の絶縁膜19と、第2の絶縁膜21とを有する。
【0013】
シリコン窒化膜14は、第1の絶縁層11の上面11aに設けられている。シリコン酸化膜15は、シリコン窒化膜14の上面14aに設けられている。シリコン窒化膜14としては、例えば、Si3N4膜(例えば、厚さが10〜30nm)を用いることができる。
第1の溝16は、Y方向に延在する溝であり、シリコン窒化膜14及びシリコン酸化膜15を貫通するように形成されている。第1の溝16は、X方向に対して所定の間隔で複数配列されている。第1の溝16の底面16cは、第1の溝16から露出された部分のコンタクトプラグ12の上端面12a及び第1の絶縁層11の上面11aにより構成されている。
なお、図1において、複数の第1の溝16は、X方向に延在する複数の第2の溝17により複数の位置で交差している。また、図1では、第1の溝16と第2の溝17との交差する角度が90度の場合を例に挙げて図示しているが、第1の溝16と第2の溝17とが交差する角度は、これに限定されない。
第2の溝17は、X方向に延在する溝であり、シリコン酸化膜15を貫通するように複数形成されている。第2の溝17は、X方向に対して所定の間隔で配列されている。第2の溝17は、シリコン窒化膜14の上面14aを露出している。
【0014】
電極18は、複数の第1の溝16のうち、第2の溝17と交差しない部分の第1の溝16に設けられている。電極18は、コの字型の形状とされており、第1の導電膜(例えば、金属膜であるTiN膜)により構成されている。電極18は、第1の導電部23と、第2の導電部24と、第3の導電部25とを有する。
第1の導電部23は、第1の溝16の一方の側面16aに設けられている。第1の導電部23の上端面23aは、第1の絶縁層11及びシリコン酸化膜15から露出されている。
第1の導電部23の上端面23aとシリコン酸化膜15の上面15aとは、面一とされている。第1の導電部23の上端面23aは、例えば、電極構造体10上に抵抗値可変材料層(図示せず)を配置した場合、抵抗値可変材料層と接触する部分である。
【0015】
第2の導電部24は、第1の溝16の他方の側面16b(側面16aと対向する側面)に設けられている。第2の導電部24は、第1の導体と対向するように配置されている。第2の導電部23の上端面24a(電極18の端部)は、第1の絶縁層11及びシリコン酸化膜15から露出されている。第2の導電部24の上端面24aとシリコン酸化膜15の上面15aとは、面一とされている。第2の導電部24の上端面24aは、例えば、電極構造体10上に抵抗値可変材料層(図示せず)を配置した場合、抵抗値可変材料層と接触する部分である。
第3の導電部25は、第1の導体23と第2の導体24との間に位置する部分の第1の溝16の底面16cに設けられている。第3の導電部25は、第1及び第2の導体部23,24と一体的に構成されている。
【0016】
第1の絶縁膜19は、電極18が形成された部分の複数の第1の溝16を充填するように設けられている。第1の絶縁膜19の上面19a、第1及び第2の導電部23,24の上端面23a,24aと、及びシリコン酸化膜15の上面15aは、面一とされている。第1の絶縁膜19としては、例えば、シリコン酸化膜(SiO2膜)を用いることができる。好ましくは、第1の絶縁膜19としては、例えば、埋め込み特性に優れたスピンナ法により形成された塗布系の絶縁膜であるSOD(Spin On Dielectrics)膜を用いるとよい。
【0017】
第2の絶縁膜21は、複数の第2の溝17を充填するように設けられている。第2の絶縁膜21の上面21aは、シリコン酸化膜15の上面15aに対して面一とされている。第2の絶縁膜21としては、例えば、シリコン酸化膜(SiO2膜)を用いることができる。好ましくは、第2の絶縁膜21としては、例えば、埋め込み特性に優れたスピンナ法により形成された塗布系の絶縁膜であるSOD膜を用いるとよい。
【0018】
第1の絶縁層11は、複数のコンタクトプラグ12が形成される層である。第1の絶縁層11としては、例えば、シリコン酸化膜(SiO2膜)を用いることができる。
コンタクトプラグ12は、第1の絶縁層11を貫通するように複数設けられている。複数のコンタクトプラグ12は、コンタクトプラグ12の上端面12aが第1の溝16から露出されるように、第1の方向であるY方向に所定の間隔で配置されている。
【0019】
本実施の形態の電極構造体によれば、第1の溝16に配置された電極18の形状がコの字型であるため、第1及び第2の導電部23,24の上端面23a,24aの面積を小さくすることが可能となる。これにより、例えば、電極構造体10上に第1及び第2の導電部23,24の上端面23a,24aと接触する抵抗値可変材料層(図示せず)を設けた場合、電極18と抵抗値可変材料層とが接触する部分の面積を小さくすることができる。
【0020】
図2〜図13は、本発明の実施の形態に係る電極構造体を備えた構造体の製造工程を示す図である。なお、図2〜図13において、図1に示す構造体5と同一構成部分には、同一符号を付す。
なお、図2(a)は平面図であり、図2(b)は図2(a)に示す構造体のA−A線方向の断面図であり、図2(c)は図2(a)に示す構造体のB−B線方向の断面図である。
また、図3(a)は平面図であり、図3(b)は図3(a)に示す構造体のA−A線方向の断面図であり、図3(c)は図3(a)に示す構造体のB−B線方向の断面図である。
また、図4(a)は平面図であり、図4(b)は図4(a)に示す構造体のA−A線方向の断面図であり、図4(c)は図4(a)に示す構造体のB−B線方向の断面図である。
また、図5(a)は平面図であり、図5(b)は図5(a)に示す構造体のA−A線方向の断面図であり、図5(c)は図5(a)に示す構造体のB−B線方向の断面図である。
また、図6(a)は平面図であり、図6(b)は図6(a)に示す構造体のA−A線方向の断面図であり、図6(c)は図6(a)に示す構造体のB−B線方向の断面図である。
また、図7(a)は平面図であり、図7(b)は図7(a)に示す構造体のA−A線方向の断面図であり、図7(c)は図7(a)に示す構造体のB−B線方向の断面図である。
また、図8(a)は平面図であり、図8(b)は図8(a)に示す構造体のA−A線方向の断面図であり、図8(c)は図8(a)に示す構造体のB−B線方向の断面図である。
【0021】
また、図9(a)は平面図であり、図9(b)は図9(a)に示す構造体のA−A線方向の断面図であり、図9(c)は図9(a)に示す構造体のB−B線方向の断面図である。
また、図10(a)は平面図であり、図10(b)は図10(a)に示す構造体のA−A線方向の断面図であり、図10(c)は図10(a)に示す構造体のB−B線方向の断面図である。
また、図11(a)は平面図であり、図11(b)は図11(a)に示す構造体のA−A線方向の断面図であり、図11(c)は図11(a)に示す構造体のB−B線方向の断面図である。
また、図12(a)は平面図であり、図12(b)は図12(a)に示す構造体のA−A線方向の断面図であり、図12(c)は図12(a)に示す構造体のB−B線方向の断面図であり、図12(d)は図12(a)に示す構造体のC−C線方向の断面図である。
また、図13(a)は平面図であり、図13(b)は図13(a)に示す構造体のA−A線方向の断面図であり、図13(c)は図13(a)に示す構造体のB−B線方向の断面図であり、図13(d)は図13(a)に示す構造体のC−C線方向の断面図である。
【0022】
図2〜図13を参照して、構造体5を製造する場合を例に挙げて、第1の実施の形態の電極構造体10の製造方法について説明する。
始めに、図2に示す工程では、第1の絶縁層11を形成後、第1の絶縁層11に複数の貫通孔26を形成し、その後、複数の貫通孔26を充填するコンタクトプラグ12を形成する。第1の絶縁層11としては、例えば、シリコン酸化膜(SiO2膜)を用いることができる。また、コンタクトプラグ12としては、例えば、チタン(Ti)層、窒化チタン(TiN)層、及びタングステン(W)膜とが順次積層された積層膜を用いることができる。
次いで、第1の絶縁層11の上面11aからコンタクトプラグ12の上端が突出した場合には、研磨により、突出した部分(不要な部分)のコンタクトプラグ12を除去する。これにより、第1の絶縁層11の上面11aとコンタクトプラグ12の上面12aとは、面一となる。不要な部分のコンタクトプラグ12の除去には、例えば、CMP(Chemical Mechanical Polishing)法を用いることができる。
【0023】
次いで、第1の絶縁層11の上面11a及びコンタクトプラグ12の上面12aを覆うシリコン窒化膜14を形成し、次いで、シリコン窒化膜14の上面14aを覆うシリコン酸化膜15を形成する(第1の層間絶縁膜形成工程)。
これにより、シリコン窒化膜14及びシリコン酸化膜15よりなる第1の層間絶縁膜13が形成される。シリコン窒化膜14としては、例えば、Si3N4膜(例えば、厚さが10〜30nm)を用いることができる。また、シリコン酸化膜15としては、例えば、SiO2膜(例えば、厚さが70nm)を用いることができる。
【0024】
次いで、図3に示す工程では、シリコン酸化膜15の上面15a(第1の層間絶縁膜13の上面13aに相当する面)を覆う第1の反射防止膜27を形成する。
第1の反射防止膜27としては、例えば、BARC(Bottom Anti−Reflection Coating)膜を用いることができる。第1の反射防止膜27は、例えば、シリコン酸化膜15の上面15a(第1の層間絶縁膜13の上面13a)にアクリル系の有機材料を30〜100nmの厚さで塗布することで形成できる。
次いで、第1の反射防止膜27の上面27aに、フォトリソ技術により、第1の溝16(図1参照)を形成する際のエッチング用マスクとなる第1のレジストパターン28を形成する。
【0025】
このとき、第1の溝16(図1参照)の形成領域に対応する部分の第1のレジストパターン28に、第1の反射防止膜27の上面27aを露出する開口部29を複数形成する。複数の開口部29は、Y方向に延在するように形成する。また、複数の開口部29は、シリコン窒化膜14、シリコン酸化膜15、及び第1の反射防止膜27を介して、Y方向に配置された複数のコンタクトプラグ12の上面12aと対向するように形成する。
具体的には、第1のレジストパターン28は、第1の反射防止膜27の上面27aにレジスト膜(図示せず)を塗布後、露光装置(図示せず)に配置されたレチクルを介してレジスト膜を露光し、その後、露光されたレジスト膜を現像処理することで形成する。
【0026】
このように、第1の反射防止膜27上に第1のレジストパターン28を形成することにより、レジスト膜(図示せず)を露光する際に、シリコン酸化膜15により反射された光がレジスト膜に到達することを抑制できるため、開口部29の形状(例えば、X方向における開口部29の幅)が所望の形状となるように、開口部29を精度よく形成することができる。
上記第1のレジストパターン28を形成する際の露光装置として、ArF(フッ化アルゴン)レーザを光源とする液浸露光装置を用いる場合、開口部29のX方向の幅は、例えば、40〜45nmとすることができる。
【0027】
次いで、図4に示す工程では、第1のレジストパターン28を介した異方性エッチング法(例えば、ドライエッチング法)により、開口部29に露出された部分の第1の層間絶縁膜13及び第1の反射防止膜27を除去することで、第1の層間絶縁膜13に、第1の絶縁層11の上面11a、及びY方向に配置された複数のコンタクトプラグ12の上面12aを露出する第1の溝16を複数形成する(第1の溝形成工程)。
複数の第1の溝16は、Y方向に延在するように形成する。第1の溝16は、複数の電極18(図1参照)を形成するための溝であり、対向する側面16a,16b(2つの側面)及び底面16cを有する。複数の第1の溝16は、第1の層間絶縁膜13を貫通するように形成する。
このように、第1の層間絶縁膜13を貫通するように複数の第1の溝16を形成することにより、複数の電極18の底部に相当する部分に、電極構造体10の下方に配置されたコンタクトプラグ12(図1参照)を接続させることが可能となる。
【0028】
上記異方性エッチング法としてドライエッチング法を用いる場合、エッチング装置としては、例えば、マグネトロンRIE(Reactive Ion Etching)装置を用いることができる。
この場合、第1の反射防止膜27をエッチングする第1の反射防止膜エッチングステップと、第1の層間絶縁膜13をエッチングする第1の層間絶縁膜エッチングステップとに分けてエッチングを行う。
第1の反射防止膜エッチングステップでは、例えば、CF4ガス(例えば、流量が100sccm)とCHF3(例えば、流量が50sccm)とを混合したエッチングガスを用いて、圧力が60mTorr、RFパワーが500Wの条件でエッチングを行う。
また、第1の層間絶縁膜エッチングステップでは、例えば、CF4ガス(例えば、流量が100sccm)、CH2F2(例えば、流量が30sccm)、及びO2ガス(例えば、流量が50sccm)を混合したエッチングガスを用いて、圧力が60mTorr、RFパワーが500Wの条件でエッチングを行う。
【0029】
このように、異方性エッチング法により、複数の電極18が配置される第1の溝16を形成することで、第1の溝16のX方向の幅を狭く(例えば、40〜45nm)した場合でも、第1の溝16のY方向の幅が非常に広いため、X方向の幅の狭い第1の溝16を容易に形成することができる。
言い換えれば、第1の溝16のアスペクト比(=第1の溝16の深さ/Yの方向に対する第1の溝16の幅)は、従来の微細なコンタクトホールのアスペクト比(=コンタクトホールの深さ/コンタクトホールの開口径)よりも小さいため、異方性エッチング法により、容易にX方向の幅の狭い第1の溝16を形成することができる。
なお、第1の溝16のX方向の幅を狭くすることで、複数の電極18のX方向の幅を狭くすることが可能となるので、複数の電極18のX方向のサイズの小型化を図ることができる。
なお、図3及び図4に示す工程が、第1の溝形成工程に相当する工程である。
【0030】
次いで、図5に示す工程では、図4に示す第1のレジストパターン28及び第1の反射防止膜27を除去する。
次いで、図6に示す工程では、複数の第1の溝16の側面16a,16b及び底面16cを覆う第1の導電膜32を形成する(第1の導電膜形成工程)。
これにより、第1の溝16の底面16cに形成された部分の第1の導電膜32は、複数のコンタクトプラグ12の上面12aと接触する。
また、第1の導電膜形成工程では、第1の溝16の一方の側面16aに形成された第1の導電膜32と、第1の溝16の他方の側面16bに形成された第1の導電膜32との間に隙間が形成されるように、第1の導電膜32を形成する。
例えば、第1の溝16のX方向の幅が45nmの場合、第1の導電膜32の厚さは、例えば、10nmとすることができる。
【0031】
第1の導電膜形成工程では、例えば、CVD(Chemical Vapor Deposition)法により第1の導電膜32を形成する。
このように、CVD法を用いて、複数の第1の溝16に第1の導電膜32を形成することで、複数の第1の溝16の側面16a,16b及び底面16cに均一な厚さとなるように、第1の導電膜32を形成することができる。
なお、CVD法を用いて第1の導電膜32を形成する場合、シリコン酸化膜15の上面15aにも第1の導電膜32(図示せず)が形成される(図28に示す第1の導電膜32参照。)。
第1の導電膜32としては、例えば、窒化チタン(TiN)膜を用いることができるが、窒化チタン(TiN)膜以外の金属膜を用いてもよい。
【0032】
次いで、第1の導電膜32が形成された複数の第1の溝16を第1の絶縁膜19で充填する(第1の絶縁膜充填工程)。
第1の絶縁膜19としては、例えば、シリコン酸化膜(SiO2膜)やシリコン窒化膜等を用いることができる。第1の絶縁膜19としてシリコン酸化膜を用いる場合、第1の絶縁膜19は、例えば、スピンナ法やALD(Atomic Layer Deposition)法等の方法により形成することができる。
このように、埋め込み特性に優れたスピンナ法を用いて複数の第1の溝16を塗布系の第1の絶縁膜19で充填することにより、第1の絶縁膜19にボイドが発生することを防止できる。
第1の絶縁膜としてシリコン窒化膜を用いる場合、第1の絶縁膜19は、例えば、LP−CVD(低圧化学気相蒸着)法により形成することができる。
なお、第1の絶縁膜充填工程では、シリコン酸化膜15の上面15a上に位置する部分の第1の導電膜32上にも第1の絶縁膜19が形成される(図29に示す第1の絶縁膜19参照。)。
【0033】
次いで、シリコン酸化膜15の上面15a(第1の層間絶縁膜13の上面13aに相当する面)から突出した部分の第1の導電膜32及び第1の絶縁膜19を除去する(第1の導電膜及び第1の絶縁膜除去工程)。
第1の導電膜及び第1の絶縁膜除去工程では、例えば、シリコン酸化膜15の上面15aから突出した部分の第1の導電膜32及び第1の絶縁膜19をエッチバック法或いはCMP法により除去する。
これにより、図6(b)に示すように、シリコン酸化膜15の上面15a、第1の絶縁膜19の上面19a、及び第1の導電膜32の上面32a,32bが同一平面上に配置される。
【0034】
次いで、図7に示す工程では、シリコン酸化膜15の上面15a、第1の絶縁膜19の上面19a、及び第1の導電膜32の上面32a,32bに、ハードマスク層33の母材となる膜を成膜する。この段階では、ハードマスク層33に、複数の開口部は形成されていない。ハードマスク層33の母材となる膜としては、例えば、メタン(CH4)等のハイドロカーボンを原料としてCVD法で形成したアモルファスカーボン膜(例えば、厚さ100nm)を用いることができる。
次いで、図7に示すハードマスク層33の上面33aに、第2の反射防止膜34を形成する。第2の反射防止膜34としては、例えば、ARL(Anti−Reflection Layer)膜を用いることができる。また、ARL膜としては、例えば、酸窒化シリコン(SiON)を含有した膜(例えば、厚さ30nm)を用いることができる。
【0035】
次いで、図8に示す工程では、第2の反射防止膜34の上面34aに、フォトリソ技術により、ハードマスク層33に複数の開口部を形成する際のエッチング用マスクとなる第2のレジストパターン36を形成する。
このとき、第2の溝17(図1参照)の形成領域に対応する部分の第2のレジストパターン36に、第2の反射防止膜34の上面34aを露出すると共に、X方向に延在する開口部37を複数形成する。
第2のレジストパターン36は、電極18及び電極18の形成領域に対応する部分の第1の絶縁膜19の上方に位置する部分の第2の反射防止膜34の上面34aを覆うように形成する。
【0036】
具体的には、複数の開口部37を有した第2のレジストパターン36は、第2の反射防止膜34の上面34aにレジスト膜(図示せず)を塗布後、露光装置(図示せず)に配置されたレチクル(図示せず)を介してレジスト膜を露光し、その後、露光されたレジスト膜を現像処理することで形成する。
このように、第2の反射防止膜34上に第2のレジストパターン36を形成することにより、レジスト膜(図示せず)を露光する際に、ハードマスク層33により反射された光がレジスト膜に到達することを抑制できるため、開口部37の形状(例えば、Y方向における開口部37の幅)が所望の形状となるように、開口部37を精度よく形成することができる。
これにより、後述する図10に示す工程において、ハードマスク層33に、所望の形状とされた複数の開口部39を形成することができる。
【0037】
次いで、図9に示す工程では、複数の開口部37を有した第2のレジストパターン36を介した異方性エッチング法により、複数の開口部37に露出された部分のハードマスク層33及び第2の反射防止膜34を除去することで、ハードマスク層33に、X方向に延在する複数の開口部39を形成する。このとき、複数の開口部39は、シリコン酸化膜15の上面15aを露出するように形成する。複数の開口部39は、Y方向に対して交差している。
【0038】
図9に示す工程において、異方性エッチング法としてドライエッチング法を用いる場合、エッチング装置としては、例えば、マグネトロンRIE(Reactive Ion Etching)装置を用いることができる。
この場合、第2の反射防止膜34をエッチングする第2の反射防止膜エッチングステップと、ハードマスク層33をエッチングするハードマスク層エッチングステップとに分けてエッチングを行う。
第2の反射防止膜エッチングステップでは、例えば、CF4ガス(例えば、流量が240sccm)とO2(例えば、流量が5sccm)とを混合したエッチングガスを用いて、圧力が40mTorr、RFパワーが400Wの条件でドライエッチングを行う。
【0039】
ハードマスク層エッチングステップでは、ハードマスク層33としてアモルファスカーボン膜を用いる場合、例えば、Arガス(例えば、流量が150sccm)とO2(例えば、流量が90sccm)とを混合したエッチングガスを用いて、圧力が15mTorr、RFパワーが500Wの条件でドライエッチングを行う。
第2のレジストパターン36を形成する際の露光装置として、ArF(フッ化アルゴン)レーザを光源とする液浸露光装置(図示せず)を用いる場合、ハードマスク層33に形成される開口部39のY方向の幅は、例えば、40〜45nmとすることができる。
ハードマスク層33の母材となる膜としてアモルファスカーボン膜を用いた場合には、そのドライエッチングにおいて、第2のレジストパターン36は同時に除去されるが、酸窒化シリコンを含有した膜で第2の反射防止膜34を形成しておくことにより、第2のレジストパターン36のマスク形状を維持することができる。
すなわち、アモルファスカーボン膜をエッチングする際に耐性を備えた材料で第2の反射防止膜34を形成しておくことにより、第2の反射防止膜34をハードマスクとしても機能させることができる。
次いで、図10に示す工程では、図9に示す第2のレジストパターン36を除去する。なお、図7〜図10に示す工程が、ハードマスク層形成工程に相当する工程である。
【0040】
次いで、図11に示す工程では、異方性エッチング法(例えば、ドライエッチング法)により、図10に示す複数の開口部39から露出された部分の第1の絶縁膜19及び第1の導電膜32を除去することで、ハードマスク層33に覆われた部分の第1の溝16に電極18を形成すると共に、複数の開口部39から露出された部分のシリコン酸化膜15を除去する(言い換えれば、第1の層間絶縁膜13をエッチングする)ことで、Y方向に延在し、第1の溝16と交差する第2の溝17を複数形成する(電極及び第2の溝形成工程)。
このとき、ハードマスク層33上に形成された第2の反射防止膜34は、第1の絶縁膜19及びシリコン酸化膜15をエッチングする際に除去される。
第1の導電膜32として窒化チタン(TiN)膜を用いた場合、第1の導電膜32は、例えば、Cl2ガス(例えば、流量が50sccm)、CF4(例えば、流量が100sccm)、及びArガス(例えば、流量が40sccm)を混合したエッチングガスを用いて、圧力が10mTorr、ICPソースパワーが800W、RFバイアスパワーが80Wの条件でドライエッチングを行う。
上記電極及び第2の溝形成工程では、第1の溝16の一方の側面16aに形成され、上端面23aが第1の絶縁層11及びシリコン酸化膜15から露出された第1の導電部23と、第1の溝16の他方の側面16bに形成され、上端面24aが第1の絶縁層11及びシリコン酸化膜15から露出された第2の導電部24と、第1の導体23と第2の導体24との間に位置する部分の第1の溝16の底面16cに形成された第3の導電部25とを有し、コの字型形状とされた電極18が複数形成される。
【0041】
このように、複数の開口部39を有したハードマスク層33を介した異方性エッチング法により、第1の溝16の側面16a,16b及び底面16cに形成された第1の導電膜32をパターニングして、第1の溝16に第1の導電膜32よりなる電極18を複数形成することで、容易に小型化された電極18(所望の形状とされた電極18)を形成することができると共に、複数の電極18間の形状ばらつきを抑制することができる。
また、複数の電極18の形状がコの字型となるため、従来の円柱形状とされた電極と比較して、第1及び第2の導電部23,24の上端面23a,24aの面積を小さくすることができる。
【0042】
次いで、図12に示す工程では、図11に示すハードマスク層33を除去する(ハードマスク層除去工程)。
ハードマスク層33としてアモルファスカーボン層を用いた場合、ハードマスク層33は、例えば、酸素(O2)ガスを用いたアッシングにより除去する。
【0043】
次いで、図13に示す工程では、複数の第2の溝17を第2の絶縁膜21で充填する(第2の絶縁膜充填工程)。これにより、電極構造体10を備えた構造体5が製造される。なお、
第2の絶縁膜充填工程では、第2の絶縁膜21の上面21aが、シリコン酸化膜15の上面15a、第1の絶縁膜19の上面19a、及び第1及び第2の導電部23,24の上端面23a,24aに対して面一となるように、第2の絶縁膜21を形成する。
具体的には、第2の絶縁膜21は、例えば、複数の第2の溝17にシリコン酸化膜又はシリコン窒化膜を埋め込んだ後、シリコン酸化膜15の上面15aから突出した部分のシリコン酸化膜及びシリコン窒化膜を除去することで形成する。シリコン酸化膜15の上面15aから突出した部分のシリコン酸化膜及びシリコン窒化膜は、例えば、エッチバック法やCMP法の方法により除去することができる。
【0044】
第2の絶縁膜21としてシリコン酸化膜を用いる場合、第2の絶縁膜21は、例えば、スピンナ法やALD(Atomic Layer Deposition)法等の方法により形成することができる。
このように、埋め込み特性に優れたスピンナ法を用いて複数の第2の溝17を塗布系の第2の絶縁膜21で充填することにより、第2の絶縁膜21にボイドが発生することを防止できる。
また、第2の絶縁膜21としてシリコン窒化膜を用いる場合、第2の絶縁膜21は、例えば、LP−CVD(低圧化学気相蒸着)法により形成することができる。
【0045】
本実施の形態の電極構造体の製造方法によれば、従来のホールでは無く、Y方向に延在する第1の溝16内に電極18の母材となる第1の導電膜32を形成することにより、第1の溝16の2つの側面16a,16b及び底面16cに、均一な厚さとなるように第1の導電膜32を形成することが可能となる。
これは、第1の溝16が従来のホールと同程度の幅を有する場合でも、第1の溝16の延在するY方向においては、第1の溝16の側面の影響を受けないため、第1の溝16内への第1の導電膜32の成膜が容易になるためである。
【0046】
また、異方性エッチング法により、ハードマスク層33に形成された複数の開口部39から露出された部分の第1の導電膜32を除去することで、第1の溝16に第1の導電膜32よりなる電極18を複数形成することで、容易に小型化された電極18(所望の形状とされた電極18)を形成することができると共に、複数の電極18間の形状ばらつきを抑制することができる。
また、複数の電極18の形状がコの字型となるため、従来の円柱形状とされた電極と比較して、第1及び第2の導電部23,24の上端面23a,24aの面積を小さくすることができる。
【0047】
図14は、本発明の第1の実施の形態に係る電極構造体の他の製造工程を示す図である。なお、図14(a)は、平面図であり、図14(b)は、図14(a)に示す構造体のA−A線方向の断面図であり、図14(c)は、図14(a)に示す構造体のB−B線方向の断面図である。
ここで、図14を参照して、電極構造体10の他の製造方法について説明する。
先に説明した図11に示す工程(電極及び第2の溝形成工程)において、図14に示すように、開口部39に対応する部分のハードマスク層33がサイドエッチングされるエッチング条件を用いて、複数の第2の溝17を形成してもよい。
【0048】
このように、開口部39に対応する部分のハードマスク層33がサイドエッチングされるエッチング条件を用いて複数の第2の溝17を形成することにより、図14に示す開口部39間に位置する部分のハードマスク層33のY方向の幅W2が図11に示すハードマスク層33のY方向の幅W1よりも狭くなる。
これにより、図14に示す電極18のY方向の幅を図11に示す電極18のY方向の幅よりも狭くすることが可能となるので、複数の電極18のY方向のサイズを容易に小型化することができる。言い換えれば、複数の電極18のY方向のサイズを露光装置(図示せず)の解像限界以下の数値にすることができる。
これにより、図14に示す電極18を構成する第1及び第2の導電部23,24の上端面23a,24aの面積を、図11に示す電極18を構成する第1及び第2の導電部23,24の上端面23a,24aの面積よりも小さくすることができる。
【0049】
図15は、図1に示す電極構造体を備えた半導体装置に設けられた活性領域、ゲート電極、ビット線、接地用配線、電極、第3のコンタクトプラグ、及び第4のコンタクトプラグの位置関係を説明するための概略平面図である。図16は、図15に示す半導体装置のD−D線方向の断面図であり、図17は、図15に示す半導体装置のE−E線方向の断面図である。
なお、図15〜図17では、半導体装置の一例として相変化メモリ(Phase change Memory;以下、「PRAM」という)を例に挙げて図示する。また、図15に、図16及び図17に示す半導体装置45の構成要素を全て図示することは困難なため、図15には、半導体装置45の構成要素の一部のみ図示する。
また、図15では、実際には半導体装置45の厚さ方向に対して異なる平面上に配置された活性領域56、ゲート電極61、ビット線49、接地用配線71、電極18、第3のコンタクトプラグ69、及び第4のコンタクトプラグ73を同一平面上に図示している。
また、図16及び図17において、図1に示す電極構造体10と同一構成部分には同一符号を付す。
【0050】
図15〜図17を参照するに、半導体装置45は、電極構造体10と、半導体基板46と、多層配線構造体47と、ビット線49と、第5の層間絶縁膜51と、配線52と、保護膜53とを有する。
電極構造体10は、多層配線構造体47上に設けられている。電極構造体10は、多層配線構造体47とビット線49と間に配置されており、多層配線構造体47及びビット線49と電気的に接続されている。
半導体基板46は、多層配線構造体47を形成するための第1の導電型(例えば、P型)の基板である。半導体基板46としては、例えば、シリコン基板を用いることができる。
多層配線構造体47は、素子分離領域55と、活性領域56と、第1の不純物拡散領域57と、第2の不純物拡散領域58と、ゲート絶縁膜59と、ゲート電極61と、シリコン窒化膜62と、サイドウォール膜63と、第2の層間絶縁膜64と、第1のコンタクトプラグ66と、第2のコンタクトプラグ67と、第3の層間絶縁膜68と、第3のコンタクトプラグ69と、接地用配線71と、第4の層間絶縁膜72と、第4のコンタクトプラグ73とを有する。
【0051】
素子分離領域55は、半導体基板46に形成されている。素子分離領域55は、絶縁膜(例えば、シリコン酸化膜)により構成されている。素子分離領域55としては、例えば、STI(Shallow Trench Isolation)を用いることができる。
活性領域56は、素子分離領域55により区画された領域である。
第1の不純物拡散領域57は、第2の不純物拡散領域58間に位置する部分の半導体基板46に形成されている。第2の不純物拡散領域58は、第1の不純物拡散領域57を挟み込むように配置されている。第1及び第2の不純物拡散領域57,58は、第2の導電型不純物(例えば、N型不純物)が拡散された領域である。第1及び第2の不純物拡散領域57,58は、一方がソース領域、他方がドレイン領域として機能する不純物拡散領域である。
【0052】
ゲート絶縁膜59は、半導体基板46の表面46a(第1及び第2の不純物拡散領域57,58の上面を含む面)、及び素子分離領域55の上面に設けられている。
ゲート電極61は、第1の不純物拡散領域57と第2の不純物拡散領域58との間に配置されたゲート絶縁膜59上に設けられている。ゲート電極61は、X方向に延在している。ゲート電極61は、ワード線として機能する電極である。
シリコン窒化膜62は、ゲート電極61上に設けられている。シリコン窒化膜62は、ゲート電極61を保護する膜である。
サイドウォール膜63は、ゲート電極61の側面を覆うように設けられている。サイドウォール膜63としては、例えば、シリコン窒化膜を用いることができる。
【0053】
第2の層間絶縁膜64は、ゲート電極61、シリコン窒化膜62、及びサイドウォール膜63を覆うように、ゲート絶縁膜59上に設けられている。第2の層間絶縁膜64としては、例えば、シリコン酸化膜(SiO2膜)を用いることができる。
第1のコンタクトプラグ66は、第1の不純物拡散領域57上に位置する部分の第2の層間絶縁膜64を貫通するように設けられている。これにより、第1のコンタクトプラグ66の下端は、第1の不純物拡散領域57と接触している。
第2のコンタクトプラグ67は、第2の不純物拡散領域58上に位置する部分の第2の層間絶縁膜64を貫通するように設けられている。これにより、第2のコンタクトプラグ67の下端は、第2の不純物拡散領域58と接触している。
上記構成とされた第1及び第2のコンタクトプラグ66,67の材料としては、例えば、リンを含有した多結晶シリコンやタングステン(W)等を用いることができる。
【0054】
第3の層間絶縁膜68は、第2の層間絶縁膜64の上面64aに設けられている。第3の層間絶縁膜68としては、例えば、シリコン酸化膜を用いることができる。
第3のコンタクトプラグ69は、第1のコンタクトプラグ66の上端と対向する部分の第3の層間絶縁膜68を貫通するように設けられている。第3のコンタクトプラグ69の下端は、第1のコンタクトプラグ66の上端と接触している。これにより、 第3のコンタクトプラグ69は、第1のコンタクトプラグ66を介して、第1の不純物拡散領域57と電気的に接続されている。第3のコンタクトプラグ69の材料としては、例えば、タングステン(W)を用いることができる。
【0055】
接地用配線71は、図15に示すようにX方向に延在する配線であり、X方向に配置された複数の第3のコンタクトプラグ69と接触している。接地用配線71は、複数の第3のコンタクトプラグ69を接地電位にするための配線である。
第4の層間絶縁膜72は、接地用配線71を覆うように、第3の層間絶縁膜68の上面68aに設けられている。第4の層間絶縁膜72の上面72aには、電極構造体10を構成するシリコン窒化膜14が形成されている。
【0056】
第4のコンタクトプラグ73は、第2のコンタクトプラグ67上に位置する部分の第3及び第4の層間絶縁膜68,72を貫通するように設けられている。第4のコンタクトプラグ73の下端は、第2のコンタクトプラグ67の上端と接触している。これにより、第4のコンタクトプラグ73は、第2のコンタクトプラグ67を介して、第2の不純物拡散領域58と電気的に接続されている。
第4のコンタクトプラグ73の上端面73aは、第4の層間絶縁膜72の上面72aに対して面一となるように配置されている。
第4のコンタクトプラグ73の上端面73aは、電極構造体10に設けられた第3の接続部25と接続されている。これにより、電極18は、第2のコンタクトプラグ67及び第4のコンタクトプラグ73を介して、第2の不純物拡散領域58と電気的に接続されている。第4のコンタクトプラグ73の材料としては、例えば、タングステン(W)を用いることができる。
【0057】
ビット線49は、抵抗値可変材料層75と、配線76とが順次積層された構成とされている。抵抗値可変材料層75は、Y方向に延在するように、シリコン酸化膜15の上面15a、第1の絶縁膜19の上面19a、及び第2の絶縁膜21の上面21aの一部に設けられている。
抵抗値可変材料層75は、Y方向に配列された複数の電極18の上端(具体的には、第1及び第2の導電部23,24の上端面23a,24a)と接触している。
このように、第1〜第3の導電部23〜25を備え、コの字型形状とされた電極18を設け、第1及び第2の導電部23,24の上端面23a,24aと抵抗値可変材料層75とを接触させることにより、従来の円柱形状とされた電極と抵抗値可変材料層との接触面積と比較して、抵抗値可変材料層75を加熱する電極18と抵抗値可変材料層75との接触面積を小さくすることが可能となる。
これにより、抵抗値可変材料層75の抵抗を変化(具体的には、高抵抗のアモルファス状態から低抵抗の結晶状態に変化、或いは結晶状態からアモルファス状態に変化)させる領域を小さくすることが可能となるので、データの書き込みや読み込みを高速で行うことができる。
【0058】
抵抗値可変材料層75の材料としては、例えば、カルコゲナイド材料を用いることができる。カルコゲナイド材料とは、ゲルマニウム(Ge)、アンチモン(Sb)、テルル(Te)、インジウム(In)、セレン(Se)等の元素を少なくとも一つ以上含む合金のことである。
具体的には、カルコゲナイド材料としては、例えば、GaSb、InSb、InSe、Sb2Te3、GeTe等の2元系元素、Ge2Sb2Te5、InSbTe、GaSeTe(GST)、SnSb2Te4、InSbGe等の3元系元素、AgInSbTe、(GeSn)SbTe、GeSb(SeTe)、Te81Ge15Sb2S2等の4元系元素を用いることができる。
【0059】
配線76は、抵抗値可変材料層75上に設けられている。これにより、配線76は、Y方向に延在している。配線76としては、例えば、チタン(Ti)膜や窒化チタン(TiN)膜、或いは、チタン(Ti)膜と窒化チタン(TiN)膜とが積層されたTi/TiN積層膜等を用いることができる。
【0060】
第5の層間絶縁膜51は、ビット線49を覆うように、第2の絶縁膜21の上面21aに設けられている。第5の層間絶縁膜51としては、例えば、シリコン酸化膜(SiO2膜)を用いることができる。
配線52は、第5の層間絶縁膜51の上面51aに設けられている。配線52は、多層配線構造体47と電気的に接続されている。配線52は、外部接続用のパッドである電極パッド部(図示せず)を有する。配線52の材料としては、例えば、アルミニウム(Al)や銅(Cu)等を用いることができる。
【0061】
本実施の形態の半導体装置によれば、コの字型形状とされた電極18を構成する第1及び第2の導電部23,24の上端面23a,24aと抵抗値可変材料層75とを接触させて、抵抗値可変材料層75を加熱する電極18と抵抗値可変材料層75との接触面積を小さくすることが可能となる。
これにより、抵抗値可変材料層75の抵抗を変化(具体的には、高抵抗のアモルファス状態から低抵抗の結晶状態に変化、或いは結晶状態からアモルファス状態に変化)させる領域を小さくすることが可能となるので、データの書き込みや読み込みを高速で行うことができる。
【0062】
図18〜図21、図23、及び図25は、図1に示す電極構造体を備えた半導体装置の製造工程を示す断面図である。図22は、図15に示す半導体装置45のE―E線方向の断面に対応する図21に示す構造体の断面図である。図24は、図15に示す半導体装置45のE―E線方向の断面に対応する図23に示す構造体の断面図である。図26は、図15に示す半導体装置45のE―E線方向の断面に対応する図25に示す構造体の断面図である。
なお、図18〜図21、図23、及び図25は、図15に示す半導体装置45のD−D線方向の断面に対応する図(言い換えれば、図16に示す半導体装置45に対応する図)である。また、図18〜図26において、図16に示す半導体装置45と同一構成部分には同一符号を付す。
【0063】
図18〜図26を参照して、図1に示す電極構造体10を備えた半導体装置45の製造方法について説明する。
始めに、図18に示す工程では、第1の導電型(例えば、P型)の半導体基板46に、素子分離領域55として例えば、STI(Shallow Trench Isolation)を形成する。次いで、半導体基板46の表面46a及び素子分離領域55上に、ゲート絶縁膜59を形成する。ゲート絶縁膜59としては、例えば、シリコン酸化膜を用いることができる。次いで、周知の手法により、ゲート絶縁膜59上にゲート電極61及びシリコン窒化膜62を順次形成する。次いで、半導体基板46に第2の導電型不純物(例えば、N型不純物であるリン)を注入することで、第1及び第2の不純物拡散領域57,58を形成する。次いで、周知の手法により、ゲート電極61の側面を覆うサイドウォール膜63を形成する。
なお、図18には、図示していないが、サイドウォール膜63を形成後に、半導体基板46に高濃度の第2の導電型不純物を注入することで、LDD(Lightly Doped Drain)構造のトランジスタを形成してもよい。
【0064】
次いで、図19に示す工程では、シリコン窒化膜62及びサイドウォール膜63を覆うように、第2の層間絶縁膜64を形成する。第2の層間絶縁膜64としては、例えば、シリコン酸化膜を用いることができる。
次いで、第2の層間絶縁膜64及びゲート絶縁膜を貫通する貫通孔81,82を形成する。貫通孔81は、第1の不純物拡散領域57を露出するように形成する。貫通孔81は、第2の不純物拡散領域58を露出するように形成する。
次いで、貫通孔81に第1のコンタクトプラグ66を形成すると共に、貫通孔82に第2のコンタクトプラグ67を形成する。このとき、第1及び第2のコンタクトプラグ66,67の上端面66a,67aを、第2の層間絶縁膜64の上面64aに対して面一にする。
第1及び第2のコンタクトプラグ66,67は、例えば、貫通孔81,82にリン含有した多結晶シリコンやタングステン(W)を埋め込むことで形成する。
【0065】
次いで、図20に示す工程では、第2の層間絶縁膜64の上面64aに、第1のコンタクトプラグ66の上端面66aを露出する貫通孔84を有した第3の層間絶縁膜68を形成する。第3の層間絶縁膜68としては、例えば、シリコン酸化膜を用いることができる。
次いで、貫通孔84に第3のコンタクトプラグ69を形成する。第3のコンタクトプラグ69の材料としては、例えば、タングステン(W)を用いることができる。
次いで、第3の層間絶縁膜68の上面68aに、第3のコンタクトプラグ69の上端と接触する接地用配線71を形成する。
次いで、第3の層間絶縁膜68の上面68aに、接地用配線71を覆う第4の層間絶縁膜72を形成する。第4の層間絶縁膜72としては、例えば、シリコン酸化膜を用いることができる。
【0066】
次いで、第3及び第4の層間絶縁膜68,72に、第2のコンタクトプラグ67の上面67aを露出する貫通孔85を形成する。
次いで、貫通孔85内を充填するように、第4のコンタクトプラグ73を形成する。
このとき、第4のコンタクトプラグ73の上端面73aを第4の層間絶縁膜72の上面72aに対して面一にする。第4のコンタクトプラグ73の材料としては、例えば、タングステン(W)を用いることができる。
これにより、半導体基板46に多層配線構造体47が形成される。
【0067】
次いで、図21に示す工程では、第4の層間絶縁膜72の上面72a及び第4のコンタクトプラグ73の上端面73a(多層配線構造体47の上面)に、先に説明した図2〜図13に示す工程と同様な手法により電極構造体10を形成する。
このとき、電極18を構成する第3の導電部25が、第4のコンタクトプラグ73の上端面73aと接触するように、電極構造体10を形成する。これにより、多層配線構造体47と電極構造体10とが電気的に接続される。
図21に示す工程では、図22に示すように、第2の溝17に第2の絶縁膜21が充填されている。
【0068】
次いで、図23に示す工程では、図23及び図24に示すように、シリコン酸化膜15の上面15a(第1の層間絶縁膜13の上面13a)及び第2の絶縁膜21の上面21aに、Y方向に配置された複数の電極18に設けられた第1及び第2の導電部23,24の上端面23a,24a及び第1の絶縁膜19の上面19aと接触する抵抗値可変材料層75と、抵抗値可変材料層75上に配置される配線76とを順次積層させることで、抵抗値可変材料層75及び配線76よりなるビット線49を形成する。
【0069】
このように、第1〜第3の導電部23〜25を備え、コの字型形状とされた電極18を設け、第1及び第2の導電部23,24の上端面23a,24aと抵抗値可変材料層75とを接触させることにより、従来の円柱形状とされた電極と抵抗値可変材料層との接触面積と比較して、抵抗値可変材料層75を加熱する電極18と抵抗値可変材料層75との接触面積を小さくすることが可能となる。
これにより、抵抗値可変材料層75の抵抗を変化(具体的には、高抵抗のアモルファス状態から低抵抗の結晶状態に変化、或いは結晶状態からアモルファス状態に変化)させる領域を小さくすることが可能となるので、データの書き込みや読み込みを高速で行うことができる。
【0070】
次いで、図25に示す工程では、図23及び図24に示す構造体に設けられたシリコン酸化膜15の上面15a(第1の層間絶縁膜13の上面13a)及び第2の絶縁膜21の上面21aに、ビット線49を覆う第5の層間絶縁膜51を形成する。次いで、第5の層間絶縁膜51の上面51aに、配線52を形成し、その後、第5の層間絶縁膜51の上面51aに、配線52を覆う保護膜53を形成する。
これにより、本実施の形態の半導体装置45が製造される。
【0071】
(第2の実施の形態)
図27は、本発明の第2の実施の形態に係る電極構造体を備えた構造体を説明するための概略図である。図27(a)は平面図であり、図27(b)は図27(a)のA−A線方向の断面図であり、図27(c)は図27(a)のB−B線方向の断面図であり、図27(d)は図27(a)のC−C線方向の断面図である。
なお、図27において、図1に示す第1の実施の形態の構造体5と同一構成部分には同一符号を付す。
【0072】
図27を参照するに、第2の実施の形態の構造体90は、第1の実施の形態の構造体5に設けられた電極構造体10の代わりに、電極構造体95を設けた以外は構造体5と同様な構成とされている。
【0073】
電極構造体95は、電極構造体10の構成に、さらに第2の導電膜96を設けた以外は電極構造体10と同様に構成される。
第2の導電膜96は、第1の絶縁膜19と第3の導電部25との間に位置する部分の複数の第1の溝16に設けられている。第2の導電膜96の材料としては、例えば、タングステン(W)を用いることができる。
【0074】
本実施の形態の電極構造体によれば、第1の絶縁膜19と第3の導電部25との間に位置する部分の複数の第1の溝16に第2の導電膜96を設けることにより、電極18の抵抗値を低くすることができる。
また、第1の絶縁膜19と第3の導電部25との間に位置する部分の複数の第1の溝16に埋め込む第2の導電膜96の厚さGは、第2の導電膜96が埋め込まれた電極18の抵抗値が所望の抵抗値となるように設定する。
【0075】
図28〜図30は、本発明の第2の実施の形態に係る電極構造体の製造工程を示す図である。図28〜図30は、図27(a)に示す構造体90のA−A線方向の断面に対応する断面図である。図28〜図30において、図27に示す構造体90と同一構成部分には同一符号を付す。
【0076】
図28〜図30を参照して、第2の実施の形態の電極構造体95の製造方法について説明する。
始めに、第1の実施の形態で説明した図2〜図5に示す工程と同様な処理を行うことで、図5に示す構造体を形成する。次いで、第1の実施の形態で説明した図6に示す第1の導電膜形成工程を行うことで、複数の第1の溝16に第1の導電膜32を形成する(第1の導電膜形成工程)。このとき、後述する図28に示すように、シリコン酸化膜15の上面15aにも第1の導電膜32が形成される。つまり、この段階では、複数の第1の溝16以外にも第1の導電膜32が形成される。
【0077】
次いで、図28に示す工程では、複数の第1の溝16に、第2の導電膜96を埋め込み、次いで、第2の導電膜96を全面エッチバックすることで、複数の第1の溝16内に厚さGとされた第2の導電膜96を形成する(第2の導電膜埋込工程)。
第2の導電膜96の材料は、第1の導電膜32の材料とは異なる材料を用いるとよい。
このように、第2の導電膜96の材料と第1の導電膜32の材料とを異ならせることにより、第2の導電膜96を全面エッチバックする際に、第1の溝16に形成された第1の導電膜32がエッチングされることを防止できる。つまり、第2の導電膜96を選択的にエッチングすることができる。
第1の導電膜32の材料として窒化チタン膜(TiN)を用いる場合、第2の導電膜96の材料としては、例えば、タングステン(W)を用いることができる。
なお、第2の導電膜埋込工程では、第1の導電膜32が形成された第1の溝16の深さよりも浅い深さまで、第2の導電膜96を埋め込む。
【0078】
次いで、図29に示す工程では、第2の導電膜96が形成された複数の第1の溝16内に、第1の絶縁膜19を充填する(第1の絶縁膜充填工程)。
第1の絶縁膜19は、第1の実施の形態の図6で説明した形成方法と同様な手法により形成する。このとき、図29に示すように、第1の導電膜32上にも第1の絶縁膜19が形成される。
【0079】
次いで、図30に示す工程では、図29に示すシリコン酸化膜15の上面15a(第1の層間絶縁膜13の上面13a)から突出した部分の第1の導電膜32及び第1の絶縁膜19を除去する(第1の導電膜及び第1の絶縁膜除去工程)。
その後、第1の実施の形態で説明した図7〜図10に示す工程と同様な処理を行う。次いで、第1の実施の形態で説明した図11に示す工程(電極及び第2の溝形成工程)において、異方性エッチング法(例えば、ドライエッチング法)により、複数の開口部39から露出された部分の第1の絶縁膜19、第1の導電膜32、及び第2の導電膜96(図示せず)を除去することで、ハードマスク層33に覆われた部分の第1の溝16に第2の導電膜96を備えた電極18を形成すると共に、複数の開口部39から露出された部分のシリコン酸化膜15を除去する(第1の層間絶縁膜13をエッチングする)ことで、Y方向に延在し、第1の溝16と交差する第2の溝17を複数形成する。
その後、第1の実施の形態で説明した図12及び図13に示す工程を行うことで、図27に示す本実施の形態の電極構造体95が製造される。
【0080】
本実施の形態の電極構造体の製造方法によれば、第1の導電膜形成工程と第1の絶縁膜充填工程との間に、第1の導電膜32が形成された第1の溝16の深さよりも浅い深さまで、第2の導電膜96を埋め込む工程(第2の導電膜埋込工程)を設けることで、電極18の抵抗値を低くすることができる。
【0081】
図31は、図27に示す電極構造体を備えた半導体装置の断面図である。なお、図31では、半導体装置の一例としてPRAMを用いた場合を例に挙げて図示する。また、図31において、図16に示す第1の実施の形態の半導体装置45、及び図27に示す電極構造体95と同一構成部分には同一符号を付す。
図31を参照するに、第2の実施の形態の半導体装置100は、第1の実施の形態の半導体装置45(図16参照)に設けられた電極構造体10の代わりに、図27に示す電極構造体95を設けた以外は、半導体装置45と同様な構成とされている。
【0082】
電極構造体95は、ビット線49と多層配線構造体47との間に設けられている。これにより、電極構造体95は、ビット線49及び多層配線構造体47と電気的に接続されている。電極構造体95は、多層配線構造体47上に、電極18を構成する第3の導電部25が第4のコンタクトプラグ73の上端面73aと接触するように形成されている。また、電極18を構成する第1及び第2の導電部23,24の上端面23a,24aは、抵抗値可変材料層75と接触している。
【0083】
上記構成とされた半導体装置100は、図28〜図30で説明した方法により、電極構造体95を形成する以外は、第1の実施の形態の半導体装置45と同様な手法により製造することができる。
【0084】
以上、本発明の好ましい実施の形態について詳述したが、本発明はかかる特定の実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲内に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
例えば、第1及び第2の実施の形態では、半導体装置45,100の一例としてPRAMを用いた場合を例に挙げて説明したが、PRAM以外の半導体装置に第1及び第2の実施の形態で説明した電極構造体10,95を設けてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0085】
本発明は、電極を備えた電極構造体及びその製造方法、並びに該電極構造体を備えた半導体装置に適用可能である。
【符号の説明】
【0086】
5,90…構造体、10,95…電極構造体、11…第1の絶縁層、11a,13a,14a,15a,19a,21a,27a,32a,32b,33a,34a,51a,64a,72a…上面、12…コンタクトプラグ、12a,23a,24a,66a,67a,73a…上端面、13…第1の層間絶縁膜、14…シリコン窒化膜、15…シリコン酸化膜、16…第1の溝、16a,16b…側面、16c…底面、17…第2の溝、18…電極、19…第1の絶縁膜、21…第2の絶縁膜、23…第1の導電部、24…第2の導電部、25…第3の導電部、27…第1の反射防止膜、26,81,82,84,85…貫通孔、28…第1のレジストパターン、29,37,39…開口部、32…第1の導電膜、33…ハードマスク層、34…第2の反射防止膜、36…第2のレジストパターン、45,100…半導体装置、46…半導体基板、46a…表面、47…多層配線構造体、49…ビット線、51…第5の層間絶縁膜、52…配線、53…保護膜、55…素子分離領域、56…活性領域、57…第1の不純物拡散領域、58…第2の不純物拡散領域、59…ゲート絶縁膜、61…ゲート電極、62…シリコン窒化膜、63…サイドウォール膜、64…第2の層間絶縁膜、66…第1のコンタクトプラグ、67…第2のコンタクトプラグ、68…第3の層間絶縁膜、69…第3のコンタクトプラグ、71…接地用配線、72…第4の層間絶縁膜、73…第4のコンタクトプラグ、75…抵抗値可変材料層、76…配線、96…第2の導電膜、G…厚さ、W1,W2…幅、
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の層間絶縁膜を形成する第1の層間絶縁膜形成工程と、
異方性エッチング法により、前記第1の層間絶縁膜を貫通し、第1の方向に延在する複数の第1の溝を形成する第1の溝形成工程と、
前記第1の溝の対向する2つの側面、及び前記第1の溝の底面を覆うように、第1の導電膜を形成する第1の導電膜形成工程と、
前記第1の導電膜が形成された複数の前記第1の溝を第1の絶縁膜で充填する第1の絶縁膜充填工程と、
前記第1の層間絶縁膜、前記第1の絶縁膜、及び前記第1の導電膜の上面に、前記第1の方向と交差する第2の方向に延在する複数の開口部を有したハードマスク層を形成するハードマスク層形成工程と、
異方性エッチング法により、前記ハードマスク層に形成された複数の前記開口部から露出された部分の前記第1の絶縁膜及び前記第1の導電膜を除去することで、前記第1の溝に前記第1の導電膜よりなる電極を複数形成すると共に、前記第1の層間絶縁膜をエッチングすることで、前記第1の層間絶縁膜に、前記第1の溝と交差する前記第2の溝を複数形成する電極及び第2の溝形成工程と、
前記電極及び第2の溝形成工程後、前記ハードマスク層を除去するハードマスク層除去工程と、
前記ハードマスク層除去工程後、複数の前記第2の溝を第2の絶縁膜で充填する第2の絶縁膜充填工程と、を含むことを特徴とする電極構造体の製造方法。
【請求項2】
前記第1の導電膜形成工程と前記第1の絶縁膜充填工程との間に、前記第1の導電膜が形成された複数の前記第1の溝に、該第1の溝の深さよりも浅い深さまで第2の導電膜を埋め込む第2の導電膜埋込工程を設け、
前記第1の絶縁膜充填工程では、前記第1及び第2の導電膜が形成された前記第1の溝に前記第1の絶縁膜を充填することを特徴とする請求項1記載の電極構造体の製造方法。
【請求項3】
前記電極及び第2の溝形成工程では、前記開口部に対応する部分の前記ハードマスク層がサイドエッチングされるように、複数の前記第2の溝を形成することを特徴とする請求項1または2記載の電極構造体の製造方法。
【請求項4】
前記ハードマスク層形成工程は、ハードマスクの母材となる膜を形成する工程と、
前記母材となる膜上に前記母材となる膜のエッチングに際して耐性を備えた材料で反射防止膜を形成する工程と、を有することを特徴とする請求項1ないし3のうち、いずれか1項記載の電極構造体の製造方法。
【請求項5】
前記ハードマスクの母材となる膜がアモルファスカーボン膜であり、
前記反射防止膜が酸窒化シリコンを含有した膜であることを特徴とする請求項4に記載の電極構造体の製造方法。
【請求項6】
前記第1の絶縁膜充填工程では、前記第1の絶縁膜をスピンナ法により形成することを特徴とする請求項1ないし5のうち、いずれか1項記載の電極構造体の製造方法。
【請求項7】
前記第2の絶縁膜充填工程では、前記第2の絶縁膜をスピンナ法により形成することを特徴とする請求項1ないし6のうち、いずれか1項記載の電極構造体の製造方法。
【請求項8】
前記第1の絶縁膜充填工程後に、前記第1の層間絶縁膜の上面から前記第1の導電膜及び前記第1の絶縁膜が突出している場合、前記ハードマスク層形成工程の前に、前記第1の層間絶縁膜の上面から突出した部分の前記第1の導電膜及び前記第1の絶縁膜を除去する第1の導電膜及び第1の絶縁膜除去工程を設けたことを特徴とする請求項1ないし7のうち、いずれか1項記載の電極構造体の製造方法。
【請求項9】
第1の層間絶縁膜と、
前記第1の層間絶縁膜を貫通するように配置され、第1の方向に延在する複数の第1の溝と、
前記第1の層間絶縁膜に設けられ、前記第1の方向とは異なる第2の方向に延在し、複数の前記第1の溝と交差する複数の第2の溝と、
第1の導電膜により構成され、複数の前記第1の溝のうち、前記第2の溝と交差しない部分の第1の溝の一方の側面に設けられた第1の導電部と、前記第1の溝の他方の側面に設けられ、前記第1の導電部と対向する第2の導電部と、前記第1の導電部と前記第2の導電部との間に位置する部分の前記第1の溝の底面に設けられ、前記第1及び第2の導電部と一体的に構成された第3の導電部とを備えた電極と、
前記電極が形成された部分の複数の前記第1の溝を充填する第1の絶縁膜と、
複数の前記第2の溝を充填する第2の絶縁膜と、を有することを特徴とする電極構造体。
【請求項10】
前記第3の導電部と接続されていない側の前記第1及び第2の導電部の端面は、前記第1の層間絶縁膜及び前記第1の絶縁膜から露出されていることを特徴とする請求項9記載の電極構造体。
【請求項11】
前記第1の絶縁膜と前記第3の導電部との間に位置する部分の複数の前記第1の溝に、第2の導電膜を設けたことを特徴とする請求項9または10記載の電極構造体。
【請求項12】
請求項9ないし11のうち、いずれか1項記載の電極構造体と、
半導導体基板と、
前記半導体基板上に設けられ、前記電極構造体の下方に配置され、前記電極と電気的に接続された多層配線構造体と、
前記第1の層間絶縁膜上に配置され、前記第2の方向に延在し、前記第1及び第2の導電部の端面と接触する抵抗値可変材料層と、
前記抵抗値可変材料層上に設けられた配線と、を備えたことを特徴とする半導体装置。
【請求項13】
前記抵抗値可変材料層がカルコゲナイド材料であることを特徴とする請求項12記載の半導体装置。
【請求項14】
前記多層配線構造体は、
前記半導体基板の表面に設けられたゲート絶縁膜と、
前記ゲート絶縁膜上に設けられたゲート電極と、
前記半導体基板に設けられた第1及び第2の不純物拡散領域と、
前記ゲート絶縁膜上に前記ゲート電極を覆うように配置された第2の層間絶縁膜と、
前記第2の層間絶縁膜を貫通して前記第1の不純物拡散領域に接続する第1のコンタクトプラグと、
前記第2の層間絶縁膜を貫通して前記第2の不純物拡散領域に接続する第2のコンタクトプラグと、
前記第1のコンタクトプラグと電気的に接続された接地用配線と、を有し、
前記第2のコンタクトプラグと前記電極構造体とが電気的に接続されていることを特徴とする請求項12または13記載の半導体装置。
【請求項1】
第1の層間絶縁膜を形成する第1の層間絶縁膜形成工程と、
異方性エッチング法により、前記第1の層間絶縁膜を貫通し、第1の方向に延在する複数の第1の溝を形成する第1の溝形成工程と、
前記第1の溝の対向する2つの側面、及び前記第1の溝の底面を覆うように、第1の導電膜を形成する第1の導電膜形成工程と、
前記第1の導電膜が形成された複数の前記第1の溝を第1の絶縁膜で充填する第1の絶縁膜充填工程と、
前記第1の層間絶縁膜、前記第1の絶縁膜、及び前記第1の導電膜の上面に、前記第1の方向と交差する第2の方向に延在する複数の開口部を有したハードマスク層を形成するハードマスク層形成工程と、
異方性エッチング法により、前記ハードマスク層に形成された複数の前記開口部から露出された部分の前記第1の絶縁膜及び前記第1の導電膜を除去することで、前記第1の溝に前記第1の導電膜よりなる電極を複数形成すると共に、前記第1の層間絶縁膜をエッチングすることで、前記第1の層間絶縁膜に、前記第1の溝と交差する前記第2の溝を複数形成する電極及び第2の溝形成工程と、
前記電極及び第2の溝形成工程後、前記ハードマスク層を除去するハードマスク層除去工程と、
前記ハードマスク層除去工程後、複数の前記第2の溝を第2の絶縁膜で充填する第2の絶縁膜充填工程と、を含むことを特徴とする電極構造体の製造方法。
【請求項2】
前記第1の導電膜形成工程と前記第1の絶縁膜充填工程との間に、前記第1の導電膜が形成された複数の前記第1の溝に、該第1の溝の深さよりも浅い深さまで第2の導電膜を埋め込む第2の導電膜埋込工程を設け、
前記第1の絶縁膜充填工程では、前記第1及び第2の導電膜が形成された前記第1の溝に前記第1の絶縁膜を充填することを特徴とする請求項1記載の電極構造体の製造方法。
【請求項3】
前記電極及び第2の溝形成工程では、前記開口部に対応する部分の前記ハードマスク層がサイドエッチングされるように、複数の前記第2の溝を形成することを特徴とする請求項1または2記載の電極構造体の製造方法。
【請求項4】
前記ハードマスク層形成工程は、ハードマスクの母材となる膜を形成する工程と、
前記母材となる膜上に前記母材となる膜のエッチングに際して耐性を備えた材料で反射防止膜を形成する工程と、を有することを特徴とする請求項1ないし3のうち、いずれか1項記載の電極構造体の製造方法。
【請求項5】
前記ハードマスクの母材となる膜がアモルファスカーボン膜であり、
前記反射防止膜が酸窒化シリコンを含有した膜であることを特徴とする請求項4に記載の電極構造体の製造方法。
【請求項6】
前記第1の絶縁膜充填工程では、前記第1の絶縁膜をスピンナ法により形成することを特徴とする請求項1ないし5のうち、いずれか1項記載の電極構造体の製造方法。
【請求項7】
前記第2の絶縁膜充填工程では、前記第2の絶縁膜をスピンナ法により形成することを特徴とする請求項1ないし6のうち、いずれか1項記載の電極構造体の製造方法。
【請求項8】
前記第1の絶縁膜充填工程後に、前記第1の層間絶縁膜の上面から前記第1の導電膜及び前記第1の絶縁膜が突出している場合、前記ハードマスク層形成工程の前に、前記第1の層間絶縁膜の上面から突出した部分の前記第1の導電膜及び前記第1の絶縁膜を除去する第1の導電膜及び第1の絶縁膜除去工程を設けたことを特徴とする請求項1ないし7のうち、いずれか1項記載の電極構造体の製造方法。
【請求項9】
第1の層間絶縁膜と、
前記第1の層間絶縁膜を貫通するように配置され、第1の方向に延在する複数の第1の溝と、
前記第1の層間絶縁膜に設けられ、前記第1の方向とは異なる第2の方向に延在し、複数の前記第1の溝と交差する複数の第2の溝と、
第1の導電膜により構成され、複数の前記第1の溝のうち、前記第2の溝と交差しない部分の第1の溝の一方の側面に設けられた第1の導電部と、前記第1の溝の他方の側面に設けられ、前記第1の導電部と対向する第2の導電部と、前記第1の導電部と前記第2の導電部との間に位置する部分の前記第1の溝の底面に設けられ、前記第1及び第2の導電部と一体的に構成された第3の導電部とを備えた電極と、
前記電極が形成された部分の複数の前記第1の溝を充填する第1の絶縁膜と、
複数の前記第2の溝を充填する第2の絶縁膜と、を有することを特徴とする電極構造体。
【請求項10】
前記第3の導電部と接続されていない側の前記第1及び第2の導電部の端面は、前記第1の層間絶縁膜及び前記第1の絶縁膜から露出されていることを特徴とする請求項9記載の電極構造体。
【請求項11】
前記第1の絶縁膜と前記第3の導電部との間に位置する部分の複数の前記第1の溝に、第2の導電膜を設けたことを特徴とする請求項9または10記載の電極構造体。
【請求項12】
請求項9ないし11のうち、いずれか1項記載の電極構造体と、
半導導体基板と、
前記半導体基板上に設けられ、前記電極構造体の下方に配置され、前記電極と電気的に接続された多層配線構造体と、
前記第1の層間絶縁膜上に配置され、前記第2の方向に延在し、前記第1及び第2の導電部の端面と接触する抵抗値可変材料層と、
前記抵抗値可変材料層上に設けられた配線と、を備えたことを特徴とする半導体装置。
【請求項13】
前記抵抗値可変材料層がカルコゲナイド材料であることを特徴とする請求項12記載の半導体装置。
【請求項14】
前記多層配線構造体は、
前記半導体基板の表面に設けられたゲート絶縁膜と、
前記ゲート絶縁膜上に設けられたゲート電極と、
前記半導体基板に設けられた第1及び第2の不純物拡散領域と、
前記ゲート絶縁膜上に前記ゲート電極を覆うように配置された第2の層間絶縁膜と、
前記第2の層間絶縁膜を貫通して前記第1の不純物拡散領域に接続する第1のコンタクトプラグと、
前記第2の層間絶縁膜を貫通して前記第2の不純物拡散領域に接続する第2のコンタクトプラグと、
前記第1のコンタクトプラグと電気的に接続された接地用配線と、を有し、
前記第2のコンタクトプラグと前記電極構造体とが電気的に接続されていることを特徴とする請求項12または13記載の半導体装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【公開番号】特開2011−181844(P2011−181844A)
【公開日】平成23年9月15日(2011.9.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−47069(P2010−47069)
【出願日】平成22年3月3日(2010.3.3)
【出願人】(500174247)エルピーダメモリ株式会社 (2,599)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年9月15日(2011.9.15)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年3月3日(2010.3.3)
【出願人】(500174247)エルピーダメモリ株式会社 (2,599)
【Fターム(参考)】
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