説明

駆動回路、表示装置、及び電子機器

【課題】トランジスタの劣化を抑制する。
【解決手段】第1薄膜トランジスタ乃至第11トランジスタで構成される複数のパルス出力回路を構成し、各トランジスタを制御する複数のクロック信号、前段のパルス出力回路より入力される前段信号、後段のパルス出力回路より入力される後段信号、及びリセット信号に基づいて動作させる。そして当該薄膜トランジスタのチャネル領域となる半導体層を微結晶半導体で構成する。そして、薄膜トランジスタの特性劣化の程度を小さくできる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、駆動回路に関する。または、画素部と同じ基板に形成される駆動回路を有する表示装置に関する。または、当該表示装置を具備する電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
表示装置は、液晶テレビなどの大型表示装置の普及に伴い、より付加価値の高い製品が求められており、開発が進められている。特に、チャネル領域が非晶質半導体によって構成される薄膜トランジスタ(TFT)を用いて、画素部と同じ基板にゲートドライバなどの駆動回路を構成する技術は、コストの低減、信頼性の向上に大きく貢献するため、活発に開発が進められている。
【0003】
チャネル領域が非晶質半導体によって構成される薄膜トランジスタは、閾値電圧の上昇、又は電界効果移動度の低下などの劣化を生じる。この薄膜トランジスタの劣化が進むと、駆動回路が動作しづらくなくなり、画像を表示できなくなるといった問題がある。そこで、特許文献1には、トランジスタの劣化を抑制することができるシフトレジスタについて開示がある。特許文献1では、トランジスタの特性劣化を抑制するために、二つのトランジスタを設け、当該トランジスタをフリップフロップの出力端子と、低電源電位VSSが供給される配線との間に接続する。そして、一方のトランジスタと、他方のトランジスタとが交互に導通状態になる。こうすることによって、トランジスタが導通状態になる時間を1フレーム期間の半分程度に短くすることができるので、ある程度、トランジスタの特性劣化を抑制することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005−050502号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の一態様は、薄膜トランジスタの特性劣化の程度を小さくすることのできる駆動回路、及び表示装置を提供することを課題の一とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様は、複数のパルス出力回路を有し、パルス出力回路は、第1薄膜トランジスタ乃至第11薄膜トランジスタを有し、パルス出力回路は、第1信号線乃至第7信号線と、第1電源線及び第2電源線と、に電気的に接続されており、第1薄膜トランジスタは、第1端子が第1電源線に電気的に接続され、第2端子が第3薄膜トランジスタのゲート、第4薄膜トランジスタのゲート、第5薄膜トランジスタのゲート、第9薄膜トランジスタの第2端子、及び第10薄膜トランジスタの第1端子に電気的に接続され、ゲートが第2信号線に電気的に接続され、第2薄膜トランジスタは、第1端子が第3薄膜トランジスタの第1端子、及び第8薄膜トランジスタの第2端子に電気的に接続され、第2端子が第6薄膜トランジスタのゲート、及び第7薄膜トランジスタのゲートに電気的に接続され、ゲートが第1電源線に電気的に接続され、第3薄膜トランジスタは、第1端子が第2薄膜トランジスタの第1端子、及び第8薄膜トランジスタの第2端子に電気的に接続され、第2端子が第2電源線に電気的に接続され、ゲートが第1薄膜トランジスタの第2端子、第4薄膜トランジスタのゲート、第5薄膜トランジスタのゲート、第9薄膜トランジスタの第2端子、及び第10薄膜トランジスタの第1端子に電気的に接続され、第4薄膜トランジスタは、第1端子が第7信号線、及び第6薄膜トランジスタの第2端子に電気的に接続され、第2端子が第2電源線に電気的に接続され、ゲートが第1薄膜トランジスタの第2端子、第3薄膜トランジスタのゲート、第5薄膜トランジスタのゲート、第9薄膜トランジスタの第2端子、及び第10薄膜トランジスタの第1端子に電気的に接続され、第5薄膜トランジスタは、第1端子が第6信号線、第7薄膜トランジスタの第2端子、及び第11薄膜トランジスタの第1端子に電気的に接続され、第2端子が第2電源線に電気的に接続され、ゲートが第1薄膜トランジスタの第2端子、第3薄膜トランジスタのゲート、第4薄膜トランジスタのゲート、第9薄膜トランジスタの第2端子、及び第10薄膜トランジスタの第1端子に電気的に接続され、第6薄膜トランジスタは、第1端子が第1信号線に電気的に接続され、第2端子が第7信号線、及び第4薄膜トランジスタの第1端子に電気的に接続され、ゲートが第2薄膜トランジスタの第2端子、及び第7薄膜トランジスタのゲートに電気的に接続され、第7薄膜トランジスタは、第1端子が第1信号線に電気的に接続され、第2端子が第6信号線、第5薄膜トランジスタの第1端子、及び第11薄膜トランジスタの第1端子に電気的に接続され、ゲートが第2薄膜トランジスタの第2端子、及び第6薄膜トランジスタのゲートに電気的に接続され、第8薄膜トランジスタは、第1端子が第1電源線に電気的に接続され、第2端子が第2薄膜トランジスタの第1端子、及び第3薄膜トランジスタの第1端子に電気的に接続され、ゲートが第4信号線に電気的に接続され、第9薄膜トランジスタは、第1端子が第1電源線に電気的に接続され、第2端子が第1薄膜トランジスタの第2端子、第3薄膜トランジスタのゲート、第4薄膜トランジスタのゲート、第5薄膜トランジスタのゲート、及び第10薄膜トランジスタの第1端子に電気的に接続され、ゲートが第5信号線に電気的に接続され、第10薄膜トランジスタは、第1端子が第1薄膜トランジスタの第2端子、第3薄膜トランジスタのゲート、第4薄膜トランジスタのゲート、第5薄膜トランジスタのゲート、及び第9薄膜トランジスタの第2端子に電気的に接続され、第2端子が第2電源線に電気的に接続され、ゲートが第4信号線に電気的に接続され、第11薄膜トランジスタは、第1端子が第6信号線、第5薄膜トランジスタの第1端子、及び第7薄膜トランジスタの第2端子に電気的に接続され、ゲートが第3信号線に電気的に接続されている駆動回路である。
【0007】
本発明の一態様は、複数のパルス出力回路を有し、パルス出力回路は、第1薄膜トランジスタ乃至第11薄膜トランジスタを有し、パルス出力回路は、第1信号線乃至第7信号線と、第1電源線、第2電源線、及び第3電源線と、に電気的に接続されており、第1薄膜トランジスタは、第1端子が第1電源線に電気的に接続され、第2端子が第3薄膜トランジスタのゲート、第4薄膜トランジスタのゲート、第5薄膜トランジスタのゲート、第9薄膜トランジスタの第2端子、及び第10薄膜トランジスタの第1端子に電気的に接続され、ゲートが第2信号線に電気的に接続され、第2薄膜トランジスタは、第1端子が第3薄膜トランジスタの第1端子、及び第8薄膜トランジスタの第2端子に電気的に接続され、第2端子が第6薄膜トランジスタのゲート、及び第7薄膜トランジスタのゲートに電気的に接続され、ゲートが第3電源線に電気的に接続され、第3薄膜トランジスタは、第1端子が第2薄膜トランジスタの第1端子、及び第8薄膜トランジスタの第2端子に電気的に接続され、第2端子が第2電源線に電気的に接続され、ゲートが第1薄膜トランジスタの第2端子、第4薄膜トランジスタのゲート、第5薄膜トランジスタのゲート、第9薄膜トランジスタの第2端子、及び第10薄膜トランジスタの第1端子に電気的に接続され、第4薄膜トランジスタは、第1端子が第7信号線、及び第6薄膜トランジスタの第2端子に電気的に接続され、第2端子が第2電源線に電気的に接続され、ゲートが第1薄膜トランジスタの第2端子、第3薄膜トランジスタのゲート、第5薄膜トランジスタのゲート、第9薄膜トランジスタの第2端子、及び第10薄膜トランジスタの第1端子に電気的に接続され、第5薄膜トランジスタは、第1端子が第6信号線、第7薄膜トランジスタの第2端子、及び第11薄膜トランジスタの第1端子に電気的に接続され、第2端子が第2電源線に電気的に接続され、ゲートが第1薄膜トランジスタの第2端子、第3薄膜トランジスタのゲート、第4薄膜トランジスタのゲート、第9薄膜トランジスタの第2端子、及び第10薄膜トランジスタの第1端子に電気的に接続され、第6薄膜トランジスタは、第1端子が第1信号線に電気的に接続され、第2端子が第7信号線、及び第4薄膜トランジスタの第1端子に電気的に接続され、ゲートが第2薄膜トランジスタの第2端子、及び第7薄膜トランジスタのゲートに電気的に接続され、第7薄膜トランジスタは、第1端子が第1信号線に電気的に接続され、第2端子が第6信号線、第5薄膜トランジスタの第1端子、及び第11薄膜トランジスタの第1端子に電気的に接続され、ゲートが第2薄膜トランジスタの第2端子、及び第6薄膜トランジスタのゲートに電気的に接続され、第8薄膜トランジスタは、第1端子が第1電源線に電気的に接続され、第2端子が第2薄膜トランジスタの第1端子、及び第3薄膜トランジスタの第1端子に電気的に接続され、ゲートが第4信号線に電気的に接続され、第9薄膜トランジスタは、第1端子が第1電源線に電気的に接続され、第2端子が第1薄膜トランジスタの第2端子、第3薄膜トランジスタのゲート、第4薄膜トランジスタのゲート、第5薄膜トランジスタのゲート、及び第10薄膜トランジスタの第1端子に電気的に接続され、ゲートが第5信号線に電気的に接続され、第10薄膜トランジスタは、第1端子が第1薄膜トランジスタの第2端子、第3薄膜トランジスタのゲート、第4薄膜トランジスタのゲート、第5薄膜トランジスタのゲート、及び第9薄膜トランジスタの第2端子に電気的に接続され、第2端子が第2電源線に電気的に接続され、ゲートが第4信号線に電気的に接続され、第11薄膜トランジスタは、第1端子が第6信号線、第5薄膜トランジスタの第1端子、及び第7薄膜トランジスタの第2端子に電気的に接続され、ゲートが第3信号線に電気的に接続されている駆動回路である。
【0008】
駆動回路において、第2信号線には、リセット信号が供給され、第4信号線には、前段信号が供給され、第5信号線には、後段信号が供給され、第6信号線及び第7信号線より第1の出力信号及び第2の出力信号を出力し、奇数段目のパルス出力回路の第1信号線には、クロック信号が供給され、奇数段目の第3信号線には、反転クロック信号が供給され、偶数段目のパルス出力回路の第1信号線には、反転クロック信号が供給され、偶数段目の第3信号線には、クロック信号が供給されるものでもよい。
【0009】
駆動回路において、反転クロック信号は、クロック信号より1/2周期遅延した信号であってもよい。
【0010】
駆動回路において、第2信号線には、リセット信号が供給され、第4信号線には、前段信号が供給され、第5信号線後段信号が供給され、第6信号線及び第7信号線より第1の出力信号及び第2の出力信号を出力し、(J−3)段目(Jは4以上の4の倍数)のパルス出力回路の第1信号線には、第1クロック信号が供給され、(J−3)段目の第3信号線には、第2クロック信号が供給され、(J−2)段目のパルス出力回路の第1信号線には、第2クロック信号が供給され、(J−2)段目の第3信号線には、第3クロック信号が供給され、(J−1)段目のパルス出力回路の第1信号線には、第3クロック信号が供給され、(J−1)段目の第3信号線には、第4クロック信号が供給され、J段目のパルス出力回路の第1信号線には、第4クロック信号が供給され、J段目の第3信号線には、第1クロック信号が供給されるものでもよい。
【0011】
駆動回路において、4クロック信号は、第3クロック信号より1/4周期遅延した信号であり、3クロック信号は、第2クロック信号より1/4周期遅延した信号であり、2クロック信号は、第1クロック信号より1/4周期遅延した信号であり、1クロック信号は、第4クロック信号より1/4周期遅延した信号であってもよい。
【0012】
駆動回路において、一方の電極が第1薄膜トランジスタの第2端子、第3薄膜トランジスタのゲート、第4薄膜トランジスタのゲート、第5薄膜トランジスタのゲート、第9薄膜トランジスタの第2端子、及び第10薄膜トランジスタの第1端子に電気的に接続され、他方の電極が第2電源線に電気的に接続された容量素子を具備するものであってもよい。
【0013】
駆動回路において、第1端子が、第1薄膜トランジスタの第2端子、第3薄膜トランジスタのゲート、第4薄膜トランジスタのゲート、第5薄膜トランジスタのゲート、第9薄膜トランジスタの第2端子、及び第10薄膜トランジスタの第1端子に接続され、第2端子が、第2電源線に接続され、ゲートが第7信号線、に電気的に接続された第12薄膜トランジスタを有するものであってもよい。
【0014】
駆動回路において、第1薄膜トランジスタ乃至第11薄膜トランジスタが、微結晶シリコンをチャネル領域に具備するものでもよい。
【発明の効果】
【0015】
本発明の一態様により、薄膜トランジスタの特性劣化の程度を小さくできる駆動回路を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】駆動回路の回路図である。
【図2】駆動回路の回路図と、その動作を説明するためのタイミングチャートである。
【図3】駆動回路の動作を説明するための模式図である。
【図4】駆動回路の動作を説明するための模式図である。
【図5】駆動回路の動作を説明するための模式図である。
【図6】駆動回路の回路図である。
【図7】駆動回路の回路図である。
【図8】駆動回路の回路図と、その動作を説明するためのタイミングチャート。
【図9】駆動回路の動作を説明するための模式図である。
【図10】駆動回路の動作を説明するための模式図である。
【図11】駆動回路の動作を説明するための模式図である。
【図12】表示装置のブロック図である。
【図13】表示装置のブロック図である。
【図14】駆動回路の回路図と、その動作を説明するためのタイミングチャートである。
【図15】画素の回路図と、その動作を説明するためのタイミングチャートである。
【図16】画素の回路図である。
【図17】駆動回路を説明する断面図である。
【図18】駆動回路を説明する断面図である。
【図19】駆動回路を説明する断面図である。
【図20】駆動回路の作製方法を説明する断面図である。
【図21】駆動回路の作製方法を説明する断面図である。
【図22】駆動回路の作製方法に適用可能な多階調マスクを説明する図である。
【図23】駆動回路の作製方法を説明する断面図である。
【図24】駆動回路の作製方法を説明する断面図である。
【図25】駆動回路の作製方法を説明する断面図である。
【図26】表示装置を説明する上面図及び断面図である。
【図27】表示装置を有する電子機器を説明する図である。
【図28】駆動回路の回路図である。
【図29】駆動回路の回路図である。
【図30】駆動回路の回路図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。但し、実施の形態は多くの異なる態様で実施することが可能であり、趣旨及びその範囲から逸脱することなくその形態及び詳細を様々に変更し得ることは当業者であれば容易に理解される。従って実施の形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。なお、以下に説明する構成において、同一又は同様な機能を有する部分は異なる図面間で共通の符号を用いて示し、同一部分又は同様な機能を有する部分の詳細な説明は省略する。
【0018】
なお、各実施の形態の図面等において示す各構成の、大きさ、層の厚さ、信号波形のなまり、又は領域は、明瞭化のために誇張されて表記している場合がある。よって、必ずしもそのスケールに限定されない。
【0019】
なお、本明細書にて用いる「第1」、「第2」、「第3」等などの用語は、構成要素の混同を避けるために付したものであり、数的に限定するものではないことを付記する。
【0020】
(実施の形態1)
本実施の形態では、駆動回路の一形態及び当該薄膜トランジスタの構成について説明する。
【0021】
まず、駆動回路の構成について説明する。本実施の形態の駆動回路は、一例として、ゲートドライバ、ソースドライバ、又は表示装置などに用いるシフトレジスタとして機能することできる。
【0022】
シフトレジスタとして機能する駆動回路について、図1乃至図6、図28、図29を参照して説明する。シフトレジスタ100は、第1のパルス出力回路101_1乃至第Nのパルス出力回路101_N(N≧3)を有している(図1(A)参照)。図1(A)に示すシフトレジスタ100の第1のパルス出力回路101_1乃至第Nのパルス出力回路101_Nの各段には、第1の配線102よりクロック信号CK、第2の配線103より反転クロック信号CKB、第3の配線104よりリセット信号RESが入力される。また各段のパルス出力回路には、スタートパルスSPまたは一段前段のパルス出力回路からの信号(前段信号Linという)が入力される。また各段のパルス出力回路には、一段後段のパルス出力回路からの信号(後段信号Rinという)が入力される。また各段のパルス出力回路からは、ゲート線またはデータ線等に出力するための第1の出力信号Gout、前段及び/または後段のパルス出力回路に入力するための第2の出力信号SRout、が出力される。なお、パルス出力回路は、表示部の表示に寄与しない信号を出力するダミーの段を設けてもよく、例えばゲートドライバのシフトレジスタに用いられ、n本のゲート線に順次パルスを出力する構成では、n≦Nの段数とする構成とすればよい。
【0023】
なお、クロック信号CK及び反転クロック信号CKBは、奇数段のパルス出力回路と偶数段のパルス出力回路では、入力される端子が入れ替わる。具体的には、図1(B)に示すように奇数段のパルス出力回路101_1において、第1端子にクロック信号CKが入力され、第2端子にリセット信号RESが入力され、第3端子に反転クロック信号CKBが入力され、第4端子に前段信号Linが入力され、第5端子に後段信号Rinが入力され、第6端子より第1の出力信号Goutが出力され、第7端子より第2の出力信号SRoutが出力されていると、図1(C)に示すように偶数段のパルス出力回路101_2において、第1端子に反転クロック信号CKBが入力され、第2端子にリセット信号RESが入力され、第3端子にクロック信号CKが入力され、第4端子に前段信号Linが入力され、第5端子に後段信号Rinが入力され、第6端子より第1の出力信号Goutが出力され、第7端子より第2の出力信号outが出力されていることとなる。なおクロック信号CK及び反転クロック信号CKBは、一定の間隔でH信号(高電源電位レベル)とL信号(低電源電位レベル)を繰り返す信号であり、ここでは、クロック信号CKと反転クロック信号は、1/2周期分遅延した関係にあるものとする。
【0024】
なお、電圧とは、ある電位と、基準の電位(例えばグランド電位)との電位差のことを示す場合が多い。よって本明細書では、電圧と電位は、言い換えて説明することができる。
【0025】
次に、パルス出力回路の具体的な回路構成の一例について、図1(D)で説明する。なお図1(D)では、一例として、奇数段のパルス出力回路について構成について説明する。なお、奇数段と偶数段のパルス出力回路の違いについては、上述のように、クロック信号CKと反転クロック信号CKBとが入力される端子が入れ替わる点にある。
【0026】
パルス出力回路は、第1薄膜トランジスタ111乃至第11薄膜トランジスタ121を有している。また図1(D)では、上述した第1端子乃至第7端子に入力される信号に加え、第1電源線131より高電源電位VDD、第2電源線132より低電源電位VSSが供給される点について示している。なお、図1(D)において、第1端子にクロック信号CKを入力する配線を第1信号線151、第2端子にリセット信号RESを入力する配線を第2信号線152、第3端子に反転クロック信号CKBを入力する配線を第3信号線153、第4端子に前段信号Linを入力する配線を第4信号線154、第5端子に後段信号Rinを入力する配線を第5信号線155、第6端子より第1の出力信号Goutが出力する配線を第6信号線156、第7端子より第2の出力信号SRoutを出力する配線を第7信号線157という。
【0027】
第1薄膜トランジスタ111は、第1端子が第1電源線131に接続され、第2端子が第3薄膜トランジスタ113のゲート、第4薄膜トランジスタ114のゲート、第5薄膜トランジスタ115のゲート、第9薄膜トランジスタ119の第2端子、及び第10薄膜トランジスタ120の第1端子に接続され、ゲートが第2信号線152に接続されている。第2薄膜トランジスタ112は、第1端子が第3薄膜トランジスタ113の第1端子、及び第8薄膜トランジスタ118の第2端子に接続され、第2端子が第6薄膜トランジスタ116のゲート、及び第7薄膜トランジスタ117のゲートに接続され、ゲートが第1電源線131に接続されている。第3薄膜トランジスタ113は、第1端子が第2薄膜トランジスタ112の第1端子、及び第8薄膜トランジスタ118の第2端子に接続され、第2端子が第2電源線132に接続され、ゲートが第1薄膜トランジスタ111の第2端子、第4薄膜トランジスタ114のゲート、第5薄膜トランジスタ115のゲート、第9薄膜トランジスタ119の第2端子、及び第10薄膜トランジスタ120の第1端子に接続されている。第4薄膜トランジスタ114は、第1端子が第7信号線157、及び第6薄膜トランジスタ116の第2端子に接続され、第2端子が第2電源線132に接続され、ゲートが第1薄膜トランジスタ111の第2端子、第3薄膜トランジスタ113のゲート、第5薄膜トランジスタ115のゲート、第9薄膜トランジスタ119の第2端子、及び第10薄膜トランジスタ120の第1端子に接続されている。第5薄膜トランジスタ115は、第1端子が第6信号線156、第7薄膜トランジスタ117の第2端子、及び第11薄膜トランジスタ121の第1端子に接続され、第2端子が第2電源線132に接続され、ゲートが第1薄膜トランジスタ111の第2端子、第3薄膜トランジスタ113のゲート、第4薄膜トランジスタ114のゲート、第9薄膜トランジスタ119の第2端子、及び第10薄膜トランジスタ120の第1端子に接続されている。第6薄膜トランジスタ116は、第1端子が第1信号線151に接続され、第2端子が第7信号線157、及び第4薄膜トランジスタ114の第1端子に接続され、ゲートが第2薄膜トランジスタ112の第2端子、及び第7薄膜トランジスタ117のゲートに接続されている。第7薄膜トランジスタ117は、第1端子が第1信号線151に接続され、第2端子が第6信号線156、第5薄膜トランジスタ115の第1端子、及び第11薄膜トランジスタ121の第1端子に接続され、ゲートが第2薄膜トランジスタ112の第2端子、及び第6薄膜トランジスタ116のゲートに接続されている。第8薄膜トランジスタ118は、第1端子が第1電源線131に接続され、第2端子が第2薄膜トランジスタ112の第1端子、及び第3薄膜トランジスタ113の第1端子に接続され、ゲートが第4信号線154に接続されている。第9薄膜トランジスタ119は、第1端子が第1電源線131に接続され、第2端子が第1薄膜トランジスタ111の第2端子、第3薄膜トランジスタ113のゲート、第4薄膜トランジスタ114のゲート、第5薄膜トランジスタ115のゲート、及び第10薄膜トランジスタ120の第1端子に接続され、ゲートが第5信号線155に接続されている。第10薄膜トランジスタ120は、第1端子が第1薄膜トランジスタ111の第2端子、第3薄膜トランジスタ113のゲート、第4薄膜トランジスタ114のゲート、第5薄膜トランジスタ115のゲート、及び第9薄膜トランジスタ119の第2端子に接続され、第2端子が第2電源線132に接続され、ゲートが第4信号線154に接続されている。第11薄膜トランジスタ121は、第1端子が第6信号線156、第5薄膜トランジスタ115の第1端子、及び第7薄膜トランジスタ117の第2端子に接続され、ゲートが第3信号線153に接続され、第2端子が第2電源線132に接続されている。
【0028】
なお、第6薄膜トランジスタ116及び第7薄膜トランジスタ117のそれぞれのゲートと第2端子との間には、第6薄膜トランジスタ116及び第7薄膜トランジスタ117のゲートを浮遊状態とすることによりブートストラップ動作を行うための容量素子を別途設けても良い。第6薄膜トランジスタ116及び第7薄膜トランジスタのゲート容量でブートストラップ動作を行うことができれば、容量素子を削減することもできる。
【0029】
なお、薄膜トランジスタとは、ゲートと、ドレインと、ソースとを含む少なくとも三つの端子を有する素子であり、ドレイン領域とソース領域の間にチャネル領域を有しており、ドレイン領域とチャネル領域とソース領域とを介して電流を流すことが出来る。ここで、ソースとドレインとは、薄膜トランジスタの構造や動作条件等によって変わるため、いずれがソースまたはドレインであるかを限定することが困難である。そこで、ソースまたはドレインとして機能する領域を、ソースもしくはドレインと呼ばない場合がある。その場合、一例としては、それぞれを第1端子、第2端子と表記する場合がある。あるいは、それぞれを第1電極、第2電極と表記する場合がある。あるいは、第1領域、第2領域と表記する場合がある。
【0030】
なお、薄膜トランジスタの構成は、様々な形態をとることができ、特定の構成に限定されない。例えば、ゲート電極が2個以上のマルチゲート構造を適用することができる。
【0031】
別の例として、チャネル領域の上下にゲート電極が配置されている構造を適用することができる。なお、チャネル領域の上下にゲート電極が配置される構成にすることにより、複数の薄膜トランジスタが並列に接続されたような構成となる。
【0032】
チャネル領域の上にゲート電極が配置されている構造、チャネル領域の下にゲート電極が配置されている構造、正スタガ構造、逆スタガ構造、チャネル領域を複数の領域に分けた構造、チャネル領域を並列に接続した構造、またはチャネル領域が直列に接続する構成も適用できる。さらに、チャネル領域(もしくはその一部)にソース電極やドレイン電極が重なっている構造も適用できる。
【0033】
なお、AとBとが接続されている、と明示的に記載する場合は、AとBとが電気的に接続されている場合と、AとBとが機能的に接続されている場合と、AとBとが直接接続されている場合とを含むものとする。ここで、A、Bは、対象物(例えば、装置、素子、回路、配線、電極、端子、導電膜、層、など)であるとする。したがって、所定の接続関係、例えば、図または文章に示された接続関係に限定されず、図または文章に示された接続関係以外のものも含むものとする。
【0034】
例えば、AとBとが電気的に接続されている場合として、AとBとの電気的な接続を可能とする素子(例えば、スイッチ、薄膜トランジスタ、容量素子、インダクタ、抵抗素子、ダイオードなど)が、AとBとの間に1個以上接続されていてもよい。あるいは、AとBとが機能的に接続されている場合として、AとBとの機能的な接続を可能とする回路(例えば、論理回路(インバータ、NAND回路、NOR回路など)、信号変換回路(DA変換回路、AD変換回路、ガンマ補正回路など)、電位レベル変換回路(電源回路(昇圧回路、降圧回路など)、信号の電位レベルを変えるレベルシフタ回路など)、電圧源、電流源、切り替え回路、増幅回路(信号振幅または電流量などを大きく出来る回路、オペアンプ、差動増幅回路、ソースフォロワ回路、バッファ回路など)、信号生成回路、記憶回路、制御回路など)が、AとBとの間に1個以上接続されていてもよい。例えば、AとBとの間に別の回路を挟んでいても、Aから出力された信号がBへ伝達される場合は、AとBとは機能的に接続されているものとする。
【0035】
なお、AとBとが電気的に接続されている、と明示的に記載する場合は、AとBとが電気的に接続されている場合(つまり、AとBとの間に別の素子や別の回路を挟んで接続されている場合)と、AとBとが機能的に接続されている場合(つまり、AとBとの間に別の回路を挟んで機能的に接続されている場合)と、AとBとが直接接続されている場合(つまり、AとBとの間に別の素子や別の回路を挟まずに接続されている場合)とを含むものとする。つまり、電気的に接続されている、と明示的に記載する場合は、単に、接続されている、とのみ明示的に記載されている場合と同じであるとする。
【0036】
なお本実施の形態における薄膜トランジスタは、微結晶(マイクロクリスタル、ナノクリスタル、セミアモルファスとも言う)シリコンをチャネル層に用いた薄膜トランジスタ(TFT)で構成される。そのため、薄膜トランジスタの特性劣化の程度を小さくすることのできる駆動回路とすることができる。
【0037】
なお第1乃至第3薄膜トランジスタ、第8乃至第11薄膜トランジスタは、薄膜トランジスタに限らず、入力される信号に応じて導通状態(オン状態)又は非導通状態(オフ状態)が切り替わるスイッチであってもよい。
【0038】
なお、スイッチは、様々な形態のものを用いることができる。例としては、電気的スイッチや機械的なスイッチなどがある。つまり、電流の流れを制御できるものであればよく、特定のものに限定されない。例えば、スイッチとして、トランジスタ(例えば、バイポーラトランジスタ、MOSトランジスタなど)、ダイオード(例えば、PNダイオード、PINダイオード、ショットキーダイオード、MIM(Metal Insulator Metal)ダイオード、MIS(Metal Insulator Semiconductor)ダイオード、ダイオード接続のトランジスタなど)などを用いることが出来る。または、これらを組み合わせた論理回路をスイッチとして用いることが出来る。
【0039】
次に、図1(A)乃至(D)に示したシフトレジスタの動作について図2乃至図6を参照して説明する。なお、説明の上で、図2(A)に示すように、第2薄膜トランジスタ112の第2端子、第6薄膜トランジスタ116のゲート、及び第7薄膜トランジスタ117のゲートの接続箇所をノードA(nodeA)とする。また、シフトレジスタの動作について具体的に説明するため、図2(B)のタイミングチャートにおいて示す、第1の期間T1、第2の期間T2、第3の期間T3、第4の期間T4、第5の期間T5に分けて説明する。なお、以下の説明において、第1薄膜トランジスタ111乃至第11薄膜トランジスタ121は、Nチャネル型の薄膜トランジスタとし、ゲートとソース間電圧(Vgs)がしきい値電圧(Vth)を上回ったとき導通状態になるものとする。なお、図2(B)においては、ゲートドライバが具備するシフトレジスタであるとし、期間201は垂直帰線期間であり、期間202はゲート選択期間であるとする。また図2(B)に示すタイミングチャートでは、クロック信号CK、反転クロック信号CKB、リセット信号RES、前段信号Lin、後段信号Rin、及び各段における第2の出力信号SRout(例として1段目のSRout1)の波形について、具体的な例を示している。また、各信号の高電源電位レベル及び低電源電位レベルは、ノードAを除き、それぞれVDD及びVSSであるものとして説明する。なお、第1の出力信号Gout1については、第2の出力信号SRout1の波形と同じ波形を示すため、ここでは省略する。
【0040】
第1の期間T1において、リセット信号RESがH信号となり、第2の信号線152にゲートが接続された第1薄膜トランジスタ111は導通する。このとき、クロック信号CKはH信号、反転クロック信号CKB、前段信号Lin、及び後段信号RinはL信号である。図3(A)に示すように、第1薄膜トランジスタ111が導通し、第2薄膜トランジスタ112、第3薄膜トランジスタ113、第4薄膜トランジスタ114、及び第5薄膜トランジスタ115が導通する。そのため、図3(A)中の点線矢印のように電流が流れ、第1の期間T1での各配線の電位を図2(B)のように確定する。すなわち第1の期間T1は、パルス出力回路中の各配線の電位をリセット(VSSに)する期間となる。また第1の期間T1は、第2の出力信号SRout1はL信号を出力することとなる。
【0041】
リセット信号RESにより第1薄膜トランジスタ111のゲートに入力する動作を、期間201である垂直帰線期間毎に行うことにより、各薄膜トランジスタの各ノードをVDDまたはVSSの電位にすることができる。そのため本実施の形態で述べる、浮遊状態のノードを利用して駆動を行ういわゆるダイナミック回路では、各ノードの初期化(リセット)を行うことができるため、スタティック回路と同等の動作信頼性、ノイズ耐性に向上することができる。
【0042】
次に第2の期間T2において、前段信号LinがH信号となり、第4信号線154にゲートが接続された第8薄膜トランジスタ118及び第10薄膜トランジスタ120は導通する。このとき、反転クロック信号CKBはH信号、クロック信号CK、リセット信号RES、及び後段信号RinはL信号である。このとき図3(B)に示すように、第8薄膜トランジスタ118が導通する。第2薄膜トランジスタ112は、第1の期間T1に続いて導通する。そして、図3(B)中の点線矢印のように電流が流れる。このとき、ノードAの電位は、第8薄膜トランジスタ118の第2端子がソースとなって、第1電源線131の電位から第8薄膜トランジスタ118のしきい値電圧Vthを引いた値(VDD−Vth)となる。第8薄膜トランジスタ118の第2端子が(VDD−Vth)となると、第8薄膜トランジスタ118が非導通となり、ノードAが(VDD−Vth)を維持したまま浮遊状態となる。なお図3(B)に示すように、第6薄膜トランジスタ116、及び第7薄膜トランジスタ117が導通するもの、第1信号線151はVSSであるため、第2の期間T2での各配線の電位を図2(B)のように確定する。すなわち第2の期間T2は、パルス出力回路中のノードAの電位を浮遊状態にする期間となる。また第2の期間T2は、第2の出力信号SRout1はL信号を出力することとなる。
【0043】
次に、第3の期間T3において、クロック信号CKがH信号となる。このとき、反転クロック信号CKB、リセット信号RES、前段信号Lin、及び後段信号RinはL信号である。このとき図4(A)に示すように、第6薄膜トランジスタ116、及び第7薄膜トランジスタ117が導通、すなわちソースとドレインの間に電流が流れる状態(図4(A)中の点線矢印)であり、第6薄膜トランジスタ116、及び第7薄膜トランジスタ117の第2端子(ソース側)の電位が上昇を始める。第6薄膜トランジスタ116、及び第7薄膜トランジスタ117のゲートとソース間には寄生容量による容量結合が存在し、ソースとなる第2端子の電位上昇に伴い、浮遊状態となっているノードAの電位が上昇する(ブートストラップ動作)。最終的には、ノードAの電位は、(VDD+Vth)より高くなり、第6薄膜トランジスタ116、及び第7薄膜トランジスタ117の第2端子の電位はVDDになる。そして、第3の期間T3は、第2の出力信号SRout1としてH信号を出力することとなる。すなわち、第3の期間T3は、浮遊状態のノードAの電位をブートストラップ動作により上昇させ、H信号を第1の出力信号Gout1及び第2の出力信号SRout1として出力することとなる。そして、第2の出力信号SRout1は、2段目のパルス出力回路の前段信号Linとして入力される。
【0044】
なお、図1(D)に示すように、ゲートに高電源電位VDDが印加される第2薄膜トランジスタ112を設けておくことにより、以下のような利点がある。
【0045】
ゲートに高電源電位VDDが印加される第2薄膜トランジスタ112がない場合、ブートストラップ動作によりノードAの電位が上昇すると、第8薄膜トランジスタ118の第2端子であるソースの電位が上昇していき、高電源電位VDDより大きくなる。そして、第8薄膜トランジスタ118のソースが第1端子側に切り替わる。そのため、第8薄膜トランジスタ118においては、第3の期間T3にゲートとソースの間、ゲートとドレインの間ともに、大きなバイアス電圧が印加されるために大きなストレスがかかり、薄膜トランジスタの劣化の要因となりうる。
【0046】
ゲートに高電源電位VDDが印加される第2薄膜トランジスタ112を設けておくことにより、ブートストラップ動作により、ノードAの電位は上昇するものの、第8薄膜トランジスタ118の第2端子の電位の上昇を生じないようにすることができる。つまり、第2薄膜トランジスタ112を設けることにより、第8薄膜トランジスタ118のゲートとソースの間に印加される負のバイアス電圧の値を小さくすることができる。よって、本実施の形態の回路構成とすることにより、第8薄膜トランジスタ118のゲートとソースの間に印加される負のバイアス電圧も小さくできるため、ストレスによる第8薄膜トランジスタ118の劣化をさらに抑制することができる。
【0047】
なお、第2薄膜トランジスタ112を設ける箇所については、第8薄膜トランジスタ118の第2端子と第6薄膜トランジスタ116のゲートまたは第7薄膜トランジスタ117のゲートとの間に第1端子と第2端子を介して接続されるように設ける構成であればよい。
【0048】
なお、第2薄膜トランジスタ112は、ゲートに高電源電位VDDが印加される構成となるため、ゲートとソースとの間に高い電圧の印加がならないものの、ほとんどの期間で導通状態となる。そのため、非晶質半導体等で薄膜トランジスタのチャネル領域を形成した場合、薄膜トランジスタの劣化の度合いが顕著になるものの、本実施の形態で説明する、微結晶半導体の代表例である微結晶シリコンを各トランジスタのチャネル領域に設ける構成とすることで、劣化の進行を低減する効果がより得られることとなる。なお、第2薄膜トランジスタ112は、ゲート電極が2個以上のマルチゲート構造を適用することで、薄膜トランジスタの冗長化が図れるため、劣化の進行をさらに低減する効果がより得られることとなる。
【0049】
なお図1(D)では、第2薄膜トランジスタ112のゲートに印加される電位を高電源電位VDDとしているが、第2薄膜トランジスタ112が導通する電位が印加されていればよい。図28(A)に、第2薄膜トランジスタ112のゲートを、高電源電位VDDが入力される第1電源線131とは別に設けた、導通保持電位VCCを印加する第3電源線2801に接続した例を示す。なお、導通保持電位VCCの電位は、VSS<VCC≦VDDの大小関係であればよく、導通保持電位VCCを高電源電位VDDより小さくすることで、第2薄膜トランジスタの劣化の度合いを低減することが出来る。
【0050】
また図1(D)で示した構成に加えて、別途第12薄膜トランジスタ2802を設ける構成としてもよい(図28(B)参照)。第12薄膜トランジスタ2802の第1端子は、第1薄膜トランジスタ111の第2端子、第3薄膜トランジスタ113のゲート、第4薄膜トランジスタ114のゲート、第5薄膜トランジスタ115のゲート、第9薄膜トランジスタ119の第2端子、及び第10薄膜トランジスタ120の第1端子に接続され、第2端子は第2電源線132に接続され、ゲートが第7信号線157に接続される。なお第12薄膜トランジスタ2802のゲートは、第6信号線156に接続される構成でもよい。第12薄膜トランジスタ2802は、第7信号線157(または第6信号線156)がH信号を供給することにより、導通状態となる。すなわち、第7信号線157(または第6信号線156)がH信号を供給する第3の期間T3では、第1薄膜トランジスタ111の第2端子、第3薄膜トランジスタ113のゲート、第4薄膜トランジスタ114のゲート、第5薄膜トランジスタ115のゲート、第9薄膜トランジスタ119の第2端子、及び第10薄膜トランジスタ120の第1端子が接続されたノードと、VSSが供給された第2電源線132と、を導通状態とすることにより、第3薄膜トランジスタ113、第4薄膜トランジスタ114、及び第5薄膜トランジスタ115をより確実に非導通状態とすることができるため、駆動回路の誤動作を低減することが出来る。
【0051】
次に、第4の期間T4において、2段目のパルス出力回路より得られる後段信号Rin(図2(B)中のSRout_2)がH信号となり、第5信号線155にゲートが接続された第9薄膜トランジスタ119は導通する。このとき、反転クロック信号CKBはH信号、クロック信号CK、リセット信号RES、及び前段信号LinはL信号である。第3薄膜トランジスタ113、第4薄膜トランジスタ114、第5薄膜トランジスタ115、及び第11薄膜トランジスタ121が導通する。そして、第2薄膜トランジスタ112は、第3の期間T3に続いて導通し、第6薄膜トランジスタ116、及び第7薄膜トランジスタ117のゲートの電位をVSSとすることで、第6薄膜トランジスタ116、及び第7薄膜トランジスタ117を非導通にする。そして、図4(B)中の点線矢印のように電流が流れ、第4の期間T4での各配線の電位を図2(B)のように確定する。すなわち、第4の期間T4は、L信号を第1の出力信号Gout1及び第2の出力信号SRout1として出力することとなる。
【0052】
次に、第5の期間T5は、クロック信号CKと反転クロック信号CKBとが交互に反転して入力される期間T5−1、期間T5−2において説明する。まず期間T5−1について説明する。期間T5−1では、クロック信号CKがH信号となり、反転クロック信号CKB、リセット信号RES、前段信号Lin、及び後段信号RinはL信号である。第1薄膜トランジスタ111、第8薄膜トランジスタ118、第9薄膜トランジスタ119、及び第10薄膜トランジスタ120が非導通となることで、第3薄膜トランジスタ113、第4薄膜トランジスタ114、及び第5薄膜トランジスタのゲートの電位は、第4の期間の状態を維持したまま浮遊状態となる。すなわち、第3薄膜トランジスタ113、第4薄膜トランジスタ114、及び第5薄膜トランジスタ115は、導通状態を保持することとなる。そして、第2薄膜トランジスタ112は、第4の期間T4に続いて導通し、第6薄膜トランジスタ116、及び第7薄膜トランジスタ117のゲートの電位をVSSとすることで、第6薄膜トランジスタ116、及び第7薄膜トランジスタ117を非導通にする。また、第11薄膜トランジスタ121は、非導通状態である。そして、図5(A)中の点線矢印のように電流が流れ、期間T5−1での各配線の電位を図5(A)のように確定する。また、期間T5−2では、反転クロック信号CKBがH信号となり、クロック信号CK、リセット信号RES、前段信号Lin、及び後段信号RinはL信号である。期間T5−1と同様に、第1薄膜トランジスタ111、第8薄膜トランジスタ118、第9薄膜トランジスタ119,及び第10薄膜トランジスタ120が非導通となることで、第3薄膜トランジスタ113、第4薄膜トランジスタ114、及び第5薄膜トランジスタのゲートの電位は、第4の期間の状態を維持したまま浮遊状態となる。すなわち、第3薄膜トランジスタ113、第4薄膜トランジスタ114、及び第5薄膜トランジスタ115は、導通状態を保持することとなる。そして、第2薄膜トランジスタ112は、第4の期間T4に続いて導通し、第6薄膜トランジスタ116、及び第7薄膜トランジスタ117のゲートの電位をVSSとすることで、第6薄膜トランジスタ116、及び第7薄膜トランジスタ117を非導通にする。また、第11薄膜トランジスタ121は、導通状態である。そして、図5(B)中の点線矢印のように電流が流れ、期間T5−2での各配線の電位を図2(B)のように確定する。すなわち、第5の期間T5は、L信号を第1の出力信号Gout1及び第2の出力信号SRout1として出力することとなる。
【0053】
なお図1(D)で示した構成に加えて、別途容量素子2901を設ける構成としてもよい(図29参照)。容量素子2901の一方の電極は、第1薄膜トランジスタ111の第2端子、第3薄膜トランジスタ113のゲート、第4薄膜トランジスタ114のゲート、第5薄膜トランジスタ115のゲート、第9薄膜トランジスタ119の第2端子、及び第10薄膜トランジスタ120の第1端子に接続され、他方の電極が、第2電源線132に接続される。容量素子2901は、第1薄膜トランジスタ111の第2端子、第3薄膜トランジスタ113のゲート、第4薄膜トランジスタ114のゲート、第5薄膜トランジスタ115のゲート、第9薄膜トランジスタ119の第2端子、及び第10薄膜トランジスタ120の第1端子が接続されたノードの電位を保持するものとなる。すなわち、第7信号線157(または第6信号線)の出力をL信号で保持する第5の期間T5において、第3薄膜トランジスタ113、第4薄膜トランジスタ114、及び第5薄膜トランジスタ115をより確実に導通状態とするための電位に保持することができるため、駆動回路の誤動作を低減することが出来る。
【0054】
本実施の形態で示すシフトレジスタは、第1の出力信号Goutと第2の出力信号SRoutを出力する第6信号線156及び第7信号線157を分けて設ける構成としている。これにより、第6信号線156及び第7信号線157の後段に接続される素子の負荷に応じて、第6薄膜トランジスタ第7薄膜トランジスタの薄膜トランジスタサイズを異ならせることができ、各信号の電位の立ち上がりの遅延を低減することができる。ここでいう薄膜トランジスタサイズとは、薄膜トランジスタのW/L(W:チャネル幅、L:チャネル長)比のことをいう。なお、図6(A)に示すように、第6信号線156及び第7信号線157を統合し、同じ信号線166より第1の出力信号Goutと第2の出力信号SRoutを出力する構成としても良い。また、第11薄膜トランジスタも併せて、省略しても同じ出力信号を得ることができる。第6信号線156及び第7信号線157を統合し、第11薄膜トランジスタを省略することで、薄膜トランジスタ数の削減、反転クロック信号を入力する配線の削減等を図ることができるため、シフトレジスタの小型化を図ることができる。
【0055】
なお、本実施の形態に示すパルス出力回路の回路構成では、第11薄膜トランジスタ121を設ける構成について示している。第11薄膜トランジスタ121を設けることにより、第6信号線156の第1の出力信号Goutの電位の立ち下がり時間を短くすることができる。一方、本実施の形態に示すパルス出力回路の回路構成は、図2乃至図5と同じ動作を行う構成であればよく、例えば、図に示すように、第1電源線131及び/または第2電源線132を複数配し、複数の高電源電位、及び/又は複数の低電源電位を供給する構成とすることができる。例えば、図6(B)に示すように、第1電源線として機能する配線を複数の電源線171、電源線172に分け、第1の高電源電位VDD1、第2の高電源電位VDD2を供給する構成としても良い。そして、第11薄膜トランジスタ121で十分に第6信号線156の第1の出力信号Goutの電位の立ち下がり時間を短くできれば、第5薄膜トランジスタ115で第6信号線156の第1の出力信号Goutの電位の立ち下がり時間を短くする必要はなくなるので、図6(B)における電源線171の第1の高電源電位VDD1を電源線172の第2の高電源電位VDD2より低く設定することもできる。その結果、第3薄膜トランジスタ113、第4薄膜トランジスタ114、及び第5薄膜トランジスタ115のしきい値シフトを軽減することができる。
【0056】
次に、パルス出力回路を構成する薄膜トランジスタの構造について説明する。薄膜トランジスタはp型よりもn型の方が、キャリアの電界効果移動度が高い。このため、本実施の形態では、n型の薄膜トランジスタの構造について説明する。
【0057】
(構造1)
図17に、薄膜トランジスタの一形態の断面図を示す。図17に示す薄膜トランジスタは、基板1101上に、ゲート電極1103と、微結晶半導体層1115aと、混合層1115bと、非晶質半導体を含む層1129cと、ゲート電極1103及び微結晶半導体層1115aの間に設けられるゲート絶縁層1105と、非晶質半導体を含む層1129cに接するソース領域及びドレイン領域として機能する不純物半導体層1127と、不純物半導体層1127に接する配線1125とを有する。
【0058】
基板1101としては、ガラス基板、セラミック基板の他、本作製工程の処理温度に耐えうる程度の耐熱性を有するプラスチック基板等を用いることができる。また、基板に透光性を要しない場合には、ステンレス合金等の金属の基板の表面に絶縁層を設けたものを用いてもよい。ガラス基板としては、例えば、バリウムホウケイ酸ガラス、アルミノホウケイ酸ガラス若しくはアルミノケイ酸ガラス等の無アルカリガラス基板を用いるとよい。また、基板1101として、第3世代(例えば、550mm×650mm)、第3.5世代(例えば、600mm×720mm、または620mm×750mm)、第4世代(例えば、680mm×880mm、または730mm×920mm)、第5世代(例えば、1100mm×1300mm)、第6世代(例えば、1500mm×1850mm)、第7世代(例えば、1870mm×2200mm)、第8世代(例えば、2200mm×2400mm)、第9世代(例えば、2400mm×2800mm)、第10世代(例えば、2850mm×3050mm)等のガラス基板を用いることができる。
【0059】
ゲート電極1103は、モリブデン、チタン、クロム、タンタル、タングステン、アルミニウム、銅、ネオジム、スカンジウム等の金属材料、またはこれらを主成分とする合金材料を用いて、単層でまたは積層して形成することができる。また、リン等の不純物元素をドーピングした多結晶シリコンに代表される半導体層やAgPdCu合金を用いてもよい。
【0060】
ゲート電極1103の2層の積層構造としては、アルミニウム層上にモリブデン層が積層した二層構造、銅層上にモリブデン層を積層した二層構造、銅層上に窒化チタン層若しくは窒化タンタルを積層した二層構造、または窒化チタン層とモリブデン層とを積層した二層構造とすることが好ましい。ゲート電極1103の3層の積層構造としては、タングステン層または窒化タングステンと、アルミニウム及びシリコンの合金またはアルミニウムとチタンの合金と、窒化チタンまたはチタン層とを積層した構造とすることが好ましい。電気的抵抗が低い層上にバリア層として機能する金属層が積層されることで、電気的抵抗が低く、且つ金属層から半導体層への金属元素の拡散を防止することができる。
【0061】
なお、ゲート電極1103及び基板1101との密着性向上として、上記の金属材料の窒化物層を、基板1101と、ゲート電極1103との間に設けてもよい。
【0062】
ゲート絶縁層1105は、CVD法またはスパッタリング法等を用いて、酸化シリコン層、窒化シリコン層、酸化窒化シリコン層、または窒化酸化シリコン層を単層、または積層して形成することができる。
【0063】
なお、本明細書中において、酸化窒化シリコンとは、その組成として、窒素よりも酸素の含有量が多いものであって、好ましくは、ラザフォード後方散乱法(RBS:Rutherford Backscattering Spectrometry)及び水素前方散乱法(HFS:Hydrogen Forward Scattering)を用いて測定した場合に、組成範囲として酸素が50〜70原子%、窒素が0.5〜15原子%、シリコンが25〜35原子%、水素が0.1〜10原子%の範囲で含まれるものをいう。また、窒化酸化シリコンとは、その組成として、酸素よりも窒素の含有量が多いものであって、好ましくは、RBS及びHFSを用いて測定した場合に、組成範囲として酸素が5〜30原子%、窒素が20〜55原子%、シリコンが25〜35原子%、水素が10〜30原子%の範囲で含まれるものをいう。ただし、酸化窒化シリコンまたは窒化酸化シリコンを構成する原子の合計を100原子%としたとき、窒素、酸素、シリコン及び水素の含有比率が上記の範囲内に含まれるものとする。
【0064】
微結晶半導体層1115aを構成する微結晶半導体とは、非晶質と結晶構造(単結晶、多結晶を含む)の中間的な構造の半導体である。微結晶半導体は、自由エネルギー的に安定な第3の状態を有する半導体であって、短距離秩序を持ち格子歪みを有する結晶質な半導体であり、結晶粒径が2nm以上200nm以下、好ましくは10nm以上80nm以下、より好ましくは、20nm以上50nm以下の柱状結晶または針状結晶が基板表面に対して法線方向に成長している。このため、柱状結晶または針状結晶の界面には、結晶粒界が形成される場合もある。
【0065】
微結晶半導体の代表例である微結晶シリコンは、そのラマンスペクトルが単結晶シリコンを示す520cm−1よりも低波数側に、シフトしている。即ち、単結晶シリコンを示す520cm−1とアモルファスシリコンを示す480cm−1の間に微結晶シリコンのラマンスペクトルのピークを示す。また、未結合手(ダングリングボンド)を終端するため水素またはハロゲンを少なくとも1原子%またはそれ以上含ませている。さらに、ヘリウム、アルゴン、クリプトン、またはネオンなどの希ガス元素を含ませて格子歪みをさらに助長させることで、安定性が増し良好な微結晶半導体が得られる。このような微結晶半導体に関する記述は、例えば、米国特許4,409,134号で開示されている。
【0066】
また、微結晶半導体層1115aに含まれる酸素及び窒素の二次イオン質量分析法によって計測される濃度を、1×1018atoms/cm未満とすることで、微結晶半導体層1115aの結晶性を高めることができるため好ましい。
【0067】
非晶質半導体を含む層1129cは、非晶質構造を有する。さらには、非晶質構造に加え、粒径が1nm以上10nm以下、好ましくは1nm以上5nm以下の半導体結晶粒を含む場合もある。ここでは、従来の非晶質半導体層と比較して、CPM(Constant photocurrent method)やフォトルミネッセンス分光測定で測定されるUrbach端のエネルギーが小さく、欠陥吸収スペクトル量が少ない半導体層を、非晶質半導体を含む層1129cという。即ち、従来の非晶質半導体層と比較して、欠陥が少なく、価電子帯のバンド端における準位のテール(裾)の傾きが急峻である秩序性の高い半導体層を、非晶質半導体を含む層1129cという。非晶質半導体を含む層1129cは、価電子帯のバンド端における準位のテール(裾)の傾きが急峻であるため、バンドギャップが広くなり、トンネル電流が流れにくくなる。
【0068】
なお、非晶質半導体を含む層1129cの非晶質半導体とは、代表的にはアモルファスシリコンである。
【0069】
また、非晶質半導体を含む層1129cは、窒素、またはNH基を有してもよい。
【0070】
図18に、図17のゲート絶縁層1105と、ソース領域及びドレイン領域として機能する不純物半導体層1127の間の拡大図を示し、特に混合層1115bについて詳細に示す。
【0071】
図18(A)に示すように、混合層1115bは、微結晶半導体層1115a及び非晶質半導体を含む層1129cの間に設けられる。また、混合層1115bは、微結晶半導体領域1108a、及び当該微結晶半導体領域1108aの間に充填される非晶質半導体領域1108bを有する。具体的には、微結晶半導体層1115aから凸状に伸びた微結晶半導体領域1108aと、非晶質半導体を含む層1129cと同様の半導体で形成される非晶質半導体領域1108bとで形成される。なお、混合層1115bに含まれる非晶質半導体領域1108bに、粒径が1nm以上10nm以下、好ましくは1nm以上5nm以下の半導体結晶粒を含む場合もある。
【0072】
微結晶半導体領域1108aは、ゲート絶縁層1105から非晶質半導体を含む層1129cへ向けて、先端が狭まる凸状、または錐形状の微結晶半導体である。なお、ゲート絶縁層1105から非晶質半導体を含む層1129cへ向けて幅が広がる凸状、または錐形状の微結晶半導体であってもよい。
【0073】
混合層1115bにおいて、微結晶半導体領域1108aが、ゲート絶縁層1105から非晶質半導体を含む層1129cへ向けて、先端が狭まる凸状の場合は、微結晶半導体層1115a側のほうが、非晶質半導体を含む層1129c側と比較して、微結晶半導体領域の割合が高い。これは、微結晶半導体層1115aの表面から、微結晶半導体領域1108aが膜厚方向に成長するが、原料ガスに窒素を含むガスを含ませる、または原料ガスに窒素を含むガスを含ませつつ、微結晶半導体層の成膜条件よりシランに対する水素の流量を低減すると、微結晶半導体領域1108aの半導体結晶粒の成長が抑制され、錐状の半導体結晶粒となるとともに、やがて非晶質半導体が堆積するためである。
【0074】
なお、混合層1115bに含まれる微結晶半導体領域1108aは微結晶半導体層1115aと概略同質の半導体であり、また、混合層1115bに含まれる非晶質半導体領域1108bは非晶質半導体を含む層1129cと概略同質の半導体である。このため、微結晶半導体層と、非晶質半導体を含む層の界面が、混合層における微結晶半導体領域1108a及び非晶質半導体領域1108bの界面に相当するため、微結晶半導体層と、非晶質半導体を含む層の界面が凹凸状であるともいえる。
【0075】
混合層1115bにおいて、錐形状の微結晶半導体領域1108aを有するため、縦方向(膜厚方向)における抵抗、即ち、微結晶半導体層1115aと、ソース領域またはドレイン領域として機能する不純物半導体層1127の間の抵抗を下げることが可能である。
【0076】
このため、チャネル領域を微結晶半導体層1115aで形成し、チャネル領域とソース領域及びドレイン領域として機能する不純物半導体層1127の間に、錐形状の微結晶半導体領域1108aを有する混合層1115bと、欠陥が少なく、価電子帯のバンド端における準位のテール(裾)の傾きが急峻である秩序性の高い半導体層で形成される非晶質半導体を含む層1129cとを設けることで、薄膜トランジスタのオフ電流を低減すると共に、オン電流及び電界効果移動度を高めることが可能である。
【0077】
また、図18(B)に示すように、混合層1115bは、微結晶半導体層1115a及び不純物半導体層1127の間に設けられ、混合層1115bと不純物半導体層1127との間に、非晶質半導体を含む層1129cが形成されない構成となる場合がある。このような構造は、非晶質半導体領域1108bに対する微結晶半導体領域1108aの割合が低いことが好ましい。この結果、薄膜トランジスタのオフ電流を低減することができる。また、混合層1115bにおいて、縦方向(膜厚方向)における抵抗、と、ソース領域とドレイン領域との間の抵抗を下げることが可能であり、薄膜トランジスタのオン電流を高めることが可能である。
【0078】
また、混合層1115bは、窒素、代表的にはNH基またはNH基を有することが好ましい。これは、微結晶半導体領域1108aに含まれる半導体結晶粒の界面、または微結晶半導体領域1108aと非晶質半導体領域1108bとの界面において、窒素、代表的にはNH基またはNH基が、シリコン原子のダングリングボンドと結合すると、欠陥が低減するためである。このため、窒素濃度を1×1020cm−3乃至1×1021cm−3とすることで、シリコン原子のダングリングボンドを窒素、好ましくはNH基で架橋しやすくなり、キャリアが流れやすくなる。または、上記した界面における半導体原子のダングリングボンドがNH基で終端されて、欠陥準位が消失する。この結果、オン状態でソース電極及びドレイン電極の間に電圧が印加されたときの縦方向(厚さ方向)の抵抗が低減する。即ち、薄膜トランジスタの電界効果移動度とオン電流が増加する。
【0079】
また、混合層1115bの酸素濃度を低減することにより微結晶半導体領域1108aと非晶質半導体領域1108bとの界面や、半導体結晶粒同士の界面における、キャリアの移動を阻害する欠陥を低減することができる。
【0080】
なお、ここでは、微結晶半導体層1115aは、概略厚さが等しい領域をいう。また、微結晶半導体層1115aと混合層1115bとの界面は、微結晶半導体領域1115aと非晶質半導体領域1108bとの界面における平坦部において、ゲート絶縁層1105に最も近い領域を延長した領域をいう。
【0081】
微結晶半導体層1115a及び混合層1115bの厚さの合計、即ち、ゲート絶縁層1105の界面から、突起状の微結晶半導体領域1108aの先端の距離は、3nm以上80nm以下、好ましくは5nm以上50nm以下とすることで、薄膜トランジスタのオフ電流を低減できる。
【0082】
不純物半導体層1127は、リンが添加されたアモルファスシリコン、リンが添加された微結晶シリコン等で形成する。なお、薄膜トランジスタとして、pチャネル型薄膜トランジスタを形成する場合は、不純物半導体層1127は、ボロンが添加された微結晶シリコン、ボロンが添加されたアモルファスシリコン等で形成する。なお、混合層1115b、または非晶質半導体を含む層1129cと、配線1125とがオーミックコンタクトをする場合は、不純物半導体層1127を形成しなくともよい。
【0083】
また、不純物半導体層1127を、リンが添加された微結晶シリコン、またはボロンが添加された微結晶シリコンで形成する場合は、混合層1115bまたは非晶質半導体を含む層1129cと、不純物半導体層1127との間に、微結晶半導体層、代表的には微結晶シリコン層を形成することで、界面の特性を向上させることができる。この結果、不純物半導体層1127と、混合層1115bまたは非晶質半導体を含む層1129cとの界面に生じる抵抗を低減することができる。この結果、薄膜トランジスタのソース領域、微結晶半導体層1115a、混合層1115b及び、非晶質半導体を含む層1129c、及びドレイン領域を流れる電流量を増加させ、オン電流及び電界効果移動度の増加が可能となる。
【0084】
図19に示す配線1125は、アルミニウム、銅、チタン、ネオジム、スカンジウム、モリブデン、クロム、タンタル若しくはタングステン等により単層で、または積層して形成することができる。または、ヒロック防止元素が添加されたアルミニウム合金(ゲート電極1103に用いることができるAl−Nd合金等)により形成してもよい。不純物半導体層1127と接する側の層を、チタン、タンタル、モリブデン、タングステンまたはこれらの元素の窒化物により形成し、その上にアルミニウムまたはアルミニウム合金を形成した積層構造としても良い。更には、アルミニウムまたはアルミニウム合金の上面及び下面を、チタン、タンタル、モリブデン、若しくはタングステン、またはこれらの元素の窒化物で挟んだ積層構造としてもよい。
【0085】
図18及び図19に示す薄膜トランジスタは、オフ電流を低減すると共に、オン電流及び電界効果移動度を高めることが可能である。また、チャネル領域を微結晶半導体層で形成するため、劣化が少なく、電気特性の信頼性が高い。さらには、オン電流が高いため、アモルファスシリコンをチャネル領域に用いた薄膜トランジスタと比較して、チャネル領域の面積、即ち薄膜トランジスタの占有面積を低減することが可能であり、薄膜トランジスタの高集積化が可能である。
【0086】
(構造2)
図19に、薄膜トランジスタの一形態の断面図を示す。図19に示す薄膜トランジスタは、基板1101上にゲート電極1103を有し、ゲート電極1103を覆うゲート絶縁層1105を有し、ゲート絶縁層1105に接してチャネル領域として機能する微結晶半導体層1131を有し、微結晶半導体層1131上に一対の非晶質半導体を含む層1132を有し、非晶質半導体を含む層1132に接して、ソース領域及びドレイン領域として機能する不純物半導体層1127を有する。また、不純物半導体層1127に接して配線1125を有する。配線1125はソース電極及びドレイン電極として機能する。また、微結晶半導体層1131の表面には、第1の絶縁層1135aが形成される。また、一対の非晶質半導体を含む層1132及び不純物半導体層1127の表面には、第2の絶縁層1135cが形成される。また、配線1125の表面には、第3の絶縁層1135eが形成される。
【0087】
第1の微結晶半導体層1131は、ゲート絶縁層1105に接する第1の微結晶半導体層1131aと、錐形状の複数の突起(凸部)を有する第2の微結晶半導体層1131bとを有する。
【0088】
微結晶半導体層1131は、実施の形態1に示す微結晶半導体層1115aと同様の微結晶半導体で形成される。第2の微結晶半導体層1131bは実施の形態1に示す混合層1115bに含まれる微結晶半導体領域1108aと同様に形成することができる。
【0089】
一対の非晶質半導体を含む層1132は、実施の形態1に示す非晶質半導体を含む層1129cと同様に、従来の非晶質半導体層と比較して、欠陥が少なく、価電子帯のバンド端における準位のテール(裾)の傾きが急峻である秩序性の高い半導体で形成することができる。
【0090】
第1の絶縁層1135aは、微結晶半導体層1131を酸化した酸化物層、微結晶半導体層1131を窒化した窒化物層、微結晶半導体層1131を窒化及び酸化した酸化窒化物層または窒化酸化物層等で形成される。第1の絶縁層1135aの代表例としては、酸化シリコン層、窒化シリコン層、酸化窒化シリコン層、窒化酸化シリコン層等がある。
【0091】
第2の絶縁層1135cは、一対の非晶質半導体を含む層1132及び不純物半導体層1127を酸化した酸化物層、一対の非晶質半導体を含む層1132及び不純物半導体層1127を窒化した窒化物層、一対の非晶質半導体を含む層1132及び不純物半導体層1127を窒化及び酸化した酸化窒化物層または窒化酸化物層等で形成される。第2の絶縁層1135cの代表例としては、酸化シリコン層、窒化シリコン層、酸化窒化シリコン層、窒化酸化シリコン層等がある。または、上記絶縁層にリンまたはボロンが添加された絶縁層がある。
【0092】
第3の絶縁層1135eは、配線1125を酸化した酸化物層、配線1125を窒化した窒化物層、配線1125を窒化及び酸化した酸化窒化物層または窒化酸化物層で形成される。なお、第3の絶縁層1135eは、ここでは、配線1125の上面及び側面に形成されるが、配線1125の側面にのみ形成され、配線1125の上面には形成されない場合がある。第3の絶縁層1135eの代表例としては、金属酸化物層、金属窒化物層、金属酸化窒化層、金属窒化酸化物層等がある。ここでの金属としては、配線1125に示す金属元素である。
【0093】
非晶質半導体を含む層1132は非晶質半導体を含むため、弱いn型を帯びている。また、微結晶半導体層1131と比較して、密度が低い。このため、非晶質半導体層を酸化または窒化した第2の絶縁層1135cは密度が低く、疎な絶縁層であり、絶縁性が低い。しかしながら、本実施の形態に示す薄膜トランジスタには、バックチャネル側に微結晶半導体層1131を酸化した第1の絶縁層1135aが形成される。微結晶半導体層は、非晶質半導体層と比較して密度が高いため、第1の絶縁層1135aも密度が高く、絶縁性が高い。さらに、第2の微結晶半導体層1131bは、複数の錐形状の突起(凸部)を複数有するため、表面が凹凸状である。このため、ソース領域からドレイン領域までのリークパスの距離が長い。これらのことから、薄膜トランジスタのオフ電流を低減することができる。
【0094】
本実施の形態に示す薄膜トランジスタは、チャネル領域が錐形状の突起を複数有する微結晶半導体層で形成され、且つ微結晶半導体層に接して一対の非晶質半導体を含む層を有するため、非晶質半導体をチャネル領域に有する薄膜トランジスタと比較して、薄膜トランジスタのオン電流を高めると共に、微結晶半導体をチャネル領域に有する薄膜トランジスタと比較して、薄膜トランジスタのオフ電流を低減することができる。
【0095】
パルス出力回路を構成する薄膜トランジスタに、上記(構造1)及び(構造2)に示すような、チャネル領域に微結晶半導体を用いた薄膜トランジスタとすることにより、薄膜トランジスタの特性劣化の程度を小さくすることができ、表示品質の劣化の度合いを抑えることができる。また薄膜トランジスタの半導体層として、微結晶半導体を用いる場合、生産性の向上を図ることができるため、表示装置の大型化、コストの低減、又は歩留まりの向上などを図ることができる。
【0096】
なお、本実施の形態において、各々の図で述べた内容は、別の実施の形態で述べた内容に対して、適宜、組み合わせ、又は置き換えなどを自由に行うことができる。
【0097】
(実施の形態2)
本実施の形態では、上記実施の形態とは異なる構成の駆動回路の一形態について説明する。
【0098】
シフトレジスタとして機能する駆動回路について、図7乃至図10、図30を参照して説明する。シフトレジスタ700は、第1のパルス出力回路701_1乃至第Jのパルス出力回路701_J(Jは4以上の4の倍数が好ましい)を有している(図7(A)参照)。上記実施の形態とは異なり、図7(A)に示すシフトレジスタ700の第1のパルス出力回路701_1乃至第Jのパルス出力回路701_Jの各段には、第1の配線702より第1のクロック信号CK1、第2の配線703より第2のクロック信号CK2、第3の配線704より第3のクロック信号CK3、第4の配線705より第4のクロック信号CK4、第5の配線706よりリセット信号RESが入力される。また、各段のパルス出力回路には、スタートパルスSPまたは一段前段のパルス出力回路からの信号(前段信号Linという)が入力される。また、各段のパルス出力回路には、一段後段のパルス出力回路からの信号(後段信号Rinという)が入力される。また、各段のパルス出力回路からは、ゲート線またはデータ線等に出力するための第1の出力信号Gout、前段及び/または後段のパルス出力回路に入力するための第2の出力信号SRout、が出力される。なお、パルス出力回路は、表示部の表示に寄与しない信号を出力するダミーの段を設けてもよく、例えばゲートドライバのシフトレジスタに用いられ、n本のゲート線に順次パルスを出力する構成では、n≦Jの段数とする構成とすればよい。
【0099】
なお、第1のクロック信号CK1乃至第4のクロック信号は、1段目のパルス出力回路から順に1/4周期分ずれた(遅延した)関係にある。具体的には、第(J−3)のクロック信号CK1と第(J−2)のクロック信号CK2とは、1/4周期進んだ関係にあり、第(J−2)のクロック信号CK2と第(J−1)のクロック信号CK3とは、1/4周期進んだ関係にあり、第(J−1)のクロック信号CK3と第Jのクロック信号CK4とは、1/4周期進んだ関係にあり、第Jのクロック信号CK4と第(J−3)のクロック信号とは、1/4周期進んだ関係にある。そして、(J−3)段目の一例である1段目のパルス出力回路701_1には、図7(B)に示すように、第1端子にクロック信号CK_N(ここでNは1)が入力され、第2端子にリセット信号RESが入力され、第3端子に、第1端子に入力されるクロック信号とは異なる、第1乃至4のいずれかのクロック信号(ここでCK2となる)が入力され、第4端子に前段信号Linが入力され、第5端子に後段信号Rinが入力され、第6端子より第1の出力信号Goutが出力され、第7端子より第2の出力信号SRoutが出力されている。また(J−2)段目の一例である2段目のパルス出力回路701_2には、第1端子にクロック信号CK_N(ここでNは2)が入力され、第2端子にリセット信号RESが入力され、第3端子に、第1端子に入力されるクロック信号とは異なる、第1乃至4のいずれかのクロック信号(ここでCK3となる)が入力され、第4端子に前段信号Linが入力され、第5端子に後段信号Rinが入力され、第6端子より第1の出力信号Goutが出力され、第7端子より第2の出力信号SRoutが出力されている。また(J−1)段目の一例である3段目のパルス出力回路701_3には、第1端子にクロック信号CK_N(ここでNは3)が入力され、第2端子にリセット信号RESが入力され、第3端子に、第1端子に入力されるクロック信号とは異なる、第1乃至4のいずれかのクロック信号(ここでCK3となる)が入力され、第4端子に前段信号Linが入力され、第5端子に後段信号Rinが入力され、第6端子より第1の出力信号Goutが出力され、第7端子より第2の出力信号SRoutが出力されている。またJ段目の一例である4段目のパルス出力回路701_4には、第1端子にクロック信号CK_N(ここでNは4)が入力され、第2端子にリセット信号RESが入力され、第3端子に、第1端子に入力されるクロック信号とは異なる、第1乃至4のいずれか一のクロック信号(ここでCK4となる)が入力され、第4端子に前段信号Linが入力され、第5端子に後段信号Rinが入力され、第6端子より第1の出力信号Goutが出力され、第7端子より第2の出力信号SRoutが出力されている。なお第1のクロック信号CK1乃至第4のクロック信号CK4は、一定の間隔でH信号(高電源電位レベル)とL信号(低電源電位レベル)を繰り返す信号である。
【0100】
次に、パルス出力回路の具体的な回路構成の一例について、図7(C)で説明する。なお図7(C)では、一例として、(J−3)段のパルス出力回路について構成について示すものとして、以下の説明を行う。なお、各段のパルス出力回路の違いは、上述のように、第1のクロック信号CK1乃至第4のクロック信号CK4が入力される端子が異なる点にある。パルス出力回路の回路構成については、図7(C)に図示するように、上記実施の形態1の図1(D)で示したパルス出力回路と同様であり、上記説明を援用するものとする。
【0101】
次に、図7(A)乃至(C)に示したシフトレジスタの動作について図8乃至図11を参照して説明する。なお説明の上で、図8(A)に示すように、上記実施の形態1と同様に、第2薄膜トランジスタ112の第2端子、第6薄膜トランジスタ116のゲート、及び第7薄膜トランジスタ117の接続箇所をノードA(nodeA)とする。またシフトレジスタの動作について具体的に説明するため、図8(B)のタイミングチャートにおいて示す、第1の期間T1、第2の期間T2、第3の期間T3、第4の期間T4、第5の期間T5に分けて説明する。なお、以下の説明において、第1薄膜トランジスタ111乃至第11薄膜トランジスタ121は、Nチャネル型の薄膜トランジスタとし、ゲートとソース間電圧(Vgs)がしきい値電圧(Vth)を上回ったとき導通状態になるものとする。なお、図8(B)においては、ゲートドライバが具備するシフトレジスタであるとし、期間201は垂直帰線期間であり、期間202はゲート選択期間であるとする。また図8(B)に示すタイミングチャートでは、第1のクロック信号CK1、第2のクロック信号CK2、第3のクロック信号CK3、第4のクロック信号CK4、リセット信号RES、前段信号Lin、後段信号Rin、及び各段における第2の出力信号SRout(例として1段目のSRout1)の波形について、具体的な例を示している。また、各信号の高電源電位レベル及び低電源電位レベルは、それぞれVDD及びVSSであるものとして説明する。なお、第1の出力信号Gout1については、第2の出力信号SRout1の波形と同じ波形を示すため、ここでは省略する。
【0102】
本実施の形態で示す構成について、実施の形態1と異なる点は、各クロック信号(第1乃至第4のクロック信号CK1乃至CK4)が繰り返す充放電の周期にある。実施の形態1のクロック信号CK及び反転クロック信号CKBと比べ、本実施の形態の構成では各クロック信号の充放電の回数を1/2程度にすることができる。そのためクロック信号の周波数を低減することができ、低消費電力化を図ることができる。特に大型の表示装置の駆動回路においては、各配線の寄生容量、ゲート容量等が大きくなる。シフトレジスタを駆動するためのクロック信号の充放電の回数を低減することで、各配線を充放電するための信号の立ち上がり(VSSからVDDへの切り替わり)、または立ち下がり(VDDからVSSへの切り替わり)に要する時間を短くすることができる。そのため、高品質の表示を行うことができる表示装置の駆動回路とすることができる。
【0103】
第1の期間T1において、リセット信号RESがH信号となり、第2の信号線152にゲートが接続された第1薄膜トランジスタ111は導通する。このとき、第2のクロック信号CK2、第1のクロック信号CK1、前段信号Lin、及び後段信号RinはL信号である。そして、図9(A)に示すように、第1薄膜トランジスタ111が導通し、第2薄膜トランジスタ112、第3薄膜トランジスタ113、第4薄膜トランジスタ114、及び第5薄膜トランジスタ115が導通する。そのため、図9(A)中の点線矢印のように電流が流れ、第1の期間T1での各配線の電位を図8(B)のように確定する。すなわち、第1の期間T1は、パルス出力回路中の各配線の電位をリセット(VSSに)する期間となる。また第1の期間T1は、第2の出力信号SRout1はL信号を出力することとなる。
【0104】
リセット信号RESにより第1薄膜トランジスタ111のゲートに入力する動作を、期間201である垂直帰線期間毎に行うことにより、各薄膜トランジスタの電位をVSSにすることができる。そのため本実施の形態で述べる、浮遊状態のノードを利用して駆動を行ういわゆるダイナミック回路では、各ノードの初期化(リセット)を行うことができるため、スタティック回路と同等の動作信頼性、ノイズ耐性を向上することができる。
【0105】
次に、第2の期間T2において、前段信号LinがH信号となり、第4信号線154にゲートが接続された第8薄膜トランジスタ118及び第10薄膜トランジスタ120は導通する。このとき、第1のクロック信号CK1、第2のクロック信号CK2、リセット信号RES、及び後段信号RinはL信号である。このとき図9(B)に示すように、第8薄膜トランジスタ118が導通する。第2薄膜トランジスタ112は、第1の期間T1に続いて導通する。そして、図9(B)中の点線矢印のように電流が流れる。このとき、ノードAの電位は、第8薄膜トランジスタ118の第2端子がソースとなって、第1電源線131の電位から第8薄膜トランジスタ118のしきい値電圧Vthを引いた値(VDD−Vth)となる。第8薄膜トランジスタ118の第2端子が(VDD−Vth)となると、第8薄膜トランジスタ118が非導通となり、ノードAが(VDD−Vth)を維持したまま浮遊状態となる。なお図9(B)に示すように、第6薄膜トランジスタ116、及び第7薄膜トランジスタ117が導通するもの、第1信号線151はVSSであるため、第2の期間T2での各配線の電位を図9(B)のように確定する。すなわち第2の期間T2は、パルス出力回路中のノードAの電位を浮遊状態にする期間となる。また第2の期間T2は、第2の出力信号SRout1はL信号を出力することとなる。
【0106】
次に、第3の期間T3において、第1のクロック信号CK1がH信号となる。このとき、第2のクロック信号CK2、リセット信号RES、前段信号Lin、及び後段信号RinはL信号である。このとき図10(A)に示すように、第6薄膜トランジスタ116、及び第7薄膜トランジスタ117が導通、すなわちソースとドレインの間に電流が流れる状態(図10(A)中の点線矢印)であり、第6薄膜トランジスタ116、及び第7薄膜トランジスタ117の第2端子(ソース側)の電位が上昇を始める。第6薄膜トランジスタ116、及び第7薄膜トランジスタ117のゲートとソース間には寄生容量による容量結合が存在し、ソースとなる第2端子の電位上昇に伴い、浮遊状態となっているノードAのゲートの電位が上昇する(ブートストラップ動作)。最終的には、ノードAの電位は、(VDD+Vth)より高くなり、第6薄膜トランジスタ116、及び第7薄膜トランジスタ117の第2端子の電位はVDDになる。そして第3の期間T3は、第2の出力信号SRout1としてH信号を出力することとなる。すなわち、第3の期間T3は、浮遊状態のノードAの電位をブートストラップ動作により上昇させ、H信号を第1の出力信号Gout1及び第2の出力信号SRout1として出力することとなる。そして、第2の出力信号SRout1は、2段目のパルス出力回路の前段信号Linとして入力される。
【0107】
なお、図8(B)に示すように、ゲートに高電源電位VDDが印加される第2薄膜トランジスタ112を設けておくことにより、以下のような利点がある。
【0108】
ゲートに高電源電位VDDが印加される第2薄膜トランジスタ112がない場合、ブートストラップ動作によりノードAの電位が上昇すると、第8薄膜トランジスタ118の第2端子であるソースの電位が上昇していき、高電源電位VDDより大きくなる。そして、第8薄膜トランジスタ118のソースが第1端子側に切り替わる。そのため、第8薄膜トランジスタ118においては、第3の期間T3にゲートとソースの間、ゲートとドレインの間ともに、大きなバイアス電圧が印加されるために大きなストレスがかかり、薄膜トランジスタの劣化の要因となりうる。
【0109】
ゲートに高電源電位VDDが印加される第2薄膜トランジスタ112を設けておくことにより、ブートストラップ動作により、ノードAの電位は上昇するものの、第8薄膜トランジスタ118の第2端子の電位の上昇を生じないようにすることができる。つまり、第2薄膜トランジスタ112を設けることにより、第8薄膜トランジスタ118のゲートとソースの間に印加される負のバイアス電圧の値を小さくすることができる。よって、本実施の形態の回路構成とすることにより、薄膜トランジスタのゲートとソースの間に印加される負のバイアス電圧も小さくできるため、ストレスによる第8薄膜トランジスタ118の劣化をさらに抑制することができる。
【0110】
なお、第2薄膜トランジスタ112を設ける箇所については、第8薄膜トランジスタ118の第2端子と第6薄膜トランジスタ116のゲートまたは第7薄膜トランジスタ117のゲートとの間に第1端子と第2端子を介して接続されるように設ける構成であればよい。
【0111】
なお実施の形態1と同様に、図28(A)で示す導通保持電位VCCが供給される第3電源線2801に接続される構成としてもよい。また図28(B)で示す第12薄膜トランジスタ2802を設ける構成としてもよい。
【0112】
次に、第4の期間T4において、2段目のパルス出力回路より得られる後段信号Rin(図2(B)中のSRout_2)がH信号となり、第5信号線155にゲートが接続された第9薄膜トランジスタ119は導通する。このとき、第2のクロック信号CK2はH信号、第1のクロック信号CK1、リセット信号RES、及び前段信号LinはL信号である。第3薄膜トランジスタ113、第4薄膜トランジスタ114、第5薄膜トランジスタ115、及び第11薄膜トランジスタ121が導通する。そして、第2薄膜トランジスタ112は、第3の期間T3に続いて導通し、第6薄膜トランジスタ116、及び第7薄膜トランジスタ117のゲートの電位をVSSとすることで、第6薄膜トランジスタ116、及び第7薄膜トランジスタ117を非導通にする。そして、図10(B)中の点線矢印のように電流が流れ、第4の期間T4での各配線の電位を図8(B)のように確定する。すなわち、第4の期間T4は、L信号を第1の出力信号Gout1及び第2の出力信号SRout1として出力することとなる。
【0113】
なお、第4の期間T4で、第11薄膜トランジスタ121を導通状態とするための信号(ここでは、第2のクロック信号CK2)を供給することにより、Goutを出力する第6信号線156の電位の立ち下がりを急峻にすることができる。そのため、より誤動作の少ない駆動回路とすることができる。また、第3薄膜トランジスタ113、第4薄膜トランジスタ114、及び第5薄膜トランジスタ115の負荷を低減することができるため、薄膜トランジスタの劣化を低減することができる。なお、図30に示すように第11薄膜トランジスタ121として、第11薄膜トランジスタ121_1乃至121_3と複数配し、それぞれ、第1信号線151に供給されるクロック信号とは異なるクロック信号(ここでは第2のクロック信号CK2、第3のクロック信号CK3、第4のクロック信号CK4)を第3信号線153_1乃至153_3より供給し、導通状態または非導通状態の制御がされるように接続することにより、さらに第3薄膜トランジスタ113、第4薄膜トランジスタ114、及び第5薄膜トランジスタ115の負荷が低減されることで、薄膜トランジスタの劣化を低減することができる。
【0114】
次に、第5の期間T5は、第1のクロック信号CK1と第3のクロック信号CK3のH信号またはL信号が組み合わさって入力される期間T5−1、期間T5−2において説明する。まず、期間T5−1について説明する。期間T5−1では、第1クロック信号CK1がH信号またはL信号となり、第3のクロック信号CK3、リセット信号RES、前段信号Lin、及び後段信号RinはL信号である。第1薄膜トランジスタ111、第8薄膜トランジスタ118、第9薄膜トランジスタ119、及び第10薄膜トランジスタ120が非導通となることで、第3薄膜トランジスタ113、第4薄膜トランジスタ114、及び第5薄膜トランジスタのゲートの電位は、第4の期間の状態を維持したまま浮遊状態となる。すなわち、第3薄膜トランジスタ113、第4薄膜トランジスタ114、及び第5薄膜トランジスタ115は、導通状態を保持することとなる。そして、第2薄膜トランジスタ112は、第4の期間T4に続いて導通し、第6薄膜トランジスタ116、及び第7薄膜トランジスタ117のゲートの電位をVSSとすることで、第6薄膜トランジスタ116、及び第7薄膜トランジスタ117を非導通にする。また、第11薄膜トランジスタ121は、非導通状態である。そして、図11(A)中の点線矢印のように電流が流れ、期間T5−1での各配線の電位を図11(A)のように確定する。また、期間T5−2では、第1のクロック信号CK1がH信号またはL信号、第3のクロック信号CK3がH信号となり、リセット信号RES、前段信号Lin、及び後段信号RinはL信号である。期間T5−1と同様に、第1薄膜トランジスタ111、第8薄膜トランジスタ118、第9薄膜トランジスタ119、及び第10薄膜トランジスタ120が非導通となることで、第3薄膜トランジスタ113、第4薄膜トランジスタ114、及び第5薄膜トランジスタのゲートの電位は、第4の期間の状態を維持したまま浮遊状態となる。すなわち、第3薄膜トランジスタ113、第4薄膜トランジスタ114、及び第5薄膜トランジスタ115は、導通状態を保持することとなる。そして、第2薄膜トランジスタ112は、第4の期間T4に続いて導通し、第6薄膜トランジスタ116、及び第7薄膜トランジスタ117のゲートの電位をVSSとすることで、第6薄膜トランジスタ116、及び第7薄膜トランジスタ117を非導通にする。また、第11薄膜トランジスタ121は、導通状態である。そして、図11(B)中の点線矢印のように電流が流れ、期間T5−2での各配線の電位を図8(B)のように確定する。すなわち、第5の期間T5は、L信号を第1の出力信号Gout1及び第2の出力信号SRout1として出力することとなる。
【0115】
なお実施の形態1の図29で示した構成と同様に、別途容量素子2901を設ける構成としてもよい。
【0116】
なお、本実施の形態に示すパルス出力回路を構成する薄膜トランジスタを、上記実施の形態1の(構造1)及び(構造2)で説明したように、チャネル領域を微結晶半導体用いた薄膜トランジスタとすることにより、薄膜トランジスタの特性劣化の程度を小さくすることができ、表示品質の劣化の度合いを抑えることができる。また薄膜トランジスタの半導体層として、微結晶半導体を用いる場合、生産性の向上を図ることができるため、表示装置の大型化、コストの低減、又は歩留まりの向上などを図ることができる。
【0117】
なお、本実施の形態において、各々の図で述べた内容は、別の実施の形態で述べた内容に対して、適宜、組み合わせ、又は置き換えなどを自由に行うことができる。
【0118】
(実施の形態3)
本実施の形態では、表示素子、表示素子を有する装置である表示装置、発光素子、発光素子を有する装置である発光装置の一例について説明する。なお、表示素子、表示素子を有する装置である表示装置、発光素子、発光素子を有する装置である発光装置は、様々な形態を用いたり、様々な素子を有することが出来る。例えば、表示素子、表示装置、発光素子または発光装置としては、EL(エレクトロルミネッセンス)素子(有機物及び無機物を含むEL素子、有機EL素子、無機EL素子)、LED(白色LED、赤色LED、緑色LED、青色LEDなど)、電流に応じて発光するトランジスタ、電子放出素子、液晶素子、電子インク、電気泳動素子、グレーティングライトバルブ(GLV)、プラズマディスプレイパネル(PDP)、デジタルマイクロミラーデバイス(DMD)、圧電セラミックディスプレイ、カーボンナノチューブ、など、電気磁気的作用により、コントラスト、輝度、反射率、透過率などが変化する表示媒体を有することができる。なお、EL素子を用いた表示装置としてはELディスプレイ、電子放出素子を用いた表示装置としてはフィールドエミッションディスプレイ(FED)やSED方式平面型ディスプレイ(SED:Surface−conduction Electron−emitter Disply)など、液晶素子を用いた表示装置としては液晶ディスプレイ(透過型液晶ディスプレイ、半透過型液晶ディスプレイ、反射型液晶ディスプレイ、直視型液晶ディスプレイ、投射型液晶ディスプレイ)、電子インクや電気泳動素子を用いた表示装置としては電子ペーパーがある。
【0119】
まず、図12(A)を参照して、液晶表示装置のシステムブロックの一例について説明する。液晶表示装置は、回路5361、ソースドライバ5362、ゲートドライバ5363_1、ゲートドライバ5363_2、画素部5364、回路5365、及び照明装置5366を有する。画素部5364には、複数の配線5371がソースドライバ5362から延伸して配置され、複数の配線5372がゲートドライバ5363_1、及びゲートドライバ5363_2から延伸して配置されている。そして、複数の配線5371と複数の配線5372との交差領域には、各々、液晶素子などの表示素子を有する画素5367がマトリクス状に配置されている。
【0120】
回路5361は、映像信号5360に応じて、ソースドライバ5362、ゲートドライバ5363_1、ゲートドライバ5363_2、及び回路5365に、信号、電圧、又は電流などを供給する機能を有し、コントローラ、制御回路、タイミングジェネレータ、電源回路、又はレギュレータなどとして機能する。本実施の形態では、一例として、回路5361は、ソースドライバ5362に、信号線駆動回路用スタート信号(SSP)、信号線駆動回路用クロック信号(SCK)、信号線駆動回路用反転クロック信号(SCKB)、ビデオ信号用データ(DATA)、ラッチ信号(LAT)を供給するものとする。または、回路5361は、一例として、ゲートドライバ5363_1、及びゲートドライバ5363_2に、走査線駆動回路用スタート信号(GSP)、走査線駆動回路用クロック信号(GCK)、及び反転走査線駆動回路用クロック信号(GCKB)を供給するものとする。または、回路5361は、回路5365に、バックライト制御信号(BLC)を供給するものとする。ただし、これに限定されず、回路5361は、他にも様々な信号、様々な電圧、又は様々な電流などを、ソースドライバ5362、ゲートドライバ5363_1、ゲートドライバ5363_2、及び回路5365に供給することが可能である。
【0121】
ソースドライバ5362は、回路5361から供給される信号(例えば、SSP、SCK、SCKB、DATA、LAT)に応じて、ビデオ信号を複数の配線5371に出力する機能を有し、信号線駆動回路として機能する。ゲートドライバ5363_1、及びゲートドライバ5363_2は、回路5361から供給される信号(GSP、GCK、GCKB)に応じて、走査信号を複数の配線5372に出力する機能を有し、走査線駆動回路として機能する。回路5365は、回路5361から供給される信号(BLC)に応じて、照明装置5366に供給する電力の量、又は時間などを制御することによって、照明装置5366の輝度(又は平均輝度)を制御する機能を有し、電源回路として機能することが可能である。
【0122】
なお、複数の配線5371にビデオ信号が入力される場合、複数の配線5371は、信号線、ビデオ信号線、又はソース線などとして機能することが可能である。複数の配線5372に走査信号が入力される場合、複数の配線5372は、信号線、走査線、又はゲート線などとして機能する。
【0123】
なお、ゲートドライバ5363_1、及びゲートドライバ5363_2に、同じ信号が回路5361から入力される場合、ゲートドライバ5363_1が複数の配線5372に出力する走査信号と、ゲートドライバ5363_2が複数の配線5372に出力する走査信号とは、おおむね等しいタイミングとなる場合が多い。したがって、ゲートドライバ5363_1、及びゲートドライバ5363_2が駆動する負荷を小さくすることができる。よって、表示装置を大きくすることができる。または、表示装置を高精細にすることができる。または、ゲートドライバ5363_1、及びゲートドライバ5363_2が有する薄膜トランジスタのチャネル幅を小さくすることができるので、狭額縁な表示装置を得ることができる。ただし、これに限定されず、回路5361は、ゲートドライバ5363_1とゲートドライバ5363_2とに別々の信号を供給することが可能である。
【0124】
なお、ゲートドライバ5363_1とゲートドライバ5363_2との一方を省略することが可能である。
【0125】
なお、画素部5364には、容量線、電源線、走査線などの配線を新たに配置することが可能である。そして、回路5361は、これらの配線に信号又は電圧などを出力することが可能である。または、ゲートドライバ5363_1又はゲートドライバ5363_2と同様の回路を新たに追加し、この新たに追加した回路は、新たに追加した配線に走査信号などの信号を出力することが可能である。
【0126】
なお、画素5367が表示素子としてEL素子などの発光素子を有することが可能である。この場合、図12(B)に示すように、表示素子が発光することが可能なので、回路5365、及び照明装置5366は省略されることが可能である。そして、表示素子に電力を供給するために、電源線として機能することが可能な複数の配線5373を画素部5364に配置することが可能である。回路5361は、電圧(ANO)という電源電圧を配線5373に供給することが可能である。この配線5373は、画素の色要素別に接続されることが可能であるし、全ての画素に共通して接続されることが可能である。
【0127】
なお、図12(B)では、一例として、回路5361は、ゲートドライバ5363_1とゲートドライバ5363_2とに別々の信号を供給する場合の一例を示す。回路5361は、走査線駆動回路用スタート信号(GSP1)、走査線駆動回路用クロック信号(GCK1)、及び反転走査線駆動回路用クロック信号(GCKB1)などの信号をゲートドライバ5363_1に供給する。そして、回路5361は、走査線駆動回路用スタート信号(GSP2)、走査線駆動回路用クロック信号(GCK2)、及び反転走査線駆動回路用クロック信号(GCKB2)などの信号をゲートドライバ5363_2に供給する。この場合、ゲートドライバ5363_1は、複数の配線5372のうち奇数行目の配線のみを走査し、ゲートドライバ5363_2は、複数の配線5372のうち偶数行目の配線のみを走査することが可能になる。よって、ゲートドライバ5363_1、及びゲートドライバ5363_2の駆動周波数を小さくできるので、消費電力の低減を図ることができる。または、1段分のフリップフロップをレイアウトすることが可能な面積を大きくすることができる。よって、表示装置を高精細にすることができる。または、表示装置を大型にすることができる。ただし、これに限定されず、図12(A)と同様に、回路5361は、ゲートドライバ5363_1とゲートドライバ5363_2とに同じ信号を出力することが可能である。
【0128】
なお、図12(B)と同様に、図12(A)においても、回路5361は、ゲートドライバ5363_1とゲートドライバ5363_2とに別々の信号を供給することが可能である。
【0129】
以上、表示装置のシステムブロックの一例である。
【0130】
次に、表示装置の構成の一例について、図13(A)、(B)、(C)、及び(D)を参照して説明する。
【0131】
図13(A)では、画素部5364に信号を出力する機能を有する回路(例えば、ソースドライバ5362、ゲートドライバ5363_1、及びゲートドライバ5363_2など)は、画素部5364と同じ基板5380に形成される。そして、回路5361は、画素部5364とは別の基板に形成される。こうして、外部部品の数が減るので、コストの低減を図ることができる。または、基板5380に入力される信号又は電圧の数が減るので、基板5380と、外部部品との接続数を減らすことができる。よって、信頼性の向上、又は歩留まりの向上を図ることができる。
【0132】
なお、回路が画素部5364とは別の基板に形成される場合、当該基板は、TAB(Tape Automated Bonding)方式によってFPC(Flexible Printed Circuit)に実装されることが可能である。または、当該基板は、COG(Chip on Glass)方式によって画素部5364と同じ基板5380に実装することが可能である。
【0133】
なお、回路が画素部5364とは別の基板に形成される場合、当該基板には、単結晶半導体を用いたトランジスタを形成することが可能である。したがって、当該基板に形成される回路は、駆動周波数の向上、駆動電圧の向上、出力信号のばらつきの低減などのメリットを得ることができる。
【0134】
なお、外部回路からは、入力端子5381を介して信号、電圧、又は電流などが入力される場合が多い。
【0135】
図13(B)では、駆動周波数が低い回路(例えば、ゲートドライバ5363_1、ゲートドライバ5363_2)は、画素部5364と同じ基板5380に形成される。そして、回路5361、及びソースドライバ5362は、画素部5364とは別の基板に形成される。こうして、単結晶半導体を用いたトランジスタ(MOSトランジスタともいう。)と比較すると電界効果移動度が小さい薄膜トランジスタによって、基板5380に形成される回路を構成することが可能になる。よって、薄膜トランジスタのチャネル領域として、微結晶半導体を用いることが可能になる。したがって、表示装置の大型化、工程数の削減、コストの低減、又は歩留まりの向上などを図ることができる。
【0136】
なお、図13(C)に示すように、ソースドライバ5362の一部(ソースドライバ5362a)が画素部5364と同じ基板5380に形成され、残りのソースドライバ5362(ソースドライバ5362b)が画素部5364とは別の基板に形成されることが可能である。ソースドライバ5362aは、電界効果移動度が低い薄膜トランジスタによって構成することが可能な回路(例えば、シフトレジスタ、セレクタ、スイッチなど)を有する場合が多い。そして、ソースドライバ5362bは、電界効果移動度が高く、特性ばらつきが小さいMOSトランジスタによって構成することが好ましい回路(例えば、シフトレジスタ、ラッチ回路、バッファ回路、DA変換回路、AD変換回路など)を有する場合が多い。こうすることによって、図13(B)と同様に、薄膜トランジスタのチャネル領域として、微結晶半導体を用いることが可能となり、さらに外部部品の削減を図ることができる。
【0137】
図13(D)では、回路5361の一部(回路5361a)が画素部5364と同じ基板5380に形成され、残りの回路5361(回路5361b)が画素部5364とは別の基板に形成される。回路5361aは、MOSトランジスタと比較すると電界効果移動度が小さい薄膜トランジスタによって構成することが可能な回路(例えば、スイッチ、セレクタ、レベルシフト回路など)を有する場合が多い。そして、回路5361bは、電界効果移動度が高く、ばらつきが小さいMOSトランジスタを用いて構成することが好ましい回路(例えば、シフトレジスタ、タイミングジェネレータ、オシレータ、レギュレータ、又はアナログバッファなど)を有する場合が多い。
【0138】
なお、図13(A)〜(C)においても、回路5361aを画素部5364と同じ基板に形成し、回路5361bを画素部5364とは別の基板に形成することが可能である。
【0139】
ここで、ゲートドライバ5363_1、及びゲートドライバ5363_2として、実施の形態1または実施の形態2のシフトレジスタを用いることが可能である。この場合、ゲートドライバ5363_1、及びゲートドライバ5363_2と画素部とが同じ基板に形成されることによって、当該基板に形成される全ての薄膜トランジスタの極性を同じ導電型とすることが可能である。したがって、工程数の削減、歩留まりの向上、信頼性の向上、又はコストの削減を図ることができる。全ての薄膜トランジスタの極性がNチャネル型である場合には、薄膜トランジスタの半導体層として、微結晶半導体を用いることができる。よって、表示装置の大型化、コストの低減、又は歩留まりの向上などを図ることができる。また微結晶半導体を半導体層として用いることで、薄膜トランジスタの特性劣化を抑制することができるので、表示装置の寿命を長くすることができる。
【0140】
なお、本実施の形態において、各々の図で述べた内容は、別の実施の形態で述べた内容に対して、適宜、組み合わせ、又は置き換えなどを自由に行うことができる。
【0141】
(実施の形態4)
本実施の形態では、ソースドライバの一例について説明する。
【0142】
ソースドライバの一例について、図14(A)を参照して説明する。ソースドライバは、回路602_1〜602_N(Nは自然数)という複数の回路と、回路600と、回路601とを有する。そして、回路602_1〜602_Nは、各々、薄膜トランジスタ603_1〜603_k(kは自然数)という複数の薄膜トランジスタを有する。薄膜トランジスタ603_1〜603_kは、上記実施の形態で述べたシフトレジスタのパルス出力回路を構成する薄膜トランジスタと同じ導電型であるものとする。
【0143】
ソースドライバの接続関係について、回路602_1を例にして説明する。薄膜トランジスタ603_1〜603_kの第1端子は、配線605_1と接続される。薄膜トランジスタ603_1〜603_kの第2端子は、各々、配線S1〜Skと接続される。薄膜トランジスタ603_1〜603_kのゲートは、各々、配線604_1〜604_kと接続される。例えば、薄膜トランジスタ603_1の第1の端子は、配線605_1と接続され、薄膜トランジスタ603_1の第2の端子は、配線S1と接続され、薄膜トランジスタ603_1のゲートは、配線604_1と接続される。
【0144】
回路600は、配線604_1〜604_kを介して、信号を回路602_1〜602_Nに供給する機能を有し、シフトレジスタ、又はデコーダなどとして機能することが可能である。当該信号は、デジタル信号である場合が多く、選択信号として機能することが可能である。そして、配線604_1〜604_kは、信号線として機能することが可能である。
【0145】
回路601は、信号を回路602_1〜602_Nに出力する機能を有し、ビデオ信号生成回路などとして機能することが可能である。例えば、回路601は、配線605_1を介して信号を回路602_1に供給する。同時に、配線605_2を介して信号を回路602_2に供給する。当該信号は、アナログ信号である場合が多く、ビデオ信号として機能することが可能である。そして、配線605_1〜605_Nは、信号線として機能することが可能である。
【0146】
回路602_1〜602_Nは、回路601の出力信号を、どの配線に出力するのかを選択する機能を有し、セレクタ回路として機能することが可能である。例えば、回路602_1は、回路601が配線605_1に出力する信号を、配線S1〜Skのうちどの配線に出力するのかを選択する機能を有する。
【0147】
薄膜トランジスタ603_1〜603_Nは、各々、回路600の出力信号に応じて、配線605_1と、配線S1〜Skとの導通状態を制御する機能を有し、スイッチとして機能する。
【0148】
次に、図14(A)のソースドライバの動作について、図14(B)のタイミングチャートを参照して説明する。図14(B)には、配線604_1に入力される信号614_1、配線604_2に入力される信号614_2、配線604_kに入力される信号614_k、配線605_1に入力される信号615_1、及び配線605_2に入力される信号615_2の一例を示す。
【0149】
なお、ソースドライバの動作期間は、表示装置における1ゲート選択期間に対応する。1ゲート選択期間とは、ある行に属する画素が選択され、当該画素にビデオ信号を書き込むことが可能な期間のことをいう。
【0150】
なお、1ゲート選択期間は、期間T0、期間T1、乃至期間Tkに分割される。期間T0は、選択された行に属する画素にプリチャージ用の電圧を同時に印加するための期間であり、プリチャージ期間として機能することが可能である。期間T1〜Tkは、各々、選択された行に属する画素にビデオ信号を書き込むための期間であり、書き込み期間として機能することが可能である。
【0151】
なお、便宜上、回路602_1の動作を例にして、ソースドライバの動作を説明する。
【0152】
まず、期間T0において、回路600は、配線604_1〜604_kにHレベルの信号を出力する。すると、薄膜トランジスタ603_1〜603_kのソースとドレインとの間が導通するので、配線605_1と、配線S1〜Skとが導通状態となる。このとき、回路601は、配線605_1にプリチャージ電圧Vpを供給しているので、プリチャージ電圧Vpは、薄膜トランジスタ603_1〜603_kを介して、配線S1〜Skにそれぞれ出力される。そして、プリチャージ電圧Vpは、選択された行に属する画素に書き込まれるので、選択された行に属する画素がプリチャージされる。
【0153】
次に、期間T1において、回路600は、Hレベルの信号を配線604_1に出力する。すると、薄膜トランジスタ603_1のソースとドレインとの間が導通するので、配線605_1と配線S1とが導通状態となる。そして、配線605_1と配線S2〜Skとが非導通状態となる。このとき、回路601は、信号Data(S1)を配線605_1に出力しているとすると、信号Data(S1)は、薄膜トランジスタ603_1を介して、配線S1に出力される。こうして、信号Data(S1)は、配線S1と接続される画素のうち、選択された行に属する画素に書き込まれる。
【0154】
次に、期間T2において、回路600は、Hレベルの信号を配線604_2に出力する。すると、薄膜トランジスタ603_2のソースとドレインとの間が導通するので、配線605_2と配線S2とが導通状態となる。そして、配線605_1と配線S1とが非導通状態となり、配線605_1と配線S3〜Skとが非導通状態のままとなる。このとき、回路601は、信号Data(S2)を配線605_1に出力しているとすると、信号Data(S2)は、薄膜トランジスタ603_2を介して、配線S2に出力される。こうして、信号Data(S1)は、配線S1と接続される画素のうち、選択された行に属する画素に書き込まれる。
【0155】
その後、期間Tkまで、回路600は、配線604_1〜604_kにHレベルの信号を順に出力するので、期間T1及び期間T2と同様に、期間T3から期間Tkまで、回路600は、配線604_3〜604_kにHレベルの信号を順に出力する。よって、薄膜トランジスタ603_3〜603_kのソースとドレインとの間が順に導通するので、薄膜トランジスタ603_1〜603_kのソースとドレインとの間が順に導通する。したがって、回路601から出力される信号は、配線S1〜Skに順に出力される。こうして、選択された行に属する画素に、信号を順に書き込むことが可能になる。
【0156】
以上、ソースドライバの一例について説明した。本実施の形態のソースドライバは、セレクタとして機能する回路を有するので、信号の数、又は配線の数を減らすことができる。さらに、画素にビデオ信号を書き込む前(期間T0)に、プリチャージを行うための電圧を画素に書き込むので、ビデオ信号の書き込み時間を短くすることができる。したがって、表示装置の大型化、表示装置の高精細化を図ることができる。ただし、これに限定されず、期間T0を省略し、画素にプリチャージしないことが可能である。
【0157】
なお、kが大きすぎると、画素への書き込み時間が短くなるので、ビデオ信号の画素への書き込みが時間内に終了しない場合がある。したがって、k≦6であることが好ましい。より好ましくはk≦3であることが好ましい。さらに好ましくはk=2であることが好ましい。
【0158】
特に、画素の色要素がn(nは自然数)個に分割される場合、k=nとすることが可能である。例えば、画素の色要素が赤(R)と緑(G)と青(B)との三つに分割される場合、k=3であることが可能である。この場合、1ゲート選択期間は、期間T0、期間T1、期間T2、期間T3に分割される。そして、期間T1、期間T2、期間T3では、各々、赤(R)の画素、緑(G)の画素、青(B)の画素にビデオ信号を書き込むことが可能である。ただし、これに限定されず、期間T1、期間T2、期間T3の順番は任意に設定することが可能である。
【0159】
特に、画素がn(nは自然数)個のサブ画素(以下サブピクセル、又は副画素ともいう)に分割される場合、k=nとすることが可能である。例えば、画素が2個のサブ画素に分割される場合、k=2であることが可能である。この場合、1ゲート選択期間は、期間T0、期間T1、期間T2に分割される。そして、期間T1では、2個のサブ画素の一方にビデオ信号を書き込み、期間T2では、2個のサブ画素の他方にビデオ信号を書き込むことが可能である。
【0160】
なお、回路600、及び回路602_1〜602_Nの駆動周波数が低い場合が多いので、回路600、及び回路602_1〜602_Nは、画素部と同じ基板に形成することが可能である。こうして、画素部が形成される基板と、外部回路との接続数を減らすことができるので、歩留まりの向上、又は信頼性の向上などを図ることができる。
【0161】
なお、回路600として、実施の形態1または実施の形態2のシフトレジスタを用いることが可能である。この場合、回路600が有する全ての薄膜トランジスタの極性がNチャネル型である場合には、薄膜トランジスタの半導体層として、微結晶半導体を用いることができる。よって、表示装置の大型化、コストの低減、又は歩留まりの向上などを図ることができる。また微結晶半導体を半導体層として用いることで、薄膜トランジスタの特性劣化を抑制することができるので、表示装置の寿命を長くすることができる。
【0162】
なお、回路600だけでなく、回路602_1〜602_Nが有する全ての薄膜トランジスタの極性も同じ導電型とすることが可能である。したがって、回路600、及び回路602_1〜602_Nが、画素部と同じ基板に形成される場合、工程数の削減、歩留まりの向上、又はコストの削減を図ることができる。また微結晶半導体を半導体層として用いることで、薄膜トランジスタの特性劣化を抑制することができるので、表示装置の寿命を長くすることができる。
【0163】
なお、本実施の形態において、各々の図で述べた内容は、別の実施の形態で述べた内容に対して、適宜、組み合わせ、又は置き換えなどを自由に行うことができる。
【0164】
(実施の形態5)
本実施の形態においては、液晶表示装置に適用できる画素の構成及び画素の動作について説明する。
【0165】
図15(A)は、画素の一例を示す。画素5420は、薄膜トランジスタ5321、液晶素子5422、及び容量素子5423を有する。そして、薄膜トランジスタ5321の第1端子は、配線5431と接続され、薄膜トランジスタ5321の第2端子は、液晶素子5422の一方の電極及び容量素子5423の一方の電極と接続され、薄膜トランジスタ5321のゲートは、配線5432と接続される。液晶素子5422の他方の電極は、電極5434と接続され、容量素子5423の他方の電極は、配線5433と接続される。
【0166】
なお、液晶素子とは、液晶の光学的変調作用によって光の透過または非透過を制御する素子であり、一対の電極、及び液晶により構成される。なお、液晶の光学的変調作用は、液晶にかかる電界(横方向の電界、縦方向の電界又は斜め方向の電界を含む)によって制御される。なお、液晶素子としては、ネマチック液晶、コレステリック液晶、スメクチック液晶、ディスコチック液晶、サーモトロピック液晶、リオトロピック液晶、低分子液晶、高分子液晶、高分子分散型液晶(PDLC)、強誘電液晶、反強誘電液晶、主鎖型液晶、側鎖型高分子液晶、プラズマアドレス液晶(PALC)、バナナ型液晶などを挙げることができる。また、液晶の駆動方式としては、TN(Twisted Nematic)モード、STN(Super Twisted Nematic)モード、IPS(In−Plane−Switching)モード、FFS(Fringe Field Switching)モード、MVA(Multi−domain Vertical Alignment)モード、PVA(Patterned Vertical Alignment)モード、ASV(Advanced Super View)モード、ASM(Axially Symmetric aligned Micro−cell)モード、OCB(Optically Compensated Birefringence)モード、ECB(Electrically Controlled Birefringence)モード、FLC(Ferroelectric Liquid Crystal)モード、AFLC(AntiFerroelectric Liquid Crystal)モード、PDLC(Polymer Dispersed Liquid Crystal)モード、ゲストホストモード、ブルー相(Blue Phase)モードなどを用いることができる。
【0167】
配線5431には、一例として、ビデオ信号が入力される。配線5432には、一例として、走査信号、選択信号、又はゲート信号が入力される。配線5433には、一例として、一定の電圧が供給される。電極5434には、一例として、一定の電圧が供給される。ただし、これに限定されず、配線5431にはプリチャージ電圧が供給されることによって、ビデオ信号の書き込み時間を短くすることが可能である。または、配線5433には信号が入力されることによって、液晶素子5422に印加される電圧を制御することが可能である。または、電極5434に信号が入力されることによって、フレーム反転駆動を実現することが可能である。
【0168】
なお、配線5431は、信号線、ビデオ信号線、又はソース線として機能する。配線5432は、信号線、走査線、又はゲート線として機能する。配線5433は、電源線、又は容量線として機能する。電極5434は、共通電極、又は対向電極として機能する。ただし、これに限定されず、配線5431、配線5432に、電圧が供給される場合、これらの配線は、電源線として機能する。または、配線5433に信号が入力される場合、配線5433は信号線として機能する。
【0169】
薄膜トランジスタ5421は、配線5431と液晶素子5422の一方の電極との導通状態を制御することによって、画素にビデオ信号を書き込むタイミングを制御する機能を有し、スイッチとして機能することが可能である。容量素子5423は、液晶素子5422の一方の電極と、配線5433との間の電位差を保持し、液晶素子5422に印加される電圧を一定に保持する機能を有し、保持容量として機能する。ただし、これに限定されない。
【0170】
図15(B)には、図15(A)の画素の動作を説明するためのタイミングチャートの一例を示す。図15(B)には、信号5442_j(jは自然数)、信号5442_j+1、信号5441_i(iは自然数)、信号5441_i+1、及び電圧5442を示す。そして、図15(B)には、第k(kは自然数)フレームと、第k+1フレームを示す。なお、信号5442_j、信号5442_j+1、信号5441_i、信号5441_i+1、及び電圧5442は、各々、j行目の配線5432に入力される信号、j+1行目の配線5432に入力される信号、i列目の配線5431に入力される信号、i+1列目の配線5431に入力される信号、配線5432に供給される電圧の一例である。
【0171】
j行i列目に属する画素5420の動作について説明する。信号5442_jがHレベルになると、薄膜トランジスタ5421のソースとドレインとの間が導通する。よって、i列目の配線5431と液晶素子5422の一方の電極とが導通状態となるので、信号5441_jが薄膜トランジスタ5421を介して液晶素子5422の一方の電極に入力される。そして、容量素子5423は、このときの液晶素子5422の一方の電極の電位と、配線5433の電位との電位差を保持する。よって、その後、再び信号5442_jがHレベルになるまで、液晶素子5422に印加される電圧は一定となる。そして、液晶素子5422は、印加される電圧に応じた階調を表現する。
【0172】
なお、図15(B)には、正極性の信号と負極性の信号とが、1行選択期間毎に交互に配線5431に入力される場合の一例を示す。正極性の信号とは、電位が基準の値(例えば電極5434の電位)よりも高い信号のことであり、負極性の信号とは、電位が基準の値(例えば電極5434の電位)よりも低い信号のことである。ただし、これに限定されず、配線5431に入力される信号は、1フレーム期間中、同じ極性であることが可能である。
【0173】
なお、図15(B)には、信号5441_iの極性と信号5441_i+1の極性とがお互いに異なる場合の一例を示す。ただし、これに限定されず、信号5441_iの極性と信号5441_i+1の極性とは同じであることが可能である。
【0174】
なお、図15(B)には、信号5442_jがHレベルとなる期間と、信号5442_j+1がHレベルになる期間とは、重ならない場合の一例を示した。ただし、これに限定されず、図15(C)に示すように、信号5442_jがHレベルとなる期間と、信号5442_j+1がHレベルになる期間とは重なることが可能である。この場合、配線5431には、1フレーム期間中、同じ極性の信号が供給されることが好ましい。こうすることによって、j行目の画素へ書き込まれる信号5441_jを用いて、j+1行目の画素をプリチャージすることができる。こうして、画素へのビデオ信号の書き込み時間を短くすることができる。よって、表示装置を高精細にすることができる。または、表示装置の表示部を大きくすることができる。または、1フレーム期間において、配線5431に同じ極性の信号が入力されるので、消費電力を削減することができる。
【0175】
なお、図16(A)の画素構成と、図15(C)のタイミングチャートとを組み合わせることによって、ドット反転駆動を実現することができる。図16(A)の画素構成では、画素5420(i、j)は、配線5431_iと接続される。一方、画素5420(i、j+1)は、配線5431_i+1と接続される。つまり、i列目に属する画素は、1行ずつ交互に、配線5431_iと、配線5431_i+1と接続される。こうして、i列目に属する画素は、1行ずつ交互に、正極性の信号と負極性の信号とが書き込まれるので、ドット反転駆動を実現することができる。ただし、これに限定されず、i列目に属する画素は、複数行(例えば2行又は3行)ずつ交互に、配線5431_iと、配線5431_i+1と接続されることが可能である。
【0176】
なお、画素構成としては、サブピクセル構造を用いることが可能である。図16(B)、及び(C)には、画素を二つのサブ画素に分割する場合の構成を示す。そして、図16(B)には、1S+2Gと呼ばれるサブピクセル構造を示し、図16(C)には、2S+1Gと呼ばれるサブピクセル構造を示す。サブ画素5420A及びサブ画素5420Bは、画素5420に対応する。薄膜トランジスタ5421A及び薄膜トランジスタ5421Bは、薄膜トランジスタ5421に対応する。液晶素子5422A及び液晶素子5422Bは、液晶素子5422に対応する。容量素子5423A及び容量素子5423Bは、容量素子5423に対応する。配線5431A及び配線5431Bは、配線5431に対応する。配線5432A及び配線5432Bは、配線5432に対応する。
【0177】
ここで、本実施の形態の画素と、実施の形態1〜実施の形態4の各構成とを組み合わせることによって、様々なメリットを得ることができる。例えば、画素として、サブピクセル構造を用いる場合、表示装置を駆動するために必要な信号の数が増えてしまう。このため、ゲート線の数、又はソース線の数が増えてしまう。この結果、画素部が形成される基板と、外部回路との接続数が大幅に増えてしまう場合がある。しかし、ゲート線の数が増えても、実施の形態3に示すように、走査線駆動回路を画素部と同じ基板に形成することが可能である。したがって、画素部が形成される基板と、外部回路との接続数を大幅に増やすことなく、サブピクセル構造の画素を用いることができる。または、ソース線の数が増えても、実施の形態4のソースドライバを用いることによって、ソース線の数を減らすことができる。したがって、画素部が形成される基板と、外部回路との接続数を大幅に増やすことなく、サブピクセル構造の画素を用いることができる。
【0178】
なお、本実施の形態において、各々の図で述べた内容は、別の実施の形態で述べた内容に対して、適宜、組み合わせ、又は置き換えなどを自由に行うことができる。
【0179】
(実施の形態6)
本実施の形態では、実施の形態1に示す薄膜トランジスタの作製方法について図20乃至図25を参照して説明する。
【0180】
ここでは、同一の基板上に形成する薄膜トランジスタを全て同じ極性に統一すると、工程数を抑えることができ、好ましい。そのため、本実施の形態では、n型の薄膜トランジスタの作製方法について説明する。
【0181】
(方法1)
はじめに、図17で示した、薄膜トランジスタの作製工程を、図20で説明する。図20で(A)に示すように、基板1101上にゲート電極1103を形成する。次に、ゲート電極1103を覆うゲート絶縁層1105を形成した後に、第1の半導体層1106を形成する。
【0182】
ゲート電極1103は、基板1101上に、スパッタリング法または真空蒸着法を用いて実施の形態1で示した材料により導電層を形成し、該導電層上にフォトリソグラフィ法またはインクジェット法等によりマスクを形成し、該マスクを用いて導電層をエッチングして形成することができる。また、銀、金または銅等の導電性ナノペーストをインクジェット法により基板上に吐出し、焼成することで形成することもできる。ここでは、基板1101上に導電層を形成し、フォトマスクを用いて形成したレジストマスクによりエッチングして、ゲート電極1103を形成する。
【0183】
なお、フォトリソグラフィ工程においては、レジストを基板全面に塗布してもよいが、レジストマスクを形成する領域に印刷法によりレジストを印刷した後、露光することで、レジストを節約することが可能であり、コスト削減が可能である。また、露光機を用いてレジストを露光する代わりに、レーザビーム直描装置によってレジストを露光してもよい。
【0184】
また、ゲート電極1103の側面は、テーパー形状とすることで、ゲート電極1103上に形成する半導体層及び配線層の、段差の箇所における配線切れを低減することができる。ゲート電極1103の側面をテーパー形状にするためには、レジストマスクを後退させつつエッチングを行えばよい。
【0185】
また、ゲート電極1103を形成する工程でゲート配線(走査線)及び容量配線も同時に形成することができる。なお、走査線とは画素を選択する配線をいい、容量配線とは画素の容量素子の一方の電極に接続された配線をいう。ただし、これに限定されず、ゲート配線及び容量配線の一方または双方と、ゲート電極1103とは別工程で形成してもよい。
【0186】
ゲート絶縁層1105は、CVD法またはスパッタリング法等を用いて、実施の形態1で示した材料を用いて形成することができる。また、ゲート絶縁層1105は、高周波数(1GHz以上)のマイクロ波プラズマCVD装置を用いて形成してもよい。マイクロ波プラズマCVD装置を用いてゲート絶縁層1105を形成すると、ゲート電極と、ドレイン電極及びソース電極との間の耐圧を向上させることができるため、信頼性の高い薄膜トランジスタを得ることができる。また、ゲート絶縁層1105として、有機シランガスを用いたCVD法により酸化シリコン層を形成することで、後に形成する微結晶半導体層の結晶性を高めることが可能であるため、薄膜トランジスタのオン電流及び電界効果移動度を高めることができる。有機シランガスとしては、珪酸エチル(TEOS:化学式Si(OC)、テトラメチルシラン(TMS:化学式Si(CH)、テトラメチルシクロテトラシロキサン(TMCTS)、オクタメチルシクロテトラシロキサン(OMCTS)、ヘキサメチルジシラザン(HMDS)、トリエトキシシラン(SiH(OC)、トリスジメチルアミノシラン(SiH(N(CH)等のシリコン含有化合物を用いることができる。
【0187】
第1の半導体層1106としては、微結晶シリコン、微結晶シリコンゲルマニウム、微結晶ゲルマニウム等を用いて形成する。第1の半導体層1106の厚さは、厚さ3〜10nm、好ましくは3〜5nmと薄くすることで、後に形成される第2の半導体層において、微結晶半導体で形成される複数の錐形状の突起(凸部)の長さを制御し、薄膜トランジスタのオン電流及びオフ電流を制御することができる。
【0188】
第1の半導体層1106は、プラズマCVD装置の反応室内において、シリコンまたはゲルマニウムを含む堆積性気体と、水素とを混合し、グロー放電プラズマにより形成する。または、シリコンまたはゲルマニウムを含む堆積性気体と、水素と、ヘリウム、ネオン、クリプトン等の希ガスとを混合し、グロー放電プラズマにより形成する。シリコンまたはゲルマニウムを含む堆積性気体の流量に対して、水素の流量を10〜2000倍、好ましくは10〜200倍に希釈して、微結晶シリコン、微結晶シリコンゲルマニウム、微結晶ゲルマニウム等を形成する。
【0189】
シリコンまたはゲルマニウムを含む堆積性気体の代表例としては、SiH、Si、GeH、Ge等がある。
【0190】
第1の半導体層1106の原料ガスとして、ヘリウム、アルゴン、ネオン、クリプトン、キセノン等の希ガスを用いることで、第1の半導体層1106の成膜速度が高まる。また、成膜速度が高まることで、第1の半導体層1106に混入される不純物量が低減するため、第1の半導体層1106の結晶性を高めることができる。このため、薄膜トランジスタのオン電流及び電界効果移動度が高まると共に、薄膜トランジスタの生産性を高めることができる。
【0191】
第1の半導体層1106を形成する際の、グロー放電プラズマの生成は、3MHzから30MHz、代表的には13.56MHz、27.12MHzのHF帯の高周波電力、または30MHzより大きく300MHz程度までのVHF帯の高周波電力、代表的には、60MHzを印加することで行われる。また、1GHz以上のマイクロ波の高周波電力を印加することで行われる。なお、VHF帯やマイクロ波の高周波電力を用いることで、成膜速度を高めることが可能である。更には、HF帯の高周波電力と、VHF帯の高周波電力を重畳させることで、大面積基板においてもプラズマのムラを低減し、均一性を高めることができると共に、成膜速度を高めることができる。
【0192】
なお、第1の半導体層1106を形成する前に、CVD装置の処理室内の気体を排気しながら、シリコンまたはゲルマニウムを含む堆積性気体を導入して、処理室内の不純物元素を除去することで、後に形成される薄膜トランジスタのゲート絶縁層1105及び第1の半導体層1106における不純物量を低減することが可能であり、薄膜トランジスタの電気特性を向上させることができる。
【0193】
次に、図20(B)に示すように、第1の半導体層1106上に半導体層を堆積して、第2の半導体層1107を形成する。次に、第2の半導体層1107上に、不純物半導体層1109、及び導電層1111を形成する。次に、導電層1111上にレジストマスク1113を形成する
【0194】
第1の半導体層1106を種結晶として、部分的に結晶成長させる条件で、微結晶半導体層1107a、混合層1107b、非晶質半導体を含む層1107cを有する第2の半導体層1107を形成する。なお、ここでは、便宜的に第2の半導体層1107には第1の半導体層1106も含む構造、即ち、第1の半導体層1106が微結晶半導体層1107aに含まれる構造を示す。
【0195】
第2の半導体層1107は、プラズマCVD装置の処理室内において、シリコンまたはゲルマニウムを含む堆積性気体と、水素と、窒素を含む気体とを混合し、グロー放電プラズマにより形成する。窒素を含む気体としては、アンモニア、窒素、フッ化窒素、塩化窒素等がある。
【0196】
このとき、シリコンまたはゲルマニウムを含む堆積性気体と、水素との流量比は、第1の半導体層1106と同様に微結晶半導体層を形成する条件を用い、原料ガスに窒素を含む気体を用いることで、第1の半導体層1106の成膜条件よりも、結晶成長を低減する条件とすることができる。この結果、第2の半導体層1107において、混合層1107b、及び欠陥が少なく、価電子帯のバンド端における準位のテール(裾)の傾きが急峻である秩序性の高い半導体層で形成される非晶質半導体を含む層1107cを形成することができる。
【0197】
ここでは、第2の半導体層1107を形成する条件の代表例は、シリコンまたはゲルマニウムを含む堆積性気体の流量に対する水素の流量が10〜2000倍、好ましくは10〜200倍である。なお、通常の非晶質半導体層を形成する条件の代表例は、シリコンまたはゲルマニウムを含む堆積性気体の流量に対する水素の流量は0〜5倍である。
【0198】
また、第2の半導体層1107の原料ガスに、ヘリウム、ネオン、アルゴン、キセノン、またはクリプトン等の希ガスを導入することで、成膜速度を高めることができる。
【0199】
第2の半導体層1107の堆積初期においては、第1の半導体層1106を種結晶として、第1の半導体層1106上全体に微結晶半導体層が堆積される(堆積初期)。この後、原料ガスに窒素を含む気体が含まれるため、部分的に、結晶成長が抑制され、錐形状の微結晶半導体領域が成長すると共に、非晶質半導体領域が形成される(堆積中期)。さらに、錐形状の微結晶半導体領域の結晶成長が停止し、非晶質半導体を含む層が形成される(堆積後期)。
【0200】
このことから、図17及び図18に示す微結晶半導体層1115aは、図20(A)に示す第1の半導体層1106、及び第2の半導体層1107の堆積初期に形成される微結晶半導体層、即ち、図20(B)に示す微結晶半導体層1107aに相当する。
【0201】
また、図17及び図18に示す混合層1115bは、図20(B)に示す第2の半導体層1107の堆積中期に形成される錐状の微結晶半導体領域及びその間を充填する非晶質半導体領域を有する層、即ち、混合層1107bに相当する。
【0202】
また、図17及び図18に示す非晶質半導体を含む層1129cは、図20(B)に示す第2の半導体層1107の堆積後期に形成される非晶質半導体を含む層1107cに相当する。
【0203】
このような方法により形成した第2の半導体層1107において、二次イオン質量分析法によって計測される窒素濃度は、微結晶半導体層1107aと、混合層1107bとの界面近傍でピーク濃度を有し、混合層1107b及び非晶質半導体を含む層1107cの堆積方向に対して一定濃度となる。
【0204】
不純物半導体層1109は、プラズマCVD装置の反応室内において、シリコンを含む堆積性気体と、水素と、フォスフィン(水素希釈またはシラン希釈)とを混合し、グロー放電プラズマにより形成する。シリコンを含む堆積性気体を水素で希釈して、リンが添加されたアモルファスシリコン、またはリンが添加された微結晶シリコンを形成する。
【0205】
導電層1111は、図17に示す配線1125と同様の材料を適宜用いることができる。導電層1111は、CVD法、スパッタリング法または真空蒸着法を用いて形成する。また、導電層1111は、銀、金または銅等の導電性ナノペーストを用いてスクリーン印刷法またはインクジェット法等を用いて吐出し、焼成することで形成しても良い。
【0206】
第2のレジストマスク1113は、フォトリソグラフィ工程により形成する。第2のレジストマスク1113は厚さの異なる領域を有する。このようなレジストマスクは、多階調マスクを用いて形成することができる。多階調マスクを用いることで、使用するフォトマスクの枚数を低減し、作製工程数が削減できるため好ましい。本実施の形態において、第2の半導体層1107のパターンを形成する工程と、ソース領域とドレイン領域を分離する工程において、多階調マスクを用いることができる。
【0207】
多階調マスクとは、多段階の光量で露光を行うことが可能なマスクであり、代表的には、露光領域、半露光領域及び未露光領域の3段階の光量で露光を行う。多階調マスクを用いることで、一度の露光及び現像工程によって、複数(代表的には二種類)の厚さを有するレジストマスクを形成することができる。そのため、多階調マスクを用いることで、フォトマスクの枚数を削減することができる。
【0208】
図22(A−1)及び図22(B−1)は、代表的な多階調マスクの断面図を示す。図22(A−1)にはグレートーンマスク1180を示し、図22(B−1)にはハーフトーンマスク1185を示す。
【0209】
図22(A−1)に示すグレートーンマスク1180は、透光性を有する基板1181上に遮光層により形成された遮光部1182、及び遮光層のパターンにより設けられた回折格子部1183で構成されている。
【0210】
回折格子部1183は、露光に用いる光の解像度限界以下の間隔で設けられたスリット、ドットまたはメッシュ等を有することで、光の透過率を制御する。なお、回折格子部1183に設けられるスリット、ドットまたはメッシュは周期的なものであってもよいし、非周期的なものであってもよい。
【0211】
透光性を有する基板1181としては、石英等を用いることができる。遮光部1182及び回折格子部1183を構成する遮光層は、クロムまたは酸化クロム等により設けられる。
【0212】
グレートーンマスク1180に露光するための光を照射した場合、図22(A−2)に示すように、遮光部1182に重畳する領域における透光率は0%となり、遮光部1182または回折格子部1183が設けられていない領域における透光率は100%となる。また、回折格子部1183における透光率は、概ね10〜70%の範囲であり、回折格子のスリット、ドットまたはメッシュの間隔等により調整可能である。
【0213】
図22(B−1)に示すハーフトーンマスク1185は、透光性を有する基板1186上に半透光層により形成された半透光部1187、及び遮光層により形成された遮光部1188で構成されている。
【0214】
半透光部1187は、MoSiN、MoSi、MoSiO、MoSiON、CrSi等の層を用いて形成することができる。遮光部1188は、グレートーンマスクの遮光層と同様の材料を用いて形成すればよく、好ましくはクロムまたは酸化クロム等により設けられる。
【0215】
ハーフトーンマスク1185に露光するための光を照射した場合、図22(B−2)に示すように、遮光部1188に重畳する領域における透光率は0%となり、遮光部1188及び半透光部1187が設けられていない領域における透光率は100%となる。また、半透光部1187における透光率は、概ね10〜70%の範囲であり、形成する材料の種類または形成する膜厚等により、調整可能である。
【0216】
多階調マスクを用いて露光して現像を行うことで、厚さの異なる領域を有するレジストマスクを形成することができる。
【0217】
次に、第2のレジストマスク1113を用いて、第2の半導体層1107、不純物半導体層1109、及び導電層1111をエッチングする。この工程により、第2の半導体層1107、不純物半導体層1109及び導電層1111を素子毎に分離し、第2の半導体層1115、不純物半導体層1117、及び導電層1119を形成する。なお、第2の半導体層1115は、微結晶半導体層1115a、混合層1115b、及び非晶質半導体を含む層1115cを有する(図20(C)を参照)。
【0218】
次に、第2のレジストマスク1113を後退させて、分離された第3のレジストマスク1123を形成する。レジストマスクの後退には、酸素プラズマによるアッシングを用いればよい。ここでは、ゲート電極上で分離するように第2のレジストマスク1113をアッシングすることで、第3のレジストマスク1123を形成することができる(図21(A)参照)。
【0219】
次に、第3のレジストマスク1123を用いて導電層1111をエッチングし、ソース電極及びドレイン電極として機能する配線1125を形成する(図21(B)を参照)。導電層1111のエッチングは、ウエットエッチングを用いることが好ましい。ウエットエッチングにより、導電層が等方的にエッチングされる。その結果、導電層はレジストマスク1123よりも内側に後退し、配線1125が形成される。配線1125は、ソース電極またはドレイン電極のみならず信号線としても機能する。ただし、これに限定されず、信号線とソース電極及びドレイン電極とは別に設けてもよい。
【0220】
次に、第3のレジストマスク1123を用いて、非晶質半導体を含む層1115c、及び不純物半導体層1117のそれぞれ一部をエッチングする。ここでは、ドライエッチングを用いる。本工程までで、表面に凹部を有する非晶質半導体を含む層1129c、ソース領域及びドレイン領域として機能する不純物半導体層1127を形成する。この後、第3のレジストマスク1123を除去する(図21(C)参照)。
【0221】
なお、ここでは、導電層1111をウエットエッチングし、非晶質半導体を含む層1115c、及び不純物半導体層1117のそれぞれ一部をドライエッチングしたため、導電層1119が等方的にエッチングされ、配線1125の側面と、不純物半導体層1127の側面は一致せず、配線1125の側面の外側に、不純物半導体層1127の側面が形成される形状となる。
【0222】
また、第3のレジストマスク1123を除去した後、不純物半導体層1117及び非晶質半導体を含む層1115cの一部をエッチングしてもよい。当該エッチングより、配線1125を用いて不純物半導体層1117をエッチングするため、配線1125及び不純物半導体層1127のそれぞれ側面が概略一致する。
【0223】
次に、第3のレジストマスク1123を除去した後、ドライエッチングを行ってもよい。ドライエッチングの条件は、露出している非晶質半導体を含む層1129cにダメージが入らず、且つ非晶質半導体を含む層1129cに対するエッチングレートが低い条件を用いる。つまり、露出している非晶質半導体を含む層1129c表面にほとんどダメージを与えず、且つ露出している非晶質半導体を含む層1129cの厚さがほとんど減少しない条件を用いる。エッチングガスとしては、代表的にはCl、CF、またはN等を用いる。また、エッチング方法については特に限定はなく、誘導結合型プラズマ(ICP:Inductively Coupled Plasma)方式、容量結合型プラズマ(CCP:Capacitively Coupled Plasma)方式、電子サイクロトン共鳴プラズマ(ECR:Electron Cyclotron Resonance)方式、反応性イオンエッチング(RIE:Reactive Ion Etching)方式等を用いることができる。
【0224】
次に、非晶質半導体を含む層1129cの表面に水プラズマ、アンモニアプラズマ、窒素プラズマ等を照射してもよい。
【0225】
水プラズマ処理は、水蒸気(HO蒸気)に代表される、水を主成分とするガスを反応空間に導入し、プラズマを生成して、行うことができる。
【0226】
上記したように、不純物半導体層1127を形成した後に、非晶質半導体を含む層1129cにダメージを与えない条件で更なるドライエッチングを行うことで、露出した非晶質半導体を含む層1129c上に存在する残渣などの不純物を除去することができる。また、ドライエッチングに続けて水プラズマ処理を行うことで、レジストマスクの残渣を除去することができる。また、水プラズマ処理を行うことで、ソース領域とドレイン領域との間の絶縁を確実なものにすることができ、完成する薄膜トランジスタのオフ電流を低減し、電気的特性のばらつきを低減することができる。
【0227】
以上の工程により、少ないマスク数で、チャネル領域が微結晶半導体層で形成される薄膜トランジスタを作製することができる。また、オフ電流が低く、オン電流及び電界効果移動度が高い薄膜トランジスタを作製することができる。
【0228】
(方法2)
上記(方法1)とは異なる薄膜トランジスタの作製方法について、図20、図23及び図24を用いて示す。
【0229】
上記(方法1)と同様に、基板1101上にゲート電極1103を形成する。次に、ゲート電極1103を覆ってゲート絶縁層1105、第1の半導体層1106を形成する(図20(A)参照)。次に、上記(方法1)と同様に、第1の半導体層1106から結晶成長させて、第2の半導体層1107(微結晶半導体層1107a、混合層1107b、非晶質半導体を含む層1107c)を形成する。次に、第2の半導体層1107上に不純物半導体層1109を形成する(図23(A)を参照)。その後、不純物半導体層1109上にレジストマスク(図示せず。)を形成する。
【0230】
次に、レジストマスクを用いて、第2の半導体層1107及び不純物半導体層1109をエッチングする。この工程により、第2の半導体層1107及び不純物半導体層1109を素子毎に分離し、第2の半導体層1115(微結晶半導体層1115a、混合層1115b、非晶質半導体を含む層1115c)、及び不純物半導体層1117を形成する(図23(B)を参照)。
【0231】
次に、ゲート絶縁層1105、第2の半導体層1115、及び不純物半導体層1117上に導電層1111を形成する(図23(C)参照)。
【0232】
次に、導電層1111上にレジストマスク(図示せず。)を形成し、当該レジストマスクを用いて導電層1111をエッチングして、ソース電極及びドレイン電極として機能する配線1133を形成する(図24(A)参照)。
【0233】
次に、不純物半導体層1117をエッチングして、ソース領域及びドレイン領域として機能する不純物半導体層1127を形成する。また、非晶質半導体を含む層1115cをエッチングして、非晶質半導体を含む層1129cを形成する(図24(B)参照)。
【0234】
以上の工程により、薄膜トランジスタを作製することができる。
【0235】
なお、配線1133を形成した後、レジストマスクを除去せず非晶質半導体を含む層1115cの一部をエッチングしたが、当該レジストマスクを除去した後、不純物半導体層1117及び非晶質半導体を含む層1129cの一部をエッチングしてもよい。当該エッチングより、配線1133をマスクとして不純物半導体層1117をエッチングするため、配線1133及び不純物半導体層1127のそれぞれ側面が概略一致する。
【0236】
次に、レジストマスクを除去した後、ドライエッチングを行うとよい。ドライエッチングの条件は、露出している非晶質半導体を含む層1129cにダメージが入らず、且つ非晶質半導体を含む層1129cに対するエッチングレートが低い条件を用いる。つまり、露出している非晶質半導体を含む層1129c表面にほとんどダメージを与えず、且つ露出している非晶質半導体を含む層1129cの厚さがほとんど減少しない条件を用いる。
【0237】
次に、非晶質半導体を含む層1129cの表面に水プラズマ、アンモニアプラズマ、窒素プラズマ等を照射してもよい。
【0238】
水プラズマ処理は、水蒸気(HO蒸気)に代表される、水を主成分とするガスを反応空間に導入し、プラズマを生成して、行うことができる。
【0239】
上記したように、非晶質半導体を含む層1129cを形成した後に、非晶質半導体を含む層1129cにダメージを与えない条件で更なるドライエッチングを行うことで、非晶質半導体を含む層1129c上に存在する残渣などの不純物を除去することができる。また、ドライエッチングに続けて水プラズマ処理を行うことで、レジストマスクの残渣を除去することができる。水プラズマ処理を行うことで、ソース領域とドレイン領域との間の絶縁を確実なものにすることができ、薄膜トランジスタのオフ電流を低減し、電気的特性のばらつきを低減することができる。
【0240】
(方法3)
次に、図19に示す薄膜トランジスタの作製方法について、図20、図21、及び図25を用いて示す。
【0241】
上記(方法1)と同様に、図20、図21(A)、及び図21(B)を経て、配線1125を形成した後、不純物半導体層1117をエッチングして、不純物半導体層1127を形成する。また、非晶質半導体を含む層1115cをエッチングして、一対の非晶質半導体を含む層1132を形成する(図25(A)参照)。
【0242】
ここでは、ウエットエッチングまたはドライエッチングを用いて、非晶質半導体を含む層1115cを選択的にエッチングし、第2の微結晶半導体層1131bを露出する条件を適宜用いる。非晶質半導体層を選択的にウエットエッチングすることができるエッチャントの代表例としては、ヒドラジン、水酸化カリウム、またはエチレンジアミンを含むエッチャントを用いることができる。また、フッ酸及び硝酸の混合溶液を含むエッチャントを用いることができる。また、水酸化テトラメチルアンモニウム(TMAHとも呼ばれる。)水溶液を用いることができる。
【0243】
また、非晶質半導体層を選択的にドライエッチングすることができるエッチングガスとしては、水素を用いることができる。また、塩素、臭素、若しくはヨウ素を含むガスをエッチングガスとして用いることができ、代表的には、塩化水素、臭化水素、若しくはヨウ化水素、4塩化シリコン、3塩化リン、若しくは3塩化ボロン等がある。または、フッ素を含むガスをエッチングガスとして用いることができ、代表的には、4フッ化メタン、6フッ化硫黄、3フッ化窒素、4フッ化シリコン、3フッ化ボロン、2フッ化キセノン、3フッ化塩素等がある。また、4フッ化メタン及び酸素の混合ガス、または6フッ化硫黄及び塩素の混合ガスをエッチングガスとして用いることができる。
【0244】
この後、レジストマスクを除去し、第2の微結晶半導体層1131b、一対の非晶質半導体を含む層1132、不純物半導体層1127、及び配線1125の表面を酸化、または窒化するプラズマ処理1140を行って、図25(C)に示す第1の絶縁層1135a、第2の絶縁層1135c、第3の1135eを形成する。
【0245】
非晶質半導体を含む層1132は非晶質半導体を含むため、弱いn型を帯びている。また、微結晶半導体層と比較して、密度が低い。このため、非晶質半導体を含む層1132を酸化または窒化した第2の絶縁層1135cは密度が低く、疎な絶縁層であり、絶縁性が低い。しかしながら、図19に示す薄膜トランジスタには、バックチャネル側に微結晶半導体層1131を酸化した第1の絶縁層1135aが形成される。微結晶半導体層は、非晶質半導体層と比較して密度が高いため、第1の絶縁層1135aも密度が高く、絶縁性が高い。さらに、第2の微結晶半導体層1131bは、複数の錐形状の突起(凸部)を複数有するため、表面が凹凸状である。このため、ソース領域からドレイン領域までのリークパスの距離が長い。これらのことから、薄膜トランジスタのオフ電流を低減することができる。
【0246】
なお、ここでは、配線1125を形成した後、非晶質半導体を含む層1115cをエッチングし、第2の微結晶半導体層1131bを露出したが、配線1125を形成した後、レジストマスクを除去し、不純物半導体層1117、非晶質半導体を含む層1115cのそれぞれ一部をドライエッチングし、さらに第2の微結晶半導体層1131bの表面を酸化または窒化するプラズマ処理1140を行ってもよい。この場合、配線1125をマスクとして、不純物半導体層1127、及び非晶質半導体を含む層1115cがエッチングされるため、配線1125の側面と、ソース領域及びドレイン領域として機能する不純物半導体層1127との側面が概略一致する形状となる。
【0247】
上記したように、錐形状の突起(凸部)を有する第2の微結晶半導体層1131bを露出した後、プラズマ処理により第2の微結晶半導体層1131bの表面に絶縁層を形成することで、ソース領域及びドレイン領域の間のリークパスの距離を長くすることが可能であると共に、絶縁性の高い絶縁層を形成することができる。また、チャネル領域が微結晶半導体層で形成されている。これらのことから、オフ電流が低く、オン電流及び電界効果移動度が高い薄膜トランジスタを作製することができる。また、チャネル領域が微結晶半導体層で形成される薄膜トランジスタを作製することができる。
【0248】
(方法4)
(方法1)乃至(方法3)に適用可能な第2の半導体層1107の作製方法について、以下に示す。ここでは、第2の半導体層1107の原料ガスとして、窒素を含む気体を用いる代わりに、プラズマCVD装置の処理室内に窒素を含む層を形成した後、第2の半導体層1107を形成することで、第2の半導体層1107に窒素を供給することを特徴とする。
【0249】
第1の半導体層1106を形成した後、プラズマCVD装置の処理室から基板を搬出する。次に、プラズマCVD装置の処理室内に、窒素を含む層を形成する。ここでは、窒素を含む層として、窒化シリコン層を形成する。次に、処理室内に基板を搬入した後、第2の半導体層1107の堆積に用いる材料ガスを処理室内に導入し、第2の半導体層1107を形成する。ここでは、原料ガスとして、シリコンまたはゲルマニウムを含む堆積性気体、及び水素を用いる。処理室内の内壁に形成された窒素を含む層がプラズマに曝されることにより、窒素を含む層の一部が解離し、Nが脱離する。または、NH基が生成される。この結果、第2の半導体層1107には窒素が含まれ、図18(A)に示すように、微結晶半導体層1107a、混合層1107b、及び非晶質半導体を含む層1107cで構成される第2の半導体層1107、または図18(B)に示すように、微結晶半導体層1107a、及び混合層1107bで構成される第2の半導体層1107を形成することができる。
【0250】
このような方法により形成した第2の半導体層1107において、二次イオン質量分析法によって計測される窒素濃度は、微結晶半導体層1107aの上方、または微結晶半導体層1107aと混合層1107bとの界面近傍で、ピーク濃度を有し、第2の半導体層1107の堆積方向に対して減少する。
【0251】
以上の工程により、第2の半導体層1107を形成することができる。
【0252】
(方法5)
(方法1)乃至(方法3)に適用可能な第2の半導体層1107の作製方法について、以下に示す。ここでは、第2の半導体層1107の原料ガスとして、窒素を含む気体を用いる代わりに、第2の半導体層1107を形成する前にCVD装置の処理室内に窒素を含む気体を導入した後、第2の半導体層1107を形成することで、第2の半導体層1107に窒素を供給することを特徴とする。
【0253】
第1の半導体層1106を形成した後、第1の半導体層1106の表面を、窒素を含む気体で曝して(ここでは、フラッシュ処理という。)、プラズマCVD装置の処理室内に窒素を供給する。窒素を含む気体として、アンモニア、窒素、フッ化窒素、塩化窒素等がある。また、窒素を含む気体のいずれかに水素を含ませてもよい。ここでは、第1の半導体層1106の表面をアンモニアに曝すことで窒素を供給する。
【0254】
次に、第2の半導体層1107の堆積に用いる材料ガスを処理室内に導入した後、第2の半導体層1107を形成する。ここでは、原料ガスとして、シリコンまたはゲルマニウムを含む堆積性気体及び水素を用いる。
【0255】
第2の半導体層1107の形成工程において、フラッシュ処理により処理室内に導入された窒素を含む気体、ここではアンモニアがプラズマ放電により分解され、Nが脱離する。または、NH基が生成される。この結果、第2の半導体層1107には窒素が含まれ、図18(A)に示すように、微結晶半導体層1107a、混合層1107b、及び非晶質半導体を含む層1107cで構成される第2の半導体層1107、または図18(B)に示すように、微結晶半導体層1107a、及び混合層1107bで構成される第2の半導体層1107を形成することができる。
【0256】
このような方法により形成した第2の半導体層1107において、二次イオン質量分析法によって計測される窒素濃度は、微結晶半導体層1107aの上方、または微結晶半導体層1107aと混合層1107bとの界面近傍でピーク濃度を有し、混合層1107b及び非晶質半導体を含む層1107cの堆積方向に対して減少する濃度となる。
【0257】
以上の工程により、第2の半導体層1107を形成することができる。
【0258】
以上、本実施の形態では、表示装置を構成する薄膜トランジスタの作製方法の一例について説明した。このような構造と、実施の形態1〜実施の形態5のシフトレジスタとを組み合わせることができる。薄膜トランジスタのチャネル領域として、微結晶半導体を用いる場合、表示装置の大型化、コストの低減、又は歩留まりの向上などを図ることができる。また微結晶半導体をチャネル領域として用いることで、薄膜トランジスタの特性劣化を抑制することができるので、表示装置の寿命を長くすることができる。
【0259】
なお、本実施の形態において、各々の図で述べた内容は、別の実施の形態で述べた内容に対して、適宜、組み合わせ、又は置き換えなどを自由に行うことができる。
【0260】
(実施の形態7)
本実施の形態では、表示装置の一形態として、液晶表示装置の断面構造について、図26を参照して説明する。具体的には、TFT基板と、対向基板と、対向基板とTFT基板との間に挟持された液晶層とを有する液晶表示装置の構成について説明する。また、図26(A)は、液晶表示装置の上面図である。図26(B)は、図26(A)の線C−Dにおける断面図である。なお、図26(B)は、基板1601上に、チャネル領域に微結晶半導体層を用いた逆スタガ型の薄膜トランジスタを形成した構造を有し、表示方式がMVA(Multi−domain Vertical Alignment)方式の液晶表示装置の断面図である。
【0261】
図26(A)に示す液晶表示装置は、基板1601上に、画素部1603、第1の走査線駆動回路1605a、第2の走査線駆動回路1605b、及び信号線駆動回路1607が形成されている。画素部1603、第1の走査線駆動回路1605a、第2の走査線駆動回路1605b、及び信号線駆動回路1607は、シール材1609によって、基板1601と基板1611との間に封止されている。また、TAB方式によって、FPC1613、及びICチップ1615が基板1601上に配置されている。
【0262】
図26(A)の線C−Dにおける断面構造について、図26(B)を参照して説明する。ここでは、基板1601上に形成される、画素部1603と、その周辺駆動回路部の一部である第2の走査線駆動回路1605bと、端子部1617とを示す。
【0263】
基板1601上に、走査線駆動回路1605bに設けられる薄膜トランジスタ1621と、画素部1603に設けられる薄膜トランジスタ1623が形成される。また、薄膜トランジスタ1621、1623上に絶縁層1625、1627が形成される。また、絶縁層1625の開口部を介して、薄膜トランジスタ1621のソース電極またはドレイン電極に接続する配線1629、薄膜トランジスタ1623のソース電極またはドレイン電極に接続する画素電極1631が形成される。また、絶縁層1627、配線1629、及び画素電極1631上に絶縁層1635が形成される。
【0264】
薄膜トランジスタ1621、1623の構造及び作製方法については、実施の形態1及び実施の形態6を適宜適用することができる。
【0265】
絶縁層1625及び絶縁層1627は、無機絶縁層、有機樹脂層等を用いて形成することができる。無機絶縁層としては、酸化珪素層、酸化窒化珪素層、窒化酸化珪素層、DLC(ダイヤモンドライクカーボン)に代表される炭素層などを用いることができる。有機樹脂層ならば、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリイミド、ポリアミド、ポリビニルフェノール、ベンゾシクロブテン樹脂などを用いることができる。また、シロキサンポリマーを用いることができる。
【0266】
絶縁層1625及び絶縁層1627は、CVD法、スパッタリング法、印刷法、塗布法、スリットコート法等を適宜用いて形成することができる。
【0267】
絶縁層1625または絶縁層1627の少なくとも一方を、有機樹脂層を用いて形成することで、平坦性を高めることが可能であるため、液晶層1649の液晶分子の配向を制御しやすくなる。
【0268】
配線1629及び画素電極1631は、酸化タングステンを含むインジウム酸化物、酸化タングステンを含むインジウム亜鉛酸化物、酸化チタンを含むインジウム酸化物、酸化チタンを含むインジウム錫酸化物、インジウム錫酸化物、インジウム亜鉛酸化物、または酸化シリコンを添加したインジウム錫酸化物等を用いて形成することができる。
【0269】
また、配線1629及び画素電極1631は、透光性を有する導電性高分子(導電性ポリマーともいう。)を含む導電性組成物を用いて形成することができる。配線1629及び画素電極1631は、シート抵抗が10000Ω/□以下であって、且つ波長550nmにおける透光率が70%以上であることが好ましい。シート抵抗は、より低いことが好ましい。また、導電性組成物に含まれる導電性高分子の抵抗率が0.1Ω・cm以下であることが好ましい。
【0270】
導電性高分子としては、いわゆるπ電子共役系導電性高分子を用いることができる。例えば、ポリアニリン若しくはその誘導体、ポリピロール若しくはその誘導体、ポリチオフェン若しくはその誘導体、又はこれらの2種以上の共重合体等が挙げられる。
【0271】
なお、画素電極1631が反射電極として機能する場合は、配線1629及び画素電極1631として、アルミニウム、銀などや、それらの合金などを用いることができる。また、チタン、モリブデン、タンタル、クロム、タングステンと、アルミニウムとを積層させた2層構造、アルミニウムを、チタン、モリブデン、タンタル、クロム、タングステンなどの金属で挟んだ3層積層構造としてもよい。
【0272】
画素電極1631には、開口部を形設しておく。導電膜に形設される開口部は、液晶分子に傾斜を持たせることができるため、MVA方式での突起物と同じ役割をさせることができる。
【0273】
絶縁層1635は配向膜として機能する。
【0274】
画素部1603の周辺部、若しくは画素部1603の周辺部とその周辺駆動回路部の周辺部に、インクジェット法などにより、シール材1609が形成される。導電層1641、絶縁層1643、及び突起部1645などが形成された基板1611と、基板1601とがスペーサ1647を介して、シール材1609で貼り合わされており、その隙間に、液晶層1649が配置されている。なお、基板1611は、対向基板として機能する。
【0275】
スペーサ1647は、数μmの粒子を散布して設けてもよいし、基板全面に樹脂層を形成した後に、樹脂層をエッチング加工して設けてもよい。
【0276】
導電層1641は、対向電極として機能する。導電層1641としては、配線1629及び画素電極1631と同様なものを用いるこができる。また、絶縁層1643は、配向膜として機能する。
【0277】
端子部1617においては、接続端子1659が形成されている。接続端子1659は、画素部1603及び周辺駆動回路部の配線1655と電気的に接続されている。接続端子1659は、画素部1603の画素電極1631及び周辺駆動回路部の配線1629と同様に形成される。
【0278】
ここでは、薄膜トランジスタ1621、1623として、多階調マスクを用いた工程により形成される構造を示したため、配線1655及び基板1601の間には、薄膜トランジスタの微結晶半導体層と同時に形成された微結晶半導体層1651と、ソース領域及びドレイン領域と同時に形成された不純物半導体層1653が形成される。
【0279】
接続端子1659上に、異方性導電体層1657を介して、FPC1613が配置されている。また、FPC1613上に、異方性導電体層1661を介して、ICチップ1615が配置されている。つまり、FPC1613、異方性導電体層1657、1661、及びICチップ1615は、電気的に接続されている。
【0280】
異方性導電体層1657、1661は、異方導電性フィルム(ACF(Anisotropic Conductive Film))や異方導電性ペースト(ACP(Anisotropic Conductive Paste))等の接着性を有する材料を用いることができる。また、異方性導電体層1657、1661は、銀ペースト、銅ペーストまたはカーボンペースト等の導電性接着剤や半田接合等を用いることもできる。
【0281】
なお、ICチップ1615は、機能回路(メモリやバッファ)を形成することで、基板面積を有効利用することができる。
【0282】
なお、図26(B)は、表示方式がMVA方式での断面図について説明したが、表示方式がPVA(Patterned Vertical Alignment)方式でもよい。PVA方式の場合は、基板1611上の導電層1641に対し、スリットを設ける構成とすることで液晶分子を傾斜配向させればよい。またスリットが設けられた導電層上に突起部1645(配向制御用突起ともいう)を設けて、液晶分子の傾斜配向をさせてもよい。また、液晶の駆動方式は、MVA方式、PVA方式に限定されるものではなく、TN(Twisted Nematic)モード、IPS(In−Plane−Switching)モード、FFS(Fringe Field Switching)モード、ASM(Axially Symmetric aligned Micro−cell)モード、OCB(Optical Compensated Birefringence)モード、FLC(Ferroelectric Liquid Crystal)モード、AFLC(AntiFerroelectric Liquid Crystal)等を用いることができる。
【0283】
図26(A)、図26(B)の液晶パネルは、第1の走査線駆動回路1605a、第2の走査線駆動回路1605b、及び信号線駆動回路1607を基板1601上に形成した場合の構成について説明したが、図13(B)に示すように、信号線駆動回路1607に相当する駆動回路をドライバICとし、COG方式などで液晶パネルに実装した構成としてもよい。信号線駆動回路1607をドライバICとすることで、省電力化を図ることができる。また、ドライバICをシリコンウエハ等の半導体チップとすることで、液晶パネルはより高速動作が可能であり、且つ低消費電力化を図ることができる。
【0284】
以上、本実施の形態では、表示装置の断面構造の一例について説明した。このような構造と、実施の形態1〜実施の形態5のシフトレジスタとを組み合わせることができる。薄膜トランジスタのチャネル領域として、微結晶半導体を用いる場合、表示装置の大型化、コストの低減、又は歩留まりの向上などを図ることができる。また微結晶半導体を半導体層として用いることで、薄膜トランジスタの特性劣化を抑制することができるので、表示装置の寿命を長くすることができる。
【0285】
なお、本実施の形態において、各々の図で述べた内容は、別の実施の形態で述べた内容に対して、適宜、組み合わせ、又は置き換えなどを自由に行うことができる。
【0286】
(実施の形態8)
本実施の形態においては、電子機器の例について説明する。
【0287】
上記実施の形態に係る表示装置は、さまざまな電子機器(遊技機も含む)に適用することができる。電子機器としては、例えば、テレビジョン装置(テレビ、またはテレビジョン受信機ともいう)、コンピュータ用のモニタ、電子ペーパー、デジタルカメラ、デジタルビデオカメラなどのカメラ、デジタルフォトフレーム、携帯電話機(携帯電話、携帯電話装置ともいう)、携帯型ゲーム機、携帯情報端末、音響再生装置、パチンコ機等の大型ゲーム機等が挙げられる。
【0288】
上記実施の形態に係る表示装置の一形態である電子ペーパーは、情報を表示するものであればあらゆる分野の電子機器に用いることが可能である。例えば、電子ペーパーを用いて、電子書籍(電子ブック)、ポスター、電車等の乗り物の車内広告、クレジットカード等の各種カードにおける表示等に適用することができる。電子機器の一例を図27(A)に示す。
【0289】
図27(A)は、電子書籍の一例を示している。図27(A)に示す電子書籍は、筐体1700及び筐体1701の2つの筐体で構成されている。筐体1700及び筐体1701は、蝶番1704により一体になっており、開閉動作を行うことができる。このような構成により、書籍のような動作を行うことが可能となる。
【0290】
筐体1700には表示部1702が組み込まれ、筐体1701には表示部1703が組み込まれている。表示部1702及び表示部1703は、続き画面を表示する構成としてもよいし、異なる画面を表示する構成としてもよい。異なる画面を表示する構成とすることで、例えば右側の表示部(図27(A)では表示部1702)に文章を表示し、左側の表示部(図27(A)では表示部1703)に画像を表示することができる。
【0291】
また、図27(A)では、筐体1700に操作部等を備えた例を示している。例えば、筐体1700は、電源入力端子1705、操作キー1706、スピーカ1707等を備えている。操作キー1706により、頁を送ることができる。なお、筐体の表示部と同一面にキーボードやポインティングディバイス等を備える構成としてもよい。また、筐体の裏面や側面に、外部接続用端子(イヤホン端子、USB端子、及びUSBケーブル等の各種ケーブルと接続可能な端子等)、記録媒体挿入部等を備える構成としてもよい。さらに、図27(A)に示す電子書籍は、電子辞書としての機能を持たせた構成としてもよい。
【0292】
また、図27(A)に示す電子書籍は、無線で情報を送受信できる構成を備えていてもよい。無線通信により、電子書籍サーバから所望の書籍データ等を購入し、ダウンロードする構成とすることもできる。
【0293】
図27(B)は、電子ペーパー、液晶表示装置、発光表示装置等の表示装置を用いたデジタルフォトフレームの一例を示している。例えば、図27(B)に示すデジタルフォトフレームは、筐体1711に表示部1712が組み込まれている。表示部1712は、各種画像を表示することが可能であり、例えば、デジタルカメラ等で撮影した画像データを表示させることで、通常の写真立てと同様に機能させることができる。
【0294】
なお、図27(B)に示すデジタルフォトフレームは、操作部、外部接続用端子(USB端子、USBケーブル等の各種ケーブルと接続可能な端子等)、記録媒体挿入部等を備える構成とする。これらの構成は、表示部と同一面に組み込まれていてもよいが、側面や裏面に備えるとデザイン性が向上するため好ましい。例えば、デジタルフォトフレームの記録媒体挿入部に、デジタルカメラで撮影した画像データを記憶したメモリを挿入して画像データを取り込み、取り込んだ画像データを表示部1712に表示させることができる。
【0295】
また、図27(B)に示すデジタルフォトフレームは、無線で情報を送受信出来る構成としてもよい。無線により、所望の画像データを取り込み、表示させる構成とすることもできる。
【0296】
図27(C)は、液晶表示装置、発光表示装置等の表示装置を用いたテレビジョン装置の一例を示している。図27(C)に示すテレビジョン装置は、筐体1721に表示部1722が組み込まれている。表示部1722により、映像を表示することが可能である。また、ここでは、スタンド1723により筐体1721を支持した構成を示している。表示部1722は、上記実施の形態に示した表示装置を適用することができる。
【0297】
図27(C)に示すテレビジョン装置の操作は、筐体1721が備える操作スイッチや、別体のリモコン操作機により行うことができる。リモコン操作機が備える操作キーにより、チャンネルや音量の操作を行うことができ、表示部1722に表示される映像を操作することができる。また、リモコン操作機に、当該リモコン操作機から出力する情報を表示する表示部を設ける構成としてもよい。
【0298】
なお、図27(C)に示すテレビジョン装置は、受信機やモデム等を備えた構成とする。受信機により一般のテレビ放送の受信を行うことができ、さらにモデムを介して有線または無線による通信ネットワークに接続することにより、片方向(送信者から受信者)または双方向(送信者と受信者間、あるいは受信者間同士等)の情報通信を行うことも可能である。
【0299】
図27(D)は、電子ペーパー、液晶表示装置、発光表示装置等の表示装置を用いた携帯電話機の一例を示している。図27(D)に示す携帯電話機は、筐体1731に組み込まれた表示部1732の他、操作ボタン1733、操作ボタン1737、外部接続ポート1734、スピーカ1735、及びマイク1736等を備えている。
【0300】
図27(D)に示す携帯電話機は、表示部1732がタッチパネルになっており、指等の接触により、表示部1732の表示内容を操作することができる。また、電話の発信、或いはメールの作成等は、表示部1732を指等で接触することにより行うことができる。
【0301】
表示部1732の画面は主として3つのモードがある。第1は、画像の表示を主とする表示モードであり、第2は、文字等の情報の入力を主とする入力モードである。第3は表示モードと入力モードの2つのモードが混合した表示+入力モードである。
【0302】
例えば、電話の発信、或いはメールを作成する場合には、表示部1732を文字の入力を主とする文字入力モードとし、画面に表示させた文字の入力操作を行えばよい。この場合には、表示部1732の画面の大部分を使用してキーボード又は番号ボタンを表示させることが好ましい。
【0303】
また、図27(D)に示す携帯電話機の内部に、ジャイロ、加速度センサ等の傾きを検出するセンサを備えた検出装置を設けることで、携帯電話機の向き(縦または横)を判別して、表示部1732の表示情報を自動的に切り替える構成とすることもできる。
【0304】
また、画面モードの切り替えは、表示部1732への接触、又は筐体1731の操作ボタン1737の操作により行われる。また、表示部1732に表示される画像の種類によって切り替える構成とすることもできる。例えば、表示部に表示する画像信号が動画のデータであれば表示モード、テキストデータであれば入力モードに切り替えることができる。
【0305】
また、入力モードにおいて、表示部1732の光センサで検出される信号を検知し、表示部1732のタッチ操作による入力が一定期間ない場合には、画面のモードを入力モードから表示モードに切り替えるように制御してもよい。
【0306】
表示部1732は、イメージセンサとして機能させることもできる。例えば、表示部1732を掌や指で触れ、掌紋及び指紋等をイメージセンサで撮像することで、本人認証を行うことができる。また、表示部に近赤外光を発光するバックライト又は近赤外光を発光するセンシング用光源を用いれば、指静脈、掌静脈等を撮像することもできる。
【0307】
以上、本実施の形態では、上記実施の形態で説明した表示装置を具備する電子機器の一例について説明した。電子機器は、駆動回路に実施の形態1または実施の形態2のシフトレジスタを実装した表示装置を具備する。シフトレジスタを構成する薄膜トランジスタのチャネル領域として、微結晶半導体を用いる場合、表示装置の大型化、コストの低減、又は歩留まりの向上などを図ることができる。また微結晶半導体を薄膜トランジスタのチャネル領域として用いることで、薄膜トランジスタの特性劣化を抑制することができるので、表示装置の寿命を長くすることができる。
【0308】
なお、本実施の形態において、各々の図で述べた内容は、別の実施の形態で述べた内容に対して、適宜、組み合わせ、又は置き換えなどを自由に行うことができる。
【符号の説明】
【0309】
100 シフトレジスタ
101 パルス出力回路
102 配線
103 配線
104 配線
106 半導体層
111 薄膜トランジスタ
112 薄膜トランジスタ
113 薄膜トランジスタ
114 薄膜トランジスタ
115 薄膜トランジスタ
116 薄膜トランジスタ
117 薄膜トランジスタ
118 薄膜トランジスタ
119 薄膜トランジスタ
120 薄膜トランジスタ
121 薄膜トランジスタ
131 電源線
132 電源線
151 信号線
152 信号線
153 信号線
154 信号線
155 信号線
156 信号線
157 信号線
166 信号線
171 電源線
172 電源線
201 期間
540 画素
600 回路
601 回路
602 回路
603 薄膜トランジスタ
604 配線
605 配線
614 信号
615 信号
700 シフトレジスタ
701 パルス出力回路
702 配線
703 配線
704 配線
705 配線
706 配線
1101 基板
1103 ゲート電極
1105 ゲート絶縁層
1106 半導体層
1107 半導体層
1109 不純物半導体層
1111 導電層
1113 レジストマスク
1115 半導体層
1117 不純物半導体層
1119 導電層
1123 レジストマスク
1125 配線
1127 不純物半導体層
1131 微結晶半導体層
1132 層
1133 配線
1140 プラズマ処理
1180 グレートーンマスク
1181 基板
1182 遮光部
1183 回折格子部
1185 ハーフトーンマスク
1186 基板
1187 半透光部
1188 遮光部
1601 基板
1603 画素部
1607 信号線駆動回路
1609 シール材
1611 基板
1613 FPC
1615 ICチップ
1617 端子部
1621 薄膜トランジスタ
1623 薄膜トランジスタ
1625 絶縁層
1627 絶縁層
1629 配線
1631 画素電極
1635 絶縁層
1641 導電層
1643 絶縁層
1645 突起部
1647 スペーサ
1649 液晶層
1651 微結晶半導体層
1653 不純物半導体層
1655 配線
1657 異方性導電体層
1659 接続端子
1661 異方性導電体層
1700 筐体
1701 筐体
1702 表示部
1703 表示部
1704 蝶番
1705 電源入力端子
1706 操作キー
1707 スピーカ
1711 筐体
1712 表示部
1721 筐体
1722 表示部
1723 スタンド
1731 筐体
1732 表示部
1733 操作ボタン
1734 外部接続ポート
1735 スピーカ
1736 マイク
1737 操作ボタン
2801 電源線
2802 薄膜トランジスタ
2901 容量素子
5321 薄膜トランジスタ
5360 映像信号
5361 回路
5362 ソースドライバ
5363 ゲートドライバ
5364 画素部
5365 回路
5366 照明装置
5367 画素
5371 配線
5372 配線
5373 配線
5380 基板
5381 入力端子
5420 画素
5421 薄膜トランジスタ
5422 液晶素子
5423 容量素子
5431 配線
5432 配線
5433 配線
5434 電極
5441 信号
5442 電圧
1107a 微結晶半導体層
1107b 混合層
1107c 層
1108a 微結晶半導体領域
1108b 非晶質半導体領域
1115a 微結晶半導体層
1115b 混合層
1115c 層
1129a 層
1129c 層
1131a 微結晶半導体層
1131b 微結晶半導体層
1135a 絶縁層
1135c 絶縁層
1135e 絶縁層
1605a 走査線駆動回路
1605b 走査線駆動回路
5361a 回路
5361b 回路
5362a ソースドライバ
5362b ソースドライバ
5420A サブ画素
5420B サブ画素
5421A 薄膜トランジスタ
5421B 薄膜トランジスタ
5422A 液晶素子
5422B 液晶素子
5423A 容量素子
5423B 容量素子
5431A 配線
5431B 配線
5432A 配線
5432B 配線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のパルス出力回路を有し、
前記パルス出力回路は、第1薄膜トランジスタ乃至第11薄膜トランジスタを有し、
前記パルス出力回路は、前記第1信号線乃至第7信号線と、第1電源線及び第2電源線と、に電気的に接続されており、
前記第1薄膜トランジスタは、第1端子が第1電源線に電気的に接続され、第2端子が前記第3薄膜トランジスタのゲート、前記第4薄膜トランジスタのゲート、前記第5薄膜トランジスタのゲート、前記第9薄膜トランジスタの第2端子、及び前記第10薄膜トランジスタの第1端子に電気的に接続され、ゲートが前記第2信号線に電気的に接続され、
前記第2薄膜トランジスタは、第1端子が前記第3薄膜トランジスタの第1端子、及び前記第8薄膜トランジスタの第2端子に電気的に接続され、第2端子が前記第6薄膜トランジスタのゲート、及び前記第7薄膜トランジスタのゲートに電気的に接続され、ゲートが前記第1電源線に電気的に接続され、
前記第3薄膜トランジスタは、第1端子が前記第2薄膜トランジスタの第1端子、及び前記第8薄膜トランジスタの第2端子に電気的に接続され、第2端子が前記第2電源線に電気的に接続され、ゲートが前記第1薄膜トランジスタの第2端子、前記第4薄膜トランジスタのゲート、前記第5薄膜トランジスタのゲート、前記第9薄膜トランジスタの第2端子、及び前記第10薄膜トランジスタの第1端子に電気的に接続され、
第4薄膜トランジスタは、第1端子が第7信号線、及び前記第6薄膜トランジスタの第2端子に電気的に接続され、第2端子が前記第2電源線に電気的に接続され、ゲートが前記第1薄膜トランジスタの第2端子、前記第3薄膜トランジスタのゲート、前記第5薄膜トランジスタのゲート、前記第9薄膜トランジスタの第2端子、及び前記第10薄膜トランジスタの第1端子に電気的に接続され、
前記第5薄膜トランジスタは、第1端子が前記第6信号線、前記第7薄膜トランジスタの第2端子、及び前記第11薄膜トランジスタの第1端子に電気的に接続され、第2端子が前記第2電源線に電気的に接続され、ゲートが前記第1薄膜トランジスタの第2端子、前記第3薄膜トランジスタのゲート、前記第4薄膜トランジスタのゲート、前記第9薄膜トランジスタの第2端子、及び前記第10薄膜トランジスタの第1端子に電気的に接続され、
前記第6薄膜トランジスタは、第1端子が前記第1信号線に電気的に接続され、第2端子が前記第7信号線、及び前記第4薄膜トランジスタの第1端子に電気的に接続され、ゲートが前記第2薄膜トランジスタの第2端子、及び前記第7薄膜トランジスタのゲートに電気的に接続され、
前記第7薄膜トランジスタは、第1端子が前記第1信号線に電気的に接続され、第2端子が前記第6信号線、前記第5薄膜トランジスタの第1端子、及び前記第11薄膜トランジスタの第1端子に電気的に接続され、ゲートが前記第2薄膜トランジスタの第2端子、及び前記第6薄膜トランジスタのゲートに電気的に接続され、
前記第8薄膜トランジスタは、第1端子が前記第1電源線に電気的に接続され、第2端子が前記第2薄膜トランジスタの第1端子、及び前記第3薄膜トランジスタの第1端子に電気的に接続され、ゲートが前記第4信号線に電気的に接続され、
前記第9薄膜トランジスタは、第1端子が前記第1電源線に電気的に接続され、第2端子が前記第1薄膜トランジスタの第2端子、前記第3薄膜トランジスタのゲート、前記第4薄膜トランジスタのゲート、前記第5薄膜トランジスタのゲート、及び前記第10薄膜トランジスタの第1端子に電気的に接続され、ゲートが前記第5信号線に電気的に接続され、
前記第10薄膜トランジスタは、第1端子が前記第1薄膜トランジスタの第2端子、前記第3薄膜トランジスタのゲート、前記第4薄膜トランジスタのゲート、前記第5薄膜トランジスタのゲート、及び前記第9薄膜トランジスタの第2端子に電気的に接続され、第2端子が前記第2電源線に電気的に接続され、ゲートが前記第4信号線に電気的に接続され、
前記第11薄膜トランジスタは、第1端子が前記第6信号線、前記第5薄膜トランジスタの第1端子、及び前記第7薄膜トランジスタの第2端子に電気的に接続され、ゲートが第3信号線に電気的に接続され、
ている駆動回路。
【請求項2】
複数のパルス出力回路を有し、
前記パルス出力回路は、第1薄膜トランジスタ乃至第11薄膜トランジスタを有し、
前記パルス出力回路は、前記第1信号線乃至第7信号線と、第1電源線、第2電源線、及び第3電源線と、に電気的に接続されており、
前記第1薄膜トランジスタは、第1端子が第1電源線に電気的に接続され、第2端子が前記第3薄膜トランジスタのゲート、前記第4薄膜トランジスタのゲート、前記第5薄膜トランジスタのゲート、前記第9薄膜トランジスタの第2端子、及び前記第10薄膜トランジスタの第1端子に電気的に接続され、ゲートが前記第2信号線に電気的に接続され、
前記第2薄膜トランジスタは、第1端子が前記第3薄膜トランジスタの第1端子、及び前記第8薄膜トランジスタの第2端子に電気的に接続され、第2端子が前記第6薄膜トランジスタのゲート、及び前記第7薄膜トランジスタのゲートに電気的に接続され、ゲートが前記第3電源線に電気的に接続され、
前記第3薄膜トランジスタは、第1端子が前記第2薄膜トランジスタの第1端子、及び前記第8薄膜トランジスタの第2端子に電気的に接続され、第2端子が前記第2電源線に電気的に接続され、ゲートが前記第1薄膜トランジスタの第2端子、前記第4薄膜トランジスタのゲート、前記第5薄膜トランジスタのゲート、前記第9薄膜トランジスタの第2端子、及び前記第10薄膜トランジスタの第1端子に電気的に接続され、
第4薄膜トランジスタは、第1端子が第7信号線、及び前記第6薄膜トランジスタの第2端子に電気的に接続され、第2端子が前記第2電源線に電気的に接続され、ゲートが前記第1薄膜トランジスタの第2端子、前記第3薄膜トランジスタのゲート、前記第5薄膜トランジスタのゲート、前記第9薄膜トランジスタの第2端子、及び前記第10薄膜トランジスタの第1端子に電気的に接続され、
前記第5薄膜トランジスタは、第1端子が前記第6信号線、前記第7薄膜トランジスタの第2端子、及び前記第11薄膜トランジスタの第1端子に電気的に接続され、第2端子が前記第2電源線に電気的に接続され、ゲートが前記第1薄膜トランジスタの第2端子、前記第3薄膜トランジスタのゲート、前記第4薄膜トランジスタのゲート、前記第9薄膜トランジスタの第2端子、及び前記第10薄膜トランジスタの第1端子に電気的に接続され、
前記第6薄膜トランジスタは、第1端子が前記第1信号線に電気的に接続され、第2端子が前記第7信号線、及び前記第4薄膜トランジスタの第1端子に電気的に接続され、ゲートが前記第2薄膜トランジスタの第2端子、及び前記第7薄膜トランジスタのゲートに電気的に接続され、
前記第7薄膜トランジスタは、第1端子が前記第1信号線に電気的に接続され、第2端子が前記第6信号線、前記第5薄膜トランジスタの第1端子、及び前記第11薄膜トランジスタの第1端子に電気的に接続され、ゲートが前記第2薄膜トランジスタの第2端子、及び前記第6薄膜トランジスタのゲートに電気的に接続され、
前記第8薄膜トランジスタは、第1端子が前記第1電源線に電気的に接続され、第2端子が前記第2薄膜トランジスタの第1端子、及び前記第3薄膜トランジスタの第1端子に電気的に接続され、ゲートが前記第4信号線に電気的に接続され、
前記第9薄膜トランジスタは、第1端子が前記第1電源線に電気的に接続され、第2端子が前記第1薄膜トランジスタの第2端子、前記第3薄膜トランジスタのゲート、前記第4薄膜トランジスタのゲート、前記第5薄膜トランジスタのゲート、及び前記第10薄膜トランジスタの第1端子に電気的に接続され、ゲートが前記第5信号線に電気的に接続され、
前記第10薄膜トランジスタは、第1端子が前記第1薄膜トランジスタの第2端子、前記第3薄膜トランジスタのゲート、前記第4薄膜トランジスタのゲート、前記第5薄膜トランジスタのゲート、及び前記第9薄膜トランジスタの第2端子に電気的に接続され、第2端子が前記第2電源線に電気的に接続され、ゲートが前記第4信号線に電気的に接続され、
前記第11薄膜トランジスタは、第1端子が前記第6信号線、前記第5薄膜トランジスタの第1端子、及び前記第7薄膜トランジスタの第2端子に電気的に接続され、ゲートが第3信号線に電気的に接続され、
ている駆動回路。
【請求項3】
請求項1において、前記第2信号線には、リセット信号が供給され、前記第4信号線には、前段信号が供給され、前記第5信号線には、後段信号が供給され、前記第6信号線及び前記第7信号線より、それぞれ第1の出力信号及び第2の出力信号を出力し、
奇数段目の前記パルス出力回路の前記第1信号線には、クロック信号が供給され、奇数段目の前記第3信号線には、反転クロック信号が供給され、
偶数段目の前記パルス出力回路の前記第1信号線には、前記反転クロック信号が供給され、偶数段目の前記第3信号線には、前記クロック信号が供給される、
駆動回路。
【請求項4】
請求項2において、前記第3電源線の電位は、前記第1電源線の電位より小さい駆動回路。
【請求項5】
請求項3において、前記反転クロック信号は、前記クロック信号より1/2周期遅延した信号である駆動回路。
【請求項6】
請求項1または2において、前記第2信号線には、リセット信号が供給され、前記第4信号線には、前段信号が供給され、前記第5信号線後段信号が供給され、前記第6信号線及び前記第7信号線より第1の出力信号及び第2の出力信号を出力し、
(J−3)段目(Jは4以上の4の倍数)の前記パルス出力回路の前記第1信号線には、第1クロック信号が供給され、(J−3)段目の前記第3信号線には、第2クロック信号が供給され、
(J−2)段目の前記パルス出力回路の前記第1信号線には、第2クロック信号が供給され、(J−2)段目の前記第3信号線には、第3クロック信号が供給され、
(J−1)段目の前記パルス出力回路の前記第1信号線には、前記第3クロック信号が供給され、(J−1)段目の前記第3信号線には、前記第4クロック信号が供給され、
J段目の前記パルス出力回路の前記第1信号線には、前記前記第4クロック信号が供給され、J段目の前記第3信号線には、前記第1クロック信号が供給される、
駆動回路。
【請求項7】
請求項6において、前記第4クロック信号は、前記第3クロック信号より1/4周期遅延した信号であり、前記第3クロック信号は、前記第2クロック信号より1/4周期遅延した信号であり、前記第2クロック信号は、前記第1クロック信号より1/4周期遅延した信号であり、前記第1クロック信号は、前記第4クロック信号より1/4周期遅延した信号である、駆動回路。
【請求項8】
請求項1乃至請求項7のいずれか一において、一方の電極が前記第1薄膜トランジスタの第2端子、前記第3薄膜トランジスタのゲート、前記第4薄膜トランジスタのゲート、前記第5薄膜トランジスタのゲート、前記第9薄膜トランジスタの第2端子、及び前記第10薄膜トランジスタの第1端子に電気的に接続され、他方の電極が前記第2電源線に電気的に接続された容量素子を具備する駆動回路。
【請求項9】
請求項1乃至請求項8のいずれか一において、第1端子が、前記第1薄膜トランジスタの第2端子、前記第3薄膜トランジスタのゲート、前記第4薄膜トランジスタのゲート、前記第5薄膜トランジスタのゲート、前記第9薄膜トランジスタの第2端子、及び前記第10薄膜トランジスタの第1端子に接続され、第2端子が、前記第2電源線に接続され、ゲートが前記第7信号線、に電気的に接続された第12薄膜トランジスタを有する駆動回路。
【請求項10】
請求項1乃至請求項9のいずれか一において、前記第1薄膜トランジスタ乃至前記第11薄膜トランジスタが、微結晶シリコンをチャネル領域に具備する駆動回路。
【請求項11】
請求項1乃至請求項10のいずれか一に記載の駆動回路を具備する表示装置。
【請求項12】
請求項11に記載の表示装置を具備する電子機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【公開番号】特開2010−211905(P2010−211905A)
【公開日】平成22年9月24日(2010.9.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−23729(P2010−23729)
【出願日】平成22年2月5日(2010.2.5)
【出願人】(000153878)株式会社半導体エネルギー研究所 (5,264)
【Fターム(参考)】