説明

DLL回路及びその制御方法

【課題】クロックのパルス幅が狭い場合、及び広い場合において、合成回路の誤動作を回避し、動作周波数の高速化に対応可能とするDLLの提供。
【解決手段】外部クロック(CK)の第1遷移(Rise)に対応して互いに異なる遅延時間の信号を出力し、CKの第2の遷移(Fall)に対応して互いに異なる遅延時間の信号を出力する第1の可変遅延回路20と、第1の可変遅延回路からの信号をそれぞれ受ける第2の可変遅延回路10R、10Fからの出力信号を合成して出力する第1の合成回路30とを備え、第2の可変遅延回路は第1の可変遅延回路からの信号からワンショットパルスを生成するワンショットパルス生成回路と、リセット端子を備えるラッチ回路と、ラッチ回路のセット出力の遷移エッジを受け、所定の比率で合成した信号を出力する第2の合成回路と、を備え、第2の合成回路の出力がラッチ回路のリセット端子に入力される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、DLL(Delay Locked Loop)回路及びこれを備える半導体装置に関し、特に、高速クロック動作可能なDLL回路及びこれを備える半導体装置に関する。
【0002】
DLL(Delay Locked Loop)回路は、遅延時間が可変に制御される遅延回路と、遅延回路の出力と遅延回路への入力信号とを比較する位相検出器と、位相検出器での位相比較結果出力に基づきカウントアップ又はカウントダウンするカウンタを備え、該カウンタのカウント値(又はそのデコード結果)に基づき、遅延回路の遅延時間を調整することで、遅延回路からの出力を入力信号に同期させるものである。このDLL回路として、遅延時間を相対的に粗い遅延分解能(遅延単位)で設定する可変遅延回路と、該可変遅延回路で生成された遅延時間の異なる二つの信号の位相差(遅延)を、設定された比率で合成することで可変遅延回路の遅延単位よりも分解能を上げた遅延信号を生成する合成回路(「補間回路(インターポレータ)」ともいう)を備え、可変遅延回路で遅延の粗調整、合成回路で遅延の微調整を行う構成が知られている。二つの信号の遅延を内分し中間の遅延の信号を出力する合成回路(インターポレータ)は、例えば所定ノードを予め所定電圧にプリチャージするプリチャージ回路と、第1、第2の入力信号のHigh期間にそれぞれオンし、設定された内分比X:(1−X)(但し、0≦X≦1)に応じた電流値XI、(1−X)Iで該プリチャージされたノードを放電する第1、第2の放電素子を備えて構成される。なお、可変遅延回路からの遅延時間の異なる二つの信号(Even、Odd)を合成する合成回路(インターポレータ)及びDLL回路の構成の詳細については、例えば特許文献1等が参照される。
【0003】
近時、半導体回路の動作周波数の向上は著しく、高速クロックの遅延を制御するDLL回路ではクロックのデューティずれ等が問題となる。特許文献2には、信号の立ち上がり側と下がり側の遅延を個別に制御でき、クロックのデューティずれやデータ信号の立ち上がり/立ち下がりの遅延差を補償することができるデジタルDLL回路として、可変遅延回路(D0_R可変遅延回路)は、制御回路から与えられる立ち上がり遅延制御値に応じた遅延量をもって入力信号(データ)を遅延させ、該可変遅延回路の遅延出力からワンショットパルスを生成し、SRフリップフロップのセット端子に入力し、可変遅延回路(D0_F可変遅延回路)は、制御回路から与えられる立ち下がり遅延制御値に応じた遅延量をもって入力信号(データ)を遅延させ、該可変遅延回路の遅延出力からワンショットパルスを生成し、SRフリップフロップのリセット端子に入力し、SRフリップフロップの出力から遅延出力を得るようにした構成が開示されている。
【0004】
また、特許文献3には、半導体集積回路装置において、遅延時間及びデューティ比を選択可能にしたクロックをジッタ劣化させずに生成するための構成として、DLL回路から生成された二つのクロックを、生成クロックのライズエッジ及びフォールエッジを定めるために用い、DLL回路からの二つのクロックは遅延時間を選択可能とし、選択された二つのクロックを、クロック合成回路の2入力に与え、クロック合成回路では、二つの入力を受けるD型フリップフロップを備え、位相周波数比較器の機能により、出力クロックのライズエッジ及びフォールエッジのタイミングは、入力2クロックのライズエッジにより定まり、そのため、入力2クロックの位相(遅延時間)を任意に選択することにより、所望のデューティ比及び遅延時間を持った出力クロックが得られるようにした構成が開示されている。
【0005】
【特許文献1】特開2003−91331号公報(図1、図3)
【特許文献2】特開2007−228044号公報(図4)
【特許文献3】特開2008−136031号公報(図2)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
以下に本発明者によって与えられた分析結果を述べる。
【0007】
DRAM(Dynamic Random Access Memory)に使用されているDLL回路は、外部からのクロック(CK)を受けて動作するが、クロックの高速化に応じて、クロックのデューティ比(クロックのHighのパルス幅とサイクル周期との比)が重要となっている。
【0008】
可変遅延回路から出力される遅延時間の異なる二つの遅延信号を予め設定された比率で合成する合成回路(インターポレータ)を備えたDLL回路において、クロックのHighパルス幅が短い場合には、遅延信号が遅れて到来する等して出力タイミングに近接すると、合成回路(インターポレータ)において、プリチャージされたノードがLowに下がりきらないうちに、該ノードに対して次のプリチャージが開始されてしまうことになり、その結果、合成回路(インターポレータ)が正しく機能しない場合が生じる(図10(A)参照)。一方、クロックのHighパルス幅が長く、遅延信号が遅れて到来する等して次のサイクルにまでHighのパルス期間が及ぶと、次のサイクルの最初にノードのプリチャージが行われ、合成回路(インターポレータ)が正しく機能しない場合がある(図11(A)参照)。なお、この点については、本発明の実施例と関連させて、後に詳細に説明される。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本願で開示される発明は、前記課題を解決するため概略以下の構成とされる。
【0010】
本発明は、可変遅延回路から出力される遅延時間の異なる二つの遅延信号を、設定された比率で合成する合成回路(インターポレータ)の入力段に、遅延信号の所定の遷移に応答してワンショットパルスを生成する回路と、ワンショットパルスを受けてセットされ、合成回路(インターポレータ)の出力に基づきリセットされるラッチ回路を備え、ラッチ回路のセット時の出力信号を合成回路(インターポレータ)に入力するようにしたものである。
【0011】
本発明の1つの態様において、外部信号を入力し、所定の遅延単位で前記外部信号の遅延時間を可変に設定し、前記外部信号の第1の遷移に対応して異なる遅延時間の第1組の第1及び第2の遅延信号を出力し、前記外部信号の第2の遷移に対応してなる遅延時間の第2組の第1及び第2の遅延信号を出力する第1の可変遅延回路と、
前記第1組の前記第1及び第2の遅延信号と、前記第2組の前記第1及び第2の遅延信号とにそれぞれ対応して配設され、対応するそれぞれの組の前記第1及び第2の遅延信号を受け、前記所定の遅延単位よりも細かく遅延時間を設定した遅延信号を出力する第2の可変遅延回路と、
前記外部信号の前記第1及び第2の遷移に対応してそれぞれの前記第2の可変遅延回路からそれぞれ出力される遅延信号に基づき、出力信号を合成する第1の合成回路と、
を備えている。本発明において、前記第2の可変遅延回路は、
前記第1及び第2遅延信号のそれぞれの遷移に応答してワンショットパルスを生成する第1及び第2のワンショットパルス生成回路と、
それぞれの前記ワンショットパルスに応答してセットされる、セット・リセット型の第1及び第2のラッチ回路と、
前記第1及び第2のラッチ回路の出力を第1及び第2の入力として受け、前記第1及び第2の入力を所定の比率で合成した信号を出力する第2の合成回路と、を備え、
前記第1及び第2のラッチ回路は、前記第2の合成回路の出力に基づきそれぞれリセットされる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、クロックのパルス幅が狭い場合、及び広い場合のいずれの場合においても、合成回路の誤動作を回避することを可能とし、動作周波数の高速化に対応可能としている。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
本発明の一つの態様(mode)において、可変遅延回路と、可変遅延回路から出力される遅延時間の異なる二つの遅延信号を、予め設定された比率で合成する合成回路(インターポレータ)を備えたDLL回路において、合成回路(インターポレータ)に入力する二つの遅延信号の所定の遷移に応答してワンショットパルスを生成する回路と、ワンショットパルスを受けてセットされ、合成回路(インターポレータ)の出力に基づきリセットされるラッチ回路を備え、ラッチ回路のセット時の出力信号を合成回路(インターポレータ)に入力するようにしたものである。
【0014】
より詳しくは、本発明の一つの態様(mode)において、DLLは、図2を参照すると、外部信号(CK)を入力し、所定の遅延単位で遅延時間を可変に設定し、外部信号(CK)の第1の遷移(Rise)から異なる遅延時間の二つの遅延信号(OUTRE、OUTRO)を出力し、外部信号(CK)の第2の遷移(Fall)から異なる遅延時間の二つの遅延信号(OUTFE、OUTFO)を出力する第1の可変遅延回路(20)と、
第1の可変遅延回路(20)から、外部信号(CK)の第1の遷移(Rise)に対応した二つの信号(OUTRE、OUTRO)を受け、二つの信号(OUTRE、OUTRO)の遅延差(位相差)を所定の比率で合成した遅延信号を出力する第2の可変遅延回路(インターポレータ)(10R)と、
第1の可変遅延回路(20)から、外部信号(CK)の第2の遷移(Fall)に対応した二つの信号(OUTFE、OUTFO)を受け、二つの信号(OUTRE、OUTRO)の遅延差(位相差)を所定の比率で合成した遅延信号を出力する、第2の可変遅延回路(インターポレータ)(10F)と、第2の可変遅延回路(10R、10F)の出力(NR、BF)を合成する第1の合成回路(30)と、を備えている。
【0015】
本発明の一つの態様(mode)において、第2の可変遅延回路(10R)は、図3を参照すると、第1の可変遅延回路(20)から、外部信号の第1の遷移(Rise)に対応して生成された二つの遅延信号(OUTRE_B、OUTRO_B)の所定の遷移エッジにそれぞれ応答してワンショットパルスを生成する第1、第2のワンショットパルス生成回路(121E、121O)を備えたワンショットパルス生成回路(120R)と、
第1、第2のワンショットパルス生成回路(121E、121O)から出力されるワンショットパルス(CLKE、CLKO)をセット端子(S)にそれぞれ入力してセットされ、リセット端子(R)を備える第1、第2のラッチ回路(130E、130O)を備えたラッチ回路(130R)と、
第1、第2のラッチ回路(130E、130O)のセット時の出力の遷移エッジを受け、該遷移エッジの遅延差(位相差)を、バイアス電圧(BIASRE、BIASRO)で設定される所定の比率で合成して出力する第2の合成回路(100R)と、
を備え、第2の合成回路(100R)の出力信号(NR)が、第1、第2のラッチ回路(130E、130O)のリセット用の信号として用いられる。
【0016】
なお、図3のOUTRE_B、OUTRO_Bは、図2のOUTRE、OUTROの反転値を表しており、外部クロック(CK)のLowからHighへの遷移(Rise)に対応して第1の可変遅延回路(20)から二つの遅延信号OUTRE_B、OUTRO_BはHighからLowに遷移する。
【0017】
第2の可変遅延回路(10F)は、第2の可変遅延回路(10R)と同様の構成とされ、第1の可変遅延回路(20)から外部信号(CK)の第2の遷移(Fall)に対応して生成された二つの遅延信号(OUTFE_B、OUTFO_B)の所定の遷移エッジに応答してそれぞれかワンショットパルスを生成する第1、第2のワンショットパルス生成回路(125E、125O)を備えたワンショットパルス生成回路(120F)と、
第1、第2のワンショットパルス生成回路(125E、125O)から出力されるワンショットパルス(CLKE、CLKO)をセット端子にそれぞれ入力してセットされ、リセット端子を備える第1、第2のラッチ回路(131E、131O)を備えたラッチ(130F)と、
ラッチ回路(130F)のセット時の出力(INFE、INFO)の遷移エッジを受け、該遷移エッジの遅延差(位相差)を所定の比率で合成して出力する第2の合成回路(100F)と、を備え、第2の合成回路(100F)の出力信号(NF)が、第1、第2のラッチ回路(131E、131O)を備えたラッチ(130F)のリセット用の信号として用いられる。
【0018】
本発明の一つの態様(mode)において、第2の合成回路(100R)は、図4を参照すると、第1電源(VDD)と一のノード(NR_B)間に接続され、該ノード(NR_B)を所定電圧にリセットするプリリセット回路(109、110)と、
該ノード(NR_B)と第2電源(VSS)間に挿入され、前記第1及び第2のラッチ回路(130E、130O)の出力を受ける第1及び第2の入力(INRE、INRO)に制御端子が接続され、前記第1及び第2のラッチ回路のセット時にオンし、リセット時にオフする第1及び第2のトランジスタ(101、102)と、
該ノード(NR_B)と第2電源(VSS)間に、第1及び第2のトランジスタ(101、102)とそれぞれ直列に挿入され、前記合成の比率に対応した電流値をそれぞれ流す第1及び第2の遅延制御回路(107、108)と、
該ノード(NR_B)の電圧を入力に受け、前記合成回路の出力端子(OUT)に出力信号を出力する第1の論理回路(115)と、
第1の論理回路(115)の出力信号(NR)を受け、第1の論理回路(115)の出力信号(NR)が所定の値のとき、リセット用の信号(PRSTB)を出力する第2の論理回路(116)と、
前記第1及び第2の遅延信号(OUTRE_B、OUTRO_B)を受け、前記第1及び第2の遅延信号の少なくとも一方が所定値のとき、セット用の信号を出力する第3の論理回路(111、112)と、
第3の論理回路(111、112)から出力される前記セット用の信号をセット端子に受け、第2の論理回路(116)から出力される前記リセット用の信号(PRSTB)をリセット端子に受ける第3のラッチ回路(113、114)と、を備えている。前記プリリセット回路は、第2の論理回路(116)から出力される前記リセット用の信号(PRSTB)に応答して、該ノード(NR_B)を所定電圧に設定する第1のプリリセット素子(110)と、第3のラッチ回路(111、112)の出力(WEAK PREB)がリセット状態のとき、該ノード(NR_B)を所定電圧に設定する第2のプリリセット素子(109)と、を備えている。
【0019】
第2の合成回路(100R)は、さらに、第3のラッチ回路(113、114)の出力(WEAK PREB)がリセット状態のとき、前記第1の遅延制御回路(107)と前記第1のトランジスタ(101)との接続点(NE)、及び、前記第2の遅延制御回路(108)と前記第2のトランジスタ(102)との接続点(NO)を、前記ノード(NR_B)と同一電圧にリセットする第3、第4のプリリセット素子(105、106)を備えている。第2の合成回路(100R)は、さらに、第1のトランジスタ(101)と第2電源(VSS)との間に第3のトランジスタ(103)を備え、第2のトランジスタ(102)と前記第2電源(VSS)との間に第4のトランジスタ(104)を備え、第3、第4のトランジスタ(103、104)は制御端子に、第2の論理回路(116)から出力される前記リセット用の信号(PRSTB)を共通に入力してオフ・オフが制御される。
【0020】
本発明において、第2の遷移(Fall)に対応した第2の合成回路(100F)も、第1の遷移(Rise)に対応した第2の合成回路(100R)と同様の構成とされる。
【0021】
本発明の1つの態様においては、可変遅延回路(20)で生成された、第1の値から第2の値への遷移に遅延差を有する第1、第2の遅延信号を入力し、設定された比で合成して出力する第2の合成回路(100R)は、前記第1、第2のラッチ回路を備えた構成とされる。より詳しくは、第2の合成回路は、第1の遅延信号(OUTRE_B)をセット端子に入力し、前記第1の遅延信号の第2の値に基づき、セットされる第1のラッチ回路(133、134)と、
第2の遅延信号(OUTRO_B)をセット端子に入力し、前記第2の遅延信号の第2の値に基づき、セットされる第2のラッチ回路(135、136)と、
第1の電源(VDD)と一のノード(NR_B)間に接続され、該ノード(NR_B)を所定電圧にリセットするプリリセット回路(109、110)と、
前記ノード(NR_B)と第2の電源(VSS)間にそれぞれ挿入され、前記第1、第2のラッチ回路の出力を制御端子に受け、第1、第2のラッチ回路のセット時に、オンし、リセット時にオフする第1、第2のトランジスタ(101、102)と、
前記ノード(NR_B)と第2の電源(VSS)間に、第1、第2のトランジスタ(101、102)とそれぞれ直列に挿入され、前記合成の比率に対応した電流をそれぞれ流す第1、第2の遅延制御回路(107、108)と、
ノード(NR_B)の電圧を入力に受け、出力端子から合成信号を出力する第1の論理回路(115)と、
第1の論理回路(115)の出力を受けリセット用の信号を出力する第2の論理回路(116)と、
第1、第2の遅延信号(OUTRE_B、OUTRO_B)を受け、第1、第2の遅延信号の少なくとも一方が第2の値のとき、セット用の信号を出力する第3の論理回路(111、112)と、
第3の論理回路(111、112)から出力されるセット用の信号を受けてセット端子に受け、第2の論理回路(116)から出力される前記リセット用の信号をリセット端子に受ける第3のラッチ回路(113、114)と、を備えている。前記プリリセット回路は、第2の論理回路(116)から出力される前記リセット用の信号(PRSTB)に応答して、該ノード(NR_B)を所定電圧に設定する第1のプリリセット素子(110)と、第3のラッチ回路(111、112)の出力(WEAK PREB)がリセット状態のとき、該ノード(NR_B)を所定電圧に設定する第2のプリリセット素子(109)と、を備えている。
【0022】
本発明の1つの態様においては、メモリセルアレイ(1−1)とそのアクセス回路を有するメモリ制御回路(1−13)と、前記メモリセルアレイの入出力のタイミングを決定するDLL回路(1−12)と、を備え、このDLL回路は、前記したDLL回路よりなる。以下、具体的な実施例に即して説明する。
【実施例】
【0023】
図1は、本発明の一実施例のDLLを搭載したDRAMデバイスの全体構成を示す図である。特に制限されないが、図1のDRAMデバイスは、8バンク構成のDDR(Double Data Rate:クロックの立ち上がりと立ち下がりの両エッジに同期してデータをやり取りする)SDRAM(Synchronous DRAM)である。図1において、ロウデコーダ1−4は、ロウアドレスをデコードし選択されたワード線(不図示)を駆動する。センスアンプ1−2は、メモリセルアレイ1−1のビット線(不図示)に読み出されたデータを増幅し、リフレッシュ動作時にはリフレッシュアドレスで選択されたワード線のセルに接続するビット線に読み出されたセルデータを増幅して該セルへ書き戻す。カラムデコーダ1−3は、カラムアドレスをデコードし、選択されたYスイッチ(不図示)をオンとしてビット線を選択し、IO線(不図示)に接続する。コマンドデコーダ1−9は、所定のアドレス信号と、制御信号として、チップセレクト信号/CS、ロウアドレスストローブ信号/RAS、カラムアドレスストローブ信号/CAS、ライトイネーブル信号/WEを入力し、コマンドをデコードする(なお、信号名の/はLowでアクティブであることを示す)。カラムアドレスバッファ及びバーストカウンタ1−7は、コマンドデコーダ1−9からの制御信号を受けるコントロールロジック1−10の制御のもと、入力されたカラムアドレスから、バースト長分のアドレスを生成し、カラムデコーダ1−3に供給する。モードレジスタ1−5は、アドレス信号とバンク選択用(8バンクの中の1つを選択)の信号BA0、BA1、BA2を入力し、コントロールロジック1−10に制御信号を出力する。
【0024】
ロウアドレスバッファ及びリフレッシュカウンタ1−6のロウアドレスバッファは、入力されたロウアドレスを受けて、ロウデコーダ1−4に出力し、リフレッシュカウンタは、リフレッシュコマンドを入力してカウントアップ動作し、カウント出力を、リフレッシュアドレスとして出力する。ロウアドレスバッファからのロウアドレスとリフレッシュカウンタからのリフレッシュアドレスはマルチプレクサ(不図示)に入力され、リフレッシュ時には、リフレッシュアドレスが選択され、それ以外は、ロウアドレスバッファからのロウアドレスを選択し、ロウデコーダ1−4に供給される。
【0025】
クロックジェネレータ1−14は、DRAMデバイスに供給される相補の外部クロックCK、/CKを受け、クロックイネーブル信号CKEがHighのとき、内部クロックを出力し、クロックイネーブル信号CKEがLowとなると、以降、クロックの供給を停止する。
【0026】
データコントロール回路1−8は、書き込みデータと読み出しデータの入出力を行う。ラッチ回路1−11は書き込みデータと読出しデータをラッチする。入力出力バッファ1−13は、データ端子DQからのデータの入出力を行う。DLL1−12は、外部クロックCK、/CKに遅延同期した信号を生成し、入力出力バッファ1−13に供給する。メモリセルアレイ1−1からの読み出しデータはラッチ回路1−11から入力出力バッファ1−13に供給され、入力出力バッファ1−13は、DLL1−12で外部クロックCKに同期したクロック信号の立ち上がりと立ち下がりのエッジを用いて、データ端子DQから読み出しデータをダブルデータレートで出力する。
【0027】
DMはライトデータのデータマスク信号であり、ライト時、Highのときデータは書き込まれる。DQS、/DQSは、データのライト、リードのタイミングを規定する差動のデータストローブ信号であり、ライト動作時に入力信号、リード動作時に出力信号のIO信号である。TDQS、/TDDQは、データのX8構成をX4構成とコンパチブルとする差動の切替信号である。ODT(On Die Termination)はDQ、DQS、/DQS、TDQS、/TDQSの終端抵抗をオン・オフさせる制御信号である。なお、図1は、DRAMデバイスの一典型例を模式的に示したものであり、本発明はかかる構成に限定されるものでないことは勿論である。
【0028】
図2は、図1のDLLの構成の一例を示す図である。入力回路(IN)40は、相補の外部クロックCK、CKBを受け、クロック信号DLCLKA(CKと同相)をシングルエンドで出力する。なお、図2において、CKは図1のCK、CKBは、図1の/CKに対応する。
【0029】
第1の可変遅延回路(Delay Line)20は、位相調整回路80R、80Fのそれぞれのカウンタ(COUNTER)の出力を選択制御信号として受け、遅延素子(Delay Line)のどの遅延タップを使用するかを決める。
【0030】
第1の可変遅延回路(Delay Line)20は、クロック信号DLCLKAの立ち上がり(Rise)について偶数(Even)番目と奇数(Odd)番目の遅延タップからそれぞれEvenとOddの遅延信号(OUTRE、OUTRO)を生成する。ここで、偶数(Even)番目と奇数(Odd)番目の遅延信号とは、例えば偶数(Even)番目の遅延タップの出力と、この偶数(Even)番目より1つ後段の奇数(Odd)番目の遅延タップの出力に対応する。第1の可変遅延回路(Delay Line)20は、クロック信号DLCLKAの立ち下がり(Fall)についても、偶数番目(Even)と奇数番目(Odd)のそれぞれ2本の遅延信号(OUTFE、OUTFO)を出力する。但し、この場合、可変遅延回路(図3の21F)の2つの遅延信号出力に対して、更にインバータ1段を加えた出力信号が、それぞれ2本の遅延信号(OUTFE、OUTFO)であることに注意が必要である。これは、クロック信号DLCLKAの立ち下がり(Fall)に対応して、立ち上がりの信号を生成し、後段の回路を共有する必要があるためである。第1の可変遅延回路(Delay Line)20は、EvenとOddの時間差を最小遅延単位(単位遅延回路の遅延時間)として、遅延を可変に設定する。EvenとOddの遅延信号の時間差(単位遅延回路の遅延時間)は、例えば可変遅延回路(Delay Line)を構成するインバータ2段分に対応する。この第1の可変遅延回路の最小遅延単位(単位遅延回路の遅延時間)は、後述する第2の可変遅延回路(インターポレータ)の最小遅延単位よりも粗い。
【0031】
第2の可変遅延回路(インターポレータ)10Rは、第1の可変遅延回路(Delay Line)20において、クロック信号DLCLKAの立ち上がりエッジから生成された、遅延時間の異なるEvenとOddの遅延信号(OUTRE、OUTRO)を受け、位相調整回路80Rから出力されるバイアス信号BIASRE/Oで制御される比率にしたがって、遅延合成して出力する。例えばEven側が100%、Odd側が0%の場合、OUTRE=100%、OUTRO=0%として波形を合成し、そのタイミングで出力NRを生成する。すなわち、OUTREの立ち上がりがNRの立ち上がりのタイミングとして出力される。Even側が50%、Odd側が50%の場合、OUTRE=50%、OUTRO=50%として波形を合成するため、OUTRE、OUTROの中間のタイミングで出力される。第2の可変遅延回路(インターポレータ)10Rは、可変遅延回路20の持つ最小遅延単位(NAND2段分の絶対遅延時間値)をさらに細かい時間分解能で、遅延調整することができ、精度、及び高速周波数に対応できるようになる。
【0032】
同様に、第2の可変遅延回路(インターポレータ)10Fにおいては、第1の可変遅延回路(Delay Line)20においてクロック信号DLCLKAの立ち下がりエッジから生成された、遅延時間の異なるEvenとOddの遅延信号(OUTFE、OUTFO)を受け、位相調整回路80Fから出力される二つのバイアス信号BIASFE/Oで制御される比率にしたがって遅延合成して出力する。
【0033】
第2の可変遅延回路(インターポレータ)10Rに供給される、EvenとOddの二つのバイアス信号BIASRE/Oは、位相調整回路80Rのカウンタ(Counter)の出力信号を受け、アナログ信号に変換する一般的なデジタルアナログ変換器(DAC)の出力電圧が用いられる。
【0034】
同様に、第2の可変遅延回路(インターポレータ)10Fに供給される、EvenとOddの二つのバイアス信号BIASFE/Oは、位相調整回路80Fのカウンタ(Counter)の出力信号を受け、アナログ信号に変換する一般的なデジタルアナログ変換器(DAC)の出力電圧が用いられる。なお、特に制限されないが、一つのデジタルアナログ変換器(DAC)で二つのバイアス電圧(BIASRE/BIASRO)を生成する場合、カウンタ(Counter)の下位ビットに対応する電流を差動で作成し、差動の電流をそれぞれ電圧に変換することで、BIASRE/BIASROを生成すようにしてもよい。あるいは、Even用のバイアス電圧BIASREを、共通電圧VCM+ΔV/2とし、Odd用のバイアス電圧BIASROをVCM−ΔV/2とし(BIASRE−BIASRO=ΔV)、デジタルアナログ変換器(DAC)において、カウンタ(Counter)の下位ビットに対応して電圧ΔVを生成し、VCMとΔVの1/2とを加減算するようにしてもよい。
【0035】
第1の合成回路(シンセサイザ)30は、第2の可変遅延回路(インターポレータ)10Rからの出力信号NR(CKの立ち上がりエッジに応答して立ち上がる)と、第2の可変遅延回路(インターポレータ)10Fからの出力信号NF(CKの立ち下がりエッジに応答して立ち上がる)を入力して合成し、DLL出力を生成する。特に制限されないが、本実施例において、第1の合成回路(シンセサイザ)30は、インバータ2段の一般的なフリップフロップと等価な回路構成よりなる(高精度、高速動作に対応して設計されている)。すなわち、出力NRの立ち上がりで出力をHighにセットし、出力NFの立ち上がりで出力をLowにリセットする。
【0036】
レプリカ60は、出力DQを模擬する回路であり、DLL出力(合成回路30の出力)から出力DQ端子までの実際の信号ルートの遅延と等価の回路である。レプリカ60は、出力遅延のみを複製(模擬)すればよいため、実際の信号ルート以外に、本質的に必要ない素子は削除され、簡素化が図られる。
【0037】
出力回路(OE)50は、図1の入力出力バッファ1−13内に設けられ、第1の合成回路(シンセサイザ)30からのDLL出力(クロック)の立ち上がりと立ち下がりに同期して、読み出しデータを端子DQからシリアルに出力する。OE50は例えば二つの読み出しデータをパラレルに入力し、DLL出力の値に応じて入力を選択出力するマルチプレクサから構成される。
【0038】
Rise側の位相検出器(P/D)(位相比較器)70Rは、レプリカ60から出力されるRise側のクロックRCLKの立ち上がりエッジと外部クロックCKの立ち上がりエッジの位相差を検出し、検出結果を位相調整回路80Rに出力する。
【0039】
Fall側の位相検出器(P/D)(位相比較器)70Fは、位相検出器(P/D)(位相比較器)70Rと同様の構成とされ、レプリカ60から出力されるFall側のクロックFCLKの立ち上がりエッジと外部クロックCKBの立ち上がりエッジの位相差を検出し、検出結果を位相調整回路80Fに出力する。
【0040】
位相調整回路80Rは、位相検出器(P/D)70Rでの位相比較結果を受け、RCLKの位相が遅れている場合、位相を進めるように制御し、RCLKの位相が進んでいる場合、位相を遅らせるように制御する信号を出力する遅延制御回路(CTRL)と、遅延制御回路(CTRL)からの信号に基づきカウントアップ、ダウンするカウンタ(COUNTER)と、カウンタの所定の上位ビットをデコードし、可変遅延回路20のRise側の選択制御信号を出力するデコーダ(DECORDER)と、カウンタの下位ビットを入力してアナログ電圧信号BIASRE/Oを、第2の可変遅延回路(インターポレータ)10Rに供給するデジタルアナログ変換器(DAC)と、を備えている。Fall側の位相調整回路80Fも位相調整回路80Rと同様の構成とされている。
【0041】
図3は、図2に示した第1の可変遅延回路20と、第2の可変遅延回路10R、10Fの構成の一例を示す図である。図3において、ワンショットパルス生成回路120R、セット・リセット型のラッチ回路130R、及び、第2の合成回路100Rが、図2の第2の可変遅延回路10Rを構成し、ワンショットパルス生成回路120F、セット・リセット型のラッチ回路130F、及び、第2の合成回路100Fが、図2の第2の可変遅延回路10Fを構成している。
【0042】
第1の可変遅延回路20は、立ち上がり(Rise)遷移と立ち下がり(Fall)遷移用の可変遅延回路21R、21Fを備えている。可変遅延回路21R、21Fは、位相調整回路80R、80Fからの選択制御信号をそれぞれ受け、遅延信号を出力する遅延素子(Delay Line)を選択する。
【0043】
可変遅延回路21Rからの遅延出力信号OUTRE_B、OUTRO_Bは、入力クロック信号DLCLKAのLowからHighへの立ち上がりに応答してHighからLowへ遷移するEven、Oddの信号であるため、OUTRE、OUTROのあとに、「_B」を付加している。
【0044】
可変遅延回路21Fは、可変遅延回路21Rと同一構成とされる。可変遅延回路21FからのEven、Oddの遅延出力信号OUTFE_B、OUTFO_Bは、入力クロック信号DLCLKAのHighからLowへの立ち下がり遷移に応答して、LowからHighに立ち上がる。可変遅延回路21FからのEven、Oddの二つの信号OUTFE、OUTFOについてもそのあとに「_B」を付加し、OUTFE、OUTFOを反転した信号であることを明記している。可変遅延回路21Rの構成の一例は、図5を参照して後述される。
【0045】
ワンショットパルス生成回路120Rは、EvenとOdd用のワンショットパルス生成回路121E、121O(互いに同一構成)を備えている。ワンショットパルス生成回路121Eは、インバータ122と、インバータ122の出力を受ける遅延回路123と、遅延回路123の出力を負論理で受け、インバータ122の出力がHigh、且つ遅延回路123の出力がLowの期間(遅延回路123の遅延時間に相当する)、Lowの信号(ワンショットパルス)CLKEを出力するNAND124とを備えている。
【0046】
ワンショットパルス生成回路120Fは、EvenとOdd用のワンショットパルス生成回路125E、125O(互いに同一構成)を備えている。ワンショットパルス生成回路125Eは、インバータ126と、インバータ126の出力を遅延させる遅延回路123と、遅延回路123の出力を負論理で受け、インバータ126の出力がHigh、且つ遅延回路123の出力がLowの期間(遅延回路123の遅延時間に相当する)、Lowの信号(ワンショットパルス)CLKEを出力するNAND124とを備えている。ワンショットパルス生成回路121Eでは、入力信号(OUTRE_B)をインバータ122で反転して、入力信号(OUTRE_B)の立ち下がりエッジに応答して、ワンショットパルス(Lowパルス)を生成している。ワンショットパルス生成回路125Eでも同様である。
【0047】
ラッチ回路130Rは、EvenとOdd用のSRラッチ回路130E、130O(同一構成)を備えている。SRラッチ回路130Eは、ワンショットパルス生成回路121EからのCLKEが入力されるセット端子Sに第1入力が接続されるNAND133の出力(INRE)を、リセット端子Rに第2入力が接続されるNAND134の第2入力に接続し、NAND134の出力をNAND133の第2入力に接続し、出力O(INRE)は第2の合成回路100Rに入力される。NAND型SRラッチ(Set−Reset latch)は、リセット端子RがHighの状態で、セット端子SのLow期間、出力OにはHighが出力され、セット端子SがHighの状態で、リセット端子RのLow期間、出力OにはLowが出力される。端子S、RがともにHighのときは出力Oの値は変化せず、端子S、RがともにLowは禁止される。なお、SRラッチは「SRフリップフロップ」とも呼ばれる。
【0048】
ワンショットパルス生成回路121OからのワンショットパルスCLKOをセット端子Sに入力するラッチ回路130Oも、ラッチ回路130Eと同一構成のNAND型SRラッチで構成され、その出力O(INRO)は、第2の合成回路100Rに入力される。
【0049】
ラッチ回路130Fは、ワンショットパルス生成回路120FからのワンショットパルスCLKE、CLKOをセット端子Sに入力するEvenとOdd用のSRラッチ回路131E、131O(同一構成)を備えている。
【0050】
なお、本実施例において、第2の合成回路100Rの出力OUT(NR)は、クロック信号DLCLKAのLowからHighヘの立ち上がりに応答してLowからHighに立ち上がる構成とされており、出力OUT(NR)がLowからHighになった時点で、SRラッチ回路130E、130Oはともにリセットするため、第2の合成回路100Rの出力OUT(NR)をインバータ132で反転した信号が、SRラッチ回路130E、130Oのリセット信号として用いられている。
【0051】
Fall側のラッチ回路130Fは、Rise側のラッチ回路130Rと同様の構成とされ、第2の合成回路100Fの出力OUT(NF)がLowからHighになった時点で、ラッチ回路130F内のEven、OddのSRラッチ回路131E、131Oをともにリセットするため、第2の合成回路100Fの出力OUT(NF)をインバータ132で反転した信号が、ラッチ回路130F内のEven、OddのSRラッチ回路131E、131Oのリセット信号として用いられている。
【0052】
Rise側の第2の合成回路100Rは、バイアス電圧信号BIASREとBIASROで制御される合成比X:(1−X)(但し、0≦X≦1)にしたがって、SRラッチ130RからEven、Oddの信号INRE、INROの立ち上がりエッジを受けて、その遅延差を合成した信号を生成し、出力端子OUT(NR)から立ち上がり信号を生成する。SRラッチ130Rは、第2の合成回路100Rの出力(NR)のHighを受けてリセットされ、INRE、INROをLowとする。本実施例では、第1の可変遅延回路20から出力される遅延信号OUTRE_B、OUTRO_Bが、第2の合成回路100Rに入力されており、第2の合成回路100Rでは、OUTRE_B、OUTRO_Bの少なくとも一方がLowのとき、内部のノードを充電するパスをオフさせる制御を行う。なお、第2の合成回路100Rは、二つの入力信号を設定された比率で合成するものであり、第2の合成回路100Rは単体で補間回路(インターポレータ)とも呼ばれ、図2の第2の可変遅延回路(インターポレータ)10Rのインターポレーション機能を担う。
【0053】
Fall側の第2の合成回路100Fは、遅延合成比の設定するバイアス電圧BIASFE、BIASFOを入力し、SRラッチ130FからのEven、Oddの信号INFE、INFOの立ち上がりエッジを受けて、その遅延差を合成した信号を生成し、出力端子OUT(NF)から立ち上がり信号を生成する。SRラッチ130Fは、第2の合成回路100Fの出力(NF)のHighを受けてリセットされ、INFE、INFOをLowとする。本実施例では、第1の可変遅延回路20から出力される遅延信号OUTFE_B、OUTFO_Bが、第2の合成回路100Fに入力されており、第2の合成回路100Fでは、OUTFE_B、OUTFO_Bの少なくとも一方がLowのとき、内部のノードを充電するパスをオフさせる制御を行う。第2の合成回路100Fは、二つの入力信号を設定された比率で合成するものであり、第2の合成回路100Fは、単体で補間回路(インターポレータ)とも呼ばれ、図2の第2の可変遅延回路(インターポレータ)10Fのインターポレーション機能を担う。
【0054】
なお、図3における可変遅延回路による反転出力、ワンショットパルスの生成、SRラッチ等の回路構成における、信号の論理は、適宜変更してよいことは勿論である。例えば、ワンショットパルス生成回路へ入力される信号の立ち下がりに応答してワンショットのLowパルスを生成しているが、本発明はかかる構成に限定されるものでないことは勿論である。
【0055】
図4は、第2の合成回路100Rの構成の一例を示す図である。なお、図3のFall側の第2の合成回路100Fは、Rise側の第2の合成回路100Rと同一構成である。
【0056】
図4を参照すると、第2の合成回路100Rは、
(a)ソースが電源VDDに共通接続され、ドレインがノードNR_Bに共通接続され、ゲートがそれぞれWEAKPREB、PRSTBに接続されたPMOSトランジスタ109、110と、
(b)ドレインがノードNR_Bに共通接続され、ゲートにバイアス電圧BIASRE、BIASROをそれぞれ受けるNMOSトランジスタ107、108と、
(c)ソースが電源VDDに共通に接続され、ゲートにNAND114の出力WEAKPREBが共通に接続され、ドレインがNMOSトランジスタ107、108のドレインノードNE、NOにそれぞれ接続されたPMOSトランジスタ105、106と、
(d)ドレインがノードNE、NOにそれぞれ接続され、ゲートに、ラッチ回路130Rの出力INRE、INROがそれぞれ接続されたNMOSトランジスタ101、102と、
(e)ドレインがNMOSトランジスタ101、102のソースに接続され、ゲート同士が接続されてインバータ116の出力PRSTBに接続され、ソースが電源VSSに接続されたNMOSトランジスタ103、104と、
を備えている。さらに、第2の合成回路100Rは、
(f)ノードNR_Bを入力とし反転した信号を出力端子OUTRに出力するインバータ115(反転型出力バッファ)と、
(g)インバータ115の出力(NR)を入力として受け、反転した信号をPRSTB信号として出力するインバータ116と、
(h)第1の可変遅延回路21Rの出力OUTRE_B、OUTRO_Bを受けるNAND回路111と、
(i)NAND回路111の出力を受けるインバータ112と、
(j)第1の入力にPRSTB信号を受け、第2入力にNAND114の出力を受けるNAND回路113と、第1の入力にインバータ112の出力信号を受け、第2入力にNAND113の出力を受けるNAND回路114とを備え、NAND113、114はSRラッチを構成する。
【0057】
第2の合成回路100Rの動作を以下に説明する。ノードNR_BがプリチャージされHigh電位のとき、PRSTB信号はHighとされ、PMOSトランジスタ110はオフし、インバータ112の出力がLowの期間、NAND114の出力はHighにセットされる。インバータ112の出力がLowとなるのは、NAND111の出力がHigh、したがってOUTRE_B、OUTRO_Bのいずれか一方又は両方がLowのときである。すなわち、図2において、入力クロック信号DLCLKAのLowからHighへの立ち上がり時、すなわち、OUTRE、OUTROの少なくとも1方又は両方がHighの期間(したがって、OUTRE_B、OUTRO_Bのいずれか一方又は両方がLowの期間)には、PMOSトランジスタ109、105、106はオフし、ノードNR_B、NE、NOの充電は停止される。
【0058】
ノードNR_BがLow電位となり、PRSTBがLowのとき、PMOSトランジスタ110がオンし、またNMOSトランジスタ103、104がオフし、ノードNR_BとVSS(グランド)間の放電パスは遮断され、ノードNR_Bを電源電圧VDDに充電される。また、インバータ112の出力がHighの状態で、PRSTBがLowとなると、NAND114の出力WEAKPREBはLowにリセットされ、PMOSトランジスタ109、105、108はオンし、ノードNR_B、NE、NOは電源電圧VDD側に充電される。PMOSトランジスタ105、106により、ノードNE、NOをNR_Bと並列にプリチャージすることで、プリチャージ期間を短縮し、第2の合成回路の動作を保証する。
【0059】
ノードNR_Bが電源電圧VDD側に充電されると、ノードNR_Bの電圧を受けるインバータ115の出力はLowとなり、インバータ116の出力PRSTBはHighとなり、PMOSトランジスタ110はオフし、PMOSトランジスタ110によるノードBR_Bの充電は停止する。PRSTBがHighのとき、電流源として機能するNMOSトランジスタ103、104はオンするが、INRE、INROがLowの間、NMOSトランジスタ101、102はオフとされる。また、インバータ112の出力がHighのとき、PRSTBがLowからHighに変化しても、NAND114の出力WEAKPREBはLowのままであり、PMOSトランジスタ109、105、108はオンとされる。
【0060】
クロック信号DLCLKAがLowのとき、OUTRE_B、OUTRO_BはHighとされ、NAND111の出力はLow、インバータ112の出力はHighとされるが、OUTRE_B、OUTRO_Bの少なくとも一方がHighからLowに変化すると(すなわちクロック信号DLCLKAの立ち上がり時)、NAND111の出力はHighとなり、インバータ112の出力がLowとなり、NAND114の出力WEAKPREBはHighにセットされ、PMOSトランジスタ109、105、108はオフとされる。この状態で、INRE、INROがLowからHighに変化すると、INREがHighの期間、NMOSトランジスタ101がオンし、ノードNR_Bの電荷を、トランジスタ107の電流(BIASREで制御される)にしたがってVSS側に放電する。またINREのHighへの遷移から遅れてHighとなるINROがHigh期間、NMOSトランジスタ102がオンし、ノードNR_Bの電荷を、トランジスタ108の電流(BIASROで制御される)にしたがってVSS側に放電する。
【0061】
INREとINROのHighが重なる期間は、NMOSトランジスタ101、102の両方で放電される。ノードNR_Bの電圧がインバータ115の論理閾値以下に下がると、インバータ115の出力ノードNRは、LowからHighに立ち上がり、インバータ116の出力PRSTBはLowとなり、NMOSトランジスタ103、104がオフし、ノードNR_BのVSSへの放電パスが遮断され、PMOSトランジスタ110によるノードNR_Bの充電が開始され、続いてNAND114の出力WEAKPREBがLowとなり、ノードNR_Bの充電が行われる。
【0062】
INREとINRO遅延合成の比率(内分比)X:(1−X)(但し、0≦X≦1)とし、ゲートにバイアス電圧BIASRE、BIASROをそれぞれ受けるNMOSトランジスタ107、108の電流値をX*I、(1−X)*Iとする。電源電圧VDDにプリチャージされたノードNR_B(蓄積電荷Q=C*VDD、ただし、Cは該ノードNR_Bの容量値)は、遅延差(ΔT)の立ち上がりエッジの二つの信号INRE、INROのHighパルスにより放電される。Evenの入力信号INREのHighへの立ち上がりからOddの入力信号INROのHighへの立ち上がりまでの遅延時間ΔTの間、NMOSトランジスタ101がオンしノードNR_Bを電流値X*Iで放電し、ノードNR_Bの電荷Q’はC*VDD−ΔT*X*Iとなる。第2の信号INROがHighとなるとNMOSトランジスタ102がオンしNMOSトランジスタ101とともにノードNR_Bの電荷を、電流値X*I+(1−X)*I=Iで放電する。ノードNR_Bを入力とするインバータ115の論理閾値をVDD/2とし、Oddの入力信号INROの立ち上がりエッジから遅延時間TでVDD/2を下回るとすると、C*VDD−X*I*ΔT−I*T=C*VDD/2より、
T=(C*VDD)/(2*I)−X*ΔT
となる。
【0063】
したがって、Evenの入力信号INREの立ち上がりから出力信号NRの立ち上がりまでの伝播遅延時間は、
ΔT+T=(C*VDD)/(2*I)+(1−X)*ΔT (1)
で与えられる(ただし、インバータ115の伝搬遅延時間は除く)。式(1)において、(C*VDD)/(2*I)は第2の合成回路固有の伝播遅延時間である。
【0064】
式(1)において、X=1、すなわち、Evenの入力信号INREとOddの入力信号INROの遅延差の内分比100%:0%のとき、ΔT+T=(C*VDD)/(2*I)で与えられ、伝播遅延時間ΔT+Tは最小となる。
【0065】
式(1)において、X=0、Evenの入力信号INREとOddの入力信号INROの遅延差の内分比0%:100%のとき、遅延時間は、ΔT+T=(C*VDD)/(2*I)+ΔTで与えられ、伝播遅延時間ΔT+Tは最大となる。
【0066】
式(1)において、0<X<1のとき、伝播遅延時間ΔT+Tは、最小と最大の中間の値となる。
【0067】
なお、図4において、バイアス電圧BIASRE、BIASROの設定により、出力端子OUTから出力される信号のパルス幅の調整も行われる。
【0068】
図5は、図3の第1の可変遅延回路20内の可変遅延回路21Rの構成を示す図である。なお、図3の可変遅延回路21Fも同一の構成とされる。
【0069】
図5を参照すると、可変遅延回路21Rにおいて、クロック信号DLCLKAを入力するインバータINV1の出力は次段のインバータINV2の入力に接続されるとともに、セレクタ1の第1入力に入力される。セレクタ1の第2入力は、前段のセレクタ3の出力に接続され、セレクタ1の出力はOUTRE_Bとされ、位相調整回路80R(図2)からの選択制御信号s1により、第1、第2入力の一方を選択する。セレクタ1は、位相調整回路80Rからの選択制御信号s1とインバータINV1の出力を入力するNAND1−1と、位相調整回路80Rからの選択制御信号s1を反転するインバータINVと、インバータINVの出力とセレクタ3の出力を入力するNAND1−2と、これら二つのNAND1−1、1−2の出力を入力するNAND1−3と、を備えている。なお、他のセレクタの内部構成はセレクタ1と同一の構成とされる。
【0070】
インバータINV2の出力は次段のインバータINV3の入力に接続されるとともに、セレクタ2の第1入力に入力される。セレクタ2の第2入力は、前段のセレクタ4の出力に接続され、セレクタ2の出力はインバータINV5を介して出力OUTRO_Bに接続され、位相調整回路80Rからの選択制御信号s2により、第1、第2入力の一方を選択する。
【0071】
インバータINV3の出力は次段のインバータINV4の入力に接続されるとともに、セレクタ3の第1入力に入力される。セレクタ3の第2入力は、不図示の5番目セレクタの出力に接続され、セレクタ3の出力はセレクタ1の第2入力に接続され、位相調整回路80Rからの選択制御信号s3により、第1、第2入力の一方を選択する。
【0072】
インバータINV4の出力は次段のインバータINV(不図示)の入力に接続されるとともに、セレクタ4の第1入力に入力される。セレクタ4の第2入力は、不図示の6番目のセレクタの出力に接続され、セレクタ4の出力はセレクタ2の第2入力に接続され、位相調整回路80Rからの選択制御信号s4により、第1、第2入力の一方を選択する。インバータ列(INV1、INV2、INV3、INV4・・・)に対して、EvenとOddに関して同様の構成が繰り返される。
【0073】
選択制御信号s1がHighのとき、セレクタ1のインバータINVの出力はLowとなり、NAND1−2の出力はHighとなり、NAND1−1、NAND1−3はそれぞれ第1入力を反転出力する2段のインバータとして機能する。選択制御信号s1がHighのとき、セレクタ1はインバータINV1の出力を選択し、NAND2段の遅延回路として機能し、INV1、NAND2段からなる計インバータ3段の遅延回路として作用する。
【0074】
一方、選択制御信号s1がLowのとき、インバータINVの出力はHighとなり、NAND1−1の出力はHighとなり、NAND1−2、NAND1−3はそれぞれ第2入力(セレクタ3の出力)をそれぞれ反転して伝播する2段のインバータとして機能する。
【0075】
選択制御信号s2がHighのとき、セレクタ2は、INV2の出力を選択しNAND2段の遅延回路として機能し、INV1、INV2、NAND2段、INV5のインバータ5段の遅延回路として作用する。選択制御信号s1、s2がHighのときに出力されるEven、Oddの遅延信号OUTRE_BとOUTRO_Bのエッジの間には、インバータ2段(単位遅延回路)の時間差がある。
【0076】
選択制御信号s2がLowのとき、セレクタ2は、第2入力(セレクタ4の出力)をそれぞれ反転して伝播する2段のインバータとして機能する。
【0077】
選択制御信号s3がHighのとき、セレクタ3は、INV3の出力を選択し、NAND2段の遅延回路として機能する。選択制御信号s3がHigh、選択制御信号s1がLowのとき、INV1、INV2、INV3、NAND2段(セレクタ3)、NAND2段(セレクタ1)のインバータ7段の遅延回路として作用する。
【0078】
選択制御信号s4がHighのとき、セレクタ4は、INV4の出力を選択し、NAND2段の遅延回路として機能する。選択制御信号s4がHigh、選択制御信号s2がLowのとき、INV1、INV2、INV3、INV4、NAND2段(セレクタ4)、NAND2段(セレクタ2)、INV7のインバータ9段の遅延回路として作用する。
【0079】
選択制御信号s3、s4がHighのときに出力されるEven、Oddの遅延信号OUTRE_BとOUTRO_Bのエッジの間には、インバータ2段(単位遅延回路)の時間差がある。
【0080】
このように、可変遅延回路21Rは、図2の位相調整回路80Rからの選択制御信号により、Evenの遅延出力と、Oddの遅延出力を決定する。なお、図5では、クロック入力DLCLKAのLowからHighへの立ち上がりで可変遅延回路21Rの出力はHighからLowへ立ち下がる信号を表すために、OUTRE_B、OUTRO_Bとしている。
【0081】
図6は、図3のワンショットパルス生成回路121Eの構成の一例を示す図である。このワンショットパルス生成回路は、入力IN1の立ち下がりエッジに応答して出力OUT1に、遅延回路で規定されるパルス幅のLowパルスを出力する。すなわち、入力IN1を入力するインバータINV0と、インバータINV0の出力を受け反転信号を出力する遅延回路(INV1、INV2、NAND2、INV3、NAND3)と、遅延回路の出力(NAND3の出力)とインバータINV0の出力を受けるNAND4を備えている。尚、NAND2は第4論理回路に相当し、NAND3は第5論理回路に相当し、NAND4は第6論理回路に相当する。
【0082】
入力IN1のHighからLowへの遷移に応答してインバータINV0の出力はHighとなり、遅延回路を構成するNAND2、NAND3はインバータとして機能し、遅延回路は5段のインバータ列として機能する。NAND4はインバータINV0のLowからHighへの遷移時点から5段のインバータ列の遅延時間分のパルス幅のLowパルスを出力する。
【0083】
なお、ワンショットパルス生成回路は、動作周波数に対応してワンショットパルス幅を調整するようにしてもよい。例えばインバータINV3で表されている反転遅延回路を、インバータ3段で構成している場合、2段のインバータを信号経路から外し、インバータ1段で構成するように切替える構成としてもよい。特に制限されないが、この切替は、製造時に、配線層スイッチ(metal switch)の接続切替等で行うようにしてもよい。また、周波数に対応してワンショット遅延のリセット時間を調整するようにしてもよい。高周波に対して遅延のリセット経路をバイパスすることで、第2の合成回路の動作を保証している。NAND2、NAND3には、インバータINV0の出力が直接入力され、遅延回路内の前段回路の出力の伝播結果を待たず、インバータINV0のLow出力に基づき、NAND2、NAND3はHighに直接リセットされる。
【0084】
図7は、本発明の一実施例の第1及び第2のラッチ回路と第2の合成回路を含めた構成を示す図である。図7を参照すると、図3、図4を参照して説明した第2の合成回路100R内に、図3のラッチ回路130E、130Oを組み込んだ構成とされている。図7において、NAND133、134がラッチ130Eに対応し、NAND135、136がラッチ130Oに対応する。端子OUTRE_Bに入力が接続されたインバータ137(受信回路)と、インバータ137の出力INRE1を受けるインバータ138とを備え、インバータ138の出力INRE2がNAND133に入力され、NAND134には、PRSTBが入力され、NAND133、134の出力はNAND134、133の入力に交差接続されている。端子OUTRO_Bに入力が接続されたインバータ139(受信回路)と、インバータ139の出力INRO1を受けるインバータ140とを備え、インバータ140の出力INRO2がNAND135に入力され、NAND136には、PRSTBが入力され、NAND135、136の出力はNAND136、135の入力に交差接続されている。図7において、インバータ137、139に入力されるOUTRE_B、OUTRO_Bとして、ワンショットパルス生成回路の出力が入力される。
【0085】
なお、図7において、NR_Bを電源電圧にプリチャージし、ラッチ出力INRE3、INRO3の出力を受けるNMOSトランジスタ101、102で放電する構成のインタポレータを例に説明したが、本発明は、かかる構成に限定されるものでないことは勿論である。例えばノードNR_BをVSS電位に設定しておき、ラッチ出力INRE3、INRO3の出力をPMOSトランジスタで受け電源電圧VDDに充電する構成のインタポレータとしてもよいことは勿論である。この場合、トランジスタの極性は反転され、またSRラッチも、セット端子SにHigh入力でセットされ、リセット端子RへHigh入力でリセットされるロジックに置き換えられる。すなわち、プリチャージ用のトランジスタ109、110、105、106は、ソースが接地されドレインが各ノードに接続されたNMOSトランジスタで構成され、トランジスタ101、102、103、104、107、108はPMOSトランジスタで構成される。ノードNR_Bがインバータ115の論理閾値以上となったとき、Low電位を出力し、インバータ116の出力はHighとなる。インバータ116のHighを受けてリセットされるSRラッチは襷がけ接続された二つのNORゲートで構成される。図7のNAND111、インバータ112はANDで置き換えられる。またNAND133、134、135、136もNORで置き換えられ、インバータ137、139は削除される。
【0086】
図8は、図2の第1の合成回路(シンセサイザ)30の構成の一例を示す図である。シンセサイザ30はインタポレータ10Rの出力NRのHighを受けて、Highを出力し、インタポレータ10Fの出力NFのHighを受けてDLL出力をLowに設定する。
【0087】
図8を参照すると、第1の合成回路(シンセサイザ)30は、ソースが電源VSSに接続されゲートがNRに接続され、ドレインがノードINRBに接続されたNMOSトランジスタNM4と、ソースが接地されゲートがNFに接続されドレインがノードINFBに接続されたNMOSトランジスタNM3と、ノードINRBに入力が接続され、出力がノードINFBに接続されたCMOSインバータ(PM2、NM2)と、ノードINFBに入力が接続され、出力がノードINRBに接続されたCMOSインバータ(PM1、NM1)と、ノードINRBに入力が接続されたインバータ304と、ノードINFBに入力が接続され出力がオープンのインバータ308と、を備えている。CMOSインバータ(PM1、NM1)とCMOSインバータ(PM2、NM2)は、入力と出力が互いに接続されてフリップフロップを構成する。
【0088】
入力NRがHighとなると、NMOSトランジスタNM4がオンし、ノードINRBはLowとなり、CMOSインバータ(PM2、NM2)を介してノードINFBはHighに設定され、CMOSインバータ(PM1、NM1)を介してノードINRBはLowに設定され、インバータ304からDLL出力としてHighが出力される。
【0089】
入力NRがLowとなると、NMOSトランジスタNM4はオフするが、フリップフロップとして機能するCMOSインバータ(PM1、NM1)、CMOSインバータ(PM2、NM2)により、ノードINRBはLow、ノードINFBはHighに保たれ、インバータ304からDLL出力としてそのままHighが出力される。
【0090】
次に入力NFがHighとなると、NMOSトランジスタNM3がオンし、ノードINFBはLowとなり、CMOSインバータ(PM1、NM1)を介してノードINRBはHigh、CMOSインバータ(PM2、NM2)を介してノードINFBはLowに設定され、インバータ304からDLL出力としてLowが出力される。つづいてNFがLowとなっても、CMOSインバータ(PM1、NM1)、CMOSインバータ(PM2、NM2)のフリップフロップ動作により、INFB=High、INRB=Lowに保たれ、インバータ304からDLL出力としてそのままLowが出力される。なお、CMOSインバータは、電源VDD、VSS間に直列に接続されるPMOSトランジスタとNMOSトランジスタよりなり、ゲートが共通接続されて入力に接続され、ドレインが共通接続されて出力に接続される。
【0091】
図9は、図7を参照して説明した第2の合成回路(Rise側)の動作波形の一例を示す。(a)は外部クロックCK、CKB、(b)はINRE1、INRO1、(c)はINRE2、INRO2、(d)はINRE3、INRO3、(e)はNR_B、(f)はPRSTB、WEAKPREBの波形である。(g)〜(k)はFall側の第2の合成回路(図7と同一構成)におけるINRE1、INRO1、INRE2、INRO2、INRE3、INRO3、NR_B、PRSTB、WEAKPREBの波形である。(l)はDLL出力の波形である。
【0092】
外部クロックCK(パルス幅tCH)の立ち上がりに応じて、OUTRE_B、OUTRO_BがHighからLowへ立ち下がり、ワンショットパルス生成回路でワンショットパルス(Lowパルス)が生成される。
【0093】
INRE1、INRO1は、ワンショットパルス(Lowパルス)をインバータ137、139で反転したHighパルスとなり、INRE1がINRO1よりも先に立ち上がる((b)参照)。
【0094】
INRE2、INRO2は、INRE1、INRO2をインバータ138、140で反転した信号である。INRE2、INRO2のLowを受けて、INRE3、INRO3(SRラッチ(NAND133、134)と、SRラッチ(NAND135、136)の出力)はそれぞれHighにセットされる((d)参照)。
【0095】
INRE3、INRO3のHighにより、NMOSトランジスタ101、102がオンし、電源電圧VDDにプリチャージされたノードNR_Bは、BIASRE、BIASROでバイアスされたトランジスタ107、108のソース・ドレイン電流にしたがって放電される((e)参照)。
【0096】
ノードNR_Bの電圧が降下し、インバータ115の論理閾値電圧以下となると、ノードNRはLowからHighに遷移し、インバータ116の出力PRSTBがLowとなる。NAND133、134からなるSRラッチ、NAND135、136からなるSRラッチはPRSTBのLowによってリセットされ、INRE3、INRO3はHighからLowとなりNMOSトランジスタ101、102はオフする。また、PRSTBのLowにより、PMOSトランジスタ110がオンし、NMOSトランジスタ103、104はオフし、ノードNR_Bの電源電圧へのプリチャージが行われる。さらに、PRSTBのLowにより、NAND113、114よりなるSRラッチがリセットされ、WEAKPREBがLowとなり、PMOSトランジスタ109、105、106によるノードNR_B、NE、NOのプリチャージが行われる。
【0097】
Rise側のNR_Bをインバータ115で反転した信号NRと、Fall側のNR_Bをインバータ115で反転した信号NFがシンセサイザ30(図2参照)に入力され、DLL出力((l)参照)が出力される。
【0098】
なお、図7において、バイアス電圧BIASRE、BIASROの設定が、INRE3=100%、INRO3=0%に相当する場合、トランジスタ107のパスでノードNR_Bを放電することになる。ノードNR_Bの立ち下がり波形は、EvenのINRE3を100%として生成される。この条件が、サイクル内の動作に対して最も遅くノードNR_Bの放電動作を開始する条件であるため、ノードNR_Bの放電時間・マージン(外部クロックCKのHighパルス幅tCH幅が短い場合、INRE3のHigh期間は極めて短くなり、ノードNR_Bの放電時間が短いので、最も厳しい)と、次のサイクルの動作までのノードNR_Bのプリチャージのマージンがなくなるワースト条件となる(周期が短い場合が、放電後のノードNR_Bの再充電時間が短いので最も厳しい)。
【0099】
本実施例においては、第2の合成回路100R/Fの前段に、ラッチ回路130R/Fを設け、ラッチ回路130R/Fのセット端子Sで第1の可変遅延回路の出力OUTRE/O_Bを保持して、クロックCKのHighパルス幅tCHが短い場合にも、High期間を一定時間維持し、ノードNR_Bの立ち下がりを受けてリセットし、ノードNR_Bをプリチャージさせる。このため、遅く動作スタートする場合においても、第2の合成回路の動作マージンを確保できる。
【0100】
比較例として、図10(A)を参照して、上記したSRラッチ回路を設けない場合について説明する。図7のSRラッチ(133、134)、SRラッチ(135、136)を省略し、OUTRE_B、OUTRO_Bをインバータ137、139で反転した信号INRE1、INRO1をトランジスタ101、102のゲート(図7、図10(A)のINRE3、INRO3)に入力する構成を考える。NMOSトランジスタ101、102のゲートには、図7のINRE1、INRO1(OUTRE_B/OUTRO_Bの反転信号)が入力される。Evenの号INRE1が立ち上がり、その後、Oddの信号INRO1が立ち上がる。外部クロックCKのtCH幅が短い(デューティ小)の場合には、外部クロックCKのHigh期間が終了し、Low期間には、逆相のエッジを生成しなければならず、第2の合成回路の動作は停止され、ノードNR_Bの放電時間が極端に短くなり、ノードNR_Bを十分に放電することができず、第2の合成回路は誤動作する(正しく機能しない)。
【0101】
本実施例によれば、第2の合成回路において、OUTRE_B/OUTRO_BをSRラッチでラッチした信号INRE3、INRO3をNMOSトランジスタ101、102のゲートに供給している。PRSTBによって、SRラッチにて保持されていたINRE3/INRO3のラッチを解除しリセットする。PRSTBは、NRにHighが出力されてからLowに設定されるため、再充電の誤動作することはない。PRSTBのLowにより、SRラッチ(133、134)はリセットされ、その結果、High状態のINRE3はLowにリセットされる。
【0102】
PRSTBのLowに基づき、SRラッチ(113、114)をリセットし、WEAKPREBをLowにリセットする。WEAKPREBは、外部クロックCKが低い周波数のときのノードNR_Bのリセット(充電)を保持することを目的とする。
【0103】
予め充電された所定電圧のノードNR_Bがトランジスタ109、110によって放電され、放電の結果、ノードNR_BがLow電位となると、ノードNR_Bを再充電するというフィードバック方式の制御が行われるため、ノードNR_Bの電圧波形は、所定時間のパルス波形となり、外部クロックCKが低い周波数(周期が長い)時には、ノードNR_Bのリセット動作(充電作用)を維持する必要がある。PRSTBのLowに基づきLowに設定されるWEAKPREB信号の解除(LowからHigh)は、可変遅延回路20の出力信号OUTRE_B/OUTRO_Bで行われる。OUTRE_B/OUTRO_Bの一方又は両方がLowのときNAND111の出力はHighとなり、インバータ112の出力はLowとなり、NAND114の出力WEAKPREBはHighとされ、トランジスタ109によるノードNR_Bのプリチャージは停止する。OUTRE/O_Bが共にLowとなった時点は、次のクロックサイクルに対する遅延波形生成の設定を行う必要があり、この時点までノードNR_Bの充電作用を維持できればよい。これにより、外部クロック信号CKが低い周波数(周期が長い)でもノードNR_Bのフローティング状態を抑止することができる。
【0104】
このWEAKPREBにもマージン対策が必要である。外部クロック信号CKが高い周波数(周期が短い)で、且つ、外部クロックCKのHighパルス幅tCH幅が長い(デューティ大)の場合、すなわち、図11(A)に示すように、INRE3/INRO3の立ち下がりが十分も遅い場合には(図11(A)のINRE/O3の破線参照)、ノードNR_Bを十分に放電することは可能であるが、WEAKPREBの生成にも遅延段数(NR_B→PRSTB→WEAKPREB)があることから、WEAKPREB信号によるトランジスタ109の充電開始(HighからLowへの遷移)が遅くなり、次サイクルのOUTRE_B/OUTRO_BがLowの条件が先にくる可能性がある。この場合、WEAKPREBをLowが起動できず、誤動作の原因となる。
【0105】
このため、本実施例においては、入力信号OUTRE_B/OUTRO_Bに対して、ワンショットパルス生成回路120Rを設置し、OUTRE_B/OUTRO_Bの立ち下がりエッジに応答してワンショットパルスCLKE/CLKOを生成し、ワンショットパルスCLKE/Oの信号幅を、周波数(周期が短い)、外部クロックCKのHighパルス幅tCH幅によらず、固定幅とする。なお、ワンショットパルス幅(固定値)は、図6を参照して説明したように、製造時等に製品デバイスの動作周波数に対応して、パルス幅を設定するようにしてもよい。
【0106】
本実施例によれば、外部クロック信CKのHighパルス幅tCH幅が短い(デューティ小)場合、SRラッチで延ばし、tCH幅が長い(デューティ大)場合、ワンショットパルス生成回路で冗長な信号幅をカットする。
【0107】
その結果、第1の可変遅延回路の持つ最小遅延単位(NAND2段分の絶対遅延時間値)をさらに細かな精度の位相調整と、高速周波数に対応できる第2の可変遅延回路(インターポレータ)を、周波数、パルス幅tCHの大小によらず、正しく動作させることが可能となる。
【0108】
なお、上記の特許文献の各開示を、本書に引用をもって繰り込むものとする。本発明の全開示(請求の範囲を含む)の枠内において、さらにその基本的技術思想に基づいて、実施形態ないし実施例の変更・調整が可能である。また、本発明の請求の範囲の枠内において種々の開示要素の多様な組み合わせないし選択が可能である。すなわち、本発明は、請求の範囲を含む全開示、技術的思想にしたがって当業者であればなし得るであろう各種変形、修正を含むことは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【0109】
【図1】本発明の一実施例のメモリ装置の構成を示す図である。
【図2】本発明の一実施例のDLLの構成を示す図である。
【図3】本発明の一実施例の第1の可変遅延回路(Delay Line)と第2の可変遅延回路(Interpolator)の構成を示す図である。
【図4】本発明の一実施例の第2の合成回路の構成を示す図である。
【図5】本発明の一実施例の第1の可変遅延回路(Delay Line)の構成を示す図である。
【図6】本発明の一実施例のワンショットパルス生成回路の構成を示す図である。
【図7】本発明の一実施例の第1及び第2のラッチ回路と第2の合成回路を含めた構成例を示す図である。
【図8】本発明の一実施例の第1の合成回路(シンセサイザ)の構成を示す図である。
【図9】本発明の一実施例の動作を説明するタイミング波形図である。
【図10】(A)、(B)は、比較例と、SRラッチを備えた本発明の動作を対比して説明する波形図である。
【図11】(A)、(B)は、比較例と、ワンショットパルス生成回路を備えた本発明の動作を対比して説明する波形図である。
【符号の説明】
【0110】
1−1 メモリセルアレイ
1−2 センスアンプ
1−3 カラムデコーダ
1−4 ロウデコーダ
1−5 モードレジスタ
1−6 ロウアドレスバッファ及びリフレッシュカウンタ
1−7 カラムアドレスバッファ及びバーストカウンタ
1−8 データコントロール回路
1−9 コマンドデコーダ
1−10 コントロールロジック
1−11 ラッチ回路
1−12 DLL
1−13 入力出力バッファ
1−14 クロックジェネレータ
10R、10F インタポレータ
20 可変遅延回路(Delay Line)
21R、21F 可変遅延回路
30 シンセサイザ
40 入力回路
50 OE
60 レプリカ
70R、70F 位相検出器(位相比較器)
80R、80F 位相調整回路
100R、100F 合成回路
101、102、103、104、107、108 NMOSトランジスタ
105、106、109、110 PMOSトランジスタ
111、113、114、124 NAND
112、115、116、122、126 インバータ
120R、120F、121E、121O、125E,125O ワンショットパルス生成回路
123 遅延回路
130R、130F、130E、130O、131E、131O ラッチ回路(SRラッチ)
133、134、135、136 NAND
132、137、138、139、140 インバータ
304、308 インバータ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部信号を入力し、所定の遅延単位で前記外部信号の遅延時間を可変に設定し、前記外部信号の第1の遷移に対応して異なる遅延時間の第1組の第1及び第2の遅延信号を出力し、前記外部信号の第2の遷移に対応してなる遅延時間の第2組の第1及び第2の遅延信号を出力する第1の可変遅延回路と、
前記第1組の第1及び第2の遅延信号と、前記第2組の第1及び第2の遅延信号とにそれぞれ対応して配設され、対応するそれぞれの組の前記第1及び第2の遅延信号を受け、前記所定の遅延単位よりも細かく遅延時間を設定した遅延信号を出力する第2の可変遅延回路と、
それぞれの前記第2の可変遅延回路から出力される遅延信号に基づき、出力信号を合成する第1の合成回路と、
を備え、
前記第2の可変遅延回路は、
前記第1及び第2遅延信号のそれぞれの遷移に応答してワンショットパルスを生成する第1及び第2のワンショットパルス生成回路と、
それぞれの前記ワンショットパルスに応答してセットされる、セット・リセット型の第1及び第2のラッチ回路と、
前記第1及び第2のラッチ回路の出力を第1及び第2の入力として受け、前記第1及び第2の入力を所定の比率で合成した信号を出力する第2の合成回路と、を備え、
前記第1及び第2のラッチ回路は、前記第2の合成回路の出力に基づきそれぞれリセットされる、DLL回路。
【請求項2】
前記第2の合成回路が、
前記第2の合成回路内の一のノードを所定電圧に設定するプリリセット回路と、
前記第1及び第2の入力に基づき、それぞれオン・オフ制御され、オン状態のとき、前記所定電圧に設定された前記ノードを前記所定電圧とは異なる電圧に放電又は充電する第1及び第2のトランジスタと、
を備えている、請求項1記載のDLL回路。
【請求項3】
前記第2の合成回路において、
前記第2の合成回路の出力が帰還されて前記プリリセット回路に入力され、
前記ノードが前記所定電圧とは異なる電圧に放電又は充電され前記第2の合成回路の出力が所定の値に変化すると、前記プリリセット回路は、前記ノードを前記所定電圧にリセットする、請求項2記載のDLL回路。
【請求項4】
前記第2の合成回路において、
前記第2の合成回路の出力が前記所定の値のとき、リセットされ、前記第1の遅延信号と前記第2の遅延信号に対する所定の論理演算結果に基づきセットされるラッチ回路を備え、
前記プリリセット回路は、前記ラッチ回路がリセットすると前記ノードを所定電圧にリセットする回路を備えている、請求項3記載のDLL回路。
【請求項5】
前記第2の合成回路が、
前記第1及び第2の入力の合成の比率を制御する遅延制御回路を、前記ノードの放電又は充電パスに備えている、請求項2乃至4のいずれか1項に記載のDLL回路。
【請求項6】
前記第2の合成回路が、
前記ノードと前記ノードの放電又は充電先の電極との間に、
前記ノードの放電又は充電の電流値を制御し、前記第1及び第2の入力の合成の比率を制御する第1及び第2の遅延制御回路を、前記第1及び第2のトランジスタとそれぞれ直列形態に備えている、請求項2乃至4のいずれか1項に記載のDLL回路。
【請求項7】
一つの信号から生成され、遅延差を有する第1及び第2の信号のそれぞれの遷移に応答して、ワンショットパルスを生成する第1及び第2のワンショットパルス生成回路と、
それぞれの前記ワンショットパルスに応答してセットされる、セット・リセット型の第1及び第2のラッチ回路と、
前記第1及び第2のラッチ回路の出力を第1及び第2の入力として受け、前記第1及び第2の入力を、制御された比率で合成して出力する合成回路と、
を備え、前記第1及び第2のラッチ回路は、前記合成回路の出力に基づきリセットされる、DLL回路。
【請求項8】
前記合成回路が、
第1電源と一のノード間に接続され、前記ノードを所定電圧にリセットするプリリセット回路と、
前記ノードと第2電源間に挿入され、前記第1及び第2の入力に制御端子が接続され、前記第1及び第2のラッチ回路のセット時にオンし、リセット時にオフする第1及び第2のトランジスタと、
前記ノードと前記第2電源間に、前記第1及び第2のトランジスタとそれぞれ直列に挿入され、前記合成の比率に対応した電流値をそれぞれ流す第1及び第2の遅延制御回路と、
前記ノードの電圧を入力に受け、前記合成回路の出力端子に出力信号を出力する第1の論理回路と、
前記第1の論理回路の出力信号を受け、前記第1の論理回路の出力信号が所定の値のとき、リセット用の信号を出力する第2の論理回路と、
前記第1及び第2の信号を受け、前記第1及び第2の信号の少なくとも一方が所定値のとき、セット用の信号を出力する第3の論理回路と、
前記第3の論理回路から出力される前記セット用の信号をセット端子に受け、前記第2の論理回路から出力される前記リセット用の信号をリセット端子に受ける第3のラッチ回路と、
を備え、
前記プリリセット回路は、前記第2の論理回路から出力される前記リセット用の信号に応答して、前記ノードを所定電圧に設定する第1のプリリセット素子と、
前記第3のラッチ回路の出力がリセット状態のとき、前記ノードを所定電圧に設定する第2のプリリセット素子と、
を備えている、請求項7記載のDLL回路。
【請求項9】
前記ワンショットパルス生成回路は、
前記ワンショットパルス生成回路の入力端が、第4論理回路の第1入力に接続され、前記入力端から遅延回路を通じた信号が前記第4論理回路の第2入力に接続され、
前記入力端が第5論理回路の第1入力に接続され、前記第4論理回路を通じた信号が前記第5論理回路の第2入力に接続され、
前記入力端が第6論理回路の第1入力に接続され、前記第5論理回路を通じた信号が前記第6論理回路の第2入力に接続され、
前記第6論理回路の出力端が、前記ワンショットパルス生成回路の出力端に接続される、請求項7又は8記載のDLL回路。
【請求項10】
前記第3のラッチ回路の出力がリセット状態のとき、前記第1の遅延制御回路と前記第1のトランジスタとの接続点、及び、前記第2の遅延制御回路と前記第2のトランジスタとの接続点を、前記ノードと同一電圧にリセットする第3、第4のプリリセット素子を備えている、請求項8又は9記載のDLL回路。
【請求項11】
前記第1のトランジスタと前記第2電源との間に第3のトランジスタを備え、
前記第2のトランジスタと前記第2電源との間に第4のトランジスタを備え、
前記第3、第4のトランジスタは、それぞれの制御端子に、前記第2の論理回路から出力される前記リセット用の信号を共通に入力して、オフ・オフ制御される、請求項7乃至10のいずれか1項に記載のDLL回路。
【請求項12】
外部信号と位相調整回路からの位相調整制御信号を入力し、前記位相調整制御信号に基づき、所定の遅延単位で前記外部信号の遅延時間を可変に設定し、前記外部信号の第1の遷移に対応して異なる遅延時間の第1組の第1及び第2の遅延信号を出力し、前記外部信号の第2の遷移に対応してなる遅延時間の第2組の第1及び第2の遅延信号を出力する第1の可変遅延回路と、
前記第1組の第1及び第2の遅延信号と、前記第2組の第1及び第2の遅延信号とにそれぞれ対応して配設され、対応するそれぞれの組の前記第1及び第2の遅延信号を受け、前記所定の遅延単位よりも細かく遅延時間を設定した遅延信号を出力する第2の可変遅延回路と、
前記外部信号の前記第1及び第2の遷移に対応してそれぞれの前記第2の可変遅延回路から出力される遅延信号を合成する第1の合成回路と、
を備え、
前記第2の可変遅延回路は、請求項7乃至11のいずれか1項に記載のDLL回路における前記第1及び第2のワンショットパルス生成回路、前記第1及び第2のラッチ回路、及び、前記合成回路を備えている、DLL回路。
【請求項13】
メモリセルアレイとそのアクセス回路を有するメモリ制御回路と、
前記メモリセルアレイの入出力のタイミングを決定するDLL回路と、
を備え、
前記DLL回路は、請求項1乃至12のいずれか1項に記載のDLL回路よりなる、半導体装置。
【請求項14】
外部信号の遷移に対応して、遅延時間が異なる第1及び第2の遅延信号を作成し、
前記第1及び第2の遅延信号から第1及び第2のワンショットパルス信号を生成し、
前記第1及び第2のワンショットパルス信号に対応して、第1及び第2のラッチをセットし、
前記第1及び第2のラッチのセット出力に基づき、予め所定電圧に充電又は放電されたノードを放電又は充電し、前記ノードからDLL出力信号を生成し、
前記ノードの電圧が所定の値に達すると、前記第1及び第2のラッチをそれぞれリセットし、
前記外部信号の遷移に対して、前記外部信号と前記DLL出力信号とを比較し、前記比較結果に基づき、前記遅延信号の時間、及び/又は、前記ノードの放電又は充電時間、を調整する、DLL回路の制御方法。
【請求項15】
前記外部信号の立ち上がり遷移に対応する前記ノードの信号と、前記外部信号の立ち下がり遷移に対応する前記ノードの信号とを合成し、該合成した信号からDLL出力信号を生成する、請求項14記載のDLL回路の制御方法。
【請求項16】
前記DLL出力信号から前記ノードを前記所定電圧へリセットする、請求項14または請求項15記載のDLL回路の制御方法。
【請求項17】
前記第1及び第2の遅延信号の論理演算結果に基づきラッチをセットし、
前記DLL出力信号から前記ラッチをリセットし、
前記ラッチの出力から前記ノードを前記所定電圧へリセットする、請求項14または請求項15記載のDLL回路の制御方法。
【請求項18】
前記第1のセット出力に対応した前記充電又は放電の第1電流量と、
前記第2のセット出力に対応した前記充電又は放電の第2電流量と、
の比率を制御する、請求項14乃至17のいずれか1項に記載のDLL回路の制御方法。
【請求項19】
前記ワンショットパルス信号の生成においては、
前記遅延信号から第1遅延信号を生成し、前記遅延信号と前記第1遅延信号とを論理合成して第1論理信号を生成し、
前記遅延信号と前記第1論理信号とを論理合成して第2論理信号を生成し、
前記遅延信号と前記第2論理信号とを論理合成して前記ワンショットパルス信号を生成する、請求項14乃至18のいずれか1項に記載のDLL回路の制御方法。
【請求項20】
前記第1及び第2の遅延信号は予め定められた所定の遅延単位で設定され、
前記第1及び第2の遅延信号の位相差によって制御され、前記ノードの放電又は充電によって生成される前記DLL出力信号は、前記遅延単位よりも細かい遅延単位で設定される、請求項14乃至19のいずれか1項に記載のDLL回路の制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2010−62937(P2010−62937A)
【公開日】平成22年3月18日(2010.3.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−227324(P2008−227324)
【出願日】平成20年9月4日(2008.9.4)
【出願人】(500174247)エルピーダメモリ株式会社 (2,599)
【Fターム(参考)】