STI用の二酸化シリコンの高品質誘電体膜の形成:HARPII−遠隔プラズマ増強型堆積プロセス−のための異なるシロキサンベースの前駆物質の使用
【課題】基板上に形成されるギャップ内に誘電体層を堆積させる方法を提供する。
【解決手段】方法は、有機シリコン前駆物質と酸素前駆物質を堆積チャンバに導入するステップを含む。有機シリコン前駆物質のC:Si原子比は、8未満であり、酸素前駆物質は、堆積チャンバの外で生成される原子状酸素を含む。前駆物質が反応して、ギャップ内に誘電体層を形成する。ギャップを誘電材料で充填する方法も記載する。これらの方法は、C:Si原子比が8未満の有機シリコン前駆物質と酸素前駆物質を供給するステップと、前駆物質からプラズマを生成させて、ギャップ内に誘電材料の第一部分を堆積させるステップとを含んでいる。誘電材料がエッチングされてもよく、誘電材料の第二部分がギャップ内に形成されてもよい。誘電材料の第一部分と第二部分がアニールされてもよい。
【解決手段】方法は、有機シリコン前駆物質と酸素前駆物質を堆積チャンバに導入するステップを含む。有機シリコン前駆物質のC:Si原子比は、8未満であり、酸素前駆物質は、堆積チャンバの外で生成される原子状酸素を含む。前駆物質が反応して、ギャップ内に誘電体層を形成する。ギャップを誘電材料で充填する方法も記載する。これらの方法は、C:Si原子比が8未満の有機シリコン前駆物質と酸素前駆物質を供給するステップと、前駆物質からプラズマを生成させて、ギャップ内に誘電材料の第一部分を堆積させるステップとを含んでいる。誘電材料がエッチングされてもよく、誘電材料の第二部分がギャップ内に形成されてもよい。誘電材料の第一部分と第二部分がアニールされてもよい。
【発明の詳細な説明】
【関連出願の相互参照】
【0001】
[0001]本出願は2006年5月30日に出願された“前駆物質を含むシリコンと原子状酸素を用いた高品質の流動状二酸化シリコンの化学気相堆積”と題するIngleらの共同譲渡された米国仮特許出願第60/803,493号に関する。本出願は、また、2006年5月30日に出願された“二酸化シリコンの膜品質を向上させる新規な堆積プラズマ硬化サイクルプロセス”と題するChenらの共同譲渡された米国仮特許出願第60/803,481号に関する。本出願は、更に、2006年5月30日に出願された“ギャップ充填と共形膜適用のための低K膜の堆積及び硬化方法”と題するMunroらの共同譲渡された米国仮特許出願第60/803,489号に関する。本出願は、また更に、2006年5月30日に登録された“ボトムアップのギャップ充填のための誘電堆積プロセスとエッチバックプロセス”と題するLubomirskyの共同譲渡された米国仮特許出願第60/805,573号に関する。4件すべての出願の全体の内容はすべての目的に対しれ本明細書に援用されている。
【発明の背景】
【0002】
[0002]半導体デバイスの形状は、数十年前の導入以来、大きさが劇的に減少してきた。現代の半導体製造装置は、定期的に250nm、180nm、65nmの特徴部サイズでデバイスを作り、新しい装置が更に小さな形状のデバイスを作るように開発され、実施されている。しかしながら、より小さな大きさということは、デバイス素子がより緊密に一緒に動作しなければならないことを意味し、このことはクロストークや寄生容量を含む電気的干渉の機会が増加しうることになる。
【0003】
[0003]電気的干渉の度合いを低減するために、誘電絶縁材料を用いて、デバイス素子と金属配線と他のデバイスと特徴部間のギャップ、トレンチ、他の空隙を充填する。誘電材料は、デバイスの特徴部間の空隙に容易に形成され、その低誘電定数(即ち、“k-値”)に対して選択される。より低いk-値を持つ誘電体はクロストークとRC時間遅れを最小化するのにより優れており、またデバイスの全体の電力損失を低減もする。従来の誘電材料は、従来のCVD技術で堆積される場合に平均的k-値が4.0〜4.2である酸化シリコンを含んでいる。
【0004】
[0004]従来の酸化シリコンのk-値が多くのデバイス構造に対して受け入れられるものであるが、デバイス素子の大きさを更に低減し密度を増加させることは、半導体製造者により低いk-値を持つ誘電材料を探し続けさせてきた。一つの方法は、約3.4〜3.6ほどの低さの誘電定数を持つフッ素ドープされた酸化シリコン膜(即ち“FSG”膜)を作るべくフッ素で酸化シリコンをドープすることであった。他の方法は、水素シルセスキオキサン(HSQ)のような高い流動性を持つ前駆物質で基板を被覆して多孔質の低k膜を形成する、スピンオングラスの技術の開発であった。
【0005】
[0005]より最近は、シリコン-酸素-炭素(Si-O-C)膜が3.0以下のk-値で開発されてきた。これらの低k膜は、しばしば基板上に炭素-シリコンと酸素の前駆物質の化学気相堆積によって堆積される。これらのSi-O-C膜は純粋且つフッ素ドープされた酸化シリコン膜より低いk-値を持っているが、これらは、また、負の結果をもたらし得る実質的により多くの多孔性を持つ傾向がある。多孔膜は、膜のk-値を増加させ得る、水の吸収を増加させる傾向になる。多孔膜は、また、腐食や応力によるひび割れをよりもたらしがちな膜を作ることになる、より高い“ウェットエッチング速度比”(WERR)を持っている。従って、低減された多孔率、より低いWERR値、より低いひび割れの低k炭素ベースの膜を堆積させる新規な方法が求められている。これらと他の課題は本発明の実施形態により解決が図られる。
【発明の概要】
【0006】
[0006]本発明の実施形態は、基板上に形成されるギャップに誘電体層を堆積させる方法を含んでいる。この方法には、有機シリコン前駆物質と酸素前駆物質を堆積チャンバに導入するステップを含む場合がある。有機シリコン前駆物質は、C:Siの原子比が8未満である場合があり、酸素前駆物質は、堆積チャンバの外で生成される原子状酸素を含む場合がある。方法には、また、ギャップに誘電体層を形成する前駆物質を反応させるステップを含む場合がある。
【0007】
[0007]本発明の実施形態は、また、誘電材料でギャップを充填させる方法を含んでいる。この方法には、有機シリコン前駆物質と酸素前駆物質を堆積チャンバに供給するステップを含み、そこでは有機シリコン前駆物質が8未満のC:Siの原子比を有している。プラズマが堆積チャンバ内で前駆物質から生成されてもよく、そこではプラズマがギャップ内に誘電材料の第一部分を堆積させる。方法には、また、誘電材料の第一部分をエッチングして、材料における炭素含量を低減させるステップと、ギャップ内に誘電材料の第二部分を堆積させるステップとを含んでいる。ギャップ内における誘電材料の第一と第二の部分はアニールされてもよい。
【0008】
[0008]本発明の実施形態は、更にまた、基板上のギャップ内に誘電材料を堆積し、アニールする方法を含んでいる。この方法には、有機シリコン前駆物質と酸素前駆物質を堆積チャンバに供給するステップを含む場合があり、そこでは有機シリコン前駆物質が8未満のC:Siの原子比を有している。前駆物質を反応させて、ギャップ内に誘電材料を堆積させ、熱アニールが堆積された誘電材料上で行われてもよい。更に、プラズマアニールもまた、堆積された誘電材料上で行われてもよい。
【0009】
[0009]追加の実施形態と特徴が以下の説明において示され、部分的には明細書を調べる際に当業者に明白になるか、本発明を実施することによって学習されることになる。本発明の特徴及び利点は、明細書に記載される手段、組み合わせ、方法によって実現され獲得することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
[0010]本発明の特質と利点の理解は、更に、明細書の残りの部分と図面を参照することにより実現され、そこでは同じ符号が幾つかの図面全体に用いられて、同様の構成要素を表している。幾つかの例では、副次的表示が符号と関連付けられており、複数の同様の構成要素の一つを示すようにハイフンで続けられている。存在する副次的表示について明細書にない符号が参照される場合、すべてのこのような複数の同様の構成要素を表すことが意図されている。
【図1】図1は、本発明の実施形態による誘電体堆積の簡易化した概略を示すフローチャートである。
【図2】図2は、本発明の実施形態による誘電材料でギャップを充填する方法を示すフローチャートである。
【図3】図3は、本発明の実施形態による基板上のギャップに誘電材料を堆積しアニールするステップを示すフローチャートである。
【図4】図4は、本発明の実施形態による多層酸化シリコン膜を製造する方法を示すフローチャートである。
【図5A】図5Aは、本発明の実施形態による多層酸化シリコン膜で進行的に充填されるギャップ構造を持つ基板を示す図である。
【図5B】図5Bは、本発明の実施形態による多層酸化シリコン膜で進行的に充填されるギャップ構造を持つ基板を示す図である。
【図5C】図5Cは、本発明の実施形態による多層酸化シリコン膜で進行的に充填されるギャップ構造を持つ基板を示す図である。
【図5D】図5Dは、本発明の実施形態による多層酸化シリコン膜で進行的に充填されるギャップ構造を持つ基板を示す図である。
【図5E】図5Eは、本発明の実施形態による多層酸化シリコン膜で進行的に充填されるギャップ構造を持つ基板を示す図である。
【図5F】図5Fは、本発明の実施形態による多層酸化シリコン膜で進行的に充填されるギャップ構造を持つ基板を示す図である。
【図6A】図6Aは、本発明の実施形態による酸化シリコン層を形成するために用いることができる基板処理システムを示す縦断面図である。
【図6B】図6Bは、本発明の実施形態による基板処理システムのシステムモニタ/コントローラ構成要素を示す簡略化された図である。
【発明の詳細な説明】
【0011】
[0018]基板上のギャップ内および表面上に誘電材料を堆積するシステムと方法を記載する。誘電材料は、従来のテトラエトキシシロキサン(TEOS)より炭素原子とシリコン原子とのより低い比(C:Si比)を持つ有機シリコン化合物から形成することができる。これらの化合物を酸素前駆物質とを組み合わせることによって形成される誘電体膜は、初期に堆積されたTEOSベースの酸化シリコンより、典型的には、炭素含量が少なく、多孔性が低く、WERRが低い。このことにより、膜がTEOSベースの酸化膜よりひび割れ、ボイド形成、水吸収、及び/又は収縮に対する感受性をより低くする。
【0012】
[0019]有機シリコン化合物の酸素原子とシリコン原子の比(O:Si)比は、また、TEOSのO:Si比に等しいか、より大きい。低いC:Si比と高いO:Si比を持つ有機シリコン前駆物質は、シリコンの前駆物質としてTEOSのみを用いる従来製造された酸化物より、炭素含量がより低い、より高品質の酸化シリコン膜を生成する。実施形態は、また、分子構造に一つ以上のSi-O-Si結合を持つ有機シリコン前駆物質を含んでいる。Si前駆物質におけるこの結合は、炭素基とヒドロキシル基から汚染が低減されたSiOx膜の形成を促進する。
【0013】
[0020]有機シリコン化合物は、また、Si-O基に容易に酸化させることができるハロゲン基と窒素基を含むハロゲン化されたシロキサンとシラゾキサンを含んでもよい。ハロゲン化シロキサンは、オクタクロロトリシロキサン(OCTS)のような塩化シロキサンを含んでもよく、そのSi-O基は、炭素レベルが低減されたSi-O基に分子状酸素、オゾン、二酸化窒素、過酸化水素等によって容易に酸化することができる。同様に、ヘキサメトキシジシラゾキサン(HMDS-H)のようなシラゾキサンは、Si-O基に容易に酸化することができるSi-N基を有している。
【0014】
[0021]有機シリコン化合物は、堆積された誘電体膜にSi-O基の形成を更に増加させるように堆積チャンバ内の反応性原子状酸素前駆物質に導入することができる。原子状酸素は、有機シリコン前駆物質と反応するように堆積チャンバ内に送られる前に、例えば、離れたところの高密度プラズマ生成器を用いて堆積チャンバの外であらかじめ生成されてもよい。得られた酸化シリコン層は、堆積チャンバ内で有機シリコン前駆物質と分子酸素、オゾン等と反応させることにより形成される従来の酸化膜より改良された流動性とギャップ流れ特性を持ち、且つより低い炭素含量と多孔性を持ち得る。本発明の方法、製品、及びシステムの実施形態に関する追加の詳細をここに述べる。
【0015】
例示的誘電体堆積法
[0022]図1は、本発明の実施形態による誘電体堆積の簡易化した概略を示すフローチャートである。図示される方法100は、有機シリコン前駆物質102と酸素前駆物質104を堆積チャンバに導入することを含んでいる。前駆物質はチャンバ内で反応して、基板106のギャップ内と表面上に誘電体層を形成する。
【0016】
[0023]堆積チャンバ内に導入される有機シリコン前駆物質は、8未満のC:Si原子比(例えば、C:Si原子比7、6、5、4、3、2、又は1以下)を持つ場合がある。このことは各シリコン原子の存在に対して有機シリコン前駆物質分子内に8つより少ない炭素原子があることを意味する。比較すると、以下に示されるテトラエトキシシロキサン(TEOS)分子は、シリコンの各原子に対して8つの炭素原子(即ち、C:Si比8)を持っている。
【0017】
【化1】
【0018】
[0024]有機シリコン前駆物質は、他のシロキサン化合物の中でもトリエトキシシロキサン(TRIES)、テトラメトキシシロキサン(TMOS)、トリメトキシシロキサン(TRIMOS)、ヘキサメトキシジシロキサン(HMODS)、オクタメトキシトリシロキサン(OMOTS)、及び/又はオクタメトキシドデカシロキサン(OMODDS)のようなシロキサン化合物である。
【0019】
【化2】
【0020】
[0025]有機シリコン化合物は、また、一つ以上の窒素基を含むシラゾキサン化合物であってもよい。シラゾキサン化合物は、他のシラゾキサン化合物の中でもヘキサメトキシジシラゾキサン(HMDS-H)メチルヘキサメトキシジシラゾキサン(HMDS-CH3)、クロロヘキサメトキシジシラゾキサン(HMDS-Cl)、ヘキサエトキシジシラゾキサン(HEDS-H)、ノナメトキシトリシラゾキサン(NMTS)、オクタメトキシサイクリックシラゾキサン(OMCS)を含んでいるのがよい。
【0021】
【化3】
【0022】
[0026]有機シリコン化合物は、更に、一つ以上のハロゲン基(例えば、フッ素基、塩素基、臭素基、又はヨウ素基)を含むハロゲン化シロキサンでもよい。例えば、ハロゲン化シロキサンは、他の塩素化シロキサン化合物の中でもテトラクロロシラン(TECS)、ジクロロジエトキシシロキサン(DCDES)、クロロトリエトキシシロキサン(CTES)、ヘキサクロロジシロキサン(HCDS)、及び/又はオクタクロロトリシロキサン(OCTS)のような塩素化シロキサン化合物であるのがよい。
【0023】
【化4】
【0024】
[0027]有機シリコン化合物は、また、約0、0.5、1、2、3、4、5、6以上のO:Si比を持ってもよい。例えば、TMOSのO:Si原子比は、4(TEOSと同一)である。TRIESやTRIMOSのような他の有機シリコン化合物のO:Si比は、3である。HCDSのようななお他のもののO:Si比は0.5であり、TECSのO:Si比は0である。
【0025】
[0028]有機シリコン前駆物質は、更に、他の有機シリコン化合物の中でもHMODS、OMOTS、OMODDS、HCDS、OCTSに見られるようにSi-O-Si結合を含んでもよい。Si前駆物質におけるこの結合は、炭素基とヒドロキシル基から汚染が低減されたSiOX膜の形成を促進させる。
【0026】
[0029]有機シリコン前駆物質は、なお更に、他の化合物の中でもトリシリルアミン(TSA)、ヘキサメチルジシラザン(HMDS)、シラトレラン、テトラキス(ジメチルアミノ)シラン、ビス(ジエチルアミノ)シラン、トリス(ジメチルアミノ)クロロシラン、メチルシラトランのようなアミノシランを含むのがよい。
【0027】
【化5】
【0028】
[0030]有機シリコン前駆物質は、なお更に、アルコキシジシラン、アルコキシアルキルジシラン、アルコキシジシランを含むジシランを含んでもよい。アルコキシジシランは
【0029】
【化6】
【0030】
を含んでもよく、ここで、R1-6は、独立してC1-3アルキルオキシ基であってもよい。例えば、アルコキシジシランは、他のアルコキシジシランの中でもヘキサメトキシジシランやヘキサエトキシジシランを含んでもよい。
【0031】
[0031]アルコキシジシランは、また、アルコキシ基がSi部分に結合された環状ジシラン化合物を含んでもよい。例えば、アルコキシシクロシランは、他の中でもオクタエトキシシクロブタシラン、デカブタオキシシクロペンタシラン、ドデカメトキシシクロヘキサシランを含むのがよい。アルコキシジシランの幾つかの例を以下に示す:
【0032】
【化7】
【0033】
[0032]アルコキシアルキルジシランは、以下を含んでもよい:
【0034】
【化8】
【0035】
(ここで、R7-12は、独立して、C1-3アルキル基又はC1-3アルキルオキシ基であってもよく、R7-12の少なくとも一つは、アルキル基であり、R7-12の少なくとも一つは、アルキルオキシ基である)。アルコキシアルキルジシランは、また、少なくとも一つのアルキルとアルコキシ基がそれに結合された、ブタシラン、ペンタシラン、ヘキサシラン、ヘキサシラン、ヘプタシラン、オクタシラン等のアルキル部分とアルコキシ部分を持つ環状ジシランを含んでもよい。例としては、他のアルコキシアルキルシクロシランの中でもオクタメチル-1,4-ジオキサ-2,3,5,6-テトラシラシクロヘキサン;1,4-ジオキサ-2,3,5,6-テトラシラシクロへキサン;1,2,3,4,5,6-ヘキサメトキシ-1,2,3,4,5,6-ヘキサメチルシクロヘキサシランが挙げられる。アルコキシアルキルジシランの幾つかの例を以下に示す:
【0036】
【化9】
【0037】
[0033]アルコキシアセトキシジシランは、以下を含んでもよい:
【0038】
【化10】
【0039】
(ここで、R13-17は、独立して、C1-3アルキル基、C1-3アルコキシ基、又はアセトキシ基であり、R13-17の少なくとも一つは、アルコキシ基であり、R13-17の少なくとも一つは、アセトキシ基である)。
【0040】
[0034]有機シリコン前駆物質は、また更に、シクロブタシラン、シクロペンタシラン、シクロヘキサシラン、シクロヘプタシラン、シクロオクタシラン等の有機シクロシランを含んでもよい。
【0041】
[0035]酸素前駆物質は、分子酸素(O2)、オゾン(O3)、窒素-酸素化合物(例えば、NO、NO2、N2O等)、水素-酸素化合物(例えば、H2O、H2O2等)だけでなく、他の酸素含有前駆物質や前駆物質の組み合わせも含んでもよい。ある実施形態において、酸素前駆物質は、有機シリコン前駆物質とともに離れたところで生成され、堆積チャンバに導入される原子状酸素基を含んでもよい。
【0042】
[0036]ここで図2を参照すると、本発明の実施形態によるギャップを誘電材料で充填する方法200を示すフローチャートが図示される。方法200は、基板を堆積チャンバに準備するステップと、次に有機シリコン前駆物質202と酸素前駆物質204をチャンバに導入するステップとを含む場合がある。基板は、半導体ウエハ(例えば、200mm、300mm、400mm等のシリコンウエハ)であってもよく、初期のプロセスで形成された構造、デバイス構成要素等を含んでもよい。例えば、基板は、高さと幅のアスペクト比(例えば、5:1以上、6:1以上、7:1以上、8:1以上、9:1以上、10:1以上、11:1以上、12:1以上等のアスペクト比)を持つギャップ、トレンチ等を含んでもよい。誘電材料は、基板のギャップと他の表面に堆積される。
【0043】
[0037]上述のように、有機シリコン前駆物質は、シロキサン、ハロゲン化シロキサン、及び/又はシラゾキサン化合物を含むのがよく、C:Si原子比が8未満の有機シリコン化合物を含むのがよい。シリコン前駆物質は、堆積チャンバへの導入前或いは導入中にキャリヤガスと混合されてもよい。キャリヤガスは、基板上の酸化膜の形成に過度に干渉しない不活性ガスであり得る。キャリヤガスの例としては、他のガスの中でも、ヘリウム、ネオン、アルゴン、水素(H2)が挙げられる。
【0044】
[0038]例えば、有機シリコン前駆物質は、有機シリコン化合物(気体或いは液体)とヘリウムとを室温の有機シリコン前駆物質によって約600〜約2400sccmの流速で混合して、前駆物質の流れをチャンバ内に約800〜約1600mgmの速度で与えることによって堆積チャンバに導入されてもよい。
【0045】
[0039]酸素前駆物質は、分子酸素(O2)、オゾン(O3)、窒素-酸素化合物(例えば、NO、NO2、N2O等)、水素-酸素化合物(例えば、H2O、H2O2等)、炭素-酸素化合物(例えば、CO、CO2等)だけでなく、他の酸素含有前駆物質や前駆物質の組み合わせを含んでもよい。方法300に対して以下により詳細に記載されるように、酸素前駆物質は、また、別に生成され、堆積チャンバへ有機シリコン前駆物質とともに導入される原子状酸素基を含んでもよい。
【0046】
[0040]方法200は、堆積チャンバ内で前駆物質からプラズマを生成するステップと、誘電材料206の第一部分を形成するステップとを含んでもよい。方法200の実施形態において、酸素と有機シリコン前駆物質は、堆積チャンバに導入される前には混合されない。前駆物質は、反応チャンバの周りに分配された別々の空間的に分離された前駆物質注入口を通じてチャンバに入ることができる。例えば、酸素前駆物質は、チャンバの最上部の一つの注入口(或いは複数の注入口)から入ってもよく、直接基板の上に位置決めされてもよい。注入口は、酸素前駆物質の流れを基板堆積面に垂直の方向に進ませる。他方、シリコン前駆物質は、堆積チャンバの側面の周りの一つ以上の注入口から入ってもよい。注入口は、シリコン前駆物質の流れを堆積面にほぼ平行な方向に進ませてもよい。
【0047】
[0041]酸素と有機シリコンのプラズマが堆積チャンバで反応するので、それは基板堆積面上に酸化シリコン誘電体層の第一部分を形成する。はじめの酸化物層は、優れた流動性を有し、堆積面にあるギャップ、トレンチ、ボイド、継ぎ目等にすばやく移動させることができる。これにより、方法200が高さと幅のアスペクト比が大きい(例えば、約5:1、6:1、6:1、8:1、9:1、10:1、11:1、12:1以上のAR(アスペクト比))を持つギャップ、トレンチ、他の表面構造に実質的にボイドや継ぎ目のない酸化物充填を行うことを可能にさせる。
【0048】
[0042]誘電材料の第一部分が形成された後、チャンバ内への前駆物質の流れは停止してもよく、材料をエッチングすることができる(ステップ208)。エッチングステップを用いて、材料中の不純物を解離させ、除去し、更に、材料を平坦化することができる。エッチングプロセスは、単一ステップのエッチング、或いは複数ステップのエッチングを含む場合がある。複数ステップのエッチングプロセスは、低密度のプラズマを用いて、誘電材料中のより大きな有機分子を解離させ、炭素の少なくとも一部を除去するステップを含んでもよい第一エッチングを含んでもよい。この低密度プラズマエッチングは、RPSシステムを用いて、酸化物層をエッチングするAr/O2プラズマを生成するステップを含んでもよい。エッチング条件は、例えば、約5500ワット電力で1600sccmのO2と400sccmのアルゴンの流れからプラズマを衝突させるステップと、760ミリトールの圧力で堆積チャンバ内にそれを導入するステップを含んでもよい。このプラズマエッチングは、より大きな炭素基を解離させ、且つ酸化物層から炭素不純物を除去することができる。
【0049】
[0043]このエッチングに続いて、酸化物層の第二エッチングがより高いプラズマ密度で行われて、層内のヒドロキシル基の少なくとも一部を除去することができる。このより高密度のプラズマエッチングは、高電力のRFフィールド(例えば、6000ワット)を持つ分子酸素の流れ(例えば、600sccm)の解離で形成されるプラズマに層を曝すステップを含んでもよい。酸素プラズマは、例えば、8ミリトールの圧力で堆積チャンバに導入され、酸化物層において-OH基と反応して、二酸化シリコンと水を形成することができる。
【0050】
[0044]第一層のエッチングに続いて、前駆物質を堆積チャンバに再導入し、反応させて、基板210のギャップと他の表面の誘電材料の第二部分を形成する。第二部分は、また、第一層と同じ反応条件下で形成される酸化物層であっても、別の条件(例えば、チャンバ圧、温度、有機シリコン前駆物質等)下で形成されてもよい。
【0051】
[0045]第二層が形成された後、それをエッチングして、不純物レベルを低減し更に/又は層を平坦化してもよい。第二層は、第一層をエッチングするのに用いたのと同じプロセスを用いてエッチングされても、別のプロセス(例えば、異なる数のエッチングステップ、異なるエッチング前駆物質、異なる電力レベル等)を用いてエッチングされてもよい。
【0052】
[0046]誘電材料の第一と第二の部分の形成と処理(また、堆積させることができるいかなる後続の部分も)に続いて、材料をアニールして212、均一な高品質の酸化シリコンギャップ充填を形成することができる。最終のギャップ充填は、誘電定数(即ち、k-値)が3.0未満で、ウェットエッチ速度比(WERR)が2:1未満(例えば、約1.8:1〜約1.4:1)であってもよい。ギャップ充填は、充填量全体に一様であり、仮にあってもわずかなボイドと継ぎ目しかないものになる。
【0053】
[0047]図3は、本発明の追加の実施形態による基板上のギャップ内に誘電材料を堆積させ、アニールするステップを示すフローチャートである。方法300は、堆積チャンバ302に有機シリコン前駆物質を導入するステップを含む。方法300は、また、分子酸素(O2)、オゾン(O3)、窒素-酸素化合物(例えば、NO、NO2、N2O等)、水素-酸素化合物(例えば、H2O、H2O2等)、炭素-酸素化合物(例えば、CO、CO2等)だけでなく、他の酸素を含有する前駆物質や前駆物質の組み合わせのような酸素含有前駆物質の解離によって高度に反応性の原子状酸素前駆物質304を生成するステップを含む。
【0054】
[0048]酸素含有前駆物質は、別のところで解離させて、原子状酸素にすることができる。解離プロセスは、他の方法の中でも、熱解離、紫外光解離、及び/又はプラズマ解離を含んでもよい。プラズマ解離は、別のプラズマ生成チャンバ内でヘリウム、アルゴン等からプラズマを衝突させることと、酸素前駆物質をプラズマに導入して、原子状酸素前駆物質を生成することを含んでいる。例えば、原子状酸素は、RF電力の4000〜6000ワット(例えば、5500ワット)を、例えば、900〜1800sccmで流れるアルゴンガスと、例えば、約600〜約1200sccmで流れる分子酸素(O2)の合わせたガス流に供給する別の場所にある高密度プラズマ生成器において生成される場合がある。
【0055】
[0049]反応性原子状酸素プラズマを次に堆積チャンバ306に導入し、そこで堆積チャンバに導入される有機シリコン前駆物質と初めて混合させることができる。高度に反応性の原子状酸素は、適度な温度(例えば、100℃未満の反応温度)と圧力(例えば、0.5〜6トールの全チャンバ圧)においてシリコン前駆物質308(と反応チャンバ内に存在する他の堆積前駆物質)と反応する。
【0056】
[0050]実施形態は、複数のポートを持つシャワーヘッドの別々のポートを通じて原子状酸素とシリコン前駆物質を送るステップを含んでいる。例えば、基板の上に位置決めされたシャワーヘッドは、堆積チャンバに入るように前駆物質に対して開口のパターンを含んでもよい。開口の一つは、原子状酸素前駆物質によって供給されてもよく、一方、開口の第二のものは、シリコン前駆物質によって供給される。別のセットの開口を通じて進行する前駆物質は、堆積チャンバに出て行くまで相互に流動的に分離されるのがよい。装置を操作する前駆物質の種類と設計に関する追加の詳細は、2006年5月30日に出願された“誘電ギャップ充填のプロセスチャンバ”と題するLubomirskyらに共同譲渡された米国仮特許出願第60/803,499号に記載されており、その全体の内容はすべての目的に対して本明細書に援用されている。
【0057】
[0051]前駆物質がチャンバ内で他方と反応するので、誘電体層は基板310上に堆積される。堆積中のチャンバ内の全圧力は、例えば、約0.5トール〜約6トールである。より高い全圧(例えば、1.3トール)は、より流動状の品質を持つ酸化物膜を堆積させることができ、一方、より低い圧力(例えば、0.5トール)は、よりコンフォーマルな酸化物層を堆積させることができる。反応チャンバ内の堆積温度は、相対的に低い(例えば、約100℃以下)温度である場合がある。堆積速度は、約500オングストローム/分〜約3000オングストローム/分(例えば、1500オングストローム/分)の範囲であってもよい。層の厚さは、約50オングストローム〜約500オングストローム(例えば、約100オングストローム〜200オングストローム)であってもよい。
【0058】
[0052]誘電体層の堆積に続いて、水分の一部を除去するとともに層の硬度さを増加させる第一アニールが行われる(ステップ312)。この最初のアニールステップは、不活性環境(例えば、乾燥N2環境)で約1分〜10分間酸化物層を熱する工程を含んでいる。酸化物層がアルミニウムの金属配線の上に堆積されている金属間の誘電体であるときのように基板構造に形成される金属配線を傷つけない熱アニールの温度を選択する場合がある。
【0059】
[0053]代わりの(或いは追加として)第一アニールステップは、酸化シリコン層を紫外(UV)光に約1分〜約30分間曝す工程を含んでいる。熱アニールの様に、UVアニールは最初に堆積された酸化物膜に存在する水分の一部を除去し、また膜の高度を増加させることができる。
【0060】
[0054]第一アニールの終了後、第二アニールステップが酸化物層から水分とシラノール結合を更に除去するように行われてもよい(ステップ314)。このアニールステップ314において水分とシラノールのほぼすべてが除去されて、初めに堆積された酸化物層か又は層が第一アニールステップにおいて処理された後よりも、より低いk-値とより低いWERR値を層に与えることができる。この第二アニールは、水とシラノール基を誘電体酸化物から除去するのに効率的なプラズマに酸化物層を曝す工程を含んでいる。しかしながら、第一アニールに続いて、酸化物層はプラズマを酸化物に存在する炭素基を分離することから低減(或いは回避)させるのに充分な硬度を持っている。従って、低k炭素含有酸化物層に対して、プラズマアニールは層のk-値を著しく増加させるのに充分な炭素を除去しない。
【0061】
[0055]ここで図4を参照すると、本発明の実施形態による多層酸化シリコン膜の製造方法400を示す他のフローチャートが図示される。方法400は、基板を堆積チャンバ402に準備するステップと、チャンバ404に前駆物質(例えば、原子状酸素と有機シリコン前駆物質)を導入するステップを含んでいる。前駆物質が反応して、基板406上に酸化シリコン層を形成し、次に酸化物層をエッチングされる場合がある(ステップ408)。
【0062】
[0056]この時点で、堆積された酸化物層の累積の厚さが所定の点410に到達したかを決定するためのチェックがなされる場合がある。全体の酸化物膜の所定の厚さのレベルに到達した場合には、次に堆積とエッチングのサイクルは終了してもよく、膜はアニールされてもよい(ステップ412)。しかしながら、厚さのレベルが適合されない場合には、次に他の酸化物堆積とエッチングサイクルが酸化物膜に少なくとももう一つの追加層を加えることが発生する場合がある。
【0063】
[0057]酸化物膜が所定の厚さに到達したかどうか決めることは、堆積されエッチングされた層の厚さ測定によってなされても、望ましい膜厚に到達するのに必要な層の数を計算することによってなされてもよい。例えば、各々の堆積されエッチングされた層が100オングストロームの厚さで望ましい膜厚が1.2μmである場合には、12回の堆積とエッチングサイクルが膜を形成するのに実施されなければならない。各々の堆積された層の厚さは、他のパラメータの中でも反応性前駆物質の種類と流速、堆積チャンバの全圧、温度のような酸化物堆積速度に影響するパラメータを制御することによって設定される。上述したように、酸化物層の典型的堆積速度は、約500オングストローム/分〜約3000オングストローム/分(例えば、1500オングストローム/分)である。
【0064】
[0058]図5A-図5Fは、複数サイクルの堆積-エッチング酸化物層形成プロセスの実施形態を用いて多層酸化シリコン膜で進行的に充填されるギャップ構造を持つ基板を示す図である。図5Aは、ギャップ504が形成された基板502を示す図である。図5A-図5Fに示されるギャップ504が酸化物充填層の進行をより明白に示すために相対的に低いアスペクト比を持って描かれていることは理解されることである。本ギャップ充填法の実施形態は、アスペクト比が5:1、6:1、7:1、8:1、9:1、10:1、11:1、12:1,13:1、14:1、15:1以上のギャップへのボイドと継ぎ目のない堆積を含んでいる。
【0065】
[0059]図5Bは、ギャップ504に堆積される第一酸化物層506aを示す図である。層を形成した酸化シリコンは、良好な流動性品質を持ち、膜をギャップ504の底にすばやく移動させることができる。従って、ギャップ504の底において堆積された酸化物の厚さは、ギャップの側壁に沿った酸化物厚さより大きくなり得る。
【0066】
[0060]図5Cと図5Dは、ギャップ504において以前に堆積されエッチングされた層上に堆積される追加の酸化物層506b、506c等を示す図である。これらの追加の層は、望ましい酸化物膜厚のレベルが到達されるまで(例えば、ギャップ504の最上部)、ギャップ504内に底から形成されていくことになる。
【0067】
[0061]複数の酸化物層の最後が堆積されエッチングされると、アニールが行われて、図5Eに示されるように一様な膜508の中に層を形成することができる。膜は、例えば、プラズマエッチング或いはCMPによって平坦化されて、ギャップ504の最上部の上に形成される堆積材料を除去することができる。図5Fは、あってもごくわずかなボイド或いは継ぎ目を持ち、且つ高い膜品質と誘電特性を持つ残存の酸化シリコンのギャップ充填510を示す図である。
【0068】
例示的基板処理システム
[0062]本発明の実施形態を実施することができる堆積システムは、他の種類のシステムの中でも、高密度プラズマ化学気相堆積(HDP-CVD)システム、プラズマ増強型化学気相堆積(PECVD)システム、大気圧未満化学気相堆積(SACVD)システム、熱化学堆積気相システムを含むのがよい。本発明の実施形態を実施することができるCVDシステムの個々の例としては、カリフォルニア州サンタクララのAppliedMaterials社から入手可能なCENTURA ULTIMATMHDP-CVDチャンバ/システムやPRODUCERTMRECVDチャンバ/システムが挙げられる。
【0069】
[0063]本発明の例示的方法において使用し得る基板処理システムの例としては、2006年5月30日に出願された“誘電ギャップ充填のプロセスチャンバ”と題するLubomirskyらに共同譲渡された米国仮特許出願第60/803,499号に図示され説明されているものが含まれてもよく、その全体の内容はすべての目的に対して本明細書に援用されている。追加の例示的システムには、米国特許第6,387,207号と同第6,830,624号に図示され説明されるものが含まれてもよく、その開示内容はすべての目的に対して本明細書に援用されている。
【0070】
[0064]ここで図6Aを参照すると、チャンバ壁15aとチャンバリッドアセンブリ15bを含む真空チャンバ或いは処理チャンバを有するCVDシステムの縦断面図10が示される。CVDシステム10は、プロセスチャンバ15内の中央に位置する加熱されたペデスタル12の上に置かれた基板(図示せず)にプロセスガスを分散するためのガス分配マニホールド11を含有している。ガス分配マニホールド11は、容量性プラズマを形成するための電極として機能するために電気的導電材料で形成される場合がある。処理中、基板(例えば、半導体ウエハ)は、ペデスタル12の平らな(或いはわずかに凸状の)表面12a上に位置決めされる。ペデスタル12は、下方の取り付け/取り外し位置(図6Aに示されている)とマニホールド11に密接に隣り合う上方の処理位置(図6Aにおいて破線で示される)の間を制御可能に移動させることができる。センタボード(図示せず)は、ウエハの位置に関する情報を提供するためのセンサを含んでいる。
【0071】
[0065]堆積ガスとキャリヤガスが従来の平らな円形のガス分配フェースプレート13aの穿孔された穴13bを通してチャンバ15に導入される。より詳しくは、堆積プロセスガスが注入マニホールド11を通って、従来の穿孔された阻止プレートを通って、次にガス分配フェースプレート13aの穴13bを通ってチャンバ内に流れる。
【0072】
[0066]マニホールド11に到達する前に、堆積ガスとキャリヤガスは、ガス供給ラインを通じてガス源から混合システムに入力され、そこでこれらは混ぜ合わされ、次にマニホールド11へ送られる。一般に、各プロセスガスに対する供給ラインは、(i)チャンバ内へのプロセスガスの流れを自動的に或いは手動で遮断するために使用し得る幾つかの安全用遮断バルブ(図示せず)と(ii)供給ラインを通してガスの流れを計測するマスフローコントローラ(これも図示せず)を含んでいる。プロセスに毒性ガスが用いられる場合、幾つかの安全用遮断バルブが従来の構成において各ガス供給ライン上に位置決めされる。
【0073】
[0067]CVDシステム10において行われる堆積プロセスは、熱プロセスかプラズマ強強型プロセスのいずれかでも可能である。プラズマ増強型プロセスでは、プロセスガス混合物を励起してフェースプレート13aとペデスタル12の間の円筒状領域内でプラズマを形成させるようにRF電力供給がガス分配フェースプレート13aとペデスタル12の間に電力を加える。(この領域は、本明細書において“反応領域“と呼ぶ)。プラズマの成分が反応して、ペデスタル12の上に支持される半導体ウェファの表面上に所要の膜を堆積させる。RF電源は、真空チャンバ室15に導入される反応性化学種の分解を高める13.56MHzの高RF周波数(RF1)と360kHzの低RF周波数(RF2)で典型的に電力を供給する混合周波数RF電源である。熱プロセスにおいて、RF電源は用いられず、プロセスガス混合物が熱的に反応して、抵抗的に加熱されて反応に対して熱エネルギを与えるペデスタル12に支持される半導体ウエハの表面上に所要の膜を堆積させる
【0074】
[0068]プラズマ増強型堆積プロセス中に、プラズマは排出通路23と遮断バルブ24を取り囲むチャンバ本体の壁15aを含む全プロセスチャンバ10を加熱する。プラズマが投入されず、或いは熱堆積プロセス中は熱い液体がプロセスチャンバ15の壁15aを通じて循環されて、チャンバを高温に保持する。チャンバ壁15aの残りの部分の通路は図示されていない。チャンバ壁15aを加熱するために用いられる液体は、典型的な液体の種類、即ち、水をベースにしたエチレングリコールかオイルをベースにした熱転移液を含んでいる。この加熱(“熱交換器”による加熱を意味する)は、望ましくない反応種生成物の凝縮を有益に低減或いは排除し、これらが冷却真空通路の壁に凝縮するとともにガスの流れがない期間、処理チャンバに戻ろうとする場合にはプロセスを汚染することになるプロセスガスの揮発性生成物と他の汚染物の排除を改善する。
【0075】
[0069]反応の副産物を含む、層に堆積されないガス混合物の残りは、真空ポンプ(図示せず)によってチャンバ15から排出される。特に、ガスは反応領域を取り囲む環状のスロット型をしたオリフィス16を通じて環状の排出プレナムに排気される。環状スロット16とプレナム17は、チャンバの円筒側壁15aの最上部(壁上の上部誘電体内張りを含む)と円形チャンバリッド20の底の間のギャップによって画成される。スロットオリフィス16とプレナム17の360度円形対称性と均一性は、ウエハ上に均一な膜を堆積させるようにウエハの上にプロセスガスの均一な流れを得るのに重要である。
【0076】
[0070]排出プレナム17からガスは排出プレナム17の横方向の延長部21の下を流れ、下方向に伸びているガス通路23に通じる監視ポート(図示せず)を通り、真空遮断バルブ24(その本体は下部チャンバ壁15aにまとめられている)を通り、フォアライン(これも図示せず)に通じる外部真空ポンプに接続する排出口25に流れる。
【0077】
[0071]ペデスタル12のウエハ支持プラッタ(好ましくはアルミニウム、セラミック、或いはその組み合わせ)は、平行な同心円の形で2回のフル回転をするように構成されたヒータ素子に組み込まれた組み込み型の単一ループを用いて抵抗的に加熱される。ヒータ素子の外側の部分は、支持プラッタの周辺に隣接して取り付けられており、一方内側の部分は、より小さな半径を持つ同心円の通路の上を通っている。ヒータ素子への結線は、ペデスタル12の軸を通って配線される。
【0078】
[0072]典型的には、チャンバの内張りのいずれか或いはすべて、ガス注入口のマニホールドのフェースプレートと、様々な他のリアクタのハードウェアは、アルミニウム、陽極酸化処理されたアルミニウム、又はセラミックのような材料からできている。このようなCVD装置の例は、Zhaoらに発行された“CVD処理チャンバ”と題する共同譲渡された米国特許第5,558,717号に記載されており、この開示内容は本明細書に全体で援用されている。
【0079】
[0073]リフト機構とモータ32(図6A)は、ウエハがチャンバ10の横に挿入/取り外しの開口26を通してロボットのブレード(図示せず)により、チャンバ15の本体の内外に搬送されるようにヒータペデスタルアセンブリ12とそのウエハリフトピン12bを上下する。モータ32は、処理位置14と下部ウエハ設置位置の間のペデスタル12を上下する。この幾つかのみが図示されている、モータ、供給ラインに接続されたバルブ或いはフローコントローラ、ガス分配システム、スロットルバルブ、RF電源、チャンバと基板加熱システムは、制御線を通してシステムコントローラによってすべて制御される。コントローラは、光学センサからのフィードバックに依存して、コントローラの制御によって適当なモータで移動させるスロットルバルブとサセプタのような可動型メカニカルアセンブリの位置を決定する。
【0080】
[0074]例示的実施形態において、システムコントローラは、ハードディスクドライブ(メモリ)と、フロッピィディスクドライブと、プロセッサとを含んでいる。プロセッサは、シングルボードのコンピュータ(SBC)、アナログとディジタルの入/出力ボード、インタフェースボード、ステッパモータコントローラボードを含有している。CVDシステム10の様々な部分は、ボード、カードの入れ物、コネクタの寸法と種類を画成するVersaModular European(VME)標準に従っている。VME標準は、また、16ビットのデータバスと24ビットのアドレスバスを持つバス構造も画成している。
【0081】
[0075]システムコントローラは、CVD装置のすべての活動を制御する。システムコントローラは、メモリーのようなコンピュータ読み出し媒体に記憶されるコンピュータプログラムであるシステム制御ソフトウェアを実行する。メモリがハードディスクドライブであることが好ましいが、メモリはまた他の種類のメモリであってもよい。コンピュータプログラムは、具体的なプロセスのタイミング、ガスの混合物、チャンバ圧、チャンバ温度、RF電力レベル、サセプタの位置、他のパラメータを示す指示命令の集合を含むものである。例えば、フロッピーディスク或いは他の適当なドライブを含む他の記憶装置に記憶された他のコンピュータプログラムもまたコントローラを操作するために用いることができる。
【0082】
[0076]基板上に膜を堆積させるプロセス或いはチャンバ15を洗浄するプロセスは、コントローラによって実行されるコンピュータプログラム製品を用いて実施され得る。コンピュータプログラムコードは、いかなる従来のコンピュータ読み出しプログラム言語においても書かれることができる:例えば、68000アセンブリ言語、C、C++、パスカル、フォートラン等の言語。適当なプログラムコードは、従来のテキストエディタを用いて単一のファイル或いは複数のファイルに入れられ、コンピュータのメモリシステムのようなコンピュータ使用可能な媒体に記憶されるか又は具体化される。入力されたコードテキストが高いレベルの言語であれば、コードはコンパイルされ、得られたコンパイラコードは、次にあらかじめコンパイルされたマイクロソフトウィンドウズ(登録商標)のライブラリルーチンのオブジェクトコードとリンクされる。リンクされコンパイルされたオブジェクトコードを実行するために、システムユーザはメモリにおけるコードをコンピュータシステムにロードさせるオブジェクトコードを呼び出す。次にCPUは、プログラムに識別されたタスクを行うように読み出し実行する。
【0083】
[0077]ユーザとコントローラの間のインタフェースは、一つ以上のチャンバを含むことができる基板処理システムにおけるシステムモニタとCVDシステム10の簡略化した図である図6Bに示されるCRTモニタ50aとライトペン50bを介して行われる。好ましい実施形態において、二つのモニタ50aが用いられ、一方は操作者のためにクリーンルームの壁に取り付けられ、他方はサービスを行う技術者のために壁の後ろに取り付けられる。モニタ50aは同じ情報を同時に表示するが、一つだけのライトペン50bが操作可能にされる。ライトペン50bの先端の光センサはCRTディスプレイにより放出される光を検知する。具体的なスクリーン或いは機能を選定するために、操作者は表示スクリーンの指定された場所に触れ、ペン50bのボタンを押す。触れられた部分はその表示された色を変化させ、或いは新しいメニュー或いはスクリーンが表示され、ライトペンと表示スクリーンの間の通信を確認する。キーボード、マウス、又は他のポインティング或いは通信装置のようなその他の装置がコントローラとユーザを通信可能にするライトペン50bの代わりに或いはそれに加えて用いられる。
【0084】
[0078]図6Aは、ガス分配フェースプレート13aとガス分配マニホールド11を含むプロセスチャンバ15のリッドアセンブリ15b上に取り付けられる離れた場所のプラズマ生成器60を示す図である。取り付けアダプタ64は、図6Aに最適に見られるように、リッドアセンブリ15b上に離れた場所のプラズマ生成器60を取り付ける。アダプタ64は、典型的には、金属でできている。混合装置70は、ガス分配マニホールド11(図6A)の上流側に結合される。混合装置70は、プロセスガスを混合するための混合ブロックのスロットの内側に配置される混合挿入部72を含んでいる。セラミックのアイソレータ66は、取り付けアダプタ64と混合装置70(図6A)の間に置かれる。セラミックのアイソレータ66は、Al2O3(純度99%)、Teflon(登録商標)等のセラミック材料でできていてもよい。取り付けられると、混合装置70とセラミックのアイソレータは、リッドアセンブリ15bの一部をなしている。アイソレータ66は、より詳細に以下に述べるように混合装置70とガス分配マニホールド11から金属アダプタ64を分離して第二プラズマに対する可能性を最小化してリッドアセンブリ15bに形成する。3方向バルブ77は、直接或いは離れた場所のプラズマ生成器60を通じてプロセスチャンバ15へのプロセスガスの流れを制御する。
【0085】
[0079]離れた場所のプラズマ生成器は、リッドアセンブリ15b上に便宜的に取り付けられ且つお金と時間をかけた改修をすることなく現存するチャンバに容易に再組み込みされ得るコンパクトな内臓型の装置であることが望ましい。一つの適切な装置はマサチューセッツ州ウォーバーンのAppliedScience andTechnology社から入手可能なASTRON(登録商標)生成器である。ASTRON(登録商標)生成器は、低フィールドのトロイダルプラズマを用いて、プロセスガスを解離する。一例において、プラズマは、NF3のようなフッ素含有ガスとアルゴンのようなキャリヤガスを含むプロセスガスを解離して、プロセスチャンバ15において膜堆積物を洗浄するのに用いられる遊離フッ素を生成する。
【0086】
[0080]幾つかの実施形態を記載してきたが、本発明の精神から離れることなく様々な改良、別の構成、同等のものが用いられてもよいことが当業者によって認識される。更に、多数の周知のプロセスと構成要素が、本発明を不必要にあいまいにすることを避けるために記載されていない。従って、上の記載は本発明の範囲を制限するととられるべきでない。
【0087】
[0081]値の範囲が示されるところでは、その範囲の上限と下限の間で、内容が明白に他のものとして記載されなければ、下限の単位の10分の1まで各中間の値もまた明確に開示されるということが理解される。記載された範囲のいかなる記載された値或いは間に入る値も範囲を記載したいかなる他の記載された値或いは間に入る値もとの間のそれぞれのより小さい範囲も包含される。これらのより小さい範囲の上限と下限は、独立して、その範囲に含まれても除外されてもよく、より小さい範囲に限界のいずれかが含まれるか、いずれもが含まれないか、双方が含まれる各々の範囲もまた、記載された範囲において特に排除された限界に従って、本発明に包含される。記載された範囲が限界の一方或いは双方を含む場合、これらの包含されるいずれか或いは双方を除く範囲もまた包含される。
【0088】
[0082]本明細書に、また添付の特許請求の範囲に用いられるように、単数形“a”、“an”、“the”は、内容が明確に別に記載されない限り、複数の指示対象を含むものである。従って、例えば“amethod(一つの方法)”について述べることは、このような方法の複数を含み、“theprecursor(その前駆物質)”について述べることは一つ以上の前駆物質と当業者に知られるその等価物について述べることを包含する。
【0089】
[0083]また、本明細書に、以下の特許請求の範囲に用いられる用語“comprise(構成する)”、“comprising(構成している)”、“include(複数形の含む)”、“including(含んでいる)”、“includes(単数形の含む)”は、記載された特徴、整数、構成要素、又はステップの存在を指定するためのものであるが、これらは一つ以上の他の特徴、整数、構成要素、ステップ、作用、又は基の存在或いは追加を排除しない。
【符号の説明】
【0090】
10…CVDシステム、11…マニホールド、12…ペデスタル、12a…平らな表面、13a…ガス分配フェースプレート、13b…穴、15…プロセスチャンバ、15a…チャンバ壁、15b…チャンバリッドアセンブリ、16…オリフィス、17…排出プレナム、21…延長部、23…排出通路、24…遮断バルブ、25…排出口、32…モータ、50a…CRTモニタ、50b…ライトペン、60…離れた場所のプラズマ生成器、64…アダプタ、66…混合アイソレータ、70…混合装置、72…混合挿入部、77…三方向バルブ、502…基板、504…ギャップ、506a…酸化物層、506b…酸化物層、506c…酸化物層、508…一様な膜、510…酸化シリコンギャップ充填。
【関連出願の相互参照】
【0001】
[0001]本出願は2006年5月30日に出願された“前駆物質を含むシリコンと原子状酸素を用いた高品質の流動状二酸化シリコンの化学気相堆積”と題するIngleらの共同譲渡された米国仮特許出願第60/803,493号に関する。本出願は、また、2006年5月30日に出願された“二酸化シリコンの膜品質を向上させる新規な堆積プラズマ硬化サイクルプロセス”と題するChenらの共同譲渡された米国仮特許出願第60/803,481号に関する。本出願は、更に、2006年5月30日に出願された“ギャップ充填と共形膜適用のための低K膜の堆積及び硬化方法”と題するMunroらの共同譲渡された米国仮特許出願第60/803,489号に関する。本出願は、また更に、2006年5月30日に登録された“ボトムアップのギャップ充填のための誘電堆積プロセスとエッチバックプロセス”と題するLubomirskyの共同譲渡された米国仮特許出願第60/805,573号に関する。4件すべての出願の全体の内容はすべての目的に対しれ本明細書に援用されている。
【発明の背景】
【0002】
[0002]半導体デバイスの形状は、数十年前の導入以来、大きさが劇的に減少してきた。現代の半導体製造装置は、定期的に250nm、180nm、65nmの特徴部サイズでデバイスを作り、新しい装置が更に小さな形状のデバイスを作るように開発され、実施されている。しかしながら、より小さな大きさということは、デバイス素子がより緊密に一緒に動作しなければならないことを意味し、このことはクロストークや寄生容量を含む電気的干渉の機会が増加しうることになる。
【0003】
[0003]電気的干渉の度合いを低減するために、誘電絶縁材料を用いて、デバイス素子と金属配線と他のデバイスと特徴部間のギャップ、トレンチ、他の空隙を充填する。誘電材料は、デバイスの特徴部間の空隙に容易に形成され、その低誘電定数(即ち、“k-値”)に対して選択される。より低いk-値を持つ誘電体はクロストークとRC時間遅れを最小化するのにより優れており、またデバイスの全体の電力損失を低減もする。従来の誘電材料は、従来のCVD技術で堆積される場合に平均的k-値が4.0〜4.2である酸化シリコンを含んでいる。
【0004】
[0004]従来の酸化シリコンのk-値が多くのデバイス構造に対して受け入れられるものであるが、デバイス素子の大きさを更に低減し密度を増加させることは、半導体製造者により低いk-値を持つ誘電材料を探し続けさせてきた。一つの方法は、約3.4〜3.6ほどの低さの誘電定数を持つフッ素ドープされた酸化シリコン膜(即ち“FSG”膜)を作るべくフッ素で酸化シリコンをドープすることであった。他の方法は、水素シルセスキオキサン(HSQ)のような高い流動性を持つ前駆物質で基板を被覆して多孔質の低k膜を形成する、スピンオングラスの技術の開発であった。
【0005】
[0005]より最近は、シリコン-酸素-炭素(Si-O-C)膜が3.0以下のk-値で開発されてきた。これらの低k膜は、しばしば基板上に炭素-シリコンと酸素の前駆物質の化学気相堆積によって堆積される。これらのSi-O-C膜は純粋且つフッ素ドープされた酸化シリコン膜より低いk-値を持っているが、これらは、また、負の結果をもたらし得る実質的により多くの多孔性を持つ傾向がある。多孔膜は、膜のk-値を増加させ得る、水の吸収を増加させる傾向になる。多孔膜は、また、腐食や応力によるひび割れをよりもたらしがちな膜を作ることになる、より高い“ウェットエッチング速度比”(WERR)を持っている。従って、低減された多孔率、より低いWERR値、より低いひび割れの低k炭素ベースの膜を堆積させる新規な方法が求められている。これらと他の課題は本発明の実施形態により解決が図られる。
【発明の概要】
【0006】
[0006]本発明の実施形態は、基板上に形成されるギャップに誘電体層を堆積させる方法を含んでいる。この方法には、有機シリコン前駆物質と酸素前駆物質を堆積チャンバに導入するステップを含む場合がある。有機シリコン前駆物質は、C:Siの原子比が8未満である場合があり、酸素前駆物質は、堆積チャンバの外で生成される原子状酸素を含む場合がある。方法には、また、ギャップに誘電体層を形成する前駆物質を反応させるステップを含む場合がある。
【0007】
[0007]本発明の実施形態は、また、誘電材料でギャップを充填させる方法を含んでいる。この方法には、有機シリコン前駆物質と酸素前駆物質を堆積チャンバに供給するステップを含み、そこでは有機シリコン前駆物質が8未満のC:Siの原子比を有している。プラズマが堆積チャンバ内で前駆物質から生成されてもよく、そこではプラズマがギャップ内に誘電材料の第一部分を堆積させる。方法には、また、誘電材料の第一部分をエッチングして、材料における炭素含量を低減させるステップと、ギャップ内に誘電材料の第二部分を堆積させるステップとを含んでいる。ギャップ内における誘電材料の第一と第二の部分はアニールされてもよい。
【0008】
[0008]本発明の実施形態は、更にまた、基板上のギャップ内に誘電材料を堆積し、アニールする方法を含んでいる。この方法には、有機シリコン前駆物質と酸素前駆物質を堆積チャンバに供給するステップを含む場合があり、そこでは有機シリコン前駆物質が8未満のC:Siの原子比を有している。前駆物質を反応させて、ギャップ内に誘電材料を堆積させ、熱アニールが堆積された誘電材料上で行われてもよい。更に、プラズマアニールもまた、堆積された誘電材料上で行われてもよい。
【0009】
[0009]追加の実施形態と特徴が以下の説明において示され、部分的には明細書を調べる際に当業者に明白になるか、本発明を実施することによって学習されることになる。本発明の特徴及び利点は、明細書に記載される手段、組み合わせ、方法によって実現され獲得することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
[0010]本発明の特質と利点の理解は、更に、明細書の残りの部分と図面を参照することにより実現され、そこでは同じ符号が幾つかの図面全体に用いられて、同様の構成要素を表している。幾つかの例では、副次的表示が符号と関連付けられており、複数の同様の構成要素の一つを示すようにハイフンで続けられている。存在する副次的表示について明細書にない符号が参照される場合、すべてのこのような複数の同様の構成要素を表すことが意図されている。
【図1】図1は、本発明の実施形態による誘電体堆積の簡易化した概略を示すフローチャートである。
【図2】図2は、本発明の実施形態による誘電材料でギャップを充填する方法を示すフローチャートである。
【図3】図3は、本発明の実施形態による基板上のギャップに誘電材料を堆積しアニールするステップを示すフローチャートである。
【図4】図4は、本発明の実施形態による多層酸化シリコン膜を製造する方法を示すフローチャートである。
【図5A】図5Aは、本発明の実施形態による多層酸化シリコン膜で進行的に充填されるギャップ構造を持つ基板を示す図である。
【図5B】図5Bは、本発明の実施形態による多層酸化シリコン膜で進行的に充填されるギャップ構造を持つ基板を示す図である。
【図5C】図5Cは、本発明の実施形態による多層酸化シリコン膜で進行的に充填されるギャップ構造を持つ基板を示す図である。
【図5D】図5Dは、本発明の実施形態による多層酸化シリコン膜で進行的に充填されるギャップ構造を持つ基板を示す図である。
【図5E】図5Eは、本発明の実施形態による多層酸化シリコン膜で進行的に充填されるギャップ構造を持つ基板を示す図である。
【図5F】図5Fは、本発明の実施形態による多層酸化シリコン膜で進行的に充填されるギャップ構造を持つ基板を示す図である。
【図6A】図6Aは、本発明の実施形態による酸化シリコン層を形成するために用いることができる基板処理システムを示す縦断面図である。
【図6B】図6Bは、本発明の実施形態による基板処理システムのシステムモニタ/コントローラ構成要素を示す簡略化された図である。
【発明の詳細な説明】
【0011】
[0018]基板上のギャップ内および表面上に誘電材料を堆積するシステムと方法を記載する。誘電材料は、従来のテトラエトキシシロキサン(TEOS)より炭素原子とシリコン原子とのより低い比(C:Si比)を持つ有機シリコン化合物から形成することができる。これらの化合物を酸素前駆物質とを組み合わせることによって形成される誘電体膜は、初期に堆積されたTEOSベースの酸化シリコンより、典型的には、炭素含量が少なく、多孔性が低く、WERRが低い。このことにより、膜がTEOSベースの酸化膜よりひび割れ、ボイド形成、水吸収、及び/又は収縮に対する感受性をより低くする。
【0012】
[0019]有機シリコン化合物の酸素原子とシリコン原子の比(O:Si)比は、また、TEOSのO:Si比に等しいか、より大きい。低いC:Si比と高いO:Si比を持つ有機シリコン前駆物質は、シリコンの前駆物質としてTEOSのみを用いる従来製造された酸化物より、炭素含量がより低い、より高品質の酸化シリコン膜を生成する。実施形態は、また、分子構造に一つ以上のSi-O-Si結合を持つ有機シリコン前駆物質を含んでいる。Si前駆物質におけるこの結合は、炭素基とヒドロキシル基から汚染が低減されたSiOx膜の形成を促進する。
【0013】
[0020]有機シリコン化合物は、また、Si-O基に容易に酸化させることができるハロゲン基と窒素基を含むハロゲン化されたシロキサンとシラゾキサンを含んでもよい。ハロゲン化シロキサンは、オクタクロロトリシロキサン(OCTS)のような塩化シロキサンを含んでもよく、そのSi-O基は、炭素レベルが低減されたSi-O基に分子状酸素、オゾン、二酸化窒素、過酸化水素等によって容易に酸化することができる。同様に、ヘキサメトキシジシラゾキサン(HMDS-H)のようなシラゾキサンは、Si-O基に容易に酸化することができるSi-N基を有している。
【0014】
[0021]有機シリコン化合物は、堆積された誘電体膜にSi-O基の形成を更に増加させるように堆積チャンバ内の反応性原子状酸素前駆物質に導入することができる。原子状酸素は、有機シリコン前駆物質と反応するように堆積チャンバ内に送られる前に、例えば、離れたところの高密度プラズマ生成器を用いて堆積チャンバの外であらかじめ生成されてもよい。得られた酸化シリコン層は、堆積チャンバ内で有機シリコン前駆物質と分子酸素、オゾン等と反応させることにより形成される従来の酸化膜より改良された流動性とギャップ流れ特性を持ち、且つより低い炭素含量と多孔性を持ち得る。本発明の方法、製品、及びシステムの実施形態に関する追加の詳細をここに述べる。
【0015】
例示的誘電体堆積法
[0022]図1は、本発明の実施形態による誘電体堆積の簡易化した概略を示すフローチャートである。図示される方法100は、有機シリコン前駆物質102と酸素前駆物質104を堆積チャンバに導入することを含んでいる。前駆物質はチャンバ内で反応して、基板106のギャップ内と表面上に誘電体層を形成する。
【0016】
[0023]堆積チャンバ内に導入される有機シリコン前駆物質は、8未満のC:Si原子比(例えば、C:Si原子比7、6、5、4、3、2、又は1以下)を持つ場合がある。このことは各シリコン原子の存在に対して有機シリコン前駆物質分子内に8つより少ない炭素原子があることを意味する。比較すると、以下に示されるテトラエトキシシロキサン(TEOS)分子は、シリコンの各原子に対して8つの炭素原子(即ち、C:Si比8)を持っている。
【0017】
【化1】
【0018】
[0024]有機シリコン前駆物質は、他のシロキサン化合物の中でもトリエトキシシロキサン(TRIES)、テトラメトキシシロキサン(TMOS)、トリメトキシシロキサン(TRIMOS)、ヘキサメトキシジシロキサン(HMODS)、オクタメトキシトリシロキサン(OMOTS)、及び/又はオクタメトキシドデカシロキサン(OMODDS)のようなシロキサン化合物である。
【0019】
【化2】
【0020】
[0025]有機シリコン化合物は、また、一つ以上の窒素基を含むシラゾキサン化合物であってもよい。シラゾキサン化合物は、他のシラゾキサン化合物の中でもヘキサメトキシジシラゾキサン(HMDS-H)メチルヘキサメトキシジシラゾキサン(HMDS-CH3)、クロロヘキサメトキシジシラゾキサン(HMDS-Cl)、ヘキサエトキシジシラゾキサン(HEDS-H)、ノナメトキシトリシラゾキサン(NMTS)、オクタメトキシサイクリックシラゾキサン(OMCS)を含んでいるのがよい。
【0021】
【化3】
【0022】
[0026]有機シリコン化合物は、更に、一つ以上のハロゲン基(例えば、フッ素基、塩素基、臭素基、又はヨウ素基)を含むハロゲン化シロキサンでもよい。例えば、ハロゲン化シロキサンは、他の塩素化シロキサン化合物の中でもテトラクロロシラン(TECS)、ジクロロジエトキシシロキサン(DCDES)、クロロトリエトキシシロキサン(CTES)、ヘキサクロロジシロキサン(HCDS)、及び/又はオクタクロロトリシロキサン(OCTS)のような塩素化シロキサン化合物であるのがよい。
【0023】
【化4】
【0024】
[0027]有機シリコン化合物は、また、約0、0.5、1、2、3、4、5、6以上のO:Si比を持ってもよい。例えば、TMOSのO:Si原子比は、4(TEOSと同一)である。TRIESやTRIMOSのような他の有機シリコン化合物のO:Si比は、3である。HCDSのようななお他のもののO:Si比は0.5であり、TECSのO:Si比は0である。
【0025】
[0028]有機シリコン前駆物質は、更に、他の有機シリコン化合物の中でもHMODS、OMOTS、OMODDS、HCDS、OCTSに見られるようにSi-O-Si結合を含んでもよい。Si前駆物質におけるこの結合は、炭素基とヒドロキシル基から汚染が低減されたSiOX膜の形成を促進させる。
【0026】
[0029]有機シリコン前駆物質は、なお更に、他の化合物の中でもトリシリルアミン(TSA)、ヘキサメチルジシラザン(HMDS)、シラトレラン、テトラキス(ジメチルアミノ)シラン、ビス(ジエチルアミノ)シラン、トリス(ジメチルアミノ)クロロシラン、メチルシラトランのようなアミノシランを含むのがよい。
【0027】
【化5】
【0028】
[0030]有機シリコン前駆物質は、なお更に、アルコキシジシラン、アルコキシアルキルジシラン、アルコキシジシランを含むジシランを含んでもよい。アルコキシジシランは
【0029】
【化6】
【0030】
を含んでもよく、ここで、R1-6は、独立してC1-3アルキルオキシ基であってもよい。例えば、アルコキシジシランは、他のアルコキシジシランの中でもヘキサメトキシジシランやヘキサエトキシジシランを含んでもよい。
【0031】
[0031]アルコキシジシランは、また、アルコキシ基がSi部分に結合された環状ジシラン化合物を含んでもよい。例えば、アルコキシシクロシランは、他の中でもオクタエトキシシクロブタシラン、デカブタオキシシクロペンタシラン、ドデカメトキシシクロヘキサシランを含むのがよい。アルコキシジシランの幾つかの例を以下に示す:
【0032】
【化7】
【0033】
[0032]アルコキシアルキルジシランは、以下を含んでもよい:
【0034】
【化8】
【0035】
(ここで、R7-12は、独立して、C1-3アルキル基又はC1-3アルキルオキシ基であってもよく、R7-12の少なくとも一つは、アルキル基であり、R7-12の少なくとも一つは、アルキルオキシ基である)。アルコキシアルキルジシランは、また、少なくとも一つのアルキルとアルコキシ基がそれに結合された、ブタシラン、ペンタシラン、ヘキサシラン、ヘキサシラン、ヘプタシラン、オクタシラン等のアルキル部分とアルコキシ部分を持つ環状ジシランを含んでもよい。例としては、他のアルコキシアルキルシクロシランの中でもオクタメチル-1,4-ジオキサ-2,3,5,6-テトラシラシクロヘキサン;1,4-ジオキサ-2,3,5,6-テトラシラシクロへキサン;1,2,3,4,5,6-ヘキサメトキシ-1,2,3,4,5,6-ヘキサメチルシクロヘキサシランが挙げられる。アルコキシアルキルジシランの幾つかの例を以下に示す:
【0036】
【化9】
【0037】
[0033]アルコキシアセトキシジシランは、以下を含んでもよい:
【0038】
【化10】
【0039】
(ここで、R13-17は、独立して、C1-3アルキル基、C1-3アルコキシ基、又はアセトキシ基であり、R13-17の少なくとも一つは、アルコキシ基であり、R13-17の少なくとも一つは、アセトキシ基である)。
【0040】
[0034]有機シリコン前駆物質は、また更に、シクロブタシラン、シクロペンタシラン、シクロヘキサシラン、シクロヘプタシラン、シクロオクタシラン等の有機シクロシランを含んでもよい。
【0041】
[0035]酸素前駆物質は、分子酸素(O2)、オゾン(O3)、窒素-酸素化合物(例えば、NO、NO2、N2O等)、水素-酸素化合物(例えば、H2O、H2O2等)だけでなく、他の酸素含有前駆物質や前駆物質の組み合わせも含んでもよい。ある実施形態において、酸素前駆物質は、有機シリコン前駆物質とともに離れたところで生成され、堆積チャンバに導入される原子状酸素基を含んでもよい。
【0042】
[0036]ここで図2を参照すると、本発明の実施形態によるギャップを誘電材料で充填する方法200を示すフローチャートが図示される。方法200は、基板を堆積チャンバに準備するステップと、次に有機シリコン前駆物質202と酸素前駆物質204をチャンバに導入するステップとを含む場合がある。基板は、半導体ウエハ(例えば、200mm、300mm、400mm等のシリコンウエハ)であってもよく、初期のプロセスで形成された構造、デバイス構成要素等を含んでもよい。例えば、基板は、高さと幅のアスペクト比(例えば、5:1以上、6:1以上、7:1以上、8:1以上、9:1以上、10:1以上、11:1以上、12:1以上等のアスペクト比)を持つギャップ、トレンチ等を含んでもよい。誘電材料は、基板のギャップと他の表面に堆積される。
【0043】
[0037]上述のように、有機シリコン前駆物質は、シロキサン、ハロゲン化シロキサン、及び/又はシラゾキサン化合物を含むのがよく、C:Si原子比が8未満の有機シリコン化合物を含むのがよい。シリコン前駆物質は、堆積チャンバへの導入前或いは導入中にキャリヤガスと混合されてもよい。キャリヤガスは、基板上の酸化膜の形成に過度に干渉しない不活性ガスであり得る。キャリヤガスの例としては、他のガスの中でも、ヘリウム、ネオン、アルゴン、水素(H2)が挙げられる。
【0044】
[0038]例えば、有機シリコン前駆物質は、有機シリコン化合物(気体或いは液体)とヘリウムとを室温の有機シリコン前駆物質によって約600〜約2400sccmの流速で混合して、前駆物質の流れをチャンバ内に約800〜約1600mgmの速度で与えることによって堆積チャンバに導入されてもよい。
【0045】
[0039]酸素前駆物質は、分子酸素(O2)、オゾン(O3)、窒素-酸素化合物(例えば、NO、NO2、N2O等)、水素-酸素化合物(例えば、H2O、H2O2等)、炭素-酸素化合物(例えば、CO、CO2等)だけでなく、他の酸素含有前駆物質や前駆物質の組み合わせを含んでもよい。方法300に対して以下により詳細に記載されるように、酸素前駆物質は、また、別に生成され、堆積チャンバへ有機シリコン前駆物質とともに導入される原子状酸素基を含んでもよい。
【0046】
[0040]方法200は、堆積チャンバ内で前駆物質からプラズマを生成するステップと、誘電材料206の第一部分を形成するステップとを含んでもよい。方法200の実施形態において、酸素と有機シリコン前駆物質は、堆積チャンバに導入される前には混合されない。前駆物質は、反応チャンバの周りに分配された別々の空間的に分離された前駆物質注入口を通じてチャンバに入ることができる。例えば、酸素前駆物質は、チャンバの最上部の一つの注入口(或いは複数の注入口)から入ってもよく、直接基板の上に位置決めされてもよい。注入口は、酸素前駆物質の流れを基板堆積面に垂直の方向に進ませる。他方、シリコン前駆物質は、堆積チャンバの側面の周りの一つ以上の注入口から入ってもよい。注入口は、シリコン前駆物質の流れを堆積面にほぼ平行な方向に進ませてもよい。
【0047】
[0041]酸素と有機シリコンのプラズマが堆積チャンバで反応するので、それは基板堆積面上に酸化シリコン誘電体層の第一部分を形成する。はじめの酸化物層は、優れた流動性を有し、堆積面にあるギャップ、トレンチ、ボイド、継ぎ目等にすばやく移動させることができる。これにより、方法200が高さと幅のアスペクト比が大きい(例えば、約5:1、6:1、6:1、8:1、9:1、10:1、11:1、12:1以上のAR(アスペクト比))を持つギャップ、トレンチ、他の表面構造に実質的にボイドや継ぎ目のない酸化物充填を行うことを可能にさせる。
【0048】
[0042]誘電材料の第一部分が形成された後、チャンバ内への前駆物質の流れは停止してもよく、材料をエッチングすることができる(ステップ208)。エッチングステップを用いて、材料中の不純物を解離させ、除去し、更に、材料を平坦化することができる。エッチングプロセスは、単一ステップのエッチング、或いは複数ステップのエッチングを含む場合がある。複数ステップのエッチングプロセスは、低密度のプラズマを用いて、誘電材料中のより大きな有機分子を解離させ、炭素の少なくとも一部を除去するステップを含んでもよい第一エッチングを含んでもよい。この低密度プラズマエッチングは、RPSシステムを用いて、酸化物層をエッチングするAr/O2プラズマを生成するステップを含んでもよい。エッチング条件は、例えば、約5500ワット電力で1600sccmのO2と400sccmのアルゴンの流れからプラズマを衝突させるステップと、760ミリトールの圧力で堆積チャンバ内にそれを導入するステップを含んでもよい。このプラズマエッチングは、より大きな炭素基を解離させ、且つ酸化物層から炭素不純物を除去することができる。
【0049】
[0043]このエッチングに続いて、酸化物層の第二エッチングがより高いプラズマ密度で行われて、層内のヒドロキシル基の少なくとも一部を除去することができる。このより高密度のプラズマエッチングは、高電力のRFフィールド(例えば、6000ワット)を持つ分子酸素の流れ(例えば、600sccm)の解離で形成されるプラズマに層を曝すステップを含んでもよい。酸素プラズマは、例えば、8ミリトールの圧力で堆積チャンバに導入され、酸化物層において-OH基と反応して、二酸化シリコンと水を形成することができる。
【0050】
[0044]第一層のエッチングに続いて、前駆物質を堆積チャンバに再導入し、反応させて、基板210のギャップと他の表面の誘電材料の第二部分を形成する。第二部分は、また、第一層と同じ反応条件下で形成される酸化物層であっても、別の条件(例えば、チャンバ圧、温度、有機シリコン前駆物質等)下で形成されてもよい。
【0051】
[0045]第二層が形成された後、それをエッチングして、不純物レベルを低減し更に/又は層を平坦化してもよい。第二層は、第一層をエッチングするのに用いたのと同じプロセスを用いてエッチングされても、別のプロセス(例えば、異なる数のエッチングステップ、異なるエッチング前駆物質、異なる電力レベル等)を用いてエッチングされてもよい。
【0052】
[0046]誘電材料の第一と第二の部分の形成と処理(また、堆積させることができるいかなる後続の部分も)に続いて、材料をアニールして212、均一な高品質の酸化シリコンギャップ充填を形成することができる。最終のギャップ充填は、誘電定数(即ち、k-値)が3.0未満で、ウェットエッチ速度比(WERR)が2:1未満(例えば、約1.8:1〜約1.4:1)であってもよい。ギャップ充填は、充填量全体に一様であり、仮にあってもわずかなボイドと継ぎ目しかないものになる。
【0053】
[0047]図3は、本発明の追加の実施形態による基板上のギャップ内に誘電材料を堆積させ、アニールするステップを示すフローチャートである。方法300は、堆積チャンバ302に有機シリコン前駆物質を導入するステップを含む。方法300は、また、分子酸素(O2)、オゾン(O3)、窒素-酸素化合物(例えば、NO、NO2、N2O等)、水素-酸素化合物(例えば、H2O、H2O2等)、炭素-酸素化合物(例えば、CO、CO2等)だけでなく、他の酸素を含有する前駆物質や前駆物質の組み合わせのような酸素含有前駆物質の解離によって高度に反応性の原子状酸素前駆物質304を生成するステップを含む。
【0054】
[0048]酸素含有前駆物質は、別のところで解離させて、原子状酸素にすることができる。解離プロセスは、他の方法の中でも、熱解離、紫外光解離、及び/又はプラズマ解離を含んでもよい。プラズマ解離は、別のプラズマ生成チャンバ内でヘリウム、アルゴン等からプラズマを衝突させることと、酸素前駆物質をプラズマに導入して、原子状酸素前駆物質を生成することを含んでいる。例えば、原子状酸素は、RF電力の4000〜6000ワット(例えば、5500ワット)を、例えば、900〜1800sccmで流れるアルゴンガスと、例えば、約600〜約1200sccmで流れる分子酸素(O2)の合わせたガス流に供給する別の場所にある高密度プラズマ生成器において生成される場合がある。
【0055】
[0049]反応性原子状酸素プラズマを次に堆積チャンバ306に導入し、そこで堆積チャンバに導入される有機シリコン前駆物質と初めて混合させることができる。高度に反応性の原子状酸素は、適度な温度(例えば、100℃未満の反応温度)と圧力(例えば、0.5〜6トールの全チャンバ圧)においてシリコン前駆物質308(と反応チャンバ内に存在する他の堆積前駆物質)と反応する。
【0056】
[0050]実施形態は、複数のポートを持つシャワーヘッドの別々のポートを通じて原子状酸素とシリコン前駆物質を送るステップを含んでいる。例えば、基板の上に位置決めされたシャワーヘッドは、堆積チャンバに入るように前駆物質に対して開口のパターンを含んでもよい。開口の一つは、原子状酸素前駆物質によって供給されてもよく、一方、開口の第二のものは、シリコン前駆物質によって供給される。別のセットの開口を通じて進行する前駆物質は、堆積チャンバに出て行くまで相互に流動的に分離されるのがよい。装置を操作する前駆物質の種類と設計に関する追加の詳細は、2006年5月30日に出願された“誘電ギャップ充填のプロセスチャンバ”と題するLubomirskyらに共同譲渡された米国仮特許出願第60/803,499号に記載されており、その全体の内容はすべての目的に対して本明細書に援用されている。
【0057】
[0051]前駆物質がチャンバ内で他方と反応するので、誘電体層は基板310上に堆積される。堆積中のチャンバ内の全圧力は、例えば、約0.5トール〜約6トールである。より高い全圧(例えば、1.3トール)は、より流動状の品質を持つ酸化物膜を堆積させることができ、一方、より低い圧力(例えば、0.5トール)は、よりコンフォーマルな酸化物層を堆積させることができる。反応チャンバ内の堆積温度は、相対的に低い(例えば、約100℃以下)温度である場合がある。堆積速度は、約500オングストローム/分〜約3000オングストローム/分(例えば、1500オングストローム/分)の範囲であってもよい。層の厚さは、約50オングストローム〜約500オングストローム(例えば、約100オングストローム〜200オングストローム)であってもよい。
【0058】
[0052]誘電体層の堆積に続いて、水分の一部を除去するとともに層の硬度さを増加させる第一アニールが行われる(ステップ312)。この最初のアニールステップは、不活性環境(例えば、乾燥N2環境)で約1分〜10分間酸化物層を熱する工程を含んでいる。酸化物層がアルミニウムの金属配線の上に堆積されている金属間の誘電体であるときのように基板構造に形成される金属配線を傷つけない熱アニールの温度を選択する場合がある。
【0059】
[0053]代わりの(或いは追加として)第一アニールステップは、酸化シリコン層を紫外(UV)光に約1分〜約30分間曝す工程を含んでいる。熱アニールの様に、UVアニールは最初に堆積された酸化物膜に存在する水分の一部を除去し、また膜の高度を増加させることができる。
【0060】
[0054]第一アニールの終了後、第二アニールステップが酸化物層から水分とシラノール結合を更に除去するように行われてもよい(ステップ314)。このアニールステップ314において水分とシラノールのほぼすべてが除去されて、初めに堆積された酸化物層か又は層が第一アニールステップにおいて処理された後よりも、より低いk-値とより低いWERR値を層に与えることができる。この第二アニールは、水とシラノール基を誘電体酸化物から除去するのに効率的なプラズマに酸化物層を曝す工程を含んでいる。しかしながら、第一アニールに続いて、酸化物層はプラズマを酸化物に存在する炭素基を分離することから低減(或いは回避)させるのに充分な硬度を持っている。従って、低k炭素含有酸化物層に対して、プラズマアニールは層のk-値を著しく増加させるのに充分な炭素を除去しない。
【0061】
[0055]ここで図4を参照すると、本発明の実施形態による多層酸化シリコン膜の製造方法400を示す他のフローチャートが図示される。方法400は、基板を堆積チャンバ402に準備するステップと、チャンバ404に前駆物質(例えば、原子状酸素と有機シリコン前駆物質)を導入するステップを含んでいる。前駆物質が反応して、基板406上に酸化シリコン層を形成し、次に酸化物層をエッチングされる場合がある(ステップ408)。
【0062】
[0056]この時点で、堆積された酸化物層の累積の厚さが所定の点410に到達したかを決定するためのチェックがなされる場合がある。全体の酸化物膜の所定の厚さのレベルに到達した場合には、次に堆積とエッチングのサイクルは終了してもよく、膜はアニールされてもよい(ステップ412)。しかしながら、厚さのレベルが適合されない場合には、次に他の酸化物堆積とエッチングサイクルが酸化物膜に少なくとももう一つの追加層を加えることが発生する場合がある。
【0063】
[0057]酸化物膜が所定の厚さに到達したかどうか決めることは、堆積されエッチングされた層の厚さ測定によってなされても、望ましい膜厚に到達するのに必要な層の数を計算することによってなされてもよい。例えば、各々の堆積されエッチングされた層が100オングストロームの厚さで望ましい膜厚が1.2μmである場合には、12回の堆積とエッチングサイクルが膜を形成するのに実施されなければならない。各々の堆積された層の厚さは、他のパラメータの中でも反応性前駆物質の種類と流速、堆積チャンバの全圧、温度のような酸化物堆積速度に影響するパラメータを制御することによって設定される。上述したように、酸化物層の典型的堆積速度は、約500オングストローム/分〜約3000オングストローム/分(例えば、1500オングストローム/分)である。
【0064】
[0058]図5A-図5Fは、複数サイクルの堆積-エッチング酸化物層形成プロセスの実施形態を用いて多層酸化シリコン膜で進行的に充填されるギャップ構造を持つ基板を示す図である。図5Aは、ギャップ504が形成された基板502を示す図である。図5A-図5Fに示されるギャップ504が酸化物充填層の進行をより明白に示すために相対的に低いアスペクト比を持って描かれていることは理解されることである。本ギャップ充填法の実施形態は、アスペクト比が5:1、6:1、7:1、8:1、9:1、10:1、11:1、12:1,13:1、14:1、15:1以上のギャップへのボイドと継ぎ目のない堆積を含んでいる。
【0065】
[0059]図5Bは、ギャップ504に堆積される第一酸化物層506aを示す図である。層を形成した酸化シリコンは、良好な流動性品質を持ち、膜をギャップ504の底にすばやく移動させることができる。従って、ギャップ504の底において堆積された酸化物の厚さは、ギャップの側壁に沿った酸化物厚さより大きくなり得る。
【0066】
[0060]図5Cと図5Dは、ギャップ504において以前に堆積されエッチングされた層上に堆積される追加の酸化物層506b、506c等を示す図である。これらの追加の層は、望ましい酸化物膜厚のレベルが到達されるまで(例えば、ギャップ504の最上部)、ギャップ504内に底から形成されていくことになる。
【0067】
[0061]複数の酸化物層の最後が堆積されエッチングされると、アニールが行われて、図5Eに示されるように一様な膜508の中に層を形成することができる。膜は、例えば、プラズマエッチング或いはCMPによって平坦化されて、ギャップ504の最上部の上に形成される堆積材料を除去することができる。図5Fは、あってもごくわずかなボイド或いは継ぎ目を持ち、且つ高い膜品質と誘電特性を持つ残存の酸化シリコンのギャップ充填510を示す図である。
【0068】
例示的基板処理システム
[0062]本発明の実施形態を実施することができる堆積システムは、他の種類のシステムの中でも、高密度プラズマ化学気相堆積(HDP-CVD)システム、プラズマ増強型化学気相堆積(PECVD)システム、大気圧未満化学気相堆積(SACVD)システム、熱化学堆積気相システムを含むのがよい。本発明の実施形態を実施することができるCVDシステムの個々の例としては、カリフォルニア州サンタクララのAppliedMaterials社から入手可能なCENTURA ULTIMATMHDP-CVDチャンバ/システムやPRODUCERTMRECVDチャンバ/システムが挙げられる。
【0069】
[0063]本発明の例示的方法において使用し得る基板処理システムの例としては、2006年5月30日に出願された“誘電ギャップ充填のプロセスチャンバ”と題するLubomirskyらに共同譲渡された米国仮特許出願第60/803,499号に図示され説明されているものが含まれてもよく、その全体の内容はすべての目的に対して本明細書に援用されている。追加の例示的システムには、米国特許第6,387,207号と同第6,830,624号に図示され説明されるものが含まれてもよく、その開示内容はすべての目的に対して本明細書に援用されている。
【0070】
[0064]ここで図6Aを参照すると、チャンバ壁15aとチャンバリッドアセンブリ15bを含む真空チャンバ或いは処理チャンバを有するCVDシステムの縦断面図10が示される。CVDシステム10は、プロセスチャンバ15内の中央に位置する加熱されたペデスタル12の上に置かれた基板(図示せず)にプロセスガスを分散するためのガス分配マニホールド11を含有している。ガス分配マニホールド11は、容量性プラズマを形成するための電極として機能するために電気的導電材料で形成される場合がある。処理中、基板(例えば、半導体ウエハ)は、ペデスタル12の平らな(或いはわずかに凸状の)表面12a上に位置決めされる。ペデスタル12は、下方の取り付け/取り外し位置(図6Aに示されている)とマニホールド11に密接に隣り合う上方の処理位置(図6Aにおいて破線で示される)の間を制御可能に移動させることができる。センタボード(図示せず)は、ウエハの位置に関する情報を提供するためのセンサを含んでいる。
【0071】
[0065]堆積ガスとキャリヤガスが従来の平らな円形のガス分配フェースプレート13aの穿孔された穴13bを通してチャンバ15に導入される。より詳しくは、堆積プロセスガスが注入マニホールド11を通って、従来の穿孔された阻止プレートを通って、次にガス分配フェースプレート13aの穴13bを通ってチャンバ内に流れる。
【0072】
[0066]マニホールド11に到達する前に、堆積ガスとキャリヤガスは、ガス供給ラインを通じてガス源から混合システムに入力され、そこでこれらは混ぜ合わされ、次にマニホールド11へ送られる。一般に、各プロセスガスに対する供給ラインは、(i)チャンバ内へのプロセスガスの流れを自動的に或いは手動で遮断するために使用し得る幾つかの安全用遮断バルブ(図示せず)と(ii)供給ラインを通してガスの流れを計測するマスフローコントローラ(これも図示せず)を含んでいる。プロセスに毒性ガスが用いられる場合、幾つかの安全用遮断バルブが従来の構成において各ガス供給ライン上に位置決めされる。
【0073】
[0067]CVDシステム10において行われる堆積プロセスは、熱プロセスかプラズマ強強型プロセスのいずれかでも可能である。プラズマ増強型プロセスでは、プロセスガス混合物を励起してフェースプレート13aとペデスタル12の間の円筒状領域内でプラズマを形成させるようにRF電力供給がガス分配フェースプレート13aとペデスタル12の間に電力を加える。(この領域は、本明細書において“反応領域“と呼ぶ)。プラズマの成分が反応して、ペデスタル12の上に支持される半導体ウェファの表面上に所要の膜を堆積させる。RF電源は、真空チャンバ室15に導入される反応性化学種の分解を高める13.56MHzの高RF周波数(RF1)と360kHzの低RF周波数(RF2)で典型的に電力を供給する混合周波数RF電源である。熱プロセスにおいて、RF電源は用いられず、プロセスガス混合物が熱的に反応して、抵抗的に加熱されて反応に対して熱エネルギを与えるペデスタル12に支持される半導体ウエハの表面上に所要の膜を堆積させる
【0074】
[0068]プラズマ増強型堆積プロセス中に、プラズマは排出通路23と遮断バルブ24を取り囲むチャンバ本体の壁15aを含む全プロセスチャンバ10を加熱する。プラズマが投入されず、或いは熱堆積プロセス中は熱い液体がプロセスチャンバ15の壁15aを通じて循環されて、チャンバを高温に保持する。チャンバ壁15aの残りの部分の通路は図示されていない。チャンバ壁15aを加熱するために用いられる液体は、典型的な液体の種類、即ち、水をベースにしたエチレングリコールかオイルをベースにした熱転移液を含んでいる。この加熱(“熱交換器”による加熱を意味する)は、望ましくない反応種生成物の凝縮を有益に低減或いは排除し、これらが冷却真空通路の壁に凝縮するとともにガスの流れがない期間、処理チャンバに戻ろうとする場合にはプロセスを汚染することになるプロセスガスの揮発性生成物と他の汚染物の排除を改善する。
【0075】
[0069]反応の副産物を含む、層に堆積されないガス混合物の残りは、真空ポンプ(図示せず)によってチャンバ15から排出される。特に、ガスは反応領域を取り囲む環状のスロット型をしたオリフィス16を通じて環状の排出プレナムに排気される。環状スロット16とプレナム17は、チャンバの円筒側壁15aの最上部(壁上の上部誘電体内張りを含む)と円形チャンバリッド20の底の間のギャップによって画成される。スロットオリフィス16とプレナム17の360度円形対称性と均一性は、ウエハ上に均一な膜を堆積させるようにウエハの上にプロセスガスの均一な流れを得るのに重要である。
【0076】
[0070]排出プレナム17からガスは排出プレナム17の横方向の延長部21の下を流れ、下方向に伸びているガス通路23に通じる監視ポート(図示せず)を通り、真空遮断バルブ24(その本体は下部チャンバ壁15aにまとめられている)を通り、フォアライン(これも図示せず)に通じる外部真空ポンプに接続する排出口25に流れる。
【0077】
[0071]ペデスタル12のウエハ支持プラッタ(好ましくはアルミニウム、セラミック、或いはその組み合わせ)は、平行な同心円の形で2回のフル回転をするように構成されたヒータ素子に組み込まれた組み込み型の単一ループを用いて抵抗的に加熱される。ヒータ素子の外側の部分は、支持プラッタの周辺に隣接して取り付けられており、一方内側の部分は、より小さな半径を持つ同心円の通路の上を通っている。ヒータ素子への結線は、ペデスタル12の軸を通って配線される。
【0078】
[0072]典型的には、チャンバの内張りのいずれか或いはすべて、ガス注入口のマニホールドのフェースプレートと、様々な他のリアクタのハードウェアは、アルミニウム、陽極酸化処理されたアルミニウム、又はセラミックのような材料からできている。このようなCVD装置の例は、Zhaoらに発行された“CVD処理チャンバ”と題する共同譲渡された米国特許第5,558,717号に記載されており、この開示内容は本明細書に全体で援用されている。
【0079】
[0073]リフト機構とモータ32(図6A)は、ウエハがチャンバ10の横に挿入/取り外しの開口26を通してロボットのブレード(図示せず)により、チャンバ15の本体の内外に搬送されるようにヒータペデスタルアセンブリ12とそのウエハリフトピン12bを上下する。モータ32は、処理位置14と下部ウエハ設置位置の間のペデスタル12を上下する。この幾つかのみが図示されている、モータ、供給ラインに接続されたバルブ或いはフローコントローラ、ガス分配システム、スロットルバルブ、RF電源、チャンバと基板加熱システムは、制御線を通してシステムコントローラによってすべて制御される。コントローラは、光学センサからのフィードバックに依存して、コントローラの制御によって適当なモータで移動させるスロットルバルブとサセプタのような可動型メカニカルアセンブリの位置を決定する。
【0080】
[0074]例示的実施形態において、システムコントローラは、ハードディスクドライブ(メモリ)と、フロッピィディスクドライブと、プロセッサとを含んでいる。プロセッサは、シングルボードのコンピュータ(SBC)、アナログとディジタルの入/出力ボード、インタフェースボード、ステッパモータコントローラボードを含有している。CVDシステム10の様々な部分は、ボード、カードの入れ物、コネクタの寸法と種類を画成するVersaModular European(VME)標準に従っている。VME標準は、また、16ビットのデータバスと24ビットのアドレスバスを持つバス構造も画成している。
【0081】
[0075]システムコントローラは、CVD装置のすべての活動を制御する。システムコントローラは、メモリーのようなコンピュータ読み出し媒体に記憶されるコンピュータプログラムであるシステム制御ソフトウェアを実行する。メモリがハードディスクドライブであることが好ましいが、メモリはまた他の種類のメモリであってもよい。コンピュータプログラムは、具体的なプロセスのタイミング、ガスの混合物、チャンバ圧、チャンバ温度、RF電力レベル、サセプタの位置、他のパラメータを示す指示命令の集合を含むものである。例えば、フロッピーディスク或いは他の適当なドライブを含む他の記憶装置に記憶された他のコンピュータプログラムもまたコントローラを操作するために用いることができる。
【0082】
[0076]基板上に膜を堆積させるプロセス或いはチャンバ15を洗浄するプロセスは、コントローラによって実行されるコンピュータプログラム製品を用いて実施され得る。コンピュータプログラムコードは、いかなる従来のコンピュータ読み出しプログラム言語においても書かれることができる:例えば、68000アセンブリ言語、C、C++、パスカル、フォートラン等の言語。適当なプログラムコードは、従来のテキストエディタを用いて単一のファイル或いは複数のファイルに入れられ、コンピュータのメモリシステムのようなコンピュータ使用可能な媒体に記憶されるか又は具体化される。入力されたコードテキストが高いレベルの言語であれば、コードはコンパイルされ、得られたコンパイラコードは、次にあらかじめコンパイルされたマイクロソフトウィンドウズ(登録商標)のライブラリルーチンのオブジェクトコードとリンクされる。リンクされコンパイルされたオブジェクトコードを実行するために、システムユーザはメモリにおけるコードをコンピュータシステムにロードさせるオブジェクトコードを呼び出す。次にCPUは、プログラムに識別されたタスクを行うように読み出し実行する。
【0083】
[0077]ユーザとコントローラの間のインタフェースは、一つ以上のチャンバを含むことができる基板処理システムにおけるシステムモニタとCVDシステム10の簡略化した図である図6Bに示されるCRTモニタ50aとライトペン50bを介して行われる。好ましい実施形態において、二つのモニタ50aが用いられ、一方は操作者のためにクリーンルームの壁に取り付けられ、他方はサービスを行う技術者のために壁の後ろに取り付けられる。モニタ50aは同じ情報を同時に表示するが、一つだけのライトペン50bが操作可能にされる。ライトペン50bの先端の光センサはCRTディスプレイにより放出される光を検知する。具体的なスクリーン或いは機能を選定するために、操作者は表示スクリーンの指定された場所に触れ、ペン50bのボタンを押す。触れられた部分はその表示された色を変化させ、或いは新しいメニュー或いはスクリーンが表示され、ライトペンと表示スクリーンの間の通信を確認する。キーボード、マウス、又は他のポインティング或いは通信装置のようなその他の装置がコントローラとユーザを通信可能にするライトペン50bの代わりに或いはそれに加えて用いられる。
【0084】
[0078]図6Aは、ガス分配フェースプレート13aとガス分配マニホールド11を含むプロセスチャンバ15のリッドアセンブリ15b上に取り付けられる離れた場所のプラズマ生成器60を示す図である。取り付けアダプタ64は、図6Aに最適に見られるように、リッドアセンブリ15b上に離れた場所のプラズマ生成器60を取り付ける。アダプタ64は、典型的には、金属でできている。混合装置70は、ガス分配マニホールド11(図6A)の上流側に結合される。混合装置70は、プロセスガスを混合するための混合ブロックのスロットの内側に配置される混合挿入部72を含んでいる。セラミックのアイソレータ66は、取り付けアダプタ64と混合装置70(図6A)の間に置かれる。セラミックのアイソレータ66は、Al2O3(純度99%)、Teflon(登録商標)等のセラミック材料でできていてもよい。取り付けられると、混合装置70とセラミックのアイソレータは、リッドアセンブリ15bの一部をなしている。アイソレータ66は、より詳細に以下に述べるように混合装置70とガス分配マニホールド11から金属アダプタ64を分離して第二プラズマに対する可能性を最小化してリッドアセンブリ15bに形成する。3方向バルブ77は、直接或いは離れた場所のプラズマ生成器60を通じてプロセスチャンバ15へのプロセスガスの流れを制御する。
【0085】
[0079]離れた場所のプラズマ生成器は、リッドアセンブリ15b上に便宜的に取り付けられ且つお金と時間をかけた改修をすることなく現存するチャンバに容易に再組み込みされ得るコンパクトな内臓型の装置であることが望ましい。一つの適切な装置はマサチューセッツ州ウォーバーンのAppliedScience andTechnology社から入手可能なASTRON(登録商標)生成器である。ASTRON(登録商標)生成器は、低フィールドのトロイダルプラズマを用いて、プロセスガスを解離する。一例において、プラズマは、NF3のようなフッ素含有ガスとアルゴンのようなキャリヤガスを含むプロセスガスを解離して、プロセスチャンバ15において膜堆積物を洗浄するのに用いられる遊離フッ素を生成する。
【0086】
[0080]幾つかの実施形態を記載してきたが、本発明の精神から離れることなく様々な改良、別の構成、同等のものが用いられてもよいことが当業者によって認識される。更に、多数の周知のプロセスと構成要素が、本発明を不必要にあいまいにすることを避けるために記載されていない。従って、上の記載は本発明の範囲を制限するととられるべきでない。
【0087】
[0081]値の範囲が示されるところでは、その範囲の上限と下限の間で、内容が明白に他のものとして記載されなければ、下限の単位の10分の1まで各中間の値もまた明確に開示されるということが理解される。記載された範囲のいかなる記載された値或いは間に入る値も範囲を記載したいかなる他の記載された値或いは間に入る値もとの間のそれぞれのより小さい範囲も包含される。これらのより小さい範囲の上限と下限は、独立して、その範囲に含まれても除外されてもよく、より小さい範囲に限界のいずれかが含まれるか、いずれもが含まれないか、双方が含まれる各々の範囲もまた、記載された範囲において特に排除された限界に従って、本発明に包含される。記載された範囲が限界の一方或いは双方を含む場合、これらの包含されるいずれか或いは双方を除く範囲もまた包含される。
【0088】
[0082]本明細書に、また添付の特許請求の範囲に用いられるように、単数形“a”、“an”、“the”は、内容が明確に別に記載されない限り、複数の指示対象を含むものである。従って、例えば“amethod(一つの方法)”について述べることは、このような方法の複数を含み、“theprecursor(その前駆物質)”について述べることは一つ以上の前駆物質と当業者に知られるその等価物について述べることを包含する。
【0089】
[0083]また、本明細書に、以下の特許請求の範囲に用いられる用語“comprise(構成する)”、“comprising(構成している)”、“include(複数形の含む)”、“including(含んでいる)”、“includes(単数形の含む)”は、記載された特徴、整数、構成要素、又はステップの存在を指定するためのものであるが、これらは一つ以上の他の特徴、整数、構成要素、ステップ、作用、又は基の存在或いは追加を排除しない。
【符号の説明】
【0090】
10…CVDシステム、11…マニホールド、12…ペデスタル、12a…平らな表面、13a…ガス分配フェースプレート、13b…穴、15…プロセスチャンバ、15a…チャンバ壁、15b…チャンバリッドアセンブリ、16…オリフィス、17…排出プレナム、21…延長部、23…排出通路、24…遮断バルブ、25…排出口、32…モータ、50a…CRTモニタ、50b…ライトペン、60…離れた場所のプラズマ生成器、64…アダプタ、66…混合アイソレータ、70…混合装置、72…混合挿入部、77…三方向バルブ、502…基板、504…ギャップ、506a…酸化物層、506b…酸化物層、506c…酸化物層、508…一様な膜、510…酸化シリコンギャップ充填。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板上に形成されるギャップに誘電体層を堆積させる方法であって、方法が:
有機シリコン前駆物質と酸素前駆物質を堆積チャンバに導入するステップであって、該有機シリコン前駆物質のC:Si原子比が8未満であり、該酸素前駆物質が該堆積チャンバの外で生成される原子状酸素を含む、前記ステップと;
該前駆物質を反応させて、該ギャップ内に該誘電体層を形成するステップと;
を含む、前記方法。
【請求項2】
該有機シリコン前駆物質のO:Si比が3より大きい、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
該有機シリコン前駆物質のO:Si比が4より大きい、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
該有機シリコン前駆物質が、Si-O-Si結合を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
該有機シリコン前駆物質が、シロキサンを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
該シロキサンが、トリエトキシシロキサン,テトラメトキシシロキサン、トリメトキシシロキサン、ヘキサメトキシジシロキサン、オクタメトキシトリシロキサン、及びオクタメトキシドデカシロキサンからなる群より選ばれる、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
該有機シリコン前駆物質が、シラゾキサンを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
該シラゾキサンが、ヘキサメトキシジシラゾキサン、メチルヘキサメトキシジシラゾキサン、クロロヘキサメトキシジシラゾキサン、ヘキサエトキシジシラゾキサン、オクタメトキシサイクリックシラゾキサン、及びノナメトキシトリシラゾキサンからなる群より選ばれる、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
該有機シリコン前駆物質が、ハロゲン化シロキサンを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
該ハロゲン化シロキサンが、テトラクロロシラン、ジクロロジエトキシシロキサン、クロロトリエトキシシロキサン,ヘキサクロロジシロキサン、及びオクタクロロトリシロキサンからなる群より選ばれる、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
該有機シリコン前駆物質が、アミノシラン、アルキルジシラン、アルコキジシラン、アルコキシアルキルジシラン、アルコキシアセトキシジシラン、又はシクロシランを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
該酸素前駆物質が、更に、分子酸素、オゾン、水、過酸化水素、又は二酸化窒素を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
該原子状酸素が:
アルゴンを含むガス混合物からプラズマを形成する工程と;
該プラズマに酸素源を導入する工程であって、該酸素源が解離して、該原子状酸素を形成する、前記工程と;
によって形成される、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
該酸素源が、分子酸素、オゾン又は二酸化窒素を含む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
該方法が、該有機シリコンと酸素前駆物質から該堆積チャンバ内にプラズマを形成するステップを更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項16】
該方法が、該誘電体層をエッチングして、該層内の炭素含量を低減させるステップを更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項17】
該方法が、該ギャップ内の該誘電体層をアニールするステップを更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項18】
ギャップを誘電材料で充填する方法であって、該方法が:
有機シリコン前駆物質と酸素前駆物質を堆積チャンバに供給するステップであって、該
有機シリコン前駆物質のC:Si原子比が8未満である、前記ステップと;
該堆積チャンバ内で該前駆物質からのプラズマを生成するステップであって、該プラズマが該ギャップ内に該誘電材料の第一部分を堆積させる、前記ステップと;
該誘電材料の該第一部分をエッチングして、該材料中の炭素含量を低減させるステップと;
該ギャップ内に該誘電材料の第二部分を堆積させるステップと;
該ギャップ内の該誘電材料の該第一部分と第二部分をアニールするステップと;
を含む、前記方法。
【請求項19】
該有機シリコン前駆物質のC:Si比が、約6以下である、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
該有機シリコン前駆物質のO:Si比が、約3以上である、請求項18に記載の方法。
【請求項21】
該有機シリコン前駆物質が、Si-O-Si結合を含む、請求項18に記載の方法。
【請求項22】
該有機シリコン前駆物質が、シラゾキサンを含む、請求項18に記載の方法。
【請求項23】
該方法が、シラゾキサン中のSi-N結合を酸化するステップと、Si-O結合を形成するステップを含む、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
該Si-N結合が、離れて生成された原子状酸素前駆物質で酸化される、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
該有機シリコン前駆物質が、ハロゲン化シロキサンを含む、請求項18に記載の方法。
【請求項26】
該方法が、該ハロゲン化シロキサン中のSi-X結合を酸化するステップとSi-O結合を形成するステップであって、Xがハロゲン原子である、前記ステップとを含む、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
該方法が、該アニールの前に該誘電材料の該第二部分をエッチングするステップを含む、請求項18に記載の方法。
【請求項28】
該酸素前駆物質が、該堆積チャンバの外で生成される原子状酸素を含む、請求項18に記載の方法。
【請求項29】
基板上のギャップ内に誘電材料を堆積させ、アニールする方法であって、該方法が:
有機シリコン前駆物質と酸素前駆物質を堆積チャンバに供給するステップであって、該有機シリコン前駆物質のC:Si原子比が8未満である、前記ステップと;
該前駆物質を反応させて、該ギャップ内に該誘電材料を堆積させるステップと;
堆積された該誘電材料に熱アニールを行うステップと;
堆積された該誘電材料にプラズマアニールを行うステップと;
を含む、前記方法。
【請求項30】
該熱アニールが、該誘電材料を約300℃〜約600℃の温度に約1分〜約30分間加熱する工程を含む、請求項29に記載の方法。
【請求項31】
該プラズマアニールが、該誘電材料を高密度プラズマに約1分〜約10分間曝す工程を含む、請求項29に記載の方法。
【請求項32】
該有機シリコン前駆物質のC:Si比が、約6以下である、請求項29に記載の方法。
【請求項33】
該有機シリコン前駆物質のO:Si比が、約3以上である、請求項29に記載の方法。
【請求項34】
該有機シリコン前駆物質が、Si-O-Si結合を含む、請求項29に記載の方法。
【請求項35】
該有機シリコン前駆物質が、シロキサンを含む、請求項29に記載の方法。
【請求項36】
該有機シリコン前駆物質が、シラゾキサン或いはハロゲン化シロキサンを含む、請求項
29に記載の方法。
【請求項37】
該酸素前駆物質が、該堆積チャンバの外で生成される原子状酸素を含む、請求項29に記載の方法。
【請求項1】
基板上に形成されるギャップに誘電体層を堆積させる方法であって、方法が:
有機シリコン前駆物質と酸素前駆物質を堆積チャンバに導入するステップであって、該有機シリコン前駆物質のC:Si原子比が8未満であり、該酸素前駆物質が該堆積チャンバの外で生成される原子状酸素を含む、前記ステップと;
該前駆物質を反応させて、該ギャップ内に該誘電体層を形成するステップと;
を含む、前記方法。
【請求項2】
該有機シリコン前駆物質のO:Si比が3より大きい、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
該有機シリコン前駆物質のO:Si比が4より大きい、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
該有機シリコン前駆物質が、Si-O-Si結合を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
該有機シリコン前駆物質が、シロキサンを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
該シロキサンが、トリエトキシシロキサン,テトラメトキシシロキサン、トリメトキシシロキサン、ヘキサメトキシジシロキサン、オクタメトキシトリシロキサン、及びオクタメトキシドデカシロキサンからなる群より選ばれる、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
該有機シリコン前駆物質が、シラゾキサンを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
該シラゾキサンが、ヘキサメトキシジシラゾキサン、メチルヘキサメトキシジシラゾキサン、クロロヘキサメトキシジシラゾキサン、ヘキサエトキシジシラゾキサン、オクタメトキシサイクリックシラゾキサン、及びノナメトキシトリシラゾキサンからなる群より選ばれる、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
該有機シリコン前駆物質が、ハロゲン化シロキサンを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
該ハロゲン化シロキサンが、テトラクロロシラン、ジクロロジエトキシシロキサン、クロロトリエトキシシロキサン,ヘキサクロロジシロキサン、及びオクタクロロトリシロキサンからなる群より選ばれる、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
該有機シリコン前駆物質が、アミノシラン、アルキルジシラン、アルコキジシラン、アルコキシアルキルジシラン、アルコキシアセトキシジシラン、又はシクロシランを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
該酸素前駆物質が、更に、分子酸素、オゾン、水、過酸化水素、又は二酸化窒素を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
該原子状酸素が:
アルゴンを含むガス混合物からプラズマを形成する工程と;
該プラズマに酸素源を導入する工程であって、該酸素源が解離して、該原子状酸素を形成する、前記工程と;
によって形成される、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
該酸素源が、分子酸素、オゾン又は二酸化窒素を含む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
該方法が、該有機シリコンと酸素前駆物質から該堆積チャンバ内にプラズマを形成するステップを更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項16】
該方法が、該誘電体層をエッチングして、該層内の炭素含量を低減させるステップを更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項17】
該方法が、該ギャップ内の該誘電体層をアニールするステップを更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項18】
ギャップを誘電材料で充填する方法であって、該方法が:
有機シリコン前駆物質と酸素前駆物質を堆積チャンバに供給するステップであって、該
有機シリコン前駆物質のC:Si原子比が8未満である、前記ステップと;
該堆積チャンバ内で該前駆物質からのプラズマを生成するステップであって、該プラズマが該ギャップ内に該誘電材料の第一部分を堆積させる、前記ステップと;
該誘電材料の該第一部分をエッチングして、該材料中の炭素含量を低減させるステップと;
該ギャップ内に該誘電材料の第二部分を堆積させるステップと;
該ギャップ内の該誘電材料の該第一部分と第二部分をアニールするステップと;
を含む、前記方法。
【請求項19】
該有機シリコン前駆物質のC:Si比が、約6以下である、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
該有機シリコン前駆物質のO:Si比が、約3以上である、請求項18に記載の方法。
【請求項21】
該有機シリコン前駆物質が、Si-O-Si結合を含む、請求項18に記載の方法。
【請求項22】
該有機シリコン前駆物質が、シラゾキサンを含む、請求項18に記載の方法。
【請求項23】
該方法が、シラゾキサン中のSi-N結合を酸化するステップと、Si-O結合を形成するステップを含む、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
該Si-N結合が、離れて生成された原子状酸素前駆物質で酸化される、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
該有機シリコン前駆物質が、ハロゲン化シロキサンを含む、請求項18に記載の方法。
【請求項26】
該方法が、該ハロゲン化シロキサン中のSi-X結合を酸化するステップとSi-O結合を形成するステップであって、Xがハロゲン原子である、前記ステップとを含む、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
該方法が、該アニールの前に該誘電材料の該第二部分をエッチングするステップを含む、請求項18に記載の方法。
【請求項28】
該酸素前駆物質が、該堆積チャンバの外で生成される原子状酸素を含む、請求項18に記載の方法。
【請求項29】
基板上のギャップ内に誘電材料を堆積させ、アニールする方法であって、該方法が:
有機シリコン前駆物質と酸素前駆物質を堆積チャンバに供給するステップであって、該有機シリコン前駆物質のC:Si原子比が8未満である、前記ステップと;
該前駆物質を反応させて、該ギャップ内に該誘電材料を堆積させるステップと;
堆積された該誘電材料に熱アニールを行うステップと;
堆積された該誘電材料にプラズマアニールを行うステップと;
を含む、前記方法。
【請求項30】
該熱アニールが、該誘電材料を約300℃〜約600℃の温度に約1分〜約30分間加熱する工程を含む、請求項29に記載の方法。
【請求項31】
該プラズマアニールが、該誘電材料を高密度プラズマに約1分〜約10分間曝す工程を含む、請求項29に記載の方法。
【請求項32】
該有機シリコン前駆物質のC:Si比が、約6以下である、請求項29に記載の方法。
【請求項33】
該有機シリコン前駆物質のO:Si比が、約3以上である、請求項29に記載の方法。
【請求項34】
該有機シリコン前駆物質が、Si-O-Si結合を含む、請求項29に記載の方法。
【請求項35】
該有機シリコン前駆物質が、シロキサンを含む、請求項29に記載の方法。
【請求項36】
該有機シリコン前駆物質が、シラゾキサン或いはハロゲン化シロキサンを含む、請求項
29に記載の方法。
【請求項37】
該酸素前駆物質が、該堆積チャンバの外で生成される原子状酸素を含む、請求項29に記載の方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5A】
【図5B】
【図5C】
【図5D】
【図5E】
【図5F】
【図6A】
【図6B】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5A】
【図5B】
【図5C】
【図5D】
【図5E】
【図5F】
【図6A】
【図6B】
【公開番号】特開2012−169658(P2012−169658A)
【公開日】平成24年9月6日(2012.9.6)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−104899(P2012−104899)
【出願日】平成24年5月1日(2012.5.1)
【分割の表示】特願2009−533455(P2009−533455)の分割
【原出願日】平成19年10月11日(2007.10.11)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.フロッピー
【出願人】(390040660)アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド (1,346)
【氏名又は名称原語表記】APPLIED MATERIALS,INCORPORATED
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年9月6日(2012.9.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−104899(P2012−104899)
【出願日】平成24年5月1日(2012.5.1)
【分割の表示】特願2009−533455(P2009−533455)の分割
【原出願日】平成19年10月11日(2007.10.11)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.フロッピー
【出願人】(390040660)アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド (1,346)
【氏名又は名称原語表記】APPLIED MATERIALS,INCORPORATED
【Fターム(参考)】
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