説明

VEGF産生を阻害する活性因子としての置換されたフェノール

本発明は血管新生を阻害するための方法、化合物、および組成物に関する。特に詳細には、本発明はVEGF産生を阻害するための方法、化合物、および組成物に関する。本発明にしたがって、転写後にVEGFの発現を抑制する化合物が同定され、そしてそれらの使用のための方法が提供される。本発明の化合物はVEGF発現の阻害のための低いマイクロモル濃度の活性を有している。癌、糖尿病網膜症、慢性関節リウマチ、乾癬、アテローム性動脈硬化症、肥満、慢性炎、または滲出性の黄班変性を処置するための方法が提供される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願)
本出願は2004年12月27日に出願された米国仮出願特許第60/639,283号の米国特許法第119条のもと、優先権および利益を請求しており、その出願はその全体が本明細書中に参考として援用される。本出願は2004年11月23日に出願された米国仮出願特許第60/629,889号および2004年12月6日に出願された米国仮出願特許第60/633,738号の米国特許法第119条のもと、優先権および利益を請求している。
【0002】
(発明の分野)
本発明は、血管新生を阻害するための方法、化合物、および組成物に関する。さらに詳細には、本発明はVEGF産生阻害のための方法、化合物、および組成物に関する。
【背景技術】
【0003】
(発明の背景)
異常な血管新生は多数の疾患の病因において重大な役割を果たしており、その疾患は悪性の、虚血性の、炎症性の、および免疫性の障害を含む(文献1、2)。これらのうち最も知られた障害は癌、滲出性の黄斑変性および糖尿病網膜症(DR)であり、後者二つは米国において盲目の主要な原因である(文献3、4)。ここ10年の間、我々の血管新生の分子基礎への理解は著しく向上した。多くのサイトカインおよびVEGF、FGF−2、PDGF、IGF−1、TGF、TNFα、G−CSFのような血管新生を刺激する増殖因子が同定された(文献5〜7)。これらの増殖因子の中で、血管内皮増殖因子(VEGF)は血管新生において、中心的な役割を果たしている(文献2)。
【0004】
VEGFは、またVEGF−Aとして公知であるが、元々はその血管透過性を誘発し、および血管内皮細胞増殖を促進する能力のために同定された(文献8〜10)。VEGFは選択的スプライシングにより4つのアイソフォームを生じさせる唯一の遺伝子によりエンコードされる(文献11)。4つのアイソフォームはすべて、同一の異常に長く、GCリッチな5’−UTRおよび、複数のRNA安定性決定因子を含む3’−UTRを共有している。VEGFR−2(KDRまたはFlk−1としても公知)受容体およびVEGFR−1(かつてはFlt−1としても公知)受容体は二量体形のVEGFを認識する(文献12、13)。高度に特異的なVEGFR−2受容体は内皮細胞に対して発現される。VEGFR−2受容体に結合しているVEGFはその受容体のチロシンキナーゼ活性を活性化させ、そして内皮細胞増殖、分化および初期の血管新生へと導く(文献14)。VEGFR−1はおとりとして作用するか、またはVEGFR−2を通してシグナル経路を抑制することのどちらかにより増殖を阻害する(文献15)。
【0005】
30年以上前から、腫瘍血管新生の阻害は癌の処置に対して有効な方法であり得ると提案されていた(文献16)。それに続く研究により、VEGF、FGF、PDGF、TGF、EGF、IL−8、IL−6、およびアンジオポイエチン(angiopoietin)などを含む血管新生調節因子が腫瘍増殖および転移に関連していることが明らかになった(文献17、18)。VEGFおよびその受容体は腫瘍血管新生、特に初期の腫瘍増殖の段階において、中心的な役割を果たしていることが明らかになった(文献19)。実際、VEGF発現のレベルの増大は、原発の腫瘍組織における微小血管密度と関連があった(文献20)。その上、VEGF転写物のレベルの増大が、実質的にすべての一般的な固形腫瘍において見出されている(文献21)。一般的に、腫瘍を持った患者は、腫瘍を持たない個人と比較して、より高いVEGFレベルを持ち、さらに血清/血漿における高いVEGFレベルは予後不良と関連がある(文献22)。腫瘍血管新生におけるVEGFの役割と一致して、VEGFヌル胚幹細胞はヌードマウスにおいて腫瘍を形成する能力を劇的に低減させることが示された(文献23)。腫瘍血管新生におけるVEGFの関与に対する直接的な証拠が、ヌードマウスに移植されたヒト異種移植において、VEGFに対する特異的な抗体を用いることで明らかにされた(文献24、25)。これらの研究において、腫瘍増殖の阻害は抗体処置された腫瘍における血管新生の減少と肯定的に相関があった。可溶性受容体を用いるそれに続く実験により、腫瘍増殖におけるVEGF活性の重要性が証明され(文献26)、そして特異的な抗体処置によるVEGFの不活性化は、直接的に腫瘍に関連した新生血管新生をほぼ完全に抑制することが証明された(文献27、28)。
【0006】
滲出性の黄斑変性および糖尿病網膜症において、臨床前の実験および臨床治験により、VEGFの過剰産生は異常な網膜および脈絡膜の新生血管形成(CNV)に対して重要であることが示された(文献3を参照)。眼内のVEGFレベルは、糖尿病網膜症および湿性型の黄斑変性のような疾患を持つ患者において活性な網膜/脈絡膜の新生血管形成と強い相関があるという証拠が得られた(文献29、30)。それに加えて、トランスジェニックマウスを使用する研究により、網膜色素内皮細胞または光受容体細胞におけるVEGFの過剰発現は網膜または脈絡膜の新生血管形成を引き起こすことが証明された(文献31、32)。近年の研究において、中和抗体、可溶性受容体、受容体アンタゴニスト、またはsiRNAは、動物のモデルおよび診療所において、VEGF介在の血液血管形成の低減において効果的であることが証明された(文献33、34〜37)。
【0007】
VEGF発現はサイトカイン、増殖因子、ステロイドホルモンおよび化学物質、ならびに網様体賦活系または腫瘍サプレッサ遺伝子VHLのような腫瘍形成活性を調節する変異を含む数多くの要因ならびに因子によって調節されている(文献38、39)。それにもかかわらず、低酸素症はVEGF発現を調節するための最も重要な生理学的信号である。低酸素症により、転写率およびVEGF転写の安定性の両方を増大させることで、VEGF発現が高まる。低酸素誘導因子1α(HIF−1α)は、VEGFプロモーターに位置している低酸素反応要素(HRE)に結合させることにより、低酸素症を経験している細胞においてVEGF遺伝子発現を増加させる転写因子である(文献43、44)。VEGFmRNAの安定性はまた因子を3’−UTRにおける要素と結合させることの結果として、非常に高まる(文献45)。それに加えて、VEGF転写の翻訳開始は独自に調節される。低酸素条件下で、キャップに依存した翻訳開始過程に介在されるたいていの細胞の転写の翻訳は、著しく障害を受ける(文献46)。しかしながら、低酸素条件下でのVEGFmRNAの翻訳開始は、VEGF5’UTRの中で内部リボソーム侵入部位(IRES)を経由して介在されるという点でユニークである(文献41、42、47、48)。
【0008】
腫瘍増殖が新生血管形成の予防により阻害され得ることを示す多くの実験的証拠がある(文献26、49)。腫瘍血管は一般的に未成熟であり、そして絶えずリモデリングを経験する(文献1、50)。活性かつ異常な血管新生は、様々なサイトカイン、増殖因子およびステロイドホルモンを含む、血管新生促進(proangiogenic)因子および抗血管新生因子の正常なバランスにおける崩壊の結果である。腫瘍血管新生の調節の複雑さにもかかわらず、蓄積された証拠は、単独の血管新生促進因子を標的にすることは、腫瘍血管新生を阻害し、および腫瘍増殖を抑制するために十分であり得ることを示している(文献24、51、52)。多くの血管新生標的の中で、VEGFおよびその受容体が最も魅力的である。(文献1、12)。上記のように、VEGFを特異的に標的にしたモノクローナル抗体を用いる処置はヌードマウスに移植されたヒト異種移植において腫瘍増殖を阻害した。次に、VEGFを不活性化することを意図した種々の方法が腫瘍モデルにおいて試験され、癌腫、肉腫および神経膠腫を含む広範囲の腫瘍細胞系において非常に効果的であると証明された(文献21、24、51〜53)。それに加えて、抗−VEGF抗体によるVEGFの阻害は、十分に発達したげっ歯類または霊長類において重大な副作用を及ぼさなかった(文献54、55)。以上をまとめて考えると、これらの結果からVEGFは腫瘍の治療の開発のための適切な標的であることが示される。実際、VEGFインヒビターを用いた数多くの臨床治験が進行中である(文献17、25)。
【0009】
いくつかの血管新生促進因子は、滲出性の加齢に関連した黄斑変性の病理学に関与しているものの、VEGFはこの疾患の病因および発達において最も重要であると思われる(文献3、56)。前臨床実験および臨床治験から得たデータより、VEGF単独の阻害は疾患の進行を和らげ、または安定化させるのに十分であることが証明された(文献33、34〜37)。例えば、特定のチロシンキナーゼインヒビターによるVEGFRシグナルの阻害は、早熟モデルのネズミの網膜症において、網膜の新生血管形成の完全な予防に十分である(文献57)。さらに、ネズミのVEGFに対する低分子干渉RNA(siRNA)は、マウスのモデルにおけるレーザー光凝固の後の眼の新生血管形成を著しく阻害したことが近年明らかにされた(文献58)。これらの結果は、VEGF発現の選択的な阻害は達成可能であり、そして滲出性の黄斑変性および糖尿病網膜症のような眼の血管新生疾患の処置のためのこの方法の有効性を提供していることを示している。
【0010】
これらの方法は、(1)VEGF/VEGFR相互作用に対する特定の抗体、可溶性のVEGF受容体またはアプタマーオリゴを用いることによるVEGF活性の中立化(文献24、26、27、49、51、59、60);(2)特定の小さなチロキシキナーゼインヒビター分子によるシグナル伝達を介在するVEGFRの阻害(文献52、61、62);および(3)アンチセンス、siRNAまたはリボザイムを用いることによるVEGF/VEGFR発現の阻害(文献58、63〜65)、を含むVEGF活性を阻害するために用いられた。これらの方法は全て、重大なインビボの血管新生の阻害を示すものの、それらはすべて重大な制限を持っている。例えば、治療タンパク質(抗体および可溶性の受容体)またはオリゴ(アンチセンス、siRNAおよびリボザイム)は弱い透過性を持つ、通常非経口投与を必要とし、そして生産するのに多大の費用を要する大きな分子である。慢性的な目の新生血管新生の処置に対して、網膜剥離および感染に関連する手順のような潜在的な合併症のために、複数の注射は非実用的であり得る。その上、チロシンキナーゼインヒビターは限定された特異性の可能性を有している。VEGFは正常な眼および他の組織において、本質的に低いレベルで発現し、したがって、特に多くが高血圧でもあるAMDおよびRDを有する患者に対して、抗体またはチロシンキナーゼインヒビターの全身への投与により、VEGF機能を完全に抑制することは有害であり得る(文献66〜69)。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
したがって、新規の抗血管新生薬の開発のためのリード分子を特徴づけ、および最適化することを発展させる必要性が残されている。したがって、本研究の目的はそのような化合物を提供することである。
【0012】
本発明は血管新生を阻害するための方法および化合物に関する。特に詳細には、本発明はVEGF産生を阻害するための方法および化合物に関する。
【課題を解決するための手段】
【0013】
(発明の要旨)
本発明にしたがって、転写後にVEGFの発現を抑制する化合物が同定され、そしてそれらの使用のための方法が提供される。
【0014】
本発明の一つの実施形態は式(I)の化合物または、その薬学的に受容可能な塩、鏡像異性体、立体異性体、もしくは水和物を提供する。
【0015】
【化18】

ここで、
XはOまたはSである;
YはCまたはNであり、但し、YがNである場合、Rは存在しない;
AおよびBはそれぞれ、独立して、OまたはNであり、但し、AがOである場合、Rは存在しない、そして、BがOである場合、Rは存在しない;
およびRはそれぞれ、独立して、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、シクロアルキル、複素環、アルキルスルホニル、−COR、および−COからなる群より選択される;
ここで、上記RおよびRのアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、シクロアルキル基、複素環基、およびアルキルスルホニル基は、それぞれ、独立して、置換されているか、または置換されていない;
およびRは、それらが結合している原子とともに、置換されているかまたは置換されていない複素環を必要に応じて形成し得、その複素環はRおよびRが結合しているヘテロ原子を含めて、N、O、およびSからなる群より選択される1〜3個の環へテロ原子を含む;または
およびRは、それらが結合している原子とともに、置換されているかまたは置換されていない複素環を必要に応じて形成し得、その複素環はRおよびRが結合しているヘテロ原子を含めて、N、O、およびSからなる群より選択される2〜3個の環へテロ原子を含む;
はH、アルキル、アリール、または複素環であり、
ここで上記Rのアルキル基、アリール基、または複素環基はそれぞれ、独立して、置換されているか、または置換されていない;
、R、R、RおよびRはそれぞれ、独立して、H、アルキル、アルケニル、アルコキシ、アルキニル、アリール、シクロアルキル、複素環、アルキルスルホンアミド、−COR、−OR、−COH、−CO、−C(O)NR1011、SR、−NR1011およびハロゲンからなる群より選択される;
ここで、上記R、R、R、RおよびRのアルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、アルキニル基、アリール基、シクロアルキル基、複素環基、およびアルキルスルホンアミド基は、それぞれ、独立して、置換されているか、または置換されていない;
10およびR11はH、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、シクロアルキル、複素環、およびアルキルスルホニルからなる群より選択される;
ここで、上記R10およびR11のアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、シクロアルキル基、複素環基、およびアルキルスルホニル基は、それぞれ、独立して、置換されているか、または置換されていない;
次の置換基の対:RとR、RとR、RとR、およびRとRそれぞれは、独立して、それらが結合している原子とともに、N、O、またはSからなる群より選択される0個〜2個の環へテロ原子を有する置換されているかもしくは置換されていない単環式の複素環、または置換されているかもしくは置換されていない単環式の芳香族環を必要に応じて形成し得、したがって、二環式の環系を形成し得る;
は、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、シクロアルキル、および複素環からなる群より選択される;
上記Rのアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、シクロアルキル基、および複素環基は、それぞれ、独立して、置換されているか、または置換されていない。
【0016】
本発明の別の実施形態は、式(II)の化合物または、その薬学的に受容可能な塩、鏡像異性体、立体異性体、もしくは水和物を提供する:
【0017】
【化19】

ここで、
およびRはそれぞれ、独立して、H、アルキル、アルケニル、アリール、およびシクロアルキルからなる群より選択される;
ここで、上記RおよびRのアルキル基、アルケニル基、アリール基およびシクロアルキル基は、それぞれ、独立して、置換されているか、または置換されていない;
およびRは、それらが結合している原子とともに、5員〜7員の置換されているかまたは置換されていない複素環を必要に応じて形成し得、その複素環はRおよびRが結合しているヘテロ原子を含めて、N、O、およびSからなる群より選択される1〜3個の環へテロ原子を含む;ならびに、R、R、およびR15は、それぞれ、独立してH、置換されているかまたは置換されていないアルキル、およびハロゲンからなる群より選択される。
【0018】
本発明のさらに別の実施形態は、以下の構造を有する化合物を提供する:
【0019】
【化20】

本発明のさらに別の実施形態は、式(III)の構造を有する式(I)の化合物または、その薬学的に受容可能な塩、鏡像異性体、立体異性体、もしくは水和物を提供する:
【0020】
【化21】

ここで、RおよびRはそれぞれ、独立して、H、アルキル、アリール、シクロアルキル、複素環、アルキルスルホニル、−COR、および−COからなる群より選択される;
ここで、
上記RおよびRのアルキル基、アリール基、シクロアルキル基、複素環基、およびアルキルスルホニル基は、それぞれ、独立して、置換されているか、または置換されていない;
は、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、シクロアルキルおよび複素環からなる群より選択される;
ここで、上記Rのアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、シクロアルキル基、および複素環基は、それぞれ、独立して置換されているか、または置換されていない。
【0021】
本発明の別の実施形態は式(IV)の化合物または、その薬学的に受容可能な塩、鏡像異性体、立体異性体、もしくは水和物を提供する:
【0022】
【化22】

ここで
XはOまたはSである;
YはCまたはNであり、但し、YがNである場合、Rは存在しない;
ZはCであるか、または存在しない、但し、Zが存在しない場合、X、B、RおよびRは存在しない;
AおよびBはそれぞれ、独立してOまたはNであり、但し、BがOである場合、Rは存在しない;
およびRは、それぞれ、独立して、H;必要に応じてシクロアルキルまたはハロゲンで置換されたアルキル;必要に応じてアルキル、アルキルスルホニルアミドまたはハロゲンで置換されたアリール;およびシクロアルキルからなる群より選択される;または
およびRは、それらが結合している原子とともに、置換されているかまたは置換されていない複素環を必要に応じて形成し得、その複素環はRおよびRが結合しているヘテロ原子を含めて、N、O、およびSからなる群より選択される1〜3個の環へテロ原子を含む;
はHである;
はH、−COR、−NR1011、およびハロゲンからなる群より選択され、ここでRはアルキルであり、そしてR10およびR11は独立して、Hおよびアルキルスルホニルからなる群より選択される;
とRは、それらが結合している原子とともに、N、O、またはSからなる群より選択される0個〜2個の環へテロ原子を有する、必要に応じてアルキルで置換されている単環式の複素環であるか、または、RとRは、それらが結合している原子とともに、必要に応じてアルコキシまたはハロゲンで置換された単環式の芳香族環であり、したがって、二環式の環系を形成する;または
は水素であり、そしてRはH、アルキル、およびハロゲンからなる群より選択される;
は水素またはハロゲンである;および
はハロゲンである。
【0023】
本発明のさらなる実施形態は、血管内皮細胞増殖を選択的に阻害する方法を提供し、この方法は、血管内皮細胞増殖を発現している細胞に、式(I)の一種以上の化合物または、その薬学的に受容可能な塩、鏡像異性体、立体異性体、もしくは水和物の効果的な量を暴露する工程を包含する;
【0024】
【化23】

ここで、
XはOまたはSである;
YはCまたはNであり、但し、YがNである場合、Rは存在しない;
AおよびBはそれぞれ、独立して、OまたはNであり、但し、AがOである場合、Rは存在しない、そして、BがOである場合、Rは存在しない;
およびRはそれぞれ、独立して、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、シクロアルキル、複素環、アルキルスルホニル、−COR、および−COからなる群より選択される;
ここで、上記RおよびRのアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、シクロアルキル基、複素環基、およびアルキルスルホニル基は、それぞれ、独立して、置換されているか、または置換されていない;
およびRは、それらが結合している原子とともに、置換されているかまたは置換されていない複素環を必要に応じて形成し得、その複素環はRおよびRが結合しているヘテロ原子を含めて、N、O、およびSからなる群より選択される1〜3個の環へテロ原子を含む;または
およびRは、それらが結合している原子とともに、置換されているかまたは置換されていない複素環を必要に応じて形成し得、その複素環はRおよびRが結合しているヘテロ原子を含めて、N、O、およびSからなる群より選択される2〜3個の環へテロ原子を含む;
はH、アルキル、アリール、または複素環であり、
ここで上記Rのアルキル基、アリール基、または複素環基はそれぞれ、独立して、置換されているか、または置換されていない;
、R、R、RおよびRはそれぞれ、独立して、H、アルキル、アルケニル、アルコキシ、アルキニル、アリール、シクロアルキル、複素環、アルキルスルホンアミド、−COR、−OR、−COH、−CO、−C(O)NR1011、SR、−NR1011およびハロゲンからなる群より選択される;
ここで、上記R、R、R、RおよびRのアルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、アルキニル基、アリール基、シクロアルキル基、複素環基、およびアルキルスルホンアミド基は、それぞれ、独立して、置換されているか、または置換されていない;
10およびR11はH、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、シクロアルキル、複素環、およびアルキルスルホニルからなる群より選択される;
ここで、上記R10およびR11のアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、シクロアルキル基、複素環基、およびアルキルスルホニル基は、それぞれ、独立して、置換されているか、または置換されていない;
次の置換基の対:RとR、RとR、RとR、およびRとRそれぞれは、独立して、それらが結合している原子とともに、N、O、またはSからなる群より選択される0個〜2個の環へテロ原子を有する置換されているかもしくは置換されていない単環式の複素環、または置換されているかもしくは置換されていない単環式の芳香族環を必要に応じて形成し得、したがって、二環式の環系を形成し得る;
は、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、シクロアルキル、および複素環からなる群より選択される;
上記Rのアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、シクロアルキル基、および複素環基は、それぞれ、独立して、置換されているか、または置換されていない。
【0025】
本発明のさらなる実施形態は、血管内皮細胞増殖を選択的に阻害する方法を提供し、その方法は、血管内皮細胞増殖を発現している細胞に、以下の構造を持つ一種以上の化合物、またはその薬学的に受容可能な塩、鏡像異性体、立体異性体、もしくは水和物の効果的な量を暴露する工程を包含する:
【0026】
【化24】

ここで、
XはOまたはSである;
YはCまたはNであり、但し、YがNである場合、Rは存在しない;
AおよびBはそれぞれ、独立して、OまたはNであり、但し、AがOである場合、Rは存在しない、そして、BがOである場合、Rは存在しない;
およびRは、それぞれ、独立して、H;必要に応じてシクロアルキルまたはハロゲンで置換されたアルキル;必要に応じてアルキル、アルキルスルホニルアミドまたはハロゲンで置換されたアリール;およびシクロアルキルからなる群より選択される;または
およびRは、それらが結合している原子とともに、置換されているかまたは置換されていない複素環を必要に応じて形成し得、その複素環はRおよびRが結合しているヘテロ原子を含めて、N、O、およびSからなる群より選択される1〜3個の環へテロ原子を含む;
はHである;
はH、−COR、−NR1011、およびハロゲンからなる群より選択され、ここでRはアルキルであり、そしてR10およびR11は独立して、Hおよびアルキルスルホニルからなる群より選択される;
とRは、それらが結合している原子とともに、N、O、またはSからなる群より選択される0個〜2個の環へテロ原子を有する、必要に応じてアルキルで置換されている単環式の複素環であるか、または、RとRは、それらが結合している原子とともに、必要に応じてアルコキシまたはハロゲンで置換された単環式の芳香族環であり、したがって、二環式の環系を形成する;または
は水素であり、そしてRはH、アルキル、およびハロゲンからなる群より選択される;
は水素またはハロゲンである;および
は水素またはハロゲンである。
【0027】
本発明の別の局面において、VEGF産生の阻害、血管新生の阻害、および/または癌、糖尿病網膜症、慢性関節リウマチ、乾癬、アテローム性動脈硬化症、肥満、慢性炎、または滲出性の黄班変性の処置において有用である式(I)、(II)、(III)、および(IV)の化合物が提供される。
【0028】
本発明の別の局面において、VEGF産生の阻害、血管新生の阻害、および/または癌、糖尿病網膜症、慢性関節リウマチ、乾癬、アテローム性動脈硬化症、肥満、慢性炎、または滲出性の黄班変性の処置において有用である式(I)、(II)、(III)、および(IV)の化合物を含む薬学的組成物が提供される。
【0029】
本発明の別の局面において、本明細書中に述べられた化合物を用いることにより、VEGF産生の阻害、血管新生の阻害、および/または癌、糖尿病網膜症、慢性関節リウマチ、乾癬、アテローム性動脈硬化症、肥満、慢性炎、または滲出性の黄班変性の処置のための方法が提供される。
【0030】
一つの実施形態において、本発明は、VEGF産生を阻害するための方法に関連しており、この方法は本発明の一種以上の化合物のVEGF阻害量を、必要な被験体に投与する工程を包含する。
【0031】
別の実施形態において、血管新生を阻害するための方法が提供され、この方法は本発明の一種以上の化合物の抗血管新生量を、必要な被験体に投与する工程を包含する。
【0032】
さらに別の実施形態において、癌、糖尿病網膜症、慢性関節リウマチ、乾癬、アテローム性動脈硬化症、肥満、慢性炎、または滲出性の黄班変性を処置するための方法が提供され、この方法は本発明の一種以上の化合物の治療上有効な量を、必要な被験体に投与する工程を包含する。
【0033】
本発明のこれらの、および他の局面は、次の好ましい実施形態および詳細な説明にしたがって、より詳細に理解される。
【0034】
(一定の実施形態)
実施形態1.被験体におけるVEGF産生を阻害する方法であり、その方法は、式(I)、式(II)、式(III)、もしくは式(IV)の化合物、またはその鏡像異性体、ジアステレオマー、薬学的に受容可能な塩、プロドラッグ、溶媒化合物もしくは混合物からなる群より選択される化合物のVEGF阻害量を、必要な被験体に投与する工程を包含する。
【0035】
実施形態2.被験体における血管新生を阻害する方法であり、その方法は、式(I)、式(II)、式(III)、もしくは式(IV)の化合物、またはその鏡像異性体、ジアステレオマー、薬学的に受容可能な塩、プロドラッグ、溶媒化合物もしくは混合物からなる群より選択される化合物の抗血管新生量を、必要な被験体に投与する工程を包含する。
【0036】
実施形態3.被験体における癌を処置するための方法であり、その方法は、式(I)、式(II)、式(III)、もしくは式(IV)の化合物、またはその鏡像異性体、ジアステレオマー、薬学的に受容可能な塩、プロドラッグ、溶媒化合物もしくは混合物からなる群より選択される化合物の治療上効果的な量を、必要な被験体に投与する工程を包含する。
【0037】
実施形態4.被験体における糖尿病網膜症を処置するための方法であり、その方法は、式(I)、式(II)、式(III)、もしくは式(IV)の化合物、またはその鏡像異性体、ジアステレオマー、薬学的に受容可能な塩、プロドラッグ、溶媒化合物もしくは混合物からなる群より選択される化合物の治療上効果的な量を、必要な被験体に投与する工程を包含する。
【0038】
実施形態5.被験体における滲出性の黄班変性を処置するための方法であり、その方法は、式(I)、式(II)、式(III)、もしくは式(IV)の化合物、またはその鏡像異性体、ジアステレオマー、薬学的に受容可能な塩、プロドラッグ、溶媒化合物もしくは混合物からなる群より選択される化合物の治療上効果的な量を、必要な被験体に投与する工程を包含する。
【0039】
実施形態6.被験体における慢性関節リウマチを処置するための方法であり、その方法は、式(I)、式(II)、式(III)、もしくは式(IV)の化合物、またはその鏡像異性体、ジアステレオマー、薬学的に受容可能な塩、プロドラッグ、溶媒化合物もしくは混合物からなる群より選択される化合物の治療上効果的な量を、必要な被験体に投与する工程を包含する。
【0040】
実施形態7.被験体における乾癬を処置するための方法であり、その方法は、式(I)、式(II)、式(III)、もしくは式(IV)の化合物、またはその鏡像異性体、ジアステレオマー、薬学的に受容可能な塩、プロドラッグ、溶媒化合物もしくは混合物からなる群より選択される化合物の治療上効果的な量を、必要な被験体に投与する工程を包含する。
【0041】
実施形態8.被験体におけるアテローム性動脈硬化症を処置するための方法であり、その方法は、式(I)、式(II)、式(III)、もしくは式(IV)の化合物、またはその鏡像異性体、ジアステレオマー、薬学的に受容可能な塩、プロドラッグ、溶媒化合物もしくは混合物からなる群より選択される化合物の治療上効果的な量を、必要な被験体に投与する工程を包含する。
【0042】
実施形態9.被験体における肥満を処置するための方法であり、その方法は、式(I)、式(II)、式(III)、もしくは式(IV)の化合物、またはその鏡像異性体、ジアステレオマー、薬学的に受容可能な塩、プロドラッグ、溶媒化合物もしくは混合物からなる群より選択される化合物の治療上効果的な量を、必要な被験体に投与する工程を包含する。
【0043】
実施形態10.被験体における慢性炎を処置するための方法であり、その方法は、式(I)、式(II)、式(III)、もしくは式(IV)の化合物、またはその鏡像異性体、ジアステレオマー、薬学的に受容可能な塩、プロドラッグ、溶媒化合物もしくは混合物からなる群より選択される化合物の治療上効果的な量を、必要な被験体に投与する工程を包含する。
【0044】
実施形態11.細胞におけるVEGFを選択的に阻害する方法であり、その方法は式(I)、式(II)、式(III)、もしくは式(IV)の一種以上の化合物、またはその鏡像異性体、ジアステレオマー、薬学的に受容可能な塩、プロドラッグ、溶媒化合物もしくは混合物の効果的な量を、VEGFを選択的に阻害するために十分な条件下および時間にわたって、細胞に暴露する工程を包含する。
【0045】
実施形態12.細胞におけるVEGFを選択的に阻害するための方法であり、その方法は、薬学的に受容可能な賦形剤および式(I)、式(II)、式(III)、もしくは式(IV)の一種以上の化合物、またはその鏡像異性体、ジアステレオマー、薬学的に受容可能な塩、プロドラッグ、溶媒化合物もしくは混合物を含む組成物の効果的な量を、VEGFを選択的に阻害するために十分な条件下および時間にわたって、細胞に暴露する工程を包含する。
【0046】
実施形態13.異常なVEGF産生により発症または経過が促進される疾患を処置または予防するための方法であり、その方法は、必要な被験体に式(I)、式(II)、式(III)、もしくは式(IV)の一種以上の化合物、またはその鏡像異性体、ジアステレオマー、薬学的に受容可能な塩、プロドラッグ、溶媒化合物もしくは混合物の治療上効果的な量を、VEGFを選択的に阻害するために十分な条件下および時間にわたって、投与する工程を包含する。
【0047】
実施形態14.異常な血管新生を阻害するための方法であり、その方法は式(I)、式(II)、式(III)、もしくは式(IV)の一種以上の化合物、またはその鏡像異性体、ジアステレオマー、薬学的に受容可能な塩、プロドラッグ、溶媒化合物もしくは混合物の治療上効果的な量を、VEGFを選択的に阻害するために十分な条件下および時間にわたって、必要な被験体に投与する工程を包含する。
【0048】
実施形態15.式(I)、式(II)、式(III)、もしくは式(IV)の化合物、またはその鏡像異性体、ジアステレオマー、薬学的に受容可能な塩、プロドラッグ、溶媒化合物もしくは混合物からなる群より選択される化合物、および薬学的に受容可能な賦形剤を含む薬学的組成物。
【0049】
実施形態16.VEGFを阻害する組成物であって、その組成物は式(I)、式(II)、式(III)、もしくは式(IV)の一種以上の化合物、またはその鏡像異性体、ジアステレオマー、薬学的に受容可能な塩、プロドラッグ、溶媒化合物もしくは混合物を含む。VEGFを阻害する組成物は、薬学的に受容可能な賦形剤を含み得る。
【0050】
実施形態17.薬学的組成物の調製のための式(I)〜式(IV)の化合物の使用。
【発明を実施するための最良の形態】
【0051】
(発明の詳細な説明)
血管新生のための重要な要因である血管内皮増殖因子(VEGF)のアップレギュレーションは、癌、糖尿病網膜症および滲出性の黄班変性の病因に対する重要な一因である。本発明にしたがって、転写後にVEGFの発現を阻害する化合物が同定され、それらの使用のための方法が提供された。本発明の化合物はVEGF発現の阻害のための低いマイクロモル濃度の活性を有している。
【0052】
「VEGFを阻害する(inhibiting VEGF)」、「VEGFの阻害(inhibition of VEGF)」などという用語により、本発明の化合物で十分な期間の間処置された細胞における、VEGFの転写後の発現またはVEGFの産生が、処置していない細胞と比較して低いことが意味される。したがって、VEGF活性(例えば、その血管新生促進活性)もまた低減される。望ましくは、本発明の化合物は、培養中の細胞におけるVEGF発現を、処置していない細胞と比較して少なくとも10%の量で阻害する。一つの実施形態において、本発明の化合物は、細胞におけるVEGF発現を、処置していない細胞と比較して少なくとも約25%の量で阻害する。別の実施形態において、本発明の化合物は、細胞におけるVEGF発現を、処置していない細胞と比較して少なくとも約50%の量で阻害する。さらなる実施形態において、本発明の化合物は、細胞におけるVEGF発現を、処置していない細胞と比較して少なくとも約75%の量で阻害する。
【0053】
(定義)
本明細書中で用いられているように、「アルキル」という用語は、必要に応じて置換されている、分枝鎖または直鎖の飽和炭化水素ラジカルを示す。
【0054】
本明細書中で用いられているように、「アルケニル」という用語は、少なくとも一つの炭素二重結合を持つ、必要に応じて置換されている、分枝鎖のまたは直鎖の不飽和炭化水素ラジカルを示す。
【0055】
本明細書中で用いられているように、「アルキニル」という用語は、少なくとも一つの炭素三重結合を持つ、必要に応じて置換される、分枝鎖のまたは直鎖の炭化水素ラジカルを示す。
【0056】
本明細書中で用いられているように、「芳香族環」という用語は、必要に応じて置換されている、単環式の芳香族炭化水素環を示す。芳香族環はナフチルのように、芳香族二環式の環系の一部であり得る。あるいは、二環式の環系における芳香族環が結合している環は脂肪族環であり得る。
【0057】
本明細書中で用いられているように、「アリール」という用語は、必要に応じて置換されている、安定な5員〜7員の単環式の炭化水素ラジカル、または安定な8員〜11員の二環式の芳香族炭化水素ラジカルを示す。
【0058】
本明細書中で用いられているように、「シクロアルキル」という用語は、3個〜10個の炭素原子を有する、必要に応じて置換されている、脂肪族炭化水素環のラジカルを示す。
【0059】
本明細書中で用いられているように、「シクロアルキルアルキル」という用語は、シクロアルキル置換基を有する、必要に応じて置換されているアルキルラジカルを示す。
【0060】
本明細書中で用いられているように、「ヘテロ原子」という用語は、炭素または水素以外の任意の元素である原子を示す。
【0061】
本明細書中で用いられているように、「複素環(heterocycle)」および「複素環(heterocyclic ring)」は、必要に応じて置換されている安定な5員〜7員の単環式の炭化水素環または、必要に応じて置換されている8員〜11員の
二環式の炭化水素環を示し、その炭化水素環における1個〜4個の炭素原子は、N、O、およびSからなる群より選択されるヘテロ原子と置換されている。二環式の複素環の場合、置換はどちらか一つの環で起こり得る。さらに、その複素環は飽和または不飽和であり得、そして脂肪族または芳香族であり得る。
【0062】
本明細書中で用いられているように、「オキシム」という用語は、R26がHまたはC〜Cアルキルであるオキシム基=NOR26のラジカルを示し、そのオキシムにおいて、オキシムラジカルは、オキシム窒素への二重結合を通して特定の炭素と結合している。好ましい実施形態において、R26はHである。
【0063】
本明細書で用いられているように、「薬学的に受容可能な塩」という用語は:酢酸、乳酸、クエン酸、ケイ皮酸、酒石酸、コハク酸、フマル酸、マレイン酸、マロン酸、マンデル酸、リンゴ酸、シュウ酸、プロピオン酸、塩酸、臭化水素酸、リン酸、硝酸、硫酸、グリコール酸、ピルビン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、トルエンスルホン酸、サリチル酸、安息香酸、および同様に受容可能な酸のような、有機酸および無機酸から誘導されるそれらの塩に言及している。
【0064】
本明細書中で用いられているように、「アミノチオカルボニル」という用語はアミノ基がチオカルボニル基の炭素と結合しているラジカルを示す。チオカルボニル基は炭素原子が二重結合を通して硫黄原子と結合している官能基である。その示された原子とアミノチオカルボニルラジカルとの結合点はチオカルボニル部分の炭素原子である。
【0065】
本明細書中で用いられているように、式(III)の化合物は、式(I)の化学骨格に対する図と同じような化学骨格の図を含む。
【0066】
当業者により認識されるように、本発明の特定の化合物は、キラル中心を含み得、したがってラセミ混合物または鏡像異性体上純粋な組成物として存在し得る。例えば、本発明の化合物は、鏡像異性体上純粋な組成物におけるR異性体またはS異性体として存在し得る。
【0067】
(発明の化合物および組成物)
本発明の一つの局面において、VEGF産生の阻害もしくは血管新生の阻害、またはVEGF産生の阻害および血管新生の阻害において有用である本発明の化合物が提供される。本発明の別の局面において、癌、糖尿病網膜症もしくは滲出性の黄班変性の処置、または癌、糖尿病網膜症もしくは滲出性の黄班変性の任意の組み合わせの処置において有用である本発明の化合物が提供される。
【0068】
一つの実施形態において、本発明の化合物は選択的にVEGF産生を阻害する。別の実施形態において、本発明の化合物は、VEGF発現および、例えばFGF−2のような他の血管新生因子の発現を阻害する。この観点から、全血管新生(pan−angiogenic)インヒビターは、腫瘍増殖を阻害する方法において好まれ得る。一方、VEGF特異的インヒビターは、眼の血管新生障害の処置に対して好まれ得る(17)。本発明の化合物は以下に示される式(I)の化合物または、その薬学的に受容可能な塩、鏡像異性体、立体異性体、もしくは水和物を含む:
【0069】
【化25】

ここで、
XはOまたはSである;
YはCまたはNであり、但し、YがNである場合、Rは存在しない;
AおよびBはそれぞれ、独立して、OまたはNであり、但し、AがOである場合、Rは存在しない、そして、BがOである場合、Rは存在しない;
およびRはそれぞれ、独立して、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、シクロアルキル、複素環、アルキルスルホニル、−COR、および−COからなる群より選択される;
ここで、上記RおよびRのアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、シクロアルキル基、複素環基、およびアルキルスルホニル基は、それぞれ、独立して、置換されているか、または置換されていない;
およびRは、それらが結合している原子とともに、置換されているかまたは置換されていない複素環を必要に応じて形成し得、その複素環はRおよびRが結合しているヘテロ原子を含めて、N、O、およびSからなる群より選択される1〜3個の環へテロ原子を含む;または
およびRは、それらが結合している原子とともに、置換されているかまたは置換されていない複素環を必要に応じて形成し得、その複素環はRおよびRが結合しているヘテロ原子を含めて、N、O、およびSからなる群より選択される2〜3個の環へテロ原子を含む;
はH、アルキル、アリール、または複素環であり、
ここで上記Rのアルキル基、アリール基、または複素環基はそれぞれ、独立して、置換されているか、または置換されていない;
、R、R、RおよびRはそれぞれ、独立して、H、アルキル、アルケニル、アルコキシ、アルキニル、アリール、シクロアルキル、複素環、アルキルスルホンアミド、−COR、−OR、−COH、−CO、−C(O)NR1011、SR、−NR1011およびハロゲンからなる群より選択される;
ここで、上記R、R、R、RおよびRのアルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、アルキニル基、アリール基、シクロアルキル基、複素環基、およびアルキルスルホンアミド基は、それぞれ、独立して、置換されているか、または置換されていない;
10およびR11はH、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、シクロアルキル、複素環、およびアルキルスルホニルからなる群より選択される;
ここで、上記R10およびR11のアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、シクロアルキル基、複素環基、およびアルキルスルホニル基は、それぞれ、独立して、置換されているか、または置換されていない;
次の置換基の対:RとR、RとR、RとR、およびRとRそれぞれは、独立して、それらが結合している原子とともに、N、O、またはSからなる群より選択される0個〜2個の環へテロ原子を有する置換されているかもしくは置換されていない単環式の複素環、または置換されているかもしくは置換されていない単環式の芳香族環を必要に応じて形成し得、したがって、二環式の環系を形成し得る;
は、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、シクロアルキル、および複素環からなる群より選択される;
上記Rのアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、シクロアルキル基、および複素環基は、それぞれ、独立して、置換されているか、または置換されていない。
【0070】
式(I)の一つの実施形態において、XはOまたはSである。式(I)の別の実施形態において、XはOである。式(I)の別の実施形態において、XはOでない。式(I)の一つの実施形態において、XはSである。式(I)の別の実施形態において、XはSでない。
【0071】
式(I)の一つの実施形態において、YはCまたはNである。式(I)の別の実施形態において、YはCである。式(I)の別の実施形態において、YはCでない。式(I)の一つの実施形態において、YはNである。式(I)の別の実施形態において、YはNでない。
【0072】
式(I)の一つの実施形態において、AおよびBはそれぞれ独立して、OまたはNである。式(I)の別の実施形態において、AはOである。式(I)の別の実施形態において、AはOでない。式(I)の一つの実施形態において、AはNである。式(I)の別の実施形態において、AはNでない。式(I)の別の実施形態において、BはOである。式(I)の別の実施形態において、BはOでない。式(I)の一つの実施形態において、BはNである。式(I)の別の実施形態において、BはNでない。式(I)の一つの実施形態において、AとBの両方がOである。式(I)の一つの実施形態において、AとBの両方がNである。式(I)の一つの実施形態において、AもBもOでない。式(I)の一つの実施形態において、AもBもNでない。
【0073】
式(I)のさらなる実施形態において、RおよびRはそれぞれ独立して、H、アルキル、アリール、およびシクロアルキルからなる群から選択され、上記アルキル基、アリール基、およびシクロアルキル基は、独立して置換されているか、または置換されていない。式(I)のさらなる実施形態において、RおよびRはそれぞれ独立して、H;必要に応じてシクロアルキルまたはハロゲンで置換されたアルキル;必要に応じてアルキル、アルキルスルホニルアミドまたはハロゲンで置換されたアリール;およびシクロアルキルからなる群より選択される。
【0074】
別の実施形態において、RおよびRはそれぞれ独立して、Hおよびシクロアルキルからなる群より選択される。
【0075】
式(I)のさらなる実施形態において、RおよびRはそれぞれ独立して、Hおよび必要に応じてシクロアルキルで置換されたアルキルからなる群より選択される。式(I)の別の実施形態において、RおよびRはそれぞれ独立して、Hおよびシクロアルキルで置換されたアルキルからなる群より選択される。
【0076】
式(I)のさらなる実施形態において、RおよびRはそれぞれ独立して、Hおよび必要に応じてアルキルで置換されたアリールからなる群より選択される。
【0077】
式(I)のさらなる実施形態において、RおよびRはそれぞれ独立して、Hおよび必要に応じてハロゲンで置換されたアルキルからなる群より選択される。式(I)のさらなる実施形態において、RおよびRはそれぞれ独立して、Hおよびハロゲンで置換されたアルキルからなる群より選択される。
【0078】
式(I)のさらなる実施形態において、BはOであり、およびRは必要に応じてハロゲンで置換されたアリールである。式(I)の別の実施形態において、BはOであり、およびRはハロゲンで置換されたアリールである。式(I)の別の実施形態において、BはOであり、およびRは臭素で置換されたアリールである。
【0079】
式(I)の実施形態において、RおよびRは、それらが結合している原子とともに、置換されているかまたは置換されていない複素環を必要に応じて形成し得、その複素環はRおよびRが結合しているヘテロ原子を含めて、N、O、およびSからなる群より選択される1個〜3個の環へテロ原子を含む。別の実施形態において、RおよびRは、それらが結合している原子とともに、置換されているかまたは置換されていない複素環を必要に応じて形成し得、その複素環は、RおよびRが結合しているヘテロ原子を含めて、NおよびOからなる群より選択される1個〜3個の環へテロ原子を含む。
【0080】
一つの実施形態において、例示的かつ非限定的な複素環として、
【0081】
【化26】

が挙げられる。
【0082】
式(I)の好ましい実施形態において、RおよびRは、それらが結合している原子とともに、置換されていない複素環を形成する。RおよびRが結合している原子とともに、RおよびRから形成され得る例示的な置換されていない複素環として、
【0083】
【化27】

が挙げられるが、それらに限定されない。
【0084】
式(I)の別の好ましい実施形態において、RおよびRは、それらが結合している原子とともに、置換されている複素環を形成する。
【0085】
一つの実施形態において、置換され得る非限定的な複素環として、例えば
【0086】
【化28】

が挙げられる。
【0087】
好ましい実施形態において、RおよびRは、それらが結合している原子とともに、一つの置換基で置換されている複素環を形成する。別の好ましい実施形態において、RおよびRは、それらが結合している原子とともに、二つの独立して選択される置換基で置換されている複素環を形成する。別の実施形態において、RおよびRは、それらが結合している原子とともに、三つの独立して選択される置換基で置換されている複素環を形成する。別の実施形態において、RおよびRは、それらが結合している原子とともに、四つの独立して選択される置換基で置換されている複素環を形成する。別の実施形態において、RおよびRは、それらが結合している原子とともに、五つの独立して選択される置換基で置換されている複素環を形成する。RおよびRが結合している原子とともに、RおよびRから形成され得る、複素環上の例示的かつ非限定的な置換基として、
【0088】
【化29】

が挙げられる。
【0089】
式(I)の好ましい実施形態において、RはHである。
【0090】
式(I)の別の好ましい実施形態において、AはOであり、およびRは存在しない。
【0091】
式(I)の一つの実施形態において、Rは独立して、H、アルキル、アルケニル、アルコキシ、アルキニル、アリール、シクロアルキル、複素環、アルキルスルホンアミド、−COR、−OR、−COH、−CO、−C(O)NR1011、SR、−NR1011、およびハロゲンからなる群より選択される。好ましい実施形態において、Rは、−COR、−NR1011、およびハロゲンからなる群より選択される。
【0092】
式(I)の好ましい実施形態において、RはHである。
【0093】
式(I)の別の好ましい実施形態において、Rは−CORである。別の好ましい実施形態において、Rは−CO−アルキルである。好ましい実施形態において、Rは−CO−(C〜Cアルキル)である。さらに好ましい実施形態において、Rは−CO−メチルである。
【0094】
式(I)の好ましい実施形態において、Rは−C(O)NR1011である。別の好ましい実施形態において、Rは、R10およびR11のうちの一つが水素で、もう一つがアルキルスルホニルである−C(O)NR1011である。さらに好ましい実施形態において、R10およびR11のうちの一つが水素で、もう一つがメチルスルホニルである。
【0095】
式(I)の好ましい実施形態において、Rはハロゲンである。別の好ましい実施形態において、Rは臭素または塩素である。さらに好ましい実施形態において、Rは臭素である。さらに好ましい実施形態において、Rは塩素である。
【0096】
式(I)の好ましい実施形態において、RはHであるか;または、RとRは、それらが結合している原子とともに、N、O、もしくはSからなる群より選択される0〜2個の環へテロ原子を有する置換されているかもしくは置換されていない単環式の複素環、または置換されているかもしくは置換されていない単環式の芳香族環を必要に応じて形成し得、したがって二環式の環系を形成し得る。
【0097】
式(I)の別の好ましい実施形態において、RはHである。
【0098】
式(I)の別の好ましい実施形態において、RとRは、それらが結合している原子とともに、N、O、もしくはSからなる群より選択される0〜2個の環へテロ原子を有する置換されているかもしくは置換されていない単環式の複素環、または置換されているかもしくは置換されていない単環式の芳香族環であり、したがって二環式の環系を形成する。
【0099】
式(I)の別の好ましい実施形態において、RとRは、それらが結合している原子とともに、N、O、もしくはSからなる群より選択される0〜2個の環へテロ原子を有する必要に応じてアルキルで置換された単環式の複素環であるか、または、RとRは、それらが結合している原子とともに、必要に応じてアルコキシまたはハロゲンで置換された単環式の芳香族環であり、したがって二環式の環系を形成する。
【0100】
式(I)の別の好ましい実施形態において、RとRは、それらが結合している原子とともに、N、O、もしくはSからなる群より選択される0〜2個の環へテロ原子を有する置換されていない単環式の複素環である。式(I)の別の好ましい実施形態において、RとRは、それらが結合している原子とともに、置換されていない単環式の芳香族環であり、したがって二環式の環系を形成する。
【0101】
式(I)の別の好ましい実施形態において、RとRは、それらが結合している原子とともに、N、O、もしくはSからなる群より選択される0〜2個の環へテロ原子を有する単環式の複素環であり、したがって二環式の環系を形成する。ここで、その単環式の複素環はアルキルで置換されている。式(I)の別の好ましい実施形態において、RとRは、それらが結合している原子とともに、N、O、もしくはSからなる群より選択される0〜2個の環へテロ原子を有する単環式の複素環であり、したがって二環式の環系を形成する。ここで、その単環式の複素環はメチルで置換されている。
【0102】
式(I)の別の好ましい実施形態において、RとRは、それらが結合している原子とともに、単環式の芳香族環であり、したがって二環式の環系を形成する。ここで、その単環式の芳香族環はアルコキシまたはハロゲンで置換されている。式(I)の別の好ましい実施形態において、RとRは、それらが結合している原子とともに、単環式の芳香族環であり、したがって二環式の環系を形成する。ここで、その単環式の芳香族環はアルコキシで置換されている。式(I)の別の好ましい実施形態において、RとRは、それらが結合している原子とともに、単環式の芳香族環であり、したがって二環式の環系を形成する。ここで、その単環式の芳香族環はメトキシで置換されている。
【0103】
式(I)の別の好ましい実施形態において、RとRは、それらが結合している原子とともに、単環式の芳香族環であり、したがって二環式の環系を形成する。ここで、その単環式の芳香族環はハロゲンで置換されている。式(I)の別の好ましい実施形態において、RとRは、それらが結合している原子とともに、単環式の芳香族環であり、したがって二環式の環系を形成する。ここで、その単環式の芳香族環は臭素で置換されている。
【0104】
式(I)の好ましい実施形態において、RはH、アルキル、およびハロゲンからなる群より選択される。式(I)の好ましい実施形態において、RはHである。式(I)の別の好ましい実施形態において、Rはアルキルである。式(I)のさらに好ましい実施形態において、RはC〜Cアルキルである。式(I)のさらに好ましい実施形態において、Rはメチルである。
【0105】
式(I)の好ましい実施形態において、Rは水素である。式(I)の別の好ましい実施形態において、Rはハロゲンである。式(I)の好ましい実施形態において、Rは塩素である。
【0106】
式(I)の好ましい実施形態において、Rは水素である。式(I)の好ましい実施形態において、Rはハロゲンである。式(I)の好ましい実施形態において、Rは塩素または臭素である。式(I)の好ましい実施形態において、Rは塩素である。式(I)の好ましい実施形態において、Rは臭素である。
【0107】
本発明の一つの実施形態において、式(I)の化合物は式(Iaa)の化合物、またはその薬学的に受容可能な塩、鏡像異性体、立体異性体、もしくは水和物を含む。
【0108】
【化30】

ここで、
はHである;
12はH、アルキル、アルケニル、アルコキシ、アルキニル、アリール、シクロアルキル、複素環、アルキルスルホンアミド、−COR、−OR、−COH、−CO、−C(O)NR1011、SR、−NR1011およびハロゲンからなる群より選択される;
ここで、
上記R12のアルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、アルキニル基、アリール基、シクロアルキル基、複素環基、およびアルキルスルホンアミド基は、それぞれ、独立して置換されているか、または置換されていない;
はH、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、および複素環からなる群から選択される;
ここで、上記Rのアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、および複素環基は、それぞれ、独立して、置換されているか、または置換されていない;
10およびR11はそれぞれ、独立して、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、シクロアルキル、複素環、およびアルキルスルホニルからなる群より選択される;
ここで、上記R10およびR11のアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、シクロアルキル基、複素環基およびアルキルスルホニル基はそれぞれ、独立して、置換されているか、または置換されていない。
【0109】
好ましい実施形態において、式(I)の化合物は式(Ia)の化合物、またはその薬学的に受容可能な塩、鏡像異性体、立体異性体、もしくは水和物を含む:
【0110】
【化31】

ここで、
XはOまたはSである;
YはCまたはNであり、但し、YがNである場合、Rは存在しない;
AおよびBはそれぞれ、独立して、OまたはNであり、但し、AがOである場合、Rは存在しない、そして、BがOである場合、Rは存在しない;
およびRは、それぞれ、独立して、H;必要に応じてシクロアルキルまたはハロゲンで置換されたアルキル;必要に応じてアルキル、アルキルスルホニルアミドまたはハロゲンで置換されたアリール;およびシクロアルキルからなる群より選択される;または
およびRは、それらが結合している原子とともに、置換されているかまたは置換されていない複素環を必要に応じて形成し得、その複素環はRおよびRが結合しているヘテロ原子を含めて、N、O、およびSからなる群より選択される1〜3個の環へテロ原子を含む;
はHである;
はH、−COR、−NR1011、およびハロゲンからなる群より選択され、ここでRはアルキルであり、そしてR10およびR11は独立して、Hおよびアルキルスルホニルからなる群より選択される;
とRは、それらが結合している原子とともに、N、O、またはSからなる群より選択される0個〜2個の環へテロ原子を有する、必要に応じてアルキルで置換されている単環式の複素環であるか、または、RとRは、それらが結合している原子とともに、必要に応じてアルコキシまたはハロゲンで置換された単環式の芳香族環であり、したがって、二環式の環系を形成する;または
は水素であり、ならびにRはH、アルキル、およびハロゲンからなる群より選択される;
は水素またはハロゲンである;および
は水素またはハロゲンである。
【0111】
別の実施形態において、式(I)の化合物は、以下に示される構造(Ib)を有する化合物、またはその薬学的に受容可能な塩、鏡像異性体、立体異性体、もしくは水和物を含む:
【0112】
【化32】

ここで、
はH、置換されているかまたは置換されていないアルキル、置換されているかまたは置換されていないアルキルスルホンアミド、およびハロゲンからなる群より選択される;
12はH、アルキル、アルケニル、アルコキシ、アルキニル、アリール、シクロアルキル、複素環、アルキルスルホンアミド、−COR、−OR、−COH、−CO、−C(O)NR1011、−SR、−NR1011およびハロゲンからなる群より選択される;
ここで、
上記R12のアルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、アルキニル基、アリール基、シクロアルキル基、複素環基、およびアルキルスルホンアミド基は、それぞれ独立して、置換されているか、または置換されていない;
10およびR11はそれぞれ、独立して、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、シクロアルキル、複素環、およびアルキルスルホニルからなる群より選択される;
ここで、上記R10およびR11のアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、シクロアルキル基、複素環基およびアルキルスルホニル基はそれぞれ、独立して、置換されているか、または置換されていない。
【0113】
別の実施形態において、式(Ib)の化合物は、以下に示される構造(Ib−2)を有する化合物、またはその薬学的に受容可能な塩、鏡像異性体、立体異性体、もしくは水和物を含む:
【0114】
【化33】

ここで、
はHおよびアルキルからなる群より選択される;
は必要に応じてシクロアルキルまたはハロゲンで置換されたアルキル、必要に応じてアルキルで置換されたアリールからなる群より選択される;
はHおよびハロゲンからなる群より選択される;および
12はHおよびハロゲンからなる群より選択される。
【0115】
式(Ib−2)の好ましい実施形態において、RはHである。式(Ib−2)の別の好ましい実施形態において、RはC〜Cアルキルである。式(Ib−2)の別の好ましい実施形態において、Rはメチルである。
【0116】
式(Ib−2)の好ましい実施形態において、Rは必要に応じてシクロアルキルまたはハロゲンで置換されたアルキルである。式(Ib−2)の好ましい実施形態において、Rはアルキルである。式(Ib−2)の好ましい実施形態において、RはC〜Cアルキルである。式(Ib−2)の好ましい実施形態において、Rはメチルである。
【0117】
式(Ib−2)の好ましい実施形態において、Rはシクロアルキルで置換されたアルキルである。式(Ib−2)の好ましい実施形態において、Rはシクロアルキルで置換されたC〜Cアルキルである。式(Ib−2)の好ましい実施形態において、Rはシクロアルキルで置換されたメチルである。式(Ib−2)の好ましい実施形態において、Rはシクロヘキシルで置換されたアルキルである。式(Ib−2)の別の好ましい実施形態において、Rはシクロヘキシルで置換されたC〜Cアルキルである。式(Ib−2)の別の好ましい実施形態において、Rはシクロヘキシルで置換されたメチルである。
【0118】
式(Ib−2)の好ましい実施形態において、Rはハロゲンで置換されたアルキルである。式(Ib−2)の好ましい実施形態において、Rは一個以上のフッ素で置換されたアルキルである。
【0119】
式(Ib−2)の好ましい実施形態において、Rは必要に応じてアルキルで置換されたアリールである。式(Ib−2)の好ましい実施形態において、Rはアルキルで置換されたアリールである。式(Ib−2)の好ましい実施形態において、Rはアルキルで置換されたC〜Cアリールである。式(Ib−2)の好ましい実施形態において、Rはアルキルで置換されたフェニルである。
【0120】
式(Ib−2)の好ましい実施形態において、RはC〜Cアルキルで置換されたアリールである。式(Ib−2)の好ましい実施形態において、RはC〜Cアルキルで置換されたC〜Cアリールである。式(Ib−2)の好ましい実施形態において、RはC〜Cアルキルで置換されたフェニルである。
【0121】
式(Ib−2)の好ましい実施形態において、RはHである。式(Ib−2)の別の好ましい実施形態において、Rはハロゲンである。式(Ib−2)のさらに好ましい実施形態において、Rは臭素である。
【0122】
式(Ib−2)の好ましい実施形態において、R12はHである。式(Ib−2)の別の好ましい実施形態において、R12はハロゲンである。式(Ib−2)のさらに好ましい実施形態において、R12は臭素である。
【0123】
さらなる別の実施形態において、式(I)の化合物は、以下の構造を有する式(Ic)の化合物、またはその薬学的に受容可能な塩、鏡像異性体、立体異性体、もしくは水和物を含む:
【0124】
【化34】

ここで、
およびRはそれぞれ、独立して、アルキル、アリール、およびシクロアルキルからなる群より選択される;
ここで、上記RおよびRのアルキル基、アリール基およびシクロアルキル基は、それぞれ、独立して、置換されているか、または置換されていない;
およびRは、それらが結合している原子とともに、置換されているかもしくは置換されていない5員〜7員の単環式の複素環、または置換されているかもしくは置換されていない8員〜11員の二環式の複素環を必要に応じて形成し得、その複素環はRおよびRが結合しているヘテロ原子を含めて、N、O、およびSからなる群より選択される1〜3個の環へテロ原子を含む;
は、H、−COR、置換されているかまたは置換されていないアルキルスルホンアミド、およびハロゲンからなる群より選択される;
ここで、Rは置換されているかまたは置換されていないアルキルである。
【0125】
別の実施形態において、式(Ic)の化合物は、以下に示される構造(Ic−2)を有する化合物、またはその薬学的に受容可能な塩、鏡像異性体、立体異性体、もしくは水和物を含む:
【0126】
【化35】

ここで、
はHおよびアルキルからなる群より選択される;
は必要に応じてシクロアルキルまたはハロゲンで置換されたアルキル、必要に応じてアルキルで置換されたアリールからなる群より選択される;および
はHおよびハロゲンからなる群より選択される。
【0127】
式(Ic−2)の好ましい実施形態において、RはHである。式(Ic−2)の別の好ましい実施形態において、RはC〜Cアルキルである。式(Ic−2)の別の好ましい実施形態において、Rはメチルである。
【0128】
式(Ic−2)の好ましい実施形態において、Rは必要に応じてシクロアルキルまたはハロゲンで置換されたアルキルである。式(Ic−2)の好ましい実施形態において、Rはアルキルである。式(Ic−2)の好ましい実施形態において、RはC〜Cアルキルである。式(Ic−2)の好ましい実施形態において、Rはメチルである。
【0129】
式(Ic−2)の好ましい実施形態において、Rはシクロアルキルで置換されたアルキルである。式(Ic−2)の好ましい実施形態において、Rはシクロアルキルで置換されたC〜Cアルキルである。式(Ic−2)の好ましい実施形態において、Rはシクロアルキルで置換されたメチルである。式(Ic−2)の好ましい実施形態において、Rはシクロヘキシルで置換されたアルキルである。式(Ic−2)の別の好ましい実施形態において、Rはシクロヘキシルで置換されたC〜Cアルキルである。式(Ic−2)の別の好ましい実施形態において、Rはシクロヘキシルで置換されたメチルである。
【0130】
式(Ic−2)の好ましい実施形態において、Rはハロゲンで置換されたアルキルである。式(Ic−2)の好ましい実施形態において、Rは一個以上のフッ素で置換されたアルキルである。
【0131】
式(Ic−2)の好ましい実施形態において、Rはアルキルで置換されたアリールである。式(Ic−2)の好ましい実施形態において、Rはアルキルで置換されたC〜Cアリールである。式(Ic−2)の好ましい実施形態において、Rはアルキルで置換されたフェニルである。
【0132】
式(Ic−2)の好ましい実施形態において、RはC〜Cアルキルで置換されたアリールである。式(Ic−2)の好ましい実施形態において、RはC〜Cアルキルで置換されたC〜Cアリールである。式(Ic−2)の好ましい実施形態において、RはC〜Cアルキルで置換されたフェニルである。
【0133】
式(Ic−2)の好ましい実施形態において、RはHである。式(Ic−2)の別の好ましい実施形態において、Rはハロゲンである。式(Ic−2)のさらに好ましい実施形態において、Rは臭素である。
【0134】
なおも別の実施形態において、式(I)の化合物は、以下の構造を有する式(Id)の化合物、またはその薬学的に受容可能な塩、鏡像異性体、立体異性体、もしくは水和物を含む:
【0135】
【化36】

ここで、
Dは−メチレン、−CHNR1617、−NR16、およびOからなる群より選択される;
ここで、R16およびR17は、置換されているかもしくは置換されていないアルキル、および置換されているかもしくは置換されていないアリールからなる群より選択される;
は、H、−COR、置換されているかもしくは置換されていないアルキルスルホンアミド、およびハロゲンからなる群より選択される;
ここで、Rは置換されているかまたは置換されていないアルキルである;
13およびR14はそれぞれ、独立して、H、アルキル、アリール、アミノカルボニル、および複素環からなる群より選択される;
ここで、上記R13およびR14のアルキル基、アリール基、アミノカルボニル基、および複素環基は、それぞれ、独立して、置換されているか、または置換されていない;
13およびR14は、それらが結合している原子とともに、置換されているかもしくは置換されていない複素環、または置換されているかもしくは置換されていない芳香族環を必要に応じて形成し得、それらはR13およびR14が結合している原子を含めて、N、O、およびSからなる群より選択される0個〜3個の環へテロ原子を含む。
【0136】
さらなる実施形態において、式(I)の化合物は、以下の構造を有する式(Ie)の化合物、またはその薬学的に受容可能な塩、鏡像異性体、立体異性体、もしくは水和物を含む:
【0137】
【化37】

ここで、
Dは−メチレン、−CHNR1617、−NR16およびOからなる群より選択される;
ここで、R16およびR17は、置換されているかまたは置換されていないアルキル、および置換されているかまたは置換されていないアリールからなる群より選択される;
はH、アルキル、アリール、または複素環である;
ここで、上記Rのアルキル基、アリール基、または複素環基はそれぞれ、独立して、置換されているか、または置換されていない;
は、H、−COR、置換されているかまたは置換されていないアルキルスルホンアミド、およびハロゲンからなる群より選択される;
ここで、Rは置換されているかまたは置換されていないアルキルである;
13およびR14はそれぞれ、独立して、H、アルキル、アリール、アミノカルボニル、および複素環からなる群より選択される;
ここで、上記アルキル基、アリール基、アミノカルボニル基、および複素環基は、それぞれ、独立して、置換されているか、または置換されていない。
【0138】
別の実施形態において、式(Ie)の化合物は以下に示される構造(Ie−2)を有する化合物、またはその薬学的に受容可能な塩、鏡像異性体、立体異性体、もしくは水和物を含む:
【0139】
【化38】

ここで、
DはNR16である;
ここで、R16は必要に応じてハロゲンで置換されたアリールである;
はHである;
はハロゲンである;および
13およびR14はHである。
【0140】
式(Ie−2)の好ましい実施形態において、R16はアリールである。式(Ie−2)の別の好ましい実施形態において、R16は一つ以上のハロゲンで置換されたアリールである。式(Ie−2)の別の好ましい実施形態において、R16は一つ以上の塩素で置換されたアリールである。
【0141】
さらなる実施形態において、式(I)の化合物は以下の構造を有する式(If)の化合物、またはその薬学的に受容可能な塩、鏡像異性体、立体異性体、もしくは水和物を含む:
【0142】
【化39】

ここで、
13およびR14はそれぞれ、独立して、H、アルキル、アリール、アリールアルキル、アミノカルボニル、および複素環からなる群より選択される;
ここで、上記R13およびR14のアルキル基、アリール基、アミノカルボニル基、および複素環基は、それぞれ、独立して、置換されているか、または置換されていない;
13およびR14は、それらが結合している原子とともに、置換されているかもしくは置換されていない複素環、または置換されているかもしくは置換されていない芳香族環を必要に応じて形成し得、それらはR13およびR14が結合している原子を含めて、N、O、およびSからなる群より選択される0〜3個の環へテロ原子を含む。
【0143】
なおもさらなる実施形態(development)において、式(I)の化合物は、以下に示される構造を有する式(Ig)の化合物、またはその薬学的に受容可能な塩、鏡像異性体、立体異性体、もしくは水和物を含む:
【0144】
【化40】

ここで、
AはOまたはNである;
但し、AはOである場合、Rは存在しない;
はHである;および
はハロゲンおよび、置換されているかまたは置換されていないアルキルスルホンアミドからなる群から選択される。
【0145】
式(Ig)の好ましい実施形態において、AはOであり、およびRは存在しない。式(Ig)の別の好ましい実施形態において、AはNであり、およびRはHである。
【0146】
式(Ig)の別の好ましい実施形態において、Rはハロゲンである。式(Ig)の好ましい実施形態において、Rは塩素または臭素である。式(Ig)の別の好ましい実施形態において、Rは塩素である。式(Ig)のさらなる好ましい実施形態において、Rは臭素である。
【0147】
式(Ig)のさらに別の好ましい実施形態において、Rはアルキルスルホンアミドである。式(Ig)の別の好ましい実施形態において、Rはメチルスルホンアミドである。
【0148】
別の実施形態において、式(I)の化合物は、以下に示される構造(formula)を有する式(Ih)の化合物、またはその薬学的に受容可能な塩、鏡像異性体、立体異性体、もしくは水和物を含む:
【0149】
【化41】

ここで、
Dは−メチレン、−CHNR1617、−NR16およびOからなる群より選択される;
ここで、R16およびR17は、置換されているかまたは置換されていないアルキル、および置換されているかまたは置換されていないアリールからなる群より選択される;
13およびR14はそれぞれ、独立して、H、アルキル、アリール、および複素環からなる群より選択される;
ここで、上記R13およびR14のアルキル基、アリール基、および複素環基は、それぞれ、独立して、置換されているか、または置換されていない;
18は置換されているかまたは置換されていないアルキルである。
【0150】
別の実施形態において、式(Ih)の化合物は、以下に示される構造(Ih−2)を有する化合物、またはその薬学的に受容可能な塩、鏡像異性体、立体異性体、もしくは水和物を含む:
【0151】
【化42】

ここで、
Dは−メチレン、および−NR16からなる群より選択される;
ここで、R16はアリールである;
13およびR14はそれぞれ、独立して、Hおよび置換されていないアルキルからなる群より選択される;および
18は置換されていないアルキルである。
【0152】
式(Ih−2)の好ましい実施形態において、Dはメチレンである。式(Ih−2)の別の好ましい実施形態において、DはR16がアリールである−NR16である。式(Ih−2)の別の好ましい実施形態において、DはR16がC〜Cアリールである−NR16である。式(Ih−2)の別の好ましい実施形態において、DはR16がフェニルである−NR16である。
【0153】
式(Ih−2)の別の好ましい実施形態において、R13およびR14はそれぞれHである。式(Ih−2)の好ましい実施形態において、R13およびR14はそれぞれ置換されていないアルキルである。式(Ih−2)の好ましい実施形態において、R13およびR14はそれぞれメチルである。
【0154】
式(Ih−2)の別の好ましい実施形態において、R13はHであり、およびR14は置換されていないアルキルである。別の実施形態において、R13はHであり、およびR14はメチルである。式(Ih−2)の好ましい実施形態において、R14およびR13はそれぞれメチルである。式(Ih−2)の別の実施形態において、R14はHであり、およびR13は置換されていないアルキルである。別の実施形態において、R14はHであり、およびR13はメチルである。
【0155】
式(Ih−2)の別の好ましい実施形態において、R18はメチルである。
【0156】
なおもさらなる実施形態において、式(I)の化合物は、以下の構造を有する式(Ii)の化合物、またはその薬学的に受容可能な塩、鏡像異性体、立体異性体、もしくは水和物を含む:
【0157】
【化43】

ここで、RおよびRは置換されているかまたは置換されていないアルキルである。
【0158】
本発明のさらなる実施形態において、式(I)の化合物は:
4−(ヒドロキシ−ジフェニル−メチル)−ピペリジン−1−カルボン酸 1−ブロモ−ナフタレン−2−イル エステル;
3,5−ジメチル−ピペリジン−1−カルボン酸 1−ブロモ−ナフタレン−2−イル エステル;
3,4−ジヒドロ−1H−イソキノリン−2−カルボン酸 1−ブロモ−ナフタレン−2−イル エステル;
4−(ヒドロキシ−ジフェニル−メチル)−ピペリジン−1−カルボン酸(1−ブロモ−ナフタレン−2−イル)−アミド;
4−ベンジル−ピペリジン−1−カルボン酸 1−ブロモ−ナフタレン−2−イル−エステル;
ピペリジン−1−カルボン酸 1−ブロモ−ナフタレン−2−イル−エステル;
4−メチル−ピペリジン−1−カルボン酸 1−ブロモ−ナフタレン−2−イル−エステル;
2−メチル−ピペリジン−1−カルボン酸 1−ブロモ−ナフタレン−2−イル−エステル;
3,5−ジメチル−ピペリジン−1−カルボン酸 1−アセチル−ナフタレン−2−イル エステル;
4−(ヒドロキシ−ジフェニル−メチル)−ピペリジン−1−カルボン酸(1−クロロ−ナフタレン−2−イル)−アミド;
モルホリン−4−カルボン酸 1−ブロモ−ナフタレン−2−イル−エステル;
1,4−ジオキサ−8−アザ−スピロ[4.5]デカン−8−カルボン酸 1−ブロモ−ナフタレン−2−イル−エステル;
4−メチル−ピペリジン−1−カルボン酸 1−アセチル−ナフタレン−2−イル エステル;
ジエチル−カルバミン酸 1−ブロモ−ナフタレン−2−イル エステル;
ピペリジン−1−カルボン酸 4−クロロ−イソキノリン−3−イル エステル;
4−ベンジル−ピペリジン−1−カルボン酸 1−アセチル−ナフタレン−2−イル−エステル;
4−ベンジル−ピペリジン−1−カルボン酸 2,4,6−トリクロロ−フェニル エステル;
ジメチル−カルバミン酸 1−ブロモ−ナフタレン−2−イル エステル;
炭酸 ビス−(1−メタンスルホニルアミノ−ナフタレン−2−イル)エステル;
4−ベンジル−ピペリジン−1−カルボン酸 ナフタレン−2−イルアミド;
N−(2−ヒドロキシ−ナフタレン−1−イル)−メタンスルホンアミド;
3,5−ジメチル−ピペリジン−1−カルボン酸 1−メタンスルホニルアミノ−ナフタレン−2−イル エステル;
4−(ヒドロキシ−ジフェニル−メチル)−ピペリジン−1−カルボン酸 1−メタンスルホニルアミノ−ナフタレン−2−イル エステル;
4−ベンジル−ピペリジン−1−カルボン酸 1−メタンスルホニルアミノ−ナフタレン−2−イル エステル;
4−フェニル−ピペラジン−1−カルボン酸 1−メタンスルホニルアミノ−ナフタレン−2−イル エステル;
ピペリジン−1−カルボン酸 1−メタンスルホニルアミノ−ナフタレン−2−イル エステル;
およびその薬学的に受容可能な塩、鏡像異性体、立体異性体、もしくは水和物からなる群より選択される。
【0159】
さらなる別の実施形態において、本発明は式(II)の化合物、またはその薬学的に受容可能な塩、鏡像異性体、立体異性体、もしくは水和物を提供する:
【0160】
【化44】

ここで、
およびRはそれぞれ、独立して、H、アルキル、アルケニル、アリール、およびシクロアルキルからなる群より選択される;
ここで、上記RおよびRのアルキル基、アルケニル基、アリール基およびシクロアルキル基は、それぞれ、独立して、置換されているか、または置換されていない;
およびRは、それらが結合している原子とともに、5員〜7員の置換されているかまたは置換されていない複素環を必要に応じて形成し得、その複素環はRおよびRが結合しているヘテロ原子を含めて、N、O、およびSからなる群より選択される1〜3個の環へテロ原子を含む;
、R、およびR15は、それぞれ、独立してH、置換されているかまたは置換されていないアルキル、およびハロゲンからなる群より選択される。
【0161】
さらなる別の実施形態において、本発明は以下の構造を有する化合物を提供する。
【0162】
【化45】

別の実施形態において、本発明は式(III)の構造を有する式(I)の化合物、またはその薬学的に受容可能な塩、鏡像異性体、立体異性体、もしくは水和物と関連している。
【0163】
【化46】

ここで、RおよびRはそれぞれ、独立して、H、アルキル、アリール、シクロアルキル、複素環、アルキルスルホニル、−COR、および−COからなる群より選択される:
ここで、
上記RおよびRのアルキル基、アリール基、シクロアルキル基、複素環基、およびアルキルスルホニル基は、それぞれ、独立して、置換されているか、または置換されていない;
は、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、シクロアルキルおよび複素環からなる群より選択される;
ここで、上記Rのアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、シクロアルキル基、および複素環基は、それぞれ、独立して、置換されているか、または置換されていない。
【0164】
本発明の別の実施形態において、式(IV)の化合物、またはその薬学的に受容可能な塩、鏡像異性体、立体異性体、もしくは水和物が提供される:
【0165】
【化47】

ここで、
XはOまたはSである;
YはCまたはNであり、但し、YがNである場合、Rは存在しない;
ZはCであるか、または存在しない、但し、Zが存在しない場合、X、B、RおよびRは存在しない;
AおよびBはそれぞれ、独立してOまたはNであり、但し、BがOである場合、Rは存在しない;
およびRは、それぞれ、独立して、H;必要に応じてシクロアルキルまたはハロゲンで置換されたアルキル;必要に応じてアルキル、アルキルスルホニルアミドまたはハロゲンで置換されたアリール;およびシクロアルキルからなる群より選択される;または
およびRは、それらが結合している原子とともに、置換されているかまたは置換されていない複素環を必要に応じて形成し得、その複素環はRおよびRが結合しているヘテロ原子を含めて、N、O、およびSからなる群より選択される1〜3個の環へテロ原子を含む;
はHである;
はH、−COR、−NR1011、およびハロゲンからなる群より選択され、ここでRはアルキルであり、そしてR10およびR11は独立して、Hおよびアルキルスルホニルからなる群より選択される;
とRは、それらが結合している原子とともに、N、O、またはSからなる群より選択される0個〜2個の環へテロ原子を有する、必要に応じてアルキルで置換されている単環式の複素環であるか、または、RとRは、それらが結合している原子とともに、必要に応じてアルコキシまたはハロゲンで置換された単環式の芳香族環であり、したがって、二環式の環系を形成する;または
は水素であり、そしてRはH、アルキル、およびハロゲンからなる群より選択される;
は水素またはハロゲンである;および
はハロゲンである。
【0166】
式(IV)の好ましい実施形態において、Zは存在しない。
【0167】
式(IV)の別の好ましい実施形態において、Zは存在せず、AはOであり、およびRはHである。
【0168】
さらに好ましい実施形態において、Zは存在せず、YはCであり、およびRは存在しない。
【0169】
式(IV)の別の好ましい実施形態において、Zは存在しない、およびRは、−NR1011であり、ここで、R10およびR11は独立して、Hおよびアルキルスルホニルからなる群より選択される。
【0170】
式(IV)の別の好ましい実施形態において、Zは存在しない、およびRおよびRは、それらが結合している原子とともに、単環式の芳香族環であり、したがって二環式の環系を形成する。
【0171】
式(IV)の別の好ましい実施形態において、Zは存在しない、およびRは水素である。
【0172】
さらなる別の好ましい実施形態において、本発明は本発明の一種以上の化合物、および薬学的に受容可能なキャリアを含む組成物に関する。
【0173】
(発明の方法)
本発明の別の局面において、本発明の一種以上の化合物を用いることにより、VEGF産生の阻害、および/または血管新生の阻害、および/または癌、糖尿病網膜症、慢性関節リウマチ、乾癬、アテローム性動脈硬化症、肥満、慢性炎または滲出性の黄班変性の処置のための方法が提供される。
【0174】
一つの実施形態において、本発明は、VEGF産生を阻害するための方法に関連し、その方法は必要な被験体に本発明の化合物を投与する工程を包含する。
【0175】
別の実施形態において、本発明は、血管新生を阻害するための方法に関連し、その方法は必要な被験体に本発明の化合物を投与する工程を包含する。
【0176】
さらに別の実施形態において、本発明は、血管内皮増殖因子の過剰発現を処置するための方法に関連し、その方法は必要な被験体に本発明の化合物を投与する工程を包含する。
【0177】
さらに別の実施形態において、本発明は、癌を処置するための方法に関連し、その方法はそのような状態を患っている被験体に、本発明の化合物を投与する工程を包含する。
【0178】
さらなる実施形態において、本発明は、眼の血管新生障害を処置するための方法に関連し、その方法はそのような状態を患っている被験体に、本発明の化合物を投与する工程を包含する。
【0179】
一つの実施形態において、本発明は、細胞におけるVEGFを阻害するための方法に関連し、その方法は本発明の一種以上の化合物の効果的な量を、細胞に暴露する工程を包含する。本発明の化合物は、VEGF産生の阻害が必要な被験体に投与され得る。
【0180】
別の実施形態において、血管新生を阻害するための方法が提供され、その方法は、必要な被験体に本発明の一種以上の化合物の治療上効果的な量を投与する工程を包含する。
【0181】
本発明の別の局面は、血管内皮細胞増殖を選択的に阻害する方法に関連し、その方法は、血管内皮細胞増殖を発現している細胞に、本発明の一種以上の化合物の効果的な量を暴露する工程を包含する。
【0182】
さらに別の実施形態において、異常なVEGF産生により発症または経過が促進される疾患を処置または予防するための方法が提供され、その方法は、必要な被験体に本発明の一種以上の化合物の治療上効果的な量を投与する工程を包含する。いくつかの実施形態において、その疾患は癌、糖尿病網膜症、慢性関節リウマチ、乾癬、アテローム性動脈硬化症、肥満、慢性炎および滲出性の黄班変性から選択される。理論により制限されることを意図せずに、本発明の方法は、VEGFの活性を調節するメカニズムの組み合わせに従って作用すると考えられる。
【0183】
「VEGFを阻害する(inhibiting VEGF)」、「VEGFの阻害(inhibition of VEGF)」などという用語により、本発明の化合物で十分な期間の間処置された細胞における、VEGFの転写後の発現またはVEGFの産生が、処置していない細胞と比較して低いことが意味される。したがって、VEGF活性(例えば、その血管新生促進活性)もまた低減される。望ましくは、本発明の化合物は、培養中の細胞におけるVEGF発現を、処置していない細胞と比較して少なくとも10%の量で阻害する。一つの実施形態において、本発明の化合物は、細胞におけるVEGF発現を、処置していない細胞と比較して少なくとも約25%の量で阻害する。別の実施形態において、本発明の化合物は、細胞におけるVEGF発現を、処置していない細胞と比較して少なくとも約50%の量で阻害する。さらなる実施形態において、本発明の化合物は、細胞におけるVEGF発現を、処置していない細胞と比較して少なくとも約75%の量で阻害する。
【0184】
一つの実施形態において、本発明はVEGF産生を阻害するための方法を提供し、その方法は、必要な被験体に、式(I)の一種以上の化合物、またはその薬学的に受容可能な塩、鏡像異性体、立体異性体、もしくは水和物を投与する工程を包含する:
【0185】
【化48】

ここで、
XはOまたはSである;
YはCまたはNであり、但し、YがNである場合、Rは存在しない;
AおよびBはそれぞれ、独立して、OまたはNであり、但し、AがOである場合、Rは存在しない、そして、BがOである場合、Rは存在しない;
およびRはそれぞれ、独立して、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、シクロアルキル、複素環、アルキルスルホニル、−COR、および−COからなる群より選択される;
ここで、上記RおよびRのアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、シクロアルキル基、複素環基、およびアルキルスルホニル基は、それぞれ、独立して、置換されているか、または置換されていない;
およびRは、それらが結合している原子とともに、置換されているかまたは置換されていない複素環を必要に応じて形成し得、その複素環はRおよびRが結合しているヘテロ原子を含めて、N、O、およびSからなる群より選択される1〜3個の環へテロ原子を含む;または
およびRは、それらが結合している原子とともに、置換されているかまたは置換されていない複素環を必要に応じて形成し得、その複素環はRおよびRが結合しているヘテロ原子を含めて、N、O、およびSからなる群より選択される2〜3個の環へテロ原子を含む;
はH、アルキル、アリール、または複素環であり、
ここで上記Rのアルキル基、アリール基、または複素環基はそれぞれ、独立して、置換されているか、または置換されていない;
、R、R、RおよびRはそれぞれ、独立して、H、アルキル、アルケニル、アルコキシ、アルキニル、アリール、シクロアルキル、複素環、アルキルスルホンアミド、−COR、−OR、−COH、−CO、−C(O)NR1011、SR、−NR1011およびハロゲンからなる群より選択される;
ここで、上記R、R、R、RおよびRのアルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、アルキニル基、アリール基、シクロアルキル基、複素環基、およびアルキルスルホンアミド基は、それぞれ、独立して、置換されているか、または置換されていない;
10およびR11はH、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、シクロアルキル、複素環、およびアルキルスルホニルからなる群より選択される;
ここで、上記R10およびR11のアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、シクロアルキル基、複素環基、およびアルキルスルホニル基は、それぞれ、独立して、置換されているか、または置換されていない;
次の置換基の対:RとR、RとR、RとR、およびRとRそれぞれは、独立して、それらが結合している原子とともに、N、O、またはSからなる群より選択される0個〜2個の環へテロ原子を有する置換されているかもしくは置換されていない単環式の複素環、または置換されているかもしくは置換されていない単環式の芳香族環を必要に応じて形成し得、したがって、二環式の環系を形成し得る;
は、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、シクロアルキル、および複素環からなる群より選択される;
上記Rのアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、シクロアルキル基、および複素環基は、それぞれ、独立して、置換されているか、または置換されていない。
【0186】
別の実施形態において、本発明はVEGF産生を阻害するための方法を提供し、その方法は、必要な被験体に、以下の構造を有する式(Ia)の一種以上の化合物、またはその薬学的に受容可能な塩、鏡像異性体、立体異性体、もしくは水和物を投与する工程を包含する:
【0187】
【化49】

ここで、
XはOまたはSである;
YはCまたはNであり、但し、YがNである場合、Rは存在しない;
AおよびBはそれぞれ、独立して、OまたはNであり、但し、AがOである場合、Rは存在しない、そして、BがOである場合、Rは存在しない;
およびRは、それぞれ、独立して、H;必要に応じてシクロアルキルまたはハロゲンで置換されたアルキル;必要に応じてアルキル、アルキルスルホニルアミドまたはハロゲンで置換されたアリール;およびシクロアルキルからなる群より選択される;または
およびRは、それらが結合している原子とともに、置換されているかまたは置換されていない複素環を必要に応じて形成し得、その複素環はRおよびRが結合しているヘテロ原子を含めて、N、O、およびSからなる群より選択される1〜3個の環へテロ原子を含む;
はHである;
はH、−COR、−NR1011、およびハロゲンからなる群より選択され、ここでRはアルキルであり、そしてR10およびR11は独立して、Hおよびアルキルスルホニルからなる群より選択される;
とRは、それらが結合している原子とともに、N、O、またはSからなる群より選択される0個〜2個の環へテロ原子を有する、必要に応じてアルキルで置換されている単環式の複素環であるか、または、RとRは、それらが結合している原子とともに、必要に応じてアルコキシまたはハロゲンで置換された単環式の芳香族環であり、したがって、二環式の環系を形成する;または
は水素であり、そしてRはH、アルキル、およびハロゲンからなる群より選択される;
は水素またはハロゲンである;および
は水素またはハロゲンである。
【0188】
別の実施形態において、本発明は血管新生を阻害する方法を提供し、その方法は必要な被験体に式(I)の一種以上の化合物を投与する工程を包含する。
【0189】
別の実施形態において、本発明は癌、糖尿病網膜症、慢性関節リウマチ、乾癬、アテローム性動脈硬化症、肥満、慢性炎または滲出性の黄班変性の処置の方法を提供し、その方法は必要な被験体に式(I)の一種以上の化合物を投与する工程を包含する。
【0190】
別の実施形態において、本発明は血管内皮細胞増殖を選択的に阻害する方法を提供し、その方法は、血管内皮細胞増殖を発現している細胞に、式(I)の一種以上の化合物の効果的な量を暴露する工程を包含する。
【0191】
別の実施形態において、本発明は血管内皮増殖因子の過剰発現を処置する方法を提供し、その方法は、必要な被験体に、式(I)の一種以上の化合物を投与する工程を包含する。
【0192】
別の実施形態において、本発明はVEGF産生を阻害するための方法を提供し、その方法は、必要な被験体に以下の構造を有する式(II)の一種以上の化合物、またはその薬学的に受容可能な塩、鏡像異性体、立体異性体、もしくは水和物を投与する工程を包含する:
【0193】
【化50】

ここで、
およびRはそれぞれ、独立して、H、アルキル、アルケニル、アリール、およびシクロアルキルからなる群より選択される;
ここで、上記RおよびRのアルキル基、アルケニル基、アリール基およびシクロアルキル基は、それぞれ、独立して、置換されているか、または置換されていない;
およびRは、それらが結合している原子とともに、5員〜7員の置換されているかまたは置換されていない複素環を必要に応じて形成し得、その複素環はRおよびRが結合しているヘテロ原子を含めて、N、O、およびSからなる群より選択される1〜3個の環へテロ原子を含む;ならびに、R、R、およびR15は、それぞれ、独立してH、置換されているかまたは置換されていないアルキル、およびハロゲンからなる群より選択される。
【0194】
別の実施形態において、本発明は血管新生を阻害する方法を提供し、その方法は必要な被験体に式(II)の一種以上の化合物を投与する工程を包含する。
【0195】
別の実施形態において、本発明は癌、糖尿病網膜症、慢性関節リウマチ、乾癬、アテローム性動脈硬化症、肥満、慢性炎または滲出性の黄班変性の処置の方法を提供し、その方法は必要な被験体に式(II)の一種以上の化合物を投与する工程を包含する。
【0196】
別の実施形態において、本発明は血管内皮細胞増殖を選択的に阻害する方法を提供し、その方法は、血管内皮細胞増殖を発現している細胞に、式(II)の一種以上の化合物の効果的な量を暴露する工程を包含する。
【0197】
別の実施形態において、本発明は血管内皮増殖因子の過剰発現を処置する方法を提供し、その方法は、必要な被験体に式(II)の一種以上の化合物を投与する工程を包含する。
【0198】
別の実施形態において、本発明はVEGF産生を阻害するための方法を提供し、その方法は、必要な被験体に、以下の構造を有する式(III)の一種以上の化合物、またはその薬学的に受容可能な塩、鏡像異性体、立体異性体、もしくは水和物を投与する工程を包含する:
【0199】
【化51】

ここで、RおよびRはそれぞれ、独立して、H、アルキル、アリール、シクロアルキル、複素環、アルキルスルホニル、−COR、および−COからなる群より選択される;
ここで、
上記RおよびRのアルキル基、アリール基、シクロアルキル基、複素環基、およびアルキルスルホニル基は、それぞれ、独立して、置換されているか、または置換されていない;
は、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、シクロアルキルおよび複素環からなる群より選択される;
ここで、上記Rのアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、シクロアルキル基、および複素環基は、それぞれ、独立して置換されているか、または置換されていない。
【0200】
別の実施形態において、本発明は血管新生を阻害する方法を提供し、その方法は必要な被験体に式(III)の一種以上の化合物を投与する工程を包含する。
【0201】
別の実施形態において、本発明は癌、糖尿病網膜症、慢性関節リウマチ、乾癬、アテローム性動脈硬化症、肥満、慢性炎または滲出性の黄班変性の処置の方法を提供し、その方法は必要な被験体に式(III)の一種以上の化合物を投与する工程を包含する。
【0202】
別の実施形態において、本発明は血管内皮細胞増殖を選択的に阻害する方法を提供し、その方法は、血管内皮細胞増殖を発現している細胞に、式(III)の一種以上の化合物の効果的な量を暴露する工程を包含する。
【0203】
別の実施形態において、本発明は血管内皮増殖因子の過剰発現を処置する方法を提供し、その方法は、必要な被験体に、式(III)の一種以上の化合物を投与する工程を包含する。
【0204】
別の実施形態において、本発明はVEGF産生を阻害するための方法を提供し、その方法は、必要な被験体に以下の構造を有する式(IV)の一種以上の化合物、またはその薬学的に受容可能な塩、鏡像異性体、立体異性体、もしくは水和物を投与する工程を包含する:
【0205】
【化52】

ここで、
XはOまたはSである;
YはCまたはNであり、但し、YがNである場合、Rは存在しない;
ZはCであるか、または存在しない、但し、Zが存在しない場合、X、B、RおよびRは存在しない;
AおよびBはそれぞれ、独立してOまたはNであり、但し、BがOである場合、Rは存在しない;
およびRは、それぞれ、独立して、H;必要に応じてシクロアルキルまたはハロゲンで置換されたアルキル;必要に応じてアルキル、アルキルスルホニルアミドまたはハロゲンで置換されたアリール;およびシクロアルキルからなる群より選択される;または
およびRは、それらが結合している原子とともに、置換されているかまたは置換されていない複素環を必要に応じて形成し得、その複素環はRおよびRが結合しているヘテロ原子を含めて、N、O、およびSからなる群より選択される1〜3個の環へテロ原子を含む;
はHである;
はH、−COR、−NR1011、およびハロゲンからなる群より選択され、ここでRはアルキルであり、そしてR10およびR11は独立して、Hおよびアルキルスルホニルからなる群より選択される;
とRは、それらが結合している原子とともに、N、O、またはSからなる群より選択される0個〜2個の環へテロ原子を有する、必要に応じてアルキルで置換されている単環式の複素環であるか、または、RとRは、それらが結合している原子とともに、必要に応じてアルコキシまたはハロゲンで置換された単環式の芳香族環であり、したがって、二環式の環系を形成する;または
は水素であり、そしてRはH、アルキル、およびハロゲンからなる群より選択される;
は水素またはハロゲンである;および
はハロゲンである。
【0206】
別の実施形態において、本発明は血管新生を阻害する方法を提供し、その方法は必要な被験体に式(IV)の一種以上の化合物を投与する工程を包含する。
【0207】
別の実施形態において、本発明は癌、糖尿病網膜症、慢性関節リウマチ、乾癬、アテローム性動脈硬化症、肥満、慢性炎または滲出性の黄班変性の処置の方法を提供し、その方法は必要な被験体に式(IV)の一種以上の化合物を投与する工程を包含する。
【0208】
別の実施形態において、本発明は血管内皮細胞増殖を選択的に阻害する方法を提供し、その方法は、血管内皮細胞増殖を発現している細胞に、式(IV)の一種以上の化合物の効果的な量を暴露する工程を包含する。
【0209】
別の実施形態において、本発明は血管内皮増殖因子の過剰発現を処置する方法を提供し、その方法は、必要な被験体に式(IV)の一種以上の化合物を投与する工程を包含する。
【0210】
別の実施形態において、本発明はVEGF産生を阻害するための方法を提供し、その方法は、必要な被験体に、次の構造を有する式6の化合物を投与する工程を包含する:
【0211】
【化53】

別の実施形態において、本発明は血管新生を阻害する方法を提供し、その方法は必要な被験体に式6の化合物を投与する工程を包含する。
【0212】
別の実施形態において、本発明は癌、糖尿病網膜症、慢性関節リウマチ、乾癬、アテローム性動脈硬化症、肥満、慢性炎または滲出性の黄班変性の処置の方法を提供し、その方法は必要な被験体に式6の化合物を投与する工程を包含する。
【0213】
別の実施形態において、本発明は血管内皮細胞増殖を選択的に阻害する方法を提供し、その方法は、血管内皮細胞増殖を発現している細胞に、式6の化合物の効果的な量を暴露する工程を包含する。
【0214】
別の実施形態において、本発明は血管内皮増殖因子の過剰発現を処置する方法を提供し、その方法は、必要な被験体に式6の化合物を投与する工程を包含する。
【0215】
本発明の方法の一つの実施形態において、被験体は哺乳類である。本発明の方法の好ましい実施形態において、被験体はヒトである。
【0216】
本発明の化合物は、ニートで投与され得、または薬学的に受容可能な賦形剤で処方され得る。本発明の方法にしたがって、本発明の一種以上の化合物は、当該分野で公知の任意の薬物送達経路により被験体に投与され得る。特定の例示的な投与経路として、経口経路、眼科的経路(ocular)、直腸経路、口内経路、局所的経路、鼻内経路、点眼経路(ophthalmic)、皮下経路、筋肉内経路、静脈内経路(ボーラスおよび注入)、脳内経路、経皮的経路および肺経路が挙げられる。
【0217】
「治療上効果的な量」と言う用語は、本明細書中で用いられるように、識別された疾患もしくは状態を処置し、改善させ、または予防するための、あるいは検出可能な治療効果または抑制効果を示すための薬学的な物質の量のことを言う。その効果は、例えば以下の実施例において開示されたアッセイを用いて検出され得る。被験体に対する正確な効果的な量は、被験体の体重、大きさ、および健康;その状態の性質および程度;ならびに投与のために選択された治療法および治療法の組み合わせに依存する。所定の状態のための治療上効果的な量は、臨床家の技術と判断の範囲内にある慣用的な実験方法により決定され得る。
【0218】
任意の化合物に対して、治療上効果的な量は、最初は細胞培養アッセイ(例えば、腫瘍細胞の)、または通常ラット、マウス、ウサギ、イヌ、またはブタである動物モデルのどちからにおいて推定され得る。動物モデルはまた、適切な濃度範囲および投与経路を決定するために使用され得る。次にそのような情報は、ヒトにおける有用な用量および投与のための経路を決定するために使用され得る。
【0219】
治療の/予防の効能および毒性は、例えばED50(母集団の50%において治療上効果的な用量)およびLD50(母集団の50%に対して致命的な用量)のような細胞培養または実験動物における標準的な薬学的手法により決定され得る。治療効果および毒性影響の間の用量比が治療指数であり、そしてそれはLD50/ED50の比として表現され得る。高い治療指数を示す薬学的組成物が好まれる。細胞培養アッセイおよび動物研究から得られるデータは、人の使用のための投与範囲を処方する際に使用され得る。そのような組成物の中に含まれる投与量は、好ましくはわずかな、または全く毒性を含まないED50を含む循環濃度の範囲内にある。投与量は用いられる投与形態、患者の感度、および投与経路に依存して、この範囲で変化し得る。
【0220】
特に詳細には、本発明の化合物に関して観察された濃度生物学的効果の関係は、約5μg/mL〜約100μg/mL、好ましくは約10μg/mL〜約50μg/mL、さらに好ましくは約10μg/mL〜約25μg/mLの範囲の、初期目標血漿濃度を示す。そのような血漿濃度に達するために、本発明の化合物は、投与経路に依存して、0.1μg〜100,000mgの範囲の用量で投与され得る。特定の用量および送達の方法についての指導は、文献に提供され、ならびに一般的に当該分野の開業医に利用可能である。一般的に、その用量は、単独で、分割して、または連続した用量で、体重が約40kg〜約100kgの間(この体重の範囲より大きい、または小さい患者、特に体重が40kg未満の子供に対してはその用量は調整され得る)の患者に対して、約1mg/日〜約10g/日、または約0.1g/日〜約3g/日、または約0.3g/日〜約3g/日、または約0.5g/日〜約2g/日の範囲である。
【0221】
その正確な用量は処置を必要とする被験体に関連する要素の観点から、開業医によって決定される。投与量および投与は、十分な活性物質の水準を提供するために、または所望の効果を維持するために調整される。考慮され得る要素としては、疾患の状態の重症度、被験体の全身の健康状態、被験体の年齢、体重および性別、食事、投与の時間および頻度、薬物の組み合わせ、反応感度、ならびに治療に対する耐用/反応、が挙げられる。長時間作用する薬学的組成物は、その特定の処方物の半減期およびクリアランス率に依存して、3〜4日毎、毎週、または二週間毎に投与され得る。
【0222】
(本発明の化合物の代謝産物)
また、本発明の範囲に含まれるものは、本明細書中に記述された化合物のインビボの代謝産物である。そのような生成物は、例えば投与された化合物の酸化、還元、加水分解、アミド化、エステル化などから生成し得、それは主に酵素過程による。したがって、本発明は、本発明の化合物を哺乳動物の組織または哺乳動物に、その代謝産物を生成させるのに十分な期間の間接触させることを包含するプロセスにより生成される化合物を含む。そのような生成物は代表的に、放射標識された(例えば、C14またはH)本発明の化合物を調製し、それをラット、マウス、モルモット、サル、もしくはヒトのような哺乳動物に、検出可能な用量(例えば、約0.5mg/kgより大きい)を投与し、代謝が起こるために十分な時間(代表的に約30秒〜30時間)を与え、ならびにその転化生成物を尿素、血液または他の生物学的サンプルから単離することで、同定される。これらの生成物は、標識されるので容易に単離される(他の生成物は、代謝産物中で生存しているエピトープを結合することのできる抗体の使用により単離される)。その代謝産物の構造は、従来の方法で、例えばMS分析またはNMR分析により、決定される。一般的に、代謝産物の分析は、当業者に周知の従来の薬物代謝の研究と同じような方法で行われ得る。その転化生成物は、他の方法ではインビボでは見出されない限り、生物学的活性を自ら全く有していなくても、本発明の化合物の治療的な投与のための診断的なアッセイにおいて有用である。
【0223】
(本発明の薬学的組成物)
本発明の化合物は、ニートで投与されることが可能であるが、薬学的組成物としてその化合物を処方することが好まれ得る。例えば、式(I)、式(II)、式(III)、または式(IV)の一種以上の化合物を含む本発明の薬学的組成物は、本発明の任意の方法において用いられ得る。したがって、本発明のさらに別の局面において、本発明の方法において有用である薬学的組成物が提供される。本発明の薬学的組成物は、投与および用量の形態の特定の様式に依存して、キャリア、溶媒、安定剤、アジュバント、希釈剤などのような薬学的に受容可能な賦形剤を用いて処方され得る。薬学的組成物は、処方および投与経路に依存して、一般的に生理学的に適合なpHを達成するために処方されるべきであり、そしてpHは約pH3〜約pH11の範囲であり得、好ましくは約pH3〜約pH7の範囲であり得る。代替の実施形態において、pHは約pH5〜約pH8の範囲に調整されることが好まれ得る。別の実施形態において、pHは約pH4〜約pH7の範囲に調整され得る。
【0224】
特に詳細には、本発明の薬学的組成物は、一種以上の薬学的に受容可能な賦形剤とともに、本発明の化合物の一種以上の、二種以上の、または三種以上の、治療上または予防上効果的な量を含む。必要に応じて、本発明の薬学的組成物は、本発明の化合物の組み合わせを含み得、または癌、糖尿病網膜症、もしくは滲出性の黄班変性の処置において有用な第二の活性成分を含み得る。
【0225】
例えば非経口のまたは経口の投与のための本発明の処方物は、たいていは典型的に固体、溶液、エマルジョンまたは懸濁剤であり、一方肺の投与のための吸入可能な処方物は、一般的に液体または粉末であり、粉末の処方が一般的に好ましい。好ましい本発明の薬学的組成物はまた、投与の前に生理学的に適合な溶媒で再構成される凍結乾燥された固体として、処方され得る。本発明の代替の薬学的組成物は、シロップ剤、クリーム、軟膏、錠剤などとして処方され得る。
【0226】
「薬学的に受容可能な賦形剤」という用語は、本発明の化合物のような薬学的な物質の投与のための賦形剤のことを言う。その用語は、過度の毒性なしで投与され得る任意の薬学的賦形剤のことを言う。薬学的に受容可能な賦形剤は、一部分は投与される特定の組成物、および組成物を投与するために使用される特定の方法によって、決定される。したがって、本発明の薬学的組成物の多くの種類の適切な処方物が存在する(Remington’s Pharmaceutical Sciences参照のこと)。
【0227】
適切な賦形剤は、タンパク質、ポリサッカリド、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、アミノ酸重合体、アミノ酸共重合体、および不活性なウイルス粒子のような、大きな、ゆっくりと代謝される高分子化合物であり得る。他の例示的な賦形剤としては、アスコルビン酸のような抗酸化剤;EDTAのようなキレート剤;デキストリン、ヒドロキシアルキルセルロース、ヒドロキシアルキルメチルセルロース、ステアリン酸のような炭水化物;油、水、生理食塩水、グリセロールおよびエタノールのような液体;湿潤剤または乳化剤;pH調整物質など、が挙げられる。リポソームもまた薬学的に受容可能な賦形剤の定義の範囲内に含まれる。
【0228】
本発明の薬学的組成物は意図された投与方法のために適切な任意の形態において、処方され得る。例えば、経口の使用のために意図されるとき、錠剤、トローチ、ロゼンジ、水性のまたは油の懸濁質、非水性の溶液、分散し得る散剤または顆粒剤(マイクロ粒子またはナノ粒子を含む)、エマルジョン、硬質または軟質のカプセル、シロップ剤、またはエリキシルが調製され得る。経口の使用のために意図された組成物は、薬学的組成物の製造のために当該分野で公知の任意の方法にしたがって調製され得、そして容認できる調整を提供するため、そのような組成物は、甘味剤、矯味矯臭剤、着色剤および保存剤を含む一種以上の物質を含み得る。
【0229】
錠剤と連結した使用のために特に適切な薬学的に受容可能な賦形剤として、例えば、セルロース、炭酸カルシウムまたは炭酸カルシウム、ラクトース、リン酸カルシウムまたはリン酸ナトリウムのような不活性な希釈剤;クロスカルメロースナトリウム(croscarmellose sodium)、架橋ポビドン、とうもろこしのデンプン、またはアルギン酸のような崩壊剤;ポビドン、デンプン、ゼラチンまたはアカシアのような結合剤;ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸またはタルクのような滑沢剤、が挙げられる。錠剤は被覆されていなくてもよいし、胃腸管における崩壊および吸収を遅らせ、したがって長期間にわたる持続的な作用を提供するための微小被包を含む公知の技術により被覆されていてもよい。例えば、グリセロールモノステアレートまたはグリセロールジステアレートのような時間遅延物質(time delay material)が単独で、またはろうとともに用いられ得る。
【0230】
経口の使用のための処方物はまた、活性成分が、例えば、セルロース、ラクトース、リン酸カルシウム、またはカオリンのような不活性な固形の賦形剤と混合している硬質のゼラチンのカプセル剤として、あるいは活性成分が、グリセリン、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、落花生油、液体のパラフィンまたはオリーブ油のような非水性のまたは油の媒体と混合している軟質のゼラチンのカプセル剤として、示され得る。
【0231】
別の実施形態において、本発明の薬学的組成物は、懸濁剤の製造のために適切な一種以上の薬学的に受容可能な賦形剤と混合して、本発明の化合物を含む懸濁剤として、処方され得る。なおも別の実施形態において、本発明の薬学的組成物は、適切な賦形剤の追加による懸濁剤の調製のために適切な分散し得る散剤および顆粒剤として処方され得る。
【0232】
懸濁剤に関連しての使用のために適切な賦形剤は、カルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、アルギン酸ナトリウム、ポリビニルピロリジン、トラガカントゴム、アカシアゴムのような懸濁化剤、天然に存在するホスファチド(例えば、レシチン)、アルキレンオキシドと脂肪酸との縮合生成物(例えば、ポリオキシエチレンステアレート)、エチレンオキシドと長鎖脂肪族アルコールとの縮合生成物(例えば、ヘプタデカエチレンオキシセタノール)、エチレンオキシドと脂肪酸およびヘキシトール無水物から誘導される部分的なエステルとの縮合生成物(例えば、ポリエチレンソルビタンモノオレエート)のような分散剤または湿潤剤;カルボマー、蜜ろう、固形パラフィンまたはセチルアルコールのような増粘剤、が挙げられる。懸濁剤はまた酢酸、p−ヒドロキシ−安息香酸メチルおよび/またはn−プロピルのような一種以上の保存剤;一種以上の着色剤;一種以上の矯味矯臭剤;スクロースやサッカリンのような一種以上の甘味剤、を含み得る。
【0233】
本発明の薬学的組成物は水中油乳剤の形態であり得る。油相はオリーブ油または落花生油のような植物油、液体のパラフィンのような鉱油、またはこれらの混合物であり得る。適切な乳化剤としては、アカシアゴムやトラガカントゴムのような天然に存在するゴム;大豆レシチン、脂肪酸から誘導されるエステルまたは部分的なエステルのような天然に存在するホスファチド;ソルビタンモノオレエートのような無水ヘキシトール;およびポリオキシエチレンソルビタンモノオレエートのようなこれらの部分的なエステルとエチレンオキシドとの縮合物、が挙げられる。エマルジョンはまた、甘味剤または矯味矯臭剤を含み得る。シロップ剤とエリキシルはグリセロール、ソルビトールまたはスクロースのような甘味剤で処方され得る。そのような処方物はまた、粘滑薬、保存剤、矯味矯臭剤または着色剤を含み得る。
【0234】
加えて、本発明の薬学的組成物は、無菌の注射可能な水性のエマルジョンまたは油質の懸濁剤のような、無菌の注射可能な調製の形態であり得る。このエマルジョンまたは懸濁剤は、それらの上記の適切な分散剤または湿潤剤、および懸濁化剤を用いた公知の方法にしたがって、処方され得る。無菌の注射可能な調製物はまた、無毒性の非経口上受容可能な希釈剤または溶媒中の無菌の注射可能な溶液、または懸濁剤(例えば、1,2−プロパン−ジオール中の溶液)であり得る。無菌の注射可能な調製物はまた、凍結乾燥された散剤として調製され得る。受容可能なビヒクルおよび溶媒の中で、水、リンガー溶液、および等張の塩化ナトリウム溶液が用いられ得る。さらに、無菌の不揮発性油が溶媒または懸濁化媒体として用いられ得る。この目的のために、合成モノグリセリドまたはジグリセリドを含む、任意の無菌の不揮発性油が用いられ得る。さらに、オレイン酸のような脂肪酸が注射可能物の調製において同様に用いられ得る。
【0235】
一般的に、本発明の方法において有用である本発明の化合物は、実質的に水に不溶であり、ならびにたいていの薬学的に受容可能なプロトン性溶媒および植物油にわずかに可溶である。しかしながら、その化合物は、中位鎖の脂肪酸(例えば、カプリン酸およびカプロン酸)またはトリグリセリドに一般的に可溶であり、中位鎖の脂肪酸のプロピレングリコールエステルに対して高い溶解度を有する。本発明の中で意図された化合物はまた、例えば、エステル化、グリコシル化、PEG化などにより、送達のためにその化合物をさらに適切にする(例えば、溶解度、生物活性、美味を増す、有害反応を減少させるなど)化学的なもしくは生化学的な部分の置換または付加により改変された化合物である。
【0236】
好ましい実施形態において、本発明の化合物は、溶解度の低い化合物に対して適切な脂質を基礎とする(lipid−based)処方物において経口投与のために処方され得る。脂質を基礎とする処方物は一般的にそのような化合物の経口のバイオアベイラビリティーを高める。したがって、本発明の好ましい薬学的組成物は、中位鎖の脂肪酸またはそのプロピレングリコールエステル(例えば、カプリン脂肪酸およびカプロン脂肪酸のような食用脂肪酸のプロピレングリコールエステル)およびポリオキシ40硬化ヒマシ油のような薬学的に受容可能な界面活性剤:からなる群より選択される一種以上の薬学的に受容可能な賦形剤とともに、本発明の化合物の治療上/予防上効果的な量を含む。
【0237】
代替の好ましい実施形態において、シクロデキストリンが水性の溶解度エンハンサーとして加えられ得る。好ましいシクロデキストリンとして、α−シクロデキストリン、β−シクロデキストリン、およびγ−シクロデキストリンのヒドロキシプロピル、ヒドロキシエチル、グルコシル、マルトシルおよびマルトトリオシル誘導体(maltotriosyl)が挙げられる。特に好ましいシクロデキストリン溶解度エンハンサーはヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリン(HPBC)で、本発明の化合物の水溶解度特性をさらに高めるために、任意の上記の組成物に加えられ得る。一つの実施形態において、その組成物は0.1%〜20%のヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリン、さらに好ましくは1%〜15%のヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリン、なおもさらに好ましくは2.5%〜10%のヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリンを含む。用いられる溶解度エンハンサーの量はその組成物の本発明の化合物の量に依存する。
【0238】
(併用療法)
単一の投与形態において、または分離した投与形態において、処置が必要な患者への同時のまたは連続した投与のために意図された化合物を含めて、癌、滲出性の黄班変性または糖尿病網膜症の処置において有用である一種以上の他の活性成分とともに、本発明の任意の化合物を組み合わせることがまた可能である。連続的に投与されるとき、その組み合わせは二種以上の投与方法により投与され得る。代替の実施形態において、異なる経路により本発明の一種以上の化合物および一種以上の追加的な活性成分を投与することが可能である。
【0239】
当業者は種々の活性成分が、本発明の化合物のVEGF阻害および/または抗血管新生活性を増進もしくは相乗作用的に増強させるために作用し得る本発明の化合物と組み合わせて投与され得ることを認識する。
【0240】
本発明の方法にしたがって、活性成分の組み合わせは、(1)同時に処方され、そして併用処方において同時に投与または送達される;(2)別々の処方物として、交互にまたは並行して送達される;または(3)当該分野で公知の他の任意の併用治療計画により送達される。交互の治療法として送達されるとき、本発明の方法は、活性物質を連続的に、例えば、別々の溶液、エマルジョン、懸濁剤、錠剤、丸剤、またはカプセル錠で、または別々の注射器における異なった注射により、投与または送達する工程を包含し得る。一般的に、交互の治療の間、各活性物質の効果的な投与は、連続的に、すなわち続いて投与される。一方、同時の治療においては、二種以上の活性物質の効果的な投与量が同時に投与される。いくつかの連続した間欠的な併用治療もまた用いられ得る。
【実施例】
【0241】
本発明は次の非限定的な実施例を参照しながら、より詳細に記述されるが、それらは本発明をより完全に説明するために提供され、その範囲を制限するものと解釈されるために提供されない。実施例は、本発明の化合物の調製およびインビトロおよび/またはインビボのこれらの化合物の試験を説明している。当業者はこれらの実施例に記述された技術が、発明者によって発明の実施において十分に機能するように記述された技術を表し、したがって、その実施のための、好ましい態様を構成していると理解する。しかしながら、当業者は本開示に鑑みて、多くの変更が開示されている特定の方法において行われ得、発明の趣旨および範囲から外れずに、同様のまたは類似の結果を得ることができることを高く認識すべきであるということは認識されるべきである。
【0242】
(一般的な合成方法)
次のスキームは本発明の化合物の調製のための典型的な合成方法を示すために意図されたものである。すべての場合において、他に述べられる場合を除き、置換基は上記で定義される通りである。置換基Rは上記で定義されているように、置換基R、R、R、RおよびRに相当すると意図されており、したがってこれらの変更可能物に含まれる任意の官能基を示し得る。
【0243】
(スキームA)
【0244】
【化54】

スキームAは本発明のアミノカルボン酸エステルへの典型的な合成方法を示している。ナフトール化合物は、求核置換によりp−ニトロフェニルクロロホルメートと反応し、本発明の化合物を提供する。
【0245】
(スキームB)
【0246】
【化55】

スキームBは本発明の化合物へのホスゲン経路の汎用性を明らかにしている。スキームに示されるように、幅広い種類のアリール基はこの方法によって適合される。
【0247】
(スキームC)
【0248】
【化56】

スキームCは本発明のブロモナフチルアミノカルボン酸エステルが合成され得る典型的な方法を示している。ジクロロメタン(2mL)中のブロモナフトール(0.5mmol)およびジイソプロピルエチルアミン(0.5mmol)の溶液を、撹拌し冷氷したジクロロメタン(4mL)中のp−ニトロフェニルクロロホルメート(0.5mmol)溶液に加える。室温で30分間にわたって撹拌した後、アミン(0.5mmol)を加え、12時間撹拌を持続させる。反応混合物は減圧下で濃縮し、そしてHPLCにより精製し、生成物を回収する。
【0249】
(スキームD)
【0250】
【化57】

Tetrahedron,1991年(47),183−188に基づく調製
これらの、および他の反応方法論は、当業者によって認知されるように、本発明の化合物の調製において有用であり得る。上記のスキームおよび手段への様々な変更は当業者にとって明白であり、そして本発明は本発明の化合物の調製方法により明確に限定されない。
【0251】
一般的に、本明細書中に述べられた合成方法は、標準的な合成方法および合成手順を用いることにより、様々な商業的に入手可能な出発物質、当該分野で知られた出発物質、容易に調製される出発物質を用い得る。有機分子の調製および官能基の変換ならびに操作のための標準的な合成方法および合成手順は、関連する科学文献または当該分野の標準的な関連する教科書より得られる。任意の一つの、またはいくつかの出典に限定されないものの、有機合成の認知された関連する教科書として例えば:Smith,M.B.;March,J.March’s Advanced Organic Chemistry:Reactions,Mechanisms、および Structure,5thed.;John Wiley&Sons:New York,2001年;およびGreene,T,W.;Wuts,P.G.M.Protective Groups in Organic Synthesis,3rd;John Wiley&Sons:New York,1999年、が挙げられる。合成方法の前述の詳細は本発明の化合物の調製のための一般的な手順を説明するために意図されたものであり、限定するために意図されたものではない。
【0252】
(化合物合成)
本発明の化合物は当業者に公知の任意の方法において生成され得る。例として、本発明の化合物は、前述の手順にしたがって調製され得る。
手順I:
【0253】
【化58】

機械撹拌器を備えた100mLの3つ首の丸底フラスコに、2−ブロモフェノール(0.5mL、4.31mmol)、ピリジン(1.45mL、18mmol)およびジクロロメタン(20mL)を加える。そのフラスコを氷浴に置き、30分間にわたって20%のホスゲン/トルエン(2.5mL、4.74mmol)を加える。反応混合物を30分間にわたって、22℃で撹拌する。反応混合物に、ピリジン(470μl、4.74mmol)を室温で10分間にわたって加える。溶媒は減圧下で除去し、そして所望の生成物IA(600mg)を分取用LC/MSにより精製する。
手順II
【0254】
【化59】

26mLのジクロロメタン中の1−アミノ−2−ナフトール塩酸塩(1g、5.11mmmol)溶液に0℃でトリエチルアミン(1.55mg、15.3mmol、2.14mL)を加える。この溶液を塩化メタンスルホニル(0.57g、5mmol、0.39mL)を用いて0℃でゆっくり処理する。この溶液を1時間にわたって室温で撹拌し、そして室温で1N HClを加えて反応を停止させる。ジクロロメタンで抽出し、MgSOで乾燥させ、そして合わせた有機層を濃縮し、NMRにより95%の純度の、1.2gの所望の生成物21を得る。この生成物は生成物19の調製のためのさらなる精製なしで用いられ得る。生成物19はホスゲンとともに生成物21の反応を経由して調製され得る。
【0255】
(低酸素誘導内因性VEGF発現に対する影響を評価するためのアッセイ)
本発明の化合物が低酸素誘導内因性VEGF発現を調節する能力を以下のように分析する。VEGFタンパク質レベルをELISAアッセイ(R&D Systems)によりモニターする。端的に言うと、HeLa細胞を本発明の化合物の存在下または非存在下で、低酸素条件(1%O、5%CO、窒素と平衡)のもと、24〜48時間にわたって培養する。次にその順化培地をELISAによりアッセイをし、そしてVEGF濃度を各アッセイの標準ELISA曲線より計算する。
【0256】
用量−反応分析をELISAアッセイおよび上述の条件を用いて行う。一連の、例えば7つの異なる濃度を分析する。並行して、用量−反応細胞毒性アッセイをVEGF発現の阻害が細胞毒性によるものではないことを確かめるために、Cell Titer Glo(Promega)を用いて、ELISAと同じ条件下で行う。用量−反応曲線を、化合物の濃度対阻害率を用いてプロットし、そして最大の阻害を100%に、そして最小の阻害を0%とし、各化合物に対するEC50値およびCC50値を算定する。
【0257】
本発明の一連の化合物に対するEC50が下の表1に示される。本発明の最も好ましい化合物は3μM以下の化合物である。
表1.代表的な発明化合物およびVEGF翻訳量を50%低減させるのに必要な効果的な濃度
【0258】
【化60】

【0259】
【化61】

【0260】
【化62】

【0261】
【化63】

【0262】
【化64】

【0263】
【化65】

【0264】
【化66】

【0265】
【化67】

【0266】
【化68】

【0267】
【化69】

【0268】
【化70】

【0269】
【化71】

【0270】
【化72】

【0271】
【化73】

【0272】
【化74】

【0273】
【化75】

【0274】
【化76】

【0275】
【化77】

【0276】
【化78】

【0277】
【化79】

【0278】
【化80】

【0279】
【化81】

【0280】
【化82】

【0281】
【化83】

【0282】
【化84】

【0283】
【化85】

【0284】
【化86】

【0285】
【化87】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
【化1】

の構造を有する式(I)の化合物、またはその薬学的に受容可能な塩、鏡像異性体、立体異性体、もしくは水和物であって、ここで、
XはOまたはSである;
YはCまたはNであり、但し、YがNである場合、Rは存在しない;
AおよびBはそれぞれ、独立して、OまたはNであり、但し、AがOである場合、Rは存在しない、そして、BがOである場合、Rは存在しない;
およびRはそれぞれ、独立して、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、シクロアルキル、複素環、アルキルスルホニル、−COR、および−COからなる群より選択される;
ここで、該RおよびRのアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、シクロアルキル基、複素環基、およびアルキルスルホニル基は、それぞれ、独立して、置換されているか、または置換されていない;
およびRは、それらが結合している原子とともに、置換されているかまたは置換されていない複素環を必要に応じて形成し得、その複素環はRおよびRが結合しているヘテロ原子を含めて、N、O、およびSからなる群より選択される1〜3個の環へテロ原子を含む;または
およびRは、それらが結合している原子とともに、置換されているかまたは置換されていない複素環を必要に応じて形成し得、その複素環はRおよびRが結合しているヘテロ原子を含めて、N、O、およびSからなる群より選択される2〜3個の環へテロ原子を含む;
はH、アルキル、アリール、または複素環であり、
ここで該Rのアルキル基、アリール基、または複素環基はそれぞれ、独立して、置換されているか、または置換されていない;
、R、R、RおよびRはそれぞれ、独立して、H、アルキル、アルケニル、アルコキシ、アルキニル、アリール、シクロアルキル、複素環、アルキルスルホンアミド、−COR、−OR、−COH、−CO、−C(O)NR1011、SR、−NR1011およびハロゲンからなる群より選択される;
ここで、該R、R、R、RおよびRのアルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、アルキニル基、アリール基、シクロアルキル基、複素環基、およびアルキルスルホンアミド基は、それぞれ、独立して、置換されているか、または置換されていない;
10およびR11はH、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、シクロアルキル、複素環、およびアルキルスルホニルからなる群より選択される;
ここで、該R10およびR11のアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、シクロアルキル基、複素環基、およびアルキルスルホニル基は、それぞれ、独立して、置換されているか、または置換されていない;
次の置換基の対:RとR、RとR、RとR、およびRとRそれぞれは、独立して、それらが結合している原子とともに、N、O、またはSからなる群より選択される0個〜2個の環へテロ原子を有する置換されているかもしくは置換されていない単環式の複素環、または置換されているかもしくは置換されていない単環式の芳香族環を必要に応じて形成し得、したがって、二環式の環系を形成し得る;
は、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、シクロアルキル、および複素環からなる群より選択される;
該Rのアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、シクロアルキル基、および複素環基は、それぞれ、独立して、置換されているか、または置換されていない、化合物。
【請求項2】
【化2】

の構造を有する請求項1に記載の化合物、またはその薬学的に受容可能な塩、鏡像異性体、立体異性体、もしくは水和物であって、ここで、
はHである;
12はH、アルキル、アルケニル、アルコキシ、アルキニル、アリール、シクロアルキル、複素環、アルキルスルホンアミド、−COR、−OR、−COH、−CO、−C(O)NR1011、SR、−NR1011およびハロゲンからなる群より選択される;
ここで、
該R12のアルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、アルキニル基、アリール基、シクロアルキル基、複素環基、およびアルキルスルホンアミド基は、それぞれ、独立して置換されているか、または置換されていない;
はH、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、および複素環からなる群から選択される;
ここで、該Rのアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、および複素環基は、それぞれ、独立して、置換されているか、または置換されていない;
10およびR11はそれぞれ、独立して、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、シクロアルキル、複素環、およびアルキルスルホニルからなる群より選択される;
ここで、該R10およびR11のアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、シクロアルキル基、複素環基およびアルキルスルホニル基はそれぞれ、独立して、置換されているか、または置換されていない、化合物。
【請求項3】
【化3】

の構造を有する請求項1に記載の化合物、またはその薬学的に受容可能な塩、鏡像異性体、立体異性体、もしくは水和物であって、ここで、
XはOまたはSである;
YはCまたはNであり、但し、YがNである場合、Rは存在しない;
AおよびBはそれぞれ、独立して、OまたはNであり、但し、AがOである場合、Rは存在しない、そして、BがOである場合、Rは存在しない;
およびRは、それぞれ、独立して、H;必要に応じてシクロアルキルまたはハロゲンで置換されたアルキル;必要に応じてアルキル、アルキルスルホニルアミドまたはハロゲンで置換されたアリール;およびシクロアルキルからなる群より選択される;または
およびRは、それらが結合している原子とともに、置換されているかまたは置換されていない複素環を必要に応じて形成し得、その複素環はRおよびRが結合しているヘテロ原子を含めて、N、O、およびSからなる群より選択される1〜3個の環へテロ原子を含む;
はHである;
はH、−COR、−NR1011、およびハロゲンからなる群より選択され、ここでRはアルキルであり、そしてR10およびR11は独立して、Hおよびアルキルスルホニルからなる群より選択される;
とRは、それらが結合している原子とともに、N、O、またはSからなる群より選択される0個〜2個の環へテロ原子を有する、必要に応じてアルキルで置換されている単環式の複素環であるか、または、RとRは、それらが結合している原子とともに、必要に応じてアルコキシまたはハロゲンで置換された単環式の芳香族環であり、したがって、二環式の環系を形成する;または
は水素であり、ならびにRはH、アルキル、およびハロゲンからなる群より選択される;
は水素またはハロゲンである;および
は水素またはハロゲンである、化合物。
【請求項4】
【化4】

の構造を有する、請求項1に記載の化合物、またはその薬学的に受容可能な塩、鏡像異性体、立体異性体、もしくは水和物であって、ここで、
はH、置換されているかまたは置換されていないアルキル、置換されているかまたは置換されていないアルキルスルホンアミド、およびハロゲンからなる群より選択される;
12はH、アルキル、アルケニル、アルコキシ、アルキニル、アリール、シクロアルキル、複素環、アルキルスルホンアミド、−COR、−OR、−COH、−CO、−C(O)NR1011、−SR、−NR1011およびハロゲンからなる群より選択される;
ここで、
該R12のアルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、アルキニル基、アリール基、シクロアルキル基、複素環基、およびアルキルスルホンアミド基は、それぞれ独立して、置換されているか、または置換されていない;
10およびR11はそれぞれ、独立して、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、シクロアルキル、複素環、およびアルキルスルホニルからなる群より選択される;
ここで、該R10およびR11のアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、シクロアルキル基、複素環基およびアルキルスルホニル基はそれぞれ、独立して、置換されているか、または置換されていない、化合物。
【請求項5】
【化5】

の構造を有する、請求項1に記載の化合物、またはその薬学的に受容可能な塩、鏡像異性体、立体異性体、もしくは水和物であって、ここで、
Dは−メチレン、−CHNR1617、−NR16、およびOからなる群より選択される;
ここで、R16およびR17は、置換されているかもしくは置換されていないアルキル、および置換されているかもしくは置換されていないアリールからなる群より選択される;
は、H、−COR、置換されているかもしくは置換されていないアルキルスルホンアミド、およびハロゲンからなる群より選択される;
ここで、Rは置換されているかまたは置換されていないアルキルである;
13およびR14はそれぞれ、独立して、H、アルキル、アリール、アミノカルボニル、および複素環からなる群より選択される;
ここで、該R13およびR14のアルキル基、アリール基、アミノカルボニル基、および複素環基は、それぞれ、独立して、置換されているか、または置換されていない;
13およびR14は、それらが結合している原子とともに、置換されているかもしくは置換されていない複素環、または置換されているかもしくは置換されていない芳香族環を必要に応じて形成し得、それらはR13およびR14が結合している原子を含めて、N、O、およびSからなる群より選択される0個〜3個の環へテロ原子を含む、化合物。
【請求項6】
【化6】

の構造を有する、請求項1に記載の化合物、またはその薬学的に受容可能な塩、鏡像異性体、立体異性体、もしくは水和物であって、ここで、
Dは−メチレン、−CHNR1617、−NR16およびOからなる群より選択される;
ここで、R16およびR17は、置換されているかまたは置換されていないアルキル、および置換されているかまたは置換されていないアリールからなる群より選択される;
はH、アルキル、アリール、または複素環である;
ここで、該Rのアルキル基、アリール基、または複素環基はそれぞれ、独立して、置換されているか、または置換されていない;
は、H、−COR、置換されているかまたは置換されていないアルキルスルホンアミド、およびハロゲンからなる群より選択される;
ここで、Rは置換されているかまたは置換されていないアルキルである;
13およびR14はそれぞれ、独立して、H、アルキル、アリール、アミノカルボニル、および複素環からなる群より選択される;
ここで、該アルキル基、アリール基、アミノカルボニル基、および複素環基は、それぞれ、独立して、置換されているか、または置換されていない、化合物。
【請求項7】
【化7】

の構造を有する、請求項1に記載の化合物、またはその薬学的に受容可能な塩、鏡像異性体、立体異性体、もしくは水和物であって、ここで、
13およびR14はそれぞれ、独立して、H、アルキル、アリール、アリールアルキル、アミノカルボニル、および複素環からなる群より選択される;
ここで、該R13およびR14のアルキル基、アリール基、アミノカルボニル基、および複素環基は、それぞれ、独立して、置換されているか、または置換されていない;
13およびR14は、それらが結合している原子とともに、置換されているかもしくは置換されていない複素環、または置換されているかもしくは置換されていない芳香族環を必要に応じて形成し得、それらはR13およびR14が結合している原子を含めて、N、O、およびSからなる群より選択される0〜3個の環へテロ原子を含む、化合物。
【請求項8】
【化8】

の構造を有する、請求項1に記載の化合物、またはその薬学的に受容可能な塩、鏡像異性体、立体異性体、もしくは水和物であって、ここで、
AはOまたはNである;
但し、AはOである場合、Rは存在しない;
はHである;および
はハロゲンおよび、置換されているかまたは置換されていないアルキルスルホンアミドからなる群から選択される、化合物。
【請求項9】
【化9】

の構造を有する、請求項1に記載の化合物、またはその薬学的に受容可能な塩、鏡像異性体、立体異性体、もしくは水和物であって、ここで、
Dは−メチレン、−CHNR1617、−NR16およびOからなる群より選択される;
ここで、R16およびR17は、置換されているかまたは置換されていないアルキル、および置換されているかまたは置換されていないアリールからなる群より選択される;
13およびR14はそれぞれ、独立して、H、アルキル、アリール、および複素環からなる群より選択される;
ここで、該R13およびR14のアルキル基、アリール基、および複素環基は、それぞれ、独立して、置換されているか、または置換されていない;
18は置換されているかまたは置換されていないアルキルである、化合物。
【請求項10】
式(II)の化合物、またはその薬学的に受容可能な塩、鏡像異性体、立体異性体、もしくは水和物であって、ここで、
【化10】

およびRはそれぞれ、独立して、H、アルキル、アルケニル、アリール、およびシクロアルキルからなる群より選択される;
ここで、該RおよびRのアルキル基、アルケニル基、アリール基およびシクロアルキル基は、それぞれ、独立して、置換されているか、または置換されていない;
およびRは、それらが結合している原子とともに、5員〜7員の置換されているかまたは置換されていない複素環を必要に応じて形成し得、その複素環はRおよびRが結合しているヘテロ原子を含めて、N、O、およびSからなる群より選択される1〜3個の環へテロ原子を含む;ならびに、R、R、およびR15は、それぞれ、独立してH、置換されているかまたは置換されていないアルキル、およびハロゲンからなる群より選択される、化合物。
【請求項11】
式(III)を有する請求項1に記載の化合物、またはその薬学的に受容可能な塩、鏡像異性体、立体異性体、もしくは水和物であって、ここで、
【化11】

およびRはそれぞれ、独立して、H、アルキル、アリール、シクロアルキル、複素環、アルキルスルホニル、−COR、および−COからなる群より選択される;
ここで、
該RおよびRのアルキル基、アリール基、シクロアルキル基、複素環基、およびアルキルスルホニル基は、それぞれ、独立して、置換されているか、または置換されていない;
は、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、シクロアルキルおよび複素環からなる群より選択される;
ここで、該Rのアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、シクロアルキル基、および複素環基は、それぞれ、独立して置換されているか、または置換されていない、化合物。
【請求項12】
式(IV)の化合物であって、ここで、
【化12】

XはOまたはSである;
YはCまたはNであり、但し、YがNである場合、Rは存在しない;
ZはCであるか、または存在しない、但し、Zが存在しない場合、X、B、RおよびRは存在しない;
AおよびBはそれぞれ、独立してOまたはNであり、但し、BがOである場合、Rは存在しない;
およびRは、それぞれ、独立して、H;必要に応じてシクロアルキルまたはハロゲンで置換されたアルキル;必要に応じてアルキル、アルキルスルホニルアミドまたはハロゲンで置換されたアリール;およびシクロアルキルからなる群より選択される;または
およびRは、それらが結合している原子とともに、置換されているかまたは置換されていない複素環を必要に応じて形成し得、その複素環はRおよびRが結合しているヘテロ原子を含めて、N、O、およびSからなる群より選択される1〜3個の環へテロ原子を含む;
はHである;
はH、−COR、−NR1011、およびハロゲンからなる群より選択され、ここでRはアルキルであり、そしてR10およびR11は独立して、Hおよびアルキルスルホニルからなる群より選択される;
とRは、それらが結合している原子とともに、N、O、またはSからなる群より選択される0個〜2個の環へテロ原子を有する、必要に応じてアルキルで置換されている単環式の複素環であるか、または、RとRは、それらが結合している原子とともに、必要に応じてアルコキシまたはハロゲンで置換された単環式の芳香族環であり、したがって、二環式の環系を形成する;または
は水素であり、そしてRはH、アルキル、およびハロゲンからなる群より選択される;
は水素またはハロゲンである;および
はハロゲンである、化合物。
【請求項13】
【化13】

の構造を有する化合物。
【請求項14】
請求項1に記載の化合物であって、該化合物が
4−(ヒドロキシ−ジフェニル−メチル)−ピペリジン−1−カルボン酸 1−ブロモ−ナフタレン−2−イル エステル;
3,5−ジメチル−ピペリジン−1−カルボン酸 1−ブロモ−ナフタレン−2−イル エステル;
3,4−ジヒドロ−1H−イソキノリン−2−カルボン酸 1−ブロモ−ナフタレン−2−イル エステル;
4−(ヒドロキシ−ジフェニル−メチル)−ピペリジン−1−カルボン酸(1−ブロモ−ナフタレン−2−イル)−アミド;
4−ベンジル−ピペリジン−1−カルボン酸 1−ブロモ−ナフタレン−2−イル−エステル;
ピペリジン−1−カルボン酸 1−ブロモ−ナフタレン−2−イル−エステル;
4−メチル−ピペリジン−1−カルボン酸 1−ブロモ−ナフタレン−2−イル−エステル;
2−メチル−ピペリジン−1−カルボン酸 1−ブロモ−ナフタレン−2−イル−エステル;
3,5−ジメチル−ピペリジン−1−カルボン酸 1−アセチル−ナフタレン−2−イル エステル;
4−(ヒドロキシ−ジフェニル−メチル)−ピペリジン−1−カルボン酸(1−クロロ−ナフタレン−2−イル)−アミド;
モルホリン−4−カルボン酸 1−ブロモ−ナフタレン−2−イル−エステル;
1,4−ジオキサ−8−アザ−スピロ[4,5]デカン−8−カルボン酸 1−ブロモ−ナフタレン−2−イル−エステル;
4−メチル−ピペリジン−1−カルボン酸 1−アセチル−ナフタレン−2−イル エステル;
ジエチル−カルバミン酸 1−ブロモ−ナフタレン−2−イル エステル;
ピペリジン−1−カルボン酸 4−クロロ−イソキノリン−3−イル エステル;
4−ベンジル−ピペリジン−1−カルボン酸 1−アセチル−ナフタレン−2−イル−エステル;
4−ベンジル−ピペリジン−1−カルボン酸 2,4,6−トリクロロ−フェニル エステル;
ジメチル−カルバミン酸 1−ブロモ−ナフタレン−2−イル エステル;
炭酸 ビス−(1−メタンスルホニルアミノ−ナフタレン−2−イル)エステル;
4−ベンジル−ピペリジン−1−カルボン酸 ナフタレン−2−イルアミド;
N−(2−ヒドロキシ−ナフタレン−1−イル)−メタンスルホンアミド;
3,5−ジメチル−ピペリジン−1−カルボン酸 1−メタンスルホニルアミノ−ナフタレン−2−イル エステル;
4−(ヒドロキシ−ジフェニル−メチル)−ピペリジン−1−カルボン酸 1−メタンスルホニルアミノ−ナフタレン−2−イル エステル;
4−ベンジル−ピペリジン−1−カルボン酸 1−メタンスルホニルアミノ−ナフタレン−2−イル エステル;
4−フェニル−ピペラジン−1−カルボン酸 1−メタンスルホニルアミノ−ナフタレン−2−イル エステル;
ピペリジン−1−カルボン酸 1−メタンスルホニルアミノ−ナフタレン−2−イル エステル;
およびその薬学的に受容可能な塩、鏡像異性体、立体異性体、もしくは水和物からなる群より選択される、化合物。
【請求項15】
【化14】

の構造を有する、請求項1に記載の化合物、またはその薬学的に受容可能な塩、鏡像異性体、立体異性体、もしくは水和物であって、ここで、
およびRは、置換されているかまたは置換されていないアルキルである、化合物。
【請求項16】
請求項1〜15いずれかに記載の化合物、または該化合物の薬学的に受容可能な塩、水和物、溶媒和物、包接体、多形体、ラセミ化合物、もしくは立体異性体であって、該化合物は約75%よりも高く鏡像異性体上純粋である、化合物。
【請求項17】
請求項1〜15いずれかに記載の化合物、または該化合物の薬学的に受容可能な塩、水和物、溶媒和物、包接体、多形体、ラセミ化合物、もしくは立体異性体であって、該化合物は約90%よりも高く鏡像異性体上純粋である、化合物。
【請求項18】
薬学的組成物の調製のために、請求項1〜17のいずれかに記載の化合物の使用。
【請求項19】
薬学的組成物であって、該薬学的組成物が、請求項1〜17に記載の一種以上の化合物、または該一種以上の化合物の薬学的に受容可能な塩、水和物、溶媒和物、包接体、多形体、ラセミ化合物、もしくは立体異性体、および薬学的に受容可能な賦形剤を含む、組成物。
【請求項20】
式(I)の一種以上の化合物、またはその薬学的に受容可能な塩、鏡像異性体、立体異性体、もしくは水和物を必要な被験体に投与する工程を包含する、VEGF産生を阻害するための方法であって、ここで、
【化15】

XはOまたはSである;
YはCまたはNであり、但し、YがNである場合、Rは存在しない;
AおよびBはそれぞれ、独立して、OまたはNであり、但し、AがOである場合、Rは存在しない、そして、BがOである場合、Rは存在しない;
およびRはそれぞれ、独立して、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、シクロアルキル、複素環、アルキルスルホニル、−COR、および−COからなる群より選択される;
ここで、該RおよびRのアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、シクロアルキル基、複素環基、およびアルキルスルホニル基は、それぞれ、独立して、置換されているか、または置換されていない;
およびRは、それらが結合している原子とともに、置換されているかまたは置換されていない複素環を必要に応じて形成し得、その複素環はRおよびRが結合しているヘテロ原子を含めて、N、O、およびSからなる群より選択される1〜3個の環へテロ原子を含む;または
およびRは、それらが結合している原子とともに、置換されているかまたは置換されていない複素環を必要に応じて形成し得、その複素環はRおよびRが結合しているヘテロ原子を含めて、N、O、およびSからなる群より選択される2〜3個の環へテロ原子を含む;
はH、アルキル、アリール、または複素環であり、
ここで該Rのアルキル基、アリール基、または複素環基はそれぞれ、独立して、置換されているか、または置換されていない;
、R、R、RおよびRはそれぞれ、独立して、H、アルキル、アルケニル、アルコキシ、アルキニル、アリール、シクロアルキル、複素環、アルキルスルホンアミド、−COR、−OR、−COH、−CO、−C(O)NR1011、SR、−NR1011およびハロゲンからなる群より選択される;
ここで、該R、R、R、RおよびRのアルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、アルキニル基、アリール基、シクロアルキル基、複素環基、およびアルキルスルホンアミド基は、それぞれ、独立して、置換されているか、または置換されていない;
10およびR11はH、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、シクロアルキル、複素環、およびアルキルスルホニルからなる群より選択される;
ここで、該R10およびR11のアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、シクロアルキル基、複素環基、およびアルキルスルホニル基は、それぞれ、独立して、置換されているか、または置換されていない;
次の置換基の対:RとR、RとR、RとR、およびRとRそれぞれは、独立して、それらが結合している原子とともに、N、O、またはSからなる群より選択される0個〜2個の環へテロ原子を有する置換されているかもしくは置換されていない単環式の複素環、または置換されているかもしくは置換されていない単環式の芳香族環を必要に応じて形成し得、したがって、二環式の環系を形成し得る;
は、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、シクロアルキル、および複素環からなる群より選択される;
該Rのアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、シクロアルキル基、および複素環基は、それぞれ、独立して、置換されているか、または置換されていない、方法。
【請求項21】
【化16】

の構造を有する式(Ia)の一種以上の化合物、またはその薬学的に受容可能な塩、鏡像異性体、立体異性体、もしくは水和物を、必要な被験体に投与する工程を包含するVEGF産生を阻害するための方法であって、ここで、
XはOまたはSである;
YはCまたはNであり、但し、YがNである場合、Rは存在しない;
AおよびBはそれぞれ、独立して、OまたはNであり、但し、AがOである場合、Rは存在しない、そして、BがOである場合、Rは存在しない;
およびRは、それぞれ、独立して、H;必要に応じてシクロアルキルまたはハロゲンで置換されたアルキル;必要に応じてアルキル、アルキルスルホニルアミドまたはハロゲンで置換されたアリール;およびシクロアルキルからなる群より選択される;または
およびRは、それらが結合している原子とともに、置換されているかまたは置換されていない複素環を必要に応じて形成し得、その複素環はRおよびRが結合しているヘテロ原子を含めて、N、O、およびSからなる群より選択される1〜3個の環へテロ原子を含む;
はHである;
はH、−COR、−NR1011、およびハロゲンからなる群より選択され、ここでRはアルキルであり、そしてR10およびR11は独立して、Hおよびアルキルスルホニルからなる群より選択される;
とRは、それらが結合している原子とともに、N、O、またはSからなる群より選択される0個〜2個の環へテロ原子を有する、必要に応じてアルキルで置換されている単環式の複素環であるか、または、RとRは、それらが結合している原子とともに、必要に応じてアルコキシまたはハロゲンで置換された単環式の芳香族環であり、したがって、二環式の環系を形成する;または
は水素であり、ならびにRはH、アルキル、およびハロゲンからなる群より選択される;
は水素またはハロゲンである;および
は水素またはハロゲンである、方法。
【請求項22】
式(I)〜式(Iv)の一種以上の化合物を、必要な被験体に投与する工程を包含する、VEGF産生を阻害するための方法。
【請求項23】
式(I)〜式(IV)の一種以上の化合物を、必要な被験体に投与する工程を包含する、血管新生を阻害するための方法。
【請求項24】
式(I)〜式(IV)の一種以上の化合物を、必要な被験体に投与する工程を包含する、癌、糖尿病網膜症、慢性関節リウマチ、乾癬、アテローム性動脈硬化症、肥満、慢性炎または滲出性の黄班変性の処置の方法。
【請求項25】
式(I)〜式(IV)の一種以上の化合物の効果的な量を、血管内皮細胞増殖を発現している細胞に暴露する工程を包含する、血管内皮細胞増殖を選択的に阻害する方法。
【請求項26】
式(I)〜式(IV)の一種以上の化合物を、必要な被験体に投与する工程を包含する、血管内皮増殖因子の過剰発現を処置する方法。
【請求項27】
式(I)〜式(IV)の化合物を、そのような状態に罹患している哺乳動物に投与する工程を包含する、癌を処置するための方法。
【請求項28】
式(I)〜式(IV)の化合物を、そのような状態に罹患している被験体に投与する工程を包含する、眼の血管新生障害を処置するための方法。
【請求項29】
【化17】

の構造を有する一種以上の化合物またはその薬学的に受容可能な塩、鏡像異性体、立体異性体、もしくは水和物の効果的な量に、血管内皮細胞増殖を発現している細胞を暴露する工程を包含する、血管内皮細胞増殖を選択的に阻害する方法であって、ここで、
XはOまたはSである;
YはCまたはNであり、但し、YがNである場合、Rは存在しない;
AおよびBはそれぞれ、独立して、OまたはNであり、但し、AがOである場合、Rは存在しない、そして、BがOである場合、Rは存在しない;
およびRはそれぞれ、独立して、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、シクロアルキル、複素環、アルキルスルホニル、−COR、および−COからなる群より選択される;
ここで、上記RおよびRのアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、シクロアルキル基、複素環基、およびアルキルスルホニル基は、それぞれ、独立して、置換されているか、または置換されていない;
およびRは、それらが結合している原子とともに、置換されているかまたは置換されていない複素環を必要に応じて形成し得、その複素環はRおよびRが結合しているヘテロ原子を含めて、N、O、およびSからなる群より選択される1〜3個の環へテロ原子を含む;または
およびRは、それらが結合している原子とともに、置換されているかまたは置換されていない複素環を必要に応じて形成し得、その複素環はRおよびRが結合しているヘテロ原子を含めて、N、O、およびSからなる群より選択される2〜3個の環へテロ原子を含む;
はH、アルキル、アリール、または複素環であり、
ここで該Rのアルキル基、アリール基、または複素環基はそれぞれ、独立して、置換されているか、または置換されていない;
、R、R、RおよびRはそれぞれ、独立して、H、アルキル、アルケニル、アルコキシ、アルキニル、アリール、シクロアルキル、複素環、アルキルスルホンアミド、−COR、−OR、−COH、−CO、−C(O)NR1011、SR、−NR1011およびハロゲンからなる群より選択される;
ここで、該R、R、R、RおよびRのアルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、アルキニル基、アリール基、シクロアルキル基、複素環基、およびアルキルスルホンアミド基は、それぞれ、独立して、置換されているか、または置換されていない;
10およびR11はH、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、シクロアルキル、複素環、およびアルキルスルホニルからなる群より選択される;
ここで、該R10およびR11のアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、シクロアルキル基、複素環基、およびアルキルスルホニル基は、それぞれ、独立して、置換されているか、または置換されていない;
次の置換基の対:RとR、RとR、RとR、およびRとRそれぞれは、独立して、それらが結合している原子とともに、N、O、またはSからなる群より選択される0個〜2個の環へテロ原子を有する置換されているかもしくは置換されていない単環式の複素環、または置換されているかもしくは置換されていない単環式の芳香族環を必要に応じて形成し得、したがって、二環式の環系を形成し得る;
は、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、シクロアルキル、および複素環からなる群より選択される;
該Rのアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、シクロアルキル基、および複素環基は、それぞれ、独立して、置換されているか、または置換されていない、方法。

【公表番号】特表2008−520740(P2008−520740A)
【公表日】平成20年6月19日(2008.6.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−543448(P2007−543448)
【出願日】平成17年11月23日(2005.11.23)
【国際出願番号】PCT/US2005/042482
【国際公開番号】WO2006/065479
【国際公開日】平成18年6月22日(2006.6.22)
【出願人】(507166346)ピーティーシー セラピューティクス, インコーポレイテッド (4)
【Fターム(参考)】