説明

アモルファス太陽電池の成膜装置、及び、その製造方法

【課題】発電効率の向上。
【解決手段】アモルファスi層をCVD法により成膜するために必要であるガス(6)が導入される真空槽(1)に配置される第1電極(7)と第2電極(8)の間に第3電極としてメッシュ電極が介設される。第3電極(9)に負のバイアス電位が与えられる。プラズマ中で生成する堆積先駆体は、第3電極(9)を通過した後に、拡散により基板(13)に到達する。この際に、質量が大きい高次シランラジカルは、その拡散距離が短く、また、反応ガス(6)との衝突とその反応とにより、不活性な高次シラン分子に変わって、高次シランラジカルの製膜に対する寄与率が低下する。その結果として、得られるアモルファスシリコン膜中に含まれるSiH2の結合濃度は、観測機器(IR)の測定限界まで低減される。この程度のSiH2が存在するアモルファスシリコン層は、公知の発電層との対比で高い安定化発電効率を達成している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アモルファス太陽電池の成膜装置、及び、その製造方法に関し、特に、トライオードを持つアモルファス太陽電池の成膜装置、及び、その製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
電力供給の多様化のために、太陽電池の開発が進められている。太陽電池の普及のために、発電効率の向上と製造コストの低減とが求められている。アモルファスシリコン膜を基板面上に形成するCVD技術は、シラン(SiH4)をプラズマ化しSiを基板面に蒸着する工程を含んでいる。基板の温度、水素に対するシランの流量比を制御することにより、アモルファス膜又は微結晶膜を基板面に形成することができる。アモルファス太陽電池の発電層のアモルファスシリコン層には、水素化アモルファスシリコン(a−Si:H)が不可避的に含まれる。アモルファスシリコン膜中に含まれるSiH2は、アモルファス太陽電池の光劣化の重要な原因物質である。SiH2の存在比率は、プラズマ状態、基板温度、ガス圧力のような成膜条件を規定するパラメータの関数として現れる。不可避である光劣化を起こした後の効率は重要である。光劣化後発電効率(以下、安定化発電効率ともいわれる。)の向上又は発電効率低下の抑制のための技術として、特許文献1でp,i,n層の界面の処理が知られている。光劣化後発電効率のより一層の改善のためには、界面だけでなく、アモルファスi層の改善が求められる。
【0003】
そのようなi層の改善の技術として、プラズマCVD法の第1電極のアノードと第2電極のカソードとの間に第3電極のメッシュ電極を挿入するトライオード法が知られている。トライオード技術を提案している特許文献2と特許文献3は、第3電極に正電圧を印加して第3電極を加熱し気相に熱エネルギーを与えて拡散距離を増大させることにより、成長速度を向上させている。公知のこのような技術は、第3電極に正電圧を印加していて、第3電極とカソードとの間にプラズマを閉じ込める効果が薄く、劣化の原因であるSiH2の濃度を減少させることが困難である。
【0004】
第3電極に負電圧を印加する特許文献4は、第3電極とアノードに設置される基板との間の距離を調整することにより放電を抑制し、第3電極をアノードに対して等電位又は負電位に保持して、第3電極寄りのプラズマの状態を健全に保持し、且つ、アノードに向かう正イオンの加速を抑制することにより、光劣化を抑制する技術を開示している。このような公知技術は、微結晶膜の成膜には有効であることが推定され得るが、SiH2の濃度を低く抑えることには不十分である。第3電極の負電位化バイアスは、劣化抑制と成長速度の向上を両立させることが求められるアモルファスシリコンの製造のために十分な技術ではない。
【0005】
光照射による劣化を起こした後の発電効率(安定化発電効率)を向上させることが求められる。
【0006】
【特許文献1】特開平7−297424号
【特許文献2】特開平7−99159号
【特許文献3】特開平8−167596号
【特許文献4】特開2002−289530号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の課題は、光照射による劣化を起こした後の発電効率(安定化発電効率)を向上させるアモルファス太陽電池の製造技術を具現するアモルファス太陽電池の成膜装置、及び、その製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明によるアモルファス太陽電池の成膜装置は、基板(13)面に形成されている第1層の面にアモルファスi層をCVD法により成膜するために必要であるガス(6)が導入される真空槽(1)と、真空槽(1)の中に配置される第1電極(7)と、真空槽(1)の中に配置される第2電極(8)と、第1電極(7)と第2電極(8)の間に配置される第3電極(9)と、真空槽(1)の外側に配置され第3電極(9)にバイアス電位を与えるバイアス電源(11)とその他の機器とから構成されている。第3電極(9)は、第1電極(7)と第3電極(9)の間でプラズマ化されているプラズマ状態のガスを第2電極(8)に向かわせるために通過させる多数の通過孔を有するメッシュ電極として形成されている。バイアス電源(11)は第3電極(9)に負電位をバイアスする。
【0009】
プラズマ中で生成した堆積先駆体は、第3電極(9)を通過した後に、拡散により基板(13)に到達する。この際に、質量の重い高次シランラジカルは、その拡散距離が短く、また、反応ガス(6)との衝突とその反応とにより、不活性な高次シラン分子に変わることから、高次シランラジカルの製膜に対する寄与率は低下する。その結果として、得られるアモルファスシリコン膜中に含まれるSiH2結合密度は、観測機器(IR)の測定限界程度までに低減化される。この程度のSiH2が存在するアモルファスシリコン層は、公知の発電層との対比で高い安定化発電効率を達成している。
【0010】
第2電極(8)と第3電極(9)の間の距離はL1で表され、L1>10mmである。公知技術では、L1は10mm以下であることが好ましいとされているが、距離L1が10mmより短い場合には、SiH2を低減することが厳しくなる。第1電極と第3電極の間の距離L2も10mm以上であることが好ましい。L2≧20mmで十分に高い発電効率を得ることができる。負電位は、−1Vより低く−200Vより高い範囲で十分によい発電効率が得られる。
【0011】
本発明によるアモルファス太陽電池の製造方法では、第1電極と第3電極の間でガスがプラズマ化される。第3電極は負電位にバイアスされる。希釈率は、光照射後の発電効率の劣化の抑制のために重要なファクターである。希釈化率Rは、R=H2/SiH4で定義される。0<R<1であることが重要であり、特に、Rは0.5より小さいことが特に好ましい。Rが0.5以下であれば、SiH2は計測限界でしか計測されず、SiHは急減する。電極間距離の適正値は既述の通りである。
【発明の効果】
【0012】
本発明によるアモルファス太陽電池の成膜装置、及び、その製造方法によると、その安定化発電効率は向上する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
本発明によるアモルファス太陽電池の成膜(製膜)装置の実施の最良の形態は、図に対応して、詳細に記述される。アモルファス太陽電池製造装置には、図1に示されるように、真空槽1がCVD機器2とともに設けられている。CVD機器2を構成する諸機器は、真空槽1の中に配置されている。CVD機器2は、シャワーカソード3を含んでいる。シャワーカソード3は、上面側が完全には閉じられていないガス導入室4を含んでいる。ガス導入室4の底には、ガス導入管5が接続している。反応用ガス6は、ガス導入管5を介してガス導入室4の中に導入される。ガス導入室4の天井は、ガスを噴出する多噴射孔を有する第1電極(カソード)7として形成されている。真空槽1の内部空間の上方部位には、第2電極として加熱型のアノード(第2電極)8が配置されている。メッシュ電極9は、第3電極(トライオード)として提供されている。メッシュ電極9は、ガス導入室4の第1電極7より上位に位置し第2電極8より下位に位置して配置されている。メッシュ電極9は、真空槽1の外側に配置されている電位差形成電源11に接続している。真空槽1の中の反応ガスは、ガス排出口12から吸引される。図2は、メッシュ電極9のメッシュ構造を示している。メッシュ形成電極板の線幅aは0.3mmに設計され、その線間隔bは0.97mmに設計されている。
【0014】
化学的気相成長対象の基板13は、第2電極8の下面に接合される。ガス導入管5から真空化される真空槽1の中に、反応用ガス6が吸引的に導入される。そのような反応用ガス6はメッシュ電極9の多数の噴射孔から噴射され、第1電極7とメッシュ電極9の間に導入された該反応用ガス6は、第1電極7とメッシュ電極9の間の空間内でプラズマ化される。第1電極7とメッシュ電極9の間のプラズマ中で形成される堆積前駆体は第3電極9の多数の孔を通過し、拡散により基板13に到達する。第3電極9と第2電極8との間のメッシュ−アノード間距離(メッシュ−基板面間距離に概ね等しい)L1は、適正に広く設計されている。この距離は、既述の公知技術のその距離より長い。メッシュ電極9と第1電極7の間のメッシュ−カソード間距離L2は、適正に広く(30mmの程度に)設計されている。この距離は、既述の公知技術のその距離より長い。
【0015】
第2電極8とメッシュ電極9の間の堆積前駆体は、拡散しながら第2電極8に接合している基板13に確率的に向かう。基板13の近傍に拡散する堆積前駆体は、基板13の第1層(例示:p層)に形成されつつあるi層の製膜に寄与する。SiH2を含む高次シランラジカルは、第2電極8と第3電極9との間で反応用ガス6と衝突することで製膜に寄与しない高次シラン分子となり、基板13に形成されるi層のSiH2の濃度は低く抑えられ、結果として、発電層であるi層の光劣化が有効に抑制される。距離L1は十分に長く設計されていて、既述の通り、高次シランラジカルと反応用ガス6との衝突と反応の頻度が高くなり結果として、高次シランラジカルの製膜への寄与率が低減される。
(1)電極間距離の増大
(2)第3電極の負極化
(3)第2電極の加熱
の3つの条件をそれぞれに調整することは、本発明の課題を有効に解決することができる。
【0016】
実施例1:
i層ダイオード:
SiH4/H2=20/20sccm
圧力=0.3Torr
ヒータ温度=220゜C
Power=32mW/cm2(60MHz)
i層トライオード:SiH4/H2=20/20sccm
圧力=0.1Torr
ヒータ温度=220゜C
Power=32mW/cm2(60MHz)
L1=30mm
L2=20mm
メッシュバイアス(負電位)=−25V
【0017】
図3は、実施例1による単膜の試験製造の物性比較を示している。SiHとSiH2の濃度は、IR(infrared spectroscopy)により測定されている。トライオード電極を用いる本発明の製造方法により製造される単層のSiH濃度とSiH2濃度はそれぞれに、ダイオード電極を用いる公知の製造方法により製造される単層のSiH濃度とSiH2濃度に対して低い。実施例1に固有である水素希釈は、本発明の効果をより増大させることが判明している。図3は、水素希釈効果を含む濃度低下効果分を少し含んでいる。
【0018】
実施例2:
実施例2では、p−i−nの3層が製作される。該3層中のi層に対してトライオード方法が適用されている。
p層初期層:SiH4/CH4/H2/B2H6=5/10/100/20sccm
圧力=0.5Torr
ヒータ温度=220゜C
Power=24mW/cm2(13.56MHz)
膜厚=15A゜(A゜はオングストローム)
p層バルク層:SiH4/CH4/H2/B2H6=5/15/100/10sccm
圧力=0.5Torr
ヒータ温度=220゜C
Power=24mW/cm2(13.56MHz)
膜厚=80A゜
p/I層:SiH4/CH4/H2/B2H6=5/5/100/0sccm
圧力=0.5Torr
ヒータ温度=220゜C
Power=24mW/cm2(13.56MHz)
膜厚=20A゜
a−i層(ダイオード):SiH4/H2=20/20sccm
圧力=0.3Torr
ヒータ温度=220゜C
Power=32mW/cm2(60MHz)
膜厚=2500A゜
a−i層(トライオード):SiH4/H2=20/20sccm
圧力=0.1Torr
ヒータ温度=220゜C
Power=32mW/cm2(60MHz)
膜厚=2500A゜
L1=30mm
L2=20mm
Vmesh=−25V
n層:
SiH4/H2/PH3=10/0/100sccm
圧力=0.22Torr
ヒータ温度=180゜C
Power=49mW/cm2(13.56MHz)
膜厚=300A゜
裏面電極:GZO/Ag=300/1500A゜
劣化条件:3sun,60゜C,6h
【0019】
図4は、ダイオードとトライオードの劣化比較を示している。Jscは短絡電流を、Vocは開放電圧を、FFは形状因子を、ηは変換効率をそれぞれに示す。本発明方法は、公知技術に対して、劣化率が低く、且つ、劣化後効率が高い。
【0020】
実施例3:
実施例3は、アモルファスi層について水素希釈効果を確認する試験に関している。
SiH4/H2=20/0〜100sccm
SiH4分圧=0.1Torr
基板温度=250゜C
Power=25mW/cm2(100MHz)
L1=40mm
L2=20mm
Vmesh=−15V
【0021】
図5は、SiH4分圧と水素希釈効果の関係を示している。SiHとSiH2の濃度は、IRにより測定されている。水素希釈の割合によって、膜中水素濃度を制御することができる。希釈度合を高くしても、SiHの濃度は増加するが、劣化原因であるSiH2の割合はほとんど変わらない。このように水素希釈の割合を制御することによって、セル特性を希望のタイプ(電流型又は電圧型)に調整することができる。電流型はセルのバンドギャップがより狭く、電圧型は該ギャップがより広いことを意味する。
【0022】
実施例4:
実施例4では、p−i−nの3層の内、水素希釈化をパラメータとしてi層を製作した。該3層中のi層に対してトライオード方法が適用されている。比較とした公知方法では、水素希釈を行わない。
p層初期層:SiH4/CH4/H2/B2H6=5/10/100/20sccm
圧力=0.5Torr
ヒータ温度=220゜C
Power=24mW/cm2(13.56MHz)
膜厚=10A゜
p層バルク層:SiH4/CH4/H2/B2H6=5/15/100/10sccm
圧力=0.5Torr
ヒータ温度=220゜C
Power=24mW/cm2(13.56MHz)
膜厚=60A゜
p/I層:
SiH4/CH4/H2/B2H6=5/2/100/0sccm
圧力=0.5Torr
ヒータ温度=220゜C
Power=24mW/cm2(13.56MHz)
膜厚=20A゜
a−i層(トライオード):SiH4/H2=20/10〜40sccm
圧力=0.1Torr
ヒータ温度=220゜C
Power=32mW/cm2(60MHz)
膜厚=2500A゜
L1=15mm
L2=20mm
Vmesh=−25V
n層:
SiH4/H2/PH3=3/120/40sccm
圧力=0.18Torr
ヒータ温度=200゜C
Power=122mW/cm2(60MHz)
膜厚=300A゜
裏面電極:GZO/Ag/GZO=300/2000/300A゜
劣化条件:3sun,60゜C,6h
【0023】
図6は、希釈率と劣化抑制性能の関係を示している。水素希釈は、膜中水素濃度の制御を可能にしている。水素希釈制御は、セル特性を希望のタイプ(電流型又は電圧型)の制御に利用され得る。低水素希釈では、Voc(開放電圧)は低下するがJsc(短絡電流)は向上する(電流型)。高水素希釈では、Jscは低下するがVocは向上する(電圧型)。
【0024】
実施例5:
実施例5は、低温成膜と劣化後効率との関係を確認する。
p層初期層:
SiH4/CH4/H2/B2H6=5/10/100/20sccm
圧力=0.5Torr
ヒータ温度=220゜C
Power=24mW/cm2(13.56MHz)
膜厚=15A゜
p層バルク層:SiH4/CH4/H2/B2H6=5/15/100/10sccm
圧力=0.5Torr
ヒータ温度=220゜C
Power=24mW/cm2(13.56MHz)
膜厚=80A゜
p/I層:SiH4/CH4/H2/B2H6=5/2/100/0sccm
圧力=0.5Torr
ヒータ温度=220゜C
Power=24mW/cm2(13.56MHz)
膜厚=20A゜
a−i層(低温・トライオード):SiH4/H2=20/20sccm
圧力=0.1Torr
ヒータ温度=190゜C
Power=32mW/cm2(60MHz)
膜厚=2500A゜
L1=30mm
L2=20mm
Vmesh=−25V
a−i層(高温・トライオード):SiH4/H2=20/20sccm
圧力=0.1Torr
ヒータ温度=220゜C
Power=32mW/cm2(60MHz)
膜厚=2500A゜
L1=30mm
L2=20mm
Vmesh=−25V
n層:SiH4/H2/PH3=10/0/100sccm
圧力=0.22Torr
ヒータ温度=180゜C
Power=49mW/cm2(60MHz)
膜厚=300A゜
裏面電極:GZO/Ag=300/2000A゜
【0025】
図7は、温度変化と劣化抑制性能の関係を示している。トライオード法は、温度低下に影響されずに劣化後効率の低下を抑制することができる。セル特性を希望のタイプの制御に利用することができる。高温ではVocは低下するがJscは向上する(電流型)。低温では、Jscは低下するがVocは向上する(電圧型)。
【0026】
全実施例の共通効果:
全実施例は、第3電極を構成するメッシュ電極への負バイアス印加と水素希釈とにより、高次シランの膜中取込が低減し、結果として、SiH2濃度が減少し、劣化率が抑制されることにより劣化後効率が向上することを示している。
【0027】
メッシュ電極バイアスVmeshと劣化抑制効果とは、励起周波数に依存することが試験により判明している。周波数が60MHzである場合には、
−1V(ボルト)>メッシュバイアスVmesh>−200V
であることが適正である。
【0028】
図8は、本発明による光照射前後の太陽電池発電の効率を示している。図8に示される電流電圧データは、R=0.5のものである。効率Effは、R=0.5で、最高効率の9.22%を達成している。更に詳細なデータは、Proceedings of the 5th ICCG, Saarbruecken, 2004
で公表される。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】図1は、本発明によるアモルファス太陽電池の成膜装置の実施の好ましい形態を示す断面図である。
【図2】図2は、メッシュ電極を示す平面図である。
【図3】図3は、電極数と濃度を示すグラフである。
【図4】図4は、本発明と公知技術の性能を比較する表である。
【図5】図5は、希釈率と濃度を示すグラフである。
【図6】図6は、希釈率と性能を示す表である。
【図7】図7は、温度と性能を示す表である。
【図8】図8は、発電効率を示すグラフである。
【符号の説明】
【0030】
1…真空槽
6…ガス
7…第1電極
8…第2電極
9…第3電極(メッシュ電極)
11…バイアス電源
13…基板

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板面に形成されている第1層の面にアモルファスi層をCVD法により成膜するために必要であるガスが導入される真空槽と、
前記真空槽の中に配置される第1電極と、
前記真空槽の中に配置される第2電極と、
前記第1電極と前記第2電極との間に配置される第3電極と、
前記第3電極にバイアス電位を与えるバイアス電源とを具え、
前記第3電極は、前記第1電極と前記第3電極の間でプラズマ化されている前記ガスを前記第2電極に向かわせるために通過させる多数の通過孔を有するメッシュ電極として形成され、
前記バイアス電源は前記第3電極に負電位をバイアスする
アモルファス太陽電池の成膜装置。
【請求項2】
前記第2電極と前記第3電極の間の距離はL1で表され、L1>10mmである
請求項1のアモルファス太陽電池の成膜装置。
【請求項3】
前記第1電極と前記第3電極の間の距離はL2で表され、L2>10mmである
請求項1のアモルファス太陽電池の成膜装置。
【請求項4】
前記第2電極と前記第3電極の間の距離はL1で表され、前記第1電極と前記第3電極の間の距離はL2で表され、L1≧20mmであり、且つ、L2≧20mmである
請求項1のアモルファス太陽電池の成膜装置。
【請求項5】
前記負電位は、−1Vより低く−200Vより高い
請求項1〜4から選択される1請求項のアモルファス太陽電池の成膜装置。
【請求項6】
請求項1のアモルファス太陽電池の成膜装置を用いてアモルファスi層を成膜するアモルファス太陽電池の製造方法であり、下記複数の手順:
前記第1電極と前記第3電極の間で前記ガスをプラズマ化すること、
前記バイアス電源により前記第3電極に負電位をバイアスすること
を具えるアモルファス太陽電池の製造方法。
【請求項7】
希釈化率Rは、R=H2/SiH4で定義され、下記手順:
0<R<1に設定すること
を更に具える請求項6のアモルファス太陽電池の製造方法。
【請求項8】
R<0.5である
請求項7のアモルファス太陽電池の製造方法。
【請求項9】
前記第2電極と前記第3電極の間の距離はL1で表され、下記手順:
L1>10mmに設定すること
を更に具える請求項7のアモルファス太陽電池の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2006−19593(P2006−19593A)
【公開日】平成18年1月19日(2006.1.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−197331(P2004−197331)
【出願日】平成16年7月2日(2004.7.2)
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)平成15年度 新エネルギー・産業技術総合開発機構 太陽光発電技術研究開発 先進太陽電池技術研究開発委託研究、産業活力再生特別措置法第30条の適用を受ける特許出願
【出願人】(000006208)三菱重工業株式会社 (10,378)
【出願人】(301021533)独立行政法人産業技術総合研究所 (6,529)
【Fターム(参考)】