説明

エピタキシャル装置

【課題】原料ガスの乱流を防止して形成される薄膜のオートドープを低減する。
【解決手段】エピタキシャル装置10は、箱形に形成され半導体ウェーハ13が収容される反応容器11と、ガスを供給して反応容器の内部に一端から他端に向かうガス流を生じさせるガス供給源12とを備える。反応容器の一端側との間にガス室を形成するガス整流部材19が反応容器の一端側に幅方向に広がるように設けられ、ガス整流部材にガス供給源からガス室に供給された原料ガスを分流してウェーハの周囲に流す複数のガス導入流路19a,19bが形成され、複数のガス導入流路はガス整流部材に鉛直方向に2列又は3列であって幅方向に10〜40個形成される。ガス室を幅方向に並ぶ複数の小ガス室に分断する仕切板21が設けられ、複数の小ガス室にガスをそれぞれ供給するガス供給口が形成され、複数の小ガス室に供給するガス量を別々に調整する調整手段を更に備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シリコン単結晶基板等の半導体ウェーハの表面に、シリコン単結晶薄膜等の薄膜を気相成長させる枚葉式のエピタキシャル装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
半導体ウェーハの表面に、気相成長法によりシリコン単結晶薄膜をエピタキシャル成長により形成したシリコンエピタキシャルウェーハは、バイポーラICやMOS−IC等の電子デバイスに広く使用されている。近年、電子デバイスの微細化による薄膜化やウェーハの大口径化が進む中、形成されるシリコン単結晶薄膜の膜厚あるいは抵抗率の面内均一化をどのように図るかが重要な課題の一つとなっている。例えば直径が200mmのシリコン単結晶ウェーハの製造においては、複数枚のウェーハをバッチ処理する方法に代えて、膜厚分布等の制御が比較的容易な枚葉式装置が主流になりつつある。このエピタキシャル装置は箱形の反応容器を備え、その反応容器内に1枚のシリコン単結晶等の半導体ウェーハを水平に保持し、反応容器の一端から他端へ原料ガスを水平かつ一方向に供給しながら半導体ウェーハの表面に薄膜を気相成長させるものである。
【0003】
このようなエピタキシャル装置において、形成される薄膜の膜厚均一化を図る上で重要な因子の一つに、反応容器内の原料ガスの流速分布がある。原料ガスの流速分布の均一化を図るためのガス導入機構については、反応容器の一端側の幅方向に複数、例えば図7〜図9に示すように、3個のガス供給口2aを反応容器2の一端側に形成することが知られている(例えば、特許文献1参照。)。この反応容器2の内部にはサセプタ4が設けられ、半導体ウェーハ3をこのサセプタ4上に設置することにより半導体ウェーハ3は反応容器2に収容される。そして、反応容器2の一端側に形成された複数のガス供給口2aから原料ガスを反応容器2内に供給することにより、単一のガス供給口から原料ガスを反応容器内に供給する場合に比較して反応容器2内の原料ガスの流速分布を均一にできるとしている。
【特許文献1】特開平8−181076号公報(明細書[0047]、図1)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、反応容器2の一端側の幅方向に複数のガス供給口2aを形成しても、反応容器が箱形であることから、図9に示すように複数のガス供給口2aから反応容器2の一端側に供給された原料ガスは螺旋状となり、図7及び図8に示すように、反応容器2の一端から他端に移動するに従って乱流となることが知られている。そして、図7及び図8の実線矢印で示すようにそのガス流は時には渦を巻いてしまう場合も生じ得ることが判明してきた。このように、反応容器の内部で原料ガスが乱流を生じせると原料ガスの渦による滞留が起こりドーパントガス分布が均一にならず、形成される薄膜の比抵抗の深さ方向分布形状がだれる、即ちオートドープが発生してしまうという未だ解決すべき課題が残存していた。
本発明の目的は、形成される薄膜のオートドープを低減し得るエピタキシャル装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1に係る発明は、箱形に形成され半導体ウェーハが収容される反応容器と、反応容器の一端に原料ガスを供給して反応容器の内部に一端から他端に向かうガス流を生じさせるガス供給源とを備えたエピタキシャル装置の改良である。
その特徴ある構成は、反応容器の一端側内部にガス室を形成するガス整流部材が反応容器の幅方向に設けられ、ガス整流部材にガス供給源からガス室に供給された原料ガスを分流してウェーハの周囲に流す複数のガス導入流路が幅方向に間隔をあけて列をなして形成され、複数のガス導入流路は鉛直方向に2列又は3列であってかつ列間に10〜40個ガス整流部材に形成されたところにある。
【0006】
請求項2に係る発明は、請求項1に係る発明であって、ガス室を幅方向に複数の小ガス室に分断する仕切板がガス室に設けられ、複数の小ガス室にガスをそれぞれ供給するガス供給口が反応容器の一端に複数形成され、ガス供給源から複数のガス供給口を介して複数の小ガス室に供給するガス量を別々に調整する調整手段を更に備えたことを特徴とする。
請求項3に係る発明は、請求項1又は2に係る発明であって、ガス導入流路が鉛直方向に2列に形成され、上列又は下列のガス導入流路のいずれか一方が水平方向に形成され、上列又は下列のガス導入流路のいずれか他方が水平方向に対して下流側が下方になるように傾斜して形成されたことを特徴とする。
【0007】
請求項4に係る発明は、請求項3に係る発明であって、反応容器の内部天井面と反応容器に収容された半導体ウェーハの下面までの距離をLとし、水平方向に対して下流側が下方になるように傾斜して形成されたガス導入流路の水平方向に対する角度をθとし、傾斜して形成されたガス導入流路の下流側端縁の中心位置と反応容器の内部天井面との鉛直距離をXとするとき、以下の式(1)及び(2)を満たすことを特徴とする。
0度<θ<10度 ・・・(1)
0<X≦L ・・・(2)
【発明の効果】
【0008】
本発明のエピタキシャル装置では、反応容器の内部においてガス整流部材を越えた原料ガスの流れは、複数のガス導入流路を通過することにより、非常に均一な流速分布を持ったガス流となり、反応容器内部における原料ガスの逆流が抑えられる。この結果、ウェーハの表面に形成されるエピタキシャル厚さが均一となり、ウェーハ面内にオートドープの少ない、良好な深さ方向の抵抗率分布を有する薄膜を形成することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
次に本発明を実施するための最良の形態を図面に基づいて説明する。
図1に示すように、このエピタキシャル装置10は、偏平状の箱形に形成された石英ガラス製の反応容器11と、その反応容器11の一端に原料ガスを供給するガス供給源12とを備える。反応容器11の底部にはサセプタ14が設けられ、このサセプタ14の上面に半導体ウェーハ13が設置されて反応容器11に収容されるように構成される。半導体ウェーハ13は円板状であり、例えば直径が略200mmあるいはそれ以上のものである。このサセプタ14はウェーハ13とともに回転可能に構成され,このようにして反応容器11の内部には、基材としての半導体ウェーハ13が略水平に1枚のみ収容される。図示しないが、半導体ウェーハ13の配置領域に対応して反応容器11の上下にはウェーハ13を加熱のためのハロゲン加熱ランプが所定間隔にて配置され、これによりこのエピタキシャル装置10は水平枚葉型装置として構成される。尚、加熱方式はハロゲン加熱ランプに限らず、赤外線ランプ、高周波による誘導加熱、抵抗加熱でもよい。また、加熱部材の設置位置は、反応容器11の上下のみならず、下側のみでも良いし、上側のみでも良い。
【0010】
ガス供給源12から反応容器11の一端に供給された原料ガスは、その反応容器11の内部で一端から他端に向かうガス流を生じさせ、半導体ウェーハ13の表面上を通過した後に反応容器11の他端側から排出されるように構成される。原料ガスは半導体ウェーハ13上にシリコン単結晶薄膜を気相成長させるためのものであり、この原料ガスとしては、SiHCl3、SiCl4、SiH2Cl2、SiH4、Si26等のシリコン化合物が挙げられる。また、このような原料ガスには、ドーパンドガスとしてのB26あるいはPH3や、キャリアガスとしてのH2、N2、Ar等を適宜使用することができる。また、薄膜の気相成長処理に先立ってそのウェーハ13に対して前処理、例えば自然酸化膜や付着有機物の除去処理等を行う際には、HCl、HF、ClF3、NF3等から適宜選択された腐蝕性ガスをキャリアガスにて希釈した前処理用ガスを反応容器11内に供給するか、又は、H2雰囲気中で高温熱処理を施すようなこともできる。
【0011】
反応容器11の一端側にはガス供給口11a,11b,11cが複数形成される。この実施の形態では3個形成される場合を示し、半導体ウェーハ13の中央位置に対応して反応容器11の幅方向略中央に形成された主供給口11aに加え、その主供給口11aの両側において略左右対称な位置に副供給口11b,11cが形成される。これは、半導体ウェーハ13の外周領域は、半導体ウェーハ13の回転周速の差や、容器11壁面による冷却あるいはガス流乱れ等の影響により、ウェーハ13中央領域とは膜形成速度等が異なりやすいことを考慮して、ウェーハ13中央領域と外周領域とで原料ガスの流れを独立に制御できるようにするためである。
【0012】
また、これらのガス供給口11a,11b,11cとガス供給源12とはガス配管16により接続される。図におけるガス配管16は、ガス供給源12と主供給口11aを連結する主配管16aと、その主配管16aからその主配管16aの両側に分岐した2本の分岐配管16b,16cとを有し、その一方の分岐配管16bを一方の副供給口11bに接続し、他方の分岐配管16cを他方の副供給口11cに接続している。そして、分岐された部分と主供給口11cの間の主配管16aと2本の分岐配管16b,16cには、それらを流れる原料ガスのガス量を別々に調整する調整手段であるマスフローコントローラ(MFC)がそれぞれ設けられる。
【0013】
一方、反応容器11の一端側内部には、ガス室18を形成するガス整流部材19が容器の幅方向に広がるように設けられる。このガス整流部材19は、ステンレス又は石英から成るブロック体であって、このガス整流部材19にはガス供給源12からガス供給口11a,11b,11cを介してガス室18に供給された原料ガスを分流してウェーハ13の周囲に流す複数のガス導入流路19a,19bが幅方向に間隔をあけて列をなして形成される。この実施の形態では、ガス供給口11a,11b,11cが反応容器11の一端に3個形成されており、このガス室18には、このガス室18を幅方向に複数の小ガス室18a,18b,18cに分断する仕切板21が設けられる。そのガス室18が分断されて形成された複数の小ガス室18a,18b,18cには複数のガス供給口11a,11b,11cに対応して形成され、それらのガス供給口11a,11b,11cはそれぞれの小ガス室18a,18b,18cに対応した原料ガスを供給するように構成される。
【0014】
ガス整流部材19に形成される複数のガス導入流路19a,19bは、ガス整流部材19に鉛直方向に2列又は3列であってかつ列毎に10〜40個形成される。ガス導入流路19a,19bはガス整流部材19を孔開け加工することにより形成された断面が円形であってかつ直線状のいわゆるパイプ状の孔である。このガス導入流路19a,19bを鉛直方向に2列又は3列に限定するのは、原料ガスの乱流を防止するとともにその加工を容易にするためであり、1列であると原料ガスの乱流を十分に防止できないからであり、3列を超えるとガス整流部材19の加工が困難になるからである。列毎に10〜40個とするのも原料ガスの乱流を防止するとともにその加工を容易にするためであり、10個未満であると原料ガスの乱流を十分に防止できないからであり、40個を超えるとガス整流部材19の加工が困難になるからである。好ましくは、ガス導入流路19a,19bを列毎に30〜40個形成することが好ましく、その数を列毎に異ならせても良い。例えば、上列のガス導入流路19aの個数を、下列のガス導入流路19bの個数より多くしてみたり、又は少なくしてみたりしても良い。
【0015】
この実施の形態では、図2に示すように、複数のガス導入流路19a,19bがガス整流部材19に鉛直方向に2列に形成され、上列のガス導入流路19aが水平方向に形成され、下列のガス導入流路19bが水平方向に対して下流側が下方になるように傾斜して形成される。そして、反応容器11の内部天井面とサセプタ14までの距離、即ち、反応容器11の内部天井面と半導体ウェーハ13の下面までの距離をLとし、下列のガス導入流路19bの水平方向に対する角度をθとし、下列のガス導入流路19bの下流側端縁の中心位置と反応容器11の内部天井面との鉛直距離をXとするとき、以下の式(1)及び(2)を満すことが好ましい。
【0016】
0度<θ<10度 ・・・(1)
0≦X≦L ・・・(2)
上記(1)を満たすこと、即ち傾斜させたガス導入流路19bの角度θが10度未満であることが好ましいのは、そのガス導入流路19bを通過した原料ガスの流れによりウェーハ13の表面に薄膜をエピタキシャル成長させるためであり、傾斜角度が10度以上であると、そのガス導入流路19bを通過した原料ガスの流れが乱れるおそれがある。このθの好ましい範囲は5度以上10度未満である。また、上記(2)を満たすことが好ましいのは、そのガス導入流路19bを通過した原料ガスの流れによりウェーハ13の表面に薄膜をエピタキシャル成長させるためであり、傾斜させたガス導入流路19bの下流側端縁の中心位置がLを越えると、そのガス導入流路19bを通過した原料ガスがウェーハ13の周囲に到達しないからである。そして、このXの好ましい範囲は0.2L以上0.5L以下である。
【0017】
次に、本発明のエピタキシャル装置を用いた薄膜の気相成長方法について説明する。
図1に示すように、反応容器11内に配置されたサセプタ14上に半導体ウェーハ13をセットし、必要に応じ酸化膜除去等の前処理を行った後、半導体ウェーハ13を回転させながら図示しないハロゲン加熱ランプにより所定の反応温度に加熱する。その状態で、各ガス供給口11a,11b,11cから原料ガスを所定の流速にて、各小ガス室18a,18b,18cに供給する。ガス室18に供給された原料ガスは、ガス整流部材19に当り、流れが分散されてガス流の圧力を減少しつつ複数のガス導入流路19a,19bを通過することでガス流の圧力が均一化されてガス整流部材19を越えて反応容器11の下流側に流れ込む。
【0018】
反応容器11の内部においてガス整流部材19を越えた原料ガスの流れは、複数のガス導入流路19a,19bを通過することにより、非常に均一な流速分布を持ったガス流となる。これにより、反応容器11内部における原料ガスの逆流が抑えられる結果、ウェーハ13の表面に形成されるエピタキシャル厚さが均一となり、ウェーハ13面内にオートドープの少ない、良好な深さ方向の抵抗率分布を有する薄膜を形成することが可能となる。
【0019】
また、この実施の形態では、上列のガス導入流路19aを水平方向に形成し、下列のガス導入流路19bが水平方向に対して下流側が下方になるように傾斜して形成したので、下列のガス導入流路19bを介してガス整流部材19を越えた原料ガスの流れによりウェーハ13の表面に薄膜がエピタキシャル成長され、上列のガス導入流路19aを介してガス整流部材19を越えた原料ガスは、反応容器の天井内面に沿って下流側に流れ、その原料ガスの逆流が軽減されることから、反応容器11の内面に付着する汚れを低減することができると考えられる。
【0020】
なお、上述した実施の形態では、上列のガス導入流路19aを水平方向に形成し、下列のガス導入流路19bを傾斜して形成したけれども、図5に示すように、下列のガス導入流路19bを水平方向に形成し、上列のガス導入流路19aを水平方向に対して下流側が下方になるように傾斜して形成してもよい。この場合であっても、下列のガス導入流路19bを介してガス整流部材19を越えた原料ガスの流れによりウェーハ13の表面に薄膜がエピタキシャル成長され、上列のガス導入流路19aを介してガス整流部材19を越えた原料ガスが反応容器の天井内面に沿って下流側に流れ、その原料ガスの逆流が軽減されることから、反応容器11の内面に付着する汚れを低減することができると考えられる。
【実施例1】
【0021】
次に、本発明の実施例を比較例とともに説明する。
<実施例1>
図1に示すようなエピタキシャル装置10を準備した。即ち、反応容器11の内部天井面とサセプタ14までの距離L(図2)が2cmである反応容器11の一端側に3個のガス供給口11a,11b,11cが形成され、その反応容器11の一端側内部にガス整流部材19が設けられたエピタキシャル装置10を準備した。ガス整流部材19には複数のガス導入流路19a,19bを鉛直方向に2列に形成し、列毎に40個形成した。そのガス導入流路19a,19bは断面直径が2mmのパイプ状の孔であって、上列のガス導入流路19aを水平方向に形成し、下列のガス導入流路19bを下流側が下方になるように傾斜して形成した。そして、図2に示すように、ガス導入流路19bの水平方向に対する角度θは7度であり、下列のガス導入流路19bの下流側端縁の中心位置と反応容器11の内部天井面との鉛直距離Xは1cmであった。
【0022】
このようなエピタキシャル装置10を用い、サセプタ14上に外径が200mmp型<100>の半導体ウェーハ13を設置してそのウェーハ13を反応容器11に収容し、図示しないハロゲン加熱ランプによりそのウェーハ13を1100度に加熱した。その後、主供給口11aに1分間に100リットルの原料ガスを供給するとともに、副供給口11b,11cには1分間に50リットルの原料ガスをそれぞれ供給した。このようにして、反応容器11の内部においてガス整流部材19を越えた原料ガスにより、p+型の<100>ウェーハ13の表面に1層目をn型10μm10mΩcmと2層目でn型60μm、100Ωcmの構造すなわちIGBT(インシュレーテッドゲートバイポーラトランジスター)構造のエピタキシャル層を成長させた。このような薄膜が表面に形成されたウェーハを実施例1とした。
【0023】
<比較例1>
実施例1におけるエピタキシャル装置10の反応容器11からガス整流部材19を取り外したことを除いて、実施例1と同一の条件及び手順によりウェーハ13の表面に薄膜をエピタキシャル成長させた。このような薄膜が表面に形成されたウェーハを比較例1とした。
【0024】
<比較試験及び評価>
実施例1及び比較例1のそれぞれの半導体ウェーハ13の表面に形成された薄膜の深さと抵抗値の関係を日本SSM製広がり抵抗測定器を用いて測定した。この結果を図6に示す。
図6から明らかなように、表面からの深さが60μm近傍で、実施例1のウェーハの方が比較例1のウェーハに比較して高い値を示している。即ち、オートドープが少ない事が分かる。また、実施例はシリコンの反応器への析出(ウォールデポジション)も見られなかった。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明実施形態のエピタキシャル装置の構成を示す斜視図である。
【図2】その装置の内部構造を示す図3のA−A線断面図である。
【図3】図2のB−B線断面図である。
【図4】図2のC−C線断面図である。
【図5】本発明の別の実施の形態を示す図2に対応する断面図である。
【図6】実施例の結果である深さと抵抗値との関係を示す図である。
【図7】従来のエピタキシャル装置の内部構造を示す図2に対応する断面図である。
【図8】その従来の装置を示す図3に対応する断面図である。
【図9】その従来の装置を示す図4に対応する断面図である。
【符号の説明】
【0026】
10 エピタキシャル装置
11 反応容器
11a,11b,11c ガス供給口
12 ガス供給源
13 半導体ウェーハ
17 マスフローコントローラ(調整手段)
18 ガス室
18a,18b,18c 小ガス室
19 ガス整流部材
19a,19b ガス導入流路
21 仕切板
L 反応容器の内部天井面と半導体ウェーハの下面までの距離
θ 傾斜して形成されたガス導入流路の水平方向に対する角度
X 傾斜したガス導入流路の下流側端縁の中心と反応容器の内部天井面との鉛直距離

【特許請求の範囲】
【請求項1】
箱形に形成され半導体ウェーハが収容される反応容器と、反応容器の一端に原料ガスを供給して前記反応容器の内部に一端から他端に向かうガス流を生じさせるガス供給源とを備えたエピタキシャル装置において、
前記反応容器の一端側内部にガス室を形成するガス整流部材が前記反応容器の幅方向に設けられ、
前記ガス整流部材に前記ガス供給源から前記ガス室に供給された原料ガスを分流して前記ウェーハの周囲に流す複数のガス導入流路が幅方向に間隔をあけて列をなして形成され、
前記複数のガス導入流路は鉛直方向に2列又は3列であってかつ列毎に10〜40個前記ガス整流部材に形成された
ことを特徴とするエピタキシャル装置
【請求項2】
ガス室を幅方向に複数の小ガス室に分断する仕切板が前記ガス室に設けられ、
複数の前記小ガス室にガスをそれぞれ供給するガス供給口が反応容器の一端に複数形成され、
ガス供給源から複数の前記ガス供給口を介して複数の前記小ガス室に供給するガス量を別々に調整する調整手段を更に備えた請求項1記載のエピタキシャル装置。
【請求項3】
ガス導入流路が鉛直方向に2列に形成され、上列又は下列のガス導入流路のいずれか一方が水平方向に形成され、上列又は下列のガス導入流路のいずれか他方が水平方向に対して下流側が下方になるように傾斜して形成された請求項1又は2記載のエピタキシャル装置。
【請求項4】
反応容器の内部天井面と前記反応容器に収容された半導体ウェーハの下面までの距離をLとし、水平方向に対して下流側が下方になるように傾斜して形成されたガス導入流路の水平方向に対する角度をθとし、前記傾斜して形成されたガス導入流路の下流側端縁の中心位置と前記反応容器の内部天井面との鉛直距離をXとするとき、以下の式(1)及び(2)を満たす請求項3記載のエピタキシャル装置。
0度<θ<10度 ・・・(1)
0<X≦L ・・・(2)

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2010−40541(P2010−40541A)
【公開日】平成22年2月18日(2010.2.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−197918(P2008−197918)
【出願日】平成20年7月31日(2008.7.31)
【出願人】(302006854)株式会社SUMCO (1,197)
【Fターム(参考)】