説明

ナビゲーション装置、および、ナビゲーション装置の制御方法

【課題】多数の店や施設の情報から、ユーザの好みや意志に沿った情報を容易に選択することが可能なナビゲーション装置を提供する。
【解決手段】移動体の経路案内を行うカーナビゲーション装置1において、それぞれ個性が特徴づけられた複数のシンボルを表示パネル2に表示させ、表示された複数のシンボルのいずれかが選択された場合に、選択されたシンボルの個性に関連する観光情報を観光施設データベース31から選択し、選択された観光情報を表示パネル2に表示させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、経路案内を行うナビゲーション装置、および、ナビゲーション装置の制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、店舗や施設の情報を案内する機能を備えたナビゲーション装置が広く普及し、極めて多数の店や施設に関する情報が提供されるようになっている。ユーザは、極めて多くの店や施設の中から自分が望む店や施設を選ぶことができるが、その一方で、例えば大規模な商業地については、ナビゲーション装置があまりに多くの店や施設に関する情報を保持しているため、その中から自分が望む店や施設を選ぶことは非常に難しくなっている。そこで、ユーザの操作に基づいて、ユーザの嗜好を自動的に分析し、分析された嗜好に合致した店や店舗を自動的に選択するナビゲーション装置が提案された(例えば、特許文献1参照。)。特許文献1に開示されたナビゲーション装置は、ユーザが店舗や施設を選択する操作を行った履歴に基づき、ユーザの嗜好を検出し、この嗜好に合った店や施設に関する情報を選択する。このようなナビゲーション装置によれば、ユーザが通常通りにナビゲーション装置を使用することで、ユーザの嗜好に沿うようにナビゲーション装置が動作するようになる。
【特許文献1】特開平2004−37292号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、特許文献1に開示されたナビゲーション装置を含め、ユーザの嗜好をユーザ自身の意志とは無関係に分析する装置を用いた場合、ユーザが自覚していない嗜好が装置の動作に反映されるため、ユーザが違和感を覚えたり、ユーザの意図に沿わなかったりする可能性がある。また、ユーザが、自分のいつもの嗜好や自分の個性とは異なった傾向の店や施設を選ぼうとしても、ユーザの意志に反して、通常時のユーザの嗜好が優先されてしまい、意外性や目新しさといったユーザの興趣が削がれるおそれがある。このように、自動的に分析したユーザの嗜好に沿って動作を決めてしまうと、ユーザ自身が望まない動作が実現される可能性が否定できない。
その一方で、ナビゲーション装置を操作するにあたって、ユーザが自分の嗜好や性格を自己分析して自分で入力する作業は繁雑で面倒であり、ナビゲーション装置の操作性が損なわれてしまう。
このように、極めて多数の店や施設の情報から、ユーザの好みや意志に沿った情報を選択することは、非常に困難であった。
【0004】
そこで本発明は、極めて多数の店や施設の情報から、ユーザの好みや意志に沿った情報を、ユーザの操作の負担を増すことなく容易に選択することが可能なナビゲーション装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するため、本発明は、移動体の経路案内を行うナビゲーション装置において、観光情報を記憶した観光情報記憶手段と、それぞれ個性が特徴づけられた複数のシンボルを表示画面に表示させる表示制御手段と、前記表示画面に表示された複数の前記シンボルのいずれかが選択された場合に、選択されたシンボルの個性に関連する観光情報を前記観光情報記憶手段から選択する観光情報選択手段と、前記観光情報選択手段により選択された観光情報を前記表示画面に表示させる情報表示制御手段と、を備えることを特徴とするナビゲーション装置を提供する。
この構成によれば、個性が特徴づけられた複数のシンボルが表示画面に表示され、これら複数のシンボルのいずれかがユーザによって選択されると、選択されたシンボルの個性に関連する観光情報が選択され、表示される。すなわち、数多くの観光情報から、ユーザ自身が選択したシンボルの個性を基準として観光情報を選択するので、ユーザの意志に従って観光情報を速やかに選び出すことができる。ここで、観光情報の選択を、シンボルの個性に関連するという漠然とした基準に従って行うため、ジャンル、店名、価格等の明確で画一的な基準を必要としないので、ユーザ自身が明確な基準を指定する必要がない。これにより、ユーザが表示画面のシンボルを直観的に選ぶという簡単な操作により、ユーザの意志を反映して観光情報が選択されるとういう利点がある。
また、シンボルに特徴づけられた個性に複雑性・多面性を持たせることで、ユーザがシンボルを選んだ際に期待する個性とは別の特徴が発揮され、結果として、ユーザが意図しない観光情報を選択させることも可能であり、この場合、意外性のある選択を行って興趣性を演出することもできる。
【0006】
上記構成において、前記表示制御手段は、複数の前記シンボルを、前記表示画面に同時に表示させ、或いは、前記表示画面において切り替えて表示させるものとしてもよい。
この場合、ユーザに、一つの画面に同時に表示された複数のシンボルから所望のシンボルを選択させるだけでなく、画面とともに表示するシンボルを切り替える構成において、シンボルを選択させることもできる。従って、一覧性を重視してシンプルな画面構成を採用することも、画面構成に趣向を凝らして興趣性を増すことも可能となり、デザイン上の自由度が高まるという利点がある。
【0007】
また、上記構成において、前記シンボルは、そのシンボルに特徴づけられた個性を想起させる色または形状もしくは色と形状との組み合わせを有する態様で、前記表示画面に表示されるものとしてもよい。
この場合、表示画面に表示されるシンボルの色、形状または色と形状の組み合わせから、そのシンボルに特徴づけられた個性が想起される。このため、ユーザは、各シンボルの個性に関する説明等を受けなくても、直観的に、自分の趣向や気分に合うシンボルを選ぶことができる。
【0008】
また、上記構成において、前記表示制御手段は、前記シンボルに特徴づけられた個性を説明する説明情報を、前記シンボルとともに前記表示画面に表示するものとしてもよい。
この場合、ユーザは、シンボルの個性を説明する説明情報を見て、シンボルの個性を知った上で、容易に所望のシンボルを選ぶことができる。このため、十分な情報を欲するユーザに対して適切に情報を提供することで、シンボルを選ぶ場合のユーザの判断を補助し、快適な操作を実現できる。
【0009】
さらに、上記構成において、前記観光情報記憶手段は、観光情報を種別毎に記憶しており、前記観光情報選択手段は、選択されたシンボルの個性に関連する観光情報を前記観光情報記憶手段から選択するとともに、選択した観光情報から指定された種別の観光情報をさらに選択するものとしてもよい。
この場合、ユーザが選択したシンボルの個性と、ユーザが指定した種別との両方を基準として観光情報が選択されるので、よりユーザの好みや意志を反映して、観光情報を選択できるという利点がある。
【0010】
また、上記構成において、前記観光情報記憶手段は、予め、前記観光情報毎に関連する前記シンボルを示すシンボル関連情報を記憶しており、前記観光情報選択手段は、前記観光情報記憶手段に記憶されたシンボル関連情報に基づいて、選択されたシンボルの個性に関連する観光情報を前記観光情報記憶手段から選択するものとしてもよい。
この場合、予め観光情報毎に記憶されたシンボル関連情報に基づいて、ユーザが選択したシンボルの個性に関連する観光情報を、高速かつ確実に選択することができる。
【0011】
また、本発明は、上記課題を解決するため、移動体の経路案内を行うナビゲーション装置の制御方法であって、表示画面と、観光情報を記憶する観光情報記憶手段と、を備えたナビゲーション装置を制御して、それぞれ個性が特徴づけられた複数のシンボルを表示画面に表示させ、前記表示画面に表示された複数の前記シンボルのいずれかが選択された場合に、選択されたシンボルの個性に関連する観光情報を前記観光情報記憶手段から選択し、選択された観光情報を前記表示画面に表示させること、を特徴とするナビゲーション装置の制御方法を提供する。
この方法によれば、個性が特徴づけられた複数のシンボルが表示画面に表示され、これら複数のシンボルのいずれかがユーザによって選択されると、選択されたシンボルの個性に関連する観光情報が選択され、表示される。すなわち、数多くの観光情報から、ユーザ自身が選択したシンボルの個性を基準として観光情報を選択するので、ユーザの意志に従って観光情報を速やかに選び出すことができる。ここで、観光情報の選択を、シンボルの個性に関連するという漠然とした基準に従って行うため、ジャンル、店名、価格等の明確で画一的な基準を必要としないので、ユーザ自身が明確な基準を指定する必要がない。これにより、ユーザが表示画面のシンボルを直観的に選ぶという簡単な操作により、ユーザの意志を反映して観光情報が選択されるとういう利点がある。また、シンボルに特徴づけられた個性に複雑性・多面性を持たせることで、ユーザがシンボルを選んだ際に期待する個性とは別の特徴が発揮され、結果として、ユーザが意図しない観光情報を選択させることも可能であり、この場合、意外性のある選択を行って興趣性を演出することもできる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、シンボルを選ぶ操作に基づいて、シンボルに特徴づけられた個性を基準として観光情報を選択するので、数多くの観光情報の中から、ユーザの意志に従って観光情報を速やかに選び出すことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、図面を参照して本発明の実施形態を詳述する。なお、以下の説明では、ナビゲーション装置の一態様として、移動体としての車両に搭載されるカーナビゲーション装置を例示する。
【0014】
図1は、本実施形態に係るカーナビゲーション装置1の外観を示す正面図である。
カーナビゲーション装置1は、車両に取り付けられる装置本体1Aと、この装置本体1Aの正面に嵌め込まれた表示画面としての表示パネル2と、この表示パネル2の周囲に配設された複数の操作ボタン3とを有している。
表示パネル2には、カーナビゲーション装置1を搭載した車両の現在位置周辺の地図4と、この車両の現在位置を示す現在地マーク5とが重ねて表示され、さらに、地図4には、各種の施設を図形や記号、絵柄で示すランドマーク6が重ねて表示されている。この種のランドマーク6には、例えば都道府県庁、役所、警察署、消防署、学校、公園、美術館、博物館等の公共施設、ホテルなどの宿泊施設、駅、空港、港、インターチェンジ、信号機或いはトンネル等の交通設備、ガソリンスタンド、コンビニエンスストア、ファーストフード店或いはゴルフ場等の民間施設といったものがある。なお、これらのランドマーク6を名称によって地図4の上に示しても良いことは勿論である。
【0015】
さらに、カーナビゲーション装置1に対して、目的地が入力指定されている場合には、上記の地図4には、現在位置から目的地に至る経路が強調表示され経路案内が行われる。この経路案内中には、地図4による経路の表示と共に、音声による進行方向の案内も行われる。
【0016】
また、図5に示すように、カーナビゲーション装置1は、経路案内動作(ナビゲーション動作)に先立って、複数のキャラクタアイコン61を表示パネル2に表示する。各々のキャラクタアイコン61は仮想のキャラクタを象徴しており、各キャラクタには、それぞれ個性(特性、性格或いは特徴と表現されるものであってもよい)が特徴づけられている。
表示パネル2に表示された複数のキャラクタアイコン61の中から、ユーザが一つのキャラクタアイコン61を選択すると、カーナビゲーション装置1は、選択されたキャラクタアイコン61をナビゲーション動作中の案内役として表示パネル2に表示する。さらに、カーナビゲーション装置1は、選択されたキャラクタアイコン61の個性に従って観光施設等を選択して表示する等の動作を実現する。
以下、カーナビゲーション装置1の構成および動作について詳細に説明する。
【0017】
図2は、カーナビゲーション装置1の機能的構成を示すブロック図である。
カーナビゲーション装置1は、各部を中枢的に制御する制御部10と、車両の現在位置を検出するGPS(Global Positioning System)ユニット11と、上記表示パネル2を備えた表示部12と、上記複数の操作ボタン3を備えた操作部13と、各種プログラムやデータを記憶する記憶部14と、ネットワーク15を介して外部サーバ16と通信する無線通信部17とを有している。
【0018】
制御部10は、プログラムに従って演算処理するCPU20や各種プログラム及びデータを格納するROM21、上記CPU20のワークエリアとして機能するRAM22を有して構成され、さらに、この制御部10は、クロック回路を内蔵し日時をカウントする日時カウント部23を有している。
また、制御部10は、後述するように記憶部14内の観光施設データベース31、キャラクタデータベース32に格納された情報を用いて、キャラクタに関する各種の処理を実行する。この処理において、制御部10は、表示制御手段、観光情報選択手段、および情報表示制御手段に対応する。
【0019】
GPSユニット11は、GPSアンテナ11Aを介してGPS衛星からのGPS電波を受信し、GPS電波に重畳されたGPS信号から、車両の現在位置の経度及び緯度を示す現在地情報を演算により取得し制御部10に出力する。
なお、GPSユニット11に加えて、例えばジャイロセンサや車速パルスセンサ、加速度センサをカーナビゲーション装置1に設けて自立航法可能に構成しても良い。
【0020】
表示部12は、制御部10の制御の下、上記地図4や、車両の現在位置を示す現在地マーク5、目的地までの経路、各種のランドマーク6といった経路案内のための情報を表示する。なお、FM多重放送受信機や光/電波ビーコン受信機をカーナビゲーション装置1に設けてVICS(Vehicle Information and Communication System)情報を受信可能に構成し、このVICS情報を表示部12に表示するようにしても良い。
【0021】
操作部13は、複数の上記操作ボタン3に加え、さらに、上記表示部12の表示パネル2に重ねて配設されたタッチパネル24を有し、ユーザが表示パネル2を指などで触れた場合、触れた箇所を示す信号が制御部10に入力される。制御部10は、かかる信号が入力されると、表示パネル2に表示されている各種ボタンの位置と対比して、どのボタンがタッチ操作されたかを特定する。また、制御部10は、タッチ操作された箇所にボタンではなくランドマーク6が表示されている場合、タッチ操作によって当該ランドマーク6が選択されたとものと解釈する。
【0022】
無線通信部17は、例えばインターネット等のネットワーク15に接続され、ネットワーク15を介して外部サーバ16との間で各種のデータ通信を送受信する。無線通信部17は、例えば、外部サーバ16から、更新された地図データや、後述する経路案内データベース30、観光施設データベース31、キャラクタデータベース32に記憶されるデータの更新データ等を受信する。
【0023】
記憶部14は、比較的大きなデータ格納領域を有する磁気的・光学的記録媒体または半導体記憶素子を用いて情報を記憶するものであり、具体的には、ハードディスクドライブ装置、CD/DVDドライブ装置等を有して構成される。
記憶部14には、経路案内のための制御プログラムを含むカーナビゲーション装置1用の各種プログラム、および、これらのプログラムに係るデータ等が記憶される。
また、記憶部14は、上記の地図4やランドマーク6といった経路案内に供される各種データを格納した経路案内データベース30を有している。この経路案内データベース30には、上記ランドマーク6が示す施設の経度、緯度を示す位置情報も含まれている。さらに、記憶部14は、上記経路案内データベース30に加え、観光情報記憶手段としての観光施設データベース31、及び、キャラクタデータベース32を備えている。
【0024】
観光施設データベース31は、主として観光や行楽、見物を主目的として人が訪れる施設や場所(以下、これらを「観光施設」と言う)をデータベース化して記憶するものである。この観光施設の例としては、例えば、歴史的建造物、著名建造物、美術館、遊園地や動物園等の娯楽施設、景観スポット、観光地が該当し、さらに、これらの施設や景観スポットの周辺、或いは、観光地に存在するレストランが観光施設に含まれている。なお、観光施設の中に、ランドマーク6の施設と重複するものであっても良い事は勿論である。また、本実施形態の観光施設データベース31に記憶される観光施設には、上述した観光や行楽、見物を主目的とする施設以外に、飲食を主たる目的として人が訪れる飲食店を含む。この飲食店は、観光施設や景観スポットの周辺、或いは、観光地とは無関係な場所に存在していても、独立した観光施設として観光施設データベース31に記憶されている。
【0025】
図3は、観光施設データベース31の構成を模式的に示す図である。
この図3に示すように、観光施設データベース31には、一つの観光施設について一件のレコードが格納され、各レコードは上述した観光情報に対応する。観光施設データベース31の各々のレコードには、施設フィールド40と、位置フィールド41と、アイコンフィールド42と、関連キャラクタフィールド43と、施設種別フィールド44と、画像フィールド45と、詳細情報フィールド46とが含まれている。
【0026】
施設フィールド40は、観光施設を一意に特定するための名称や通称、或いは識別記号を格納する。
位置フィールド41は、観光施設の位置を緯度・経度によって示す位置データを格納する。
アイコンフィールド42は、観光施設を抽象化した図形や記号、絵柄で示すアイコンデータを格納し、或いは、記憶部14におけるアイコンデータの格納場所を示すリンク情報を格納する。このアイコンデータは、地図4に観光施設を表示する際に用いられる。
なお、このアイコンデータは、上記ランドマーク6のデータと実質的に同じものであるが、観光施設を示す図形や記号、絵柄を、上記ランドマーク6と区別するために、「アイコン」と称することにする。また、観光施設と、ランドマーク6の施設が同じ場合には、この施設に対しては、ランドマーク6のデータがアイコンデータとして用いられる。
【0027】
関連キャラクタフィールド43は、観光施設毎に、関連するキャラクタを格納する。カーナビゲーション装置1においては、後述するように、様々な個性を持つキャラクタを選択可能であり、選択したキャラクタの個性に基づいて、観光施設を選択できるようになっている。関連キャラクタフィールド43は、キャラクタの個性に基づいて観光施設を選択する際に参照される。例えば、制御部10は、ユーザによりキャラクタAが選択された場合に、キャラクタAの個性に関連する観光施設を選択する。この処理で、制御部10は、観光施設データベース31の各レコードの関連キャラクタフィールド43を参照し、このレコードが「キャラクタA」となっている観光施設を選択すれば、キャラクタに関連する観光施設を選択・抽出できる。
関連キャラクタフィールド43に格納されるキャラクタは一つに限定されず、複数のキャラクタとしてもよい。この場合、一つの観光施設が複数のキャラクタに関連することになるが、キャラクタと観光施設との関連は一対一に限定されないので、一つの観光施設が複数のキャラクタに関連していてもよい。
関連キャラクタフィールド43の情報は、上述したシンボル関連情報に対応する。
【0028】
施設種別フィールド44は、観光施設が属するジャンル(カテゴリー)を格納する。本実施形態では、美術館、動物園、景観スポットと言った遊覧や観覧に適した観光施設を「見る」のカテゴリーに、遊園地や牧場、ゴルフ場等のアミューズメント施設やスポーツ施設を「遊ぶ」のカテゴリーに、また、レストラン等の食事や休憩に適した飲食店等の施設を「食べる」のカテゴリーにそれぞれ分類している。そして、観光施設に対応するジャンル(カテゴリー)が施設種別フィールド44に格納される。
【0029】
画像フィールド45は、その観光施設を紹介する写真等の画像を格納する。例えば観光施設が建物である場合には建物の外観写真が格納され、景観スポットである場合には風景写真が可能され、また、レストランである場合には外観写真や料理の写真が格納される。なお、写真以外でも、シンボルマーク等の画像であっても良い。
詳細情報フィールド46は、観光施設の名称や住所、連絡先といった主として文字ベースの情報を格納する。なお、入場料等の施設利用に要する料金が既定の場合には、その料金を詳細情報に格納しても良い。
【0030】
観光施設データベース31内の情報は、コンテンツ配信業者が管理する上記外部サーバ16に一括して蓄積・管理され、ネットワーク15を介してカーナビゲーション装置1に送信されるものとしてもよい。この場合、外部サーバ16がカーナビゲーション装置1に対して情報をプッシュ配信する構成ではなく、カーナビゲーション装置1からの情報配信要求に応答して情報をプル配信する構成が用いられている。これにより、不要な情報がカーナビゲーション装置1に対して送信されるのを防止し、また、トラフィックの低減や、通信時間の短縮が図られている。
【0031】
図4は、キャラクタデータベース32の構成を模式的に示す図である。
この図4に示すように、キャラクタデータベース32には、一つのキャラクタにつき一件のレコードが格納されている。キャラクタデータベース32の各々のレコードには、キャラクタ整理コードフィールド51と、名前フィールド52と、タイプフィールド53と、コメントフィールド54と、自己紹介フィールド55とが含まれている。
キャラクタ整理コードフィールド51は、各々のキャラクタに付与される番号等、各キャラクタを識別するとともにソートして処理するためのコードを格納する。本実施形態では、各キャラクタにはアルファベットがコードとして付されている。
名前フィールド52は、キャラクタの名前を格納するフィールドである。名前フィールド52に格納される名前はキャラクタの愛称であって、制御部10が実行する処理においてキャラクタを識別する目的には、上述したキャラクタ整理コードフィールド51に格納されるコードが用いられる。
【0032】
タイプフィールド53は、キャラクタのタイプを格納するフィールドである。例えば、キャラクタAのタイプは「文化系」とされているが、他にも、「体育会系」、「癒し系」、「ギャル系」、「萌え系」等のタイプが各キャラクタのレコードに格納される。
コメントフィールド54は、各キャラクタの個性を簡単に説明する文または文字列を格納する。自己紹介フィールド55は、各キャラクタ自身の台詞として出力される文または文章を格納する。この自己紹介フィールド55に格納された文または文章は、各キャラクタを紹介するものである。
なお、図示はしないが、キャラクタデータベース32には、キャラクタアイコン61を表示パネル2に表示するための画像データ(表示情報)が記憶され、これらの画像データは、各キャラクタに対応づけられている。ここで、キャラクタデータベース32の各レコードに、各キャラクタに対応する画像データのファイル名やパスなど、画像データを指定する情報を格納するフィールドを設けてもよい。
キャラクタデータベース32の各レコードに含まれる名前フィールド52、タイプフィールド53、コメントフィールド54、および自己紹介フィールド55に格納された情報は、キャラクタを説明する説明情報として利用される。
【0033】
図5は、カーナビゲーション装置1の表示パネル2に表示されるキャラクタ選択画面の構成例を示す図である。
キャラクタ選択画面2Aは、例えば、カーナビゲーション装置1の電源が投入されると、ナビゲーション動作の開始前に、制御部10の制御によって表示パネル2に表示される。
キャラクタ選択画面2Aには、選択可能な複数のキャラクタアイコン61が表示される。キャラクタアイコン61は、動物や植物を模した絵柄、記号、各種図形(円や多角形等の幾何学図形と、そうでない図形を含む)からなる所定色のシンボルであり、文字や文字列を含んでいてもよい。また、キャラクタアイコン61は、背景色と同色にされ、色が透明であるように見えるものであってもよい。
各々のキャラクタアイコン61が示すキャラクタには個性(特性、性格或いは特徴と表現されるものであってもよい)が設定されており、キャラクタアイコン61は、各キャラクタの個性を想起させる色または形状もしくは色と形状との組み合わせを有している。
【0034】
図5に例示するキャラクタ選択画面2Aには、それぞれ、ウサギ、ペンギン、犬、フクロウ、ロボットを模したキャラクタアイコン61が表示されている。これらのキャラクタアイコン61には、ウサギ、ペンギン、犬、フクロウ、ロボットの形状から想起されるような個性が設定されている。
キャラクタ選択画面2Aに表示されたいずれかのキャラクタアイコン61に、ユーザが接触操作することで、一つのキャラクタアイコン61が選択される。この選択操作の後は、カーナビゲーション装置1によるナビゲーション動作において、選択されたキャラクタアイコン61がユーザを案内するガイド役となって、ユーザに対して種々の情報を提案し、ユーザの行動を補助する役割を果たす。
【0035】
図5のキャラクタ選択画面2Aに例示した各々のキャラクタアイコン61のうち、ウサギを模したキャラクタアイコン61は、「可愛い」、「小さい」、「愛くるしい」という個性が特徴づけられたキャラクタのアイコンであり、「可愛い」、「小さい」、「愛くるしい」といった個性を想起させるように、ウサギの形となっている。同様に、フクロウを模したキャラクタアイコン61は、「知性的」、「博識」といった個性が特徴づけられたキャラクタのアイコンであるため、この個性を想起させるフクロウの形を模している。
この図5のキャラクタ選択画面2Aに例示した以外にも、例えば、色だけで個性を想起させるキャラクタアイコンを用いることも可能である。例えば、全てのキャラクタアイコンの形状を長方形とした場合に、「情熱的」、「活発」という個性が特徴づけられたキャラクタは赤色の長方形として表し、「知的」という個性が特徴づけられたキャラクタを青色の長方形として表し、「平穏」、「自然」という個性が特徴づけられたキャラクタを緑色の長方形として表してもよい。
このように、キャラクタアイコン61は、各々のキャラクタの個性を想起させるような、例えば大多数の人が上記のキャラクタの個性をイメージするような、色、形状、色と形状との組み合わせを有する態様で表示パネル2に表示される。また、キャラクタアイコン61は、その個性を想起させる文字または文字列を含むものであってもよい。
【0036】
図5に例示するキャラクタ選択画面2Aが表示された状態で、ユーザがキャラクタアイコン61を選択する際には、各々のキャラクタアイコン61の個性を知っておくと便利である。このため、カーナビゲーション装置1は、各キャラクタアイコン61の個性を表示することも可能である。
図6は、カーナビゲーション装置1の表示パネル2に表示されるキャラクタ説明表示画面の構成例を示す図である。
このキャラクタ説明表示画面2Bは、例えば、キャラクタ選択画面2A(図5)においてキャラクタアイコン61を選択することで表示される。キャラクタ説明表示画面2Bでは、キャラクタアイコン61とともに、キャラクタアイコン61の個性に関するキャラクタ説明情報62が表示される。キャラクタ説明情報62は、キャラクタアイコン61の名前や性格傾向、自己紹介の台詞など、キャラクタアイコン61の個性を説明するための情報を含む。
【0037】
ユーザは、キャラクタ選択画面2Aに表示されるキャラクタアイコン61の形や色、或いは、キャラクタ説明表示画面2Bに表示されるキャラクタ説明情報62等をもとに、好みのキャラクタアイコン61を選択すればよい。ここで、ユーザは、必ずしも自分の性格や個性に近いキャラクタアイコン61を選ぶ必要はなく、ユーザ自身とは著しく異なる個性を持つキャラクタアイコン61を興味本位で選択してもよく、キャラクタアイコン61の選択にあたって何ら制限を受けることはない。
【0038】
図7および図8は、ユーザがキャラクタを選択する際に表示パネル2に表示されるキャラクタ選択画面の別の例を示す図である。
キャラクタ選択画面2Cは、画面に一度に表示できるサイズの数倍に相当する仮想的な表示エリアで構成され、この仮想的な表示エリアの一部が表示パネル2に表示される形態となっている。この仮想的な表示エリアには、キャラクタアイコン61の定位置として複数のキャラクタサイト63が設けられ、各々のキャラクタサイト63には一つのキャラクタアイコン61が位置している。また、上記の仮想的な表示エリアには、キャラクタサイト63を結ぶ道を模したパス64が表示される。
【0039】
そして、上記の仮想的な表示エリアの一部がキャラクタ選択画面2Cとして表示パネル2に表示される。一つのキャラクタ選択画面2Cには、必ず一つのキャラクタサイト63と、このキャラクタサイト63に位置するキャラクタアイコン61とが表示され、さらに、画面の切替方向を案内する矢印形状の移動指示アイコン65が表示される。ユーザが移動指示アイコン65に接触操作すると、タッチパネル24がこの接触操作を検出して、表示パネル2に表示される画面が切り替えられる。画面が切り替わると、例えば図7に示す態様から図8に示す態様へ画面が遷移して、表示パネル2に、別のキャラクタアイコン61が表示されるようになる。つまり、ユーザは、キャラクタ選択画面2Cが表示された状態で移動指示アイコン65を操作して画面を切替させることにより、キャラクタアイコン61を切り替えて表示させることができる。そして、ユーザは、所望のキャラクタアイコン61が表示された状態で、このキャラクタアイコン61に接触操作することで、所望のキャラクタを選択できる。
【0040】
キャラクタアイコン61には、台詞を表示する吹き出しの形状で、メッセージ表示66が表示される。メッセージ表示66には、キャラクタ自身が話す言葉として、様々なメッセージが表示され、例えば、キャラクタデータベース32の各レコードに格納された説明情報をメッセージ表示66内に表示してもよい。この場合、ユーザは、メッセージ表示66内の文字列を見てキャラクタの個性を推測し、キャラクタを選べばよい。
また、図7、図8に例示するキャラクタ選択画面2Cでキャラクタアイコン61が操作された場合に、そのキャラクタアイコン61のキャラクタに関する説明情報を表示してもよい。
【0041】
図9は、キャラクタ選択画面においてキャラクタを選択した後に表示される情報表示画面の構成例を示す図である。
図9に示す情報表示画面2Dは、ユーザが選択したキャラクタがガイド役となって、観光施設に関する情報を提案する画面である。情報表示画面2Dには、キャラクタアイコン61と、キャラクタからユーザへのメッセージを表示するメッセージ表示66が配置されている。図9の例では、メッセージ表示66の中に「何する?」とのメッセージが表示されており、ドライブの目的を決める画面であることがわかる。そして、情報表示画面2Dには、目的地となる観光施設の種別を指定するためのボタン71、72、73が配置されている。ボタン71は「見る」のジャンルに属する観光施設を指定するボタンであり、ボタン72は、「食べる」のジャンルに属する観光施設を指定するボタンであり、ボタン73は「遊ぶ」ののジャンルに属する観光施設を指定するボタンである。また、情報表示画面2Dには、前に表示していた画面に戻るよう指示するための戻るボタン74が配置されている。
【0042】
情報表示画面2Dには、「フク朗のお薦めコース」とのタイトルが表示されている。このタイトルの通り、ボタン71、72、73のいずれかが操作されると、カーナビゲーション装置1は、ユーザが選択したキャラクタの個性に関連する観光施設の中から「見る」、「食べる」、或いは「遊ぶ」の種別に対応する観光施設を選択し、選択した観光施設の情報を表示する。
図9の例で選択されているキャラクタは「フク朗」である。図4や図6にも例示したように、キャラクタ「フク朗」の個性は、「文化系」、「知的文化のうんちく王」と特徴づけられている。このため、情報表示画面2Dでボタン71、72、73のいずれかが操作されると、「文化系」で「知的文化のうんちく王」の個性に関連する観光施設の情報のうち、操作されたボタンに応じて「見る」、「食べる」または「遊ぶ」の種別に属する観光施設の情報が選択され、画面に表示される。
【0043】
図10は、詳細情報表示画面の構成例を示す図である。この図10に例示する詳細情報表示画面2Eは、例えば、図9の情報表示画面2Dにおいてボタン71、72、73のいずれかが操作された後に表示される。
詳細情報表示画面2Eには、一つの観光施設について、名称、場所(住所)、電話番号、営業(運営)時間、料金等に関する情報、観光施設の画像等を表示する詳細情報表示75が表示される。この観光施設は、ユーザが選択したキャラクタの個性に関連する観光施設の中から選ばれたものである。ここで、キャラクタの個性に関連する観光施設の中から一つの観光施設を選択する方法としては、ランダムに選択する方法、GPSユニット11により検出された現在位置にもっとも近い観光施設を選択する方法等が挙げられる。
【0044】
つまり、カーナビゲーション装置1は、キャラクタアイコン61が選択され、その後に観光施設の種別が指定されると、選択されたキャラクタの個性に関連し、かつ、指定された種別に属する観光施設の中から、所定の基準に従って予め設定された数(ここでは一つ)の観光施設の情報を、詳細情報表示画面2Eに表示する。
この詳細情報表示画面2Eにおいて、詳細情報表示75に表示される観光情報は、ユーザが選択したキャラクタが「お薦め」する観光情報である。
この場合、ユーザがキャラクタアイコン61と種別を選ぶだけで、予め設定された数の観光施設の情報のみが選択されるため、ユーザの手間を大幅に省くことができる。
【0045】
詳細情報表示75には、観光施設の名称等とともに、ユーザが選択したキャラクタ「フク朗」が観光施設を紹介するメッセージ(ここでは、「インテリの 心動かす 国宝美術。」が、合わせて表示される。このメッセージは、観光施設データベース31の観光施設毎のレコードに含まれていてもよいが、記憶部14に、キャラクタ毎のメッセージを格納したメッセージデータベースを設けて、このメッセージデータベースから適切なメッセージが選択されて詳細情報表示75に表示してもよい。
また、詳細情報表示画面2Eにも、前に表示していた画面に戻るよう指示するための戻るボタン74が配置されている。
【0046】
そして、詳細情報表示画面2Eには、目的地設定指示ボタン77、登録指示ボタン78、および、キャンセル指示ボタン79が配置されている。
目的地設定指示ボタン77は、詳細情報表示75に表示されている観光施設を、ナビゲーション動作の目的地として設定するよう指示するボタンである。詳細情報表示75が操作されると、カーナビゲーション装置1は、目的地として詳細情報表示75に表示中の観光施設を設定し、この目的地までのナビゲーション動作を開始する。
登録指示ボタン78は、詳細情報表示75に表示されている観光施設を、経由地や目的地として後で設定できるように、地点登録するよう指示するためのボタンである。登録指示ボタン78が操作されると、カーナビゲーション装置1は、登録地点として詳細情報表示75に表示中の観光施設を設定する。この登録地点は、例えば、ナビゲーション動作中に地図上にアイコンで表示され、目的地や経由地を設定する場合等に速やかに呼び出すことができる。
【0047】
キャンセル指示ボタン79は、いま詳細情報表示75に表示されている施設以外の、他の施設の情報を表示するよう指示するためのボタンである。キャンセル指示ボタン79が操作されると、別の観光施設が選択され、新たに選択された観光施設の情報が詳細情報表示75に表示される。
【0048】
なお、上記の例に限らず、例えば、情報表示画面2Dの表示中におけるボタン71、72、73の操作に応じて、表示パネル2に複数の観光施設の情報が並べて表示され、この観光施設のうちいずれか一つの観光施設が選択された場合に、詳細情報表示画面2Eが表示される構成としてもよい。
【0049】
図11は、カーナビゲーション装置1の動作を示すフローチャートである。
この図11には、特に、ナビゲーション動作を開始する前のキャラクタの選択に関する一連の動作を示す。
カーナビゲーション装置1の電源がONになってカーナビゲーション装置1が動作を開始すると(ステップS11)、制御部10は、表示パネル2にキャラクタアイコン61を表示する(ステップS12)。このステップS12では、例えば、図5に例示したキャラクタ選択画面2Aや図7、8に例示したキャラクタ選択画面2Cが表示される。
【0050】
ここで、ユーザの操作によっていずれかのキャラクタアイコン61を選択指定する操作が行われると(ステップS13)、制御部10は、この操作をタッチパネル24によって検出し、選択されたキャラクタアイコン61に対応するキャラクタを選択基準として設定する(ステップS14)。
続いて、ユーザにより、目的地の設定を指示する操作が行われると(ステップS15)、この操作に応じて、制御部10は、目的地の設定を開始する(ステップS16)。目的地の設定に際しては、制御部10は、例えば図9に例示した情報表示画面2Dのように目的地の種別を指定するための画面を表示する。
そして、目的地の種別を指定する操作が行われると(ステップS17)、制御部10は、選択基準として設定したキャラクタに関連する観光施設の情報を観光施設データベース31から抽出し、この抽出した情報のうち、ステップS17で指定された種別の情報を抽出して(ステップS18)、表示パネル2に表示する(ステップS19)。
【0051】
ステップS18において、制御部10が、選択基準として設定したキャラクタに関連する観光施設の情報を観光施設データベース31から抽出する処理は、例えば、図3に例示したように関連キャラクタフィールド43の情報を参照して該当するレコードを観光施設データベース31から抽出することで行われる。この処理は、例えば、キャラクタデータベース32の一つのレコードのタイプフィールド53、コメントフィールド54および自己紹介フィールド55に格納された情報と、観光施設データベース31の詳細情報フィールド46の情報とについて、文言解析を行って関連度を算出し、関連度が所定のしきい値を超えた観光施設のレコードを抽出してもよい。
【0052】
その後、ユーザによって、制御部10が抽出した観光施設の情報が選択され、目的地として設定する旨の指示がなされると(ステップS20)、制御部10は、この指示に応答して、選択された観光施設を目的地として設定し(ステップS21)、ナビゲーション動作を開始する(ステップS22)。
【0053】
このように、カーナビゲーション装置1においては、個性が特徴づけられたキャラクタの中から、ユーザが気に入ったキャラクタを選択すると、選択されたキャラクタの個性に従ってナビゲーション動作が行われる。具体的には、選択されたキャラクタの個性に関連する観光施設の情報が選択され、目的地の設定時等に候補として表示パネル2に表示される。また、選択されたキャラクタアイコン61をナビゲーション動作中に表示し、さらに、キャラクタのメッセージを、ナビゲーション動作中に表示パネル2に表示することも可能である。また、ナビゲーション動作中に経由地を設定する場合や、目的地を変更する場合等にも、キャラクタアイコン61や、キャラクタのメッセージを表示することもできる。また、キャラクタアイコン61とともにメッセージ表示66等により表示されるメッセージは、キャラクタの個性に対応した言葉遣いにしてもよい。
【0054】
以上のように、本発明を適用した実施形態に係るカーナビゲーション装置1によれば、予め個性が特徴づけられた複数のキャラクタが設定され、各キャラクタに対応するキャラクタアイコン61が表示パネル2に表示される。そして、表示パネル2に表示された複数のキャラクタアイコン61のいずれかがユーザによって選択されると、選択されたキャラクタアイコン61の個性に関連する観光情報が選択され、表示される。すなわち、数多くの観光施設に関する情報から、ユーザ自身が選択したキャラクタの個性を基準として情報を選択するので、ユーザの意志に従って観光施設を速やかに選び出すことができる。
【0055】
ここで、カーナビゲーション装置1は、観光施設の選択を、キャラクタの個性に関連するという漠然とした基準に従って行うため、ジャンル、店名、価格等の明確で画一的な基準を必要としないので、ユーザ自身が明確な基準を指定する必要がない。これにより、ユーザが表示パネル2のキャラクタアイコン61を直観的に選ぶという簡単な操作により、ユーザの意志を反映して観光施設の情報が選択されるとういう利点がある。また、キャラクタに特徴づけられた個性に複雑性・多面性を持たせれば、ユーザがキャラクタアイコン61を選んだ際に期待する個性とは別の特徴が発揮され、結果として、ユーザが意図しない観光施設を選択して表示することも可能であり、この場合、意外性のある選択を行って興趣性を演出することもできる。
【0056】
また、カーナビゲーション装置1は、図5のキャラクタ選択画面2Aのように複数のキャラクタアイコン61を同じ画面に表示することも、図7および図8のキャラクタ選択画面2Cのように、異なる画面にそれぞれ別のキャラクタアイコン61を表示することも可能である。従って、一覧性を重視してシンプルな画面構成を採用することも、画面構成に趣向を凝らして興趣性を増すことも可能となり、デザイン上の自由度が高まるという利点がある。
【0057】
また、キャラクタアイコン61は、そのキャラクタに特徴づけられた個性を想起させる色または形状もしくは色と形状との組み合わせを有する態様で、表示パネル2に表示されるので、ユーザは、各キャラクタの個性に関する説明等を受けなくても、直観的に、自分の趣向や気分に合うキャラクタアイコン61を選ぶことができる。
【0058】
さらに、カーナビゲーション装置1は、図6のキャラクタ説明表示画面2Bのように、表示パネル2には、キャラクタアイコン61とともに、キャラクタの個性を説明する情報を表示することもできる。このキャラクタ説明表示画面2Bを見て、ユーザは、キャラクタの個性を知った上で、容易に所望のキャラクタアイコン61を選ぶことができる。このため、十分な情報を欲するユーザに対して適切に情報を提供することで、キャラクタアイコン61を選ぶ場合のユーザの判断を補助し、快適な操作を実現できる。
【0059】
さらに、カーナビゲーション装置1において、観光施設データベース31の各レコードは、観光施設の種別を示す情報を施設種別フィールド44に格納し、この施設種別フィールド44の情報に基づいて種別毎に観光施設を分類できる。このため、ユーザがキャラクタアイコン61を選択し、例えば図9の情報表示画面2Dで種別を指定すると、カーナビゲーション装置1は、選択されたキャラクタの個性に関連する観光施設を選択するとともに、選択した観光施設から指定された種別の観光施設をさらに選択する。これにより、ユーザが選択したキャラクタの個性と、ユーザが指定した種別との両方を基準として観光施設が選択されるので、よりユーザの好みや意志を反映して、観光施設を選択できるという利点がある。
【0060】
また、観光施設データベース31の各レコードには、関連するキャラクタを示す関連キャラクタフィールド43が含まれているので、この関連キャラクタフィールド43に格納された情報に基づいて、ユーザが選択したキャラクタの個性に関連する観光施設を、高速かつ確実に選択することができる。
【0061】
なお、上記実施形態においては、キャラクタアイコン61として動物を模した図形を用いたが、本発明はこれに限定されるものではなく、円や多角形等の単純な図形、象形文字を含む各種言語の文字等を用いることも可能であるし、全てのキャラクタアイコン61を同じ形状の図形として、各々のキャラクタアイコン61にキャラクタの個性を想起させる色を与えることで、各キャラクタアイコン61を区別できるようにしてもよい。
また、上記実施形態では、キャラクタ選択画面2A、2Cにおいて一つのキャラクタアイコン61を選択するものとして説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、どのキャラクタアイコン61も選ばないことを指示する操作が行われた場合に、キャラクタアイコン61を用いず、通常のナビゲーション動作を実行するものとしてもよい。
【0062】
また、上記実施形態においては、ナビゲーション動作の開始前にキャラクタアイコン61が表示されて、キャラクタを選択できるようにしたが、本発明はこれに限定されるものではなく、ナビゲーション動作中にキャラクタアイコン61を選択する画面を呼び出すことが可能な構成としてもよいし、カーナビゲーション装置1の通常の目的地設定動作等において、ある観光施設を選択した際に、この観光施設と関連する個性を有するキャラクタのキャラクタアイコン061が、表示パネル2に表示されるようにしてもよい。また、個性が特徴づけられたキャラクタについては、キャラクタアイコン61だけでなく、音声を対応づけてキャラクタデータベース32に記憶してもよく、この場合、キャラクタアイコン61の表示時や選択時に、対応する音声がカーナビゲーション装置1から出力されるようにしてもよい。また、上記実施形態では所定の画面構成に様々なキャラクタアイコン61が表示される例について説明したが、例えば、キャラクタアイコン61毎に、画面のデザインを変化させてもよい。この場合、キャラクタアイコン61の画像データとともに、画面構成を規定する情報を、キャラクタデータベース32に記憶させておき、制御部10がキャラクタアイコン61の画像データを読み出す際に、合わせて画面構成を規定する情報を取得して処理すればよい。
さらに、上記の実施形態では、車両に搭載されて車両の経路案内を行うカーナビゲーション装置1に本発明を適用した例について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、人が持ち歩くハンディ型のポータブルナビゲーション装置に本発明を適用することも可能であるし、GPS等による自位置検出を行うことでナビゲーション機能を実現する携帯電話機やPDA等も一種のナビゲーション装置であるから、本発明の適用は妨げられない。その他、カーナビゲーション装置1のハードウェア的な細部構成等についても、任意に変更可能である。
【図面の簡単な説明】
【0063】
【図1】本発明を適用した実施形態に係るカーナビゲーション装置の構成を示す図である。
【図2】カーナビゲーション装置の機能的構成を示すブロック図である。
【図3】観光施設データベースの構成を模式的に示す図である。
【図4】キャラクタデータベースの構成を模式的に示す図である。
【図5】表示パネルに表示されるキャラクタ選択画面の構成例を示す図である。
【図6】表示パネルに表示されるキャラクタ説明表示画面の構成例を示す図である。
【図7】表示パネルに表示されるキャラクタ選択画面の別の例を示す図である。
【図8】表示パネルに表示されるキャラクタ選択画面の別の例を示す図である。
【図9】表示パネルに表示される情報表示画面の構成例を示す図である。
【図10】表示パネルに表示される詳細情報表示画面の構成例を示す図である。
【図11】カーナビゲーション装置の動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0064】
1 カーナビゲーション装置(ナビゲーション装置)
2 表示パネル(表示画面)
3 操作ボタン
4 地図
10 制御部(表示制御手段、観光情報選択手段、情報表示制御手段)
11 GPSユニット
12 表示部
13 操作部
14 記憶部
20 CPU
24 タッチパネル
30 経路案内データベース
31 観光施設データベース(観光情報記憶手段)
32 キャラクタデータベース
61 キャラクタアイコン
62 キャラクタ説明情報
63 キャラクタサイト
64 パス
65 移動指示アイコン
66 メッセージ表示

【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動体の経路案内を行うナビゲーション装置において、
観光情報を記憶した観光情報記憶手段と、
それぞれ個性が特徴づけられた複数のシンボルを表示画面に表示させる表示制御手段と、
前記表示画面に表示された複数の前記シンボルのいずれかが選択された場合に、選択されたシンボルの個性に関連する観光情報を前記観光情報記憶手段から選択する観光情報選択手段と、
前記観光情報選択手段により選択された観光情報を前記表示画面に表示させる情報表示制御手段と、
を備えることを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項2】
前記表示制御手段は、複数の前記シンボルを、前記表示画面に同時に表示させ、或いは、前記表示画面において切り替えて表示させること、
を特徴とする請求項1記載のナビゲーション装置。
【請求項3】
前記シンボルは、そのシンボルに特徴づけられた個性を想起させる色または形状もしくは色と形状との組み合わせを有する態様で、前記表示画面に表示されること、
を特徴とする請求項1または2記載のナビゲーション装置。
【請求項4】
前記表示制御手段は、前記シンボルに特徴づけられた個性を説明する説明情報を、前記シンボルとともに前記表示画面に表示すること、
を特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のナビゲーション装置。
【請求項5】
前記観光情報記憶手段は、観光情報を種別毎に記憶しており、
前記観光情報選択手段は、選択されたシンボルの個性に関連する観光情報を前記観光情報記憶手段から選択するとともに、選択した観光情報から指定された種別の観光情報をさらに選択すること、
を特徴とする請求項1から4のいずれかに記載のナビゲーション装置。
【請求項6】
前記観光情報記憶手段は、予め、前記観光情報毎に関連する前記シンボルを示すシンボル関連情報を記憶しており、
前記観光情報選択手段は、前記観光情報記憶手段に記憶されたシンボル関連情報に基づいて、選択されたシンボルの個性に関連する観光情報を前記観光情報記憶手段から選択すること、
を特徴とする請求項1から5のいずれかに記載のナビゲーション装置。
【請求項7】
移動体の経路案内を行うナビゲーション装置の制御方法であって、
表示画面と、観光情報を記憶する観光情報記憶手段と、を備えたナビゲーション装置を制御して、
それぞれ個性が特徴づけられた複数のシンボルを表示画面に表示させ、
前記表示画面に表示された複数の前記シンボルのいずれかが選択された場合に、選択されたシンボルの個性に関連する観光情報を前記観光情報記憶手段から選択し、
選択された観光情報を前記表示画面に表示させること、
を特徴とするナビゲーション装置の制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2009−25224(P2009−25224A)
【公開日】平成21年2月5日(2009.2.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−190401(P2007−190401)
【出願日】平成19年7月23日(2007.7.23)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.VICS
【出願人】(000001487)クラリオン株式会社 (1,722)
【Fターム(参考)】