説明

ナビゲーション装置、情報管理サーバ、ナビゲーション方法、情報管理方法、ナビゲーションプログラム、情報管理プログラムおよび記録媒体

【課題】地物ごとに最適な到着判定距離を設定すること。
【解決手段】ナビゲーション装置110は、誘導部111と、検出部112と、変更部113とを備える。誘導部111は、目的地周辺の所定の距離(以下、「到着判定距離」という)に位置するまでの経路を誘導する機能を有する。検出部112は、誘導部111による誘導が完了する前に、または完了した後に、利用者から入力される所定の入力情報を検出する機能を有する。変更部113は、検出部112によって所定の入力情報が検出された場合、次回、誘導部111によって当該目的地までの誘導がおこなわれる際に、到着判定距離を所定量変更する機能を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、移動体に搭載されるとともに、当該移動体を目的地点までの経路を誘導するナビゲーション装置、情報管理サーバ、ナビゲーション方法、情報管理方法、ナビゲーションプログラム、情報管理プログラムおよび記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、たとえば、移動体に搭載され、設定された目的地まで、移動体を誘導するナビゲーション装置がある。ナビゲーション装置は、たとえば、目的地から所定範囲内に移動体が位置した場合に、移動体が目的地に到着したと判定して、利用者に報知をおこなう。このようなナビゲーション装置には、たとえば、目的地の種類ごとに定められた基準値から、目的地の種類に応じた基準値を特定し、特定された基準値に基づいて、到着判定をおこなうものがある(例えば、下記特許文献1参照。)。
【0003】
【特許文献1】特開2005−30864号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記の従来技術にあっては、たとえば、目的地点として設定された施設の面積に応じて、基準値を設定することとしているが、施設の面積などの情報は、あらかじめ製造側が整備しておく必要があり、そのため、データの構築に製造側の手間やコストがかかるという問題が一例として挙げられる。
【0005】
また、上記の従来技術にあっては、たとえば、基準値を、目的地周辺を走行する際の速度や運転レベルに応じて変化させるという方法もあるが、速度や運転レベルは、個々の利用者によっての差が大きく、これに基づいて設定された基準値は、複数の利用者での共有には向いていないという問題があった。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するため、請求項1に記載のナビゲーション装置は、目的地周辺の所定の距離(以下、「到着判定距離」という)に位置するまでの経路を誘導する誘導手段と、前記誘導手段による誘導が完了する前に、または完了した後に、利用者から入力される所定の入力情報を検出する検出手段と、前記検出手段によって前記所定の入力情報が検出された場合、次回、前記誘導手段によって当該目的地までの誘導がおこなわれる際に、前記到着判定距離を所定量変更する変更手段と、を備えることを特徴とする。
【0007】
また、請求項15に記載の情報管理サーバは、ナビゲーション装置における経路の誘導が完了する地点であるとともに、目的地としての地物周辺の所定の距離(以下、「到着判定距離」という)の情報を受信する受信手段と、前記受信手段が受信した前記到着判定距離の情報を、前記地物ごとに集計する集計手段と、前記集計手段によって集計された前記地物ごとの前記到着判定距離の情報を前記ナビゲーション装置に配信する配信手段と、を備えることを特徴とする。
【0008】
また、請求項16に記載のナビゲーション方法は、目的地周辺の所定の距離(以下、「到着判定距離」という)に位置するまでの経路を誘導する誘導工程と、前記誘導工程による誘導が完了する前に、または完了した後に、利用者から入力される所定の入力情報を検出する検出工程と、前記検出工程により前記所定の入力情報が検出された場合、次回、前記誘導工程による当該目的地までの誘導がおこなわれる際に、前記到着判定距離を所定量変更する変更工程と、を含むことを特徴とする。
【0009】
また、請求項17に記載の情報管理方法は、経路の誘導が完了する目的地としての地物周辺の所定の距離(以下、「到着判定距離」という)の情報を受信する受信工程と、前記受信工程にて受信した前記到着判定距離の情報を、前記地物ごとに集計する集計工程と、前記集計工程にて集計された前記地物ごとの前記到着判定距離の情報をナビゲーション装置に配信する配信工程と、を含むことを特徴とする。
【0010】
また、請求項18に記載のナビゲーションプログラムは、請求項16に記載のナビゲーション方法をコンピュータに実行させることを特徴とする。
【0011】
また、請求項19に記載の情報管理プログラムは、請求項17に記載の情報管理方法をコンピュータに実行させることを特徴とする。
【0012】
また、請求項20に記載のコンピュータに読み取り可能な記録媒体は、請求項18または19に記載のプログラムを記録したことを特徴とする。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下に添付図面を参照して、この発明にかかるナビゲーション装置、情報管理サーバ、ナビゲーション方法、情報管理方法、ナビゲーションプログラム、情報管理プログラムおよび記録媒体の好適な実施の形態を詳細に説明する。
【0014】
(情報管理システムの機能的構成)
まず、本発明の実施の形態にかかるナビゲーション装置の機能的構成について説明する。図1は、本発明の実施の形態にかかるナビゲーション装置の機能的構成を示すブロック図である。
【0015】
図1に示すように、ナビゲーション装置110は、誘導部111と、検出部112と、変更部113とを備える。誘導部111は、目的地周辺の所定の距離(以下、「到着判定距離」という)に位置するまでの経路を誘導する機能を有する。ここで、目的地は、たとえば、利用者によって設定された任意の地点である。また、目的地は、利用者によって設定された任意の地点までの経路上の経由地点であってもよい。
【0016】
すなわち、ナビゲーション装置110は、公知の技術のため詳細な説明は省略するが、目的地が入力されると、図示しない探索部によって移動体の現在位置から目的地までの経路を探索する。そして、ナビゲーション装置110は、誘導部111によって探索された経路を、移動体が目的地周辺の到着判定距離に位置するまで誘導する。
【0017】
検出部112は、誘導部111による誘導が完了する前に、または完了した後に、利用者から入力される所定の入力情報を検出する機能を有する。ここで、入力情報とは、たとえば、図示しない操作部を利用者が操作することによってナビゲーション装置110に入力される情報である。ここで、所定の入力情報としては、たとえば、目的地の消去に関する入力情報、または、案内中止に関する入力情報などである。ここで、目的地の消去に関する入力情報とは、設定された目的地を消去(解除)する際に入力される情報である。ここで、案内中止に関する入力情報とは、誘導部111による経路の誘導を中止させる際に入力される情報である。
【0018】
また、所定の入力情報は、たとえば、地図画面の表示変更に関する入力情報、目的地の再設定に関する入力情報などであってもよい。ここで、地図画面の表示変更に関する入力情報とは、たとえば、表示された地図情報の縮尺を変更する際に入力される情報である。ここで、目的地の再設定に関する入力情報とは、目的地が設定された状態で、再度、新たな目的地が設定された場合に入力される情報である。
【0019】
変更部113は、検出部112によって所定の入力情報が検出された場合、次回、誘導部111によって当該目的地までの誘導がおこなわれる際に、到着判定距離を所定量変更する機能を有する。すなわち、変更部113は、目的地として設定された地物の到着判定距離を所定量変更する。変更部113は、たとえば、検出部112によって誘導が完了する前に、所定の入力情報が検出された場合、次回、誘導部111によって当該目的地までの誘導をおこなう際に、到着判定距離を所定量長くする。
【0020】
また、変更部113は、検出部112によって誘導が完了した後に、所定の入力情報が検出された場合、次回、誘導部111によって当該目的地までの誘導をおこなう際に、到着判定距離を所定量短くすることとしてもよい。
【0021】
さらに、ナビゲーション装置110は、取得部114を備えることとしてもよい。取得部114は、利用者から所定の入力情報が入力された地点(以下、「入力地点」という)の位置情報を取得する機能を有する。取得部114を備えた場合には、たとえば、変更部113は、取得部114によって取得された入力地点の位置までの距離が所定範囲内である場合に、到着判定距離を所定量長く/短くする。具体的には、たとえば、変更部113は、取得部114によって取得された入力地点の位置までの距離分、目的地として設定された地物の到着判定距離を長く/短くする。
【0022】
また、たとえば、変更部113は、取得部114によって取得された入力地点までの位置までの所要時間が所定範囲内である場合に、到着判定距離を所定量長く/短くすることとしてもよい。具体的には、たとえば、変更部113は、取得部114によって取得された入力地点の位置までの距離分、目的地として設定された地物の到着判定距離を長く/短くする。
【0023】
そして、ナビゲーション装置110は、受付部115を備えることとしてもよい。受付部115は、到着判定距離の変更量の入力を受け付ける機能を有する。受付部115を備えた場合には、変更部113は、たとえば、受付部115によって受け付けられた距離分、到着判定距離を長く/短くする。
【0024】
また、ナビゲーション装置110は、送信部116を備え、外部の情報管理サーバ120と接続され、ナビゲーション装置110と、情報管理サーバ120とによって情報管理システム100を構成してもよい。この場合には、送信部116は、変更部113によって変更された到着判定距離を、当該到着判定距離を管理する情報管理サーバ120に送信する機能を有する。送信部116は、たとえば、インターネットなどの通信網を介して、情報管理サーバ120に到着判定距離を送信する。
【0025】
(情報管理サーバの機能的構成)
ここで、情報管理サーバの機能的構成について説明する。情報管理サーバ120は、受信部121と、集計部122と、配信部123とを備える。ここで、受信部121は、ナビゲーション装置における経路の誘導が完了する地点であるとともに、目的地としての地物周辺の所定の距離(以下、「到着判定距離」という)の情報を受信する機能を有する。
【0026】
集計部122は、受信部121が受信した到着判定距離の情報を、地物ごとに集計する機能を有する。配信部123は、集計部122によって集計された地物ごとの到着判定距離の情報をナビゲーション装置110に配信する機能を有する。なお、図示を省略するが、配信部123は、ナビゲーション装置110のほか、複数のナビゲーション装置に集計部122によって集計された地物ごとの到着判定距離の情報を配信することとしてもよい。
【0027】
(ナビゲーション装置の処理手順)
つぎに、本発明の実施の形態にかかるナビゲーション装置の処理手順について説明する。図2は、本発明の実施の形態にかかるナビゲーション装置の処理手順を示すフローチャートである。なお、図2に示すフローチャートは、たとえば、利用者によって目的地が設定された場合に開始される。
【0028】
図2に示すように、ナビゲーション装置110は、たとえば、目的地が設定されると、目的地までの経路を探索したのち、目的地周辺までの経路を誘導する(ステップS201)。
【0029】
目的地周辺までの経路を誘導しつつ、ナビゲーション装置110は、移動体が、目的地周辺の到着判定距離に位置したか否かを判定する(ステップS202)。ステップS202において、目的地周辺の到着判定距離に位置したと判定された場合(ステップS202:Yes)には、ナビゲーション装置110は、目的地への到着を利用者に報知する(ステップS203)。
【0030】
ステップS203において、目的地への到着を報知したのち、ナビゲーション装置110は、所定の入力情報が検出されたか否かを判定する(ステップS204)。すなわち、ナビゲーション装置110は、誘導部111による誘導が完了した後に、所定の入力情報が検出されたか否かを判定する。この際に、ナビゲーション装置110は、たとえば、目的地への到着を報知した地点から所定の距離内で入力情報を検出したか否かを判定することとしてもよい。また、ナビゲーション装置110は、目的地への到着を報知した時刻から所定の時間内に入力情報を検出したか否かを判定することとしてもよい。
【0031】
ステップS204において、所定の入力情報を検出していないと判定された場合(ステップS204:No)には、ナビゲーション装置110は、そのまま、一連の処理を終了する。
【0032】
また、ステップS204において、所定の入力情報を検出したと判定された場合(ステップS204:Yes)には、ナビゲーション装置110は、目的地と設定された地物の到着判定距離を所定量変更する(ステップS205)。たとえば、このとき、ナビゲーション装置110は、到着判定距離を所定量短縮する。ステップS205において、ナビゲーション装置110は、到着判定距離を所定量変更したのち、一連の処理を終了する。
【0033】
一方、ステップS202において、目的地周辺の到着判定距離に位置していないと判定された場合(ステップS202:No)には、ナビゲーション装置110は、所定の入力情報が検出されたか否かを判定する(ステップS206)。すなわち、ナビゲーション装置110は、誘導部111による誘導が完了する前に、所定の入力情報が検出されたか否かを判定する。この際に、ナビゲーション装置110は、たとえば、目的地まで所定の距離内で入力情報を検出したか否かを判定することとしてもよい。また、ナビゲーション装置110は、目的地へ到着する予定の時刻と現在時刻とが所定の時間内にときに、入力情報を検出したか否かを判定することとしてもよい。
【0034】
ステップS206において、所定の入力情報を検出していないと判定された場合(ステップS206:No)には、ナビゲーション装置110は、ステップS202に復帰して、上記の処理を繰り返す。
【0035】
また、ステップS206において、所定の入力情報を検出したと判定された場合(ステップS206:Yes)には、ナビゲーション装置110は、目的地と設定された地物の到着判定距離を所定量変更する(ステップS207)。たとえば、このとき、ナビゲーション装置110は、到着判定距離を所定量延長する。ステップS207において、ナビゲーション装置110は、到着判定距離を所定量変更したのち、一連の処理を終了する。
【0036】
以上に説明したように、本発明の実施の形態にかかるナビゲーション装置110は、目的地までの誘導の完了前または完了後、所定の入力情報を検出した場合に、当該目的地とされた地物の到着判定距離を変更する。そして、ナビゲーション装置110は、次回に、その地物までの誘導をおこなう際に、移動体が変更後の到着判定距離に位置するまで誘導するので、利用者は、適切な位置までの誘導を受けることができる。
【0037】
そして、本発明の実施の形態にかかるナビゲーション装置110によれば、たとえば、利用者による所定の入力情報に基づいて、地物の到着判定距離を順次、更新していくので、ナビゲーション装置110製造側があらためて到着判定距離を整備せずとも、適切な到着判定距離を設定していくことができる。
【0038】
さらに、情報管理サーバ120は、ナビゲーション装置110から受信した到着判定距離を集計して、複数のナビゲーション装置に配信するので、複数のナビゲーション装置で変更後の到着判定距離を共有することができる。これにより、利用者は、自身が行ったことのない地物においても変更後の到着判定距離に基づいて、適切な位置までの誘導を受けることができる。
【0039】
また、情報管理サーバ120が、複数のナビゲーション装置から、変更後の到着判定距離を受信して地物ごとに集計する構成とすれば、それぞれのナビゲーション装置から送信されたデータを平坦化し、信頼性を向上させることができる。これにより、利用者は、より信頼性の高い到着判定距離に基づいて、適切な位置までの誘導を受けることができる。
【実施例】
【0040】
つぎに、上述した実施の形態の情報管理システム100の実施例について説明する。本実施例は、実施の形態の情報管理システム100を車両(二輪、四輪を含む)に搭載されるナビゲーション装置と、情報管理会社に設置された情報管理サーバとによって構成されるネットワークシステムに適用した場合の一例である。
【0041】
(実施例の情報処理システムの概略構成)
まず、本実施例の情報管理システムの概略構成について説明する。図3は、本実施例の情報管理システムの概略構成を示す説明図である。図3に示すように、本実施例の情報管理システム300は、車両310に搭載されたナビゲーション装置311と、車両320に搭載されたナビゲーション装置321と、情報管理会社330に設置された情報管理サーバ331とがインターネットなどの通信回線網340を介して相互に通信可能に構成される。
【0042】
ナビゲーション装置311、321は、たとえば、利用者によって設定された目的地までの経路を探索し、車両310、320が目的地周辺の到着判定距離に位置した場合に、目的地へ到着したと判定し、利用者に目的地へ到着した旨の報知をおこなう。
【0043】
また、ナビゲーション装置311、321は、所定の入力情報を受け付けた場合に、そのとき目的地(経由地を含む)として設定されている地物の到着判定距離を変更し、当該地物とその到着判定距離とを関連づけた到着判定距離情報を情報管理サーバ331へ送信する。すなわち、到着判定距離情報とは、対象となる地物を特定可能な情報(たとえば、地物の位置座標など)と、当該地物の到着判定距離とを関連づけた情報である。
【0044】
情報管理サーバ331は、接続されたナビゲーション装置311、321から、到着判定距離情報を受信すると、地物ごとに到着判定距離を集計する。そして、地物ごとに集計された到着判定距離をナビゲーション装置311、321に配信する。情報管理サーバ331は、ナビゲーション装置311、321のほか、図示しない複数のナビゲーション装置と接続されてもよい。以下に、それぞれの構成について詳細に説明する。
【0045】
(ナビゲーション装置のハードウェア構成)
つぎに、図4を用いて、本実施例のナビゲーション装置のハードウェア構成について説明する。図4は、本実施例のナビゲーション装置のハードウェア構成を示すブロック図である。図4に示すように、ナビゲーション装置311、321は、CPU401と、ROM402と、RAM403と、磁気ディスクドライブ404と、磁気ディスク405と、光ディスクドライブ406と、光ディスク407と、音声I/F(インターフェース)308と、マイク409と、スピーカ410と、入力デバイス411と、映像I/F412と、ディスプレイ413と、カメラ414と、通信I/F415と、GPSユニット416と、各種センサ417と、を備えている。また、各構成部401〜417はバス420によってそれぞれ接続されている。
【0046】
まず、CPU401は、ナビゲーション装置311、321の全体の制御を司る。ROM402には、ブートプログラム、現在位置特定プログラム、経路探索プログラム、経路誘導プログラム、音声生成プログラム、地図情報表示プログラム、到着判定距離変更プログラムなどの各種プログラムが記憶されている。また、RAM403は、CPU401のワークエリアとして使用される。
【0047】
すなわち、CPU401は、RAM403をワークエリアとして使用しながら、ROM402に記憶された各種プログラムを実行することによって、ナビゲーション装置311、321の全体の制御を司る。現在位置特定プログラムは、たとえば、後述するGPSユニット416および各種センサ417の出力情報に基づいて、車両310、320の現在位置(ナビゲーション装置311、321の現在位置)を特定させる。
【0048】
経路探索プログラムは、後述する磁気ディスク405または光ディスク407に記憶されている地図情報などを利用して、出発地点から目的地点までの最適な経路や、当該最適な経路を外れた場合の迂回経路を探索させる。ここで、最適な経路とは、目的地点までにかかるコストが最小の経路や利用者が指定した条件に最も合致する経路などである。経路探索プログラムは、公知の技術のため詳細な説明は省略するが、たとえば、ダイクストラ法などを用いて、最適な経路を探索する。経路探索プログラムを実行することによって探索された誘導経路は、CPU401を介して音声I/F408や映像I/F412へ出力される。
【0049】
経路誘導プログラムは、経路探索プログラムを実行することによって探索された誘導経路情報、現在位置特定プログラムを実行することによって特定された車両の現在位置情報、磁気ディスク405または光ディスク407から読み出された地図情報に基づいて、リアルタイムな経路誘導情報の生成をおこなわせる。経路誘導プログラムを実行することによって生成された経路誘導情報は、CPU401を介して音声I/F408や映像I/F412へ出力される。
【0050】
音声生成プログラムは、パターンに対応したトーンと音声の情報を生成させる。すなわち、経路誘導プログラムを実行することによって生成された経路誘導情報に基づいて、案内ポイントに対応した仮想音源の設定と音声ガイダンス情報の生成をおこなわせる。音声ガイダンス情報には、たとえば、右左折地点を経路通りに右左折すべき旨の警報、右左折地点の手前で減速すべき旨の警報、右左折し損なった場合の迂回経路についての情報や、右左折し損なった場合に引き返すべき旨の案内情報が含まれる。
【0051】
生成された音声ガイダンス情報は、CPU401を介して音声I/F408へ出力される。地図情報表示プログラムは、映像I/F412によって磁気ディスク405または光ディスク407から読み出された地図情報をディスプレイ413に表示させる。
【0052】
到着判定距離変更プログラムは、目的地(または目的地までの経由地)とされた地物の到着判定距離の変更をおこなわせる。たとえば、地図情報には、地物ごとに、あらかじめデフォルトの到着判定距離が設定されており、到着判定距離変更プログラムは、デフォルトの到着判定距離を所定の入力情報に基づいて書き換えることで、到着判定距離の変更をおこなわせる。
【0053】
磁気ディスクドライブ404は、CPU401の制御にしたがって磁気ディスク405に対するデータの読み取り/書き込みを制御する。磁気ディスク405には、磁気ディスクドライブ404の制御で書き込まれたデータが記憶される。磁気ディスク405としては、たとえば、HDやFD(フレキシブルディスク)を用いることができる。
【0054】
光ディスクドライブ406は、CPU401の制御にしたがって光ディスク407に対するデータの読み取り/書き込みを制御する。光ディスク407は、光ディスクドライブ406の制御にしたがってデータの読み出される着脱自在な記憶媒体である。光ディスク407としては、たとえば、CD(Compact Disc)、DVDを用いることができる。光ディスク407は、書き込み可能な記憶媒体を利用することもできる。また、この着脱可能な記憶媒体は、光ディスク407のほか、MO(Magneto Optical Disk)、メモリカードなどであってもよい。
【0055】
磁気ディスク405または光ディスク407に記憶される情報の一例として、経路探索・経路誘導などに用いる地図情報が挙げられる。地図情報は、建物、河川、地点表面などの地点物(フィーチャ)をあらわす背景データと、道路の形状を表す道路形状データとを有しており、ディスプレイ413の表示画面において2次元または3次元に描画される。
【0056】
道路形状データは、さらに交通条件データを有する。交通条件データには、たとえば、各ノードについて、信号や横断歩道などの有無、高速道路の出入口やジャンクションの有無、各リンクについての長さ(距離)、道幅、進行方向、道路種別(高速道路、有料道路、一般道路)などの情報が含まれている。
【0057】
また、交通条件データには、過去の渋滞情報を、季節・曜日・大型連休・時刻などを基準に統計処理した過去渋滞情報を記憶している。ナビゲーション装置300は、後述する通信I/F415によって受信される道路交通情報によって現在発生している渋滞の情報を得るが、過去渋滞情報により、指定した時刻における渋滞状況の予想をおこなうことが可能となる。
【0058】
なお、本実施例では地図情報を磁気ディスク405または光ディスク407に記憶するようにしたが、これらに限るものではない。地図情報は、ナビゲーション装置300のハードウェアと一体に設けられているものに限って記憶されているものではなく、ナビゲーション装置311、321の外部に設けられていてもよい。この場合には、ナビゲーション装置311、321は、たとえば、通信I/F415を通じて、ネットワークを介して地図情報を取得する。取得された地図情報はRAM403や磁気ディスク405などに記憶され、必要に応じて読み出される。
【0059】
音声I/F408は、音声入力用のマイク409および音声出力用のスピーカ410に接続される。マイク409に受音された音声は、音声I/F408内でA/D変換される。また、スピーカ410からは音声が出力される。なお、マイク409から入力された音声は、音声データとして磁気ディスク405あるいは光ディスク407に記憶可能である。
【0060】
入力デバイス411は、文字、数値、各種指示などの入力のための複数のキーを備えたリモコン、キーボード、マウス、タッチパネルなどが挙げられる。入力デバイス411は、利用者によって選択されたキーに対応するデータを装置内部へ入力する。
【0061】
映像I/F412は、ディスプレイ413およびカメラ414と接続される。映像I/F412は、具体的には、たとえば、ディスプレイ413全体の制御をおこなうグラフィックコントローラと、即時表示可能な画像情報を一時的に記憶するVRAM(Video
RAM)などのバッファメモリと、グラフィックコントローラから出力される画像データに基づいて、ディスプレイ413を表示制御する制御ICなどによって構成される。
【0062】
ディスプレイ413には、アイコン、カーソル、メニュー、ウインドウ、あるいは文字や画像などの各種データが表示される。ディスプレイ413としては、たとえば、CRT、液晶ディスプレイ(TN、VA、ISPなど)、プラズマディスプレイ、有機ELディスプレイなどを用いることができる。なお、ディスプレイ413は、複数備えられていてもよい。この場合には、映像I/F412は、それぞれのディスプレイごとに異なる表示制御をおこなってもよいし、同一の表示制御をおこなってもよい。
【0063】
カメラ414は、車両内部あるいは外部の映像を撮影する。映像は静止画あるいは動画のどちらでもよく、たとえば、カメラ414によって車両内部の搭乗者の挙動を撮影し、撮影した映像を映像I/F412を介してCPU401あるいは磁気ディスク405や光ディスク407などの記憶媒体に出力する。
【0064】
また、カメラ414によって車両外部の状況を撮影し、撮影した映像を映像I/F412を介して磁気ディスク405や光ディスク407などの記憶媒体に出力する。CPU401に出力された映像は、たとえば、搭乗者の特定挙動の決定に用いられる。また、記憶媒体に出力された映像は、ドライブレコーダ用画像として上書き記憶や保存がおこなわれる。
【0065】
通信I/F415は、無線を介してネットワークに接続され、ナビゲーション装置311、321とCPU401とのインターフェースとして機能する。通信I/F415は、さらに、無線を介してインターネットなどの通信網に接続され、この通信網とCPU401とのインターフェースとしても機能する。また、通信I/F415は、テレビ放送やラジオ放送を受信する。
【0066】
通信網には、LAN、WAN、公衆回線網や携帯電話網などがある。具体的には、通信I/F415は、たとえば、FMチューナー、VICS(Vehicle Information and Communication System)/ビーコンレシーバ、無線ナビゲーション装置、およびその他のナビゲーション装置によって構成され、VICSセンターから配信される渋滞や交通規制などの道路交通情報を取得する。なお、VICSは登録商標である。
【0067】
GPSユニット416は、GPS衛星からの電波を受信し、車両の現在位置を示す情報を算出する。GPSユニット416の出力情報は、後述する各種センサ417の出力値とともに、CPU401による車両の現在位置の特定に際して利用される。現在位置を示す情報は、たとえば緯度・経度、高度などの、地図情報上の1点を特定する情報である。
【0068】
各種センサ417は、車速センサや加速度センサ、角速度センサなどの、車両の位置や挙動を決定することが可能な情報を出力する。各種センサ417の出力値は、CPU401による車両の現在位置の特定や、速度や方位の変化量の測定などに用いられる。
【0069】
(情報管理サーバのハードウェア構成)
つぎに、図5を用いて、本実施例の情報管理サーバ331のハードウェア構成について説明する。図5は、本実施例の情報管理サーバのハードウェア構成を示すブロック図である。図5に示すように、情報管理サーバ331は、CPU501と、ROM502と、RAM503と、磁気ディスクドライブ504と、磁気ディスク505と、光ディスクドライブ506と、光ディスク507と、入力デバイス508と、映像I/F509と、ディスプレイ510と、通信I/F511と、を備えている。また、各構成部501〜511はバス520によってそれぞれ接続されている。
【0070】
まず、CPU501は、情報管理サーバ331の全体の制御を司る。ROM502には、ブートプログラム、到着判定距離集計プログラムなどのプログラムが記録されている。また、RAM503は、CPU501のワークエリアとして使用される。すなわち、CPU501は、RAM503をワークエリアとして使用しながら、ROM502に記録された各種プログラムを実行することによって、情報管理サーバ331の全体の制御を司る。
【0071】
磁気ディスクドライブ504は、CPU501の制御にしたがって磁気ディスク505に対するデータの読み取り/書き込みを制御する。磁気ディスク505には、磁気ディスクドライブ504の制御で書き込まれたデータが記録される。磁気ディスク505としては、たとえば、HD(ハードディスク)やFD(フレキシブルディスク)を用いることができる。
【0072】
光ディスクドライブ506は、CPU501の制御にしたがって光ディスク507に対するデータの読み取り/書き込みを制御する。光ディスク507は、光ディスクドライブ506の制御にしたがってデータの読み出される着脱自在な記録媒体である。光ディスク507は、書き込み可能な記録媒体を利用することもできる。また、この着脱可能な記録媒体として、光ディスク507のほか、MO、メモリカードなどであってもよい。また、磁気ディスク505または光ディスク507に記録される情報の一例として、地物ごとに集計された到着判定距離に関する情報などが挙げられる。
【0073】
入力デバイス508は、文字、数値、各種指示などの入力のための複数のキーを備えたリモコン、キーボード、マウス、タッチパネルなどが挙げられる。入力デバイス508は、利用者によって選択されたキーに対応するデータを装置内部へ入力する。
【0074】
映像I/F509は、ディスプレイ510と接続される。映像I/F509は、具体的には、たとえば、ディスプレイ510全体の制御をおこなうグラフィックコントローラと、即時表示可能な画像情報を一時的に記録するVRAMなどのバッファメモリと、グラフィックコントローラから出力される画像データに基づいて、ディスプレイ510を表示制御する制御ICなどによって構成される。
【0075】
ディスプレイ510には、アイコン、カーソル、メニュー、ウインドウ、あるいは文字や画像などの各種データが表示される。ディスプレイ510としては、たとえば、CRT、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ、有機ELディスプレイなどを用いることができる。
【0076】
通信I/F511は、無線を介してネットワークに接続され、情報管理サーバ331とCPU501とのインターフェースとして機能する。通信I/F511は、さらに、無線を介してインターネットなどの通信網に接続され、この通信網とCPU501とのインターフェースとしても機能する。
【0077】
通信網には、LAN、WAN、公衆回線網や携帯電話網などがある。具体的には、通信I/F511は、たとえば、FMチューナー、VICS/ビーコンレシーバ、無線ナビゲーション装置、およびその他のナビゲーション装置によって構成され、VICSセンターから配信される渋滞や交通規制などの道路交通情報や到着判定距離情報などを取得する。
【0078】
(ナビゲーション装置の処理手順)
つぎに、本実施例のナビゲーション装置の処理手順について説明する。図6は、本実施例のナビゲーション装置の処理手順を示すフローチャートである。なお、図6に示すフローチャートは、たとえば、利用者の任意のタイミングで開始させることができる。
【0079】
図6に示すように、本実施例のナビゲーション装置311は、目的地が入力されるまで待機する(ステップS601:Noのループ)。ステップS601において、目的地が入力されると、ナビゲーション装置311は、目的地までの経路を探索する(ステップS602)。たとえば、ナビゲーション装置311は、ダイクストラ法を用いて、目的地へ到着する予定の時刻が最も早い経路を探索する。
【0080】
ステップS602において、目的地までの経路を探索したのち、ナビゲーション装置311は、探索された目的地までの経路を誘導する(ステップS603)。たとえば、ナビゲーション装置311は、目的地までの経路をディスプレイ413に表示し、利用者を目的地まで誘導する。
【0081】
目的地までの経路を誘導しつつ、ナビゲーション装置311は、つぎに、目的地周辺の到着判定距離に位置したか否かを判定する(ステップS604)。ステップS604において、目的地周辺の到着判定距離に位置したと判定された場合(ステップS604:Yes)には、ナビゲーション装置311は、目的地への到着を利用者に報知する(ステップS605)。たとえば、ナビゲーション装置311は、スピーカ410から、目的地へ到着した旨の音声を出力し、利用者に報知する。
【0082】
ステップS605において、目的地への到着を報知したのち、ナビゲーション装置311は、所定の入力情報が検出されたか否かを判定する(ステップS606)。この際に、ナビゲーション装置311は、たとえば、目的地への到着を報知した地点から所定の距離内(たとえば、100m以内)で所定の入力情報を検出したか否かを判定することとしてもよい。また、ナビゲーション装置311は、目的地への到着を報知した時刻から所定の時間内(たとえば、5分以内)に所定の入力情報を検出したか否かを判定することとしてもよい。
【0083】
ステップS606において、所定の入力情報を検出していないと判定された場合(ステップS606:No)には、ナビゲーション装置311は、そのまま、一連の処理を終了する。すなわち、ナビゲーション装置311は、利用者が入力デバイス411を操作して、たとえば、地図情報の表示縮尺を変更する操作や新たな目的地を再探索させる操作などをおこなわなかった場合には、そのまま、一連の処理を終了する。
【0084】
一方、ステップS606において、所定の入力情報を検出したと判定された場合(ステップS606:Yes)には、ナビゲーション装置311は、入力情報を検出した入力地点の位置情報を取得する(ステップS607)。
【0085】
ステップS607において、入力地点の位置情報を取得したのち、ナビゲーション装置311は、入力地点の位置情報に基づいて、その目的地の到着判定距離を変更する(ステップS608)。たとえば、ナビゲーション装置311は、目的地の到着判定距離を目的地から入力地点までの距離に短縮する。
【0086】
ステップS608において、目的地の到着判定距離を変更したのち、ナビゲーション装置311は、変更された到着判定距離を情報管理サーバ331へ送信し(ステップS609)、一連の処理を終了する。たとえば、ナビゲーション装置311は、設定された目的地と、当該目的地の変更された到着判定距離とを関連づけた到着判定距離情報を情報管理サーバ331へ送信する。これにより、情報管理サーバ331は、到着判定距離が変更された地物と、変更後の到着判定距離とを取得することができる。
【0087】
一方、ステップS604において、目的地周辺の到着判定距離に位置していないと判定された場合(ステップS604:No)には、ナビゲーション装置311は、所定の入力情報が検出されたか否かを判定する(ステップS610)。この際に、ナビゲーション装置311は、たとえば、目的地まで所定の距離内(たとえば、100m以内)で入力情報を検出したか否かを判定することとしてもよい。また、ナビゲーション装置311は、目的地へ到着する予定の時刻と現在時刻とが所定の時間内(たとえば、5分以内)のときに、入力情報を検出したか否かを判定することとしてもよい。
【0088】
ステップS610において、所定の入力情報を検出していないと判定された場合(ステップS610:No)には、ナビゲーション装置311は、ステップS604に復帰して、上記の処理を繰り返す。すなわち、ナビゲーション装置311は、利用者が入力デバイス411を操作して、たとえば、目的地を消去(解除)する操作や誘導を中止する操作などをおこなわなかった場合には、ステップS604へ復帰して誘導を継続しつつ、上記の処理を繰り返す。
【0089】
また、ステップS606において、所定の入力情報を検出したと判定された場合(ステップS610:Yes)には、ナビゲーション装置311は、入力情報を検出した入力地点の位置情報を取得する(ステップS611)。
【0090】
ステップS611において、入力地点の位置情報を取得したのち、ナビゲーション装置311は、入力地点の位置情報に基づいて、その目的地の到着判定距離を変更する(ステップS612)。たとえば、ナビゲーション装置311は、目的地の到着判定距離を目的地から入力地点までの距離に延長する。
【0091】
ステップS612において、目的地の到着判定距離を変更したのち、ナビゲーション装置311は、変更された到着判定距離を情報管理サーバ331へ送信し(ステップS613)、一連の処理を終了する。たとえば、ナビゲーション装置311は、設定された目的地と、当該目的地の変更された到着判定距離とを関連づけた到着判定距離情報を情報管理サーバ331へ送信する。これにより、情報管理サーバ331は、到着判定距離が変更された地物と、変更後の到着判定距離とを取得することができる。
【0092】
なお、図示を省略するが、ナビゲーション装置311は、上記の処理のほか、情報管理サーバ331から配信される到着判定距離情報を受信すると、受信した到着判定距離情報に基づいて、到着判定距離を変更する処理もおこなう。具体的には、たとえば、ナビゲーション装置311は、或る地物X、およびその到着判定距離Rを含む到着判定距離情報を情報管理サーバ331から受信すると、これに基づいて、地物Xの到着判定距離をRに更新する処理をおこなう。
【0093】
また、ナビゲーション装置321の処理内容については、ナビゲーション装置311と同様の処理内容となるため説明を省略する。
【0094】
(情報管理サーバの処理手順)
つぎに、本実施例の情報管理サーバの処理手順について説明する。図7は、本実施例の情報管理サーバの処理手順を示すフローチャートである。なお、図7に示すフローチャートは、たとえば、ナビゲーション装置から送信された情報を受信した場合に開始される。
【0095】
図7に示すように、情報管理サーバ331は、まず、到着判定距離情報を受信するまで待機する(ステップS701:Noのループ)。ステップS701において、到着判定距離情報を受信した場合(ステップS701:Yes)には、情報管理サーバ331は、到着判定距離情報から、地物ごとの到着判定距離を集計する(ステップS702)。具体的には、たとえば、情報管理サーバ331は、複数のナビゲーション装置から受信した到着判定距離情報を地物ごとに集計し、地物ごとに平均値を算出する。
【0096】
ステップS702において、地物ごとの到着判定距離を集計したのち、情報管理サーバ331は、ナビゲーション装置311、321に集計した到着判定距離情報を配信し(ステップS703)、一連の処理を終了する。
【0097】
(ナビゲーション装置の具体的な表示例)
つぎに、本実施例のナビゲーション装置の具体的な表示例について説明する。図8は、本実施例のナビゲーション装置の具体的な表示例を示す説明図(その1)である。なお、図8に示す説明図は、ナビゲーション装置311において目的地として施設Aが設定されており、この施設Aまでの経路を誘導している場合の表示例である。なお、ここで、施設Aは、たとえば、大型の施設(たとえば、ショッピングモールなど)である。
【0098】
図8に示すように、ディスプレイ413には、表示画面800が表示される。表示画面800は、たとえば、車両310付近の地図情報や各種のアイコンなどによって構成される。まず、図8において、表示画面800に表示される車両310付近の地図情報には、施設A810が含まれる。なお、施設A810は、施設A810の敷地内に駐車場P811を有している。
【0099】
また、図8において、符号801で示すのは自車アイコン801であり、車両310の現在位置をあらわす。図8において、符号802で示すのは目的地アイコン802であり、目的地の位置をあらわす。符号803で示すのは経路803であり、目的地までの探索された経路をあらわす。
【0100】
また、図8において、符号C1で示す円は、目的地アイコン802を中心とする半径r1の円である。ここで、r1は、デフォルトの状態(ナビゲーション装置311出荷時の状態)の施設A810の到着判定距離を示す。さらに、図8において、符号i1で示す点は、経路803と、円C1との最初の交点である。
【0101】
すなわち、ナビゲーション装置311は、デフォルトの状態で、自車アイコン801から目的地アイコン802付近までリンクを伸ばし、経路803を形成する。そして、たとえば、自車アイコン801が点i1上に位置した場合に、目的地へ到着したと判定して、目的地へ到着した旨の報知を利用者におこなう。
【0102】
図9は、本実施例のナビゲーション装置の具体的な表示例を示す説明図(その2)である。なお、図9に示す説明図は、ナビゲーション装置311において到着判定距離が変更された施設A810への経路を誘導している場合の表示例である。
【0103】
たとえば、誘導中に当該誘導を中止させるなどの所定の入力情報を検出すると、ナビゲーション装置311は、入力情報を検出した入力地点の位置情報を取得する。図9において、符号i2で示す点は、所定の入力情報を検出した入力地点である。また、図9において、符号C2で示す円は、目的地アイコン802を中心とする半径r2(r2>r1)の円である。ここで、r2は、目的地アイコン802から点i2までの直線距離である。
【0104】
すなわち、ナビゲーション装置311は、所定の入力情報を検出した場合に、施設A810の到着判定距離をr1からr2へと変更する。また、到着判定距離の変更とともに、目的地への経路803も変更され、自車アイコン801から点i2までの経路901に変更される。
【0105】
図10は、本実施例のナビゲーション装置の具体的な表示例を示す説明図(その3)である。なお、図10に示す説明図は、ナビゲーション装置311において目的地として施設Bが設定されており、この施設Bまでの経路を誘導している場合の表示例である。なお、ここで、施設Bは、たとえば、施設Aと同様に、大型の施設(たとえば、ショッピングモールなど)である。
【0106】
図10に示すように、ディスプレイ413には、表示画面1000が表示される。表示画面1000は、たとえば、車両310付近の地図情報や各種のアイコンなどによって構成される。まず、図10において、表示画面1000に表示される車両310付近の地図情報には、施設B1010が含まれる。なお、施設B1010は、施設B1010の敷地内に駐車場P1011を有している。
【0107】
また、図10において、符号1001で示すのは自車アイコン1001であり、車両310の現在位置をあらわす。図10において、符号1002で示すのは目的地アイコン1002であり、目的地の位置をあらわす。符号1003で示すのは経路1003であり、目的地までの探索された経路をあらわす。
【0108】
また、図10において、符号C3で示す円は、目的地アイコン1002を中心とする半径r3の円である。ここで、r3は、デフォルトの状態(たとえば、ナビゲーション装置311出荷時の状態)の施設B1010の到着判定距離を示す。さらに、図10において、符号i3で示す点は、経路1003と、円C3との最初の交点である。
【0109】
すなわち、ナビゲーション装置311は、デフォルトの状態で、自車アイコン1001から目的地アイコン1002付近までリンクを伸ばし、点i3までの経路を形成する。そして、たとえば、自車アイコン1001が点i3上に位置した場合に、目的地へ到着したと判定して、目的地へ到着した旨の報知を利用者におこなう。
【0110】
たとえば、表示された地図情報の縮尺を変更させるなどの所定の入力情報を検出すると、ナビゲーション装置311は、入力情報を検出した入力地点の位置情報を取得する。図10において、符号i4で示す点は、所定の入力情報を検出した入力地点である。また、図10において、符号C4で示す円は、目的地アイコン1002を中心とする半径r4(r4<r3)の円である。ここで、r4は、目的地アイコン1002から点i4までの直線距離である。
【0111】
すなわち、ナビゲーション装置311は、所定の入力情報を検出した場合に、施設B1010の到着判定距離をr3からr4へと変更する。また、到着判定距離の変更とともに、目的地への経路も変更され、自車アイコン1001から点i4までの経路1003に変更される。
【0112】
以上に説明したように、本実施例のナビゲーション装置311は、目的地までの誘導の完了前または完了後、所定の入力情報を検出した場合に、当該目的地とされた地物の到着判定距離を変更する。そして、ナビゲーション装置311は、次回に、その地物までの誘導をおこなう際に、移動体が変更後の到着判定距離に位置するまで誘導するので、利用者は、適切な位置までの誘導を受けることができる。これにより、利用者は迷うことなく目的地へ到着でき、無駄なガソリンの消費を防止することができる。
【0113】
また、本実施例のナビゲーション装置311によれば、到着判定距離は、たとえば、利用者の操作に基づく入力情報によって変更されるので、速度や運転レベルとは異なり、個々の利用者によって差が小さい共有に適した到着判定距離に変更することができる。これにより、利用者は、他の利用者から収集した到着判定距離であっても、有効に使うことができる。
【0114】
そして、本実施例のナビゲーション装置311によれば、利用者によって入力された入力情報に基づいて、地物の到着判定距離を順次、更新していく構成であるため、施設の面積などの情報をあらかじめ製造側が整備しておく必要がなく、また、このような施設の面積などの情報を用いた複雑な計算等を行わずとも簡単に処理できる。
【0115】
さらに、情報管理サーバ331は、ナビゲーション装置311から受信した到着判定距離を集計して、ナビゲーション装置321などに配信するので、複数のナビゲーション装置で変更後の到着判定距離を共有することができる。これにより、それぞれの利用者は、自身が行ったことのない地物においても変更後の到着判定距離に基づいて、適切な位置までの誘導を受けることができる。
【0116】
また、情報管理サーバ331が、複数のナビゲーション装置から、変更後の到着判定距離を受信して地物ごとに集計する構成とすれば、それぞれのナビゲーション装置から送信されたデータを平坦化し、信頼性を向上させることができる。これにより、利用者は、より信頼性の高い到着判定距離に基づいて、適切な位置までの誘導を受けることができる。
【0117】
なお、本実施例では、到着判定距離を、目的地アイコン802、1002を中心とした円状に設定されることとしたが、これに限るものではない。到着判定距離は、たとえば、道路に沿った線状に設定されるものとしてもよい。
【0118】
また、本実施例では、到着判定距離を、入力情報が検出された入力地点の位置情報に基づいて変更することとしたが、これに限らない。到着判定距離は、あらかじめ設定された所定量変更することしてもよい。たとえば、ナビゲーション装置311は、施設A810までの誘導が完了する前に、施設A810付近で所定の入力情報を検出したとする。この場合、ナビゲーション装置311は、施設A810の到着判定距離を、あらかじめ設定された20mだけ長くすることとしてもよい。なお、この場合に変更される長さは、利用者が設定してもよいし、ナビゲーション装置311製造側が設定してもよい。
【0119】
なお、本実施の形態で説明したナビゲーション方法および情報管理方法は、あらかじめ用意されたプログラムをパーソナル・コンピュータやワークステーションなどのコンピュータで実行することにより実現することができる。このプログラムは、ハードディスク、フレキシブルディスク、CD−ROM、MO、DVDなどのコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録され、コンピュータによって記録媒体から読み出されることによって実行される。またこのプログラムは、インターネットなどのネットワークを介して配布することが可能な媒体であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0120】
【図1】本発明の実施の形態にかかるナビゲーション装置の機能的構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施の形態にかかるナビゲーション装置の処理手順を示すフローチャートである。
【図3】本実施例の情報管理システムの概略構成を示す説明図である。
【図4】本実施例のナビゲーション装置のハードウェア構成を示すブロック図である。
【図5】本実施例の情報管理サーバのハードウェア構成を示すブロック図である。
【図6】本実施例のナビゲーション装置の処理手順を示すフローチャートである。
【図7】本実施例の情報管理サーバの処理手順を示すフローチャートである。
【図8】本実施例のナビゲーション装置の具体的な表示例を示す説明図(その1)である。
【図9】本実施例のナビゲーション装置の具体的な表示例を示す説明図(その2)である。
【図10】本実施例のナビゲーション装置の具体的な表示例を示す説明図(その3)である。
【符号の説明】
【0121】
100 情報管理システム
110 ナビゲーション装置
111 誘導部
112 検出部
113 変更部
114 取得部
115 受付部
116 送信部
120 情報管理サーバ
121 受信部
122 集計部
123 配信部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
目的地周辺の所定の距離(以下、「到着判定距離」という)に位置するまでの経路を誘導する誘導手段と、
前記誘導手段による誘導が完了する前に、または完了した後に、利用者から入力される所定の入力情報を検出する検出手段と、
前記検出手段によって前記所定の入力情報が検出された場合、次回、前記誘導手段によって当該目的地までの誘導がおこなわれる際に、前記到着判定距離を所定量変更する変更手段と、
を備えることを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項2】
前記変更手段は、前記検出手段によって前記誘導が完了する前に、前記所定の入力情報が検出された場合、次回、前記誘導手段によって当該目的地までの誘導をおこなう際に、前記到着判定距離を所定量長くすることを特徴とする請求項1に記載のナビゲーション装置。
【請求項3】
前記誘導手段による誘導が完了する前の前記所定の入力情報は、目的地の消去に関する入力情報、または、案内中止に関する入力情報であることを特徴とする請求項2に記載のナビゲーション装置。
【請求項4】
前記利用者から所定の入力情報が入力された地点(以下、「入力地点」という)の位置情報を取得する取得手段をさらに備え、
前記変更手段は、前記取得手段によって取得された前記入力地点の位置までの距離が所定範囲内である場合に、前記到着判定距離を所定量長くすることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載のナビゲーション装置。
【請求項5】
前記変更手段は、前記取得手段によって取得された前記入力地点の位置までの距離分、前記到着判定距離を長くすることを特徴とする請求項4に記載のナビゲーション装置。
【請求項6】
前記変更手段は、前記取得手段によって取得された前記入力地点までの位置までの所要時間が所定範囲内である場合に、前記到着判定距離を所定量長くすることを特徴とする請求項4または5に記載のナビゲーション装置。
【請求項7】
前記到着判定距離の変更量の入力を受け付ける受付手段をさらに備え、
前記変更手段は、前記受付手段が受け付けた距離分、前記到着判定距離を長くすることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載のナビゲーション装置。
【請求項8】
前記変更手段は、前記検出手段によって前記誘導が完了した後に、前記所定の入力情報が検出された場合、次回、前記誘導手段によって当該目的地までの誘導をおこなう際に、前記到着判定距離を所定量短くすることを特徴とする請求項1に記載のナビゲーション装置。
【請求項9】
前記誘導手段による誘導が完了した後の前記所定の入力情報は、地図画面の表示変更に関する入力情報、または、目的地の再設定に関する入力情報であることを特徴とする請求項8に記載のナビゲーション装置。
【請求項10】
前記利用者から所定の入力情報が入力された地点(以下、「入力地点」という)の位置情報を取得する取得手段をさらに備え、
前記変更手段は、前記取得手段によって取得された前記入力地点の位置までの距離が所定範囲内である場合に、前記到着判定距離を所定量短くすることを特徴とする請求項8または9に記載のナビゲーション装置。
【請求項11】
前記変更手段は、前記取得手段によって取得された前記入力地点の位置までの距離分、前記到着判定距離を短くすることを特徴とする請求項10に記載のナビゲーション装置。
【請求項12】
前記変更手段は、前記取得手段によって取得された前記入力地点の位置までの所要時間が所定範囲内である場合に、前記到着判定距離を所定量短くすることを特徴とする請求項10または11に記載のナビゲーション装置。
【請求項13】
前記到着判定距離の変更量の入力を受け付ける受付手段をさらに備え、
前記変更手段は、前記受付手段が受け付けた距離分、前記到着判定距離を短くすることを特徴とする請求項8または9に記載のナビゲーション装置。
【請求項14】
前記変更手段によって変更された前記到着判定距離を、当該到着判定距離を管理する情報管理サーバに送信する送信手段をさらに備えることを特徴とする請求項1〜13のいずれか一つに記載のナビゲーション装置。
【請求項15】
ナビゲーション装置における経路の誘導が完了する地点であるとともに、目的地としての地物周辺の所定の距離(以下、「到着判定距離」という)の情報を受信する受信手段と、
前記受信手段が受信した前記到着判定距離の情報を、前記地物ごとに集計する集計手段と、
前記集計手段によって集計された前記地物ごとの前記到着判定距離の情報を前記ナビゲーション装置に配信する配信手段と、
を備えることを特徴とする情報管理サーバ。
【請求項16】
目的地周辺の所定の距離(以下、「到着判定距離」という)に位置するまでの経路を誘導する誘導工程と、
前記誘導工程による誘導が完了する前に、または完了した後に、利用者から入力される所定の入力情報を検出する検出工程と、
前記検出工程により前記所定の入力情報が検出された場合、次回、前記誘導工程による当該目的地までの誘導がおこなわれる際に、前記到着判定距離を所定量変更する変更工程と、
を含むことを特徴とするナビゲーション方法。
【請求項17】
経路の誘導が完了する目的地としての地物周辺の所定の距離(以下、「到着判定距離」という)の情報を受信する受信工程と、
前記受信工程にて受信した前記到着判定距離の情報を、前記地物ごとに集計する集計工程と、
前記集計工程にて集計された前記地物ごとの前記到着判定距離の情報をナビゲーション装置に配信する配信工程と、
を含むことを特徴とする情報管理方法。
【請求項18】
請求項16に記載のナビゲーション方法をコンピュータに実行させることを特徴とするナビゲーションプログラム。
【請求項19】
請求項17に記載の情報管理方法をコンピュータに実行させることを特徴とする情報管理プログラム。
【請求項20】
請求項18または19に記載のプログラムを記録したことを特徴とするコンピュータに読み取り可能な記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2009−139282(P2009−139282A)
【公開日】平成21年6月25日(2009.6.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−317387(P2007−317387)
【出願日】平成19年12月7日(2007.12.7)
【出願人】(000005016)パイオニア株式会社 (3,620)
【Fターム(参考)】