ナビゲーション装置
【課題】手書き入力されたメモを地図上の特定の地点と関連付けて記憶するナビゲーション装置において、メモを関連付ける地点を自由に変更できるものを提供する。
【解決手段】メモアイコン30がユーザによってドラッグ操作されると、メモアイコン30のコピーであるメモアイコン31を作成し、そのメモアイコン31を地図画像上で移動させる。ユーザは、入力した手書きメモを貼り付けたい地点までメモアイコン31をドラッグしたら、そのドラッグ操作を行った指を表示モニタから離す。すると、指を離した位置にメモアイコン31が表示され、その地図画像上の位置に対応する地点に手書きメモが貼り付けられる。この貼り付け地点と関連付けて、手書きメモを記憶する。
【解決手段】メモアイコン30がユーザによってドラッグ操作されると、メモアイコン30のコピーであるメモアイコン31を作成し、そのメモアイコン31を地図画像上で移動させる。ユーザは、入力した手書きメモを貼り付けたい地点までメモアイコン31をドラッグしたら、そのドラッグ操作を行った指を表示モニタから離す。すると、指を離した位置にメモアイコン31が表示され、その地図画像上の位置に対応する地点に手書きメモが貼り付けられる。この貼り付け地点と関連付けて、手書きメモを記憶する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タッチパネル上に手書き入力された文字や図形等をメモとして記憶するナビゲーション装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ユーザによってタッチパネル上に手書き入力された文字や図形等をメモとして記憶し、そのメモを地図上の特定の地点に登録しておくことにより、メモと登録地点とを関連付けて記憶するナビゲーション装置が知られている(特許文献1)。
【0003】
【特許文献1】特開2003−166843号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示されるナビゲーション装置では、最初にメモを登録する地点を地図上でユーザに選択させ、その後にメモの内容をユーザに手書き入力させる。したがって、メモの登録地点を自由に変更できないという問題がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1の発明によるナビゲーション装置は、各種の画像を表示する画像表示手段と、画像表示手段に対するユーザのタッチ位置に基づいて、ユーザからのタッチパネル操作を検出するタッチパネル操作検出手段と、タッチパネル操作検出手段により検出されたタッチパネル操作におけるユーザのタッチ位置の軌跡に基づいて、ユーザから手書き入力されたメモ情報を取得するメモ取得手段と、メモ取得手段によって取得されたメモ情報を表すアイコンを、地図画像と共に画像表示手段に表示させるアイコン表示手段と、アイコン表示手段により画像表示手段に地図画像と共に表示されたアイコンを、タッチパネル操作検出手段により検出されたタッチパネル操作に応じて、地図画像上で移動させるアイコン移動手段と、アイコン移動手段によりアイコンが移動された地図画像上の位置に対応する地点をメモ貼り付け地点とし、そのメモ貼り付け地点とメモ情報とを関連付けて記憶するメモ記憶手段とを備えるものである。
請求項2の発明は、請求項1のナビゲーション装置において、アイコンを複製して複数のアイコンを作成するアイコン複製手段をさらに備え、アイコン移動手段は、アイコン複製手段により作成された複数のアイコンを地図画像上の異なる位置にそれぞれ移動させるものである。
請求項3の発明は、請求項1または2のナビゲーション装置において、自車位置を検出する自車位置検出手段と、自車位置検出手段により検出された自車位置とメモ貼り付け地点との位置関係に基づいて、メモ記憶手段によりそのメモ貼り付け地点と関連付けて記憶されたメモ情報を表示するか否かを判定する判定手段と、判定手段により表示すると判定されたメモ情報を画像表示手段に表示させるメモ表示手段とを備えるものである。
請求項4の発明は、請求項1または2のナビゲーション装置において、自車位置を検出する自車位置検出手段と、目的地を設定する目的地設定手段と、自車位置検出手段により検出された自車位置から、目的地設定手段により設定された目的地までの推奨経路を探索する経路探索手段と、経路探索手段により探索された推奨経路とメモ貼り付け地点との位置関係に基づいて、メモ記憶手段によりそのメモ貼り付け地点と関連付けて記憶されたメモ情報を表示するか否かを判定する判定手段と、判定手段により表示すると判定されたメモ情報を画像表示手段に表示させるメモ表示手段とを備えるものである。
請求項5の発明は、請求項3または4のナビゲーション装置において、メモ情報の表示期間を設定する表示期間設定手段をさらに備え、メモ表示手段は、判定手段により表示すると判定されたメモ情報のうち、表示期間設定手段により設定された表示期間に現在が含まれるメモ情報のみを画像表示手段に表示させるものである。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、手書き入力されたメモを地図上の特定の地点と関連付けて記憶するナビゲーション装置において、メモを関連付ける地点を自由に変更することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
本発明の一実施形態によるナビゲーション装置の構成を図1に示す。このナビゲーション装置は、車両に搭載されて使用され、タッチパネル上に手書き入力された文字や記号、図形などをメモ情報として記録するものである。図1に示すナビゲーション装置1は、制御回路11、ROM12、RAM13、現在地検出装置14、画像メモリ15、表示モニタ16、入力装置17、およびディスクドライブ18を有している。ディスクドライブ18には、地図データが記録されたDVD−ROM19が装填される。
【0008】
制御回路11は、マイクロプロセッサおよびその周辺回路からなり、RAM13を作業エリアとしてROM12に格納された制御プログラムを実行することにより、各種の処理や制御を行う。この制御回路11により、DVD−ROM19に記録された地図データに基づいて、たとえば道路地図の表示や目的地の設定、設定された目的地までの推奨経路の探索などが行われる。
【0009】
現在地検出装置14は、自車両の現在地を検出する装置であり、たとえば、自車両の進行方向を検出する振動ジャイロ14a、車速を検出する車速センサ14b、GPS衛星からのGPS信号を検出するGPSセンサ14c等からなる。ナビゲーション装置1は、この現在地検出装置14により検出された自車両の現在地に基づいて、推奨経路を探索するときの経路探索開始点を決定することができる。
【0010】
画像メモリ15は、表示モニタ16に表示するための画像データを一時的に格納する。この画像データは、道路地図を表示するための道路地図描画用データや各種の図形データ等からなり、制御回路11において、DVD−ROM19に記録されている地図データに基づいて作成される。この画像メモリ15に格納された画像データを用いて、表示モニタ16に道路地図画像など各種の画像が表示される。
【0011】
表示モニタ16にはタッチパネル16aが組み合わされており、ユーザの指などによって表示モニタ16上のいずれかの位置がタッチされると、そのタッチ位置を示す情報がタッチパネル16aから制御回路11へ出力される。このタッチ位置情報に基づいて、そのとき表示モニタ16に表示されていた画像のどの部分がタッチされたか制御回路11によって判断される。本実施形態のナビゲーション装置1は、このようなタッチパネル16aと制御回路11によって検出されるユーザからのタッチパネル操作に応じて、様々な処理が実行される。
【0012】
入力装置17は、ユーザからの様々な操作入力を受け付けるためのものであり、操作パネルやリモコンなどによって実現される。入力装置17により、たとえば、目的地とする施設を検索するための検索条件の入力、地図のスクロール方向の指示、地図縮尺の変更などの操作が行われる。なお、これらの操作は上記のタッチパネル操作によっても行うことができる。そのため、入力装置17は本実施形態のナビゲーション装置1において必須ではなく、備えられていなくてもよい。
【0013】
ディスクドライブ18は、装填されたDVD−ROM19より、道路地図を表示するための地図データを読み出す。この地図データには、目的地までのルート探索に用いられる経路計算データや、交差点名称および道路名称など、推奨経路に従って自車両を目的地まで誘導するために用いられる経路誘導データ、さらに道路を表す道路データなどが含まれている。また、河川や鉄道、地図上の各種施設等(ランドマーク)など、道路以外の地図形状を表す背景データなども地図データに含まれている。
【0014】
道路データにおいて、道路区間を表す最小単位はリンクと呼ばれており、各道路は複数のリンクによって構成されている。リンク同士を接続している点はノードと呼ばれ、このノードはそれぞれに位置情報(座標情報)を有している。このノードの位置情報によって、リンク形状、すなわち道路の形状が決定される。なお、ここではDVD−ROMを用いた例について説明しているが、DVD−ROM以外の他の記録メディア、たとえばCD−ROMやハードディスクなどより、地図データを読み出すこととしてもよい。
【0015】
入力装置17の操作やタッチパネル操作によってユーザから目的地が設定されると、ナビゲーション装置1は、現在地検出装置14により検出された現在地を経路探索開始点として、前述の経路計算データに基づいて所定のアルゴリズムの演算を行うことにより、現在地から目的地までのルート探索を行う。ルート探索の結果求められた推奨経路は、その表示形態、たとえば表示色などを変えることによって、他の道路とは区別して道路地図上に表される。これにより、ユーザは推奨経路を表示モニタ16に表示された道路地図上において認識することができる。また、この推奨経路に従って自車両が走行できるよう、ナビゲーション装置1は、ユーザに対して画像や音声などによる進行方向指示を行うことにより、自車両を誘導する。このように、道路地図を表示して推奨経路に従って自車両を目的地まで誘導することにより、目的地までのルート案内が行われる。
【0016】
本実施形態のナビゲーション装置1において表示モニタ16に表示される道路地図画像の例を図2に示す。この道路地図画像では、自車位置を示す自車位置マークが地図の中心に表示され、推奨経路が他の道路よりも太い線で表示されている。画面右端には符号21に示すメモ入力ボタンが表示されている。このメモ入力ボタン21がユーザによって押されると、手書きメモの入力画面が表示され、ナビゲーション装置1はユーザからの手書きメモの入力を受け付けるモードに移行する。
【0017】
図3は、図2のメモ入力ボタン21が押されたときに表示される手書きメモの入力画面の例である。この手書きメモ入力画面において、符号22に示す入力欄をユーザが指などによって表示モニタ16上でなぞると、そのタッチ位置の軌跡が手書きメモとしてナビゲーション装置1により取得され、さらにその手書きメモの内容がナビゲーション装置1に記憶される。これにより、ユーザは任意の文字や記号、図形などからなるメモ情報を手書き入力し、手書きメモとしてナビゲーション装置1に記憶させることができる。たとえば、図3のように手書き入力された「東名工事 8/4〜8/6まで 御殿場付近」の文字が、手書きメモとして記憶される。
【0018】
符号23、24、25および26にそれぞれ示す部分は、図3の手書きメモ入力画面、および図4〜6に示す各種の表示設定画面を相互に切り替えるためのタブである。このうち「入力」と書かれたタブ23は、他の画面から図3の手書きメモ入力画面へと切り替えるために用いられる。すなわち、以下に説明する図4、5または6のいずれかの画面が表示モニタ16に表示されているときにタブ23が押されると、図3の手書きメモ入力画面が表示される。
【0019】
「期間」と書かれたタブ24は、図4に示す表示期間設定画面への切り替えに用いられる。タブ24が押されると、図4のような画面が表示モニタ16に表示される。ユーザはこの表示期間設定画面により、手書きメモを表示する期間を設定することができる。たとえば、図4に示すように「今日から1ヶ月」と書かれたマークがユーザのタッチパネル操作によって選択されると、手書きメモの入力日から1ヶ月の間、後で説明する表示条件を満たしたときに、その手書きメモの内容が自動的に表示される。なお、「詳細設定」と書かれた部分が選択された場合は、日付を指定するなどしてさらに細かい表示期間を設定するための画面が表示される。
【0020】
「トリガ」と書かれたタブ25は、図5に示す表示トリガ設定画面への切り替えに用いられる。タブ25が押されると、図5のような画面が表示モニタ16に表示される。ユーザはこの表示トリガ設定画面により、手書きメモを表示する条件を設定することができる。たとえば、図5に示すように「現在地から」と書かれたマークと「500m」と書かれたマークがユーザのタッチパネル操作によって選択されると、手書きメモが貼り付けられた地点から500m以内に自車位置が近づいたときに、その手書きメモの内容が自動的に表示される。また、「現在地から」と書かれたマークではなく「推奨経路から」と書かれたマークが選択された場合は、手書きメモが貼り付けられた地点から500m以内に推奨経路が近づいたときに、その手書きメモの内容が自動的に表示される。なお、地図上に手書きメモを貼り付ける方法については、後で説明する。
【0021】
「音」と書かれたタブ26は、図6に示す表示音設定画面への切り替えに用いられる。タブ26が押されると、図6のような画面が表示モニタ16に表示される。ユーザはこの表示音設定画面により、手書きメモを表示するときの音の有無を設定することができる。たとえば、図6に示すように「ON」と書かれたマークがユーザのタッチパネル操作によって選択されると、上記のようにして手書きメモの内容を自動的に表示するときに所定の音声が出力される。一方、「OFF」と書かれたマークが選択されたときには、このような音声の出力は行われない。
【0022】
図3〜6のいずれかの画面において終了ボタン27が押されると、手書きメモの入力が終了する。このとき、図3において入力された手書きメモの内容と、図4〜6においてそれぞれ設定された各種の設定条件の内容とが、ナビゲーション装置1によって一時的に記憶される。
【0023】
上記のようにして手書きメモの入力が終了したら、次に図7に示すメモ貼り付け画面が表示モニタ16に表示される。このメモ貼り付け画面では、入力された手書きメモを表すメモアイコン30が地図画像と共に表示される。メモアイコン30をユーザが指などによってタッチし、タッチしたままの状態で表示モニタ16上を移動する(ドラッグ)と、メモアイコン30のコピーが作成され、その指等の動きに合わせて、作成されたメモアイコン30のコピーが地図画像上を移動する。これにより、入力した手書きメモを地図上の任意の地点に貼り付けることができる。
【0024】
以上説明したようにメモアイコン30のコピーを作成して移動することで手書きメモを貼り付ける様子を図8および図9に示す。メモアイコン30がユーザのタッチパネル操作によってドラッグされると、図8のようにメモアイコン30のコピーであるメモアイコン31が作成され、そのメモアイコン31が地図画像上を移動する。ユーザは、入力した手書きメモを貼り付けたい地点までメモアイコン31をドラッグしたら、そのドラッグ操作を行った指を表示モニタ16から離す。すると、指を離した位置にメモアイコン31が表示され、その地図画像上の位置に対応する地点に手書きメモが貼り付けられる。このメモ貼り付け地点から図5の表示トリガ設定画面によって設定された距離内に自車位置や推奨経路が近づくと、貼り付けられた手書きメモの内容、すなわち図3に示す手書きの文字が自動的に表示される。
【0025】
他の地点にも手書きメモを貼り付ける場合は、図8と同様にメモアイコン30をドラッグすることにより、さらに別のメモアイコン32がメモアイコン30のコピーとして図9のように作成されて画面上を移動し、ユーザが指を離した地点に貼り付けられる。これと同様の操作を繰り返すことにより、ユーザは手書きメモを任意の地点に任意の数だけ貼り付けることができる。このように本実施形態のナビゲーション装置1では、ユーザが入力した手書きメモを表すメモアイコンを複製して複数のメモアイコンを作成し、その複数のメモアイコンを地図画像上の異なる位置にそれぞれ移動させることにより、入力した手書きメモを複数の地点に貼り付けることができる。
【0026】
なお、図7〜9に示す画面には、位置確定ボタン41、場所検索ボタン42およびジャンル指定ボタン43が表示されている。位置確定ボタン41がユーザのタッチパネル操作によって押されると、上記のようにしてそれまでに決定されたメモ貼り付け地点が確定され、図10に示すような手書きメモ貼り付け後の道路地図画像を表示するモードへと移行する。このとき表示される道路地図には、図8および9で説明したようにして貼り付けられたメモアイコン31および32が表示されている。
【0027】
場所検索ボタン42は、手書きメモを貼り付ける場所を検索するためのボタンである。この場所検索ボタン42がユーザのタッチパネル操作によって押されると、検索条件を入力する画面が表示される。その入力画面において住所や地名、施設名などの検索条件が入力されることにより、該当する場所が検索されてその付近の地図が表示される。このようにして表示された地図上の任意の地点に、ユーザは上記のような方法を用いて手書きメモを貼り付けることができる。
【0028】
ジャンル指定ボタン43は、指定されたジャンルの施設に手書きメモを貼り付けるためのボタンである。このジャンル指定ボタン43がユーザのタッチパネル操作によって押されると、施設ジャンルを指定する画面が表示される。そのジャンル指定画面においていずれかの施設ジャンルが指定されることにより、該当する施設が検索され、その施設に対してそれぞれに手書きメモが貼り付けられる。このとき、前述したようなメモアイコンを移動するためのドラッグ操作は不要である。なお、検索された施設の中から手書きメモを貼り付ける対象とする施設をさらに絞り込むようにしてもよい。たとえば、自車位置から所定距離内にある施設や、ユーザによって選択された施設などを、手書きメモの貼り付け対象として絞り込むことができる。
【0029】
以上説明したようにして、手書きメモがユーザのタッチパネル操作によって入力され、地図上の任意の地点に貼り付けられる。このとき制御回路11において実行される処理のフローチャートを図11に示す。ステップS10では、図2のメモ入力ボタン21が押されたか否かを判定する。押された場合には、次のステップS20へ進む。
【0030】
ステップS20では、図3の手書きメモ入力画面を表示モニタ16に表示する。この手書きメモ入力画面において、文字、記号、図形などによって表されたメモ情報がユーザからタッチパネル操作によって手書き入力される。次のステップS30では、タブ23〜26のいずれかが押されたか否かを判定する。いずれかのタブが押された場合はステップS40へ進み、ステップS40において、押されたタブに応じて表示画面を切り替える。これにより、図3の手書きメモ入力画面、図4の表示期間設定画面、図5の表示トリガ設定画面または図6の表示音設定画面のいずれかが表示される。なお、図4〜6の表示設定画面では、前述したように手書きメモの表示期間、表示条件または表示音の有無がそれぞれ設定される。ステップS40を実行して表示画面を切り替えたら、次のステップS50へ進む。一方、ステップS30においていずれのタブも押されなかった場合は、ステップS40を実行せずにステップS50へ進む。
【0031】
ステップS50では、その時点で表示モニタ16に表示されている図3〜6のいずれかの画面において、終了ボタン27が押されたか否かを判定する。終了ボタン27が押された場合は、次のステップS60へ進む。終了ボタン27が押されなかった場合はステップS30へ戻り、上記のような手書きメモの入力処理を続ける。
【0032】
ステップS60では、図3の手書きメモ入力画面において手書き入力されたメモ情報を手書きメモとして取得し、一時的に記憶する。次のステップS70では、図7のメモ貼り付け画面を表示モニタ16に表示する。このメモ貼り付け画面において、地図画像と共にメモアイコン30が表示される。
【0033】
ステップS80では、ステップS70で表示されたメモアイコンに対してユーザによるドラッグ操作が行われたか否かを判定する。ユーザからのタッチパネル操作においてドラッグ操作が行われた場合は、図8および9で説明したように、そのドラッグ操作に応じて、ステップS90においてメモアイコン30を複製し、次のステップS91において複製されたメモアイコンを地図画像上で移動する。こうしてメモアイコンが移動された地図画像上の位置に対応する地点が、メモ貼り付け地点とされる。ステップS91を実行したら、ステップS100へ進む。一方、ステップS80においてドラッグ操作が行われなかった場合は、ステップS90およびS91を実行せずにステップS100へ進む。
【0034】
ステップS100では、地図の表示範囲が変更されたか否かを判定する。この地図表示範囲の変更は、地図のスクロールまたは地図縮尺の変更によって行われる。これらによって地図の表示範囲が変更された場合はステップS110へ進み、変更後の表示範囲の地図をステップS110において表示した後、ステップS120へ進む。一方、ステップS100において地図の表示範囲が変更されなかった場合は、ステップS110を実行せずにステップS120へ進む。
【0035】
ステップS120では、図7〜9の場所検索ボタン42が押されたか否かを判定する。場所検索ボタンが押された場合はステップS130へ進み、図12のフローチャートに示すメモ貼付場所検索処理をステップS130において実行する。なお、図12のフローチャートの内容については後で説明する。ステップS130を実行したら、次のステップS140へ進む。一方、ステップS120において場所検索ボタンが押されなかった場合は、ステップS130を実行せずにステップS140へ進む。
【0036】
ステップS140では、図7〜9のジャンル指定ボタン43が押されたか否かを判定する。ジャンル指定ボタンが押された場合はステップS150へ進み、図13のフローチャートに示すメモ貼付ジャンル指定処理をステップS150において実行する。なお、図13のフローチャートの内容については後で説明する。ステップS150を実行したら、次のステップS160へ進む。一方、ステップS140においてジャンル指定ボタンが押されなかった場合は、ステップS150を実行せずにステップS160へ進む。
【0037】
ステップS160では、図7〜9の位置確定ボタン41が押されたか否かを判定する。位置確定ボタンが押された場合はステップS170へ進み、ステップS170において、上記のようにして決定されたメモ貼り付け地点と手書きメモとを関連付ける。次のステップS180では、ステップS170の結果を用いて、メモ貼り付け地点と手書きメモとを関連付けて記憶する。このとき、図4〜6の各表示設定画面において設定された表示期間、表示条件、表示音の有無などの設定条件も、手書きメモと合わせて記憶される。なお、ステップS180においてメモ貼り付け地点と手書きメモとを関連付けて記憶するために、たとえば書き換え可能なROM12にそれらの内容を表したデータが記録される。
【0038】
ステップS180を実行したら図11のフローチャートを終了する。その後は、図10のような手書きメモ貼り付け後の地図画面が表示モニタ16に表示される。一方、ステップS160において位置確定ボタンが押されなかった場合は、ステップS80へ戻って上記の各ステップで説明した処理を繰り返すことにより、手書きメモの貼り付け処理を続ける。
【0039】
次に、図12に示すメモ貼付場所検索処理について説明する。ステップS131では、検索条件の設定を行う。このステップS131において、検索条件として住所や地名、施設名などが入力されると、次のステップS132では、その検索条件に該当する場所が検索される。次のステップS133では、ステップS132で検索された場所の付近の地図画像を表示モニタ16に表示する。この地図画像に対して図11のステップS90およびS91の処理が実行されることにより、ユーザのドラッグ操作に応じて地図画像上の任意の位置にメモアイコンが移動される。その結果、メモアイコンが移動された地図画像上の位置に対応する地点が、メモ貼り付け地点とされる。ステップS133を実行したら、図12のフローチャートを終了して図11に戻り、ステップS130の次のステップS140へ進む。
【0040】
次に、図13に示すメモ貼付ジャンル指定処理について説明する。ステップS151では、施設ジャンルの指定を行う。このステップS151において施設ジャンルが指定されると、次のステップS152では、その施設ジャンルに該当する施設が検索される。たとえば、ステップS151において「CD、レコード店」の施設ジャンルが指定された場合には、ステップS152において、CD店やレコード店に該当する施設が検索される。なお、このとき特定の条件を満たす施設、たとえば自車位置から所定距離内にある施設のみを検索対象としてもよい。
【0041】
ステップS153では、ステップS152において検索された施設をメモ貼り付け地点として、その施設に対して図11のステップS70で表示されたメモアイコンのコピーを貼り付ける。複数の施設が検索された場合は、その各施設をそれぞれメモ貼り付け地点としてメモアイコンのコピーを貼り付ける。なお、検索された施設のうちユーザによって選択された施設のみを対象としてメモアイコンを貼り付けてもよい。ステップS153を実行したら、図13のフローチャートを終了して図11に戻り、ステップS150の次のステップS160へ進む。
【0042】
以上説明したようにして、タッチパネル操作により入力された手書きメモをナビゲーション装置1において記憶するとともに、記憶された手書きメモを地図上の任意の地点に貼り付け、そのメモ貼り付け地点と手書きメモとを関連付ける。
【0043】
次に、図11のフローチャートにより記憶された手書きメモをナビゲーション装置1において自動的に表示するときに、制御回路11によって実行される処理のフローチャートを図14に示す。ステップS200では、図11のフローチャートにおいて設定されたメモ貼り付け地点のいずれかを選択する。なお、ここで選択されるメモ貼り付け地点には、ユーザから入力された手書きメモのいずれかが関連付けられている。
【0044】
ステップS210では、ステップS200で選択されたメモ貼り付け地点について、現在の状況が設定された表示条件を満たすか否かを判定する。この表示条件は、図11のフローチャートのステップS40において切り替えられた後の表示画面のうち、図5の表示トリガ設定画面において設定されるものである。当該メモ貼り付け地点が現在地から所定距離以内であるか、または当該メモ貼り付け地点が推奨経路から所定距離以内であることが、表示条件として設定されている。表示条件を満たす場合はステップS220へ進み、表示条件を満たさない場合は図14のフローチャートを終了する。このようにステップS210では、自車位置または推奨経路とメモ貼り付け地点との位置関係に基づいて、手書きメモを表示するか否かが判定される。
【0045】
ステップS220では、現在が設定された表示期間内であるか否かを判定する。この表示条件は、図11のフローチャートのステップS40において切り替えられた後の表示画面のうち、図4の表示期間設定画面において設定されるものである。表示期間内である場合はステップS230へ進み、表示期間内でない場合は図14のフローチャートを終了する。このステップS220が実行されることにより、ステップS210で表示条件を満たしており表示すると判定された手書きメモのうち、設定された表示期間内に現在が含まれる手書きメモのみが表示される。
【0046】
ステップS230では、表示音ありに設定されているか否かを判定する。この表示音の有無は、図11のフローチャートのステップS40において切り替えられた後の表示画面のうち、図6の表示音設定画面において設定されるものである。表示音ありに設定されている場合はステップS240へ進み、所定の表示音をステップS240において出力した後に、ステップS250へ進む。一方、表示音なしに設定されている場合は、ステップS240を実行せずにステップS250へ進む。
【0047】
ステップS250では、ステップS200で選択したメモ貼り付け地点に関連付けられて記憶された手書きメモを表示モニタ16に表示する。ただし、既にその手書きメモが表示されている場合には表示しない。なお、複数の手書きメモが表示される場合は、その複数の手書きメモを縮小して並べて表示してもよいし、ユーザにどの手書きメモを表示させるか選択させてもよい。
【0048】
ステップS260では、全てのメモ貼り付け地点をステップS200において選択したか否か判定する。まだ選択していないメモ貼り付け地点がある場合はステップS200へ戻り、その未選択のメモ貼り付け地点のうちいずれかをステップS200において選択した後、上記の処理ステップを繰り返す。全てのメモ貼り付け地点を選択済みである場合は、図14のフローチャートを終了する。以上説明したようにして、記憶された手書きメモが表示される。
【0049】
以上説明した実施の形態によれば、次の作用効果が得られる。
(1)ユーザからのタッチパネル操作におけるタッチ位置の軌跡に基づいて、ユーザから手書き入力されたメモ情報を手書きメモとして取得し(ステップS60)、その手書きメモを表すメモアイコンを地図画像と共に表示モニタ16に表示する(ステップS70)。このメモアイコンを、ユーザからのタッチパネル操作におけるドラッグ操作に応じて地図画像上で移動させ(ステップS91)、移動された地図画像上の位置に対応する地点をメモ貼り付け地点として、そのメモ貼り付け地点と手書きメモとを関連付けて記憶する(ステップS170、S180)こととした。このようにしたので、手書きメモを入力した後でも、その手書きメモを登録する地点を自由に変更できる。
【0050】
(2)メモアイコンを複製して複数のアイコンを作成し(ステップS90)、その複数のアイコンをステップS91において地図画像上の異なる位置にそれぞれ移動させることとした。このようにしたので、入力した手書きメモを複数の地点に貼り付けて登録することができる。
【0051】
(3)自車位置または推奨経路とメモ貼り付け地点との位置関係に基づいて、手書きメモを表示するか否かを判定し(ステップS210)、表示すると判定された手書きメモを表示モニタ16に表示する(ステップS250)こととした。このようにしたので、様々な地点に登録した手書きメモの中で必要なものを自動的に表示することができる。
【0052】
(4)ステップS40において表示画面を図4の表示期間設定画面に切り替え、この表示期間設定画面において手書きメモの表示期間を設定する。そして、ステップS210において表示すると判定された手書きメモのうち、設定された表示期間に現在が含まれる手書きメモのみを表示モニタ16に表示することとした(ステップS220、S250)。このようにしたので、設定した表示期間内の手書きメモのみを自動的に表示し、不要な表示期間外の手書きメモを表示しないようにすることができる。
【0053】
なお、上記の実施の形態では、ユーザから手書き入力された文字や記号、図形などをそのまま手書きメモとして取得する例を説明したが、手書き入力された文字等に対して文字認識などの処理を行うことにより、テキストデータとしてメモ情報を取得してもよい。本発明では、タッチパネル操作におけるユーザのタッチ位置の軌跡に基づいてユーザから手書き入力されたメモ情報を取得する限り、どのような方法でメモ情報を取得してもよい。なお、上記のような方法でメモ情報を取得した場合は、さらに手書きメモの表示条件や表示期間、表示音の有無を文字等によってユーザに入力させ、入力された文字等を認識することにより、これらの内容を設定することもできる。
【0054】
また、上記の実施の形態では、ユーザから手書き入力されたメモ情報を手書きメモとして取得し、その手書きメモをアイコン化して任意の地点に貼り付けることにより、その貼り付け地点とメモ情報とを関連付ける例を説明したが、こうした手書きメモ以外についても本発明を適用することができる。たとえば、携帯電話から送信されたメールや写真画像などの情報をナビゲーション装置により取得し、その情報をアイコン化して任意の地点に貼り付けることとしてもよい。さらに、GPS(Global Positioning System)受信機を備えた携帯電話を用いる場合には、その携帯電話において受信されたGPS信号によって検出された位置情報を上記のメールや写真画像などと共にナビゲーション装置へ送信することにより、その位置情報によって示される地点とメールや写真画像などの情報とを自動的に関連付けてもよい。以上説明した例の他にも、様々な情報について本発明を適用することができる。
【0055】
以上説明した実施の形態や各種の変形例はあくまで一例であり、発明の特徴が損なわれない限り、本発明はこれらの内容に限定されない。
【0056】
上記の実施の形態では、画像表示手段を表示モニタ16、タッチパネル操作検出手段をタッチパネル16aと制御回路11、自車位置検出手段を現在地検出装置14によってそれぞれ実現し、その他の各手段を制御回路11の処理によって実現している。具体的には、表示期間設定手段を図11のステップS40、メモ取得手段をステップS60、アイコン表示手段をステップS70、アイコン複製手段をステップS90、アイコン移動手段をステップS91、メモ記憶手段をステップS170およびS180によってそれぞれ実現し、判定手段を図14のステップS210、メモ表示手段をステップS220およびS250によってそれぞれ実現している。なお、以上の説明はあくまで一例であり、発明を解釈する際、上記の実施形態の記載事項と特許請求の範囲の記載事項の対応関係には何ら限定も拘束もされない。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1】本発明の一実施形態によるナビゲーション装置の構成を示すブロック図である。
【図2】道路地図画像の例を示す図である。
【図3】手書きメモの入力画面を示す図である。
【図4】表示期間設定画面を示す図である。
【図5】表示トリガ設定画面を示す図である。
【図6】表示音設定画面を示す図である。
【図7】メモ貼り付け画面を示す図である。
【図8】手書きメモを貼り付ける様子を示す図である。
【図9】同じく手書きメモを貼り付ける様子を示す図である。
【図10】手書きメモ貼り付け後の道路地図画像の例を示す図である。
【図11】手書きメモを入力して地図上の任意の地点に張り付けるときに実行される処理のフローチャートである。
【図12】メモ貼付場所検索処理のフローチャートである。
【図13】メモ貼付ジャンル指定処理のフローチャートである。
【図14】手書きメモをナビゲーション装置において自動的に表示するときに実行される処理のフローチャートである。
【符号の説明】
【0058】
1 ナビゲーション装置
11 制御回路
12 ROM
13 RAM
14 現在地検出装置
15 画像メモリ
16 表示モニタ
17 入力装置
18 ディスクドライブ
19 DVD−ROM
【技術分野】
【0001】
本発明は、タッチパネル上に手書き入力された文字や図形等をメモとして記憶するナビゲーション装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ユーザによってタッチパネル上に手書き入力された文字や図形等をメモとして記憶し、そのメモを地図上の特定の地点に登録しておくことにより、メモと登録地点とを関連付けて記憶するナビゲーション装置が知られている(特許文献1)。
【0003】
【特許文献1】特開2003−166843号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示されるナビゲーション装置では、最初にメモを登録する地点を地図上でユーザに選択させ、その後にメモの内容をユーザに手書き入力させる。したがって、メモの登録地点を自由に変更できないという問題がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1の発明によるナビゲーション装置は、各種の画像を表示する画像表示手段と、画像表示手段に対するユーザのタッチ位置に基づいて、ユーザからのタッチパネル操作を検出するタッチパネル操作検出手段と、タッチパネル操作検出手段により検出されたタッチパネル操作におけるユーザのタッチ位置の軌跡に基づいて、ユーザから手書き入力されたメモ情報を取得するメモ取得手段と、メモ取得手段によって取得されたメモ情報を表すアイコンを、地図画像と共に画像表示手段に表示させるアイコン表示手段と、アイコン表示手段により画像表示手段に地図画像と共に表示されたアイコンを、タッチパネル操作検出手段により検出されたタッチパネル操作に応じて、地図画像上で移動させるアイコン移動手段と、アイコン移動手段によりアイコンが移動された地図画像上の位置に対応する地点をメモ貼り付け地点とし、そのメモ貼り付け地点とメモ情報とを関連付けて記憶するメモ記憶手段とを備えるものである。
請求項2の発明は、請求項1のナビゲーション装置において、アイコンを複製して複数のアイコンを作成するアイコン複製手段をさらに備え、アイコン移動手段は、アイコン複製手段により作成された複数のアイコンを地図画像上の異なる位置にそれぞれ移動させるものである。
請求項3の発明は、請求項1または2のナビゲーション装置において、自車位置を検出する自車位置検出手段と、自車位置検出手段により検出された自車位置とメモ貼り付け地点との位置関係に基づいて、メモ記憶手段によりそのメモ貼り付け地点と関連付けて記憶されたメモ情報を表示するか否かを判定する判定手段と、判定手段により表示すると判定されたメモ情報を画像表示手段に表示させるメモ表示手段とを備えるものである。
請求項4の発明は、請求項1または2のナビゲーション装置において、自車位置を検出する自車位置検出手段と、目的地を設定する目的地設定手段と、自車位置検出手段により検出された自車位置から、目的地設定手段により設定された目的地までの推奨経路を探索する経路探索手段と、経路探索手段により探索された推奨経路とメモ貼り付け地点との位置関係に基づいて、メモ記憶手段によりそのメモ貼り付け地点と関連付けて記憶されたメモ情報を表示するか否かを判定する判定手段と、判定手段により表示すると判定されたメモ情報を画像表示手段に表示させるメモ表示手段とを備えるものである。
請求項5の発明は、請求項3または4のナビゲーション装置において、メモ情報の表示期間を設定する表示期間設定手段をさらに備え、メモ表示手段は、判定手段により表示すると判定されたメモ情報のうち、表示期間設定手段により設定された表示期間に現在が含まれるメモ情報のみを画像表示手段に表示させるものである。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、手書き入力されたメモを地図上の特定の地点と関連付けて記憶するナビゲーション装置において、メモを関連付ける地点を自由に変更することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
本発明の一実施形態によるナビゲーション装置の構成を図1に示す。このナビゲーション装置は、車両に搭載されて使用され、タッチパネル上に手書き入力された文字や記号、図形などをメモ情報として記録するものである。図1に示すナビゲーション装置1は、制御回路11、ROM12、RAM13、現在地検出装置14、画像メモリ15、表示モニタ16、入力装置17、およびディスクドライブ18を有している。ディスクドライブ18には、地図データが記録されたDVD−ROM19が装填される。
【0008】
制御回路11は、マイクロプロセッサおよびその周辺回路からなり、RAM13を作業エリアとしてROM12に格納された制御プログラムを実行することにより、各種の処理や制御を行う。この制御回路11により、DVD−ROM19に記録された地図データに基づいて、たとえば道路地図の表示や目的地の設定、設定された目的地までの推奨経路の探索などが行われる。
【0009】
現在地検出装置14は、自車両の現在地を検出する装置であり、たとえば、自車両の進行方向を検出する振動ジャイロ14a、車速を検出する車速センサ14b、GPS衛星からのGPS信号を検出するGPSセンサ14c等からなる。ナビゲーション装置1は、この現在地検出装置14により検出された自車両の現在地に基づいて、推奨経路を探索するときの経路探索開始点を決定することができる。
【0010】
画像メモリ15は、表示モニタ16に表示するための画像データを一時的に格納する。この画像データは、道路地図を表示するための道路地図描画用データや各種の図形データ等からなり、制御回路11において、DVD−ROM19に記録されている地図データに基づいて作成される。この画像メモリ15に格納された画像データを用いて、表示モニタ16に道路地図画像など各種の画像が表示される。
【0011】
表示モニタ16にはタッチパネル16aが組み合わされており、ユーザの指などによって表示モニタ16上のいずれかの位置がタッチされると、そのタッチ位置を示す情報がタッチパネル16aから制御回路11へ出力される。このタッチ位置情報に基づいて、そのとき表示モニタ16に表示されていた画像のどの部分がタッチされたか制御回路11によって判断される。本実施形態のナビゲーション装置1は、このようなタッチパネル16aと制御回路11によって検出されるユーザからのタッチパネル操作に応じて、様々な処理が実行される。
【0012】
入力装置17は、ユーザからの様々な操作入力を受け付けるためのものであり、操作パネルやリモコンなどによって実現される。入力装置17により、たとえば、目的地とする施設を検索するための検索条件の入力、地図のスクロール方向の指示、地図縮尺の変更などの操作が行われる。なお、これらの操作は上記のタッチパネル操作によっても行うことができる。そのため、入力装置17は本実施形態のナビゲーション装置1において必須ではなく、備えられていなくてもよい。
【0013】
ディスクドライブ18は、装填されたDVD−ROM19より、道路地図を表示するための地図データを読み出す。この地図データには、目的地までのルート探索に用いられる経路計算データや、交差点名称および道路名称など、推奨経路に従って自車両を目的地まで誘導するために用いられる経路誘導データ、さらに道路を表す道路データなどが含まれている。また、河川や鉄道、地図上の各種施設等(ランドマーク)など、道路以外の地図形状を表す背景データなども地図データに含まれている。
【0014】
道路データにおいて、道路区間を表す最小単位はリンクと呼ばれており、各道路は複数のリンクによって構成されている。リンク同士を接続している点はノードと呼ばれ、このノードはそれぞれに位置情報(座標情報)を有している。このノードの位置情報によって、リンク形状、すなわち道路の形状が決定される。なお、ここではDVD−ROMを用いた例について説明しているが、DVD−ROM以外の他の記録メディア、たとえばCD−ROMやハードディスクなどより、地図データを読み出すこととしてもよい。
【0015】
入力装置17の操作やタッチパネル操作によってユーザから目的地が設定されると、ナビゲーション装置1は、現在地検出装置14により検出された現在地を経路探索開始点として、前述の経路計算データに基づいて所定のアルゴリズムの演算を行うことにより、現在地から目的地までのルート探索を行う。ルート探索の結果求められた推奨経路は、その表示形態、たとえば表示色などを変えることによって、他の道路とは区別して道路地図上に表される。これにより、ユーザは推奨経路を表示モニタ16に表示された道路地図上において認識することができる。また、この推奨経路に従って自車両が走行できるよう、ナビゲーション装置1は、ユーザに対して画像や音声などによる進行方向指示を行うことにより、自車両を誘導する。このように、道路地図を表示して推奨経路に従って自車両を目的地まで誘導することにより、目的地までのルート案内が行われる。
【0016】
本実施形態のナビゲーション装置1において表示モニタ16に表示される道路地図画像の例を図2に示す。この道路地図画像では、自車位置を示す自車位置マークが地図の中心に表示され、推奨経路が他の道路よりも太い線で表示されている。画面右端には符号21に示すメモ入力ボタンが表示されている。このメモ入力ボタン21がユーザによって押されると、手書きメモの入力画面が表示され、ナビゲーション装置1はユーザからの手書きメモの入力を受け付けるモードに移行する。
【0017】
図3は、図2のメモ入力ボタン21が押されたときに表示される手書きメモの入力画面の例である。この手書きメモ入力画面において、符号22に示す入力欄をユーザが指などによって表示モニタ16上でなぞると、そのタッチ位置の軌跡が手書きメモとしてナビゲーション装置1により取得され、さらにその手書きメモの内容がナビゲーション装置1に記憶される。これにより、ユーザは任意の文字や記号、図形などからなるメモ情報を手書き入力し、手書きメモとしてナビゲーション装置1に記憶させることができる。たとえば、図3のように手書き入力された「東名工事 8/4〜8/6まで 御殿場付近」の文字が、手書きメモとして記憶される。
【0018】
符号23、24、25および26にそれぞれ示す部分は、図3の手書きメモ入力画面、および図4〜6に示す各種の表示設定画面を相互に切り替えるためのタブである。このうち「入力」と書かれたタブ23は、他の画面から図3の手書きメモ入力画面へと切り替えるために用いられる。すなわち、以下に説明する図4、5または6のいずれかの画面が表示モニタ16に表示されているときにタブ23が押されると、図3の手書きメモ入力画面が表示される。
【0019】
「期間」と書かれたタブ24は、図4に示す表示期間設定画面への切り替えに用いられる。タブ24が押されると、図4のような画面が表示モニタ16に表示される。ユーザはこの表示期間設定画面により、手書きメモを表示する期間を設定することができる。たとえば、図4に示すように「今日から1ヶ月」と書かれたマークがユーザのタッチパネル操作によって選択されると、手書きメモの入力日から1ヶ月の間、後で説明する表示条件を満たしたときに、その手書きメモの内容が自動的に表示される。なお、「詳細設定」と書かれた部分が選択された場合は、日付を指定するなどしてさらに細かい表示期間を設定するための画面が表示される。
【0020】
「トリガ」と書かれたタブ25は、図5に示す表示トリガ設定画面への切り替えに用いられる。タブ25が押されると、図5のような画面が表示モニタ16に表示される。ユーザはこの表示トリガ設定画面により、手書きメモを表示する条件を設定することができる。たとえば、図5に示すように「現在地から」と書かれたマークと「500m」と書かれたマークがユーザのタッチパネル操作によって選択されると、手書きメモが貼り付けられた地点から500m以内に自車位置が近づいたときに、その手書きメモの内容が自動的に表示される。また、「現在地から」と書かれたマークではなく「推奨経路から」と書かれたマークが選択された場合は、手書きメモが貼り付けられた地点から500m以内に推奨経路が近づいたときに、その手書きメモの内容が自動的に表示される。なお、地図上に手書きメモを貼り付ける方法については、後で説明する。
【0021】
「音」と書かれたタブ26は、図6に示す表示音設定画面への切り替えに用いられる。タブ26が押されると、図6のような画面が表示モニタ16に表示される。ユーザはこの表示音設定画面により、手書きメモを表示するときの音の有無を設定することができる。たとえば、図6に示すように「ON」と書かれたマークがユーザのタッチパネル操作によって選択されると、上記のようにして手書きメモの内容を自動的に表示するときに所定の音声が出力される。一方、「OFF」と書かれたマークが選択されたときには、このような音声の出力は行われない。
【0022】
図3〜6のいずれかの画面において終了ボタン27が押されると、手書きメモの入力が終了する。このとき、図3において入力された手書きメモの内容と、図4〜6においてそれぞれ設定された各種の設定条件の内容とが、ナビゲーション装置1によって一時的に記憶される。
【0023】
上記のようにして手書きメモの入力が終了したら、次に図7に示すメモ貼り付け画面が表示モニタ16に表示される。このメモ貼り付け画面では、入力された手書きメモを表すメモアイコン30が地図画像と共に表示される。メモアイコン30をユーザが指などによってタッチし、タッチしたままの状態で表示モニタ16上を移動する(ドラッグ)と、メモアイコン30のコピーが作成され、その指等の動きに合わせて、作成されたメモアイコン30のコピーが地図画像上を移動する。これにより、入力した手書きメモを地図上の任意の地点に貼り付けることができる。
【0024】
以上説明したようにメモアイコン30のコピーを作成して移動することで手書きメモを貼り付ける様子を図8および図9に示す。メモアイコン30がユーザのタッチパネル操作によってドラッグされると、図8のようにメモアイコン30のコピーであるメモアイコン31が作成され、そのメモアイコン31が地図画像上を移動する。ユーザは、入力した手書きメモを貼り付けたい地点までメモアイコン31をドラッグしたら、そのドラッグ操作を行った指を表示モニタ16から離す。すると、指を離した位置にメモアイコン31が表示され、その地図画像上の位置に対応する地点に手書きメモが貼り付けられる。このメモ貼り付け地点から図5の表示トリガ設定画面によって設定された距離内に自車位置や推奨経路が近づくと、貼り付けられた手書きメモの内容、すなわち図3に示す手書きの文字が自動的に表示される。
【0025】
他の地点にも手書きメモを貼り付ける場合は、図8と同様にメモアイコン30をドラッグすることにより、さらに別のメモアイコン32がメモアイコン30のコピーとして図9のように作成されて画面上を移動し、ユーザが指を離した地点に貼り付けられる。これと同様の操作を繰り返すことにより、ユーザは手書きメモを任意の地点に任意の数だけ貼り付けることができる。このように本実施形態のナビゲーション装置1では、ユーザが入力した手書きメモを表すメモアイコンを複製して複数のメモアイコンを作成し、その複数のメモアイコンを地図画像上の異なる位置にそれぞれ移動させることにより、入力した手書きメモを複数の地点に貼り付けることができる。
【0026】
なお、図7〜9に示す画面には、位置確定ボタン41、場所検索ボタン42およびジャンル指定ボタン43が表示されている。位置確定ボタン41がユーザのタッチパネル操作によって押されると、上記のようにしてそれまでに決定されたメモ貼り付け地点が確定され、図10に示すような手書きメモ貼り付け後の道路地図画像を表示するモードへと移行する。このとき表示される道路地図には、図8および9で説明したようにして貼り付けられたメモアイコン31および32が表示されている。
【0027】
場所検索ボタン42は、手書きメモを貼り付ける場所を検索するためのボタンである。この場所検索ボタン42がユーザのタッチパネル操作によって押されると、検索条件を入力する画面が表示される。その入力画面において住所や地名、施設名などの検索条件が入力されることにより、該当する場所が検索されてその付近の地図が表示される。このようにして表示された地図上の任意の地点に、ユーザは上記のような方法を用いて手書きメモを貼り付けることができる。
【0028】
ジャンル指定ボタン43は、指定されたジャンルの施設に手書きメモを貼り付けるためのボタンである。このジャンル指定ボタン43がユーザのタッチパネル操作によって押されると、施設ジャンルを指定する画面が表示される。そのジャンル指定画面においていずれかの施設ジャンルが指定されることにより、該当する施設が検索され、その施設に対してそれぞれに手書きメモが貼り付けられる。このとき、前述したようなメモアイコンを移動するためのドラッグ操作は不要である。なお、検索された施設の中から手書きメモを貼り付ける対象とする施設をさらに絞り込むようにしてもよい。たとえば、自車位置から所定距離内にある施設や、ユーザによって選択された施設などを、手書きメモの貼り付け対象として絞り込むことができる。
【0029】
以上説明したようにして、手書きメモがユーザのタッチパネル操作によって入力され、地図上の任意の地点に貼り付けられる。このとき制御回路11において実行される処理のフローチャートを図11に示す。ステップS10では、図2のメモ入力ボタン21が押されたか否かを判定する。押された場合には、次のステップS20へ進む。
【0030】
ステップS20では、図3の手書きメモ入力画面を表示モニタ16に表示する。この手書きメモ入力画面において、文字、記号、図形などによって表されたメモ情報がユーザからタッチパネル操作によって手書き入力される。次のステップS30では、タブ23〜26のいずれかが押されたか否かを判定する。いずれかのタブが押された場合はステップS40へ進み、ステップS40において、押されたタブに応じて表示画面を切り替える。これにより、図3の手書きメモ入力画面、図4の表示期間設定画面、図5の表示トリガ設定画面または図6の表示音設定画面のいずれかが表示される。なお、図4〜6の表示設定画面では、前述したように手書きメモの表示期間、表示条件または表示音の有無がそれぞれ設定される。ステップS40を実行して表示画面を切り替えたら、次のステップS50へ進む。一方、ステップS30においていずれのタブも押されなかった場合は、ステップS40を実行せずにステップS50へ進む。
【0031】
ステップS50では、その時点で表示モニタ16に表示されている図3〜6のいずれかの画面において、終了ボタン27が押されたか否かを判定する。終了ボタン27が押された場合は、次のステップS60へ進む。終了ボタン27が押されなかった場合はステップS30へ戻り、上記のような手書きメモの入力処理を続ける。
【0032】
ステップS60では、図3の手書きメモ入力画面において手書き入力されたメモ情報を手書きメモとして取得し、一時的に記憶する。次のステップS70では、図7のメモ貼り付け画面を表示モニタ16に表示する。このメモ貼り付け画面において、地図画像と共にメモアイコン30が表示される。
【0033】
ステップS80では、ステップS70で表示されたメモアイコンに対してユーザによるドラッグ操作が行われたか否かを判定する。ユーザからのタッチパネル操作においてドラッグ操作が行われた場合は、図8および9で説明したように、そのドラッグ操作に応じて、ステップS90においてメモアイコン30を複製し、次のステップS91において複製されたメモアイコンを地図画像上で移動する。こうしてメモアイコンが移動された地図画像上の位置に対応する地点が、メモ貼り付け地点とされる。ステップS91を実行したら、ステップS100へ進む。一方、ステップS80においてドラッグ操作が行われなかった場合は、ステップS90およびS91を実行せずにステップS100へ進む。
【0034】
ステップS100では、地図の表示範囲が変更されたか否かを判定する。この地図表示範囲の変更は、地図のスクロールまたは地図縮尺の変更によって行われる。これらによって地図の表示範囲が変更された場合はステップS110へ進み、変更後の表示範囲の地図をステップS110において表示した後、ステップS120へ進む。一方、ステップS100において地図の表示範囲が変更されなかった場合は、ステップS110を実行せずにステップS120へ進む。
【0035】
ステップS120では、図7〜9の場所検索ボタン42が押されたか否かを判定する。場所検索ボタンが押された場合はステップS130へ進み、図12のフローチャートに示すメモ貼付場所検索処理をステップS130において実行する。なお、図12のフローチャートの内容については後で説明する。ステップS130を実行したら、次のステップS140へ進む。一方、ステップS120において場所検索ボタンが押されなかった場合は、ステップS130を実行せずにステップS140へ進む。
【0036】
ステップS140では、図7〜9のジャンル指定ボタン43が押されたか否かを判定する。ジャンル指定ボタンが押された場合はステップS150へ進み、図13のフローチャートに示すメモ貼付ジャンル指定処理をステップS150において実行する。なお、図13のフローチャートの内容については後で説明する。ステップS150を実行したら、次のステップS160へ進む。一方、ステップS140においてジャンル指定ボタンが押されなかった場合は、ステップS150を実行せずにステップS160へ進む。
【0037】
ステップS160では、図7〜9の位置確定ボタン41が押されたか否かを判定する。位置確定ボタンが押された場合はステップS170へ進み、ステップS170において、上記のようにして決定されたメモ貼り付け地点と手書きメモとを関連付ける。次のステップS180では、ステップS170の結果を用いて、メモ貼り付け地点と手書きメモとを関連付けて記憶する。このとき、図4〜6の各表示設定画面において設定された表示期間、表示条件、表示音の有無などの設定条件も、手書きメモと合わせて記憶される。なお、ステップS180においてメモ貼り付け地点と手書きメモとを関連付けて記憶するために、たとえば書き換え可能なROM12にそれらの内容を表したデータが記録される。
【0038】
ステップS180を実行したら図11のフローチャートを終了する。その後は、図10のような手書きメモ貼り付け後の地図画面が表示モニタ16に表示される。一方、ステップS160において位置確定ボタンが押されなかった場合は、ステップS80へ戻って上記の各ステップで説明した処理を繰り返すことにより、手書きメモの貼り付け処理を続ける。
【0039】
次に、図12に示すメモ貼付場所検索処理について説明する。ステップS131では、検索条件の設定を行う。このステップS131において、検索条件として住所や地名、施設名などが入力されると、次のステップS132では、その検索条件に該当する場所が検索される。次のステップS133では、ステップS132で検索された場所の付近の地図画像を表示モニタ16に表示する。この地図画像に対して図11のステップS90およびS91の処理が実行されることにより、ユーザのドラッグ操作に応じて地図画像上の任意の位置にメモアイコンが移動される。その結果、メモアイコンが移動された地図画像上の位置に対応する地点が、メモ貼り付け地点とされる。ステップS133を実行したら、図12のフローチャートを終了して図11に戻り、ステップS130の次のステップS140へ進む。
【0040】
次に、図13に示すメモ貼付ジャンル指定処理について説明する。ステップS151では、施設ジャンルの指定を行う。このステップS151において施設ジャンルが指定されると、次のステップS152では、その施設ジャンルに該当する施設が検索される。たとえば、ステップS151において「CD、レコード店」の施設ジャンルが指定された場合には、ステップS152において、CD店やレコード店に該当する施設が検索される。なお、このとき特定の条件を満たす施設、たとえば自車位置から所定距離内にある施設のみを検索対象としてもよい。
【0041】
ステップS153では、ステップS152において検索された施設をメモ貼り付け地点として、その施設に対して図11のステップS70で表示されたメモアイコンのコピーを貼り付ける。複数の施設が検索された場合は、その各施設をそれぞれメモ貼り付け地点としてメモアイコンのコピーを貼り付ける。なお、検索された施設のうちユーザによって選択された施設のみを対象としてメモアイコンを貼り付けてもよい。ステップS153を実行したら、図13のフローチャートを終了して図11に戻り、ステップS150の次のステップS160へ進む。
【0042】
以上説明したようにして、タッチパネル操作により入力された手書きメモをナビゲーション装置1において記憶するとともに、記憶された手書きメモを地図上の任意の地点に貼り付け、そのメモ貼り付け地点と手書きメモとを関連付ける。
【0043】
次に、図11のフローチャートにより記憶された手書きメモをナビゲーション装置1において自動的に表示するときに、制御回路11によって実行される処理のフローチャートを図14に示す。ステップS200では、図11のフローチャートにおいて設定されたメモ貼り付け地点のいずれかを選択する。なお、ここで選択されるメモ貼り付け地点には、ユーザから入力された手書きメモのいずれかが関連付けられている。
【0044】
ステップS210では、ステップS200で選択されたメモ貼り付け地点について、現在の状況が設定された表示条件を満たすか否かを判定する。この表示条件は、図11のフローチャートのステップS40において切り替えられた後の表示画面のうち、図5の表示トリガ設定画面において設定されるものである。当該メモ貼り付け地点が現在地から所定距離以内であるか、または当該メモ貼り付け地点が推奨経路から所定距離以内であることが、表示条件として設定されている。表示条件を満たす場合はステップS220へ進み、表示条件を満たさない場合は図14のフローチャートを終了する。このようにステップS210では、自車位置または推奨経路とメモ貼り付け地点との位置関係に基づいて、手書きメモを表示するか否かが判定される。
【0045】
ステップS220では、現在が設定された表示期間内であるか否かを判定する。この表示条件は、図11のフローチャートのステップS40において切り替えられた後の表示画面のうち、図4の表示期間設定画面において設定されるものである。表示期間内である場合はステップS230へ進み、表示期間内でない場合は図14のフローチャートを終了する。このステップS220が実行されることにより、ステップS210で表示条件を満たしており表示すると判定された手書きメモのうち、設定された表示期間内に現在が含まれる手書きメモのみが表示される。
【0046】
ステップS230では、表示音ありに設定されているか否かを判定する。この表示音の有無は、図11のフローチャートのステップS40において切り替えられた後の表示画面のうち、図6の表示音設定画面において設定されるものである。表示音ありに設定されている場合はステップS240へ進み、所定の表示音をステップS240において出力した後に、ステップS250へ進む。一方、表示音なしに設定されている場合は、ステップS240を実行せずにステップS250へ進む。
【0047】
ステップS250では、ステップS200で選択したメモ貼り付け地点に関連付けられて記憶された手書きメモを表示モニタ16に表示する。ただし、既にその手書きメモが表示されている場合には表示しない。なお、複数の手書きメモが表示される場合は、その複数の手書きメモを縮小して並べて表示してもよいし、ユーザにどの手書きメモを表示させるか選択させてもよい。
【0048】
ステップS260では、全てのメモ貼り付け地点をステップS200において選択したか否か判定する。まだ選択していないメモ貼り付け地点がある場合はステップS200へ戻り、その未選択のメモ貼り付け地点のうちいずれかをステップS200において選択した後、上記の処理ステップを繰り返す。全てのメモ貼り付け地点を選択済みである場合は、図14のフローチャートを終了する。以上説明したようにして、記憶された手書きメモが表示される。
【0049】
以上説明した実施の形態によれば、次の作用効果が得られる。
(1)ユーザからのタッチパネル操作におけるタッチ位置の軌跡に基づいて、ユーザから手書き入力されたメモ情報を手書きメモとして取得し(ステップS60)、その手書きメモを表すメモアイコンを地図画像と共に表示モニタ16に表示する(ステップS70)。このメモアイコンを、ユーザからのタッチパネル操作におけるドラッグ操作に応じて地図画像上で移動させ(ステップS91)、移動された地図画像上の位置に対応する地点をメモ貼り付け地点として、そのメモ貼り付け地点と手書きメモとを関連付けて記憶する(ステップS170、S180)こととした。このようにしたので、手書きメモを入力した後でも、その手書きメモを登録する地点を自由に変更できる。
【0050】
(2)メモアイコンを複製して複数のアイコンを作成し(ステップS90)、その複数のアイコンをステップS91において地図画像上の異なる位置にそれぞれ移動させることとした。このようにしたので、入力した手書きメモを複数の地点に貼り付けて登録することができる。
【0051】
(3)自車位置または推奨経路とメモ貼り付け地点との位置関係に基づいて、手書きメモを表示するか否かを判定し(ステップS210)、表示すると判定された手書きメモを表示モニタ16に表示する(ステップS250)こととした。このようにしたので、様々な地点に登録した手書きメモの中で必要なものを自動的に表示することができる。
【0052】
(4)ステップS40において表示画面を図4の表示期間設定画面に切り替え、この表示期間設定画面において手書きメモの表示期間を設定する。そして、ステップS210において表示すると判定された手書きメモのうち、設定された表示期間に現在が含まれる手書きメモのみを表示モニタ16に表示することとした(ステップS220、S250)。このようにしたので、設定した表示期間内の手書きメモのみを自動的に表示し、不要な表示期間外の手書きメモを表示しないようにすることができる。
【0053】
なお、上記の実施の形態では、ユーザから手書き入力された文字や記号、図形などをそのまま手書きメモとして取得する例を説明したが、手書き入力された文字等に対して文字認識などの処理を行うことにより、テキストデータとしてメモ情報を取得してもよい。本発明では、タッチパネル操作におけるユーザのタッチ位置の軌跡に基づいてユーザから手書き入力されたメモ情報を取得する限り、どのような方法でメモ情報を取得してもよい。なお、上記のような方法でメモ情報を取得した場合は、さらに手書きメモの表示条件や表示期間、表示音の有無を文字等によってユーザに入力させ、入力された文字等を認識することにより、これらの内容を設定することもできる。
【0054】
また、上記の実施の形態では、ユーザから手書き入力されたメモ情報を手書きメモとして取得し、その手書きメモをアイコン化して任意の地点に貼り付けることにより、その貼り付け地点とメモ情報とを関連付ける例を説明したが、こうした手書きメモ以外についても本発明を適用することができる。たとえば、携帯電話から送信されたメールや写真画像などの情報をナビゲーション装置により取得し、その情報をアイコン化して任意の地点に貼り付けることとしてもよい。さらに、GPS(Global Positioning System)受信機を備えた携帯電話を用いる場合には、その携帯電話において受信されたGPS信号によって検出された位置情報を上記のメールや写真画像などと共にナビゲーション装置へ送信することにより、その位置情報によって示される地点とメールや写真画像などの情報とを自動的に関連付けてもよい。以上説明した例の他にも、様々な情報について本発明を適用することができる。
【0055】
以上説明した実施の形態や各種の変形例はあくまで一例であり、発明の特徴が損なわれない限り、本発明はこれらの内容に限定されない。
【0056】
上記の実施の形態では、画像表示手段を表示モニタ16、タッチパネル操作検出手段をタッチパネル16aと制御回路11、自車位置検出手段を現在地検出装置14によってそれぞれ実現し、その他の各手段を制御回路11の処理によって実現している。具体的には、表示期間設定手段を図11のステップS40、メモ取得手段をステップS60、アイコン表示手段をステップS70、アイコン複製手段をステップS90、アイコン移動手段をステップS91、メモ記憶手段をステップS170およびS180によってそれぞれ実現し、判定手段を図14のステップS210、メモ表示手段をステップS220およびS250によってそれぞれ実現している。なお、以上の説明はあくまで一例であり、発明を解釈する際、上記の実施形態の記載事項と特許請求の範囲の記載事項の対応関係には何ら限定も拘束もされない。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1】本発明の一実施形態によるナビゲーション装置の構成を示すブロック図である。
【図2】道路地図画像の例を示す図である。
【図3】手書きメモの入力画面を示す図である。
【図4】表示期間設定画面を示す図である。
【図5】表示トリガ設定画面を示す図である。
【図6】表示音設定画面を示す図である。
【図7】メモ貼り付け画面を示す図である。
【図8】手書きメモを貼り付ける様子を示す図である。
【図9】同じく手書きメモを貼り付ける様子を示す図である。
【図10】手書きメモ貼り付け後の道路地図画像の例を示す図である。
【図11】手書きメモを入力して地図上の任意の地点に張り付けるときに実行される処理のフローチャートである。
【図12】メモ貼付場所検索処理のフローチャートである。
【図13】メモ貼付ジャンル指定処理のフローチャートである。
【図14】手書きメモをナビゲーション装置において自動的に表示するときに実行される処理のフローチャートである。
【符号の説明】
【0058】
1 ナビゲーション装置
11 制御回路
12 ROM
13 RAM
14 現在地検出装置
15 画像メモリ
16 表示モニタ
17 入力装置
18 ディスクドライブ
19 DVD−ROM
【特許請求の範囲】
【請求項1】
各種の画像を表示する画像表示手段と、
前記画像表示手段に対するユーザのタッチ位置に基づいて、ユーザからのタッチパネル操作を検出するタッチパネル操作検出手段と、
前記タッチパネル操作検出手段により検出されたタッチパネル操作におけるユーザのタッチ位置の軌跡に基づいて、ユーザから手書き入力されたメモ情報を取得するメモ取得手段と、
前記メモ取得手段によって取得されたメモ情報を表すアイコンを、地図画像と共に前記画像表示手段に表示させるアイコン表示手段と、
前記アイコン表示手段により前記画像表示手段に地図画像と共に表示されたアイコンを、前記タッチパネル操作検出手段により検出されたタッチパネル操作に応じて、前記地図画像上で移動させるアイコン移動手段と、
前記アイコン移動手段により前記アイコンが移動された地図画像上の位置に対応する地点をメモ貼り付け地点とし、そのメモ貼り付け地点と前記メモ情報とを関連付けて記憶するメモ記憶手段とを備えることを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項2】
請求項1のナビゲーション装置において、
前記アイコンを複製して複数のアイコンを作成するアイコン複製手段をさらに備え、
前記アイコン移動手段は、前記アイコン複製手段により作成された複数のアイコンを前記地図画像上の異なる位置にそれぞれ移動させることを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項3】
請求項1または2のナビゲーション装置において、
自車位置を検出する自車位置検出手段と、
前記自車位置検出手段により検出された自車位置と前記メモ貼り付け地点との位置関係に基づいて、前記メモ記憶手段によりそのメモ貼り付け地点と関連付けて記憶されたメモ情報を表示するか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段により表示すると判定されたメモ情報を前記画像表示手段に表示させるメモ表示手段とを備えることを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項4】
請求項1または2のナビゲーション装置において、
自車位置を検出する自車位置検出手段と、
目的地を設定する目的地設定手段と、
前記自車位置検出手段により検出された自車位置から、前記目的地設定手段により設定された目的地までの推奨経路を探索する経路探索手段と、
前記経路探索手段により探索された推奨経路と前記メモ貼り付け地点との位置関係に基づいて、前記メモ記憶手段によりそのメモ貼り付け地点と関連付けて記憶されたメモ情報を表示するか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段により表示すると判定されたメモ情報を前記画像表示手段に表示させるメモ表示手段とを備えることを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項5】
請求項3または4のナビゲーション装置において、
前記メモ情報の表示期間を設定する表示期間設定手段をさらに備え、
前記メモ表示手段は、前記判定手段により表示すると判定されたメモ情報のうち、前記表示期間設定手段により設定された表示期間に現在が含まれるメモ情報のみを前記画像表示手段に表示させることを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項1】
各種の画像を表示する画像表示手段と、
前記画像表示手段に対するユーザのタッチ位置に基づいて、ユーザからのタッチパネル操作を検出するタッチパネル操作検出手段と、
前記タッチパネル操作検出手段により検出されたタッチパネル操作におけるユーザのタッチ位置の軌跡に基づいて、ユーザから手書き入力されたメモ情報を取得するメモ取得手段と、
前記メモ取得手段によって取得されたメモ情報を表すアイコンを、地図画像と共に前記画像表示手段に表示させるアイコン表示手段と、
前記アイコン表示手段により前記画像表示手段に地図画像と共に表示されたアイコンを、前記タッチパネル操作検出手段により検出されたタッチパネル操作に応じて、前記地図画像上で移動させるアイコン移動手段と、
前記アイコン移動手段により前記アイコンが移動された地図画像上の位置に対応する地点をメモ貼り付け地点とし、そのメモ貼り付け地点と前記メモ情報とを関連付けて記憶するメモ記憶手段とを備えることを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項2】
請求項1のナビゲーション装置において、
前記アイコンを複製して複数のアイコンを作成するアイコン複製手段をさらに備え、
前記アイコン移動手段は、前記アイコン複製手段により作成された複数のアイコンを前記地図画像上の異なる位置にそれぞれ移動させることを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項3】
請求項1または2のナビゲーション装置において、
自車位置を検出する自車位置検出手段と、
前記自車位置検出手段により検出された自車位置と前記メモ貼り付け地点との位置関係に基づいて、前記メモ記憶手段によりそのメモ貼り付け地点と関連付けて記憶されたメモ情報を表示するか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段により表示すると判定されたメモ情報を前記画像表示手段に表示させるメモ表示手段とを備えることを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項4】
請求項1または2のナビゲーション装置において、
自車位置を検出する自車位置検出手段と、
目的地を設定する目的地設定手段と、
前記自車位置検出手段により検出された自車位置から、前記目的地設定手段により設定された目的地までの推奨経路を探索する経路探索手段と、
前記経路探索手段により探索された推奨経路と前記メモ貼り付け地点との位置関係に基づいて、前記メモ記憶手段によりそのメモ貼り付け地点と関連付けて記憶されたメモ情報を表示するか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段により表示すると判定されたメモ情報を前記画像表示手段に表示させるメモ表示手段とを備えることを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項5】
請求項3または4のナビゲーション装置において、
前記メモ情報の表示期間を設定する表示期間設定手段をさらに備え、
前記メモ表示手段は、前記判定手段により表示すると判定されたメモ情報のうち、前記表示期間設定手段により設定された表示期間に現在が含まれるメモ情報のみを前記画像表示手段に表示させることを特徴とするナビゲーション装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2007−132676(P2007−132676A)
【公開日】平成19年5月31日(2007.5.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−323109(P2005−323109)
【出願日】平成17年11月8日(2005.11.8)
【出願人】(591132335)株式会社ザナヴィ・インフォマティクス (745)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年5月31日(2007.5.31)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年11月8日(2005.11.8)
【出願人】(591132335)株式会社ザナヴィ・インフォマティクス (745)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]