説明

ナビゲーション装置

【課題】看板に関する看板データを施設データに関連付けて記憶させることによって、看板の案内に係る利便性を向上させたナビゲーション装置を提供する。
【解決手段】ナビゲーション装置で設定された目的地がある場合には目的地に設定された施設に関する施設データに関連付けられた看板の看板データを看板情報DB23より抽出し(S2)、自車の現在位置から所定範囲内において抽出された看板があると判定された場合(S3:YES)に当該看板の案内を行う(S4)ように構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、道路沿いに設けられるとともに施設を案内する看板についての案内を行うナビゲーション装置に関し、特に、看板に関する看板データを施設データに関連付けて記憶させることによって、看板の案内に係る利便性を向上させたナビゲーション装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、車両の走行案内を行い、運転者が所望の目的地に容易に到着できるようにしたナビゲーション装置が車両に搭載されていることが多い。ここで、ナビゲーション装置とは、GPS受信機などにより自車の現在位置を検出し、その現在位置に対応する地図データをDVD−ROMやHDDなどの記録媒体またはネットワークを通じて取得して液晶モニタに表示することが可能な装置である。更に、かかるナビゲーション装置には、所望する目的地を入力すると、自車位置から目的地までの最適経路を探索する経路探索機能を備えており、ディスプレイ画面に誘導経路を表示するとともに、交差点に接近した場合等には音声による案内をすることによって、運転者を所望の目的地まで確実に案内するようになっている。
【0003】
また、従来のナビゲーション装置には、自車の走行中においてデパートやガソリンスタンド等の施設を案内する看板をディスプレイに表示するものがある(例えば、特開2001−280980号公報)。そして、運転者は表示された看板を参照することにより、道路沿いに設置された看板が視認できない環境下においても、看板によって案内される施設の名称や位置を把握することが可能となる。
【特許文献1】特開2001−280980号公報(第5頁〜第7頁、図3、図4)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、前記した特許文献1に記載されたナビゲーション装置では、看板に関する看板データがナビゲーション装置の案内に用いられる他のデータと関連付けられていなかった。従って、看板の案内内容(例えば、看板に記載された施設の名称や施設の位置)についてナビゲーション装置を介して利用者に案内することは可能であるが、以下のような問題点があった。
第1に、案内走行中に目的地とした施設に関連する看板が存在したとしても、特にその看板に関する情報は案内に反映されなかった。
第2に、看板に記載された情報が利用者にとって有益な情報であったとしても、その看板の情報を更に利用した案内を行うことができなかった。
【0005】
本発明は前記従来における問題点を解消するためになされたものであり、看板に関する看板データを施設データに関連付けて記憶させることによって、例えば、案内走行中に目的地とした施設に関連する看板が存在した場合に、その看板に関する情報を案内に反映させることが可能となるとともに、看板に記載された情報が利用者にとって有益な情報である場合に、その看板の情報を更に利用した案内を行うことが可能となり、看板の案内に係る利便性を向上させたナビゲーション装置に関するものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記目的を達成するため本願の請求項1に係るナビゲーション装置(1)は、施設に関する施設データを記憶する施設データ記憶手段(12)と、道路沿いに設けられるとともに施設を案内する看板に関する看板データを記憶する看板データ記憶手段(12)と、前記看板データ記憶手段に看板データが記憶された看板についての案内を行う看板案内手段(15、16)と、を有するナビゲーション装置において、前記看板データは前記施設データ記憶手段に記憶された施設データに関連付けて前記看板データ記憶手段に記憶され、自車の現在位置を検出する自車位置検出手段(11)と、前記看板データ記憶手段に看板データが記憶された看板の内、自車の現在位置から所定範囲内に設けられた看板があるか否かを判定する看板判定手段(13)と、を有し、前記看板案内手段は前記看板判定手段によって看板があると判定された場合に当該看板の案内を行うことを特徴とする。
【0007】
また、請求項2に係るナビゲーション装置(1)は、請求項1に記載のナビゲーション装置であって、前記施設データ記憶手段(12)に施設データが記憶された施設の内、一又は複数の施設を自車が走行する目的地に設定する目的地設定手段(13)と、目的地に設定された施設に関する施設データに関連付けられた看板の看板データを前記看板データ記憶手段から抽出する関連情報抽出手段(12)と、を有し、前記看板判定手段(13)は前記関連情報抽出手段によって看板データが抽出された看板の内、自車の現在位置から所定範囲内に設けられた看板があるか否かを判定することを特徴とする。
【0008】
また、請求項3に係るナビゲーション装置(1)は、請求項1に記載のナビゲーション装置であって、前記看板判定手段(13)によって看板があると判定された場合に当該看板の看板データを表示する看板表示手段(15)と、前記看板表示手段に看板データが表示された看板の内、一又は複数の看板を選択する看板選択手段(14)と、前記看板選択手段により選択された看板に関連付けられた施設を目的地に設定する看板目的地設定手段(13)と、を有することを特徴とする。
【0009】
更に、請求項4に係るナビゲーション装置(1)は、請求項1乃至請求項3のいずれかに記載のナビゲーション装置であって、自車の周囲環境を撮像する撮像手段(21)と、前記撮像手段により撮像された画像から看板を検出する看板検出手段(13)と、前記看板検出手段により検出された看板が前記看板データ記憶手段(12)に看板データが記憶されていない看板であるか否かを判定する記憶判定手段(13)と、前記記憶判定手段により前記看板データ記憶手段に記憶されていない看板であると判定された場合に前記看板検出手段により検出された看板に関する看板データを前記看板データ記憶手段に記憶する新規看板記憶手段(13)と、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
前記構成を有する請求項1に係るナビゲーション装置では、施設を案内する看板に関する看板データを施設に関する施設データに関連付けて記憶し、自車の現在位置から所定範囲内において看板データが記憶された看板があると判定された場合に当該看板の案内を行うので、施設と当該施設を案内する看板とを互いに密接に関連させた走行の案内が可能となる。その結果、例えば、案内走行中に目的地とした施設に関連する看板が存在した場合に、その看板に関する情報を案内に反映させることが可能となるとともに、看板に記載された情報が利用者にとって有益な情報である場合に、その看板の情報を更に利用した案内を行うことが可能となる。従って、看板の案内に係る利便性を向上させる。
【0011】
また、請求項2に係るナビゲーション装置では、目的地に設定された施設に関する施設データに関連付けられた看板の内、自車の現在位置から所定範囲内に看板があると判定された場合に当該看板の案内を行うので、目的地に設定した施設と当該施設を案内する看板とを互いに密接に関連させた走行の案内が可能となる。その結果、案内走行中に目的地とした施設に関連する看板が存在した場合に、その看板に関する情報を案内に反映させることが可能となる。
【0012】
また、請求項3に係るナビゲーション装置では、看板データが表示された看板の内、選択された看板に関連付けられた施設を目的地に設定するので、表示された看板を用いて看板に関連する施設を目的地として容易に設定可能となる。その結果、看板に記載された情報が利用者にとって有益な情報である場合に、その看板の情報を更に利用した案内を行うことが可能となる。
【0013】
更に、請求項4に係るナビゲーション装置では、自車の周囲環境を撮像するとともに、撮像された画像から検出された看板データを新たな看板の看板データとして記憶するので、道路沿いに新たに看板が設置された場合であっても手動又は通信によりDBの更新処理を行う必要なく、新たな看板の看板データをDBに登録することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明に係るナビゲーション装置について具体化した一実施形態に基づき図面を参照しつつ詳細に説明する。先ず、本実施形態に係るナビゲーション装置1の概略構成について図1を用いて説明する。図1は本実施形態に係るナビゲーション装置1を示したブロック図である。
【0015】
図1に示すように本実施形態に係るナビゲーション装置1は、自車の現在位置を検出する現在地検出処理部(自車位置検出手段)11と、各種のデータが記録されたデータ記録部(施設データ記憶手段、看板データ記憶手段)12と、入力された情報に基づいて、各種の演算処理を行うナビゲーション制御部(看板判定手段、目的地設定手段、関連情報抽出手段、看板目的地設定手段、看板検出手段、記憶判定手段、新規看板記憶手段)13と、操作者からの操作を受け付けるタッチパネル(看板選択手段)14と、操作者に対して地図や看板等の情報を表示する液晶ディスプレイ(看板案内手段、看板表示手段)15と、経路案内や看板内容に関する音声ガイダンスを出力するスピーカ(看板案内手段)16と、交通情報センタ等の情報センタとの間で通信を行う通信装置17と、から構成されている。また、ナビゲーション制御部13には自車の走行速度を検出する車速センサ20や、自車の前方環境を撮像する前方カメラ21が接続される。
【0016】
以下に、ナビゲーション装置1を構成する各構成要素について説明すると、現在地検出処理部11は、GPS31、地磁気センサ32、距離センサ33、ステアリングセンサ34、方位検出部としてのジャイロセンサ35、高度計(図示せず)等からなり、現在の自車の位置、方位、目標物(例えば、交差点)までの距離等を検出することが可能となっている。
【0017】
具体的には、GPS31は、人工衛星によって発生させられた電波を受信することにより、地球上における自車の現在地及び現在時刻を検出し、地磁気センサ32は、地磁気を測定することによって自車方位を検出し、距離センサ33は、道路上の所定の位置間の距離等を検出する。ここで、距離センサ33としては、例えば、自車の車輪(図示せず)の回転速度を測定し、測定した回転速度に基づいて距離を検出するセンサ、加速度を測定し、測定した加速度を2回積分して距離を検出するセンサ等を使用することができる。
【0018】
また、ステアリングセンサ34は自車の舵(だ)角を検出する。ここで、ステアリングセンサ34としては、例えば、ステアリングホイール(図示せず)の回転部に取り付けられた光学的な回転センサ、回転抵抗センサ、車輪に取り付けられた角度センサ等が使用される。
【0019】
そして、ジャイロセンサ35は自車の旋回角を検出する。ここで、ジャイロセンサ35としては、例えば、ガスレートジャイロ、振動ジャイロ等が使用される。また、ジャイロセンサ35によって検出された旋回角を積分することにより、自車方位を検出することができる。
【0020】
また、データ記録部12は、外部記憶装置及び記録媒体としてのハードディスク(図示せず)と、ハードディスクに記録された地図情報DB22、看板情報DB23、所定のプログラム等を読み出すとともにハードディスクに所定のデータを書き込む為のドライバである記録ヘッド(図示せず)とを備えている。尚、本実施形態においては、データ記録部12の外部記憶装置及び記憶媒体としてハードディスクが使用されるが、ハードディスクのほかに、フレキシブルディスク等の磁気ディスクを外部記憶装置として使用することができる。また、メモリーカード、磁気テープ、磁気ドラム、CD、MD、DVD、光ディスク、MO、ICカード、光カード等を外部記憶装置として使用することもできる。尚、地図情報DB22及び看板情報DB23の詳細については後述する。
【0021】
更に、ナビゲーション制御部13は、ナビゲーション装置1の全体の制御を行う演算装置及び制御装置としてのCPU41、並びにCPU41が各種の演算処理を行うに当たってワーキングメモリとして使用されるとともに、経路が探索されたときの経路データ等が記憶されるRAM42、制御用のプログラムのほか、地図情報DB22に記憶された施設の内、位置又は複数の施設を自車が走行する目的地に設定する目的地設定処理プログラム、目的地に設定された施設に関連付けられた看板を案内する目的地看板案内処理プログラム(図3参照)、自車の周囲にある看板の画像を表示するとともに表示された看板の内、選択された看板に関連付けられた施設を目的地に設定する看板目的地設定処理プログラム(図6参照)、前方カメラ21で撮像した画像から新たな看板データを看板情報DB23に登録する看板データ登録処理プログラム(図9参照)が記録されたROM43、ROM43から読み出したプログラムを記録するフラッシュメモリ44等の内部記憶装置を備えている。尚、前記RAM42、ROM43、フラッシュメモリ44等としては半導体メモリ、磁気コア等が使用される。そして、演算装置及び制御装置としては、CPU41に代えてMPU等を使用することも可能である。
【0022】
また、本実施形態においては、前記ROM43に各種のプログラムが記録され、前記データ記録部12に各種のデータが記録されるようになっているが、プログラム、データ等を同じ外部記憶装置、メモリーカード等からプログラム、データ等を読み出して前記フラッシュメモリ44に書き込むこともできる。更に、メモリーカード等を交換することによって前記プログラム、データ等を更新することができる。
【0023】
更に、前記ナビゲーション制御部13には、タッチパネル14、液晶ディスプレイ15、スピーカ16、通信装置17の各周辺装置(アクチュエータ)が電気的に接続されている。
【0024】
タッチパネル14は、液晶ディスプレイ15の前面に配置され、ユーザにより接触された部分の座標位置を特定し、特定した座標位置情報に基づいてユーザがどこに触れたか、更に、触れた箇所がどの方向に移動したのかを判別することができる。そして、本実施形態では案内開始地点としての出発地及び案内終了地点としての目的地を入力する際や液晶ディスプレイ15に表示された看板を選択する際に用いることが可能となる。尚、タッチパネル14の代わりに、キーボード、マウス、バーコードリーダ、遠隔操作用のリモートコントロール装置、ジョイスティック、ライトペン、スタイラスペン等を使用することもできる。
【0025】
また、液晶ディスプレイ15には、操作案内、操作メニュー、キーの案内、現在地から目的地までの誘導経路、誘導経路に沿った案内情報、交通情報、ニュース、天気予報、時刻、メール、テレビ番組等が表示される。更に、本実施形態に係るナビゲーション装置1では、道路沿いに設けられるとともに施設を案内する看板の画像(図5、図7、図8参照)が地図上に表示される。尚、液晶ディスプレイ15の代わりに、CRTディスプレイ、プラズマディスプレイ等を使用したり、車両のフロントガラスにホログラムを投影するホログラム装置等を使用することも可能である。
【0026】
また、スピーカ16は、ナビゲーション制御部13からの指示に基づいて誘導経路に沿った走行を案内する音声ガイダンスを出力する。ここで、案内される音声ガイダンスとしては、例えば、「300m先の交差点を右方向です。」や「この先の国道○○号線が渋滞しています。」等がある。更に、本実施形態に係るナビゲーション装置1では、自車の周囲に設置された看板の案内内容(例えば、「この先の交差点を右折した1km先に○○ショッピングセンターがあります。」)を音声で出力する。なお、スピーカ16より出力される音声としては、合成された音声のほかに、各種効果音、予めテープやメモリ等に録音された各種の案内情報を出力することもできる。
【0027】
そして、通信装置17は、交通情報センタ、例えば、VICS(登録商標:Vehicle Information and Communication System)センタ等から送信された渋滞情報、規制情報、駐車場情報、交通事故情報等の各情報から成る交通情報を、道路に沿って配設された電波ビーコン装置、光ビーコン装置等を介して電波ビーコン、光ビーコン等として受信するビーコンレシーバである。また、通信装置17としては、LAN、WAN、イントラネット、携帯電話回線網、電話回線網、公衆通信回線網、専用通信回線網、インターネット等の通信回線網等の通信系において通信を可能とするネットワーク機器であっても良い。更に、通信装置17は前記情報センタからの情報の他に、ニュース、天気予報等の情報から成るFM多重情報を、FM放送局を介してFM多重放送として受信するFM受信機を備える。尚、前記ビーコンレシーバ及びFM受信機は、ユニット化されてVICSレシーバとして配設されるようになっているが、別々に配設することもできる。
【0028】
前方カメラ18は、例えばCCD等の固体撮像素子を用いたものであり、車両の前方に装着されたナンバープレートの上中央付近に取り付けられ、視線方向を水平よりやや下方に向けて設置される。そして、車両の走行時に車両の進行方向となる車両前方を撮像する(図10参照)。その結果、撮像された画像中に看板が含まれている場合には、後述のようにナビゲーション制御部13によって所定の処理が施されることにより看板に関する看板データが抽出され、抽出された看板データがデータ記録部12に記録される。
【0029】
次に、データ記録部12に格納された地図情報DB22について説明する。ここで、地図情報DB22には、経路案内及び地図表示に必要な地図データが記録されており、地図データは、例えば地図を表示するための地図表示データ、各交差点に関する交差点データ、道路(リンク)に関するリンクデータ24、ノード点に関するノードデータ25、施設に関する施設データ26、経路を探索するための探索データ、地点を検索するための検索データ等から構成されている。
【0030】
ここで、特にリンクデータ24としては、道路を構成する各リンクに関してリンクの属する道路の幅員、勾(こう)配、カント、バンク、路面の状態、道路の車線数、車線数の減少する箇所、幅員の狭くなる箇所、踏切り等を表すデータが、コーナに関して、曲率半径、交差点、T字路、コーナの入口及び出口等を表すデータが、道路属性に関して、降坂路、登坂路等を表すデータが、道路種別に関して、国道、県道、細街路等の一般道のほか、高速自動車国道、自動車専用道路、都市高速道路、一般有料道路、有料橋等の有料道路を表すデータがそれぞれ記録される。更に、有料道路に関して、有料道路の入口及び出口の取付道(ランプウェイ)、料金所(インターチェンジ)等に関するデータが記録される。
【0031】
また、ノードデータ25としては、道路の分岐点(交差点、T字路等も含む)、各道路に曲率半径等に応じて所定の距離ごとに設定されたノード点の座標(位置)、ノードが交差点に対応するノードであるか等を表すノード属性、ノードに接続するリンクのリンク番号のリストである接続リンク番号リスト、ノードにリンクを介して隣接するノードのノード番号のリストである隣接ノード番号リスト、各ノード点の高さ(高度)等に関するデータ等が記録される。
【0032】
また、施設データ26としては、各地域のホテル、病院、ガソリンスタンド、駐車場、観光施設、インターチェンジ、レストラン、ショッピングセンター、サービスエリア等の建物に関するデータが建物を特定する施設IDとともに記録される。更に、本実施形態に係るナビゲーション装置1では後述するように看板に関する看板データが施設データに関連付けられて看板情報DB23に記憶されている(図2参照)。
【0033】
また、探索データとしては、設定された目的地までの経路を探索及び表示する際に使用されるデータについて記録されており、ノードを通過する際のコスト(以下、ノードコストという)や道路を構成するリンクのコスト(以下、リンクコストという)からなる探索コストを算出する為に使用するコストデータ、リンクを通過するのに必要な旅行時間、経路探索により選択された経路を液晶ディスプレイ15の地図上に表示するための経路表示データ等から構成されている。
ここで、ノードコストは交差点に対応するノードに対して基本的に設定されており、本実施形態に係るナビゲーション装置1では、信号の有無や交差点を通過する際の自車の走行経路(即ち直進、右折及び左折の種類)によってその値が決定される。
また、リンクコストは、リンクを構成する道路属性や道路種別、道路幅、車線数、リンク長さ等に関するデータを用いて算出される。
【0034】
ここで、本実施形態に係るナビゲーション装置1において、経路を探索するに当たっては、出発地側及び目的地側から地図データのリンク及びノードに沿って経路の探索が行われ、出発地側からの探索と目的地側からの探索との重なり部分において、出発地側から累積された探索コスト(ノードコスト及びリンクコスト)と目的地側から累積された探索コストとを加算した値、即ち、コスト加算値が算出されるようになっている。そして、コスト加算値が最小になる経路が誘導経路として設定される。
【0035】
尚、前記地図情報DB22及び看板情報DB23には、所定の情報をナビゲーション装置1のスピーカ16によって出力するための音声出力データも記録される。また、これら地図情報DB22及び看板情報DB23の内容は、DVDや外部に接続したメモリーカード等の記録媒体から情報を転送すること、又は特定の情報センタ等から通信装置17を介して情報をダウンロードすること等によって更新される。
【0036】
次に、データ記録部12に格納された看板情報DB23について図2を用いて説明する。図2は本実施形態に係る看板情報DB23の記憶領域を示した模式図である。ここで、看板とは道路沿いに設置され施設の案内を行う為の構造物である。そして、看板情報DB23はナビゲーション装置1において看板の案内を行う為に際に必要となる看板の設置位置、液晶ディスプレイ15に表示する各種画像、スピーカによって出力する文字データ等の看板に関する看板データについて記憶されている。
【0037】
具体的に、図2に示すように看板情報DB23は、看板を識別する看板IDと、看板が設置された設置位置の座標(高さを含む)と、当該看板に対して関連付けられた施設の施設IDと、看板に表示された施設への案内内容と、看板の外観画像とから構成されている。
ここで、本実施形態に係るナビゲーション装置1においては、看板情報DB23に記憶される看板データは地図情報DB22に記憶される施設データ(具体的には、看板によって案内される施設に関する施設データ)に関連付けられて記憶されている。
例えば、図2に示す「看板ID:10001」の看板は「○○ショッピングセンター」を案内する看板であり、看板データは「○○ショッピングセンター」の施設データが関連付けられている。従って、「○○ショッピングセンター」の施設を識別する「施設ID:123abc」が併せて記憶されている。
また、「看板ID:10002」の看板は「レストラン※※」を案内する看板であり、看板データは「レストラン※※」の施設データが関連付けられている。従って、「レストラン※※」の施設を識別する「施設ID:234cde」が併せて記憶されている。
また、「看板ID:10003」の看板は「△□書店」を案内する看板であり、看板データは「△□書店」の施設データが関連付けられている。従って、「△□書店」の施設を識別する「施設ID:567fgh」が記憶されている。
【0038】
そして、本実施形態に係るナビゲーション装置1では、後述するように目的地に設定された施設に関する施設データに関連付けられた看板データを看板情報DB23から抽出し、利用者に対して案内する(図3のS4)。また、自車の周囲にある看板を液晶ディスプレイ15に対して表示するとともに、利用者によって選択された看板の看板データに関連付けられた施設を目的地に設定する(図6のS15)。更に、前方カメラ21で撮像した画像から新たな看板を検出した場合には、当該看板の看板データを看板情報DB23に登録する(図9のS25)。尚、全ての看板データを必ずしも施設データに関連付ける必要は無く、看板IDと、位置座標と、案内内容と、看板の外観画像とから看板データを構成しても良い。
【0039】
続いて、前記構成を有するナビゲーション装置1においてCPU41が実行する目的地看板案内処理プログラムについて図3に基づき説明する。図3は本実施形態に係る目的地看板案内処理プログラムのフローチャートである。ここで、目的地看板案内処理プログラムは車両のイグニションがONされた後に所定間隔(例えば4ms毎)で実行され、目的地に設定された施設に関連付けられた看板を案内するプログラムである。尚、以下の図3、図6、図9にフローチャートで示されるプログラムは、ナビゲーション装置1が備えているRAM42やROM43に記憶されており、CPU41により実行される。
【0040】
先ず、目的地看板案内処理プログラムではステップ(以下、Sと略記する)1において、CPU41はナビゲーション装置1で走行案内を行う際の目的地が設定されているか否かを判定する。ここで、本実施形態に係るナビゲーション装置1ではタッチパネル14を用いて目的地とする施設名称や住所を入力する他に、後述する看板目的地設定処理プログラム(図6参照)によって目的地を設定することが可能である。
【0041】
そして、目的地が設定されていると判定された場合(S1:YES)には、S2へと移行する。一方、目的地が設定されていないと判定された場合(S1:NO)には、当該目的地看板案内処理プログラムを終了する。
【0042】
S2では目的地として設定されている施設の施設IDに基づいて、看板情報DB23に記憶された各看板データの内、目的地として設定されている一又は複数の施設の施設データに関連付けられた看板データを全て抽出する。尚、上記S2の処理が関連情報抽出手段の処理に相当する。
【0043】
そして、S3においてCPU41は、GPS31による自車の現在位置の検出結果と前記S2で抽出された看板データの設置位置の座標とに基づいて、自車が前記S2で看板データが抽出された看板(即ち、現在目的地として設定されている施設を案内する看板)に対して所定距離(例えば300m)以内に接近したか否か(即ち、看板データが記憶された看板の内、自車の300m以内に設けられている看板があるか否か)が判定される。尚、上記S3の処理が看板判定手段の処理に相当する。
【0044】
その結果、自車が前記S2で看板データが抽出された看板に対して所定距離(例えば300m)以内に接近したと判定された場合(S3:YES)には、接近したと判定された当該看板の看板データを使用して看板の案内を行う(S4)。具体的には、看板データとして保存されている看板の画像を液晶ディスプレイ15に表示された地図の該当位置に表示する(図5参照)とともに、案内内容の音声をスピーカ16から出力する。一方、所定距離以内に接近していないと判定された場合(S3:NO)には、S5へと移行する。
【0045】
次に、S5ではCPU41は自車が設定されている目的地に到着したか否かを判定する。そして、目的地に到着していないと判定された場合(S5:NO)にはS3へと戻り、再度自車が前記S2で看板データが抽出された看板に対して所定距離以内に接近したか否かが判定される。一方、目的地へと到着したと判定された場合(S5:YES)には、当該目的地看板案内処理プログラムを終了する。
【0046】
ここで、前記S2乃至S4の処理について具体例を挙げて説明する。図4は車両50が出発地Sから目的地に設定された施設51まで走行する際の走行経路52を示した図であり、図5は図4に示す走行経路52の特に地点Aを走行する際に車両50の液晶ディスプレイ15に表示される案内画面81を示した図である。
図4では、道路沿いに施設51を含む各種複数の施設を案内する看板61〜75が設置されている。ここで、特に看板61〜75の内、看板74〜76が目的地として設定されている「○○ショッピングセンター」の施設51を案内する看板であり、前記S2の処理においては施設51に関連付けられた看板74〜76の看板データが看板情報DB23から抽出される。そして、走行経路52に沿って車両50が走行し、先ず看板74に対して車両50が所定距離(例えば300m)以内に接近すると、車両50の液晶ディスプレイ15には看板74の画像が地図上に表示されるとともに看板74に表示された案内内容の音声がスピーカ16より出力される。その後、看板75に対して車両50が所定距離以内に接近すると、車両50の液晶ディスプレイ15には看板75の画像が地図上に表示されるとともに看板75に表示された案内内容の音声がスピーカ16より出力される。更に、看板76に対して車両50が所定距離以内に接近すると、車両50の液晶ディスプレイ15には看板76の画像が地図上に表示されるとともに看板76に表示された案内内容の音声がスピーカ16より出力される。
【0047】
また、看板74〜76を液晶ディスプレイ15に表示する際には、看板74〜76の設置位置の座標に対応する地図上に表示する。例えば図5では、地図を3Dポリゴン表示した際の案内画面81を示しており、自車位置と進行方向を示すマーク82や自車の前方に位置する各種の建築物や信号機とともに、看板74の画像83が表示される。ここで、看板74の画像83は建築物84の壁面に設置された状態で表示され、車両50の接近に伴って徐々に拡大する。そして、車両50が看板74の設置位置を通り過ぎると案内画面81から消去される。
また、案内画面81に表示される看板74の画像83は、基本的に道路沿いに実際に設けられた看板74の表示内容と同一内容であり、施設を示す施設名称85と、進行方向を示す矢印86と、施設までの距離を示す案内文87とから構成される。そして、利用者は施設名称85、矢印86及び案内文87を参照することによって、目的地である施設51の位置を把握することができる。尚、案内画面81に表示する看板74の画像は施設名称85のみから構成しても良い。
【0048】
次に、本実施形態に係るナビゲーション装置1においてCPU41が実行する看板目的地設定処理プログラムについて図6に基づき説明する。図6は本実施形態に係る看板目的地設定処理プログラムのフローチャートである。ここで、看板目的地設定処理プログラムは車両のイグニションがONされた後に所定間隔(例えば4ms毎)で実行され、自車の周囲に設置された看板を液晶ディスプレイ15に表示するとともに表示された看板の内、特に利用者に選択された看板に関連付けられた施設を走行案内の目的地に設定するプログラムである。
【0049】
先ず、看板目的地設定処理プログラムではS11において、CPU41はGPS31による検出結果と地図情報DB22に記憶された地図データとに基づいてマッチング処理を行い、地図データ上における自車の現在位置を検出する。
【0050】
続いて、S12でCPU41は看板情報DB23に記憶された看板データと前記S11で検出した自車の現在位置とに基づいて、自車の所定範囲内(具体的には、液晶ディスプレイ15に表示される地図範囲内)に設置された看板の看板データを抽出する。尚、液晶ディスプレイ15に表示される地図範囲は地図の縮尺や表示形式(2Dや3D表示)によってその範囲が変更される。
【0051】
その後、S13でCPU41は、前記S12で抽出された看板データを使用して看板の画像を液晶ディスプレイ15に表示することにより、看板の案内を行う。具体的には、看板データとして保存されている看板の画像データを液晶ディスプレイ15に表示された地図の該当位置に表示する(図7、図8参照)。
【0052】
次に、S14でCPU41は液晶ディスプレイ15に表示されたいずれかの看板の画像が利用者によって選択されたか否かを、タッチパネル14からの操作情報に基づいて判定する。
【0053】
その結果、看板の画像が利用者によって選択されたと判定された場合(S14:YES)には、選択された看板データに関連付けられた施設データによって特定される施設をナビゲーション装置1で走行案内を行う際の目的地に設定する(S15)。そして、設定された目的地に従って経路の探索や走行の案内が行われる。一方、看板の画像が利用者によって選択されないと判定された場合(S14:NO)には、S11へと戻り再度自車位置の検出が行われる。尚、上記S15の処理が看板目的地設定手段の処理に相当する。
【0054】
ここで、前記S12乃至S14の処理について具体例を挙げて説明する。図7及び図8は図4に示す走行経路52の特に地点Aを走行する際に車両50の液晶ディスプレイ15に表示される2種類の案内画面91、101を示した図である。ここで、図7では特に3Dポリゴン表示で地図表示を行っている場合の案内画面91を示し、図8では2D表示で地図表示を行っている場合の案内画面101を示している。
図4では、前記したように道路沿いに施設51を含む各種複数の施設を案内する看板61〜75が設置されている。前記S12の処理においては特に看板61〜75の内、液晶ディスプレイ15に表示される地図範囲内に設置された看板72〜74の看板データが看板情報DB23から抽出される。尚、図7及び図8では同一種類の看板72〜74の看板データが地図範囲内に設置された看板として看板情報DB23から抽出されるが、地図の表示形式の違いによって異なる種類や数の看板データが抽出される場合もある。
【0055】
そして、図7に示す案内画面91では、自車位置と進行方向を示すマーク92や自車の前方に位置する各種の建築物や信号機とともに、看板72の画像93と看板73の画像94と看板74の画像95が設置位置に対応付けられて表示される。ここで、看板72〜74の画像93〜95は建築物の壁面や正面に設置された状態で表示され、車両50の接近に伴って徐々に拡大する。そして、車両50が看板72〜74の設置位置を通り過ぎると案内画面91から消去される。
また、案内画面91に表示される看板72〜74の画像93〜95は、表示を簡略化するために施設を示す施設名称のみから構成されているが、道路沿いに実際に設けられた看板の表示内容と同一内容(方向を示す矢印や施設までの距離を含む内容)としても良い。
【0056】
一方、図8に示す案内画面101は2つの表示領域に分割して構成される。具体的には、自車位置と進行方向を示すマーク102や自車の前方に位置する各種の建築物や信号機が表示された地図表示領域103と、看板の画像や看板によって案内される施設の名称がリスト表示された看板表示領域104とから構成される。
ここで、看板表示領域104には地図表示領域103に位置する看板72〜74に関する看板データが現在の自車位置の近くに設置された順に画面下部から表示される。図8では、自車の現在位置から近い順に看板74、看板72、看板73となっており、先ず最も下段には看板74の画像105と看板74によって案内される施設名称106が表示される。また、中段には看板72の画像107と看板72によって案内される施設名称108が表示される。更に、最も上段には看板73の画像109と看板73によって案内される施設名称110が表示される。更に、自車の進行方向に対して右手に設置された看板72、73の画像107、109を看板表示領域104の右半分に表示し、自車の進行方向に対して左手に設置された看板74の画像105を看板表示領域104の左半分に表示する。従って、案内画面101を視認した利用者は看板72〜74の設置位置を視覚的に容易に判断することが可能となる。
【0057】
次に、本実施形態に係るナビゲーション装置1においてCPU41が実行する看板データ登録処理プログラムについて図9に基づき説明する。図9は本実施形態に係る看板データ登録処理プログラムのフローチャートである。ここで、看板データ登録処理プログラムは車両のイグニションがONされた後に所定間隔(例えば4ms毎)で実行され、前方カメラ21で撮像した画像から新たな看板データを看板情報DB23に登録するプログラムである。
【0058】
先ず、看板データ登録処理プログラムではS21において、CPU41は前方カメラ21によって自車の前方環境を撮像する。続いて、S22では前方カメラ21によって撮像された車両2の前方環境の撮像画像を取り込んで解析処理を行い、自車の周辺に位置する看板を検出する画像認識処理を行う。
【0059】
具体的には、先ず、NTSCのようなアナログ通信手段や、i−linkのようなデジタル通信手段を用いて前方カメラ21で撮像した映像を入力し、jpeg、mpeg等のデジタル画像フォーマットに変換する。次に、CPU41は、撮像画像中の路面と対象物を輝度差に基づいて輝度補正を行う。その後、対象物を画像から分離する2値化処理、歪みを補正する幾何学処理、画像の雑音を除去する平滑化処理等を行い、路面と対象物(看板)との境界線を検出する。それによって、自車の周辺に位置する看板を検出することが可能となる。
更に、前記S22では、検出された看板に表示された文字や矢印などの記号を認識することによって、看板で案内される施設を当該看板に関連付けられた施設として特定し、当該施設の施設IDを施設データから看板データとして検出する。また、看板に表示された施設への案内内容、及び看板の外観画像についても同じく看板データとして検出する。また、撮像画像において看板が表示された表示位置に基づいて自車から看板までの相対位置を算出し、更に、GPS31によって検出された自車位置に基づいて看板の設置位置の座標を看板データとして検出する。尚、上記S22の処理が看板検出手段の処理に相当する。
【0060】
次に、前記S21及びS22の処理における看板検出の具体例について図10及び図11を用いて説明する。ここで、図10は道路111上を走行する車両50を所定のタイミングで示した上面図、図11は図10のタイミングで前方カメラ21によって撮像された車両50の前方環境の撮像画像120を示した図である。
【0061】
図10に示す所定のタイミングでは、車両50の前方の路肩に電柱112と電柱112に支持された看板113がある。その結果、図11に示すように前方カメラ21で撮像した撮像画像120には、電柱112及び看板113がそれぞれ映し出されることとなる。
【0062】
そして、CPU41は前記したように撮像画像120から撮像画像中の路面と対象となる看板を輝度差に基づいて輝度補正を行い、検出する。
また、前方カメラ21は、車両50の前バンパー121の直上から前方を撮像できるように光軸を水平から所定角度(例えば15度)下方向に向けるように取り付けられており、撮像範囲が固定されている。従って、前方カメラ21によって撮像された図11に示す撮像画像120中で検出された対象物(看板)の位置(具体的には下縁からの画素数)に基づいて、車両50から被写体までの距離を計算することができる。更に、GPS31で検出された自車の現在位置との相対的な位置関係から看板の位置座標を間接的に検出することも可能となる。
従って、CPU41は撮像画像120に基づいて、看板113が設置された設置位置の座標と、看板113に対して関連付けられた施設(図11では「○×病院」)の施設IDと、看板113に表示された施設への案内内容(図11では「直進1km」)と、看板の外観画像とを看板データとして検出する。
【0063】
そして、S23では看板情報DB23に既に登録されている看板データと、前記S22で検出された看板の看板データを比較する比較処理を行う。ここで、S23の比較処理では、看板が設置された設置位置、当該看板に対して関連付けられた施設の施設ID、看板に表示された施設への案内内容、看板の外観画像の全てを対象に比較し、全て一致したら既に登録された看板データと判定する。尚、案内内容については、S22で検出した案内内容(図11では「直進1km」)を編集して(図11では「○×病院へはこのまま直進した1km先です。」)、この編集した案内内容と既に登録されている看板データの案内内容を比較することにより行う。
次に、S24では前記S23の比較結果に基づいて、検出された看板の看板データは既に看板情報DB23に登録された看板データであるか否かが判定される。尚、上記S23の処理が記憶判定手段の処理に相当する。
【0064】
そして、既に登録された看板データであると判定された場合(S24:YES)には、検出された看板の看板データを看板情報DB23に登録することなく当該看板データ登録処理プログラムを終了する。
【0065】
それに対して、まだ登録されていない看板データであると判定された場合(S24:NO)には、前記S22で検出された看板の看板データを新たに看板情報DB23に対して登録する(S25)。尚、上記S25の処理が新規看板記憶手段の処理に相当する。
【0066】
以上詳細に説明した通り、本実施形態に係るナビゲーション装置1では、設定された目的地がある場合には目的地に設定された施設に関する施設データに関連付けられた看板の看板データを看板情報DB23より抽出し(S2)、自車の現在位置から所定範囲内において抽出された看板があると判定された場合(S3:YES)に当該看板の案内を行う(S4)ので、目的地に設定した施設と当該施設を案内する看板とを互いに密接に関連させた走行の案内が可能となる。その結果、案内走行中に目的地とした施設に関連する看板が存在した場合に、その看板に関する情報を案内に反映させることが可能となる。
また、自車の所定範囲内にある看板を看板情報DB23より抽出する(S12)とともに、当該看板の看板データを液晶ディスプレイ15に表示し(S13)、表示された看板の内、利用者に選択された看板に関連付けられた施設をナビゲーション装置1の目的地に設定する(S15)ので、表示された看板を用いて看板に関連する施設を目的地として容易に設定可能となる。その結果、看板に記載された情報が利用者にとって有益な情報である場合に、その看板の情報を更に利用した案内を行うことが可能となる。
更に、前方カメラ21によって自車の周囲環境を撮像する(S21)とともに、撮像された画像から看板の看板データを検出し(S22)、看板情報DB23に登録されていない新たな看板であった場合には、当該看板の看板データを看板情報DB23に新たに登録する(S25)ので、道路沿いに新たに看板が設置された場合であっても手動又は通信により看板情報DB23の更新処理を行う必要なく、新たな看板の看板データを看板情報DB23に登録することが可能となる。
【0067】
尚、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の改良、変形が可能であることは勿論である。
例えば、本実施形態では周辺地図を2D表示した案内画面101において、看板を案内する為に看板画像105、107、109と看板で案内する施設の名称106、108、110を看板表示領域104に表示することとしていたが、看板画像105、107、109又は施設の名称106、108、110のみをリスト表示することとしても良い。
また、看板の看板画像105、107、109を2D表示された地図上に重畳して表示するようにしても良い。
【0068】
また、本実施形態では自車の走行する経路に関係なく自車位置から所定距離以内(例えば300m以内)や所定範囲内(例えば液晶ディスプレイ15に表示される地図範囲内)にある全ての看板を液晶ディスプレイ15に表示する(S4、S13)ように構成しているが、自車の走行経路沿いにある看板のみを表示するようにしても良い。
【0069】
また、本実施形態では看板データとして液晶ディスプレイ15に表示する為の看板の画像データを看板情報DB23に記憶することとしていたが(図2参照)、施設IDや案内内容に基づいてナビゲーション制御部13が看板の画像を作成し、作成した画像データを液晶ディスプレイ15に表示するようにしても良い。それによって、データ記録部12に記憶させるデータ量を減少させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0070】
【図1】本実施形態に係るナビゲーション装置を示したブロック図である。
【図2】本実施形態に係る看板情報DBの記憶領域を示した模式図である。
【図3】本実施形態に係る目的地看板案内処理プログラムのフローチャートである。
【図4】車両が出発地から目的地に設定された施設まで走行する際の走行経路を示した図である。
【図5】図4に示す走行経路を走行する際に車両の液晶ディスプレイに表示される案内画面を示した図である。
【図6】本実施形態に係る看板目的地設定処理プログラムのフローチャートである。
【図7】3Dポリゴン表示で地図表示を行っている場合の案内画面を示した図である。
【図8】2D表示で地図表示を行っている場合の案内画面を示した図である。
【図9】本実施形態に係る看板データ登録処理プログラムのフローチャートである。
【図10】道路上を走行する車両を所定のタイミングで示した上面図である。
【図11】図10のタイミングで前方カメラによって撮像された車両の前方環境の撮像画像を示した図である。
【符号の説明】
【0071】
1 ナビゲーション装置
11 現在地検出処理部
12 データ記録部
13 ナビゲーション制御部
14 タッチパネル
15 液晶ディスプレイ
16 スピーカ
21 前方カメラ
22 地図情報DB
23 看板情報DB
41 CPU
42 RAM
43 ROM
61〜75 看板


【特許請求の範囲】
【請求項1】
施設に関する施設データを記憶する施設データ記憶手段と、
道路沿いに設けられるとともに施設を案内する看板に関する看板データを記憶する看板データ記憶手段と、
前記看板データ記憶手段に看板データが記憶された看板についての案内を行う看板案内手段と、を有するナビゲーション装置において、
前記看板データは前記施設データ記憶手段に記憶された施設データに関連付けて前記看板データ記憶手段に記憶され、
自車の現在位置を検出する自車位置検出手段と、
前記看板データ記憶手段に看板データが記憶された看板の内、自車の現在位置から所定範囲内に設けられた看板があるか否かを判定する看板判定手段と、を有し、
前記看板案内手段は前記看板判定手段によって看板があると判定された場合に当該看板の案内を行うことを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項2】
前記施設データ記憶手段に施設データが記憶された施設の内、一又は複数の施設を自車が走行する目的地に設定する目的地設定手段と、
目的地に設定された施設に関する施設データに関連付けられた看板の看板データを前記看板データ記憶手段から抽出する関連情報抽出手段と、を有し、
前記看板判定手段は前記関連情報抽出手段によって看板データが抽出された看板の内、自車の現在位置から所定範囲内に設けられた看板があるか否かを判定することを特徴とする請求項1に記載のナビゲーション装置。
【請求項3】
前記看板判定手段によって看板があると判定された場合に当該看板の看板データを表示する看板表示手段と、
前記看板表示手段に看板データが表示された看板の内、一又は複数の看板を選択する看板選択手段と、
前記看板選択手段により選択された看板に関連付けられた施設を目的地に設定する看板目的地設定手段と、を有することを特徴とする請求項1に記載のナビゲーション装置。
【請求項4】
自車の周囲環境を撮像する撮像手段と、
前記撮像手段により撮像された画像から看板を検出する看板検出手段と、
前記看板検出手段により検出された看板が前記看板データ記憶手段に看板データが記憶されていない看板であるか否かを判定する記憶判定手段と、
前記記憶判定手段により前記看板データ記憶手段に記憶されていない看板であると判定された場合に前記看板検出手段により検出された看板に関する看板データを前記看板データ記憶手段に記憶する新規看板記憶手段と、を有することを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載のナビゲーション装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2007−240198(P2007−240198A)
【公開日】平成19年9月20日(2007.9.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−59795(P2006−59795)
【出願日】平成18年3月6日(2006.3.6)
【出願人】(000100768)アイシン・エィ・ダブリュ株式会社 (3,717)
【Fターム(参考)】