説明

ハイブリッド自動車およびその制御方法

【課題】キャパシタを唯一の蓄電装置として備えたハイブリッド自動車において、電動機がキャパシタに蓄えられた電力をより適正に消費するようにする。
【解決手段】ハイブリッド自動車20では、走行距離計87により計測されるコントロールラインCLからの走行距離dに基づく走行位置と、サーキットコースごとに定められて走行区間ごとにモータ36に出力させるべきモータ目標パワーPmを規定するモータ出力設定用マップとを用いてモータ36が制御される(ステップS100〜S160)。これにより、サーキットコースにおいてモータ36にトルクを出力させる必然性が比較的低い箇所ではキャパシタ50の電力がモータ36により必要以上に消費されることを抑制し、モータ36からトルクを出力させる必然性が高い箇所でキャパシタ50の電力を用いてモータ36を駆動することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ハイブリッド自動車およびその制御方法に関し、特に、電動機と電力をやり取り可能なキャパシタを唯一の蓄電装置として備えるハイブリッド自動車およびその制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、エンジンとモータとを駆動源とするハイブリッド自動車として、モータと電力をやり取りする蓄電装置として、二次電池であるバッテリとキャパシタとの双方を備えたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。また、エンジンとモータとを駆動源とするハイブリッド自動車としては、車両走行状態に基づいて減速時の回生制動により得られる回生エネルギを予測すると共に、ナビゲーションシステムにより検出される車両進行方向における減速地点の手前で予測した回生エネルギに相当するエネルギが消費されるようにモータを駆動制御するものも知られている(例えば、特許文献2参照)。
【特許文献1】特開2005−160271号公報
【特許文献2】特開2007−168743号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、いわゆるハイブリッド自動車としては、制動時等に電動機により回生された電力を蓄えると共に電動機に電力を供給する蓄電装置としてキャパシタのみを有するものも考えられる。このようなハイブリッド自動車において、蓄電装置としてのキャパシタは、基本的に電動機の回生により得られる電力を用いて充電されることになる。このため、キャパシタに蓄えられた電力を何ら制限無く電動機により消費できるようにしたのでは、電動機に動力を出力させる必然性が比較的低い場面でキャパシタに蓄えられた電力が電動機により消費されてしまい、その後の電動機から動力を出力させる必然性が高い場面でキャパシタの電力が不足して電動機から充分な動力を出力させることができなくなってしまうこともあり得る。
【0004】
そこで、本発明は、キャパシタを唯一の蓄電装置として備えたハイブリッド自動車において、電動機がキャパシタに蓄えられた電力をより適正に消費するようにしてハイブリッド自動車の走行性能や燃費を向上させることを主目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明のハイブリッド自動車およびその制御方法は、上記主目的を達成するために以下の手段を採っている。
【0006】
本発明によるハイブリッド自動車は、
走行用の動力を出力可能な内燃機関と、前記内燃機関の出力軸に対して動力を入出力可能な出力軸用電動機とを備えたハイブリッド自動車において、
前記出力軸用電動機と電力をやり取り可能な唯一の蓄電装置であるキャパシタと、
前記ハイブリッド自動車の走行経路における走行位置を取得する走行位置取得手段と、
前記走行経路に関する情報に基づいて定められ、前記走行位置ごとに前記電動機に出力させるべき動力を規定する電動機出力設定制約を記憶する記憶手段と、
ドライバーによる要求に応じた動力を出力するように前記内燃機関を制御する機関制御手段と、
前記取得された走行位置と前記電動機出力設定制約とを用いて前記出力軸用電動機を制御する電動機制御手段と、
を備えるものである。
【0007】
このハイブリッド自動車では、走行位置取得手段により取得された走行経路における走行位置と、走行経路に関する情報に基づいて定められて走行位置ごとに電動機に出力させるべき動力を規定する電動機出力設定制約とを用いて出力軸用電動機が制御される。これにより、このハイブリッド自動車では、その走行経路において電動機に動力を出力させる必然性が比較的低い箇所ではキャパシタに蓄えられた電力が電動機により必要以上に消費されることを抑制し、電動機から動力を出力させる必然性が高い箇所でキャパシタに蓄えられた電力を用いて電動機を駆動することができる。従って、このハイブリッド自動車では、電動機によるキャパシタに蓄えられた電力の消費がより適正なものとなることから、内燃機関の負担を減らしつつ加速性能等を確保可能となり、ハイブリッド自動車の走行性能や燃費を向上させることができる。
【0008】
また、前記電動機制御手段は、前記取得された走行位置と前記電動機出力設定制約とに加えて、前記キャパシタの使用電圧範囲として予め定められた運転時電圧範囲に基づく制限を更に用いて前記出力軸用電動機を制御するものであってもよい。すなわち、キャパシタを唯一の蓄電装置として備えたハイブリッド自動車では、その走行中、基本的に回生制動により得られる電力を用いてキャパシタを充電することになる。従って、このようなハイブリッド自動車では、キャパシタの耐圧に対して充分な余裕をもたせた上限電圧と、ブレーキングに際して回生される電力を用いた充電によりキャパシタの電圧を速やかに上限電圧まで復帰させることができる下限電圧とでキャパシタの運転時電圧範囲を定めることが好ましい。そして、このようにキャパシタの運転時電圧範囲が定められている場合には、ハイブリッド自動車の走行位置と電動機出力設定制約とに加えて、当該運転時電圧範囲に基づく制限を更に用いて出力軸用電動機を制御すれば、キャパシタの劣化を抑制すると共にキャパシタを良好に充電して、出力軸用電動機の性能を充分に発揮させることが可能となる。
【0009】
更に、本発明によるハイブリッド自動車は、動力を入出力可能であると共に前記出力軸用電動機とは異なる第2の電動機を更に備えてもよく、前記運転時電圧範囲の下限電圧は、前記走行路において最大の出力が要求される箇所の直前で、ブレーキングに伴って前記出力軸用電動機および前記第2の電動機の少なくとも一部を回生制御して得られる電力を用いた充電により前記キャパシタの電圧が前記運転時電圧範囲の上限電圧となるように設定されてもよい。これにより、走行路において最大の出力が要求される箇所において、出力軸用電動機から充分な動力を確実に得ることが可能となる。
【0010】
また、前記第2の電動機は、前記内燃機関の出力軸に連結された車輪とは異なる第2の車輪に対して動力を入出力可能であってもよく、前記第2の電動機は、前記第2の車輪に対して直接動力を入出力するインホイールモータであってもよい。
【0011】
更に、前記走行経路に関する情報には、ドライバーによりブレーキングがなされる箇所およびドライバーによりブレーキングが解除されてアクセルオンされる箇所が含まれてもよい。これにより、走行路中の電動機に動力を出力させる必然性が低い箇所と高い箇所とを的確に把握して、電動機出力設定制約をより適正に定めることが可能となる。
【0012】
そして、前記ハイブリッド自動車は、レース用の車両であってもよく、前記電動機出力設定制約は、前記走行経路としてのサーキットコースおよびドライバーごとに定められてもよい。
【0013】
本発明によるハイブリッド自動車の制御方法は、
走行用の動力を出力可能な内燃機関と、前記内燃機関の出力軸に対して動力を入出力可能な出力軸用電動機と、前記出力軸用電動機と電力をやり取り可能な唯一の蓄電装置であるキャパシタとを備えるハイブリッド自動車の制御方法であって、
(a)前記ハイブリッド自動車の走行経路における走行位置を取得するステップと、
(b)ドライバーによる要求に応じた動力を出力するように前記内燃機関を制御すると共に、ステップ(a)にて取得された走行位置と、前記走行経路に関する情報に基づいて定められて前記走行位置ごとに前記電動機に出力させるべき動力を規定する電動機出力設定制約とを用いて前記出力軸用電動機を制御するステップと、
を含むものである。
【0014】
この方法では、ハイブリッド自動車の走行経路における走行位置を取得し、取得した走行位置と、走行経路に関する情報に基づいて定められて走行位置ごとに電動機に出力させるべき動力を規定する電動機出力設定制約とを用いて出力軸用電動機を制御する。この方法によれば、電動機によるキャパシタに蓄えられた電力の消費がより適正なものとなることから、内燃機関の負担を減らしつつ加速性能等を確保可能となり、ハイブリッド自動車の走行性能や燃費を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
次に、本発明を実施するための最良の形態を実施例を用いて説明する。
【実施例】
【0016】
図1は、本発明の一実施例に係るハイブリッド自動車20の概略構成図である。実施例のハイブリッド自動車20は、レース用に開発されたものであり、左右の前輪29a,29bにそれぞれ取り付けられた前輪用モータ24,26を含む前輪系21と、エンジン32と当該エンジン32のクランクシャフト33に連結されたモータ36とからの動力をトランスミッション34やデファレンシャルギヤ38を介して左右の後輪39a,39bに出力する後輪系31と、前輪用モータ24,26やモータ36と電力をやり取り可能なキャパシタ50と、ホイールシリンダ66a,66b,68a,68bに油圧を作用させることにより前輪29a,29bや後輪39a,39bに制動トルクを付与する電子制御式油圧ブレーキユニット(以下、単に「ブレーキユニット」という)60と、ハイブリッド自動車20の全体をコントロールするメイン電子制御ユニット(以下「メインECU」という)70とを備える。
【0017】
前輪用モータ24および26は、同期発電電動機や減速機、ハブベアリング等を一体化した、いわゆるインホイールモータとして構成された互いに同一のものであり、インバータ42,44を介してキャパシタ50と電力のやり取りを行なう。すなわち、前輪用モータ24,26は、左右の前輪29a,29bに対して制動力や駆動力を左右独立に出力可能な動力ユニットとして機能する。これら前輪用モータ24および26は、モータ用電子制御ユニット(以下、「モータECU」という。)40により制御される。
【0018】
エンジン32は、ガソリンまたは軽油等の炭化水素系の燃料により動力を出力する内燃機関であり、エンジン32の運転状態を検出する各種センサから信号を入力するメインECU70による燃料噴射量や点火時期、吸入空気量等の制御を受けている。
【0019】
トランスミッション34は、例えば油圧駆動の6速の変速機として構成されており、ドライバーによるアップスイッチ81やダウンスイッチ82の操作に基づく信号を入力するメインECU70によりアップシフトやダウンシフトが行なわれるよう変速制御される。
【0020】
モータ36は、発電機として作動することができると共に電動機として作動可能な周知の同期発電電動機として構成されており、インバータ46を介してキャパシタ50と電力のやりとりを行なう。モータ36は、前輪用モータ24,26と同様に、モータECU40により制御される。
【0021】
モータECU40には、前輪用モータ24,26やモータ36を制御するために必要な信号、例えば前輪用モータ24,26やモータ36の回転子の回転位置を検出する回転位置検出センサ25,27,37からの信号や図示しない電流センサにより検出される前輪用モータ24,26やモータ36に印加される相電流等が入力されており、モータECU40からは、インバータ42,44,46へのスイッチング制御信号が出力される。インバータ42,44,46は、それぞれ6つのスイッチング素子と6つのダイオードとからなる周知のインバータ回路として構成されており、正極母線および負極母線がキャパシタ50の入出力端子に接続されている。また、モータECU40は、メインECU70と通信しており、メインECU70からの制御信号に従って前輪用モータ24,26やモータ36を制御すると共に必要に応じて前輪用モータ24,26やモータ36の運転状態に関するデータをメインECU70に出力する。なお、モータECU40は、回転位置検出センサ25,27,37からの信号に基づいて前輪用モータ24,26やモータ36の回転数Nfl,Nfr,Nmも算出する。
【0022】
キャパシタ50は、例えば電気二重層キャパシタとして構成されたものであり、キャパシタ用電子制御ユニット(以下、「キャパシタECU」という。)52による充放電の制御を受けている。キャパシタECU52には、キャパシタ50の端子間に取り付けられた電圧センサ54により検出されるキャパシタ50の端子間電圧Vcapやキャパシタ50からの電力ラインに取り付けられた電流センサ56により検出されるキャパシタ50を流れる電流Icap、キャパシタ50に取り付けられた温度センサ58により検出されるキャパシタ50の温度Tcap等が入力されている。キャパシタECU52は、メインECU70と通信しており、必要に応じてメインECU70に充放電に必要な制御信号を送信したり、キャパシタ50の状態に関するデータをメインECU70に出力する。
【0023】
ブレーキユニット60は、ブレーキペダル85の踏み込みに応じた油圧(マスタシリンダ圧)を発生するマスタシリンダ61と、マスタシリンダ圧(ブレーキ踏力)に応じてハイブリッド自動車20に付与すべき制動力のうちのブレーキユニット60の分担割合に応じた制動トルクが前輪29a,29bや後輪39a,39bに作用するようにホイールシリンダ66a,66b,68a,68bへの油圧を調整するブレーキアクチュエータ64と、ブレーキアクチュエータ64を駆動制御するブレーキ用電子制御ユニット(以下、「ブレーキECU」という。)62とを含む。ブレーキECU62には、マスタシリンダ61に取り付けられたマスタシリンダ圧センサ61aにより検出されるマスタシリンダ圧や前輪29a,29bおよび後輪39a,39bに設けられた図示しない車輪速センサからの車輪速等が入力され、ブレーキECU62からはブレーキアクチュエータ64への駆動信号が出力される。ブレーキECU62は、メインECU70と通信しており、メインECU70からの制御信号等に基づいて前輪29a,29bや後輪39a,39bに制動トルクを作用させると共に必要に応じてブレーキユニット60の状態に関するデータをメインECU70に出力する。
【0024】
メインECU70は、CPU72を中心とするマイクロプロセッサとして構成されており、CPU72の他に処理プログラムを記憶するROM74や、データを一時的に記憶するRAM76、図示しない入出力ポートおよび通信ポート等を備える。メインECU70には、例えばステアリング近傍に配置されてトランスミッション34のアップシフトやダウンシフトを指示するアップスイッチ81やダウンスイッチ82からの信号や、アクセルペダル83の踏み込み量を検出するアクセルペダルポジションセンサ84からのアクセル開度Acc、ブレーキペダル85の踏み込み量を検出するブレーキペダルポジションセンサ86からのブレーキペダルポジションBP、図示しない車輪速センサからの車輪速等に基づいてハイブリッド自動車20の走行距離を計測する走行距離計87等が入力ポートを介して入力される。なお、実施例のハイブリッド自動車20は、レース用に開発されたものであることから、走行距離計87は、サーキットコースのコントロールラインCL(図3参照)からのハイブリッド自動車20の走行距離dを計測するように構成されており、ハイブリッド自動車20がサーキットコースを周回してコントロールラインCLを通過するたびに走行距離dをリセットして再度コントロールラインCLからの走行距離dを出力する。メインECU70は、上述したように、モータECU40やキャパシタECU52、ブレーキECU62等と通信ポートを介して接続されており、モータECU40やキャパシタECU52、ブレーキECU62等と各種制御信号やデータのやり取りを行う。
【0025】
上述のように構成された実施例のハイブリッド自動車20の走行に際しては、アクセルペダル83の踏み込み量に応じてエンジン32の吸入空気量や燃料噴射量等が調整されると共に、キャパシタ50に蓄えられた電力を用いてエンジン32のクランクシャフト33にトルクを出力するようにモータ36が駆動制御される。また、ハイブリッド自動車20の走行中にドライバーによりブレーキペダル85が踏み込まれたときには、ブレーキペダル85の踏み込み力(ブレーキ踏力)に応じたブレーキトルクを出力するようにブレーキユニット60と前輪用モータ24および26とが協調制御され、前輪用モータ24および26の回生トルクの出力により得られる回生電力はキャパシタ50に蓄えられる。更に、ドライバーのアップスイッチ81の操作によりトランスミッション34のアップシフトが実行されるのに伴ってエンジン32の回転数が低下する際には、モータ36が回生制御され、この際、モータ36による回生電力はキャパシタ50に蓄えられる。そして、実施例では、ハイブリッド自動車20がレース用の車両として構成されていることから、キャパシタ50の劣化を抑制すべく当該キャパシタ50の最大電圧(耐圧)Vmaxより10〜20%程度低い電圧を上限電圧Vhiとしてキャパシタ50の入力制限が行われ、ブレーキングに伴う前輪用モータ24,26からの回生トルクの出力によりレースが行われるサーキットコースにおいて最も大きな出力が要求される箇所(例えば、最長ストレートの立ち上がり)の直前でキャパシタ50の電圧が上限電圧Vhiとなるようにコース毎に設定される最低電圧をキャパシタ50の下限電圧Vlowとしてキャパシタ50の出力制限が行われる。例えば、耐圧900Vのキャパシタを用いた場合、上限電圧Vhiとしてはコースに無関係に750Vや800V等に設定され、下限電圧Vlowとしては例えばAコースでは500Vに、Bコースでは580Vに設定される。下限電圧Vlowをコース毎に設定するのは、例えば最長のストレート区間の立ち上がりのようなコース上で最もモータ36からの出力が要求される箇所でモータ36からできるだけ大きな出力を得ることができるようにするためである。このように、実施例のハイブリッド自動車20では、上限電圧Vhiと下限電圧Vlowとによって定められるキャパシタ50の運転時電圧範囲に基づくキャパシタ50の入出力制限Win,Woutを用いてモータ36や前輪用モータ24,26が駆動制御されることになる。
【0026】
次に、実施例のハイブリッド自動車20の動作、特にレース用に開発されたハイブリッド自動車20が走行経路としてのサーキットコースを走行する際の動作について説明する。図2は、ハイブリッド自動車20が走行経路としてのサーキットコースを走行している最中にドライバーによりアクセルペダル83が踏み込まれているときにモータ36に走行用のトルクを出力させるべくメインECU70により実行されるモータ駆動制御ルーチンの一例を示すフローチャートである。なお、実施例のハイブリッド自動車20では、上述のように、ドライバーによるアクセルペダル83の踏み込み量に応じてエンジン32の吸入空気量や燃料噴射量等が調整され、モータ36の制御は、エンジン32の制御と別個独立に実行される。
【0027】
図2のモータ駆動制御ルーチンの実行に際して、メインECU70のCPU72は、まず、モータ36の回転数Nmやキャパシタ50の電圧Vcap、走行距離計87からの走行距離d、所定の車輪ロックフラグFwl等を入力する(ステップS100)。実施例において、モータ36の回転数Nmやキャパシタ50の電圧VcapはモータECU40から通信により入力するものとした。また、車輪ロックフラグFwlは、例えば車輪速センサからの車輪速に基づいて前輪29a,29bおよび後輪39a,39bの少なくとも何れかがロックするとブレーキECU62により値1に設定されるものをブレーキECU62から通信により入力するものとした。なお、前輪29a,29bおよび後輪39a,39bのすべてがロックしていなければ、車輪ロックフラグFwlはブレーキECU62により値0に設定される。
【0028】
ステップS100のデータ入力処理を実行したならば、入力したキャパシタ50の電圧Vcapと予め設定されているキャパシタ50の下限電圧Vlowとに基づいてキャパシタ50の出力制限Woutを設定する(ステップS110)。実施例では、ステップS100にて入力したキャパシタ50の端子間電圧Vcapから下限電圧Vlowを減じた値が所定値(例えば上限電圧Vhiの5%)以上のときにはキャパシタ50の定格最大出力が出力制限Woutとして設定され、キャパシタ50の端子間電圧Vcapから下限電圧Vlowを減じた値が上記所定値未満のときにはキャパシタ50の端子間電圧Vcapが下限電圧Vlowに近づくほど小さくなり、かつキャパシタ50の端子間電圧Vcapが下限電圧Vlowに至ったときに値0となるように出力制限Woutが設定される。こうしてキャパシタ50の出力制限Woutを設定したならば、出力制限WoutをステップS100にて入力したモータ36の回転数Nmで除した値をモータ36から出力してもよいトルクの上限であるトルク制限Tmaxとして設定する(ステップS120)。
【0029】
次いで、ステップS100にて入力した車輪ロックフラグFwlが値0であるか否かを判定し(ステップS130)、車輪ロックフラグFwlが値0であれば、更にステップS100にて入力したコントロールラインCLからの走行距離dに基づいてモータ36から出力すべきパワーの目標値であるモータ目標パワーPmを設定する(ステップS140)。ここで、実施例では、レースが行われるサーキットコースおよびドライバーごとに、コントロールラインCLからの位置とモータ目標パワーPmとの関係を規定するモータ出力設定用マップ(電動機出力設定用制約)が予め作成されてROM74に記憶されている。モータ出力設定用マップは、例えば、対象となるサーキットコースでの練習走行やテストに際してドライバーによりブレーキングがなされる箇所やドライバーによりブレーキングが解除されてアクセルオンされる箇所をデータ取りした上で取得したデータに基づいてサーキットコースをコントロールラインCLを起点として複数の区間に区分すると共に、ブレーキング時に得られる回生電力やハイブリッド自動車20の加速状態等を考慮しながら区間ごとにモータ36のモータ目標パワーPmを割り当てることにより作成される。例えば、図3に示すようなレイアウトのサーキットコースについて作成されたモータ出力設定用マップを図4に例示する。図4のモータ設定用マップにおいては、事前に取得されたデータに基づいて区分けされた8つの区間1〜8のうち、最も長いストレートとなる区間1のモータ目標パワーPmとして定格値Pratが割り当てられると共に2番目に長いストレートとなる区間3のモータ目標パワーPmとして定格値Pratの50%の値が割り当てられ、他の区間2および4〜8にはモータ目標パワーPmとして値0が割り当てられる。ステップS140では、ハイブリッド自動車20のコントロールラインCLからの走行距離dに基づいて現在の走行区間を求めた上で、求めた走行区間に対応した値をモータ出力設定用マップから読み出してモータ目標パワーPmとして設定する。こうしてモータ目標パワーPmを設定したなら、ステップS120にて設定したトルク制限Tmaxと、ステップS140にて設定したモータ目標パワーPmをステップS100にて入力したモータ36の回転数Nmで除した値との小さい方をモータ36に対するトルク指令Tm*として設定する(ステップS150)。これにより、モータ36に出力させるトルクをキャパシタ50の出力制限Woutの範囲内のトルクとして設定することが可能となる。そして、ステップS150にて設定したトルク指令Tm*をモータECU40に送信し(ステップS160)、再度ステップS100以降の処理を繰り返し実行する。トルク指令Tm*を受信したモータECU40は、トルク指令Tm*に従ってモータ36が駆動されるようにインバータ46のスイッチング素子のスイッチング制御を行なう。
【0030】
一方、ステップS130にて車輪ロックフラグFwlが値1であると判断された場合には、前輪29a,29bおよび後輪39a,39bの何れかがロックしていることから、車輪速センサからの信号に基づいて正確に走行距離dを求めることが困難となってしまう。また、前輪29a,29bおよび後輪39a,39bの何れかがロックしてハイブリッド自動車20がスピンしたような場合には、ハイブリッド自動車20がコース上の何れの箇所に復帰するかを判別することは実質的に不能であり、正確に走行距離dを求めることは困難となる。このため、ステップS130にて否定判断がなされた場合には、ステップS120にて設定されたトルク制限Tmaxをモータ36のトルク指令Tm*として設定し(ステップS170)、設定したトルク指令Tm*をモータECU40に送信した後、再度ステップS100以降の処理を繰り返し実行する。なお、実施例のハイブリッド自動車20では、前輪29a,29bおよび後輪39a,39bの何れかがロックして車輪ロックフラグFwlが値1に一旦設定された後、ハイブリッド自動車20がコース上に復帰した場合には、例えばその後にハイブリッド自動車20がコントロールラインCLを通過した時点で車輪ロックフラグFwlが値0にリセットされる。従って、車輪ロックフラグFwlが値0にリセットされるまでは、モータ36は、ステップS170にて設定されたトルク指令Tm*に従って制御されることになる。
【0031】
以上説明したように、実施例のハイブリッド自動車20では、走行距離計87により計測されるコントロールラインCLからの走行距離dに基づく走行位置(走行区間)と、サーキットコースごとに定められて走行区間ごとにモータ36に出力させるべきモータ目標パワーPmを規定するモータ出力設定用マップとを用いてモータ36が制御される。これにより、ハイブリッド自動車20では、走行経路としてのサーキットコースにおいてモータ36にトルクを出力させる必然性が比較的低い箇所ではキャパシタ50に蓄えられた電力がモータ36により必要以上に消費されることを抑制し、モータ36からトルクを出力させる必然性が高い箇所でキャパシタ50に蓄えられた電力を用いてモータ36を駆動することができる。すなわち、上記実施例のようなモータ出力設定用マップを用いることなくモータ36にトルクを出力させた場合、図5において破線で示すように、ストレートの区間1,3,5および7のすべてにおいて少しずつキャパシタ50の電力がモータ36により消費されてしまい、区間1,3,5および7のストレートエンドにおけるブレーキングに伴う前輪用モータ24,26による回生電力でキャパシタ50を充分に充電し得なくなり、最もモータ36からトルクを出力すべき最長のストレートである区間1においてモータ36に充分なトルクを出力させることができなくなってしまうおそれがある。これに対して、ハイブリッド自動車20の走行位置とモータ出力設定用マップとを用いてモータ36を制御すれば、図5において実線で示すように、区間1の次に長いストレートである区間3においてはモータ36からのトルク出力が許容されるものの、区間1および3以外の区間2および4〜8においてはモータ36からのトルク出力が抑えられることになる。従って、実施例のハイブリッド自動車20が図3のサーキットコースを走行する際には、最もモータ36からトルクを出力すべき最長のストレートである区間1(その立ち上がり)においてモータ36から充分なトルクを常時出力させることが可能となる。この結果、ハイブリッド自動車20では、モータ36によるキャパシタ50に蓄えられた電力の消費がより適正なものとなることから、エンジン32の負担を減らしつつ加速性能等を確保可能となり、ハイブリッド自動車20の走行性能や燃費をより向上させることができる。
【0032】
また、キャパシタ50を唯一の蓄電装置として備えた実施例のハイブリッド自動車20では、キャパシタ50の耐圧に対して充分な余裕をもたせた上限電圧Vhiと、ブレーキングに際して回生される電力を用いた充電によりキャパシタ50の電圧Vcapを速やかに上限電圧Vhiまで復帰させることができる下限電圧Vlowとによりキャパシタ50の運転時電圧範囲が定められていることから、ハイブリッド自動車20の走行位置(走行距離d)とモータ出力設定用マップとに加えて、当該運転時電圧範囲(下限電圧Vlow)に基づく出力制限Woutを更に用いてモータ36を制御すれば、キャパシタ50の劣化を抑制すると共にキャパシタ50を良好に充電して、モータ36の性能を充分に発揮させることが可能となる。更に、実施例では、運転時電圧範囲の下限電圧Vlowは、走行路としてのサーキットコースにおいて最大の出力が要求される箇所の直前(最長のストレート区間の直前)で、ブレーキングに伴って前輪用モータ24,26を回生制御して得られる電力を用いた充電によりキャパシタ50の電圧Vcapが運転時電圧範囲の上限電圧Vhiとなるように設定される。これにより、サーキットコースにおいて最大の出力が要求される箇所において、モータ36から充分なトルクを確実に得ることが可能となる。
【0033】
そして、モータ出力設定用マップを設定するために取得すべきサーキットコースに関する情報として、ドライバーによりブレーキングがなされる箇所およびドライバーによりブレーキングが解除されてアクセルオンされる箇所を取得しておけば、サーキットコース中のモータ36にトルクを出力させる必然性が低い箇所と高い箇所とを的確に把握して、モータ出力設定用マップをより適正に定めることが可能となる。なお、上記実施例では、練習走行やテストに際してドライバーによりブレーキングがなされる箇所やドライバーによりブレーキングが解除されてアクセルオンされる箇所をデータ取りした上で取得したデータに基づいてモータ出力設定用マップを設定しているが、これに限られるものではない。すなわち、メインECU70にモータ出力設定用マップを設定するための機能をもたせると共に、例えばレース開始後の1周目等にドライバーによりブレーキングがなされる箇所やドライバーによりブレーキングが解除されてアクセルオンされる箇所をデータ取りしてモータ出力設定用マップを設定し、設定したモータ出力設定用マップをその後の走行に際して用いてもよい。このような構成を採用した場合、車輪ロックフラグFwlが値1に一旦設定された後にハイブリッド自動車20がコース上に復帰した場合には、その後にハイブリッド自動車20がコントロールラインCLを通過してからの1周目に再度モータ出力設定用マップを設定してもよい。また、走行中にドライバーによりブレーキングがなされる箇所やドライバーによりブレーキングが解除されてアクセルオンされる箇所をデータ取りし、取得したデータに基づいてモータ出力設定用マップを更新する学習機能をメインECU70にもたせてもよい。
【0034】
更に、実施例のハイブリッド自動車20は、インホイールモータである前輪用モータ24,26と、エンジン32のクランクシャフト33に連結されたモータ36と、前輪用モータ24,26やモータ36と電力のやり取りが可能なキャパシタ50とを備えるものとして説明されたが、本発明は、走行用の動力を出力可能な内燃機関と、内燃機関の出力軸に対して動力を入出力可能な電動機と、当該電動機と電力をやり取り可能な唯一の蓄電装置であるキャパシタとを備える自動車であれば、如何なる形式のものにも適用され得ることはいうまでもない。また、実施例のハイブリッド自動車20は、レース用に開発されたものとして説明されたが、これに限られるものではない。すなわち、本発明は、一般の公道を走行するハイブリッド自動車に適用されてもよい。この場合には、メインECUにモータ出力設定用マップを設定するための機能をもたせ、ナビゲーションシステム(GPS等)を用いてドライバーによりブレーキングがなされる箇所やドライバーによりブレーキングが解除されてアクセルオンされる箇所を予測した上で、予測した情報に基づいて走行経路に対応したモータ出力設定用マップを設定してもよい。
【0035】
ここで、上記実施例および変形例の主要な要素と課題を解決するための手段の欄に記載した発明の主要な要素との対応関係について説明しておく。すなわち、上記実施例では、エンジン32が「内燃機関」に相当し、モータ36が「出力軸用電動機」に相当し、キャパシタ50が「キャパシタ」に相当し、走行距離計87およびメインECU70が「走行位置取得手段」に相当し、走行経路に関する情報に基づいて定められて走行区間ごとにモータ36に出力させるべきモータ目標パワーPmを規定するモータ出力設定用マップを記憶するROM74が「記憶手段」に相当し、ドライバーによるアクセルペダル83の踏み込みに応じた動力を出力するようにエンジン32を制御するメインECU70が「機関制御手段」に相当し、走行位置とモータ出力設定用マップとを用いてモータ36を制御するメインECU70およびモータECU40との組み合わせが「電動機制御手段」に相当する。
【0036】
なお、本発明において、「内燃機関」は、ガソリンまたは軽油等の炭化水素系の燃料を用いて動力を出力するものに限られるものではなく、他の如何なる形式のものであっても
構わない。「出力軸用電動機」は、同期発電電動機として構成されたモータ36に限られるものではなく、内燃機関の出力軸に対して動力を入出力することができるものであれば、他の如何なる形式のものであっても構わない。「キャパシタ」は、電気二重層キャパシタとして構成されたキャパシタ50に限られるものではなく、蓄電可能なものであれば他の如何なる形式のものであっても構わない。「走行位置取得手段」は、走行距離計87とメインECU70との組み合わせに限られるものではなく、GPSを用いたもののような他の如何なる形式のものであっても構わない。「電動機出力設定制約」は、モータ出力設定用マップに限られるものではなく、サーキットあるいは一般道といった走行経路に関する情報に基づいて定められて走行位置ごとに電動機に出力させるべき動力を規定するものであれば、他の如何なる形式のものであっても構わない。「機関制御手段」は、メインECU70に限られるものではなく、ドライバーによる要求に応じた動力を出力するように内燃機関を制御するものであれば、エンジン専用の独立したECUのような他の如何なる形式のものであっても構わない。「電動機制御手段」は、走行位置と電動機出力設定制約とを用いて出力軸用電動機を制御するものであれば、メインECU70とモータECU40との組み合わせに限られるものではなく、単一のECUのような他の如何なる形式のものであっても構わない。何れにしても、これら実施例および変形例の主要な要素と課題を解決するための手段の欄に記載した発明の主要な要素との対応関係は、実施例が課題を解決するための手段の欄に記載した発明を実施するための最良の形態を具体的に説明するための一例であることから、課題を解決するための手段の欄に記載した発明の要素を限定するものではない。すなわち、実施例はあくまで課題を解決するための手段の欄に記載した発明の具体的な一例に過ぎず、課題を解決するための手段の欄に記載した発明の解釈は、その欄の記載に基づいて行なわれるべきものである。
【0037】
以上、実施例を用いて本発明の実施の形態について説明したが、本発明は上記実施例に何ら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、様々な変更をなし得ることはいうまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0038】
本発明は、ハイブリッド自動車の製造産業等において利用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】本発明の一実施例に係るレース用に開発されたハイブリッド自動車20の概略構成図である。
【図2】メインECU70により実行されるモータ駆動制御ルーチンの一例を示すフローチャートである。
【図3】サーキットコースの一例を示す説明図である。
【図4】モータ出力設定用マップの一例を示す説明図である。
【図5】実施例のハイブリッド自動車20がサーキットコースを走行する際にキャパシタ50の電圧Vcapとモータ36により出力されるパワーとが変化する様子を例示する説明図である。
【符号の説明】
【0040】
20 ハイブリッド自動車、21 前輪系、24,26 前輪用モータ、25,27 回転位置検出センサ、29a,29b 前輪、31 後輪系、32 エンジン、33 クランクシャフト、34 トランスミッション、36 モータ、37 回転位置検出センサ、38 デファレンシャルギヤ、39a,39b 後輪、40 モータ用電子制御ユニット(モータECU)、42,44,46 インバータ、50 キャパシタ、52 キャパシタ用電子制御ユニット(キャパシタECU)、54 電圧センサ、56 電流センサ、58 温度センサ、60 電子制御式油圧ブレーキユニット(ブレーキユニット)、61 マスタシリンダ、61a マスタシリンダ圧センサ、62 ブレーキ用電子制御ユニット(ブレーキECU)、64 ブレーキアクチュエータ、66a,66b,68a,68b ホイールシリンダ、70 メイン電子制御ユニット(メインECU)、72 CPU、74 ROM、76 RAM、81 アップスイッチ、82 ダウンスイッチ、83 アクセルペダル、84 アクセルペダルポジションセンサ、85 ブレーキペダル、86 ブレーキペダルポジションセンサ、87 走行距離計。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
走行用の動力を出力可能な内燃機関と、前記内燃機関の出力軸に対して動力を入出力可能な出力軸用電動機とを備えたハイブリッド自動車において、
前記出力軸用電動機と電力をやり取り可能な唯一の蓄電装置であるキャパシタと、
前記ハイブリッド自動車の走行経路における走行位置を取得する走行位置取得手段と、
前記走行経路に関する情報に基づいて定められ、前記走行位置ごとに前記電動機に出力させるべき動力を規定する電動機出力設定制約を記憶する記憶手段と、
ドライバーによる要求に応じた動力を出力するように前記内燃機関を制御する機関制御手段と、
前記取得された走行位置と前記電動機出力設定制約とを用いて前記出力軸用電動機を制御する電動機制御手段と、
を備えるハイブリッド自動車。
【請求項2】
請求項1に記載のハイブリッド自動車において、
前記電動機制御手段は、前記取得された走行位置と前記電動機出力設定制約とに加えて、前記キャパシタの使用電圧範囲として予め定められた運転時電圧範囲に基づく制限を更に用いて前記出力軸用電動機を制御するハイブリッド自動車。
【請求項3】
請求項2に記載のハイブリッド自動車において、
動力を入出力可能であると共に前記出力軸用電動機とは異なる第2の電動機を更に備え、
前記運転時電圧範囲の下限電圧は、前記走行路において最大の出力が要求される箇所の直前で、ブレーキングに伴って前記出力軸用電動機および前記第2の電動機の少なくとも一部を回生制御して得られる電力を用いた充電により前記キャパシタの電圧が前記運転時電圧範囲の上限電圧となるように設定されるハイブリッド自動車。
【請求項4】
請求項3に記載のハイブリッド自動車において、
前記第2の電動機は、前記内燃機関の出力軸に連結された車輪とは異なる第2の車輪に対して動力を入出力可能であるハイブリッド自動車。
【請求項5】
請求項4に記載のハイブリッド自動車において、
前記第2の電動機は、前記第2の車輪に対して直接動力を入出力するインホイールモータであるハイブリッド自動車。
【請求項6】
請求項1から5の何れか一項に記載のハイブリッド自動車において、
前記走行経路に関する情報には、ドライバーによりブレーキングがなされる箇所およびドライバーによりブレーキングが解除されてアクセルオンされる箇所が含まれるハイブリッド自動車。
【請求項7】
請求項1から6の何れか一項に記載のハイブリッド自動車において、
前記ハイブリッド自動車は、レース用の車両であると共に、前記電動機出力設定制約は、前記走行経路としてのサーキットコースおよびドライバーごとに定められるハイブリッド自動車。
【請求項8】
走行用の動力を出力可能な内燃機関と、前記内燃機関の出力軸に対して動力を入出力可能な出力軸用電動機と、前記出力軸用電動機と電力をやり取り可能な唯一の蓄電装置であるキャパシタとを備えるハイブリッド自動車の制御方法であって、
(a)前記ハイブリッド自動車の走行経路における走行位置を取得するステップと、
(b)ドライバーによる要求に応じた動力を出力するように前記内燃機関を制御すると共に、ステップ(a)にて取得された走行位置と、前記走行経路に関する情報に基づいて定められて前記走行位置ごとに前記電動機に出力させるべき動力を規定する電動機出力設定制約とを用いて前記出力軸用電動機を制御するステップと、
を含むハイブリッド自動車の制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2009−18699(P2009−18699A)
【公開日】平成21年1月29日(2009.1.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−182957(P2007−182957)
【出願日】平成19年7月12日(2007.7.12)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】