説明

ハニカムパネルの製造方法

【課題】 ハニカムパネル製造時の硬化処理工程において、プリプレグを構成する樹脂組成物が、昇温過程において常に適正な粘度であり、フィレットの形成性に優れ、ハニカムパネルの剥離接着強度および有孔圧縮強度等の機械強度に優れたハニカムパネルの製造方法を提供する。
【解決手段】 ハニカムコアの両面に、強化繊維およびエポキシ樹脂組成物からなるプリプレグを自己接着させたハニカムパネルの製造方法であって、前記エポキシ樹脂組成物が、昇温速度2.8℃/分、周波数10rad/秒、ひずみ1%の動的粘弾性測定における複素粘性率の最低値(1)が5〜15Pa・sであり、かつ昇温速度0.6℃/分、周波数10rad/秒、ひずみ1%の動的粘弾性測定における複素粘性率の最低値(2)が10〜50Pa・sであるプリプレグをハニカムコアに積層して、昇温速度0.6〜2.8℃/分で温度180℃にまで加温して、プリプレグを硬化させるハニカムパネルの製造方法である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ハニカムパネルの製造方法に関し、さらに詳しくは、ハニカムコアとプリプレグとの自己接着性および剥離接着強度に優れたハニカムパネルの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
強化繊維とマトリックス樹脂とからなる繊維強化複合材料は、その優れた力学物性などから、航空機、自動車、産業用途に幅広く使われている。特に航空機用構造材料や内装材においては、軽量化の観点から、繊維強化複合材料を面板としてハニカムパネルに用いるケースが増加している。
【0003】
一般に、ハニカムパネルは、ハニカムコアとしてアラミドハニカム、ガラスハニカムやアルミニウムハニカムを使用し、それらの両面に面板となるプリプレグを積層し、プリプレグを構成する樹脂の硬化とハニカムコアとの接着とを同時に行なう、いわゆるコキュア成形によって製造される。従来は、コキュア成形に当たり、フィルム状の接着剤をハニカムコアとプリプレグとの間に挟みこみ成形する方法が多用されてきたが、近年、ハニカムパネルのより一層の軽量化及び成形コスト低減のため、ハニカムコアとプリプレグを直接接着させる、いわゆる自己接着技術が求められている。しかし、接着剤を用いない場合には、プリプレグを構成する樹脂がハニカムコアとの接着を担う必要があり、高い接着性を確保することが困難であった。
【0004】
このため、特許文献1および2は、剥離接着強度が高い自己接着性プリプレグに使用するエポキシ樹脂組成物を提案するものである。しかし、従来の自己接着性を改善したエポキシ樹脂組成物を使用するプリプレグは、剥離接着強度を高めることに相反して、有孔圧縮強度等の機械強度が低下してしまう弊害が起きることが多く、自己接着性と剥離接着強度の両方を満足することが難しかった。
【0005】
一般に、ハニカムコアとプリプレグとの接着性を高めるためには、ハニカムコアとプリプレグの間に形成されるフィレットを良好に形成することが重要であることが知られている。フィレットは、プリプレグからハニカムコアの厚み方向に、ハニカムの壁に沿ってエポキシ樹脂が垂れ、またはせり上がった部分である。
【0006】
プリプレグを構成するエポキシ樹脂組成物の粘度が低すぎると、上面のプリプレグからハニカムの壁に沿って樹脂が流れ落ちすぎてしまい、上面のプリプレグとハニカムコアとの接着力が、不十分となる。逆にエポキシ樹脂組成物の粘度が高すぎると、樹脂がハニカム壁を十分に濡らすことができずに、特に下面のプリプレグとハニカムコアとの接着力が、不十分となりやすい。
【0007】
さらにハニカムパネル製造時の硬化処理工程においては、硬化処理を行なうオートクレーブ内の温度分布、およびハニカムパネルの大きさや形状により、エポキシ樹脂組成物の温度は、均一ではなく、局所的に不均一になっていると考えられる。そのため、エポキシ樹脂組成物の粘度も不均一となり、フィレットの形成性に影響を与えると考えられる。
【0008】
従来のハニカムパネルの製造方法は、エポキシ樹脂組成物の適正な粘度が得られないために、良好なフィレットを形成できずに、ハニカムコアとプリプレグの接着性が不十分となることが課題であった。すなわち、ハニカムパネルの製造に際して、良好な自己接着性を得るためには、プリプレグに使用するエポキシ樹脂組成物における粘度を、組成設計およびハニカムパネルの製造方法の両面からの制御する必要があると考えられるが、このような技術は、未だ確立されていない。
【特許文献1】特開2001− 31838号公報
【特許文献2】特開2001−323046号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の目的は、ハニカムパネル製造時の硬化処理工程において、プリプレグを構成する樹脂組成物が、昇温過程において常に適正な粘度であり、フィレットの形成性に優れ、ハニカムパネルの剥離接着強度および有孔圧縮強度等の機械強度に優れたハニカムパネルの製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成する本発明のハニカムパネルの製造方法は、ハニカムコアの両面に、強化繊維およびエポキシ樹脂組成物からなるプリプレグを自己接着させたハニカムパネルの製造方法であって、前記エポキシ樹脂組成物が、昇温速度2.8℃/分、周波数10rad/秒、ひずみ1%の動的粘弾性測定における複素粘性率の最低値(1)が5〜15Pa・sであり、かつ昇温速度0.6℃/分、周波数10rad/秒、ひずみ1%の動的粘弾性測定における複素粘性率の最低値(2)が10〜50Pa・sであるプリプレグをハニカムコアに積層して、昇温速度0.6〜2.8℃/分で温度180℃にまで加温して、プリプレグを硬化させるハニカムパネルの製造方法。
【発明の効果】
【0011】
本発明のハニカムパネルの製造方法は、ハニカムパネルの硬化処理工程における昇温速度の上下限の温度条件において、プリプレグを構成するエポキシ樹脂組成物の動的粘弾性測定における複素粘性率の最低値が特定の値となるように制御することから、ハニカムコアとプリプレグの間に、良好なフィレットを形成することが可能となり、剥離接着強度に優れたハニカムパネルを製造することができるものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
本発明は、ハニカムコアの両面に、強化繊維およびエポキシ樹脂組成物からなるプリプレグを積層させた後、硬化処理によりエポキシ樹脂を硬化させて、ハニカムコアにプリプレグを自己接着させるハニカムパネルの製造方法である。
【0013】
本発明の製造方法に使用するハニカムコアは、特に制限はないが、アラミドハニカム、ガラスハニカム、アルミニウムハニカムを好ましく挙げられ、とりわけアラミドハニカムもしくはガラスハニカムが好ましい。
【0014】
本発明の製造方法のプリプレグに使用する強化繊維は、特に制限はないが、炭素繊維、ガラス繊維、アラミド繊維、ボロン繊維等の高強度、高弾性繊維が好ましく挙げられ、とりわけ炭素繊維が好ましい。
【0015】
本発明の製造方法において、プリプレグに使用するエポキシ樹脂組成物は、昇温速度2.8℃/分、周波数10rad/秒、ひずみ1%の動的粘弾性測定における複素粘性率の最低値(1)が5〜15Pa・sであり、かつ昇温速度0.6℃/分、周波数10rad/秒、ひずみ1%の動的粘弾性測定における複素粘性率の最低値(2)が10〜50Pa・sであることを特徴とするものである。ここで、昇温速度0.6℃/分および2.8℃/分は、ハニカムパネルの硬化処理工程における最小昇温速度および最大昇温速度である。以下、エポキシ樹脂組成物における、昇温速度2.8℃/分、周波数10rad/秒、ひずみ1%の動的粘弾性測定における複素粘性率の最低値(1)を最低粘度(1)といい、昇温速度0.6℃/分、周波数10rad/秒、ひずみ1%の動的粘弾性測定における複素粘性率の最低値(2)を最低粘度(2)ということがある。
【0016】
エポキシ樹脂組成物の粘度は、その温度に大きな影響を受け、特にフィレットの形成性に関しては、ハニカムパネルの硬化処理工程における温度変化に伴うエポキシ樹脂組成物の粘度の変化が、重要である。ハニカムパネルの硬化処理工程は、室温から所定の昇温速度(0.6〜2.8℃/分の範囲内)で加温して、高温硬化タイプのプリプレグにおいては、温度180℃でエポキシ樹脂組成物の硬化が行なわれる。エポキシ樹脂組成物の粘度は、温度が昇温するに伴い粘度が次第に低下して、ある温度に達するとエポキシ樹脂組成物の硬化が始まり、それ以上の温度では粘度が高くなり始める。すなわち、ハニカムパネルの硬化処理工程において、エポキシ樹脂組成物の粘度が、極小値をとる最低粘度が存在することになる。
【0017】
また、ハニカムパネルの硬化処理工程においては、硬化処理を行なうオートクレーブ内の温度分布、およびハニカムパネルの大きさや形状、また加熱手段からの伝熱しやすさの相違等により、エポキシ樹脂組成物の温度および昇温速度は、均一ではないと考えられる。そのため、硬化処理工程の昇温速度を、所定の値に設定した場合、昇温速度が速い部分と、遅い部分が生じてしまうことになる。ここで、昇温速度が速いと、昇温によりエポキシ樹脂組成物の溶融粘度が低下する前に、硬化反応が開始されてしまうので、最低粘度が高くなる傾向にあり、昇温速度が遅いと、硬化開始までに時間がかかりエポキシ樹脂組成物の溶融粘度が低下しやすくなり、最低粘度が低くなる傾向が認められる。したがってエポキシ樹脂組成物の最低粘度は、この昇温速度の上下限において制御する必要があり、上下限で良好な溶融粘度が得られれば、その中間の昇温速度においても溶融粘度が適正となり、良好なフィレットを形成することができる。
【0018】
本発明において、エポキシ樹脂組成物の最低粘度(1)は、5〜15Pa・s、好ましくは6〜12Pa・sであり、より好ましくは6〜11Pa・sである。最低粘度(1)が上記範囲未満であるとフィレット形成時の樹脂粘度が低すぎて、特に上面のプリプレグから樹脂が垂れ下がりすぎる傾向があり、上記範囲を超えると樹脂が固すぎて、ハニカムコアの壁面に伝わらず、ハニカムコアの両端面または片面に部分的に偏ってフィレットが形成されることがあり、良好なフィレットを形成できない傾向があり、好ましくない。
【0019】
また、エポキシ樹脂組成物の最低粘度(2)は、10〜50Pa・s、好ましくは12〜40Pa・s、より好ましくは15〜25Pa・sである。最低粘度(2)が上記範囲未満であるとフィレット形成時の樹脂粘度が低すぎて、特に上面のプリプレグから樹脂が垂れ下がりすぎる傾向があり、上記範囲を超えると樹脂が固すぎてハニカムコアの壁面に伝わらず、特に下面のプリプレグからのせり上がりが乏しくなる傾向があり、好ましくない。
【0020】
なお、エポキシ樹脂組成物の最低粘度(1)および(2)は、温度25℃から180℃まで昇温速度2.8および0.6℃/分で昇温させながら測定した動的粘弾性測定における複素粘性率の最低値として求められる。複素粘性率は、パラレルプレ−ト法(直径25.4mm)により、周波数10rad/秒、ひずみ1%における動的粘弾性測定より求められる粘度であり、測定装置は、レオメトリックス社製のダイナミックメカニカルアナライザー(動的粘弾性装置ARES−II)を使用するものとする。
【0021】
本発明の製造方法は、特定の最低粘度(1)および(2)を有するエポキシ樹脂組成物をプリプレグに使用して、ハニカムコアと積層して、硬化処理条件における昇温速度が、0.6〜2.8℃/分、好ましくは1.0〜2.4℃/分となるように制御しつつ、温度180℃まで昇温させて、その後、好ましくは2時間の間、プリプレグを硬化させてハニカムパネルを製造するものである。昇温速度が、上記範囲未満であると昇温中にエポキシ樹脂組成物の溶融粘度が低くなりすぎる傾向があり、上記範囲を超えると昇温中にエポキシ樹脂組成物の溶融粘度が高くなりすぎて、垂れ下がり及びせり上がりが不十分となる傾向があり、好ましくない。
【0022】
本発明の製造方法に使用するエポキシ樹脂組成物は、特に制限はないが、好ましくは、エポキシ樹脂組成物が、ビフェニル型2官能エポキシ樹脂(A)を15〜40重量%、グリシジルアミン型エポキシ樹脂(B)を10〜35重量%、前記(A)および(B)成分を除くエポキシ樹脂(C)を25〜75重量%からなるエポキシ樹脂の合計100重量部に対して、硬化剤(D)を15〜40重量部、熱可塑性樹脂(E)を1〜15重量部、固形ゴム(F)を5.5〜15重量部配合するエポキシ樹脂組成物の製造方法であって、(A)成分の全量と、(C)および(E)成分の少なくとも一部とを、触媒を共存させて溶融混合する工程(1)、その生成物へ、(B)および(D)成分の、少なくとも一部とを、配合して、溶融混合する工程(2)、その生成物へ、(B)〜(F)成分の残量を配合し、溶融混練する工程(3)により製造されるエポキシ樹脂組成物である。
【0023】
以下、本発明の製造方法に好ましく使用するエポキシ樹脂組成物について説明する。
【0024】
本発明において、ビフェニル型2官能エポキシ樹脂(A)は、下記式(1)で表されるエポキシ樹脂であることが好ましい。
【0025】
【化1】

【0026】
ビフェニル型2官能エポキシ樹脂(A)の配合量は、好ましくは15〜40重量%、より好ましくは20〜35重量%である。(A)成分の配合量が、上記範囲未満であるとプリプレグにおける剥離接着強度が低くなる傾向があり、上記範囲を超えるとエポキシ樹脂組成物の粘度が低くなりすぎる傾向があり、好ましくない。
【0027】
また、本発明の製造方法において、グリシジルアミン型エポキシ樹脂(B)は、エポキシ樹脂組成物の耐熱性を向上させる役割を果たすものである。グリシジルアミン型エポキシ樹脂としては、テトラグリシジルジアミノジフェニルメタン、トリグリシジルアミノフェノール、トリグリシジルアミノクレゾール等を好ましく挙げることができる。
【0028】
本発明の製造方法において、グリシジルアミン型エポキシ樹脂(B)の配合量は、好ましくは10〜35重量%、より好ましくは15〜30重量%である。(B)成分の配合量が、上記範囲未満であると樹脂硬化物の耐熱性が損なわれる傾向があり、上記範囲を超えると樹脂硬化物の伸びや耐湿性に劣る傾向があり、好ましくない。
【0029】
本発明において、(C)成分に好ましく使用するエポキシ樹脂は、ビフェニル型2官能エポキシ樹脂(A)およびグリシジルアミン型エポキシ樹脂(B)を除く、エポキシ樹脂である。エポキシ樹脂(C)は、好ましくは1分子中にエポキシ基を2個有するエポキシ樹脂、エポキシ基を3個以上有する3官能以上のエポキシ樹脂およびゴム変性エポキシ樹脂を、好ましく挙げることができる。2官能エポキシ樹脂としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、ジフェニルフルオレン型エポキシ樹脂等を、好ましく挙げることができる。
【0030】
3官能エポキシ樹脂又は4官能エポキシ樹脂としては、例えば、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、グリシジルエーテル型エポキシ樹脂等を、好ましく挙げることができる。また2〜5官能のエポキシ樹脂として、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂を好ましく挙げることができる。
【0031】
また、ゴム変性エポキシ樹脂は、好ましくは末端カルボキシル基を有する分子量が1000くらいの液状ゴムと、上記の2官能エポキシ樹脂との変性物である。ゴムの種類は、ポリブチレン、ポリブタジエン、ブタジエン−アクリロニトリルゴム、あるいはシリコンゴム等が好ましく挙げられるが、ブタジエン−アクリロニトリルゴムがより好ましい。特にゴム変性エポキシ樹脂として、エポキシ樹脂と末端カルボキシル変性ブタジエン−アクリロニトリルゴムからなるゴム変性エポキシ樹脂であるCTBN変性エポキシ樹脂が、好ましい。
【0032】
特に、本発明の製造方法に使用するエポキシ樹脂(C)は、上記のエポキシ樹脂を単独で、または2種以上の混合物として使用することができる。特に、(C)成分として、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、CTBN変性エポキシ樹脂を使用することが好ましい。
【0033】
本発明の製造方法において、エポキシ樹脂(C)の合計の配合量は、好ましくは25〜75重量%、より好ましくは35〜65重量%である。(C)成分の配合量が、上記範囲未満であると樹脂硬化物の伸びおよび耐湿性に劣る傾向があり、上記範囲を超えると樹脂硬化物の耐熱性が損なわれる傾向があり、好ましくない。
【0034】
本発明の製造方法において、上記エポキシ樹脂(A)〜(C)の配合量の合計は、100重量%となるものである。硬化剤およびその他の任意成分の配合量は、エポキシ樹脂(A)〜(C)の合計100重量部に対して、重量部を用いて規定するものとする。
【0035】
本発明において、硬化剤(D)は、エポキシ基と反応し得る活性基を有する化合物であれば、特に限定されない。具体的には、ジアミノジフェニルメタン、ジアミノジフェニルスルホンのような芳香族アミン、脂肪族アミン、イミダゾール誘導体、ジシアンジアミド、テトラメチルグアニジン、チオ尿素付加アミン、メチルヘキサヒドロフタル酸無水物のようなカルボン酸無水物、カルボン酸ヒドラジド、カルボン酸アミド、ポリフェノール化合物、ノボラック樹脂、ポリメルカプタン等が好ましく挙げられる。とりわけ樹脂硬化物の耐熱性向上の観点からジアミノジフェニルスルホンを使用することが好ましい。
【0036】
本発明の製造方法において、硬化剤(D)の配合量は、上記エポキシ樹脂(A)〜(C)の合計100重量部に対して、好ましくは15〜40重量部、より好ましくは20〜35重量部である。硬化剤(D)の配合量が、上記範囲未満であると樹脂硬化物の十分な耐熱性を得ることができない傾向があり、上記範囲を超えるとエポキシ樹脂の架橋点数は増加するが、架橋密度が低下して、樹脂硬化物の剛性および耐熱性が低下する傾向があり、好ましくない。
【0037】
本発明の製造方法において、熱可塑性樹脂(E)は、主鎖に炭素炭素結合、アミド結合、イミド結合(ポリエーテルイミド等)、エステル結合、エーテル結合、シロキサン結合、カーボネート結合、ウレタン結合、尿素結合、チオエーテル結合、スルフォン結合、イミダゾール結合、カルボニル結合から選ばれる結合を有する熱可塑性樹脂が好ましく挙げられる。中でも、ウレタン結合を有する熱可塑性樹脂が、硬化物や、得られる複合材料において、靭性等の物性の向上とタック性、ドレープ性等のプリプレグ作業性が向上する観点から、より好ましい。
【0038】
本発明の製造方法において、熱可塑性樹脂(E)を配合する方法は特に制限はないが、工程(1)に配合して、ビフェニル型エポキシ樹脂(A)および(C)成分とともに、触媒により予備重合を行なうことが好ましい。工程(1)に配合することにより、熱可塑性樹脂中の反応性官能基とエポキシ樹脂の反応、または熱可塑性樹脂分子の分子配列によって樹脂の架橋点が増加し靭性を高める効果が大きく、好ましい。
【0039】
本発明の製造方法において、熱可塑性樹脂(E)の配合量は、上記エポキシ樹脂(A)〜(C)の合計100重量部に対して、好ましくは1〜15重量部、より好ましくは2〜10重量部である。熱可塑性樹脂(E)の配合量が、上記範囲未満であると樹脂硬化物の十分な靭性が得られない傾向があり、上記範囲を超えるとプリプレグを作製する際の繊維基材への含浸性、及びプリプレグのタック性、ドレープ性を低下させる傾向があり、好ましくない。
【0040】
本発明において、固形ゴム(F)は、好ましくはブタジエンアクリロニトリルゴム、スチレンブタジエンゴム、ブチルアクリレート等が使用でき、なかでもブタジエンアクリロニトリルゴムが好ましい。
【0041】
本発明の製造方法において、固形ゴム(F)を配合する方法は特に制限はないが、工程(3)に配合して、加圧ロールにより溶融混練することが好ましい。これは、固形ゴム(F)の粘度が高いために、工程(1)および(2)に使用する反応槽では、均一に混合することができないためである。
【0042】
本発明の製造方法において、固形ゴム(F)の配合量は、上記エポキシ樹脂(A)〜(C)の合計100重量部に対して、好ましくは5.5〜15重量部、より好ましくは6〜10重量部である。固形ゴム(F)の配合量が、上記範囲未満であると樹脂硬化物の十分な靭性が得られい傾向があり、上記範囲を超えるとプリプレグを作製する際の繊維基材への含浸性、及びプリプレグのタック性、ドレープ性を低下させる傾向があるため、好ましくない。
【0043】
また、本発明の製造方法に使用する触媒は、予備重合触媒として利用して、例えば、三フッ化ホウ素アミン錯体、三塩化ホウ素アミン錯体、三フッ化ホウ素エチルアミン錯体のような、いわゆるルイス酸触媒が好ましく使用でき、特に三フッ化ホウ素アミン錯体または三塩化ホウ素アミン錯体を使用することが好ましい。
【0044】
本発明の製造方法において、予備重合触媒は、工程(1)において、上記エポキシ樹脂(A)〜(C)の合計100重量部に対して、好ましくは0.25〜0.50重量部、より好ましくは0.30〜0.40重量部を配合することが好ましい。予備重合触媒の配合量が、上記範囲未満であると予備重合を十分に進めることができず、上記範囲を超えると過剰反応によるゲル化の進行を促進する可能性が高くなるため、好ましくない。
【0045】
本発明において、エポキシ樹脂組成物の好ましい製造方法は、上記(A)〜(F)成分を最終的な混練ロールにより練り合わせる前に、予め触媒により予備重合する工程(1)および硬化剤により予備反応させる工程(2)により、低分子量成分であるビフェニル型2官能エポキシ樹脂(A)を、他のエポキシ樹脂成分と選択的に予備重合および予備反応させることにより、適正な粘度を有するエポキシ樹脂組成物を得ることが好ましい。具体的には、下記の工程(1)〜(3)を含む製造方法が好ましい。
【0046】
工程(1):(A)成分の全量と、(C)および(E)成分の少なくとも一部を、触媒を共存させて溶融混合する工程
工程(1)は、ビフェニル型2官能エポキシ樹脂(A)の全量および他のエポキシ樹脂(C)および熱可塑性樹脂(E)の少なくとも一部を、触媒、好ましくは三フッ化ホウ素アミン錯体または三塩化ホウ素アミン錯体である予備重合触媒を共存させて、溶融混合により予備重合させる工程である。ビフェニル型2官能エポキシ樹脂(A)と、他のエポキシ樹脂(C)を選択的に予備重合することにより、低分子量成分であるビフェニル型2官能エポキシ樹脂(A)が、(C)成分と選択的に重合反応し、分子量を高め、粘度を高くすることができる。
【0047】
工程(1)における予備重合は、温度が、好ましくは120〜140℃、より好ましくは125〜135℃であり、時間が、好ましくは1〜3時間、より好ましくは1.5〜2.5時間である。工程(1)の温度が、上記範囲未満であると目的に対して十分な粘度の予備重合物を得ることができない傾向があり、上記範囲を超えると過剰反応によるゲル化の進行を促進する可能性が高くなる傾向があり、好ましくない。また、工程(1)の時間が、上記範囲未満であると目的に対して十分な粘度の予備重合物を得ることができない傾向があり、上記範囲を超えるとエポキシ樹脂間の自己重合を促進する可能性があるため、好ましくない。
【0048】
工程(2):工程(1)の生成物へ、(B)および(D)成分の少なくとも一部を、配合して、溶融混合する工程
【0049】
工程(2)は、工程(1)の生成物の入った反応槽に、グリシジルアミン型エポキシ樹脂(B)および硬化剤(D)の少なくとも一部を配合して、溶融混合させて、予備反応させる工程である。ビフェニル型2官能エポキシ樹脂(A)が、グリシジルアミン型エポキシ樹脂(B)および硬化剤(D)と選択的に反応して、その粘度をさらに高めることができる。
【0050】
工程(2)における予備反応は、温度が、好ましくは120〜140℃、より好ましくは125〜135℃であり、時間が、好ましくは1〜2時間、より好ましくは1.5時間前後である。工程(2)の温度が、上記範囲未満であると目的に対して十分な粘度の予備反応物を得ることができない傾向があり、上記範囲を超えると硬化反応が加速し樹脂粘度が増加しすぎる場合があり、好ましくない。また、工程(2)の時間が、上記範囲未満であると目的に対して十分な粘度の予備反応物を得ることができない傾向があり、上記範囲を超えると過剰反応により樹脂粘度が増加しすぎる傾向があり、好ましくない。
【0051】
工程(3):工程(2)の生成物へ、成分(B)〜(D)の残量および(F)成分を、配合し混練ロールにより、溶融混練する工程
【0052】
工程(3)は、エポキシ樹脂組成物の全ての構成成分を配合し、溶融混練によりエポキシ樹脂組成物を得るものである。具体的には、工程(2)の生成物に対して、(B)〜(D)成分の残量と、固形ゴム(F)とを、配合して、加熱ロール等により、溶融混合する工程である。工程(3)における溶融混練は、温度が、好ましくは40〜80℃、より好ましくは50〜70℃であり、時間が、好ましくは0.5〜3時間、より好ましくは1〜2時間である。工程(3)の温度が、上記範囲未満であると樹脂の粘度が高いため相溶性が不十分となることがあり、上記範囲を超えると樹脂間の反応を過剰に促進する可能性があるため、好ましくない。また、工程(3)の時間が、上記範囲未満であると十分に混練して相溶した樹脂組成物が得られない傾向があり、上記範囲を超えると十分な相溶状態が得られるが作業時間が長期化して生産性が低下し、また樹脂間の反応が促進し過ぎる可能性があり、好ましくない。
【0053】
ビフェニル型2官能エポキシ樹脂(A)を含む工程(2)の生成物に対して、エポキシ樹脂組成物の残量を配合して、溶融混練することにより、エポキシ樹脂組成物の粘度が、最終的に良好なフィレットを形成するための適正な粘度となるように、調製することができる。
【0054】
本発明の製造方法に好ましく使用するエポキシ樹脂組成物は、最終的な溶融混練の工程(3)の前に、予め触媒により予備重合する工程(1)および硬化剤により予備反応させる工程(2)により、低分子量成分であるビフェニル型2官能エポキシ樹脂(A)を、他のエポキシ樹脂成分と予備重合および予備反応させて高分子量化することにより、適正な粘度を有するエポキシ樹脂組成物を得ることが特徴である。したがって、このように製造されたエポキシ樹脂組成物は、フィレットの形成に優れ、プリプレグの剥離接着強度が高い特徴を有するものである。
【0055】
本発明のハニカムパネルの製造方法は、ハニカムパネルの硬化処理工程における昇温速度の上下限の温度条件において、プリプレグを構成するエポキシ樹脂組成物の動的粘弾性測定における複素粘性率の最低値が特定の値となるように制御することから、ハニカムコアとプリプレグの間に、良好なフィレットを形成することが可能となり、剥離接着強度に優れたハニカムパネルを製造することができるものである。
【実施例】
【0056】
以下、実施例によって本発明をさらに説明するが、本発明の範囲をこれらの実施例に限定されるものではない。
【0057】
実施例および比較例中に示されるプリプレグおよびハニカムの作製方法は次のとおりである。
【0058】
〔プリプレグの作製方法〕
各エポキシ樹脂組成物を、リバ−スロ−ルコ−タ−を用いて離型紙上に塗布して、樹脂目付65g/mの樹脂フィルムを作製した。次いでこの樹脂フィルム2枚を平織状に織られた炭素繊維(東レ社製T300−3K)の両面から重ね合わせて、加熱加圧してエポキシ樹脂組成物を炭素繊維に含浸させた。エポキシ樹脂組成物を含浸させた後、離型紙を剥離して、剥離面の片面にポリエチレンフィルムを配して巻き取り、プリプレグシ−トを得た。
【0059】
〔ハニカムの作製方法〕
各エポキシ樹脂組成物からなるプリプレグを2枚積層し、これをハニカムコア(昭和飛行機工業社製ノーメックスハニカムSAH−1/8−8.0)の両面に配置した後、バッグに入れ、これをオ−トクレ−ブ内で温度180℃、2時間(昇温速度2.8℃/分)加熱し、硬化させてハニカムパネルを作製した。この間、オ−トクレ−ブ内を圧空で0.32MPaに加圧した。
【0060】
さらに、オートクレーブ内の昇温速度を0.6℃/分としたこと以外は、上記と同様にして、ハニカムパネル(2)を作製した。
【0061】
実施例および比較例中に示されるエポキシ樹脂組成物の最低粘度の測定方法、およびハニカムパネルの剥離接着強度および有孔圧縮強度は、次のように測定した。
【0062】
〔エポキシ樹脂組成物の最低粘度〕
エポキシ樹脂組成物を試料として、レオメトリックス社製の動的粘弾性装置(ARES−II)を使用して、パラレルプレ−ト法(直径25.4mm)により、測定温度範囲25〜180℃、昇温速度2.8℃/分、周波数10rad/秒、ひずみ1%の動的粘弾性測定における複素粘性率を測定し、複素粘性率の最低値、すなわち最低粘度(1)(Pa・s)を求め、その結果を表1に記載した。
【0063】
また、動的粘弾性測定条件において、昇温速度を0.6℃/分としたこと以外は、上記と同様にして、エポキシ樹脂組成物の最低粘度(2)(単位:Pa・s)を測定した。
【0064】
〔ハニカムパネルの剥離接着強度 〕
上記の異なる昇温速度により得られたハニカムパネル(1)および(2)を所定の寸法に加工し、ASTM D1781に準拠して、温度23℃(乾燥状態)における各試験片の剥離接着強度(1)および(2)(単位:lb−in/3in)を測定した。
【0065】
〔有孔圧縮強度〕
それぞれの樹脂組成物からなるプリプレグを16枚積層してバッグに入れ、これをオ−トクレ−ブ内で温度180℃、2時間(昇温速度2.8℃/分)加熱し、硬化させて成形板を作製した。この間、オ−トクレ−ブ内を圧空で0.32MPaに加圧した。
【0066】
得られた成形板を所定の寸法に加工して各試験片を作製し、ボ−イング社試験法に準拠して、試験条件を(1)23℃における乾燥状態、及び(2)93℃における吸湿状態、とした場合の各試験片の有孔圧縮強度(MPa)を測定した。なお、吸湿状態における各試験片としては、70℃の温水に2週間浸した後、取り出した試験片を用いた。
【0067】
実施例1、2および比較例1〜3において、以下に示す原材料を使用した。
・ビフェニル型2官能エポキシ樹脂(A)
樹脂A−1:ビフェニル型2官能エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン社製YX−4000)
・グリシジルアミン型エポキシ樹脂(B)
樹脂B−1:グリシジルアミン型エポキシ樹脂(住友化学社製ELM−434)
・他のエポキシ樹脂(C)
樹脂C−1:ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂(大日本インキ社製HP−7200)
樹脂C−2:ビスフェノールA型エポキシ樹脂(東都化成社製YD−128)
樹脂C−3:ナフタレン骨格型エポキシ樹脂(大日本インキ社製HP−4032)
樹脂C−4:ゴム変性型エポキシ樹脂(大日本インキ社製TR−601)
・硬化剤(D)
硬化剤D−1:4,4’−ジアミノジフェニルスルホン(和歌山精化社製セイカキュアーS)
・熱可塑性樹脂(E)
樹脂E−1:ウレタン樹脂(ダウ・ケミカル日本社製Pelethene 90A)
・固形ゴム(F)
樹脂F−1:カルボキシル変性NBR(日本ゼオン社製Nipol 1072)
・触媒
触媒−1:BClアミン錯体(ハンツマン・アドバンスト・アテリアルズ社製DY−9577)
【0068】
実施例1
表1に示すエポキシ樹脂組成物を下記の方法で調整した。なお、(A)〜(C)のエポキシ樹脂成分の配合単位は、重量%であり、これらの合計は、最終的に100重量%である。また、(D)〜(F)成分の配合単位は、(A)〜(C)のエポキシ樹脂成分の最終的な配合量100重量部に対する重量部により表した。
【0069】
(第1工程)
樹脂A−1を27.0重量%、樹脂C−1を11.7重量%、樹脂C−4を5.4重量%、樹脂E−1を2.7重量部、温度185℃に設定した反応槽にて撹拌した。次に、均一に混合されていることを確認後、反応槽の温度設定を130℃に設定し、液温が130〜135℃になった時点で触媒−1を0.3重量部投入し、2時間撹拌しながら予備重合を行なった。
【0070】
(第2工程)
得られた生成物の入った反応槽へ、樹脂B−1を13.5重量%および硬化剤D−1を1.4重量部を投入した後、温度130℃において1.5時間撹拌して、予備硬化反応を行なった。
【0071】
(第3工程)
第2工程により得られた生成物と、樹脂B−1を9.0重量%と、樹脂C−2の9.0重量%を、プラネタリミキサにて加温混合した。その後、これらの中間生成物を混練ロールにて、樹脂C−1を24.3重量%、硬化剤D−1を31.4重量部、および樹脂F−1を6.8重量部投入して、温度50℃において、2時間、混練を行ない、エポキシ樹脂組成物を得た。
【0072】
(エポキシ樹脂組成物の評価)
得られたエポキシ樹脂組成物の最低粘度(1)および(2)を上記の方法で測定した。その測定結果を表1に示す。
【0073】
得られたエポキシ樹脂組成物を使用して、上記の方法でプリプレグを作製した。
【0074】
得られたプリプレグを使用して、上記の方法でハニカムパネル(1)および(2)を作製した。
【0075】
得られたハニカムパネル(1)および(2)の剥離接着強度(1)および(2)、ならびに有孔圧縮強度を上記の方法で測定した。その測定結果を表1に示す。
【0076】
【表1】

【0077】
実施例2
エポキシ樹脂組成物の組成および各工程の配合量を表1に示すように変更したこと以外は、実施例1と同様にして、エポキシ樹脂組成物を調製した。
【0078】
得られたエポキシ樹脂組成物を用いて、エポキシ樹脂組成物の評価、プリプレグ、ハニカムパネルの作製および評価も実施例1と同様にして行なった。その評価結果を表1に示す。
【0079】
比較例1
エポキシ樹脂組成物において樹脂E−1を使用せずに、組成および各工程の配合量を表1に示すように変更したこと以外は、実施例1と同様にして、エポキシ樹脂組成物を調製した。
【0080】
得られたエポキシ樹脂組成物を用いて、エポキシ樹脂組成物の評価、プリプレグ、ハニカムパネルの作製および評価も実施例1と同様にして行なった。その評価結果を表1に示す。
【0081】
比較例2
エポキシ樹脂組成物の組成および各工程の配合量を表1に示すように変更したこと以外は、実施例1と同様にして、エポキシ樹脂組成物を調製した。
【0082】
得られたエポキシ樹脂組成物を用いて、エポキシ樹脂組成物の評価、プリプレグ、ハニカムパネルの作製および評価も実施例1と同様にして行なった。その評価結果を表1に示す。
【0083】
表1の特性評価結果より、本発明の製造方法は、適正な最低粘度を有しているため、フィレット形成性も良好であった。また、昇温速度の上下限においても、剥離接着強度が高く優れた自己接着性を示すことが認められ、有孔圧縮強度も高いことが認められた。これに対して比較例に示す製造方法は、最低粘度の条件を満たしていないために、ハニカムパネルにおける剥離接着強度が低く、十分な自己接着性が認められなかった。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハニカムコアの両面に、強化繊維およびエポキシ樹脂組成物からなるプリプレグを自己接着させたハニカムパネルの製造方法であって、前記エポキシ樹脂組成物が、昇温速度2.8℃/分、周波数10rad/秒、ひずみ1%の動的粘弾性測定における複素粘性率の最低値(1)が5〜15Pa・sであり、かつ昇温速度0.6℃/分、周波数10rad/秒、ひずみ1%の動的粘弾性測定における複素粘性率の最低値(2)が10〜50Pa・sであるプリプレグをハニカムコアに積層して、昇温速度0.6〜2.8℃/分で温度180℃にまで加温して、プリプレグを硬化させるハニカムパネルの製造方法。
【請求項2】
前記エポキシ樹脂組成物が、 ビフェニル型2官能エポキシ樹脂(A)を15〜40重量%、グリシジルアミン型エポキシ樹脂(B)を10〜35重量%、前記(A)および(B)成分を除くエポキシ樹脂(C)を25〜75重量%からなるエポキシ樹脂の合計100重量部に対して、硬化剤(D)を15〜40重量部、熱可塑性樹脂(E)を1〜15重量部、固形ゴム(F)を5.5〜15重量部配合するエポキシ樹脂組成物の製造方法であって、(A)成分の全量と、(C)および(E)成分の少なくとも一部とを、触媒を共存させて溶融混合する工程(1)、その生成物へ、(B)および(D)成分の、少なくとも一部とを、配合して、溶融混合する工程(2)、その生成物へ、成分(B)〜(F)の残量を配合し、溶融混練する工程(3)により製造されるエポキシ樹脂組成物である請求項1に記載のハニカムパネルの製造方法。
【請求項3】
前記触媒が、三フッ化ホウ素アミン錯体または三塩化ホウ素アミン錯体である請求項2に記載のエポキシ樹脂組成物の製造方法。

【公開番号】特開2006−272829(P2006−272829A)
【公開日】平成18年10月12日(2006.10.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−97640(P2005−97640)
【出願日】平成17年3月30日(2005.3.30)
【出願人】(000006714)横浜ゴム株式会社 (4,905)
【Fターム(参考)】