バンドギャップリファレンス回路および回路を製造する方法
【課題】最低所要供給電圧が低く、小さいチップ領域を占め、電流消費が低く、供給電圧の変動に強いバンドギャップリファレンス回路を提供する。
【解決手段】電圧ジェネレータ(VG)と、供給回路(SC)と、バイアス要素(BB)および制御要素(CB)を含むバイアス回路(BC)とを、バンドギャップリファレンス回路は含む。供給回路(SC)の制御要素(CS)およびバイアス回路(BC)の制御要素(CB)のうちの一つは、擬似格子整合型高電子移動度トランジスタまたはヘテロ接合バイポーラトランジスタを含み、供給回路(SC)のバイアス要素(BS)およびバイアス回路(BC)のバイアス要素(BB)のうちの一つは、ロングゲート擬似格子整合型高電子移動度トランジスタまたは抵抗を含む。擬似構成整合型高電子移動度トランジスタおよびヘテロ接合バイポーラトランジスタは、GaAs BiFET技術プロセスを用いて製造される。
【解決手段】電圧ジェネレータ(VG)と、供給回路(SC)と、バイアス要素(BB)および制御要素(CB)を含むバイアス回路(BC)とを、バンドギャップリファレンス回路は含む。供給回路(SC)の制御要素(CS)およびバイアス回路(BC)の制御要素(CB)のうちの一つは、擬似格子整合型高電子移動度トランジスタまたはヘテロ接合バイポーラトランジスタを含み、供給回路(SC)のバイアス要素(BS)およびバイアス回路(BC)のバイアス要素(BB)のうちの一つは、ロングゲート擬似格子整合型高電子移動度トランジスタまたは抵抗を含む。擬似構成整合型高電子移動度トランジスタおよびヘテロ接合バイポーラトランジスタは、GaAs BiFET技術プロセスを用いて製造される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の名称
バンドギャップリファレンス回路および回路を製造する方法
【背景技術】
【0002】
発明の詳細な説明
本発明は、温度依存性の一次影響が消された電圧または電流を提供するためのバンドギャップリファレンス回路に関する。バンドギャップリファレンス回路は、通常ガリウムヒ素(GaAs)を用いて製造される、携帯電話のパワーアンプのような高周波数アプリケーションにおいて用いられる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の目的は、GaAs技術において実現され、最低所要供給電圧が低く、小さいチップ領域を占め、電流消費が低く、供給電圧の変動に強いバンドギャップリファレンス回路を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、絶対温度に比例する電圧または電流を生成するように設計された電圧ジェネレータと、電圧ジェネレータを作動するための供給を生成するように設計され、バイアス要素および制御要素を含む供給回路と、電圧ジェネレータを作動するためのバイアスを生成するように設計され、バイアス要素および制御要素を含むバイアス回路とを含むバンドギャップリファレンス回路を提供することにより、目的を達成する。供給回路の制御要素およびバイアス回路の制御要素のうちの少なくとも一つは、擬似格子整合型高電子移動度トランジスタ(pHEMT)を含み、かつ/あるいは、供給回路のバイアス要素およびバイアス回路のバイアス要素のうちの少なくとも一つは、ロングゲート擬似格子整合型高電子移動度トランジスタを含む。高電子移動度トランジスタ(HEMT)において、高移動度電子は、ヘテロ接合を用いて生成される。pHEMTではない要素は、夫々、ヘテロ接合型バイポーラトランジスタ(HBT)によって実現され得る。ヘテロ接合は、異なるバンドギャップの2つの素材間の接合である。異なる素材は、異なる格子定数を有し得る。擬似構成整合型高電子移動度トランジスタ(pHEMT)において、異なる素材の層は、格子が一致する程薄い。ヘテロ接合型バイポーラトランジスタ(HBT)は、エミッタ領域と、コレクタ領域と、ベース領域とが異なる素材を含有し、ヘテロ接合を形成するバイポーラトランジスタである。供給回路の制御要素、および/または、バイアス回路の制御要素にpHEMTトランジスタを用いることによって、最小要求供給電圧が下がる。供給回路のバイアス要素および/またはバイアス回路のバイアス要素に対するロングゲートpHEMTトランジスタの使用は、チップ領域を低減しつつ大きな抵抗を実現することができる。大きな抵抗は、消費電流を低減し、供給電圧の変化に対する感度を減らす、大きな電圧ゲインをもたらす結果となる。
【0005】
ある実施例において、供給回路の制御要素の擬似格子整合型高電子移動度トランジスタ、および/または、バイアス回路の制御要素の擬似格子整合型高電子移動度トランジスタは、デプレッションモードトランジスタである。デプレッションモードトランジスタは、通常オンであり、最小要求供給電圧を低減する負のしきい値電圧で作動する。
【0006】
ある実施例において、供給回路の制御要素の擬似格子整合型高電子移動度トランジスタ、および/または、バイアス回路の制御要素の擬似格子整合型高電子移動度トランジスタは、エンハンスメントモードトランジスタである。エンハンスメントモードトランジスタを用いることによっても、ヘテロ接合バイポーラトランジスタと比較して、最小要求供給電圧が低減される。
【0007】
ある実施例において、ロングゲート擬似格子整合型高電子移動度トランジスタは、デプレッションモードトランジスタであり、幅Wかつ長さLのアクティブ領域を含み、長さLに対する幅Wの比が0.01と0.1との間になる。そのようなトランジスタは、高い等価AC抵抗を有する。
【0008】
ある実施例において、ロングゲート擬似格子整合型高電子移動度トランジスタのゲートおよびソースは、ゲートとソースとの間の電圧Vgsが、負のしきい値電圧Vthと0Vとの間になるように、すなわちVth<Vgs<0Vとなるように、電気的に短絡され、または、少なくとも一つの電気的要素によって互いに連結される。したがって、擬似格子整合型高電子移動度トランジスタは電流ソースとして機能する。
【0009】
ある実施例において、供給回路のバイアス要素の第1接続点と、供給回路の制御要素の第1接続点とは、各々、第1供給電位に接続され、供給回路のバイアス要素の第2接続点は、供給回路の制御要素の制御入力に接続される。
【0010】
ある実施例において、供給回路のバイアス要素の第2接続点は、供給回路の別の制御要素の第1接続点に接続され、供給回路の別の制御要素の第2接続点は、第2供給電位に接続される。
【0011】
ある実施例において、バイアス回路のバイアス要素の第1接続点と、バイアス回路の制御要素の第1接続点とは、各々、第1供給電位に接続され、バイアス回路のバイアス要素の第2接続点は、バイアス回路の制御要素の制御入力に接続される。
【0012】
ある実施例において、バイアス回路のバイアス要素の第2接続点は、バイアス回路の別の制御要素の第1接続点に接続され、バイアス回路の別の制御要素の第2接続点は、第2供給電位に接続される。
【0013】
ある実施例において、バイアス回路の制御要素の第2の接続点は、バイアス回路の抵抗の第1接続点に接続され、バイアス回路の抵抗の第2接続点は、バイアス回路のさらに別の制御要素の第1接続点に接続され、さらに別の制御要素の第1接続点は、さらに別の制御要素の制御入力に接続され、バイアス回路のさらに別の制御要素の第2接続点は、第2の供給電位に接続される。
【0014】
ある実施例において、電圧ジェネレータは、各々が第1接続点と、第2接続点と、制御入力とを含む第1制御要素および第2制御要素を含み、第1制御要素および第2制御要素は、互いに異なるエミッタ領域を有し、第1制御要素の制御入力および第2制御要素の制御入力は、バイアス回路のさらに別の制御要素の制御入力に接続され、第1制御要素の第1接続点は、供給回路の別の制御要素の制御入力に接続され、第1制御要素の第2接続点は、第2供給電位に接続され、第2制御要素の第1接続点は、バイアス回路の別の制御要素の制御入力に接続される。
【0015】
ある実施例において、電圧ジェネレータは、第1抵抗と、第2抵抗と、第3抵抗とをさらに含み、第1抵抗の第1接続点は、供給回路の制御要素の第2接続点に接続され、第1抵抗の第2接続点は、第1制御要素の第1接続点に接続され、第2抵抗の第1接続点は、供給回路の制御要素の第2接続点に接続され、第2抵抗の第2接続点は、第2制御要素の第1接続点に接続され、第3抵抗の第1接続点は、第2制御要素の第2接続点に接続され、第3抵抗の第2接続点は、第2供給電位に接続される。
【0016】
ある実施例において、電圧ジェネレータの第1制御要素および第2制御要素と、供給回路の別の制御要素と、バイアス回路の別の制御要素およびさらに別の制御要素と、擬似格子整合型高電子移動度トランジスタではない、供給回路の制御要素、バイアス回路の制御要素、供給回路のバイアス要素、バイアス回路のバイアス要素のいずれかとは、ヘテロ接合型バイポーラトランジスタである。
【0017】
発明は、擬似格子整合型高電子移動度トランジスタおよびへテロ接合型バイポーラトランジスタが、GaAs BiFET技術プロセスを用いて製造される、回路を製造する方法をさらに提供する。さらに、バンドギャップリファレンス回路は、同じプロセスにおいて製造されるバイポーラ/FETまたはバイポーラ/pHEMT要素の組み合わせを用いて任意の別の化合物半導体において実現され得る。最も好ましいものは、BiFETと呼ばれる、同じプロセスにおけるバイポーラ/pHEMTの組み合わせである。しかしながら、バイポーラと、たとえばGaAsベースのMESFETのような別の種類のFETトランジスタ、または任意の別の化合物半導体との任意の組み合わせが、発明に従うバンドギャップリファレンス回路において用いられ得る。
【0018】
化合物半導体において実現されるMESFETは、バイポーラ技術により容易に導入可能であり、プロセスのコストを低くするため、DC回路がMESFETに参照される限り、pHEMTの観点から好ましいものであり得る。
【0019】
さらに、バイポーラトランジスタは、ヘテロ接合型トランジスタ(HBT)またはホモ接合型トランジスタ(BJT)から選択され得る。
【0020】
図面の簡単な説明
本発明の実施例は、添付の図面を参照して一例として説明される。図面は以下のものを示す。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】バンドギャップリファレンス回路の第1実施例。
【図2】バンドギャップリファレンス回路の第2実施例。
【図3】バンドギャップリファレンス回路の第3実施例。
【図4】供給電圧に対する、第1および第3実施例のコレクタ電流。
【図5】供給電圧に対する、第1および第3実施例の負荷抵抗。
【図6】バンドギャップリファレンス回路の第4の実施例。
【図7】供給電圧をパラメータとして有する温度に対する、第1および第4の実施例の基準電圧。
【図8】温度をパラメータとして有する供給電圧に対する、第1および第4の実施例の基準電圧。
【図9】供給電圧に対する、第1、第3および第4の実施例のコレクタ電流。
【図10】供給電圧に対する、第1、第3および第4の実施例の負荷抵抗。
【発明を実施するための形態】
【0022】
図1は、電圧ジェネレータVG、供給回路SCおよびバイアス回路BCを含むバンドギャップリファレンス回路の第1実施例E1を示す。供給回路SCおよびバイアス回路BCは、第1供給電位VCCおよび第2供給電位GNDに接続されている。電圧ジェネレータVGは、供給回路SC、バイアス回路BCおよび第2供給電位GNDに接続されている。供給電圧は、第1供給電位VCCと第2供給電位GNDとの差であり、第2供給電位GNDが0Vとなるように選択されると、VCCと等しくなる。
【0023】
電圧ジェネレータVGは、各々が、第1接続点1および第2接続点2を有する第1、第2および第3抵抗R1,R2およびR3を含む。第1、第2および第3抵抗R1,R2およびR3は、薄膜抵抗器であり得る。第1および第2抵抗R1およびR2は、同じ抵抗値を有し得る。電圧ジェネレータVGは、各々が第1接続点1、第2接続点2および制御入力3を有する第1および第2制御要素HBT1およびHBT2をさらに含む。第1および第2制御要素HBT1およびHBT2は、トランジスタであり得る。たとえば、それらは、NPNヘテロ接合バイポーラトランジスタ(HBT)であり得、第1接続点1がコレクタに対応し、第2接続点2がエミッタに対応し、制御入力3がバイアスに対応する。第1および第2制御要素HBT1およびHBT2のエミッタ領域は、A1およびA2(A2=M×A1)である。そして、第3抵抗R3を流れる電流は、絶対温度T(PTAT)に比例する熱電圧VT=kT/qに比例する。それは、ln(M)にも比例する。
【0024】
供給回路SCは、バイアス要素BS、制御要素CSおよび別の制御要素HBT3を含む。バイアス要素BSは、第1および第2接続点1および2を有し、制御要素CSおよび別の制御要素HBT3は、各々、第1および第2接続点1および2、ならびに制御入力3を有する。回路要素は、上述したように接続される。制御要素CSおよび別の回路要素HBT3は、NPNへテロ接合バイポーラトランジスタであり得、第1接続点1、第2接続点2、制御入力3は、それぞれ、コレクタ、エミッタ、バイアスである。制御要素CSは、電圧ジェネレータVGに電流を供給するのに用いられる。バイアス要素BSは、薄膜抵抗などの抵抗であり得、別の制御要素HBT3を通るバイアス電流を設定し、ACループゲインを決定する電流ソースとして機能する。制御要素CS、別の制御要素HBT3および第1抵抗R1は、制御要素CSのエミッタに位置する第2接続点2における電圧を決定するループを形成する。
【0025】
バイアス回路BCは、バイアス要素BB、制御要素CB、第4抵抗R4、別の制御要素HBT4、およびさらに別の制御要素HBT5を含む。別の制御要素HBT4は、絶対温度相補的(CTAT)電圧ジェネレータとして機能する。バイアス要素BBおよび第4抵抗R4は、各々、第1および第2接続点1および2を有し、制御要素CB、別の制御要素HBT4、および、さらに別の制御要素HBT5は、各々、第1および第2接続点1および2、ならびに制御入力3を有し、第1接続点1、第2接続点2、制御入力3が、夫々、コレクタ、エミッタ、ベースであるNPNヘテロ接合バイポーラトランジスタであり得る。回路要素は、上述のように接続される。バンドギャップリファレンス電圧VBGは、第4抵抗R4の第1接続点および制御要素CBの第2接続点において取り出され得る。供給回路SCと同様の態様で、バイアス要素BBは、別の制御要素HBT4を通してバイアス電流を設定し、ACループゲインを定める。さらに別の制御要素HBT5は、制御入力3に接続された第1接続点1を有し、電圧ジェネレータVGの第1および第2制御要素HBT1およびHBT2の制御入力3に電圧を供給する。制御入力3における電圧は、制御要素CB、第4抵抗R4および別の制御要素HBT4によって形成されたループによって定められる。バイアス回路BSは、別の制御要素HBT4の制御入力3にて、電圧ジェネレータVGから電位を受ける。
【0026】
絶対温度比例(PTAT)電圧と、絶対温度相補的(CTAT)電圧との組み合わせは、バンドギャップ電圧VBGの望ましい温度挙動をもたらす。
【0027】
第1実施例E1におけるトランジスタは、GaAsヘテロ接合バイポーラトランジスタであり得る。そのようなトランジスタは、300kにおいて1.15V〜1.2VのVbeを有する。適切な動作のため、抵抗BS、BBおよびR1、R2にかかる電圧は約500mVであるべきである。HBT CSおよびHBT3のVbe=1.15Vであれば、VCC=2×500mV+2×1.15V=3.3Vの最小要求供給電圧が必要となる。比較的低い温度においては、最小要求供給電圧はいくらか高くなる。供給電圧を3.2Vから2.8Vに低下させ、さらには2Vまで低下させるというトレンドがあるため、3.3Vの最小要求供給電圧は、たとえば無線通信装置等の、バッテリを用いて作動する製品において短所となり得る。
【0028】
図2に示される第2実施例E2は、この問題を克服するのに役立つ。第1および第2接続点1および2ならびに制御入力3の符号は、図1においてのみ示され、明瞭にする目的で図2、3および6には示されない。しかしながら、第2、第3および第4実施例は、図1の変形であり、機能が同様であるため、図1を用いて記載された特徴は、これらの実施例にも適用される。
【0029】
図1中の、供給回路SCのための制御要素CSのための、およびバイアス回路BCのための制御要素CBのためのヘテロ接合バイポーラトランジスタは、図2中の、擬似格子整合型高電子移動度トランジスタCSおよびCBに置き換えられる。これらのトランジスタは、約−1VのVしきい値を有する典型的なIds/Vgs特性に起因して、トランジスタのゲートGである制御入力3における電圧が0.75V前後となる、デプレッション形トランジスタであり得る。最小要求供給電圧VCCは、バイアス回路BCの制御要素CBのドレインDとソースSとの間の電圧Vdsに依存する。これは、次に、トランジスタの寸法および回路の負荷電流に依存する。トランジスタCBのスケーリングが適切であれば、供給電圧VCCは、CBに対して約0.2VのVdsを伴う1.6Vのバンドギャップリファレンス電圧に対して、1.8Vに低下し得る。
【0030】
バイアス回路BCおよび供給回路SCの制御要素CBおよびCSは、それぞれ、エンハンスメント形pHEMTトランジスタであり得る。最小要求供給電圧VCCは約2.6Vになり、デプレッション形トランジスタが用いられた場合に比べて高いが、それでも多くのアプリケーションにとって十分に低い。
【0031】
HBTおよびpHEMTトランジスタは、マージ型またはスタック型GaAS FET−HBTインテグレーションスキームにおいて利用可能である。そのようなインテグレーションスキームは、しばしば、BiFETまたはBiHEMTと呼ばれ、単一のGaAs基盤上にHBTデバイスおよびFET/pHEMTデバイスの両方を含む。
【0032】
GaAs技術において、数十kΩの大きな抵抗が非常に大きなチップ領域を占めることができるように、薄膜抵抗だけが50Ω/平方のシート抵抗で利用できる。図1および図2に支援される抵抗BSおよびBBは、低い消費電流および高いACループゲインを達成するために、値が大きい必要がある。しかしながら、抵抗にとって、DC電圧とACループゲインとは密接に繋がっており、大きな抵抗の使用は、利用可能なDC電圧ヘッドルームを伴う問題を引き起こす。抵抗BSおよびBBにかけられる電圧が低い供給電圧VCCに起因して低下した場合、HBT3およびHBT4におけるコレクタ電流も低下し、ループゲインが低下する結果となる。
【0033】
これらの問題を克服するため、図1に示される第1実施例E1は、図3に示される第3実施例E3になるように修正される。図3において、図1の抵抗BSおよびBBは、夫々のゲートGが夫々のソースSに短絡されたデプレッションモードロングゲートpHEMTトランジスタBSおよびBBに置き換えられる。ドレインDが、バイアス要素BSおよびバイアス要素BBの第1接続点1に対応し、ソース2が、バイアス要素BSおよびバイアス要素BBの第2接続点に対応する。ロングゲートpHEMTトランジスタのアクティブ領域の長さLは、pHEMTトランジスタについての通常のケースに比べてずいぶん長く選択され、0.5μmの代わりに40μmであり得る。アクティブ領域の幅Wは、3μmとなるように選択され得、W/L<1となり得る。アクティブ領域の幅Wと長さLとの比率は、0.01<W/L<0.1の範囲内に収まるように選択されることができる。
【0034】
図1において示される第1実施例E1の負荷抵抗のために必要なチップ領域は、約5570μm2であり、30kΩの値を有する。大きなチップ領域は、低シート抵抗を用いた場合に大きな抵抗を達成するのに必要な、曲がりくねった配置の結果である。VCC=3.4Vの同じ供給電圧において等しいコレクタ電流ICを得るために、図3におけるロングゲートデプレッションモードpHEMTに対して必要なチップ領域は、約342μm2であり、非常に小さい。
【0035】
図4は、第1実施例E1および第3実施例E3についての、供給電圧VCCに対するHBT3内のコレクタ電流ICを示す。図1に示される第1実施例E1におけるバイアス要素BSおよびバイアス要素BBに対して用いられる抵抗の電流と電圧との間の比例関係を図4は示す。第3実施例E3について、供給電圧VCCの変化に対してHBT3およびHBT4におけるコレクタ電流がより一定となるように、電流は、供給電圧VCCが高いほど零に近づく微分係数を有する。
【0036】
図5は、図4に示される曲線の微分係数の逆数を示す。VCC=3.4Vの供給電圧において、第1実施例E1はRL=30kΩの負荷抵抗を有し、図4から、コレクタ電流はIC=17μAとなる。HBT3の電圧ゲインは、Av=20×LOG(gm×RL)となるように計算され得、相互コンダクタンスgm=IC/VT≒17μA/26mV、負荷抵抗RL≒30kΩで、Av=25dBとなる。第3実施例E3について、供給電圧VCCが高いほど、負荷抵抗は増大し、MΩ領域に入る。3.4Vの同じ供給電圧と、同じコレクタ電流IC=17μAにおいて、抵抗はRL≒112kΩであり、Av=37dBの電圧ゲインとなる。図1に示される第1実施例E1の薄膜抵抗を、図3のロングゲートデプレッションモードpHEMTで取り替えることによって、電圧ゲインを12dB向上することができる。また、DC電圧ヘッドルームは、ロングゲートデプレッションモードpHEMTトランジスタのDC電圧とACループゲインとが、抵抗に対して(非常に)緩く繋がれるのと同じぐらい向上される。
【0037】
供給回路SCの制御要素CSおよびバイアス回路BCの制御要素CBのためのヘテロ結合バイポーラトランジスタの代わりに、デプレッションモード擬似格子整合型高電子移動度トランジスタを用いて図1を修正した第4実施例を図6は示す。また、供給回路SCのバイアス要素BSおよびバイアス回路BCのバイアス要素BBのために用いられた抵抗は、ゲートGが、Vgs=0Vである夫々のソースSに短絡されたロングゲートデプレッションモード擬似格子整合型高電子移動度トランジスタと置き換えられる。そして、第4実施例E4は、第2実施例E2および第3実施例E3の利点を利用する。したがって、必要に応じて、第2実施例E2および第3実施例E3の説明が第4実施例E4にも適用される。
【0038】
図2において、最小要求供給電圧VCCを、1.6Vのバンドギャップリファレンス電圧に対して1.8Vまで低減することができ、供給電圧VCCを実質的に低減することになる。
【0039】
制御要素CSおよびCBのゲート電圧は十分に低いため、供給回路SCのバイアス要素BSおよびバイアス回路BCのバイアス要素BBの、夫々の、ドレインDとソースSとの間の電圧Vdsは、1Vよりも大きくなり、電圧ヘッドルームが増加する。ロングゲートpHEMTトランジスタは、今、飽和領域にバイアスされ、供給電圧VCCの変化に無反応な、理想的な電流ソースのように振舞う。
【0040】
第4実施例E4は、ループゲインを増大する抵抗R1およびR2の値を増大することも許容する。
【0041】
図7は、回路が搭載されていないときの、第1実施例E1と第4実施例E4のバンドギャップリファレンス電圧VBGの挙動を示す。供給電圧VCCをパラメータとして有する温度Tに対する変化が示される。供給電圧VCCは、3.0Vから始まり、0.4Vごとに4.6Vまで増大する。第1実施例E1のバンドギャップリファレンス電圧VBGが供給電圧VCCによっていくらか変化する一方、第4実施例E4のバンドギャップリファレンス電圧VBGが供給電圧VCCによっては略変化しない。
【0042】
図8は、温度をパラメータとして有する供給電圧VCCに対する、第1実施例E1および第4実施例E4のバンドギャップリファレンス電圧VBGを示す。温度は、−30℃、+30℃および+90℃である。再び、第4実施例E4のバンドギャップリファレンス電圧VBGは、供給電圧VCCの変化に対して略変化しない。図8は、第1実施例E1がVCC=約2.9Vの最小供給電圧を必要とする一方で、第4実施例E4はVCC=約1.6の、ずいぶん低い最小供給電圧を必要とすることも示す。
【0043】
図9は図4に対応し、供給電圧VCCに対する第4実施例E4のコレクタ電流ICがさらに示される。第4実施例は、非常に低減された、VCC=約1.6Vの最小供給電圧で、コレクタ電流ICを発生する。コレクタ電流ICは、広い範囲の供給電圧VCCに対して一定である、理想的な電流ソースのコレクタ電流に近い。
【0044】
図10は、図5に対応し、第4実施例E4の供給電圧VCCに対するコレクタ電流ICの微分係数の逆数をさらに示す。VCC=3.4Vの作動電圧にて、抵抗は2.95MΩとなり、第1実施例E1および第3実施例E3の抵抗に比べてずいぶんと小さい。第3実施例E3と比較すると、高抵抗はより早く約2.4Vに到達し得る。
【0045】
gm=IC/VT≒20μA/26mV、かつ3.4VでRL≒2.95MΩとして、第4実施例E4におけるトランジスタの電圧ゲインは、Av=20×log(gm×RL)である。Av=67dBで、第1実施例E1の電圧ゲインよりも42dB高い。
【0046】
トランジスタHBT4を有するループも、同じゲインを有する。供給電圧VCCについての第4実施例E4の優れた能力は、とりわけ供給電圧VCCの変化および負荷電流の変化を取り除く、大きなループゲインの結果である。
【0047】
したがって、発明は、より低い最小要求供給電圧VCCで作動することができ、より小さいチップ領域を占め、消費電流がより低く、かつ供給電圧の変化に対してより耐性があるバンドギャップリファレンス電圧回路を提供する。消費電流とループゲインとのトレードオフがあるが、より大きい電流が、より好適なバンドギャップリファレンス電圧VBGを生み出す。
【符号の説明】
【0048】
1 第1接続点
2 第2接続点
3 制御入力
A1 HBT1のエミッタ領域
A2 HBT2のエミッタ領域
B ベース
BB バイアス回路BCのバイアス要素
BC バイアス回路
BS 供給回路SCのバイアス要素
C コレクタ
CB バイアス回路BCの制御要素
CS 供給回路SCの制御要素
D ドレイン
E エミッタ
G ゲート
GND 第2供給電位
HBT1 電圧ジェネレータVGの第1制御要素
HBT2 電圧ジェネレータVGの第の第2制御要素
HBT3 供給回路SCの別の制御要素
HBT4 バイアス回路BCの別の制御要素
HBT5 バイアス回路BCのさらに別の制御要素
R1 電圧ジェネレータVGの第1抵抗
R2 電圧ジェネレータVGの第2抵抗
R3 電圧ジェネレータVGの第3抵抗
R4 バイアス回路BCの抵抗
S ソース
SC 供給回路
VBG バンドギャップリファレンス電圧
VG 電圧ジェネレータ
VCC 第1供給電位
【技術分野】
【0001】
発明の名称
バンドギャップリファレンス回路および回路を製造する方法
【背景技術】
【0002】
発明の詳細な説明
本発明は、温度依存性の一次影響が消された電圧または電流を提供するためのバンドギャップリファレンス回路に関する。バンドギャップリファレンス回路は、通常ガリウムヒ素(GaAs)を用いて製造される、携帯電話のパワーアンプのような高周波数アプリケーションにおいて用いられる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の目的は、GaAs技術において実現され、最低所要供給電圧が低く、小さいチップ領域を占め、電流消費が低く、供給電圧の変動に強いバンドギャップリファレンス回路を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、絶対温度に比例する電圧または電流を生成するように設計された電圧ジェネレータと、電圧ジェネレータを作動するための供給を生成するように設計され、バイアス要素および制御要素を含む供給回路と、電圧ジェネレータを作動するためのバイアスを生成するように設計され、バイアス要素および制御要素を含むバイアス回路とを含むバンドギャップリファレンス回路を提供することにより、目的を達成する。供給回路の制御要素およびバイアス回路の制御要素のうちの少なくとも一つは、擬似格子整合型高電子移動度トランジスタ(pHEMT)を含み、かつ/あるいは、供給回路のバイアス要素およびバイアス回路のバイアス要素のうちの少なくとも一つは、ロングゲート擬似格子整合型高電子移動度トランジスタを含む。高電子移動度トランジスタ(HEMT)において、高移動度電子は、ヘテロ接合を用いて生成される。pHEMTではない要素は、夫々、ヘテロ接合型バイポーラトランジスタ(HBT)によって実現され得る。ヘテロ接合は、異なるバンドギャップの2つの素材間の接合である。異なる素材は、異なる格子定数を有し得る。擬似構成整合型高電子移動度トランジスタ(pHEMT)において、異なる素材の層は、格子が一致する程薄い。ヘテロ接合型バイポーラトランジスタ(HBT)は、エミッタ領域と、コレクタ領域と、ベース領域とが異なる素材を含有し、ヘテロ接合を形成するバイポーラトランジスタである。供給回路の制御要素、および/または、バイアス回路の制御要素にpHEMTトランジスタを用いることによって、最小要求供給電圧が下がる。供給回路のバイアス要素および/またはバイアス回路のバイアス要素に対するロングゲートpHEMTトランジスタの使用は、チップ領域を低減しつつ大きな抵抗を実現することができる。大きな抵抗は、消費電流を低減し、供給電圧の変化に対する感度を減らす、大きな電圧ゲインをもたらす結果となる。
【0005】
ある実施例において、供給回路の制御要素の擬似格子整合型高電子移動度トランジスタ、および/または、バイアス回路の制御要素の擬似格子整合型高電子移動度トランジスタは、デプレッションモードトランジスタである。デプレッションモードトランジスタは、通常オンであり、最小要求供給電圧を低減する負のしきい値電圧で作動する。
【0006】
ある実施例において、供給回路の制御要素の擬似格子整合型高電子移動度トランジスタ、および/または、バイアス回路の制御要素の擬似格子整合型高電子移動度トランジスタは、エンハンスメントモードトランジスタである。エンハンスメントモードトランジスタを用いることによっても、ヘテロ接合バイポーラトランジスタと比較して、最小要求供給電圧が低減される。
【0007】
ある実施例において、ロングゲート擬似格子整合型高電子移動度トランジスタは、デプレッションモードトランジスタであり、幅Wかつ長さLのアクティブ領域を含み、長さLに対する幅Wの比が0.01と0.1との間になる。そのようなトランジスタは、高い等価AC抵抗を有する。
【0008】
ある実施例において、ロングゲート擬似格子整合型高電子移動度トランジスタのゲートおよびソースは、ゲートとソースとの間の電圧Vgsが、負のしきい値電圧Vthと0Vとの間になるように、すなわちVth<Vgs<0Vとなるように、電気的に短絡され、または、少なくとも一つの電気的要素によって互いに連結される。したがって、擬似格子整合型高電子移動度トランジスタは電流ソースとして機能する。
【0009】
ある実施例において、供給回路のバイアス要素の第1接続点と、供給回路の制御要素の第1接続点とは、各々、第1供給電位に接続され、供給回路のバイアス要素の第2接続点は、供給回路の制御要素の制御入力に接続される。
【0010】
ある実施例において、供給回路のバイアス要素の第2接続点は、供給回路の別の制御要素の第1接続点に接続され、供給回路の別の制御要素の第2接続点は、第2供給電位に接続される。
【0011】
ある実施例において、バイアス回路のバイアス要素の第1接続点と、バイアス回路の制御要素の第1接続点とは、各々、第1供給電位に接続され、バイアス回路のバイアス要素の第2接続点は、バイアス回路の制御要素の制御入力に接続される。
【0012】
ある実施例において、バイアス回路のバイアス要素の第2接続点は、バイアス回路の別の制御要素の第1接続点に接続され、バイアス回路の別の制御要素の第2接続点は、第2供給電位に接続される。
【0013】
ある実施例において、バイアス回路の制御要素の第2の接続点は、バイアス回路の抵抗の第1接続点に接続され、バイアス回路の抵抗の第2接続点は、バイアス回路のさらに別の制御要素の第1接続点に接続され、さらに別の制御要素の第1接続点は、さらに別の制御要素の制御入力に接続され、バイアス回路のさらに別の制御要素の第2接続点は、第2の供給電位に接続される。
【0014】
ある実施例において、電圧ジェネレータは、各々が第1接続点と、第2接続点と、制御入力とを含む第1制御要素および第2制御要素を含み、第1制御要素および第2制御要素は、互いに異なるエミッタ領域を有し、第1制御要素の制御入力および第2制御要素の制御入力は、バイアス回路のさらに別の制御要素の制御入力に接続され、第1制御要素の第1接続点は、供給回路の別の制御要素の制御入力に接続され、第1制御要素の第2接続点は、第2供給電位に接続され、第2制御要素の第1接続点は、バイアス回路の別の制御要素の制御入力に接続される。
【0015】
ある実施例において、電圧ジェネレータは、第1抵抗と、第2抵抗と、第3抵抗とをさらに含み、第1抵抗の第1接続点は、供給回路の制御要素の第2接続点に接続され、第1抵抗の第2接続点は、第1制御要素の第1接続点に接続され、第2抵抗の第1接続点は、供給回路の制御要素の第2接続点に接続され、第2抵抗の第2接続点は、第2制御要素の第1接続点に接続され、第3抵抗の第1接続点は、第2制御要素の第2接続点に接続され、第3抵抗の第2接続点は、第2供給電位に接続される。
【0016】
ある実施例において、電圧ジェネレータの第1制御要素および第2制御要素と、供給回路の別の制御要素と、バイアス回路の別の制御要素およびさらに別の制御要素と、擬似格子整合型高電子移動度トランジスタではない、供給回路の制御要素、バイアス回路の制御要素、供給回路のバイアス要素、バイアス回路のバイアス要素のいずれかとは、ヘテロ接合型バイポーラトランジスタである。
【0017】
発明は、擬似格子整合型高電子移動度トランジスタおよびへテロ接合型バイポーラトランジスタが、GaAs BiFET技術プロセスを用いて製造される、回路を製造する方法をさらに提供する。さらに、バンドギャップリファレンス回路は、同じプロセスにおいて製造されるバイポーラ/FETまたはバイポーラ/pHEMT要素の組み合わせを用いて任意の別の化合物半導体において実現され得る。最も好ましいものは、BiFETと呼ばれる、同じプロセスにおけるバイポーラ/pHEMTの組み合わせである。しかしながら、バイポーラと、たとえばGaAsベースのMESFETのような別の種類のFETトランジスタ、または任意の別の化合物半導体との任意の組み合わせが、発明に従うバンドギャップリファレンス回路において用いられ得る。
【0018】
化合物半導体において実現されるMESFETは、バイポーラ技術により容易に導入可能であり、プロセスのコストを低くするため、DC回路がMESFETに参照される限り、pHEMTの観点から好ましいものであり得る。
【0019】
さらに、バイポーラトランジスタは、ヘテロ接合型トランジスタ(HBT)またはホモ接合型トランジスタ(BJT)から選択され得る。
【0020】
図面の簡単な説明
本発明の実施例は、添付の図面を参照して一例として説明される。図面は以下のものを示す。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】バンドギャップリファレンス回路の第1実施例。
【図2】バンドギャップリファレンス回路の第2実施例。
【図3】バンドギャップリファレンス回路の第3実施例。
【図4】供給電圧に対する、第1および第3実施例のコレクタ電流。
【図5】供給電圧に対する、第1および第3実施例の負荷抵抗。
【図6】バンドギャップリファレンス回路の第4の実施例。
【図7】供給電圧をパラメータとして有する温度に対する、第1および第4の実施例の基準電圧。
【図8】温度をパラメータとして有する供給電圧に対する、第1および第4の実施例の基準電圧。
【図9】供給電圧に対する、第1、第3および第4の実施例のコレクタ電流。
【図10】供給電圧に対する、第1、第3および第4の実施例の負荷抵抗。
【発明を実施するための形態】
【0022】
図1は、電圧ジェネレータVG、供給回路SCおよびバイアス回路BCを含むバンドギャップリファレンス回路の第1実施例E1を示す。供給回路SCおよびバイアス回路BCは、第1供給電位VCCおよび第2供給電位GNDに接続されている。電圧ジェネレータVGは、供給回路SC、バイアス回路BCおよび第2供給電位GNDに接続されている。供給電圧は、第1供給電位VCCと第2供給電位GNDとの差であり、第2供給電位GNDが0Vとなるように選択されると、VCCと等しくなる。
【0023】
電圧ジェネレータVGは、各々が、第1接続点1および第2接続点2を有する第1、第2および第3抵抗R1,R2およびR3を含む。第1、第2および第3抵抗R1,R2およびR3は、薄膜抵抗器であり得る。第1および第2抵抗R1およびR2は、同じ抵抗値を有し得る。電圧ジェネレータVGは、各々が第1接続点1、第2接続点2および制御入力3を有する第1および第2制御要素HBT1およびHBT2をさらに含む。第1および第2制御要素HBT1およびHBT2は、トランジスタであり得る。たとえば、それらは、NPNヘテロ接合バイポーラトランジスタ(HBT)であり得、第1接続点1がコレクタに対応し、第2接続点2がエミッタに対応し、制御入力3がバイアスに対応する。第1および第2制御要素HBT1およびHBT2のエミッタ領域は、A1およびA2(A2=M×A1)である。そして、第3抵抗R3を流れる電流は、絶対温度T(PTAT)に比例する熱電圧VT=kT/qに比例する。それは、ln(M)にも比例する。
【0024】
供給回路SCは、バイアス要素BS、制御要素CSおよび別の制御要素HBT3を含む。バイアス要素BSは、第1および第2接続点1および2を有し、制御要素CSおよび別の制御要素HBT3は、各々、第1および第2接続点1および2、ならびに制御入力3を有する。回路要素は、上述したように接続される。制御要素CSおよび別の回路要素HBT3は、NPNへテロ接合バイポーラトランジスタであり得、第1接続点1、第2接続点2、制御入力3は、それぞれ、コレクタ、エミッタ、バイアスである。制御要素CSは、電圧ジェネレータVGに電流を供給するのに用いられる。バイアス要素BSは、薄膜抵抗などの抵抗であり得、別の制御要素HBT3を通るバイアス電流を設定し、ACループゲインを決定する電流ソースとして機能する。制御要素CS、別の制御要素HBT3および第1抵抗R1は、制御要素CSのエミッタに位置する第2接続点2における電圧を決定するループを形成する。
【0025】
バイアス回路BCは、バイアス要素BB、制御要素CB、第4抵抗R4、別の制御要素HBT4、およびさらに別の制御要素HBT5を含む。別の制御要素HBT4は、絶対温度相補的(CTAT)電圧ジェネレータとして機能する。バイアス要素BBおよび第4抵抗R4は、各々、第1および第2接続点1および2を有し、制御要素CB、別の制御要素HBT4、および、さらに別の制御要素HBT5は、各々、第1および第2接続点1および2、ならびに制御入力3を有し、第1接続点1、第2接続点2、制御入力3が、夫々、コレクタ、エミッタ、ベースであるNPNヘテロ接合バイポーラトランジスタであり得る。回路要素は、上述のように接続される。バンドギャップリファレンス電圧VBGは、第4抵抗R4の第1接続点および制御要素CBの第2接続点において取り出され得る。供給回路SCと同様の態様で、バイアス要素BBは、別の制御要素HBT4を通してバイアス電流を設定し、ACループゲインを定める。さらに別の制御要素HBT5は、制御入力3に接続された第1接続点1を有し、電圧ジェネレータVGの第1および第2制御要素HBT1およびHBT2の制御入力3に電圧を供給する。制御入力3における電圧は、制御要素CB、第4抵抗R4および別の制御要素HBT4によって形成されたループによって定められる。バイアス回路BSは、別の制御要素HBT4の制御入力3にて、電圧ジェネレータVGから電位を受ける。
【0026】
絶対温度比例(PTAT)電圧と、絶対温度相補的(CTAT)電圧との組み合わせは、バンドギャップ電圧VBGの望ましい温度挙動をもたらす。
【0027】
第1実施例E1におけるトランジスタは、GaAsヘテロ接合バイポーラトランジスタであり得る。そのようなトランジスタは、300kにおいて1.15V〜1.2VのVbeを有する。適切な動作のため、抵抗BS、BBおよびR1、R2にかかる電圧は約500mVであるべきである。HBT CSおよびHBT3のVbe=1.15Vであれば、VCC=2×500mV+2×1.15V=3.3Vの最小要求供給電圧が必要となる。比較的低い温度においては、最小要求供給電圧はいくらか高くなる。供給電圧を3.2Vから2.8Vに低下させ、さらには2Vまで低下させるというトレンドがあるため、3.3Vの最小要求供給電圧は、たとえば無線通信装置等の、バッテリを用いて作動する製品において短所となり得る。
【0028】
図2に示される第2実施例E2は、この問題を克服するのに役立つ。第1および第2接続点1および2ならびに制御入力3の符号は、図1においてのみ示され、明瞭にする目的で図2、3および6には示されない。しかしながら、第2、第3および第4実施例は、図1の変形であり、機能が同様であるため、図1を用いて記載された特徴は、これらの実施例にも適用される。
【0029】
図1中の、供給回路SCのための制御要素CSのための、およびバイアス回路BCのための制御要素CBのためのヘテロ接合バイポーラトランジスタは、図2中の、擬似格子整合型高電子移動度トランジスタCSおよびCBに置き換えられる。これらのトランジスタは、約−1VのVしきい値を有する典型的なIds/Vgs特性に起因して、トランジスタのゲートGである制御入力3における電圧が0.75V前後となる、デプレッション形トランジスタであり得る。最小要求供給電圧VCCは、バイアス回路BCの制御要素CBのドレインDとソースSとの間の電圧Vdsに依存する。これは、次に、トランジスタの寸法および回路の負荷電流に依存する。トランジスタCBのスケーリングが適切であれば、供給電圧VCCは、CBに対して約0.2VのVdsを伴う1.6Vのバンドギャップリファレンス電圧に対して、1.8Vに低下し得る。
【0030】
バイアス回路BCおよび供給回路SCの制御要素CBおよびCSは、それぞれ、エンハンスメント形pHEMTトランジスタであり得る。最小要求供給電圧VCCは約2.6Vになり、デプレッション形トランジスタが用いられた場合に比べて高いが、それでも多くのアプリケーションにとって十分に低い。
【0031】
HBTおよびpHEMTトランジスタは、マージ型またはスタック型GaAS FET−HBTインテグレーションスキームにおいて利用可能である。そのようなインテグレーションスキームは、しばしば、BiFETまたはBiHEMTと呼ばれ、単一のGaAs基盤上にHBTデバイスおよびFET/pHEMTデバイスの両方を含む。
【0032】
GaAs技術において、数十kΩの大きな抵抗が非常に大きなチップ領域を占めることができるように、薄膜抵抗だけが50Ω/平方のシート抵抗で利用できる。図1および図2に支援される抵抗BSおよびBBは、低い消費電流および高いACループゲインを達成するために、値が大きい必要がある。しかしながら、抵抗にとって、DC電圧とACループゲインとは密接に繋がっており、大きな抵抗の使用は、利用可能なDC電圧ヘッドルームを伴う問題を引き起こす。抵抗BSおよびBBにかけられる電圧が低い供給電圧VCCに起因して低下した場合、HBT3およびHBT4におけるコレクタ電流も低下し、ループゲインが低下する結果となる。
【0033】
これらの問題を克服するため、図1に示される第1実施例E1は、図3に示される第3実施例E3になるように修正される。図3において、図1の抵抗BSおよびBBは、夫々のゲートGが夫々のソースSに短絡されたデプレッションモードロングゲートpHEMTトランジスタBSおよびBBに置き換えられる。ドレインDが、バイアス要素BSおよびバイアス要素BBの第1接続点1に対応し、ソース2が、バイアス要素BSおよびバイアス要素BBの第2接続点に対応する。ロングゲートpHEMTトランジスタのアクティブ領域の長さLは、pHEMTトランジスタについての通常のケースに比べてずいぶん長く選択され、0.5μmの代わりに40μmであり得る。アクティブ領域の幅Wは、3μmとなるように選択され得、W/L<1となり得る。アクティブ領域の幅Wと長さLとの比率は、0.01<W/L<0.1の範囲内に収まるように選択されることができる。
【0034】
図1において示される第1実施例E1の負荷抵抗のために必要なチップ領域は、約5570μm2であり、30kΩの値を有する。大きなチップ領域は、低シート抵抗を用いた場合に大きな抵抗を達成するのに必要な、曲がりくねった配置の結果である。VCC=3.4Vの同じ供給電圧において等しいコレクタ電流ICを得るために、図3におけるロングゲートデプレッションモードpHEMTに対して必要なチップ領域は、約342μm2であり、非常に小さい。
【0035】
図4は、第1実施例E1および第3実施例E3についての、供給電圧VCCに対するHBT3内のコレクタ電流ICを示す。図1に示される第1実施例E1におけるバイアス要素BSおよびバイアス要素BBに対して用いられる抵抗の電流と電圧との間の比例関係を図4は示す。第3実施例E3について、供給電圧VCCの変化に対してHBT3およびHBT4におけるコレクタ電流がより一定となるように、電流は、供給電圧VCCが高いほど零に近づく微分係数を有する。
【0036】
図5は、図4に示される曲線の微分係数の逆数を示す。VCC=3.4Vの供給電圧において、第1実施例E1はRL=30kΩの負荷抵抗を有し、図4から、コレクタ電流はIC=17μAとなる。HBT3の電圧ゲインは、Av=20×LOG(gm×RL)となるように計算され得、相互コンダクタンスgm=IC/VT≒17μA/26mV、負荷抵抗RL≒30kΩで、Av=25dBとなる。第3実施例E3について、供給電圧VCCが高いほど、負荷抵抗は増大し、MΩ領域に入る。3.4Vの同じ供給電圧と、同じコレクタ電流IC=17μAにおいて、抵抗はRL≒112kΩであり、Av=37dBの電圧ゲインとなる。図1に示される第1実施例E1の薄膜抵抗を、図3のロングゲートデプレッションモードpHEMTで取り替えることによって、電圧ゲインを12dB向上することができる。また、DC電圧ヘッドルームは、ロングゲートデプレッションモードpHEMTトランジスタのDC電圧とACループゲインとが、抵抗に対して(非常に)緩く繋がれるのと同じぐらい向上される。
【0037】
供給回路SCの制御要素CSおよびバイアス回路BCの制御要素CBのためのヘテロ結合バイポーラトランジスタの代わりに、デプレッションモード擬似格子整合型高電子移動度トランジスタを用いて図1を修正した第4実施例を図6は示す。また、供給回路SCのバイアス要素BSおよびバイアス回路BCのバイアス要素BBのために用いられた抵抗は、ゲートGが、Vgs=0Vである夫々のソースSに短絡されたロングゲートデプレッションモード擬似格子整合型高電子移動度トランジスタと置き換えられる。そして、第4実施例E4は、第2実施例E2および第3実施例E3の利点を利用する。したがって、必要に応じて、第2実施例E2および第3実施例E3の説明が第4実施例E4にも適用される。
【0038】
図2において、最小要求供給電圧VCCを、1.6Vのバンドギャップリファレンス電圧に対して1.8Vまで低減することができ、供給電圧VCCを実質的に低減することになる。
【0039】
制御要素CSおよびCBのゲート電圧は十分に低いため、供給回路SCのバイアス要素BSおよびバイアス回路BCのバイアス要素BBの、夫々の、ドレインDとソースSとの間の電圧Vdsは、1Vよりも大きくなり、電圧ヘッドルームが増加する。ロングゲートpHEMTトランジスタは、今、飽和領域にバイアスされ、供給電圧VCCの変化に無反応な、理想的な電流ソースのように振舞う。
【0040】
第4実施例E4は、ループゲインを増大する抵抗R1およびR2の値を増大することも許容する。
【0041】
図7は、回路が搭載されていないときの、第1実施例E1と第4実施例E4のバンドギャップリファレンス電圧VBGの挙動を示す。供給電圧VCCをパラメータとして有する温度Tに対する変化が示される。供給電圧VCCは、3.0Vから始まり、0.4Vごとに4.6Vまで増大する。第1実施例E1のバンドギャップリファレンス電圧VBGが供給電圧VCCによっていくらか変化する一方、第4実施例E4のバンドギャップリファレンス電圧VBGが供給電圧VCCによっては略変化しない。
【0042】
図8は、温度をパラメータとして有する供給電圧VCCに対する、第1実施例E1および第4実施例E4のバンドギャップリファレンス電圧VBGを示す。温度は、−30℃、+30℃および+90℃である。再び、第4実施例E4のバンドギャップリファレンス電圧VBGは、供給電圧VCCの変化に対して略変化しない。図8は、第1実施例E1がVCC=約2.9Vの最小供給電圧を必要とする一方で、第4実施例E4はVCC=約1.6の、ずいぶん低い最小供給電圧を必要とすることも示す。
【0043】
図9は図4に対応し、供給電圧VCCに対する第4実施例E4のコレクタ電流ICがさらに示される。第4実施例は、非常に低減された、VCC=約1.6Vの最小供給電圧で、コレクタ電流ICを発生する。コレクタ電流ICは、広い範囲の供給電圧VCCに対して一定である、理想的な電流ソースのコレクタ電流に近い。
【0044】
図10は、図5に対応し、第4実施例E4の供給電圧VCCに対するコレクタ電流ICの微分係数の逆数をさらに示す。VCC=3.4Vの作動電圧にて、抵抗は2.95MΩとなり、第1実施例E1および第3実施例E3の抵抗に比べてずいぶんと小さい。第3実施例E3と比較すると、高抵抗はより早く約2.4Vに到達し得る。
【0045】
gm=IC/VT≒20μA/26mV、かつ3.4VでRL≒2.95MΩとして、第4実施例E4におけるトランジスタの電圧ゲインは、Av=20×log(gm×RL)である。Av=67dBで、第1実施例E1の電圧ゲインよりも42dB高い。
【0046】
トランジスタHBT4を有するループも、同じゲインを有する。供給電圧VCCについての第4実施例E4の優れた能力は、とりわけ供給電圧VCCの変化および負荷電流の変化を取り除く、大きなループゲインの結果である。
【0047】
したがって、発明は、より低い最小要求供給電圧VCCで作動することができ、より小さいチップ領域を占め、消費電流がより低く、かつ供給電圧の変化に対してより耐性があるバンドギャップリファレンス電圧回路を提供する。消費電流とループゲインとのトレードオフがあるが、より大きい電流が、より好適なバンドギャップリファレンス電圧VBGを生み出す。
【符号の説明】
【0048】
1 第1接続点
2 第2接続点
3 制御入力
A1 HBT1のエミッタ領域
A2 HBT2のエミッタ領域
B ベース
BB バイアス回路BCのバイアス要素
BC バイアス回路
BS 供給回路SCのバイアス要素
C コレクタ
CB バイアス回路BCの制御要素
CS 供給回路SCの制御要素
D ドレイン
E エミッタ
G ゲート
GND 第2供給電位
HBT1 電圧ジェネレータVGの第1制御要素
HBT2 電圧ジェネレータVGの第の第2制御要素
HBT3 供給回路SCの別の制御要素
HBT4 バイアス回路BCの別の制御要素
HBT5 バイアス回路BCのさらに別の制御要素
R1 電圧ジェネレータVGの第1抵抗
R2 電圧ジェネレータVGの第2抵抗
R3 電圧ジェネレータVGの第3抵抗
R4 バイアス回路BCの抵抗
S ソース
SC 供給回路
VBG バンドギャップリファレンス電圧
VG 電圧ジェネレータ
VCC 第1供給電位
【特許請求の範囲】
【請求項1】
絶対温度に比例する電圧または電流を生成するように設計された電圧ジェネレータ(VG)と、
前記電圧ジェネレータ(VG)を作動するための供給を生成するように設計され、バイアス要素(BS)および制御要素(CS)を含む供給回路(SC)と、
前記電圧ジェネレータ(VG)を作動するためのバイアスを生成するように設計され、バイアス要素(BB)および制御要素(CB)を含むバイアス回路(BC)とを含み、
前記供給回路(SC)の前記制御要素(CS)と前記バイアス回路(BC)の前記制御要素(CB)とのうちの少なくとも一方は、擬似格子整合型高電子移動性トランジスタを含み、
かつ/あるいは
前記供給回路(SC)の前記バイアス要素(BS)と前記バイアス回路(BC)の前記バイアス要素(BB)とのうちの少なくとも一方は、ロングゲート擬似格子整合型高電子移動性トランジスタを含む、バンドギャップリファレンス回路。
【請求項2】
前記供給回路(SC)の前記制御要素(CS)の前記擬似格子整合型高電子移動性トランジスタおよび/または前記バイアス回路(BC)の前記制御要素(CB)の擬似格子整合型高電子移動性トランジスタは、デプレッションモードトランジスタであることを特徴とする、請求項1に記載の回路。
【請求項3】
前記供給回路(SC)の前記制御要素(CS)の前記擬似格子整合型高電子移動性トランジスタおよび/または前記バイアス回路(BC)の前記制御要素(CB)の擬似格子整合型高電子移動性トランジスタは、エンハンスメントモードトランジスタであることを特徴とする、請求項1に記載の回路。
【請求項4】
前記ロングゲート擬似格子整合型高電子移動性トランジスタ(BS,BB)は、デプレッションモードトランジスタであり、0.01<W/L<0.1となる幅Wと長さLのアクティブ領域を含むことを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の回路。
【請求項5】
前記擬似格子整合型高電子移動度トランジスタ(BS,BB)のゲート(G)およびソース(S)は、
前記ゲート(G)と前記ソース(S)との間の電圧(Vgs)が、負のしきい値電圧Vthと0Vとの間になるように、すなわちVth<Vgs<0Vとなるように、
電気的に短絡され、または
少なくとも一つの電気的要素によって互いに連結されることを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載の回路。
【請求項6】
前記供給回路(SC)の前記バイアス要素(BS)の第1接続点(1)と、前記供給回路(SC)の前記制御要素(CS)の第1接続点(1)とは、各々、第1供給電位(VCC)に接続され、
前記供給回路(SC)の前記バイアス要素(BS)の第2接続点(2)は、前記供給回路(SC)の前記制御要素(CS)の制御入力(3)に接続されることを特徴とする、請求項1〜5のいずれかに記載の回路。
【請求項7】
前記供給回路(SC)の前記バイアス要素(BS)の前記第2接続点(2)は、前記供給回路(SC)の別の制御要素(HBT3)の第1接続点(1)に接続され、前記供給回路(SC)の前記別の制御要素(HBT3)の第2接続点(2)は、第2供給電位(GND)に接続されることを特徴とする、請求項6に記載の回路。
【請求項8】
前記バイアス回路(BS)の前記バイアス要素(BB)の第1接続点(1)と、前記バイアス回路(BC)の前記制御要素(CB)の第1接続点(1)とは、各々、第1供給電位(VCC)に接続され、
前記バイアス回路(BC)の前記バイアス要素(BB)の第2接続点(2)は、前記バイアス回路(BC)の前記制御要素(CB)の制御入力(3)に接続されることを特徴とする、請求項1〜7のいずれかに記載の回路。
【請求項9】
前記バイアス回路(BC)の前記バイアス要素(BB)の前記第2接続点(2)は、前記バイアス回路(BC)の別の制御要素(HBT4)の第1接続点(1)に接続され、前記バイアス回路(BC)の前記別の制御要素(HBT4)の第2接続点(2)は、前記第2供給電位(GND)に接続されることを特徴とする、請求項8に記載の回路。
【請求項10】
前記バイアス回路(BC)の前記制御要素(CB)の前記第2の接続点(2)は、前記バイアス回路(BC)の抵抗(R4)の第1接続点(1)に接続され、
前記バイアス回路(BC)の前記抵抗(R4)の第2接続点(2)は、前記バイアス回路(BC)のさらに別の制御要素(HBT5)の第1接続点(1)に接続され、
前記さらに別の制御要素(HBT5)の第1接続点(1)は、前記さらに別の制御要素(HBT5)の制御入力(3)に接続され、
前記バイアス回路(BC)の前記さらに別の制御要素(HBT5)の第2接続点(2)は、前記第2の供給電位(GND)に接続されることを特徴とする、請求項9に記載の回路。
【請求項11】
前記電圧ジェネレータ(VG)は、各々が第1接続点(1)と、第2接続点(2)と、制御入力(3)とを含む第1制御要素(HBT1)および第2制御要素(HBT2)を含み、前記第1制御要素(HBT1)および前記第2制御要素(HBT2)は、互いに異なるエミッタ領域(A1,A2)を有し、
前記第1制御要素(HBT1)の前記制御入力(3)および前記第2制御要素(HBT2)の前記制御入力(3)は、前記バイアス回路(BC)の前記さらに別の制御要素(HBT5)の前記制御入力(3)に接続され、
前記第1制御要素(HBT1)の前記第1接続点(1)は、前記供給回路(SC)の前記別の制御要素(HBT3)の前記制御入力(3)に接続され、
前記第1制御要素(HBT1)の前記第2接続点(2)は、前記第2供給電位(GND)に接続され、
前記第2制御要素(HBT2)の前記第1接続点(1)は、前記バイアス回路(BC)の前記別の制御要素(HBT4)の前記制御入力(3)に接続されることを特徴とする、請求項1〜10のいずれかに記載の回路。
【請求項12】
前記電圧ジェネレータ(VG)は、第1抵抗(R1)と、第2抵抗(R2)と、第3抵抗(R3)とをさらに含み、
前記第1抵抗(R1)の第1接続点(1)は、前記供給回路(SC)の前記制御要素(CS)の前記第2接続点(2)に接続され、前記第1抵抗(R1)の第2接続点(2)は、前記第1制御要素(HBT1)の前記第1接続点(1)に接続され、
前記第2抵抗(R2)の第1接続点(1)は、前記供給回路(SC)の前記制御要素(CS)の前記第2接続点(2)に接続され、前記第2抵抗(R2)の第2接続点(2)は、前記第2制御要素(HBT2)の前記第1接続点(1)に接続され、
前記第3抵抗(R3)の第1接続点(1)は、前記第2制御要素(HBT2)の前記第2接続点(2)に接続され、
前記第3抵抗(R3)の第2接続点(2)は、前記第2供給電位(GND)に接続されることを特徴とする、請求項11に記載の回路。
【請求項13】
前記電圧ジェネレータ(VG)の前記第1制御要素(HBT1)および前記第2制御要素(HBT2)と、
前記供給回路(SC)の前記別の制御要素(HBT3)と、
前記バイアス回路(BC)の前記別の制御要素(HBT4)および前記さらに別の制御要素(HBT5)と、
擬似格子整合型高電子移動度トランジスタではない、前記供給回路(SC)の前記制御要素(CS)、前記バイアス回路(BC)の前記制御要素(CB)、前記供給回路(SC)の前記バイアス要素(BS)、前記バイアス回路(BC)の前記バイアス要素(BB)のいずれかとは、ヘテロ接合型バイポーラトランジスタであることを特徴とする、請求項1〜12のいずれかに記載の回路。
【請求項14】
前記擬似格子整合型高電子移動度トランジスタおよび前記へテロ接合型バイポーラトランジスタは、GaAs BiFET技術プロセスを用いて製造される、請求項1〜13のいずれかに記載の回路を製造する方法。
【請求項1】
絶対温度に比例する電圧または電流を生成するように設計された電圧ジェネレータ(VG)と、
前記電圧ジェネレータ(VG)を作動するための供給を生成するように設計され、バイアス要素(BS)および制御要素(CS)を含む供給回路(SC)と、
前記電圧ジェネレータ(VG)を作動するためのバイアスを生成するように設計され、バイアス要素(BB)および制御要素(CB)を含むバイアス回路(BC)とを含み、
前記供給回路(SC)の前記制御要素(CS)と前記バイアス回路(BC)の前記制御要素(CB)とのうちの少なくとも一方は、擬似格子整合型高電子移動性トランジスタを含み、
かつ/あるいは
前記供給回路(SC)の前記バイアス要素(BS)と前記バイアス回路(BC)の前記バイアス要素(BB)とのうちの少なくとも一方は、ロングゲート擬似格子整合型高電子移動性トランジスタを含む、バンドギャップリファレンス回路。
【請求項2】
前記供給回路(SC)の前記制御要素(CS)の前記擬似格子整合型高電子移動性トランジスタおよび/または前記バイアス回路(BC)の前記制御要素(CB)の擬似格子整合型高電子移動性トランジスタは、デプレッションモードトランジスタであることを特徴とする、請求項1に記載の回路。
【請求項3】
前記供給回路(SC)の前記制御要素(CS)の前記擬似格子整合型高電子移動性トランジスタおよび/または前記バイアス回路(BC)の前記制御要素(CB)の擬似格子整合型高電子移動性トランジスタは、エンハンスメントモードトランジスタであることを特徴とする、請求項1に記載の回路。
【請求項4】
前記ロングゲート擬似格子整合型高電子移動性トランジスタ(BS,BB)は、デプレッションモードトランジスタであり、0.01<W/L<0.1となる幅Wと長さLのアクティブ領域を含むことを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の回路。
【請求項5】
前記擬似格子整合型高電子移動度トランジスタ(BS,BB)のゲート(G)およびソース(S)は、
前記ゲート(G)と前記ソース(S)との間の電圧(Vgs)が、負のしきい値電圧Vthと0Vとの間になるように、すなわちVth<Vgs<0Vとなるように、
電気的に短絡され、または
少なくとも一つの電気的要素によって互いに連結されることを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載の回路。
【請求項6】
前記供給回路(SC)の前記バイアス要素(BS)の第1接続点(1)と、前記供給回路(SC)の前記制御要素(CS)の第1接続点(1)とは、各々、第1供給電位(VCC)に接続され、
前記供給回路(SC)の前記バイアス要素(BS)の第2接続点(2)は、前記供給回路(SC)の前記制御要素(CS)の制御入力(3)に接続されることを特徴とする、請求項1〜5のいずれかに記載の回路。
【請求項7】
前記供給回路(SC)の前記バイアス要素(BS)の前記第2接続点(2)は、前記供給回路(SC)の別の制御要素(HBT3)の第1接続点(1)に接続され、前記供給回路(SC)の前記別の制御要素(HBT3)の第2接続点(2)は、第2供給電位(GND)に接続されることを特徴とする、請求項6に記載の回路。
【請求項8】
前記バイアス回路(BS)の前記バイアス要素(BB)の第1接続点(1)と、前記バイアス回路(BC)の前記制御要素(CB)の第1接続点(1)とは、各々、第1供給電位(VCC)に接続され、
前記バイアス回路(BC)の前記バイアス要素(BB)の第2接続点(2)は、前記バイアス回路(BC)の前記制御要素(CB)の制御入力(3)に接続されることを特徴とする、請求項1〜7のいずれかに記載の回路。
【請求項9】
前記バイアス回路(BC)の前記バイアス要素(BB)の前記第2接続点(2)は、前記バイアス回路(BC)の別の制御要素(HBT4)の第1接続点(1)に接続され、前記バイアス回路(BC)の前記別の制御要素(HBT4)の第2接続点(2)は、前記第2供給電位(GND)に接続されることを特徴とする、請求項8に記載の回路。
【請求項10】
前記バイアス回路(BC)の前記制御要素(CB)の前記第2の接続点(2)は、前記バイアス回路(BC)の抵抗(R4)の第1接続点(1)に接続され、
前記バイアス回路(BC)の前記抵抗(R4)の第2接続点(2)は、前記バイアス回路(BC)のさらに別の制御要素(HBT5)の第1接続点(1)に接続され、
前記さらに別の制御要素(HBT5)の第1接続点(1)は、前記さらに別の制御要素(HBT5)の制御入力(3)に接続され、
前記バイアス回路(BC)の前記さらに別の制御要素(HBT5)の第2接続点(2)は、前記第2の供給電位(GND)に接続されることを特徴とする、請求項9に記載の回路。
【請求項11】
前記電圧ジェネレータ(VG)は、各々が第1接続点(1)と、第2接続点(2)と、制御入力(3)とを含む第1制御要素(HBT1)および第2制御要素(HBT2)を含み、前記第1制御要素(HBT1)および前記第2制御要素(HBT2)は、互いに異なるエミッタ領域(A1,A2)を有し、
前記第1制御要素(HBT1)の前記制御入力(3)および前記第2制御要素(HBT2)の前記制御入力(3)は、前記バイアス回路(BC)の前記さらに別の制御要素(HBT5)の前記制御入力(3)に接続され、
前記第1制御要素(HBT1)の前記第1接続点(1)は、前記供給回路(SC)の前記別の制御要素(HBT3)の前記制御入力(3)に接続され、
前記第1制御要素(HBT1)の前記第2接続点(2)は、前記第2供給電位(GND)に接続され、
前記第2制御要素(HBT2)の前記第1接続点(1)は、前記バイアス回路(BC)の前記別の制御要素(HBT4)の前記制御入力(3)に接続されることを特徴とする、請求項1〜10のいずれかに記載の回路。
【請求項12】
前記電圧ジェネレータ(VG)は、第1抵抗(R1)と、第2抵抗(R2)と、第3抵抗(R3)とをさらに含み、
前記第1抵抗(R1)の第1接続点(1)は、前記供給回路(SC)の前記制御要素(CS)の前記第2接続点(2)に接続され、前記第1抵抗(R1)の第2接続点(2)は、前記第1制御要素(HBT1)の前記第1接続点(1)に接続され、
前記第2抵抗(R2)の第1接続点(1)は、前記供給回路(SC)の前記制御要素(CS)の前記第2接続点(2)に接続され、前記第2抵抗(R2)の第2接続点(2)は、前記第2制御要素(HBT2)の前記第1接続点(1)に接続され、
前記第3抵抗(R3)の第1接続点(1)は、前記第2制御要素(HBT2)の前記第2接続点(2)に接続され、
前記第3抵抗(R3)の第2接続点(2)は、前記第2供給電位(GND)に接続されることを特徴とする、請求項11に記載の回路。
【請求項13】
前記電圧ジェネレータ(VG)の前記第1制御要素(HBT1)および前記第2制御要素(HBT2)と、
前記供給回路(SC)の前記別の制御要素(HBT3)と、
前記バイアス回路(BC)の前記別の制御要素(HBT4)および前記さらに別の制御要素(HBT5)と、
擬似格子整合型高電子移動度トランジスタではない、前記供給回路(SC)の前記制御要素(CS)、前記バイアス回路(BC)の前記制御要素(CB)、前記供給回路(SC)の前記バイアス要素(BS)、前記バイアス回路(BC)の前記バイアス要素(BB)のいずれかとは、ヘテロ接合型バイポーラトランジスタであることを特徴とする、請求項1〜12のいずれかに記載の回路。
【請求項14】
前記擬似格子整合型高電子移動度トランジスタおよび前記へテロ接合型バイポーラトランジスタは、GaAs BiFET技術プロセスを用いて製造される、請求項1〜13のいずれかに記載の回路を製造する方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【公開番号】特開2011−187055(P2011−187055A)
【公開日】平成23年9月22日(2011.9.22)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2011−43731(P2011−43731)
【出願日】平成23年3月1日(2011.3.1)
【出願人】(300002160)エプコス アクチエンゲゼルシャフト (318)
【氏名又は名称原語表記】EPCOS AG
【住所又は居所原語表記】St.−Martin−Strasse 53, D−81669 Muenchen, Germany
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年9月22日(2011.9.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−43731(P2011−43731)
【出願日】平成23年3月1日(2011.3.1)
【出願人】(300002160)エプコス アクチエンゲゼルシャフト (318)
【氏名又は名称原語表記】EPCOS AG
【住所又は居所原語表記】St.−Martin−Strasse 53, D−81669 Muenchen, Germany
【Fターム(参考)】
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