説明

パターン形成方法

【解決手段】高分子化合物を含む第1のポジ型レジスト材料を基板上に塗布して第1のレジスト膜を形成し、加熱処理後に高エネルギー線で上記レジスト膜を露光し、加熱処理後に現像液を用いて上記レジスト膜を現像して第1のレジストパターンを形成し、その後波長180nm以下の高エネルギー線又は電子線の照射によって第1のレジストパターンを架橋硬化させ、その上に高分子化合物を含む第2のポジ型レジスト材料を基板上に塗布して第2のレジスト膜を形成し、加熱処理後に高エネルギー線で上記第2のレジスト膜を露光し、加熱処理後に現像液を用いて第2のレジスト膜を現像して第2のレジストパターンを形成するパターン形成方法。
【効果】本発明によれば、第1のレジストパターンのスペース部分に第2のレジストパターンを形成することによってパターンとパターンのピッチを半分にするダブルパターニングを行い、一度のドライエッチングで基板を加工できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特に1回目の露光でパターンを形成し、極短波長光や電子線(EB)の照射によって1回目に形成されたパターンを有機溶媒やアルカリ水に不溶にすることによって、1回目の露光で形成されたパターンのスペース部分に2回目の露光でラインパターンを形成して、パターン間の距離を縮小する方法として有効なパターン形成方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、LSIの高集積化と高速度化に伴い、パターンルールの微細化が求められている中、現在汎用技術として用いられている光露光では、光源の波長に由来する本質的な解像度の限界に近づきつつある。レジストパターン形成の際に使用する露光光として、1980年代には水銀灯のg線(436nm)もしくはi線(365nm)を光源とする光露光が広く用いられた。更なる微細化のための手段として、露光波長を短波長化する方法が有効とされ、1990年代の64Mビット(加工寸法が0.25μm以下)DRAM(ダイナミック・ランダム・アクセス・メモリー)以降の量産プロセスには、露光光源としてi線(365nm)に代わって短波長のKrFエキシマレーザー(248nm)が利用された。しかし、更に微細な加工技術(加工寸法が0.2μm以下)を必要とする集積度256M及び1G以上のDRAMの製造には、より短波長の光源が必要とされ、10年ほど前からArFエキシマレーザー(193nm)を用いたフォトリソグラフィーが本格的に検討されてきた。当初ArFリソグラフィーは180nmノードのデバイス作製から適用されるはずであったが、KrFエキシマリソグラフィーは130nmノードデバイス量産まで延命され、ArFリソグラフィーの本格適用は90nmノードからである。更に、NAを0.9にまで高めたレンズと組み合わせて65nmノードデバイスの検討が行われている。次の45nmノードデバイスには露光波長の短波長化が推し進められ、波長157nmのF2リソグラフィーが候補に挙がった。しかしながら、投影レンズに高価なCaF2単結晶を大量に用いることによるスキャナーのコストアップ、ソフトペリクルの耐久性が極めて低いためのハードペリクル導入に伴う光学系の変更、レジスト膜のエッチング耐性低下等の種々問題により、F2リソグラフィーの先送りと、ArF液浸リソグラフィーの早期導入が提唱された(非特許文献1:Proc. SPIE Vol. 4690 xxix)。
【0003】
ArF液浸リソグラフィーにおいて、投影レンズとウエハーの間に水を含浸させることが提案されている。193nmにおける水の屈折率は1.44であり、NA(開口数)1.0以上のレンズを使ってもパターン形成が可能で、理論上はNAを1.44近くにまで上げることができる。当初、水温変化に伴う屈折率変化による解像性の劣化やフォーカスのシフトが指摘された。水温を1/100℃以内にコントロールすることと、露光によるレジスト膜からの発熱による影響もほぼ心配ないことが確認され、屈折率変化の問題が解決された。水中のマイクロバブルがパターン転写されることも危惧されたが、水の脱気を十分に行うことと、露光によるレジスト膜からのバブル発生の心配がないことが確認された。1980年代の液浸リソグラフィーの初期段階では、ステージをすべて水に浸ける方式が提案されていたが、高速スキャナーの動作に対応するために投影レンズとウエハーの間のみに水を挿入し、水の給排水ノズルを備えたパーシャルフィル方式が採用された。水を用いた液浸によって原理的にはNAが1以上のレンズ設計が可能になったが、従来の屈折率系による光学系では巨大なレンズになってしまい、レンズが自身の自重によって変形してしまう問題が生じた。よりコンパクトなレンズ設計のために反射屈折(Catadioptric)光学系が提案され、NA1.0以上のレンズ設計が加速された。NA1.2以上のレンズと強い超解像技術の組み合わせで45nmノードの可能性が示され(非特許文献2:Proc. SPIE Vol. 5040 p724)、更にはNA1.35のレンズの開発も行われている。
【0004】
32nmノードのリソグラフィー技術としては、波長13.5nmの真空紫外光(EUV)リソグラフィーが候補に挙げられている。EUVリソグラフィーの問題点としてはレーザーの高出力化、レジスト膜の高感度化、高解像度化、低ラインウイドスラフネス(LWR)化、無欠陥MoSi積層マスク、反射ミラーの低収差化などが挙げられ、克服すべき問題が山積している。
【0005】
NA1.35レンズを使った水液浸リソグラフィーの最高NAで到達できる解像度は40〜38nmであり、32nmには到達できない。そこで更にNAを高めるための高屈折率材料の開発が行われている。レンズのNAの限界を決めるのは投影レンズ、液体、レジスト膜の中で最小の屈折率である。水液浸の場合、投影レンズ(合成石英で屈折率1.5)、レジスト膜(従来のメタクリレート系で屈折率1.7)に比べて水の屈折率が最も低く、水の屈折率によって投影レンズのNAが決まっていた。最近、屈折率1.65の高透明な液体が開発されてきている。この場合、合成石英による投影レンズの屈折率が最も低く、屈折率の高い投影レンズ材料を開発する必要がある。LUAG(Lu3Al512)ガーネットは屈折率が2以上であり、最も期待される材料ではあるが、複屈折率と吸収が大きい問題を持っている。また、屈折率1.8以上の投影レンズ材料が開発されたとしても屈折率1.65の液体ではNAは1.55止まりであり、32nmを解像できない。32nmを解像するには屈折率1.8以上の液体が必要である。今のところ吸収と屈折率がトレードオフの関係にあり、このような材料は未だ見つかっていない。アルカン系化合物の場合、屈折率を上げるためには直鎖状よりは有橋環式化合物の方が好ましいが、環式化合物は粘度が高いために露光装置ステージの高速スキャンに追随できない問題も孕んでいる。また、屈折率1.8の液体が開発された場合、屈折率の最小がレジスト膜になるために、レジスト膜も1.8以上に高屈折率化する必要がある。
【0006】
ここで最近注目を浴びているのは1回目の露光と現像でパターンを形成し、2回目の露光で1回目のパターンの丁度間にパターンを形成するダブルパターニングプロセスである(非特許文献3:Proc. SPIE Vol. 5992 59921Q−1−16)。ダブルパターニングの方法としては多くのプロセスが提案されている。例えば、1回目の露光と現像でラインとスペースが1:3の間隔のフォトレジストパターンを形成し、ドライエッチングで下層のハードマスクを加工し、その上にハードマスクをもう1層敷いて1回目の露光のスペース部分にフォトレジスト膜の露光と現像でラインパターンを形成してハードマスクをドライエッチングで加工して初めのパターンのピッチの半分のラインアンドスペースパターンを形成する方法である。また、1回目の露光と現像でスペースとラインが1:3の間隔のフォトレジストパターンを形成し、ドライエッチングで下層のハードマスクをドライエッチングで加工し、その上にフォトレジスト膜を塗布してハードマスクが残っている部分に2回目のスペースパターンを露光しハードマスクをドライエッチングで加工する。いずれも2回のドライエッチングでハードマスクを加工する。
【0007】
前述の方法では、ハードマスクを2回敷く必要があり、後者の方法ではハードマスクが1層で済むが、ラインパターンに比べて解像が困難なトレンチパターンを形成する必要がある。後者の方法では、トレンチパターンの形成にネガ型レジスト材料を使う方法がある。これだとポジパターンでラインを形成するのと同じ高コントラストの光を用いることができるが、ポジ型レジスト材料に比べてネガ型レジスト材料の方が溶解コントラストが低いために、ポジ型レジスト材料でラインを形成する場合に比較してネガ型レジスト材料で同じ寸法のトレンチパターンを形成した場合を比較するとネガ型レジスト材料を使った方が解像性が低い。後者の方法で、ポジ型レジスト材料を用いて広いトレンチパターンを形成してから、基板を加熱してトレンチパターンをシュリンクさせるサーマルフロー法や、現像後のトレンチパターンの上に水溶性膜をコートしてから加熱してレジスト膜表面を架橋させることによってトレンチをシュリンクさせるRELACS法を適用させることも考えられるが、プロキシミティーバイアスが劣化するという欠点やプロセスが更に煩雑化し、スループットが低下する欠点が生じる。
【0008】
前者、後者の方法においても、基板加工のエッチングは2回必要なため、スループットの低下と2回のエッチングによるパターンの変形や位置ずれが生じる問題がある。
【0009】
エッチングを1回で済ませるために、1回目の露光でネガ型レジスト材料を用い、2回目の露光でポジ型レジスト材料を用いる方法がある。1回目の露光でポジ型レジスト材料を用い、2回目の露光でポジ型レジスト材料が溶解しない炭素数3以上の高級アルコールに溶解させたネガ型レジスト材料を用いる方法もある。これらの場合、解像性が低いネガ型レジスト材料を使うと解像性の劣化が生じる。
【0010】
1回目の露光と2回目の露光の間にPEB(post−exposure bake)、現像を行わない方法は、最もシンプルな方法である。この場合、1回目の露光を行い、位置をずらしたパターンが描画されたマスクに交換して2回目の露光を行い、PEB、現像、ドライエッチングを行う。1回の露光毎にマスクを交換するとスループットが非常に低下するので、ある程度まとめて1回目の露光を行った後に2回目の露光を行う。そうすると、1回目の露光と2回目の露光間の放置時間によっては酸の拡散による寸法変動やT−top形状発生などの形状の変化が生じる。T−topの発生を抑えるためにはレジスト保護膜の適用は効果的である。液浸用レジスト保護膜を適用することによって、2回の露光と1回のPEB、現像、ドライエッチングを行うプロセスを行うことができる。2台のスキャナーを並べて1回目の露光と2回目の露光を連続して行うこともできる。この場合は2台のスキャナー間のレンズ収差によって生じる位置ズレや、スキャナーコストが倍になる問題が生じる。
【0011】
1回目の露光と2回目の露光をピッチの半分だけずらして同一レジスト面を露光すると、1回目の光と2回目の光とが相殺し合ってパターンが形成されない。ところが、コントラスト増強膜(CEL)を適用すると、レジストに入射する光が非線形になることによってコントラストが増加し、ピッチの半分だけずらした露光においても相殺されることがない。ダブルパターニング用のレジスト保護膜としては、CELとしての機能を有していることが望ましい。また、二光子吸収による非線形の酸発生剤を用いた場合はCELなしのレジストだけで上記ダブルパターニング露光を行うことは理論的には可能である。しかしながら、波長200nm以下の露光で、二光子吸収の酸発生剤はまだ開発されていない。
【0012】
ダブルパターニングにおいて最もクリティカルな問題となるのは、1回目のパターンと2回目のパターンの合わせ精度である。位置ずれの大きさがラインの寸法のバラツキとなるために、例えば32nmのラインを10%の精度で形成しようとすると3.2nm以内の合わせ精度が必要となる。現状のスキャナーの合わせ精度が8nm程度であるので、大幅な精度の向上が必要である。
【0013】
光照射によってフォトレジスト膜を改質する技術は、従来からよく知られており、特にエッチング耐性の向上のために検討された。例えば、特許文献1:特開平5−102029号公報ではホットプレートでフォトレジスト膜が塗布された基板を加熱しながら真空中で短波長の光を照射する方法、特許文献2〜5:特開平5−190444号公報、特開平9−63921号公報、特開2000−331910号公報、特開2003−158057号公報には光照射装置が提案されている。特許文献6:特開2005−189842号公報には現像後のフォトレジスト膜に光架橋性硬化助剤を含む溶液を塗布し、短波長の光照射によってフォトレジスト膜を疎水性化してレジストのパターン倒れを防止する方法が提案されている。
【0014】
【非特許文献1】Proc. SPIE Vol. 4690 xxix
【非特許文献2】Proc. SPIE Vol. 5040 p724
【非特許文献3】Proc. SPIE Vol. 5992 59921Q−1−16
【特許文献1】特開平5−102029号公報
【特許文献2】特開平5−190444号公報
【特許文献3】特開平9−63921号公報
【特許文献4】特開2000−331910号公報
【特許文献5】特開2003−158057号公報
【特許文献6】特開2005−189842号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
上述したように、2回の露光と現像により作製したレジストパターンを、2回のドライエッチングで基板加工を行おうとすると、スループットが半分に低下する。また、ドライエッチングによるパターンの位置ずれの問題が生じる。
【0016】
本発明は、上記事情を改善したもので、1回のドライエッチングで基板を加工するダブルパターニングプロセスを可能にするための、波長180nm以下の極短波長光の照射によるレジスト膜の硬化で1回目と2回目のレジスト膜のミキシングと2回目の現像時に1回目のレジストパターンが現像液に溶解しないためのパターン形成方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0017】
上記課題を解決するために、本発明によれば、1回目のレジストパターン形成後のスペース部分に2回目のレジストを塗布してパターンを形成するパターン形成方法において下記に示される方法が有効であることを知見した。
【0018】
従って、本発明は、下記のパターン形成方法を提供する。
請求項1:
高分子化合物を含む第1のポジ型レジスト材料を基板上に塗布して第1のレジスト膜を形成し、加熱処理後に高エネルギー線で上記レジスト膜を露光し、加熱処理後に現像液を用いて上記レジスト膜を現像して第1のレジストパターンを形成し、その後波長180nm以下の高エネルギー線又は電子線の照射によって第1のレジストパターンを架橋硬化させ、その上に高分子化合物を含む第2のポジ型レジスト材料を基板上に塗布して第2のレジスト膜を形成し、加熱処理後に高エネルギー線で上記第2のレジスト膜を露光し、加熱処理後に現像液を用いて第2のレジスト膜を現像して第2のレジストパターンを形成することを特徴とするパターン形成方法。
請求項2:
高分子化合物を含む第1のポジ型レジスト材料を基板上に塗布して第1のレジスト膜を形成し、加熱処理後に高エネルギー線で上記レジスト膜を露光し、加熱処理後に現像液を用いて上記レジスト膜を現像して第1のレジストパターンを形成し、その後波長180nm以下の高エネルギー線又は電子線の照射と加熱によって第1のレジストパターンを架橋硬化させ、その上に高分子化合物を含む第2のポジ型レジスト材料を基板上に塗布して第2のレジスト膜を形成し、加熱処理後に高エネルギー線で上記第2のレジスト膜を露光し、加熱処理後に現像液を用いて第2のレジスト膜を現像して第2のレジストパターンを形成することを特徴とするパターン形成方法。
請求項3:
現像によって形成した第1のレジストパターンの波長180nm以下の高エネルギー線による架橋が、波長172nmのXe2エキシマ光、157nmのF2エキシマ光、146nmのKr2エキシマ光、126nmのAr2エキシマ光、又は電子線であることを特徴とする請求項1又は2記載のパターン形成方法。
請求項4:
第1のレジストパターン及び第2のレジストパターンを形成するための露光が、波長193nmのArFエキシマレーザーによる屈折率1.4以上の液体をレンズとウエハーの間に浸漬した液浸リソグラフィーであることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項記載のパターン形成方法。
請求項5:
屈折率1.4以上の液体が水であることを特徴とする請求項4記載のパターン形成方法。
請求項6:
第1のパターンのスペース部分に第2のパターンを形成することによってパターン間を縮小することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項記載のパターン形成方法。
請求項7:
第1のパターンと交わる第2のパターンを形成することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項記載のパターン形成方法。
請求項8:
第1のパターンのパターンが形成されていないスペース部分に第2のパターンを形成することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項記載のパターン形成方法。
請求項9:
第1のポジ型レジスト材料が、下記一般式(1)で示される繰り返し単位(a−1)及び(a−2)のいずれか一方又は両方と、下記一般式(b)で示される繰り返し単位を有する高分子化合物と、有機溶媒と、酸発生剤とを含むことを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項記載のパターン形成方法。
【化1】


(式中、R1、R6は同一又は異種の水素原子、メチル基又はヒドロキシメチル基を示す。R2、R7は単結合、又は炭素数1〜6の直鎖状、分岐状又は環状のアルキレン基であり、エーテル基又はエステル基を有していてもよいが、炭素数1〜6の直鎖状、分岐状又は環状のアルキレン基の場合、式中のエステル基(COO基)に連結した炭素原子は1級又は2級である。R3、R4、R5、R8、R9、R10、R11は水素原子、又は炭素数1〜6の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基である。R12は水素原子、メチル基又はヒドロキシメチル基、R13は酸不安定基を示す。a1、a2は0≦a1<1.0、0≦a2<1.0、0<a1+a2<1.0の範囲、bは0<b≦0.8の範囲で0.1≦a1+a2+b≦1.0である。)
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、露光と現像により第1のレジストパターンを形成後、波長180nm以下の高エネルギー線、特には波長172nmのXe2エキシマ光、波長157nmのF2エキシマ光、波長146nmのKr2エキシマ光、126nmのAr2エキシマ光、及び電子線から選ばれ、これによる架橋反応によって第1のレジストパターンをアルカリ現像液とレジスト溶液に不溶化する。その上に更にレジスト溶液を塗布し、露光現像することにより、第1のレジストパターンのスペース部分に第2のレジストパターンを形成することによってパターンとパターンのピッチを半分にするダブルパターニングを行い、一度のドライエッチングによって基板を加工することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
本発明者らは、2回の露光と現像によって半分のピッチのパターンを得るダブルパターニングリソグラフィーにおいて、1回のドライエッチングによって基板を加工するためのポジ型レジスト材料を得るために鋭意検討を行った。
【0021】
即ち、本発明者らは、露光と現像によって第1のレジストパターンを形成後、波長180nm以下の高エネルギー線による架橋として、特に波長172nmのXe2エキシマ光、波長157nmのF2エキシマ光、波長146nmのKr2エキシマ光、126nmのAr2エキシマ光、及び電子線の照射による第1のレジストパターンの架橋反応によってアルカリ現像液やレジスト溶媒に不溶化させ、その上に更にレジスト溶液を塗布し、露光現像することにより、第1のレジストパターンのスペース部分に第2のレジストパターンを形成することによってパターンとパターンのピッチを半分にするダブルパターニングを行い、一度のドライエッチングによって基板を加工することが可能であることを見出し、本発明を完成させたものである。
【0022】
また、第1レジストパターン及び所望に応じて第2レジストパターンを形成する材料は、化学増幅ポジ型レジスト材料であることが好ましく、更に少なくとも酸不安定基を有する繰り返し単位、更にヒドロキシ基及び/又はラクトン環の密着性基を有する繰り返し単位を有するベース樹脂を含むものであることが好ましい。
【0023】
このような化学増幅ポジ型レジスト材料であれば、ベース樹脂がヒドロキシ基及び/又はラクトン環の密着性基を有する繰り返し単位を含むことで、基板との高い密着性を実現できる。更に、ベース樹脂が酸不安定基を有する繰り返し単位を有することで、露光時に酸発生剤が発生する酸により酸不安定基を脱離させて、レジスト露光部を現像液に溶解させるように変換することにより、極めて高精度なパターンを得ることができる。
【0024】
本発明に係るパターン形成方法において、第1のレジストパターン形成用化学増幅ポジ型レジスト材料に用いられる高分子化合物としては、密着性基としてヒドロキシ基又はラクトン環を有するものが好ましく、特に好ましくは7−オキサノルボルナン環を有する繰り返し単位、特には下記一般式(a−1)及び/又は(a−2)で示される繰り返し単位を有するものである。
【0025】
【化2】


(式中、R1、R6は同一又は異種の水素原子、メチル基又はヒドロキシメチル基を示す。R2、R7は単結合、又は炭素数1〜6の直鎖状、分岐状又は環状のアルキレン基であり、エーテル基(−O−)又はエステル基(−COO−)を有していてもよいが、炭素数1〜6の直鎖状、分岐状又は環状のアルキレン基の場合、式中のエステル基に連結した炭素原子は1級又は2級である。R3、R4、R5、R8、R9、R10、R11は水素原子、又は炭素数1〜6の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基である。a1、a2は0≦a1<1.0、0≦a2<1.0、0<a1+a2<1.0の範囲である。)
【0026】
ここで、炭素数1〜6のアルキレン基としては、メチレン基、エチレン基、n−プロピレン基、イソプロピレン基、n−ブチレン基、イソブチレン基、sec−ブチレン基、n−ペンチレン基、イソペンチレン基、シクロペンチレン基、n−ヘキシレン基、シクロヘキシレン基が挙げられる。
【0027】
また、炭素数1〜6のアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、シクロペンチル基、n−ヘキシル基、シクロヘキシル基が挙げられる。
【0028】
一般式(a−1)、(a−2)で示される繰り返し単位を得るためのモノマーとしては、下記式Ma1、Ma2で示され、具体的には下記に例示される。ここで、R1〜R11は前述と同じである。
【0029】
【化3】

【0030】
【化4】

【0031】
【化5】

【0032】
【化6】

【0033】
αヒドロキシメチル基のヒドロキシ基は、重合時にアセトキシ基等で置換しておき、重合後にアルカリ加水分解によってヒドロキシ基にすることができる。αヒドロキシメチル基は分子間、分子内の架橋を促進し、第一のパターンを形成後のパターン硬化の効率を高めることができる。
【0034】
露光と現像によって第1のパターン形成後、その上に第2のポジ型レジスト材料を塗布し、第1のパターンのスペース部分に第2のパターンを形成するためには、第1のパターン形成後にフォトレジスト溶液とアルカリ現像液に不溶になっていなければならない。そのために、第1のパターン形成後に架橋によって第2のポジ型レジスト材料の溶剤とアルカリ現像液に不溶にする必要がある。
【0035】
オキシランやオキセタンを有する繰り返し単位を有する高分子化合物をレジスト用ベースポリマーとして用いた場合、オキシラン環やオキセタン環は酸による開裂反応の速度が非常に速いために、90〜130℃程度のポストエクスポジュアーベーク(PEB)等のレジストプロセスの温度で架橋が進行するためにアルカリに不溶となり、ポジ型レジスト材料として機能しない。一方、7−オキサノルボルナン環の1,4−エポキシ結合はオキシラン環やオキセタン環に比べて酸による開裂反応の反応性が低いために、PEBによる加熱温度領域では架橋が進行しない。7−オキサノルボルナン環を有する繰り返し単位は、現像までのプロセスでは酸に対して安定で、親水性基として密着性やアルカリ溶解性向上のための機能を発揮する。しかしながら、現像後のパターンのフラッド露光あるいは加熱により発生した酸と180℃以上の加熱によって7−オキサノルボルナン環の1,4−エポキシ結合が開環して架橋反応が進行し、アルカリ現像液や、レジスト溶媒に不溶になると考えられる。前記現像後のパターンのフラッド露光あるいは加熱により発生した酸と180℃以上の加熱によって酸不安定基は脱保護してしまう。酸不安定基は脂環構造により、ドライエッチング耐性を向上させる効果を有している。酸不安定基の脱保護はドライエッチング耐性の低下になるが、7−オキサノルボルナン環の開環による架橋反応によってドライエッチング耐性が向上し、結果としてエッチング耐性の向上につながる。
【0036】
従って、本発明は、90〜130℃程度のプリベークやPEB等のレジストプロセスの温度では架橋せず、現像後の露光や熱によって発生した酸と高温ベークによって架橋する特定のオキサノルボルナン環構造を有する化合物を繰り返し単位として有する高分子化合物をレジストベースポリマーとして用い、2回の露光と1回のドライエッチングでピッチが半分の微細パターンを形成できるダブルパターニング方法及びこれに用いるポジ型レジスト材料を提供することができる。
【0037】
1回のパターニング後の光照射、及びそれに加えた加熱によって、7−オキサノルボルナン環の開環による架橋反応だけでなくそれ以外の架橋反応を促進することによって2回目のレジスト塗布と現像によって変形しない強固なパターンを形成することができる。
【0038】
本発明のパターン形成方法に用いるポジ型レジスト材料に用いるベースポリマーとしては、上記一般式(a−1)及び/又は(a−2)で示される架橋性の繰り返し単位と、下記式(b)で示される酸脱離性基を有する繰り返し単位からなる高分子化合物を使用することが好ましい。
【0039】
【化7】


(式中、R12は水素原子、メチル基又はヒドロキシメチル基、R13は酸不安定基を示す。bは0<b≦0.8の範囲である。)
【0040】
ここで、一般式(b)に示す繰り返し単位を得るためのモノマーMbは、下記式で示される。
【化8】


(式中、R12、R13は上記の通りである。)
【0041】
一般式(b)中、R13で示される酸不安定基は種々選定されるが、特に下記式(AL−10)、(AL−11)で示される基、下記式(AL−12)で示される炭素数4〜40の3級アルキル基、炭素数4〜20のオキソアルキル基等が挙げられる。
【0042】
【化9】

【0043】
式(AL−10)、(AL−11)において、R51、R54は炭素数1〜40、特に1〜20の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基等の一価炭化水素基であり、酸素、硫黄、窒素、フッ素などのヘテロ原子を含んでもよい。R52、R53は水素原子、炭素数1〜20の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基等の一価炭化水素基であり、酸素、硫黄、窒素、フッ素などのヘテロ原子を含んでもよく、a5は0〜10の整数である。R52とR53、R52とR54、R53とR54はそれぞれ結合してこれらが結合する炭素原子又は炭素原子と酸素原子と共に炭素数3〜20、特に4〜16の環、特に脂環を形成してもよい。
55、R56、R57はそれぞれ炭素数1〜20の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基等の一価炭化水素基であり、酸素、硫黄、窒素、フッ素などのヘテロ原子を含んでもよい。あるいはR55とR56、R55とR57、R56とR57はそれぞれ結合してこれらが結合する炭素原子と共に炭素数3〜20、特に4〜16の環、特に脂環を形成してもよい。
【0044】
式(AL−10)に示される化合物を具体的に例示すると、tert−ブトキシカルボニル基、tert−ブトキシカルボニルメチル基、tert−アミロキシカルボニル基、tert−アミロキシカルボニルメチル基、1−エトキシエトキシカルボニルメチル基、2−テトラヒドロピラニルオキシカルボニルメチル基、2−テトラヒドロフラニルオキシカルボニルメチル基等、また下記式(AL−10)−1〜(AL−10)−10で示される置換基が挙げられる。
【0045】
【化10】

【0046】
式(AL−10)−1〜(AL−10)−10中、R58は同一又は異種の炭素数1〜8の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基、又は炭素数7〜20のアラルキル基を示す。R59は水素原子あるいは炭素数1〜20の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基を示す。R60は炭素数6〜20のアリール基、又は炭素数7〜20のアラルキル基を示す。a5は上記の通り0〜10の整数である。
【0047】
前記式(AL−11)で示されるアセタール化合物を(AL−11)−1〜(AL−11)−34に例示する。
【0048】
【化11】

【0049】
【化12】

【0050】
また、一般式(AL−11a)あるいは(AL−11b)で表される酸不安定基によってベース樹脂が分子間あるいは分子内架橋されていてもよい。
【0051】
【化13】

【0052】
上記式中、R61、R62は水素原子、又は炭素数1〜8の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基を示す。又は、R61とR62は結合してこれらが結合する炭素原子と共に環を形成してもよく、環を形成する場合にはR61、R62は炭素数1〜8の直鎖状又は分岐状のアルキレン基を示す。R63は炭素数1〜10の直鎖状、分岐状又は環状のアルキレン基、b5、d5は0又は1〜10、好ましくは0又は1〜5の整数、c5は1〜7の整数である。Aは、(c5+1)価の炭素数1〜50の脂肪族もしくは脂環式飽和炭化水素基、芳香族炭化水素基又はヘテロ環基を示し、これらの基はO、S、N等のヘテロ原子を介在してもよく、又はその炭素原子に結合する水素原子の一部が水酸基、カルボキシル基、カルボニル基又はフッ素原子によって置換されていてもよい。Bは−CO−O−、−NHCO−O−又は−NHCONH−を示す。
【0053】
この場合、好ましくはAは2〜4価の炭素数1〜20の直鎖状、分岐状又は環状のアルキレン基、アルカントリイル基、アルカンテトライル基、炭素数6〜30のアリーレン基であり、これらの基はO、S、N等のヘテロ原子を介在していてもよく、またその炭素原子に結合する水素原子の一部が水酸基、カルボキシル基、アシル基又はハロゲン原子によって置換されていてもよい。また、c5は好ましくは1〜3の整数である。
【0054】
一般式(AL−11a)、(AL−11b)で示される架橋型アセタール基は、具体的には下記式(AL−11)−35〜(AL−11)−42のものが挙げられる。
【0055】
【化14】

【0056】
次に、前記式(AL−12)に示される3級アルキル基としては、tert−ブチル基、トリエチルカルビル基、1−エチルノルボニル基、1−メチルシクロヘキシル基、1−エチルシクロペンチル基、tert−アミル基等、あるいは下記式(AL−12)−1〜(AL−12)−16を挙げることができる。
【0057】
【化15】

【0058】
上記式中、R64は同一又は異種の炭素数1〜8の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基、又は炭素数7〜20のアラルキル基を示す。R65、R67は水素原子あるいは炭素数1〜20の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基を示す。R66は炭素数6〜20のアリール基、又は炭素数7〜20のアラルキル基を示す。
【0059】
更に、下記式(AL−12)−17、(AL−12)−18に示すように、2価以上のアルキレン基、又はアリーレン基であるR68を含んで、ポリマーの分子内あるいは分子間が架橋されていてもよい。式(AL−12)−17、(AL−12)−18のR64は前述と同様、R68は炭素数1〜20の直鎖状、分岐状又は環状のアルキレン基、又はアリーレン基を示し、酸素原子や硫黄原子、窒素原子などのヘテロ原子を含んでいてもよい。b6は1〜3の整数である。
【0060】
【化16】

【0061】
更に、R64、R65、R66、R67は酸素、窒素、硫黄などのヘテロ原子を有していてもよく、具体的には下記式(AL−13)−1〜(AL−13)−7に示すことができる。
【0062】
【化17】

【0063】
特に、上記式(AL−12)の酸不安定基としては、下記式(AL−12)−19に示されるエキソ体構造を有するものが好ましい。
【0064】
【化18】


(式中、R69は炭素数1〜8の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基又は炭素数6〜20の置換されていてもよいアリール基を示す。R70〜R75及びR78、R79はそれぞれ独立に水素原子又は炭素数1〜15のヘテロ原子を含んでもよいアルキル基等の1価の炭化水素基を示し、R76、R77は水素原子を示す。あるいは、R70とR71、R72とR74、R72とR75、R73とR75、R73とR79、R74とR78、R76とR77又はR77とR78は互いに結合してこれらが結合する炭素原子と共に炭素数3〜20、特に4〜16の環、特に脂環を形成していてもよく、その場合には環の形成に関与する基は炭素数1〜15のヘテロ原子を含んでもよいアルキレン基等の2価の炭化水素基を示す。またR70とR79、R76とR79又はR72とR74は隣接する炭素に結合するもの同士で何も介さずに結合し、二重結合を形成してもよい。また、本式により、鏡像体も表す。)
【0065】
ここで、一般式(AL−12)−19に示すエキソ体構造を有する下記繰り返し単位
【化19】


を得るためのエステル体のモノマーとしては、特開2000−327633号公報に示されている。具体的には下記に示すものを挙げることができるが、これらに限定されることはない。
【0066】
【化20】

【0067】
更に、上記式(AL−12)の酸不安定基としては、下記式(AL−12)−20に示されるフランジイル、テトラヒドロフランジイル又はオキサノルボルナンジイルを有する酸不安定基を挙げることができる。
【0068】
【化21】


(式中、R80、R81はそれぞれ独立に炭素数1〜10の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基等の1価炭化水素基を示す。又は、R80、R81は互いに結合してこれらが結合する炭素原子と共に炭素数3〜20の脂肪族炭化水素環を形成してもよい。R82はフランジイル、テトラヒドロフランジイル又はオキサノルボルナンジイルから選ばれる2価の基を示す。R83は水素原子又はヘテロ原子を含んでもよい炭素数1〜10の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基等の1価炭化水素基を示す。)
【0069】
フランジイル、テトラヒドロフランジイル又はオキサノルボルナンジイルを有する酸不安定基で置換された繰り返し単位
【化22】


を得るためのモノマーとしては、下記に例示される。なお、下記式中Meはメチル基、Acはアセチル基を示す。
【0070】
【化23】

【0071】
【化24】

【0072】
本発明の高分子化合物は、一般式(a−1)、(a−2)の内の少なくとも1つの繰り返し単位と一般式(b)に示す繰り返し単位を有することが好ましいが、更にはヒドロキシ基、シアノ基、カルボニル基、エステル基、エーテル基、ラクトン環、カルボニル基、カルボン酸無水物基等の密着性基を有するモノマーに由来する繰り返し単位cを共重合させてもよい。
繰り返し単位cを得るためのモノマーとしては、具体的に下記に挙げることができる。
【0073】
【化25】

【0074】
【化26】

【0075】
【化27】

【0076】
【化28】

【0077】
【化29】

【0078】
上記繰り返し単位a1、a2、b、cにおいて、繰り返し単位の比率は、0≦a1<1.0、0≦a2<1.0、0<a1+a2<1.0、0<b≦0.8、0.1≦a1+a2+b≦1.0、0≦c<1.0、a1+a2+b+c=1、好ましくは0≦a1≦0.9、0≦a2≦0.9、0.1≦a1+a2≦0.9、0.1≦b≦0.7、0.2≦a1+a2+b≦1.0、0≦c≦0.9の範囲である。
【0079】
本発明のパターン形成方法に用いられるレジストのベースポリマーとなる高分子化合物は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によるポリスチレン換算重量平均分子量が1,000〜500,000、特に2,000〜30,000であることが好ましい。重量平均分子量が小さすぎるとレジスト材料現像後の熱架橋における架橋効率が低下するものとなり、大きすぎるとアルカリ溶解性が低下し、パターン形成後に裾引き現象が生じ易くなる可能性がある。
【0080】
更に、本発明のパターン形成方法に用いられるレジスト材料のベースポリマーとなる高分子化合物においては、分子量分布(Mw/Mn)が広い場合は低分子量や高分子量のポリマーが存在するために露光後、パターン上に異物が見られたり、パターンの形状が悪化したりするおそれがある。それ故、パターンルールが微細化するに従ってこのような分子量、分子量分布の影響が大きくなり易いことから、微細なパターン寸法に好適に用いられるレジスト材料を得るには、使用する多成分共重合体の分子量分布は1.0〜2.0、特に1.0〜1.5と狭分散であることが好ましい。
【0081】
また、組成比率や分子量分布や分子量が異なる2つ以上のポリマーをブレンドすることも可能である。
【0082】
これら高分子化合物を合成するには、1つの方法としては繰り返し単位a1、a2、b、cを得るための不飽和結合を有するモノマーを有機溶剤中、ラジカル重合開始剤を加え加熱重合を行う方法があり、これにより高分子化合物を得ることができる。重合時に使用する有機溶剤としては、トルエン、ベンゼン、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ジオキサン等が例示できる。重合開始剤としては、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、ジメチル2,2−アゾビス(2−メチルプロピオネート)、ベンゾイルパーオキシド、ラウロイルパーオキシド等が例示でき、好ましくは50〜80℃に加熱して重合できる。反応時間としては2〜100時間、好ましくは5〜20時間である。酸不安定基は、モノマーに導入されたものをそのまま用いてもよいし、酸不安定基を酸触媒によって一旦脱離し、その後保護化あるいは部分保護化してもよい。なお、上記ベース樹脂を構成する高分子化合物は1種に限らず2種以上を添加することができる。複数種の高分子化合物を用いることにより、レジスト材料の性能を調整することができる。
【0083】
本発明のレジスト材料は、化学増幅ポジ型レジスト材料として機能するために酸発生剤を含んでもよく、例えば、活性光線又は放射線に感応して酸を発生する化合物(光酸発生剤)を含有してもよい。光酸発生剤の成分としては、高エネルギー線照射により酸を発生する化合物であればいずれでも構わない。好適な光酸発生剤としてはスルホニウム塩、ヨードニウム塩、スルホニルジアゾメタン、N−スルホニルオキシイミド、オキシム−O−スルホネート型酸発生剤等がある。以下に詳述するがこれらは単独であるいは2種以上混合して用いることができる。
【0084】
スルホニウム塩はスルホニウムカチオンとスルホネートあるいはビス(置換アルキルスルホニル)イミド、トリス(置換アルキルスルホニル)メチドの塩であり、スルホニウムカチオンとしてトリフェニルスルホニウム、(4−tert−ブトキシフェニル)ジフェニルスルホニウム、ビス(4−tert−ブトキシフェニル)フェニルスルホニウム、トリス(4−tert−ブトキシフェニル)スルホニウム、(3−tert−ブトキシフェニル)ジフェニルスルホニウム、ビス(3−tert−ブトキシフェニル)フェニルスルホニウム、トリス(3−tert−ブトキシフェニル)スルホニウム、(3,4−ジtert−ブトキシフェニル)ジフェニルスルホニウム、ビス(3,4−ジtert−ブトキシフェニル)フェニルスルホニウム、トリス(3,4−ジtert−ブトキシフェニル)スルホニウム、ジフェニル(4−チオフェノキシフェニル)スルホニウム、(4−tert−ブトキシカルボニルメチルオキシフェニル)ジフェニルスルホニウム、トリス(4−tert−ブトキシカルボニルメチルオキシフェニル)スルホニウム、(4−tert−ブトキシフェニル)ビス(4−ジメチルアミノフェニル)スルホニウム、トリス(4−ジメチルアミノフェニル)スルホニウム、2−ナフチルジフェニルスルホニウム、ジメチル2−ナフチルスルホニウム、4−ヒドロキシフェニルジメチルスルホニウム、4−メトキシフェニルジメチルスルホニウム、トリメチルスルホニウム、2−オキソシクロヘキシルシクロヘキシルメチルスルホニウム、トリナフチルスルホニウム、トリベンジルスルホニウム、ジフェニルメチルスルホニウム、ジメチルフェニルスルホニウム、2−オキソ−2−フェニルエチルチアシクロペンタニウム、4−n−ブトキシナフチル−1−チアシクロペンタニウム、2−n−ブトキシナフチル−1−チアシクロペンタニウム等が挙げられ、スルホネートとしては、トリフルオロメタンスルホネート、ペンタフルオロエタンスルホネート、ノナフルオロブタンスルホネート、ドデカフルオロヘキサンスルホネート、ペンタフルオロエチルパーフルオロシクロヘキサンスルホネート、ヘプタデカフルオロオクタンスルホネート、2,2,2−トリフルオロエタンスルホネート、ペンタフルオロベンゼンスルホネート、4−トリフルオロメチルベンゼンスルホネート、4−フルオロベンゼンスルホネート、メシチレンスルホネート、2,4,6−トリイソプロピルベンゼンスルホネート、トルエンスルホネート、ベンゼンスルホネート、4−(4’−トルエンスルホニルオキシ)ベンゼンスルホネート、ナフタレンスルホネート、カンファースルホネート、オクタンスルホネート、ドデシルベンゼンスルホネート、ブタンスルホネート、メタンスルホネート、2−ベンゾイルオキシ−1,1,3,3,3−ペンタフルオロプロパンスルホネート、1,1,3,3,3−ペンタフルオロ−2−(4−フェニルベンゾイルオキシ)プロパンスルホネート、1,1,3,3,3−ペンタフルオロ−2−ピバロイルオキシプロパンスルホネート、2−シクロヘキサンカルボニルオキシ−1,1,3,3,3−ペンタフルオロプロパンスルホネート、1,1,3,3,3−ペンタフルオロ−2−フロイルオキシプロパンスルホネート、2−ナフトイルオキシ−1,1,3,3,3−ペンタフルオロプロパンスルホネート、2−(4−tert−ブチルベンゾイルオキシ)−1,1,3,3,3−ペンタフルオロプロパンスルホネート、2−アダンマンタンカルボニルオキシ−1,1,3,3,3−ペンタフルオロプロパンスルホネート、2−アセチルオキシ−1,1,3,3,3−ペンタフルオロプロパンスルホネート、1,1,3,3,3−ペンタフルオロ−2−ヒドロキシプロパンスルホネート、1,1,3,3,3−ペンタフルオロ−2−トシルオキシプロパンスルホネート、1,1−ジフルオロ−2−ナフチル−エタンスルホネート、1,1,2,2−テトラフルオロ−2−(ノルボルナン−2−イル)エタンスルホネート、1,1,2,2−テトラフルオロ−2−(テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン−8−イル)エタンスルホネート等が挙げられ、ビス(置換アルキルスルホニル)イミドとしてはビストリフルオロメチルスルホニルイミド、ビスペンタフルオロエチルスルホニルイミド、ビスヘプタフルオロプロピルスルホニルイミド、1,3−プロピレンビススルホニルイミド等が挙げられ、トリス(置換アルキルスルホニル)メチドとしてはトリストリフルオロメチルスルホニルメチドが挙げられ、これらの組み合わせのスルホニウム塩が挙げられる。
【0085】
ヨードニウム塩はヨードニウムカチオンとスルホネートあるいはビス(置換アルキルスルホニル)イミド、トリス(置換アルキルスルホニル)メチドの塩であり、ジフェニルヨードニウム、ビス(4−tert−ブチルフェニル)ヨードニウム、4−tert−ブトキシフェニルフェニルヨードニウム、4−メトキシフェニルフェニルヨードニウム等のアリールヨードニウムカチオンとスルホネートとしてトリフルオロメタンスルホネート、ペンタフルオロエタンスルホネート、ノナフルオロブタンスルホネート、ドデカフルオロヘキサンスルホネート、ペンタフルオロエチルパーフルオロシクロヘキサンスルホネート、ヘプタデカフルオロオクタンスルホネート、2,2,2−トリフルオロエタンスルホネート、ペンタフルオロベンゼンスルホネート、4−トリフルオロメチルベンゼンスルホネート、4−フルオロベンゼンスルホネート、メシチレンスルホネート、2,4,6−トリイソプロピルベンゼンスルホネート、トルエンスルホネート、ベンゼンスルホネート、4−(4−トルエンスルホニルオキシ)ベンゼンスルホネート、ナフタレンスルホネート、カンファースルホネート、オクタンスルホネート、ドデシルベンゼンスルホネート、ブタンスルホネート、メタンスルホネート、2−ベンゾイルオキシ−1,1,3,3,3−ペンタフルオロプロパンスルホネート、1,1,3,3,3−ペンタフルオロ−2−(4−フェニルベンゾイルオキシ)プロパンスルホネート、1,1,3,3,3−ペンタフルオロ−2−ピバロイルオキシプロパンスルホネート、2−シクロヘキサンカルボニルオキシ−1,1,3,3,3−ペンタフルオロプロパンスルホネート、1,1,3,3,3−ペンタフルオロ−2−フロイルオキシプロパンスルホネート、2−ナフトイルオキシ−1,1,3,3,3−ペンタフルオロプロパンスルホネート、2−(4−tert−ブチルベンゾイルオキシ)−1,1,3,3,3−ペンタフルオロプロパンスルホネート、2−アダンマンタンカルボニルオキシ−1,1,3,3,3−ペンタフルオロプロパンスルホネート、2−アセチルオキシ−1,1,3,3,3−ペンタフルオロプロパンスルホネート、1,1,3,3,3−ペンタフルオロ−2−ヒドロキシプロパンスルホネート、1,1,3,3,3−ペンタフルオロ−2−トシルオキシプロパンスルホネート、1,1−ジフルオロ−2−ナフチル−エタンスルホネート、1,1,2,2−テトラフルオロ−2−(ノルボルナン−2−イル)エタンスルホネート、1,1,2,2−テトラフルオロ−2−(テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン−8−イル)エタンスルホネート等が挙げられ、ビス(置換アルキルスルホニル)イミドとしてはビストリフルオロメチルスルホニルイミド、ビスペンタフルオロエチルスルホニルイミド、ビスヘプタフルオロプロピルスルホニルイミド、1,3−プロピレンビススルホニルイミド等が挙げられ、トリス(置換アルキルスルホニル)メチドとしてはトリストリフルオロメチルスルホニルメチドが挙げられ、これらの組み合わせのヨードニウム塩が挙げられる。
【0086】
スルホニルジアゾメタンとしては、ビス(エチルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(1−メチルプロピルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(2−メチルプロピルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(1,1−ジメチルエチルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(シクロヘキシルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(パーフルオロイソプロピルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(フェニルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(4−メチルフェニルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(2,4−ジメチルフェニルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(2−ナフチルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(4−アセチルオキシフェニルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(4−メタンスルホニルオキシフェニルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(4−(4−トルエンスルホニルオキシ)フェニルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(4−n−ヘキシルオキシ)フェニルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(2−メチル−4−(n−ヘキシルオキシ)フェニルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(2,5−ジメチル−4−(n−ヘキシルオキシ)フェニルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(3,5−ジメチル−4−(n−ヘキシルオキシ)フェニルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(2−メチル−5−イソプロピル−4−(n−ヘキシルオキシ)フェニルスルホニル)ジアゾメタン、4−メチルフェニルスルホニルベンゾイルジアゾメタン、tertブチルカルボニル−4−メチルフェニルスルホニルジアゾメタン、2−ナフチルスルホニルベンゾイルジアゾメタン、4−メチルフェニルスルホニル2−ナフトイルジアゾメタン、メチルスルホニルベンゾイルジアゾメタン、tertブトキシカルボニル−4−メチルフェニルスルホニルジアゾメタン等のビススルホニルジアゾメタンとスルホニル−カルボニルジアゾメタンが挙げられる。
【0087】
N−スルホニルオキシイミド型光酸発生剤としては、コハク酸イミド、ナフタレンジカルボン酸イミド、フタル酸イミド、シクロヘキシルジカルボン酸イミド、5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸イミド、7−オキサビシクロ[2.2.1]−5−ヘプテン−2,3−ジカルボン酸イミド等のイミド骨格とトリフルオロメタンスルホネート、ペンタフルオロエタンスルホネート、ノナフルオロブタンスルホネート、ドデカフルオロヘキサンスルホネート、ペンタフルオロエチルパーフルオロシクロヘキサンスルホネート、ヘプタデカフルオロオクタンスルホネート、2,2,2−トリフルオロエタンスルホネート、ペンタフルオロベンゼンスルホネート、4−トリフルオロメチルベンゼンスルホネート、4−フルオロベンゼンスルホネート、メシチレンスルホネート、2,4,6−トリイソプロピルベンゼンスルホネート、トルエンスルホネート、ベンゼンスルホネート、ナフタレンスルホネート、カンファースルホネート、オクタンスルホネート、ドデシルベンゼンスルホネート、ブタンスルホネート、メタンスルホネート、2−ベンゾイルオキシ−1,1,3,3,3−ペンタフルオロプロパンスルホネート、1,1,3,3,3−ペンタフルオロ−2−(4−フェニルベンゾイルオキシ)プロパンスルホネート、1,1,3,3,3−ペンタフルオロ−2−ピバロイルオキシプロパンスルホネート、2−シクロヘキサンカルボニルオキシ−1,1,3,3,3−ペンタフルオロプロパンスルホネート、1,1,3,3,3−ペンタフルオロ−2−フロイルオキシプロパンスルホネート、2−ナフトイルオキシ−1,1,3,3,3−ペンタフルオロプロパンスルホネート、2−(4−tert−ブチルベンゾイルオキシ)−1,1,3,3,3−ペンタフルオロプロパンスルホネート、2−アダンマンタンカルボニルオキシ−1,1,3,3,3−ペンタフルオロプロパンスルホネート、2−アセチルオキシ−1,1,3,3,3−ペンタフルオロプロパンスルホネート、1,1,3,3,3−ペンタフルオロ−2−ヒドロキシプロパンスルホネート、1,1,3,3,3−ペンタフルオロ−2−トシルオキシプロパンスルホネート、1,1−ジフルオロ−2−ナフチル−エタンスルホネート、1,1,2,2−テトラフルオロ−2−(ノルボルナン−2−イル)エタンスルホネート、1,1,2,2−テトラフルオロ−2−(テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン−8−イル)エタンスルホネート等の組み合わせの化合物が挙げられる。
【0088】
ベンゾインスルホネート型光酸発生剤としては、ベンゾイントシレート、ベンゾインメシレート、ベンゾインブタンスルホネート等が挙げられる。
【0089】
ピロガロールトリスルホネート型光酸発生剤としては、ピロガロール、フロログリシノール、カテコール、レゾルシノール、ヒドロキノンのヒドロキシル基のすべてをトリフルオロメタンスルホネート、ペンタフルオロエタンスルホネート、ノナフルオロブタンスルホネート、ドデカフルオロヘキサンスルホネート、ペンタフルオロエチルパーフルオロシクロヘキサンスルホネート、ヘプタデカフルオロオクタンスルホネート、2,2,2−トリフルオロエタンスルホネート、ペンタフルオロベンゼンスルホネート、4−トリフルオロメチルベンゼンスルホネート、4−フルオロベンゼンスルホネート、トルエンスルホネート、ベンゼンスルホネート、ナフタレンスルホネート、カンファースルホネート、オクタンスルホネート、ドデシルベンゼンスルホネート、ブタンスルホネート、メタンスルホネート、2−ベンゾイルオキシ−1,1,3,3,3−ペンタフルオロプロパンスルホネート、1,1,3,3,3−ペンタフルオロ−2−(4−フェニルベンゾイルオキシ)プロパンスルホネート、1,1,3,3,3−ペンタフルオロ−2−ピバロイルオキシプロパンスルホネート、2−シクロヘキサンカルボニルオキシ−1,1,3,3,3−ペンタフルオロプロパンスルホネート、1,1,3,3,3−ペンタフルオロ−2−フロイルオキシプロパンスルホネート、2−ナフトイルオキシ−1,1,3,3,3−ペンタフルオロプロパンスルホネート、2−(4−tert−ブチルベンゾイルオキシ)−1,1,3,3,3−ペンタフルオロプロパンスルホネート、2−アダンマンタンカルボニルオキシ−1,1,3,3,3−ペンタフルオロプロパンスルホネート、2−アセチルオキシ−1,1,3,3,3−ペンタフルオロプロパンスルホネート、1,1,3,3,3−ペンタフルオロ−2−ヒドロキシプロパンスルホネート、1,1,3,3,3−ペンタフルオロ−2−トシルオキシプロパンスルホネート、1,1−ジフルオロ−2−ナフチル−エタンスルホネート、1,1,2,2−テトラフルオロ−2−(ノルボルナン−2−イル)エタンスルホネート、1,1,2,2−テトラフルオロ−2−(テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン−8−イル)エタンスルホネート等で置換した化合物が挙げられる。
【0090】
ニトロベンジルスルホネート型光酸発生剤としては、2,4−ジニトロベンジルスルホネート、2−ニトロベンジルスルホネート、2,6−ジニトロベンジルスルホネートが挙げられ、スルホネートとしては、具体的にトリフルオロメタンスルホネート、ペンタフルオロエタンスルホネート、ノナフルオロブタンスルホネート、ドデカフルオロヘキサンスルホネート、ペンタフルオロエチルパーフルオロシクロヘキサンスルホネート、ヘプタデカフルオロオクタンスルホネート、2,2,2−トリフルオロエタンスルホネート、ペンタフルオロベンゼンスルホネート、4−トリフルオロメチルベンゼンスルホネート、4−フルオロベンゼンスルホネート、トルエンスルホネート、ベンゼンスルホネート、ナフタレンスルホネート、カンファースルホネート、オクタンスルホネート、ドデシルベンゼンスルホネート、ブタンスルホネート、メタンスルホネート、2−ベンゾイルオキシ−1,1,3,3,3−ペンタフルオロプロパンスルホネート、1,1,3,3,3−ペンタフルオロ−2−(4−フェニルベンゾイルオキシ)プロパンスルホネート、1,1,3,3,3−ペンタフルオロ−2−ピバロイルオキシプロパンスルホネート、2−シクロヘキサンカルボニルオキシ−1,1,3,3,3−ペンタフルオロプロパンスルホネート、1,1,3,3,3−ペンタフルオロ−2−フロイルオキシプロパンスルホネート、2−ナフトイルオキシ−1,1,3,3,3−ペンタフルオロプロパンスルホネート、2−(4−tert−ブチルベンゾイルオキシ)−1,1,3,3,3−ペンタフルオロプロパンスルホネート、2−アダンマンタンカルボニルオキシ−1,1,3,3,3−ペンタフルオロプロパンスルホネート、2−アセチルオキシ−1,1,3,3,3−ペンタフルオロプロパンスルホネート、1,1,3,3,3−ペンタフルオロ−2−ヒドロキシプロパンスルホネート、1,1,3,3,3−ペンタフルオロ−2−トシルオキシプロパンスルホネート、1,1−ジフルオロ−2−ナフチル−エタンスルホネート、1,1,2,2−テトラフルオロ−2−(ノルボルナン−2−イル)エタンスルホネート、1,1,2,2−テトラフルオロ−2−(テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン−8−イル)エタンスルホネート等が挙げられる。またベンジル側のニトロ基をトリフルオロメチル基で置き換えた化合物も同様に用いることができる。
【0091】
スルホン型光酸発生剤の例としては、ビス(フェニルスルホニル)メタン、ビス(4−メチルフェニルスルホニル)メタン、ビス(2−ナフチルスルホニル)メタン、2,2−ビス(フェニルスルホニル)プロパン、2,2−ビス(4−メチルフェニルスルホニル)プロパン、2,2−ビス(2−ナフチルスルホニル)プロパン、2−メチル−2−(p−トルエンスルホニル)プロピオフェノン、2−シクロヘキシルカルボニル)−2−(p−トルエンスルホニル)プロパン、2,4−ジメチル−2−(p−トルエンスルホニル)ペンタン−3−オン等が挙げられる。
【0092】
グリオキシム誘導体型の光酸発生剤は、特許第2906999号公報や特開平9−301948号公報に記載の化合物を挙げることができ、具体的にはビス−O−(p−トルエンスルホニル)−α−ジメチルグリオキシム、ビス−O−(p−トルエンスルホニル)−α−ジフェニルグリオキシム、ビス−O−(p−トルエンスルホニル)−α−ジシクロヘキシルグリオキシム、ビス−O−(p−トルエンスルホニル)−2,3−ペンタンジオングリオキシム、ビス−O−(n−ブタンスルホニル)−α−ジメチルグリオキシム、ビス−O−(n−ブタンスルホニル)−α−ジフェニルグリオキシム、ビス−O−(n−ブタンスルホニル)−α−ジシクロヘキシルグリオキシム、ビス−O−(メタンスルホニル)−α−ジメチルグリオキシム、ビス−O−(トリフルオロメタンスルホニル)−α−ジメチルグリオキシム、ビス−O−(2,2,2−トリフルオロエタンスルホニル)−α−ジメチルグリオキシム、ビス−O−(10−カンファースルホニル)−α−ジメチルグリオキシム、ビス−O−(ベンゼンスルホニル)−α−ジメチルグリオキシム、ビス−O−(p−フルオロベンゼンスルホニル)−α−ジメチルグリオキシム、ビス−O−(p−トリフルオロメチルベンゼンスルホニル)−α−ジメチルグリオキシム、ビス−O−(キシレンスルホニル)−α−ジメチルグリオキシム、ビス−O−(トリフルオロメタンスルホニル)−ニオキシム、ビス−O−(2,2,2−トリフルオロエタンスルホニル)−ニオキシム、ビス−O−(10−カンファースルホニル)−ニオキシム、ビス−O−(ベンゼンスルホニル)−ニオキシム、ビス−O−(p−フルオロベンゼンスルホニル)−ニオキシム、ビス−O−(p−トリフルオロメチルベンゼンスルホニル)−ニオキシム、ビス−O−(キシレンスルホニル)−ニオキシム等が挙げられる。
【0093】
また、米国特許第6004724号明細書記載のオキシムスルホネート、特に(5−(4−トルエンスルホニル)オキシイミノ−5H−チオフェン−2−イリデン)フェニルアセトニトリル、(5−(10−カンファースルホニル)オキシイミノ−5H−チオフェン−2−イリデン)フェニルアセトニトリル、(5−n−オクタンスルホニルオキシイミノ−5H−チオフェン−2−イリデン)フェニルアセトニトリル、(5−(4−トルエンスルホニル)オキシイミノ−5H−チオフェン−2−イリデン)(2−メチルフェニル)アセトニトリル、(5−(10−カンファースルホニル)オキシイミノ−5H−チオフェン−2−イリデン)(2−メチルフェニル)アセトニトリル、(5−n−オクタンスルホニルオキシイミノ−5H−チオフェン−2−イリデン)(2−メチルフェニル)アセトニトリル等が挙げられ、更に米国特許第6916591号明細書記載の(5−(4−(4−トルエンスルホニルオキシ)ベンゼンスルホニル)オキシイミノ−5H−チオフェン−2−イリデン)フェニルアセトニトリル、(5−(2,5−ビス(4−トルエンスルホニルオキシ)ベンゼンスルホニル)オキシイミノ−5H−チオフェン−2−イリデン)フェニルアセトニトリル等が挙げられる。
【0094】
米国特許第6261738号明細書、特開2000−314956号公報記載のオキシムスルホネート、特に2,2,2−トリフルオロ−1−フェニル−エタノンオキシム−O−メチルスルホナート、2,2,2−トリフルオロ−1−フェニル−エタノンオキシム−O−(10−カンホリルスルホナート)、2,2,2−トリフルオロ−1−フェニル−エタノンオキシム−O−(4−メトキシフェニルスルホナート)、2,2,2−トリフルオロ−1−フェニル−エタノンオキシム−O−(1−ナフチルスルホナート)、2,2,2−トリフルオロ−1−フェニル−エタノンオキシム−O−(2−ナフチルスルホナート)、2,2,2−トリフルオロ−1−フェニル−エタノンオキシム−O−(2,4,6−トリメチルフェニルスルホナート)、2,2,2−トリフルオロ−1−(4−メチルフェニル)−エタノンオキシム−O−(10−カンホリルスルホナート)、2,2,2−トリフルオロ−1−(4−メチルフェニル)−エタノンオキシム−O−(メチルスルホナート)、2,2,2−トリフルオロ−1−(2−メチルフェニル)−エタノンオキシム−O−(10−カンホリルスルホナート)、2,2,2−トリフルオロ−1−(2,4−ジメチルフェニル)−エタノンオキシム−O−(10−カンホリルスルホナート)、2,2,2−トリフルオロ−1−(2,4−ジメチルフェニル)−エタノンオキシム−O−(1−ナフチルスルホナート)、2,2,2−トリフルオロ−1−(2,4−ジメチルフェニル)−エタノンオキシム−O−(2−ナフチルスルホナート)、2,2,2−トリフルオロ−1−(2,4,6−トリメチルフェニル)−エタノンオキシム−O−(10−カンホリルスルホナート)、2,2,2−トリフルオロ−1−(2,4,6−トリメチルフェニル)−エタノンオキシム−O−(1−ナフチルスルホナート)、2,2,2−トリフルオロ−1−(2,4,6−トリメチルフェニル)−エタノンオキシム−O−(2−ナフチルスルホナート)、2,2,2−トリフルオロ−1−(4−メトキシフェニル)−エタノンオキシム−O−メチルスルホナート、2,2,2−トリフルオロ−1−(4−メチルチオフェニル)−エタノンオキシム−O−メチルスルホナート、2,2,2−トリフルオロ−1−(3,4−ジメトキシフェニル)−エタノンオキシム−O−メチルスルホナート、2,2,3,3,4,4,4−ヘプタフルオロ−1−フェニル−ブタノンオキシム−O−(10−カンホリルスルホナート)、2,2,2−トリフルオロ−1−(フェニル)−エタノンオキシム−O−メチルスルホナート、2,2,2−トリフルオロ−1−(フェニル)−エタノンオキシム−O−10−カンホリルスルホナート、2,2,2−トリフルオロ−1−(フェニル)−エタノンオキシム−O−(4−メトキシフェニル)スルホナート、2,2,2−トリフルオロ−1−(フェニル)−エタノンオキシム−O−(1−ナフチル)スルホナート、2,2,2−トリフルオロ−1−(フェニル)−エタノンオキシム−O−(2−ナフチル)スルホナート、2,2,2−トリフルオロ−1−(フェニル)−エタノンオキシム−O−(2,4,6−トリメチルフェニル)スルホナート、2,2,2−トリフルオロ−1−(4−メチルフェニル)−エタノンオキシム−O−(10−カンホリル)スルホナート、2,2,2−トリフルオロ−1−(4−メチルフェニル)−エタノンオキシム−O−メチルスルホナート、2,2,2−トリフルオロ−1−(2−メチルフェニル)−エタノンオキシム−O−(10−カンホリル)スルホナート、2,2,2−トリフルオロ−1−(2,4−ジメチルフェニル)−エタノンオキシム−O−(1−ナフチル)スルホナート、2,2,2−トリフルオロ−1−(2,4−ジメチルフェニル)−エタノンオキシム−O−(2−ナフチル)スルホナート、2,2,2−トリフルオロ−1−(2,4,6−トリメチルフェニル)−エタノンオキシム−O−(10−カンホリル)スルホナート、2,2,2−トリフルオロ−1−(2,4,6−トリメチルフェニル)−エタノンオキシム−O−(1−ナフチル)スルホナート、2,2,2−トリフルオロ−1−(2,4,6−トリメチルフェニル)−エタノンオキシム−O−(2−ナフチル)スルホナート、2,2,2−トリフルオロ−1−(4−メトキシフェニル)−エタノンオキシム−O−メチルスルホナート、2,2,2−トリフルオロ−1−(4−チオメチルフェニル)−エタノンオキシム−O−メチルスルホナート、2,2,2−トリフルオロ−1−(3,4−ジメトキシフェニル)−エタノンオキシム−O−メチルスルホナート、2,2,2−トリフルオロ−1−(4−メトキシフェニル)−エタノンオキシム−O−(4−メチルフェニル)スルホナート、2,2,2−トリフルオロ−1−(4−メトキシフェニル)−エタノンオキシム−O−(4−メトキシフェニル)スルホナート、2,2,2−トリフルオロ−1−(4−メトキシフェニル)−エタノンオキシム−O−(4−ドデシルフェニル)スルホナート、2,2,2−トリフルオロ−1−(4−メトキシフェニル)−エタノンオキシム−O−オクチルスルホナート、2,2,2−トリフルオロ−1−(4−チオメチルフェニル)−エタノンオキシム−O−(4−メトキシフェニル)スルホナート、2,2,2−トリフルオロ−1−(4−チオメチルフェニル)−エタノンオキシム−O−(4−ドデシルフェニル)スルホナート、2,2,2−トリフルオロ−1−(4−チオメチルフェニル)−エタノンオキシム−O−オクチルスルホナート、2,2,2−トリフルオロ−1−(4−チオメチルフェニル)−エタノンオキシム−O−(2−ナフチル)スルホナート、2,2,2−トリフルオロ−1−(2−メチルフェニル)−エタノンオキシム−O−メチルスルホナート、2,2,2−トリフルオロ−1−(4−メチルフェニル)−エタノンオキシム−O−フェニルスルホナート、2,2,2−トリフルオロ−1−(4−クロロフェニル)−エタノンオキシム−O−フェニルスルホナート、2,2,3,3,4,4,4−ヘプタフルオロ−1−(フェニル)−ブタノンオキシム−O−(10−カンホリル)スルホナート、2,2,2−トリフルオロ−1−ナフチル−エタノンオキシム−O−メチルスルホナート、2,2,2−トリフルオロ−2−ナフチル−エタノンオキシム−O−メチルスルホナート、2,2,2−トリフルオロ−1−[4−ベンジルフェニル]−エタノンオキシム−O−メチルスルホナート、2,2,2−トリフルオロ−1−[4−(フェニル−1,4−ジオキサ−ブト−1−イル)フェニル]−エタノンオキシム−O−メチルスルホナート、2,2,2−トリフルオロ−1−ナフチル−エタノンオキシム−O−プロピルスルホナート、2,2,2−トリフルオロ−2−ナフチル−エタノンオキシム−O−プロピルスルホナート、2,2,2−トリフルオロ−1−[4−ベンジルフェニル]−エタノンオキシム−O−プロピルスルホナート、2,2,2−トリフルオロ−1−[4−メチルスルホニルフェニル]−エタノンオキシム−O−プロピルスルホナート、1,3−ビス[1−(4−フェノキシフェニル)−2,2,2−トリフルオロエタノンオキシム−O−スルホニル]フェニル、2,2,2−トリフルオロ−1−[4−メチルスルホニルオキシフェニル]−エタノンオキシム−O−プロピルスルホナート、2,2,2−トリフルオロ−1−[4−メチルカルボニルオキシフェニル]−エタノンオキシム−O−プロピルスルホナート、2,2,2−トリフルオロ−1−[6H,7H−5,8−ジオキソナフト−2−イル]−エタノンオキシム−O−プロピルスルホナート、2,2,2−トリフルオロ−1−[4−メトキシカルボニルメトキシフェニル]−エタノンオキシム−O−プロピルスルホナート、2,2,2−トリフルオロ−1−[4−(メトキシカルボニル)−(4−アミノ−1−オキサ−ペンタ−1−イル)−フェニル]−エタノンオキシム−O−プロピルスルホナート、2,2,2−トリフルオロ−1−[3,5−ジメチル−4−エトキシフェニル]−エタノンオキシム−O−プロピルスルホナート、2,2,2−トリフルオロ−1−[4−ベンジルオキシフェニル]−エタノンオキシム−O−プロピルスルホナート、2,2,2−トリフルオロ−1−[2−チオフェニル]−エタノンオキシム−O−プロピルスルホナート、及び2,2,2−トリフルオロ−1−[1−ジオキサ−チオフェン−2−イル]−エタノンオキシム−O−プロピルスルホナート、2,2,2−トリフルオロ−1−(4−(3−(4−(2,2,2−トリフルオロ−1−(トリフルオロメタンスルホニルオキシイミノ)−エチル)−フェノキシ)−プロポキシ)−フェニル)エタノンオキシム(トリフルオロメタンスルホネート)、2,2,2−トリフルオロ−1−(4−(3−(4−(2,2,2−トリフルオロ−1−(1−プロパンスルホニルオキシイミノ)−エチル)−フェノキシ)−プロポキシ)−フェニル)エタノンオキシム(1−プロパンスルホネート)、2,2,2−トリフルオロ−1−(4−(3−(4−(2,2,2−トリフルオロ−1−(1−ブタンスルホニルオキシイミノ)−エチル)−フェノキシ)−プロポキシ)−フェニル)エタノンオキシム(1−ブタンスルホネート)等が挙げられ、更に米国特許第6916591号明細書記載の2,2,2−トリフルオロ−1−(4−(3−(4−(2,2,2−トリフルオロ−1−(4−(4−メチルフェニルスルホニルオキシ)フェニルスルホニルオキシイミノ)−エチル)−フェノキシ)−プロポキシ)−フェニル)エタノンオキシム(4−(4−メチルフェニルスルホニルオキシ)フェニルスルホネート)、2,2,2−トリフルオロ−1−(4−(3−(4−(2,2,2−トリフルオロ−1−(2,5−ビス(4−メチルフェニルスルホニルオキシ)ベンゼンスルホニルオキシ)フェニルスルホニルオキシイミノ)−エチル)−フェノキシ)−プロポキシ)−フェニル)エタノンオキシム(2,5−ビス(4−メチルフェニルスルホニルオキシ)ベンゼンスルホニルオキシ)フェニルスルホネート)等が挙げられる。
【0095】
特開平9−95479号公報、特開平9−230588号公報あるいは文中の従来技術として記載のオキシムスルホネートとして、α−(p−トルエンスルホニルオキシイミノ)−フェニルアセトニトリル、α−(p−クロロベンゼンスルホニルオキシイミノ)−フェニルアセトニトリル、α−(4−ニトロベンゼンスルホニルオキシイミノ)−フェニルアセトニトリル、α−(4−ニトロ−2−トリフルオロメチルベンゼンスルホニルオキシイミノ)−フェニルアセトニトリル、α−(ベンゼンスルホニルオキシイミノ)−4−クロロフェニルアセトニトリル、α−(ベンゼンスルホニルオキシイミノ)−2,4−ジクロロフェニルアセトニトリル、α−(ベンゼンスルホニルオキシイミノ)−2,6−ジクロロフェニルアセトニトリル、α−(ベンゼンスルホニルオキシイミノ)−4−メトキシフェニルアセトニトリル、α−(2−クロロベンゼンスルホニルオキシイミノ)−4−メトキシフェニルアセトニトリル、α−(ベンゼンスルホニルオキシイミノ)−2−チエニルアセトニトリル、α−(4−ドデシルベンゼンスルホニルオキシイミノ)−フェニルアセトニトリル、α−[(4−トルエンスルホニルオキシイミノ)−4−メトキシフェニル]アセトニトリル、α−[(ドデシルベンゼンスルホニルオキシイミノ)−4−メトキシフェニル]アセトニトリル、α−(トシルオキシイミノ)−3−チエニルアセトニトリル、α−(メチルスルホニルオキシイミノ)−1−シクロペンテニルアセトニトリル、α−(エチルスルホニルオキシイミノ)−1−シクロペンテニルアセトニトリル、α−(イソプロピルスルホニルオキシイミノ)−1−シクロペンテニルアセトニトリル、α−(n−ブチルスルホニルオキシイミノ)−1−シクロペンテニルアセトニトリル、α−(エチルスルホニルオキシイミノ)−1−シクロヘキセニルアセトニトリル、α−(イソプロピルスルホニルオキシイミノ)−1−シクロヘキセニルアセトニトリル、α−(n−ブチルスルホニルオキシイミノ)−1−シクロヘキセニルアセトニトリル等が挙げられる。
【0096】
下記式で示されるオキシムスルホネート(例えばWO2004/074242に具体例記載)も挙げられる。
【化30】

(上式中、RS1は置換又は非置換の炭素数1〜10のハロアルキルスルホニル、又はハロベンゼンスルホニル基を表す。RS2は炭素数1〜11のハロアルキル基を表す。ArS1は置換又は非置換の芳香族基又はヘテロ芳香族基を表す。)
【0097】
具体的には、2−[2,2,3,3,4,4,5,5−オクタフルオロ−1−(ノナフルオロブチルスルホニルオキシイミノ)−ペンチル]−フルオレン、2−[2,2,3,3,4,4−ペンタフルオロ−1−(ノナフルオロブチルスルホニルオキシイミノ)−ブチル]−フルオレン、2−[2,2,3,3,4,4,5,5,6,6−デカフルオロ−1−(ノナフルオロブチルスルホニルオキシイミノ)−ヘキシル]−フルオレン、2−[2,2,3,3,4,4,5,5−オクタフルオロ−1−(ノナフルオロブチルスルホニルオキシイミノ)−ペンチル]−4−ビフェニル、2−[2,2,3,3,4,4−ペンタフルオロ−1−(ノナフルオロブチルスルホニルオキシイミノ)−ブチル]−4−ビフェニル、2−[2,2,3,3,4,4,5,5,6,6−デカフルオロ−1−(ノナフルオロブチルスルホニルオキシイミノ)−ヘキシル]−4−ビフェニルなどが挙げられる。
【0098】
また、ビスオキシムスルホネートとして特開平9−208554号公報記載の化合物、特にビス(α−(4−トルエンスルホニルオキシ)イミノ)−p−フェニレンジアセトニトリル、ビス(α−(ベンゼンスルホニルオキシ)イミノ)−p−フェニレンジアセトニトリル、ビス(α−(メタンスルホニルオキシ)イミノ)−p−フェニレンジアセトニトリルビス(α−(ブタンスルホニルオキシ)イミノ)−p−フェニレンジアセトニトリル、ビス(α−(10−カンファースルホニルオキシ)イミノ)−p−フェニレンジアセトニトリル、ビス(α−(4−トルエンスルホニルオキシ)イミノ)−p−フェニレンジアセトニトリル、ビス(α−(トリフルオロメタンスルホニルオキシ)イミノ)−p−フェニレンジアセトニトリル、ビス(α−(4−メトキシベンゼンスルホニルオキシ)イミノ)−p−フェニレンジアセトニトリル、ビス(α−(4−トルエンスルホニルオキシ)イミノ)−m−フェニレンジアセトニトリル、ビス(α−(ベンゼンスルホニルオキシ)イミノ)−m−フェニレンジアセトニトリル、ビス(α−(メタンスルホニルオキシ)イミノ)−m−フェニレンジアセトニトリルビス(α−(ブタンスルホニルオキシ)イミノ)−m−フェニレンジアセトニトリル、ビス(α−(10−カンファースルホニルオキシ)イミノ)−m−フェニレンジアセトニトリル、ビス(α−(4−トルエンスルホニルオキシ)イミノ)−m−フェニレンジアセトニトリル、ビス(α−(トリフルオロメタンスルホニルオキシ)イミノ)−m−フェニレンジアセトニトリル、ビス(α−(4−メトキシベンゼンスルホニルオキシ)イミノ)−m−フェニレンジアセトニトリル等が挙げられる。
【0099】
中でも好ましく用いられる光酸発生剤としては、スルホニウム塩、ビススルホニルジアゾメタン、N−スルホニルオキシイミド、オキシム−O−スルホネート、グリオキシム誘導体である。より好ましく用いられる光酸発生剤としては、スルホニウム塩、ビススルホニルジアゾメタン、N−スルホニルオキシイミド、オキシム−O−スルホネートである。具体的にはトリフェニルスルホニウムp−トルエンスルホネート、トリフェニルスルホニウムカンファースルホネート、トリフェニルスルホニウムペンタフルオロベンゼンスルホネート、トリフェニルスルホニウムノナフルオロブタンスルホネート、トリフェニルスルホニウム4−(4’−トルエンスルホニルオキシ)ベンゼンスルホネート、トリフェニルスルホニウム−2,4,6−トリイソプロピルベンゼンスルホネート、4−tert−ブトキシフェニルジフェニルスルホニウムp−トルエンスルホネート、4−tert−ブトキシフェニルジフェニルスルホニウムカンファースルホネート、4−tert−ブトキシフェニルジフェニルスルホニウム4−(4’−トルエンスルホニルオキシ)ベンゼンスルホネート、トリス(4−メチルフェニル)スルホニウム、カンファースルホネート、トリス(4−tertブチルフェニル)スルホニウムカンファースルホネート、4−tert−ブチルフェニルジフェニルスルホニウムカンファースルホネート、4−tert−ブチルフェニルジフェニルスルホニウムノナフルオロ−1−ブタンスルホネート、4−tert−ブチルフェニルジフェニルスルホニウムペンタフルオロエチルパーフルオロシクロヘキサンスルホネート、4−tert−ブチルフェニルジフェニルスルホニウムパーフルオロ−1−オクタンスルホネート、トリフェニルスルホニウム1,1−ジフルオロ−2−ナフチル−エタンスルホネート、トリフェニルスルホニウム1,1,2,2−テトラフルオロ−2−(ノルボルナン−2−イル)エタンスルホネート、ビス(tert−ブチルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(シクロへキシルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(2,4−ジメチルフェニルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(4−n−ヘキシルオキシ)フェニルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(2−メチル−4−(n−ヘキシルオキシ)フェニルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(2,5−ジメチル−4−(n−ヘキシルオキシ)フェニルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(3,5−ジメチル−4−(n−ヘキシルオキシ)フェニルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(2−メチル−5−イソプロピル−4−(n−ヘキシルオキシ)フェニルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(4−tert−ブチルフェニルスルホニル)ジアゾメタン、N−カンファースルホニルオキシ−5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸イミド、N−p−トルエンスルホニルオキシ−5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸イミド、2−[2,2,3,3,4,4,5,5−オクタフルオロ−1−(ノナフルオロブチルスルホニルオキシイミノ)−ペンチル]−フルオレン、2−[2,2,3,3,4,4−ペンタフルオロ−1−(ノナフルオロブチルスルホニルオキシイミノ)−ブチル]−フルオレン、2−[2,2,3,3,4,4,5,5,6,6−デカフルオロ−1−(ノナフルオロブチルスルホニルオキシイミノ)−ヘキシル]−フルオレン等が挙げられる。
【0100】
本発明の化学増幅ポジ型レジスト材料における光酸発生剤の添加量はいずれでもよいが、レジスト材料中のベース樹脂100質量部に対して0.1〜20質量部、好ましくは0.1〜10質量部である。光酸発生剤が20質量部以下であれば、フォトレジスト膜の透過率が十分大きく、解像性能の劣化が起こるおそれが少ない。上記光酸発生剤は、単独でも2種以上混合して用いることもできる。更に露光波長における透過率が低い光酸発生剤を用い、その添加量でレジスト膜中の透過率を制御することもできる。
【0101】
また、本発明のレジスト材料に、酸により分解し、酸を発生する化合物(酸増殖化合物)を添加してもよい。
これらの化合物についてはJ.Photopolym.Sci.and Tech.,8.43−44,45−46(1995)、J.Photopolym.Sci.and Tech.,9.29−30(1996)において記載されている。
【0102】
酸増殖化合物の例としては、tert−ブチル2−メチル2−トシロキシメチルアセトアセテート、2−フェニル2−(2−トシロキシエチル)1,3−ジオキソラン等が挙げられるがこれらに限定されるものではない。公知の光酸発生剤の中で安定性、特に熱安定性に劣る化合物は酸増殖化合物的な性質を示す場合が多い。
【0103】
本発明のレジスト材料における酸増殖化合物の添加量としては、レジスト材料中のベース樹脂100質量部に対して2質量部以下、好ましくは1質量部以下である。2質量部以下であれば、拡散が制御され解像性の劣化、パターン形状の劣化が起こるおそれが少ない。
【0104】
本発明のレジスト材料は、更に、有機溶剤、塩基性化合物、溶解制御剤、界面活性剤のいずれか1つ以上を含有することができる。
【0105】
本発明で使用される有機溶剤としては、ベース樹脂、酸発生剤、その他の添加剤等が溶解可能な有機溶剤であればいずれでもよい。このような有機溶剤としては、例えば、シクロヘキサノン、メチル−2−n−アミルケトン等のケトン類、3−メトキシブタノール、3−メチル−3−メトキシブタノール、1−メトキシ−2−プロパノール、1−エトキシ−2−プロパノール等のアルコール類、プロピレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル等のエーテル類、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、乳酸エチル、ピルビン酸エチル、酢酸ブチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、酢酸tert−ブチル、プロピオン酸tert−ブチル、プロピレングリコールモノtert−ブチルエーテルアセテート等のエステル類、γ−ブチロラクトン等のラクトン類が挙げられ、これらの1種を単独で又は2種以上を混合して使用することができるが、これらに限定されるものではない。本発明では、これらの有機溶剤の中でもレジスト成分中の酸発生剤の溶解性が最も優れているジエチレングリコールジメチルエーテルや1−エトキシ−2−プロパノール、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート及びその混合溶剤が好ましく使用される。
【0106】
有機溶剤の使用量は、ベース樹脂100質量部に対して200〜3,000質量部、特に400〜2,500質量部が好適である。
【0107】
更に、本発明のレジスト材料には、塩基性化合物として含窒素有機化合物を1種又は2種以上配合することができる。
【0108】
含窒素有機化合物としては、酸発生剤より発生する酸がレジスト膜中に拡散する際の拡散速度を抑制することができる化合物が適している。含窒素有機化合物の配合により、レジスト膜中での酸の拡散速度が抑制されて解像度が向上し、露光後の感度変化を抑制したり、基板や環境依存性を少なくし、露光余裕度やパターンプロファイル等を向上することができる。
【0109】
このような含窒素有機化合物としては、第一級、第二級、第三級の脂肪族アミン類、混成アミン類、芳香族アミン類、複素環アミン類、カルボキシ基を有する含窒素化合物、スルホニル基を有する含窒素化合物、水酸基を有する含窒素化合物、ヒドロキシフェニル基を有する含窒素化合物、アルコール性含窒素化合物、アミド類、イミド類、カーバメート類等が挙げられる。
【0110】
具体的には、第一級の脂肪族アミン類として、アンモニア、メチルアミン、エチルアミン、n−プロピルアミン、イソプロピルアミン、n−ブチルアミン、イソブチルアミン、sec−ブチルアミン、tert−ブチルアミン、ペンチルアミン、tert−アミルアミン、シクロペンチルアミン、ヘキシルアミン、シクロヘキシルアミン、ヘプチルアミン、オクチルアミン、ノニルアミン、デシルアミン、ドデシルアミン、セチルアミン、メチレンジアミン、エチレンジアミン、テトラエチレンペンタミン等が例示され、第二級の脂肪族アミン類として、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジ−n−プロピルアミン、ジイソプロピルアミン、ジ−n−ブチルアミン、ジイソブチルアミン、ジ−sec−ブチルアミン、ジペンチルアミン、ジシクロペンチルアミン、ジヘキシルアミン、ジシクロヘキシルアミン、ジヘプチルアミン、ジオクチルアミン、ジノニルアミン、ジデシルアミン、ジドデシルアミン、ジセチルアミン、N,N−ジメチルメチレンジアミン、N,N−ジメチルエチレンジアミン、N,N−ジメチルテトラエチレンペンタミン等が例示され、第三級の脂肪族アミン類として、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリ−n−プロピルアミン、トリイソプロピルアミン、トリ−n−ブチルアミン、トリイソブチルアミン、トリ−sec−ブチルアミン、トリペンチルアミン、トリシクロペンチルアミン、トリヘキシルアミン、トリシクロヘキシルアミン、トリヘプチルアミン、トリオクチルアミン、トリノニルアミン、トリデシルアミン、トリドデシルアミン、トリセチルアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルメチレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルテトラエチレンペンタミン等が例示される。
【0111】
また、混成アミン類としては、例えばジメチルエチルアミン、メチルエチルプロピルアミン、ベンジルアミン、フェネチルアミン、ベンジルジメチルアミン等が例示される。芳香族アミン類及び複素環アミン類の具体例としては、アニリン誘導体(例えばアニリン、N−メチルアニリン、N−エチルアニリン、N−プロピルアニリン、N,N−ジメチルアニリン、2−メチルアニリン、3−メチルアニリン、4−メチルアニリン、エチルアニリン、プロピルアニリン、トリメチルアニリン、2−ニトロアニリン、3−ニトロアニリン、4−ニトロアニリン、2,4−ジニトロアニリン、2,6−ジニトロアニリン、3,5−ジニトロアニリン、N,N−ジメチルトルイジン等)、ジフェニル(p−トリル)アミン、メチルジフェニルアミン、トリフェニルアミン、フェニレンジアミン、ナフチルアミン、ジアミノナフタレン、ピロール誘導体(例えばピロール、2H−ピロール、1−メチルピロール、2,4−ジメチルピロール、2,5−ジメチルピロール、N−メチルピロール等)、オキサゾール誘導体(例えばオキサゾール、イソオキサゾール等)、チアゾール誘導体(例えばチアゾール、イソチアゾール等)、イミダゾール誘導体(例えばイミダゾール、4−メチルイミダゾール、4−メチル−2−フェニルイミダゾール等)、ピラゾール誘導体、フラザン誘導体、ピロリン誘導体(例えばピロリン、2−メチル−1−ピロリン等)、ピロリジン誘導体(例えばピロリジン、N−メチルピロリジン、ピロリジノン、N−メチルピロリドン等)、イミダゾリン誘導体、イミダゾリジン誘導体、ピリジン誘導体(例えばピリジン、メチルピリジン、エチルピリジン、プロピルピリジン、ブチルピリジン、4−(1−ブチルペンチル)ピリジン、ジメチルピリジン、トリメチルピリジン、トリエチルピリジン、フェニルピリジン、3−メチル−2−フェニルピリジン、4−tert−ブチルピリジン、ジフェニルピリジン、ベンジルピリジン、メトキシピリジン、ブトキシピリジン、ジメトキシピリジン、4−ピロリジノピリジン、2−(1−エチルプロピル)ピリジン、アミノピリジン、ジメチルアミノピリジン等)、ピリダジン誘導体、ピリミジン誘導体、ピラジン誘導体、ピラゾリン誘導体、ピラゾリジン誘導体、ピペリジン誘導体、ピペラジン誘導体、モルホリン誘導体、インドール誘導体、イソインドール誘導体、1H−インダゾール誘導体、インドリン誘導体、キノリン誘導体(例えばキノリン、3−キノリンカルボニトリル等)、イソキノリン誘導体、シンノリン誘導体、キナゾリン誘導体、キノキサリン誘導体、フタラジン誘導体、プリン誘導体、プテリジン誘導体、カルバゾール誘導体、フェナントリジン誘導体、アクリジン誘導体、フェナジン誘導体、1,10−フェナントロリン誘導体、アデニン誘導体、アデノシン誘導体、グアニン誘導体、グアノシン誘導体、ウラシル誘導体、ウリジン誘導体等が例示される。
【0112】
更に、カルボキシ基を有する含窒素化合物としては、例えばアミノ安息香酸、インドールカルボン酸、アミノ酸誘導体(例えばニコチン酸、アラニン、アルギニン、アスパラギン酸、グルタミン酸、グリシン、ヒスチジン、イソロイシン、グリシルロイシン、ロイシン、メチオニン、フェニルアラニン、スレオニン、リジン、3−アミノピラジン−2−カルボン酸、メトキシアラニン)等が例示され、スルホニル基を有する含窒素化合物として3−ピリジンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸ピリジニウム等が例示され、水酸基を有する含窒素化合物、ヒドロキシフェニル基を有する含窒素化合物、アルコール性含窒素化合物としては、2−ヒドロキシピリジン、アミノクレゾール、2,4−キノリンジオール、3−インドールメタノールヒドレート、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、N−エチルジエタノールアミン、N,N−ジエチルエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン、2,2’−イミノジエタノール、2−アミノエタノ−ル、3−アミノ−1−プロパノール、4−アミノ−1−ブタノール、4−(2−ヒドロキシエチル)モルホリン、2−(2−ヒドロキシエチル)ピリジン、1−(2−ヒドロキシエチル)ピペラジン、1−[2−(2−ヒドロキシエトキシ)エチル]ピペラジン、ピペリジンエタノール、1−(2−ヒドロキシエチル)ピロリジン、1−(2−ヒドロキシエチル)−2−ピロリジノン、3−ピペリジノ−1,2−プロパンジオール、3−ピロリジノ−1,2−プロパンジオール、8−ヒドロキシユロリジン、3−クイヌクリジノール、3−トロパノール、1−メチル−2−ピロリジンエタノール、1−アジリジンエタノール、N−(2−ヒドロキシエチル)フタルイミド、N−(2−ヒドロキシエチル)イソニコチンアミド等が例示される。アミド類としては、ホルムアミド、N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、アセトアミド、N−メチルアセトアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、プロピオンアミド、ベンズアミド、1−シクロヘキシルピロリドン等が例示される。イミド類としては、フタルイミド、サクシンイミド、マレイミド等が例示される。カーバメート類としては、N−t−ブトキシカルボニル−N,N−ジシクロヘキシルアミン、N−t−ブトキシカルボニルベンズイミダゾール、オキサゾリジノン等が例示される。
【0113】
更に、下記一般式(B)−1で示される含窒素有機化合物が例示される。
N(X)n(Y)3-n (B)−1
(上式中、n=1、2又は3である。側鎖Xは同一でも異なっていてもよく、下記一般式(X1)、(X1)又は(X3)で表すことができる。側鎖Yは同一又は異種の、水素原子もしくは直鎖状、分岐状又は環状の炭素数1〜20のアルキル基を示し、エーテル基もしくはヒドロキシル基を含んでもよい。また、X同士が結合して環を形成してもよい。)
【化31】

【0114】
上記一般式(X1)〜(X3)中、R300、R302、R305は炭素数1〜4の直鎖状又は分岐状のアルキレン基であり、R301、R304は水素原子、又は炭素数1〜20の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基であり、ヒドロキシ基、エーテル基、エステル基、ラクトン環を1あるいは複数含んでいてもよい。
303は単結合、又は炭素数1〜4の直鎖状又は分岐状のアルキレン基であり、R306は炭素数1〜20の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基であり、ヒドロキシ基、エーテル基、エステル基、ラクトン環を1あるいは複数含んでいてもよい。
【0115】
上記一般式(B)−1で表される化合物として具体的には、トリス(2−メトキシメトキシエチル)アミン、トリス{2−(2−メトキシエトキシ)エチル}アミン、トリス{2−(2−メトキシエトキシメトキシ)エチル}アミン、トリス{2−(1−メトキシエトキシ)エチル}アミン、トリス{2−(1−エトキシエトキシ)エチル}アミン、トリス{2−(1−エトキシプロポキシ)エチル}アミン、トリス[2−{2−(2−ヒドロキシエトキシ)エトキシ}エチル]アミン、4,7,13,16,21,24−ヘキサオキサ−1,10−ジアザビシクロ[8.8.8]ヘキサコサン、4,7,13,18−テトラオキサ−1,10−ジアザビシクロ[8.5.5]エイコサン、1,4,10,13−テトラオキサ−7,16−ジアザビシクロオクタデカン、1−アザ−12−クラウン−4、1−アザ−15−クラウン−5、1−アザ−18−クラウン−6、トリス(2−ホルミルオキシエチル)アミン、トリス(2−アセトキシエチル)アミン、トリス(2−プロピオニルオキシエチル)アミン、トリス(2−ブチリルオキシエチル)アミン、トリス(2−イソブチリルオキシエチル)アミン、トリス(2−バレリルオキシエチル)アミン、トリス(2−ピバロイルオキシエチル)アミン、N,N−ビス(2−アセトキシエチル)2−(アセトキシアセトキシ)エチルアミン、トリス(2−メトキシカルボニルオキシエチル)アミン、トリス(2−tert−ブトキシカルボニルオキシエチル)アミン、トリス[2−(2−オキソプロポキシ)エチル]アミン、トリス[2−(メトキシカルボニルメチル)オキシエチル]アミン、トリス[2−(tert−ブトキシカルボニルメチルオキシ)エチル]アミン、トリス[2−(シクロヘキシルオキシカルボニルメチルオキシ)エチル]アミン、トリス(2−メトキシカルボニルエチル)アミン、トリス(2−エトキシカルボニルエチル)アミン、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)2−(メトキシカルボニル)エチルアミン、N,N−ビス(2−アセトキシエチル)2−(メトキシカルボニル)エチルアミン、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)2−(エトキシカルボニル)エチルアミン、N,N−ビス(2−アセトキシエチル)2−(エトキシカルボニル)エチルアミン、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)2−(2−メトキシエトキシカルボニル)エチルアミン、N,N−ビス(2−アセトキシエチル)2−(2−メトキシエトキシカルボニル)エチルアミン、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)2−(2−ヒドロキシエトキシカルボニル)エチルアミン、N,N−ビス(2−アセトキシエチル)2−(2−アセトキシエトキシカルボニル)エチルアミン、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)2−[(メトキシカルボニル)メトキシカルボニル]エチルアミン、N,N−ビス(2−アセトキシエチル)2−[(メトキシカルボニル)メトキシカルボニル]エチルアミン、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)2−(2−オキソプロポキシカルボニル)エチルアミン、N,N−ビス(2−アセトキシエチル)2−(2−オキソプロポキシカルボニル)エチルアミン、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)2−(テトラヒドロフルフリルオキシカルボニル)エチルアミン、N,N−ビス(2−アセトキシエチル)2−(テトラヒドロフルフリルオキシカルボニル)エチルアミン、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)2−[(2−オキソテトラヒドロフラン−3−イル)オキシカルボニル]エチルアミン、N,N−ビス(2−アセトキシエチル)2−[(2−オキソテトラヒドロフラン−3−イル)オキシカルボニル]エチルアミン、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)2−(4−ヒドロキシブトキシカルボニル)エチルアミン、N,N−ビス(2−ホルミルオキシエチル)2−(4−ホルミルオキシブトキシカルボニル)エチルアミン、N,N−ビス(2−ホルミルオキシエチル)2−(2−ホルミルオキシエトキシカルボニル)エチルアミン、N,N−ビス(2−メトキシエチル)2−(メトキシカルボニル)エチルアミン、N−(2−ヒドロキシエチル)ビス[2−(メトキシカルボニル)エチル]アミン、N−(2−アセトキシエチル)ビス[2−(メトキシカルボニル)エチル]アミン、N−(2−ヒドロキシエチル)ビス[2−(エトキシカルボニル)エチル]アミン、N−(2−アセトキシエチル)ビス[2−(エトキシカルボニル)エチル]アミン、N−(3−ヒドロキシ−1−プロピル)ビス[2−(メトキシカルボニル)エチル]アミン、N−(3−アセトキシ−1−プロピル)ビス[2−(メトキシカルボニル)エチル]アミン、N−(2−メトキシエチル)ビス[2−(メトキシカルボニル)エチル]アミン、N−ブチルビス[2−(メトキシカルボニル)エチル]アミン、N−ブチルビス[2−(2−メトキシエトキシカルボニル)エチル]アミン、N−メチルビス(2−アセトキシエチル)アミン、N−エチルビス(2−アセトキシエチル)アミン、N−メチルビス(2−ピバロイルオキシエチル)アミン、N−エチルビス[2−(メトキシカルボニルオキシ)エチル]アミン、N−エチルビス[2−(tert−ブトキシカルボニルオキシ)エチル]アミン、トリス(メトキシカルボニルメチル)アミン、トリス(エトキシカルボニルメチル)アミン、N−ブチルビス(メトキシカルボニルメチル)アミン、N−ヘキシルビス(メトキシカルボニルメチル)アミン、β−(ジエチルアミノ)−δ−バレロラクトンが例示される。
【0116】
更に、下記一般式(B)−2に示される環状構造を持つ含窒素有機化合物が例示される。
【化32】


(上式中、Xは前述の通り、R307は炭素数2〜20の直鎖状又は分岐状のアルキレン基であり、カルボニル基、エーテル基、エステル基、スルフィドを1個あるいは複数個含んでいてもよい。)
【0117】
上記一般式(B)−2として具体的には、1−[2−(メトキシメトキシ)エチル]ピロリジン、1−[2−(メトキシメトキシ)エチル]ピペリジン、4−[2−(メトキシメトキシ)エチル]モルホリン、1−[2−[(2−メトキシエトキシ)メトキシ]エチル]ピロリジン、1−[2−[(2−メトキシエトキシ)メトキシ]エチル]ピペリジン、4−[2−[(2−メトキシエトキシ)メトキシ]エチル]モルホリン、酢酸2−(1−ピロリジニル)エチル、酢酸2−ピペリジノエチル、酢酸2−モルホリノエチル、ギ酸2−(1−ピロリジニル)エチル、プロピオン酸2−ピペリジノエチル、アセトキシ酢酸2−モルホリノエチル、メトキシ酢酸2−(1−ピロリジニル)エチル、4−[2−(メトキシカルボニルオキシ)エチル]モルホリン、1−[2−(t−ブトキシカルボニルオキシ)エチル]ピペリジン、4−[2−(2−メトキシエトキシカルボニルオキシ)エチル]モルホリン、3−(1−ピロリジニル)プロピオン酸メチル、3−ピペリジノプロピオン酸メチル、3−モルホリノプロピオン酸メチル、3−(チオモルホリノ)プロピオン酸メチル、2−メチル−3−(1−ピロリジニル)プロピオン酸メチル、3−モルホリノプロピオン酸エチル、3−ピペリジノプロピオン酸メトキシカルボニルメチル、3−(1−ピロリジニル)プロピオン酸2−ヒドロキシエチル、3−モルホリノプロピオン酸2−アセトキシエチル、3−(1−ピロリジニル)プロピオン酸2−オキソテトラヒドロフラン−3−イル、3−モルホリノプロピオン酸テトラヒドロフルフリル、3−ピペリジノプロピオン酸グリシジル、3−モルホリノプロピオン酸2−メトキシエチル、3−(1−ピロリジニル)プロピオン酸2−(2−メトキシエトキシ)エチル、3−モルホリノプロピオン酸ブチル、3−ピペリジノプロピオン酸シクロヘキシル、α−(1−ピロリジニル)メチル−γ−ブチロラクトン、β−ピペリジノ−γ−ブチロラクトン、β−モルホリノ−δ−バレロラクトン、1−ピロリジニル酢酸メチル、ピペリジノ酢酸メチル、モルホリノ酢酸メチル、チオモルホリノ酢酸メチル、1−ピロリジニル酢酸エチル、モルホリノ酢酸2−メトキシエチル、2−メトキシ酢酸2−モルホリノエチル、2−(2−メトキシエトキシ)酢酸2−モルホリノエチル、2−[2−(2−メトキシエトキシ)エトキシ]酢酸2−モルホリノエチル、ヘキサン酸2−モルホリノエチル、オクタン酸2−モルホリノエチル、デカン酸2−モルホリノエチル、ラウリン酸2−モルホリノエチル、ミリスチン酸2−モルホリノエチル、パルミチン酸2−モルホリノエチル、ステアリン酸2−モルホリノエチルが例示される。
【0118】
更に、下記一般式(B)−3〜(B)−6で表されるシアノ基を含む含窒素有機化合物が例示される。
【化33】


(上式中、X、R307、nは前述の通り、R308、R309は同一又は異種の炭素数1〜4の直鎖状又は分岐状のアルキレン基である。)
【0119】
上記一般式(B)−3〜(B)−6で表されるシアノ基を含む含窒素有機化合物として具体的には、3−(ジエチルアミノ)プロピオノニトリル、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−3−アミノプロピオノニトリル、N,N−ビス(2−アセトキシエチル)−3−アミノプロピオノニトリル、N,N−ビス(2−ホルミルオキシエチル)−3−アミノプロピオノニトリル、N,N−ビス(2−メトキシエチル)−3−アミノプロピオノニトリル、N,N−ビス[2−(メトキシメトキシ)エチル]−3−アミノプロピオノニトリル、N−(2−シアノエチル)−N−(2−メトキシエチル)−3−アミノプロピオン酸メチル、N−(2−シアノエチル)−N−(2−ヒドロキシエチル)−3−アミノプロピオン酸メチル、N−(2−アセトキシエチル)−N−(2−シアノエチル)−3−アミノプロピオン酸メチル、N−(2−シアノエチル)−N−エチル−3−アミノプロピオノニトリル、N−(2−シアノエチル)−N−(2−ヒドロキシエチル)−3−アミノプロピオノニトリル、N−(2−アセトキシエチル)−N−(2−シアノエチル)−3−アミノプロピオノニトリル、N−(2−シアノエチル)−N−(2−ホルミルオキシエチル)−3−アミノプロピオノニトリル、N−(2−シアノエチル)−N−(2−メトキシエチル)−3−アミノプロピオノニトリル、N−(2−シアノエチル)−N−[2−(メトキシメトキシ)エチル]−3−アミノプロピオノニトリル、N−(2−シアノエチル)−N−(3−ヒドロキシ−1−プロピル)−3−アミノプロピオノニトリル、N−(3−アセトキシ−1−プロピル)−N−(2−シアノエチル)−3−アミノプロピオノニトリル、N−(2−シアノエチル)−N−(3−ホルミルオキシ−1−プロピル)−3−アミノプロピオノニトリル、N−(2−シアノエチル)−N−テトラヒドロフルフリル−3−アミノプロピオノニトリル、N,N−ビス(2−シアノエチル)−3−アミノプロピオノニトリル、ジエチルアミノアセトニトリル、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)アミノアセトニトリル、N,N−ビス(2−アセトキシエチル)アミノアセトニトリル、N,N−ビス(2−ホルミルオキシエチル)アミノアセトニトリル、N,N−ビス(2−メトキシエチル)アミノアセトニトリル、N,N−ビス[2−(メトキシメトキシ)エチル]アミノアセトニトリル、N−シアノメチル−N−(2−メトキシエチル)−3−アミノプロピオン酸メチル、N−シアノメチル−N−(2−ヒドロキシエチル)−3−アミノプロピオン酸メチル、N−(2−アセトキシエチル)−N−シアノメチル−3−アミノプロピオン酸メチル、N−シアノメチル−N−(2−ヒドロキシエチル)アミノアセトニトリル、N−(2−アセトキシエチル)−N−(シアノメチル)アミノアセトニトリル、N−シアノメチル−N−(2−ホルミルオキシエチル)アミノアセトニトリル、N−シアノメチル−N−(2−メトキシエチル)アミノアセトニトリル、N−シアノメチル−N−[2−(メトキシメトキシ)エチル]アミノアセトニトリル、N−(シアノメチル)−N−(3−ヒドロキシ−1−プロピル)アミノアセトニトリル、N−(3−アセトキシ−1−プロピル)−N−(シアノメチル)アミノアセトニトリル、N−シアノメチル−N−(3−ホルミルオキシ−1−プロピル)アミノアセトニトリル、N,N−ビス(シアノメチル)アミノアセトニトリル、1−ピロリジンプロピオノニトリル、1−ピペリジンプロピオノニトリル、4−モルホリンプロピオノニトリル、1−ピロリジンアセトニトリル、1−ピペリジンアセトニトリル、4−モルホリンアセトニトリル、3−ジエチルアミノプロピオン酸シアノメチル、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−3−アミノプロピオン酸シアノメチル、N,N−ビス(2−アセトキシエチル)−3−アミノプロピオン酸シアノメチル、N,N−ビス(2−ホルミルオキシエチル)−3−アミノプロピオン酸シアノメチル、N,N−ビス(2−メトキシエチル)−3−アミノプロピオン酸シアノメチル、N,N−ビス[2−(メトキシメトキシ)エチル]−3−アミノプロピオン酸シアノメチル、3−ジエチルアミノプロピオン酸(2−シアノエチル)、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−3−アミノプロピオン酸(2−シアノエチル)、N,N−ビス(2−アセトキシエチル)−3−アミノプロピオン酸(2−シアノエチル)、N,N−ビス(2−ホルミルオキシエチル)−3−アミノプロピオン酸(2−シアノエチル)、N,N−ビス(2−メトキシエチル)−3−アミノプロピオン酸(2−シアノエチル)、N,N−ビス[2−(メトキシメトキシ)エチル]−3−アミノプロピオン酸(2−シアノエチル)、1−ピロリジンプロピオン酸シアノメチル、1−ピペリジンプロピオン酸シアノメチル、4−モルホリンプロピオン酸シアノメチル、1−ピロリジンプロピオン酸(2−シアノエチル)、1−ピペリジンプロピオン酸(2−シアノエチル)、4−モルホリンプロピオン酸(2−シアノエチル)が例示される。
【0120】
更に、下記一般式(B)−7で表されるイミダゾール骨格及び極性官能基を有する含窒素有機化合物が例示される。
【化34】


(上式中、R310は炭素数2〜20の直鎖状、分岐状又は環状の極性官能基を有するアルキル基であり、極性官能基としては水酸基、カルボニル基、エステル基、エーテル基、スルフィド基、カーボネート基、シアノ基、アセタール基のいずれかを1個あるいは複数個含む。R311、R312、R313は水素原子、又は炭素数1〜10の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基、アリール基又はアラルキル基である。)
【0121】
更に、下記一般式(B)−8で示されるベンズイミダゾール骨格及び極性官能基を有する含窒素有機化合物が例示される。
【化35】


(上式中、R314は水素原子、炭素数1〜10の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基、アリール基、又はアラルキル基である。R315は炭素数1〜20の直鎖状、分岐状又は環状の極性官能基を有するアルキル基であり、極性官能基としてエステル基、アセタール基、シアノ基のいずれかを一つ以上含み、その他に水酸基、カルボニル基、エーテル基、スルフィド基、カーボネート基のいずれかを一つ以上含んでいてもよい。)
【0122】
更に、下記一般式(B)−9及び(B)−10で示される極性官能基を有する含窒素複素環化合物が例示される。
【化36】


(上式中、Aは窒素原子又は≡C−R322である。Bは窒素原子又は≡C−R323である。R316は炭素数2〜20の直鎖状、分岐状又は環状の極性官能基を有するアルキル基であり、極性官能基としては水酸基、カルボニル基、エステル基、エーテル基、スルフィド基、カーボネート基、シアノ基又はアセタール基を一つ以上含む。R317、R318、R319、R320は水素原子、炭素数1〜10の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基、又はアリール基であるか、又はR317とR318、R319とR320はそれぞれ結合してこれらが結合する炭素原子と共にベンゼン環、ナフタレン環あるいはピリジン環を形成してもよい。R321は水素原子、炭素数1〜10の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基、又はアリール基である。R322、R323は水素原子、炭素数1〜10の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基、又はアリール基である。R321とR323は結合してこれらが結合する炭素原子と共にベンゼン環又はナフタレン環を形成してもよい。)
【0123】
更に、下記一般式(B)−11〜(B)−14で示される芳香族カルボン酸エステル構造を有する含窒素有機化合物が例示される。
【化37】


(上式中、R324は炭素数6〜20のアリール基又は炭素数4〜20のヘテロ芳香族基であって、水素原子の一部又は全部が、ハロゲン原子、炭素数1〜20の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数7〜20のアラルキル基、炭素数1〜10のアルコキシ基、炭素数1〜10のアシルオキシ基、又は、炭素数1〜10のアルキルチオ基で置換されていてもよい。R325はCO2326、OR327又はシアノ基である。R326は一部のメチレン基が酸素原子で置換されていてもよい炭素数1〜10のアルキル基である。R327は一部のメチレン基が酸素原子で置換されていてもよい炭素数1〜10のアルキル基又はアシル基である。R328は単結合、メチレン基、エチレン基、硫黄原子又は−O(CH2CH2O)n−基である。n=0,1,2,3又は4である。R329は水素原子、メチル基、エチル基又はフェニル基である。Xは窒素原子又はCR330である。Yは窒素原子又はCR331である。Zは窒素原子又はCR332である。R330、R331、R332はそれぞれ独立に水素原子、メチル基又はフェニル基であるか、あるいはR330とR331又はR331とR332が結合してこれらが結合する炭素原子と共に炭素数6〜20の芳香環又は炭素数2〜20のヘテロ芳香環を形成してもよい。)
【0124】
更に、下記一般式(B)−15で示される7−オキサノルボルナン−2−カルボン酸エステル構造を有する含窒素有機化合物が例示される。
【化38】


(上式中、R333は水素、又は炭素数1〜10の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基である。R334及びR335はそれぞれ独立に、エーテル、カルボニル、エステル、アルコール、スルフィド、ニトリル、アミン、イミン、アミドなどの極性官能基を一つ又は複数含んでいてもよい炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基、又は炭素数7〜20のアラルキル基であって、水素原子の一部がハロゲン原子で置換されていてもよい。R334とR335は互いに結合してこれらが結合する窒素原子と共に炭素数2〜20のヘテロ環又はヘテロ芳香環を形成してもよい。)
【0125】
なお、含窒素有機化合物の配合量は、ベース樹脂100質量部に対して0.001〜2質量部、特に0.01〜1質量部が好適である。配合量が0.001質量部以上であれば十分な配合効果が得られ、2質量部以下であれば感度が低下するおそれが少ない。
【0126】
本発明のレジスト材料には、上記成分以外に任意成分として塗布性を向上させるために慣用されている界面活性剤を添加することができる。なお、任意成分の添加量は、本発明の効果を妨げない範囲で通常量とすることができる。
【0127】
ここで、界面活性剤としては非イオン性のものが好ましく、パーフルオロアルキルポリオキシエチレンエタノール、フッ素化アルキルエステル、パーフルオロアルキルアミンオキサイド、パーフルオロアルキルEO付加物、含フッ素オルガノシロキサン系化合物等が挙げられる。例えばフロラード「FC−430」、「FC−431」(いずれも住友スリーエム(株)製)、サーフロン「S−141」、「S−145」、「KH−10」、「KH−20」、「KH−30」、「KH−40」(いずれも旭硝子(株)製)、ユニダイン「DS−401」、「DS−403」、「DS−451」(いずれもダイキン工業(株)製)、メガファック「F−8151」(大日本インキ工業(株)製)、「X−70−092」、「X−70−093」(いずれも信越化学工業(株)製)等を挙げることができる。好ましくは、フロラード「FC−430」(住友スリーエム(株)製)、「KH−20」、「KH−30」(いずれも旭硝子(株)製)、「X−70−093」(信越化学工業(株)製)が挙げられる。
【0128】
本発明のレジスト材料には、必要に応じ、任意成分として更に、溶解制御剤、カルボン酸化合物、アセチレンアルコール誘導体などの他の成分を添加してもよい。なお、任意成分の添加量は、本発明の効果を妨げない範囲で通常量とすることができる。
【0129】
本発明のレジスト材料に添加することができる溶解制御剤としては、質量平均分子量が100〜1,000、好ましくは150〜800で、かつ分子内にフェノール性水酸基を2つ以上有する化合物の該フェノール性水酸基の水素原子を酸不安定基により全体として平均0〜100モル%の割合で置換した化合物又は分子内にカルボキシ基を有する化合物の該カルボキシ基の水素原子を酸不安定基により全体として平均50〜100モル%の割合で置換した化合物を配合する。
【0130】
なお、フェノール性水酸基の水素原子の酸不安定基による置換率は、平均でフェノール性水酸基全体の0モル%以上、好ましくは30モル%以上であり、その上限は100モル%、より好ましくは80モル%である。カルボキシ基の水素原子の酸不安定基による置換率は、平均でカルボキシ基全体の50モル%以上、好ましくは70モル%以上であり、その上限は100モル%である。
フェノール基の酸不安定基による置換の有無にかかわらず、現像後のベークによって酸不安定基は脱保護し、フェノール基が硬化反応促進に寄与する。
【0131】
この場合、かかるフェノール性水酸基を2つ以上有する化合物又はカルボキシ基を有する化合物としては、下記式(D1)〜(D14)で示されるものが好ましい。
【0132】
【化39】

【0133】
上式中、R201とR202は、それぞれ水素原子、又は炭素数1〜8の直鎖状又は分岐状のアルキル基又はアルケニル基を示し、例えば、水素原子、メチル基、エチル基、ブチル基、プロピル基、エチニル基、シクロヘキシル基が挙げられる。
203は、水素原子、又は炭素数1〜8の直鎖状又は分岐状のアルキル基又はアルケニル基、あるいは−(R207hCOOH(式中、R207は炭素数1〜10の直鎖状又は分岐状のアルキレン基を示す。hは0又は1である。)を示し、例えば、R201、R202と同様なもの、あるいは−COOH、−CH2COOHが挙げられる。
204は、−(CH2i−(i=2〜10)、炭素数6〜10のアリーレン基、カルボニル基、スルホニル基、酸素原子又は硫黄原子を示し、例えば、エチレン基、フェニレン基、カルボニル基、スルホニル基、酸素原子、硫黄原子等が挙げられる。
205は、炭素数1〜10のアルキレン基、炭素数6〜10のアリーレン基、カルボニル基、スルホニル基、酸素原子又は硫黄原子を示し、例えば、メチレン基、あるいはR204と同様なものが挙げられる。
206は、水素原子、炭素数1〜8の直鎖状又は分岐状のアルキル基、アルケニル基、又はそれぞれ水酸基で置換されたフェニル基又はナフチル基を示し、例えば、水素原子、メチル基、エチル基、ブチル基、プロピル基、エチニル基、シクロヘキシル基、それぞれ水酸基で置換されたフェニル基、ナフチル基等が挙げられる。
208は、水素原子又は水酸基を示す。
【0134】
jは0〜5の整数である。u、hは0又は1である。s、t、s’、t’、s’’、t’’はそれぞれs+t=8、s’+t’=5、s’’+t’’=4を満足し、かつ各フェニル骨格中に少なくとも1つの水酸基を有するような数である。αは式(D8)、(D9)の化合物の質量平均分子量を100〜1,000とする数である。
【0135】
溶解制御剤の酸不安定基としては、種々用いることができるが、具体的には前記一般式(AL−10)及び(AL−11)で示される基、炭素数4〜20の三級アルキル基、各アルキル基の炭素数がそれぞれ1〜6のトリアルキルシリル基、炭素数4〜20のオキソアルキル基等を挙げることができる。なお、それぞれの基の具体例については、先の説明と同様である。
【0136】
上記溶解制御剤の配合量は、レジスト材料中のベース樹脂100質量部に対し、0〜50質量部、好ましくは0〜40質量部、より好ましくは0〜30質量部であり、単独又は2種以上を混合して使用できる。配合量が50質量部以下であれば、パターンの膜減りが生じて、解像度が低下するおそれが少ない。
【0137】
なお、上記のような溶解制御剤は、フェノール性水酸基又はカルボキシ基を有する化合物に対し、有機化学的処方を用いて酸不安定基を導入することにより合成される。
【0138】
本発明のレジスト材料に添加することができるカルボン酸化合物としては、例えば下記[I群]及び[II群]から選ばれる1種又は2種以上の化合物を使用することができるが、これらに限定されるものではない。本成分の配合により、レジストのPED(Post Exposure Delay)安定性が向上し、窒化膜基板上でのエッジラフネスが改善されるのである。
【0139】
[I群]
下記一般式(A1)〜(A10)で示される化合物のフェノール性水酸基の水素原子の一部又は全部を−R401−COOH(R401は炭素数1〜10の直鎖状又は分岐状のアルキレン基)により置換してなり、かつ分子中のフェノール性水酸基(C)と≡C−COOHで示される基(D)とのモル比率がC/(C+D)=0.1〜1.0である化合物。
[II群]
下記一般式(A11)〜(A15)で示される化合物。
【0140】
【化40】

【0141】
【化41】

【0142】
上式中、R408は水素原子又はメチル基を示す。
402、R403はそれぞれ水素原子又は炭素数1〜8の直鎖状又は分岐状のアルキル基又はアルケニル基を示す。R404は水素原子又は炭素数1〜8の直鎖状又は分岐状のアルキル基又はアルケニル基、あるいは−(R409h−COOR’基(R’は水素原子又は−R409−COOH)を示す。
405は−(CH2i−(i=2〜10)、炭素数6〜10のアリーレン基、カルボニル基、スルホニル基、酸素原子又は硫黄原子を示す。
406は炭素数1〜10のアルキレン基、炭素数6〜10のアリーレン基、カルボニル基、スルホニル基、酸素原子又は硫黄原子を示す。
407は水素原子又は炭素数1〜8の直鎖状又は分岐状のアルキル基、アルケニル基、それぞれ水酸基で置換されたフェニル基又はナフチル基を示す。
409は炭素数1〜10の直鎖状又は分岐状のアルキレン基を示す。
410は水素原子又は炭素数1〜8の直鎖状又は分岐状のアルキル基又はアルケニル基又は−R411−COOH基(式中、R411は炭素数1〜10の直鎖状又は分岐状のアルキレン基を示す。)を示す。
412は水素原子又は水酸基を示す。
【0143】
jは0〜3の数であり、s1、t1、s2、t2、s3、t3、s4、t4は、それぞれs1+t1=8、s2+t2=5、s3+t3=4、s4+t4=6を満足し、かつ各フェニル骨格中に少なくとも1つの水酸基を有するような数である。
s5、t5は、s5≧0、t5≧0で、s5+t5=5を満足する数である。
uは、1≦u≦4を満足する数であり、hは、1≦h≦4を満足する数である。
κは式(A6)の化合物を質量平均分子量1,000〜5,000とする数である。
λは式(A7)の化合物を質量平均分子量1,000〜10,000とする数である。
【0144】
本成分として、具体的には下記一般式(AI−1)〜(AI−14)及び(AII−1)〜(AII−10)で示される化合物を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
【0145】
【化42】

【0146】
【化43】


(上式中、R’’は水素原子又はCH2COOH基を示し、各化合物においてR’’の10〜100モル%はCH2COOH基である。κとλは上記と同様の意味を示す。)
【0147】
なお、上記分子内に≡C−COOHで示される基を有する化合物の添加量は、ベース樹脂100質量部に対して0〜5質量部、好ましくは0.1〜5質量部、より好ましくは0.1〜3質量部、更に好ましくは0.1〜2質量部である。5質量部以下であればレジスト材料の解像度が低下するおそれが少ない。
【0148】
本発明のレジスト材料に添加することができるアセチレンアルコール誘導体としては、下記一般式(S1)、(S2)で示されるものを好適に使用することができる。
【化44】


(上式中、R501、R502、R503、R504、R505はそれぞれ水素原子、又は炭素数1〜8の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基であり、X、Yは0又は正数を示し、下記値を満足する。0≦X≦30、0≦Y≦30、0≦X+Y≦40である。)
【0149】
アセチレンアルコール誘導体として好ましくは、サーフィノール61、サーフィノール82、サーフィノール104、サーフィノール104E、サーフィノール104H、サーフィノール104A、サーフィノールTG、サーフィノールPC、サーフィノール440、サーフィノール465、サーフィノール485(Air Products and Chemicals Inc.製)、サーフィノールE1004(日信化学工業(株)製)等が挙げられる。
【0150】
上記アセチレンアルコール誘導体の添加量は、レジスト材料100質量%中0.01〜2質量%、より好ましくは0.02〜1質量%である。0.01質量%以上であれば塗布性及び保存安定性の改善効果が十分に得られ、2質量%以下であればレジスト材料の解像性が低下するおそれが少ない。
【0151】
ここで、ダブルパターニングについて説明する。
図1〜3は従来法を示し、図1に示すダブルパターニング方法1において、基板10上の被加工基板20上にフォトレジスト膜30を塗布、形成する。フォトレジストパターンのパターン倒れ防止のため、フォトレジスト膜の薄膜化が進行しており、それに伴うエッチング耐性の低下を補うためにハードマスクを用いて被加工基板を加工する方法が行われている。ここで、図1に示すダブルパターニング方法としては、フォトレジスト膜30と被加工基板20の間にハードマスク40を敷く積層膜である(図1−A)。ダブルパターニング方法において、ハードマスクは必ずしも必須ではないし、ハードマスクの代わりにカーボン膜による下層膜と珪素含有中間膜を敷いても構わないし、ハードマスクとフォトレジスト膜との間に有機反射防止膜を敷いても構わない。ハードマスクとしては、SiO2、SiN、SiON、p−Siなどが用いられる。また、ダブルパターニング方法1において、用いるレジスト材料はポジ型レジスト材料である。この方法においては、上記レジスト膜30を露光、現像し(図1−B)、次いでハードマスク40をドライエッチングし(図1−C)、フォトレジスト膜を剥離後、2回目のフォトレジスト膜50を塗布、形成し、露光、現像を行う(図1−D)。次に、被加工基板20をドライエッチングする(図1−E)が、ハードマスクパターンと、2回目のフォトレジストパターンをマスクにしてエッチングするために、ハードマスク40とフォトレジスト膜50のエッチング耐性の違いにより被加工基板のエッチング後のパターン寸法にずれが生じる。
【0152】
前記問題を解決するために、図2に示すダブルパターニング方法2では、ハードマスクを2層敷き、1回目のレジストパターンで上層のハードマスク42を加工し、2回目のレジストパターンで下層のハードマスク41を加工し、2つのハードマスクパターンを用いて被加工基板をドライエッチングする。第1ハードマスク41と第2ハードマスク42のエッチング選択比が高いことが必要であり、かなり複雑なプロセスになる。
【0153】
図3に示すダブルパターニング方法3は、トレンチパターンを用いる方法である。これならばハードマスクは1層で済む。しかしながら、ラインパターンに比べてトレンチパターンは光のコントラストが低いために、現像後のパターンの解像が難しく、マージンが狭い欠点がある。広いトレンチパターンを形成してからサーマルフローやRELACS法などでシュリンクさせることも可能であるが、プロセスが煩雑化する。ネガ型レジスト材料を用いれば高い光学コントラストで露光が可能であるが、ネガ型レジスト材料は一般的にポジ型レジスト材料に比べてコントラストが低く、解像性能が低い欠点がある。
いずれにしてもこれまでに挙げられるダブルパターニング方法1〜3は、ハードマスクのエッチングを2回行うことになり、プロセス上の欠点である。
【0154】
これに対し、本発明に係るダブルパターニング方法は、図4に示す通りであり、図1−Aと同様に、基板10上の被加工基板20上にハードマスク40を介してポジ型レジスト材料によるフォトレジスト膜30を形成する(図4−A)。次いで、レジスト膜30を露光、現像し(図4−B)、その後、波長180nm以下の光の照射によってレジスト膜30を架橋硬化させ、架橋レジスト膜30a形成する(図4−C)。光照射後にベークすることによって更に架橋を促進させ、強固な膜にすることもできる。更に、その上に第2のレジスト材料を塗布してレジスト膜50を形成し、露光、現像して、上記レジスト膜30(架橋レジスト膜30a)のパターンのスペース部分に第2のフォトレジスト膜50のパターンを形成する(図4−D)。次に、ハードマスク40をエッチングし(図4−E)、更に被加工基板20をドライエッチングし、上記架橋レジスト膜30a及び第2のレジスト膜を除去する(図4−F)。
【0155】
図4に示されるのは、第1のパターンの間に第2のパターンを形成する方法であるが、第1のパターンと直交する第2のパターンを形成してもよい(図5)。1回の露光で直交するパターンを形成することもできるが、ダイポール照明と偏光照明を組み合わせればラインパターンのコントラストを非常に高くすることができる。図5−Aに示されるようにY方向のラインをパターニングし、このパターンを本発明の方法で不溶化し、図5−Bに示されるように2回目のレジストを塗布してX方向ラインを形成する。XとYのラインを組み合わせて格子状パターンを形成することによって空いた部分をホールにする。形成するのは直交パターンだけとは限らず、T型パターンもよいし、図6−Bに示されるように離れていてもよい。
【0156】
この場合、基板10としては、シリコン基板が一般的に用いられる。被加工基板20としては、SiO2、SiN、SiON、SiOC、p−Si、α−Si、TiN、WSi、BPSG、SOG、Cr、CrO、CrON、MoSi、低誘電膜及びそのエッチングストッパー膜が挙げられる。また、ハードマスク40としては、上述した通りである。
【0157】
本発明においては、上記被加工基板に直接又は上記中間介在層を介してポジ型レジスト材料によるレジスト膜を形成するが、レジスト膜の厚さとしては、10〜1,000nm、特に20〜500nmであることが好ましい。このレジスト膜は、露光前に加熱(プリベーク)を行うが、この条件としては60〜180℃、特に70〜150℃で10〜300秒間、特に15〜200秒間行うことが好ましい。
【0158】
次いで、露光を行う。ここで、露光は波長140〜250nmの高エネルギー線、その中でもArFエキシマレーザーによる193nmの露光が最も好ましく用いられる。露光は大気中や窒素気流中のドライ雰囲気でもよいし、水中の液浸露光であってもよい。ArF液浸リソグラフィーにおいては液浸溶媒として純水、又はアルカンなどの屈折率が1以上で露光波長に高透明の液体が用いられる。液浸リソグラフィーでは、プリベーク後のレジスト膜と投影レンズの間に、純水やその他の液体を挿入する。これによってNAが1.0以上のレンズ設計が可能となり、より微細なパターン形成が可能になる。液浸リソグラフィーはArFリソグラフィーを45nmノードまで延命させるための重要な技術である。液浸露光の場合は、レジスト膜上に残った水滴残りを除去するための露光後の純水リンス(ポストソーク)を行ってもよいし、レジスト膜からの溶出物を防ぎ、膜表面の滑水性を上げるために、プリベーク後のレジスト膜上に保護膜を形成させてもよい。液浸リソグラフィーに用いられるレジスト保護膜としては、例えば、水に不溶でアルカリ現像液に溶解する1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−プロパノール残基を有する高分子化合物をベースとし、炭素数4以上のアルコール系溶剤、炭素数8〜12のエーテル系溶剤、及びこれらの混合溶媒に溶解させた材料が好ましい。フォトレジスト膜形成後に、純水リンス(ポストソーク)を行うことによって膜表面からの酸発生剤などの抽出、あるいはパーティクルの洗い流しを行ってもよいし、露光後に膜上に残った水を取り除くためのリンス(ポストソーク)を行ってもよい。
【0159】
露光における露光量は1〜200mJ/cm2程度、好ましくは10〜100mJ/cm2程度となるように露光することが好ましい。次に、ホットプレート上で60〜150℃、1〜5分間、好ましくは80〜120℃、1〜3分間ポストエクスポジュアーベーク(PEB)する。
【0160】
更に、0.1〜5質量%、好ましくは2〜3質量%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)等のアルカリ水溶液の現像液を用い、0.1〜3分間、好ましくは0.5〜2分間、浸漬(dip)法、パドル(puddle)法、スプレー(spray)法等の常法により現像することにより、基板上に目的のパターンが形成される。
【0161】
現像後のレジストパターンの硬化には、波長180nm以下の光照射と場合によっては加熱による架橋が必要である。現像後の露光は波長180nm以下の高エネルギー線、具体的には、波長172nmのXe2エキシマ光、157nmのF2エキシマ光、146nmのKr2エキシマ光、126nmのAr2エキシマ光、又は電子線であり、露光量は光の場合は露光量10mJ/cm2〜10J/cm2、電子線の場合は1μC/cm2〜1C/cm2の範囲である。波長180nm以下の光及びEB照射は、光酸発生剤からの酸の発生だけでなく、光照射による架橋反応を促進させる。フォトレジスト材料としてアンモニウム塩の熱酸発生剤を添加しておいて、加熱によって酸を発生させることもできる。この場合、酸の発生と架橋反応は同時に進行する。加熱の条件は100〜300℃、特に130〜250℃の温度範囲で10〜300秒の範囲が好ましい。加熱のタイミングは、光照射の前でもよいし後でもよい。これにより、溶媒及びアルカリ現像液に不溶の架橋レジスト膜が形成される。
【0162】
波長180nm以下の光照射を大気中で行うと、オゾンの発生によりレジスト表面が酸化され、膜厚がかなり減少してしまう。光照射によるオゾン酸化は、基板に付着した有機物のクリーニングに用いられているので、レジスト膜もオゾンによってクリーニングされ、露光量が多いと膜が消失してしまう。そこで、窒素ガスや、Heガス、アルゴンガス、Krガスなどの不活性ガスでパージした雰囲気で光照射することが望ましい。また、電子線の照射においては真空中で行うことが望ましい。
【0163】
次に、この架橋レジスト膜の第1のパターンが形成されたハードマスク等の中間介在層上にレジスト材料を塗布して第2のレジスト膜を形成するが、このレジスト材料としては、ポジ型、特に化学増幅ポジ型レジスト材料が好ましい。この場合のレジスト材料としては、上述したレジスト材料を使用し得るほか、公知のレジスト材料を使用することもできる。即ち、本発明のパターン形成方法は、第1のレジストパターン現像後に酸と熱によって架橋反応を行うことを特徴とするが、第2のレジストパターンの現像後において、架橋反応は特に必要ではない。即ち、第2のレジストパターンを形成するためのレジスト材料として、一般式(1)に示される7−オキサノルボルナン環は必須ではない。
【0164】
この第2のレジスト膜については、常法に従って、露光、現像を行い、第2のレジスト膜のパターンを上記架橋レジスト膜パターンのスペース部分に形成し、パターン間の距離を半減することが好ましい。なお、露光、現像等の条件としては、上述した条件と同様とすることができる。
【0165】
次いで、これら架橋レジスト膜及び第2のレジスト膜をマスクとしてハードマスク等の中間介在層をエッチングし、更に被加工基板のエッチングを行う。この場合、ハードマスク等の中間介在層のエッチングは、フロン系、ハロゲン系のガスを用いてドライエッチングすることによって行うことができ、被加工基板のエッチングは、ハードマスクとのエッチング選択比をとるためのエッチングガス及び条件を適宜選択することができ、フロン系、ハロゲン系、酸素、水素等のガスを用いてドライエッチングすることによって行うことができる。次いで、架橋レジスト膜、第2のレジスト膜を除去するが、これらの除去は、ハードマスク等の中間介在層のエッチング後に行ってもよい。なお、架橋レジスト膜の除去は、酸素、ラジカルなどのドライエッチングによって行うことができ、第2のレジスト膜の除去は上記と同様に、あるいはアミン系、又は硫酸/過酸化水素水、又は有機溶媒などの剥離液によって行うことができる。
【実施例】
【0166】
以下、合成例、実施例及び比較例を示して本発明を具体的に説明するが、本発明は下記実施例等に制限されるものではない。なお、重量平均分子量(Mw)はGPCによるポリスチレン換算重量平均分子量を示す。
【0167】
[合成例]
レジスト材料に添加される高分子化合物(高分子添加剤)として、各々のモノマーを組み合わせてテトラヒドロフラン溶媒下で共重合反応を行い、メタノールに晶出し、更にヘキサンで洗浄を繰り返した後に単離、乾燥して、以下に示す組成の高分子化合物(ポリマー1〜16)を得た。得られた高分子化合物の組成は1H−NMR、分子量及び分散度はゲルパーミエーションクロマトグラフにより確認した。
【0168】
ポリマー1
分子量(Mw)=9,200
分散度(Mw/Mn)=1.82
【化45】

【0169】
ポリマー2
分子量(Mw)=8,300
分散度(Mw/Mn)=1.73
【化46】

【0170】
ポリマー3
分子量(Mw)=7,300
分散度(Mw/Mn)=1.67
【化47】

【0171】
ポリマー4
分子量(Mw)=9,400
分散度(Mw/Mn)=1.72
【化48】

【0172】
ポリマー5
分子量(Mw)=7,600
分散度(Mw/Mn)=1.75
【化49】

【0173】
ポリマー6
分子量(Mw)=7,600
分散度(Mw/Mn)=1.79
【化50】

【0174】
ポリマー7
分子量(Mw)=7,900
分散度(Mw/Mn)=1.61
【化51】

【0175】
ポリマー8
分子量(Mw)=6,900
分散度(Mw/Mn)=1.74
【化52】

【0176】
ポリマー9
分子量(Mw)=6,800
分散度(Mw/Mn)=1.62
【化53】

【0177】
ポリマー10
分子量(Mw)=7,900
分散度(Mw/Mn)=1.61
【化54】

【0178】
ポリマー11
分子量(Mw)=9,800
分散度(Mw/Mn)=1.82
【化55】

【0179】
ポリマー12
分子量(Mw)=9,300
分散度(Mw/Mn)=1.98
【化56】

【0180】
ポリマー13
分子量(Mw)=9,300
分散度(Mw/Mn)=1.79
【化57】

【0181】
ポリマー14
分子量(Mw)=8,200
分散度(Mw/Mn)=1.79
【化58】

【0182】
ポリマー15
分子量(Mw)=8,200
分散度(Mw/Mn)=1.93
【化59】

【0183】
ポリマー16
分子量(Mw)=8,200
分散度(Mw/Mn)=1.69
【化60】

【0184】
[実施例1〜29、比較例1〜3]
ポリマーの光照射による架橋性の評価
上記で合成した高分子化合物(ポリマー1〜16)の光照射による架橋性を調べるために、下記表1に示す組成で、各ポリマー、酸発生剤、有機溶剤を混合し、0.2μmのテフロン(登録商標)フィルターで濾過した溶液を調製した。
表1中の各組成は次の通りである。
酸発生剤:PAG1(下記構造式参照)
【化61】


有機溶剤:PGMEA(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート)
CyH(シクロヘキサノン)
【0185】
8インチシリコン基板に各ポリマー溶液を塗布し、180℃で60秒間ベークし、膜厚光学式膜厚計の測定で膜厚が200nmになるようにした。
実施例1〜11は波長172nm、放射照度10mWのウシオ電気株式会社製Xe2エキシマランプで1J/cm2の光を照射した。実施例13〜28は前述のXe2エキシマランプで100mJ/cm2の光を照射した後に200℃で60秒間ベークした。実施例12は波長146nm、放射照度2mWのウシオ電気株式会社製Kr2エキシマランプで1J/cm2の光を照射した。実施例29では、200℃で60秒間ベークした後にXe2エキシマランプで100mJ/cm2を照射した。
比較例1は光を照射しない場合、比較例2は波長193nmのArFエキシマレーザーを100mJ/cm2照射し、比較例3は波長193nmのArFエキシマレーザーを100mJ/cm2照射した後に200℃で60秒間ベークした。
溶媒処理による減膜では、膜上にプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートとシクロヘキサノン70:30質量比の混合溶媒を20秒間ディスペンスし、2,000rpmで30秒間スピンドライ、100℃で60秒間乾燥した後に膜厚を測定し、溶媒ディスペンス前の膜厚との差を求めた。現像による減膜では2.38質量%のテトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)水溶液で30秒間パドル現像を行い、現像前の膜厚との差を求めた。その結果を表1に示す。
【0186】
【表1】

【0187】
表1の結果から、波長180nm以下の光照射によって溶媒耐性、アルカリ現像液耐性が向上していることから、光照射によって架橋が進行していることが確認された。
【0188】
[実施例30〜48、比較例4,5]
ポジ型レジスト材料の調製
上記で合成した高分子化合物(ポリマー1〜16)を用いて、下記表2に示す組成で溶解させた溶液を0.2μmサイズのフィルターで濾過してレジスト溶液を調製した。
表2中の各組成は次の通りである。
酸発生剤:PAG1,2(下記構造式参照)
【化62】


塩基性化合物:Quencher1(下記構造式参照)
【化63】


有機溶剤:PGMEA(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート)
CyH(シクロヘキサノン)
【0189】
ダブルパターニング評価
表2に示す実施例30〜48、比較例4,5で調製したレジスト材料を、シリコンウエハーにARC−29A(日産化学工業(株)製)を80nmの膜厚で成膜した基板上にスピンコーティングし、ホットプレートを用いて110℃で60秒間ベークし、レジスト膜の厚みを120nmにした。
これをArFエキシマレーザースキャナー((株)ニコン製、NSR−S307E,NA0.85、σ0.93、通常照明、6%ハーフトーン位相シフトマスク)を用いて露光し、露光後、直ちに100℃で60秒間ベークし、2.38質量%のテトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)水溶液で30秒間現像を行って、寸法が70nmでピッチが350nmのポジ型の孤立パターン(第1のパターン)を得た。
実施例30〜41では180℃で60秒間ベーク後、波長172nmのXe2エキシマランプ(照射量3J/cm2)を用いて、比較例5では180℃で60秒間ベーク後、波長193nmのArFエキシマレーザー(照射量100mJ/cm2)によるウエハーの全面露光を行った。実施例42〜47では波長172nmのXe2エキシマランプ(照射量100mJ/cm2)を用いて露光後、200℃で60秒間ベークを行った。実施例48では200℃で60秒間ベークを行った後に波長172nmのXe2エキシマランプ(照射量100mJ/cm2)を用いて露光を行った。
次いで、第1のパターン上に同じレジスト材料を120nmの膜厚になるように塗布し、ベークを行ったウエハーを用意した。このウエハーを用いてラインパターンの位置をウエハー上で170nmずらしたパターンのマスクを用いて第1のパターンと同じ様にArFエキシマレーザースキャナーで露光、PEB、現像を行い、第1のパターンの寸法を測定した。その結果を表2に示す。
【0190】
【表2】

【0191】
実施例30〜48では、第1のパターンの間に第2のパターンのラインが形成されていることが確認され、比較例4の光照射を行わない場合では、第2のパターンは形成されたが、第1のパターンは第2のレジスト塗布時に溶解したためにパターンが形成されていなかった。第1のパターン後の光照射として波長193nmのArFエキシマレーザーを用いた場合では、比較例5に示すように第1のパターンの不溶化が完全ではないため、第1のパターン寸法の細りが顕著であった。
【0192】
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は、例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
【図面の簡単な説明】
【0193】
【図1】従来のダブルパターニング方法の一例を説明する断面図であり、Aは、基板上に被加工基板、ハードマスク、レジスト膜を形成した状態、Bは、レジスト膜を露光、現像した状態、Cは、ハードマスクをエッチングした状態、Dは、第2のレジスト膜を形成後、このレジスト膜を露光、現像した状態、Eは、被加工基板をエッチングした状態を示す。
【図2】従来のダブルパターニング方法の他の例を説明する断面図であり、Aは、基板上に被加工基板、第1及び第2のハードマスク、レジスト膜を形成した状態、Bは、レジスト膜を露光、現像した状態、Cは、第2のハードマスクをエッチングした状態、Dは、第1のレジスト膜を除去して第2のレジスト膜を形成後、このレジスト膜を露光、現像した状態、Eは、第1のハードマスクをエッチングした状態、Fは、被加工基板をエッチングした状態を示す。
【図3】従来のダブルパターニング方法の別の例を説明する断面図であり、Aは、基板上に被加工基板、ハードマスク、レジスト膜を形成した状態、Bは、レジスト膜を露光、現像した状態、Cは、ハードマスクをエッチングした状態、Dは、第1のレジスト膜を除去して第2のレジスト膜を形成後、このレジスト膜を露光、現像した状態、Eは、更にハードマスクをエッチングした状態、Fは、被加工基板をエッチングした状態を示す。
【図4】本発明のダブルパターニング方法の一例を説明する断面図であり、Aは、基板上に被加工基板、ハードマスク、レジスト膜を形成した状態、Bは、レジスト膜を露光、現像した状態、Cは、レジスト膜を架橋した状態、Dは、第2のレジスト膜を形成後、このレジスト膜を露光、現像した状態、Eは、ハードマスクをエッチングした状態、Fは、被加工基板をエッチングした状態を示す。
【図5】本発明のダブルパターニング方法の一例を説明する上空図であり、Aは、第1のパターンを形成した状態、Bは、第1のパターン形成後、第1のパターンと交わる第2のパターンをした状態を示す。
【図6】本発明のダブルパターニング方法の一例を説明する上空図であり、Aは、第1のパターンを形成した状態、Bは、第1のパターン形成後、第1のパターンのパターンが形成されていないスペース部分に第2のパターンを形成した状態を示す。
【符号の説明】
【0194】
10 基板
20 被加工基板
30 レジスト膜
30a 架橋レジスト膜
40 ハードマスク
50 第2のレジスト膜

【特許請求の範囲】
【請求項1】
高分子化合物を含む第1のポジ型レジスト材料を基板上に塗布して第1のレジスト膜を形成し、加熱処理後に高エネルギー線で上記レジスト膜を露光し、加熱処理後に現像液を用いて上記レジスト膜を現像して第1のレジストパターンを形成し、その後波長180nm以下の高エネルギー線又は電子線の照射によって第1のレジストパターンを架橋硬化させ、その上に高分子化合物を含む第2のポジ型レジスト材料を基板上に塗布して第2のレジスト膜を形成し、加熱処理後に高エネルギー線で上記第2のレジスト膜を露光し、加熱処理後に現像液を用いて第2のレジスト膜を現像して第2のレジストパターンを形成することを特徴とするパターン形成方法。
【請求項2】
高分子化合物を含む第1のポジ型レジスト材料を基板上に塗布して第1のレジスト膜を形成し、加熱処理後に高エネルギー線で上記レジスト膜を露光し、加熱処理後に現像液を用いて上記レジスト膜を現像して第1のレジストパターンを形成し、その後波長180nm以下の高エネルギー線又は電子線の照射と加熱によって第1のレジストパターンを架橋硬化させ、その上に高分子化合物を含む第2のポジ型レジスト材料を基板上に塗布して第2のレジスト膜を形成し、加熱処理後に高エネルギー線で上記第2のレジスト膜を露光し、加熱処理後に現像液を用いて第2のレジスト膜を現像して第2のレジストパターンを形成することを特徴とするパターン形成方法。
【請求項3】
現像によって形成した第1のレジストパターンの波長180nm以下の高エネルギー線による架橋が、波長172nmのXe2エキシマ光、157nmのF2エキシマ光、146nmのKr2エキシマ光、126nmのAr2エキシマ光、又は電子線であることを特徴とする請求項1又は2記載のパターン形成方法。
【請求項4】
第1のレジストパターン及び第2のレジストパターンを形成するための露光が、波長193nmのArFエキシマレーザーによる屈折率1.4以上の液体をレンズとウエハーの間に浸漬した液浸リソグラフィーであることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項記載のパターン形成方法。
【請求項5】
屈折率1.4以上の液体が水であることを特徴とする請求項4記載のパターン形成方法。
【請求項6】
第1のパターンのスペース部分に第2のパターンを形成することによってパターン間を縮小することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項記載のパターン形成方法。
【請求項7】
第1のパターンと交わる第2のパターンを形成することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項記載のパターン形成方法。
【請求項8】
第1のパターンのパターンが形成されていないスペース部分に第2のパターンを形成することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項記載のパターン形成方法。
【請求項9】
第1のポジ型レジスト材料が、下記一般式(1)で示される繰り返し単位(a−1)及び(a−2)のいずれか一方又は両方と、下記一般式(b)で示される繰り返し単位を有する高分子化合物と、有機溶媒と、酸発生剤とを含むことを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項記載のパターン形成方法。
【化1】


(式中、R1、R6は同一又は異種の水素原子、メチル基又はヒドロキシメチル基を示す。R2、R7は単結合、又は炭素数1〜6の直鎖状、分岐状又は環状のアルキレン基であり、エーテル基又はエステル基を有していてもよいが、炭素数1〜6の直鎖状、分岐状又は環状のアルキレン基の場合、式中のエステル基(COO基)に連結した炭素原子は1級又は2級である。R3、R4、R5、R8、R9、R10、R11は水素原子、又は炭素数1〜6の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基である。R12は水素原子、メチル基又はヒドロキシメチル基、R13は酸不安定基を示す。a1、a2は0≦a1<1.0、0≦a2<1.0、0<a1+a2<1.0の範囲、bは0<b≦0.8の範囲で0.1≦a1+a2+b≦1.0である。)

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2009−139926(P2009−139926A)
【公開日】平成21年6月25日(2009.6.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−202940(P2008−202940)
【出願日】平成20年8月6日(2008.8.6)
【出願人】(000002060)信越化学工業株式会社 (3,361)
【Fターム(参考)】