説明

パンチスルー耐性を向上させた半導体集積回路装置およびその製造方法、低電圧トランジスタと高電圧トランジスタとを含む半導体集積回路装置

集積回路装置は、フラッシュメモリ素子が形成されるメモリセルウェルと、それぞれ高電圧トランジスタが形成される、互いに逆導電型の第1のウェルと第2のウェルと、それぞれ低電圧トランジスタが形成される、互いに逆導電型の第3のウェルと第4のウェルとを含み、前記第1および第2のウェルの少なくとも一方、および前記第3および第4のウェルの少なくとも一方は、前記メモリセルウェルの不純物濃度分布プロファイルよりも急峻な不純物濃度分布プロファイルを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
本発明は一般に半導体装置に係り、特に不揮発性メモリ素子と論理素子とを集積化した半導体集積回路装置およびその製造工程に関する。
【背景技術】
共通基板上にフラッシュメモリなどの不揮発性半導体メモリ素子とCMOS素子などの論理素子を集積化したいわゆるハイブリッド半導体集積回路はCPLD(complex programmable logic device)あるいはFPGA(field programmable gate array)などの製品群を構成し、そのプログラム可能な特徴により大きな市場を形成している。
一方、フラッシュメモリ素子と論理素子とでは素子構造が異なり、また動作電圧も異なっているため、フラッシュメモリ素子と論理素子とを集積化したハイブリッド半導体集積回路装置では、その製造工程が非常に複雑になる問題が生じる。このため、このようなハイブリッド半導体集積回路装置の製造工程を簡素化すべく、様々な提案がなされている。
例えば特開2001−196470号公報には、このようなフラッシュメモリ素子と論理素子とを集積化した半導体集積回路装置を製造する際に、基板上にフラッシュメモリ素子の素子領域に対応したウェルと、高電圧トランジスタの素子領域に対応したウェルと、低電圧動作トランジスタの素子領域に対応したウェルとを形成し、その後でフラッシュメモリのフローティングゲートを形成する工程が記載されている。しかし、この従来の方法は直裁ではあるが、工程数が多く、製造費用が増大してしまう問題を有している。
一方、特開平11−284152号公報には、論理素子を構成する低電圧動作トランジスタの熱処理による特性変動を可能な限り抑制するために、フラッシュメモリの素子領域および高電圧トランジスタの素子領域に対応したウェルを基板上にそれぞれ形成した後、さらにトンネル絶縁膜の形成、フローティングゲート電極の形成、およびONO(oxide−nitride−oxide)構造の電極間絶縁膜の形成を行い、その後で論理回路形成領域から前記ONO電極間絶縁膜を除去し、このようにONO電極間絶縁膜を除去した素子領域に低電圧トランジスタの素子領域となるウェルを形成する技術が記載されている。しかしながら、この従来の技術では、低電圧トランジスタに対する熱の影響こそ最小化できるものの、低電圧動作トランジスタのどの工程が熱処理に敏感であるかを解明することなく低電圧動作トランジスタの製造工程全体を工程の一律に半導体集積回路装置の製造工程の後半に移動させているため、工程に自由度がなく、工程数を削減することができない。
さらに特開2002−368145号公報、特開2001−196470号公報、および特開平10−199994号公報には、低電圧動作トランジスタのウェルを形成する際のイオン注入マスクを高電圧トランジスタの厚いゲート絶縁膜を除去する工程においてもマスクとして使うことにより、熱処理による低電圧動作トランジスタの特性変動を抑制しつつ、工程数の削減を行う技術が記載されている。
この従来の技術によれば、フラッシュメモリのフローティングゲート電極などを形成する際の熱の影響が低電圧動作トランジスタに及ぶのが抑制され、前記低電圧トランジスタに、フラッシュメモリと集積されない通常の低電圧トランジスタと同程度の動作特性を実現することができ、またマスク工程の数を減少させることが可能であるが、以下に説明するように、少なくとも二つの深刻な問題を生起してしまう。
図1A〜1Cは、前記特開平2002−368145号公報に記載の方法による、低電圧トランジスタのウェル形成プロセスを示す。
図1Aを参照するに、シリコン基板11中にはSTI構造の素子分離絶縁膜12が形成されており、前記シリコン基板11上には、先に形成されている高電圧トランジスタのゲート絶縁膜を構成する厚いシリコン酸化膜12Aが、前記素子分離絶縁膜12に連続して形成されている。
図1Bの工程において前記シリコン基板11上にはn型ウェル形成領域を覆うようにレジストパターン13が形成され、前記レジストパターン13をマスクにB+などのp型不純物元素が前記シリコン基板11中にイオン注入され、前記シリコン基板11中にはp型ウェル11Aが形成される。
この従来のプロセスでは次に図1Cの工程において、同じレジストパターン13をマスクに前記シリコン酸化膜12Aが前記p型ウェル11Aの表面においてシリコン基板11の表面からエッチングにより除去される。すなわち、この従来の方法ではシリコン酸化膜12Aのエッチングの際のマスクを図1Bのイオン注入の際のマスクで兼用することにより、マスクプロセスの数を一つ減らしている。
次に図1Dの工程において前記レジストパターン13が除去され、前記p型ウェル11Aを覆うように別のレジストパターン14が形成される。さらに前記レジストパターン14をマスクにP+あるいはAs+などのn型不純物元素を前記シリコン基板11中にイオン注入し、前記p型ウェル11Aに隣接してn型ウェル11Bを形成する。
さらに図1Dの工程で前記レジストパターン14をマスクに前記シリコン基板11の表面から前記シリコン酸化膜12Aをエッチングにより除去することにより、図1Eに示す、素子分離絶縁膜12の直下においてp型ウェル11Aとn型ウェル11Bとが接する構造が形成される。
しかし、上記の図1A〜1Eは前記レジストパターン13とレジストパターン14との間に位置ずれが生じていない理想的な場合を示しており、実際の超微細化半導体集積回路装置の製造工程では、図2Aおよび2Bに、あるいは図3Aおよび3Bに示すようにレジストパターン13とレジストパターン14とは位置ずれを生じることが避けられないものと考えられる。
図2Aの例では、図1Dの工程においてレジストパターン14がp型ウェル11Aの形成領域を超えてn型ウェル11Bの形成領域にまで延在しており、この状況でn型不純物元素のイオン注入を行うと、図2Aに示すようにn型ウェル11Aとp型ウェル11Bとの間に無ドープ領域が形成されるばかりか、図2Bに示すように前記シリコン酸化膜12Aのエッチング工程の際に前記レジストパターン14がはみ出した部分がエッチングされず、素子分離絶縁膜12中に段差部12Cが形成されてしまう。
一方、図3Aは前記レジストパターン14が前記p型ウェル11Aの領域を完全に覆わなかった場合を示しており、このためP+やAs+などのn型不純物元素をイオン注入すると、n型ウェル11Bが前記p型ウェル11Aの境を越えてp型ウェル中に侵入してしまう。この場合、前記p型ウェル11Aとn型ウェル11Bとの境界部にはキャリアの枯渇した高抵抗領域が形成される。
また図3Aの状態では、前記シリコン酸化膜12A中に前記p型ウェル11Aにおいて前記シリコン酸化膜12Aを除去する際に形成された段差が露出しているため、図3Aの状態で前記シリコン酸化膜12Aをエッチングにより除去すると、前記段差部に対応して深い溝12Dが形成されてしまう。
このように素子分離絶縁膜12の表面に溝が形成されると、このような溝を横切ってポリシリコンなどの配線パターンを形成した場合、溝中の導電性残渣により短絡が生じてしまう問題が生じる。このような深い溝中の導電性残渣はエッチングによって除去するのが困難である。
さらにこの従来の工程では、図1Dあるいは図2A,図3Aよりわかるようにレジストパターン14がシリコン基板11の露出面上に直接に形成されるため、レジスト膜中に含まれる不純物により基板表面が汚染されやすい問題を有している。このようなシリコン基板表面の汚染も、除去は容易でない。
さらに、この従来の半導体装置の製造方法を使って、基板上にフラッシュメモリ素子以外に、高電圧pチャネルMOSトランジスタと高電圧nチャネルMOSトランジスタ、低電圧pチャネルMOSトランジスタと低電圧nチャネルMOSトランジスタを有する半導体集積回路装置を形成しようとすると、プロセス開始から低電圧トランジスタのゲート絶縁膜の形成までの間に、高電圧pチャネルMOSトランジスタおよび高電圧pチャネルMOSトランジスタのそれぞれの素子領域となるn型ウェルを形成するのに2回、またフラッシュメモリセルトランジスタの素子領域となるp型ウェルを形成するのに1回、低電圧pチャネルMOSトランジスタおよび低電圧nチャネルMOSトランジスタのそれぞれの素子領域となるp型ウェルを形成するのに2回、またさらにフローティングゲート電極のパターニングに1回、フローティングゲート電極を覆うONO電極間絶縁膜のパターニングに1回の、合計で7回のマスク工程が使われる。また前記高電圧pチャネルMOSトランジスタを形成する際に、イオン種、加速電圧およびドーズ量を変えたイオン注入工程が3回、同様に前記孔電圧nチャネルMOSトランジスタを形成する際にも、イオン種、加速電圧およびドーズ量を変えたイオン注入工程が3回、さらにフラッシュメモリセルの閾値制御のためのイオン注入が1回行われ、これに低電圧pチャネルMOSトランジスタを形成するのにイオン注入工程が3回、低電圧nチャネルMOSトランジスタを形成するのにイオン注入工程が3回、合計で13回のイオン注入工程が必要になる。
一方、最近のフラッシュメモリを集積化した半導体集積回路装置ではさらに高い機能性が要求されるようになっており、従来の半導体集積回路装置のようにメモリセルトランジスタに高電圧のpチャネルMOSトランジスタおよびnチャネルMOSトランジスタ、低電圧のpチャネルMOSトランジスタおよびnチャネルMOSトランジスタを集積化しただけの構成では不十分で、高電圧pチャネルMOSトランジスタを低閾値電圧トランジスタと高閾値電圧トランジスタとより構成し、高電圧nチャネルMOSトランジスタを同様に低閾値電圧トランジスタと高閾値電圧トランジスタとより構成し、低電圧pチャネルMOSトランジスタを高閾値トランジスタと低閾値トランジスタとより構成し、低電圧nチャネルMOSトランジスタを高閾値トランジスタと低閾値トランジスタとより構成し、さらにメモリセルトランジスタ以外に中電圧pチャネルMOSトランジスタおよび中電圧nチャネルMOSトランジスタを形成する必要が現れつつある。この場合には、基板上に合計で11種類の異なったトランジスタを形成することになる。
図4A〜4Qは、前記従来の方法をこのような11種類のトランジスタを含む半導体集積回路装置の製造に適用した仮想的な場合の製造工程を示す。
図4Aを参照するに、p型シリコン基板21上にはSTI構造の素子分離膜11Sにより、フラッシュメモリ素子が形成される素子領域11A(Flash Cell)と、高電圧低閾値nチャネルMOSトランジスタが形成される素子領域11B(HVN−LowVt)と、高電圧高閾値nチャネルMOSトランジスタが形成される素子領域11C(HVN−HighVt)と、高電圧低閾値pチャネルMOSトランジスタが形成される素子領域11D(HVP−LowVt)と、高電圧高閾値pチャネルMOSトランジスタが形成される素子領域11E(HVP−HighVt)と、中電圧nチャネルMOSトランジスタが形成される素子領域11Fと、中電圧pチャネルMOSトランジスタが形成される素子領域11Gと、低電圧高閾値nチャネルMOSトランジスタが形成される素子領域11H(LVN−HighVt)と、低電圧低閾値nチャネルMOSトランジスタが形成される素子領域11I(LVN−LowVt)と、低電圧高閾値pチャネルMOSトランジスタが形成される素子領域11J(LVP−HighVt)と、低電圧低閾値pチャネルMOSトランジスタが形成される素子領域11K(LVP−LowVt)とが画成されている。
次に図4Bの工程において図4Aの構造上にレジストパターンR1を、前記メモリセル領域11A,高電圧低閾値nチャネルMOSトランジスタ領域11Bおよび高電圧高閾値nチャネルMOSトランジスタ領域11Cを露出するように形成し、n型不純物元素を前記領域11A〜11Cの深さ位置11bにイオン注入により導入し、埋め込みn型ウェルを形成する。さらに同じレジストパターンR1をマスクにp型不純物元素を、前記領域11A〜11C中、深さ位置11pwと深さ位置11pcにイオン注入により導入し、p型ウェルおよびp型チャネルストッパ領域を形成する。さらに前記レジストパターンR1をマスクにp型不純物元素を深さ位置11ptにイオン注入により導入し、前記素子領域11A〜11Cに形成されるnチャネルMOSトランジスタ、特に素子領域11Bに形成される高電圧低閾値nチャネルMOSトランジスタの閾値制御を行う。
さらに図4Cの工程において、前記高電圧高閾値nチャネルMOSトランジスタの素子領域11Cを露出する新たなレジストパターンR2を形成し、前記レジストパターンR2マスクに前記素子領域11Cにp型不純物元素を深さ位置11ptにイオン注入し、前記深さ位置11ptの不純物濃度を所定値に増加させることにより、前記領域11Cに形成される高電圧高閾値nチャネルMOSトランジスタの閾値制御を行う。
次に図4Dの工程において前記高電圧低閾値pチャネルMOSトランジスタの素子領域11Dおよび高電圧高閾値pチャネルMOSトランジスタの素子領域11Eを露出する新たなレジストパターンR3を形成し、前記領域11Dおよび11E中、深さ位置11nwおよび11ncに、n型不純物元素を順次イオン注入により導入し、n型ウェルおよびn型チャネルストッパ領域を形成する。さらに図4Dの工程では前記レジストパターンR3をマスクに前記n型不純物元素を前記領域11Dおよび11E中、深さ位置11ntにイオン注入により導入し、前記阻止領域11Dおよび11Eに形成されるpチャネルMOSトランジスタ、特に素子領域11Dに形成されるpチャネルMOSトランジスタの閾値制御を行う。
次に図4Eの工程において前記高電圧高閾値pチャネルMOSトランジスタの素子領域11Eを露出するレジストパターンR4が形成され、前記レジストパターンR4をマスクに前記シリコン基板11中、深さ位置11ntにn型不純物元素をイオン注入することにより、前記素子領域11Eにおいて深さ位置11ntの不純物濃度を所定値に増加させ、前記領域11Eに形成される高電圧pチャネルMOSトランジスタの閾値制御を行う。
さらに図4Fの工程において前記メモリセル領域11Aを露出するレジストパターンR5を形成し、前記レジストパターンR5をマスクにp型不純物元素をイオン注入し、前記素子領域11Aにおいて深さ位置11ptの不純物濃度を所定値に増大させる、前記メモリセル領域11Aに形成されるメモリセルトランジスタの閾値制御を行う。
この従来の工程を拡張した工程では、図4Fの工程までで、前記シリコン基板上に形成されるメモリセルトランジスタおよび高電圧pチャネルおよびnチャネルMOSトランジスタの閾値制御は終了し、図4Gの工程において前記シリコン基板11上にトンネル絶縁膜12が一様に形成される。
さらに図4Hの工程において前記トンネル絶縁膜上にフローティングゲート電極となるポリシリコン膜がCVD法などにより堆積され、これを、図示を省略したマスクプロセスによりパターニングすることにより、前記素子領域11A上にフローティングゲート電極13が形成される。
さらに図4Hの工程では前記トンネル絶縁膜12上に前記フローティングゲート電極13を覆うようにONO構造の電極間絶縁膜14が形成され、図4Iの工程において前記電極間絶縁膜14およびその下のトンネル絶縁膜12を、レジストパターンR6を使ってパターニングすることにより、前記トンネル絶縁膜12が他の素子領域11B〜11Kの表面から除去される。またこのONO電極間絶縁膜14の形成工程に伴う熱処理により、先の工程で導入された不純物元素が活性化される。
図4Iの工程ではさらに、前記マスクR6を用いて前記ONO膜14を除去し、前記メモリセル領域11Aを除く領域のシリコン表面を露出し、熱酸化により前記素子領域11Aに形成されるメモリセルトランジスタのトンネル絶縁膜および前記素子領域11B〜11Eに形成される高電圧MOSトランジスタのゲート絶縁膜となる厚い酸化膜15が一様に形成される。
次に図4Jの工程において前記酸化膜15上に前記中電圧nチャネルMOSトランジスタの素子領域11Fを露出するようにレジストパターンR7が形成され、前記レジストパターンR7をマスクにp型不純物元素が前記素子領域11F中に、図4Bの工程と同様に深さ位置11pおよび深さ位置11pwに、順次イオン注入により導入される。これにより、前記素子領域11Fに形成されるnチャネル中電圧トランジスタのp型チャネルストッパ領域およびp型ウェルが形成される。また図4Jの工程では、前記深さ位置11pt中の不純物濃度を所定値に増大させることにより、前記素子領域11Fに形成される中電圧nチャネルMOSトランジスタの閾値制御を行う。図4Jの工程では前記イオン注入工程の後、前記酸化膜15を前記素子領域11Fにおいて除去する。
さらに図4Kの工程において新たなレジストパターンR8をマスクに、n型不純物元素が前記中電圧pチャネル素子領域11G中に、図4Eの工程と同様にして、深さ位置11nと11nw、さらに11ntに、イオン注入により順次導入される。また図4Kの工程では、前記深さ位置11nt中の不純物濃度を所定値に増大させることにより、前記素子領域11Gに形成されるpチャネルMOSトランジスタの閾値制御を行う。
図4Kの工程では、さらに前記イオン注入工程の後、前記シリコン酸化膜15がエッチングにより除去される。
次に図4Lの工程において前記レジストパターンR8が除去され、さらに熱酸化処理を行うことにより、前記中低電圧nチャネルMOSトランジスタの素子領域11Fおよび中電圧nチャネルMOSトランジスタの素子領域11Gを覆うように、前記シリコン酸化膜よりも薄いシリコン酸化膜16が、前記中電圧MOSトランジスタのゲート絶縁膜として形成される。なお図4Lの工程では、前記レジストパターンR7に対するレジストパターンR8の位置ずれに起因して、素子分離絶縁膜11S上に先に図2Bで説明したのと同様な凸部が形成されているのがわかる。
次に図4Mの工程において前記シリコン基板11上に前記低電圧高閾値nチャネルMOSトランジスタの素子領域11Hおよび低電圧低閾値nチャネルMOSトランジスタの素子領域11Iを露出するように、新たなレジストパターンR9が形成され、前記レジストパターンR9をマスクにp型不純物元素が深さ位置11pcおよび11pwにイオン注入により導入される、さらに同じレジストパターンR9をマスクに前記素子領域11Hおよび11Iから前記シリコン酸化膜15をエッチングにより除去する。これにより、前記素子領域11Hおよび11Iにおいて、p型チャネルストッパおよびp型ウェルが形成される。
さらに図4Nの工程において前記低電圧高閾値nチャネルMOSトランジスタの素子領域11Hを露出するように新たなレジストパターンR10が形成され、前記レジストパターンR10をマスクにp型不純物元素を深さ位置11ptにイオン注入により導入することにより、前記低電圧高閾値nチャネルMOSトランジスタの閾値制御がなされる。
次に図4Oの工程において前記シリコン基板11上に前記低電圧高閾値pチャネルMOSトランジスタの素子領域11Jおよび低電圧低閾値pチャネルMOSトランジスタの素子領域11Kを露出するように、新たなレジストパターンR12が形成され、前記レジストパターンR11をマスクにn型不純物元素が深さ位置11ncおよび11nwにイオン注入により導入される、さらに同じレジストパターンR11をマスクに前記素子領域11Jおよび11Kから前記シリコン酸化膜15をエッチングにより除去する。これにより、前記素子領域11Jおよび11Kにおいてn型チャネルストッパ拡散領域およびn型ウェルが形成される。
さらに図4Pの工程において前記低電圧高閾値nチャネルMOSトランジスタの素子領域11Hを露出するように新たなレジストパターンR12が形成され、前記レジストパターンR12をマスクにn型不純物元素を深さ位置11ntにイオン注入により導入することにより、前記低電圧高閾値pチャネルMOSトランジスタの閾値制御がなされる。
最後に図4Qの工程において前記レジストパターンR12を除去し、熱処理により前記素子領域11F〜11Kに導入された不純物元素を活性化した後、前記素子領域11H〜11K上に、前記低電圧nチャネルあるいはpチャネルMOSトランジスタのゲート絶縁膜として、前記シリコン酸化膜16よりも薄いシリコン酸化膜17を形成する。
この特開2001−196470号公報記載の技術をそのまま拡張した半導体集積回路装置の製造方法では、図4Bの工程、図4Cの工程、図4Dの工程、図4Eの工程、図4Fの工程、図4Hの工程、図4Iの工程、図4Jの工程、図4Kの工程、図4Mの工程、図4Nの工程、図4Oの工程、図4Pの工程の、合計で13回のマスク工程が必要とされ、また図4Bの工程で4回、図4Cの工程で1回、図4Dの工程で3回、図4Eの工程で1回、図4Fの工程で1回、図4Jの工程で3回、図4Kの工程で3回、図4Mの工程で2回、図4Nの工程で1回、図4Oの工程で2回、図4Pの工程で1回の、合計で22回、図4Bの深さ11ptへのイオン注入工程および図4Dの深さ11ntへのイオン注入工程を省略しても合計で20回のイオン注入工程が必要になる。
また、先にも説明したように図4A〜4Qの工程では、特に図4Kの工程、図4Nの工程、図4Oの工程、図4Pの工程でレジスト膜がシリコン基板表面に直接に接してしまい、汚染を生じやすい。このような汚染を生じたシリコン基板を酸化してゲート絶縁膜となる酸化膜を形成した場合には、ゲート絶縁膜のリーク電流特性など電気特性が劣化してしま、形成されるトランジスタの特性が劣化する。
さらに図4Lに示すように、レジストパターンの位置ずれにより、素子分離絶縁膜11Sの表面には凸部あるいは溝部が形成されるおそれがある。
ところで、本発明の発明者は、本発明の基礎となる研究において、高速低電圧トランジスタの熱処理による特性劣化について検討したところ、このような熱処理による特性の劣化としては閾値電圧やドレイン電流などの変動による要因と、素子分離絶縁膜を介して隣接するp型あるいはn型のウェルとn+型あるいはp+型の拡散領域との間に生じるパンチスルーによる要因の二つが存在し、このうち前者の要因による特性変動は10%以下であり、閾値電圧制御あるいはイオン注入条件の最適化により、容易に克服できることを見出した。
一方、後者の要因は深刻であり、対策が必要である。
図5Aは、図5Bに示すモデル構造について、p型ウェル中1A中に形成されたn+型拡散領域2と、前記p型ウェル1Aに隣接するn型ウェル1Bとの間のパンチスルーによるリーク電流を、前記n+型拡散領域2とn型ウェル1Bとの間の距離xを変化させながら求めた結果を示す。ただし図5Bのモデル構造はシリコン基板1中に形成されており、前記p型ウェル1Aとn型ウェル1Bとは接しており、基板1の表面には前記p型ウェル1Aとn型ウェル1Bとの間にSTI型の素子分離絶縁膜3が形成されている。また前記距離xは、前記n型ウェル1Bの側面と前記n+型拡散領域2との間の水平距離として定義される。
図5Aを参照するに、前記距離x、すなわち半導体装置の微細化とともにリーク電流は大きく変化し、特に前記距離xが0.5μm以下に減少するとリーク電流は急増することがわかる。ただし図5A中、■および◆はフラッシュメモリセルを高速論理素子と共に搭載した半導体装置についての結果を、また×は高速論理素子のみを搭載した半導体装置についての結果を示す。◆のフラッシュメモリセルでは、■の場合よりもn型ウェル1Bの不純物濃度を低減させている。
図5Aの結果は、いずれの素子であっても、微細化によりパンチスルーによるリーク電流が急増することを示している。図5Aからは、パンチスルーはフラッシュメモリセルを形成する工程を付加することにより顕著に顕れている。これは、フラッシュセル等のウェル分離幅は大きく確保できるため問題ないが、高速動作のために極限まで微細化される低電圧トランジスタにおいて深刻な問題となる。
図6は、図5Bのリーク電流経路に沿った、前記モデル構造のバンド構造図を示す。
図6を参照するに、前記p型ウェル1Aはn型拡散領域2とn型ウェル1Bとの間で伝導帯Ecにポテンシャル障壁を形成し、このポテンシャル障壁の幅が十分に大きく高さが十分に高ければ、半導体素子のソース/ドレイン間に駆動電圧が印加された場合でもパンチスルー電流が効果的に阻止される。一方、図6に示すようにp型ウェル1Aとn型ウェル1Bとの間に、例えばフラッシュメモリセルの付加工程に伴う熱処理などによりp型およびn型不純物元素の相互拡散が生じると、前記p型ウェル1Aの不純物濃度は低下し、これに伴ってポテンシャル障壁の高さΔEも図6中、破線で示したように低減してしまう。このような場合には、図5Aで説明したパンチスルーによるリーク電流は非常に深刻な問題となる。特にn+型拡散領域2とn型ウェル1Bとの間隔が減少すると、パンチスルー電流は急増する。
このように図5Bの構造でp型ウェル1Aとn型ウェル1Bとの間でp型およびn型不純物元素の相互拡散が生じた場合には、図7に示すように前記p型ウェル1Aの前記n型ウェル1Bに接する部分にホール濃度の低いp−型領域1Cが、またn型ウェル1Bの前記p型ウェル1Aに接する部分に電子濃度の低いn−型領域1Dが形成される。ただし図7は、図5Bの一部を拡大して示す図であり、p型あるいはn型不純物元素の等濃度ラインを破線で示している。
図7を参照するに、前記p−型領域1Cではホール濃度が、図7中に破線で示すように前記n型ウェル1Bに向かって緩やかに減少し、またn−型領域1Dでは、電子濃度が、同じく破線で示すようにp型ウェル1Aに向かって緩やかに減少するのがわかる。
このように、前記p型ウェル1Aとn型ウェル1Bとの境界においてp型不純物元素とn型不純物元素の相互拡散が生じると、p型ウェルのうち、不純物濃度の高い部分1Aの割合が減少し、トランジスタに駆動電圧を印加した場合に電子が容易にn+型拡散領域2からn型ウェル1Bへと、あるいはn型ウェル1Bからn+型拡散領域2へと、図7中に概略的に示した経路Aを通ってリークすることが可能になる。
同様の現象が、ホールについても生じる。
なお、図7においてp型不純物元素とn型不純物元素とでは拡散係数が異なるため、p−型領域1Cの広がりとn−型領域1Dの広がりとは同じではなく、また領域1Cと1Dとの境界の位置もシフトするが、これらは以上の考察に影響しない。
ところで、フラッシュメモリ素子と論理素子とでは動作電圧が大きく異なっており、フラッシュメモリ素子と論理素子とを集積化したハイブリッド半導体集積回路装置では、低電圧で動作する高速CMOS素子の他に、高電圧を必要とするフラッシュメモリ素子を駆動するための高電圧トランジスタを共通の基板上に形成する必要がある。しかもフラッシュメモリ素子を高電圧で駆動する高電圧トランジスタは、高速CMOS素子を駆動するのに使われる低い電源電圧でスイッチング動作が可能である必要があり、このため低い閾値電圧を有することが要求される。
ところで、CMOS素子などの高速論理素子を構成するMOSトランジスタは高速動作のために微細化されているが、これに伴い、素子分離に使われるSTI型素子分離絶縁膜のアスペクト比を増加させる必要が生じている。しかし、かかる素子分離絶縁膜のアスペクト比を増加させた場合、深い素子分離溝をSiOなどの絶縁膜で充填することが困難になる問題が生じる。
このような事情で、フラッシュメモリ素子と高速論理素子とを混載した、いわゆるハイブリッド型の半導体集積回路装置では素子分離絶縁膜の深さを高速論理素子の微細化に比例して低減する必要が生じている。
このような浅い素子分離絶縁膜を使った場合、高速低電圧MOSトランジスタが形成される論理回路領域では、素子分離絶縁膜の直下にチャネルを有し隣接する一対のn型およびp型ウェル、さらにこれらのウェル中に形成されたn型あるいはp型ソース/ドレイン拡散領域とにより形成される寄生フィールドトランジスタの閾値電圧が減少し、隣接する素子間で前記寄生フィールドトランジスタの導通によるパンチスルーが生じやすくなる。しかし、このような高速低電圧MOSトランジスタの素子領域では、同時にトランジスタの駆動電圧も減少するため、結局のところパンチスルーの発生は抑制され、問題は生じない。また必要に応じて、素子分離絶縁膜直下の領域において不純物濃度を増大させ、寄生フィールドトランジスタの閾値電圧を増大させることも可能である。
一方、フラッシュメモリ素子などの不揮発性半導体メモリ素子が形成されるメモリセル領域では、このような動作電圧の低減が生じることはない。そこで、このようなメモリセル領域およびその制御回路では、素子分離絶縁膜直下のチャネルを通って生じる寄生フィールドトランジスタの導通は、論理素子の微細化に伴って素子分離絶縁膜の深さを低減させた場合、非常に深刻な問題となる。特に高電圧トランジスタは、集積回路装置内部での電荷のポンピングにより発生された高電圧で動作されるが、このような高電圧トランジスタが形成される素子領域を画成する素子分離絶縁膜下の寄生フィールドトランジスタの閾値電圧が低減した場合、昇圧に使われる電荷がパンチスルー電流としてリークしてしまい、消費電力が著しく悪化してしまう。
もちろん、このような不揮発性半導体メモリ素子と論理素子とを集積化した半導体集積回路装置では、論理素子形成領域において素子分離絶縁膜の深さを減少させ不揮発性半導体メモリ素子の形成領域において素子分離絶縁膜の深さを増大させることも可能ではあるが、このような構成はマスクプロセスの増加を招き、受け入れることはできない。
一方、寄生フィールドトランジスタの閾値電圧は、素子分離絶縁膜直下に形成されるチャネルストッパ領域の不純物濃度を増大させることで増加させることができるのが知られている。
そこで本発明の発明者は、本発明の基礎となる研究において、不揮発性半導体メモリ素子の素子領域を画成する素子分離構造において、素子分離絶縁膜直下のチャネルストッパ不純物の濃度を増大させた半導体集積回路装置を作製した。
しかし、このような半導体集積回路装置では、チャネルストッパ不純物濃度を増大させると高電圧トランジスタの閾値電圧も増大してしまい、所望の例えば0.2V程度の低い閾値電圧を有する高電圧MOSトランジスタの作製は非常に困難であることが見出された。また、このようにチャネルストッパ不純物濃度を増大させると、特に高電圧トランジスタの素子領域においては接合耐圧が低下し、リーク電流が増大する問題が生じる。
ところで、フラッシュメモリ素子などの不揮発性半導体素子では、情報の書き込みや消去の際に、高い電圧が必要とされる。フラッシュメモリ素子をCMOS素子など他の論理素子などと共に、共通の基板上に集積化した半導体集積回路装置では、このような高電圧を、外部から前記基板上の論理素子などを駆動するのに供給される電源電圧を、基板上に設けたチャージポンプなどの昇圧回路により昇圧することにより発生している。
一方、最近の半導体集積回路装置では、動作速度の向上に伴って論理素子は非常に微細化されており、これに伴って、半導体集積回路装置に供給される電源電圧も1.2Vあるいはそれ以下にまで低減されている。
このような事情で、最近の半導体集積回路装置で使われるチャージポンプ回路は、1.2Vあるいは1.0Vという非常に低い電源電圧から、所望の10Vあるいは12V程度の高電圧を発生することが要求されている。
チャージポンプ回路は一般に、ダイオード接続された一対のMOSトランジスタと、前記一対のMOSトランジスタの中間ノードに一端を接続されたポンピングキャパシタとよりなる構成を有し、前記ポンピングキャパシタの他端にクロック信号を供給することにより前記キャパシタ中に電荷を蓄積し、所望の昇圧を行う。
従来より、一導電型のウェルと、前記ウェルに対して反対導電型を有する拡散層とを備え、トランジスタと同一の構造を有する素子が昇圧キャパシタとして、使われている。このような素子ではゲート電極とゲート電極直下のシリコン層中に形成される反転層との間で容量が形成され、反転型キャパシタと呼ばれている。
図8は、このような反転型キャパシタ210の例を示す。
図8を参照するに、ポンピングキャパシタ210は一導電型のシリコン基板211上に形成されており、前記シリコン基板211上にはゲート絶縁膜に対応する絶縁膜212を介してゲート電極に対応するキャパシタ電極213が形成されている。さらに前記シリコン基板211中には前記キャパシタ電極213の両側に一対の逆導電型の拡散領域211A,211Bが形成され、前記拡散領域211A,211Bを共通接続してキャパシタの第1の端子を形成し、また前記ゲート電極213により第2の端子を形成する。
最近の超微細化半導体集積回路装置では、半導体集積回路装置で使われる電源電圧が低下するにつれて、このような反転キャパシタを使った従来のチャージポンプは適切な動作を行えなくなってきている。
図9Aは、図8のキャパシタ210において、前記シリコン基板211をp型に、拡散領域211A,211Bをn型にドープした正電圧昇圧キャパシタの場合について、前記電極213への電圧印加に伴って生じる3つの動作領域、すなわち蓄積領域、空乏領域および反転領域を示す。
図9Aを参照するに、このような反転型キャパシタでは、前記電極213に大きな正電圧を印加して前記シリコン基板211中、電極213直下に反転層を形成することにより、大きなキャパシタンスを実現できる。
一方、図9Aよりわかるように、このような反転型キャパシタでは高周波数で動作された場合には、反転領域において得られるキャパシタンスが著しく減少してしまう。また、このような反転型キャパシタでは、電源電圧が小さい場合、チャージポンプから得られる電流出力が非常に小さくなってしまう。
同様な問題は、導電型を反転させた負電圧昇圧キャパシタの場合にも生じる。図9Bは、このような負電圧昇圧キャパシタにおける蓄積領域、空乏領域および反転領域の形成を示す。
これに対し、特表平11−511904は、このような反転型キャパシタに伴う問題点を解決するために、図10Aあるいは図10Bに示す、蓄積型あるいはウェルキャパシタ型と呼ばれるポンピングキャパシタを開示している。このうち図10Aは正電圧昇圧キャパシタ210Aを、図10Bは負電圧昇圧キャパシタ110Bを示す。ただし図中、先に説明した部分には同一の参照符号を付し、説明を省略する。
図10Aを参照するに、前記正電圧昇圧キャパシタ210Aはシリコン基板211(図示せず)中に形成されたn型ウェル211N上に形成されており、前記拡散領域211A,211Bとして、n+型拡散領域が形成されている。
これに対し図10Bの負電圧昇圧キャパシタ210Bでは、前記シリコン基板211中にn型ウェル211Nが形成され、前記n型ウェル211N中にp型ウェル211Pが形成されている。さらに前記p型ウェル211P中には前記拡散領域211A,211Bとして、p+型の拡散領域が形成されている。
図10Aの昇圧キャパシタ210Aでは、前記電極213に正電圧を印加することで、前記図9Bの蓄積領域における動作を実現することができる。また図10Bの昇圧キャパシタ210Bでは、前記電極213に負電圧を印加することで、図9Aの蓄積領域における動作を実現することができる。
このような蓄積領域における動作では、昇圧キャパシタのキャパシタンスは、図10Aの素子210Aでは電極213に印加される電圧が正である限り、また図10Bの素子210Bでは電極213に印加される電圧が負である限り、電圧の大きさがゼロに近接しても一定であると考えられ、このような事情から、フラッシュメモリを含む低電圧高速半導体集積回路装置で使われるポンピングキャパシタとしては、蓄積領域で動作される図10Aあるいは10Bの素子を使うのが、電圧損失がゼロとなるため好ましいと考えられている。
しかしながら、図10A,10Bに示した、印加電圧によらない一定のキャパシタンスは、電極213が、シリコンとは大きく異なった仕事関数を有する金属などの材料で形成された場合に得られるだけであり、実際には図11あるいは図12に示すように、印加電圧が低い場合にキャパシタンスが著しく低減する現象が生じることが見出された。ただし図11は図9Aの正電圧昇圧キャパシタ特性に対応し、図12は図9Bの負電圧昇圧キャパシタ特性に対応している。図11,12は、本発明の発明者が、本発明の基礎となる研究において見出したものである。因みに、前記特表平11−511904号公報は、前記電極13の導電型については触れていない。
図11あるいは図12を参照するに、印加電圧の大きさが1.0〜1.2V程度ではキャパシタンスに著しい減少が生じており、このようなポンピングキャパシタを使って1.0Vあるいは1.2Vの電源電圧を例えば5V程度まで昇圧しようとするのは非効率である。
このような問題は、図10Aあるいは10Bの構成において前記電極213としてシリコンとは大きく異なった仕事関数を有する金属などの材料を使えば回避できる可能性はあるが、このような場合でも、nチャネル型キャパシタとpチャネル型キャパシタとで異なった仕事関数を有する、異なった金属材料を使う必要がある。しかし、このように半導体集積回路装置の製造工程時に、異なった金属材料を使って金属ゲート電極を形成するのは、製造工程を複雑にしてしまい、受け入れられるものではない。
特許文献1 特開平10−199994号公報
特許文献2 特開平11−284152号公報
特許文献3 特開2001−196470号公報
特許文献4 特開2002−368145号公報
特許文献5 特開平10−74846号公報
特許文献6 特開平10−163430号公報
特許文献7 特表平11−511904号公報
特許文献8 特開2001−85625号公報
特許文献9 特開平6−188364号公報
特許文献10 特開平6−327237号公報
【発明の開示】
そこで本発明は上記の課題を解決した、新規で有用な半導体集積回路装置およびその製造方法を提供することを概略的目的とする。
本発明の他の具体的な目的は、基板上に不揮発性メモリ素子と論理素子とを集積化した半導体集積回路装置において、微細化した場合にも論理素子の拡散領域とこれに隣接する逆導電型ウェルとの間に十分な耐圧が確保でき、基板上に形成されるトランジスタの種類が多い場合でも少ない工程で製造でき、またゲート酸化膜の汚染を回避できる半導体集積回路装置およびその製造方法を提供することにある。
本発明の他の目的は、
前記基板上に形成されたメモリセルウェルと、
前記メモリセルウェル上に形成された不揮発性半導体メモリ素子と、
前記基板上に形成された第1のウェルと、
前記第1のウェル上に形成された第1の膜厚のゲート絶縁膜を有する第1のトランジスタと、
前記基板上に形成された第2のウェルと、
前記第2のウェル上に形成された、前記第1の膜厚のゲート絶縁膜を有し、前記第1のトランジスタに対して逆のチャネル導電型を有する第2のトランジスタと、
前記基板上に形成された第3のウェルと、
前記第3のウェル上に形成された、前記第1の膜厚よりも小さい第2の膜厚のゲート絶縁膜を有する第3のトランジスタと、
前記基板上に形成された第4のウェルと、
前記第4のウェル上に形成された、前記第2の膜厚のゲート絶縁膜を有し、前記第3のトランジスタに対して逆のチャネル導電型を有する第4のトランジスタとを含み、
前記第1および第2のウェルの少なくとも一方、および前記第3および第4のウェルの少なくとも一方は、前記メモリセルウェルの不純物濃度分布プロファイルよりも急峻な不純物濃度分布プロファイルを有することを特徴とする半導体集積回路装置を提供することにある。
また本発明の他の目的は、
フラッシュメモリ素子と論理素子とを半導体基板上に有する半導体集積回路装置の製造方法であって、
前記半導体基板上に、前記フラッシュメモリ素子に対応して第1の素子領域を、また前記論理素子に対応して第2および第3の素子領域を画成する工程と、
前記半導体基板中、前記第1の素子領域に第1のウェルを形成する工程と、
前記第1のウェル上に第1のゲート絶縁膜を、前記フラッシュメモリ素子のトンネル絶縁膜として成長する工程と、
前記第1のゲート絶縁膜上に第1の導電体膜を成長する工程と、
前記第1の導電体膜をパターニングし、前記第1の導電膜を前記第1の領域に、フローティングゲート電極として残し、前記第2および第3の領域から除去する工程と、
前記第1の導電体膜上に誘電体膜を成長する工程と、
前記誘電体膜を成長した後、前記半導体基板中、前記第2の素子領域に第2のウェルを、前記第3の素子領域の半導体基板に第3のウェルを各々形成する工程と、
前記第2および第3のウェル上に、第2のゲート絶縁膜を成長する工程と、
前記第3のウェル上において前記第2のゲート絶縁膜を選択的に除去する工程と、
前記第3のウェル上に、前記第2のゲート絶縁膜とは異なる膜厚の第3のゲート絶縁膜を成長する工程と、
前記誘電体膜、および前記第2および第3のゲート絶縁膜上に第2の導電体膜を成長する工程と、
前記第2の導電体膜をパターニングし、前記第1の素子領域に不揮発性メモリのコントロールゲートを、また前記第2および第3の素子領域に周辺トランジスタのゲート電極を形成する工程とを含むことを特徴とする半導体装置の製造方法を提供することにある。
本発明によれば、基板上に複数の、種類の異なるトランジスタを有する半導体集積回路装置の製造の際に、マスク工程の数およびイオン注入工程の数を低減できる。またその際、本発明では隣接して形成される導電型の異なる一対のウェルのうち、少なくとも一方のウェルにおける不純物濃度分布を、メモリセルトランジスタが形成されるウェルにおける不純物濃度分布よりも鋭いプロファイルを有するように形成できるため、半導体集積回路装置のパンチスルー耐性が劣化することがない。また、本発明によれば、レジスト膜によるシリコン基板の汚染が回避され、またシリコン基板上における凹凸形成の問題が回避される。
本発明の他の課題は、半導体基板上に高電圧トランジスタと低電圧トランジスタとを集積化した半導体集積回路装置において、前記低電圧トランジスタが微細化され、その結果、前記半導体基板上に形成される素子分離絶縁膜の深さおよび膜厚が減少された場合であっても、前記高電圧トランジスタが形成される素子領域において素子分離構造直下にチャネルを有する寄生フィールドトランジスタの導通を、製造工程数を増大させることなく、また前記高電圧トランジスタの閾値電圧を増大させることなく、抑制することのできる半導体集積回路装置を提供することにある。
本発明のその他の課題は、
素子分離絶縁膜により第1および第2の素子領域を画成された半導体基板と、
前記半導体基板上、前記第1の素子領域に形成された第1の半導体素子と、
前記半導体基板上、前記第2の素子領域に形成された第2の半導体素子とよりなり、
前記第1の半導体素子は、前記第1の素子領域に形成された第1の膜厚を有する第1のゲート絶縁膜と、前記第1のゲート絶縁膜上に形成された、ポリシリコン層と金属シリサイド層とを順次積層した第1のゲート電極とを有する第1のトランジスタを含み、
前記第2の半導体素子は、前記第2の素子領域に形成された第2の、前記第1の膜厚よりも小さな膜厚を有する第2のゲート絶縁膜と、前記第2のゲート絶縁膜上に形成された、ポリシリコン層と金属シリサイド層とを順次積層した第2のゲート電極とを有する第2のトランジスタを含む半導体集積回路装置であって、
前記第1および第2の素子分離絶縁膜は、前記半導体基板中、実質的に同一の深さまで延在し、
前記第1の素子分離絶縁膜上には、ポリシリコン層と金属シリサイド層とを順次積層した導体パターンが担持され、
前記導体パターンを構成するポリシリコン層は、前記第2のゲート電極を構成するポリシリコン層よりも不純物濃度が低く、
前記半導体基板は、前記第1の素子分離絶縁膜直下において、前記第2の素子分離絶縁膜直下におけるよりも低い濃度で不純物元素を含んでいることを特徴とする半導体集積回路装置を提供することにある。
本発明によれば、前記第2の素子分離絶縁膜上に形成される導体パターンが、不純物濃度の低いポリシリコン層とその上に形成された金属シリサイド層とより構成されているため、前記金属シリサイド層に電圧が印加された場合には前記ポリシリコン層中において空乏化が生じ、このため前記第2の素子分離構造を構成する第2の素子分離絶縁膜の厚さが小さくても、前記素子分離絶縁膜直下にチャネルを有する寄生フィールドトランジスタの導通が抑制される。一方、前記導体パターンでは不純物濃度の低い、あるいは不純物元素をドープしない高抵抗のポリシリコン膜が使われるが、その表面に低抵抗金属シリサイド層が形成されているため、導体パターンの抵抗が増大する問題は生じない。これにより、高電圧とトランジスタの閾値電圧増大をもたらす恐れのある基板不純物濃度の増大を行うことなく、寄生フィールドトランジスタの閾値電圧のみを増大させることが可能になる。
本発明さらに他の課題は、基板上に、不揮発性半導体素子と論理素子と共に、約1.2Vあるいはそれ以下の低電圧であっても効率的に昇圧できる昇圧素子を集積化した半導体集積回路装置およびその製造方法を提供することにある。
本発明の他の課題は、
半導体基板と、
前記半導体基板上に形成された第1の半導体素子と、
前記半導体基板上に形成された第2の半導体素子と、
前記半導体基板上に形成された昇圧キャパシタとよりなる半導体集積回路装置であって、
前記第1の半導体素子は、第1の膜厚を有する第1のゲート絶縁膜と、前記第1のゲート絶縁膜上に形成された第1のゲート電極と、前記半導体基板中、前記第1のゲート電極の両側に形成された一対の拡散領域とを備えた第1のMOSトランジスタを含み、
前記第2の半導体素子は、前記第1の膜厚よりも薄い第2の膜厚を有する第2のゲート絶縁膜と、前記第2のゲート絶縁膜上に形成された第2のゲート電極と、前記半導体基板中、前記第2のゲート電極の両側に形成された一対の拡散領域と、前記半導体基板中、前記第2のゲート電極直下に前記半導体基板の表面に沿って形成された、第1導電型のチャネルドープ領域とを備えた第2のMOSトランジスタを含み、
前記昇圧キャパシタは、前記半導体基板上に前記第1の膜厚で形成された、前記第1のゲート絶縁膜と同一組成を有するキャパシタ絶縁膜と、前記キャパシタ絶縁膜上に形成されたキャパシタ電極と、前記キャパシタ電極の両側に形成された、前記第1導電型の一対の拡散領域とを備え、
前記半導体基板は、記昇圧キャパシタ中、前記キャパシタ電極下の部分において前記第1導電型の不純物元素を、前記チャネルドープ領域と同等、あるいはそれ以上の濃度で含むことを特徴とする半導体集積回路装置を提供することにある。
本発明によれば、前記昇圧キャパシタが形成される素子領域中、前記第1導電型の一対の拡散領域の間に、前記基板表面に沿って前記第1導電型の不純物注入領域を形成することにより、前記昇圧キャパシタの容量−電圧特性が変化し、特に蓄積領域において低電圧においても大きなキャパシタンスを得ることが可能になる。これにより、1.2Vあるいはそれ以下の非常に低い電圧で駆動される高速論理素子を含む半導体集積回路装置においても、供給される低電圧から所望の高電圧を、効率的に形成することが可能になる。本発明の昇圧キャパシタは、前記第1および第2のMOSトランジスタの形成工程において、余分な工程を追加することなく形成することが可能である。
本発明のその他の課題および特徴は、以下に図面を参照しながら行う本発明の詳細な説明より明らかとなろう。
【図面の簡単な説明】
図1A〜1Eは、従来の半導体集積回路装置の製造工程の一部を示す図;
図2A〜2Bは、図1A〜1Eの半導体集積回路装置の製造工程の問題点を説明する図;
図3A〜3Bは、図1A〜1Eの半導体集積回路装置の製造工程の問題点を説明する別の図;
図4A〜4Qは、図1A〜1Eの従来の半導体集積回路装置の製造工程を、本発明の発明者が、本発明の基礎となる研究において拡張した、本発明の比較例になる半導体集積回路装置の製造方法を示す図;
図5Aおよび5Bは、図4A〜4Qの工程において生じるパンチスルーを説明する図;
図6は、図5Bのモデル構造のバンド構造を示す図;
図7は、図4A〜4Qの工程を行うことにより、前記モデル構造において生じる不純物元素の相互拡散を示す図;
図8は、従来の昇圧キャパシタの構成を示す図;
図9Aおよび9Bは、図1の昇圧キャパシタの容量−電圧特性を示す図;
図10Aおよび10Bは、従来の他の昇圧キャパシタの構成を示す図。
図11および12は、図10A,10Bの昇圧キャパシタについて、本発明の発明者が得た容量−電圧特性を示す図;
図13A〜13Lは、本発明の原理を説明する図;
図14は、図13A〜13Lの工程におけるパンチスルーの抑制メカニズムを示す図;
図15は本発明の第1実施例による半導体集積回路装置の構成を示す図;
図16A〜16Zおよび図16AA〜16ABは、図15の半導体集積回路装置の製造工程を示す図;
図17A〜17Pは、本発明の第2実施例による半導体集積回路装置の製造工程を説明する図;
図18A〜18Pは、本発明の第3実施例による半導体集積回路装置の製造工程を説明する図;
図19は、図18A〜18Pの工程で形成された半導体集積回路装置におけるパンチスルー抑制メカニズムを示す図;
図20は、本発明の第4実施例による半導体集積回路装置の構成を示す図;
図21A〜21Jは図20の半導体集積回路装置の製造工程を示す図;
図22は、本発明の第5実施例による半導体集積回路装置の構成を示す図;
図23A〜23Zおよび図23AA〜23ABは、図22の半導体集積回路装置の製造工程を説明する図;
図24A〜24Fは、本発明の第6実施例による半導体集積回路装置中の各部の構成を示す図;
図25および図26は、本発明第7実施例による半導体集積回路装置中に形成される昇圧キャパシタのキャパシタンス−電圧特性を、従来の昇圧キャパシタと比較して示す図;
図27は本発明の第7実施例による半導体集積回路装置の構成を示す図;
図28A〜28Zは、図9の半導体集積回路装置の製造工程を示す図;
図29は図27の半導体集積回路装置を、さらに多層配線構造を形成した状態で示す図である。
発明を実施するための最良の態様
[原理]
次に本発明の原理を、シリコン基板上にメモリセルと高電圧nチャネルおよびpチャネルMOSトランジスタ、低電圧nチャネルおよびpチャネルMOSトランジスタを集積化した構成の半導体集積回路装置を例に、図13A〜13Lを参照しながら説明する。
図13Aを参照するに、p型あるいはn型のシリコン基板21上にはSTI構造の素子分離絶縁膜21Sにより、フラッシュメモリ素子の素子領域(Flash Cell)21Aと高電圧nチャネルMOSトランジスタ領域(HVN)と、高電圧pチャネルMOSトランジスタ領域(HVP)21Cと、低電圧nチャネルMOSトランジスタ領域(LVN)と、低電圧pチャネルMOSトランジスタ領域(LVP)とが画成される。
次に図13Bの工程で、前記シリコン基板21上に、図示を省略したシリコン酸化膜を介して、前記素子領域21A,21Bを露出するレジストパターンR21を形成し、前記レジストパターンR21をマスクにn型不純物元素を、前記シリコン基板21の深部に設定された埋め込みn型ウェル注入深さ21bまで、イオン注入により導入する。
次に図13Cの工程において前記シリコン基板21上に、前記素子領域21A,21Bおよび低電圧nチャネルMOSトランジスタの素子領域21Dを露出する新たなレジストパターンR22を形成し、さらに前記レジストパターンR22をマスクにp型不純物元素を、前記領域21A,21Bおよび21D中、深さ位置21pwと深さ位置21pcとに、加速電圧およびドーズ量を変えながら順次イオン注入により導入し、p型ウェルおよびp型チャネルストッパ領域をそれぞれ形成する。
次に図13Dの工程において前記シリコン基板21上に前記フラッシュメモリ素子領域21Aを露出する新たなレジストパターンR23を形成し、前記レジストパターンR23をマスクに、前記素子領域21A中、p型閾値制御注入深さ21ptにp型不純物元素をイオン注入し、前記メモリセル領域11Aに形成されるメモリセルトランジスタの閾値制御を行う。
さらに図13Eの工程において前記レジストパターンR23および図示していないシリコン酸化膜が除去され、さらに前記シリコン基板21の表面にシリコン酸化膜22が、前記フラッシュメモリ素子のトンネル絶縁膜として10nmの厚さに形成される。
次に図13Fの工程において前記シリコン酸化膜22上に一様にポリシリコン膜を堆積し、さらにこれを、図示を省略したマスクプロセスによりパターニングすることで、前記素子領域21Aにおいて前記シリコン酸化膜22上にポリシリコンパターンよりなるフローティングゲート電極23を形成する。さらに図13Fの工程では、前記シリコン酸化膜22上に前記フローティングゲート電極23を覆うようにONO構造の電極間絶縁膜24が形成されている。
次に図13Gの工程において前記電極間絶縁膜24上に低電圧nチャネルMOSトランジスタの素子領域21Dを露出するように新たなレジストパターンR24が形成され、前記レジストパターンR24をマスクに前記素子領域21D中、p型閾値制御注入深さ21ptにp型不純物元素をイオン注入により導入することで、前記素子領域21Dに形成されるnチャネルMOSトランジスタの閾値制御がなされる。
さらに図13Hの工程において前記ONO膜24上に高電圧pチャネルMOSトランジスタの素子領域21Cおよび低電圧チャネルMOSトランジスタの素子領域21Eを露出するように新たなレジストパターンR25が形成され、さらに前記レジストパターンR25をマスクに前記素子領域21Cおよび21Eにおいて前記シリコン基板中、深さ位置21nwおよび深さ位置21ncにn型不純物元素をイオン注入工程により導入し、n型ウェルおよびn型チャネルストッパ領域をそれぞれ形成する。
さらに図13Iの工程において前記ONO膜24上に新たなレジストパターンR26を前記低電圧pチャネルMOSトランジスタの素子領域21Eが露出されるように形成し、さらに前記レジストパターンR26をマスクにn型不純物元素を前記そり領域21E中、閾値制御注入位置21ntまでイオン注入により導入することにより、前記素子領域21Eに形成される低電圧pチャネルMOSトランジスタの閾値制御がなされる。
さらに図13Jの工程においてレジストパターンR27を使ったパターニング工程により前記ONO膜24およびその下のシリコン酸化膜22が前記素子領域21B〜21Eより除去され、前記シリコン酸化膜22は前記素子領域21A上にのみ、トンネル絶縁膜として残される。
さらに図13Kの工程において前記レジスト膜R27が除去され、前記シリコン基板21の露出表面上に前記素子領域21Bおよび21Cに形成される高電圧MOSトランジスタのゲート電極として使われるシリコン酸化膜25が、13nmの厚さに形成される。さらに図13Kの工程では前記素子領域21Dおよび21Eを露出するようにレジストパターンR28が形成され、さらに前記レジストパターンR28をマスクに前記シリコン酸化膜25が、前記素子領域21Dおよび21Eから除去される。
さらに図13Lの工程において前記レジストパターンR28が除去され、前記素子領域21Dおよび21E上に前記低電圧MOSトランジスタのゲート絶縁膜としてシリコン酸化膜26が前記シリコン酸化膜25よりも薄く形成される。
図13A〜13Lの工程では、マスク工程は図13B,図13C,図13D,図13F,図13G,図13H,図13I,図13J,図13Kの合計で9回、イオン注入工程は図13Bの工程で1回、図13Cの工程で2回、図13Dの工程で1回、図13Gの工程で1回、図13Hの工程で2回、図13Iの工程で1回の合計で8回必要であるが、これは特開2001−196470号公報に記載の方法で対応する構造を形成した場合に比べてマスク工程の数は増加しているが、イオン注入工程の数は大幅に減少している。また図13Hの工程で深さ位置21ncへのイオン注入工程を省略した場合は、イオン注入工程の総数は7回となる。
また図13A〜13Lの工程では、レジストパターンがシリコン表面に接することがなく、レジストによるシリコン表面の汚染、およびこれに伴うゲート絶縁膜の電気特性の劣化の問題が回避される。さらに本発明の工程では、図2Bあるいは3Bで説明した、微細パターンの形成が必要な低電圧トランジスタ領域内において、素子分離絶縁膜上における突起あるいは溝の形成の問題は生じない。
ところで、図13A〜13Lの本発明の半導体集積回路装置の製造方法では、図13Cの工程において高電圧nチャネルMOSトランジスタの素子領域21Bと低電圧nチャネルMOSトランジスタの素子領域21Dとで同時にイオン注入工程を行い、また図13Hの工程において高電圧pチャネルMOSトランジスタの素子領域21Cと低電圧pチャネルMOSトランジスタの素子領域21Eとで同時にイオン注入工程を行うことにより、マスク工程の増大を回避していることに注意すべきである。
このうち、図13Cのイオン注入工程は前記ONO電極間絶縁膜24の形成工程よりも前に実行されており、このため特に前記低電圧nチャネルMOSトランジスタの素子領域21Dに導入された不純物元素の分布は、前記ONO電極間絶縁膜24の形成工程における熱処理に伴い生じる拡散の結果、ブロードなものになってしまう。
このようなブロードな不純物元素の分布プロファイルは、先に図6および図7で説明したパンチスルー機構を考えると、微細化された高電圧MOSトランジスタあるいは低電圧MOSトランジスタのパンチスルー耐圧を低下させ、好ましくない結果をもたらすように思われるが、本発明では他方の高電圧MOSトランジスタおよび低電圧MOSトランジスタ、すなわち素子領域21Cおよび21Eへのイオン注入は、前記ONO電極間絶縁膜24の形成工程の後に図13Hの工程で行われているため、これらの素子領域においては、導入された不純物元素はシャープなプロファイルを形成する。
図14は、図13A〜13Lの工程で製造された半導体集積回路装置のうち、素子領域21Dと素子領域21Eを含む領域におけるウェル形成の様子を概略的に示した図である。ただし図14中、破線は図7と同様に、シリコン基板21中におけるp型あるいはn型不純物元素の等濃度ラインを示している。
図14を参照するに、前記素子領域21Dにはp型ウェルが図13Cにおけるイオン注入の結果形成されており、前記n型ウェル中にはnチャネルMOSトランジスタの一部を構成するn+型の拡散領域が形成されている。
図14よりわかるように、図13Fの工程におけるONO電極間絶縁膜24の形成工程に伴い、前記素子領域21E中においては素子領域21Dからのp型不純物元素の拡散が生じる。
一方前記素子領域21Eでは、イオン注入工程が図13Fの工程の後で実行されるため、素子領域21Eから素子領域21Dへのn型不純物元素の拡散は生じない。すなわち前記基板21中、素子分離絶縁膜21Sの直下においては、n型不純物元素の濃度が前記素子領域21Eと素子領域21Dの境界部において急減する。一方、前記素子領域21E中においては、n型不純物元素の活性化により生じるキャリア電子の発生が、前記素子領域21Eへと素子領域21Dから拡散したp型不純物元素の活性化により相殺され、電子濃度の低減した領域が形成されてしまう。
本発明では、このような電子濃度の低減を補うべく、前記素子領域21E中へのn型不純物元素のドーズ量を従来の場合よりも増大させ、これにより、前記経路Aに沿ったパンチスルーの発生を抑制する。
また本発明では、高電圧nチャネルMOSトランジスタが形成される素子領域21Bのイオン注入工程がメモリセル領域21Aのイオン注入工程と同時に行われるため、工程数が削減される。その際、素子領域21Bへのイオン注入工程も図13FのONO電極間絶縁膜24の形成工程よりも前に行われ、従って素子領域21Bにおけるp型不純物元素の分布プロファイルはブロードなものになるが、反対導電型の高電圧MOSトランジスタが形成される素子領域21Cへのイオン注入工程が図13FのONO膜24の形成工程よりも後で実行されるため、素子領域21Cにおけるn型不純物元素の分布はシャープであり、図9で説明したのと同様に、パンチスルーによるリーク電流の発生が効果的に抑制される。
このように、本発明によれば、基板上においてフラッシュメモリなどの不揮発性メモリ素子を、動作電圧の異なる様々なn型およびp型MOSトランジスタと集積化した半導体集積回路装置の微細化を、パンチスルー耐圧を確保しつつ行うことが可能となり、またこのような半導体集積回路装置を製造する際の工程数を削減することが可能になる。またこのような半導体集積回路装置を製造する際に生じるゲート酸化膜の、不純物による汚染を確実に回避することが可能になる。
[第1実施例]
図15は、本発明の第1実施例による半導体集穣回路装置40の構成を示す。
図15を参照するに、半導体集積回路装置40はフラッシュメモリ素子を搭載した0.13μmルールの論理集積回路装置であり、p型あるいはn型のシリコン基板41上にSTI構造の素子分離絶縁膜41Sにより画成された素子領域41A〜41Kを有し、前記素子領域41Aにはフラッシュメモリ素子が、前記素子領域41Bには高電圧低閾値nチャネルMOSトランジスタが、前記素子領域41Cには高電圧高閾値nチャネルMOSトランジスタが、前記素子領域41Dには高電圧低閾値pチャネルMOSトランジスタが、前記素子領域41Eには高電圧高閾値pチャネルMOSトランジスタが形成される。これらの高電圧pチャネルあるいはnチャネルMOSトランジスタは、前記フラッシュメモリ素子を制御する制御回路を構成する。
さらに前記素子領域41Fには2.5Vの電源電圧で動作する中電圧nチャネルMOSトランジスタが、前記素子領域41Gには同じく2.5Vの電源電圧で動作する中電圧pチャネルMOSトランジスタが形成され、さらに前記素子領域41Hには1.2Vの電源電圧で動作する低電圧高閾値nチャネルMOSトランジスタが、前記素子領域41Iには1.2Vの電源電圧で動作する低電圧低閾値nチャネルMOSトランジスタが、前記素子領域41Jには前記1.2Vの電源電圧で動作する低電圧高閾値pチャネルMOSトランジスタが、さらに前記素子領域41Eには前記1.2Vの電源電圧で動作する低電圧低閾値pチャネルMOSトランジスタが形成される。これらの低電圧pチャネルおよびnチャネルMOSトランジスタは、中電圧pチャネルおよびnチャネルMOSトランジスタから構成される入出力回路とともに、高速論理回路を構成する。
前記素子領域41A〜41Cにはp型ウェルが形成され、前記素子領域41Dおよび41Eにはn型ウェルが形成され、前記素子領域41Fにはp型ウェルが、前記素子領域41Gにはn型ウェルが形成される。さらに前記素子領域41Hおよび41Iにはp型ウェルが、前記素子領域41Jおよび41Kにはn型ウェルが形成される。
前記素子領域41Aの表面にはトンネル絶縁膜42が形成され、前記トンネル絶縁膜42上にはポリシリコンよりなるフローティングゲート電極43およびONO構造を有する電極間絶縁膜44が順次形成されている。さらに前記電極間絶縁膜44上にはポリシリコンよりなるコントロールゲート電極45が形成されている。
一方、前記素子領域41B〜41Eの表面には、高電圧トランジスタのためのゲート絶縁膜46が形成されており、前記ゲート絶縁膜46上には、前記素子領域41Bにおいてポリシリコンゲート電極47Bが、前記素子領域41Cにおいてポリシリコンゲート電極47Cが、前記素子領域41Dにおいてポリシリコンゲート電極47Dが、前記素子領域41Eにおいてポリシリコン電極47Fが形成されている。
また前記素子領域41Fおよび41Gの表面には、中電圧トランジスタのための、前記ゲート絶縁膜46よりも薄いゲート絶縁膜48が形成されており、前記ゲート絶縁膜48上には、前記素子領域41Fにおいてポリシリコンゲート電極47Fが、また前記素子領域41Gにおいてポリシリコンゲート電極47Gが形成されている。
さらに前記素子領域41H〜41Kの表面には、低電圧トランジスタのためのゲート絶縁膜50が形成されており、前記ゲート絶縁膜50上には、前記素子領域41Hにおいてポリシリコンゲート電極47Hが、前記素子領域41Iにおいてポリシリコンゲート電極47Iが、前記素子領域41Jにおいてポリシリコンゲート電極47Jが、前記素子領域41Kにおいてポリシリコン電極47Kが形成されている。
また、前記素子領域41Aにおいては、前記フローティングゲート電極43と電極間絶縁膜44とコントロールゲート電極45とよりなる積層ゲート電極構造47Aの両側に、ソース領域およびドレイン領域を形成する一対の拡散領域が形成されている。同様に、前記素子領域41B〜41Hの各々においても、ゲート電極の両側に、ソース領域およびドレイン領域を形成する一対の拡散領域が形成されている。
前記拡散領域41A〜41Kにおいては、様々な深さに様々な不純物元素がウェル形成あるいは閾値制御のために、様々な濃度で導入されるが、前記拡散領域41A〜41Kにおいて行われるイオン注入工程については、以下に、図16A〜16Zおよび16AA〜16ABを参照しながら説明する。
図16Aを参照するに、前記シリコン基板41上には先にも説明したようにSTI型の素子分離膜41Sが形成され、これにより素子領域41A〜41Kが画成されている。また図示は省略するが、図16Aの工程では前記シリコン基板41の表面が酸化され、10nm程度の膜厚のシリコン酸化膜が形成されている。
次に図16Bの工程において図16Aの構造上に素子領域41A〜41Cを露出するレジストパターンR41を形成し、さらに前記レジストパターンR41をマスクにP+を、前記素子分離絶縁膜41Sの下端よりも深い深さ位置41bに、2MeVの加速電圧下、2×1013cm−2のドーズ量でイオン注入し、n型埋め込み不純物領域を形成する。
さらに図16Bの工程では、前記レジストパターンR41をマスクにB+を深さ位置41pwに、400keVの加速電圧下、1.5×1013cm−2のドーズ量でイオン注入し、p型ウェルを形成する。さらに図16Bの工程では、前記レジストパターンR61をマスクにB+を深さ位置41pcに、100keVの加速電圧下、2×1012cm−2のドーズ量でイオン注入する。これにより、前記深さ位置41pcにp型のチャネルストッパ領域が形成される。ただし前記深さ位置41b,41pwおよび41pcは相対的なイオン注入深さを表し、深さ位置41pwは前記素子分離絶縁膜41Sよりも深く、深さ位置41bよりも浅い。また前記深さ位置41pcは前記深さ位置41pwよりも浅く、前記素子分離絶縁膜41Sの下端に略対応している。前記深さ位置41pcにp型不純物元素を導入することにより、パンチスルー耐性が向上すると同時に、形成されるトランジスタの閾値特性を制御することができる。
次に図16Cの工程で前記メモリセル領域41Aを露出するレジストパターンR42を形成し、B+を40keVの加速電圧下、6×1013cm−2のドーズ量で、前記基板表面近傍の浅い深さ位置41ptにイオン注入し、前記素子領域41Aに形成されるメモリセルトランジスタの閾値制御を行う。
さらに図16Dの工程で前記レジストパターンR42を除去し、前記シリコン基板41の表面に形成されていたシリコン酸化膜をHF水溶液中で除去した後、900〜1050℃の温度で30分間熱酸化処理を行い、前記トンネル絶縁膜42となるシリコン酸化膜を約10nmの膜厚に形成する。
なおこのトンネル絶縁膜42の形成工程において、先に素子領域41A〜41Cに導入されたp型不純物元素は0.1〜0.2μm程度の距離まで拡散する。
次に図16Eの工程において図16Dの構造上に不純物をドープしたポリシリコン膜をCVD法により堆積し、さらにこれをパターニングして前記素子領域41A上に前記フローティングゲート電極43を形成する。さらに前記フローティングゲート電極43の形成の後、前記シリコン酸化膜42上にCVD法により酸化膜と窒化膜とをそれぞれ5nmおよび10nmの厚さに堆積し、さらにこれを950℃のウェット雰囲気中で酸化することにより、ONO構造を有する誘電体膜を、前記電極間絶縁膜44として形成する。
この図16Eの工程では、前記ONO膜44の形成の際における熱処理に伴い、先に素子領域41A〜41Cに導入されたp型不純物元素は、さらに0.1〜0.2μmの距離を拡散する。これらの熱処理の結果、前記素子領域12A〜12Cに形成されるp型ウェルでは、図16Eの工程の後、p型不純物元素の分布がブロードに変化する。
次に図16Fの工程において、図16Eの構造上に前記素子領域41C,41Fおよび41H〜41Iを露出する新たなレジストパターンR43が図16Eの構造上に形成され、さらに前記レジストパターンR43をマスクにB+をまず400keVの加速電圧下、1.5×1012cm−2のドーズ量で、次いで100keVの加速電圧下、8×1012cm−2のドーズ量でイオン注入し、前記素子領域41Fおよび41H〜41I中、前記素子分離絶縁膜41Sの深さよりも深い深さ位置41pwおよび前記素子分離絶縁膜41Sの下端に略等しい深さ位置41pcに、p型ウェルおよびp型チャネルストッパ領域となるp型不純物領域がそれぞれ形成される。また先にp型不純物を導入されている前記素子領域41Cにおいてはp型ウェルの不純物濃度が増加し、前記素子領域41Cに形成される高電圧高閾値nチャネルMOSトランジスタの閾値制御がなされる。
このようにして素子領域41Fおよび41H,41Iに形成されたp型ウェルにおいては、導入されたBは活性化熱処理以外に熱処理を受けることがなく、シャープな分布を保持する。
次に図16Gの工程において前記ONO膜44上に、前記素子領域41D,41E,41G,41Jおよび41Kを露出するように新たなレジストパターンR44が形成され、さらに前記レジストパターンR44をマスクにP+を前記シリコン基板41中に、600keVの加速電圧下、1.5×1013cm−3のドーズ量で、ついで240keVの加速電圧下、3×1012cm−3のドーズ量でイオン注入し、これにより、前記素子領域41Dおよび41E,さらに素子領域41Gにおいて前記素子分離絶縁膜41Sよりも深い深さ位置41nwにn型ウェルを、また前記素子分離絶縁膜41Sの下端に略対応する深さ位置41ncにn型チャネルストッパ領域を形成する。なお、高電圧低閾値pチャネルMOSトランジスタの閾値電圧は、前記チャネルストッパ不純物により、0.2Vに制御されている。
次に図16Hの工程において、前記ONO膜44上に前記素子領域41Eと41G,41Jと41Kを露出するレジストパターンR45を形成し、前記レジストパターンR45をマスクに、P+を240keVの加速電圧下、6.5×1012cm−2のドーズ量で、前記素子領域41E,41G,41Jおよび41K中、前記素子分離絶縁膜41Sの下端に対応した深さ位置41ncにイオン注入し、前記素子領域41E,41G,41Jおよび41Kに形成されるn型チャネルストッパ領域の不純物濃度を増加させる。これにより、特に素子領域41Eに形成される高電圧高閾値pチャネルMOSトランジスタの閾値制御がなされる。
次に図16Iの工程において、前記ONO膜44上に前記素子領域41Fを露出するレジストパターンR46を形成し、前記レジストパターンR46をマスクにB+を30keVの加速電圧下、5×1012cm−2のドーズ量で、前記素子領域41F中、基板表面近傍の浅い深さ位置41ptにイオン注入し、前記素子領域41Fに形成される中電圧nチャネルMOSトランジスタの閾値を制御する。
さらに図16Jの工程において、前記ONO膜44上に前記素子領域41Gを露出するレジストパターンR47を形成し、前記レジストパターンR47をマスクにAsを150keVの加速電圧下、3×1012cm−2のドーズ量で、前記素子領域41G中、基板表面近傍の浅い深さ位置41ntにイオン注入し、前記素子領域41Gに形成される中電圧pチャネルMOSトランジスタの閾値制御を行う。
さらに図16Kの工程において、前記素子領域41Hを露出するレジストパターンR48を前記ONO膜44上に形成し、さらに前記レジストパターンR48をマスクに前記素子領域41H中、基板表面近傍の浅い深さ位置41ptにB+を10keVの加速電圧下、5×1012cm−2のドーズ量でイオン注入し、前記素子領域41Hに形成される低電圧高閾値nチャネルMOSトランジスタの閾値制御を行う。なお、前記素子領域41Hの深さ位置41ptは、素子領域41Fの深さ位置41ptよりも基板表面に寄っている。
次に図16Lの工程において、前記素子領域41Jを露出するレジストパターンR49を前記ONO膜44上に形成し、さらに前記レジストパターンR49をマスクに前記素子領域41J中、基板表面近傍の浅い深さ位置41ntにB+を10keVの加速電圧下、5×1012cm−2のドーズ量でイオン注入し、前記素子領域41Jに形成される低電圧高閾値pチャネルMOSトランジスタの閾値制御を行う。前記素子領域41Jの深さ位置41ntも、先の深さ位置41Gの深さ位置41ntより基板表面に寄っている。
次に図16Mの工程において、前記ONO膜44およびその下のシリコン酸化膜22がレジストパターンR50をマスクにパターニングされ、前記素子領域41B〜41Kにわたり、前記シリコン基板41の表面が露出される。
さらに図16Nの工程において前記レジストパターンR50が除去され、850℃で熱酸化処理を行うことにより、前記高電圧MOSトランジスタのゲート絶縁膜46となるシリコン酸化膜を13nmの厚さに形成する。図16Nの工程では、さらに前記シリコン酸化膜46上に素子領域41F〜41Kを露出するレジストパターンR51が形成され、前記レジストパターンR51をマスクに前記シリコン酸化膜46をパターニングすることにより、前記素子領域41F〜41Kにわたり、前記シリコン基板表面を再び露出する。
さらに図16Oの工程において前記レジストパターンR51が除去され、熱酸化処理により、前記中電圧MOSトランジスタのゲート絶縁膜48となるシリコン酸化膜を4.5nmの厚さに形成する。図16Oの工程では、さらに前記シリコン酸化膜48上に素子領域41H〜41Kを露出するレジストパターンR52が形成され、前記レジストパターンR52をマスクに前記シリコン酸化膜48をパターニングすることにより、前記素子領域41H〜41Kにおいて前記シリコン基板の表面が再び露出される。
さらに図16Pの工程において前記レジストパターンR52が除去され、熱酸化処理を行うことにより、前記低電圧MOSトランジスタのゲート絶縁膜50となるシリコン酸化膜が、2.2nmの厚さに形成される。
なお図16Pまでの工程で熱酸化処理が繰り返し行われるため、図16Pの状態では前記ゲート絶縁膜42は16nm,ゲート絶縁膜46は5nmの膜厚まで成長している。
図16Aから図16Pまでの工程で、マスク工程は図16B,図16C,図16E,図16F,図16G,図16H,図16I,図16J,図16K,図16L,図16M,図16N,図16Qの合計で13回有るが、これは図13A〜13Lで説明した、従来技術を拡張した場合と同じである。しかし、本実施例の工程では、レジスト膜がゲート酸化膜の形成工程直前にシリコン基板表面に接することはなく、形成されるゲート酸化膜の不純物による汚染の問題が回避される。またマスクずれによる、シリコン基板表面における凹凸の形成の問題も生じない。
さらに、本実施例では、イオン注入工程の回数が、図16Bの工程で3回、図16Cの工程で1回、図16Fの工程で2回、図16Gの工程で2回、図16Hの工程で1回、図16Iの工程で1回、図16Jの工程で1回、図16Kの工程で1回、図16Lの工程で1回の合計で13回であり、図13A〜13Lの仮想的な場合にくらべて大きく減少しているのがわかる。
次に図16Qの工程において図16Pの構造上にポリシリコン膜45をCVD法により180nmの厚さに堆積し、さらにその上にSiN膜45NをプラズマCVD法により、反射防止膜および同時にエッチングストッパ膜として30nmの厚さに堆積する。さらに図16Qの工程では前記ポリシリコン膜45をレジストプロセスによりパターニングすることにより、前記フラッシュメモリ素子領域44Aにおいて前記電極間絶縁膜44上にコントロールゲート電極45を積層した構成の積層ゲート電極構造47Aが形成される。
次に図16Rの工程において、図16Qの構造を熱酸化処理することにより前記積層ゲート電極構造47Aの側壁面に熱酸化膜(図示せず)を形成し、さらに前記積層ゲート電極構造47Aおよびポリシリコン膜45をマスクに前記素子領域41A中にB+をイオン注入し、前記積層ゲート電極47Aの両側にソース領域41Asとドレイン領域41Adとを形成する。
さらに図16Rの工程では前記ソース領域41sおよびドレイン領域41dの形成後、熱CVD工程およびRIE法によるエッチバック工程を行い、前記積層ゲート電極構造47Aの側壁面にSiNよりなる側壁絶縁膜47sを形成する。その際、前記ポリシリコン膜45上のSiN膜45Nは、側壁絶縁膜47sの形成と同時に除去される。
前記側壁絶縁膜47sの形成工程の後、図16Rの工程では前記素子領域41B〜41Kにおいてポリシリコン膜45がパターニングされ、ゲート電極47B〜47Kが、素子領域41B〜41Kにそれぞれ対応して形成される。
次に図16Sの工程において図16Rの構造上に前記素子領域41Jおよび41Kを露出するレジストパターンR52を基板41上に形成し、前記レジストパターンR52およびゲート電極47J,47KをマスクにB+を0.5keVの加速電圧下、3.6×1014cm−2のドーズ量でイオン注入し、次いでAs+を80keVの加速電圧下、6.5×1012cm−2のドーズ量および28°の角度で4回斜め注入し、前記素子領域41Jおよび41K中、ゲート電極47Jあるいは47Kの両側に、n−型のポケット領域を伴うp−型のソースエクステンション領域41Jsあるいは41Ks、および同じくn−型のポケット領域を伴うp−型のドレインエクステンション領域41Jdあるいは41Kdが形成される。
次に図16Tの工程で図16SのレジストパターンR52が除去され、前記素子領域41Hおよび41Iを露出するレジストパターンR53が基板41上に形成される。さらに前記レジストパターンR53およびゲート電極47H,47IをマスクにAs+を3keVの加速電圧下、1.1×1015cm−2のドーズ量でイオン注入し、次いでBF+を35keVの加速電圧下、9.5×1012cm−2のドーズ量および28°の角度で4回斜め注入し、前記素子領域41Hおよび41I中、ゲート電極47Hあるいは47Iの両側に、p−型のポケット領域を伴うn−型のソースエクステンション領域41Hsあるいは41Is、および同じくp−型のポケット領域を伴うn−型のドレインエクステンション領域41Hdあるいは41Idが形成される。
さらに図16Uの工程で図16TのレジストパターンR52は除去され、新たに前記素子領域41Gを露出するレジストパターンR53が基板41上に形成される。さらに前記レジストパターンR53および前記ゲート電極47GをマスクにBF+を10keVの加速電圧下、7.0×1013cm−3のドーズ量でイオン注入を行い、前記ゲート電極47Gの両側にp型ソース領域41Gsおよびn型ドレイン領域41Gdが形成される。
さらに図16Vの工程で図16UのレジストパターンR53は除去され、新たに前記素子領域41Fを露出するレジストパターンR54が基板41上に形成される。さらに前記レジストパターンR54および前記ゲート電極47FをマスクにAs+を10keVの加速電圧下、2.0×1013cm−3のドーズ量で、次いでP+を10keVの加速電圧下、3.0×1013cm−2のドーズ量でイオン注入し、前記ゲート電極47Fの両側にn型ソース領域41Fsおよびn型ドレイン領域41Fdが形成される。
次に図16Wの工程で前記レジストパターンR54は除去され、素子領域41Dおよび41Eを露出するレジストパターンR55が基板41上に形成される。さらに前記レジストパターンR55およびゲート電極47D,47EをマスクにBF+を前記素子領域41Dおよび41Eに80keVの加速電圧下、4.5×1013cm−2のドーズ量でイオン注入し、前記素子領域41Dにおいては前記ゲート電極47Dの両側にp型ソース領域41Dsおよびp型ドレイン領域41Ddが、また前記素子領域41Eにおいては前記ゲート電極47Eの両側にp型ソース領域41Esおよびp型ドレイン領域41Edが形成される。
さらに図16Xの工程で前記レジストパターンR55は除去され、素子領域41Bおよび41Cを露出するレジストパターンR56が基板41上に形成され、前記レジストパターンR56およびゲート電極41B,41CをマスクにP+を35keVの加速電圧下、4.0×1013cm−2のドーズ量でイオン注入し、前記素子領域41Bにおいては前記ゲート電極47Bの両側にn型ソース領域41Bsおよびn型ドレイン領域41Bdが、また前記素子領域41Cにおいては前記ゲート電極47Cの両側にn型ソース領域41Csおよびn型ドレイン領域41Cdが形成される。
さらに図16Yの工程において図16XのレジストパターンR56は除去され、さらに前記基板41上に前記積層ゲート電極構造47Aおよびゲート電極47B〜47Kを覆うようにCVD法によりシリコン酸化膜が一様に100nmの厚さに堆積され、さらにこれをRIE法により基板41の表面が露出するまでエッチバックすることにより、前記積層ゲート電極構造47Aおよび各々のゲート電極47B〜47Kの側壁面に側壁酸化膜を形成する。
さらに図16Yに示すように前記基板41上に前記素子領域41A〜41Cおよび素子領域41F、さらに素子領域47Hおよび47Iを露出するようにレジストパターンR57を形成し、さらに前記レジストパターンR57および積層ゲート電極構造47A、ゲート電極47Bおよび47C、ゲート電極47Fおよびゲート電極47H,47I、およびこれらの側壁酸化膜をマスクに、P+を10keVの加速電圧下、6.0×1015cm−2のドーズ量でイオン注入し、それぞれの素子領域41A〜41C,41F,41Hおよび41Iにおいてn+型のソース領域およびドレイン領域(図示せず)を形成する。
さらに図16Zの工程において、前記基板41上に前記素子領域41Dおよび41Eおよび素子領域41G、さらに素子領域47Jおよび47Kを露出するようにレジストパターンR58を形成し、さらに前記レジストパターンR58およびゲート電極47D,47E、47G,47Jおよび47K、およびこれらの側壁酸化膜をマスクに、B+を5keVの加速電圧下、4.0×1015cm−2のドーズ量でイオン注入し、それぞれの素子領域41D〜41E,41G,41Jおよび41Kにおいてp+型のソース領域およびドレイン領域(図示せず)を形成する。
さらに図16AAの工程において前記レジスト膜R58を除去し、周知の方法によりゲート電極47A〜47Kの露出表面およびソース領域、ドレイン領域の露出表面にシリサイド層(図示せず)を形成し、さらに前記基板41上に絶縁膜51を堆積し、コンタクトホールを形成し、さらに前記コンタクトホールを介して各素子領域41A〜41Kのソース領域およびドレイン領域にコンタクトするように、前記絶縁膜51上に配線パターン53を形成する。
さらに図16ABの工程において図16AAの構造上に多層配線構造54を形成し、前記多層配線構造上にパッド電極55を形成し、全体をパッシベーション膜56で覆い、必要に応じてパッシベーション膜56にコンタクト開口部56Aを形成することにより、図15で説明した集積回路装置40が完成する。
本実施例では、素子領域41D〜41Kへのイオン注入工程が、図16EのONO膜形成工程よりも後で行われるため、これらの素子領域におけるn型あるいはp型のウェル中にはシャープな不純物分布が実現し、このためパンチスルーによるリーク電流を効果的に抑制することが可能になる。なお、図16A〜16ABの説明において深さ位置41b,41pw,41pc,41pt,41nw,41nc,41ntなどは、イオン注入深さを表すが、熱処理あるいは熱活性化工程の後でも導入された不純物元素はこれらの位置において濃度の極大を示し、不純物濃度分布のピークを表すと考えられる。
また本実施例では、高電圧nチャネルMOSトランジスタが形成される素子領域41Bおよび41Cにおいてp型ウェルを構成する不純物元素の分布はブロードになっており、このためこれらの素子領域では接合耐圧が向上する好ましい効果が得られる。
[第2実施例]
次に、本発明第2実施例による半導体集積回路装置の製造工程を、図17A〜17Pを参照しながら説明する。ただし図中、先に説明した部分には同一の参照符号を付し、説明を省略する。
図17Aを参照するに、この工程は先の図16Aの工程に対応しており、シリコン基板41上にSTI型の素子分離絶縁膜41Sにより、素子領域41A〜41Kが画成される。また図示はしないが、図17Aの状態では前記シリコン基板41の表面は厚さが10nmの熱酸化膜により覆われている。
次に図17Bの工程において図17Aの構造上に素子領域41A〜41Cを露出するレジストパターンR61を形成し、さらに前記レジストパターンR61をマスクにP+を、前記素子分離絶縁膜41Sの下端よりも深い深さ位置41bに、2MeVの加速電圧下、2×1013cm−2のドーズ量でイオン注入し、n型埋め込み不純物領域を形成する。
さらに図17Bの工程では図16Bの工程と同様にして、前記レジストパターンR61をマスクにB+を深さ位置41pwに、400keVの加速電圧下、1.5×1013cm−2のドーズ量でイオン注入し、p型ウェルを形成する。さらに図12Bの工程では、前記レジストパターンR61をマスクにB+を深さ位置41pcに、100keVの加速電圧下、2×1012cm−2のドーズ量でイオン注入する。これにより、前記深さ位置41pcにp型のチャネルストッパ領域が形成される。
次に図17Cの工程において前記シリコン基板41上に前記高電圧高閾値nチャネルMOSトランジスタの素子領域41Cおよび中電圧nチャネルMOSトランジスタの素子領域41F,さらに低電圧高閾値nチャネルMOSトランジスタの素子領域41Hおよび低電圧低閾値nチャネルMOSトランジスタの素子領域41Iを露出するレジストパターンR62を新たに形成し、B+を前記深さ位置41pcに、最初に400keVの加速電圧下、1.5×1012cm−2のドーズ量で、ついで100keVの加速電圧下、6×1012cm−2のドーズ量で、それぞれ深さ位置41pwおよび41pcにイオン注入し、前記素子領域41Cにおいて高電圧高閾値nチャネルMOSトランジスタの閾値制御を行い、また素子領域41Fおよび41H,41Iにおいて、これらの素子領域に形成されるnチャネルMOSトランジスタのp型ウェルおよびp型チャネルストッパ領域を形成する。
次に図17Dの工程で前記シリコン基板41上に前記素子領域41Aを露出するレジストパターンR63を新たに形成し、前記レジストパターンR65をマスクにB+を40keVの加速電圧下、6×1013cm−2のドーズ量で深さ位置41ptにイオン注入し、前記素子領域41Aに形成されるフラッシュメモリセルトランジスタの閾値制御を行う。
次に図17Eの工程において前記レジストパターンR63は除去され、さらに前記シリコン基板41の表面に図17Aの工程で形成されていたシリコン酸化膜をHF水溶液中で除去した後、前記シリコン基板41を900〜1050℃の温度で30分間熱酸化処理し、トンネル絶縁膜42となるシリコン酸化膜を前記シリコン基板41の表面に10nmの厚さに形成する。
次に図17Fの工程において前記素子領域41A中、前記シリコン酸化膜42上にポリシリコン膜をCVD法により90nmの厚さに形成し、さらにこれを図示を省略したレジストプロセスを使ってパターニングし、フローティングゲート電極43を形成する。さらに図17Fの工程では、このようにして形成して得られた構造上に、前記フローティングゲート電極43を覆うように酸化膜と窒化膜とを、それぞれ5nmおよび10nmの厚さに形成する。さらにこのようにして形成した窒化膜の表面を、950℃の温度で90分間熱酸化処理することにより、前記シリコン酸化膜42上に前記フローティングゲート電極43を覆うように、厚さが30nmのONO構造を有する電極間絶縁膜44を形成する。
この図17Eおよび17Fの工程では、前記熱処理の結果、前記素子領域41A〜41C,41Fおよび41H〜41Iに導入されている不純物元素は、0.1〜0.2μm程度の距離を拡散し、その結果、これらの素子領域に形成されるp型ウェルでは、p型不純物元素の分布がブロードになる。
次に図17Gの工程において図17Fの構造上に前記素子領域41D〜41E,素子領域41Gおよび素子領域41J〜41Kを露出するようにレジストパターンR64が新たに形成され、さらに前記レジストパターンR64をマスクにP+を最初に600keVの加速電圧下、1.5×1013cm−2のドーズ量で深さ位置41nwにイオン注入し、これらの素子領域においてn型ウェルを形成する。さらに図17Gの工程では前記レジストパターンR64をマスクにP+を240keVの加速電圧下、3×1012cm−2のドーズ量で深さ位置41ncにイオン注入を行い、これらの素子領域において素子分離絶縁膜41Sの下端部の深さに対応してn型チャネルストッパ領域を形成する。またこれにより、前記素子領域41Dに形成される高電圧低閾値pチャネルMOSトランジスタの閾値制御を行う。
次に図17Hの工程において前記ONO膜44上に前記素子領域41E,41Gおよび41J〜41Kを露出するレジストパターンR65が新たに形成され、前記レジストパターンR65をマスクにP+を240keVの加速電圧下、6.5×1012cm−2のドーズ量で深さ位置41ncにイオン注入を行い、前記素子領域41Eに形成されるpチャネルMOSトランジスタの閾値制御を行うと同時に、前記素子領域41Gおよび41J〜41Kに形成されるpチャネルMOSトランジスタのn型チャネルストッパ領域において不純物濃度を増加させる。
次に図17Iの工程において前記ONO膜44上に前記素子領域41Fを露出するレジストパターンR66を新たに形成し、さらに前記レジストパターンR66をマスクにB+を30keVの加速電圧下、5×1012cm−2のドーズ量で深さ位置41ptにイオン注入し、前記素子領域41Fに形成される中電圧nチャネルMOSトランジスタの閾値制御を行う。
さらに図17Jの工程において前記ONO膜44上に前記素子領域41Gを露出するレジストパターンR67を新たに形成し、さらに前記レジストパターンR67をマスクにAs+を150keVの加速電圧下、3×1012cm−2のドーズ量で深さ位置41ntにイオン注入し、前記素子領域41Gに形成される中電圧pチャネルMOSトランジスタの閾値制御を行う。
次に図17Kの工程において前記ONO膜44上に前記素子領域41Hを露出するレジストパターンR68を新たに形成し、さらに前記レジストパターンR68をマスクにB+を10keVの加速電圧下、5×1012cm−2のドーズ量で深さ位置41ptにイオン注入し、前記素子領域41Fに形成される低電圧nチャネルMOSトランジスタの閾値制御を行う。なお、素子領域41Hにおける深さ位置41ptは他の素子領域、例えば素子領域41Fの深さ位置41ptとは異なり、基板41の表面に寄っている。
さらに図17Lの工程において前記ONO膜44上に前記素子領域41Jを露出するレジストパターンR69を新たに形成し、さらに前記レジストパターンR69をマスクにAs+を100keVの加速電圧下、3×1012cm−2のドーズ量で深さ位置41ntにイオン注入し、前記素子領域41Hに形成される中電圧pチャネルMOSトランジスタの閾値制御を行う。前記素子領域41Jにおける深さ位置41ntも他の素子領域41Gの深さ位置41ntよりは、基板表面の側に寄っている。
さらに図17Mの工程において前記ONO膜44がレジストパターンR70によりパターニングされ、前記素子領域41B〜41Kにおいてシリコン基板41の表面が露出される。
さらに図17Nの工程において前記レジストパターンR70を除去し、前記シリコン基板を850℃で熱酸化処理することにより、前記シリコン基板表面に、前記高電圧MOSトランジスタのゲート絶縁膜46となるシリコン酸化膜を13nmの厚さに形成する。
図17Nの工程では、さらに前記素子領域41A〜41Eを覆うレジストパターンR71が新たに形成され、前記レジストパターンR71をマスクに前記シリコン酸化膜46をパターニングすることにより、前記素子領域41F〜41Kにおいてシリコン基板41の表面が露出されている。
さらに図17Oの工程で前記レジストパターンR71は除去され、さらに前記シリコン基板41を熱酸化処理することにより、前記素子領域41F〜41K上に前記中電圧MOSトランジスタのゲート絶縁膜48となるシリコン酸化膜を4.5nmの厚さに形成する。さらに図17Oの工程では、前記素子領域41A〜41Gを覆うレジストパターニングR72が新たに形成され、前記レジストパターンR72をマスクに前記シリコン酸化膜48をパターニングすることにより、前記素子領域41H〜41Kにおいて前記シリコン基板41の表面を露出する。
さらに図17Pの工程において前記レジストパターンR72を除去し、前記シリコン基板41を熱酸化処理することにより、前記素子領域41H〜41K上に前記低電圧MOSトランジスタのゲート絶縁膜50となるシリコン酸化膜50が2.2nmの厚さに形成される。
本実施例でも、マスク工程の数は図17A〜17Pまでの間で13回、またイオン注入工程も12回で、先に図4A〜4Qで説明した従来技術を拡張した場合に比べて特にイオン注入工程の数が大幅に減少していることがわかる。また、本実施例でもレジストパターンはONO膜44上に形成され、レジスト膜がシリコン基板表面に直接に形成される工程は存在しない。このためレジスト膜による基板の汚染の問題が生じることはなく、またシリコン基板表面への凹凸の形成も生じない。
本実施例では、中電圧MOSトランジスタおよび低電圧MOSトランジスタが形成される素子領域41F,41Hおよび41Iにおいて、p型ウェルおよびチャネルストッパ領域がONO膜44の形成前に形成されるため、これらのウェルではウェルを構成するp型不純物元素の分布はメモリセル領域41Aあるいは素子領域41Bおよび41Cと同様にブロードになる。しかし、この場合でも隣接する素子領域41D〜41E,41Gおよび41J〜41Kではn型ウェルのイオン注入がONO膜44の形成工程後に形成されるため、ウェルを形成するn型不純物元素の分布は熱処理の影響を受けることがなくシャープである。従って、先に図14で説明した隣接するp型ウェルとn型ウェルとの間で素子分離絶縁膜の下端に沿って生じるパンチスルーは、本実施例においても効果的に抑制される。
[第3実施例]
次に、本発明の第3実施例による半導体集積回路装置の製造方法を、図18A〜18Pを参照しながら説明する。ただし図中、先に説明した部分には同一の参照符号を付し、説明を省略する。
図18Aを参照するに、この工程は先の図16Aあるいは17Aの工程に対応しており、シリコン基板41上にSTI型の素子分離絶縁膜41Sにより、素子領域41A〜41Kが画成される。また図示はしないが、図18Aの状態では前記シリコン基板41の表面は厚さが10nmの熱酸化膜により覆われている。
次に図18Bの工程において図18Aの構造上に素子領域41A〜41Cを露出するレジストパターンR81を形成し、さらに前記レジストパターンR81をマスクにP+を、前記素子分離絶縁膜41Sの下端よりも深い深さ位置41bに、2MeVの加速電圧下、2×1013cm−2のドーズ量でイオン注入し、n型埋め込み不純物領域を形成する。
さらに図18Bの工程では図16Bあるいは図17Bの工程と同様にして、前記レジストパターンR81をマスクにB+を深さ位置41pwに、400keVの加速電圧下、1.5×1013cm−2のドーズ量でイオン注入し、p型ウェルを形成する。さらに図18Bの工程では、前記レジストパターンR61をマスクにB+を深さ位置41pcに、100keVの加速電圧下、2×1012cm−2のドーズ量でイオン注入する。これにより、前記深さ位置41pcにp型のチャネルストッパ領域が形成される。
次に図18Cの工程において、前記シリコン基板41上に前記素子領域41D〜41E、41Gおよび41J〜41Kを露出するレジストパターンR82を新たに形成し、さらにP+を600keVの加速電圧下、2×1013cm−2のドーズ量で深さ位置14nwにイオン注入し、前記素子領域においてn型ウェルを形成する。また図14Cの工程では次いで前記レジストパターンR82をマスクにP+を240keVの加速電圧下、1×1012cm−2のドーズ量で深さ位置14ncにイオン注入し、前記素子領域においてn型チャネルストッパ領域を形成する。
次に図18Dの工程において、前記シリコン基板41上に前記素子領域41E、41Gおよび41J〜41Kを露出するレジストパターンR83を新たに形成し、さらにP+を240keVの加速電圧下、4.5×1012cm−2のドーズ量でイオン注入し、これらの素子領域において深さ位置14ncの不純物濃度を増大させる。これにより、前記素子領域41Eに形成される高電圧高閾値pチャネルMOSトランジスタの閾値を制御し、さらに素子領域41Gに形成される中電圧pチャネルMOSトランジスタおよび41J〜41Kに形成される低電圧pチャネルMOSトランジスタのチャネルストッパ濃度を増大させる。
次に図18Eの工程において、前記シリコン基板41上に前記素子領域41Aを露出するレジストパターンR84を新たに形成し、さらに前記レジストパターンR84をマスクにB+を40keVの加速電圧下、6×1013cm−2のドーズ量で深さ位置41ptにイオン注入し、前記素子領域41Aに形成されるフラッシュメモリセルトランジスタの閾値制御を行う。
次に図18Fの工程で前記レジストパターンR84を除去し、さらに前記シリコン基板41表面に形成されていたシリコン酸化膜をHF水溶液中で除去した後、前記基板41に対して900〜1050℃で30分間熱酸化処理を行い、前記トンネル絶縁膜42を構成するシリコン酸化膜42を10nmの厚さに形成する。
さらに図18Gの工程で前記シリコン酸化膜42上にポリシリコン膜をCVD法により90nmの厚さに堆積し、さらにこれを図示を省略したレジストプロセスによりパターニングすることにより、素子領域41Aにおいて前記シリコン酸化膜42上にポリシリコンフローティングゲート電極パターン43を形成する。
さらに図18Gの工程では前記シリコン酸化膜42上に前記フローティングゲート電極パターン43を覆うように、ONO構造を有する絶縁膜が、前記フラッシュメモリ素子の電極間絶縁膜44として、酸化膜および窒化膜をCVD法によりそれぞれ5nmおよび10nmの厚さに堆積し、さらに前記窒化膜の表面を950℃で90分間熱酸化処理することにより、堆積される。この図18Fおよび18Gの熱処理工程の結果、先に前記素子領域41A〜41E,41G,41I〜41Kに導入された不純物元素の分布プロファイルはブロードなものに変化する。
次に図18Hの工程において、図18Gの構造上に前記素子領域41Cと41Fと41H〜41Iを露出するレジストパターンR85が新たに形成され、前記レジストパターンR85をマスクにB+を100keVの加速電圧下、8×1012cm−2のドーズ量でイオン注入し、前記素子領域41Cに形成される高電圧高閾値nチャネルMOSトランジスタの閾値を制御し、さらに前記素子領域41F,41Hおよび41Iに形成される中電圧あるいは低電圧nチャネルMOSトランジスタのp型チャネルストッパ領域を形成する。なお、n型ウェルおよびp型ウェルにおける不純物元素の分布は緩やかであっても、チャネルストッパ不純物の分布が急峻であれば、パンチスルーを抑制できることが実験的にも明らかとなっている。
さらに図18Iの工程において前記ONO膜44上に前記素子領域41Fを露出するレジストパターンR86を新たに形成し、さらに前記レジストパターンR86をマスクに、B+を30keVの加速電圧下、5×1012cm−2のドーズ量で深さ位置41ptにイオン注入し、前記素子領域41Fに形成される中電圧nチャネルMOSトランジスタの閾値制御を行う。
さらに図18Jの工程において前記ONO膜44上に前記素子領域41Gを露出するレジストパターンR87を新たに形成し、さらに前記レジストパターンR87をマスクに、As+を150keVの加速電圧下、3×1012cm−2のドーズ量で前記深さ位置41ntにイオン注入し、前記素子領域41Gに形成される中電圧pチャネルMOSトランジスタの閾値制御を行う。
次に図18Kの工程において前記ONO膜44上に前記素子領域41Hを露出するレジストパターンR88を新たに形成し、さらに前記レジストパターンR88をマスクに、B+を10keVの加速電圧下、5×1012cm−2のドーズ量で前記深さ位置41ptにイオン注入し、前記素子領域41Hに形成される低電圧高閾値pチャネルMOSトランジスタの閾値制御を行う。
次に図18Lの工程において前記ONO膜44上に前記素子領域41Jを露出するレジストパターンR89を新たに形成し、さらに前記レジストパターンR89をマスクに、As+を100keVの加速電圧下、5×1012cm−2のドーズ量で深さ位置41ntにイオン注入し、前記素子領域41Jに形成される低電圧高閾値pチャネルMOSトランジスタの閾値制御を行う。
さらに図18Mの工程において前記ONO膜44上に前記素子領域41B〜41Kを連続して露出するレジストパターンR90を新たに形成し、さらに前記レジストパターンR90をマスクに前記ONO膜44およびその下のシリコン酸化膜42を前記シリコン基板表面が前記素子領域41B〜41Kにおいて露出するまでパターニングする。
さらに図18Nの工程において前記レジストパターンR90を除去し、前記シリコン基板41を850℃で熱酸化処理することにより、前記シリコン基板表面に、前記高電圧MOSトランジスタのゲート絶縁膜46となるシリコン酸化膜を13nmの厚さに形成する。
図18Nの工程では、さらに前記素子領域41A〜41Eを覆うレジストパターンR91が新たに形成され、前記レジストパターンR91をマスクに前記シリコン酸化膜46をパターニングすることにより、前記素子領域41F〜41Kにおいてシリコン基板41の表面が露出されている。
さらに図18Oの工程で前記レジストパターンR91は除去され、さらに前記シリコン基板41を熱酸化処理することにより、前記素子領域41F〜41K上に前記中電圧MOSトランジスタのゲート絶縁膜48となるシリコン酸化膜を4.5nmの厚さに形成する。さらに図18Oの工程では、前記素子領域41A〜41Gを覆うレジストパターニングR92が新たに形成され、前記レジストパターンR92をマスクに前記シリコン酸化膜48をパターニングすることにより、前記素子領域41H〜41Kにおいて前記シリコン基板41の表面を露出する。
さらに図18Pの工程において前記レジストパターンR92を除去し、前記シリコン基板41を熱酸化処理することにより、前記素子領域41H〜41K上に前記低電圧MOSトランジスタのゲート絶縁膜50となるシリコン酸化膜50が2.2nmの厚さに形成される。
本実施例でも、マスク工程の数は図18A〜18Pまでの間で13回、またイオン注入工程も13回で、先に図4A〜4Qで説明した従来技術を拡張した場合に比べて特にイオン注入工程の数が大幅に減少していることがわかる。また、本実施例でもレジストパターンはONO膜44上に形成され、レジスト膜がシリコン基板表面に直接に形成される工程は存在しない。このためレジスト膜による基板の汚染の問題が生じることはなく、またシリコン基板表面への凹凸の形成も生じない。
本実施例では、高電圧nチャネルMOSトランジスタおよび高電圧pチャネルMOSトランジスタが形成される前記素子領域41B〜41Eでのウェル形成が、前記ONO膜44の形成工程の前に実行されていることに注意すべきである。
この場合、隣接するp型ウェルとn型ウェルとの境界ではp型不純物元素とn型不純物元素の相互拡散が生じ、先に図7で説明したような状況が発生する可能性がある。
そこで本実施例ではこの問題を回避するために、図18Hの工程において前記素子領域41C中にp型チャネルストッパ領域を、急峻な分布で形成する。このような急峻な分布を有するpチャネルストッパ領域を形成することにより、図19に示すように素子領域41C中のn+型拡散領域と素子領域41D中のn型ウェルとの間のパンチスルーが効果的に抑制されるのが見出された。一方、n型ウェル中のp+型拡散領域とこれに隣接するp型ウェルとの間のパンチスルーは元来生じにくい傾向にあり、前記n型ウェルの不純物濃度をp型ウェルに対して多少増加させることで抑止することが可能である。
図19を参照するに、素子領域41D中のn側ウェル中には素子領域41Cのp型ウェルからp型不純物元素が広範囲に拡散しているが、p型チャネルストッパ不純物元素CHStは急峻な分布を有するのがわかる。
[第4実施例]
図20は、本発明の第1実施例による半導体集積回路装置120の構成を説明する図である。
図20を参照するに、シリコン基板121上はSTI構造を形成する素子分離絶縁膜121Sにより低電圧素子領域120Aと高電圧素子領域120Bとが画成されており、前記低電圧領域120A上には前記素子分離絶縁膜121Sにより、素子領域121Aおよび121Bが、また前記高電圧領域120Bには前記素子分離絶縁膜121Sにより素子領域121Cおよび121Dが画成されている。
前記素子領域121A上には、第1の膜厚を有する第1のゲート絶縁膜122Aを介してポリシリコンゲート電極123Aが形成され、前記ポリシリコンゲート電極123A上には金属シリサイド膜124Aが形成されている。同様に前記素子領域121B上には、前記第1の膜厚を有するゲート絶縁膜122Bを介してポリシリコンゲート電極123Bが形成され、前記ポリシリコンゲート電極123B上には金属シリサイド膜124Bが形成されている。
同様に前記素子領域121C上には、第2の、前記第1の膜厚よりも大きい膜厚を有するゲート絶縁膜122Cを介してポリシリコンゲート電極123Cが形成され、前記ポリシリコンゲート電極123C上には金属シリサイド膜124Cが形成されている。同様に前記素子領域121D上には、前記第2の膜厚を有するゲート絶縁膜122Dを介してポリシリコンゲート電極123Dが形成され、前記ポリシリコンゲート電極123D上には金属シリサイド膜124Dが形成されている。
前記素子領域121A中には、前記ゲート電極123Aの両側にn−型のLDD領域125aおよび125bが形成され、同様に前記素子領域121B中には前記ゲート電極123Bの両側にn−型のLDD領域125cおよび125dが形成される。また前記素子領域121C中には、前記ゲート電極123Cの両側にn−型のLDD領域125eおよび125fが形成され、同様に前記素子領域121D中には前記ゲート電極123Dの両側にn−型のLDD領域125gおよび125hが形成される。
さらに前記ゲート電極123A〜123Dの各々には、側壁面上に一対の側壁絶縁膜が形成され、前記素子領域121Aでは前記シリコン基板121中、前記側壁絶縁膜の外側にn+型の拡散領域126aおよび126bが形成される。同様に前記素子領域121Bでは前記シリコン基板21中、前記側壁絶縁膜の外側にn+型の拡散領域126c,126dが、前記素子領域121Cでは前記シリコン基板121中、前記側壁絶縁膜の外側にn+型の拡散領域126e,126fが、さらに前記素子領域121Dでは前記シリコン基板121中、前記側壁絶縁膜の外側にn+型の拡散領域126g,126hが形成される。さらに前記n+型拡散領域126aおよび126bの表面にはシリサイド層127aおよび127bが、前記拡散領域126cおよび126dの表面にはシリサイド層127c,127dが、前記拡散領域126eおよび126fの表面にはシリサイド層127e,127fが、前記拡散領域126gおよび126hの表面にはシリサイド層127g,127hが、それぞれ形成される。
また図20の半導体集積回路装置120では前記低電圧領域120A中、素子領域121A,121Bにおいて、前記素子分離絶縁膜121Sの深さに略対応した深さ位置121pcにp型のチャネルストッパ領域121が形成され、その下の深さ位置21pwにp型ウェルが形成されている。また前記素子領域121A,121Bの基板表面近傍には、p型のチャネルドープ領域がトランジスタ120TA,120TBの閾値制御のために形成されている。
一方、前記高電圧領域120Bにおいては基板深部の深さ位置121nにn型の埋め込み領域が形成され、その上に、前記深さ位置121pwに対応してp型ウェルが、また前記深さ位置pcに対応してp型チャネルストッパ領域が形成される。また低電圧領域120Aと高電圧領域120Bとの間の素子分離絶縁膜121Sの下には、前記n型埋め込み領域に到達するn型不純物領域が形成されている。
本実施例の半導体集積回路装置では、前記高電圧領域120Bにおいて深さ位置pcに形成されるチャネルストッパ領域のp型不純物元素濃度は、前記低電圧領域120Aにおいて前記深さ位置pcに形成されるチャネルストッパ領域のp型不純物元素濃度よりも低く設定されており、これにより、前記高電圧トランジスタ120TC,120TDの閾値電圧が制御される。またこれにより、高電圧トランジスタ120TC,120TDについて大きな接合耐圧が確保され、所望の高電圧動作を安定して行うことが可能になる。
さらに図20の半導体集積回路装置120では、前記低電圧領域120Aにおいては前記素子分離絶縁膜121S上にポリシリコン層127Aと金属シリサイド層128Aを積層した導体パターンWAが、あるいはポリシリコン層127Bと金属シリサイド層128Bを積層した導体パターンWBが形成され、また前記高電圧領域120Bにおいては前記素子分離絶縁膜121S上にポリシリコン層127Cと金属シリサイド層128Cを積層した導体パターンWCが、あるいはポリシリコン層127Dと金属シリサイド層128Dを積層した導体パターンWDが、配線パターンとして形成されているが、このうち前記導体パターンWA,WBを形成するポリシリコン層127Aあるいは127Bはn+型にドープされているのに対し、導体パターンWC,WDを形成するポリシリコン層127C,127Dは不純物によりドープされていない、いわゆるi型(真性)ポリシリコンより構成されている。
そこで、前記導体パターンWCあるいはWDに電圧が印加された場合、この電圧は直接にその下の素子分離絶縁膜21Sには印加されず、前記非ドープポリシリコン層中に空乏層が形成される。すなわち前記導体パターンWCあるいはWD中を伝送される電圧は、前記素子分離絶縁膜121Sに前記空乏層を介して印加されることになり、その結果、前記導体パターンWC下の素子分離絶縁膜121S直下に形成される寄生フィールドトランジスタの閾値が増大する。これにより、例えばこのような寄生フィールドトランジスタの導通により生じる、前記トランジスタ120TCの一部を構成するn型拡散領域126fと、これに前記素子分離絶縁膜121Sを隔てて隣接するトランジスタ120TDのn型ウェルとの間のパンチスルーが効果的に遮断される。
例えば素子分離絶縁膜121Sの幅が0.6μmで深さが300nmの場合、前記ポリシリコン配線パターン123C,123Dを非ドープとすることにより、前記素子分離絶縁膜121S直下に形成される寄生フィールドトランジスタの閾値電圧を10Vから15Vに増大させることができる。
なお、前記半導体集積回路装置120では、前記導体パターンWCあるいはWDの表面に低抵抗シリサイド層128Cあるいは128Dが形成されているため、これらの導体パターンの抵抗が増大することはない。
このように、本実施例の半導体集積回路装置120では前記高電圧領域121Bにおいて素子分離絶縁膜121Sの深さを増大させることなく、また前記トランジスタ120TCのチャネルストッパ不純物濃度を増大させることなく前記素子分離絶縁膜121S直下を通るリーク電流の電流路を遮断でき、このため浅い素子分離絶縁膜121Sを使って低電圧領域120Aに形成される低電圧高速半導体素子の微細化を、素子分離絶縁膜121Sのアスペクト比の問題を生じることなく実現することが可能になる。
また本実施例では前記トランジスタ120TCのチャネルストッパ不純物濃度が増大しないため、トランジスタ120TCの閾値が増大することがない。
また先にも説明したように、前記高電圧領域120Bにおいて深さ位置121pcに形成されるp型チャネルストッパの不純物濃度を素子領域121Cと121Dとで変化させることにより、例えばトランジスタ120TCおよび120TDを、前記トランジスタ120TCの閾値電圧がトランジスタ120TDの閾値電圧よりも低くなるように形成することが可能である。
また同様に前記低電圧領域120Aにおいても、素子領域121Aと121Bとで深さ位置121pcにおけるp型チャネルストッパの不純物濃度を変化させることにより、前記低電圧トランジスタ120TAおよび120TBを、前記トランジスタ120TAの閾値電圧がトランジスタ120TBの閾値電圧よりも低くなるように形成することが可能である。
図21A〜21Jは、図20の半導体集積回路装置120の製造工程を示す。
図21Aを参照するに、前記シリコン基板121上には前記素子分離絶縁膜121Sにより素子領域121A〜121Dが画成されており、前記シリコン基板の表面には、図示はしていないが、膜厚が10nm程度のシリコン酸化膜が形成されている。図21Bの工程においては、前記素子領域121Aおよび121Bを含む低電圧領域120AレジストパターンR101で覆った状態で、最初に前記高電圧領域120B中の深さ位置121nにn型不純物元素をイオン注入してn型埋め込み不純物領域を形成する。
さらに図21Bの工程において同じレジストパターンR101をマスクに前記深さ位置121pwおよび121pcにp型不純物元素をイオン注入し、前記高電圧領域120Bにp型ウェルおよびp型チャネルストッパ領域を形成する。
さらに図21Cの工程では、前記低電圧領域120Aと高電圧領域120Bとの境界に位置する素子分離絶縁膜121Sの一部を露出するようにレジストパターンR102が形成され、前記レジストパターンR102をマスクにn型不純物元素を前記深さ位置121nまでイオン注入することにより、前記n型埋め込み不純物領域を、前記高電圧領域120Bを包むように形成する。
さらに図21Dの工程において、前記高電圧領域120Bを覆うレジストパターンR103を形成し、前記素子領域121Aおよび121B中、前記素子分離絶縁膜121S直下の領域も含めてp型不純物元素をイオン注入により導入し、前記高電圧領域120Bの中深さ位置121pwに対応する深さ位置121pwにp型ウェルを、また前記高電圧領域120B中の深さ位置121pに対応する深さ位置121pcにp型チャネルストッパ領域を形成する。さらに前記素子領域121A,121Bでは基板表面近傍領域の深さ位置121ptに、閾値制御のためp型不純物元素をイオン注入し、チャネルドープ領域を形成する。
次に図21Eの工程において前記レジスト膜R103を除去し、さらに前記シリコン基板121の表面を熱酸化処理し、前記素子領域121C,121D上に、前記高電圧領域120Bに形成される高電圧MOSトランジスタ120TC,120TDのゲート絶縁膜122Cあるいは122Dとなる熱酸化膜122を15nmの膜厚に形成する。
図21Eの工程では、さらに前記酸化膜122上に前記高電圧領域120Bを覆うレジストパターンR104を形成し、前記レジストパターンR104をマスクに前記酸化膜122を除去し、前記シリコン基板121の表面を前記素子領域121A,121Bにおいて露出させている。
次に図21Fの工程において前記レジストパターンR104を除去し、さらに前記シリコン基板121の表面を再び熱酸化処理し、前記素子領域121A,121B上に、前記低電圧領域120Aに形成される低電圧MOSトランジスタ120TA,120TBのゲート絶縁膜122Aあるいは122Bとなる熱酸化膜を、2nmの膜厚に形成する。
さらに図21Fの工程では、このようにして熱酸化膜122A,122B,122C,122Dを形成されたシリコン基板121上に、不純物元素を含まない非ドープポリシリコン膜を一様に堆積し、さらにこれをパターニングすることにより、前記素子領域121A中、前記熱酸化膜122A上に前記低電圧MOSトランジスタ120TAのゲート電極123Aを、前記素子領域121B中、前記熱酸化膜122B上に前記低電圧MOSトランジスタ120TBのゲート電極123Bを、前記素子領域121C中、前記熱酸化膜122C上に前記高電圧MOSトランジスタ120TCのゲート電極123Cを、さらに前記素子領域121D中、前記熱酸化膜122D上に前記高電圧MOSトランジスタ120TDのゲート電極123Dを、それぞれ形成する。
さらに図21Fの工程では、前記ポリシリコン膜のパターニングにより、前記低電圧領域120Aにおいては前記素子分離絶縁膜121S上にポリシリコンパターン127A,127Bが、また前記高電圧領域120Bにおいては前記素子分離絶縁膜121S上にポリシリコンパターン127C,127Dが形成される。
次に図21Gの工程において前記図21Fの構造上に、前記低電圧領域120Aにおいて前記ポリシリコンゲート電極123Aおよび123Bを、また前記ポリシリコンパターン127A,127Bを連続して覆うように、さらに前記高電圧領域120Bにおいて前記ポリシリコンパターン127C,127Dを覆うようにレジストパターンR105が形成され、さらに前記レジストパターンR105をマスクにn型不純物元素をイオン注入し、前記素子領域121C中、前記ゲート電極123Cの両側に一対のn−型LDD領域125e,125fを形成する。また同時に前記素子領域121D中、前記ゲート電極123Dの両側に一対のn−型LDD領域125g、125hを形成する。
このイオン注入工程により、前記ポリシリコンゲート電極123C、123Dもn−型にドープされる。
次に図21Hの工程において、前記低電圧領域120Aにおいて前記ポリシリコンパターン127A,127Bを覆うように、また前記高電圧領域120Bを連続的に覆うようにレジストパターンR106を形成し、前記レジストパターンR106をマスクにn型不純物元素を図21Gの工程とは異なったドーズ量でイオン注入し、前記素子領域121A中、前記ゲート電極123Aの両側に一対のn−型LDD領域125a,125bを、また前記素子領域121B中、前記ポリシリコンゲート電極123Bの両側に一対のn−型LDD領域125c,125dを形成する。
さらに図21Iの工程において前記ポリシリコンゲート電極123A〜123Dおよびポリシリコンパターン127A〜127Dの各々に、一対の側壁絶縁膜を形成し、図21Jの工程において図21Iの構造のうち、前記ポリシリコンパターン127Cおよび127DをレジストパターンR107で覆い、n型不純物元素をイオン注入することにより、前記素子領域121Aにおいては前記ゲート電極123Aの両側、前記側壁絶縁膜の外側にn+型拡散領域126a,126bが、前記素子領域121Bにおいては前記ゲート電極123Bの両側、前記側壁絶縁膜の外側にn+型拡散領域126c,126dが、前記素子領域121Cにおいては前記ゲート電極123Cの両側、前記側壁絶縁膜の外側にn+型拡散領域126e,126fが、前記素子領域121Dにおいては前記ゲート電極123Dの両側、前記側壁絶縁膜の外側にn+型拡散領域126g,126hが形成される。
図21Jの工程では、イオン注入工程に伴って前記ゲート電極123A〜123Dおよびポリシリコンパターン127A,127Bはn+型にドープされるが、前記ポリシリコンパターン127C,127Dはレジストパターン127Cにより覆われているため、イオン注入がなされることがなく、従って導電性を有さない。
そこで、図21Jの工程の後、前記レジストパターンR107を除去し、さらにコバルト膜などの金属膜を堆積した後、熱処理し、未反応の金属膜をエッチングにより除去することにより、先に図15で説明したシリサイド膜124A〜124D,127a〜127h、および128A〜128Dを有する構造が得られる。
なお前記図21Gおよび21Hの工程は、前記レジストパターンR105あるいはR106を省略して実行することも可能である。この場合には、前記ポリシリコンパターン127A〜127Dがn−型にドープされるが、このような場合でも前記ポリシリコンパターン127A〜127D中に形成されるキャリア密度はわずかであり、本発明の効果が多少減じられるに過ぎない。
なお本実施例中、図21Jの工程では、イオン注入工程の際にポリシリコンパターン127C,127DをレジストパターンR107により覆う必要があるが、ポリシリコンパターン127Aあるいは127Bは必ずしも覆う必要がない。このため本実施例では、低電圧トランジスタのゲート電極123A,123Bと同様に微細化されたポリシリコンパターン127A,127B、厳密なレジストプロセスを行うことにより覆う工程は省略しており、素子分離幅の大きな高電圧領域120A上に形成されたポリシリコンパターン127C,127Dのみを、レジストパターンR107により覆っている。その際、前記レジストパターンR107に対応するマスクデータは、高電圧MOSトランジスタのゲート電極123C,123Dに対応するマスクデータを使い、これを位置合わせ余裕分だけ拡大することで容易に形成できる。このため、本実施例で使われるレジストパターンR107の形成に困難が生じることはない。
[第5実施例]
図22は、本発明の第5実施例による半導体集積回路装置140の構成を示す。
図22を参照するに、半導体集積回路装置140はフラッシュメモリ素子を搭載した0.13μmルールの論理集積回路装置であり、p型あるいはn型のシリコン基板141上にSTI構造の素子分離絶縁膜141Sにより画成された素子領域141A〜141Kを有し、前記素子領域141Aにはフラッシュメモリ素子が、前記素子領域141Bには高電圧低閾値nチャネルMOSトランジスタが、前記素子領域141Cには高電圧高閾値nチャネルMOSトランジスタが、前記素子領域141Dには高電圧低閾値pチャネルMOSトランジスタが、前記素子領域141Eには高電圧高閾値pチャネルMOSトランジスタが形成される。
前記フラッシュメモリ素子は読み出し時には5Vの駆動電圧で動作され、一方、書き込みあるいは消去時には10V程度の電圧で駆動される。そこで、これらの素子領域141B〜141Eに形成される高電圧pチャネルあるいはnチャネルMOSトランジスタは、前記フラッシュメモリ素子を、前記駆動電圧で駆動する制御回路を構成する。すなわち、前記素子領域141B〜141Eは、前記基板141中において高電圧領域140Aを形成する。
さらに前記素子領域141Fには2.5Vあるいは3.3Vの電源電圧で動作する中電圧nチャネルMOSトランジスタが、前記素子領域141Gには同じく2.5Vの電源電圧で動作する中電圧pチャネルMOSトランジスタが形成され、これらの中電圧トランジスタは、半導体集積回路装置140の入出力回路を構成する。すなわち、前記素子領域141F,141Gは、前記基板141中において中電圧領域を形成する。
さらに前記素子領域141Hには1.2Vの電源電圧で動作する低電圧高閾値nチャネルMOSトランジスタが、前記素子領域141Iには1.2Vの電源電圧で動作する低電圧低閾値nチャネルMOSトランジスタが、前記素子領域141Jには前記1.2Vの電源電圧で動作する低電圧高閾値pチャネルMOSトランジスタが、さらに前記素子領域141Kには前記1.2Vの電源電圧で動作する低電圧低閾値pチャネルMOSトランジスタが形成される。これらの低電圧pチャネルおよびnチャネルMOSトランジスタは、中電圧pチャネルおよびnチャネルMOSトランジスタとともに、高速論理回路を構成する。前記素子領域141H〜141Kは、前記基板141中において低電圧領域140Cを形成する。
前記素子領域141A〜141Cにはp型ウェルが形成され、前記素子領域141Dおよび141Eにはn型ウェルが形成され、前記素子領域141Fにはp型ウェルが、前記素子領域141Gにはn型ウェルが形成される。さらに前記素子領域141Hおよび141Iにはp型ウェルが、前記素子領域141Jおよび141Kにはn型ウェルが形成される。
前記素子領域141Aの表面にはトンネル絶縁膜142が形成され、前記トンネル絶縁膜142上にはポリシリコンよりなるフローティングゲート電極143およびONO構造を有する電極間絶縁膜144が順次形成されている。さらに前記電極間絶縁膜144上にはポリシリコンよりなるコントロールゲート電極145が形成されている。前記フローティングゲート電極143、電極間絶縁膜144およびコントロールゲート電極145は、積層フローティングゲート構造147Aを形成する。
一方、前記素子領域141B〜141Eの表面には、高電圧トランジスタのためのゲート絶縁膜146が形成されており、前記ゲート絶縁膜146上には、前記素子領域141Bにおいてポリシリコンゲート電極147Bが、前記素子領域141Cにおいてポリシリコンゲート電極147Cが、前記素子領域141Dにおいてポリシリコンゲート電極147Dが、前記素子領域141Eにおいてポリシリコン電極147Fが形成されている。
また前記素子領域141Fおよび141Gの表面には、中電圧トランジスタのための、前記ゲート絶縁膜146よりも薄いゲート絶縁膜148が形成されており、前記ゲート絶縁膜148上には、前記素子領域141Fにおいてポリシリコンゲート電極147Fが、また前記素子領域141Gにおいてポリシリコンゲート電極147Gが形成されている。
さらに前記素子領域141H〜141Kの表面には、低電圧トランジスタのためのゲート絶縁膜150が形成されており、前記ゲート絶縁膜150上には、前記素子領域141Hにおいてポリシリコンゲート電極147Hが、前記素子領域141Iにおいてポリシリコンゲート電極147Iが、前記素子領域141Jにおいてポリシリコンゲート電極147Jが、前記素子領域141Kにおいてポリシリコン電極147Kが形成されている。
また、前記素子領域141Aにおいては、前記フローティングゲート電極143と電極間絶縁膜144とコントロールゲート電極145とよりなる積層ゲート電極構造147Aの両側に、ソース領域およびドレイン領域を形成する一対の拡散領域が形成されている。同様に、前記素子領域141B〜141Hの各々においても、ゲート電極の両側に、ソース領域およびドレイン領域を形成する一対の拡散領域が形成されている。
また前記積層フローティングゲート電極構造147Aのコントロールゲート電極145、およびゲート電極147B〜147Kの表面には、コバルトシリサイドなどのシリサイド層147Sが形成されている。同様なシリサイド層は、図示は省略するが、前記ソースあるいはドレイン領域の表面にも形成されている。
さらに図17の構成では、前記高電圧領域140A中、前記素子領域141Bと141Cとの間に位置する素子分離絶縁膜141S上に、非ドープポリシリコン層147i上に前記シリサイド層147Sを形成した構成の配線パターンWP1が形成されている。また同様な構成の配線パターンWP2が、前記高電圧領域140A中、前記素子領域141Dと141Eとの間に位置する素子分離絶縁膜141S上に形成されている。
さらに、前記低電圧領域140C中、前記素子領域141Hと141Iとの間に位置する素子分離絶縁膜141S上に、n+型にドープされたポリシリコン層147nと前記シリサイド層147Sとを積層した構成の配線パターンWP3が形成されており、また前記低電圧領域140C中、前記素子領域141Jと141Kとの間に位置する素子分離絶縁膜141S上には、p+型にドープされたポリシリコン層147pと前記シリサイド層147Sとを積層した構成の配線パターンWP4が形成されている。
図22記載の半導体集積回路装置140では、前記拡散領域141A〜141K中、様々な深さに様々な不純物元素がウェル形成あるいは閾値制御のために、様々な濃度で導入される。
以下、図22の半導体集積回路装置140の製造工程を、図23A〜23Zおよび図23AA〜23ABを参照しながら説明する。
図23Aを参照するに、前記シリコン基板141上には先にも説明したようにSTI型の素子分離膜141Sが形成され、これにより素子領域141A〜141Kが画成されている。また図示は省略するが、図23Aの工程では前記シリコン基板141の表面が酸化され、10nm程度の膜厚のシリコン酸化膜が形成されている。
次に図23Bの工程において図23Aの構造上に素子領域141A〜141Cを露出するレジストパターンR141を形成し、さらに前記レジストパターンR141をマスクにP+を、前記素子分離絶縁膜141Sの下端よりも深い深さ位置141bに、2MeVの加速電圧下、2×1013cm−2のドーズ量でイオン注入し、n型埋め込み不純物領域を形成する。
さらに図23Bの工程では、前記レジストパターンR141をマスクにB+を深さ位置141pwに、400keVの加速電圧下、1.5×1013cm−2のドーズ量でイオン注入し、p型ウェルを形成する。さらに図23Bの工程では、前記レジストパターンR161をマスクにB+を深さ位置41pcに、100keVの加速電圧下、2×1012cm−2のドーズ量でイオン注入する。これにより、前記深さ位置141pcにp型のチャネルストッパ領域が形成される。ただし前記深さ位置141b,141pwおよび141pcは相対的なイオン注入深さを表し、深さ位置141pwは前記素子分離絶縁膜141Sよりも深く、深さ位置141bよりも浅い。また前記深さ位置141pcは前記深さ位置141pwよりも浅く、前記素子分離絶縁膜141Sの下端に略対応している。前記深さ位置141pcにp型不純物元素を導入することにより、パンチスルー耐性が向上すると同時に、形成されるトランジスタの閾値特性を制御することができる。
次に図23Cの工程で前記メモリセル領域141Aを露出するレジストパターンR142を形成し、B+を40keVの加速電圧下、6×1013cm−2のドーズ量で、前記基板表面近傍の浅い深さ位置141ptにイオン注入し、前記素子領域141Aに形成されるメモリセルトランジスタの閾値制御を行う。
さらに図23Dの工程で前記レジストパターンR142を除去し、前記シリコン基板141の表面に形成されていたシリコン酸化膜をHF水溶液中で除去した後、900〜1050℃の温度で30分間熱酸化処理を行い、前記トンネル絶縁膜142となるシリコン酸化膜を約10nmの膜厚に形成する。
なおこのトンネル絶縁膜142の形成工程において、先に素子領域141A〜141Cに導入されたp型不純物元素は0.1〜0.2μm程度の距離まで拡散する。
次に図23Eの工程において図23Dの構造上に不純物をドープしたポリシリコン膜をCVD法により堆積し、さらにこれをパターニングして前記素子領域141A上に前記フローティングゲート電極143を形成する。さらに前記フローティングゲート電極143の形成の後、前記シリコン酸化膜142上にCVD法により酸化膜と窒化膜とをそれぞれ5nmおよび10nmの厚さに堆積し、さらにこれを950℃のウェット雰囲気中で酸化することにより、ONO構造を有する誘電体膜を、前記電極間絶縁膜144として形成する。
この図23Eの工程では、前記ONO膜144の形成の際における熱処理に伴い、先に素子領域141A〜141Cに導入されたp型不純物元素は、さらに0.1〜0.2μmの距離を拡散する。これらの熱処理の結果、前記素子領域141A〜141Cに形成されるp型ウェルでは、図23Fの工程の後、p型不純物元素の分布がブロードに変化する。
次に図23Fの工程において、図23Eの構造上に前記素子領域141C,141Fおよび141H〜141Iを露出する新たなレジストパターンR143が形成され、さらに前記レジストパターンR143をマスクにB+をまず400keVの加速電圧下、1.5×1013cm−2のドーズ量で、次いで100keVの加速電圧下、8×1012cm−2のドーズ量でイオン注入し、前記素子領域141Fおよび141H〜141I中、前記素子分離絶縁膜141Sの深さよりも深い深さ位置141pwおよび前記素子分離絶縁膜141Sの下端に略等しい深さ位置141pcに、p型ウェルおよびp型チャネルストッパ領域となるp型不純物領域がそれぞれ形成される。また先にp型不純物を導入されている前記素子領域141Cにおいてはp型ウェルの不純物濃度が増加し、前記素子領域141Cに形成される高電圧高閾値nチャネルMOSトランジスタの閾値制御がなされる。
このようにして素子領域141Fおよび141H,141Iに形成されたp型ウェルにおいては、導入されたBは活性化熱処理以外に熱処理を受けることがなく、シャープな分布を保持する。
次に図23Gの工程において前記ONO膜144上に、前記素子領域141D,141E,141G,141Jおよび141Kを露出するように新たなレジストパターンR144が形成され、さらに前記レジストパターンR144をマスクにP+を前記シリコン基板141中に、600keVの加速電圧下、1.5×1013cm−3のドーズ量で、ついで240keVの加速電圧下、3×1012cm−3のドーズ量でイオン注入し、これにより、前記素子領域141Dおよび141E,さらに素子領域141Gにおいて前記素子分離絶縁膜141Sよりも深い深さ位置141nwにn型ウェルを、また前記素子分離絶縁膜141Sの下端に略対応する深さ位置141ncにn型チャネルストッパ領域を形成する。
次に図23Hの工程において、前記ONO膜144上に前記素子領域141Eと141G,141Jと141Kを露出するレジストパターンR145を形成し、前記レジストパターンR145をマスクに、P+を240keVの加速電圧下、6.5×1012cm−2のドーズ量で、前記素子領域141E,141G,141Jおよび141K中、前記素子分離絶縁膜141Sの下端に対応した深さ位置141ncにイオン注入し、前記素子領域141E,141G,141Jおよび141Kに形成されるn型チャネルストッパ領域の不純物濃度を増加させる。これにより、特に素子領域141Eに形成される高電圧高閾値pチャネルMOSトランジスタの閾値制御がなされる。
次に図23Iの工程において、前記ONO膜144上に前記素子領域141Fを露出するレジストパターンR146を形成し、前記レジストパターンR146をマスクにB+を30keVの加速電圧下、5×1012cm−2のドーズ量で、前記素子領域141F中、基板表面近傍の浅い深さ位置141ptにイオン注入し、前記素子領域141Fに形成される中電圧nチャネルMOSトランジスタの閾値を制御する。
さらに図23Jの工程において、前記ONO膜144上に前記素子領域141Gを露出するレジストパターンR147を形成し、前記レジストパターンR147をマスクにAsを150keVの加速電圧下、3×1012cm−2のドーズ量で、前記素子領域141G中、基板表面近傍の浅い深さ位置41ntにイオン注入し、前記素子領域141Gに形成される中電圧pチャネルMOSトランジスタの閾値制御を行う。
さらに図23Kの工程において、前記素子領域141Hを露出するレジストパターンR148を前記ONO膜144上に形成し、さらに前記レジストパターンR148をマスクに前記素子領域141H中、基板表面近傍の浅い深さ位置141ptにB+を10keVの加速電圧下、5×1012cm−2のドーズ量でイオン注入し、前記素子領域141Hに形成される低電圧高閾値nチャネルMOSトランジスタの閾値制御を行う。なお、前記素子領域141Hの深さ位置141ptは、素子領域141Fの深さ位置141ptよりも基板表面に寄っている。
次に図23Lの工程において、前記素子領域141Jを露出するレジストパターンR149を前記ONO膜144上に形成し、さらに前記レジストパターンR149をマスクに前記素子領域141J中、基板表面近傍の浅い深さ位置141ntにB+を10keVの加速電圧下、5×1012cm−2のドーズ量でイオン注入し、前記素子領域141Jに形成される低電圧高閾値pチャネルMOSトランジスタの閾値制御を行う。前記素子領域141Jの深さ位置141ntも、先の深さ位置141Gの深さ位置141ntより基板表面に寄っている。
次に図23Mの工程において、前記ONO膜144およびその下のシリコン酸化膜122がレジストパターンR150をマスクにパターニングされ、前記素子領域141B〜141Kにわたり、前記シリコン基板141の表面が露出される。
さらに図23Nの工程において前記レジストパターンR150が除去され、850℃で熱酸化処理を行うことにより、前記高電圧MOSトランジスタのゲート絶縁膜146となるシリコン酸化膜を13nmの厚さに形成する。図23Nの工程では、さらに前記シリコン酸化膜146上に素子領域141F〜141Kを露出するレジストパターンR151が形成され、前記レジストパターンR151をマスクに前記シリコン酸化膜146をパターニングすることにより、前記素子領域141F〜141Kにわたり、前記シリコン基板表面を再び露出する。
さらに図23Oの工程において前記レジストパターンR151が除去され、熱酸化処理により、前記中電圧MOSトランジスタのゲート絶縁膜148となるシリコン酸化膜を4.5nmの厚さに形成する。図18Oの工程では、さらに前記シリコン酸化膜148上に素子領域141H〜141Kを露出するレジストパターンR152が形成され、前記レジストパターンR152をマスクに前記シリコン酸化膜148をパターニングすることにより、前記素子領域141H〜141Kにおいて前記シリコン基板の表面が再び露出される。
さらに図23Pの工程において前記レジストパターンR152が除去され、熱酸化処理を行うことにより、前記低電圧MOSトランジスタのゲート絶縁膜150となるシリコン酸化膜が、2.2nmの厚さに形成される。
なお図23Pまでの工程で熱酸化処理が繰り返し行われるため、図23Pの状態では前記ゲート絶縁膜42は16nm,ゲート絶縁膜46は5nmの膜厚まで成長している。
次に図23Qの工程において図23Pの構造上に非ドープポリシリコン膜145をCVD法により180nmの厚さに堆積し、さらにその上にSiN膜145NをプラズマCVD法により、反射防止膜および同時にエッチングストッパ膜として30nmの厚さに堆積する。さらに図23Qの工程では前記ポリシリコン膜145をレジストプロセスによりパターニングすることにより、前記フラッシュメモリ素子領域144Aにおいて前記電極間絶縁膜144上にコントロールゲート電極145を積層した構成の積層ゲート電極構造147Aが形成される。
次に図23Rの工程において、図23Qの構造を熱酸化処理することにより前記積層ゲート電極構造147Aの側壁面に熱酸化膜(図示せず)を形成し、さらに前記積層ゲート電極構造147Aおよびポリシリコン膜145をマスクに前記素子領域141A中にAs+あるいはP+をイオン注入し、前記積層フローティングゲート電極構造147A中のコントロールゲート電極145をn+型にドープし、同時に前記積層ゲート電極147Aの両側にソース領域141Asとドレイン領域141Adとを形成する。このイオン注入工程の際には、前記素子領域141B〜141Kにおいて前記ポリシリコン膜145は図示をしていないレジスト膜により覆われている。
さらに図23Rの工程では前記ソース領域141sおよびドレイン領域141dの形成後、熱CVD工程およびRIE法によるエッチバックを行い、前記積層ゲート電極構造147Aの側壁面にSiNよりなる側壁絶縁膜147sを形成すると同時に、ポリシリコン膜145上のプラズマSiN膜を除去する。
前記側壁絶縁膜147sの形成工程の後、図23Rの工程では前記素子領域141B〜141Kにおいてポリシリコン膜145がパターニングされ、非ドープポリシリコンよりなるゲート電極147B〜147Kが、素子領域141B〜141Kにそれぞれ対応して形成される。また前記素子領域141Bと141Cの間の素子分離絶縁膜141S上には前記配線パターンWP1を形成する非ドープポリシリコンパターン147iが、前記素子領域141Dと141Eとの間の素子分離絶縁膜141S上には前記配線パターンWP2を形成する非ドープポリシリコンパターン147iが、前記素子領域141Hと141Iとの間の素子分離絶縁膜141S上には、前記配線パターンWP3を形成するポリシリコンパターン147nが、さらに前記素子領域141Jと141Kとの間の素子分離絶縁膜141S上には、前記配線パターンWP4を形成するポリシリコンパターン147pが形成される。図23Rの段階では、前記ポリシリコンパターン147nおよび147pは、いずれも非ドープ状態である。
次に図23Sの工程において図23Rの構造上に前記素子領域141Jおよび141Kを露出するレジストパターンR153を基板141上に形成し、前記レジストパターンR152およびゲート電極147J,147KをマスクにB+を0.5keVの加速電圧下、3.6×1014cm−2のドーズ量でイオン注入し、次いでAs+を80keVの加速電圧下、6.5×1012cm−2のドーズ量および28°の角度で4回斜め注入し、前記素子領域141Jおよび141K中、ゲート電極147Jあるいは147Kの両側に、n−型のポケット領域を伴うp−型のソースエクステンション領域141Jsあるいは141Ks、および同じくn−型のポケット領域を伴うp−型のドレインエクステンション領域141Jdあるいは141Kdが形成される。なお、図23Sの工程では前記レジストパターンR153は前記ポリシリコンパターン147pを露出するように形成されており、従って前記ポリシリコンパターン147pにもp型とn型のイオン注入が生じるが、前記ポリシリコンパターン147pへは後で高濃度のイオン注入がなされるため、これは問題にならない。もちろん、前記レジストパターンR153を前記ポリシリコンパターン147pを覆うように形成してもよい。この場合には、図23Sの工程では前記ポリシリコンパターン147pへのイオン注入は生じない。
次に図23Tの工程で図18SのレジストパターンR153が除去され、前記素子領域141Hおよび141Iを露出するレジストパターンR154が基板141上に形成される。さらに前記レジストパターンR154およびゲート電極147H,147IをマスクにAs+を3keVの加速電圧下、1.1×1015cm−2のドーズ量でイオン注入し、次いでBF+を35keVの加速電圧下、9.5×1012cm−2のドーズ量および28°の角度で4回斜め注入し、前記素子領域141Hおよび141I中、ゲート電極147Hあるいは147Iの両側に、p−型のポケット領域を伴うn−型のソースエクステンション領域141Hsあるいは141Is、および同じくp−型のポケット領域を伴うn−型のドレインエクステンション領域141Hdあるいは141Idが形成される。なお図23Tの工程では前記レジストパターンR154は前記ポリシリコンパターン147nを露出するように形成されており、従って前記ポリシリコンパターン147nにもp型およびn型のイオン注入が生じるが、前記ポリシリコンパターン147も、後で高濃度のイオン注入がなされるため、問題は生じない。また前記レジストパターンR154を、前記ポリシリコンパターン147nを覆うように形成してもよい。この場合には、図23Tの工程では前記ポリシリコンパターン147nへのイオン注入は生じない。
さらに図23Uの工程で図23TのレジストパターンR154は除去され、新たに前記素子領域141Gを露出するレジストパターンR155が基板141上に形成される。さらに前記レジストパターンR153および前記ゲート電極147GをマスクにBF+を10keVの加速電圧下、7.0×1013cm−3のドーズ量でイオン注入を行い、前記ゲート電極147Gの両側にp型ソース領域141Gsおよびn型ドレイン領域141Gdが形成される。
さらに図23Vの工程で図23UのレジストパターンR155は除去され、新たに前記素子領域141Fを露出するレジストパターンR156が基板141上に形成される。さらに前記レジストパターンR156および前記ゲート電極147FをマスクにAs+を10keVの加速電圧下、2.0×1013cm−3のドーズ量で、次いでP+を10keVの加速電圧下、3.0×1013cm−2のドーズ量でイオン注入し、前記ゲート電極147Fの両側にn型ソース領域141Fsおよびn型ドレイン領域141Fdが形成される。
次に図23Wの工程で前記レジストパターンR156は除去され、素子領域141Dおよび141Eを露出するレジストパターンR157が基板141上に形成される。その際、前記レジストパターンR157は、前記ゲート電極147Hと147Iとの間で素子分離絶縁膜141S上に形成されているポリシリコンパターン147iのみならず、前記ゲート電極147Dと141Eの間で素子分離絶縁膜141S上に形成されているポリシリコンパターン147iを覆うように形成されており、前記レジストパターンR157およびゲート電極147D,147EをマスクにBF+を前記素子領域141Dおよび141Eに80keVの加速電圧下、4.5×1013cm−2のドーズ量でイオン注入し、前記素子領域141Dにおいては前記ゲート電極147Dの両側にp型ソース領域141Dsおよびp型ドレイン領域141Ddが、また前記素子領域141Eにおいては前記ゲート電極147Eの両側にp型ソース領域141Esおよびp型ドレイン領域141Edが形成される。この工程では、前記ポリシリコンパターン147iへのイオン注入は生じない。
さらに図23Xの工程で前記レジストパターンR157は除去され、素子領域141Bおよび141Cを露出するレジストパターンR158が基板141上に形成される。その際、前記レジストパターンR158は、前記ゲート電極147Dと147Eとの間で素子分離絶縁膜141S上に形成されているポリシリコンパターン147iのみならず、前記ゲート電極147Bと147Cの間において素子分離領域141S上に形成されたポリシリコンパターン147iをも覆うように形成されており、前記レジストパターンR158およびゲート電極141B,141CをマスクにP+を35keVの加速電圧下、4.0×1013cm−2のドーズ量でイオン注入し、さらにP+を10keVの加速電圧下、3.0×1013cm−2のドーズ量でイオン注入し、前記素子領域141Bにおいては前記ゲート電極147Bの両側にn型ソース領域141Bsおよびn型ドレイン領域141Bdが、また前記素子領域141Cにおいては前記ゲート電極147Cの両側にn型ソース領域141Csおよびn型ドレイン領域141Cdが形成される。この工程においても、前記二つのポリシリコンパターン47iへのイオン注入は生じない。
さらに図23Yの工程において図23XのレジストパターンR158は除去され、さらに前記基板141上に前記積層ゲート電極構造147Aおよびゲート電極147B〜147Kを、前記ポリシリコンパターン147i,147nおよび147pも含めて覆うように酸化膜が一様に100nmの厚さに堆積され、さらにこれをRIE法により基板141の表面が露出するまでエッチバックすることにより、前記積層ゲート電極構造147Aおよび各々のゲート電極147B〜147K、さらにポリシリコンパターン147i,147n,147jの側壁面に側壁酸化膜を形成する。
さらに図23Yに示すように前記基板141上に前記素子領域141A〜141Cおよび素子領域141F、さらに素子領域147Hおよび147Iを露出するように、しかも前記二つのポリシリコンパターン147iを覆うようにレジストパターンR157を形成し、さらに前記レジストパターンR157および積層ゲート電極構造147A、ゲート電極147Bおよび147C、ゲート電極147Fおよびゲート電極147H,147I、およびこれらの側壁酸化膜をマスクに、P+を10keVの加速電圧下、6.0×1015cm−2のドーズ量でイオン注入し、それぞれの素子領域141A〜141C,141F,141Hおよび141Iにおいてn+型のソース領域およびドレイン領域(図示せず)を形成する。またこの工程において、前記ゲート電極147B〜147C,147Fおよび1147H〜147I,および前記ポリシリコンパターン147nがn+型にドープされる。
さらに図23Zの工程において、前記基板141上に前記素子領域141Dおよび141Eおよび素子領域141G、さらに素子領域147Jおよび147Kを露出するように、しかも前記二つのポリシリコンパターン147iを覆うようにレジストパターンR160を形成し、さらに前記レジストパターンR160およびゲート電極147D,147E、147G,147Jおよび147K、およびこれらの側壁酸化膜をマスクに、B+を5keVの加速電圧下、4.0×1015cm−2のドーズ量でイオン注入し、それぞれの素子領域141D〜141E,141G,141Jおよび141Kにおいてp+型のソース領域およびドレイン領域(図示せず)を形成する。またこの工程において、前記ゲート電極147D〜147E,147Gおよび147J〜147K,および前記ポリシリコンパターン147pがp+型にドープされる。
さらに図23AAの工程において前記レジスト膜R158を除去し、周知の方法によりゲート電極147A〜147Kの露出表面、前記ポリシリコンパターン147i,147nおよび147pの露出表面、およびソース領域、ドレイン領域の露出表面にシリサイド層147Sを形成し、さらに前記基板141上に絶縁膜151を堆積し、コンタクトホールを形成し、さらに前記コンタクトホールを介して各素子領域141A〜141Kのソース領域およびドレイン領域にコンタクトするように、前記絶縁膜151上に配線パターン153を形成する。
さらに図23ABの工程において図23AAの構造上に多層配線構造154を形成し、前記多層配線構造上にパッド電極155を形成し、全体をパッシベーション膜156で覆い、必要に応じてパッシベーション膜156にコンタクト開口部156Aを形成することにより、図22で説明した集積回路装置140が完成する。
先の実施例と同様に、本実施例においても前記高電圧領域140Aにおいて素子分離絶縁膜141S上を延在するシリサイド配線パターン147Sと素子分離絶縁膜141Sとの間に、非ドープあるいは不純物濃度の低いポリシリコン層が介在するため、素子分離絶縁膜直下に形成される寄生フィールドトランジスタの閾値電圧が増大し、パンチスルーによるリーク電流の発生が効果的に抑制される。
例えば素子分離絶縁膜141Sの幅が0.6μmで深さが300nmの場合、前記ポリシリコン配線パターン147iを非ドープとすることにより、前記素子分離絶縁膜141S直下に形成される寄生フィールドトランジスタの閾値電圧を10Vから15Vに増大させることができる。
その際、本実施例では素子領域141Bにおいて深さ位置141pwあるいは141pcにおける不純物濃度を増大させる必要がなく、このため前記素子領域141Bに形成される高電圧低閾値nチャネルMOSトランジスタ、あるいは素子領域141Dに形成される高電圧低閾値pチャネルMOSトランジスタの閾値が増大することがない。このため、図3の半導体集積回路装置140においてフラッシュメモリセルを、かかる素子領域141Bに形成された高電圧低閾値nチャネルMOSトランジスタと素子領域141Cに形成された高電圧高閾値nチャネルMOSトランジスタ、素子領域141Dに形成された高電圧低閾値pチャネルMOSトランジスタと素子領域141Eに形成された高電圧高閾値pチャネルMOSトランジスタとよりなる制御回路により駆動することが可能になる。なお、前記制御回路において、前記素子領域141Bおよび141Cに形成された高電圧低閾値nチャネルMOSトランジスタおよび高電圧高閾値nチャネルMOSトランジスタは、前記素子領域141Dおよび141Eに形成された高電圧低閾値pチャネルMOSトランジスタおよび高電圧高閾値pチャネルMOSトランジスタと共に、CMOS回路を形成する。
同様に、前記素子領域141Hおよび141Iに形成された低電圧低閾値nチャネルMOSトランジスタおよび低電圧高閾値nチャネルMOSトランジスタは、前記素子領域141Jおよび141Kに形成された低電圧低閾値pチャネルMOSトランジスタおよび低電圧高閾値pチャネルMOSトランジスタと共に、CMOS論理回路を形成する。
なお、本実施例においては中電圧領域140Bには配線パターンを設けていないが、この中電圧領域140Bに配線パターンを設けることは当然可能である。先にも説明したが、本実施例では前記素子領域141F中の中電圧nチャネルMOSトランジスタと素子領域141G中のpチャネルMOSトランジスタは、CMOS構成の入出力回路を形成する。
なお、本実施例では図23Wおよび23Xのイオン注入工程でもポリシリコンパターン147iをレジストパターンR157あるいはR158により覆っているが、図23Wおよび23Xの工程でのイオン注入ドーズ量はわずかであり、このためこれらの工程で前記ポリシリコンパターン147iを覆わなくても、ある程度はパンチスルー耐性が改善される結果が得られる。
なお本実施例中、図23W〜23Zの工程では、イオン注入工程の際にポリシリコンパターン147iをレジストパターンR157〜R160により覆う必要があるが、ポリシリコンパターン147nあるいは147pは必ずしも覆う必要がない。このため本実施例では、低電圧トランジスタのゲート電極147H〜147Kと同様に微細化されたポリシリコンパターン147nあるいは147pを、厳密なレジストプロセスを行うことにより覆う工程は省略しており、素子分離幅の大きな高電圧領域140A上に形成されたポリシリコンパターン147iのみを、レジストパターンにより覆っている。その際、前記ポリシリコンパターン147iを覆うレジストパターンR157〜R160に対応するマスクデータは、前記高電圧MOSトランジスタのゲート電極147B〜147Eに対応するマスクデータを使い、これを位置合わせ余裕分だけ拡大することで容易に形成できる。このため、本実施例で使われるレジストパターンR157〜R160の形成に困難が生じることはない。
[第6実施例]
図24A〜24Fは、p型シリコン基板211上に形成された本発明の第6実施例による半導体集積回路装置の構成を示す図である。ただし図24AはpチャネルMOSトランジスタ構造に類似する負電圧昇圧キャパシタ210Aを、図26Bは低電圧nチャネルMOSトランジスタ210Bを、さらに図24Cは高電圧nチャネルMOSトランジスタ210Cを示しており、また図24DはnチャネルMOSトランジスタ構造に類似する正電圧昇圧キャパシタ210Dを、図24Eは低電圧pチャネルMOSトランジスタ210Eを、図24Fは高電圧pチャネルMOSトランジスタ210Fを、それぞれ示している。
図24Aを参照するに、前記p型シリコン基板211中にはn型ウェル211Nが形成されており、前記n型ウェル211N中には素子領域に対応してp型ウェル211Aが形成されている。
前記p型ウェル211A上にはシリコン酸化膜よりなるゲート絶縁膜212Aが形成されており、また前記ゲート絶縁膜212A上にはゲート電極213Aが形成されている。さらに前記p型ウェル211A中、前記ゲート電極213Aの両側にはp+型の拡散領域211aおよび211bが形成されている。また前記ポリシリコンゲート電極213Aはp+型にドープされている。
一方、前記p型基板211上には図24Bに示すように別のp型ウェル211Bが形成されており、前記p型ウェル211B上に前記低電圧nチャネルMOSトランジスタ210Bが形成されている。
すなわち前記p型ウェル211B上には前記ゲート絶縁膜212Aよりも薄いシリコン酸化膜よりなるゲート絶縁膜212Bを介してゲート長の短いポリシリコンゲート電極213Bが形成されており、前記ゲート電極213Bはn+型にドープされている。さらに前記p型ウェル211B中には前記ゲート電極213Bの両側に、n+型のソース領域211cおよびドレイン領域211dが形成されている。また前記p型ウェル211B中、前記ソース領域211cとドレイン領域211dとの間には、基板表面近傍に、閾値制御のため、p型のチャネルドープ領域211btが形成されている。
さらに前記n型シリコン基板211上にはn型ウェル211N中、図24Cに示すように別のp型ウェル211Cが形成されており、前記別のp型ウェル211C上に前記高電圧nチャネルMOSトランジスタ210Cが形成されている。
すなわち前記p型ウェル211C上には前記ゲート絶縁膜212Aと略同一膜厚のシリコン酸化膜よりなるゲート絶縁膜212Cが形成されており、前記ゲート絶縁膜212C上にはn+型にドープされたゲート長の大きなゲート電極213Cが形成されている。また前記p型ウェル211C中には、前記ゲート電極213Cの両側に、n+型のソース領域211eと211fとが形成されており、また前記p型ウェル中、前記ソース領域211eとドレイン領域211fとの間には、基板表面近傍にp−型の、すなわち前記チャネルドープ領域211btよりはp型不純物濃度の低いチャネルドープ領域211ctが、閾値制御のために形成されている。
さらに図24Aの昇圧キャパシタ210Aでは、前記p型ウェル211A中、前記ゲート電極213A直下の拡散領域211aと211bとの間に、前記シリコン基板211の表面に沿って、p型不純物注入領域211atが、前記チャネルドープ領域211btよりも高いp型不純物濃度で形成されている。
一方、このような半導体集積回路装置では、正の高電圧を発生させる必要もあり、このため前記シリコン基板211上には、図24Dに示すようにn型ウェル211Dが形成されており、前記n型ウェル211D上には、前記高電圧nチャネルMOSトランジスタ210Cのゲート絶縁膜212Cと略同一膜厚のシリコン酸化膜よりなるキャパシタ絶縁膜212Dと、n+型にドープされたポリシリコン電極213Dとを積層した正電圧昇圧キャパシタ210Dが形成されている。また前記n型ウェル211D中、前記ゲート電極213Dの両側にはn+型の拡散領域211gおよび211hが形成されている。
一方、前記p型シリコン基板211上には図24Eに示すように別のn型ウェル211Eが形成されており、前記n型ウェル211E上に前記低電圧pチャネルMOSトランジスタ210Eが形成されている。
すなわち前記n型ウェル211E上には図6Bのゲート絶縁膜212Bと実質的に同一膜厚の薄いシリコン酸化膜よりなるゲート絶縁膜212Eを介してゲート長の短いポリシリコンゲート電極213Eが形成されており、前記ゲート電極213Eはp+型にドープされている。さらに前記n型ウェル211E中には前記ゲート電極213Eの両側に、p+型のソース領域211iおよびドレイン領域211jが形成されている。また前記n型ウェル211E中、前記ソース領域211iと211jとの間には、基板表面近傍に、閾値制御のため、n型のチャネルドープ領域211etが形成されている。
さらに前記n型シリコン基板211上には図24Fに示すように別のn型ウェル211Eが形成されており、前記n型ウェル211E上には前記高電圧nチャネルMOSトランジスタ210Fが形成されている。
すなわち前記n型ウェル211F上には前記ゲート絶縁膜212Cと略同一膜厚のシリコン酸化膜よりなるゲート絶縁膜212Fが形成されており、前記ゲート絶縁膜212F上にはp+型にドープされたゲート長の大きなゲート電極213Fが形成されている。また前記p型ウェル211F中には、前記ゲート電極213Fの両側に、p+型のソース領域211kと211lとが形成されており、また前記n型ウェル211E中、前記ソース領域211kとドレイン領域211lとの間には、基板表面近傍にn−型の、すなわち前記チャネルドープ領域211etよりはp型不純物濃度の低いチャネルドープ領域211ftが、閾値制御のために形成されている。
さらに図24Dの昇圧キャパシタ210Dでは、前記n型ウェル211D中、拡散領域211gと211hとの間に、前記シリコン基板211の表面に沿って、n型不純物注入領域211dtが、前記チャネルドープ領域211etよりも高い不純物濃度で形成されている。
図25は、図24Aの負電圧昇圧キャパシタ10Aの容量−電圧特性を示す。ただし図25中には、先の図12の結果を、比較のため示している。
図25を参照するに、図24Aの負電圧昇圧キャパシタ210Aにおいてp+型ゲート電極213A直下のp型チャネルドープ領域210atの不純物濃度を、図24Bに示す低電圧nチャネルMOSトランジスタにおけるp型チャネルドープ領域の不純物濃度と同程度もしくはより大とすることにより、特にゲート電圧の大きさが小さい動作領域における容量の減少が改善され、例えば1.2V程度の低い電圧でも効率的な昇圧を行い、大きな負電圧を発生させることが可能になる。
図26は、図24Dの正電圧昇圧キャパシタ210Dの容量−電圧特性を示す。ただし図26中には先の図11の結果を、比較のため示している。
図26を参照するに、この場合にも図24Dの正電圧昇圧キャパシタ210Dにおいてn+型ゲート電極213D直下のn型チャネルドープ領域210dtの不純物濃度を、図24Eに示す低電圧pチャネルMOSトランジスタにおけるn型チャネルドープ領域の不純物濃度と同程度もしくはより大とすることにより、特にゲート電圧の大きさが小さい動作領域における容量の低減が改善され、例えば1.2V程度の低い電源電圧でも効率的な昇圧を行い、大きな正電圧を発生させることが可能になる。
[第7実施例]
図27は、本発明の第7実施例による半導体集積回路装置240の構成を示す。
図27を参照するに、半導体集積回路装置240はp型シリコン基板241上に形成されており、前記シリコン基板241上には積層型フラッシュメモリ素子(Flash Cell)が形成される素子領域241Aと、高電圧低閾値nチャネルMOSトランジスタが形成される素子領域241B(HV−N/LowVt)と、高電圧高閾値nチャネルMOSトランジスタ(HV−N/HighVt)が形成される素子領域241Cと、pウェル型昇圧キャパシタ(P−Pump/cap)が形成される素子領域241Eと、高電圧低閾値pチャネルMOSトランジスタが形成される素子領域241E(HV−P/LowVt)と、高電圧高閾値pチャネルMOSトランジスタ(HV−P/HighVt)が形成される素子領域241Fと、nウェル型昇圧キャパシタ(N−Pump/cap)が形成される素子領域241Eと、中電圧nチャネルMOSトランジスタ(2.5−N)が形成される素子領域241Hと、中電圧pチャネルMOSトランジスタ(2.5−P)が形成される素子領域241Iと、低電圧nチャネルMOSトランジスタ(1.2−N)が形成される素子領域241Jと、低電圧pチャネルMOSトランジスタ(1.2−P)が形成される素子領域241Kとが画成されている。
さらに前記シリコン基板241上には、前記メモリ素子と高電圧低閾値nチャネルMOSトランジスタと高電圧高閾値nチャネルMOSトランジスタとpウェルル型昇圧キャパシタと高電圧低閾値pチャネルMOSトランジスタと高電圧高閾値pチャネルMOSトランジスタとnウェル型昇圧キャパシタと、中電圧nチャネルMOSトランジスタと中電圧pチャネルMOSトランジスタと低電圧nチャネルMOSトランジスタと低電圧pチャネルMOSトランジスタとを覆うようにビアプラグを含む絶縁膜251が形成され、さらに前記絶縁膜251上には多層配線構造254が形成されている。
ここで前記高電圧高閾値nチャネルMOSトランジスタ、高電圧低閾値nチャネルMOSトランジスタ、高電圧高閾値pチャネルMOSトランジスタおよび高電圧低閾値pチャネルMOSトランジスタは前記積層型フラッシュメモリ素子を駆動する制御回路を構成し、一方前記低電圧pチャネルおよびnチャネルMOSトランジスタは前記シリコン基板241上に前記積層型フラッシュメモリ素子と共に集積化される1.2V以下の低電圧で駆動されるCMOSなどの高速論理素子を示す。
さらに前記中電圧nチャネルおよびpチャネルMOSトランジスタは、例えば2.5Vの電圧で駆動され、入出力回路などを構成する。
なお、実際の半導体集積回路装置240では前記低電圧論理素子は低電圧高閾値nチャネルMOSトランジスタと低電圧低閾値nチャネルMOSトランジスタと低電圧高閾値pチャネルMOSトランジスタと低電圧低閾値pチャネルMOSトランジスタとより構成される場合が多いが、以下では、簡単のため、このような構成は省略して説明する。
以下、図27の半導体集積回路装置240の製造工程を、図28A〜28Zを参照しながら説明する。
図28Aを参照するに、前記シリコン基板241上にSTI型の素子分離膜241Sが形成され、これにより前記素子領域241A〜241Kが画成されている。また図示は省略するが、図28Aの工程では前記シリコン基板241の表面が酸化され、10nm程度の膜厚のシリコン酸化膜が形成されている。
次に図28Bの工程において図28Aの構造上に素子領域241A〜241Dを露出するレジストパターンR241を形成し、さらに前記レジストパターンR241をマスクにP+を、前記素子分離絶縁膜241Sの下端よりも深い深さ位置241bに、2MeVの加速電圧下、2×1013cm−2のドーズ量でイオン注入し、n型埋め込み不純物領域を形成する。
さらに図28Bの工程では、前記レジストパターンR241をマスクにB+を深さ位置241pwに、400keVの加速電圧下、1.5×1013cm−2のドーズ量でイオン注入し、p型ウェルを形成する。さらに図28Bの工程では、前記レジストパターンR261をマスクにB+を深さ位置41pcに、100keVの加速電圧下、2×1012cm−2のドーズ量でイオン注入する。これにより、前記深さ位置241pcにp型のチャネルストッパ領域が形成される。ただし前記深さ位置241b,241pwおよび41pcは相対的なイオン注入深さを表し、深さ位置241pwは前記素子分離絶縁膜241Sよりも深く、深さ位置241bよりも浅い。また前記深さ位置241pcは前記深さ位置241pwよりも浅く、前記素子分離絶縁膜241Sの下端に略対応している。前記深さ位置241pcにp型不純物元素を導入することにより、パンチスルー耐性が向上すると同時に、形成されるトランジスタの閾値特性を制御することができる。
次に図28Cの工程で前記メモリセル領域241Aを露出するレジストパターンR242を形成し、B+を40keVの加速電圧下、6×1013cm−2のドーズ量で、前記基板表面近傍の浅い深さ位置241ptにイオン注入し、前記素子領域241Aに形成されるメモリセルトランジスタの閾値制御を行う。
さらに図28Dの工程で前記レジストパターンR242を除去し、前記シリコン基板241の表面に形成されていたシリコン酸化膜をHF水溶液中で除去した後、900〜1050℃の温度で30分間熱酸化処理を行い、フラッシュメモリ素子のトンネル絶縁膜となるシリコン酸化膜242を約10nmの膜厚に形成する。
なおこのトンネル絶縁膜242の形成工程において、先に素子領域241A〜241Cに導入されたp型不純物元素は0.1〜0.2μm程度の距離まで拡散する。
次に図28Eの工程において図28Dの構造上にポリシリコン膜をCVD法により堆積し、さらにこれをパターニングして前記素子領域241A上に前記フローティングゲート電極243を形成する。さらに前記フローティングゲート電極243の形成の後、前記シリコン酸化膜242上にCVD法により酸化膜と窒化膜とをそれぞれ5nmおよび10nmの厚さに堆積し、さらにこれを950℃のウェット雰囲気中で酸化することにより、ONO構造を有する誘電体膜244を、前記積層型フラッシュメモリ素子の電極間絶縁膜として形成する。
この図28Fの工程では、前記ONO膜244の形成の際における熱処理に伴い、先に素子領域241A〜241Cに導入されたp型不純物元素は、さらに0.1〜0.2μmの距離を拡散する。
次に図28Fの工程において、図28Eの構造上に前記素子領域241C〜241Dおよび241H,241Jを露出する新たなレジストパターンR243が形成され、さらに前記レジストパターンR243をマスクにB+をまず400keVの加速電圧下、1.5×1013cm−2のドーズ量で、次いで100keVの加速電圧下、8×1012cm−2のドーズ量でイオン注入し、前記素子領域241Fおよび241H〜241I中、前記素子分離絶縁膜241Sの深さよりも深い位置241pwおよび前記素子分離絶縁膜241Sの下端に略等しい深さ位置241pcに、p型ウェルおよびp型チャネルストッパ領域となるp型不純物領域がそれぞれ形成される。また先にp型不純物を導入されている前記素子領域241Cにおいてはp型ウェルの不純物濃度が増加し、前記素子領域241Cに形成される高電圧高閾値nチャネルMOSトランジスタの閾値制御がなされると同時に、前記素子領域241Dにおいてpウェル型昇圧キャパシタの閾値制御がなされる。このようにして図28EのONO膜形成工程以降にイオン注入により形成された不純物領域は活性化熱処理以外の熱処理を受けないため、急峻な不純物濃度分布を有し、このようにして形成されるp型ウェル直下を通って隣接する素子領域のソース/ドレイン間において生じるパンチスルーを効果的に抑制する。
次に図28Gの工程において前記ONO膜244上に、前記素子領域241D〜241G,241Iおよび241Kを露出するように新たなレジストパターンR244が形成され、さらに前記レジストパターンR244をマスクにP+を前記シリコン基板241中に、600keVの加速電圧下、1.5×1013cm−3のドーズ量で、ついで240keVの加速電圧下、3×1012cm−3のドーズ量でイオン注入し、これにより、前記素子領域241E〜241G,さらに素子領域241I,241Kにおいて前記素子分離絶縁膜241Sよりも深い深さ位置241nwにn型ウェルを、また前記素子分離絶縁膜241Sの下端に略対応する深さ位置241ncにn型チャネルストッパ領域を形成する。
次に図28Hの工程において、前記ONO膜244上に前記素子領域241Fと241G,241Iと241Kを露出するレジストパターンR245を形成し、前記レジストパターンR245をマスクに、P+を240keVの加速電圧下、6.5×1012cm−2のドーズ量で、前記素子領域241F〜241G,241Iおよび241K中、前記素子分離絶縁膜241Sの下端に対応した深さ位置241ncにイオン注入し、前記素子領域241F〜241G,241Iおよび241Kに形成されるn型チャネルストッパ領域の不純物濃度を増加させる。これにより、特に素子領域241Fに形成される高電圧高閾値pチャネルMOSトランジスタの閾値制御がなされると同時に、前記素子領域241Gに形成されるnウェル型昇圧キャパシタの不純物濃度が増加される。
次に図28Iの工程において、前記ONO膜244上に前記素子領域241Dおよび241Hを露出するレジストパターンR246を形成し、前記レジストパターンR246をマスクにB+を30keVの加速電圧下、5×1012cm−2のドーズ量で、前記素子領域241Dおよび241H中、基板表面近傍の浅い深さ位置241ptにイオン注入し、前記素子領域241Hに形成される中電圧nチャネルMOSトランジスタの閾値を制御すると同時に、前記素子領域241Dに形成されるpウェル型キャパシタの不純物濃度を増加させる。
さらに図28Jの工程において、前記ONO膜244上に前記素子領域241Gおよび241Iを露出するレジストパターンR247を形成し、前記レジストパターンR247をマスクにAsを150keVの加速電圧下、3×1012cm−2のドーズ量で、前記素子領域241Gおよび241I中、基板表面近傍の浅い深さ位置241ntにイオン注入し、前記素子領域241Iに形成される中電圧pチャネルMOSトランジスタの閾値制御を行うと同時に、前記素子領域241Gに形成されるnウェル型昇圧キャパシタンスの不純物濃度を増加させる。
さらに図28Kの工程において、前記素子領域241Dおよび241Jを露出するレジストパターンR248を前記ONO膜244上に形成し、さらに前記レジストパターンR248をマスクに前記素子領域241Dおよび241J中、基板表面近傍の浅い深さ位置241ptにB+を10keVの加速電圧下、5×1012cm−2のドーズ量でイオン注入し、前記素子領域241Dに形成されるpウェル型昇圧キャパシタンスの不純物濃度を増加させると同時に、前記素子領域241Jに形成される低電圧nチャネルMOSトランジスタの閾値制御を行う。
次に図28Lの工程において、前記素子領域241Gおよび241Kを露出するレジストパターンR249を前記ONO膜244上に形成し、さらに前記レジストパターンR249をマスクに前記素子領域241Gおよび241K中、基板表面近傍の浅い深さ位置241ntにAs+を100keVの加速電圧下、5×1012cm−2のドーズ量でイオン注入し、前記素子領域241Gに形成されるnウェル型昇圧キャパシタンスの不純物濃度を増加させると同時に、前記素子領域241Kに形成される低電圧pチャネルMOSトランジスタの閾値制御を行う。
次に図28Mの工程において、前記ONO膜244およびその下のシリコン酸化膜242がレジストパターンR250をマスクにパターニングされ、前記素子領域241B〜241Kにわたり、前記シリコン基板241の表面が露出される。
さらに図28Nの工程において前記レジストパターンR250が除去され、850℃で熱酸化処理を行うことにより、前記高電圧MOSトランジスタのゲート絶縁膜となるシリコン酸化膜246を13nmの厚さに形成する。図28Nの工程では、さらに前記シリコン酸化膜246上に素子領域241H〜241Kを露出するレジストパターンR251が形成され、前記レジストパターンR251をマスクに前記シリコン酸化膜246をパターニングすることにより、前記素子領域241H〜241Kにわたり、前記シリコン基板表面を再び露出する。
さらに図28Oの工程において前記レジストパターンR251が除去され、熱酸化処理により、前記中電圧MOSトランジスタのゲート絶縁膜となるシリコン酸化膜248を4.5nmの厚さに形成する。図28Oの工程では、さらに前記シリコン酸化膜248上に素子領域241J〜241Kを露出するレジストパターンR252が形成され、前記レジストパターンR252をマスクに前記シリコン酸化膜248をパターニングすることにより、前記素子領域241J〜241Kにおいて前記シリコン基板の表面が再び露出される。
さらに図28Pの工程において前記レジストパターンR252が除去され、熱酸化処理を行うことにより、前記低電圧MOSトランジスタのゲート絶縁膜となるシリコン酸化膜250が、2.2nmの厚さに形成される。
なお図28Pまでの工程で熱酸化処理が繰り返し行われるため、図210Pの状態では前記ゲート絶縁膜242は16nm,ゲート絶縁膜246は5nmの膜厚まで成長している。
次に図28Qの工程において図28Pの構造上にポリシリコン膜245をCVD法により180nmの厚さに堆積し、さらにその上にSiN膜(図示せず)をプラズマCVD法により、反射防止膜および同時にエッチングストッパ膜として30nmの厚さに堆積する。さらに図28Qの工程では前記ポリシリコン膜245およびONO膜244、さらにポリシリコン膜243をレジストプロセスによりパターニングすることにより、前記フラッシュメモリ素子領域241Aにおいて前記電極間絶縁膜244上にコントロールゲート電極245Aを積層した構成の積層ゲート電極構造247Aが形成される。図28Qの工程では、さらに前記積層ゲート電極構造247Aの側壁面上に、熱酸化の後、前記積層ゲート電極構造247Aをマスクに前記素子領域241A中にAs+をイオン注入し、前記積層ゲート電極247Aの両側にソース領域241Asとドレイン領域241Adとを形成する。次いで熱CVD法にてSiN膜を100nmの厚さに成長し、さらに前面をエッチバックすることにより前記ポリシリコン膜245上のSiN膜を除去すると同時に、前記積層ゲート電極構造247Aの側壁面にSiN側壁絶縁膜を形成する。
次に図28Rの工程で前記素子領域241B〜241Kにおいてポリシリコン膜245がパターニングされ、ゲート電極247B〜247Kが、素子領域241B〜241Kにそれぞれ対応して形成される。
次に図28Sの工程において図28Rの構造上に前記高電圧nチャネルMOSトランジスタの素子領域241Bおよび241Cを露出するレジストパターンR253を基板241上に形成し、前記レジストパターンR253およびゲート電極247B,247CをマスクにP+を35keVの加速電圧下、3×1013cm−2のドーズ量でイオン注入し、前記素子領域241B中、前記ゲート電極247Bの両側に、n型ソース領域241Bsとn型ドレイン領域241Bdを、前記素子領域241C中、前記ゲート電極247Cの両側にn型ソース領域241Csとn型ドレイン領域241Cdとを形成する。
次に図28Tの工程で図28SのレジストパターンR253が除去され、前記高電圧pチャネルMOSトランジスタの素子領域241Eおよび241Fを露出するレジストパターンR254が基板241上に形成される。さらに前記レジストパターンR253およびゲート電極247E,247FをマスクにBF+を65keVの加速電圧下、3×1012cm−2のドーズ量でイオン注入し、前記素子領域241E中、ゲート電極247Eの両側にn型のソース領域241Esおよび241Edが、また前記素子領域241F中、ゲート電極247Fの両側にp型ソース領域247Fsおよびp型ドレイン領域247Fdが形成される。
さらに図28Uの工程で図28TのレジストパターンR254は除去され、新たに前記素子領域241Gおよび241Hを露出するレジストパターンR255が基板241上に形成される。さらに前記レジストパターンR255および前記ゲート電極247G,247Hをマスクに最初にAs+を10keVの加速電圧下、2.0×1013cm−3のドーズ量で、次にP+を10keVの加速電圧下、3.0×1013cm−2のドーズ量でイオン注入を行い、前記素子領域241Gにおいて前記ゲート電極247Gの両側にn型ソース領域241Gsおよびn型ドレイン領域241Gdを、また前記素子領域241Hにおいて前記ゲート電極247Hの両側にn型ソース領域241Hsおよびn型ドレイン領域241Hdを形成する。
さらに図28Vの工程で図28UのレジストパターンR255は除去され、新たに前記素子領域241Dと241Iを露出するレジストパターンR256が前記基板241上に形成される。さらに前記レジストパターンR256および前記ゲート電極247D,247IをマスクにBF+を10keVの加速電圧下、7.0×1013cm−3のドーズ量でイオン注入し、前記素子領域241Dにおいて前記ゲート電極247Dの両側にp型ソース領域241Dsおよびp型ドレイン領域241Ddが、また前記素子領域241Iにおいて前記ゲート電極247Iの両側にp型ソース領域241Isおよびp型ドレイン領域241Idが形成される。
次に図28Wの工程で前記レジストパターンR256は除去され、素子領域241Jを露出するレジストパターンR257が基板241上に形成される。さらに前記レジストパターンR257およびゲート電極247Jをマスクに、最初にAs+を3keVの加速電圧下、1.1×1015cm−2のドーズ量でイオン注入し、次にBF+を35keVの加速電圧下、9×1012cm−2のドーズ量で4回、28°の角度で斜めにイオン注入し、前記素子領域241Jにおいては前記ゲート電極247Jの両側に、p型ポケット領域を伴うn型LDD領域241Jsおよび241Jdを形成する。
さらに図28Xの工程で前記レジストパターンR257は除去され、素子領域241Kを露出するレジストパターンR258が基板241上に形成され、前記レジストパターンR258およびゲート電極247Kをマスクに、最初にB+を0.5keVの加速電圧下、3.6×1013cm−2のドーズ量でイオン注入し、さらにAs+を80keVの加速電圧下、6.5×1012cm−2のドーズ量でイオン注入し、前記素子領域241Kにおいて前記ゲート電極247Kの両側にn型ポケット領域を伴うp型LDD領域241Ksおよび241Kdを形成する。
さらに図28Yの工程において図28XのレジストパターンR258は除去され、さらに前記基板241上に前記積層ゲート電極構造247Aおよびゲート電極247A〜247Kを覆うように酸化膜が一様に100nmの厚さに堆積され、さらにこれをRIE法により基板241の表面が露出するまでエッチバックすることにより、前記積層ゲート電極構造247Aおよび各々のゲート電極247B〜247Kの側壁面に側壁酸化膜を形成する。
さらに図28Yに示すように前記基板241上に前記素子領域241A〜241Cおよび素子領域241G〜241H、さらに素子領域247Jおよび247Kを露出するようにレジストパターンR259を形成し、さらに前記レジストパターンR259および積層ゲート電極構造247A、ゲート電極247Bおよび247C、ゲート電極247G〜247H,および247J、およびこれらの側壁酸化膜をマスクに、P+を10keVの加速電圧下、6.0×1015cm−2のドーズ量でイオン注入し、それぞれの素子領域241A〜241C,241G〜241Hおよび241Jにおいてn+型のソース領域およびドレイン領域(図示せず)を形成する。
さらに図28Zの工程において、前記基板241上に前記素子領域241D〜241F、さらに素子領域247Iおよび247Kを露出するようにレジストパターンR258を形成し、さらに前記レジストパターンR258およびゲート電極247D〜247F、247Iおよび247K、およびこれらの側壁酸化膜をマスクに、B+を5keVの加速電圧下、4.0×1015cm−2のドーズ量でイオン注入し、それぞれの素子領域241D〜241F,241Iおよび241Kにおいてp+型のソース領域およびドレイン領域(図示せず)を形成する。
さらに図29に示すように前記レジスト膜R258を除去し、周知の方法によりゲート電極247A〜247Kの露出表面およびソース領域、ドレイン領域の露出表面にシリサイド層(図示せず)を形成し、さらに前記基板241上に前記絶縁膜251を堆積し、前記絶縁膜251中にコンタクトホールを形成し、さらに前記コンタクトホールを介して各素子領域241A〜241Kのソース領域およびドレイン領域にコンタクトするように、前記絶縁膜251上に配線パターン253を形成する。さらに前記絶縁膜251上に多層配線構造254を形成し、前記多層配線構造上にパッド電極255を形成し、全体をパッシベーション膜256で覆い、必要に応じてパッシベーション膜256にコンタクト開口部256Aを形成することにより、素子領域241Dおよび241Gに正電圧および負電圧を発生させる昇圧キャパシタを有する集積回路装置240が完成する。
このようにして形成された昇圧キャパシタでは、ゲート電極直下の基板表面に繰り返しイオン注入が行われるため、例えば素子領域241Dにおいてゲート電極247D直下の基板表面に形成されるp型領域は非常に高い不純物濃度を有しており、このため素子領域241Dに形成される昇圧キャパシタは1.2Vあるいは1.0V程度の非常に低い駆動電圧でも大きなキャパシタンスを示す。同様に素子領域241Gにおいてゲート電極247G直下の基板表面に形成されるn型領域も非常に高い不純物濃度を有しており、このため素子領域241Gに形成される昇圧キャパシタは1.2Vあるいは1.0V程度の非常に低い電圧でも大きなキャパシタンスを示す。
先に図28A〜28Zで説明した工程では、このような低電圧でも効率的に動作する昇圧キャパシタをフラッシュメモリ素子および他の低電圧高速素子と共に同一の半導体基板上に集積化することができる。またその際、昇圧キャパシタの形成はは他のトランジスタの形成と同時に実行されるため、製造工程増加の問題も生じない。
以上、本発明を好ましい実施例について説明したが、本発明は上記の特定の実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した本発明の要旨内において様々な変形や変更が可能である。
【産業上の利用可能性】
本発明によれば、基板上に複数の、種類の異なるトランジスタを有する半導体集積回路装置の製造の際に、マスク工程の数およびイオン注入工程の数を低減できる。またその際、本発明では隣接して形成される導電型の異なる一対のウェルのうち、少なくとも一方のウェルにおける不純物濃度分布を、メモリセルトランジスタが形成されるウェルにおける不純物濃度分布よりも鋭いプロファイルを有するように形成できるため、半導体集積回路装置のパンチスルー耐性が劣化することがない。また、本発明によれば、レジスト膜によるシリコン基板の汚染が回避され、またシリコン基板上における凹凸形成の問題が回避される。
また本発明によれば、前記第2の素子分離絶縁膜上に形成される導体パターンが、不純物濃度の低いポリシリコン層とその上に形成された金属シリサイド層とより構成されているため、前記金属シリサイド層に電圧が印加された場合には前記ポリシリコン層中において空乏化が生じ、このため前記第2の素子分離構造を構成する第2の素子分離絶縁膜の厚さが小さくても、前記素子分離絶縁膜直下にチャネルを有する寄生フィールドトランジスタの導通が抑制される。一方、前記導体パターンでは不純物濃度の低い、あるいは不純物元素をドープしない高抵抗のポリシリコン膜が使われるが、その表面に低抵抗金属シリサイド層が形成されているため、導体パターンの抵抗が増大する問題は生じない。
さらに本発明によれば、昇圧キャパシタが形成される素子領域中、ゲート電極の両側に形成された第1導電型の一対の拡散領域の間に、前記基板表面に沿って前記第1導電型の不純物注入領域を形成することにより、前記昇圧キャパシタの容量−電圧特性を変化させ、特に蓄積領域において低電圧においても大きなキャパシタンスを得ることが可能になる。これにより、1.2Vあるいはそれ以下の非常に低い電圧で駆動される高速論理素子を含む半導体集積回路装置においても、供給される低電圧から所望の高電圧を、効率的に形成することが可能になる。本発明の昇圧キャパシタは、他のMOSトランジスタの形成工程において、余分な工程を追加することなく形成することが可能である。
















【図6】

【図7】

【図8】



【図11】

【図12】







【図14】

【図15】
































【図19】

【図20】






【図22】


















【図25】

【図26】

【図27】















【図29】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板と、
前記基板上に形成されたメモリセルウェルと、
前記メモリセルウェル上に形成された不揮発性半導体メモリ素子と、
前記基板上に形成された第1のウェルと、
前記第1のウェル上に形成された第1の膜厚のゲート絶縁膜を有する第1のトランジスタと、
前記基板上に形成された第2のウェルと、
前記第2のウェル上に形成された、前記第1の膜厚のゲート絶縁膜を有し、前記第1のトランジスタに対して逆のチャネル導電型を有する第2のトランジスタと、
前記基板上に形成された第3のウェルと、
前記第3のウェル上に形成された、前記第1の膜厚よりも小さい第2の膜厚のゲート絶縁膜を有する第3のトランジスタと、
前記基板上に形成された第4のウェルと、
前記第4のウェル上に形成された、前記第2の膜厚のゲート絶縁膜を有し、前記第3のトランジスタに対して逆のチャネル導電型を有する第4のトランジスタとを含み、
前記第1および第2のウェルの少なくとも一方、および前記第3および第4のウェルの少なくとも一方は、前記メモリセルウェルの不純物濃度分布プロファイルよりも急峻な不純物濃度分布プロファイルを有することを特徴とする半導体集積回路装置。
【請求項2】
前記不揮発性メモリ素子は、前記メモリセルウェル上に形成されたトンネル絶縁膜と、前記トンネル絶縁膜上に形成されたフローティングゲート電極と、前記フローティングゲート電極上に形成されたコントロールゲート電極と、前記フローティングゲート電極と前記コントロールゲート電極との間に介在する電極か絶縁膜とよりなるフラッシュメモリであることを特徴とする請求項1記載の半導体集積回路装置。
【請求項3】
前記メモリセルウェルは第1の導電型を有し、前記第1および第3のウェルは前記第1導電型を有し、前記第2および第4のウェルは第2導電型を有することを特徴とする請求項1記載の半導体集積回路装置。
【請求項4】
前記シリコン基板中、前記メモリセルウェルの下には第2導電型の埋め込み不純物領域が形成されていることを特徴とする請求項1記載の半導体集積回路装置。
【請求項5】
前記第1のウェルと第2のウェルとは隣接して形成され、前記第3のウェルと第4のウェルとは隣接して形成されることを特徴とする請求項3記載の半導体集積回路装置。
【請求項6】
前記第1のウェルと前記第3のウェルとは、前記メモリセルウェルと実質的に同一の不純物濃度分布プロファイルを有することを特徴とする請求項5記載の半導体集積回路装置。
【請求項7】
前記第2のウェルと前記第4のウェルとは実質的に同一の不純物濃度プロファイルを有することを特徴とする請求項5記載の半導体集積回路装置。
【請求項8】
前記第3のウェル中には、前記シリコン基板表面領域に沿って、前記第1導電型の第1のチャネルドープ領域が、前記第1のウェルの基板表面領域よりも高い濃度で形成されており、前記第4のウェル中には、前記シリコン基板表面領域に沿って、前記第2導電型の第2のチャネルドープ領域が、前記第2のウェルの基板表面領域よりも高い濃度で形成されていることを特徴とする請求項5記載の半導体集積回路装置。
【請求項9】
前記シリコン基板中には、前記第1のウェルに隣接して前記第1導電型を有する第5のウェルが形成され、前記第2のウェルに隣接して前記第2導電型を有する第6のウェルが形成され、前記第1のウェルと第5のウェルのいずれか一方が前記第2のウェルと第6のウェルのいずれか一方に隣接し、
前記シリコン基板中には、前記第3のウェルに隣接して前記第1導電型を有する第7のウェルが形成され、前記第4のウェルに隣接して前記第2導電型を有する第8のウェルが形成され、
前記第2〜第4のウェルおよび第6〜第8のウェルは、前記第メモリセルウェル、第1のウェルおよび第5のウェルのいずれよりも急峻な濃度分布プロファイルを有することを特徴とする請求項3記載の半導体集積回路装置。
【請求項10】
前記第6のウェルと第8のウェルとは、実質的に同一の不純物濃度分布プロファイルを有することを特徴とする請求項9記載の半導体集積回路装置。
【請求項11】
前記第5のウェル上には、前記第1の膜厚のゲート絶縁膜を有する第5のトランジスタが形成され、前記第6のウェル上には、前記第1の膜厚のゲート絶縁膜を有する第6のトランジスタが形成され、前記第7のウェル上には、前記第2の膜厚のゲート絶縁膜を有する第7のトランジスタが形成され、前記第8のウェル上には、前記第2の膜厚のゲート絶縁膜を有する第8のトランジスタが形成されていることを特徴とする請求項9記載の半導体集積回路装置。
【請求項12】
前記第5のウェルは前記第1導電型の不純物元素を、前記第1のウェルよりも高い濃度で含み、前記第6のウェルは、前記第2導電型の不純物元素を前記第2のウェルよりも高い濃度で含み、前記第3のウェルは、基板表面領域に沿って前記第1導電型の第1のチャネルドープ領域を、前記第7のウェルの基板表面領域よりも高い濃度で含み、前記第4のウェルは、基板表面領域に沿って前記第2導電型の第2のチャネルドープ領域を、前記第8のウェルの基板表面領域よりも高い濃度で含むことを特徴とする請求項9記載の半導体集積回路装置。
【請求項13】
さらに前記シリコン基板上には、前記第1導電型の第9のウェルと第2導電型の第10のウェルとが形成され、前記第9および第10のウェルは、前記第1のウェルよりも急峻な不純物濃度分布プロファイルを有することを特徴とする請求項9記載の半導体集積回路装置。
【請求項14】
前記第9のウェル上には、前記第1の動作電圧と前記第2の動作電圧の中間の、第3の動作電圧で動作する第9のトランジスタが形成され、前記第10のウェル上には、前記第3の動作電圧で動作する第10のトランジスタが形成されることを特徴とする請求項9記載の半導体集積回路装置。
【請求項15】
前記シリコン基板中には、前記第1のウェルに隣接して前記第1導電型を有する第5のウェルが形成され、前記第2のウェルに隣接して前記第2導電型を有する第6のウェルが形成され、前記第1および第5のウェルのいずれか一方が前記第2および第6のウェルのいずれか一方に隣接し、
前記シリコン基板中には、前記第3のウェルに隣接して前記第1導電型を有する第7のウェルが形成され、前記第4のウェルに隣接して前記第2導電型を有する第8のウェルが形成され、前記ダイオード3および第7のウェルのいずれか一方が前記第4および第8のウェルのいずれか一方に隣接し、
前記第2および第6のウェル、および前記第4および第8のウェルは、前記メモリセルウェル、前記第1および第5のウェル、および前記第3および第7のウェルのいずれよりも急峻な不純物濃度分布プロファイルを有することを特徴とする請求項3記載の半導体集積回路装置。
【請求項16】
前記第5のウェルは前記第7のウェルと実質的に同一の不純物濃度分布プロファイルを有し、前記第6のウェルと第8のウェルとは実質的に同一の不純物濃度分布プロファイルを有することを特徴とする請求項15記載の半導体集積回路装置。
【請求項17】
前記第5のウェル上には、前記第1の膜厚のゲート絶縁膜を有する第5のトランジスタが形成され、前記第6のウェル上には、前記第1の膜厚のゲート絶縁膜を有する第6のトランジスタが形成され、前記第7のウェル上には、前記第2の膜厚のゲート絶縁膜を有する第7のトランジスタが形成され、前記第8のウェル上には、前記第2の膜厚のゲート絶縁膜を有する第8のトランジスタが形成されていることを特徴とする請求項15記載の半導体集積回路装置。
【請求項18】
前記第5および第7のウェルは前記第1導電型の不純物元素を、前記第1のウェルよりも高い濃度で含み、前記第6および第8のウェルは、前記第2導電型の不純物元素を前記第2のウェルよりも高い濃度で含み、前記第3のウェルは、基板表面領域に沿って前記第1導電型の第1のチャネルドープ領域を、前記第7のウェルの基板表面領域よりも高い濃度で含み、前記第4のウェルは、基板表面領域に沿って前記第2導電型の第2のチャネルドープ領域を、前記第8のウェルの基板表面領域よりも高い濃度で含むことを特徴とする請求項15記載の半導体集積回路装置。
【請求項19】
さらに前記シリコン基板上には、前記第1導電型の第9のウェルと第2導電型の第10のウェルとが形成され、前記第10のウェルは、前記第1および第5のウェル、および第3および第7のウェルのいずれよりも急峻な不純物濃度分布プロファイルを有し、前記第9のウェルは前記第3のウェルと実質的に同一の不純物濃度分布プロファイルを有することを特徴とする請求項18記載の半導体集積回路装置。
【請求項20】
前記第9のウェル上には、前記第1の膜厚と前記第2の膜厚の中間の、第3の膜厚のゲート絶縁膜を有する第9のトランジスタが形成され、前記第10のウェル上には、前記第3の膜厚を有し前記第9のトランジスタに対して逆の導電型チャネルを有する第10のトランジスタが形成されることを特徴とする請求項19記載の半導体集積回路装置。
【請求項21】
前記メモリセルウェルは第1の導電型を有し、前記第1および第3のウェルは前記第1導電型を有し、前記第2および第4のウェルは第2導電型を有し、前記第1および第2のウェルは隣接して形成され、前記第1および第3のウェルは前記メモリセルウェル、前記第2のウェルおよび第4のウェルのいずれよりも急峻な不純物濃度分布プロファイルを有することを特徴とする、請求項3記載の半導体集積回路装置。
【請求項22】
さらに前記シリコン基板中に、前記第1導電型を有する第5のウェルと前記第2導電型を有する第6のウェルとを含み、前記第5および第6のウェルはいずれも、前記第1および第3のウェルのいずれよりも緩やかな不純物濃度分布プロファイルを有し、前記第5のウェル上には、前記第1の厚さよりも大きな第3の厚さのゲート絶縁膜を有する第5のトランジスタが、また前記第6のウェル上には、前記第3の厚さのゲート絶縁膜を有する第6のトランジスタが形成されていることを特徴とする請求項21記載の半導体集積回路装置。
【請求項23】
さらに前記シリコン基板中に、前記第3のウェルに隣接して、前記第1導電型を有する第7のウェルが形成され、前記第4のウェルに隣接して、前記第2導電型を有する第8のウェルが形成され、前記第3および第7のウェルの一方は、前記第4および第8のウェルの一方に隣接し、前記第7のウェルは、前記メモリセルウェルよりも急峻な不純物濃度分布プロファイルを有し、前記第8のウェルは前記第1,第3および第7のウェルのいずれよりも緩やかな不純物濃度分布プロファイルを有し、前記第7のウェル上には、前記第2の厚さのゲート絶縁膜を有し前記第3のウェル上に形成されるのと同じ導電型チャネルを有する第7のトランジスタが形成され、前記第8のウェル上には、前記第2の厚さのゲート絶縁膜を有し前記第3のウェル上に形成されるのと同じ導電型チャネルを有する第8のトランジスタが形成されており、前記第3のウェルでは、前記シリコン基板表面の近傍領域において前記第1導電型不純物の濃度が、前記第7のウェルのシリコン基板表面近傍領域よりも増大されており、前記第4のウェルでは、前記シリコン基板表面の近傍領域において前記第2導電型不純物の濃度が、前記第8のウェルのシリコン基板表面近傍領域よりも増大されていることを特徴とする請求項22記載の半導体集積回路装置。
【請求項24】
さらに前記シリコン基板中には、前記第5のウェルに隣接して前記第1導電型の第9のウェルが形成され、前記6のウェルに隣接した前記第2導電型の第10のウェルが形成され、前記第5および第9のウェルの一方は、前記第6および第10のウェルの一方に隣接し、前記第9および第10のウェルは、前記第1のウェルよりも緩やかな不純物濃度分布プロファイルを有し、前記第9のウェル上には、前記第3の厚さのゲート絶縁膜を有する第9のトランジスタが形成され、前記第10のウェル上には、前記第3の厚さのゲート絶縁膜を有し、前記第0のトランジスタとは逆導電型チャネルを有する第10のトランジスタが形成されることを特徴とする請求項23記載の半導体集積回路装置。
【請求項25】
フラッシュメモリ素子と論理素子とを半導体基板上に有する半導体集積回路装置の製造方法であって、
前記半導体基板上に、前記フラッシュメモリ素子に対応して第1の素子領域を、また前記論理素子に対応して第2および第3の素子領域を画成する工程と、
前記半導体基板中、前記第1の素子領域に第1のウェルを形成する工程と、
前記第1のウェル上に第1のゲート絶縁膜を、前記フラッシュメモリ素子のトンネル絶縁膜として成長する工程と、
前記第1のゲート絶縁膜上に第1の導電体膜を成長する工程と、
前記第1の導電体膜をパターニングし、前記第1の導電膜を前記第1の領域に、フローティングゲート電極として残し、前記第2および第3の領域から除去する工程と、
前記第1の導電体膜上に誘電体膜を成長する工程と、
前記誘電体膜を成長した後、前記半導体基板中、前記第2の素子領域に第2のウェルを、前記第3の素子領域の半導体基板に第3のウェルを各々形成する工程と、
前記第2および第3のウェル上に、第2のゲート絶縁膜を成長する工程と、
前記第3のウェル上において前記第2のゲート絶縁膜を選択的に除去する工程と、
前記第3のウェル上に、前記第2のゲート絶縁膜とは異なる膜厚の第3のゲート絶縁膜を成長する工程と、
前記誘電体膜、および前記第2および第3のゲート絶縁膜上に第2の導電体膜を成長する工程と、
前記第2の導電体膜をパターニングし、前記第1の素子領域に不揮発性メモリのコントロールゲートを、また前記第2および第3の素子領域に周辺トランジスタのゲート電極を形成する工程とを含むことを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項26】
前記第2および第3のウェルを形成する工程は、前記誘電体膜を介して前記半導体基板中に不純物元素をイオン注入する工程と、前記誘電体膜を除去する工程とを含むことを特徴とする請求項25記載の半導体装置の製造方法。
【請求項27】
前記第2および第3のウェルは同時に形成されることを特徴とする請求項25記載の半導体装置の製造方法。
【請求項28】
さらに前記第1〜第3の素子領域を画成する工程では、前記半導体基板中に、第4および第5の素子領域が前記論理素子に対応して形成され、前記第4および第5の素子領域には、前記誘電体膜の形成工程よりも前に第4および第5のウェルが形成されることを特徴とする請求項27記載の半導体装置の製造方法。
【請求項29】
前記第2および第3のウェルは同時に形成され、前記第4および第5のウェルは同時に形成されることを特徴とする請求項28記載の半導体装置の製造方法。
【請求項30】
素子分離絶縁膜により第1および第2の素子領域を画成された半導体基板と、
前記半導体基板上、前記第1の素子領域に形成された第1の半導体素子と、
前記半導体基板上、前記第2の素子領域に形成された第2の半導体素子とよりなり、
前記第1の半導体素子は、前記第1の素子領域に形成された第1の膜厚を有する第1のゲート絶縁膜と、前記第1のゲート絶縁膜上に形成された、ポリシリコン層と金属シリサイド層とを順次積層した第1のゲート電極とを有する第1のトランジスタを含み、
前記第2の半導体素子は、前記第2の素子領域に形成された第2の、前記第1の膜厚よりも小さな膜厚を有する第2のゲート絶縁膜と、前記第2のゲート絶縁膜上に形成された、ポリシリコン層と金属シリサイド層とを順次積層した第2のゲート電極とを有する第2のトランジスタを含む半導体集積回路装置であって、
前記第1および第2の素子分離絶縁膜は、前記半導体基板中、実質的に同一の深さまで延在し、
前記第1の素子分離絶縁膜上には、ポリシリコン層と金属シリサイド層とを順次積層した導体パターンが担持され、
前記導体パターンを構成するポリシリコン層は、前記第2のゲート電極を構成するポリシリコン層よりも不純物濃度が低く、
前記半導体基板は、前記第1の素子分離絶縁膜直下において、前記第2の素子分離絶縁膜直下におけるよりも低い濃度で不純物元素を含んでいることを特徴とする半導体集積回路装置。
【請求項31】
前記基板上にはさらにメモリセル領域が形成され、前記メモリセル領域には、フラッシュメモリ素子が形成されていることを特徴とする請求項30記載の半導体集積回路装置。
【請求項32】
前記第1の半導体素子は、前記フラッシュメモリ素子の制御回路を構成し、前記第2の半導体素子は論理回路を構成することを特徴とする請求項31記載の半導体集積回路装置。
【請求項33】
前記ポリシリコン層は、非ドープポリシリコンよりなることを特徴とする請求項30記載の半導体集積回路装置。
【請求項34】
前記第1のトランジスタは、前記第1の素子領域において、第1の電圧で動作する第1のCMOS素子を構成し、前記第2のトランジスタは、前記第2の素子領域において、前記第1の電圧よりも低い第2の電圧で動作する第2のCMOSを構成することを特徴とする請求項30記載の半導体集積回路装置。
【請求項35】
前記第1のトランジスタは、前記第1の素子領域中、前記素子分離絶縁膜により画成された第1の副領域に形成されており、前記第1の半導体素子はさらに、前記第1の素子領域中、前記素子分離絶縁膜により画成された第2の副領域と、前記第2の副領域に形成された、前記第1の膜厚を有する第3のゲート絶縁膜と、前記第3のゲート絶縁膜上に形成された第3のゲート電極とよりなる第3のトランジスタを含み、前記第1のトランジスタと前記第3のトランジスタとは、前記第3のトランジスタは前記第1のトランジスタよりも大きな閾値電圧を有することを特徴とする請求項30記載の半導体集積回路装置。
【請求項36】
前記第1の半導体素子は、さらに前記第1の素子領域中、前記素子分離絶縁膜により画成された第3の副領域と、前記第3の副領域に形成された、前記第1の膜厚を有する第4のゲート絶縁膜と、前記第4のゲート絶縁膜上に形成された第4のゲート電極とよりなる第4のトランジスタと、前記第1の素子領域中、前記素子分離絶縁膜により画成された第4の副領域と、前記第4の副領域に形成された、前記第1の膜厚を有する第5のゲート絶縁膜と、前記第5のゲート絶縁膜上に形成された第5のゲート電極とよりなる第5のトランジスタとを含み、前記第4のトランジスタと前記第5のトランジスタとは、互いに異なる閾値電圧を有し、前記第1および第3のトランジスタは、前記第4および第5のトランジスタとは逆のチャネル導電型を有することを特徴とする請求項35記載の半導体集積回路装置。
【請求項37】
前記第2のトランジスタは、前記第2の素子領域中、前記素子分離絶縁膜により画成された第5の副領域に形成されており、前記第2の半導体素子はさらに、前記第2の素子領域中、前記素子分離絶縁膜により画成された第6の副領域と、前記第6の副領域に形成された、前記第2の膜厚を有する第6のゲート絶縁膜と、前記第6のゲート絶縁膜上に形成された第6のゲート電極とよりなる第6のトランジスタを含み、前記第2のトランジスタと前記第6のトランジスタとは、互いに異なる閾値電圧を有することを特徴とする請求項36記載の半導体集積回路装置。
【請求項38】
前記第2の半導体素子は、さらに前記第2の素子領域中、前記素子分離絶縁膜により画成された第7の副領域と、前記第7の副領域に形成された、前記第2の膜厚を有する第7のゲート絶縁膜と、前記第7のゲート絶縁膜上に形成された第7のゲート電極とよりなる第7のトランジスタと、前記第2の素子領域中、前記素子分離絶縁膜により画成された第8の副領域と、前記第8の副領域に形成された、前記第2の膜厚を有する第8のゲート絶縁膜と、前記第8のゲート絶縁膜上に形成された第8のゲート電極とよりなる第8のトランジスタとを含み、前記第7のトランジスタと前記第8のトランジスタとは、互いに異なる閾値電圧を有し、前記第2および第6のトランジスタは、前記第7および第8のトランジスタとは逆のチャネル導電型を有することを特徴とする請求項37記載の半導体集積回路装置。
【請求項39】
前記第1の素子領域は、前記素子分離絶縁膜の深さ位置あるいはより深い深さ位置に極大を有し前記基板表面に向かって不純物濃度が減少する不純物濃度分布を有することを特徴とする請求項30記載の半導体集積回路。
【請求項40】
前記第2の素子領域は、前記素子分離絶縁膜の深さ位置あるいはより深い深さ位置に第1の極大を、また前記基板表面近傍に第2の極大を有する不純物濃度分布を有することを特徴とする請求項39記載の半導体集積回路装置。
【請求項41】
さらに前記半導体基板上には、前記素子分離絶縁膜により第3の素子領域が画成されており、前記第3の素子領域には、前記第1および第2の膜厚の中間の膜厚を有する別のゲート絶縁膜と、前記別のゲート絶縁膜上に形成された別のゲート電極とよりなる別のトランジスタが形成されており、前記別のトランジスタは、前記第1の電圧と第2の電圧の中間の電圧で動作する別のCMOS回路を構成することを特徴とする請求項30記載の半導体集積回路装置。
【請求項42】
半導体基板と、
前記半導体基板上に形成された高電圧半導体素子と、
前記半導体基板上に形成された低電圧半導体素子と、
前記半導体基板上に形成された昇圧素子とよりなる半導体集積回路装置であって、
前記高電圧半導体素子は、第1の膜厚を有する第1のゲート絶縁膜と、前記第1のゲート絶縁膜上に形成された第1のゲート電極と、前記半導体基板中、前記第1のゲート電極の両側に形成された一対の拡散領域とを備えた第1のMOSトランジスタを含み、
前記低電圧半導体素子は、前記第1の膜厚よりも薄い第2の膜厚を有する第2のゲート絶縁膜と、前記第2のゲート絶縁膜上に形成された第2のゲート電極と、前記半導体基板中、前記第2のゲート電極の両側に形成された一対の拡散領域と、前記半導体基板中、前記第2のゲート電極直下に前記半導体基板の表面に沿って形成された、第1導電型のチャネルドープ領域とを備えた第2のMOSトランジスタを含み、
前記昇圧素子は、前記半導体基板上に前記第1の膜厚で形成された、前記第1のゲート絶縁膜と同一組成を有するキャパシタ絶縁膜と、前記キャパシタ絶縁膜上に形成されたキャパシタ電極と、前記第3の素子領域中、前記キャパシタ電極の両側に形成された、前記第1導電型の一対の拡散領域と、前記第1導電型の一対の拡散領域の間に、前記半導体基板表面に沿って形成された、第1導電型の不純物注入領域とよりなる昇圧キャパシタを含み、
前記昇圧キャパシタ中、前記第1導電型の不純物注入領域は、前記第1導電型の不純物元素を、前記第1導電型のチャネルドープ領域と同等、あるいはそれ以上の濃度で含むことを特徴とする半導体集積回路装置。
【請求項43】
前記第1のトランジスタ中、前記第1のゲート電極の両側に形成された前記一対の拡散領域は、前記第1導電型とは逆の第2導電型を有し、さらに前記第1のゲート電極は前記第2導電型を有し、
前記第2のトランジスタ中、前記第2のゲート電極の両側に形成された前記一対の拡散領域は前記第2の導電型を有し、さらに前記第2のゲート電極は前記第2の導電型を有し、
前記キャパシタ電極は前記第1導電型を有することを特徴とする請求項42記載の半導体集積回路装置。
【請求項44】
前記第1のトランジスタは、前記半導体基板中に形成された前記第1導電型の第1のウェル上に形成されており、前記第2のトランジスタは、前記半導体基板中に形成された前記第1導電型の第2のウェル上に形成されており、前記昇圧キャパシタは、前記半導体基板中に形成された前記第1導電型の第3のウェル中に形成されていることを特徴とする請求項43記載の半導体集積回路装置。
【請求項45】
前記第1のウェルは、前記第2導電型の別のウェル中に形成されており、前記第3のウェルは、前記第2導電型の別のウェル中に形成されていることを特徴とする請求項44記載の半導体集積回路装置。
【請求項46】
さらに前記第1の半導体素子は、前記半導体基板中に形成された前記第2導電型の第4のウェル上に形成された第3のトランジスタを含み、
前記第3のトランジスタは、前記第4のウェル上に形成された、前記第1のゲート絶縁膜と同一膜厚で同一組成の第3のゲート絶縁膜と、前記第3のゲート絶縁膜上に形成された第3のゲート電極と、前記第4のウェル中、前記第3のゲート電極両側に形成された、前記第1導電型を有する一対の拡散領域とを含み、
前記第2の半導体素子は、前記半導体基板中に形成された前記第2導電型の第5のウェル上に形成された第4のトランジスタとを含み、
前記第4のトランジスタは、前記第5のウェル上に形成された、前記第2のゲート絶縁膜と同一膜厚で同一組成の第4のゲート絶縁膜と、前記第4のゲート絶縁膜上に形成された第4のゲート電極と、前記第5のウェル中、前記第4のゲート電極両側に形成された、前記第1導電型を有する一対の拡散領域と、前記半導体基板表面に沿って、前記第4のゲート電極直下に形成された第2導電型のチャネルドープ領域とを含み、
さらに前記昇圧素子は、前記半導体基板中に形成された前記第2導電型の第6のウェル上に形成された第2の昇圧キャパシタを含み、
前記第2の昇圧キャパシタは、前記第6のウェル上に前記第1の膜厚で形成された、前記キャパシタ絶縁膜と同一膜厚および同一組成を有する第2のキャパシタ絶縁膜と、前記第2のキャパシタ絶縁膜上に形成された第2のキャパシタ電極と、前記第2のキャパシタ電極の両側に形成された、前記第2導電型を有する一対の拡散領域と、前記半導体基板表面に沿って、前記第2のキャパシタ電極直下に形成された、前記第2導電型を有する第2の不純物注入領域とよりなり、
前記第2の昇圧キャパシタ中、前記第2の不純物注入領域は、前記第2導電型の不純物元素を、前記第4のトランジスタのチャネルドープ領域と同等、あるいはそれ以上の濃度で含むことを特徴とする請求項44記載の半導体集積回路装置。
【請求項47】
前記第1のトランジスタと前記第2のトランジスタとはCMOS回路を形成し、前記第3のトランジスタと前記第4のトランジスタとは別のCMOS回路を形成することを特徴とする請求項45記載の半導体集積回路装置。
【請求項48】
さらに、前記半導体基板上には、前記第1の膜厚と第2の膜厚との中間の膜厚を有する第5のゲート絶縁膜と、前記第5のゲート絶縁膜上に形成された第5のゲート電極と、前記半導体基板中、前記第5のゲート電極の両側に形成された一対の第2導電型の拡散領域と、前記第5のゲート電極直下に、前記半導体基板表面に沿って形成された、前記第1導電型のチャネルドープ領域とを有する第5のトランジスタと、前記第5のゲート絶縁膜と同一の膜厚を有する第6のゲート絶縁膜と、前記第6のゲート絶縁膜上に形成された第6のゲート電極と、前記半導体基板中、前記第6のゲート電極の両側に形成された一対の第1導電型の拡散領域と、前記第6のゲート電極直下に、前記半導体基板表面に沿って形成された、前記第2導電型のチャネルドープ領域とを有する第6のトランジスタとが形成されており、前記第5および第6のトランジスタはCMOS回路を形成することを特徴とする請求項46記載の半導体集積回路装置。
【請求項49】
前記不純物注入領域は、前記第1導電型不純物元素を、前記第2のトランジスタのチャネルドープ領域中における前記第1導電型不純物元素の濃度と、前記第5のトランジスタのチャネルドープ領域中における前記第1導電型不純物元素の濃度とを加算したよりも高い濃度で含み、前記第2の不純物注入領域は、前記第2導電型不純物元素を、前記第2のトランジスタのチャネルドープ領域における前記第2導電型不純物元素の濃度と前記第6のトランジスタのチャネルドープ領域における前記第2導電型不純物元素の濃度をと加算したよりも高い濃度で含むことを特徴とする請求項48記載の半導体集積回路装置。
【請求項50】
さらに前記半導体基板上にはフラッシュメモリ素子が形成されていることを特徴とする請求項42記載の半導体集積回路装置。

【国際公開番号】WO2004/112145
【国際公開日】平成16年12月23日(2004.12.23)
【発行日】平成18年7月20日(2006.7.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−500737(P2005−500737)
【国際出願番号】PCT/JP2003/007373
【国際出願日】平成15年6月10日(2003.6.10)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】