説明

ヒータの製造方法および成膜装置

【課題】SiC膜のエピタキシャル成長に使用可能なヒータの製造方法を提供する。
【解決手段】ヒータは、通電により発熱する発熱体を備える。発熱体は、所定の形状と電気比抵抗を有するSiC焼結体1を得た後、SiC焼結体1の表面を複数層のSiC薄膜2〜5で被覆することにより得られる。複数層のSiC薄膜2〜5は、それぞれ異なる成膜温度で形成され、外側の層ほど高い成膜温度である。各成膜温度は、1400℃±50℃、1600℃±50℃、1800℃±50℃、2000℃±50℃とすることが好ましい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ヒータの製造方法と、この方法により製造されたヒータを用いた成膜装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ウェハの表面にシリコンなどの単結晶膜を形成したエピタキシャルウェハの製造には、枚葉式の成膜装置が使用されることが多い。
【0003】
成膜装置は、ウェハを載置するサセプタを収納した成膜室内に反応ガスを供給するとともに、ウェハの裏面を加熱して、ウェハの表面にエピタキシャル膜を形成するように構成されている。こうした裏面加熱方式は、上方に加熱源がなく、垂直方向に反応ガスを供給できるため、均一な成膜処理が可能である。
【0004】
また、成膜装置は、上端にサセプタ用の支持部材が連結され、成膜室の底壁部に開設した貫通孔を通して下方にのびる回転軸と、成膜室の下方に配置された回転軸用の回転機構部とを配置し、成膜時にウェハを回転させることで、より均一な厚みの膜が形成されるようにしている(例えば、特許文献1参照。)。
【0005】
成膜装置の加熱源としては、抵抗加熱ヒータが用いられる。ヒータは、高温下で変形したり、汚染物質を放出したりすることのない物質によって構成される。具体的には、SiC(炭化ケイ素)がヒータの構成材料として用いられている。
【0006】
例えば、Si(シリコン)膜のエピタキシャル成長の場合、ウェハの温度は1200℃程度まで加熱される。このとき、ヒータの温度はこれより高い温度になる。したがって、この温度で変形や汚染物質の放出のないことが必要とされる。こうした用途に使用可能なヒータには、焼結したSiCからなるヒータがあるが、その使用可能温度範囲は1400℃程度までである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平5−152207号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
近年、Siに代わる高耐圧のパワー半導体デバイス用材料としてSiCが注目されている。SiCは、SiやGaAs(ガリウム砒素)といった従来の半導体材料と比較するとエネルギーギャップが2〜3倍大きく、絶縁破壊電圧が1桁程度大きいといった特徴を有する。
【0009】
SiC膜は、例えば、SiCウェハ上に、H(水素)をキャリアガスとし、SiH(モノシラン)およびC(プロパン)を供給することで形成される。具体的には、成膜室内に供給されたこれらのガスは、加熱されたサセプタ上に載置されたSiCウェハの表面領域を層流で周回して排気されるまでの間に、SiCウェハの表面でエピタキシャル成長反応を起こす。このとき、SiC膜のエピタキシャル成長は、Si膜の場合より高い温度で行われる。このため、ヒータの温度はさらに高い温度、例えば、2000℃程度にまでなる。しかしながら、従来のヒータには、かかる温度に耐え得るものがなかった。これは、Hガスなどの存在によりSiの昇華が起こるためである。
【0010】
本発明は、こうした問題に鑑みてなされたものである。すなわち、本発明の目的は、SiC膜のエピタキシャル成長に使用可能なヒータの製造方法を提供することにある。
【0011】
また、本発明の目的は、高温下で基板を加熱しながら基板上に所定の膜を形成することのできる成膜装置を提供することにある。
【0012】
本発明の他の目的および利点は、以下の記載から明らかとなるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の第1の態様は、通電により発熱する発熱体を備えたヒータの製造方法において、
所定の形状と電気比抵抗を有するSiC焼結体を得る工程と、
SiC焼結体の表面を複数層のSiC薄膜で被覆して発熱体を得る工程とを有し、
複数層のSiC薄膜は、それぞれ異なる成膜温度で形成され、外側の層ほど高い成膜温度であることを特徴とするものである。
【0014】
本発明の第1の態様において、発熱体を得る工程は、SiC焼結体に接する1層目のSiC薄膜を1400℃±50℃で形成することが好ましい。
【0015】
本発明の第1の態様において、発熱体を得る工程は、SiC焼結体の表面に1400℃±50℃で第1のSiC薄膜を形成する工程と、
第1のSiC薄膜の表面に1600℃±50℃で第2のSiC薄膜を形成する工程と、
第2のSiC薄膜の表面に1800℃±50℃で第3のSiC薄膜を形成する工程と、
第3のSiC薄膜の表面に2000℃±50℃で第4のSiC薄膜を形成する工程とを有することが好ましい。
【0016】
本発明の第2の態様は、成膜室と、
成膜室内に載置される基板を加熱するヒータとを備えた成膜装置において、
ヒータは、通電により発熱する発熱体を備えており、
発熱体は、SiC焼結体の表面に複数層のSiC薄膜が被覆されてなり、複数層のSiC薄膜は、外側の層ほど高い成膜温度で形成されたものであることを特徴とするものである。
【0017】
本発明の第2の態様においては、基板が載置されるサセプタと、
サセプタを上部に配置しヒータを内部に配置する支持部と、
成膜室の下部に設けられて支持部を回転させる回転軸とを備えていることが好ましい。
【発明の効果】
【0018】
本発明の第1の態様によれば、複数層のSiC薄膜は、それぞれ異なる成膜温度で形成され、外側の層ほど高い成膜温度とするので、SiC膜のエピタキシャル成長に使用可能なヒータが製造される。
【0019】
本発明の第2の態様によれば、ヒータは、SiC焼結体の表面に複数層のSiC薄膜が被覆されてなる発熱体と、発熱体に通電して発熱体を昇温させる電極とを備えており、複数層のSiC薄膜は、それぞれ異なる成膜温度で形成され、外側の層ほど高い成膜温度であるので、高温下で基板を加熱しながら基板上に所定の膜を形成することのできる成膜装置とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本実施の形態における成膜装置の模式的な断面図である。
【図2】SiC焼結体にSiCコートをする様子を示した断面図である。
【図3】本実施の形態におけるヒータの平面図の一例である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
図1は、本実施の形態における枚葉式の成膜装置100の模式的な断面図である。本実施の形態においては、基板としてSiCウェハ101を用いる。但し、これに限られるものではなく、場合に応じて、他の材料からなるウェハを用いてもよい。
【0022】
成膜装置100は、成膜室としてのチャンバ103を有する。
【0023】
チャンバ103の上部には、加熱されたSiCウェハ101の表面に結晶膜を成膜するための原料ガスを供給するガス供給部123が設けられている。また、ガス供給部123には、原料ガスの吐出孔が多数形成されたシャワープレート124が接続している。シャワープレート124をSiCウェハ101の表面と対向して配置することにより、SiCウェハ101の表面に原料ガスを供給できる。
【0024】
原料ガスとしては、SiH(モノシラン)およびC(プロパン)を用いることができ、キャリアガスとしての水素ガスと混合した状態で、ガス供給部123からチャンバ103の内部に導入する。尚、SiHに代えて、SiH(ジシラン)、SiHCl(モノクロロシラン)、SiHCl(ジクロロシラン)、SiHCl(トリクロロシラン)、SiCl(テトラクロロシラン)などを用いてもよい。
【0025】
チャンバ103の下部には、反応後の原料ガスを排気するガス排気部125が複数設けられている。ガス排気部125は、調整弁126および真空ポンプ127からなる排気機構128に接続されている。排気機構128は、図示しない制御機構により制御されてチャンバ103内を所定の圧力に調整する。
【0026】
チャンバ103の内部には、サセプタ102が、回転部104の上に設けられている。サセプタ102は、SiCウェハ101の外周部を支持する第1のサセプタ部102aと、第1のサセプタ部102aの開口部分に密嵌される第2のサセプタ部102bとからなる。第1のサセプタ部102aと第2のサセプタ部102bは、高温下にさらされることから、例えば高純度のSiCを用いて構成される。
【0027】
サセプタ102は、第1のサセプタ部102aと第2のサセプタ部102bとが一体化されたものであってもよい。また、サセプタ102は、第2のサセプタ部102bがなく第1のサセプタ部102aのみから構成されていてもよい。但し、ヒータ120や回転部104で発生した汚染物質によってSiCウェハ101が汚染されるのを防ぐ点から、第2のサセプタ部102bを設ける構成とすることが好ましい。
【0028】
回転部104は、回転胴104aと、回転ベース104bと、回転軸104cとを有している。サセプタ102を支持する回転胴104aは、回転ベース104bの上に固定されている。回転胴104aは、本発明の支持部に対応していて、上部にサセプタ102を、内部にヒータ120をそれぞれ配置する。また、回転ベース104bは、ネジ106によって回転軸104cに接続している。
【0029】
回転軸104cは、チャンバ103の外部まで延設されており、図示しない回転機構に接続している。回転軸104cが回転することにより、回転ベース104bおよび回転胴104aを介してサセプタ102を回転させることができ、ひいてはサセプタ102に支持されたSiCウェハ101を回転させることができる。成膜時にSiCウェハ101を回転させることで、均一な厚みの膜を形成できる。回転胴104aは、SiCウェハ101の中心を通り、且つ、SiCウェハ101に直交する線を軸として回転することが好ましい。
【0030】
図1において、回転胴104aは、上部が解放された構造であるが、サセプタ102が設けられることにより、上部が覆われて中空領域(以下、P領域と称す。)を形成する。尚、第2のサセプタ部102bがない場合には、SiCウェハ101が第1のサセプタ部102aで支持されることでP領域が形成される。ここで、チャンバ103内をP領域とすると、P領域は、サセプタ102によって実質的にP領域と隔てられた領域となる。
【0031】
領域には、SiCウェハ101を裏面から加熱するヒータ120が設けられている。ヒータ120は、アーム状のブースバー121によって支持されている。ブースバー121は、ヒータ120を支持する側とは反対の側の端部で電極122に接続している。
【0032】
ヒータ120は、後述する本実施の形態の方法により製造されたものである。また、ブースバー121は、導電性の高耐熱性部材、例えば、SiCをコートしたC(カーボン)材からなる。電極122はMo(モリブデン)製である。これにより、ヒータ支持部であるブースバー121を介して、電極122からヒータ120への給電が可能となっている。具体的には、電極122から後述するヒータ120の発熱体に通電がされて発熱体が昇温する。
【0033】
尚、本実施の形態では、インヒータとアウトヒータの2種類のヒータによってSiCウェハ101を加熱する構成としてもよい。この場合、アウトヒータは、サセプタ102の周縁部を主に加熱するようにし、インヒータは、アウトヒータの下部に配置されて、サセプタ102の周縁部以外を主に加熱するようにすることができる。このようにすることにより、SiCウェハ101をより均一に加熱できるので、SiCウェハ101の温度分布の均一性が向上する。
【0034】
加熱により変化するSiCウェハ101の表面温度は、チャンバ103の上部に設けられた放射温度計140によって計測される。放射温度計140は、本発明における温度測定部を構成する。尚、シャワープレート124を透明石英製とすることによって、放射温度計140による温度測定がシャワープレート124で妨げられないようにすることができる。計測した温度データは、図示しない制御機構に送られた後、ヒータ120の出力制御にフィードバックされる。これにより、SiCウェハ101を所望の温度となるように加熱できる。
【0035】
次に、本実施の形態のヒータ120について説明する。
【0036】
ヒータ120は、発熱体としてSiC焼結体を用いたSiCヒータである。SiC焼結体は、粒界に不純物の少ない微細で均一な組織を有しており、高い導電性を備える。尚、耐熱性の観点ではSiCよりC(カーボン)の方が良好であるが、不純物などがエピタキシャル膜へ及ぼす影響を考慮するとSiCを用いることが好ましい。
【0037】
ヒータ120は、通電により発熱する発熱体を有している。この発熱体は、SiC焼結体にSiCコートがされており、かかるSiCコートは、温度を変えて順次成膜された複数のSiC膜からなることを特徴としている。
【0038】
SiC焼結体は、SiC粉末を焼結して得られる。この場合、例えば、平均粒径の異なる複数のSiC粉末を混合し、これを焼結して、SiC焼結体とすることができる。各SiCの平均粒径とこれらの混合比率を選択することで、所望の電気比抵抗を示すSiCを得ることが可能である。混合物は所望の形状に成形された後に所定の温度で焼結される。尚、焼結方法、焼結時の雰囲気はいずれも制限されない。
【0039】
上記のようにして得られた所定の形状と電気比抵抗を有するSiC焼結体にSiCコートを行う。このとき、成膜温度を段階的に上げながら、複数のSiC膜によってSiC焼結体をコートする。つまり、SiC焼結体の表面をそれぞれ異なる温度で形成された複数層のSiC薄膜で被覆する。複数層のSiC薄膜は、外側の層ほど高い成膜温度となるようにする。
【0040】
図2は、SiC焼結体にSiCコートをする様子を示した断面図である。この図のように、まず、SiC焼結体1を温度Tに昇温し、CVD(Chemical Vapor Deposition)法によって1層目のSiC膜2をSiC焼結体1の表面に形成する(図2(a))。次に、SiC焼結体1を温度T(T>T)に昇温し、同様にして2層目のSiC膜3を1層目のSiC膜2の上に形成する(図2(b))。次いで、SiC焼結体1を温度T(T>T)に昇温し、3層目のSiC膜4を2層目のSiC膜3の上に形成する(図2(c))。さらに、SiC焼結体1を温度T(T>T)に昇温し、4層目のSiC膜5を3層目のSiC膜4の上に形成する(図2(d))。SiC層2〜5の各膜厚は、数十μm程度とすることが好ましく、例えば50μmとすることができる。
【0041】
ヒータの使用可能温度範囲を2000℃程度までとしたい場合には、例えば、T=1400℃、T=1600℃、T=1800℃、T=2000℃とすることが好ましい。ここで、T=1400℃とするのは、SiCの耐熱性が1400℃程度であるからである。また、T=2000℃は、所望とする使用可能温度範囲を考慮したものである。この場合、各成膜温度は±50℃の範囲で上下してもよい。成膜温度を段階的に変えることで、SiC焼結体やSiC膜にクラックが入るのを防ぐことができる。この効果は成膜温度を細かく変えた方が得やすいが、実際に何段階とするかは成膜装置側の温度制御性や生産性などを考慮して決定される。尚、昇温は、SiC焼結体1に通電し電気抵抗加熱することで行ってもよい。
【0042】
図3は、ヒータ120の平面図の一例である。この図において、ヒータ120は、SiCコートされたSiC焼結体を短冊状に加工し、これを複数組み合わせて円盤状としたものである。尚、図2(d)は、図3のA−A’線に沿う断面図に対応する。
【0043】
このように、成膜温度を段階的に上げながらSiC焼結体にSiCコートをすると、耐熱性に優れたヒータを製造することができる。つまり、SiC焼結体にSiCコートを1層すると、SiC焼結体単体よりも耐熱性を挙げることができるが、さらに、成膜温度を段階的に変えながら複数層のSiCコートをすることで、より耐熱性に優れたものとすることができる。例えば、焼結したSiCからなるヒータの使用可能温度範囲は1400℃程度までであるが、SiC焼結体にSiCコートを1層したヒータの使用可能温度範囲は1600℃程度までである。そして、本実施の形態の方法により製造されたヒータの使用可能温度範囲は2000℃程度まで向上する。
【0044】
本実施の形態による成膜方法の一例について、図1を参照しながら説明する。
【0045】
まず、サセプタ102の上にSiCウェハ101を載置し、例えば、数10torrの減圧下でH(水素)ガスを流しながら、回転部104に付随させて、SiCウェハ101を50rpm程度で回転させる。
【0046】
次に、ヒータ120によってSiCウェハ101を成膜温度まで徐々に加熱する。ヒータ120は、SiC焼結体にSiCコートがされており、かかるSiCコートは、温度を変えて順次成膜された複数のSiC膜からなるので、2000℃程度の高温においても十分な耐熱性を有することが可能である。
【0047】
放射温度計140による測定でSiCウェハ101の温度が成膜温度に達したことを確認した後は、徐々にSiCウェハ101の回転数を上げていく。そして、ガス供給部123からシャワープレート124を介して原料ガスをチャンバ103の内部に供給する。本実施の形態においては、原料ガスとしてSiH(モノシラン)およびC(プロパン)を用いることができ、キャリアガスとしてのHガスと混合した状態で、ガス供給部123からチャンバ103の内部に導入する。尚、SiHに代えて、SiH(ジシラン)、SiHCl(モノクロロシラン)、SiHCl(ジクロロシラン)、SiHCl(トリクロロシラン)、SiCl(テトラクロロシラン)などを用いてもよい。
【0048】
チャンバ103の内部に導入された原料ガスは、SiCウェハ101の方に流下する。そして、SiCウェハ101の温度を成膜温度に維持し、サセプタ102を900rpm以上の高速で回転させながら、ガス供給部123からシャワープレート124を介して次々に新たな原料ガスをSiCウェハ101に供給する。これにより、高い成膜速度で効率よくエピタキシャル膜を成膜させることができる。例えば、パワー半導体の用途では、300mmのSiCウェハ上に10μm以上、多くは10μm〜100μm程度の厚膜が形成される。厚膜を形成するには、成膜時の基板の回転数を高くするのがよく、例えば、上記のように900rpm程度の回転数とするのがよい。
【0049】
成膜処理を終えた後は、ヒータ120の温度を下げる。SiCウェハ101の温度が十分に低下したら、SiCウェハ101をチャンバ103の外部へ搬出する。
【0050】
以上述べたように、本発明の方法により製造されたヒータは、耐熱性が高く、SiC膜のエピタキシャル成長に十分使用可能である。そして、このヒータを備えた成膜装置は、高温下で基板を加熱しながら基板上にSiC膜などの所定の膜を形成することができる。
【0051】
尚、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々変形して実施することができる。
【0052】
上記実施の形態では、成膜室内に載置されるウェハを回転させながら成膜処理を行う例について述べたが、本発明はこれに限られるものではない。本発明の成膜装置は、ウェハを回転させないで成膜してもよい。
【0053】
また、上記実施の形態では、成膜装置の一例としてエピタキシャル成長装置を挙げたが、本発明はこれに限られるものではない。成膜室内に反応ガスを供給し、ウェハを加熱しながらその表面に膜を形成する成膜装置であれば、CVD(Chemical Vapor Deposition)装置などの他の成膜装置であってもよい。
【符号の説明】
【0054】
100…成膜装置
101…SiCウェハ
102…サセプタ
103…チャンバ
104…回転部
104a…回転胴
104b…回転ベース
104c…回転軸
106…ネジ
120…ヒータ
121…ブースバー
122…電極
123…ガス供給部
124…シャワープレート
125…ガス排気部
126…調整弁
127…真空ポンプ
128…排気機構
140…放射温度計





【特許請求の範囲】
【請求項1】
通電により発熱する発熱体を備えたヒータの製造方法において、
所定の形状と電気比抵抗を有するSiC焼結体を得る工程と、
前記SiC焼結体の表面を複数層のSiC薄膜で被覆して前記発熱体を得る工程とを有し、
前記複数層のSiC薄膜は、それぞれ異なる成膜温度で形成され、外側の層ほど高い成膜温度であることを特徴とするヒータの製造方法。
【請求項2】
前記発熱体を得る工程は、前記SiC焼結体に接する1層目のSiC薄膜を1400℃±50℃で形成することを特徴とする請求項1に記載のヒータの製造方法。
【請求項3】
前記発熱体を得る工程は、前記SiC焼結体の表面に1400℃±50℃で第1のSiC薄膜を形成する工程と、
前記第1のSiC薄膜の表面に1600℃±50℃で第2のSiC薄膜を形成する工程と、
前記第2のSiC薄膜の表面に1800℃±50℃で第3のSiC薄膜を形成する工程と、
前記第3のSiC薄膜の表面に2000℃±50℃で第4のSiC薄膜を形成する工程とを有することを特徴とする請求項1または2に記載のヒータの製造方法。
【請求項4】
成膜室と、
前記成膜室内に載置される基板を加熱するヒータとを備えた成膜装置において、
前記ヒータは、通電により発熱する発熱体を備えており、
前記発熱体は、SiC焼結体の表面に複数層のSiC薄膜が被覆されてなり、前記複数層のSiC薄膜は、外側の層ほど高い成膜温度で形成されたものであることを特徴とする成膜装置。
【請求項5】
前記基板が載置されるサセプタと、
前記サセプタを上部に配置し前記ヒータを内部に配置する支持部と、
前記成膜室の下部に設けられて前記支持部を回転させる回転軸とを備えたことを特徴とする請求項4に記載の成膜装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2011−105999(P2011−105999A)
【公開日】平成23年6月2日(2011.6.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−263821(P2009−263821)
【出願日】平成21年11月19日(2009.11.19)
【出願人】(504162958)株式会社ニューフレアテクノロジー (669)
【Fターム(参考)】