説明

フッ素化ポリマー

架橋された複素環式化合物、フッ素化ノルボルネン化合物、フッ素化アルケン、複素環式化合物、およびこれらの2またはそれ以上の組み合わせ、から誘導されるポリマーが提供される。このポリマーはフォトレジスト組成物を含む広範囲の用途に使用される。また、このポリマーに使用するためのモノマー化合物の製造方法も提供される。

【発明の詳細な説明】
【発明の開示】
【0001】
(発明の分野)
本発明は、フッ素化モノマーから誘導されるポリマー、およびこのようなポリマーをリソグラフィー画像材料、特にフォトレジスト組成物、ならびに誘電体材料、不動化および絶縁材料、光導波路、反射防止膜および層、薄膜、接着剤、等に使用する方法に関する。また、本発明は、本発明のポリマーを調製するのに使用される新規なモノマー化合物、およびこのようなモノマー化合物を調製する方法に関する。
【0002】
(発明の背景)
フォトレジストは半導体用途のリソグラフィー画像材料としての使用を含む幅広い用途に使用される有機高分子材料である。例えば、半導体産業の種々の用途に関して、次世代の商業的な157nmフォトレジストを現像することに大きな関心がある。Chemical and Engineering News、23〜24頁、2002年7月15日を参照。
【0003】
効果的なフォトレジストに関連する一つの重要な特性は、所定の波長の光に対するフォトレジストの透明度である。光リソグラフィー用の多くの在来のポリマーはフォトレジストとして種々の波長で使用されるのに良好な特性を示すが、このようなポリマーは157nmにおける透明度が欠如する傾向があることを、本出願人は確認した。
【0004】
例えば、米国特許番号5,821,036はポジ型フォトレジストを現像する方法およびこれに使用するポリマー組成物を開示する。この開示されたポリマー組成物は前記5,821,036特許の方法には有効であるが、このような組成物は157nmのリソグラフィー方法においては不透明になり、そして使用できなくなる傾向を示す。米国特許番号6,124,074は酸接触(acid catalyzed)ポジ型フォトレジスト組成物を開示し、この組成物は193nmの光には透明であるが、157nmの光には透明でない傾向を示す。米国特許番号6,365,322は深い紫外線領域(100〜300nm)用のフォトレジスト組成物を開示し、この組成物は157nmの光には透明でない傾向を示す。
【0005】
上述のように、従来の試みは、194nmより低い波長の光に対して実質的に透明であるフッ素化ポリマーを製造するために実施された。例えば、PCT WO 00/67072およびHoang他のMacromolecules, 2002, 35, 6539〜6549、および米国特許番号6,468,712および6,486,282を参照。これらのポリマーを最初に検査すると、157nmにおける透明度の徴候が見られるが、出願人は、157nmにおける透明度ばかりでなく、プラズマに対する抵抗性、広範囲の物質/表面に対する接着性、および157nmのリソグラフィー用途における優れた機械的特性も示す新規なポリマーの必要性を確認した。したがって、本発明は、新規なポリマーならびにこのようなポリマーを調製するための新規なフッ素化モノマーの調製、および、例えば、157nmフォトレジストを含むこのようなポリマーを使用する方法を記述する。
【0006】
上記に引用した各文献は、そのまま参考文献として本明細書に組み込まれる。
【0007】
(本発明および好ましい態様の説明)
一つの態様によれば、本発明は、例えば、リソグラフィーにおける画像材料、特にフォトレジスト組成物、ならびに誘電体材料、不動化および絶縁材料、光導波路、反射防止膜および層、薄膜、そして接着剤を含む数多くの用途に良好に使用できる新規なフッ素化ポリマーを提供する。本発明の好ましいポリマーは、透明度を有し、そして紫外(“UV”)および赤外(“IR”)のスペクトルの重要な領域における光損失が少なく、また化学線に対して敏感であり、イオンエッチングに関連する反応性環境に対して抵抗性を有する。したがって、このようなポリマーは、フォトレジストの用途、ならびに他の感光用途の使用に極めて適合する。特定の好ましい態様において、本発明のポリマーは、化学式Iで示される二環式化合物、化学式IIで示されるアルケン、化学式IIIで示される複素環式化合物、およびトリフルオロメチル置換アルキンから成る群から選ばれるモノマーから誘導される一つまたはそれ以上の反復単位を含む。
【0008】
その他の態様によれば、本発明は本発明のポリマーを形成するのに有利に使用できる新規なモノマーを提供する。
更に別の態様によれば、本発明は、本発明のポリマーの製造に使用されるモノマー化合物を製造するための新規な方法を提供する。
【0009】
特定の態様において、本発明のポリマーは、以下の化学式Iで示されるモノマーから誘導される一つまたはそれ以上の反復単位を含む。
【0010】
【化8】

【0011】
ここで:
Xはメチレン、ジフルオロメチレン、CHR、C(R、酸素またはR‐置換窒素であり、ここでRは1〜約10個の炭素原子を有するフッ素化アルキル基であり、Rは水素、置換されないまたは置換されたアルキル、置換されないまたは置換されたシクロアルキル、置換されないまたは置換されたアリール、または置換されないまたは置換されたアラルキルであり;
Wは水素、フッ素、または‐(CH‐COR´であり、ここで、nは0〜約2であり、R´はC〜Cの置換されたまたは置換されないアルキル基であり;
そしてA、B、YおよびZは独立して水素、フッ素、アルキル、アルコキシ、アリールオキシ、アルキルエーテル、エステルまたはアルキルエステル基であり、ここで前記アルキル、アルコキシ、アルキルエーテル、エステルまたはアルキルエステル基は置換されないかまたは更に置換されてもよい。
【0012】
アルキル基としてのRは、直鎖または枝分かれ分子、例えば、メチル、エチル、n‐プロピル、イソプロピル、n‐ブチル、イソブチル、tert−ブチル、n‐ペンチル、ネオペンチル、n‐ヘキシル、n‐ヘプチル、n‐オクチル、2‐エチルヘキシル、等であってもよい。また、これらの基のどれもが、水素、ヒドロキシル、アルコキシ、アリールオキシ、アルキル、フルオロアルキル、アリールアルキル基、および類似物で置換されてもよい。アルキルの好ましい種類において、Rはフッ素化アルキル、より好ましくはC〜Cフッ素化アルキルである。
【0013】
シクロアルキル基としてのRは、例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、メチルシクロペンチル、シクロヘキシル、メチルシクロヘキシル、ジメチルシクロヘキシル、シクロヘプチル、またはシクロオクチルであってもよい。これらの基のどれもが、例えば、ハロゲン、ヒドロキシル、アルコキシ、アリールオキシ、アルキル、フルオロアルキル、アリールアルキル基、および類似物で置換されてもよい。シクロアルキルの好ましい種類において、Rはフッ素化シクロアルキルである。シクロアルキルのより好ましい種類において、RはC〜Cフッ素化シクロアルキルである。
【0014】
アリール基としてのRは、例えば、フェニル、o‐トリル、m‐トリル、p‐トリル、o‐キシリル、m‐キシリル、p‐キシリル、アルファ‐ナフチル、ベータ‐ナフチル、および類似物であってもよい。これらの基のどれもが、例えば、ハロゲン、ヒドロキシル、アリールオキシ、アルキル、フルオロアルキル、アリールアルキル基、および類似物で置換されてもよい。アリールの好ましい種類において、Rはフッ素化アリールである。
【0015】
アラルキル基としてのRは、例えば、ベンジル、4‐メチルベンジル、o‐メチルベンジル、p‐メチルベンジル、ジフェニルメチル、2‐フェニルメチル、2‐フェニルプロピル、3‐フェニルプロピル、および類似物であってもよい。これらの基のどれもが、例えば、ハロゲン、ヒドロキシル、アリールオキシ、アルキル、フルオロアルキル、アリールアルキル基、および類似物で置換されてもよい。アラルキルの好ましい種類において、Rはフッ素化アラルキルである。
【0016】
〜Cの置換されたまたは置換されないアルキル基としてのR´は、直鎖または枝分かれした分子、例えば、メチル、エチル、n‐プロピル、イソプロピル、n‐ブチル、イソブチル、tert‐ブチル、n‐ペンチル、ネオペンチル、および類似物であってもよい。また、これらの基のどれもが、ハロゲン、ヒドロキシル、アルコキシ、アリールオキシ、アルキル、フルオロアルキル、アリールアルキル基、および類似物で置換されてもよい。アルキルの好ましい種類において、Rはtert‐ブチル基である。
【0017】
独立して選ばれたアルキル基としてのA、B、Yおよび/またはZは、直鎖または枝分かれした分子、例えば、メチル、エチル、n‐プロピル、イソプロピル、n‐ブチル、イソブチル、tert‐ブチル、n‐ペンチル、ネオペンチル、n‐ヘキシル、n‐ヘプチル、n‐オクチル、2‐エチルヘキシル、および類似物であってもよい。また、これらの基のどれもが、ハロゲン、ヒドロキシル、アルコキシ、アリールオキシ、アルキル、フルオロアルキル、アリールアルキル基、および類似物で置換されてもよい。アルキルの好ましい種類において、A、B、Yおよび/またはZは、例えば、トリフルオロメチル、および‐CHC(CF)OH‐CFを含むフッ素化アルキルまたはヒドロキシ‐置換フッ素化アルキルである。
【0018】
独立して選ばれたアルコキシまたはアリールオキシ基としてのA、B、Yおよび/またはZは、化学式‐OR´´の基であってもよく、ここでR´´はRから独立して選ばれるが、同じように定義される。
【0019】
独立して選ばれたエステルまたはアルキルエステル基としてのA、B、Yおよび/またはZは、化学式‐(CH‐COR´´´の基であってもよく、ここで、mは0〜約2であり、そしてR´´´はR´から独立して選ばれるが、同じように定義される。
【0020】
独立して選ばれたエーテル基としてのA、B、Yおよび/またはZは、化学式‐R‐O‐Rの基であってもよく、ここで、RおよびRはRから独立して選ばれるが、同じように定義される。また、A、B、YおよびZから選ばれる二つまたはそれ以上の基は結合されて、環状エーテル置換基を形成してもよい。
【0021】
本発明の使用に適する化学式Iの化合物の例としては、架橋された複素環式化合物、フッ素化ノルボルネン化合物、および類似物がある。本明細書で使用する場合、用語の“架橋された複素環式化合物”は下記の化学式IAの化合物を一般に示し、
【0022】
【化9】

【0023】
ここで、Xは酸素またはR‐置換窒素であり、Rは上記と同様に定義され、W、YおよびAは上記と同様に定義される。本発明の使用に適する架橋された複素環式化合物の例としては、下記の化学式IA1の化合物がある。
【0024】
【化10】

【0025】
特定の好ましい態様において、化学式IA1の化合物のY基は水素またはフッ素である。そのような好ましい化合物の例としては、7‐アザビシクロ[2.2.1]ヘプト‐5‐エン‐2‐(1,1,1‐トリフルオロ‐2‐トリフルオロメチルプロパン‐2‐オール);7‐オキサビシクロ[2.2.1]ヘプト‐5‐エン‐2‐(1,1,1‐トリフルオロ‐2‐トリフルオロメチルプロパン‐2‐オール);4‐フルオロ‐7‐オキサビシクロ[2.2.1]ヘプト‐5‐エン‐2‐(1,1,1‐トリフルオロ‐2‐トリフルオロメチルプロパン‐2‐オール);および類似物がある。
【0026】
本発明の使用に適する他の架橋された複素環式化合物の例としては、7‐オキサビシクロ[2.2.1]ヘプト‐5‐エン‐2‐(1,1,1‐トリフルオロ‐2‐トリフルオロメチルプロパン‐2‐オール)‐1‐カルボン酸 tert‐ブチルエステルのようなエステル置換化合物、および類似物がある。
【0027】
その他の好ましい態様において、本発明で使用される化学式Iの化合物はフッ素化ノルボルネン化合物を含む。本明細書で使用する場合、用語の“フッ素化ノルボルネン化合物”は下記の化学式IBの化合物を一般に示す。
【0028】
【化11】

【0029】
ここで、A、B、Y、およびZは上記と同様に定義され、但し:(a)A、B、YおよびZの少なくても1つはフッ素またはフッ素を含む基であり;(b)Y、Z、およびAが全て水素である場合、Bは‐CHC(CFOHまたは‐C(CFOHではなく;(c)YおよびZが共に水素であり、そしてBがトリフルオロメチルである場合、Aは‐CONHではなく;(d)ZおよびAが共に水素であり、そしてYが‐COHである場合、Bは‐CHF、‐CHF、‐CF、‐CF、またはn‐CFではなく;(e)ZおよびAが共に水素であり、そしてYが‐COEtである場合、Bは‐CF、‐CF、またはn‐CFまたはn‐CF15ではなく;(f)ZおよびAが共に水素であり、そしてYが‐COMeである場合、Bはn‐CFではなく;そして(g)ZおよびAが共に水素であり、そしてYが‐CHOHである場合、Bは‐CF、‐CF、またはn‐CF15ではない。
【0030】
本発明の使用に適する好ましいフッ素化ノルボルネン化合物の例としては、化学式IB1およびIBで示される化合物がある。
【0031】
【化12】

【0032】
ここで、AおよびZは上記と同様に定義される。
【0033】
【化13】

【0034】
ここで、YおよびZは上記と同様に定義され、但しn=1の場合、YおよびZは共に水素ではない。
一部の好ましい態様において、化学式IB1のAおよびZ基は独立して水素またはフッ素である。このような好ましい化合物の例としては、3‐トリフルオロメチル‐ビシクロ[2.2.1]ヘプト‐5‐エン‐2‐(1,1,1‐トリフルオロ‐2‐トリフルオロメチルプロパン‐2‐オール);3‐フルオロ‐3‐トリフルオロメチル‐ビシクロ[2.2.1]ヘプト‐5‐エン‐2‐(1,1,1‐トリフルオロ‐2‐トリフルオロメチルプロパン‐2‐オール);2‐フルオロ‐3‐トリフルオロメチル‐ビシクロ[2.2.1]ヘプト‐5‐エン‐2‐(1,1,1‐トリフルオロ‐2‐トリフルオロメチルプロパン‐2‐オール);2,3‐ジフルオロ‐3‐トリフルオロメチル‐ビシクロ[2.2.1]ヘプト‐5‐エン‐2‐(1,1,1‐トリフルオロ‐2‐トリフルオロメチルプロパン‐2‐オール);および類似物がある。
【0035】
一部の好ましい態様において、化学式IBのYおよびZ基は独立してトリフルオロメチル、水素またはフッ素である。このような好ましい化合物の例としては、2‐メチルプロピル2,3‐(ビス‐トリフルオロメチル)‐ビシクロ[2.2.1]ヘプト‐5‐エン‐2‐カルボキシレート;2‐メチルプロピル 2‐トリフルオロメチル‐ビシクロ[2.2.1]ヘプト‐5‐エン‐2‐イル‐アセテート;2‐メチルプロピル 2‐トリフルオロメチル‐ビシクロ[2.2.1]ヘプト‐5‐エン‐2‐イル‐プロピオネート;2‐メチルプロピル 3,3‐ジフルオロ‐2‐トリフルオロメチル‐ビシクロ[2.2.1]ヘプト‐5‐エン‐2‐イル‐アセテート;および類似物がある。
【0036】
他の好ましいフッ素化ノルボルネン化合物としては、2,2‐ビス(トリフルオロメチル)‐4‐(ビシクロ[2.2.1]ヘプト‐5‐エニル)‐1,3‐ジオキソラン、および類似物;および下記の化学式IBのトリフルオロアルコキシノルボルネンのような環状エーテル化合物がある。
【0037】
【化14】

【0038】
ここで、R´´は上記と同様に定義される。
一部の好ましい態様において、本発明のポリマーは以下の化学式IIで示されるモノマーから誘導される一つまたはそれ以上の反復単位を含む。
【0039】
【化15】

【0040】
ここで、A、B、Y、およびZは上記と同様に定義される。本発明で使用するために適合する化学式IIのアルケンの例としては下記の化学式IIAのものがある。
【0041】
【化16】

【0042】
ここで、A、BおよびZは上記と同様に定義される。
一部の好ましい態様において、化学式IIAの化合物はA、BおよびZ基を含み、ここでAおよびZは独立して水素またはフッ素であり、そしてBは水素またはトリフルオロメチルである。このような好ましい化合物の例としては、1,1,1,6,6,6‐ヘキサフルオロ‐2‐(トリフルオロメチル)‐ヘックス(hex)‐4‐エン‐2‐オール;1,1,1,5,6,6,6‐ヘプタフルオロ‐2‐(トリフルオロメチル)‐ヘックス(hex)‐4‐エン‐2‐オール;1,1,1,4,6,6,6‐ヘプタフルオロ‐2‐(トリフルオロメチル)‐ヘックス‐4‐エン‐2‐オール;1,1,1,4,5,6,6,6‐オクタフルオロ‐2‐(トリフルオロメチル)‐ヘックス‐4‐エン‐2‐オール;および類似物がある。他の好ましい化合物としては、ビス(トリフルオロメチル)アリルカルビノール、および類似物がある。
【0043】
化学式IIの他の適当なアルケンの例としては、下記の化学式IIBの化合物がある。
【0044】
【化17】

【0045】
ここで、A、B、mおよびR´´´は上記と同様に定義される。化学式IIBの一部の好ましい態様において、AおよびBは、好ましくは、独立して水素、フッ素、またはトリフルオロメチルである。本発明で使用するための化学式IIBのこのような化合物の例としては、2‐メチルプロピル 4,4,4‐トリフルオロ‐2‐(トリフルオロメチル)‐ブト(but)‐2‐エノエート(enoate);2‐メチルプロピル 3‐(トリフルオロメチル)‐ブト(but)‐3‐エノエート(enoate);2‐メチルプロピル 4‐(トリフルオロメチル)ペント‐4‐エノエート;2‐メチルプロピル 4,4‐ジフルオロ‐3‐(トリフルオロメチル)ブト‐3‐エノエート;2‐メチルプロピル 5,5‐ジフルオロ‐4‐(トリフルオロメチル)ペント‐4‐エノエート;および類似物がある。
【0046】
本発明で使用するのに適する他の化学式IIのアルケンの例としては、1,1,1,4,4,4‐ヘキサフルオロブト‐2‐エン;1‐(置換ヒドロキシ)‐1,2,2‐トリフルオロエテン;2,2‐ビス(トリフルオロメチル)‐4‐メチレン‐1,3‐ジオキソラン;1,1,1,4,4,4‐ヘキサフルオロブト‐2‐エン;1‐(置換アルコキシ)‐1,2,2‐トリフルオロエテン;2,2‐ビス(トリフルオロメチル)‐4‐メチレン‐1,3‐ジオキソラン;および類似物がある。
【0047】
一部の好ましい態様において、本発明のポリマーは以下の化学式IIIで示される複素環式モノマーから誘導される一つまたはそれ以上の反復単位を含む。
【0048】
【化18】

【0049】
ここで、XおよびWは上記と同様に定義される。化学式IIIの適当な複素環式モノマーの例としては、1‐置換ピロール、フラン、2‐フルオロフラン、2‐フロ酸、および類似物がある。
【0050】
いくつかの他の態様において、本発明のポリマーは、トリフルオロメチル‐置換アルキンから誘導された一つまたはそれ以上の反復単位を含む。本明細書で使用される場合、用語の“トリフルオロメチル‐置換アルキン”は少なくとも1つのトリフルオロメチル置換基を含む線状、環状、または二環式アルキン化合物を示す。適当なトリフルオロメチル‐置換アルキンは、例えば、1,1,1,4,4,4‐ヘキサフルオロブト‐2‐エン;2,3‐(ビス‐トリフルオロメチル)‐ビシクロ[2.2.1]ヘプト‐2,5‐ジエン;および類似物を含む。
【0051】
いくつかの態様において、本発明のポリマーは、一種類のモノマー化合物、即ち、化学式Iで示されるただ一つの二環式化合物、化学式IIで示されるただ一つのアルケン、化学式IIIで示されるただ一つの複素環式化合物、または本発明のただ一つのトリフルオロメチル‐置換アルキンから選ばれる一つまたはそれ以上の化合物から誘導される反復単位を含む。このような態様において、このポリマーは全てが同じ化合物から誘導される反復単位を含むホモポリマーであってもよい。またはこのポリマーは、化学式Iで示される二つまたはそれ以上の異なる二環式化合物から誘導される二つまたはそれ以上の反復単位を含むか、化学式IIで示される二つまたはそれ以上の異なるアルケンを含むか、化学式IIIで示される二つまたはそれ以上の異なる複素環式化合物を含むか、または二つまたはそれ以上の異なるトリフルオロメチル‐置換アルキンを含んでもよい。
【0052】
いくつかの他の態様において、本発明のポリマーの反復単位は本発明の複数の化合物から誘導され、その少なくとも二つは本発明の異なる種類のモノマーから得られる。このような組成物は、コポリマー、ブロックコポリマー、ターポリマー、4またはそれ以上の種類の反復単位を含むポリマー、これらの2種またはそれ以上の組み合わせ、等であってもよい。
【0053】
更に他の態様において、本発明のポリマーは、他のモノマー;オリゴマー;または化学式Iで示される少なくとも1つの二環式化合物、化学式IIで示されるアルケン、化学式IIIで示される複素環式化合物、または本発明のトリフルオロメチル‐置換アルキンと共重合されたポリマー化合物;から誘導される一つまたはそれ以上の反復単位を含有してもよい。適当な他のモノマー、オリゴマー、およびポリマー化合物としては、例えば、エチレンの不飽和化合物、特に少なくとも1つのフッ素置換基を有するものがある。好ましいエチレンの不飽和化合物としては、CFCH=CF;CFCH=CHF;CFCF=CHF;CFCF=CH;およびRf(CHCX=C(ここでpは0〜約20であり、Rfは約1〜約10個の炭素原子を有するペルフルオロアルキル基であり、XおよびYは独立してHまたはFであり、但し、RfがCFであり、XがFである場合、YはHでなければならない)の化学式で示されるものがある。
【0054】
本発明のポリマーは、化学式Iで示される二環式化合物、化学式IIで示されるアルケン、化学式IIIで示される複素環式化合物、トリフルオロメチル‐置換アルキン、およびこれらの二つまたはそれ以上の組み合わせ、から成る群から選ばれる一つまたはそれ以上の化合物を、任意に、これらと共重合される別のモノマー化合物の存在下で、重合させることによって調製される。これらの化合物を重合させる広範囲の公知の方法のどれもが、本発明に従って使用できる。例えば、モノマー化合物は光または熱に曝すことによって、および/または触媒を使用して、重合できる。一部の態様において、本発明のポリマーは、重合されるモノマー化合物および公開された特許出願WO 97/33198(これはB. F. Goodrichに譲渡され、そして参考文献として本明細書に組み込まれる)に開示されたような単一または多成分金属触媒系を含有する反応混合物を重合することによって調製される。また、本発明のポリマーは、例えば、Risse, Makromol Chem., Rapid Comm., 12巻, 255〜259頁 (1991)およびHung, Proceedings of SPIE, 4345巻, 385〜395 (2001)に開示されるようなニッケルまたはパラジウム触媒を用いて調製されてもよく、これら二つの文献は参考文献として本明細書に組み込まれる。上述の開示内容および引用された文献を考慮して、当業者は、過度の実験なしに本発明のポリマーを容易に製造できるであろう。
【0055】
ポリマーの使用
本発明のポリマーは広範囲の用途に有用性を有する。
例えば、本発明の一つの態様は本発明のポリマーをフォトレジスト組成物に使用する。本発明のポリマーは、好ましくは一定の範囲の紫外線照射に対して、約157ナノメートルで最も著しく、有益な透明度の特性を示し、および/またはフォトレジストの用途に対して特に有効な他の特性を示す。
【0056】
特定の態様において、本発明のフォトレジスト組成物は本発明のポリマーを含む。別の態様において、本発明のフォトレジストは溶媒および光開始剤(例えば、感光性酸発生剤)を更に含む。どのような広範囲の溶媒も本発明のフォトレジスト組成物に好ましく使用される。例えば、公開された特許出願WO 97/33198に開示された溶媒はどれでも本発明で使用できる。広範囲の光開始剤のどれもが本発明のフォトレジスト組成物に使用するのに適している。適切な光開始剤の例としては、公開された特許出願WO 97/33198に開示されたものがある。特定の態様において、光開始剤は、ポリマーに対して好ましくは約1〜約100w/w%の量で存在する。より好ましくは、光開始剤は約5〜約50w/w%の量で存在する。
【0057】
特定の態様において、本発明のフォトレジスト組成物は溶解抑制剤を更に含有する。広範囲の公知の溶解抑制剤のどれもが本発明の方法に使用できる。例えば、t‐ブチルコラートおよび類似物が本発明のフォトレジスト組成物の溶解抑制剤として使用されてもよい。溶解抑制剤は適切な量で使用できる。好ましくは、溶解抑制剤はフォトレジスト組成物の約20重量%以下の量で使用される。
【0058】
特定の態様において、本発明のフォトレジスト組成物は、中間紫外線から可視光線までの範囲の長い波長まで光開始剤を増感できる増感剤を含有する。適当な増感剤の具体例はWO 97/33198、および米国特許番号4,250,053;4,371,605;および4,491,628に開示されており、これらの全ては参考文献として本明細書に組み込まれる。
【0059】
本発明のフォトレジスト組成物は基体上にポジ型レジスト像を形成するために使用できる。本発明は基体上にポジ型レジスト像を形成する方法を提供し、この方法は(a)本発明のフォトレジスト組成物を含む被膜で基体を被覆する工程、(b)前記被膜を放射線に像方向に曝す工程、および(c)前記像を現像する工程を含む。被覆工程、放射工程および現像工程は公知の技術を用いて実施できる。例えば、出願のWO 97/33198に記述された方法は本発明の使用に適用できる。本明細書で示された開示内容を考慮して、当業者は本発明の方法に従うポジ型レジスト像を容易に形成できるであろう。
【0060】
また、本発明は、本発明の方法によって、および/または本発明のポリマーを使用することによって、作製された集積回路チップ、マルチチップモジュール、または回路基板のような集積回路アセンブリに関する。この集積回路アセンブリは、好ましくは(a)本発明のフォトレジスト組成物を含む被膜で基体を被覆する工程、(b)前記被膜を放射線に像方向に曝す工程、(c)前記像を現像して、前記基体を露出させる工程、そして(d)前記基体上に回路を形成する工程、によって基体上に形成された回路を含む。出願のWO 97/33198に記述された技術を含む広範囲の技術のどれもが、本発明の方法に使用するために適用できる。
【0061】
また、本発明のポリマーは、誘電体材料、不動化および絶縁材料、光導波路、反射防止膜および層、薄膜、接着剤、等として利用できる。
【0062】
モノマー化合物を調製する方法
本発明は、本発明に基づく化学式Iで示される多様な二環式化合物、および化学式IIで示される多様なアルケンを製造する効率的な方法を更に提供する。
【0063】
例えば、特定の実施態様によれば、本発明は下記に示される反応スキーム(スキーム1)を経由して二環式化合物を調製する。
スキーム1
【0064】
【化19−1】

【0065】
【化19−2】

【0066】
スキーム1の化合物
化合物1: 1‐置換ピロール
化合物2: ビス(トリフルオロメチル)アリルカルビノール
化合物3: 7‐アザビシクロ[2.2.1]ヘプト‐5‐エン‐2‐(1,1,1‐トリフルオロ‐2‐トリフルオロメチルプロパン‐2‐オール)
化合物4: フラン
化合物5: 7‐オキサビシクロ[2.2.1]ヘプト‐5‐エン‐2‐(1,1,1‐トリフルオロ‐2‐トリフルオロメチルプロパン‐2‐オール)
化合物6: 2‐フルオロフラン
化合物7: 4‐フルオロ‐7‐オキサビシクロ[2.2.1]ヘプト‐5‐エン‐2‐(1,1,1‐トリフルオロ‐2‐トリフルオロメチルプロパン‐2‐オール)
化合物8: フロ酸
化合物9: 1,1,1,4,4,4‐ヘキサフルオロブト‐2‐エン
化合物10: 7‐オキサビシクロ[2.2.1]ヘプト‐5‐エン‐2‐(1,1,1‐トリフルオロ‐2‐トリフルオロメチルプロパン‐2‐オール)‐1‐カルボン酸 tert−ブチルエステル
化合物11: 1‐(置換ヒドロキシ)‐1,2,2‐トリフルオロエテン
化合物12: 3,4,4‐トリフルオロ‐3‐(置換ヒドロキシ)‐ビシクロ[2.2.1]ヘプト‐5‐エン
化合物13: 2,2‐ビス(トリフルオロメチル)‐4‐メチレン‐1,3‐ジオキソラン
化合物14: 2,2‐ビス(トリフルオロメチル)‐4‐(ビシクロ[2.2.1]ヘプト‐5‐エニル)‐1,3‐ジオキソラン
化合物23: 2‐メチルプロピル 4,4,4‐トリフルオロ‐2‐(トリフルオロメチル)‐ブト‐2‐エノエート
化合物24: 2‐メチルプロピル2,3‐(ビス‐トリフルオロメチル)‐ビシクロ[2.2.1]ヘプト‐5‐エン‐2‐カルボキシレート
化合物25: 1,1,1,4,4,4‐ヘキサフルオロブト‐2‐エン
化合物26: 2,3‐(ビス‐トリフルオロメチル)‐ビシクロ[2.2.1]ヘプト‐2,5‐ジエン
【0067】
スキーム1に示すように、ディールス・アルダー条件の下でアルケンまたはアルキンをジエンと反応させて、二環式化合物を生成することにより、本発明の種々の二環式化合物が調製される。例えば、化合物1、4、および8(Aldrich Chemical会社から入手可能)を含む本発明で使用するための種々のジエンは、市販されているか、または文献で公知であり、そして公知の方法(例えば、化合物6は、2‐ブロモフランをn‐ブチルリチウムでリチウム化した後、N‐フルオロベンゼンスルホンアミドでフッ素化することにより調製できる)で得られる。また、化合物2、9、11、13、23および25を含む反応性アルケンおよびアルキンは公知の方法(例えば、参考文献として本明細書に組み込まれる、Okamoto, J. Poly. Sci. Pt. A. Polym. Chem., 31, 2573 (1993);Hazeldine, J. Chem. Soc., 2504 (1952);Dyatkin, Zh. Org. Khim., 3, 1006 (1967);Hung, J. Fluorine Chem., 52, 159 (1991);Dolbier, J. Org. Chem., 63, 9486 (1998);およびChambers, J. Fluorine Chem., 79, 121 (1996)、を参照)で得られる。
【0068】
適切な反応条件を本発明の実施に使用できる。ディールス・アルダー反応の温度、時間、および圧力条件は公知である。所定の反応で使用される特定の反応条件は、使用される特定の反応物および触媒、そして時間と所望の生成物の収量に依存するであろう。本発明で使用できる適切な反応条件の例としては、J. MarchのAdvanced Organic Chemistry、839〜856頁(第4版、1992年)に開示され、これは参考文献として本明細書に組み込まれる。
【0069】
その他の実施態様によれば、本発明は下記に示される反応スキーム2および3を経由して化学式IIのアルケンおよびフッ素置換ノルボルネン化合物の調製方法を提供する。
スキーム2
【0070】
【化20】

【0071】
スキーム2の化合物
化合物15: 1,1,1,6,6,6‐ヘキサフルオロ‐2‐(トリフルオロメチル)‐ヘックス(hex)‐4‐エン‐2‐オール
化合物16: 3‐トリフルオロメチル‐ビシクロ[2.2.1]ヘプト‐5‐エン‐2‐(1,1,1‐トリフルオロ‐2‐トリフルオロメチルプロパン‐2‐オール)
化合物17: 1,1,1,5,6,6,6‐ヘプタフルオロ‐2‐(トリフルオロメチル)‐ヘックス‐4‐エン‐2‐オール
化合物18: 3‐フルオロ‐3‐トリフルオロメチル‐ビシクロ[2.2.1]ヘプト‐5‐エン‐2‐(1,1,1‐トリフルオロ‐2‐トリフルオロメチルプロパン‐2‐オール)
化合物19: 1,1,1,4,6,6,6‐ヘプタフルオロ‐2‐(トリフルオロメチル)‐ヘックス‐4‐エン‐2‐オール
化合物20: 2‐フルオロ‐3‐トリフルオロメチル‐ビシクロ[2.2.1]ヘプト‐5‐エン‐2‐(1,1,1‐トリフルオロ‐2‐トリフルオロメチルプロパン‐2‐オール)
化合物21: 1,1,1,4,5,6,6,6‐オクタフルオロ‐2‐(トリフルオロメチル)‐ヘックス‐4‐エン‐2‐オール
化合物22: 2,3‐ジフルオロ‐3‐トリフルオロメチル‐ビシクロ[2.2.1]ヘプト‐5‐エン‐2‐(1,1,1‐トリフルオロ‐2‐トリフルオロメチルプロパン‐2‐オール)
【0072】
スキーム2に示すように、この方法は、化学式15〜22で示されるどのような化合物の調製を許容する限りにおいて柔軟性に富み、そして本発明の化学式IおよびIIの他の類似の化合物を調製するように適合できる。例えば、アルケン化合物31a〜31dおよびスキーム2で示される最初の臭素化工程を初めとして、スキーム2で示される一つまたはそれ以上の連続した反応工程のどれもが本発明の方法に従って結合されて、化学式15〜22の化合物を生成する。本発明の方法は、化学式15〜22で示される化合物、または化学式Iおよび化学式IIの類似の化合物を調製するために、スキーム2で示された一連の工程の新規ないずれかの組み合わせを包含する。
【0073】
好ましくは、スキーム2の臭素化工程は、ヒドロキシル‐置換アルケンを臭素化剤と反応させて、臭素化アルケンを生成する工程を含む。化学式31a〜31dのようなアリルアリルアルコールは、米国特許出願番号60/358,592に開示されており、これは参考文献として本明細書に組み込まれる(そして、この優先権は請求されている)。
【0074】
本明細書で使用される場合、用語の“臭素化剤”は、ヒドロキシル‐置換アルケンと反応して、臭素化アルケンを生成できる試薬を一般的に示す。多数の臭素化剤のどれでもが本発明の方法に使用できる。適当な臭素化剤の例および臭素化の条件が、Agnew. Chem. Engl., 36, 980, (1997)に開示され、これは参考文献として本明細書に組み込まれる。好ましいエステル化剤は三臭化リンである。
【0075】
スキーム2で示される第二工程はグリニャール型反応である。一般に、標準グリニャール条件下で臭素化アルケンをヘキサフルオロアセトン(HFA)と反応させると、化学式15、17、19、21の化合物、ならびに本発明の他の関連化合物のような、トリフルオロヘキセノールを生成する。
【0076】
スキーム2の第三工程はディールス‐アルダー反応である。適切な一連の反応条件が工程3で使用できる。ディールス‐アルダー反応の温度、時間、および圧力の条件は公知である。所定の反応で使用される特定の一連の反応条件は、特定の反応物および使用される触媒および時間そして所望の生成物の収量に依存するであろう。本発明での使用に適合する適切な反応条件の例は、J. MarchのAdvanced Organic Chemistry、839〜856頁(第4版、1992年)に開示され、これは参考文献として本明細書に組み込まれる。
【0077】
スキーム3
【0078】
【化21】

【0079】
スキーム3の化合物
化合物27(n=1): 2‐メチルプロピル 3‐(トリフルオロメチル)ブト(but)‐3‐エノエート
化合物35(n=2): 2‐メチルプロピル 4‐(トリフルオロメチル)ペント‐4‐エノエート
化合物28(n=1): 2‐メチルプロピル 2‐トリフルオロメチル‐ビシクロ[2.2.1]ヘプト‐5‐エン‐2‐イル‐アセテート
化合物37(n=2): 2‐メチルプロピル 2‐トリフルオロメチル‐ビシクロ[2.2.1]ヘプト‐5‐エン‐2‐イル‐プロピオネート
化合物29(n=1): 2‐メチルプロピル 4,4‐ジフルオロ‐3‐(トリフルオロメチル)ブト‐3‐エノエート
化合物36(n=2): 2‐メチルプロピル 5,5‐ジフルオロ‐4‐(トリフルオロメチル)ペント‐4‐エノエート
化合物30(n=1): 2‐メチルプロピル 3,3‐ジフルオロ‐2‐トリフルオロメチル‐ビシクロ[2.2.1]ヘプト‐5‐エン‐2‐イル‐アセテート
化合物38(n=2): 2‐メチルプロピル 3,3‐ジフルオロ‐2‐トリフルオロメチル‐ビシクロ[2.2.1]ヘプト‐5‐エン‐2‐イル‐プロピオネート
【0080】
スキーム3で示す第一工程は臭素化アルケンをブロモアルキルエステルと反応させて、化学式27、35、29および36のもの、ならびに本発明の他の化合物を含むアルキル‐エステル置換アルケンを製造する工程を含む。化学式31および32のもののような臭素化アルケンは商業的に入手可能であり(例えば、化合物31はSynQuest Labsから購入できる)、および/または業界で認められた方法で入手できる(例えば、化合物32は、Henne, J. Am. Chem. Soc., 73, 1042 (1951)に記載された方法に基づいて製造でき、この文献は参考文献として本明細書に組み込まれる)。また、化合物33および34のようなブロモアルキルエステルは、商業的に入手できる(例えば、Aldrichから)。
【0081】
適切な反応条件がスキーム3の第一工程で使用できる。所定の反応で使用される特定の一連の反応条件は、特定の反応物および使用触媒および時間そして所望の生成物の収量に依存するであろう。本発明での使用に適合する適切な反応条件の例は、Hu, J. Chem. Soc. Comm., 289頁 (1994)およびXu, J. Org. Chem., 56, 7336頁 (1991)に開示され、これらの両方は参考文献として本明細書に組み込まれる。
【0082】
スキーム3の第二工程はディールス‐アルダー反応である。上述のような適切な一連の反応条件が使用できる。
上記反応スキームのそれぞれの反応から得られた化合物は、当業者に知られた従来の方法で清浄化できる。例えば、水性洗浄、乾燥、減圧下の濃縮、蒸留、等が使用されてもよい。
【0083】
上述の開示内容を考慮して、当業者は、過度の実験なしに上述の反応工程のそれぞれに対して、適切な試薬を選定し、そして反応条件を容易に最適化できるであろう。
【0084】
(実施例)
本発明の理解を容易にするために、以下の実施例を説明するが、これらは発明を説明するためのものであって、範囲を限定するものではない。
【0085】
実施例1
この実施例は、本発明に従う2‐(7‐アザ‐ビシクロ[2.2.1]ヘプト‐5‐エン‐2‐イルメチル)‐1,1,1,3,3,3,‐ヘキサフルオロ‐プロパン‐2‐オールの調製方法を説明する。
【0086】
ピロール(67g、1モル)、アリルヘキサフルオロイソプロパノール(208g、1モル)およびヒドロキノン(11g、0.1モル)をオートクレーブに装入して、反応混合物を形成する。この反応混合物を0.1キロバールおよび50℃で40時間反応させる。次いで、生成物を未反応の出発原料から蒸留により分離して、97g(35%)(沸点100〜110℃/0.1mm)の生成物を得る。
【0087】
実施例2
この実施例は、本発明に従う1,1,1,3,3,3,‐ヘキサフルオロ2‐(7‐メチル‐7‐アザ‐ビシクロ[2.2.1]ヘプト‐5‐エン‐2‐イルメチル)‐プロパン‐2‐オールの調製方法を説明する。
【0088】
この化合物は、N‐メチルピロールがピロールの代わりに使用されることを除いて、実施例1で記述された方法にしたがって調製される。生成物の収量は61g(21%)(融点=70〜76℃)である。
【0089】
実施例3
この実施例は、本発明に従う1,1,1,3,3,3,‐ヘキサフルオロ2‐(7‐オキサ‐ビシクロ[2.2.1]ヘプト‐5‐エン‐2‐イルメチル)‐プロパン‐2‐オールの調製方法を説明する。
【0090】
この化合物は、フランがピロールの代わりに使用されることを除いて、実施例1で記述された方法にしたがって調製される。生成物の収量は117g(42%)(融点=53〜59℃)である。
【0091】
実施例4
この実施例は、本発明に従う2,3‐ビス‐トリフルオロメチル‐7‐オキサ‐ビシクロ[2.2.1]ヘプト‐5‐エン‐2‐カルボン酸 tert‐ブチルエステルの調製方法を説明する。
【0092】
フラン(13.6g、0.2モル)、4,4,4‐トリフルオロ‐2‐トリフルオロメチル‐ブト‐2‐エノイックアシッド(enoic acid) tert‐ブチルエステル(10.6g、0.2モル)およびヒドロキノン(1g、9ミリモル)をオートクレーブに装入する。この反応器を100℃で96時間加熱して、生成物を形成する。融点が90〜97℃の生成物の収量は7.9g(12%)である。
【0093】
実施例5
この実施例は、本発明に従う2‐(2,3‐ジフルオロ‐3‐トリフルオロメチル‐ビシクロ[2.2.1]ヘプト‐5‐エン‐2‐イルメチル)‐1,1,1,3,3,3,‐ヘキサフルオロ‐プロパン‐2‐オールの調製方法を説明する。
【0094】
シクロペンタジエン(13.2g、0.2モル)、1,1,1,3,4,5,5,5‐オクタフルオロ‐2‐トリフルオロ‐ペント‐3‐エン‐2‐オール(62g、0.2モル)およびヒドロキノン(0.1g、0.9ミリモル)をオートクレーブに装入する。このオートクレーブを180〜190℃で40時間加熱して、生成した反応混合物を形成する。この生成物は、反応混合物を10%NaOH溶液で抽出し、次いでヘキサンで洗浄することにより得られる。水性層を6NのHClで酸性化し、相分離し、乾燥し、そして低沸点成分を蒸発により除去する。融点が68〜75℃の生成物の収量は15g(20%)である。
【0095】
実施例6
この実施例は、本発明に従う2,3‐ビス‐トリフルオロメチル‐ビシクロ[2.2.1]ヘプト‐5‐エン‐2‐カルボン酸 tert‐ブチルエステルの調製方法を説明する。
【0096】
この化合物は、4,4,4‐トリフルオロ‐2‐トリフルオロメチル‐ブト‐2‐エノイックアシッド(enoic acid) tert‐ブチルエステルが、1,1,1,3,4,5,5,5‐オクタフルオロ‐2‐トリフルオロ‐ペント‐3‐エン‐2‐オールの代わりに使用されることを除いて、実施例5で記述された方法にしたがって調製される。有機相中に残留する生成物は、蒸留によって低沸点成分を除去することによって単離される。融点が80〜85℃のこの反応生成物の収量は33.7g(51%)である。
【0097】
実施例7
この実施例は、本発明に従う5‐tert‐ブトキシ‐5,5,6‐トリフルオロ‐ビシクロ[2.2.1]ヘプト‐2‐エンの調製方法を説明する。
【0098】
この化合物は、1‐tert‐ブトキシ‐1,1,2‐トリフルオロエタンが、ジエノフィル(dienophile)として使用されることを除いて、実施例6で記述された方法にしたがって調製される。融点が35〜40℃のこの生成物の収量は16.7g(38%)である。
【0099】
実施例8
この実施例は、本発明に従う1,1,1,5,6,6,6‐ヘプタフルオロ‐2‐トリフルオロメチル‐ヘックス‐4‐エン‐2‐オールの調製方法を説明する。
【0100】
3,4,4,4‐テトラフルオロ‐ブト‐2‐エン‐1‐オール(144g、1モル)を500mLのエーテルに溶解し、そしてPBr(270.7g、1モル)で処理する。ガスクロマトグラフィー(gc)分析に基づく、生成物の転化率は77%である。未精製の4‐ブロモ‐1,1,1,2‐テトラフルオロ‐ブト‐2‐エンをMg(18.7g、0.8モル)を含有する500mLのエーテル中で反応させる。グリニャールの生成が完了した後、この溶液をヘキサフルオロアセトン(133g、0.8モル)を用いて0〜5℃で処理する。この転化率はガスクロマトグラフィー分析に基づいて68%である。生成物を蒸留で単離する。50〜55℃/40mmの範囲で沸騰する留分は次の工程で直接に使用される。
【0101】
実施例9
この実施例は、本発明の一つの態様に従う1,1,1,3,3,3,‐ヘキサフルオロ‐2‐(3‐フルオロ‐3‐トリフルオロメチル‐ビシクロ[2.2.1]ヘプト‐エン‐2‐イルメチル)‐プロパン‐2‐オールの調製方法を説明する。
【0102】
シクロペンタジエン(13g、0.2モル)、実施例8からのアルコール(58g、0.2モル)およびヒドロキノン(0.1g、0.9ミリモル)をオートクレーブに装入し、そして170〜180℃で40時間加熱する。得られた粗生成物を150mLのヘキサンに溶解し、次いで10%NaOH溶液で抽出する。この水性層を別の100mLのヘキサンで一回抽出する。この水性層を6NのHClで酸性化する。生成する有機層を相分離させる。低沸点成分を蒸留により除去して、白色の固体生成物を得る。融点が73〜78℃の生成物の収量は23.7g(33%)である。
【0103】
実施例10
この実施例は、本発明の別の態様に従う1,1,1,3,3,3,‐ヘキサフルオロ‐2‐(3‐フルオロ‐3‐トリフルオロメチル‐ビシクロ[2.2.1]ヘプト‐エン‐2‐イルメチル)‐プロパン‐2‐オールの調製方法を説明する。
【0104】
実施例8で説明したように調製された化合物の4‐ブロモ‐1,1,1,2‐テトラフルオロ‐ブト‐2‐エン(41.4g、0.2モル)をシクロペンタジエン(13.2g、0.2モル)とオートクレーブ中で180〜190℃で24時間、反応させる。この中間生成物の6‐ブロモ‐5‐フルオロ‐5‐トリフルオロメチル‐ビシクロ[2.2.1]ヘプト‐2‐エンを減圧蒸留で単離した。沸点が70〜77℃/0.5mmの生成物の収量は41.5g(76%)である。
【0105】
この中間生成物を100mLのエーテル中でMg(4.86g、0.2モル)と反応させる。Mgの全てが反応した後に、この溶液を5℃以下に冷却し、次いでヘキサフルオロアセトン(33.2g、0.2モル)と反応させた。この添加が完了した後に、この溶液を25℃まで加温し、3時間撹拌し、3NのHClで加水分解し、そして有機層をMgSO上で乾燥した。エーテルを蒸留で除去して、生成物を得た。生成物の構造はgc/ms分析によって確認された。
【0106】
実施例11
この実施例は、本発明のノルボルネンモノマーを重合して、本発明のポリマーを生成することを含む、本発明の一つの態様を説明する。
【0107】
テフロン被覆された撹拌棒を備えた50mLのグラスに、モノマー化合物の3‐トリフルオロメチル‐ビシクロ[2.2.1]ヘプト‐5‐エン‐2‐(1,1,1‐トリフルオロ‐2‐トリフルオロメチルプロパン‐2‐オール)(10.3ミリモル)を添加する。このモノマー化合物を周囲温度で撹拌し、そしてこの撹拌した化合物に触媒溶液を加える(この触媒溶液は、5mLのクロロベンゼン中のn3‐アリルパラジウムクロリドダイマー(38mg、0.1ミリモル)を5mLのクロロベンゼン中の銀ヘキサフルオロアンチモネート(99mg、0.3ミリモル)に30分間添加し、次いでミクロ細孔フィルターを通してろ過して、沈殿した塩化銀を除去することによって、得られる)。この反応を36時間実施する。この時間の後に、この混合物はゲル化して、明るい黄色のゲルを形成する。このゲルを過剰のメタノールに加えると、ポリマーが白色粉末として沈殿する。このポリマーを過剰量のメタノールで洗浄し、乾燥する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)化学式IAの架橋された複素環式化合物:
【化1】

ここで:
Xは酸素またはR‐置換窒素であり;
Rは水素、置換されないまたは置換されたアルキル、置換されないまたは置換されたシクロアルキル、置換されないまたは置換されたアリール、置換されないまたは置換されたアラルキルであり;
Wは水素、フッ素、または‐(CH‐COR´であり、ここで、nは0〜約2であり、R´はC〜Cの置換されたまたは置換されないアルキル基であり;そして
YおよびAは独立して水素、フッ素、アルキル、アルコキシ、アリールオキシ、アルキルエーテル、エステルまたはアルキルエステル基であり、ここで前記アルキル、アルコキシ、アルキルエーテル、エステルまたはアルキルエステル基は置換されないかまたは更に置換されてもよく;
(b)化学式IBのフッ素化ノルボルネン化合物:
【化2】

ここで:
Y、Z、AおよびBは独立して水素、フッ素、アルキル、アルコキシ、アリールオキシ、アルキルエーテル、エステルまたはアルキルエステル基であり、ここで前記アルキル、アルコキシ、アルキルエーテル、エステルまたはアルキルエステル基は置換されないかまたは更に置換されてもよく;
但し:(i)A、B、YおよびZの少なくても1つはフッ素またはフッ素を含む基であり;(ii)Y、Z、およびAが全て水素である場合、Bは‐CHC(CFOHまたは‐C(CFOHではなく;(iii)YおよびZが共に水素であり、そしてBがトリフルオロメチルである場合、Aは‐CONHではなく;(iv)ZおよびAが共に水素であり、そしてYが‐COHである場合、Bは‐CHF、‐CHF、‐CF、‐CF、またはn‐CFではなく;(v)ZおよびAが共に水素であり、そしてYが‐COEtである場合、Bは‐CF、‐CF、またはn‐CFまたはn‐CF15ではなく;(vi)ZおよびAが共に水素であり、そしてYが‐COMeである場合、Bはn‐CFではなく;そして(vii)ZおよびAが共に水素であり、そしてYが‐CHOHである場合、Bは‐CF、‐CF、またはn‐CF15ではなく;
(c)化学式IIAおよびIIBのアルケン:
【化3】

【化4】

ここで:
Z、AおよびBは独立して水素、フッ素、アルキル、アルコキシ、アリールオキシ、アルキルエーテル、エステルまたはアルキルエステル基であり、ここで前記アルキル、アルコキシ、アルキルエーテル、エステルまたはアルキルエステル基は置換されないかまたは更に置換されてもよく;
mは約0〜約2であり、そして
R´´´はC〜Cの置換されたまたは置換されないアルキル基であり;
(d)化学式IIIの複素環式化合物:
【化5】

ここで:
Xはメチレン、酸素またはR‐置換窒素であり;ここで、Rは水素、置換されないまたは置換されたアルキル、置換されないまたは置換されたシクロアルキル、置換されないまたは置換されたアリール、または置換されないまたは置換されたアラルキルであり;そして
Wは水素、フッ素、または‐(CH‐COR´であり、ここで、nは0〜約2であり、R´はC〜Cの置換されたまたは置換されないアルキル基であり;そして
(e)これらの2またはそれ以上の組み合わせ:
から成る群から選ばれる少なくとも1つのモノマー化合物から誘導される反復単位を含むポリマー。
【請求項2】
化学式IAの架橋された複素環式化合物から誘導される少なくとも1つの反復単位を含む、請求項1に記載のポリマー。
【請求項3】
前記反復単位は、Aが‐CHC(CFOHである化学式IAの架橋された複素環式化合物から誘導される、請求項2に記載のポリマー。
【請求項4】
前記架橋された複素環式化合物は、7‐アザビシクロ[2.2.1]ヘプト‐5‐エン‐2‐(1,1,1‐トリフルオロ‐2‐トリフルオロメチルプロパン‐2‐オール);7‐オキサビシクロ[2.2.1]ヘプト‐5‐エン‐2‐(1,1,1‐トリフルオロ‐2‐トリフルオロメチルプロパン‐2‐オール);4‐フルオロ‐7‐オキサビシクロ[2.2.1]ヘプト‐5‐エン‐2‐(1,1,1‐トリフルオロ‐2‐トリフルオロメチルプロパン‐2‐オール);およびこれらの2またはそれ以上の混合物から成る群から選ばれる、請求項3に記載のポリマー。
【請求項5】
化学式IBのフッ素化ノルボルネン化合物から誘導される少なくとも1つの反復単位を含む、請求項1に記載のポリマー。
【請求項6】
前記反復単位は、(a)Yがトリフルオロメチルであり、Bが‐CHC(CFOHである化学式IBの化合物;(b)Aがトリフルオロメチルであり、Bが‐(CH‐COtBuであり、そしてnが約0〜約2である化学式IBの化合物;(c)Y、Z、およびAがフッ素であり、Bが‐OR´´であり、そしてR´´が請求項1のRとして定義されたものである化学式IBの化合物;そして(d)これらの2またはそれ以上の組み合わせである化学式IBの化合物;から成る群から選ばれる化学式IBのフッ素化ノルボルネン化合物から誘導される、請求項5に記載のポリマー。
【請求項7】
前記反復単位は、3‐トリフルオロメチル‐ビシクロ[2.2.1]ヘプト‐5‐エン‐2‐(1,1,1‐トリフルオロ‐2‐トリフルオロメチルプロパン‐2‐オール);3‐フルオロ‐3‐トリフルオロメチル‐ビシクロ[2.2.1]ヘプト‐5‐エン‐2‐(1,1,1‐トリフルオロ‐2‐トリフルオロメチルプロパン‐2‐オール);2‐フルオロ‐3‐トリフルオロメチル‐ビシクロ[2.2.1]ヘプト‐5‐エン‐2‐(1,1,1‐トリフルオロ‐2‐トリフルオロメチルプロパン‐2‐オール);2,3‐ジフルオロ‐3‐トリフルオロメチル‐ビシクロ[2.2.1]ヘプト‐5‐エン‐2‐(1,1,1‐トリフルオロ‐2‐トリフルオロメチルプロパン‐2‐オール);2‐メチルプロピル2,3‐(ビス‐トリフルオロメチル)‐ビシクロ[2.2.1]ヘプト‐5‐エン‐2‐カルボキシレート;2‐メチルプロピル 2‐トリフルオロメチル‐ビシクロ[2.2.1]ヘプト‐5‐エン‐2‐イル‐アセテート;2‐メチルプロピル 2‐トリフルオロメチル‐ビシクロ[2.2.1]ヘプト‐5‐エン‐2‐イル‐プロピオネート;2‐メチルプロピル 3,3‐ジフルオロ‐2‐トリフルオロメチル‐ビシクロm[2.2.1]ヘプト‐5‐エン‐2‐イル‐アセテート;およびこれらの2またはそれ以上の組み合わせ;から成る群から選ばれるフッ素化ノルボルネン化合物から誘導される、請求項6のポリマー。
【請求項8】
化学式IIAまたはIIBのアルケンから誘導される少なくとも1つの反復単位を含む、請求項1に記載のポリマー。
【請求項9】
前記少なくとも1つのアルケン化合物は、1,1,1,6,6,6‐ヘキサフルオロ‐2‐(トリフルオロメチル)‐ヘクス(hex)‐4‐エン‐2‐オール;1,1,1,5,6,6,6‐ヘプタフルオロ‐2‐(トリフルオロメチル)‐ヘクス‐4‐エン‐2‐オール;1,1,1,4,6,6,6‐ヘプタフルオロ‐2‐(トリフルオロメチル)‐ヘクス‐4‐エン‐2‐オール;1,1,1,4,5,6,6,6‐オクタフルオロ‐2‐(トリフルオロメチル)‐ヘクス‐4‐エン‐2‐オール;2‐メチルプロピル 4,4,4‐トリフルオロ‐2‐(トリフルオロメチル)‐ブト(but)‐2‐エノエート;2‐メチルプロピル 3‐(トリフルオロメチル)‐ブト‐3‐エノエート;2‐メチルプロピル 4‐(トリフルオロメチル)ペント(pent)‐4‐エノエート;2‐メチルプロピル 4,4‐ジフルオロ‐3‐(トリフルオロメチル)ブト‐3‐エノエート;2‐メチルプロピル 5,5‐ジフルオロ‐4‐(トリフルオロメチル)ペント‐4‐エノエート;およびこれらの2またはそれ以上の組み合わせ;から成る群から選ばれる、請求項8に記載のポリマー。
【請求項10】
前記モノマー化合物は、7‐アザビシクロ[2.2.1]ヘプト‐5‐エン‐2‐(1,1,1‐トリフルオロ‐2‐トリフルオロメチルプロパン‐2‐オール);7‐オキサビシクロ[2.2.1]ヘプト‐5‐エン‐2‐(1,1,1‐トリフルオロ‐2‐トリフルオロメチルプロパン‐2‐オール);4‐フルオロ‐7‐オキサビシクロ[2.2.1]ヘプト‐5‐エン‐2‐(1,1,1‐トリフルオロ‐2‐トリフルオロメチルプロパン‐2‐オール);3‐トリフルオロメチル‐ビシクロ[2.2.1]ヘプト‐5‐エン‐2‐(1,1,1‐トリフルオロ‐2‐トリフルオロメチルプロパン‐2‐オール);3‐フルオロ‐3‐トリフルオロメチル‐ビシクロ[2.2.1]ヘプト‐5‐エン‐2‐(1,1,1‐トリフルオロ‐2‐トリフルオロメチルプロパン‐2‐オール);2‐フルオロ‐3‐トリフルオロメチル‐ビシクロ[2.2.1]ヘプト‐5‐エン‐2‐(1,1,1‐トリフルオロ‐2‐トリフルオロメチルプロパン‐2‐オール);2,3‐ジフルオロ‐3‐トリフルオロメチル‐ビシクロ[2.2.1]ヘプト‐5‐エン‐2‐(1,1,1‐トリフルオロ‐2‐トリフルオロメチルプロパン‐2‐オール);2‐メチルプロピル2,3‐(ビス‐トリフルオロメチル)‐ビシクロ[2.2.1]ヘプト‐5‐エン‐2‐カルボキシレート;2‐メチルプロピル 2‐トリフルオロメチル‐ビシクロ[2.2.1]ヘプト‐5‐エン‐2‐イル‐アセテート;2‐メチルプロピル 2‐トリフルオロメチル‐ビシクロ[2.2.1]ヘプト‐5‐エン‐2‐イル‐プロピオネート;2‐メチルプロピル 3,3‐ジフルオロ‐2‐トリフルオロメチル‐ビシクロ[2.2.1]ヘプト‐5‐エン‐2‐イル‐アセテート;1,1,1,6,6,6‐ヘキサフルオロ‐2‐(トリフルオロメチル)‐ヘクス‐4‐エン‐2‐オール;1,1,1,5,6,6,6‐ヘプタフルオロ‐2‐(トリフルオロメチル)‐ヘックス‐4‐エン‐2‐オール;1,1,1,4,6,6,6‐ヘプタフルオロ‐2‐(トリフルオロメチル)‐ヘクス(hex)‐4‐エン‐2‐オール;1,1,1,4,5,6,6,6‐オクタフルオロ‐2‐(トリフルオロメチル)‐ヘクス‐4‐エン‐2‐オール;2‐メチルプロピル 4,4,4‐トリフルオロ‐2‐(トリフルオロメチル)‐ブト‐2‐エノエート;2‐メチルプロピル 3‐(トリフルオロメチル)‐ブト‐3‐エノエート;2‐メチルプロピル 4‐(トリフルオロメチル)ペント‐4‐エノエート;2‐メチルプロピル 4,4‐ジフルオロ‐3‐(トリフルオロメチル)ブト‐3‐エノエート;2‐メチルプロピル 5,5‐ジフルオロ‐4‐(トリフルオロメチル)ペント‐4‐エノエート;2,2‐ビス(トリフルオロメチル)‐4‐(ビシクロ[2.2.1]ヘプト‐5‐エニル)‐1,3‐ジオキソラン;1,1,1,4,4,4‐ヘキサフルオロブト‐2‐エン;1‐(置換ヒドロキシ)‐1,2,2‐トリフルオロエテン;2,2‐ビス(トリフルオロメチル)‐4‐メチレン‐1,3‐ジオキソラン;1,1,1,4,4,4‐ヘキサフルオロブト‐2‐エン;2,3‐(ビス‐トリフルオロメチル)‐ビシクロ[2.2.1]ヘプト‐2,5‐ジエン;およびこれらの2またはそれ以上の混合物;から成る群から選ばれる、請求項1に記載のポリマー。
【請求項11】
CFCH=CF;CFCH=CHF;CFCF=CHF;CFCF=CH;化学式がRf(CHCXf=CXfYfの化合物であって、ここでRfは約1〜約10個の炭素原子を有するペルフルオロアルキル基であり、XfおよびYfは独立してHまたはFであり、但し、RfがCFであり、XfがFである場合、YfはHでなければならず;およびこれらの2またはそれ以上の混合物;から成る群から選ばれるエチレンの不飽和化合物から誘導される反復単位を更に含む、請求項1に記載のポリマー。
【請求項12】
請求項1に記載のポリマーを含むフォトレジスト組成物。
【請求項13】
溶媒および光開始剤を更に含む、請求項12に記載のフォトレジスト組成物。
【請求項14】
基体上にポジ型レジスト像を形成する方法であって、(a)請求項12のフォトレジスト組成物を含む被膜で基体を被覆する工程、(b)前記被膜を放射線に曝す工程、および(c)前記像を現像する工程、を含む前記方法。
【請求項15】
化学式IBのフッ素化ノルボルネン化合物および化学式IIAのアルケンから成る群から選ばれる化合物を調製する方法であって、
ヒドロキシ置換されたアルケンを臭素化剤と反応させて、臭素化アルケンを生成する工程、および
前記臭素化アルケンを化学式IBのフッ素化ノルボルネン化合物および化学式IIAのアルケンから成る群から選ばれる化合物に変換する工程を含む、前記方法。
【請求項16】
前記変換工程が、グリニャール条件の下で前記臭素化アルケンをヘキサフルオロアセトンと反応させて、化学式IIAのアルケンを生成する工程を含む、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記変換工程が、ディールス‐アルダー条件の下で化学式IIAの前記アルケンをシクロペンタジエンと反応させて、化学式IIAのフッ素化ノルボルネン化合物を生成する工程を更に含む、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
グリニャール条件の下で臭素化アルケンをブロモアルキルエステルと反応させて、アルキルエステル置換されたアルケンを生成させる工程、およびディールス‐アルダー条件の下で前記アルキルエステル置換アルケンをシクロペンタジエンと反応させて、化学式IBの化合物を生成する工程を含む、化学式IBの化合物を調製する方法。
【請求項19】
(a)化学式IAの架橋された複素環式化合物:
【化6】

ここで:
Xは酸素またはR‐置換窒素であり;
Rは水素、置換されないまたは置換されたアルキル、置換されないまたは置換されたシクロアルキル、置換されないまたは置換されたアリール、置換されないまたは置換されたアラルキルであり;
Wは水素、フッ素、または‐(CH‐COR´であり、ここで、nは0〜約2であり、R´はC〜Cの置換されたまたは置換されないアルキル基であり;そして
YおよびAは独立して水素、フッ素、アルキル、アルコキシ、アリールオキシ、アルキルエーテル、エステルまたはアルキルエステル基であり、ここで前記アルキル、アルコキシ、アルキルエーテル、エステルまたはアルキルエステル基は置換されないかまたは更に置換されてもよく;
(b)化学式IBのフッ素化ノルボルネン化合物:
【化7】

ここで:
Y、Z、AおよびBは独立して水素、フッ素、アルキル、アルコキシ、アリールオキシ、アルキルエーテル、エステルまたはアルキルエステル基であり、ここで前記アルキル、アルコキシ、アルキルエーテル、エステルまたはアルキルエステル基は置換されないかまたは更に置換されてもよく;
但し:(i)A、B、YおよびZの少なくとも1つはフッ素またはフッ素を含む基であり;(ii)Y、Z、およびAが全て水素である場合、Bは‐CHC(CFOHまたは‐C(CFOHではなく;(iii)YおよびZが共に水素であり、そしてBがトリフルオロメチルである場合、Aは‐CONHではなく;(iv)ZおよびAが共に水素であり、そしてYが‐COHである場合、Bは‐CHF、‐CHF、‐CF、‐CF、またはn‐CFではなく;(v)ZおよびAが共に水素であり、そしてYが‐COEtである場合、Bは‐CF、‐CF、またはn‐CFまたはn‐CF15ではなく;(vi)ZおよびAが共に水素であり、そしてYが‐COMeである場合、Bはn‐CFではなく;そして(vii)ZおよびAが共に水素であり、そしてYが‐CHOHである場合、Bは‐CF、‐CF、またはn‐CF15ではない:
から成る群から選ばれる化合物。
【請求項20】
化学式IAの架橋された複素環式化合物を含む、請求項19に記載の化合物。
【請求項21】
Aが‐CHC(CFOHである、請求項20に記載の化合物。
【請求項22】
7‐アザビシクロ[2.2.1]ヘプト‐5‐エン‐2‐(1,1,1‐トリフルオロ‐2‐トリフルオロメチルプロパン‐2‐オール);7‐オキサビシクロ[2.2.1]ヘプト‐5‐エン‐2‐(1,1,1‐トリフルオロ‐2‐トリフルオロメチルプロパン‐2‐オール);4‐フルオロ‐7‐オキサビシクロ[2.2.1]ヘプト‐5‐エン‐2‐(1,1,1‐トリフルオロ‐2‐トリフルオロメチルプロパン‐2‐オール);およびこれらの2またはそれ以上の混合物から成る群から選ばれる、請求項20に記載の化合物。
【請求項23】
化学式IBのフッ素化ノルボルネン化合物を含む、請求項19に記載の化合物。
【請求項24】
前記フッ素化ノルボルネンは、(a)Yがトリフルオロメチルであり、Bが‐CHC(CFOHである化学式IBの化合物;(b)Aがトリフルオロメチルであり、Bが‐(CH‐COtBuであり、そしてnが約0〜約2である化学式IBの化合物;そして(c)Y、Z、およびAがフッ素であり、Bが‐OR´´であり、そしてR´´が請求項1のRとして定義されたものである化学式IBの化合物;から成る群から選ばれる、請求項23に記載の化合物。
【請求項25】
3‐トリフルオロメチル‐ビシクロ[2.2.1]ヘプト‐5‐エン‐2‐(1,1,1‐トリフルオロ‐2‐トリフルオロメチルプロパン‐2‐オール);3‐フルオロ‐3‐トリフルオロメチル‐ビシクロ[2.2.1]ヘプト‐5‐エン‐2‐(1,1,1‐トリフルオロ‐2‐トリフルオロメチルプロパン‐2‐オール);2‐フルオロ‐3‐トリフルオロメチル‐ビシクロ[2.2.1]ヘプト‐5‐エン‐2‐(1,1,1‐トリフルオロ‐2‐トリフルオロメチルプロパン‐2‐オール);2,3‐ジフルオロ‐3‐トリフルオロメチル‐ビシクロ[2.2.1]ヘプト‐5‐エン‐2‐(1,1,1‐トリフルオロ‐2‐トリフルオロメチルプロパン‐2‐オール);2‐メチルプロピル2,3‐(ビス‐トリフルオロメチル)‐ビシクロ[2.2.1]ヘプト‐5‐エン‐2‐カルボキシレート;2‐メチルプロピル 2‐トリフルオロメチル‐ビシクロ[2.2.1]ヘプト‐5‐エン‐2‐イル‐アセテート;2‐メチルプロピル 2‐トリフルオロメチル‐ビシクロ[2.2.1]ヘプト‐5‐エン‐2‐イル‐プロピオネート;および2‐メチルプロピル 3,3‐ジフルオロ‐2‐トリフルオロメチル‐ビシクロ[2.2.1]ヘプト‐5‐エン‐2‐イル‐アセテート;から成る群から選ばれる、請求項24に記載の化合物。

【公表番号】特表2006−511628(P2006−511628A)
【公表日】平成18年4月6日(2006.4.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−503516(P2004−503516)
【出願日】平成15年5月7日(2003.5.7)
【国際出願番号】PCT/US2003/014298
【国際公開番号】WO2003/095505
【国際公開日】平成15年11月20日(2003.11.20)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
テフロン
【出願人】(500575824)ハネウェル・インターナショナル・インコーポレーテッド (1,504)
【Fターム(参考)】