説明

マイクロ可動素子製造方法、マイクロ可動素子、および光スイッチング装置

【課題】可動部と、フレームと、これらを連結する連結部とを有するマイクロ可動素子において可動部とフレームを一時的に架橋するサポート構造体を切断や除去するのに適し、且つ、サポート構造体由来の材料片を介した短絡に起因する動作不良を回避するのに適した、マイクロ可動素子製造方法、これによって製造されるマイクロ可動素子、および、そのようなマイクロ可動素子を含む光スイッチング素子を提供する。
【解決手段】本発明は、材料基板に可動部10、フレーム20、および連結部40を作り込む成形工程と、成形工程の途中において、材料基板の表面にフィルム材料を貼り合せ、当該フィルム材料をパターニングすることにより、可動部10およびフレーム20を架橋するためのサポート構造体71を形成する工程とを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、微小な可動部を有する例えばマイクロミラー素子、角速度センサ、加速度センサなどのマイクロ可動素子の製造方法、マイクロ可動素子、および光スイッチング装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、様々な技術分野において、マイクロマシニング技術により形成される微小構造を有する素子の応用化が図られている。そのような素子には、例えば、マイクロミラー素子や、角速度センサ、加速度センサなど、微小な揺動部ないし振動部を有するマイクロ可動素子が含まれる。マイクロミラー素子は、例えば光ディスク技術や光通信技術の分野において、光反射機能を担う素子として利用される。角速度センサおよび加速度センサは、例えば、ビデオカメラやカメラ付き携帯電話の手振れ防止機能、カーナビゲーションシステム、エアバッグ開放タイミングシステム、車やロボット等の姿勢制御システムの用途で、利用される。このようなマイクロ可動素子については、例えば下記の特許文献1〜3に記載されている。
【0003】
【特許文献1】特開2003−19700号公報
【特許文献2】特開2004−341364号公報
【特許文献3】特開2006−72252号公報
【0004】
図18から図24は、従来のマイクロ可動素子の一例たるマイクロ可動素子Yを表す。図18は、マイクロ可動素子Yの平面図であり、図19は、マイクロ可動素子Yの一部省略平面図である。図20から図24は、各々、図18の線XX−XX、線XXI−XXI、線XXII−XXII、線XXIII−XXIII、および線XXIV−XXIVに沿った断面図である。
【0005】
マイクロ可動素子Yは、揺動部91と、フレーム92と、一対のトーションバー93と、櫛歯電極94,95,96,97と、サポートビーム98とを備えてマイクロミラー素子として構成されたものであり、MEMS技術などのマイクロマシニング技術によって、いわゆるSOI(silicon on insulator)基板である材料基板に対して加工を施すことによって製造されたものである。当該材料基板は、第1および第2シリコン層ならびに当該シリコン層間の絶縁層よりなる積層構造を有し、各シリコン層は、不純物のドープにより所定の導電性が付与されている。マイクロ可動素子Yにおける上述の各部位は主に第1シリコン層および/または第2シリコン層に由来して形成されるところ、図の明確化の観点より、図18においては、第1シリコン層に由来して絶縁層より紙面手前方向に突き出る箇所について斜線ハッチングを付して表す。図19には、第2シリコン層に由来する部位を表す。
【0006】
揺動部91は、第1シリコン層に由来する部位であり、その表面には、光反射機能を有するミラー面91aが設けられている。
【0007】
フレーム92は、図18に示すように揺動部91を囲む形状を有し、また、図20から図24に示すように、第1層部92aと、第2層部92bと、これらの間の絶縁層92cとからなる積層構造を有する。第1層部92aは第1シリコン層に由来する部位である。第2層部92bは、第2シリコン層に由来する部位であり、図19に示すように空隙を介して複数の部分に分離されている。
【0008】
一対のトーションバー93の各々は、第1シリコン層に由来する部位であり、図18および図20に示すように、揺動部91とフレーム92とを連結する。各トーションバー93は、揺動部91に接続し且つフレーム92の第1層部92aに接続し、各トーションバー93により、揺動部91と第1層部92aとは電気的に接続される。このような一対のトーションバー93は、フレーム92に対する揺動部91の回転変移ないし回転動作の軸心Bを規定する。
【0009】
櫛歯電極94は、第1シリコン層に由来する複数の電極歯94aからなり、揺動部91に固定されている。櫛歯電極95は、第1シリコン層に由来する複数の電極歯95aからなり、櫛歯電極94とは反対の側において揺動部91に固定されている。これら櫛歯電極94,95は、揺動部91を介して電気的に接続されている。
【0010】
櫛歯電極96は、第2シリコン層に由来する複数の電極歯96aからなり、図19に示すようにフレーム92の第2層部92bの一部に固定され、図18および図21に示すように、櫛歯電極94に対して近接して配置されている。このような櫛歯電極96は、櫛歯電極94と協働して静電引力(駆動力)を発生するための部位であり、一対の櫛歯電極94,96は、マイクロ可動素子Yの一のアクチュエータを構成する。
【0011】
櫛歯電極97は、第2シリコン層に由来する複数の電極歯97aからなり、図19に示すようにフレーム92の第2層部92bの一部に固定され、図18および図22に示すように、櫛歯電極95に対して近接して配置されている。このような櫛歯電極97は、櫛歯電極95と協働して静電引力(駆動力)を発生するための部位であり、一対の櫛歯電極95,97は、マイクロ可動素子Yの一のアクチュエータを構成する。また、フレーム92の第2層部92bにおいて櫛歯電極97が接合する部位と、第2層部92bにおいて櫛歯電極96が接合する部位とは、電気的に分離されており、従って、これら櫛歯電極96,97は電気的に分離されている。
【0012】
サポートビーム98は、トーションバー93の破損を防止すべく揺動部91をフレーム92に対して一時的に固定するためのものであり、図18および図24に示すように、揺動部91およびフレーム92の第1層部92aに接続する。このサポートビーム98は、切断されるまでは、一対のトーションバー93による揺動部91とフレーム92の間の連結を補強する機能を担い、且つ、マイクロ可動素子Yの使用前に切断される。
【0013】
図25から図27は、従来のマイクロ可動素子Yの製造方法を表す。図25から図27においては、図27(c)に示す揺動部M、フレームF1,F2,F3、トーションバーT1,T2、一組の櫛歯電極E1,E2、およびサポートビームS1,S2の形成過程を、一の断面の変化として表す。当該一の断面は、加工が施されるウエハにおける単一のマイクロ可動素子形成区画に含まれる複数の所定箇所の断面を、モデル化して連続断面として表したものである。揺動部Mは、揺動部91の一部に相当する。フレームF1,F2,F3は、各々、フレーム92に相当し、フレーム92の所定箇所の横断面を表す。トーションバーT1は、トーションバー93に相当し、トーションバー93の延び方向の断面を表す。トーションバーT2は、トーションバー93に相当し、トーションバー93の横断面を表す。櫛歯電極E1は、櫛歯電極94,95に相当し、櫛歯電極94,95の部分的な横断面を表す。櫛歯電極E2は、櫛歯電極96,97に相当し、櫛歯電極96,97の部分的な横断面を表す。サポートビームS1は、サポートビーム98に相当し、サポートビーム98の延び方向の断面を表す。サポートビームS2は、サポートビーム98に相当し、サポートビーム98の横断面を表す。
【0014】
マイクロ可動素子Yの製造においては、まず、図25(a)に示すような材料基板200を用意する。材料基板200は、シリコン層201,202と、当該シリコン層201,202間の絶縁層203とからなる積層構造を有するSOI(Silicon on Insulator)ウエハである。シリコン層201,202は、不純物をドープすることにより導電性を付与されたシリコン材料よりなる。
【0015】
次に、図25(b)に示すように、シリコン層201上にミラー面91a(所定の金属膜よりなる)を形成した後、図25(c)に示すように、シリコン層201上に酸化膜パターン210およびレジストパターン211を形成し、また、シリコン層202上に酸化膜パターン212を形成する。酸化膜パターン210は、揺動部M、フレームF1,F2,F3、および櫛歯電極E1に対応するパターン形状を有する。レジストパターン211は、トーションバーT1,T2およびサポートビームS1,S2に対応するパターン形状を有する。酸化膜パターン212は、フレームF1,F2,F3および櫛歯電極E2に対応するパターン形状を有する。
【0016】
次に、図25(d)に示すように、酸化膜パターン210およびレジストパターン211をマスクとして、DRIE(Deep Reactive Ion Etching)により、シリコン層201に対して所定の深さまで異方性ドライエッチング処理を行う。所定の深さとは、トーションバーT1,T2およびサポートビームS1,S2の厚さに相当し、例えば5μmである。この後、図26(a)に示すように、剥離液を作用させることにより、レジストパターン211を剥離する。
【0017】
次に、図26(b)に示すように、酸化膜パターン210をマスクとして、DRIEにより、薄肉で絶縁層203に接するトーションバーT1,T2およびサポートビームS1,S2を残存形成しつつ、シリコン層201に対して絶縁層203に至るまで異方性エッチング処理を行う。本工程にて、トーションバーT1,T2およびサポートビームS1,S2に加え、揺動部M、フレームF1,F2,F3の一部(第1層部92a)、および櫛歯電極E1が成形される。
【0018】
次に、図26(c)および図27(a)に示すように、材料基板200のシリコン層201側に、接合材213を介してサブキャリア214を接合する。本工程では、加熱および加圧を行いつつ、材料基板200とサブキャリア214を接合する。
【0019】
次に、図27(b)に示すように、酸化膜パターン212をマスクとして、DRIEにより、シリコン層202に対して絶縁層203に至るまで異方性エッチング処理を行う。本工程にて、フレームF1,F2,F3の一部(第2層部92b)および櫛歯電極E2が成形される。この後、材料基板200とサブキャリア214を分離する。
【0020】
次に、図27(c)に示すように、絶縁層203において露出している箇所、および酸化膜パターン210,212を、エッチング除去する。
【0021】
以上の一連の工程を経ることにより、揺動部M、フレームF1,F2,F3、トーションバーT1,T2、一組の櫛歯電極E1,E2、およびサポートビームS1,S2を成形して、マイクロ可動素子Yを製造することができる。そして、マイクロ可動素子Yを使用するよりも前に、図28に示すように、レーザLzの照射によってサポートビーム98を切断する。
【0022】
サポートビーム98が切断されたマイクロ可動素子Yにおいては、櫛歯電極94〜97の各々に対して必要に応じて所定の電位を付与することにより、揺動部91を軸心Bまわりに回転動作させることができる。櫛歯電極94,95に対する電位付与は、フレーム92の第1層部92a、各トーションバー93、および揺動部91を介して、実現することができる。櫛歯電極94,95は、例えばグラウンド接続される。一方、櫛歯電極96に対する電位付与は、フレーム92の第2層部92bの一部を介して実現することができ、櫛歯電極97に対する電位付与は、第2層部92bの他の一部を介して実現することができる。櫛歯電極96,97は電気的に分離されているため、櫛歯電極96,97に対する電位付与は独立して行うことができる。
【0023】
櫛歯電極94,96の各々に所定の電位を付与することにより櫛歯電極94,96間に所望の静電引力を発生させると、櫛歯電極94は櫛歯電極96に引き込まれる。そのため、揺動部91は、軸心Bまわりに回転動作し、当該静電引力と、捩れ変形した各トーションバー93の捩り抵抗力の総和とが、釣り合う角度まで回転変位する。櫛歯電極94,96間の静電引力を消滅させると、各トーションバー93は、その捩り応力を解放して自然状態に復帰する。
【0024】
また、櫛歯電極95,97の各々に所定の電位を付与することにより櫛歯電極95,97間に所望の静電引力を発生させると、櫛歯電極95は櫛歯電極97に引き込まれる。そのため、揺動部91は、軸心Bまわりに、前述の回転動作とは逆方向に回転動作し、当該静電引力と、各トーションバー93の捩り抵抗力の総和とが、釣り合う角度まで回転変位する。櫛歯電極95,97間の静電引力を消滅させると、各トーションバー93は、その捩り応力を解放して自然状態に復帰する。
【0025】
マイクロ可動素子Yにおいては、以上のような揺動部91の揺動駆動により、揺動部91上に設けられたミラー面91aにて反射される光の反射方向を適宜切り換えることができる。
【0026】
しかしながら、図28を参照して上述した従来のサポートビーム切断工程では、マイクロ可動素子Yにおけるサポートビーム98の近傍の構造に損傷を与える可能性が比較的に高い。従来のマイクロ可動素子Yの製造過程において、サポートビーム98はトーションバー93が成形されるのと同様に成形されて、材料基板200ないしマイクロ可動素子Yの深部に形成される。そのため、サポートビーム98を切断するためのレーザLzは、サポートビーム98に至る前に、マイクロ可動素子Yにおけるサポートビーム98近傍の構造に損傷を与えてしまう場合があるのである。サポートビーム98によるトーションバー93に対する補強機能を強化するには、サポートビーム98が横断するギャップを狭くしてサポートビーム98を短くすることが考えられるのであるが、サポートビーム98が横断するギャップが狭いほど、サポートビーム98を切断するためのレーザLzの照射位置について高精度が求められ、マイクロ可動素子Yにおけるサポートビーム98近傍の構造に損傷を与えてしまう可能性は高くなる。
【0027】
加えて、マイクロ可動素子Yにおいては、次の理由により動作不良が生じやすい。図28を参照して上述したサポートビーム切断工程を経ると、それまでサポートビーム98を構成していた材料片がサポートビーム98から飛散して素子表面に付着してしまう場合がある。上記の材料基板200のシリコン層201に由来する当該材料片は導電性を有するため、マイクロ可動素子Yにおいて電気的に分離されるべき二箇所を架橋するように当該材料片が素子表面に付着すると、当該二箇所は短絡してしまう。例えば、当該材料片がフレーム92の第1層部92aと第2層部92bとを架橋するように素子表面に付着すると、第1層部92aと第2層部92bは当該材料片を介して短絡してしまう。このような短絡の結果、マイクロ可動素子Yにおいて動作不良が生じるのである。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0028】
本発明は、このような事情のもとで考え出されたものであり、可動部と、フレームと、これらを連結する連結部とを有するマイクロ可動素子において可動部とフレームを一時的に架橋するサポート構造体を切断や除去するのに適し、且つ、サポート構造体由来の材料片を介した短絡に起因する動作不良を回避するのに適した、マイクロ可動素子製造方法、これによって製造されるマイクロ可動素子、並びに、そのようなマイクロ可動素子を含む光スイッチング素子を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0029】
本発明の第1の側面によると、可動部と、フレームと、当該可動部およびフレームを連結する連結部とを有するマイクロ可動素子を、材料基板に対して加工を施すことによって製造するための方法が提供される。本方法は、材料基板に可動部、フレーム、および連結部を作り込む成形工程と、当該成形工程の途中において、材料基板の表面にフィルム材料を貼り合せ、当該フィルム材料をパターニングすることにより、可動部およびフレームを架橋するためのサポート構造体を形成する工程とを含む。
【0030】
本方法では、可動部とフレームを連結する連結部の破損を防止するために可動部とフレームを架橋するサポート構造体は、マイクロ可動素子の各部が作り込まれる材料基板の表面に貼り合わされたフィルム材料において成形される。すなわち、サポート構造体は、マイクロ可動素子の表面において可動部とフレームを架橋するように形成される。このようなサポート構造体については、切断条件や除去条件を最適化しやすく、切断や除去を行いやすい。例えば、レーザの照射によってサポート構造体を切断する場合、マイクロ可動素子の表面に露出するサポート構造体については、その近傍の素子構造に損傷を与えずに切断しやすい。例えば、溶剤等を作用させてサポート構造体を剥離除去する場合、マイクロ可動素子表面にサポート構造体残渣を生じさせずに適切にサポート構造体を除去しやすい。
【0031】
加えて、本方法では、フィルム材料として、材料基板の構成材料とは異なる材料により構成されるものを採用することが可能である。したがって、材料基板が良導電部位を内部に伴う場合であっても、フィルム材料としては、導電性の低いものを使用することが可能である。本方法において、可動部とフレームを架橋するように形成されるサポート構造体は、このようなフィルム材料において成形される。そのため、本方法によって製造されたマイクロ可動素子が、当該サポート構造体を切断や除去する工程を経て、それまでサポート構造体を構成していた材料片が素子表面に付着してしまったとしても、マイクロ可動素子において電気的に分離されるべき二箇所が当該材料片を介して短絡してしまうのを、回避することが可能である。したがって、本方法は、製造されるマイクロ可動素子において、サポート構造体に由来する材料片を介した短絡に起因する動作不良を回避するのに好適である。
【0032】
以上のように、本方法は、可動部とフレームを一時的に架橋するサポート構造体を切断や除去するのに適し、且つ、サポート構造体由来の材料片を介した短絡に起因する動作不良を回避するのに適するのである。
【0033】
本発明の第1の側面に係るマイクロ可動素子製造方法は、好ましくは、サポート構造体の少なくとも一部を除去する除去工程を更に含む。サポート構造体の少なくとも一部を除去することには、サポート構造体を切断することも含まれる。より好ましくは、除去工程は、サポート構造体付きマイクロ可動素子をパッケージング部材等の基材に組み込むアセンブリ工程の後に行う。この構成によると、マイクロ可動素子に対して生じ得る衝撃が比較的に強いアセンブリ工程中に連結部(可動部とフレームを連結する)が破損してしまうことを抑制することが可能である。
【0034】
好ましくは、サポート構造体は絶縁材料よりなる。この構成は、サポート構造体由来の材料片を介した短絡に起因する動作不良を回避するうえで好適である。
【0035】
本発明の第2の側面によるとマイクロ可動素子が提供される。このマイクロ可動素子は、本発明の第1の側面に係る方法によって製造されたものである。好ましくは、本マイクロ可動素子は、マイクロミラー素子、角速度センサ、または加速度センサとして構成されている。
【0036】
本発明の第3の側面によると光スイッチング装置が提供される。本光スイッチング装置は、マイクロミラー素子として構成された第2の側面に係るマイクロ可動素子を備える。本光スイッチング装置は、例えば、空間光結合型の光スイッチング装置や波長選択型の光スイッチング装置である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0037】
図1から図8は、本発明の第1の実施形態に係るマイクロ可動素子Xを表す。図1は、マイクロ可動素子Xの平面図であり、図2は、マイクロ可動素子Xの一部省略平面図である。図3から図8は、各々、図1の線III−III、線IV−IV、線V−V、線VI−VI、線VII−VII、および線VIII−VIIIに沿った断面図である。
【0038】
マイクロ可動素子Xは、揺動部10と、フレーム20と、フレーム30と、一対のトーションバー40と、一対のトーションバー50と、櫛歯電極61,62,63,64,65,66,67,68と、サポートビーム71,72とを備え、本実施形態では、サポートビーム付きのマイクロミラー素子として構成されている。また、マイクロ可動素子Xは、MEMS技術などのバルクマイクロマシニング技術により、いわゆるSOI(silicon on insulator)ウエハである材料基板に対して加工を施すことによって製造されたものである。当該材料基板は、第1および第2シリコン層ならびに当該シリコン層間の絶縁層よりなる積層構造を有し、各シリコン層は、不純物のドープにより所定の導電性が付与されている。マイクロ可動素子Xにおける上述の各部位は主に第1シリコン層および/または第2シリコン層に由来して形成されるところ、図の明確化の観点より、図1においては、第1シリコン層に由来して絶縁層より紙面手前方向に突き出る部位について、斜線ハッチングを付して表す。また、図2に示される構造は、マイクロ可動素子Xにおいて第2シリコン層に由来するものである。
【0039】
揺動部10は、第1シリコン層に由来する部位であり、その表面には、光反射機能を有するミラー面11が設けられている。また、揺動部10について図1に示す長さWは、例えば20〜300μmである。このような揺動部10は、フレーム20に対して本発明における可動部である。
【0040】
フレーム20は、揺動部10を囲む形状を有する内フレームであり、例えば図4に示すように、第1シリコン層に由来する第1層部21と、第2シリコン層に由来する第2層部22と、当該第1および第2層部21,22の間の絶縁層23とからなる積層構造を有する。第2層部22は、図2および図4に示すように、部分22a,22bからなる。第1層部21と第2層部22は、絶縁層23によって電気的に分離されている。このようなフレーム20は、揺動部10(可動部)に対しては本発明におけるフレームであり、且つ、フレーム30に対しては本発明における可動部である。
【0041】
フレーム30は、フレーム20を囲む形状を有する外フレームであり、例えば図3および図4に示すように、第1シリコン層に由来する第1層部31と、第2シリコン層に由来する第2層部32と、当該第1および第2層部31,32の間の絶縁層33とからなる積層構造を有する。第2層部32は、図2に示すように、空隙を介して離隔する部分32a,32b,32c,32d,32eからなる。第1層部31と第2層部32の部分32a,32b,32c,32dとは、絶縁層33によって電気的に分離されている。第1層部31と第2層部32の部分32eとは、図7および図8に示すように、絶縁層33を貫通する導電ビア34を介して電気的に接続されている。また、図4に示すように、第2層部32における部分32aの表面には電極パッド35aが設けられており、部分32bの表面には電極パッド35bが設けられている。図3に示すように、部分32cの表面には電極パッド35cが設けられており、部分32dの表面には電極パッド35dが設けられている。図8に示すように、部分32eの表面には電極パッド35eが設けられている。このようなフレーム30は、フレーム20(可動部)に対して本発明におけるフレームである。
【0042】
一対のトーションバー40は、各々、第1シリコン層に由来する部位であり、揺動部10とフレーム20の第1層部21とに接続して、揺動部10およびフレーム20を連結する。トーションバー40により、揺動部10と第1層部21とは電気的に接続されている。また、トーションバー40は、図3に示すように、素子厚さ方向Hにおいて、揺動部10よりも薄肉であり、且つ、フレーム20の第1層部21よりも薄肉である。このような一対のトーションバー40は、揺動部10の揺動動作の軸心A1を規定する。
【0043】
一対のトーションバー50は、各々、図4に示すように、第1シリコン層に由来する第1層部51と、第2シリコン層に由来する第2層部52と、当該第1および第2層部51,52の間の絶縁層53とからなる積層構造を有し、フレーム20,30を連結する。一方のトーションバー50において、第1層部51は、フレーム20の第1層部21とフレーム30の第1層部31とに接続し、この第1層部51によって当該第1層部21,31は電気的に接続されており、第2層部52は、フレーム20の第2層部22の部分22aとフレーム30の第2層部32の部分32aとに接続し、この第2層部52によって当該部分22a,32aは電気的に接続されている。他方のトーションバー50において、第1層部51は、フレーム20の第1層部21とフレーム30の第1層部31とに接続し、この第1層部51によって当該第1層部21,31は電気的に接続されており、第2層部52は、フレーム20の第2層部22の部分22bとフレーム30の第2層部32の部分32bとに接続し、この第2層部52によって当該部分22b,32bは電気的に接続されている。また、トーションバー50の第1層部51は、素子厚さ方向Hにおいて、フレーム20の第1層部21よりも薄肉であり、且つ、フレーム30の第1層部31よりも薄肉である。これとともに、トーションバー50の第2層部52は、素子厚さ方向Hにおいて、フレーム20の第2層部22よりも薄肉であり、且つ、フレーム30の第2層部32よりも薄肉である。このような一対のトーションバー50は、フレーム20およびこれに伴う揺動部10の揺動動作の軸心A2を規定する。本実施形態においては、軸心A2は軸心A1と直交している。
【0044】
櫛歯電極61は、第1シリコン層に由来する部位であり、図1および図5に示すように、複数の電極歯61aからなる。複数の電極歯61aは、軸心A1に直交する方向に且つ相互に平行に、揺動部10から延出する。
【0045】
櫛歯電極62は、第1シリコン層に由来する部位であり、図1および図6に示すように、複数の電極歯62aからなる。複数の電極歯62aは、軸心A1に直交する方向に且つ相互に平行に、電極歯61aとは反対の側に揺動部10から延出する。
【0046】
櫛歯電極63は、第2シリコン層に由来する部位であり、図1、図2、および図5に示すように、複数の電極歯63aからなる。複数の電極歯63aは、軸心A1に直交する方向に且つ相互に平行に、フレーム20の第2層部22の部分22aから揺動部10ないし櫛歯電極61の側へ延出する。このような櫛歯電極63は、櫛歯電極61と協働して本素子の一のアクチュエータを構成し得る。
【0047】
櫛歯電極64は、第2シリコン層に由来する部位であり、図1、図2、および図6に示すように、複数の電極歯64aからなる。複数の電極歯64aは、軸心A1に直交する方向に且つ相互に平行に、フレーム20の第2層部22の部分22bから揺動部10ないし櫛歯電極62の側へ延出する。このような櫛歯電極64は、上述の櫛歯電極62と協働して本素子の一のアクチュエータを構成し得る。
【0048】
櫛歯電極65は、第1シリコン層に由来する部位であり、図1および図7に示すように、複数の電極歯65aからなる。複数の電極歯65aは、軸心A2に直交する方向に且つ相互に平行に、フレーム20の第1層部21から揺動部10とは反対の側に延出する。
【0049】
櫛歯電極66は、第1シリコン層に由来する部位であり、図1および図8に示すように、複数の電極歯66aからなる。複数の電極歯66aは、軸心A2に直交する方向に且つ相互に平行に、フレーム20の第1層部21から揺動部10とは反対の側に延出する。
【0050】
櫛歯電極67は、第2シリコン層に由来する部位であり、図1、図2、および図7に示すように、複数の電極歯67aからなる。複数の電極歯67aは、軸心A2に直交する方向に且つ相互に平行に、フレーム30の第2層部32の部分32cからフレーム20ないし櫛歯電極65の側へ延出する。このような櫛歯電極67は、上述の櫛歯電極65と協働して本素子の一のアクチュエータを構成し得る。
【0051】
櫛歯電極68は、第2シリコン層に由来する部位であり、図1、図2、および図8に示すように、複数の電極歯68aからなる。複数の電極歯68aは、軸心A2に直交する方向に且つ相互に平行に、フレーム30の第2層部32の部分32dからフレーム20ないし櫛歯電極66の側へ延出する。このような櫛歯電極68は、上述の櫛歯電極66と協働して本素子の一のアクチュエータを構成し得る。
【0052】
サポートビーム71は、トーションバー40の破損を防止すべく揺動部10(可動部)をフレーム20に対して一時的に固定するためのものであり、図1に示すように、第1シリコン層側の表面において、揺動部10およびフレーム20を架橋する。このサポートビーム71は、切断されるまでは、一対のトーションバー40による揺動部10とフレーム20の間の連結を補強する機能を担い、且つ、マイクロ可動素子Xを使用するより前に切断または除去される。このようなサポートビーム71は、好ましくは絶縁材料よりなる。
【0053】
サポートビーム72は、トーションバー50の破損を防止すべくフレーム20(可動部)をフレーム30に対して一時的に固定するためのものであり、図1に示すように、第1シリコン層側の表面において、フレーム20およびフレーム30を架橋する。このサポートビーム72は、切断されるまでは、一対のトーションバー50によるフレーム20,30間の連結を補強する機能を担い、且つ、マイクロ可動素子Xを使用するより前に切断または除去される。このようなサポートビーム72は、好ましくは絶縁材料よりなる。
【0054】
図9から図13は、マイクロ可動素子Xの製造方法を表す。この方法は、マイクロマシニング技術によりマイクロ可動素子Xを製造するための一手法である。図9から図13においては、図13(c)に示す揺動部M、フレームF1,F2,F3,F4,F5、トーションバーT1,T2,T3、一組の櫛歯電極E1,E2、およびサポートビームS1,S2の形成過程を、一の断面の変化として表す。当該一の断面は、加工が施されるウエハにおける単一のマイクロ可動素子形成区画に含まれる複数の所定箇所の断面を、モデル化して連続断面として表したものである。揺動部Mは、揺動部10の一部に相当する。フレームF1,F2,F4は、各々、フレーム20に相当し、フレーム20の所定箇所の横断面を表す。フレームF3,F5は、各々、フレーム30に相当し、フレーム30の所定箇所の横断面を表す。トーションバーT1は、トーションバー40に相当し、トーションバー40の延び方向の断面を表す。トーションバーT2は、トーションバー40に相当し、トーションバー40の横断面を表す。トーションバーT3は、トーションバー50に相当し、トーションバー50の延び方向の断面を表す。櫛歯電極E1は、櫛歯電極61,62,65,66に相当し、櫛歯電極61,62,65,66の部分的な横断面を表す。櫛歯電極E2は、櫛歯電極63,64,67,68に相当し、櫛歯電極63,64,67,68の部分的な横断面を表す。サポートビームS1は、サポートビーム71に相当し、サポートビーム71の延び方向の断面を表す。サポートビームS2は、サポートビーム72に相当し、サポートビーム72の延び方向の断面を表す。
【0055】
マイクロ可動素子Xの製造においては、まず、図9(a)に示すような材料基板100を用意する。材料基板100は、シリコン層101,102と、当該シリコン層101,102間の絶縁層103とからなる積層構造を有するSOI(Silicon on Insulator)ウエハであり、上述の導電ビア34を構成することとなる導電ビアが図外における所定の箇所に予め埋め込み形成されたものである。シリコン層101,102は、不純物をドープすることにより導電性を付与されたシリコン材料よりなる。不純物としては、Bなどのp型不純物や、PおよびSbなどのn型不純物を採用することができる。絶縁層103は例えば酸化シリコンよりなる。シリコン層101の厚さは例えば10〜100μmであり、シリコン層102の厚さは例えば100〜500μmであり、絶縁層103の厚さは例えば0.2〜2μmである。
【0056】
次に、図9(b)に示すように、シリコン層101上にミラー面11を形成し、また、シリコン層102上に電極パッド35を形成する(電極パッド35は、上述の電極パッド35a,35b,35c,35d,35eに相当する)。ミラー面11の形成においては、まず、スパッタリング法により、シリコン層101に対して例えばCr(50nm)およびこれに続いて例えばAu(200nm)を成膜する。次に、所定のマスクを介してこれら金属膜に対してエッチング処理を順次行う。このようにして、シリコン層101上にミラー面11をパターン形成することができる。Auに対するエッチング液としては、例えば、ヨウ化カリウム−ヨウ素水溶液を使用することができる。Crに対するエッチング液としては、例えば硝酸第二セリウムアンモニウム水溶液を使用することができる。また、電極パッド35は、例えばミラー面11と同様にして形成することができる。
【0057】
次に、図9(c)に示すように、シリコン層101上に酸化膜パターン110およびレジストパターン111を形成し、また、シリコン層102上に酸化膜パターン112およびレジストパターン113を形成する。酸化膜パターン110は、揺動部M、フレームF1,F2,F3,F4,F5および櫛歯電極E1に対応するパターン形状を有する。レジストパターン111は、トーションバーT1,T2,T3に対応するパターン形状を有する。酸化膜パターン112は、フレームF1,F3,F4,F5および櫛歯電極E2に対応するパターン形状を有する。レジストパターン113は、トーションバーT3に対応するパターン形状を有する。
【0058】
酸化膜パターン110の形成においては、まず、例えばCVD法により、シリコン層101の表面に、厚さが例えば1μmとなるまで例えば二酸化ケイ素を成膜する。次に、シリコン層101上の当該酸化膜について、所定のレジストパターンをマスクとしたエッチングによりパターニングする。酸化膜パターン112についても、酸化物材料の成膜、酸化膜上のレジストパターンの形成、およびその後のエッチング処理を経て形成することができる。一方、レジストパターン111の形成においては、まず、シリコン層101上に液状のフォトレジストをスピンコーティングにより成膜する。次に、露光処理およびその後の現像処理を経て、当該フォトレジスト膜をパターニングする。フォトレジストとしては、例えば、AZP4210(AZエレクトロニック製)やAZ1500(AZエレクトロニック製)を使用することができる。レジストパターン113についても、このようなフォトレジストの成膜ならびにその後の露光処理および現象処理を経て、形成することができる。
【0059】
マイクロ可動素子Xの製造においては、次に、図10(a)に示すように、酸化膜パターン110およびレジストパターン111をマスクとして、DRIE(Deep Reactive Ion Etching)により、シリコン層101に対して所定の深さまで異方性ドライエッチング処理を行う。所定の深さとは、トーションバーT1,T2およびトーションバーT3の一部(第1層部51)の厚さに相当し、例えば5μmである。本工程では、真空チャンバを有する所定のエッチング装置を使用し、所定の真空条件下において当該真空チャンバ内にてDRIEを実行する。また、DRIEでは、エッチングと側壁保護とを交互に行うBoschプロセスにおいて、良好な異方性エッチング処理を行うことができる。本工程および後出のDRIEについては、このようなBoschプロセスを採用することができる。
【0060】
次に、図10(b)に示すように、酸化膜パターン112およびレジストパターン113をマスクとして、DRIEにより、シリコン層102に対して所定の深さまで異方性ドライエッチング処理を行う。所定の深さとは、トーションバーT3の一部(第1層部52)の厚さに相当し、例えば5μmである。
【0061】
次に、図10(c)に示すように、剥離液を作用させることにより、レジストパターン111,113を剥離する。剥離液としては、例えばAZリムーバ700(AZエレクトロニック製)を使用することができる。
【0062】
次に、図11(a)に示すように、酸化膜パターン110をマスクとして、DRIEにより、薄肉で絶縁層103に接するトーションバーT1,T2およびトーションバーT3の一部(第1層部51)を残存形成しつつ、シリコン層101に対して絶縁層103に至るまで異方性エッチング処理を行う。本工程にて、トーションバーT1,T2に加え、揺動部M、フレームF1,F3,F4,F5の一部、フレームF2、トーションバーT3の一部、および櫛歯電極E1が成形される。
【0063】
次に、例えばラミネータや接合装置を使用して、図11(b)に示すように、材料基板100におけるシリコン層101側にフィルム材料114を貼り合わせる。フィルム材料114としては、例えばSU−8 3000Film(化学マイクロケム製)やTMMR(F)S2000(東京応化工業製)などの感光性フィルムを採用することができる。
【0064】
次に、図11(c)に示すように、フィルム材料114をパターニングしてサポートビームS1,S2を形成する。フィルム材料114として感光性フィルムを採用する場合には、所定パターンでの露光処理およびその後の現象処理を経て、サポートビームS1,S2をパターン形成することができる。フィルム材料114として上述のSU−8 3000Filmを採用する場合には、当該パターニングにおける現像液としてはSU−8 Developer(化学マイクロケム製)を使用するのが好ましい。フィルム材料114として上述のTMMR(F)S2000を採用する場合には、PMシンナー(東京応化工業製)を使用するのが好ましい。一方、フィルム材料114として非感光性の材料を採用する場合には、本工程では、フィルム材料114上に所定のレジストパターンを形成した後、当該レジストパターンをマスクとして利用して、ウエットエッチングまたはドライエッチングによってフィルム材料114をパターニングする。
【0065】
次に、図12(a)および図12(b)に示すように、材料基板100のシリコン層101側に、接合材115を介してサブキャリア116を接合する。サブキャリア116は、例えば、シリコン基板、石英基板、メタル基板である。接合材115は、例えば、レジスト、伝熱グリス、シール材、またはテープであり、より具体的には、例えばWaferBOND(日産化学製)が挙げられる。本工程では、加熱および加圧しつつ、材料基板100とサブキャリア116とを接合する。
【0066】
このようにサブキャリア116を接合する目的は、次の加工工程において材料基板100やエッチング装置が破損することを防止する点にある。エッチング装置の真空チャンバ内でシリコン層102に対してエッチング処理を施す次の加工工程では、既にエッチング加工が施されているシリコン層101に加えてシリコン層102もエッチング加工を受けることにより材料基板100の機械的強度は相当程度に低下する。サブキャリア116は、このような材料基板100の補強材として機能し、材料基板100の破損を防止する。また、仮に真空チャンバ内で材料基板100が破損すると、破片が生じて当該破片によりエッチング装置自体が破損する場合があるが、材料基板100の破損を防止するサブキャリア116は、装置の破損防止にも資することとなる。
【0067】
次に、図13(a)に示すように、酸化膜パターン112をマスクとして、DRIEにより、薄肉で絶縁層103に接するトーションバーT3の一部(第2層部52)を残存形成しつつ、シリコン層102に対して絶縁層103に至るまで異方性エッチング処理を行う。本工程にて、トーションバーT3の一部に加え、フレームF1,F3,F4,F5の一部および櫛歯電極E2が成形される。
【0068】
次に、図13(b)に示すように、材料基板100からサブキャリア116を取り外す。接合材115として上記のWaferBONDを用いる場合には、WaferBONDリムーバ(日産化学製)を接合材115に作用させることにより、材料基板100とサブキャリア116を分離することができる。
【0069】
次に、図13(c)に示すように、酸化膜パターン110,112において露出している箇所および絶縁層103において露出している箇所を、エッチング除去する。エッチング手法としては、ドライエッチングまたはウエットエッチングを採用することができる。ドライエッチングを採用する場合、エッチングガスとしては、例えば、CF4やCHF3などを採用することができる。ウエットエッチングを採用する場合、エッチング液としては、例えば、フッ酸とフッ化アンモニウムからなるバッファードフッ酸(BHF)を使用することができる。この後、上述の一連の加工を施したウエハを、マイクロ可動素子Xごとに個片化するように切断する。
【0070】
以上の一連の工程を経ることにより、揺動部M、フレームF1,F2,F3,F4,F5、トーションバーT1,T2,T3、一組の櫛歯電極E1,E2、およびサポートビームS1,S2を形成して、サポートビーム付きのマイクロ可動素子Xを製造することができる。
【0071】
図14は、マイクロ可動素子Xをパッケージングするためのアセンブリ工程を表す。アセンブリ工程では、まず、図14(a)および図14(b)に示すように、配線基板81に対してマイクロ可動素子Xを実装する。配線基板81上には、マイクロ可動素子Xと配線基板81とを電気的に接続するための複数のバンプ82が予め形成されており、当該バンプ82を介してマイクロ可動素子Xは配線基板81に実装される。バンプ82は例えばAuよりなる。本工程では、複数のマイクロ可動素子Xをアレイ状に配して配線基板81に実装してもよい。
【0072】
次に、図14(c)に示すように、マイクロ可動素子Xを伴う配線基板81を、例えばAg材料83を介してセラミックパッケージ84に実装する。具体的には、セラミックパッケージ84の所定箇所にAgペースト塗布した後、マイクロ可動素子Xを伴う配線基板81を、Agペーストを介してセラミックパッケージ84に貼り付け、Agペーストに加熱処理を施して配線基板81をセラミックパッケージ84に対して固定する。その後、図14(d)に示すように例えばAuワイヤ85を形成することによって、配線基板81とセラミックパッケージ84とを電気的に接続する。
【0073】
このようにしてマイクロ可動素子Xをパッケージングした後、サポートビーム71,72を切断または除去する。
【0074】
図15は、レーザLzの照射によってサポートビーム71,72を切断する場合を表す。サポートビーム71,72を切断するためのレーザLzとしては、例えばNd:YAGレーザを採用することができる。サポートビーム71,72がレジスト材料よりなる場合には、レーザ照射によって切断するのに代えて、反応性イオンエッチングや酸素プラズマアッシングによってサポートビーム71,72を除去することもできる。或は、これらに代えて、サポートビーム71,72と素子表面の間に介在する酸化膜110a(前出の酸化膜パターン110の一部)をドライエッチング除去して、サポートビーム71,72をリフトオフによって除去することもできる。この手法において、酸化膜110aが二酸化ケイ素よりなる場合、エッチングガスとしては無水フッ酸を用いることができる。
【0075】
マイクロ可動素子Xのアセンブリ工程においてサポートビーム71,72が存在しなくともトーションバー40,50の破損が生じない場合には、アセンブリ工程よりも前に、以上の手法によってサポートビーム71,72を切断または除去してもよい。
【0076】
サポートビーム71,72が切断または除去されたマイクロ可動素子Xにおいては、揺動部10ないしミラー面11について、いわゆる二軸駆動することが可能である。
【0077】
マイクロ可動素子Xの駆動時には、櫛歯電極61,62,65,66に対して所定の基準電位が付与される。櫛歯電極61,62に対する基準電位の付与は、フレーム30における電極パッド35e、第2層部32の部分32e、導電ビア34、第1層部31、トーションバー50の第1層部51、フレーム20の第1層部21、トーションバー40、および揺動部10を介して、実現することができる。櫛歯電極65,66に対する基準電位の付与は、フレーム30における電極パッド35e、第2層部32の部分32e、導電ビア34、フレーム30の第1層部31、トーションバー50の第1層部51、およびフレーム20の第1層部21を介して、実現することができる。基準電位は、例えばグラウンド電位であり、好ましくは一定に維持される。
【0078】
そして、櫛歯電極63に対して所望の駆動電位を付与して櫛歯電極61,63間に静電力を発生させて櫛歯電極61を櫛歯電極63に引き込むことにより、或は、櫛歯電極64に対して所望の駆動電位を付与して櫛歯電極62,64間に静電力を発生させて櫛歯電極62を櫛歯電極64に引き込むことにより、揺動部10を軸心A1まわりに回転変位させることができる。櫛歯電極63に対する駆動電位の付与は、フレーム30における電極パッド35a、第2層部32の部分32a、一方のトーションバー50の第2層部52、およびフレーム20の第2層部22の部分22aを介して、実現することができる。櫛歯電極64に対する駆動電位の付与は、フレーム30における電極パッド35b、第2層部32の部分32b、他方のトーションバー50の第2層部52、およびフレーム20の第2層部22の部分22bを介して、実現することができる。軸心A1まわりの回転変位量は、櫛歯電極63または櫛歯電極64に対して付与する駆動電位を調整することにより、調節することができる。
【0079】
また、マイクロ可動素子Xにおいては、櫛歯電極67に対して所望の駆動電位を付与して櫛歯電極65,67間に静電力を発生させて櫛歯電極65を櫛歯電極67に引き込むことにより、或は、櫛歯電極68に対して所望の駆動電位を付与して櫛歯電極66,68間に静電力を発生させて櫛歯電極66を櫛歯電極68に引き込むことにより、フレーム20およびこれに伴う揺動部10を軸心A2まわりに回転変位させることができる。櫛歯電極67に対する駆動電位の付与は、フレーム30における電極パッド35cおよび第2層部32の部分32cを介して、実現することができる。櫛歯電極68に対する駆動電位の付与は、フレーム30における電極パッド35dおよび第2層部32の部分32dを介して、実現することができる。軸心A2まわりの回転変位量は、櫛歯電極67または櫛歯電極68に対して付与する駆動電位を調整することにより、調節することができる。
【0080】
以上のような揺動部10の二軸駆動により、揺動部10上に設けられたミラー面11にて反射される光の反射方向を適宜切り換えることができる。
【0081】
図9から図13を参照して上述した方法では、揺動部10とフレーム20を連結するトーションバー40の破損を防止するために揺動部10とフレーム20を架橋するサポート構造体たるサポートビーム71、および、フレーム20,30を連結するトーションバー50の破損を防止するためにフレーム20,30を架橋するサポート構造体たるサポートビーム72は、マイクロ可動素子Xの各部が作り込まれる材料基板100の表面に貼り合わされたフィルム材料114において成形される。すなわち、サポートビーム71,72は、マイクロ可動素子Xの表面において形成される。このようなサポートビーム71,72については、切断条件や除去条件を最適化しやすく、切断や除去を行いやすい。例えば、図15を参照して上述したようにレーザLzの照射によってサポートビーム71,72を切断する場合、マイクロ可動素子Xの表面に露出するサポートビーム71,72については、その近傍の素子構造に損傷を与えずに切断しやすい。例えば、上述の反応性イオンエッチングや、酸素プラズマアッシング、ドライエッチングの手法によってサポートビーム71,72を除去する場合、マイクロ可動素子Xの表面にサポートビーム71,72の残渣を生じさせずに適切にサポートビーム71,72を除去しやすい。
【0082】
図9から図13を参照して上述した方法では、フィルム材料114として、材料基板100の構成材料とは異なる材料により構成されるものを採用することが可能である。したがって、材料基板100は内部に良導電部位(シリコン層101,102)を伴うが、フィルム材料114としては、導電性の低いものを使用することが可能である。本方法において、サポートビーム71,72は、このようなフィルム材料114において成形される。そのため、本方法によって製造されたマイクロ可動素子Xが、サポートビーム71,72を切断や除去する工程を経て、それまでサポートビーム71,72を構成していた材料片が素子表面に付着してしまったとしても、マイクロ可動素子Xにおいて電気的に分離されるべき二箇所が当該材料片を介して短絡してしまうのを、回避することが可能である。したがって、本方法は、製造されるマイクロ可動素子Xにおいて、サポートビーム71,72に由来する材料片を介した短絡に起因する動作不良を回避するのに好適である。
【0083】
また、サポートビーム71,72は上述のように好ましくは絶縁材料よりなるところ、このような構成は、サポートビーム71,72に由来する材料片を介した短絡に起因する動作不良を回避するうえで好適である。
【0084】
マイクロ可動素子Xは、角速度センサや加速度センサなどのセンシングデバイスとしても構成することができる。センシングデバイスとしてのマイクロ可動素子Xにおいては、揺動部10上のミラー面11は必ずしも設ける必要はない。
【0085】
角速度センサとして構成されたマイクロ可動素子Xの駆動時には、例えば、可動部(揺動部10、フレーム20、トーションバー40,櫛歯電極61〜66)は、所定の振動数ないし周期で軸心A2まわりに揺動動作される。この揺動動作は、櫛歯電極65,67間および櫛歯電極66,68間に対して所定の周期で交互に電圧印加を行うことによって実現される。例えばこのようにして可動部を揺動動作ないし振動させている状態において、揺動部10に対してその法線(図1の平面図において紙面に垂直な方向に延びる)まわりの角速度が作用すると、角速度に比例した振幅で揺動部10が軸心A1まわりに揺動動作し、櫛歯電極61,63の相対的配置が周期的に変化して当該櫛歯電極61,63間の静電容量が周期的に変化するとともに、櫛歯電極62,64の相対的配置が周期的に変化して当該櫛歯電極62,64間の静電容量が周期的に変化する。これら静電容量変化に基づいて、揺動部10の振動変位量を検出することができる。その検出結果に基づき、マイクロ可動素子Xないし揺動部10に作用する角速度を導出することが可能である。
【0086】
加速度センサとして構成されたマイクロ可動素子Xの駆動時には、フレーム30に対してフレーム20および揺動部10を静止状態にさせる。この状態にて、図1の平面図において紙面に平行であって図中横方向の加速度が揺動部10に作用すると、加速度と平行なベクトル成分の慣性力が働くことにより、揺動部10に対して、一対のトーションバー40によって規定される軸心A1まわりに回転トルクが作用し、加速度に比例した回転変位(軸心A1まわりの回転変位)が揺動部10に生じる(この慣性力は、図1の平面図において紙面に垂直な方向にて揺動部10の重心位置が軸心A1と重ならないように設計しておくことで発生させることができる)。回転変位量は,櫛歯電極61,63間や櫛歯電極62,64間の静電容量の変化として電気的に検出することができる。その検出結果に基づき、マイクロ可動素子Xないし揺動部10に作用する前記の加速度を導出することが可能である。また、図1の平面図において紙面に垂直な方向にてフレーム20および揺動部10の重心位置が軸心A2と重ならないように設計しておくことで、図1の平面図において紙面に平行であって図中縦方向の加速度を、櫛歯電極65,67間や櫛歯電極66,68間の静電容量の変化として電気的に検出し、導出することもできる。
【0087】
サポートビーム71,72が切断または除去されたマイクロ可動素子Xは、光スイッチング装置を構成するためのマイクロミラー素子として採用することができる。
【0088】
図16は、本発明の第2の実施形態に係る空間光結合型の光スイッチング装置500の概略構成を表す。光スイッチング装置500は、一対のマイクロミラーアレイユニット501,502と、入力ファイバアレイ503と、出力ファイバアレイ504と、複数のマイクロレンズ505,506とを備える。入力ファイバアレイ503は所定数の入力ファイバ503aからなり、マイクロミラーアレイユニット501には、各入力ファイバ503aに対応するマイクロミラー素子501aが複数配設されている。出力ファイバアレイ504は所定数の出力ファイバ504aからなり、マイクロミラーアレイユニット502には、各出力ファイバ504aに対応するマイクロミラー素子502aが複数配設されている。マイクロミラー素子501a,502aは、各々、光を反射するためのミラー面を有して当該ミラー面の向きを制御できるように構成されており、サポートビーム71,72が既に切断または除去された上述のマイクロ可動素子Xによって構成される。複数のマイクロレンズ505は、各々、入力ファイバ503aの端部に対向するように配置されている。また、複数のマイクロレンズ506は、各々、出力ファイバ504aの端部に対向するように配置されている。
【0089】
光スイッチング装置500において、入力ファイバ503aから出射される光L1は、対応するマイクロレンズ505を通過することによって、相互に平行光とされ、マイクロミラーアレイユニット501へ向かう。光L1は、対応するマイクロミラー素子501aで反射し、マイクロミラーアレイユニット502へと偏向される。このとき、マイクロミラー素子501aのミラー面は、光L1を所望のマイクロミラー素子502aに入射させるように、予め所定の方向を向いている。次に、光L1は、マイクロミラー素子502aで反射し、出力ファイバアレイ504へと偏向される。このとき、マイクロミラー素子502aのミラー面は、マイクロレンズ506を介して所望の出力ファイバ504aに光L1を入射させるように、予め所定の方向を向いている。
【0090】
このように、光スイッチング装置500によると、各入力ファイバ503aから出射した光L1は、マイクロミラーアレイユニット501,502における偏向によって、所望の出力ファイバ504aに到達する。すなわち、入力ファイバ503aと出力ファイバ504aは一対一で接続される。そして、マイクロミラー素子501a,502aにおける偏向角度を適宜変更することによって、光L1が到達する出力ファイバ504aが切換えられる。
【0091】
光ファイバを媒体として伝送された光信号の伝送経路を或るファイバから他のファイバへと切換えるための光スイッチング装置に求められる特性としては、切換え動作における、大容量性、高速性、高信頼性などが挙げられる。これらの観点より、光スイッチング装置に組み込まれるスイッチング素子としては、マイクロマシニング技術によって作製されるマイクロミラー素子が好ましい。マイクロミラー素子によると、光スイッチング装置における入力側の光伝送路と出力側の光伝送路との間で、光信号を電気信号に変換せずに光信号のままでスイッチング処理を行うことができ、上述の特性を得るうえで好適だからである。
【0092】
図17は、本発明の第3の実施形態に係る波長選択型の光スイッチング装置600の概略構成を表す。光スイッチング装置600は、マイクロミラーアレイユニット601と、一本の入力ファイバ602と、三本の出力ファイバ603と、複数のマイクロレンズ604a,604bと、分光器605と、集光レンズ606とを備える。マイクロミラーアレイユニット601は、複数のマイクロミラー素子601aを有し、当該複数のマイクロミラー素子601aは、マイクロミラーアレイユニット601において例えば一列に配設されている。各マイクロミラー素子601aは、光を反射するためのミラー面を有して当該ミラー面の向きを制御できるように構成されており、サポートビーム71,72が既に切断または除去された上述のマイクロ可動素子Xによって構成される。マイクロレンズ604aは、入力ファイバ602の端部に対向するように配置されている。マイクロレンズ604bは、出力ファイバ603の端部に対向するように配置されている。分光器605は、波長によって反射光の回折の程度が異なる反射型回折格子である。
【0093】
光スイッチング装置600において、入力ファイバ602から出射される光L2(複数の波長が混在している)は、マイクロレンズ604aを通過することによって、平行光とされる。この光L2は、分光器605にて反射する(このとき、波長ごとに異なる角度で反射する)。当該反射光は、集光レンズ606を通過する。その際、波長ごとに、マイクロミラーアレイユニット601において対応するマイクロミラー素子601aへ集光される。各波長の光は、対応するマイクロミラー素子601aで所定方向に反射される。このとき、マイクロミラー素子601aのミラー面は、対応する波長の光を所望の出力ファイバ603に到達させるように、予め所定の方向を向いている。マイクロミラー素子601aにて反射した光は、その後、集光レンズ606、分光器605、およびマイクロレンズ604bを経由して、選択された所定の出力ファイバ603に入射する。光スイッチング装置600によると、このようにして、光L2から所望の波長の光を選択することができる。
【図面の簡単な説明】
【0094】
【図1】本発明の第1の実施形態に係るマイクロ可動素子の平面図である。
【図2】図1に示すマイクロ可動素子の一部省略平面図である。
【図3】図1の線III−IIIに沿った断面図である。
【図4】図1の線IV−IVに沿った断面図である。
【図5】図1の線V−Vに沿った断面図である。
【図6】図1の線VI−VIに沿った断面図である。
【図7】図1の線VII−VIIに沿った断面図である。
【図8】図1の線VIII−VIIIに沿った断面図である。
【図9】図1に示すマイクロ可動素子の製造方法における一部の工程を表す。
【図10】図9の後に続く工程を表す。
【図11】図10の後に続く工程を表す。
【図12】図11の後に続く工程を表す。
【図13】図12の後に続く工程を表す。
【図14】アセンブリ工程を表す。
【図15】サポートビーム切断工程を表す。
【図16】本発明の第2の実施形態に係る光スイッチング装置の概略構成を表す。
【図17】本発明の第3の実施形態に係る光スイッチング装置の概略構成を表す。
【図18】従来のマイクロ可動素子の一例の平面図である。
【図19】図18のマイクロ可動素子の一部省略平面図である。
【図20】図18の線XX−XXに沿った断面図である。
【図21】図18の線XXI−XXIに沿った断面図である。
【図22】図18の線XXII−XXIIに沿った断面図である。
【図23】図18の線XXIII−XXIIIに沿った断面図である。
【図24】図18の線XXIV−XXIVに沿った断面図である。
【図25】図18に示す従来のマイクロ可動素子の製造方法における一部の工程を表す。
【図26】図25の後に続く工程を表す。
【図27】図26の後に続く工程を表す。
【図28】従来のサポートビーム切断工程を表す。
【符号の説明】
【0095】
X,Y マイクロ可動素子
10,91 揺動部
20,30,92 フレーム
21,31,51,92a 第1層部
22,32,52,92b 第2層部
40,50,93 トーションバー
61〜68,94〜97 櫛歯電極
71,72,98 サポートビーム
A1,A2,B 軸心

【特許請求の範囲】
【請求項1】
可動部と、フレームと、当該可動部およびフレームを連結する連結部とを有するマイクロ可動素子を、材料基板に対して加工を施すことによって製造するための方法であって、
前記材料基板に前記可動部、前記フレーム、および前記連結部を作り込む成形工程と、
前記成形工程の途中において、前記材料基板の表面にフィルム材料を貼り合せ、当該フィルム材料をパターニングすることにより、前記可動部および前記フレームを架橋するためのサポート構造体を形成する工程と、を含むマイクロ可動素子製造方法。
【請求項2】
前記サポート構造体の少なくとも一部を除去する除去工程を更に含む、請求項1に記載のマイクロ可動素子製造方法。
【請求項3】
前記除去工程は、サポート構造体付きマイクロ可動素子を基材に組み込むアセンブリ工程の後に行う、請求項2に記載のマイクロ可動素子製造方法。
【請求項4】
前記サポート構造体は絶縁材料よりなる、請求項1から3のいずれか一つに記載のマイクロ可動素子製造方法。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか一つに記載のマイクロ可動素子製造方法によって製造されたマイクロ可動素子。
【請求項6】
マイクロミラー素子、角速度センサ、または加速度センサとして構成されている、請求項5に記載のマイクロ可動素子。
【請求項7】
マイクロミラー素子として構成された請求項5に記載のマイクロ可動素子を備える、光スイッチング装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【公開番号】特開2010−29966(P2010−29966A)
【公開日】平成22年2月12日(2010.2.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−193189(P2008−193189)
【出願日】平成20年7月28日(2008.7.28)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】