光電変換装置の製造方法
【課題】光電変換層に結晶質シリコンi層を備える高効率の光電変換装置を得る。
【解決手段】基板1上に、結晶質シリコンを主とするi層42を備える光電変換層3を形成する工程を含む光電変換装置100の製造方法であって、前記i層42のラマン比に応じて、前記i層42中の不純物の濃度の上限値を決定し、該決定された不純物の濃度の上限値以下の前記i層42を製膜する。または、前記i層42のラマン比に応じて、製膜雰囲気中の不純物ガスの濃度の上限値を決定し、該決定された上限値以下となるように、前記不純物ガスの濃度を制御して前記i層42を製膜する。
【解決手段】基板1上に、結晶質シリコンを主とするi層42を備える光電変換層3を形成する工程を含む光電変換装置100の製造方法であって、前記i層42のラマン比に応じて、前記i層42中の不純物の濃度の上限値を決定し、該決定された不純物の濃度の上限値以下の前記i層42を製膜する。または、前記i層42のラマン比に応じて、製膜雰囲気中の不純物ガスの濃度の上限値を決定し、該決定された上限値以下となるように、前記不純物ガスの濃度を制御して前記i層42を製膜する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光電変換装置の製造方法であって、特に発電層を製膜で形成する薄膜系太陽電池の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
太陽光のエネルギーを電気エネルギーに変換する光電変換装置としては、p型シリコン系半導体(p層)、i型シリコン系半導体(i層)及びn型シリコン系半導体(n層)の薄膜をプラズマCVD法等で製膜して形成した光電変換層を備えた薄膜シリコン系太陽電池が知られている。薄膜シリコン系太陽電池では、薄膜シリコン系太陽電池の長所としては、大面積化が容易であること、膜厚が結晶系太陽電池の1/100程度と薄く、材料が少なくて済むことなどが挙げられる。このため、薄膜シリコン系太陽電池は、結晶系太陽電池と比較して低コストでの製造が可能となる。
【0003】
薄膜シリコン系太陽電池に用いる光電変換層には、一般に非晶質シリコンを主とする膜や結晶質シリコンを主とする膜が用いられる。光電変換層として非晶質シリコン膜を備える太陽電池に関して、光電変換層中の不純物(酸素及び窒素)が電池性能に影響を及ぼすことが知られている(非特許文献1)。
【0004】
特許文献1には、光電変換層として結晶質シリコンを主とする膜を備える太陽電池セルにおいて、結晶質シリコン膜のラマン比(結晶化率)とセル効率とに相関関係があることが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008−66343号公報(段落〔0037〕〜〔0038〕、図7〜図8)
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】Kinoshita et al., “Influence of Oxygen and Nitrogen in the Intrinsic Layer of a-Si:H Solar Cells”, Japan Journal of Applied Physics, 1996年7月, Vol. 35, Part 1, No. 7, pp. 3819-3824(図7、3.2.1節)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
結晶質シリコン太陽電池においても、結晶質シリコン層中の不純物が電池性能に影響を与えると考えられる。しかし、結晶質シリコン層のラマン比と不純物濃度との相関関係については明確となっていなかった。
本発明は、光電変換層に結晶質シリコンi層を備える高効率の光電変換装置を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明は、基板上に、結晶質シリコンを主とするi層を備える光電変換層を形成する工程を含む光電変換装置の製造方法であって、前記i層のラマン比に応じて、前記i層中の不純物の濃度の上限値を決定し、該決定された不純物の濃度の上限値以下の前記i層を製膜する光電変換装置の製造方法を提供する。
【0009】
本発明者らの検討により、結晶質シリコンi層を備える光電変換装置の電池性能は、ラマン比が高いほど、膜中の不純物濃度の影響を受けやすく、膜中の不純物濃度増加による変換効率の低下が顕著であることが分かった。上記知見から、結晶質シリコンi層のラマン比によって、結晶質シリコンi層中に含まれる不純物濃度の許容量が異なると言える。本発明では、ラマン比に応じて決定された不純物濃度の上限値を超えないように、結晶質シリコンi層中の不純物濃度を制御しながら製膜することにより、優れた電池性能を有する光電変換装置を製造することができる。
なお、本発明におけるラマン比とは、波長532nmのレーザー光を用いて計測したラマンスペクトルにおける480cm−1の非晶質シリコン相のピーク強度laに対する520cm−1の結晶質シリコン相のピーク強度lcの比lc/laで定義される。
【0010】
上記発明において、前記不純物の濃度の上限値が、前記ラマン比が3.5から4.5の範囲内の場合に5×1018cm−3、前記ラマン比が4.5から5.5の範囲内の場合に2×1018cm−3、前記ラマン比が5.5から6.5の範囲内の場合に8×1017cm−3、前記ラマン比が6.5から7.5の範囲内の場合に7×1017cm−3とされることが好ましい。
【0011】
このように、所望のラマン比に応じて、結晶質シリコンi層中の不純物濃度を上述の上限値以下に制御することで、高効率の光電変換装置を生産することができる。
【0012】
また、本発明は、基板上に、結晶質シリコンを主とするi層を備える光電変換層を形成する工程を含む光電変換装置の製造方法であって、前記i層のラマン比に応じて、製膜雰囲気中の不純物ガスの濃度の上限値を決定し、該決定された上限値以下となるように、前記不純物ガスの濃度を制御して前記i層を製膜する光電変換装置の製造方法を提供する。
【0013】
製膜中の不純物ガスの濃度を制御することにより、結晶質シリコンi層中に含有される不純物の濃度を制御することができる。このため、高い電池性能を維持した光電変換装置を安定して生産することが可能となる。
【0014】
上記発明において、前記不純物ガスの濃度の上限値が、前記ラマン比が3.5から4.5の範囲内の場合に10ppm、前記ラマン比が4.5から5.5の範囲内の場合に8ppm、前記ラマン比が5.5から6.5の範囲内の場合に2ppm、前記ラマン比が6.5から7.5の範囲内の場合に1.5ppm、前記ラマン比が7.5以上の場合に2ppmとされることが好ましい。
【0015】
このように、所望のラマン比に応じて、i層製膜雰囲気中の不純物濃度を上述の上限値以下に制御することで、高効率の光電変換装置を生産することができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、結晶質シリコンi層膜のラマン比に応じて、膜中または製膜雰囲気中の不純物濃度を制御しながら製膜できるために、高性能の光電変換装置を安定して生産することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の光電変換装置の製造方法により製造される光電変換装置の構成を表す概略図である。
【図2】本発明の光電変換装置の製造方法を用いて太陽電池パネルを製造する一実施形態を説明する概略図である。
【図3】本発明の光電変換装置の製造方法を用いて太陽電池パネルを製造する一実施形態を説明する概略図である。
【図4】本発明の光電変換装置の製造方法を用いて太陽電池パネルを製造する一実施形態を説明する概略図である。
【図5】本発明の光電変換装置の製造方法を用いて太陽電池パネルを製造する一実施形態を説明する概略図である。
【図6】結晶質シリコンi層中の窒素原子濃度とセル効率との関係を示すグラフである。
【図7】結晶質シリコンi層のラマン比と窒素原子濃度がセル効率に与える影響を示すグラフである。
【図8】結晶質シリコンi層中の窒素原子濃度及び結晶質シリコンi層のラマン比に対するセル効率の分布図である。
【図9】製膜雰囲気中の窒素ガス濃度と、結晶質シリコンi層中の窒素原子濃度との関係を示すグラフである。
【図10】製膜雰囲気中の窒素ガス濃度及びラマン比に対するセル効率の分布図である。
【図11】結晶質シリコンi層製膜中の窒素ガス濃度とタンデム型太陽電池モジュールの出力との関係を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
図1は、本発明の光電変換装置の構成を示す概略図である。光電変換装置100は、タンデム型シリコン系太陽電池であり、基板1、透明電極層2、太陽電池光電変換層3としての第1セル層91(非晶質シリコン系)及び第2セル層92(結晶質シリコン系)、中間コンタクト層5、及び裏面電極層4を備える。なお、ここで、シリコン系とはシリコン(Si)やシリコンカーバイト(SiC)やシリコンゲルマニウム(SiGe)を含む総称である。また、結晶質シリコン系とは、非晶質シリコン系以外のシリコン系を意味するものであり、微結晶シリコンや多結晶シリコンも含まれる。
【0019】
<第1実施形態>
第1実施形態に係る光電変換装置の製造方法を、太陽電池パネルを製造する工程を例に挙げて説明する。図2から図5は、本実施形態の太陽電池パネルの製造方法を示す概略図である。
【0020】
(1)図2(a)
基板1としてソーダフロートガラス基板(例えば1.4m×1.1m×板厚:3.5mm〜4.5mm)を使用する。基板端面は熱応力や衝撃などによる破損防止にコーナー面取りやR面取り加工されていることが望ましい。
【0021】
(2)図2(b)
透明電極層2として、酸化錫(SnO2)を主成分とする膜厚約500nm以上800nm以下の透明導電膜を、熱CVD装置にて約500℃で製膜する。この際、透明電極膜の表面には、適当な凹凸のあるテクスチャーが形成される。透明電極層2として、透明電極膜に加えて、基板1と透明電極膜との間にアルカリバリア膜(図示されず)を形成しても良い。アルカリバリア膜は、酸化シリコン膜(SiO2)を50nm〜150nm、熱CVD装置にて約500℃で製膜処理する。
【0022】
(3)図2(c)
その後、基板1をX−Yテーブルに設置して、YAGレーザーの第1高調波(1064nm)を、図の矢印に示すように、透明電極膜の膜面側から照射する。加工速度に適切となるようにレーザーパワーを調整して、透明電極膜を発電セルの直列接続方向に対して垂直な方向へ、基板1とレーザー光を相対移動して、溝10を形成するように幅約6mmから15mmの所定幅の短冊状にレーザーエッチングする。
【0023】
(4)図2(d)
第1セル層91として、非晶質シリコン薄膜からなるp層、i層及びn層を、プラズマCVD装置により製膜する。SiH4ガス及びH2ガスを主原料にして、減圧雰囲気:30Pa以上1000Pa以下、基板温度:約200℃にて、透明電極層2上に太陽光の入射する側から非晶質シリコンp層31、非晶質シリコンi層32、非晶質シリコンn層33の順で製膜する。非晶質シリコンp層31は非晶質のBドープシリコンを主とし、膜厚10nm以上30nm以下である。非晶質シリコンi層32は、膜厚200nm以上350nm以下である。非晶質シリコンn層33は、非晶質シリコンに微結晶シリコンを含有するPドープシリコンを主とし、膜厚30nm以上50nm以下である。非晶質シリコンp層31と非晶質シリコンi層32の間には、界面特性の向上のためにバッファー層を設けても良い。
【0024】
次に、第1セル層91の上に、プラズマCVD装置により、減圧雰囲気:3000Pa以下、基板温度:約200℃、プラズマ発生周波数:40MHz以上100MHz以下にて、第2セル層92としての結晶質シリコンp層41、結晶質シリコンi層42、及び、結晶質シリコンn層43を順次製膜する。結晶質シリコンp層41はBドープした微結晶シリコンを主とし、膜厚10nm以上50nm以下である。結晶質シリコンi層42は微結晶シリコンを主とし、膜厚は1.2μm以上3.0μm以下である。結晶質シリコンn層43はPドープした微結晶シリコンを主とし、膜厚20nm以上50nm以下である。
【0025】
微結晶シリコンを主とするi層膜をプラズマCVD法で形成するにあたり、プラズマ放電電極と基板1の表面との距離dは、3mm以上10mm以下にすることが好ましい。3mmより小さい場合、大型基板に対応する製膜室内の各構成機器精度から距離dを一定に保つことが難しくなるとともに、近過ぎて放電が不安定になる恐れがある。10mmより大きい場合、十分な製膜速度(1nm/s以上)を得難くなるとともに、プラズマの均一性が低下しイオン衝撃により膜質が低下する。
【0026】
本実施形態の結晶質シリコンi層42は、膜中の不純物濃度が、結晶質シリコンi層のラマン比に基づいて決定された上限値以下に制御される。製膜中に結晶質シリコンi層に混入し、電池性能に影響を与える不純物としては、窒素、酸素、リン、アンチモン、砒素が挙げられる。
【0027】
図6は、種々のラマン比を有する結晶質シリコンi層を備えるシングル型太陽電池セルについて、i層中の窒素原子濃度とセル効率との関係を示すグラフである。同図において、横軸は窒素原子濃度、縦軸はセル効率である。図7は、i層のラマン比と窒素原子濃度がセル効率に与える影響を示すグラフである。同図において、横軸はラマン比、縦軸は窒素原子濃度7×1017cm−3とした結晶質シリコンi層を有するセルの効率に対する1×1019cm−3とした結晶質シリコンi層を有するセルの効率の比率を示す。
図6及び図7に示すように、ラマン比3.5以下では、ラマン比に依らずi層膜中の窒素原子濃度がセル効率に与える影響はほぼ同じであった。一方、ラマン比が3.5を越えると、ラマン比が高いほど、i層膜中の窒素原子濃度の増加に伴うセル効率(電池性能)の低下幅が大きかった。以上の結果から、結晶質(微結晶)シリコン膜は、非晶質シリコン膜に比べて不純物の影響を受けやすいと言える。この要因として、結晶質シリコンの活性化エネルギーはアモルファスシリコンの活性化エネルギーよりも低いことが考えられる。活性化エネルギーは、結晶質シリコンi層で0.3〜0.5eV、非晶質シリコンi層で0.7〜0.9eVである。このことから、結晶質(微結晶)シリコンと非晶質シリコンとでは結合状態が異なり、結晶質(微結晶)シリコンの方が不純物により活性化しやすいと考えられる。
【0028】
図8は、図6を基に作成された結晶質シリコンi層中の窒素原子濃度及び結晶質シリコンi層のラマン比に対するセル効率の分布図である。同図において、横軸は窒素原子濃度、縦軸はラマン比である。図8の分布図の作成では、図6における各ラマン比範囲のプロットに対して近似直線を作成し、近似直線により各ラマン比での窒素原子濃度及びセル効率を求めた。
結晶質シリコンi層中の窒素原子濃度の上限値は、以下の前提条件を考慮して決定される。(1)ラマン比は3.5以上(微結晶シリコンとするため)、(2)セル効率は7.5%以上(製品として十分な性能を維持するため)。図8に、セル効率7.5%以上を達成できる領域を、網掛けで示した。図8より、所定のラマン比範囲においてセル効率7.5%以上を達成できる膜中窒素原子濃度の上限値を表1に示す。
【表1】
すなわち、所望のラマン比に応じて、結晶質シリコンi層中の窒素原子濃度を表1に示す上限値以下の値に制御することで、高効率の光電変換装置を得ることが可能である。表1からは、ラマン比が高くなるほど高性能の太陽電池とするためには窒素原子濃度をより低く制御する必要があることが示された。
表1に示すラマン比範囲の数値は、生産において求められるラマン比の制御精度などに応じて、適宜設定すると良い。
【0029】
結晶質シリコンi層中の窒素原子濃度を制御する方法としては、製膜ガス中の窒素ガス濃度を監視しながら制御して製膜する方法が挙げられる。窒素ガス濃度を制御する方法としては、原料ガスボンベと製膜室との間にガス精製器を設置して、供給原料ガス中の窒素ガス濃度を低減する方法や、原料ガスを液体酸素温度以下として窒素分圧を変化させる方法などがある。あるいは、計測された窒素ガス濃度が高い場合に、原料ガスボンベを低窒素濃度のものに交換しても良い。
不純物が酸素である場合、窒素と同様に製膜ガス中の酸素ガス濃度を監視しながら制御することができる。
【0030】
第1セル層91と第2セル層92の間に、接触性を改善するとともに電流整合性を取るために半反射膜となる中間コンタクト層5を設ける。中間コンタクト層5として、膜厚:20nm以上100nm以下のGZO(GaドープZnO)膜を、ターゲット:GaドープZnO焼結体を用いてスパッタリング装置により製膜する。また、中間コンタクト層5を設けない場合もある。
【0031】
(5)図2(e)
基板1をX−Yテーブルに設置して、レーザーダイオード励起YAGレーザーの第2高調波(532nm)を、図の矢印に示すように、光電変換層3の膜面側から照射する。パルス発振:10kHzから20kHzとして、加工速度に適切となるようにレーザーパワーを調整して、透明電極層2のレーザーエッチングラインの約100μmから150μmの横側を、溝11を形成するようにレーザーエッチングする。またこのレーザーは基板1側から照射しても良く、この場合は光電変換層3の非晶質シリコン系の第1セル層で吸収されたエネルギーで発生する高い蒸気圧を利用して光電変換層3をエッチングできるので、更に安定したレーザーエッチング加工を行うことが可能となる。レーザーエッチングラインの位置は前工程でのエッチングラインと交差しないように位置決め公差を考慮して選定する。
【0032】
(6)図3(a)
裏面電極層4としてAg膜/Ti膜を、スパッタリング装置により、減圧雰囲気、製膜温度:150℃から200℃にて製膜する。本実施形態では、Ag膜:150nm以上500nm以下、これを保護するものとして防食効果の高いTi膜:10nm以上20nm以下を、この順に積層する。あるいは、裏面電極層4を、25nmから100nmの膜厚を有するAg膜と、15nmから500nmの膜厚を有するAl膜との積層構造としても良い。結晶質シリコンn層43と裏面電極層4との接触抵抗低減と光反射向上を目的に、光電変換層3と裏面電極層4との間に、スパッタリング装置により、膜厚:50nm以上100nm以下のGZO(GaドープZnO)膜を製膜して設けても良い。
【0033】
(7)図3(b)
基板1をX−Yテーブルに設置して、レーザーダイオード励起YAGレーザーの第2高調波(532nm)を、図の矢印に示すように、基板1側から照射する。レーザー光が光電変換層3で吸収され、このとき発生する高いガス蒸気圧を利用して裏面電極層4が爆裂して除去される。パルス発振:1kHz以上10kHz以下として加工速度に適切となるようにレーザーパワーを調整して、透明電極層2のレーザーエッチングラインの250μmから400μmの横側を、溝12を形成するようにレーザーエッチングする。
【0034】
(8)図3(c)と図4(a)
発電領域を区分して、基板端周辺の膜端部をレーザーエッチングし、直列接続部分で短絡し易い影響を除去する。基板1をX−Yテーブルに設置して、レーザーダイオード励起YAGレーザーの第2高調波(532nm)を、基板1側から照射する。レーザー光が透明電極層2と光電変換層3で吸収され、このとき発生する高いガス蒸気圧を利用して裏面電極層4が爆裂して、裏面電極層4/光電変換層3/透明電極層2が除去される。パルス発振:1kHz以上10kHz以下として加工速度に適切となるようにレーザーパワーを調整して、基板1の端部から5mmから20mmの位置を、図3(c)に示すように、X方向絶縁溝15を形成するようにレーザーエッチングする。なお、図3(c)では、光電変換層3が直列に接続された方向に切断したX方向断面図となっているため、本来であれば絶縁溝15位置には裏面電極層4/光電変換層3/透明電極層2の膜研磨除去をした周囲膜除去領域14がある状態(図4(a)参照)が表れるべきであるが、基板1の端部への加工の説明の便宜上、この位置にY方向断面を表して形成された絶縁溝をX方向絶縁溝15として説明する。このとき、Y方向絶縁溝は後工程で基板1周囲膜除去領域の膜面研磨除去処理を行うので、設ける必要がない。
【0035】
絶縁溝15は基板1の端より5mmから15mmの位置にてエッチングを終了させることにより、太陽電池パネル端部からの太陽電池モジュール6内部への外部湿分浸入の抑制に、有効な効果を呈するので好ましい。
【0036】
尚、以上までの工程におけるレーザー光はYAGレーザーとしているが、YVO4レーザーやファイバーレーザーなどが同様に使用できるものがある。
【0037】
(9)図4(a:太陽電池膜面側から見た図、b:受光面の基板側から見た図)
後工程のEVA等を介したバックシート24との健全な接着・シール面を確保するために、基板1周辺(周囲膜除去領域14)の積層膜は、段差があるとともに剥離し易いため、この膜を除去して周囲膜除去領域14を形成する。基板1の端から5〜20mmで基板1の全周囲にわたり膜を除去するにあたり、X方向は前述の図3(c)工程で設けた絶縁溝15よりも基板端側において、Y方向は基板端側部付近の溝10よりも基板端側において、裏面電極層4/光電変換層3/透明電極層2を、砥石研磨やブラスト研磨などを用いて除去を行う。
研磨屑や砥粒は基板1を洗浄処理して除去した。
【0038】
(10)図5(a)(b)
端子箱23の取付け部分はバックシート24に開口貫通窓を設けて集電板を取出す。この開口貫通窓部分には絶縁材を複数層で設置して外部からの湿分などの浸入を抑制する。
直列に並んだ一方端の太陽電池発電セルと、他方端部の太陽電池発電セルとから銅箔を用いて集電して太陽電池パネル裏側の端子箱23の部分から電力が取出せるように処理する。銅箔は各部との短絡を防止するために銅箔幅より広い絶縁シートを配置する。
集電用銅箔などが所定位置に配置された後に、太陽電池モジュール6の全体を覆い、基板1からはみ出さないようにEVA(エチレン酢酸ビニル共重合体)等による接着充填材シートを配置する。
EVAの上に、防水効果の高いバックシート24を設置する。バックシート24は本実施形態では防水防湿効果が高いようにPETシート/Al箔/PETシートの3層構造よりなる。
バックシート24までを所定位置に配置したものを、ラミネータにより減圧雰囲気で内部の脱気を行い約150〜160℃でプレスしながら、EVAを架橋させて密着させる。
【0039】
(11)図5(a)
太陽電池モジュール6の裏側に端子箱23を接着剤で取付ける。
(12)図5(b)
銅箔と端子箱23の出力ケーブルとをハンダ等で接続し、端子箱23の内部を封止剤(ポッティング剤)で充填して密閉する。これで太陽電池パネル50が完成する。
(13)図5(c)
図5(b)までの工程で形成された太陽電池パネル50について発電検査ならびに、所定の性能試験を行う。発電検査は、AM1.5、全天日射基準太陽光(1000W/m2)のソーラシミュレータを用いて行う。
(14)図5(d)
発電検査(図5(c))に前後して、外観検査をはじめ所定の性能検査を行う。
【0040】
<第2実施形態>
第2実施形態に係る光電変換装置の製造方法では、結晶質シリコンi層42の製膜時において、製膜雰囲気中の不純物ガスの濃度が制御される。製膜雰囲気中の不純物ガスは、SiH4ガスやH2ガスに含まれる窒素ガス及び酸素ガス、製膜室に残留したn層の原料ガスであるPH3などとされる。
【0041】
製膜雰囲気中の不純物ガス濃度と、結晶質シリコンi層中に含有される不純物の濃度との間には、対応関係がある。一例として、製膜雰囲気中の窒素ガス濃度と、結晶質シリコンi層中の窒素原子濃度との関係を図9に示す。図9では、窒素ガス濃度と膜中の窒素原子濃度とが線形の関係にあるとした。
図6に示す膜中の窒素原子濃度を、図9の対応関係を用いて製膜雰囲気中の窒素ガス濃度に換算し、製膜雰囲気中の窒素ガス濃度及びラマン比に対するセル効率の分布図が得られる。図10に示す分布図において、横軸は窒素ガス濃度、縦軸はラマン比である。
【0042】
図10に基づき、第1実施形態と同じ前提条件を考慮して、製膜雰囲気中の窒素ガス濃度の上限値が決定される。図10に、セル効率7.5%以上を達成できる領域を、網掛けで示した。所定のラマン比範囲においてセル効率7.5%以上を達成できる窒素ガス濃度の上限値を表2に示す。
【表2】
すなわち、所望のラマン比に応じて、製膜雰囲気中の窒素ガス濃度を表2に示す上限値以下に制御することで、高効率の光電変換装置を得ることができる。表2から、高ラマン比になるほど、窒素ガス濃度を低く制御する必要があることが分かる。表2に示すラマン比範囲の数値は、生産において求められるラマン比の制御精度などに応じて、適宜設定すると良い。
【0043】
図11に、雰囲気中の窒素ガス濃度を制御して製膜した結晶質シリコンi層を備えるタンデム型太陽電池モジュールについて、結晶質シリコンi層製膜中の窒素ガス濃度とモジュール出力との関係を示す。同図において、横軸は窒素ガス濃度、縦軸は窒素ガス濃度2ppmのときを基準としたモジュール出力の相対値である。図11の取得にあたり、窒素ガス濃度以外の製膜条件は同一とした。なお、結晶質シリコンi層のラマン比は、面内に4〜10の範囲で分布があり、平均値を6.5とした。
図11に示すように、窒素ガス濃度が高くなるほど、出力が低下した。面内平均ラマン比6.5の条件では、製膜雰囲気中の窒素ガス濃度を2ppm以下に制御すれば、高い出力を確保することができる。
【0044】
製膜雰囲気中の窒素(不純物)ガス濃度は、ガスクロマトグラフィーなどにより計測される。窒素ガス濃度は、第1実施形態で説明したように、ガス精製器により供給原料ガス中の窒素ガス濃度を低減する方法、原料ガスを液体酸素温度以下として窒素分圧を変化させる方法、原料ガスボンベを低窒素濃度のものに交換する方法により、上記上限値以下に制御される。
不純物が酸素である場合、窒素と同様に製膜ガス中の酸素ガス濃度を監視しながら制御する。
【0045】
太陽電池の生産工程では、製膜された結晶質シリコンi層の表面の画像をオンラインで取得し、白色に見える領域(高輝度反射領域と称する)の有無を判定する方法や、ガラス基板側から赤外光を入射して反射光をオンラインで計測する方法により、結晶質シリコンi層のラマン比を推定することができる。あるいは、結晶質シリコンi層のラマン比を直接計測しても良い。
【0046】
上記実施の形態では太陽電池として、タンデム型太陽電池について説明したが、本発明は、この例に限定されるものではない。シングル型太陽電池、トリプル型太陽電池などの結晶質シリコンi層を備える他の種類の薄膜太陽電池にも同様に適用可能である。
【符号の説明】
【0047】
1 基板
2 透明電極層
3 光電変換層
4 裏面電極層
5 中間コンタクト層
6 太陽電池モジュール
31 非晶質シリコンp層
32 非晶質シリコンi層
33 非晶質シリコンn層
41 結晶質シリコンp層
42 結晶質シリコンi層
43 結晶質シリコンn層
91 第1セル層
92 第2セル層
100 光電変換装置
【技術分野】
【0001】
本発明は、光電変換装置の製造方法であって、特に発電層を製膜で形成する薄膜系太陽電池の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
太陽光のエネルギーを電気エネルギーに変換する光電変換装置としては、p型シリコン系半導体(p層)、i型シリコン系半導体(i層)及びn型シリコン系半導体(n層)の薄膜をプラズマCVD法等で製膜して形成した光電変換層を備えた薄膜シリコン系太陽電池が知られている。薄膜シリコン系太陽電池では、薄膜シリコン系太陽電池の長所としては、大面積化が容易であること、膜厚が結晶系太陽電池の1/100程度と薄く、材料が少なくて済むことなどが挙げられる。このため、薄膜シリコン系太陽電池は、結晶系太陽電池と比較して低コストでの製造が可能となる。
【0003】
薄膜シリコン系太陽電池に用いる光電変換層には、一般に非晶質シリコンを主とする膜や結晶質シリコンを主とする膜が用いられる。光電変換層として非晶質シリコン膜を備える太陽電池に関して、光電変換層中の不純物(酸素及び窒素)が電池性能に影響を及ぼすことが知られている(非特許文献1)。
【0004】
特許文献1には、光電変換層として結晶質シリコンを主とする膜を備える太陽電池セルにおいて、結晶質シリコン膜のラマン比(結晶化率)とセル効率とに相関関係があることが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008−66343号公報(段落〔0037〕〜〔0038〕、図7〜図8)
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】Kinoshita et al., “Influence of Oxygen and Nitrogen in the Intrinsic Layer of a-Si:H Solar Cells”, Japan Journal of Applied Physics, 1996年7月, Vol. 35, Part 1, No. 7, pp. 3819-3824(図7、3.2.1節)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
結晶質シリコン太陽電池においても、結晶質シリコン層中の不純物が電池性能に影響を与えると考えられる。しかし、結晶質シリコン層のラマン比と不純物濃度との相関関係については明確となっていなかった。
本発明は、光電変換層に結晶質シリコンi層を備える高効率の光電変換装置を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明は、基板上に、結晶質シリコンを主とするi層を備える光電変換層を形成する工程を含む光電変換装置の製造方法であって、前記i層のラマン比に応じて、前記i層中の不純物の濃度の上限値を決定し、該決定された不純物の濃度の上限値以下の前記i層を製膜する光電変換装置の製造方法を提供する。
【0009】
本発明者らの検討により、結晶質シリコンi層を備える光電変換装置の電池性能は、ラマン比が高いほど、膜中の不純物濃度の影響を受けやすく、膜中の不純物濃度増加による変換効率の低下が顕著であることが分かった。上記知見から、結晶質シリコンi層のラマン比によって、結晶質シリコンi層中に含まれる不純物濃度の許容量が異なると言える。本発明では、ラマン比に応じて決定された不純物濃度の上限値を超えないように、結晶質シリコンi層中の不純物濃度を制御しながら製膜することにより、優れた電池性能を有する光電変換装置を製造することができる。
なお、本発明におけるラマン比とは、波長532nmのレーザー光を用いて計測したラマンスペクトルにおける480cm−1の非晶質シリコン相のピーク強度laに対する520cm−1の結晶質シリコン相のピーク強度lcの比lc/laで定義される。
【0010】
上記発明において、前記不純物の濃度の上限値が、前記ラマン比が3.5から4.5の範囲内の場合に5×1018cm−3、前記ラマン比が4.5から5.5の範囲内の場合に2×1018cm−3、前記ラマン比が5.5から6.5の範囲内の場合に8×1017cm−3、前記ラマン比が6.5から7.5の範囲内の場合に7×1017cm−3とされることが好ましい。
【0011】
このように、所望のラマン比に応じて、結晶質シリコンi層中の不純物濃度を上述の上限値以下に制御することで、高効率の光電変換装置を生産することができる。
【0012】
また、本発明は、基板上に、結晶質シリコンを主とするi層を備える光電変換層を形成する工程を含む光電変換装置の製造方法であって、前記i層のラマン比に応じて、製膜雰囲気中の不純物ガスの濃度の上限値を決定し、該決定された上限値以下となるように、前記不純物ガスの濃度を制御して前記i層を製膜する光電変換装置の製造方法を提供する。
【0013】
製膜中の不純物ガスの濃度を制御することにより、結晶質シリコンi層中に含有される不純物の濃度を制御することができる。このため、高い電池性能を維持した光電変換装置を安定して生産することが可能となる。
【0014】
上記発明において、前記不純物ガスの濃度の上限値が、前記ラマン比が3.5から4.5の範囲内の場合に10ppm、前記ラマン比が4.5から5.5の範囲内の場合に8ppm、前記ラマン比が5.5から6.5の範囲内の場合に2ppm、前記ラマン比が6.5から7.5の範囲内の場合に1.5ppm、前記ラマン比が7.5以上の場合に2ppmとされることが好ましい。
【0015】
このように、所望のラマン比に応じて、i層製膜雰囲気中の不純物濃度を上述の上限値以下に制御することで、高効率の光電変換装置を生産することができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、結晶質シリコンi層膜のラマン比に応じて、膜中または製膜雰囲気中の不純物濃度を制御しながら製膜できるために、高性能の光電変換装置を安定して生産することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の光電変換装置の製造方法により製造される光電変換装置の構成を表す概略図である。
【図2】本発明の光電変換装置の製造方法を用いて太陽電池パネルを製造する一実施形態を説明する概略図である。
【図3】本発明の光電変換装置の製造方法を用いて太陽電池パネルを製造する一実施形態を説明する概略図である。
【図4】本発明の光電変換装置の製造方法を用いて太陽電池パネルを製造する一実施形態を説明する概略図である。
【図5】本発明の光電変換装置の製造方法を用いて太陽電池パネルを製造する一実施形態を説明する概略図である。
【図6】結晶質シリコンi層中の窒素原子濃度とセル効率との関係を示すグラフである。
【図7】結晶質シリコンi層のラマン比と窒素原子濃度がセル効率に与える影響を示すグラフである。
【図8】結晶質シリコンi層中の窒素原子濃度及び結晶質シリコンi層のラマン比に対するセル効率の分布図である。
【図9】製膜雰囲気中の窒素ガス濃度と、結晶質シリコンi層中の窒素原子濃度との関係を示すグラフである。
【図10】製膜雰囲気中の窒素ガス濃度及びラマン比に対するセル効率の分布図である。
【図11】結晶質シリコンi層製膜中の窒素ガス濃度とタンデム型太陽電池モジュールの出力との関係を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
図1は、本発明の光電変換装置の構成を示す概略図である。光電変換装置100は、タンデム型シリコン系太陽電池であり、基板1、透明電極層2、太陽電池光電変換層3としての第1セル層91(非晶質シリコン系)及び第2セル層92(結晶質シリコン系)、中間コンタクト層5、及び裏面電極層4を備える。なお、ここで、シリコン系とはシリコン(Si)やシリコンカーバイト(SiC)やシリコンゲルマニウム(SiGe)を含む総称である。また、結晶質シリコン系とは、非晶質シリコン系以外のシリコン系を意味するものであり、微結晶シリコンや多結晶シリコンも含まれる。
【0019】
<第1実施形態>
第1実施形態に係る光電変換装置の製造方法を、太陽電池パネルを製造する工程を例に挙げて説明する。図2から図5は、本実施形態の太陽電池パネルの製造方法を示す概略図である。
【0020】
(1)図2(a)
基板1としてソーダフロートガラス基板(例えば1.4m×1.1m×板厚:3.5mm〜4.5mm)を使用する。基板端面は熱応力や衝撃などによる破損防止にコーナー面取りやR面取り加工されていることが望ましい。
【0021】
(2)図2(b)
透明電極層2として、酸化錫(SnO2)を主成分とする膜厚約500nm以上800nm以下の透明導電膜を、熱CVD装置にて約500℃で製膜する。この際、透明電極膜の表面には、適当な凹凸のあるテクスチャーが形成される。透明電極層2として、透明電極膜に加えて、基板1と透明電極膜との間にアルカリバリア膜(図示されず)を形成しても良い。アルカリバリア膜は、酸化シリコン膜(SiO2)を50nm〜150nm、熱CVD装置にて約500℃で製膜処理する。
【0022】
(3)図2(c)
その後、基板1をX−Yテーブルに設置して、YAGレーザーの第1高調波(1064nm)を、図の矢印に示すように、透明電極膜の膜面側から照射する。加工速度に適切となるようにレーザーパワーを調整して、透明電極膜を発電セルの直列接続方向に対して垂直な方向へ、基板1とレーザー光を相対移動して、溝10を形成するように幅約6mmから15mmの所定幅の短冊状にレーザーエッチングする。
【0023】
(4)図2(d)
第1セル層91として、非晶質シリコン薄膜からなるp層、i層及びn層を、プラズマCVD装置により製膜する。SiH4ガス及びH2ガスを主原料にして、減圧雰囲気:30Pa以上1000Pa以下、基板温度:約200℃にて、透明電極層2上に太陽光の入射する側から非晶質シリコンp層31、非晶質シリコンi層32、非晶質シリコンn層33の順で製膜する。非晶質シリコンp層31は非晶質のBドープシリコンを主とし、膜厚10nm以上30nm以下である。非晶質シリコンi層32は、膜厚200nm以上350nm以下である。非晶質シリコンn層33は、非晶質シリコンに微結晶シリコンを含有するPドープシリコンを主とし、膜厚30nm以上50nm以下である。非晶質シリコンp層31と非晶質シリコンi層32の間には、界面特性の向上のためにバッファー層を設けても良い。
【0024】
次に、第1セル層91の上に、プラズマCVD装置により、減圧雰囲気:3000Pa以下、基板温度:約200℃、プラズマ発生周波数:40MHz以上100MHz以下にて、第2セル層92としての結晶質シリコンp層41、結晶質シリコンi層42、及び、結晶質シリコンn層43を順次製膜する。結晶質シリコンp層41はBドープした微結晶シリコンを主とし、膜厚10nm以上50nm以下である。結晶質シリコンi層42は微結晶シリコンを主とし、膜厚は1.2μm以上3.0μm以下である。結晶質シリコンn層43はPドープした微結晶シリコンを主とし、膜厚20nm以上50nm以下である。
【0025】
微結晶シリコンを主とするi層膜をプラズマCVD法で形成するにあたり、プラズマ放電電極と基板1の表面との距離dは、3mm以上10mm以下にすることが好ましい。3mmより小さい場合、大型基板に対応する製膜室内の各構成機器精度から距離dを一定に保つことが難しくなるとともに、近過ぎて放電が不安定になる恐れがある。10mmより大きい場合、十分な製膜速度(1nm/s以上)を得難くなるとともに、プラズマの均一性が低下しイオン衝撃により膜質が低下する。
【0026】
本実施形態の結晶質シリコンi層42は、膜中の不純物濃度が、結晶質シリコンi層のラマン比に基づいて決定された上限値以下に制御される。製膜中に結晶質シリコンi層に混入し、電池性能に影響を与える不純物としては、窒素、酸素、リン、アンチモン、砒素が挙げられる。
【0027】
図6は、種々のラマン比を有する結晶質シリコンi層を備えるシングル型太陽電池セルについて、i層中の窒素原子濃度とセル効率との関係を示すグラフである。同図において、横軸は窒素原子濃度、縦軸はセル効率である。図7は、i層のラマン比と窒素原子濃度がセル効率に与える影響を示すグラフである。同図において、横軸はラマン比、縦軸は窒素原子濃度7×1017cm−3とした結晶質シリコンi層を有するセルの効率に対する1×1019cm−3とした結晶質シリコンi層を有するセルの効率の比率を示す。
図6及び図7に示すように、ラマン比3.5以下では、ラマン比に依らずi層膜中の窒素原子濃度がセル効率に与える影響はほぼ同じであった。一方、ラマン比が3.5を越えると、ラマン比が高いほど、i層膜中の窒素原子濃度の増加に伴うセル効率(電池性能)の低下幅が大きかった。以上の結果から、結晶質(微結晶)シリコン膜は、非晶質シリコン膜に比べて不純物の影響を受けやすいと言える。この要因として、結晶質シリコンの活性化エネルギーはアモルファスシリコンの活性化エネルギーよりも低いことが考えられる。活性化エネルギーは、結晶質シリコンi層で0.3〜0.5eV、非晶質シリコンi層で0.7〜0.9eVである。このことから、結晶質(微結晶)シリコンと非晶質シリコンとでは結合状態が異なり、結晶質(微結晶)シリコンの方が不純物により活性化しやすいと考えられる。
【0028】
図8は、図6を基に作成された結晶質シリコンi層中の窒素原子濃度及び結晶質シリコンi層のラマン比に対するセル効率の分布図である。同図において、横軸は窒素原子濃度、縦軸はラマン比である。図8の分布図の作成では、図6における各ラマン比範囲のプロットに対して近似直線を作成し、近似直線により各ラマン比での窒素原子濃度及びセル効率を求めた。
結晶質シリコンi層中の窒素原子濃度の上限値は、以下の前提条件を考慮して決定される。(1)ラマン比は3.5以上(微結晶シリコンとするため)、(2)セル効率は7.5%以上(製品として十分な性能を維持するため)。図8に、セル効率7.5%以上を達成できる領域を、網掛けで示した。図8より、所定のラマン比範囲においてセル効率7.5%以上を達成できる膜中窒素原子濃度の上限値を表1に示す。
【表1】
すなわち、所望のラマン比に応じて、結晶質シリコンi層中の窒素原子濃度を表1に示す上限値以下の値に制御することで、高効率の光電変換装置を得ることが可能である。表1からは、ラマン比が高くなるほど高性能の太陽電池とするためには窒素原子濃度をより低く制御する必要があることが示された。
表1に示すラマン比範囲の数値は、生産において求められるラマン比の制御精度などに応じて、適宜設定すると良い。
【0029】
結晶質シリコンi層中の窒素原子濃度を制御する方法としては、製膜ガス中の窒素ガス濃度を監視しながら制御して製膜する方法が挙げられる。窒素ガス濃度を制御する方法としては、原料ガスボンベと製膜室との間にガス精製器を設置して、供給原料ガス中の窒素ガス濃度を低減する方法や、原料ガスを液体酸素温度以下として窒素分圧を変化させる方法などがある。あるいは、計測された窒素ガス濃度が高い場合に、原料ガスボンベを低窒素濃度のものに交換しても良い。
不純物が酸素である場合、窒素と同様に製膜ガス中の酸素ガス濃度を監視しながら制御することができる。
【0030】
第1セル層91と第2セル層92の間に、接触性を改善するとともに電流整合性を取るために半反射膜となる中間コンタクト層5を設ける。中間コンタクト層5として、膜厚:20nm以上100nm以下のGZO(GaドープZnO)膜を、ターゲット:GaドープZnO焼結体を用いてスパッタリング装置により製膜する。また、中間コンタクト層5を設けない場合もある。
【0031】
(5)図2(e)
基板1をX−Yテーブルに設置して、レーザーダイオード励起YAGレーザーの第2高調波(532nm)を、図の矢印に示すように、光電変換層3の膜面側から照射する。パルス発振:10kHzから20kHzとして、加工速度に適切となるようにレーザーパワーを調整して、透明電極層2のレーザーエッチングラインの約100μmから150μmの横側を、溝11を形成するようにレーザーエッチングする。またこのレーザーは基板1側から照射しても良く、この場合は光電変換層3の非晶質シリコン系の第1セル層で吸収されたエネルギーで発生する高い蒸気圧を利用して光電変換層3をエッチングできるので、更に安定したレーザーエッチング加工を行うことが可能となる。レーザーエッチングラインの位置は前工程でのエッチングラインと交差しないように位置決め公差を考慮して選定する。
【0032】
(6)図3(a)
裏面電極層4としてAg膜/Ti膜を、スパッタリング装置により、減圧雰囲気、製膜温度:150℃から200℃にて製膜する。本実施形態では、Ag膜:150nm以上500nm以下、これを保護するものとして防食効果の高いTi膜:10nm以上20nm以下を、この順に積層する。あるいは、裏面電極層4を、25nmから100nmの膜厚を有するAg膜と、15nmから500nmの膜厚を有するAl膜との積層構造としても良い。結晶質シリコンn層43と裏面電極層4との接触抵抗低減と光反射向上を目的に、光電変換層3と裏面電極層4との間に、スパッタリング装置により、膜厚:50nm以上100nm以下のGZO(GaドープZnO)膜を製膜して設けても良い。
【0033】
(7)図3(b)
基板1をX−Yテーブルに設置して、レーザーダイオード励起YAGレーザーの第2高調波(532nm)を、図の矢印に示すように、基板1側から照射する。レーザー光が光電変換層3で吸収され、このとき発生する高いガス蒸気圧を利用して裏面電極層4が爆裂して除去される。パルス発振:1kHz以上10kHz以下として加工速度に適切となるようにレーザーパワーを調整して、透明電極層2のレーザーエッチングラインの250μmから400μmの横側を、溝12を形成するようにレーザーエッチングする。
【0034】
(8)図3(c)と図4(a)
発電領域を区分して、基板端周辺の膜端部をレーザーエッチングし、直列接続部分で短絡し易い影響を除去する。基板1をX−Yテーブルに設置して、レーザーダイオード励起YAGレーザーの第2高調波(532nm)を、基板1側から照射する。レーザー光が透明電極層2と光電変換層3で吸収され、このとき発生する高いガス蒸気圧を利用して裏面電極層4が爆裂して、裏面電極層4/光電変換層3/透明電極層2が除去される。パルス発振:1kHz以上10kHz以下として加工速度に適切となるようにレーザーパワーを調整して、基板1の端部から5mmから20mmの位置を、図3(c)に示すように、X方向絶縁溝15を形成するようにレーザーエッチングする。なお、図3(c)では、光電変換層3が直列に接続された方向に切断したX方向断面図となっているため、本来であれば絶縁溝15位置には裏面電極層4/光電変換層3/透明電極層2の膜研磨除去をした周囲膜除去領域14がある状態(図4(a)参照)が表れるべきであるが、基板1の端部への加工の説明の便宜上、この位置にY方向断面を表して形成された絶縁溝をX方向絶縁溝15として説明する。このとき、Y方向絶縁溝は後工程で基板1周囲膜除去領域の膜面研磨除去処理を行うので、設ける必要がない。
【0035】
絶縁溝15は基板1の端より5mmから15mmの位置にてエッチングを終了させることにより、太陽電池パネル端部からの太陽電池モジュール6内部への外部湿分浸入の抑制に、有効な効果を呈するので好ましい。
【0036】
尚、以上までの工程におけるレーザー光はYAGレーザーとしているが、YVO4レーザーやファイバーレーザーなどが同様に使用できるものがある。
【0037】
(9)図4(a:太陽電池膜面側から見た図、b:受光面の基板側から見た図)
後工程のEVA等を介したバックシート24との健全な接着・シール面を確保するために、基板1周辺(周囲膜除去領域14)の積層膜は、段差があるとともに剥離し易いため、この膜を除去して周囲膜除去領域14を形成する。基板1の端から5〜20mmで基板1の全周囲にわたり膜を除去するにあたり、X方向は前述の図3(c)工程で設けた絶縁溝15よりも基板端側において、Y方向は基板端側部付近の溝10よりも基板端側において、裏面電極層4/光電変換層3/透明電極層2を、砥石研磨やブラスト研磨などを用いて除去を行う。
研磨屑や砥粒は基板1を洗浄処理して除去した。
【0038】
(10)図5(a)(b)
端子箱23の取付け部分はバックシート24に開口貫通窓を設けて集電板を取出す。この開口貫通窓部分には絶縁材を複数層で設置して外部からの湿分などの浸入を抑制する。
直列に並んだ一方端の太陽電池発電セルと、他方端部の太陽電池発電セルとから銅箔を用いて集電して太陽電池パネル裏側の端子箱23の部分から電力が取出せるように処理する。銅箔は各部との短絡を防止するために銅箔幅より広い絶縁シートを配置する。
集電用銅箔などが所定位置に配置された後に、太陽電池モジュール6の全体を覆い、基板1からはみ出さないようにEVA(エチレン酢酸ビニル共重合体)等による接着充填材シートを配置する。
EVAの上に、防水効果の高いバックシート24を設置する。バックシート24は本実施形態では防水防湿効果が高いようにPETシート/Al箔/PETシートの3層構造よりなる。
バックシート24までを所定位置に配置したものを、ラミネータにより減圧雰囲気で内部の脱気を行い約150〜160℃でプレスしながら、EVAを架橋させて密着させる。
【0039】
(11)図5(a)
太陽電池モジュール6の裏側に端子箱23を接着剤で取付ける。
(12)図5(b)
銅箔と端子箱23の出力ケーブルとをハンダ等で接続し、端子箱23の内部を封止剤(ポッティング剤)で充填して密閉する。これで太陽電池パネル50が完成する。
(13)図5(c)
図5(b)までの工程で形成された太陽電池パネル50について発電検査ならびに、所定の性能試験を行う。発電検査は、AM1.5、全天日射基準太陽光(1000W/m2)のソーラシミュレータを用いて行う。
(14)図5(d)
発電検査(図5(c))に前後して、外観検査をはじめ所定の性能検査を行う。
【0040】
<第2実施形態>
第2実施形態に係る光電変換装置の製造方法では、結晶質シリコンi層42の製膜時において、製膜雰囲気中の不純物ガスの濃度が制御される。製膜雰囲気中の不純物ガスは、SiH4ガスやH2ガスに含まれる窒素ガス及び酸素ガス、製膜室に残留したn層の原料ガスであるPH3などとされる。
【0041】
製膜雰囲気中の不純物ガス濃度と、結晶質シリコンi層中に含有される不純物の濃度との間には、対応関係がある。一例として、製膜雰囲気中の窒素ガス濃度と、結晶質シリコンi層中の窒素原子濃度との関係を図9に示す。図9では、窒素ガス濃度と膜中の窒素原子濃度とが線形の関係にあるとした。
図6に示す膜中の窒素原子濃度を、図9の対応関係を用いて製膜雰囲気中の窒素ガス濃度に換算し、製膜雰囲気中の窒素ガス濃度及びラマン比に対するセル効率の分布図が得られる。図10に示す分布図において、横軸は窒素ガス濃度、縦軸はラマン比である。
【0042】
図10に基づき、第1実施形態と同じ前提条件を考慮して、製膜雰囲気中の窒素ガス濃度の上限値が決定される。図10に、セル効率7.5%以上を達成できる領域を、網掛けで示した。所定のラマン比範囲においてセル効率7.5%以上を達成できる窒素ガス濃度の上限値を表2に示す。
【表2】
すなわち、所望のラマン比に応じて、製膜雰囲気中の窒素ガス濃度を表2に示す上限値以下に制御することで、高効率の光電変換装置を得ることができる。表2から、高ラマン比になるほど、窒素ガス濃度を低く制御する必要があることが分かる。表2に示すラマン比範囲の数値は、生産において求められるラマン比の制御精度などに応じて、適宜設定すると良い。
【0043】
図11に、雰囲気中の窒素ガス濃度を制御して製膜した結晶質シリコンi層を備えるタンデム型太陽電池モジュールについて、結晶質シリコンi層製膜中の窒素ガス濃度とモジュール出力との関係を示す。同図において、横軸は窒素ガス濃度、縦軸は窒素ガス濃度2ppmのときを基準としたモジュール出力の相対値である。図11の取得にあたり、窒素ガス濃度以外の製膜条件は同一とした。なお、結晶質シリコンi層のラマン比は、面内に4〜10の範囲で分布があり、平均値を6.5とした。
図11に示すように、窒素ガス濃度が高くなるほど、出力が低下した。面内平均ラマン比6.5の条件では、製膜雰囲気中の窒素ガス濃度を2ppm以下に制御すれば、高い出力を確保することができる。
【0044】
製膜雰囲気中の窒素(不純物)ガス濃度は、ガスクロマトグラフィーなどにより計測される。窒素ガス濃度は、第1実施形態で説明したように、ガス精製器により供給原料ガス中の窒素ガス濃度を低減する方法、原料ガスを液体酸素温度以下として窒素分圧を変化させる方法、原料ガスボンベを低窒素濃度のものに交換する方法により、上記上限値以下に制御される。
不純物が酸素である場合、窒素と同様に製膜ガス中の酸素ガス濃度を監視しながら制御する。
【0045】
太陽電池の生産工程では、製膜された結晶質シリコンi層の表面の画像をオンラインで取得し、白色に見える領域(高輝度反射領域と称する)の有無を判定する方法や、ガラス基板側から赤外光を入射して反射光をオンラインで計測する方法により、結晶質シリコンi層のラマン比を推定することができる。あるいは、結晶質シリコンi層のラマン比を直接計測しても良い。
【0046】
上記実施の形態では太陽電池として、タンデム型太陽電池について説明したが、本発明は、この例に限定されるものではない。シングル型太陽電池、トリプル型太陽電池などの結晶質シリコンi層を備える他の種類の薄膜太陽電池にも同様に適用可能である。
【符号の説明】
【0047】
1 基板
2 透明電極層
3 光電変換層
4 裏面電極層
5 中間コンタクト層
6 太陽電池モジュール
31 非晶質シリコンp層
32 非晶質シリコンi層
33 非晶質シリコンn層
41 結晶質シリコンp層
42 結晶質シリコンi層
43 結晶質シリコンn層
91 第1セル層
92 第2セル層
100 光電変換装置
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板上に、結晶質シリコンを主とするi層を備える光電変換層を形成する工程を含む光電変換装置の製造方法であって、
前記i層のラマン比に応じて、前記i層中の不純物の濃度の上限値を決定し、
該決定された不純物の濃度の上限値以下の前記i層を製膜する光電変換装置の製造方法。
【請求項2】
前記不純物の濃度の上限値が、
前記ラマン比が3.5から4.5の範囲内の場合に5×1018cm−3、
前記ラマン比が4.5から5.5の範囲内の場合に2×1018cm−3、
前記ラマン比が5.5から6.5の範囲内の場合に8×1017cm−3、
前記ラマン比が6.5から7.5の範囲内の場合に7×1017cm−3、
前記ラマン比が7.5以上の場合に7×1017cm−3
とされる請求項1に記載の光電変換装置の製造方法。
【請求項3】
基板上に、結晶質シリコンを主とするi層を備える光電変換層を形成する工程を含む光電変換装置の製造方法であって、
前記i層のラマン比に応じて、製膜雰囲気中の不純物ガスの濃度の上限値を決定し、
該決定された上限値以下となるように、前記不純物ガスの濃度を制御して前記i層を製膜する光電変換装置の製造方法。
【請求項4】
前記不純物ガスの濃度の上限値が、
前記ラマン比が3.5から4.5の範囲内の場合に10ppm、
前記ラマン比が4.5から5.5の範囲内の場合に8ppm、
前記ラマン比が5.5から6.5の範囲内の場合に2ppm、
前記ラマン比が6.5から7.5の範囲内の場合に1.5ppm、
前記ラマン比が7.5以上の場合に2ppm
とされる請求項3に記載の光電変換装置の製造方法。
【請求項1】
基板上に、結晶質シリコンを主とするi層を備える光電変換層を形成する工程を含む光電変換装置の製造方法であって、
前記i層のラマン比に応じて、前記i層中の不純物の濃度の上限値を決定し、
該決定された不純物の濃度の上限値以下の前記i層を製膜する光電変換装置の製造方法。
【請求項2】
前記不純物の濃度の上限値が、
前記ラマン比が3.5から4.5の範囲内の場合に5×1018cm−3、
前記ラマン比が4.5から5.5の範囲内の場合に2×1018cm−3、
前記ラマン比が5.5から6.5の範囲内の場合に8×1017cm−3、
前記ラマン比が6.5から7.5の範囲内の場合に7×1017cm−3、
前記ラマン比が7.5以上の場合に7×1017cm−3
とされる請求項1に記載の光電変換装置の製造方法。
【請求項3】
基板上に、結晶質シリコンを主とするi層を備える光電変換層を形成する工程を含む光電変換装置の製造方法であって、
前記i層のラマン比に応じて、製膜雰囲気中の不純物ガスの濃度の上限値を決定し、
該決定された上限値以下となるように、前記不純物ガスの濃度を制御して前記i層を製膜する光電変換装置の製造方法。
【請求項4】
前記不純物ガスの濃度の上限値が、
前記ラマン比が3.5から4.5の範囲内の場合に10ppm、
前記ラマン比が4.5から5.5の範囲内の場合に8ppm、
前記ラマン比が5.5から6.5の範囲内の場合に2ppm、
前記ラマン比が6.5から7.5の範囲内の場合に1.5ppm、
前記ラマン比が7.5以上の場合に2ppm
とされる請求項3に記載の光電変換装置の製造方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2011−155026(P2011−155026A)
【公開日】平成23年8月11日(2011.8.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−282141(P2009−282141)
【出願日】平成21年12月11日(2009.12.11)
【出願人】(000006208)三菱重工業株式会社 (10,378)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年8月11日(2011.8.11)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年12月11日(2009.12.11)
【出願人】(000006208)三菱重工業株式会社 (10,378)
【Fターム(参考)】
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