説明

半導体ウェハの表面検査システム

【課題】より小型または簡単な構成で、より精度よく、半導体ウェハの表面に存在するソーマークの検出又は大きさの測定を行うことが可能な技術を提供する。
【解決手段】半導体ウェハWの表面に対して斜め方向から、入射面において平行光である光を照射し、ラインセンサカメラ3、4で半導体ウェハWの表面におけるライン状の領域3aを撮影する。このことで、半導体ウェハWの表面からの照射光の反射光または散乱光を検出し、この強度に基づいて、半導体ウェハWの表面における線状の凹凸を検出し、またはその大きさを測定する。光源装置1、2によって、ラインセンサカメラ3、4によって撮影されるライン状の領域3aのラインに平行な方向から光を照射し、線状の凹凸の方向がラインの方向に直交するように配置された状態で、半導体ウェハWの線状の凹凸を検出し、またはその大きさを測定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体ウェハの表面に光を照射し、半導体ウェハの表面からの反射光または散乱光を検出することで、半導体ウェハの表面の、線状の凹凸を検出しまたは、該凹凸の大きさを測定する半導体ウェハの表面検査システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、半導体素子や太陽電池の製造用の半導体ウェハは、インゴットの生成後、ワイヤーソーなどでインゴットをスライスすることによって製造されることが多い。インゴットを半導体ウェハにスライスする際のワイヤーソーなどの加工跡は、半導体ウェハの表面に線状の凹凸として残る。このような表面の凹凸の程度が大きいと、例えば太陽電池の場合には光エネルギーの電気エネルギーへの変換効率が低下したり寿命が短くなるなどの不都合の原因となることが知られている。従って、半導体ウェハの製造工程においては、半導体ウェハの表面の線状の凹凸(以下、ソーマークともいう。)について検査し、凹凸の大きさが許容範囲を超えた半導体ウェハについては除去する必要がある。
【0003】
半導体ウェハの表面の線状の凹凸を計測する方法としては、光源装置で、半導体ウェハの表面を斜め上方から照射し、線状の凹凸からの反射光または散乱光をエリアセンサカメラまたはラインセンサカメラで撮影する方法が考えられる。この方法においては、光源装置は、線状の凹凸において入射光が散乱するように、線状の凹凸を形成する凹部または凸部が延びる方向(線状の凹凸における線の方向。以下、これを「線状の凹凸の方向」ともいう。)と直交する方向から半導体ウェハを照射するよう配置されていた。
【0004】
そして、光源装置において直接光を発光する発光部の長さは、半導体ウェハの表面において撮影されるべき領域の長さの2〜3倍程度の長さである必要があった。これは、そのようにしなければ、エリアセンサカメラまたはラインセンサカメラで半導体ウェハの表面を撮影した際に、撮影領域における照射光強度が不均一になったり撮影領域の両端にケラレが生じたりする不都合が生じる場合があるからである。このことは、光源装置のコスト低減の妨げになっていたとともに、システム全体の構成の簡略化や、コスト低減を妨げる要因となっていた。
【0005】
また、半導体ウェハの製造工程で上記の方法を用いる場合には、ベルトコンベアで半導体ウェハを線状の凹凸の方向に直交する方向に移動させながら、線状の凹凸の方向に平行な領域を撮影するラインセンサで表面を撮影することで凹凸を測定する場合があった。この方法においては、ラインセンサの各センサ素子による受光信号の時間的変化に基づいて、半導体ウェハの表面の線状の凹凸の高さを連続的に測定していた。しかしながら、このようなシステムでは、ベルトコンベアの速度ムラであるジッターが測定結果に影響を与える場合があった。
【0006】
加えて、半導体ウェハの製造工程で上記の方法を用いる場合には、半導体ウェハの上下両側に配置された光源装置から半導体ウェハの上下両面に光を照射し、半導体ウェハの上下両側に配置されたラインセンサで両面の凹凸を一度に測定するシステムも知られている。このようなシステムにおいては、特に半導体ウェハの下表面を測定する光源装置は、例えばベルトコンベアの間の空間において半導体ウェハに光を照射する必要があるので、ベルトコンベアの間の空間を広く確保する必要があり、測定時における半導体ウェハの移動安定性を低下させ、振動などの原因となる場合があった。また、ベルトコンベアの間の空間において光源装置からの照射光を半導体ウェハの下側表面に対して直接斜めに入射させることが物理的に困難となり、光路中にミラーなどを配置して、光を屈折させる必要があった。このことは、システムの小型化・簡略化の妨げとなっていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2002−365234号公報
【特許文献2】特開2002−340811号公報
【特許文献3】特開2002−340537号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は上述の問題点に鑑みて案出されたものであり、その目的とするところは、より小型または簡単な構成で、より精度よく、半導体ウェハの表面に存在する線状の凹凸の検出し又はその大きさの測定を行うことが可能な技術を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明においては、半導体ウェハの表面に斜め方向から、少なくとも入射面において平行光である光を照射し、撮影装置で半導体ウェハの表面におけるライン状の領域を撮影することで、半導体ウェハの表面からの前記照射光の反射光または散乱光を検出し、この強度に基づいて、半導体ウェハの表面における線状の凹凸を検出し、またはその大きさを測定する。
そして、前記光源装置は、撮影装置によって撮影されるライン状の領域のラインに平行な方向から光を照射し、
前記半導体ウェハは、前記線状の凹凸における前記線の方向が、前記ラインの方向に直交するように配置された状態で、前記線状の凹凸が検出され、または線状の凹凸の大きさが測定されることを最大の特徴とする。
【0010】
より詳しくは、半導体ウェハの表面における線状の凹凸を検出し、または該線状の凹凸の大きさを測定する半導体ウェハの表面検査システムであって、
半導体ウェハの表面に対して斜め方向から、入射面において平行光である光を照射する光源装置と、
前記半導体ウェハの表面におけるライン状の領域であるライン撮影領域を撮影する撮影装置と、を備え、
前記光源装置は、前記撮影装置によって撮影されるライン撮影領域に対し、前記ラインに平行な方向から光を照射すべく配置され、
前記半導体ウェハが、前記線状の凹凸における前記線に平行な方向である凹凸方向が、前記ラインの方向に直交するように配置された状態で、前記線状の凹凸が検出され、または該線状の凹凸の大きさが測定されることを特徴とする。
【0011】
すなわち、本発明においては、光源装置は、撮影装置によって撮影されるライン撮影領域のラインの方向と平行な方向から、光を照射する。また、線状の凹凸における線の方向である凹凸方向が、ライン撮影領域のラインの方向と直交する状態で、前記線状の凹凸が検出され、または該線状の凹凸の大きさが測定される(以下、単純に「線状の凹凸が測定される」ともいう。)。これによれば、光源装置は、ライン撮影領域のラインの方向と平行な方向から、ライン撮影領域をカバーする範囲に光を照射すればよいので、光源装置において光を発光する部分である発光部の幅をより小さなものとすることができる。
【0012】
また、本発明においては、測定時に半導体ウェハは、前記凹凸方向がライン撮影領域の前記ラインの方向と直交する状態であるので、半導体ウェハの表面からの反射光または散乱光の、ライン撮影領域における空間的な強度分布より、より精度よく、線状の凹凸の測定を行うことができる。
【0013】
また、本発明においては、前記半導体ウェハを支持するとともに、前記ライン撮影領域を通過するように移動させる運搬装置をさらに備え、
前記運搬装置は、支持した半導体ウェハが、前記凹凸方向と前記ラインの方向とが直交する状態で前記ライン撮影領域を通過するように、前記支持した半導体ウェハを前記凹凸方向に移動させるようにしてもよい。
【0014】
すなわち、運搬装置には、半導体ウェハが、前記凹凸方向に移動するような方向に載置され、さらに、運搬装置は、前記凹凸方向と前記ライン撮影領域における前記ラインの方向とが直交するように、半導体ウェハに前記ライン撮影領域を通過させる。これによれば、撮影装置は、ライン撮影領域に直交する方向に延びる線状の凹凸が、凹凸方向に移動する際に撮影することとなる。
【0015】
ここで、従来のシステムにおいては、ライン撮影領域のラインの方向と凹凸方向とが平行であり、運搬装置は、半導体ウェハを、凹凸方向に直交する方向に移動させていた。従って、従来のシステムでは、運搬装置の移動に伴い、撮影装置は、時間に対して周期的に強度が変化する反射光または散乱光を検出する。この反射光または散乱光の強度の周期的変化またはその積分値より、線状の凹凸の測定が行われていた。
【0016】
これに対し、本発明においては、線状の凹凸の測定をする際に、撮影装置によって撮影されるライン撮影領域からの光の反射光または散乱光は、従来のシステムのように、時間に対して周期的な変化をしない。その代わりに線状の凹凸による反射光または散乱光の強度変化は、ライン撮影領域において撮影される光強度の前記ライン上における空間的変化として現れる。すなわち、本発明においては、半導体ウェハの表面からの反射光または散乱光の強度の空間に対しての周期的変化またはその積分値に基づいて、線状の凹凸の測定が行われる。従って、本発明においては、運搬装置の動きにジッターが生じたとしても、線状の凹凸の測定の測定精度に影響を及ぼさない。
【0017】
また、本発明においては、前記運搬装置は、前記半導体ウェハの移動方向に所定の間隔を有しつつ並列した複数のベルトコンベアを含み、
前記光源装置は、前記半導体ウェハの下側から該半導体ウェハの下側の表面に光を照射する下面用光源装置を含み、
前記下面用光源装置は、前記ベルトコンベアとベルトコンベアの間の空間において、前記半導体ウェハの下側の表面に光を照射するよう配置されてもよい。
【0018】
従来より、光源装置及び撮影装置を、半導体ウェハの下側に備えており、半導体ウェハの下側の表面における線状の凹凸の測定を行うシステムが知られている。このようなシステムにおいては、光源装置は、下側から見て運搬装置による半導体ウェハの移動方向と平行な方向からライン撮影領域に光を照射するため、その発光部の長さは、ライン撮影領域のラインの長さより長い(3倍程度)必要があった。
【0019】
従って、従来のシステムにおいては、運搬装置におけるベルトコンベアとベルトコンベアの間に、ある程度の空間を設け、この空間において、半導体ウェハの下側の表面の線状の凹凸の測定を行う必要があった。より具体的には、光源装置、撮影装置をベルトコンベアとベルトコンベアの間の空間に配置する必要があった。その結果、システム全体の小型化を阻害することとなり、また、ベルトコンベアとベルトコンベアの間の空間を大きくする必要から、半導体ウェハを円滑に移動させることが困難になる場合があった。
【0020】
それに対し、本発明において光源装置は、ライン撮影領域に対しラインに平行な方向から光を照射すべく配置され、且つ、運搬装置は、半導体ウェハが、前記凹凸方向と前記ラ
インの方向とが直交する状態でライン撮影領域を通過するように、半導体ウェハを凹凸方向に移動させるので、結果的に、光源装置は、半導体ウェハの移動方向に対して側面から光を照射することとなる。これによれば、光源装置をベルトコンベアとベルトコンベアの間の空間の側面に配置することが可能であり、その結果、ベルトコンベアとベルトコンベアの間の空間を小さくすることができるので、半導体ウェハを安定的に運搬することが可能となる。また、ベルトコンベアとベルトコンベアの間の空間にミラーを配置する必要もなくなり、システム全体の構造の簡略化、コスト低減を促進することができる。
【0021】
また、本発明においては、前記光源装置は、前記半導体ウェハの上側から該半導体ウェハの上側の表面を照射する上面用光源装置をさらに含み、前記上面用光源装置と前記下面用光源装置とを一体的に構成するようにしてもよい。これによれば、システム全体の構成を簡略化することが可能となる。
【0022】
また、本発明においては、光源装置は、半導体ウェハにおける撮影すべき領域の幅以上の長さの線分状に構成された発光部を備えており、
さらに、発光部の両端またはその内側において発光部に垂直な反射面を有して対向する二枚の反射鏡を備えており、発光部と半導体ウェハとの間の光路において、光路中の照射光を対向する反射鏡側に互いに反射するようにした。
【0023】
より詳しくは、半導体ウェハの表面に対して斜め方向から、入射面において平行光である光を照射する光源装置と、
前記半導体ウェハの表面を撮影する撮影装置と、を備え、
前記撮影装置で前記半導体ウェハの表面を撮影することで得られた、前記光源装置から照射された光の散乱光または反射光の強度に基づいて、半導体ウェハの表面における凹凸を検出し、または該凹凸の大きさを測定する半導体ウェハの表面検査システムであって、
前記光源装置は、
前記半導体ウェハにおける撮影すべき領域の幅以上の長さを有し長さ方向において該撮影すべき領域を包含する線分状に構成された発光部と、
前記発光部の両端または両端より内側において前記線分に直交する平面上に設けられ、前記発光部と前記半導体ウェハとの間の光路において互いに対向する反射面を有する二枚の平板反射鏡と、
を有することを特徴とする。
【0024】
ここで、前述のように、光源装置の発光部の長さは、半導体ウェハの撮影されるべき領域の幅の3倍程度の長さが必要であった。発光部がこの長さより短い場合には、撮影されるべき領域における照射光強度が不均一になったり、撮影されるべき領域にケラレが生じたりする場合があるからである。しかしながら、光源装置の発光部の長さを半導体ウェハの撮影されるべき領域の幅の3倍程度の長さにすることは、装置の大きさ、コストの点で困難な場合があった。本発明によれば二枚の反射鏡によって、半導体ウェハからは、発光部の幅が見かけ上、撮影されるべき領域の3倍程度となる。従って、実際には発光部の幅は、撮影されるべき領域の幅とあまり変わらなくても、照射光強度の不均一やケラレを抑制することができる。
【0025】
また、本発明においては、前記平板反射鏡は、前記反射面が、前記発光部の端部と、前記撮影すべき領域の前記端部側の端面との間に配置されるように設けられてもよい。例えば、発光部の長さが撮影されるべき領域の幅より両側に各々dだけ長くなっている場合には、平板反射鏡の反射面は、前記の幅dの範囲に配置されるようにする。そうすれば、実際の発光部と、平板反射鏡に映った発光部の実像との間に隙間が無く、見かけ上連続的な発光部を形成し得る。
【0026】
この場合はさらに、平板反射鏡の発光部側の端部が、前記撮影されるべき領域の発光部側の端面において平板反射鏡が無い場合に生じるケラレの中央側端点と、発光部の端部とを結んだ直線よりも発光部側となるようにするとよい。これによって、より確実に、見かけ上連続的な発光部を形成することが可能となる。
【0027】
また、本発明においては、前記平板反射鏡は、該平板反射鏡の前記発光部と反対側の端部が、前記撮影すべき領域の前記発光部側の端面よりも、前記発光部に対して遠い側に配置されるように設けられてもよい。これにより、撮影されるべき領域における発光部とは反対側の部分についてもケラレの発生を抑制することができる。
【0028】
この場合、平板反射鏡における発光部と反対側の端部は、発光部における平板反射鏡から最も遠い点の、反射面に対する線対称点と、半導体ウェハの発光部と反対側の端面で最も前記平板反射鏡側の点とを結んだ直線より、発光部に対して遠い側に配置されるとよい。これにより、より確実に、撮影されるべき領域の全域に対して(発光部の反対側の部分に対しても)ケラレを抑制することができる。
【0029】
また、本発明は、半導体ウェハの表面に対して斜め方向から、入射面において平行光である光を照射する光源装置と、
前記半導体ウェハの表面を撮影する撮影装置と、を備え、
前記撮影装置で前記半導体ウェハの表面を撮影することで得られた、前記光源装置から照射された光の散乱光または反射光の強度に基づいて、半導体ウェハの表面における線状の凹凸を検出し、または該線状の凹凸の大きさを測定する半導体ウェハの表面検査システムであって、
前記光源装置は、
前記半導体ウェハの表面における線状の凹凸における線が曲がりを伴う場合に、前記線状の凹凸の線の曲率中心側から、前記光を照射することを特徴とする半導体ウェハの表面検査システムであってもよい。
あるいは、半導体ウェハの表面に対して斜め方向から、入射面において平行光である光を照射し、
前記半導体ウェハの表面を撮影し、
前記半導体ウェハの表面を撮影することで得られた、前記照射された光の半導体ウェハの表面からの散乱光または反射光の強度に基づいて、半導体ウェハの表面における線状の凹凸を検出し、または該線状の凹凸の大きさを測定する半導体ウェハの表面検査方法であって、
前記半導体ウェハの表面における線状の凹凸における線が曲がりを伴う場合に、前記線状の凹凸の線の曲率中心側から、前記光を照射することを特徴とする半導体ウェハの表面検査方法であってもよい。
【0030】
ここで、前述のように、従来のシステムにおいて、光源装置の発光部の長さは、半導体ウェハの撮影されるべき領域の幅の3倍程度の長さが必要であり、発光部がこの長さより短い場合には、撮影されるべき領域における照射光強度が不均一になったり、撮影されるべき領域にケラレが生じたりする場合があった。これに関し、半導体ウェハの表面上の線状の凹凸が、直線状でなく曲がり(撓み)を伴う場合(例えば、弓なりになっている場合)には、曲率中心側(撓みが負となっている方向または、弓なりの弓の内側)から光を照射した方が、ケラレが少ないことが経験的に分かっている。
【0031】
従って、本発明においては、前記半導体ウェハの表面における線状の凹凸における線が曲がり(撓み)を伴う場合に、前記線状の凹凸の線の曲率中心側(撓みが負となる方向)から、前記光を照射することとした。これによれば、発光部の長さが充分に長くない場合でも、ケラレの影響を可及的に低減させることが可能となる。なお、上記において、凹凸
の線の曲率中心側とは、凹凸の線の撓みが負となる方向、または、弓なりの凹凸における弓の内側、または、曲がった線が凹状に見える方向を示す。
【0032】
また、本発明は、半導体ウェハの表面に対して斜め方向から、入射面において平行光である光を照射する光源装置と、
前記半導体ウェハの表面を撮影する撮影装置と、を備え、
前記撮影装置で前記半導体ウェハの表面を撮影することで得られた、前記光源装置から照射された光の散乱光または反射光の強度に基づいて、半導体ウェハの表面における線状の凹凸を検出し、または該線状の凹凸の大きさを測定する半導体ウェハの表面検査システムであって、
前記光源装置は、
前記半導体ウェハの表面における線状の凹凸における線が曲がりを伴う場合に、前記線状の凹凸の線の曲率中心と逆側から、前記光を照射することを特徴とする半導体ウェハの表面検査システムであってもよい。
あるいは、半導体ウェハの表面に対して斜め方向から、入射面において平行光である光を照射し、
前記半導体ウェハの表面を撮影し、
前記半導体ウェハの表面を撮影することで得られた、前記照射された光の半導体ウェハの表面からの散乱光または反射光の強度に基づいて、半導体ウェハの表面における線状の凹凸を検出し、または該線状の凹凸の大きさを測定する半導体ウェハの表面検査方法であって、
前記半導体ウェハの表面における線状の凹凸における線が曲がりを伴う場合に、前記線状の凹凸の線の曲率中心と逆側から、前記光を照射することを特徴とする半導体ウェハの表面検査方法であってもよい。
【0033】
すなわち、線状の凹凸が直線状でなく曲がりを伴っている場合において、例えば、線状の凹凸の一部を特に測定したいなどの要求があるときには、線状の凹凸に対して曲率中心と逆側から光を照射してもよい。そうすれば、簡単な方法で、線状の凹凸の一部の領域(例えば、光の入射方向に対して線状の凹凸がより垂直に近い領域)に限定した情報を得ることが可能である。
【0034】
また、本発明は、半導体ウェハの表面における凹凸を検出し、または該凹凸の大きさを測定する半導体ウェハの表面検査システムであって、
半導体ウェハの表面の全域に対して斜め方向から、入射面において平行光である光を照射する光源装置と、
前記半導体ウェハの表面全体を撮影する撮影装置と、を備え、
前記撮影装置で前記半導体ウェハの表面の全体を撮影することで得られた、前記光源装置から照射された光の散乱光または反射光の2次元的な強度分布に基づいて、前記凹凸を検出し、または該凹凸の大きさを測定する半導体ウェハの表面検査システムであって、
前記半導体ウェハは太陽電池用ウェハであり、前記凹凸は、太陽電池用ウェハ表面に設けられた電極による凹凸であることを特徴とする半導体ウェハの表面検査システムであってもよい。
【0035】
この場合は、太陽電池において発生した電力を取り出すための電極の形成状態を精度良く測定することができるので、太陽電池の品質向上をより容易にまたは、より確実に促進することが可能となる。
【0036】
なお、上記した本発明の課題を解決する手段については、可能なかぎり組み合わせて用いることができる。
【発明の効果】
【0037】
本発明にあっては、より小型または簡単な構成で、より精度よく、半導体ウェハの表面に存在する線状の凹凸を検出し、又はその大きさの測定を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】本発明の実施例1において半導体ウェハに光源から平行光が入射した場合に生じる現象について説明するための図である。
【図2】本発明の実施例1における半導体ウェハ表面検査システムの概略構成を示す図である。
【図3】本発明の実施例1におけるCCDカメラで撮影した半導体ウェハの表面の画像の概略を示す図である。
【図4】本発明の実施例1における光源装置の概略構成を示す図である。
【図5】本発明の実施例1における光源装置の他の例の概略構成を示す図である。
【図6】従来の光源装置と本発明の実施例1に係る光源装置とを比較説明するための図である。
【図7】本発明の実施例1における光照射部、半導体ウェハ、ミラーの配置について説明するための図である。
【図8】本発明の実施例1におけるミラーの位置によるミラーの必要長さの変化を示すグラフである。
【図9】本発明の実施例1におけるミラーの効果を示す図である。
【図10】本発明の実施例2における線状の凹凸の曲がりに対する光の入射方向とケラレとの関係を示す図である。
【図11】従来のインライン型の半導体表面検査システムを説明するための図である。
【図12】本発明の実施例3に係る半導体表面検査システムを説明するための図である。
【図13】従来のシステムと本発明の実施例3に係る半導体表面検査システムの信号取得方法を比較して説明するための図である。
【図14】本発明の実施例3に係る光源装置の他の例について示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0039】
以下、本発明に係る半導体ウェハ表面検査システムについて、図面を参照して詳細に説明する。
【0040】
〔実施例1〕
先ず、半導体ウェハの表面に光源から平行光が斜めに入射した場合に生じる現象について図1を用いて説明する。図1において、半導体ウェハの平均的表面をxz面(z軸は紙面に垂直方向の軸)とし、x軸からz軸回りに角度θだけ傾いた微小表面を強度Iの平行光で照射する場合を考える。照射光の入射方向はx軸に対してz軸回りに角度θだけ傾いている。図1において照射光の入射面はxy面である。照射光の大部分は半導体ウェハの表面において鏡面反射するが、実際にはこの微小表面もさらに微細な粗面により構成されており、各粗面において拡散反射(乱反射あるいは散乱)が生じている。この面が均等拡散面であると仮定すれば、半導体ウェハの表面に垂直なy軸方向に向かう光の強度Iは、(1)式により与えられる。
【数1】

【0041】
ここで、Kは反射率を表す定数である。(1)式によれば、光源に対して斜めに傾い
た平面上における強度に反射率を乗じたものが観測される強度となるようであるが、実際には均等拡散面の性質を規定するランバートの余弦則を考慮し、測光学的な考察が行われた結果として得られたものである。このように、本発明で扱う散乱光または反射光は、半導体ウェハの表面に生じた凹凸の尖鋭なエッジによる散乱というよりは、半導体ウェハの微細な拡散面によって生じるものであり、その拡散面の形状と高い相関を有した情報を含むものである。
【0042】
一般に表面粗さによる傾斜角θは十分に小さいと考えられるので、この条件で上式を変形すると、(2)式が得られる。
【数2】

(2)式によれば、y軸方向で得られた光の強度Iは半導体ウェハの表面の傾きθの関数となる。(2)式においてθの前の係数にCOSθが含まれており、この値が大きいほど表面の傾きに対する感度が大きいことを示している。従ってθが小さくなるように、光源からの照射光は半導体ウェハの表面に平行に近い浅い角度で入射することが望ましい。
【0043】
さらに、(2)式を変形して以下の(3)式を得ることができる。
【数3】

(3)式より、半導体ウェハの垂直上方に例えばCCDからなるエリアセンサカメラまたはラインセンサカメラを設置して半導体ウェハの表面の画像を撮影した際に、その散乱光または反射光の強度分布は半導体ウェハの表面形状の傾きの分布を表していることが分かる。
【0044】
表面形状をy(x)、強度分布をI(x)とすれば、θ=dy/dxであるから、以下の(4)式を得ることができる。
【数4】

【0045】
これをx=0からx=tの間で積分すれば、x=tにおける半導体ウェハの表面の大きさを得る事が可能である。従って、半導体ウェハの表面の大きさを表す式として以下の(5)を得ることができる。
【数5】

(5)式において、右辺にはtに比例する項が現れるが、表面粗さを記述するには、形状の変動分だけを求めればよいので、この項は直線的に変化する分として補正により取り除くことができる。また、この式の中にはいくつかの定数が含まれているが、これらの値は、表面粗さの判っている試験片をこの方法で測定して較正することにより求めることが可能である。
【0046】
以上から明確なように、(3)式により、半導体ウェハの垂直上方にエリアセンサカメラまたはラインセンサカメラを設置して半導体ウェハの表面の画像を撮影した際に、半導体ウェハの表面からの反射光または散乱光の強度I(x)により、半導体ウェハの表面形状の傾きの分布を取得することができる。また、(5)式により、I(x)を積分することによって、半導体ウェハの表面凹凸の大きさの分布を取得することができる。
【0047】
次に、上記の原理を利用する、本実施例における半導体ウェハ表面検査システム50の概略構成について図2を用いて説明する。なお、以下においては、半導体ウェハの表面凹凸の例として所謂ソーマークを測定する例について説明する。半導体ウェハ表面検査システム50においては、評価対象である半導体ウェハWに対し斜めに光を照射する光源装置52が備えられている。この光源装置52には少なくとも入射面において平行光を半導体ウェハWに入射可能なLED光源等が用いられている。LED光源の波長は特に限定されない。また、CCDをセンサとして備えた撮影装置としてのエリアセンサカメラ54が、半導体ウェハWを略垂直上方から撮影可能なように設置されている。エリアセンサカメラ54には、撮影した半導体ウェハWの画像データを伝送し、半導体ウェハWの表面における線状の凹凸であるソーマークの凹凸の大きさを導出する演算ユニット56が電気的に接続されている。また、演算ユニット56には、演算ユニット56による検査結果を表示する表示ユニット58が電気的に接続されている。
【0048】
半導体ウェハ表面検査システム50において測定感度を向上させるためには前述のとおり、半導体ウェハWの表面に対してできるだけ浅い角度で平行度が高く、照度の一様な照射光を入射させる必要がある。そのためには光源装置52と半導体ウェハWの距離を大きく取った方がよい。このこととシステム全体の大きさとを考慮し、半導体ウェハ表面検査システム50では、光源装置52からの照射光をミラー53を用いて折り返して半導体ウェハWに照射する構成とした。
【0049】
その際、入射光と半導体ウェハWの表面との間の角度は5°とした(入射角は85°)。また、半導体ウェハWの表面の画像を撮影するエリアセンサカメラ54としては画像解析の際の横分解能を十分に確保するために画素数の大きなものがよい。本実施例においてはエリアセンサカメラ54の画素数は、観察視野全体で960×960画素のものを用いた。カメラレンズ54aについては半導体ウェハWの全体を視野に入れる必要があるが、画像周辺での歪みを避けるため、作動距離が長くなることを犠牲にして焦点距離12mmのレンズを用いた。エリアセンサカメラ54において撮影された画像データは、演算ユニット56に伝送される。
【0050】
演算ユニット56においては、上記の画像データより、半導体ウェハWの外形寸法、外形の欠けの有無、結晶の欠陥、表面に発生しているクラックなどが検出される。また、ソーマークの凹凸の大きさが導出される。その検出結果は、演算ユニット56内のメモリに記憶されるとともに、表示ユニット58において表示される。なお、演算ユニット56及び表示ユニット58はパソコンのシステムにより構成してもよいし、独自に回路及びプログラムを形成することで作製してもよい。
【0051】
図3には、本実施例における960×1280画素のCCDエリアセンサカメラ54で撮影した半導体ウェハWの表面の画像の例を示す。図3ではソーマークにおいて散乱または反射された光を撮影することで得られた強度分布を模式的に帯で示している。前述の(3)式で示したとおり、この強度の違いがその部分における表面の傾きの違いを表している。なお、図3では照射光は図中上方から下方に向かって入射している。
【0052】
図3に示す散乱光または反射光の強度分布の画像から表面凹凸の曲線を算出するには、
前述の(5)式に従ってCCD画像上の各画素の列に沿って測定された散乱光または反射光の強度の積分を行う。この結果画像の列数分の表面凹凸の曲線を瞬時に得ることができる。しかし、表面の凹凸は確率的な現象の結果得られるものであるから、本実施例においては、観察領域全体としての表面凹凸の大きさの平均値を数値として与える。以下、その際の具体的方法について説明する。
【0053】
得られた散乱光または反射光の強度のデータは、演算ユニット56において、各行ごとに平均化され、それらの値から積分計算が行われ、列方向に対する表面凹凸の曲線が得られる。こうすることによってソーマーク以外のランダムな表面粗さが平均化され、ソーマークの特徴のみを抽出することができる。そして、得られた表面凹凸の曲線上でのPV値(最大値と最小値の差)としてソーマークの大きさを評価する。これにより、より簡単にソーマークを抽出し、その大きさを測定することが可能である。なお、この場合は、ソーマークによる線が延びる方向(凹凸方向に相当する。以下、「ソーマークの方向」ともいう。)は画像の行に平行でなければならない。ソーマークの方向が画像の行の方向からずれている場合には、表面凹凸の曲線は小さく評価されてしまうので注意を要する。
【0054】
次に、光源装置52について説明する。図4に光源装置52の主要部分の一例を示す。光源装置52には、前述のように、半導体ウェハWへの入射面内における平行度は極めて高いことが要求される。一方、入射面に垂直な面内では高い平行度は要求されない。それは、表面凹凸の大きさの分布曲線は表面に引かれた仮想の直線に沿った断面形状を与えるものであるので、本実施例においては光源装置52からの照射光の入射面を断面とする表面凹凸の形状を重要視するためである。
【0055】
また、図1において半導体ウェハWの表面がx軸の周りにも傾いていた場合には、表面における照射光の照度はその傾きの影響を受けるので、真のz軸周りの傾きとは異なった測定結果が得られてしまうおそれがある。しかしながら、光源装置52からの照射光が、入射面と垂直方向に対して平行でなければ、多数の照射源からの光線が半導体ウェハWの表面上の1点を照射することになるので、半導体ウェハWの表面のx軸の周りの傾きが照度に与える影響を抑制できる。光源装置52においてはこれらの点を考慮し、光源装置52の光源52aとして、複数のLEDを入射面と垂直方向に一列に並べた発光部としての線状LED光源52aを用いている。LEDの列から出射された光は第1の円筒レンズ52bによりその後ろに置いたスリット52c上に結像され、その一部はスリット52cを通過した後に再び拡散し、第2の円筒レンズ52dにより平行光とされる。
【0056】
第2の円筒レンズ52dを通過した光の、入射面における平行度はスリット52cの幅が狭いほど高くなる。一方、第1の円筒レンズ52b及び第2の円筒レンズ52dの長手方向(入射面と垂直方向)についてはレンズ効果はないから、個々のLEDからの光は発散する。このようにして入射面と平行方向については平行光、入射面と垂直方向については発散光となる照射光を形成することができる。ここで、発散光は距離とともにその強度は弱くなるが、LEDの列の長さが十分長ければ、その中央あたりでは一様な強度となる。また、前述のように光源装置52と半導体ウェハWとの距離を十分に大きくすることによって照射光強度の一様性の度合いをさらに向上させることができる。
【0057】
次に、光源装置52の他の例について説明する。この例では、まず、図5に示すような光源52eを用いている。この場合は、光ファイバの束52gの一端に、別途設けた発光素子52hより発光された光を入射し、この光ファイバの束52gの出射側の端部を直線状に一列または複数列に並べて発光部としての光出射部52fを形成している。これによれば、より精度のよい直線状の光源が得られるとともに、発光素子自体の配置に自由度を持たせることが可能となり、装置全体のレイアウトを容易にすることができる。
【0058】
また、この例では、光源52aまたは光源52eから出射した光を、入射面と平行方向については平行光、入射面と垂直方向については発散光となる照射光とするための光学系を簡略化している。すなわち、図5に示すように、光源52eから出射した光を、シリンドリカルレンズ52kによって、入射面と平行方向については平行光、入射面と垂直方向については発散光とする。この構成では、より簡単に光源装置52を構成することができ、装置全体のレイアウトを容易にするとともにコストを低減することが可能となる。
【0059】
ところで、上記の半導体ウェハ表面検査システム50においては、光源装置52は、半導体ウェハWの表面全域に対して光を照射しなければならないが、特にソーマークの方向に関しては、半導体ウェハWの幅の3倍程度の幅を有する発光部から光を照射する必要があった。換言すると、光源52aや光出射部52fの幅は、半導体ウェハWの幅の3倍程度必要であった。これは、半導体ウェハWの幅の3倍程度の幅の発光部から光を出射することで、半導体ウェハWの表面上の光強度をより均一にすることができるとともに、撮影装置54によって撮影された半導体ウェハWの画像においてケラレの発生を防止することができるからである。図6(a)には、図5に示した光源装置52を用いた場合の、発光部である光照射部52fの幅と、半導体ウェハWのソーマーク方向の幅との関係を模式的に示す。なお、図6(a)及び、後述する図6(b)においては、ミラー53は省略されている。
【0060】
しかしながら、測定対象である半導体ウェハWのソーマーク方向の幅の3倍程度の幅の発光部を確保することは、光源装置52のコストダウンをの妨げとなり、システム全体の小型化の妨げとなり得る。それに対し、本実施例においては、光源装置52の発光部である光照射部52fと、半導体ウェハWとの間の光路において、図6(b)に示すように、半導体ウェハWのソーマーク方向の幅と同等の間隔で一組のミラー52m、52nを、平行に且つ、反射面が互いに対向する面にくるように設置した。
【0061】
この場合は、光照射部52fの幅と半導体ウェハWの幅とは略同等になっているが、ミラー52m、52nによって、光照射部52fの実像を作ることにより、半導体ウェハWの幅の3倍の光照射部52fを設置したことと同等の効果を得ることが可能になる。これにより、光学装置52のコストを低減することが可能となり、また、システムの小型化を促進することが可能となる。なお、図6においては、図5に示した光学装置52に対してミラー52m、52nを適用した例について記載したが、図4に示した光学装置52やその他のタイプの光学装置の発光部に対して適用できることは当然である。
【0062】
図7には、ミラー52m、52nによって光照射部52fの実像を作る場合の、光照射部52f、ミラー52m、52n、半導体ウェハWの配置について示す。図7において、半導体ウェハWは、一辺の長さaの正方形ABCDで表わされている。半導体ウェハWにおいてハッチングを施した領域Waは、ケラレが生じた状態における光照射部52fによる照射領域である。光照射部52fの大きさはKLで示され、半導体ウェハWの一辺の長さaに対して、両側にdだけ大きくなっている。光照射部52fと半導体ウェハWの距離はhで表わされている。
【0063】
光源を大きく見せるためのミラー52nはIJで表わされ、半導体ウェハWからxだけ離して置かれているとする。また、半導体ウェハWの光照射部52f側の一辺ADのラインから光照射部52f側にy、反対側にzの長さを有するとする。この図から長さKLの光照射部52fにより照明されている半導体ウェハの領域はEFGHであり、その他の領域は光照射部52fがもっと大きくなければ照明されないことになる。すなわち、線分KLで示される光照射部52fのミラー52nによる実像MNによって光を照射されなければならない。このことを考えると、点Hが光照射部52fの実像LNを見込む角内にミラー52nがなければならない。したがってミラー52nの上端はHLとミラー面が交差す
る点Iとなる。また、C点についても同様に考えると、ミラー52fの下端はCNとミラー面が交差する点Jとなる。他のG点及びD点については、光照射部52fの像によって照明されることになる。
【0064】
上記より、y、zをxの関数として表示すると
【数6】

【数7】

となる。例えば、d/a=0.2、h/a=3、s/a=0.2と置き、x/aの関数としてy/a、z/aの値を計算した結果を図8に示す。図8から分かるように、ミラー52nの長さはy+zで表されるから、ミラー52nの位置が半導体ウェハWから離れるほど、ミラー52nに必要な長さは大きくなる。より短いミラー52nを使用可能とするためには、x=0すなわち、半導体ウェハWにミラー52nを接しておけばよいことになる。
【0065】
なお、図7及び図8に示したy、zの値は、半導体ウェハW上に光源装置52による照射光のケラレが発生することを防止するための最小値である。従って、図7及び図8で示したxに対応するy、zの値以上のy、zを採用することによって、より確実にケラレの発生を防止することが可能となる。一方、図7及び図8で示したxに対応するy、zの値より小さいy、zを採用した場合には、実際の光照射部52fと、ミラー52nによる実像との間に隙間が発生し部分的にケラレが発生したり、半導体ウェハWにおける光照射部52fとは反対側の領域でケラレが発生したりするおそれがある。
【0066】
図9は、ミラー52fを半導体ウェハWの右側に少し離して置いて撮影した場合のCCD画像である。いずれの像においても半導体ウェハWの左側が欠けているのに対して右側はほぼ全面が写っており、ミラー52nの効果が確認できる。しかし、この部分の明るさは中央部に比較して暗く、画像としては十分とは言えない。この原因はミラー52nの長さが短く、ミラー52nで映すことの出来る仮想光源を十分に使うことが出来ていないためである。これを改善するためには、ミラー52nを今よりも大きくするとともに、それを置く配置について上の計算結果を考慮して決定する必要がある。
【0067】
なお、本発明が適用される半導体ウェハ表面検査システムは、上記に示した構成のシステムに限られない。また、上記の実施例では、エリアセンサカメラ54で得られた散乱光または反射光の強度のデータが、演算ユニット56で各行ごとに平均化され、それらの値から積分計算が行われ、列方向に対する表面凹凸の曲線を得る例について説明したが、本発明が適用されるシステムにおけるデータ処理の内容については上記に限られないことは当然である。例えば、演算ユニット56において、表面凹凸の曲線についてフーリエ変換を用いて周波数分析し、各周波数に対する振幅の密度分布を求めるようなシステムであってもよい。
【0068】
また、上記の説明においては、半導体ウェハの表面の凹凸がソーマークである例について説明した。しかしながら、本発明は半導体ウェハの他の表面の凹凸にも適用可能である
。例えば、半導体ウェハが太陽電池用ウェハである場合、表面の凹凸は、ウェハ表面に形成された電極による凹凸でも構わない。より具体的には、本発明を、太陽電池用ウェハのバスバーやフィンガーによる凹凸の特定に適用しても構わない。このように、本発明及び全ての実施例において、半導体ウェハの表面の凹凸は、ソーマークの他、他の原因による凹凸、表面における異材料による形成物をも含む。
【0069】
そうすれば、より容易にまたはより確実に、太陽電池用ウェハのバスバーやフィンガーの形成異常を検出することが可能になる。
【0070】
〔実施例2〕
次に、本発明の実施例2について説明する。ここで、実施例1で示したように、従来のシステムにおいて、光源装置の発光部の長さは、半導体ウェハの撮影されるべき領域の幅の3倍程度の長さが必要であり、発光部がこの長さより短い場合には、撮影されるべき領域における照射光強度が不均一になったり、撮影されるべき領域にケラレが生じたりする場合があった。これに関し、半導体ウェハの表面上の線状の凹凸が、直線状でなく曲がり(撓み)を伴う場合(例えば、弓なりになっている場合)には、曲がりの曲率中心側(撓みが負となっている方向)から光を照射した方が、ケラレが少ないことが経験的に分かっている。図10(a)には、線状の凹凸の曲率中心と逆側から光を入射した場合のケラレを示す。図10(b)には、線状の凹凸の曲率中心側から光を入射した場合のケラレを示す。図10から分かるように、線状の凹凸の曲率中心側(撓みが負となる方向)から光を入射した場合の方が、ケラレが少なく(反射光、散乱光が得られる領域が広く)なっている。
【0071】
従って、本実施例においては、前記半導体ウェハの表面における線状の凹凸における線が曲がり(撓み)を伴う場合に、前記線状の凹凸の線の曲率中心側(撓みが負となる方向)から、前記光を照射することとした。これによれば、発光部の長さが充分に長くない場合でも、ケラレの影響を可及的に低減させることが可能となる。なお、本実施例においては、実施例1において説明したシステムの構成を全て使用することができる。また、本実施例においては、逆に、線状の凹凸が直線状でなく曲がりを伴い、線状の凹凸の一部を特に測定したいなどの場合には、線状の凹凸に対して曲率中心と逆側から光を照射してもよい。そうすれば、簡単な方法で、線状の凹凸の一部の領域(例えば、光の入射方向に対して線状の凹凸がより垂直に近い領域)に限定した情報を得ることが可能である。なお、上記の実施例1と実施例2で説明した事項は、必要に応じ組み合わせて、あるいは独立して使用することが可能である。
【0072】
〔実施例3〕
次に、本発明の実施例3について説明する。本実施例においては、実施例1で示したように、エリアセンサカメラ54で半導体ウェハWの表面全体を撮影することにより、ソーマークの測定を行うのではなく、CCDをセンサとして用いたラインセンサカメラで半導体ウェハWの表面におけるライン状の領域についてのみ撮影することで、ソーマークの測定を行うシステム例について説明する。
【0073】
図11には、先ず、生産ライン上で、半導体ウェハWの表面のソーマークを連続的に測定することを前提とした、従来の半導体ウェハ表面検査システム100について示す。図11(a)はシステムの平面図、図11(b)は半導体ウェハWの生産ライン上での移動方向に直交する方向から見た側面図である。図11(a)に示すように、従来のシステムにおいては、半導体ウェハWは、ソーマークの方向が、生産ラインにおける移動方向に直交するように、ベルトコンベア105a、105cの上に載置される。
【0074】
また、従来のシステム100においては、半導体ウェハWを照射する光源装置101は
、ソーマークの方向に直交する方向から、半導体ウェハWに照射光を入射する。換言すると、発光部としての光源装置101は、ソーマークの方向と平行に点光源を並べることで形成される。そして、光源装置101からの照射光が、半導体ウェハWの表面においてソーマークの方向と平行に形成されたライン状の撮影領域(以下、ライン撮影領域ともいう。)103aにおいて反射または散乱した光(反射光または散乱光)を、図11(b)に示す撮影装置としてのラインセンサカメラ103で検出する。
【0075】
この従来例においては、ベルトコンベア105a、105c等を用いた搬送装置105(105a、105c以外のベルトコンベアを含んでいてよいことは当然である。)による半導体ウェハWの移動に伴い、ラインセンサカメラ103の下をソーマークによる凹凸が通過する際に、その高さに応じた反射光または散乱光がラインセンサカメラ103に入射する。従って、ラインセンサカメラ103の各センサ素子による検出信号の時間的変化に基づいて、ソーマークの凹凸の大きさを測定することが可能となる。なお、搬送装置105は本実施例において運搬装置に相当する。
【0076】
ここで、上記のようにラインセンサカメラ103を用いて、半導体ウェハWの表面における直線状の領域からの反射光または散乱光を検出する場合、光源装置101は、ソーマークの方向と直交する方向(半導体ウェハWの移動方向)については、半導体ウェハWの幅全体に光を照射する必要はなく、ライン撮影領域103aのライン幅のみに光を照射すれば足りる。一方、ソーマークの方向については、光源装置101は、先述した説明と同様、半導体ウェハWの幅の2〜3倍程度の幅より光を照射する必要がある。このことは、やはり光源装置101として高価なものを使用する必要性を生じせしめ、システム全体のコストダウンの妨げになっていた。
【0077】
また、上記のシステムにおいては、図11(b)に示すように、半導体ウェハWの上側には、光源装置101及びラインセンサカメラ103が備えられるとともに、半導体ウェハWの下側には、下側光源装置102及び下側ラインセンサカメラ104が備えられている。そして、半導体ウェハWの上下から、ソーマークによる凹凸を測定することが可能になっている。そして、この場合には、下側光源装置102及び、下側ラインセンサカメラ104を、搬送装置105におけるベルトコンベア105aとベルトコンベア105cとの間の空間105bを利用して配置する必要があった。その結果、ベルトコンベア105aとベルトコンベア105cの間の空間105bを広くする必要があり、搬送装置105によって半導体ウェハWを円滑に搬送することが困難になる場合があった。より具体的には、ベルトコンベア105aとベルトコンベア105cとの間隔が大きくなり、半導体ウェハWの移動時の振動が大きくなる場合があった。
【0078】
さらに図11(b)に示すように、下側光源装置102は、ベルトコンベア105a、105cに邪魔され、半導体ウェハWの表面に対し上側の光源装置101と同様の角度で斜めから光を照射することが困難な場合があった。従って実際には、ミラー106を用いて下側光源装置106からの照射光を屈曲させるなどの対応が必要となり、部品点数や部品コストの点で不利になる場合があった。
【0079】
さらに、上記の従来例においては上述のように、ラインセンサカメラ103、下側ラインセンサカメラ104の各センサにおける信号強度の時間的変化に基づいて、ソーマークの大きさを測定しているため、搬送装置105の速度ムラであるジッターが測定結果に影響を及ぼす場合があった。
【0080】
次に、上記の不都合を鑑みて構成された、本実施例に係る半導体ウェハ表面検査システム10について、図12を用いて説明する。図12(a)は本実施例に係る半導体ウェハ表面検査システムの平面図、図12(b)は生産ラインにおける半導体ウェハWの移動方
向から見た側面図、図12(c)は生産ラインにおける半導体ウェハWの移動方向に直交する方向から見た側面図である。図12(a)を見て分かるように、本実施例においては、半導体ウェハWは、搬送装置5によって、ソーマークの方向と平行な方向に搬送される。
【0081】
また、ラインセンサカメラ3が、そのラインセンサ(不図示)の方向がソーマークの方向に直交するように設置されることで、ライン撮影領域3aも、ソーマークの方向に直交するように設定されている。さらに、光源装置1は、ライン撮影領域3aのラインに平行の方向から、ライン撮影領域3aに対して光を照射するように配置されている。なお、光源装置1から照射される光は、入射面において高い平行度を有していることは本実施例でも変わらない。そうすると、本実施例においては、先述の従来例のように、光源装置1の幅を広くしなくても、ライン撮影領域3aの長さに対して充分に長い領域に光を照射することが可能である。
【0082】
また、図12(c)に示すように、本実施例における下側光源装置2は、充分に幅が狭く、しかも、搬送装置5のベルトコンベア5aの側面外側から光を照射しているので、搬送装置5におけるベルトコンベア5aとベルトコンベア5cの間の空間5bを小さく抑えることができる。従って、搬送装置5によって、半導体ウェハWをより円滑に移動させることができ、半導体ウェハWの移動中の振動を抑制することができる。また、ミラー等により下側光源装置2からの照射光の方向を変更する必要もないので、システムの部品点数、コストを低減することができる。
【0083】
また、本実施例においては、半導体ウェハWは、ソーマークの方向に移動するように配置されており、ラインセンサカメラ3の各センサ素子における検出信号の時間的変化ではなく、ラインセンサカメラ3を構成する各センサ素子間の検出信号の変化、すなわち空間的変化に基づいて、ソーマークの大きさを測定している。従って、搬送装置5のジッターの測定結果への影響を可及的に低減させることが可能である。
【0084】
図13には、上述した、従来のシステムと本実施例のシステムにおける信号検出の態様を比較した図を示す。図13(a)に示すように、従来のシステムにおいては、ライン撮影領域103aの各微小領域からの反射光または散乱光による信号強度の時間的変化を検出し、この時間的変化またはその時間積分値に基づいて、ソーマークの測定を行う。それに対し、本実施例に係る半導体ウェハ表面検査システム10では、図13(b)に示すように、ある瞬間の、ライン撮影領域3aにおける各微小領域からの信号強度の分布(空間的変化)またはその積分値に基づいて、ソーマークの測定を行う。もちろん、本実施例に係るシステムにおいては、各微小領域からの信号強度の分布(空間的変化)またはその積分値について、時間的な平均をとるなどの処理をしても構わない。
【0085】
なお、上記の実施例においては、光源装置1及び、下側光源装置2は、別個の光源によって構成したが、これを同一の光源装置からの出射光を光学素子を用いて分離することによりあたかも二つの光源として用いてもよい。図14には、光源装置と下側光源装置とを一体化した場合の構成例を示す。図14においては、光ファイバの光照射部11が、半導体ウェハWの側面に配置されている。ここで半導体ウェハWは紙面に垂直に移動する。そして、図14ではベルトコンベアは省略されている。
【0086】
光照射部11には、2段のファイバ出力端11a及び11bが配置されている。ファイバ出力端11a及び11bは、紙面に垂直の方向には一つだけ設けられていてもよいし、各々複数個並べられていてもよい。そして、光照射部11の前方には集光レンズ12が、その光軸中心が半導体ウェハWの厚み中心に一致するように設けられている。また、集光レンズ12とファイバ出力端11a及び11bとの距離は、集光レンズ12の焦点距離と
一致している。
【0087】
この構成によれば、集光レンズ12により、上段のファイバ出力端11aから出射された光を略平行光とし、半導体ウェハWの上側の表面を照射することが可能である。同様に、下段のファイバ出力端11bから出射された光を略平行光とし、半導体ウェハWの下側の表面を照射することが可能である。このような構成により、半導体ウェハWの上側の表面を照射する光源と、下側の表面を照射する光源を一体に構成することができ、システムの組み立てをより簡単にすることが可能である。なお、図14に示した例において、11a、11bはファイバ出力端ではなくLEDの発行部としても構わないし、集光レンズ12はシリンドリカルレンズやフレネルレンズによって構成しても構わない。また、集光レンズ12は必ずしも1つのレンズにより構成される必要はなく、例えば、光軸を各々半導体ウェハW側に傾けた2つのレンズにより構成しても構わない。
【0088】
なお、上記の実施例においては、半導体ウェハの表面における線状の凹凸がソーマークである例について説明したが、本発明はソーマーク以外の線状の凹凸の測定にも適用可能である。また、半導体ウェハとしては、半導体素子製造用のウェハの他、太陽電池にも適用可能である。さらに、本発明は、線状の凹凸の角度や大きさを測定するシステムのみならず、線状の凹凸の曲線についてフーリエ変換を用いて周波数分析し、各周波数に対する振幅の密度分布を求めるようなシステムにも適用可能である。
【符号の説明】
【0089】
1、52、101・・・光源装置
2、102・・・下側光源装置
3、103・・・ラインセンサカメラ
3a、103a・・・ライン撮影領域
4、104・・・下側ラインセンサカメラ
5、105・・・搬送装置
5a、105a・・・ベルトコンベア
10、50、100・・・半導体ウェハ表面検査システム
11・・・光照射部
11a、11b・・・ファイバ出力端
52・・・光源装置
52f・・・光照射部
52m、52n・・・ミラー
54・・・エリアセンサカメラ
56・・・演算装置
58・・・表示装置
W・・・半導体ウェハ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体ウェハの表面における線状の凹凸を検出し、または該線状の凹凸の大きさを測定する半導体ウェハの表面検査システムであって、
半導体ウェハの表面に対して斜め方向から、入射面において平行光である光を照射する光源装置と、
前記半導体ウェハの表面におけるライン状の領域であるライン撮影領域を撮影する撮影装置と、を備え、
前記光源装置は、前記撮影装置によって撮影されるライン撮影領域に対し、前記ラインに平行な方向から光を照射すべく配置され、
前記半導体ウェハが、前記線状の凹凸における前記線に平行な方向である凹凸方向が、前記ラインの方向に直交するように配置された状態で、前記線状の凹凸が検出され、または該線状の凹凸の大きさが測定されることを特徴とする半導体ウェハの表面検査システム。
【請求項2】
前記半導体ウェハを支持するとともに、前記ライン撮影領域を通過するように移動させる運搬装置をさらに備え、
前記運搬装置は、支持した半導体ウェハが、前記凹凸方向と前記ラインの方向とが直交する状態で前記ライン撮影領域を通過するように、前記支持した半導体ウェハを前記凹凸方向に移動させることを特徴とする請求項1に記載の半導体ウェハの表面検査システム。
【請求項3】
前記運搬装置は、前記半導体ウェハの移動方向に所定の間隔を有しつつ並列した複数のベルトコンベアを含み、
前記光源装置は、前記半導体ウェハの下側から該半導体ウェハの下側の表面に光を照射する下面用光源装置を含み、
前記下面用光源装置は、前記ベルトコンベアとベルトコンベアの間の空間において、前記半導体ウェハの下側の表面に光を照射するよう配置されたことを特徴とする請求項2に記載の半導体ウェハの表面検査システム。
【請求項4】
前記光源装置は、前記半導体ウェハの上側から該半導体ウェハの上側の表面を照射する上面用光源装置をさらに含み、
前記上面用光源装置と前記下面用光源装置とを一体的に構成したことを特徴とする請求項3に記載の半導体ウェハの表面検査システム。
【請求項5】
半導体ウェハの表面に対して斜め方向から、入射面において平行光である光を照射する光源装置と、
前記半導体ウェハの表面を撮影する撮影装置と、を備え、
前記撮影装置で前記半導体ウェハの表面を撮影することで得られた、前記光源装置から照射された光の散乱光または反射光の強度に基づいて、半導体ウェハの表面における凹凸を検出し、または該凹凸の大きさを測定する半導体ウェハの表面検査システムであって、
前記光源装置は、
前記半導体ウェハにおける撮影すべき領域の幅以上の長さを有し長さ方向において該撮影すべき領域を包含する線分状に構成された発光部と、
前記発光部の両端または両端より内側において前記線分に直交する平面上に設けられ、前記発光部と前記半導体ウェハとの間の光路において互いに対向する反射面を有する二枚の平板反射鏡と、
を有することを特徴とする半導体ウェハの表面検査システム。
【請求項6】
前記平板反射鏡は、前記反射面が、前記発光部の端部と、前記撮影すべき領域の前記端部側の端面との間に配置されるように設けられたことを特徴とする、請求項5に記載の半
導体ウェハの表面検査システム。
【請求項7】
前記平板反射鏡は、該平板反射鏡の前記発光部と反対側の端部が、前記撮影すべき領域の前記発光部側の端面よりも、前記発光部に対して遠い側に配置されるように設けられたことを特徴とする請求項5または6に記載の半導体ウェハの表面検査システム。
【請求項8】
前記光源装置は、
前記半導体ウェハの表面における線状の凹凸における線が曲がりを伴う場合に、前記線状の凹凸の線の曲率中心側から、前記光を照射することを特徴とする請求項1から7のいずれか一項に記載の半導体ウェハの表面検査システム。
【請求項9】
前記半導体ウェハは太陽電池用ウェハであり、前記凹凸は、太陽電池用ウェハ表面に設けられた電極による凹凸であることを特徴とする請求項1から8のいずれか一項に記載の半導体ウェハの表面検査システム。
【請求項10】
半導体ウェハの表面に対して斜め方向から、入射面において平行光である光を照射する光源装置と、
前記半導体ウェハの表面を撮影する撮影装置と、を備え、
前記撮影装置で前記半導体ウェハの表面を撮影することで得られた、前記光源装置から照射された光の散乱光または反射光の強度に基づいて、半導体ウェハの表面における線状の凹凸を検出し、または該線状の凹凸の大きさを測定する半導体ウェハの表面検査システムであって、
前記光源装置は、
前記半導体ウェハの表面における線状の凹凸における線が曲がりを伴う場合に、前記線状の凹凸の線の曲率中心側から、前記光を照射することを特徴とする半導体ウェハの表面検査システム。
【請求項11】
半導体ウェハの表面に対して斜め方向から、入射面において平行光である光を照射し、
前記半導体ウェハの表面を撮影し、
前記半導体ウェハの表面を撮影することで得られた、前記照射された光の半導体ウェハの表面からの散乱光または反射光の強度に基づいて、半導体ウェハの表面における線状の凹凸を検出し、または該線状の凹凸の大きさを測定する半導体ウェハの表面検査方法であって、
前記半導体ウェハの表面における線状の凹凸における線が曲がりを伴う場合に、前記線状の凹凸の線の曲率中心側から、前記光を照射することを特徴とする半導体ウェハの表面検査方法。
【請求項12】
半導体ウェハの表面における凹凸を検出し、または該凹凸の大きさを測定する半導体ウェハの表面検査システムであって、
半導体ウェハの表面の全域に対して斜め方向から、入射面において平行光である光を照射する光源装置と、
前記半導体ウェハの表面全体を撮影する撮影装置と、を備え、
前記撮影装置で前記半導体ウェハの表面の全体を撮影することで得られた、前記光源装置から照射された光の散乱光または反射光の2次元的な強度分布に基づいて、前記凹凸を検出し、または該凹凸の大きさを測定する半導体ウェハの表面検査システムであって、
前記半導体ウェハは太陽電池用ウェハであり、前記凹凸は、太陽電池用ウェハ表面に設けられた電極による凹凸であることを特徴とする半導体ウェハの表面検査システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2013−83491(P2013−83491A)
【公開日】平成25年5月9日(2013.5.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−222369(P2011−222369)
【出願日】平成23年10月6日(2011.10.6)
【出願人】(511242708)
【Fターム(参考)】