説明

半導体装置、電子装置および半導体装置の製造方法

【課題】RFバイポーラトランジスタにおける高利得化および高効率化を実現できる技術を提供する。
【解決手段】平面でコレクタ引き出し領域7を取り囲み、分離部6、コレクタ領域4およびコレクタ埋め込み領域2を貫通して基板1に達する溝8内に絶縁膜を埋め込んで形成した分離部8Aによってp型の分離領域3とn型のコレクタ埋め込み領域2との間、およびp型の分離領域5とn型のコレクタ領域4(n型のコレクタ引き出し領域7)との間での素子分離を行う。また、絶縁膜16、酸化シリコン膜12、9、半導体領域7Pおよび分離領域5、3を貫通し基板1に達する溝17内に導電性膜を埋め込んで形成した導電体層18によってエミッタ配線(配線22D)と基板1との間の電流経路を形成し、エミッタ配線と基板1との間のインピーダンスを低減する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体装置、電子装置および半導体装置の製造技術に関し、特に、PA(Power Amplifier)用のRF(Radio Frequency)バイポーラトランジスタに適用して有効な技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
特開2005−44956号公報(特許文献1)、特開2004−241779号公報(特許文献2)、特開2004−111975号公報(特許文献3)、特開2004−40131号公報(特許文献4)、特開2003−338558号公報(特許文献5)、特開2002−313799号公報(特許文献6)、特開平5−129319号公報(特許文献7)、特表2003−515927号公報(特許文献8)、特開2004−311971号公報(特許文献9)、特開2004−274023号公報(特許文献10)、特開平11−189753号公報(特許文献11)、特開2003−45884号公報(特許文献12)、および特開2002−26027号公報(特許文献13)には、シリコンゲルマニウム(SiGe)のHBT(Heterojunction Bipolar Transistor)において、絶縁膜を埋め込んだ溝によって基板−コレクタ間の素子分離を行う構造が開示されている。
【0003】
また、特開平8−181153号公報(特許文献14)には、チップ内導通型配線でエミッタ配線が構成された高出力用バイポーラトランジスタの構造が開示されている。
【特許文献1】特開2005−44956号公報
【特許文献2】特開2004−241779号公報
【特許文献3】特開2004−111975号公報
【特許文献4】特開2004−40131号公報
【特許文献5】特開2003−338558号公報
【特許文献6】特開2002−313799号公報
【特許文献7】特開平5−129319号公報
【特許文献8】特表2003−515927号公報
【特許文献9】特開2004−311971号公報
【特許文献10】特開2004−274023号公報
【特許文献11】特開平11−189753号公報
【特許文献12】特開2003−45884号公報
【特許文献13】特開2002−26027号公報
【特許文献14】特開平8−181153号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明者は、無線LAN用途で用いられるPA(Power Amplifier)用のRF(Radio Frequency)バイポーラトランジスタについて検討している。RFバイポーラトランジスタの開発において重要となるのは、高効率化、高出力化および高利得化の3項目であり、それぞれを向上させることが求められる。これら3項目を独立に向上させるために単に能動素子の特性を変更しても、他の項目とのトレードオフの関係があることからその他の項目を低下させてしまう不具合が存在する。
【0005】
本発明者は、上記3項目を独立に向上させるために、半導体基板(以下、単に基板と記す)−コレクタ間の容量の低減、およびエミッタインピーダンスの低減による高利得化および高効率化を実現する技術について検討している。その中で、本発明者は、以下のような課題を見出した。
【0006】
図28〜図30は、それぞれ本発明者が検討したRFバイポーラトランジスタの要部平面図、図28中のA−A線に沿った要部断面図および前記RFバイポーラトランジスタの回路図である。本発明者が検討したRFバイポーラトランジスタにおいては、基板の主面にベース、コレクタおよびエミッタを設ける一方、基板の主面とは反対側の裏面と上記エミッタとを電気的に接続して同電位に設定した構造を有している。基板−コレクタ間の素子分離は、p型の基板101とn型のコレクタ埋め込み領域102との間、p型の分離領域103とn型のコレクタ埋め込み領域102との間、およびp型の分離領域105とコレクタ領域104(コレクタ引き出し領域107)との間でPN接合を形成すること(以下、PN接合分離型と記す)によって行っている。なお、基板101上には、ベースと電気的に接続するベース配線108、コレクタと電気的に接続するコレクタ配線109、およびエミッタと電気的に接続するエミッタ配線110、111が配置され、エミッタ配線111は、プラグ112、p型半導体領域113および分離領域105、103を介して基板101と電気的に接続されている。このように基板−コレクタ間の素子分離がPN接合分離型の場合には、これらのPN接合部PNJ(図28および図29中にて太線で図示)にて基板−コレクタ間の接合容量Cjsが形成される。ここで、基板−コレクタ間の接合容量Cjsは、ε0を真空の誘電率、KをSi(シリコン)の比誘電率、Wを空乏層の幅、AcxをPN接合部PNJの面積とすると、Cjs=(ε0・K/W)・Acxと表される。図28および図29に示すような構造の場合には、コレクタ埋め込み領域102の底面ばかりでなく、コレクタ埋め込み領域102およびコレクタ領域104(コレクタ引き出し領域107)の側面もPN接合部PNJの面積Acxを形成してしまうことから、基板−コレクタ間の接合容量Cjsを増加させてしまう要因となっている。
【0007】
また、コレクタ−エミッタ間容量Cceは、コレクタ−エミッタ間の配線容量をCcxとすると、Cce=Cjs+Ccxと表される。すなわち、基板−コレクタ間の接合容量Cjsが増大するほどコレクタ−エミッタ間容量Cceが大きくなり、RFバイポーラトランジスタの高効率化が困難になる課題が存在する。
【0008】
また、RFバイポーラトランジスタのチップ内においては、エミッタ配線111と基板101との間の電流経路がp型半導体領域113および分離領域105、103を経由する反絶縁構造となっていることから、チップ外のボンディングワイヤ(図示は省略)によってエミッタ配線111と基板101との間の電流経路を別途設けた構造となっている。そのため、エミッタ配線111と基板101との間のインピーダンスZe(エミッタ配線111と基板101との間の電流経路における抵抗成分およびインダクタンス成分)が大きくなる。ここで、fをRFバイポーラトランジスタの遮断周波数、fをRFバイポーラトランジスタの動作周波数、rbをベース抵抗、およびCbcをベース−コレクタ間容量とすると、RFバイポーラトランジスタの電力利得PGは、PG≒10log[f/(8・π・f・rb・Cbc・Ze)]と表される。すなわち、インピーダンスZeが増大すると電力利得PGが低下してしまい、RFバイポーラトランジスタの高利得化が困難になる課題が存在する。特に、無線LAN用途では、動作周波数fが5GHz帯といった高周波帯になることから、インピーダンスZeが電力利得PGに与える影響が大きくなる。
【0009】
本発明の目的は、RFバイポーラトランジスタにおける高利得化および高効率化を実現できる技術を提供することにある。
【0010】
本発明の前記ならびにその他の目的と新規な特徴は、本明細書の記述および添付図面から明らかになるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本願において開示される発明のうち、代表的なものの概要を簡単に説明すれば、次のとおりである。
【0012】
(1)本発明による半導体装置は、半導体基板上の第1領域にバイポーラトランジスタを有し、前記半導体基板上の第2領域に前記バイポーラトランジスタのエミッタと電気的に接続されたエミッタパッドを有するものであって、
前記半導体基板上に形成された前記バイポーラトランジスタのコレクタ用の第1半導体層と、
前記第1半導体層上に形成されたコレクタ用の第2半導体層と、
前記第2半導体層上に形成された前記バイポーラトランジスタのベース用の第3半導体層と、
前記第3半導体層内に形成された前記バイポーラトランジスタのエミッタ用の第4半導体層と、
前記半導体基板上に形成され、前記第3半導体層と電気的に接続されたベース用の第1電極と、
前記半導体基板上に形成され、前記第4半導体層と電気的に接続されたエミッタ用の第2電極と、
平面で前記第3半導体層および前記第4半導体層を囲むように配置され、前記第1半導体層および前記第2半導体層と電気的に接続された第5半導体層と、
前記半導体基板上に形成され、前記第5半導体層と電気的に接続されたコレクタ用の第3電極と、
前記半導体基板上に形成され、前記半導体基板に達する第1溝部と、
前記第1溝部を埋め込み、第1パッドと前記半導体基板とを電気的に接続する第1導電性膜とを備えるものである。
【0013】
(2)また、本発明による半導体装置は、上記(1)記載の半導体装置において、
前記半導体基板上にて平面で前記第5半導体層を囲むように配置され、前記第2半導体層および前記第1半導体層を貫通して前記半導体基板に達するように形成された第2溝部と、
前記第2溝部を埋め込む第1絶縁膜とを備えるものである。
【0014】
(3)また、本発明による電子装置は、半導体基板上の第1領域にバイポーラトランジスタを有し、前記半導体基板上の第2領域に前記バイポーラトランジスタのエミッタと電気的に接続されたエミッタパッドを有する半導体チップが支持基板の主面上に搭載されたものであって、
前記半導体チップは、前記支持基板の前記主面上でパターニングされた金属フレームと接するように前記支持基板上に搭載され、
前記半導体チップは、前記半導体基板上に形成された前記バイポーラトランジスタのコレクタ用の第1半導体層と、
前記第1半導体層上に形成されたコレクタ用の第2半導体層と、
前記第2半導体層上に形成されたシリコンゲルマニウムを含む前記バイポーラトランジスタのベース用の第3半導体層と、
前記第3半導体層内に形成された前記バイポーラトランジスタのエミッタ用の第4半導体層と、
前記半導体基板上に形成され、前記第3半導体層と電気的に接続されたベース用の第1電極と、
前記半導体基板上に形成され、前記第4半導体層と電気的に接続されたエミッタ用の第2電極と、
平面で前記第3半導体層および前記第4半導体層を囲むように配置され、前記第1半導体層および前記第2半導体層と電気的に接続された第5半導体層と、
前記半導体基板上に形成され、前記第5半導体層と電気的に接続されたコレクタ用の第3電極と、
前記半導体基板上の前記第2領域に形成され、前記半導体基板に達する第1溝部と、
前記第1溝部を埋め込み、第1パッドと前記半導体基板とを電気的に接続する第1導電性膜と、
前記半導体基板上の前記第1領域にて平面で前記第5半導体層を囲むように配置され、前記第2半導体層および前記第1半導体層を貫通して前記半導体基板に達するように形成された第2溝部と、
前記第2溝部を埋め込む第1絶縁膜とを備えるものである。
【0015】
(4)また、本発明による半導体装置の製造方法は、半導体基板上の第1領域にバイポーラトランジスタを有し、前記半導体基板上の第2領域に前記バイポーラトランジスタのエミッタと電気的に接続されたエミッタパッドを有する半導体装置の製造方法であって、
(a)前記半導体基板上に前記バイポーラトランジスタのコレクタ用の第1半導体層を形成する工程、
(b)前記第1半導体層上にコレクタ用の第2半導体層を形成する工程、
(c)前記半導体基板上の前記第1領域に前記第1半導体層および前記第2半導体層と電気的に接続する第5半導体層を形成する工程、
(d)前記第2半導体層上に前記バイポーラトランジスタのベース用の第3半導体層を形成する工程、
(e)前記第3半導体層内に前記バイポーラトランジスタのエミッタ用の第4半導体層を形成する工程、
(f)前記半導体基板上の前記第2領域に前記半導体基板に達する第1溝部を形成する工程、
(g)前記第1溝部を第1導電性膜で埋め込む工程、
(h)前記半導体基板上の前記第2領域に前記第1導電性膜と電気的に接続するエミッタパッドを形成する工程、
を含み、
前記第5半導体層は、平面で前記第3半導体層および前記第4半導体層を囲むように形成するものである。
【0016】
(5)また、本発明による半導体装置の製造方法は、上記(5)記載の半導体装置の製造方法において、
前記(c)工程後、
(i)前記半導体基板上の前記第1領域に平面で前記第5半導体層を取り囲み、前記第2半導体層および前記第1半導体層を貫通して前記半導体基板に達するように第2溝部を形成する工程、
(j)前記第2溝部を第1絶縁膜で埋め込む工程、
を含むものである。
【0017】
(6)また、本発明による半導体装置は、上記(1)記載の半導体装置において、
前記第1溝部は複数本備えられているものである。
【発明の効果】
【0018】
バイポーラトランジスタの特性を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下の実施の形態においては便宜上その必要があるときは、複数のセクションまたは実施の形態に分割して説明するが、特に明示した場合を除き、それらはお互いに無関係なものではなく、一方は他方の一部または全部の変形例、詳細、補足説明等の関係にある。
【0020】
また、以下の実施の形態において、要素の数等(個数、数値、量、範囲等を含む)に言及する場合、特に明示した場合および原理的に明らかに特定の数に限定される場合等を除き、その特定の数に限定されるものではなく、特定の数以上でも以下でも良い。
【0021】
さらに、以下の実施の形態において、その構成要素(要素ステップ等も含む)は、特に明示した場合および原理的に明らかに必須であると考えられる場合等を除き、必ずしも必須のものではないことは言うまでもない。また、実施例等において構成要素等について、「Aからなる」、「Aよりなる」と言うときは、特にその要素のみである旨明示した場合等を除き、それ以外の要素を排除するものでないことは言うまでもない。
【0022】
同様に、以下の実施の形態において、構成要素等の形状、位置関係等に言及するときは、特に明示した場合および原理的に明らかにそうでないと考えられる場合等を除き、実質的にその形状等に近似または類似するもの等を含むものとする。このことは、上記数値および範囲についても同様である。
【0023】
また、材料等について言及するときは、特にそうでない旨明記したとき、または、原理的または状況的にそうでないときを除き、特定した材料は主要な材料であって、副次的要素、添加物、付加要素等を排除するものではない。たとえば、シリコン部材は特に明示した場合等を除き、純粋なシリコンの場合だけでなく、添加不純物、シリコンを主要な要素とする2元、3元等の合金(たとえばSiGe)等を含むものとする。
【0024】
また、本実施の形態を説明するための全図において同一機能を有するものは原則として同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。
【0025】
また、本実施の形態で用いる図面においては、平面図であっても図面を見易くするために部分的にハッチングを付す場合がある。
【0026】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【0027】
(実施の形態1)
本実施の形態1の電子装置は、たとえば5GHz帯無線LAN用途で用いられるPAを含むものである。また、本実施の形態1の半導体装置は、そのPA用のRFバイポーラトランジスタを含むものである。本実施の形態1においては、5GHz帯とは5.0〜6.0GHzの周波数帯域のことを指し、5GHz帯においては、5.2および5.8GHzの周波数が一般的に用いられ、5.8GHzが無線LANとして用いられることが多い。この本実施の形態1の電子装置および半導体装置について、その製造工程に沿って説明する。
【0028】
まず、図1および図2に示すように、たとえばp型のシリコンからなる基板1に、フォトリソグラフィ(以下、単にリソグラフィと記す)工程を経て、イオン注入法および熱拡散法により、n型のコレクタ埋め込み領域(第1半導体層)2を形成する。なお、図2は、図1中のA−A線に沿った断面を示している。この際、コレクタ埋め込み領域2の抵抗を低くするため、高濃度で浅い接合を形成するのに適したAs(ヒ素)およびSb(アンチモン)を用いる。これにより、コレクタ埋め込み領域2の抵抗を低くすることができるので、コレクタ抵抗を低減できる。また、本実施の形態1において、基板もしくは基板1と記す時には、基板1のみを示すものとする。
【0029】
次に、図3および図4に示すように、n型のコレクタ埋め込み領域2とアイソレーションするため、リソグラフィ工程を経て、イオン注入法および熱拡散法によりp型の分離領域(第2半導体層)3を形成する。この分離領域3の不純物濃度がコレクタと基板1との間の容量を決めるパラメータとなるため最適化を図る。
【0030】
次に、図5に示すように、基板1の主面上にエピタキシャル法によりn型のSiエピタキシャル層を形成することにより、n型のコレクタ領域4を形成する。この際、p型の分離領域3と、これに囲まれた活性領域とのアイソレーションを考慮し、n型のコレクタ領域4の不純物濃度を低くする。これは、n型のコレクタ領域4の不純物濃度が高いと、p型の分離領域3がn型に反転し、アイソレーションできなくなる可能性があるためであり、n型のコレクタ領域4の不純物濃度は最適化が重要である。その後、上記活性領域のアイソレーションのため、リソグラフィ工程を経て、イオン注入法および熱拡散法により、p型の分離領域5を形成する。
【0031】
次に、図6および図7に示すように、上記エピタキシャル層の上面上に分離部6を形成することにより、エピタキシャル層の上面部に上記活性領域を形成する。この際、エミッタ−ベース接合領域用の活性領域L1、コレクタ引き出し領域用の活性領域L2、および基板1との電気的導通用の活性領域L3を同時に形成する。本実施の形態1では、n型のコレクタ領域4、p型のベース領域、p型のベース引き出し領域およびエミッタ領域が、n型のコレクタ埋め込み領域2およびn型のコレクタ引き出し領域により取り囲まれる、いわゆるエンクローチ型コレクタレイアウトを採用する。これにより、上記のようにコレクタからベースに流れる電流の経路を増加させることができ、かつ、電流集中を緩和できるので、コレクタ抵抗の低減と、素子破壊耐量の向上とを同時に実現できる。なお、p型のベース領域、p型のベース引き出し領域、エミッタ領域およびn型のコレクタ引き出し領域は、後の工程で形成するものであり、その工程時に詳述する。
【0032】
次に、図8および図9に示すように、リソグラフィ工程を経て、イオン注入法等により、n型のコレクタ引き出し領域(第5半導体層)7を形成する。この際、コレクタ引き出し領域7は、コレクタ領域4の上面からコレクタ埋め込み領域2に達するようにしなければならないため、コレクタ引き出し領域7を形成するための不純物として、たとえば拡散係数の大きいP(リン)を用いる。また、コレクタ引き出し領域7の抵抗はコレクタ抵抗に影響するため低抵抗化が必要である。続いて、リソグラフィ工程を経て、イオン注入法等により、p型の半導体領域7Pを形成する。
【0033】
次に、図10および図11に示すように、リソグラフィ工程を経て、分離部6、コレクタ領域4、コレクタ埋め込み領域2、および基板1の一部をエッチングし、平面でコレクタ引き出し領域7を取り囲み、分離部6、コレクタ領域4およびコレクタ埋め込み領域2を貫通して基板1に達する溝(第2溝部)8を形成する。また、溝8は、基板1の一部を掘り込むように形成する。続いて、基板1に熱酸化処理を施し、溝8の内壁に薄い酸化シリコン膜を形成する。次いで、基板1上にBPSG(Boron-Phospho Silicate Glass)膜を堆積し、溝8をそのBPSG膜で埋め込む。その後、溝8外のBPSG膜を除去して溝8内にBPSG膜を残すことにより、分離部(第1絶縁膜)8Aを形成する。この分離部8Aを設けたことにより、コレクタ−基板間の容量を低減することが可能となるが、この点については後に詳述する。
【0034】
次に、図12および図13に示すように、基板1上に酸化シリコン膜9を堆積した後、ベース領域が形成される部分の酸化シリコン膜9をエッチングして開口部を形成する。続いて、その開口部内に、たとえばエピタキシャル法によってノンドープのSiGe(シリコンゲルマニウム)層、p型のSiGe層およびノンドープのシリコン層を下層から順に堆積し、ヘテロ接合層(第3半導体層)10を形成する。
【0035】
続いて、酸化シリコン膜9およびヘテロ接合層10上にp型の不純物(たとえばB(ホウ素))が導入された多結晶シリコン膜を堆積した後、その多結晶シリコン膜をリソグラフィ工程によってパターニングし、ベース引き出し電極(第1電極)11を形成する。
【0036】
ところで、本実施の形態1において、前述の溝8および分離部8Aについては、分離部6の形成後、ベース引き出し電極11の形成前ならいつ形成してもよい。溝8および分離部8Aは活性領域L1、L2の位置に合わせて形成されることから、ベース引き出し電極11を始めとした各部材のパターンの微細化が進んだ場合には、ベース引き出し電極11の形成後に溝8および分離部8Aを形成しようとすると、活性領域L1、L2と溝8(分離部8A)とベース引き出し電極11等の部材との位置合わせが困難になる。そのため、比較的パターンが大きい活性領域L1、L2の規定後、ベース引き出し電極11の形成前に溝8および分離部8Aを形成することにより、各部材の位置合わせ余裕を確保することができるので、各部材の微細化に対応することが可能となる。また、溝8および分離部8Aは、基板1上に段差が少ない状況下で形成することが好ましい。
【0037】
次に、図14および図15に示すように、たとえば熱CVD(Chemical Vapor Deposition)法によって酸化シリコン膜12を堆積した後、その酸化シリコン膜12をリソグラフィ工程によってパターニングし、ヘテロ接合層10上に開口部を形成する。続いて、その開口部内を含む酸化シリコン膜12上に窒化シリコン膜13を堆積した後、その窒化シリコン膜13をリソグラフィ工程によってパターニングし、窒化シリコン膜13をその開口部の底面の一部および側面に残す。続いて、基板1上にn型の不純物(たとえばAsまたはP)が導入された多結晶シリコン膜を堆積した後、その多結晶シリコン膜をリソグラフィ工程によってパターニングし、エミッタ引き出し電極(第2電極)14を形成する。このエミッタ引き出し電極14を形成するn型の多結晶シリコン膜は、たとえばIDP(In Situ phosphorus-Doped Polysilicon)を適用し、バイポーラトランジスタの電流増幅率の温度依存性を考慮する。これは、温度依存性に優れているIDP膜を使用することにより、高出力デバイス用途の中で重要となる熱による素子破壊を低減または防止するためである。続いて、基板1に熱処理を施すことにより、エミッタ引き出し電極14から不純物を拡散させ、ヘテロ接合層10にn型のエミッタ領域(第4半導体層)15を自己整合的に形成する。
【0038】
また、図12に示すように、ベース引き出し電極11を平面U字型構造とすることにより、ベース引き出し電極11下におけるベース−コレクタ間MOS容量およびコレクタ抵抗の低減が可能となる。それにより、本実施の形態1のRFバイポーラトランジスタの電力利得の向上と、遮断周波数と、1dB利得圧縮出力電力の向上とが同時に達成できる。
【0039】
次に、図16および図17に示すように、たとえばCVD法等により基板1上に酸化シリコン膜を堆積することにより、絶縁膜(第2絶縁膜)16を形成する。続いて、リソグラフィ工程を経て、絶縁膜16、酸化シリコン膜12、9、半導体領域7P、分離領域5、3および基板1の一部をエッチングし、絶縁膜16、酸化シリコン膜12、9、半導体領域7Pおよび分離領域5、3を貫通し基板1に達する溝(第1溝部)17を形成する。また、溝17は、基板1の一部を掘り込むように形成する。絶縁膜16の形成後にこの溝17を形成することにより、エミッタ引き出し電極14を絶縁膜16によって保護できるので、溝17の形成時のエッチングによってエミッタ引き出し電極14がダメージを受けてしまうことを防ぐことができる。続いて、たとえばスパッタリング法によって溝17内を含む絶縁膜16上に薄いTiN(窒化チタン)膜を堆積する。次いで、たとえばCVD法によって溝17内を含む絶縁膜16上にW(タングステン)膜を堆積し、溝17をW膜で埋め込む。その後、溝17外のW膜およびTiN膜を除去して溝17内にW膜およびTiN膜を残すことにより、W膜を主導電層とする導電体層(第1導電性膜)18を形成する。本実施の形態1では、この導電体層18をTiN膜およびW膜から形成する場合について説明したが、TiN膜およびW膜の代わりに、p型の不純物がドープされた多結晶シリコン膜を溝17に埋め込むことで形成してもよい。
【0040】
次に、図18および図19に示すように、たとえばCVD法等により基板1上に酸化シリコン膜を堆積することにより、絶縁膜19を形成する。続いて、リソグラフィ工程によってその絶縁膜19をパターニングし、コレクタ引き出し領域7に達するコンタクトホール20A、ベース引き出し電極11に達するコンタクトホール20B、エミッタ引き出し電極14に達するコンタクトホール20C、および導電体層18に達するコンタクトホール20Dを形成する。続いて、たとえばコンタクトホール20A、20B、20C、20D内を含む基板1上に薄いTiN膜を堆積した後、基板1上にW膜を堆積し、そのW膜でコンタクトホール20A、20B、20C、20Dを埋め込む。続いて、CMP法によりコンタクトホール20A、20B、20C、20D外のW膜およびTiN膜を除去し、コレクタ引き出し領域7と電気的に接続するプラグ(第3電極)21A、ベース引き出し電極11と電気的に接続するプラグ21B、エミッタ引き出し電極14と電気的に接続するプラグ21C、および導電体層18と電気的に接続するプラグ21Dを形成する。
【0041】
次に、図20および図21に示すように、たとえば基板1上に窒化チタン膜、Al(アルミニウム)膜および窒化チタン膜を順次堆積して積層膜を形成した後、リソグラフィ工程によってこの積層膜をパターニングすることによって第1配線層を形成する。それにより、プラグ21A、21B、21C、21Dとそれぞれ電気的に接続する配線22A、22B、22C、22Dが形成される。
【0042】
次に、図22に示すように、たとえばCVD法等により基板1上に酸化シリコン膜を堆積することにより、絶縁膜25を形成する。続いて、リソグラフィ工程によってその絶縁膜25をパターニングし、第1配線層に達するコンタクトホールを形成した後、そのコンタクトホール内に前述のプラグ21A〜21Dと同様のプラグ26を形成する。次いで、配線22A〜22Dを形成した工程と同様の工程により、プラグ26と電気的に接続する配線27を含む第2配線層を形成する。
【0043】
続いて、たとえばCVD法等により基板1上に酸化シリコン膜を堆積することにより、絶縁膜28を形成した後、リソグラフィ工程によってこの絶縁膜28をパターニングし、配線27に達するコンタクトホールを形成した後、そのコンタクトホール内に前述のプラグ21A〜21D、26と同様のプラグ29を形成する。この時、配線22D上では、絶縁膜25もパターニングされて、配線22Dと電気的に接続するプラグ29Dが形成される。
【0044】
続いて、基板1上に、たとえば窒化チタン膜およびAl膜を順次堆積することによって積層膜を形成した後、リソグラフィ工程によってこの積層膜をパターニングし、配線27と電気的に接続する配線30、エミッタと電気的に接続するエミッタパッド31、ベースと電気的に接続するベースパッド32、およびコレクタと電気的に接続するコレクタパッド33を形成する。エミッタパッド31、ベースパッド32およびコレクタパッド33は、それぞれ個別に設けるものである。エミッタパッド31は、配線30、27、22Cおよびプラグ29、26、21Cを介して、エミッタ領域15と電気的に接続するエミッタ引き出し電極14と電気的に接続されている。ベースパッド32は、図22中では図示されない配線30、27、22Bおよびプラグ29、26、21Bを介して、ヘテロ接合層10と電気的に接続するベース引き出し電極11と電気的に接続されている。コレクタパッド33は、配線30、配線27、22Aおよびプラグ29、26、21Aを介して、コレクタ領域4およびコレクタ引き出し領域7と電気的に接続されている。また、エミッタパッド31およびエミッタ領域15と電気的に接続された配線30は、図22中では図示されない配線27およびプラグ29、26を介して、配線22Dと電気的に接続されている。また、エミッタパッド31は、配線22D、プラグ29D、21Dおよび導電体層18を介して基板1と電気的に接続される。
【0045】
次に、配線30、エミッタパッド31、ベースパッド32およびコレクタパッド33を覆う酸化シリコン膜を基板1上に堆積することにより、最終の表面保護用の絶縁膜34を形成する。続いて、リソグラフィ工程によってこの絶縁膜34をパターニングし、エミッタパッド31、ベースパッド32およびコレクタパッド33のそれぞれに達する開口部35を形成する(図23参照)。なお、図23は、開口部35を形成した時点における基板1の上面(平面)の要部を図示したものである。本実施の形態1のバイポーラトランジスタは、基板1がエミッタとなる基板エミッタ構造なので、チップの主面(デバイス形成面)からコレクタ電極を引き出すことができる。これにより、コレクタ用のボンディングパッドであるコレクタパッド33を複数設けることができ、コレクタ用のワイヤの数を増やすことができるので、インピーダンスの改善(低減)が可能となる。
【0046】
次に、基板1の裏面を研削した後、その裏面に、たとえばAu(金)等のような導電性膜を蒸着法等により被着する。この研削処理では、放熱性の向上を考慮して最終的なチップの厚さが100μm程度まで薄くなるように仕上げる。
【0047】
次に、基板1を個々のチップへ分割する。続いて、図24および図25に示すように、分割されたチップ1Cを、その主面(デバイス形成面)を上に向け、かつ、基板1の裏面を配線基板(支持基板)のエミッタ配線(金属フレーム)ELに接触させた状態で、配線基板の主面上に実装する。なお、図25は、図24中のB−B線に沿った断面を図示したものである。続いて、ボンディングワイヤBWを用いて、配線基板のベース配線(金属フレーム)BLとベースパッド32とを電気的に接続し、配線基板のコレクタ配線(金属フレーム)CLとコレクタパッド33とを電気的に接続し、配線基板のエミッタ配線ELとエミッタパッド31とを電気的に接続する。配線基板は、樹脂製の支持基板36にFe(鉄)またはCu(銅)等を主成分とする金属からなる上記エミッタ配線EL、ベース配線BLおよびコレクタ配線CLが埋め込まれるようにして形成されており、これらエミッタ配線EL、ベース配線BLおよびコレクタ配線CLは、支持基板36表裏を貫通している。このような構造の配線基板を用いることにより、チップ1Cの高周波動作によって発生する熱をエミッタ配線EL、ベース配線BLおよびコレクタ配線CLを介して配線基板の裏面から放出することが可能となる。
【0048】
次いで、上記配線基板のチップ搭載面をモールド樹脂37で封止し、本実施の形態1の電子装置および半導体装置を製造する。
【0049】
本実施の形態1のRFバイポーラトランジスタにおいては、エミッタパッド31、導電体層18および基板1と電気的に接続する配線22Dを、ベースパッド32およびコレクタパッド33下にも配置されるパターンとし、基準電位(接地電位)と電気的に接続する。それにより、本実施の形態1のRFバイポーラトランジスタにおいては、エミッタを基準電位とすることができる。エミッタと電気的に接続する配線30、27、22Cについても基準(接地)電位とすることができる。一方、ベースパッド32およびコレクタパッド33の下部にエミッタ(基準(接地)電位)と電気的に接続された配線22Dを設けていない構造の場合には、ベースパッド32およびコレクタパッド33と基板1との間に、容量Cおよび抵抗RによるCR直列回路が設けられた構造となる。このようなCR直列回路が設けられた場合には、CR直列回路がインピーダンスとなってRFバイポーラトランジスタに入力された電力を消費してしまうことから、高利得化を阻害してしまうことが懸念される。また、そのCR直列回路は、インピーダンスとなって電力を消費することにより熱を発生し、熱の発生によって熱雑音を発生してしまうことから、低雑音化を阻害してしまうことが懸念される。そこで、本実施の形態1のような配線22Dのパターンとすることにより、それらの不具合を防ぐことが可能となる。また、配線22Dは、入力インピーダンスを考慮すると低抵抗であることが好ましく、本実施の形態1のようにAl膜を主導電層とすることにより低抵抗化を実現することができる。また、本実施の形態1のようなパターンを有する配線22Dを最下層の配線層で形成し、最上層の配線層で形成されたベースパッド32およびコレクタパッド33と可能な限り離すことにより、ベースパッド32およびコレクタパッド33と配線22Dとの間のMOS容量を低減することができる。それにより、上記インピーダンスをさらに低減することができる。
【0050】
ところで、分離部8Aを用いずに素子分離を行った場合には、図29に示したように、p型の基板101とn型のコレクタ埋め込み領域102との間、p型の分離領域103とn型のコレクタ埋め込み領域102との間、およびp型の分離領域105とn型のコレクタ領域104(n型のコレクタ引き出し領域107)との間でPN接合部PNJが形成される。一方、本実施の形態1のRFバイポーラトランジスタにおいては、p型の分離領域3とn型のコレクタ埋め込み領域2との間、およびp型の分離領域5とn型のコレクタ領域4(n型のコレクタ引き出し領域7)との間での素子分離は、図10および図11を用いて説明した分離部8Aによって行っている。それにより、PN接合部PNJ(図22参照)は基板1とコレクタ埋め込み領域2との間(コレクタ埋め込み領域2の底面)のみに低減することができる。つまり、PN接合部PNJに形成される基板−コレクタ間の接合容量Cjs(図22参照)を図29に示した構造より低減することができる。また、コレクタ−エミッタ間の配線容量Cceは、コレクタ−エミッタ間の配線容量をCcxとすると、Cce=Cjs+Ccxと表されることから、コレクタ−エミッタ間の配線容量Cceを低減することができる。RFバイポーラトランジスタ回路において、コレクタ−エミッタ間の配線容量Cceは、出力(OUT)と基準電位(GND)との間に形成される容量である(図30参照)。この配線容量Cceの影響で回路を流れる交流電流Ioutの一部が、ある一定の割合で配線容量Cceを介して基準電位(GND)に流れてしまう。交流電流のため配線容量Cceが大きければ大きいほどその電流値は大きくなると考えられる。すなわち、ある一定の交流電流Ioutを流すためには、無駄な電流が流れてしまう(漏れる)ため、RFバイポーラトランジスタの効率を悪化させてしまう。これは、使用周波数が高いほど顕著に表れる。前述したように、本実施の形態1によれば、その配線容量Cceを低減することができるので、本実施の形態1のRFバイポーラトランジスタの高効率化を実現することが可能となる。
【0051】
ところで、基板−コレクタ間の素子分離を、p型の基板1とn型のコレクタ埋め込み領域2との間、p型の分離領域3とn型のコレクタ埋め込み領域2との間、およびp型の分離領域5とn型のコレクタ領域4(n型のコレクタ引き出し領域7)との間でPN接合を形成したPN接合分離型とすることで行う手段がある。このようなPN接合分離型の素子分離の場合には、これらのPN接合部PNJ(図29参照)にて基板−コレクタ間の接合容量Cjsが形成される。ここで、基板−コレクタ間の接合容量Cjsは、ε0を真空の誘電率、Kをシリコンの比誘電率、Wを空乏層の幅、AcxをPN接合部PNJの面積とすると、Cjs=(ε0・K/W)・Acxと表される。このPN接合分離型の素子分離の場合には、コレクタ埋め込み領域2の底面ばかりでなく、コレクタ埋め込み領域2およびコレクタ領域4(コレクタ引き出し領域7)の側面もPN接合部PNJの面積Acxを形成してしまうことから、基板−コレクタ間の接合容量Cjsを増加させてしまう要因となる。また、コレクタ−エミッタ間容量Cceは、コレクタ−エミッタ間の配線容量をCcxとすると、Cce=Cjs+Ccxと表される。すなわち、基板−コレクタ間の接合容量Cjsが増大するほどコレクタ−エミッタ間容量Cceが大きくなり、RFバイポーラトランジスタの高効率化が困難になることが懸念される。
【0052】
また、導電体層18(図16および図17参照)を設けていない場合には、エミッタ配線(配線22D)と基板1との間の電流経路がp型の半導体領域7Pおよび分離領域5、3を経由する反絶縁構造となることから、チップ1C外のボンディングワイヤBW(図24および図25参照)によってエミッタ配線と基板1との間の電流経路が形成される構造となる。そのため、エミッタ配線と基板1との間のインピーダンスZe(エミッタ配線と基板1との間の電流経路における抵抗成分およびインダクタンス成分)が大きくなる。ここで、fをRFバイポーラトランジスタの遮断周波数、fをRFバイポーラトランジスタの動作周波数、rbをベース抵抗、およびCbcをベース−コレクタ間容量とすると、RFバイポーラトランジスタの電力利得PGは、PG≒10log[f/(8・π・f・rb・Cbc・Ze)]と表される。すなわち、インピーダンスZeが増大すると電力利得PGが低下してしまい、特に、無線LAN用途では動作周波数fが5GHz帯といった高周波帯になることから、インピーダンスZeが電力利得PGに与える影響が大きくなることが懸念される。
【0053】
一方、図1〜図25を用いて説明した本実施の形態1のRFバイポーラトランジスタにおいては、上記導電体層18(図16および図17参照)を設けることによってエミッタ配線(配線22D)と基板1との間の電流経路を形成している。それにより、エミッタ配線(配線22D)と基板1との間のインピーダンスZeを低減することができるので、RFバイポーラトランジスタの電力利得PGの低下を防ぐことが可能となる。すなわち、本実施の形態1のRFバイポーラトランジスタの高利得化が可能となる。
【0054】
(実施の形態2)
次に、本実施の形態2について説明する。
【0055】
図26に示すように、本実施の形態2では、前記実施の形態1で説明した導電体層18を基板1の底面に達するように形成する。このような本実施の形態2の導電体層18を形成するには、エミッタパッド31、ベースパッド32およびコレクタパッド33を形成した後、基板1の裏面を研削処理時に、最終的なチップ1Cの厚さが前記実施の形態1よりも薄く(たとえば80μm程度)なるように仕上げることで導電体層18を基板1の裏面に露出させる。もしくは、導電体層18が形成される溝17を予め深く形成しておく手段を用いてもよい。このような本実施の形態2の導電体層18を設けることにより、チップ1Cが配線基板に実装された際(図24および図25参照)には、導電体層18が配線基板のエミッタ配線ELと直接接続することになる。それにより、エミッタ配線(配線22D)と基板1との間のインピーダンスZeを前記実施の形態1よりもさらに低減することができる。その結果、RFバイポーラトランジスタの電力利得PGの低下を前記実施の形態1よりもさらに防ぐことが可能となる。すなわち、本実施の形態2によれば、本実施の形態1よりもRFバイポーラトランジスタの高利得化が可能となる。
【0056】
上記の本実施の形態2によっても前記実施の形態1と同様の効果を得ることができる。
【0057】
(実施の形態3)
次に、本実施の形態3について説明する。
【0058】
前記実施の形態1では、ノンドープのSiGe層、p型のSiGe層およびノンドープのシリコン層の積層膜からなるヘテロ接合層10(図13参照)からRFバイポーラトランジスタのベースを形成したが、本実施の形態3は、エミッタ−ベース接合領域用の活性領域L1(図6および図7参照)へのp型の不純物の導入によってベースを形成するものである。
【0059】
本実施の形態3の電子装置および半導体装置の製造工程は、前記実施の形態1で図1〜図11を用いて説明した工程までは同様である。その後、図27に示すように、エミッタ−ベース接合領域用の活性領域に、リソグラフィ工程を経て、イオン注入法等により、p型のベース領域(第3半導体層)10Bを形成し、pn接合を形成する。続いて、基板1上にp型の不純物(たとえばB)が導入された多結晶シリコン膜を堆積した後、その多結晶シリコン膜をリソグラフィ工程によってパターニングし、ベース引き出し電極11を形成する。
【0060】
その後、前記実施の形態1において図14〜図25を用いて説明した工程と同様の工程を経て本実施の形態3の電子装置および半導体装置を製造する。
【0061】
上記の本実施の形態3によっても前記実施の形態1と同様の効果を得ることができる。
【0062】
(実施の形態4)
次に、本実施の形態4について説明する。
【0063】
図31および図32は、本実施の形態4の半導体装置の製造工程中のそれぞれ要部平面図および要部断面図である。
【0064】
図31および図32に示すように、本実施の形態4では、前記実施の形態1、2でも示した平面形状の溝17を複数本形成するものである。ここで、平面形状とは、前記実施の形態1において図17にも示したように(図17中では、溝17を埋め込んだ導電体層18として図示)、基板1の主面に平行な平面においての形状である。また、本実施の形態4の半導体装置の製造工程は、前記実施の形態1、2と同様であり、図31および図32は、前記実施の形態1において図16および図17を用いて説明した工程と同じ工程時のものである。
【0065】
前記実施の形態1でも説明したように、導電体層18(溝17)を設けていない場合には、エミッタ配線(配線22D(図22参照))と基板1との間の電流経路がp型の半導体領域7Pおよび分離領域5、3を経由する反絶縁構造となることから、チップ1C外のボンディングワイヤBW(図24および図25参照)によってエミッタ配線と基板1との間の電流経路が形成される構造となる。そのため、エミッタ配線と基板1との間のインピーダンスZe(エミッタ配線と基板1との間の電流経路における抵抗成分およびインダクタンス成分)が大きくなる。インピーダンスZeが増大すると電力利得が低下してしまい、特に、無線LAN用途では動作周波数が5GHz帯といった高周波帯になることから、インピーダンスZeが電力利得に与える影響が大きくなることが懸念される。
【0066】
本実施の形態4のRFバイポーラトランジスタにおいては、前記実施の形態1のRFバイポーラトランジスタと同様に、導電体層18を設けることによってエミッタ配線(配線22D)と基板1との間の電流経路を形成している。さらに、溝17を複数本設けることによって、エミッタ配線と基板1との間の電流経路の断面積を前記実施の形態1のRFバイポーラトランジスタより大きく確保することを可能としている。それにより、本実施の形態4のRFバイポーラトランジスタは、エミッタ配線(配線22D)と基板1との間のインピーダンスZeを前記実施の形態1のRFバイポーラトランジスタより低減することができるので、前記実施の形態1に比べてRFバイポーラトランジスタの電力利得PGの低下をさらに効果的に防ぐことが可能となる。すなわち、本実施の形態4によれば、前記実施の形態1に比べてRFバイポーラトランジスタのさらなる高利得化が可能となる。
【0067】
(実施の形態5)
次に、本実施の形態5について説明する。
【0068】
図33および図34は、本実施の形態5の半導体装置の製造工程中のそれぞれ要部平面図および要部断面図である。
【0069】
図33および図34に示すように、本実施の形態5においても、前記実施の形態4と同様に溝17を複数本形成する。さらに、本実施の形態5では、これら複数本の溝17間を複数の溝(第3溝部)17Aで接続するものである。これら複数本の溝17Aは、複数本の溝17と同一の工程で一括して形成することができ、その深さは、溝17と同一となる。なお、図33中では、溝17Aの位置をわかりやすくするために、溝17Aはハッチングを付して示している。このような溝17Aを設けることにより、本実施の形態5のRFバイポーラトランジスタは、エミッタ配線(配線22D(図22参照))と基板1との間の電流経路の断面積を前記実施の形態4のRFバイポーラトランジスタより大きく確保することを可能としている。それにより、本実施の形態5のRFバイポーラトランジスタは、エミッタ配線と基板1との間のインピーダンスZeを前記実施の形態4のRFバイポーラトランジスタより低減することができるので、前記実施の形態4に比べてRFバイポーラトランジスタの電力利得PGの低下をさらに効果的に防ぐことが可能となる。すなわち、本実施の形態5によれば、前記実施の形態1に比べてRFバイポーラトランジスタのさらなる高利得化が可能となる。
【0070】
ここで、本実施の形態5における上記溝17Aの詳細な配置位置について説明する。図35は、前記実施の形態4における複数の溝17を拡大して示す要部平面図であり、図36は、本実施の形態5における複数の溝17、17Aを拡大して示す要部平面図であり、図36は、図35に示した溝17、17Aの一部をさらに拡大して示す要部平面図である。
【0071】
図35および図36においては、溝17が5本配置されている場合について図示されている。それぞれの溝17における、幅W1、長さL4、および隣り合う溝17の間隔S1については、前記実施の形態4と本実施の形態5とで共通である。また、溝17Aの長さは前記隣り合う溝17の間隔S1で規定され、溝17Aの幅W2と隣り合う溝17A間の間隔S2とは、延在方向(長さ方向(以降、X方向と記す))と直行する方向(以降、Y方向と記す)で規定される。
【0072】
基板1の主面内において、溝17、17Aが形成される基板1の主面内の領域(隣り合う溝17間の領域を含む)は、分離部6で囲まれた活性領域L3(図6および図7も参照)で規定され、その面積は、活性領域L3の溝17の延在方向(Y方向)での大きさをW3とし、溝17の幅方向(X方向)での大きさをW4とすると、W3×W4で規定することができる。このW3×W4で規定される活性領域L3内において、5本の溝17のみを形成したのが前記実施の形態4であり、5本の溝17に加えて溝17間を接続する複数の溝17Aを形成したのが本実施の形態5である。すなわち、本実施の形態5によれば、チップ1C(図24および図25参照)のサイズを大きくすることなく、エミッタ配線(配線22D(図22参照))と基板1との間の電流経路の断面積を前記実施の形態4のRFバイポーラトランジスタより大きく確保することが可能となる。
【0073】
また、上記活性領域L3内においては、エミッタ配線と基板1との間の電流経路の断面積をできるだけ大きく確保するために、隣り合う溝17の間隔S1および隣り合う溝17Aの間隔S2はできるだけ小さくし、溝17の幅W1および溝17Aの幅W2はできるだけ大きく確保することが好ましいが、本実施の形態5では、以下のような溝17、17Aの設計規定を例示する。
【0074】
まず、1本の溝17に対して、一方の長辺(第1長辺)に接続する溝(第3溝部)17Aと他方の長辺(第2長辺)に接続する溝(第4溝部)17Aとが、幅方向(Y方向)での位置が重ならないようにし、幅方向(Y方向)で間隔S3を離間するようにする。すなわち、これら2つの溝17Aの幅方向(Y方向)での中心線CL1、CL2が同一直線上に位置しないようにするものである。なお、図37は、図36の一部を拡大して示す要部平面図である。一方、一方の長辺に接続する溝17Aと他方の長辺に接続する溝17Aとが、幅方向(Y方向)で重なる場合(図38参照)には、溝17と溝17Aとが交差する領域AR1に、RFバイポーラトランジスタの製造工程中の熱等による応力が加わり、この領域AR1において基板1にクラック等のダメージが生じることを本発明者は見出した。このようなダメージが基板1に生じていると、RFバイポーラトランジスタの駆動時にそのダメージが生じた領域AR1からリーク電流が発生し、RFバイポーラトランジスタの特性を低下させ、RFバイポーラトランジスタの電力利得PGを低下させてしまう不具合を生じてしまうことになる。このような不具合を避けるために、本実施の形態5では、図37に示したような配置ルールで溝17Aを形成するものである。
【0075】
また、前述したように、溝17の幅W1および溝17Aの幅W2はできるだけ大きく確保することが好ましいが、大きすぎる場合には、溝17、17A内に完全に導電性膜18を埋め込みきれず、溝17、17Aの内部にて空隙が生じてしまうことを本発明者は見出した。そこで、本実施の形態5では、溝17の幅W1および溝17Aの幅W2は、1μm程度以下とすることを例示する。また、隣り合う溝17間の間隔S1および隣り合う溝17A間の間隔S2については、できるだけ小さくすることが好ましいことを前述したが、溝17、17Aの平面パターンを形成する際のリソグラフィ工程において、小さすぎる間隔S1、S2は解像することが困難となる。また、溝17の幅W1と隣り合う溝17間の間隔S1との関係は、0.5≦L1/S1≦3とすることを例示する。
【0076】
上記のような溝17、17Aの設計規定を満たすために、本実施の形態5においては、溝17の幅W1を1μm程度とし、溝17Aの幅W2を1μm程度とし、隣り合う溝17間の間隔S1を1μm程度とし、隣り合う溝17A間の間隔S2を1.2μm程度とすることを例示できる。このような条件下で溝17、17Aを形成した場合における溝17、17Aの平面総面積は、溝17の長さL4を24μm程度とすると、図35に示した溝17のみを形成した場合で約120μmであり、図36に示した溝17、17Aを形成した場合で約168μmであった。すなわち、本実施の形態5によれば、W3×W4で面積が規定された活性領域L3内において、前記実施の形態4に比べて溝17、17Aの平面総面積を約1.4倍とすることができる。
【0077】
なお、前記実施の形態1においては、TiN膜およびW膜を積層することで導電性膜18を形成する場合と、p型の不純物(たとえばホウ素)がドープされた多結晶シリコン膜を溝17に埋め込むことで導電性膜18を形成する場合とについて例示したが、スパッタリング法でAu膜を溝17、17Aに埋め込みつつ堆積することによって導電性膜18を形成してもよい。導電性膜18をAu膜とした場合でも、溝17、17Aの設計規定については、本実施の形態5で前述した設計規定と同様とすることを例示できる。
【0078】
また、溝17、17Aおよび溝17、17Aを埋め込む導電性膜18については、基板1の裏面の研削処理後において、基板1の裏面に露出する構造(前記実施の形態2(図26)参照)および基板1の裏面に露出しない構造(前記実施の形態1(図22)参照)のどちらの構造となってもよい。
【0079】
以上、本発明者によってなされた発明を実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0080】
本発明の半導体装置、電子装置および半導体装置の製造方法は、たとえば無線LANなどのデジタル無線通信機器のPAおよびその製造工程などに広く適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0081】
【図1】本発明の実施の形態1である半導体装置の製造方法を説明する要部平面図である。
【図2】本発明の実施の形態1である半導体装置の製造方法を説明する要部断面図である。
【図3】図1に続く半導体装置の製造工程中の要部平面図である。
【図4】図2に続く半導体装置の製造工程中の要部断面図である。
【図5】図4に続く半導体装置の製造工程中の要部断面図である。
【図6】本発明の実施の形態1である半導体装置の製造工程中の要部平面図である。
【図7】図5に続く半導体装置の製造工程中の要部断面図である。
【図8】図6に続く半導体装置の製造工程中の要部平面図である。
【図9】図7に続く半導体装置の製造工程中の要部断面図である。
【図10】図8に続く半導体装置の製造工程中の要部平面図である。
【図11】図9に続く半導体装置の製造工程中の要部断面図である。
【図12】図10に続く半導体装置の製造工程中の要部平面図である。
【図13】図11に続く半導体装置の製造工程中の要部断面図である。
【図14】図12に続く半導体装置の製造工程中の要部平面図である。
【図15】図13に続く半導体装置の製造工程中の要部断面図である。
【図16】図14に続く半導体装置の製造工程中の要部平面図である。
【図17】図15に続く半導体装置の製造工程中の要部断面図である。
【図18】図16に続く半導体装置の製造工程中の要部平面図である。
【図19】図17に続く半導体装置の製造工程中の要部断面図である。
【図20】図18に続く半導体装置の製造工程中の要部平面図である。
【図21】図19に続く半導体装置の製造工程中の要部断面図である。
【図22】本発明の実施の形態1である半導体装置の製造工程中の要部断面図である。
【図23】本発明の実施の形態1である半導体装置の製造工程中の要部平面図である。
【図24】本発明の実施の形態1である半導体装置の製造工程中の要部平面図である。
【図25】本発明の実施の形態1である半導体装置の製造工程中の要部断面図である。
【図26】本発明の実施の形態2である半導体装置の要部断面図である。
【図27】本発明の実施の形態3である半導体装置の製造工程中の要部断面図である。
【図28】本発明者が検討したRFバイポーラトランジスタの要部平面図である。
【図29】本発明者が検討したRFバイポーラトランジスタの要部断面図である。
【図30】本発明者が検討したRFバイポーラトランジスタの回路図である。
【図31】本発明の実施の形態4である半導体装置の製造工程中の要部平面図である。
【図32】本発明の実施の形態4である半導体装置の製造工程中の要部断面図である。
【図33】本発明の実施の形態5である半導体装置の製造工程中の要部平面図である。
【図34】本発明の実施の形態5である半導体装置の製造工程中の要部断面図である。
【図35】本発明の実施の形態5である半導体装置と比較した実施の形態4の半導体装置の製造工程中の要部平面図である。
【図36】本発明の実施の形態5である半導体装置の製造工程中の要部平面図である。
【図37】図36の要部を拡大して示した平面図である。
【図38】本発明の実施の形態5である半導体装置と比較した半導体装置の要部平面図である。
【符号の説明】
【0082】
1 基板
1C チップ
2 コレクタ埋め込み領域(第1半導体層)
3 分離領域(第2半導体層)
4 コレクタ領域
5 分離領域
6 分離部
7 コレクタ引き出し領域(第5半導体層)
7P 半導体領域
8 溝(第2溝部)
8A 分離部(第1絶縁膜)
9 酸化シリコン膜
10 ヘテロ接合層(第3半導体層)
10B ベース領域(第3半導体層)
11 ベース引き出し電極(第1電極)
12 酸化シリコン膜
13 窒化シリコン膜
14 エミッタ引き出し電極(第2電極)
15 エミッタ領域(第4半導体層)
16 絶縁膜(第2絶縁膜)
17 溝(第1溝部)
17A 溝(第3溝部、第4溝部)
18 導電体層(第1導電性膜)
19 絶縁膜
20A〜20D コンタクトホール
21A プラグ(第3電極)
21B〜21D プラグ
22A〜22D 配線
25 絶縁膜
26 プラグ
27 配線
28 絶縁膜
29、29D プラグ
30 配線
31 エミッタパッド
32 ベースパッド
33 コレクタパッド
34 絶縁膜
35 開口部
36 支持基板
37 モールド樹脂
101 基板
102 コレクタ埋め込み領域
103 分離領域
104 コレクタ領域
105 分離領域
107 コレクタ引き出し領域
108 ベース配線
109 コレクタ配線
110、111 エミッタ配線
112 プラグ
113 p型半導体領域
AR1 領域
BL ベース配線(金属フレーム)
BW ボンディングワイヤ
CL コレクタ配線(金属フレーム)
EL エミッタ配線(金属フレーム)
L1〜L3 活性領域
PNJ PN接合部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体基板上の第1領域にバイポーラトランジスタを有し、前記半導体基板上の第2領域に前記バイポーラトランジスタのエミッタと電気的に接続されたエミッタパッドを有する半導体装置であって、
前記半導体基板上に形成された前記バイポーラトランジスタのコレクタ用の第1半導体層と、
前記第1半導体層上に形成されたコレクタ用の第2半導体層と、
前記第2半導体層上に形成された前記バイポーラトランジスタのベース用の第3半導体層と、
前記第3半導体層内に形成された前記バイポーラトランジスタのエミッタ用の第4半導体層と、
前記半導体基板上に形成され、前記第3半導体層と電気的に接続されたベース用の第1電極と、
前記半導体基板上に形成され、前記第4半導体層と電気的に接続されたエミッタ用の第2電極と、
平面で前記第3半導体層および前記第4半導体層を囲むように配置され、前記第1半導体層および前記第2半導体層と電気的に接続された第5半導体層と、
前記半導体基板上に形成され、前記第5半導体層と電気的に接続されたコレクタ用の第3電極と、
前記半導体基板上に形成され、前記半導体基板に達する第1溝部と、
前記第1溝部を埋め込み、第1パッドと前記半導体基板とを電気的に接続する第1導電性膜とを備えることを特徴とする半導体装置。
【請求項2】
請求項1記載の半導体装置において、
前記第3半導体層は、シリコンゲルマニウムを含むことを特徴とする半導体装置。
【請求項3】
請求項1記載の半導体装置において、
前記半導体基板上にて平面で前記第5半導体層を囲むように配置され、前記第2半導体層および前記第1半導体層を貫通して前記半導体基板に達するように形成された第2溝部と、
前記第2溝部を埋め込む第1絶縁膜とを備えることを特徴とする半導体装置。
【請求項4】
請求項1記載の半導体装置において、
前記第1半導体層、前記第2半導体層、前記第4半導体層および前記第5半導体層はn型の導電型を有し、
前記第3半導体層はp型の導電型を有することを特徴とする半導体装置。
【請求項5】
請求項1記載の半導体装置において、
前記第1半導体層中の不純物濃度は、前記第2半導体層中の不純物濃度より高いことを特徴とする半導体装置。
【請求項6】
請求項1記載の半導体装置において、
前記第1導電性膜は、タングステンを主成分とすることを特徴とする半導体装置。
【請求項7】
請求項1記載の半導体装置において、
前記第1導電性膜は、前記半導体基板と同じ導電型を有する多結晶シリコンを主成分とすることを特徴とする半導体装置。
【請求項8】
請求項1記載の半導体装置において、
前記半導体基板上の第3領域に、前記バイポーラトランジスタのコレクタと電気的に接続されたコレクタパッドが形成され、
前記半導体基板上の第4領域に、前記バイポーラトランジスタのベースと電気的に接続されたベースパッドが形成されていることを特徴とする半導体装置。
【請求項9】
請求項8記載の半導体装置において、
前記エミッタパッド、前記コレクタパッドおよび前記ベースパッドには、それぞれ前記半導体基板外からボンディングワイヤが接続されていることを特徴とする半導体装置。
【請求項10】
請求項1記載の半導体装置において、
前記第1溝部は、前記半導体基板の裏面まで達していることを特徴とする半導体装置。
【請求項11】
半導体基板上の第1領域にバイポーラトランジスタを有し、前記半導体基板上の第2領域に前記バイポーラトランジスタのエミッタと電気的に接続されたエミッタパッドを有する半導体装置であって、
前記半導体基板上に形成された前記バイポーラトランジスタのコレクタ用の第1半導体層と、
前記第1半導体層上に形成されたコレクタ用の第2半導体層と、
前記第2半導体層上に形成されたシリコンゲルマニウムを含む前記バイポーラトランジスタのベース用の第3半導体層と、
前記第3半導体層内に形成された前記バイポーラトランジスタのエミッタ用の第4半導体層と、
前記半導体基板上に形成され、前記第3半導体層と電気的に接続されたベース用の第1電極と、
前記半導体基板上に形成され、前記第4半導体層と電気的に接続されたエミッタ用の第2電極と、
平面で前記第3半導体層および前記第4半導体層を囲むように配置され、前記第1半導体層および前記第2半導体層と電気的に接続された第5半導体層と、
前記半導体基板上に形成され、前記第5半導体層と電気的に接続されたコレクタ用の第3電極と、
前記半導体基板上の前記第2領域に形成され、前記半導体基板に達する第1溝部と、
前記第1溝部を埋め込み、第1パッドと前記半導体基板とを電気的に接続する第1導電性膜と、
前記半導体基板上の前記第1領域にて平面で前記第5半導体層を囲むように配置され、前記第2半導体層および前記第1半導体層を貫通して前記半導体基板に達するように形成された第2溝部と、
前記第2溝部を埋め込む第1絶縁膜とを備えることを特徴とする半導体装置。
【請求項12】
半導体基板上の第1領域にバイポーラトランジスタを有し、前記半導体基板上の第2領域に前記バイポーラトランジスタのエミッタと電気的に接続されたエミッタパッドを有する半導体チップが支持基板の主面上に搭載された電子装置であって、
前記半導体チップは、前記支持基板の前記主面上でパターニングされた金属フレームと接するように前記支持基板上に搭載され、
前記半導体チップは、前記半導体基板上に形成された前記バイポーラトランジスタのコレクタ用の第1半導体層と、
前記第1半導体層上に形成されたコレクタ用の第2半導体層と、
前記第2半導体層上に形成されたシリコンゲルマニウムを含む前記バイポーラトランジスタのベース用の第3半導体層と、
前記第3半導体層内に形成された前記バイポーラトランジスタのエミッタ用の第4半導体層と、
前記半導体基板上に形成され、前記第3半導体層と電気的に接続されたベース用の第1電極と、
前記半導体基板上に形成され、前記第4半導体層と電気的に接続されたエミッタ用の第2電極と、
平面で前記第3半導体層および前記第4半導体層を囲むように配置され、前記第1半導体層および前記第2半導体層と電気的に接続された第5半導体層と、
前記半導体基板上に形成され、前記第5半導体層と電気的に接続されたコレクタ用の第3電極と、
前記半導体基板上の前記第2領域に形成され、前記半導体基板に達する第1溝部と、
前記第1溝部を埋め込み、第1パッドと前記半導体基板とを電気的に接続する第1導電性膜と、
前記半導体基板上の前記第1領域にて平面で前記第5半導体層を囲むように配置され、前記第2半導体層および前記第1半導体層を貫通して前記半導体基板に達するように形成された第2溝部と、
前記第2溝部を埋め込む第1絶縁膜とを備えることを特徴とする電子装置。
【請求項13】
請求項12記載の電子装置において、
前記金属フレームは、前記支持基板の裏面に達するようにパターニングされていることを特徴とする電子装置。
【請求項14】
半導体基板上の第1領域にバイポーラトランジスタを有し、前記半導体基板上の第2領域に前記バイポーラトランジスタのエミッタと電気的に接続されたエミッタパッドを有する半導体装置の製造方法であって、
(a)前記半導体基板上に前記バイポーラトランジスタのコレクタ用の第1半導体層を形成する工程、
(b)前記第1半導体層上にコレクタ用の第2半導体層を形成する工程、
(c)前記半導体基板上の前記第1領域に前記第1半導体層および前記第2半導体層と電気的に接続する第5半導体層を形成する工程、
(d)前記第2半導体層上に前記バイポーラトランジスタのベース用の第3半導体層を形成する工程、
(e)前記第3半導体層内に前記バイポーラトランジスタのエミッタ用の第4半導体層を形成する工程、
(f)前記半導体基板上の前記第2領域に前記半導体基板に達する第1溝部を形成する工程、
(g)前記第1溝部を第1導電性膜で埋め込む工程、
(h)前記半導体基板上の前記第2領域に前記第1導電性膜と電気的に接続するエミッタパッドを形成する工程、
を含み、
前記第5半導体層は、平面で前記第3半導体層および前記第4半導体層を囲むように形成することを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項15】
請求項14記載の半導体装置の製造方法において、
前記(e)工程と前記(f)工程との間で、前記第4半導体層上および前記半導体基板の前記第2領域上に第2絶縁膜を形成する工程。
【請求項16】
請求項14記載の半導体装置の製造方法において、
前記第3半導体層は、シリコンゲルマニウムを含むことを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項17】
請求項14記載の半導体装置の製造方法において、
前記第1導電性膜は、タングステンを主成分とすることを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項18】
請求項14記載の半導体装置の製造方法において、
前記第1導電性膜は、前記半導体基板と同じ導電型を有する多結晶シリコンを主成分とすることを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項19】
請求項14記載の半導体装置の製造方法において、
前記(c)工程後、
(i)前記半導体基板上の前記第1領域に平面で前記第5半導体層を取り囲み、前記第2半導体層および前記第1半導体層を貫通して前記半導体基板に達するように第2溝部を形成する工程、
(j)前記第2溝部を第1絶縁膜で埋め込む工程、
を含むことを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項20】
請求項19記載の半導体装置の製造方法において、
前記第2溝部は、前記第1溝部を形成する前に形成することを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項21】
請求項14記載の半導体装置の製造方法において、
前記(g)工程後、前記半導体基板の裏面を研削して前記第1導電性膜を前記半導体基板の裏面に露出させる工程を含むことを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項22】
半導体基板上の第1領域にバイポーラトランジスタを有し、前記半導体基板上の第2領域に前記バイポーラトランジスタのエミッタと電気的に接続されたエミッタパッドを有する半導体装置であって、
前記半導体基板上に形成された前記バイポーラトランジスタのコレクタ用の第1半導体層と、
前記第1半導体層上に形成されたコレクタ用の第2半導体層と、
前記第2半導体層上に形成されたシリコンゲルマニウムを含む前記バイポーラトランジスタのベース用の第3半導体層と、
前記第3半導体層内に形成された前記バイポーラトランジスタのエミッタ用の第4半導体層と、
前記半導体基板上に形成され、前記第3半導体層と電気的に接続されたベース用の第1電極と、
前記半導体基板上に形成され、前記第4半導体層と電気的に接続されたエミッタ用の第2電極と、
平面で前記第3半導体層および前記第4半導体層を囲むように配置され、前記第1半導体層および前記第2半導体層と電気的に接続された第5半導体層と、
前記半導体基板上に形成され、前記第5半導体層と電気的に接続されたコレクタ用の第3電極と、
前記半導体基板上の前記第2領域に形成され、前記半導体基板に達し、1組の長辺および1組の短辺を有する平面形状の複数の第1溝部と、
前記複数の第1溝部を埋め込み、第1パッドと前記半導体基板とを電気的に接続する第1導電性膜と、
前記半導体基板上の前記第1領域にて平面で前記第5半導体層を囲むように配置され、前記第2半導体層および前記第1半導体層を貫通して前記半導体基板に達するように形成された第2溝部と、
前記第2溝部を埋め込む第1絶縁膜とを備えることを特徴とする半導体装置。
【請求項23】
請求項22記載の半導体装置において、
前記複数の第1溝部間を接続する第3溝部が形成され、
前記第3溝部には、前記第1導電性膜が埋め込まれていることを特徴とする半導体装置。
【請求項24】
請求項23記載の半導体装置において、
前記複数の第1溝部間を接続する第4溝部が形成され、
前記第3溝部は、1本の前記第1溝部における前記1組の長辺のうちの第1長辺に接続し、
前記第4溝部は、1本の前記第1溝部における前記1組の長辺のうちの前記第1長辺とは異なる第2長辺に接続し、
前記複数の第3溝部の中心を結ぶ直線と前記複数の第4溝部の中心を結ぶ直線とは、同一直線上にないことを特徴とする半導体装置。
【請求項25】
請求項24記載の半導体装置において、
前記複数の第1溝部、前記第3溝部および前記第4溝部は、同一工程にて形成されていることを特徴とする半導体装置。
【請求項26】
請求項24記載の半導体装置において、
前記複数の第1溝部、前記第3溝部および前記第4溝部は、前記半導体基板の裏面まで達していることを特徴とする半導体装置。
【請求項27】
請求項22記載の半導体装置において、
前記複数の第1溝部は、それぞれの長辺が平行となるように配列されていることを特徴とする半導体装置。
【請求項28】
請求項22記載の半導体装置において、
前記第1導電性膜は、タングステン、前記半導体基板と同じ導電型を有する多結晶シリコンまたは金を主成分とすることを特徴とする半導体装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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【公開番号】特開2007−243140(P2007−243140A)
【公開日】平成19年9月20日(2007.9.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−280649(P2006−280649)
【出願日】平成18年10月13日(2006.10.13)
【出願人】(503121103)株式会社ルネサステクノロジ (4,790)
【Fターム(参考)】