説明

半導体装置の製造方法

【課題】シリコン基板上に窒素含有ゲート絶縁膜を形成する半導体装置の製造方法であって、ゲート絶縁膜のシリコン基板との界面付近への窒素の拡散を抑制しつつ、界面とは逆側のゲート絶縁膜の表面付近の窒素濃度を高めることにより、良好な特性を有するFETを形成する。
【解決手段】シリコン基板11上にSiO層13を形成する工程と、SiO層13上にALD法を用いてSiN膜の化学量論的組成よりも窒素が少ないSiN層14を形成する工程と、SiN層14を500℃未満の基板温度でプラズマ窒化処理する工程とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体装置の製造方法に関し、更に詳しくは、シリコン基板上に窒素含有ゲート絶縁膜を形成する半導体装置の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
モバイル製品等の普及に伴い、半導体装置の低消費電力化が要請されている。半導体装置の低消費電力化を実現するために、FET(Field Effect Transistor)のゲート絶縁膜に窒素を導入することによって、ゲート絶縁膜を薄膜化する手法が採用されている。ゲート絶縁膜に導入した窒素は、ゲート絶縁膜の絶縁耐性を高め、また膜を貫通しての不純物の拡散を防止する。
【0003】
ゲート絶縁膜に窒素を導入する際には、シリコン基板との界面付近への窒素の拡散を抑制する必要がある。これは、ゲート絶縁膜では、シリコン基板との界面付近に窒素が蓄積し易く、蓄積した窒素が固定電荷を生じさせるためである。固定電荷の増加は、しきい値電圧Vthの変動やばらつき、キャリアのモビリティー低下などのFETの様々な特性劣化を引き起こす。従って、ゲート絶縁膜の形成に際しては、シリコン基板との界面付近での窒素の蓄積を防ぐために、例えば、シリコン基板上にSiO層を形成し、このSiO層上にSiN層を形成した2層構造のゲート絶縁膜が用いられている。
【0004】
シリコン基板上に順次に積層されたSiO層及びSiN層からなる2層構造のゲート絶縁膜については、例えば特許文献1に記載されている。
【特許文献1】特開2002−203961号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、SiN層の形成に際し、ゲート絶縁膜の信頼性向上を目的として、単原子層の成膜の繰返しによって所望の厚みの層を形成する原子層蒸着(ALD:Atomic Layer Deposition)法を用いることが考えられる。ALD法を用いたSiN層の形成に際しては、シリコン単原子層の成膜、及び、成膜したシリコン単原子層の窒化によってSiN層を成膜し、このSiN層の成膜を繰り返すことによって所望の厚みを有するSiN層を形成する。ALD法では、膜質が精密に制御された単原子層の成膜の繰返しによって所望の厚みの層を形成するため、膜厚や組成の制御性、及び、面内均一性に優れた良質な層を形成できる。
【0006】
しかし、ALD法を用いたSiN層の成膜をSiO層上で行うと、SiN層中の窒素濃度が化学量論的組成での濃度よりも大幅に少なくなることが判った。SiN層中の窒素濃度が低下すると、SiN層中の固定電荷が増加し、シリコン基板との界面付近に窒素が蓄積した場合と同様にFETの様々な特性劣化が生じる。従って、FETの良好な特性を確保するためには、ゲート絶縁膜のシリコン基板との界面付近への窒素の拡散を抑制しつつ、界面とは逆側のゲート絶縁膜の表面付近のSiN層の窒素濃度を充分に高めることが必須である。
【0007】
本発明は、上記に鑑み、シリコン基板上に窒素含有ゲート絶縁膜を形成する半導体装置の製造方法であって、ゲート絶縁膜のシリコン基板との界面付近への窒素の拡散を抑制しつつ、界面とは逆側のゲート絶縁膜の表面付近の窒素濃度を高めることにより、良好な特性を有するFETを形成可能な半導体装置の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本発明に係る半導体装置の製造方法は、シリコン基板上に窒素含有ゲート絶縁膜を形成する、半導体装置の製造方法であって、
SiN膜の化学量論的組成よりも窒素が少ない窒素含有シリコン膜を形成する工程と、
前記窒素含有シリコン膜を窒化する工程とを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、窒素含有シリコン膜の形成工程で、SiN膜の化学量論的組成よりも窒素が少ない窒素含有シリコン膜を形成することによって、ゲート絶縁膜のシリコン基板との界面付近への窒素の拡散を抑制し、界面付近での窒素の蓄積を抑制できる。また、窒素含有シリコン膜の形成工程に後続して、窒素含有シリコン膜を窒化する工程を採用することによって、窒素含有シリコン膜の特に上面付近で窒化を行う。従って、ゲート絶縁膜のシリコン基板との界面付近への窒素の拡散を抑制しつつ、界面とは逆側のゲート絶縁膜の表面付近の窒素濃度を高め、良好な特性を有するFETを形成できる。
【0010】
本発明の好適な態様では、前記窒化工程は、500℃未満の基板温度を採用するプラズマ窒化法で行う。或いはこれに代えて、窒素雰囲気下で800℃以下の基板温度で行う。基板温度を抑制することによって、ゲート絶縁膜のシリコン基板との界面付近への窒素の拡散を抑制しつつ、窒素含有シリコン膜の表面付近を局所的に窒化できる。
【0011】
本発明の好適な態様では、前記窒素含有シリコン膜を形成する工程に先立って、シリコン基板上にシリコン酸化膜を形成する工程を更に有する。シリコン基板上に窒素を含まないシリコン酸化膜を形成することによって、ゲート絶縁膜のシリコン基板との界面付近での窒素の蓄積を抑制できる。
【0012】
本発明の好適な態様では、前記窒素含有シリコン膜を形成する工程は、シリコン単原子層を堆積する工程と、該シリコン単原子層を窒化する工程とを繰り返し行う。膜厚や組成の制御性、及び、面内均一性に優れた良質な窒素含有シリコン膜を形成できる。
【0013】
本発明の好適な態様では、前記シリコン単原子層を窒化する工程は、500℃以上の基板温度を採用するプラズマ窒化法で行う。500℃以上の基板温度を採用し、シリコン単原子層を少なくともシリコン単原子層の下層の全面を覆って成膜することによって、窒素の下層への拡散を抑制できる。
【0014】
本発明の好適な態様では、前記窒素含有シリコン膜を窒化する工程では、シリコン基板に近い側の表面部分の窒化濃度が、シリコン基板から遠い側の表面部分の窒化濃度よりも低くなるように窒化する。
【0015】
本発明では、前記窒素含有シリコン膜がSiON膜であってもよい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下に、図面を参照し、本発明の実施形態を詳細に説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る半導体装置の製造方法で形成される、ゲート絶縁膜の層構造を示す断面図である。ゲート絶縁膜12は、シリコン基板11上に順次に積層されたSiO層13、及び、SiN層14からなる。ゲート絶縁膜12上には不純物ドープポリシリコンからなる図示しないゲート電極が形成されている。ゲート電極は、TiN又はNiSiなどで構成することも出来る。
【0017】
図2は、図1のゲート絶縁膜12を形成する手順を示すフローチャートである。シリコン基板11の表面部分に素子分離構造(図示なし)を形成した後、シリコン基板11上に熱酸化法によりSiO層13を形成する(ステップS11)。引き続き、ウエハ(シリコン基板)をALD成膜装置内に収容し、シリコン単原子層の成膜と、成膜したシリコン単原子層のプラズマ窒化処理とを交互に繰り返すALD法によって所定厚みを有するSiN層14を形成する(ステップS12)。ステップS12では、層中の窒素濃度がSiN膜の化学量論的組成比である1.33より少ない、SiリッチなSiN層14を形成する。
【0018】
図3は、図2のステップS12の手順を詳細に示すフローチャートである。ALD法によるSiN層14の形成に際しては、先ず、シリコン単原子層を成膜する(ステップS21)。シリコン単原子層の成膜に際しては、例えば、基板温度を550℃とし、処理時間を70秒とする。次いで、Nガスを用いたパージを行う(ステップS22)。
【0019】
引き続き、NHプラズマを用いたプラズマ窒化処理によって、シリコン単原子層21を窒化させ、SiN層を形成する(ステップS23)。このプラズマ窒化処理に際しては、例えば、基板温度を550℃とし、プラズマパワーを0.3kWとし、処理時間を140秒とする。更に、Nガスを用いたパージを行う(ステップS24)。これらのステップS21〜S24を1サイクルとし、これを5〜30サイクル繰り返すことによって、所定厚みを有するSiN層14を形成する。
【0020】
ステップS21のシリコン単原子層の成膜に際して、シリコンの堆積に伴って、図4(a)に示すように、SiO層13上にシリコン21aが島状に成長する。シリコンの堆積を継続することによって、図4(b)に示すように、シリコン単原子層21がSiO層13の全面を覆って成膜される。
【0021】
ところで、図4(a)の段階でこのステップを終了すると、少なくとも最初の数サイクルでは、SiN層が島状に成長することによって、SiO層13の表面の一部が露出した状態となる。このため、ステップS23のプラズマ窒化処理に際して、露出したSiO層13の表面から窒素がSiO層13中へ容易に拡散し、シリコン基板11との界面付近に到達する問題が生じる。従って、ステップS21では、窒素のSiO層13中への拡散を抑制するために、シリコン単原子層21が少なくともSiO層13の全面を覆って成膜されるようにする。また、このために、シリコン単原子層21の成膜に際して、基板温度を500℃以上に設定する。
【0022】
図2に戻り、ALD法を用いてSiN層14を形成した後、ウエハをプラズマ窒化装置内に収容し、基板温度を500℃未満とするプラズマ窒化処理(ポストプラズマ窒化処理)を行なう(ステップS13)。基板温度を500℃未満とするポストプラズマ窒化処理によって、ゲート絶縁膜12のシリコン基板11との界面付近への窒素の拡散を抑制しつつ、ゲート絶縁膜12の上面付近を局所的に窒化できる。従って、ゲート絶縁膜12のシリコン基板11との界面付近での窒素濃度の上昇を抑制しつつ、SiN層14のN/Si組成比を化学量論的組成比に近づけることが出来る。ポストプラズマ窒化処理の条件は、基板温度を室温〜500℃、圧力を40〜1000mtorr、プラズマパワーを500〜3000Wとする。
【0023】
本実施形態によれば、ALD法を用いることによって、膜厚や組成の制御性、及び、面内均一性に優れた良質なSiN層14を形成できる。また、ALD法を用いたSiN層14の形成に際して、層中の窒素濃度がSiN膜の化学量論的組成比である1.33より少ない、SiリッチなSiN層14を形成することによって、ゲート絶縁膜12のシリコン基板11との界面付近への窒素の拡散を抑制できる。ALD法を用いたSiN層14の形成では、更に、ステップS21のシリコン単原子層21の成膜に際して、シリコン単原子層21を少なくともSiO層13の全面を覆って成膜することによって、SiO層13中への窒素の拡散を抑制できる。
【0024】
また、ALD法を用いてSiN層14を形成した後、基板温度を500℃未満とするポストプラズマ窒化処理を行なうことによって、ゲート絶縁膜12のシリコン基板11との界面付近への窒素の拡散を抑制しつつ、ゲート絶縁膜12の上面付近を局所的に窒化し、SiN層14のN/Si組成比を化学量論的組成比に近づけることが出来る。これらによって、ゲート絶縁膜12のシリコン基板11との界面付近への窒素の拡散を抑制しつつ、ゲート絶縁膜12の上面付近の窒素濃度を効果的に高めることが出来る。ゲート絶縁膜12中の固定電荷を低減することによって、FETの特性劣化を抑制し、良好な特性を有するFETを形成できる。
【0025】
上記実施形態による効果を確認するために、ゲート電極を含む半導体装置であって、上記実施形態の方法に従ってゲート絶縁膜を形成した半導体装置を形成し、実施例の半導体装置とした。ステップS13のポストプラズマ窒化処理の条件は、基板温度を480℃、圧力を500mtorr、プラズマパワーを2000Wとした。
【0026】
また、実施例の半導体装置との比較のために、ポストプラズマ窒化処理を行わない第1〜5比較例の半導体装置を製造した。第1比較例の半導体装置の製造方法は、実施例の半導体装置の製造方法において、ステップS13のポストプラズマ窒化処理を行わないことを除いては同様であって、実施例の半導体装置で、ポストプラズマ窒化処理を行う前の窒素濃度を調べるために製造した。
【0027】
第2〜5比較例の半導体装置は何れも、ポストプラズマ窒化処理を行うことなく、ALD法の改良によってSiN層14中の窒素濃度を高めることを目的としたものである。第2比較例の半導体装置の製造に際しては、図3のステップS21に際して成膜時間を短縮し、第3比較例の半導体装置の製造に際しては、図3のステップS21に際して基板温度を低くし、プリカーサの分解を抑制した。第2,3比較例では、ステップS21のシリコン単原子層21の成長を抑制することによって、SiN層14中の窒素濃度が高まる効果を期待した。
【0028】
第4比較例の半導体装置の製造に際しては、図3のステップS23に際してプラズマパワーを増大させ、第5比較例の半導体装置の製造に際しては、図3のステップS23に際して基板温度を高めた。第4,5比較例では、SiN層14のN/Si組成比が化学量論的組成比とほぼ同等になる程度に、ステップS23のプラズマ窒化処理を強化した。
【0029】
図5に、実施例、及び、第1〜5比較例の半導体装置について、ラザフォード後方散乱分析(RBS:Rutherford Back Scattering)法で測定されたSiN層14のN/Si組成比を示す。また、図6に、実施例、及び、第1,2,4比較例の半導体装置について、二次イオン質量分析(SIMS:Secondary Ion Mass Spectrometry)法で測定された膜中窒素濃度を示すグラフを示す。グラフの横軸はゲート絶縁膜12上面からの深さを、縦軸は単位膜厚あたりの窒素量を示す。なお、図5のN/Si組成比は、SiN層14の膜厚方向で中央付近の値を示している。
【0030】
同図より、実施例の半導体装置では、第1比較例の半導体装置に比して、SiN層14中の窒素濃度が大幅に増加し、SiN層14のN/Si組成比が化学量論的組成比とほぼ同等になっていることが判る。一方、シリコン基板11との界面付近での窒素濃度は第1比較例の半導体装置とほぼ同等であった。第2〜5比較例の半導体装置については、第1比較例の半導体装置に比して、SiN層14中の窒素濃度は増加したものの、シリコン基板11との界面付近の窒素濃度が顕著に増大した。
【0031】
第2,3比較例の半導体装置で、シリコン基板11との界面付近の窒素濃度が顕著に増大した理由は、下記のように考えられる。図3のステップS21に際してシリコン単原子層21の成長を抑制したため、ステップS21〜S24の少なくとも最初の数サイクルで、図4(a)に示したシリコン21aが島状に形成された状態で、ステップS23のプラズマ窒化処理が行われた。これによって、ステップS23のプラズマ窒化処理に際して、窒素が露出したSiO層13の表面からSiO層13中へ拡散したためと考えられる。従って、本発明では、ステップS21のシリコン単原子層21の成長に際しては、図4(b)に示したように、少なくともシリコン単原子層21をSiO層13の全面を覆って成膜することとした。また、このために、シリコン単原子層の成膜に際して、基板温度を500℃以上に設定することとした。
【0032】
一方、第4,5比較例の半導体装置で、シリコン基板11との界面付近の窒素濃度が顕著に増大した理由は、図3のステップS23に際してプラズマ窒化処理を強化したため、多量の窒素がSiO層13中へ拡散したためと考えられる。従って、本発明では、ステップS12のALD法を用いたSiN層14の形成に際して、シリコン基板11との界面付近への窒素の拡散を抑制するために、N/Si組成比がSiN膜の化学量論的組成比よりも低いSiリッチなSiN層14を形成することとした。また、ALD法を用いたSiN層14形成に後続し、ステップS13の基板温度が500℃未満のポストプラズマ窒化処理を行うことによって、シリコン基板11との界面付近への窒素の拡散を抑制しつつ、ゲート絶縁膜12の上面付近を局所的に窒化することとした。
【0033】
実施例の半導体装置との比較のために、ゲート絶縁膜12をSiO層13の単層で構成した半導体装置を更に製造し、第6比較例の半導体装置とした。実施例、及び、第1,2,4,6比較例の半導体装置について、フラットバンド電圧Vfbの値を調べた。図7に結果を示す。窒素による固定電荷は正電荷であり、同図中、フラットバンド電圧Vfbの絶対値が大きいほど固定電荷が多いことを示している。
【0034】
同図より、実施例の半導体装置では、第1比較例の半導体装置に比して、フラットバンド電圧Vfbの絶対値が大幅に減少し、ゲート絶縁膜12をSiO層13のみで構成した第6比較例の半導体装置とほぼ同等の値になった。従って、固定電荷が充分に抑制されているといえる。第2,4,6比較例の半導体装置については、第1比較例の半導体装置に比して、フラットバンド電圧Vfbの絶対値が減少しているものの、顕著であるとは言えない。これは、ゲート絶縁膜12のシリコン基板11との界面付近に窒素が蓄積しているためである。
【0035】
なお、上記実施形態では、ステップS13のポストプラズマ窒化処理に代えて、窒素雰囲気下でウエハをアニールする窒化処理を行うことも出来る。窒素雰囲気には、例えばNH雰囲気やN雰囲気を用いる。この窒化処理では、基板温度を800℃以下に設定することによって、上記実施形態と同様に、ゲート絶縁膜12のシリコン基板11との界面付近への窒素の拡散を抑制しつつ、ゲート絶縁膜12の上面付近を局所的に窒化できる。
【0036】
上記実施形態では、また、ステップS11を省略して、シリコン基板11上にSiN層14又はSiON層を直接に成膜することも出来る。この場合、ステップS13のポストプラズマ窒化処理によって、SiN層14又はSiON層の上面付近を局所的に窒化できる。このポストプラズマ窒化処理に際しては、ゲート絶縁膜12のシリコン基板11との界面付近への窒素の拡散が充分に抑制されるように、その条件を適宜に調節する。
【0037】
以上、本発明をその好適な実施形態に基づいて説明したが、本発明に係る半導体装置の製造方法は、上記実施形態の構成にのみ限定されるものではなく、上記実施形態の構成から種々の修正及び変更を施した半導体装置の製造方法も、本発明の範囲に含まれる。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】本発明の一実施形態に係る半導体装置の製造方法で形成される、ゲート絶縁膜の層構造を示す断面図である。
【図2】図1のゲート絶縁膜を形成するための手順を示すフローチャートである。
【図3】図2のステップS12の手順を詳細に示すフローチャートである。
【図4】図4(a)は、図3のステップS21の初期段階におけるゲート絶縁膜の層構造を示す断面図であり、図4(b)は、図4(a)に後続する段階におけるゲート絶縁膜の層構造を示す断面図である。
【図5】実施例、第1〜5比較例の半導体装置について、RBS法によって測定されたN/Si組成比を示すグラフである。
【図6】実施例、第1,2,4比較例の半導体装置について、SIMS法によって測定された膜中窒素濃度を示すグラフである。
【図7】実施例、第1,2,4,6比較例の半導体装置について測定されたフラットバンド電圧Vfbの値を示すグラフである。
【符号の説明】
【0039】
11:シリコン基板
12:ゲート絶縁膜
13:SiO
14:SiN層
21:シリコン単原子層
21a:シリコン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
シリコン基板上に窒素含有ゲート絶縁膜を形成する、半導体装置の製造方法であって、
SiN膜の化学量論的組成よりも窒素が少ない窒素含有シリコン膜を形成する工程と、
前記窒素含有シリコン膜を窒化する工程とを有することを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項2】
前記窒化工程は、500℃未満の基板温度を採用するプラズマ窒化法で行う、請求項1に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項3】
前記窒化工程は、窒素雰囲気下で800℃以下の基板温度で行う、請求項1に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項4】
前記窒素含有シリコン膜を形成する工程に先立って、シリコン基板上にシリコン酸化膜を形成する工程を更に有する、請求項1〜3の何れか一に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項5】
前記窒素含有シリコン膜を形成する工程は、シリコン単原子層を堆積する工程と、該シリコン単原子層を窒化する工程とを繰り返し行う、請求項1〜4の何れか一に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項6】
前記シリコン単原子層を窒化する工程は、500℃以上の基板温度を採用するプラズマ窒化法で行う、請求項5に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項7】
前記窒素含有シリコン膜を窒化する工程では、シリコン基板に近い側の表面部分の窒化濃度が、シリコン基板から遠い側の表面部分の窒化濃度よりも低くなるように窒化する、請求項1〜6の何れか一に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項8】
前記窒素含有シリコン膜がSiON膜である、請求項1〜4の何れか一に記載の半導体装置の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2007−281181(P2007−281181A)
【公開日】平成19年10月25日(2007.10.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−105442(P2006−105442)
【出願日】平成18年4月6日(2006.4.6)
【出願人】(500174247)エルピーダメモリ株式会社 (2,599)
【Fターム(参考)】