説明

半導体装置及びそのレイアウト作成方法

【課題】半導体装置及びその製造方法において、ゲート電極部の幅及びゲート電極部からの突き出し長のばらつきを低減する。
【解決手段】半導体装置は、ゲート電極部及び突き出し部を有する実パターン431と、実パターン431に並んで配置されるダミーパターン433とを含む複数のラインパターンを備える。2つのダミーパターン433と、これらに挟まれ且つ実パターン432を含むラインパターンとにより、同一間隔を空けて並走するラインパターン並走部が構成される。ラインパターン並走部の各ラインパターンは、同一の幅を有すると共に、互いに実質的に面一なライン終端部414を有する。各ライン終端部414の延長線上に、同一の終端部間距離403を空けて、ライン終端部均一化ダミーパターン420が形成される。ライン終端部均一化ダミーパターン420は、ラインパターンと同一幅で且つ同一間隔に形成された複数のライン状のパターンを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、半導体装置及びそのレイアウト作成方法に関し、特に、トランジスタのゲートを構成する層について、パターンの加工精度を向上することに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、半導体を用いた大規模集積回路装置(以下、LSIと称する)の高集積化のために、回路パターンの微細化がますます進行している。その結果、回路を構成するラインパターンの細線化、絶縁層を介して多層化された配線同士をつなぐコンタクトホールパターン等の微細化が非常に重要となり、リソグラフィーによって露光できる限界以上に細いパターンを形成することが必要となってきている。
【0003】
このような微細化に伴い、レイアウトパターンの形状に依存して、加工寸法と意図した設計寸法とを一致させることが困難になってきている。これは、例えば、LSI製造工程の主要工程のうちリソグラフィー工程における光近接効果、エッチング工程におけるマイクロローディング効果等の影響によるものである。
【0004】
これに対応するために、高精度なシミュレーションを行ない、意図した加工寸法が得られるように露光マスクのパターン寸法、形状を補正する方法が導入されている。例えば、OPC(Optical Proximity Correction、光近接効果補正)処理である。しかし、大規模なデータに対して十分な補正精度を得ることは困難であり、その計算時間も膨大である。
【0005】
そこで、前記の効果を発生させる原因となるレイアウトのバリエーション、つまりパターンの粗密等を均一にするために、ダミーパターンを挿入する方法が提案されている。ダミーパターンは、実質的な回路機能を構成しない部分のパターンであり、加工パターンの精度向上、加工不良の抑制等を目的として設けられる。
【0006】
回路パターンにおいて最も加工寸法精度を必要とするのは、トランジスタの構成に関わる部分である。これに関し、MOS(Metal Oxide Semiconductor )トランジスタのレイアウトを表す図13を参照して説明する。図13に示す通り、ゲート層を表すラインパターン10は、活性化層を表す活性化層パターン11とオーバーラップしたライン部を有する。当該オーバーラップしたライン部がトランジスタのゲート部13となる。また、活性化層パターン11のゲート部13を挟む部分がトランジスタのソース・ドレイン部パターン14となる。ソース・ドレイン部パターン14に挟まれたゲート部13のライン幅をゲート長13Aと呼び、この値がトランジスタの動作に大きな影響を有する。
【0007】
また、ゲート部13は、活性化層パターン11上からから突き出したライン終端部を有する。当該部分はゲート突き出し部15と呼ばれ、これが十分な大きさを有していない場合、トランジスタのソース・ドレイン間にリーク電流が発生し、回路動作に大きな支障を及ぼす。更に、以前は十分な大きさで存在するだけで良いと考えられていたゲート突き出し部15についても、近年では、突き出し部15の長さである突き出し長15Aが回路動作に影響することが認識されている。よって、突き出し部15に関する寸法精度も重要となっている。
【0008】
次に、特許文献1に記載されたライン幅の寸法精度を向上させる方法について図14(a)及び(b)を参照して説明する。図14(a)は、当該方法において、実パターン21に加えてダミーパターン22を配置した状態を示し、図14(b)は、図14(a)におけるXIVb-XIVb'線による断面図である。図14(a)及び(b)に示すように、半導体基板20上に実パターン21が形成されると共に、当該実パターン21の配置されない空き領域には実パターン21とほぼ等しい幅及び間隔にダミーパターン22が形成されている。このようにダミーパターン22を設けることにより、パターン密度をほぼ等しくすることができ、ラインパターンのライン幅寸法精度を向上させる。
【0009】
次に、特許文献2に記載されたライン終端部幅の寸法を向上させる方法について、図15を参照して説明する。図15には、配線パターンの実パターン30と、当該実パターン30のライン終端部付近に設けられたドット状のダミーパターン31とが示されている。ドット状のダミーパターン31は、配線間の最小間隔と同程度の間隔を実パターン30から離して配置可能であるから、各々のライン終端部におけるパターンの粗密差を低減し、加工寸法の変化を抑制することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開平9−311432号公報
【特許文献2】特開平11−095406号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
しかしながら、実パターンの疎密差をダミーパターンにより補完して均一化させるにも限度があり、特に、ライン幅とライン終端部の疎密差を同時に十分に均一化することは困難である。その結果、依然として高精度のシミュレーションを伴うOPC等が要求され、十分な補正精度を得るための計算に長時間を要する。
【0012】
前記に鑑み、本開示の目的は、ライン幅と、ライン終端部の各々の疎密差とをいずれも均一化し、特に、ゲート部を構成するゲート長に相当する各ライン部の幅、及び、各ゲート突き出し部の突き出し長のばらつきを抑制する、レイアウトパターン設計方法及びそれを用いた半導体装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
前記の目的を達成するため、本発明の半導体装置は、ゲート電極部及びゲート電極部から所定の距離だけ突き出した突き出し部を有する実パターンと、実パターンに並んで配置されるダミーパターンとを含む複数のラインパターンを備え、2つのダミーパターンと、これらに挟まれ且つ少なくとも1つの実パターンを含む少なくとも1つのラインパターンとにより、同一間隔を空けて並走するラインパターン並走部が構成され、ラインパターン並走部に含まれるそれぞれのラインパターンは、同一の幅を有すると共に、少なくとも一端において、互いに実質的に面一なライン終端部を有しており、ラインパターン並走部におけるそれぞれのライン終端部の延長線上に、同一の終端部間距離を空けて、ライン終端部均一化ダミーパターンが形成され、ライン終端部均一化ダミーパターンは、ラインパターンと同一幅で且つ同一間隔に形成されたライン状のパターンを含む。
【0014】
このような半導体装置によると、以下に説明する通り、容易に高性能な半導体装置を実現できる。
【0015】
まず、いずれも同じ幅である実パターン及びダミーパターンが同一間隔に並走していることにより、ゲート電極部の周囲に関してパターンレイアウトが均一化されている。
【0016】
更に、実パターンにおけるライン終端部とダミーパターンにおけるライン終端部とが実質的に面一に並んで終端している。また、各ライン終端部の延長線上に、各ライン終端部から同じ間隔を空けて、各ライン終端部と同じ幅で且つ同じ間隔のライン終端部均一化ダミーパターン形成されている。これらのことから、ライン終端部の周囲に関してもパターンレイアウトが均一化されている。よって、実パターンのライン終端部に位置する突き出し部の周囲についてもパターンレイアウトが均一化されていることになる。
【0017】
このように、ゲート電極部及び突き出し部のいずれについても周囲のパターンレイアウトが均一化されているので、シミュレーションを要しない簡易なOPC処理によって高精度にパターンレイアウトを形成し、高性能な半導体装置を実現できる。
【0018】
尚、ライン終端部均一化ダミーパターンの前記複数のライン状のパターンは、互いに結合されていても良い。
【0019】
このことにより、これらのライン状のパターンの倒壊、剥離等を抑えることができる。この効果は、隣り合う少なくとも2つのパターンが結合されていれば発揮され、より多くのパターンが結合されていれば更に顕著になる。
【0020】
また、ライン終端部均一化ダミーパターンの複数のライン状のパターンは、それぞれ、長さ方向の中央付近において結合されていても良い。
【0021】
パターンの倒壊は、製造中の半導体装置を液体に浸す工程において発生しやすく、パターン間に発生する表面張力が原因の1つである。表面張力は中央付近に発生するので、中央付近においてライン状のパターン同士が結合されているのがよい。
【0022】
また、ラインパターン並走部に含まれる複数のラインパターンは、いずれも一続きのパターンであり且つライン方向の長さが同じであっても良い。
【0023】
このようになっていると、各ラインパターンがより均一になるので、より容易に精度良くパターンを形成できる半導体装置となる。
【0024】
また、ラインパターン並走部において、2本のダミーパターンに挟まれるラインパターンは、実パターン及びダミーパターンの両方を含んでいても良い。
【0025】
実パターンの隣に他のラインパターンが並走していない場合、実パターンの周囲においてレイアウトパターンの均一性が低下する。これを避けるために、ラインパターン並走部において実パターン同士の間に空きができる場合には、ダミーパターンを配置することができる。
【0026】
また、ライン終端部均一化ダミーパターンのライン方向の長さは、ラインパターン並走部のライン方向の長さよりも短くても良い。
【0027】
ライン終端部均一化ダミーパターンは、ラインパターン並走部のライン終端部の周囲におけるパターンレイアウトを均一にする目的で形成されるのであるから、光近接効果等に関係する範囲の長さに形成すればよい。更に、長すぎると半導体装置のレイアウトにおいてライン終端部均一化ダミーパターンが占める面積が大きくなるので、これを避けるために、必要な範囲で短くするのが望ましい。
【0028】
また、ライン終端部均一化ダミーパターンは、実パターンを含む領域を挟むように対に形成されていても良い。
【0029】
これにより、実パターンの両端の周囲について、ライン終端部均一化ダミーパターンによりレイアウトパターンが均一化されるので、精度良く形成された半導体装置が実現する。
【0030】
また、ラインパターン並走部に含まれる複数のラインパターンは、両端において、互いに実質的に面一に終端するライン終端部をそれぞれ有し、ラインパターン並走部に含まれる複数のラインパターンの両端において、それぞれのライン終端部の延長線上に、同一の終端部間距離を空けて、ライン終端部に対して線対称となるパターンが設けられていても良い。
【0031】
ラインパターン並走部の面一になった各ライン終端部に対し、他のラインパターンがそれぞれ延長線上に配置されて線対称になっていると、それぞれのライン終端部の周囲におけるパターンレイアウトは均一になる。このように、ライン終端部均一化ダミーパターンと、他のラインパターンとによりラインパターン並走部が挟まれた構造であっても良い。
【0032】
また、実パターンを含む領域は、少なくとも2種類のダミーパターンに取り囲まれており、そのうちの一種類のダミーパターンがライン終端部均一化ダミーパターンであっても良い。
【0033】
つまり、ラインパターン並走部に更に並走するような他のダミーパターン、ラインパターン並走部及びライン終端部均一化ダミーパターンの周囲を更に囲むダミーパターン等を更に備えていても良い。
【0034】
また、ライン終端部均一化ダミーパターンは、4μm以上の長さに亘って連続するように互いに結合されていても良い。
【0035】
ライン終端部均一化ダミーパターンの倒壊、剥離等を抑えるためには、ライン状のパターンがより長く連続しているのが好ましく、特に、4μm以上に亘って結合されているのが良い。
【0036】
また、露光波長をλ、露光装置の開口数をNAとするとき、ラインパターン並走部に含まれるラインパターンの幅は、0.5×λ/NA以下であっても良い。
【0037】
また、露光波長をλ、露光装置の開口数をNAとするとき、突き出し部の長さは、0.5×λ/NA以下であっても良い。
【0038】
また、露光波長をλ、露光装置の開口数をNAとするとき、終端部間距離は、0.5×λ/NA以下であっても良い。
【0039】
それぞれ、単純なリソグラフィによる加工が困難になるこのような寸法の半導体装置において、容易且つ高精度なパターン形成を可能とする効果が顕著になる。
【0040】
また、露光波長をλ、露光装置の開口数をNAとするとき、ライン終端部均一化ダミーパターンのライン方向の長さは、0.5×λ/NA以上であっても良い。
【0041】
ライン終端部均一化ダミーパターンを形成するためには、このような寸法であることが望ましい。
【0042】
また、露光波長をλ、露光装置の開口数をNAとするとき、ライン終端部均一化ダミーパターンに含まれるライン状のパターン同士を結合させる結合部の幅は、0.3×λ/NA以上であっても良い。
【0043】
より確実にライン状のパターン同士を結合させるためには、このような幅の結合部であるのがよい。
【0044】
また、実パターンは、メタルゲートであっても良い。この場合にも本発明の効果は実現できる。
【0045】
また、ラインパターン並走部は、隣り合う複数のラインパターンが互いに結合された幅を有すると共に、ライン終端部と同一幅で且つ同一間隔に並走して面一に終端する突起部を有する幅広パターンを含んでいても良い。
【0046】
幅広パターンは、隣り合う複数の実パターンにおけるゲート電極部の全体同士が互いに結合された形状と考えても良い。ゲート電極部から突き出す突き出し部については、他の実パターンと同一幅及び間隔に並走して形成され、これらの延長線上にもライン終端部均一化ダミーパターン(又は、実パターン、ダミーパターンのいずれかのライン終端部)が形成されている。
【0047】
このようにすると、ゲート長の異なるゲート電極部を設けることができ、且つ、ライン終端部の周囲に関するパターンレイアウトの均一性が低下するのを避けることができる。
【0048】
次に、本発明の半導体装置のレイアウト作成方法は、ゲート電極部を有する実パターンと、実パターンに並んで配置されるダミーパターンとを含む半導体装置のレイアウト作成方法において、実パターン及びダミーパターンを含み且つ矩形状の領域を占めるスタンダードセルのレイアウトパターンを作成する工程(a)と、スタンダードセルを複数並べてロジック回路領域を構成した後に、ロジック回路領域の周囲にライン終端部均一化ダミーパターンを配置する工程(b)とを備え、工程(a)は、ゲート電極部を構成するライン部の幅及び方向が統一された実パターンを作成する工程と、矩形状のセル領域内に仮想的に設定された平行且つ等間隔のグリッドライン上に、実パターンのライン部を配置する工程と、グリッドライン上の実パターンが配置された領域以外の空き領域に、実パターンと同一幅のダミーパターンを配置する工程と、ライン部の延びる方向とは垂直な向きであるスタンダードセルの外周に面して終端する実パターン及びダミーパターンのライン終端部が実質的に面一になるように揃える工程とを含み、工程(b)は、ライン終端部の延長線上に、同一の終端部間距離を空けて、ライン終端部に対して線対称となる複数のライン状のパターンを配置する工程と、複数のライン状のパターンが互いに結合されたパターンを形成する工程とを含む。
【0049】
このような半導体装置のレイアウト作成方法によると、実パターンのゲート電極部及びライン終端部(突き出し部)の両方について、周囲のレイアウトパターンの均一性が高いレイアウトを作成することができる。よって、シミュレーションを用いる必要のない簡易なOPC処理によってもゲート電極部及び突き出し部の寸法・形状を高精度に形成でき、ばらつきを抑制して、高性能な半導体装置を実現することができる。
【発明の効果】
【0050】
以上に説明したレイアウトの作成方法によると、個々のラインパターンにおけるゲート電極部の寸法精度を向上すると共に、複数のゲート電極部の間のパターン間隔について寸法ばらつきを大幅に低減できる。更に、ラインパターンの終端部(ゲート電極部から突き出す突き出し部)についても加工精度を向上できる。この効果は、半導体装置の製造におけるリソグラフィ工程にて形成するパターンが微細になるほど顕著になる。よって、より高性能な半導体装置と、そのレイアウトの作成方法が実現する。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】図1は、本開示の一実施形態の例示的半導体装置のレイアウト方法について示す図であり、活性層と、ゲート電極部を有する実パターンとのレイアウトを示している。
【図2】図2(a)及び(b)は、図1に続いてレイアウト方法について示す図であり、等間隔のグリッドライン及びダミーパターンの配置について示している。
【図3】図3(a)〜(c)は、図2(a)及び(b)に続いてレイアウト方法について示す図であり、それぞれスタンダードセルのライブラリー例を示している。
【図4】図4は、図3(a)〜(c)に続いてレイアウト方法について示す図であり、ライブラリーによる回路部の構成とライン終端部均一化ダミーとについて示している。
【図5】図5は、図4と同様に、ライブラリーによる回路部の構成とライン終端部均一化ダミーとについて示している。
【図6】図6は、複数種類のダミーパターンにより回路部を取り囲む構成について示している。
【図7】図7(a)〜(c)は、本開示の一実施形態のパターン構成の例を示す図である。
【図8】図8(a)〜(f)は、本開示の一実施形態の例示的半導体装置の製造方法を説明する図である。
【図9】図9(a)〜(d)は、本開示の一実施形態の例示的半導体装置の製造方法に関し、設計パターン、マスクパターン及び加工パターンを示す図である。
【図10】図10は、本開示の一実施形態の例示的半導体装置に関し、メタルゲート構造を用いた場合に生じうる欠陥について示す図である。
【図11】図11(a)〜(d)は、本開示の一実施形態の例示的半導体装置の製造方法に関し、マスクエンハンサーを用いた場合の設計パターン、マスクパターン及び加工パターンを示す図である。
【図12】図12は、本開示の一実施形態の例示的半導体装置について、線幅の異なるゲートパターンを含むレイアウトを示す図である。
【図13】図13は、一般のトランジスタのレイアウトを示す図である。
【図14】図14(a)及び(b)は、実パターンと平行なダミーパターンを設けることについて示す図である。
【図15】図15(a)及び(b)は、ライン終端部周辺にドット状のダミーパターンを設けることについて示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0052】
以下、図面を参照しながら本開示の一実施形態について説明する。
【0053】
図1は、本実施形態の例示的半導体集積回路における物理的なレイアウト構造を示す図である。当該レイアウト構造において、半導体基板上に、活性層パターン100、ゲート層パターン101等の複数層のパターンが積層して形成されている。このように、少なくとも1つのトランジスタを構成するパターンの集合体のレイアウトをセルと呼ぶ。異なる回路動作をする幾つかのセルを複数作成し、配置することによって集積回路の全体を構成する。
【0054】
これらのセルは集積回路の複数の位置に繰り返し配置されるので、ライブラリーとも呼ばれる。更に、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor )型のロジック回路を構成するセルは、P型トランジスタ102及びN型トランジスタ103の二種のトランジスタにより構成され、基本的な論理機能を有するセルとして作成されるので、スタンダードセルと呼ばれる。
【0055】
半導体装置の製造に用いるマスクを作成する際には、図1のような複数層のパターンのデータを層毎に分割し、コンピュータ処理を行なってマスクデータを作成する。このマスクデータを用い、それぞれの層について、パターンを半導体基板上に形成するためのマスクを作成する。つまり、論理レイアウト構造における各層のパターンに対し、当該パターンを半導体基板上に実現するためのマスクパターンを有するマスクがそれぞれ形成される。
【0056】
以下には、本実施形態の例示的半導体集積回路に関し、レイアウトパターン及びその作成方法を説明する。
【0057】
まず、ゲート電極部を構成するラインパターンの幅を所定の寸法、例えば30nmのように固定する。つまり、1つのセル内に存在するゲートについては、全て所定のゲート長を有するようにする。また、1つのセル内のゲート電極部を構成する各ラインパターンの方向は、1つに統一されていることが好ましい。
【0058】
図2(a)に、1つのセルにおける活性層パターン100と、ゲート電極部202を含むラインパターン(以後、実パターン210aと呼ぶ)との配置について示す。ゲート電極部202は、実パターン210aのうち活性層パターン100と重なる部分である。
【0059】
図2(a)に示す通り、所定方向(図2(a)では横方向)に一定間隔に並ぶように設定されたグリッドライン201を想定し、実パターン210aをグリッドライン上に配置する。
【0060】
また、それぞれの実パターン210aは、ライン終端部がセル境界において互いに面一に終端するように構成する。つまり、図2(a)に示す通り、それぞれの実パターン210aは、上下のセル境界の直線203に沿うように、凹凸無しに揃って終端する。
【0061】
尚、実パターン210a同士が、その中央部付近等において(グリッドライン201とは交差する方向に)結合されていても良い。また、セルの上下に亘っては続いていない(グリッドライン201の途中で途切れている)パターンが含まれていても良い。
【0062】
次に、図2(b)に示すように、実パターン210aのゲート電極部に隣接するグリッドラインのうちパターンが配置されていない空き領域に対し、実パターン210aと同じ幅のラインパターンであるダミーパターン210bを挿入する。これにより、各ゲート電極部202は、当該ゲート電極部202と同一幅のラインパターン(実パターン210a、ダミーパターン210b)により同一間隔を空けて両側から挟まれた構成となる。このようにして、実パターン210a及びダミーパターン210bによりラインパターン並走部が構成される。
【0063】
このようにダミーパターン210bを配置すると、各ゲート電極部202の周囲においてパターン密度が均一になる。この結果、このレイアウトのパターンを実際に加工する際に、各ゲート電極部202のパターン幅を同じ寸法に加工することが容易になる。尚、以下では、ゲート電極部202を含む実パターン210aに変更に並んで挿入されるダミーパターンをゲート部均一化ダミーと呼ぶことがある。
【0064】
一般に、リソグラフィ工程である露光工程において、露光波長をλ、露光装置の開口数をNAとすると、0.5×λ/NA以下の寸法になると加工は困難であり、0.3×λ/NA以下では極めて困難である。そこで、以上のように実パターン210a及びダミーパターン210bを配置することが、線幅が0.5×λ/NA以下のラインパターンに関する寸法精度向上のために特に有効であり、0.3×λ/NA以下の線幅のパターンに対しては更に有効である。
【0065】
一例として、露光波長として193nm(ArFエキシマレーザー)を挙げることができ、液浸露光を用いる場合、開口数NAとしては1.2となる。よって、効果が顕著になる線幅の具体例は、80nm以下、更には48nm以下である。
【0066】
また、ダミーパターン210b同士の間においてグリッドライン201に空き領域が存在する場合、当該空き領域にもダミーパターン210bを挿入するのが良い。このようにすると、ゲート電極部202周囲のより広い範囲においてパターンが均一化されるので、加工の容易化、高精度化のために有利である。
【0067】
この点から、セルにおけるラインパターンに並ぶように、セルの境界部にもダミーパターンを設けることがより好ましい(図2(b)の場合、セルの左右にダミーパターンを設ける)。このようにダミーパターンを挿入してレイアウトを均一化する範囲は、ゲート電極部202を中心として露光波長よりも長い寸法の範囲であることが好ましい。更には、露光波長の3倍程度の範囲であれば、各々のラインパターンの寸法を同じにすることが可能であり、マスクの補正に高精度なシミュレーションは不要となるので好ましい。
【0068】
更に、これらのダミーパターン210bは、実パターン210aのライン終端部と面一になるように構成する。つまり、図2(b)に示す通り、実パターン210aに加えてダミーパターン210bについても、上下のセル境界の直線203に沿うように凹凸無しに揃って終端させる。セル境界部に配置したダミーパターンについても、同様に実パターン210aと面一に(直線203に沿うように)終端させる。
【0069】
尚、グリッドライン201の途中で途切れている実パターン210aが存在する場合、そのグリッドライン201の実パターン210aが存在しない部分にもダミーパターン210bを配置する。
【0070】
以上のように構成したセルを複数用意し、LSI回路を構成するライブラリーとする。例えば、図3(a)〜(c)にそれぞれ示すように、矩形領域を占める3つのセルA、セルB及びセルCをライブラリーとして用意する。通常、CMOSの基本構成としては、P型及びN型の2つのタイプのゲート電極部を有するトランジスタを形成するので、一続きのラインパターンが2つのゲート電極部を有するように構成する。このような構成であってライブラリーとなるセルは、スタンダードセルとも呼ばれる。
【0071】
セルA、セルB及びセルCはいずれもCMOS型のロジックライブラリーの例であり、2つのゲート電極部が一続きのラインパターンにより結合され、それぞれのゲート突き出し部はセル境界に面している。ラインパターンの延びる方向をセルの上下方向とすると、各ゲート突き出し部を構成するライン終端部は、上下のセル境界において面一になっている。また、面一になったライン終端部間の距離、つまり、セルの上下方向の寸法(セル高さH)は、複数のライブラリーについて共通になっている。
【0072】
次に、これらのセルA、セルB及びセルCを並べて目的のロジック回路を構成することについて、図4を参照して説明する。
【0073】
各セルA〜Cは、それぞれに含まれるラインパターンが配置されたグリッドラインを一致させるように配置する。つまり、図4に示す通り、上下(ラインパターンの延びる方向)に隣接するセル同士について、ラインパターン同士が同一直線上に並ぶように配置する。例えば、セルA中のラインパターン431と、セルAに上下方向に並ぶセルB中のラインパターン432とが、同じ補助線401上に並ぶようにする。ラインパターン431及び432は共に実パターンであるが、ダミーパターン433(ゲート部均一化ダミー)に関しても同様に同一直線上に並ぶように配置する。
【0074】
また、上下方向に並ぶセル同士の境界部(セル間境界部402)において、各ラインパターンのライン終端部同士は、同じライン終端部間距離403をおいて向かい合い、セル間の境界に対して線対称になる配置とする。
【0075】
これにより、セル間境界部402に面したゲート突き出し部を構成する1つの実パターンのライン終端部411に対し、その両側に同じ幅のライン終端部412及び413が配置されていると共に、これらのライン終端部411、412及び413に対してそれぞれ同じ間隔をおいて別のライン終端部が対向することになる。この結果、セル間境界部402に面する各ライン終端部の周辺において、レイアウトが一致し、均一になる。よって、OPC等のマスク設計において、高度なシミュレーション等を用いることなく各ライン終端部の寸法を同一にすることが容易にできる。マスク処理の計算負担が軽減され、且つ、寸法精度についても大きく向上することになる。
【0076】
更に、並べて配置されたセルと、その周囲の空白領域との境界部(セル外周境界部421)に面するライン終端部414に対し、それぞれの延長線上に、同じライン終端部間距離403をおいてダミーパターン420が配置されている。このとき、セル外周境界部421を挟んでセル内のラインパターンのライン終端部と、ダミーパターン420のライン終端部とは線対称となる配置になっている。ダミーパターン420は、セル内のラインパターンと同一幅であり且つ同一間隔に配列されている。
【0077】
これにより、セル外周境界部421に面するライン終端部についても、その周辺のレイアウトを一致させて、均一にすることができる。よって、OPC等のマスク設計において、高度なシミュレーション等を用いることなく各ライン終端部の寸法を同一にすることが容易にできる。結果として、マスク処理の計算負担が軽減され、且つ、寸法精度についても大きく向上する。尚、このように、ライン終端部と対向するようにセルの外側に配置されたダミーパターン420について、ライン終端部均一化ダミーと呼ぶことがある。
【0078】
ライン終端部均一化ダミーについても、リソグラフィ工程である露光工程において露光波長をλ、露光装置の開口数をNAとするとき、突き出し長が0.5×λ/NA以下である場合に寸法精度向上のために特に有効であり、0.3×λ/NA以下の場合には更に有効である。
【0079】
以上のような構成により、セル外周境界部421に面したゲート突き出し部を構成するラインパターンと、セル間境界部402に面したゲート突き出し部を構成するラインパターンとの両方について、ライン終端部の寸法を均一にすることができる。この結果、各ラインパターンについて、ゲート電極部が位置する中間の部分及び突き出し部となるライン終端部のいずれについても、高度なシミュレーション等を用いることなく各ライン終端部の寸法を同一にすることが容易にできる。
【0080】
また、図5に、変形例のライン終端部均一化ダミー422に関して示している。既に説明した通り、図4に示すライン終端部均一化ダミー(ダミーパターン420)は、セル内のラインパターンのライン終端部にそれぞれ対向する個別のライン状パターンからなる。これらと同様のライン状パターンが結合部422aによって複数結合されたパターンとすると、図5に示すライン終端部均一化ダミー422になる。詳しくは後に更に説明するが、このようにすると、ライン終端部均一化ダミーが占める面積を縮小することができ、且つ、半導体装置の製造工程等において倒壊・剥離して回路動作を阻害する原因となるのを避けることができる。
【0081】
また、図6には、更なる変形例のレイアウトを示している。ここでは、セルA、セルB及びセルCによりロジック回路が構成され、当該ロジック回路を上下方向(ラインパターンの延びる方向)から挟むようにライン終端部均一化ダミー422が配置されている。更に、ロジック回路及びライン終端部均一化ダミー422の外側に、面積率及び周囲長調整用の他のダミーパターン600が設けられている。
【0082】
このようにすると、ロジック回路に関する局所的なレイアウトの均一性に加えて、より広い範囲における面積率及び周囲長に関しても均一性を向上することができる。このようなレイアウトは、実パターン210aと面積率及び周囲長調整用の他のダミーパターン600との間に、ゲート部均一化ダミー及びライン終端部均一化ダミーの両方が配置されている構成と考えても良い。
【0083】
また、ロジック回路(セルA〜C)のラインパターンと並走するように、ライン状のダミーパターン601を更に備えていても良い。このようなダミーパターンについても、ロジック回路におけるラインパターンの均一化に貢献する。これは、ロジック回路が、ライン終端部均一化ダミー422、面積率及び周囲長調整用の他のダミーパターン600、ロジック回路のラインパターンに並走するダミーパターン601により取り囲まれている構成と考えても良い。更に、ライン終端部均一化ダミー422は、ロジック回路に並走するダミーパターン601のライン終端部に対しても、その延長線上に配置されたライン状パターンを含んでいる構造としても良い。
【0084】
尚、面積率及び周囲長調整用の他のダミーパターン600については、ゲート部均一化ダミー及びライン終端部均一化ダミーとは異なる形状(単一の正方形、複数のパターンの集合等)を有しており、隣接するダミーパターン、ライン終端部均一化ダミー等のパターンとは相互に干渉し難い距離を空けて配置されている。例えば、露光波長をλ、露光装置の開口数をNAとするとき、λ/NA以上離れた位置に設けられている。また、実パターンの寸法よりも大きいことが望ましい。
【0085】
次に、以上のようなレイアウト作成方法により作成されるパターンの構成について、図7(a)〜(c)を参照して更に説明する。
【0086】
図7(a)には、ゲート電極部を有するラインパターンである実パターン700を1つだけ含み、その周囲にダミーパターンが配置されたレイアウトを示している。但し、これは説明のための単純な例として示すものであり、いずれかのダミーパターンに代えて実パターンが形成されていても良い。
【0087】
ゲート電極部を有する実パターン700の両側に同じ間隔をおいて並走するように、実パターン700と同じ幅のラインパターンであるゲート部均一化ダミー701が配置されている。つまり、レイアウトを構成するラインパターンは、三本以上の同一幅のラインパターンが同一間隔にて平行に並走するラインパターン並走部を有しており、少なくともその1本がトランジスタのゲート電極部となって回路素子を構成している。このようなラインパターン並走部は、ゲート部均一化ダミーを用いることによって実現可能となる。
【0088】
また、ラインパターン並走部の実パターン700は、活性層パターン100と重なるゲート電極部から所定の突き出し長710だけ突き出したライン終端部703を有する。更に、ラインパターン並走部のラインパターンは、それぞれ、互いに面一になるようなライン終端部を有する。言い換えると、ラインパターン並走部のゲート部均一化ダミー701は、実パターン700のライン終端部703に沿って並走し、ライン終端部703に対して面一となるように終端する。
【0089】
更に、ラインパターン並走部の各ライン終端部に対し、それぞれの延長線上には、同じライン終端部間距離711をおいて対向するように、ライン状のライン終端部均一化ダミー721が配置されている。ライン終端部均一化ダミー721は、実パターン700及びゲート部均一化ダミー701と同一幅であり且つ同一間隔をおいて並走しており、ライン終端部は面一になっている。
【0090】
以上の構成は、突き出し長710が露光工程の露光波長及λ及び露光装置のNAに対して0.5λ/NA以下であるパターンの寸法精度向上に特に有効であり、0.3λ/NA以下のパターンについては更に有効である。
【0091】
同様に、ライン終端部間距離711に関しても、これが0.5λ/NA以下である場合に以上の構成が有効であり、0.3λ/NA以下である場合には更に有効である。
【0092】
これは、リソグラフィによる加工が困難になるこのような寸法において、レイアウトを均一化する効果が顕著に発揮されるからである。
【0093】
また、一般に、リソグラフィ工程において、特定の箇所に対して強い影響を与えるのは、その周囲の露光光の波長程度の範囲である。また、波長の3倍程度離れると、影響は極めて小さくなる。よって、ライン終端部均一化ダミー721の長さ712は、0.5λ/NA以上であることが好ましく、λ/NA以上であることが更に好ましい。
【0094】
また、図7(a)に示す実パターン700のように、活性層パターン100と重なるゲート電極部を2箇所に有している場合、その両方のゲート電極部に対してゲート部均一化ダミー701が並走していることが好ましい。また、2箇所のゲート電極部に対して、突き出し部の突き出し長が同一であることが好ましい。更に、それぞれの突き出し部を構成するライン終端部において、対向するライン終端部均一化ダミーとのライン終端部間距離が同一であることも好ましい。例えば、図7(a)において、実パターン700における両端の突き出し長710及び730が互いに等しいこと、ライン終端部間距離711及び731が互いに等しいことが好ましい。
【0095】
このような構成により、実パターン700の周囲におけるレイアウトの均一性が更に向上する。
【0096】
次に、図7(b)には、図7(a)のレイアウトの変形例を示している。図7(b)において、実パターン700及びゲート部均一化ダミー701については、図7(a)と同様である。図7(b)のレイアウトでは、ライン終端部均一化ダミーについて、ライン状のパターン721aが結合部750によって接合された構造を有する。
【0097】
ライン終端部均一化ダミーの長さは、0.3×λ/NA以上、好ましくは0.5×λ/NA以上であることが望ましい。しかし、回路としては機能しないダミーパターンであるから、無駄に領域を占めることは望ましくない。よって、ライン終端部均一化ダミーの長さ751としては、ライブラリー高さ752(ライン方向の寸法)よりも短いことが望まれる。
【0098】
この場合、一続きのパターンの面積が小さくなると、半導体装置の製造工程において、パターンが倒壊又は剥離しやすくなる。回路としては機能しないダミーパターンであるが、後にも更に説明する通り、剥がれたパターンが実パターン700に付着して致命的欠陥を生じる場合がある。そこで、パターンの倒壊、剥離等を抑えるために、一続きのパターンの面積が大きくなるように、結合部750によってライン状のパターン同士を結合させるのが好ましい。特に、一続きの実パターン700の典型的な面積に比べ、数倍以上、より好ましくは10倍以上の面積とする。また、4μm以上の長さに亘る範囲において各ライン状のパターンが結合部750によって結合されているのが良い。
【0099】
ここで、結合部幅755は、実パターン700のゲート電極部等における幅よりも太いことが望ましい。よって、結合部幅755は、0.3λ/NA以上、好ましくは0.5×λ/NA以上であることが好ましい。
【0100】
また、セルにおけるライン終端部の周囲のレイアウトを均一化するためには、結合部750からライン終端部703の側に延びる部分の長さ753についても、0.3λ/NA以上、好ましくは0.5×λ/NA以上であることが好ましい。
【0101】
また、ライン終端部均一化ダミーの結合部750は、ライン状のパターン721aの中央付近において各ライン状のパターン721aを結合しているのが良い。パターンの倒壊は、リソグラフィの現像工程等、製造中の半導体装置を液体に浸す際に発生しやすく、その原因はパターン間に発生する表面張力である。表面張力はラインパターンの中央付近に発生するので、パターンの倒壊を抑制するためには、ライン状のパターン721aの中央付近において結合されているのがよい。
【0102】
図7(c)には、ライン終端部均一化ダミーの倒壊及び剥離を更に効果的に防止することのできる例である。図7(c)の例では、結合部750が複数設けられている。特に、セルのラインパターンとは反対側の端部においてライン状のパターン721aが結合されている。この結果、ロジック回路に対して外側の空白領域に向かって孤立した微細部分が無くなり、倒壊、剥離に対してより丈夫なダミーパターンとなっている。
【0103】
以上、トランジスタ動作に関わるゲート電極部を構成するラインパターンについて、ライン幅及び突き出し長の寸法を高精度に形成するためのレイアウト構成を説明した。以下には、このようなレイアウトを有する半導体装置の製造方法について説明する。
【0104】
図8(a)〜(f)は、本実施形態の例示的半導体装置の製造工程を説明するための断面図である。ここでは、一例として、High-kゲート絶縁膜及びメタルゲートを用いた半導体装置を想定している。
【0105】
まず、図8(a)の工程において、基板800上に、ゲート絶縁膜801、金属膜802及びポリシリコン膜803をこの順に積層して形成する。ゲート絶縁膜801は、例えばHigh-k膜等であり、トランジスタのゲート絶縁膜となる。金属膜802は例えばTi等の化合物であり、ポリシリコン膜803と共に積層構造のゲート電極となる。
【0106】
次に、図8(b)に示すように、ポリシリコン膜803上にレジスト膜804を形成する。続いて、図8(c)に示すように、所望のゲート電極部のパターンを有するマスク805を用いて露光を行ない、レジスト膜804の所定部分を感光部804aとする。その後、現像液に浸す等の現像工程を経て、図8(d)に示す所望のパターンとなったレジストパターン804bを得る。
【0107】
このようなリソグラフィ工程に関し、図9(a)〜(d)を参照して更に説明する。
【0108】
図9(a)は、所望の平面形状を有する設計パターン901を示す。また、設計パターンを得るための露光用マスクパターン902について、平面図を図9(b)、そのIXc-IXc'線による断面図を図9(c)に示す。ここでは、ポジ型レジストを用いることを想定しており、マスクは、設計パターン901に対応する遮光パターンが、透明なマスク基板(例えば石英基板)上に形成されている。ここで、露光におけるパターン変形等が生じるので、これを逆算し、設計パターン901とは異なる複雑な形状の遮光パターンとなっている。一例として、ライン終端部にかけて線幅が太くなる等の形状である。この逆算された形状を得るための計算処理をOPCと呼び、設計パターン901から露光用マスクパターン902を得るためのOPC処理には膨大な計算時間を要する。
【0109】
図9(b)及び(c)に示す露光用マスクパターン902を用いると、リソグラフィ工程を経て、図9(d)に示す加工パターン903を得ることができる。
【0110】
図8(d)のようにポリシリコン膜803上にレジストパターン804bを形成した後、レジストパターン804bをマスクとしてエッチングを行なう。その後、レジストパターン804bを除去する。
【0111】
これにより、図8(e)に示すように、基板800上にゲート絶縁膜801を介して形成され、金属膜802及びポリシリコン膜803が積層され、所望のパターンを有するゲート電極部807が得られる。
【0112】
次に、図8(f)に示す通り、サイドウォール806を形成する。これは、通常のMOSトランジスタにおいてソース・ドレイン間の電界緩和のために行なう不純物注入の際に、マスクとしての役割を果たす。また、ゲート電極部の近傍にコンタクトホールを開口する際に、エッチングに対してゲート電極部807を保護する絶縁膜としての役割も有している。
【0113】
続いて、洗浄等の処理を経た後、配線層を形成してゲート電極部807を電気的に結合し、所望の機能を有する回路を構成する。
【0114】
以上の工程のうち、例えば現像工程において、製造中の半導体装置は現像液中に浸される。この際、微細なレジストパターンは表面張力等によって応力を受け、倒壊、剥離等を起こす場合がある。これは、微細なパターンほど発生しやすい。そこで、実パターンに比べて小さく形成するダミーパターンについては、互いに結合することにより倒壊等を抑制することが望ましい。
【0115】
特に、現像工程における倒壊を抑制するためには、ライン状のパターンの中央付近において結合することが望ましい。更に、ライン状のパターンの複数箇所によって結合することが望ましい。
【0116】
次に、図10(a)〜(f)を参照して、メタルゲート特有の問題について説明する。
【0117】
図9(b)及び(c)に示すマスクを用い、図8(a)〜(f)の方法によって形成されたゲート電極の平面図を図10(a)に示す。また、図10(a)におけるXb-Xb'線による断面を図10(b)に示す。符号については、図8(f)と同様である。
【0118】
図10(a)及び(b)のようにサイドウォール806が良好に形成されれば、目的の半導体装置を得ることができる。しかしながら、図10(a)及び(b)に対応する図10(c)及び(d)に示すように、サイドウォール806においてピンホール等の欠陥810が生じ、メタルゲート構造の金属膜802が露出してしまう場合がある。
【0119】
このような欠陥810は、ゲートの電極パターンの形成後、サイドウォール806を形成する前に生じていた微細パーティクル等によるゴミ欠陥が、サイドウォール806形成時にサイドウォール806に埋め込まれることによって発生する。ゴミ欠陥は、現像の際にレジストが溶解する空白領域において発生し、パターンの形成された部分に移動してくることが多い。よって、欠陥810についても、空白領域に面している箇所、つまり、本実施形態において設けられているダミーパターンにおいて生じる可能性が高い。ピンホール等の欠陥810が生じると、洗浄工程において、欠陥810から侵入した薬液によって金属膜802が溶ける場合がある。その結果、図10(e)及び(f)に示すように、金属膜802上に積層されたポリシリコン膜803等のリフトオフが発生する(図10(e)では、ポリシリコン膜803のリフトオフした跡をリフトオフ跡807aとして示している)。このようにしてリフトオフした部分が実パターン等に付着すると、回路動作を阻害する等の致命的な欠陥の原因となる。
【0120】
このように、メタルゲート構造を用いる場合、洗浄用の薬液等によって溶解しやすい金属膜802を含むので、ダミーパターンに微細なパーティクル等が付着してピンホール(欠陥810)となるだけで、半導体装置に致命的な欠陥を発生させることがある。
【0121】
ただし、このような欠陥の原因となるリフトオフは、欠陥810から侵入した薬液が一続きのパターンにおける金属膜802を全て溶解させた場合に発生する。そこで、リフトオフに起因する欠陥を抑制するためには、空白領域に面する部分(欠陥810の生じやすい箇所)のダミーパターンについて、面積を広くすることが好ましい。
【0122】
特に、High-kメタルゲートと呼ばれる半導体装置において使用されるチタン系の化合物からなる膜については、サイドウォールの欠陥から薬液が侵入するとし、数μm程度の範囲まで金属膜が溶解されてしまうことが知られている。よって、少なくとも数μm程度(例えば4μm程度)以上の範囲に亘ってダミーパターンを互いに結合しておくことが好ましい。これにより、サイドウォール806に欠陥810が生じていた場合にも、ダミーパターンの全体に亘って金属膜が溶解されることを抑制し、ポリシリコン膜803のリフトオフを抑制することができる。
【0123】
尚、実パターンにおいても、ピンホール等の欠陥が原因となってポリシリコン膜のリフトオフが生じることがある。しかしながら、前記の通り、欠陥の原因となるパーティクルの多くが空白領域において生じるので、実パターンを取り囲み、空白領域に面するダミーパターンについて互いに結合することにより、実パターンにおけるリフトオフを抑制することができる。結合されたダミーパターンの面積を、実パターンの面積に対して例えば10倍以上とすると、ダミーパターンのリフトオフに起因する半導体装置の製造歩留り低下を確実に抑制できる。
【0124】
また、以上では、図9(b)及び(c)に示すような通常の露光マスクを用いてパターン形成を行なう例を説明した。これに対し、マスクエンハンサーを用いると、ライン終端部(特に、ゲート突き出し部に相当するライン終端部)のパターン形成において、より確実に所望の設計パターン通りに加工を行なうことができる。ダブルパターニング等の技術も不要となり、1回の露光によって十分な解像力をえることができる。
【0125】
図11(a)〜(d)は、マスクエンハンサーに関して説明する図である。図11(a)に示す設計パターン1110に対し、これを形成するためのマスクエンハンサーを適用したマスクパターンは、平面図である図11(b)及びそのXIc-XIc'断面である図11(c)のようになる。具体的に述べると、透明基板1103に、設計パターンにおける微細なライン部に対応する位置に位相シフター部1101が設けられている。また、位相シフター部1101を取り囲むように、半遮光部1102が設けられている。ライン終端部が対向する領域1104には、対向するライン終端部を結合するように半遮光部1102が設けられ、更に、ライン終端部同士の間には半遮光部1102に囲まれて開口部1106が設けられている。
【0126】
以上のようなマスクは、図11(c)にも示す通り、透明基板1103上に半遮光部1102を設けると共に、透明基板を彫り込むことによって位相シフター部1101を設けることによって得られる。
【0127】
図11(d)には、図11(b)における領域1104について、パターン形成のシミュレーション結果を示す。マスクエンハンサーを用いると、ライン終端部の形状について設計パターンにより忠実な矩形状とすると共に、間隔を微細化することができる。
【0128】
次に、図12には、本実施形態の変形例の回路パターンについて示している。図12は、図4と同様に、複数のライブラリーから構成されたロジック回路を示す。但し、図12において、ゲート長の異なる複数のトランジスタが混在している点が図4とは相違する。
【0129】
つまり、図4と同様の実パターン1203、ゲート部均一化ダミー1205及びライン終端部均一化ダミー1202に加えて、実パターン1203よりもゲート長が長い(ラインパターンとしては、ライン幅の広い)広幅パターン1201が配置されている。広幅パターン1201は、隣り合う複数のラインパターンが、少なくともゲート電極部202において互いに結合された構造と考えることができる。よって、広幅パターン1201のゲート長は、ラインパターンのピッチ(実パターン1203のライン幅と、隣り合う実パターン1203同士の間隔との和)の整数倍と、実パターン1203のライン幅とを合わせた寸法である。
【0130】
また、広幅パターン1201は、実パターン1203とは間にゲート部均一化ダミー1205を挟んで並ぶように配置されている。更に、広幅パターン1201は、セルの境界に接する部分において、他のラインパターン(実パターン1203及びゲート部均一化ダミー1205)のライン終端部と面一に終端し、同一幅で且つ同一間隔に設けられた突起部1201aを備えている。これにより、所定幅の実パターン1203からなる回路パターンが広幅パターン1201を更に含んでいる場合にも、広幅パターン1201の周囲を含めて、ライン終端部のレイアウトパターンを均一にすることができる。
【0131】
以上の通り、ゲート層の電極部を構成するパターンについて、各々のゲート部の線幅を高精度且つ均一に形成可能になると共に、ゲートの突き出し部を構成する各ライン終端部についても、寸法及び形状を高精度且つ均一に形成可能である。よって、より高性能のLSIを実現できる。更に、高精度なシミュレーション等を伴うマスクの補正は必須ではなく、マスク補正に要する時間を短縮できる。
【産業上の利用可能性】
【0132】
本開示の半導体装置及びそのレイアウト作成方法によると、ゲート電極のパターンを高精度に形成でき且つレイアウト作成に要する時間を抑制できるので、高性能なLSIを実現するレイアウト方法及びそれを用いた半導体装置に有用である。
【符号の説明】
【0133】
100 活性層パターン
101 ゲート層パターン
102 P型トランジスタ
103 N型トランジスタ
201 グリッドライン
202 ゲート電極部
203 直線
210a 実パターン
210b ダミーパターン
401 補助線
402 セル間境界部
403 ライン終端部間距離
411 ライン終端部
412 ライン終端部
413 ライン終端部
414 ライン終端部
420 ダミーパターン(ライン終端部均一化ダミー)
421 セル外周境界部
422 ライン終端部均一化ダミー
422a 結合部
431 ラインパターン
432 ラインパターン
600 ダミーパターン
601 ダミーパターン
700 実パターン
701 ゲート部均一化ダミー
703 ライン終端部
710 突き出し長
711 ライン終端部間距離
721 ライン終端部均一化ダミー
721a パターン
730 突き出し長
731 ライン終端部間距離
750 結合部
751 ライン終端部均一化ダミーの長さ
752 ライブラリー高さ
755 結合部幅
800 基板
801 絶縁膜
802 金属膜
803 ポリシリコン膜
804 レジスト膜
804a 感光部
804b レジストパターン
805 マスク
806 サイドウォール
807 ゲート電極部
807a リフトオフ跡
810 欠陥
901 設計パターン
902 露光用マスクパターン
903 加工パターン
1101 位相シフター部
1102 半遮光部
1103 透明基板
1104 領域
1106 開口部
1110 設計パターン
1201 広幅パターン
1201a 突起部
1202 ライン終端部均一化ダミー
1203 実パターン
1205 ゲート部均一化ダミー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ゲート電極部及び前記ゲート電極部から所定の距離だけ突き出した突き出し部を有する実パターンと、前記実パターンに並んで配置されるダミーパターンとを含む複数のラインパターンを備え、
2つの前記ダミーパターンと、これらに挟まれ且つ少なくとも1つの前記実パターンを含む少なくとも1つの前記ラインパターンとにより、同一間隔を空けて並走するラインパターン並走部が構成され、
前記ラインパターン並走部に含まれるそれぞれの前記ラインパターンは、同一の幅を有すると共に、少なくとも一端において、互いに実質的に面一なライン終端部を有しており、
前記ラインパターン並走部におけるそれぞれの前記ライン終端部の延長線上に、同一の終端部間距離を空けて、ライン終端部均一化ダミーパターンが形成され、
前記ライン終端部均一化ダミーパターンは、前記ラインパターンと同一幅で且つ同一間隔に形成された複数のライン状のパターンを含むことを特徴とする半導体装置。
【請求項2】
請求項1の半導体装置において、
前記ライン終端部均一化ダミーパターンの前記複数のライン状のパターンは、互いに結合されていることを特徴とする半導体装置。
【請求項3】
請求項2の半導体装置において
前記ライン終端部均一化ダミーパターンの前記複数のライン状のパターンは、それぞれ、長さ方向の中央付近において結合されていることを特徴とする半導体装置。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか1つの半導体装置において、
前記ラインパターン並走部に含まれる前記複数のラインパターンは、いずれも一続きのパターンであり且つライン方向の長さが同じであることを特徴とする半導体装置。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか1つの半導体装置において、
前記ラインパターン並走部において、前記2本のダミーパターンに挟まれる前記ラインパターンは、前記実パターン及び前記ダミーパターンの両方を含むことを特徴とする半導体装置。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか1つの半導体装置において、
前記ライン終端部均一化ダミーパターンのライン方向の長さは、前記ラインパターン並走部のライン方向の長さよりも短いことを特徴とする半導体装置。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか1つの半導体装置において、
前記ライン終端部均一化ダミーパターンは、前記実パターンを含む領域を挟むように対に形成されていることを特徴とする半導体装置。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれか1つの半導体装置において、
前記ラインパターン並走部に含まれる前記複数のラインパターンは、両端において、互いに実質的に面一に終端する前記ライン終端部をそれぞれ有し、
前記ラインパターン並走部に含まれる前記複数のラインパターンの両端において、それぞれの前記ライン終端部の延長線上に、同一の終端部間距離を空けて、前記ライン終端部に対して線対称となるパターンが設けられていることを特徴とする半導体装置。
【請求項9】
請求項1〜8のいずれか1つの半導体装置において、
前記実パターンを含む領域は、少なくとも2種類のダミーパターンに取り囲まれており、そのうちの一種類のダミーパターンが前記ライン終端部均一化ダミーパターンであることを特徴とする半導体装置。
【請求項10】
請求項1〜9のいずれか1つの半導体装置において、
前記ライン終端部均一化ダミーパターンは、4μm以上の長さに亘って連続するように互いに結合されていることを特徴とする半導体装置。
【請求項11】
請求項1〜10のいずれか1つの半導体装置において、
露光波長をλ、露光装置の開口数をNAとするとき、
前記ラインパターン並走部に含まれる前記ラインパターンの幅は、0.5×λ/NA以下であることを特徴とする半導体装置。
【請求項12】
請求項1〜11のいずれか1つの半導体装置において、
露光波長をλ、露光装置の開口数をNAとするとき、
前記突き出し部の長さは、0.5×λ/NA以下であることを特徴とする半導体装置。
【請求項13】
請求項1〜12のいずれか1つの半導体装置において、
露光波長をλ、露光装置の開口数をNAとするとき、
前記終端部間距離は、0.5×λ/NA以下であることを特徴とする半導体装置。
【請求項14】
請求項1〜13のいずれか1つの半導体装置において、
露光波長をλ、露光装置の開口数をNAとするとき、
前記ライン終端部均一化ダミーパターンのライン方向の長さは、0.5×λ/NA以上であることを特徴とする半導体装置。
【請求項15】
請求項1〜14のいずれか1つの半導体装置において、
露光波長をλ、露光装置の開口数をNAとするとき、
前記ライン終端部均一化ダミーパターンに含まれる前記ライン状のパターン同士を結合させる結合部の幅は、0.3×λ/NA以上であることを特徴とする半導体装置。
【請求項16】
請求項1〜15のいずれか1つの半導体装置において、
前記実パターンは、メタルゲートであることを特徴とする半導体装置。
【請求項17】
請求項1〜16のいずれか1つの半導体装置において、
前記ラインパターン並走部は、隣り合う複数の前記ラインパターンが互いに結合された幅を有すると共に、前記ライン終端部と同一幅で且つ同一間隔に並走して面一に終端する突起部を有する幅広パターンを含むことを特徴とする半導体装置。
【請求項18】
ゲート電極部を有する実パターンと、前記実パターンに並んで配置されるダミーパターンとを含む半導体装置のレイアウト作成方法において、
前記実パターン及び前記ダミーパターンを含み且つ矩形状の領域を占めるスタンダードセルのレイアウトパターンを作成する工程(a)と、
前記スタンダードセルを複数並べてロジック回路領域を構成した後に、前記ロジック回路領域の周囲にライン終端部均一化ダミーパターンを配置する工程(b)とを備え、
前記工程(a)は、
ゲート電極部を構成するライン部の幅及び方向が統一された実パターンを作成する工程と、
矩形状のセル領域内に仮想的に設定された平行且つ等間隔のグリッドライン上に、前記実パターンの前記ライン部を配置する工程と、
前記グリッドライン上の前記実パターンが配置された領域以外の空き領域に、前記実パターンと同一幅の前記ダミーパターンを配置する工程と、
前記ライン部の延びる方向とは垂直な向きである前記スタンダードセルの外周に面して終端する前記実パターン及び前記ダミーパターンのライン終端部が実質的に面一になるように揃える工程とを含み、
前記工程(b)は、
前記ライン終端部の延長線上に、同一の終端部間距離を空けて、前記ライン終端部に対して線対称となる複数のライン状のパターンを配置する工程と、
前記複数のライン状のパターンが互いに結合されたパターンを形成する工程とを含むことを特徴とする半導体装置のレイアウト作成方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2011−238746(P2011−238746A)
【公開日】平成23年11月24日(2011.11.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−108285(P2010−108285)
【出願日】平成22年5月10日(2010.5.10)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】