説明

半導体装置及びその製造方法

【課題】バリア膜を薄くする場合であっても良好なバリア性を確保し得る半導体装置及びその製造方法を提供する。
【解決手段】半導体基板10上に形成された第1の導電体32と、半導体基板上及び第1の導電体上に形成され、第1の導電体に達するコンタクトホール52と、コンタクトホールの上部に接続された溝54とが形成された、酸素を含む絶縁膜48と、コンタクトホールの側面並びに溝の側面及び底面に形成された酸化ジルコニウム膜62と、コンタクトホール内及び溝内における酸化ジルコニウム膜上に形成されたジルコニウム膜64と、コンタクトホール内及び溝内に埋め込まれたCuより第2の導電体70とを有している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体装置及びその製造方法に係り、特に、微細化、高集積化を実現し得る半導体装置及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近時、導体プラグや配線の低抵抗化を実現すべく、導体プラグや配線の材料としてCuを用いることが注目されている。
【0003】
Cu膜はドライエッチングを行うことが困難な材料である。このため、層間絶縁膜にコンタクトホールや溝を形成し、かかるコンタクトホールや溝が形成された層間絶縁膜上にCu膜を形成し、この後、層間絶縁膜の表面が露出するまでCu膜を研磨することにより、コンタクトホール内や溝内にCu膜が埋め込まれる。このようにしてCu膜をコンタクトホール内や溝内に埋め込む手法は、ダマシン法又はデュアルダマシン法と称されている。
【0004】
Cuより成る導体プラグや配線が層間絶縁膜に直接接すると、導体プラグ中や配線中のCu原子が層間絶縁膜中に拡散してしまい、短絡等の問題を引き起こしてしまう。このため、コンタクトホール内や溝内には、Cu原子の拡散を防止するためのバリア膜が形成される。かかるバリア膜の材料としては、例えばTaが用いられている。
【0005】
近時、半導体装置の更なる微細化を実現すべく、導体プラグを埋め込むためのコンタクトホールの径や、配線を埋め込むための溝の幅を著しく小さくすることが要求されている。コンタクトホールの径を著しく小さくするためには、バリア膜を極めて薄くすることが必要となる
一方、半導体装置の高速化を実現すべく、配線間の静電容量を低減することが求められている。近時、配線間の静電容量を低減し得る絶縁膜として、多孔質材料より成る低誘電率膜が提案されている。
【特許文献1】米国特許第7,157,371号明細書
【特許文献2】特開2000−150510号公報
【特許文献3】特開2004−289174号公報
【特許文献4】特開2000−49116号公報
【特許文献5】特開2000−353787号公報
【特許文献6】特開平8−172059号公報
【特許文献7】特開2004−153162号公報
【特許文献8】特開2005−252193号公報
【特許文献9】国際公開第2005/067025号パンフレット
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、Ta等より成るバリア膜を極めて薄く形成した場合には、バリア膜のバリア性の劣化を招いてしまう。特に、多孔質材料より成る層間絶縁膜からは大量の水分や酸素ガスが放出される。このため、多孔質材料より成る層間絶縁膜を用いた場合には、かかる水分や酸素ガス等によってバリア膜が著しく劣化してしまう。
【0007】
本発明の目的は、バリア膜を薄くする場合であっても良好なバリア性を確保し得る半導体装置及びその製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一観点によれば、半導体基板上に形成された第1の導電体と、前記半導体基板上及び前記第1の導電体上に形成され、前記第1の導電体に達するコンタクトホールと、前記コンタクトホールの上部に接続された溝とが形成された、酸素を含む絶縁膜と、前記コンタクトホールの側面並びに前記溝の側面及び底面に形成された酸化ジルコニウム膜と、前記コンタクトホール内及び前記溝内における前記酸化ジルコニウム膜上に形成されたジルコニウム膜と、前記コンタクトホール内及び前記溝内に埋め込まれたCuより成る第2の導電体とを有することを特徴とする半導体装置が提供される。
【0009】
また、本発明の他の観点によれば、半導体基板上に第1の導電体を形成する工程と、前記半導体基板上及び前記第1の導電体上に、酸素を含む絶縁膜を形成する工程と、前記第1の導電体に達するコンタクトホールと、前記コンタクトホールの上部に接続された溝とを、前記絶縁膜に形成する工程と、前記コンタクトホール内及び前記溝内に、酸化ジルコニウム膜を形成する工程と、前記コンタクトホールの底部の前記酸化ジルコニウム膜を選択的に除去しつつ、前記コンタクトホール内及び前記溝内における前記酸化ジルコニウム膜上にジルコニウム膜を形成する工程と、前記コンタクトホール内及び前記溝内にCuより成る第2の導電体を埋め込む工程とを有することを特徴とする半導体装置の製造方法が提供される。
【0010】
また、本発明の更に他の観点によれば、半導体基板上に第1の導電体を形成する工程と、前記半導体基板上及び前記第1の導電体上に、酸素を含む絶縁膜を形成する工程と、前記第1の導電体に達するコンタクトホールと、前記コンタクトホールの上部に接続された溝とを、前記絶縁膜に形成する工程と、前記コンタクトホール内及び前記溝内に、酸化ジルコニウム膜を形成する工程と、前記コンタクトホールの底部の前記酸化ジルコニウム膜を選択的に除去する工程と、前記コンタクトホール内及び前記溝内における前記酸化ジルコニウム膜上にジルコニウム膜を形成する工程と、前記コンタクトホール内及び前記溝内にCuより成る第2の導電体を埋め込む工程とを有することを特徴とする半導体装置の製造方法が提供される。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、酸化ジルコニウム膜とジルコニウム膜との積層膜によりバリア膜が構成されている。酸化ジルコニウム膜は、極めて薄く形成した場合であっても、Cu、酸素、水分等の拡散を確実に防止し得る。また、ジルコニウム膜は、導体プラグ及び配線の下地に対する密着性を確保するのに寄与する。また、ジルコニウム膜は、良好な導電性を有しているため、導体プラグと下層の導電体との間のコンタクト抵抗の低減に寄与する。このため、本発明によれば、信頼性や製造歩留まりの低下を招くことなく、良質なバリア膜を薄く形成することができ、ひいては、導体プラグ及び配線の微細化を実現することができる。
【0012】
しかも、酸化ジルコニウム膜は、水分や酸素等によって劣化しにくい。このため、層間絶縁膜から大量の水分や酸素等が放出された場合であっても、酸化ジルコニウム膜のバリア性が劣化してしまうことはない。このため、本発明によれば、酸素や水分等を比較的多く含む多孔質の低誘電率絶縁膜等を層間絶縁膜として用いることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
[第1実施形態]
本発明の第1実施形態による半導体装置及びその製造方法を図1乃至図20を用いて説明する。
【0014】
(半導体装置)
まず、本実施形態による半導体装置を図1を用いて説明する。図1は、本実施形態による半導体装置を示す断面図である。
【0015】
まず、図1に示すように、例えばシリコンより成る半導体基板10には、素子領域を画定する素子分離領域12が形成されている。
【0016】
素子分離領域12により画定された素子領域上には、膜厚1.3nmのゲート絶縁膜14を介してゲート電極16が形成されている。
【0017】
ゲート電極16の両側の半導体基板10内には、エクステンションソース/ドレイン構造の浅い領域を構成する不純物拡散領域18a、即ちエクステンション領域が形成されている。
【0018】
ゲート電極16の側壁部分には、シリコン酸化膜より成るサイドウォール絶縁膜20が形成されている。
【0019】
サイドウォール絶縁膜20が形成されたゲート電極16の両側の半導体基板10内には、エクステンションソース/ドレイン構造の深い領域を構成する不純物拡散領域18bが形成されている。浅い不純物拡散領域18aと深い不純物拡散領域18bとにより、エクステンションソース/ドレイン構造のソース/ドレイン拡散層18が構成されている。
【0020】
こうして、ゲート電極16とソース/ドレイン拡散層18とを有するトランジスタ22が形成されている。
【0021】
半導体基板10上には、絶縁膜24が形成されている。絶縁膜24の膜厚は、例えば150nmとする。絶縁膜24としては、例えばシリコン酸化膜や多孔質の低誘電率膜等が用いられている。ここでは、絶縁膜24として、例えばメチルシルセスキオキサン膜を用いる。
【0022】
層間絶縁膜24上には、例えばSiCより成るキャップ膜26が形成されている。キャップ膜26の膜厚は、例えば30nm程度とする。
【0023】
キャップ膜26及び層間絶縁膜24には、ソース/ドレイン拡散層18に達するコンタクトホール28が形成されている。
【0024】
コンタクトホール28内には、例えばTiNより成るバリアメタル30が形成されている。かかるバリアメタル膜30は、例えばALD(Atomic Layer Deposition、原子層堆積)法により形成されている。バリアメタル膜30の膜厚は、例えば3nmとする。
【0025】
バリアメタル30が形成されたコンタクトホール28内には、例えばタングステンより成る導体プラグ32が埋め込まれている。
【0026】
導体プラグ32が埋め込まれたキャップ膜26上には、例えばSiCより成るキャップ膜46が形成されている。キャップ膜46の膜厚は、例えば30nm程度とする。かかるキャップ膜46は、層間絶縁膜48をエッチングする際にエッチングストッパとなるものである。
【0027】
キャップ膜46上には、例えば多孔質の低誘電率膜より成る層間絶縁膜48が形成されている。層間絶縁膜48の膜厚は、例えば120nmとする。かかる層間絶縁膜48としては、有機系の低誘電率膜を用いてもよいし、無機系の低誘電率膜を用いてもよい。有機系の低誘電率膜の材料としては、例えばSiLK(登録商標)等を用いることができる。また、無機系の低誘電率膜としては、例えばメチルシルセスキオキサン(MSQ)膜、SiOCH膜等を用いることができる。
【0028】
層間絶縁膜48上には、例えばSiCより成るキャップ膜50が形成されている。かかるキャップ膜50の膜厚は、例えば30nm程度とする。キャップ膜50は、シリコン酸化膜48をエッチングする際にハードマスクとして機能するものである。
【0029】
層間絶縁膜48及びキャップ膜48、26には、導体プラグ32に達するコンタクトホール52が形成されている。かかるコンタクトホール52は、導体プラグ70aを埋め込むためのものである。コンタクトホール52の径は、例えば50nm程度とする。コンタクトホール52の底部においては、導体プラグ32の上部に凹部45が形成されている。かかる凹部45の深さは、例えば3nm程度である。
【0030】
キャップ膜50及び層間絶縁膜48には、コンタクトホール52の上部に接続された溝54が形成されている。かかる溝54は、配線70bを埋め込むためのものである。溝54の幅は、例えば50nm〜3μm程度とする。
【0031】
こうして、コンタクトホール52と、コンタクトホール52の上部に接続された溝54とを有する開口部58が形成されている。
【0032】
開口部58内には、酸化ジルコニウム(ZrO)膜62が形成されている。酸化ジルコニウム膜62の膜厚は、例えば3nm程度とする。より具体的には、酸化ジルコニウム膜62は、コンタクトホール52の側面、溝54の側面及び底面に形成されている。コンタクトホール52の底部の酸化ジルコニウム膜62は、選択的に除去されている。コンタクトホール52の底部の酸化ジルコニウム膜62を選択的に除去しているのは、導体プラグ70aと導体プラグ32との間で良好なコンタクトを得るためである。
【0033】
酸化ジルコニウム膜62が形成された開口部58内には、Zr膜64が形成されている。Zr膜64の膜厚は、2nm程度とする。コンタクトホール52の底部の酸化ジルコニウム膜62が除去されるため、コンタクトホール52の底部のZr膜64は導体プラグ32に直接接続されている。このため、導体プラグ70aと導体プラグ32との間で良好なコンタクトを得ることができる。また、Zr膜64は、導体プラグ70a及び配線70bの下地に対する密着性を確保するのに寄与する。
【0034】
こうして、酸化ジルコニウム膜62とZr膜64とから成るバリア膜65が形成されている。
【0035】
バリア膜65が形成された開口部58内には、Cuより成るシード膜66が形成されている。シード膜66の膜厚は、例えば30nm程度とする。
【0036】
シード膜66が形成された開口部58内には、Cu膜68が埋め込まれている。
【0037】
こうして、Cuより成るシード膜66とCu膜68とから成る導電体70が、開口部58内に埋め込まれている。即ち、導体プラグ70aと、導体プラグ70aと一体的に形成された配線70bとを有する導電体70が、開口部58内に埋め込まれている。
【0038】
導電体70が埋め込まれた層間絶縁膜48上には、例えばSiCより成るキャップ膜146が形成されている。キャップ膜146の膜厚は、例えば30nm程度とする。かかるキャップ膜146は、層間絶縁膜148をエッチングする際にエッチングストッパとなるものである。
【0039】
キャップ膜146上には、例えば多孔質の低誘電率膜より成る層間絶縁膜148が形成されている。層間絶縁膜148の膜厚は、例えば140nmとする。かかる層間絶縁膜148としては、有機系の低誘電率膜を用いてもよいし、無機系の低誘電率膜を用いてもよい。有機系の低誘電率膜の材料としては、例えばSiLK(登録商標)等を用いることができる。また、無機系の低誘電率膜としては、例えばメチルシルセスキオキサン(MSQ)膜やSiOCH膜等を用いることができる。
【0040】
層間絶縁膜148上には、例えばSiCより成るキャップ膜150が形成されている。かかるキャップ膜150の膜厚は、例えば30nm程度とする。キャップ膜150は、シリコン酸化膜148をエッチングする際にハードマスクとして機能するものである。
【0041】
層間絶縁膜148及びキャップ膜150には、導電体70に達するコンタクトホール152が形成されている。より具体的には、層間絶縁膜148及びキャップ膜150には、配線170bに達するコンタクトホール152が形成されている。かかるコンタクトホール152は、導体プラグ170aを埋め込むためのものである。コンタクトホール152の底部においては、配線70bの上部に凹部145が形成されている。かかる凹部145の深さは、例えば3nm程度である。
【0042】
キャップ膜150及び層間絶縁膜148には、コンタクトホール52の上部に接続された溝54が形成されている。かかる溝154は、配線170bを埋め込むためのものである。
【0043】
こうして、コンタクトホール152と、コンタクトホール152の上部に接続された溝154とを有する開口部158が形成されている。
【0044】
開口部158内には、酸化ジルコニウム膜162が形成されている。酸化ジルコニウム膜162の膜厚は、例えば3nm程度とする。より具体的には、酸化ジルコニウム膜162は、コンタクトホール152の側面、溝154の側面及び底面に形成されている。コンタクトホール152の底部の酸化ジルコニウム膜162は、選択的に除去されている。コンタクトホール152の底部の酸化ジルコニウム膜162を選択的に除去しているのは、導体プラグ170aと配線70bとの間で良好なコンタクトを得るためである。
【0045】
酸化ジルコニウム膜162が形成された開口部158内には、Zr膜164が形成されている。Zr膜164の膜厚は、2nm程度とする。コンタクトホール152の底部の酸化ジルコニウム膜162が除去されるため、コンタクトホール152の底部のZr膜164は配線70bに直接接続されている。このため、導体プラグ170aと配線70bとの間で良好なコンタクトを得ることができる。また、Zr膜164は、導体プラグ170a及び配線170bの下地に対する密着性を確保するのに寄与する。
【0046】
こうして、酸化ジルコニウム膜162とZr膜164とから成るバリア膜165が形成されている。
【0047】
バリア膜165が形成された開口部158内には、Cuより成るシード膜166が形成されている。シード膜166の膜厚は、例えば30nm程度とする。
【0048】
シード膜166が形成された開口部158内には、Cu膜168が埋め込まれている。
【0049】
こうして、Cuより成るシード膜166とCu膜168とから成る導電体170が、開口部158内に埋め込まれている。即ち、導体プラグ170aと、導体プラグ170aと一体的に形成された配線170bとを有する導電体170が、開口部158内に埋め込まれている。
【0050】
導体プラグ170a及び配線170bが埋め込まれたキャップ膜150上には、図示しない配線が更に形成されている。
【0051】
こうして、多層配線を有する本実施形態による半導体装置が構成されている。
【0052】
このように、本実施形態では、酸化ジルコニウム膜62とZr膜64との積層膜によりバリア膜65が構成されており、酸化ジルコニウム膜162とZr膜164との積層膜によりバリア膜165が構成されている。酸化ジルコニウム膜62、162は、極めて薄く形成した場合であっても、Cu、酸素、水分等の拡散を確実に防止し得る。また、Zr膜64、164は、導体プラグ70a、170a及び配線70b、170bの下地に対する密着性を確保するのに寄与する。また、Zr膜64は、良好な導電性を有しているため、導体プラグ70aと導体プラグ32との間のコンタクト抵抗の低減に寄与する。また、Zr膜164は、良好な導電性を有しているため、導体プラグ170aと配線70bとの間のコンタクト抵抗の低減に寄与する。このため、本実施形態によれば、信頼性や製造歩留まりの低下を招くことなく、良質なバリア膜65、165を薄く形成することができ、ひいては、導体プラグ70a、170a及び配線70b、170bの微細化を実現することができる。
【0053】
しかも、酸化ジルコニウム膜62、162は、水分や酸素等によって劣化しにくい。このため、層間絶縁膜48、148から大量の水分や酸素等が放出された場合であっても、酸化ジルコニウム膜62、162のバリア性が劣化してしまうことはない。このため、本実施形態によれば、酸素や水分等を比較的多く含む多孔質の低誘電率絶縁膜等を層間絶縁膜48、148として用いることができる。
【0054】
(半導体装置の製造方法)
次に、本実施形態による半導体装置の製造方法を図2乃至図14を用いて説明する。図2乃至図14は、本実施形態による半導体装置の製造方法を示す工程断面図である。
【0055】
まず、図2(a)に示すように、例えばシリコンより成る半導体基板10に、素子領域を画定する素子分離領域12を形成する。素子分離領域12は、例えばSTI(Shallow Trench Isolation)法により形成することができる。
【0056】
次に、全面に、膜厚1.3nmのゲート絶縁膜14を形成する。ゲート絶縁膜14は、例えば熱酸化法により形成することできる。
【0057】
次に、全面に、膜厚100nmのポリシリコン膜を形成する。この後、フォトリソグラフィ技術を用い、ポリシリコン膜をゲート電極16の形状にパターニングする。ポリシリコン膜をパターニングする際には、例えば異方性のドライエッチングを用いる。こうして、ポリシリコンより成るゲート電極16が形成される。
【0058】
次に、例えばイオン注入法により、ゲート電極16をマスクとして、ゲート電極16の両側の半導体基板10内にドーパント不純物を導入する。こうして、ゲート電極16の両側の半導体基板10内に、エクステンションソース/ドレイン構造の浅い領域を構成する不純物拡散領域18a、即ちエクステンション領域が形成される。
【0059】
次に、全面に、例えばCVD法により、膜厚10nmのシリコン酸化膜を形成する。
【0060】
次に、シリコン酸化膜を異方性エッチングする。こうして、ゲート電極16の側壁部分に、シリコン酸化膜から成るサイドウォール絶縁膜20が形成される。
【0061】
次に、例えばイオン注入法により、ゲート電極16及びサイドウォール絶縁膜20をマスクとして、半導体基板10内にドーパント不純物を導入する。こうして、側壁部分にサイドウォール絶縁膜20が形成されたゲート電極16の両側の半導体基板10内に、エクステンションソース/ドレイン構造の深い領域を構成する不純物拡散領域18bが形成される。浅い不純物拡散領域18aと深い不純物拡散領域18bとにより、エクステンションソース/ドレイン構造のソース/ドレイン拡散層18が構成される。
【0062】
次に、例えばRTA(Rapid Thermal Annealing)法により、ソース/ドレイン拡散層18に導入されたドーパント不純物を活性化するための熱処理を行う。
【0063】
こうして、ゲート電極16とソース/ドレイン拡散層18とを有するトランジスタ22が形成される。
【0064】
次に、図2(b)に示すように、全面に、例えばスピンコート法により、例えば多孔質の低誘電率膜より成る絶縁膜24を形成する。かかる絶縁膜24としては、例えばメチルシルセスキオキサン膜を形成する。絶縁膜24の膜厚は、例えば150nmとする。
【0065】
次に、全面に、例えばCVD法により、例えばSiCより成るキャップ膜26を形成する。キャップ膜26の膜厚は、例えば30nm程度とする。
【0066】
次に、フォトリソグラフィ技術を用い、キャップ膜26及び層間絶縁膜24に、ソース/ドレイン拡散層18に達するコンタクトホール28を形成する(図2(c)参照)。
【0067】
次に、全面に、例えばALD法により、例えばTiNより成るバリアメタル30を形成する。バリアメタル30の膜厚は、例えば3nmとする。
【0068】
次に、全面に、例えばCVD法により、例えばタングステンより成る導電膜32を形成する。導電膜32の膜厚は、例えば150nmとする。
【0069】
次に、例えばCMP(Chemical Mechanical Polishing、化学的機械的研磨)により、キャップ膜26の表面が露出するまで導電膜32を研磨する。これにより、タングステンより成る導電性プラグ32がコンタクトホール28内に埋め込まれる(図3(a)参照)。
【0070】
次に、全面に、例えばCVD法により、例えばSiCより成るキャップ膜46を形成する。キャップ膜46の膜厚は、例えば30nm程度とする。かかるキャップ膜46は、層間絶縁膜48をエッチングする際にエッチングストッパとなるものである。
【0071】
次に、全面に、例えば多孔質の低誘電率膜より成る層間絶縁膜48を形成する。層間絶縁膜48の膜厚は、例えば120nmとする。かかる層間絶縁膜48としては、有機系の低誘電率膜を用いてもよいし、無機系の低誘電率膜を用いてもよい。有機系の低誘電率膜の材料としては、例えばSiLK(登録商標)等を用いることができる。また、無機系の低誘電率膜としては、例えばメチルシルセスキオキサン膜やSiOCH膜等を用いることができる。
【0072】
次に、全面に、例えばCVD法により、例えばSiCより成るキャップ膜50を形成する。かかるキャップ膜50の膜厚は、例えば30nm程度とする。キャップ膜50は、シリコン酸化膜48をエッチングする際にハードマスクとして機能するものである(図3(b)参照)。
【0073】
次に、フォトリソグラフィ技術を用い、キャップ膜50をパターニングする。これにより、コンタクトホール52を形成するための開口部(図示せず)がキャップ膜50に形成される。こうして、SiCより成るハードマスク50が形成される。
【0074】
次に、ハードマスク50をマスクとし、エッチングストッパ膜46をストッパとして、層間絶縁膜48をエッチングする。これにより、導体プラグ32に達するコンタクトホール52が形成される。コンタクトホール52の径は、例えば50nmとする。
【0075】
次に、フォトリソグラフィ技術を用い、ハードマスク50を更にパターニングする。これにより、溝54を形成するための開口部56がハードマスク50に形成される。
【0076】
次に、ハードマスク50をマスクとして、層間絶縁膜48をエッチングすることにより、層間絶縁膜48に溝54を形成する。溝54の幅は、例えば50nm〜3μmとする。
【0077】
次に、コンタクトホール52内に露出しているキャップ膜46をエッチング除去する。
【0078】
こうして、導体プラグ32に達するコンタクトホール52と、コンタクトホール52の上部に接続された溝54とを含む開口部58が、層間絶縁膜48に形成される(図4(a)参照)。
【0079】
次に、図4(b)に示すように、全面に、例えばマグネトロンスパッタ法により、ジルコニウム膜(Zr膜)60を形成する。Zr膜60の膜厚は、例えば3nm程度とする。Zr膜60の成膜条件は、例えば以下の通りとする。ターゲット電力は、例えば10〜20kWとする。Arガスの流量は、10〜30sccmとする。基板バイアスは、例えば0〜200Wとする。
【0080】
次に、大気中で熱処理を行うことにより、Zr膜60を酸化する。熱処理温度は、例えば100〜300℃程度とする。熱処理時間は、例えば30分程度とする。こうして、Zr膜60が酸化され、酸化ジルコニウム膜62が形成される(図5(a)参照)。
【0081】
なお、ここでは、大気中で熱処理を行うことにより、Zr膜60を酸化する場合を例に説明したが、必ずしも熱処理を大気中で行わなくてもよい。酸素を含む雰囲気中で熱処理を行えば、Zr膜60を酸化させることができる。
【0082】
また、ここでは、Zr膜60を酸化する際に熱処理を行う場合を例に説明したが、必ずしも熱処理を行わなくてもよい。Zrは酸素との親和性が高いため、熱処理を行わなくてもZr膜60を酸化させることが可能である。
【0083】
次に、図5(b)に示すように、全面に、例えばマグネトロンスパッタ法により、Zr膜64を形成する。Zr膜64の膜厚は、2nm程度とする。Zr膜64を成膜する際には、コンタクトホール52の底部に存在している酸化ジルコニウム膜62をZrイオンにより選択的に除去しつつ、Zr膜64が全面に形成されるような条件で成膜を行う。Zr膜64の成膜条件は、例えば以下の通りとする。ターゲット電力は、例えば1〜5kW程度とする。基板バイアスは、例えば100〜300W程度とする。このような条件でZr膜64を成膜すれば、コンタクトホール52の底部に存在している酸化ジルコニウム膜62をZrイオンにより選択的に除去しつつ、Zr膜64を全面に成膜することができる。コンタクトホール52の底部の酸化ジルコニウム膜62が除去されるため、良好なコンタクトを得ることが可能となる。なお、溝54の底面はコンタクトホール52の底面に対して十分に大きいため、溝54の底部に存在している酸化ジルコニウム膜62は、Zr膜64を成膜する際にZrイオンにより殆どエッチングされない。従って、溝54の底面の酸化ジルコニウム膜62が消失してしまうことはない。Zr膜64は、導体プラグ70a及び配線70bの下地に対する密着性を確保するのに寄与する。また、Zr膜64は、良好な導電性を有しているため、導体プラグ70aと導体プラグ32との間のコンタクト抵抗の低減に寄与する。
【0084】
こうして、酸化ジルコニウム膜62とZr膜64とから成るバリア膜65が形成される。
【0085】
次に、図6(a)に示すように、全面に、例えばスパッタリング法により、Cuより成るシード膜66を形成する。シード膜66の膜厚は、例えば30nm程度とする。
【0086】
次に、図6(b)に示すように、全面に、例えば硫酸銅浴を用い、電気めっき法により、Cu膜68を形成する。Cu膜68の膜厚は、例えば500nm程度とする。
【0087】
次に、熱処理を行う。熱処理温度は、例えば150〜350℃程度とする。熱処理時間は、例えば60〜3600秒程度とする。
【0088】
次に、例えばCMP法により、キャップ膜50の表面が露出するまで、Cu膜68、シード膜66、Zr膜64及び酸化ジルコニウム膜62を研磨する。
【0089】
こうして、デュアルダマシン法により、Cuより成る導体プラグ70aがコンタクトホール52内に埋め込まれ、Cuより成る配線70bが溝70b内に埋め込まれる。即ち、導体プラグ70aと、導体プラグ70aと一体的に形成された配線70bとを有する導電体70が、開口部58内に埋め込まれる(図7(a)参照)。
【0090】
次に、全面に、例えばCVD法により、例えばSiCより成るキャップ膜146を形成する。キャップ膜146の膜厚は、例えば30nm程度とする。かかるキャップ膜146は、層間絶縁膜148をエッチングする際にエッチングストッパとなるものである。
【0091】
次に、全面に、例えば多孔質の低誘電率膜より成る層間絶縁膜148を形成する。層間絶縁膜148の膜厚は、例えば120nmとする。かかる層間絶縁膜148としては、有機系の低誘電率膜を用いてもよいし、無機系の低誘電率膜を用いてもよい。有機系の低誘電率膜の材料としては、例えばSiLK(登録商標)等を用いることができる。また、無機系の低誘電率膜としては、例えばメチルシルセスキオキサン膜やSiOCH膜等を用いることができる。
【0092】
次に、全面に、例えばCVD法により、例えばSiCより成るキャップ膜150を形成する。かかるキャップ膜150の膜厚は、例えば30nm程度とする。キャップ膜150は、シリコン酸化膜148をエッチングする際にハードマスクとして機能するものである(図7(b)参照)。
【0093】
次に、フォトリソグラフィ技術を用い、キャップ膜150をパターニングする。これにより、コンタクトホール152を形成するための開口部(図示せず)がキャップ膜150に形成される。こうして、SiCより成るハードマスク150が形成される。
【0094】
次に、ハードマスク150をマスクとし、エッチングストッパ膜146をストッパとして、層間絶縁膜148をエッチングする。これにより、配線70bに達するコンタクトホール152が形成される。コンタクトホール152の径は、例えば50nmとする。
【0095】
次に、フォトリソグラフィ技術を用い、ハードマスク150を更にパターニングする。これにより、溝154を形成するための開口部156がハードマスク150に形成される。
【0096】
次に、ハードマスク150をマスクとして、層間絶縁膜148をエッチングすることにより、層間絶縁膜148に溝154を形成する。溝154の幅は、例えば50nm〜3μmとする。
【0097】
次に、コンタクトホール152内に露出しているキャップ膜146をエッチング除去する。
【0098】
こうして、導体プラグ132に達するコンタクトホール152と、コンタクトホール152の上部に接続された溝154とを含む開口部158が、層間絶縁膜148に形成される(図8参照)。
【0099】
次に、図9に示すように、全面に、例えばマグネトロンスパッタ法により、ジルコニウム膜160を形成する。Zr膜160の膜厚は、例えば3nm程度とする。Zr膜160の成膜条件は、例えば以下の通りとする。ターゲット電力は、例えば10〜20kWとする。Arガスの流量は、10〜30sccmとする。基板バイアスは、例えば0〜200Wとする。
【0100】
次に、大気中で熱処理を行うことにより、Zr膜160を酸化する。熱処理温度は、例えば100〜300℃程度とする。熱処理時間は、例えば30分程度とする。こうして、Zr膜160が酸化され、酸化ジルコニウム膜162が形成される(図10参照)。
【0101】
なお、ここでは、大気中で熱処理を行うことにより、Zr膜160を酸化する場合を例に説明したが、必ずしも熱処理を大気中で行わなくてもよい。酸素を含む雰囲気中で熱処理を行えば、Zr膜160を酸化させることができる。
【0102】
また、ここでは、Zr膜160を酸化する際に熱処理を行う場合を例に説明したが、必ずしも熱処理を行わなくてもよい。Zrは酸素との親和性が高いため、熱処理を行わなくてもZr膜160を酸化させることが可能である。
【0103】
次に、図11に示すように、全面に、例えばマグネトロンスパッタ法により、Zr膜164を形成する。Zr膜164の膜厚は、2nm程度とする。Zr膜164を成膜する際には、コンタクトホール152の底部に存在している酸化ジルコニウム膜162をZrイオンにより選択的に除去しつつ、Zr膜164が全面に形成されるような条件で成膜を行う。Zr膜164の成膜条件は、例えば以下の通りとする。ターゲット電力は、例えば1〜5kW程度とする。基板バイアスは、例えば100〜300W程度とする。このような条件でZr膜164を成膜すれば、コンタクトホール152の底部に存在している酸化ジルコニウム膜162をZrイオンにより選択的に除去しつつ、Zr膜164を全面に成膜することができる。コンタクトホール152の底部の酸化ジルコニウム膜162が除去されるため、良好なコンタクトを得ることが可能となる。なお、溝154の底面はコンタクトホール152の底面に対して十分に大きいため、溝154の底部に存在している酸化ジルコニウム膜162は、Zr膜164を成膜する際にZrイオンにより殆どエッチングされない。従って、溝154の底面の酸化ジルコニウム膜162が消失してしまうことはない。Zr膜164は、導体プラグ170a及び配線170bの下地に対する密着性を確保するのに寄与する。また、Zr膜164は、良好な導電性を有しているため、導体プラグ170aと導体プラグ132との間のコンタクト抵抗の低減に寄与する。
【0104】
こうして、酸化ジルコニウム膜162とZr膜164とから成るバリア膜165が形成される。
【0105】
次に、図12に示すように、全面に、例えばスパッタリング法により、Cuより成るシード膜166を形成する。シード膜166の膜厚は、例えば30nm程度とする。
【0106】
次に、図13に示すように、全面に、例えば硫酸銅浴を用い、電気めっき法により、Cu膜168を形成する。Cu膜168の膜厚は、例えば500nm程度とする。
【0107】
次に、熱処理を行う。熱処理温度は、例えば150〜350℃程度とする。熱処理時間は、例えば60〜3600秒程度とする。
【0108】
次に、例えばCMP法により、キャップ膜150の表面が露出するまで、Cu膜168、シード膜166、Zr膜164及び酸化ジルコニウム膜162を研磨する。
【0109】
こうして、デュアルダマシン法により、Cuより成る導体プラグ170aがコンタクトホール152内に埋め込まれ、Cuより成る配線170bが溝170b内に埋め込まれる。即ち、導体プラグ170aと、導体プラグ170aと一体的に形成された配線170bとを有する導電体170が、開口部158内に埋め込まれる。
【0110】
この後、図示しない配線を更に形成する。
【0111】
こうして、多層配線を有する本実施形態による半導体装置が製造される(図14参照)。
【0112】
(評価結果)
次に、本実施形態による半導体装置の製造方法の評価結果について説明する。
【0113】
まず、バリア膜のバリア性に関する評価結果を図15乃至図20を用いて説明する。図15乃至図20は、バリア膜の評価に用いられた試料を示す断面図である。図15は、実施例1の試料を示す断面図である。図16は、比較例1の試料を示す断面図である。図17は、比較例2の試料を示す断面図である。図18は、比較例3の試料を示す断面図である。図19は、比較例4の試料を示す断面図である。図20は、比較例5の試料を示す断面図である。図15(a)、図16(a)、図17(a)、図18(a)、図19(a)及び図20(a)は、熱処理を行う前の状態を示している。図15(b)、図16(b)、図17(b)、図18(b)、図19(b)及び図20(b)は、熱処理後を行った後の状態を示している。
【0114】
実施例1の試料を形成する際には、図15(a)に示すように、シリコン基板100上の全面に、熱酸化法により膜厚100nmのシリコン酸化膜102を形成した。次に、全面に、スパッタリング法により、膜厚10nmのタンタル膜より成る下地膜104を形成した。かかる下地膜104は、Cu膜106の下地に対する密着性を確保するためのものである。次に、下地膜104上に、スパッタリング法により、膜厚60nmのCu膜106を形成した。次に、Cu膜106上に、スパッタリング法により、膜厚5nmのバリア膜108を形成した。こうして、実施例1の試料を作成した。
【0115】
比較例1の試料を作成する際には、図16(a)に示すように、Cu膜106上にZrN膜より成るバリア膜110を形成した。ZrN膜110を成膜する際には、成膜室内にArガスとNガスとを導入した。比較例1−1では、ZrN膜110を成膜する際に成膜室内に導入するNガスの流量比を0.01とした。比較例1−2では、ZrN膜110を成膜する際に成膜室内に導入するNガスの流量比を0.03とした。比較例1−3では、ZrN膜110を成膜する際に成膜室内に導入するNガスの流量比を0.05とした。比較例1−4では、ZrN膜110を成膜する際に成膜室内に導入するNガスの流量比を0.1とした。比較例1−5では、ZrN膜110を成膜する際に成膜室内に導入するNガスの流量比を0.2とした。比較例1−6では、ZrN膜110を成膜する際に成膜室内に導入するNガスの流量比を0.3とした。比較例1−7では、ZrN膜110を成膜する際に成膜室内に導入するNガスの流量比を0.4とした。比較例1−8では、ZrN膜110を成膜する際に成膜室内に導入するNガスの流量比を0.5とした。比較例1−9では、ZrN膜110を成膜する際に成膜室内に導入するNガスの流量比を0.7とした。
【0116】
比較例2の試料を作成する際には、図17(a)に示すように、Cu膜106上にTa膜より成るバリア膜112を形成した。
【0117】
比較例3の試料を作成する際には、図18(a)に示すように、Cu膜106上にTaN膜より成るバリア膜114を形成した。
【0118】
比較例4の試料を作成する際には、図19(a)に示すように、Cu膜106上にTi膜より成るバリア膜116を形成した。
【0119】
比較例5の試料を作成する際には、図20(a)に示すように、Cu膜106上にTiN膜より成るバリア膜118を形成した。
【0120】
このようにして形成した各々の試料に対して、大気中で、400℃、30分間の熱処理を行った。400℃、30分という条件は、バリア性の評価としては過酷な条件である。
【0121】
かかる熱処理を行った後、各々の試料を目視にて確認したところ、以下のような結果が得られた。
【0122】
実施例1の試料については、基板の表面は変色していなかった。
【0123】
一方、比較例1−1〜1−9の試料、比較例2の試料、比較例3の試料、比較例4の試料、比較例5の試料については、いずれも基板の表面が変色していた。
【0124】
また、上記のようにして形成した試料に対して、XPS(X-Ray Photoelectron Spectroscopy、X線光電子分光)装置を用いて分析を行ったところ、以下のような結果が得られた。
【0125】
まず、実施例1の試料について熱処理を行う前におけるZr膜108の表面を分析したところ、Zr3d軌道から放出された光電子に対応するピーク、O1s軌道から放出された光電子に対応するピーク、及び、C1s軌道から放出された光電子に対応するピークが観測された。Zr3d軌道から放出された光電子に対応するピークの割合は24%であり、O1s軌道から放出された光電子に対応するピークの割合は56%であり、C1s軌道から放出された光電子に対応するピークの割合は20%であった。
【0126】
一方、Cu2p3軌道から放出された光電子に対応するピークは観測されなかった。
【0127】
次に、大気中にて300℃の熱処理を行った後におけるZrO膜120の表面を分析したところ、Zr3d軌道から放出された光電子に対応するピーク、O1s軌道から放出された光電子に対応するピーク、及び、C1s軌道から放出された光電子に対応するピークが観測された。Zr3d軌道から放出された光電子に対応するピークの割合は24%であり、O1s軌道から放出された光電子に対応するピークの割合は56%であり、C1s軌道から放出された光電子に対応するピークの割合は29%であった。
【0128】
一方、Cu2p3軌道から放出された光電子に対応するピークは観測されなかった。
【0129】
また、実施例1の試料では、Cu膜106は酸化されていなかった。また、実施例1の試料では、酸化ジルコニウム膜120上にCuが拡散していなかった。
【0130】
これらのことから、実施例1の試料では、Zr膜108の表面が酸化され、酸化ジルコニウム膜120となっており(図15(b)参照)、酸化ジルコニウム膜120は、酸素、水分及びCuの拡散を確実に防止し得ることが分かる。
【0131】
比較例1−1〜1−9の試料では、ZrN膜110が酸化され、ZrON膜122となっていた(図16(b)参照)。また、Cu膜106の上層部にCu酸化物124が形成されていた。また、ZrON膜122の表面にもCu酸化物126が形成されていた。このことから、ZrN膜110やZrON膜122は、酸素、水分及びCuの拡散を十分に防止し得ないことがわかる。しかも、ZrN膜110を成膜する際に成膜室内に導入するNガスの流量比がわずか0.01の場合であっても、Cu膜106の上層部にCu酸化物124が形成されていた。また、ZrON膜122の表面にもCu酸化物126が形成されていた。このことから、わずかな窒素がZr膜に含まれただけでも、良好なバリア性が得られなくなることが分かる。
【0132】
また、比較例2の試料では、Ta膜112が酸化され、タンタル酸化膜128となっていた(図17(b)参照)。また、Cu膜106の上層部にCu酸化物124が観測され、タンタル酸化膜128の表面にもCu酸化物126が観測された。このことから、Ta膜112やタンタル酸化膜128は、酸素、水分及びCuの拡散を十分に防止し得ないことがわかる。
【0133】
また、比較例3の試料では、TaN膜114が酸化され、TaON膜130となっていた(図18(b)参照)。また、Cu膜106の上層部にCu酸化物124が形成されていた。また、TaON膜130の表面にもCu酸化物126が形成されていた。このことから、TaN膜114やTaON膜130は、酸素、水分及びCuの拡散を十分に防止し得ないことがわかる。
【0134】
また、比較例4の試料では、Ti膜116が酸化され、酸化チタン膜132となっていた(図19(b)参照)。また、Cu膜106の上層部にCu酸化物124が形成されていた。また、酸化チタン膜132の表面にもCu酸化物126が形成されていた。このことから、Ti膜116や酸化チタン膜132は、酸素、水分及びCuの拡散を十分に防止し得ないことがわかる。
【0135】
また、比較例5の試料では、TiN膜118が酸化され、TiON膜134となっていた(図20(b)参照)。また、Cu膜106の上層部にCu酸化物124が形成されていた。また、TiON膜134の表面にもCu酸化物126が形成されていた。このことから、TiN膜118やTiON膜134は、酸素、水分及びCuの拡散を十分に防止し得ないことがわかる。
【0136】
本実施形態では、酸化ジルコニウム膜62とZr膜64との積層膜によりバリア膜65が構成されており、酸化ジルコニウム膜162とZr膜164との積層膜によりバリア膜165が構成されている。酸化ジルコニウム膜62、162は、極めて薄く形成した場合であっても、Cu、酸素、水分等の拡散を確実に防止し得る。また、Zr膜64、164は、導体プラグ70a、170a及び配線70b、170bの下地に対する密着性を確保するのに寄与する。また、Zr膜64は、良好な導電性を有しているため、導体プラグ70aと導体プラグ32との間のコンタクト抵抗の低減に寄与する。また、Zr膜164も、良好な導電性を有しているため、導体プラグ170aと配線70bとの間のコンタクト抵抗の低減に寄与する。このため、本実施形態によれば、信頼性や製造歩留まりの低下を招くことなく、良質なバリア膜65、165を薄く形成することができ、ひいては、導体プラグ70a、170a及び配線70b、170bの微細化を実現することができる。
【0137】
しかも、酸化ジルコニウム膜62、162は、水分や酸素等によって劣化しにくい。このため、層間絶縁膜48、148から大量の水分や酸素等が放出された場合であっても、酸化ジルコニウム膜62、162のバリア性が劣化してしまうことはない。このため、本実施形態によれば、酸素や水分等を比較的多く含む多孔質の低誘電率絶縁膜等を層間絶縁膜48、148として用いることができる。
【0138】
(変形例)
次に、本実施形態による半導体装置の製造方法の変形例を図21及び図26を用いて説明する。図21乃至図26は、本変形例による半導体装置の製造方法を示す工程断面図である。
【0139】
本変形例による半導体装置の製造方法は、開口部58が形成された層間絶縁膜48上に、酸化ジルコニウム膜62を直接形成し、開口部158が形成された層間絶縁膜148上に、酸化ジルコニウム膜162を直接形成することに主な特徴がある。
【0140】
まず、層間絶縁膜48に開口部58を形成する工程までは、図2(a)乃至図4(a)を用いて上述した第1実施形態による半導体装置の製造方法と同様であるので、説明を省略する(図21(a)参照)。
【0141】
次に、図21(b)に示すように、酸素を含む雰囲気中で、スパッタリング法により、酸化ジルコニウム膜62を形成する。酸化ジルコニウム膜62を形成する際の条件は、例えば以下の通りとする。成膜室内に導入するガスとしては、例えばArガスと酸素ガスとを用いる。Arガスの流量は、例えば10〜30sccmとする。酸素ガスの流量は、例えば10sccmとする。Zrは酸素との親和性が高いため、成膜室内に導入する酸素ガスの流量比が比較的小さい場合であっても、酸化ジルコニウム膜62を形成することが可能である。ターゲット電力は、例えば5〜10kWとする。基板バイアスは、例えば0〜100Wとする。
【0142】
次に、図5(b)を用いて上述した半導体装置の製造方法と同様にして、コンタクトホール52の底部の酸化ジルコニウム膜62をZrイオンにより除去しつつ、Zr膜64を全面に形成する。
【0143】
こうして、酸化ジルコニウム膜62とZr膜64とから成るバリア膜65が形成される(図22(a)参照)。
【0144】
この後、シード膜66を形成する工程から開口部58内に導電体70を埋め込む工程までは、図6(a)乃至図7(a)を用いて上述した第1実施形態による半導体装置の製造方法と同様であるので、説明を省略する(図22(b)参照)。
【0145】
次に、キャップ膜46を形成する工程から開口部58を形成する工程までは、図7(b)及び図8を用いて上述した第1実施形態による半導体装置の製造方法と同様であるので、説明を省略する(図23参照)。
【0146】
次に、図21(b)を用いて上述した半導体装置の製造方法と同様にして、酸素を含む雰囲気中で、スパッタリング法により、酸化ジルコニウム膜162を形成する(図24参照)。
【0147】
次に、図22(a)を用いて上述した半導体装置の製造方法と同様にして、コンタクトホール152の底部の酸化ジルコニウム膜162をZrイオンにより除去しつつ、Zr膜164を全面に形成する。
【0148】
こうして、酸化ジルコニウム膜162とZr膜164とから成るバリア膜165が形成される(図25参照)。
【0149】
この後の半導体装置の製造方法は、図12乃至図14を用いて上述した第1実施形態による半導体装置の製造方法と同様であるので、説明を省略する。
【0150】
こうして、本変形例による半導体装置が製造される(図26参照)
このように、開口部58が形成された層間絶縁膜48上に、酸化ジルコニウム膜62を直接形成し、開口部158が形成された層間絶縁膜148上に、酸化ジルコニウム膜162を直接形成するようにしてもよい。
【0151】
[第2実施形態]
本発明の第2実施形態による半導体装置の製造方法を図27乃至図35を用いて説明する。図27乃至図35は、本実施形態による半導体装置の製造方法を示す工程断面図である。図1乃至図26に示す第1実施形態による半導体装置及びその製造方法と同一の構成要素には、同一の符号を付して説明を省略または簡潔にする。
【0152】
本実施形態による半導体装置の製造方法は、酸化ジルコニウム膜62、162を形成した後、コンタクトホール52、152の底部の酸化ジルコニウム膜62、162を選択的にエッチング除去し、この後、Zr膜64、164を形成することに主な特徴がある。
【0153】
まず、半導体基板10に素子分離領域12を形成する工程から、開口部58を形成する工程までは、図2(a)乃至図4(a)を用いて上述した第1実施形態による半導体装置の製造方法と同様であるので、説明を省略する(図27(a)参照)。
【0154】
次に、図4(b)を用いて上述した半導体装置の製造方法と同様にして、全面に、ジルコニウム膜(Zr膜)60を形成する(図27(b)参照)。
【0155】
次に、図5(a)を用いて上述した半導体装置の製造方法と同様にして、Zr膜60を酸化する。これにより、Zr膜60が酸化され、酸化ジルコニウム膜62が形成される(図28(a)参照)。
【0156】
次に、図28(b)に示すように、例えばArイオンを用いて、コンタクトホール52の底部の酸化ジルコニウム膜62を選択的にエッチング除去する。コンタクトホール52の底部の酸化ジルコニウム膜62を選択的にエッチング除去する際には、後述するシード膜66を形成する際に用いられるスパッタリング装置を用いることができる。ターゲット電力は、例えば0W〜500W程度とする。基板バイアスは、例えば200〜400Wとする。このような条件に設定すれば、Arイオンがコンタクトホール52の底部に集中に達し、コンタクトホール62の底部の酸化ジルコニウム膜62を選択的に除去することができる。コンタクトホール52の底部の酸化ジルコニウム膜62が除去されるため、良好なコンタクトを得ることが可能となる。
【0157】
なお、溝54の底面はコンタクトホール52の底面に対して十分に大きいため、溝54の底部にはArイオンは集中しない。このため、溝54の底面に存在している酸化ジルコニウム膜62は、Arイオンにより殆どエッチングされない。従って、溝54の底面の酸化ジルコニウム膜62が消失してしまうことはない。
【0158】
なお、シード膜66を形成する際に用いられるスパッタリング装置とは別個のスパッタリング装置を用いて、コンタクトホール52の底部の酸化ジルコニウム膜62を選択的にエッチング除去してもよい。かかるスパッタリング装置としては、例えば誘導結合プラズマ(ICP、Inductively Coupled Plasma)を用いたスパッタリング装置を用いることができる。
【0159】
次に、図29(a)に示すように、全面に、例えばスパッタリング法により、Zr膜64を形成する。Zr膜64の膜厚は、例えば3nm程度とする。Zr膜64の成膜条件は、例えば以下の通りとする。ターゲット電力は、例えば10〜20kW程度とする。基板バイアスは、例えば0〜200W程度とする。Zr膜64は、導体プラグ70a及び配線70bの下地に対する密着性を確保するのに寄与する。また、Zr膜64は、良好な導電性を有しているため、導体プラグ70aと導体プラグ3との間のコンタクト抵抗の低減に寄与する。
【0160】
こうして、酸化ジルコニウム膜62とZr膜64とから成るバリア膜65が形成される。
【0161】
この後、シード膜66を形成する工程から開口部58内に導電体70を埋め込む工程までは、図6(a)乃至図7(a)を用いて上述した第1実施形態による半導体装置の製造方法と同様であるので、説明を省略する(図29(b)参照)。
【0162】
この後、キャップ膜46を形成する工程から開口部58を形成する工程までは、図7(b)及び図8を用いて上述した第1実施形態による半導体装置の製造方法と同様であるので、説明を省略する(図30参照)。
【0163】
次に、図9を用いて上述した半導体装置の製造方法と同様にして、全面に、ジルコニウム膜160を形成する(図31参照)。
【0164】
次に、図10を用いて上述した半導体装置の製造方法と同様にして、Zr膜160を酸化する。これにより、Zr膜160が酸化され、酸化ジルコニウム膜162が形成される(図32参照)。
【0165】
次に、図33に示すように、例えばArイオンを用いて、コンタクトホール152の底部の酸化ジルコニウム膜162を選択的にエッチング除去する。コンタクトホール152の底部の酸化ジルコニウム膜162を選択的にエッチング除去する際には、後述するシード膜166を形成する際に用いられるスパッタリング装置を用いることができる。ターゲット電力は、例えば0W〜500W程度とする。基板バイアスは、例えば200〜400Wとする。このような条件に設定すれば、Arイオンがコンタクトホール152の底部に集中に達し、コンタクトホール162の底部の酸化ジルコニウム膜162を選択的に除去することができる。コンタクトホール152の底部の酸化ジルコニウム膜162が除去されるため、良好なコンタクトを得ることが可能となる。
【0166】
なお、溝154の底面はコンタクトホール152の底面に対して十分に大きいため、溝154の底部にはArイオンは集中しない。このため、溝154の底面に存在している酸化ジルコニウム膜162は、Arイオンにより殆どエッチングされない。従って、溝154の底面の酸化ジルコニウム膜162が消失してしまうことはない。
【0167】
なお、シード膜166を形成する際に用いられるスパッタリング装置とは別個のスパッタリング装置を用いて、コンタクトホール152の底部の酸化ジルコニウム膜162を選択的にエッチング除去してもよい。かかるスパッタリング装置としては、例えば誘導結合プラズマを用いたスパッタリング装置を用いることができる。
【0168】
次に、図34に示すように、全面に、例えばスパッタリング法により、Zr膜164を形成する。Zr膜164の膜厚は、例えば3nm程度とする。Zr膜164の成膜条件は、例えば以下の通りとする。ターゲット電力は、例えば10〜20kW程度とする。基板バイアスは、例えば0〜200W程度とする。Zr膜164は、導体プラグ170a及び配線170bの下地に対する密着性を確保するのに寄与する。また、Zr膜164は、良好な導電性を有しているため、導体プラグ170aと下層の配線70bとの間のコンタクト抵抗の低減に寄与する。
【0169】
こうして、酸化ジルコニウム膜162とZr膜164とから成るバリア膜165が形成される。
【0170】
この後、シード膜166を形成する工程から開口部158内に導電体170を埋め込む工程までは、図12乃至図14を用いて上述した第1実施形態による半導体装置の製造方法と同様であるので、説明を省略する。
【0171】
こうして、本実施形態による半導体装置が製造される(図35参照)。
【0172】
(変形例)
次に、本実施形態による半導体装置の製造方法の変形例を図36乃至図42を用いて説明する。図36乃至図42は、本変形例による半導体装置の製造方法を示す工程断面図である。
【0173】
本変形例による半導体装置の製造方法は、開口部58が形成された層間絶縁膜48上に、酸化ジルコニウム膜62を直接形成し、開口部158が形成された層間絶縁膜148上に、酸化ジルコニウム膜162を直接形成することに主な特徴がある。
【0174】
まず、層間絶縁膜48に開口部58を形成する工程までは、図2(a)乃至図4(a)を用いて上述した第1実施形態による半導体装置の製造方法と同様であるので、説明を省略する(図36(a)参照)。
【0175】
次に、図21(b)を用いて上述した半導体装置の製造方法と同様にして、酸素を含む雰囲気中で、スパッタリング法により、酸化ジルコニウム膜62を直接形成する(図36(b)参照)。
【0176】
次に、図28(b)を用いて上述した半導体装置の製造方法と同様にして、コンタクトホール52の底部の酸化ジルコニウム膜62をArイオンによりエッチング除去する(図37(a)参照)。
【0177】
次に、図29(a)を用いて上述した半導体装置の製造方法と同様にして、Zr膜64を形成する。
【0178】
こうして、酸化ジルコニウム膜62とZr膜64とから成るバリア膜65が形成される(図37(b)参照)。
【0179】
この後、シード膜66を形成する工程から開口部58内に導電体70を埋め込む工程までは、図6(a)乃至図7(a)を用いて上述した第1実施形態による半導体装置の製造方法と同様であるので、説明を省略する(図38(a)参照)。
【0180】
次に、キャップ膜46を形成する工程から開口部58を形成する工程までは、図7(b)及び図8を用いて上述した第1実施形態による半導体装置の製造方法と同様であるので、説明を省略する(図38(b)参照)。
【0181】
次に、図24を用いて上述した半導体装置の製造方法と同様にして、酸素を含む雰囲気中で、スパッタリング法により、酸化ジルコニウム膜162を直接形成する(図39参照)。
【0182】
次に、図33を用いて上述した半導体装置の製造方法と同様にして、コンタクトホール152の底部の酸化ジルコニウム膜162をArイオンによりエッチング除去する(図40参照)。
【0183】
次に、図34を用いて上述した半導体装置の製造方法と同様にして、Zr膜64を形成する。
【0184】
こうして、酸化ジルコニウム膜62とZr膜64とから成るバリア膜65が形成される(図41参照)。
【0185】
この後、シード膜166を形成する工程から開口部158内に導電体170を埋め込む工程までは、図12乃至図14を用いて上述した第1実施形態による半導体装置の製造方法と同様であるので、説明を省略する。
【0186】
こうして、本変形例による半導体装置が製造される(図42参照)
このように、開口部58が形成された層間絶縁膜48上に、酸化ジルコニウム膜62を直接形成し、開口部158が形成された層間絶縁膜148上に、酸化ジルコニウム膜162を直接形成するようにしてもよい。
【0187】
[第3実施形態]
本発明の第3実施形態による半導体装置及びその製造方法を図43乃至図48を用いて説明する。図1乃至図42に示す第1又は第2実施形態による半導体装置及びその製造方法と同一の構成要素には、同一の符号を付して説明を省略または簡潔にする。
【0188】
(半導体装置)
まず、本実施形態による半導体装置を図43を用いて説明する。図43は、本実施形態による半導体装置を示す断面図である。
【0189】
本実施形態による半導体装置は、導体プラグ170aの下部が下層の配線70bに直接接続されていることに主な特徴がある。
【0190】
図43に示すように、開口部158内には、酸化ジルコニウム膜162が形成されている。酸化ジルコニウム膜162は、コンタクトホール152の側面、溝154の側面及び底面に形成されている。コンタクトホール152の底部の酸化ジルコニウム膜162は、選択的に除去されている。
【0191】
酸化ジルコニウム膜162が形成された開口部158内には、Zr膜164が形成されている。Zr膜164は、コンタクトホール152の側面、溝154の側面及び底面に形成されている。コンタクトホール152の底部のZr膜164は、選択的に除去されている。Zr膜164は、導体プラグ170a及び配線170bの下地に対する密着性を確保するのに寄与する。
【0192】
こうして、酸化ジルコニウム膜162とZr膜164とから成るバリア膜165が形成されている。
【0193】
バリア膜165が形成された開口部158内には、Cuより成るシード膜166が形成されている。シード膜166の膜厚は、例えば30nm程度とする。
【0194】
シード膜166が形成された開口部158内には、Cu膜168が埋め込まれている。
【0195】
こうして、Cuより成るシード膜166とCu膜168とから成る導電体170が、開口部158内に埋め込まれている。即ち、導体プラグ170aと、導体プラグ170aと一体的に形成された配線170bとを有する導電体170が、開口部158内に埋め込まれている。導体プラグ170aの下部は、下層の配線70bに直接接続されている。
【0196】
導体プラグ170a及び配線170bが埋め込まれたキャップ膜150上には、図示しない配線が更に形成されている。
【0197】
こうして、多層配線を有する本実施形態による半導体装置が構成されている。
【0198】
このように、本実施形態によれば、導体プラグ170aの下部が下層の配線70bに直接接続されている。このため、本実施形態によれば、導体プラグ170aと下層の配線70bとの間で極めて良好なコンタクトを得ることができる。
【0199】
(半導体装置の製造方法)
次に、本実施形態による半導体装置の製造方法を図44乃至図48を用いて説明する。図44乃至図48は、本実施形態による半導体装置の製造方法を示す工程断面図である。
【0200】
まず、半導体基板10に素子分離領域12を形成する工程から、バリア膜165を形成する工程までは、図2(a)乃至図11を用いて上述した第1実施形態による半導体装置の製造方法と同様であるので、説明を省略する(図44参照)。
【0201】
次に、図45に示すように、例えばArイオンを用いて、コンタクトホール152の底部のZr膜164を選択的にエッチング除去する。コンタクトホール152の底部のZr膜164を選択的にエッチング除去する際には、後述するシード膜166を形成する際に用いられるスパッタリング装置を用いることができる。ターゲット電力は、例えば0W〜500W程度とする。基板バイアスは、例えば200〜400Wとする。このような条件に設定すれば、Arイオンがコンタクトホール52の底部に集中に達し、コンタクトホール62の底部のZr膜164を選択的に除去することができる。
【0202】
なお、溝154の底面はコンタクトホール152の底面に対して十分に大きいため、溝154の底部にはArイオンは集中しない。このため、溝154の底面に存在しているZr膜164及び酸化ジルコニウム膜162は、Arイオンにより殆どエッチングされない。従って、溝154の底面のZr膜164及び酸化ジルコニウム膜162が消失してしまうことはない。
【0203】
なお、シード膜166を形成する際に用いられるスパッタリング装置とは別個のスパッタリング装置を用いて、コンタクトホール152の底部のZr膜164を選択的にエッチング除去してもよい。かかるスパッタリング装置としては、例えば誘導結合プラズマを用いたスパッタリング装置を用いることができる。
【0204】
この後、Cuより成るシード膜166を形成する工程から、開口部154内に導体プラグ170a及び配線170bを埋め込む工程までは、図12乃至図14を用いて上述した第1実施形態による半導体装置の製造方法と同様であるので、説明を省略する(図46乃至図48参照)。
【0205】
この後、図示しない配線を更に形成する。
【0206】
こうして、多層配線を有する本実施形態による半導体装置が製造される。
【0207】
このように、本実施形態によれば、導体プラグ170aの下部を下層の配線70bに直接接続するため、導体プラグ170aと下層の配線70bとの間で極めて良好なコンタクトを得ることができる。
【0208】
[第4実施形態]
本発明の第4実施形態による半導体装置の製造方法を図49乃至図55を用いて説明する。図49乃至図55は、本実施形態による半導体装置の製造方法を示す工程断面図である。図1乃至図48に示す第1乃至第3実施形態による半導体装置及びその製造方法と同一の構成要素には、同一の符号を付して説明を省略または簡潔にする。
【0209】
まず、半導体基板10に素子分離領域12を形成する工程から、酸化ジルコニウム膜162を形成する工程までは、図2(a)乃至図10を用いて上述した第1実施形態による半導体装置の製造方法と同様であるので、説明を省略する(図49参照)。
【0210】
次に、図33を用いて上述した第2実施形態による半導体装置の製造方法と同様にして、例えばArイオンを用いて、コンタクトホール152の底部の酸化ジルコニウム膜162を選択的にエッチング除去する(図50参照)。
【0211】
次に、図34を用いて上述した第2実施形態による半導体装置の製造方法と同様にして、全面に、Zr膜164を形成する。
【0212】
こうして、酸化ジルコニウム膜162とZr膜164とから成るバリア膜165が形成される(図51参照)。
【0213】
次に、図45を用いて上述した第3実施形態による半導体装置の製造方法と同様にして、例えばArイオンを用いて、コンタクトホール152の底部のZr膜164を選択的にエッチング除去する(図52参照)。
【0214】
この後、Cuより成るシード膜166を形成する工程から、開口部158内に導電体170を埋め込む工程までは、図12乃至図14を用いて上述した第1実施形態による半導体装置の製造方法と同様であるので、説明を省略する(図53乃至図55参照)。
【0215】
この後、図示しない配線を更に形成する。
【0216】
こうして、多層配線を有する本実施形態による半導体装置が製造される。
【0217】
このように、本実施形態によっても、導体プラグ170aの下部を下層の配線70bに直接接続するため、導体プラグ170aと下層の配線70bとの間で極めて良好なコンタクトを得ることができる。
【0218】
[変形実施形態]
本発明は上記実施形態に限らず種々の変形が可能である。
【0219】
例えば、第3及び第4実施形態では、Zr膜60を形成した後に、かかるZr膜60を酸化することにより、酸化ジルコニウム膜62を形成する場合を例に説明したが、図36を用いて上述した半導体装置の製造方法のように、酸化ジルコニウム膜62を直接形成してもよい。
【0220】
また、第3及び第4実施形態では、Zr膜160を形成した後に、かかるZr膜160を酸化することにより、酸化ジルコニウム膜162を形成する場合を例に説明したが、図39を用いて上述した半導体装置の製造方法のように、酸化ジルコニウム膜162を直接形成してもよい。
【0221】
以上詳述した通り、本発明の特徴をまとめると以下のようになる。
【0222】
(付記1)
半導体基板上に形成された第1の導電体と、
前記半導体基板上及び前記第1の導電体上に形成され、前記第1の導電体に達するコンタクトホールと、前記コンタクトホールの上部に接続された溝とが形成された、酸素を含む絶縁膜と、
前記コンタクトホールの側面並びに前記溝の側面及び底面に形成された酸化ジルコニウム膜と、
前記コンタクトホール内及び前記溝内における前記酸化ジルコニウム膜上に形成されたジルコニウム膜と、
前記コンタクトホール内及び前記溝内に埋め込まれたCuより成る第2の導電体と
を有することを特徴とする半導体装置。
【0223】
(付記2)
付記1記載の半導体装置において、
前記第1の導電体は、第1の導体プラグ又は第1の配線である
ことを特徴とする半導体装置。
【0224】
(付記3)
付記1又は2記載の半導体装置において、
前記第2の導電体は、前記コンタクトホール内に埋め込まれた第2の導体プラグと、前記溝内に埋め込まれた第2の配線とを有する
ことを特徴とする半導体装置。
【0225】
(付記4)
付記1乃至3のいずれかに記載の半導体装置において、
前記ジルコニウム膜は、前記コンタクトホールの底部にも形成されており、
前記第2の導電体は、前記ジルコニウム膜を介して前記第1の導電体に接続されている
ことを特徴とする半導体装置。
【0226】
(付記5)
付記1乃至3のいずれかに記載の半導体装置において、
前記第2の導電体は、前記コンタクトホールの底部において前記第1の導電体に接している
ことを特徴とする半導体装置。
【0227】
(付記6)
付記1乃至5のいずれかに記載の半導体装置において、
前記絶縁膜は、多孔質の絶縁膜である
ことを特徴とする半導体装置。
【0228】
(付記7)
半導体基板上に第1の導電体を形成する工程と、
前記半導体基板上及び前記第1の導電体上に、酸素を含む絶縁膜を形成する工程と、
前記第1の導電体に達するコンタクトホールと、前記コンタクトホールの上部に接続された溝とを、前記絶縁膜に形成する工程と、
前記コンタクトホール内及び前記溝内に、酸化ジルコニウム膜を形成する工程と、
前記コンタクトホールの底部の前記酸化ジルコニウム膜を選択的に除去しつつ、前記コンタクトホール内及び前記溝内における前記酸化ジルコニウム膜上にジルコニウム膜を形成する工程と、
前記コンタクトホール内及び前記溝内にCuより成る第2の導電体を埋め込む工程と
を有することを特徴とする半導体装置の製造方法。
【0229】
(付記8)
半導体基板上に第1の導電体を形成する工程と、
前記半導体基板上及び前記第1の導電体上に、酸素を含む絶縁膜を形成する工程と、
前記第1の導電体に達するコンタクトホールと、前記コンタクトホールの上部に接続された溝とを、前記絶縁膜に形成する工程と、
前記コンタクトホール内及び前記溝内に、酸化ジルコニウム膜を形成する工程と、
前記コンタクトホールの底部の前記酸化ジルコニウム膜を選択的に除去する工程と、
前記コンタクトホール内及び前記溝内における前記酸化ジルコニウム膜上にジルコニウム膜を形成する工程と、
前記コンタクトホール内及び前記溝内にCuより成る第2の導電体を埋め込む工程と
を有することを特徴とする半導体装置の製造方法。
【0230】
(付記9)
付記7又は8記載の半導体装置の製造方法において、
前記第1の導電体は、第1の導体プラグ又は第1の配線である
ことを特徴とする半導体装置の製造方法。
【0231】
(付記10)
付記7乃至9のいずれかに記載の半導体装置の製造方法において、
前記第2の導電体を埋め込む工程では、前記コンタクトホール内に第2の導体プラグを埋め込み、前記溝内に第2の配線を埋め込む
ことを特徴とする半導体装置の製造方法。
【0232】
(付記11)
付記7乃至10のいずれかに記載の半導体装置の製造方法において、
前記ジルコニウム膜を形成する工程の後、前記第2の導電体を埋め込む工程の前に、前記コンタクトホールの底部の前記ジルコニウム膜を除去する工程を更に有し、
前記第2の導電体を埋め込む工程では、前記第1の導電体に接するように前記第2の導電体を埋め込む
ことを特徴とする半導体装置の製造方法。
【0233】
(付記12)
付記7乃至11のいずれかに記載の半導体装置の製造方法において、
前記酸化ジルコニウム膜を形成する工程では、酸素を含む雰囲気中でスパッタリングを行うことにより、前記酸化ジルコニウム膜を形成する
ことを特徴とする半導体装置の製造方法。
【0234】
(付記13)
付記7乃至11のいずれかに記載の半導体装置の製造方法において、
前記酸化ジルコニウム膜を形成する工程は、他のジルコニウム膜を形成する第1の工程と、前記他のジルコニウム膜を酸化することにより、前記酸化ジルコニウム膜を形成する第2の工程とを有する
ことを特徴とする半導体装置の製造方法。
【0235】
(付記14)
付記13記載の半導体装置の製造方法において、
前記第2の工程では、酸素を含む雰囲気中で前記他のジルコニウム膜を熱処理することにより、前記酸化ジルコニウム膜を形成する
ことを特徴とする半導体装置の製造方法。
【0236】
(付記15)
付記7乃至14のいずれかに記載の半導体装置の製造方法において、
前記第2の導電体を埋め込む工程は、前記コンタクトホール内及び前記溝内の前記ジルコニウム膜上にCuより成るシード膜を形成する工程と;前記シード膜上に電気めっき法によりCu膜を形成する工程と;前記絶縁膜の表面が露出するまで前記Cu膜及び前記シード膜を研磨する工程とを有する
ことを特徴とする半導体装置の製造方法。
【0237】
(付記16)
付記7乃至15のいずれかに記載の半導体装置の製造方法において、
前記絶縁膜を形成する工程では、多孔質の前記絶縁膜を形成する
ことを特徴とする半導体装置の製造方法。
【図面の簡単な説明】
【0238】
【図1】本発明の第1実施形態による半導体装置を示す断面図である。
【図2】本発明の第1実施形態による半導体装置の製造方法を示す工程断面図(その1)である。
【図3】本発明の第1実施形態による半導体装置の製造方法を示す工程断面図(その2)である。
【図4】本発明の第1実施形態による半導体装置の製造方法を示す工程断面図(その3)である。
【図5】本発明の第1実施形態による半導体装置の製造方法を示す工程断面図(その4)である。
【図6】本発明の第1実施形態による半導体装置の製造方法を示す工程断面図(その5)である。
【図7】本発明の第1実施形態による半導体装置の製造方法を示す工程断面図(その6)である。
【図8】本発明の第1実施形態による半導体装置の製造方法を示す工程断面図(その7)である。
【図9】本発明の第1実施形態による半導体装置の製造方法を示す工程断面図(その8)である。
【図10】本発明の第1実施形態による半導体装置の製造方法を示す工程断面図(その9)である。
【図11】本発明の第1実施形態による半導体装置の製造方法を示す工程断面図(その10)である。
【図12】本発明の第1実施形態による半導体装置の製造方法を示す工程断面図(その11)である。
【図13】本発明の第1実施形態による半導体装置の製造方法を示す工程断面図(その12)である。
【図14】本発明の第1実施形態による半導体装置の製造方法を示す工程断面図(その13)である。
【図15】バリア膜の評価に用いられた試料を示す断面図(その1)である。
【図16】バリア膜の評価に用いられた試料を示す断面図(その2)である。
【図17】バリア膜の評価に用いられた試料を示す断面図(その3)である。
【図18】バリア膜の評価に用いられた試料を示す断面図(その4)である。
【図19】バリア膜の評価に用いられた試料を示す断面図(その5)である。
【図20】バリア膜の評価に用いられた試料を示す断面図(その6)である。
【図21】本発明の第1実施形態の変形例による半導体装置の製造方法を示す工程断面図(その1)である。
【図22】本発明の第1実施形態の変形例による半導体装置の製造方法を示す工程断面図(その2)である。
【図23】本発明の第1実施形態の変形例による半導体装置の製造方法を示す工程断面図(その3)である。
【図24】本発明の第1実施形態の変形例による半導体装置の製造方法を示す工程断面図(その4)である。
【図25】本発明の第1実施形態の変形例による半導体装置の製造方法を示す工程断面図(その5)である。
【図26】本発明の第1実施形態の変形例による半導体装置の製造方法を示す工程断面図(その6)である。
【図27】本発明の第2実施形態による半導体装置の製造方法を示す工程断面図(その1)である。
【図28】本発明の第2実施形態による半導体装置の製造方法を示す工程断面図(その2)である。
【図29】本発明の第2実施形態による半導体装置の製造方法を示す工程断面図(その3)である。
【図30】本発明の第2実施形態による半導体装置の製造方法を示す工程断面図(その4)である。
【図31】本発明の第2実施形態による半導体装置の製造方法を示す工程断面図(その5)である。
【図32】本発明の第2実施形態による半導体装置の製造方法を示す工程断面図(その6)である。
【図33】本発明の第2実施形態による半導体装置の製造方法を示す工程断面図(その7)である。
【図34】本発明の第2実施形態による半導体装置の製造方法を示す工程断面図(その8)である。
【図35】本発明の第2実施形態による半導体装置の製造方法を示す工程断面図(その9)である。
【図36】本発明の第2実施形態の変形例による半導体装置の製造方法を示す工程断面図(その1)である。
【図37】本発明の第2実施形態の変形例による半導体装置の製造方法を示す工程断面図(その2)である。
【図38】本発明の第2実施形態の変形例による半導体装置の製造方法を示す工程断面図(その3)である。
【図39】本発明の第2実施形態の変形例による半導体装置の製造方法を示す工程断面図(その4)である。
【図40】本発明の第2実施形態の変形例による半導体装置の製造方法を示す工程断面図(その5)である。
【図41】本発明の第2実施形態の変形例による半導体装置の製造方法を示す工程断面図(その6)である。
【図42】本発明の第2実施形態の変形例による半導体装置の製造方法を示す工程断面図(その7)である。
【図43】本発明の第3実施形態による半導体装置を示す断面図である。
【図44】本発明の第3実施形による半導体装置の製造方法を示す工程断面図(その1)である。
【図45】本発明の第3実施形による半導体装置の製造方法を示す工程断面図(その2)である。
【図46】本発明の第3実施形による半導体装置の製造方法を示す工程断面図(その3)である。
【図47】本発明の第3実施形による半導体装置の製造方法を示す工程断面図(その4)である。
【図48】本発明の第3実施形による半導体装置の製造方法を示す工程断面図(その5)である。
【図49】本発明の第4実施形態による半導体装置の製造方法を示す工程断面図(その1)である。
【図50】本発明の第4実施形態による半導体装置の製造方法を示す工程断面図(その2)である。
【図51】本発明の第4実施形態による半導体装置の製造方法を示す工程断面図(その3)である。
【図52】本発明の第4実施形態による半導体装置の製造方法を示す工程断面図(その4)である。
【図53】本発明の第4実施形態による半導体装置の製造方法を示す工程断面図(その5)である。
【図54】本発明の第4実施形態による半導体装置の製造方法を示す工程断面図(その6)である。
【図55】本発明の第4実施形態による半導体装置の製造方法を示す工程断面図(その7)である。
【符号の説明】
【0239】
10…半導体基板
12…素子分離領域
14…ゲート絶縁膜
16…ゲート電極
18…ソース/ドレイン拡散層
18a、18b…不純物拡散領域
20…サイドウォール絶縁膜
22…トランジスタ
24…層間絶縁膜
26…キャップ膜
28…コンタクトホール
30…バリア膜
32…コンタクトホール
34…層間絶縁膜
36…溝
38…バリア膜
40…シード膜
42…Cu膜
44…配線
45…凹部
46…キャップ膜
48…層間絶縁膜
50…キャップ膜
52…コンタクトホール
54…溝
56…開口部
58…開口部
60…Zr膜
62…酸化ジルコニウム膜
64…Zr膜
65…バリア膜
66…シード膜
68…Cu膜
70…導電体
70a…導体プラグ
70b…配線
100…シリコン基板
102…シリコン酸化膜
104…下地膜
106…Cu膜
108…バリア膜
110…バリア膜
112…バリア膜
114…バリア膜
116…バリア膜
118…バリア膜
120…酸化ジルコニウム膜
122…ZrON膜
124…Cu酸化物
126…Cu酸化物
128…タンタル酸化膜
130…TaON膜
132…酸化チタン膜
134…TiON膜
146…キャップ膜
148…層間絶縁膜
150…キャップ膜
152…コンタクトホール
154…溝
156…開口部
158…開口部
160…Zr膜
162…酸化ジルコニウム膜
164…Zr膜
165…バリア膜
166…シード膜
168…Cu膜
170…導電体
170a…導体プラグ
170b…配線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体基板上に形成された第1の導電体と、
前記半導体基板上及び前記第1の導電体上に形成され、前記第1の導電体に達するコンタクトホールと、前記コンタクトホールの上部に接続された溝とが形成された、酸素を含む絶縁膜と、
前記コンタクトホールの側面並びに前記溝の側面及び底面に形成された酸化ジルコニウム膜と、
前記コンタクトホール内及び前記溝内における前記酸化ジルコニウム膜上に形成されたジルコニウム膜と、
前記コンタクトホール内及び前記溝内に埋め込まれたCuより成る第2の導電体と
を有することを特徴とする半導体装置。
【請求項2】
請求項1記載の半導体装置において、
前記第1の導電体は、第1の導体プラグ又は第1の配線である
ことを特徴とする半導体装置。
【請求項3】
請求項1又は2記載の半導体装置において、
前記第2の導電体は、前記コンタクトホール内に埋め込まれた第2の導体プラグと、前記溝内に埋め込まれた第2の配線とを有する
ことを特徴とする半導体装置。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれか1項に記載の半導体装置において、
前記ジルコニウム膜は、前記コンタクトホールの底部にも形成されており、
前記第2の導電体は、前記ジルコニウム膜を介して前記第1の導電体に接続されている
ことを特徴とする半導体装置。
【請求項5】
請求項1乃至3のいずれか1項に記載の半導体装置において、
前記第2の導電体は、前記コンタクトホールの底部において前記第1の導電体に接している
ことを特徴とする半導体装置。
【請求項6】
請求項1乃至5のいずれか1項に記載の半導体装置において、
前記絶縁膜は、多孔質の絶縁膜である
ことを特徴とする半導体装置。
【請求項7】
半導体基板上に第1の導電体を形成する工程と、
前記半導体基板上及び前記第1の導電体上に、酸素を含む絶縁膜を形成する工程と、
前記第1の導電体に達するコンタクトホールと、前記コンタクトホールの上部に接続された溝とを、前記絶縁膜に形成する工程と、
前記コンタクトホール内及び前記溝内に、酸化ジルコニウム膜を形成する工程と、
前記コンタクトホールの底部の前記酸化ジルコニウム膜を選択的に除去しつつ、前記コンタクトホール内及び前記溝内における前記酸化ジルコニウム膜上にジルコニウム膜を形成する工程と、
前記コンタクトホール内及び前記溝内にCuより成る第2の導電体を埋め込む工程と
を有することを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項8】
半導体基板上に第1の導電体を形成する工程と、
前記半導体基板上及び前記第1の導電体上に、酸素を含む絶縁膜を形成する工程と、
前記第1の導電体に達するコンタクトホールと、前記コンタクトホールの上部に接続された溝とを、前記絶縁膜に形成する工程と、
前記コンタクトホール内及び前記溝内に、酸化ジルコニウム膜を形成する工程と、
前記コンタクトホールの底部の前記酸化ジルコニウム膜を選択的に除去する工程と、
前記コンタクトホール内及び前記溝内における前記酸化ジルコニウム膜上にジルコニウム膜を形成する工程と、
前記コンタクトホール内及び前記溝内にCuより成る第2の導電体を埋め込む工程と
を有することを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項9】
請求項7又は8記載の半導体装置の製造方法において、
前記第2の導電体を埋め込む工程では、前記コンタクトホール内に第2の導体プラグを埋め込み、前記溝内に第2の配線を埋め込む
ことを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項10】
請求項7乃至9のいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法において、
前記絶縁膜を形成する工程では、多孔質の前記絶縁膜を形成する
ことを特徴とする半導体装置の製造方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate

【図20】
image rotate

【図21】
image rotate

【図22】
image rotate

【図23】
image rotate

【図24】
image rotate

【図25】
image rotate

【図26】
image rotate

【図27】
image rotate

【図28】
image rotate

【図29】
image rotate

【図30】
image rotate

【図31】
image rotate

【図32】
image rotate

【図33】
image rotate

【図34】
image rotate

【図35】
image rotate

【図36】
image rotate

【図37】
image rotate

【図38】
image rotate

【図39】
image rotate

【図40】
image rotate

【図41】
image rotate

【図42】
image rotate

【図43】
image rotate

【図44】
image rotate

【図45】
image rotate

【図46】
image rotate

【図47】
image rotate

【図48】
image rotate

【図49】
image rotate

【図50】
image rotate

【図51】
image rotate

【図52】
image rotate

【図53】
image rotate

【図54】
image rotate

【図55】
image rotate


【公開番号】特開2009−194009(P2009−194009A)
【公開日】平成21年8月27日(2009.8.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−30314(P2008−30314)
【出願日】平成20年2月12日(2008.2.12)
【出願人】(308014341)富士通マイクロエレクトロニクス株式会社 (2,507)
【Fターム(参考)】