説明

半導体装置及びその製造方法

【課題】コンタクトプラグの断面に占めるバリア層の割合が比較的小さい半導体装置およびその製造方法を提供する。
【解決手段】半導体装置は、基板101と、基板中に形成され、基板の表面に平行な第1方向に沿って交互に設けられた素子分離層及び活性層111,112と、素子分離層及び活性層上に形成され、個々の活性層上に、個々のコンタクトプラグ用の穴を有する層間絶縁膜121と、上記穴の内部に露出した活性層の上面、及び上記穴の上記第1方向に垂直な2つの側面のうちの片側の側面に形成されたバリア層131と、上記穴の内部のバリア層上に形成されたプラグ材層132とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体装置及びその製造方法に関し、例えば、ジャージトラップ型又はフローティングゲート型のNANDフラッシュEEPROM等の不揮発性半導体メモリに使用されるものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、NANDデバイスのビット線コンタクトプラグを形成する際には、選択ゲート間の個々の活性層上にコンタクトホールを形成し、コンタクトホールの底面及び側面にバリアメタルを堆積し、バリアメタルを介してコンタクトホール内にプラグ材を埋め込む。これにより、コンタクトホール内に、バリアメタル層とプラグ材層からなるコンタクトプラグが形成される(例えば、特許文献1を参照)。
【0003】
しかしながら、このような構造を微細NANDデバイスに採用すると、コンタクトプラグの水平方向の断面(即ち、電流の方向に垂直な断面)に占めるバリアメタル層の割合が大きくなってしまう。微細NANDデバイスでは、活性層の幅や、コンタクトプラグの径が縮小されるからである。コンタクトプラグの断面に占めるバリアメタル層の割合が大きくなると、例えば、コンタクトプラグの抵抗率が増加する等の問題が生じる。コンタクトプラグの抵抗率の増加は、良好なコンタクト抵抗を実現する上で障害となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−10011号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、コンタクトプラグの断面に占めるバリア層の割合が比較的小さい半導体装置及びその製造方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一の態様は例えば、基板と、前記基板中に形成され、前記基板の表面に平行な第1方向に沿って交互に設けられた素子分離層及び活性層と、前記素子分離層及び前記活性層上に形成され、個々の前記活性層上に、個々のコンタクトプラグ用の穴を有する層間絶縁膜と、前記穴の内部に露出した前記活性層の上面、及び前記穴の前記第1方向に垂直な2つの側面のうちの片側の側面に形成されたバリア層と、前記穴の内部の前記バリア層上に形成されたプラグ材層と、を備えることを特徴とする半導体装置である。
【0007】
本発明の別の態様は例えば、基板と、前記基板中に形成され、前記基板の表面に平行な第1方向に沿って交互に設けられた素子分離層及び活性層と、前記素子分離層及び前記活性層上に形成され、前記活性層のうちの第1及び第2の活性層上にそれぞれ、第1及び第2のコンタクトプラグ用の穴である第1及び第2の穴を有する層間絶縁膜と、前記第1の穴の内部に露出した前記第1の活性層の上面、及び前記第1の穴の前記第1方向に垂直な2つの側面のうちの、前記第2の穴と反対側の側面に形成された第1のバリア層と、前記第2の穴の内部に露出した前記第2の活性層の上面、及び前記第2の穴の前記第1方向に垂直な2つの側面のうちの、前記第1の穴と反対側の側面に形成された第2のバリア層と、前記第1の穴の内部の前記第1のバリア層上に形成された第1のプラグ材層と、前記第2の穴の内部の前記第2のバリア層上に形成された第2のプラグ材層と、を備え、前記第1及び第2の穴は、前記第1方向に互いに隣接していることを特徴とする半導体装置である。
【0008】
本発明の別の態様は例えば、基板表面に平行な第1方向に沿って素子分離層及び活性層が交互に形成された基板上に、第1の層間絶縁膜を形成し、前記第1の層間絶縁膜に、前記活性層のうちの第1の活性層から第2の活性層にまたがる穴を形成し、前記穴の内部に前記基板を露出させ、前記穴の底面及び側面にバリア層を形成し、前記バリア層を介して、前記穴の底面及び側面にプラグ材層を形成し、前記穴の底面及び側面に形成された前記バリア層及び前記プラグ材層のエッチング加工を行い、前記第1の活性層上に形成された前記バリア層及び前記プラグ材層と、前記第2の活性層上に形成された前記バリア層及び前記プラグ材層とを分断し、前記バリア層及び前記プラグ材層の分断後に、前記穴の内部に、第2の層間絶縁膜を埋め込む、ことを特徴とする半導体装置の製造方法である。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、コンタクトプラグの断面に占めるバリア層の割合が比較的小さい半導体装置及びその製造方法を提供することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】第1実施形態の半導体装置の構成を示す側方断面図である。
【図2】図1の半導体装置の構成を示す平面図である。
【図3】図1の半導体装置の製造方法の概略を示す側方断面図(1/2)である。
【図4】図1の半導体装置の製造方法の概略を示す側方断面図(2/2)である。
【図5】比較例の半導体装置の構成を示す平面図である。
【図6】比較例の半導体装置の構成を示す側方断面図である。
【図7】図1の半導体装置の製造方法の詳細を示す平面図及び側方断面図である。
【図8】図7に続く製造工程を示す平面図及び側方断面図である。
【図9】図8に続く製造工程を示す平面図及び側方断面図である。
【図10】図9に続く製造工程を示す平面図及び側方断面図である。
【図11】図10に続く製造工程を示す平面図及び側方断面図である。
【図12】図11に続く製造工程を示す平面図及び側方断面図である。
【図13】図12に続く製造工程を示す平面図及び側方断面図である。
【図14】図13に続く製造工程を示す平面図及び側方断面図である。
【図15】図14に続く製造工程を示す平面図及び側方断面図である。
【図16】図15に続く製造工程を示す平面図及び側方断面図である。
【図17】図16に続く製造工程を示す平面図及び側方断面図である。
【図18】図17に続く製造工程を示す平面図及び側方断面図である。
【図19】図11から図14に示す工程の変形例を示す側方断面図(1/2)である。
【図20】図11から図14に示す工程の変形例を示す側方断面図(2/2)である。
【図21】図1に示す構造の第1変形例を示す側方断面図である。
【図22】図1に示す構造の第2変形例を示す側方断面図である。
【図23】図1に示す構造の第3変形例を示す側方断面図である。
【図24】第2実施形態の半導体装置の構成を示す平面図である。
【図25】図24の半導体装置の構成を示す側方断面図である。
【図26】図24の半導体装置の製造方法を示す側方断面図(1/2)である。
【図27】図24の半導体装置の製造方法を示す側方断面図(2/2)である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明の実施形態を、図面に基づいて説明する。
【0012】
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態の半導体装置の構成を示す側方断面図である。図1の半導体装置は、不揮発性半導体メモリ、詳細には、NANDフラッシュEEPROMとなっている。
【0013】
図1の半導体装置では、基板101中に、STI(Shallow Trench Isolation)に相当する素子分離層111と、AA(Active Area)に相当する活性層112が形成されている。素子分離層111と活性層112は、図1に示すように、基板101の表面に平行な所定方向に沿って交互に設けられている。図1では、この所定方向が、矢印Xで示されている。この所定方向(X方向)は、本発明の第1方向の例である。
【0014】
素子分離層111及び活性層112上には、層間絶縁膜121が形成されており、層間絶縁膜121には、穴Hが設けられている。図1では、各穴Hは、層間絶縁膜121により2つの穴に分離されており、図中左側の穴がH1、図中右側の穴がH2で示されている。穴H1及びH2は、個々の活性層112上に設けられており、穴H1及びH2の各々は、個々のコンタクトプラグ用の穴に相当する。図1では、穴H1及びH2の各々に、コンタクトプラグCPが形成されており、それぞれのコンタクトプラグCP間に、層間絶縁膜121が形成されている。穴Hの詳細については、後述する。図1では更に、穴H1及びH2の各々の、X方向に垂直な2つの側面が、SA及びSBで示されている。図1では、穴H1及びH2の各々の、図中左側の側面がSA、図中右側の側面がSBで示されている。
【0015】
以下、穴H1及びH2を適宜、統一的に穴HN(Nは1又は2)と表記する。例えば、各穴HNという表記は、穴H1及びH2の各々のことを意味する。
【0016】
穴HNの内部には、コンタクトプラグCPを構成するバリアメタル層131及びプラグ材層132が形成されている。各穴HNの内部では、バリアメタル層131は、穴HNの内部に露出した活性層112の上面、及び穴HNのX方向に垂直な2つの側面(SA及びSB)のうちの片側の側面に形成されている。また、プラグ材層132は、各穴HNの内部のバリアメタル層131上に形成されている。プラグ材層132は、層間絶縁膜121とバリアメタル層131に囲まれた領域内に埋め込まれるように形成されている。
【0017】
なお、プラグ材層132を形成するプラグ材の抵抗率は、バリアメタル層131を形成するメタル材の抵抗率よりも低くなるのが一般的である。バリアメタル層131を形成するメタル材は例えば、Ti(チタン)であり、プラグ材層132を形成するプラグ材は例えば、W(タングステン)である。バリアメタル層131は、プラグ材層132と活性層112が直接接触することによる不具合を防止している。バリアメタル層131は、本発明のバリア層の例である。
【0018】
このように、本実施形態では、バリアメタル層131は、穴HNの底面、及び穴HNのX方向に垂直な2つの側面のうちの片側のみの側面に形成されている。即ち、バリアメタル層131は、穴HNの側面全体ではなく、穴HNの側面の一部に形成されている。これにより、本実施形態では、コンタクトプラグCPの水平方向の断面に占めるバリアメタル層131の割合が小さくなっている。よって、本実施形態によれば、例えば、コンタクトプラグCPの抵抗率が低くなり、良好なコンタクト抵抗が実現される等のメリットが得られる。
【0019】
本実施形態の構造は例えば、微細NANDデバイスの構造として適している。理由は、微細NANDデバイスでは、活性層112の幅やコンタクトプラグCPの径が縮小されるため、コンタクトプラグCPの断面に占めるバリアメタル層131の割合が大きくなるからである。コンタクトプラグCPの断面に占めるバリアメタル層131の割合が大きくなると、コンタクトプラグCPの抵抗率が増加する等の問題が生じる。コンタクトプラグCPの抵抗率の増加は、良好なコンタクト抵抗を実現する上で障害となる。しかしながら、本実施形態では、上記のように、バリアメタル層131が穴HNの側面全体ではなく、穴HNの側面の一部に形成されるため、コンタクトプラグCPの断面に占めるバリアメタル層131の割合が小さくなる。よって、本実施形態によれば、微細NANDデバイスにおいて、コンタクトプラグCPの抵抗率が低くなり、良好なコンタクト抵抗が実現される等のメリットが得られる。
【0020】
図1では、穴H1と穴H2のペアが、3組分示されている。1つのペアを構成する穴H1と穴H2は、共通の1つの穴Hから形成される。各ペアの穴H1と穴H2は、X方向に互いに隣接している。穴H1及びH2はそれぞれ、本発明の第1及び第2の穴の例である。
【0021】
穴H1では、バリアメタル層131は、側面SA及びSBのうち、ペアをなす穴H2と反対側の側面、即ち、側面SAに形成されている。また、穴H2では、バリアメタル層131は、側面SA及びSBのうち、ペアをなす穴H1と反対側の側面、即ち、側面SBに形成されている。
【0022】
その結果、各ペアでは、穴H1内のバリアメタル層131の形状と、穴H2内のバリアメタル層131の形状が、鏡面対称となっている。図1では、H1内のバリアメタル層131の断面形状は、L字形となっており、H2内のバリアメタル層131の断面形状は、L字形を反転した形状となっている。
【0023】
また、各ペアにおいて、H1内のプラグ材層132は、H1の図中右側の側面に接しており、H2内のプラグ材層132は、H2の図中左側の側面に接している。このように、各ペアでは、穴H1内のプラグ材層132の形状と、穴H2内のプラグ材層132の形状も、鏡面対称となっている。
【0024】
従って、各ペアでは、穴H1内のコンタクトプラグCPの形状と、穴H2内のコンタクトプラグCPの形状が、鏡面対称となっている。
【0025】
なお、穴H1の下部に位置する活性層112は、本発明の第1の活性層の例であり、穴H2の下部に位置する活性層112は、本発明の第2の活性層の例である。また、穴H1内のバリアメタル層131、プラグ材層132は、本発明の第1のバリア層、第1のプラグ材層の例であり、穴H2内のバリアメタル層131、プラグ材層132は、本発明の第2のバリア層、第2のプラグ材層の例である。
【0026】
図2は、図1の半導体装置の構成を示す平面図である。図2には、図1に示す基板101、素子分離層111、活性層112、穴H,H1,H2、バリアメタル層131、プラグ材層132、及びコンタクトプラグCPが示されている。図1は、図2に示すZ−Z’線における断面図となっている。
【0027】
本実施形態のコンタクトプラグCPは、ビット線コンタクトであり、図2に示すように、選択ゲートSG間に配置されている。図2には、基板101の表面に平行なX方向及びY方向が示されている。X方向は、上記第1方向に相当し、Y方向は、上記第1方向に垂直な第2方向に相当する。図2では、選択ゲートSGは、X方向に伸びており、素子分離層111及び活性層112は、Y方向に伸びている。また、本実施形態のコンタクトプラグCPは、図2に示すように、基板101の上方から見て、X方向に沿って一列に配置されている。また、各コンタクトプラグCPは、基板101の上方から見て、Y方向に伸びる帯状の形状を有している。
【0028】
図3及び図4は、図1の半導体装置の製造方法の概略を示す側方断面図である。
【0029】
まず、図3(A)に示すように、基板表面に平行なX方向に沿って素子分離層111及び活性層112が交互に形成された基板101上に、第1の層間絶縁膜121Aを形成する。
【0030】
次に、図3(B)に示すように、第1の層間絶縁膜121Aに、隣接する2つの活性層112にまたがる穴Hを形成し、穴Hの内部に基板101を露出させる。このように、穴Hは、いわゆるコンタクトホールに相当する。
【0031】
次に、図3(C)に示すように、穴Hの底面及び側面に、バリアメタル層131を堆積する。バリアメタル層131は例えば、Ti(チタン)層である。次に、図3(C)に示すように、バリアメタル層131を介して、穴Hの底面及び側面に、プラグ材層132を堆積する。この際、プラグ材層132は、穴Hの底面及び側面に、穴Hを完全に埋めないように形成される。プラグ材層132は例えば、W(タングステン)層である。
【0032】
次に、図4(A)に示すように、バリアメタル層131及びプラグ材層132のエッチング加工を複数回行い、穴Hの内部の活性層112の上面、及び穴HのX方向に垂直な両側面に、バリアメタル層131及びプラグ材層132を残存させる。これにより、各穴Hの内部では、バリアメタル層131及びプラグ材層132が、図中左側の活性層112上の部分と図中右側の活性層112上に部分とに分断される。なお、当該エッチング加工の詳細については、後述する。
【0033】
次に、図4(B)に示すように、バリアメタル層131及びプラグ材層132の分断後に、バリアメタル層131及びプラグ材層132が残存する穴Hの内部に、第2の層間絶縁膜121Bを埋め込む。このようにして、個々の穴Hの両側面に形成された穴H1及びH2にコンタクトプラグCP(バリアメタル層131及びプラグ材層132)が埋め込まれた構造が実現される。
【0034】
なお、図1に示す層間絶縁膜121は、上述の第1及び第2の層間絶縁膜121A,Bにより構成される。
【0035】
このように、本実施形態では、バリアメタル層131及びプラグ材層132が、図3(C)のような側壁形成プロセスにより形成される。そのため、図3(B)の工程では、各活性層112上に穴HNを形成する必要はなく、隣接する2つの活性層112にまたがる穴Hを形成する。穴Hを形成するプロセスには、各活性層112上に穴HNを形成するプロセスに比べ、リソグラフィの際の開口マージンがゆるやかであるという利点がある。穴HNの幅は、活性層1つ分なのに対し、穴Hの幅は、素子分離層1つ及び活性層2つ分であり、穴Hの幅は、穴HNの幅よりも広いからである。本実施形態によれば、従来の手法よりも開口マージンの大きいリソグラフィ寸法でのコンタクト加工が可能となり、コンタクト加工の難易度が低減される。
【0036】
本実施形態の製造方法は例えば、微細NANDデバイスの製造に適している。理由は、微細NANDデバイスでは、素子分離層111や活性層112の幅が狭くなるため、より高精度なリソグラフィの合わせ精度が求められ、各活性層112上に穴HNを形成することが特に困難になるからである。本実施形態の図3(B)の工程では、各活性層112上に穴HNを形成する代わりに、隣接する2つの活性層112にまたがる穴Hを形成するため、このような困難性を回避することができる。
【0037】
また、本実施形態では、コンタクトプラグCPのY方向の長さ(図2参照)を長くすることで、活性層112とコンタクトプラグCPとの接触面積を広げることができる。これにより、本実施形態では、コンタクト抵抗を低減し、良好なコンタクト抵抗を実現することができる。これにより、本実施形態では、コンタクト周りの不良の発生を抑制し、半導体装置の歩留りを向上することができる。
【0038】
ここで、第1実施形態と比較例との比較を行う。
【0039】
図5及び図6は、比較例の半導体装置の構成を示す平面図及び側方断面図である。
【0040】
当該比較例では、選択ゲートSG間の個々の活性層112上に穴HC(活性層1つ分の幅を有するコンタクトホール)を形成し、穴HCの底面及び側面にバリアメタル層131を堆積し、バリアメタル層131を介して穴HC内にプラグ材層132を埋め込む。これにより、図5及び図6(A)に示すように、穴HC内に、バリアメタル層131とプラグ材層132からなるコンタクトプラグCPCが形成される。
【0041】
しかしながら、当該比較例では、微細NANDデバイスを製造する場合、図6(B)〜(D)に示すように、プロセスばらつきにより、コンタクト周りで不良が発生する可能性が高くなる。理由は、微細NANDデバイスでは、素子分離層111や活性層112の幅が狭くなり、コンタクト加工の難易度が高くなるからである。図6(B)では、穴HCが活性層112に到達していない。図6(C)では、穴HCの開口面積が縮小されている。図6(D)では、穴HCの開口面積の縮小に起因して、穴HCにプラグ材がフィルされていない。
【0042】
一方、本実施形態では、2つの活性層112にまたがる穴Hを形成し、穴Hの底面及び側面にバリアメタル層131及びプラグ材層132を堆積し、これらの堆積層のエッチング加工を行って、最終的なプラグ構造を実現する(図3及び図4参照)。このように、本実施形態では、プラグ材の埋め込みが、活性層1つ分の幅の穴HNに対してではなく、2つの活性層112にまたがる穴Hに対して行われるため、図6(B)〜(D)のような事態を回避することができる。
【0043】
以下、図1の半導体装置の製造方法の詳細について説明する。
【0044】
図7から図18は、図1の半導体装置の製造方法の詳細を示す平面図及び側方断面図である。各図中のA−A’断面図、B−B’断面図、C−C’断面図はそれぞれ、平面図に示すA−A’線、B−B’線、C−C’線における断面図となっている。
【0045】
まず、図7に示すように、素子分離層111及び活性層112が交互に形成された基板101上に、第1の層間絶縁膜121Aを形成する。基板101は例えば、シリコン基板等の半導体基板である。また、素子分離層111は例えば、シリコン酸化膜であり、活性層112は、基板101内に不純物がドープされた領域である。また、第1の層間絶縁膜121Aは例えば、シリコン酸化膜である。また、基板101と第1の層間絶縁膜121Aとの間には、ゲート絶縁膜113と、電極配線114と、この電極配線114を覆う絶縁膜115が形成されている。本実施形態では、電極配線114は、ワード線WL及び選択ゲートSGである。また、絶縁膜115上には、バリア膜116が形成されている。図7において、素子分離層111及び活性層112は、B−B’線に平行な方向に伸びており、C−C’線に平行な方向に沿って交互に形成されている。また、素子分離層111及び活性層112のC−C’線方向に沿った幅は、ほぼ同じである。
【0046】
次に、図7に示すように、第1の層間絶縁膜121A上に、ハードマスク層201及びレジスト膜202を順に形成する。次に、リソグラフィ及びエッチングにより、ハードマスク層201及びレジスト膜202のパターニングを行う。これにより、上述の穴Hを形成するためのレジストパターン及びハードマスクパターンが形成される。
【0047】
次に、図8に示すように、上記ハードマスクパターンを利用したRIE(Reactive Ion Etching)により、第1の層間絶縁膜121Aに、隣接する2つの活性層112にまたがる穴Hを形成する。当該RIEは、活性層112が露出する深さまで行われる。これにより、穴Hの内部に基板101(素子分離層111及び活性層112)が露出する。穴Hと穴Hとの間には、素子分離層1層分に相当する第1の層間絶縁膜121Aが残存する。
【0048】
次に、図9に示すように、第1の層間絶縁膜121A上に、バリアメタル層131を堆積する。これにより、穴Hの底面及び側面に、バリアメタル層131が形成される。バリアメタル層131は例えば、Ti(チタン)層又はTiN(窒化チタン)層である。
【0049】
次に、図9に示すように、バリアメタル層131上に、プラグ材層132を堆積する。これにより、穴Hの底面及び側面に、バリアメタル層131を介してプラグ材層132が形成され、活性層112とプラグ材層132とが電気的に接続される。この際、プラグ材層132は、穴Hの底面及び側面に、穴Hを完全に埋めないように形成される。プラグ材層132は例えば、W(タングステン)層である。
【0050】
なお、本実施形態では、バリアメタル層131及びプラグ材層132の堆積は、穴Hの側面におけるこれらの層の合計膜厚が、活性層1層分の幅とほぼ同じになるまで行う。
【0051】
次に、図10に示すように、RIEにより、バリアメタル層131及びプラグ材層132の異方性エッチングを行う。これにより、穴Hの底面に形成されたバリアメタル層131及びプラグ材層132がエッチングされる。その結果、図10に示すように、穴Hの底面及び側面に、筒状のバリアメタル層131及びプラグ材層132が残存することになる。当該RIEでは、穴Hの内部の活性層112の上面にバリアメタル層131及びプラグ材層132が残存するため、活性層112とプラグ材層132との間の電気的な接続は、当該RIE加工後も維持される。また、バリアメタル層131及びプラグ材層132の合計膜厚は、活性層1層分の幅とほぼ同じである。その結果、上記RIEにより、図10に示すように、第1の層間絶縁膜121Aの上面から、バリアメタル層131及びプラグ材層132が除去される。
【0052】
次に、図11に示すように、基板101の全面にレジスト膜203を形成する。次に、図12に示すように、レジスト膜203のパターニングを行う。これにより、図12の平面図に示すように、穴Hの内部に残存するバリアメタル層131及びプラグ材層132の一部が、レジスト膜203で覆われる。
【0053】
ここで、図12の平面図を参照して、バリアメタル層131及びプラグ材層132の形状について説明する。図12において、バリアメタル層131及びプラグ材層132は、部分P1〜P4で構成されている。部分P1及びP2は、穴Hの側面のうち、C−C’線に垂直な側面に形成されており、活性層112上に形成されている。また、部分P3及びP4は、穴Hの側面のうち、C−C’線に垂直でない残りの側面に形成されている。
【0054】
本実施形態では、穴Hは、図12の平面図に示すように、C−C’線に平行な方向に沿って一列に配置されている。そして、レジスト膜203は、各穴H内の部分P1及びP2を覆うよう、C−C’線に平行な方向に伸びる帯状の形状にパターニングされている。そのため、後述のRIE加工では、バリアメタル層131及びプラグ材層132の部分P1〜P4のうち、部分P3及びP4のみが除去されることになる。なお、C−C’線に平行な方向は、上述のX方向に相当する。
【0055】
なお、レジスト膜203は、P1〜P4のすべてを覆うように、C−C’線に平行な方向に伸びる帯状の形状にパターニングした後、スリミングにより、P3及びP4を露出させ、P1及びP2を覆うように加工することも可能である。この方法によれば、レジスト膜203を、A−A’線に平行な方向の幅が小さい形状に加工することができる。即ち、レジスト膜203を、帯幅の小さい帯状の形状に加工することができる。
【0056】
次に、図13に示すように、レジスト膜203を利用したRIEにより、バリアメタル層131及びプラグ材層132のエッチング加工を行う。これにより、バリアメタル層131及びプラグ材層132の部分P1〜P4のうち、部分P3及びP4が除去され、部分P1と部分P2とが切り離される。その結果、図13に示すように、穴Hの底面及び側面に、部分P1及びP2、即ち、ピラー状のバリアメタル層131及びプラグ材層132が、互いに切り離されて残存することになる。その結果、個々の穴Hの内部では、穴Hの底面、及び穴HのC−C’線に垂直な両側面に、バリアメタル層131及びプラグ材層132が残存することになる。
【0057】
当該RIEでは、個々の穴Hの内部に、バリアメタル層131及びプラグ材層132からなる2つのピラー状のコンタクトプラグCPが形成される。一方のコンタクトプラグCPは、穴Hの内部の一方の活性層112上に形成され、他方のコンタクトプラグCPは、穴Hの内部の他方の活性層112上に形成される。このように、当該RIEでは、個々の活性層112に対し1つのコンタクトプラグCPが電気的に接続されたコンタクト構造が実現される。
【0058】
次に、図14に示すように、レジスト膜203を除去する。このように、本実施形態では、図7から図14の工程により、穴Hの内部にコンタクトプラグCPが形成される。しかしながら、穴Hの内部には、依然として空洞が存在する。
【0059】
そこで、本実施形態では、基板101の全面に第2の層間絶縁膜121Bを堆積し(図15)、続いて、CMP(Chemical Mechanical Polishing)により、第2の層間絶縁膜121Bを平坦化する(図16)。これにより、上記の空洞内に第2の層間絶縁膜121Bが埋め込まれる。第2の層間絶縁膜121Bは例えば、シリコン酸化膜である。
【0060】
次に、図17に示すように、基板101の全面に、第3の層間絶縁膜121Cを堆積する。次に、図18に示すように、第3の層間絶縁膜121Cに配線溝を形成し、配線溝内にコンタクトプラグCPを露出させる。次に、図18に示すように、配線溝内に配線層141を埋め込む。これにより、コンタクトプラグCPに対し配線層141が電気的に接続される。
【0061】
なお、本実施形態では、配線層141は、図18に示すように、コンタクトプラグCPの部分P3側の端部と部分P4側の端部に交互に配置(千鳥状に配置)することができる。これにより、本実施形態では、X方向に隣接する配線層141同士の距離を離すことができ、配線層141間のショートを効果的に防止することができる。
【0062】
以上のようにして、図1の半導体装置が製造される。本実施形態の製造方法によれば、従来の手法よりも開口マージンの大きいリソグラフィ寸法でのコンタクト加工が可能となる。また、本実施形態では、コンタクトプラグCPのY方向の長さ(図2参照)を長くすることで、活性層112とコンタクトプラグCPとの接触面積を広げることができる。これにより、本実施形態では、良好なコンタクト抵抗を実現し、半導体装置の歩留まりを向上することができる。
【0063】
ここで、図7から図18に示す製造方法の変形例について説明する。
【0064】
図7から図18に示す製造方法では、部分P1〜P4のうちの部分P3及びP4を除去する際、基板101の全面にレジスト膜203を形成し(図11)、レジスト膜203のパターニングを行い(図12)、レジスト膜203を利用したRIEにより、バリアメタル層131及びプラグ材層132のエッチング加工を行い(図13)、レジスト膜203を除去する(図14)。
【0065】
しかしながら、図7から図18に示す製造方法では、図12の工程の終了後にレジスト膜203が倒れるおそれがある。理由は、レジスト膜203の形状が、幅が狭く、高さが高い形状になるからである。そこで、図11から図14の工程は、次の図19及び図20の工程に置き換えてもよい。
【0066】
図19及び図20は、図11から図14に示す工程の変形例を示す側方断面図である。図19及び図20に示す各断面図は、A−A’断面図となっている。
【0067】
まず、図19(A)に示すように、基板101の全面にレジスト膜301を形成する。次に、図19(B)に示すように、レジスト膜301のパターニングを行う。図19(B)には、上述の部分P3及びP4が示されている。図19(B)のパターニングでは、バリアメタル層131及びプラグ材層132の部分P1〜P4のうち、部分P1〜P3がレジスト膜301で覆われる。このパターニングでは、レジスト膜301を、部分P3上にも残存させることができるため、レジスト膜301の幅を、部分P3と部分P4との間の幅よりも広く取ることができる。
【0068】
次に、図19(C)に示すように、レジスト膜301を利用したRIEにより、バリアメタル層131及びプラグ材層132のエッチング加工を行う。これにより、部分P1〜P4のうち、部分P4が除去される。次に、図19(D)に示すように、レジスト膜301を除去する。
【0069】
次に、図20(A)に示すように、基板101の全面にレジスト膜302を形成する。次に、図20(B)に示すように、レジスト膜302のパターニングを行う。図20(B)には、上述の部分P3が示されている。図20(B)のパターニングでは、バリアメタル層131及びプラグ材層132の部分P1〜P3のうち、部分P1及びP2がレジスト膜302で覆われる。このパターニングでは、レジスト膜302を、部分P4が存在していた領域上にも残存させることができるため、レジスト膜302の幅を、部分P3と部分P4との間の幅よりも広く取ることができる。
【0070】
次に、図20(C)に示すように、レジスト膜302を利用したRIEにより、バリアメタル層131及びプラグ材層132のエッチング加工を行う。これにより、部分P1〜P3のうち、部分P3が除去される。次に、図20(D)に示すように、レジスト膜302を除去する。
【0071】
図19(B)の工程では、レジスト膜301の幅が広くなるよう、レジスト膜301のパターニングを行うことが可能である。同様に、図20(B)の工程では、レジスト膜302の幅が広くなるよう、レジスト膜302のパターニングを行うことが可能である。よって、当該変形例では、レジスト膜301及び302の幅を広くすることで、レジスト膜301及び302が倒れるのを防ぐことができる。
【0072】
以下、図1に示す構造の第1から第3変形例について説明する。
【0073】
図21は、図1に示す構造の第1変形例を示す側方断面図である。
【0074】
図21では、活性層112の上面の高さは、素子分離層111の上面の高さよりも高くなっている。これは、図1と同様である。
【0075】
図21では更に、素子分離層111及び活性層112のX方向における幅が、αで示されている。また、バリアメタル層131及びプラグ材層132のX方向における合計幅、即ち、コンタクトプラグCPのX方向における幅が、βで示されている。また、第1の層間絶縁膜121AのX方向における幅が、γ1で示され、第2の層間絶縁膜121BのX方向における幅が、γ2で示されている。
【0076】
本変形例では、コンタクトプラグCPの幅βは、幅αよりも広くなっている。また、本変形例では、穴Hの幅は、図1と同様、素子分離層1つ及び拡散層2つ分となっている。その結果、本変形例では、第1の層間絶縁膜121Aの幅γ1は、幅αとほぼ等しくなっており、第2の層間絶縁膜121Bの幅γ2は、幅αよりも狭くなっている(γ1≒α,γ2<α)。
【0077】
その結果、バリアメタル層131及びプラグ材層132は、穴H1及びH2のX方向に垂直な側面、活性層112の上面、及び活性層112の側面に形成されることになる。これには、コンタクトプラグCPと活性層112との接触面積を広くし、コンタクト抵抗を低減させる効果がある。
【0078】
なお、本変形例では、幅γ2だけでなく幅γ1も、幅αと異なっていても構わない。幅βが、各コンタクトプラグCPのX方向における幅に相当するのに対し、幅γ1や幅γ2は、コンタクトプラグCP間のX方向における幅に相当する。このように、本変形例では、コンタクトプラグCP間の幅γ1及びγ2はいずれも、幅αと異なっていても構わない。幅γ1が幅αと異なる具体的な変形例については、後述する。
【0079】
なお、図1では、幅βが幅αとほぼ等しくなっており、穴Hの幅が素子分離層1つ及び拡散層2つ分となっており、その結果、幅γ1及びγ2はいずれも、幅αとほぼ等しくなっていることに留意されたい(γ1≒γ2≒α)。
【0080】
図22は、図1に示す構造の第2変形例を示す側方断面図である。
【0081】
図22では、穴Hの幅が、図21に比べて狭くなっている。その結果、幅γ1が、幅αよりも広くなっている(γ1>α)。一方、幅γ2は、幅αとほぼ等しくなっている(γ2≒α)。その結果、バリアメタル層131及びプラグ材層132の合計幅βは、幅αよりも狭くなっている。
【0082】
このように、第2変形例では、幅γ1が幅αよりも広くなっているため、コンタクトプラグCPが穴Hと穴Hの間の第1の層間絶縁膜121Aを貫通してコンタクトプラグCP同士がショートする可能性が低減される。
【0083】
図23は、図1に示す構造の第3変形例を示す側方断面図である。
【0084】
図23では、穴Hの幅が、図21とほぼ同じになっている。その結果、幅γ1が、幅αとほぼ等しくなっている(γ1≒α)。一方、バリアメタル層131及びプラグ材層132の合計幅βは、幅αよりも狭くなっている。その結果、幅γ2は、幅αよりも広くなっている(γ2>α)。
【0085】
このように、第3変形例では、幅γ2が幅αよりも広くなっているため、第2の層間絶縁膜121Bを介して対向するコンタクトプラグCP同士がショートする可能性が低減される。
【0086】
なお、図21から図23には、穴H1及びH2の側面SA及びSBが示されている。図21では、H1の側面SA、H1の側面SB、H2の側面SA、H2の側面SBがいずれも、素子分離層111と活性層112との境界上に位置している。一方、図22では、H1の側面SA及びH2の側面SBが、境界上ではなく、活性層112上に位置している。また、図23では、H1の側面SB及びH2の側面SAが、境界上ではなく、活性層112上に位置している。
【0087】
また、本実施形態では、第2変形例と第3変形例とを組み合わせた構造を採用しても構わない。すなわち、幅γ1を幅αよりも広く設定し、且つ、幅γ2を幅αよりも広く設定しても構わない。この場合、H1の側面SA、H1の側面SB、H2の側面SA、H2の側面SBはいずれも、素子分離層111と活性層112との境界上ではなく、活性層112上に位置する。
【0088】
以上のように、本実施形態の半導体装置では、バリアメタル層131は、穴HNの底面、及び穴HNのX方向に垂直な2つの側面のうちの片側の側面に形成される。これにより、本実施形態では、コンタクトプラグCPの断面に占めるバリアメタル層131の割合を比較的小さくすることができる。よって、本実施形態によれば、例えば、コンタクトプラグCPの抵抗率が低くなり、良好なコンタクト抵抗が実現される等のメリットが得られる。
【0089】
また、本実施形態では、バリアメタル層131及びプラグ材層132は、上述のような側壁形成プロセスにより形成される。よって、本実施形態によれば、比較的開口マージンの大きいリソグラフィ寸法でのコンタクト加工が可能となる。これにより、本実施形態では、コンタクト加工の難易度が低減される。
【0090】
以下、本発明の第2実施形態について説明する。第2実施形態は、第1実施形態の変形例であり、第2実施形態については、第1実施形態との相違点を中心に説明する。
【0091】
(第2実施形態)
図24は、第2実施形態の半導体装置の構成を示す平面図である。
【0092】
第1実施形態では、図2に示すように、コンタクトプラグCPが、基板101の上方から見て、X方向に沿って一列に配置されている。これに対し、第2実施形態では、図24に示すように、コンタクトプラグCPが、基板101の上方から見て、X方向に沿って千鳥状に配置されている。
【0093】
図25は、図24の半導体装置の構成を示す側方断面図である。図25は、図24に示すZ−Z’線における断面図となっている。
【0094】
第1実施形態では、図1に示すように、ペアをなす穴H1と穴H2との間には、素子分離層1つ分の層間絶縁膜121が介在している。更には、異なるペアの穴H1と穴H2との間にも、素子分離層1つ分の層間絶縁膜121が介在している。
【0095】
一方、第2実施形態では、図25に示すように、ペアをなす穴H1と穴H2との間には、素子分離層2つ及び活性層1つ分の層間絶縁膜121が介在している。更には、異なるペアの穴H1と穴H2との間にも、素子分離層2つ及び活性層1つ分の層間絶縁膜121が介在している。
【0096】
よって、第2実施形態では、上述の第1変形例と同様、異なるペアの穴H1と穴H2との間の層間絶縁膜121に穴が開く可能性が低減される。更に、第2実施形態では、上述の第2変形例と同様、ペアをなすコンタクトプラグCP同士がショートする可能性が低減される。
【0097】
一方、第1実施形態には、選択ゲートSG(図2)間の距離を短くし、半導体装置を小型化できるという利点がある。理由は、第2実施形態では、選択ゲートSG間の距離は、コンタクトプラグ2つ分より長くなければならないのに対し、第1実施形態では、選択ゲートSG間の幅は、コンタクトプラグ1つ分より長ければ十分だからである。
【0098】
以下、図24の半導体装置の製造方法について説明する。図26及び図27は、図24の半導体装置の製造方法を示す平面図である。
【0099】
まず、第1実施形態と同様に、図7〜図10の工程を実行する。ただし、第1実施形態では、穴Hが一列に配置されるの対し、第2実施形態では、穴Hが千鳥状に配置される。
【0100】
次に、図26(A)に示すように、基板101の全面にレジスト膜203を形成する。次に、図26(B)に示すように、レジスト膜203のパターニングを行う。図26(B)には、バリアメタル層131及びプラグ材層132の部分P1〜P4が示されている。第2実施形態では、レジスト膜203は、各穴H内の部分P1及びP2を覆うよう、C−C’線に平行な方向に伸びる2本の帯状の形状にパターニングされる。C−C’線に平行な方向は、上述のX方向に相当する。
【0101】
次に、図26(C)に示すように、レジスト膜203を利用したRIEにより、バリアメタル層131及びプラグ材層132のエッチング加工を行う。これにより、バリアメタル層131及びプラグ材層132の部分P1〜P4のうち、部分P3及びP4が除去され、部分P1とP2とが切り離される。その結果、図26(C)に示すように、穴Hの底面及び側面に、部分P1及びP2、即ち、ピラー状のバリアメタル層131及びプラグ材層132が、互いに切り離されて残存することになる。当該RIEでは、個々の穴Hの内部に、バリアメタル層131及びプラグ材層132からなる2つのピラー状のコンタクトプラグCPが形成される。
【0102】
次に、図27(A)に示すように、レジスト膜203を除去する。このように、第2実施形態では、図7〜図10及び図26(A)〜図27(A)の工程により、穴Hの内部にコンタクトプラグCPが形成される。
【0103】
以降、第2実施形態では、第1実施形態と同様に、図15〜図18の工程を実行する。これにより、図27(B)に示す構造が実現される。図27(B)には、図18と同様、配線層141が示されている。
【0104】
第2実施形態では、C−C’線に平行な方向に隣接するコンタクトプラグCP同士の距離が、第1実施形態に比べて長くなる。よって、第2実施形態では、配線層141の面積を大きくとることが可能になる。
【0105】
配線層141は例えば、コンタクトプラグCPとビアプラグとの間に形成される中間配線層である。第2実施形態は例えば、このような中間配線層を形成する場合に有効である。理由は、中間配線層の面積を大きくとることが可能となり、中間配線層を形成する際の加工難易度が低減されるからである。
【0106】
以上のように、本実施形態では、コンタクトプラグCPが、基板101の上方から見て、X方向に沿って千鳥状に配置される。これにより、本実施形態では、異なるペアの穴H1と穴H2との間の層間絶縁膜121に穴が開く可能性が低減される。更には、ペアをなすコンタクトプラグCP同士がショートする可能性が低減される。更には、コンタクトプラグCP上に配線層141を形成する際、配線層141の面積を大きくとることが可能になる。
【0107】
以上、本発明の具体的な態様の例を、第1及び第2実施形態により説明したが、本発明は、これらの実施形態に限定されるものではない。
【符号の説明】
【0108】
101 基板
111 素子分離層
112 活性層
113 ゲート絶縁膜
114 電極配線
115 絶縁膜
116 バリア膜
121 層間絶縁膜
121A 第1の層間絶縁膜
121B 第2の層間絶縁膜
121C 第3の層間絶縁膜
131 バリアメタル層
132 プラグ材層
141 配線層
201 ハードマスク層
202 レジスト膜
203 レジスト膜
301 レジスト膜
302 レジスト膜
CP コンタクトプラグ
H 穴
1 第1の穴
2 第2の穴

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板と、
前記基板中に形成され、前記基板の表面に平行な第1方向に沿って交互に設けられた素子分離層及び活性層と、
前記素子分離層及び前記活性層上に形成され、個々の前記活性層上に、個々のコンタクトプラグ用の穴を有する層間絶縁膜と、
前記穴の内部に露出した前記活性層の上面、及び前記穴の前記第1方向に垂直な2つの側面のうちの片側の側面に形成されたバリア層と、
前記穴の内部の前記バリア層上に形成されたプラグ材層と、
を備えることを特徴とする半導体装置。
【請求項2】
前記第1方向に隣接する前記コンタクトプラグ間の幅は、前記素子分離層及び前記活性層の前記第1方向の幅と異なることを特徴とする請求項1に記載の半導体装置。
【請求項3】
前記コンタクトプラグは、前記基板の上方から見て、前記第1方向に沿って千鳥状に配置されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の半導体装置。
【請求項4】
基板と、
前記基板中に形成され、前記基板の表面に平行な第1方向に沿って交互に設けられた素子分離層及び活性層と、
前記素子分離層及び前記活性層上に形成され、前記活性層のうちの第1及び第2の活性層上にそれぞれ、第1及び第2のコンタクトプラグ用の穴である第1及び第2の穴を有する層間絶縁膜と、
前記第1の穴の内部に露出した前記第1の活性層の上面、及び前記第1の穴の前記第1方向に垂直な2つの側面のうちの、前記第2の穴と反対側の側面に形成された第1のバリア層と、
前記第2の穴の内部に露出した前記第2の活性層の上面、及び前記第2の穴の前記第1方向に垂直な2つの側面のうちの、前記第1の穴と反対側の側面に形成された第2のバリア層と、
前記第1の穴の内部の前記第1のバリア層上に形成された第1のプラグ材層と、
前記第2の穴の内部の前記第2のバリア層上に形成された第2のプラグ材層と、
を備え、
前記第1及び第2の穴は、前記第1方向に互いに隣接していることを特徴とする半導体装置。
【請求項5】
基板表面に平行な第1方向に沿って素子分離層及び活性層が交互に形成された基板上に、第1の層間絶縁膜を形成し、
前記第1の層間絶縁膜に、前記活性層のうちの第1の活性層から第2の活性層にまたがる穴を形成し、前記穴の内部に前記基板を露出させ、
前記穴の底面及び側面にバリア層を形成し、
前記バリア層を介して、前記穴の底面及び側面にプラグ材層を形成し、
前記穴の底面及び側面に形成された前記バリア層及び前記プラグ材層のエッチング加工を行い、前記第1の活性層上に形成された前記バリア層及び前記プラグ材層と、前記第2の活性層上に形成された前記バリア層及び前記プラグ材層とを分断し、
前記バリア層及び前記プラグ材層の分断後に、前記穴の内部に、第2の層間絶縁膜を埋め込む、
ことを特徴とする半導体装置の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【公開番号】特開2011−23389(P2011−23389A)
【公開日】平成23年2月3日(2011.2.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−164540(P2009−164540)
【出願日】平成21年7月13日(2009.7.13)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】