説明

半導体装置

【課題】 半導体装置中のクラックの伝播を抑制し、他の領域に影響を与えないようにする。
【解決手段】 シリコン基板101上に設けられたSiCN膜105およびSiOC膜107を貫通する凹部の側面を覆う界面補強膜115を設ける。界面補強膜115はSiOC膜113と連続一体に形成され、エアギャップ117を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体装置に関し、特に多層配線構造を有する半導体装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、半導体基板上に多層配線構造が形成された半導体装置を製造する際、配線間の寄生容量を低減するために層間絶縁膜として、low−kと呼ばれる低誘電率材料を用いる方法が検討されている。低誘電率膜を層間絶縁膜とした多層配線構造を有する半導体装置は、ウェーハ上に複数形成された後、ダイシングにより個々の装置に分割される。
【0003】
ところが、ダイシングの際には、ダイシングされた面に切り欠きが生じることがあった。切り欠きは、応力集中点となるため、クラック発生の起点となりやすい。このため、ダイシングにより、この切り欠きが積層されている絶縁膜の界面近傍に生じると、界面に沿って、切断面から半導体基板の内部に向かってクラックが伝播することがあった。
【0004】
特に、低誘電率膜を層間絶縁膜とした場合、クラックの伝播の影響が顕著であった。たとえば、ウェーハのダイシングによりダイシング面に低誘電率膜が露出すると、その後のT/C(熱サイクル)試験などの熱サイクルで、露出したダイシング面から低誘電率膜と他の膜との間に剥離が生じる場合があった。
【0005】
こうした界面におけるクラックの問題は、ダイシングの場合以外に、内部回路中にヒューズが設けられている半導体装置においても生じることがあり、その抑制が求められていた。
【0006】
こうしたクラックの伝播を抑制する技術として、特許文献1に記載のものがある。特許文献1には、層間絶縁膜の一部にBPSG(Boron−doped Phospho Silicate Glass)を用いた多層配線構造を有する半導体装置において、半導体チップの主面にガードリングを取り囲むようにスリットを設ける構成が記載されている。これにより、クラックがチップ内部に達するのを有効に防止することができるとされている。
【0007】
ところが、上記特許文献1に記載の構成の場合、複数の配線層を貫通する深いスリットを半導体基板に形成する必要があった。このため、配線層が多層になるほど、スリットのアスペクト比が大きくなり、エッチングによるスリットの形成が困難となる懸念があった。このため、装置構成および製造プロセスの簡素化の観点で改善の余地があった。
【特許文献1】特開平10−172927号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、上述したクラックの伝播を抑制し、他の領域に影響を与えないようにする技術を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者は、積層された絶縁膜の界面に生じるクラックについて検討を行った。その結果、絶縁膜の材料が異なる場合に、それらの界面においてクラックが生じやすいことが見出された。そこで、本発明者は、これらの界面におけるクラックの伝播を簡素な構成で抑制すべく鋭意検討を行い、本発明の完成に至った。
【0010】
本発明によれば、半導体基板と、前記半導体基板上に設けられた第一の絶縁膜と、前記第一の絶縁膜上に設けられた第二の絶縁膜と、前記第一の絶縁膜および前記第二の絶縁膜を貫通する凹部と、前記凹部に埋設され、前記第一の絶縁膜の側面から前記第二の絶縁膜の側面にわたって設けられた界面補強膜と、を有することを特徴とする半導体装置が提供される。
【0011】
本発明において、界面補強膜は、第一の絶縁膜と第二の絶縁膜との界面に沿ってクラックが伝播するのを抑制するクラック伝播抑制膜として機能する。本発明の半導体装置においては、第一の絶縁膜の凹部の側面から第二の絶縁膜の凹部の側面にわたって界面補強膜が設けられている。このため、第一の絶縁膜と第二の絶縁膜との界面にクラックが生じた際にその伝播を抑制し、界面における剥離を抑制することができる。
【0012】
本発明の半導体装置において、前記第二の絶縁膜上に設けられた第三の絶縁膜を有し、前記界面補強膜と前記第三の絶縁膜とが連続一体に形成されている構成とすることができる。こうすることにより、装置構成を簡素化しつつ、第一の絶縁膜と第二の絶縁膜との界面におけるクラックの伝播を抑制することができる。なお、本明細書において、連続一体とは、連続体として一体に成形されていることをいう。また、単一部材からなり、接合部を有しない構造であることが好ましい。
【0013】
本発明の半導体装置において、前記半導体基板上に、複数の配線層と、異なる前記配線層中に形成された配線間を接続する導電プラグ層と、を有する多層配線構造を有し、前記導電プラグ層は前記第一の絶縁膜と前記第二の絶縁膜と、前記界面補強膜とを含む構成とすることができる。こうすることにより、導電プラグと同層に界面補強膜が設けられた構成とすることができる。このため、導電プラグ層において生じるクラックの伝播を確実に抑制することができる。
【0014】
本発明の半導体装置において、前記半導体基板上に設けられた配線層を有し、前記第一の絶縁膜が前記配線層上に設けられ、前記配線層と前記第一の絶縁膜と前記第二の絶縁膜とを貫通する前記凹部の側面に、前記配線層から前記第二の絶縁膜にわたって前記界面補強膜が設けられていてもよい。こうすることにより、界面にクラックが生じた場合にも、その伝播をさらに確実に抑制し、第一の絶縁膜と第二の絶縁膜とが剥離することを抑制することができる。
【0015】
本発明の半導体装置において、前記界面補強膜中にエアギャップが設けられていてもよい。界面補強膜中に意図的にエアギャップを設けることにより、より一層確実にクラックの伝播を抑制することができる。なお、本発明において、界面補強膜が低誘電率膜であってもよい。
【0016】
本発明の半導体装置において、前記凹部を充填する中実構造の前記界面補強膜を有する構成とすることができる。この構成においても、界面におけるクラックの伝播を確実に抑制することができる。なお、本発明において、界面補強膜がSiO2膜であってもよい。
【0017】
本発明の半導体装置において、前記第二の絶縁膜が低誘電率膜であってもよい。本明細書において、低誘電率膜は、たとえば比誘電率kが3.5以下の膜を指す。この構成によれば、低誘電率膜と他の絶縁膜との界面におけるクラックの伝播を抑制することができる。
【0018】
本発明の半導体装置において、前記第二の絶縁膜の膜密度が前記第一の絶縁膜の膜密度よりも小さい構成とすることができる。
【0019】
また、本発明の半導体装置において、前記第一の絶縁膜が、SiC膜、SiCN膜、SiN膜またはSiON膜であり、前記第二の絶縁膜が、SiOC膜、水素化ポリシロキサン膜、メチルポリシロキサン膜、および水素化メチルポリシロキサン膜からなる群から選択される膜であってもよい。
【0020】
本発明の半導体装置において、溝状の前記凹部を有する構成とすることができる。こうすることにより、第一の絶縁膜と第二の絶縁膜との界面におけるクラックの伝播をさらに確実に抑制することができる。
【0021】
本発明の半導体装置において、前記半導体基板上に、素子の設けられた第一の領域と、第二の領域と、を有し、前記第一の領域と前記第二の領域との境界に沿って前記界面補強膜が設けられている構成とすることができる。本発明において、第二の領域は、半導体装置に損傷を生じさせうる領域である。このような第二の領域と第一の領域との境界に沿って界面補強膜を設けることにより、第二の領域でクラックが発生した場合にも、第一の領域へのクラックの伝播を遮断することができる。よって、第一の領域中に設けられた素子の損傷を抑制することができる。
【0022】
本発明の半導体装置において、前記半導体基板上に、素子の設けられた領域と、前記素子の設けられた領域の外周を取り囲む周辺領域と、を有し、前記界面補強膜が前記周辺領域に設けられた構成とすることができる。こうすることにより、素子の設けられた領域にクラックが伝播することを抑制できる。このため、素子の設けられた領域に設けられている素子を保護することができる。
【0023】
本発明の半導体装置において、前記周辺領域に前記素子の設けられた領域の周辺を取り囲むガードリングが設けられ、前記界面補強膜が前記ガードリングの外周を取り囲む構成とすることができる。こうすることにより、ガードリングおよびその内側に設けられた素子の設けられた領域をより一層確実に保護することができる。
【0024】
なお、これらの各構成の任意の組み合わせや、本発明の表現を方法、装置などの間で変換したものもまた本発明の態様として有効である。
【0025】
たとえば、本発明において、前記界面補強膜が前記凹部の側面全面を覆う構成とすることができる。こうすることにより、第一の絶縁膜と第二の絶縁膜との界面におけるクラックの伝播をさらに確実に抑制することができる。
【0026】
また、本発明において、前記エアギャップの底部は、前記第一の絶縁膜と前記第二の絶縁膜との界面よりも前記半導体基板側に位置する構成とすることができる。こうすることにより、第一の絶縁膜と第二の絶縁膜との界面におけるクラックの伝播をよりさらに確実に抑制し、これらの膜の剥離を抑制することができる。
【0027】
また、本発明において、ストライプ状の前記界面補強膜を有する構成とすることができる。また、本発明において、環状の前記界面補強膜を有する構成とすることができる。こうすれば、界面補強膜の内側の領域から外側の領域に向かってクラックが伝播したり、界面補強膜の外側の領域から内側の領域に向かってクラックが伝播したりすることを抑制できる。
【0028】
また、本発明において、SiOC膜は、Si、O、C、Hを構成元素として含み、CVD法により形成することができる。
【発明の効果】
【0029】
以上説明したように本発明によれば、第一の絶縁膜および第二の絶縁膜を貫通する凹部に埋設され、第一の絶縁膜の側面から第二の絶縁膜の側面にわたって設けられた界面補強膜を有する構成とすることにより、半導体装置中のクラックの伝播を抑制し、他の領域に影響を与えないようにする技術が実現される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
以下、素子形成領域に多層配線が設けられた半導体装置の場合を例に、本発明実施形態について図面を参照して説明する。なお、すべての図面において、共通の構成要素には同一の符号を付し、以下の説明において共通する説明を適宜省略する。
【0031】
(第一の実施形態)
本実施形態は、低誘電率膜を層間絶縁膜とした多層配線構造を有する半導体装置に関する。
【0032】
図1は、本実施形態に係る半導体装置の構成を模式的に示す断面図である。図1に示した半導体装置100は、シリコン基板上に層間絶縁膜が形成され、層間絶縁膜中に銅配線およびビアからなる多層配線構造が設けられた構造を有する。図示した構造は、こうした多層配線構造の一部を示すものであり、Cu膜119からなる下層配線がCuプラグ121を介して、Cu膜123からなる上層配線に接続されたシングルダマシン構造を有している。
【0033】
Cu膜119からなる下層配線は、絶縁膜103中に形成されている。絶縁膜103は、たとえば下地絶縁膜、SiCN膜、SiOC膜およびSiO膜からなる積層膜とする。Cu膜119の側面と底面はバリアメタル膜であるTa/TaN膜(不図示)に覆われている。
【0034】
界面補強膜115は、SiCN膜105とSiCN膜105に接して設けられたSiOC膜107とを貫通する凹部に埋設され、SiCN膜105の側面からSiOC膜107の側面にわたって設けられている。なお、図1では、絶縁膜103からSiOC膜107にわたる凹部が形成されており、界面補強膜115が凹部の側面全面を覆っている。
【0035】
また、界面補強膜115はSiOC膜113と連続一体に形成されている。界面補強膜115の材料は低誘電率材料であるSiOCである。また、界面補強膜115の幅は界面補強膜115の深さよりも狭く、界面補強膜115はエアギャップ117を有する。エアギャップ117の底面がSiCN膜105とSiOC膜107との界面よりもシリコン基板101の側に位置する。図1においては、エアギャップ117の底面が絶縁膜103中に位置している。
【0036】
Cuプラグ121は、絶縁膜103上のSiCN膜105、SiOC膜107、およびSiO2膜109からなる積層膜に形成された孔部に設けられている。その孔部の側面と底面はバリアメタル膜であるTa/TaN膜(不図示)に覆われている。Cuプラグ121および界面補強膜115は、いずれもSiCN膜105およびSiOC膜107中に埋設されており、これらが同層に位置している。
【0037】
Cu膜123からなる上層配線は、SiCN膜111、SiOC膜113およびSiO膜125からなる積層膜中に形成されている。Cu膜123の側面と底面はバリアメタル膜であるTa/TaN膜(不図示)に覆われている。
【0038】
次に、本実施形態に係る半導体装置の製造方法について説明する。図2(a)、図2(b)、図3(a)、図3(b)、図4(a)および図4(b)は本実施形態に係る半導体装置の製造工程を示す断面図である。
【0039】
まず、図2(a)に示すように、半導体素子(不図示)を形成したシリコン基板101上に絶縁膜103を500nm成膜する。そして、絶縁膜103を選択的にドライエッチングし、配線溝を形成する。つづいて、配線溝内にTa/TaN膜(不図示)およびCu膜119を埋め込み、下層配線を形成する。次いで、この下層配線を覆うようにシリコン基板101全面にSiCN膜105、SiOC膜107およびSiO2膜109を順に形成する。ここで、SiCN膜105はSiOC膜107のエッチングストッパ膜であるとともに、Cu拡散防止膜である。また、SiO2膜109はSiOC膜107のキャップ膜である。
【0040】
次に、SiO2膜109上に反射防止膜(不図示)およびフォトレジスト(不図示)をこの順に塗布し、フォトリソグラフィー技術を用いて、SiO2膜109、SiOC膜107、およびSiCN膜105をこの順に選択的にエッチングし、ビア用パターンを形成する。その後、アッシングを行い、フォトレジストと反射防止膜を除去する。次に、ビア底のSiCN膜105をエッチバックし、つづいて剥離液によりエッチング残渣を除去する。その後、スパッタリング法により、膜厚30nmのTa/TaN膜(不図示)を成膜し、この上にシード用のCu膜(不図示)を形成した後、電解メッキ法によりCuプラグ121となるCu膜を700nm成膜し、ビアパターンに埋め込む。その後、結晶化のために400℃の熱処理を行う。そして、SiO2膜109上のCu膜およびTa/TaN膜をCMPにより除去し、Cuプラグ121を得る。つづいて、Cu拡散防止膜としてSiCN膜111を50nm成膜する(図2(b))。
【0041】
次に、SiCN膜111上に反射防止膜127およびレジスト膜129を塗布し、レジスト膜129および反射防止膜127に開口部131を設ける(図3(a))。開口部131は、シリコン基板101のダイシング面102の近傍に形成される。また、開口部131は、Cu膜119、Cuプラグ121、および後述する工程で形成されるCu膜123を含む素子形成領域を取り囲むように周縁部の全周に溝状に形成される。開口部131の幅はたとえば300nmとする。
【0042】
そして、レジスト膜129をマスクとしてフォトリソグラフィー技術を用いてSiCN膜111、SiO2膜109、SiOC膜107、SiCN膜105、絶縁膜103をエッチングし、溝状の凹部133を形成する。なお、エッチングは、SiCN膜111から絶縁膜103中のSiO2膜にわたって行われる(図3(b))。
【0043】
つづいて、レジスト膜129および反射防止膜127を除去する。その後、SiCN膜111上に低誘電率膜であるSiOC膜113を成膜し、エアギャップ117が形成されるように凹部133を埋め込み、界面補強膜115を得る(図4(a))。このとき、凹部133の幅よりも深さを大きくする。これにより凹部133のアスペクト比を大きくすることができるため、エアギャップ117を確実に設けることができる。そして、SiOC膜113をCVD法で成膜し、その成膜条件をたとえば350℃以上400℃以下、5Torr以上8Torr以下とすることにより、界面補強膜115中にエアギャップ117が形成される。
【0044】
その後、SiOC膜113上にキャップ膜であるSiO2膜125を成膜する。つづいて、配線用のリソグラフィーを実施し、Cuプラグ121の上部のSiO2膜125、SiOC膜113、およびSiCN膜111を順次エッチング除去し、配線溝を形成する。そして、配線溝内にTa/TaN膜(不図示)およびCu膜119を埋め込む。そして、SiO2膜125上部に形成されたCu膜119をCMPにより除去し、上層配線を得る(図4(b))。
【0045】
なお、以上の工程はシリコン基板101としてシリコンウェーハを用いて行われる。シリコンウェーハ上に複数の半導体装置が形成された後、シリコンウェーハをダイシングすると、ダイシング面102を有する複数の半導体装置100に分割される。こうして、図1に示した半導体装置100が得られる。また、図1に示した半導体装置100が形成された後、SiO2膜125上にSiCN膜を形成し、上記とほぼ同様の手順により上層配線を形成すれば、所定の数の配線層を有する多層low−k積層構造が得られる。
【0046】
次に、図1に示した半導体装置100の効果を説明する。
図1に示した半導体装置100は、ダイシング面102の近傍において、SiOC膜107およびSiCN膜105を貫通する凹部133に埋設され、SiCN膜105の側面およびSiOC膜107の側面を覆う界面補強膜115を有する。このため、ダイシングにより形成されるダイシング面102に切り欠きが生じ、切り欠きを起点としてSiOC膜107とSiCN膜105との界面にクラックが生じた際にも、その界面における進行を抑制することができる。
【0047】
以下、半導体装置100の効果を従来の構成と比較してさらに説明する。
図5(a)および図5(b)は、界面補強膜115を有しない構成の半導体装置の構成を模式的に示す断面図である。図5(a)は、クラック発生前の状態を示し、図5(b)は、クラックが生じている状態を示す。図5(a)および図5(b)において、多層配線構造の一部を示すものであり、Cu膜219からなる下層配線がCuプラグ221を介して、Cu膜223からなる上層配線に接続されたシングルダマシン構造を有している。
【0048】
Cu膜219からなる下層配線は、絶縁膜203中に形成されている。Cuプラグ221は、絶縁膜203上のSiCN膜205、SiOC膜207、およびSiO2膜209からなる積層膜に形成された孔部に設けられている。Cu膜223からなる上層配線は、SiCN膜211、SiOC膜213およびSiO膜225からなる積層膜に形成されている。
【0049】
図5(a)および図5(b)に示したように、界面補強膜115を有しない構成では、クラック239が生じた際に、その伝播を抑制する部材が設けられていないため、界面方向にクラックが進行し、界面全面の剥離に至る場合がある。
【0050】
一方、図6は、図1に示した半導体装置100において、ダイシング面102にクラック139が生じている様子を示す図である。図6においては界面補強膜115がエアギャップ117を有するため、クラック139の進行をSiCN膜105とSiOC膜107との界面を界面補強膜115中のエアギャップ117により遮断することができる。よって、界面補強膜115の内側の領域を確実に保護することができる。
【0051】
このように、本実施形態においては、SiCN膜105とSiOC膜107との界面の面内方向にクラックが伝播するのを抑制するクラック伝播抑制膜として機能する界面補強膜115を設けることにより、SiCN膜105とSiOC膜107との界面が剥離することを抑制することができる。
【0052】
この効果は、図1に示したように、界面補強膜115がCu膜119の設けられた配線層の層間絶縁膜である絶縁膜103にわたって設けられ、界面補強膜115が絶縁膜103の側面をも被覆している構成とすることにより、顕著に発揮される。また、この効果は、界面補強膜115がSiOC膜107、SiCN膜105および絶縁膜103における凹部133の側面全面を覆う構成において顕著に発揮される。
【0053】
また、この効果は、図1に示した半導体装置100のように、界面補強膜115がCuプラグ121と同層に形成されている際に顕著に発揮される。配線が設けられている配線層と、異なる配線層間に設けられた配線間を接続する導電プラグが設けられた層とでは、導電プラグが設けられた層の方がSiCN膜105とSiOC膜107との界面における導電体の専有面積が小さい。このため、導電プラグの形成層の層間絶縁膜における低誘電率膜と他の絶縁膜との界面で剥離が生じやすくなる。本実施形態では、界面補強膜115をCuプラグ121と同層に形成することにより、導電体の専有体積の割合が小さい導電プラグ層におけるクラックが界面に沿って伝播することを確実に抑制することができる。
【0054】
なお、図1では、低誘電率膜であるSiOC膜107がSiCN膜105およびSiO2膜109に接して設けられている。本発明者が検討した結果、クラックはSiCN膜105とSiOC膜107との界面において生じやすい。そこで、当該界面に界面補強膜115を設けることによりクラックの伝播を抑制することができる。なお、クラックの伝播がSiCN膜105とSiOC膜107との界面において生じやす原因としては、これらの膜の膜物性の相異がSiOC膜107とSiO2膜109との膜物性の相異に比べて大きいこと、SiOC膜107とSiCN膜105との密着性がSiOC膜107とSiO2膜109との密着性に比べて低いこと、等が推察される。
【0055】
また、クラックの伝播は膜物性の相異が大きい絶縁膜間において生じやすい。特に、SiOC膜等の低誘電率膜を層間絶縁膜とする半導体装置においては、膜密度の小さい低誘電率膜と、当該低誘電率膜よりも膜密度の大きい他の絶縁膜との界面強度が弱く、ダイシング面102に生じた切り欠きからクラックが伝播しやすい。また、クラックの伝播は低誘電率膜中の導電膜の占有面積が少ない層において特に生じやすい。具体的には、
(i)導電プラグが設けられている低誘電率膜のうち、最下層をなす低誘電率膜と、当該低誘電率膜の下層の絶縁膜との界面、および
(ii)導電プラグが設けられている低誘電率膜のうち、最上層をなす低誘電率膜と、当該低誘電率膜の下層の絶縁膜との界面、
においてクラックの伝播が生じやすい。
【0056】
そこで、図1に示した半導体装置100の構成を多層配線構造に適用する際に、界面補強膜115を、
(I)SiOC膜を層間絶縁膜とする導電プラグ層のうち、最上層、または
(II)SiOC膜を層間絶縁膜とする導電プラグ層のうち、最下層、
に界面補強膜115を設けることにより、SiOC膜とSiCN膜との界面におけるクラックの進行を抑制することができる。
【0057】
図7〜図9は、図1に示した半導体装置100の構成をさらに多層の半導体装置に適用した例を示す断面図である。図7および図8は、上述の(I)の位置に界面補強膜115が設けられている半導体装置の構成を示す図である。図7は、ダイシング面102にクラックが生じていない状態を示す図であり、図8は、ダイシング面102からクラック139が発生している状態を示す図である。この構成においても、クラック139の伝播が界面補強膜115にて阻止される。
【0058】
また、図9は、上述した(II)の位置に界面補強膜115が設けられている半導体装置の構成を示す図である。なお、図7と図9を組み合わせた構成、すなわち前述の(I)および(II)の位置に界面補強膜115が設けられた構成としてもよい。これにより、半導体装置中の絶縁膜界面の剥離をより一層確実に抑制することができる。
【0059】
なお、図7〜図11および後述する図19〜図21において、Mは配線層を示し、シリコン基板101の側からM1、M2、・・・、Mx、Mx+1、My、My+1の順に配線層が積層された構成を有する。M2〜Mx+1は層間絶縁膜にSiOC膜を有する。また、MyおよびMy+1は層間絶縁膜がSiO2膜である。
【0060】
図10および図11は、多層配線構造を有する半導体装置であって界面補強膜115を有しない装置の構成を示す図である。図10は、図5(a)および図5(b)に示した半導体装置の構成を多層配線構造に適用した例である。この場合、界面補強膜115が設けられていないため、ダイシング時にダイシング面202に切り欠き部が生じると、SiCN膜205とSiOC膜207との界面にクラック239が発生する。そして、クラックが界面に沿ってシリコン基板201の内部に向かって進行するため、全面剥離が生じる可能性がある。
【0061】
また、図11は、図10において、SiOC膜207以上の層を貫通する貫通溝を形成した構成の半導体装置を示す図である。この構成は、上記特許文献1に記載の構成に対応する。ダイシング面202から生じたクラック239の伝播を貫通溝にて抑制することができる。ところが、この構成では、多層配線構造の形成後、シリコン基板201の素子形成面からSiOC膜207の底面にわたってアスペクト比の大きい溝を形成する必要ある。このため、製造安定性の点で改善の余地がある。
【0062】
一方、図7〜図9に示した半導体装置の場合、剥離が生じやすい層にあらかじめ界面補強膜115を設けておくことができるため、アスペクト比の高い溝を設ける必要がなく、製造安定性に優れる。また、界面補強膜115はSiOC膜113の成膜時に同時に作製することができるため、簡素なプロセスで得ることができる。
【0063】
なお、図1に示した半導体装置100の平面配置は、たとえば図12に示す構成とすることができる。図10においては、シリコン基板101の主面に設けられた素子形成領域147の外周を取り囲む周辺領域にガードリング145が設けられている。ガードリング145は、シリコン基板101上に設けられた絶縁膜中に溝状に埋設された導電体である。また、ガードリング145の外周を取り囲むストライプ状の界面補強膜115が周辺領域の外周の全周にわたって設けられている。
【0064】
図12に示したように、界面補強膜115のライナーを素子形成領域147の外周全周にわたって形成することにより、ダイシング面102から生じる剥離を確実に抑制することができる。また、界面補強膜115をガードリング145の外側に形成することにより、クラックをガードリング145よりもダイシング面102の側で確実に阻止することができる。このため、ダイシング面102等から層間絶縁膜内を透過してくる水分を遮蔽し、素子形成領域147に形成されている素子の耐湿信頼性を向上させることができる。よって、素子形成領域147をさらに確実に保護することができる。
【0065】
このように、素子の設けられた領域と、他の領域との境界に沿って界面補強膜115を設けることにより、素子の設けられた領域内へのクラックの伝播を抑制することが可能である。よって、素子を損傷から保護することができる。なお、この効果は、境界の全周にわたって界面補強膜115が設けられている場合に顕著に発揮される。
【0066】
また、以上においてはシングルダマシン構造の配線構造の場合を例に説明したが、界面補強膜115を有する構成はデュアルダマシン構造の配線構造に適用することもできる。
【0067】
図13および図14は、図1に示した半導体装置100の構成をデュアルダマシン構造に適用した例を示す断面図である。これらの図に示した半導体装置は、SiO2膜109を有さず、SiOC膜107上にSiCN膜111が接して設けられている。
【0068】
図13は、Cuプラグ121およびCu膜123が連続一体のCu膜からなる構成である。この場合にも、SiCN膜111から絶縁膜103にわたって設けられた凹部にSiOC膜113を埋設し、凹部の側面をSiOC膜113で被覆するとともにエアギャップ117を有する界面補強膜115を設けることにより、図1に示した半導体装置100の場合と同様の効果が得られる。
【0069】
なお、図13に示した半導体装置も、図3(b)を用いて前述したように、エッチングストッパ膜であるSiCN膜111の形成後に溝状の凹部133を形成し、SiOC膜113を埋設することにより界面補強膜115を得ることができる。
【0070】
また、図14は、図1に示した半導体装置100のSiO2膜125上にSiO2膜141を設けた構成である。そして、SiO2膜125から絶縁膜103にわたって設けられた凹部にSiO2膜125を埋設し、凹部の側面をSiO2膜125で被覆するとともにエアギャップ117を形成した構成の界面補強膜115を有する。このような構成においても、ダイシング面102から生じる剥離を抑制することができる。
【0071】
なお、図14に示した構成は以下のようにして得られる。SiOC膜113上のハードマスクであるSiO2膜125を形成した後、溝状の凹部133を形成する。そして、ハードマスク絶縁膜であるSiO2膜141をもう一度形成するとともに、凹部133にSiO2膜141を埋設する。このとき、凹部133においてSiO2膜141中にエアギャップ117ができるようにする。その後、通常のデュアルダマシンプロセスを実施する。
【0072】
また、図14に示したように、界面補強膜115をSiO2膜等の低誘電率膜以外の絶縁膜とすることもできる。なお、界面補強膜115は、SiOC膜113のような低誘電率膜とするのが好ましい。低誘電率膜とすることにより、界面補強膜115とSiOC膜107との密着性を向上させることができる。また、低誘電率膜は通常膜密度が小さいため、こうした材料を用いることにより、クラックの伝播を確実に抑制することができる。
【0073】
(第二の実施形態)
図15は、本実施形態に係る半導体装置の構成を模式的に示す断面図である。図15に示した半導体装置110は、第一の実施形態に記載の半導体装置100(図1)と基本構成が共通の配線層を有するが、界面補強膜の構成が異なる。
【0074】
半導体装置110は、半導体装置100(図1)の界面補強膜115に代えて、中実の界面補強膜143を有する。また、SiO2膜109とSiCN膜111との間にSiO2膜141が設けられ、界面補強膜143はSiO2膜141と連続一体に形成されている。界面補強膜143は、SiO2膜109、SiOC膜107およびSiCN膜105をこの順に貫通する凹部に埋設されており、界面補強膜143の底面がSiCN膜105の底面に一致している。
【0075】
次に、図15に示した半導体装置110の製造方法を説明する。図16(a)、図16(b)、図17(a)、図17(b)および図18は、図15に示した半導体装置110の製造工程を示す断面図である。以下、半導体装置100(図1)の製造工程と異なる点を中心に説明する。
【0076】
まず、図2(a)を用いて前述した方法を用いてシリコン基板101上にSiCN膜105を形成する工程までを行う(図16(a))。そして、SiCN膜105上にSiOC膜107およびSiO2膜109をこの順に形成する。さらに、SiO2膜109上に反射防止膜127およびレジスト膜129をこの順に形成する。そして、レジスト膜129をマスクとしてSiO2膜109およびSiOC膜107を貫通する溝状の凹部151を形成する(図16(b))。このとき、凹部151のアスペクト比は、第一の実施形態における凹部133のアスペクト比よりも小さくする。凹部151の幅は、たとえば500nm以上2μm以下、より具体的には1μmとする。
【0077】
次に、レジスト膜129および反射防止膜127を除去する。その後、CVD法などにより、SiO2膜109の上面全面に凹部151を埋め込むようにSiO2膜141を形成する。凹部151中にSiO2膜141を充填することにより、中実構造の界面補強膜143が形成される(図17(a))。
【0078】
つづいて、SiO2膜141をCMPにより薄化する(図17(b))。そして、図2(a)を参照して前述した方法を用いて、SiO2膜141、SiO2膜109、SiOC膜107およびSiCN膜105を貫通するCuプラグ121を形成する(図8)。
【0079】
そして、SiO2膜141上にSiCN膜111、SiOC膜113およびSiO2膜125をこの順に成膜し、図4(b)を参照して前述した方法を用いてCu膜123を形成する。以上の工程により、図15に示した半導体装置110が得られる。
【0080】
次に、図15に示した半導体装置110の効果を説明する。
図15に示した半導体装置110においても、SiCN膜105とSiOC膜107との界面に凹部が設けられ、その側面全面を被覆する界面補強膜143が設けられている。このため、第一の実施形態の場合と同様に、ダイシング面102に生じた切り欠きを起点としてSiCN膜105とSiOC膜107との界面にクラックが発生した場合に、界面補強膜143においてその伝播を抑制することができる。このため、SiCN膜105とSiOC膜107との界面が剥離しないようにすることができる。
【0081】
また、半導体装置110においては、界面補強膜143が中実であるため、凹部151を絶縁膜103まで形成する必要がなく、装置構成を簡素化することができる。
【0082】
図19〜図21は、図16に示した半導体装置110の構成をさらに多層の半導体装置に適用した例を示す断面図である。図19および図20は、第一の実施形態において前述した(I)の位置に界面補強膜143が設けられている半導体装置の構成を示す図である。図19は、ダイシング面102にクラックが生じていない状態を示す図であり、図20は、ダイシング面102からクラック139が発生している状態を示す図である。この構成においても、クラック139の伝播が界面補強膜143にて阻止される。
【0083】
また、図21は、第一の実施形態において前述した(II)の位置に界面補強膜143が設けられている半導体装置の構成を示す図である。なお、図19と図21を組み合わせた構成、すなわち前述の(I)および(II)の位置に界面補強膜143が設けられた構成としてもよい。これにより、半導体装置中の絶縁膜界面の剥離をより一層確実に抑制することができる。
【0084】
なお、図15に示した半導体装置110の平面構成は、たとえば第一の実施形態に記載の構成(図12)とすることができる。本実施形態においても、ガードリング145と素子形成領域147との間に界面補強膜143を設けることにより、ダイシング面102で生じたクラックがガードリング145およびその内側に設けられた素子形成領域147に伝播することを抑制することができる。このため、素子形成領域147中に形成された素子を保護することができる。
【0085】
また、半導体装置110は、シングルダマシンプロセスにより得られる配線構造の場合を例示したが、第一の実施形態の場合と同様に、本実施形態の構成をデュアルダマシンプロセスにより得られる配線構造に適用することもできる。
【0086】
以上の実施形態においては、低誘電率層間絶縁膜としてSiOC膜を用いる場合を例示したが、低誘電率膜は、SiOC膜に代えて、水素化ポリシロキサン膜、メチルポリシロキサン膜、水素化メチルポリシロキサン膜、またはこれらの膜をポーラス化したもの等とすることもできる。また、低誘電率膜として、有機ポリマーを用いてもよい。低誘電率膜の比誘電率は、たとえば3.5以下とすることができる。また、低誘電率膜は、Si、OおよびHを構成元素として含む膜とすることができる。また、低誘電率膜は、Si、C、OおよびHを構成元素として含む膜とすることができる。こうした他の膜を用いた場合においても、以上の実施形態に示した構成を採用することにより、低誘電率膜とその直下の拡散防止膜との界面におけるクラックの進行を抑制することができる。
【0087】
また、以上の実施形態においては、SiOC膜の直下に設けられる拡散防止膜がSiCN膜である構成を例に説明したが、たとえばSiCN膜に代わり、SiC膜、SiN膜またはSiON膜が設けられている構成としてもよい。
【0088】
また、以上の実施形態において、SiCN膜105に接してSiOC膜107が設けられているが、SiCN膜105とSiOC膜107との間を界面補強膜115により補強する構成となる範囲でこれらの絶縁膜間に薄膜が介在していてもよい。
【0089】
また、以上の実施形態において、SiCN膜105およびSiOC膜107に対応する絶縁膜として、膜物性の異なる二つの絶縁膜の積層膜に凹部133を設け、その側面全面に界面補強膜115を設けてもよい。膜物性の異なる絶縁膜の界面は、密着性が低くなりがちであるが、界面補強膜115を設けることにより、絶縁膜界面でクラックが生じた際にもその伝播を抑制することができる。
【0090】
(第三の実施形態)
以上の実施形態においては、多層配線構造を有する素子形成領域の外側に、ガードリング145および界面補強膜がシリコン基板101の主面の内部から外周部に向かって形成されている構成を例示したが、本発明は、ヒューズを有する半導体装置の構成に適用することもできる。以下、第一の実施形態に記載の界面補強膜115を有する構成を例に説明する。
【0091】
図22は、実施形態のシールリング構造を備える半導体装置を模式的に示した平面図である。本実施形態に係る半導体装置は、TaまたはTaNなどの高融点金属膜からなるヒューズ122a、ヒューズ122b、およびヒューズ122cを備えている。
【0092】
ヒューズ122a、ヒューズ122b、およびヒューズ122cは、レーザ照射により中央部の細線部を溶断し、両端部に接続する配線同士を断線するための構造を意味する。このため、ヒューズ122a、ヒューズ122b、およびヒューズ122cは、レーザを吸収しやすく、優れた導電性を有する高融点金属膜により構成されている。
【0093】
これらのヒューズ122a、ヒューズ122b、およびヒューズ122cの中央部にあたるレーザ照射領域における線幅は細く、例えば0.5μm〜1.6μm程度とすることができる。ヒューズ122a、ヒューズ122b、およびヒューズ122cの両端はレーザ照射領域における線幅よりも太く、この両端部において、直下の層間絶縁膜中に設けられている銅配線120a、銅配線120b、銅配線120c、銅配線120d、銅配線120e、銅配線120fと接続している。
【0094】
また、ヒューズ122a、ヒューズ122b、およびヒューズ122cの直下の領域を囲むように、ヒューズ122a、ヒューズ122b、およびヒューズ122cの下方の層間絶縁膜中にシールリング149が設けられている。そして、ヒューズ122a、ヒューズ122b、およびヒューズ122cとシールリング149との間に界面補強膜115が設けられている。界面補強膜115の構成は、たとえば、図1に示した構成とする。
【0095】
この構成によれば、界面補強膜115よりもシリコン基板101の外周部の側にクラックが伝播することを抑制することができる。
【0096】
以上、本発明を実施形態に基づいて説明した。この実施形態はあくまで例示であり、種々の変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
【0097】
たとえば、以上の実施形態において、絶縁膜の膜密度は半導体装置の断面のTEM(透過型電子顕微鏡)観察により把握することができる。
【図面の簡単な説明】
【0098】
【図1】実施の形態に係る半導体装置の構成を模式的に示す断面図である。
【図2】実施の形態に係る半導体装置の製造工程を示す断面図である。
【図3】実施の形態に係る半導体装置の製造工程を示す断面図である。
【図4】実施の形態に係る半導体装置の製造工程を示す断面図である。
【図5】半導体装置の構成を模式的に示す断面図である。
【図6】実施の形態に係る半導体装置の構成を模式的に示す断面図である。
【図7】実施の形態に係る半導体装置の構成を模式的に示す断面図である。
【図8】実施の形態に係る半導体装置の構成を模式的に示す断面図である。
【図9】実施の形態に係る半導体装置の構成を模式的に示す断面図である。
【図10】半導体装置の構成を模式的に示す断面図である。
【図11】半導体装置の構成を模式的に示す断面図である。
【図12】実施の形態に係る半導体装置の構成を模式的に示す平面図である。
【図13】実施の形態に係る半導体装置の構成を模式的に示す断面図である。
【図14】実施の形態に係る半導体装置の構成を模式的に示す断面図である。
【図15】実施の形態に係る半導体装置の構成を模式的に示す断面図である。
【図16】実施の形態に係る半導体装置の製造工程を示す断面図である。
【図17】実施の形態に係る半導体装置の製造工程を示す断面図である。
【図18】実施の形態に係る半導体装置の製造工程を示す断面図である。
【図19】実施の形態に係る半導体装置の構成を模式的に示す断面図である。
【図20】実施の形態に係る半導体装置の構成を模式的に示す断面図である。
【図21】実施の形態に係る半導体装置の構成を模式的に示す断面図である。
【図22】実施の形態に係る半導体装置の構成を模式的に示す平面図である。
【符号の説明】
【0099】
100 半導体装置
101 シリコン基板
102 ダイシング面
103 絶縁膜
105 SiCN膜
107 SiOC膜
109 SiO2
110 半導体装置
111 SiCN膜
113 SiOC膜
115 界面補強膜
117 エアギャップ
119 Cu膜
120a 銅配線
120b 銅配線
120c 銅配線
120d 銅配線
120e 銅配線
120f 銅配線
121 Cuプラグ
122a ヒューズ
122b ヒューズ
122c ヒューズ
123 Cu膜
125 SiO2
127 反射防止膜
129 レジスト膜
131 開口部
133 凹部
139 クラック
141 SiO2
143 界面補強膜
145 ガードリング
147 素子形成領域
149 シールリング
151 凹部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体基板と、
前記半導体基板上に設けられた第一の絶縁膜と、
前記第一の絶縁膜上に設けられた第二の絶縁膜と、
前記第一の絶縁膜および前記第二の絶縁膜を貫通する凹部と、
前記凹部に埋設され、前記第一の絶縁膜の側面から前記第二の絶縁膜の側面にわたって設けられた界面補強膜と、
を有することを特徴とする半導体装置。
【請求項2】
請求項1に記載の半導体装置において、前記第二の絶縁膜上に設けられた第三の絶縁膜を有し、前記界面補強膜と前記第三の絶縁膜とが連続一体に形成されていることを特徴とする半導体装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載の半導体装置において、
前記半導体基板上に、複数の配線層と、異なる前記配線層中に形成された配線間を接続する導電プラグ層と、を有する多層配線構造を有し、
前記導電プラグ層は前記第一の絶縁膜と前記第二の絶縁膜と、前記界面補強膜とを含むことを特徴とする半導体装置。
【請求項4】
請求項1乃至3いずれかに記載の半導体装置において、
前記半導体基板上に設けられた配線層を有し、
前記第一の絶縁膜が前記配線層上に設けられ、
前記配線層と前記第一の絶縁膜と前記第二の絶縁膜とを貫通する前記凹部の側面に、前記配線層から前記第二の絶縁膜にわたって前記界面補強膜が設けられていることを特徴とする半導体装置。
【請求項5】
請求項1乃至4いずれかに記載の半導体装置において、前記界面補強膜中にエアギャップが設けられていることを特徴とする半導体装置。
【請求項6】
請求項1乃至4いずれかに記載の半導体装置において、前記凹部を充填する中実構造の前記界面補強膜を有することを特徴とする半導体装置。
【請求項7】
請求項1乃至6いずれかに記載の半導体装置において、
前記第二の絶縁膜が低誘電率膜であることを特徴とする半導体装置。
【請求項8】
請求項1乃至7いずれかに記載の半導体装置において、前記第二の絶縁膜の膜密度が前記第一の絶縁膜の膜密度よりも小さいことを特徴とする半導体装置。
【請求項9】
請求項1乃至8いずれかに記載の半導体装置において、
前記第一の絶縁膜が、SiC膜、SiCN膜、SiN膜またはSiON膜であり、
前記第二の絶縁膜が、SiOC膜、水素化ポリシロキサン膜、メチルポリシロキサン膜、および水素化メチルポリシロキサン膜からなる群から選択される膜であることを特徴とする半導体装置。
【請求項10】
請求項1乃至9いずれかに記載の半導体装置において、
溝状の前記凹部を有することを特徴とする半導体装置。
【請求項11】
請求項1乃至10いずれかに記載の半導体装置において、
前記半導体基板上に、
素子の設けられた第一の領域と、
第二の領域と、
を有し、前記第一の領域と前記第二の領域との境界に沿って前記界面補強膜が設けられていることを特徴とする半導体装置。
【請求項12】
請求項1乃至10いずれかに記載の半導体装置において、
前記半導体基板上に、素子の設けられた領域と、前記素子の設けられた領域の外周を取り囲む周辺領域と、
を有し、
前記界面補強膜が前記周辺領域に設けられたことを特徴とする半導体装置。
【請求項13】
請求項12に記載の半導体装置において、前記周辺領域に前記素子の設けられた領域の周辺を取り囲むガードリングが設けられ、前記界面補強膜が前記ガードリングの外周を取り囲むことを特徴とする半導体装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate

【図20】
image rotate

【図21】
image rotate

【図22】
image rotate


【公開番号】特開2006−59976(P2006−59976A)
【公開日】平成18年3月2日(2006.3.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−239578(P2004−239578)
【出願日】平成16年8月19日(2004.8.19)
【出願人】(302062931)NECエレクトロニクス株式会社 (8,021)
【Fターム(参考)】