半導体製造装置
【課題】成膜中の成長速度をリアルタイムで精度良く検出可能な半導体製造装置を提供する。
【解決手段】干渉検出装置7は、波長λのレーザ光を用いて、基板20上に成長された単結晶Si膜の表面から反射光と、リファレンスレンズ73からの反射光との干渉光をマイケルソン干渉計によって検出する。解析装置8は、干渉検出装置7によって検出された干渉光の振動波形にフィッティングする振動波形を演算し、その演算した振動波形における周期Tを求める。そして、解析装置8は、周期Tによってλ/2の膜厚を除算して成長速度を検出する。
【解決手段】干渉検出装置7は、波長λのレーザ光を用いて、基板20上に成長された単結晶Si膜の表面から反射光と、リファレンスレンズ73からの反射光との干渉光をマイケルソン干渉計によって検出する。解析装置8は、干渉検出装置7によって検出された干渉光の振動波形にフィッティングする振動波形を演算し、その演算した振動波形における周期Tを求める。そして、解析装置8は、周期Tによってλ/2の膜厚を除算して成長速度を検出する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、半導体製造装置に関し、特に、半導体膜の成長速度を測定しながら半導体膜を製造する半導体製造装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、成膜中の膜厚またはエッチング中のエッチング深さを測定する測定方法が知られている(特許文献1)。
【0003】
この測定方法は、マイケルソン干渉計を用いて半導体基板の第1の表面からの反射波とリファレンスミラーからの反射波との干渉によって生じる第1の干渉波を検出し、その後、第1の表面をエッチングして得られる半導体基板の第2の表面からの反射波とリファレンスミラーからの反射波との干渉によって生じる第2の干渉波を検出し、第1の干渉波と第2の干渉波との位相差を電圧値に変換し、その変換した電圧値をリファレンスミラーに接続された圧電素子に印加してリファレンスミラーを変位させ、そのリファレンスミラーの変位量をエッチング深さとして検出するものである。
【0004】
また、特許文献1には、上述した測定方法を用いて成膜中の膜厚を測定することも開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2007−335557号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、従来の測定方法は、圧電素子によるリファレンスミラーの変位量をエッチング深さまたは膜厚として検出するため、その検出したエッチング深さまたは膜厚が圧電素子の変位精度によって律則され、エッチング深さまたは膜厚を高精度に測定することが困難である。また、特許文献1には、エッチングするときのエッチング時間を正確に計測する方法、または成膜するときの成膜時間を正確に計測する方法が開示されていないため、成長速度を精度良く求めるのは困難であるという問題がある。
【0007】
そこで、この発明は、かかる問題を解決するためになされたものであり、その目的は、成膜中の成長速度をリアルタイムで精度良く検出可能な半導体製造装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この発明によれば、半導体製造装置は、反応容器と、基板保持部材と、加熱器と、ガス供給装置と、排気装置と、干渉検出装置と、成長速度検出器とを備える。基板保持部材は、反応容器の内部に設置され、基板を保持する。加熱器は、基板を加熱する。ガス供給装置は、反応容器内に材料ガスを供給する。排気装置は、反応容器内に供給された材料ガスを排気し、反応容器内の圧力を所望の圧力に設定する。干渉検出装置は、λの波長を有するレーザ光を基準面と基板上に堆積された半導体膜とに略垂直に照射し、半導体膜の表面からのレーザ光の第1の反射光とレーザ光の基準面からの第2の反射光との干渉による第1の干渉信号を検出する。成長速度検出器は、第1の干渉信号に基づいて、半導体膜がmλ/2(mは正の実数)の膜厚だけ成長するのに要する時間を計測し、その計測した時間によってmλ/2の膜厚を除算して半導体膜の成長速度を検出する。
【0009】
好ましくは、成長速度検出器は、干渉検出装置によって検出された第1の干渉信号にフィテッィングされた振動波形を演算し、その演算した振動波形がm×周期だけ振動するときの時間を求め、その求めた時間によってmλ/2の膜厚を除算して半導体膜の成長速度を検出する。
【0010】
好ましくは、半導体製造装置は、回転器をさらに備える。回転器は、基板保持部材を回転する。干渉検出装置は、基板の表面からの第3の反射光と第2の反射光との干渉による第2の干渉信号と、第1の干渉信号とを検出する。成長速度検出器は、第1の干渉信号をフーリエ変換した信号から第2の干渉信号をフーリエ変換した信号を減算し、その減算結果を逆フーリエ変換するとともに、逆フーリエ変換して得られた信号に基づいて、半導体膜がmλ/2の膜厚だけ成長するのに要する時間を計測し、その計測した時間によってmλ/2の膜厚を除算して半導体膜の成長速度を検出する。
【0011】
好ましくは、半導体製造装置は、凹凸度検出器をさらに備える。凹凸度検出器は、第1の干渉信号の干渉縞の方向および干渉縞の数に基づいて半導体膜の表面の凹凸度を検出する。
【0012】
好ましくは、加熱器は、各々が基板を加熱する複数のランプからなる。干渉検出装置は、複数のランプの隙間を介してレーザ光を半導体膜に照射する。
【0013】
好ましくは、干渉検出装置は、複数のランプから出射され、半導体膜の表面で反射された光を除去し、第1および第2の反射光を通過させるフィルタを含む。
【0014】
好ましくは、基板は、単結晶Si基板からなり、半導体膜は、単結晶Siからなる。加熱器は、基板を1000℃以上に加熱する。
【0015】
好ましくは、干渉検出装置は、半導体膜の面内方向において複数の位置に複数のレーザ光を照射するとともに、複数の第1の干渉信号を検出する。成長速度検出器は、複数の第1の干渉信号の各々に基づいて、成長速度検出処理を実行し、複数の位置における複数の成長速度を検出する。
【0016】
好ましくは、加熱器は、成長速度検出器によって検出された成長速度に基づいて基板を加熱するときの目標温度を決定し、その決定した目標温度に基板を加熱する。
【発明の効果】
【0017】
この発明による半導体製造装置においては、マイケルソン干渉計を用いて干渉信号を検出し、その検出した干渉信号に基づいて、半導体膜がmλ/2の膜厚だけ成長するのに要する時間を求め、その求めた時間によってmλ/2の膜厚を除算して成長速度を検出する。そして、mλ/2の膜厚だけ成長するのに要する時間は、干渉信号の振動波形の周期をm倍することによって求められる。また、干渉信号の検出は、半導体膜の成膜中においても随時行なわれる。
【0018】
したがって、この発明によれば、成膜中の成長速度をリアルタイムで精度良く検出できる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】この発明の実施の形態1による半導体製造装置の構成図である。
【図2】成長速度の測定方法を説明するための図である。
【図3】干渉信号の概念図である。
【図4】振動波形の実測値とフィテッィング結果を示す図である。
【図5】干渉光を検出する実験結果を示す図である。
【図6】図5に示す振動波形の一部の拡大図である。
【図7】基板からの反射光のスポット位置をリファレンスミラーからの反射光のスポット位置からずらせたときの干渉縞を示す図である。
【図8】図1に示す半導体製造装置における動作を説明するためのフローチャートである。
【図9】図1に示す半導体製造装置における他の動作を説明するためのフローチャートである。
【図10】実施の形態1による他の半導体製造装置の構成図である。
【図11】実施の形態2による半導体製造装置の構成図である。
【図12】図11に示す半導体製造装置における動作を説明するためのフローチャートである。
【図13】実施の形態2による他の半導体製造装置の構成図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰返さない。
【0021】
[実施の形態1]
図1は、この発明の実施の形態1による半導体製造装置の構成図である。図1を参照して、この発明の実施の形態1による半導体製造装置10は、反応容器1と、窓2と、基板ホルダー3と、加熱器4と、ガス供給装置5と、排気装置6と、干渉検出装置7と、解析装置8と、制御装置9とを備える。
【0022】
反応容器1は、略直方体の外形を有するとともに、略四角形の平面形状を有する。窓2は、反応容器1の天井1Aの一部に埋め込まれており、たとえば、石英からなる。
【0023】
基板ホルダー3は、略円筒形状からなり、反応容器1の底面1B上に設置される。加熱器4は、たとえば、複数のランプからなり、反応容器1の外側において窓2に沿って配置される。ガス供給装置5は、反応容器1のガス供給口1Cに接続される。排気装置6は、反応容器1の排気口1Dに接続される。
【0024】
干渉検出装置7は、窓2の上側に配置される。そして、干渉検出装置7は、レーザ71と、ビームスプリッタ72と、リファレンスミラー73と、バンドパスフィルタ74と、レンズ75と、ハーフミラー76と、フォトダイオード77と、反射ミラー78とを含む。
【0025】
レーザ71は、窓2の上側に配置される。ビームスプリッタ72は、レーザ71と窓2との間に配置される。リファレンスミラー73は、たとえば、アルミニウム(Al)のミラー面を有し、ビームスプリッタ72の横方向に配置される。
【0026】
バンドパスフィルタ74、レンズ75、ハーフミラー76およびフォトダイオード77は、ビームスプリッタ72を中心にしてリファレンスミラー73の反対側にバンドパスフィルタ74、レンズ75、ハーフミラー76およびフォトダイオード77の順で配置される。反射ミラー78は、ハーフミラー76と解析装置8との間に配置される。
【0027】
解析装置8は、干渉検出装置7のフォトダイオード77に接続されるとともに、反射ミラー78からの光を受ける。
【0028】
窓2は、レーザ71から出射されたレーザ光LBを基板ホルダー3上に設置された基板20の方向へ透過させるとともに、基板20の表面で反射された反射光RFL1をビームスプリッタ72へ透過させる。また、窓2は、加熱器4(=複数のランプ)からの光を基板20へ透過させる。
【0029】
基板ホルダー3は、基板20を保持する。加熱器4は、制御装置9からの制御に従って窓2を介して基板20を目標温度に加熱する。ガス供給装置5は、材料ガスをガス供給口1Cから反応容器1内へ供給する。
【0030】
排気装置6は、たとえば、ターボ分子ポンプおよびロータリーポンプからなり、排気口1Dを介して反応容器1内のガスを排気する。
【0031】
干渉検出装置7は、マイケルソン干渉計の原理を用いて基板20の表面からの反射光RFL1と、リファレンスミラー73からの反射光RFL2との干渉光ITF1を検出する。
【0032】
より具体的には、レーザ71は、たとえば、He−Neレーザからなり、波長632.8nmのレーザ光LBをビームスプリッタ72へ出射する。この場合、レーザ光LBの出力パワーは、10.0mWであり、ビーム径は、0.65mm[1/e2]であり、ビームの広がり全角は、1.24mradであり、偏光比は、1:500である。
【0033】
ビームスプリッタ72は、レーザ71からのレーザ光LBを2つのレーザ光LB1,LB2に分割し、その分割したレーザ光LB1を窓2を介して基板20に照射し、レーザ光LB2をリファレンスミラー73に照射する。
【0034】
また、ビームスプリッタ72は、基板20からの反射光RFL1と、リファレンスミラー73からの反射光RFL2とを受ける。そして、ビームスプリッタ72は、反射光RFL1と反射光RFL2との干渉光ITF1をバンドパスフィルタ74へ導く。
【0035】
リファレンスミラー73は、ビームスプリッタ72からのレーザ光LB2を反射する。バンドパスフィルタ74は、加熱器4を構成する複数のランプから出射された光の基板20による反射光を除去するとともに、ビームスプリッタ72からの干渉光ITF1をレンズ75へ透過させる。
【0036】
レンズ75は、バンドパスフィルタ74を透過した干渉光ITF1を拡大し、その拡大した干渉光ITF1をハーフミラー76を介してフォトダイオード77に照射する。
【0037】
ハーフミラー76は、レンズ75からの干渉光ITF1の半分をフォトダイオード77へ透過するとともに、干渉光ITF1の半分を反射ミラー78へ反射する。
【0038】
フォトダイオード77は、干渉光ITF1を受け、その受けた干渉光ITF1を電気信号に変換する。そして、フォトダイオード77は、その変換した電気信号を干渉信号ITFS1として解析装置8へ出力する。
【0039】
反射ミラー78は、ハーフミラー76からの干渉光ITF1を解析装置8の方向へ反射する。
【0040】
このように、干渉検出装置7は、マイケルソン干渉計を用いて干渉光ITF1を検出する。
【0041】
解析装置8は、干渉信号ITFS1をフォトダイオード77から受け、その受けた干渉信号ITFS1に基づいて、後述する方法によって、基板20上に堆積された単結晶半導体膜の成長速度を検出する。また、解析装置8は、反射ミラー78から受けた干渉光ITF1に基づいて、後述する方法によって、基板20上に堆積された単結晶半導体膜の凹凸度を検出する。そして、解析装置8は、その検出した成長速度および凹凸度を制御装置9へ出力する。
【0042】
制御装置9は、成長速度および凹凸度を解析装置8から受ける。そして、制御装置9は、その受けた成長速度に基づいて、基板20上に堆積される単結晶半導体膜において所望の成長速度が得られる目標温度に基板20を加熱するように加熱器4を制御する。また、制御装置9は、その受けた凹凸度に基づいて、基板20上に堆積される単結晶半導体膜において所望の凹凸度が得られる目標温度に基板20を加熱するように加熱器4を制御する。
【0043】
半導体製造装置10は、たとえば、熱CVD(Chemical Vapour Deposition)法によって単結晶シリコン(Si)膜を基板20上に製造する。この場合、基板20は、たとえば、(100)面および8〜12Ωcmの比抵抗を有するp型単結晶Siウェハからなる。そして、加熱器4は、ランプ加熱によって基板20を1000℃以上に加熱する。また、ガス供給装置5は、たとえば、シラン(SiH4)ガスおよび水素(H2)ガスを反応容器1内に供給する。
【0044】
単結晶Si膜を製造するときの反応条件は、次のとおりである。SiH4ガスの流量は、50〜300sccmであり、H2ガスの流量は、50〜200sccmであり、基板温度は、1000℃であり、反応圧力は、13.3〜1330Paである。
【0045】
次に、この発明の実施の形態による成長速度の測定方法について説明する。図2は、成長速度の測定方法を説明するための図である。また、図3は、干渉信号の概念図である。
【0046】
ビームスプリッタ72はレーザ光LB1を基板20上に堆積された単結晶Si膜30の表面に照射し、レーザ光LB2をリファレンスミラー73に照射する。
【0047】
そうすると、レーザ光LB1は、単結晶Si膜30の表面によって反射され、反射光RFL1がビームスプリッタ72へ入射する。この場合、基板20は、1000℃に加熱されており、単結晶Si膜30の温度も1000℃になっている。その結果、1000℃に加熱されたSiは、殆ど、金属と同じであり、レーザ光LB1は、単結晶Si膜30中へ入射することなく、ほぼ、100%、単結晶Si膜30の表面で反射される。
【0048】
一方、レーザ光LB2は、リファレンスミラー73によって反射され、反射光RFL2がビームスプリッタ72へ入射する。
【0049】
そして、反射光RFL1は、反射光RFL2と干渉する。この場合、ビームスプリッタ72と単結晶Si膜30との距離をL1とし、ビームスプリッタ72とリファレンスミラー73との距離をL2とすると、距離L1と距離L2との差ΔL=|L1−L2|によって反射光RFL1と反射光RFL2とは、強め合ったり、弱め合ったりする。その結果、干渉光ITF1は、その強度が変化し、図3に示す振動波形になる。
【0050】
距離L1は、単結晶Si膜30の膜厚によって変化するため、単結晶Si膜30が堆積されていないときの距離L1(=ビームスプリッタ72と基板20との距離)と、距離L2との差ΔLに起因する干渉光ITF1の光強度が始点STに来るように光学系を調整しておけば、距離L1が単結晶Si膜30の成長とともに変化し、図3に示す振動波形が得られる。
【0051】
そして、レーザ光LB(=LB1,LB2)の波長をλとすると、単結晶Si膜30の膜厚がλ/2だけ厚くなると、図3に示す振動波形が1周期分だけ振動する。したがって、振動波形が1周期分だけ振動する時間(すなわち、周期)Tを測定すれば、膜厚λ/2を時間Tで除算することによって成長速度が得られる。
【0052】
実際には、振動波形が始点STから1周期分だけ振動する場合に限らず、任意のポイントから1周期分だけ振動するために要する時間Tを求め、その求めた時間Tで膜厚λ/2を除算して成長速度を求めてもよい。
【0053】
そこで、時間Tを求める方法について説明する。図4は、振動波形の実測値とフィテッィング結果を示す図である。図4において、縦軸は、フォトダイオード77の出力を表し、横軸は、時間を表す。また、実線は、実測値を示し、点線は、フィッティングの結果を示す。
【0054】
振動波形は、一般的には、次式によって与えられる。
【0055】
【数1】
【0056】
式(1)において、Vは、フォトダイオード77の出力電圧であり、V0は、オフセット電圧であり、Aは、振動の振幅である。また、tは、時間であり、Tは、振動周期である。
【0057】
更に、t0は、オフセット時間である。より具体的には、t0は、初期位相を合わせるための数値である。反射光RFL1,RFL2の振動が山、谷、もしくはそれ以外のどこから開始されるのかが解らないため、反射光RFL1,RFL2の振動が開始される位置は、測定系全体の光路長によって決定されるものである。たとえば、基板20の接地位置が少しでもずれると、反射光RFL1,RFL2の振動が開始される位置は変動する。これを補正するための数値がt0である。そして、このt0は、リファレンスミラー73の位置をピエゾ素子で精密制御することで初期位相を調整することができる。反応ガスを流す前の段階でリファレンスミラー73を前後すれば、反射光RFL2の強度が振動するので、常に初期位相(=t0)を0度または90度に決定することが可能である。
【0058】
半導体製造装置10を用いて、同一の反応条件で単結晶Si膜30の成長を繰返し行なえば、V,V0,Aは、概ね一定である。したがって、半導体製造装置10を用いて、同一の反応条件で単結晶Si膜30の成長を繰返し行なうことによって、V,V0,Aの数値を決定することができる。
【0059】
その結果、反応ガスを流して単結晶Si膜30の成長が開始することにより変動するパラメータは、周期Tのみである。反射光RFL1,RFL2の強度の変動に合わせて周期Tを逐次最適化すれば、図4に示すように振動波形をフィッティングすることができ、その時点における成長速度GR(nm/min)は、次式によって決定される。
【0060】
【数2】
【0061】
なお、式(2)における“316.4”は、レーザ光LBの波長λ=632.8nmの2分の1に相当する数値である。
【0062】
たとえば、図4に示す場合、周期Tは、16.5(s)であるので、成長速度GRは、GR=1151nm/minである。
【0063】
したがって、上述した方法によって、単結晶Si膜30の成長中の各時点における成長速度を検出することができる。
【0064】
図5は、干渉光を検出する実験結果を示す図である。また、図6は、図5に示す振動波形の一部の拡大図である。
【0065】
干渉検出装置7において、基板20(=単結晶Siウェハ)からの反射光RFL1と、リファレンスミラー73からの反射光RFL2とを交互にスクリーン上に投影しながら両方の光路が一致するように光軸を調整した。この調整により、干渉光ITF1の縞模様が観測された。
【0066】
そして、この状態で、スクリーン上のスポット位置にフォトダイオード77を設置し、単結晶Si膜30のエピタキシャル成長を模擬するために基板20(=単結晶Siウェハ)をマイクロメーターで動かしつつ光強度の変化を測定した。
【0067】
得られたフォトダイオード77の出力が図5に示す波形である。図5を参照して、基板20(=単結晶Siウェハ)を動かし始めた1.6(s)付近から振動が観測され、1.8(s)〜2.9(s)の間における基板20(=単結晶Siウェハ)の移動中には、多数の振動が観測され、さらに、基板20(=単結晶Siウェハ)の移動が完了する2.9(s)〜3.0(s)付近でゆっくりとして振動が観測された。
【0068】
2.17(s)付近の振動波形を拡大すると、図6に示すように、多数の振動が明瞭に観測されている。マイクロメーターの読みで505μmだけ基板20(=単結晶Siウェハ)を動かしたときの振動の数を計測すると、1622個であり、基板20(=単結晶Siウェハ)の表面が311nm移動する毎に1階の振動を観測していることになる。
【0069】
理想的には、316.4nmで1振動となるので、1.7%の誤差で観測されたことになる。
【0070】
上述した実験結果から干渉検出装置7において、反射光RFL1と反射光RFL2との干渉光ITF1における振動波形を検出することができることが解った。
【0071】
したがって、干渉検出装置7のフォトダイオード77は、図6に示す振動波形を解析装置8へ出力する。そして、解析装置8は、フォトダイオード77から受けた振動波形に基づいて、上述した方法によって成長速度GRを求める。
【0072】
図7は、基板20からの反射光RFL1のスポット位置をリファレンスミラー73からの反射光RFL2のスポット位置からずらせたときの干渉縞を示す図である。
【0073】
なお、反射光RFL1のスポット位置を反射光RFL2のスポット位置からずらせるのは、基板20をわずかに傾けることによって行なわれた。
【0074】
図7を参照して、基板20(=単結晶Siウェハ)からの反射光RFL1のスポットがリファレンスミラー73(Alミラー)からの反射光RFL2のスポットから左右にずれた場合、干渉縞(縦縞)の数が変化する(図7の(c),(d)参照)。
【0075】
一方、反射光RFL1のスポットがリファレンスミラー73(Alミラー)からの反射光RFL2のスポットから上下にずれた場合、干渉縞の角度が変化する(図7の(a),(b)参照)。
【0076】
干渉縞が縦縞になるのは、レーザ光LB自身が偏光しているためである。レーザ光LB1のスポット(0.65mm)内でSiウェハの表面が傾くと、それに応じて、干渉縞の向きや周期が変わることから、干渉縞の数の変化および干渉縞の角度の変化を検出することによってエピタキシャル成長の表面の傾き(=表面の凹凸度)に関する情報を得ることができる。
【0077】
したがって、解析装置8は、反射ミラー78から受けた干渉光ITF1の縦縞の個数および縦縞の角度を検出して単結晶Si膜30の表面の凹凸度を検出する。
【0078】
図8は、図1に示す半導体製造装置10における動作を説明するためのフローチャートである。
【0079】
図8を参照して、一連の動作が開始されると、基板20が反応容器1内の基板ホルダー3上に設置され、排気装置6は、反応容器1内を真空に引く。そして、反応容器1内の到達圧力が10−10Pa程度になると、ガス供給装置5は、SiH4ガスおよびH2ガスを所望の流量だけ真空容器1内に供給する。また、制御装置9は、基板20を1000℃に加熱するように加熱器4を制御し、加熱器4は、制御装置9からの制御に従って基板20を1000℃に加熱する。これによって、単結晶Si膜30の成長が開始される(ステップS1)。
【0080】
その後、マイケルソン干渉計からなる干渉検出装置7は、上述した方法によって干渉光ITF1を検出し(ステップS2)、振動波形からなる干渉信号ITFS1を解析装置8へ出力する。
【0081】
そして、解析装置8は、干渉信号ITFS1に基づいて、干渉信号ITFS1の振動波形にフィッティングされた振動波形を演算し、その演算した振動波形から振動の周期Tを検出する(ステップS3)。
【0082】
その後、解析装置8は、その検出した周期Tによってλ/2を除算して成長速度GRを検出する(ステップS4)。
【0083】
そして、解析装置8は、成長速度GRを制御装置9へ出力する。制御装置9は、解析装置8から成長速度GRを受ける。そして、制御装置9は、単結晶Si膜30の成長開始からのトータル時間を計測しており、その計測したトータル時間と、解析装置8から受けた成長速度GRとを用いて単結晶Si膜30の膜厚を演算する。
【0084】
そうすると、制御装置9は、その演算した膜厚が所望の膜厚に達したか否かを判定することによって、所望の膜厚を有する単結晶Si膜30が成長したか否かを判定する(ステップS5)。
【0085】
ステップS5において、所望の膜厚を有する単結晶Si膜30が成長していないと判定されたとき、制御装置9は、検出された成長速度が目標の成長速度に等しいか否かをさらに判定する(ステップS6)。
【0086】
ステップS6において、検出された成長速度が目標の成長速度に等しいと判定されたとき、一連の動作は、ステップS2へ戻る。
【0087】
一方、ステップS6において、検出された成長速度が目標の成長速度に等しくないと判定されたとき、制御装置9は、検出された成長速度が目標の成長速度よりも小さいか否かをさらに判定する(ステップS7)。
【0088】
ステップS7において、検出された成長速度が目標の成長速度よりも小さくないと判定されたとき、制御装置9は、基板温度を低くするように加熱器4を制御し、加熱器4は、制御装置9からの制御に従って基板温度を低くする(ステップS8)。その後、一連の動作は、ステップS2へ戻る。
【0089】
一方、ステップS7において、検出された成長速度が目標の成長速度よりも小さいと判定されたとき、制御装置9は、基板温度を高くするように加熱器4を制御し、加熱器4は、制御装置9からの制御に従って基板温度を高くする(ステップS9)。その後、一連の動作は、ステップS2へ戻る。
【0090】
ステップS6において、検出された成長速度が目標の成長速度に等しいと判定されたとき、またはステップS8の後、またはステップS9の後、一連の動作は、ステップS2へ戻り、ステップS5において、所望の膜厚を有する単結晶Si膜30が成長したと判定されるまで、上述したステップS2〜ステップS9が繰り返し実行される。
【0091】
そして、ステップS5において、所望の膜厚を有する単結晶Si膜30が成長したと判定されると、一連の動作が終了する。
【0092】
なお、上記においては、検出された成長速度が目標の成長速度よりも大きいとき、基板温度を低くすると説明したが(ステップS8参照)、実施の形態1においては、これに限らず、検出された成長速度が目標の成長速度よりも大きいとき、反応容器1内へ供給されるSiH4ガスの流量を減少させてもよく、反応容器1内の圧力を低くしてもよく、SiH4ガスの流量を減少させ、かつ、反応容器1内の圧力を低くしてもよく、一般的には、基板温度、SiH4ガスの流量および反応容器1内の圧力の少なくとも1つを変えて成長速度が低下するようにしてもよい。
【0093】
また、上記においては、検出された成長速度が目標の成長速度よりも小さいとき、基板温度を高くすると説明したが(ステップS9参照)、実施の形態1においては、これに限らず、検出された成長速度が目標の成長速度よりも小さいとき、反応容器1内へ供給されるSiH4ガスの流量を増加させてもよく、反応容器1内の圧力を高くしてもよく、SiH4ガスの流量を増加させ、かつ、反応容器1内の圧力を高くしてもよく、一般的には、基板温度、SiH4ガスの流量および反応容器1内の圧力の少なくとも1つを変えて成長速度が上昇するようにしてもよい。
【0094】
なお、制御装置9は、SiH4ガスの流量を変えるとき、ガス供給装置5を制御し、反応容器1内の圧力を変えるとき、排気装置6を制御する。
【0095】
上述したように、この発明の実施の形態1においては、マイケルソン干渉計を用いて検出された干渉光ITF1の振動波形にフィテッィングする振動波形を演算して振動波形の周期Tを演算し、1振動分に相当する膜厚λ/2を周期Tで除算して成長速度GRを検出する。
【0096】
したがって、この発明によれば、成膜中の成長速度をリアルタイムで精度良く検出できる。
【0097】
また、この発明の実施の形態1においては、検出された成長速度GRが目標の成長速度になるように単結晶Si膜30の結晶成長にフィードバックされる。
【0098】
したがって、この発明によれば、成膜中の成長速度を目標の成長速度に設定できる。
【0099】
図9は、図1に示す半導体製造装置10における他の動作を説明するためのフローチャートである。
【0100】
図9を参照して、一連の動作が開始されると、図8に示すステップS1,S2と同じ動作が実行される(ステップS11,S12)。
【0101】
そして、ステップS12の後、解析装置8は、干渉光ITF1を干渉検出装置7の反射ミラー78から受け、その受けた干渉光ITF1の縞の数または縞の角度に基づいて、上述した方法によって単結晶Si膜30の凹凸度を検出し(ステップS13)、その検出した凹凸度を制御装置9へ出力する。
【0102】
その後、制御装置9は、解析装置8から受けた凹凸度に基づいて、所望の凹凸度が得られたか否かを判定する(ステップS14)。
【0103】
ステップS14において、所望の凹凸度が得られなかったと判定されたとき、検出された凹凸度が所望の凹凸度以下であるか否かをさらに判定する(ステップS15)。
【0104】
ステップS15において、検出された凹凸度が所望の凹凸度以下であると判定されたとき、一連の動作は、ステップS12へ戻る。
【0105】
一方、ステップS15において、検出された凹凸度が所望の凹凸度以下でないと判定されたとき、制御装置9は、凹凸度が小さくなるようにSiH4ガスの流量、反応容器1内の圧力および基板温度等の反応条件を変化する(ステップS16)。
【0106】
ステップS15において、検出された凹凸度が所望の凹凸度以下であると判定されたとき、またはステップS16の後、一連の動作は、ステップS12へ戻り、ステップS14において、所望の凹凸度が得られたと判定されるまで、上述したステップS12〜ステップS16が繰り返し実行される。
【0107】
そして、ステップS14において、所望の凹凸度が得られたと判定されると、一連の動作は、終了する。
【0108】
このように、実施の形態1においては、マイケルソン干渉計を用いて検出された干渉光ITF1の縞の数または縞の角度の変化によって単結晶Si膜30の凹凸度を検出し、その検出した凹凸度が所望の凹凸度になるように反応条件が変化される。
【0109】
したがって、この発明によれば、所望の凹凸度を有する単結晶Si膜30を製造できる。
【0110】
なお、実施の形態1においては、図8に示すフローチャートおよび図9に示すフローチャートに従って、単結晶Si膜30の成膜中における成長速度および凹凸度を検出し、その検出した成長速度が目標の成長速度になり、かつ、その検出した凹凸度が所望の凹凸度になるように制御して単結晶Si膜30を製造するようにしてもよい。
【0111】
また、図1に示す半導体製造装置10は、1000nm/min以上の高速で単結晶Si膜をエピタキシャル成長させる場合の成長速度の検出に好適であり、半導体製造装置10を用いてエピタキシャル成長された単結晶Si膜30は、パワーMOS(Metal Oxide Semiconductor)等を作製するために用いられる。
【0112】
パワーMOS用の単結晶Si膜は、100μm以上の膜厚が必要であり、コストを低減させるためには1000nm/min以上の成長速度でエピタキシャル成長させる必要がある。
【0113】
したがって、半導体製造装置10を用いることによって、1000nm/min以上の成長速度をリアルタイムで精度良く検出するとともに、その検出した成長速度をフィードバックして目標の成長速度で単結晶Si膜30をエピタキシャル成長できる。
【0114】
したがって、この発明によれば、パワーMOS用の単結晶Si膜を低コストで製造できる。
【0115】
図10は、実施の形態1による他の半導体製造装置の構成図である。実施の形態1による半導体製造装置は、図10に示す半導体製造装置10Aであってもよい。
【0116】
図10を参照して、半導体製造装置10Aは、図1に示す半導体製造装置10の干渉検出装置7を干渉検出装置700,710,720に代えたものであり、その他は、半導体製造装置10と同じである。
【0117】
干渉検出装置700,710,720の各々は、図1に示す干渉検出装置7と同じ構成からなる。そして、干渉検出装置700,710,720は、基板20上に堆積された単結晶Si膜30の面内方向において相互に異なる位置にレーザ光を照射し、単結晶Si膜30の異なる位置における干渉信号および干渉光を検出し、その検出した干渉信号および干渉光を解析装置8へ出力する。
【0118】
半導体製造装置10Aにおいては、解析装置8は、干渉検出装置700,710,720から複数の干渉信号を受け、その受けた複数の干渉信号の各々に基づいて、上述した方法によって成長速度GRを検出し、単結晶Si膜30の面内方向における成長速度の分布を検出する。
【0119】
また、解析装置8は、干渉検出装置700,710,720から複数の干渉光を受け、その受けた複数の干渉光の各々に基づいて、縞の数および縞の角度を検出し、単結晶Si膜30の面内方向における凹凸度の分布を検出する。
【0120】
そして、解析装置8は、その検出した成長速度の分布および凹凸度の分布を制御装置9へ出力する。
【0121】
制御装置9は、解析装置8から受けた成長速度の分布に基づいて、均一な膜厚を有する単結晶Si膜が得られるようにSiH4ガスの流量、反応容器1内の圧力および基板温度等の反応条件を制御する。
【0122】
また、制御装置9は、解析装置8から受けた凹凸度の分布に基づいて、均一な凹凸度を有する単結晶Si膜が得られるようにSiH4ガスの流量、反応容器1内の圧力および基板温度等の反応条件を制御する。
【0123】
なお、半導体製造装置10Aにおいては、干渉検出装置700,710,720は、相互に異なる波長のレーザ光を用いて干渉光を検出してもよい。
【0124】
[実施の形態2]
図11は、実施の形態2による半導体製造装置の構成図である。図11を参照して、実施の形態2による半導体製造装置10Bは、図1に示す半導体製造装置10の解析装置8を解析装置8Aに代え、モータ11を追加したものであり、その他は、半導体製造装置10と同じである。
【0125】
モータ11は、モータ軸111を有し、モータ軸111は、基板ホルダー3に連結される。そして、モータ11は、たとえば、1500rpmで基板ホルダー3を回転させる。
【0126】
解析装置8Aは、単結晶Si膜が基板20上に堆積される前に干渉検出装置7によって検出された干渉光ITF2をフォトダイオード77から受ける。その後、解析装置8Aは、単結晶Si膜30が基板20上に堆積され始めた後に干渉検出装置7によって検出された干渉光ITF3をフォトダイオード77から受ける。
【0127】
そして、解析装置8Aは、干渉光ITF2,ITF3をそれぞれフーリエ変換して信号ITF2_F,ITF3_Fを得る。その後、解析装置8Aは、信号ITF3_Fから信号ITF2_Fを減算して信号ΔITF_Fを得る。
【0128】
そうすると、解析装置8Aは、信号ΔITF_Fを逆フーリエ変換して干渉光ΔITFを求め、その求めた干渉光ΔITFの振動波形に基づいて、実施の形態1における方法と同じ方法によって成長速度GRを検出する。
【0129】
干渉光ITF2は、排気装置6を構成するターボ分子ポンプおよびロータリーポンプの振動成分を含む干渉光である。
【0130】
また、干渉光ITF3は、ターボ分子ポンプおよびロータリーポンプの振動成分と、単結晶Si膜の膜厚変化による振動成分とを含む干渉光である。
【0131】
そして、ターボ分子ポンプおよびロータリーポンプの振動成分は、単結晶Si膜30の膜厚変化による振動成分よりも遥かに高い周波数成分を有する。
【0132】
したがって、干渉光ITF2,ITF3をそれぞれ周波数領域の信号ITF2_F,ITF3_Fに変換し、その変換した信号ITF3_Fから信号ITF2_Fを減算することによって、ターボ分子ポンプおよびロータリーポンプの振動成分を除去した干渉光ΔITFを得ることができる。
【0133】
このように、半導体製造装置10Bは、ターボ分子ポンプおよびロータリーポンプの振動成分を除去して単結晶Si膜30の成長速度GRを検出することを特徴とする。
【0134】
図12は、図11に示す半導体製造装置10Bにおける動作を説明するためのフローチャートである。
【0135】
図12に示すフローチャートは、図8に示すフローチャートのステップS1,S2をステップS21〜S25に代えたものであり、その他は、図8に示すフローチャートと同じである。
【0136】
図12を参照して、一連の動作が開始されると、基板20が反応容器1内の基板ホルダー3上に設置され、排気装置6は、反応容器1内を真空に引く。そして、反応容器1内の到達圧力が10−10Pa程度になると、モータ11は、基板ホルダー3を1500rpmで回転する。これによって、基板20が回転される(ステップS21)。
【0137】
そして、マイケルソン干渉計からなる干渉検出装置7は、上述した方法によって干渉光1(=ITF2)を検出し(ステップS22)、振動波形からなる干渉信号ITFS2を解析装置8Aへ出力する。
【0138】
その後、ガス供給装置5は、SiH4ガスおよびH2ガスを所望の流量だけ真空容器1内に供給する。また、制御装置9は、基板20を1000℃に加熱するように加熱器4を制御し、加熱器4は、制御装置9からの制御に従って基板20を1000℃に加熱する。これによって、単結晶Si膜30の成長が開始される(ステップS23)。
【0139】
そして、マイケルソン干渉計からなる干渉検出装置7は、上述した方法によって干渉光2(=ITF3)を検出し(ステップS24)、振動波形からなる干渉信号ITFS3を解析装置8Aへ出力する。
【0140】
そうすると、解析装置8Aは、干渉光1(=ITF2)をフーリエ変換して信号1_F(=ITF2_F)を求め、干渉光2(=ITF3)をフーリエ変換して信号2_F(=ITF3_F)を求める。そして、解析装置8Aは、信号2_F(=ITF3_F)から信号1_F(=ITF2_F)を減算し、その減算結果(=ΔITF_F)を逆フーリエ変換して干渉光ΔITFを検出する(ステップS25)。
【0141】
その後、上述したステップS3〜ステップS9が実行される。この場合、解析装置8Aは、ステップS3において、干渉光ΔITFに基づいて、上述した方法によって成長速度GRを検出する。
【0142】
また、ステップS6において、検出された成長速度が目標の成長速度に等しいと判定されたとき、またはステップS8の後またはステップS9の後、一連の動作は、ステップS24へ戻る。
【0143】
このように、実施の形態2においては、ターボ分子ポンプおよびロータリーポンプの振動成分を除去した振動波形に基づいて単結晶Si膜30の成長速度を検出する。
【0144】
したがって、この発明によれば、より精度良く成長速度を検出できる。
【0145】
なお、半導体製造装置10Bは、図9に示すフローチャートに従って単結晶Si膜30の凹凸度を検出し、その検出した凹凸度に基づいて所望の凹凸度を有する単結晶Si膜30を製造する。
【0146】
図13は、実施の形態2による他の半導体製造装置の構成図である。実施の形態2による半導体製造装置は、図13に示す半導体製造装置10Cであってもよい。
【0147】
図13を参照して、半導体製造装置10Cは、図11に示す半導体製造装置10Bの干渉検出装置7を干渉検出装置700,710,720に代えたものであり、その他は、半導体製造装置10Bと同じである。
【0148】
干渉検出装置700,710,720については、実施の形態1において説明したとおりである。
【0149】
そして、干渉検出装置700,710,720は、単結晶Si膜30の平面方向における異なる位置の干渉光および干渉信号を検出して解析装置8Aへ出力する。解析装置8Aは、干渉検出装置700,710,720から複数の干渉信号を受け、その受けた複数の干渉信号の各々に基づいて、上述した方法によって、ターボ分子ポンプおよびロータリーポンプの振動成分を除去して成長速度GRを検出し、単結晶Si膜30の面内方向における成長速度の分布を検出する。
【0150】
また、解析装置8Aは、干渉検出装置700,710,720から複数の干渉光を受け、その受けた複数の干渉光の各々に基づいて、縞の数および縞の角度を検出し、単結晶Si膜30の面内方向における凹凸度の分布を検出する。
【0151】
そして、解析装置8Aは、その検出した成長速度の分布および凹凸度の分布を制御装置9へ出力する。
【0152】
制御装置9は、解析装置8Aから受けた成長速度の分布に基づいて、均一な膜厚を有する単結晶Si膜が得られるようにSiH4ガスの流量、反応容器1内の圧力および基板温度等の反応条件を制御する。
【0153】
また、制御装置9は、解析装置8Aから受けた凹凸度の分布に基づいて、均一な凹凸度を有する単結晶Si膜が得られるようにSiH4ガスの流量、反応容器1内の圧力および基板温度等の反応条件を制御する。
【0154】
なお、半導体製造装置10Cにおいては、干渉検出装置700,710,720は、相互に異なる波長のレーザ光を用いて干渉光を検出してもよい。
【0155】
また、上記においては、1周期分の振動が生じるに要する時間である周期Tを式(1)を用いて決定し、その決定した周期Tによってλ/2の膜厚を除算することによって成長速度GRを検出したが、この発明の実施の形態においては、これに限らず、単結晶Si膜30がmλ/2(mは正の実数)の膜厚だけ成長するのに要する時間を求め、その求めた時間によってmλ/2の膜厚を除算して成長速度GRを検出するようにしてもよい。
【0156】
さらに、振動波形がm×周期だけ振動するときの時間を求め、その求めた時間によってmλ/2の膜厚を除算して成長速度GRを検出するようにしてもよい。
【0157】
さらに、上記においては、検出した干渉光の振動波形にフィッティングする振動波形を求め、その求めた振動波形における周期Tを検出して成長速度を検出したが、この発明の実施の形態においては、これに限らず、検出した干渉光の振動波形にフィッティングする振動波形を求める方法以外の方法によって振動波形がm×周期Tだけ振動するのに要する時間を求め、その求めた時間を用いて成長速度を検出するようにしてもよい。つまり、振動波形がm×周期Tだけ振動するのに要する時間を求める方法は、どのような方法であってもよい。
【0158】
さらに、上記においては、加熱器4を複数のランプによって構成すると説明したが、この発明の実施の形態においては、これに限らず、加熱器4は、ヒーターによって構成されていてもよい。この場合、ヒーターは、基板ホルダー3の内部に配置される。
【0159】
さらに、上記においては、SiH4ガスおよびH2ガスを用いて単結晶Si膜30をエピタキシャル成長させると説明したが、この発明の実施の形態においては、SiH2Cl2ガスおよびH2ガス、SiHCl3ガスおよびH2ガス、およびSiCl4ガスおよびH2ガスのいずれかを用いて単結晶Si膜30をエピタキシャル成長させてもよい。
【0160】
さらに、上記においては、単結晶Si膜30をエピタキシャル成長させる場合の成長速度の検出について説明したが、この発明の実施の形態においては、これに限らず、単結晶Ge膜をエピタキシャル成長させる場合の成長速度を上述した方法によって検出するようにしてもよい。
【0161】
さらに、上記においては、熱CVD法によって単結晶Si膜30をエピタキシャル成長させる場合の成長速度の検出について説明したが、この発明の実施の形態においては、これに限らず、プラズマCVD法を用いて単結晶Si膜30、単結晶Ge膜、多結晶Si膜および多結晶Ge膜等の半導体膜を成長させる場合の成長速度を上述した方法によって検出するようにしてもよい。この場合、干渉検出装置7,700,710,720の各々は、プラズマからの発光成分を除去するフィルタを含む。
【0162】
さらに、上記においては、干渉検出装置7,700,710,720におけるレーザ光の波長は、632.8nmであると説明したが、この発明の実施の形態においては、これに限らず、干渉検出装置7,700,710,720は、632.8nm以外の波長を出射するレーザ71を備えていてもよい。
【0163】
さらに、この発明の実施の形態においては、干渉検出装置7,700,710,720の各々は、成長速度が相対的に速いときは、相対的に波長の長いレーザ光を用いて干渉光を検出し、成長速度が相対的に遅いときは、相対的に波長の短いレーザ光を用いて干渉光を検出するようにしてもよい。
【0164】
この発明の実施の形態においては、成長速度を検出する解析装置8,8Aは、「成長速度検出器」を構成する。
【0165】
また、この発明の実施の形態においては、凹凸度を検出する解析装置8,8Aは、「凹凸度検出器」を構成する。
【0166】
さらに、この発明の実施の形態においては、基板ホルダー3は、「基板保持部材」を構成する。
【0167】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施の形態の説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【産業上の利用可能性】
【0168】
この発明は、成膜中の成長速度をリアルタイムで精度良く検出可能な半導体製造装置に適用される。
【符号の説明】
【0169】
1 反応容器、2 窓、3 基板ホルダー、4 加熱器、5 ガス供給装置、6 排気装置、7 干渉検出装置、8 解析装置、9 制御装置、10 半導体製造装置、71 レーザ、72 ビームスプリッタ、73 リファレンスミラー、74 バンドバスフィルタ、75 レンズ、76 ハーフミラー、77 フォトダイオード、78 反射ミラー。
【技術分野】
【0001】
この発明は、半導体製造装置に関し、特に、半導体膜の成長速度を測定しながら半導体膜を製造する半導体製造装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、成膜中の膜厚またはエッチング中のエッチング深さを測定する測定方法が知られている(特許文献1)。
【0003】
この測定方法は、マイケルソン干渉計を用いて半導体基板の第1の表面からの反射波とリファレンスミラーからの反射波との干渉によって生じる第1の干渉波を検出し、その後、第1の表面をエッチングして得られる半導体基板の第2の表面からの反射波とリファレンスミラーからの反射波との干渉によって生じる第2の干渉波を検出し、第1の干渉波と第2の干渉波との位相差を電圧値に変換し、その変換した電圧値をリファレンスミラーに接続された圧電素子に印加してリファレンスミラーを変位させ、そのリファレンスミラーの変位量をエッチング深さとして検出するものである。
【0004】
また、特許文献1には、上述した測定方法を用いて成膜中の膜厚を測定することも開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2007−335557号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、従来の測定方法は、圧電素子によるリファレンスミラーの変位量をエッチング深さまたは膜厚として検出するため、その検出したエッチング深さまたは膜厚が圧電素子の変位精度によって律則され、エッチング深さまたは膜厚を高精度に測定することが困難である。また、特許文献1には、エッチングするときのエッチング時間を正確に計測する方法、または成膜するときの成膜時間を正確に計測する方法が開示されていないため、成長速度を精度良く求めるのは困難であるという問題がある。
【0007】
そこで、この発明は、かかる問題を解決するためになされたものであり、その目的は、成膜中の成長速度をリアルタイムで精度良く検出可能な半導体製造装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この発明によれば、半導体製造装置は、反応容器と、基板保持部材と、加熱器と、ガス供給装置と、排気装置と、干渉検出装置と、成長速度検出器とを備える。基板保持部材は、反応容器の内部に設置され、基板を保持する。加熱器は、基板を加熱する。ガス供給装置は、反応容器内に材料ガスを供給する。排気装置は、反応容器内に供給された材料ガスを排気し、反応容器内の圧力を所望の圧力に設定する。干渉検出装置は、λの波長を有するレーザ光を基準面と基板上に堆積された半導体膜とに略垂直に照射し、半導体膜の表面からのレーザ光の第1の反射光とレーザ光の基準面からの第2の反射光との干渉による第1の干渉信号を検出する。成長速度検出器は、第1の干渉信号に基づいて、半導体膜がmλ/2(mは正の実数)の膜厚だけ成長するのに要する時間を計測し、その計測した時間によってmλ/2の膜厚を除算して半導体膜の成長速度を検出する。
【0009】
好ましくは、成長速度検出器は、干渉検出装置によって検出された第1の干渉信号にフィテッィングされた振動波形を演算し、その演算した振動波形がm×周期だけ振動するときの時間を求め、その求めた時間によってmλ/2の膜厚を除算して半導体膜の成長速度を検出する。
【0010】
好ましくは、半導体製造装置は、回転器をさらに備える。回転器は、基板保持部材を回転する。干渉検出装置は、基板の表面からの第3の反射光と第2の反射光との干渉による第2の干渉信号と、第1の干渉信号とを検出する。成長速度検出器は、第1の干渉信号をフーリエ変換した信号から第2の干渉信号をフーリエ変換した信号を減算し、その減算結果を逆フーリエ変換するとともに、逆フーリエ変換して得られた信号に基づいて、半導体膜がmλ/2の膜厚だけ成長するのに要する時間を計測し、その計測した時間によってmλ/2の膜厚を除算して半導体膜の成長速度を検出する。
【0011】
好ましくは、半導体製造装置は、凹凸度検出器をさらに備える。凹凸度検出器は、第1の干渉信号の干渉縞の方向および干渉縞の数に基づいて半導体膜の表面の凹凸度を検出する。
【0012】
好ましくは、加熱器は、各々が基板を加熱する複数のランプからなる。干渉検出装置は、複数のランプの隙間を介してレーザ光を半導体膜に照射する。
【0013】
好ましくは、干渉検出装置は、複数のランプから出射され、半導体膜の表面で反射された光を除去し、第1および第2の反射光を通過させるフィルタを含む。
【0014】
好ましくは、基板は、単結晶Si基板からなり、半導体膜は、単結晶Siからなる。加熱器は、基板を1000℃以上に加熱する。
【0015】
好ましくは、干渉検出装置は、半導体膜の面内方向において複数の位置に複数のレーザ光を照射するとともに、複数の第1の干渉信号を検出する。成長速度検出器は、複数の第1の干渉信号の各々に基づいて、成長速度検出処理を実行し、複数の位置における複数の成長速度を検出する。
【0016】
好ましくは、加熱器は、成長速度検出器によって検出された成長速度に基づいて基板を加熱するときの目標温度を決定し、その決定した目標温度に基板を加熱する。
【発明の効果】
【0017】
この発明による半導体製造装置においては、マイケルソン干渉計を用いて干渉信号を検出し、その検出した干渉信号に基づいて、半導体膜がmλ/2の膜厚だけ成長するのに要する時間を求め、その求めた時間によってmλ/2の膜厚を除算して成長速度を検出する。そして、mλ/2の膜厚だけ成長するのに要する時間は、干渉信号の振動波形の周期をm倍することによって求められる。また、干渉信号の検出は、半導体膜の成膜中においても随時行なわれる。
【0018】
したがって、この発明によれば、成膜中の成長速度をリアルタイムで精度良く検出できる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】この発明の実施の形態1による半導体製造装置の構成図である。
【図2】成長速度の測定方法を説明するための図である。
【図3】干渉信号の概念図である。
【図4】振動波形の実測値とフィテッィング結果を示す図である。
【図5】干渉光を検出する実験結果を示す図である。
【図6】図5に示す振動波形の一部の拡大図である。
【図7】基板からの反射光のスポット位置をリファレンスミラーからの反射光のスポット位置からずらせたときの干渉縞を示す図である。
【図8】図1に示す半導体製造装置における動作を説明するためのフローチャートである。
【図9】図1に示す半導体製造装置における他の動作を説明するためのフローチャートである。
【図10】実施の形態1による他の半導体製造装置の構成図である。
【図11】実施の形態2による半導体製造装置の構成図である。
【図12】図11に示す半導体製造装置における動作を説明するためのフローチャートである。
【図13】実施の形態2による他の半導体製造装置の構成図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰返さない。
【0021】
[実施の形態1]
図1は、この発明の実施の形態1による半導体製造装置の構成図である。図1を参照して、この発明の実施の形態1による半導体製造装置10は、反応容器1と、窓2と、基板ホルダー3と、加熱器4と、ガス供給装置5と、排気装置6と、干渉検出装置7と、解析装置8と、制御装置9とを備える。
【0022】
反応容器1は、略直方体の外形を有するとともに、略四角形の平面形状を有する。窓2は、反応容器1の天井1Aの一部に埋め込まれており、たとえば、石英からなる。
【0023】
基板ホルダー3は、略円筒形状からなり、反応容器1の底面1B上に設置される。加熱器4は、たとえば、複数のランプからなり、反応容器1の外側において窓2に沿って配置される。ガス供給装置5は、反応容器1のガス供給口1Cに接続される。排気装置6は、反応容器1の排気口1Dに接続される。
【0024】
干渉検出装置7は、窓2の上側に配置される。そして、干渉検出装置7は、レーザ71と、ビームスプリッタ72と、リファレンスミラー73と、バンドパスフィルタ74と、レンズ75と、ハーフミラー76と、フォトダイオード77と、反射ミラー78とを含む。
【0025】
レーザ71は、窓2の上側に配置される。ビームスプリッタ72は、レーザ71と窓2との間に配置される。リファレンスミラー73は、たとえば、アルミニウム(Al)のミラー面を有し、ビームスプリッタ72の横方向に配置される。
【0026】
バンドパスフィルタ74、レンズ75、ハーフミラー76およびフォトダイオード77は、ビームスプリッタ72を中心にしてリファレンスミラー73の反対側にバンドパスフィルタ74、レンズ75、ハーフミラー76およびフォトダイオード77の順で配置される。反射ミラー78は、ハーフミラー76と解析装置8との間に配置される。
【0027】
解析装置8は、干渉検出装置7のフォトダイオード77に接続されるとともに、反射ミラー78からの光を受ける。
【0028】
窓2は、レーザ71から出射されたレーザ光LBを基板ホルダー3上に設置された基板20の方向へ透過させるとともに、基板20の表面で反射された反射光RFL1をビームスプリッタ72へ透過させる。また、窓2は、加熱器4(=複数のランプ)からの光を基板20へ透過させる。
【0029】
基板ホルダー3は、基板20を保持する。加熱器4は、制御装置9からの制御に従って窓2を介して基板20を目標温度に加熱する。ガス供給装置5は、材料ガスをガス供給口1Cから反応容器1内へ供給する。
【0030】
排気装置6は、たとえば、ターボ分子ポンプおよびロータリーポンプからなり、排気口1Dを介して反応容器1内のガスを排気する。
【0031】
干渉検出装置7は、マイケルソン干渉計の原理を用いて基板20の表面からの反射光RFL1と、リファレンスミラー73からの反射光RFL2との干渉光ITF1を検出する。
【0032】
より具体的には、レーザ71は、たとえば、He−Neレーザからなり、波長632.8nmのレーザ光LBをビームスプリッタ72へ出射する。この場合、レーザ光LBの出力パワーは、10.0mWであり、ビーム径は、0.65mm[1/e2]であり、ビームの広がり全角は、1.24mradであり、偏光比は、1:500である。
【0033】
ビームスプリッタ72は、レーザ71からのレーザ光LBを2つのレーザ光LB1,LB2に分割し、その分割したレーザ光LB1を窓2を介して基板20に照射し、レーザ光LB2をリファレンスミラー73に照射する。
【0034】
また、ビームスプリッタ72は、基板20からの反射光RFL1と、リファレンスミラー73からの反射光RFL2とを受ける。そして、ビームスプリッタ72は、反射光RFL1と反射光RFL2との干渉光ITF1をバンドパスフィルタ74へ導く。
【0035】
リファレンスミラー73は、ビームスプリッタ72からのレーザ光LB2を反射する。バンドパスフィルタ74は、加熱器4を構成する複数のランプから出射された光の基板20による反射光を除去するとともに、ビームスプリッタ72からの干渉光ITF1をレンズ75へ透過させる。
【0036】
レンズ75は、バンドパスフィルタ74を透過した干渉光ITF1を拡大し、その拡大した干渉光ITF1をハーフミラー76を介してフォトダイオード77に照射する。
【0037】
ハーフミラー76は、レンズ75からの干渉光ITF1の半分をフォトダイオード77へ透過するとともに、干渉光ITF1の半分を反射ミラー78へ反射する。
【0038】
フォトダイオード77は、干渉光ITF1を受け、その受けた干渉光ITF1を電気信号に変換する。そして、フォトダイオード77は、その変換した電気信号を干渉信号ITFS1として解析装置8へ出力する。
【0039】
反射ミラー78は、ハーフミラー76からの干渉光ITF1を解析装置8の方向へ反射する。
【0040】
このように、干渉検出装置7は、マイケルソン干渉計を用いて干渉光ITF1を検出する。
【0041】
解析装置8は、干渉信号ITFS1をフォトダイオード77から受け、その受けた干渉信号ITFS1に基づいて、後述する方法によって、基板20上に堆積された単結晶半導体膜の成長速度を検出する。また、解析装置8は、反射ミラー78から受けた干渉光ITF1に基づいて、後述する方法によって、基板20上に堆積された単結晶半導体膜の凹凸度を検出する。そして、解析装置8は、その検出した成長速度および凹凸度を制御装置9へ出力する。
【0042】
制御装置9は、成長速度および凹凸度を解析装置8から受ける。そして、制御装置9は、その受けた成長速度に基づいて、基板20上に堆積される単結晶半導体膜において所望の成長速度が得られる目標温度に基板20を加熱するように加熱器4を制御する。また、制御装置9は、その受けた凹凸度に基づいて、基板20上に堆積される単結晶半導体膜において所望の凹凸度が得られる目標温度に基板20を加熱するように加熱器4を制御する。
【0043】
半導体製造装置10は、たとえば、熱CVD(Chemical Vapour Deposition)法によって単結晶シリコン(Si)膜を基板20上に製造する。この場合、基板20は、たとえば、(100)面および8〜12Ωcmの比抵抗を有するp型単結晶Siウェハからなる。そして、加熱器4は、ランプ加熱によって基板20を1000℃以上に加熱する。また、ガス供給装置5は、たとえば、シラン(SiH4)ガスおよび水素(H2)ガスを反応容器1内に供給する。
【0044】
単結晶Si膜を製造するときの反応条件は、次のとおりである。SiH4ガスの流量は、50〜300sccmであり、H2ガスの流量は、50〜200sccmであり、基板温度は、1000℃であり、反応圧力は、13.3〜1330Paである。
【0045】
次に、この発明の実施の形態による成長速度の測定方法について説明する。図2は、成長速度の測定方法を説明するための図である。また、図3は、干渉信号の概念図である。
【0046】
ビームスプリッタ72はレーザ光LB1を基板20上に堆積された単結晶Si膜30の表面に照射し、レーザ光LB2をリファレンスミラー73に照射する。
【0047】
そうすると、レーザ光LB1は、単結晶Si膜30の表面によって反射され、反射光RFL1がビームスプリッタ72へ入射する。この場合、基板20は、1000℃に加熱されており、単結晶Si膜30の温度も1000℃になっている。その結果、1000℃に加熱されたSiは、殆ど、金属と同じであり、レーザ光LB1は、単結晶Si膜30中へ入射することなく、ほぼ、100%、単結晶Si膜30の表面で反射される。
【0048】
一方、レーザ光LB2は、リファレンスミラー73によって反射され、反射光RFL2がビームスプリッタ72へ入射する。
【0049】
そして、反射光RFL1は、反射光RFL2と干渉する。この場合、ビームスプリッタ72と単結晶Si膜30との距離をL1とし、ビームスプリッタ72とリファレンスミラー73との距離をL2とすると、距離L1と距離L2との差ΔL=|L1−L2|によって反射光RFL1と反射光RFL2とは、強め合ったり、弱め合ったりする。その結果、干渉光ITF1は、その強度が変化し、図3に示す振動波形になる。
【0050】
距離L1は、単結晶Si膜30の膜厚によって変化するため、単結晶Si膜30が堆積されていないときの距離L1(=ビームスプリッタ72と基板20との距離)と、距離L2との差ΔLに起因する干渉光ITF1の光強度が始点STに来るように光学系を調整しておけば、距離L1が単結晶Si膜30の成長とともに変化し、図3に示す振動波形が得られる。
【0051】
そして、レーザ光LB(=LB1,LB2)の波長をλとすると、単結晶Si膜30の膜厚がλ/2だけ厚くなると、図3に示す振動波形が1周期分だけ振動する。したがって、振動波形が1周期分だけ振動する時間(すなわち、周期)Tを測定すれば、膜厚λ/2を時間Tで除算することによって成長速度が得られる。
【0052】
実際には、振動波形が始点STから1周期分だけ振動する場合に限らず、任意のポイントから1周期分だけ振動するために要する時間Tを求め、その求めた時間Tで膜厚λ/2を除算して成長速度を求めてもよい。
【0053】
そこで、時間Tを求める方法について説明する。図4は、振動波形の実測値とフィテッィング結果を示す図である。図4において、縦軸は、フォトダイオード77の出力を表し、横軸は、時間を表す。また、実線は、実測値を示し、点線は、フィッティングの結果を示す。
【0054】
振動波形は、一般的には、次式によって与えられる。
【0055】
【数1】
【0056】
式(1)において、Vは、フォトダイオード77の出力電圧であり、V0は、オフセット電圧であり、Aは、振動の振幅である。また、tは、時間であり、Tは、振動周期である。
【0057】
更に、t0は、オフセット時間である。より具体的には、t0は、初期位相を合わせるための数値である。反射光RFL1,RFL2の振動が山、谷、もしくはそれ以外のどこから開始されるのかが解らないため、反射光RFL1,RFL2の振動が開始される位置は、測定系全体の光路長によって決定されるものである。たとえば、基板20の接地位置が少しでもずれると、反射光RFL1,RFL2の振動が開始される位置は変動する。これを補正するための数値がt0である。そして、このt0は、リファレンスミラー73の位置をピエゾ素子で精密制御することで初期位相を調整することができる。反応ガスを流す前の段階でリファレンスミラー73を前後すれば、反射光RFL2の強度が振動するので、常に初期位相(=t0)を0度または90度に決定することが可能である。
【0058】
半導体製造装置10を用いて、同一の反応条件で単結晶Si膜30の成長を繰返し行なえば、V,V0,Aは、概ね一定である。したがって、半導体製造装置10を用いて、同一の反応条件で単結晶Si膜30の成長を繰返し行なうことによって、V,V0,Aの数値を決定することができる。
【0059】
その結果、反応ガスを流して単結晶Si膜30の成長が開始することにより変動するパラメータは、周期Tのみである。反射光RFL1,RFL2の強度の変動に合わせて周期Tを逐次最適化すれば、図4に示すように振動波形をフィッティングすることができ、その時点における成長速度GR(nm/min)は、次式によって決定される。
【0060】
【数2】
【0061】
なお、式(2)における“316.4”は、レーザ光LBの波長λ=632.8nmの2分の1に相当する数値である。
【0062】
たとえば、図4に示す場合、周期Tは、16.5(s)であるので、成長速度GRは、GR=1151nm/minである。
【0063】
したがって、上述した方法によって、単結晶Si膜30の成長中の各時点における成長速度を検出することができる。
【0064】
図5は、干渉光を検出する実験結果を示す図である。また、図6は、図5に示す振動波形の一部の拡大図である。
【0065】
干渉検出装置7において、基板20(=単結晶Siウェハ)からの反射光RFL1と、リファレンスミラー73からの反射光RFL2とを交互にスクリーン上に投影しながら両方の光路が一致するように光軸を調整した。この調整により、干渉光ITF1の縞模様が観測された。
【0066】
そして、この状態で、スクリーン上のスポット位置にフォトダイオード77を設置し、単結晶Si膜30のエピタキシャル成長を模擬するために基板20(=単結晶Siウェハ)をマイクロメーターで動かしつつ光強度の変化を測定した。
【0067】
得られたフォトダイオード77の出力が図5に示す波形である。図5を参照して、基板20(=単結晶Siウェハ)を動かし始めた1.6(s)付近から振動が観測され、1.8(s)〜2.9(s)の間における基板20(=単結晶Siウェハ)の移動中には、多数の振動が観測され、さらに、基板20(=単結晶Siウェハ)の移動が完了する2.9(s)〜3.0(s)付近でゆっくりとして振動が観測された。
【0068】
2.17(s)付近の振動波形を拡大すると、図6に示すように、多数の振動が明瞭に観測されている。マイクロメーターの読みで505μmだけ基板20(=単結晶Siウェハ)を動かしたときの振動の数を計測すると、1622個であり、基板20(=単結晶Siウェハ)の表面が311nm移動する毎に1階の振動を観測していることになる。
【0069】
理想的には、316.4nmで1振動となるので、1.7%の誤差で観測されたことになる。
【0070】
上述した実験結果から干渉検出装置7において、反射光RFL1と反射光RFL2との干渉光ITF1における振動波形を検出することができることが解った。
【0071】
したがって、干渉検出装置7のフォトダイオード77は、図6に示す振動波形を解析装置8へ出力する。そして、解析装置8は、フォトダイオード77から受けた振動波形に基づいて、上述した方法によって成長速度GRを求める。
【0072】
図7は、基板20からの反射光RFL1のスポット位置をリファレンスミラー73からの反射光RFL2のスポット位置からずらせたときの干渉縞を示す図である。
【0073】
なお、反射光RFL1のスポット位置を反射光RFL2のスポット位置からずらせるのは、基板20をわずかに傾けることによって行なわれた。
【0074】
図7を参照して、基板20(=単結晶Siウェハ)からの反射光RFL1のスポットがリファレンスミラー73(Alミラー)からの反射光RFL2のスポットから左右にずれた場合、干渉縞(縦縞)の数が変化する(図7の(c),(d)参照)。
【0075】
一方、反射光RFL1のスポットがリファレンスミラー73(Alミラー)からの反射光RFL2のスポットから上下にずれた場合、干渉縞の角度が変化する(図7の(a),(b)参照)。
【0076】
干渉縞が縦縞になるのは、レーザ光LB自身が偏光しているためである。レーザ光LB1のスポット(0.65mm)内でSiウェハの表面が傾くと、それに応じて、干渉縞の向きや周期が変わることから、干渉縞の数の変化および干渉縞の角度の変化を検出することによってエピタキシャル成長の表面の傾き(=表面の凹凸度)に関する情報を得ることができる。
【0077】
したがって、解析装置8は、反射ミラー78から受けた干渉光ITF1の縦縞の個数および縦縞の角度を検出して単結晶Si膜30の表面の凹凸度を検出する。
【0078】
図8は、図1に示す半導体製造装置10における動作を説明するためのフローチャートである。
【0079】
図8を参照して、一連の動作が開始されると、基板20が反応容器1内の基板ホルダー3上に設置され、排気装置6は、反応容器1内を真空に引く。そして、反応容器1内の到達圧力が10−10Pa程度になると、ガス供給装置5は、SiH4ガスおよびH2ガスを所望の流量だけ真空容器1内に供給する。また、制御装置9は、基板20を1000℃に加熱するように加熱器4を制御し、加熱器4は、制御装置9からの制御に従って基板20を1000℃に加熱する。これによって、単結晶Si膜30の成長が開始される(ステップS1)。
【0080】
その後、マイケルソン干渉計からなる干渉検出装置7は、上述した方法によって干渉光ITF1を検出し(ステップS2)、振動波形からなる干渉信号ITFS1を解析装置8へ出力する。
【0081】
そして、解析装置8は、干渉信号ITFS1に基づいて、干渉信号ITFS1の振動波形にフィッティングされた振動波形を演算し、その演算した振動波形から振動の周期Tを検出する(ステップS3)。
【0082】
その後、解析装置8は、その検出した周期Tによってλ/2を除算して成長速度GRを検出する(ステップS4)。
【0083】
そして、解析装置8は、成長速度GRを制御装置9へ出力する。制御装置9は、解析装置8から成長速度GRを受ける。そして、制御装置9は、単結晶Si膜30の成長開始からのトータル時間を計測しており、その計測したトータル時間と、解析装置8から受けた成長速度GRとを用いて単結晶Si膜30の膜厚を演算する。
【0084】
そうすると、制御装置9は、その演算した膜厚が所望の膜厚に達したか否かを判定することによって、所望の膜厚を有する単結晶Si膜30が成長したか否かを判定する(ステップS5)。
【0085】
ステップS5において、所望の膜厚を有する単結晶Si膜30が成長していないと判定されたとき、制御装置9は、検出された成長速度が目標の成長速度に等しいか否かをさらに判定する(ステップS6)。
【0086】
ステップS6において、検出された成長速度が目標の成長速度に等しいと判定されたとき、一連の動作は、ステップS2へ戻る。
【0087】
一方、ステップS6において、検出された成長速度が目標の成長速度に等しくないと判定されたとき、制御装置9は、検出された成長速度が目標の成長速度よりも小さいか否かをさらに判定する(ステップS7)。
【0088】
ステップS7において、検出された成長速度が目標の成長速度よりも小さくないと判定されたとき、制御装置9は、基板温度を低くするように加熱器4を制御し、加熱器4は、制御装置9からの制御に従って基板温度を低くする(ステップS8)。その後、一連の動作は、ステップS2へ戻る。
【0089】
一方、ステップS7において、検出された成長速度が目標の成長速度よりも小さいと判定されたとき、制御装置9は、基板温度を高くするように加熱器4を制御し、加熱器4は、制御装置9からの制御に従って基板温度を高くする(ステップS9)。その後、一連の動作は、ステップS2へ戻る。
【0090】
ステップS6において、検出された成長速度が目標の成長速度に等しいと判定されたとき、またはステップS8の後、またはステップS9の後、一連の動作は、ステップS2へ戻り、ステップS5において、所望の膜厚を有する単結晶Si膜30が成長したと判定されるまで、上述したステップS2〜ステップS9が繰り返し実行される。
【0091】
そして、ステップS5において、所望の膜厚を有する単結晶Si膜30が成長したと判定されると、一連の動作が終了する。
【0092】
なお、上記においては、検出された成長速度が目標の成長速度よりも大きいとき、基板温度を低くすると説明したが(ステップS8参照)、実施の形態1においては、これに限らず、検出された成長速度が目標の成長速度よりも大きいとき、反応容器1内へ供給されるSiH4ガスの流量を減少させてもよく、反応容器1内の圧力を低くしてもよく、SiH4ガスの流量を減少させ、かつ、反応容器1内の圧力を低くしてもよく、一般的には、基板温度、SiH4ガスの流量および反応容器1内の圧力の少なくとも1つを変えて成長速度が低下するようにしてもよい。
【0093】
また、上記においては、検出された成長速度が目標の成長速度よりも小さいとき、基板温度を高くすると説明したが(ステップS9参照)、実施の形態1においては、これに限らず、検出された成長速度が目標の成長速度よりも小さいとき、反応容器1内へ供給されるSiH4ガスの流量を増加させてもよく、反応容器1内の圧力を高くしてもよく、SiH4ガスの流量を増加させ、かつ、反応容器1内の圧力を高くしてもよく、一般的には、基板温度、SiH4ガスの流量および反応容器1内の圧力の少なくとも1つを変えて成長速度が上昇するようにしてもよい。
【0094】
なお、制御装置9は、SiH4ガスの流量を変えるとき、ガス供給装置5を制御し、反応容器1内の圧力を変えるとき、排気装置6を制御する。
【0095】
上述したように、この発明の実施の形態1においては、マイケルソン干渉計を用いて検出された干渉光ITF1の振動波形にフィテッィングする振動波形を演算して振動波形の周期Tを演算し、1振動分に相当する膜厚λ/2を周期Tで除算して成長速度GRを検出する。
【0096】
したがって、この発明によれば、成膜中の成長速度をリアルタイムで精度良く検出できる。
【0097】
また、この発明の実施の形態1においては、検出された成長速度GRが目標の成長速度になるように単結晶Si膜30の結晶成長にフィードバックされる。
【0098】
したがって、この発明によれば、成膜中の成長速度を目標の成長速度に設定できる。
【0099】
図9は、図1に示す半導体製造装置10における他の動作を説明するためのフローチャートである。
【0100】
図9を参照して、一連の動作が開始されると、図8に示すステップS1,S2と同じ動作が実行される(ステップS11,S12)。
【0101】
そして、ステップS12の後、解析装置8は、干渉光ITF1を干渉検出装置7の反射ミラー78から受け、その受けた干渉光ITF1の縞の数または縞の角度に基づいて、上述した方法によって単結晶Si膜30の凹凸度を検出し(ステップS13)、その検出した凹凸度を制御装置9へ出力する。
【0102】
その後、制御装置9は、解析装置8から受けた凹凸度に基づいて、所望の凹凸度が得られたか否かを判定する(ステップS14)。
【0103】
ステップS14において、所望の凹凸度が得られなかったと判定されたとき、検出された凹凸度が所望の凹凸度以下であるか否かをさらに判定する(ステップS15)。
【0104】
ステップS15において、検出された凹凸度が所望の凹凸度以下であると判定されたとき、一連の動作は、ステップS12へ戻る。
【0105】
一方、ステップS15において、検出された凹凸度が所望の凹凸度以下でないと判定されたとき、制御装置9は、凹凸度が小さくなるようにSiH4ガスの流量、反応容器1内の圧力および基板温度等の反応条件を変化する(ステップS16)。
【0106】
ステップS15において、検出された凹凸度が所望の凹凸度以下であると判定されたとき、またはステップS16の後、一連の動作は、ステップS12へ戻り、ステップS14において、所望の凹凸度が得られたと判定されるまで、上述したステップS12〜ステップS16が繰り返し実行される。
【0107】
そして、ステップS14において、所望の凹凸度が得られたと判定されると、一連の動作は、終了する。
【0108】
このように、実施の形態1においては、マイケルソン干渉計を用いて検出された干渉光ITF1の縞の数または縞の角度の変化によって単結晶Si膜30の凹凸度を検出し、その検出した凹凸度が所望の凹凸度になるように反応条件が変化される。
【0109】
したがって、この発明によれば、所望の凹凸度を有する単結晶Si膜30を製造できる。
【0110】
なお、実施の形態1においては、図8に示すフローチャートおよび図9に示すフローチャートに従って、単結晶Si膜30の成膜中における成長速度および凹凸度を検出し、その検出した成長速度が目標の成長速度になり、かつ、その検出した凹凸度が所望の凹凸度になるように制御して単結晶Si膜30を製造するようにしてもよい。
【0111】
また、図1に示す半導体製造装置10は、1000nm/min以上の高速で単結晶Si膜をエピタキシャル成長させる場合の成長速度の検出に好適であり、半導体製造装置10を用いてエピタキシャル成長された単結晶Si膜30は、パワーMOS(Metal Oxide Semiconductor)等を作製するために用いられる。
【0112】
パワーMOS用の単結晶Si膜は、100μm以上の膜厚が必要であり、コストを低減させるためには1000nm/min以上の成長速度でエピタキシャル成長させる必要がある。
【0113】
したがって、半導体製造装置10を用いることによって、1000nm/min以上の成長速度をリアルタイムで精度良く検出するとともに、その検出した成長速度をフィードバックして目標の成長速度で単結晶Si膜30をエピタキシャル成長できる。
【0114】
したがって、この発明によれば、パワーMOS用の単結晶Si膜を低コストで製造できる。
【0115】
図10は、実施の形態1による他の半導体製造装置の構成図である。実施の形態1による半導体製造装置は、図10に示す半導体製造装置10Aであってもよい。
【0116】
図10を参照して、半導体製造装置10Aは、図1に示す半導体製造装置10の干渉検出装置7を干渉検出装置700,710,720に代えたものであり、その他は、半導体製造装置10と同じである。
【0117】
干渉検出装置700,710,720の各々は、図1に示す干渉検出装置7と同じ構成からなる。そして、干渉検出装置700,710,720は、基板20上に堆積された単結晶Si膜30の面内方向において相互に異なる位置にレーザ光を照射し、単結晶Si膜30の異なる位置における干渉信号および干渉光を検出し、その検出した干渉信号および干渉光を解析装置8へ出力する。
【0118】
半導体製造装置10Aにおいては、解析装置8は、干渉検出装置700,710,720から複数の干渉信号を受け、その受けた複数の干渉信号の各々に基づいて、上述した方法によって成長速度GRを検出し、単結晶Si膜30の面内方向における成長速度の分布を検出する。
【0119】
また、解析装置8は、干渉検出装置700,710,720から複数の干渉光を受け、その受けた複数の干渉光の各々に基づいて、縞の数および縞の角度を検出し、単結晶Si膜30の面内方向における凹凸度の分布を検出する。
【0120】
そして、解析装置8は、その検出した成長速度の分布および凹凸度の分布を制御装置9へ出力する。
【0121】
制御装置9は、解析装置8から受けた成長速度の分布に基づいて、均一な膜厚を有する単結晶Si膜が得られるようにSiH4ガスの流量、反応容器1内の圧力および基板温度等の反応条件を制御する。
【0122】
また、制御装置9は、解析装置8から受けた凹凸度の分布に基づいて、均一な凹凸度を有する単結晶Si膜が得られるようにSiH4ガスの流量、反応容器1内の圧力および基板温度等の反応条件を制御する。
【0123】
なお、半導体製造装置10Aにおいては、干渉検出装置700,710,720は、相互に異なる波長のレーザ光を用いて干渉光を検出してもよい。
【0124】
[実施の形態2]
図11は、実施の形態2による半導体製造装置の構成図である。図11を参照して、実施の形態2による半導体製造装置10Bは、図1に示す半導体製造装置10の解析装置8を解析装置8Aに代え、モータ11を追加したものであり、その他は、半導体製造装置10と同じである。
【0125】
モータ11は、モータ軸111を有し、モータ軸111は、基板ホルダー3に連結される。そして、モータ11は、たとえば、1500rpmで基板ホルダー3を回転させる。
【0126】
解析装置8Aは、単結晶Si膜が基板20上に堆積される前に干渉検出装置7によって検出された干渉光ITF2をフォトダイオード77から受ける。その後、解析装置8Aは、単結晶Si膜30が基板20上に堆積され始めた後に干渉検出装置7によって検出された干渉光ITF3をフォトダイオード77から受ける。
【0127】
そして、解析装置8Aは、干渉光ITF2,ITF3をそれぞれフーリエ変換して信号ITF2_F,ITF3_Fを得る。その後、解析装置8Aは、信号ITF3_Fから信号ITF2_Fを減算して信号ΔITF_Fを得る。
【0128】
そうすると、解析装置8Aは、信号ΔITF_Fを逆フーリエ変換して干渉光ΔITFを求め、その求めた干渉光ΔITFの振動波形に基づいて、実施の形態1における方法と同じ方法によって成長速度GRを検出する。
【0129】
干渉光ITF2は、排気装置6を構成するターボ分子ポンプおよびロータリーポンプの振動成分を含む干渉光である。
【0130】
また、干渉光ITF3は、ターボ分子ポンプおよびロータリーポンプの振動成分と、単結晶Si膜の膜厚変化による振動成分とを含む干渉光である。
【0131】
そして、ターボ分子ポンプおよびロータリーポンプの振動成分は、単結晶Si膜30の膜厚変化による振動成分よりも遥かに高い周波数成分を有する。
【0132】
したがって、干渉光ITF2,ITF3をそれぞれ周波数領域の信号ITF2_F,ITF3_Fに変換し、その変換した信号ITF3_Fから信号ITF2_Fを減算することによって、ターボ分子ポンプおよびロータリーポンプの振動成分を除去した干渉光ΔITFを得ることができる。
【0133】
このように、半導体製造装置10Bは、ターボ分子ポンプおよびロータリーポンプの振動成分を除去して単結晶Si膜30の成長速度GRを検出することを特徴とする。
【0134】
図12は、図11に示す半導体製造装置10Bにおける動作を説明するためのフローチャートである。
【0135】
図12に示すフローチャートは、図8に示すフローチャートのステップS1,S2をステップS21〜S25に代えたものであり、その他は、図8に示すフローチャートと同じである。
【0136】
図12を参照して、一連の動作が開始されると、基板20が反応容器1内の基板ホルダー3上に設置され、排気装置6は、反応容器1内を真空に引く。そして、反応容器1内の到達圧力が10−10Pa程度になると、モータ11は、基板ホルダー3を1500rpmで回転する。これによって、基板20が回転される(ステップS21)。
【0137】
そして、マイケルソン干渉計からなる干渉検出装置7は、上述した方法によって干渉光1(=ITF2)を検出し(ステップS22)、振動波形からなる干渉信号ITFS2を解析装置8Aへ出力する。
【0138】
その後、ガス供給装置5は、SiH4ガスおよびH2ガスを所望の流量だけ真空容器1内に供給する。また、制御装置9は、基板20を1000℃に加熱するように加熱器4を制御し、加熱器4は、制御装置9からの制御に従って基板20を1000℃に加熱する。これによって、単結晶Si膜30の成長が開始される(ステップS23)。
【0139】
そして、マイケルソン干渉計からなる干渉検出装置7は、上述した方法によって干渉光2(=ITF3)を検出し(ステップS24)、振動波形からなる干渉信号ITFS3を解析装置8Aへ出力する。
【0140】
そうすると、解析装置8Aは、干渉光1(=ITF2)をフーリエ変換して信号1_F(=ITF2_F)を求め、干渉光2(=ITF3)をフーリエ変換して信号2_F(=ITF3_F)を求める。そして、解析装置8Aは、信号2_F(=ITF3_F)から信号1_F(=ITF2_F)を減算し、その減算結果(=ΔITF_F)を逆フーリエ変換して干渉光ΔITFを検出する(ステップS25)。
【0141】
その後、上述したステップS3〜ステップS9が実行される。この場合、解析装置8Aは、ステップS3において、干渉光ΔITFに基づいて、上述した方法によって成長速度GRを検出する。
【0142】
また、ステップS6において、検出された成長速度が目標の成長速度に等しいと判定されたとき、またはステップS8の後またはステップS9の後、一連の動作は、ステップS24へ戻る。
【0143】
このように、実施の形態2においては、ターボ分子ポンプおよびロータリーポンプの振動成分を除去した振動波形に基づいて単結晶Si膜30の成長速度を検出する。
【0144】
したがって、この発明によれば、より精度良く成長速度を検出できる。
【0145】
なお、半導体製造装置10Bは、図9に示すフローチャートに従って単結晶Si膜30の凹凸度を検出し、その検出した凹凸度に基づいて所望の凹凸度を有する単結晶Si膜30を製造する。
【0146】
図13は、実施の形態2による他の半導体製造装置の構成図である。実施の形態2による半導体製造装置は、図13に示す半導体製造装置10Cであってもよい。
【0147】
図13を参照して、半導体製造装置10Cは、図11に示す半導体製造装置10Bの干渉検出装置7を干渉検出装置700,710,720に代えたものであり、その他は、半導体製造装置10Bと同じである。
【0148】
干渉検出装置700,710,720については、実施の形態1において説明したとおりである。
【0149】
そして、干渉検出装置700,710,720は、単結晶Si膜30の平面方向における異なる位置の干渉光および干渉信号を検出して解析装置8Aへ出力する。解析装置8Aは、干渉検出装置700,710,720から複数の干渉信号を受け、その受けた複数の干渉信号の各々に基づいて、上述した方法によって、ターボ分子ポンプおよびロータリーポンプの振動成分を除去して成長速度GRを検出し、単結晶Si膜30の面内方向における成長速度の分布を検出する。
【0150】
また、解析装置8Aは、干渉検出装置700,710,720から複数の干渉光を受け、その受けた複数の干渉光の各々に基づいて、縞の数および縞の角度を検出し、単結晶Si膜30の面内方向における凹凸度の分布を検出する。
【0151】
そして、解析装置8Aは、その検出した成長速度の分布および凹凸度の分布を制御装置9へ出力する。
【0152】
制御装置9は、解析装置8Aから受けた成長速度の分布に基づいて、均一な膜厚を有する単結晶Si膜が得られるようにSiH4ガスの流量、反応容器1内の圧力および基板温度等の反応条件を制御する。
【0153】
また、制御装置9は、解析装置8Aから受けた凹凸度の分布に基づいて、均一な凹凸度を有する単結晶Si膜が得られるようにSiH4ガスの流量、反応容器1内の圧力および基板温度等の反応条件を制御する。
【0154】
なお、半導体製造装置10Cにおいては、干渉検出装置700,710,720は、相互に異なる波長のレーザ光を用いて干渉光を検出してもよい。
【0155】
また、上記においては、1周期分の振動が生じるに要する時間である周期Tを式(1)を用いて決定し、その決定した周期Tによってλ/2の膜厚を除算することによって成長速度GRを検出したが、この発明の実施の形態においては、これに限らず、単結晶Si膜30がmλ/2(mは正の実数)の膜厚だけ成長するのに要する時間を求め、その求めた時間によってmλ/2の膜厚を除算して成長速度GRを検出するようにしてもよい。
【0156】
さらに、振動波形がm×周期だけ振動するときの時間を求め、その求めた時間によってmλ/2の膜厚を除算して成長速度GRを検出するようにしてもよい。
【0157】
さらに、上記においては、検出した干渉光の振動波形にフィッティングする振動波形を求め、その求めた振動波形における周期Tを検出して成長速度を検出したが、この発明の実施の形態においては、これに限らず、検出した干渉光の振動波形にフィッティングする振動波形を求める方法以外の方法によって振動波形がm×周期Tだけ振動するのに要する時間を求め、その求めた時間を用いて成長速度を検出するようにしてもよい。つまり、振動波形がm×周期Tだけ振動するのに要する時間を求める方法は、どのような方法であってもよい。
【0158】
さらに、上記においては、加熱器4を複数のランプによって構成すると説明したが、この発明の実施の形態においては、これに限らず、加熱器4は、ヒーターによって構成されていてもよい。この場合、ヒーターは、基板ホルダー3の内部に配置される。
【0159】
さらに、上記においては、SiH4ガスおよびH2ガスを用いて単結晶Si膜30をエピタキシャル成長させると説明したが、この発明の実施の形態においては、SiH2Cl2ガスおよびH2ガス、SiHCl3ガスおよびH2ガス、およびSiCl4ガスおよびH2ガスのいずれかを用いて単結晶Si膜30をエピタキシャル成長させてもよい。
【0160】
さらに、上記においては、単結晶Si膜30をエピタキシャル成長させる場合の成長速度の検出について説明したが、この発明の実施の形態においては、これに限らず、単結晶Ge膜をエピタキシャル成長させる場合の成長速度を上述した方法によって検出するようにしてもよい。
【0161】
さらに、上記においては、熱CVD法によって単結晶Si膜30をエピタキシャル成長させる場合の成長速度の検出について説明したが、この発明の実施の形態においては、これに限らず、プラズマCVD法を用いて単結晶Si膜30、単結晶Ge膜、多結晶Si膜および多結晶Ge膜等の半導体膜を成長させる場合の成長速度を上述した方法によって検出するようにしてもよい。この場合、干渉検出装置7,700,710,720の各々は、プラズマからの発光成分を除去するフィルタを含む。
【0162】
さらに、上記においては、干渉検出装置7,700,710,720におけるレーザ光の波長は、632.8nmであると説明したが、この発明の実施の形態においては、これに限らず、干渉検出装置7,700,710,720は、632.8nm以外の波長を出射するレーザ71を備えていてもよい。
【0163】
さらに、この発明の実施の形態においては、干渉検出装置7,700,710,720の各々は、成長速度が相対的に速いときは、相対的に波長の長いレーザ光を用いて干渉光を検出し、成長速度が相対的に遅いときは、相対的に波長の短いレーザ光を用いて干渉光を検出するようにしてもよい。
【0164】
この発明の実施の形態においては、成長速度を検出する解析装置8,8Aは、「成長速度検出器」を構成する。
【0165】
また、この発明の実施の形態においては、凹凸度を検出する解析装置8,8Aは、「凹凸度検出器」を構成する。
【0166】
さらに、この発明の実施の形態においては、基板ホルダー3は、「基板保持部材」を構成する。
【0167】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施の形態の説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【産業上の利用可能性】
【0168】
この発明は、成膜中の成長速度をリアルタイムで精度良く検出可能な半導体製造装置に適用される。
【符号の説明】
【0169】
1 反応容器、2 窓、3 基板ホルダー、4 加熱器、5 ガス供給装置、6 排気装置、7 干渉検出装置、8 解析装置、9 制御装置、10 半導体製造装置、71 レーザ、72 ビームスプリッタ、73 リファレンスミラー、74 バンドバスフィルタ、75 レンズ、76 ハーフミラー、77 フォトダイオード、78 反射ミラー。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
反応容器と、
前記反応容器の内部に設置され、基板を保持する基板保持部材と、
前記基板を加熱する加熱器と、
前記反応容器内に材料ガスを供給するガス供給装置と、
前記反応容器内に供給された前記材料ガスを排気し、前記反応容器内の圧力を所望の圧力に設定する排気装置と、
λの波長を有するレーザ光を基準面と前記基板上に堆積された半導体膜とに略垂直に照射し、前記半導体膜の表面からの前記レーザ光の第1の反射光と前記レーザ光の前記基準面からの第2の反射光との干渉による第1の干渉信号を検出する干渉検出装置と、
前記第1の干渉信号に基づいて、前記半導体膜がmλ/2(mは正の実数)の膜厚だけ成長するのに要する時間を計測し、その計測した時間によって前記mλ/2の膜厚を除算して前記半導体膜の成長速度を検出する成長速度検出処理を実行する成長速度検出器とを備える半導体製造装置。
【請求項2】
前記成長速度検出器は、前記干渉検出装置によって検出された前記第1の干渉信号にフィテッィングされた振動波形を演算し、その演算した振動波形がm×周期だけ振動するときの時間を求め、その求めた時間によって前記mλ/2の膜厚を除算して前記半導体膜の成長速度を検出する、請求項1に記載の半導体製造装置。
【請求項3】
前記基板保持部材を回転する回転器をさらに備え、
前記干渉検出装置は、前記基板の表面からの第3の反射光と前記第2の反射光との干渉による第2の干渉信号と、前記第1の干渉信号とを検出し、
前記成長速度検出器は、前記第1の干渉信号をフーリエ変換した信号から前記第2の干渉信号をフーリエ変換した信号を減算し、その減算結果を逆フーリエ変換するとともに、前記逆フーリエ変換して得られた信号に基づいて、前記半導体膜が前記mλ/2の膜厚だけ成長するのに要する時間を計測し、その計測した時間によって前記mλ/2の膜厚を除算して前記半導体膜の成長速度を検出する、請求項1に記載の半導体製造装置。
【請求項4】
前記第1の干渉信号の干渉縞の方向および前記干渉縞の数に基づいて前記半導体膜の表面の凹凸度を検出する凹凸度検出器をさらに備える、請求項1に記載の半導体製造装置。
【請求項5】
前記加熱器は、各々が前記基板を加熱する複数のランプからなり、
前記干渉検出装置は、前記複数のランプの隙間を介して前記レーザ光を前記半導体膜に照射する、請求項1に記載の半導体製造装置。
【請求項6】
前記干渉検出装置は、前記複数のランプから出射され、前記半導体膜の表面で反射された光を除去し、前記第1および第2の反射光を通過させるフィルタを含む、請求項5に記載の半導体製造装置。
【請求項7】
前記基板は、単結晶Si基板からなり、
前記半導体膜は、単結晶Siからなり、
前記加熱器は、前記基板を1000℃以上に加熱する、請求項1に記載の半導体製造装置。
【請求項8】
前記干渉検出装置は、前記半導体膜の面内方向において複数の位置に複数の前記レーザ光を照射するとともに、複数の前記第1の干渉信号を検出し、
前記成長速度検出器は、前記複数の第1の干渉信号の各々に基づいて、前記成長速度検出処理を実行し、前記複数の位置における複数の成長速度を検出する、請求項1に記載の半導体製造装置。
【請求項9】
前記加熱器は、前記成長速度検出器によって検出された成長速度に基づいて前記基板を加熱するときの目標温度を決定し、その決定した目標温度に前記基板を加熱する、請求項1に記載の半導体製造装置。
【請求項1】
反応容器と、
前記反応容器の内部に設置され、基板を保持する基板保持部材と、
前記基板を加熱する加熱器と、
前記反応容器内に材料ガスを供給するガス供給装置と、
前記反応容器内に供給された前記材料ガスを排気し、前記反応容器内の圧力を所望の圧力に設定する排気装置と、
λの波長を有するレーザ光を基準面と前記基板上に堆積された半導体膜とに略垂直に照射し、前記半導体膜の表面からの前記レーザ光の第1の反射光と前記レーザ光の前記基準面からの第2の反射光との干渉による第1の干渉信号を検出する干渉検出装置と、
前記第1の干渉信号に基づいて、前記半導体膜がmλ/2(mは正の実数)の膜厚だけ成長するのに要する時間を計測し、その計測した時間によって前記mλ/2の膜厚を除算して前記半導体膜の成長速度を検出する成長速度検出処理を実行する成長速度検出器とを備える半導体製造装置。
【請求項2】
前記成長速度検出器は、前記干渉検出装置によって検出された前記第1の干渉信号にフィテッィングされた振動波形を演算し、その演算した振動波形がm×周期だけ振動するときの時間を求め、その求めた時間によって前記mλ/2の膜厚を除算して前記半導体膜の成長速度を検出する、請求項1に記載の半導体製造装置。
【請求項3】
前記基板保持部材を回転する回転器をさらに備え、
前記干渉検出装置は、前記基板の表面からの第3の反射光と前記第2の反射光との干渉による第2の干渉信号と、前記第1の干渉信号とを検出し、
前記成長速度検出器は、前記第1の干渉信号をフーリエ変換した信号から前記第2の干渉信号をフーリエ変換した信号を減算し、その減算結果を逆フーリエ変換するとともに、前記逆フーリエ変換して得られた信号に基づいて、前記半導体膜が前記mλ/2の膜厚だけ成長するのに要する時間を計測し、その計測した時間によって前記mλ/2の膜厚を除算して前記半導体膜の成長速度を検出する、請求項1に記載の半導体製造装置。
【請求項4】
前記第1の干渉信号の干渉縞の方向および前記干渉縞の数に基づいて前記半導体膜の表面の凹凸度を検出する凹凸度検出器をさらに備える、請求項1に記載の半導体製造装置。
【請求項5】
前記加熱器は、各々が前記基板を加熱する複数のランプからなり、
前記干渉検出装置は、前記複数のランプの隙間を介して前記レーザ光を前記半導体膜に照射する、請求項1に記載の半導体製造装置。
【請求項6】
前記干渉検出装置は、前記複数のランプから出射され、前記半導体膜の表面で反射された光を除去し、前記第1および第2の反射光を通過させるフィルタを含む、請求項5に記載の半導体製造装置。
【請求項7】
前記基板は、単結晶Si基板からなり、
前記半導体膜は、単結晶Siからなり、
前記加熱器は、前記基板を1000℃以上に加熱する、請求項1に記載の半導体製造装置。
【請求項8】
前記干渉検出装置は、前記半導体膜の面内方向において複数の位置に複数の前記レーザ光を照射するとともに、複数の前記第1の干渉信号を検出し、
前記成長速度検出器は、前記複数の第1の干渉信号の各々に基づいて、前記成長速度検出処理を実行し、前記複数の位置における複数の成長速度を検出する、請求項1に記載の半導体製造装置。
【請求項9】
前記加熱器は、前記成長速度検出器によって検出された成長速度に基づいて前記基板を加熱するときの目標温度を決定し、その決定した目標温度に前記基板を加熱する、請求項1に記載の半導体製造装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2010−258207(P2010−258207A)
【公開日】平成22年11月11日(2010.11.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−106333(P2009−106333)
【出願日】平成21年4月24日(2009.4.24)
【出願人】(504136568)国立大学法人広島大学 (924)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年11月11日(2010.11.11)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年4月24日(2009.4.24)
【出願人】(504136568)国立大学法人広島大学 (924)
【Fターム(参考)】
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