説明

回路基板組成物及びその製造方法

【課題】優れた耐高温の物理的性質を有し、0.5時間圧力釜テストした後、288℃のはんだ炉の中でその安定性が600秒以上である回路基板組成を提供すること。普通の1 oz銅箔を使っても、10 lbf/inch以上のピール強度を実現することができる回路基板を提供すること。現在一般的に使われている銅箔基板より、吸湿率がより低い回路基板を提供すること。低い臭素含量でも、UL94 V-0難燃標準に達する難燃組成回路基板を提供すること。
【解決手段】回路基板樹脂組成物が、(A)ハロゲンエポキシ樹脂と触媒第四アンモニウム塩とを混合し、イソシアネートと反応して得た、改質オキサゾリドンを含むハロゲンエポキシ樹脂と、(B)二つまたは二つ以上のエポキシ基を含むエポキシ樹脂と、(C)硬化剤と、(D)硬化促進剤とからなること。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、ハロゲンエポキシ樹脂を改質合成した、改質オキサゾリドン(oxazolidone) を含むハロゲンエポキシ樹脂に関するものである。
本発明のロゲンエポキシ樹脂は、基板と銅箔の接着強度を増やし、ガラス転移温度Tgを高め、及び耐熱性を改善、難燃性を向上するなどの効能を有し、印刷回路基板に適用され、よい反応性、広い加工ウィンドー(working window)、及び、改善されたテナシティなどの特性を有し、加工操業性が良いという効果を有する。圧着して生成された板材は、優れた銅箔ピール強度、耐熱性と低吸水率を有し、UL94 V-0難燃テストに合格することができる。
【背景技術】
【0002】
従来、オキサゾリドンを含むエポキシ樹脂の製造方法として、アメリカ特許3,334,110号は、イソシアネート(isocyanate)樹脂と、エポキシ樹脂及び触媒としての臭化テトラメチルアンモニウム(tetramethylammonium bromide)をメタノールに溶かし、105℃でイソシアネートが反応を完了するまで反応させることを記載している。この特許の特徴は、ハロゲン化第四アンモニウム塩を触媒として使用して、反応温度が60〜150℃であることである。
【0003】
アメリカ特許4,066,628号は、イソシアネート(isocyanate)樹脂とエポキシ樹脂を、酢酸セロソルブ(cellosolve acetate)に混合し150℃で、触媒(ZnR2、Zn(OCOR)2、ZnX、AlR3など)を添加して、7時間反応して得ることを記載している。この特許は、主に異なる各類別の触媒を使ってオキサゾリドンを合成したことを強調しているが、生成したポリオキサゾリドンイミドフィルム(polyoxazolidone-imide film)は、優れた耐衝撃性、耐溶剤性及び熱安定性があるものである。
【0004】
アメリカ特許4,070,416号は、第3アミン、アルコキシル基アミン、モルホリン(morpholine)、第四アンモニウム塩、イミダゾール(imidazole)類などの触媒を使って、オキサゾリドンを合成し、イソシアネート対エポキシ樹脂の重量比が、2〜3.5:1であって、生成された熱固性樹脂は、無溶剤下で、80〜250℃で固化して、鋳造、封装、粘着剤及び印刷回路基板などに適用されることを記載している。
【0005】
アメリカ特許5,112,932号は、エポキシ樹脂に0.03%の触媒2-フェニルイミダゾール(2-phenol imidazol、2-PZ)を添加し、160℃でトルエンジイソシアネート(Toluene- 2,6- diisocyanate、TDI)を30分期間内に滴下終わらせ、温度160℃を1時間に保って反応し、末端がエポキシ基を含むポリオキサゾリドン樹脂を得る、固化後のガラス転移温度が135℃以上であることを記載している。その特徴は、反応温度、触媒用量またはイソシアネートの滴下速度率によって、オキサゾリドンまたはイソシアン酢酸エステルの生成を制御することができる。触媒は、イミダゾール類またはテトラフエニルホスホニウムプロマイド (tetraphenyl phosphonium bromide)である。この熱固性樹脂組成物は、末端がエポキシ基を含むポリオキサゾリドン樹脂と、エポキシ樹脂、硬化剤、溶剤及び促進剤を含み、印刷回路基板の材料に適用することができる。
【0006】
アメリカ特許5,545,697号は、エポキシ樹脂に0.1%触媒臭化テトラメチルアンモニウム(tetramethylammonium iodide)を添加して、175℃で、TDIを120分間に滴下を終わらせ、175℃の温度に保ち、3時間継続的に反応させることを記載している。この特許の重要要件は、(A) オキサゾリドンリングを含む無ハロゲンエポキシ樹脂と、(B)ハロゲンエポキシ樹脂と、(C)硬化剤を含み、組成の重量(A)対 (B)が5〜95 : 95〜5であることである。
【0007】
この特許は、オキサゾリドンを含む無ハロゲン樹脂が、ハロゲンエポキシ樹脂と硬化剤とを配合して使えば、塗料、接着剤、封装材、複合材及積層板材料に適用することができることを教示している。反応における触媒がリチウム化合物、第四アンモニウム塩、第3アミン、燐化合物及びイミダゾール類であってもよい。反応温度は140〜200℃である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
エポキシ樹脂の耐燃性を向上するため、一般的に、その樹脂(Varnish)中に、四臭素ビスフェノール A(Tetrabromobisphenol A、TBBA)または臭化エポキシ樹脂(Brominated epoxy)を添加するが、直に四臭素ビスフェノール Aを添加すれば、常に、反応が不完全になるため、板材耐熱性が悪くなる。
【0009】
例えば、臭化エポキシ樹脂を使用すれば、その樹脂構成が普通の臭素を含まないエポキシ樹脂よりも硬いため、板材耐熱性及び接着性を悪くする。すでに開示された技術、例えばアメリカ特許5,112,932号はトルエンジイソシアネートとエポキシ樹脂を使って反応改質して、板材の接着性を増やすことができるが、材料の耐燃性を向上するには、四臭素ビスフェノール Aまたは臭化エポキシ樹脂を添加する必要がある。これらの欠点を改善するため、本発明は、トルエンジイソシアネートと臭化エポキシ樹脂とを直接に反応し、その後、エポキシ樹脂ワニスに添加すれば、四臭素ビスフェノール Aまたは臭化エポキシ樹脂を添加しなくても加工窓口が広くなり、板材の耐熱性及び接着性を向上改善することが出来る。
【0010】
環境保護意識のレベルアップに従い、印刷回路積層板の国際標準は、鉛フリー(Lead free)工芸を要求している。基板加工性の要求に対しても厳格で、特に、基板が半田炉中における耐熱性の作業は、業者が克服しなければならない重要な課題となっている。従来、銅箔基板に使われる基材は、ガラス繊維布を粒子充てん剤、硬化剤、及び含臭素難燃剤などを含むエポキシ樹脂ワニス中に含浸して、回路板を生成したものである。その硬化剤は、常にジシアンジアミド(Dicyandiamide、DICY)を使い、高温で熱圧着して、硬化するが、ジシアンジアミドは吸水易しく、基板の耐熱性を悪くしてしまう。この欠点を克服するため、本発明は、フェノール樹脂を硬化剤として使い、フェノール樹脂硬化剤がベンゼンリングを含むので、基板耐熱性を増やすことができる。
【0011】
そこで本発明は、優れた耐高温の物理的性質を有し、0.5時間圧力釜テストした後、288℃のはんだ炉の中でその安定性が600秒以上である回路基板組成を提供することを第1の目的とする。
さらに、本発明は、普通の1 oz銅箔を使っても、10 lbf/inch以上のピール強度を実現することができる回路基板を提供することを第2の目的とする。
さらに、本発明は、現在一般的に使われている銅箔基板より、吸湿率がより低い回路基板を提供することを第3の目的とする。
さらに、本発明は、低い臭素含量でも、UL94 V-0難燃標準に達する難燃組成回路基板を提供することを第4の目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の印刷回路基板に適用される改質オキサゾリドンを含むハロゲンエポキシ樹脂組成物は、
(A)ハロゲンエポキシ樹脂と触媒第四アンモニウム塩とを混合し、イソシアネートと直接に反応して得た5〜95wt%を占める改質オキサゾリドンを含むハロゲンエポキシ樹脂と、
(B) 95〜5wt%を占める二つまたは二つ以上のエポキシ基を含むエポキシ樹脂は臭化エポキシ樹脂または無ハロゲンエポキシ樹脂、例えば多機能性のフェノールエポキシ樹脂と、
(C) 硬化剤は主成分がフェノール樹脂であり、その硬化剤/エポキシ樹脂の当量比が0.5/1〜1.5/1で、及び
少量の(D) 硬化促進剤は、主にイミダゾール(imidazole)類触媒であって、その用量がエポキシ樹脂総重の0.01〜0.5 phrであることからなる。
【0013】
換言すれば、本発明の回路基板樹脂組成物は、
(A)ハロゲンエポキシ樹脂及び触媒第四アンモニウム塩類を混合した後、イソシアネートと直接反応して得た5〜95wt%を占める改質オキサゾリドンを含むハロゲンエポキシ樹脂と、
(B) 95〜5wt%を占める二つまたは二つ以上のエポキシ基を含むエポキシ樹脂と、
(C)硬化剤と、
(D)硬化促進剤とからなるものである。
なお、組成の重量(A)対 (B)が5〜95 : 95〜5ということである。
【0014】
本発明の回路基板の製造方法は、
(a)先に、5〜95wt%を占める含む臭化エポキシ樹脂及び臭化テトラエチルアンモニウム触媒をイソシアネートと直接混合して反応し、改質オキサゾリドンを含む臭化エポキシ樹脂を生成させ、
(b)その後、95〜5wt%を占める二つまたは二つ以上のエポキシ基を含むエポキシ樹脂とハロゲンを含まないエポキシ樹脂とを、均一に攪拌し、
(c)硬化剤及び硬化促進剤を加えて混合し、
(d)160〜180℃の温度でガラス繊維布を含浸し、フィルムを生成し、
(e)170〜210℃及び10〜30 kgf/cm2の圧力で板プレスして、回路基板仕上げることからなる。
【0015】
上記回路基板の製造方法において、ガラス繊維布を含浸して160〜180℃にてフィルムをハーフ硬化した後、その5〜8枚のフィルムを重ね合せ、その上下面に銅箔を包覆して熱圧着する。最良の温度が180〜200℃で、圧力が15〜25kgf/cm2である。
【0016】
本発明の主な技術特徴は改質オキサゾリドンを含む臭化エポキシ樹脂にある。臭化エポキシ樹脂は、難燃性を向上することができる。そして、オキサゾリドンを含む樹脂は、基板と銅箔の接着強度、及びガラス転移温度(Tg) をも向上することができて、耐熱性の改善及び難燃性の向上などの長所があり、更に原料イソシアネート樹脂のコストが低く、製造しやすいため、産業上高く評価される。
【0017】
本発明のもう一つの技術特徴は、フェノール樹脂を硬化剤として使ったことである、基板耐熱性を増やし、吸湿率を低下させ、鉛フリー工芸の要求にマッチしたものである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下本発明に使われた樹脂基材、硬化剤、硬化促進剤、ガラス繊維布及びその来源について、詳しく説明する。
【0019】
一、樹脂基材
本発明の回路基板材料として使われる樹脂基材は、熱固性樹脂組成物であって、(1)オキサゾリドンを含むハロゲンエポキシ樹脂と、(2)ハロゲンエポキシ樹脂と、(3)ハロゲンを含まないエポキシ樹脂とを架橋反応固化してなるものである。
【0020】
オキサゾリドンを含むハロゲンエポキシ樹脂(1)は、臭化エポキシ樹脂とイソシアネート(例えばトルエンジイソシアネート) を高温で反応合成する。触媒は第四アンモニウム塩、例えば臭化テトラエチルアンモニウム、生成物のエポキシ当量(Epoxide Equivalent weight、EEW)が200〜2,000 g/eqで、分子量(Molecular Weight)MW=500〜5,000 g/molである、改質合成例1〜3参照。
【0021】
もう一つのハロゲンエポキシ樹脂(2)は、フェノールエポキシ樹脂と四臭素ビスフェノール Aを改質してなるもので、触媒はリン酸トリフェニル(TPP, Triphenyl phosphate)で、そのエポキシ当量が100〜1,000 g/eq、MW=1,000〜 5,000g/molである、改質合成例4参照。
【0022】
ハロゲンを含まないエポキシ樹脂は、フェノールエポキシ樹脂または多機能性のフェノールエポキシ樹脂であり、例えば南亜プラスチック会社(ナン ヤ プラスティクス コーポレーション)のNPPN-431、NPPN-638、NPCN-704など、及び、ビスフェノール A型フェノールエポキシ樹脂、例えば南亜プラスチック会社のNPPN-438である。
【0023】
二、硬化剤
鉛フリーはんだ工芸にかかわる基板の耐熱性及びガラス転移温度を向上するため、本発明に使われた硬化剤はフェノール樹脂で、その用量の硬化剤/エポキシ樹脂当量比が0.5/1〜1.5/1である。この硬化剤は、フェノール型樹脂、例えば南亜プラスチック会社のNPEH-710H、及びビスフェノール A型樹脂、例えば南亜プラスチック会社のNPEH-720Hのほか、グリオキサル型樹脂(TPN、南亜プラスチック会社)、ベンズアルデヒド型樹脂(BPN、南亜プラスチック会社)、サリチルアルデヒド型樹脂(SPN、南亜プラスチック会社)、レゾルシノー型樹脂(RFN、南亜プラスチック会社)及びメラミン型フェノール樹脂(LA-1356, melamine type novolac、大日本油墨会社)等で、その各硬化剤の構造式は、表1に示した通りである。
【0024】
表1 硬化剤の構造式

【0025】
三、硬化促進剤
イミダゾール(imidazole)類触媒を硬化促進剤として、例えば2-メチルイミダゾール(2-MZ)、2-フェニルイミダゾール(2-PZ)、2-エチル-4-メチルイミダゾール(2E4MZ)などが取り上げられる。用量が、エポキシ樹脂の0.01〜0.5 phrである。
【0026】
四、ガラス繊維布
本発明に使われるガラス繊維布は、総組成物の約10〜20wt%で、南亜プラスチック会社が生産したガラス繊維布を補強材として、基板の要求により、厚度の異なるガラス繊維布の種類を使う、その規格を表2に示した。

【0027】
合成例
合成例1
1600gの南亜プラスチック会社生産の臭化エポキシ樹脂NPEB-400(エポキシ当量が380-420 g/eqで、臭素含量が46〜50%)を三つ首の反応瓶に入れ、140℃まで加熱し、窒素ガスを吹き込んで除水し、1時間脱水したのち、87g TDI(トルエンジイソシアネート、エポキシ当量87g/eq) を一度に投入し、0.5g 臭化テトラエチルアンモニウム/メタノール(25%)触媒を加えて、均一に攪拌する。
150〜160℃に保ち、2〜3時間反応させ、サンプリングして、エポキシ当量を分析し、FTIRによってオキサゾリドン官能基(1755cm-1)の吸収を追跡し、そのイソシアネート官能基(2250cm-1)が無くなるまで合成して得た、改質オキサゾリドンを含む臭化エポキシ樹脂を略称樹脂Aとする。臭素含量44.5%で、エポキシ当量が、550 g/eq、MW=1,310 g/mol、構造式は下式の通りである。
【0028】

【0029】
合成例2
1200g南亜プラスチック会社製の臭化エポキシ樹脂NPEB-400(エポキシ当量380-420 g/eq、臭素含量46〜50%)を、三つ首の反応瓶に入れ、140℃まで加熱し、窒素ガスを通して水分を除き、1時間脱水してから、87g TDI(トルエンジイソシアネート、エポキシ当量87g/eq)を一度に投入し、0.5g の臭化テトラエチルアンモニウム/メタノール(25%)触媒を加えて、均一に攪拌する。
150〜160℃に保ち、2〜3時間反応させ合成して得た、改質オキサゾリドンを含む臭化エポキシ樹脂を略称樹脂Bとする。臭素含量が43.8%で、エポキシ当量が635 g/eq、MW=1,340 g/molである。
【0030】
合成例3
1600g南亜プラスチック会社製の臭化エポキシ樹脂NPEB-400(エポキシ当量は380-420 g/eq、臭素含量46〜50%)を三つ首の反応瓶に入れ、140℃まで加熱し、窒素を通わして水分を除き、1時間脱水してから、147g TDI(トルエンジイソシアネート、エポキシ当量87g/eq)を一度に投入し、0.5gの 臭化テトラエチルアンモニウム/メタノール(25%)触媒を加えて、均一に攪拌する。
150〜160℃に保ち、2〜3時間反応させ合成して得た改質オキサゾリドンを含む臭化エポキシ樹脂を、略称樹脂Cとする。臭素含量は42.4%で、エポキシ当量が860 g/eq、MW=1,360 g/molである。
【0031】
合成例4
310gNPPN-638(フェノール型エポキシ樹脂、EEW=170-190 g/eq、南亜プラスチック会社製)と、70gNPPN-431(四官能基エポキシ樹脂、EEW=200-240 g/eq、南亜プラスチック会社製)と、940gNPEL-128E(BPA型エポキシ樹脂、EEW=184-190 g/eq、南亜プラスチック会社製)と、240gNPEB-400及び440g四臭素ビスフェノール Aとを三つ首の反応瓶に入れ、120℃にて攪拌し溶解してから、0.29gのリン酸トリフェニル(TPP, Triphenyl phosphate)を入れ均一に混合して60〜170℃までに加熱し、160〜170℃に保ち1〜2時間反応合成して臭化エポキシ樹脂を得る。得られた臭化エポキシ樹脂は略称樹脂Dとする。臭素含量は18.5 %で、エポキシ当量は、320 g/eq、MW=2,740 g/molである。
【0032】
合成比較例1
1000gビスフェノール A(Bisphenol A)エポキシ樹脂(エポキシ当量185 g/eq)を三つ首の反応瓶に入れ、5gのヨウ化テトラメチルアンモニウム(tetramethylammonium iodide)の触媒を添加して攪拌し、175℃で170gのトルエンジイソシアネート(TDI、エポキシ当量87g/eq)を120分期間内に反応瓶内に滴入し、175℃に保ち3時間継続反応する。その後、900gの高臭素型エポキシ樹脂(四臭素ビスフェノール Aをエポキシ化合成して得る。エポキシ当量は407 g/eqで、臭素含量は、48.3%である。)を入れ、120℃で1時間攪拌混合して、合成して得た改質オキサゾリドンを含む高臭素エポキシ樹脂を略称樹脂Eとする。臭素含量は18 %で、エポキシ当量は、360 g/eqである。
【0033】
実施例
この発明の実施例に記載した回路基板の製造に用いた材料は、上記合成した改質オキサゾリドンを含む臭化樹脂及び臭化エポキシ樹脂を除き、その他の材料は表3に示したものである。

【0034】
実施例1
350重量部の改質オキサゾリドンを含む臭化エポキシ樹脂Aと、200重量部の臭化エポキシ樹脂Dと、35重量部のNPPN-431樹脂及び125重量部のNPPN-638樹脂を均一に混合攪拌し、その後、267.4重量部の硬化剤NPEH-720Hを加え、且つ0.4重量部の硬化促進剤(2-MZ)をも添加して均一に混合したのち、南亜プラスチック会社製ガラス繊維布(7628) を含浸、160〜180℃でプリプレグしてフィルムを得る。5〜8枚のフィルムを重ね合わせ、その上下面に南亜プラスチック会社製その1oz銅箔を包覆、10〜30kgf/cm2、160〜210℃で、2時間熱圧着して、回路基板材料組成物を生成した。その物理的性質の測定データを表4に示す。
【0035】
実施例2
270重量部の改質オキサゾリドンを含む臭化エポキシ樹脂Aと、280重量部の臭化エポキシ樹脂Dと、35重量部のNPPN-431樹脂及び125重量部のNPPN-638樹脂とを、均一に混合攪拌し、その後、280.6重量部の硬化剤NPEH-720Hを加え;且つ0.4重量部の硬化促進剤(2-MZ) とを添加して、均一に混合したのち、南亜プラスチック会社ガラス繊維布(7628) を含浸、160〜180℃でプリプレグしてフィルムを得る。5〜8枚のフィルムを重ね合わせ、その上下面に南亜プラスチック会社製の1oz銅箔を包覆、10〜30kgf/cm2、160〜210℃の条件下で2時間熱圧着して回路基板材料組成物を生成した。その物理的性質の測定データが表4に示す。
【0036】
実施例3
350重量部の改質オキサゾリドンを含む臭化エポキシ樹脂Bと、200重量部の臭化エポキシ樹脂Dと、35重量部のNPPN-431樹脂及び125重量部のNPPN-638樹脂とを、均一に混合攪拌し、その後、256.7重量部の硬化剤NPEH-720Hを加え、且つ0.4重量部の硬化促進剤(2-MZ)を添加して、均一に混合したのち、南亜プラスチック会社製のガラス繊維布(7628) を含浸、160〜180℃でプリプレグしてフィルムを得る。5〜8枚のフィルムを重ね合わせ、その上下面に南亜プラスチック会社製の1oz銅箔を包覆し、10〜30kgf/cm2、160〜210℃で、2時間熱圧着して回路基板材料組成物を生成した。その物理的性質の測定データを表4に示す。
【0037】
実施例4
270重量部の改質オキサゾリドンを含む臭化エポキシ樹脂Bと、280重量部の臭化エポキシ樹脂Dと、35重量部のNPPN-431樹脂及び125重量部のNPPN-638樹脂とを均一に混合攪拌し、その後、272.3重量部の硬化剤NPEH-720Hを加え、且つ0.4重量部硬化促進剤(2-MZ)を添加して均一に混合したのち、南亜プラスチック会社製のガラス繊維布(7628) を含浸、160〜180℃でプリプレグしてフィルムを得た。5〜8枚のフィルムを重ね合わせ、その上下面に南亜プラスチック会社製の1oz銅箔を包覆し、10〜30kgf/cm2、160〜210℃条件下で2時間熱圧着して回路基板材料組成物を生成した。その物理的の性質の測定データを表4に示す。
【0038】
実施例5
350重量部の改質オキサゾリドンを含む臭化エポキシ樹脂Cと、200重量部の臭化エポキシ樹脂Dと、35重量部のNPPN-431樹脂及び125重量部のNPPN-638樹脂とを均一に混合攪拌し、その後、238.5重量部の硬化剤NPEH-720Hを加え、且つ0.4重量部硬化促進剤(2-MZ)を添加して均一に混合したのち、南亜プラスチック会社製のガラス繊維布(7628) を含浸、160〜180℃でプリプレグしてフィルムを得る。5〜8枚のフィルムを重ね合わせ、その上下面に南亜プラスチック会社製の1oz銅箔を包覆し、10〜30kgf/cm2、160〜210℃の条件下で2時間熱圧着して回路基板材料組成物を生成した。その物理的性質の測定データ表4に示す。
【0039】
実施例6
270重量部の改質オキサゾリドンを含む臭化エポキシ樹脂Cと、280重量部の臭化エポキシ樹脂Dと、35重量部のNPPN-431樹脂及び125重量部のNPPN-638樹脂を、均一に混合攪拌し、その後、258.3重量部の硬化剤NPEH-720Hを加え、且つ0.4重量部の硬化促進剤(2-MZ)を添加して均一に混合したのち、南亜プラスチック会社製のガラス繊維布(7628) を含浸、160〜180℃でプリプレグしてフィルムを得る。5〜8枚のフィルムを重ね合わせ、その上下面に南亜プラスチック会社製の1oz銅箔を包覆し、10〜30kgf/cm2、160〜210℃の条件下で2時間熱圧着して回路基板材料組成物を生成した。その物理的性質の測定データは表4に示す。
【0040】
比較例1
350重量部の改質オキサゾリドンを含む臭化エポキシ樹脂Eと、200重量部の臭化エポキシ樹脂NPEB-400と、35重量部のNPPN-431樹脂及び125重量部のNPPN-638樹脂とを均一に混合攪拌し、その後、280重量比の硬化剤NPEH-720Hを加え、且つ0.4重量比の硬化促進剤(2-MZ)を添加して均一に混合したのち、南亜プラスチック会社製のガラス繊維布(7628) を含浸、160〜180℃でプリプレグしてフィルムを得る。5〜8枚のフィルムを重ね合わせ、その上下面に南亜プラスチック会社製の1oz銅箔を包覆し、10〜30kgf/cm2、160〜210℃の条件下で2時間熱圧着して回路基板材料組成物を生成した。その物理的の性質の測定データを表4に示す。
【0041】
比較例2
350重量部の臭化エポキシ樹脂NPEB-400と、200重量部の臭化エポキシ樹脂Dと、35重量部のNPPN-431樹脂及び125重量部のNPPN-638樹脂を、均一に混合攪拌し、その後、283.3重量部の硬化剤NPEH-720Hを加え、且つ0.4重量部の硬化促進剤(2-MZ)を添加して均一するように混合してから、南亜プラスチック会社ガラス繊維布(7628) を含浸、160〜180℃でプリプレグしてフィルムを得る。5〜8枚のフィルムを重ね合わせ、その上下面に南亜プラスチック会社製の1oz銅箔を包覆し、10〜30kgf/cm2、160〜210℃の条件下で2時間熱圧着して回路基板材料組成物を生成した。その物理的性質の測定データを表4に示す。
【0042】
比較例3
270重量部の臭化エポキシ樹脂NPEB-400と、280重量部の臭化エポキシ樹脂Dと、35重量部のNPPN-431樹脂及び125重量部のNPPN-638樹脂とを均一に混合攪拌し、その後、289.3重量部の硬化剤NPEH-720Hを加え、且つ0.4重量部硬化促進剤(2-MZ)を添加して均一に混合したのち、南亜プラスチック会社製のガラス繊維布(7628)が含浸、160〜180℃でプリプレグしてフィルムを得る。5〜8枚のフィルムを重ね合わせ、その上下面に南亜プラスチック会社製の1oz銅箔を包覆し、10〜30kgf/cm2、160〜210℃の条件下で2時間熱圧着して回路基板材料組成物を生成した。その物理的性質の測定データを表4に示す。
【0043】

【0044】
物理的性質の分析
改質オキサゾリドンを含む臭化エポキシ樹脂(樹脂A〜C、樹脂E)中、銅箔のピール強度は樹脂Cが最も高い。樹脂中にオキサゾリドンを含む比率が高いほど、銅箔のピール強度が良い。そのピール強度が皆11 lbf/inch以上で、無オキサゾリドンの臭化樹脂基板より、優れていることが分かれる。
【0045】
改質オキサゾリドンを含む臭化樹脂(樹脂A〜C)を主とした樹脂基板はTgを向上することができる、それはオキサゾリドンを含む無ハロゲン樹脂に高臭素エポキシ樹脂(樹脂E)を添加混合しなる主な樹脂基板のTgよりは約3℃高く、オキサゾリドンを含むない臭化樹脂のTgより約6℃高い。樹脂Dの使用量を増やすことによって、基板耐熱性を向上することができ、その効果はNPEB-400より良い。
【0046】
本発明の実施例7〜13は、異なる種類のフェノール樹脂を硬化剤とした実施例で、比較例4及び5は、ジシアンジアミドを硬化剤とした相違性を比較する比較例である。
【0047】
実施例7
270重量部の改質オキサゾリドンを含む臭化エポキシ樹脂Aと、280重量部の臭化エポキシ樹脂Dと、90重量部のNPPN-431樹脂及び70重量部のNPPN-638樹脂とを均一に混合攪拌し、その後、229.3重量部のフェノール型樹脂(NPEH-710H)を加え、且つ0.4重量部の硬化促進剤(2-MZ)を添加して均一に混合したのち、南亜プラスチック会社製のガラス繊維布(7628) を含浸させ、160〜180℃でプリプレグしてフィルムを得る。5〜8枚のフィルムを重ね合わせ、その上下面に南亜プラスチック会社製の1oz銅箔で包覆し、10〜30kgf/cm2、160〜210℃の条件下で2時間熱圧着して回路基板材料組成物を生成した。その物理的性質の測定データを表5に示す。
【0048】
実施例8
270重量部の改質オキサゾリドンを含む臭化エポキシ樹脂Aと、280重量部の臭化エポキシ樹脂Dと、90重量部のNPPN-431樹脂及び70重量部のNPPN-638樹脂とを均一に混合攪拌し、その後、275.1重量部のビスフェノール A型フェノール樹脂(NPEH-720H)を加え、且つ0.4重量部硬化促進剤(2-MZ)を添加して均一に混合したのち、南亜プラスチック会社製のガラス繊維布(7628) を含浸、160〜180℃でプリプレグしてフィルムを得る。5〜8枚のフィルムを重ね合わせ、その上下面に南亜プラスチック会社製の1oz銅箔を包覆し、10〜30kgf/cm2、160〜210℃の条件下で2時間熱圧着して回路基板材料組成物を生成した。その物理的性質の測定データを表5に示す。
【0049】
実施例9
270重量部の改質オキサゾリドンを含む臭化エポキシ樹脂Aと、280重量部の臭化エポキシ樹脂Dと、90重量部のNPPN-431樹脂及び70重量のNPPN-638樹脂とを均一に混合攪拌し、その後、412.7重量部のベンズアルデヒド型樹脂(BPN)を加え、且つ0.4重量部の硬化促進剤(2-MZ)を添加して均一に混合したのち、南亜プラスチック会社製のガラス繊維布(7628) を含浸、160〜180℃でプリプレグしてフィルムを得る。5〜8枚のフィルムを重ね合わせ、その上下面に南亜プラスチック会社製の1oz銅箔を包覆し、10〜30kgf/cm2、160〜210℃の条件下で2時間熱圧着して回路基板材料組成物を生成した。その物理的性質の測定データを表5に示す。
【0050】
実施例10
270重量部の改質オキサゾリドンを含む臭化エポキシ樹脂Aと、280重量部の臭化エポキシ樹脂Dと、90重量部のNPPN-431樹脂及び70重量部のNPPN-638樹脂とを均一に混合攪拌し、その後、206.3重量部のサリチルアルデヒド型樹脂(SPN)を加え、且つ0.4重量部硬化促進剤(2-MZ)を添加して均一に混合したのち、南亜プラスチック会社製のガラス繊維布(7628を含浸、160〜180℃でプリプレグしてフィルムを得る。5〜8枚のフィルムを重ね合わせ、その上下面に南亜プラスチック会社製の1oz銅箔を包覆し、10〜30kgf/cm2、160〜210℃の条件下で2時間熱圧着して回路基板材料組成物を生成した。その物理的性質の測定データを表5に示す。
【0051】
実施例11
270重量部の改質オキサゾリドンを含む臭化エポキシ樹脂Aと、280重量部の臭化エポキシ樹脂Dと、90重量部のNPPN-431樹脂及び70重量部のNPPN-638樹脂とを均一に混合攪拌し、その後、229.3重量部のグリオキサル型樹脂(TPN)を加え、且つ0.4重量部硬化促進剤(2-MZ)を添加して均一に混合したのち、南亜プラスチック会社製のガラス繊維布(7628) を含浸、160〜180℃でプリプレグしてフィルムを得る。5〜8枚のフィルムを重ね合わせ、その上下面に南亜プラスチック会社製の1oz銅箔を包覆し、在10〜30kgf/cm2、160〜210℃の条件下で2時間熱圧着して回路基板材料組成物を生成した。その物理的性質の測定データを表5に示す。
【0052】
実施例12
270重量部の改質オキサゾリドンを含む臭化エポキシ樹脂Aと、280重量部の臭化エポキシ樹脂Dと、90重量部のNPPN-431樹脂及び70重量部のNPPN-638樹脂とを均一混合攪拌し、その後、126.1重量部のレゾルシノー型樹脂(RFN)を加え、且つ0.4重量部硬化促進剤(2-MZ)を添加して均一に混合したのち、南亜プラスチック会社製のガラス繊維布(7628) を含浸、160〜180℃でプリプレグしてフィルムを得る。5〜8枚のフィルムを重ね合わせ、その上下面に南亜プラスチック会社製の1oz銅箔を包覆し、在10〜30kgf/cm2、160〜210℃の条件下で2時間熱圧着して回路基板材料組成物を生成した。その物理的性質の測定データを表5に示す。
【0053】
実施例13
270重量部の改質オキサゾリドンを含む臭化エポキシ樹脂Aと、280重量部の臭化エポキシ樹脂Dと、90重量部のNPPN-431樹脂及び70重量部のNPPN-638樹脂とを均一に混合攪拌し、その後、191.3重量部のメラミン型フェノール樹脂(LA-1356, melamine type novolac、大日本油墨会社)を加え、且つ0.4重量部硬化促進剤(2-MZ)を添加して均一に混合したのち、南亜プラスチック会社製のガラス繊維布(7628) を含浸、160〜180℃でプリプレグしてフィルムを得る。5〜8枚のフィルムを重ね合わせ、その上下面に南亜プラスチック会社製の1oz銅箔を包覆し、10〜30kgf/cm2、160〜210℃の条件下で2時間熱圧着して回路基板材料組成物を生成した。その物理的性質の測定データを表5に示す。
【0054】
比較例4
710重量部の改質オキサゾリドンを含む無ハロゲン樹脂に高臭素エポキシ樹脂Eを混合し、その後20.7重量部のジシアンジアミドを加え、且つ0.4重量部の硬化促進剤(2-MZ)を添加して均一に混合したのち、南亜プラスチック会社製のガラス繊維布(7628) を含浸、160〜180℃でプリプレグしてフィルムを得る。5〜8枚のフィルムを重ね合わせ、その上下面に南亜プラスチック会社製の1oz銅箔を包覆し、10〜30kgf/cm2、160〜210℃の条件下で2時間熱圧着して回路基板材料組成物を生成した。その物理的性質の測定データを表5に示す。
【0055】
比較例5
270重量部の改質オキサゾリドンを含む臭化エポキシ樹脂Aと、280重量部の臭化エポキシ樹脂Dと、90重量部のNPPN-431樹脂及び70重量部のNPPN-638樹脂とを均一に混合攪拌し、その後、22.9重量部のジシアンジアミドを加え、且つ0.4重量部硬化促進剤(2-MZ)を添加して均一に混合したのち、南亜プラスチック会社製のガラス繊維布(7628) を含浸、160〜180℃でプリプレグしてフィルムを得る。5〜8枚のフィルムを重ね合わせ、その上下面に南亜プラスチック会社製の1oz銅箔を包覆し、10〜30kgf/cm2、160〜210℃の条件下で、2時間熱圧着して回路基板材料組成物を生成した。その物理的性質の測定データを表5に示す。

【0056】
物理的性質の分析:
フェノール樹脂を硬化剤として配合した基板の吸湿率、耐熱性及び熱裂解温度は、ジシアンジアミドを硬化剤とした基板より優れている。吸湿率が0.2 %以下で、0.5時間の圧力釜テスト後、288℃はんだ炉に入れても、600秒以上にわたって潰れることなく、TMAの288℃テストにおいても30分以上にわたって分離しない。
基板のガラス転移温度(Tg)は、硬化剤及びNPPN-431樹脂の影響を大きく受ける。Tgを向上する硬化剤は程度の高いものから低いものまで順次として、レゾルシノー型樹脂(RFN)>サリチルアルデヒド型樹脂(SPN)>メラミン型フェノール樹脂>グリオキサル型樹脂>ビスフェノール A型樹脂>フェノール型樹脂>ベンズアルデヒド型樹脂である。
【0057】
本発明の効果は、以下のようにまとめられる。
(1)銅箔基板のピール強度は、改質オキサゾリドンを含む臭化エポキシ樹脂に関わり、そのオキサゾリドンが総組成に占める割合が高いほど、銅箔の接着性がよく、ピール強度が高い。本発明のピール強度は、いずれも11 lbf/inch以上で、一般的のフェノール樹脂を硬化剤とした銅箔基板より優れている。
(2)基板のガラス転移温度(Tg)が155℃以上である、改質オキサゾリドンを含む臭化樹脂は基板のTgを向上することができるが、硬化剤の影響を受けやすい。レゾルシノー型樹脂(RFN)、サリチルアルデヒド型樹脂(SPN) 及びメラミン型フェノール樹脂はTgを170℃以上まで向上することができる。
(3)フェノール樹脂を硬化剤としてなる基板は、その吸水性が低く、0.5時間圧力釜テスト(120℃、2atm)後、吸湿率が0.2 %以下で、ジシアンジアミドを硬化剤とした基板の吸湿率は0.25 %以上である。
(4)フェノール樹脂を硬化剤としてなる基板は、その耐熱性も、特に優れている。0.5時間圧力釜テスト後288℃のはんだ炉に600秒以上置いても潰れることなく、TMAの288℃とテストでも20分以上にわたって分開しない。
(5) オキサゾリドンは難燃性を向上させることができる。従って、本発明は臭素の含有量を15 wt%以上までに制御すれば、UL-94 V-0の標準にマッチすることができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)ハロゲンエポキシ樹脂と触媒第四アンモニウム塩とを混合し、イソシアネートと反応して得た、5〜95wt%の改質オキサゾリドンを含むハロゲンエポキシ樹脂と、
(B) 95〜5wt%の二つまたは二つ以上のエポキシ基を含むエポキシ樹脂と、
(C)硬化剤と、
(D)硬化促進剤と
からなることを特徴とする回路基板樹脂組成物。
【請求項2】
前記(A)の改質オキサゾリドンを含むハロゲンエポキシ樹脂は、そのハロゲンエポキシ樹脂が、臭化エポキシ樹脂であり、エポキシ当量は200〜2,000 g/eq、MW=500〜 5,000 g/molであることを特徴とする請求項1に記載の回路基板樹脂組成物。
【請求項3】
前記(B)二つまたは二つ以上のエポキシ基を含むエポキシ樹脂は、臭化エポキシ樹脂または無ハロゲンのエポキシ樹脂であることを特徴とする請求項1に記載の回路基板樹脂組成物。
【請求項4】
前記臭化エポキシ樹脂のエポキシ当量は100〜1,000 g/eq、MW=1,000〜5,000 g/molであることを特徴とする請求項3に記載の回路基板樹脂組成物。
【請求項5】
前記無ハロゲンのエポキシ樹脂は、フェノールエポキシ樹脂または多機能性のフェノールエポキシ樹脂であって、そのエポキシ当量が100〜1,000 g/eqであることを特徴とする請求項3に記載の回路基板樹脂組成物。
【請求項6】
前記(C)の硬化剤の用量は、硬化剤/エポキシ樹脂の当量比が0.5/1〜1.5/1であることを特徴とする請求項1に記載の回路基板樹脂組成物。
【請求項7】
前記(C)の硬化剤は、フェノール樹脂、ビスフェノール A型フェノール樹脂、グリオキサル型樹脂、ベンズアルデヒド型樹脂、サリチルアルデヒド型樹脂、レゾルシノー型樹脂またはメラミン型樹脂であることを特徴とする請求項1に記載の回路基板樹脂組成物。
【請求項8】
前記(D) 硬化促進剤は、イミダゾール類触媒であり、その用量がエポキシ樹脂の0.01〜0.5 phrであることを特徴とする請求項1に記載の回路基板樹脂組成物。
【請求項9】
(a)5〜95wt%の臭化エポキシ樹脂及び臭化テトラエチルアンモニウム触媒をイソシアネートと直接に混合反応し合成して、得た改質されたオキサゾリドンを含む臭化エポキシ樹脂と、
(b)95〜5wt%の二つまたは二つ以のエポキシ基を含むエポキシ樹脂及びハロゲンを含まないエポキシ樹脂とを均一に混合攪拌したのち、
(c)硬化剤及び硬化促進剤を加え混合し、
(d)160〜180℃の温度でガラス繊維布を含浸しフィルムに形成し、
(e)170〜210℃及び10〜30 kgf/cm2の圧力で板プレスして、回路基板に生成することを特徴とする回路基板の製造方法。
【請求項10】
ガラス繊維布が含浸されて160〜180℃でフィルムがハーフ硬化した後、5〜8枚のフィルムを重ね合わせ、その上下面に銅箔を包覆して熱圧着し、その最適温度が180〜200℃で、圧力が15〜25kgf/cm2であることを特徴とする請求項9に記載の回路基板の製造方法。

【公開番号】特開2011−74330(P2011−74330A)
【公開日】平成23年4月14日(2011.4.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−230055(P2009−230055)
【出願日】平成21年10月2日(2009.10.2)
【出願人】(507024080)ナン ヤ プラスティクス コーポレーション (7)
【Fターム(参考)】