説明

圧電デバイス、および圧電モジュール

【課題】実装時の応力緩和を達成しつつ、機械的強度を保ち、かつ圧電デバイスの小型化にも適した圧電デバイスを提供する。
【解決手段】枠部30と枠部30の内周側に配置された圧電振動片22とを有する圧電振動基板20と、圧電振動基板20の一方の主面と対向するように配置され、枠部30に接合された第1基板12と、圧電振動基板20の他方の主面と対向するように配置され、枠部30に接合された第2基板40と、を備え、圧電振動基板20には、枠部30の外周の圧電振動片22を挟んで対向する端部に夫々配置された接続部32,36の一辺を二分するように切り欠くスリットが設けられていることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、圧電デバイス、およびこの圧電デバイスを搭載した圧電モジュールに係り、特に、所謂CSP(Chip Size Package)構造を採用した圧電デバイス、およびこの圧電デバイスを搭載した圧電モジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
圧電デバイスの小型化に伴い、量産性や小型化に優れた基板積層型の圧電デバイスが種々提案されている。例えば、特許文献1〜3に開示されている圧電デバイスは、厚み滑り振動を励起する振動部を有する圧電デバイスである。特に、特許文献1に開示されている圧電デバイスは、振動基板に水晶を用いて振動部を凹状に形成し、ガラスから成るカバー基板により振動基板の上下を挟むように積層して封止する構造を採っている。これに対し、特許文献2、3に開示されている圧電デバイスは、振動基板に水晶を用いると共に、振動基板に形成した溝により、振動部と枠部を形成している。これにより、カバー基板との接合部である枠部に加えられた応力が、振動部に伝達されることを抑制している。そして、特許文献2には、振動基板とカバー基板との構成部材を同一とすることで、熱膨張率の違いによって生ずる熱歪み等に起因する応力を抑制することが開示されている。
【0003】
振動基板に溝を設け、接合領域である枠部と振動部とを分断する構成については、特許文献4、5に開示されているように、屈曲振動を励起する振動部を有する圧電デバイスにも採用されている。例えば特許文献4に開示されている圧電デバイスは、いわゆる音叉型の振動部を備えた圧電デバイスであり、特許文献5に開示されている圧電デバイスは、いわゆる双音叉型の振動部を備えた物理量検出素子(圧力センサー素子)である。いずれのデバイスも、振動漏れや枠部からの応力の影響を避けるために、振動部と枠部との接続部分が小さくなるように梁状の支持部による構成が採られている。そして、特許文献5に開示されている物理量検出素子は、一方のカバー基板の主面を撓み、変位可能なダイアフラムとして構成し、このダイアフラムの外側主面の受圧部が圧力を受圧したときに前記ダイアフラムに生ずる撓みを振動部に対して張力として伝達する構成が採られている。振動部に張力が付与されると、振動部の共振周波数が変化して、感圧素子としての働きを担うこととなる。このため、特許文献5に開示されているような構成を採った場合には、振動部における共振周波数の変化をモニターすることで、ダイアフラムに付与された圧力の変動を検出することが可能となる。なお、特許文献6には、感圧素子としての振動部に、厚み滑り振動を励起するもの(ATカット水晶振動子)を採用した構成が開示されている。
【0004】
このような構成の圧電デバイスは、振動基板に設けた溝(グルーブ)やスリット(貫通孔)により、実装に起因した枠部に生じる内部応力が振動部に伝達されることが緩和される。このため、その実装形態は、カバー基板に設けられた電極パッドを用いて、圧電デバイスの長手方向両端を固定するというものが殆どである。
【0005】
しかし、このような構成を採った場合でも、実装に起因して枠部に生じる内部応力を緩和しきれずに、梁状の支持部を介して振動部に伝達されてしまう内部応力が少なからず存在する。このような実状は、当該内部応力に起因する共振周波数の変化量が、本来の被検出圧力を受圧したときの共振周波数の変化量に重畳してしまうことから、検出圧力の精度劣化を招く虞があった。
【0006】
このような問題を払拭すべく、特許文献7や特許文献8に開示されているような物理量検出モジュールが提案されている。特許文献7に開示されている物理量検出モジュールは図27に示すように、圧電振動基板2を構成する圧電振動片4と枠部3のうち、枠部3の外周に凸状の梁5を延設し、この梁5を介して実装基板6に物理量検出素子1を実装する構成を採っている。なお、図27において、図27(A)は物理量検出素子の短辺側模式的断面図であり、図27(B)は物理量検出素子の長辺側模式的断面図を示すものである。
このような構成とすることで、ダイアフラム基板の外周の厚肉の枠部(カバー基板)よりも薄肉の梁5の撓みにより、実装基板6から伝達される内部応力の吸収を図っている。
【0007】
特許文献8に開示されている圧電デバイスは図28に示すように、圧電振動片4と共に圧電振動基板2aを構成する枠部(第1の枠部3)の外周に、第2の枠部3aを設け、第1の枠部3の一部と第2の枠部3aの一部とを梁5により接続している。そして、ダイアフラム基板(カバー基板)の外周に凸状部7a,7bを延設し、第1の枠部3に接合されたカバー基板の一部である凸状部7a,7bにより、第2の枠部3aの一部を挟み込む構成としている。このような構成の物理量検出素子1aの実装は、第2の枠部3aにおける梁接合部と、梁5と並行に延びる第2の枠部3aの一部とを実装基板6に接続することによって成される。これにより、片持ち支持による機械的強度の低下を抑制しつつ、振動部に対する内部応力の伝達の抑制も図ることができる。なお、図28において、図28(A)は物理量検出モジュールの短辺側の模式的断面図であり、図28(B)は圧電デバイスの長辺側の模式的断面図である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2009−201067号公報
【特許文献2】特開2009−65520号公報
【特許文献3】特開2011−35548号公報
【特許文献4】特開2010−268439号公報
【特許文献5】特開2010−230401号公報
【特許文献6】特開2010−181183号公報
【特許文献7】特開2011−38819号公報
【特許文献8】特開2011−38820号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
上記特許文献7や特許文献8に開示されているような構成の物理量検出モジュールであれば、実装基板に実装した際における振動部への応力の伝達を抑制し、振動の検出精度の向上を図ることができると考えられる。
【0010】
しかしながら、一方で、特許文献7に開示されている物理量検出モジュールは、実装形態が片持ちとなることによる機械的強度不足が懸念され、特許文献8に開示されている物理量検出モジュールは、機械的強度不足の解消には適しているが、振動基板の外周に2つの枠部が形成されるため、圧電デバイスの小型化を妨げる要因となる。
【0011】
そこで本発明では、実装時の応力緩和を達成しつつ、機械的強度を保ち、かつ圧電デバイスの小型化にも適した圧電デバイス、およびこの圧電デバイスを搭載した圧電モジュールを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態又は適用例として実現することが可能である。
【0013】
[適用例1]枠部と前記枠部の内周側に配置された圧電振動片とを有する圧電振動基板と、前記圧電振動基板の一方の主面と対向するように配置され、前記枠部に接合された第1基板と、前記圧電振動基板の他方の主面と対向するように配置され、前記枠部に接合された第2基板と、を備え、前記圧電振動基板には、前記枠部の外周の前記圧電振動片を挟んで対向する端部に夫々配置された接続部を有し、当該接続部は、前記接続部の一辺を二分するように切り欠くスリットが設けられていることを特徴とする圧電デバイス。
このような特徴を有する圧電デバイスによれば、実装時の応力緩和を達成しつつ、機械的強度を保つことができる。また、このような構成の圧電デバイスは、圧電デバイスの小型化にも適している。
【0014】
[適用例2]適用例1に記載の圧電デバイスであって、前記枠部の外形を矩形とし、前記接続部は、前記枠部の対向する2辺に設けたことを特徴とする圧電デバイス。
枠部の外形を矩形とすることで、ウェハからの板取性を向上させることができる。また、接続部を枠部において対向する2辺に設けるようにすることで、実装時の安定性を高めることができる。
【0015】
[適用例3]適用例1または2に記載の圧電デバイスであって、前記圧電振動片は、振動部と、前記振動部の両端に接続された一対の基部と、を有し、前記第1基板または前記第2基板のいずれか一方には、ダイアフラムと、前記ダイアフラム上に設けられ、前記一対の基部をそれぞれ支持する一対の支持部と、を備えることを特徴とする圧電デバイス。
このような特徴を有することにより、圧電デバイスを圧力センサーとして構成することができる。
【0016】
[適用例4]適用例1または2に記載の圧電デバイスであって、前記圧電振動片を前記枠部の内側に複数備え、前記複数の圧電振動片に夫々電気的に接続された一対の電極パッドが、前記接続部のそれぞれに設けられたことを特徴とする圧電デバイス。
このような特徴を有することにより、各圧電振動片毎に異なる共振周波数を持たせることができる。よって、複数の機能を持った圧電デバイスを構成することが可能となる。
【0017】
[適用例5]適用例4に記載の圧電デバイスであって、複数の前記圧電振動片のうちの1つは、振動部と、前記振動部の両端に接続された一対の基部と、を有し、前記第1基板または前記第2基板のいずれか一方には、ダイアフラムと、前記ダイアフラム上に設けられ、前記一対の基部をそれぞれ支持する一対の支持部と、を備えることを特徴とする圧電デバイス。
このような特徴を有することにより、圧電デバイスに少なくとも圧力センサーとしての機能を持たせることが可能となる。
【0018】
[適用例6]適用例5に記載の圧電デバイスであって、複数の前記圧電振動片のうちの他の1つは、屈曲振動を励振する振動部を有することを特徴とする圧電デバイス。
このような特徴を有することにより、例えば、圧力センサーの感圧素子として機能する1つの圧電振動片の温度補償を高精度に行うことが可能となり、圧力センサーの温度特性を向上させることができる。
【0019】
[適用例7]適用例1乃至5のいずれか1例に記載の圧電デバイスであって、前記第1基板または前記第2基板のいずれか一方の外縁部を、前記圧電振動基板の外形に合わせ、前記圧電基板に設ける前記電極パッドは、前記第1基板または前記第2基板のいずれか他方と接合する側の接続部の主面に配置したことを特徴とする圧電デバイス。
このような特徴を有することにより、接続部の機械的強度をさらに補うことが可能となる。
【0020】
[適用例8]適用例1乃至7のいずれか1例に記載の圧電デバイスと、前記圧電デバイスを実装する実装基板と、を有し、前記圧電振動基板に設けられた接続部を前記実装基板に固定したことを特徴とする圧電モジュール。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】第1実施形態に係る圧電デバイスの構成を示す分解斜視図である。
【図2】第1実施形態に係る圧電デバイスを構成する圧電振動片に配される第1基板側対向面における励振電極の構成を示す図である。
【図3】第1実施形態に係る圧電デバイスを構成する圧電振動片に配される第2基板側対向面における励振電極の構成を示す図である。
【図4】図1に示す各基板を接合した圧電デバイスにおけるA−A断面を示す図である。
【図5】ウェハ形態での製造工程を説明するための分解斜視図である。
【図6】接合工程が終了したウェハ状の圧電デバイスを個片化する工程を説明するための図である。
【図7】第1実施形態に係る圧電デバイスにおける枠部の幅を広げ、接合材溜まり部を構成する場合の例を示す図である。
【図8】第1実施形態に係る圧電デバイスにおける圧電振動基板において、電極パッドの配置形態を変えた場合の例を示す図である。
【図9】第1実施形態に係る圧電デバイスにおける圧電振動基板において、対を成す接続部の形態を否対象とした場合の例を示す図である。
【図10】第1実施形態に係る圧電デバイスにおける圧電振動基板において、長辺を基点として接続部を設けた場合の例を示す図である。
【図11】第1実施形態に係る圧電デバイスにおける圧電振動基板の接続部の一部に薄肉化のための溝を設けた場合の例を示す図である。
【図12】第2基板側にダイアフラムを配置した場合の例を示す断面図である。
【図13】第1実施形態に係る圧電デバイスにおいて、圧電振動片の形態を音叉型圧電振動片とした場合の例を示す分解斜視図である。
【図14】音叉型圧電振動片に配される第1基板側対向面における励振電極の構成を示す図である。
【図15】音叉型圧電振動片に配される第2基板側対向面における励振電極の構成を示す図である。
【図16】第1実施形態に係る圧電デバイスにおいて、圧電振動片の形態を音叉型圧電振動子とし、梁の形態を異ならせた場合の例を示す図である。
【図17】第1実施形態に係る圧電デバイスにおいて、圧電振動片の形態をATカット圧電振動片とした場合の例を示す分解斜視図である。
【図18】第2実施形態に係る圧電デバイスの構成を示す分解斜視図である。
【図19】図18に示す形態の圧電デバイスにおけるB−B断面を示す図である。
【図20】第3実施形態に係る圧電デバイスの構成を示す分解斜視図である。
【図21】第3実施形態に係る圧電デバイスを構成するパッケージ内にICを備えた場合の例を示す図である。
【図22】第3実施形態に係る圧電デバイスにおいて、圧電振動基板に形成する2つの圧電振動片を双方とも、音叉型圧電振動片とした場合の例を示す分解斜視図である。
【図23】本発明に係る圧電デバイスを実装してモジュールを構成する場合の例を示す図である。
【図24】本発明に係る圧電デバイスを燃料電池システムにおけるモジュールの一部とした場合のブロック図である。
【図25】本発明に係る圧電デバイスを車両用情報記録装置におけるモジュールの一部とした場合の例を示すブロック図である。
【図26】本発明に係る圧電デバイスを車両用の側面衝突検出装置を構成するモジュールの一部とした場合の例を示す図である。
【図27】枠部の外周に設けられた梁により実装を行う従来の圧電デバイスの構成を示す図である。
【図28】第1枠部と第2枠部を有する従来の圧電デバイスの構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の圧電デバイス、および圧電モジュールに係る実施形態を、図面を参照しつつ詳細に説明する。但し、この実施形態に記載される構成要素、種類、組み合わせ、形状、その相対配置などは特定的な記載がない限り、この発明の範囲をそれのみに限定する主旨ではなく単なる説明例に過ぎない。
【0023】
まず、図1〜図7を参照して、第1実施形態に係る圧電デバイス10について説明する。図1は、第1実施形態に係る圧電デバイスの分解斜視図である。図2は圧電デバイスにおける圧電振動片を一方の面から見た際の励振電極の構成を示す斜視図である。図3は圧電デバイスにおける圧電振動片を他方の面から見た際の励振電極の構成を示す斜視図である。図4は、図1に示した圧電デバイスのA−A断面を示す図である。図5は、ウェハから成る各基板の状態を示す斜視図である。図6は、ウェハを積層して構成された圧電デバイスをダイシングにより個片化する工程を説明するための図である。
【0024】
本実施形態に係る圧電デバイス10は、圧力センサーとしての働きをもつものであり、第1基板12と、圧電振動基板20、および第2基板40を有する。第1基板12は、ダイアフラム14と枠部16、および支持部18a,18bを基本として構成される。ダイアフラム14は、受圧部としての働きを担い、第1基板12の一部を薄肉化することにより、板面に可撓性を持たせた構成である。
【0025】
本実施形態ではダイアフラム14を、第1基板12の一方の主面を凹状に掘り込むことで形成している。枠部16は、薄肉化により構成されるダイアフラム14の外縁を囲うように配置される厚肉部であり、第1基板12における機械的強度の確保と、詳細を後述する圧電振動基板20との接合部としての役割を担う。支持部18a,18bは、ダイアフラム14上に形成された凸部であり、ダイアフラム14の撓みを、詳細を後述する圧電振動基板20に形成された圧電振動片22に伝達する役割を担う。本実施形態の場合、支持部18a,18bは、ダイアフラム14上に一対、ダイアフラム14の中心を基点として対称に設けられている。そして、ダイアフラム14に対して外側(支持部18a,18bを形成していない側)から押圧(圧力)が加えられると、その撓みに倣って傾倒することとなるため、接合領域である上端部が僅かに離間する方向へと移動する。このため、一対の支持部18a,18bに接合された圧電振動片22には、引張の力が作用することとなる。なお、支持部18a,18bの高さ(厚み)は、前述した枠部16の高さ(厚み)と同じで良い。このような構成とすることにより、一方向からの加工(サンドブラストやウエットエッチング)により、枠部16とダイアフラム14、および支持部18a,18bをそれぞれ形成することができるからである。
【0026】
圧電振動基板20は、圧電振動片22と枠部30、梁28、および接続部32,36を有する。本実施形態に係る圧電振動片22は、一対の基部(第1基部26aと第2基部26b)と、一対の振動部(第1振動部24aと第2振動部24b)を備えた、いわゆる双音叉型の圧電振動片である。このため、本実施形態に係る圧電振動基板20は、水晶の結晶軸である、電気軸としてのX軸と、機械軸としてのY軸と、光学軸としてのZ軸と、からなる直交座標系のX軸を回転軸として、Z軸を+Y軸の方向へ約2度回転させた軸をZ′軸とし、このZ′軸を法線とした主面を有する、Xカットと呼ばれるカット角で切り出された水晶基板を用いている。
【0027】
第1基部26a、第2基部26bはそれぞれ、上述した第1基板12における支持部18a,18bの上端部に接合される。よって、第1基部26a、第2基部26bと、支持部18a,18bはそれぞれ、積層状態において重なる位置に形成される。
【0028】
第1振動部24a、第2振動部24bは、第1基部26aと第2基部26bの間に張り渡された断面矩形の梁である。振動部24(第1振動部24a、第2振動部24b)には、詳細を図2、図3に示すような励振電極50(電極50a〜50p),52(電極52a〜52p)が形成されており、この励振電極50,52に電圧が印加されることにより所定周期(共振周波数)での振動が励起される。この振動は、振動部24に付与される張力に起因して、その共振周波数が変化する。具体的には、付与される張力が小さいほど共振周波数が低く、張力が大きくなるにつれて共振周波数が高くなる。このため、ダイアフラム14に付与された力(圧力)が、支持部18a,18bと基部(第1基部26a,第2基部26b)を介して振動部24に張力として伝達されると、その強さに応じて共振周波数が変化することとなる。よって、振動部24の共振周波数の変化をモニターすることにより、外部圧力の測定が可能となる。
【0029】
また、枠部30は、上述した圧電振動片22の外周を囲むように配置される。枠部30は、圧電振動基板20を他の基板(第1基板12と第2基板40)と接合するための接合部としての役割と共に、圧電振動片22を密閉するキャビティの一部を構成する役割を担う。本実施形態に係る枠部30は、平面視した際の外形形状を長方形としており、前述した圧電振動片22の第1基部26aと第2基部26bはそれぞれ、枠部30の長辺方向に沿って配置される。このため、振動部24も長辺方向に沿って張り渡される構成となる。このような配置形態とすることで、振動部24の長さを長くとることができるからである。
【0030】
梁28は、圧電振動片22と枠部30とを接続する梁としての役割を担う。具体的には、梁28は、圧電振動片22を構成する第1基部26aと第2基部26bのそれぞれと、枠部30との間に張り渡される。梁28は、枠部30に加えられた熱歪み等の応力が、圧電振動片22に伝達されることを抑制すると共に、支持部18a,18bを介して圧電振動片22に付与される張力の検出感度の妨げにならないように配置される。このため梁28は、振動部24の配置方向と交差する方向、すなわち枠部30の短辺に沿った方向に向けて張り渡される。また、梁28の幅は、圧電振動片22を支持するために必要とされる機械的強度を保てる程度に狭めるようにすると良い。このような構成とすることで、圧電振動片22を枠部30に支持しつつ、枠部30に加えられた応力の伝達抑制と、共振周波数の変化による負荷圧力の検出感度の維持といった双方の効果を得ることができる。
【0031】
接続部32,36は、圧電デバイス10を実装基板300(図23参照)に実装するための役割を担う。本実施形態における接続部32,36は、上述した枠部30の外周側に、圧電振動基板20の一部として延設されている。本実施形態では、接続部32,36は枠部30の短辺を基部として、長辺の延長方向に向かって延設している。なお、接続部32,36は、枠部30において対向する一対の短辺それぞれから延設されている。長辺方向に沿って、互いに反対方向に延設された接続部32,36のうち、いずれか一方の接続部(図1に示す例では接続部36)には、圧電振動片22に形成された励振電極50,52と電気的に接続された一対の電極パッド56,60が設けられている。そして、一対の電極パッド56,60間に位置する接続部36には、接続部36を切欠く切欠き(スリット)38が設けられている。このような構成とすることにより、実装時における電極パッド56,60同士の短絡を有効に防止することができる。また、接続部36に負荷される熱歪み等に起因する応力を緩和することができる。さらに、本実施形態では、電極パッド56,60を設けない接続部32にも、電極パッド56,60を設けた接続部36と同様な切欠き(スリット)34を設ける構成としている。このような構成とすることで、圧電デバイス10を両持ち支持で実装した際にも、応力の緩和といった効果を奏することができる。
【0032】
万一、仮に、両持ち支持に起因した内部応力が、圧電デバイス10に作用したとしても、梁28により圧電振動片22へ前記内部応力が作用することを抑制させることができる。その理由は、圧電振動片22の第1振動部24a,第2振動部24bが設けられているので、接続部32と接続部36とを結ぶ方向に内部応力が作用しても、前記梁28の作用により前記内部応力は圧電振動片22へ伝達されずに抑制されることとなるというものである。
【0033】
接続部36に設けられた電極パッド56,60は、引出電極54,58を介して励振電極50,52と電気的に接続される。引出電極54,58は、接続部36と枠部30、および梁28を介して圧電振動片22における基部(図1〜図3に示す例では第2基部26b)に引き回され、振動部24に形成された励振電極50,52に接続されている。図2、図3に実施形態に係る圧電振動片22の振動部24に形成する励振電極50,52の形態の一例を示す。なお、図2には、第1基板12との接合面である一方の面を示し、図3には、第2基板40との接合面である他方の面を示す。
【0034】
励振電極50は、電極50a〜電極50pにより構成され、励振電極52は、電極52a〜電極52pにより構成されている。本実施形態に係る振動部24は、それぞれ3つの振動領域に分かれており、各領域毎に電極が配設されている。以下の説明では、引出電極58が配設される第2基部26bに近接した振動領域を第1領域、第1基部26aに近接した振動領域を第3領域と称すこととする。そして、第1領域と第3領域の間に位置する中央の領域を第2領域と称すこととする。
【0035】
第2基部26bの上面(一方の面)に配置されて、引出電極54に接続された電極50aは、第1振動部24aにおける第1領域の外側の側面に配置された電極50bに接続されるとともに、第2振動部24bにおける第1領域の上面に配置された電極50cに接続されている。また、電極50bは、第1振動部24aの下面(他方の面)を介して第1領域の内側の側面に配置された電極50dに接続されると共に、第2領域の下面に配置された電極50eに接続されている。
【0036】
一方、電極50cは、第2振動部24bの上面を介して第2領域の外側の側面に配置された電極50hと、同領域の内側の側面に配置された電極50iに接続されている。さらに、電極50hと電極50iは第2振動部24bにおける下面で結合すると共に、同下面における第3領域に配置された電極50jに接続されている。電極50jは、第1基部26aの下面に配置された電極50kを介して第1振動部24aにおける第3領域の外側の側面に配置された電極50lに接続されている。また、電極50lは、第1振動部24aにおける上面を介して、第3領域の内側の側面に配置された電極50mに接続されると共に、第2領域の上面に配置された電極50nに接続されている。また、第1振動部24bにおける第3領域の内側の側面に配置された電極50mは、第1基部26aの上面に配置された電極50oを介して第2振動部24bにおける第3領域の上面に配置された電極50pに接続されている。
【0037】
これに対し、第2基部26bの下面に配置されて、引出電極58に接続された電極52aは、第2振動部24bにおける第1領域の外側の側面に配置された電極52bに接続されるとともに、第1振動部24aにおける第1領域の下面に配置された電極52cに接続されている。また、電極52bは、第2振動部24bの下面を介して第1領域の内側の側面に配置された電極52dに接続されると共に、第2領域の下面に配置された電極52eに接続されている。
【0038】
電極52dは、第2基部26bの上面に配置された電極52fを介して第1振動部24aにおける第1領域の上面に配置された電極52gに接続されている。電極52gは、第1振動部24aの上面を介して第2領域の外側の側面に配置された電極52hと、同領域の内側の側面に配置された電極52iに接続されている。さらに、電極52hと電極52iは第1振動部24aにおける下面で結合すると共に、同下面における第3領域に配置された電極52jに接続されている。電極52jは、第1基部26aの下面に配置された電極52kを介して第2振動部24bにおける第3領域の内側の側面に配置された電極52lに接続されている。また、電極52lは、第2振動部24bにおける上面を介して、第3領域の外側の側面に配置された電極52mに接続されると共に、第2領域の上面に配置された電極52nに接続されている。また、第2振動部24bにおける第3領域の外側の側面に配置された電極52mは、第1基部26aの上面に配置された電極52oを介して第1振動部24aにおける第3領域の上面に配置された電極52pに接続されている。
【0039】
よって第1振動部24aの第1領域では、側面方向において電極50bと電極50dとが対向し、上面・下面方向において電極52gと電極52cとが対向する。また、第2領域では、側面方向において電極52hと電極52iとが対向し、上面・下面方向において電極50nと電極50eとが対向する。さらに、第3領域では、側面方向において電極50lと電極50mとが対向し、上面・下面方向において電極52pと電極52jとが対向することとなる。
【0040】
一方、第2振動部24bの第1領域では、側面方向において電極52bと電極52dとが対向し、上面・下面方向において電極50cと電極50gとが対向する。また、第2領域では、側面方向において電極50hと電極50iとが対向し、上面・下面方向において電極52nと電極52eとが対向する。さらに、第3領域では、側面方向において電極52mと電極52lとが対向し、上面・下面方向において電極50pと電極50jとが対向する。
【0041】
励振電極50,52をこのように配設することで、引出電極54,58を介して接続された電極パッド56,60に交流電圧を印加することにより、第1振動部24a、第2振動部24bは、所定の共振周波数で振動する。なお、励振電極50,52における振動部24への電極の配設パターンは上述の方法に限らず様々なパターンを採用することができる。
【0042】
第2基板40は、圧電振動基板20に対して、第1基板12とは反対側の面(第1基板が接合する側を一方の面とした場合には他方の面)に対して接合し、圧電振動片22の振動領域を封止する役割を担う。このため、第2基板40の外形は、圧電振動基板20における枠部30の外形(接続部32を含まない形状)と一致すれば良い。第2基板40には、パッケージ内のキャビティ、すなわち圧電振動片22の振動領域を確保するための凹部42が設けられており、凹部42の外周には、圧電振動基板20を構成する枠部30と接合される枠部44が設けられている。
上記のような構成を有する第1基板12、圧電振動基板20、および第2基板40は、図4に示すように接合層48を介して接合される。
【0043】
各接合層48の形成は、各接合領域に対応する位置に、例えば下地をCrとするAuのメタライズ層を形成する。そして各接合領域にIn等のロウ材を塗布し、図4に示すように各基板を積層した状態で加熱・加圧する。そしてInを溶融させてメタライズ層に拡散させ、InとAuとの共晶反応を引き起こす。これにより共晶合金であるAu−In層をCrで挟んだ態様の接合層48が形成される。また各接合層48を形成する接合部材として導電性接着剤や、抵抗率の低い低融点ガラス等も用いることができる。なお各接合層として上述のメタライズ層を用いる場合、各電極(励振電極50,52、引出電極54,58、および電極パッド56,60)はメタライズ層の形成と同一工程にて形成することができる。
各接合層48を形成する接合部材として導電性を有する材料を用いた場合、引出電極54,58は、それぞれ各面に形成された接合層48と接触する。
【0044】
しかし、各面に配された接合層48が直接接触することは無く、両面間を行き来することとなる引出電極54(電極パッド56)は、接合層48の外部領域となる接続部36を経由して両面間を跨ぐように引き回されている。このため、引出電極54や励振電極50と、引出電極58や励振電極52とが電気的に接触し、両者間に短絡が生ずることはない。
【0045】
上記のような構成の圧電デバイス10は、各基板を積層することによって構成される内部空間を真空とする。これにより、屈曲振動を成す圧電振動片22に振動を励起させることが可能となる。また、温度変化による空気の膨張、収縮に伴う内部空間の圧力変動を抑制し、検出値の精度劣化を防ぐことができる。なお、内部空間の真空化は、各基板の接合を真空領域中で行うようにしても良いし、第2基板40に図示しない封止孔を設け、接合後にパッケージを真空領域に配置し、封止孔を封止するといった方法を採っても良い。このような構成とすることにより、実施形態に係る圧電デバイス10は、真空を基準とした圧力を測定可能となる。
【0046】
次に、圧力センサーとして構成した本実施形態に係る圧電デバイス10による圧力検出の仕組みについて、簡単に説明する。まず、ダイアフラム14に圧力が印加されると、ダイアフラム14は圧力の強度に応じて内部空間側、すなわち圧電振動基板20側に撓み変形する。ダイアフラム14の変形に伴い、ダイアフラム14に一体形成された支持部18a,18bは、ダイアフラム14の撓みに応じて傾倒する。ダイアフラム14は、特性上、中心部を基準としてすり鉢状に撓むこととなるため、第1基板12の長辺方向に沿って配置された支持部18a,18bは、互いに異なる方向に傾倒することとなる。このため、接合部である上端は、互いに離間する方向に変位する。
【0047】
支持部18a,18bにおける接合部が互いに離間する方向に変位すると、当該接合部に接合された第1基部26aと第2基部26bも、この変位に応じた力を受ける。このため、振動部24には引張応力が印加され振動部24の共振周波数が高くなる。よって、ダイアフラム14に印加された圧力の値は、振動部24における共振周波数の変化量をモニターすることで検知することができる。
【0048】
このような構成を有する圧電デバイス10によれば、実装基板300(図23参照)への実装時の応力緩和を達成しつつ、機械的強度を保ち、かつ圧電デバイスの小型化にも対応することができる。
【0049】
上記のような構成の圧電デバイス10を製造する場合には、図5に示すように、ウェハ単位で接合が成される。以下、実施形態に係る圧電デバイス10の製造方法について簡単に説明する。
【0050】
まず、第1ウェハ70、第2ウェハ90、および圧電振動ウェハ80の外形形成を行う。外形形状の形成方法としては、例えばサンドブラストやウエットエッチング等を挙げることができる。具体的には、比較的形状が単純な第2ウェハ90は、サンドブラストにより外形形成を行うことが好ましい。加工時間を短くすることができるからである。一方、外形形状が複雑な圧電振動ウェハ80は、ウエットエッチングにより外形形成を行うことが好ましい。ウエットエッチングにより、微細形状の加工が可能となるからである。さらに、外形形状は単純であるが、薄肉なダイアフラム14を形成する第1ウェハ70は、サンドブラストにより外形形成を行った後、ウエットエッチング(ライトエッチング)を施すようにすると良い。これにより、加工時間の短縮と、ダイアフラム14を構成する表面の平坦化を図ると共に、残留応力の除去を図ることができる。
【0051】
図5に示すように、各ウェハ(第1ウェハ70、圧電振動ウェハ80、第2ウェハ90)は、各基板(第1基板12、圧電振動基板20、第2基板40)をアレイ状に配置した形態として形成される。なお、各ウェハにおける基板構成要素は、梁72,76,82,86,92,96を介して連結されることで、アレイ状を成す。なお、本実施形態に係る圧電デバイス10では、圧電振動基板20に比べて第1基板12と第2基板40は、長辺方向の長さが短くなるように構成されている。このため、長辺方向に隣接する基板間の距離が圧電振動基板20よりも長くなり、梁72,92の長さが長くなる。従って、第1基板12や第2基板40を長辺方向に連結する梁72,92の基部側位置に溝74を設けておくようにすると良い。このような構成とすることで、梁72,82,92を一度に切断する際に、切断時に生ずる振動等により、溝74,94形成部で余剰部分の折り取りが成されることとなるからである。
【0052】
次に、圧電振動ウェハ80に対する電極形成と、各ウェハに対する接合パターンの形成を行う。電極、および接合パターンの形成は、蒸着やスパッタリング、およびCVDなどの製法を用いた金属膜の形成工程と、フォトリソグラフィ等のパターニング技術を用いたパターン形成工程とによれば良い。
【0053】
次に、第1ウェハ70、圧電振動ウェハ80、および第2ウェハ90を接合する。接合は、上述したように、接合材を介して加圧、加熱することにより成せば良い。
【0054】
ウェハの接合を終えた後、圧電デバイス10の個片化を行う。個片化は、ダイシングにより行えば良い。ダイシングを行った場合図6に示すように、第1ウェハ70や第2ウェハ90において溝74,94を設けた梁72,92は、カット時の振動等により溝74,94部分で折り取られることとなる。よって、実施形態に示すように量産を行った場合には、各基板の外縁に、梁の基部が残留することとなる。
【0055】
このようにして圧電デバイス10の個片化を行うようにすれば、ダイシングブレードが接触する箇所は、基板を連結する梁72,76,82,86,92,96の部分だけとなる。このため、ダイシングにより発生する振動を抑制することができ、基板間の剥離や振動部24の破損等を防止して、圧電デバイス10の歩留りを向上させ、量産性を高めることができる。また、ダイシングブレードが直接基板に接触することが無いため、ダイシングに起因した各基板のチッピングを避けることができる。さらに、切断面積が小さいため、ダイシングブレードの長寿命化を図ることができる。
【0056】
本実施形態のように、基板同士を接合する接合部材が接合時に溶融する場合は、接合層48を構成する接合部材が各接合領域から漏れ出て圧電振動基板20の側面を経由して反対面に到達し、引出電極54,58(励振電極50,52)同士が短絡する虞がある。このような虞がある場合には、漏れ出た接合部材を受け止める接合材溜まり部30a,30bを設けるようにすれば良い。例えば、図5に示すように、圧電振動基板20における枠部30の幅を第1基板12の枠部16や第2基板40の枠部44の幅よりも広くすることで、接合時に漏れ出た接合部材を受け止める接合材溜まり部30a,30bを形成することができる。図5に示す例では、圧電振動基板20の枠部30を振動空間の内側に突出させるようにしている。これにより、漏れ出た接合部材は、突出部である接合材溜まり部30aと第1基板12の枠部16、あるいは接合材溜まり部30bと第2基板40の枠部44との間にフィレットを形成するように溜まり、接合状態の安定化が図られると共に、短絡を防ぐことができる。
【0057】
上記実施形態では、圧電振動基板20枠部30の一方の辺から延設した接続部36に、切欠き38を設けて2つの電極パッド56,60を配設する構成としていた。しかしながら、本発明に係る圧電デバイス10では、図8に示すように、圧電振動基板20aにおいて対向する辺から延設した接続部36,32に対して点対称となるように電極パッド56,60を配設する構成としても良い。また、図示はしないが当然に、対向する辺から延設した接続部に対して線対称となるように電極パッドを配設しても良い。
【0058】
また、上記実施形態では、接続部32と接続部36を線対称な形態として、圧電振動基板20(20a)を平面視した際の外形形状がH型となるように構成していた。しかしながら図9に示すように、接続部32と接続部36との形態は、否対称な形態であっても良い。例えば図9に示す圧電振動基板20bでは、電極パッド56,60を設ける側の接続部36は、切欠きを中央に設けた二股の形態とし、電極パッド56,60を設けない側の接続部36は、切欠き34aを接続部36の両端に設けた形態としている。このような形態とすることで、電極パッド56,60を設けない側の接続部32は、圧電振動基板20bの幅に比べて幅が狭い凸部として形成されることとなる。接続部32をこのような形態とした場合であっても、実装状態の安定化を図れる。また、固定部位が4点から3点となることで、実装状態に起因して付与される熱歪み等の応力が緩和される。
【0059】
また、上記実施形態では、接続部32,36は圧電振動基板20(20a,20b)の短辺を基部として、長辺に沿った方向に延設する旨記載した。しかしながら図10に示す圧電振動基板20cのように、接続部32,36は長辺を基部にして、短辺に沿った方向に延設するようにしても良い。接続部32,36の配置形態を変えた場合であっても、圧電デバイスとして同様な効果を奏することができるからである。
【0060】
また、上記実施形態では、圧電振動基板20の厚みは、いずれも一様なものとして記載した。しかしながら、図11に示すように、圧電振動基板20における接続部32,36の一部を薄肉に形成するようにしても良い。このような形態とすることで、圧電デバイス10を実装基板300(図23参照)に実装してモジュールを構成した際、圧電振動片22に伝達される熱歪の影響を改善することができる。このため、接続部32,36を薄肉に構成するための溝32a,36aは、電極パッド56,60と、枠部30との間に位置するように設けることが望ましい。なお、図11に示す例では、薄肉を構成するための溝32a,36aは、接続部32,36の延設方向と直交するように、接続部32,36の全幅に亘って設けるように示している。しかしながら、溝32a,36aを間欠的に設け、薄肉部が接続部32,36の幅方向に点在するような構成とした場合であっても、熱歪の改善に寄与することができる。
【0061】
また、上記実施形態では、第1基板12にダイアフラム14を形成し、実装基板300(図23参照)に圧電デバイス10を実装した場合には、ダイアフラム14が上面側に配置される形態としていた。しかしながら、本実施形態に係る圧電デバイス10aは図12に示すように、第1基板12aではなく、第2基板40にダイアフラム、および支持部を形成する構成としても良い。このような構成とした場合であっても、圧電デバイスとして同様な効果を奏することができるからである。また、このような構成とすることによれば、ダイアフラムに塵埃等が積もる虞が無く、汚染環境下においてもダイアフラムの稼動特性を維持し、検出精度の維持を図ることができる。
【0062】
本実施形態では、振動部24を2つの柱状ビームにより構成しているが、これを1つの柱状ビーム(シングルビーム)により構成することもできる。このような構成とした場合には、柱状ビームに対して第1基部26a、第2基部26bを介して印加される張力が1つの柱状ビームに集中し、その断面に付与される力は大きくなる。このため、共振周波数の変化量が大きくなり、圧電デバイス10の感度を向上させることができる。また振動部24を2つ以上の柱状ビームにより構成することも可能である。この場合、各柱状ビームの振動に対称性を持たせることにより、振動漏れを抑制してQ値の高い圧電デバイス10とすることができる。なお、本実施形態のように柱状ビームが2つの場合は、柱状ビームの長手方向の中央が互いに離れ、互いに近づくような振動とすることにより一対の振動ビームは対称性を有する振動となり、外部への振動漏れを抑制することができる。
【0063】
本実施形態では、圧電振動片22をいわゆる双音叉型とし、圧電デバイス10として圧力センサーを構成する旨記載した。しかしながら、本発明に係る圧電デバイスは圧力センサーに限らず、圧電振動片を用いた振動子であっても良い。
【0064】
例えば図13に示す例は、圧電振動基板20dに形成する圧電振動片22aを、いわゆる音叉型圧電振動片としたものである。このような構成を有する圧電デバイス10bでは、基板(第1基板12bおよび第2基板40)にダイアフラムを構成する必要が無い。このため、第1基板12bおよび第2基板40は双方共に、圧電振動基板20に対向する面に、キャビティを構成するための凹部14a,42のみを備える形態としている。
【0065】
図13に示す例では、基部26を枠部30の短辺に接続する梁28aを設け、この梁28aに括れを設ける構成としている。このような構成とすることにより、振動漏れを抑制することができる。
【0066】
圧電振動片22aにおける2本の柱状ビーム(第1振動部24a、第2振動部24b)に形成する励振電極50,52の形態は、基本的には上述した実施形態に係る圧電デバイス10(10a)と同様である。例えば、等しい電位の電圧が印加される電極を、振動部24を構成する柱状ビームの表裏面に対向配置した場合、異なる電位の電圧が印加される電極は、柱状ビームの側面に対向配置するという構成である。なお、具体的な励振電極50,52の配置構成は次の通りである。
【0067】
すなわち図14、図15に示すように、圧電振動片22aにおける基部26の上面側に配置され、引出電極54と接続された電極50aは、第1振動部24aにおける外側の側面に配置された電極50bに接続されると共に、第2振動部24bの上面に配置された電極50gに接続されている。そして、電極50bは、第1振動部24aの先端に配置された電極50cを経由して、内側の側面に配置された電極50dに接続されている。電極50dは、2つの振動部(第1振動部24aと第2振動部24b)における叉部近傍の基部26の下面に配置された電極50eに接続されている。そして、電極50eは、第2振動部24bにおける下面に配置された電極50fと接続されている。
【0068】
一方、圧電振動片22aにおける基部26の下面側に配置され、引出電極58と接続された電極52aは、第2振動部24bにおける外側の側面に配置された電極52bに接続されると共に、第1振動部における下面に配置された電極52gに接続されている。そして、電極52bは、第2振動部24bの先端に配置された電極52cを経由して、内側の側面に配置された電極52dに接続されている。電極52dは、2つの振動部(第1振動部24aと第2振動部24b)における叉部近傍の基部26における上面に配置された電極52eに接続されている。そして、電極52eは第1振動部24aにおける上面に配置された電極52fと接続されている。
このような構成の圧電振動片22aを有する圧電デバイス10bであっても、本実施形態に係る圧電振動片の一部とみなすことができる。
【0069】
また、圧電振動片22aを音叉型圧電振動片とする場合には、梁の形態を図16に示すようなものとしても良い。すなわち、梁28bを、圧電振動片22aを構成する基部26の側方から延出させ、鉤状のクランクを成して枠部30における長辺に連結する形態とするものである。
【0070】
梁28bの形態をこのようなものとした場合、基部26から枠部30までの伝播経路が長くなる。このため、振動漏れを防止する効果をさらに高めることができる。また、梁28bをクランク状に曲げたことより、枠部30に負荷される応力(歪み)を吸収し、圧電振動片22aに与える応力の影響を抑制することができる。
【0071】
また、圧電振動片は、屈曲振動を励起するタイプに限らず、厚み滑り振動を励起するタイプのものであっても良い。例えば図17に示す例は、圧電振動基板20eをATカットと呼ばれるカット角で切り出された水晶基板により構成している。そして、枠部30の内側に、ほぼ矩形の圧電振動片22bを構成している。励振電極50,52は、圧電振動片22bの上下面(一方の面と他方の面)に形成されており、上下面における励振電極50,52の重複領域が励振領域となる。このため、振動領域の上下面に形成する励振電極50と励振電極52の形態は、必ずしも一致しなくても良い。なお、圧電振動片22bの上下面に形成された励振電極50,52はそれぞれ、引出電極54,58を介して電極パッド56,60に接続されている。
このような構成の圧電振動片22bを有する圧電デバイス10cであっても、本実施形態に係る圧電デバイスの一部とみなすことができる。
【0072】
次に、図18、図19を参照して、本発明の圧電デバイスに係る第2実施形態について説明する。なお、図18は本実施形態に係る圧電デバイスの分解斜視図であり、図19は図18に示す圧電デバイスのA−A断面を示す図である。
【0073】
本実施形態に係る圧電デバイスの殆どの構成は、上述した第1実施形態に係る圧電デバイスと同様である。したがって、その機能を同一とする箇所には、図面に100を足した符号を付して、その詳細な説明は省略することとする。
【0074】
本実施形態に係る圧電デバイス110と、第1実施形態に係る圧電デバイス10との相違点は、第1基板の外形形状にある。具体的には、本実施形態に係る圧電デバイス110は、第1基板112の外形形状を、圧電振動基板120の外形形状に合致させる構成とした。そして、接続部132,136と第1基板112の凸設部119とを接合層148を介して接合することで、接続部132,136の機械的強度を高めることができる。これにより、フェイスダウン実装を行った際の押さえ込みによる接続部132,136の割れや、ワイヤー(不図示)を介して実装する際のワイヤーを打ち込む際の衝撃による接続部132,136の割れを回避することができる。
その他の構成、作用、効果は、上述した第1実施形態に係る圧電デバイス10と同様である。
【0075】
次に、図20を参照して、本発明の圧電デバイスに係る第3実施形態について説明する。なお、図20は本実施形態に係る圧電デバイスの分解斜視図である。
本実施形態に係る圧電デバイスも、第1基板、圧電振動基板、および第2基板から構成され、圧電振動基板を構成する枠部に接続部を有するという基本形態については、上述した第1実施形態に係る圧電デバイスと同様である。したがって、その機能を同一とする箇所には、図面に200を足した符号を付して、その詳細な説明は省略することとする。なお、図20においては、第1基板を図中下側、第2基板を図中上側に示している。
【0076】
本実施形態に係る圧電デバイス210と第1実施形態に係る圧電デバイス10との相違点は、単一の圧電振動基板220に、複数(図20に示す例では2つ)の圧電振動片(第1振動片222と第2振動片222a)を形成した点にある。具体的には、図20に示す例では、第1振動片222として双音叉型圧電振動片を形成し、第2振動片222aとして音叉型圧電振動片を形成している。ここで、双音叉型圧電振動片の構成は、上述した第1実施形態において、図1〜図3に示した圧電振動片22の構成と同様とすることができる。また、音叉型圧電振動片の構成は、同じく第1実施形態において、図13〜図15に示した圧電振動片22aの構成と同様とすることができる。よって、各圧電振動片222,222aにおける励振電極の配置構成は、該当する説明箇所を援用することとする。
【0077】
本実施形態の圧電振動基板220では、枠部230の短辺を基部として長辺に沿った方向へ延設された対を成す接続部232,236のそれぞれに、電極パッド256,260,256a,260aを配置している。例えば図20に示す例では、接続部232に配置された電極パッド256,260は、第1振動片222である双音叉型圧電振動片に形成された励振電極と電気的に接続されている。一方、接続部236に配置された電極パッド256a,260aは、第2振動片222aである音叉型圧電振動片に形成された励振電極と電気的に接続されている。
【0078】
このような構成を有する圧電デバイス210では、圧電振動基板220の枠部230における一方の面に必ず、電位の異なる電圧が印加される複数の電極(例えば引出電極258と引出電極258a)が配置されることとなる。このため、接合層(不図示)を構成する接合材としては、低融点ガラス等の絶縁材料を選定する必要がある。
【0079】
本実施形態では第1基板212にダイアフラム214と支持部218a,218bを形成しており、第1振動片222である双音叉型圧電振動片は、圧力センサーの感圧素子として働くこととなる。一方、第2振動片222aである音叉型圧電振動片は、一般的に2次曲線で示される周波数温度特性を有するため、環境温度の変化に応じて共振周波数が変化するという特性を持つ。このため、音叉型圧電振動片の共振周波数をモニターすることにより、環境温度を測定することができる。したがって、感圧素子として働く双音叉型圧電振動片における共振周波数の温度補償を精度良く行うことが可能となる。
その他の構成、作用、効果については、上述した第1実施形態に係る圧電デバイス10と同様である。
【0080】
また、本実施形態に係る圧電デバイス210も、上記第2実施形態に係る圧電デバイスと同様に、第1基板212の外形形状を圧電振動基板220の外形形状に合致させるように凸設部219を形成することができる(図21参照)。また、例えば上述したように、第2振動片222aである音叉型圧電振動片により温度検出を行い、この検出温度に基づいて第1振動片222である双音叉型圧電振動片における共振周波数の温度補償を行うような場合には、図21に示す圧電デバイス210aのように、温度補償回路(集積回路:IC245)をパッケージ内部に備えるようにしても良い。
【0081】
図21に示す例では、ダイアフラム214を形成しない第2基板240に形成した凹部242に、IC245を配置する構成としている。このため、第2基板240の凹部242には、双音叉型圧電振動片と音叉型圧電振動片との双方と、IC245との電気的接合を図るための図示しない電極パターンを設ける必要がある。なお、図21に示す例では、IC245の実装は、金属ワイヤー247によるワイヤボンディングであるように示しているが、これをフリップチップボンディングとした場合であっても、その効果に変わりは無い。
【0082】
また、本実施形態に係る圧電デバイス210では、第1振動片222として双音叉型圧電振動片を備え、第2振動片222aとして音叉型圧電振動片を備える構成とした。しかしながら、複数の圧電振動片の種類や特性の組み合わせはこれに限るものでは無い。例えば、振動形態を同様とするものであれば、図22に示す圧電デバイス210bのように、第1振動片222、第2振動片222aともに音叉型振動片とし、2つの圧電振動片において互いに共振周波数を異ならせるといった仕様にすることもできる。
【0083】
図23に本発明に係る圧電モジュールを構成するための圧電デバイス(図23に示す例では、第1実施形態に係る圧電デバイス10)の実装形態を示す。図23に示す例では、実装基板300に凹状部302を設け、この凹状部302に圧電デバイス10の第2基板40を遊嵌させた状態で実装を行っている。なお、実装基板300における実装電極304は、実装基板300の厚肉部に配置されている。
【0084】
圧電デバイス10は、厚肉部上に接続部32,36が位置するように配置される。接続部32,36と実装基板300における厚肉部との間には、接着剤306,308が配置される。接着剤306,308は、少なくとも実装電極304側に設ける接着剤308については、導電性を有するものであると良い。
【0085】
本発明に係る圧電デバイス10は、対を成す接続部32,36それぞれにおいて二点支持状態で実装される。固定箇所である接続部32,36には、実装基板300との間において熱歪み等に起因する応力が発生し得るが、接続部32,36には、切欠き34,38(図1参照)が設けられている。このため接続部32,36は、負荷される応力に応じて、応力を緩和する方向へ屈曲することができる。よって、応力が枠部30や振動部24へ与える影響を低減させることができる。
更に、接続部32,36の一部を薄肉とすることで、熱歪の影響を更に改善できる効果が期待できる。
なお、上記実施形態ではいずれも、圧電振動基板20を水晶で構成するように記載したが、圧電振動基板は、水晶以外の圧電材料を用いることもできる。
【0086】
このように圧電デバイス10を実装して構成される圧電モジュールは、例えば携帯電話、ハードディスク、パーソナルコンピューター、BS及びCS放送用の受信チューナー、同軸ケーブルや光ケーブル中を伝搬する高周波信号や光信号用の各種処理装置、広い温度範囲で高周波・高精度クロック(低ジッタ、低位相雑音)を必要とするサーバー・ネットワーク機器、無線通信用機器等の様々な電子機器に適用することができる。
【0087】
また、圧電デバイス10は、加速度センサーや、回転速度センサー等の各種センサーにも広く適用することができる。また、図23に示したような圧電モジュールは、燃料電池システムの一部として機能させることもできる。近年注目をされるようになった水素やメタノール等の燃料電池は、軽量化や利便性等に起因して、例えば、ビデオカメラ、ノート型パーソナルコンピューター、携帯用電話機、携帯情報端末機(Person al Digital Assistants:PDA)、オーディオプレーヤ、プロジェクタ載置台、カプセル型医療機器の通信機能を具備した電子機器といった各種情報処理装置の燃料電池としての用途が考えられる。
【0088】
図24に示すように、燃料電池システム400は、水素を燃料として電力を発生させる燃料電池セル402と、該燃料電池セル402に水素を供給する水素吸蔵合金容器404と、該水素吸蔵合金容器404と上記燃料電池セル402との間に配設された圧力検出用の圧力センサーとしての圧電デバイス10と、圧力調整弁406と安全弁408とを備えることで構成することができる。
【0089】
また、本発明に係る圧電デバイス10を車両用情報記録装置に搭載した場合のブロック図を図25に示す。図25に示す車両用情報記録装置450は、デジタルタコグラフ452と、ドライブレコーダー462を備え、事故等のイベント発生時前後の必要な時間のみについて、双方が生成するデータを関連付けて記録し、その後の解析等に有用なデータを提供することを可能とするものである。
【0090】
この車両用情報記録装置450では、デジタルタコグラフ452と、ドライブレコーダー462との他に、走行状況検知手段454、デジタルタコグラフ通信手段456、デジタルタコグラフ記録手段458、およびデジタルタコグラフ制御部460等を備えている。ここで、走行状況検知手段454は、車両速度やエンジン回転数、タイヤ圧力、テンキーやタッチパネルからの車両運転者による入力情報、その他気温、湿度等の外部入力情報、カメラによる走行時等の映像、Gセンサーによって得られる加速度や衝突時の衝撃等の情報等を得るための手段である。
【0091】
また、デジタルタコグラフ通信手段456は、デジタルタコグラフ452によって得られた情報と、ドライブレコーダー462によって得られた情報とを送受信する手段である。そして、デジタルタコグラフ記録手段458は、デジタルタコグラフ制御部460からの制御信号を受け、各種取得情報を記録するための手段である。このような構成の車両用情報記録装置450において、本発明に係る圧電デバイス10は、走行状況検知手段454の一部として利用することで、高精度な圧力(高度)検出が可能となる。
【0092】
図26に、本発明に係る圧電デバイス10を側面衝突検出装置500に搭載した場合の模式図を示す。側面衝突検出装置500に、本実施形態に係る圧電デバイス10を搭載してモジュールを構成する場合、例えば、車両502のサイドドア504の内部に、圧力センサーとしての圧電デバイス10を配置すれば良い。このような構成とすれば、サイドドア504の内部空間506の圧力変動を検出することで、これを車両502の側面に加えられた衝撃として検出することが可能となる。
【0093】
上記実施形態においては、本発明に係る圧電デバイス10を搭載した圧電モジュールの例として、特に車両に係わる具体例を示して説明したが、例えば本発明に係る圧電デバイス10を圧力センサーとして機能させる場合、圧力検出を必要とする機器全般に適用可能であることはいうまでもない。
【符号の説明】
【0094】
10,10a,10b,10c………圧電デバイス、12,12a,12b………第1基板、14………ダイアフラム、14a………凹部、16………枠部、18a,18b………支持部、20,20a,20b,20c,20d,20e………圧電振動基板、22,22a,22b………圧電振動片、24………振動部、24a………第1振動部、24b………第2振動部、26………基部、26a………第1基部、26b………第2基部、28,28a,28b………梁、30………枠部、30a,30b………接合材溜まり部、32………接続部、34,34a………切欠き、36………接続部、38………切欠き、40………第2基板、42………凹部、44………枠部、48………接合層、50………励振電極、50a〜50p………電極、52………励振電極、52a〜52p………電極、54………引出電極、56………電極パッド、58………引出電極、60………電極パッド、70………第1ウェハ、72………梁、74………溝、76………梁、80………圧電振動ウェハ、82………梁、86………梁、90………第2ウェハ、92………梁、94………溝、96………梁。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
枠部と前記枠部の内周側に配置された圧電振動片とを有する圧電振動基板と、
前記圧電振動基板の一方の主面と対向するように配置され、前記枠部に接合された第1基板と、
前記圧電振動基板の他方の主面と対向するように配置され、前記枠部に接合された第2基板と、
を備え、
前記圧電振動基板には、
前記枠部の外周の前記圧電振動片を挟んで対向する端部に夫々配置された接続部を有し、
当該接続部は、
前記接続部の一辺を二分するように切り欠くスリットが設けられている
ことを特徴とする圧電デバイス。
【請求項2】
請求項1に記載の圧電デバイスであって、
前記枠部の外形を矩形とし、
前記接続部は、前記枠部の対向する2辺に設けたことを特徴とする圧電デバイス。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の圧電デバイスであって、
前記圧電振動片は、
振動部と、
前記振動部の両端に接続された一対の基部と、
を有し、
前記第1基板または前記第2基板のいずれか一方には、
ダイアフラムと、
前記ダイアフラム上に設けられ、前記一対の基部をそれぞれ支持する一対の支持部と、
を備えることを特徴とする圧電デバイス。
【請求項4】
請求項1または請求項2に記載の圧電デバイスであって、
前記圧電振動片を前記枠部の内側に複数備え、
前記複数の圧電振動片に夫々電気的に接続された一対の電極パッドが、
前記接続部のそれぞれに設けられた
ことを特徴とする圧電デバイス。
【請求項5】
請求項4に記載の圧電デバイスであって、
複数の前記圧電振動片のうちの1つは、
振動部と、
前記振動部の両端に接続された一対の基部と、
を有し、
前記第1基板または前記第2基板のいずれか一方には、
ダイアフラムと、
前記ダイアフラム上に設けられ、前記一対の基部をそれぞれ支持する一対の支持部と、
を備えることを特徴とする圧電デバイス。
【請求項6】
請求項5に記載の圧電デバイスであって、
複数の前記圧電振動片のうちの他の1つは、
屈曲振動を励振する振動部を有することを特徴とする圧電デバイス。
【請求項7】
請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の圧電デバイスであって、
前記第1基板または前記第2基板のいずれか一方の外縁部を、前記圧電振動基板の外形に合わせ、
前記圧電基板に設ける前記電極パッドは、前記第1基板または前記第2基板のいずれか他方と接合する側の接続部の主面に配置したことを特徴とする圧電デバイス。
【請求項8】
請求項1乃至請求項7のいずれか1項に記載の圧電デバイスと、
前記圧電デバイスを実装する実装基板と、
を有し、
前記圧電振動基板に設けられた接続部を前記実装基板に固定したことを特徴とする圧電モジュール。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【公開番号】特開2013−17143(P2013−17143A)
【公開日】平成25年1月24日(2013.1.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−150444(P2011−150444)
【出願日】平成23年7月6日(2011.7.6)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】