説明

埋め込みガードリング及び耐放射線性分離構造並びにその製造方法

【課題】大量の商業マイクロエレクトロニクスメーカーがアクセスし易い最先端の基礎設備を使用して、高性能且つ費用対効果に優れた耐放射線性集積回路(RHICs)を提供する。
【解決手段】様々な形式の放射線エネルギーによって引き起こされる有害な影響を減少し、又は排除するために、従来の設計及びプロセスを使用する一方で特殊構造を含んで半導体デバイスを作成する。このような半導体デバイスは本願で開示された1台以上の寄生的な分離デバイス、及び/又は、埋め込みガードリング構造を含む。これら新規な構造に対応する設計、及び/又は、工程ステップの導入には、従来のCMOS製作工程との互換性がある。したがって、比較的低い費用で比較的簡単に実施することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は集積回路に関し、特に、放射線暴露に関連する故障モードに対し、部分的及び/又は完全な免疫を備えた集積回路に関する。
【背景技術】
【0002】
大気圏上層部、地球近傍軌道、アウタースペース、及び陸環境を含む高い放射線環境(例えば、大量の放射線を発生する装置の近隣)は、マイクロエレクトロニクス半導体素子にとって信頼性あるオペレーションをするのに最も厳しい環境となる。放射線への暴露はトランジスタ及び回路切断素子の双方に電気的劣化を引き起こし、これによって集積回路(IC)はデバイスの散発的作動及び/又は完全な破壊的故障につながる。放射線環境に耐性がある集積回路を設計・製作することの複雑性のために、1980年代には多くの大手半導体企業が、主として軍事及び航空宇宙システム用に、耐放射線性IC(radiation-hardened ICs)の生産を専門的に扱い始めた。
【0003】
同時に、非耐放射線性商業用ICの高い製造コストは、一般に大量生産の進歩によって相殺され、2004年には$40B以下から$200B以上に成長した。競争力を保つために、商業用ICメーカーは3年から5年毎に最先端のシリコンIC製造設備を配備してきた。
【0004】
軍事及び航空宇宙エレクトロニクス市場における非常に魅力的なマージンにもかかわらず、耐放射線性ICに対する需要が更に限定的な少量であるために、専用の最先端製造設備の費用を正当化することができない。これらの経済的な規制は、耐放射線性ICメーカーが最先端IC製造技術を利用する能力を厳しく制限してきた。その結果、耐放射線性IC部品を生産する企業の数は劇的に減少し、それらの能力は商業部門の能力に大きな遅れを見せている。
【0005】
1990年代には、新IC製造設備のコストの上昇、軍事予算の減少、及びメーカー数の減少などのために、商業用電子工学と耐放射線性電子工学との間の技術的な不一致が広がった。商業用及び軍事用衛星メーカーによるこのギャップに橋を架ける試みは、電子工学の土台を構築するのに必要な高性能ICを入手するために、COTS(commercial off-the- shelf)と呼ばれる新しい概念を採用せざるを得なかった。
【0006】
COTSのアプローチは、実験室において(非耐性の)商業用ICをスクリーンする大規模な試験を用い、ダメージの大きな放射線に暴露されそうなアプリケーションにそれらを「適合させる」。COTSは、宇宙で適切な高性能ICを入手するための唯一の現実的な解決策であると考えられた。非常に希薄な放射線規格にもかかわらず、COTSを使用するのに信頼性のある適格な製品を見出すことはできなかった。したがって、名目上許容できるこれらわずかなICは、一般的に多大なコスト削減につながらなかった。COTS ICを使用して製造された衛星は、破壊的な放射線暴露のために、能力及び製品寿命に著しい減少を受けた。CMOS技術の進化する小型化は、ある種類の放射線エネルギーに対する感度を増大させ、さらにCOTS能力とスペースエレクトロニクス市場の要求とのギャップを広げた。システムの失敗の後10年以上、COTSアプローチは耐放射線性ICの供給に実施可能な解決策を提供していない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】米国特許第5,821,572号明細書
【特許文献2】米国特許第5,858,828号明細書
【特許文献3】米国特許第5,894,153号明細書
【特許文献3】米国特許第6,472,712号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
従って、大量の商業マイクロエレクトロニクスメーカーがアクセスし易い最先端の基礎設備を使用して、高性能且つ費用対効果に優れた耐放射線性集積回路(RHICs)を、軍事、航空宇宙、及び所定の陸上エレクトロニクス市場にもたらすことが望まれる。より明確には、放射線により引き起こされたそれぞれの劣化メカニズムをシリコン工程レベルでシステマティックに解明することにより、商業的ベースラインの電気的スパイスパラメータに大きな影響を与えないで商業的マイクロエレクトロニクス製造工程に組み込める新しい耐放射線解決策を構築することがさらに望ましい。この方法論は、高価な回路再設計を回避しつつ、新しく且つ既存の商業的回路設計と異なる耐放射線性回路製品を創作する回路知的財産(IP)の再使用の保証を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
従来の設計と工程を使用する一方で、様々な種類の放射線エネルギーによって引き起こされる悪影響を縮減し又は排斥するために、特殊構造を含んだ半導体デバイスを製造可能であることが見出された。このような半導体デバイスは、本願で開示する、1又は2以上の寄生分離デバイス(parasitic isolation devices)、及び/又は、埋め込みガードリング構造を含む。これらの新規な構造に適合する設計、及び/又は、工程ステップの導入は、従来のCMOS製造工程と互換性があるため、比較的低コストで、また比較的簡単に実行することができる。
【0010】
従って、本発明の1態様は、基板と、第1ウェルと、埋め込み層と、垂直導体とを含む半導体デバイスを提供する。前記基板は第1導電型を有する。前記第1ウェルは前記第1導電型を有し、第1ウェル接触領域を含んでいる。前記埋め込み層は前記第1導電型を有し、前記第1ウェルの下に配置される。前記埋め込み層はさらに、第1基板不純物濃度より高い埋め込み層不純物濃度を含む。前記垂直導体は、前記埋め込み層と、前記第1ウェル接触領域及び基板表面端子のいずれかとの間に延びている。
【0011】
本発明の他の側面は方法を提供する。第1導電型を有する基板が提供される。前記基板は上面を含んでいる。層は、前記第1導電型を有し、前記基板の前記上面の下に配置されるように形成される。前記層はさらに、第1基板不純物濃度より高い層不純物濃度を含む。第1ウェル領域は前記層と前記基板の前記上面との間に形成される。前記第1ウェル領域は、前記第1導電型を有し、第1ウェル接触領域を含んでいる。垂直導体は、前記層から前記基板の前記上面に向かって延びるように形成される。
【0012】
上記は概要を述べたものであり、必要であれば詳細の簡略化、一般化、及び省略を含み、その結果、前記概要は具体例であるのみで、如何なる限定を意図するものではないことは当業者に理解されよう。同様に、ここに開示された操作は多くの方法によって実施可能であり、そのような変更及び修正は本発明及びそのより広い態様から逸脱することなくなされうることは当業者に明らかである。もっぱら特許請求の範囲によって定義される他の態様、発明の特徴、及び本発明の利点は、以下に説明する非限定的な詳細な説明において明らかであろう。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1A】本発明の1技術を利用するトランジスタ構造を簡略して示すブロック図である。
【図1B】本発明の1技術を利用するトランジスタ構造を簡略して示すブロック図である。
【図1C】本発明の1技術を利用するトランジスタ構造を簡略して示すブロック図である。
【図1D】本発明の1技術を利用するトランジスタ構造を簡略して示すブロック図である。
【図1E】本発明の1技術を利用するトランジスタ構造を簡略して示すブロック図である。
【図1F】本発明の1技術を利用するトランジスタ構造を簡略して示すブロック図である。
【図1G】本発明の1技術を利用するトランジスタ構造を簡略して示すブロック図である。
【図1H】本発明の1技術を利用するトランジスタ構造を簡略して示すブロック図である。
【図2】p−基板上に形成されたCMOSインバータの断面図である。
【図3】本発明のいくつかの技術及びデバイスを利用するインバータ構造を簡略して示すブロック図である。
【図4】本発明の追加的技術及びデバイスを利用するインバータ構造を簡略して示すブロック図である。
【図5】本発明の更なる技術及びデバイスを利用するインバータ構造を簡略して示すブロック図である。
【図6A】図3に示す構造の追加的実施形態を示すブロック図である。
【図6B】図3に示す構造の追加的実施形態を示すブロック図である。
【図7A】本発明の他の実施形態を示すブロック図である。
【図7B】本発明の他の実施形態を示すブロック図である。
【図7C】本発明の他の実施形態を示すブロック図である。
【図8A】本発明の更なる実施形態を示すブロック図である。
【図8B】本発明の更なる実施形態を示すブロック図である。
【図8C】本発明の更なる実施形態を示すブロック図である。
【図8D】本発明の更なる実施形態を示すブロック図である。
【図8E】本発明の更なる実施形態を示すブロック図である。
【図9A】本発明のいくつかの技術を利用する構造のドーピングプロファイルの2次元シミュレーションを示す
【図9B】本発明のいくつかの技術を利用する構造のドーピングプロファイルの2次元シミュレーションを示す
【図10】ラッチアップを示す一般的な電流−電圧(I−V)トレースを示す
【図11】本発明のいくつかの技術に関連してラッチアップの改良を示すI−Vトレースを示す
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下の記載と図面を参照することによって、本発明及びその利点をより完全に理解されよう。なお、同様の符号番号は同様の特性のものを示す。ここに説明された1又は2以上のデバイス、及び/又は、工程を実施するための少なくとも最良の形態の詳細について説明する。なお、この説明は例示を意図するものであって、限定的に解釈するものではない。
【0015】
本願で説明されるデバイス及び技術は、主なICの放射線による影響、すなわち、トータルドーズ効果(TID:Total Ionizing Dose)、シングルイベントラッチアップ(SEL:Single Event Latch-up)、及びシングルイベントアップセット(SEU:Single-Event Upset)の1又は2以上の低減に直接取り組むことによって、完全な放射線対策、又はある場合には特定の放射線対策を提供することを可能とする。そのうえ、これら劣化メカニズム対策は、既存のIC製造会社のベースライン工程に変更を加えることによってシリコン工程レベルで行うことができる。これら独特なアプローチは、基礎となるベースライン技術の性能に影響することなく、如何なるCMOSの工程フローにも統合することができる。これらアプローチはさらに、シリコンオンインシュレータ(SOI)などのような様々なIC製造技術を利用することができる。さらに、本願の実施例は、MOS(特にCMOS)の実施に焦点を合わせているが、ここに開示されたデバイス及び技術をBiCMOSなどの他の半導体構造に広げることも可能であることは、当該分野における通常の知識を有する者に理解されよう。
【0016】
この開示では、放射線、特に電離放射線に関連する1又は2以上の劣化効果から保護する何らかの方法を、それぞれ一般に提供する様々な構造及び技術について説明する。組み合わせれば、これら構造及び技術は新規なRHPI(radiation hardened process isolation)スキームを提供する。CMOS工程シリコン構造と統合させれば、RHPI構造は、シリコン電気デバイスの電離放射線、シングルイベントラッチアップ、及びシングルイベントソフトエラーに対する感度を著しく減少させることができる。RHPI構造は一般に、如何なるMOS又はBiCMOSシリコン工程にも適用することができ、放射線環境への暴露の間及び暴露の後ともに、集積回路の耐放射線性特性を直接的に改善する。そのうえRHPI構造は、回路サイズ、及び/又は、電気性能にほとんど不利益を与えることなく、或いは全く不利益を与えることなく実施することができる。このように、RHIPスキームは「追加的な」特徴として用いることができ、つまり既存のMOS又はBiCMOS製造技術に適用可能であり、工程の拡張、或いは回路の変更をする必要なく放射線分離特性(radiation isolation properties)を改善することができる。RHPI構造は既存のソリッドステートの加工技術に利用し、耐放射線性の回路製品を創造するための最先端回路IPの再使用することによって、商業デジタルプロセスの耐放射線性を可能にする。
【0017】
電離放射線は、高エネルギー光子、又は原子結合を破壊して吸収物質中に電子と正孔の対を生み出すのに十分なエネルギーを有する荷電粒子の形で自然に現れる。これら粒子は陽子、電子、原子イオン、及び吸収物質のバンドギャップより大きなエネルギーを持つ光子を含む。CMOS集積回路のような典型的な集積回路が数カ月又は数年もの期間にわたって荷電粒子にさらされると、電離放射線はトータルドーズ効果(TID)に寄与しうる。例えば、電離粒子がMOSデバイスを通り抜けるのに従って、電離粒子はゲート酸化膜及びフィールド酸化膜中で捕らえることができる1対又は2対以上の電子正孔対を生み出す。半導体の価電子帯中の電子は導体バンドになる。電子正孔対のいくらかは初期の再結合を行って全く損傷を与えないが、電場が増加するのに従ってこのような再結合は減少し、再結合を切り抜けた電子と正孔は、それらが絶縁体から追われる酸化膜内で自由に拡散して漂い、再結合し、又は捕らえられる。
【0018】
可動電子は通常、ゲート酸化膜とフィールド酸化膜の双方を通って素早く移動するが、正孔は比較的低い実効移動度を持ち、ゲート酸化膜及びフィールド酸化膜で容易に捕らえられる。捕らえられた正孔は正酸化物電荷を生成し、その結果生じる空間電場は対応するトランジスタのしきい値電圧にネガティブシフトを引き起こす。しきい値電圧がマイナスに移行するにつれて、オフ状態でバイアスが与えられたトランジスタはますます多くの電流を流す。十分な正孔が捕らえられると、n型トランジスタは電圧ゼロのゲートバイアスの完全な導体のままとなり、空乏型デバイスになるために例えばエンハンスメント型デバイスとなる。多くの場合、デバイスのエッジ領域又はフィールド領域が空乏型になる。そうなると、デバイスの回り(又はデバイスからデバイスまで)を流れる漏れ電流はパラメータ劣化を引き起こし、その結果、装置故障及び回路故障を引き起こす。
【0019】
電離放射線はまた、MOS構造における界面捕獲度を高める。界面捕獲はシリコンとシリコン酸化膜との間の界面近くの局在電子状態であり、シリコン伝導帯と価電子帯とで帯電を変更することができる。これらはしきい値電圧を移動させ、散乱中心として機能することによって移動性を低下させることもできる。より明確には、界面状態の増加はp型デバイスではしきい値電圧をマイナス方向(より多くの空乏V)に、n型デバイスではプラス方向(より多くのエンハンスメントV)に移動させる。酸化膜によるプラスへの移動及び、n型デバイス及びp型デバイスに関して上述した界面状態による移動に加えて、電離放射線によって起こされるしきい値電圧の移動は寄生的なMOS素子にさらに影響を与え、例えばパラメータ故障、及び/又は、機能的故障を引き起こす漏れ電流を増大させる。
【0020】
さらに特殊なデバイスはTIDに影響されやすい場合がある。例えば、SOIトランジスタも、埋め込み酸化膜などの絶縁体における電荷集積を通じてTIDによって影響を受ける。部分的に劣化したトランジスタでは、電荷集積はソースからドレインへの(バックチャネル)の漏れ電流を引き起こすバックサーフェス(back surface)を反対にする。そのうえ、この漏れ電流はゲートバイアスによる影響を比較的受けない。完全に劣化したトランジスタでは、放射線に誘発された酸化膜と界面捕獲による電荷集積に対してかなりの感度となる。正酸化物電荷の集積はバックチャネルの界面を劣化させて、フロントチャネルのゲート酸化膜のしきい値電圧を減少させ、バックチャネルの漏れ電流を増大させる傾向がある。このように、しきい値電圧に様々な不安定性が生じる。
【0021】
したがって、電離放射線の影響はCMOSデバイスの性能の低下及び究極的失敗につながる。追加的な放射線に誘発された界面状態は、チャネルの移動性を低下させることによって回路性能を低下させ、その結果、チャネルコンダクタンス及びトランジスタの利得を低下させる。時間が経つにつれて、n型デバイス及びp型デバイスのしきい値電圧は移行し、n型トランジスタをオフにすることができず、回路がシステムクロックレートで作動し続けるのに十分なp型トランジスタのドライブ性能を発揮できないようになる。n型又はp型トランジスタにおけるしきい値電圧のこのような移行は、回路に故障を発生させる。
【0022】
図1A−1Hは従来のMOSデバイスにおけるTIDに関連する寄生効果に取り組む1つのアプローチを示す。トランジスタ100(図1B及び図1D−図1Hに示す)は、トランジスタ100のチャネル領域130が2つのチャネル領域拡大部135を含むという点において、従来のMOSデバイス(図1A及び図1Cに示す)と異なっている。トランジスタ50のような従来のMOSデバイスでは、ソース領域(60)、ドレイン領域(70)、及びチャネル領域(80)は、図示するように一般的にほとんど同じ幅となるように作られる。しかしながら、図1B及び図1D−図1Hに示すように、ソース領域110及びドレイン領域120がほとんど同じ幅である一方、チャネル領域130はソース領域及びドレイン領域のエッジを超えて伸びており、すなわち、ソース領域及びドレイン領域それぞれに対するチャネル領域の一般的な界面を超えて伸びるチャネル領域拡大部135を備えたより広い幅を持っている。チャネル領域拡大部135は通常、ソース領域、ドレイン領域、及びチャネル領域が形成されるシリコンの活性領域の拡大によって、又はチャネル領域にすぐに隣接するメサ領域の形成によって形成される。TIDと関連する寄生効果の縮減におけるこれら役割のために、これら拡張した活性領域の構造は寄生分離デバイス(PIDs:parasitic isolation devices)と呼ぶことができる。
【0023】
各チャネル領域拡大部135は、幅x及び長さyを有する(図1E)。図1B及び図1D−図1Hは、互いにほとんど同じ寸法を有するチャネル領域拡大部135を示しているが、そうなければならない訳ではない。所望のデバイス特性を提供するためにチャネル領域の拡大幅xを選択することができるが、チャネル領域の拡大長さyは通常ポリシリコンゲート150の長さより短い。拡大によって増大したチャネルエッジの長さ、すなわち、yから2x+yに増大した長さは、チャネル領域130の有効チャネル長さを、チャネル領域がソース領域及びドレイン領域110,120と「平らに」終わる場合より大きな値に増大させる。正味のチャネルエッジ長さを増大させることによって、チャネル領域拡大部135は、トランジスタの短いチャネルによる寄生効果の減衰によって、結果としてオフ状態の漏れを著しく減少させる。
【0024】
典型実施形態では、事実上、PID構造は2つの要素以上に局部的チャネルの長さを増大させる。PIDの形状は図1F−図1Hに示すように特定領域140内の選択的ドーピングを提供する。図1F及び図1Gは、一般的にチャネル領域拡大部135の長さに沿って形成されるチャネル拡大不純物領域140を含むデバイス100の上面図を示している。チャネル拡大不純物領域140は、通常比較的高い不純物濃度を持つように形成され、チャネル領域拡大部の端部に重なるように導入されるので、これら端部の不純物濃度はソース領域110とドレイン領域120との間に配置されるチャネル領域130の不純物濃度と比較して相対的に高くなる。例えば、チャネル領域がp−不純物濃度を有するところでは、チャネル拡大不純物領域140は一対のp+チャネルストップを形成する。このチャネルストップの相対的に高い不純物濃度は、寄生サイドウオールしきい値を、電離放射線によって引き起こされる如何なるネガティブしきい値変動よりも確実に高くする。これらのよりヘビードープされた拡大不純物領域は、チャネル領域130自体と同じドーピング濃度の拡大領域それぞれの部分によって、通常ソース領域及びドレイン領域110,120のエンドウォールエッジから離され、その結果、よりヘビードープされたチャネル拡大不純物領域は、ソース領域、ドレイン領域110,120とのp+/n+接合点を形成しない。このような接合点は非常に低い降伏電圧を有することにより、反対にデバイス性能に影響を与える。拡大幅xは一般に、イオンドーピングと製造プロセスの熱拡散暴露の選択で決定される。例えば、ホウ素をドープしたPID構造は、通常インジウムをドープしたPID構造と比べてより広い拡大幅xを有する。したがって、拡大幅は、通常過度の逆拡散及びトランジスタ活性領域のドーピングの増強に関する懸念によって移動する。一般に、チャネル拡大不純物領域140を形成するのにアクセプタ不純物かドナー不純物のどちらかが使用される。不純物の種類、注入エネルギー、及び注入量を変化することにより、一般的に異なる種類、及び/又は、レベルの放射線分離が改良される。
【0025】
図1Gに示すように、チャネル領域拡大部135はゲート電極150の下に配置され(そして、隠れ)、PID形成に続いて、自己整合の従来の方法の使用が可能となる。n型デバイスの場合には、不純物ドープを組み合わせると、チャネル領域拡大部は、n型トランジスタのシリコンチャネル領域のエッジ(又は、側部)の望まれない電気的反転(しきい値電圧の減少)を防ぐのに使用される。デバイスの側面図を示す図1Hに示すように、この敏感な領域は一般に、ソース領域110とドレイン領域120との間のゲート電極の下に延びている。したがって、ある実施形態では、チャネル拡大不純物領域140は、ソース領域及びドレイン領域の深さより深くに達するように形成される。PIDをp型トランジスタにおいて同様に使用して、PMOSトランジスタ活性領域の活性領域エッジに沿った正帯電型集積によって引き起こされるしきい値電圧の増大(n−チャネルの反対)を防ぐことができる。また、PID構造はトランジスタ活性領域のサイズを大きくすることができるので、ゲート容量も増大することに注意されたい。これによりトランジスタの動作に速度の低下をもたらす。この効果を補うために、異なる態様のデバイス形状として様々な実施形態へと変更してもよい。例えば、1実施形態では、ゲート容量を減少させるために、PMOSの幅を広くしてもよい。
【0026】
したがって、PID構造は、SiO(160)境界に蓄積された電荷によって引き起こされるIoff漏れの主な原因を縮減又は排除する寄生フィールドトランジスタの反転を縮減又は排斥する。そのうえ、PID構造のドープされた領域は、局所的な少数キャリアの寿命を短縮させ、基板雑音及び本体電圧の影響に対する感度を低減させ、そしてトランジスタのスナップバック電圧を高める。ここに説明したPID構造は、シリコンオンインシュレータ(SOI)のようなバルクのシリコン及びシリコンフィルムの双方において製造することができる。
【0027】
ラッチアップは一般に、そして放射線環境SELにおける回路の場合に、CMOS回路の重大な故障モードである。最も良い場合には、ラッチアップはデータ又は論理状態の損失を伴うソフトエラーを起こす。最悪の場合には、ラッチアップは回路の永久的損傷を伴う破壊的ハードエラーを起こす。したがって回路信頼性の見地から、ラッチアップは如何なることをしても避けるべきである。分離幅が縮まるのに従って、デバイス構造は両ラッチアップ故障モードに陥り易くなる。ほとんどの従来型CMOS技術はp−バルク基板を使用しているので、一時的故障及び破壊的故障の両方を防止することが高度なCMOS ICにとって非常に重要である。上述したように、高エネルギー粒子はかなりの電荷をバルク基板に貯めるので、放射線環境はCMOS回路に特別な問題を提起する。ICを通過する高いエネルギー粒子によって貯められた静電荷の瞬間的な現れは、初期の論理状態から離れた急速な潜在的シフトを伴うピコセカンドタイムスケールで、大きな変位電流を直ちに引き起こす。粒子によるエネルギーの蓄積は、ダイオードを順方向バイアスとし、一時的なセットアップを増進させる大きな一時的な注入電流がこれに続いて、CMOS回路にラッチアップを引き起こす。
【0028】
従来のCMOSインバータ回路におけるラッチアップを図2に示す。図2はp−基板上に形成されたCMOSインバータの断面図を示している。また、同等な回路図もCMOSインバータに重ねて図2に示している。CMOS技術において、基本的なスイッチング回路は、1対の相補的な一対のMOSトランジスタ、1つのNMOS、及び1つのPMOSから形成されたインバータである。電気絶縁性は、誘電体及びpn接合ダイオードの双方を使用することによって達成される。P−型ドープ領域(p−ウェル)はNMOSトランジスタを分離するが、n−型ドープ領域(n−ウェル)はPMOSトランジスタを分離する。図2はCMOS構造内に共存する寄生的電気素子、バイポーラトランジスタ、低抗体、及びダイオードを示している。インバータにおける各MOSFETのソース領域及びドレイン領域はバイポーラエミッタを形成する。通常の操作では、回路はn−ウェル/p−基板、PMOSのp+/n−接合、及びNMOSのn+/p−接合によって形成されたダイオードの逆バイアスを維持する。漏洩、回線交換雑音、粒子アップセット、p+拡散における一時的な過電圧、又はn+拡散における一時的な不足電圧などの外部要因は、両寄生的バイポーラデバイスの1つを活性状態に誘発する。エミッタ或いはベース接合のいずれかが順方向バイアスであると、エミッタ電流は対応するベース/コレクタ領域に供給され、すぐに初期の電圧状態から局所電位を移行させる。
【0029】
ネットワークの寄生的なデバイスはpnpnシリコン制御整流器(SCR:silicon controlled rectifier)パワーデバイスを形成する。これは高電流、低インピーダンス状態に無意識にバイアスし、その結果、ラッチアップを引き起こす。回路素子RS1、RS2、及びRS3はネットの有効なバルクp−基板低抗体である一方、RNW1はnウェル直列抵抗であり、Rpw1はp−ウェル直列抵抗である。従来技術では、基板低抗体はおよそ1kΩ又はそれ以上の抵抗を有するであろう。CMOS回路操作の典型例では、バルク基板はグラウンド電位(0ボルト)に相当し、VSSと呼ばれる。電流がp−基板に可能なあるソースから流されると、(p−基板中の)局所電位は値の高い基板抵抗の機能として0ボルトより高く増す。p−ウェルに位置し、これまで乱されなかったn+/p−拡散ダイオードは、P−基板の電位がおよそ0.3ボルトより高く増加するのにしたがって、順方向バイアス伝導に入る。それは、これまで乱されていないn+/p−拡散ダイオードによるこの第2の寄与であり、初期の小さな信号アップセットイベントを明確に増強し、ラッチアップに導く。同様に、同じイベントは、p+拡散の家電圧か、nウェル局所電位内に存在する一時的な電圧不足状態のいずれかによって引き起こされるnウェル分離ドープ領域内に位置する順方向バイアスp+/n−拡散ダイオードに端を発することができ、それは一般的に回路供給電圧又は端子電圧(VDD又はVCC)と等しい。の偏見と伝導状態に影響を及ぼすどれ;
【0030】
したがって、直列抵抗体のネットワークは、異なる不純物ドープ領域の一時的なバイアス状態における直接的な役割を果たし、バイアス、及びダイオードの導電状態に直接的に影響を及ぼす。それらの逆バイアス(オフ)状態にダイオードを保つことによって、ラッチアップを防ぐことができる。ラッチアップを減少する、又は防ぐ第一ステップは、p−基板抵抗体RS1及びRS2の実効抵抗を抑えることである。図3に示すように、高用量埋め込み層(HDBL:high-dose buried layer)300を使用することでp−基板抵抗を抑えることができる。
【0031】
図3の例では、HDBL層300はp−基板と同じ導電型のヘビードープ領域であり、イオン注入によってデバイスの能動素子領域の下に配置される。一般に、HDBLの損傷特性とドーピング特性の両方がデバイス性能に影響を及ぼす。HDBL構造は、注入ステップ、高速熱アニール(RTA:rapid thermal anneal)、及び注入とアニールとの間の選択的クリーニングステップのような、一般的ステップの追加を伴う標準CMOS工程に容易に組み込むまれる。HDBLに関連する工程ステップは、多くのCMOSの工程で一般的なシャロートレンチアイソレーション(STI:shallow trench isolation)構造の使用かLOCOSのいずれかによる絶縁層分離(SiO)構成の前又は後に実行することができる。さまざまな異なる不純物を使用することができるが、最も一般的な注入物は1.0−2.5MeV(p−型基板用)で注入されたホウ素、及び1.5−3.5MeV(n−型基板用)のリンである。ゼロ度のイオン注入ビーム角に対するウエハ標準がイオン注入の間に設定されるなら、イオン注入の所望の深さに到達するのに必要なエネルギーをかなり減縮することができる。注入量は通常1×1013と5×1015cm−2との間で変化し、これにより高ドープ且つシリコン表面下およそ1.0−5.0μmの層を形成する。埋め込み層は通常十分深く注入されるので、最終的な(すべての熱処理後の)ドーパントプロファイルは反対の伝導率のレトログレードウェルをカウンタードープせず、伝導率は低いウェル基板降伏電圧となる。
【0032】
例えば、基板がpドープされる図3の場合では、深いp+層は、pnpサブコレクタ(nウェルの下)とp+コレクタ(Vss)との間の直列抵抗を著しく減少させる低抵抗分路(shunt)300を提供する。また、注入によってp+分路層(shunting layer)を形成することは、異なる領域で独立して基板抵抗率を最適化するために注入をパターン化する選択、例えばSoC(system-on-chip)設計は回路設計者に与えられる。したがって、基板低抗体RS1、及びRS2は、HDBL300の存在のために、著しく(一般的には2桁以上)減少する。領域の広がり抵抗を2kΩと比較して50Ω以下に、或いは従来のCMOS分離にあってはさらに下げることができる。しかしながら、HDBLの使用だけがRS3及びRPW1などの他の寄生的な抵抗に影響を及ぼす訳ではない。したがって、かなりの垂直抵抗性が存続する。
【0033】
ラッチアップ及び他の基板電流過渡問題を解決する第2ステップは、大きな垂直抵抗性を減縮することである。埋め込み層300とp−ウェル接触領域(図示するような)又はある他の基板表面端子との間に伸びる垂直導体310を追加することによって、この抵抗は大きく減縮される。1実施形態では、垂直導体310は基板と同じ導電型を有するが、一般的に不純物濃度を基板よりも大きな不純物濃度を有する垂直不純物領域として形成される。例えば、基板がp−基板である場合、1又は2以上のp+注入から、p−ウェルコンタクト320と埋め込み層300との間に延びる領域へと垂直導体310を形成することができる。フォトレジストマスキング、及び/又は、複数のエネルギー注入と組み合わされた高エネルギーイオン注入は、高いアスペクトレシオドーピングプロファイルを備えた垂直なp+ドープ領域を提供し、オーミックVSS表面コンタクト又はショットキダイオードからp+バルク基板上の典型的なフロp−エピキシャル(fro p-epi)のような、埋め込み層300又は他のp+バルク層までアップリンクパスを架け渡す。例えば、1実施形態では、垂直導体310は1又はそれ以上のエネルギーレベルにおける複数のイオン注入ステップによって形成される。
【0034】
埋め込み層300及び垂直導体310が互いに関連して使用されるとき、埋め込みガードリング(BGR)と呼ばれる新たな構造が形成される。BGRはいくつかの分離属性を提供する。低抵抗性の深い埋め込み層は垂直ドープ領域又は他の導体を通して局所的に接続されるので、(1)シリコン基板領域内で起こる、集積され、堆積され、又は注入された電荷の大部分又は全てに最小インピーダンスを提供する;(2)電荷の終了のための一時的な時間が短縮され、これにより、注入電流を低減するn+/p−ダイオードの順方向バイアスする時間を短縮又は最小にすることによって総体的な分離が改善される;(3)BGRはp−ウェル接触端子へ戻る低抵抗性回路のレグを形成し、これにより、注入電流又は蓄積された電流の大部分nをRS4及びRS5低抗体レグから短絡して減らし、その結果、図示する寄生的なnpnデバイスへの基本電流のフィードバックを著しく減少させ、CMOS構造に関連するp−バルクシリコン領域に対する過渡電圧を制限する。注入電流又は散在する電荷をVSS端子に効果的に短絡することによって、BGR構造は電圧過渡を低減し、又は防止する。これはn−/p−ダイオード(CMOSツインウェルアイソレーションに固有のn−ウェル/p−基板ダイオード)及びn+/p−ダイオード(NMOSトランジスタに固有の)の一方又は両方をその後順方向バイアスにし、続くpnpnSCRネットワークの引き金となることを排除する。そしてBGR分離構造が提供するラッチアップは開始するのが困難又は不可能になることにより、回路を破壊的なラッチアップになることから保護する。
【0035】
図4は、BGR構造の実施形態を示し、代替している。この例では、埋め込み層400は、垂直導体として拡張p−ウェル領域410を使用することでp−ウェルコンタクト420に接続される。このようなアプローチは、標準p−ウェル注入(又は、拡散)工程の垂直導体部分の構成を作ることによって、デバイス製造を潜在的に簡略化することができる。埋め込み層400の典型的な深さが1μm〜5μmであるので、使用したp−ウェル構成技術は適切に深い拡張p−ウェルを提供することができる。そのうえ、拡張p−ウェル領域410は一般的に、適切な電気コンタクトを確実にするためにウェルを埋め込み層400に広げる。
【0036】
更に別の例では、その方法又は他の垂直導体が形成される方法で垂直導体を形成することができる。例えば、埋め込み層の上部又は上部付近で終わる深いトレンチを使用することができよう。適切なスペーサ構成、シリコン構成、及びポリシリコン又は金属で満たすと共に、そのような導体は、導体が従来の方法でキャップされ、金属化スキームにおいて適切に終えられる基板表面に達することができよう。また、導体構成は原子層成長法(ALD)又は当業者によってよく知られた他の技術などのような未来技術を利用することもできる。
【0037】
図5は、HDBL水平層500と接触するために金属化スキームを使用する直接接続の例を示す。この例では、周囲のp−ウェル及び基板から垂直導体を分離するのにSTI(shallow trench isolation)構造が使用される。従来のSTI構造では、浅いトレンチが基板にエッチングされる。トレンチは次に、熱酸化処理され、非伝導にするために酸化膜で満たされる。このような構造は隣接するMOSデバイス間に良い分離を供給する。しかしながら、図5の例では、STI構造505は埋め込み層500まで延ばされる。絶縁材料でSTI構造505を満たすかわりに、STI構造505は立証され必要な垂直導体510へのオーミック充填材料(例えばポリシリコン、及び/又は、金属)を含む。オーミックコンタクト注入材507を使用することで垂直導体510と埋め込み層500と間のコンタクトをさらに高めることができる。オーミックコンタクト注入材507は通常、STIトレンチウェルの底部から埋め込み層に延びるイオン注入の拡張である。P−ウェルコンタクト520は、垂直導体510と電気的に結合されるために形成される。
【0038】
図6A−6BはBGR構造の他の実施形態を示す。図6Aでは、BGR構造600(上述した構造/技術のどれかを使用することで形成される)及びCMOSインバータは、n+又はn−バルク基板640上に順番に形成されるp−エピタキシャル層膜630で形成される。当該分野における通常の知識を有する者によく知られるように、エピタキシャル膜630を形成するのに様々な異なる技術を使用することができる。同様に、図6Bはp−エピタキシャル膜680のCMOSインバータと共に形成されたBGR構造650(再び、上述した構造/技術のいずれかを使用して形成された)を示す。エピタキシャル膜680はp+バルク基板690上で順番に形成される。
【0039】
図7A−7Cは基本的なBGR構造の更に別の実施形態及び変形例を示す。図7Aに示すように、BGR構造は垂直導体700のみ(例えば垂直ドープ構造、蒸着された導体など)を含んでおり、上述したHDBLは含んでいない。このような実施形態は、特にSRAM実施形態などのようなCMOSデバイスが非常に近接して形成される場合には、適切なデバイスの利点を提供できることがある。この例では、BGR構造700は−エピキシャル層710を通過する一方で、例えばp+バルクウエハ上のp−エピキシャルで使用されているように、p+又はp−バルクシリコン基板720に達する。エピタキシャル膜710は、垂直BGR拡張子700だけを使用して、基板720上に順番に形成され、接触される。図7Bは同様の実施形態を示しており、垂直BGR部分730がp−バルクシリコン中に実施される。同様に図7Cは、垂直BGR部分750がエピキシャル層760に形成される実施形態に示し、エピキシャル層760はその下に周知のSOI技術を使用して形成された埋め込み酸化膜770(又は、他のSOI実施形態)を順番に有している。
【0040】
図8A−8Eは基本的なBGR構造の更に別の実施形態と変形例を示す。図8Aに示されるように、BGR構造800及び対応するCMOSインバータは図3に示したものと同じ基本構造を有する。図8B−8Eの例と同様にこの例では、BGR構造は上述した構造/技術のいずれかを使用して一般に形成されることに注意されたい。しかしながら、n−型ドープ層805は、キャリヤ再結合、及び/又は、ゲッタリング層(gettering layer)として機能するためにBGR800の埋め込み層部分の下に含まれている。層805は通常、浮動状態であり、すなわちグラウンド又は他の参照電圧に電気的に結合されない。しかしながら、他の実施形態では、適切な電位に層805を結合してもよい。当該分野における通常の知識を有する者に周知ないくつかの注入又は拡散技術を使用してNドープ層805を形成することができる。
【0041】
図8Bに示すように、そのような基板の独特な特性を利用するためにシリコンオンインシュレータ(SOI)基板に、BGR構造を使用するデバイスを実施することができる。この例では、BGR構造810とその関連CMOSデバイスはエピタキシャル層815に形成される。埋め込み酸化膜820は、(例えばサイモックス(SIMOX:separation by implantation of oxygen)工程を使用して)バルクシリコン・ウエハ内に形成されるか、又は(例えばボンドウエハ工程を使用して)バルクシリコン・ウエハ上に形成される。したがって、GRデバイスは更に、減少された寄生容量、追加的SEU免疫、及びある場合には簡易型の処理を含むSOIウエハの有利な特性を利用することができる。
【0042】
図8Cは図8Bのものと同様の実施形態を示す。しかしながら、この場合、BGR構造825は上述したような単一の垂直伝導部分から形成される。BGR構造825はエピキシャル層を通って概ね埋め込み酸化被膜830の深さまで延びている。ある実施形態では、BGR構造825は、埋め込み酸化膜830の短絡を止めるか、又は埋め込み酸化膜830に延びることができる。
【0043】
図8Dは、BGR構造が、多くのRFデバイスに共通な、トリプルウェルアイソレーションを含むCMOSデバイスと共に使用される更に別の例を示す。ここで、BGR構造835はウェルトリプルウェルアイソレーションの実施形態に共通の分離p−ウェルのp−基板領域840内に形成されるが、深いn構造によって(側部を)更に囲まれ、分離を提供するために使用される埋め込みn−層によって(下方を)更に囲まれている。
【0044】
最後に、図8Eは、BGR構造845がHDBLなしで単一の垂直伝導構造から形成される更に別のBGR実施形態を示す。BGR構造845はトリプルウェルアイソレーション構造の分離p−ウェル850において実行される。垂直BGR層の最終的な深さは、分離p−ウェル領域の深さと一致しており、通常2ミクロン未満である。
【0045】
図9A−9Bは、VSS端子の下をp+埋め込み層へ延びるヘビーp+ドープ領域を備えたCMOSツインウェル構造のドーピングプロファイルの2次元シミュレーション(Synopsys社のTaurus-Mediciデバイスシミュレーションツールを使用して)を示す。図9AはBGR構造がその接続をVSS端子に強調するBGR構造を示す一方、図9Bはデバイスn−ウェルの下のBGR構造の一部を示す。輪郭900は、BGRを形成するp+ドーピングの領域を一般に示す1×1018cm−3のドープ輪郭線を示している。符号30,310,及び320は、埋め込み層、垂直導体、及びp−ウェルコンタクト320をそれぞれ示している。BGR領域の不純物濃度は一般に、1×1018〜1×1019cm−3の間で変化する。一般に、p+垂直ドープ領域は、通常の回路操作を妨げないように、VSS端子(p−ウェル接続領域)の下にだけ配置される。図11に関して後述するように、HDBL転換層との改良されたコンタクトは、ラッチアップのトリガとなるのを防ぐ点において非常に効果的である。
【0046】
図10は一般的な電流−電圧(I−V)トレースを提供する。これはラッチアップI−Vトレースに関連して通常使用される条件及び特徴と同様にラッチアップを示している。この例では、過電圧となったp+拡散のI−V特性が示されている。p+拡散における電圧は、VDD(1.5V)で始まり、過電圧状態の故障モードとなるような、より高い電圧へと傾斜する。p+拡散はn−ウェルから分離したダイオードであるので、それはアクティブになる前に、およそ+0.3Vの順方向バイアスのダイオードの内蔵電位まで電流を妨げることができるだけである。VDDより0.3V高くさらに大きな過電圧にとって、(VBE)電流はp+/n−エミッタ/ベースダイオードを通って注入され、ベース/コレクタ接合点に集められる。一旦アクティブになると、pnpバイポーラの寄生的なトランジスタは活発にエミッタベース接合点に電流を注入する。p+エミッタ電流は分割され、n−ウェルベースコンタクト及びp+コレクタ(p−ウェル)の両方へ流れる。SCRトリガ電流が近づくに従って、pnpコレクタ電流はn−ウェル内でVDD端子へと流れ、そして、大きな正孔電流がpnpコレクタ端子を表すVSS端子へとながれる。SCRトリガ電流に達する前に、(npn寄生トランジスタのエミッタ/ベース接合点を表す)n+/p−ダイオードはその局所電位に基づいてオフ状態のままになるので、n+/p−ダイオードはまだ逆方向バイアスされたブロック状態にあることに注意されたい。
【0047】
過電圧の過渡的状態が持続していると、縦型pnp(VPNP:vertical pnp)はp−基板に正孔を注入し続け、p−基板はVSS(グラウンド)body tieで終了する。VPNPコレクタ電流はp−ウェルの局所電位をゼロボルトからVSSの+0.3V上に素早く上げ、次にn+拡散電位がVSSに固定されているのでn+/p−ダイオードを順方向バイアスにする。今までのところ不活発であるこのn+/p−ダイオードは、p−ウェルの電位が増加し続けるにつれて、p−基板に電子を注入し始める。p−ウェルに注入された電子(少数キャリア)は、これが最も利用可能な局所的電位ノードであるので、CMOSn−ウェルに集められる。そしてn−ウェルはnpnサブコレクタとして機能する。ラテラルnpn(LNPN)のコレクタ電流は、大きな電流をVPNPのn−ウェルベースに供給する。LNPNコレクタ電流はn−ウェル直列低抗体(図3)を流れる。n−ウェルを流れるNPNコレクタ電流はn−ウェル(p+拡散における)内でVDD以下のある電圧まで追加的電圧降下する。pnpnの変遷をハイ・インピーダンス(ブロック)状態から負性微分抵抗状態まで記録する図10中のI−Vプロット上の点は、トリガ電流と呼ばれる。トリガ電流は重要な用語であり、2個の独立したダイオードの+0.7Vの「ネット(正味の)電位(net potential)」を移行させるのに必要な電流の測度であるので、ラッチアップ抵抗の性能を判定する。トリガ電流は、pnpnが低インピーダンスの非ブロック状態へ順方向バイアスするのを防ぐためにできるだけ高いことが常に望まれる。
【0048】
いったんトリガポイントが通過されると、過渡的な段階又は負性抵抗が起こり、pnpnネットワークは低電流ブロック状態から高電流(低インピーダンス状態)に移行する。最終的に、I−V曲線はその最小電圧値(図10の垂直部分)に達する。トリガポイントが通過されたすぐ後に、2本の電圧レール(VDDとVSS)の間を流れる電流は、基板及びn−ウェル低抗体から抵抗が最も低い表面へと移動する。例えSTIのエッジに沿ったn−ウェル及びp−ウェル領域のシート抵抗が高くとも、p+拡散(VDD)とn+拡散(VSS)との間の空間的分離は小さい。VDDとVSSとの間を流れる電流は最も低いネットワーク抵抗に至り、関連する電圧低下も最小値に至る。前述の分流低抗体は、どれだけの電流がネットワーク抵抗器レグに保有されているかを測定し、ここに残るどんな電流もVPNP及びLNPNの基本電流から差し引かれ、バイポーラの有効性を分断する。この飽和ステージに達するラッチアップは、オーバーヒートの原因となって、流れる大きな電流によって生成される熱からシリコン及び金属領域の両方を溶かす。保持電圧(holding voltage)は、VPNP及びLNPNの組によって正の電流帰還を支えることができる最小の電圧である。
【0049】
これを念頭に置いて、図11は、BGR技術が従来のCMOS分離スキームに適用されたときに、可能にされた著しい改善を示す。いくつかの曲線が示されている。下側の曲線1100は、270nmの高度なn+/p+空間を備えた高度なCMOS技術の典型的なラッチアップI−Vトレースである。I−Vトレースは、スナップバック(ラッチアップ故障)がおよそ200μA/μmで起こり、ラッチアップ保持電圧はおよそ1.2Vであることを示している。第2の曲線1110は、スナップバックが500μmより大きく、保持電圧がおよそ1.4Vである、HDBLの存在に関連する顕著な改善を示している。しかしながらどちらの場合も、電力供給が1.5V以下である保持電圧ではラッチアップは起こっていない。BGR構造が存在するIV特性化を表す残りの曲線1120は、過電圧電流が1.6mA/μA/μmより大きく、220nm以下のn+p+空間であっても、トリガリングイベント(triggering event)は起こらなかったことを示している。これら電流でのラッチアップ・スナップバックの非発生は3桁以上の改善を記録する。シミュレーションデータは、常に攻撃的な220nmn+/p+空間でさえ、ラッチアップを防ぐにはBGR構造は有効であることを示す。
【0050】
三次元のヘビードープBGR層は、水平及び垂直双方に伸び、したがって接触し、及び/又は、トランジスタドープ領域から分離して立つ分離ドープ領域に接続された低いオーミック領域を作成する。図3及び図9A−9Bで確認できるように、BGR構造は、既存する構造への悪影響のない、既存のCMOSツインウェルアイソレーション構造に組み込むことができ、その結果、両方のための従来の回路雑音によって開始されるラッチアップ及びシングルイベントラッチアップの双方のための強固な分離(robust isolation)を提供するのに必要な改良を可能とする。そのうえ、BGR構造及び技術は、耐放射線性回路及び従来の超小型電子回の双方においてラッチアップを防ぐのに使用することができる。また、バルクシリコン上のエピタキシャルシリコン(ヘビードープ基板を備え、或いは備えない)や、SOI、SOSなどのような、様々な異なる工程変形例においてBGR構造及び技術を実施することができる。
【0051】
また、BGR構造及び技術はシングルイベントセットアップ(SEU)及びシングルイベントの一時的な(SET)イベントの両方を低減し、又は排除するのに使用することができる。SEU及びSETは高エネルギー粒子、例えば、IC中のクリティカルノードを通り抜けるアルファ粒子の中性子などのシングル重イオン又は核粒子、によって引き起こされる場合がある。そのような粒子によって打たれた直後に、電子と正孔は特定の粒子の線エネルギー付与(LET Mev/mg−cm)として表される粒子のエネルギーの機能としてシリコン格子から分離されるであろう。蓄積され、結局自由電子及び正孔として集められた電荷が、メモリセル又はある他の状態関連デバイスのクリティカル電荷より大きければ、シングルイベントセットアップは起こりうる。シングルイベントセットアップに対するICの敏感さは一般に、少し「フリップ(flip)する」のに必要なクリティカル電荷の量と、そのクリティカル電荷を蓄積するのに十分な大きさのLETを備えた粒子が敏感なノードを打つ確率とに依存する。また、多くの電子/正孔の電荷の生産は、シリコン材料を通り抜ける粒子の飛跡内で電位の双極子を作り出す。ホール効果は静電界の反対側に正孔及び電子の電荷を分離する。いくつかの電子及び正孔はSRHを通る格子及びAugerメカニズムで「再結合」することができる。しかしながら、それらのより高い移動性の結果、電子はすぐに正端子で集められるが、より低い移動性を有する正孔のネットの濃度は、劣化した電子のために再結合されていない間正電気としてシリコンボディーに残っている。正電荷は、p−基板の局所電位に電圧を正の値に高めさせ、高エネルギー粒子が打ち込まれた後に数ナノ秒間、明確にp−基板の局所電位に影響を及ぼし続ける。p−基板内での電位のアップセットの結果、他の打ち込まれないダイオードは活性化され、二次電流を引き起こして、初期のセットアップをより重大に増強し、その効果はしばしばシングルイベントの一時的状態(SET:single event transient)と呼ばれる。ソフトエラーはデータの汚染をもたらすが、それは実回線に破壊的ではない。
【0052】
CMOS論理は一般的に、如何なるデジタル回路にも2進ビットを格納するためにインバータゲート及びクロス結合論理ゲート(cross coupled logic gate)を使用するので、前述のBGRのデバイス及び技術はSEU及びSETを減少させるのに有用であることが分かるであろう。BGR構造はラッチアップ分離のようにソフトエラーについて同様の役割を提供する。どちらの場合でも、BGR構造は、ノード電位を維持する間、またSEU、SEL、又はSETイベントに続く一時的な電圧振幅及び持続時間を制限している間、アップセットイベントによって生成された余分な正電荷を効果的に沈める。ミックスト・モードシミュレーションとして知られるものを使用してBGR構造の有効性を定量化するために、工程とデバイスシミュレーションを使用する。SEUアップセットのテストケースでは、110Mev/mg−cmのLETを備えヘビーイオン(クリプトン)用にシミュレートされた。インバータがデジタル「ゼロ」状態又はデジタル「1」状態のいずれいかとされるこれらのシミュレーションでは、ミックスト・モードSEUシミュレーションが実行される。21の異なるケースでは(21の異なるイオンストライクポイント、又はストライク角度)では、従来のCMOSインバータは失敗するように示され、すなわち、SEUは21回のうち9回、或いは43%の確率で起こった。シミュレーションでは、SEUの電荷移動はイベントの50psまでに完了しているが、電荷の回復及び回路の応答を観測するために1ナノセカンドまでシミュレーションを続けた。
【0053】
同様の構造を有するが前述のBGR構造を含むCMOSインバータを使用した同じシミュレーションから得た結果は顕著な改善を示した。この例では、同じ21ケースにおける故障が全くない。BGR構造が21のSEUテストにおいて故障を全く示さなかったが、バルクシリコンシミュレーションとの対照はさらに重要である。BGR構造シミュレーションの様々なケースで、電圧の安定性と過渡応答の双方において大幅な改善が見られた。バルクの例と比較すると、BGR構造はあるSEUストライクにノード電位を「固定」するように見え、p−基板の電位がSEUイベントの間0又は0に非常に近い値に維持されるので、打ち込まれないノードによる二次注入の可能性を完全に排除する。そのうえ、シミュレーションの研究は、BGR構造が、BGR保護のない従来のCMOSと比べて、SEU及びSETのソフトエラーを著しく改良することを示唆している。また、シミュレーションの研究は、SEUイベントを減少させる際のBGRの有効性が構造のネット抵抗に少なくとも部分的に依存することを示唆している。例えば、BGRにおいてHDBLの抵抗を抑えることは、構造の性能を向上させた。例えば、より浅いHDBL注入を使用すること、注入量を増加させること、及び/又は、垂直ドーピングプロファイルを最適化することによって、そのような抵抗減少を最適化することができる。
【0054】
ここに使用される用語に関し、回路内の様々な信号及びノードを含む回路の操作について説明するとき、いくつかの表現のいずれも等しくよく使用されることは、当業者に理解されよう。論理信号又はより一般的なアナログ信号であることにかかわらず如何なる種類の信号も、回路内のノードの電圧レベルの(又はある回路技術、電流レベルにとっての)物理的形状をとる。ここで使用される回路操作について説明したそのような間に合わせの表現は、特に図中の説明図が様々な信号名を対応する回路ブロック及びノードに明確に関連づけるので、回路操作の詳細を伝えるのにより効率的である。
【0055】
絶縁ゲート型電界効果トランジスタ(IGFET)は、第1電流ハンドリング端子と第2電流ハンドリング端子との間の電流の流れを制御するコントロール端子を有するもととして概念化される。IGFETトランジスタは、ドレイン、ゲート、及びソースを有するとしばしば議論されるが、ほとんどのそのようなデバイスでは、ドレインはソースと交換可能である。これはトランジスタのレイアウトと半導体処理がしばしば対称である(通常、バイポーラトランジスタのケースではない)からである。N−チャネルIGFETトランジスタでは、高い方の電圧に通常存在する電流ハンドリング端子は通例、ドレインと呼ばれる。通常、低い方の電圧に存在する電流ハンドリング端子は通例、ソースと呼ばれる。したがって、ゲートの十分な電圧(ソース電圧に比例した)によって、電流はドレインからソースまで流れる。ドレイン又はソース端子のいずれかを単に示すN−チャネルIGFETデバイスの方程式に言及されたソース電圧は、時間内のいずれのポイントにおいてもより低い電圧を有する。例えば、双方向のCMOSトランスファーゲートのN−チャネルデバイスの「ソース」は、トランスファーゲートのいずれの側面がより低い電圧であるかによる。ほとんどのN−チャネルIGFETトランジスタのこの対称を反映するために、コントロール端子はゲートであるとみなされ、第1電流ハンドリング端子は「ドレイン/ソース」と呼ばれ、そして、第2電流ハンドリング端子は「ソース/ドレイン」と呼ばれる。ドレイン電圧とソース電圧との間の極性、及びドレインとソースとの間の電流の流れの方向がそのような用語によって暗示されないので、そのような記述はP−チャネルIGFETトランジスタに等しく有効である。代わりに、2つは異なるものではなく、交換可能であるという暗黙の理解をもって、任意の1つの電流ハンドリング端子が「ドレイン」とみなし、他方が「ソース」であるとみなしてもよい。ゲート材料は、ポリシリコン又は金属以外のいずれの材料であってよく、誘電体は、窒化酸化物、窒化物、又は酸化物以外のいずれの材料であってもよいが、IGFETトランジスタは一般的にMOSFETトランジスタと呼ばれる(文字通り「Metal-Oxide-Semiconductor Field Effect Transistor(金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ)」の頭文字語である)ことに注意されたい。MOS及びMOSFETのような歴史的な遺産用語の不用意な使用を、文字通り酸化物誘電体を有する金属ゲートFETを指定するだけものと解釈するべきではない。
【0056】
電源に関して、回路に電力を供給するのに使用されるシングル・ポジティブ・・パワーサプライ(single positive power supply)(例えば、1.5ボルトの電源)はしばしば「VDD」電源と呼ばれる。集積回路では、トランジスタ及び他の回路素子は実際にVDD端子又はVDDノードに接続され、これは次に、VDD電源に動作可能に接続される。「VDDに結ばれ」又は「VDDに接続され」のような言葉の口語的な使用は、「VDDノードに接続され」を意味するものと理解し、そしてこれは通常、実際に集積回路を使用する間、VDD電源電圧を受けるために動作可能に接続されている。そのような単一電源回路への参照電圧は、しばしば「VSS」と呼ばれる。トランジスタ及び他の回路素子は実際にVSS端子又はVSSノードに接続され、そしてこれは、集積回路の使用の間、VSS電源に動作可能に接続されている。しばしばVSS端子はグラウンド基準電位、又はまさしく「グラウンド」に接続される。いくらか総合して、第1電源端子はしはしば「VDD」と呼ばれ、第2電源端子はしばしば「VSS」と呼ばれる。歴史的に、用語体系「VDD」は、MOSトランジスタのドレイン端子に接続されたDC電圧を含意し、そして、VSSはMOSトランジスタのソース端子に接続されたDC電圧を含意する。例えば、古いNMOS回路はポジティブVDD電源を使用したが、古いPMOS回路はネガティブVDD電源を使用した。しかしながら一般的な用法は、しばしばこの遺産を無視して、もちろん別の方法で定義されない場合であるが、よりポジティブな供給電圧にVDDを、よりネガティブな(又はグラウンド)供給電圧にVSSを使用する。「VDD供給」及び「グラウンド」を備えた機能として回路を記述することは、回路が他の電源電位を使用して機能することができないことを必ずしも意味するわけではない。他の一般的な電源端子の名前は、「Vcc」(バイポーラ回路からきた歴史的な用語で、コレクタ端子を欠くMOSトランジスタと共に使用されても、+5ボルトの電源電圧としばしば同義である)及び「GND」又はまさしく「グラウンド」である。
【0057】
そのうえ、開示されたデバイス及び技術の実施形態はCMOS技術に制限されず、その結果、実施形態はNMOS、PMOS、及び様々なバイポーラの、又は、他の半導体製作技術を利用することができる。また、開示されたデバイス及び技術は上で論述した実施形態に照らして説明したが、この開示した教示から逸脱することなく、ある変形例を回路において容易に実施できることは当業者に認識されよう。また、論理の極性と電源の電位を逆にすれば、NMOSトランジスタを使用する多くの回路が、代わりにPMOSトランジスタを使用して実施できることも周知のとおりである。このような具合に、CMOS回路内のトランジスタの導電型(すなわち、N−チャネル又はP−チャネル)は、まだ同様の、又は、類似の操作を確保しながら、しばしば逆にされてもよい。そのうえ、出力ステージの他の組み合わせは同様の機能性を達成することが可能である。
【0058】
本発明はその特定の好適な実施形態に関して説明してきたが、様々な変形例及び変更例が当業者に示されるかもしれず、そして、特許請求の範囲の中で行われるそのような変形及び変更を本発明が包含することを意図するものである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1導電型を有し、上面を有する基板を提供する工程と、
前記基板の上面の下に配置され、前記第1導電型を有し、第1基板不純物濃度よりも高い層不純物濃度を更に含む層を形成する工程と、
前記第1導電型を有する前記層が前記複数のウェル領域の下に実質的に連続して延び、前記複数のウェル領域が、前記第1導電型を有するとともに第1ウェル接触領域を含む前記層と前記基板の上面との間の第1ウェル領域を含む、複数のトランジスタに対応する複数のウェル領域を形成する工程と、
前記層から前記基板の前記上面に伸びる垂直導体を形成する工程と
を含むことを特徴とする方法。

【図1A】
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【図1B】
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【図1C】
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【図1D】
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【図1E】
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【図1F】
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【図1G】
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【図1H】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6A】
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【図6B】
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【図7A】
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【図7B】
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【図7C】
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【図8A】
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【図8B】
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【図8C】
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【図8D】
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【図8E】
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【図9A】
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【図9B】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2012−195604(P2012−195604A)
【公開日】平成24年10月11日(2012.10.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−129441(P2012−129441)
【出願日】平成24年6月7日(2012.6.7)
【分割の表示】特願2006−553340(P2006−553340)の分割
【原出願日】平成17年2月15日(2005.2.15)
【出願人】(506277188)シリコン・スペース・テクノロジー・コーポレイション (3)
【氏名又は名称原語表記】SILICON SPACE TECHNOLOGY CORPORATION
【Fターム(参考)】