基板の処理方法及び基板の処理装置
【課題】 ウェハ上に平坦度の高い膜を短い時間で形成する。
【解決手段】 押圧処理装置33の処理容器70内に,ヒータ72が内蔵された保持台71が設けられる。保持台71の上方には,押圧板80が配置される。押圧板80の下面80aには,ウェハWの下地膜の溝に対応する位置に凹部80bが形成されている。押圧板80は,昇降駆動部82により昇降可能であり,保持台71上に下降して,ウェハWの塗布膜を押圧できる。保持台121上に載置されたウェハWを加熱しながら,押圧板80によりウェハW上の塗布膜の上面をプレスし,下地膜の溝に対応する位置の塗布膜の上面に凸部を形成する。その後の塗布膜の硬化処理により塗布膜が収縮し,結果的に平坦な膜が形成される。
【解決手段】 押圧処理装置33の処理容器70内に,ヒータ72が内蔵された保持台71が設けられる。保持台71の上方には,押圧板80が配置される。押圧板80の下面80aには,ウェハWの下地膜の溝に対応する位置に凹部80bが形成されている。押圧板80は,昇降駆動部82により昇降可能であり,保持台71上に下降して,ウェハWの塗布膜を押圧できる。保持台121上に載置されたウェハWを加熱しながら,押圧板80によりウェハW上の塗布膜の上面をプレスし,下地膜の溝に対応する位置の塗布膜の上面に凸部を形成する。その後の塗布膜の硬化処理により塗布膜が収縮し,結果的に平坦な膜が形成される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は,塗布液が塗布された基板の処理方法とその処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体デバイスの製造プロセスでは,基板に層間絶縁膜を形成する処理が行われる。この層間絶縁膜の形成処理は,例えばSOD(Spin on Dielectric)膜形成システムにおいて行われ,ウェハ上に絶縁膜材料である塗布液を塗布する塗布処理,塗布膜中の溶剤を揮発させる加熱処理,塗布膜を硬化させる硬化処理等が行われている。
【0003】
上述の加熱処理では,例えば基板が枚様式に150℃程度の温度で加熱され,塗布膜中の溶剤が揮発される。また,上述の硬化処理では,例えば50〜100枚程度の基板がまとめて加熱炉に搬入され,当該基板が例えば900℃程度の高温で加熱されて,塗布膜が硬化される。この硬化処理には,4時間程度の時間を要する。
【0004】
上述の塗布処理では,通常,既にパターンが形成され凹凸のある下地膜上に塗布される。そして,上述の加熱処理や硬化処理では,塗布膜の溶剤が揮発したり,塗布膜が化学的に反応するため,塗布膜の収縮が起こる。この際,例えば図12に示すように基板W上の溝Aのある部分と溝Aのない部分でその収縮率が異なり,塗布膜Rの上面に,溝Aのある部分が凹むように凹凸ができる。
【0005】
このように塗布膜の上面に凹凸が形成できると,例えば露光時のフォーカスが部分的に合わず,塗布膜に形成されるパターンの線幅にばらつきが生じることがある。また,エッチング時には,塗布膜の上面の盛り上がった部分と凹んだ部分で,エッチングにより形成される溝の深さが異なるため,例えば溝に埋設される金属配線の長さが不揃いになり,電気抵抗が不均一になって,適正な半導体デバイスが製造されない。
【0006】
そこで,塗布膜の平坦化を図るため,CMP(Chemical Mechanical Polishing)技術により,膜形成後に絶縁膜の表面を研磨する処理が行われている。しかしながら,この場合には,CMP処理のための多大な時間を要し,スループットが低下する。また,CMP装置も必要になり,その分コストも高くなる。
【0007】
また,塗布膜上に薄いフィルムを敷設して加圧する平坦化技術(例えば,特許文献1参照。)が提案されているが,これも,薄膜フィルムをエッチングする工程を必要とし,その分時間がかかる。
【0008】
【特許文献1】特開平9−27495号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は,かかる点に鑑みてなされたものであり,平坦性の高い塗布膜をより短い時間で形成することをその目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するための本発明は,基板の処理方法であって,基板の凹みのある下地膜上に塗布液を塗布する塗布工程と,前記基板に塗布された塗布膜の上面に,上方に突出する凸部を形成する工程と,を有し,前記凸部は,前記下地膜の凹みに対応する位置に形成されることを特徴とする。
【0011】
本発明によれば,塗布工程の後に,塗布膜の上面における下地膜の凹みに対応する位置に凸部を形成する。こうすることにより,その後の工程で,例えば硬化処理などの高温処理が行われた際に,下地膜の凹みに対応する凸部が他の部分よりも大きく収縮し,結果的に上面が平坦な膜を形成できる。また,従来のように時間の掛かるCMP処理やエッチング処理が不要であるので,膜の形成時間を短縮できる。
【0012】
前記凸部を形成する工程は,前記塗布膜中の溶剤を揮発させる工程中に行われてもよい。
【0013】
前記下地膜の凹みの位置に対応した凹部を下面に有する押圧部材により,前記塗布膜の上面を押圧して,前記塗布膜に前記凸部を形成するようにしてもよい。
【0014】
凹部の水平方向の寸法が異なる複数の押圧部材により,前記塗布膜の上面を複数回押圧し,前記凹部の水平方向の寸法が大きい押圧部材から順に,前記塗布膜の上面を押圧して,前記凸部を形成するようにしてもよい。
【0015】
前記塗布工程の後に,基板の加熱処理が行われ,前記加熱処理の際の塗布膜の収縮率に基づいて,前記凸部の大きさが予め設定されていてもよい。なお,この加熱処理には,例えば塗布膜中の溶剤を揮発させる加熱処理や,塗布膜を硬化させる加熱処理などが含まれる。
【0016】
別の観点による本発明によれば,凹みのある下地膜上に塗布液が塗布された基板の処理装置であって,基板を保持する保持部材と,前記保持部材に保持された基板上の塗布膜を上方から押圧する押圧部材と,を備え,前記押圧部材の下面には,前記下地膜の凹みの位置に対応する凹部が形成されていることを特徴とする基板の処理装置が提供される。
【0017】
前記基板の処理装置は,前記保持部材に保持された基板を加熱する加熱部材を備えていてもよい。
【0018】
前記基板の処理装置は,凹部の水平方向の寸法が異なる複数の押圧部材を備え,前記凹部の水平方向の寸法が大きい押圧部材から順に,前記塗布膜の上面を押圧できるようにしてもよい。
【0019】
前記塗布膜は,加熱されるものであり,前記押圧部材の凹部の大きさは,前記加熱による塗布膜の収縮率に基づいて予め設定されていてもよい。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば,平坦性の高い膜が短時間で形成されるので,スループットの向上が図られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下,本発明の好ましい実施の形態について説明する。図1は,本実施の形態にかかる押圧処理装置が搭載された絶縁膜形成システム1の構成の概略を示す平面図であり,図2は,絶縁膜形成システム1の正面図であり,図3は,絶縁膜形成システム1の背面図である。
【0022】
絶縁膜形成システム1は,図1に示すように,例えば25枚のウェハWをカセット単位で外部から絶縁膜形成システム1に対して搬入出したり,カセットCに対してウェハWを搬入出したりするカセットステーション2と,絶縁膜形成工程の中で枚葉式に所定の処理を施す複数の処理装置を多段に配置している処理ステーション3と,この処理ステーション3に隣接して設けられ,バッチ式の熱処理炉4との間でウェハWの受け渡しをするインターフェイス部5とを一体に接続した構成を有している。
【0023】
カセットステーション2には,カセット載置台10が設けられ,当該カセット載置台10は,複数のカセットCをX方向(図1中の上下方向)に一列に載置自在になっている。カセットステーション2には,搬送路11上をX方向に向かって移動可能なウェハ搬送体12が設けられている。ウェハ搬送体12は,カセットCに収容されたウェハWのウェハ配列方向(Z方向;鉛直方向)にも移動自在であり,X方向に配列された各カセットC内のウェハWに対して選択的にアクセスできる。
【0024】
ウェハ搬送体12は,Z軸周りのθ方向に回転可能であり,後述する処理ステーション3側の第3の処理装置群G3に属するエクステンション装置32に対してもアクセスできる。
【0025】
処理ステーション3の中心部には,主搬送装置13が設けられており,この主搬送装置13の周辺には,各種処理装置が多段に配置された複数の処理装置群が設けられている。この絶縁膜形成システム1には,4つの処理装置群G1,G2,G3,G4が配置されている。第1及び第2の処理装置群G1,G2は,絶縁膜形成システム1の正面側に配置され,第3の処理装置群G3は,主搬送装置13のカセットステーション2側に配置され,第4の処理装置群G4は,主搬送装置13のインターフェイス部5側に配置されている。さらにオプションとして破線で示した第5の処理装置群G5を背面側に別途配置可能となっている。主搬送装置13は,これらの処理装置群G1〜G5内に配置されている後述する各種処理装置に対してウェハWを搬送できる。
【0026】
第1の処理装置群G1には,例えば図2に示すように絶縁膜材料と溶剤を主成分とする塗布液をウェハWに塗布する塗布処理装置17,18が下から順に2段に配置されている。第2の処理装置群G2には,例えば塗布処理装置17等で用いられる塗布液等が貯留され,当該塗布液等の供給源となる処理液キャビネット19と,塗布処理装置20とが下から順に2段に配置されている。塗布処理装置17,18及び20には,ウェハWを回転させながら塗布液を塗布するスピン方式の塗布処理装置が用いられている。
【0027】
第3の処理装置群G3には,例えば図3に示すように,ウェハWを冷却処理する冷却処理装置30,31,ウェハWの受け渡しを行うためのエクステンション装置32,本実施の形態にかかる基板の処理装置としての押圧処理装置33,34が下から順に例えば5段に積み重ねられている。なお,押圧処理装置33,34の詳しい構成については後述する。
【0028】
第4の処理装置群G4には,例えば冷却処理装置40,41,エクステンション装置42,押圧処理装置43,44が下から順に例えば5段に積み重ねられている。
【0029】
インターフェイス部5には,例えば図1に示すようにX方向に向けて延伸する搬送路50上を移動するウェハ搬送体51と,バッファカセット52が設けられている。ウェハ搬送体51は,Z方向に移動可能でかつθ方向にも回転可能であり,インターフェイス部5に隣接した加熱炉4と,バッファカセット52及び第4の処理装置群G4の処理装置に対してアクセスしてウェハWを搬送できる。
【0030】
加熱炉4は,例えば複数枚のウェハWを上下方向に並べて保持するラダーボートと,そのラダーボードを収容してウェハWを所定の反応ガス雰囲気で加熱する縦型炉を備えており,複数枚のウェハWをまとめて加熱できる。
【0031】
次に,押圧処理装置33の構成について説明する。図4は,押圧処理装置33の構成の概略を示す縦断面の説明図である。
【0032】
押圧処理装置33は,内部を密閉可能な処理容器70を有している。処理容器70内の中央部には,例えばウェハWを載置して保持する保持部材としての保持台71が設けられている。保持台71は,例えば略円盤形状に形成されている。保持台71の上面には,図示しない吸引口が開口しており,この吸引口からの吸引によりウェハWを吸着保持できる。保持台71の内部には,例えば加熱部材としてのヒータ72が内蔵されている。ヒータ72は,電源73からの給電により発熱し,保持台71上のウェハWを加熱できる。
【0033】
保持台71は,例えば水平方向で直交するX,Y方向に移動自在なX−Yステージ74上に載置されており,ウェハWの水平方向の位置合わせを行うことができる。
【0034】
保持台71の上方には,保持台71に対向するように押圧部材としての押圧板80が設けられている。押圧板80は,例えば少なくともウェハWよりも大きい円盤形状に形成されている。押圧板80の材質には,例えばガラス又はニッケルが用いられている。
【0035】
押圧板80は,その上面側が支持体81に支持されている。支持体81は,例えば処理容器70の天井面に取り付けられたシリンダなどの昇降駆動部82により昇降できる。これにより,押圧板80は,保持台71上のウェハWの表面まで下降し,ウェハW上の塗布膜の上面を上方から押圧できる。
【0036】
押圧板80の下面80aには,処理されるウェハWの下地膜の凹みに対応するように凹部80bが形成されている。例えば図5に示すようにウェハWの下地膜に複数の溝Aが形成されている場合,各溝Aに対応する位置にそれぞれ凹部80bが形成されている。これにより,押圧板80が塗布膜の上面を押圧したときには,下地膜の溝Aに対応した塗布膜の上面の位置に,凹部80bによる凸部を形成できる。
【0037】
各凹部80bの幅と深さからなる大きさは,対応する溝Aの大きさに基づいて定められている。例えば,塗布膜が熱処理された際に,溝Aのある部分の塗布膜と溝Aのない部分の塗布膜とで収縮率が異なり,図12に示したように溝Aのある部分の塗布膜は溝Aのない部分の塗布膜よりも大きく収縮する。この溝Aの部分の塗布膜の凹みを見越して,最終的に形成される絶縁膜の上面が平坦になるように,各凹部80bの大きさが設定される。例えば図6に示すように凹部80bの幅は,対応する溝Aとほぼ同程度に形成され,凹部80bの深さは,対応する溝Aが深いほど深く形成される。したがって,押圧板80による押圧により,塗布膜の上面には,その下地膜の溝Aの大きさに応じた大きさの凸部が形成される。
【0038】
押圧板80の下面80aには,例えば絶縁膜との接着を防止するための表面処理が施されている。なお,表面処理に代えて,下面80aに剥離剤が塗布されていてもよい。
【0039】
図4に示すように処理容器70の一方の側壁面には,塗布液の溶剤蒸気を供給する給気口90が形成されている。例えば給気口90には,溶剤蒸気供給装置91に通じる溶剤蒸気供給管92が接続されている。処理容器70の他方の側壁面には,排気口93が形成されている。排気口93は,例えば排気管94を通じて負圧発生装置95に接続されている。この負圧発生装置95により,排気口93から処理容器70内の雰囲気を排気することができる。なお,本実施の形態においては,排気口93,排気管94及び負圧発生装置95により減圧装置を構成している。
【0040】
処理容器70内には,ウェハW上のアライメントマークを検出するアライメントスコープ100が設けられている。アライメントスコープ100は,例えば保持台71の外方から保持台71の上方まで移動可能であり,ウェハW上の複数個所のアライメントマークを検出できる。
【0041】
アライメントスコープ100による検出結果は,例えば制御部110に出力できる。制御部110は,アライメントスコープ100による検出結果に基づいて,X−Yステージ74の動作を制御し,押圧板80の凹部80bと保持台71上のウェハWの溝Aの位置を合わせることができる。
【0042】
制御部110は,例えば押圧板80やヒータ72の動作も制御できる。例えば制御部110は,電源73からヒータ72への給電量を調整し,ヒータ72の発熱量を制御することにより,ウェハWを所定の温度で加熱できる。制御部110は,昇降駆動部82の駆動を制御し,押圧板80の移動を制御することにより,押圧板80により所定のタイミング,所定の圧力でウェハW上の塗布膜を押圧できる。
【0043】
例えば上述の溶剤蒸気供給装置91と負圧発生装置95の動作も,制御部110により制御されている。この制御部110により,処理容器70内に所定の流量の溶剤蒸気を供給できる。また,制御部110により,処理容器70内を所定の圧力に減圧できる。なお,制御部110は,例えばコンピュータにより構成され,制御部110における制御は,記憶された制御プログラムを実行することにより実現される。
【0044】
なお,押圧処理装置34,43及び44の構成は,押圧処理装置33と同様であり,説明を省略する。
【0045】
次に,以上のように構成された押圧処理装置33におけるウェハWの処理プロセスを,絶縁膜形成処理システム1の絶縁膜形成プロセスと共に説明する。
【0046】
先ず,ウェハ搬送体12によって,図1に示すカセット載置台10上のカセットCから未処理のウェハWが一枚取り出され,第3の処理装置群G3の例えばエクステンション装置32に搬送される。ウェハWは,主搬送装置13によって,エクステンション装置32から冷却処理装置30に搬送され,所定温度に温度調節される。その後ウェハWは,主搬送装置13によって,例えば塗布処理装置20に搬送される。
【0047】
塗布処理装置20では,例えば回転されたウェハWの中心部に,塗布液が滴下され,当該塗布液がウェハWの表面上を拡散することによって,ウェハ表面の全体に塗布液が塗布される。塗布後,ウェハWが高速回転され,そのウェハW上の塗布膜が例えば60%程度乾燥される。塗布処理装置20において,塗布液の塗布が終了したウェハWは,押圧処理装置33に搬送され,塗布膜の乾燥と塗布膜表面のプレス成形が行われる。この押圧処理装置33における処理プロセスについては後述する。
【0048】
押圧処理装置33における処理が終了したウェハWは,主搬送装置13によって冷却処理装置40に搬送されて,所定の温度に冷却され温度調整される。その後,ウェハWは,インターフェイス部5のウェハ搬送体51によってバッファカセット52に搬送される。その後ウェハWは,加熱炉4に搬送され,数十枚のウェハWがまとめて加熱処理される。この加熱炉4では,例えば所定の反応ガス雰囲気の下,ウェハWが900℃程度の高温で,長時間にわたり徐々に加熱され,その後冷却されて,塗布膜が硬化される。こうして,ウェハW上に,低誘電率膜などの絶縁膜が形成される。
【0049】
次に,上述の押圧処理装置33で行われる処理について詳しく説明する。塗布処理装置20において例えば60%程度塗布膜が乾燥されたウェハWが図4に示すように処理容器70内に搬入され,保持台71に吸着保持される。
【0050】
処理容器70内は,例えば給気口90からの溶剤蒸気の給気と,排気口93からの排気が行われ,処理容器70内が所定濃度の溶剤雰囲気に維持される。これにより,ウェハW上の塗布膜の乾燥速度が低減される。また,処理容器70内は,所定の減圧雰囲気に維持される。
【0051】
保持台71にウェハWが保持されると,例えばアライメントスコープ100がウェハW上に移動しウェハWの複数個所のアライメントマークが検出される。制御部110は,この検出結果に基づいて,X―Yステージ74を移動させ,押圧板80の凹部80bとウェハWの下地膜の溝Aが対向するように保持台71が位置調整される。
【0052】
保持台71に保持されたウェハWは,ヒータ72によって例えば150℃程度に加熱され,図7(a)に示すように塗布膜R内の溶剤が揮発して塗布膜Rの乾燥が開始される。この塗布膜Rの乾燥中に,図7(b)に示すように押圧板80が下降し,押圧板80の下面80aによって塗布膜Rの上面が押圧される。このとき,塗布膜Rは,押圧板80の凹部80b内に流れ込む。この押圧板80による押圧は,例えば4.9×102kPa(5kgf/cm2)程度の圧力で,例えば2秒程度行われる。
【0053】
その後,押圧板80は,図7(c)に示すように上昇され,塗布膜Rから離される。こうして,塗布膜Rの上面に凸部R1が形成される。例えばこの時点で,塗布膜Rは,80%程度乾燥される。
【0054】
その後,ウェハWは,所定時間加熱され,塗布膜Rが100%乾燥される。乾燥後,ウェハWは,処理容器70から搬出され,一連の乾燥・押圧処理が終了する。
【0055】
なお,上述の一連の乾燥・押圧処理は,例えば制御部110が,押圧板80,ヒータ72,溶剤蒸気供給装置91及び負圧発生装置95などの動作を制御することにより実現される。
【0056】
乾燥・押圧処理の後,ウェハWは,上述したように加熱炉4において高温加熱される。このとき,図8に示すように塗布膜Rの溝Aのある部分は,他の部分よりも大きく収縮し,塗布膜Rの凸部R1が無くなって,最終的に上面が平坦な絶縁膜が形成される。
【0057】
以上の実施の形態によれば,塗布膜Rの乾燥中に,下地膜に溝Aのある部分が高くなるように,塗布膜Rをプレス成形する。その後の熱処理時には,塗布膜Rの溝Aのある部分が大きく収縮するので,凸部R1が無くなって,最終的に上面が平坦な絶縁膜が形成される。この結果,その後の絶縁膜のエッチングなどがウェハW面内で均一に行われる。また,塗布膜Rの乾燥中に塗布膜Rのプレスを行うだけなので,従来のように時間がかからず,短時間で平坦な絶縁膜を形成できる。
【0058】
ウェハWを加熱しながら,塗布膜Rをプレスしたので,熱エネルギによって塗布膜Rの流動性を上げることができる。それ故,塗布膜Rが変形しやすく,塗布膜Rの上面に凸部R1を適正に形成できる。
【0059】
処理容器70内に塗布膜Rの溶剤蒸気を供給するようにしたので,塗布膜R中の溶剤の揮発速度を遅くすることができる。これにより,加熱により塗布膜Rの流動性を上げた状態で,さらに溶剤の揮発速度を遅くして塗布膜Rの粘性が低い状態を維持できる。この結果,押圧板80による塗布膜Rの変形を適正かつ効果的に行うことができる。
【0060】
以上の実施の形態では,押圧板80によるプレスの回数が一回であったが,複数回行ってもよい。この際,複数の押圧板を用いて,塗布膜の上面に徐々に所定の大きさの凸部を成形するようにしてもよい。図9は,かかる場合の押圧処理装置130の一例を示す。
【0061】
押圧処理装置130の処理容器140内には,例えば2つの保持台150,151が並べて設けられている。各保持台150,151には,上記実施の形態と同様にそれぞれヒータ153が内蔵されている。各ヒータ153は,各電源154からの給電により発熱する。各保持台150,151は,それぞれX−Yステージ155上に載置されている。各保持台150,151の上方には,支持体156によって支持された押圧板160,161がそれぞれ配置されている。各支持体156は,昇降駆動部163によって昇降できる。処理容器140内には,各保持台150,151に対するアライメントスコープ164がそれぞれ設けられている。
【0062】
例えば保持台150に対向する押圧板160の下面160aには,最終的に塗布膜R上に形成される凸部R1の水平方向の寸法よりも大きい凹部160bが形成されている。また,保持台151に対向する押圧板161の下面161aには,最終的に塗布膜R上に形成される凸部R1に適合する凹部161bが形成されている。なお,凹部160bの深さは,凹部161bの深さと同じか,それよりも浅く設定されている。また,凹部160bの容積と凹部161bの容積は,ほぼ同等に設定されている。
【0063】
処理容器140の一方の側壁面には,上記実施の形態と同様に塗布液の溶剤蒸気を供給する給気口170が形成され,給気口170には,溶剤蒸気供給装置171に通じる溶剤蒸気供給管172が接続されている。処理容器140の他方の側壁面には,排気口173が形成され,排気口173には,例えば排気管174を通じて負圧発生装置175に接続されている。
【0064】
上記実施の形態と同様に,アライメントマーク164,昇降駆動部163,X−Yステージ155,ヒータ153,溶剤蒸気供給装置171及び負圧発生装置175などの動作の制御は,制御部180により行われている。
【0065】
なお,処理容器140内には,各保持台150,151間のウェハWの搬送を行う図示しない搬送機構が設けられている。
【0066】
乾燥・押圧処理の際には,上記実施の形態と同様に,給気口170からの溶剤蒸気の供給と,排気口173からの排気により,処理容器140内が所定濃度の溶剤雰囲気に維持される。そして,例えば60%程度乾燥されたウェハWが処理容器140に搬入され,図10(a)に示すように保持台150に保持される。ウェハWは,保持台150のヒータ153により例えば第1段階の温度K1,例えば120℃で加熱される。その後,図10(b)に示すように押圧板160が下降され,塗布膜Rの上面が押圧される(第1回プレス)。所定時間経過後,押圧板160が上昇される。このとき,図10(c)に示すように塗布膜Rの上面には,最終的に形成される凸部R1よりも幅が広い凸部R2が形成される。
【0067】
押圧板160によるプレスが終了すると,ウェハWは,図11(a)に示すようにその隣の保持台151に搬送され,保持される。ウェハWは,保持台151のヒータ153により,例えば第1段階の温度K1よりも高い第2段階の温度K2,例えば150℃で加熱される。その後図11(b)に示すように押圧板161が下降され,塗布膜Rの上面が押圧される(第2回プレス)。所定時間経過後,押圧板161が上昇され,図11(c)に示すように塗布膜Rの上面に最終的な大きさの凸部R1が形成される。
【0068】
この実施の形態によれば,塗布膜Rの凸部R1が段階的に形成されるので,乾燥途中の塗布膜Rを所望の形状に適正に変形できる。また,塗布膜Rの加熱温度を段階的に上げたので,塗布膜Rの凸部の形成段階に合わせて塗布膜Rの乾燥を促進させることができる。
【0069】
この実施の形態において,2つの押圧板160,161により2回のプレスが行われていたが,押圧板の数とプレスの回数は任意に選択でき,より細かい段階に分けて徐々に凸部R1を形成してもよい。また,2つの保持台150,151に対してそれぞれ押圧板160,161を設けていたが,一つの保持台に対して2つの押圧板160,161を交換可能に設けてもよい。
【0070】
以上の実施の形態では,ウェハWを加熱して塗布膜Rを乾燥させならが,凸部R1を形成していたが,処理容器140内を減圧することにより塗布膜Rを乾燥させてもよい。
【0071】
以上,添付図面を参照しながら本発明の好適な実施の形態について説明したが,本発明はかかる例に限定されない。当業者であれば,特許請求の範囲に記載された思想の範疇内において,各種の変更例または修正例に相到し得ることは明らかであり,それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。例えば,以上の実施の形態は,ウェハW上に絶縁膜を形成するものであったが,他の種類の塗布膜,例えば金属膜,SOG(Spin on Glass)膜などの永久膜,犠牲膜やレジスト膜を形成する場合にも,本発明は適用できる。また,膜の塗布方法は,ウェハWを回転させた状態で塗布するスピンコート法に限られず,塗布液を吐出したノズルとウェハWとを相対的に移動させながら塗布するスキャンコート法であってもよい。また,本発明は,ウェハW以外のFPD(フラットパネルディスプレイ),フォトマスク用のマスクレチクルや,チップ状の基板などの処理にも適用できる。
【産業上の利用可能性】
【0072】
本発明は,基板上に平坦度の高い膜を短時間で形成する際に有用である。
【図面の簡単な説明】
【0073】
【図1】絶縁膜形成システムの構成の概略を示す平面図である。
【図2】図1の絶縁膜形成システムの正面図である。
【図3】図1の絶縁膜形成システムの背面図である。
【図4】押圧処理装置の構成の概略を示す縦断面の説明図である。
【図5】押圧板の形状を示す縦断面の説明図である。
【図6】押圧板の凹部の形状を説明するための凹部とウェハの拡大図である。
【図7】(a)は,プレス前の押圧板と塗布膜の状態を示す説明図であり,(b)は,押圧板を塗布膜に押圧したときの状態を示す説明図であり,(c)は,プレス後の押圧板と塗布膜の状態を示す説明図である。
【図8】硬化処理後の塗布膜の状態を示す縦断面の説明図である。
【図9】2つの押圧板を備えた場合の押圧処理装置の構成の概略を示す縦断面の説明図である。
【図10】(a)は,第1回目のプレス前の押圧板と塗布膜の状態を示す説明図であり,(b)は,押圧板を塗布膜に押圧したときの状態を示す説明図であり,(c)は,第1回目のプレス後の押圧板と塗布膜の状態を示す説明図である。
【図11】(a)は,第2回目のプレス前の押圧板と塗布膜の状態を示す説明図であり,(b)は,押圧板を塗布膜に押圧したときの状態を示す説明図であり,(c)は,第2回目のプレス後の押圧板と塗布膜の状態を示す説明図である。
【図12】上面に凹凸が形成された塗布膜の様子を示す説明図である。
【符号の説明】
【0074】
1 絶縁膜形成システム
33 押圧処理装置
71 保持台
72 ヒータ
80 押圧板
80a 下面
80b 凹部
R 塗布膜
W ウェハ
【技術分野】
【0001】
本発明は,塗布液が塗布された基板の処理方法とその処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体デバイスの製造プロセスでは,基板に層間絶縁膜を形成する処理が行われる。この層間絶縁膜の形成処理は,例えばSOD(Spin on Dielectric)膜形成システムにおいて行われ,ウェハ上に絶縁膜材料である塗布液を塗布する塗布処理,塗布膜中の溶剤を揮発させる加熱処理,塗布膜を硬化させる硬化処理等が行われている。
【0003】
上述の加熱処理では,例えば基板が枚様式に150℃程度の温度で加熱され,塗布膜中の溶剤が揮発される。また,上述の硬化処理では,例えば50〜100枚程度の基板がまとめて加熱炉に搬入され,当該基板が例えば900℃程度の高温で加熱されて,塗布膜が硬化される。この硬化処理には,4時間程度の時間を要する。
【0004】
上述の塗布処理では,通常,既にパターンが形成され凹凸のある下地膜上に塗布される。そして,上述の加熱処理や硬化処理では,塗布膜の溶剤が揮発したり,塗布膜が化学的に反応するため,塗布膜の収縮が起こる。この際,例えば図12に示すように基板W上の溝Aのある部分と溝Aのない部分でその収縮率が異なり,塗布膜Rの上面に,溝Aのある部分が凹むように凹凸ができる。
【0005】
このように塗布膜の上面に凹凸が形成できると,例えば露光時のフォーカスが部分的に合わず,塗布膜に形成されるパターンの線幅にばらつきが生じることがある。また,エッチング時には,塗布膜の上面の盛り上がった部分と凹んだ部分で,エッチングにより形成される溝の深さが異なるため,例えば溝に埋設される金属配線の長さが不揃いになり,電気抵抗が不均一になって,適正な半導体デバイスが製造されない。
【0006】
そこで,塗布膜の平坦化を図るため,CMP(Chemical Mechanical Polishing)技術により,膜形成後に絶縁膜の表面を研磨する処理が行われている。しかしながら,この場合には,CMP処理のための多大な時間を要し,スループットが低下する。また,CMP装置も必要になり,その分コストも高くなる。
【0007】
また,塗布膜上に薄いフィルムを敷設して加圧する平坦化技術(例えば,特許文献1参照。)が提案されているが,これも,薄膜フィルムをエッチングする工程を必要とし,その分時間がかかる。
【0008】
【特許文献1】特開平9−27495号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は,かかる点に鑑みてなされたものであり,平坦性の高い塗布膜をより短い時間で形成することをその目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するための本発明は,基板の処理方法であって,基板の凹みのある下地膜上に塗布液を塗布する塗布工程と,前記基板に塗布された塗布膜の上面に,上方に突出する凸部を形成する工程と,を有し,前記凸部は,前記下地膜の凹みに対応する位置に形成されることを特徴とする。
【0011】
本発明によれば,塗布工程の後に,塗布膜の上面における下地膜の凹みに対応する位置に凸部を形成する。こうすることにより,その後の工程で,例えば硬化処理などの高温処理が行われた際に,下地膜の凹みに対応する凸部が他の部分よりも大きく収縮し,結果的に上面が平坦な膜を形成できる。また,従来のように時間の掛かるCMP処理やエッチング処理が不要であるので,膜の形成時間を短縮できる。
【0012】
前記凸部を形成する工程は,前記塗布膜中の溶剤を揮発させる工程中に行われてもよい。
【0013】
前記下地膜の凹みの位置に対応した凹部を下面に有する押圧部材により,前記塗布膜の上面を押圧して,前記塗布膜に前記凸部を形成するようにしてもよい。
【0014】
凹部の水平方向の寸法が異なる複数の押圧部材により,前記塗布膜の上面を複数回押圧し,前記凹部の水平方向の寸法が大きい押圧部材から順に,前記塗布膜の上面を押圧して,前記凸部を形成するようにしてもよい。
【0015】
前記塗布工程の後に,基板の加熱処理が行われ,前記加熱処理の際の塗布膜の収縮率に基づいて,前記凸部の大きさが予め設定されていてもよい。なお,この加熱処理には,例えば塗布膜中の溶剤を揮発させる加熱処理や,塗布膜を硬化させる加熱処理などが含まれる。
【0016】
別の観点による本発明によれば,凹みのある下地膜上に塗布液が塗布された基板の処理装置であって,基板を保持する保持部材と,前記保持部材に保持された基板上の塗布膜を上方から押圧する押圧部材と,を備え,前記押圧部材の下面には,前記下地膜の凹みの位置に対応する凹部が形成されていることを特徴とする基板の処理装置が提供される。
【0017】
前記基板の処理装置は,前記保持部材に保持された基板を加熱する加熱部材を備えていてもよい。
【0018】
前記基板の処理装置は,凹部の水平方向の寸法が異なる複数の押圧部材を備え,前記凹部の水平方向の寸法が大きい押圧部材から順に,前記塗布膜の上面を押圧できるようにしてもよい。
【0019】
前記塗布膜は,加熱されるものであり,前記押圧部材の凹部の大きさは,前記加熱による塗布膜の収縮率に基づいて予め設定されていてもよい。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば,平坦性の高い膜が短時間で形成されるので,スループットの向上が図られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下,本発明の好ましい実施の形態について説明する。図1は,本実施の形態にかかる押圧処理装置が搭載された絶縁膜形成システム1の構成の概略を示す平面図であり,図2は,絶縁膜形成システム1の正面図であり,図3は,絶縁膜形成システム1の背面図である。
【0022】
絶縁膜形成システム1は,図1に示すように,例えば25枚のウェハWをカセット単位で外部から絶縁膜形成システム1に対して搬入出したり,カセットCに対してウェハWを搬入出したりするカセットステーション2と,絶縁膜形成工程の中で枚葉式に所定の処理を施す複数の処理装置を多段に配置している処理ステーション3と,この処理ステーション3に隣接して設けられ,バッチ式の熱処理炉4との間でウェハWの受け渡しをするインターフェイス部5とを一体に接続した構成を有している。
【0023】
カセットステーション2には,カセット載置台10が設けられ,当該カセット載置台10は,複数のカセットCをX方向(図1中の上下方向)に一列に載置自在になっている。カセットステーション2には,搬送路11上をX方向に向かって移動可能なウェハ搬送体12が設けられている。ウェハ搬送体12は,カセットCに収容されたウェハWのウェハ配列方向(Z方向;鉛直方向)にも移動自在であり,X方向に配列された各カセットC内のウェハWに対して選択的にアクセスできる。
【0024】
ウェハ搬送体12は,Z軸周りのθ方向に回転可能であり,後述する処理ステーション3側の第3の処理装置群G3に属するエクステンション装置32に対してもアクセスできる。
【0025】
処理ステーション3の中心部には,主搬送装置13が設けられており,この主搬送装置13の周辺には,各種処理装置が多段に配置された複数の処理装置群が設けられている。この絶縁膜形成システム1には,4つの処理装置群G1,G2,G3,G4が配置されている。第1及び第2の処理装置群G1,G2は,絶縁膜形成システム1の正面側に配置され,第3の処理装置群G3は,主搬送装置13のカセットステーション2側に配置され,第4の処理装置群G4は,主搬送装置13のインターフェイス部5側に配置されている。さらにオプションとして破線で示した第5の処理装置群G5を背面側に別途配置可能となっている。主搬送装置13は,これらの処理装置群G1〜G5内に配置されている後述する各種処理装置に対してウェハWを搬送できる。
【0026】
第1の処理装置群G1には,例えば図2に示すように絶縁膜材料と溶剤を主成分とする塗布液をウェハWに塗布する塗布処理装置17,18が下から順に2段に配置されている。第2の処理装置群G2には,例えば塗布処理装置17等で用いられる塗布液等が貯留され,当該塗布液等の供給源となる処理液キャビネット19と,塗布処理装置20とが下から順に2段に配置されている。塗布処理装置17,18及び20には,ウェハWを回転させながら塗布液を塗布するスピン方式の塗布処理装置が用いられている。
【0027】
第3の処理装置群G3には,例えば図3に示すように,ウェハWを冷却処理する冷却処理装置30,31,ウェハWの受け渡しを行うためのエクステンション装置32,本実施の形態にかかる基板の処理装置としての押圧処理装置33,34が下から順に例えば5段に積み重ねられている。なお,押圧処理装置33,34の詳しい構成については後述する。
【0028】
第4の処理装置群G4には,例えば冷却処理装置40,41,エクステンション装置42,押圧処理装置43,44が下から順に例えば5段に積み重ねられている。
【0029】
インターフェイス部5には,例えば図1に示すようにX方向に向けて延伸する搬送路50上を移動するウェハ搬送体51と,バッファカセット52が設けられている。ウェハ搬送体51は,Z方向に移動可能でかつθ方向にも回転可能であり,インターフェイス部5に隣接した加熱炉4と,バッファカセット52及び第4の処理装置群G4の処理装置に対してアクセスしてウェハWを搬送できる。
【0030】
加熱炉4は,例えば複数枚のウェハWを上下方向に並べて保持するラダーボートと,そのラダーボードを収容してウェハWを所定の反応ガス雰囲気で加熱する縦型炉を備えており,複数枚のウェハWをまとめて加熱できる。
【0031】
次に,押圧処理装置33の構成について説明する。図4は,押圧処理装置33の構成の概略を示す縦断面の説明図である。
【0032】
押圧処理装置33は,内部を密閉可能な処理容器70を有している。処理容器70内の中央部には,例えばウェハWを載置して保持する保持部材としての保持台71が設けられている。保持台71は,例えば略円盤形状に形成されている。保持台71の上面には,図示しない吸引口が開口しており,この吸引口からの吸引によりウェハWを吸着保持できる。保持台71の内部には,例えば加熱部材としてのヒータ72が内蔵されている。ヒータ72は,電源73からの給電により発熱し,保持台71上のウェハWを加熱できる。
【0033】
保持台71は,例えば水平方向で直交するX,Y方向に移動自在なX−Yステージ74上に載置されており,ウェハWの水平方向の位置合わせを行うことができる。
【0034】
保持台71の上方には,保持台71に対向するように押圧部材としての押圧板80が設けられている。押圧板80は,例えば少なくともウェハWよりも大きい円盤形状に形成されている。押圧板80の材質には,例えばガラス又はニッケルが用いられている。
【0035】
押圧板80は,その上面側が支持体81に支持されている。支持体81は,例えば処理容器70の天井面に取り付けられたシリンダなどの昇降駆動部82により昇降できる。これにより,押圧板80は,保持台71上のウェハWの表面まで下降し,ウェハW上の塗布膜の上面を上方から押圧できる。
【0036】
押圧板80の下面80aには,処理されるウェハWの下地膜の凹みに対応するように凹部80bが形成されている。例えば図5に示すようにウェハWの下地膜に複数の溝Aが形成されている場合,各溝Aに対応する位置にそれぞれ凹部80bが形成されている。これにより,押圧板80が塗布膜の上面を押圧したときには,下地膜の溝Aに対応した塗布膜の上面の位置に,凹部80bによる凸部を形成できる。
【0037】
各凹部80bの幅と深さからなる大きさは,対応する溝Aの大きさに基づいて定められている。例えば,塗布膜が熱処理された際に,溝Aのある部分の塗布膜と溝Aのない部分の塗布膜とで収縮率が異なり,図12に示したように溝Aのある部分の塗布膜は溝Aのない部分の塗布膜よりも大きく収縮する。この溝Aの部分の塗布膜の凹みを見越して,最終的に形成される絶縁膜の上面が平坦になるように,各凹部80bの大きさが設定される。例えば図6に示すように凹部80bの幅は,対応する溝Aとほぼ同程度に形成され,凹部80bの深さは,対応する溝Aが深いほど深く形成される。したがって,押圧板80による押圧により,塗布膜の上面には,その下地膜の溝Aの大きさに応じた大きさの凸部が形成される。
【0038】
押圧板80の下面80aには,例えば絶縁膜との接着を防止するための表面処理が施されている。なお,表面処理に代えて,下面80aに剥離剤が塗布されていてもよい。
【0039】
図4に示すように処理容器70の一方の側壁面には,塗布液の溶剤蒸気を供給する給気口90が形成されている。例えば給気口90には,溶剤蒸気供給装置91に通じる溶剤蒸気供給管92が接続されている。処理容器70の他方の側壁面には,排気口93が形成されている。排気口93は,例えば排気管94を通じて負圧発生装置95に接続されている。この負圧発生装置95により,排気口93から処理容器70内の雰囲気を排気することができる。なお,本実施の形態においては,排気口93,排気管94及び負圧発生装置95により減圧装置を構成している。
【0040】
処理容器70内には,ウェハW上のアライメントマークを検出するアライメントスコープ100が設けられている。アライメントスコープ100は,例えば保持台71の外方から保持台71の上方まで移動可能であり,ウェハW上の複数個所のアライメントマークを検出できる。
【0041】
アライメントスコープ100による検出結果は,例えば制御部110に出力できる。制御部110は,アライメントスコープ100による検出結果に基づいて,X−Yステージ74の動作を制御し,押圧板80の凹部80bと保持台71上のウェハWの溝Aの位置を合わせることができる。
【0042】
制御部110は,例えば押圧板80やヒータ72の動作も制御できる。例えば制御部110は,電源73からヒータ72への給電量を調整し,ヒータ72の発熱量を制御することにより,ウェハWを所定の温度で加熱できる。制御部110は,昇降駆動部82の駆動を制御し,押圧板80の移動を制御することにより,押圧板80により所定のタイミング,所定の圧力でウェハW上の塗布膜を押圧できる。
【0043】
例えば上述の溶剤蒸気供給装置91と負圧発生装置95の動作も,制御部110により制御されている。この制御部110により,処理容器70内に所定の流量の溶剤蒸気を供給できる。また,制御部110により,処理容器70内を所定の圧力に減圧できる。なお,制御部110は,例えばコンピュータにより構成され,制御部110における制御は,記憶された制御プログラムを実行することにより実現される。
【0044】
なお,押圧処理装置34,43及び44の構成は,押圧処理装置33と同様であり,説明を省略する。
【0045】
次に,以上のように構成された押圧処理装置33におけるウェハWの処理プロセスを,絶縁膜形成処理システム1の絶縁膜形成プロセスと共に説明する。
【0046】
先ず,ウェハ搬送体12によって,図1に示すカセット載置台10上のカセットCから未処理のウェハWが一枚取り出され,第3の処理装置群G3の例えばエクステンション装置32に搬送される。ウェハWは,主搬送装置13によって,エクステンション装置32から冷却処理装置30に搬送され,所定温度に温度調節される。その後ウェハWは,主搬送装置13によって,例えば塗布処理装置20に搬送される。
【0047】
塗布処理装置20では,例えば回転されたウェハWの中心部に,塗布液が滴下され,当該塗布液がウェハWの表面上を拡散することによって,ウェハ表面の全体に塗布液が塗布される。塗布後,ウェハWが高速回転され,そのウェハW上の塗布膜が例えば60%程度乾燥される。塗布処理装置20において,塗布液の塗布が終了したウェハWは,押圧処理装置33に搬送され,塗布膜の乾燥と塗布膜表面のプレス成形が行われる。この押圧処理装置33における処理プロセスについては後述する。
【0048】
押圧処理装置33における処理が終了したウェハWは,主搬送装置13によって冷却処理装置40に搬送されて,所定の温度に冷却され温度調整される。その後,ウェハWは,インターフェイス部5のウェハ搬送体51によってバッファカセット52に搬送される。その後ウェハWは,加熱炉4に搬送され,数十枚のウェハWがまとめて加熱処理される。この加熱炉4では,例えば所定の反応ガス雰囲気の下,ウェハWが900℃程度の高温で,長時間にわたり徐々に加熱され,その後冷却されて,塗布膜が硬化される。こうして,ウェハW上に,低誘電率膜などの絶縁膜が形成される。
【0049】
次に,上述の押圧処理装置33で行われる処理について詳しく説明する。塗布処理装置20において例えば60%程度塗布膜が乾燥されたウェハWが図4に示すように処理容器70内に搬入され,保持台71に吸着保持される。
【0050】
処理容器70内は,例えば給気口90からの溶剤蒸気の給気と,排気口93からの排気が行われ,処理容器70内が所定濃度の溶剤雰囲気に維持される。これにより,ウェハW上の塗布膜の乾燥速度が低減される。また,処理容器70内は,所定の減圧雰囲気に維持される。
【0051】
保持台71にウェハWが保持されると,例えばアライメントスコープ100がウェハW上に移動しウェハWの複数個所のアライメントマークが検出される。制御部110は,この検出結果に基づいて,X―Yステージ74を移動させ,押圧板80の凹部80bとウェハWの下地膜の溝Aが対向するように保持台71が位置調整される。
【0052】
保持台71に保持されたウェハWは,ヒータ72によって例えば150℃程度に加熱され,図7(a)に示すように塗布膜R内の溶剤が揮発して塗布膜Rの乾燥が開始される。この塗布膜Rの乾燥中に,図7(b)に示すように押圧板80が下降し,押圧板80の下面80aによって塗布膜Rの上面が押圧される。このとき,塗布膜Rは,押圧板80の凹部80b内に流れ込む。この押圧板80による押圧は,例えば4.9×102kPa(5kgf/cm2)程度の圧力で,例えば2秒程度行われる。
【0053】
その後,押圧板80は,図7(c)に示すように上昇され,塗布膜Rから離される。こうして,塗布膜Rの上面に凸部R1が形成される。例えばこの時点で,塗布膜Rは,80%程度乾燥される。
【0054】
その後,ウェハWは,所定時間加熱され,塗布膜Rが100%乾燥される。乾燥後,ウェハWは,処理容器70から搬出され,一連の乾燥・押圧処理が終了する。
【0055】
なお,上述の一連の乾燥・押圧処理は,例えば制御部110が,押圧板80,ヒータ72,溶剤蒸気供給装置91及び負圧発生装置95などの動作を制御することにより実現される。
【0056】
乾燥・押圧処理の後,ウェハWは,上述したように加熱炉4において高温加熱される。このとき,図8に示すように塗布膜Rの溝Aのある部分は,他の部分よりも大きく収縮し,塗布膜Rの凸部R1が無くなって,最終的に上面が平坦な絶縁膜が形成される。
【0057】
以上の実施の形態によれば,塗布膜Rの乾燥中に,下地膜に溝Aのある部分が高くなるように,塗布膜Rをプレス成形する。その後の熱処理時には,塗布膜Rの溝Aのある部分が大きく収縮するので,凸部R1が無くなって,最終的に上面が平坦な絶縁膜が形成される。この結果,その後の絶縁膜のエッチングなどがウェハW面内で均一に行われる。また,塗布膜Rの乾燥中に塗布膜Rのプレスを行うだけなので,従来のように時間がかからず,短時間で平坦な絶縁膜を形成できる。
【0058】
ウェハWを加熱しながら,塗布膜Rをプレスしたので,熱エネルギによって塗布膜Rの流動性を上げることができる。それ故,塗布膜Rが変形しやすく,塗布膜Rの上面に凸部R1を適正に形成できる。
【0059】
処理容器70内に塗布膜Rの溶剤蒸気を供給するようにしたので,塗布膜R中の溶剤の揮発速度を遅くすることができる。これにより,加熱により塗布膜Rの流動性を上げた状態で,さらに溶剤の揮発速度を遅くして塗布膜Rの粘性が低い状態を維持できる。この結果,押圧板80による塗布膜Rの変形を適正かつ効果的に行うことができる。
【0060】
以上の実施の形態では,押圧板80によるプレスの回数が一回であったが,複数回行ってもよい。この際,複数の押圧板を用いて,塗布膜の上面に徐々に所定の大きさの凸部を成形するようにしてもよい。図9は,かかる場合の押圧処理装置130の一例を示す。
【0061】
押圧処理装置130の処理容器140内には,例えば2つの保持台150,151が並べて設けられている。各保持台150,151には,上記実施の形態と同様にそれぞれヒータ153が内蔵されている。各ヒータ153は,各電源154からの給電により発熱する。各保持台150,151は,それぞれX−Yステージ155上に載置されている。各保持台150,151の上方には,支持体156によって支持された押圧板160,161がそれぞれ配置されている。各支持体156は,昇降駆動部163によって昇降できる。処理容器140内には,各保持台150,151に対するアライメントスコープ164がそれぞれ設けられている。
【0062】
例えば保持台150に対向する押圧板160の下面160aには,最終的に塗布膜R上に形成される凸部R1の水平方向の寸法よりも大きい凹部160bが形成されている。また,保持台151に対向する押圧板161の下面161aには,最終的に塗布膜R上に形成される凸部R1に適合する凹部161bが形成されている。なお,凹部160bの深さは,凹部161bの深さと同じか,それよりも浅く設定されている。また,凹部160bの容積と凹部161bの容積は,ほぼ同等に設定されている。
【0063】
処理容器140の一方の側壁面には,上記実施の形態と同様に塗布液の溶剤蒸気を供給する給気口170が形成され,給気口170には,溶剤蒸気供給装置171に通じる溶剤蒸気供給管172が接続されている。処理容器140の他方の側壁面には,排気口173が形成され,排気口173には,例えば排気管174を通じて負圧発生装置175に接続されている。
【0064】
上記実施の形態と同様に,アライメントマーク164,昇降駆動部163,X−Yステージ155,ヒータ153,溶剤蒸気供給装置171及び負圧発生装置175などの動作の制御は,制御部180により行われている。
【0065】
なお,処理容器140内には,各保持台150,151間のウェハWの搬送を行う図示しない搬送機構が設けられている。
【0066】
乾燥・押圧処理の際には,上記実施の形態と同様に,給気口170からの溶剤蒸気の供給と,排気口173からの排気により,処理容器140内が所定濃度の溶剤雰囲気に維持される。そして,例えば60%程度乾燥されたウェハWが処理容器140に搬入され,図10(a)に示すように保持台150に保持される。ウェハWは,保持台150のヒータ153により例えば第1段階の温度K1,例えば120℃で加熱される。その後,図10(b)に示すように押圧板160が下降され,塗布膜Rの上面が押圧される(第1回プレス)。所定時間経過後,押圧板160が上昇される。このとき,図10(c)に示すように塗布膜Rの上面には,最終的に形成される凸部R1よりも幅が広い凸部R2が形成される。
【0067】
押圧板160によるプレスが終了すると,ウェハWは,図11(a)に示すようにその隣の保持台151に搬送され,保持される。ウェハWは,保持台151のヒータ153により,例えば第1段階の温度K1よりも高い第2段階の温度K2,例えば150℃で加熱される。その後図11(b)に示すように押圧板161が下降され,塗布膜Rの上面が押圧される(第2回プレス)。所定時間経過後,押圧板161が上昇され,図11(c)に示すように塗布膜Rの上面に最終的な大きさの凸部R1が形成される。
【0068】
この実施の形態によれば,塗布膜Rの凸部R1が段階的に形成されるので,乾燥途中の塗布膜Rを所望の形状に適正に変形できる。また,塗布膜Rの加熱温度を段階的に上げたので,塗布膜Rの凸部の形成段階に合わせて塗布膜Rの乾燥を促進させることができる。
【0069】
この実施の形態において,2つの押圧板160,161により2回のプレスが行われていたが,押圧板の数とプレスの回数は任意に選択でき,より細かい段階に分けて徐々に凸部R1を形成してもよい。また,2つの保持台150,151に対してそれぞれ押圧板160,161を設けていたが,一つの保持台に対して2つの押圧板160,161を交換可能に設けてもよい。
【0070】
以上の実施の形態では,ウェハWを加熱して塗布膜Rを乾燥させならが,凸部R1を形成していたが,処理容器140内を減圧することにより塗布膜Rを乾燥させてもよい。
【0071】
以上,添付図面を参照しながら本発明の好適な実施の形態について説明したが,本発明はかかる例に限定されない。当業者であれば,特許請求の範囲に記載された思想の範疇内において,各種の変更例または修正例に相到し得ることは明らかであり,それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。例えば,以上の実施の形態は,ウェハW上に絶縁膜を形成するものであったが,他の種類の塗布膜,例えば金属膜,SOG(Spin on Glass)膜などの永久膜,犠牲膜やレジスト膜を形成する場合にも,本発明は適用できる。また,膜の塗布方法は,ウェハWを回転させた状態で塗布するスピンコート法に限られず,塗布液を吐出したノズルとウェハWとを相対的に移動させながら塗布するスキャンコート法であってもよい。また,本発明は,ウェハW以外のFPD(フラットパネルディスプレイ),フォトマスク用のマスクレチクルや,チップ状の基板などの処理にも適用できる。
【産業上の利用可能性】
【0072】
本発明は,基板上に平坦度の高い膜を短時間で形成する際に有用である。
【図面の簡単な説明】
【0073】
【図1】絶縁膜形成システムの構成の概略を示す平面図である。
【図2】図1の絶縁膜形成システムの正面図である。
【図3】図1の絶縁膜形成システムの背面図である。
【図4】押圧処理装置の構成の概略を示す縦断面の説明図である。
【図5】押圧板の形状を示す縦断面の説明図である。
【図6】押圧板の凹部の形状を説明するための凹部とウェハの拡大図である。
【図7】(a)は,プレス前の押圧板と塗布膜の状態を示す説明図であり,(b)は,押圧板を塗布膜に押圧したときの状態を示す説明図であり,(c)は,プレス後の押圧板と塗布膜の状態を示す説明図である。
【図8】硬化処理後の塗布膜の状態を示す縦断面の説明図である。
【図9】2つの押圧板を備えた場合の押圧処理装置の構成の概略を示す縦断面の説明図である。
【図10】(a)は,第1回目のプレス前の押圧板と塗布膜の状態を示す説明図であり,(b)は,押圧板を塗布膜に押圧したときの状態を示す説明図であり,(c)は,第1回目のプレス後の押圧板と塗布膜の状態を示す説明図である。
【図11】(a)は,第2回目のプレス前の押圧板と塗布膜の状態を示す説明図であり,(b)は,押圧板を塗布膜に押圧したときの状態を示す説明図であり,(c)は,第2回目のプレス後の押圧板と塗布膜の状態を示す説明図である。
【図12】上面に凹凸が形成された塗布膜の様子を示す説明図である。
【符号の説明】
【0074】
1 絶縁膜形成システム
33 押圧処理装置
71 保持台
72 ヒータ
80 押圧板
80a 下面
80b 凹部
R 塗布膜
W ウェハ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板の処理方法であって,
基板の凹みのある下地膜上に塗布液を塗布する塗布工程と,
前記基板に塗布された塗布膜の上面に,上方に突出する凸部を形成する工程と,を有し,
前記凸部は,前記下地膜の凹みに対応する位置に形成されることを特徴とする,基板の処理方法。
【請求項2】
前記凸部を形成する工程は,前記塗布膜中の溶剤を揮発させる工程中に行われることを特徴とする,請求項1に記載の基板の処理方法。
【請求項3】
前記下地膜の凹みの位置に対応した凹部を下面に有する押圧部材により,前記塗布膜の上面を押圧して,前記塗布膜に前記凸部を形成することを特徴とする,請求項1又は2のいずれかに記載の基板の処理方法。
【請求項4】
凹部の水平方向の寸法が異なる複数の押圧部材により,前記塗布膜の上面を複数回押圧し,
前記凹部の水平方向の寸法が大きい押圧部材から順に,前記塗布膜の上面を押圧して,前記凸部を形成することを特徴とする,請求項3に記載の基板の処理方法。
【請求項5】
前記塗布工程の後に,基板の加熱処理が行われ,
前記加熱処理の際の塗布膜の収縮率に基づいて,前記凸部の大きさが予め設定されていることを特徴とする,請求項1〜4のいずれかに記載の基板の処理方法。
【請求項6】
凹みのある下地膜上に塗布液が塗布された基板の処理装置であって,
基板を保持する保持部材と,
前記保持部材に保持された基板上の塗布膜を上方から押圧する押圧部材と,を備え,
前記押圧部材の下面には,前記下地膜の凹みの位置に対応する凹部が形成されていることを特徴とする,基板の処理装置。
【請求項7】
前記保持部材に保持された基板を加熱する加熱部材を備えたことを特徴とする,請求項6に記載の基板の処理装置。
【請求項8】
凹部の水平方向の寸法が異なる複数の押圧部材を備え,
前記凹部の水平方向の寸法が大きい押圧部材から順に,前記塗布膜の上面を押圧できることを特徴とする,請求項6又は7のいずれかに記載の基板の処理装置。
【請求項9】
前記塗布膜は,加熱されるものであり,
前記押圧部材の凹部の大きさは,前記加熱による塗布膜の収縮率に基づいて設定されていることを特徴とする,請求項6〜8のいずれかに記載の基板の処理装置。
【請求項1】
基板の処理方法であって,
基板の凹みのある下地膜上に塗布液を塗布する塗布工程と,
前記基板に塗布された塗布膜の上面に,上方に突出する凸部を形成する工程と,を有し,
前記凸部は,前記下地膜の凹みに対応する位置に形成されることを特徴とする,基板の処理方法。
【請求項2】
前記凸部を形成する工程は,前記塗布膜中の溶剤を揮発させる工程中に行われることを特徴とする,請求項1に記載の基板の処理方法。
【請求項3】
前記下地膜の凹みの位置に対応した凹部を下面に有する押圧部材により,前記塗布膜の上面を押圧して,前記塗布膜に前記凸部を形成することを特徴とする,請求項1又は2のいずれかに記載の基板の処理方法。
【請求項4】
凹部の水平方向の寸法が異なる複数の押圧部材により,前記塗布膜の上面を複数回押圧し,
前記凹部の水平方向の寸法が大きい押圧部材から順に,前記塗布膜の上面を押圧して,前記凸部を形成することを特徴とする,請求項3に記載の基板の処理方法。
【請求項5】
前記塗布工程の後に,基板の加熱処理が行われ,
前記加熱処理の際の塗布膜の収縮率に基づいて,前記凸部の大きさが予め設定されていることを特徴とする,請求項1〜4のいずれかに記載の基板の処理方法。
【請求項6】
凹みのある下地膜上に塗布液が塗布された基板の処理装置であって,
基板を保持する保持部材と,
前記保持部材に保持された基板上の塗布膜を上方から押圧する押圧部材と,を備え,
前記押圧部材の下面には,前記下地膜の凹みの位置に対応する凹部が形成されていることを特徴とする,基板の処理装置。
【請求項7】
前記保持部材に保持された基板を加熱する加熱部材を備えたことを特徴とする,請求項6に記載の基板の処理装置。
【請求項8】
凹部の水平方向の寸法が異なる複数の押圧部材を備え,
前記凹部の水平方向の寸法が大きい押圧部材から順に,前記塗布膜の上面を押圧できることを特徴とする,請求項6又は7のいずれかに記載の基板の処理装置。
【請求項9】
前記塗布膜は,加熱されるものであり,
前記押圧部材の凹部の大きさは,前記加熱による塗布膜の収縮率に基づいて設定されていることを特徴とする,請求項6〜8のいずれかに記載の基板の処理装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2007−59675(P2007−59675A)
【公開日】平成19年3月8日(2007.3.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−244051(P2005−244051)
【出願日】平成17年8月25日(2005.8.25)
【出願人】(000219967)東京エレクトロン株式会社 (5,184)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年3月8日(2007.3.8)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年8月25日(2005.8.25)
【出願人】(000219967)東京エレクトロン株式会社 (5,184)
【Fターム(参考)】
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