説明

基板搬送装置

【課題】各種仕様に対して最小限の設計変更で対応でき、汎用性が高い基板搬送装置を提供する。
【解決手段】基板3を収納する収納容器1aからの基板3の取り出し及び収納を行なう第1の搬送部21と、この第1の搬送部21との間で基板3の受け渡しを行ない、かつ基板3に対して所望の処理を行なう装置ユニット42−1,42−nとの間で受け渡しを行なう第2の搬送部22とを備え、第2の搬送部22は、第1の搬送部21の基板受け渡し位置P1と装置ユニットの基板受け渡し位置P2、P3との間で回送する回転アーム34a、34b、34cを有し、かつ第1の搬送部21は、第2の搬送部22とは分離独立して構成され、第2の搬送部22に対し第1の搬送部21を異なる2方向に選択配置可能に回転アームの受け渡し位置P1をそれぞれ異なる方向に対し第1の搬送部21の搬送ストローク範囲内に設置する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば半導体ウエハ、又は液晶ディスプレイなどのフラットパネルディスプレイのガラス基板を目視や顕微鏡を用いて検査・測定するため装置ユニットに基板を搬送する基板搬送装置に関する。
【背景技術】
【0002】
図20は半導体ウエハの外観検査装置の構成図である。ウエハキャリア1は、外観検査装置架台2上に設けられている。ウエハキャリア1は、カセットに形成されている。
ウエハキャリア1は、未検査用キャリア1aと検査済みキャリア1bとを備えている。未検査用キャリア1aは、未検査の半導体ウエハ3を収納する。半導体ウエハ3は、未検査の半導体ウエハを半導体ウエハ3aとする。
搬送ロボット4は、外観検査装置架台2上に設けられている。この搬送ロボット4は、X移動軸4aとY移動軸4bとを有する。Y移動軸4bは、X移動軸4a上をX軸方向に移動可能である。ロボットアーム5は、Y移動軸4b上に設けられ、Y軸方向に移動可能である。ハンド5aは、ロボットアーム5に設けられている。ハンド5aは、半導体ウエハ3を保持する。
【0003】
3本アーム搬送装置6は、搬送ロボット4と後述するミクロ検査部9の間に設けられている。3本アーム搬送装置6は、半導体ウエハ3を、ウエハ受け渡しポジションPと、マクロ検査ポジションPと、ミクロ検査受渡しポジションPとに循環搬送する。
3本アーム搬送装置6は、3本の搬送アーム6a、6b、6cが軸8に対して等角度、例えば120度毎に設けられている。これら搬送アーム6a、6b、6cには、Y字形状のハンド(ウエハチャック付)7a、7b、7cが設けられている。
ミクロ検査部9は、外観検査装置架台2上に設けられている。ミクロ検査部9は、ミクロ検査受渡し位置Pにポジショニングされたハンド7a、7b又は7c上に保持されている半導体ウエハ3を受け取り、顕微鏡を用いて半導体ウエハ3を検査する。
ミクロ検査部9は、顕微鏡で拡大された半導体ウエハ3の像をCCDカメラ等により撮像し、かつ接眼レンズ10を通して観察できる。
【0004】
次に作用について説明する。
【0005】
マクロ検査位置Pでは、半導体ウエハ3に対して検査員の目視によりマクロ検査が行われる。
ミクロ検査受渡し位置Pでは、半導体ウエハ3がミクロ検査部9に受け渡される。ミクロ検査部9は、半導体ウエハ3の像を顕微鏡の対物レンズにより拡大してCCDカメラ等により撮像する。ミクロ検査部9では、検査員により接眼レンズ10を通してミクロ検査が行われる。
マクロ検査及びミクロ検査が終了すると、3本アーム搬送装置6は、軸8を中心に例えば図面上左回りに回転する。これにより、ハンド7aは、マクロ検査位置Pにポジショニングされる。ハンド7bは、ミクロ検査受渡し位置Pにポジショニングされる。ハンド7cは、ウエハ受け渡しポジションPにポジショニングされる。
【0006】
ロボットアーム5は、搬送ロボット4の駆動によりウエハ受け渡しポジションPに移動する(破線により示す)。ロボットアーム5は、ハンド5aをハンド7cのY字開口部に入るように位置決めし、検査済みの半導体ウエハ3bをハンド7cから受け取る。
次に、ロボットアーム5は、搬送ロボット4の駆動により検査済みキャリア1bに対応する位置に移動し、検査済みの半導体ウエハ3bを検査済みキャリア1b内に収納する。
【0007】
続いて、ロボットアーム5は、搬送ロボット4の駆動により未検査用キャリア1aに対応する位置に移動し、未検査用キャリア1aに収納されている未検査の半導体ウエハ3a(2枚目の半導体ウエハ)を保持する。
【0008】
次に、ロボットアーム5は、未検査の半導体ウエハ3aを保持した状態で、搬送ロボット4の駆動によりウエハ受け渡しポジション位置Pに対応する位置に移動する。
次に、ロボットアーム5は、半導体ウエハ3aを保持するハンド5aをハンド7cのY字開口部に入るように位置決めし、半導体ウエハ3aを搬送アーム6cに渡す。
マクロ検査位置Pでは、次の半導体ウエハ3に対して検査員の目視によりマクロ検査が行われる。
ミクロ検査受渡し位置Pでは、次の半導体ウエハ3がミクロ検査部9に受け渡され、顕微鏡によりミクロ検査が行われる。
【0009】
これ以降、ウエハ受け渡し位置Pにおいては未検査の半導体ウエハ3aと検査済みの半導体ウエハ3bとの受け渡しが行われ、マクロ検査位置Pにおいてはマクロ検査が行われ、ミクロ検査受渡し位置Pにおいてはミクロ検査部9への受け渡しが順次行われる。
【0010】
半導体製造工場の検査工程では、ラインのレイアウト変更や各種仕様(タイプ)に伴い、装置レイアウトと設計仕様が変更となる。上記装置では、外観検査装置架台2にウエハキャリア1、搬送ロボット4、3本アーム搬送装置6、マクロ検査部、ミクロ検査部9が一体に構成されているため、その仕様変更に容易に対応しきれない。
【0011】
このため、検査工程のラインレイアウトや各種仕様に応じてウエハキャリア1の設置位置やその台数が異なる装置を個別注文生産しなければならない。
その上、各種仕様に応じて装置の設計仕様が異なり、各装置の構成部品に非共通のものが多くなる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明は、各種仕様に対して最小限の設計変更で対応でき、汎用性の高い基板搬送装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の主要な局面に係る基板搬送装置は、基板を収納する収納容器からの基板の取り出し及び収納を行なう第1の搬送部と、この第1の搬送部との間で基板の受け渡しを行ない、かつ基板に対して所望の処理を行なう装置ユニットとの間で受け渡しを行なう第2の搬送部とを備え、第2の搬送部は、第1の搬送部の基板受け渡し位置と装置ユニットの基板受け渡し位置との間で回送する回転アームを有し、かつ第1の搬送部は、第2の搬送部とは分離独立して構成され、第2の搬送部に対し第1の搬送部を異なる2方向に選択配置可能に回転アームの受け渡し位置をそれぞれ異なる方向に対し第1の搬送部の搬送ストローク範囲内に設置した。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、各種仕様に対して最小限の設計変更で対応でき、汎用性の高い基板搬送装置を提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、図面を参照して本発明による第1の実施形態について詳細に説明する。
図1は半導体製造工場の検査工程に設けられた外観検査装置の全体構成図である。
外観検査装置は、本発明の基板搬送装置20を備えている。外観検査装置の装置レイアウトは、第1の仕様に対応している。この第1の仕様は、正面側Fから見て左側にローダ部21があり、かつウエハキャリア1aの設置台数が1台である。
【0016】
ウエハキャリア1a内には、複数の半導体ウエハ3a、3bが上下方向に所定ピッチで収納されている。
基板搬送装置20は、ローダ部21とマクロ検査・搬送部22とがそれぞれ分離独立した構成となっている。ローダ部21は、第1の搬送部に対応している。マクロ検査・搬送部22は、第2の搬送部に対応している。
ローダ部21は、ウエハキャリア1aに収納さている未検査の半導体ウエハ3aを取り出してマクロ検査・搬送部22に渡し、かつマクロ検査・搬送部22からの検査済みの半導体ウエハ3bを受け取ってウエハキャリア1aに収納するウエハ搬送ロボット23を備えている。
【0017】
ローダ部21は、マクロ検査・搬送部22に対して2方向の受け渡し方向に配置可能である。第1の受け渡し方向は、図1に示すように正面側Fから見て左側Aからマクロ検査・搬送部22に対する半導体ウエハ3の受け渡しを行なう。
第2の受け渡し方向は、図2に示すようにマクロ検査・搬送部22の背面側Hから半導体ウエハ3の受け渡しを行なう。この場合、ローダ部21は、マクロ検査・搬送部22の背面側Hに配置される。
【0018】
図2に示す装置レイアウトは、マクロ検査・搬送部22の背面側Hにローダ部21を配置し、かつウエハキャリア1aの設置台数が1台である第2の仕様に対応している。
従って、本発明の基板搬送装置20は、第1及び第2の仕様の装置レイアウトに対応できる。
ウエハ搬送ロボット23は、3つの連結アーム24〜26を連結してなる多関節型である。これら連結アーム24〜26の連結によりロボットの腕を構成する。
【0019】
すなわち、連結アーム24の一端は、回転軸27に回転自在に連結されている。連結アーム24の他端は、連結アーム25の一端と間で互いに回転自在に連結されている。連結アーム25の他端は、連結アーム26の一端と間で互いに回転自在に連結されている。連結アーム26の他端には、板状ハンド28が連結されている。
板状ハンド28は、図3に示すようにく字形状の逃げ部29と、四辺形状に形成された吸着部30とが連続的に形成されている。
吸着部30には、複数の吸着孔(吸着パット付)31が同心円上に形成されている。これら吸着孔31は、半導体ウエハ3を載置する側の吸着部30の面上に形成され、図示しない吸引ポンプに連通している。
【0020】
なお、逃げ部29の構成は、後述する。
【0021】
ウエハ搬送ロボット23は、各連結アーム24〜26の関節で回転動作することにより、伸縮動作する。このウエハ搬送ロボット23の伸縮動作によりハンド28の移動範囲が搬送ストローク範囲になる。
従って、ウエハ搬送ロボット23は、図1に示す第1の仕様において、マクロ検査・搬送部22に対して左面側(矢印A方向)から半導体ウエハ3を供給/排出する。
又、ウエハ搬送ロボット23は、図2に示す第2の仕様において、マクロ検査・搬送部22に対して背面側(矢印H方向)から半導体ウエハ3を供給/排出する。
マクロ検査・搬送部22の架台上には、ウエハ搬送装置32が設けられている。ウエハ搬送装置32は、軸方向を中心に回転する回転軸33を備えている。この回転軸33には、3本の搬送アーム34a、34b、34cが等角度(例えば120度)毎に設けられている。
【0022】
これら搬送アーム34a、34b、34cには、それぞれL字形状のL型ハンド(ウエハチャック付)35a、35b、35cが設けられている。
これらL型ハンド35a、35b、35cは、図3に示すように略L字形状に形成されている。なお、図3はL型ハンド35aのみを示している。L型ハンド35aは、ハンド底部35−1と、このハンド底部35−1の両端に形成された各指先35−2、35−3とからなっている。
【0023】
一方の指先35−3は、他方の指先35−2よりも短く形成されている。すなわち、指先35−3は、ウエハ搬送ロボット23の板状ハンド28がマクロ検査・搬送部22の背面側Hからの第2の受け渡し方向から挿入した場合、図3に示すよう板状ハンド28と干渉しないように短く形成されている。
L型ハンド35aには、複数の吸着孔(吸着パット付)35−4が所定の間隔ごとに形成されている。これら吸着孔35−4は、図示しない吸引ポンプに連通している。
他のL型ハンド35b、35cもL型ハンド35aと同一構成であり、その説明は省略する。
【0024】
ウエハ搬送装置32は、回転軸33を中心に例えば図面上左回り(矢印方向)に回転し、各搬送アーム34a、34b、34cをそれぞれウエハ受け渡しポジションP、マクロ検査ポジションP、ミクロ検査受渡しポジションPの間に循環移送する。
ウエハ受け渡しポジションPの中心位置は、マクロ検査・搬送部22の左側壁面Eと背面側壁面Eとから等距離にある。なお、ウエハ受け渡しポジションPの中心位置は、左側壁面Eと背面側壁面Eに対してウエハ搬送ロボット23の回転軸27までの距離がウエハ搬送ロボット23の搬送ストローク範囲内になっていればよい。
又、ウエハ受け渡しポジションPの中心位置は、左側壁面Eと背面側壁面Eとから進入する連結アーム24〜26の伸縮方向が交差する点に設定することも可能である。
【0025】
ウエハ受け渡しポジションPには、図3に示すように半導体ウエハ3のアライメント用の非接触位置センサ36〜39が設けられている。
非接触位置センサ36〜39は、それぞれ外径の異なる複数の半導体ウエハ3、例えば外径200mmと300mmとの各半導体ウエハ3の外周縁(以下、ウエハエッジと称する)に応じた各位置にそれぞれ配置されている。
なお、外径200mmの半導体ウエハを3A、外径300mmの半導体ウエハを3Bと付す。
【0026】
非接触位置センサ36〜39は、半導体ウエハ3A又は3Bのウエハエッジを検出する。非接触位置センサ36〜39は、複数の固体撮像素子(CCD)を複数列、例えば1列に配列し、かつCCDの前面側にスリット36a〜39aを配置したものである。スリット36a〜39aは、CCDの配列方向と並行に設けられている。
具体的に4つの非接触位置センサ36〜39は、ウエハ受け渡しポジションPを中心にして外径300mmの半導体ウエハ3Bのウエハエッジ位置に対応する位置に同心円上に配置されている。
【0027】
2つの非接触位置センサ36と37は一組として組み合わされ、他の2つの非接触位置センサ38と39は他の一組として組み合わされる。
これら組みごとの非接触位置センサ36、37と、非接触位置センサ38、39とは、外径300mmの半導体ウエハ3Bがウエハ受け渡しポジションPにポジショニングされたとき、当該半導体ウエハ3Bの4箇所のウエハエッジを検出する。
一方、外径200mmの半導体ウエハ3Aがウエハ受け渡しポジションPにポジショニングされた場合、半導体ウエハ3Aは、ウエハ搬送ロボット23により非接触位置センサ36、37と非接触位置センサ38、39との間を往復移動する。
【0028】
この半導体ウエハ3Aが右上に移動したとき、一方の非接触位置センサ36、37により半導体ウエハ3Aの2箇所のウエハエッジが検出される。
又、半導体ウエハ3Aが左下に移動したとき、他方の組みの非接触位置センサ38、39により反対側の2箇所のウエハエッジが検出される。
このときアライメント用の非接触位置センサ36〜39は、第1の仕様に対応する左側Aからの第1の受け渡し方向と第2の仕様に対応する背面側Hからの第2の受け渡し方向に対する板状ハンド28と重ならないような配置関係になっている。
【0029】
板状ハンド28に説明を戻す。板状ハンド28の逃げ部29は、図3に示すように第1の受け渡し方向に対する半導体ウエハ3の第1の受け渡しする板状ハンド28の上下動作時に、L型ハンド35a、35b、35cの長尺の指先35−2との干渉を避ける形状に形成されている。
半導体ウエハ3の受け渡しを行なう場合、図3に示すように板状ハンド28の吸着部30がL型ハンド35aの略L字形状の空間内に入る。このとき板状ハンド28における逃げ部29に、L型ハンド35aの指先35−2が入り込む。又、逃げ部29は、4つの非接触位置センサ36〜39の検出視野を避ける。
なお、板状ハンド28の吸着部30の形状は、図1及び図2に示すように第1の受け渡し方向と第2の受け渡し方向とに対してL型ハンド35a(35b、35c)と干渉しないようにほぼ正方形に形成されている。
【0030】
この吸着部30の形状は、正方形の他に、図4に示すような円形状であってもよい。
又、L型ハンド35a(35b、35c)は、図4に示すようなL字形状でもよい。
円型ハンド64とL型ハンド70aとの間で半導体ウエハ3を受け渡すときの位置関係について図4を参照して説明する。
円型ハンド64は、逃げ部65と吸着部66とからなる。吸着部66には、吸着パット付の複数の吸着孔67が形成されている。
L型ハンド70aは、1本の指が形成されている。吸着孔71には、吸着パットが付いている。
同図は円型ハンド64をL型ハンド70aのL字空間内に対して斜め方向から差し入れた状態を示す。斜め方向は、L型ハンド70aの軸方向Kに対して円型ハンド64を差し入れることである。
【0031】
半導体ウエハ3の受渡し動作を安定化するために、円型ハンド64とL型ハンド70aとは、次の位置関係に配置される。
【0032】
L型ハンド70aの各指先の先端S、Sを結ぶラインをmとする。円型ハンド64の吸着部66上に半導体ウエハ3が吸着保持されている状態に、半導体ウエハ3のウエハ中心位置は、Fとする。
円型ハンド64とL型ハンド70aとは、ウエハ中心Fの位置がラインmよりもハンド内側になるように配置される。
ウエハ中心Fがラインmよりもウエハ内側になる距離Kは、例えば、外径200mmの半導体ウエハ3では6mm以上、外径300mmの半導体ウエハ3では10mm以上にすることが望ましい。
【0033】
このように半導体ウエハ3のウエハ中心Fの位置がL型ハンド70aのラインmのハンド内側に配置する動作は、例えばウエハ搬送ロボット23の各連結アーム24〜26の伸縮、回転により行われる。
ウエハ搬送ロボット23の動作により半導体ウエハ3をウエハ受け渡し位置Pにポジショニングするとき、半導体ウエハ3のウエハ中心Fは、4つの非接触位置センサ36〜39の検出結果に基づいてアライメントする。
このアライメントにより半導体ウエハ3のウエハ中心Fの位置は、L型ハンド70aのハンド内側に配置される。
このように円型ハンド64とL型ハンド70aとの間で半導体ウエハ3を受け渡すとき、例えばL型ハンド70aの各指先の先端S、Sを結ぶラインmに対し、円型ハンド64上に吸着されている半導体ウエハ3のウエハ中心Fが常にラインm内側に位置する。
【0034】
従って、円型ハンド64とL型ハンド70aとの間では、半導体ウエハ3のふらつき、ばたつき等がなく安定して搬送、受け渡すことができる。
又、ウエハ受渡し時に半導体ウエハ3のウエハ中心Fの位置が常にL型ハンド22aの各指先の先端S、Sを結ぶラインmに対して距離Kだけハンド内側に位置するので、L型ハンド70a上に半導体ウエハ3を安定して吸着保持できる。
図5に示すようにL型ハンド70aは、長さの異なる指先73、74を有するものを用いてもよい。
指先73は、指先74よりも長く形成されている。これら指先73、74は、互いに並行に形成されている。指先73、74には、パッド75付きの吸着孔76が複数設けられている。
【0035】
半導体ウエハ3の受渡しは、円型ハンド64をL型ハンド70aのL字空間内に対して斜め方向から差し入れて行う。
このとき、L型ハンド70aの各指先73、74の先端S、Sをラインmにより結ぶ。
円型ハンド64とL型ハンド70aとは、半導体ウエハ3の受渡し動作を安定化するために次のように配置される。
L型ハンド70aは、ラインmに対し、円型ハンド17上に吸着されている半導体ウエハ3のウエハ中心Fの位置がハンド内側に配置される。
このとき、ウエハ中心Fは、ラインmよりも距離Kだけウエハ内側に配置される。
【0036】
図6は別のハンドの組み合わせを示す。ウエハ搬送ロボット23のハンドは、L型ハンド77である。ウエハ搬送装置68のハンドは、長さの異なる指先73、74を有するL型ハンド70aである。
L型ハンド77は、互い直交する2つの指先78、79を有する。このL型ハンド77は、L型ハンド70aの軸方向Kに対して斜め方向に差し入れられる。
このとき、L型ハンド77は、一方の指先78がL型ハンド70aの指先74に対して並行に配置され、他方の指先79がL型ハンド70aの底部80に対して並行に配置される。
半導体ウエハ3の受渡しは、L型ハンド77をL型ハンド70aに対して斜め方向から差し入れて行う。
【0037】
L型ハンド77とL型ハンド70aとは、半導体ウエハ3の受渡し動作を安定化するために次のように配置される。
L型ハンド70aの各指先73、74の先端S、Sを結ぶラインmを想定する。
半導体ウエハ3は、L型ハンド77上に吸着保持されている。この半導体ウエハ3のウエハ中心Fの位置は、ラインmよりも距離KだけL型ハンド70aの内側に配置される。
これと共に、L型ハンド77の各指先78、79の先端S、Sを結ぶラインnを想定する。
【0038】
半導体ウエハ3のウエハ中心Fの位置は、ラインnよりも距離KだけL型ハンド77の内側に配置される。
これら距離K、Kは、例えば、外径200mmの半導体ウエハ3では6mm以上、外径300mmの半導体ウエハ3では10mm以上にすることが望ましい。
【0039】
マクロ検査ポジションPには、半導体ウエハ3を保持した状態で揺動し、検査員の目視により半導体ウエハ3の表裏面をマクロ検査するマクロ検査用揺動機構40が設けられている。
このマクロ検査ポジションPの上方には、半導体ウエハ3の面を照明するマクロ検査用の照明装置53(図8)が配置されている。
モニタ41は、検査員Qがマクロ検査用揺動機構40上の半導体ウエハ3を観察する視線範囲θの周辺でマクロ検査の邪魔にならない位置に設けられている。
このモニタ41には、撮像装置47で撮像された半導体ウエハ3の拡大画像、又はマクロ検査やミクロ検査の検査結果、この検査結果をインプットするための画面、後述する複数の検査装置ユニット42−1〜42−nの動作に関するデータなどが表示される。
【0040】
モニタ41は、例えばCRTディスプレイ、又は液晶ディスプレイである。
本実施の形態では、マクロ検査時の検査員Qの視線範囲θの左側にモニタ41を設ける。これにより、観察頻度の高いマクロ検査用揺動機構40を中心にして左右に例えば検査装置ユニット42−1の接眼レンズ48とモニタ41とが互いに近接して配置される。
モニタ41の高さ位置は、接眼レンズ48の高さ位置と略同一高さ位置、すなわち検査員Qが検査装置ユニット42−1の操作部45の前方に位置したとき、検査員Qの目の高さ位置と同じ高さ位置になる。
マクロ検査・搬送部22の右側壁面Eには、複数の検査装置ユニット42−1〜42−nのうち検査項目に適合した検査装置ユニット42−1〜42−nが組み込まれる。
これら検査ユニット42−1〜42−nは、半導体ウエハ3のミクロ検査用の検査ユニット42−1、半導体ウエハ3の膜厚測定用の検査ユニット42−nなどの各種検査用のユニットである。
【0041】
ミクロ検査用の検査ユニット42−1は、架台43上にミクロ検査部44と、操作部45とを備えている。
ミクロ検査部44は、ミクロ検査受渡しポジションPにポジショニングされたハンド34a、34b又は34c上に保持されている半導体ウエハ3を受け取り、顕微鏡46を用いて半導体ウエハ3をミクロ検査する。
ミクロ検査部44は、基板吸着部44aを備えている。この基板吸着部44aは、ミクロ検査部44のミクロ検査用XYステージ44b上に設けられている。
基板吸着部44aは、L型ハンド35a、35b又は35cから受け取った半導体ウエハ3を吸着保持し、ミクロ検査部44内にセットする。
基板吸着部44aの配置位置は、ミクロ検査受渡しポジションPにポジショニングされるL型ハンド35a、35b又は35cの位置に移動可能となっている。
ミクロ検査部44では、顕微鏡46で拡大された半導体ウエハ3の像をCCDカメラ等の撮像装置47により撮像したり、接眼レンズ48を通して観察できる。
操作部45は、マクロ検査の操作と、ミクロ検査の操作と、これら検査結果をインプットするための操作と、外観検査装置全体の動作に関するデータなどの各種データをインプットする操作とを行うものである。
【0042】
膜厚測定用の検査ユニット42−nは、架台49上に膜厚測定部50と操作部51とを備えている。
膜厚測定部50は、半導体ウエハ3面上に形成された薄膜の膜厚を計測する。膜厚測定部50は、正面側に観察窓52が設けられている。
操作部51は、マクロ検査の操作と、膜厚測定の操作と、これらマクロ検査と膜厚測定との各結果をインプットするための操作と、外観検査装置全体の動作に関するデータなどの各種データをインプットする操作とを行うものである。
【0043】
次に、上記の如く構成された装置の作用について説明する。
先ず、装置レイアウトの第1の仕様で、検査ユニット42−1を組み込んだ場合について図7を参照して説明する。
図8は第1の仕様における装置の正面図を示す。なお、マクロ検査用の照明装置53は、マクロ検査用揺動機構40の上方に設けられている。
ここで、例えばウエハ搬送装置32のハンド34aはウエハ受け渡しポジションPにポジショニングされている。ハンド34bはマクロ検査ポジションPにポジショニングされている。L型ハンド35cはミクロ検査受渡しポジションPにポジショニングされている。
【0044】
ウエハ受け渡しポジションPにおいて、ウエハ搬送ロボット23は、回転軸27を中心に回転して腕をウエハキャリア1aの設置方向に向く。
次に、ウエハ搬送ロボット23は、各連結アーム24〜26を伸ばしてウエハキャリア1a内に収納されている未検査の半導体ウエハ3aを吸着保持する。
次に、ウエハ搬送ロボット23は、各連結アーム24〜26及び板状ハンド28を縮め、続いて例えば左回りに90度回転して停止し、マクロ検査・搬送部22のウエハ受け渡しポジションP方向に腕を向ける。
【0045】
次に、ウエハ搬送ロボット23は、再び各連結アーム14〜16及び板状ハンド28を矢印A方向に伸ばし、板状ハンド28をマクロ検査・搬送部22の左側壁面Eから挿入して、ウエハ受け渡しポジションP上で停止させる。
このとき、ウエハ搬送ロボット23の板状ハンド28は、図3に示すようにウエハ搬送装置32のL型ハンド35aのL字開口部内に位置する。
非接触位置センサ36、37と、非接触位置センサ38、39とは、例えば外径300mmの半導体ウエハ3Bがウエハ受け渡しポジションPにポジショニングされたとき、当該半導体ウエハ3Bの4箇所のウエハエッジを検出する。
一方、外径200mmの半導体ウエハ3Aがウエハ受け渡しポジションPにポジショニングされた場合、ウエハ搬送ロボット23により半導体ウエハ3Aを2組の非接触位置センサ方向に往復移動させ、非接触位置センサ36、37と非接触位置センサ38、39により半導体ウエハ3Aの4箇所のウエハエッジを検出する。
【0046】
これら4箇所のエッジ位置信号のうち、オリフラやノッチに重なっていない3箇所のエッジ位置から半導体ウエハ3B又は3Aのウエハ中心位置を周知の円の方程式より算出する。
この算出結果に基づいて半導体ウエハ3B又は3Aのウエハ中心がウエハ受け渡しポジションP1の中心位置に一致するようにウエハ搬送ロボット23を制御してアライメントする。
【0047】
次に、ウエハ搬送ロボット23は、半導体ウエハ3aに対する吸着を解除し、板状ハンド28上の半導体ウエハ3aをL型ハンド35aに渡す。
すなわち、ウエハ搬送ロボット23は、半導体ウエハ3aを保持する板状ハンド28をハンド34aの上方に配置し、次に下降させてアライメントされた半導体ウエハ3aをL型ハンド35aに渡す。
このとき、ウエハ搬送ロボット23の板状ハンド28は、図3に示すように、ウエハ搬送装置32のL型ハンド35aの略L字形状内に入り、かつ逃げ部29にL型ハンド35aの長辺の指先35−2が入り込む。
【0048】
マクロ検査ポジションPにおいて、L型ハンド35bに吸着保持されている半導体ウエハ3は、マクロ検査用揺動機構40に渡される。
このとき、L型ハンド35bは、半導体ウエハ3に対する吸着を解除する。
マクロ検査用揺動機構40は、例えばL型ハンド35bの下方から上方に向って移動して、L型ハンド35bに保持されている半導体ウエハ3を受け取る。
マクロ検査用揺動機構40は、半導体ウエハ3を保持した状態で揺動する。この半導体ウエハ3には、マクロ検査用の照明装置53からの照明光が所定の入射角で照射される。
検査員Qは、揺動されている半導体ウエハ3の表面からの散乱光などを目視してマクロ検査する。
【0049】
マクロ検査が終了すると、マクロ検査用揺動機構40は、半導体ウエハ3をL型ハンド35bに渡す。このとき、マクロ検査用揺動機構40は、例えばL型ハンド35bの上方から下方に向って移動して、半導体ウエハ3をL型ハンド35bに渡す。
ミクロ検査受渡しポジションPにおいて、ミクロ検査用の検査ユニット42−1は、L型ハンド35c上に保持されている半導体ウエハ3を受け取って基板吸着部44aに載置した状態でアライナにより精度の高いアライメントを行なう。
この基板吸着部44aは、L型ハンド35cから受け取った半導体ウエハ3を吸着保持し、ミクロ検査部44内にセットする。
ミクロ検査部44は、顕微鏡46をXY方向に移動して半導体ウエハ3の全面を走査する。これにより、半導体ウエハ3は、顕微鏡46の対物レンズで拡大され、その拡大像がCCDカメラ等により撮像される。
これと共に、半導体ウエハ3の拡大像は、接眼レンズ48を通して検査員Qにより観察される。検査員Qは、接眼レンズ48を通して半導体ウエハ3の拡大像を観察し、ミクロ検査する。
【0050】
ミクロ検査が終了すると、検査ユニット42−1は、検査済みの半導体ウエハ3bを内部から搬出し、L型ハンド35c上に渡す。
【0051】
マクロ検査及びミクロ検査のとき、検査員Qは、マクロ検査・搬送部22の真正面から僅かに左側に視線を移動させることによりマクロ検査用揺動機構40の上に載っている半導体ウエハ3を観察してマクロ検査を行う。
これと共に、検査員Qは、マクロ検査用揺動機構40の僅か左側に視線を移動するだけでモニタ41に表示されている半導体ウエハ3の拡大画像を観察してミクロ検査を行う。
【0052】
又、マクロ検査時においては、前工程で抽出された欠陥データ及び欠陥画像をモニタ41に表示させ、前工程で抽出された注目欠陥を容易に認識できると共に、今回の工程で発生した新たな欠陥を容易に発見できる。
【0053】
検査員Qは、半導体ウエハ3の拡大像を実際に観察したいとき、視線を正面に移動させることにより接眼レンズ48によりミクロ観察ができる。
マクロ検査及びミクロ検査が終了すると、ウエハ搬送装置32は、再び回転軸33を中心に例えば図面上左回りに回転する。
これにより、ウエハ搬送装置32のL型ハンド35aがマクロ検査ポジションPにポジショニングされ、L型ハンド35bがミクロ検査受渡しポジションPにポジショニングされ、L型ハンド35cがウエハ受け渡しポジションPにポジショニングされる。
【0054】
ウエハ受け渡しポジションPにおいて、マクロ検査及びミクロ検査を実行している間に、検査済みの半導体ウエハ3bをウエハ搬送ロボット23によりウエハキャリア1aに戻され、未検査の半導体ウエハ3aがウエハキャリア1aから取り出され、上記同様に、ウエハ受け渡しポジションPに位置決めされる。
これ以降、ウエハ搬送装置32は、3本の搬送アーム34a、34b、34cを等角度(例えば120度)毎に回転させる。
【0055】
3本の搬送アーム34a、34b、34cは、ウエハ受け渡しポジションP、マクロ検査ポジションP、ミクロ検査受渡しポジションPの間に循環移送する。
しかるに、ウエハ受け渡しポジションPにおいては未検査の半導体ウエハ3aと検査済みの半導体ウエハ3bとの受け渡しが行われる。
マクロ検査ポジションPにおいては、半導体ウエハ3のマクロ検査が行われる。
ミクロ検査受渡しポジションPにおいては、半導体ウエハ3のマクロ検査が行われる。
【0056】
次に、装置レイアウトが第2の仕様で、検査ユニット42−1を組み込んだ場合について図9を参照して説明する。
第2の仕様に対応した構成は、ローダ部21によるマクロ検査・搬送部22との間の半導体ウエハ3の受け渡し方向がマクロ検査・搬送部22の背面側H方向から行われる。
マクロ検査・搬送部22におけるマクロ検査及びミクロ検査の動作は、上記第1の仕様の場合と同様であり、その詳しい説明は省略する。
【0057】
ローダ部21とマクロ検査・搬送部22との間の半導体ウエハ3の受け渡し方向は、上記図7に示す第1の仕様の受け渡し方向(矢印A方向)に対して略90度異なる方向(矢印H方向)である。
ウエハキャリア1aは、ローダ部21の左側に一体的に設けられる。
なお、ウエハキャリア1aは、ローダ部21の右側に設けてもよく、ウエハ搬送ロボット29の回転軸27を中心に180度回転させて配置することも可能である。
次に、ローダ部21とマクロ検査・搬送部22との間の半導体ウエハ3の受け渡しについて図7に示す第1の仕様の装置との相違点について説明する。
【0058】
ウエハ受け渡し位置Pにおいて、ウエハ搬送ロボット23は、ウエハキャリア1aから未検査の半導体ウエハ3aを取り出した状態で、各連結アーム24〜26及び板状ハンド28を矢印H方向に伸ばし、板状ハンド28をマクロ検査・搬送部22の左側壁面Eから挿入して、ウエハ受け渡し位置P上で停止させる。
このとき、ウエハ搬送ロボット23の板状ハンド28は、ウエハ搬送装置32のL型ハンド35aのL字開口部内に位置する。
上記図7及び図9で説明した第1及び第2の仕様では、ミクロ検査用の検査ユニット42−1を組み込んだ場合について説明した。
第1の実施形態では、光学顕微鏡を組み込んだミクロ検査ユニットに代えてAFM(原子力間顕微鏡)、LSM(レーレーザ走査型顕微鏡)などのミクロ観察用の検査ユニットや、膜厚測定又は線幅測定などの検査ユニットを組み込むことができる。
例えば、図1及び図2に示す膜厚測定用の検査ユニット42−nを組み込んだ場合、ミクロ検査受渡しポジション(ここでは膜厚測定ポジションとなる)Pにおいて、半導体ウエハ3面上に形成された薄膜の膜厚を計測する。
このとき検査員Qは、操作部51に対し、マクロ検査の操作と、膜厚測定の操作と、これらマクロ検査と膜厚測定との各結果をインプットするための操作と、外観検査装置全体の動作に関するデータなどの各種データをインプットする操作とを行う。
【0059】
具体的に説明すると、検査員Qは、膜厚測定の検査ユニット41−nの真正面から僅かに左側に視線を移動してマクロ検査用揺動機構40上の半導体ウエハ3aを観察してマクロ検査を行う。
検査員Qは、マクロ検査用揺動機構40を観察する方向から僅か左側に視線を移動してモニタ41に表示されている画像から膜厚測定中の半導体ウエハ3aを観察できる。
検査員Qは、観察窓52を通して実際の半導体ウエハ3aを観察でき、検査時における視線の移動を少なくして観察の煩わしさを軽減できる。
検査員Qは、マクロ検査及び膜厚測定の検査結果を操作部45又は51からインプット操作するが、視線の移動範囲を少なくでき、観察の煩わしさを軽減できる。
【0060】
このように上記第1の実施形態によれば、基板搬送装置20を、ローダ部21とマクロ検査・搬送部22とをそれぞれ分離独立した構成とすると共に、マクロ検査・搬送部22のウエハ受け渡しポジションPの中心位置を左側壁面Eと背面側壁面Eに対してウエハ搬送ロボット23の搬送ストローク範囲内にする。
このような構成をとることにより、ローダ部21は、マクロ検査・搬送部22に対して第1と第2の仕様である2方向の受け渡し方向に容易に配置可能である。
好ましくは、ウエハ受け渡しポジションPの中心位置は、マクロ検査・搬送部22の左側壁面Eと背面側壁面Eに対して同距離に設定することにより、ローダ部21を設計変更することなく、配置位置を変更することができる。
従って、例えば施設内の搬送路が外観検査装置の左側又は背面側にあるときや、外観検査装置を設置する施設内のスペースの形状などに対応して、第1又は第2の仕様の装置レイアウトに容易に対応できる。
【0061】
半導体製造工場の検査工程における装置レイアウトの仕様が上記第1又は2の仕様のいずれかに設計変更となった場合でも、マクロ検査・搬送部22に対して半導体ウエハ3を供給/排出する方向を、マクロ検査・搬送部22の左面側又は背面側からの方向で容易に変更できる。
第1又は第2の仕様に変更しても、構成部品も共通のものが多く、仕様変更の際に手間がかかることはない。
さらに、第1又は第2の仕様に対して最小限の設計変更で対応でき、汎用性の高いものとすることができる。
又、半導体ウエハ3に対する検査項目に応じて各種のミクロ観察用の検査ユニット、又は各種の測定用検査ユニットを容易に組み込むことができる。
ウエハ搬送ロボット23の板状ハンド28は、く字形状の逃げ部29と、半導体ウエハ3を吸着する複数の吸着孔31が形成された吸着部30とを一体的に形成する。
【0062】
逃げ部29は、マクロ検査・搬送部22における半導体ウエハ3の受渡しポジションPに配置されたアライメント用の非接触位置センサ36〜39を避ける形状に形成する。
【0063】
一方、ウエハ搬送装置32のL型ハンド35a、35b、35cは、略L字形状で、一方の指先35−2が長く、他方の指先35−3が短く形成する。
従って、ウエハ搬送ロボット23の板状ハンド28を、ウエハ搬送装置32のL型ハンド35a、35b、35cに対して2方向から入り込むことができ、第1と第2の仕様に対応した半導体ウエハ3の受渡しができる。
又、半導体ウエハ3の受渡しのときに半導体ウエハ3の中心位置のアライメントを行うが、このときにアライメント用の4つの非接触位置センサ36〜39の検出動作を遮蔽することがない。
【0064】
検査員Qがマクロ検査用揺動機構40上の半導体ウエハ3を観察する視線範囲θの周辺にマクロ検査とミクロ検査兼用のモニタ41を設け、観察頻度の高いマクロ検査用揺動機構40を中心に、ミクロ検査用の検査ユニット42−1の接眼レンズ47とモニタ41とを近接して配置した。
これにより、検査員Qは、操作部45の真正面から僅かに左側に視線を移動し、マクロ検査用揺動機構40上の半導体ウエハ3を観察してマクロ検査を行なうことができる。検査員Qは、その僅か左側に視線を移動し、マクロ検査結果をモニタ41を見ながら各種情報をインプットできる。
【0065】
これと共に、検査員Qは、ミクロ検査時に、モニタ41に表示されている半導体ウエハ3の拡大画像を観察してミクロ検査ができる。
さらに接眼レンズ48を通して実際の半導体ウエハ3の拡大画像を観察できる。これにより、ミクロ観察を時間をかけて詳細に行うとき、検査員Qは、視線を正面に移動させるだけでよい。検査員Qは、検査時に視線の移動を少なくして観察の煩わしさを軽減できる。
【0066】
次に、本発明による第2の実施形態について図面を参照して説明する。なお、図7と同一部分には同一符号を付してその詳しい説明は省略する。
図10は半導体製造工場の検査工程に設けられた外観検査装置の全体構成図である。
【0067】
外観検査装置は、図7に示すマクロ検査・搬送部22とミクロ検査用の検査ユニット42−1とを一体化したものである。
検査部50は、検査部架台51上にマクロ検査・搬送部22とミクロ検査用の検査ユニット42−1とを設けている。
従って、ローダ部21と検査部50とは、それぞれ分離独立した構成となっている。
【0068】
ローダ部21は、検査部50に対して2方向の受け渡し方向に配置可能である。第1の受け渡し方向は、図10に示すように正面側Fから見て左側から検査部50に対する半導体ウエハ3の受け渡しを行なう。
【0069】
この装置レイアウトは、左側に半導体ウエハ3の受け渡し場所があり、ウエハキャリア1aの設置台数が1台で、かつマクロ検査・搬送部22と検査ユニット42−1とを一体化した第3の仕様に対応している。
第2の受け渡し方向は、図11に示すように検査部50の背面側Hから半導体ウエハ3の受け渡しを行なう。この場合、ローダ部21は、検査部50の背面側Hに配置される。
この装置レイアウトは、検査部50の背面側Hにローダ部21を配置し、かつウエハキャリア1aの設置台数が1台で、かつマクロ検査・搬送部22と検査ユニット42−1とを一体化した第4の仕様に対応している。
【0070】
検査部50は、マクロ検査・搬送部22と検査ユニット42−1とを一体化しても、これらマクロ検査・搬送部22と検査ユニット42−1との配置関係は上記第1の実施形態と同一の構成である。
ウエハ受け渡しポジションPの中心位置は、検査部50の左側壁面Eと背面側壁面Eとから等距離にある。なおかつ、ウエハ受け渡しポジションPの中心位置は、ウエハ搬送ロボット23の回転軸29までの距離がウエハ搬送ロボット23の搬送ストローク範囲内になっている。
このように構成された装置の動作は、上記図7及び図9に示す装置の動作と同一であり、その説明は重複するので省略する。
【0071】
このように上記第2の実施形態によれば、ローダ部21と検査部50とをそれぞれ分離独立した構成とし、ローダ部21は、検査部50に対して第3と第4の仕様である2方向の受け渡し方向に配置可能である。
従って、例えば施設内の搬送路が外観検査装置の左側又は背面側にあるときや、外観検査装置を設置する施設内のスペースの形状などに対応して、第3又は第4の仕様の装置レイアウトに容易に対応できる。
検査部50は、マクロ検査・搬送部22とミクロ検査用の検査ユニット42−1とを一体化したので、マクロ検査・搬送部22に検査ユニット42−1を組み込むときの位置合わせ調整をする必要がない。
又、上記第2の実施形態によれば、上記第1の実施形態の効果と同様の効果を奏することができる。
【0072】
次に、本発明による第3の実施形態について図面を参照して説明する。なお、図10と同一部分には同一符号を付してその詳しい説明は省略する。
図12は半導体製造工場の検査工程に設けられた外観検査装置の全体構成図である。この第3の実施形態の検査部50は、図10と同一のものであり、ローダ部54が異なる構造となっている。
【0073】
外観検査装置は、検査部50の左面側から半導体ウエハ3の受け渡しを行い、かつウエハキャリア1a、1bの設置数を2台とする第5の仕様に対応している。
ローダ部54は、検査部50の正面側Fから見て左面側に配置されている。ローダ部54は、シフト機構55を設けている。ウエハ搬送ロボット56は、シフト機構55上に設けられている。
【0074】
シフト機構55は、ウエハ搬送ロボット56を検査部50の正面側Fと背面側Hと間を往復する方向(矢印C方向)に移動させる。
ウエハ搬送ロボット56は、検査部50の左面側(矢印A方向)から半導体ウエハ3を、検査部50に対して供給/排出する。
ウエハ搬送ロボット56は、上記第1及び第2の実施形態で用いたウエハ搬送ロボット23と同一構成である。すなわち、ウエハ搬送ロボット23は、3つの連結アーム24〜26を連結して腕を構成する多関節型である。
【0075】
ローダ部54は、2つのウエハキャリア1a、1bを備えている。これらウエハキャリア1a、1bは、ローダ部54における左面側に載置されている。
これらウエハキャリア1a内には、未検査の半導体ウエハ3aが収納されている。ウエハキャリア1b内には、検査済みの半導体ウエハ3bが収納されている。
【0076】
第5の仕様に対応した装置レイアウトでは、ローダ部54による検査部50への半導体ウエハ3の受け渡し方向が検査部50の左面側(矢印A方向)から行われる。
ローダ部54は、図13又は図14に示すように装置レイアウトに応じて検査部50に対する設置方向又は設置位置を変更可能である。
【0077】
図13に示す装置レイアウトは、検査部50の左面側から半導体ウエハ3の受け渡しを行い、2つのウエハキャリア1a、1bを検査部50に並設し、その設置数を2台とする第6の仕様に対応している。
ローダ部54は、シフト機構55の駆動によりウエハ搬送ロボット56が左右方向(矢印C方向)に移動する。
2つのウエハキャリア1a、1bは、ローダ部54に前面側に載置されている。
【0078】
図14に示す装置レイアウトは、検査部50の裏面側Hから半導体ウエハ3を受け渡し、かつ2つのウエハキャリア1a、1bをローダ部54の背面側に配置した第7の仕様に対応している。
ローダ部54は、検査部50の背面側Hに配置されている。ローダ部54は、シフト機構55の駆動によりウエハ搬送ロボット56が左右方向(矢印C方向)に移動する。
ウエハ搬送ロボット56は、検査部50の背面側(矢印H方向)から半導体ウエハ3を供給/排出する。
ローダ部54には、2つのウエハキャリア1a、1bがローダ部54の背面側に載置されている。
検査部50におけるマクロ検査及びミクロ検査の動作は、第3及び4の仕様の場合と同様であり、その詳しい説明は省略する。
【0079】
次に、図12に示す第5の仕様において、ローダ部54による検査部50への半導体ウエハ3の受け渡しについて説明する。
ウエハ搬送ロボット56は、シフト機構55の駆動によりウエハ受け渡し位置Pに対応する位置に移動する。
この後、ウエハ搬送ロボット56は、各連結アーム24〜26及び板状ハンド28を検査部50の左面側からの矢印A方向に伸ばし、板状ハンド28をウエハ受け渡し位置Pに位置決めする(破線により示す)。
【0080】
ウエハ受け渡しポジションPにおける半導体ウエハ3の受け渡し、マクロ検査ポジションPにおけるマクロ検査、ミクロ検査受渡しポジションPにおけるマクロ検査が終了すると、ウエハ搬送装置32は、3本の搬送アーム34a、34b、34cをウエハ受け渡しポジションP、マクロ検査ポジションP、ミクロ検査受渡しポジションPの間に循環移送する。
【0081】
このとき、ウエハ搬送ロボット56の板状ハンド28は、搬送アーム34cのL型ハンド35cのL字開口部内に位置し、検査済みの半導体ウエハ3bをL型ハンド35cから受け取る。
次に、ウエハ搬送ロボット56は、半導体ウエハ3bを保持した状態で各連結アーム24〜26及び板状ハンド28を検査部50の左面側からの矢印A方向に縮める。
次に、ウエハ搬送ロボット56は、例えば右回りに180度回転して停止し、再び各連結アーム25〜28及び板状ハンド28を伸ばして半導体ウエハ3bをウエハキャリア1b内に収納する。
【0082】
続いて、ウエハ搬送ロボット56は、各連結アーム24〜26及び板状ハンド28を縮めた状態でシフト機構55の駆動によりウエハキャリア1aに対応する位置に移動する。
【0083】
次に、ウエハ搬送ロボット56は、各連結アーム24〜26及び板状ハンド28を伸ばしウエハキャリア1a内に収納されている未検査の半導体ウエハ3aを吸着保持する。
次に、ウエハ搬送ロボット56は、各連結アーム24〜26及び板状ハンド28を縮め、例えば左回りに180度回転して停止し、シフト機構55の駆動によりウエハ受け渡し位置Pに対応する位置に移動する。
次に、ウエハ搬送ロボット56は、再び各連結アーム24〜26及び板状ハンド28を検査部50の左側からの矢印A方向に伸ばし、板状ハンド28をウエハ受け渡し位置Pに移動し、未検査の半導体ウエハ3aをL型ハンド35cに渡す。
【0084】
次に、図13に示す第6の仕様において、ローダ部54による検査部50への半導体ウエハ3の受け渡しについて説明する。
ウエハ搬送ロボット56は、シフト機構55の駆動により検査部50側(右側)に移動する。
ウエハ受け渡しポジションPにおける半導体ウエハ3の受け渡し、マクロ検査ポジションPにおけるマクロ検査、ミクロ検査受渡しポジションPにおけるマクロ検査が終了すると、ウエハ搬送装置32は、3本の搬送アーム34a、34b、34cをウエハ受け渡しポジションP、マクロ検査ポジションP、ミクロ検査受渡しポジションPの間に循環移送する。
【0085】
次に、ウエハ搬送ロボット56は、各連結アーム24〜26及び板状ハンド28を検査部50の左面側からの矢印A方向に伸ばし、ウエハ受け渡し位置Pに板状ハンド28を位置決めする(破線により示す)。
このとき、ウエハ搬送ロボット56の板状ハンド28は、搬送アーム34cのL型ハンド35cのL字開口部内に位置し、検査済みの半導体ウエハ3bをL型ハンド35cから受け取る。
次に、ウエハ搬送ロボット56は、半導体ウエハ3bを保持した状態で各連結アーム24〜26及び板状ハンド28を検査部50の左面側からの矢印A方向に縮める。
【0086】
次に、ウエハ搬送ロボット56は、シフト機構55の駆動によりウエハキャリア1bに対応する位置に移動する。
次に、ウエハ搬送ロボット56は、再び各連結アーム24〜26及び板状ハンド28を伸ばして半導体ウエハ3bをウエハキャリア1b内に収納する。
次に、ウエハ搬送ロボット56は、各連結アーム24〜26及び板状ハンド28を縮めた状態で、シフト機構55の駆動によりウエハキャリア1aに対応する位置に移動する。
次に、ウエハ搬送ロボット56は、各連結アーム24〜26及び板状ハンド28を伸ばし、ウエハキャリア1a内に収納されている未検査の半導体ウエハ3aを吸着保持する。
【0087】
次に、ウエハ搬送ロボット56は、各連結アーム24〜26及び板状ハンド28を縮め、シフト機構55の駆動により検査部50側(右側)に移動する。
【0088】
次に、ウエハ搬送ロボット56は、ウエハ受け渡し位置Pに対応する位置で、シフト機構55による移動が停止する。
次に、ウエハ搬送ロボット56は、再び各連結アーム24〜26及び板状ハンド28を検査部50の左面側からの矢印A方向に伸ばし、板状ハンド28をウエハ受け渡し位置Pに移動する。
そして、ウエハ搬送ロボット56は、未検査の半導体ウエハ3aをL型ハンド35cに渡す。
【0089】
次に、図14に示す第7の仕様において、ローダ部54による検査部50への半導体ウエハ3の受け渡しについて説明する。
ウエハ搬送ロボット56は、シフト機構55の駆動により検査部50の左面側に移動する。そして、ウエハ搬送ロボット56は、ウエハ受け渡し位置Pに対応する位置に位置決めされる。
【0090】
ウエハ受け渡しポジションPにおける半導体ウエハ3の受け渡し、マクロ検査ポジションPにおけるマクロ検査、ミクロ検査受渡しポジションPにおけるマクロ検査が終了すると、ウエハ搬送装置32は、3本の搬送アーム34a、34b、34cをウエハ受け渡しポジションP、マクロ検査ポジションP、ミクロ検査受渡しポジションPの間に循環移送する。
【0091】
この後、ウエハ搬送ロボット56は、各連結アーム24〜26及び板状ハンド28を検査部50の裏面側からの矢印B方向に伸ばし、ウエハ受け渡し位置Pに板状ハンド28を位置決めする(破線により示す)。
このとき、ウエハ搬送ロボット56の板状ハンド28は、搬送アーム34cのL型ハンド35cのL字開口部内に位置し、検査済みの半導体ウエハ3bをL型ハンド35cから受け取る。
【0092】
次に、ウエハ搬送ロボット56は、半導体ウエハ3bを吸着保持した状態で、各連結アーム24〜26及び板状ハンド28を矢印B方向に縮める。
次に、ウエハ搬送ロボット56は、シフト機構55の駆動により右側に移動し、ウエハキャリア1bに対応する位置に停止する。
次に、ウエハ搬送ロボット56は、再び各連結アーム24〜26及び板状ハンド28を伸ばして半導体ウエハ3bをウエハキャリア1b内に収納する。
【0093】
次に、ウエハ搬送ロボット56は、各連結アーム24〜26及び板状ハンド28を縮めた状態で、シフト機構55の駆動により左側に移動する。
次に、ウエハ搬送ロボット56は、ウエハキャリア1aに対応する位置に停止する。
次に、ウエハ搬送ロボット56は、各連結アーム24〜26及び板状ハンド28を伸ばし、ウエハキャリア1a内に収納されている未検査の半導体ウエハ3aを吸着保持する。
次に、ウエハ搬送ロボット56は、各連結アーム24〜26及び板状ハンド28を縮め、次に例えば左回りに180度回転する。
【0094】
次に、ウエハ搬送ロボット56は、腕の向きをウエハ受け渡し位置Pに対応しする位置に位置決めする。
次に、ウエハ搬送ロボット56は、再び各連結アーム24〜26及び板状ハンド28を検査部50の背面側Hからの矢印B方向に伸ばして板状ハンド28をウエハ受け渡し位置Pに移動する。
そして、次に、ウエハ搬送ロボット56は、未検査の半導体ウエハ3aをL型ハンド35cに渡す。
【0095】
このように上記第3の実施形態においては、マクロ検査とミクロ検査とを行うための検査部50と、この検査部50に対して半導体ウエハ3の供給・排出を行なうローダ部54とをそれぞれ分離独立して設けた。
これにより、半導体製造工場の検査工程における装置レイアウトの仕様が第5乃至第7の仕様のいずれかに設計変更となった場合でも、半導体ウエハ3の供給/排出する方向を検査部50の左面側又は背面側からの方向に容易に変更できる。
従って、上記第3の実施形態であっても、上記第1の実施形態と同様な効果を奏することができる。
【0096】
なお、上記第3の実施形態は、次の通り変形してもよい。
上記第3の実施の形態では、マクロ検査用にマクロ検査用揺動機構40を設けているが、これに代えて図15に示すようにデジタルマクロ検査装置57を用いてもよい。
デジタルマクロ検査装置57は、ライン照明とラインセンサとを備えている。このデジタルマクロ検査装置57は、矢印D方向に移動しながら半導体ウエハ3の全面の画像データを取得し、この画像データから半導体ウエハ3のマクロ検査を行う。
【0097】
次に、本発明による第4の実施形態について図面を参照して説明する。なお、図10と同一部分には同一符号を付してその詳しい説明は省略する。
図16は基板搬送装置を用いた外観検査装置の全体構成図である。この外観検査装置は、CRTディスプレイからなるモニタ41に代えて、フラットパネルディスプレイとして例えば液晶ディスプレイからなる薄型のモニタ58を用いたものである。
モニタ58は、同一画面サイズのCRTディスプレイと比較すると、奥行きが、非常に短く形成されている。モニタ58は、マクロ検査とミクロ検査との兼用である。
従って、モニタ58は、マクロ検査用揺動機構40とミクロ検査ユニット42−1の接眼レンズ48との間の視線範囲θの下方に配置できる。
なお、モニタ58は、マクロ用照明装置53の前方、又は接眼レンズ48の上方に配置してもよい。
【0098】
上記第1の実施形態に比べモニタ58を接眼レンズ48に近づけることができる。これにより、検査員Qによってマクロ検査及びミクロ検査を行なう場合と、接眼レンズ48を通して実際の半導体ウエハ3aをミクロ観察する場合と、マクロ検査及びミクロ検査の検査結果をインプット操作する場合とにおいて、検査員Qの視線の移動範囲を少なくして観察の煩わしさを軽減できる。
【0099】
なお、上記第4の実施の形態では、モニタ58をマクロ検査用揺動機構40に隣接する左側に配置しているが、モニタ58の配置位置はこれに限らない。
上記第1乃至第4の実施の形態において顕微鏡46の接眼レンズ48を無くし、この位置にCRTディスプレイからなるモニタ41、又は液晶ディスプレイからなるモニタ58を設けてもよい。
検査員Qは、マクロ検査用揺動機構40上の半導体ウエハ3aを観察してマクロ検査を行い、かつモニタ41又は58に表示されている半導体ウエハ3aの拡大画像を観察してミクロ検査ができる。検査員Qは、視線の移動範囲をさらに狭くできる。
【0100】
図17はフラットパネルディスプレイとしての液晶ディスプレイからなるモニタ58は、可動機構60に設けた。この可動機構60は、モニタ58をマクロ検査用揺動機構40の上方に可動可能に設ける。
可動機構60は、例えば2本のリンク腕61、62を連結したもので、先端部にモニタ58が設けられている。この可動機構60は、モニタ58の画面位置を上下左右方向に移動させる。
検査員Qは、モニタ58の画面位置を見易い最適な位置に調節できる。
【0101】
このようにモニタ58の位置を移動できるので、検査員Qは、半導体ウエハ3のマクロ検査を行なうときに、モニタ58の画面位置を観察しやすい位置に自由に配置できる。
【0102】
図18は別のモニタ58の配置位置を示す図である。モニタ58は、マクロ検査用揺動機構40の下方で、操作部45上に配置する。操作部45は、マクロ検査及びミクロ検査の動作に関する操作入力を行なう。
モニタ58は、マクロ検査及びミクロ検査の操作機能を表示する。すなわち、モニタ58は、例えばタッチパネルの機能を有する。モニタ58は、マクロ検査及びミクロ検査の操作画面(操作スイッチを表示)63を表示し、検査員Qのタッチ操作によりマクロ検査及びミクロ検査の操作を行う。
【0103】
なお、本発明は、上記第1乃至第4の実施の形態に限定されるものでなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々に変形することが可能である。
さらに、上記第1乃至第4の実施形態には、種々の段階の発明が含まれており、開示されている複数の構成要件における適宜な組み合わせにより種々の発明が抽出できる。例えば、実施形態に示されている全構成要件から幾つかの構成要件が削除されても、発明が解決しようとする課題の欄で述べた課題が解決でき、発明の効果の欄で述べられている効果が得られる場合には、この構成要件が削除された構成が発明として抽出できる。
【0104】
上記第1乃至第4の実施の形態は、次の通り変形してもよい。
例えば、上記第1乃至第4の実施の形態では、基板搬送装置を外観検査装置に適用した場合について説明したが、これに限らず半導体ウエハ3等の基板を受け渡すものであれば、半導体製造ラインの各種製造装置や各種検査装置の全てに適用できる。
【0105】
多関節のウエハ搬送ロボット23は、他にXY方向に直線移動する2軸直動ロボットを用いることもできる。ウエハ搬送ロボット23は、シングルアーム又はダブルアーム式多関節マニプュレータに代えてもよい。
ウエハ搬送装置32は、3本の搬送アーム34a、34b、34cを用いたものに限らず、2本アーム、4本アームなどの複数の搬送アームにも適用できる。
ウエハ搬送ロボット23及びウエハ搬送装置32のハンドの形状は、2辺が直交する直交部分を湾曲させた略L字形状に限らず、2辺が直交する直交部分を湾曲させた略L字形状や,2辺を曲線で直結した半月状に形成することもできる。
【0106】
ウエハ搬送ロボット23は、ウエハキャリア1a、1bから半導体ウエハ3を取り出したり、収納したりしているが、半導体製造工場のラインに流れている半導体ウエハ3を直接取り出したり、戻したりしてもよい。
半導体ウエハ3をマクロ検査・搬送部22又は検査部50に受け渡す方向は、マクロ検査・搬送部22又は検査部50の左面側と背面側との2方向のいずれか一方向に限らず、両方から例えば交互に受け渡してもよい。マクロ検査・搬送部22又は検査部50の外形形状を変更等すれば、2方向以上から半導体ウエハ3を受け渡すことが可能である。
【0107】
検査する基板は、半導体ウエハ3に限らず、液晶ディスプレイのガラス基板などもよい。
【0108】
ミクロ検査部44は、図19に示すようにミクロ検査用XYステージ44bの基板吸着部44aを備えている。この基板吸着部44aは、例えば搬送アーム34cのL型ハンド35cとの間で半導体ウエハ3の受渡しを行う。
【0109】
この基板吸着部44cは、可動範囲W内において移動可能にする。
これにより、L型ハンド35cは、可動範囲W内に入るように位置決めすればよい。
【0110】
本発明は、例えば半導体ウエハ、又は液晶ディスプレイなどのフラットパネルディスプレイのガラス基板を目視や顕微鏡を用いて検査・測定する装置に適用されるもので、ローダ部21とマクロ検査・搬送部22とをそれぞれ分離独立した構成とし、ローダ部21は、マクロ検査・搬送部22に対して第1と第2の仕様である2方向の受け渡し方向に配置可能である。
本発明によれば、例えば施設内の搬送路の配置、又は施設内のスペースの形状などに対応して、各種仕様の装置レイアウトに容易に対応できる。
【図面の簡単な説明】
【0111】
【図1】本発明の基板搬送装置の第1の実施形態を用いた第1の仕様の外観検査装置の全体構成図。
【図2】本発明の基板搬送装置の第1の実施形態を用いた第2の仕様の外観検査装置の全体構成図。
【図3】本発明の基板搬送装置の第1の実施形態におけるハンドと非接触位置センサとの位置関係を示す図。
【図4】本発明の基板搬送装置の第1の実施形態における円形ハンドとL型ハンドとの変形例を示す図。
【図5】本発明の基板搬送装置の第1の実施形態における円形ハンドとL型ハンドとの変形例を示す図。
【図6】本発明の基板搬送装置の第1の実施形態におけるL型ハンドとL型ハンドとの変形例を示す図。
【図7】本発明の基板搬送装置の第1の実施形態を用いた第1の仕様の外観検査装置の全体構成図。
【図8】本発明の基板搬送装置の第1の実施形態を用いた第1の仕様の外観検査装置の正面構成図。
【図9】本発明の基板搬送装置の第1の実施形態を用いた第2の仕様の外観検査装置の全体構成図。
【図10】本発明の基板搬送装置の第2の実施形態を用いた第3の仕様の外観検査装置の全体構成図。
【図11】本発明の基板搬送装置の第2の実施形態を用いた第4の仕様の外観検査装置の全体構成図。
【図12】本発明の基板搬送装置の第3の実施形態を用いた第5の仕様の外観検査装置の全体構成図。
【図13】本発明の基板搬送装置の第3の実施形態を用いた第6の仕様の外観検査装置の全体構成図。
【図14】本発明の基板搬送装置の第3の実施形態を用いた第7の仕様の外観検査装置の全体構成図。
【図15】本発明の基板搬送装置の第3の実施形態の変形例を示す構成図。
【図16】本発明の基板搬送装置の第4の実施形態を用いた外観検査装置の正面図。
【図17】本発明の基板搬送装置における変形例を示す構成図。
【図18】本発明の基板搬送装置における変形例を示す構成図。
【図19】本発明の基板搬送装置における基板吸着部の可動範囲を示す図。
【図20】従来の外観検査装置の構成図。
【符号の説明】
【0112】
20:基板搬送装置、21:ローダ部、1a:ウエハキャリア、3a,3b:半導体ウエハ、22:マクロ検査・搬送部、23:ウエハ搬送ロボット、24〜26:連結アーム、27:回転軸、28:板状ハンド、29:逃げ部、30:吸着部、31:吸着孔(吸着パット付)、32:ウエハ搬送装置、33:回転軸、34a,34b,34c:搬送アーム、35a,35b,35c:L型ハンド(ウエハチャック付)、35−1:ハンド底部、35−2,35−3:指先、35−4:吸着孔(吸着パット付)、36〜39:非接触位置センサ、36a〜39a:スリット、40:マクロ検査用揺動機構、41:モニタ、42−1〜42−n:検査装置ユニット、43:架台、44:ミクロ検査部、44a:基板吸着部、44b:ミクロ検査用XYステージ、45:操作部、46:顕微鏡、47:撮像装置、48:接眼レンズ、50:膜厚測定部、51:操作部、52:観察窓、53:マクロ検査用の照明装置、54:ローダ部、55:シフト機構、56:ウエハ搬送ロボット、58:モニタ、60:可動機構、61,62:リンク腕、63:操作画面(操作スイッチを表示)、64:円型ハンド、65:逃げ部、66:吸着部、67:吸着孔、70a:L型ハンド、71:吸着孔、73,74:指先、75:パッド、76:吸着孔、77:L型ハンド、78,79:指先。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板を収納する収納容器からの前記基板の取り出し及び収納を行なう第1の搬送部と、
この第1の搬送部との間で前記基板の受け渡しを行ない、かつ前記基板に対して所望の処理を行なう装置ユニットとの間で受け渡しを行なう第2の搬送部とを備え、
前記第2の搬送部は、前記第1の搬送部の基板受け渡し位置と前記装置ユニットの基板受け渡し位置との間で回送する回転アームを有し、
かつ前記第1の搬送部は、前記第2の搬送部とは分離独立して構成され、前記第2の搬送部に対し前記第1の搬送部を異なる2方向に選択配置可能に前記回転アームの受け渡し位置をそれぞれ異なる方向に対し前記第1の搬送部の搬送ストローク範囲内に設置したことを特徴とする基板搬送装置。
【請求項2】
請求項1記載の基板搬送装置において、
前記第2の搬送部は、前記装置ユニットと一体化され、この装置ユニットの隣接する2側面から同一距離に前記回転アームの受け渡し位置を設定し、前記第1の搬送部を前記隣接する2側面に配置可能にしたことを特徴とする。
【請求項3】
請求項1記載の基板搬送装置において、
前記第1の搬送部と前記回転アームの受け渡し位置との間隔は、前記第1の搬送部の搬送ストローク範囲内に設定されることを特徴とする。
【請求項4】
請求項1記載の基板搬送装置において、
前記第2の搬送部の基板受け渡し位置に前記基板の中心位置のアライメントを行なうための前記基板の外周縁を検出するアライメント用センサを配置したことを特徴とする。
【請求項5】
請求項1記載の基板搬送装置において、
前記第1又は第2の搬送部のアームは、前記基板を吸着保持する略L字形状に形成したハンドを有し、この略L字形状のハンドは、両端に設けた吸着孔を結ぶラインが前記基板の中心より外側に位置させたことを特徴とする。
【請求項6】
請求項1記載の基板搬送装置において、
前記第1及び第2の搬送部の各アームは、前記基板を吸着保持する略L字形状に形成したハンドを有し、前記基板の受け渡し位置において前記異なる2方向からの前記第1の搬送部の前記ハンド挿入に対し前記第2の搬送部のハンドが干渉しない配置とし、前記各ハンドは、両端に設けた吸着孔を結ぶラインが前記基板の中心より外側に位置させたことを特徴とする。
【請求項7】
請求項1記載の基板搬送装置において、
前記第1の搬送部は、複数の連結アームを有する多関節型の搬送ロボットであり、
この搬送ロボットの連結アームの先端部に屈曲して設けられ、前記基板を吸着保持する第1のハンドと、
前記回転アームの先端部に連結され、前記第1のハンドが前記2方向から入り込む受け渡し空間を有する略L字形状に形成され、前記基板を吸着保持する第2のハンドと、
前記第1のハンドが前記第2のハンドの長辺側から挿入方向からの前記基板受け渡しする際に、前記第2のハンドの長辺との干渉を避ける逃げ部を形成したことを特徴とする。
【請求項8】
基板上の欠陥を目視により検査するマクロ観察と、前記基板に対する各種検査・測定を行なうに用いる基板搬送装置において、
前記基板を収納する収納容器への前記基板の取り出し、及び収納を行なう第1の搬送部と、
この第1の搬送部との間で前記基板の受け渡しを行ない、かつ前記基板に対して所望の処理を行なう装置ユニットとの間で受け渡しを行なう第2の搬送部とを具備し、
前記第1の搬送部は、複数のアームを連結して伸縮動作する多関節アームと、この多関節アームの先端部に対して屈曲して設けられ、前記基板を吸着保持する第1のハンドとからなり、
前記第2の搬送部は、軸方向を中心に回転する回転軸と、この回転軸に対してそれぞれ等角度の間隔で設けられ、前記第1のハンドが入り込む受け渡し空間を有する略L字形状に形成され、前記基板を吸着保持する第2のハンドが形成された3本の搬送アームとからなり、
前記3本の搬送アームは、それぞれ前記回転軸を中心に回転して、前記第1の搬送部との受け渡し位置と、前記マクロ観察するための位置と、前記第2の搬送部との受け渡し位置との間に循環移送し、
前記第1と第2の搬送部は、それぞれ分離独立して構成され、かつ前記第1の搬送部は、前記第2の搬送部に対して第1の受け渡し方向、又はこの第1の受け渡し方向に対して略90度異なる第2の受け渡し方向に設けられ、
前記装置ユニットは、前記基板を顕微鏡により拡大してその拡大画像を観察するミクロ検査ユニットと、前記基板上に形成された膜厚を測定する膜厚測定ユニットとの各種ユニットであり、これらユニットのうちいずれか1つのユニットが前記第2の搬送部に組み込まれる、
ことを特徴とする基板搬送装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【公開番号】特開2006−165586(P2006−165586A)
【公開日】平成18年6月22日(2006.6.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−373371(P2005−373371)
【出願日】平成17年12月26日(2005.12.26)
【分割の表示】特願2002−525910(P2002−525910)の分割
【原出願日】平成13年9月6日(2001.9.6)
【出願人】(000000376)オリンパス株式会社 (11,466)
【Fターム(参考)】