説明

外観検査装置および外観検査方法

【課題】基板上に形成された貫通部の角部のカエリの大きさを定量的に把握するとともに、効率的に外観検査を実施することが可能な外観検査装置および外観検査方法を提供する。
【解決手段】外観検査装置100は、サプライプレートP上に形成された角部Kを有する貫通部を検査する装置であって、サプライプレートPを平面方向に移動させる走査駆動部102と、貫通部の画像を取得する画像取得部103と、画像を処理し、画像処理データを生成する画像処理部111と、角部Kの段差を測定し、段差データを取得する段差測定部104と、画像処理データおよび段差データをもとに、貫通部の良否を判断する演算処理部としての演算部114と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、貫通部を有する基板の外観を検査する外観検査装置および外観検査方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、貫通部を有する基板として、液滴を吐出するインクジェット式の液滴吐出ヘッドが知られている。この液滴吐出ヘッドは、複数の吐出ノズルを備えたマルチノズルタイプの液滴吐出ヘッドであって、液状材料を液滴として吐出するためのノズルを有するノズルプレート、液状材料を溜めておくキャビティプレート、液状材料を供給するためのサプライプレートなどを供えている。そして、このサプライプレートには、液状材料を導入するための導入口や、液状材料を供給するための供給口、ノズルプレートに連通して液状材料を導入する連通口などを供えている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、この液滴吐出ヘッドを構成する一つの部品であるサプライプレートに形成された導入口、供給口、連通口の3種類の孔(貫通部)にカエリと称する金属性のバリが付着していることがあった。また、カエリの大きさを把握するための評価方法は人手による目視検査方法であり、その大きさを定量的に把握することができなかった。しかも、サプライプレート上には導入口、供給口、連通口の孔が多く形成されていることから、人手による目視検査方法では多くの時間が必要であり、手間もかかっていた。そこで、孔の角部に発生したカエリの大きさを定量的に把握し、しかも効率的に検査をする検査方法が必要であった。そして、カエリの発生する形態によって、このカエリには、孔の角部から穴の内部に向けて発生する横カエリと、孔の角部から基板の厚さ方向に向けて発生する縦カエリとに分類されている。ここで、孔の角部に横カエリがあると、液状材料の流動性を阻害する要因になることがあり、液状材料を導入口、供給口、連通口などの孔に正常に導くことができなくなってしまう。そして、液状材料の供給量にばらつきが生じ、これを抑制することが困難であった。そして、液滴吐出ヘッドから吐出される液滴の量にばらつきが発生してしまうと印字品質の低下を生じさせてしまう。一方、孔の角部に縦カエリがあると、ノズルプレート、サプライプレート、キャビティプレートなどを積層させて液滴吐出ヘッドを構成するときに、各プレート間に空隙が生じてしまうことになり、各プレート間に空隙が生じると、液滴がその空隙から漏れてしまうことがあり、液滴吐出ヘッドとしては好ましい状態とはいえない。
【0004】
本発明の目的は、基板上に形成された貫通部の角部のカエリの大きさを定量的に把握するとともに、効率的に外観検査を実施することが可能な外観検査装置および外観検査方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の外観検査装置は、基板に形成された角部を有する貫通部を検査する外観検査装置であって、前記基板を平面方向に移動させる走査駆動部と、前記貫通部の画像を取得する画像取得部と、前記画像を処理し、画像処理データを生成する画像処理部と、前記角部の段差を測定し、段差データを取得する段差測定部と、前記画像処理データおよび前記段差データをもとに、前記貫通部の良否を判断する演算処理部と、を備えることを特徴とする。
【0006】
この発明によれば、貫通部の角部に有する突起物(カエリ)を定量的に評価することができる。例えば貫通部の内側方向に延伸する横カエリは、その画像を取得し、処理することで横カエリの大きさがわかる。一方、貫通部の角部から基板の厚さ方向に延伸する縦カエリは、その段差を段差測定部で測定することによって、大きさがわかる。したがって、カエリ(横カエリおよび縦カエリ)の大きさを定量的に評価して、予め決めておいた閾値と比較することによって、基板の良否判定をすることが実現可能な外観検査装置を提供できる。
【0007】
本発明の外観検査装置は、前記演算処理部が、前記画像処理データに基づいて前記貫通部の大きさを演算する第1演算部と、前記段差データに基づいて前記角部の段差を演算する第2演算部とを、有することが望ましい。
【0008】
この発明によれば、カエリ(横カエリおよび縦カエリ)の大きさを定量的に評価することが可能な外観検査装置を提供できる。
【0009】
本発明の外観検査装置は、前記画像取得部が、前記貫通部に光を照射して前記画像を取得することが望ましい。
【0010】
この発明によれば、光を照射するだけで画像を簡単に取得することが可能な外観検査装置を提供できる。
【0011】
本発明の外観検査装置は、前記画像取得部から照射される光が、白色LEDであることが望ましい。
【0012】
この発明によれば、貫通部の角部に付着したカエリは材料が金属であるため光の反射率が高い。このため、角部に照射する光を白色LEDにすればカエリを検出しやすい。しかも、白色のLEDなので、寿命が長く、検査の安定化を図ることが可能であるとともに、メンテナンスが容易になり、省電力化を実現可能な外観検査装置を提供できる。
【0013】
本発明の外観検査装置は、前記画像取得部が、同軸落射照明部と透過照明部とからなり、前記基板の表側および/または裏側から前記光を照射することが望ましい。
【0014】
この発明によれば、基板の表側および/または裏側から光を照射すれば、貫通部の角部に生じたキズやカエリなどを強調して見ることができるから、より一層検出力を向上させることが可能な外観検査装置を提供できる。
【0015】
本発明の外観検査装置は、前記段差測定部が、複数の前記貫通部を測定することが望ましい。
【0016】
この発明によれば、複数の貫通部の段差を一度に測定できるから、測定時間を短縮することが可能になるので、結果的に、効率的で生産性の高い外観検査装置を提供できる。しかも、一番大きい段差を検出できる。
【0017】
本発明の外観検査装置は、前記段差測定部における加重が、30g以内であることが望ましい。
【0018】
この発明によれば、角部に加えられる加重が30g以内なので、角部に残ったカエリ(縦カエリ)をつぶすことなく測定できるから、測定精度を向上することが可能な外観検査装置を提供できる。
【0019】
本発明の外観検査方法は、基板に形成された角部を有する貫通部を検査する外観検査方法であって、前記基板を平面方向に移動させる走査工程と、前記貫通部の画像を取得する画像取得工程と、前記画像を画像データに処理をする画像処理工程と、前記角部の段差を測定して段差データを取得する段差測定工程と、前記画像データおよび前記段差データをもとに、前記貫通部の良否判定をする演算処理工程と、を備えたことを特徴とする。
【0020】
この発明によれば、貫通部の角部に有する突起物(カエリ)を定量的に評価することができる。例えば貫通部の内側方向に延伸する横カエリは、貫通部の画像を取得し、取得した画像を処理することによって、横カエリの大きさがわかる。一方、貫通部の角部から基板の厚さ方向に延伸する縦カエリは、その段差を測定することによって、縦カエリの大きさがわかる。したがって、カエリ(横カエリおよび縦カエリ)の大きさを定量的に評価して、予め決めておいた閾値と比較することによって、基板の良否判定をすることができる。
【0021】
本発明の外観検査方法は、前記演算工程では、前記画像処理データに基づいて前記貫通部の大きさを演算する第1の演算工程と、前記段差データに基づいて前記角部の段差を演算する第2の演算工程とを、有することが望ましい。
【0022】
この発明によれば、カエリ(横カエリおよび縦カエリ)の大きさを定量的に評価することが可能な外観検査方法を提供できる。
【0023】
本発明の外観検査方法は、前記画像取得工程では、前記貫通部に光を照射して前記画像を取得することが望ましい。
【0024】
この発明によれば、光を照射するだけで画像を簡単に取得することができる。
【0025】
本発明の外観検査方法は、前記画像取得工程では、前記光として白色LEDを照射して前記画像を取得することが望ましい。
【0026】
この発明によれば、貫通部の角部に残ったカエリは材料が金属であるため光の反射率が高い。このため、貫通部の角部に照射する光を白色LEDにすればカエリを検出するための検出力を向上させることができる。しかも、白色のLEDなので、寿命が長く、検査の安定化を図ることが可能であるとともに、メンテナンスが容易になり、省電力化を実現できる。
【0027】
本発明の外観検査方法は、前記画像取得工程では、前記基板の表側および/または裏側から前記光を照射して前記画像を取得することが望ましい。
【0028】
この発明によれば、基板の表側および/または裏側から光を照射すれば、貫通部の角部に生じたキズやカエリなどを強調して見ることができるから、より一層検出力を向上させることができる。
【0029】
本発明の外観検査方法は、前記第1の演算工程では、前記画像データの閾値を予め決めておいてから前記閾値と前記画像データとを比較演算して、比較演算した結果に基づいて前記基板の良否判定をすることが望ましい。
【0030】
この発明によれば、予め決めておいた閾値と画像データとを比較演算することで、横カエリの大きさを簡単に評価することができるから、簡単に基板の良否判定をすることができる。
【0031】
本発明の外観検査方法は、前記第2の演算工程では、前記段差データの閾値を予め決めておいてから前記閾値と前記段差データとを比較演算して、比較演算した結果に基づいて前記基板の良否判定をすることが望ましい。
【0032】
この発明によれば、予め決めておいた閾値と段差とを比較演算することで、縦カエリの大きさを簡単に評価することができるから、簡単に基板の良否判定をすることができる。
【0033】
本発明の外観検査方法は、前記段差測定工程では、前記貫通部を複数測定することが望ましい。
【0034】
この発明によれば、複数の貫通部の段差を一度に測定できるから、測定時間を短縮することが可能になるので、結果的に、効率的で生産性を向上させることができる。しかも、一番大きい段差を検出できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0035】
以下、本発明を具体化した一実施形態について添付図面に沿って詳細に説明する。
【0036】
(実施形態)
本実施形態における外観検査装置について説明する。この外観検査装置は、基板に形成された貫通部の角部の外観(特に、カエリ)を定量的に評価することが可能な検査装置である。
【0037】
図1は、外観検査装置の構成を示す概略図である。
【0038】
図1に示すように、外観検査装置100は、電源BOX101と、走査駆動部102と、画像取得部103と、段差測定部104と、表示部105と、入力部106と、制御部110とで概略構成されている。走査駆動部102は、グランドステージGS上に載置された第1位置制御部としてのXステージ51と、第2位置制御部としてのYステージ52とで構成されている。また、外観検査装置100は、制御部110を備えており、制御部110には、演算処理部としての演算部114と、記録部115とを備えている。そして、外観検査装置100は、外部から供給された電力を電源BOX101に導入することによって作動するように構成されている。
【0039】
第1位置制御部としてのXステージ51は、基板を固定するための平面を有しており、吸引力を用いて基板の位置を固定する機能も有する。ここで、基板はサプライプレートPであり、その形状は矩形状である。また、サプライプレートPは、図4に示すように3層構造になっている。
【0040】
第1位置制御部としてのXステージ51は、制御部110からの信号に応じて、グランドステージGS上でX軸方向に移動する機能を有している。ここで、X軸方向は、Y軸方向およびZ軸方向の双方と直交する方向である。なお、第1位置制御部としてのXステージ51には、移動用モータ(図示省略)が付属しており、X軸方向へ移動するように構成されている。
【0041】
第2位置制御部としてのYステージ52は、グランドステージGSから所定の高さの位置に固定されている。この第2位置制御部としてのYステージ52は、制御部110からの信号に応じて、Y軸方向に移動する機能を有している。ここで、Z軸方向は、鉛直方向(つまり重力加速度の方向)に平行な方向である。なお、第2位置制御部としてのYステージ52には、移動用モータ(図示省略)が付属しており、Y軸方向へ移動するように構成されている。
【0042】
上記のような機能を有する第1位置制御部としてのXステージ51の構成と第2位置制御部としてのYステージ52の構成とは、リニアモータやサーボモータを利用した公知のXYロボットを用いて実現できる。このため、ここでは、それらの詳細な構成の説明を省略する。
【0043】
そして、第1位置制御部としてのXステージ51および第2位置制御部としてのYステージ52の移動結果、サプライプレートPに対する画像取得部103の相対位置およびサプライプレートPに対する段差測定部104の相対位置が変わる。より具体的には、これらの動作によって、画像取得部103、または段差測定部104は、サプライプレートPに対して、Z軸方向に所定の距離を保ちながら、X軸方向およびY軸方向に相対的に移動する。
【0044】
ここで、本実施形態では、X軸方向が「第1走査方向」である。「第1走査方向」と略直交するY軸方向が「第2走査方向」である。
【0045】
画像取得部103は、光を照射する同軸落射照明部32(図8参照)と、透過照明部33(図8参照)と、画像認識可能なカメラ31などで構成されている。同軸落射照明部32は、サプライプレートPの上側から光を照射することができ、透過照明部33は、サプライプレートPの下側から光を照射することができる。画像取得部103は、支持部141によって支持されており、サプライプレートPから所定の高さの位置に固定されていて、図4に示すサプライプレートPに形成された貫通部としての連通口11、供給口12、導入口13それぞれの大きさを測定して画像データを取得することができる。カメラ31は、取得された画像データを演算部114へ送信できる。そして、演算部114で画像データの大きさを演算することができるように構成されている。そして、例えば予め決めておいた画像データの閾値(例えば10μm)と比較し、演算することができる。なお、同軸落射照明部32および透過照明部33から照射される光は白色光であり、ここでは白色LEDを採用した。
【0046】
段差測定部104は、端子41を備えている。段差測定部104は、支持部141によって支持されており、グランドステージGSから所定の高さの位置に固定されている。図4に示すサプライプレートPに形成された貫通部としての連通口11、供給口12、導入口13それぞれの段差を測定し段差データを取得することができる。段差測定部104は、取得された段差データを演算部114へ送信できる。そして、演算部114で段差の大きさを演算することができるように構成されている。そして、例えば予め決めておいた段差データを閾値(例えば10μm)と比較し、演算することができる。なお、段差測定部104は、段差測定可能な接触式の変位計である。なお、段差測定部104における加重の設定値は30g以内とした。
【0047】
次に、段差測定部について、より詳細に説明する。この段差測定部は、貫通部の角部の段差を測定するものである。
【0048】
図2は、段差測定部の構成を示す概略図である。
【0049】
図2に示すように、段差測定部104は、サプライプレートP上の縦カエリ21bに接触して段差を測定する端子41と、端子41を保持する第2の軸42と、第2の軸42を挿入可能な第1の軸43と、先端吊り下げ板44と、重り45とで、構成されている。また、電圧を増幅するためのアンプ116と、A/D変換ボード117を有する制御部110と、表示部としてのモニタ105とを備えている。同図に示すように、被測定対象物であるサプライプレートPは、X軸方向に移動可能な第1位置制御部としてのXステージ51およびY軸方向に移動可能な第2位置制御部としてのYステージ52に載置される。
【0050】
端子41は、第2の軸42の尖端に固定され保持されている。第2の軸42は、第1の軸43に挿入され、同図に示すZ方向(この場合、上下方向)にスライドできるように構成されている。第1の軸43は、図示しない方法で段差測定部104に固定されている。
【0051】
端子41が、サプライプレートPの縦カエリ21bに接触すると電圧が発生し、電圧値を測定値として取得できるように構成されている。この測定方法は、いわゆる差動トランス方式と呼ばれるものである。端子41は、図4に示す貫通部としての連通口11、供給口12、導入口13を一度の測定で測定できるように構成されている。端子41の形状は、直径3mmの円柱形状である。
【0052】
また、端子41からサプライプレートPに加えられる力は重り45で任意に変更できるように構成されており、重り45の重さは30g以内である。重り45を配置するのは、サプライプレートPの反りによる浮きを軽減することと、測定精度の安定化とを実現するためである。ここで、重り45の重さを30g以内にしたのは、重り45の重さが30g以上であると、縦カエリ21bをつぶしてしまうことによる測定精度の低下が懸念されるからである。
【0053】
段差測定部104は、先端吊り下げ板44を備えており、先端吊り下げ板44を設置することにより、余分な上下ストロークを抑制することができ、測定にかかる時間を短縮できる。
【0054】
段差測定部104に接続されたアンプ116は、測定結果で得られた電圧値を増幅することができ、この電圧値を増幅することによって測定精度の向上に寄与することができる。そして、アンプ116で増幅された電圧値を制御部110へ送信するように構成されている。
【0055】
AD変換ボード117を有している制御部110は、アンプ116で増幅された電圧値をデジタル変換処理することができる。そして、制御部110が、得られた電圧値を長さの値に換算することができる。そして、制御部110が、縦カエリ21bの良否判定を行うように構成されている。
【0056】
次に、外観検査装置を制御している制御部について説明する。この制御部は、外観検査装置を駆動させて貫通部の角部の画像処理や、その段差の測定および良否判定ができるように構成されており、外観検査装置を制御している。
【0057】
図3は、外観検査装置の制御部を示すブロック図である。
【0058】
図3に示すように、外観検査装置100は、走査駆動部102と、画像取得部103と、段差測定部104と、表示部105と、入力部106と、制御部110とを備えている。
【0059】
制御部110は、画像処理部111と、CPU112と、RAM113と、演算部114と、記録部115とで構成されている。また、演算部114は、画像取得部103で取得した画像データを演算することが可能な第1演算部114aと、段差測定部104で取得した段差データを演算することが可能な第2演算部114bとで構成されている。そして、記録部115は、画像データを記録することが可能な第1記録部115aと、段差データを記録することが可能な第2記録部115bとで構成されている。
【0060】
走査駆動部102は、第1位置制御部としてのXステージ51と、第2位置制御部としてのYステージ52とを、備えている。走査駆動部102は、図示しないバスによって第1位置制御部としてのXステージ51と、第2位置制御部としてのYステージ52と相互に通信可能に接続されている。
【0061】
画像取得部103は、カメラ31を備えており、図示しないバスによって、画像取得部103は、カメラ31と画像処理部111と相互に通信可能に接続されている。
【0062】
画像処理部111は、画像認識可能なカメラ31と通信可能に接続されている。画像処理部111は、第1演算部114aと、第1記録部115aとに、通信可能に接続されている。そして、制御部110は、画像取得部103が取得した画像データを画像処理部111から第1演算部114aに供給するとともに、第1記録部115aに記録させることができる。さらに、制御部110は、画像取得部103が取得した画像データと、予め決めておいた閾値とを第1演算部114aで比較演算させて、その結果を判定することができる機能を有している。
【0063】
段差測定部104は、端子41を備えており、段差測定可能な接触式の変位計である。段差測定部104は、第2演算部114bと、第2記録部115bとに、通信可能に接続されている。そして、制御部110は、段差測定部104が取得した段差データを第2演算部114bに供給するとともに、第2記録部115bに記録させることができる。さらに、制御部110は、段差測定部104が取得した段差データと、予め決めておいた閾値とを第2演算部114bで比較演算させて、その結果を判定することができる機能を有している。
【0064】
表示部105は、画像処理部111で処理した画像データや、段差測定部104で測定した段差データを表示できるとともに、制御部110が判定した判定結果を表示することができる。
【0065】
入力部106は、横カエリ21aの画像の閾値や、縦カエリ21bの段差の閾値の条件を制御部110に入力することができるとともに、その値を変更することもできる。制御部110は、これらの条件を記憶装置としてのRAM113に格納することができる。
【0066】
制御部110は、CPU112と、RAM113と、外部インターフェース部(図示省略)と、それらを相互に通信可能に接続するバス(図示省略)と、を含んだコンピュータである。したがって、制御部110の上記機能は、RAM113に格納されたソフトウェアプログラムがCPU112によって実行されることで実現される。もちろん、制御部110は、専用の回路(ハードウェア)によって実現されてもよい。
【0067】
上記構成を有する外観検査装置100は、入力されたデータに応じて、図4に示すサプライプレートPに対して画像取得部103と、段差測定部104とを相対移動させるとともに、サプライプレートPに形成された貫通部としての連通口11、供給口12、導入口13の角部Kの横カエリ21a(図5参照)および縦カエリ(図6参照)を測定する機能を有している。
【0068】
次に、サプライプレートについて説明する。なお、サプライプレートは、ノズルプレート(図示省略)や、キャビティプレート(図示省略)とともに、液滴吐出ヘッド(図示省略)を構成するための部品である。
【0069】
図4は、サプライプレートの概略断面図である。
【0070】
図4に示すように、サプライプレートPは、第1基板P1と、接着層Jと、第2基板P2とで構成されている。第1基板P1と、第2基板P2とは、その材料がステンレスである。また、接着層Jは、その材料が樹脂である。そして、サプライプレートPには、貫通部としての連通口11、供給口12、導入口13が設けられており、これら、連通口11、供給口12、導入口13には、それぞれに角部Kを備えている。
【0071】
サプライプレートPに形成された連通口11は、ノズルプレート(図示省略)と連通しており、液状材料を吐出することができる機能を有している。次に、サプライプレートPに形成された供給口12は、キャビティプレート(図示省略)と連通しており、液状材料をキャビティプレート(図示省略)から供給することができる機能を有している。そして、サプライプレートPに形成された導入口13は、インクカートリッジ(図示省略)から液状材料を導入することができる機能を有している。
【0072】
サプライプレートPに形成された貫通部としての連通口11、供給口12、導入口13は、液状材料が流動することができるように貫通している。この貫通部としての連通口11、供給口12、導入口13の角部Kにはカエリが付着していることがある。
【0073】
そこで、このカエリが発生する要因について考えてみる。カエリは、金型の状態が適正でないときに発生することが多い。より具体的には、金型を構成する部品としての台とポンチとのクリアランス(隙間)が適正でないときに発生する確率が高い。
【0074】
ここで、台とポンチとのクリアランスが適正でない状態が発生する現象について考えてみる。主に考えられることは、金型の経時変化がある。金型の初期段階ではクリアランスが適正に調整されていても、長時間(または長期間)使用することで、台の中心位置とポンチの中心位置とが徐々にずれてきてしまうことによって、台とポンチとのクリアランスが適正でなくなる。クリアランスが適正でない状態で加工を継続すると、貫通部としての連通口11、供給口12、導入口13などの角部Kにカエリが発生しやすくなる。
【0075】
貫通部としての連通口11、供給口12、導入口13などの角部Kに発生したカエリは、横方向に延伸している横カエリ21a(図5参照)と、縦方向に延伸している縦カエリ21b(図6参照)とに、分類することができる。
【0076】
図5は、横カエリを説明するための説明図であり、図(a)は、概略平面図であり、図(b)は、図(a)のA−A線に沿って切断した概略断面図である。
【0077】
図5(a)に示すように、サプライプレートPには、貫通部としての連通口11、供給口12、導入口13が形成されており、これら貫通部としての連通口11、供給口12、導入口13の角部Kに横カエリ21aが発生している。角部Kに発生している横カエリ21aは、貫通部としての連通口11、供給口12、導入口13の内側に指向している。ここで、前述の外観検査装置100(図1参照)を用いて、その画像を測定することによって、横カエリ21aの大きさを定量的にしかも正確に確認できる。
【0078】
図5(b)に示すように、角部Kに発生している横カエリ21aは、サプライプレートPの表面側には出てきてはいない。
【0079】
ここで、貫通部としての連通口11、供給口12、導入口13の角部Kに横カエリ21aが発生していると、液滴吐出ヘッド(図示省略)に対してどんな影響があるかを考えてみる。
【0080】
貫通部としての連通口11、供給口12、導入口13の角部Kに横カエリ21aが発生していると、液状材料が横カエリ21aの抵抗を受けやすくなる。そのため、液状材料を流動させるときに液状材料が流れにくくなることがある。つまり、横カエリ21aは、液状材料の流動性を阻害する要因になることがわかる。そして、液状材料の流動性が悪化すると、連通口11においては、ノズル(図示省略)から吐出される液滴の量がばらつくことになるおそれがあり、印字品質の低下を招く要因にもなる。また、供給口12においては、液状材料を供給するときに、液状材料の供給が不安定になり、液状材料の供給量にばらつきが生じるおそれがあり、好ましいとはいえない。さらに、導入口13においても、インクカートリッジ(図示省略)から液状材料を導入するときに、液状材料の導入が不安定になり、液状材料の導入量にばらつきが生じるおそれがあり、好ましいとはいえない。つまり、貫通部としての連通口11、供給口12、導入口13の角部Kに横カエリ21aが発生していると、結果的にサプライプレートPとしての性能を低下させるおそれがあり、液滴吐出ヘッド(図示省略)としては好ましい状態とはいえない。
【0081】
図6は、縦カエリを説明するための説明図であり、図(a)は、概略平面図であり、図(b)は、図(a)のA−A線に沿って切断した概略断面図である。
【0082】
図6(a)に示すように、貫通部としての連通口11、供給口12、導入口13が形成されており、これら貫通部としての連通口11、供給口12、導入口13の角部Kに縦カエリ21bが発生している。ただし、サプライプレートPを平面視しても縦カエリ21bの大きさを定量的に把握することは難しい。
【0083】
図6(b)に示すように、角部Kに発生している縦カエリ21bは、サプライプレートPの表面側に指向している。同図によれば、縦カエリ21bの大きさは、サプライプレートPを平面視して確認する方法に比べてサプライプレートPを断面視することによってわかりやすくなる。ここで、前述の外観検査装置100(図1参照)を用いて、その段差を測定すれば、縦カエリ21bの大きさを定量的にしかも正確に確認できる。
【0084】
ここで、貫通部としての連通口11、供給口12、導入口13の角部Kに縦カエリ21bが発生していると、液滴吐出ヘッド(図示省略)に対してどんな影響があるかを考えてみる。
【0085】
液状材料を液滴として吐出する液滴吐出ヘッド(図示省略)は、ノズルプレート(図示省略)、サプライプレートP、キャビティプレート(図示省略)を積層させて形成されている。例えばサプライプレートPの貫通部としての連通口11、供給口12、導入口13のいずれかの角部Kに縦カエリ21bが発生していると、各々のプレート間に空隙が生じてしまう。そして、これら、ノズルプレート(図示省略)、サプライプレート、キャビティプレート(図示省略)間に空隙が生じてしまうと、その空隙部分から液状材料が漏れてしまうことがあり、液滴吐出ヘッド(図示省略)としては好ましい状態とはいえない。
【0086】
したがって、吐出性能の良好な液滴吐出ヘッド(図示省略)を得ようとするためには、図5に示す横カエリ21aや、図6に示す縦カエリ21bの発生量の少ない(理想的には0)サプライプレートPを使用する必要がある。そこで、これら横カエリ21aや、縦カエリ21bを定量的に把握することが必要になってくる。そして、これら、横カエリ21aや、縦カエリ21bの発生量を定量的に把握するためには、図1に示す外観検査装置100を用いることが有効である。サプライプレートPの良否判定をして、品質の良好なサプライプレートPを選別できる。そして、品質の良好なサプライプレートPを液滴吐出ヘッド(図示省略)を構成する部品の一つとして使用すれば、液滴を吐出するための吐出性能の良好な液滴吐出ヘッド(図示省略)を得ることができる。液滴吐出ヘッド(図示省略)の吐出性能が良好になれば、印字品質が向上することを期待できる。
【0087】
次に、本発明の外観検査装置を用いたサプライプレートの外観検査方法について説明する。
【0088】
図7は、外観検査方法の手順を説明するためのフローチャートである。
【0089】
図7のステップS1では、図1に示す外観検査装置100の第1位置制御部としてのXステージ51をX軸方向に移動する。
【0090】
次に、図7のステップS2では、図1に示す外観検査装置100の第2位置制御部としてのYステージ52をY軸方向に移動する。以上により、図5(a)に示す横カエリ21aを観測する準備ができる。
【0091】
次に、図7のステップS3では、図4に示す貫通部としての連通口11、供給口12、導入口13の画像を取得する。この画像取得方法は、角部Kに画像取得部103(図1参照)の中に内蔵されている光源から光を照射することでできる。そして、角部Kの画像を取得すると同時に、角部Kに付着している横カエリ21aの大きさの画像データを取得することができる。また、同軸落射照明部32からの落射照明光と、透過照明部33からの透過照明光とを同時に貫通部としての連通口11、供給口12、導入口13へ照射させることで、照射光量が増えることによって、より明確に角部Kの画像を取得することができる(図8参照)。そして、外観検査装置100(図1参照)は、サプライプレートPをX軸方向、Y軸方向に移動させてサプライプレートPに形成された貫通部としての連通口11、供給口12、導入口13の角部Kに付着した横カエリ21aの画像データの取得を行う。取得された横カエリ21aの画像データは、第1記録部115a(図3参照)に格納される。
【0092】
次に、図7のステップS4では、貫通部としての連通口11、供給口12、導入口13の画像を処理する。この画像処理方法は、図3に示す外観検査装置100の画像取得部103で取得した画像を画像処理部111に送信して、画像処理部111で処理をすることである。この画像処理方法は、得られた画像に対して検出したいものが強調されるように処理をすることでできる。横カエリ21aの大きさを画像データとして定量的に取得できる。そして、図3に示す外観検査装置100の画像処理部111で処理された画像は、演算部114や記録部115に送信される。そして、外観検査装置100(図1参照)は、サプライプレートPに形成された貫通部としての連通口11、供給口12、導入口13の角部Kに付着した横カエリ21aの画像データの処理を行う。処理された横カエリ21aの画像データは、第1記録部115aに格納される。
【0093】
次に、図7のステップS5では、横カエリ21aが規格内かどうかを判定する。具体的には、画像取得部103(図1および図3参照)で取得した横カエリ21aの画像データと、予め決めておいた閾値とを比較演算する(第1の演算工程)。この比較演算方法は、図3に示す第1演算部114aにて実行される。そして、比較演算した結果、横カエリ21aの大きさが規格内であれば(YES)次のステップに進み、規格内でなければ(NO)サプライプレートPは不良品と判定され、測定作業を終了する。例えば予め決めておいた横カエリ21aの大きさの閾値が10μmであって、画像データから得られた値が閾値を超えた場合は規格外であるとみなされ、閾値を超えなかった場合は規格内であるとみなされる。そして、この測定を貫通部としての連通口11、供給口12、導入口13の数の分だけ何回も繰り返し、サプライプレートP(横カエリ21a)の良否判定をする。
【0094】
次に、図7のステップS6では、図1に示す外観検査装置100の第1位置制御部としてのXステージ51をX軸方向に移動する。
【0095】
次に、図7のステップS7では、図1に示す外観検査装置100の第2位置制御部としてのYステージ52をY軸方向に移動する。以上により、図6(b)に示す縦カエリ21bを観測する準備ができる。
【0096】
次に、図7のステップS8では、図6(b)に示す縦カエリ21bの大きさ(段差)を測定する。この段差測定は、図4に示す貫通部としての連通口11、供給口12、導入口13を対象として実行される。段差測定方法は、いわゆる差動トランス方式と呼ばれるものであり、図2に示す段差測定部104にて実行できる。そして、外観検査装置100(図1参照)は、サプライプレートPをX軸方向、Y軸方向に移動させてサプライプレートPに形成された貫通部としての連通口11、供給口12、導入口13の角部Kに付着した縦カエリ21bの段差データの取得を行う。取得された縦カエリ21bの段差データは、第2記録部115bに格納される。
【0097】
次に、図7のステップS9では、縦カエリ21bが規格内かどうかを判定する。具体的には、図2に示す段差測定部104で取得した縦カエリ21bの段差データと、予め決めておいた閾値とを比較演算する(第2の演算工程)。この比較演算方法は、図3に示す第2演算部114bにて実行される。そして、比較演算した結果、縦カエリ21bの大きさが規格内であればサプライプレートPは良品と判定され、測定作業を終了する。規格内でなければサプライプレートPは不良品と判定され、測定作業を終了する。例えば予め決めておいた縦カエリ21bの大きさの閾値が10μmであって、段差データから得られた値がこの超えた場合は規格外であるとみなされ、閾値を超えなかった場合は規格内であるとみなされる。そして、この測定を貫通部としての連通口11、供給口12、導入口13の数の分だけ何回も繰り返し、サプライプレートP(縦カエリ21b)の良否判定をする。
【0098】
本実施形態の外観検査装置によれば、以下の効果が得られる。
【0099】
(1)貫通部としての連通口11、供給口12、導入口13の角部Kに有するカエリ(横カエリ21aおよび縦カエリ21b)を定量的に評価することができる。例えば貫通部の内側方向に延伸する横カエリ21aは、その画像を取得し、処理することで横カエリ21aの大きさがわかる。一方、貫通部の角部KからサプライプレートPの厚さ方向に延伸する縦カエリ21bは、その段差を段差測定部104で測定することによって、大きさがわかる。したがって、横カエリ21aおよび縦カエリ21bの大きさを定量的に評価して、予め決めておいた閾値と比較することによって、サプライプレートPの良否判定をすることが実現可能な外観検査装置100を提供できる。
(2)サプライプレートPを第1走査方向へ移動させる第1位置制御部51ととしてのXステージ、第1走査方向と略直交する第2走査方向に移動させる第2位置制御部52としてのYステージを備えているから、サプライプレートP上に形成された貫通部としての連通口11、供給口12、導入口13を残すことなく測定することが可能な外観検査装置100を提供できる。
(3)貫通部としての連通口11、供給口12、導入口13に光を照射するだけで画像を簡単に取得することが可能な外観検査装置100を提供できる。
(4)貫通部としての連通口11、供給口12、導入口13の角部Kに付着した横カエリ21aや、縦カエリ21bは材料が金属であるため光の反射率が高い。このため、角部Kに照射する光を白色LEDにすれば横カエリ21aや、縦カエリ21bを検出しやすい。しかも、白色のLEDなので、寿命が長く、検査の安定化を図ることが可能であるとともに、メンテナンスが容易になり、省電力化を実現可能な外観検査装置100を提供できる。
(5)基板としてのサプライプレートPの表側および/または裏側から光を照射すれば、貫通部としての連通口11、供給口12、導入口13の角部Kに生じたキズやカエリなどを強調して見ることができるから、より一層検出力を向上させることが可能な外観検査装置100を提供できる。
(6)複数の貫通部としての連通口11、供給口12、導入口13の段差を一度に測定できるから、測定時間を短縮することが可能になるので、結果的に、効率的で生産性の高い外観検査装置100を提供できる。しかも、一番大きい段差を検出できる。
(7)角部Kに加えられる加重が30g以内なので、角部Kに残った縦カエリ21bをつぶすことなく測定できるから、測定精度を向上することが可能な外観検査装置100を提供できる。
【0100】
以上、好ましい実施の形態を挙げて本発明を説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、以下に示すような変形をも含み、本発明の目的を達成できる範囲で、他のいずれの具体的な構造および形状に設定できる。
【0101】
(変形例1)上記実施形態では、段差測定部104の端子41の形状が直径3mmの円柱形状でとしたが、これに限らない。例えば端子41の直径を3mm以上にしてもよいし、3mm以下にしてもよい。このようにしても、上記実施形態で得られた効果と同様の効果が得られる。
【0102】
(変形例2)上記実施形態では、段差測定部104の端子41の形状が直径3mmの円柱形状でとしたが、これに限らない。例えば端子41の形状を矩形状(四角形状、多角形状など)にしてもよい。このようにしても、上記実施形態で得られた効果と同様の効果が得られる。
【0103】
(変形例3)上記実施形態では、画像取得部103から照射される光として白色LEDを用いる構成にしたが、これに限らない。例えば白色LEDでなくその他の波長を備えたLEDを採用する構成にしてもよい。このようにしても、上記実施形態で得られた効果と同様の効果が得られる。
【0104】
(変形例4)上記実施形態では、同軸落射照明部32からの落射照明光と、透過照明部33からの透過照明光とを同時に貫通部としての連通口11、供給口12、導入口13へ照射させる構成にしたが、これに限らない。例えば照射する光量が必要かつ充分に確保できれば同軸落射照明部32からの落射照明光のみでもよいし、または透過照明部33からの透過照明光のみでもよい。このようにしても、上記実施形態で得られた効果と同様の効果が得られる。
【0105】
(変形例5)上記実施形態では、画像データを演算してから段差データを演算する方法にしたが、これに限らない。例えば画像データの演算と、段差データの演算とを、連続させて交互に実行するようにしてもよい。このようにすれば、上記実施形態で得られた効果と同様の効果が得られるとともに、検査の途中でサプライプレートPの不良を発見できれば、発見した時点で測定を終了させることによって測定時間を短縮することができるので、効率的である。
【図面の簡単な説明】
【0106】
【図1】本実施形態の外観検査装置の構成を示す概略図。
【図2】段差測定部の構成を示す概略図。
【図3】外観検査装置の制御部を示すブロック図。
【図4】サプライプレートの概略断面図。
【図5】横カエリを説明するための説明図であり、図(a)は、概略平面図であり、図(b)は、図(a)のA−A線に沿って切断した概略断面図。
【図6】縦カエリを説明するための説明図であり、図(a)は、概略平面図であり、図(b)は、図(a)のA−A線に沿って切断した概略断面図。
【図7】外観検査方法の手順を説明するためのフローチャート。
【図8】貫通部の画像の取得方法を説明するための説明図。
【符号の説明】
【0107】
11…貫通部としての連通口、12…貫通部としての供給口、13…貫通部としての導入口、21a…横カエリ、21b…縦カエリ、32…同軸落射照明部、33…透過照明部、41…端子、51…第1位置制御部としてのXステージ、52…第2位置制御部としてのYステージ、100…外観検査装置、102…走査駆動部、103…画像取得部、104…段差測定部、105…表示部、106…入力部、110…制御部、111…画像処理部、114…演算処理部としての演算部、114a…第1演算部、114b…第2演算部、115…記録部、115a…第1記録部、115b…第2記録部、K…角部、P…サプライプレート。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板に形成された角部を有する貫通部を検査する外観検査装置であって、
前記基板を平面方向に移動させる走査駆動部と、
前記貫通部の画像を取得する画像取得部と、
前記画像を処理し、画像処理データを生成する画像処理部と、
前記角部の段差を測定し、段差データを取得する段差測定部と、
前記画像処理データおよび前記段差データをもとに、前記貫通部の良否を判断する演算処理部と、を備えることを特徴とする外観検査装置。
【請求項2】
請求項1に記載の外観検査装置において、
前記演算処理部が、前記画像処理データに基づいて前記貫通部の大きさを演算する第1演算部と、前記段差データに基づいて前記角部の段差を演算する第2演算部とを、有することを特徴とする外観検査装置。
【請求項3】
請求項1に記載の外観検査装置において、
前記画像取得部が、前記貫通部に光を照射して前記画像を取得することを特徴とする外観検査装置。
【請求項4】
請求項1または請求項3に記載の外観検査装置において、
前記画像取得部から照射される光が、白色LEDであることを特徴とする外観検査装置。
【請求項5】
請求項1または請求項3または請求項4のいずれか一項に記載の外観検査装置において、
前記画像取得部が、同軸落射照明部と透過照明部とからなり、前記基板の表側および/または裏側から前記光を照射することを特徴とする外観検査装置。
【請求項6】
請求項1に記載の外観検査装置において、
前記段差測定部が、複数の前記貫通部を測定することを特徴とする外観検査装置。
【請求項7】
請求項1または請求項6に記載の外観検査装置において、
前記段差測定部における加重が、30g以内であることを特徴とする外観検査装置。
【請求項8】
基板に形成された角部を有する貫通部を検査する外観検査方法であって、
前記基板を平面方向に移動させる走査工程と、
前記貫通部の画像を取得する画像取得工程と、
前記画像を画像データに処理をする画像処理工程と、
前記角部の段差を測定して段差データを取得する段差測定工程と、
前記画像データおよび前記段差データをもとに、前記貫通部の良否判定をする演算処理工程と、を備えたことを特徴とする外観検査方法。
【請求項9】
請求項8に記載の外観検査方法において、
前記演算工程では、
前記画像処理データに基づいて前記貫通部の大きさを演算する第1の演算工程と、前記段差データに基づいて前記角部の段差を演算する第2の演算工程とを、有することを特徴とする外観検査方法。
【請求項10】
請求項8に記載の外観検査方法において、
前記画像取得工程では、
前記貫通部に光を照射して前記画像を取得することを特徴とする外観検査方法。
【請求項11】
請求項8または請求項10に記載の外観検査方法において、
前記画像取得工程では、
前記光として白色LEDを照射して前記画像を取得することを特徴とする外観検査方法。
【請求項12】
請求項8または請求項10または請求項11のいずれか一項に記載の外観検査方法において、
前記画像取得工程では、
前記基板の表側および/または裏側から前記光を照射して前記画像を取得することを特徴とする外観検査方法。
【請求項13】
請求項9に記載の外観検査方法において、
前記第1の演算工程では、
前記画像データの閾値を予め決めておいてから前記閾値と前記画像データとを比較演算して、比較演算した結果に基づいて前記基板の良否判定をすることを特徴とする外観検査方法。
【請求項14】
請求項9に記載の外観検査方法において、
前記第2の演算工程では、
前記段差データの閾値を予め決めておいてから前記閾値と前記段差データとを比較演算して、比較演算した結果に基づいて前記基板の良否判定をすることを特徴とする外観検査方法。
【請求項15】
請求項8に記載の外観検査方法において、
前記段差測定工程では、
前記貫通部を複数測定することを特徴とする外観検査方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2008−26247(P2008−26247A)
【公開日】平成20年2月7日(2008.2.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−201677(P2006−201677)
【出願日】平成18年7月25日(2006.7.25)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】