説明

安全運転評価装置及び安全運転評価プログラム、並びにこれを用いたナビゲーション装置

【課題】一時停止地点における運転操作を適切に評価するとともに、運転者に対して、一時停止地点において適切な運転操作を行なおうとする意欲を高く維持させることができる安全運転評価装置を提供する。
【解決手段】自車位置が一時停止地点から所定の距離内にある場合に、車両の運転操作に関する評価項目に基づいて、一時停止地点に停止するための安全運転の程度を数値化して評価した評価点を導出する評価手段と、評価点に基づく評価情報を出力する出力手段と、を備え、評価手段は、一時停止地点から評価項目に係る運転操作を行なった地点までの距離を表す操作距離に応じて、同じ評価項目に係る運転操作に対して付与する評価点を変更する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、安全運転の程度を評価して出力する安全運転評価装置及び安全運転評価プログラム、並びにこれを用いたナビゲーション装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、車両の運転者の安全運転の程度を採点して通知する安全運転評価装置が知られている。例えば以下の特許文献1に記載された安全運転評価装置では、地図データベースに予め記憶された地図情報に基づいて車両操作の基準値をマップ化するとともに、このマップ化した基準値をその時点における道路状況に合わせて補正し、補正後の基準値と各種センサにより取得される車両の操作状況とを比較して安全運転の程度を採点する。そして、走行中、安全運転していないと判定される毎に、各車両操作についての採点結果を表示部及び音声出力部に対して出力する。
【0003】
【特許文献1】特開2004−249821号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、安全運転が要求される様々な場面の一つとして、一時停止地点の手前での運転操作が挙げられる。このような場面において、車両を減速させて当該一時停止地点で確実・安全に停止するためには、できるだけ早い段階からアクセルの踏み込み量を減少させて減速しておく等の予備的動作を行うことが有効である。逆に、一時停止地点に近接した後においては、アクセルの踏み込み量を増加させて加速する等の操作を行なえば、当該一時停止地点で確実・安全に停止することが出来なくなってしまう場合があり大変危険である。これらの点を考慮すると、特許文献1に記載された技術では、一時停止地点からの距離とは無関係に、一律にマップ化した車両操作の基準値と現在の車両の操作状況との差に基づいて採点を行なうため、上記したような各運転操作は一時停止地点との間の距離に応じて安全に停止するのに有効な程度、或いは回避すべき程度が異なるにもかかわらず、これらを適切に評価するシステムとはなっていなかった。
【0005】
また、特許文献1に記載された技術では、安全運転していないと判定された場合にのみその都度採点結果が通知され、安全運転している場合には採点機能を終了する際に一度の走行全体についての総合結果が通知されるだけであるため、安全運転に資するような良好な運転を積極的に促すシステムとはなっていなかった。
【0006】
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、一時停止地点における運転操作を適切に評価するとともに、運転者に対して、一時停止地点において適切な運転操作を行なおうとする意欲を高く維持させることができる安全運転評価装置及び安全運転評価プログラム、並びにこれを用いたナビゲーション装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この目的を達成するための、本発明に係る安全運転評価装置の特徴構成は、自車位置が一時停止地点から所定の距離内にある場合に、車両の運転操作に関する評価項目に基づいて、前記一時停止地点に停止するための安全運転の程度を数値化して評価した評価点を導出する評価手段と、前記評価点に基づく評価情報を出力する出力手段と、を備え、前記評価手段は、前記一時停止地点から前記評価項目に係る運転操作を行なった地点までの距離を表す操作距離に応じて、同じ前記評価項目に係る運転操作に対して付与する前記評価点を変更する点にある。
【0008】
なお、本願において「運転操作」は、アクセル開度やブレーキ操作量、車速等の車両の運転に係る操作、車間距離等の自車両の周辺に存在する他の車両との相対的な位置関係、及び運転者の顔向き等の運転者自身の運転行動等を包括的に含む概念として用いている。
【0009】
上記の特徴構成によれば、同じ評価項目に係る運転操作に対して付与する評価点を操作距離に応じて適宜変更することにより、各運転操作に対して一時停止地点からの距離との関係で適切な評価点を付与することができる。例えば、一時停止地点において安全に停止するのに有効な運転操作を操作距離が大きい時点で行なった場合には付与する評価点を高くし、一時停止地点において安全に停止するためには回避すべき運転操作を操作距離が小さい時点で行なった場合には付与する評価点を低くすることができる。つまり、一時停止地点における運転操作を適切に評価することができる安全運転評価装置を提供することができる。
【0010】
また、導出された評価点に基づく評価情報を出力手段により出力して、評価の高低によらずその内容を運転者に通知する。すなわち、良好な運転操作を行なった場合には高い評価を通知し、あまり良好ではない運転操作を行なった場合には低い評価を通知するので、運転者に対して、一時停止地点において適切な運転操作を行なおうとする意欲を高く維持させることができる安全運転評価装置を提供することができる。
【0011】
ここで、前記評価項目は、アクセル開度変化量及び車速変化量の一方又は双方を含む構成とすると好適である。
【0012】
この構成によれば、車両を停止させるための重要な運転操作であるアクセル開度変化量及び車速変化量の一方又は双方に基づいて、一時停止地点に停止するための安全運転の程度が評価される。したがって、適切に評価点を導出することができる。
【0013】
また、前記評価点は、前記一時停止地点において車両を安全に停止させるのに資する運転操作とされる肯定的運転操作に対する肯定的評価点と、前記一時停止地点において車両を安全に停止させるのを阻害する運転操作とされる否定的運転操作に対する否定的評価点と、の一方又は双方により導出される構成とすると好適である。
【0014】
この構成によれば、肯定的運転操作に対する肯定的評価点と否定的運転操作に対する否定的評価点との一方又は双方に基づき、適切に評価点を導出することができる。例えば、肯定的評価点に基づき加点方式により評価点を導出したり、否定的評価点に基づき減点方式により評価点を導出したり、或いはこれらを組み合わせて評価点を導出したりすることができる。
【0015】
また、前記肯定的評価点は、前記評価点の導出に際して所定の基礎点に対して加点され、前記操作距離が長いほど大きい値となるように設定されている構成とすると好適である。
【0016】
この構成によれば、一時停止地点から離れた地点において早い段階からなされた肯定的運転操作ほど、それに対する肯定的な評価を高くすることができる。したがって、一時停止地点における運転操作をより適切に評価することができるとともに、運転者にそのような運転操作を行おうとする意欲を高く維持させることができる。
【0017】
また、前記否定的評価点は、前記評価点の導出に際して所定の基礎点に対して減点され、前記操作距離が短いほど大きい値となるように設定されている構成とすると好適である。
【0018】
この構成によれば、一時停止地点に近接した地点においてなされた否定的運転操作ほど、それに対する否定的な評価を大きく(評価を低く)することができる。したがって、一時停止地点における運転操作をより適切に評価することができるとともに、運転者にそのような運転操作をできるだけ回避しようとする意欲を高く維持させることができる。
【0019】
また、前記一時停止地点からの距離に応じた複数のエリアが設定されるとともに、当該エリア毎における前記評価項目毎の前記運転操作に対する前記評価点を予め記憶した評価点記憶手段をさらに備え、前記評価手段は、前記評価項目に係る運転操作があった場合に、前記操作距離に基づいて前記評価点記憶手段を参照して前記評価点を導出する構成とすると好適である。
【0020】
この構成では、一時停止地点から所定の距離内において評価項目に係る運転操作があった場合に、評価点記憶手段を参照して評価点が導出される。評価点記憶手段には、複数のエリア毎における評価項目毎の運転操作に対する評価点が予め記憶されているので、評価手段はこれを利用することで、比較的軽い処理負荷で評価点を導出することができる。
【0021】
また、前記操作距離に応じた評価係数を予め記憶した評価係数記憶手段と、前記操作距離を取得する操作距離取得手段と、をさらに備え、前記評価手段は、前記評価項目に係る運転操作があった場合に、前記操作距離に基づいて前記評価係数を取得し、取得した前記評価係数と予め設定された基準点との積算値として前記評価点を導出する構成とすると好適である。
【0022】
この構成では、一時停止地点から所定の距離内において評価項目に係る運転操作があった場合に、評価係数記憶手段を参照して評価係数を取得し、取得した前記評価係数に基づいて評価点が導出される。評価係数記憶手段には、評価係数が操作距離と一対一に対応させて記憶されているので、評価項目に係る運転操作がなされた位置がそれぞれ異なる場合にも、一時停止地点からの距離との関係で適切な評価点を付与することができる。
【0023】
また、前記評価情報は、前記評価項目毎の前記評価点を表す個別点数情報、前記評価項目毎の前記評価点を総合した総合評価点を表す総合点数情報、及び前記評価点に対応する運転者へのコメントを表すアドバイス情報、の中から選択される少なくとも一つ以上の情報である構成とすると好適である。
【0024】
この構成によれば、導出された評価点に応じた評価の内容を、運転者に対して適切に通知することができる。
【0025】
また、前記評価手段が、二以上の前記評価項目に基づいて前記評価点を導出するとともに、前記評価情報出力手段が、前記評価項目毎の前記評価点を総合した総合評価点を表す総合点数情報を出力する場合に、前記総合評価点を導出するに際して、前記総合評価点に対する前記評価項目毎の前記評価点の寄与割合が、車両を安全に停止させるための重要性の程度に応じて設定されている構成とすると好適である。
【0026】
この構成によれば、車両を安全に停止させるための重要性が高い評価項目についての評価点ほど、総合評価点に対する寄与割合が大きくなるように設定することができる。このようにすれば、重要性の高い評価項目に係る運転操作に対する評価を、総合評価点に大きく反映させることができるので、運転者に対して適切な総合評価点を通知することができる。
【0027】
また、一時停止地点から前記所定の距離内に他の車両が停止している場合には、前記評価手段は当該一時停止地点では安全運転の程度の評価を中止する構成とすると好適である。
【0028】
一時停止地点から所定距離内に他の車両が停止している場合には、一時停止地点に関係なく当該車両の後方で停止せざるを得ない。つまり、他の車両の存在により一時停止地点の手前での自車両の運転操作が影響を受けてしまい、一時停止地点との関係では評価点を導出することが適当ではない場合がある。そこで、上記の構成を採用し、そのような状況下においては安全運転の程度の評価を中止することにより、運転者に対して不要な評価情報の通知を減らすことができるとともに、評価のための処理負荷を軽減することができる。
【0029】
本発明に係るナビゲーション装置の特徴構成は、これまで説明してきたような安全運転評価装置と、所定のナビゲーション処理を実行するナビゲーション用演算手段と、を備えた点にある。
【0030】
この構成によれば、目的地までの経路案内、目的地検索等のナビゲーション機能を実行しつつ、一時停止地点を通過する際にはこれまで説明してきたような安全運転評価を行なう。したがって、運転者に対して、一時停止地点までの距離との関係で適切な運転操作を行なおうとする意欲を高く維持させることができるナビゲーション装置を提供することができる。
【0031】
本発明に係る安全運転評価プログラムの特徴構成は、自車位置が一時停止地点から所定の距離内にある場合に、車両の運転操作に関する評価項目に基づいて安全運転の程度を数値化して評価した評価点を導出する評価ステップと、前記評価点に基づく評価情報を出力する出力ステップと、をコンピュータに実行させ、前記評価ステップでは、前記一時停止地点から前記評価項目に係る運転操作を行なった地点までの距離を表す操作距離に応じて、同じ前記評価項目に係る運転操作に対して付与する前記評価点を変更する処理を実行させる点にある。
【0032】
この特徴構成によれば、同じ評価項目に係る運転操作に対して付与する評価点を操作距離に応じて適宜変更することにより、評価ステップにおいて、各運転操作に対して一時停止地点からの距離との関係で適切な評価点を付与することができる。例えば、一時停止地点において安全に停止するのに有効な運転操作を操作距離が大きい時点で行なった場合には付与する評価点を高くし、一時停止地点において安全に停止するためには回避すべき運転操作を操作距離が小さい時点で行なった場合には付与する評価点を低くすることができる。つまり、一時停止地点における運転操作を適切に評価することができる安全運転評価プログラムを提供することができる。
【0033】
また、導出された評価点に基づく評価情報を出力ステップにおいて出力して、評価の高低によらずその内容を運転者に通知する。つまり、良好な運転操作を行なった場合には高い評価を通知し、あまり良好ではない運転操作を行なった場合には低い評価を通知するので、運転者に対して、一時停止地点において適切な運転操作を行なおうとする意欲を高く維持させることができる安全運転評価プログラムを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0034】
〔第一の実施形態〕
次に、本発明の第一の実施形態について図面を参照して説明する。本実施形態では、本発明に係る安全運転評価装置2を、ナビゲーション装置1に適用した場合を例として説明する。本実施形態に係る安全運転評価装置2は、自車位置が一時停止地点から所定の距離内にある場合に、車両の運転操作に関する評価項目に基づいて安全運転の程度を評価して、当該評価に基づく評価情報を出力するものである。ナビゲーション装置1は、経路案内等の通常のナビゲーション処理を行いつつ、一時停止地点を通過した際には、安全運転評価装置2による評価の内容に応じた評価情報を運転者に対して通知する。図1は、本実施形態に係るナビゲーション装置1の概略構成を示すブロック図である。図2は、地図データベース12に記憶されている地図情報32の構成の例を示す図であり、図3は、一時停止地点からの距離に応じた複数のエリアAの設定例を示す図である。図4は、メモリ13に記憶された評価点テーブル34の一例を示す図である。図5は、評価情報が出力された表示入力装置29の一例を示す図である。
【0035】
図1に示すナビゲーション装置1の各機能部、具体的には、自車位置情報取得部3、操作状況取得部4、評価部6、評価情報取得部7及びナビゲーション用演算部10は、互いに共通の或いはそれぞれ独立のCPUなどの演算処理装置を中核部材として、入力されたデータに対して種々の処理を行うための機能部がハードウェア又はソフトウェア(プログラム)或いはその両方により実装されて構成されている。そして、これらの各機能部は、デジタル転送バス等の通信線を介して相互に情報の受け渡しを行うことができるように構成されている。また、地図データベース12は、例えば、ハードディスクドライブ、DVD−ROMを備えたDVDドライブ、CD−ROMを備えたCDドライブ等のように、情報を記憶可能な記録媒体とその駆動手段とを有する装置をハードウェア構成として備えている。また、メモリ13は、例えば、ハードディスクドライブ、フラッシュメモリ等のように、情報を記憶及び書き換え可能な記録媒体をハードウェア構成として備えている。このメモリ13は、地図データベース12が書き換え可能な記録媒体で構成される場合には、地図データベース12と共通の記録媒体内に設けられても良い。以下では、本実施形態に係るナビゲーション装置1の各部の構成について詳細に説明する。
【0036】
1−1.地図データベース
地図データベース12は、所定の経度および緯度で区切られた区画と呼ばれる矩形領域毎に分けられた地図情報32が記憶されたデータベースである。図2は、地図データベース12に記憶されている地図情報32の構成の例を示す図である。この図に示すように、地図情報32は、交差点に対応する多数のノードnと、各交差点間を結ぶ道路に対応するリンクkとの接続関係により道路ネットワークを表す道路情報を有している。なお、図2においては、一つの区画の道路情報のみを図示し、他の区画の道路情報は省略して示している。各ノードnは、緯度及び経度で表現された地図上の位置(座標)の情報を有している。各リンクkは、ノードnを介して接続されており、その属性情報として、道路種別、地域種別、リンク長、道路幅、リンク形状を表現するための形状補間点等の情報を有している。また、地図データベース12に格納された地図情報32には、一時停止義務のある地点(以下、「一時停止地点」とする)の位置を表す停止地点情報が合わせて記憶されている。このような停止地点情報は、例えば、一時停止地点に対応するリンクkが有する属性情報(例えば、一方側のリンク端に停止義務地点がある旨の情報)として記憶される。したがって、本実施形態においてこの地図データベース12は、地図情報記憶手段、さらには停止地点情報記憶手段として機能している。
【0037】
1−2.メモリ
メモリ13は、評価点テーブル34及びアドバイス文テーブル36が記憶された記録媒体である。評価点テーブル34は、一時停止地点からの距離に応じて設定される複数のエリア毎における各種の運転操作に対する評価点の割り当てを定めたテーブルである。アドバイス文テーブル36は、各種の運転操作に対して通知されるアドバイス文の割り当てを定めたテーブルである。評価点テーブル34及びアドバイス文テーブル36の詳細については後述する。本実施形態においては、このメモリ13が本発明における評価点記憶手段に相当する。
【0038】
1−3.自車位置情報取得部
自車位置情報取得部3は、自車両の現在位置を示す自車位置情報31を取得する自車位置情報取得手段として機能する。ここでは、自車位置情報取得部3は、GPS受信機21、方位センサ22、及び距離センサ23と接続されている。ここで、GPS受信機21は、GPS(Global Positioning System)衛星からのGPS信号を受信する装置である。このGPS信号は、通常1秒おきに受信され、自車位置情報取得部3へ出力される。自車位置情報取得部3では、GPS受信機21で受信されたGPS衛星からの信号を解析し、自車両の現在位置(緯度及び経度)、進行方位、移動速度等の情報を取得することができる。方位センサ22は、自車両の進行方位又はその進行方位の変化を検出するセンサである。この方位センサ22は、例えば、ジャイロセンサ、地磁気センサ、ハンドルの回転部に取り付けた光学的な回転センサや回転型の抵抗ボリューム、車輪部に取り付ける角度センサ等により構成される。そして、方位センサ22は、その検出結果を自車位置情報取得部3へ出力する。距離センサ23は、自車両の車速や移動距離を検出するセンサである。この距離センサ23は、例えば、車両のドライブシャフトやホイール等が一定量回転する毎にパルス信号を出力する車速パルスセンサ、自車両の加速度を検知するヨー・Gセンサ及び検知された加速度を積分する回路等により構成される。そして、距離センサ23は、その検出結果としての車速及び移動距離の情報を自車位置情報取得部3へ出力する。
【0039】
そして、自車位置情報取得部3は、これらのGPS受信機21、方位センサ22及び距離センサ23からの出力に基づいて、公知の方法により自車位置を特定する演算を行う。また、自車位置情報取得部3は、地図データベース12から自車位置周辺の地図情報32を取得し、それに基づいて公知のマップマッチングを行うことにより自車位置を地図情報32に示される道路上に合わせる補正も行う。このようにして、自車位置情報取得部3は、緯度及び経度で表された自車両の現在位置の情報、及び自車両の進行方位の情報を含む自車位置情報31を取得する。自車位置情報取得部3で得られた自車位置情報31は、ナビゲーション用演算部10に出力される。
【0040】
1−4.ナビゲーション用演算部
ナビゲーション用演算部10は、自車位置表示、出発地から目的地までの経路計算、目的地までの経路案内、目的地検索等のナビゲーション機能を実行するためにアプリケーションプログラムに従って動作する演算処理手段である。例えば、ナビゲーション用演算部10は、地図データベース12から自車両周辺の地図情報32を取得して表示入力装置29に地図の画像を表示するとともに、当該地図の画像上に、自車位置情報31に基づいて自位置マークを重ね合わせて表示する処理を行う。また、ナビゲーション用演算部10は、公知の方法により計算された出発地から目的地までの経路と自車位置情報とに基づいて、表示入力装置29及び音声出力装置30の一方又は双方を用いて進路案内を行う。また、表示入力装置29は、評価情報取得部7からの総合点数情報及びアドバイス情報(詳しくは後述する)の入力を受けて、これらを出力する。したがって、本実施形態においてはこの表示入力装置29が、本発明における「出力手段」に相当する。なお、ナビゲーション用演算部10は、この他にも、リモートコントローラや表示入力装置29と一体的に設けられたタッチパネルなどのユーザインタフェース等、ナビゲーション装置1として必要な公知の各種構成に接続されている。
【0041】
また、ナビゲーション用演算部10は、通知処理部11を備えている。通知処理部11は、地図データベース12に格納された停止地点情報と自車位置情報31とを参照して、自車両が一時停止地点手前の第一の所定位置に差しかかった際に、音声出力装置30を介して前方に一時停止地点がある旨の音声案内を行なう処理を行う。ここで、第一の所定位置は、一時停止地点を基準として、適切な制動操作を行なうことにより十分な余裕を持って当該一時停止地点において車両を停止させることができるだけの距離(例えば100m、適宜変更可)だけ車両の進行方向に対して手前側(車両の後方側)の地点とされる。このような音声案内は、自車両が一時停止地点手前の第一の所定位置に差しかかった際に常になされる。
【0042】
また、通知処理部11は、自車両が一時停止地点手前の第二の所定位置に差しかかった際に、後述する操作状況取得部4により取得される現在の車両の操作状況に基づいて、一時停止地点で安全に停止することができない可能性があると判定される場合に、音声出力装置30を介して運転者に対して注意喚起の音声案内を行なう処理を行う。ここで、第二の所定位置は、第一の所定位置よりも一時停止地点に近い位置にあり、一時停止地点を基準として、当該一時停止地点において車両を停止させるために最低減必要となる距離(例えば20m、適宜変更可)だけ車両の進行方向に対して手前側(車両の後方側)の地点とされる。例えば、車速が一定速度以上であるにもかかわらずブレーキ操作がほとんどなされていない場合等には、一時停止地点で安全に停止することができない可能性があると判定され、注意喚起がなされることになる。一方、一時停止地点で安全に停止することができると判定される場合には、注意喚起はなされない。例えば、ブレーキ操作が適切になされて車速が一定速度以下まで減速されている場合等には、一時停止地点で安全に停止することができると判定され、注意喚起はなされない。なお、一時停止地点の案内や注意喚起を行なうに際しては、表示入力装置29を介した文字やアイコン表示等による案内を行なう構成や、文字やアイコン表示等による案内と音声案内とを併用する構成としても良い。
【0043】
1−5.操作状況取得部
操作状況取得部4は、車両の操作状況を取得する操作状況取得手段として機能する。本実施形態においては、操作状況取得部4は、アクセル開度センサ24、ブレーキ操作量センサ25、車速センサ26、車間距離センサ27及び顔向きセンサ28と接続されている。ここで、アクセル開度センサ24は、アクセルペダルの踏み込み量からアクセル開度を検出するためのセンサである。ブレーキ操作量センサ25は、ブレーキペダルの踏み込み量からブレーキ操作量を検出するためのセンサである。車速センサ26は、車速を検出するためのセンサである。例えば、車両の車輪に駆動連結された駆動軸の回転速度等から車速を検出する。車間距離センサ27は、車間距離を検出するためのセンサである。例えば、車両前方にレーザやミリ波を照射し、レーザの発光等から先行車によって反射された反射波を受光するまでの時間から車間距離を検出する。顔向きセンサ28は、運転者の顔の向きを検出するためのセンサである。例えば、CCDカメラや視線検出センサ等により得られる情報から運転者の顔の向きを判定し、運転者が前方を見ているか否かを判別することができる。
【0044】
したがって、本実施形態においては、操作状況取得部4は車両の操作状況として、アクセル開度、ブレーキ操作量、車速、車間距離及び顔の向きを取得する。なお、これらのうちブレーキ操作量及び車速に関する情報は、ナビゲーション用演算部10へ出力され、前方に一時停止地点がある旨の注意喚起を行なうか否かの判定に用いられる。また、アクセル開度、車速、車間距離及び顔の向きは、後述する評価部6において安全運転の程度を数値化して評価した評価点Eを導出するための評価項目に対応したものとなっている。アクセル開度、車速、車間距離及び顔の向きに関する情報は、評価部6へ出力され、評価点Eの導出のために用いられる。
【0045】
1−6.評価部
評価部6は、自車位置が一時停止地点から所定の距離内にある場合に、車両の運転操作に関する評価項目に基づいて安全運転の程度を数値化して評価した評価点Eを導出する評価手段として機能する。ここで、本実施形態においては、所定の距離として、一時停止地点から前方に一時停止地点がある旨の音声案内がなされる地点である第一の所定位置までの距離(例えば100m)が設定されている。そして、図3に示すように一時停止地点から第一の所定位置まで間に二つのエリアA1、A2が設定され、評価部6は、それぞれのエリアA1、A2内において、車両の運転操作に関する一又は二以上の評価項目に基づいて安全運転の程度を数値化して評価した評価点Eを導出するように構成されている。
【0046】
ここで、評価点Eは、アクセル開度変化及び車速変化の一方又は双方を含む評価項目に基づいて導出される。本実施形態においては、これらに加えて車間距離変化及び顔向き変化も評価項目とされている。そして、本実施形態においてはそれぞれの評価項目毎に肯定的運転操作と否定的運転操作とが予め設定されている。ここで、肯定的運転操作は、一時停止地点において車両を安全に停止させるのに資するような運転操作である。例えばアクセル開度変化に関してはアクセル開度減少、車速変化に関しては車速低下、車間距離変化に関しては車間距離増大、顔向き変化に関してはずっと正面を向いていることが例示される。図4のテーブルにおいては、「+」が付された運転操作が肯定的運転操作に該当する。
また、否定的運転操作は、一時停止地点において車両を安全に停止させるのを阻害するような運転操作である。例えばアクセル開度変化に関してはアクセル開度増加、車速変化に関しては車速上昇、車間距離変化に関しては車間距離減少、顔向き変化に関しては正面を向かずによそ見を続けていることが例示される。図4のテーブルにおいては、「−」が付された運転操作が肯定的運転操作に該当する。
なお、「0」が付された運転操作は、一時停止地点において車両を安全に停止させるのに資するとも阻害するともいえない中立的な運転操作であり、評価点Eの導出に際しては影響を与えない。例えばアクセル開度変化、車速変化及び車間距離変化に関してはそれぞれ変化なし、顔向き変化に関しては通知により正面を向いたことが例示される。なお、ここでいう「通知」には、ナビゲーション用演算部10による、前方に一時停止地点がある旨の音声案内及び注意喚起が含まれるものとする。
【0047】
より具体的には、評価部6は、それぞれのエリアA1、A2内において、アクセル開度変化、車速変化、車間距離変化及び顔向き変化を常時監視しておき、それぞれのエリアにおいてこれらの変化量を取得し、当該変化量に基づいて評価項目毎に対する評価点Eを導出する。その際、各評価項目の変化量が所定の範囲内にある場合には変化がなかったものとされ、所定の閾値を超えた場合に増加或いは減少等の変化があったものとされる。例えばアクセル開度に関しては、アクセル全閉の場合をアクセル開度0%、アクセル全開の場合をアクセル開度100%として、その変化量の絶対値が10%以下の範囲内にある場合には変化なしとされ、一方、その変化量の絶対値が10%を超える場合にはアクセル開度増加或いはアクセル開度減少とされる。また、車速に関しては、その変化量の絶対値が5km/h以下の範囲内にある場合には変化なしとされ、一方、その変化量の絶対値が5km/hを超える場合には車速上昇或いは車速低下とされる。ただし、ここで示した10%や5km/hという数値はあくまで例示であり、適宜変更が可能である。そして、そのような所定の閾値を超えるような変化が検出される毎に、評価部6は、評価項目に係る運転操作に対して評価点Eを導出する。
【0048】
なお、アクセル開度変化は、アクセル開度センサ24からの出力に基づき、現在のアクセル開度と単位時間前のアクセル開度との差から導出される。車速変化は、車速センサ26からの出力に基づき、現在の車速と単位時間前の車速との差から導出される。車間距離変化は、車間距離センサ27からの出力に基づき、現在の車間距離と単位時間前の車間距離との差から導出される。顔向き変化は、顔向きセンサ28からの出力に基づき、現在の運転者の顔の向きと単位時間前の顔の向きとの差から導出される。ただし、顔向き変化に関しては、その変化とともに顔の向き自体も評価対象となる。つまり、顔の向きに変化がない場合において、ずっと正面を向いていた場合には肯定的評価点が付与され、ずっとよそ見をしていた場合には否定的評価点が付与される設定となっている。
【0049】
評価点Eは、肯定的運転操作に対する肯定的評価点と、否定的運転操作に対する否定的評価点と、により導出される。肯定的評価点は評価点の導出に際して加点要因とされ、否定的評価点は評価点の導出に際して減点要因とされる。すなわち、肯定的運転操作がなされたと判定された場合には当該肯定的運転操作に対応する肯定的評価点が加点され、否定的運転操作がなされたと判定された場合には当該肯定的運転操作に対応する否定的評価点が減点される。評価点Eの導出に際しては、評価部6は、操作距離取得部7により取得された操作距離に基づいて、メモリ13に格納された評価点テーブル34を参照する。図4には、一例として、本実施形態における評価部6が参照する評価点テーブル34を示している。上述したように、本実施形態においては、一時停止地点から第一の所定位置まで間に複数のエリアA1、A2が設定され、評価部6はそれぞれのエリアA1、A2内において安全運転の程度を数値化して評価し、評価点Eを導出するように構成されている。図示の評価点テーブル34においては、これに対応して、エリアA1、A2毎に、評価項目毎の運転操作(肯定的運転操作及び否定的運転操作を含む)に対する基礎評価点がそれぞれ設定されている。ここで、基礎評価点は評価点Eを導出するための基礎となるものであり、評価点Eの概念に含まれるものである。また、基礎評価点には肯定的評価点及び否定的評価点が含まれる。
【0050】
図4から明らかなように、同じ評価項目に係る運転操作であっても、エリアA1とエリアA2とでは、異なる基礎評価点が設定されている。図示の例では、アクセル開度変化についての肯定的運転操作であるアクセル開度減少に関しては、一時停止地点からの距離が比較的近いエリアA2では基礎評価点として「6」が設定されており、一時停止地点からの距離が比較的離れたエリアA1では基礎評価点として「6」よりも大きい「15」が設定されている。肯定的運転操作は車両を安全に停止させるのに資するような運転操作であり、一時停止地点に近接した際には当然にそのような操作がなされることが予想されるのに対して、一時停止地点からある程度離れている場合には必ずしもなされるものとは限らない。しかしながら、より安全に一時停止地点に停止するためにはできるだけ早くから肯定的運転操作を行なうことが有効であることから、そのような運転行動をより高く評価するべく、肯定的運転操作に対する肯定的評価点は、一時停止地点からの距離が離れているほど大きな値となるように設定されている。なお、他の評価項目に関しての肯定的運転操作に対する肯定的評価点についても同様である。
【0051】
一方、アクセル開度変化についての否定的運転操作であるアクセル開度増加に関しては、一時停止地点からの距離が比較的離れたエリアA1では基礎評価点として「6」が設定されており、一時停止地点からの距離が比較的近いエリアA2では基礎評価点として「6」よりも大きい「15」が設定されている。否定的運転操作は車両を安全に停止させるのを阻害するような運転操作であり、一時停止地点からある程度離れている場合にはそのような操作が多少なされたとしてもその後の運転操作次第では当該一時停止地点において安全に停止することが不可能ではないのに対して、一時停止地点に近接した際になされた場合には非常に危険な状況に陥ってしまう場合がある。そこで、そのような運転行動を戒めるべく、否定的運転操作に対する否定的評価点は、一時停止地点からの距離が近いほど大きな値となるように設定されている。なお、他の評価項目に関しての否定的運転操作に対する否定的評価点についても同様である。このように、評価部6は、操作距離に応じて、同じ評価項目に係る運転操作に対して付与する基礎評価点を変更するように構成されている。
【0052】
また、図4から明らかなように、同一のエリアA1、A2における肯定的運転操作であっても、肯定的評価点が評価項目毎に異なる値をとるように設定されている。図示の例では、エリアA1において、ずっと正面を向いていたことに対しては「+4」が設定されており、車間距離の増大に対しては「+4」よりも大きい「+6」が設定されている。また、車速低下に対しては「+4」や「+6」よりも大きい「+10」が設定されており、アクセル開度減少に対しては「+4」や「+6」、「+10」よりも大きい「+15」が設定されている。車両を安全に停止させるための各種の運転操作においては、車両を停止させるための重要性の程度はそれぞれ異なる。例えば、通常、車両を停止させるためにはアクセル開度を減少させるとともにブレーキ操作量を増加させて、車速を低下させることがきわめて重要となる。これに対して、前方の車両との間の車間距離はできるだけ広く確保した方が良いとは言えるものの、必ずしも増大させなければならないという訳ではない。同様に、運転者の顔の向きに関しても、正面を向いていた方が良いとは言えるものの、前方が確認できていれさえすれば必ずしも常に正面を向いていなければならないという訳ではない。よって、図4に示す評価点テーブルにおいては、それぞれの運転操作に対する基礎評価点の大きさが、車両を停止させるための重要性の程度に応じて大小するように設定されている。なお、否定的評価点についても同様である。
【0053】
次に、評価部6による評価点Eの導出について、具体例に即して説明する。本例では、図3の例において示したエリアA1及びA2において、各評価項目に係る車両の運転操作状況を取得する。そして、例えば、エリアA1において、アクセル開度が減少するとともに車速が低下し、前方を走行中の車両との間の車間距離は略一定距離に保たれ、運転者は案内通知の前後に亘ってずっと正面を向いていたとする。なお、ここでは、所定の閾値を超えるアクセル開度及び車速の変化が、エリアA1内でそれぞれ一度ずつ検出されたものとする。この場合にあっては、評価部6は図4の評価点テーブル34(特に、A1に示された列)を参照して、それぞれの評価項目に係る運転操作に応じた基礎評価点を取得する。具体的には、アクセル開度変化に対しては「+15」、車速変化に対しては「+10」、車間距離変化に対しては「0」、顔向き変化に対しては「+4」が取得される。また例えば、エリアA2において、アクセル開度が減少するとともに車速が低下し、前方を走行中の車両との間の車間距離が増大し、運転者は案内通知の前後に亘ってずっと正面を向いていたとする。なお、ここでは、所定の閾値を超えるアクセル開度、車速及び車間距離の変化が、エリアA2内でそれぞれ一度ずつ検出されたものとする。この場合にあっては、評価部6は図4の評価点テーブル34(特に、A2に示された列)を参照して、それぞれの評価項目に係る運転操作に応じた基礎評価点を取得する。具体的には、アクセル開度変化に対しては「+6」、車速変化に対しては「+4」、車間距離変化に対しては「+3」、顔向き変化に対しては「+2」がそれぞれ取得される。
【0054】
評価部6は、エリアA1及びA2において取得したそれぞれの評価項目に係る運転操作に対する基礎評価点に基づき、各運転操作についての評価点を導出する。すなわち、各運転操作について、エリアA1における基礎評価点とエリアA2における基礎評価点とを合計することにより、各運転操作についての評価点Eを導出する。本例においては、アクセル開度変化に対しては「+21」、車速変化に対しては「+14」、車間距離変化に対しては「+3」、顔向き変化に対しては「+6」がそれぞれ導出される。導出された評価点Eは、評価情報取得部7に出力される。
【0055】
1−7.評価情報取得部
評価情報取得部7は、評価点Eに基づく評価情報を取得する評価情報取得手段として機能する。本実施形態においては、評価情報取得部7は評価情報として、総合点数情報及びアドバイス情報を取得する。ここで、総合点数情報は評価項目毎の評価点Eを総合した総合評価点を表すものであり、アドバイス情報は評価点Eに対応する運転者へのコメントを表すものである。
【0056】
総合点数情報は、総合点数算出部8により算出される。本実施形態においては、総合点数算出部8は、評価項目毎の評価点Eに基づき、これらを総合して総合評価点を算出する。より具体的には、総合点数算出部8は、総合評価点の算出のための総合基礎点(例えば0点)に対して、各運転操作についての肯定的評価点をそれぞれ加点するとともに、各運転操作についての否定的評価点をそれぞれ減点することにより総合評価点を算出する。上記の例においては、アクセル開度変化、車速変化、車間距離変化及び顔向き変化に対して、肯定的評価点としてそれぞれ「+21」、「+14」、「+3」及び「+6」が導出されているので、これらを総合基礎点に加点することにより、総合点数として「44点」が算出される(本例では否定的評価点は導出されていないので、減点はされない)。なお、上記の総合基礎点は適宜変更が可能であり、0点以外の予め設定された固定値としても良いし、過去に取得した総合評価点の累積点数等としても良い。総合評価点の累積点数を総合基礎点として用いる構成とする場合には、当該累積点数をメモリ13等に記憶しておくと良い。
【0057】
アドバイス情報は、アドバイス文取得部9により取得される。本実施形態においては、アドバイス文取得部9は、メモリ13に記憶されて格納されたアドバイス文テーブル36に基づき、評価点Eに対応する運転者へのコメントを取得する。本実施形態においては、アドバイス文取得部9は、実際に行なわれた運転操作についてアドバイス文テーブル36に記憶されたコメントの中から、それぞれの評価項目に対する評価点Eを参照して相対的に評価が低かった評価項目についてのコメントを取得する。言い換えれば、主に総合評価点を低下させ、或いは、総合評価点の上昇を抑制する原因となった運転操作についてのコメントを取得する。上記の例においては、エリアA1における車間距離変化に関して肯定的評価点が得られなかった(肯定的評価点「+6」を逸失した)ために、総合評価点の上昇が抑制されている。そのため、前方を走行中の車両との間の車間距離が略一定距離に保たれたことに対応するコメント「車間距離を広くとるとより安全に走行できます」が、アドバイス情報として取得される。このように、相対的に評価が低かった評価項目についてのコメントを取得することで、運転者に対して、運転操作の改善につながるような適切なアドバイスを通知することができる。
なお、アドバイス文テーブル36においてアドバイス文は、評価項目に係る運転操作毎に設定されるため、本実施形態においては図4に示すように、先に説明した評価点テーブル34とアドバイス文テーブル36とが、各運転操作を基準として一体化されて記憶されている。評価情報取得部7により取得された評価情報としての総合点数情報及びアドバイス情報は、表示入力装置29に出力され、一時停止地点を通過する毎に当該一時停止地点を通過する際の評価点Eに基づく評価情報が表示入力装置29に表示される。
【0058】
図5には、評価情報が出力された表示入力装置29の一例を示している。図示の例では、表示入力装置29の表示画面中の下側の領域に、総合点数情報に基づく総合評価点及びアドバイス情報に基づく運転者へのコメントが表示されている。なお、表示入力装置29だけでなく、音声出力装置30からも評価情報が合わせて出力される構成としてあっても良い。すなわち、表示入力装置29には図5に示すような表示を行なうとともに、音声出力装置30により総合評価点及び運転者へのコメントを音声により通知する構成としてあっても良い。
【0059】
1−8.安全運転評価処理の手順
次に、本実施形態に係るナビゲーション装置1に適用される、安全運転評価装置2において実行される安全運転評価処理の手順について説明する。図6は、本実施形態に係る安全運転評価プログラムの処理順序を示すフローチャートである。以下に説明する安全運転評価処理の手順は、上記の安全運転評価装置2の各機能部を構成するハードウェア又はソフトウェア(プログラム)或いはその両方の組み合せにより実行される。安全運転評価装置2の各機能部がプログラムにより構成される場合には、安全運転評価装置2が有する演算処理装置は、上記の各機能部を構成する安全運転評価プログラムを実行するコンピュータとして動作する。
【0060】
まず、車両が一時停止地点から第一の所定位置に差しかかったとき、ナビゲーション用演算部10は、運転者に対して前方に一時停止地点がある旨の案内を行なう(ステップ#01)。操作状況取得部4は、一時停止位置から比較的離れたエリアであるエリアA1において車両の操作状況を取得する(ステップ#02)。評価部6は、ステップ#02で取得した車両の操作状況に基づき、アクセル開度変化、車速変化、車間距離変化及び顔向き変化を取得し、それぞれの運転操作に対する基礎評価点を取得する(ステップ#03)。通知処理部11は、現在の車両の操作状況に基づいて、運転者に対して注意喚起を行なう必要があるか否かを判定する(ステップ#04)。注意喚起を行なう必要があると判定された場合には(ステップ#04:Yes)、通知処理部11は注意喚起の音声案内を行なう処理を行う(ステップ#05)。一方、注意喚起を行なう必要はないと判定された場合には(ステップ#04:No)、ステップ#06に進む。
【0061】
操作状況取得部4は、一時停止位置に比較的近接したエリアであるエリアA2において車両の操作状況を取得する(ステップ#06)。評価部6は、ステップ#06で取得した車両の操作状況に基づき、アクセル開度変化、車速変化、車間距離変化及び顔向き変化を取得し、それぞれの運転操作に対する基礎評価点を取得する(ステップ#07)。評価部6は、エリアA1及びA2において取得されたそれぞれの基礎評価点に基づき、運転操作毎に評価点Eを導出する(ステップ#08)。評価情報取得部7は、評価点Eに基づき、評価情報を取得する(ステップ#09)。取得された評価情報は表示入力装置29に出力され、表示入力装置29に表示される(ステップ#10)。以上で、安全運転評価処理を終了する。
【0062】
〔第二の実施形態〕
次に、本発明の第二の実施形態について図面を参照して説明する。本実施形態に係る安全運転評価装置2を含むナビゲーション装置1の構成は、基本的には第一の実施形態に係るナビゲーション装置1の構成と略同様であるが、操作距離取得部5を備える点、及び評価部6による評価点Eの導出方法において、第一の実施形態に係るナビゲーション装置1とは相違している。それに伴い、メモリ13に記憶されて格納されている情報が一部相違している。また、評価情報取得部7の総合点数算出部8による総合評価点の算出方法も相違している。以下では、本実施形態に係るナビゲーション装置1について、第一の実施形態との相違点を中心に説明する。なお、特に説明を加えない部分については、第一の実施形態と同様とする。図7は、本実施形態に係るナビゲーション装置1の概略構成を示すブロック図である。図8は、メモリ13に記憶された評価係数マップ35の一例を示す図であり、図9は、メモリ13に記憶された寄与割合テーブル37の一例を示す図である。図10は、評価情報が出力された表示入力装置29の一例を示す図である。
【0063】
2−1.メモリ
メモリ13は、評価係数マップ35、アドバイス文テーブル36及び寄与割合テーブル37が記憶された記録媒体である。評価係数マップ35は、操作距離と評価点導出のための基礎となる評価係数(β)との関係を規定したマップである。アドバイス文テーブル36は、各種の運転操作に対して通知されるアドバイス文の割り当てを定めたテーブルである。寄与割合テーブル37は、総合評価点を算出する際における、総合評価点に対する評価項目毎の評価点Eの寄与割合を定めたテーブルである。評価係数マップ35及び寄与割合テーブル37の詳細については後述する。本実施形態においては、このメモリ13が本発明における評価係数記憶手段に相当する。
【0064】
2−2.操作距離取得部
操作距離取得部5は、一時停止地点から評価項目に係る運転操作を行なった地点までの距離を表す操作距離を取得する操作距離取得手段として機能する。上述したように、地図データベース12には停止地点情報が格納されている。また、自車位置情報取得部3により自車両の現在位置を示す自車位置情報31が取得される。操作距離取得部5は、評価項目に係る運転操作を行なった地点における自車位置情報31と停止地点情報とに基づき、操作距離を取得する。操作距離取得部5により取得された操作距離は、評価部6に出力される。
【0065】
2−3.評価部
評価部6は、自車位置が一時停止地点から所定の距離内にある場合に、車両の運転操作に関する評価項目に基づいて安全運転の程度を数値化して評価した評価点Eを導出する評価手段として機能する。ここで、本実施形態においては、所定の距離として、一時停止地点から前方に一時停止地点がある旨の音声案内がなされる地点である第一の所定位置までの距離(例えば100m)が設定されている。そして、一時停止地点から第一の所定位置まで間において、評価項目に係る運転操作について、その変化量が所定の閾値を超える運転操作が検出された場合に、評価部6は、操作距離取得部5により取得された操作距離に基づいて、メモリ13に格納された評価係数マップ35を参照して当該操作距離に応じた評価係数(β)を取得する。そして評価部6は、取得した評価係数(β)と予め設定された基準点との積算値として評価点Eを導出するように構成されている。なお、予め設定された基準点は一定値とされており、評価係数(β)の大小が評価点Eの大小に直結するものとされている。評価部6は、一時停止地点から所定の距離内において、評価項目に係る運転操作が検知される毎に、このような処理を実行する。
【0066】
図8には、一例として、本実施形態における評価部6が参照する評価係数マップ35を概略的に示している。この図から明らかなように、操作距離に応じて評価係数(β)が異なる値をとるように設定されている。すなわち、肯定的運転操作に関しては、操作距離が長いほど評価係数(β)が大きい値となるように設定され、否定的運転操作に関しては、操作距離が短いほど評価係数(β)が大きい値となるように設定されている。図示の例では、評価係数(β)は操作距離に応じて直線的(一次関数的)に変化している。上述のとおり、評価点Eは評価係数(β)と予め設定された基準点との積算値として導出されるので、本実施形態においても肯定的評価点は操作距離が長いほど大きい値となり否定的評価点は操作距離が短いほど大きい値となる。操作距離と評価係数(β)との関係をこのように設定するのは、できるだけ早い段階から安全に停止するための予備動作を行なうような運転行動を促すとともに、一時停止地点の近傍で非常に危険な状況に陥ってしまうような運転行動を戒めるためである。本実施形態においては、このような評価係数マップ35を有していることにより、評価項目に係る運転操作が検出された位置がそれぞれ異なる場合にも、操作距離に応じて適切に重み付けをして評価点Eを導出することができる。
【0067】
次に、評価部6による評価点Eの導出について、具体例に即して説明する。ここでは、一時停止地点からの距離がそれぞれx1〜x4の地点において、それぞれ所定の閾値を超えるアクセル開度の減少、車速の低下、車間距離の減少、車間距離の増大が認められたとする。この場合、評価部6は図8の評価係数マップ35を参照し、それぞれの地点から一時停止地点までの距離(操作距離)に応じた評価係数(それぞれβ1、β2、β3、β4)を取得する。ただし、β1、β2及びβ4は肯定的運転操作に対する評価係数であり、β3は否定的運転操作に対する評価係数である。このとき、予め設定された基準点をBとすると、一時停止地点からの距離がx1の地点におけるアクセル開度変化に対する肯定的評価点としてβ1・Bが導出され、x2の地点における車速変化に対する肯定的評価点としてβ2・Bが導出され、x4の地点における車間距離変化に対する肯定的評価点としてβ4・Bが導出される。また、一時停止地点からの距離がx3の地点における車間距離変化に対する否定的評価点としてβ3・Bが導出される。
【0068】
2−4.評価情報取得部
評価情報取得部7は、評価点Eに基づく評価情報を取得する評価情報取得手段として機能する。本実施形態に係る評価情報取得部7は、総合点数算出部8が総合評価点を算出するに際して、評価項目毎の評価点Eと当該評価項目に対して設定された寄与割合(α)との積算値の総和として算出する。図9には、一例として、本実施形態における評価部6が参照する寄与割合テーブル37を概略的に示している。この図に示すように、評価項目毎に寄与割合(α)が設定されている。ここで、アクセル開度変化についての寄与割合をαA、車速変化についての寄与割合をαB、車間距離変化についての寄与割合をαC、顔向き変化についての寄与割合をαDとすると、本実施形態においては、車両を安全に停止させるための重要性の程度に応じてαA>αB>αC>αDとなるように設定されている。すなわち、車両を安全に停止させるためにきわめて重要となるアクセル開度の減少やブレーキ操作量の増加、それに伴う車速の低下については寄与割合が高く設定され、必ずしも遵守されなければならない訳ではない運転操作である車間距離変化や顔向き変化については寄与割合が低く設定されている。
【0069】
このとき、上記の例において総合評価点を算出するための式は以下のようになる。
総合評価点=C+αA・β1・B+αB・β2・B−αC・β3・B+αC・β4・B
ここで、Cは総合評価点の算出のための総合基礎点を表す。このようにして算出された評価情報としての総合評価点は、表示入力装置29に出力される。また、本実施形態においては、評価項目毎の評価点Eを表す個別点数情報も、そのまま評価情報として表示入力装置29に出力される。そして、一時停止地点を通過する毎に当該一時停止地点を通過する際の評価点Eに基づく評価情報が表示入力装置29に表示される。図10には、評価情報が出力された表示入力装置29の一例を示している。図示の例では、表示入力装置29の表示画面中の右半分側の領域に、総合点数情報に基づく総合評価点、個別点数情報に基づく評価項目毎の評価を視覚的に表したチャート及びアドバイス情報に基づく運転者へのコメントが表示されている。
【0070】
〔その他の実施形態〕
(1)上記の各実施形態においては、評価部6は、アクセル開度変化、車速変化、車間距離変化及び顔向き変化を評価項目として評価点Eを導出する場合を例として説明した。しかし、本発明の実施形態はこれに限定されない。すなわち、例えば操作状況取得部4により取得されるアクセル開度、車速及びブレーキ操作量等の絶対量を評価項目として、評価点Eを導出するように構成してあっても良い。
【0071】
(2)上記の各実施形態においては、評価部6は、肯定的評価点と否定的評価点との双方に基づいて評価点Eを導出する場合を例として説明した。しかし、本発明の実施形態はこれに限定されない。すなわち、肯定的評価点及び否定的評価点のいずれか一方に基づいて評価点Eを導出するように構成してあっても良い。例えば、肯定的評価点のみに基づいて、加点方式により評価点Eを導出するように構成することもできるし、否定的評価点のみに基づいて、所定の満点からの減点方式により評価点Eを導出するように構成することもできる。この場合にあっても、肯定的評価点は一時停止地点からの距離が長いほど大きな値となるように設定され、否定的評価点は一時停止地点からの距離が短いほど大きな値となるように設定されることが好ましい。
【0072】
(3)上記の第一の実施形態においては、一時停止地点から第一の所定位置まで間に二つのエリアA1、A2が設定されるとともに、エリアA1、A2毎に評価項目毎の運転操作に対する基礎評価点を予め記憶した評価点テーブル34を備える場合を例として説明した。しかし、本発明の実施形態はこれに限定されない。すなわち、一時停止地点から第一の所定位置まで間に三以上のエリアA1、A2、A3、・・・が設定されるとともに、エリアA1、A2、A3、・・・毎に評価項目毎の運転操作に対する基礎評価点を予め記憶した評価点テーブル34を備える構成としてあっても良い。
【0073】
(4)上記の第二の実施形態においては、評価係数(β)が操作距離に応じて直線的(一次関数的)に変化する場合を一例として図示して説明した。しかし、本発明の実施形態はこれに限定されない。すなわち、評価係数(β)が操作距離に応じて非直線的に変化するように構成してあっても良い。例えば、肯定的運転操作に対する評価係数(β)を、操作距離が長いほど大きい値とするとともに、その増加率も大きくなるように設定することができる。また、否定的運転操作に対する評価係数(β)を、操作距離が短いほど大きい値とするとともに、その増加率も大きくなるように設定することができる。
【0074】
(5)上記の各実施形態においては、総合評価点を算出するに際して、総合評価点に対する評価項目毎の評価点Eの寄与割合が、車両を安全に停止させるための重要性の程度に応じて設定されている場合を例として説明した。しかし、本発明の実施形態はこれに限定されない。すなわち、例えばそのような重要性の程度を考慮することなく、評価項目毎の評価点Eの寄与割合を均等としても良い。
【0075】
(6)上記の各実施形態においては、アドバイス文取得部9が評価点Eに基づくアドバイス情報を取得するに際して、それぞれの評価項目に対する評価点Eを参照して相対的に評価が低かった評価項目についてのコメントを取得する場合を例として説明した。しかし、本発明の実施形態はこれに限定されない。すなわち、例えば相対的に評価が高かった評価項目についてのコメントを取得するように構成してあっても良い。このようにすれば、運転者に対して、良好な運転操作を褒めるコメントが主に通知されるようになるので、そのような運転操作を行なおうとする意欲をよりいっそう高く維持させることができる。
【0076】
(7)上記の各実施形態においては、一時停止地点の手前に差しかかった際には常に評価部6が評価点Eを導出する場合を念頭において説明した。しかし、本発明の実施形態はこれに限定されない。すなわち、評価点Eを導出することが適当ではないと考えられる状況下においては、評価部6は当該一時停止地点では安全運転の程度の評価を中止するものとしても良い。例えば、一時停止地点の手前において自車両の前方に他の車両が停止している場合には、一時停止地点に関係なく当該車両の手前で停止せざるを得ない。つまり、そのような場合には、他の車両の存在により一時停止地点の手前での自車両の運転操作が影響を受けてしまい、一時停止地点との関係では安全運転の程度を適切に評価することはできないと考えられる。また、例えば、一時停止地点に到達する前に自車位置が当該一時停止地点を有する道路から外れた場合には、そもそも当該一時停止地点において停止する必要がなくなってしまう。そこで、そのような状況を検知した際には、評価部6は当該一時停止地点では安全運転の程度の評価を中止する。このようにすれば、運転者に対して不要な評価情報の通知を減らすことができるとともに、評価のための処理負荷を軽減することができる。さらに、評価部6により評価点Eが導出された後であっても、一時停止地点に到達する前に自車位置が当該一時停止地点を有する道路から外れた場合等には、出力手段としての表示入力装置29及び音声出力装置30への評価情報の出力を中止するように構成しても良い。このようにすれば、少なくとも運転者に対して不要な評価情報の通知を減らすことができる。
【0077】
なお、一時停止地点から前記所定距離内に他の車両が停止しているような状況は、車両に設置されたフロントカメラ等の前方道路状況取得手段により取得することができる。また、自車位置が当該一時停止地点を有する道路から外れたような状況は、自車位置情報取得部3により取得される自車位置情報31と、地図データベース12に記憶された地図情報32とに基づいて取得することができる。
【0078】
(8)上記の各実施形態においては、安全運転評価装置2及びナビゲーション装置1の全ての構成が車両に積載されている場合を念頭において説明した。しかし、本発明の実施形態はこれに限定されない。すなわち、安全運転評価装置2及びナビゲーション装置1の一部が、通信ネットワークを介して車外に設けられた構成としてあっても良い。例えば、各機能部、データベース、メモリの一部又は全部を、外部サーバーに設けた構成として、通信ネットワークを介在させて安全運転評価処理及びナビゲーション処理を行うように構成することもできる。
【0079】
(9)上記の各実施形態においては、ナビゲーション装置1が備える地図データベース12に記憶された地図情報32(特に停止地点情報)に基づいて、一時停止地点の位置を取得する場合を例として説明した。しかし、本発明の実施形態はこれに限定されない。すなわち例えば、VICS(登録商標;Vehicle Information and Communication System(道路交通情報通信システム))から配信される道路交通情報等のように、車両の外部に設置された施設から提供される情報により、一時停止地点に関する情報(一時停止地点の位置座標や一時停止地点までの残距離等)を取得する構成としても良い。この場合、車速センサ26により検出される車速についての情報に基づいて、一時停止地点から自車位置までの距離や操作距離が推定される。そして、推定された一時停止地点から自車位置までの距離や操作距離に基づいて、前方に一時停止地点がある旨の案内処理や安全運転評価処理が行われる。
【0080】
(10)上記の各実施形態においては、本発明に係る安全運転評価装置2を、ナビゲーション装置1に適用した場合を例として説明した。しかし、本発明の実施形態はこれに限定されない。すなわち例えば、安全運転評価装置2を構成する各機能部を、ナビゲーション装置1とは無関係な車両の制御装置等に備えた構成とすることも、本発明の好適な実施形態の一つである。
【産業上の利用可能性】
【0081】
本発明は、安全運転の程度を評価して出力する安全運転評価装置及びこれを用いたナビゲーション装置に好適に利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0082】
【図1】第一の実施形態に係るナビゲーション装置の概略構成を示すブロック図
【図2】地図データベースに記憶されている地図情報の構成の例を示す図
【図3】一時停止地点からの距離に応じた複数のエリアの設定例を示す図
【図4】メモリに記憶された評価点テーブル(アドバイス文テーブル)の一例を示す図
【図5】評価情報が出力された表示入力装置の一例を示す図
【図6】第一の実施形態に係る安全運転評価プログラムの処理順序を示すフローチャート
【図7】第二の実施形態に係るナビゲーション装置の概略構成を示すブロック図
【図8】メモリに記憶された評価係数マップの一例を示す図
【図9】メモリに記憶された寄与割合テーブルの一例を示す図
【図10】評価情報が出力された表示入力装置の一例を示す図
【符号の説明】
【0083】
1 ナビゲーション装置
2 安全運転評価装置
5 操作距離取得部(操作距離取得手段)
6 評価部(評価手段)
7 評価情報取得部(評価情報取得手段)
10 ナビゲーション用演算部(ナビゲーション用演算手段)
12 地図データベース
13 メモリ(評価点記憶手段、評価係数記憶手段)
29 表示入力装置(出力手段)
30 音声出力装置(出力手段)
34 評価点テーブル
35 評価係数マップ
37 寄与割合テーブル
A エリア
E 評価点

【特許請求の範囲】
【請求項1】
自車位置が一時停止地点から所定の距離内にある場合に、車両の運転操作に関する評価項目に基づいて、前記一時停止地点に停止するための安全運転の程度を数値化して評価した評価点を導出する評価手段と、
前記評価点に基づく評価情報を出力する出力手段と、を備え、
前記評価手段は、前記一時停止地点から前記評価項目に係る運転操作を行なった地点までの距離を表す操作距離に応じて、同じ前記評価項目に係る運転操作に対して付与する前記評価点を変更する安全運転評価装置。
【請求項2】
前記評価項目は、アクセル開度変化量及び車速変化量の一方又は双方を含む請求項1に記載の安全運転評価装置。
【請求項3】
前記評価点は、前記一時停止地点において車両を安全に停止させるのに資する運転操作とされる肯定的運転操作に対する肯定的評価点と、前記一時停止地点において車両を安全に停止させるのを阻害する運転操作とされる否定的運転操作に対する否定的評価点と、の一方又は双方により導出される請求項1又は2に記載の安全運転評価装置。
【請求項4】
前記肯定的評価点は、前記評価点の導出に際して所定の基礎点に対して加点され、前記操作距離が長いほど大きい値となるように設定されている請求項3に記載の安全運転評価装置。
【請求項5】
前記否定的評価点は、前記評価点の導出に際して所定の基礎点に対して減点され、前記操作距離が短いほど大きい値となるように設定されている請求項3又は4に記載の安全運転評価装置。
【請求項6】
前記一時停止地点からの距離に応じた複数のエリアが設定されるとともに、当該エリア毎における前記評価項目毎の前記運転操作に対する前記評価点を予め記憶した評価点記憶手段をさらに備え、
前記評価手段は、前記評価項目に係る運転操作があった場合に、前記操作距離に基づいて前記評価点記憶手段を参照して前記評価点を導出する請求項1から5のいずれか一項に記載の安全運転評価装置。
【請求項7】
前記操作距離に応じた評価係数を予め記憶した評価係数記憶手段と、前記操作距離を取得する操作距離取得手段と、をさらに備え、
前記評価手段は、前記評価項目に係る運転操作があった場合に、前記操作距離に基づいて前記評価係数を取得し、取得した前記評価係数と予め設定された基準点との積算値として前記評価点を導出する請求項1から5のいずれか一項に記載の安全運転評価装置。
【請求項8】
前記評価情報は、前記評価項目毎の前記評価点を表す個別点数情報、前記評価項目毎の前記評価点を総合した総合評価点を表す総合点数情報、及び前記評価点に対応する運転者へのコメントを表すアドバイス情報、の中から選択される少なくとも一つ以上の情報である請求項1から7のいずれか一項に記載の安全運転評価装置。
【請求項9】
前記評価手段が、二以上の前記評価項目に基づいて前記評価点を導出するとともに、前記評価情報出力手段が、前記評価項目毎の前記評価点を総合した総合評価点を表す総合点数情報を出力する場合に、
前記総合評価点を導出するに際して、前記総合評価点に対する前記評価項目毎の前記評価点の寄与割合が、車両を安全に停止させるための重要性の程度に応じて設定されている請求項2から7のいずれか一項に記載の安全運転評価装置。
【請求項10】
一時停止地点から前記所定の距離内に他の車両が停止している場合には、前記評価手段は当該一時停止地点では安全運転の程度の評価を中止する請求項1から9のいずれか一項に記載の安全運転評価装置。
【請求項11】
請求項1から10のいずれか一項に記載の安全運転評価装置と、
所定のナビゲーション処理を実行するナビゲーション用演算手段と、
を備えたナビゲーション装置。
【請求項12】
自車位置が一時停止地点から所定の距離内にある場合に、車両の運転操作に関する評価項目に基づいて安全運転の程度を数値化して評価した評価点を導出する評価ステップと、
前記評価点に基づく評価情報を出力する出力ステップと、をコンピュータに実行させ、
前記評価ステップでは、前記一時停止地点から前記評価項目に係る運転操作を行なった地点までの距離を表す操作距離に応じて、同じ前記評価項目に係る運転操作に対して付与する前記評価点を変更する処理を実行させる安全運転評価プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2010−39888(P2010−39888A)
【公開日】平成22年2月18日(2010.2.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−203886(P2008−203886)
【出願日】平成20年8月7日(2008.8.7)
【出願人】(000100768)アイシン・エィ・ダブリュ株式会社 (3,717)
【Fターム(参考)】