説明

情報管理提供システム

【課題】ユーザの嗜好に応じた情報を効率的に提供することが可能な情報処理装置を提供する。
【解決手段】評価者の評価情報を評価者毎に管理し、ユーザの評価が同一事物に対する評価者の評価と一致する評価者群を対象に、ユーザが欲する検索条件に当てはまる情報に絞込みを行う構成により提供可能である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ユーザに有益な情報を検索して提供する情報管理提供システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
口コミ情報は不特定多数の評価者の情報を羅列的に提供するものが多く、ユーザが有効と感じる情報を得るまでに多くの時間を要していた。またその信頼度は必ずしも高いとはいえず、情報によっては想像や広告である可能性も否定できないこともある。そこで、効率的に情報を探すための手段として、評価を数値化し、ユーザが検索条件を設定することによって、情報の絞込みを行う情報評価値付き情報案内システムが提案されている(特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】特開平10−247201号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の構成では、所定の検索条件をユーザが入力し、上記検索条件に基づいてデータベースに対して検索を行い、この検索によって得られた検索結果を出力し、所定の評価要素に基づいて、各検索結果をそれぞれ評価し、各検索結果に評価値を付与し、各検索結果を所定の表示手段に表示させるとともに、各検索結果に評価値を付加して表示させるものではあるが、評価を行ったユーザの嗜好は不明である。つまり、その評価結果が、ユーザの好みと一致しているのかどうかは分からない。そのユーザの好みが少数派に属するものかも知れないからである。また、情報の信頼度については解決されていない。
【0005】
車両の走行に伴ってGPS(Global Positioning System:全地球測位システム)等により現在位置を検出し、その現在位置を表示装置上に道路地図と共に表示して、出発地から目的地までの適切な経路を設定し、表示装置や音声出力装置などによって案内する車両用ナビゲーション装置は、ユーザの効率的で安全な運転に貢献している。
【0006】
案内経路を検索する場合、走行履歴からユーザが過去に走行した道路を優先的に選択することは行われているが、その道路がユーザの嗜好に合っているものかどうかは分からない。また、通信ネットワークを介して案内経路検索サーバが検索した案内経路をダウンロードして用いる構成においても、該サーバの検索時にユーザの嗜好が反映されるわけではない。
【0007】
上記問題を背景として、本発明の課題は、ユーザの嗜好に応じた情報を効率的に提供することが可能な情報管理提供システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段および発明の効果】
【0008】
上記課題を解決するための情報管理提供システムは、道路地図データを記憶する道路地図データ記憶手段と、道路地図上に目的地を設定する目的地設定手段と、道路地図上に特定される現在位置から設定された目的地までの経路を道路地図上にて探索・設定する経路探索設定手段と、道路地図データの予め定められたデータ項目について、個々の経路設定事象毎に固有に抽出使用されたデータである設定実績データを設定ユーザ別に登録する設定実績データベースと、目的地を新たに設定しようとするカレントユーザを特定するカレントユーザ特定手段と、設定実績データベース上にて、カレントユーザに対応する設定実績データをカレントユーザ実績データとして抽出するとともに、データ項目において当該カレントユーザ実績データに対し予め定められた類似度を有する他ユーザの設定実績データを同類ユーザ実績データとして探索・抽出する同類ユーザ実績データ抽出手段と、抽出された該同類ユーザ実績データの集合を支援ベースデータとして、当該支援ベースデータに基づいて、カレントユーザによる当該の目的地設定を支援するための目的地設定支援情報を作成・出力する目的地設定支援情報作成・出力手段と、を備えることを特徴とする。
【0009】
上記構成によって、予め定められた類似度を有する、すなわち嗜好の似通った他ユーザの設定実績データに基づいてカレントユーザの目的地設定が支援されるので、目的地設定支援情報を取得するまでの時間が短縮されるとともに、カレントユーザの目的地設定支援情報に対する信頼度が向上する。
【0010】
また、本発明の情報管理提供システムにおける同類ユーザ実績データ抽出手段は、データ項目においてカレントユーザ実績データと内容的に少なくとも一部が一致する設定実績データを同類ユーザ実績データとして抽出するように構成することもできる。
【0011】
上記構成によって、カレントユーザと嗜好の似通った他ユーザの設定実績データを抽出することが可能となる。
【0012】
また、本発明の情報管理提供システムは、経路探索設定手段による経路設定事象毎に、データ項目にかかるユーザ評価を入力するユーザ評価入力手段を備え、設定実績データベースにおいて設定実績データは入力されたユーザ評価結果を含むものとして登録され、同類ユーザ実績データ抽出手段は、データ項目においてユーザ評価結果が共通する設定実績データを同類ユーザ実績データとして抽出するように構成することもできる。
【0013】
ユーザ評価が共通していれば、嗜好も似通っていると見なすことができる。上記構成によって、カレントユーザと嗜好の似通った他ユーザの設定実績データを抽出することが可能となる。また、ユーザの評価は常に一定であるとは限らないので、ユーザ評価を入力可能とすることで、設定実績データを常に最新の状態に保つことができる。
【0014】
また、本発明の情報管理提供システムは、登録される設定実績データのデータ項目が、設定された経路にかかる目的地または経由地として定められるように構成することもできる。
【0015】
上記構成によって、経路案内探索時に設定実績データを用いることが可能となる。
【0016】
また、本発明の情報管理提供システムにおける同類ユーザ実績データ抽出手段は、カレントユーザ実績データと同一の目的地または経由地を1以上含む設定実績データを同類ユーザ実績データとして抽出するように構成することもできる。
【0017】
カレントユーザ実績データと同一の目的地または経由地が含まれていれば、嗜好も似通っていると見なすことができる。上記構成によって、カレントユーザにとってより有益かつ信頼度の高い目的地設定支援情報を作成・出力することが可能となる。
【0018】
また、本発明の情報管理提供システムは、経路探索設定手段による経路設定事象毎に、データ項目にかかるユーザ評価を入力するユーザ評価入力手段を備え、設定実績データベースにおいて設定実績データは入力されたユーザ評価結果を含むものとして登録され、同類ユーザ実績データ抽出手段は、データ項目においてユーザ評価結果が共通する設定実績データを同類ユーザ実績データとして抽出するものであって、同類ユーザ実績データ抽出手段は、一定レベル以上の評価結果が登録されている目的地または経由地が、カレントユーザ実績データと1以上一致する設定実績データを同類ユーザ実績データとして抽出するように構成することもできる。
【0019】
上記構成によっても、カレントユーザにとってより有益かつ信頼度の高い目的地設定支援情報を作成・出力することが可能となる。
【0020】
また、本発明の情報管理提供システムは、道路地図データ記憶手段にて目的地または経由地として設定可能な地点名または施設名が、予め定められたカテゴリによって分類された形で設定実績データベースに記憶され、目的地設定手段は、カテゴリに基づいて地点名または施設名の絞り込み探索が可能に構成されてなり、同類ユーザ実績データ抽出手段は、カレントユーザが目的地設定手段に際して選択したカテゴリにおいて、目的地または経由地がカレントユーザ実績データと1以上一致する設定実績データを同類ユーザ実績データとして抽出するものであり、目的地設定支援情報作成・出力手段は、支援ベースデータからカレントユーザ実績データと一致する目的地または経由地の選択リストを目的地設定支援情報として作成し出力するように構成することもできる。
【0021】
上記構成によっても、カレントユーザにとってより有益かつ信頼度の高い目的地設定支援情報を作成・出力することが可能となる。また、予めカテゴリによって絞り込むので、目的地設定支援情報の作成・出力に要する時間も短縮できる。
【0022】
また、本発明の情報管理提供システムは、登録される設定実績データのデータ項目が、設定された経路を構成する道路データであるように構成することもできる。
【0023】
上記構成によって、カレントユーザの嗜好に適した道路を目的地設定支援情報として出力することが可能となる。
【0024】
また、本発明の情報管理提供システムにおける経路探索設定手段は、同類ユーザ実績データに含まれる道路データを優先的に用いた経路を、道路地図上に特定される現在位置から設定された目的地までの推奨ルートとして探索・設定するように構成することもできる。
【0025】
上記構成によって、カレントユーザの嗜好に適した案内経路を探索し、目的地設定支援情報として出力することが可能となる。
【0026】
また、本発明の情報管理提供システムは、施設についての評価データをユーザ別に登録する施設評価データベースと、施設に関する評価を新たに取得しようとするカレントユーザを特定するカレントユーザ特定手段と、施設評価データベース上にて、カレントユーザに対応する施設評価データをカレントユーザ評価データとして抽出するとともに、カレントユーザ評価データに対し予め定められた類似度を有する他ユーザの施設評価データを同類ユーザ評価データとして探索・抽出する同類ユーザ評価データ抽出手段と、抽出された該同類ユーザ評価データの集合を支援ベースデータとして、当該支援ベースデータに基づいて、カレントユーザによる当該施設の評価を支援するための評価支援情報を作成・出力する評価支援情報作成・出力手段と、を備えるように構成することもできる。
【0027】
上記構成によって、ユーザの嗜好に応じた評価支援情報を効率的に提供することが可能となる。
【0028】
また、本発明の情報管理提供システムは、施設についてのユーザの評価を入力するユーザ評価入力手段を備え、施設評価データベースにおいて、施設評価データは入力されたユーザ評価結果を含むものとして登録され、同類ユーザ評価データ抽出手段は、ユーザ評価結果が共通する施設評価データを同類ユーザ評価データとして抽出するように構成することもできる。
【0029】
ユーザ評価が共通していれば、嗜好も似通っていると見なすことができる。上記構成によって、カレントユーザと嗜好の似通った他ユーザの施設評価データを抽出することが可能となる。また、ユーザの評価は常に一定であるとは限らないので、ユーザ評価を入力可能な構成とすることで、施設評価データを常に最新の状態に保つことができる。
【0030】
また、本発明の情報管理提供システムにおけるユーザ評価入力手段は、評価データに含まれる1または複数の評価項目毎にユーザの評価を入力するものであり、同類ユーザ評価データ抽出手段は、カレントユーザ評価データと同一の評価結果が登録された評価項目を1以上含む他ユーザの施設評価データを同類ユーザ評価データとして抽出するように構成することもできる。
【0031】
カレントユーザ評価データと同一の評価結果が含まれていれば、嗜好も似通っていると見なすことができる。上記構成によって、カレントユーザにとってより有益かつ信頼度の高い評価支援情報を作成・出力することが可能となる。
【0032】
また、本発明の情報管理提供システムにおける同類ユーザ評価データ抽出手段は、一定レベル以上の評価結果が登録されている施設において、カレントユーザ評価データと一致する他ユーザの施設評価データを同類ユーザ評価データとして抽出するように構成することもできる。
【0033】
上記構成によっても、カレントユーザにとってより有益かつ信頼度の高い評価支援情報を作成・出力することが可能となる。
【0034】
また、本発明の情報管理提供システムにおける施設は、予め定められたカテゴリによって分類された形で施設評価データベースに記憶され、カレントユーザがカテゴリを選択するカテゴリ選択手段を備え、評価支援情報作成・出力手段は、カレントユーザが選択したカテゴリに含まれる施設で、支援ベースデータから、カレントユーザ評価データと一致する施設の選択リストを評価支援情報として作成し出力するように構成することもできる。
【0035】
上記構成によっても、カレントユーザにとってより有益かつ信頼度の高い評価支援情報を作成・出力することが可能となる。また、予めカテゴリによって絞り込むので、評価支援情報の作成・出力に要する時間も短縮できる。
【0036】
また、本発明の情報管理提供システムは、カレントユーザが施設評価データを取得したい施設を選択する施設選択手段を備え、評価支援情報作成・出力手段は、支援ベースデータから、カレントユーザが選択した施設に対応する施設評価データを評価支援情報として作成し出力するように構成することもできる。
【0037】
上記構成によって、カレントユーザが選択した施設に対して、カレントユーザにとってより有益かつ信頼度の高い評価支援情報を作成・出力することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0038】
以下、本発明の情報管理提供システムを、図面を参照しながら説明する。図1に情報管理提供システムの構成図を示す。情報管理提供システムは、データベース(DB)サーバ201を含むセンタ200,車両用ナビゲーション装置(以下、ナビゲーション装置と略称)100,およびパーソナルコンピュータ300を含んで構成される。パーソナルコンピュータ300を含む構成については、車両用ナビゲーション装置100を含む構成の変形例となるので、概略は後で述べる。
【0039】
図2に示すように、DBサーバ201は、周知のパーソナルコンピュータあるいはワークステーションとして構成され、HDD(Hard Disk Drive)203,通信ユニット204,表示部205,操作部206,およびこれらが接続された制御回路202を備えている。
【0040】
HDD203には、DBサーバ201を作動させるオペレーティングシステム(OS)として機能するOSプログラム203sと、OS上で動作するアプリケーションプログラム203pと、データベース(DB)203d(詳細は後述)等が記憶されている。なお、データベース203dが本発明の設定実績データベース,施設評価データベースに相当する。
【0041】
通信ユニット204は、ナビゲーション装置100と直接、あるいはインターネット等の通信ネットワークを介して通信を行うためのもので、例えば、周知の無線通信機あるいはネットワーク接続装置として構成される。なお、通信ユニット204が本発明の評価支援情報作成・出力手段に相当する。
【0042】
表示部205は、液晶ディスプレイやCRTディスプレイ等の表示器により構成される。操作部206は、マウス等のポインティングデバイスやキーボードなどの操作手段により構成される。
【0043】
制御回路202は、CPU202a,ROM202b,RAM202c,入出力インターフェース(I/O)202dおよびこれらの構成を接続するバスライン202eを備えている。CPU202aは、HDD203に記憶されたOSプログラム203sに基づいて制御を行う。OSプログラム203sは、RAM202c上にてOS用ワークメモリ202sを作業領域とする形で実行される。また、アプリケーションプログラム203pは、RAM202c上においてアプリケーション用ワークメモリ202pを作業領域とする形で実行される。
【0044】
なお、制御回路202が本発明の同類ユーザ実績データ抽出手段,目的地設定支援情報作成・出力手段,同類ユーザ評価データ抽出手段,評価支援情報作成・出力手段に相当する。
【0045】
図3に、ナビゲーション装置100のブロック図を示す。ナビゲーション装置100は、位置検出器1,地図データ入力器6,操作スイッチ群7,リモートコントロール(以下リモコンと称する)センサ11,音声案内などを行う音声合成回路24,スピーカ15,メモリ9,表示器10,送受信機13,ハードディスク装置(HDD)21,LAN(Local Area Network) I/F(インターフェース)26,これらの接続された制御回路8,リモコン端末12等を備えている。
【0046】
位置検出器1は、周知の地磁気センサ2,車両の回転角速度を検出するジャイロスコープ3,車両の走行距離を検出する距離センサ4,および衛星からの電波に基づいて車両の位置を検出するGPS受信機5を有している。これらのセンサ等2,3,4,5は各々が性質の異なる誤差を持っているため、複数のセンサにより各々補完しながら使用するように構成されている。なお、精度によっては前述したうちの一部のセンサで構成してもよく、さらに、ステアリングの回転センサ(図示せず)や各転動輪の車輪センサ例えば車速センサ23等を用いてもよい。
【0047】
操作スイッチ群7は、例えば表示器10と一体になったタッチパネル22もしくはメカニカルなスイッチが用いられる。タッチパネル22は、表示器10の画面上にガラス基盤と透明なフィルムにスペーサと呼ばれる隙間を介してX軸方向、Y軸方向に電気回路が配線され、フィルム上をユーザがタッチすると、押された部分の配線がショートして電圧値が変わるため、これを2次元座標値(X,Y)として検出する、いわゆる抵抗膜方式が広く用いられる。その他に、周知のいわゆる静電容量方式を用いてもよい。メカニカルスイッチの他に、マウスやカーソル等のポインティングデバイスを用いてもよい。
【0048】
また、マイク31および音声認識ユニット30を用いて種々の指示を入力することも可能である。これは、マイク31から入力された音声信号を、音声認識ユニット30において周知の隠れマルコフモデル等の音声認識技術により処理を行い、その結果に応じた操作コマンドに変換するものである。これら、本発明の目的地設定手段,経路探索設定手段,カレントユーザ特定手段,ユーザ評価入力手段,カテゴリ選択手段,施設選択手段に相当する、操作スイッチ群7,リモコン端末12,タッチパネル22,およびマイク31により、種々の指示を入力することが可能である。
【0049】
送受信機13は、例えば道路に沿って設けられた送信機(図示せず)から出力される光ビーコン、または電波ビーコンによってVICS(Vehicle Information and Communication System:道路交通情報通信システム,登録商標)センタ14から道路交通情報を受信、あるいはFM多重放送を受信するための装置である。また、送受信機13を用いてインターネット等の外部ネットワークに接続可能な構成としてもよい。
【0050】
また、ETC車載器17と通信することにより、ETC車載器17が路側器(図示せず)から受信した料金情報などをナビゲーション装置100に取り込むことができる。また、ETC車載器17によって外部ネットワークと接続し、VICSセンタ14等との通信を行う構成をとってもよい。
【0051】
制御回路8には、周知のCPU81,ROM82,RAM83,入出力回路であるI/O84,A/D変換部86,描画部87,時計IC88,およびこれらの構成を接続するバスライン85が備えられている。CPU81は、HDD21に記憶されたナビプログラム21pおよびデータにより制御を行う。また、HDD21へのデータの読み書きの制御はCPU81によって行われる。また、CPU81からHDD21に対してデータの読み書きの制御ができなくなった場合のために、ROM82にナビゲーション装置100として必要最低限の動作を行うためのプログラムを記憶しておいてもよい。
【0052】
A/D変換部86は周知のA/D(アナログ/デジタル)変換回路を含み、例えば位置検出器1などから制御回路8に入力されるアナログデータをCPU81で演算可能なデジタルデータに変換するものである。
【0053】
描画部87は、HDD21等に記憶された道路地図データ21m(後述),表示用のデータや表示色のデータから表示器10に表示させるための表示画面データを生成する。
【0054】
時計IC88はリアルタイムクロックICとも呼ばれ、CPU81からの要求に応じて時計・カレンダーのデータを送出あるいは設定するものである。CPU81は時計IC88から日時情報を取得する。また、GPS受信機5で受信したGPS信号に含まれる日時情報を用いてもよい。また、CPU81に含まれるリアルタイムカウンタを基にして日時情報を生成してもよい。
【0055】
HDD21には、ナビプログラム21pの他に位置検出の精度向上のためのいわゆるマップマッチング用データ、道路の接続を表した道路データを含む地図データベースである道路地図データ21mが記憶される。道路地図データ21mは、表示用となる所定の地図画像情報を記憶するとともに、リンク情報やノード情報等を含む道路網情報を記憶する。リンク情報は、各道路を構成する所定の区間情報であって、位置座標,距離,所要時間,道幅,車線数,制限速度等から構成される。また、ノード情報は、交差点(分岐路)等を規定する情報であって、位置座標,右左折車線数,接続先道路リンク等から構成される。また、リンク間接続情報には、通行の可不可を示すデータなどが設定されている。なお、道路地図データ21mが本発明の道路地図データ記憶手段に相当する。
【0056】
また、HDD21には経路案内の補助情報や娯楽情報、その他にユーザが独自にデータを書き込むことができ、ユーザデータ21uとして記憶される。また、ナビゲーション装置100の動作に必要なデータや各種情報はデータベース21dとしても記憶される。
【0057】
ナビプログラム21p,道路地図データ21m,ユーザデータ21u,およびデータベース21dは、地図データ入力器6を介して記憶媒体20からそのデータの追加・更新を行うことが可能である。記憶媒体20は、そのデータ量からCD−ROMやDVDを用いるのが一般的であるが、例えばメモリカード等の他の媒体を用いてもよい。また、外部ネットワークを介してデータをダウンロードする構成を用いてもよい。
【0058】
メモリ9はEEPROM(Electrically Erasable & Programmable Read Only Memory:電気的消去・プログラム可能・読出し専用メモリ)やフラッシュメモリ等の書き換え可能なデバイスによって構成され、ナビゲーション装置100の動作に必要な情報およびデータが記憶されている。なお、メモリ9は、ナビゲーション装置100がオフ状態になっても記憶内容が保持されるようになっている。また、メモリ9の代わりにナビゲーション装置100の動作に必要な情報およびデータをHDD21に記憶してもよい。さらに、ナビゲーション装置100の動作に必要な情報およびデータをメモリ9とHDD21に分けて記憶してもよい。
【0059】
表示器10は周知のカラー液晶表示器で構成され、ドット・マトリックスLCD(Liquid Crystal Display)およびLCD表示制御を行うための図示しないドライバ回路を含んで構成されている。ドライバ回路は、例えば、画素毎にトランジスタを付けて目的の画素を確実に点灯させたり消したりすることができるアクティブマトリックス駆動方式が用いられ、制御回路8(描画部87)から送られる表示指令および表示画面データに基づいて表示を行う。また、表示器10として有機EL(ElectroLuminescence:電界発光)表示器,プラズマ表示器を用いてもよい。なお、表示器10が本発明の評価支援情報作成・出力手段に相当する。
【0060】
スピーカ15は周知の音声合成回路24に接続され、ナビプログラム21pの指令によってメモリ9あるいはHDD21に記憶されるデジタル音声データが音声合成回路24においてアナログ音声に変換されたものが送出される。なお、音声合成の方法には、音声波形をそのままあるいは符号化して蓄積しておき必要に応じて繋ぎ合わせる録音編集方式、文字入力情報からそれに対応する音声を合成するテキスト合成方式などがある。
【0061】
車速センサ23は周知のロータリエンコーダ等の回転検出部を含み、例えば車輪取り付け部付近に設置されて車輪の回転を検出してパルス信号として制御回路8に送るものである。制御回路8では、その車輪の回転数を車両の速度に換算して、車両の現在位置から所定の場所までの予想到達時間を算出したり、車両の走行区間毎の平均車速を算出する。
【0062】
通信ユニット25は周知の無線送受信機として構成され、センタ200(DBサーバ201)やインターネット等の公衆通信網と接続するために用いる。また、通信ユニット25を携帯電話機等の携帯通信端末(図示せず)を接続してデータ通信を行うための、携帯通信端末と制御回路8との間のインターフェース回路として構成してもよい。
【0063】
LAN I/F26は車内LAN27を介して他の車載機器やセンサとのデータの遣り取りを行うためのインターフェース回路である。また、LAN I/F26を介して車速センサ23からのデータ取り込み、あるいはETC車載器17との接続を行ってもよい。
【0064】
このような構成を持つことにより、ナビゲーション装置100は、制御回路8のCPU81によりナビプログラム21pが起動されると、ユーザが操作スイッチ群7,タッチパネル22,リモコン端末12の操作、あるいはマイク31からの音声入力によって、表示器10上に表示されるメニューから目的地経路を表示器10に表示させるための経路案内処理を選択した場合、次のような処理を実施する。
【0065】
すなわち、まず、ユーザは目的地を探索する。目的地の探索方法は、例えば、地図上の任意の地点を指定する方法,目的地の所在する地域から探索する方法,目的地の電話番号から探索する方法,五十音表から目的地の名称を入力して探索する方法,あるいはユーザがよく利用する施設としてメモリ9に記憶されているものから探索する方法などがある。目的地が設定されると、位置検出器1により車両の現在位置が求められ、該現在位置を出発地として目的地までの最適な案内経路を求める処理が行われる。そして、表示器10上の道路地図に案内経路を重ねて表示し、ユーザに適切な経路を案内する。また、表示器10およびスピーカ15の少なくとも一方によって、操作時のガイダンスや動作状態に応じたメッセージの報知を行う。
【0066】
このような自動的に最適な案内経路を設定する手法は、ダイクストラ法等の手法が知られている。上記案内経路の探索時における経路の各ノードのコストおよび各リンクのコストは、経路データにおけるノード情報およびリンク情報に基づいて計算により求められ、そのノードのコストはRAM83に一時記憶される。ノードコストは、ノードを直進して通過する場合、交差点で右左折する場合等の、それぞれの走行状況について、所定値に道路種別,道幅,右左折の角度等に応じた係数を乗じる掛け算によって求められる。
【0067】
また、リンクコストは、次式を用いて計算される。リンクコスト=リンク長×道幅係数×道路種別係数×道路左右係数。ここで、道幅係数と道路種別係数は、制御回路8によってリンク情報から得られる道幅,道路種別に応じて所定の値に設定される。道路左右係数は、目的地が右側か左側にあるかの係数で目的地と道路の関係で算出され設定される。そして、出発地(現在地)から目的地へ向けて、次に到達できる交差点(ノード)までの道路(リンク)の探索およびそのコスト(評価値)の計算を順次行っていき、目的地までが最小コストとなる経路(リンク列)を選択する。
【0068】
図4を用いて、本発明における同類ユーザの概念について説明する。DBサーバ201では、事物に対して複数の評価者が評価した結果をデータベース(DB203d)に登録して管理する。例えば、評価者Aは事物a,b,c,eを(1,1,0,1)と評価し(dは未評価)、評価者Bが事物a,c,dを(0,1,1)と評価した(b,eは未評価)とする。1は肯定的あるいは積極的評価で、0は否定的あるいは消極的評価である。これらの評価結果がデータベースに登録される。評価者A,Bが他ユーザに相当する。
【0069】
ここで、事物a,cを(1,0)と評価(b,d,eは未評価)するユーザ(カレントユーザに相当)が、評価が1となる事物を検索した場合、事物a,cを(1,0)と評価した評価者群およびその評価データが抽出される。図4の例では、評価者Aが抽出され、その検索結果として事物a,b,eが出力される。これは(a,c)を(0,1)と評価している評価者Bはユーザの嗜好と一致しないため、その評価を信頼しないことを意味する。このことにより情報の絞込みができるため、ユーザは所望の情報を短時間で入手でき、またユーザ自らが評価していない事物bを、自分の嗜好に合った情報として入手することができる。
【0070】
またユーザが事物cの評価情報を入手したい場合、評価の一致する評価者群の事物cに対する評価として良い評価、悪い評価の両方を得ることができる。また事物cより上位の評価がされている事物eの情報を提供することもできる。またユーザが事物cの評価情報を入手したい場合、評価の一致する評価者群(評価者Aが含まれる)だけでなく、評価の一致しない評価者群(評価者Bが含まれる)の事物cに対する評価も、反対意見としてユーザに提供することができる。
【0071】
評価者群は複数となり得るので、ユーザとの評価の一致度合いで昇順にユーザに提供することが望ましい。これは単純な判定としては、一致する事物の個数が挙げられる。評価尺度が2値でなく、例えば10段階評価であるような場合は、その差が少ない順に一致度が高いと判定する。一つの事物について複数の評価項目がある場合は、評価項目毎に一致度を見る。あるいは総合評価だけで判定してもよい。
【0072】
また、事物はカテゴリに分類できる。したがって検索対象をカテゴリで絞り込んだ後に、上記の検索を行うことで更に精度を高めることができる。カテゴリとは例えば、「食事」,「スポーツ施設」、あるいは「和食店」,「洋食店」といった「食事」をさらに細分したカテゴリでもよい。
【0073】
また、本発明は事物を施設に限らず、人が評価するあらゆる事物に適用できる。例えば、車両用ナビゲーション装置において、ドライバが通る道路はドライバが評価した結果といえる。したがって、ある目的地に向って通行する道路はドライバによって良い評価を与えられたと考えられ、通行しない道路は悪い評価を与えられたと考えることができる。
【0074】
そして、あるユーザが目的地を設定した場合、そのユーザが過去に目的地として設定した地点に向けて通る道路と、DB(203d)に格納された同一地点(あるいはその近傍)に向けて他のドライバ(評価者)が通った道路の一致度合いから、評価の一致するドライバ群(評価者群)から今回の目的地へ向けて評価の高い道路を選択して経路案内することで、ユーザの嗜好に合った道路を案内することができる。このとき、自宅が目的地の近隣にあるドライバの評価を優先的に用いることで、更に信頼度の高い案内経路を提供することも可能である。
【0075】
図5〜図10を用いて、施設についての評価データを登録する施設評価データ登録処理について説明する。なお、本処理はナビプログラム21pに含まれ、ナビプログラム21pの他の処理とともに繰り返し実行される。まず、表示器10において、図示しないメニュー画面から図6のような施設評価メニュー画面を表示させる(S11)。次いで、「ユーザID」ボタンを押下し、ユーザIDを入力する(S12)。パスワードを用いてもよいし、ユーザID入力を行わずに、予めROM82あるいはメモリ9に記憶されている、ナビゲーション装置100を個別に識別可能な装置IDを用いてもよい。
【0076】
ユーザID入力が正しく行われると図6の表示画面に戻る。ここで、「施設評価登録」ボタンを押下すると、図7のような施設のカテゴリを選択する画面が表示されるので、施設カテゴリを選択する(S13)。ステップS13をスキップして、施設カテゴリの選択を行わない構成でもよい。
【0077】
次に、図8のような画面が表示されるので、評価を行う施設を選択する(S14)。施設の選択方法は、上述の目的地を設定する際の方法に準ずる。
【0078】
次に、図9のような画面が表示されるので、選択した施設Aに対する評価を入力する(S15)。評価は、評価項目毎に評価値を入力する方法、あるいは施設全体の評価値を入力する方法のいずれを用いてもよい。評価値は、例えば1〜5またはA〜Eのような予め定められた評価レベル値を用いる方法、あるいは「良い」,「普通」,「悪い」といった評価語句を用いる方法のいずれでもよい。
【0079】
最後に、図9の表示画面で、「登録」ボタンを押下すると、通信ユニット25を介してDBサーバ201と通信が行われ、施設評価データがユーザIDあるいはナビゲーション装置100の装置ID等のユーザを特定可能なデータとともにDBサーバ201に送信される(S16)。
【0080】
DBサーバ201では、施設評価データをユーザ(評価者)毎にDB203に記憶する。なお、本処理はアプリケーションプログラム203pに含まれる。図10に施設評価データの記憶内容の一例を示す。施設評価データの登録日時を含めてもよい。
【0081】
図11を用いて、施設リスト表示処理について説明する。なお、本処理はナビプログラム21pに含まれ、ナビプログラム21pの他の処理とともに繰り返し実行される。まず、図6のような施設評価画面を表示させ(S31)、「ユーザID」ボタンを押下し、ユーザIDを入力する(S32)。
【0082】
ユーザID入力が正しく行われると図6の表示画面に戻る。ここで、「施設リスト」ボタンを押下する。このとき、図7のような施設カテゴリを選択する画面が表示されるので、例えば、「買い物」ボタンを押下する(S33)。この後、通信ユニット25を介してDBサーバ201と通信が行われ、施設リスト要求データがユーザIDあるいはナビゲーション装置100の装置ID等のユーザを特定可能なデータとともにDBサーバ201に送信される(S34)。
【0083】
施設カテゴリを選択した後に、図示しない「要求」ボタンを押下した後に、施設リスト要求をDBサーバ201に送信するようにしてもよい。
【0084】
施設リスト要求を受信したDBサーバ201では、施設リストが作成・出力される(S35,後述)。
【0085】
そして、DBサーバ201から施設リストを受信する(S36)。最後に、表示器10に施設リストを表示する(S37)。図13に、施設リスト表示画面の一例を示す。
【0086】
図12を用いて、施設の評価情報リスト表示処理について説明する。なお、本処理はナビプログラム21pに含まれ、ナビプログラム21pの他の処理とともに繰り返し実行される。まず、図6のような施設評価画面を表示させ(S51)、「ユーザID」ボタンを押下し、ユーザIDを入力する(S52)。
【0087】
ユーザID入力が正しく行われると図6の表示画面に戻る。ここで、「評価情報リスト」ボタンを押下する。このとき、図7のような施設カテゴリを選択する画面が表示されるので、例えば、「買い物」ボタンを押下する(S53)。
【0088】
次に、図8のような施設を選択する画面が表示されるので、評価情報リストが必要な施設を選択する(S54)。施設の選択方法は図5のステップS14と同様である。施設が選択されると、通信ユニット25を介してDBサーバ201と通信が行われ、評価情報リスト要求データがユーザIDあるいはナビゲーション装置100の装置ID等のユーザを特定可能なデータとともにDBサーバ201に送信される(S55)。
【0089】
評価情報リスト要求を受信したDBサーバ201では、評価情報リストが作成・出力される(S56,後述)。
【0090】
そして、DBサーバ201から評価情報リストを受信する(S57)。最後に、表示器10に評価情報リストを表示する(S58)。図14に、評価情報リスト表示画面の一例を示す。評価情報リストの表示形態は、グラフ表示でもリスト表示でもよい。
【0091】
図15を用いて、図11のステップS35および図12のステップS56に相当し、DBサーバ201のアプリケーションプログラム203pに含まれる施設評価リスト作成・出力処理について説明する。まず、ナビゲーション装置100から、施設評価リストあるいは評価情報リスト要求データと、ユーザIDあるいはナビゲーション装置100の装置ID等のユーザを特定可能なデータとを受信する(S71)。
【0092】
次に、受信したユーザIDに対応するユーザの施設評価データ(カレントユーザ評価データ)に対し、例えばユーザ評価結果が共通するような、予め定められた類似度を有する他ユーザ(評価者)の施設評価データを同類ユーザ評価データとして抽出し、これを支援ベースデータとする(S72)。同類ユーザ評価データの抽出は以下のように行う。
(1)カレントユーザ評価データと同一の評価結果が登録された評価項目を1以上含む他ユーザの施設評価データを同類ユーザ評価データとして抽出する。
(2)例えば、「Bランク」以上あるいは「良い」以上のような、一定レベル以上の評価結果が登録されている施設において、カレントユーザ評価データと一致する他ユーザの施設評価データを同類ユーザ評価データとして抽出する。
【0093】
次いで、その支援ベースデータから、以下のように検索を行う(S73)。
(1)施設評価リストが要求された場合は、そのカテゴリに含まれる施設を検索する。
(2)評価情報リストが要求された場合は、その施設についての評価値が含まれているものを検索する。
【0094】
そして、検索結果を、例えば評価の良い順にソートして、リストあるいはグラフを作成する(S74)。最後に、作成されたリストあるいはグラフを、評価支援情報としてナビゲーション装置100に送信する(S75)。
【0095】
図16を用いて、案内経路についての評価データを登録する案内経路評価データ登録処理について説明する。なお、本処理はナビプログラム21pに含まれ、ナビプログラム21pの他の処理とともに繰り返し実行される。まず、図6の表示画面あるいは別の図示しないメニュー画面において「ユーザID」ボタンを押下し、ユーザIDを入力する(S91)。
【0096】
次に、表示器10に地図を表示させる(S92)。次いで、図示しない「目的地設定」ボタンを押下する(S93)。このとき、表示器10に表示された地図の中心座標が目的地として設定される(S94)。目的地の設定は、上述した他の方法によって行ってもよい。
【0097】
出発地(位置検出器1で検出される車両の現在位置でもよい)および目的地の設定が終わると、図17のような画面が表示されるので、「ローカル検索」ボタンを押下して、ナビゲーション装置100の案内経路検索機能を用いて案内経路を計算する(S95)。そして、その案内経路計算結果に基づいて経路案内を実施する(S96)。
【0098】
最後に、経路案内の途中あるいは目的地に到着して経路案内を終了する際に、図18のような案内経路(あるいは実際に走行した経路)をデータベース(DB203d)に登録するか否かを問い合せるメッセージが表示されるので、登録したい場合は「登録する」ボタンを押下する(S97)。このとき、図19のように、道路区間毎,経由地,目的地の評価を入力できるようにしてもよい。この後、案内経路(リンク列)とユーザあるいはナビゲーション装置100を識別するデータとが、DBサーバ201に送信され、DBサーバ201では、受信したデータをユーザ(評価者)毎にDB203dにカレントユーザ設定実績データとして記憶する。
【0099】
図20にDB203dにおける案内経路の記憶内容(設定実績データベース)の一例を示す。案内経路は道路区間(リンクでもよい)毎にIDが付与されて記憶される。道路区間の他に、経由地(ノードでもよい),道路区間に含まれる目印となる施設を記憶してもよい。このとき、経由地,目的地をカテゴリ別に分類して記憶してもよい。また、案内経路の登録日時を含めてもよい。
【0100】
図21を用いて、目的地設定支援情報を用いた経路案内処理について説明する。なお、本処理はナビプログラム21pに含まれ、ナビプログラム21pの他の処理とともに繰り返し実行される。まず、図16のステップS91〜S94と同様の方法で目的地を設定する(S111〜S114)。
【0101】
出発地(位置検出器1で検出される車両の現在位置でもよい)および目的地の設定が終わると、図17のような画面が表示されるので、「センタで検索」ボタンを押下する。このとき、ナビゲーション装置100から、出発地,目的地,およびユーザあるいはナビゲーション装置100を識別するデータが、センタ200のDBサーバ201に送信される(S115)。
【0102】
上記を受信したDBサーバ201では、そのデータに基づいて案内経路が計算・出力される(S116,後述)。
【0103】
ナビゲーション装置100は、センタ200のDBサーバ201から案内経路を受信すると(S117)、その案内経路に基づいて経路案内を実施する(S118)。
【0104】
最後に、経路案内の途中あるいは目的地に到着して経路案内を終了する際に、図18のような案内経路(あるいは実際に走行した経路)をデータベースに登録するか否かを問い合せるメッセージが表示されるので、登録したい場合は「登録する」ボタンを押下する(S119)。このときの動作は、図16のステップS97の処理と同様である。
【0105】
図22を用いて、図21のステップS116に相当する、DBサーバ201のアプリケーションプログラム203pに含まれる経路計算処理について説明する。まず、ナビゲーション装置100から、上述のような案内経路計算要求を受信する(S131)。
【0106】
次に、DB203dの設定実績データベース上において、受信したユーザID(カレントユーザ)に対応する設定実績データをカレントユーザ実績データとして抽出するとともに、データ項目において当該カレントユーザ実績データに対し予め定められた類似度を有する他ユーザの設定実績データを同類ユーザ実績データとして検索・抽出し、これを支援ベースデータとする(S132)。
【0107】
同類ユーザ評価データの実績は以下のように行う。
(1)ユーザ評価結果が共通する設定実績データを同類ユーザ実績データとして抽出する。つまり、走行道路,出発地,目的地のうちの一つ以上が一致する他ユーザの設定実績データを抽出する。
(2)例えば、走行道路等に、「Bランク」以上あるいは「良い」以上のような、一定レベル以上の評価結果が登録されている目的地または経由地が、カレントユーザ実績データと1以上一致する設定実績データを抽出する。
【0108】
また、上記で抽出された支援ベースデータに含まれる他ユーザを、上述の同類ユーザに含まれるか否かによって絞り込んでもよい。
【0109】
そして、その支援ベースデータに含まれる走行道路(図20参照)のコストを、道路地図データ21mに記憶されている該当走行道路に対応するリンクのコストよりも低くする(S133)。
【0110】
同類ユーザ実績データの検索・抽出を行わず、設定実績データベース上の、他ユーザのより多くが利用している走行道路のコストをより低くするようにしてもよい。
【0111】
そして、出発地から目的地までの案内経路の候補を探索し(S134)、先に低くしたコストを用いて各候補の経路コストを計算する(S135)。最後に、経路コストの最小の案内経路を推奨ルートとして決定し、目的地設定支援情報としてナビゲーション装置100に送信する(S136)。
【0112】
以上、本発明の実施の形態を説明したが、これらはあくまで例示にすぎず、本発明はこれらに限定されるものではなく、特許請求の範囲の趣旨を逸脱しない限りにおいて、当業者の知識に基づく種々の変更が可能である。
【0113】
例えば、図1のようにナビゲーション装置100の代わりにパーソナルコンピュータ(以下、PCと略称)300を用いることができる。PC300に位置検出器1,道路地図データ21m,ナビプログラム21p,通信ユニット25等を含む構成とすれば、施設評価データの登録,施設リストの表示,評価情報リストの表示,案内経路の登録,DBサーバ201からの案内経路の受信を行うことが可能となる。つまり、PC300等の持ち運び可能な携帯端末があれば、車両で移動しない場合でも目的地設定支援情報あるいは評価支援情報を取得することができる。
【図面の簡単な説明】
【0114】
【図1】情報管理提供システムの構成を示すブロック図。
【図2】DBサーバの構成を示すブロック図。
【図3】車両用ナビゲーション装置の構成を示すブロック図。
【図4】本発明における同類ユーザの概念について説明する図。
【図5】施設評価データ登録処理を説明するフロー図。
【図6】施設評価データ登録処理における画面表示例を示す図。
【図7】図6に続く、施設評価データ登録処理における画面表示例を示す図。
【図8】図7に続く、施設評価データ登録処理における画面表示例を示す図。
【図9】図8に続く、施設評価データ登録処理における画面表示例を示す図。
【図10】施設評価データの記憶内容の一例を示す図。
【図11】施設リスト表示処理を説明するフロー図。
【図12】評価情報リスト表示処理を説明するフロー図。
【図13】施設リストの表示画面例を示す図。
【図14】評価情報リストの表示画面例を示す図。
【図15】施設リスト作成・出力処理を説明するフロー図。
【図16】案内経路評価データ登録処理を説明するフロー図。
【図17】案内経路探索時の表示画面例を示す図。
【図18】案内経路登録時の表示画面例を示す図。
【図19】案内経路の評価入力時の表示画面例を示す図。
【図20】案内経路の記憶内容の一例を示す図。
【図21】目的地設定支援情報を用いた経路案内処理を説明するフロー図。
【図22】DBサーバにおける経路計算処理を説明するフロー図。
【符号の説明】
【0115】
1 位置検出器
7 操作スイッチ群(目的地設定手段,経路探索設定手段,カレントユーザ特定手段,ユーザ評価入力手段,カテゴリ選択手段,施設選択手段)
8 制御回路
10 表示器(評価支援情報作成・出力手段)
12 リモコン端末(目的地設定手段,経路探索設定手段,カレントユーザ特定手段,ユーザ評価入力手段,カテゴリ選択手段,施設選択手段)
15 スピーカ
21 ハードディスク装置(HDD)
21d データベース
21m 道路地図データ(道路地図データ記憶手段)
22 タッチパネル(目的地設定手段,経路探索設定手段,カレントユーザ特定手段,ユーザ評価入力手段,カテゴリ選択手段,施設選択手段)
31 マイク(目的地設定手段,経路探索設定手段,カレントユーザ特定手段,ユーザ評価入力手段,カテゴリ選択手段,施設選択手段)
100 車載用ナビゲーション装置
200 センタ
201 データベース(DB)サーバ
202 制御回路(同類ユーザ実績データ抽出手段,目的地設定支援情報作成・出力手段,同類ユーザ評価データ抽出手段,評価支援情報作成・出力手段)
203d データベース(DB)(設定実績データベース,施設評価データベース)
204 通信ユニット(評価支援情報作成・出力手段)
300 パーソナルコンピュータ(PC)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
道路地図データを記憶する道路地図データ記憶手段と、
前記道路地図上に目的地を設定する目的地設定手段と、
前記道路地図上に特定される現在位置から設定された前記目的地までの経路を前記道路地図上にて探索・設定する経路探索設定手段と、
前記道路地図データの予め定められたデータ項目について、個々の経路設定事象毎に固有に抽出使用されたデータである設定実績データを設定ユーザ別に登録する設定実績データベースと、
前記目的地を新たに設定しようとするカレントユーザを特定するカレントユーザ特定手段と、
前記設定実績データベース上にて、前記カレントユーザに対応する設定実績データをカレントユーザ実績データとして抽出するとともに、前記データ項目において当該カレントユーザ実績データに対し予め定められた類似度を有する他ユーザの設定実績データを同類ユーザ実績データとして検索・抽出する同類ユーザ実績データ抽出手段と、
抽出された該同類ユーザ実績データの集合を支援ベースデータとして、当該支援ベースデータに基づいて、前記カレントユーザによる当該の目的地設定を支援するための目的地設定支援情報を作成・出力する目的地設定支援情報作成・出力手段と、
を備えることを特徴とする情報管理提供システム。
【請求項2】
前記同類ユーザ実績データ抽出手段は、前記データ項目において前記カレントユーザ実績データと内容的に少なくとも一部が一致する設定実績データを前記同類ユーザ実績データとして抽出するものである請求項1に記載の情報管理提供システム。
【請求項3】
前記経路探索設定手段による経路設定事象毎に、前記データ項目にかかるユーザ評価を入力するユーザ評価入力手段を備え、
前記設定実績データベースにおいて前記設定実績データは入力されたユーザ評価結果を含むものとして登録され、
前記同類ユーザ実績データ抽出手段は、前記データ項目において前記ユーザ評価結果が共通する設定実績データを前記同類ユーザ実績データとして抽出するものである請求項1に記載の情報管理提供システム。
【請求項4】
登録される前記設定実績データの前記データ項目が、設定された前記経路にかかる目的地または経由地として定められてなる請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の情報管理提供システム。
【請求項5】
同類ユーザ実績データ抽出手段は、前記カレントユーザ実績データと同一の目的地または経由地を1以上含む設定実績データを前記同類ユーザ実績データとして抽出するものである請求項4に記載の情報管理提供システム。
【請求項6】
請求項3に記載の要件を備え、
前記同類ユーザ実績データ抽出手段は、一定レベル以上の評価結果が登録されている目的地または経由地が、前記カレントユーザ実績データと1以上一致する設定実績データを前記同類ユーザ実績データとして抽出するものである請求項4に記載の情報管理提供システム。
【請求項7】
前記道路地図データ記憶手段にて前記目的地または経由地として設定可能な地点名または施設名が、予め定められたカテゴリによって分類された形で前記設定実績データベースに記憶され、
前記目的地設定手段は、前記カテゴリに基づいて前記地点名または施設名の絞り込み検索が可能に構成されてなり、
前記同類ユーザ実績データ抽出手段は、前記カレントユーザが前記目的地設定手段に際して選択したカテゴリにおいて、前記目的地または前記経由地が前記カレントユーザ実績データと1以上一致する設定実績データを前記同類ユーザ実績データとして抽出するものであり、
前記目的地設定支援情報作成・出力手段は、前記支援ベースデータから前記カレントユーザ実績データと一致する目的地または経由地の選択リストを前記目的地設定支援情報として作成し出力するものである請求項6に記載の情報管理提供システム。
【請求項8】
登録される前記設定実績データの前記データ項目が、設定された前記経路を構成する道路データである請求項1ないし請求項7のいずれか1項に記載の情報管理提供システム。
【請求項9】
前記経路探索設定手段は、前記同類ユーザ実績データに含まれる道路データを優先的に用いた経路を、前記道路地図上に特定される現在位置から設定された前記目的地までの推奨ルートとして探索・設定する請求項8に記載の情報管理提供システム。
【請求項10】
施設についての評価データをユーザ別に登録する施設評価データベースと、
前記施設に関する評価を新たに取得しようとするカレントユーザを特定するカレントユーザ特定手段と、
前記施設評価データベース上にて、前記カレントユーザに対応する施設評価データをカレントユーザ評価データとして抽出するとともに、前記カレントユーザ評価データに対し予め定められた類似度を有する他ユーザの施設評価データを同類ユーザ評価データとして検索・抽出する同類ユーザ評価データ抽出手段と、
抽出された該同類ユーザ評価データの集合を支援ベースデータとして、当該支援ベースデータに基づいて、前記カレントユーザによる当該施設の評価を支援するための評価支援情報を作成・出力する評価支援情報作成・出力手段と、
を備える請求項1ないし請求項9のいずれか1項に記載の情報管理提供システム。
【請求項11】
前記施設についてのユーザの評価を入力するユーザ評価入力手段を備え、
前記施設評価データベースにおいて、前記施設評価データは入力されたユーザ評価結果を含むものとして登録され、
前記同類ユーザ評価データ抽出手段は、前記ユーザ評価結果が共通する施設評価データを前記同類ユーザ評価データとして抽出するものである請求項10に記載の情報管理提供システム。
【請求項12】
前記ユーザ評価入力手段は、前記評価データに含まれる1または複数の評価項目毎にユーザの評価を入力するものであり、
前記同類ユーザ評価データ抽出手段は、前記カレントユーザ評価データと同一の評価結果が登録された評価項目を1以上含む他ユーザの施設評価データを前記同類ユーザ評価データとして抽出するものである請求項11に記載の情報管理提供システム。
【請求項13】
前記同類ユーザ評価データ抽出手段は、一定レベル以上の評価結果が登録されている施設において、前記カレントユーザ評価データと一致する他ユーザの施設評価データを前記同類ユーザ評価データとして抽出するものである請求項11に記載の情報管理提供システム。
【請求項14】
前記施設は、予め定められたカテゴリによって分類された形で前記施設評価データベースに記憶され、
前記カレントユーザが前記カテゴリを選択するカテゴリ選択手段を備え、
前記評価支援情報作成・出力手段は、前記カレントユーザが選択したカテゴリに含まれる施設で、前記支援ベースデータから、前記カレントユーザ評価データと一致する施設の選択リストを前記評価支援情報として作成し出力するものである請求項12または請求項13に記載の情報管理提供システム。
【請求項15】
前記カレントユーザが前記施設評価データを取得したい施設を選択する施設選択手段を備え、
前記評価支援情報作成・出力手段は、前記支援ベースデータから、前記カレントユーザが選択した施設に対応する施設評価データを前記評価支援情報として作成し出力するものである請求項12または請求項13に記載の情報管理提供システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【公開番号】特開2008−204256(P2008−204256A)
【公開日】平成20年9月4日(2008.9.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−40784(P2007−40784)
【出願日】平成19年2月21日(2007.2.21)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】