情報表示装置
【課題】表示情報としてのデータに基づいて、情報を画像として表示する情報表示装置に関し、拡大したい任意点が複数離れてあっても簡単な操作で拡大表示することができるとともに、広域と詳細の縮尺を考慮した情報表示が可能な情報表示装置を提供することを目的とする。
【解決手段】1つの表示画面に広域(メイン)の図と詳細(拡大図)の図を同時に重畳表示させた場合に、表示画面上のスライドを検知する手段により検知されたスライドの移動量、方向に同期して拡大図を移動させる。また、メイン図上の広い範囲で拡大図を表示するために拡大図の移動を広域図の縮尺に合わせて移動させる手段と、拡大図内の微小領域の移動を表示するために拡大図の縮尺に合わせて移動する手段とを設ける。
【解決手段】1つの表示画面に広域(メイン)の図と詳細(拡大図)の図を同時に重畳表示させた場合に、表示画面上のスライドを検知する手段により検知されたスライドの移動量、方向に同期して拡大図を移動させる。また、メイン図上の広い範囲で拡大図を表示するために拡大図の移動を広域図の縮尺に合わせて移動させる手段と、拡大図内の微小領域の移動を表示するために拡大図の縮尺に合わせて移動する手段とを設ける。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示情報としてのデータに基づいて、表示情報を画像として表示する情報表示装置に関し、特に、表示した画像の一部を拡大表示する情報表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、HDDやDVDに記憶される地図情報を現在位置や車両周辺の情報とともにディスプレイ上へ表示可能なナビゲーション装置やインターネット等の通信手段により受信した情報等をパソコン上に表示するアプリケーションが広く普及している。
【0003】
特に、ナビゲーション装置において、表示中の地図上にある任意部分だけを拡大表示することができる走行位置表示装置が開示されている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1の走行位置表示装置では、地図上にある任意点が押下されると当該押下された任意点を検出し、任意点を含む所定領域を指定する。さらに、当該指定された領域に相当する地図を拡大表示する。
【0004】
同様に、1表示画面上に縮尺の異なる複数の地図情報を表示することができる地図表示装置が開示されている(例えば、特許文献2参照)。これにより、現在位置に近い周囲の詳細な情報と、その周囲の広域の情報を同時に見て把握することができる。
【特許文献1】特開平7−332991号公報
【特許文献2】特開2002−5672号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来のナビゲーション装置やパソコン上で動作するアプリケーションにおいては、任意点付近の詳細図を一度に一箇所しか見ることができず、特に上記特許文献1では1表示画面上に広域の地図を表示しているときに拡大したい任意点が複数離れてある場合には、何度も指を押したり離したりして詳細地図の枠を表示させ所望の地点を探す必要があり、操作が煩雑になるという課題があった。特に、特許文献2では拡大表示する領域は現在地周辺のみに特化している。
【0006】
さらに、1表示画面上に異なる縮尺の地図を同時に表示している場合において、広域のメイン地図の縮尺と異なる詳細地図の縮尺に応じた地図表示を簡単な操作で行うことはできなかった。すなわち、詳細地図を表示する拡大図を広域地図が表示される1表示画面上を上下左右に自由に移動させる場合において、拡大図を広域地図の縮尺に応じて移動させると拡大図の枠内の詳細地図は大きく移動してしまうため、詳細地図を微小領域移動させることが困難になるという課題を有している。
【0007】
本発明は、こうしたことを背景としてなされたものである。すなわち本発明によれば、拡大したい任意点が複数離れてあっても簡単な操作で拡大表示することができるとともに、詳細地図を微小領域移動させることも可能な操作性に優れた情報表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記目的を達成するために、本発明における情報表示装置は、ユーザーに提供するための情報を記憶した情報記憶手段と、液晶ディスプレイや有機ELディスプレイ等の表示手段と、タッチパネル等の物理的な接触により指示を入力する入力手段と、入力された任意点から所定領域を決定し、表示手段に表示されているメイン図上に拡大図を重畳表示する拡大図表示手段と、入力された任意点の移動に応じてメイン図上の拡大図の表示位置を移動し、かつ任意点の移動に応じた位置の拡大図を表示する拡大図移動手段とを備えるように構成したものである。拡大図の形状は、円形、四角形、多角形等どのような形状でもよく、表示中心を入力された任意点より上部にするなど操作性、視認性が良くなるような形態としてもよい。これらの条件を設定する設定手段を備えるようにしてもよい。
【0009】
また、メイン図上に広域の縮尺を考慮した制御を行う広域制御エリアと詳細の縮尺を考慮した制御を行う詳細制御エリアを設けるように構成し、広域制御エリアで拡大図の移動指示をする場合、メイン図の縮尺で拡大図を移動、および表示し、詳細制御エリアで拡大図の移動指示をする場合、詳細図の縮尺で拡大図を移動、および表示するように構成したものである。例えば、拡大図の外枠を広域制御エリア、拡大図の内部を詳細制御エリアとすることが考えられる。拡大図内や詳細制御エリアにおいて、任意点が入力された場合、メイン図上の拡大図の表示位置を任意点に移動し、かつ任意点を表示中心とする拡大図を表示するようにしてもよい。
【0010】
また、拡大図の移動と同時に、または移動完了後、拡大図の表示中心とメイン図における拡大図を表示するための座標値が一致するように構成したものである。
【0011】
また、拡大図内や詳細制御エリア内で長押しされた場合、メイン図の縮尺を拡大図と同じ縮尺に変更して表示するよう構成したり、さらに拡大図の縮尺を変更後のメイン図の縮尺より詳細な縮尺に変更するように構成したものである。
【発明の効果】
【0012】
本発明の情報表示装置は、上記説明した課題を解決するための手段から明らかなように、拡大したい任意点が複数離れてあっても接触点の移動指示による簡単な操作を行うことで複数点の拡大表示を連続的に行うことができるとともに、使用者は好みのサイズと縮尺の拡大図を表示することができる。特に、タッチパネル等の表示手段への物理的な接触による入力指示とすることにより、表示画面上での拡大図の動きと入力動作とが連動して動くこととなり、優れた操作性とすることが可能となる。
【0013】
また、本発明の情報表示装置は、広域制御エリアと詳細制御エリアを設けたので、簡単な操作でそれぞれの縮尺に合った拡大図の移動操作をすることが可能となり、メイン図の縮尺と拡大図の縮尺が大きく違う場合でも、それぞれの縮尺に応じた拡大図表示が可能な操作性に優れた地図表示装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明の実施の形態1、2による情報表示装置について、図面を参照しながら具体的に説明する。本実施の情報表示装置としては、例えば自動車などの移動体に設置されるナビゲーション装置に適用した場合を例に挙げる。
【0015】
(実施の形態1)
図1は、本実施の形態のナビゲーション装置の全体構成を示す構成図である。ナビゲーション装置1は、制御部10、地図情報記憶部11、測位部12、入力部13、表示部14から構成されている。尚、各図面において、本発明に関係のない構成要素は省略している。
【0016】
図1において、制御部10(10Aは実施の形態1で、10Bは実施の形態2で詳しく説明する)は、ナビゲーション装置1全体の動作を制御するCPUやMPUである。地図情報記憶部11は、道路や交差点のデータ等の地図情報が記憶される、例えば、HDDやDVDである。しかしながら、これに限らず、図示しない通信手段(例えば、携帯電話)によって地図情報記憶部11に格納する情報をセンター設備より都度ダウンロードする構成も可能である。また、地図情報記憶部11には、異なる縮尺の地図が記憶されている。測位部12は、車両の現在位置や速度、方位を測位するための手段であり、例えば、GNSS(Global Navigation Satellite System)受信機、車速センサ、ジャイロセンサなどである。GNSS受信機は、例えば、GPS受信機であり、衛星からの電波を受信し、それを復調することで受信機の位置を算出するものである。入力部13は、ユーザーがナビゲーション装置1に対する指示を入力するための手段であり、タッチパネル、リモートコントローラー、音声入力装置等である。なお、以下では入力部13は指の接触やスライドを検知するタッチパネルとし、表示部14の上に配置される。入力部13による地図の拡大操作に伴う処理については、後で詳細に説明する。表示部14は、地図情報記憶部11に記憶される地図情報などを表示するための液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイなどである。
【0017】
以上のように構成されたナビゲーション装置1において、制御部10Aは次に説明するナビゲーション装置としての基本機能が制御可能である。測位部12で取得する現在位置と入力部13から入力された目的地により、ルート探索を行い、その結果を表示部14に表示することができる。また、測位部12で得た車両の現在位置や速度、方位に関するデータをもとに自車位置マークを時々刻々とマップマッチング処理等により地図に重畳表示することができる。また、自車位置がルート上の誘導案内ポイントに達したときには、表示部14に交差点拡大図を表示したり、図示しないスピーカ等の音声出力部からガイド音声を出力したりすることができる。
【0018】
また、本実施の形態1に係るナビゲーション装置では、表示部14上に表示された画面を通じて、ユーザーが各種の設定を行うことができる。図2は「タッチパネルの設定」画面の一例を示しており、地図表示中にタッチパネルを短押しすることにより設定されるモードをユーザーが自由に選択・設定することができるようになっている。
【0019】
図2に例示する設定画面において、「中心へ移動」が選択・設定されている場合には、地図表示中にタッチパネルの任意の箇所の短押しが検出されると、制御部10Aは押下された点を画面中心に来るように地図のスクロールを行う。一方、「拡大図表示」が選択・設定されている場合は、後述する拡大図を表示するための各種の制御が行われる。なお、短押しとして説明したが、これに限らず、ナビゲーション装置1に係るその他の機能と重複がなければ、長押しや複数回押しで実現することも可能である。また、タッチパネルによる入力だけではなく、音声入力やリモートコントローラーでの入力により、選択・設定しても良いことはもちろんである。
【0020】
次に、図2で示した「拡大図表示」が選択・設定されている場合に表示部14に表示される地図の拡大表示方法を図3(a)〜(c)に示した表示例に基づき説明する。
【0021】
図3(a)〜(c)は本実施の形態1の地図拡大表示方法の表示例を示す模式図である。図3(a)は、表示部14に表示される地図の一例を表しており、3aは表示部14の表示画面一杯に表示される地図画像であり、以下『メイン地図』と呼ぶ。3bはユーザーのタッチする指を表しており、その接触点を3cで示す×印で示している(×印は実際には表示されない。)。なお、簡略化のため文字情報やランドマーク情報等の他の表示を省略している。
【0022】
ユーザーがタッチすると図3(b)に示すような円形の拡大図3dが表示される。なお、拡大図3dは円形としているが、円形に限らず、楕円形であったり、四角形などの多角形状であってもよい。また、拡大図内部に表示する詳細地図を透過表示し、メイン地図と同時に表示するようにしてもよい。
【0023】
次に、ユーザーによる接触点からの指のスライド移動(例えば、図3(c)における破線矢印で示したような動作)が検出されると、拡大図3d(図3(c)における破線円)が指の位置と同期してスライド移動し拡大図3fが表示される。拡大図3dから3fへの移動の間、拡大図内の詳細地図をある一定の間隔でメイン地図上の拡大図の位置に合わせて更新してもよいし、スライド移動が終了したことを検知したときのみ更新してもよい。3gはスライド移動後の指である。なお、破線は実際には表示されない。
【0024】
次に、図3(b)で示したユーザーの指の位置と拡大図の配置関係について図4を用いて詳しく説明する。
【0025】
図4は、ユーザーの指の位置と拡大図の配置関係を示す模式図である。図4において、4aは拡大図であり、4bは拡大図の表示中心であり、4cはユーザーの指であり、4dは指押下点であり、4eは拡大図の上端から指押下点までの距離であり、4fは拡大図の下端から指押下点までの距離である。図4に示すように、指押下点4dよりも上に拡大図の表示中心4bが来るように拡大図を表示する。例えば、4eと4fの比率を5:1に設定する(この比率は表示部14に表示する図示しない設定画面を通じて変更可能にしても良い)。これにより、拡大図の表示中心4bと指押下点4dを一致させる拡大図表示と比べて、ユーザーは手や指に邪魔されず拡大図を視認することができる。
【0026】
次に、本実施の形態1に係るナビゲーション装置1における制御部10Aの動作について図5〜9を参照し説明する。
【0027】
図5はメイン地図の任意の点を押下してから拡大図を表示するまでの動作を示す動作フロー図である。なお、本処理動作は、拡大図表示モード設定時に実行される。
【0028】
まず、メイン地図における任意の点をタッチされるまでは待機状態を維持する(S10およびS11:No)。メイン地図を表示中にタッチパネルの任意点が押下されると(S11:Yes)、ステップS12に処理を進める。ステップS12では、拡大図の領域(図3(b)で示した円形の大きさ)を取得し、表示中心(図4における4b)を算出、さらに表示中心の座標値を取得する。なお、座標値は、通常地図で管理される座標値である正規化座標値(縦XH×横YH)を用いる。正規化座標については特許文献1で詳しく述べられているのでその説明は省略する。次いで、ステップS13では拡大図の縮尺を取得する。そして、拡大図をメイン地図上に重ねて表示する(S14)。
【0029】
なお、図5の動作フロー図におけるステップS12とS13で説明した拡大図の領域の取得、縮尺の取得については、あらかじめ後述する設定画面を通じてメモリ(不図示)等に設定・記憶された領域、縮尺を参照することで取得することが望ましい。
【0030】
次に、拡大図の領域と縮尺を設定する画面の一例について、図7〜9を参照し説明する。ユーザーは図7〜9に示す設定画面を通じて、拡大図の領域と縮尺を自由に選択・設定することができるようになっている。
【0031】
図7は、表示部14上に表示され、拡大図の領域を設定するか、あるいは縮尺を設定するかをユーザーに選択させるための拡大図表示設定画面の一例を示す模式図である。ここで、制御部10Aは、「拡大図領域設定」が選択されると、図8に示す拡大図領域設定画面を表示し、「拡大図縮尺設定」が選択されると、図9に示す拡大図縮尺設定画面を表示する。
【0032】
図8は、拡大図の領域を自由に選択・設定することを可能とする拡大図領域設定画面の一例を示す模式図である。図8に示すように、拡大図の領域を「大」、「中」、「小」と3段階で選択・設定することができるようになっている。図8(a)は「大」が選択された状態であり、図8(b)は「中」が選択された状態であり、図8(c)は「小」が選択された状態である。ユーザーは設定釦を押下することにより、図3(b)で示した拡大図の領域を設定、メモリに記憶することができる。なお、図8では、領域は「大」、「中」、「小」の3段階として説明したが、これに限らず、複数段階での設定やスライドバー等を使った連続的な領域設定を行えるようにしても良い。また、図8では、拡大図の領域形状を円形としたが、楕円形や四角形等の多角形としてもよいし、任意の形状とすることも可能である。
【0033】
図9は、拡大図の縮尺を自由に選択・設定することを可能とする拡大図領域設定画面の一例を示す模式図である。図9では、説明を簡略化するために、地図情報記憶部11には5段階の縮尺の地図が格納されているものとする。ここで、メイン地図の縮尺5段階それぞれに応じて、拡大図の縮尺設定ができるようになっている。図9(a)は、メイン地図の縮尺が一番広域であるときに、拡大図の縮尺が4段階で切替えることを示す模式図である(現在は2番目に広域な縮尺を選択している状態)。また、現在の縮尺と同じ縮尺の拡大図は表示できないようになっている(斜線はトーンダウンを表す)。図9(b)は、メイン地図の縮尺が真ん中(3番目)であるときに、拡大図の縮尺が2段階で切替えることを示す模式図である(現在は2番目に詳細な縮尺を選択している状態)。また、現在の縮尺と同じかあるいは広域な縮尺の拡大図は表示できないようになっている(斜線はトーンダウンを表す)。図9(c)は、メイン地図の縮尺が一番詳細であるときに、拡大図の縮尺が0段階で切替えることを示す模式図である(拡大図の選択ができない状態)。メイン地図の縮尺は一番詳細なため、これ以上詳細な拡大図は表示することができないため、拡大図の縮尺設定はすべてトーンダウンされている状態である。このように、メイン地図の縮尺が一番詳細なときは、図5の動作フロー図ステップS14で行う拡大図表示は、例外として表示しないことが望ましい。
【0034】
なお、上記説明では、拡大図の領域設定と縮尺設定をユーザーが自由に選択・設定することを示したが、これに限らず、制御部10Aが自動化して拡大図の領域と縮尺を任意に設定しても良い。拡大図の領域の設定に関しては、場所に応じて自由にその円の大きさを変化させることができる。例えば、建物の密集度が高い地域(例えば市街地)では拡大図の円の大きさを大きくし、密集度が低くなる程、円の大きさを小さくすることができる。他の実施態様では、メイン地図の縮尺に応じて自由に拡大図の円の大きさを変化させることができる。例えば、メイン地図が広域の地図を表示しているときは拡大図の円の大きさを大きくし、詳細になる程、円の大きさを小さくすることができる。一方、拡大図の縮尺の設定に関しては、例えば、拡大図に表示する縮尺はメイン地図に表示する縮尺より1段階詳細な地図というように固定的に設定することもできる。
【0035】
次に、本実施の形態1に係るナビゲーション装置1における制御部10Aの動作の説明を図6に戻り続ける。
【0036】
図6は拡大図を表示中(指も押下された状態を継続)にユーザーから指示があった場合の動作を示す動作フロー図である。なお、本処理動作は、図5における(A)以降の処理である。図6(a)は、拡大図表示中に指のスライドに同期して拡大図も移動させることを示す動作フロー図である。まず、押下点からのスライド移動があるかを判断する(S15)。スライド移動が無い場合は、再び(A)に処理を戻す(S15:No)。一方、スライド移動を検知した場合には(S15:Yes)、ステップS16に処理を進める。ステップS16では、拡大図を指のスライドと同期して移動させる。次いで、図5における(C)以降の処理を行い、指のスライドした先の拡大図を同じようにして表示させる。本動作フローにより、図3(c)で示した拡大図の表示が可能となる。なお、ステップS16の後に、指のスライドが停止したかの判定処理を入れても良い。このようにすることで、指のスライド移動中の描画更新を控えることができ、制御部10Aの処理負荷を抑えることができる。
【0037】
図6(b)は、拡大図表示中に指が離された場合の動作を示す動作フロー図である。まず、指が離されたかどうかを判断する(S17)。指が離されていない場合は(S17:No)、再び(A)に処理を戻す(S17:No)。一方、指が離されたことを検知した場合には(S17:Yes)、ステップS18に処理を進める。ステップS18では、拡大図を消去、すなわち、メイン地図に拡大図を表示しないようにする。
【0038】
以上説明した実施の形態1に係るナビゲーション装置により、拡大したい任意点が複数離れてあっても、指を押下して拡大図を表示させた後、指をスライド移動させることで拡大図も指と同期して移動するので、ユーザーにとって使い勝手が良く操作負荷の少ない地図表示装置を実現することができる。
【0039】
(実施の形態2)
次に、実施の形態2に係る地図表示装置を図面を参照しながら具体的に説明する。実施の形態1と同様に、本実施の形態の地図表示装置としてナビゲーション装置に適用した場合を例に挙げる。ただし、ナビゲーション装置の構成については、制御部10を除いて、図1に示したナビゲーション装置の構成と同じであるため、制御部10を異なる符号を付し(10B)、その他の説明をここでは省略する。また種々の設定画面に関する図2、図7〜図9についても同様であり、その説明を省略する。
【0040】
まず、図2で示した「拡大図表示」が選択・設定されている場合に表示部14に表示される地図の拡大表示方法を図10(a)〜(b)に示した表示例に基づき説明する。
【0041】
図10(a)〜(b)は本実施の形態2の拡大図表示方法の表示例を示す模式図である。図10(a)は、表示部14に表示される地図の一例を表しており、10aは表示部14の表示画面一杯に表示される地図画像であり、以下『メイン地図』と呼ぶ。10bはユーザーのタッチする指を表しており、その接触点を10cで示す×印で示している(×印は実際には表示されない)。なお、簡略化のため文字情報やランドマーク情報等の他の表示を省略している。
【0042】
ユーザーがタッチすると図10(b)に示すような円形の拡大図10dが接触点を中心として表示される。なお、拡大図10dは円形としているが、円形に限らず、楕円形であったり、四角形などの多角形状であってもよい。また、拡大図内部に表示する詳細地図を透過表示し、メイン地図と同時に表示するようにしてもよい。
【0043】
次に、本実施の形態2に係るナビゲーション装置1における制御部10Bの動作について図11〜12を参照し説明する。
【0044】
図11はメイン地図の任意の点を押下してから拡大図を表示するまでの動作を示す動作フロー図である。なお、本処理動作は、拡大図表示モード設定時に実行される。なお、本拡大図表示処理動作は、図5におけるステップS12の代わりにステップS20を挿入した構成となっており、以下ここでは相違点のみ説明することとする。
【0045】
まず、メイン地図における任意の点をタッチされるまでは待機状態を維持する(S10およびS11:No)。メイン地図を表示中にタッチパネルの任意点が押下されると(S11:Yes)、ステップS20に処理を進める。ステップS20では、拡大図の領域(図10(b)で示した円形の大きさ)を取得し、表示中心(図10(a)における10c)を算出、さらに表示中心の座標値を取得する。本実施の形態1では、ユーザーが指を押下した箇所を表示中心として拡大図を表示することとしていないが、本実施の形態2においては、ユーザーの指が離されても拡大図を消去せず、その後の操作を続けるため、ユーザーの意図した拡大図が得やすいため、押下位置を表示中心として拡大図を表示することが望ましい。
【0046】
次いで、図12を用いて、ユーザーの指が離された場合の動作について説明する。なお、本処理動作は、図11における(D)以降の処理である。また、図6(b)におけるステップS18の代わりにステップS21を挿入した構成となっている。
【0047】
図12は、拡大図表示中に指が離された場合の動作を示す動作フロー図である。まず、指が離されたかどうかを判断する(S17)。指が離されていない場合は(S17:No)、再び(D)に処理を戻す(S17:No)。一方、指が離されたことを検知した場合には(S17:Yes)、ステップS21に処理を進める。ステップS21では、拡大図の表示を継続する。すなわち、図6(b)との相違点は、ユーザーの指が離されても拡大図を消去しないことにある。
【0048】
次に図12における(F)以降に、指の接触があった場合について、拡大図のタッチされる場所に応じて、制御部10Bはメイン地図に表示される広域の縮尺と拡大図に表示される詳細の縮尺に基づき異なる制御を実施することを示す表示例(図13、図15、図18)とその動作フロー(図14、図16、図17、図19)について詳細に説明する。
【0049】
まず、図13と図14を用いて、拡大図における広域制御エリア(制御部10Bが広域の縮尺を考慮した制御を行うためのエリア)がタッチされた場合の表示例とその動作フローについて説明する。
【0050】
図13(a)、(b)は、拡大図における広域制御エリアがタッチされた場合の表示例を示す模式図である。なお、図13は、図10(b)以降の表示例について示している。図13(a)は、ユーザーによる拡大図における広域制御エリアの接触があった場合の一例を示しており、ここでは広域制御エリアとして、拡大図の外枠13aをタッチしている様子を示している(×印は実際には表示されない)。次に、広域制御エリアをタッチした状態で指のスライド移動(例えば、図13(b)における破線矢印で示したような動作)が検出されると、拡大図13b(図13(b)における破線円)が指の位置と同期してスライド移動し拡大図13cが表示される。13dはスライド移動後の指である。なお、破線は実際には表示されない。
【0051】
次に、図14を用いて、拡大図における広域制御エリアがタッチされた場合の動作について説明する。
【0052】
図14は、拡大図における広域制御エリアがタッチされた場合の動作を示す動作フロー図である。なお、図14の動作フローは、図12における(F)以降の動作について示している。
【0053】
まず、ステップS22において、拡大図の広域制御エリア(拡大図の外枠)が押下されたかを判断する。押下されていなければ(S22:No)、再び(F)に処理を戻す。一方、広域制御エリアを押下された場合には(S22:Yes)、次のステップS23に処理を進める。ステップS23では、押下点からのスライド移動が発生したかを検知する。スライド移動が発生していなければ(S23:No)、再び(F)に処理を戻す。一方、スライド移動の発生を検知すれば(S23:Yes)、次のステップS24に処理を進める。ステップS24では、拡大図を指のスライドと同期して移動させる。次いで、拡大図の領域を取得し、表示中心を算出、座標値を取得する(S25)。表示中心位置は拡大図の外枠にタッチされた指の位置と領域の大きさによって、一意に決めることができる。また、座標値とは、正規化座標である。次に、ステップS26では、拡大図の縮尺を取得する。そして、拡大図を表示する(S27)。本動作フローにより、図13(b)で示した拡大図の表示が可能となる。なお、ステップS24の後に、指のスライドが停止したかの判定処理を入れても良い。このようにすると、指のスライド移動中の描画更新を控えることができ、制御部10Bの処理負荷を抑えることができる。
【0054】
次に、図15と図16を用いて、拡大図における詳細制御エリア(制御部10Bが詳細の縮尺を考慮した制御を行うためのエリア)がタッチされた場合の表示例とその動作フローについて説明する。
【0055】
図15(a)〜(c)は、拡大図における詳細制御エリアがタッチされた場合の表示例を示す模式図である。なお、図15は、図10(b)以降の表示例について示している。図15(a)は、ユーザーによる拡大図における詳細制御エリアの接触があった場合の一例を示しており、ここでは詳細制御エリアとして、拡大図の内部15aをタッチしている様子を示している(×印は実際には表示されない)。次に、詳細制御エリアをタッチした状態で指のスライド移動(例えば、図15(b)における破線矢印で示したような動作)が検出されると、拡大図15c(図15(b)における実線円)内部の表示が指のスライド移動と同期してスライド移動し拡大図15cへと変わる。15dはスライド移動後の指である。なお、破線矢印は実際には表示されない。次に、図15(b)の状態では、拡大図の表示中心における座標値とメイン地図に対して拡大図を表示している座標値が一致しないので、図15(c)に示すように、拡大図を破線矢印で示した量と方向だけ移動させる。図15(c)において、15eは移動後の拡大図であり、破線の円は移動前の拡大図であり、その位置は図15(b)における15cと一致している。破線は実際には表示されない。なお、指のスライド移動に同期して拡大図を移動してもよいし、指が離されたことを検知してから拡大図を移動してもよい。
【0056】
次に、図15(a)に戻り、ユーザーによる拡大図における詳細制御エリアの接触があった場合の別の例を説明する。
【0057】
先程と同じように図15(a)は、詳細制御エリアとして、拡大図の内部15aをタッチしている様子を示している(×印は実際には表示されない)。次に、詳細制御エリアをタッチした状態で指はスライド移動をさせることなく保持した状態を維持する(図15(b)の15fの破線で示す指)と、図15(b)に示すように、詳細制御エリアでタッチされた位置が中心に来るように拡大図内部の詳細地図がスクロールする。なお、破線矢印はスクロール量と方向を示しており、実際には表示されない。また、15dはスライド移動後の指であり本例では関係しない。次に、先程と同じように、この時点では、メイン地図に対する拡大図の位置は固定されている。図15(b)の状態では、拡大図の表示中心における座標値とメイン地図に対して拡大図を表示している座標値が一致しないので、図15(c)に示すように、拡大図を破線矢印で示した量と方向だけ移動させる。図15(c)において、15eは移動後の拡大図であり、破線の円は移動前の拡大図であり、その位置は図15(b)における15cと一致している。拡大図内部の詳細地図のスクロールに同期して拡大図を移動してもよいし、指が離されたことを検知してから拡大図を移動してもよい。前者の場合、図15(b)の状態は存在せず、図15(a)から図15(c)への画面遷移となる。なお、破線は実際には表示されない。
【0058】
次に、図16を用いて、拡大図における詳細制御エリアがタッチされた場合の動作について説明する。
【0059】
図16は、拡大図における詳細制御エリアがタッチされた場合の動作を示す動作フロー図である。なお、図16の動作フローは、図12における(F)以降の動作について示している。
【0060】
まず、ステップS28において、拡大図の詳細制御エリア(拡大図内部の詳細地図)が押下されたかを判断する。押下されていなければ(S28:No)、再び(F)に処理を戻す。一方、詳細制御エリアを押下された場合には(S28:Yes)、次のステップS29に処理を進める。ステップS29では、指のスライド移動(図15におけるスライド前の指15fからスライド後の指15dへの移動)と同期した詳細地図または、押下点を中心に移動(図15における15aと15fの指の位置は同じであり、押下したまま保持している。)した詳細地図を表示する。なお、この時点では、メイン地図に対する拡大図の位置は固定されていてもよいし、スクロールに同期して移動してもよい。次いで、ステップS29において、メイン地図に対する拡大図の位置が固定されているとき、ステップS30に進み、メイン地図と拡大図内部の詳細地図の表示中心を一致させるように拡大図を移動させる。拡大図表示後は、図12の(D)に処理を戻す。本動作フローにより、図15(c)で示した拡大図の表示が可能となる。
【0061】
次に、表示例は示していないが、図17を用いて、拡大図における詳細制御エリアがタッチされた場合の別の動作フローについて説明する。
【0062】
図17は、拡大図における詳細制御エリアがタッチ(長押し)された場合の動作を示す動作フロー図である。なお、図17の動作フローは、図12における(F)以降の動作について示している。
【0063】
まず、ステップS31において、拡大図の詳細制御エリア(拡大図内部の詳細地図)が一定時間押下されたかを判断する。長押し判定には、周知のタイマー処理を行えば良い。押下されていなければ(S31:No)、(G)に処理を移し図16で説明した処理を実行する。一方、詳細制御エリアを一定時間押下された場合には(S31:Yes)、次のステップS32に処理を進める。ステップS32では、メイン地図の縮尺を拡大図の縮尺に変更して表示する。次いで、拡大図の縮尺を取得する(S33)。さらに、ステップS34で拡大図を表示し、図12の(D)に処理を戻す。これにより、拡大図内部の詳細地図を長押しすることで、メイン地図の縮尺を拡大図の縮尺に変更することができるとともに、メイン地図変更後の拡大図の縮尺変更もできる。
【0064】
次に、図18と図19を用いて、拡大図における詳細制御エリア(拡大図内部の拡大図消去ボタン)がタッチされた場合の表示例とその動作フローについて説明する。
【0065】
図18(a)、(b)は、拡大図の拡大図消去ボタンが押下された場合の表示例を表す模式図である。図18(a)は、拡大図18aの内部に存在する拡大図消去ボタン18bをユーザーの指18cが押下していることを表している。このように拡大図消去ボタンが押下されると、図18(b)に示すように拡大図が消去される。図18(b)において破線の円は消去されたことを表している。
【0066】
次に、図19を用いて、拡大図における拡大図消去ボタンがタッチされた場合の動作について説明する。
【0067】
図19は、拡大図における拡大図消去ボタンがタッチされた場合の動作を示す動作フロー図である。なお、図19の動作フローは、図12における(F)以降の動作について示している。図19において、まず、ステップS35において、拡大図の詳細制御エリア(拡大図内部の拡大図消去ボタン)が押下されたかを判断する。押下されていなければ(S35:No)、再び(F)に処理を戻す。一方、拡大図内部の拡大図消去ボタンを一定時間押下された場合には(S35:Yes)、次のステップS36に処理を進める。ステップS36では、拡大図を消去する。
【0068】
なお、実施の形態2に係る地図表示装置を採用したカーナビゲーション装置の拡大図消去方法としては、これに限らず、音声入力による消去やタイマーを回し図10(a)でユーザーの指が押下されてからの経過時間から所定の時間に達したときに消去することができる。
【0069】
以上説明した実施の形態2に係る地図表示装置を採用したカーナビゲーション装置により、1表示画面に広域(メイン地図)の地図と詳細(拡大図)の地図を同時に表示する場合において、広域と詳細の縮尺を考慮した地図表示が可能な地図表示装置を実現することができる。特に、詳細地図を表示する拡大図を広域地図が表示されるメイン地図上を上下左右に自由に移動可能にした拡大図表示方法において、拡大図をメイン地図(広域地図)の縮尺に応じて移動させると拡大図内部の詳細地図は大きく移動してしまうため、拡大図を微小領域移動させることが困難になるが、実施の形態2の地図表示装置を用いれば、拡大図内部を操作することにより、微小領域移動させることを可能としている。
【0070】
なお、実施の形態1と実施の形態2のそれぞれで説明した拡大表示方法を同時にナビゲーション装置に実現することができる。このときは、図20に示した「拡大図表示機能設定」画面を通じて、拡大図の表示方法の切替えを自由に選択・設定できることが望ましい。例えば、図20において、「標準」が選択・設定されている場合には、実施の形態1の表示方法を採用し、「拡張」が選択・設定されている場合には、実施の形態2の表示方法を採用する。これにより、制御部10は、選択・設定された拡大図表示方法に従った処理を行うことができる。
【0071】
以上、本発明を詳細に説明してきたが、前述の説明はあらゆる点において本発明の例示にすぎず、その範囲を限定しようとするものではない。本発明の範囲を逸脱することなく種々の改良や変形を行うことができることは言うまでもない。特に、本装置を携帯型のナビゲーション装置、パソコン上に表示する情報表示アプリケーションとしても利用でき、表示される画像も地図には限定されず、写真などにも利用することができる。
【産業上の利用可能性】
【0072】
本発明の情報表示装置は、車両内に設置され、自動車の現在位置とその現在位置付近の地図を表示するナビゲーション装置、車載情報端末として有用である。また、携帯型のナビゲーション装置、パソコン上に表示する情報表示アプリケーションなどにも適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0073】
【図1】本発明の実施の形態に係る地図表示装置を採用したカーナビゲーション装置の概略の構成を示す構成図
【図2】本発明の実施の形態に係る地図表示装置を採用したカーナビゲーション装置におけるユーザーが各種の設定を行うことができる「タッチパネルの設定」画面の一例を示す模式図
【図3】(a)本実施の形態1に係る地図表示装置を採用したカーナビゲーション装置の拡大地図表示の指示状態を示す模式図(b)拡大図を重畳表示した一例を表した模式図(c)拡大図のスライド移動の一例を表した模式図
【図4】ユーザーの指の位置と拡大図の配置関係を示す模式図
【図5】メイン地図の任意の点を押下してから拡大図を表示するまでの動作を示す動作フロー図
【図6】(a)拡大図を表示中に指のスライドに同期して拡大図も移動させることを示す動作フロー図(b)拡大図表示中に指が離された場合の動作を示す動作フロー図
【図7】拡大図の領域を設定するか、あるいは縮尺を設定するかをユーザーに選択させるための拡大図表示設定画面の一例を示す模式図
【図8】拡大図の領域を自由に選択及び設定することを可能とする拡大図領域設定画面の一例を示す模式図
【図9】拡大図の縮尺を自由に選択及び設定することを可能とする拡大図領域設定画面の一例を示す模式図
【図10】(a)本実施の形態2に係る地図表示装置を採用したカーナビゲーション装置の拡大地図表示の指示状態を示す模式図(b)拡大図を重畳表示した一例を表した模式図
【図11】メイン地図の任意の点を押下してから拡大図を表示するまでの動作を示す動作フロー図
【図12】拡大図表示中に指が離された場合の動作を示す動作フロー図
【図13】(a)拡大図における広域制御エリアがタッチされた場合の表示例を示す模式図(b)広域制御エリアで操作した場合の拡大図移動を示した模式図
【図14】拡大図における広域制御エリアがタッチされた場合の動作を示す動作フロー図
【図15】(a)拡大図における詳細制御エリアがタッチされた場合の表示例を示す模式図(b)詳細制御エリアで操作した場合の拡大図内部の表示を示した模式図(c)拡大図の表示中心における座標値とメイン地図に対して拡大図を表示している座標値を一致させる様子を示した模式図
【図16】拡大図における詳細制御エリアがタッチされた場合の動作を示す動作フロー図
【図17】拡大図における詳細制御エリアがタッチ(長押し)された場合の動作を示す動作フロー図
【図18】(a)拡大図の拡大図消去ボタンが押下された場合の表示例を表す模式図(b)拡大図が消去された場合の表示例を表す模式図
【図19】拡大図における拡大図消去ボタンがタッチされた場合の動作を示す動作フロー図
【図20】ユーザーが各種の設定を行うことができる「拡大図表示機能設定」画面の一例を示す模式図
【符号の説明】
【0074】
1 カーナビゲーション装置
3a、10a メイン地図
3b、3g、4c、10b、13d、15d、15f、18c ユーザーの指
3c、4d、10c、13a、15a 接触点(任意点)
3d、4a、3f、10d、13b、13c、15b、15c、15e、18a 拡大図
4b 拡大図の表示中心
4e 拡大図の上端から指押下点までの距離
4f 拡大図の下端から指押下点までの距離
10、10A、10B 制御部
11 地図情報記憶部
12 測位部
13 入力部
14 表示部
18b 拡大図消去ボタン
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示情報としてのデータに基づいて、表示情報を画像として表示する情報表示装置に関し、特に、表示した画像の一部を拡大表示する情報表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、HDDやDVDに記憶される地図情報を現在位置や車両周辺の情報とともにディスプレイ上へ表示可能なナビゲーション装置やインターネット等の通信手段により受信した情報等をパソコン上に表示するアプリケーションが広く普及している。
【0003】
特に、ナビゲーション装置において、表示中の地図上にある任意部分だけを拡大表示することができる走行位置表示装置が開示されている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1の走行位置表示装置では、地図上にある任意点が押下されると当該押下された任意点を検出し、任意点を含む所定領域を指定する。さらに、当該指定された領域に相当する地図を拡大表示する。
【0004】
同様に、1表示画面上に縮尺の異なる複数の地図情報を表示することができる地図表示装置が開示されている(例えば、特許文献2参照)。これにより、現在位置に近い周囲の詳細な情報と、その周囲の広域の情報を同時に見て把握することができる。
【特許文献1】特開平7−332991号公報
【特許文献2】特開2002−5672号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来のナビゲーション装置やパソコン上で動作するアプリケーションにおいては、任意点付近の詳細図を一度に一箇所しか見ることができず、特に上記特許文献1では1表示画面上に広域の地図を表示しているときに拡大したい任意点が複数離れてある場合には、何度も指を押したり離したりして詳細地図の枠を表示させ所望の地点を探す必要があり、操作が煩雑になるという課題があった。特に、特許文献2では拡大表示する領域は現在地周辺のみに特化している。
【0006】
さらに、1表示画面上に異なる縮尺の地図を同時に表示している場合において、広域のメイン地図の縮尺と異なる詳細地図の縮尺に応じた地図表示を簡単な操作で行うことはできなかった。すなわち、詳細地図を表示する拡大図を広域地図が表示される1表示画面上を上下左右に自由に移動させる場合において、拡大図を広域地図の縮尺に応じて移動させると拡大図の枠内の詳細地図は大きく移動してしまうため、詳細地図を微小領域移動させることが困難になるという課題を有している。
【0007】
本発明は、こうしたことを背景としてなされたものである。すなわち本発明によれば、拡大したい任意点が複数離れてあっても簡単な操作で拡大表示することができるとともに、詳細地図を微小領域移動させることも可能な操作性に優れた情報表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記目的を達成するために、本発明における情報表示装置は、ユーザーに提供するための情報を記憶した情報記憶手段と、液晶ディスプレイや有機ELディスプレイ等の表示手段と、タッチパネル等の物理的な接触により指示を入力する入力手段と、入力された任意点から所定領域を決定し、表示手段に表示されているメイン図上に拡大図を重畳表示する拡大図表示手段と、入力された任意点の移動に応じてメイン図上の拡大図の表示位置を移動し、かつ任意点の移動に応じた位置の拡大図を表示する拡大図移動手段とを備えるように構成したものである。拡大図の形状は、円形、四角形、多角形等どのような形状でもよく、表示中心を入力された任意点より上部にするなど操作性、視認性が良くなるような形態としてもよい。これらの条件を設定する設定手段を備えるようにしてもよい。
【0009】
また、メイン図上に広域の縮尺を考慮した制御を行う広域制御エリアと詳細の縮尺を考慮した制御を行う詳細制御エリアを設けるように構成し、広域制御エリアで拡大図の移動指示をする場合、メイン図の縮尺で拡大図を移動、および表示し、詳細制御エリアで拡大図の移動指示をする場合、詳細図の縮尺で拡大図を移動、および表示するように構成したものである。例えば、拡大図の外枠を広域制御エリア、拡大図の内部を詳細制御エリアとすることが考えられる。拡大図内や詳細制御エリアにおいて、任意点が入力された場合、メイン図上の拡大図の表示位置を任意点に移動し、かつ任意点を表示中心とする拡大図を表示するようにしてもよい。
【0010】
また、拡大図の移動と同時に、または移動完了後、拡大図の表示中心とメイン図における拡大図を表示するための座標値が一致するように構成したものである。
【0011】
また、拡大図内や詳細制御エリア内で長押しされた場合、メイン図の縮尺を拡大図と同じ縮尺に変更して表示するよう構成したり、さらに拡大図の縮尺を変更後のメイン図の縮尺より詳細な縮尺に変更するように構成したものである。
【発明の効果】
【0012】
本発明の情報表示装置は、上記説明した課題を解決するための手段から明らかなように、拡大したい任意点が複数離れてあっても接触点の移動指示による簡単な操作を行うことで複数点の拡大表示を連続的に行うことができるとともに、使用者は好みのサイズと縮尺の拡大図を表示することができる。特に、タッチパネル等の表示手段への物理的な接触による入力指示とすることにより、表示画面上での拡大図の動きと入力動作とが連動して動くこととなり、優れた操作性とすることが可能となる。
【0013】
また、本発明の情報表示装置は、広域制御エリアと詳細制御エリアを設けたので、簡単な操作でそれぞれの縮尺に合った拡大図の移動操作をすることが可能となり、メイン図の縮尺と拡大図の縮尺が大きく違う場合でも、それぞれの縮尺に応じた拡大図表示が可能な操作性に優れた地図表示装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明の実施の形態1、2による情報表示装置について、図面を参照しながら具体的に説明する。本実施の情報表示装置としては、例えば自動車などの移動体に設置されるナビゲーション装置に適用した場合を例に挙げる。
【0015】
(実施の形態1)
図1は、本実施の形態のナビゲーション装置の全体構成を示す構成図である。ナビゲーション装置1は、制御部10、地図情報記憶部11、測位部12、入力部13、表示部14から構成されている。尚、各図面において、本発明に関係のない構成要素は省略している。
【0016】
図1において、制御部10(10Aは実施の形態1で、10Bは実施の形態2で詳しく説明する)は、ナビゲーション装置1全体の動作を制御するCPUやMPUである。地図情報記憶部11は、道路や交差点のデータ等の地図情報が記憶される、例えば、HDDやDVDである。しかしながら、これに限らず、図示しない通信手段(例えば、携帯電話)によって地図情報記憶部11に格納する情報をセンター設備より都度ダウンロードする構成も可能である。また、地図情報記憶部11には、異なる縮尺の地図が記憶されている。測位部12は、車両の現在位置や速度、方位を測位するための手段であり、例えば、GNSS(Global Navigation Satellite System)受信機、車速センサ、ジャイロセンサなどである。GNSS受信機は、例えば、GPS受信機であり、衛星からの電波を受信し、それを復調することで受信機の位置を算出するものである。入力部13は、ユーザーがナビゲーション装置1に対する指示を入力するための手段であり、タッチパネル、リモートコントローラー、音声入力装置等である。なお、以下では入力部13は指の接触やスライドを検知するタッチパネルとし、表示部14の上に配置される。入力部13による地図の拡大操作に伴う処理については、後で詳細に説明する。表示部14は、地図情報記憶部11に記憶される地図情報などを表示するための液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイなどである。
【0017】
以上のように構成されたナビゲーション装置1において、制御部10Aは次に説明するナビゲーション装置としての基本機能が制御可能である。測位部12で取得する現在位置と入力部13から入力された目的地により、ルート探索を行い、その結果を表示部14に表示することができる。また、測位部12で得た車両の現在位置や速度、方位に関するデータをもとに自車位置マークを時々刻々とマップマッチング処理等により地図に重畳表示することができる。また、自車位置がルート上の誘導案内ポイントに達したときには、表示部14に交差点拡大図を表示したり、図示しないスピーカ等の音声出力部からガイド音声を出力したりすることができる。
【0018】
また、本実施の形態1に係るナビゲーション装置では、表示部14上に表示された画面を通じて、ユーザーが各種の設定を行うことができる。図2は「タッチパネルの設定」画面の一例を示しており、地図表示中にタッチパネルを短押しすることにより設定されるモードをユーザーが自由に選択・設定することができるようになっている。
【0019】
図2に例示する設定画面において、「中心へ移動」が選択・設定されている場合には、地図表示中にタッチパネルの任意の箇所の短押しが検出されると、制御部10Aは押下された点を画面中心に来るように地図のスクロールを行う。一方、「拡大図表示」が選択・設定されている場合は、後述する拡大図を表示するための各種の制御が行われる。なお、短押しとして説明したが、これに限らず、ナビゲーション装置1に係るその他の機能と重複がなければ、長押しや複数回押しで実現することも可能である。また、タッチパネルによる入力だけではなく、音声入力やリモートコントローラーでの入力により、選択・設定しても良いことはもちろんである。
【0020】
次に、図2で示した「拡大図表示」が選択・設定されている場合に表示部14に表示される地図の拡大表示方法を図3(a)〜(c)に示した表示例に基づき説明する。
【0021】
図3(a)〜(c)は本実施の形態1の地図拡大表示方法の表示例を示す模式図である。図3(a)は、表示部14に表示される地図の一例を表しており、3aは表示部14の表示画面一杯に表示される地図画像であり、以下『メイン地図』と呼ぶ。3bはユーザーのタッチする指を表しており、その接触点を3cで示す×印で示している(×印は実際には表示されない。)。なお、簡略化のため文字情報やランドマーク情報等の他の表示を省略している。
【0022】
ユーザーがタッチすると図3(b)に示すような円形の拡大図3dが表示される。なお、拡大図3dは円形としているが、円形に限らず、楕円形であったり、四角形などの多角形状であってもよい。また、拡大図内部に表示する詳細地図を透過表示し、メイン地図と同時に表示するようにしてもよい。
【0023】
次に、ユーザーによる接触点からの指のスライド移動(例えば、図3(c)における破線矢印で示したような動作)が検出されると、拡大図3d(図3(c)における破線円)が指の位置と同期してスライド移動し拡大図3fが表示される。拡大図3dから3fへの移動の間、拡大図内の詳細地図をある一定の間隔でメイン地図上の拡大図の位置に合わせて更新してもよいし、スライド移動が終了したことを検知したときのみ更新してもよい。3gはスライド移動後の指である。なお、破線は実際には表示されない。
【0024】
次に、図3(b)で示したユーザーの指の位置と拡大図の配置関係について図4を用いて詳しく説明する。
【0025】
図4は、ユーザーの指の位置と拡大図の配置関係を示す模式図である。図4において、4aは拡大図であり、4bは拡大図の表示中心であり、4cはユーザーの指であり、4dは指押下点であり、4eは拡大図の上端から指押下点までの距離であり、4fは拡大図の下端から指押下点までの距離である。図4に示すように、指押下点4dよりも上に拡大図の表示中心4bが来るように拡大図を表示する。例えば、4eと4fの比率を5:1に設定する(この比率は表示部14に表示する図示しない設定画面を通じて変更可能にしても良い)。これにより、拡大図の表示中心4bと指押下点4dを一致させる拡大図表示と比べて、ユーザーは手や指に邪魔されず拡大図を視認することができる。
【0026】
次に、本実施の形態1に係るナビゲーション装置1における制御部10Aの動作について図5〜9を参照し説明する。
【0027】
図5はメイン地図の任意の点を押下してから拡大図を表示するまでの動作を示す動作フロー図である。なお、本処理動作は、拡大図表示モード設定時に実行される。
【0028】
まず、メイン地図における任意の点をタッチされるまでは待機状態を維持する(S10およびS11:No)。メイン地図を表示中にタッチパネルの任意点が押下されると(S11:Yes)、ステップS12に処理を進める。ステップS12では、拡大図の領域(図3(b)で示した円形の大きさ)を取得し、表示中心(図4における4b)を算出、さらに表示中心の座標値を取得する。なお、座標値は、通常地図で管理される座標値である正規化座標値(縦XH×横YH)を用いる。正規化座標については特許文献1で詳しく述べられているのでその説明は省略する。次いで、ステップS13では拡大図の縮尺を取得する。そして、拡大図をメイン地図上に重ねて表示する(S14)。
【0029】
なお、図5の動作フロー図におけるステップS12とS13で説明した拡大図の領域の取得、縮尺の取得については、あらかじめ後述する設定画面を通じてメモリ(不図示)等に設定・記憶された領域、縮尺を参照することで取得することが望ましい。
【0030】
次に、拡大図の領域と縮尺を設定する画面の一例について、図7〜9を参照し説明する。ユーザーは図7〜9に示す設定画面を通じて、拡大図の領域と縮尺を自由に選択・設定することができるようになっている。
【0031】
図7は、表示部14上に表示され、拡大図の領域を設定するか、あるいは縮尺を設定するかをユーザーに選択させるための拡大図表示設定画面の一例を示す模式図である。ここで、制御部10Aは、「拡大図領域設定」が選択されると、図8に示す拡大図領域設定画面を表示し、「拡大図縮尺設定」が選択されると、図9に示す拡大図縮尺設定画面を表示する。
【0032】
図8は、拡大図の領域を自由に選択・設定することを可能とする拡大図領域設定画面の一例を示す模式図である。図8に示すように、拡大図の領域を「大」、「中」、「小」と3段階で選択・設定することができるようになっている。図8(a)は「大」が選択された状態であり、図8(b)は「中」が選択された状態であり、図8(c)は「小」が選択された状態である。ユーザーは設定釦を押下することにより、図3(b)で示した拡大図の領域を設定、メモリに記憶することができる。なお、図8では、領域は「大」、「中」、「小」の3段階として説明したが、これに限らず、複数段階での設定やスライドバー等を使った連続的な領域設定を行えるようにしても良い。また、図8では、拡大図の領域形状を円形としたが、楕円形や四角形等の多角形としてもよいし、任意の形状とすることも可能である。
【0033】
図9は、拡大図の縮尺を自由に選択・設定することを可能とする拡大図領域設定画面の一例を示す模式図である。図9では、説明を簡略化するために、地図情報記憶部11には5段階の縮尺の地図が格納されているものとする。ここで、メイン地図の縮尺5段階それぞれに応じて、拡大図の縮尺設定ができるようになっている。図9(a)は、メイン地図の縮尺が一番広域であるときに、拡大図の縮尺が4段階で切替えることを示す模式図である(現在は2番目に広域な縮尺を選択している状態)。また、現在の縮尺と同じ縮尺の拡大図は表示できないようになっている(斜線はトーンダウンを表す)。図9(b)は、メイン地図の縮尺が真ん中(3番目)であるときに、拡大図の縮尺が2段階で切替えることを示す模式図である(現在は2番目に詳細な縮尺を選択している状態)。また、現在の縮尺と同じかあるいは広域な縮尺の拡大図は表示できないようになっている(斜線はトーンダウンを表す)。図9(c)は、メイン地図の縮尺が一番詳細であるときに、拡大図の縮尺が0段階で切替えることを示す模式図である(拡大図の選択ができない状態)。メイン地図の縮尺は一番詳細なため、これ以上詳細な拡大図は表示することができないため、拡大図の縮尺設定はすべてトーンダウンされている状態である。このように、メイン地図の縮尺が一番詳細なときは、図5の動作フロー図ステップS14で行う拡大図表示は、例外として表示しないことが望ましい。
【0034】
なお、上記説明では、拡大図の領域設定と縮尺設定をユーザーが自由に選択・設定することを示したが、これに限らず、制御部10Aが自動化して拡大図の領域と縮尺を任意に設定しても良い。拡大図の領域の設定に関しては、場所に応じて自由にその円の大きさを変化させることができる。例えば、建物の密集度が高い地域(例えば市街地)では拡大図の円の大きさを大きくし、密集度が低くなる程、円の大きさを小さくすることができる。他の実施態様では、メイン地図の縮尺に応じて自由に拡大図の円の大きさを変化させることができる。例えば、メイン地図が広域の地図を表示しているときは拡大図の円の大きさを大きくし、詳細になる程、円の大きさを小さくすることができる。一方、拡大図の縮尺の設定に関しては、例えば、拡大図に表示する縮尺はメイン地図に表示する縮尺より1段階詳細な地図というように固定的に設定することもできる。
【0035】
次に、本実施の形態1に係るナビゲーション装置1における制御部10Aの動作の説明を図6に戻り続ける。
【0036】
図6は拡大図を表示中(指も押下された状態を継続)にユーザーから指示があった場合の動作を示す動作フロー図である。なお、本処理動作は、図5における(A)以降の処理である。図6(a)は、拡大図表示中に指のスライドに同期して拡大図も移動させることを示す動作フロー図である。まず、押下点からのスライド移動があるかを判断する(S15)。スライド移動が無い場合は、再び(A)に処理を戻す(S15:No)。一方、スライド移動を検知した場合には(S15:Yes)、ステップS16に処理を進める。ステップS16では、拡大図を指のスライドと同期して移動させる。次いで、図5における(C)以降の処理を行い、指のスライドした先の拡大図を同じようにして表示させる。本動作フローにより、図3(c)で示した拡大図の表示が可能となる。なお、ステップS16の後に、指のスライドが停止したかの判定処理を入れても良い。このようにすることで、指のスライド移動中の描画更新を控えることができ、制御部10Aの処理負荷を抑えることができる。
【0037】
図6(b)は、拡大図表示中に指が離された場合の動作を示す動作フロー図である。まず、指が離されたかどうかを判断する(S17)。指が離されていない場合は(S17:No)、再び(A)に処理を戻す(S17:No)。一方、指が離されたことを検知した場合には(S17:Yes)、ステップS18に処理を進める。ステップS18では、拡大図を消去、すなわち、メイン地図に拡大図を表示しないようにする。
【0038】
以上説明した実施の形態1に係るナビゲーション装置により、拡大したい任意点が複数離れてあっても、指を押下して拡大図を表示させた後、指をスライド移動させることで拡大図も指と同期して移動するので、ユーザーにとって使い勝手が良く操作負荷の少ない地図表示装置を実現することができる。
【0039】
(実施の形態2)
次に、実施の形態2に係る地図表示装置を図面を参照しながら具体的に説明する。実施の形態1と同様に、本実施の形態の地図表示装置としてナビゲーション装置に適用した場合を例に挙げる。ただし、ナビゲーション装置の構成については、制御部10を除いて、図1に示したナビゲーション装置の構成と同じであるため、制御部10を異なる符号を付し(10B)、その他の説明をここでは省略する。また種々の設定画面に関する図2、図7〜図9についても同様であり、その説明を省略する。
【0040】
まず、図2で示した「拡大図表示」が選択・設定されている場合に表示部14に表示される地図の拡大表示方法を図10(a)〜(b)に示した表示例に基づき説明する。
【0041】
図10(a)〜(b)は本実施の形態2の拡大図表示方法の表示例を示す模式図である。図10(a)は、表示部14に表示される地図の一例を表しており、10aは表示部14の表示画面一杯に表示される地図画像であり、以下『メイン地図』と呼ぶ。10bはユーザーのタッチする指を表しており、その接触点を10cで示す×印で示している(×印は実際には表示されない)。なお、簡略化のため文字情報やランドマーク情報等の他の表示を省略している。
【0042】
ユーザーがタッチすると図10(b)に示すような円形の拡大図10dが接触点を中心として表示される。なお、拡大図10dは円形としているが、円形に限らず、楕円形であったり、四角形などの多角形状であってもよい。また、拡大図内部に表示する詳細地図を透過表示し、メイン地図と同時に表示するようにしてもよい。
【0043】
次に、本実施の形態2に係るナビゲーション装置1における制御部10Bの動作について図11〜12を参照し説明する。
【0044】
図11はメイン地図の任意の点を押下してから拡大図を表示するまでの動作を示す動作フロー図である。なお、本処理動作は、拡大図表示モード設定時に実行される。なお、本拡大図表示処理動作は、図5におけるステップS12の代わりにステップS20を挿入した構成となっており、以下ここでは相違点のみ説明することとする。
【0045】
まず、メイン地図における任意の点をタッチされるまでは待機状態を維持する(S10およびS11:No)。メイン地図を表示中にタッチパネルの任意点が押下されると(S11:Yes)、ステップS20に処理を進める。ステップS20では、拡大図の領域(図10(b)で示した円形の大きさ)を取得し、表示中心(図10(a)における10c)を算出、さらに表示中心の座標値を取得する。本実施の形態1では、ユーザーが指を押下した箇所を表示中心として拡大図を表示することとしていないが、本実施の形態2においては、ユーザーの指が離されても拡大図を消去せず、その後の操作を続けるため、ユーザーの意図した拡大図が得やすいため、押下位置を表示中心として拡大図を表示することが望ましい。
【0046】
次いで、図12を用いて、ユーザーの指が離された場合の動作について説明する。なお、本処理動作は、図11における(D)以降の処理である。また、図6(b)におけるステップS18の代わりにステップS21を挿入した構成となっている。
【0047】
図12は、拡大図表示中に指が離された場合の動作を示す動作フロー図である。まず、指が離されたかどうかを判断する(S17)。指が離されていない場合は(S17:No)、再び(D)に処理を戻す(S17:No)。一方、指が離されたことを検知した場合には(S17:Yes)、ステップS21に処理を進める。ステップS21では、拡大図の表示を継続する。すなわち、図6(b)との相違点は、ユーザーの指が離されても拡大図を消去しないことにある。
【0048】
次に図12における(F)以降に、指の接触があった場合について、拡大図のタッチされる場所に応じて、制御部10Bはメイン地図に表示される広域の縮尺と拡大図に表示される詳細の縮尺に基づき異なる制御を実施することを示す表示例(図13、図15、図18)とその動作フロー(図14、図16、図17、図19)について詳細に説明する。
【0049】
まず、図13と図14を用いて、拡大図における広域制御エリア(制御部10Bが広域の縮尺を考慮した制御を行うためのエリア)がタッチされた場合の表示例とその動作フローについて説明する。
【0050】
図13(a)、(b)は、拡大図における広域制御エリアがタッチされた場合の表示例を示す模式図である。なお、図13は、図10(b)以降の表示例について示している。図13(a)は、ユーザーによる拡大図における広域制御エリアの接触があった場合の一例を示しており、ここでは広域制御エリアとして、拡大図の外枠13aをタッチしている様子を示している(×印は実際には表示されない)。次に、広域制御エリアをタッチした状態で指のスライド移動(例えば、図13(b)における破線矢印で示したような動作)が検出されると、拡大図13b(図13(b)における破線円)が指の位置と同期してスライド移動し拡大図13cが表示される。13dはスライド移動後の指である。なお、破線は実際には表示されない。
【0051】
次に、図14を用いて、拡大図における広域制御エリアがタッチされた場合の動作について説明する。
【0052】
図14は、拡大図における広域制御エリアがタッチされた場合の動作を示す動作フロー図である。なお、図14の動作フローは、図12における(F)以降の動作について示している。
【0053】
まず、ステップS22において、拡大図の広域制御エリア(拡大図の外枠)が押下されたかを判断する。押下されていなければ(S22:No)、再び(F)に処理を戻す。一方、広域制御エリアを押下された場合には(S22:Yes)、次のステップS23に処理を進める。ステップS23では、押下点からのスライド移動が発生したかを検知する。スライド移動が発生していなければ(S23:No)、再び(F)に処理を戻す。一方、スライド移動の発生を検知すれば(S23:Yes)、次のステップS24に処理を進める。ステップS24では、拡大図を指のスライドと同期して移動させる。次いで、拡大図の領域を取得し、表示中心を算出、座標値を取得する(S25)。表示中心位置は拡大図の外枠にタッチされた指の位置と領域の大きさによって、一意に決めることができる。また、座標値とは、正規化座標である。次に、ステップS26では、拡大図の縮尺を取得する。そして、拡大図を表示する(S27)。本動作フローにより、図13(b)で示した拡大図の表示が可能となる。なお、ステップS24の後に、指のスライドが停止したかの判定処理を入れても良い。このようにすると、指のスライド移動中の描画更新を控えることができ、制御部10Bの処理負荷を抑えることができる。
【0054】
次に、図15と図16を用いて、拡大図における詳細制御エリア(制御部10Bが詳細の縮尺を考慮した制御を行うためのエリア)がタッチされた場合の表示例とその動作フローについて説明する。
【0055】
図15(a)〜(c)は、拡大図における詳細制御エリアがタッチされた場合の表示例を示す模式図である。なお、図15は、図10(b)以降の表示例について示している。図15(a)は、ユーザーによる拡大図における詳細制御エリアの接触があった場合の一例を示しており、ここでは詳細制御エリアとして、拡大図の内部15aをタッチしている様子を示している(×印は実際には表示されない)。次に、詳細制御エリアをタッチした状態で指のスライド移動(例えば、図15(b)における破線矢印で示したような動作)が検出されると、拡大図15c(図15(b)における実線円)内部の表示が指のスライド移動と同期してスライド移動し拡大図15cへと変わる。15dはスライド移動後の指である。なお、破線矢印は実際には表示されない。次に、図15(b)の状態では、拡大図の表示中心における座標値とメイン地図に対して拡大図を表示している座標値が一致しないので、図15(c)に示すように、拡大図を破線矢印で示した量と方向だけ移動させる。図15(c)において、15eは移動後の拡大図であり、破線の円は移動前の拡大図であり、その位置は図15(b)における15cと一致している。破線は実際には表示されない。なお、指のスライド移動に同期して拡大図を移動してもよいし、指が離されたことを検知してから拡大図を移動してもよい。
【0056】
次に、図15(a)に戻り、ユーザーによる拡大図における詳細制御エリアの接触があった場合の別の例を説明する。
【0057】
先程と同じように図15(a)は、詳細制御エリアとして、拡大図の内部15aをタッチしている様子を示している(×印は実際には表示されない)。次に、詳細制御エリアをタッチした状態で指はスライド移動をさせることなく保持した状態を維持する(図15(b)の15fの破線で示す指)と、図15(b)に示すように、詳細制御エリアでタッチされた位置が中心に来るように拡大図内部の詳細地図がスクロールする。なお、破線矢印はスクロール量と方向を示しており、実際には表示されない。また、15dはスライド移動後の指であり本例では関係しない。次に、先程と同じように、この時点では、メイン地図に対する拡大図の位置は固定されている。図15(b)の状態では、拡大図の表示中心における座標値とメイン地図に対して拡大図を表示している座標値が一致しないので、図15(c)に示すように、拡大図を破線矢印で示した量と方向だけ移動させる。図15(c)において、15eは移動後の拡大図であり、破線の円は移動前の拡大図であり、その位置は図15(b)における15cと一致している。拡大図内部の詳細地図のスクロールに同期して拡大図を移動してもよいし、指が離されたことを検知してから拡大図を移動してもよい。前者の場合、図15(b)の状態は存在せず、図15(a)から図15(c)への画面遷移となる。なお、破線は実際には表示されない。
【0058】
次に、図16を用いて、拡大図における詳細制御エリアがタッチされた場合の動作について説明する。
【0059】
図16は、拡大図における詳細制御エリアがタッチされた場合の動作を示す動作フロー図である。なお、図16の動作フローは、図12における(F)以降の動作について示している。
【0060】
まず、ステップS28において、拡大図の詳細制御エリア(拡大図内部の詳細地図)が押下されたかを判断する。押下されていなければ(S28:No)、再び(F)に処理を戻す。一方、詳細制御エリアを押下された場合には(S28:Yes)、次のステップS29に処理を進める。ステップS29では、指のスライド移動(図15におけるスライド前の指15fからスライド後の指15dへの移動)と同期した詳細地図または、押下点を中心に移動(図15における15aと15fの指の位置は同じであり、押下したまま保持している。)した詳細地図を表示する。なお、この時点では、メイン地図に対する拡大図の位置は固定されていてもよいし、スクロールに同期して移動してもよい。次いで、ステップS29において、メイン地図に対する拡大図の位置が固定されているとき、ステップS30に進み、メイン地図と拡大図内部の詳細地図の表示中心を一致させるように拡大図を移動させる。拡大図表示後は、図12の(D)に処理を戻す。本動作フローにより、図15(c)で示した拡大図の表示が可能となる。
【0061】
次に、表示例は示していないが、図17を用いて、拡大図における詳細制御エリアがタッチされた場合の別の動作フローについて説明する。
【0062】
図17は、拡大図における詳細制御エリアがタッチ(長押し)された場合の動作を示す動作フロー図である。なお、図17の動作フローは、図12における(F)以降の動作について示している。
【0063】
まず、ステップS31において、拡大図の詳細制御エリア(拡大図内部の詳細地図)が一定時間押下されたかを判断する。長押し判定には、周知のタイマー処理を行えば良い。押下されていなければ(S31:No)、(G)に処理を移し図16で説明した処理を実行する。一方、詳細制御エリアを一定時間押下された場合には(S31:Yes)、次のステップS32に処理を進める。ステップS32では、メイン地図の縮尺を拡大図の縮尺に変更して表示する。次いで、拡大図の縮尺を取得する(S33)。さらに、ステップS34で拡大図を表示し、図12の(D)に処理を戻す。これにより、拡大図内部の詳細地図を長押しすることで、メイン地図の縮尺を拡大図の縮尺に変更することができるとともに、メイン地図変更後の拡大図の縮尺変更もできる。
【0064】
次に、図18と図19を用いて、拡大図における詳細制御エリア(拡大図内部の拡大図消去ボタン)がタッチされた場合の表示例とその動作フローについて説明する。
【0065】
図18(a)、(b)は、拡大図の拡大図消去ボタンが押下された場合の表示例を表す模式図である。図18(a)は、拡大図18aの内部に存在する拡大図消去ボタン18bをユーザーの指18cが押下していることを表している。このように拡大図消去ボタンが押下されると、図18(b)に示すように拡大図が消去される。図18(b)において破線の円は消去されたことを表している。
【0066】
次に、図19を用いて、拡大図における拡大図消去ボタンがタッチされた場合の動作について説明する。
【0067】
図19は、拡大図における拡大図消去ボタンがタッチされた場合の動作を示す動作フロー図である。なお、図19の動作フローは、図12における(F)以降の動作について示している。図19において、まず、ステップS35において、拡大図の詳細制御エリア(拡大図内部の拡大図消去ボタン)が押下されたかを判断する。押下されていなければ(S35:No)、再び(F)に処理を戻す。一方、拡大図内部の拡大図消去ボタンを一定時間押下された場合には(S35:Yes)、次のステップS36に処理を進める。ステップS36では、拡大図を消去する。
【0068】
なお、実施の形態2に係る地図表示装置を採用したカーナビゲーション装置の拡大図消去方法としては、これに限らず、音声入力による消去やタイマーを回し図10(a)でユーザーの指が押下されてからの経過時間から所定の時間に達したときに消去することができる。
【0069】
以上説明した実施の形態2に係る地図表示装置を採用したカーナビゲーション装置により、1表示画面に広域(メイン地図)の地図と詳細(拡大図)の地図を同時に表示する場合において、広域と詳細の縮尺を考慮した地図表示が可能な地図表示装置を実現することができる。特に、詳細地図を表示する拡大図を広域地図が表示されるメイン地図上を上下左右に自由に移動可能にした拡大図表示方法において、拡大図をメイン地図(広域地図)の縮尺に応じて移動させると拡大図内部の詳細地図は大きく移動してしまうため、拡大図を微小領域移動させることが困難になるが、実施の形態2の地図表示装置を用いれば、拡大図内部を操作することにより、微小領域移動させることを可能としている。
【0070】
なお、実施の形態1と実施の形態2のそれぞれで説明した拡大表示方法を同時にナビゲーション装置に実現することができる。このときは、図20に示した「拡大図表示機能設定」画面を通じて、拡大図の表示方法の切替えを自由に選択・設定できることが望ましい。例えば、図20において、「標準」が選択・設定されている場合には、実施の形態1の表示方法を採用し、「拡張」が選択・設定されている場合には、実施の形態2の表示方法を採用する。これにより、制御部10は、選択・設定された拡大図表示方法に従った処理を行うことができる。
【0071】
以上、本発明を詳細に説明してきたが、前述の説明はあらゆる点において本発明の例示にすぎず、その範囲を限定しようとするものではない。本発明の範囲を逸脱することなく種々の改良や変形を行うことができることは言うまでもない。特に、本装置を携帯型のナビゲーション装置、パソコン上に表示する情報表示アプリケーションとしても利用でき、表示される画像も地図には限定されず、写真などにも利用することができる。
【産業上の利用可能性】
【0072】
本発明の情報表示装置は、車両内に設置され、自動車の現在位置とその現在位置付近の地図を表示するナビゲーション装置、車載情報端末として有用である。また、携帯型のナビゲーション装置、パソコン上に表示する情報表示アプリケーションなどにも適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0073】
【図1】本発明の実施の形態に係る地図表示装置を採用したカーナビゲーション装置の概略の構成を示す構成図
【図2】本発明の実施の形態に係る地図表示装置を採用したカーナビゲーション装置におけるユーザーが各種の設定を行うことができる「タッチパネルの設定」画面の一例を示す模式図
【図3】(a)本実施の形態1に係る地図表示装置を採用したカーナビゲーション装置の拡大地図表示の指示状態を示す模式図(b)拡大図を重畳表示した一例を表した模式図(c)拡大図のスライド移動の一例を表した模式図
【図4】ユーザーの指の位置と拡大図の配置関係を示す模式図
【図5】メイン地図の任意の点を押下してから拡大図を表示するまでの動作を示す動作フロー図
【図6】(a)拡大図を表示中に指のスライドに同期して拡大図も移動させることを示す動作フロー図(b)拡大図表示中に指が離された場合の動作を示す動作フロー図
【図7】拡大図の領域を設定するか、あるいは縮尺を設定するかをユーザーに選択させるための拡大図表示設定画面の一例を示す模式図
【図8】拡大図の領域を自由に選択及び設定することを可能とする拡大図領域設定画面の一例を示す模式図
【図9】拡大図の縮尺を自由に選択及び設定することを可能とする拡大図領域設定画面の一例を示す模式図
【図10】(a)本実施の形態2に係る地図表示装置を採用したカーナビゲーション装置の拡大地図表示の指示状態を示す模式図(b)拡大図を重畳表示した一例を表した模式図
【図11】メイン地図の任意の点を押下してから拡大図を表示するまでの動作を示す動作フロー図
【図12】拡大図表示中に指が離された場合の動作を示す動作フロー図
【図13】(a)拡大図における広域制御エリアがタッチされた場合の表示例を示す模式図(b)広域制御エリアで操作した場合の拡大図移動を示した模式図
【図14】拡大図における広域制御エリアがタッチされた場合の動作を示す動作フロー図
【図15】(a)拡大図における詳細制御エリアがタッチされた場合の表示例を示す模式図(b)詳細制御エリアで操作した場合の拡大図内部の表示を示した模式図(c)拡大図の表示中心における座標値とメイン地図に対して拡大図を表示している座標値を一致させる様子を示した模式図
【図16】拡大図における詳細制御エリアがタッチされた場合の動作を示す動作フロー図
【図17】拡大図における詳細制御エリアがタッチ(長押し)された場合の動作を示す動作フロー図
【図18】(a)拡大図の拡大図消去ボタンが押下された場合の表示例を表す模式図(b)拡大図が消去された場合の表示例を表す模式図
【図19】拡大図における拡大図消去ボタンがタッチされた場合の動作を示す動作フロー図
【図20】ユーザーが各種の設定を行うことができる「拡大図表示機能設定」画面の一例を示す模式図
【符号の説明】
【0074】
1 カーナビゲーション装置
3a、10a メイン地図
3b、3g、4c、10b、13d、15d、15f、18c ユーザーの指
3c、4d、10c、13a、15a 接触点(任意点)
3d、4a、3f、10d、13b、13c、15b、15c、15e、18a 拡大図
4b 拡大図の表示中心
4e 拡大図の上端から指押下点までの距離
4f 拡大図の下端から指押下点までの距離
10、10A、10B 制御部
11 地図情報記憶部
12 測位部
13 入力部
14 表示部
18b 拡大図消去ボタン
【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示情報を記憶する情報記憶手段と、前記情報記憶手段に記憶された表示情報からなるメイン図を所定の縮尺で表示する表示手段と、前記表示手段への物理的な接触により指示を入力する入力手段と、前記入力手段により入力された任意点から所定領域の拡大図を生成し、前記メイン図上に前記拡大図を重畳表示する拡大図表示手段と、前記入力手段により入力された接触点の移動指示に応じて前記メイン図上の前記拡大図の表示位置を移動し、前記入力手段により入力された接触点の移動指示に応じた位置の拡大図を表示する拡大図移動手段とを備えることを特徴とする情報表示装置。
【請求項2】
前記拡大図表示手段は、前記任意点を表示中心とする円形の拡大図を重畳表示することを特徴とする請求項1記載の情報表示装置。
【請求項3】
前記拡大図表示手段は、前記任意点より上部を表示中心とする円形の拡大図を重畳表示することを特徴とする請求項1記載の情報表示装置。
【請求項4】
前記拡大図表示手段で重畳表示する拡大図の形状、サイズ、縮尺、表示中心のいずれかを設定するための設定手段を備えることを特徴とする請求項1記載の情報表示装置。
【請求項5】
表示情報を記憶する情報記憶手段と、前記情報記憶手段に記憶された表示情報からなるメイン図を所定の縮尺で表示する表示手段と、指示を入力する入力手段と、前記入力手段により入力された任意点から所定領域の拡大図を生成し、前記メイン図上に前記拡大図を重畳表示する拡大図表示手段と、前記入力手段により入力された任意点の移動指示に応じて前記メイン図上の前記拡大図の表示位置を移動し、前記入力手段により入力された任意点の移動指示に応じた位置の拡大図を表示する拡大図移動手段を備え、前記メイン図上に広域の縮尺を考慮した制御を行う広域制御エリアと詳細の縮尺を考慮した制御を行う詳細制御エリアを設けたことを特徴とする情報表示装置。
【請求項6】
前記広域制御エリアで前記入力手段により前記拡大図の移動指示をする場合、前記入力手段により指示された任意点の移動距離は、前記メイン図の縮尺での移動距離であり、前記詳細制御エリアで前記入力手段により前記拡大図の移動指示をする場合、前記入力手段により指示された任意点の移動距離は、前記拡大図の縮尺での移動距離であることを特徴とする請求項5記載の情報表示装置。
【請求項7】
前記詳細制御エリアにおいて、前記入力手段による任意点の入力があった場合、前記拡大図移動手段は、前記拡大図の表示中心を前記任意点とするように前記メイン図上の前記拡大図の表示位置を移動し、前記任意点を表示中心とする位置の拡大図を表示することを特徴とする請求項5記載の情報表示装置。
【請求項8】
前記広域制御エリアは前記拡大図の外枠であり、前記詳細制御エリアは前記拡大図の内部であることを特徴とする請求項5から請求項7のいずれかに記載の情報表示装置。
【請求項9】
前記詳細制御エリアで前記入力手段により前記拡大図の移動指示をする場合に、前記拡大図の表示中心である第1の座標値と前記メイン図上に前記拡大図を表示するための第2の座標値が常に一致することを特徴とする請求項5から請求項7のいずれかに記載の情報表示装置。
【請求項10】
前記入力手段により所定の時間以上長押しされたかどうかを判定する長押し判定手段を有し、前記拡大図内において所定の時間以上長押しされたことを前記長押し判定手段により検知すると、前記メイン図の縮尺を前記拡大図の縮尺に変更して表示することを特徴とする請求項1または請求項5記載の情報表示装置。
【請求項11】
前記入力手段により所定の時間以上長押しされたかどうかを判定する長押し判定手段を有し、前記拡大図内において所定の時間以上長押しされたことを前記長押し判定手段により検知すると、前記メイン図の縮尺を前記拡大図の縮尺に変更して表示し、前記拡大図の縮尺を変更後の前記メイン図の縮尺より詳細な縮尺に変更することを特徴とする請求項1または請求項5記載の情報表示装置。
【請求項1】
表示情報を記憶する情報記憶手段と、前記情報記憶手段に記憶された表示情報からなるメイン図を所定の縮尺で表示する表示手段と、前記表示手段への物理的な接触により指示を入力する入力手段と、前記入力手段により入力された任意点から所定領域の拡大図を生成し、前記メイン図上に前記拡大図を重畳表示する拡大図表示手段と、前記入力手段により入力された接触点の移動指示に応じて前記メイン図上の前記拡大図の表示位置を移動し、前記入力手段により入力された接触点の移動指示に応じた位置の拡大図を表示する拡大図移動手段とを備えることを特徴とする情報表示装置。
【請求項2】
前記拡大図表示手段は、前記任意点を表示中心とする円形の拡大図を重畳表示することを特徴とする請求項1記載の情報表示装置。
【請求項3】
前記拡大図表示手段は、前記任意点より上部を表示中心とする円形の拡大図を重畳表示することを特徴とする請求項1記載の情報表示装置。
【請求項4】
前記拡大図表示手段で重畳表示する拡大図の形状、サイズ、縮尺、表示中心のいずれかを設定するための設定手段を備えることを特徴とする請求項1記載の情報表示装置。
【請求項5】
表示情報を記憶する情報記憶手段と、前記情報記憶手段に記憶された表示情報からなるメイン図を所定の縮尺で表示する表示手段と、指示を入力する入力手段と、前記入力手段により入力された任意点から所定領域の拡大図を生成し、前記メイン図上に前記拡大図を重畳表示する拡大図表示手段と、前記入力手段により入力された任意点の移動指示に応じて前記メイン図上の前記拡大図の表示位置を移動し、前記入力手段により入力された任意点の移動指示に応じた位置の拡大図を表示する拡大図移動手段を備え、前記メイン図上に広域の縮尺を考慮した制御を行う広域制御エリアと詳細の縮尺を考慮した制御を行う詳細制御エリアを設けたことを特徴とする情報表示装置。
【請求項6】
前記広域制御エリアで前記入力手段により前記拡大図の移動指示をする場合、前記入力手段により指示された任意点の移動距離は、前記メイン図の縮尺での移動距離であり、前記詳細制御エリアで前記入力手段により前記拡大図の移動指示をする場合、前記入力手段により指示された任意点の移動距離は、前記拡大図の縮尺での移動距離であることを特徴とする請求項5記載の情報表示装置。
【請求項7】
前記詳細制御エリアにおいて、前記入力手段による任意点の入力があった場合、前記拡大図移動手段は、前記拡大図の表示中心を前記任意点とするように前記メイン図上の前記拡大図の表示位置を移動し、前記任意点を表示中心とする位置の拡大図を表示することを特徴とする請求項5記載の情報表示装置。
【請求項8】
前記広域制御エリアは前記拡大図の外枠であり、前記詳細制御エリアは前記拡大図の内部であることを特徴とする請求項5から請求項7のいずれかに記載の情報表示装置。
【請求項9】
前記詳細制御エリアで前記入力手段により前記拡大図の移動指示をする場合に、前記拡大図の表示中心である第1の座標値と前記メイン図上に前記拡大図を表示するための第2の座標値が常に一致することを特徴とする請求項5から請求項7のいずれかに記載の情報表示装置。
【請求項10】
前記入力手段により所定の時間以上長押しされたかどうかを判定する長押し判定手段を有し、前記拡大図内において所定の時間以上長押しされたことを前記長押し判定手段により検知すると、前記メイン図の縮尺を前記拡大図の縮尺に変更して表示することを特徴とする請求項1または請求項5記載の情報表示装置。
【請求項11】
前記入力手段により所定の時間以上長押しされたかどうかを判定する長押し判定手段を有し、前記拡大図内において所定の時間以上長押しされたことを前記長押し判定手段により検知すると、前記メイン図の縮尺を前記拡大図の縮尺に変更して表示し、前記拡大図の縮尺を変更後の前記メイン図の縮尺より詳細な縮尺に変更することを特徴とする請求項1または請求項5記載の情報表示装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【公開番号】特開2007−72233(P2007−72233A)
【公開日】平成19年3月22日(2007.3.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−260130(P2005−260130)
【出願日】平成17年9月8日(2005.9.8)
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年3月22日(2007.3.22)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年9月8日(2005.9.8)
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]