説明

新規アリールカリウムチャンネル遮断薬およびそれらの使用

本発明は、細胞におけるカリウムチャンネル活性、詳細にはT細胞において見つけられるKv1.3チャンネルの活性の調節に有用な化合物に関する。本発明は、多発性硬化症をはじめとする、自己免疫疾患および炎症性疾患の治療または予防におけるこれらの化合物の使用、これらの化合物を含有する医薬組成物、ならびにそれらの調製方法にも関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、細胞におけるカリウムチャンネル活性、特にT細胞において見られるKv1.3チャンネルの活性の調節に有用な化合物に関する。本発明は、多発性硬化症をはじめとする、自己免疫疾患および炎症性疾患の治療または予防におけるこれらの化合物の使用、これらの化合物を含有する医薬組成物、ならびにそれらの調製方法にも関する。
【背景技術】
【0002】
多くの自己免疫および慢性炎症性疾患は、免疫調節異常に関連している。全身性エリテマトーデス、慢性関節リウマチ、多発性硬化症および乾癬などの疾患は、自己抗体および自己反応性リンパ球の出現の点で共通している。
【0003】
多発性硬化症は、若者の最も一般的な神経疾患であり、若年の成人がかかる他のいずれの神経疾患より医療費がかかり、所得を失うと考えられている。
【0004】
多発性硬化症は、神経のミエリン鞘に影響を及ぼす。ミエリンは、大部分の軸索を覆う絶縁材であり、長距離にわたって跳躍伝導による迅速なシグナル伝達を可能にする。抗体および免疫系の特化細胞は、ミエリンコーティングを攻撃すると考えられる。このプロセスは、炎症、そして斑として公知である病変の形成によりその領域の血管を損傷させる瘢痕化(硬化)に至る。これらの斑は、マクロファージおよびT細胞による浸潤を受けることを特徴とする。この結果、脱髄が生じ、これにより、迅速なシグナル伝達は必然的に喪失される。
【0005】
これらの自己免疫および炎症性疾患を治療する方法として可能性のあるものは、T細胞増殖の抑制およびそれらの活性化の調節によるものである。
【0006】
T細胞活性化の初期は、概念的にはCa2+前事象とCa2+後事象に分けることができる(Cahalan and Chandy 1997,Curr.Opin.Biotechnol.8 749)。抗原がT細胞受容体に会合すると、チロシンキナーゼの活性化およびイノシトール1,4,5−三リン酸の生成により、Ca2+のインフラックスおよび細胞質Ca2+濃度上昇がもたらされる。Ca2+の上昇は、ホスファターゼカルシニューリンを活性化し、そしてこれにより、細胞質に局在する転写因子(N−FAT)が脱リン酸化され、その結果、核内に蓄積することおよびインターロイキン−2遺伝子のプロモーター要素に結合することが可能になる。プロテインキナーゼCおよびrasの活性化を伴う並行事象と共に、遺伝子転写は、リンホカイン分泌およびリンパ球増殖をもたらす。長期にわたるCa2+シグナルを必要とする遺伝子もあるが、Ca2+の一時的上昇しか必要としない遺伝子もある。
【0007】
イオンチャンネルがT−リンパ球のCa2+シグナルの基礎を成す。Ca2+イオンは、貯蔵作動型(store−operated)Ca2+チャンネルまたはカルシウム放出活性化型Ca2+チャンネルと呼ばれるチャンネルによって形質膜を横断して移動する。二つの異なるタイプのカリウムチャンネルによって、カルシウム侵入の駆動力が間接的に決まる。一つは、電位依存性Kv1.3チャンネル(Cahalan 1985,J.Physiol.385:197;Grissmer 1990,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 87 9411;Verheugen 1995,J.Gen.Physiol.105 765;Aiyar 1996,J.Biol.Chem.271 31013;Cahalan and Chandy 1997,Curr.Opin.Biotechnol.8 749)であり、もう一つは、中間コンダクタンスカルシウム活性化カリウムチャンネル、IKCa1(Grissmer 1993,J.Gen.Physiol.102 601;Fanger 1999 J.Biol.Chem.274 5746;Rauer 1999,J.Biol.Chem.274 21885;VanDorpe 1998,J.Biol.Chem.273 21542;Joiner 1997,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 94 11013;Khanna 1999,J.Biol.Chem.274 14838;Lodgson 1997,J.Biol.Chem.272 32723;Ghanshani 1998,Genomics 51 160)である。これらのカリウムチャンネルが開放したとき、これにより生ずるKエフラックスが前記膜を過分極させ、順にCa2+の侵入を強化する。これが下流活性化事象に絶対に必要とされている(Cahalan and Chandy 1997,Curr.Opin.Biotechnol.8:749)。
【0008】
ヒトT−リンパ球における主な電位依存性チャンネルは、Kv1.3、すなわちShaker関連遺伝子によってコードされる。Kv1.3は、分子的および生理学的レベルで広範に特徴付けされており、ならびに主として静止T−リンパ球の静止膜電位を維持することにより、T−リンパ球増殖の制御に極めて重要な役割を果たす。このチャンネルを阻害することで、Ca2+の流入を減少させるに足るほどに細胞膜が脱分極し、それによって下流活性化事象を防止する。
【0009】
従って、選択的Kv1.3遮断薬である化合物は、移植片拒絶反応の予防ならびに自己免疫および炎症性異常の治療のための免疫抑制薬として可能性のある治療薬であり、単独でも、または他の免疫抑制薬、例えば選択的IKCa1遮断薬もしくはシクロスポリンと共にでも使用し相乗効果を達成し、および/もしくは毒性、特にシクロスポリンの毒性を減少させることができる。
【0010】
電位依存性Kチャンネル電気生理学分野の発展は、Kv1.3チャンネルの阻害による多発性硬化症および糖尿病の治療の論拠を強めた。多発性硬化症患者からの自己反応性T細胞は、非常に高レベルのKv1.3を示すことが判明した(Wulff,Hら(2003)J.Clin Invest.111(11)1703−1713)。ShK−K22Dap、Kv1.3の選択的ペプチド遮断薬は、この高いKv1.3表現型を有するT細胞の増殖を強力に阻害した(Beeton,C.ら(2001)PNAS 98 13942−13947)。Kv1.3チャンネルの活性で比較的特異的な阻害剤である小分子、プソラレン誘導体の使用により、T細胞複製とKv1.3遮断との関連も証明された。この誘導体は、末梢血T細胞より高Kv1.3T細胞の増殖の阻害に特異性を示した(Vennekampら(2004)Mol.Pharm.65 1364−1374)。
【0011】
Kv1.3チャンネルは、糖尿病にも関連付けられている。Kv1.3ノックアウトマウスの研究により、該マウスは、増加されたインスリン感受性を有することが判明した。また、Kv1.3チャンネルの選択的遮断により増加されたインスリン感受性がもたらされた(Xu,J.ら(2004)PNAS 101(9),3122−3117)。糖尿病が非常に高レベルのKv1.3を発現する自己反応性T細胞にも関わることは、多発性硬化症に関する電気生理学に携わったWulffによって示唆されている(Wulff,H.ら(2003)Curr.Op.DDD.6 640−647)。
【0012】
現在、リンパ球増殖を阻害する非選択的カリウムチャンネル遮断薬が、数多く存在するが、これらは有害な副作用を有する。他カリウムチャンネルは、心臓および脳をはじめとする広範な組織に存在し、一般に、これらのチャンネルの遮断は望ましくない。従って、Kv1.3チャンネルの選択的阻害剤である化合物を提供し、または同定するのが有利であろう。
【0013】
米国特許第5,494,895号には、ヒトリンパ球中に存在するKv1.3チャンネルの選択的阻害剤およびプローブとしての、ならびに免疫抑制薬としての、39アミノ酸ペプチド、サソリペプチド・マルガトキシン、の使用が開示されている。しかし、この化合物の使用は、その強い毒性により制限される。
【0014】
国際公開第97/16438号パンフレットおよび国際公開第09/716437号パンフレット、ならびに米国特許第6,051,590号には、免疫抑制薬としてのトリテルペン、コレオリド(correolide)および関連化合物の使用が記載されている。これらの化合物が免疫抑制薬になる可能性は、ミニブタにおける遅延型過敏(DTH)反応の減弱を示す実験によって例証された。
【0015】
米国特許第6,077,680号には、イソギンチャク種から採取したDNAセグメントおよびタンパク質、より詳細には、スチコダクティラ・ヘリアンタス(Stichodactyla helianthus)からのShK毒素が記載されている。ShK毒素は、Kv1.1、Kv1.3、Kv1.4およびKv1.6を遮断することが判明したが、突然変異体ShK−K22DAPは、Kv1.3を選択的に遮断することが判明した。残念なことに、この突然変異体は、臨床使用に必要な薬物動態プロフィールを示さなかった。最近報告されたShK類似体のShk(L5)は、Kv1.3に対してKv1.1より少なくとも100倍大きな活性(K=69pM)であり、さらに、Kv1ファミリーの他のすべての関連メンバーより少なくとも250倍選択性を示した(Beetonら(2005)Mol.Pharm.67:1369−1381)。
【0016】
ShK毒素とShK(L5)の両方は、ミエリン抗原、すなわち、MBP(ミエリン塩基性タンパク質)、によって慢性的に活性化されたT細胞を選択的にターゲッティングすることにより、Lewisラットやヒト多発性硬化症の動物モデルにおける実験的自己免疫性脳脊髄炎を予防し、治療することも証明された(Beetonら(2001)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 98 13942)。同研究は、慢性的に活性化された脳炎誘発性ラットT細胞が、高いKv1.3チャンネル発現(細胞あたりおよそ1500)および低いIKCa1チャンネル数(細胞あたりおよそ120)を特徴とする独特のチャンネル表現型を発現することも示した。このチャンネル表現型は、静止細胞および急性活性化細胞において見られるものとは異なるものであり、ならびに慢性活性化ラットTリンパ球についての機能関連マーカーとすることができる。
【0017】
Kv1.3の遮断薬である他の化合物としては、プソラレン(Vennekampら(2004)Mol.Pharm.65,1365−1374およびWulffら、米国特許出願公開第2006/0079535号)および選択されたベンズアミド(Schalhoferら(2002)Biochem.41,7781−7794およびSchalhoferら(2003)Biochem.42,4733−4743)が挙げられる。これらのクラスの中で報告されている化合物は、薬物様特性を示さなかった。
【0018】
ケリノン(khellinone)(置換ベンゾフラン、且つ、一定の植物からの天然産物)と8−メトキシプソラレン(8−MOP)、両方の市販製品は、Kv1.3チャンネルに対して弱い遮断活性を示すことが判明した。
【0019】
【化1】

【発明の概要】
【0020】
本発明は、有用なKv1.3チャンネル遮断活性を示す新規クラスの化合物に関する。
【0021】
本発明は、式(I)の化合物またはそれらの塩を提供する:
【0022】
【化2】

【0023】
式中、
およびRは、水素、シアノ、ハロ、ニトロ、随意に置換された低級アルキル、随意に置換されたアリール、−OR、−C(O)R、−C(O)OR、−OC(O)R(Rは、水素、随意に置換されたアルキル、随意に置換されたアルケニル、随意に置換されたアルキニル、随意に置換されたC3−7シクロアルキル、随意に置換されたヘテロシクリル、随意に置換されたヘテロアリール、および随意に置換されたアリールから選択される)、−C(O)NR'R''、−NR'C(O)R''および−NR'R''(R'およびR''は、水素または低級アルキルから独立して選択される)から独立して選択され、ならびに
およびRの少なくとも一方は、水素以外であり;
は、シアノ、ハロ、ニトロ、随意に置換されたアルキル、随意に置換されたアルケニル、随意に置換されたアルキニル、随意に置換されたアリール、随意に置換されたヘテロアリール、随意に置換されたC3−7シクロアルキル、随意に置換されたC4−7シクロアルケニル、−OR、−SR、−C(O)R、−C(O)OR、−OC(O)R(Rは、水素、低級アルキル、低級アルケニル、低級アルキニル、随意に置換されたC3−7シクロアルキル、随意に置換されたヘテロシクリル、随意に置換されたヘテロアリール、および随意に置換されたアリールから選択される)、−C(O)NR'R''、−NR'C(O)R''および−NR'R''(R'およびR''は、水素または低級アルキルから独立して選択される)から選択され;
Lは、随意に置換されたC2−6アルキレン、随意に置換されたC2−6アルケニレン、または随意に置換されたC2−6アルキニレンから選択される原子数2−6の長さの二価リンカー基であり;
L'は、(i)随意に置換されたC2−6アルキレン、随意に置換されたC2−6アルケニレン、もしくは随意に置換されたC2−6アルキニレンから選択される原子数2−6の長さの二価リンカー基;または
(ii)−CH
であり;
Yは、単結合、−O−、−C(O)−、−S−、−NR'''−、−C(O)NR'''−、または−NR'''C(O)−(R'''は、水素、随意に置換されたアルキル、随意に置換されたアルケニル、随意に置換されたアルキニル、随意に置換されたC3−7シクロアルキル、随意に置換されたヘテロシクリル、随意に置換されたヘテロアリール、および随意に置換されたアリールから選択される)から選択され;
Y'は、単結合、−O−、−C(O)−、−S−、−NR'''−、−C(O)NR'''−、または−NR'''C(O)−(R'''は、水素、随意に置換されたアルキル、随意に置換されたアルケニル、随意に置換されたアルキニル、随意に置換されたC3−7シクロアルキル、随意に置換されたヘテロシクリル、随意に置換されたヘテロアリール、および随意に置換されたアリールから選択される)から選択され;
は、随意に置換されたアルキル、−OR、−C(O)R、−C(O)OR、SR、(Rは、随意に置換されたC2−7アルキル、随意に置換されたアルケニル、随意に置換されたアルキニル、随意に置換されたC3−7シクロアルキル、随意に置換されたヘテロシクリル、随意に置換されたヘテロアリール、および随意に置換されたアリールから選択され)、−C(O)NR'R''、−NR'C(O)R''および−NR'R''(R'およびR''は、水素または低級アルキルから独立して選択される)から選択され;
は、置換アリール、置換アリールオキシ、随意に置換されたヘテロアリール、随意に置換されたヘテロアリールオキシ、随意に置換されたヘテロシクリル、随意に置換されたヘテロシクリルオキシまたは−NR'''R''''(R'''は、水素、随意に置換されたアルキル、随意に置換されたアルケニル、随意に置換されたアルキニル、随意に置換されたC3−7シクロアルキル、随意に置換されたヘテロシクリル、随意に置換されたヘテロアリール、および随意に置換されたアリールから選択され、ならびにR''''は、随意に置換されたアルキル、随意に置換されたアルケニル、随意に置換されたアルキニル、随意に置換されたC3−7シクロアルキル、随意に置換されたヘテロシクリル、随意に置換されたヘテロアリール、および随意に置換されたアリールから選択される)から選択され;ならびに
は、随意に置換されたアリール、随意に置換されたアリールオキシ、随意に置換されたヘテロアリール、随意に置換されたヘテロアリールオキシ、随意に置換されたヘテロシクリル、随意に置換されたヘテロシクリルオキシまたは−NHR'''(R'''は、水素、随意に置換されたアルキル、随意に置換されたアルケニル、随意に置換されたアルキニル、随意に置換されたC3−7シクロアルキル、随意に置換されたヘテロシクリル、随意に置換されたヘテロアリール、および随意に置換されたアリールから選択される)から選択される。
【0024】
本発明の他の態様においては、式Iの化合物もしくはその医薬的に許容される塩、または式Iの化合物もしくはその医薬的に許容される塩を含有する組成物の投与によって、自己免疫もしくは慢性炎症性疾患を治療もしくは予防し、または異種臓器移植片に対する拒絶反応および/もしくは関連した苦痛を予防する方法が提供される。
【0025】
本発明の他の態様においては、自己免疫もしくは慢性炎症性疾患を治療もしくは予防し、または異種臓器移植片に対する拒絶反応および/もしくは関連した苦痛の予防するための薬物の製造における式Iの化合物またはその塩の使用が提供される。
【0026】
本発明の他の態様においては、式Iの化合物またはその医薬的に許容される塩を該T細胞に適用することによってT細胞のカリウムイオンチャンネル活性を計画的に調節する方法が提供される。
【0027】
本発明のさらなる態様においては、式Iの化合物またはその医薬的に許容される塩の有効量と随意に担体または希釈剤とを含む免疫抑制薬として使用するための医薬組成物が提供される。
【0028】
本発明の他の態様においては、式Iの化合物またはその塩を調製する方法が提供される。
【発明を実施するための形態】
【0029】
本発明は、上の「発明の概要」で説明したとおりの一般式Iの化合物が、カリウム細胞チャンネルおよび特にKv1.3チャンネルの阻害剤として有用な特性を有し得るという発見に基づく。そのような化合物は、多発性硬化症および関節リウマチにような自己免疫異常の治療のための免疫抑制薬として有意な可能性を有する。それらは、移植片拒絶反応の治療または予防にも有用であり得る。
【0030】
本明細書において単独でまたは組み合わせて用いる場合の「アルキル」の用語は、直鎖または分岐鎖飽和炭化水素基を表す。「C1−12アルキル」の用語は、1から12個の炭素原子を含有する同様な基を表す。また、「C1−6アルキル」および「低級アルキル」の用語は、1から6個の炭素原子を含有する同様な基を表す。これらの基としては、例えば、メチル(「Me」)、エチル(「Et」)、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、s−ブチル、t−ブチルなどがある。
【0031】
「アルキレン」の用語は、好ましくは1から10個の炭素原子、より好ましくは1から6個の炭素原子を有する二価アルキル基を表す。そのようなアルキレン基の例としては、メチレン(−CH−)、エチレン(−CHCH−)、およびプロピレン異性体(例えば、−CHCHCH−および−CH(CH)CH−)などが挙げられる。
【0032】
「C3−7シクロアルキル」の用語は、3から7個の炭素原子を有する非芳香族、飽和非芳香族炭素環を表す。例としては、シクロプロピル、シクロペンチルおよびシクロヘキシルが挙げられる。
【0033】
「アルケニル」の用語は、1つ以上の二重結合、好ましくは1つまたは2つの二重結合を含有する直線状または分岐した炭化水素を表す。「C2−12アルケニル」の用語は、2から12個の炭素原子を含有する同様の基を表す。アルケニルの例としては、アリル、1−メチルビニル、ブテニル、イソ−ブテニル、1,3−ブタジエニル、3−メチル−2−ブテニル、1,3−ブタジエニル、1,4−ペンタジエニル、1−ペンテニル、1−ヘキセニル、3−ヘキセニル、1,3−ヘキサジエニル、1,4−ヘキサジエニルおよび1,3,5−ヘキサトリエニルが挙げられる。
【0034】
「アルケニレン」の用語は、好ましくは2から8個の炭素原子、より好ましくは2から6個の炭素原子を有する二価アルケニル基を表す。例としては、エテニレン(−CH=CH−)、およびプロペニレン異性体(例えば、−CHCH=CH−および−C(CH)=CH−)などが挙げられる。
【0035】
「C4−7シクロアルケニル」の用語は、4から7個の炭素原子を有し、且つ、1つ以上の二重結合を有する非芳香族炭素環を表す。例としては、シクロペンテニル、1−メチル−シクロペンテニル、シクロヘキセニル、1,3−シクロペンタジエニル、1,3−シクロヘキサジエニルおよび1,4−シクロヘキサジエニルが挙げられる。
【0036】
「アルキニル」の用語は、1つ以上の三重結合、好ましくは1つまたは2つの三重結合を含有する直線状または分岐した炭化水素を表す。「C2−12アルキニル」の用語は、2から12個の炭素原子を含有する同様の基を表す。例としては、2−プロピニルおよび2−または3−ブチニルが挙げられる。
【0037】
「アルキニレン」の用語は、好ましくは2から8個の炭素原子、より好ましくは2から6個の炭素原子を有する二価アルキニル基を表す。例としては、エチニレン(−C≡C−)、プロピニレン(−CH−C≡C−)などが挙げられる。
【0038】
単独でまたは組み合わせて用いる場合の用語「アルコキシ」は、酸素結合(−O−)によって共有結合された直鎖または分岐鎖アルキル基を表す。また、「C1−6アルコキシ」および「低級アルコキシ」の用語は、1から6個の炭素原子を含有する同様の基を表し、例えば、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、t−ブトキシなどである。
【0039】
単独でまたは組み合わせて用いる場合の「アルケニルオキシ」および「アルキニルオキシ」の用語は、酸素結合(−O−)によって連結された前述のアルケニルおよびアルキニル基をそれぞれ表す。
【0040】
単独でまたは組み合わせて用いる場合の「芳香族」の用語は、単環式または二環式アリール環および環系(芳香族炭化水素環または環系)を表し、ならびにヘテロアリールまたは複素芳香族環として公知であるような芳香族複素環または環系も指す。好ましい芳香族環は、随意に置換されたフェニル(「Ph」)環である。
【0041】
「アリール」の用語は、炭素環式(非複素環式)芳香族環または環系を表す。前記芳香族環は、単環式環系であってもよく、または二環式環系であってもよい。前記芳香族環または環系は、一般に、5から10個の炭素原子から構成される。適当なアリール基の例としては、フェニル、ビフェニル、ナフチル、テトラヒドロナフチルなどが挙げられるが、それらに限定されない。
【0042】
好ましいアリール基としては、フェニル、ナフチル、インデニル、アズレニル、フルオレニルまたはアントラセニルが挙げられる。
【0043】
「ヘテロアリール」の用語は、好ましくは2から10個の炭素原子と酸素、窒素および硫黄から選択される1から4個のヘテロ原子を環内に有する一価芳香族炭素環式の基を表す。好ましくは、ヘテロ原子は、窒素である。そのようなヘテロアリール基は、単一の環を有する場合もあり(例えば、ピリジル、ピロリルもしくはフリル)または多数の縮合環を有する場合もある(例えば、インドリジニルもしくはベンゾチエニル)。
【0044】
「ヘテロシクリル」の用語は、好ましくは1から8個の炭素原子と、窒素、硫黄、酸素、セレンもしくはリンから選択される1から4個のヘテロ原子とを環内に含む単一の環または多数の縮合環を有する、一価飽和または不飽和基を表す。
【0045】
5員単環式ヘテロシクリルおよびヘテロアリール基の例としては、フリル、チエニル、ピロリル、H−ピロリル、ピロリニル、ピロリジニル、オキサゾリル、オキサジアゾリル、(1,2,3および1,2,4オキサジアゾリルを含む)チアゾリル、イソオキサゾリル、フラザニル、イソチアゾリル、ピラゾリル、ピラゾリニル、ピラゾリジニル、イミダゾリル、イミダゾリニル、トリアゾリル(1,2,3および1,3,4トリアゾリルを含む)、テトラゾリル、チアジアゾリル(1,2,3および1,3,4チアジアゾリルを含む)が挙げられる。
【0046】
6員単環式ヘテロシクリルおよびヘテロアリール基の例としては、ピリジル、ピリミジニル、ピリダジニル、ピラニル、ピラジニル、ピペリジニル、1,4−ジオキサニル、モルホリニル、1,4−ジチアニル、チオモルホリニル、ピペラジニル、1,3,5−トリチアニルおよびトリアジニルが挙げられる。
【0047】
上記の複素環は、C1−6アルキル、C1−6アルコキシ、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、ハロ、ヒドロキシ、メルカプト、トリフルオロメチル、フェニル、フェニルオキシ、フェニルアルキル、フェニルアルキルオキシ、アミノ、シアノまたはモノもしくはジ(C1−6アルキル)アミノといった広範な置換基で随意に置換されていてもよい。
【0048】
上述した複素環またはヘテロアリールは、フェニル、ナフチル、インデニル、アズレニル、フルオレニルおよびアントラセニルといった炭素環に縮合していてもよい。
【0049】
8、9および10員二環式ヘテロシクリルおよびヘテロアリール基の例としては、1Hチエノ[2,3−c]ピラゾリル、チエノ[2,3−b]フリル、インドリル、イソインドリル、ベンゾフラニル、ベンゾチエニル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンズイソオキサゾリル、ベンズイソチアゾリル、ベンズイミダゾリル、インダゾリル、イソキノリニル、キノリニル、キノキサリニル、ウリジニル、プリニル、シンノリニル、フタラジニル、キナゾリニル、キノキサリニル、ベンゾトリアジニル、ナフチリジニル、プテリジニルなどが挙げられる。これらの複素環は、例えば、C1−6アルキル、C1−6アルコキシ、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、ハロ、ヒドロキシ、メルカプト、トリフルオロメチル、シアノ、フェニル、フェニルオキシ、フェニルアルキル、フェニルアルキルオキシ、アミノ、およびモノまたはジ(C1−6アルキル)アミノで随意に置換されいてもよい。
【0050】
一部の複素環式および複素芳香族ラジカルの例としては、(随意に置換されていてもよい)イソオキサゾール、イソチアゾール、1,3,4−オキサジアゾール、1,3,4−チアジアゾール、1,2,4−オキサジアゾール、1,2,4−チアジアゾール、オキサゾール、チアゾール、ピリジン、ピリダジン、ピリミジン、ピラジン、1,2,4−トリアジン、1,3,5−トリアジン、ベンズオキサゾール、ベンゾチアゾール、ベンズイソオキサゾール、ベンズイソチアゾール、キノリン、キノキサリン、フリル、チエニル、ピリジル、ピロリル、オキサゾリル、チアゾリル、イミダゾリル、ピラゾリル、イソオキサゾリル、イソチアゾリル、1,2,3−オキサジアゾリル、1,2,4−オキサジアゾリル、1,2,4−オキサジアゾール−5−オン、1,2,3−トリアゾリル、1,3,4−チアジアゾリル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、1,3,5−トリアジニル、1Hチエノ[2,3−c]ピラゾリル、チエノ[2,3−b]フリル、インドリジニル、インドリル、イソインドリル、3H−インドリル、インドリニル、ベンゾ[b]フラニル、ベンゾ[b]チオフェニル、1H−インダゾリル、ベンズイミダゾリル、テトラゾリル、ウリジニル、およびシトシニルが挙げられる。これらのラジカルは、例として、C1−6アルキル、C1−6アルコキシ、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、ハロ、ヒドロキシ、メルカプト、トリフロオロメチル、アミノ、フェニル、フェニルオキシ、フェニルアルキル、フェニルアルキルオキシ、シアノまたはモノもしくはジ(C1−6アルキル)アミノで随意に置換されていてもよい。
【0051】
ヘテロアリールまたは複素芳香族環は、好ましくは、イソオキサゾリル、オキサゾリル、イミダゾリル、チアゾリル、チアジアゾリル、イソチアゾリル、フラザニル、トリアゾリル、ピリジル、ピリミジニル、フリル、ピラゾリル、ピリダジニル、チエニルならびにアリール縮合複素芳香族環、例えばベンズフラニル、ベンゾチオフェニルおよびベンゾイソオキサゾリルから選択してよい。
【0052】
ヘテロシクリル環または複素環は、好ましくは、ピロリジン、イミダゾリン、2−イミダゾリドン、2−ピロリドン、ピロリン−2−オン、テトラヒドロフラン、1,3−ジオキソラン、ピペリジン、テトラヒドロピラン、オキサゾリン、1,3−ジオキサン、1,4−ピペラジン、モルホリンおよびチオモルホリンから選択してよい。
【0053】
「アリールアルキル」の用語は、前述の炭素環式芳香族環または環系、前述のアルキル基で置換されているものを表す。他に指定がない限り、前記アリール置換基は、その置換基のアルキル部分によって結合される。同様に、「アリールC1−12アルキル」、「アリールC2−12アルケニル」および「アリールC2−12アルキニル」の用語は、前述の炭素環式芳香族環または環系、前述のC1−12アルキル、C2−12アルケニルまたはC2−12アルキニル基によって置換されたものを表す。
【0054】
「ハロ」および「ハロゲン」の用語は、フルオロ、クロロ、ブロモおよびヨード基を表す。
【0055】
「アリールオキシ」の用語は、酸素結合(−O−)によって親構造に連結された、前述のアリール基を表す。注目に値する例は、フェノキシである。同様に、用語「ヘテロアリールオキシ」は、酸素基によって親構造に連結された、前述のヘテロアリール基を指す。注目に値する例は、4、6または7−ベンゾ[b]フラニルオキシ基である。
【0056】
「随意に置換された」の用語は、基が1つ以上の置換基を含んでもよいことを意味する。その基上の1個以上の水素原子は、ハロゲン(例えば、ハロアルキル、例えば−CF)、C1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、−(CH3−7シクロアルキル、−(CH4−7シクロアルケニル、−(CHアリール、−(CHヘテロシクリル、−(CHヘテロアリール、−CS(O)1−6アルキル、−C(Ph)、−CN、−OR、−O−(CH1−6−R、−O−(CH1−6−OR、−OC(O)R、−C(O)R、−C(O)OR、−OC(O)NR'R''、-NR'R''、−NRC(O)R'、−NRC(O)NR'R''、−NRC(S)NR'R''、−NRS(O)R'、−NRC(O)OR'、−C(NR)NR'R''、−C(=NOR')R、−C(=NOH)NR'R''、−C(O)NR'R''、−C(=NCN)−NR'R''、−C(=NR)NR'R''、−C(=NR')SR''、−NR'C(=NCN)SR''、−CONRSOR'、−C(S)NR'R''、−S(O)R、−SONR'R''、−SONRC(O)R'、−OS(O)R、−PO(OR)および−NOから独立して選択される置換基によって置換されていてもよく、pは、0−6であり、qは、0−2であり、ならびにR、R'およびR''それぞれは、H、C1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、C3−7シクロアルキル、C4−7シクロアルケニル、アリール、ヘテロシクリル、ヘテロアリール、C1−6アルキルアリール、C1−6アルキルヘテロアリール、およびC1−6アルキルヘテロシクリルから独立して選択され、ここでのアルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、アリール、ヘテロシクリル、ヘテロアリール、C1−6アルキルアリール、C1−6アルキルヘテロアリール、もしくはC1−6アルキルヘテロシクリルは、ハロゲン、ヒドロキシ、低級アルキル、低級アルコキシ、−COH、CF、CN、フェニル、NHおよび−NOから選択される1つから6つの同じもしくは異なる基で随意に置換されいてもよく;またはR'およびR''が、同じ窒素原子に付いているとき、それらは、それらが付いているその原子と一緒に、5から7員窒素含有複素環を形成されていてもよい。
【0057】
好ましい任意の置換基のリストとしては、ハロゲン、C1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、C1−6ハロアルキル(特に、−CF)、C1−6ハロアルコキシ(例えば、−OCF)、−OH、フェニル、ベンジル、フェノキシ、ベンジルオキシ、ベンゾイル、−NH、−NHC1−4アルキル、−N(C1−4アルキル)、−CN、−NO、メルカプト、C1−6アルキルカルボニル、C1−6アルコキシカルボニルおよびCOHが挙げられる。
【0058】
別様に定義されておらず、非芳香族炭素環式または複素環式化合物の環原子に限り、そのような化合物の環原子は、上述の任意の置換基の代わりに、または上で説明した任意の置換基に加えて、1つまたは2つの=O基で随意に置換されていてもよい。
【0059】
前記任意の置換基が、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、アリール、ヘテロアリールまたはヘテロシクリル基である、またはそれらを含有するとき、その基は、ハロゲン、C1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、C1−6ハロアルキル(特に、−CF)、C1−6ハロアルコキシ(例えば、−OCF)、−OH、フェニル、ベンジル、フェノキシ、ベンジルオキシ、ベンゾイル、−NH、−NHC1−4アルキル、−N(C1−4アルキル)、−CN、−NO、メルカプト、C1−6アルキルカルボニル、C1−6アルコキシカルボニルおよびCOHから選択される1つから6つの同じまたは異なる置換基で、それ自体、随意に置換されていてもよい。
【0060】
式Iの化合物の塩は、好ましくは、医薬的に許容される塩であるが、医薬的に許容されない塩も、医薬的に許容される塩の調製の際に中間体として有用であるので、本発明の範囲に入ることは、理解されるであろう。
【0061】
式Iの化合物およびそれらの塩が医薬的に許容される誘導体の形態で存在する場合があることは、理解されるであろう。用語「医薬的に許容される誘導体」は、式Iの化合物またはそれらの塩の医薬的に許容されるエステル、プロドラッグ、溶媒和物および水和物を含む。医薬的に許容される誘導体は、任意の医薬的に許容される水和物、あるいは被験者に投与されたときに式Iの化合物またはその活性代謝産物もしくは残基を直接的または間接的に提供することができる任意の他の化合物またはプロドラッグを包含してもよい。
【0062】
医薬的に許容される塩としては、酸付加塩、塩基付加塩、ならびに第四級アミンおよびピリジニウムの塩が挙げられる。酸付加塩は、本発明の化合物と、塩酸、臭化水素酸、硫酸、リン酸、メタンスルホン酸、トルエンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、酢酸、プロピオン酸、アスコルビン酸、クエン酸、マロン酸、フマル酸、マレイン酸、乳酸、サリチル酸、スルファミン酸、または酒石酸をはじめとする(しかし、これらに限定されない)医薬的に許容される無機または有機酸とから形成される。第四級アミンおよびピリジニウムの対イオンとしては、クロリド、ブロミド、ヨージド、スルフェート、ホスフェート、メタンスルホネート、シトレート、アセテート、マロネート、フマレート、スルファメート、およびタータラートが挙げられる。塩基付加塩としては、ナトリウム、カリウム、カルシウム、リチウム、マグネシウム、アンモニウムおよびアルキルアンモニウムなどの塩が挙げられるが、これらに限定されない。また、塩基性窒素含有基は、メチル、エチル、プロピルおよびブチルの塩化物、臭化物およびヨウ化物のようなハロゲン化低級アルキル、;硫酸ジメチルおよびジエチルといった硫酸ジアルキルのような化学物質で四級化させてもよい。前記塩は、公知の手法で、例えば、化合物を適する溶媒の存在下で適切な酸または塩基で処理することによって、作ってもよい。
【0063】
本発明の化合物は、結晶形態で存在してもよく、および/または溶媒和物(例えば、水和物)として存在してもよく、両方の形態が本発明の範囲内であるとする。「溶媒和物」の用語は、溶質(本発明では、本発明の化合物)および溶媒によって形成される可変化学量論比の複合体である。そのような溶媒は、その溶質の生物活性に干渉してはならない。溶媒は、例として、水、エタノールまたは酢酸としてもよい。溶媒和方法は、当技術分野内で一般に公知である。
【0064】
「プロドラッグ」の用語は、最も広い意味で用いており、本発明の化合物にインビボで転化される誘導体を包含する。そのような誘導体は、当業者であれば容易に想到し、例えば、遊離ヒドロキシル基がエステル誘導体に転化されるまたは環窒素原子がN−オキシドに転化される場合の化合物を含む。エステル誘導体の例としては、アルキルエステル、リン酸エステル、およびアミノ酸、好ましくはバリン、から形成されるものが挙げられる。本発明の化合物のプロドラッグである任意の化合物が、本発明の範囲および思想の範囲内である。
【0065】
「医薬的に許容されるエステル」の用語は、本発明の化合物の生物学的に許容されるエステル、例えばスルホン酸、ホスホン酸およびカルボン酸誘導体を含む。
【0066】
従って、本発明の他の態様においては、式Iの化合物またはその塩のプロドラッグまたは医薬的に許容されるエステルを提供する。
【0067】
式Iの化合物およびそれらの一部の誘導体は、少なくとも1つの不斉中心を有することがあり、従って、1つ以上の立体異性体で存在する可能性があってもよいと理解されるであろう。本発明は、これらの形態それぞれに個々に、およびラセミ体をはじめとするそれらの混合物に及ぶ。それら異性体は、従来的にクロマトグラフ法によってまたは分割剤を使用して分離することができる。あるいは、キラル中間体を使用する不斉合成によって個々の異性体を調製することができる。前記化合物が、少なくとも1つの炭素−炭素二重結合を有する場合、本発明に含まれる化合物のすべての異性体とともにZ形やE形で存在してもよい。
【0068】
好ましい実施形態において、Y'は、Oである。
【0069】
従って、さらに好ましい実施形態において、本発明は、式(Ia)の化合物またはそれらの塩を提供する:
【0070】
【化3】

【0071】
式中、
およびRは、水素、シアノ、ハロ、ニトロ、随意に置換された低級アルキル、随意に置換されたアリール、−OR、−C(O)R、−C(O)OR、−OC(O)R(Rは、水素、随意に置換されたアルキル、随意に置換されたアルケニル、随意に置換されたアルキニル、随意に置換されたC3−7シクロアルキル、随意に置換されたヘテロシクリル、随意に置換されたヘテロアリール、および随意に置換されたアリールから選択される)、−C(O)NR'R''、−NR'C(O)R''および−NR'R''(R'およびR''は、水素または低級アルキルから独立して選択される)から独立して選択され、ならびに
およびRの少なくとも一方は、水素以外であり;
は、シアノ、ハロ、ニトロ、随意に置換されたアルキル、随意に置換されたアルケニル、随意に置換されたアルキニル、随意に置換されたアリール、随意に置換されたヘテロアリール、随意に置換されたC3−7シクロアルキル、随意に置換されたC4−7シクロアルケニル、−OR、−SR、−C(O)R、−C(O)OR、−OC(O)R(Rは、水素、低級アルキル、低級アルケニル、低級アルキニル、随意に置換されたC3−7シクロアルキル、随意に置換されたヘテロシクリル、随意に置換されたヘテロアリール、および随意に置換されたアリールから選択される)、−C(O)NR'R''、−NR'C(O)R''および−NR'R''(R'およびR''は、水素または低級アルキルから独立して選択される)から選択され;
Lは、随意に置換されたC2−6アルキレン、随意に置換されたC2−6アルケニレン、または随意に置換されたC2−6アルキニレンから選択される原子数2−6の長さの二価リンカー基であり;
L'は、C1−6アルキレン、C2−6アルケニレン、またはC2−6アルキニレンから選択される原子数1−6の長さの二価リンカー基であり;
Yは、単結合、−O−、−C(O)−、−S−、−NR'''−、−C(O)NR'''−、または−NR'''C(O)−(R'''は、水素、随意に置換されたアルキル、随意に置換されたアルケニル、随意に置換されたアルキニル、随意に置換されたC3−7シクロアルキル、随意に置換されたヘテロシクリル、随意に置換されたヘテロアリール、および随意に置換されたアリールから選択される)から選択され;
は、随意に置換されたアルキル、−OR、−C(O)R、−C(O)OR、SR、(Rは、随意に置換されたC2−7アルキル、随意に置換されたアルケニル、随意に置換されたアルキニル、随意に置換されたC3−7シクロアルキル、随意に置換されたヘテロシクリル、随意に置換されたヘテロアリール、および随意に置換されたアリールから選択され)、−C(O)NR'R''、−NR'C(O)R''および−NR'R''(R'およびR''は、水素または低級アルキルから独立して選択される)から選択され;
は、置換アリール、置換アリールオキシ、随意に置換されたヘテロアリール、随意に置換されたヘテロアリールオキシ、随意に置換されたヘテロシクリル、随意に置換されたヘテロシクリルオキシまたは−NR'''R''''(R'''は、水素、随意に置換されたアルキル、随意に置換されたアルケニル、随意に置換されたアルキニル、随意に置換されたC3−7シクロアルキル、随意に置換されたヘテロシクリル、随意に置換されたヘテロアリール、および随意に置換されたアリールから選択され、ならびにR''''は、随意に置換されたアルキル、随意に置換されたアルケニル、随意に置換されたアルキニル、随意に置換されたC3−7シクロアルキル、随意に置換されたヘテロシクリル、随意に置換されたヘテロアリール、および随意に置換されたアリールから選択される)から選択され;ならびに
は、随意に置換されたアリール、随意に置換されたアリールオキシ、随意に置換されたヘテロアリール、随意に置換されたヘテロアリールオキシ、随意に置換されたヘテロシクリルまたは随意に置換されたヘテロシクリルオキシから選択される。
【0072】
さらなる実施形態において、Y'は、Oであり、およびL'は、C1−3アルキレンである。
【0073】
従って、さらに好ましい実施形態において、本発明は、式(Ib)の化合物またはその塩を提供する:
【0074】
【化4】

【0075】
式中、
およびRは、水素、シアノ、ハロ、ニトロ、随意に置換された低級アルキル、随意に置換されたアリール、−OR、−C(O)R、−C(O)OR、−OC(O)R(Rは、水素、随意に置換されたアルキル、随意に置換されたアルケニル、随意に置換されたアルキニル、随意に置換されたC3−7シクロアルキル、随意に置換されたヘテロシクリル、随意に置換されたヘテロアリール、および随意に置換されたアリールから選択される)、−C(O)NR'R''、−NR'C(O)R''および−NR'R''(R'およびR''は、水素または低級アルキルから独立して選択される)から独立して選択され、ならびに
およびRの少なくとも一方は、水素以外であり;
は、シアノ、ハロ、ニトロ、随意に置換されたアルキル、随意に置換されたアルケニル、随意に置換されたアルキニル、随意に置換されたアリール、随意に置換されたヘテロアリール、随意に置換されたC3−7シクロアルキル、随意に置換されたC4−7シクロアルケニル、−OR、−SR、−C(O)R、−C(O)OR、−OC(O)R(Rは、水素、低級アルキル、低級アルケニル、低級アルキニル、随意に置換されたC3−7シクロアルキル、随意に置換されたヘテロシクリル、随意に置換されたヘテロアリール、および随意に置換されたアリールから選択される)、−C(O)NR'R''、−NR'C(O)R''および−NR'R''(R'およびR''は、水素または低級アルキルから独立して選択される)から選択され;
Lは、随意に置換されたC2−6アルキレン、随意に置換されたC2−6アルケニレン、または随意に置換されたC2−6アルキニレンから選択される原子数2−6の長さの二価リンカー基であり;
Yは、単結合、−O−、−C(O)−、−S−、−NR'''−、−C(O)NR'''−、または−NR'''C(O)−(R'''は、水素、随意に置換されたアルキル、随意に置換されたアルケニル、随意に置換されたアルキニル、随意に置換されたC3−7シクロアルキル、随意に置換されたヘテロシクリル、随意に置換されたヘテロアリール、および随意に置換されたアリールから選択される)から選択され;
は、随意に置換されたアルキル、−OR、−C(O)R、−C(O)OR、SR、(Rは、随意に置換されたC2−7アルキル、随意に置換されたアルケニル、随意に置換されたアルキニル、随意に置換されたC3−7シクロアルキル、随意に置換されたヘテロシクリル、随意に置換されたヘテロアリール、および随意に置換されたアリールから選択され)、−C(O)NR'R''、−NR'C(O)R''および−NR'R''(R'およびR''は、水素または低級アルキルから独立して選択される)から選択され;
は、置換アリール、置換アリールオキシ、随意に置換されたヘテロアリール、随意に置換されたヘテロアリールオキシ、随意に置換されたヘテロシクリル、随意に置換されたヘテロシクリルオキシまたは−NR'''R''''(R'''は、水素、随意に置換されたアルキル、随意に置換されたアルケニル、随意に置換されたアルキニル、随意に置換されたC3−7シクロアルキル、随意に置換されたヘテロシクリル、随意に置換されたヘテロアリール、および随意に置換されたアリールから選択され、ならびにR''''は、随意に置換されたアルキル、随意に置換されたアルケニル、随意に置換されたアルキニル、随意に置換されたC3−7シクロアルキル、随意に置換されたヘテロシクリル、随意に置換されたヘテロアリール、および随意に置換されたアリールから選択される)から選択され;ならびに
は、随意に置換されたアリール、随意に置換されたアリールオキシ、随意に置換されたヘテロアリール、随意に置換されたヘテロアリールオキシ、随意に置換されたヘテロシクリルまたは随意に置換されたヘテロシクリルオキシから選択される。
【0076】
本発明の好ましい実施形態の一部において、ならびに一般式(I)、(Ia)および(Ib)に関して、下記のさらに好ましい定義が1つ以上が適用される:
a)RおよびRは、水素、シアノ、ハロ、随意に置換された低級アルキル、−OH、−O−随意に置換された低級アルキル、−C(O)−随意に置換された低級アルキル、および−C(O)NR'R''(ここでのR'およびR''は、水素または低級アルキルから独立して選択される)から独立して選択され、RおよびRの少なくとも一方は、水素以外である;
b)RおよびRは、シアノ、ハロ、ニトロ、随意に置換された低級アルキル、随意に置換されたアリール、−OR、−C(O)R、−C(O)OR、−OC(O)R(ここでのRは、水素、随意に置換されたアルキル、随意に置換されたアルケニル、随意に置換されたアルキニル、随意に置換されたC3−7シクロアルキル、随意に置換されたヘテロシクリル、随意に置換されたヘテロアリール、および随意に置換されたアリールから選択される)、−C(O)NR'R''、−NR'C(O)R''および−NR'R''(ここでのR'およびR''は、水素または低級アルキルから独立して選択される)から独立して選択される;
c)RおよびRは、シアノ、ハロ、随意に置換された低級アルキル、−O−随意に置換された低級アルキル、−C(O)−随意に置換された低級アルキル、および−C(O)NR'R''(ここでのR'およびR''は、水素または低級アルキルから独立して選択される)から独立して選択される;
d)Rは、随意に置換されたヘテロアリール、随意に置換されたヘテロシクリル、随意に置換されたヘテロアリールオキシ、随意に置換されたヘテロシクリルオキシ、または−NR'''R''''(ここでのR'''は、水素、随意に置換されたアルキル、随意に置換されたアルケニル、随意に置換されたアルキニル、随意に置換されたC3−7シクロアルキル、随意に置換されたヘテロシクリル、随意に置換されたヘテロアリール、および随意に置換されたアリールから選択され、ならびにR''''は、随意に置換されたアルキル、随意に置換されたアルケニル、随意に置換されたアルキニル、随意に置換されたC3−7シクロアルキル、随意に置換されたヘテロシクリル、随意に置換されたヘテロアリール、および随意に置換されたアリールから選択される)から選択される。
e)Rは、随意に置換されたアリール、随意に置換されたアリールオキシ、随意に置換されたヘテロアリール、随意に置換されたヘテロアリールオキシ、随意に置換されたヘテロシクリル、または随意に置換されたヘテロシクリルオキシから選択される;
f)Rは、随意に置換されたC1−6アルキル、例えば、メチル、エチルおよびプロピル、−OR、−SR(Rは、随意に置換されたC2−7アルキル、随意に置換されたアルケニル、随意に置換されたアルキニル、随意に置換されたC3−7シクロアルキル、随意に置換されたヘテロシクリル、随意に置換されたヘテロアリール、および随意に置換されたアリールから選択される)、および−NR'R''(R'およびR''は、水素または低級アルキルから独立して選択される)である;
g)Rは、シアノ、ハロ、随意に置換されたアルキル、随意に置換されたアルケニル、随意に置換されたアルキニル、随意に置換されたヘテロアリール、随意に置換されたC3−7シクロアルキル、−O−随意に置換された低級アルキル、−O−随意に置換されたC3−7シクロアルキル、または−O−随意に置換されたヘテロアリールから選択される;
h)Lは、C2−6アルキレン、C2−6アルケニレンまたはC2−6アルキニレンから選択される原子数2−6の長さの二価リンカー基であり、C2−6アルキレン、C2−6アルケニレンまたはC2−6アルキニレンのそれぞれが、以下の1つ以上の基により随意に置換されていてもよい:ハロゲン、C1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、C1−6ハロアルキル(特に、−CF)、C1−6ハロアルコキシ(例えば、−OCF)、−OH、フェニル、ベンジル、フェノキシ、ベンジルオキシ、ベンゾイル、−NH、−NHC1−4アルキル、−N(C1−4アルキル)、−CN、−NO、メルカプト、C1−6アルキルカルボニル、C1−6アルコキシカルボニルおよびCOH、好ましくは、前記任意の置換基は、低級アルキル基(例えば、メチル)である;ならびに
i)L'は、C1−6アルキレン、C2−6アルケニレン、またはC2−6アルキニレンから選択される原子数1−6の長さの二価リンカー基であり、さらに好ましくは、L'は、C1−3アルキレンである。
【0077】
本発明の他の好ましい実施形態において、ならびに一般式(I)、(Ia)および(Ib)の化合物に関して、下記のさらに好ましい定義の1つ以上が適用され得る:
j)Yは、単結合またはOである;
k)Lは、随意に置換されたC1−4アルキレンであり、ここでの任意の置換基は、ハロゲン、C1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、C1−6ハロアルキル(特に、−CF)、C1−6ハロアルコキシ(例えば、−OCF)、−OH、フェニル、ベンジル、フェノキシ、ベンジルオキシ、ベンゾイル、−NH、−NHC1−4アルキル、−N(C1−4アルキル)、−CN、−NO、メルカプト、C1−6アルキルカルボニル、C1−6アルコキシカルボニルおよびCOHから選択され、好ましくは、前記任意の置換基は、低級アルキル基(例えば、メチル)である;
l)Rは、随意に置換されたヘテロアリール、随意に置換されたヘテロアリールオキシ、随意に置換されたヘテロシクリル、または−NHC3−7シクロアルキルから選択される;
m)Rは、ハロ、随意に置換されたアルキル、または−O−随意に置換されたアルキルから選択される;
n)Rは、随意に置換されたアリール、さらに好ましくは、随意に置換されたフェニルから選択される;ならびに
o)Rは、C1−3アルキルである。
【0078】
本発明のさらにいっそう好ましい実施形態において、および上の一般式に関して、下記のさらなる定義が1つ以上適用される:
p)Rは、ハロ(さらにいっそう好ましくはクロロ)または低級アルキル(さらにいっそう好ましくはメチル)である;
q)Rは、C1−3アルコキシ(さらにいっそう好ましくはメトキシ)である;
r)Lは、随意に置換されたプロピレンまたはブチレン(さらにいっそう好ましくは−CH−CH−CH(CH)−、−CH−CH−CH−CH−、または−CH−CH−CH−)である;
s)L'は、C1−3アルキレン(さらにいっそう好ましくは−CH−CH−)である;
t)Rは、ハロ置換フェニル(さらにいっそう好ましくは4−フルオロフェニル)または非置換フェニルである;
u)Rは、メチルである;ならびに
v)Rは、C1−3アルキル(さらにいっそう好ましくはメチル)である。
【0079】
式(I)、(Ia)および(Ib)について前述のRに関して、好ましい基は、以下のとおりである:
4員単環式複素環:
アゼチジニル;
5員単環式複素環:
ピロリジニル、ピラゾリニル、ピラゾリジニル、イミダゾリニル、イミダゾリジニル、ピロリニル(2および3ピロリニルを含む)、ジオキソラン;
5員単環式ヘテロアリール:
フリル、チエニル、ピロリル、H−ピロリル、オキサゾリル、オキサジアゾリル(1,2,3および1,2,4オキサジアゾリルを含む)チアゾリル、イソオキサゾリル、フラザニル、イソチアゾリル、ピラゾリル、イミダゾリル、トリアゾリル(1,2,3および1,3,4トリアゾリルを含む)、テトラゾリル、ならびにチアジアゾリル(1,2,3および1,3,4チアジアゾリルを含む);
6員単環式ヘテロアリール:
ピリジル、ピリミジニル、ピリダジニル、ピラジニル、およびトリアジニル;
6員単環式ヘテロシクリル:
ピラニル(2Hおよび4Hピラニルを含む)、ピペリジニル、モルホリニル、ピペラジニル、1,3,5−トリチアニル、チオモルホリニル、1−オキソ−チオモルホリニル、1,1−ジオキソチオモルホリニル、1,4−ジチアニル、ならびに1,4−ジオキサニル;
これらのすべてが、ハロゲン、C1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、C1−6ハロアルキル(特に、−CF)、C1−6ハロアルコキシ(例えば、−OCF)、−OH、フェニル、ベンジル、フェノキシ、ベンジルオキシ、ベンゾイル、−NH、−NHC1−4アルキル、−N(C1−4アルキル)、−CN、−NO、メルカプト、C1−6アルキルカルボニル、C1−6アルコキシカルボニルおよびCOHから選択される1つ以上の基で随意に置換されていてもよい。
【0080】
さらにいっそう好ましいR基としては、ピリジル、ピラジニル、ピラジニルオキシ、モルホリニル、ピペリジニル、ピロリジニル、アゼチジニルおよびチオモルフィニル(ならびにこれらの酸化誘導体)が挙げられ、それらのすべてが、ハロゲン、C1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、C1−6ハロアルキル(特に、−CF)、C1−6ハロアルコキシ(例えば、−OCF)、−OH、フェニル、ベンジル、フェノキシ、ベンジルオキシ、ベンゾイル、−NH、−NHC1−4アルキル、−N(C1−4アルキル)、−CN、−NO、メルカプト、C1−6アルキルカルボニル、C1−6アルコキシカルボニルおよびCOHから選択される1つ以上の基で随意に置換されてもよい。
【0081】
本発明は、可能な場合、本発明の上述の実施形態の塩または医薬的に許容される誘導体、例えば、医薬的に許容されるエステル、溶媒和物および/またはプロドラッグも含む。
【0082】
本発明の他の態様においては、式(I)、(Ia)および(Ib)の前述の化合物またはそれらの医薬的に許容される塩、これらの医薬的に許容される誘導体のうち少なくとも一以上の化合物を治療有効量含み、医薬的に許容される担体または希釈剤を含む医薬組成物が提供される。
【0083】
他の態様においては、本発明は、Kv1.3イオンチャンネル遮断薬として、より詳細には免疫抑制剤として、使用するための医薬組成物が提供され、該組成物は、式(I)、(Ia)または(Ib)の化合物またはその医薬的に許容される塩(その医薬的に許容される誘導体を含む)の有効量を含み、さらに医薬的に許容される担体または希釈剤とを含んでいてもよい。
【0084】
「組成物」の用語は、担体としてカプセル化材料を伴い、担体によって活性成分を(他の担体とともに、あるいは、他の担体なしで)包囲するカプセルを生じさせる活性成分の処方を含むことを意味する。
【0085】
前記医薬組成物または剤形は、経口投与、直腸内投与、鼻投与、局所投与(口腔内投与および舌下投与を含む)、膣投与もしくは非経口投与(筋肉内投与、皮下投与および静脈内投与を含む)に適するものまたは吸入もしくは通気による投与に適する形態のものを含む。
【0086】
従って、本発明の化合物は、従来のアジュバント、担体または希釈剤と一緒に、医薬組成物およびそれらの単位投薬量の形態にすることができ、ならびに固体、例えば錠剤もしくは充填カプセル、または液体、例えば液剤、懸濁剤、乳剤、エリキシル、もしくはそれらが充填されたカプセル(すべて経口使用用)のような形態で、直腸内投与のために坐剤の形態で、あるいは非経口(皮下を含む)使用のために滅菌注射溶液の形態で、利用してもよい。
【0087】
そのような医薬組成物および単位剤形は、追加の活性化合物または成分と共にまたは無しで、従来の比率で従来の成分を含むことができ、およびそのような単位剤形は、利用される所期の日用量範囲に見合った活性成分の任意の適する有効量を含有することができる。従って、錠剤あたり十(10)ミリグラムまたは、さらに広範に、0.1から百(100)ミリグラムの活性成分を含有する調合剤が、適する代表的な単位剤形である。
【0088】
本発明の化合物は、広範な経口および非経口剤形で投与することができる。以下の剤形が、活性成分として、本発明の化合物または本発明の化合物の医薬的に許容される塩のいずれかを含むことができることは、当業者には明らかであろう。
【0089】
本発明の化合物から医薬組成物を調製するための医薬的に許容される担体は、固体または液体のいずれかとすることができる。固体形製剤としては、粉末、錠剤、ピル、カプセル、カシェ剤、坐剤、および調剤可能な顆粒が挙げられる。固体担体は、希釈剤、着香剤、可溶化剤、滑沢剤、懸濁化剤、結合剤、保存薬、錠剤崩壊剤、またはカプセル化材料として作用することもある1つ以上の物質とすることができる。
【0090】
粉末の場合、前記担体は、微粉活性成分との混合物の状態である微粉固体である。
【0091】
錠剤の場合、必要な結合能力を有する担体と活性成分を適する比率で混合し、所望の形状およびサイズに圧縮する。
【0092】
粉末および錠剤は、好ましくは、5または10から約70パーセントの活性化合物を含有する。適する担体は、炭酸マグネシウム、ステアリン酸マグネシウム、タルク、糖、ラクトース、ペクチン、デキストリン、デンプン、ゼラチン、トラガカントゴム、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、低融点ワックス、カカオ脂などである。「製剤」の用語は、カプセルを提供する担体としてのカプセル化材料を伴う活性化合物の処方を含み、担体により、他の担体とともに、あるいは、他の担体なしで活性成分が担体によって包囲され、つまり、その担体と該活性成分とが会合しているカプセルが生じるものを意味する。同様に、「製剤」の用語には、カシェ剤およびロゼンジが含まれる。経口投与に適する固体型としては、錠剤、粉末、カプセル、ピル、カシェ剤、およびロゼンジを使用することができる。
【0093】
坐剤を調製するには、低融点ワックス、例えば、脂肪酸グリセリドまたはカカオ脂の混合物を、先ず、溶融し、攪拌などによってその中に活性成分を均一に分散させる。次に、その溶融均一混合物を適便なサイズの金型に注入し、放置して冷却し、それによって凝固させる。
【0094】
膣投与に適する剤形は、活性成分に加えて当技術分野において公知であるような担体を適宜含有するペッサリー、タンポン、クリーム、ゲル、ペースト、フォームまたはスプレー剤であってもよい。
【0095】
液状製剤としては、液剤、懸濁剤および乳剤、例えば水または水−プロピレングリコール溶液が挙げられる。例えば、非経口注射液製剤は、ポリエチレングリコール水溶液中の液剤として調合することができる。
【0096】
滅菌された液状組成物としては、滅菌された液剤、懸濁剤、乳剤、シロップおよびエリキシルが挙げられる。活性成分を医薬的に許容される担体、例えば滅菌水、滅菌有機溶媒または両方の混合物に溶解または懸濁させることができる。
【0097】
従って、本発明の化合物は、非経口投与(例えば、注射、例えばボーラス注射もしくは持続注入、によるもの)用に調合することができ、またはアンプル、充填済注射器、少量注入用容器内または追加保存薬を有する多回用量用容器内の単回用量形で提供することができる。それらの組成物は、油性または水性媒体中の懸濁剤、液剤または乳剤のような形態をとることができ、ならびに懸濁化剤、安定剤および/または分散剤などの処方剤を含有し得る。あるいは、活性成分は、使用前に適する媒体、例えば滅菌発熱性物質除去蒸留水、での構成のための、滅菌固体の無菌単離によってまたは溶液からの凍結乾燥によって得られた、粉末形態である場合もある。
【0098】
経口使用に適する水溶液は、活性成分を水に溶解し、所望される場合には、適する着色剤、芳香剤、安定剤および増粘剤を添加することによって調製することができる。
【0099】
経口使用に適する水性懸濁液は、粘稠材料、例えば天然もしくは合成ゴム、樹脂、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウムまたは他の周知の懸濁化剤、を伴う水に、微粉活性成分を分散させることによって作ることができる。
【0100】
また、使用直前に経口投与用の液状製剤に転化されることが意図されている固形製剤も含む。そのような液体形としては、液剤、懸濁剤、および乳剤が挙げられる。これらの製剤は、活性成分に加えて、着色剤、芳香剤、安定剤、緩衝剤、人工および天然甘味料、分散剤、増粘剤、可溶化剤などを含有することがある。
【0101】
表皮への局所投与のために、本発明の化合物は、軟膏、クリームもしくはローションとして、または経皮パッチとして、調合することができる。軟膏およびクリームは、例えば、適する増粘剤および/またはゲル化剤を添加した水性または油性基剤を用いて調合することができる。ローションは、水性または油性基剤を用いて調合することができ、一般に、乳化剤、安定剤、分散剤、懸濁化剤、増粘剤または着色剤のうちの1つ以上も含有するであろう。
【0102】
口内への局所投与に適する剤形としては、着香基剤、通常はスクロースおよびアラビアゴムまたはトラガカント中の、活性成分を含むロゼンジ;不活性塩基、例えばゼラチンおよびグリセリンまたはスクロースおよびアカシアゴム、中の活性成分を含むトローチ;ならびに適する液体担体中の活性成分を含むマウスウォッシュが挙げられる。
【0103】
溶液または懸濁液は、従来の手段によって、例えばドロッパー、ピペットまたはスプレーで、鼻腔に直接適用される。それらの剤形を単回または多回用量形態で提供することができる。ドロッパーまたはピペットについての後者の場合、患者が適切な所定量の液剤または懸濁剤を投与することによってこれを果たすことができる。スプレーの場合、例えば計量噴霧スプレーポンプを使って、これを果たすことができる。鼻送達および停留を向上させるために、本発明の化合物をシクロデキストリンでカプセル化することができ、または鼻粘膜内への送達および鼻粘膜内での滞留を増進させると予想される他の物質と共に調合することができる。
【0104】
エアロゾル処方によって気道への投与をなしえてもよく、活性成分は、例えば、ジクロロジフルオロメタン、トリクロロフルオロメタンもしくはジクロロテトラフルオロエタンのようなクロロフルオロカーボン(CFC)、二酸化炭素または他の適するガスなどの適切な推進剤と共に加圧パックに供給される。エアロゾルには、便宜的に、レシチンなどの界面活性剤も含有してもよい。計量バルブを設けることによって、薬物の投与量を制御してもよい。
【0105】
また、活性成分は、乾燥粉末、例えば、ラクトース、デンプン、デンプン誘導体、例えばヒドロキシプロピルメチルセルロースおよびポリビニルピロリドン(PVP)、などの適する粉末基剤中の化合物の粉末混合物といった形態で、活性成分が提供されてもよい。便宜上は、粉末担体は、鼻腔内でゲルになるであろう。粉末組成物は、例えばカプセルもしくはゼラチンのカートリッジ内、または吸入器によって粉末を投与できるブリスターパック内の単位投与形態で提供してもよい。
【0106】
鼻腔内用剤を含めて、気道への投与を意図した処方では、化合物は、一般に、小さな粒径、例えば5から10マイクロメートル以下のオーダーの粒径を有するであろう。そのような粒径は、当技術分野において公知の手段によって、例えば微粉砕によって、得ることができる。
【0107】
所望される場合には、活性成分の徐放をもたらすように適合された剤形としてもよい。
【0108】
医薬製剤は、単位投与形態とすることが好ましい。そのような形の場合、製剤は、適切な量の活性成分を含有する単位用量に細分される。単位投与形態は、パッケージに個別量の製剤が収容されているパッケージされた製剤、例えば、バイアルまたはアンプルの中のパケット錠剤、カプセルおよび粉末である場合がある。また、単位投与形態は、カプセル、錠剤、カシェ剤もしくはロゼンジとすることができるし、またはパッケージされた形態にこれらのいずれかの適切な数とすることができる。
【0109】
本発明は、化合物が単位投与形態である、担体のない状態の化合物も含む。
【0110】
投与される式(I)、(Ia)および(Ib)の化合物の量は、その化合物の活性および治療する疾患に依存して、1日あたり約10mgから2000mgとしてもよい。
【0111】
鼻腔内投与には液体または粉末が好ましい組成物であり、経口投与には錠剤またはカプセルが好ましく、静脈内投与には液体が好ましい。
【0112】
組成物は、1つ以上の他の免疫抑制薬または他の多発性硬化症治療薬をさらに含有してもよい。例えば、前記組成物は、第二の免疫抑制剤または、インターフェロンベータ1b、インターフェロンベータ1a、酢酸グラチラマー、ナタリズマブまたはミトキサントロンのような他の多発性硬化症治療薬を含有してもよい。
【0113】
本発明の化合物の医薬製剤は、併用療法で1つ以上の他の免疫抑制薬または多発性硬化症治療薬と併用投与することができる。例えば、活性化合物の医薬製剤は、1つ以上の他の免疫抑制薬、または、インターフェロンベータ1b、インターフェロンベータ1a、酢酸グラチラマー、ナタリズマブ、ミトキサントロンのような多発性硬化症治療薬と(例えば、別々に、同時にまたは逐次的に)併用投与してもよい。
【0114】
本発明の化合物は、臓器または組織(例えば、心臓、腎臓、肝臓、肺、骨髄(bone marrow)、角膜、膵臓、小腸(intestinum tenue)、四肢、筋肉、神経、骨髄(medulla ossium)、十二指腸、小腸(small−bowel)、骨髄(medulla ossium)、皮膚、膵島細胞などの異種移植を含む)の移植に対する耐性の治療的または予防的処置、移植片対宿主疾患;関節リウマチ、全身性エリテマトーデス、ネフローゼ症候群瘢痕、掌蹠膿疱症、橋本甲状腺炎、多発性硬化症、ギラン・バレー症候群、重症筋無力症、1型糖尿病 ブドウ膜塩、若年型または最近発症した真性糖尿病、糖尿病性神経障害、後部ブドウ膜炎、アレルギー性脳脊髄炎、糸球体腎炎、病原性微生物に起因する感染症、炎症性および高増殖性皮膚疾患、乾癬、アトピー性皮膚炎、接触皮膚炎、湿疹性皮膚炎、脂漏性皮膚炎、扁平苔癬、天疱瘡、水疱性類天疱瘡、表皮水疱症、蕁麻疹、血管浮腫、脈管炎、紅斑、皮膚好酸球増加症、エリテマトーデス、ざ瘡、円形脱毛症、角結膜炎、春季結膜炎、ベーチェット病に関連したブドウ膜炎、角膜炎、ヘルペス性角膜炎、円錐角膜、角膜上皮ジストロフィー、角膜白斑、眼天疱瘡、モーレン潰瘍、強膜炎、グレーブス病眼症、フォークト−小柳−原田症候群、サルコイドーシスなど;花粉アレルギー、可逆性閉塞性気道疾患、気管支喘息、アレルギー性喘息、内因性喘息、外因性喘息および粉塵喘息、慢性または難治性喘息、遅発性喘息および気道反応性亢進、気管支炎、胃潰瘍、虚血性疾患および血栓症に起因する血管損傷、虚血性腸疾患、炎症性腸疾患、壊死性小腸大腸炎、熱傷およびロイコトリエンB媒介疾患に関連した腸の病変、小児脂肪便症、直腸炎、好酸球性胃腸炎、肥満細胞症、クローン病、潰瘍性大腸炎、偏頭痛、鼻炎、湿疹、間質性腎炎、グッド−パスチャー症候群、溶血性−尿毒性症候群、糖尿病性神経障害、多発性筋炎、メニエール病、多発神経炎、多発性神経炎、単神経炎、神経根麻痺、甲状腺機能亢進症、バセドー病、赤芽球ろう、再生不良性貧血、低形成貧血、特発性血小板減少性紫斑病、自己免疫性溶血性貧血、無顆粒球症、悪性貧血、巨赤芽球性貧血、赤血球形成不全、骨粗しょう症、サルコイドーシス、肺線維症、特発性間質性肺炎、皮膚筋炎、尋常性白斑、尋常性魚鱗癬、光アレルギー感受性、皮膚T細胞リンパ腫、動脈硬化症、アテローム性動脈硬化症、大動脈炎症候群、結節性多発性動脈炎、心筋症、強皮症、ヴェグナー肉芽腫、肥満症、好酸球性筋膜炎、歯肉、歯周組織、歯槽骨、歯のセメント質の病変、糸球体腎炎、脱毛の予防または毛髪発芽の提供ならびに/または発毛および育毛の促進による男性型脱毛症または老人性脱毛症;筋ジストロフィー;膿皮症およびセザリー症候群、シェーグレン症候群(Sjoegren's syndrome)、アジソン症候群、保存、移植または虚血性疾患、例えば血栓症および心筋梗塞時に発生する臓器の虚血−再潅流傷害、内毒素ショック、偽膜性大腸炎、薬物または放射線に起因する大腸炎、虚血性急性腎不全、慢性腎不全、肺酸素または薬物、例えばパラコートおよびブレオマイシンに起因する中毒症、肺癌、肺気腫、白内障、シデローシス、色素性網膜炎、老人性黄斑変性、硝子体瘢痕化(vitreal scarring)、角膜アルカリ熱傷;皮膚炎 多形性紅斑、線状IgA水疱性皮膚炎(linear IgA ballous dermatitis)およびセメント皮膚炎、歯肉炎、歯周炎、敗血症、膵炎、環境汚染、加齢、発癌(carcinogenis)、癌腫の転移および高山病に起因する疾患;ヒスタミンまたはロイコトリエン−C放出に起因する疾患;ベルジェ病、ベーチェット病、自己免疫性肝炎、原発性胆汁性肝硬変 硬化性胆管炎、肝部分切除、急性肝臓壊死、毒素によるネクローシス、ウイルス性肝炎、ショック、無酸素症、B型肝炎、非A/非B肝炎、硬変、アルコール性肝硬変、肝機能不全、劇症肝機能不全、遅発性肝機能不全、「アキュート・オン・クロニック(acute−on−chronic)」肝機能不全、化学療法作用の増大、サイトメガロウイルス感染、HCMV感染及び抗炎症活性の予防活性あるいは治療活性、ならびに抗炎症活性に役立てることもできる。
【0115】
上述の状態のうちのいくつかについて、本化合物は、急性症状の軽減ばかりでなく、予防的に使用してもよいことは明らかである。
【0116】
ここでの「治療」などへの言及は、治療的処置ばかりでなく、そのような予防的処置も含むと理解すべきである。
【0117】
本化合物は、多発性硬化症の治療に特に有用であり得ると考えられる。この慢性神経障害は、中枢神経系の神経を襲う。前で論じたように、身体の大部分の神経は、通常、ミエリンと呼ばれる脂肪物質の保護鞘によって絶縁されている。多発性硬化症は、この保護鞘が炎症状態となって最終的に破壊される脱髄を引き起こす。
【0118】
中枢神経系に対する攻撃の原因であると考えられる免疫系応答を調節するまたは変化させることによって、より従来的な症状制御方法よりも、疾患それ自体の原因を攻撃することができるはずである。
【0119】
前記疾患の本質は、患者の免疫系を過度に抑制せずに多発性硬化症を制御できるようなものである。前述の慢性活性化ヒトTリンパ球研究に基づくと、多発性硬化症は、高いKv1.3チャンネル発現および低いIKCa1チャンネル数によって特徴づけられるチャンネルの表現型を有する慢性活性化T細胞の産物であるかもしれないと推測される。このチャンネルの表現型は、静止細胞および急性活性化細胞において見られるものとは異なるので、特異性の低い薬物による重大な副作用を伴わなずに多発性硬化症を制御する有用な手段を提供することができる。
【0120】
本発明の他の好ましい態様において、自己免疫または慢性炎症性疾患の予防または治療方法、異種臓器移植片に対する拒絶反応および/または関連した苦痛の予防方法を提供し、該方法は、式(I)、(Ia)もしくは(Ib)の化合物もしくはその塩、または該化合物もしくはその塩を含む組成物を投与する段階を含む。
【0121】
従って、本発明の好ましい実施形態において、式(I)、(Ia)もしくは(Ib)の化合物またはその塩(その医薬的に許容される誘導体を含む)、あるいは式(I)、(Ia)もしくは(Ib)の化合物もしくはその塩またはその医薬的に許容される誘導体を含む組成物の適用による、Kv1.3チャンネルの遮断薬、好ましくはKv1.3チャンネルの選択的チャンネル遮断薬の適用によって多発性硬化症を制御するための手段を提供する。
【0122】
本発明のもう1つの好ましい形態において、式(I)、(Ia)もしくは(Ib)の化合物またはその医薬的に許容される塩(その医薬的に許容される誘導体を含む)、あるいは該化合物もしくはその医薬的に許容される塩またはその医薬的に許容される誘導体を含む組成物を投与する段階を含む、糖尿病を予防または治療するための方法を提供する。
【0123】
さらなる態様において、本発明は、T細胞のカリウムイオンチャンネル活性を調節する方法を提供し、この方法は、式(I)、(Ia)もしくは(Ib)の化合物またはその医薬的に許容される塩(その医薬的に許容される誘導体を含む)、あるいはそれらを含む組成物を前記T細胞に適用することによるものである。好ましくは、本発明の化合物は、T細胞のカリウムイオンチャンネル活性を阻害する。
【0124】
好ましくは、式(I)、(Ia)または(Ib)の化合物によって阻害されるカリウムチャンネル活性は、電位依存性カリウムチャンネル、例えば、Kv1.1−Kv1.7である。さらに好ましくは、前記カリウムイオンチャンネル活性は、T細胞の電位依存性カリウムチャンネル、Kv1.3である。好ましくは、前記化合物は、Kv1.3チャンネルを選択的に阻害する。
【0125】
本発明のさらなる態様において、カリウムチャンネルにより媒介される疾病状態の治療(治療的または予防的なもの)、および特にKv1.3チャンネルの遮断による治療のための薬物の調製における、式(I)、(Ia)もしくは(Ib)の化合物またはその塩の使用が提供される。
【0126】
本発明のさらなる態様において、式(I)、(Ia)もしくは(Ib)の化合物またはその塩、これらの医薬的に許容される誘導体を含む化合物を生産する方法が提供される。
【0127】
本発明の化合物は、商業的に入手するか、または標準的な求電子芳香族置換もしくは求核芳香族置換化学によって得られる、置換ベンゼンから調製することができる。求電子芳香族置換反応の例としては、臭素化、塩素化およびヨウ素化を含むハロゲン化、ニトロ化、スルホン化、フリーデル・クラフツアルキル化またはアシル化、芳香族ニトロ基の還元、および芳香族スルホネートのアルカリ縮合が挙げられる。求核芳香族置換反応の例としては、アミン、チオール、アミドアニオン、スルフィドアニオンまたはアルコキシドアニオンによるハロゲン化物、スルホン酸エステルまたはジアゾニウム塩の置換が挙げられる。ハロゲン化物、スルホン酸エステルまたはジアゾニウム塩の置換をパラジウム媒介条件下で達成して、様々な炭素およびヘテロ原子系置換基を導入することもできる。他の変換としては、安息香酸を形成するためのアルキルベンゼンアルキル側鎖の酸化、アリールアルキルケトンの還元、未活性化ハロゲン化アリールのアミノ化、および活性化ハロゲン化アリールからのフェノール形成が挙げられる。
【0128】
適切に置換されたベンゼンから、下記のスキームによって比較化合物を調製してもよい:
【0129】
【化5】

【0130】
上の一般構造Bの化合物は、ハロゲン化アルキルまたはカルボン酸と一般構造Aの化合物を反応させることによって調製してもよい。商業的に入手できる式Aの化合物を下の表に示す。
【0131】
【表1】

【0132】
がメチルであり、Rがアルキルまたはハロであり、およびRが、随意に置換されたアルコキシである本発明の化合物は、一般構造Cから始まる下記のスキームに従って調製してもよい:
【0133】
【化6】

【0134】
上のスキームは、例えば、TiClなどの適する遷移金属触媒の存在下で塩化アセチルを用いる標準的なフリーデル・クラフツ化学によって、予め官能化されているベンゼン環に−C(O)R基を導入できることを例示するものである。基R'は、標準的な脱メチル化条件下で例えばBClを使用して除去することができるヒドロキシ保護基、例えばメチルを表すことができる。求電子ハロゲン化によるハロゲン化物(ハロ)のその後の導入および−L'−Rの導入によって(化合物Bについて上で説明したように)化合物Dが得られる。化合物Dは、アルキル−金属カップリングパートナー(金属=ZnCl、ボランまたはジルコノンセン(zircononcene))へのパラジウム媒介カップリングによって、さらに化合物Eに変換することができる。
【0135】
フリーデル・クラフツアシル化の前の置換ベンゼンのアルキル化は、最初の求電子ハロゲン化(図示なし)、その後、アルキル−金属カップリングパートナー(この場合、金属=ZnCl、ボランまたはジルコノンセン)へのパラジウム媒介カップリングによって、達成することができる。あるいは、最初に形成されたハロゲン化物(臭化物またはヨウ化物)を金属化(例えば、リチウム化)し、ハロゲン化アルキルと反応させることができる。
【0136】
さらなるプロセスでは、RがOR(Rは、アルキルであり得る)であり、およびRが−C(O)CH(O)OEtまたは−C(O)CHである比較化合物を、下記のスキームによって調製することができる:
【0137】
【化7】

【0138】
上のスキームに示したように、一般式FおよびGの化合物は、標準的な官能基相互転換および当技術分野において公知の変換、例えば、フリーデル・クラフツアシル化、メチルエーテル開裂、およびクロメノン(chomenone)環を形成するためのo−アセチルフェノールとエステルの縮合によって、1,3,5−トリメトキシベンゼンから調製することができる。そのフェノールのアルキル化によって基Rを導入し、そのクロメノンを加水分化してo−アセチルフェノールを形成し、それをアルキル化して−L'−Rを導入することができる。その後、そのアシル単位をジアルキルカルボキシレートおよび塩基と反応させて、カルボアルコキシ基を導入することができる。−L'−Rおよびカルボアルコキシ基の導入の順序を逆にすることもできる(図示なし)。
【0139】
【化8】

【0140】
上のスキームにおいて、一般式HおよびIのコンパレーター化合物は、標準的な官能基相互転換および、FおよびGの調製の際に用いられた当技術分野において公知の変換によって、2,6−ジヒドロキシアセトフェノンから調製することができる。
【0141】
【化9】

【0142】
一般式Lを有する本発明の化合物は、一般式J(上記参照)の化合物から、K(Tf=トリフルオロメタンスルホネート)を得るためのトリフラート化、および有機金属、チオール、アミンまたはスルフィドを用いたトリフラートの求核またはパラジウム媒介置換によって調製することができる。同様の化学を用いて、Y−L−R(Y=S、NR''、−NR'''C(O)−、−CH−)基を、RまたはRによって示されている位置に導入することができる。
【0143】
別の可変項を付加させ、その生成物の置換基を除去または変性して新たな誘導体を形成する。これもまた、Comprehensive organic transformations:a guide to functional group preparations by Larock R C,New York,VCH Publishers,Inc.1989に記載されているような当業界において周知の官能基相互転換の標準的な技術を用いることによってなし得ることができる。
【0144】
可能な官能基相互変換の例は、CHOH中のNaCNおよびHNRR'のような触媒金属シアン化物の存在下または非存在下で加熱することによる−COCHから−C(O)NRR'への変換;−OHと例えばピリジン中のClC(O)R'とから−OC(O)Rへの変換;−NHRとアルキルイソチオシアネートまたは−NHRとチオシアン酸から−NR−C(S)NR'R''への変換;−NHRとクロロギ酸アルキルとから−NRC(O)ORへの変換;例えば、NH=C=OまたはRN=C=Oのイソシアネートとの処理による−NHRから−NRC(O)NR'R''への変換;ピリジン中のClC(O)R'との処理による−NHRから−NRC(O)R'への変換;アルコール中の加熱による−C(NR'R'')SR'''とHNROAcとから−C(=NR)NR'R''への変換;例えばアセトンといった不活性溶媒中で−C(S)NR'R''とR−Iとから−C(NR'R'')SRへの変換;−C(S)NHとHNR'R''とから−C(S)NR'R''(R'またはR''は、水素でない)への変換;無水アルコール中での加熱による−C(=NR'R'')−SRとNHCNから−C(=NCN)−NR'R'への変換、あるいはEtOH中のBrCNおよびNaOEtでの処理により−C(=NH)−NR'R''から−C(=NCN)−NR'R''への変換;(RS)C=NCNでの処理により−NHR'から−NR−C(=NCN)SRへの変換;ピリジン中での加熱によりClSORで処理することによる−NHR'から−NR''SORへの変換;ローソン試薬[2,4−ビス(4−メトキシフェニル)−1,3,2,4−ジチアジホスフェタン−2,4−ジスルフィド]での処理による−NR'C(O)Rから−NR'C(S)Rへの変換;−NHRと無水トリフル酸および塩基とから−NRSOCFへの変換;−CH(NH)C(O)OR'とNa(Hg)およびHCl/EtOHから−CH(NH)CHOへの変換;SOCl、その後、CH、その後、HO/AgOでの処理による−C(O)OHから−CHC(O)OHへの変換;PhMgX/HX、その後、無水酢酸、その後、CrOでの処理による−CHC(O)OCHから−C(O)OHへの変換;R''COHによるRC(O)R'からR−OC(O)R'への変換;−C(O)OR'とNa/R'OHとから−CCHOHへの変換;ツガエフ反応による−CHCHOHから−CHCHへの変換;クルチウス反応による−C(O)OHから−NHへの変換;TsCl/塩基、その後、HOを用いた−C(O)NHOHから−NHへの変換;デス・マーチンペルヨージナン試薬またはCrO/HSO水溶液/アセトンを使用することによる−CHCHOHCHRから−CHC(O)CHRへの変換;−CCHとCrOClから−CCHOへの変換;−CNとSnCl/HClから−CHOへの変換;−C(O)NHRとPClから−CNへの変換;−C(O)RとN/KOHから−CHRへの変換;−SRとmCPBAから−S(O)Rへの変換がある。
【0145】
本発明をより容易に理解することができるように、本発明者らは以下の非限定的実施例を提供する。
【0146】
実施例−一般手順
合成実験
一般手順
[一般手順A:1,3−ジメトキシフェノールのアルキル化]
NaH(油中の60%分散物、1.2当量)を乾燥DMFの3,5−ジメトキシ−4−ヒドロキシトルエン(1.0当量)の攪拌溶液(1.0M)に室温で添加した。その反応混合物を0.25時間攪拌した後、乾燥DMF中のブロモアルカン(1.03当量)の溶液(5.0M)を添加し、その後、室温で一晩攪拌した。その混合物をNHCl(水溶液)(飽和)で反応停止させ、EtOAcで抽出し、水で洗浄した。有機層を分離し、MgSOで乾燥させ、真空下で濃縮した。その粗生成物をフラッシュクロマトグラフィーによって精製した。
【0147】
[一般手順B:塩化アセチルでのフリーデル・クラフツ反応]
置換ベンゼン(1.0当量)と塩化アセチル(1.1当量)の混合物をN下、室温で0.25時間攪拌し、その後、TiCl(1.1当量)を摘下して添加した。その暗褐色混合物を室温で0.5時間攪拌し、その後、飽和NHCl水溶液で反応停止させ、EtOAcで抽出し、水で洗浄した。有機層を分離し、MgSOで乾燥させ、真空下で濃縮した。その粗生成物をフラッシュクロマトグラフィーによって精製してケトンを得た。
【0148】
[一般手順C:メチルエーテルの選択的脱メチル化]
BClのDCM溶液(1.0M、1.1当量)をメチルエーテル(1.0当量)の乾燥DCMの攪拌溶液(0.25M)にN下、0℃で添加した。その混合物を1〜2時間攪拌し、飽和NHCl水溶液で反応停止させ、EtOAcで抽出し、水で洗浄した。有機層を分離し、MgSOで乾燥させ、真空下で濃縮した。その粗生成物をフラッシュクロマトグラフィーによって精製してフェノールを得た。
【0149】
[一般手順D:N−クロロスクシンイミドでのベンゼン環の塩素化]
置換ベンゼン(1.0当量)の乾燥DMF攪拌溶液(0.10M)に、N−クロロスクシンイミド(1.0当量)を添加し、その反応混合物を6時間、室温で攪拌した。溶媒を蒸留し、粗生成物をEtOAcに溶解し、水で洗浄した。有機層を分離し、MgSOで乾燥させ、真空下で濃縮し、フラッシュクロマトグラフィーによって精製して生成物を得た。
【0150】
[一般手順E:臭素化段階を経由するベンゼン環のメチル化]
ステップi.
アレーン(1.0当量)の乾燥DMF溶液(アレーンにより0.3M)にN−ブロモスクシンイミド(1.1当量)を0℃で添加し、その反応物を放置して室温に温め、3時間攪拌した。この時間の後、10%Na水溶液で反応を停止させ、EtOで希釈した。有機相を水で2回、飽和食塩水(brine)で1回洗浄し、MgSOで乾燥させ、真空下で濃縮してブロミド中間体を得た。
【0151】
ステップii.
t−ブチルリチウム(ペンタン中1.7M、2.1当量)を前記ブロミド中間体(1.0当量)の乾燥THF溶液(0.25M)に、シリンジによって−78℃で摘下して添加し、その反応物を2分間攪拌し、その後、ヨウ化メチル(2.0当量)で処理し、放置してゆっくりと室温に温めた。10%クエン酸(水溶液)で反応を停止させ、EtOで抽出した。有機相を水で洗浄し、その後、飽和食塩水(brine)で洗浄し、MgSOで乾燥させ、真空下で濃縮した。その粗製残留物をフラッシュクロマトグラフィーによって精製した。
【0152】
[一般手順F:フェノールのアルキル化]
フェノール(1.0当量)、CsCOまたはKCO(1.5当量)およびハロゲン化アルキルまたはベンジル(一般に1.2当量)の無水DMF懸濁液(0.2M)を、N下、60℃で攪拌し(1−5時間)、完了をTLCによって判定した。その後、その反応混合物をEtOAcで希釈し、クエン酸水溶液(10%)またはHCl水溶液(2M)のいずれかで2回洗浄し、その後、飽和食塩水(brine)で洗浄し、MgSOで乾燥させ、真空下で濃縮した。その粗生成物をフラッシュクロマトグラフィーによって精製した。
【0153】
[一般手順G:アミンおよびN−複素環のアルキル化]
ブロミド(1.0当量)の無水DMF溶液(0.2−0.5M)に、アミンまたはN−複素環(3−4当量)を添加し、TLCにより反応が完了するまで(〜5時間)、80−90℃、N雰囲気下でその反応物を攪拌した。飽和NHCl水溶液で反応を停止させ、EtOAcで抽出した。有機相を水で洗浄し、その後、飽和食塩水(brine)で洗浄し、MgSOで乾燥させ、真空下で濃縮した。その粗製残留物をフラッシュクロマトグラフィーによって精製した。
【0154】
[一般手順H:3,5−ジメトキシトルエンのアルキル化]
n−ブチルリチウムのヘキサン溶液(1.7M、1.2当量)を3,5−ジメトキシトルエン(1.0当量)のTHF溶液(1M)に0℃で0.25時間かけて添加した。その反応混合物を0℃で1時間攪拌し、その後、室温で3時間攪拌した。その反応物を0℃に冷却し、臭化アルキル(1.2当量)のトルエン溶液(2M)を0.1時間かけて添加した。その反応混合物を放置して室温に温め、3−4時間、80℃に加熱した。水中でゆっくりと反応を停止させ、EtOAcと水とで分配した。相を分離し、水性相をEtOAcで2回抽出した。プールした有機分を飽和食塩水(brine)で洗浄し、NaSOで乾燥させ、真空下で濃縮した。その残留物をフラッシュクロマトグラフィーによって精製した。
【0155】
[一般手順I:フェノールのアルキル化]
フェノール(1.0当量)、KCO(2.0当量)およびNaI(0.30当量)(100℃で5時間、真空下で予備乾燥させたもの)の乾燥DMFまたはDMSOの攪拌懸濁液(0.1Mのフェノール)に、塩化アルキル(2.0当量)を添加し、60℃でTLCにより反応が完了するまで(〜16時間)加熱した。その後、反応物を冷却し、EtOAcで希釈し、水で3回洗浄した。有機相をMgSOで乾燥させ、真空下で濃縮し、その粗製残留物をフラッシュクロマトグラフィーによって精製した。
【0156】
[一般手順J:N−複素環のアルキル化]
ブロミド(1.0当量)の無水DMF溶液(0.2−0.5M)に、ジイソプロピルエチルアミン(3.5当量)およびN−複素環塩酸塩(2.5当量)を添加し、50−60℃、N雰囲気下でTLCにより反応が完了するまで(〜16時間)攪拌した。飽和NHCl水溶液で反応を停止させ、EtOAcで抽出した。有機層を水で洗浄し、その後、飽和食塩水(brine)で洗浄し、MgSOで乾燥させ、真空下で濃縮した。その粗製残留物をフラッシュクロマトグラフィーによって精製した。
【0157】
[一般手順K:N−複素環のアルキル化]
N−複素環塩酸塩(2.5当量)の無水DMF溶液(1M)に、NaH(油中の60%分散物、3.0当量)を添加し、その反応物を室温で2−3時間攪拌した。これにブロミド(1.0当量)の無水DMF溶液(0.2−0.5M)を添加し、50−60℃、N雰囲気下で、TLCにより反応が完了するまで(〜16時間)攪拌した。飽和NHCl水溶液で反応を停止させ、EtOAcで抽出した。有機相を水で洗浄し、その後、飽和食塩水(brine)で洗浄し、MgSOで乾燥させ、真空下で濃縮した。その粗製残留物をフラッシュクロマトグラフィーによって精製した。
【0158】
[一般手順L:アミンおよびN−複素環のアルキル化]
ブロミド(1.0当量)の無水DMF溶液(0.2−0.5M)にCsCOまたはKCO(2−2.5当量)およびアミン(1.5−2.5当量)を添加し、50−60℃、N雰囲気下でTLCにより反応が完了するまで(〜16時間)攪拌した。飽和NHCl水溶液で反応を停止させ、EtOAcで抽出した。有機相を水で洗浄し、その後、飽和食塩水(brine)で洗浄し、MgSOで乾燥させ、真空下で濃縮した。その粗製残留物をフラッシュクロマトグラフィーによって精製した。
【0159】
【化10】

【0160】
実施例1
【0161】
1a)2−(3−(4−フルオロフェニル)プロポキシ)−1,3−ジメトキシ−5−メチルベンゼン
一般手順Aで説明したように3,5−ジメトキシ−4−ヒドロキシ−トルエン(1.0g、5.95mmol)と1−(3−ブロモプロピル)−4−フルオロベンゼン(1.5g、6.15mmol)を反応させ、その粗生成物をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、ヘキサン/EtO 19:1)によって精製して、無色の油として表題化合物を得た(1.64g、91%)。H NMR(300 MHz,CDCl)、δ7.31−7.19(m,6H)、4.06(t,J=6.4Hz,2H)、3.95(s,3H)、3.90(s,3H)、2.81(t,J=7.7Hz,2H)、2.46(s,3H)、2.10−2.05(m,2H)。
【0162】
【化11】

【0163】
1b)1−(3−(3−(4−フルオロフェニル)プロポキシ)−2,4−ジメトキシ−6−メチル−メチルフェニル)エタノン
一般手順Bで説明したように実施例1a(380mg、1.25mmol)を反応させ、その粗生成物をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、ヘキサン/EtO、1:4までの勾配)によって精製して、淡いクリーム色の油として表題化合物を得た(409mg、95%)。H NMR(300MHz,CDCl)δ7.19−7.14(m,2H)、6.98−6.92(m,2H)、6.47(s,1H)、3.97(t,J=6.3Hz,2H)、3.87(s,3H)、3.82(s,3H)、2.80(t,J=7.4Hz,2H)、2.47(s,3H)、2.21(s,3H)、2.06−1.97(m,2H)。
【0164】
【化12】

【0165】
1c)1−(3−(3−(4−フルオロフェニル)プロポキシ)−2−ヒドロキシ−4−メトキシ−6−メチルフェニル)エタノン
一般手順Cで説明したように実施例1b(300mg、0.87mmol)を反応させ、その粗生成物をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、ヘキサン/EtO、1:4までの勾配)によって精製して、淡いクリーム色の油として表題化合物を得た(281mg、98%)。H NMR(300MHz,CDCl)δ7.19−7.14(m,2H)、6.98−6.91(m,2H)、6.28(s,1H)、3.99(t,J=6.4Hz,2H)、3.86(s,3H)、2.80(t,J=7.5Hz,2H)、2.60(s,3H)、2.52(s,3H)、2.10−1.97(m,2H)。
【0166】
【化13】

【0167】
1d)1−(3−クロロ−5−(3−(4−フルオロフェニル)プロポキシ)6−ヒドロキシ−4−メトキシ−2−メチルフェニル)エタノン
一般手順Dで説明したように実施例1c(110mg、0.33mmol)を反応させ、その粗生成物をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、ヘキサン/EtO、1:4までの勾配)によって精製して、淡いクリーム色の油として表題化合物を得た(121mg、99.5%)。H NMR(300MHz,CDCl)δ8.71(s,1H)、7.18−7.13(m,2H)、6.98−6.93(m,2H)、4.07(t,J=6.5Hz,2H)、3.88(s,3H)、2.77(t,J=7.3Hz,2H)、2.56(s,3H)、2.38(s,3H)、2.09−1.20(m,2H)。
【0168】
【化14】

【0169】
1e)1−(2−(2−ブロモエトキシ)−5−クロロ−3−(3−(4−フルオロフェニル)プロポキシ)−4−メトキシ−6−メチルフェニル)エタノン
一般手順Fで説明したように実施例1d(110mg、0.30mmol)を1,2−ジブロモエタン(3.0当量)と反応させて、淡いクリーム色の油として表題化合物を得た(86mg、64%)。H NMR(300MHz,CDCl)δ7.19−7.14(m,2H)、6.99−6.93(m,2H)、4.28(t,J=6.2Hz,2H)、4.06(t,J=6.4Hz,2H)、3.64(s,3H)、3.50(t,J=6.2Hz,2H)、2.78(t,J=7.4Hz,2H)、2.49(s,3H)、2.19(s,3H)、2.05−2.02(m,2H)。
【0170】
【化15】

【0171】
1f)1−(3−クロロ−5−(3−(4−フルオロフェニル)プロポキシ)−4−メトキシ−2−メチル−6−(2−モルホリノエトキシ)フェニル)エタノン
一般手順Gで説明したように実施例1e(83mg、0.18mmol)をモルホリン(3mL)と反応させ、その粗製混合物をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、DCM/EtOAc/MeOH 1:0:0、9:8:2)によって精製して、淡いクリーム色の油として表題化合物を得た(23mg、26%)。H NMR(300MHz,CDCl)δ7.20−7.13(m,2H)、6.99−6.93(m,2H)、4.10−4.03(m,4H)、3.86(s,3H)、3.68(t,J=4.4Hz,4H)、2.78(t,J=7.6Hz,2H)、2.62(t,J=5.5Hz,2H)、2.51(s,3H)、2.46(t,J=4.45Hz,4H)、2.18(s,3H)、2.07−1.98(m,2H)。MS(ES)m/z 479.9(M+H)。
【0172】
実施例2
【0173】
【化16】

【0174】
1−(3−クロロ−6−(シクロペンチルアミノ)エトキシ)−5−(3−(4−フルオロフェニル)プロポキシ−4−メトキシ−2−メチルフェニル)エタノン
一般手順Gで説明したように実施例1e(180mg、0.40mmol)をシクロペンチルアミン(4mL)と反応させ、その粗製混合物をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、DCM/EtOAc/MeOH 1:0:0、9:8:2)によって精製して、淡いクリーム色の油として表題化合物を得た(32mg、17%)。H NMR(300MHz,CDCl)δ7.17−7.13(m,2H)、6.98−6.92(m,2H)、4.13(t,J=5.2Hz,2H)、4.03(t,J=6.4Hz,2H)、3.86(s,3H)、3.09−3.05(m,1H)、2.84(t,J=5.2Hz,4H)、2.77(t,J=7.4Hz,2H)、2.48(s,3H)、2.18(s,3H)、2.03−1.97(m,2H)、1.85−1.75(m,4H)、1.37−1.23(m,2H)。MS(ES)m/z 477.9(M+H)。
【0175】
実施例3
【0176】
【化17】

【0177】
3a)4−[3−(4−フルオロ−フェニル)−プロポキシ]−3,5−ジメトキシ−1,2−ジメチル−ベンゼン
一般手順Eステップi)で説明したように実施例1a(1.0g、3.14mmol)を反応させてブロミド中間体を得た(1.16g、93%)。一般手順E段階ii)のもとで説明したようにこの材料の一部(500mg、1.3mmol)を反応させ、その粗製残留物をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、ヘキサン/EtO 19:1)によって精製して、透明な油として生成物を得た(310mg、75%)。H NMR(300MHz,CDCl)δ7.20−7.15(m,2H)、6.97(m,2H)、6.49(s,1H)、3.97(t,J=6.3Hz,2H)、3.81(s,3H)、3.79(s,3H)、2.81(t,J=7.5Hz,2H)、2.21(s,3H)、2.10(s,3H)、2.06−1.96(m,2H)。
【化18】

【0178】
3b)1−{3−[3−(4−フルオロ−フェニル)−プロポキシ]−2,4−ジメトキシ−5,6−ジメチル−フェニル}−エタノン
一般手順Bのもとで説明したように実施例3a(180mg、0.57mmol)を反応させ、その粗生成物をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、ヘキサン/EtOAc、9:1)によって精製して、透明な油として表題化合物を得た(55mg、27%)。H NMR(300MHz,CDCl)δ7.19−7.15(m,2H)、6.98−6.92(m,2H)、4.01(t,J=6.3Hz,2H)、3.82(s,3H)、3.80(s,3H)、2.80(t,J=7.4Hz,2H)、2.46(s,3H)、2.11(s,3H)、2.05(s,3H)、2.06−1.98(m,2H)。
【0179】
【化19】

【0180】
3c)1−[3−[3−(4−フルオロ−フェニル)−プロポキシ]−4−メトキシ−5,6−ジメチル−2−(2−モルホリン−4−イル−エトキシ)−フェニル]−エタノン
一般手順Cに従って、実施例3b(50mg、0.139mmol)をBCl(1.1当量)と反応させた。その後、このようにして得られた材料を、一般手順Fに従って1,2−ジブロモエタン(3.0当量)と反応させ、その生成物ブロミドを、一般手順Gに従ってモルホリンと反応させて、透明な油として生成物を得た(21mg、3段階で33%)。H NMR(300MHz,CDCl)δ7.19−7.14(m,2H)、6.98−6.93(m,2H)、4.09−4.00(m,4H)、3.77(s,3H)、3.71−3.68(m,4H)、2.79(t,J=7.4Hz,2H)、2.62(t,J=5.7Hz,2H)、2.50(s,3H)、2.49−2.46(m,4H)、2.11(s,3H)、2.05(s,3H)、2.05−1.97(m,2H)。
【0181】
実施例4
【0182】
【化20】

【0183】
4a)1−(3−ブロモ−1−メチル−プロピル)−4−フルオロ−ベンゼン
THF(10mL)中の3−(4−フルオロフェニル)ブタノエート(2.85g、13.6mmol)の溶液を、0℃でTHF(60mL)中の水素化アルミニウムリチウム(0.77g、1.5mmol)の溶液に添加した。その反応物を室温で一晩攪拌し、その後、0℃に冷却し、NHCl(水溶液)(飽和、50mL)で反応を停止させ、EtOAc(3×100mL)で抽出した。プールした有機分を飽和食塩水(brine)(100mL)で洗浄し、NaSOで乾燥させ、真空下で濃縮してアルコールを得、それを次の段階で直接使用した。0℃でDCM(80mL)中のトリフェニルホスフィン(52.4g、20.0mmol)の溶液に、オレンジ色が持続するまで、1滴ずつ臭素(1.03mL、20.0mmol)を添加した。その反応混合物を室温で1.5時間攪拌し、その後、DCM(20mL)中のアルコール(2.37g、14.1mmol)の溶液を添加し、その反応混合物を一晩攪拌した。反応混合物を真空下で濃縮し、得られた残留物を石油エーテル(100mL)中で0.1時間、超音波処理した。その懸濁液を濾過し、白色の固体を石油スピリットで洗浄した。洗液を真空下で濃縮して、無色の油として表題化合物を得た(2.56g、2段階で81%)。H NMR(300MHz,CDCl)δ7.18−7.14(m,2H)、7.02−6.96(m,2H)、3.35−3.28(m,1H)、3.20−3.11(m,1H)、3.02−2.90(m,1H)、2.11−2.04(m,2H)、1.26(d,J=6.9Hz,3H)。
【0184】
【化21】

【0185】
4b)2−[3−(4−フルオロフェニル)ブトキシ]−1,3−ジメトキシ−5−メチルベンゼン
一般手順Aで説明したように実施例4a(2.54g、11mmol)と3.5−ジメトキシ−4−ヒドロキシ−トルエン(1.68g、10mmol)を反応させ、その粗生成物をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、ヘキサン/EtOAc 19:1)によって精製して、透明な油として生成物を得た(2.6g、82%)。H NMR(300MHz,CDCl)δ7.20−7.15(m,2H)、6.97−6.91(m,2H)、6.35(s,2H)、3.85−3.37(m,8H)、3.10−3.02(m,1H)、3.28(s,3H)、2.04−1.89(m,2H)、1.26(d,J=6.9Hz,3H)。
【0186】
【化22】

【0187】
4c)4−[3−(4−フルオロ−フェニル)ブトキシ]−3,5−ジメトキシ−1,2−ジメチルベンゼン
一般手順Eステップi)で説明したように実施例4b(640mg、2.01mmol)を反応させて、ブロミド中間体を得た(750mg、94%)。1.1当量のn−ブチルリチウム(シクロヘキサン中の2M溶液)を2.1当量のt−ブチルリチウムの代わりに使用したことを除き、一般手順E段階ii)のもとで説明したようにこの材料を反応させて、表題化合物を得た(600mg、97%)。H NMR(300MHz,CDCl)δ7.20−7.15(m,2H)、6.98−6.92(m,2H)、6.46(s,1H)、3.92−3.81(m,2H)、3.78(s,3H)、3.77(s,3H)、3.09−3.02(m,1H)、2.19(s,3H)、2.08(s,3H)、2.01−1.94(m,2H)、1.27(d,J=7.0Hz,3H)。
【0188】
【化23】

【0189】
4d)1−{3−[3−(4−フルオロ−フェニル)−ブトキシ]−2,4−ジメトキシ−5,6−ジメチル−フェニル}−エタノン
一般手順Bで説明したように実施例4c(595mg、1.79mmol)を反応させ、その粗生成物をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、ヘキサン/EtOAc 19:1、9:1、4:1)によって精製して、最初に出発原料回収量(145mg、24%)、その後、透明な油として生成物回収量(240mg、36%)を得た。H NMR(300MHz,CDCl)δ7.19−7.15(m,2H)、6.99−6.93(m,2H)、3.91−3.85(m,2H)、3.78(s,3H)、3.76(s,3H)、3.06−2.99(m,1H)、2.45(s,3H)、2.09(s,3H)、2.04(s,3H)、2.04−1.96(m,2H)、1.28(d,J=7.0Hz,3H)。MS(ES)m/z 375.0(M+H)。
【0190】
【化24】

【0191】
4e)1−{3−[3−(4−フルオロ−フェニル)−ブトキシ]−2−ヒドロキシ−4−メトキシ−5,6−ジメチル−フェニル}−エタノン
一般手順Cで説明したように実施例4d(240mg、0.64mmol)を反応させ、その粗製残留物を、ヘキサン/EtOAc(9:1)で溶離しながらショート・シリカゲル・プラグに通して素早く濾過して、生成物を得た(220mg、95%)。H NMR(300MHz,CDCl)δ8.44(s,1H)、7.18−7.14(m,2H)、7.00−6.93(m,2H)、3.91(t,J=6.6Hz,2H)、3.77(s,3H)、3.02−2.94(m,1H)、2.54(s,3H)、2.21(s,3H)、2.07(s,3H)、2.04−1.98(m,2H)、1.28(d,J=7.0Hz,3H)。MS(ES)m/z 361.0(M+H)。
【0192】
【化25】

【0193】
4f)1−[3−[3−(4−フルオロ−フェニル)−ブトキシ]−4−メトキシ−5,6−ジメチル−2−(2−ピリジン−2−イル−エトキシ)−フェニル]−エタノン
一般手順Fで説明したように実施例4e(100mg、0.28mmol)をメタンスルホン酸2−ピリジン−2−イルエチル(1.6当量)と反応させて、表題化合物を得た(56mg、43%)。H NMR(300MHz,CDCl)δ8.51(d,J=4.2Hz,1H)、7.57(dt,J=7.7,1.8Hz,1H)、7.19−7.09(m,4H)、6.96−6.91(m,2H)、4.34(t,J=6.6Hz,2H)、3.83(t,J=6.6Hz,2H)、3.73(s,3H)、3.11(6.6Hz,2H)、2.99−2.92(m,1H)、2.26(s,3H)、2.07(s,3H)、2.00(s,3H)、1.95−1.88(m,2H)、1.25(d,J=7.0Hz,3H)。
【0194】
実施例5
【0195】
【化26】

【0196】
1−[3−[3−(4−フルオロ−フェニル)−ブトキシ]−4−メトキシ−5,6−ジメチル−2−(2−モルホリン−4−イル−エトキシ)−フェニル]−エタノン
実施例1dからの1fの形成について説明したのと同じ手法で、実施例4e(100mg、0.21mmol)を2段階で反応させた。2段階での収率66%(70mg)で表題化合物を得た。H NMR(300MHz,CDCl)δ7.18−7.14(m,2H)、6.99−6.92(m,2H)、4.03(t,J=5.6Hz,2H)、3.91(t,J=6.7Hz,2H)、3.73(s,3H)、3.70−3.67(m,4H)、3.03−2.96(m,1H)、2.59(t,J=5.7Hz,2H)、2.48(s,3H)、2.48−2.45(m,4H)、2.09(s,3H)、2.03(s,3H)、2.03−1.95(m,2H)、1.28(d,J=7.0Hz,3H)。MS(ES)m/z 474.0(M+H)。
【0197】
実施例6
【0198】
【化27】

【0199】
1−{2−(2−シクロペンチルアミノ−エトキシ)−3−[3−(4−フルオロ−フェニル)−ブトキシ]−4−メトキシ−5,6−ジメチル−フェニル}−エタノン
実施例1dから2の形成について説明したのと同じ手法で実施例4e(160mg、0.34mmol)を2段階で反応させた。2段階での収率77%(130mg)で表題化合物を得た。H NMR(300MHz,CDCl)δ7.18−7.13(m,2H)、6.98−6.92(m,2H)、4.05(t,J=5.1Hz,2H)、3.90(t,J=6.7Hz,2H)、3.73(s,3H)、3.11−2.93(m,2H)、2.80(t,J=5.1Hz,2H)、2.46(s,3H)、2.09(s,3H)、2.01(s,3H)、2.01−1.96(m,2H)、1.84−1.77(m,2H)、1.68−1.50(m,4H)、1.36−1.24(m,5H)。MS(ES)m/z 472.0(M+H)。
【0200】
実施例7
【0201】
【化28】

【0202】
7a)1−{3−[3−(4−フルオロ−フェニル)−ブトキシ]−2,4−ジメトキシ−6−メチル−フェニル}−エタノン
一般手順Bで説明したように実施例4b(2.6g、8.2mmol)を反応させて、クリーム状の油として表題化合物を得た(2.5g、86%)。H NMR(300MHz,CDCl)δ7.19−7.15(m,2H)、6.98−6.93(m,2H)、6.44(s,1H)、3.91−3.75(m,8H)、3.10−2.99(m,1H)、3.45(s,3H)、2.19(s,3H)、2.04−1.91(m,2H)、1.27(d,J=6.9Hz,3H)。
【0203】
【化29】

【0204】
7b)1−{3−[3−(4−フルオロ−フェニル)−ブトキシ]−2−ヒドロキシ−4−メトキシ−6−メチル−フェニル}−エタノン
一般手順Cで説明したように実施例7a(400mg、1.11mmol)を反応させて、油として表題化合物を得た(350mg、91%)。H NMR(300MHz,CDCl)δ11.71(s,1H)、7.20−7.15(m,2H)、6.99−6.92(m,2H)、6.26(s,1H)、3.91−3.80(m,2H)、3.83(s,3H)、3.09−3.01(m,1H)、2.59(s,3H)、2.49(s,3H)、2.06−1.91(m,2H)、1.27(d,J=7.0Hz,3H)。
【0205】
【化30】

【0206】
7c)1−{3−クロロ−5−[3−(4−フルオロ−フェニル)−ブトキシ]−6−ヒドロキシ−4−メトキシ−2−メチル−フェニル}−エタノン
一般手順Dで説明したように実施例7b(350mg、1.0mmol)を反応させて、透明な油として表題化合物を得た(320mg、83%)。H NMR(300MHz,CDCl)δ8.46(s,1H)、7.18−7.13(m,2H)、7.00−6.94(m,2H)、3.95(t,J=6.6Hz,2H)、3.86(s,3H)、3.00−2.93(m,1H)、2.55(s,3H)、2.36(s,3H)、2.06−1.94(m,2H)、1.28(d,J=7.0Hz,3H)。MS(ES)m/z 380.9(M+H)。
【0207】
【化31】

【0208】
7d)1−[3−クロロ−5−[3−(4−フルオロ−フェニル)−ブトキシ]−4−メトキシ−2−メチル−6−(2−ピリジン−2−イル−エトキシ)−フェニル]−エタノン
一般手順Fで説明したように実施例7c(500mg、1.31mmol)をメタンスルホン酸2−ピリジン−2−イルエチル(2.0当量)と反応させて、油として表題化合物を得た(410mg、89%)。H NMR(300MHz,CDCl)δ8.52(d,J=4.1Hz,1H)、7.58(dt,J=7.7,1.8Hz,1H)、7.17−7.10(m,4H)、6.97−6.90(m,2H)、4.37(t,J=6.6Hz,2H)、3.85(t,J=6.6Hz,2H)、3.81(s,3H)、3.10(t,J=6.5Hz,2H)、2.98−2.91(m,1H)、2.26(s,3H)、2.14(s,3H)、1.96−1.88(m,2H)、1.25(d,J=7.0Hz,3H)。MS(ES)m/z 485.9(M+H)。
【0209】
実施例8
【0210】
【化32】

【0211】
8a)1−{2−(2−ブロモ−エトキシ)−5−クロロ−3−[3−(4−フルオロ−フェニル)−ブトキシ]−4−メトキシ−6−メチル−フェニル}−エタノン
一般手順Fで説明したように実施例7c(511mg、1.34mmol)を1,2−ジブロモエタン(20.0当量)と反応させて、淡褐色の油として表題化合物を得た(641mg、定量収率)。H NMR(300MHz,CDCl)δ7.20−7.15(m,2H)、7.01−6.96(m,2H)、4.26(t,J=6.2Hz,2H)、3.96(t,J=6.6Hz,2H)、3.84(s,3H)、3.49(t,J=6.2Hz,2H)、2.99(m,1H)、2.50(s,3H)、2.19(s,3H)、2.07−2.01(m,2H)、1.30(d,J=6.9Hz,3H)。MS(ES)m/z 487.3(M+H)。
【0212】
【化33】

【0213】
8b)1−[3−クロロ−5−[3−(4−フルオロ−フェニル)−ブトキシ]−4−メトキシ−2−メチル−6−(2−モルホリン−4−イル−エトキシ)−フェニル]−エタノン
一般手順Gで説明したように実施例8a(100mg、0.21mmol)をモルホリン(6.0当量)と反応させた。表題化合物を油として得た(72mg、71%)。H NMR(300MHz,CDCl)δ7.18−7.13(m,2H)、6.99−6.89(m,2H)、4.05(t,J=5.7Hz,2H)、3.94(t,J=6.7Hz,2H)、3.82(s,3H)、3.70−3.67(m,4H)、3.02−2.95(m,1H)、2.59(t,J=5.7Hz,2H)、2.49(s,3H)、2.47−2.44(m,4H)、2.17(s,3H)、2.03−1.96(m,2H)、1.28(d,J=7.0Hz,3H)。MS(ES)m/z 493.9(M+H)。
【0214】
実施例9
【0215】
【化34】

【0216】
1−[3−クロロ−6−(2−シクロペンチルアミノ−エトキシ)−5−[3−(4−フルオロ−フェニル)−ブトキシ]−4−メトキシ−2−メチル−フェニル]−エタノン
一般手順Gで説明したように実施例8a(100mg、0.21mmol)をシクロペンチルアミン(6.0当量)と反応させた。表題化合物を油として得た(65mg、65%)。H NMR(300MHz,CDCl)δ7.17−7.13(m,2H)、6.99−6.93(m,2H)、4.07(t,J=5.2Hz,2H)、3.92(t,J=6.7Hz,2H)、3.81(s,3H)、3.06(五重線,J=6.6Hz,1H)、3.01−2.93(m,1H)、2.81(t,J=5.2Hz,2H)、2.46(s,3H)、2.16(s,3H)、2.03−1.96(m,2H)、1.84−1.76(m,2H)、1.68−1.49(m,4H)、1.33−1.23(m,2H)、1.27(d,J=7.0Hz,3H)。
【0217】
実施例10
【0218】
【化35】

【0219】
1−[3−クロロ−5−[3−(4−フルオロ−フェニル)−ブトキシ]−4−メトキシ−2−メチル−6−(2−ピペリジン−1−イル−エトキシ)−フェニル]−エタノン
一般手順Gで説明したように実施例8a(90mg、0.19mmol)をピペリジン(8.0当量)と反応させ、その粗製混合物をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、DCM/MeOH 100:0、49:1)によって精製して、薄黄色の油として表題化合物を得た(40mg、43%)。H NMR(300MHz,CDCl)δ7.20−7.15(m,2H)、7.01−6.95(m,2H)、4.07(t,J=6.0Hz,2H)、3.95(t,J=6.8Hz,2H)、3.83(s,3H)、3.00(m,1H)、2.59(t,J=6.0Hz,3H)、2.50(s,3H)、2.45−2.35(m,4H)、2.18(s,3H)、2.05−1.98(m,2H)、1.61−1.54(m,4H)、1.46−1.42(m,2H)、1.24(d,J=6.9Hz,3H)。MS(ES)m/z 492.3(M+H)。
【0220】
実施例11
【0221】
【化36】

【0222】
1−{3−クロロ−5−[3−(4−フルオロ−フェニル)−ブトキシ]−6−[2−(4−フルオロ−ピペリジン−1−イル)−エトキシ]−4−メトキシ−2−メチル−フェニル}−エタノン
一般手順Jで説明したように実施例8a(89mg、0.18mmol)を塩酸4−フルオロピペリジン(4.0当量)と反応させ、その粗製混合物をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、EtO/ヘキサン 3:2)によって精製して、薄黄色の油として表題化合物を得た(38mg、41%)。H NMR(300MHz,CDCl)δ7.20−7.15(m,2H)、7.01−6.95(m,2H)、4.66(m,1H)、4.05(t,J=5.9Hz,2H)、3.95(t,J=6.6Hz,2H)、3.83(s,3H)、3.00(m,1H)、2.64−2.59(m,4H)、2.50(s,3H)、2.44−2.36(m,2H)、2.18(s,3H)、2.05−1.97(m,2H)、1.94−1.81(m,4H)、1.30(d,J=6.9Hz,3H)。MS(ES)m/z 510.2(M+H)。
【0223】
実施例12
【0224】
【化37】

【0225】
1−{3−クロロ−5−[3−(4−フルオロ−フェニル)−ブトキシ]−6−[2−(R−3−フルオロ−ピロリジン−1−イル)−エトキシ]−4−メトキシ−2−メチル−フェニル}−エタノン
一般手順Jで説明したように実施例8a(93mg、0.19mmol)を塩酸(R)−3−フルオロピロリジン(2.4当量)と反応させ、その粗製混合物をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、EtO/ヘキサン 3:2)によって精製して、薄黄色の油として表題化合物を得た(27mg、29%)。H NMR(300MHz,CDCl)δ7.20−7.15(m,2H)、7.00−6.95(m,2H)、5.16(m,1H)、4.07(t,J=5.9Hz,2H)、3.95(t,J=6.8Hz,2H)、3.83(s,3H)、3.03−2.67(m,6H)、2.50(s,3H)、2.46(m,1H)、2.18(s,3H)、2.15−1.98(m,4H)、1.29(d,J=7.2Hz,3H)。MS(ES)m/z 496.3(M+H)。
【0226】
実施例13
【0227】
【化38】

【0228】
1−[3−クロロ−5−[3−(4−フルオロ−フェニル)−ブトキシ]−4−メトキシ−2−メチル−6−(ピリジン−2−イルメトキシ)−フェニル]−エタノン
一般手順Fで説明したように実施例8a(91mg、0.24mmol)を臭化水素酸2−(ブロモメチル)−ピリジン(1.6当量)と反応させ、その粗製混合物をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、EtO/ヘキサン 1:1)によって精製して、薄黄色の油として表題化合物を得た(55mg、49%)。H NMR(300MHz,CDCl)δ8.57(m,1H)、7.71(dt,J=Hz,1.8,7.7Hz,1H)、7.42(d,J=7.8Hz,1H)、7.24(m,1H)、7.11−7.06(m,2H)、6.94−6.88(m,2H)、5.17(s,2H)、3.95(t,J=6.8Hz,2H)3.86(s,3H)、2.93(m,1H)、2.45(s,3H)、2.20(s,3H)、1.97−1.91(m,2H)、1.20(d,J=7.2Hz,3H)。MS(ES)m/z 472.2(M+H)。
【0229】
実施例14
【0230】
【化39】

【0231】
1−{3−クロロ−5−[3−(4−フルオロ−フェニル)−ブトキシ]−6−[2−(4−ヒドロキシ−ピペリジン−1−イル)−エトキシ]−4−メトキシ−2−メチル−フェニル}−エタノン
N−BOC−4−ヒドロキシピペリジン(42mg、0.21mmol)のDCM溶液(1mL)に室温でTFA(1mL)を添加し、その溶液を0.1時間攪拌した。その反応混合物を真空下で濃縮し、高真空ポンプで1時間乾燥させた。実施例8a(100mg、0.21mmol)を添加し、その混合物をDMFに懸濁させた。CsCO(123mg、0.38mmol)を1回で添加し、その溶液を60℃で一晩加熱した。その反応混合物を室温に冷却し、水(20mL)で希釈し、EtOAc(3×15mL)で抽出し、MgSOで乾燥させ、真空下で濃縮した。その粗製材料をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、MeOH/DCM 1:49)によって精製して、透明な褐色の油として表題化合物を得た(51mg、47%)。H NMR(300MHz,CDCl)δ7.20−7.15(m,2H)、7.01−6.95(m,2H)、4.12(m,2H)、3.95(t,J=6.6Hz,2H)、3.83(s,3H)、3.01−2.90(m,1H)、2.96−2.68(m,4H)、2.50(s,3H)、2.18(s,3H)、2.05−1.93(m,4H)、1.60−1.53(m,4H)、1.29(d,J=6.9Hz,3H)。MS(ES)m/z 508(M+H)。
【0232】
実施例15
【0233】
【化40】

【0234】
1−{3−クロロ−5−[3−(4−フルオロ−フェニル)−ブトキシ]−6−[2−(4−オキソ−ピペリジン−1−イル)−エトキシ]−4−メトキシ−2−メチル−フェニル}−エタノン
DMSO(24μL、0.34mmol)の無水DCM溶液(0.5mL)に塩化オキサリル(14μL、0.17mmol)を−78℃で添加し、その反応混合物を−78℃で0.5時間攪拌した。実施例14(29mg、0.056mmol)のDCM溶液(3×200μL)を添加し、その反応混合物を−78℃で0.75時間攪拌した。トリエチルアミン(94μL、0.67mmol)を添加し、その反応混合物をさらに0.5時間、−78℃で攪拌した後、0℃に温め、さらに0.5時間攪拌した。真空下で溶媒を濃縮し、その粗製物をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、MeOH/DCM 1:49)によって精製して、透明な油として表題化合物を得た(29mg、100%)。H NMR(300MHz,CDCl)δ7.20−7.15(m,2H)、7.01−6.95(m,2H)、4.10(t,J=5.4Hz,2H)、3.97(t,J=6.9Hz,2H)、3.84(s,3H)、3.12−2.90(m,1H)、2.76(t,J=6.0Hz,4H)、2.73(t,J=5.7Hz,2H)、2.51(s,3H)、2.45(t,J=6.3Hz,4H)、2.05−1.98(m,2H)、1.30(d,J=6.9Hz,3H)。MS(ES)m/z 506(M+H)。
【0235】
実施例16
【0236】
【化41】

【0237】
1−{3−クロロ−6−[2−(4,4−ジフルオロ−ピペリジン−1−イル)−エトキシ]−5−[3−(4−フルオロ−フェニル)−ブトキシ]−4−メトキシ−2−メチル−フェニル}−エタノン
一般手順Jで説明したように実施例8a(56mg、0.12mmol)を塩酸4,4−ジフルオロピペリジン(2.0当量)と反応させて、透明な黄色の油として表題化合物を得た(19mg、31%)。H NMR(300MHz,CDCl)δ7.20−7.15(m,2H)、7.01−6.95(m,2H)、4.05(t,J=5.7Hz,2H)、3.97(t,J=6.6Hz,2H)、3.84(s,3H)、3.11−2.89(m,1H)、2.66(t,J=5.7Hz,2H)、2.58(m,4H)、2.49(s,3H)、2.18(s,3H)、2.05−1.92(m,6H)、1.30(d,J=6.9Hz,3H)。MS(ES)m/z 528(M+H)。
【0238】
実施例17
【0239】
【化42】

【0240】
1−{3−クロロ−6−[2−(3,3−ジフルオロ−ピペリジン−1−イル)−エトキシ]−5−[3−(4−フルオロ−フェニル)−ブトキシ]−4−メトキシ−2−メチル−フェニル}−エタノン
一般手順Kで説明したように実施例8a(101mg、0.21mmol)を塩酸3,3−ジフルオロピペリジン(2.5当量)と反応させて、透明な油として表題化合物を得た(37mg、33%)。H NMR(300MHz,CDCl)δ7.20−7.15(m,2H)、7.01−6.95(m,2H)、4.07(t,J=5.4Hz,2H)、3.97(td,J=6.9,1.5Hz,2H)、3.83(s,3H)、3.05−2.83(m,1H)、2.75−2.68(m,4H)、2.50−2.46(m,5H)、2.18(s,3H)、2.13−1.94(m,2H)、1.90−1.74(m,4H)、1.29(d,J=6.9Hz,3H)。MS(ES)m/z 528(M+H)。
【0241】
実施例18
【0242】
【化43】

【0243】
18a)1−[3−クロロ−5−[3−(4−フルオロ−フェニル)−ブトキシ]−6−(2−ヒドロキシ−エトキシ)−4−メトキシ−2−メチル−フェニル]−エタノン
一般手順Fで説明したように実施例7c(93mg、0.24mmol)を2−ブロモエタノール(1.5当量)と反応させ、その粗製混合物をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、EtO/ヘキサン 70:30)によって精製して、薄黄色の油として表題化合物を得た(68mg、67%)。H NMR(300MHz,CDCl)δ7.19−7.15(m,2H)、7.01−6.95(m,2H)、4.13−4.11(m,2H)、3.95(d,J=6.8Hz,2H)、3.84(s,3H)、3.76−3.70(m,2H)、3.00(m,1H)、2.80(t,J=6.5Hz,1H)、2.50(s,3H)、2.20(s,3H)、2.06−1.98(m,2H)、1.29(d,J=6.9Hz,3H)。MS(ES)m/z 425.2(M+H)。
【0244】
【化44】

【0245】
18b)1−{3−クロロ−5−[3−(4−フルオロ−フェニル)−ブトキシ]−4−メトキシ−2−メチル−6−[2−(ピラジン−2−イルオキシ)−エトキシ]−フェニル}−エタノン
実施例18a(43mg、0.10mmol)およびNaH(4mg,0.10mmol)の無水DMF溶液(0.5mL)を60℃でH発生が終わるまで(約0.1時間)加熱した。クロロピラジン(11μL、0.12mmol)を摘下して添加し、その溶液を100℃で一晩加熱した。その反応混合物を室温に冷却し、EtOAc(20mL)で希釈し、水(10mL)およびNHCl(10mL)で洗浄し、MgSOで乾燥させ、真空下で濃縮した。その生成物をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、EtOAc/ヘキサン 1:3)によって精製して、透明な黄色の油として表題化合物を得た(23mg、46%)。H NMR(300MHz,CDCl)δ8.23(d,J=1.5Hz,1H)、8.14(d,J=2.7Hz,1H)、8.06(dd,J=3.0,1.5Hz,1H)、7.26−7.14(m,2H)、7.00−6.94(m,2H)、4.54−4.51(m,2H)、4.35−4.32(m,2H)、3.96(t,J=6.6Hz,1H)、3.84(s,3H)、3.05−2.89(m,1H)、2.48(s,3H)、2.18(s,3H)、2.03−1.96(m,2H)、1.28(d,J=6.6Hz,3H)。MS(ES)m/z 503(M+H)。
【0246】
実施例19
【0247】
【化45】

【0248】
1−[3−クロロ−5−[3−(4−フルオロフェニル)−ブトキシ]−4−メトキシ−2−メチル−6−(2−[1,2,4]トリアゾール−1−イル−エトキシ)−フェニル]−エタノン
一般手順Lで説明したように実施例8a(85mg、0.17mmol)を1,2,4−トリアゾール(2.5当量)およびCsCO(1.94当量)と反応させ、その粗製混合物をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、EtO)によって精製して、薄黄色の油として表題化合物を得た(58mg、72%)。H NMR(300MHz,CDCl)δ8.12(s,1H)、7.95(s,1H)、7.17(m,2H)、7.01−6.95(m,2H)、4.39−4.36(m,4H)、3.83−3.78(m,5H)、2.91(m,1H)、2.32(s,3H)、2.16(s,3H)、1.94−1.89(m,2H)、1.27(d,J=6.9Hz,3H)。MS(ES)m/z 476.2(M+H)。
【0249】
実施例20
【0250】
【化46】

【0251】
1−{3−クロロ−6−[2−(3,3−ジフルオロ−アゼチジン−1−イル)−エトキシ]−5−[3−(4−フルオロ−フェニル)−ブトキシ]−4−メトキシ−2−メチル−フェニル}−エタノン
一般手順Kで説明したように実施例8a(102mg、0.21mmol)を塩酸3,3−ジフルオロアゼチジン(2.6当量)と反応させ、その粗製混合物をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、ヘキサン/EtO 60:40)によって精製して、薄黄色の油として表題化合物を得た(39mg、37%)。H NMR(300MHz,CDCl)δ7.20−7.17(m,2H)、7.01−6.95(m,2H)、3.98−3.91(m,4H)、3.83(s,3H)、3.62(t,J=12.0Hz,4H)、2.99(m,1H)、2.80(t,J=5.6Hz,2H)、2.50(s,3H)、2.18(s,3H)、2.07−2.01(m,2H)、1.30(dJ=6.9Hz,3H)。MS(ES)m/z 500.1(M+H)。
【0252】
実施例21
【0253】
【化47】

【0254】
1−{3−クロロ−6−[2−(3,3−ジフルオロ−ピロリジン−1−イル)−エトキシ]−5−[3−(4−フルオロ−フェニル)−ブトキシ]−4−メトキシ−2−メチル−フェニル}−エタノン
一般手順Kで説明したように実施例8a(83mg、0.17mmol)を塩酸3,3−ジフルオロピロリジン(2.5当量)と反応させ、その粗製混合物をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、ヘキサン/EtO 70:30)によって精製して、薄黄色の油として表題化合物を得た(47mg、54%)。H NMR(300MHz,CDCl)δ7.20−7.15(m,2H)、7.01−6.95(m,2H)、4.03(t,J=5.6Hz,2H)、3.95(dt,J=2.1,6.8Hz,2H)、3.83(s,3H)、2.97(m,1H)、2.95(t,J=13.4Hz,2H)、2.79−2.71(m,4H)、2.49(s,3H)、2.33−2.21(m,2H)、2.18(s,3H)、2.06−1.98(m,2H)、1.30(d,J=6.9Hz,3H)。MS(ES)m/z 514.2(M+H)。
【0255】
実施例22
【0256】
【化48】

【0257】
22a)1−{2−(3−ブロモ−プロポキシ)−5−クロロ−3−[3−(4−フルオロ−フェニル)−ブトキシ]−4−メトキシ−6−メチル−フェニル}−エタノン
一般手順Fで説明したように実施例7c(179mg、0.47mmol)を1,3−ジブロモプロパン(10.0当量)と反応させて、淡黄色の油として表題化合物を得た(641mg、定量収率)。H NMR(300MHz,CDCl)δ7.19−7.15(m,2H)、7.01−6.95(m,2H)、4.10(t,J=5.9Hz,2H)、3.94(t,J=6.7Hz,2H)、3.84(s,3H)、3.49(t,J=6.5Hz,2H)、2.99(m,1H)、2.46(s,3H)、2.17(m,5H)、2.07−1.99(m,2H)、1.30(d,J=6.9Hz,3H)。MS(ES)m/z 503.0(M+H)。
【0258】
【化49】

【0259】
22b)1−[3−クロロ−5−[3−(4−フルオロ−フェニル)−ブトキシ]−4−メトキシ−2−メチル−6−(3−モルホリン−4−イル−プロポキシ)−フェニル]−エタノン
一般手順Gで説明したように実施例22a(40mg、0.08mmol)をモルホリン(0.2mL、2.29mmol)と反応させ、その粗製混合物をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、DCM/EtOAc/MeOH 1:0:0、9:8:2)によって精製して、黄色/褐色の油として表題化合物を得た(36mg、88%)。H NMR(300MHz,CDCl)δ7.20−7.15(m,2H)、7.01−6.95(m,2H)、4.00(t,J=6.4Hz,2H)、3.94(t,J=6.7Hz,2H)、3.83(s,3H)、3.72−3.69(m,4H)、3.07−2.95(m,1H)、2.46(s,3H)、2.45−2.40(m,6H)、2.18(s,3H)、2.02−1.99(m,2H)、1.88−1.79(m,2H)、1.30(d,J=6.9Hz,3H)。MS(ES)m/z 508.3(M+H)。
【0260】
実施例23および24
【0261】
【化50】

【0262】
23)1−{3−クロロ−6−[3−(1,1−ジオキソ−チオモルホリン−4−イル)−プロポキシ]−5−[3−(4−フルオロ−フェニル)−ブトキシ]−4−メトキシ−2−メチル−フェニル}−エタノン
24)1−{3−クロロ−5−[3−(4−フルオロ−フェニル)−ブトキシ]−4−メトキシ−2−メチル−6−[3−(1−オキソ−チオモルホリン−4−イル)−プロポキシ]−フェニル}−エタノン
N−BOC−1,1−ジオキソチオモルホリン(85mg、0.365mmol)のDCM(1mL)とTFA(1mL)との混合溶液を室温で0.1時間攪拌した後、真空下で濃縮し、その1,1−ジオキソチオモルホリンのTFA塩を高真空ポンプで3時間乾燥させた。その塩を乾燥DMF(1mL)に溶解し、一般手順Lに従って実施例22a(92mg、0.18mmol)およびKCO(2.16当量)と反応させた。その粗製混合物をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、ヘキサン/EtO 1:4−>MeOH/DCM 1:19)によって精製して、透明無色の油として23(14mg、14%)および24(13mg、13%)を得た。
実施例23:H NMR(300MHz,CDCl)δ7.19−7.15(m,2H)、7.01−6.95(m,2H)、3.99(t,J=6.3Hz,2H)、3.93(t,J=6.9Hz,2H)、3.84(s,3H)、3.06−3.02(m,5H)、2.98−2.94(m,4H)、2.58(t,J=6.9Hz,2H)、2.45(s,3H)、2.18(s,3H)、2.04−1.96(m,2H)、1.78(t,J=7.5Hz,2H)、1.30(d,J=6.9Hz,3H)。MS(ES)m/z 556.2(M+H)。
実施例24:H NMR(300MHz,CDCl)δ?7.19−7.15(m,2H)、7.01−6.95(m,2H)、3.99(t,J=6.3Hz,2H)、3.93(dt,J=0.9,6.6Hz,2H)、3.84(s,3H)、3.20−2.95(m,2H)、2.95−2.75(m,4H)、2.70−2.60(m,2H)、2.51(t,J=6.9Hz,2H)、2.46(s,3H)、2.17(s,3H)、2.04−1.95(m,2H)、1.81(t,J=7.5Hz,2H)、1.30(d,J=6.9Hz,3H)。MS(ES)m/z 540.2(M+H)。
【0263】
実施例25
【0264】
【化51】

【0265】
25a)1,3−ジメトキシ−5−メチル−2−(4−フェニルブチル)ベンゼン
一般手順Hで説明したように3,5−ジメトキシトルエン(2.93mL、20mmol)および臭化4−フェニルブチル(4.13mL、1.2mmol)を反応させ、その粗生成物をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、石油エーテル/EtOAc 200:1)によって精製して、透明な油として生成物を得た(4.6g、81%)。H NMR(300MHz,CDCl)δ7.13−7.22(m,5H)、6.34(s,2H)、3.76(s,6H)、2.60−2.64(m,4H)、2.31(s,3H)、1.53−1.67(m,4H)。
【0266】
【化52】

【0267】
25b)1−(2,4−ジメトキシ−6−メチル−3−(4−フェニルブチル)フェニル)エタノン
一般手順Bで説明したように実施例25a(0.500、1.76mmol)を反応させて、淡いクリーム色の油として表題化合物を得た(543mg、95%)。H NMR(300MHz,CDCl)δ7.12−7.31(m,5H)、6.44(s,1H)、3.78(s,3H)、3.64(s,3H)、2.57−2.66(m,4H)、2.49(s,3H)、2.23(s,3H)、1.5−1.71(m,4H)。
【0268】
【化53】

【0269】
25c)1−(2−ヒドロキシ−4−メトキシ−6−メチル−3−(4−フェニルブチル)フェニル)エタノン
一般手順Cで説明したように実施例25b(0.54g、1.65mmol)を反応させて、淡いクリーム色の油として表題化合物を得た(0.51g、99%)。H NMR(300MHz,CDCl)δ13.36(s,1H)、7.27−7.10(m,5H)、6.25(s,1H)、3.83(s,3H)、2.7−2.5(m,10H)、1.7−1.5(m,4H)。
【0270】
【化54】

【0271】
25d)1−[4−メトキシ−6−メチル−2−(2−モルホリン−4−イル−エトキシ)−3−(4−フェニル−ブチル)−フェニル]−エタノン
実施例1dからの1fについて説明したのと同じ手法で、実施例25c(63mg、0.15mmol)を2段階で反応させた。2段階での収率44%で表題化合物を得た(36mg)。H NMR(300MHz,CDCl)δ7.3−7.1(m,5H)、6.44(s,1H)、3.81−3.7(m,5H)、3.74−3.68(m,4H)、2.66−2.56(m,6H)、2.52(s,3H)、2.52−2.45(m,4H)、2.22(s,3H)、1.72−1.5(m,4H)。
【0272】
実施例26
【0273】
【化55】

【0274】
26a)1−(3−クロロ−6−ヒドロキシ−4−メトキシ−2−メチル−5−(4−フェニルブチル)フェニル)エタノン
一般手順Dで説明したように実施例26c(379mg、1.18mmol)を反応させて、クリーム状の固体として表題化合物を得た(200mg、50%)。H NMR(300MHz,CDCl)δ11.89(s,1H)、7.3−7.1(m,5H)、3.8(s,3H)、2.7−2.58(m,7H)、2.56(s,3H)、1.74−1.54(m,4H)。
【0275】
【化56】

【0276】
26b)1−(3−クロロ−4−メトキシ−2−メチル−6−(2−モルホリノエトキシ)−5−5(4−フェニルブチル)フェニル)エタノン
実施例1dからの1fについて説明したのと同じ手法で、実施例26a(117mg、0.26mmol)を2段階で反応させた。2段階での収率51%で無色のシロップとして表題化合物を得た(79mg)。H NMR(300MHz,CDCl)δ7.3−7.11(m,5H)、3.82−3.7(m,5H)、3.75−3.6(m,4H)、2.7−2.5(m,6H)、2.51−2.4(m,7H)、2.2(s,3H)、1.8−1.5(m,4H)。
【0277】
実施例27
【化57】

【0278】
1−(3−クロロ−4−メトキシ−2−メチル−5−(4−フェニルブチル)−6−(2−(ピリジン−2−イル)エトキシ)フェニル)エタノン
一般手順Fに従って実施例26a(47mg、0.136mmol)をトリフルオロメタンスルホン酸2−(ピリジン−2−イル)エチル(0.3mL)と反応させて表題化合物を得た(38mg、60%)。H NMR(300MHz,CDCl)δ8.54(dd,1H)、7.57(t,1H)、7.28−7.08(m,7H)、4.09(t,J=6.3Hz,2H)、3.75(s,3H)、3.11(t,J=6.3Hz,2H)、2.54(t,J=6.9Hz,2H)、2.44(t,J=6.9Hz,2H)、2.35(s,3H)、2.18(s,3H)、1.56−1.43(m,4H)。
【0279】
実施例28
【0280】
【化58】

【0281】
1−(3−クロロ−6−(2−(シクロペンチルアミノ)エトキシ)−4−メトキシ−2−メチル−5−(4−フェニルブチル)フェニル)エタノン
実施例2について説明したのと同じ手法で、実施例26a(64mg、0.14mmol)を2段階で反応させた。2段階での収率55%で表題化合物を得た(46mg)。H NMR(300MHz,CDCl)δ7.28−7.11(m,5H)、3.81(t,J=5.3Hz,2H)、3.78(s,3H)、3.09(q,J=6.6Hz,1H)、2.84(t,J=5.3Hz,2H)、2.7−2.52(m,4H)、2.48(s,3H)、2.20(s,3H)、1.99−1.78(m,3H)、1.73−1.5(m,8H)、1.35−1.28(m,2H)。
【0282】
実施例29
【0283】
【化59】

【0284】
29a)2−[4−RS−(4−フルオロフェニル)ペンチル]−1,3−ジメトキシ−5−メチルベンゼン
一般手順Hのもとで説明したように3,5−ジメトキシトルエン(0.25mL、1.70mmol)と臭化4−[RS−(4−フルオロフェニル)]ペンチル(0.50g、2.0mmol)を反応させ、その粗生成物をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、石油エーテル/EtOAc 250:1)によって精製して、透明な油として生成物を得た(0.18g、33%)。H NMR(300MHz,CDCl)δ7.10−7.13(m,2H)、6.91−6.97(m,2H)、6.34(s,2H)、3.75(s,6H)、2.69−2.76(m,1H)、2.53−2.59(m,2H)、2.32(s,3H)、1.54−1.62(m,2H)、1.38−1.43(m,2H)、1.35(d,J=8.1Hz,3H)。
【0285】
【化60】

【0286】
29b)1−(3−(4−RS−(4−フルオロフェニル)ペンチル)−2,4−ジメトキシ−6−メチルフェニル)エタノン:
一般手順Bのもとで説明したように実施例29a(166mg、0.56mmol)を反応させて、表題化合物を収率95%で得た(189mg)。H NMR(300MHz,CDCl)δ7.13−7.08(m,2H)、6.97−6.8(m,2H)、6.42(s,1H)、3.74(s,3H)、3.59(m,5H)、2.21(s,3H)、1.65−1.43(m,2H)、1.41−1.32(m,2H)、1.19(d,J=7Hz,3H)。
【0287】
【化61】

【0288】
29c)1−(3−(4−(4−フルオロフェニル)ペンチル)−2−ヒドロキシ−4−メトキシ−6−メチルフェニル)エタノン
一般手順Bで説明したように実施例29b(189mg、0.56mmol)を反応させて、表題化合物を収率98%で得た(178mg)。H NMR(300MHz,CDCl)δ7.13−7.09(m,2H)、7.08−6.8(m,2H)、6.23(s,1H)、3.8(s,3H)、3.59(m,3H)、2.69(q,J=7.0Hz,1H)、2.6(s,3H)、2.56(s,3H)、1.61−1.5(m,2H)、1.5−1.2(m,2H)、1.18(d,J=7Hz,3H)。
【0289】
【化62】

【0290】
29d)1−{4−メトキシ−6−メチル−2−(2−モルホリノエトキシ)−3−[4−RS−(4−フルオロフェニル)ペンチル)]フェニル}エタノン
一般手順Iで説明したように実施例29c(14mg、0.04mmol)を塩酸4−(2−クロロエチル)−モルホリン(9mg、0.05mmol)と反応させ、その粗生成物をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、DCM/EtOAc/MeOH 100:0:0、90:8:2)によって精製して、無色の油として表題化合物を得た(5mg、26%)。H NMR(300MHz,CDCl)δ7.09−7.13(m,2H)、6.91−6.99(m,2H)、6.43(s,1H)、3.73−3.77(m,9H)、2.69−2.76(m,1H)、2.50−2.62(m,11H)、2.21(s,3H)、1.55−1.64(m,2H)、1.45−1.51(m,2H)、1.23(d,J=8.1Hz,3H)。
【0291】
実施例30
【0292】
【化63】

【0293】
1−[3−[4−RS−(4−フルオロフェニル)ペンチル]−4−メトキシ−6−メチル−2−(2−ピリジン−2−イル−エトキシ)フェニル]エタノン
一般手順Fに従って実施例29cをトリフルオロメタンスルホン酸2−(ピリジン−2−イル)エチルと反応させて表題化合物を得た(22%)。H NMR(300MHz,CDCl)δ8.55(d,1H)、7.60(t,1H)、6.91−7.26(m,6H)、6.41(s,1H)、4.05(t,J=6.3Hz,2H)、3.73(s,3H)、3.14(t,J=6.3Hz,2H)、2.59−2.68(m,2H)、2.34−2.41(m,4H)、2.20(s,3H)、1.15−1.58(m,7H)。MS(ES)m/z 450.1(M+H)。
【0294】
実施例31
【0295】
【化64】

【0296】
31a)1−(3−クロロ−5−(4−(4−フルオロフェニル)ペンチル)6−ヒドロキシ−4−メトキシ−2−メチルフェニル)エタノン
一般手順Dで説明したように実施例29cを反応させて、表題化合物を収率47%で得た。H NMR(300MHz,CDCl)δ11.85(s,1H)、7.13−7.07(m,2H)、6.96−6.89(m,2H)、2.71(q,J=7.1Hz,1H)、2.5−2.62(m,5H)、2.54(s,3H)、1.65−1.53(m,2H)、1.48−1.35(m,2H)、1.19(d,3H)。
【0297】
【化65】

【0298】
31b)1−(3−クロロ−5−(4−(4−フルオロフェニル)ペンチル)−4−メトキシ−2−メチル−6−(2−モルホリノエトキシ)フェニル)エタノン
実施例1dからの1fについて説明したのと同じ手法で、実施例31aを2段階で反応させた。2段階での収率35%で表題化合物を得た。H NMR(300MHz,CDCl)δ7.13−7.08(m,2H)、6.96−6.9(m,2H)、3.78−3.69(m,7H)、2.7(q,J=7Hz,1H)、2.6−2.53(m,4H)、2.5−2.45(m,5H)、2.19(s,3H)、1.6−1.19(m,7H)。
【0299】
実施例32
【0300】
【化66】

【0301】
1−[3−クロロ−5−[4−(4−フルオロ−フェニル)−ペンチル]−4−メトキシ−2−メチル−6−(2−ピリジン−2−イル−エトキシ)−フェニル]−エタノン
一般手順Fに従って実施例31aをトリフルオロメタンスルホン酸2−(ピリジン−2−イル)エチルと反応させて、表題化合物を得た(40%)。H NMR(300MHz,CDCl)δ8.53(d,J=4.4Hz,1H)、7.58(dt,J=1.8,7.7Hz,1H)、7.04−7.18(m,4H)、6.80−6.95(m,2H)、4.05(t,J=6.3Hz,2H)、3.70(s,3H)、3.09(t,J=6.3Hz,2H)、2.57(m,1H)、2.32−2.44(m,2H)、2.29(s,3H)、2.17(s,3H)、1.18−1.49(m,4H)1.15(d,3H)。
【0302】
実施例33
【0303】
【化67】

【0304】
33a)1−(3−(3−(フェニル)プロポキシ)−2−ヒドロキシ−4−メトキシ−6−メチルフェニル)エタノン
1−(3−ブロモプロピル)ベンゼンを1−(3−ブロモプロピル)−4−フルオロベンゼンの代わりに使用したことを除き、実施例1cを調製するために用いた同様の方法によって調製した。
【0305】
【化68】

【0306】
33b)1−[4−メトキシ−6−メチル−2−(2−モルホリン−4−イル−エトキシ)−3−(3−フェニル−プロポキシ)−フェニル]−エタノン
1dから1fへの変換において用いたのと同様の方法を用いて、実施例33bを調製した。H NMR(300MHz,CDCl)δ7.30−7.15(m,5H)、6.47(s,1H)、4.12(t,J=5.7Hz,2H)、4.01(t,J=6.4Hz,2H)、3.82(s,3H)、3.69−3.66(m,4H)、2.81(t,J=7.3Hz,2H)、2.62(t,J=5.7Hz,2H)、2.52(s,3H)、2.47−2.44(m,4H)、2.20(s,3H)、2.09−2.00(m,2H)。MS(ES)m/z 428.0(M+H)。
【0307】
実施例34
【化69】

【0308】
34a)1−[3−クロロ−6−ヒドロキシ−4−メトキシ−2−メチル−5−(3−フェニル−プロポキシ)−フェニル]−エタノン
一般手順Dで説明したように実施例33aを反応させて、表題化合物を収率33%で得た。H NMR(300MHz,CDCl)δ7.33(m,5H)、4.10(t,J=6.5Hz,2H)、3.92(s,3H)、2.82(t,J=7.7Hz,2H)、2.58(s,3H)、2.38(s,3H)、2.12−2.07(m,2H)。MS(ES)m/z 349.2(M+H)。
【0309】
【化70】

【0310】
34b)1−[2−(2−ブロモ−エトキシ)−5−クロロ−4−メトキシ−6−メチル−3−(3−フェニル−プロポキシ)−フェニル]−エタノン
一般手順Fで説明したように実施例34a(4.3g、17mmol)を1,2−ジブロモエタン(40mL)と反応させて、赤色の油として表題化合物を得た(5.5g、100%)。H NMR(300MHz,CDCl)δ7.33−7.18(m,5H)、4.30(t,J=6.3Hz,2H)、4.09(t,J=6.3Hz,2H)、3.89(s,3H)、3.51(t,J=6.0Hz,2H)、2.83(t,J=8.1Hz,2H)、2.52(s,3H)、2.20(s,3H)、2.14−2.05(m,2H)。MS(ES)m/z 457(M+H)。
【0311】
【化71】

【0312】
34c)1−[3−クロロ−6−(2−シクロペンチルアミノ−エトキシ)−4−メトキシ−2−メチル−5−(3−フェニル−プロポキシ)−フェニル]−エタノン
一般手順Bのもとで説明したように(ただし、65℃に加熱したことを除く)実施例34b(217mg、0.48mmol)をシクロペンチルアミンと反応させ、その粗製物をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、MeOH/DCM 5:95)によって精製して、油として表題化合物を得た(151mg、68%)。H NMR(300MHz,CDCl)δ7.32−7.19(m,5H)、4.14(t,J=5.1Hz,2H)、4.07(t,J=6.3Hz,2H)、3.88(s,3H)、3.24−3.04(m,1H)、2.87−2.79(m,4H)、2.49(s,3H)、2.19(s,3H)、2.10−2.04(m,2H)、1.85−1.78(m,3H)、1.69−1.66(m,2H)、1.56−1.51(m,2H)、1.35−1.31(m,2H)。MS(ES)m/z 460(M+H)。
【0313】
実施例35
【0314】
【化72】

【0315】
1−[3−クロロ−6−[2−(3,3−ジフルオロ−アゼチジン−1−イル)−エトキシ]−4−メトキシ−2−メチル−5−(3−フェニル−プロポキシ)−フェニル]−エタノン
一般手順Jで説明したように実施例34b(105mg、0.23mmol)を塩酸3,3−ジフルオロアゼチジン(2.0当量)と反応させ、その粗製混合物をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、ヘキサン/EtO 70:30)によって精製して、淡いオレンジ色の油として表題化合物を得た(21mg、20%)。H NMR(300MHz,CDCl)δ7.33−7.20(m,5H)、4.07(t,J=6.5Hz,2H)、4.01(t,J=5.6Hz,2H)、3.88(s,3H)、3.63(t,J=12.0Hz,4H)、2.85−2.80(m,4H)、2.51(s,3H)、2.20(s,3H)、2.12−2.06(m,2H)。MS(ES)m/z 468.2(M+H)。
【0316】
実施例36
【0317】
【化73】

【0318】
1−[3−クロロ−4−メトキシ−2−メチル−5−(3−フェニル−プロポキシ)−6−(2−チオモルホリン−4−イル−エトキシ)−フェニル]−エタノン
一般手順Bで説明したように(ただし、65℃に加熱したことを除く)実施例34b(201mg、0.44mmol)とチオモルホリンを反応させ、その粗製物をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、EtOAc/ヘキサン 1:4)によって精製して、油として表題化合物を得た(166mg、79%)。H NMR(300MHz,CDCl)δ7.33−7.02(m,5H)、4.13−4.06(m,4H);3.88(s,3H);2.82(dd,J=9.3,7.5Hz,2H);2.76−2.73(m,4H);2.68−2.64(m,6H);2.52(s,3H);2.20(s,3H)、2.13−2.03(m,2H)。MS(ES)m/z 478(M+H)。
【0319】
実施例37
【0320】
【化74】

【0321】
1−[3−クロロ−6−[2−(3,3−ジフルオロ−ピロリジン−1−イル)−エトキシ]−4−メトキシ−2−メチル−5−(3−フェニル−プロポキシ)−フェニル]−エタノン
一般手順Jで説明したように実施例34b(58mg、0.13mmol)を塩酸3,3−ジフルオロピロリジン(2.5当量)と反応させ、その粗生成物をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、ヘキサン/EtO 70:30)によって精製して、淡黄色の油として表題化合物を得た(10mg、16%)。H NMR(300MHz,CDCl)δ7.33−7.18(m,5H)、4.08(t,J=6.2Hz,4H)、3.88(s,3H)、2.96(t,J=13.4Hz,2H)、2.85−2.73(m,6H)、2.51(s,3H)、2.31−2.13(m,2H)、2.20−2.04(m,2H)。MS(ES)m/z 482.1(M+H)。
【0322】
実施例38
【0323】
【化75】

【0324】
1−[3−クロロ−6−[2−(3−ヒドロキシ−アゼチジン−1−イル)−エトキシ]−4−メトキシ−2−メチル−5−(3−フェニル−プロポキシ)−フェニル]−エタノン
一般手順Lで説明したように実施例34b(207mg、0.46mmol)、CsCO(2.48当量)および塩酸3−ヒドロキシアゼチジン(1.4当量)を反応させ、その粗生成物をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、ヘキサン/EtO 1:1)によって精製して、薄黄色の油として表題化合物を得た(34mg、16%)。H NMR(300MHz,CDCl)δ7.33−7.20(m,5H)、4.40(五重線,J=5.7Hz,1H)、4.07(t,J=6.5Hz,2H)、3.98(t,J=5.7Hz,2H)、3.88(s,3H)、3.67−3.62(m,2H)、2.96−2.91(m,2H)、2.85−2.80(m,2H)、2.73(t,J=5.7Hz,2H)、2.51(s,3H)、2.19(s,3H)、2.13−2.03(m,2H)。MS(ES)m/z 448.2(M+H)。
【0325】
実施例39
【0326】
【化76】

【0327】
1−[3−クロロ−6−[2−(3−オキソ−アゼチジン−1−イル)−エトキシ]−4−メトキシ−2−メチル−5−(3−フェニル−プロポキシ)−フェニル]−エタノン
塩化オキサリル(14μL、0.17mmol)をDMSO(22μL、0.31mmol)の無水DCM溶液(0.5mL)に−78℃で添加し、その反応混合物を−78℃で0.5時間攪拌した。実施例38(25mg、0.05mmol)のDCM溶液(3×200mμL)を添加し、その反応混合物を−78℃で0.75時間攪拌した。トリエチルアミン(84μL、0.60mmol)を添加し、その反応混合物を0.5時間、−78℃で攪拌した後、0℃に温め、さらに0.5時間攪拌した。溶媒を真空下で濃縮し、その粗製物をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、EtO)によって精製して、薄黄色の油として表題化合物を得た(13mg、59%)。H NMR(300MHz,CDCl)δ7.30−7.20(m,5H)、4.13(s,4H)、4.10(t,J=6.0Hz,4H)、3.88(s,3H)、2.98(t,J=5.6Hz,2H)、2.85−2.80(m,2H)、2.51(s,3H)、2.20(s,3H)、2.12−2.07(m,2H)。MS(ES)m/z 446.3(M+H)。
【0328】
実施例40
【0329】
【化77】

【0330】
1−{3−クロロ−6−(2−ジメチルアミノ−エトキシ)−5−[3−(4−フルオロ−フェニル)−ブトキシ]−4−メトキシ−2−メチル−フェニル}−エタノン
実施例8a(50mg、0.10mmol)を55℃で24時間、ジメチルアミンの1.0MTHF溶液(1mL、1mmol)と反応させた。溶媒を真空下で除去し、その粗製混合物をEtO(910mL)および2N HCl(10mL)に懸濁させた。エーテル層を分離し、MgSOで乾燥させ、蒸発乾固させた。単離した白色の固体を、1分間、超音波処理したEtOとヘキサンの混合物(1/9)に再び懸濁させ、固体を濾過し、乾燥させた。単離した固体をDCMに懸濁させ、NaHCO溶液(水溶液)で洗浄した。有機層をMgSOで乾燥させ、蒸発乾固させて、薄黄色の油として表題化合物を得た(26mg、56%)。H NMR(300MHz,CDCl)δ7.20−7.15(m,2H)、7.00−6.95(m,2H)、4.05(t,J=6.0Hz,2H)、3.96(t,J=6.6Hz,2H)、3.82(s,3H)、3.03−2.96(m,1H)、2.57(t,J=6.0Hz,2H)、2.49(s,3H)、2.27(s,6H)、2.18(s,3H)、2.03−1.98(m,2H)、1.29(d,J=6.9Hz,3H)。MS(ES)m/z 452.2.2(M+H)。
【0331】
実施例41
【0332】
【化78】

【0333】
1−[3−クロロ−5−[3−(4−フルオロ−フェニル)−ブトキシ]−6−(2−イミダゾール−1−イル−エトキシ)−4−メトキシ−2−メチル−フェニル]−エタノン
一般手順Gで説明したように実施例8a(50mg、0.10mmol)をイミダゾール(8.0当量)と反応させ、その粗製混合物をDCMに溶解し、3分間、HClガスでそれをバブリングした。その後、溶媒を真空下で除去し、残留物を乾燥エーテルに懸濁させ、粉砕して、オフホワイトの固体として表題化合物を得た(22mg、45%)。H NMR(300MHz,CDCl)δ9.57(bs,1H)、7.33(bs,1H)7.19−7.14(m,3H)、7.02−6.96(m,2H)、4.60(bs,2H)、4.37(bs,2H)、3.89−3.76(m,5H)、2.88−2.93(m,1H)、2.32(s,3H)、2.16(s,3H)、1.94−1.96(m,2H)、1.27(d,J=6.6Hz,3H)。MS(ES)m/z 475.2(M+H)。
【0334】
実施例42
【0335】
【化79】

【0336】
1−{3−クロロ−5−[3−(4−フルオロ−フェニル)−ブトキシ]−4−メトキシ−2−メチル−6−[2−((S)−3−メチル−モルホリン−4−イル)−エトキシ]−フェニル}−エタノン
一般手順Gで説明したように実施例8a(74mg、0.16mmol)を(S)−3−メチルモルホリン(3.0当量)と反応させ、その粗製混合物をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、ヘキサン/EtO 1:4)によって精製して、薄黄色の油として表題化合物を得た(51mg、65%)。H NMR(300MHz,CDCl)δ7.20−7.15(m,2H)、7.01−6.95(m,2H)、4.05(t,J=6.0Hz,2H)、3.95(t,J=6.6Hz,2H)、3.83(s,3H)、3.79−3.57(m,4H)、3.22(dd,J=8.7,11.1Hz,1H)、3.12−2.88(m,2H)、2.74(m,1H)、2.55−2.35(m,6H)、2.18(s,3H)、2.07−1.96(m,2H)、1.29(d,J=6.9Hz,3H)、0.96(d,J=6.0Hz,3H)。MS(ES)m/z 508.2(M+H)。
【0337】
生物学的データ
ヒトKv1.3イオンチャンネルを阻害する化合物の効力を次のように判定した:
下記の違いを有するが、Schmitzら(2005)Molecular Pharmacology 68,1254−1270による方法によって、Kv1.3電流の抑制についてのEC50値を決定した:
1.トランスフェクトされたラットL929細胞の代わりに、(hKv1.3を内因的に発現する)ヒトジャーカット細胞、またはhKv1.3で安定的にトランスフェクトされたチャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞を使用した。
【0338】
2.従来のパッチクランプとは異なり平面パッチクランプ(Port−A−Patch、ミュンヘンのNanion Technologies Gmbh)を使用してすべての電気生理学を行った。
【0339】
3.示したEC50値は、3個以上の細胞から得た平均用量応答データから決定した。
【0340】
【表2】

【0341】
【表3】

【0342】
【表4】

【0343】
【表5】

【0344】
【表6】

【0345】
【表7】

【0346】
【表8】

【0347】
【表9】

【0348】
【表10】

【0349】
【表11】

【0350】
選択的データ
下記の違いを有するが、Schmitzら(2005)Molecular Pharmacology 68,1254−1270による方法によって、Kv1.1およびKv1.5電流の抑制についてのEC50値を決定した:
1.トランスフェクトされたラットL929細胞の代わりに、hKv1.1およびhKv1.5で安定的にトランスフェクトされたチャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞を使用した。
【0351】
2.従来のパッチクランプとは異なり平面パッチクランプ(Port−A−Patch、ミュンヘンのNanion Technologies Gmbh)を使用してすべての電気生理学を行った。
【0352】
3.示したEC50値は、3個以上の細胞から得た平均用量応答データから決定した。
実施例7d Kv1.1と比較してKv1.3に対する選択性:45倍、Kv1.5と比較してKv1.3に対する選択性:37倍。
実施例8b Kv1.1と比較してKv1.3に対する選択性:33倍、Kv1.5と比較してKv1.3に対する選択性:35倍。
【0353】
本明細書におけるいずれの先行出版物(もしくはそれから得られる情報)への、または公知であるおよび公知でないいずれの事への言及も、その先行出版物(もしくはそこから得られる情報)または公知の事が、本明細書が関係する試みに関する分野における共通の一般知識の一部を構成する承認または許可または任意の示唆形態ととるべきではない。
【0354】
本明細書および後続の特許請求の範囲を通して、その文脈が別様に求めていない限り、「含む(comprise)」という語、ならびに「含む(comprises)」および「含む(comprising)」などの語尾変化は、述べている整数もしくは段階または整数もしくは段階の群の包含を意味し、しかし、いずれの他の整数もしくは段階または整数もしくは段階の群の除外も意味しないことは理解されるであろう。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)の化合物またはその塩:
【化1】

式中、
およびRは、水素、シアノ、ハロ、ニトロ、随意に置換された低級アルキル、随意に置換されたアリール、−OR、−C(O)R、−C(O)OR、−OC(O)R(Rは、水素、随意に置換されたアルキル、随意に置換されたアルケニル、随意に置換されたアルキニル、随意に置換されたC3−7シクロアルキル、随意に置換されたヘテロシクリル、随意に置換されたヘテロアリール、および随意に置換されたアリールから選択される)、−C(O)NR'R''、−NR'C(O)R''および−NR'R''(R'およびR''は、水素または低級アルキルから独立して選択される)から独立して選択され、ならびに
およびRの少なくとも一方は、水素以外であり;
は、シアノ、ハロ、ニトロ、随意に置換されたアルキル、随意に置換されたアルケニル、随意に置換されたアルキニル、随意に置換されたアリール、随意に置換されたヘテロアリール、随意に置換されたC3−7シクロアルキル、随意に置換されたC4−7シクロアルケニル、−OR、−SR、−C(O)R、−C(O)OR、−OC(O)R(Rは、水素、随意に置換された低級アルキル、低級アルケニル、低級アルキニル、随意に置換されたC3−7シクロアルキル、随意に置換されたヘテロシクリル、随意に置換されたヘテロアリール、および随意に置換されたアリールから選択される)、−C(O)NR'R''、−NR'C(O)R''および−NR'R''(R'およびR''は、水素または低級アルキルから独立して選択される)から選択され;
Lは、随意に置換されたC2−6アルキレン、随意に置換されたC2−6アルケニレン、または随意に置換されたC2−6アルキニレンから選択される原子数2−6の長さの二価リンカー基であり;
L'は、(i)随意に置換されたC2−6アルキレン、随意に置換されたC2−6アルケニレン、もしくは随意に置換されたC2−6アルキニレンから選択される原子数2−6の長さの二価リンカー基;または
(ii)−CH
であり;
Yは、単結合、−O−、−C(O)−、−S−、−NR'''−、−C(O)NR'''−、または−NR'''C(O)−(R'''は、水素、随意に置換されたアルキル、随意に置換されたアルケニル、随意に置換されたアルキニル、随意に置換されたC3−7シクロアルキル、随意に置換されたヘテロシクリル、随意に置換されたヘテロアリール、および随意に置換されたアリールから選択される)から選択され;
Y'は、単結合、−O−、−C(O)−、−S−、−NR'''−、−C(O)NR'''−、または−NR'''C(O)−(R'''は、水素、随意に置換されたアルキル、随意に置換されたアルケニル、随意に置換されたアルキニル、随意に置換されたC3−7シクロアルキル、随意に置換されたヘテロシクリル、随意に置換されたヘテロアリール、および随意に置換されたアリールから選択される)から選択され;
は、随意に置換されたアルキル、−OR、−C(O)R、−C(O)OR、SR、(Rは、随意に置換されたC2−7アルキル、随意に置換されたアルケニル、随意に置換されたアルキニル、随意に置換されたC3−7シクロアルキル、随意に置換されたヘテロシクリル、随意に置換されたヘテロアリール、および随意に置換されたアリールから選択され)、−C(O)NR'R''、−NR'C(O)R''および−NR'R''(R'およびR''は、水素または低級アルキルから独立して選択される)から選択され;
は、置換アリール、置換アリールオキシ、随意に置換されたヘテロアリール、随意に置換されたヘテロアリールオキシ、随意に置換されたヘテロシクリル、随意に置換されたヘテロシクリルオキシまたは−NR'''R''''(R'''は、水素、随意に置換されたアルキル、随意に置換されたアルケニル、随意に置換されたアルキニル、随意に置換されたC3−7シクロアルキル、随意に置換されたヘテロシクリル、随意に置換されたヘテロアリール、および随意に置換されたアリールから選択され、ならびにR''''は、随意に置換されたアルキル、随意に置換されたアルケニル、随意に置換されたアルキニル、随意に置換されたC3−7シクロアルキル、随意に置換されたヘテロシクリル、随意に置換されたヘテロアリール、および随意に置換されたアリールから選択される)から選択され;ならびに
は、随意に置換されたアリール、随意に置換されたアリールオキシ、随意に置換されたヘテロアリール、随意に置換されたヘテロアリールオキシ、随意に置換されたヘテロシクリル、随意に置換されたヘテロシクリルオキシまたは−NHR'''(R'''は、水素、随意に置換されたアルキル、随意に置換されたアルケニル、随意に置換されたアルキニル、随意に置換されたC3−7シクロアルキル、随意に置換されたヘテロシクリル、随意に置換されたヘテロアリール、および随意に置換されたアリールから選択される)から選択される。
【請求項2】
およびRが、シアノ、ハロ、ニトロ、随意に置換された低級アルキル、随意に置換されたアリール、−OR、−C(O)R、−C(O)OR、−OC(O)R(Rは、水素、随意に置換されたアルキル、随意に置換されたアルケニル、随意に置換されたアルキニル、随意に置換されたC3−7シクロアルキル、随意に置換されたヘテロシクリル、随意に置換されたヘテロアリール、および随意に置換されたアリールから選択される)、−C(O)NR'R''、−NR'C(O)R''および−NR'R''(R'およびR''は、水素または低級アルキルから独立して選択される)から独立して選択される、請求項1に記載の化合物またはその塩。
【請求項3】
およびRが、水素、シアノ、ハロ、随意に置換された低級アルキル、−O−随意に置換された低級アルキル、−C(O)−随意に置換された低級アルキル、および−C(O)NR'R''(R'およびR''は、水素または低級アルキルから独立して選択される)から独立して選択される、請求項1に記載の化合物またはその塩。
【請求項4】
が、シアノ、ハロ、随意に置換されたアルキル、随意に置換されたアルケニル、随意に置換されたアルキニル、随意に置換されたヘテロアリール、随意に置換されたC3−7シクロアルキル、−O−随意に置換された低級アルキル、−O−随意に置換されたC3−7シクロアルキル、または−O−随意に置換されたヘテロアリールから選択される、請求項1から3のいずれか一項に記載の化合物またはその塩。
【請求項5】
が、ハロ、随意に置換されたアルキル、または−O−随意に置換された低級アルキルから選択される、請求項4に記載の化合物またはその塩。
【請求項6】
Lは、C2−6アルキレン、C2−6アルケニレン、またはC2−6アルキニレンから選択され、これらのそれぞれが低級アルキル基により随意に置換されていてもよい、原子数2−6の長さの二価リンカー基である、請求項1から5のいずれか一項に記載の化合物またはその塩。
【請求項7】
L'が、C1−6アルキレン、C2−6アルケニレン、またはC2−6アルキニレンから選択される原子数1−6の長さの二価リンカー基である、請求項1から6のいずれか一項に記載の化合物またはその塩。
【請求項8】
が、随意に置換されたアリール、随意に置換されたアリールオキシ、随意に置換されたヘテロアリール、随意に置換されたヘテロアリールオキシ、随意に置換されたヘテロシクリル、または随意に置換されたヘテロシクリルオキシから選択される、請求項1から7のいずれか一項に記載の化合物またはその塩。
【請求項9】
が、随意に置換されたアリールである、請求項8に記載の化合物またはその塩。
【請求項10】
Y'が、Oである、請求項1から9のいずれか一項に記載の化合物またはその塩。
【請求項11】
Y'が、Oであり、およびYが、単結合またはOである、請求項1から10のいずれか一項に記載の化合物またはその塩。
【請求項12】
式(Ia)の化合物またはその塩:
【化2】

式中、
およびRは、水素、シアノ、ハロ、ニトロ、随意に置換された低級アルキル、随意に置換されたアリール、−OR、−C(O)R、−C(O)OR、−OC(O)R(Rは、水素、随意に置換されたアルキル、随意に置換されたアルケニル、随意に置換されたアルキニル、随意に置換されたC3−7シクロアルキル、随意に置換されたヘテロシクリル、随意に置換されたヘテロアリール、および随意に置換されたアリールから選択される)、−C(O)NR'R''、−NR'C(O)R''および−NR'R''(R'およびR''は、水素または低級アルキルから独立して選択される)から独立して選択され、ならびに
およびRの少なくとも一方は、水素以外であり;
は、シアノ、ハロ、ニトロ、随意に置換されたアルキル、随意に置換されたアルケニル、随意に置換されたアルキニル、随意に置換されたアリール、随意に置換されたヘテロアリール、随意に置換されたC3−7シクロアルキル、随意に置換されたC4−7シクロアルケニル、−OR、−SR、−C(O)R、−C(O)OR、−OC(O)R(Rは、水素、低級アルキル、低級アルケニル、低級アルキニル、随意に置換されたC3−7シクロアルキル、随意に置換されたヘテロシクリル、随意に置換されたヘテロアリール、および随意に置換されたアリールから選択される)、−C(O)NR'R''、−NR'C(O)R''および−NR'R''(この場合、R'およびR''は、水素または低級アルキルから独立して選択される)から選択され;
Lは、随意に置換されたC2−6アルキレン、随意に置換されたC2−6アルケニレン、または随意に置換されたC2−6アルキニレンから選択される原子数2−6の長さの二価リンカー基であり;
L'は、C1−6アルキレン、C2−6アルケニレン、またはC2−6アルキニレンから選択される原子数1−6の長さの二価リンカー基であり;
Yは、単結合、−O−、−C(O)−、−S−、−NR'''−、−C(O)NR'''−、または−NR'''C(O)−(R'''は、水素、随意に置換されたアルキル、随意に置換されたアルケニル、随意に置換されたアルキニル、随意に置換されたC3−7シクロアルキル、随意に置換されたヘテロシクリル、随意に置換されたヘテロアリール、および随意に置換されたアリールから選択される)から選択され;
は、随意に置換されたアルキル、−OR、−C(O)R、−C(O)OR、SR、(Rは、随意に置換されたC2−7アルキル、随意に置換されたアルケニル、随意に置換されたアルキニル、随意に置換されたC3−7シクロアルキル、随意に置換されたヘテロシクリル、随意に置換されたヘテロアリール、および随意に置換されたアリールから選択され)、−C(O)NR'R''、−NR'C(O)R''および−NR'R''(この場合、R'およびR''は、水素または低級アルキルから独立して選択される)から選択され;
は、置換アリール、置換アリールオキシ、随意に置換されたヘテロアリール、随意に置換されたヘテロアリールオキシ、随意に置換されたヘテロシクリル、随意に置換されたヘテロシクリルオキシまたは−NR'''R''''(R'''は、水素、随意に置換されたアルキル、随意に置換されたアルケニル、随意に置換されたアルキニル、随意に置換されたC3−7シクロアルキル、随意に置換されたヘテロシクリル、随意に置換されたヘテロアリール、および随意に置換されたアリールから選択され、ならびにR''''は、随意に置換されたアルキル、随意に置換されたアルケニル、随意に置換されたアルキニル、随意に置換されたC3−7シクロアルキル、随意に置換されたヘテロシクリル、随意に置換されたヘテロアリール、および随意に置換されたアリールから選択される)から選択され;ならびに
は、随意に置換されたアリール、随意に置換されたアリールオキシ、随意に置換されたヘテロアリール、随意に置換されたヘテロアリールオキシ、随意に置換されたヘテロシクリルまたは随意に置換されたヘテロシクリルオキシから選択される。
【請求項13】
およびRが、シアノ、ハロ、ニトロ、随意に置換された低級アルキル、随意に置換されたアリール、−OR、−C(O)R、−C(O)OR、−OC(O)R(Rは、水素、随意に置換されたアルキル、随意に置換されたアルケニル、随意に置換されたアルキニル、随意に置換されたC3−7シクロアルキル、随意に置換されたヘテロシクリル、随意に置換されたヘテロアリール、および随意に置換されたアリールから選択される)、−C(O)NR'R''、−NR'C(O)R''および−NR'R''(R'およびR''は、水素または低級アルキルから独立して選択される)から独立して選択される、請求項12に記載の化合物またはその塩。
【請求項14】
およびRが、水素、シアノ、ハロ、随意に置換された低級アルキル、−O−随意に置換された低級アルキル、−C(O)−随意に置換された低級アルキル、および−C(O)NR'R''(R'およびR''は、水素または低級アルキルから独立して選択される)から独立して選択される、請求項12に記載の化合物またはその塩。
【請求項15】
およびRが、シアノ、ハロ、随意に置換された低級アルキル、−OH、−O−随意に置換された低級アルキル、−C(O)−随意に置換された低級アルキル、および−C(O)NR'R''(R'およびR''は、水素または低級アルキルから独立して選択される)から独立して選択される、請求項12から14のいずれか一項に記載の化合物またはその塩。
【請求項16】
が、シアノ、ハロ、随意に置換されたアルキル、随意に置換されたアルケニル、随意に置換されたアルキニル、随意に置換されたヘテロアリール、随意に置換されたC3−7シクロアルキル、−O−随意に置換された低級アルキル、−O−随意に置換されたC3−7シクロアルキル、または−O−随意に置換されたヘテロアリールから選択される、請求項12から15のいずれか一項に記載の化合物またはその塩。
【請求項17】
が、ハロ、随意に置換されたアルキル、または−O−随意に置換された低級アルキルから選択される、請求項16に記載の化合物またはその塩。
【請求項18】
Lは、C2−6アルキレン、C2−6アルケニレン、またはC2−6アルキニレンから選択され、これらのそれぞれが、低級アルキル基により随意に置換されていてもよい、原子数2−6の長さの二価リンカー基である、請求項12から17のいずれか一項に記載の化合物またはその塩。
【請求項19】
L'が、C1−6アルキレン、C2−6アルケニレン、またはC2−6アルキニレンから選択される原子数1−6の長さの二価リンカー基である、請求項12から18のいずれか一項に記載の化合物またはその塩。
【請求項20】
が、随意に置換されたアリール、随意に置換されたアリールオキシ、随意に置換されたヘテロアリール、随意に置換されたヘテロアリールオキシ、随意に置換されたヘテロシクリル、または随意に置換されたヘテロシクリルオキシから選択される、請求項12から19のいずれか一項に記載の化合物またはその塩。
【請求項21】
が、随意に置換されたアリールである、請求項20に記載の化合物またはその塩。
【請求項22】
Yが、単結合またはOである、請求項12から21のいずれか一項に記載の化合物またはその塩。
【請求項23】
式(Ib)の化合物またはその塩:
【化3】

式中、
およびRは、水素、シアノ、ハロ、ニトロ、随意に置換された低級アルキル、随意に置換されたアリール、−OR、−C(O)R、−C(O)OR、−OC(O)R(この場合、Rは、水素、随意に置換されたアルキル、随意に置換されたアルケニル、随意に置換されたアルキニル、随意に置換されたC3−7シクロアルキル、随意に置換されたヘテロシクリル、随意に置換されたヘテロアリール、および随意に置換されたアリールから選択される)、−C(O)NR'R''、−NR'C(O)R''および−NR'R''(この場合、R'およびR''は、水素または低級アルキルから独立して選択される)から独立して選択され、ならびに
およびRの少なくとも一方は、水素以外であり;
は、シアノ、ハロ、ニトロ、随意に置換されたアルキル、随意に置換されたアルケニル、随意に置換されたアルキニル、随意に置換されたアリール、随意に置換されたヘテロアリール、随意に置換されたC3−7シクロアルキル、随意に置換されたC4−7シクロアルケニル、−OR、−SR、−C(O)R、−C(O)OR、−OC(O)R(この場合、Rは、水素、低級アルキル、低級アルケニル、低級アルキニル、随意に置換されたC3−7シクロアルキル、随意に置換されたヘテロシクリル、随意に置換されたヘテロアリール、および随意に置換されたアリールから選択される)、−C(O)NR'R''、−NR'C(O)R''および−NR'R''(この場合、R'およびR''は、水素または低級アルキルから独立して選択される)から選択され;
Lは、随意に置換されたC2−6アルキレン、随意に置換されたC2−6アルケニレン、または随意に置換されたC2−6アルキニレンから選択される原子数2−6の長さの二価リンカー基であり;
Yは、単結合、−O−、−C(O)−、−S−、−NR'''−、−C(O)NR'''−、または−NR'''C(O)−(この場合、R'''は、水素、随意に置換されたアルキル、随意に置換されたアルケニル、随意に置換されたアルキニル、随意に置換されたC3−7シクロアルキル、随意に置換されたヘテロシクリル、随意に置換されたヘテロアリール、および随意に置換されたアリールから選択される)から選択され;
は、随意に置換されたアルキル、−OR、−C(O)R、−C(O)OR、SR、(この場合、Rは、随意に置換されたC2−7アルキル、随意に置換されたアルケニル、随意に置換されたアルキニル、随意に置換されたC3−7シクロアルキル、随意に置換されたヘテロシクリル、随意に置換されたヘテロアリール、および随意に置換されたアリールから選択され)、−C(O)NR'R''、−NR'C(O)R''および−NR'R''(この場合、R'およびR''は、水素または低級アルキルから独立して選択される)から選択され;
は、置換アリール、置換アリールオキシ、随意に置換されたヘテロアリール、随意に置換されたヘテロアリールオキシ、随意に置換されたヘテロシクリル、随意に置換されたヘテロシクリルオキシまたは−NR'''R''''(この場合、R'''は、水素、随意に置換されたアルキル、随意に置換されたアルケニル、随意に置換されたアルキニル、随意に置換されたC3−7シクロアルキル、随意に置換されたヘテロシクリル、随意に置換されたヘテロアリール、および随意に置換されたアリールから選択され、ならびにR''''は、随意に置換されたアルキル、随意に置換されたアルケニル、随意に置換されたアルキニル、随意に置換されたC3−7シクロアルキル、随意に置換されたヘテロシクリル、随意に置換されたヘテロアリール、および随意に置換されたアリールから選択される)から選択され;ならびに
は、随意に置換されたアリール、随意に置換されたアリールオキシ、随意に置換されたヘテロアリール、随意に置換されたヘテロアリールオキシ、随意に置換されたヘテロシクリルまたは随意に置換されたヘテロシクリルオキシから選択される。
【請求項24】
およびRが、シアノ、ハロ、ニトロ、随意に置換された低級アルキル、随意に置換されたアリール、−OR、−C(O)R、−C(O)OR、−OC(O)R(Rは、水素、随意に置換されたアルキル、随意に置換されたアルケニル、随意に置換されたアルキニル、随意に置換されたC3−7シクロアルキル、随意に置換されたヘテロシクリル、随意に置換されたヘテロアリール、および随意に置換されたアリールから選択される)、−C(O)NR'R''、−NR'C(O)R''および−NR'R''(R'およびR''は、水素または低級アルキルから独立して選択される)から独立して選択される、請求項23に記載の化合物またはその塩。
【請求項25】
およびRが、水素、シアノ、ハロ、随意に置換された低級アルキル、−O−随意に置換された低級アルキル、−C(O)−随意に置換された低級アルキル、および−C(O)NR'R''(R'およびR''は、水素または低級アルキルから独立して選択される)から独立して選択される、請求項24に記載の化合物またはその塩。
【請求項26】
およびRが、シアノ、ハロ、随意に置換された低級アルキル、−O−随意に置換された低級アルキル、−C(O)−随意に置換された低級アルキル、および−C(O)NR'R''(R'およびR''は、水素または低級アルキルから独立して選択される)から独立して選択される、請求項23から25のいずれか一項に記載の化合物またはその塩。
【請求項27】
が、シアノ、ハロ、随意に置換されたアルキル、随意に置換されたアルケニル、随意に置換されたアルキニル、随意に置換されたヘテロアリール、随意に置換されたC3−7シクロアルキル、−O−随意に置換された低級アルキル、−O−随意に置換されたC3−7シクロアルキル、または−O−随意に置換されたヘテロアリールから選択される、請求項23から26のいずれか一項に記載の化合物またはその塩。
【請求項28】
が、ハロ、随意に置換されたアルキル、または−O−随意に置換された低級アルキルから選択される、請求項27に記載の化合物またはその塩。
【請求項29】
Lが、C2−6アルキレン、C2−6アルケニレン、またはC2−6アルキニレンから選択され、これらのそれぞれが、低級アルキル基により随意に置換されていてもよい、原子数2−6の長さの二価リンカー基である、請求項23から28のいずれか一項に記載の化合物またはその塩。
【請求項30】
L'が、C1−6アルキレン、C2−6アルケニレン、またはC2−6アルキニレンから選択される原子数1−6の長さの二価リンカー基である、請求項23から29のいずれか一項に記載の化合物またはその塩。
【請求項31】
が、随意に置換されたアリール、随意に置換されたアリールオキシ、随意に置換されたヘテロアリール、随意に置換されたヘテロアリールオキシ、随意に置換されたヘテロシクリル、または随意に置換されたヘテロシクリルオキシから選択される、請求項23から30のいずれか一項に記載の化合物またはその塩。
【請求項32】
が、随意に置換されたアリールである、請求項31に記載の化合物またはその塩。
【請求項33】
Yが、単結合またはOである、請求項23から32のいずれか一項に記載の化合物またはその塩。
【請求項34】
が、随意に置換されたヘテロアリール、随意に置換されたヘテロアリールオキシ、随意に置換されたヘテロシクリル、随意に置換されたヘテロシクリルオキシ、または−NHC3−7シクロアルキルから選択される、請求項1から33のいずれか一項に記載の化合物またはその塩。
【請求項35】
が、随意に置換されたヘテロアリール、随意に置換されたヘテロアリールオキシ、随意に置換されたヘテロシクリル、または−NHC3−7シクロアルキルから選択される、請求項34に記載の化合物またはその塩。
【請求項36】
が、アゼチジニル、ピロリジニル、ピラゾリニル、ピラゾリジニル、イミダゾリニル、イミダゾリジニル、ピロリニル(2および3ピロリニルを含む)、ジオキソラン、フリル、チエニル、ピロリル、H−ピロリル、オキサゾリル、オキサジアゾリル、(1,2,3および1,2,4オキサジアゾリルを含む)チアゾリル、イソオキサゾリル、フラザニル、イソチアゾリル、ピラゾリル、イミダゾリル、トリアゾリル(1,2,3および1,3,4トリアゾリルを含む)、テトラゾリル、およびチアジアゾリル(1,2,3および1,3,4チアジアゾリルを含む)、ピリジル、ピリミジニル、ピリダジニル、ピラジニル、ピラニル(2Hおよび4Hピラニルを含む)、ピペリジニル、モルホリニル、ピペラジニル、1,3,5−トリチアニル、チオモルホリニル、1−オキソ−チオモルホリニル、1,1−ジオキソチオモルホリニル、1,4−ジチアニル、ならびに1,4−ジオキサニルから選択され;これらのすべてが、ハロゲン、C1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、C1−6ハロアルキル(特に、−CF)、C1−6ハロアルコキシ(例えば、−OCF)、−OH、フェニル、ベンジル、フェノキシ、ベンジルオキシ、ベンゾイル、−NH、−NHC1−4アルキル、−N(C1−4アルキル)、−CN、−NO、メルカプト、C1−6アルキルカルボニル、C1−6アルコキシカルボニルおよびCOHから選択される1つ以上の基で随意に置換されたことがある、請求項1から33のいずれか一項に記載の化合物またはその塩。
【請求項37】
Lが、随意に置換されたプロピレンまたはブチレンである、請求項1から36のいずれか一項に記載の化合物またはその塩。
【請求項38】
Lが、−CH−CH−CH(CH)−、−CH−CH−CH−CH−、または−CH−CH−CH−である、請求項37に記載の化合物またはその塩。
【請求項39】
が、メチルである、請求項1から38のいずれか一項に記載の化合物またはその塩。
【請求項40】
が、C1−3アルキルである、請求項1から39のいずれか一項に記載の化合物またはその塩。
【請求項41】
が、メチルである、請求項40に記載の化合物またはその塩。
【請求項42】
1−(3−クロロ−5−(3−(4−フルオロフェニル)プロポキシ)−4−メトキシ−2−メチル−6−(2−モルホリノエトキシ)フェニル)エタノン;
1−(3−クロロ−6−(シクロペンチルアミノ)エトキシ)−5−(3−(4−フルオロフェニル)プロポキシ−4−メトキシ−2−メチルフェニル)エタノン;
1−[3−[3−(4−フルオロ−フェニル)−プロポキシ]−4−メトキシ−5,6−ジメチル−2−(2−モルホリン−4−イル−エトキシ)−フェニル]−エタノン;
1−[3−[3−(4−フルオロ−フェニル)−ブトキシ]−4−メトキシ−5,6−ジメチル−2−(2−ピリジン−2−イル−エトキシ)−フェニル]−エタノン;
1−[3−[3−(4−フルオロ−フェニル)−ブトキシ]−4−メトキシ−5,6−ジメチル−2−(2−モルホリン−4−イル−エトキシ)−フェニル]−エタノン;
1−{2−(2−シクロペンチルアミノ−エトキシ)−3−[3−(4−フルオロ−フェニル)−ブトキシ]−4−メトキシ−5,6−ジメチル−フェニル}−エタノン;
1−[3−クロロ−5−[3−(4−フルオロ−フェニル)−ブトキシ]−4−メトキシ−2−メチル−6−(2−ピリジン−2−イル−エトキシ)−フェニル]−エタノン;
1−[3−クロロ−5−[3−(4−フルオロ−フェニル)−ブトキシ]−4−メトキシ−2−メチル−6−(2−モルホリン−4−イル−エトキシ)−フェニル]−エタノン;
1−[3−クロロ−6−(2−シクロペンチルアミノ−エトキシ)−5−[3−(4−フルオロ−フェニル)−ブトキシ]−4−メトキシ−2−メチル−フェニル]−エタノン;
1−[3−クロロ−5−[3−(4−フルオロ−フェニル)−ブトキシ]−4−メトキシ−2−メチル−6−(2−ピペリジン−1−イル−エトキシ)−フェニル]−エタノン;
1−{3−クロロ−5−[3−(4−フルオロ−フェニル)−ブトキシ]−6−[2−(4−フルオロ−ピペリジン−1−イル)−エトキシ]−4−メトキシ−2−メチル−フェニル}−エタノン;
1−{3−クロロ−5−[3−(4−フルオロ−フェニル)−ブトキシ]−6−[2−(R−3−フルオロ−ピロリジン−1−イル)−エトキシ]−4−メトキシ−2−メチル−フェニル}−エタノン;
1−[3−クロロ−5−[3−(4−フルオロ−フェニル)−ブトキシ]−4−メトキシ−2−メチル−6−(ピリジン−2−イルメトキシ)−フェニル]−エタノン;
1−{3−クロロ−5−[3−(4−フルオロ−フェニル)−ブトキシ]−6−[2−(4−ヒドロキシ−ピペリジン−1−イル)−エトキシ]−4−メトキシ−2−メチル−フェニル}−エタノン;
1−{3−クロロ−5−[3−(4−フルオロ−フェニル)−ブトキシ]−6−[2−(4−オキソ−ピペリジン−1−イル)−エトキシ]−4−メトキシ−2−メチル−フェニル}−エタノン;
1−{3−クロロ−6−[2−(4,4−ジフルオロ−ピペリジン−1−イル)−エトキシ]−5−[3−(4−フルオロ−フェニル)−ブトキシ]−4−メトキシ−2−メチル−フェニル}−エタノン;
1−{3−クロロ−6−[2−(3,3−ジフルオロ−ピペリジン−1−イル)−エトキシ]−5−[3−(4−フルオロ−フェニル)−ブトキシ]−4−メトキシ−2−メチル−フェニル}−エタノン;
1−{3−クロロ−5−[3−(4−フルオロ−フェニル)−ブトキシ]−4−メトキシ−2−メチル−6−[2−(ピラジン−2−イルオキシ)−エトキシ]−フェニル}−エタノン;
1−[3−クロロ−5−[3−(4−フルオロフェニル)−ブトキシ]−4−メトキシ−2−メチル−6−(2−[1,2,4]トリアゾール−1−イル−エトキシ)−フェニル]−エタノン;
1−{3−クロロ−6−[2−(3,3−ジフルオロ−アゼチジン−1−イル)−エトキシ]−5−[3−(4−フルオロ−フェニル)−ブトキシ]−4−メトキシ−2−メチル−フェニル}−エタノン;
1−[3−クロロ−5−[3−(4−フルオロ−フェニル)−ブトキシ]−4−メトキシ−2−メチル−6−(3−モルホリン−4−イル−プロポキシ)−フェニル]−エタノン;
1−{3−クロロ−6−[3−(1,1−ジオキソ−チオモルホリン−4−イル)−プロポキシ]−5−[3−(4−フルオロ−フェニル)−ブトキシ]−4−メトキシ−2−メチル−フェニル}−エタノン;
1−{3−クロロ−5−[3−(4−フルオロ−フェニル)−ブトキシ]−4−メトキシ−2−メチル−6−[3−(1−オキソ−チオモルホリン−4−イル)−プロポキシ]−フェニル}−エタノン;
1−(3−クロロ−4−メトキシ−2−メチル−6−(2−モルホリノエトキシ)−5−5(4−フェニルブチル)フェニル)エタノン;
1−(3−クロロ−4−メトキシ−2−メチル−5−(4−フェニルブチル)−6−(2−(ピリジン−2−イル)エトキシ)フェニル)エタノン;
1−(3−クロロ−5−(4−(4−フルオロフェニル)ペンチル)−4−メトキシ−2−メチル−6−(2−モルホリノエトキシ)フェニル)エタノン;
1−[3−クロロ−5−[4−(4−フルオロ−フェニル)−ペンチル]−4−メトキシ−2−メチル−6−(2−ピリジン−2−イル−エトキシ)−フェニル]−エタノン;
1−[4−メトキシ−6−メチル−2−(2−モルホリン−4−イル−エトキシ)−3−(3−フェニル−プロポキシ)−フェニル]−エタノン;
1−[3−クロロ−6−(2−シクロペンチルアミノ−エトキシ)−4−メトキシ−2−メチル−5−(3−フェニル−プロポキシ)−フェニル]−エタノン;
1−[3−クロロ−6−[2−(3,3−ジフルオロ−アゼチジン−1−イル)−エトキシ]−4−メトキシ−2−メチル−5−(3−フェニル−プロポキシ)−フェニル]−エタノン;
1−[3−クロロ−4−メトキシ−2−メチル−5−(3−フェニル−プロポキシ)−6−(2−チオモルホリン−4−イル−エトキシ)−フェニル]−エタノン;
1−[3−クロロ−6−[2−(3,3−ジフルオロ−ピロリジン−1−イル)−エトキシ]−4−メトキシ−2−メチル−5−(3−フェニル−プロポキシ)−フェニル]−エタノン;
1−[3−クロロ−6−[2−(3−ヒドロキシ−アゼチジン−1−イル)−エトキシ]−4−メトキシ−2−メチル−5−(3−フェニル−プロポキシ)−フェニル]−エタノン;
1−[3−クロロ−6−[2−(3−オキソ−アゼチジン−1−イル)−エトキシ]−4−メトキシ−2−メチル−5−(3−フェニル−プロポキシ)−フェニル]−エタノン;
1−{3−クロロ−6−(2−ジメチルアミノ−エトキシ)−5−[3−(4−フルオロ−フェニル)−ブトキシ]−4−メトキシ−2−メチル−フェニル}−エタノン;
1−[3−クロロ−5−[3−(4−フルオロ−フェニル)−ブトキシ]−6−(2−イミダゾール−1−イル−エトキシ)−4−メトキシ−2−メチル−フェニル]−エタノン;および
1−{3−クロロ−5−[3−(4−フルオロ−フェニル)−ブトキシ]−4−メトキシ−2−メチル−6−[2−((S)−3−メチル−モルホリン−4−yl)−エトキシ]−フェニル}−エタノン
から選択される化合物、またはその塩。
【請求項43】
請求項1から42のいずれか一項に記載の1つ以上の化合物またはその塩と、場合によっては、医薬的に許容される担体または希釈剤とを含む、医薬組成物。
【請求項44】
追加の免疫抑制化合物または他の多発性硬化症治療薬をさらに含む、請求項43に記載の医薬組成物。
【請求項45】
前記追加の免疫抑制化合物または他の多発性硬化症治療薬が、インターフェロンベータ−1b、インターフェロンベータ−1a、酢酸グラチラマー、ナタリズマブまたはミトキサントロンから選択される、請求項44に記載の医薬組成物。
【請求項46】
自己免疫もしくは慢性炎症性疾患の治療もしくは予防、または異種臓器移植片に対する拒絶反応および/もしくは関連した苦痛の予防のための薬物の製造における、請求項1から42のいずれか一項に記載の化合物またはその塩の使用。
【請求項47】
前記自己免疫疾患が、多発性硬化症である、請求項46に記載の使用。
【請求項48】
前記疾患が、糖尿病である、請求項47に記載の使用。
【請求項49】
自己免疫もしくは慢性炎症性疾患の治療もしくは予防、または異種臓器移植片に対する拒絶反応および/もしくは関連した苦痛の予防のための、請求項1から42のいずれか一項に記載の化合物の使用。
【請求項50】
前記自己免疫疾患が、多発性硬化症である、請求項49に記載の使用。
【請求項51】
前記疾患が、糖尿病である、請求項50に記載の使用。
【請求項52】
請求項1から42のいずれか一項に記載の化合物またはその医薬的に許容される塩をT細胞を適用することによって、前記T細胞のカリウムイオンチャンネル活性を計画的に調節する方法。
【請求項53】
請求項1から42のいずれか一項に記載の化合物またはその医薬的に許容される塩を投与することによって、自己免疫もしくは慢性炎症性疾患の治療もしくは予防し、または異種臓器移植片に対する拒絶反応および/もしくは関連した苦痛を予防する方法。
【請求項54】
前記自己免疫疾患が、多発性硬化症である、請求項53に記載の使用。
【請求項55】
請求項1から42のいずれか一項に記載の化合物またはその医薬的に許容される塩を投与する段階を含む、糖尿病を予防または治療する方法。

【公表番号】特表2010−540569(P2010−540569A)
【公表日】平成22年12月24日(2010.12.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−527296(P2010−527296)
【出願日】平成20年10月3日(2008.10.3)
【国際出願番号】PCT/AU2008/001480
【国際公開番号】WO2009/043117
【国際公開日】平成21年4月9日(2009.4.9)
【出願人】(502386053)バイオノミックス リミテッド (13)
【Fターム(参考)】