説明

欠陥検査装置および欠陥検査方法

【課題】操作性および検査効率を向上すると共に、検査画面の表示領域を有効に活用することができる欠陥検査装置および欠陥検査方法を提供する。
【解決手段】表示部9は基板のマップ画像または欠陥の画像を表示する。記憶部10は、欠陥種を示す欠陥情報を記憶する。操作部7には、表示部9によって表示された基板のマップ画像または欠陥の画像上の位置が入力される。制御部6は、操作部7を介して入力された位置の近傍に欠陥情報を表示させる制御を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体装置や液晶表示装置等の製造に用いられる基板上の欠陥を検査するための欠陥検査装置および欠陥検査方法に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体装置や液晶表示装置の製造工程においては、半導体ウェハや大型ガラス基板等の基板に塗布されたレジスト等の膜ムラや、異物、汚れ、傷等の欠陥の検査が行われている。この検査に用いられる検査装置はGUI(Graphical User Interface)機能を備えており、検査者が欠陥の画像等を画面上で確認しながら、検査(検査後のレビューを含む)を行うことが可能である。
【0003】
特許文献1および特許文献2には、検査画面への情報の表示方法に関する技術が記載されている。特許文献1には、セル領域の設定手段を設け、セル領域の設定のための作成ツールを、ウェハ内のチップ内マップを表示する画面と共に表示することが記載されている。また、特許文献2には、ウェハ上のダイの複数の属性を同一画面上で表示し、編集可能とした、ダイの属性を指定する方法が記載されている。
【特許文献1】特開2004−48002号公報
【特許文献2】特開2000−311930号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来技術においては、ウェハのマップ画像や、検査のための設定ツールおよび指定情報等が同一画面上で別々に表示されていた。このため、検査者が指定や設定作業を行う場合、マウス等を操作することによって、それぞれの表示領域から別領域へ画像上のカーソルを移動させる必要があった。その際の移動距離が長かったり、移動の途中で意図しない箇所をクリックミスする可能性があったりしたため、操作性が悪いという問題があった。
【0005】
また、検査に必要な情報が同一画面上の別々の場所に表示されるため、その情報の表示のために検査画面の画面領域を確保する必要があった。さらに、情報を一画面に収めることができない場合には、ボタンやマウス等による画面の切替操作を行う必要があり、操作性および検査効率の点で問題であった。
【0006】
本発明は、上述した問題点に鑑みてなされたものであって、操作性および検査効率を向上すると共に、検査画面の表示領域を有効に活用することができる欠陥検査装置および欠陥検査方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、上記の課題を解決するためになされたもので、基板のマップ画像または欠陥の画像を表示する表示手段と、前記表示手段によって表示された前記基板のマップ画像または前記欠陥の画像上の位置を入力するための位置入力手段と、欠陥種を示す欠陥情報を記憶する記憶手段と、前記位置入力手段を介して入力された位置の近傍に前記欠陥情報を表示させる制御手段とを備えたことを特徴とする欠陥検査装置である。
【0008】
また、本発明の欠陥検査装置において、前記表示手段は、前記基板のマップ画像および前記欠陥の画像を切替可能に表示し、前記制御手段は、前記基板のマップ画像の表示と前記欠陥の画像の表示とを切り替えるためのメニューを、前記位置入力手段を介して入力された位置の近傍に表示させることを特徴とする。
【0009】
また、本発明の欠陥検査装置において、前記制御手段は、前記位置入力手段を介して入力された位置に最も近い欠陥に関連付けられた前記欠陥情報を表示させることを特徴とする。
【0010】
また、本発明は、基板のマップ画像または欠陥の画像を表示するステップと、表示された前記基板のマップ画像または前記欠陥の画像上の位置を入力するステップと、入力された位置の近傍に、欠陥種を示す欠陥情報を表示するステップとを備えたことを特徴とする欠陥検査方法である。
【0011】
また、本発明の欠陥検査方法において、前記基板のマップ画像および前記欠陥の画像は切替可能に表示されるものであり、前記基板のマップ画像の表示と前記欠陥の画像の表示とを切り替えるためのメニューを、入力された位置の近傍に表示するステップをさらに備えたことを特徴とする。
【0012】
また、本発明の欠陥検査方法において、前記欠陥情報を表示するステップにおいて、入力された位置に最も近い欠陥に関連付けられた前記欠陥情報を表示することを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、基板のマップ画像または欠陥の画像上での位置が指定され、その指定位置の情報が入力されると、指定位置の近傍に欠陥情報が表示されるので、操作性および検査効率を向上することができるという効果が得られる。また、必要に応じて欠陥情報が表示されるので、欠陥情報を常に表示するための領域を検査画面に設ける必要がなくなり、検査画面の表示領域を有効に活用することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、図面を参照し、本発明を実施するための最良の形態について説明する。図1は、本発明の一実施形態による欠陥検査装置の構成を示している。この欠陥検査装置は、パターン検査装置等の他の検査装置で行われた検査の結果をレビューするための検査装置である。検査者が検査対象のウェハの状態を確認した結果、欠陥の状態が、他の検査装置での検査の結果と異なる場合等に、欠陥の情報を更新するリタイプが行われる。
【0015】
図1において、画像取得部1はカメラを備えており、顕微鏡部3が備える顕微鏡を介して検査対象のウェハの表面の拡大像を撮像し、画像データを生成する。画像処理部2は、画像取得部1によって生成された画像データや、予め用意されている画像データを処理し、表示用の画像データを生成する。ステージ部4は、ウェハを支持し、XY平面内で移動可能なステージや、そのステージを移動する機構を駆動するためのモータ等を備えている。機構制御部5は、顕微鏡部3が備える顕微鏡の倍率や、ステージ部4が備えるステージの移動を制御する。機構制御部5が制御を行うための情報は制御部6から出力される。制御部6は装置内の各構成の制御や演算、情報の生成等を行う。
【0016】
操作部7は、ユーザ(検査者)が検査に必要な情報を入力するためのマウス、キーボード、操作パネル、あるいはタッチパネル等の操作手段を備えている。この操作手段が操作されると、操作部7は、操作結果に基づいた信号を制御部6へ出力する。制御部6は、この信号から操作結果を検出し、操作結果に基づいた各種の処理を行う。通信部8は外部装置と通信を行い、検査対象のウェハに関する検査結果を示す検査情報を外部装置から取得する。通信部8は、検査対象のウェハの検査を行ったパターン検査装置等から検査情報を直接取得してもよいし、検査情報を一括管理するサーバ等から取得してもよい。
【0017】
表示部9は、画像取得部1によって取得された画像や、ウェハ内のダイの配列の様子を示すマップ画像等を表示する。記憶部10は、制御部6が使用するプログラムや、検査情報、欠陥情報、検査画像の表示に必要な画像データ等を記憶する記録媒体や情報の書き込みおよび読み出し用の回路等を備えている。検査情報は、上述したように、他の検査装置で行われた検査の結果を示す情報であり、品種の情報、ウェハ内のダイのパターン(配列)を示す情報、および各ダイの欠陥種(欠陥分類)を示す情報を含んでいる。欠陥種とは、例えば剥離、ムラ、割れ等である。欠陥情報(欠陥分類情報)は、欠陥のリタイプを行う際に、選択可能な欠陥種の一覧(リスト)を表示するための情報である。
【0018】
次に、図2を参照し、検査時の欠陥検査装置の動作を説明する。操作部7を介して検査の開始が指示されると、制御部6は記憶部10から動作用のプログラムを読み出し、そのプログラムに従った各部の制御を開始する。制御部6は記憶部10から検査情報を読み出すと共に、必要な画像データを読み出して画像処理部2へ出力する。画像処理部2は、ウェハのマップ画像を表示するための画像データを生成し、制御部6を介して表示部9へ出力する。表示部9は、その画像データに基づいてマップ画像等を表示する(ステップS201)。
【0019】
続いて、検査者によって操作部7が操作され、観察したいダイを指定するためにマップ画像上の位置を指定する情報が入力される。この入力は、マウスのクリック・ダブルクリック・右クリック・左クリック、キーボードからのキー入力、操作パネルやタッチパネルからの入力等によって行われる。操作部7は、入力結果を示す信号を制御部6へ出力する(ステップS202)。制御部6は、この信号に基づいて、画像上の指定位置を判断すると共に、検査情報中のダイパターンの情報を用いて、どのダイが指定されたのかを判断する(ステップS203)。制御部6は、指定されたダイが観察位置に来るようにステージを移動することを機構制御部5に指示する。機構制御部5はステージ部4のステージを、指定された位置へ移動させる(ステップS204)。
【0020】
続いて、制御部6は、欠陥種のリストを表示するための欠陥情報を記憶部10から読み出す(ステップS205)。この欠陥情報は、欠陥を識別するための欠陥コードと欠陥名称とが関連付けられた情報であり、予め制御部6によって作成され、記憶部10に格納されている。欠陥情報は、画像データの形式で記憶部10に格納されていてもよい。制御部6は、ステップS203において取得した画像上の指定位置に基づいて、欠陥種のリストの表示位置(画像中の出力位置)を算出する。この際に制御部6は、指定位置の近傍に欠陥種のリストが表示されるように表示位置を決定する(ステップS206)。
【0021】
制御部6は、記憶部10から必要な画像データを読み出し、欠陥情報と共に画像処理部2へ出力する。画像処理部2は、制御部6による制御に従って表示用の画像データを生成し、制御部6を介して表示部9へ出力する。表示部9は、この画像データに基づいて画像を表示する。これによって、マップ画像上で検査者によって指定された位置の近傍に欠陥種のリストが表示される(ステップS207)。続いて、表示された欠陥種の一覧の中から欠陥種が、検査者によって選択される。この選択も操作部7を介して行われる。制御部6は、操作部7からの信号に基づいて、どの欠陥種が選択されたのかを判断し、検査情報中の指定ダイの欠陥種の情報を、選択された欠陥種の情報に更新する(ステップS208)。
【0022】
次に、図3および図4を参照し、検査時に表示部9に表示される画像の一例を説明する。ウェハマップ101およびウェハマップ102は、検査対象のウェハ内のダイの配列を模式的に示すマップ画像である。ウェハマップ101はウェハマップ102を拡大したものである。図示されていないが、ウェハマップ101の各ダイ上には、そのダイの検査結果に対応した欠陥コードが表示される。検査者が操作部7を操作し、ウェハマップ101またはウェハマップ102上のダイにカーソル103を合わせてクリック等を行うことによって、ダイが選択される。選択されたダイは、反転したり、縁取りしたりすることによって、他のダイと識別可能に表示される。また、選択されたダイの位置が観察位置へ来るように、ステージ部4のステージが移動する。
【0023】
チップマップ104は、選択されたダイを拡大した模式画像である。チップマップ104には、現在の観察位置105が表示される。ステージの移動は、チップマップ104中で所望の位置をクリックする等によっても可能である。選択位置106は、選択されたダイの位置を示している。ライブ切替ボタン107およびマップ切替ボタン108は、マップ画像101の表示とライブ画像の表示とを切り替えるためのボタンである。マップ画像101が表示されている場合に、カーソル103がライブボタン107上に移動し、クリック等が行われると、マップ画像101が消え、マップ画像101が表示されていた位置に、現在選択されているダイのライブ画像が表示される。このライブ画像は、画像取得部1によってリアルタイムに取得された画像である。また、ライブ画像が表示されている場合に、カーソル103がマップ切替ボタン108上に移動し、クリック等が行われると、ライブ画像が消え、マップ画像101が表示される。
【0024】
検査条件表示領域109には、顕微鏡部3での観察倍率や、照明の明るさを制御するためのランプ電圧等の検査条件が表示される。ウェハ情報表示領域110には、検査対象のウェハを含むロットのIDや検査枚数が表示される。
【0025】
検査結果の確認および更新は以下のようにして行われる。前述したようにしてダイが選択されると、制御部6はそのダイの位置が観察位置に来るようにステージを移動することを機構制御部5に指示する。機構制御部5はステージ部4のステージを、指定された位置へ移動させる。また、前述したように欠陥種の一覧を示す欠陥リスト111が、クリック等が行われた画像上の指定位置の近傍に表示される。例えば、指定位置を中心とする半径aの円内に欠陥リスト111の基準位置が来るようにして、欠陥リスト111が表示される。あるいは、クリック等によって指定されたダイの位置を指定位置とし、その指定位置の近傍に欠陥リスト111が表示される。
【0026】
制御部6は、記憶部10から欠陥情報を読み出す際に、選択されたダイの欠陥種の情報も読み出す。制御部6は、選択されたダイの欠陥種の情報に基づいて、そのダイの欠陥種を判断し、欠陥リスト111中でそのダイの欠陥種の色を変更するように、画像処理部2に指示する。表示された欠陥リスト111において、選択されたダイの欠陥種の色が他の欠陥種の色と異なる色で表示される。これによって、検査者は、指定したダイの検査結果を知ることができる。
【0027】
検査者は、実際に顕微鏡を覗いて欠陥を確認するか、前述したようにライブ画像で欠陥を確認する。ライブ画像で欠陥を確認する場合には、マップ画像101からライブ画像へ表示が切り替えられる。ライブ画像への切替が行われる際に、欠陥リスト111は表示されたままであってもよいし、一旦消去されてしまってもよい。欠陥リスト111が一旦消去された場合には、表示の切り替えによってマップ画像101が再度表示された状態で、同じダイが選択された際に、欠陥リスト111が再度表示されるようにすればよい。あるいは、ライブ画像上の任意の位置でクリック等が行われた際に、欠陥リスト111がその位置の近傍に再度表示されるようにすればよい。上記のように、ダイの選択が行われた際に、画像上の指定位置の近傍に欠陥リスト111が表示されるため、カーソル103の移動距離が短くなり、操作性および検査効率が向上する。
【0028】
なお、検査画面において、ライブ切替ボタン107およびマップ切替ボタン108が表示されているが、マップ画像101上でクリック等が行われた際に、これらのボタンに対応したメニュー画像が表示されるようにしてもよい。例えば、左クリックが行われた場合には、欠陥リスト111が表示され、右クリックが行われた場合には、メニュー画像が表示されるようにすればよい。あるいは、欠陥リスト111の中に切替のメニューが表示されるようにしてもよい。上記のようにして、ライブ画像を表示するモードとマップ画像101を表示するモードとを選択可能なメニューが表示される。
【0029】
メニュー画像に対応した画像データは記憶部10に予め格納されており、所定の操作が行われた際に、制御部6によって読み出されて画像処理部2へ出力される。画像処理部2は、メニュー画像を含む画像を表示するための画像データを生成し、制御部6を介して表示部9へ出力する。表示部9の画面では、ライブ画像の表示とマップ画像の表示とを切り替えるためのメニューが指定位置の近傍に表示される。クリック等によって、メニューの中から所望のモードを選択する操作が行われると、ライブ画像あるいはマップ画像101への表示の切替が行われる。
【0030】
次に、図5を参照し、検査時に表示部9に表示される画像の他の例を説明する。これは、自動マクロ検査装置での検査の結果をレビューする際の表示の例である。ライブ画像112は、画像取得部1によって取得された検査対象のウェハの表面の拡大画像である。全体画像113は、自動マクロ検査装置によって取得されたウェハの表面全体の画像である。レビューデータ114は、検査情報に基づいた各欠陥の情報を示している。
【0031】
自動マクロ検査装置での検査の結果を示す検査情報は記憶部10に格納されている。この検査情報には上記の全体画像の情報とウェハ上の欠陥毎の検査結果の情報とが含まれる。ウェハ上の欠陥毎の検査結果の情報には、欠陥毎の位置情報(座標情報)、欠陥種を示す情報、および欠陥の大きさを示す情報(面積情報)が含まれる。図3および図4の例においては、ダイ毎に欠陥の情報が関連付けられていたが、図5の例においては、欠陥毎に欠陥の情報が関連付けられている。各欠陥には予め番号が付与されており、検査の際にはその番号の順に欠陥が表示される。
【0032】
欠陥検査装置の動作の手順は、図2に示される手順と同様である。検査が開始されると、ウェハがロードされ、ステージ部4のステージに載置される。続いて、制御部6は記憶部10から検査情報を読み出し、最初の欠陥の位置を取得する。制御部6は、機構制御部5に対して最初の欠陥の位置が観察位置へ来るようにステージを移動することを指示する。機構制御部5はステージ部4のステージを、指定された位置へ移動させる。また、画像取得部1は検査の開始と共に撮像を開始し、顕微鏡を介して撮影したウェハ表面の画像データを制御部6へ出力する。この画像データは画像処理部2へ出力され、画像処理部2によって処理された後、制御部6を介して表示部9へ出力される。表示部9の画面にはライブ画像112が表示される。
【0033】
また、表示部9の画面には、図5に示されるように全体画像113が表示される。検査者はライブ画像112と全体画像113を比較しながら、欠陥のリタイプを行う。この際に、カーソル115がライブ画像112上にある状態で、クリック等が行われると、表示画像上で指定位置の入力が行われたことになる。制御部6は、操作部7から出力された信号に基づいて指定位置を判断すると共に、どの欠陥が指定されたのかを判断する。この際に、制御部6は画像中での指定位置をウェハ上での座標に変換し、検査情報中の各欠陥の座標と比較しながら、指定された位置に最も近い位置にある欠陥を決定する。
【0034】
続いて、制御部6は、欠陥種のリストを表示するための欠陥情報、および選択された欠陥の欠陥種の情報を記憶部10から読み出す。前述したようにこの欠陥情報は、欠陥を識別するための欠陥コードと欠陥名称とが関連付けられた情報であり、予め制御部6によって作成され、記憶部10に格納されている。制御部6は、取得した画像上の指定位置に基づいて、欠陥種のリストの表示位置(画像中の出力位置)を算出する。この際に制御部6は、指定位置の近傍に欠陥種のリストが表示されるように表示位置を決定する。
【0035】
制御部6は、記憶部10から必要な画像データを読み出し、欠陥情報と共に画像処理部2へ出力する。また、制御部6は、選択された欠陥の欠陥種の情報に基づいて、その欠陥の欠陥種を判断し、欠陥種のリスト中でその欠陥の欠陥種の色を変更するように、画像処理部2に指示する。画像処理部2は、制御部6による制御に従って表示用の画像データを生成し、制御部6を介して表示部9へ出力する。表示部9は、この画像データに基づいて画像を表示する。これによって、検査者によって指定された位置の近傍に欠陥リスト116が表示される。表示された欠陥リスト116において、選択された欠陥の欠陥種の色が他の欠陥種の色と異なる色で表示される。続いて、表示された欠陥種の一覧の中から欠陥種が、検査者によって選択される。制御部6は、操作部7からの信号に基づいて、どの欠陥種が選択されたのかを判断し、検査情報中の指定欠陥の欠陥種の情報を、選択された欠陥種の情報に更新する。
【0036】
カーソル115が、次の番号の欠陥を選択するための次欠陥ボタン117上にある状態でクリック等が行われると、次の番号の欠陥が観察位置に来るようにステージが移動し、上記と同様の手順で検査が進められる。また、カーソル115が、前の番号の欠陥を選択するための前欠陥ボタン118上にある状態でクリック等が行われると、前の番号の欠陥が観察位置に来るようにステージが移動する。上記の手順を繰り返しながら、検査が行われる。
【0037】
従来は図5の顕微鏡の状態表示領域119に欠陥リストが表示されていた。欠陥の欠陥種を変更する際には、レビューデータ114の中から所望の欠陥のデータが選択された状態で、欠陥リストから所望の欠陥種を選択することが行われていた。一方、本実施形態では、上記のように、欠陥の選択が行われた際に、画像上の指定位置の近傍に欠陥リスト116が表示されるため、カーソル115の移動距離が短くなり、操作性および検査効率が向上する。
【0038】
なお、前述した例と同様に、画像上でクリック等が行われた際に、次欠陥ボタン117および前欠陥ボタン118に対応したメニュー画像が表示されるようにしてもよい。これによって、次の番号の欠陥の観察と前の番号の欠陥の観察とを選択可能なメニューが表示される。
【0039】
上記においては、他の検査装置の検査結果をレビューする場合を例として説明したが、欠陥検査装置がマクロ検査やミクロ検査等を行う機能を有している場合に、その検査の際に、新規な欠陥を登録するための欠陥リストが指定位置の近傍に表示されるようにしてもよい。また、欠陥のリストに含まれる欠陥種は、上述したものに限定されない。例えば、ウェハの電気特性を検査するプローブ検査の検査結果をレビューする場合に、ショートやオープン等がリストとして表示され、選択可能とされていてもよい。また、半導体ウェハの検査に限らず、液晶表示装置のガラス基板等の検査に本実施形態の欠陥検査装置を適用してもよい。
【0040】
上述したように、本実施形態においては、検査者によって基板のマップ画像または欠陥の画像上での位置が指定され、その指定位置の情報が入力されると、指定位置の近傍に欠陥情報が表示される。このため、欠陥情報の中から所望の欠陥種の情報を選択するのに必要な操作量が減少する。また、基板のマップ画像または欠陥の画像が表示される画面と、欠陥情報が表示される画面とを別画面として、両者を切り替える必要がなくなり、操作量が減少する。したがって、操作性および検査効率を向上することができる。
【0041】
また、必要に応じて欠陥情報が表示されるので、欠陥情報を常に表示するための領域を検査画面に設ける必要がなくなり、その領域を、他の情報を表示するための領域とすることができる。したがって、検査画面の表示領域を有効に活用することができる。
【0042】
また、本実施形態において、基板のマップ画像の表示と欠陥の画像の表示とを切り替えるためのメニュー、あるいは前の番号の欠陥・次の番号の欠陥等の特定の欠陥を選択するためのメニューが、指定位置の近傍に表示される。これによって、所望の動作を選択するのに必要な操作量が減少するので、操作性および検査効率を向上することができる。さらに、これは、検査画面の表示領域を有効に活用することにも繋がる。メニューには、検査中に頻繁に選択される機能を用意しておくと、より効果が得られる。
【0043】
また、本実施形態において、欠陥の画像上で特定の欠陥の選択が行われる際に、画像上での指定位置に最も近い欠陥に関連付けられた欠陥情報が表示される。したがって、欠陥の位置を正確に指定して欠陥を選択する必要はなく、欠陥の近傍の位置を指定するだけでよいので、クリックミス等を防止し、操作性および検査効率をより向上することができる。
【0044】
以上、図面を参照して本発明の実施形態について詳述してきたが、具体的な構成はこれらの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】本発明の一実施形態による欠陥検査装置の構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の一実施形態による欠陥検査装置の動作の手順を示すフローチャートである。
【図3】本発明の一実施形態による欠陥検査装置が表示する画像の一例を示す参考図である。
【図4】本発明の一実施形態による欠陥検査装置が表示する画像の一例を示す参考図である。
【図5】本発明の一実施形態による欠陥検査装置が表示する画像の一例を示す参考図である。
【符号の説明】
【0046】
1・・・画像取得部、2・・・画像処理部、3・・・顕微鏡部、4・・・ステージ部、5・・・機構制御部、6・・・制御部、7・・・操作部、8・・・通信部、9・・・表示部、10・・・記憶部


【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板のマップ画像または欠陥の画像を表示する表示手段と、
前記表示手段によって表示された前記基板のマップ画像または前記欠陥の画像上の位置を入力するための位置入力手段と、
欠陥種を示す欠陥情報を記憶する記憶手段と、
前記位置入力手段を介して入力された位置の近傍に前記欠陥情報を表示させる制御手段と、
を備えたことを特徴とする欠陥検査装置。
【請求項2】
前記表示手段は、前記基板のマップ画像および前記欠陥の画像を切替可能に表示し、
前記制御手段は、前記基板のマップ画像の表示と前記欠陥の画像の表示とを切り替えるためのメニューを、前記位置入力手段を介して入力された位置の近傍に表示させる
ことを特徴とする請求項1に記載の欠陥検査装置。
【請求項3】
前記制御手段は、前記位置入力手段を介して入力された位置に最も近い欠陥に関連付けられた前記欠陥情報を表示させることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の欠陥検査装置。
【請求項4】
基板のマップ画像または欠陥の画像を表示するステップと、
表示された前記基板のマップ画像または前記欠陥の画像上の位置を入力するステップと、
入力された位置の近傍に、欠陥種を示す欠陥情報を表示するステップと、
を備えたことを特徴とする欠陥検査方法。
【請求項5】
前記基板のマップ画像および前記欠陥の画像は切替可能に表示されるものであり、前記基板のマップ画像の表示と前記欠陥の画像の表示とを切り替えるためのメニューを、入力された位置の近傍に表示するステップをさらに備えたことを特徴とする請求項4に記載の欠陥検査方法。
【請求項6】
前記欠陥情報を表示するステップにおいて、入力された位置に最も近い欠陥に関連付けられた前記欠陥情報を表示することを特徴とする請求項4または請求項5に記載の欠陥検査方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2007−127578(P2007−127578A)
【公開日】平成19年5月24日(2007.5.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−321932(P2005−321932)
【出願日】平成17年11月7日(2005.11.7)
【出願人】(000000376)オリンパス株式会社 (11,466)
【Fターム(参考)】