説明

液処理装置および液処理方法

【課題】未処理のウエハの戻し作業が生ずる事態を防止して、ロットごとの液処理を行うことにより生産効率を高めることを可能とした液処理装置を提供すること。
【解決手段】基板Wが収納されたキャリアCを搬入出するキャリア搬入出部5と、キャリアCを複数保管可能なキャリアストック部6と、キャリアCを搬送するキャリア搬送装置12と、検査/搬入出ステージ15と処理部7との間で基板Wを搬送する基板搬送部3と、キャリアC内の基板Wを検査する基板検査装置18と、一括して処理される複数のキャリアCのうち、一のキャリアを基板検査装置18に搬送し、液処理可能ならば一のキャリアをキャリアストック部6へ戻し、他のキャリアを基板検査装置18に搬送し、液処理可能ならば一のキャリア及び他のキャリア内の複数の基板Wを、検査/搬入出ステージ15から搬出するように制御する制御部90と、を具備する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、半導体ウエハ等の基板に対して所定の液処理を施す液処理装置および液処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体デバイスの製造工程においては、半導体ウエハ(ウエハ)を所定の薬液や純水等の処理液によって処理し、ウエハからパーティクル、有機汚染物、金属不純物等のコンタミネーションを除去したり、エッチングを行う液処理装置が用いられている。
【0003】
ここで、近年においては、半導体デバイスの微細高集積化や量産化に伴って、ウエハの大きさについては200mmφ(8インチ)から300mmφ(12インチ)への大口径化が進んでおり、ウエハ自体の重量が増すとともに、ウエハを収納するキャリア(容器)が大型化し、その重量が嵩むようになってきている。このため、300mmφのウエハの保存や搬送等は、例えば、25枚のウエハを水平にして所定間隔で収納したキャリアを用いて取り扱われる。一方で、ウエハの液処理については、できるだけ多くの枚数のウエハを同時に処理することが、生産効率を高める上で好ましいことから、例えば、50枚を1回で処理する方法が採られる。
【0004】
50枚の300mmφのウエハを液処理するためには、2個のキャリアに収容されたウエハを液処理装置内に搬送する必要があり、この方法としては、例えば、最初に1個のキャリアに略水平に収納された25枚のウエハをウエハ搬入出装置を用いて搬出し、液処理装置内の姿勢変換装置へ受け渡し、次に別のキャリアに収納された25枚のウエハを同様にウエハ搬入出装置を用いて姿勢変換装置に受け渡して、姿勢変換装置において計50枚のウエハを一括して水平状態から垂直状態となるように姿勢変換を行い、この垂直状態に保持された50枚のウエハをウエハ搬送装置に受け渡して液処理部に搬送し、液処理部においてウエハに対して所定の液処理や乾燥処理を施す方法が挙げられる。なお、液処理が終了したウエハは、ウエハを液処理部へ搬入する際の手順と逆の手順を経て、2個の空のキャリアそれぞれに25枚ずつ戻される。
【特許文献1】特開平11−290799号公報
【特許文献2】実願平05−059288号(実開平07−030207号)のCD−ROM
【特許文献3】特開平06−267919号公報
【特許文献4】特開平09−181032号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、2個のキャリアを1ロットとして液処理する際に、1個目のキャリア内に収納されたウエハについては何ら問題なく姿勢変換装置に搬送されたが、2個目のキャリア内に所定枚数のウエハが収納されていなかった場合には、先に姿勢変換装置に搬送されたウエハについては液処理を行うことなく、姿勢変換装置から再びウエハをキャリアに戻して、別のロットについて処理を開始しなければならない事態を生じ、液処理時間のロスを生ずる問題があった。
【0006】
また、キャリアに対するウエハの搬入出が1箇所で行なわれる場合においては、例えば、ウエハが取り出された後の空のキャリアを所定場所に移動させた後に、ウエハが収納された別のキャリアをウエハの搬入出位置まで搬送する必要があり、このキャリアの搬送に所定の時間を要することによってスループットが低下しているという問題があった。
【0007】
さらに、ウエハが略水平な状態で収納されたキャリアからウエハ搬入出装置を用いてウエハを搬出して姿勢変換装置に受け渡し、さらにウエハをウエハ搬送装置に受け渡して液処理部に搬送する場合、およびその逆方向にウエハWを搬送する場合には、必要とする機構の数が多くなって配置面積が広くなり、装置のフットプリントが大きくなるという問題があった。
【0008】
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであり、未処理のウエハの戻し作業が生ずる事態を防止して、ロットごとの液処理を行うことにより生産効率を高めることを可能とした液処理装置および液処理方法を提供することを第1の目的とする。
【0009】
また、本発明は、キャリアを効率的に搬送することによってスループットの向上を可能とした液処理装置を提供することを他の目的とする。
【0010】
さらに本発明は、フットプリントを減少させた液処理装置を提供することをさらに他の目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記第1の目的を達成するために、本発明の第1態様に係る液処理装置は、複数のキャリアの複数の基板に一括して所定の液処理を施す処理部と、前記複数の基板が収納されたキャリアを搬入出するキャリア搬入出部と、前記キャリアを、複数保管可能なキャリアストック部と、前記キャリア搬入出部に対して前記キャリアの搬入出を行い、前記キャリアストック部内において前記キャリアを搬送するキャリア搬送装置と、前記キャリアストック部内に設けられた検査/搬入出ステージと、前記検査/搬入出ステージに搬送された前記キャリアに対して基板を搬入出させて、前記処理部との間で基板を搬送する基板搬送部と、前記検査/搬入出ステージに搬送された、前記キャリア内の基板の枚数および/または収納状態を検査する基板検査装置と、前記一括して処理される複数のキャリアのうち、一のキャリアを前記基板検査装置に搬送し、検査の結果、液処理可能ならば前記一のキャリアを前記キャリアストック部へ戻し、前記一括して処理される複数のキャリアのうち、他のキャリアを前記基板検査装置に搬送し、検査の結果、液処理可能ならば前記一のキャリア及び前記他のキャリア内の複数の基板を、前記検査/搬入出ステージから搬出するように制御する制御部と、を具備する。
【0012】
上記第1の目的を達成するために、本発明の第2態様に係る液処理装置は、複数のキャリアの複数の基板に一括して所定の液処理を施す処理部と、前記複数の基板が収納されたキャリアを搬入出するキャリア搬入出部と、前記キャリアを、複数保管可能なキャリアストック部と、前記キャリア搬入出部に対して前記キャリアの搬入出を行い、前記キャリアストック部内において前記キャリアを搬送するキャリア搬送装置と、前記キャリアストック部内に設けられた検査/搬入出ステージと、前記検査/搬入出ステージに搬送された前記キャリアに対して基板を搬入出させて、前記処理部との間で基板を搬送する基板搬送部と、前記検査/搬入出ステージに搬送された、前記キャリア内の基板の枚数および/または収納状態を検査する基板検査装置と、前記一括して処理される複数のキャリアのうち、一のキャリアを前記基板検査装置に搬送し、検査の結果、液処理不可能ならば、前記一括して処理される複数のキャリア内の基板に対する処理を中止し、液処理可能ならば、前記一のキャリアを前記キャリアストック部へ戻し、前記一括して処理される複数のキャリアのうち、他のキャリアを前記基板検査装置に搬送し、検査の結果、液処理不可能ならば、前記一括して処理される複数のキャリア内の基板に対する処理を前記キャリアストック部に戻された前記一のキャリアを含めて中止し、液処理可能ならば、前記一のキャリア及び前記他のキャリア内の複数の基板を、前記検査/搬入出ステージから搬出するように制御する制御部と、を具備する。
【0013】
上記第1の目的を達成するために、本発明の第3態様に係る液処理方法は、複数の基板が収納された第1のキャリアおよび第2のキャリアの2個のキャリア内の基板に所定の液処理を施す液処理方法であって、前記第1のキャリア内の基板の枚数および/または収納状態を検査する第1工程と、前記第1工程の検査で液処理が可能と判断された場合には前記第1のキャリアをキャリアストック部に保管し、一方、前記第1工程における検査で液処理を中止すべきと判断された場合には前記2個のキャリア内の基板の液処理を中止する第2工程と、前記第1のキャリアが前記キャリアストック部に保管された場合に、前記第2のキャリア内の基板枚数および/または収納状態を検査する第3工程と、前記第3工程における検査で液処理が可能と判断された場合には前記第2のキャリア内の基板を液処理部へ搬送し、続いて前記第1のキャリア内の基板を液処理部へ搬送する工程、または、前記第3工程における検査で液処理を中止すべきと判断された場合には前記2個のキャリア内の基板の液処理を中止する工程のいずれか一方を行う第4工程と、を有する。
【0014】
上記第1の目的を達成するために、本発明の第4態様に係る液処理方法は、基板に所定の液処理を施す液処理方法であって、複数の基板が収納されたキャリア内の基板枚数および/または収納状態を検査する第1工程と、前記第1工程における検査において、液処理が可能と判断されたキャリアはキャリアストック部に保管し、液処理を中止すべきと判断されたキャリアについては液処理を中止する第2工程と、前記第1工程と第2工程を所定数のキャリアについて行う第3工程と、前記第1工程における検査で液処理を中止すべきと判断されたキャリアと組になって処理されるべき別のキャリアが既に前記キャリアストック部に保管されている場合に前記別のキャリアを前記キャリアストック部から搬出する第4工程と、前記キャリアストック部へ保管されたキャリアが所定数に達した後に当該キャリアについて基板の液処理を開始する第5工程と、を有する。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、未処理のウエハの戻し作業が生ずる事態を防止して、ロットごとの液処理を行うことにより生産効率を高めることを可能とした液処理装置および液処理方法を提供できる。
【0016】
また、本発明によれば、キャリアを効率的に搬送することによってスループットの向上を可能とした液処理装置を提供できる。
【0017】
さらに、本発明によれば、フットプリントを減少させた液処理装置を提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について具体的に説明する。本実施形態では、本発明を半導体ウエハ(ウエハ)の搬入、液処理、乾燥、搬出をバッチ式に一貫して行うように構成された液処理装置に適用した場合について説明する。
【0019】
図1は本発明の液処理装置の一実施形態を示す斜視図であり、図2はその平面図である。図1および図2に示すように、液処理装置1は、ウエハWが水平状態で収納されたキャリアCを搬入出し、また保管等する搬入出部2と、ウエハWに所定の薬液を用いた液処理を行い、また乾燥処理等を行う液処理部4と、搬入出部2と液処理部4との間でウエハWを搬送するインターフェイス部3とで主に構成されている。
【0020】
搬入出部2は、所定枚数、例えば25枚のウエハWを略水平に所定間隔で収納可能であって、その一側面がウエハWの搬入出口となっており、この搬入出口が蓋体により開閉可能となっている構造を有するキャリアCを載置するためのステージ11が形成されたキャリア搬入出部5と、キャリアCを保持するキャリア保持部材13が所定数配設され、複数のキャリアCが保管可能となっているキャリアストック部6から構成されている。ステージ11に載置された液処理前のウエハWが収納されたキャリアCは、キャリア搬送装置12によりキャリアストック部6へ搬入され、一方、液処理を終了したウエハWが収納されたキャリアCは、キャリアストック部6からキャリア搬送装置12を用いて、ステージ11へと搬出される。
【0021】
キャリア搬入出部5とキャリアストック部6との間にはシャッター14が設けられており、キャリア搬入出部5とキャリアストック部6との間でのキャリアCの受け渡しの際にシャッター14が開かれ、それ以外のときにはキャリア搬入出部5とキャリアストック部6との間の雰囲気分離を行うべく、シャッター14は閉じた状態とされる。
【0022】
キャリア搬送装置12は、例えば、少なくともキャリアCをX方向に移動させることが可能なように駆動される多関節アームまたは伸縮アーム等のアーム12aを有しており、このようなアーム12aがキャリアCを把持してキャリアCの搬送を行う。また、キャリア搬送装置12は、図示しないY軸駆動機構とZ軸駆動機構により、Y方向およびZ方向(高さ方向)へも駆動可能となっており、これにより所定位置に配設されたキャリア保持部材13にキャリアCを載置することが可能となっている。
【0023】
キャリア保持部材13は、図2では、キャリアストック部6を形成する壁面近傍に4箇所(内1箇所は、後述する検査/搬入出ステージ15の上部)設けられており、各箇所において高さ方向に複数段に、例えば4段に設けられている。キャリアストック部6は、液処理前のウエハWが収納されたキャリアCを一時的に保管し、また、ウエハWが取り出された内部が空となったキャリアCを保管する役割を果たす。
【0024】
キャリアストック部6とインターフェイス部3との境界には窓部16が形成されており、この窓部16のキャリアストック部6側には、キャリアCの蓋体が窓部16に対面するようにキャリアCを載置することができるように、キャリア保持部材13と同様の構造を有する検査/搬入出ステージ15が配設されている。なお、検査/搬入出ステージ15を配設することなく、窓部16に対面した所定のスペースにおいてキャリア搬送装置12がキャリアCを所定時間保持するようにしてもよい。
【0025】
窓部16のキャリアストック部6側には、検査/搬入出ステージ15に載置されたキャリアCの蓋体の開閉を行うための蓋体開閉機構17が設けられており、窓部16およびキャリアCの蓋体を開けた状態とすることで、キャリアC内のウエハWをインターフェイス部3側へ搬出することが可能となっており、逆に、インターフェイス部3側から空のキャリアC内へウエハWを搬入することも可能である。なお、蓋体開閉機構17は窓部16のインターフェイス部3側に設けてもよい。
【0026】
窓部16のインターフェイス部3側には、キャリアC内のウエハWの枚数を計測するためのウエハ検査装置18が配設されている。ウエハ検査装置18は、例えば、送信部と受信部を有する赤外線センサヘッドを、キャリアC内に収納されたウエハWのX方向端近傍においてZ方向にスキャンさせながら、送信部と受信部との間で赤外線の透過光または反射光の信号を検知して、ウエハWの枚数を検査する。ここで、ウエハ検査装置18としては、ウエハWの枚数の検査と並行して、ウエハWの収納状態、例えば、キャリアC内にウエハWが所定のピッチで平行に1枚ずつ配置されているかどうか、ウエハWが段差ずれして斜めに収納されていないかどうか等を検出する機能を具備したものを用いることが好ましい。また、ウエハWの収納状態を確認した後に、同センサを用いてウエハWの枚数を検出するようにしてもよい。
【0027】
なお、ウエハWの枚数のみを検査するウエハ検査装置は、例えば、キャリアC内でのウエハWの段差ずれ等が、経験上、殆ど生ずることがない場合等に用いられ、ウエハWの収納状態のみを検査するウエハ検査装置は、例えば、ウエハWの収納枚数に過不足が生ずることが経験上、極めて少ない回数でしか発生しない場合等に用いることができる。
【0028】
キャリア搬送装置12とウエハ検査装置18とは、キャリア搬送装置制御部90によってその動作が制御される。例えば、キャリア搬送装置制御部90は、キャリアC内のウエハWの枚数をウエハ検査装置18により検査した後に、そのキャリアCをキャリアストック部6に保管するように、キャリア搬送装置12を制御する。なお、キャリア搬送装置制御部90により、シャッター14の開閉や窓部16の開閉、蓋体開閉機構17の動作がキャリア搬送装置12の動きに連動して制御される。
【0029】
インターフェイス部3には、ウエハ搬入出装置19と、ウエハ移し替え装置21と、ウエハ搬送装置22が配設されており、ウエハ移し替え装置21は、ウエハ搬入出装置19との間でウエハWの受け渡しを行い、かつ、ウエハWの姿勢を変換する姿勢変換機構21aと、姿勢変換機構21aとウエハ搬送装置22との間でウエハWの受け渡しを行うウエハ垂直保持機構21bから構成されている。
【0030】
ウエハ搬入出装置19は、窓部16を通してキャリアC内のウエハWを搬出して姿勢変換機構21aへ受け渡し、また、液処理が終了したウエハWを姿勢変換機構21aから受け取ってキャリアCへ搬入する。このウエハ搬入出装置19は、未処理のウエハWの搬送を行うアーム19aと、液処理済みのウエハWの搬送を行うアーム19bの2系統のアームを有し、アーム19a・19bは、キャリアC内に収納された複数のウエハWを一括して保持することができるように、キャリアC内におけるウエハWの配列ピッチに適合させて、所定数ほどZ方向に所定間隔で並べられている。また、図2に示した状態において、アーム19a・19bは矢印A方向に移動(スライド)または伸縮自在であり、かつ、Z方向に所定距離昇降可能となっている。さらに、ウエハ搬入出装置19全体はθ方向に回転可能に構成されており、これにより、アーム19a・19bは、検査/搬入出ステージ15に載置されたキャリアCおよび姿勢変換機構21aのいずれにもアクセス可能となっている。
【0031】
ウエハ搬入出装置19の駆動形態は、例えば、次の通りである。先ず、アーム19aがウエハ移し替え装置21側にあり、矢印A方向がX方向と一致している状態において、アーム19aを移動(スライド)または伸長させてウエハWの下側に挿入し、アーム19aを所定距離上昇させてウエハWをアーム19aに保持させ、その後アーム19aを逆方向に移動(スライド)または縮ませることで、キャリアC内のウエハWを搬出する。次いで、ウエハ搬入出装置19全体を図2において反時計回りに90度(°)回転させて、矢印A方向がY方向と一致し、かつ、アーム19aが液処理部4側にある状態としてアーム19aを移動(スライド)または伸縮させることで、アーム19aに保持したウエハWを姿勢変換機構21aへ受け渡すことができる。
【0032】
一方、矢印A方向がY方向と一致し、かつ、アーム19bが液処理部4側にある状態として、アーム19bを移動(スライド)または伸縮させて姿勢変換機構21aから液処理済みのウエハWを取り出した後、ウエハ搬入出装置19全体を図2において時計回りに90°回転させて矢印A方向とX方向とを一致させ、かつ、アーム19bがウエハ移し替え装置21側にある状態として、アーム19bを移動(スライド)または伸縮させることで、アーム19bに保持されたウエハWを空のキャリアCへ搬入することができる。
【0033】
ウエハ搬入出装置19を用いたウエハWの搬送は、ウエハWを略水平状態として行われるが、ウエハWの洗浄はウエハWを略垂直状態として行う必要があることから、姿勢変換機構21aにおいてウエハWの姿勢変換を行う。姿勢変換機構21aは、例えば、ウエハ搬入出装置19におけるウエハWの配列ピッチに合わせてウエハWを保持するための溝等が形成されたガイド部材等を有しており、このガイド部材等が複数のウエハWを保持して所定方向に約90°回転することで、複数のウエハWを水平状態から垂直状態へと変換する。こうして垂直状態に変換されたウエハWは、ウエハ搬送装置22へ受け渡される前に、一旦、ウエハ垂直保持機構21bへ受け渡される。
【0034】
ウエハ垂直保持機構21bは、キャリアC内のウエハ配列ピッチの半分の配列ピッチでウエハWを収納することができるように溝部が形成された構造を有しており(後に示す図8参照)、2個のキャリアC内に収納された合計50枚のウエハWを収納することができるようになっている。こうして2個のキャリアC内に収納されたウエハWは同時に液処理することができる。ウエハ垂直保持機構21bは、姿勢変換機構21aとの間でウエハWの受け渡しが可能な位置と、ウエハ搬送装置22のチャック28a〜28cとの間でウエハWの受け渡しが可能な位置との間でスライド自在であり、略垂直状態のウエハWをウエハWの下側で保持しつつ、ウエハ搬送装置22側へスライドした際にウエハ搬送装置22のチャック28a〜28cと衝突しない構造を有している。
【0035】
ウエハ移し替え装置21におけるウエハWの配列ピッチの調整は、例えば、次のようにして行われる。先ず、1個目のキャリアCから25枚のウエハWをウエハ搬入出装置19により姿勢変換機構21aへ移し替える。次に、姿勢変換機構21aは、ウエハWを略垂直状態に姿勢変換してウエハ垂直保持機構21bに受け渡す。この時点では、ウエハ垂直保持機構21bに受け渡されたウエハWの配列ピッチはキャリアC内での配列ピッチと同じである。続いて、2個目のキャリアCから25枚のウエハWをウエハ搬入出装置19により姿勢変換機構21aへ移し替える。その後に姿勢変換機構21aはウエハWを略垂直状態に姿勢変換してウエハ垂直保持機構21bに受け渡すが、このときウエハ垂直保持機構21bの位置をウエハWの配列方向に配列ピッチの半分の距離だけずらしておくことで、ウエハ垂直保持機構21bにキャリアC内での配列ピッチの半分の配列ピッチでウエハWを保持することができる。
【0036】
なお、ウエハW間の配列ピッチを半分に変換する方法は、上述した方法に限定されるものではない。例えば、姿勢変換機構21aを、2個のキャリアCに収納可能な50枚のウエハWをキャリアCにおける配列ピッチの半分の配列ピッチで保持することが可能な構造とし、2個目のキャリアCのウエハWをウエハ搬入出装置19から姿勢変換機構21aへウエハWを移し替える際に、ウエハ搬入出装置19または姿勢変換機構21aのいずれか一方の高さを、ウエハWのキャリアC内での配列ピッチの半分ほど全体的にずらす。こうして、姿勢変換機構21aが保持した50枚のウエハWを一括して姿勢変換し、ウエハ垂直保持機構21bに受け渡すことも可能である。
【0037】
また、例えば、キャリアC内でのウエハWの配列ピッチと同じ配列ピッチで、1個のキャリアC分のウエハWが姿勢変換機構21aへ受け渡された後に、姿勢変換機構21aにおいてウエハWを水平状態から垂直状態へ変換する前後のいずれかのタイミングでウエハWの配列ピッチを変化させてもよい。また、ウエハ垂直保持機構21bに配列ピッチを調節する機構を設けることも可能である。
【0038】
さらに、姿勢変換機構21aにおけるウエハWの回転方向を順方向と逆方向にそれぞれ90°回転させることができるようにして、最初のキャリアCのウエハWについては、姿勢変換機構21aにおいて順方向回転よる姿勢変換を行った後にウエハ垂直保持機構21bに受け渡し、2個目のキャリアCのウエハWについては姿勢変換機構21aにおいて逆方向回転よる姿勢変換を行った後にウエハ垂直保持機構21bに受け渡すと、ウエハ垂直保持機構21bにおいて、後の工程でレジスト膜等を形成するウエハWの面(処理面)を対向させることも可能である。2個目のキャリアCのウエハWについても姿勢変換機構21aにおいて順方向回転よる姿勢変換を行った後にウエハ垂直保持機構21bに受け渡すと、ウエハ垂直保持機構21bにおいて、ウエハWの面(処理面)は一方向を向くように配列される。
【0039】
ウエハ搬送装置22は、ウエハ垂直保持機構21bとの間で垂直状態のウエハWの受け渡しを行い、未処理のウエハWを液処理部4へ搬入し、逆に、液処理等の終了したウエハWを液処理部4から搬出して、ウエハ垂直保持機構21bに受け渡す。ウエハ搬送装置22においては、ウエハWは3本のチャック28a〜28cにより保持される。
【0040】
図3は、ウエハ搬送装置22におけるチャック28a〜28cの位置関係を示す正面図である。チャック28a〜28cには、ウエハ垂直保持機構21bに保持されたウエハWの配列ピッチと同じ間隔でウエハWを保持するための溝部41(後に示す図4に詳しく図示する)が形成されている。チャック28a〜28cのうち中央のチャック28aは台座29に固定されており、ウエハWを最下端にて保持する。残る2本のチャック28b・28cは、それぞれが連結部材43b・43cによって回転軸42b・42cに連結され、図示しない回転機構によってZ−X面で弧を描くように回転軸42b・42c回りに所定角度回転する。チャック28b・28cは、ウエハWの受け渡し時には開いた状態(点線位置)に保持され、搬送時には閉じた状態(実線位置)に保持される。
【0041】
なお、チャック28b・28cが開いた状態(点線位置)では、全てのチャック28a〜28cはX方向に一直線に並ぶようになっており、この状態において、後に説明するチャック洗浄機構26によるチャック28a〜28cの洗浄処理が行われる。また、チャック28b・28cがウエハWを保持する位置は、図3に示した位置に限定されるものではなく、図3に示した位置よりも上方または下方のいずれの位置であっても構わない。
【0042】
なお、ウエハ垂直保持機構21bとウエハ搬送装置22との間のウエハWの受け渡しの形態は、ウエハ垂直保持機構21bをウエハ搬送装置22に対してY方向に移動させる方法に限らず様々な形態が考えられる。例えば、ウエハ垂直保持機構21bをウエハ搬送装置22に対してZ方向へ移動して行う方法や、ウエハ垂直保持機構21bとウエハ搬送装置22との間に図示しない移し替え機構を設ける方法が挙げられる。また、ウエハ移し替え装置21においてウエハWの配列ピッチの変更を行わずに、ウエハ搬送装置22においてウエハW間の配列ピッチの変更を行うようにしても構わない。つまり、ウエハWの配列ピッチの変更や調整は、ウエハ搬送装置22において2個のキャリアC分のウエハWが所定のピッチで保持可能であれば、インターフェイス部3におけるウエハWの搬送工程のいずれの段階で行っても構わない。
【0043】
ウエハ搬送装置22がウエハ垂直保持機構21bとの間でウエハWの受け渡しを行い、また、液処理部4へウエハWを搬送することができるように、ウエハ搬送装置22は、ガイドレール23に沿ってX方向に移動し、液処理部4へ進入/退出することができるようになっている。また、液処理後のウエハWに損傷や位置ずれ等の発生がないかどうかを確認するために、ウエハ垂直保持機構21bとウエハ搬送装置22との間でウエハWの受け渡しが行われる位置に、ウエハWの配列状態を検査する検出センサ27が設けられている。なお、検出センサ27は、このような位置に限定されず、ウエハWが、液処理後ウエハ搬入出装置19へ搬送されるまでの間で検査を行うことができる位置にあればよい。
【0044】
インターフェイス部3には、ウエハ垂直保持機構21bとウエハ搬送装置22との間でウエハWの受け渡しが行われる場所の横に、パーキングエリア9aが設けられており、このパーキングエリア9aには、例えば、未処理のウエハWを待機させることが可能となっている。例えば、液処理または乾燥処理があるロットのウエハWについて行われており、ウエハ搬送装置22を運転させることが必要でない時間を利用して、次に液処理を開始すべきウエハWをパーキングエリア9aに搬送しておく。これにより、例えば、キャリアストック部6からウエハWを搬送してくる場合と比較すると、ウエハWの液処理ユニット7への移動時間を短縮することが可能となり、スループットを向上させることができる。
【0045】
液処理部4は、液処理ユニット7と、乾燥ユニット8と、パーキングエリア9bから構成されており、インターフェイス部3側から、乾燥ユニット8、液処理ユニット7、パーキングエリア9bの順で配置されている。ウエハ搬送装置22は、X方向に延在するガイドレール23に沿って液処理部4内を移動することができるようになっている。
【0046】
パーキングエリア9bは、パーキングエリア9aと同様に、未処理のウエハWを待機させる場所である。液処理または乾燥処理があるロットのウエハWについて行われており、ウエハ搬送装置22を運転させることが必要でない時間を利用して、次に液処理を開始すべきウエハWがパーキングエリア9bへ搬送される。パーキングエリア9bは液処理ユニット7に隣接していることから、液処理開始にあたって、ウエハWの移動時間を短縮することが可能となり、スループットを向上させることができる。
【0047】
液処理ユニット7には、図2に示すように、パーキングエリア9b側から、第1の薬液槽31、第1の水洗槽32、第2の薬液槽33、第2の水洗槽34、第3の薬液槽35、第3の水洗槽36が順に配置されている。また、第1の薬液槽31と第1の水洗槽32の間でウエハWを搬送するための第1の搬送装置37、第2の薬液槽33と第2の水洗槽34の間でウエハWを搬送するための第2の搬送装置38、第3の薬液槽35と第3の水洗槽36の間でウエハWを搬送するための第3の搬送装置39を備えている。
【0048】
例えば、第1の薬液槽31には、有機性汚れ除去や表面金属不純物除去を行うために、130℃前後に加熱されたSPM液(濃硫酸と過酸化水素水の混合溶液)が貯留されている。また第2の薬液槽33には、パーティクル等の付着物を除去するための薬液、例えばSC−1液(アンモニアと過酸化水素と水の混合溶液)が貯留されており、第3の薬液槽35には、ウエハWの表面に形成された酸化膜をエッチングするためのエッチング液、例えば希フッ酸が貯留されている。エッチング液としては、希フッ酸の他、フッ酸とフッ化アンモニウムとの混合物(バッファドフッ酸(BHF))を用いることもできる。
【0049】
第1から第3の水洗槽32・34・36は、それぞれ第1から第3の薬液槽31・33・35による液処理によってウエハWに付着した薬液を除去するものであり、例えば、オーバーフローリンスやクイックダンプリンス等の各種の水洗手法が用いられる。
【0050】
第1の搬送装置37は、Z方向に昇降可能な駆動機構を有しており、ウエハ搬送装置22から受け渡されたウエハWを下降させて第1の薬液槽31に浸して所定時間経過後に引き上げ、次いで、ウエハWをX方向に平行移動させてウエハWを第1の水洗槽32に浸して所定時間保持し、引き上げるように動作する。第1の水洗槽32での処理を終えたウエハWは、一度、ウエハ搬送装置22のチャック28a〜28cに戻された後、ウエハ搬送装置22から第2の搬送装置38へ搬送される。第2および第3の搬送装置38・39は、第1の搬送装置37と同様の構造を有し、また、同様に動作する。なお、ウエハ搬送装置22と第1から第3の搬送装置37〜39との間でのウエハWの受け渡しは、それぞれ第1から第3の水洗槽32・34・36上で行うことが好ましい。これは、ウエハ搬送装置22を第1から第3の薬液槽31・33・35の上部に停止させた場合には、薬液の蒸気等によってウエハ搬送装置22が汚染され、また、損傷を受けることを防ぐためである。
【0051】
乾燥ユニット8には、水洗槽24とウエハ搬送装置22のチャック28a〜28cを洗浄するチャック洗浄機構26が配設されており、水洗槽24の上部には、例えばイソプロピルアルコール(IPA)の蒸気が供給されてウエハWを乾燥する乾燥室(図示せず)が設けられている。また、水洗槽24と乾燥室との間でウエハWを搬送する搬送装置25が設けられており、水洗槽24で水洗されたウエハWが搬送装置25で引き上げられ、乾燥室においてIPA乾燥されるようになっている。搬送装置25はX方向の移動ができない他は前述した第1の搬送装置37等と同様に構成されており、ウエハ搬送装置22との間でウエハWの受け渡しが可能となっている。
【0052】
図4は、チャック洗浄機構26の構造を示した説明図であり、図4(a)はチャック洗浄機構26の平面図(a)を、図4(b)は洗浄ノズル51の断面図を、図4(c)は乾燥ノズル54の断面図を、それぞれ示している。チャック洗浄機構26は、洗浄ノズル51と、乾燥ノズル54と、ノズル保持部52と、ガイド53とノズル保持部52をガイドに沿ってY方向に移動させる図示しないエアーシリンダ等の駆動機構を有している。また、洗浄ノズル51はX方向に横並びとされたチャック28a〜28cの上部を覆うことができるような凹凸が設けられており、洗浄ノズル51の内部には、洗浄液供給路51aと、洗浄液吐出口51cと、洗浄液供給路51aと洗浄液吐出口51cとを連通する洗浄液分岐供給路51bが形成されている。
【0053】
洗浄液供給路51aには、図示しない洗浄液供給源から洗浄液が供給されるようになっており、洗浄液吐出口51cは、チャック28a〜28cに形成された溝部41に向けて所定の角度で洗浄液を吐出することができるようになっている。なお、図4(b)においては、洗浄液吐出口51cは、洗浄処理の対象となるチャック28a〜28cによって異なった角度で設けられている。これは、チャック28b・28cをチャック28aと同じ高さに下ろしたときの溝部41の位置、および洗浄液の拡散方向を考慮したものである。洗浄液吐出口51cの配設角度は図4(b)に示した状態に限定されるものではなく、チャック28a〜28cの形状や溝部41の形状および形成位置を考慮して、適宜、好適な角度に設定される。
【0054】
乾燥ノズル54も洗浄ノズル51と同様に、その内部に乾燥ガス供給路54aと、乾燥ガス吐出口54cと、乾燥ガス供給路54aと乾燥ガス吐出口54cとを連通する乾燥ガス分岐供給路54bが形成された構造を有している。乾燥ガス吐出口54cから吐出される乾燥ガスによってチャック28a〜28cに付着した洗浄液が吹き飛ばされて全体が乾燥されるように、乾燥ガス吐出口54cの位置と数は、適切に定められ、図4(c)に示された位置と数に限定されものではない。なお、乾燥ノズル54を設けることなく、洗浄ノズル51から乾燥ガスを吐出させることによってチャック28a〜28cを乾燥させることも可能である。
【0055】
チャック洗浄機構26の使用方法は、先ず、図4(a)に示した状態から洗浄液を吐出しながら、洗浄ノズル51と乾燥ノズル54とを台座29側へ向けて所定の速度で移動させてチャック28a〜28cの洗浄処理を行い、次に、洗浄ノズル51が全ての溝部41に対する洗浄液の吐出を終了して台座29側の所定位置へ到達したならば、今度は乾燥ガス吐出口54cから窒素ガス等の乾燥ガスを吐出させながら、洗浄ノズル51の位置をチャック28a〜28cの先端部側へと所定速度で移動させ、チャック28a〜28cを乾燥させる。こうして、チャック28a〜28cの洗浄・乾燥処理を行うことができる。このチャック28a〜28cの乾燥処理を台座29側からチャック28a〜28cの先端側へ向けて行うことで、乾燥ガスによって飛散する洗浄液が台座29等に付着することを防止することができる。
【0056】
次に、上述したように構成された液処理装置1の処理工程について、図5の液処理の工程を示した説明図を参照しながら説明する。最初に、処理するウエハWの枚数、すなわちキャリアCの数を決定する(ステップ1)。以下の例では、25枚のウエハWが水平状態で収納されたキャリアCを、2個を1ロットとし、5ロットの液処理を行うものとして説明する。
【0057】
最初に、1ロットを構成する2個のキャリアC(C1・C2とする)をキャリア搬入出部5に載置する(ステップ2)。シャッター14を開き、キャリア搬送装置12を用いてキャリアC1をキャリアストック部6へ搬入する(ステップ3)。キャリアC1をキャリアストック部6へ搬入した後はシャッター14を閉じて、キャリアストック部6にゴミ等が入らないようにすることが好ましい。
【0058】
キャリアストック部6に搬入されたキャリアC1を、検査/搬入出ステージ15に載置し(ステップ4)、蓋体開閉機構17によりキャリアC1の蓋体を開き、さらに窓部16を開いて、キャリアC1に収納されたウエハWの枚数と収納状態をウエハ検査装置18によって検査する(ステップ5)。
【0059】
キャリアC1についてウエハWの収納状態に異常が検出されなかった場合には、窓部16とキャリアC1の蓋体を閉じて、キャリアC1をキャリアストック部6に配設されたキャリア保持部材13のいずれかに載置し、その位置をキャリア搬送装置制御部90に記憶させておく(ステップ6)。続いて、前述したステップ3〜ステップ6に従って、キャリアC2をキャリアストック部6に搬入して、キャリアC2におけるウエハWの収納状態を検査し、異常が発見されなかった場合にはキャリアC2もキャリア保持部材13のいずれかに載置し、その位置を記憶しておく(ステップ7)。
【0060】
前記ステップ5において、キャリアC1のウエハWの収納状態に異常が発見された場合には、キャリアC1の液処理は行わないので、キャリアC1をキャリア搬入出部5へ戻し、キャリアC1・C2をキャリア搬入出部5から撤去する(ステップ8)。また、キャリアC2について行われたステップ5においてウエハWの収納状態に異常が発見された場合には、キャリアC2をキャリア搬入出部5へ戻した後に、一時保管されたキャリアC1についてもキャリア搬入出部5へ戻し、キャリアC1・C2をキャリア搬入出部5から撤去する(同ステップ8)。このようなステップ2からステップ8の処理を残りのキャリアC(C3〜C10とする)について同様に行う(ステップ9)。
【0061】
なお、キャリアC1についてウエハWの枚数および収納状態の検査には所定の時間を要するために、この時間を利用して、逐次、キャリアC2〜C10をキャリアストック部6の所定位置に搬入しておいて、キャリアC1についてのウエハWの検査が終了した後には、次に検査すべきキャリアC2をキャリアストック部6の保管位置から検査/搬入出ステージ15へ移動させるように、キャリア搬送装置12を動作させてもよい。
【0062】
従来は、例えば、キャリアC1に収納されたウエハWについて異常が検出されなかった場合には、これらのウエハWはウエハ搬入出装置19によってキャリアC1から搬出されてウエハ垂直保持機構21bまで搬送され、キャリアC2に収納されたウエハWの搬送を待つ方法が採られていた。しかし、このような方法を用いると、キャリアC2のウエハWの枚数が不足している等して、その液処理を中止する必要が生じた場合には、ウエハ垂直保持機構21b等に搬送していたウエハWをキャリア搬入出部5まで引き戻して、キャリアC1に収納する必要が生じ、これにより処理時間の遅延を招くことがあった。
【0063】
また、キャリアC1・C2については問題なく液処理を終了したが、その次のキャリアC3に収納されたウエハWの枚数が不足する等した場合には、キャリアC3・C4については処理を行えないことから、当初予定していた10個のキャリアC分のウエハWの液処理を行うことができなくなる。この場合、新たにウエハを準備するか、または8個のキャリア分の処理に処理条件を変更する等する必要が生ずる。このような事態の発生は生産管理上、好ましいとは言えない。
【0064】
本発明においては、上述したステップ1からステップ9により、予め準備された全てのキャリアCについて、収納されたウエハWの状態を確認した後に液処理を開始するため、ウエハWの引き戻しを行うことはなくなる。また、ウエハが不足した場合は前もって処理条件を変更する等、生産管理も容易となる。
【0065】
ステップ9までの工程により、キャリアストック部6に処理すべき所定数のキャリアCが保管された後にウエハWの液処理を開始する。キャリア搬送装置制御部90にはキャリアC1の位置が記憶されているので、キャリア搬送装置12を動作させて、キャリアC1を保管位置から検査/搬入出ステージ15に移動させる(ステップ10)。そしてキャリアC1の蓋体を開き、また、窓部16を開いて、ウエハ搬入出装置19の未処理ウエハ搬送用のアーム19aを動作させて、キャリアC1内のウエハWを搬出し、インターフェイス部3の所定位置まで搬送する(ステップ11)。なお、キャリアC1内からウエハWを取り出す際には、キャリアC1内のウエハWの状態は先に確認されているので、ウエハ検査装置18による検査は行わなくともよいが、再確認のために再びウエハ検査装置18による検査を行ってもよい。
【0066】
キャリアC1内からウエハWを搬出した後は、キャリアストック部6においては、窓部16およびキャリアCの蓋体を閉じて、キャリア搬送装置12を動作させて空のキャリアC1を検査/搬入出ステージ15から保管されていた元の位置に戻し、キャリアC2を検査/搬入出ステージ15へ移動させる。また、インターフェイス部3では、アーム19aが把持するウエハWは姿勢変換機構21aへ受け渡され、姿勢変換機構21aにおいて姿勢変換されてウエハ垂直保持機構21bに受け渡される。アーム19aは再び検査/搬入出ステージ15に載置されるキャリアC2にアクセス可能な状態とされ、キャリアC2内のウエハWを取り出して姿勢変換機構21aへ受け渡す。姿勢変換機構21aはウエハWの姿勢変換を行って、ウエハWをウエハ垂直保持機構21bに受け渡す。こうして、ウエハ垂直保持機構21bには、50枚のウエハWが、キャリアC1・C2に収納されていた配列ピッチの半分のピッチで配列される。
【0067】
ウエハ垂直保持機構21bをウエハ搬送装置22側へスライド移動させて、ウエハWをチャック28a〜28cへ移し替える。ウエハWをウエハ搬送装置22へ移し替えた後のウエハ垂直保持機構21bへは、次に液処理に供するウエハWを搬送することが可能であるから、キャリアC3・C4からのウエハWの搬送を行い、後述するように、キャリアC1・C2のウエハWの液処理が開始された後に、キャリアC3・C4のウエハWを、例えば、パーキングエリア9bへ待機させる準備を行っておくことが好ましい。
【0068】
ウエハWを保持したウエハ搬送装置22を、ガイドレール23に沿って液処理ユニット7の第1の薬液槽31または第1の水洗槽32の位置へ移動させ、ウエハWを第1の搬送装置37へ移し替え、ウエハWの液処理を開始する(ステップ12)。ウエハWの液処理は、例えば、第1の薬液槽31への浸漬と第1の水洗槽32による洗浄、第2の薬液槽33への浸漬と第2の水洗槽34による洗浄、第3の薬液槽35への浸漬と第3の水洗槽36による洗浄の順で行われる。
【0069】
このようなウエハWの液処理を開始した後においては、例えば、第1の薬液槽31にウエハWを浸漬し、次いで第1の水洗槽32で洗浄を行っている間は、ウエハ搬送装置22に動作待ちの時間が生ずるので、例えば、この時間を利用して次に処理すべきウエハWをウエハ垂直保持機構21bから受け取ってパーキングエリア9bへ搬送しておく。そして、先に液処理が開始されたウエハWが第1の水洗槽32から第2の搬送装置38へ移し替えられた後に、パーキングエリア9bに待機されていた次のウエハWを第1の搬送装置37へ移し替えて第1の薬液槽31での液処理を開始する。
【0070】
これにより、タクトタイムの短縮およびスループットを向上が図られる。このようなパーキングエリア9bへのウエハWの搬送は、液処理が終了したウエハWをキャリアストック部6へ戻し搬送するタイミングを考慮して行うことができる。なお、次に処理すべきウエハWは、パーキングエリア9aに待機させてもよい。また、次に処理すべきウエハWをパーキングエリア9bに待機させ、さらにその次に処理すべきウエハWをパーキングエリア9aに待機させることもできる。
【0071】
液処理ユニット7での処理が終了したウエハWは、一度、ウエハ搬送装置22に移し替えられた後、乾燥ユニット8の搬送装置25へ移し替えられ、乾燥処理が施される。乾燥処理が終了したウエハWは、ウエハ搬送装置22に移し替えられて、インターフェイス部3に戻され、検出センサ27によりウエハWの状態を検査する。ここで、ウエハWの状態に異常が検出されれば、例えば、液処理装置1を停止してメンテナンスを行う等の処置をとる。こうしてウエハ垂直保持機構21bへの受け渡しミスによるウエハ搬送装置22やウエハ垂直保持機構21bの損傷やウエハWの破損等を防止することができる。
【0072】
液処理が終了してインターフェイス部3へ戻されたウエハWは、先に未処理のウエハWをキャリアストック部6からウエハ搬送装置22まで搬送した手順と逆の手順により、検査/搬入出ステージ15に載置された空のキャリアC1・C2へ収納することができる(ステップ13)。液処理が終了したウエハWが収納されたキャリアC1・C2は、キャリア搬入出部5へ搬送、搬出されて、次工程へと送られる(ステップ14)。上述したステップ10〜14の処理においては、液処理が終了したウエハWの戻し搬送のタイミングを考慮して、逐次、処理すべきウエハWを液処理部4へ搬送する。全てのキャリアC1〜C10についての液処理が終了した後には、別のロットの処理を開始することができる。
【0073】
なお、液処理が終了したウエハWをキャリアCへ収納する際に、液処理前のウエハWが収納されていたキャリアCとは異なるキャリアCを用いる場合には、ウエハWを取り出した後の空のキャリアCをキャリア搬入出部5へ搬出し、代わりに用いるキャリアCをキャリアストック部6に搬入すればよい。また、空のキャリアCを一時的にキャリアストック部6へ搬入、保管した後に、キャリア搬送装置12を駆動する必要がない時間等を見計らって、キャリア搬入出部5へ搬出し、液処理済みのウエハWを収納するための別のキャリアCを搬入しておいてもよい。このような液処理が終了したウエハWを収納するためのキャリアCのキャリアストック部6への搬入、保管は、液処理が終了したウエハWが検査/搬入出ステージ15へ戻るまでの時間内に行えばよい。
【0074】
次に、本発明に係る液処理装置の別の実施の形態について説明する。図6は、液処理装置100の構造を示す平面図である。液処理装置100は、先に説明した液処理装置1と比較すると、キャリアストック部6とインターフェイス部3の構造が異なり、その他の部分(ユニット)については液処理装置1と同じ構造を有する。具体的には、液処理装置100は、キャリアストック部6にキャリア退避装置60を新設し、また、インターフェイス部3に、ウエハ搬入出装置19とウエハ移し替え装置21における姿勢変換機構21aの部分に代えて、ウエハ搬入出/姿勢変換装置70を配設した点で、液処理装置1と異なる。そこで、以下、これらキャリア退避装置60とウエハ搬入出/姿勢変換装置70について説明することとする。
【0075】
図7はキャリアストック部6に設けられたキャリア退避装置60の構造を示した説明図である。キャリア退避装置60は、検査/搬入出ステージ15に載置されたキャリアCを検査/搬入出ステージ15の上方に一時的に退避させる機構である。ここで、以降の説明において、検査/搬入出ステージ15に載置されたキャリアCの位置を「検査位置」といい、キャリア退避装置60により検査位置の上方に持ち上げられてキャリアCが一時的に保持される位置を「退避位置」と呼ぶこととする。なお、退避位置は検査位置の上方に限定されるものではなく、例えば、検査位置の横方向とすることも可能である。
【0076】
キャリア退避装置60は、キャリアCを把持するキャリア把持部61と、キャリア把持部61をY方向にスライドさせるスライドアーム62と、キャリアストック部6の壁面に取り付けられ、Z方向に延在するガイド63と、スライドアーム62を保持し、かつ、ガイド63に沿ってZ方向にスライド可能なアーム保持部64とを有している。なお、スライドアーム62とアーム保持部64の駆動機構については図示していないが、これらの駆動機構としては、例えば、エアーシリンダやベルト搬送機構等を用いることができる。
【0077】
キャリア退避装置60を用いる前提として、液処理装置100においては、キャリアCとして、図7に示されるように、上面に断面略T字型の突起部81が形成されたキャリアC´を用いる。突起部81は柱部81aと傘部81bからなる。
【0078】
キャリア把持部61は略L字型の形状を有しており、図7(a)に示すように、スライドアーム62を動作させることで、検査位置にあるキャリアC´の上面の突起部81へY方向からアクセスし、傘部81bとキャリアCの上面との間に挿入可能である。そして、図7(b)に示すように、キャリア把持部61が傘部81bとキャリアC´の上面との間に挿入された状態で、アーム保持部64をガイド63に沿ってZ方向に上昇させると、キャリア把持部61と傘部81bが当接して、キャリアC´をZ方向に上昇させ、キャリアC´を退避位置へ移動させることが可能となっている。なお、キャリア把持部61は略L字型の形状に限定されるものではなく、傘部81bとキャリアCの上面との間に挿入可能であれば、例えば、略U字型であっても構わない。
【0079】
図7(c)に示すように、退避位置にあるキャリアC´の下側へキャリア搬送装置12のアーム12aがアクセスして、キャリアC´を保持する。キャリア把持部61と突起部81の傘部とが当接しない状態となるように、キャリア把持部61を微小距離下方に下げるか、または、キャリア搬送装置12のアーム12aのアーム12aを微小距離上昇させて、スライドアーム62を縮めると、キャリア把持部61を傘部81bの下から抜き出すことができる。キャリア搬送装置12のアーム12aに保持されたキャリアC´は、所定位置のキャリア保持部材13へ搬送される。
【0080】
次に、インターフェイス部3に設けられたウエハ搬入出/姿勢変換装置70について詳細に説明する。図8はウエハ搬入出/姿勢変換装置70の構造と動作形態を示した説明図である。ウエハ搬入出/姿勢変換装置70は、所定の間隔で略平行に並べられた複数の支持プレート71と、支持プレート71を保持するプレート保持部72と、支持プレート71のプレート保持部72側に可動に設けられたウエハ保持移動ガイド73と、複数の支持プレート71を一括して所定角度回転させるプレート回転機構74と、支持プレート71をX方向にスライドさせるプレート進退機構75と、プレート進退機構75をZ方向にスライドさせる昇降機構76とを有している。
【0081】
プレート保持部72は、連結治具82によってプレート進退機構75に連結されている。なお、図8中の符号77はプレート進退機構75の駆動アクチュエータであり、符号78は昇降機構76の駆動アクチュエータであり、符号79は、ウエハ保持移動ガイド73の駆動アクチュエータである。駆動アクチュエータ79は、2個のウエハ保持移動ガイド73を同時にX方向にスライドさせるように駆動する。
【0082】
図9は支持プレート71の構造を示す断面図である。支持プレート71の表裏主面の所定位置には、ウエハWに当接する支持ピン71aが形成されており、支持プレート71の略先端部(キャリアストック部6側)には、保持ピン71bが設けられている。この保持ピン71bの先端は、プレート保持部72側に向けて屈曲した形状となっている。ウエハ保持移動ガイド73は、X方向にスライド可能であり、支持プレート71に保持されるウエハWの位置およびピッチに合わせて、ウエハWを挟み込むための溝部73aが支持プレート71側に形成されている。
【0083】
支持プレート71は表裏対称な構造となっており、通常の状態では、プレート回転機構74によって上面となっている面にウエハWを保持する。従って、例えば、図9に示す上面側を上面とした状態で未処理のウエハWの搬送用として用い、下面側を上面となるように回転させた状態で液処理が終了したウエハWの搬送用として用いることが可能である。
【0084】
プレート進退機構75を動作させて支持プレート71を検査位置にあるキャリアC´に挿入し、微小距離だけ昇降機構76を動作させて上昇させ、その状態からプレート進退機構75を動作させて支持プレート71をキャリアC´から引き出すことで、ウエハWは支持ピン71aに当接した状態でキャリアC´から搬出される。この状態からウエハ保持移動ガイド73を支持プレート71の先端側へスライドさせると、ウエハWは保持ピン71bとウエハ保持移動ガイド73に形成された溝部73aにより挟持され、水平方向のみならずZ方向への移動も制限される。
【0085】
このようにしてウエハWを保持した支持プレート71をプレート回転機構74を駆動させて90°回転させても、ウエハWは支持プレート71から外れて落下することはない。また、略垂直な状態で保持されたウエハWはその下端部に何ら他の部材が当接していないことから、容易に、ウエハ垂直保持機構21bにウエハWを移し替えることが可能である。この場合には、ウエハWは、ウエハ垂直保持機構21bにおいてキャリアC´内でのウエハWの配列ピッチと同じ間隔で保持される。
【0086】
ウエハ搬入出/姿勢変換装置70からウエハ垂直保持機構21bへのウエハWの移し替えは、例えば、図8(b)に示すように、昇降機構76によりプレート進退機構75等とともに支持プレート71を降下させて、ウエハWをウエハ垂直保持機構21bに形成された所定の溝部83に納め、ウエハ保持移動ガイド73を後退させてウエハWの保持を解除した後に支持プレート71を上昇させることで行うことができる。ウエハ垂直保持機構21bからウエハ搬入出/姿勢変換装置70への液処理済みのウエハWの移し替えは、逆の手順により行うことができるが、このときにはウエハWと対面する支持プレート71の表裏主面は、液処理済みのウエハWの搬送用の面となっているように注意する。
【0087】
ここで、ウエハ垂直保持機構21bはY方向にスライド自在であることから、あるキャリアC´のウエハWをウエハ垂直保持機構21bに移し替え、次に別のキャリアC´のウエハWをウエハ垂直保持機構21bに移し替える際に、キャリアC´内でのウエハWの配列ピッチの半分の距離だけウエハ垂直保持機構21bをY方向にスライドさせておけば、ウエハ垂直保持機構21bには、2個のキャリアC´分のウエハWがキャリアC´内でのウエハWの配列ピッチの半分のピッチで保持される。ウエハ垂直保持機構21bとウエハ搬送装置22との間でのウエハWの移し替えは、液処理装置1の場合と同様にして行われる。
【0088】
ウエハ搬入出/姿勢変換装置70を用いた場合には、ウエハ搬入出装置19および姿勢変換機構21aを用いる場合と比較して、装置の配置面積が減少するためにフットプリントを減少させることが可能となる。また、ウエハWを受け渡す回数が減少することから、受け渡しのミスによるウエハWの損傷や装置の損傷を防止することが可能となる。
【0089】
次に、図10を参照しながら、キャリア退避装置60を用いた場合のキャリアストック部6でのキャリアC´の搬送形態について説明する。ここでは、既にキャリア搬送装置12によって4個以上のキャリアC´がキャリアストック部6に搬入されて所定位置のキャリア保持部材13に載置されており、かつ、所定のキャリアC´については液処理が開始されている状態において、未だにウエハWの液処理が開始されていないために内部にウエハWが収納された2個のキャリアC´(以下、キャリアC1´・C2´とする)と、既に液処理が開始されているために内部が空の状態となっている2個のキャリアC´(以下、キャリアC3´・C4´とする)の搬送形態について説明する。
【0090】
なお、キャリアC1´・C2´については、キャリアストック部6へ搬入する時点で既に収納されたウエハWの検査が行われており、異常がないことが確認されているものとする。また、図10においては、説明の都合上、キャリアC1´〜C4´どうしを近接して示し、かつ、キャリアC1´〜C4´の保管位置を検査/搬入出ステージ15に近接して示しているが、これらはキャリアC1´〜C4´の実際の保管位置を示したものではなく、また、キャリアC1´〜C4´の保管位置の全てが検査/搬入出ステージ15に近接していることを示したものでもない。つまり、キャリアC1´〜C4´は、キャリアストック部6の任意のキャリア保持部材13に保管されている。
【0091】
図10(a)は初期状態を示している。この状態から、先ず、キャリアC1´に収納されたウエハWをインターフェイス部3へ搬出するために、キャリア搬送装置12によりキャリアC1´を検査/搬入出ステージ15へ移動させ、キャリアC1´の蓋体および窓部16を開けて、ウエハ検査装置18によるウエハWの再検査を開始する(図10(b))。この検査には所定時間を要するために、この検査時間を利用して、キャリア搬送装置12はキャリアC2´を保持して検査位置近くに移動させて待機する(図10(b))。
【0092】
キャリアC1´の検査が終了して異常のないことが確認されたら、ウエハ搬入出/姿勢変換装置70によりキャリアC1´からウエハWを搬出し、キャリアC1´の蓋体および窓部16を閉じて、キャリア退避装置60によりキャリアC1´を退避位置へ上昇させる(図10(c))。なお、ウエハ搬入出/姿勢変換装置70は、キャリアC1´から搬出したウエハWをウエハ垂直保持機構21bへ移し替え、次に検査/搬入出ステージ15に載置されるキャリアC2´にアクセス可能な状態としておく。
【0093】
キャリアC1´を退避位置へ移動させたことにより、検査位置、つまり検査/搬入出ステージ15が空いた状態となるため、キャリア搬送装置12は保持していたキャリアC2´を検査/搬入出ステージ15へ載置する。こうして、キャリアC2´の蓋体および窓部16を開けてウエハ検査装置18によるウエハWの再検査を開始し、キャリア搬送装置12は退避位置にある空のキャリアC1´をキャリア退避装置60から受け取って元の保管位置に戻し、さらにキャリアC3´を保持してその保管位置から検査位置近くに移動させ、待機する(図10(d))。
【0094】
キャリアC2´の検査が終了し、異常のないことが確認されたら、ウエハ搬入出/姿勢変換装置70によりキャリアC2´からウエハWを搬出し、キャリアC2´の蓋体および窓部16を閉じて、キャリア退避装置60によりキャリアC2´を退避位置へ上昇させる(図10(e))。インターフェイス部3においては、ウエハ搬入出/姿勢変換装置70は、キャリアC2´から搬出したウエハWをウエハ垂直保持機構21bへ移し替え、さらにウエハ垂直保持機構21bからウエハ搬送装置22へウエハWを受け渡す。ウエハ搬送装置22はウエハWを液処理部4の第1の搬送装置37またはパーキングエリア9a・9bへ搬送し、その後に液処理および乾燥処理が終了したウエハWを搬送装置25またはパーキングエリア9a・9bから受け取って、ウエハ垂直保持機構21bへ移し替える。こうして、ウエハ垂直保持機構21bからウエハ搬入出/姿勢変換装置70へのウエハWの移し替えを行うことができる状態としておく。
【0095】
キャリアストック部6においては、キャリアC2´を退避位置へ移動させたことによって検査位置が空いた状態となるため、キャリア搬送装置12は保持していたキャリアC3´を検査/搬入出ステージ15へ載置する。キャリアC3´については、キャリアC3´の蓋体および窓部16を開いて、ウエハ搬入出/姿勢変換装置70から液処理が終了したウエハWをキャリアC3´に搬入し、ウエハ検査装置18によるウエハWの収納状態の検査を行う。また、キャリア搬送装置12については、退避位置にあるキャリアC2´をキャリア退避装置60から受け取って元の保管位置に戻し、さらに、キャリアC4´を保持してその保管位置から検査位置近くに移動させ、待機する(図10(f))。
【0096】
キャリアC3´における検査が終了した後には、キャリアC3´の蓋体および窓部16を閉じて、キャリア退避装置60によりキャリアC3´を退避位置へ移動させる(図10(g))。次いで、キャリア搬送装置12は保持していたキャリアC4´を検査/搬入出ステージ15へ載置し、その後、退避位置にあるキャリアC3´をキャリア退避装置60から受け取って元の保管位置に戻す(図10(h))。検査位置においては、キャリアC4´の蓋体および窓部16を開いて、ウエハ搬入出/姿勢変換装置70から液処理が終了したウエハWをキャリアC4´に搬入し、ウエハ検査装置18によるウエハWの収納状態の検査を行う。
【0097】
キャリアC4´の検査が終了したら、キャリアC4´の蓋体および窓部16を閉じて、キャリア搬送装置12がキャリアC4´を検査位置から元の保管位置に戻す(図10(i))。こうしてキャリアC1´〜C4´について所定の処理が終了する。
【0098】
液処理装置100のようにキャリア退避装置60を配設することにより、あるキャリアCについてのウエハ検査装置18によって検査が行われている間にも、キャリア搬送装置12を動作させることができることから、キャリアストック部6におけるキャリアCの搬送時間が短縮され、スループットが向上する。
【0099】
以上、本発明の実施の形態について説明してきたが、液処理装置1・100のいずれの場合においても、キャリアC・C´をキャリアストック部6に搬入し、また、キャリアストック部6で移動させる形態は、上記実施の形態に限定されるものではない。
【0100】
例えば、液処理装置1の場合において、2個のキャリア(第1キャリア、第2キャリア)Cを1ロットとして処理する場合に、キャリアCの組合せは決められているが、幾つの数のロットについて処理するかを定めていないときには、次の2通りの方法を用いることができる。
【0101】
第1の方法では、先ず、第1キャリアCについて収納されているウエハWの枚数や状態を検査し、問題がない場合には第1キャリアCをキャリアストック部6の所定位置に保管する。一方、第1キャリアCの検査でウエハの枚数が不足する等した場合には、第1キャリアCをキャリア搬入出部5へ戻して、組になっている第2キャリアCについては検査を行わずに次のロットの検査に移る。
【0102】
第1キャリアCについて問題がなかった場合には、第2キャリアCについて収納されているウエハWの枚数や状態を検査し、その結果問題がない場合にはその場で第2キャリアCからウエハ搬入出装置19がウエハWをインターフェイス部3へ搬出し、ウエハWをウエハ垂直保持機構21bまで搬送する。こうしてウエハWが搬出された空の第2キャリアCをキャリアストック部6に配設されたいずれかのキャリア保持部材13に載置した後、先に検査を行った第1キャリアCを検査/搬入出ステージ15へ移動させて、必要に応じて再度ウエハWの枚数と状態を検査した後に、ウエハWをインターフェイス部3へ搬出し、ウエハWをウエハ垂直保持機構21bまで搬送する。
【0103】
こうしてウエハ垂直保持機構21bに保持された第1・第2キャリアCの50枚のウエハWをウエハ搬送装置22に移し替え、液処理を開始する。この液処理が行われている間には、次に処理するロットを構成するキャリアCについて、同様に検査を行うことができ、検査が終了したものについては、逐次、キャリアストック部6へ保管するか、または、パーキングエリア9a・9bに向けてウエハWを搬送することができる。
【0104】
第2の方法では、先ず、第1キャリアCおよび第2キャリアCをキャリアストック部6の所定位置に保管する。そして、第1のキャリアCを検査/搬入出ステージ15へ移動させて、収納されているウエハWの枚数や状態を検査し、問題がない場合には再び第1キャリアCをキャリアストック部6の元の保管場所に戻し、次に第2キャリアCを検査/搬入出ステージ15へ移動させて、収納されているウエハWの枚数や状態を検査し、問題がない場合には再び第2キャリアCをキャリアストック部6の元の保管場所に戻す。
【0105】
なお、第1キャリアCの検査でウエハの枚数が不足する等した場合には、第1キャリアCをキャリア搬入出部5へ搬出し、また第2キャリアCもキャリア搬入出部5へ搬出する。そして、次のロットの検査に移る。
【0106】
第1・第2キャリアCの両方に問題がなかった場合には、最初に第1キャリアCを検査/搬入出ステージ15へ移動させて、必要に応じて再度収納されているウエハWの枚数や状態を検査して、その結果問題がない場合にはウエハ搬入出装置19がウエハWを第1キャリアCから搬出し、ウエハWをウエハ垂直保持機構21bまで搬送する。ウエハWが搬出された空の第1キャリアCをキャリアストック部6の元の保管位置に戻した後に第2キャリアCを検査/搬入出ステージ15へ移動させて、必要に応じて再度収納されているウエハWの枚数や状態を検査し、その結果問題がない場合にはウエハ搬入出装置19がウエハWを第2キャリアCから搬出し、ウエハWをウエハ垂直保持機構21bまで搬送する。
【0107】
こうしてウエハ垂直保持機構21bが保持する第1・第2キャリアCの50枚のウエハWをウエハ搬送装置22に移し替え、液処理を開始する。この液処理が行われている間には、次に処理するロットを構成するキャリアCについて、同様に検査を行うことができ、検査が終了したものについてはキャリアストック部6へ保管するか、または、パーキングエリア9a・9bに向けてウエハWを搬送することができる。
【0108】
この他にも、処理すべきウエハWが収容されたキャリアCが複数あるが、2個1組のロットが前もって組まれていない場合には、液処理装置1内でロットを組んで、その情報を記録する方法も用いることができる。この場合、例えば、1番目のキャリアCについてウエハWの枚数が不足する等の問題がない場合には、その場でウエハWが搬出され、ウエハWはウエハ垂直保持機構21bへ搬送される。空の1番目のキャリアCはキャリアストック部6の所定位置に保管され、2番目に検査されたキャリアCにウエハWの枚数の不足が確認された場合には、2番目のキャリアCはキャリア搬入出部5に戻されるか、一時的にキャリアストック部6に保管された後、収容されたウエハWに液処理を施すことなく、所定のタイミングでキャリア搬入出部5に戻される。
【0109】
第3のキャリアCについて、ウエハWの枚数の不足等なく、問題なしにウエハWの液処理を開始することができることが確認された場合には、そのウエハWが搬出されてウエハ垂直保持機構21bまで搬送される。こうして、第1と第3のキャリアCについてロットが組まれ、その旨が記録される。このような逐次処理も、液処理装置1・100を用いて行うことが可能である。
【0110】
ところで、上記実施形態では、本発明を半導体ウエハに適用した場合について説明したが、これに限らず、液晶表示装置(LCD)用基板等、他の基板の処理にも適用することができる。
【0111】
上述の通り、本発明によれば、あるロットを構成する複数のキャリアに収納された基板の枚数および/または収納状態を確認した後に液処理を開始することができることから、最初のキャリアから基板を取り出して液処理装置の奥部へ搬送した後に、次のキャリア内の基板に枚数不足等が生じているために処理を行うことができなくなり、液処理装置の奥部から基板をキャリア内に引き戻すといった処理に要する時間ロスの発生がなくなり、スループットを向上させることが可能となるという優れた効果が得られる。
【0112】
また、キャリアストック部にキャリア退避装置を設けることによって、キャリア搬送装置を効率的に使用することが可能となり、これによってスループットが向上するという効果が得られる。
【0113】
さらに、キャリアから基板を搬出する装置と搬出した基板の姿勢変換を行う装置を一体化した装置を用いた場合には、液処理装置のフットプリントを低減して省スペース化が可能となり、また、基板の受け渡し回数の低減によって、基板および装置の損傷が防止されるという効果が得られる。
【0114】
さらにまた、液処理装置内に、垂直状態に保持された液処理前の基板を一時的に載置するためのパーキングエリアを液処理槽近傍またはインターフェイス部に設けることにより、基板の液処理装置内での搬送時間を短縮して、しかも所定の処理槽での次の液処理を即座に行うことが可能となり、スループットを向上させることが可能となるという効果も得られる。
【図面の簡単な説明】
【0115】
【図1】本発明の液処理装置の一実施形態を示す斜視図。
【図2】本発明の液処理装置の一実施形態を示す平面図。
【図3】本発明の液処理装置に用いられるウエハ搬送装置におけるチャック部分の構造を示した正面図および平面図。
【図4】チャック洗浄機構の構造を示す平面図および断面図。
【図5】本発明の液処理方法の一実施形態を示す説明図。
【図6】本発明の液処理装置の別の実施形態を示す平面図。
【図7】キャリア退避装置の構造を示す説明図。
【図8】ウエハ搬入出/姿勢変換装置の構造と動作形態を示す説明図。
【図9】図8記載のウエハ搬入出/姿勢変換装置が具備する支持プレートの構造を示す断面図。
【図10】図6記載の液処理装置におけるキャリアストック部でのキャリアの搬送形態を示す説明図。
【符号の説明】
【0116】
1・100;液処理装置、2;搬入出部、3;インターフェイス部、4;液処理部、5;キャリア搬入出部、6;キャリアストック部、7;液処理ユニット、8;乾燥ユニット、9a・9b;パーキングエリア、12;キャリア搬送装置、13;キャリア保持部材、15;検査/搬入出ステージ、18;ウエハ検査装置、19;ウエハ搬入出装置、21;ウエハ移し替え装置、21a;姿勢変換機構、21b;ウエハ垂直保持機構、22;ウエハ搬送装置、60;キャリア退避装置、70;ウエハ搬入出/姿勢変換装置、90;キャリア搬送装置制御部、W;半導体ウエハ(基板)、C・C´;キャリア。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のキャリアの複数の基板に一括して所定の液処理を施す処理部と、
前記複数の基板が収納されたキャリアを搬入出するキャリア搬入出部と、
前記キャリアを、複数保管可能なキャリアストック部と、
前記キャリア搬入出部に対して前記キャリアの搬入出を行い、前記キャリアストック部内において前記キャリアを搬送するキャリア搬送装置と、
前記キャリアストック部内に設けられた検査/搬入出ステージと、
前記検査/搬入出ステージに搬送された前記キャリアに対して基板を搬入出させて、前記処理部との間で基板を搬送する基板搬送部と、
前記検査/搬入出ステージに搬送された、前記キャリア内の基板の枚数および/または収納状態を検査する基板検査装置と、
前記一括して処理される複数のキャリアのうち、一のキャリアを前記基板検査装置に搬送し、検査の結果、液処理可能ならば前記一のキャリアを前記キャリアストック部へ戻し、前記一括して処理される複数のキャリアのうち、他のキャリアを前記基板検査装置に搬送し、検査の結果、液処理可能ならば前記一のキャリア及び前記他のキャリア内の複数の基板を、前記検査/搬入出ステージから搬出するように制御する制御部と、
を具備することを特徴とする液処理装置。
【請求項2】
複数のキャリアの複数の基板に一括して所定の液処理を施す処理部と、
前記複数の基板が収納されたキャリアを搬入出するキャリア搬入出部と、
前記キャリアを、複数保管可能なキャリアストック部と、
前記キャリア搬入出部に対して前記キャリアの搬入出を行い、前記キャリアストック部内において前記キャリアを搬送するキャリア搬送装置と、
前記キャリアストック部内に設けられた検査/搬入出ステージと、
前記検査/搬入出ステージに搬送された前記キャリアに対して基板を搬入出させて、前記処理部との間で基板を搬送する基板搬送部と、
前記検査/搬入出ステージに搬送された、前記キャリア内の基板の枚数および/または収納状態を検査する基板検査装置と、
前記一括して処理される複数のキャリアのうち、一のキャリアを前記基板検査装置に搬送し、検査の結果、液処理不可能ならば、前記一括して処理される複数のキャリア内の基板に対する処理を中止し、液処理可能ならば、前記一のキャリアを前記キャリアストック部へ戻し、前記一括して処理される複数のキャリアのうち、他のキャリアを前記基板検査装置に搬送し、検査の結果、液処理不可能ならば、前記一括して処理される複数のキャリア内の基板に対する処理を前記キャリアストック部に戻された前記一のキャリアを含めて中止し、液処理可能ならば、前記一のキャリア及び前記他のキャリア内の複数の基板を、前記検査/搬入出ステージから搬出するように制御する制御部と、
を具備することを特徴とする液処理装置。
【請求項3】
前記基板搬送部は、
前記キャリアに対して基板の搬入出を行う基板搬入出装置と、
前記処理部に対して基板の搬入出を行う基板搬送装置と、
前記基板搬入出装置との間で基板を略水平な状態で受け渡し、前記基板搬送装置との間で基板を略垂直な状態で受け渡しする基板移し替え装置と、
を有することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の液処理装置。
【請求項4】
前記基板移し替え装置は、
前記基板搬入出装置との間で基板を略水平な状態として受け渡しを行い、かつ、基板を略水平状態と略垂直状態との間で姿勢変換する姿勢変換機構と、
前記姿勢変換機構との間で基板を略垂直な状態として受け渡しを行い、かつ、前記基板搬送装置との間で基板を略垂直な状態として受け渡しを行う基板垂直保持機構と、を具備することを特徴とする請求項3に記載の液処理装置。
【請求項5】
前記基板搬送部は、
前記処理部に対して基板の搬入出を行う基板搬送装置と、
キャリアに対して基板の搬入出を行い、保持した基板を略水平状態と略垂直状態の間で姿勢変換して前記基板搬送装置との間で基板の受け渡しを行う基板搬入出/姿勢変換装置と、
を有することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の液処理装置。
【請求項6】
前記基板搬入出/姿勢変換装置は、
表裏主面の所定位置に基板に当接する突起部が形成され、所定間隔で略平行に配置された複数の支持プレートと、
前記複数の支持プレートを保持するプレート保持部と、
前記複数の支持プレートのそれぞれにおいて、前記プレート保持部と反対側の略先端部に固定して設けられた基板保持ピンと、
前記複数の支持プレートのプレート保持部側に可動に設けられた基板保持移動ガイドと、
前記プレート保持部に連結され、前記複数の支持プレートを前記キャリアストック部内のキャリアに対して一括して進入/退出させるプレート進退機構と、
前記複数の支持プレートを一括して所定角度回転させる回転機構と、
前記プレート保持部を前記支持プレートの表裏主面に垂直な方向に所定距離昇降させる昇降機構と、
を有し、
前記基板保持ピンと前記基板保持移動ガイドとの間で基板を挟持することによって支持プレートの表裏主面のいずれの側にも基板を保持することが可能であることを特徴とする請求項5に記載の液処理装置。
【請求項7】
前記キャリアは、基板を搬入出する搬入出口と前記搬入出口を開閉する蓋体とを有し、
前記基板検査装置によるキャリア内の基板の検査およびキャリアと前記基板搬送部との間での基板の受け渡しの際に前記蓋体を開閉する蓋体開閉機構を具備することを特徴とする請求項1乃至請求項6いずれか一項に記載の液処理装置。
【請求項8】
収納された基板の液処理を中止すべきと判断されたキャリアと組になって処理されるべき別のキャリアが既に前記キャリアストック部に保管されている場合に、前記別のキャリアを前記キャリア搬入出部へ戻すように前記キャリア搬送装置が制御されることを特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれか一項に記載の液処理装置。
【請求項9】
前記キャリアストック部に保管されたキャリアが所定数に達した後に、基板の液処理が開始されることを特徴とする請求項1乃至請求項8いずれか一項に記載の液処理装置。
【請求項10】
前記処理部の近傍に、液処理前の所定枚数が配列された基板を一時的に載置するためのパーキングエリアが設けられていることを特徴とする請求項1乃至請求項9いずれか一項に記載の液処理装置。
【請求項11】
液処理後の基板の枚数および/または配列状態を検査するための別の基板検査装置が設けられていることを特徴とする請求項1乃至請求項10いずれか一項に記載の液処理装置。
【請求項12】
複数の基板が収納された第1のキャリアおよび第2のキャリアの2個のキャリア内の基板に所定の液処理を施す液処理方法であって、
前記第1のキャリア内の基板の枚数および/または収納状態を検査する第1工程と、
前記第1工程の検査で液処理が可能と判断された場合には前記第1のキャリアをキャリアストック部に保管し、一方、前記第1工程における検査で液処理を中止すべきと判断された場合には前記2個のキャリア内の基板の液処理を中止する第2工程と、
前記第1のキャリアが前記キャリアストック部に保管された場合に、前記第2のキャリア内の基板枚数および/または収納状態を検査する第3工程と、
前記第3工程における検査で液処理が可能と判断された場合には前記第2のキャリア内の基板を液処理部へ搬送し、続いて前記第1のキャリア内の基板を液処理部へ搬送する工程、または、前記第3工程における検査で液処理を中止すべきと判断された場合には前記2個のキャリア内の基板の液処理を中止する工程のいずれか一方を行う第4工程と、
を有することを特徴とする液処理方法。
【請求項13】
基板に所定の液処理を施す液処理方法であって、
複数の基板が収納されたキャリア内の基板枚数および/または収納状態を検査する第1工程と、
前記第1工程における検査において、液処理が可能と判断されたキャリアはキャリアストック部に保管し、液処理を中止すべきと判断されたキャリアについては液処理を中止する第2工程と、
前記第1工程と第2工程を所定数のキャリアについて行う第3工程と、
前記第1工程における検査で液処理を中止すべきと判断されたキャリアと組になって処理されるべき別のキャリアが既に前記キャリアストック部に保管されている場合に前記別のキャリアを前記キャリアストック部から搬出する第4工程と、
前記キャリアストック部へ保管されたキャリアが所定数に達した後に当該キャリアについて基板の液処理を開始する第5工程と、
を有することを特徴とする液処理方法。
【請求項14】
前記第5工程において、少なくとも2個のキャリア内の基板を一括して液処理することを特徴とする請求項13に記載の液処理方法。
【請求項15】
前記第5工程において、1組の基板の液処理が行われている間に、次に液処理が行われる別の組の基板を、前記液処理を行う処理部の近傍に待機させておくことを特徴とする請求項13又は請求項14に記載の液処理方法。
【請求項16】
液処理後の基板の配列状態を検査する工程を有することを特徴とする請求項12乃至請求項15いずれか一項に記載の液処理方法。
【請求項17】
前記基板検査装置による検査を行う検査位置から離れた位置にある退避位置との間でキャリアを移動させるキャリア退避装置を、さらに備え、
前記制御部が、前記基板検査装置による検査結果に基づいて前記キャリア内の基板の液処理が可能と判断された場合に、このキャリアに収納された複数の基板を前記基板搬送部に搬送し、前記複数の基板が搬送され、空となったキャリアを前記退避位置に退避させるように制御することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の液処理装置。
【請求項18】
前記キャリア搬送装置は、前記検査位置に載置されたキャリアに対して前記基板検査装置による検査が行われている間に次に基板検査装置による検査が行われる別のキャリアを保持して検査位置近傍にて待機し、検査位置にあるキャリアに対する検査が終了して前記キャリア退避機構が検査の終了したキャリアを退避位置に移動させた後には、保持していた前記別のキャリアを検査位置に載置し、その後に前記キャリア退避機構から検査の終了したキャリアを受け取って所定位置に保管するように制御されることを特徴とする請求項17に記載の液処理装置。
【請求項19】
前記退避位置は、前記検査位置の上方にあることを特徴とする請求項17又は請求項18に記載の液処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2008−103734(P2008−103734A)
【公開日】平成20年5月1日(2008.5.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−273777(P2007−273777)
【出願日】平成19年10月22日(2007.10.22)
【分割の表示】特願2001−92804(P2001−92804)の分割
【原出願日】平成13年3月28日(2001.3.28)
【出願人】(000219967)東京エレクトロン株式会社 (5,184)
【Fターム(参考)】