説明

減衰力可変ダンパの制御装置

【課題】 路面段差の通過時等における車両挙動の安定化や乗り心地の向上等を実現した減衰力可変ダンパの制御装置を提供する。
【解決手段】 後輪3rl,3rrが路面段差を通過すると推定されることで、ステップS28の判定がYesとなると、ばね下制振制御部59は、ステップS29で後輪収斂時間Tcが経過したか否かを判定する。現在時刻Tpが後輪共振開始時刻Trrに達した直後にはステップS29の判定が当然にNoとなるため、ばね下制振制御部59は、ステップS30で前輪制振目標値Dsvfおよび後輪制振目標値Dsvrを出力する。現在時刻Tpが後輪共振開始時刻Trrに達した後に後輪収斂時間Tcが経過し、ステップS29の判定がYesとなると、ばね下制振制御部59は、ステップS31で前輪制振目標値Dsvfおよび後輪制振目標値Dsvrの出力を停止する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、減衰力可変ダンパの制御装置に係り、詳しくは、路面段差の通過時等における車両挙動の安定化や乗り心地の向上等を実現する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、自動車のサスペンションに用いられる筒型ダンパとして、乗り心地や操縦安定性の向上を図るべく、減衰力を段階的あるいは無段階に可変制御できる減衰力可変型のものが種々開発されている。減衰力可変ダンパ(以下、単にダンパと記す)を装着した車両では、車両の走行状態に応じてダンパの減衰力を可変制御することにより、操縦安定性や乗り心地の向上を図ることが可能となる。例えば、車両の旋回走行時には横方向運動に伴う慣性力(横加速度)によって車体が左右方向にロールするが、横加速度の微分値に応じてダンパの減衰力を高くすることにより、車体の過大なロールを抑制できる。また、車両が路面段差を通過する際や旋回走行を行う際においては、前後ダンパの減衰力を適宜高めることにより、ばね下共振領域におけるばね下の制振を行って車両挙動の乱れを抑制することができる(特許文献1参照)。
【特許文献1】特開平6−277121号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、特許文献1の方法を採った場合でも、前輪側ダンパのばね下制振制御と後輪側ダンパのばね下制振制御とが個別に行われるため、車両挙動の乱れを十分に抑制できない問題があった。例えば、車両が路面段差の存在する道路を走行する場合等においては、前輪側ダンパのばね下制振制御が前輪が路面段差を通過した時点で開始され、後輪側ダンパのばね下制振制御が後輪が路面段差を通過した時点で開始されるため、前輪側のばね下共振が始まってから後輪側のばね下共振が収斂するまでに比較的長時間を要することになる。また、車両挙動の乱れは後輪側のばね下共振が収斂するまで続くため、前輪が路面段差を通過した時点で前輪側のばね下制振制御を開始することは、前輪側ダンパの減衰力を高める時点を無駄に早くすることになり、乗り心地が悪化する期間が短くなり難くなる結果を招く。
【0004】
本発明は、このような背景に鑑みなされたもので、路面段差の通過時等における車両挙動の安定化や乗り心地の向上等を実現した減衰力可変ダンパの制御装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
第1の発明は、車体と各車輪との間に減衰力可変ダンパがそれぞれ介装された車両に搭載され、当該減衰力可変ダンパの制御に供される制御装置であって、前輪側のばね下運動状態量を検出する前輪ばね下運動検出手段と、前記前輪ばね下運動検出手段の検出結果に基づき、後輪側のばね下共振の開始時刻を予測する後輪共振開始時刻予測手段と、前記前輪ばね下運動検出手段の検出結果と前記後輪共振開始時刻予測手段の予測結果とに基づき、後輪側減衰力可変ダンパの目標減衰力を後輪目標減衰力として設定する後輪目標減衰力設定手段とを備えたことを特徴とする。
【0006】
また、第2の発明は、第1の発明に係る減衰力可変ダンパの制御装置において、後輪のばね下共振の収斂に要する時間を予測または設定する後輪収斂時間設定手段と、前記後輪収斂時間設定手段の設定結果に基づき、前輪側のばね下共振と後輪側のばね下共振とがほぼ同時に収斂するように、前輪側減衰力可変ダンパの目標減衰力を前輪目標減衰力として設定する前輪目標減衰力設定手段とを更に備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
第1の発明によれば、例えば、路面段差を通過することによって前輪側にばね下共振が生じた場合、車両のホイールベースと車速とに基づいて後輪側にばね下共振が生じる時刻を予測し、後輪が路面段差を通過する時点でダンパの減衰力を高めることにより、車両挙動が乱れる期間を短縮することができる。また、第2の発明によれば、前輪側のばね下共振を後輪側のばね下共振とほぼ同時に収斂させるため、前輪側のばね下共振は急速に減衰させる必要がなくなり、前輪側ダンパの目標減衰力を比較的小さくして乗り心地の向上を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、本発明を4輪自動車に適用した実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。図1は実施形態に係る4輪自動車の概略構成図であり、図2は実施形態に係るダンパの縦断面図であり、図3は実施形態に係る減衰力制御装置の概略構成を示すブロック図であり、図4は実施形態に係るばね下制振制御部の概略構成を示すブロック図である。
【0009】
≪実施形態の構成≫
<自動車の概略構成>
先ず、図1を参照して、実施形態に係る自動車の概略構成について説明する。説明にあたり、4本の車輪やそれらに対して配置された部材、すなわち、タイヤやサスペンション等については、それぞれ数字の符号に前後左右を示す添字を付して、例えば、左前輪3fl、右前輪3fr、左後輪3rl、右後輪3rrと記すとともに、総称する場合には、例えば、車輪3と記す。
【0010】
図1に示すように、自動車(車両)Vはタイヤ2が装着された4つの車輪3を備えており、これら各車輪3がサスペンションアームや、スプリング、MRF式減衰力可変ダンパ(以下、単にダンパと記す)4等からなるサスペンション5によって車体1に懸架されている。自動車Vには、サスペンションシステムの制御主体であるECU(Electronic Control Unit:電子制御ユニット)7や、EPS(Electric Power Steering:電動パワーステアリング)8が設置されている。また、自動車Vには、車速を検出する車速センサ9、横加速度を検出する横Gセンサ10、前後加速度を検出する前後Gセンサ11、ヨーレイトを検出するヨーレイトセンサ12等が車体1の適所に設置されるとともに、ダンパ4の変位を検出するストロークセンサ13と、車体1におけるホイールハウス付近の上下加速度を検出する上下Gセンサ(上下運動量検出手段)14とが各車輪3ごとに設置されている。
【0011】
ECU7は、マイクロコンピュータやROM、RAM、周辺回路、入出力インタフェース、各種ドライバ等から構成されており、通信回線(本実施形態では、CAN(Controller Area Network))を介して各車輪3のダンパ4や各センサ9〜14と接続されている。
【0012】
<ダンパの構造>
図2に示すように、本実施形態のダンパ4は、モノチューブ式(ド・カルボン式)であり、MRFが充填された円筒状のシリンダチューブ21と、このシリンダチューブ21に対して軸方向に摺動するピストンロッド22と、ピストンロッド22の先端に装着されてシリンダチューブ21内を上部油室24と下部油室25とに区画するピストン26と、シリンダチューブ21の下部に高圧ガス室27を画成するフリーピストン28と、ピストンロッド22等への塵埃の付着を防ぐカバー29と、フルバウンド時における緩衝を行うバンプストップ30とを主要構成要素としている。
【0013】
シリンダチューブ21は、下端のアイピース21aに嵌挿されたボルト31を介して、車輪側部材であるトレーリングアーム35の上面に連結されている。また、ピストンロッド22は、上下一対のブッシュ36とナット37とを介して、その上端のスタッド22aが車体側部材であるダンパベース(ホイールハウス上部)38に連結されている。
【0014】
ピストン26には、上部油室24と下部油室25とを連通する環状連通路39と、環状連通路39の内側に配設されたMLVコイル40とが設けられている。ECU7からMLVコイル40に電流が供給されると、環状連通路39を流通するMRFに磁界が印可されて強磁性微粒子が鎖状のクラスタを形成し、環状連通路39内を通過するMRFの見かけ上の粘度が上昇する。
【0015】
<ダンパ制御装置の概略構成>
ECU7には、図3にその概略構成を示す減衰力制御装置50が内装されている。減衰力制御装置50は、上述した各センサ9〜14等が接続する入力インタフェース51と、センサ9〜12,14等から入力した検出信号に基づき各ダンパ4の目標減衰力を設定する減衰力設定部52と、目標減衰力とストロークセンサ13の検出結果とに応じて各ダンパ4(MLVコイル40)への駆動電流を生成する駆動電流生成部53と、駆動電流生成部53が生成した駆動電流を各ダンパ4に出力する出力インタフェース54とから構成されている。減衰力設定部52には、スカイフック制御に供されるスカイフック制御部56と、ロール制御に供されるロール制御部57と、ピッチ制御に供されるやピッチ制御部58と、ばね下制振制御に供されるばね下制振制御部59とが収容されている。
【0016】
<ばね下制振制御部>
図4に示すように、ばね下制振制御部59は、ストロークセンサ13からのストローク信号Ssに基づいて前輪ばね下上下運動(前輪3fl,3frの上下運動)を検出する前輪ばね下運動検出部61と、前輪ばね下運動検出部61の検出結果と車速センサの検出結果とに基づいて後輪ばね下(後輪3rl,3rr)の共振開始時刻(後輪共振開始時刻Trr)を予測する後輪共振開始時刻予測部62と、ばね下運動検出部61の検出結果に基づいて後輪ばね下の共振の収斂に要する時間(後輪収斂時間Tc)を設定する後輪収斂時間設定部63と、前輪ばね下運動検出部61の検出結果と後輪共振開始時刻予測部62の予測結果と後輪収斂時間設定部63の設定結果とに基づいて前輪制振目標値Dsvfを設定する前輪目標減衰力設定部64と、前輪ばね下運動検出部61の検出結果と後輪共振開始時刻予測部62の予測結果と後輪収斂時間設定部63の設定結果とに基づいて後輪制振目標値Dsvrを設定する後輪目標減衰力設定部65とを有している。
【0017】
≪実施形態の作用≫
<減衰力制御>
自動車が走行を開始すると、減衰力制御装置50は、所定の処理インターバル(例えば、2ms)をもって、図5のフローチャートにその手順を示す減衰力制御を実行する。減衰力制御を開始すると、減衰力制御装置50は、図5のステップS1で、横Gセンサ10、前後Gセンサ11および上下Gセンサ14から得られた車体1の各加速度や、車速センサ9から入力した車速v、操舵角センサ(図示せず)から入力した操舵速度、ストロークセンサ13から入力したダンパ4のストローク信号Ss等に基づき自動車Vの運動状態を判定する。次に、減衰力制御装置50は、自動車Vの運動状態に基づき、ステップS2で各ダンパ4のスカイフック制御目標値Dshを算出し、ステップS3で各ダンパ4のロール制御目標値Drを算出し、ステップS4で各ダンパ4のピッチ制御目標値Dpを算出し、ステップS5で各ダンパ4のばね下制振目標値Dsv(前輪制振目標値Dsvf,後輪制振目標値Dsvr)を算出する。
【0018】
次に、減衰力制御装置50は、ステップS6で、ストロークセンサ13から入力したストローク信号Ssに基づき算出した各ダンパ4のストローク速度が正の値であるか否かを判定し、この判定がYesであった場合(すなわち、ダンパ4が伸び側に作動している場合)、ステップS7で4つの制御目標値Dsh,Dr,Dp,Dsvのうち値が最も大きいもの(絶対値の最も大きい正の値)を目標減衰力Dtgtに設定する。また、減衰力制御装置50は、ステップS6の判定がNoであった場合(すなわち、ダンパ4が縮み側に作動している場合)、ステップS8で3つの制御目標値Dsh,Dr,Dp,Dsvのうち値が最も小さいもの(絶対値の最も大きい負の値)を目標減衰力Dtgtに設定する。
【0019】
ステップS7またはステップS8で目標減衰力Dtgtを設定すると、減衰力制御装置50は、ステップS9で図6の目標電流マップから目標減衰力Dtgtに対応する目標電流Itgtを検索/設定した後、ステップS10で目標電流Itgtに基づき各ダンパ4のMLVコイル40に駆動電流を出力する。
【0020】
<ばね下制振制御>
上述した減衰力制御と並行して、減衰力制御装置50内のばね下制振制御部59は、所定の処理インターバルをもって、図7のフローチャートにその手順を示すばね下制振制御を繰り返し実行する。ばね下制振制御を開始すると、ばね下制振制御部59は、図7のステップS21で初期値0のばね下制振フラグFsvが1であるか否かを判定する。ステップS21の初回の判定はNoとなるため、ばね下制振制御部59は、ステップS22でストローク信号Ssに基づいて前輪3fl,3frにばね下共振が生じているか否かを判定し、この判定がNoであれば何ら処理を行わずにスタートに戻る。なお、ステップS22の判定は、例えば、前輪3fl,3frの上下振動周波数がばね下共振領域(例えば、10〜14Hz)にあるか否かによって行われる。
【0021】
例えば、前輪3fl,3frが路面段差を通過してステップS22の判定がYesになると、ばね下制振制御部59は、ステップS23で、ストローク信号Ssと車速vとに基づき、後輪共振開始時刻Trrを予測する。この予測は、例えば、ストローク信号Ssから得られた前輪ばね下の共振開始時刻に対し、ホイールベースWBを車速vで除した値(すなわち、前輪3fl,3frが段差を通過してから後輪3rl,3rrが段差を通過するまでに要する時間)を加算することによって行われる。
【0022】
次に、ばね下制振制御部59は、ステップS24で、ストローク信号Ssから得られた前輪ばね下共振の振幅等に基づき、図示しないマップや演算式を用いて後輪ばね下共振の収斂に要する時間(後輪収斂時間Tc)を設定する。ばね下制振制御部59は、前輪ばね下共振の振幅が大きい場合には後輪収斂時間Tcを長く設定し、ばね下共振の振幅が小さい場合には後輪収斂時間Tcを短く設定する。なお、後輪収斂時間Tcは、若干の余裕をもって設定されることが望ましい。
【0023】
次に、ばね下制振制御部59は、ストローク信号Ssと後輪収斂時間Tcとに基づき、ステップS25で前輪制振目標値Dsvfを設定し、ステップS26で後輪制振目標値Dsvrを設定した後、ステップS27でばね下制振フラグFsvを1としてスタートに戻る。なお、前輪制振目標値Dsvfおよび後輪制振目標値Dsvrは、図示しないばね下制振目標値設定マップを用いて行われ、前輪ばね下共振の振幅が大きいほど大きく設定され、後輪収斂時間Tcが長いほど小さく設定される。
【0024】
ステップS21の次回の判定はYesとなるため、ばね下制振制御部59は、ステップS28で現在時刻Tpが後輪共振開始時刻Trrに達したか否かを判定し、この判定がNoである間はスタートに戻って処理を繰り返す。なお、この時点では、ばね下制振制御が行われないが、ダンパ4のイニシャル減衰力(MRFが環状連通路39を通過する際の機械的減衰力)が存在するため、前輪ばね下共振はある程度減衰される。
【0025】
現在時刻Tpが後輪共振開始時刻Trrに達することで(すなわち、後輪3rl,3rrが路面段差を通過する時刻となることで)、ステップS28の判定がYesとなると、ばね下制振制御部59は、ステップS29で後輪収斂時間Tcが経過したか否かを判定する。現在時刻Tpが後輪共振開始時刻Trrに達した直後にはステップS29の判定が当然にNoとなるため、ばね下制振制御部59は、ステップS30で前輪制振目標値Dsvfおよび後輪制振目標値Dsvrを出力する。これにより、各ダンパ4の減衰力が同時に高められ、各車輪3fl〜3rrのばね下共振が減衰され始める。
【0026】
現在時刻Tpが後輪共振開始時刻Trrに達した後に後輪収斂時間Tcが経過し、ステップS29の判定がYesとなると、ばね下制振制御部59は、ステップS31で前輪制振目標値Dsvfおよび後輪制振目標値Dsvrの出力を停止し、ステップS32でばね下制振フラグFsvを0にリセットしてスタートに戻る。
【0027】
本実施形態では、図8のグラフに示すように、後輪側のばね下制振が早期に開始/終了することによってばね下共振総期間(前輪側の共振が始まってから後輪側の共振が収斂するまでの期間)が短くなり、車両挙動の安定化が実現されることが判る。また、前輪3fl,3fr側のばね下共振を急速に減衰させる必要がなくなるため、前輪側ダンパ4fl,4frの減衰力を比較的小さく設定することにより、乗り心地も有意に向上させることができる。
【0028】
以上で具体的実施形態の説明を終えるが、本発明の態様は上記実施形態に限られるものではない。例えば、上記実施形態では前輪側のばね下制振と後輪側のばね下制振とを同時刻に開始/終了するようにしたが、前輪側のばね下制振を後輪側のばね下制振より早期に開始するとともに、前輪側の目標減衰力を小さくするようにしてもよい。また、上記実施形態は、路面段差の通過時を例に説明したものであるが、本発明は旋回走行時におけるばね下制振制御に適用してもよく、その場合には、操舵センサやヨーレイトセンサ等の出力信号を用いて後輪共振開始時刻の予測等を行えばよい。その他、自動車や制御装置の具体的構成、制御の具体的手順等についても、本発明の趣旨を逸脱しない範囲であれば適宜変更可能である。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】実施形態に係る4輪自動車の概略構成図である。
【図2】実施形態に係るダンパの縦断面図である。
【図3】実施形態に係る減衰力制御装置の概略構成を示すブロック図である。
【図4】実施形態に係るばね下制振制御部の概略構成を示すブロック図である。
【図5】実施形態に係る減衰力制御の手順を示すフローチャートである。
【図6】実施形態に係る目標電流マップである。
【図7】実施形態に係るばね下制振制御の手順を示すフローチャートである。
【図8】実施形態に係る前輪荷重および後輪荷重の変化を示すグラフである。
【符号の説明】
【0030】
1 車体
3 車輪
4 ダンパ
7 ECU
50 減衰力制御装置
59 ばね下制振制御部
61 ばね下運動検出部(前輪ばね下運動検出手段)
62 後輪共振開始時刻予測部(後輪共振時刻予測手段)
63 後輪収斂時間設定部(後輪収斂時間設定手段)
64 前輪目標減衰力設定部(前輪目標減衰力設定手段)
65 後輪目標減衰力設定部(後輪目標減衰力設定手段)
V 自動車

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車体と各車輪との間に減衰力可変ダンパがそれぞれ介装された車両に搭載され、当該減衰力可変ダンパの制御に供される制御装置であって、
前輪側のばね下運動状態量を検出する前輪ばね下運動検出手段と、
前記前輪ばね下運動検出手段の検出結果に基づき、後輪側のばね下共振の開始時刻を予測する後輪共振開始時刻予測手段と、
前記前輪ばね下運動検出手段の検出結果と前記後輪共振開始時刻予測手段の予測結果とに基づき、後輪側減衰力可変ダンパの目標減衰力を後輪目標減衰力として設定する後輪目標減衰力設定手段と
を備えたことを特徴とする減衰力可変ダンパの制御装置。
【請求項2】
後輪のばね下共振の収斂に要する時間を予測または設定する後輪収斂時間設定手段と、
前記後輪収斂時間設定手段の設定結果に基づき、前輪側のばね下共振と後輪側のばね下共振とがほぼ同時に収斂するように、前輪側減衰力可変ダンパの目標減衰力を前輪目標減衰力として設定する前輪目標減衰力設定手段と
を更に備えたことを特徴とする、請求項1に記載された減衰力可変ダンパの制御装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2009−269483(P2009−269483A)
【公開日】平成21年11月19日(2009.11.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−122138(P2008−122138)
【出願日】平成20年5月8日(2008.5.8)
【出願人】(000005326)本田技研工業株式会社 (23,863)
【Fターム(参考)】