説明

画像表示装置及びその製造方法

【課題】多面取りで製造される画像表示装置の切断面からの水分や酸素等のTFT層への侵入を防止することが可能な画像表示装置及びその製造方法を提供することである。
【解決手段】
湾曲可能な透明基板からなる第1基板と、前記第1基板に接着され、その上層に薄膜トランジスタが形成される樹脂フィルム層とを備える画像表示装置であって、前記樹脂フィルムの表面を被う無機膜からなるバリア層を備え、前記バリア層を介して、前記樹脂フィルムの上層及び下層に薄膜層が形成される画像表示装置である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像表示装置及びその製造方法に係わり、特に、湾曲可能な画像表示装置及びその製造方法に関するものである。に関する。
【背景技術】
【0002】
液晶表示装置は、液晶を挟持する一対の基板とバックライトから構成され、一対の基板の主面に複数の画素が形成された表示領域を有している。これら画素は、それぞれ、独立に液晶の分子を駆動させる電界を生じさせるように構成され、該液晶の分子の駆動に対応した光透過率を得るようになっている。また、一対の基板に極薄のガラス基板又はプラスチック(樹脂)基板を用い、表示面を湾曲可能とする液晶表示装置も知られている。このような構成からなる液晶表示装置では、優れた耐衝撃性や可とう性(可撓性)を有しており、その実用化が切望されている。
【0003】
特に、樹脂フィルムを第1基板SUB1として用いた液晶表示装置では、図46に示すように、第1基板SUB1の上層にTFT層TFTLが形成される構成となっている。一方、プラスチック基板を第1基板SUB1として用いた液晶表示装置では、図47に示すように、第1基板SUB1とTFT層TFTLとの間に樹脂フィルムFLMを有する構成となっている。このとき、第1基板SUB1となるプラスチック基板及び樹脂フィルムを透過する水分や酸素の影響により、TFT層TFTLの薄膜トランジスタの特性が大きく変動してしまうことが知られている。このため、従来の液晶表示装置では、図48に示すように、第1基板SUB1と樹脂フィルムFLMとの間、及び樹脂フィルムFLMとTFT層TFTLとの間にそれぞれバリア層BRFを形成することにより、樹脂部材であるプラスチック基板からなる第1基板SUB1及び樹脂フィルムFLMを透過する水分や酸素等を遮蔽し、該水分や酸素等がTFT層TFTLに形成される薄膜トランジスタの特性に影響することを防止する構成となっている。このような構成からなる液晶表示装置を形成する樹脂フィルムとして、例えば、特許文献1に記載の透明導電フィルムがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平9−254303号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
一方、液晶表示装置を含む画像表示装置の製造では、一対のマザー基板(母基板)と称される基板の一方に複数個分の表示装置を形成するために必要となる薄膜トランジスタや電極等を形成し、他方のマザー基板にカラーフィルタ等をそれぞれ別々に形成していた。この後、一対のマザー基板をシール材で固定することによって、一対のマザー基板に複数の表示装置(以下、単位表示装置と記す)を形成した後に、マザー基板を切断して単位表示装置に分離する多面取りで一度に複数個の液晶表示装置を製造している。
【0006】
しかしながら、このような多面取りによる液晶表示装置の製造では、バリア層が形成されるプラスチック基板及び樹脂フィルムの側面(エッジ部)切断面は切断したままの状態となり、プラスチック基板及び樹脂フィルムの側面が大気中に開放された状態となっている。このために、プラスチック基板及び樹脂フィルムの側面からの水分や酸素をバリアすることができないため、TFT層に形成される薄膜トランジスタに大きな特性変動をもたらしてしまうことが懸念されている。
【0007】
本発明はこれらの問題点に鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、多面取りで製造される画像表示装置の切断面からの水分や酸素等のTFT層への侵入を防止することが可能な画像表示装置及びその製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
(1)前記課題を解決すべく、湾曲可能な透明基板からなる第1基板と、前記第1基板に接着され、その上層に薄膜トランジスタが形成される樹脂フィルム層とを備える画像表示装置であって、前記樹脂フィルムの表面を被う無機膜からなるバリア層を備え、前記バリア層を介して、前記樹脂フィルムの上層及び下層に薄膜層が形成される画像表示装置である。
【0009】
(2)前記課題を解決すべく、第3基板の上層に樹脂フィルムを形成する工程と、前記樹脂フィルムの上層に薄膜トランジスタを含む半導体素子を形成する工程と、前記半導体素子を形成した前記樹脂フィルムから前記第3基板を剥離する工程とを有する画像表示装置の製造方法であって、前記樹脂フィルムの上面側に当該樹脂フィルムの厚さよりも浅い溝部を形成する工程と、前記樹脂フィルムに対し、前記第3基板側から光を照射する工程とを有する画像表示装置の製造方法である。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、多面取りで製造される画像表示装置の切断面からの水分や酸素等のTFT層への侵入を防止することができる。
【0011】
本発明のその他の効果については、明細書全体の記載から明らかにされる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の実施形態1の画像表示装置である液晶表示装置の概略構成を説明するための平面図である。
【図2】本発明の画像表示装置である液晶表示装置における第1基板の詳細構成を説明するための図である。
【図3】本発明の実施形態1の画像表示装置である液晶表示装置の製造方法を説明するための図である。
【図4】本発明の実施形態1の画像表示装置である液晶表示装置の製造方法を説明するための図である。
【図5】本発明の実施形態1の画像表示装置である液晶表示装置の製造方法を説明するための図である。
【図6】本発明の実施形態1の画像表示装置である液晶表示装置の製造方法を説明するための図である。
【図7】本発明の実施形態1の画像表示装置である液晶表示装置の製造方法を説明するための図である。
【図8】本発明の実施形態1の画像表示装置である液晶表示装置の製造方法を説明するための図である。
【図9】本発明の実施形態1の画像表示装置である液晶表示装置の製造方法を説明するための図である。
【図10】本発明の実施形態1の画像表示装置である液晶表示装置の製造方法を説明するための図である。
【図11】本発明の実施形態1の画像表示装置である液晶表示装置の製造方法を説明するための図である。
【図12】本発明の実施形態1の液晶表示装置の詳細構成を説明するための断面図である。
【図13】本発明の実施形態1の液晶表示装置の工程1−4における斜視図である。
【図14】本発明の実施形態2の画像表示装置である液晶表示装置の概略構成を説明するための断面図である。
【図15】本発明の実施形態2の画像表示装置である液晶表示装置の製造方法を説明するための図である。
【図16】本発明の実施形態2の画像表示装置である液晶表示装置の製造方法を説明するための図である。
【図17】本発明の実施形態2の画像表示装置である液晶表示装置の製造方法を説明するための図である。
【図18】本発明の実施形態2の画像表示装置である液晶表示装置の製造方法を説明するための図である。
【図19】本発明の実施形態2の画像表示装置である液晶表示装置の製造方法を説明するための図である。
【図20】本発明の実施形態2の画像表示装置である液晶表示装置の製造方法を説明するための図である。
【図21】本発明の実施形態2の画像表示装置である液晶表示装置の製造方法を説明するための図である。
【図22】本発明の実施形態2の画像表示装置である液晶表示装置の製造方法を説明するための図である。
【図23】本発明の実施形態3の画像表示装置である有機EL表示装置の概略構成を説明するための断面図である。
【図24】本発明を半導体装置に適用した場合の構成を説明するための図である。
【図25】本発明の実施形態3の画像表示装置である有機EL表示装置の製造方法を説明するための図である。
【図26】本発明の実施形態3の画像表示装置である有機EL表示装置の製造方法を説明するための図である。
【図27】本発明の実施形態3の画像表示装置である有機EL表示装置の製造方法を説明するための図である。
【図28】本発明の実施形態3の画像表示装置である有機EL表示装置の製造方法を説明するための図である。
【図29】本発明の実施形態3の画像表示装置である有機EL表示装置の製造方法を説明するための図である。
【図30】本発明の実施形態3の画像表示装置である有機EL表示装置の製造方法を説明するための図である。
【図31】本発明の実施形態3の画像表示装置である有機EL表示装置の製造方法を説明するための図である。
【図32】本発明の実施形態3の画像表示装置である有機EL表示装置の製造方法を説明するための図である。
【図33】本発明の実施形態3の画像表示装置である有機EL表示装置の製造方法を説明するための図である。
【図34】本発明の実施形態4の画像表示装置である有機EL表示装置の概略構成を説明するための断面図である。
【図35】本発明の実施形態4の画像表示装置である有機EL表示装置の製造方法を説明するための図である。
【図36】本発明の実施形態4の画像表示装置である有機EL表示装置の製造方法を説明するための図である。
【図37】本発明の実施形態4の画像表示装置である有機EL表示装置の製造方法を説明するための図である。
【図38】本発明の実施形態4の画像表示装置である有機EL表示装置の製造方法を説明するための図である。
【図39】本発明の実施形態4の画像表示装置である有機EL表示装置の製造方法を説明するための図である。
【図40】本発明の実施形態4の画像表示装置である有機EL表示装置の製造方法を説明するための図である。
【図41】本発明の実施形態4の画像表示装置である有機EL表示装置の製造方法を説明するための図である。
【図42】本発明の実施形態4の画像表示装置である有機EL表示装置の製造方法を説明するための図である。
【図43】本発明を半導体装置に適用した場合の構成を説明するための図である。
【図44】従来の液晶表示装置の製造方法を説明するための図である。
【図45】従来の液晶表示装置の製造方法を用いた場合の断面図である。
【図46】従来の液晶表示装置の概略構成を説明するための図である。
【図47】従来の液晶表示装置の概略構成を説明するための図である。
【図48】従来の液晶表示装置の概略構成を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明が適用された実施形態について、図面を用いて説明する。ただし、以下の説明において、同一構成要素には同一符号を付し繰り返しの説明は省略する。
【0014】
〈実施形態1〉
〈全体構成〉
図1は本発明の実施形態1の画像表示装置である液晶表示装置の概略構成を説明するための平面図である。ただし、X、YはそれぞれX軸、Y軸を示す。なお、以下の説明では、第1基板SUB1としてプラスチック基板を用いる場合について説明するが、これに限定されることはなく、第1基板SUB1として、樹脂フィルムを用いる構成であってもよい。
【0015】
図1に示す実施形態1の液晶表示装置は、薄膜トランジスタTFTや画素電極等が形成される第1基板(TFT側基板)SUB1と、該第1基板SUB1に対向して配置され、カラーフィルタ(着色層)やブラックマトリクス(遮光層)等が形成される第2基板(対向基板)SUB2と、該第1基板SUB1と第2基板SUB2とで挟持される図示しない液晶とで構成される液晶表示パネルPNLを有し、該液晶表示パネルPNLと光源となる図示しないバックライトユニットとを組み合わせることにより、液晶表示装置ができる。第1基板SUB1と第2基板SUB2との固定(固着)及び2枚の基板SUB1、SUB2で挟持される液晶の封止は、表示領域ARの周辺に形成されるシール材SLで固定され、液晶も封止される構成となっている。なお、以下の説明では、液晶表示パネルPNLの説明においても、液晶表示装置と記す。
【0016】
第1基板SUB1及び第2基板SUB2としては、例えば周知のプラスチック(樹脂)基板で形成される。このように、実施形態1では、プラスチック(樹脂)基板を用いているので、軽量で、耐衝撃性及び可とう性等に優れた液晶表示装置を提供できる。また、実施形態1の液晶表示装置では、液晶が封入された領域の内で表示画素(以下、画素と略記する)の形成される領域が表示領域ARとなる。従って、液晶が封入されている領域内であっても、画素が形成されておらず表示に係わらない領域は表示領域ARとはならない。
【0017】
さらには、実施形態1の液晶表示装置では、薄膜トランジスタTFTとして低温ポリシリコンTFT(LTPS)を用いており、図中上部の第1基板SUB1上に映像信号駆動回路(ドレインドライバ)DDRが形成されており、図中左側の第1基板SUB1上に走査信号駆動回路(ゲートドライバ)GDRが形成される構成となっている。なお、以下の説明においては、ドレインドライバDDRとゲートドライバGDRとを特に区別する必要がない場合には、単に駆動回路(ドライバ)と略記する。
【0018】
図1に示すように実施形態1の液晶表示装置では、第1基板SUB1の液晶側の面であって表示領域AR内には、図中X方向に延在しY方向に並設される走査線(ゲート線)GLが形成されている。また、図中Y方向に延在しX方向に並設される映像信号線(ドレイン線)DLが形成されている。
【0019】
ドレイン線DLとゲート線GLとで囲まれる矩形状の領域は画素が形成される領域を構成し、これにより、各画素は表示領域AR内においてマトリックス状に配置される構成となる。また、この画素の領域には赤色(R)、緑色(G)、青色(B)のいずれかの図示しないカラーフィルタが形成される構成となっている。特に、実施形態1の表示装置においては、X軸方向すなわちゲート線GLの延在方向に隣接配置されるRGBの各画素でカラー表示用の単位画素を形成する構成となっている。ただし、カラー表示用の単位画素の構成はこれに限定されるものではない。また、第2基板SUB2には、ゲート線GLの延在方向のブラックマトリクスと配向膜とが形成される構成となっている。
【0020】
また、各画素は例えば図1中丸印Aの部分の拡大図A’に示すように、ゲート線GLからの走査信号によってオンされる薄膜トランジスタTFTと、このオンされた薄膜トランジスタTFTを介してドレイン線DLからの映像信号が供給される画素電極PXと、コモン線CLに接続され映像信号の電位に対して基準となる電位を有する基準信号が供給される共通電極CTとを備えている。画素電極PXと共通電極CTとの間には、第1基板SUB1の面に平行な成分を有する電界が生じ、この電界によって液晶の分子を駆動させるようになっている。このような液晶表示装置は、いわゆる広視野角表示ができるものとして知られ、このような液晶への電界の印加の特異性から、IPS方式、あるいは横電界方式と称される。なお、拡大図A’に示す共通電極CTの構成では、画素毎に独立して形成される共通電極CTにコモン信号線CLを介して基準信号を入力する構成としたが、これに限定されることはなく、例えば複数の画素に跨って平面状に共通電極CTを形成してもよい。
【0021】
実施形態1では、各ドレイン線DL及び各ゲート線GLはその端部においてシール材SLを越えてそれぞれ延在され、ドレインドライバDDR又はゲートドライバGDRにそれぞれ接続される構成となっている。ここで、実施形態1においては、前述するように第1基板SUB1上に液晶表示装置用のドライバであるドレインドライバDDRやゲートドライバGDRがLTPSで形成される構成となっている。
【0022】
一方、外部からの制御信号をドレインドライバDDR及びゲートドライバGDRへ入力する信号線は、当該ドレインドライバDDRやゲートドライバGDRと共に第1基板に形成される。また、該信号線の他端は第1基板の対向面側(液晶面側)に形成される電極端子TRMに接続される構成となっており、該電極端子TRMを介して外部からの制御信号が液晶表示装置に入力される。従って、実施形態1では、電極端子TRMが形成される側においては、第2基板は第1基板よりも後退した形状となっている。すなわち、電極端子TRMの上方は開放される構成となっており、該電極端子TRMに図示しないフレキシブル配線基板を周知の異方性導電膜を用いて接続することによって、外部から液晶表示装置への制御信号を入力する構成としている。
【0023】
なお、実施形態1の液晶表示装置では、ドレインドライバDDR及びゲートドライバGDRを第1基板SUB1上にLTPSで形成する構成としたが、これに限定されることはない。例えば、半導体チップからなる半導体装置でドレインドライバ及びゲートドライバを形成し、この半導体チップを第1基板SUB1に搭載してもよい。または、例えばテープキャリア方式やCOF(Chip On Film)方式で形成した半導体装置の一辺を第1基板SUB1に接続させるようにしてもよい。
【0024】
〈第1基板の詳細構成〉
図2は本発明の画像表示装置である液晶表示装置における第1基板の詳細構成を説明するための図である。ただし、図中に示す太い点線の矢印は大気中の水分HOや酸素O等の侵入経路の一例を示し、図中に示す細い点線の矢印はバリア層で遮蔽された水分HOや酸素O等を示す。また、説明を簡単にするために、以下の説明では、薄膜トランジスタTFTや画素電極等を含む薄膜領域をTFT層TFTLと記す。
【0025】
図2に示すように、実施形態1の液晶表示装置における第1基板SUB1では、第1基板SUB1の上面すなわち図示しない液晶と対向する対向面側にはバリア層BRFが形成され、該バリア層BRFの上面に樹脂フィルムFLMが形成されている。また、該樹脂フィルムFLMの上面にバリア層BRFが形成され、該バリア層BRFの上面にTFT層TFTLが形成されている。さらには、実施形態1の樹脂フィルムFLMでは、その側面部にもバリア層BRFが形成されている。すなわち、実施形態1の第1基板SUB1では、樹脂フィルムFLMがバリア層BRFに包まれ、該バリア層BRFに包まれた樹脂フィルムFLMが第1基板SUB1とTFT層TFTLとの間に形成される構成となっている。
【0026】
このような構成とすることにより、実施形態1の液晶表示装置の裏面側すなわちプラスチック基板からなる第1基板SUB1を透過した後に樹脂フィルムFLMに侵入しようとする大気中の水分HOや酸素O等は、当該第1基板SUB1と樹脂フィルムFLMとの間の領域に形成されるバリア層BRFで遮断され、樹脂フィルムFLM側に侵入することを防止できる。同様にして、実施形態1の液晶表示装置の側面側すなわち大気中から樹脂フィルムFLMに侵入しようとする水分HOや酸素O等は、樹脂フィルムFLMの側面部分に形成されるバリア層BRFによって遮断されることとなるので、樹脂フィルムFLM側に侵入することを防止できる。さらには、実施形態1の液晶表示装置では、樹脂フィルムFLMとTFT層TFTLとの間にもバリア層BRFが形成される構成となっている。従って、例えば、第1基板SUB1と樹脂フィルムFLMとの間の領域に形成されるバリア層BRF又は樹脂フィルムFLMの側面部分に形成されるバリア層BRFを水分HOや酸素O等の一部が透過した場合であっても、樹脂フィルムFLMとTFT層TFTLとの間のバリア層BRFが透過した水分HOや酸素O等のTFT層TFTLへの侵入を遮断することができる。すなわち、実施形態1の液晶表示装置では、第1基板SUB1の上面側(対向面側)に形成される樹脂フィルムFLMの外周面の全ての面をバリア層BRFで被う構成となっているので、大気中の水分HOや酸素O等がTFT層TFTLへ侵入することを遮断することができる。その結果、TFT層TFTLに形成される薄膜トランジスタTFTの特性変動を抑制することが可能となり、画素毎の表示輝度のバラつき等を抑えることができるので、液晶表示装置の表示品質を向上させることができる。
【0027】
〈製造方法〉
次に、図3〜図11に本発明の実施形態1の画像表示装置である液晶表示装置の製造方法を説明するための図、図13に実施形態1の液晶表示装置の工程1−4における斜視図を示し、以下、図3〜図11及び図13に基づいて、実施形態1の液晶表示装置の製造方法を説明する。なお、各薄膜の形成は公知のフォトリソグラフィ技術により可能となるので、その形成方法の詳細な説明は省略する。
【0028】
ただし、以下の説明では、マザー基板となるガラス基板からなる第3基板SUB3上にTFT層TFTLを形成した後に、該TFT層TFTLを剥離しプラスチック基板である第1基板SUB1に接着させるいわゆる剥離方式を用いて、液晶表示装置を形成する場合について説明するが、これに限定されることはない。他の技術を用いた場合であっても本願発明は適用可能である。
【0029】
工程1−1(図3)
まず、TFT層TFTLの形成用の基材となるガラス基板からなる第3基板SUB3の表面に樹脂フィルムFLM1を形成する。このときの樹脂フィルムFLM1の膜厚は、後述する溝部(凹部)CPの形成に必要な膜厚で十分となる。また、樹脂フィルムFLM1は、後に詳述するレーザー光の照射により、第3基板SUB3から剥離可能な性質を有する周知の樹脂部材で形成する。さらには、第3基板SUB3はマザー基板(母基板)であり、当該第3基板SUB3から複数個分の液晶表示装置が形成される大きさを有している。
【0030】
このとき、第3基板SUB3としては、ガラス基板に限定されることはなく、石英基板、シリコン基板(例えば、Siウエハ)、金属基板等が挙げられる。ただし、裏面からの光照射等を行えるといった意味で、透明なガラス基板及び石英基板等が好ましい。また本発明では、後の工程で、第3基板SUB3を樹脂フィルムFLM1から剥離する。従って、第3基板SUB3は影響を受けず、再生が可能であり、液晶表示装置のコストの低減につながる。
【0031】
また、樹脂フィルムFLM1の材料部材としては、ポリベンゾオキサゾール、脂環式構造を有するポリアミドイミド、脂環式構造を有するポリイミド、ポリアミド及びポリ(p−キシリレン)から選択される樹脂材料を含むものが好ましいが、これらの材料を単独で含んでいてもよいし、組み合わせて含んでいてもよい。これらの樹脂材料を含む樹脂フィルムFLM1は、フィルム自身がある程度の強度を有することから、第3基板SUB3上に形成した後に、フィルム単体として剥離することができる。従って、その上にTFT層TFTLを形成した後に剥がした場合でも、破壊が起きにくく有利である。
【0032】
また、樹脂フィルムFLM1としては、膜厚が1μm以上30μm以下であり、好ましくは3μm以上25μm以下であり、より好ましくは4.5μm以上15μm以下である。このような膜厚とすることにより、樹脂の吸収による透過率の低下が防止されるため透明性に優れ、かつフィルムとしての力学的な強度をも有することができる。
【0033】
また、樹脂フィルムFLM1としては、可視光の領域、特に波長400nm以上800nm以下の光の透過率が80%以上であり、好ましくは90%以上であり、より好ましくは95%以上である。このように可視光の透過率が高い樹脂フィルムは、光を効率的に透過することができるからである。
【0034】
さらには、樹脂フィルムFLM1としては、3%重量減少温度が300℃以上、好ましくは1%重量減少温度が300℃以上であることが好適である。
【0035】
工程1−2(図4)
次に、樹脂フィルムFLM1の上面を被うようにして、例えば窒化シリコン膜等を積層しバリア層(第1のバリア層)BRFを形成する。ただし、バリア層BRFとしては窒化シリコン膜に限定されることはなく、他の薄膜であってもよい。
【0036】
例えば、バリア層BRFとしては、酸化シリコン(SiO)、酸窒化シリコン(SiON)、窒化シリコン(SiN)及び酸化アルミニウム(AlO)から選ばれる少なくとも1種を含むものが好ましい。これらを単独で含んでいてもよいし、組み合わせて含んでいてもよい。
【0037】
また、バリア層BRFの厚さは、通常、10nm以上2000nm以下であり、好ましくは、50nm以上500nm以下である。さらには、バリア層BRFは単層でもよいし、必要に応じては2層以上を重ねて用いてもよい。
【0038】
バリア層BRFを形成する方法としては、スパッタ、反応性プラズマ蒸着、CVD、プラズマCVDなどが挙げられる。このとき、バリア層BRFは、有機物である樹脂フィルムFLM1の上層に形成するので、形成温度は低温である方が樹脂フィルムFLM1のダメージを小さくできる。具体的には、バリア層BRFは、100℃以下で形成できるものが好ましい。
【0039】
工程1−3(図5)
次に、バリア層BRFの上面を被うようにして、樹脂フィルムFLM2を形成する。このとき、当該樹脂フィルムFLM2はマザー基板である第3基板SUB3を切り離した際の樹脂フィルムFLM2となるので、所定の厚さを有する膜厚で形成される。
【0040】
実施形態1の樹脂フィルムFLM2としては、熱膨張係数が第3基板SUB3と樹脂フィルムFLM1との間の値にあるものが好ましい。第3基板SUB3としてガラス基板やシリコン基板を用いる場合、これらの熱膨張係数は数ppm/Kの値である。これに対して、樹脂フィルムFLM1の熱膨張係数は、通常、数十〜100ppm/Kとそれより一桁以上大きい。従って、第3基板SUB3と樹脂フィルムFLM1の熱膨張係数の差が大きいために内部に応力が発生したり、樹脂フィルムFLM1の硬化の際にフィルムに亀裂が入ったりする可能性がある。熱膨張係数の値が第3基板SUB3と樹脂フィルムFLM1との間にあるような樹脂フィルムFLM2を用いることにより、これらの問題を軽減することができる。
【0041】
また、樹脂フィルムFLM2は、単層でも複数層でもよい。例えば、熱膨張係数が序列をなすような樹脂層を重ねて、3層以上とすることも可能である。
【0042】
また、樹脂フィルムFLM2は、耐熱性のあるものが望ましく、具体的には、熱膨張係数が10〜40ppm/Kであり、膜厚が1μm以上30μm以下であり、1%重量減少温度が300℃以上であるものが好ましい。樹脂フィルムFLM2の透過率に関しては、波長400nm以上800nm以下の可視光の透過率が80%以上であるような透明なものを用いる。
【0043】
このような樹脂部材としては、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリアミド、ポリベンゾオキサゾール、例えば、樹脂フィルムFLM1と同様の樹脂部材等が挙げられる。
【0044】
工程1−4(図6、図13)
次に、周知のエッチングにより、樹脂フィルムFLM2の表面側から樹脂フィルムFLM2を貫通し、バリア膜BRFに到達する溝部(凹部)CPを形成する。このとき、後に詳述するように、溝部CPは第3基板SUB3を切断する際の切断線に沿って延在される。また、実施形態1では、溝部CPの深さは樹脂フィルムFLM1とバリア膜BRFとの膜厚の合計(すなわち、樹脂フィルムFLM1の膜厚+バリア膜BRFの膜厚)よりも深く、樹脂フィルムFLM1とバリア膜BRFと樹脂フィルムFLM2との膜厚の合計(すなわち、樹脂フィルムFLM1の膜厚+バリア膜BRFの膜厚+樹脂フィルムFLM2の膜厚)よりも浅くする。このような深さの溝部CPを形成することによって、樹脂フィルムFLM1を少し残すように溝部CPを形成する。すなわち、当該工程では、樹脂フィルムFLM1及びバリア膜BRF、並びに樹脂フィルムFLM2の対向面側の一部をエッチングすることにより、切断線に沿った溝部CPを形成する。これにより、X方向に延在しY方向に並設される溝部CPと、Y方向に延在しX方向に並設される溝部CPとに囲まれた樹脂フィルムFLM2の領域が、図13に示すように、マトリクス状に形成されることとなる。
【0045】
工程1−5(図7)
次に、樹脂フィルムFLM2の上面にバリア層(第2のバリア層)BRFを形成する。このとき、樹脂フィルムFLM2の側面にもバリア膜2が形成されるように、第3基板SUB3の上面全体にバリア層BRFを形成する。これにより、樹脂フィルムFLM2の裏面側のバリア層BRFすなわち樹脂フィルムFLM1と樹脂フィルムFLM2との間のバリア層BRF、及び樹脂フィルムFLM2の表面側のバリア層BRFすなわち樹脂フィルムFLM2と後に形成するTFT層TFTLとの間のバリア層BRF、並びに溝部CPの側壁面のバリア層BRFにより、樹脂フィルムFLM2が被われた樹脂フィルムが形成される。すなわち、樹脂フィルムFLM2が完全にバリア膜BRFに囲まれた構造となる。ただし、当該工程1−4で形成するバリア層BRFも前述する工程1−2と同様の構成のバリア層BRFとなる。
【0046】
工程1−6(図8)
次に、バリア膜BRFの上面の内で、溝部CPを除く領域に周知の薄膜トランジスタや電極等からなるTFT層TFTLを形成する。このTFT層TFTLの形成により、本発明の実施形態1の液晶表示装置に係わる第1基板SUB1側の構造が形成される。
【0047】
工程1−7(図9、図10)
次に、TFT層TFTLの上面すなわち第3基板SUB3の上面の内で溝部CPを除く上面領域に配向膜を形成し、所定の配向処理を行う。この後に、カラーフィルタやブラックマトリクスが形成される第2基板SUB1のマザー基板と、当該第3基板SUB3とを図示しないシール材で固着すると共に液晶を封入する。これにより、表示領域を有する単位表示装置である複数個の液晶表示装置を備える構成が形成される。1枚のマザー基板が形成される。
【0048】
この後に、例えば第3基板SUB3の裏面側すなわち第3基板SUB3の図中下側からレーザー光LBを照射することにより、図10に示すように、第3基板SUB3と樹脂フィルムFLM1との界面で液晶表示装置側と第3基板SUB3とを剥離する。
【0049】
このときのレーザー光LBとしては、第3基板SUB3としてガラス基板や石英基板等の透明基板を用いる場合は、これらに対する透過率が90%以上である波長のレーザー光LBを照射することが好ましい。具体的には、波長308nmのXeClエキシマレーザー光や、波長248nmのKrFエキシマレーザー光といったレーザー光、YAGレーザー(波長1064nm)の第3高調波(波長355nm)や第4高調波(波長266nm)を使うこともできる。レーザー光LBの波長は、波長200nm以上450nm以下のものが好ましいが、より好ましくは波長300nm以上400nm以下である。
【0050】
また、レーザー光LBの代わりに紫外線を照射してもよい。この場合の紫外線としても波長200nm以上450nm以下のものが好ましい。具体的には、水銀ランプ、キセノン水銀ランプの輝線であるg線(436nm)、h線(405nm)、i線(365nm)、313nm、254nmの光が好ましい。
【0051】
この波長200nm以上450nm以下の波長の光は、第3基板SUB3としてのガラス基板を効率的に透過するが、樹脂フィルムFLM1を透過しにくい場合が多い。また、樹脂フィルムFLM1に対する透過率が50%以下となる波長の光であることがより好ましい。樹脂フィルムFLM1に対する透過率が10%以下となる波長の光はさらに好ましい。樹脂フィルムFLM1に対する透過率が低い光は、第3基板SUB3の裏面から照射したときに、第3基板SUB3と樹脂フィルムFLM1の界面で吸収されて効率的に働き、剥離が起きやすくなる。
【0052】
なお、レーザー光LBや紫外線を照射した後に、界面に力をかけて剥離を補助する、あるいは水に浸漬して界面に水を浸入させて剥離を補助する工程を加えることもできる。
【0053】
工程1−8(図11)
次に、プラスチック基板である第1基板SUB1と樹脂フィルムFLM1との間に透明な接着剤を用いた接着層BLを形成し、第1基板SUB1と樹脂フィルムFLM1とを接着する。これにより、表示領域を有する単位表示装置である複数個の液晶表示装置を備える1枚のマザー基板が形成される。この後に、切断線に沿って各液晶表示装置を切断することによって、1枚のマザー基板から複数個の液晶表示装置が形成される。
【0054】
ただし、第1基板SUB1としては、特に耐熱性は必要としないので、膜厚50μm以上で膜厚500μm以下程度の透明な基板を用いることができる。波長400nm以上800nm以下の透過率が90%以上のものが好ましい。実施形態の第1基板SUB1の具体例としては、例えば、ポリカーボネート、ポリエーテルスルホンが挙げられ、新日鐵化学のHT基板等が好ましい。これらの基板であれば、200℃のプロセスで使用が可能である。シクロオレフィンコポリマーである三井化学のアペル、JSRのアートン、日本ゼオンのゼオノア等は、透明性が高いが、耐熱性が低いことが知られているが、第1基板SUB1への加熱が不要な場合には適用可能である。
【0055】
図12は本発明の実施形態1の液晶表示装置の詳細構成を説明するための断面図であり、工程1−1〜1−8により、図12に示すように、第1基板SUB1側から接着層BL、樹脂フィルムFLM1、バリア層BRF、樹脂フィルムFLM2、バリア層BRF、TFT層TFTL、及び配向膜ORIが順に形成された第1基板SUB1が、液晶LC介して第2基板SUBと対向配置される液晶表示装置が形成されることとなる。このとき、樹脂フィルムFLM2の側壁面もバリア層BRFに被われた構成となるので、大気中の水分HOや酸素O等がTFT層TFTLへ侵入することを遮断することができる。その結果、TFT層TFTLに形成される薄膜トランジスタTFTの特性変動を抑制することが可能となり、画素毎の表示輝度のバラつき等を抑えることができるので、第1基板SUB1がプラスチックで形成されるフレキシブル液晶表示装置の表示品質を向上させることができる。
【0056】
なお、実施形態1の液晶表示装置において、図12に示すとおり、樹脂フィルムFLM1が残っていても、樹脂フィルムFLM1が完全に除去されていてもよい。なお、工程1−7におけるレーザー光LBの照射により、樹脂フィルムFLM1が完全に除去される場合もある。また、なお,樹脂フィルムFLM1、樹脂フィルムFLM2、工程2−1で形成するバリア膜BRF、工程1−5で形成するバリア膜BRF、第1基板SUB1、第2基板SUB2、及び第3基板SUB3の材料は適宜選択する。
【0057】
〈効果の説明〉
図44は従来の液晶表示装置の製造方法を説明するための図であり、図45は従来の液晶表示装置の製造方法を用いた場合の断面図である。ただし、図44及び図45に示す従来の液晶表示装置の製造方法は、特開2008−268666号公報に開示される製造方法である。
【0058】
従来の製造方法では、図44(a)に示すように、基材となる第1基板SUB1にガラス基板を用い、図44(b)に示すように、まず、第1基板SUB1の表面に樹脂フィルムFLM1を形成する。次に、該樹脂フィルムFLM1をエッチングし、樹脂フィルムFLM1に第1基板SUB1に到達する溝部CP1を形成する構成となっている。従って、本願発明のように、溝部CP1を形成した後に、バリア層BRFを形成した場合、図45に示すように、該バリア層BRFは樹脂フィルムFLM1の上面と側面を被うと共に、溝部CP1の形成により露出される第1基板SUB1の表面にもバリア層BRFが形成されることとなる。この場合、バリア膜BRFとガラス基板からなる第1基板SUB1との界面では、無機材料と無機材料との組み合わせになってしまうために密着性が良く、第1基板SUB1からバリア層BRFを剥離するのが非常に困難となってしまう。すなわち、樹脂フィルムFLM1の側面を被うバリア層BRFを形成することが不可能であるので、前述する課題を解決することができない。同様の理由により、樹脂フィルムFLM1の裏面側にもバリア層BRFを形成することが不可能であり、本願明細書に開示するようなバリア性の高い構造のバリア層BRFを形成することはできない。
【0059】
〈実施形態2〉
図14は本発明の実施形態2の画像表示装置である液晶表示装置の概略構成を説明するための断面図である。ただし、実施形態2の液晶表示装置は、第1基板SUB1として、第3基板SUB3の上層に形成する樹脂フィルムFLM1を直接用いる、すなわち第3基板SUB3上に形成する樹脂フィルムFLM1を基材とする構成である。
【0060】
図14に示すように、実施形態2の液晶表示装置は、第1基板SUB1すなわちTFT層TFTLが形成される側の基材として、樹脂フィルムFLM1を用いる構成となっており、該樹脂フィルムFLM1の上層にバリア層BRFが形成され、その上層に樹脂フィルムFLM2が形成されている。この樹脂フィルムFLM2の上層と側面にバリア層BRFが形成され、該バリア層BRFを介して樹脂フィルムFLM2の上層にTFT層TFTLが形成されている。このように形成されるTFT側の基板である樹脂フィルムFLM1を基材とする基板は、液晶LCを介して第2基板SUB2と対向配置される構成となっている。
【0061】
このように、実施形態2の液晶表示装置においても、TFT層TFTLの下層に配置される樹脂フィルムFLM2の全ての表面がバリア層BRFに被われ、TFT層TFTLの下層に配置されているので、前述する実施形態1の液晶表示装置と同様の効果を得ることができる。
【0062】
また、実施形態2の液晶表示装置では、樹脂フィルムFLM1を基材とする構成となっているので、実施形態1の液晶表示装置よりもフレキシブル性が向上できる。
【0063】
〈製造方法〉
次に、図15〜図22に本発明の実施形態2の画像表示装置である液晶表示装置の製造方法を説明するための図を示し、以下、図15〜図22に基づいて、実施形態2の液晶表示装置の製造方法を説明する。ただし、実施形態2の液晶表示装置は、前述するように、樹脂フィルムFLM1を基材とする構成を除く他の構成は、実施形態1の液晶表示装置と同様の構成である。従って、以下の説明では、樹脂フィルムFLM1を基材とする構成に係わる工程である工程2−1及び工程2−7について詳細に説明する。
【0064】
工程2−1(図15)
まず、TFT層TFTLの形成用の基材となるガラス基板からなる第3基板SUB3の表面に樹脂フィルムFLM1を形成する。このときの樹脂フィルムFLM1の膜厚は、基材(支持基板)として使用するに十分な膜厚となるように形成する。
【0065】
工程2−2(図16)
前述する実施形態1の工程1−2と同様に、樹脂フィルムFLM1の上面を被うようにして、バリア層(第1のバリア層)BRFを形成する。
【0066】
工程2−3(図17)
工程1−3と同様に、バリア層BRFの上面を被うようにして、樹脂フィルムFLM2を形成する。
【0067】
工程2−4(図18)
工程1−4と同様に、周知のエッチングにより、樹脂フィルムFLM2の表面側から樹脂フィルムFLM2を貫通し、バリア膜BRFに到達する溝部(凹部)CPを形成する。工程2−5(図19)
工程1−5と同様に、樹脂フィルムFLM2の上面にバリア層(第2のバリア層)BRFを形成する。
【0068】
工程2−6(図20)
工程1−6と同様に、バリア膜BRFの上面の内で、溝部CPを除く領域に周知の薄膜トランジスタや電極等からなるTFT層TFTLを形成する。
【0069】
工程2−7(図21)
工程1−7と同様に、まず、TFT層TFTLの上面すなわち第3基板SUB3の上面の内で溝部CPを除く上面領域に配向膜を形成し、所定の配向処理を行う。次に、カラーフィルタやブラックマトリクスが形成される第2基板SUB1のマザー基板と、当該第3基板SUB3とを図示しないシール材で固着すると共に液晶を封入する。これにより、表示領域を有する単位表示装置である複数個の液晶表示装置を1枚のマザー基板に形成する。
【0070】
この後に、第3基板SUB3の裏面側すなわち第3基板SUB3の図中下側からレーザー光LBを照射することにより、第3基板SUB3と樹脂フィルムFLM1との界面で液晶表示装置側と第3基板SUB3とを剥離する。
【0071】
工程2−8(図22)
工程2−7の液晶表示装置側と第3基板SUB3との剥離により、図22に示すように、第2基板SUB2に対向する基板を樹脂フィルムFLM1とする表示領域を有する単位表示装置である複数個の液晶表示装置のマザー基板が形成される。この後に、切断線に沿って各液晶表示装置を切断することによって、1枚のマザー基板から複数個の図14に示す液晶表示装置が形成される。
【0072】
このように実施形態2の液晶表示装置の製造工程においても、工程2−4で溝部CPを形成した後に、工程2−5でバリア層BRFを形成する構成となっているので、TFT層TFTLの下層すなわち樹脂フィルムFLM1側に配置される樹脂フィルムFLM2の全面を被うバリア層BRFを形成することが可能となる。その結果、前述した効果を得ることが可能となる。
【0073】
〈実施形態3〉
図23は本発明の実施形態3の画像表示装置である有機EL表示装置の概略構成を説明するための断面図である。ただし、実施形態3の有機EL表示装置は、TFT層TFTLが形成される側すなわち第1基板SUB1の側が観察側となるボトムエミッション型の有機EL表示装置の場合について説明するが、本願発明は発光層OLEDで発光された照射光がTFT層TFTLを通過しないトップエミッション型の有機EL表示装置にも適用可能である。なお、図23においては、封止層STFの上層に形成される保護膜PASについては省略している。
【0074】
図23に示すように、実施形態3の有機EL表示装置は、基材となるプラスチック基板が第1基板SUB1となり、該第1基板SUB1の上層に樹脂フィルムFLM1が形成され、該樹脂フィルムFLM1の上層にバリア層〈第1のバリア層〉BRFが形成され、その上層に樹脂フィルムFLM2が形成されている。該樹脂フィルムFLM2の上層と側面にバリア層〈第2のバリア層〉BRFが形成され、該バリア層BRFを介して樹脂フィルムFLM2の上層にTFT層TFTLが形成されている。該TFT層TFTLの上層に発光層OLEDが形成され、該発光層OLEDの上層に封止層STFが形成されている。
【0075】
このように、実施形態3の有機EL表示装置においても、TFT層TFTLの下層に配置される樹脂フィルムFLM2の全ての表面がバリア層BRFに被われ、TFT層TFTLの下層に配置されているので、前述する実施形態1と同様に、プラスチック基板からなる第1基板SUB1を透過した後に樹脂フィルムFLM2に侵入しようとする大気中の水分HOや酸素O等は、当該第1基板SUB1と樹脂フィルムFLM2との間の領域に形成されるバリア層BRFで遮断され、樹脂フィルムFLM2側に侵入することを防止できる。同様にして、実施形態3の有機EL表示装置の側面側すなわち大気中から樹脂フィルムFLM2に侵入しようとする水分HOや酸素O等は、樹脂フィルムFLM2の側面部分に形成されるバリア層BRFによって遮断されることとなるので、樹脂フィルムFLM2側に侵入することを防止できる。さらには、実施形態3の有機EL表示装置では、樹脂フィルムFLM2とTFT層TFTLとの間にもバリア層BRFが形成される構成となっている。従って、例えば、第1基板SUB1と樹脂フィルムFLM2との間の領域に形成されるバリア層BRF又は樹脂フィルムFLM2の側面部分に形成されるバリア層BRFを水分HOや酸素O等の一部が透過した場合であっても、樹脂フィルムFLM2とTFT層TFTLとの間のバリア層BRFが透過した水分HOや酸素O等のTFT層TFTLへの侵入を遮断することができる。
【0076】
このように、実施形態3の有機EL表示装置においても、第1基板SUB1の上面側(対向面側)に形成される樹脂フィルムFLM2の外周面の全ての面をバリア層BRFで被う構成となっているので、大気中の水分HOや酸素O等がTFT層TFTLへ侵入することを遮断することができる。その結果、TFT層TFTLに形成される薄膜トランジスタTFTの特性変動を抑制することが可能となり、画素毎の表示輝度のバラつき等を抑えることができるので、有機EL表示装置の表示品質を向上させることができる。
【0077】
〈製造方法〉
次に、図25〜図33に本発明の実施形態3の画像表示装置である有機EL表示装置の製造方法を説明するための図を示し、以下、図25〜図33に基づいて、実施形態3の有機EL表示装置の製造方法を説明する。ただし、実施形態3の有機EL表示装置では、
TFT層TFTLの上層に形成される保護層PASを形成するまでの工程(工程3−1〜3−6)は実施形態1と同様である。従って、以下の説明では、保護膜PASの形成に係わる工程である工程3−7以降について詳細に説明する。
【0078】
工程3−1(図25)
まず、TFT層TFTLの形成用の基材となるガラス基板からなる第3基板SUB3の表面に樹脂フィルムFLM1を形成する。
【0079】
工程3−2(図26)
前述する実施形態1の工程1−2と同様に、樹脂フィルムFLM1の上面を被うようにして、バリア層(第1のバリア層)BRFを形成する。
【0080】
工程3−3(図27)
工程1−3と同様に、バリア層BRFの上面を被うようにして、樹脂フィルムFLM2を形成する。
【0081】
工程3−4(図28)
工程1−4と同様に、周知のエッチングにより、樹脂フィルムFLM2の表面側から樹脂フィルムFLM2を貫通し、バリア膜BRFに到達する溝部(凹部)CPを形成する。工程3−5(図29)
工程1−5と同様に、樹脂フィルムFLM2の上面にバリア層(第2のバリア層)BRFを形成する。
【0082】
工程3−6(図30)
工程1−6と同様に、バリア膜BRFの上面の内で、溝部CPを除く領域に周知の薄膜トランジスタや電極等からなるTFT層TFTLを形成する。
【0083】
工程3−7(図31、図32)
まず、TFT層TFTLの上面に図示しない発光層OLEDや封止層STFを形成し、この後に第3基板SUB3の上面に保護膜PASを形成する。次に、第3基板SUB3の裏面側すなわち第3基板SUB3の図中下側からレーザー光LBを照射することにより、第3基板SUB3と樹脂フィルムFLM1との界面で有機EL表示装置側と第3基板SUB3とを剥離し、図32に示す有機EL表示装置を得る。
【0084】
工程3−8(図33)
次に、プラスチック基板である第1基板SUB1と樹脂フィルムFLM1との間に接着層BLを形成し、第1基板SUB1と樹脂フィルムFLM1とを接着する。これにより、発光層OLEDが形成される表示領域を有する単位表示装置である複数個の有機EL表示装置を備える1枚のマザー基板が形成される。この後に、切断線に沿って各有機EL表示装置を切断することによって、1枚のマザー基板から複数個の有機EL表示装置が形成される。
【0085】
このように実施形態3の有機EL表示装置の製造工程においても、工程3−4で溝部CPを形成した後に、工程3−5でバリア層BRFを形成する構成となっているので、TFT層TFTLの下層すなわち第1基板SUB1側に配置される樹脂フィルムFLM2の全面を被うバリア層BRFを形成することが可能となる。その結果、前述した効果を得ることが可能となる。
【0086】
ただし、前述する工程3−7において、TFT層TFTLの上面に発光層OLEDや封止層STFを形成しないで第3基板SUB3の上面に保護膜PASを形成することによって、図24に示すように、TFT層TFTLからなる半導体装置を形成することも可能となる。このときの半導体装置においても、基材となる第1基板SUB1の上層に樹脂フィルムFLM1、バリア層〈第1のバリア層〉BRF、樹脂フィルムFLM2、バリア層〈第2のバリア層〉BRF、TFT層TFTLが順に形成されると共に、樹脂フィルムFLM2の側面部にもバリア層BRFが形成されるので、半導体装置を構成する薄膜トランジスタの特性の変動を抑制することが可能となる。
【0087】
〈実施形態4〉
図34は本発明の実施形態4の画像表示装置である有機EL表示装置の概略構成を説明するための断面図である。ただし、実施形態4の液晶表示装置は、実施形態2と同様に、第1基板SUB1の代わりに第3基板SUB3の上層に形成する樹脂フィルムFLM1を表示装置の基材として用いる構成である。
【0088】
図34に示すように、実施形態4の有機EL表示装置は、実施形態2の表示装置と同様に、TFT層TFTLが形成される側の基材として、樹脂フィルムFLM1を用いる構成となっており、該樹脂フィルムFLM1の上層にバリア層BRFが形成され、その上層に樹脂フィルムFLM2が形成されている。この樹脂フィルムFLM2の上層と側面にバリア層BRFが形成され、該バリア層BRFを介して樹脂フィルムFLM2の上層にTFT層TFTLが形成されている。また、TFT層TFTLの上層に発光層OLEDが形成され、該発光層OLEDの上層に封止層STFが形成されている。
【0089】
このように、実施形態4の有機EL表示装置においても、TFT層TFTLの下層に配置される樹脂フィルムFLM2の全ての表面がバリア層BRFに被われ、TFT層TFTLの下層に配置されているので、前述する実施形態1〜3の画像表示装置と同様の効果を得ることができる。
【0090】
また、実施形態4の有機EL表示装置では、樹脂フィルムFLM1を基材とする構成となっているので、実施形態3の有機EL表示装置よりもフレキシブル性が向上できる。
【0091】
〈製造方法〉
次に、図35〜図42に本発明の実施形態4の画像表示装置である有機EL表示装置の製造方法を説明するための図を示し、以下、図35〜図42に基づいて、実施形態4の有機EL表示装置の製造方法を説明する。ただし、実施形態4の有機EL表示装置は、前述するように、樹脂フィルムFLM1を基材とする構成を除く他の構成は、実施形態3の有機EL表示装置と同様の構成である。従って、以下の説明では、樹脂フィルムFLM1を基材とする構成に係わる工程である工程4−1及び工程4−7について詳細に説明する。
【0092】
工程4−1(図35)
まず、前述する工程2−1と同様に、TFT層TFTLの形成用の基材となるガラス基板からなる第3基板SUB3の表面に樹脂フィルムFLM1を形成する。
【0093】
工程4−2(図36)
前述する実施形態1の工程3−2と同様に、樹脂フィルムFLM1の上面を被うようにして、バリア層(第1のバリア層)BRFを形成する。
【0094】
工程4−3(図37)
工程3−3と同様に、バリア層BRFの上面を被うようにして、樹脂フィルムFLM2を形成する。
【0095】
工程4−4(図38)
工程3−4と同様に、周知のエッチングにより、樹脂フィルムFLM2の表面側から樹脂フィルムFLM2を貫通し、バリア膜BRFに到達する溝部(凹部)CPを形成する。
【0096】
工程4−5(図39)
工程3−5と同様に、樹脂フィルムFLM2の上面にバリア層(第2のバリア層)BRFを形成する。
【0097】
工程4−6(図40)
工程3−6と同様に、バリア膜BRFの上面の内で、溝部CPを除く領域に周知の薄膜トランジスタや電極等からなるTFT層TFTLを形成する。
【0098】
工程4−7(図41)
工程3−7と同様に、まず、TFT層TFTLの上面に図示しない発光層OLEDや封止層STFを形成し、この後に第3基板SUB3の上面に保護膜PASを形成する。次に、第3基板SUB3の裏面側すなわち第3基板SUB3の図中下側からレーザー光LBを照射することにより、第3基板SUB3と樹脂フィルムFLM1との界面で有機EL表示装置側と第3基板SUB3とを剥離する。
【0099】
工程4−8(図42)
工程4−7の有機EL表示装置側と第3基板SUB3との剥離により、図42に示すように、基板を樹脂フィルムFLM1とする表示領域を有する単位表示装置である複数個の液晶表示装置のマザー基板が形成される。この後に、切断線に沿って各有機EL表示装置を切断することによって、1枚のマザー基板から複数個の有機EL表示装置が形成される。
【0100】
このように実施形態4の液晶表示装置の製造工程においても、工程4−4で溝部CPを形成した後に、工程4−5でバリア層BRFを形成する構成となっているので、TFT層TFTLの下層すなわち樹脂フィルムFLM1側に配置される樹脂フィルムFLM2の全面を被うバリア層BRFを形成することが可能となる。その結果、前述した効果を得ることが可能となる。
【0101】
また、実施形態4の構成においても前述する実施形態3と同様に、前述する工程4−7において、TFT層TFTLの上面に発光層OLEDや封止層STFを形成しない構成とすることによって、図43に示すように、TFT層TFTLからなる半導体装置を形成することが可能となる。このときの半導体装置においても、第1基板SUB1の代わりに基材となる樹脂フィルムFLM1の上層に、バリア層〈第1のバリア層〉BRF、樹脂フィルムFLM2、バリア層〈第2のバリア層〉BRF、TFT層TFTLが順に形成されると共に、樹脂フィルムFLM2の側面部にもバリア層BRFが形成されるので、半導体装置を構成する薄膜トランジスタの特性の変動を抑制することが可能となる。
【0102】
なお、本発明の実施形態1、2では、画像表示装置としてIPS方式の液晶表示装置に本願発明を適用した場合について説明したが、これに限定されることはなく、TN方式やVA方式の液晶表示装置にも適用可能である。
【0103】
以上、本発明者によってなされた発明を、前記発明の実施形態に基づき具体的に説明したが、本発明は、前記発明の実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々変更可能である。
【符号の説明】
【0104】
PNL……液晶表示パネル、SUB1……第1基板、SUB2……第2基板
GL……ゲート線、DL……ドレイン線、CL……コモン線、PX……画素電極
CT……共通電極、TFT……薄膜トランジスタ、AR……表示領域、SL……シール材
TRM……電極端子、DDR……映像信号駆動回路(ドレインドライバ)
GDR……走査信号駆動回路(ゲートドライバ)、LB……レーザー光
FLM、FLM1、FLM2……樹脂フィルム、BRF……バリア層、PAS……保護膜
TFTL……TFT層、SUB3……第3基板、CP、CP1……溝部、LC……液晶
ORI……配向膜、BL……接着層、OLED……発光層、STF……封止層

【特許請求の範囲】
【請求項1】
湾曲可能な透明基板からなる第1基板と、前記第1基板に接着され、その上層に薄膜トランジスタが形成される樹脂フィルム層とを備える画像表示装置であって、
前記樹脂フィルムの表面を被う無機膜からなるバリア層を備え、
前記バリア層を介して、前記樹脂フィルムの上層及び下層に薄膜層が形成されることを特徴とする画像表示装置。
【請求項2】
前記薄膜トランジスタが形成される回路層を備え、
前記樹脂フィルム層の上層に前記バリア層を介して前記回路層が形成され、
前記樹脂フィルム層の下層に前記バリア層を介して第2の樹脂フィルム層が形成されることを特徴とする請求項1に記載の画像表示装置。
【請求項3】
前記樹脂フィルムは、ポリベンゾオキサゾール、脂環式構造を有するポリアミドイミド、脂環式構造を有するポリイミド、ポリアミド、及びポリ(p−キシリレン)の内の少なくとも1種の樹脂材料を含むことを特徴とする請求項1又は2に記載の画像表示装置。
【請求項4】
前記樹脂フィルムの膜厚が1μm以上30μm以下であることを特徴とする請求項1乃至3の内の何れかに記載の画像表示装置。
【請求項5】
前記バリア層は、酸化シリコン(SiO)、酸窒化シリコン(SiON)、窒化シリコン(SiN)、及び酸化アルミニウム(AlO)の内の少なくとも1種の無機材料を含むことを特徴とする請求項1乃至4の内の何れかに記載の画像表示装置。
【請求項6】
前記バリア層の膜厚が、10nm以上2000nm以下であることを特徴とする請求項1乃至5の内の何れかに記載の画像表示装置。
【請求項7】
前記第2の樹脂フィルムは、波長200nm以上450nm以下の波長の光に対して、透過率が50%以下であることを特徴とする請求項2乃至6の内の何れかに記載の画像表示装置。
【請求項8】
波長200nm以上450nm以下の波長の前記光は、波長308nmのXeClエキシマレーザー光、波長248nmのKrFエキシマレーザー光、YAGレーザー(波長1064nm)の第3高調波(波長355nm)、又はYAGレーザー(波長1064nm)の第4高調波(波長266nm)であることを特徴とする請求項7に記載の画像表示装置。
【請求項9】
湾曲可能な透明基板からなる第2基板を備え、前記第1基板と前記第2基板との間に、液晶材料が介在していることを特徴とする請求項1乃至8の内の何れかに記載の画像表示装置。
【請求項10】
前記回路層の上層に形成され、有機EL素子が形成される発光層と、
前記発光層の上層に形成され、前記発光層を保護する封止層とを備えることを特徴とする請求項2乃至8の内の何れかに記載の画像表示装置。
【請求項11】
第3基板の上層に樹脂フィルムを形成する工程と、前記樹脂フィルムの上層に薄膜トランジスタを含む半導体素子を形成する工程と、前記半導体素子を形成した前記樹脂フィルムから前記第3基板を剥離する工程とを有する画像表示装置の製造方法であって、
前記樹脂フィルムの上面側に当該樹脂フィルムの厚さよりも浅い溝部を形成する工程と、
前記樹脂フィルムに対し、前記第3基板側から光を照射する工程とを有することを特徴とする画像表示装置の製造方法。
【請求項12】
前記第3基板の上層に樹脂フィルムを形成する工程は、
前記第3基板の上層に第1の樹脂フィルム形成する工程と、
前記第1の樹脂フィルムの上層に無機材料からなるバリア層を形成する工程と、
前記バリア層の上層に第2の樹脂フィルムを形成する工程とを有し、
前記樹脂フィルムの上面側に溝部を形成する工程は、前記第2の樹脂フィルム及び前記バリア層を貫通すると共に、前記溝部の底部に前記第1の樹脂フィルムの一部を残すことを特徴とする請求項11に記載の画像表示装置の製造方法。
【請求項13】
前記半導体素子の形成される領域の上層に形成される少なくとも一つの表示領域毎に当該画像表示装置を切断する工程を備え、
前記溝部は前記切断位置に重畳して形成されることを特徴とする請求項11又は12に記載の画像表示装置の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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【図39】
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【図40】
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【図41】
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【図42】
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【図43】
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【図44】
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【図45】
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【図46】
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【図47】
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【図48】
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【公開番号】特開2011−227369(P2011−227369A)
【公開日】平成23年11月10日(2011.11.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−98645(P2010−98645)
【出願日】平成22年4月22日(2010.4.22)
【出願人】(502356528)株式会社 日立ディスプレイズ (2,552)
【出願人】(506087819)パナソニック液晶ディスプレイ株式会社 (443)
【Fターム(参考)】