説明

発進補助装置

【課題】低コストでブースト圧が迅速に上昇し確実に発進ができる発進補助装置を提供する。
【解決手段】ターボチャージャ3より排気流上流に酸化触媒装置5,6が設置され、酸化触媒装置5,6より排気流上流に排気管燃料噴射器7が設置され、車両の発進時に排気管燃料噴射器7からの排気管噴射を実行することでブースト圧を上昇させる発進補助制御部7を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ターボチャージャによるブースト圧の上昇を促進する発進補助装置に係り、低コストでブースト圧が迅速に上昇し確実に発進ができる発進補助装置に関する。
【背景技術】
【0002】
エンジンを搭載した車両では、変速機に対するディファレンシャルのギア比を小さくするなどして総合のギア比が小さいハイギアードにすると、ハイギアードにしていない通常の車両に比べて、同じ車速であればエンジン回転数がより低回転にて走行することになるため、燃費改良が期待できる。
【0003】
反面、ハイギアードにした車両は、通常の車両に比べて大きな発進トルクがエンジンに要求されるため、発進性が悪くなるという問題がある。
【0004】
例えば、エンジンとターボチャージャを搭載した車両において、エンジンへの燃料は吸入空気量に応じた量を噴射することで空燃比λを理論空燃比=1より大きくするが、発進直前のアイドル状態ではブースト圧が低く吸入空気量が少ない。その後、アクセル開度が急に大きくなっても、ターボチャージャの応答遅れにより、ブースト圧は直ぐには上昇せず、吸入空気量の増加が遅いため、エンジンへの燃料噴射量を急速に増加させることができない。その結果、エンジンの出力トルクが必要な発進トルクにまでなかなか達しない。このため、発進の意図でアクセルを踏み込んでクラッチを繋ごうとしても、円滑に発進できない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2007−321734号公報
【特許文献2】特開2009−216032号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来より、ハイギアードの車両における発進性を改善するため、吸排気バルブの開閉を行うカムの仕様を低速型に変更することが試みられている。低速型のカムは、エンジン低回転時に高い出力トルクが得られるように吸排気バルブの開閉時期を設定したものである。また、ターボチャージャを小型化することでブースト圧の応答を短縮することが試みられている。
【0007】
しかし、これらの方策では、得られる効果が小さく、発進を円滑にさせるには不十分である。
【0008】
また、ハイギアードの車両における発進性を改善する他の方策として、ターボチャージャをエンジンのクランク軸にベルトやギアを介して連結してクランク軸でターボチャージャを回転させるスーパーチャージャを搭載すること、あるいはターボチャージャに電気モータを連結して発進時に電気モータでターボチャージャを回転させる電動ターボを搭載して発進時に電気モータを作動させることも試みられている。
【0009】
しかし、スーパーチャージャや電動ターボはコストが高く、また、ターボチャージャをエンジンやモータで駆動するため、燃費が悪い。
【0010】
また、1燃焼サイクルにおける燃料噴射を複数回に分けて行うマルチ噴射では、1燃焼サイクル中の最後に行うポスト噴射によってブースト圧を上昇させることができる。DPF(Diesel Particulate Filter)再生のときのように、ポスト噴射が他の噴射と時間的に離れていると、ポスト噴射された燃料は燃焼しないで排気管に出ていくが、メイン噴射より後の噴射、例えば、アフター噴射に対してポスト噴射を時間的に近付けると、ポスト噴射された燃料がエンジンで燃焼するため、排気ガス温度が上がりブースト圧上昇に寄与する。
【0011】
しかし、エンジン制御では、吸入空気量に応じて燃料を噴射している。吸入空気量に比してあまり多くの燃料を噴射してしまうと、排気管から煙が出たり、CO、HCが排出されたりするため、理論空燃比よりも燃料がリーンであるように、つまり空燃比λが1より大となるように制御している。このように、エンジン制御では空燃比λが1に近づかないよう制御することで、理論空燃比よりも燃料がリーンであることを保つ必要があるため、ポスト噴射を行っても噴射量を多くできず、排気ガス温度を急速に高めることは期待できない。
【0012】
そこで、本発明の目的は、上記課題を解決し、低コストでブースト圧が迅速に上昇し確実に発進ができる発進補助装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記目的を達成するために本発明は、エンジンとターボチャージャとを有する車両に搭載される発進補助装置において、前記ターボチャージャより排気流上流に酸化触媒装置が設置され、前記酸化触媒装置より排気流上流に排気管燃料噴射器が設置され、車両の発進時に前記排気管燃料噴射器からの排気管噴射を実行することでブースト圧を上昇させる発進補助制御部を有するものである。
【0014】
前記発進補助制御部は、ギア位置が低速位置のとき、排気管噴射を実行してもよい。
【0015】
前記車両にエンジン燃料噴射がマルチ噴射と通常噴射とに切り替え可能なエンジン制御部が搭載され、前記発進補助制御部は、前記車両が停止しており、かつ、前記エンジンがアイドル状態のときに、ギア位置がニュートラルから低速位置に切り替えられたとき、前記エンジン制御部に排気ガス温度を上昇させるためのマルチ噴射を開始させてもよい。
【0016】
前記発進補助制御部は、排気ガス温度が前記酸化触媒装置の活性化温度に到達したとき、排気管噴射を開始してもよい。
【0017】
前記発進補助制御部は、排気管噴射の開始後にブースト圧が発進許可値に到達したとき、発進が許可された旨を表示する発進許可ランプを点灯させてもよい。
【0018】
前記発進補助制御部は、排気管噴射の実行中にギア位置が発進時より高速位置に切り替えられたとき、排気管噴射を停止してもよい。
【0019】
前記排気管燃料噴射器は、前記エンジンの排気ポート内に設置されてもよい。
【0020】
前記酸化触媒装置は、前記エンジンの排気ポートと排気マニホールドの間に設置されてもよい。
【0021】
前記酸化触媒装置は、前記ターボチャージャの排気ガス入口に設置されてもよい。
【発明の効果】
【0022】
本発明は次の如き優れた効果を発揮する。
【0023】
(1)低コストである。
【0024】
(2)ブースト圧が迅速上昇する。
【0025】
(3)確実に発進ができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明の一実施形態を示す発進補助装置を搭載した車両のエンジン周辺要部構成図である。
【図2】本発明の発進補助装置の発進補助制御部入出力図である。
【図3】本発明の発進補助装置における発進時のタイミングチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本発明の一実施形態を添付図面に基づいて詳述する。
【0028】
図1に示されるように、本発明に係る発進補助装置1は、エンジン2とターボチャージャ3とを有する車両に搭載される。
【0029】
発進補助装置1には、ターボチャージャ3より排気流上流、例えば、エンジン2の排気ポートと排気マニホールド4の間に第一酸化触媒装置5が設置され、同じくターボチャージャ3より排気流上流、例えば、ターボチャージャ3の排気ガス入口に第二酸化触媒装置6が設置される。酸化触媒装置5,6は、公知のもので、プレターボ触媒とも呼ばれる。酸化触媒装置5,6は、高温での破損・溶損がない金属製のハニカム状に形成された担体に、白金、パラジウム等の触媒物質を保持させたものであり、例えば、200℃の活性化温度以上の環境で燃料である炭化水素の酸化を促進させる機能を有する。
【0030】
発進補助装置1には、酸化触媒装置5,6より排気流上流、例えば、エンジン2の排気ポート内に排気管燃料噴射器7が設置される。排気管燃料噴射器7には、従来よりエンジン燃料噴射に用いられているソレノイド式のインジェクタを用いてもよい。図1では、排気管燃料噴射器7は1つのみ示されているが、各気筒の排気ポートに1つずつ設けるのが好ましい。
【0031】
発進補助装置1は、車両の発進時に排気管燃料噴射器7からの排気管噴射を実行することでブースト圧を上昇させる発進補助制御部8を有する。発進補助制御部8は、エンジン2内への燃料噴射(エンジン燃料噴射)を制御するエンジン制御部9と共に、エンジン制御用の電子制御装置(Electronical Control Unit;ECU)10内に設けられる。エンジン制御部9は、エンジン燃料噴射をマルチ噴射と通常噴射とに切り替え可能なものである。マルチ噴射の噴射回数、タイミング、噴射量分配はその目的に応じて多様であるが、ここでは、マルチ噴射には、最後のポスト噴射によって排気ガス温度を上昇させるようなタイミングと噴射量分配が採用される。通常噴射は、1燃焼サイクルに1回または2回のみの燃料噴射である。
【0032】
発進補助制御部8は、ギア位置が低速位置のとき、排気管噴射を実行するようになっている。より具体的には、発進補助制御部8は、車両が停止しており、かつ、エンジン2がアイドル状態であるときに、ギア位置がニュートラルから低速位置に切り替えられたとき、エンジン制御部9に排気ガス温度を上昇させるためのマルチ噴射を開始させ、それによって排気ガス温度が酸化触媒装置5,6の活性化温度に到達したとき、排気管噴射を開始するようになっている。低速位置とは、本実施形態では1速位置である。
【0033】
発進補助制御部8は、排気管噴射の開始後にブースト圧が発進許可値に到達したとき、発進が許可された旨を表示する発進許可ランプ(図示せず)を点灯させるようになっている。発進補助制御部8は、排気管噴射の実行中にギア位置が発進時より高速位置に、本実施形態では1速位置から2速位置に切り替えられたとき、エンジン制御部9にマルチ噴射を終了させて通常噴射に切り替えさせ、同時に排気管噴射を停止するようになっている。
【0034】
エンジン2の周辺を概略説明しておく。エンジン2は、ここでは4気筒であり、各気筒の排気ポートがそれぞれ排気マニホールド4に連通している。各排気ポートと排気マニホールド4の間に第一酸化触媒装置5が設置される。排気マニホールド4の出口にはターボチャージャ3の排気ガス入口に繋がる高圧排気管が接続され、この高圧排気管に第二酸化触媒装置6が設置される。ターボチャージャ3の排気ガス出口には、低圧排気管11が接続される。
【0035】
ターボチャージャ3の吸気入口には低圧吸気管12が接続され、低圧吸気管12はエアフィルタ13を介して大気へ繋がる。ターボチャージャ3の吸気出口には高圧吸気管14が接続され、高圧吸気管14はインタークーラ15を介して吸気マニホールド16に繋がる。
【0036】
排気マニホールド4と吸気マニホールド16との間はEGR(Exhaust Gas Recirculation)配管17で繋がれ、EGR配管17にはEGRクーラ18が設けられる。変速機19には、ギア位置を検出するギアポジションセンサ(図示せず)が設けられる。ターボチャージャ3の排気ガス出口には、排気ガス中の酸素濃度を検出する酸素センサ21が設けられる。ターボチャージャ3の排気ガス入口(第二酸化触媒装置6の出口)には、排気ガス温度センサ22が設けられる。吸気マニホールド16には、ブースト圧を検出するブースト圧センサ24が設けられる。
【0037】
図2に示されるように、発進補助制御部8を内蔵するECU10には、入力として、排気ガス温度センサ22、ブースト圧センサ24、酸素センサ21からの各信号が入力される。また、ECU10には、図1には示さなかったアクセル開度センサ、車速センサ、ギアポジションセンサからの各信号が入力される。さらに、ECU10には、車室内に設置された発進補助スイッチ(図示せず)からの信号が入力される。
【0038】
ECU10からの出力には、排気管噴射器7を駆動する信号、発進可能ランプを点灯する信号、エンジン噴射器を駆動する信号などがある。発進可能ランプは、排気ガス温度が発進可能閾値以上になるか又はブースト圧が発進可能閾値以上になったときに点灯され、運転者に発進可能を知らせるものである。
【0039】
以下、発進補助装置1の動作を図3に従い説明する。
【0040】
まず、時間t0では、車両がアイドル停止状態であるとする。すなわち車両が停止(車速=0km/h)しており、かつ、エンジン回転数がアイドル回転数であり、かつ、変速機19においてギア位置がニュートラルであるとする。
【0041】
時間t1にて、運転者がギア位置を1速位置にシフトさせると、発進補助制御部8は、エンジン制御部9に排気ガス温度を上昇させるためのマルチ噴射を開始させる。なお、これはマニュアル変速の車両の場合であり、自動変速の車両では発進補助制御部8は、発進補助スイッチが押されたとき、マルチ噴射を開始させる。
【0042】
マルチ噴射は排気ガス温度を上昇させる目的で行う。例えば、アフター噴射とポスト噴射とを時間的に近付けることで、ポスト噴射された燃料がエンジンで燃焼し、排気ガス温度が上昇する。
【0043】
マルチ噴射によって排気ガス温度が上昇し、排気ガス温度センサ22が検出する排気ガス温度が酸化触媒装置5,6の活性温度(200℃〜250℃)に到達すると、その時間t2にて、発進補助制御部8は、排気管燃料噴射器7による排気管噴射を開始する。エンジン2におけるマルチ噴射も継続されるので、マルチ噴射と排気管噴射が併せて実行されることになる。
【0044】
排気管噴射された燃料が酸化触媒装置5,6において酸化することにより、排気ガス温度がさらに上昇する。排気ガス温度センサ22が検出する排気ガス温度があらかじめ設定された発進可能閾値である500℃に到達する。また、排気ガス温度の上昇に伴い、ターボチャージャ3の働きによりブースト圧が上昇する。ブースト圧センサ24が検出するブースト圧があらかじめ設定された発進可能閾値に到達する。
【0045】
排気ガス温度が発進可能閾値以上になるか又はブースト圧が発進可能閾値以上になったとき、その時間t3にて、発進補助制御部8は、発進可能ランプを点灯させる。
【0046】
時間t4にて、発進可能ランプに応答して運転者がアクセルを踏み込むと、アクセル開度が全開まで増加する。エンジン制御部9では、マルチ噴射において吸入空気量に応じた量の燃料を噴射する。具体的には、エンジン制御部9は、酸素センサ21が検出するターボチャージャ3の排気ガス出口の酸素量及び図示しないMAFセンサが検出する吸入空気量を参照しつつ、空燃比λを推定し、空燃比λが理論空燃比1より大、すなわち燃料がリーンになるようエンジン2への燃料噴射量を制御する。本発明では、時間t3、t4ですでにブースト圧が上昇し吸入空気量が増加しているので、それに見合う量の燃料を噴射することができる。
【0047】
これに伴い、エンジン2の出力トルクが上昇し、エンジン回転数が上昇する。併せて、運転者の操作又は自動変速により、図示しないクラッチが接になることで、車両が発進され始め、車速が上昇し始める。
【0048】
時間t5にて、運転者がギア位置を2速位置にシフトさせるか、又は自動変速によりギア位置が2速位置にシフトされると、発進補助制御部8は、エンジン制御部9にマルチ噴射を終了させて通常噴射に切り替えさせ、同時に排気管噴射を停止する。これにより、車両は、通常の燃料噴射制御に戻る。時間t5では、すでに吸入空気量が十分に増加しているので、エンジン2への燃料噴射量を多くすることができる。
【0049】
図3に示されるように、時間t1からt4にかけて、マルチ噴射で酸化触媒を活性化させ、さらに排気管噴射を行うことで、排気ガス温度及びブースト圧が従来に比べ迅速に上昇している。これにより、クラッチが接になるときには十分な出力トルクが得られており、確実な発進が実現されることがわかる。
【0050】
以上説明したように、本発明の発進補助装置1によれば、ターボチャージャ3より排気流上流に酸化触媒装置5,6が設置されているので、マルチ噴射(特にポスト噴射)によって排気ガス温度及びブースト圧が迅速に上昇する。さらに、酸化触媒装置5,6より排気流上流に排気管燃料噴射器7が設置されているので、排気管噴射を行うことで排気ガス温度及びブースト圧がいっそう迅速に上昇する。したがって、ハイギアードでない通常の車両はもちろん、ハイギアードの車両においても、エンジン2の出力トルクが必要な発進トルクに迅速に到達し、確実な発進が実現される。
【0051】
本発明の発進補助装置1によれば、スーパーチャージャや電動ターボのようなコストが高い部材を用いないので、低コストで実現できる。
【0052】
本発明の発進補助装置1によれば、発進補助制御部8は、車両が停止しており、かつ、エンジン2がアイドル状態であるときに、ギア位置がニュートラルから低速位置に切り替えられたとき、エンジン制御部9に排気ガス温度を上昇させるためのマルチ噴射を開始させ、それによって排気ガス温度が酸化触媒装置5,6の活性化温度に到達したとき、排気管噴射を開始するので、運転者のアクセル踏み込みやクラッチ接に先んじてブースト圧を高めることができ、円滑な発進に寄与する。
【0053】
本発明の発進補助装置1によれば、発進補助制御部8は、排気管噴射の開始後にブースト圧が発進許可値に到達したとき、発進が許可された旨を表示する発進許可ランプを点灯させるので、運転者の発進操作が容易になる。
【0054】
本実施形態では、発進補助を行うギア位置を1速位置とした。トラック等の商業車の場合、踏切や交差点内からの緊急脱出に際して1速位置を使用することがあり、1速位置での発進を確実にできたことは、非常に有用である。しかし、本発明は、これに限らず、発進補助を行うギア位置として、車種に応じた発進に好適なギア位置、例えば、2速位置を含めてもよい。
【0055】
本実施形態では、第一酸化触媒装置5と第二酸化触媒装置6とを設置したが、いずれか一方の酸化触媒装置を設置するだけでも、排気ガス温度を上昇させる効果が得られる。また、第一酸化触媒装置5の設置箇所は排気ポートと排気マニホールド4の間に限らず、それより排気流下流であっても排気ガス温度を上昇させる効果が得られる。また、排気管燃料噴射器7の設置箇所は排気ポート内に限らず、酸化触媒装置5,6より排気流上流であればよい。
【符号の説明】
【0056】
1 発進補助装置
2 エンジン
3 ターボチャージャ
4 排気マニホールド
5 第一酸化触媒装置
6 第二酸化触媒装置
7 排気管燃料噴射器
8 発進補助制御部
9 エンジン制御部
10 電子制御装置(ECU)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
エンジンとターボチャージャとを有する車両に搭載される発進補助装置において、
前記ターボチャージャより排気流上流に酸化触媒装置が設置され、
前記酸化触媒装置より排気流上流に排気管燃料噴射器が設置され、
車両の発進時に前記排気管燃料噴射器からの排気管噴射を実行することでブースト圧を上昇させる発進補助制御部を有することを特徴とする発進補助装置。
【請求項2】
前記発進補助制御部は、ギア位置が低速位置のとき、排気管噴射を実行することを特徴とする請求項1記載の発進補助装置。
【請求項3】
前記車両にエンジン燃料噴射がマルチ噴射と通常噴射とに切り替え可能なエンジン制御部が搭載され、
前記発進補助制御部は、前記車両が停止しており、かつ、前記エンジンがアイドル状態のときに、ギア位置がニュートラルから低速位置に切り替えられたとき、前記エンジン制御部に排気ガス温度を上昇させるためのマルチ噴射を開始させることを特徴とする請求項1又は2記載の発進補助装置。
【請求項4】
前記発進補助制御部は、排気ガス温度が前記酸化触媒装置の活性化温度に到達したとき、排気管噴射を開始することを特徴とする請求項1〜3いずれか記載の発進補助装置。
【請求項5】
前記発進補助制御部は、排気管噴射の開始後にブースト圧が発進許可値に到達したとき、発進が許可された旨を表示する発進許可ランプを点灯させることを特徴とする請求項1〜4いずれか記載の発進補助装置。
【請求項6】
前記発進補助制御部は、排気管噴射の実行中にギア位置が発進時より高速位置に切り替えられたとき、排気管噴射を停止することを特徴とする請求項1〜5いずれか記載の発進補助装置。
【請求項7】
前記排気管燃料噴射器は、前記エンジンの排気ポート内に設置されることを特徴とする請求項1〜6いずれか記載の発進補助装置。
【請求項8】
前記酸化触媒装置は、前記エンジンの排気ポートと排気マニホールドの間に設置されることを特徴とする請求項1〜7いずれか記載の発進補助装置。
【請求項9】
前記酸化触媒装置は、前記ターボチャージャの排気ガス入口に設置されることを特徴とする請求項1〜8いずれか記載の発進補助装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2012−36760(P2012−36760A)
【公開日】平成24年2月23日(2012.2.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−175380(P2010−175380)
【出願日】平成22年8月4日(2010.8.4)
【出願人】(000000170)いすゞ自動車株式会社 (1,721)
【Fターム(参考)】