説明

組合せ出力バッファおよびESDダイオードデバイス

【課題】改良されたESD保護デバイスおよび該動作方法が、必要とされる。
【解決手段】集積回路ESD保護回路270は、ゲートダイオード271および出力バッファMOSFET272を含有する組合せデバイスとともに形成される。第1導電性タイプのボディタイフィンガ307は、基板301、302に形成され、複数のダイオードポリフィンガ231、232を用いて第2導電性タイプ310のドレイン領域から分離される。複数のダイオードポリフィンガ231、232は、出力バッファMOSFET272を形成する複数のポリゲートフィンガ204、205と交互配置される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して集積回路静電気放電(ESD)保護デバイスおよび該動作方法に関する。或る態様において、本発明は、ESD保護デバイスとして出力バッファおよびダイオードを使用するESD保護回路に関する。
【背景技術】
【0002】
集積回路(IC)は、製造工程に、アセンブリおよび試験中に、またはシステムアプリケーションに、ESDイベントにさらされうる。或るオン・チップESD保護ネットワークは、入出力(I/O)パッドと電源レールとの間の大きなESDダイオードとともに、アクティブMOSFET(金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ)レールクランプ保護スキームを、使用する。
【0003】
図1は、I/Oパッド116を保護する従来技術のESD保護回路100の概略的図を示す。ESD保護回路100は、ブーストバス101、第1電源VDD102、トリガバス103、第2電源VSS104、および第3電源VSS_BULK105に接続される。ESD保護回路100において、レールクランプデバイス117は、VDD102とVSS104との間に結合された複数の電流電極を有する。NMOS MOSFETトランジスタとして示されるが、レールクランプデバイス117は、異なるタイプであってよく、例えば、PMOSトランジスタ、BJT(バイポーラ接合トランジスタ)、SCR(シリコン制御整流子)またはGGMOS(接地ゲートMOS)トランジスタでもよい。ESD保護回路100はまた、レールクランプトランジスタデバイス117のゲートにトリガ信号119を供給するために、ブーストバス101とVSS104との間に結合されたトリガ回路118を備える。他のクランプトリガ信号はまた、トリガバス103に提供されうる。図示すように、第1ダイオード110はVDD102とI/Oパッド116との間に結合され、第2ダイオード112はブーストバス101とI/Oパッド116との間に結合され、第3ダイオード120はI/Oパッド116とVSS104との間に結合される。半導体基板におよび半導体基板から追加的ESD保護を提供するという目的のために、第1および第2ダイオード124、126はそれぞれ、逆方向にVSSとVSS_BULKとの間に結合される。CMOS(相補型金属酸化膜半導体)I/O回路のESD保護を備えるために、ESD保護回路100はまた、PMOS(P型金属酸化膜半導体)出力バッファトランジスタ114およびNMOS(N型金属酸化膜半導体)出力バッファトランジスタ122を含む。PMOS(P型金属酸化膜半導体)出力バッファトランジスタ114およびNMOS(N型金属酸化膜半導体)出力バッファトランジスタ122は、I/Oパッド116で内部生成された信号を駆動するために、I/Oパッド116に結合される。出力バッファトランジスタ114、122のゲートはそれぞれ、プリドライバ信号PD.P、PD.Nそれぞれを受信する。
【0004】
以下に理解されるように、ESDダイオード110、120は、相対的に大きなESD電流を通電するようにサイズ調整されてもよい。ここで、I/Oパッド116上で正ESDイベントがある場合、ESDダイオード110は、I/Oパッド116からVDDへの高電流ESD経路を備え、I/Oパッド116で負ESDイベントである場合、ESDダイオード120は、VSSからI/Oパッド116への高電流ESD経路を備える。レールクランプトランジスタデバイス117(例えば、別のI/Oパッドに対してI/Oパッド116で正ESDザップ)によってVDDからVSSへ高ESD電流をシャントすることを必要とするESDイベント中に、トリガ回路118は、ブーストバス101からレールクランプトランジスタデバイス117に電圧を供給する。ESDダイオード112は、トリガ回路118に電力を供給するために、ブーストバス101を介してI/Oパッド116からトリガ回路118へ別の電流経路を備える。トリガ回路118に電力を供給するために非常に少ない電流が必要とされるため、ESDイベント中に、ESDダイオード112を亘る電圧降下は、ダイオード110を亘る電圧降下よりも少ない。このように、ESDイベントの間、ブーストバス101は、トリガ回路118を介してレールクランプトランジスタデバイス117のゲートに、VDD電圧102よりも高い電圧を供給する。よって、レールクランプデバイスの導電性は、増加される。通電するために必要な電流は非常に少ないので、ブーストバス101は、相対的に狭くてよい。
【0005】
ESDダイオード110、112、120は、高濃度Nドープされた(N+)アクティブと高濃度Pドープされた(P+)アクティブ拡散領域との間に形成されたシャロートレンチアイソレーション(STI)ダイオードで、従来通りに実装される。ESDダイオード110、120は、ドレインから、それぞれの出力バッファトランジスタ114、122に固有のボディ(すなわち、NウェルまたはPウェルタイ)STIダイオードに形成されても良いが、このような固有のSTIダイオードは、典型的な出力バッファの物理的レイアウトで堅固なESD保護を提供するには、抵抗が高過ぎる。結果として、STIダイオード110、120は、通常は、I/Oセルから分離した領域に形成され、ESD電流の大部分を通電するために、大きなレイアウト領域を要する。同時に、それらのオン抵抗を最小化し、バッファとSTIダイオードとの間にガードリングを分離することを必要とする。別の領域に出力バッファおよびSTIダイオードを形成することはまた、金属ルーティングおよびデバイスフロア設計制限を強要し、シリコン上でより高く浪費された電力密度により故障電流を低減し、バッファデバイスに固有のSTIダイオードのESD性能(低オン・コンダクタンス、高ターンオン遅延)を悪くする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2009−238973号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
したがって、上述された当技術分野の問題を解決する改良されたESD保護デバイスおよび該動作方法が、必要とされる。以下の図面および詳細説明を参照して、本願の残りを見直した後に、従来工程および技術のさらなる制限および不利点は、当業者に明確になる。
【課題を解決するための手段】
【0008】
静電気放電(ESD)保護デバイスおよび関連する動作かつ製造方法は、集積回路のI/Oパッドを保護するために説明される。ここで、ESD保護デバイスは、マルチフィンガゲートおよびダイオードポリ層をボディタイ領域(body tie region)とともに交互配置することによって、同一レイアウト領域に小型に形成された出力バッファトランジスタおよびゲートダイオード組合せを含む。したがって、高性能ゲートダイオードを形成するために交互配置されたダイオードポリ層によって、1または複数のダイオードボディタイ領域は、トランジスタドレイン領域から分離される。選択された実施形態において、ESDダイオードを形成するために、ESD保護回路は、出力バッファトランジスタの固有のドレイン・ボディダイオードを使用する。他の実施形態において、追加的ボディタイ拡散は、2つの拡散領域同士の間の分離領域(STI)なしに、出力バッファトランジスタのソース拡散に隣接するように形成され、よって、ソースとボディとが互いに接合されたソースボディタイダイオード(butted source−body tie diodes)を形成する。支配的ESDダイオードとして、ゲートダイオードとともに出力バッファトランジスタの固有のドレイン・ボディダイオードを使用することによって、より高い性能ESDダイオードは、分離的に配置されたSTIダイオードと比較して、減少されたレイアウト領域要求で形成される。本明細書に記載されるように、繰り返す挿入パターンを画定することによって全体的なMOSFETレイアウトに亘ってボディタイ領域を分配するために、注入または拡散マスクとしてマルチフィンガゲートおよびダイオードポリ層を使用して、ボディタイ領域は、基板に配置されてもよい。このように、出力バッファトランジスタのアクティブ領域において選択されたドレイン領域は、出力バッファトランジスタとダイオードとの間で共有され、挿入されたダイオード接合(ボディタイ領域)の個数/周波数は、出力バッファトランジスタの駆動強度要件によって定義される、必要なESDダイオード強度対出力バッファトランジスタのサイズに依存する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】従来技術のESD保護回路の簡略的概略的図である。
【図2】本発明の選択された実施形態にしたがって、交互配置されたトランジスタおよびダイオードポリ領域とともに形成されたPMOSゲートダイオード組合せデバイスの平面図である。
【図3】図2のPMOSゲートダイオード組合せデバイスの部分的断面図である。
【図4】本発明の選択された実施形態にしたがって、交互配置されたトランジスタおよびダイオードポリ領域とドレイン側RPO領域を画定する選択的マスクとで形成されたNMOSゲートダイオード組合せデバイスの平面図である。
【図5】図4のNMOSゲートダイオード組合せデバイスの部分的断面図である。
【図6】ドレインおよびソース側抵抗器領域を画定する第1交互RPOマスクとともに形成されたNMOSゲートダイオード組合せデバイスの部分的断面図である。
【図7】ドレイン側抵抗器領域を画定する第2交互RPOマスクとともに形成されたNMOSゲートダイオード組合せデバイスの部分的断面図である。
【図8】本発明の選択された実施形態にしたがって、出力バッファおよびゲートダイオード組合せデバイスを交互配置する、選択されたレイアウトの有利点である。
【図9】本発明の選択された実施形態にしたがって、組合せられる出力バッファおよびゲートダイオードを製造する例示的工程フローである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
添付の図面を参照し、本発明の様々な実施形態を、以下に詳細に記載する。以下の記載においては様々な詳細を説明するが、本発明は、これら特定の詳細なく実施可能であること、並びに各実施によって異なる装置設計者固有の目的(たとえば、処理技術または設計関連の制約への準拠)を達成するために、本明細書に記載する本発明に対し、数々の実施時固有の決定がなされうることを理解されたい。このような開発努力は手間と時間を要するが、本開示の利益を受ける当業者にはなされるものであろう。たとえば選択した態様は、本発明を制限しないように、または不明瞭にしないように、詳細にではなくあらゆるデバイス特徴または幾何学特徴を含む半導体デバイスの簡略的断面図の形で示される。また特定の例の材料がここで記載されたが、当業者は、機能が失われることなく同様の特徴を有する材料に置換されうることを理解する。このような記載及び表現は、研究の本質を本技術分野の他の者に説明し伝えるために、当業者によって用いられる。また、この詳細説明において、半導体構造を製造するために、特定材料が形成および除去されることに留意されたい。このような材料を形成または除去する特定工程が説明されない場合、当業者にとって適切な厚さの層を成長、堆積、除去または別の方法で形成する従来技術が意図される。このような詳細は周知であり、当業者が本発明を使用する必要がないことを考えられる。
【0011】
図2を参照して、PMOSゲートダイオード組合せデバイスの平面図200を示す。PMOSゲートダイオード組合せデバイスは、ESD保護デバイス270として右に示される。ESD保護デバイス270は、PMOS出力バッファトランジスタ272と並列に結合されたゲートダイオード271とともに形成される。PMOS出力バッファトランジスタ272は、VDDに結合された第1電流電極、I/Oパッドに結合された第2電流電極、およびプリドライバ回路(図示せず)からプリドライバ信号PD.Pを受信する制御電極を有する。平面図200を示すように、ESD保護デバイス270は、交互に代わるソース(S)およびドレイン(D)(alternating source(S) and drain (D))で設計されたマルチフィンガMOSFETデバイスとして、PMOS出力バッファトランジスタ272を形成することによって製造される。交互に代わるソース(S)およびドレイン(D)は、ポリゲート層210によって互いに分離される。ポリゲート層210は、複数のゲートポリフィンガ201〜213を有する。また、ゲートダイオード271は、複数のボディタイ基板領域(B)とともに形成される。複数のボディタイ基板領域(B)は、ダイオードポリ層220,230,240,250,260によって分離されたドレイン領域の隣に配置される。ダイオードポリ層220,230,240,250,260は、ゲートポリフィンガ201〜203に並列に配置されたダイオードポリフィンガ221、222、231、232、241、242、251、252、261、262を形成する。それによって、ドレイン(D)とボディ(B)領域との間にゲート接合(ダイオード)を形成する。必須ではないが、ソース領域に隣接または接合されて(adjacent or butted to the source(s))形成されたボディタイ基板領域が存在しうる。ボディタイ基板領域は、ドレイン領域から横方向に配置され、トランジスタポリ層(例えば、201、202)によってそこから分離される。それによって、PMOS出力バッファトランジスタ272のボディとドレインとの間に、追加のソースとボディとが互いに接合されたソースボディタイダイオードを形成する。
【0012】
図示されるように、マルチフィンガゲートダイオード271およびMOSFET出力バッファデバイス272は、マルチフィンガトランジスタポリ層210を画定することによって同一レイアウト領域以内に形成される。マルチフィンガトランジスタポリ層210は、複数の並列なダイオードポリ層220、230、240、250、260で交互配置される。よって、領域効率のよい出力バッファトランジスタレイアウトが提供される。図示されるESD保護デバイス270は、13個の並列に接続されたトランジスタおよび10個の並列に接続された横型ダイオードを含む。一方、所望ESDダイオードタ対MOSFETのサイズに依存して、トランジスタポリフィンガのトランジスタポリフィンガ数に対して挿入されたダイオードポリフィンガ(および関連するボディタイ領域)の数または周波数が調整されうることが、理解される。また、図示される出力バッファトランジスタは、マルチフィンガゲートポリ構造210の複数の比較的小さな並列に接続されたトランジスタとともに実装される。マルチフィンガゲートポリ構造210は、5つの分離されたマルチフィンガダイオードポリ構造220、230、240、250、260とともに交互配置される。しかしながら、異なるダイオードポリ構造の異なる電圧要件がない限り、マルチフィンガダイオードポリ層は単一マルチフィンガダイオードポリ構造として形成されうる。逆に、マルチフィンガゲートポリ構造210は、複数の分離されたマルチフィンガゲートポリ構造で実装されてもよい、よって、複数のプリドライバ信号PD.Pによって各ゲートポリ構造を選択的に駆動することによって、MOSFETの駆動強度分別(drive strength partitioning)またはスルーレート制御の互い違いターンオン(staggered turn−on)を、複数の分離されたマルチフィンガゲートポリ構造はたとえば可能にする。使用可能な並列トランジスタの全てが出力パッドの必要な信号駆動強度を達成するために必要ではない場合、分離されたマルチフィンガゲートポリ構造は、1または複数のフィンガをVDDに接続することによって、1または複数のゲートフィンガをオプションアウト(optioned−out)することを可能にする。
【0013】
追加的詳細のために図3を参照して、図2示されるESD保護回路270で用いられるPMOSゲートダイオード組合せデバイス300の部分的断面図が示される。PMOS出力バッファトランジスタ272は、nウェル302およびpタイプ基板301とともに形成された集積回路として実装され、対応する複数のゲートポリフィンガ203〜205を有する複数の並列に接続されたトランジスタT1、T2、T3、などが含まれる。ゲートダイオード271はまた、対応する複数のダイオードポリフィンガを有する複数の並列に接続されたダイオード(例えば、331、332)とともにnウェル302の上に形成される。図示すように、ゲートおよびダイオードポリフィンガは、ゲートポリフィンガと横方向に隣接するダイオードポリフィンガとともに並列フィンガ(parallel fingers)の交互パターン(alternating pattern)を互いに交互配置するように配置される。また、ダイオードポリフィンガは同一電気性能要件を有しないため、ダイオードポリフィンガは、ゲートポリフィンガよりも狭い幅寸法を有しうるが、任意の所望の形状や幅が異なるポリフィンガに使用されてもよい。
【0014】
ゲートポリフィンガ(例えば、203、204、205)はそれぞれ、VDDに結合された第1電流電極(例えば、P+ソース領域310およびそれの関連するシリサイド層318)、I/Oパッドに結合された第2電流電極(例えば、P+ドレイン領域209およびそれの関連するシリサイド層317)、およびプリドライバ信号PD.Pを受信するために結合されたゲート電極(例えば、ゲートフィンガ203およびそれの関連するシリサイド層316)を有するトランジスタ(例えば、T1、T2、T3)を画定する。同様に、各ダイオードポリフィンガ(例えば、221、231、232)は、ダイオード(例えば、D1、D2、D3)を画定する。例えば、ダイオードポリフィンガ231は、I/Oに結合された第1電流電極(例えば、P+ドレイン領域312およびそれの関連するシリサイド層319)と、VDDに結合された第2電流電極(例えば、N+ボディ領域307およびそれの関連するシリサイド層320)とを有する第1ダイオードD2 331を画定する。これによって、P型領域(例えば、P+ドレイン領域312)とN型領域(例えば、Nウェル302)との間にP−N接合を形成する。追加的な並列に接続されたダイオード(例えば、D3 332)は、別のダイオードポリフィンガ232によってN型領域307から分離する第2P型領域(例えば、P+ドレイン領域313)を形成することによって、同一N型領域(例えば、Nウェル302)から形成されてもよい。これよって、ダイオードD3 332を画定する。ダイオードD3 332は、I/Oに結合された第1電流電極(例えば、P+ドレイン領域313およびそれの関連するシリサイド層321)と、VDDに結合された第2電流電極(例えば、N+ボディ領域307およびそれの関連するシリサイド層320)とを有する。ダイオードポリフィンガはいかなる電極にも接続されない浮遊素子として示されるが、これ必須ではない。なぜなら、関連するダイオードの電気性能を制御または変更することを望む場合、ダイオードポリ層は、基準電圧(例えば、VDD)または任意の他の信号線に接続されうる。選択された実施形態において、P基板301は、図1のVSS_BULK105に結合される。
【0015】
図示されるPMOSゲートダイオード組合せデバイス300は、Nウェル302をVDDに結合された複数のボディタイを含み、例えば、複数のボディタイは、N+拡散領域306、308である。N+拡散領域306、308は、トランジスタT1〜T3のためのボディタイを提供し、P+ソース領域310〜311、314に接合され、シリサイド層318、322によってVDDに接続される。このN+拡散領域306、308は、トランジスタT1〜T3の各々に固有のダイオード(図示せず)を画定する。他方では、これらのダイオードは、N+ボディタイ拡散領域(例えば、306)およびNウェル302と、P+拡散領域(例えば、309、312)との間のP−N接合によって形成される。一方で、P+拡散領域(例えば、309、312)は、それぞれの接合されたソースボディタイ出力バッファトランジスタT1、T2の各々のドレインとして、機能する。しかしながら、選択された実施形態は、ソース領域同士の間にボディ拡散領域306、308を含まず、その場合において、単一のソース領域は、トランジスタ(例えば、T1およびT2)によって共有されることができ、よって、より小さなレイアウトを提供する。
【0016】
図3はまた、ダイオードポリフィンガ(例えば、231、232)に関して画定され、破線によって示される横型ゲートダイオード331、332を示す。他方では、ゲートダイオード331、332は、N+ボディ領域(例えば、307)およびNウェル302と、P+拡散領域312、313の間のP−N領域によって形成される。一方で、P+拡散領域312、313は、それぞれの隣接する出力バッファトランジスタT2、T3のドレインとして機能する。製造工程において、ゲートダイオード(例えば、331,332)のP−N接合は、逆の導電性タイプを有するドレインおよびボディタイフィンガ領域を作成することによって形成される。ドレインおよびボディタイフィンガ領域は、繰り返し挿入パターンを使用してP−N接合をMOSFET全体に亘って均一に分布させるために、ダイオードポリフィンガによって互いに分離される。それによって、ドレイン領域は、トランジスタとダイオード素子との間に共有される。このような組合せデバイスに固有の総合的なドレイン対ボディ横型ダイオードは、強いESDダイオードを形成する。例として示すが、ダイオード331は、I/O接続(P+ドレイン領域312を介して)VDD(N+ボディ領域307を介して)にESD電流経路を提供する。シリサイド層319を通してP+ドレイン領域312に流れる電流は、P+ドレイン領域312およびNウェル302によって形成されたP−N接合を横断し、Nウェル内においてN+ボディタイ拡散307に流れ続き、そしてシリサイド層320を通してVDDに流れる。この放電経路において、全体のダイオード抵抗は、STI領域の周りをより深くに侵入するために必要とされる抵抗よりも低い。
【0017】
図2〜図3に示すように、PMOS出力バッファトランジスタとともにESD保護デバイスを形成することを加えて、本発明の選択された実施形態はまた、トランジスタをP型基板またはウェル領域に形成することと、拡散領域の導電性タイプを逆にすることと、VDDをVSSによって置換することとによって、NMOS出力バッファトランジスタとともに実装されてもよい。例示的実装を提供するために、NMOSゲートダイオード組合せデバイスの平面図400を示す図4を参照する。右側には、ゲートダイオード451とともに形成されたESD保護デバイスが示される。ゲートダイオード451は、NMOS出力バッファトランジスタ452と並列に結合される。NMOS出力バッファトランジスタ452は、I/Oパッドに結合された第1電流電極と、VSSに結合された第2電流電極と、プリドライバ(図示せず)からプリドライバ信号PD.Nを受信する制御電極とを有する。平面図400示すように、ESD保護デバイス450は、交互配置されたトランジスタゲートポリフィンガ401〜407とダイオードポリフィンガ421、422、431、432、441、442とを形成することによって、製造される。マルチフィンガNMOSFETデバイス254は、複数のゲートポリフィンガ401〜407を有するポリゲート層410によって互いに分離された交互に代わるソース(S)およびドレイン(D)基板領域とともに、設計される。また、ゲートダイオード451は、ドレイン領域の隣に配置された複数のボディタイ基板領域(B)とともに形成され、ダイオードポリ層420、430、440によってそこから分離される。これによって、ドレイン(D)とボディ(B)領域との間にゲート接合(ダイオード)を形成する。
【0018】
必須ではないが、ESD保護デバイスは、NMOS出力バッファトランジスタ452とI/Oパッドとの間にドレイン側抵抗素子453を含むように製造されてもよい。この目的を達成するために、NMOSゲートダイオード組合せデバイスの平面図400は、選択的マスク素子411〜417が基板において1または複数のドレイン側抵抗器保護酸化物(RPO)領域を画定するために提供されることを、示す。1または複数のドレイン側抵抗器保護酸化物(RPO)領域は、これら領域にシリサイドが形成されることを防ぐために使用され、それによってオーム抵抗が増加される。交互配置されたマスクフィンガのパターンとしてドレイン側拡散領域の上に個別マスク素子411〜417を形成することによって、ドレイン側抵抗素子453は、I/Oパッドに結合された第2電流電極とプリドライバ信号PD.Nを受信する制御電極との間に有効に形成される。
【0019】
詳細にするために、図5を参照すると、図4に示されるESD保護回路450に対応するNMOSゲートダイオード組合せデバイス500の部分的断面図が、示される。通常のP型基板501を使用する選択されたCMOS実装において、NMOSゲートダイオード組合せデバイス500は、Pウェル503に形成されたNMOS出力バッファトランジスタ452およびゲートダイオード451を含み、それによって、P型基板501に形成されたディープnウェル502の上方に配置される。選択された実施形態において、p基板501は図1のVSS_BULK105に結合される。また、pウェル503は、分離されたPウェル(IPW)として形成されてもよく、分離されたPウェル(IPW)は、VSSとVSS_BULKバスとの間に雑音分離を提供するために、I/O設計とともに使用される。以下に理解されるように、pウェル503は、IPWタブを形成するためにバッファ周りにNウェルリングを提供することによって、P基板501から完全に分離されうる。NMOS出力バッファトランジスタ452は、複数の並列に接続されたトランジスタ(例えば、T1、T2)を備える。複数の並列に接続されたトランジスタ(例えば、T1、T2)は、pウェル503の上に形成された対応する複数のゲートポリフィンガ402〜403を有する。ゲートダイオード451はまた、複数の並列に接続されたダイオード(例えば、521、522)とともにPウェル503に上に形成される。複数の並列に接続されたダイオード(例えば、521、522)は、対応する複数のダイオードフィンガ431、432を有する。図示すように、ゲートおよびダイオードポリフィンガは、ゲートポリフィンガと横方向に隣接するダイオードポリフィンガを含む並列フィンガの交互パターンで互いに交互配置されるように配置される。結果として、各ゲートポリフィンガ(例えば401)は、I/Oパッドに結合された第1電流電極(例えば、N+ドレイン領域508およびそれの関連するシリサイド層514)と、VSSに結合された第2電流電極(例えば、N+ソース領域509およびそれの関連するシリサイド層516)と、プリドライバ信号PD.Nを受信するように結合されたゲート電極(例えば、ゲートフィンガ402およびそれの関連するシリサイド層513)とを有するトランジスタ(例えば、T1)を画定する。同様に、各ダイオードポリフィンガ(例えば、431)は、I/Oに結合された第1電流電極(例えば、N+ドレイン領域510およびそれの関連するシリサイド層518)と、VSSに結合された第2電流電極(例えば、P+ボディ領域507およびそれの関連するシリサイド層519)とを有するダイオード(例えば、D2)を画定する。これによって、P型領域(例えば、Pウェル503)とN型領域(例えば、N+ドレイン領域510)との間のP−N接合から横型ダイオードを画定する。また、ダイオードポリフィンガは、浮遊素子として示されるが、関連するダイオードの電気機能を制御または変化させることを望む場合、ダイオードポリフィンガは、基準電圧(例えば、VSS)または他の信号線に接続されうる。選択された実施形態において、NMOS出力バッファトランジスタ452のソースおよびボディ端子は、互いに電気的に分離されうる。このような実施形態の1例において、I/OとVSS_BULKとの間のESDダイオードを提供するために、P+ボディ領域(例えば、507)およびそれの関連するシリサイド層(例えば、519)は、図5に示すようにVSSに結合されずに、別の供給レール、例えば、VSS_BULKに接続されうる。
【0020】
選択された実施形態において、NMOSゲートダイオード組合せデバイス500は、NMOS出力バッファトランジスタを通して電流流れを制御するためにトランジスタドレイン領域に形成されたドレイン側トランジスタ素子を備えてもよい。ドレイン側トランジスタ素子は、ESDイベントの間、マルチフィンガNMOS出力バッファトランジスタ452に固有の複数のバイポーラ接合トランジスタフィンガのより一定なターンオン(snapback)を提供する。例としてであるが、NMOS T2に固有のバイポーラ接合トランジスタフィンガは、ゲートフィンガ403を備え、バイポーラ接合トランジスタフィンガは、N+領域409(エミッタ)と、pウェル503(ベース)と、N+領域510(コレクタ)とによって形成される。抵抗素子は必須ではないが、異なる製造技術のうちの幾つかを使用して挿入されてもよい。例えば、図4は、シリサイドの形成を先立ってマスク素子411〜417がドレイン領域の上方に形成されてもよく、よって、マスク素子411〜417の下の基板において1または複数のドレイン側抵抗器保護酸化物(RPO)領域を画定することを示す。このマスク素子の使用は図5に示され、図5は、基板にパターン化酸化物層とともに形成された複数の個別にパターン化されたパターンマスク素子412〜414を示す。複数の個別にパターン化されたパターンマスク素子412〜414は、パターンマスク素子412−414が位置する場所に基板シリサイド514〜520が形成されることを防止するように、N+ドレイン領域508,510,511の或る部分を覆う。特に、第1抵抗素子は、N+ドレイン領域508のシリサイド化されない部分に形成される。N+ドレイン領域508のシリサイド化されない部分は、I/O端子に接続されたシリサイド層と、ゲート電極402に隣接するN+ドレイン領域508のシリサイド層515との間に位置する。同様に、第2抵抗素子は、I/O端子に接続されたシリサイド層518と、ゲート電極403に隣接するN+ドレイン領域510のシリサイド層との間のN+ドレイン領域510のシリサイド化されない部分に、形成される。N+ドレイン領域508、510、511それぞれの内部にパターンマスク素子(例えば、412、413、414)を配置することによって、2つのシリサイド層(例えば、514および515)は、各ドレイン領域に形成され、トランジスタゲートに隣接するシリサイド層(例えば、515)に形成され、トランジスタゲートの隣にシリサイド層515からI/O端子シリサイド層(例えば、514)を分離される。
【0021】
以下に理解されるように、挿入されたドレイン側抵抗素子の値を増加または減少するために、N+ドレイン領域のシリサイド化されない部分の幅は、調整および制御されうる。これよって、NMOS出力トランジスタ452を通る電流フロー(current flow)を減少または増加する。選択された実施形態において、ドレイン側抵抗素子は、製造工程でマスク素子411〜417を使用されないことによって有効に除去される。他の実施形態において、各トランジスタに関連する抵抗値をさらに増加させるために、マスク素子411〜417の長さは、ソース領域に向かってトランジスタゲートの上に広がってもよい。マスク素子がドレインおよびゲート素子に重なるデバイスにおいて、トランジスタゲート(例えば、402)に隣接するシリサイド層(例えば、515、517)を除くことは、トランジスタフィンガの全体に沿って一定なターンオンを改良しうる(トランジスタの「マイクロバラスト(micro ballasting)」)ので、固有バイポーラ接合トランジスタの優れたスナップバック性能(snapback performance)が得られる。しかしながら、MOSFETトランジスタおよびRPO抵抗器は設計回路図(design schematic)およびネットリストで2つの個別デバイスとなされてもよいので、ゲート(例えば、402)とRPO(412)との間に狭いシリサイド層(例えば、415)を維持することに関連する設計利点が、ありうる。典型的には、RPOマスク素子がドレインおよびゲート素子に重なるドレインバラスト(dorain ballasted)MOSFETデバイスは単に、MOSFETトランジスタおよび直列接続されたRPO抵抗器の組合せとして、扱われることはできない。このようなデバイスの電気的挙動を説明するための、レイアウト対回路図(LVS)チェック、レイアウト設計ルールチェック(DRC)、および小型モデルの専用設計キットサポートが、必要とされる。
【0022】
このような、より大きなRPOマスク素子の使用は図6に示される。図6は、交互RPOマスク(alternate RPO mask)を画定するドレインおよびソース側抵抗領域にしたがって形成された複数の個別にパターン化されたパターンマスク素子610〜612とともにNMOSゲートダイオード組合せデバイス600の部分的断面図を示す。P基板601のディープNウェル602にPウェル603を形成し、且つ注入されたP+およびN+領域607、608と、側壁スペーサ609とともにパターン化されたゲート電極606を画定した後、交互RPOマスク素子610〜612は、各トランジスタ(例えば、T1)のN+ソース領域およびドレイン領域608のシリサイド化されない部分の抵抗素子を画定するように形成される。製造シーケンスにおいて、N+ドレイン領域、ゲート層606のすべておよびN+ソース領域608の部分を覆うために、パターンマスク(例えば、610)は、シリサイド化の前に形成される。しかし、破線によって示すように、接触シリサイド層の形成に係わらず、I/O、プリドライバ、およびVSS線がNMOSゲートダイオード組合せデバイスに接続されうるように、マスク素子610〜612は、電極接触層の形成を先立って除去されてもよい。このデバイス製造の段階でのパターン化マスク素子610〜612の使用は、基板シリサイド層614がパターンマスク素子610〜612の位置に形成されることを防止する。結果として、第1の直列接続された抵抗素子は、I/O端子に接続されたシリサイド層614とゲート電極606との間のN+ドレイン領域608のシリサイド化されない部分に形成される。第2の直列接続された抵抗素子は、シリサイド化されないゲート電極606に形成される。第3の直列接続された抵抗素子は、VSS端子に接続されたシリサイド層614とゲート電極606との間のN+ソース領域608のシリサイド化されない部分に形成される。しかしながら、横型ゲートダイオード621、622が影響されないように、パターンマスク素子610〜612の配置は制御されうる。
【0023】
抵抗素子を画定するパターン化マスク素子の別の例は、図7に示される。図7は、ドレイン側抵抗領域を画定する交互RPOマスクにしたがって形成された複数の個別にパターニングされたパターンマスク素子701〜703を有するNMOSゲートダイオード組合せデバイス700の部分的断面図を示す。図6と同様に、交互RPOマスク素子701〜703は、Pウェル603(および下にあるnウェル602およびP基板601)と、側壁スペーサ609およびパターン化されたゲート電極606の上に形成される。この形成によって、注入されたN+ドレイン領域608の或る部分とゲート電極606の或る部分を覆い、各トランジスタ(例えば、T1)のN+ドレイン領域608およびゲート電極606のシリサイド化されない部分において抵抗素子を画定する。この目的を達成するために、パターンマスク素子(例えば、701)がシリサイド化を先立って形成されることによって、N+ドレイン領域の或る部分およびゲート層606の或る部分を覆う。破線によって示されるように、接触シリサイド層の形成に係わらず、I/O、プリドライバおよびVSS線がNMOSゲートダイオード組合せデバイスに接続されうるように、マスク素子701〜703は、電極接触層の形成を先立って除去されうる。デバイス製造のこの段階でのパターン化マスク素子701〜703の使用は、ゲートシリサイド層704および基板シリサイド層705がパターンマスク素子701〜703の位置に形成されることを防止する。これによって、I/O端子に接続されたシリサイド層705とゲート電極606との間のN+ドレイン領域608のシリサイド化されない部分に、第1の直列接続された抵抗素子を形成する。また、第2の直列接続された抵抗素子は、ゲート電極606に形成される。このゲート電極606には、ゲートシリサイド層704は、配置されない。また、横型ゲートダイオード721、722が影響されないように、パターンマスク素子701〜703は、制御されうる。
【0024】
パターンマスク素子によるドレインカバレッジ(drain coverage)の程度は、ドレインカバレッジ寸法Xによって画定され、ソースカバレッジの程度は、ソースカバレッジ寸法Xによって画定される。以下に理解されるように、ソースまたはドレイン領域の最小カバレッジは、任意の所定の製造工程のための最小設計ルールによって制限される。しかしソースまたはドレイン領域の最小カバレッジは、後に形成されたシリサイド層が基板に優れたオーム接触を提供できるようにするために、制御されるべきである。
【0025】
本明細書に説明されるように、ESD保護デバイスは、マルチフィンガMOSFETデバイスおよびマルチフィンガダイオードデバイスを有する組合せ出力バッファおよびゲートダイオード集積回路構造を使用する。マルチフィンガMOSFETデバイスおよびマルチフィンガダイオードデバイスは、ゲートポリフィンガによって分離された交互に代わるソース領域およびドレイン領域と、ドレイン領域の隣に挿入されたボディタイ領域とともに、共有されたレイアウト領域に形成され、ドレインとボディ領域との間にゲートダイオードを形成するために、ダイオードポリフィンガによってボディタイ領域から分離される出力バッファおよびESDダイオードが個別のガードリング構造を要する個別領域ではなく共有されたレイアウト領域に形成されうるので、開示されるESD保護デバイスは、少ないレイアウト領域要求とともにESD保護回路を提供することによって、1または複数の利点を提供する。
【0026】
レイアウトの利点を示すために、図8を参照する。図8は、従来技術の出力バッファおよびSTIダイオード構造とともに図1のESD保護回路を実装するための集積回路レイアウト810を示す。レイアウト810に示すように、部品トランジスタ素子(例えば、M1、PMOS、NMOS)およびダイオード素子(例えば、A1、A2、B、C、D)の各々は、個別レイアウト領域に形成され、それぞれの電圧、信号および/またはPADランディング(例えば、PADランディング(PAD LANDING)、VSS_BULK812、VSS813、TRIGGER814、VDD815、およびBOOST816)に接続される。特に、PMOS出力バッファトランジスタ(PMOS)は、ESDダイオード(A1)から個別レイアウト領域に従来の方法で形成され、NMOS出力バッファトランジスタ(NMOS)は、ESDダイオード(B)から個別領域に従来の方法で形成される。しかしながら、マルチフィンガMOSFETデバイスおよびマルチフィンガダイオードデバイスを有する共有されたレイアウト領域に、組合せ出力バッファおよびゲートダイオード集積回路を形成することによって、バッファとダイオード領域との間の横型ガードリングの必要性は、排除される。レイアウト領域要件において結果として生じる減少は、交互配置された出力バッファおよびゲートダイオード組合せデバイスのための集積回路レイアウト820とともに示される。ここで、PMOS出力バッファトランジスタ(PMOS)および関連するESDダイオード(A1)は、同一レイアウト領域に形成される。加えてまたは代替として、NMOS出力バッファトランジスタ(NMOS)および関連するESDダイオード(B)は、同一領域に形成されうる。レイアウト820に示すように、クランプデバイス(M1)およびダイオード素子(例えば、A2、C、D)は、それぞれ個別レイアウト領域に形成され、それらの対応する電圧、信号、および/またはPADランディング(例えば、PADランディング、VSS_BULK822、VSS823、TRIGGER824、VDD825、およびBOOST826)に接続される。しかしながら、PMOS出力バッファおよびESDダイオードA1は、PADランディングおよびVSS823に接続された第1共有レイアウト領域に形成される。一方、PADランディングおよびVDD825に接続されるように、NMOS出力バッファおよびESDダイオードBは、第2共有レイアウト領域に形成される。この方法はまた、バッファをI/Oパッドに接続するためにガードリングをジャンパする追加的金属層の必要性を排除する。または、バッファを接続するために2つの追加的PADランディングの要件を排除しうる。
【0027】
開示されるESD保護デバイスから得られる性能有利点もあり、例えば、STIダイオードと比較して、ゲートESDダイオードの有効抵抗を減少することによって改善されるESD性能である。MOSFETとゲートダイオードとの間に共有されたドレイン金属フィンガは独立ダイオードより広くに形成されうるので、寄生金属抵抗も低減されうる。ダイオードフィンガはより大きな領域の上に広がるので、開示されるESD保護デバイスはまた、独立ESDダイオードよりも高い故障電流を供給する。これによって、消費される電力密度を低減し、ESD中の自己加熱による熱故障点(thermal failure point)を増加される。また、ゲートダイオードとともに開示されるESD保護デバイスは、バッファデバイス(ドレイン・ボディ接合)に固有の従来技術のSTIダイオードと比較して改善された性能(高いオン・コンダクタンス、低いターンオン遅延)を提供する。EDS保護デバイスは、バッファの総合ボディストラッピング(overall body strapping of the buffer)を改善する開示されたESD保護デバイスの追加的ボディタイ領域から得られる簡単な周辺ボディと比較して、減少されたラッチアップの感受性を有する。
【0028】
本発明の様々な実施形態にしたがって、改善されたESD保護デバイスは、マルチフィンガ出力バッファトランジスタを基板のボディタイ領域からドレイン領域を分離するダイオードポリフィンガとマルチフィンガゲートダイオードとを交互配置することによって、提供される。開示されたESD保護デバイスを形成するために使用される様々な製造工程が存在するが、図9は、本発明の選択された実施形態にしたがって、組合せられた出力バッファおよびゲートダイオードを製造する例示的工程流れ900を、示す。製造シーケンスの選択された実施形態は図9に示されるが、本発明の説明にしたがって、示されたステップのシーケンスは変化、減少または改良されてもよい。例えば、1または複数のステップは選択的に含まれる、または含まれなくてもよい。したがって、本発明の方法が図9の順序で特定されたステップシーケンスを実行することを考えてもよいが、ステップはまた並行して、または異なる順序で、または組合せられる独立動作として実行されてもよい。
【0029】
図示されるように、方法は、作成された出力バッファのタイプに依存してNウェルおよび/またはPウェルが形成された基板を提供することによって、ステップ901で開始する。例えば、図3示されるPMOSゲートダイオード組合せデバイス300を形成する場合に、半導体基板は所定Pドーパントレベル(例えば、約1E15cm−3)で第1導電性タイプ不純物を有する材料から形成されうるが、任意の所望のドーパントタイプおよび/または濃度も使用されうる。以下に理解されるように、基板301は、バルク半導体基板として、半導体・オン・インシュレータ(SOI)タイプ基板として形成されうる。SOIでは、1または複数の追加的半導体層および/またはウェル領域は、エピタキシ半導体成長および/または選択的ドーパント技術、またはSi、SiC、SiGe、SiGeC、Ge、GaAs、InAs、InP、他のIII/VまたはII/VI化合物半導体またはそれの組合せ、独立でまたはエピタキシ層(例えば、P型エピ層)と組合せのような任意の半導体材料を使用して形成される。よって、本発明は、任意の特定の基板タイプに制限されない。 基板301において、Nウェル領域302は、少なくともアクティブPMOSデバイス領域に形成されうる。Nウェル302は、後に形成されたPMOSトランジスタおよびゲートダイオードを含有する十分な深さで配置されるように、所定注入エネルギおよびドーパント濃度にN型不純物を基板301に選択的拡散または注入するためのマスクを使用することによって、第2導電性タイプ不純物を有する第2材料から形成されうる。
【0030】
ステップ902において、ゲート誘電体は、基板の上に形成され、次に、ゲート誘電体層の上方にポリ層を形成する(ステップ903)。図3の例を参照して、ゲート誘電体層303は、化学蒸着(CVD)、プラズマ・エンハンスト化学気相成長法(PECVD)、原子層成長方(ALD)、熱酸化、またはこれらのものの組合せを使用して、半導体基板の上に絶縁体または誘電体(例えば、二酸化シリコン、酸化窒化物、窒化物、など)を堆積または成長することによって形成されうる。
【0031】
ステップ903において、導電性層304は、CVD、PECVD,PVD,ALDまたはこれらのものの組合せを使用してゲート誘電体層の上方に所定厚に形成または堆積される。しかし、他の製造方法が、使用されてもよい。導電性層304は、ポリシリコンまたはドープされたまたはされない非結晶シリコンまたはシリコンゲルマニウムとともに形成されうるが、他の材料も使用されうる。また、導電性層304は、1または複数の金属層または他の導電性材料のみ、またはポリシリコン層と組合せて堆積することによって、選択的堆積/エピタキシまたは直接ビーム書込みのような、より変わった工程(exotic processing)によって金属ベース層とともに形成されうる。
【0032】
ステップ904において、ポリゲート層210と、分離され交互配置されたダイオードポリ層220,230,240,250,260とを画定するためにゲート誘電体およびポリ層は、パターン化および選択的エッチングされる。ポリゲート層210は、複数のゲートポリフィンガ201−213を有する。ダイオードポリ層220,230,240,250,260は、複数のダイオードポリフィンガ221〜222、231〜232、241〜242、251〜252、261〜262を有する以下に説明されるように、ポリシリコン層304のフォトレジストを適用およびパターン化することを含んで、任意の所望されるパターンおよびエッチング工程は、半導体基板の上にパターンポリゲートおよびダイオードフィンガを形成するために使用されうるが、多重層マスク技術が使用されてもよい。ゲートダイオードポリ層220、230、240、250、260を形成する別の方法において、意図するダイオードの接合のシリサイド化を避けることによって、注入されたドレインとボディフィンガとの間の横型ダイオード接合を有効に形成するために、RPOマスク素子は、ゲートダイオードポリ層と同一の基板領域に形成されうる。
【0033】
パターンポリゲートおよびダイオードフィンガを形成した後、パターンポリゲートおよびダイオードフィンガの側壁に側壁スペーサ315を形成する前または後に、N+領域305〜308およびP+領域309〜314を含む接触領域305〜314を形成するために、複数の個別の注入マスクおよび注入工程が、使用される(ステップ905)。例えば、低濃度にドープされたソース・ドレイン領域(図示せず)は、1または複数のマスクおよび注入ステップを使用してパターンポリゲートおよびダイオードフィンガの周りに注入されてもよい。マスクおよび注入ステップは、側壁スペーサ315の形成、そしてN+領域305〜308およびP+領域309〜314の注入と続く。側壁スペーサ315を形成する時、誘電体層(例えば、シリコン酸化物または窒化シリコン)が、基板およびパターンポリゲートおよびダイオードフィンガの上に、成長または堆積されてもよい。側壁スペーサ315を形成するために、誘電体層は、ドライエッチング(反応イオンエッチング、イオンビームエッチング、プラスマエッチング、レーザエッチング)、ウェットエッチング工程(化学エッチャントが採用される)またはこれらの組合せを含む、1または複数の異方性エッチング工程を使用して選択エッチングされうる。側壁スペーサ315を形成した後、N+領域305、307は、注入マスク(図示せず)を使用することによってダイオードポリフィンガに隣接して形成されうる。注入マスクは、ゲートダイオードのボディ領域を形成するために、所定の注入エネルギおよびドーパント濃度を使用して、所定の深さまでNウェル領域302にn型不純物を選択的に注入するために、使用される。また、N+拡散領域306、308は、注入マスク(図示せず)を使用して形成されうる。注入マスクは、トランジスタT1〜T3の各々に固有のダイオードのボディ領域を形成するために、Nウェル領域302の意図しているソース領域に隣接してN型不純物を選択的に注入するために使用される。同様に、P+領域309〜314は、注入マスクを使用することによって形成されうる。注入マスクは、PMOSトランジスタのソース領域およびドレイン領域を形成するために、注入エネルギおよびドーパント濃度を使用して所定の深さまでNウェル領域302にPタイプ不純物を選択的に注入するために使用される。
【0034】
ステップ906において、ESD保護デバイスの抵抗素子を画定するために、1または複数のシリサイドマスク層は、基板の上に選択的に形成されうる。ステップ906を取りぬける破線によって示されるように、シリサイドマスク形成ステップは、必ずしもすべての実施形態によって要されない。しかしながら、シリサイドマスク形成ステップは、基板および/またはゲートのシリサイド化されない部分における抵抗素子を所望のように画定する方法を、提供する。図4〜5の例を参照して、パターンマスク素子412〜414は、窒化物または酸化物の層を堆積することによって形成されうる。窒化物または酸化物の層は、基板シリサイド層514〜520をパターンマスク素子412〜414の位置に形成することを防止するように、N+ドレイン領域508、510、511の所定部分を覆うために選択的にパターン化およびエッチングされる。
【0035】
ステップ907において、シリサイド層は、適切なソース/ドレイン領域とパターンポリゲートとダイオードフィンガとに形成されうる。図3を参照すると、シリサイドの選択的形成は、露出された半導体基板とパターンポリゲートとダイオードフィンガの上に、1または複数の金属層を堆積することによって形成される。堆積は、たとえばブランケットまたはスパッタ堆積工程を使用することによって、露出されたソース/ドレインおよびボディ領域のような露出されたゲートおよび基板領域にシリサイドを形成するために使用される金属層を形成する。シリサイド領域316〜322を形成するための第1金属層と下に位置する半導体材料との間の反応は、初期的急速熱アニールステップを実行することによって促進される。アニールの次に、未反応の金属を誘電体領域(例えば、スペーサおよび溝領域)から除去するためにウェット洗浄ステップを実行し、次に、選択的第2アニールステップを実行する。アニールは、例えば、急速熱処理、炉アニール、スパイクアニール、またはレーザアニールであってよい。選択された実施形態において、アニール処理のタイミングおよび温度は、側壁スペーサ材料315とは反応せずに、第1金属層の下に存在するポリシリコンおよびソース/ドレイン領域のほかの半導体材料と、第1金属層の金属を反応させるように制御される。アニール後、第1金属層の未反応の部分は、ピラニアウェット洗浄のような適切な金属エッチングを用いて選択的に除去される。
【0036】
ステップ908において、ESD保護デバイスの端子を画定するために、1または複数の金属層は形成される。図3の例を参照すると、1または複数のバックエンドプロセスは、接触部およびゲートポリ領域の上に開口を画定するためにパターニングおよび選択的エッチングされる1または複数の誘電体またはマスク層を堆積することによって、N+およびP+拡散領域305〜314とシリサイド領域316〜322とに電極接触部を形成するために使用されうる。露出された接触部およびゲートポリ領域において、1または複数の導電性層は、堆積、マスクおよび選択的にエッチングされることによって、トランジスタドレイン領域309、312、313にI/O接触部を形成する。また、VDD接触部は、ダイオードボディ領域307、ボディ拡散306、308、およびソース領域310、311、314に形成される。ダイオードボディ領域307、ボディ拡散306、308、およびソース領域310、311、314には、それぞれのボディ領域にシリサイドが短絡され、接合される。また、プリドライバPD.P接触部は、PMOSトランジスタゲート203、204、205に形成される。
【0037】
バックエンド処理の完了後、製造工程はステップ909で終了する。
本明細書に説明されるように、個別の独立ESDダイオード(例えば、STIダイオード)は、横型固有ゲートダイオード(例えば、図3の331、332)と並列に配置されてもよい。また、接合されたソースボディタイダイオードは、図2〜3示すように、ソース領域同士の間にボディタイ領域を備えることによって、形成されうる。しかしながら、選択された実施形態において、横型固有ゲートダイオードは、主ESDダイオードまたはESDダイオードのみとして動作し、ESD電流の大部分を通電する。別の実施形態において、図1に示されるブーストバス101は、VDDバス102に短絡され、これによって、図1のA2ダイオード112および図8のA2ダイオードの必要性を排除する。さらに、横型寄生ゲートダイオードは、プルアップトランジスタ114およびプルダウン出力トランジスタ122のいずれの1またはその両方に使用されうる。個別ESD保護ダイオードではなく主ESD保護ダイオードとして出力バッファトランジスタに固有の横型ゲートダイオードを使用することによって、得られるESD保護デバイスは、例えば、等しいP−N接合周辺を有するSTI境界のあるダイオードと比較して、高い故障電流および高い導電性を提供する。これは、ESD電流がいかなるSTIの下にも流れる必要がないが、シリコン表面に沿ってより少ないインピーダンスで流れうるという事実による。また、離れて配置されたSTIダイオードの場合と同様に、パッドに結合された追加的な拡散領域が存在しないので、横型ゲートダイオードは、I/Oパッドの容量性負荷を低減しうる。
【0038】
今までに、並列に接続された出力バッファトランジスタおよびゲートダイオードのいたるところに、電源導体(例えば、VDD電源導体としてのVDDまたはVSS電源導体としてのVSS)および導電性パッドに接続するための集積回路静電気放電(ESD)保護デバイス方法および装置が提供されることが理解されるべきである。本明細書に説明されるように、出力バッファトランジスタは、PMOSFETまたはNMOSFETゲート電極とともに第1レイアウト領域に形成される。PMOSFETまたはNMOSFETゲート電極は、制御信号を受信するように結合され、1または複数の導電性ゲートフィンガとともに基板の上に形成される。各ゲートフィンガは、第1導電性タイプの基板に形成されたソース領域およびドレイン領域を分離する。選択された実施形態において、出力バッファトランジスタは、ドレイン側抵抗素子を画定する部分的シリサイドドレイン領域として形成される。ゲートダイオードは、基板に形成された第2導電性タイプの1または複数の導電性ダイオードフィンガと、対応する1または複数のボディタイ領域とともに、出力バッファトランジスタと同じ第1レイアウト領域に形成される。形成されるように、各ボディタイ領域は、導電性ダイオードフィンガによって、出力バッファトランジスタからまたは対応するドレイン領域から、分離される。出力バッファトランジスタが複数の並列に接続され接合されたソースボディタイ出力バッファトランジスタとして実装される選択された実施形態において、複数の導電性ゲートフィンガは、単一の導電性ゲートスパイン(spine)から垂直に広がってもよく、ゲートダイオードは、複数の並列に接続されたダイオードとして実装されてもよい。複数の並列に接続されたダイオードは、複数の導電性ゲートフィンガと並列に交互配置された複数の導電性ダイオードフィンガによって画定される。複数の並列に接続されたダイオードの各々は、ESD電流を通電する出力バッファトランジスタに固有のゲートダイオードを備える。よって、ゲートダイオードは、第1導電性タイプのウェル(例えば、N型)と出力バッファトランジスタのドレインとして機能する第2導電性タイプの拡散領域(例えば、P型)との間のP−N接合によって形成されうる。
【0039】
別の形態において、集積回路デバイスおよびそれを形成する方法が提供される。ICデバイスは、第1導体(例えば、パッド導体)と、第2導体(例えば、電源導体)と、第3導体(例えば、電源導体)と、第1導電性タイプの基板領域に形成されたMOSFETトランジスタとを備える。形成されるように、トランジスタは、基板領域に形成された、第2導電性タイプのソース領域およびドレイン領域を備える。ドレイン領域は第1導体に結合され、ソース領域は第3導体に結合され、基板領域は第2導体に結合され、ゲート電極は、ソース領域およびドレイン領域を分離する導電性ゲート層とともに基板領域の上に形成される。ICデバイスはまた、ダイオードを備え、前記ダイオードは、MOSFETトランジスタと同一の基板領域に形成され、第1と第2導体との間に結合される。ダイオードは、基板に形成された第1導電性タイプのボディタイ領域と、第2導電性タイプのMOSFETトランジスタドレイン領域とから形成される。ボディタイ領域とMOSFETトランジスタドレイン領域とを互いに分離するために、ダイオードフィンガ層は、ゲート層と並行に基板領域の上に形成される。選択された実施形態において、導電性ゲート層は、単一の導電性ゲートスパインから垂直に広がる複数の導電性ゲートフィンガとして形成され、ダイオード層は、複数の導電性ゲートフィンガと並行に交互配置された複数の導電性ダイオードフィンガとして形成される。他の実施形態において、ダイオード層は、誘電体層、ポリシリコン層、1または複数の金属層、または抵抗器保護酸化物(RPO)層から形成される。また、金属ベース接触層は、MOSFETトランジスタドレイン領域に形成されうる。MOSFETトランジスタドレイン領域は、MOSFETトランジスタとダイオードとの間に共有され、入力および/または出力パッドに接続される。
【0040】
別のさらなる形態において、半導体デバイスおよびそれを形成する工程が提供される。開示される工程において、半導体基板が提供され、第1導電性タイプの第1ウェル領域が半導体基板に形成され、パターンゲート電極フィンガ層およびパターンゲート電極フィンガ層は、第1ウェル領域の少なくとも一部分の上に形成される。また、第2逆導電性タイプのソース領域およびドレイン領域は、第1ウェル領域に形成され、パターンゲート電極フィンガに隣接する。これによって、出力バッファトランジスタを画定する。第1導電性タイプのボディタイ領域は、第1ウェル領域に形成され、パターンダイオードフィンガ層に隣接する。これによって、ゲートダイオードは、並列に出力バッファトランジスタに結合されるように、ボディタイ領域とドレイン領域との間のゲートダイオードを画定する。最後に、1または複数の導電性層は、ボディタイ領域を電源導体に接続し、ドレイン領域を導電性パッドに接続するように形成される。導電性層の形成は、ドレイン側抵抗素子を画定するようにドレイン領域を部分的に覆うためにシリサイド層を形成するステップを含んでもよい。
【0041】
本明細書に記載される例示的実施形態は、ESD保護デバイスおよび関連する製造方法に関する。該製造方法において、マルチフィンガゲートダイオードデバイスを有する出力バッファトランジスタは、ダイオードポリフィンガで交互配置される。ダイオードポリフィンガは、基板におけるボディタイ領域からドレイン領域を分離する。しかし本発明は、例示の実施形態に必ずしも限定されない。例示の実施形態は、出力バッファおよびゲートダイオードと組合せられる集積されたESD保護回路の広い範囲に適用可能な本発明の進歩的な態様を説明する。したがって、上述の特定の実施形態は、単なる例であり、本発明に対する限定として解釈されるべきではない。本発明は、ここでの教示の利益を有し、且つ当業者にとって明らかな、異なるが均等な方法において本発明は、修正や実施されうる。したがって、上記記載は、上述の特定の形態に発明を限定するようには意図されていない。対照的に、添付の特許請求の範囲に規定されているように、本発明の主旨および範囲に含まれる代替や変化や等価物を含むように意図されている。よって、当業者は、彼らがその最も広い形態において本発明の主旨および範囲から逸脱することなく様々な変化や代替を作成できることを理解すべきである。
【0042】
以上、具体的な実施例に関して、利益、他の利点、及び問題の解決方法について説明してきたが、利益、利点、問題の解決方法、及びこうした利益、利点、問題の解決方法をもたらし、又はより顕著なものにする構成要素は、全ての請求項または何れかの請求項において重要とされ、要求され、不可欠とされる特徴や構成要素であると見なされるべきではない。
【0043】
本明細書で使用した、「備える」、「備えている」、またはこれらの任意の他の派生語は、列挙した構成要素を含むプロセス、方法、物品または装置が、これらの構成要素のみを含むのではなく、明確に列挙されていない構成要素や、このようなプロセス、方法、物品、装置に固有の他の構成要素を含むことができるようにあらゆるものを含むことができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
集積回路静電気放電(ESD)保護デバイスであって、
電源導体と;
導電性パッドと;
第1レイアウト領域に形成され、前記電源導体と前記導電性パッドとの間に結合された出力バッファトランジスタであって、前記出力バッファトランジスタは、制御信号を受信するように結合されたMOSFETゲート電極を備え、基板に形成された第1導電性タイプのソース領域およびドレイン領域を互いに分離する導電性ゲートフィンガとともに、前記基板の上に形成されることと;
前記出力バッファトランジスタと同じ前記第1レイアウト領域に形成され、前記電源導体と前記導電性パッドとの間に結合されたゲートダイオードであって、前記ゲートダイオードは、第2導電性の導電性ダイオードフィンガおよび対応するボディタイ領域とを備え、前記導電性ダイオードフィンガおよび対応する前記ボディタイ領域は、前記導電性ダイオードフィンガによって前記出力バッファトランジスタの前記ドレイン領域から前記ボディタイ領域が分離されるように、前記基板に形成されることと
を備える、集積回路静電気放電(ESD)保護デバイス。
【請求項2】
前記出力バッファトランジスタは、VDD電源導体と前記導電性パッドとの間に結合されたPMOSトランジスタを備える、
請求項1に記載の集積回路ESD保護デバイス。
【請求項3】
前記出力バッファトランジスタは、VSS電源導体と前記導電性パッドとの間に結合されたNMOSトランジスタを備える、
請求項1に記載の集積回路ESD保護デバイス。
【請求項4】
前記出力バッファトランジスタは、部分的にシリサイド化されたドレイン領域を備え、
前記部分的にシリサイド化されたドレイン領域は、ドレイン側抵抗素子を画定する、
請求項1に記載の集積回路ESD保護デバイス。
【請求項5】
前記出力バッファトランジスタは、接合されたソースボディタイとともに実装される、
請求項1に記載の集積回路ESD保護デバイス。
【請求項6】
前記ゲートダイオードは、複数の導電性ダイオードフィンガによって画定される複数の並列接続されたダイオードとして実装され、
前記複数の並列接続されたダイオードの各々は、ESD電流を通電する前記出力バッファトランジスタに固有のゲートダイオードを備える、
請求項1に記載の集積回路ESD保護デバイス。
【請求項7】
前記ゲートダイオードは、N−ウェルとP+拡散領域との間のP−N接合によって形成され、
前記P+拡散領域は、前記出力バッファトランジスタのドレインとして機能する、
請求項1に記載の集積回路ESD保護デバイス。
【請求項8】
前記ゲートダイオードは、P−ウェルとN+拡散領域との間のP−N接合によって形成され、
前記N+拡散領域は、前記出力バッファトランジスタのドレインとして機能する、
請求項1に記載の集積回路ESD保護デバイス。
【請求項9】
前記MOSFETゲート電極は、複数の前記導電性ゲートフィンガとともに形成されたマルチフィンガMOSFETのゲート電極からなる、
請求項1に記載の集積回路ESD保護デバイス。
【請求項10】
前記基板は、前記電源導体に結合される、
請求項1に記載の集積回路ESD保護デバイス。
【請求項11】
集積回路であって、
第1導体と;
第2導体と;
第3導体と;
第1導電性タイプの基板領域に形成されたMOSFETトランジスタであって、前記MOSFETトランジスタは、第2導電性タイプのゲート電極と、ソース領域およびドレイン領域とを備え、前記ゲート電極と、前記ソース領域およびドレイン領域とは、前記基板領域に形成され、前記ドレイン領域は、前記第1導体に結合され、前記基板領域は前記第2導体に結合され、前記ソース領域は前記第3導体に結合され、前記ゲート電極は、前記ソース領域およびドレイン領域を互いに分離する導電性ゲートフィンガとともに前記基板領域の上に形成されることと;
前記MOSFETトランジスタと同一の基板領域に形成され、且つ前記第1と第2導体との間に結合されたダイオードであって、前記ダイオードは、前記基板に形成された前記第1導電性のボディタイ領域と、前記第2導電性タイプのMOSFETトランジスタドレイン領域とを備え、前記ボディタイ領域および前記MOSFETトランジスタドレイン領域を互いに分離するために、ダイオードフィンガは、前記ゲートフィンガと並行に前記基板領域の上に形成されることと
を備える、集積回路デバイス。
【請求項12】
前記第1導体はパッド導体を備える、
請求項11に記載の集積回路デバイス。
【請求項13】
前記第2導体は電源導体を備える、
請求項11に記載野集積回路デバイス。
【請求項14】
前記MOSFETトランジスタは、VSS電源導体と導体パッドとの間に結合されたNMOSトランジスタを備える、
請求項11に記載の集積回路デバイス。
【請求項15】
前記MOSFETトランジスタは、部分的にシリサイド化されたドレイン領域を備え、
前記部分的にシリサイド化されたドレイン領域は、ドレイン側抵抗素子を画定する、
請求項11に記載の集積回路デバイス。
【請求項16】
前記MOSFETトランジスタは、VDD電源導体と導体パッドとの間に結合されたPMOSトランジスタを備える、
請求項11に記載の集積回路デバイス。
【請求項17】
前記導電性ゲートフィンガは、複数の導電性ゲートフィンガを備える、
請求項11に記載の集積回路デバイス。
【請求項18】
前記ダイオードフィンガは、複数の導電性ダイオードフィンガを備え、
複数の導電性ダイオードフィンガは、前記複数の導電性ゲートフィンガと並列であり、且つ前記複数の導電性ゲートフィンガと交互配置される、
請求項17に記載の集積回路デバイス。
【請求項19】
前記ダイオードフィンガは、誘電体層、ポリシリコン層、1または複数の金属層、または抵抗器保護酸化物(RPO)層を備える、
請求項11に記載の集積回路デバイス。
【請求項20】
前記集積回路デバイスはさらに、前記MOSFETトランジスタの前記ドレイン領域に形成された金属ベース接触層を備え、
前記金属ベース接触層は、前記MOSFETトランジスタと、前記第1導体に接続された前記ダイオードとの間に共有される、
請求項11に記載の集積回路デバイス。
【請求項21】
半導体デバイスに形成する方法であって、
第1半導体基板を提供することと;
前記第1半導体基板に第1導電性タイプの第1ウェル領域を形成することと;
前記第1ウェル領域の少なくとも一部分の上に、パターン化されたゲート電極フィンガ層とパターン化されたダイオードフィンガ層とを形成することと;
前記第1ウェル領域に、且つ前記パターン化されたゲート電極フィンガに隣接して、前記第1導電性タイプとは反対の第2導電性のソース領域およびドレイン領域を形成することであって、それによって出力バッファトランジスタを画定することと;
前記第1ウェル領域に、且つ前記パターン化されたダイオードフィンガ層に隣接して前記第1導電性タイプのボディタイ領域を形成することであって、前記形成することによって、前記ボディタイ領域と前記ドレイン領域との間のゲートダイオードを画定し、前記ゲートダイオードは、前記出力バッファトランジスタと並列に結合されることと;
1または複数の導電性層を形成することによって、前記ボディタイ領域を電源導体に接続し、前記ドレイン領域を導電性パッドに接続することと
を有する、方法。
【請求項22】
前記1または複数の導電性層を形成することは、ドレイン側抵抗素子を画定するように前記ドレイン領域を部分的に覆うためにシリサイド層を形成することを有する、
請求項21に記載の方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate


【公開番号】特開2013−33961(P2013−33961A)
【公開日】平成25年2月14日(2013.2.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−161149(P2012−161149)
【出願日】平成24年7月20日(2012.7.20)
【出願人】(504199127)フリースケール セミコンダクター インコーポレイテッド (806)
【Fターム(参考)】