自在電圧の重畳収納可能な電池モジュール設計
本発明の例示的な実施形態は、互いに重ねられた複数のセルを有する、柔軟で複数の電圧の電池モジュールを提供する。セルは、例えば円筒状のリチウムイオンセルであってもよい。セルパッケージ密度を増加させるために、隣接するセルの中心が正三角形を形成するように、セルは、重ねられた形態にて配置可能である。セルは、多くのモジュールを互いに接続可能にする連結タブでハウジング又はケースに設けることができる。モジュール内で、セルは、電池セルの上部及び底部でバスバーにより異なる構成で接続可能である。異なる構成は、モジュールに異なる電圧を提供可能である。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
相互関係
この出願は、2008年4月14日に出願された、米国の仮出願No.61/044,784の本出願である。
【0002】
本発明と矛盾しない例示的な実施形態は、一般に電池モジュール設計に関し、より詳しくは、複数の電気化学の電池セルを有する自在な電圧の重畳収納可能な電池モジュールに関する。
【背景技術】
【0003】
電池モジュールは、グループ化された複数の電気化学的セルを含むことができる。セルは、例えば、セルの2つの対向端部に配置された2つの電力端子(正極端子及び負極端子)をそれぞれが有する、円筒状のリチウムイオンセルであってもよい。2つの電力端子は、一般的に異なる物質から作製される。例えば、電力端子は、しばしばアルミニウム(正極)、銅(負極)あるいはニッケルで被覆された鋼材(負極)で作製される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
図1は、セル104間の空間106を有するマトリクス構成で配置された円筒状セル104を有する電池モジュール102の平面図である。モジュール102のような電池モジュールは、各モジュールが単一の電圧のみを提供することができるという意味で、柔軟性がない。異なった電圧を提供するために、従来の多くの電池モジュールは、直列に接続しなければならず、その結果、電池サイズが大きくなってしまう。また、図1に示されるセルの実装密度は最適ではない。
【0005】
従来の電池モジュールは、円筒状セル104が、取り囲むエレメントに対してどのように機械的及び電気的に連結されるかに関して頑丈な構成を欠く。さらに、従来の電池モジュールは、不十分な熱除去及び複数の個別のモジュールを効果的に連結する無力さに苦しんでいる。従って、製造が容易で、高いセルパッケージ密度を提供する電池モジュールが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の例示的な実施態様は、互いに重ねられた複数のセルを有する、柔軟な、複数電圧の電池モジュールを提供する。セルは、例えば円筒状のリチウムイオンセルであることができる。セルパッケージ密度を増加させるために、隣接するセルの中心が正三角形を形成するように、セルは、重ねられた構成にて配置することができる。セルは、複数のモジュールがともに接続されることを可能にする連結タブによりハウジング又はケース(例えばプラスチックハウジング)に設けることができる。モジュール内に、セルは、電池セルの上部及び底部にてバスバー(buss bars)により異なる構成で接続することができる。異なった構成は、モジュールに異なる電圧を提供可能である。バスバーは、互いに溶接された異なる物質(例えばアルミニウム部分及び銅部分)によって作製された2つの部分を含むことができる。電池モジュールは、バスバーを介して電池モジュールを冷却するためのヒートシンクを一端又は両端にて含むことができる。
【0007】
本発明の例示的な実施態様は、また、セル通気ダクト設計を有し、及び、モジュールに余分な部品を加えずに、熱く高速のガスを冷却し方向を変える電池モジュールを提供する。電池モジュールにおいて、電池セルは、金属のバスバーの端間に位置したセル通気孔を有することができる。バスバーは、液体冷却システムによって冷却可能であり、セル通気孔から放出されるガスの温度及び速度を下げるために用いることができる。
【0008】
例示的な実施態様において、電池モジュールは、セルケーシングを備えて設けられる。複数の電池セルがセルケーシング内に配置され、それぞれの電池セルは、端子を有し、端子は上部及び外周側面部分を有する。少なくとも一つのバスバー・セグメントは、一群の電池セル間の電気的接続を提供し、電池セル群の縦方向端を横切って延在し、端子の上部に接触する。バスバー・セグメントに電極を溶接するために外周側面の方へレーザーを向けることができるように、端子の外周側面は、バスバー・セグメントによって遮られていない。
【0009】
一態様において、電池セルは、少なくとも2つの外周側面を備え、バスバー・セグメントは、端子に接触する突起を備える。突起は、端子の少なくとも2つの外周側面に整列される第1側面及び第2側面を有する。他の態様において、複数のバスバー・セグメントが設けられ、複数のバスバー・セグメントのそれぞれは、電池セルの列に沿って延在する方向において互いに間隔があけられている。
【0010】
一態様において、セルケーシングは、隣接するセルケーシングにセルケーシングを連結するように作用する連結機構を備える。連結機構は、タブ及びスロットの少なくとも一つを備えることができる。更なる態様において、連結機構は、隣接セルケーシングのスロット及びタブとそれぞれ係合するタブ及びスロットを備える。
【0011】
一態様において、電池セル群は、少なくとも第1及び第2の列を備え、端子は、複数の角を有する周縁形状を有し、第1列における端子の角の一つは、第2列から離れて向けられ、第2列における端子の角の一つは、第1列から離れて向けられる。端子は、正方形の周縁形状を有してもよい。
【0012】
更なる態様において、電池モジュールは、電池モジュールの電圧及び温度の少なくとも一つをモニターするプリント回路基板を備える。電池モジュールは、また、カバーを含むことができる。ここでは、プリント回路基板は、カバーと複数のバスバー・セグメントとの間で複数のバスバー・セグメントに沿って延在する。
【0013】
別の態様において、複数のバスバー・セグメントは、電池セルの長手方向端で第1のバスバー構成を形成し、また、第2のバスバー構成を形成するために、電池モジュールは、電池セルのもう一つの長手方向端で第2の複数のバスバー・セグメントを備える。第1のバスバー構成は、第2のバスバー構成よりも非常に多くの数のセグメントを有することができる。更なる態様において、ヒートシンクは、第2のバスバー構成を冷却するように設けられる。ヒートシンクは、第2のバスバー構成に沿って延在し、冷却液入口及び出口を備える。
【0014】
例示的な実施態様によれば、電池モジュール構成は、複数のセルケーシングを備え、各セルケーシングは、複数の開口を備える。複数の電池セルが複数の開口内に配置され、セルケーシングの各々は、セルケーシングをともに連結するよう作用する連結機構を有する。連結機構は、セルケーシングの側面に配置される。
【0015】
ある態様によれば、連結機構は、タブ及びスロットの少なくとも一つを備える。セルケーシングの一つの連結機構は、別のセルケーシングのスロット及びタブとそれぞれ係合するタブ及びスロットを備えることができる。
【0016】
電池モジュールの別の態様において、電池セルは、それぞれ電極を有する。また、少なくとも一つのバスバー・セグメントは、第1のセルケーシングにおける一群の電池セル間の電気的接続を提供し、少なくとも一つの他のバスバー・セグメントは、第2のセルケーシングにおける一群の電池セル間の電気的接続を提供する。端子は、少なくとも2つの外周側面を備え、バスバー・セグメントは、端子に接触する突起を備える。突起は、端子の少なくとも2つの外周側面に沿って配列される第1側面及び第2側面を有する。
【0017】
更なる態様において、複数のバスバー・セグメントは、各セルケーシングに設けられ、ここでは、バスバー・セグメントは、互いから間をあけて配置される。別の態様では、電池セル群は、各々、少なくとも電池セルの第1及び第2列を備え、端子は、各端子の2つの角が列の長手方向に沿ってそれぞれ反対方向に向くように配向された(clocked)複数の角を有する周縁形状を有する。
【0018】
さらに発明の例示的な実施態様によれば、電池モジュールを製造する方法は、アレイに複数の電池セルを設けることを含むと規定され、ここで複数の電池セルは、それぞれ、端子を有する第1の長手方向端を有する。バスバーは、電池セルの端子を横切って配置される。また、レーザーは、バスバーと端子との間に溶接が成されるように、電池セルの長手方向にほぼ垂直な方向において端子をねらって向けられる。
【0019】
ある態様において、端子は、少なくとも2つの外周側面を備え、バスバーは、端子に接触する突起を備える。この突起は、端子の少なくとも2つの外周側面と整列する第1側面及び第2側面を有し、レーザーは、溶接部を生成するために端子の少なくとも2つの外周側面に沿った方向に適用される。
【0020】
別の態様において、複数の電池セルが、レーザーを向ける操作の前に、第1セルケーシングに配置される。ここで、そのセルケーシングは、電池セルを保持するための複数のスロットを有する。更なる態様において、第2セルケーシングが設けられ、第1及び第2セルケーシングの側面で連結機構を用いて、第1セルケーシングに連結される。別の態様において、ヒートシンクは、第1セルケーシングに設けられ、電池セルの第2の長手方向端から熱を取り出すように作用する。
【0021】
本発明の例示的な実施態様は、また、電池モジュール用の本質的に安全でコンパクトなヒューズを提供する。電池モジュールにおいて、ヒューズは、各セルに適用することができ、ヒューズは、重ねられたセル間の空間に位置決めすることができる。あるいは、ヒューズは、バスバーに割り込むこともできる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】図1は電池モジュールの平面図である。
【図2】図2は、発明の一つ以上の例示的な実施形態による電池モジュールにおける電池セルの配置を図示する平面図である。
【図3A】図3Aは、発明の一つ以上の実施形態による電池モジュールの分解組立図である。
【図3B】図3Bは、発明の一つ以上の実施形態による電池モジュールの分解組立図である。
【図3C】図3Cは、発明の一つ以上の実施形態による電池モジュールの分解組立図である。
【図4A】図4Aは、発明の一つ以上の実施形態による電池モジュールの冷却部の分解組立図である。
【図4B】図4Bは、発明の一つ以上の実施形態による電池モジュールの冷却部の分解組立図である。
【図4C】図4Cは、発明の一つ以上の実施形態による電池モジュールの冷却部の分解組立図である。
【図4D】図4Dは、発明の一つ以上の実施形態による電池モジュールの冷却部の分解組立図である。
【図5A】図5Aは、発明の一つ以上の実施形態による電池モジュールの斜視図である。
【図5B】図5Bは、発明の一つ以上の実施形態による、図5Aからのセル端子の一部の斜視図である。
【図5C】図5Cは、発明の一つ以上の実施形態による、セルの端子領域に適用されている溶接を示す斜視図である。
【図5D】図5Dは、発明の一つ以上の実施形態による、セルの端子領域に適用されている溶接を示す斜視図である。
【図6】図6は、発明の一つ以上の実施形態による電池モジュールの斜視図である。
【図7】図7は、発明の一つ以上の実施形態による電池モジュールの斜視図である。
【図8】図8は、発明の一つ以上の実施形態による電池モジュールの斜視図である。
【図9】図9は、発明の一つ以上の実施形態による電池モジュールの斜視図である。
【図10A】図10Aは、発明の一つ以上の実施形態による電池モジュールの底面図である。
【図10B】図10Bは、図10Aの一部の拡大図である。
【図11】図11は、発明の一つ以上の実施形態による電池モジュールの平面図である。
【図12】図12は、発明の一つ以上の実施形態による電池モジュールの斜視図である。
【図13A】図13Aは、発明の一つ以上の実施形態による電池モジュールの斜視図である。
【図13B】図13Bは、発明の一つ以上の実施形態によるバスバーの斜視図である。
【図13C】図13Cは、発明の一つ以上の実施形態によるバスバーの斜視図である。
【図14A】図14Aは、例示的な実施形態による、セル及びバスバー構成を有する電池モジュールの平面図及び底面図である。
【図14B】図14Bは、例示的な実施形態による、セル及びバスバー構成を有する電池モジュールの平面図及び底面図である。
【図14C】図14Cは、例示的な実施形態による、セル及びバスバー構成を有する電池モジュールの平面図及び底面図である。
【図15A】図15Aは、発明の一つ以上の実施形態による電池モジュールの角を示す斜視図である。
【図15B】図15Bは、発明の一つ以上の実施形態による電池モジュールの側面を示す斜視図である。
【図16A】図16Aは、互いに連結された複数の電池モジュールのセルケーシングを示す斜視図である。
【図16B】図16Bは、発明の一つ以上の実施形態による、図16AのラインA−Aに沿って得られたセルケーシングの一部を図示する断面図である。
【図16C】図16Cは、発明の一つ以上の実施形態による、図16AのラインA−Aに沿って得られたセルケーシングの部分を図示する断面図である。
【図16D】図16Dは、発明の一つ以上の実施形態による、図16AのラインA−Aに沿って得られたセルケーシングの部分を図示する断面図である。
【図17】図17は、発明の一つ以上の実施形態による、互いに連結された複数のモジュールの斜視図である。
【図18】図18は、発明の一つ以上の実施形態による、互いに連結された複数のモジュールの斜視図である。
【図19】図19は、発明の一つ以上の実施形態による、互いに連結された複数のモジュールの斜視図である。
【図20】図20は、発明の一つ以上の実施形態による、互いに連結された複数のモジュールを図示する平面視である。
【図21】図21は、2つの金属のバスバーを製造するプロセスを説明する図である。
【図22】図22は、発明の例示的な実施形態による、溶接手順の間、セルモジュールを保持するための固定具を示す図である。
【図23】図23は、発明の例示的な実施形態による、溶接手順の間、セルモジュールを保持するための固定具を示す図である。
【図24】図24は、発明の例示的な実施形態による、溶接手順の間、セルモジュールを保持するための固定具を示す図である。
【図25】図25は、発明の例示的な実施形態による、溶接手順の間、セルモジュールを保持するための固定具を示す図である。
【図26】図26は、発明の例示的な実施形態による、溶接手順の間、セルモジュールを保持するための固定具を示す図である。
【図27A】図27Aは、バスバー及びヒューズを含む電池モジュールの様々な部品の分解組立図である。
【図27B】図27Bは、バスバー及びヒューズの図である。
【図27C】図27Cは、ヒューズ及びセルを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
発明の例示的な実施形態は、図面を参照して記述され、図面は、例示の目的のみのために提供され、発明の範囲は、請求項で述べられている。
本発明の態様は、互いに重ねられた複数のセルを有する柔軟な複数電圧の電池モジュールを提供する。種々の実施形態によれば、モジュールにおける電池セルは、効率的にパッケージ化可能であり、異なる構成で異なる出力電圧を提供することができる。さらに、電池モジュールは、連結機構を用いてともにパッケージ化可能である。発明の例示的な実施形態は、また、効率的で、頑丈な方法でバスバーに溶接される電池セルを提供する。
【0024】
図2は、発明の一つ以上の実施形態による電池モジュール202における電池セル204の配置を示す平面図である。示されるように、セル204は、隣接するセルの中心(例えば中心208a、208b、208c)が、正三角形(例えば三角形210)を形成するように、重ねられた方法で配置される。このようにして、電池セル間の空間206は、最小化される。この重ねられた構成を用いて、モジュール内の空間の例えば約85%は、電池セルで占められる。
【0025】
図3Aは、発明の一つ以上の実施形態による電池モジュール302の分解組立図である。図3B及び図3Cは、図3Aの部分を拡大した図である。電池モジュール302は、カバー304、電圧及び温度モニター及びバランスプリント回路基板(PCB)306、上部及び下部の高電圧(HV)バスバー308、309、モジュールカバー・シール316a、ヒートシンク・シール316b、電池セル310、セルケース(あるいはハウジング)312、及び液冷式ヒートシンク314を含むことができる。
【0026】
電池セル310は、例えば円筒状のリチウムイオンセルになりえる。バスバー308は、一つ以上の導電物質を含むことができる。セルケース312は、プラスチック(例えばポリプロピレン、熱伝導性のポリテトラフルオロエチレン(PTFE))あるいはいずれかの適当な材料で作製可能である。シール316a、316bは、いずれかの適当な非導電性ゴム材料から作製可能である。
【0027】
組み立ての間、電池セル310は、セルケース312の内部に設けられ、それは、上述したように、重ねられた配置においてセル310を保持可能なスロットを有する。セルケース312の高さは、セル310の高さとほぼ同じであり、よって、モジュール302を組み立てるために異なる高さのセルが用いられる場合、異なる高さのセルケースが使用可能である。上述した電圧の柔軟性に加えて、セル310の高さ及びセルケース312の高さが同じになるように調節することにより、種々の長さのセルに対応して設計可能である。よって、同じ設計で複数の電圧とともにアンペア時容量を可能にする。バスバー308、309は、それぞれシール316a、316bの開口内に嵌め合わすことができ、その結果、それらは互いに接触することが妨げられ、電気的に絶縁される。バスバー308、309は、多くのセル310の、正及び負極の端子(例えば318)に電気的に連結される。
【0028】
PCB306は、電圧をモニターしバランスし、かつ電池モジュール302の温度をモニターするのに使用可能であり、カバー304によって保護される。例示的な実施形態において、モジュール302は、コスト、機械的な複雑さ、電子制御の複雑さ、及びソフトウェア制御の複雑さを減じるように、単一の電子制御PCB306を有する。図3Aに示すように、PCB306は、4つの上部バスバー308の上方で、モジュールの上部カバー304の下方に位置し、プラスチックでモールド可能である。
【0029】
実施形態において、PCB306は、モジュール302の全長に延在しないが、セルのモニタリング及びバランシングの電子制御機能に必要な電子デバイスを装着するのに十分な表面積を提供する。図3AのPCBには穴部があり、それは以下に述べるモジュール構造ネジ又は締付ボルト354を収容するために非メッキであってもよい。PCB306は、上部バスバー308へ直接取り付け可能なバスバー・サーミスターを収容するポート307を有する。PCB306は、ホスト電子制御モジュールと接続するためのケーブルを含んでいる。
【0030】
例えば図7に示すように、追加のバスバー・サーミスター313は、PCB306の外形と交差しない上部バスバー308へ取り付け可能である。サーミスター313のセンサは、端子の内側に接合され、PCB上で隣接する銅パッドにはんだ付けされる柔軟なリード線(不図示)を有する。同じ構成が他の3つのサーミスターに用いられる。
【0031】
以下により詳しく説明するように、バスバー308、309は、2つの金属であってもよい。図3Aの実施形態は、穴部へ押し込まれ上方へ突出する外面にネジを切ったスタッド311を有する3つの下部2金属バスバー309を含んでいる。上部バスバーは、正極のアルミニウムの上部バスバー308a、負極の銅の上部バスバー308b、及び、穴部へ押し込まれ上方へ突出する内面にネジを切ったスタッド313を有する2つの上部2金属バスバー308c、308dを含むことができる。
【0032】
いくつかの実施形態において、モジュール302の2つの対向端部での上部バスバー308a、308bは、それぞれ、セルケーシング312の外側部分に沿って延在するように曲げることができる拡張タブ324を有することができる。拡張タブ324においては、図17から図20に関して説明されるように、複数の電池モジュールを電気的に接続する一若しくは複数の穴部があってもよい。例示的な実施形態において、カバー304は、セルケーシング312に対して拡張タブ324を覆い保持可能な側板319を含んでいる。支持エレメント325は、拡張タブ324を支持するため拡張タブ324の後ろに用いられてもよい。さらに以下で説明する位置決めバー348は、セル310を回転式に位置決めするのを支援するために使用可能である。電圧感知ロッド350は、電圧をモニターし検出するために底部バスバー309からプリント回路基板306に延在する。例えば、電圧感知ロッド350は、各端にて内ネジでレンチ・フラットを有する固い銅の電圧感知ロッド350の形をしているかもしれない。ロッド350は、3つの下部2金属バスバー309とPCB306との間で電気的接続がなされるように、上方へ延在する。結合ネジあるいはボルト354が電池モジュールを通って延在し、ベース355に固定される。
【0033】
図4Aから図4Dに示されるように、ヒートシンク314は、液冷式でもよく、成型プラスチックでもよいベース250を有する部分組立品、液体を輸送する非同一外形のチューブ254、チューブ254の端にろう付けされあるいは取り付けられるマニホールド、液体輸送フィッティング260,262、成型プラスチック・カバー264、モジュールの環境保護を改善する弾性の周辺シール316b、及び、熱伝導板272を備えることができる。シール316bもまた、図3Aに示され、シール316aに類似している。
【0034】
熱伝導板272は、特別の熱伝導性の電気的に絶縁されたプラスチック材料から作製可能である。この板は、ヒートシンクのカバー264におけるポートに接着剤で接合可能である。この構成が用いられる場合、効率的な熱伝導を確保するために、図3Aに示すように、調合された熱界面グリースが板272とモジュールの下部バスバー309との間に配置可能である。
【0035】
熱伝導板272もまた熱伝導性の導電性のアルミニウム材料から作製可能である。板272は、ヒートシンクのカバー264におけるポートへ接着剤で接合することができる。この構成が用いられる場合、効率的な熱伝導及び電気的絶縁を確保するために、打ち抜きで弾性の熱界面パッドが板272とモジュールの下部2金属バスバー309との間で用いることができる。
【0036】
セルにそれほど厳しい要求を必要としないいくつかの応用例では、液体の代わりに空気が使用可能である。ヒートシンク314は、パッケージのコンパクト化のため、モジュールの全長内で重ね合わせることができる。別の実施形態では、ヒートシンク314は、専用の空気熱交換器と取り替えることができる。電池モジュール内で効率的な液体冷却システムを用いて、電池セル及びそれらの端子の環境暴露が低減される。モジュール内で、電池セルの電力端子は、腐食から電圧電極を保護してIP67規格により環境的にシール可能である。
【0037】
図5Aは、図3Aにおけるバスバー308、309の異なる型を図示する。発明の例示的な実施形態によって達成された特徴は、端子を包囲するエレメントとの不要な接触を避けるように、端子の周辺の外側表面への方向にレーザーを適用することにより、バスバーに電池セルの端子を効果的にレーザー溶接可能であることである。そのようにしなければ、そのような接触が起こるかもしれず、レーザーは、よりセルの軸方向つまり端子の方へ下方へ向けられる。図5aで示すように、バスバー628は、電池セル310の端子632の上方に配置され、端子632に対応した輪郭を有する。輪郭は、端子632の周囲に沿って延在する、例えば第1及び第2の側面640、644を有する三角形又は部分的にひし形形状の突起636を備えることができる。端子632がバスバー628の形状に一致するように配向されるので、この配置は、効果的な溶接作業を可能にする。溶接は、端子632とバスバー628との間に電気的接続を生成する。
【0038】
したがって、溶接は容易に行われ、増加した溶接長さにより構造的完全性を有する。電池モジュールの部品に損傷をもたらすかもしれない、電池セル310の軸方向に沿ってレーザーを向ける代わりに、セルケーシング312の側面から効率的にレーザー溶接を適用可能にしながら、他の適当な形状も、端子632に適切な電気的接続を提供する突起636に用いることもできる。電池セル310の群は、少なくとも第1及び第2の列を備えることができ、端子632は、複数の角を有する周縁形状を有する。例示的な実施形態において、第1列の端子632の角の一つは、第2列から離れて向けられ、第2列における端子632の角の一つは、第1列から離れて向けられる。
【0039】
組み立ての間、溶接648は、突起636の第1及び第2の側面640、644に沿った方向に適用される。バスバー628の形状は、各バスバーに要する材料量を減じながら、電池セル310の複数列のカバーを提供する。さらに図5bを参照して、電池が過熱した場合にガスを放出するために、通気孔652をセル310に設けることができる。バスバー628の下に通気孔を設置することは望ましいかもしれない。通気孔652は、ガスを放出するためにあり、電池セル310の一若しくは両端部で使用可能である。例えば、セル310が過熱した場合、通気孔652は除去された熱いガスを放出する。突起636に対して端子632を特定の配列にすることにより、通気孔は、突起636に対して例えばセル310に目印を整列することで、バスバー628の下の適切な位置に回転して位置決めすることができる。前の実施形態に類似して、対向端部でのバスバー628は、それぞれ、セルケース312の側面に沿って曲がっている拡張タブ656を有することができる。他の電池モジュールと電気的接続をなすために、穴部660を拡張タブ656に設けることができる。
【0040】
図5Bに示されるように、端子シール649が端子632の周囲に設けられる。バスバー628が端子632へ例えば溶接されて連結される場合、端子シール649は損傷を受けないことが重要である。発明の態様にしたがい、バスバー628は、端子シール649への損傷の機会を減じながら、端子632にレーザー溶接されるように構成される。このことは、外側を端子の周面650に配置することによりある程度実行され、周面650の方へ向けられる溶接レーザーによりそれらが接近しやすい。例えば、レーザー・ビームは、セル310の軸の方向に垂直あるいはほぼ垂直な方向に向けることができる。
【0041】
図5C及び図5Dは、セル310の長手方向にほぼ垂直な方法でセルの端子領域になされる溶接を図示している。発明の例示的な態様にしたがい、レーザー溶接がセル310の軸方向に適用される場合に別の方法で損傷されるかもしれない端子シール649への損傷を減じあるいは防ぎながら、レーザー・ビーム670は、バスバー設計のため、バスバー628の突起636と端子632との間の接触面積に影響を与え、効果的な溶接を提供する。レーザー・ビーム670は、端子632の第1及び第2の側面640、644の方向に突起636及び端子632に沿って移動するだろう。
【0042】
図6及び図7は、位置決めバー690を用いることにより所定の角度へクロックされた(clocked)あるいは回転して位置決めされたセル310のアレイを図示している。位置決めバー690は、図5bに示されるセル通気孔652がバスバー628の下に配置されることを確保する方法で回転式にセル310の位置決めを支援するために使用可能である。セル310がどのように位置決めされるかにかかわらず、いくつかの実施形態では、熱いガスが電池モジュールのカバーに達するのを防ぐことを助けるため、バスバー628の下に通気孔652を設置することは望ましく、そうでなければ損傷を引き起こすかもしれない。
【0043】
電池セル310は、セルケース312の内側に設けられるとき同じ配向にする必要はない。図8は、電池モジュール402の斜視図であり、ここではモジュール内のいくつかのセルは、モジュール内の他のセルと反対方向に配置される。例えば、モジュール402の左手側のセル410aは、上方へ面するそれらの正極電力端子を有することができ、一方、モジュール402の右手側のセル410bは、下方へ面するそれらの正極電力端子を有することができる。図9は、電池モジュール402の対応する底部を図示する。よって、別の様式で配置された電池セルを含む電池モジュールを設けることが可能である。例えば、あるセルは、上方へ面するそれらの負極電力端子を有することができ、一方、他のセルは、下方へ面するそれらの負極電力端子を有する。従って、ここで述べられるもののようなバスバーは、セルの正極電力端子をセルの負極電力端子と接続することができる。従って、あるセル群は並列に接続されているが、セル群は、また、直列に接続することもできる。
【0044】
図10aは、発明の一若しくは複数の実施形態による電池モジュール502の底面図であり、そのモジュール502は、2列の電池セル510及び一連のバスバー508を有する。示されるように、バスバー508は、電池セル510の両方の列をカバーする幅を有することができる。冷却液入口/出口320を有するヒートシンク314も示されている。
【0045】
図10bは、図10aの一部の拡大図である。図示されるように、3つの隣接した電池セル内に囲まれて、空間504が存在する。例示的な実施形態によれば、冷却装置又は流体に連通する冷却水路は、空間504内に配置することができる。冷却水路は、セルの温度を下げるために用いることができる。
【0046】
図11は、発明の一つ以上の実施形態による電池モジュール602の平面図である。モジュール602は、2列の電池セル610及び一連のバスバー608を持っている。バスバー608は、各々、単列における電池セルをカバーする幅を持っている。
【0047】
いくつかの実施形態において、電池モジュールは、異なる材料から作製された部分を有するバスバーを有することができる。例えば、図12及び図13aに示されるように、バスバー708、712は、アルミニウムで作製された第1部分708a、712a、及び銅から作製された第2部分708b、712bを有することができる。セル710aの正極端子がアルミニウムから作られる場合、これらの端子は、電気的接続を形成するためにアルミニウム部分712aと適切に溶接することができる。同様に、セル710bの負極端子が銅又はニッケル被覆された鋼材から作られる場合、これらの負極端子は、電気的接続を形成するために銅部分712bと容易に溶接することができる。それ故に、2つの金属のバスバーは、2つの異なった金属から作られた電力端子とバスバーとの接続を容易に行うことができる。2つの金属のバスバーは、異なった材料を連結するために摩擦溶接720で形成可能である。
【0048】
図13b及び図13cに示されるように、上部バスバー308及び下部バスバー309は、それらに直接結合されるヒューズを有することができる。上部バスバー308及び下部バスバー309の各々は、この構成を有することができる。このヒューズは、精密な打ち抜き穴及び/又はスロット777のアレイであり、ジッパー・ヒューズを形成する。バスバーにヒューズを組み入れることは、モジュールの安全能力を向上させるために、頑丈で、コンパクトで、コストに効果的なアプローチである。重大な自動車衝突で可能性のある最悪ケースの故障モードに関して、ヒューズは、バスバーから過負荷の状態で、セルと機械的に切断され電気的に分離される。モジュールにおける隣接するセルあるいは潜在的に全てのセルで連鎖故障モードを防ぐ特定の時間内でそれが動作するように、実験及び分析は、ジッパー・ヒューズの最適な配置を明らかにする。
【0049】
電池セル及びバスバーの異なる構成を用いることによって、一定の合計エネルギーを有する電池モジュールは、異なる出力電圧を提供することができる。図14A、図14B、及び図14Cは、この概念の実施例を図示する。図14A、図14B、及び図14Cの各々は、36個の電池セルを有する電池モジュールの平面図及び底面図を含み、よって、図14A、図14B、及び図14Cにおける3つの電池モジュールの合計エネルギーは、一定である。図14Aにおいて、36個のセルは、6群のセルにグループ化され(例えば群802a、802b)、ここでは、各群におけるセルは並列に接続され、6つの群は直列に接続される。したがって、図14Aで図示される電池モジュールによって提供される電圧は、個々の電池セルの電圧の6倍である。この構成は、6S6P構成と呼ばれ、バスバーのユニークな配置により容易になる。
【0050】
図14Bにおいて、36個のセルは、4個のセルの9つの群へグループ化される(例えば群804a、804b)。ここでは、各群におけるセルは、並列に接続され、9つの群は直列に接続される。したがって、図14Bに図示される電池モジュールによって提供される電圧は、個々の電池セルの電圧の9倍である。この構成は、9S4P構成と呼ばれる。図14Cでは、36個のセルは、9個のセルの4つの群へグループ化される(例えば群806a、806b)。ここでは、各群におけるセルは、並列に接続され、4つの群は直列に接続される。したがって、図8Cに図示された電池モジュールによって提供される電圧は、個々の電池セルの電圧の4倍である。この構成は、4S9P構成と呼ばれる。並列に接続されたセルは、偶数個のセルに制限されず、列の数に特別な制限もないことに注意すべきである。
【0051】
したがって、セル及びバスバーの配向を変更することにより、様々な実施形態による電池モジュールは、異なる出力電圧を提供するように柔軟に構成することができる。36のA123 32157 HD電池セルを使用し、図14A、図14B、及び図14Cに関して記述された3つの異なる構成の動作は、以下の表Iに記載されている。
【0052】
【表I】
【0053】
図3Aに関して記述されるように、例えば、いくつかの実施形態において、電池モジュール302は、拡張タブ324を有するバスバーを用いることができる。図15Aは、例示的な電池モジュール302の右上角を示す斜視図である。モジュール302は、電池セル310の上端上のバスバー308bを有する。バスバー308bは、バスバーの面328から下方へ曲げられた拡張タブ324を有し、タブ324の近位端だけが図15Aにおいて可視であるように、セルケース312の制限された開口へ拡張タブが差し込まれる。図15Bは、電池モジュール302の斜視図である。図15Bにおいて、拡張タブ324の遠位端の一部を可視とする開口902がセルケース302にある。拡張タブ324の遠位端は、穴部又は開口326を有し、それは、拡張タブ324を通りボルト(図示せず)が差し込まれるのを可能にし、タブ324との電気的接続を図ることを可能にする。ボルトは、ケース312に固定されたナットと結合可能である。ケース312において拡張タブ324を設けることによって、それは、適所に回転式に保持され、その結果、ボルトの回転の間、拡張タブ324に加えられた力は、ケース312に吸収され、モジュール302の他の部分に作用する偶発的な応力を減じるように、上記他の部分に作用しない。複数のモジュールが電池を形成するために、ともにグループ化され整列される場合、ボルトは、1モジュールの押し出しにおいて拡張タブを通過し、電力端子に機械的トルクを及ぼさずに、他のモジュールの拡張タブと電気的接続を行うことができる。電気的接続を行うため拡張タブを用いる別の利点は、モジュールカバーの周囲のまわりで電池カバーを密閉することができることであり、それにより、カバーにおいて複雑なシール構成を回避できる。
【0054】
図16Aは、ともに連結された複数の電池モジュール1002を示す斜視図である。この例示的な実施形態において、各電池モジュールは、所望の構成に依存して電池セルのより多くの列のうちの一つを含むことができる。いくつかの実施形態において、電池モジュールは、モジュールにおけるセルケース上の連結タブを用いることにより連結することができる。設計目的に依存して異なる数のモジュールを用いることができると認識されるだろう。
【0055】
図16Bは、図10aのラインA−Aに沿って得られた電池モジュールの一部の断面図である。図16Cは、図16AのラインA−Aに沿って得られた隣接したモジュール1010に連結された電池モジュール1008の断面図である。示されるように、モジュール1008は、モジュール1010のセルケースにおけるスロット1012と連結可能なセルケースから延在するタブ1004を有する。同様に、モジュール1008は、モジュール1010のセルケースのタブ1014とロックすることができるスロット1006を有する。図16Dは、連結機構を用いてともに連結された2つの電池モジュール1008、1010を示す図16aのラインA−Aに沿って得られた断面図である。電池モジュール1008、1010は、モジュール1008、1010、1012及び1014の遠位端1016、1018でスロット及びタブを用いて、隣接したモジュール1012、1014に連結される。
【0056】
図17及び図18は、連結された関係において複数の組み立てられたセルモジュール1050、1054などを図示する。セルモジュール1050、1054は、接続治具1058によって電気的に連結される。図17の実施形態において、セルモジュール1050、1054は、セルモジュール1050の負極端がセルモジュール1054の正極端に接続されるように、直列に接続される。2つのモジュールが並列に接続されるように、一つのモジュールの正極端子は、別のモジュールの正極端子と電気的に接続可能である(及び負極が負極と)。あるいは、2つのモジュールが直列に接続されるように、一つのモジュールの正極端子は、別のモジュールの負極端子と電気的に接続可能である。モジュールを重ねる能力は、複数モジュール構成を作るために有効で効率的な方法を提供する。
【0057】
接続治具1058は、セルモジュール間の電気的接続を行う導電性板1062あるいは他の適当なコネクターを備えることができる。図17の例示的な実施形態は、下部のバスバーにおける穴部1067、1068と結合する締結ボルト1066を利用するような接続治具1058を図示する。接続治具1058は、この設計に限定されず、適切な電気的接続を提供する他の構成の形態をとってもよいことが認識されるだろう。隣接するセルモジュール間の電気的接続を電気的に分離し保護するために、プラスチック・カバーのような絶縁カバー1070は、接続治具1058の上方に配置可能である。図19は、装着されたカバー1070を有する連結されたセルモジュール1074のアレイを図示する。図20は、前述のタブ及びスロット連結構成を用いてともに連結された、複数のセルモジュール1078の平面図である。締付ボルト1082の上端部は、セルモジュール及び冷却液体の入口及び出口1090、1094のベース部1086とともに、図17から図20において可視である。
【0058】
上述したように、いくつかの例示的な実施形態において、2つの金属のバスバーは、好ましくは、両極の電力端子と電気的接続を行うために使用可能であるが、必ずしもそうではない。2つの金属のバスバーは、例えば、両方の金属と溶接可能な中間材料を同一に扱うことで製造することができる。一例として、アルミニウムと銅の2つの金属のバスバー用の中間材料として、銀が使用可能である。2つの金属のバスバーを作る別の方法は、異種金属をともに接合するようにクラッディングによるものであり、例えば、ダイを通して2つの金属を押し出すことにより、あるいは高圧下で金属箔を押圧することによる。さらに、別の例示的なアプローチは、当業者により理解されるように、摩擦溶接技術を用いることである。
【0059】
図21は、本発明の様々な実施形態で使用される2つの金属のバスバーを製造するプロセスを図示する図である。最初に、銅部分1104a及びアルミニウム部分1104bを含むチューブ1102は、2つの異なる金属を摩擦溶接により作製される。よって、管部1106は、チューブ1102から切断され、2つの金属のバスバーを提供するようにロールされる。2金属片を製造するための当該技術分野で既知の他の方法が2金属バスバーを製造するために使用可能である。
【0060】
電池セルは、電池セルの一端あるいは両端部で一般的に通気孔(複数可)(ガスを放出するためのバルブ)を有することができる。通気孔は、例えば、セルが過熱したとき、熱い排出されたガスを放出する。温度の低下なしに熱いガスが電池モジュールのカバーに達するならば、それはモジュールを損傷させるかもしれない。本発明の実施形態は、また効率的なセル通気設計を有する電池モジュールを提供する。
【0061】
図22から図26は、セルモジュール1400のバスバーをセル端子にレーザー溶接するために使用される固定具を図示する。セル端子及びバスバーは、上の実施形態に記載されていたものであってもよい。固定具は、位置決めピン1401及びボルト1402でともに留められる4つの主な半組立部品を有する。組み立てられた固定具は、レーザ溶接の間、モジュールのセルケース1404、セル1406及びバスバー1408を位置決めし把持する。一つの実施形態において、固定具は、不可欠のハンドルを介して手動で固定具を反転するため、たった一つの短い休止とともに自動レーザ溶接を可能にする。ボルト1402の使用は、コスト及び複雑さを制限するのに向いている。大量生産に関して、製造時間を縮小するために、類似の固定具は、ボルトよりもむしろ迅速動作機構を使用してもよい。
【0062】
第1の主な半組立部品は、硬いランドプレート1410、及び位置決めピン、ボルト、ネジ固定接着剤を介してそのプレートに取り付けられる2つの硬い隙間ブロック1412を有する。ランドプレート1410の材料は、固定具が妥当な労力で手動で移動可能なようにアルミニウムでもよい。ランドプレート1410は、モジュールのセルケース1404を設置し把持するために多くの凹状表面を有する。隙間ブロック1412の材料は、モジュール1400に関して、各端部で隣接する上部正極アルミニウムバスバー及び上部負極銅バスバーとの偶発的な電気的短絡の危険を避けるように、ガラス繊維強化プラスチックであってもよい。隙間ブロック1412は、固定具の他の主な3つの半組立部品を保持する位置決めピン及びボルトと結合するため、複数の平面及びネジ穴を有する。
【0063】
第2の主な半組立部品は、硬い押圧板で、これを保持するためのピン及びボルトを有し、アルミニウムであってもよい、押圧板1416を有する。押圧板1416は、隙間ブロックの位置決めピンと結合する平面穴のパターンを除いてランドプレート1410に類似している。
【0064】
第3の主な半組立部品は、硬いプッシュバーで、これを保持するためのピン及びボルトを有し、ガラス繊維強化プラスチックであってもよい、プッシュバー1418を有する。プッシュバー1418は、また、モジュールの下部の2金属バスバーと接続する精度バスバー位置決めボタン1422を有する。プッシュバー1418は、また、各レーザー溶接経路に関してぴったりはまることを確保するために、セルサイト毎でバスバーを押圧するバネ付勢されたプランジャ1426を有する。
【0065】
第4の主な半組立部品は、硬いプッシュバーで、これを保持するためのピン及びボルトを有し、ガラス繊維強化プラスチックであってもよい、プッシュバー1428を有する。プッシュバー1418に類似して、プッシュバー1428は、モジュールの上部の正極アルミニウムバスバー、上部の負極銅バスバー、及び2つの上部の2金属バスバーと接続する精度バスバー位置決めボタンを有する。プッシュバー1428は、また、各レーザー溶接経路に関してぴったりはまることを確保するために、セルサイト毎でバスバーを押圧するバネ付勢されたプランジャを有する。完全なアセンブリーが図26に示され、これは溶接レーザーの入射用の開口1432を含んでいる。
【0066】
セルは、全体の電池システム容量を増加させるために、しばしば電池モジュール内で並列にて電気的に接続される。いくつかの電池システムの応用例は、成功した競争、及び内部セル短絡となる欠陥をシミュレートする酷使テストの合格を必要とする。セル爪で刺すことによるシミュレートされた短絡は、迅速なセル放電の間、セル内でセル温度増加となる。並列のセルは、刺されたセルによって放電される必要のある増加したエネルギーのため、さらに温度が上がる。並列セルからのエネルギーが刺されたセルに入るのを防ぐために、この状態の間、電流を遮断するため、ヒューズが並列セルの各々に直列に設置可能である。
【0067】
本発明の実施形態は、電池モジュール用の本質的に安全でコンパクトなヒューズを提供する。電池モジュールにおいて、ヒューズは、各セルに適用でき、重ねられたセル間の空間に位置することができる。あるいはヒューズは、バスバーに割り込むこともできる。図27Aは、バスバー1302及びヒューズ1304を含む電池モジュールの様々な部品の分解組立図である。図27Bは、バスバー1302及びヒューズ1304aを示す図である。図27Cは、ヒューズ1304a及びセル1308を図示する図である。
【0068】
発明の例示的な実施形態によるモジュールパッケージは、セル空間の有効な利用を提供する。円筒状セルを重ねることは、セル間に三角形の空間を生成する。その空間は、重ねられたセルの各々用のヒューズを収容するために使用可能である。プラスチックセルハウジングに封入されたヒューズは、セルヒューズが開いた場合に、電池モジュール内の潜在的可燃性の混合物が点火するのを防ぐのに役立つであろう本質的に安全な環境を提供する。例えば、円筒状セルに関して、ヒューズは、重ねられたセル間の三角形の空間に位置可能である。本質的に安全な溶断方法は、電気的バスバーに割り込ませたヒューズであるかもしれず、モジュール内で火花が潜在的燃焼性のガスに達するのを防ぐように密封した環境内に存在するような方法で密閉されてもよい。密閉されたバスバーは、セル端子への溶接あるいはボルト締めでの接続を許容しながら、溶断部分のみをカバーすることができ、よって、良好な空間利用を有するコンパクト設計を可能にする。
【0069】
多数の追加の利点あるいは変更は、当該技術における通常の技術を有する者によって実現されるかもしれない。従って、発明は、開示された非制限の実施形態に限定されていないが、添付の請求項の全部の精神及び範囲内にあると解釈されることは意図される。
【技術分野】
【0001】
相互関係
この出願は、2008年4月14日に出願された、米国の仮出願No.61/044,784の本出願である。
【0002】
本発明と矛盾しない例示的な実施形態は、一般に電池モジュール設計に関し、より詳しくは、複数の電気化学の電池セルを有する自在な電圧の重畳収納可能な電池モジュールに関する。
【背景技術】
【0003】
電池モジュールは、グループ化された複数の電気化学的セルを含むことができる。セルは、例えば、セルの2つの対向端部に配置された2つの電力端子(正極端子及び負極端子)をそれぞれが有する、円筒状のリチウムイオンセルであってもよい。2つの電力端子は、一般的に異なる物質から作製される。例えば、電力端子は、しばしばアルミニウム(正極)、銅(負極)あるいはニッケルで被覆された鋼材(負極)で作製される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
図1は、セル104間の空間106を有するマトリクス構成で配置された円筒状セル104を有する電池モジュール102の平面図である。モジュール102のような電池モジュールは、各モジュールが単一の電圧のみを提供することができるという意味で、柔軟性がない。異なった電圧を提供するために、従来の多くの電池モジュールは、直列に接続しなければならず、その結果、電池サイズが大きくなってしまう。また、図1に示されるセルの実装密度は最適ではない。
【0005】
従来の電池モジュールは、円筒状セル104が、取り囲むエレメントに対してどのように機械的及び電気的に連結されるかに関して頑丈な構成を欠く。さらに、従来の電池モジュールは、不十分な熱除去及び複数の個別のモジュールを効果的に連結する無力さに苦しんでいる。従って、製造が容易で、高いセルパッケージ密度を提供する電池モジュールが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の例示的な実施態様は、互いに重ねられた複数のセルを有する、柔軟な、複数電圧の電池モジュールを提供する。セルは、例えば円筒状のリチウムイオンセルであることができる。セルパッケージ密度を増加させるために、隣接するセルの中心が正三角形を形成するように、セルは、重ねられた構成にて配置することができる。セルは、複数のモジュールがともに接続されることを可能にする連結タブによりハウジング又はケース(例えばプラスチックハウジング)に設けることができる。モジュール内に、セルは、電池セルの上部及び底部にてバスバー(buss bars)により異なる構成で接続することができる。異なった構成は、モジュールに異なる電圧を提供可能である。バスバーは、互いに溶接された異なる物質(例えばアルミニウム部分及び銅部分)によって作製された2つの部分を含むことができる。電池モジュールは、バスバーを介して電池モジュールを冷却するためのヒートシンクを一端又は両端にて含むことができる。
【0007】
本発明の例示的な実施態様は、また、セル通気ダクト設計を有し、及び、モジュールに余分な部品を加えずに、熱く高速のガスを冷却し方向を変える電池モジュールを提供する。電池モジュールにおいて、電池セルは、金属のバスバーの端間に位置したセル通気孔を有することができる。バスバーは、液体冷却システムによって冷却可能であり、セル通気孔から放出されるガスの温度及び速度を下げるために用いることができる。
【0008】
例示的な実施態様において、電池モジュールは、セルケーシングを備えて設けられる。複数の電池セルがセルケーシング内に配置され、それぞれの電池セルは、端子を有し、端子は上部及び外周側面部分を有する。少なくとも一つのバスバー・セグメントは、一群の電池セル間の電気的接続を提供し、電池セル群の縦方向端を横切って延在し、端子の上部に接触する。バスバー・セグメントに電極を溶接するために外周側面の方へレーザーを向けることができるように、端子の外周側面は、バスバー・セグメントによって遮られていない。
【0009】
一態様において、電池セルは、少なくとも2つの外周側面を備え、バスバー・セグメントは、端子に接触する突起を備える。突起は、端子の少なくとも2つの外周側面に整列される第1側面及び第2側面を有する。他の態様において、複数のバスバー・セグメントが設けられ、複数のバスバー・セグメントのそれぞれは、電池セルの列に沿って延在する方向において互いに間隔があけられている。
【0010】
一態様において、セルケーシングは、隣接するセルケーシングにセルケーシングを連結するように作用する連結機構を備える。連結機構は、タブ及びスロットの少なくとも一つを備えることができる。更なる態様において、連結機構は、隣接セルケーシングのスロット及びタブとそれぞれ係合するタブ及びスロットを備える。
【0011】
一態様において、電池セル群は、少なくとも第1及び第2の列を備え、端子は、複数の角を有する周縁形状を有し、第1列における端子の角の一つは、第2列から離れて向けられ、第2列における端子の角の一つは、第1列から離れて向けられる。端子は、正方形の周縁形状を有してもよい。
【0012】
更なる態様において、電池モジュールは、電池モジュールの電圧及び温度の少なくとも一つをモニターするプリント回路基板を備える。電池モジュールは、また、カバーを含むことができる。ここでは、プリント回路基板は、カバーと複数のバスバー・セグメントとの間で複数のバスバー・セグメントに沿って延在する。
【0013】
別の態様において、複数のバスバー・セグメントは、電池セルの長手方向端で第1のバスバー構成を形成し、また、第2のバスバー構成を形成するために、電池モジュールは、電池セルのもう一つの長手方向端で第2の複数のバスバー・セグメントを備える。第1のバスバー構成は、第2のバスバー構成よりも非常に多くの数のセグメントを有することができる。更なる態様において、ヒートシンクは、第2のバスバー構成を冷却するように設けられる。ヒートシンクは、第2のバスバー構成に沿って延在し、冷却液入口及び出口を備える。
【0014】
例示的な実施態様によれば、電池モジュール構成は、複数のセルケーシングを備え、各セルケーシングは、複数の開口を備える。複数の電池セルが複数の開口内に配置され、セルケーシングの各々は、セルケーシングをともに連結するよう作用する連結機構を有する。連結機構は、セルケーシングの側面に配置される。
【0015】
ある態様によれば、連結機構は、タブ及びスロットの少なくとも一つを備える。セルケーシングの一つの連結機構は、別のセルケーシングのスロット及びタブとそれぞれ係合するタブ及びスロットを備えることができる。
【0016】
電池モジュールの別の態様において、電池セルは、それぞれ電極を有する。また、少なくとも一つのバスバー・セグメントは、第1のセルケーシングにおける一群の電池セル間の電気的接続を提供し、少なくとも一つの他のバスバー・セグメントは、第2のセルケーシングにおける一群の電池セル間の電気的接続を提供する。端子は、少なくとも2つの外周側面を備え、バスバー・セグメントは、端子に接触する突起を備える。突起は、端子の少なくとも2つの外周側面に沿って配列される第1側面及び第2側面を有する。
【0017】
更なる態様において、複数のバスバー・セグメントは、各セルケーシングに設けられ、ここでは、バスバー・セグメントは、互いから間をあけて配置される。別の態様では、電池セル群は、各々、少なくとも電池セルの第1及び第2列を備え、端子は、各端子の2つの角が列の長手方向に沿ってそれぞれ反対方向に向くように配向された(clocked)複数の角を有する周縁形状を有する。
【0018】
さらに発明の例示的な実施態様によれば、電池モジュールを製造する方法は、アレイに複数の電池セルを設けることを含むと規定され、ここで複数の電池セルは、それぞれ、端子を有する第1の長手方向端を有する。バスバーは、電池セルの端子を横切って配置される。また、レーザーは、バスバーと端子との間に溶接が成されるように、電池セルの長手方向にほぼ垂直な方向において端子をねらって向けられる。
【0019】
ある態様において、端子は、少なくとも2つの外周側面を備え、バスバーは、端子に接触する突起を備える。この突起は、端子の少なくとも2つの外周側面と整列する第1側面及び第2側面を有し、レーザーは、溶接部を生成するために端子の少なくとも2つの外周側面に沿った方向に適用される。
【0020】
別の態様において、複数の電池セルが、レーザーを向ける操作の前に、第1セルケーシングに配置される。ここで、そのセルケーシングは、電池セルを保持するための複数のスロットを有する。更なる態様において、第2セルケーシングが設けられ、第1及び第2セルケーシングの側面で連結機構を用いて、第1セルケーシングに連結される。別の態様において、ヒートシンクは、第1セルケーシングに設けられ、電池セルの第2の長手方向端から熱を取り出すように作用する。
【0021】
本発明の例示的な実施態様は、また、電池モジュール用の本質的に安全でコンパクトなヒューズを提供する。電池モジュールにおいて、ヒューズは、各セルに適用することができ、ヒューズは、重ねられたセル間の空間に位置決めすることができる。あるいは、ヒューズは、バスバーに割り込むこともできる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】図1は電池モジュールの平面図である。
【図2】図2は、発明の一つ以上の例示的な実施形態による電池モジュールにおける電池セルの配置を図示する平面図である。
【図3A】図3Aは、発明の一つ以上の実施形態による電池モジュールの分解組立図である。
【図3B】図3Bは、発明の一つ以上の実施形態による電池モジュールの分解組立図である。
【図3C】図3Cは、発明の一つ以上の実施形態による電池モジュールの分解組立図である。
【図4A】図4Aは、発明の一つ以上の実施形態による電池モジュールの冷却部の分解組立図である。
【図4B】図4Bは、発明の一つ以上の実施形態による電池モジュールの冷却部の分解組立図である。
【図4C】図4Cは、発明の一つ以上の実施形態による電池モジュールの冷却部の分解組立図である。
【図4D】図4Dは、発明の一つ以上の実施形態による電池モジュールの冷却部の分解組立図である。
【図5A】図5Aは、発明の一つ以上の実施形態による電池モジュールの斜視図である。
【図5B】図5Bは、発明の一つ以上の実施形態による、図5Aからのセル端子の一部の斜視図である。
【図5C】図5Cは、発明の一つ以上の実施形態による、セルの端子領域に適用されている溶接を示す斜視図である。
【図5D】図5Dは、発明の一つ以上の実施形態による、セルの端子領域に適用されている溶接を示す斜視図である。
【図6】図6は、発明の一つ以上の実施形態による電池モジュールの斜視図である。
【図7】図7は、発明の一つ以上の実施形態による電池モジュールの斜視図である。
【図8】図8は、発明の一つ以上の実施形態による電池モジュールの斜視図である。
【図9】図9は、発明の一つ以上の実施形態による電池モジュールの斜視図である。
【図10A】図10Aは、発明の一つ以上の実施形態による電池モジュールの底面図である。
【図10B】図10Bは、図10Aの一部の拡大図である。
【図11】図11は、発明の一つ以上の実施形態による電池モジュールの平面図である。
【図12】図12は、発明の一つ以上の実施形態による電池モジュールの斜視図である。
【図13A】図13Aは、発明の一つ以上の実施形態による電池モジュールの斜視図である。
【図13B】図13Bは、発明の一つ以上の実施形態によるバスバーの斜視図である。
【図13C】図13Cは、発明の一つ以上の実施形態によるバスバーの斜視図である。
【図14A】図14Aは、例示的な実施形態による、セル及びバスバー構成を有する電池モジュールの平面図及び底面図である。
【図14B】図14Bは、例示的な実施形態による、セル及びバスバー構成を有する電池モジュールの平面図及び底面図である。
【図14C】図14Cは、例示的な実施形態による、セル及びバスバー構成を有する電池モジュールの平面図及び底面図である。
【図15A】図15Aは、発明の一つ以上の実施形態による電池モジュールの角を示す斜視図である。
【図15B】図15Bは、発明の一つ以上の実施形態による電池モジュールの側面を示す斜視図である。
【図16A】図16Aは、互いに連結された複数の電池モジュールのセルケーシングを示す斜視図である。
【図16B】図16Bは、発明の一つ以上の実施形態による、図16AのラインA−Aに沿って得られたセルケーシングの一部を図示する断面図である。
【図16C】図16Cは、発明の一つ以上の実施形態による、図16AのラインA−Aに沿って得られたセルケーシングの部分を図示する断面図である。
【図16D】図16Dは、発明の一つ以上の実施形態による、図16AのラインA−Aに沿って得られたセルケーシングの部分を図示する断面図である。
【図17】図17は、発明の一つ以上の実施形態による、互いに連結された複数のモジュールの斜視図である。
【図18】図18は、発明の一つ以上の実施形態による、互いに連結された複数のモジュールの斜視図である。
【図19】図19は、発明の一つ以上の実施形態による、互いに連結された複数のモジュールの斜視図である。
【図20】図20は、発明の一つ以上の実施形態による、互いに連結された複数のモジュールを図示する平面視である。
【図21】図21は、2つの金属のバスバーを製造するプロセスを説明する図である。
【図22】図22は、発明の例示的な実施形態による、溶接手順の間、セルモジュールを保持するための固定具を示す図である。
【図23】図23は、発明の例示的な実施形態による、溶接手順の間、セルモジュールを保持するための固定具を示す図である。
【図24】図24は、発明の例示的な実施形態による、溶接手順の間、セルモジュールを保持するための固定具を示す図である。
【図25】図25は、発明の例示的な実施形態による、溶接手順の間、セルモジュールを保持するための固定具を示す図である。
【図26】図26は、発明の例示的な実施形態による、溶接手順の間、セルモジュールを保持するための固定具を示す図である。
【図27A】図27Aは、バスバー及びヒューズを含む電池モジュールの様々な部品の分解組立図である。
【図27B】図27Bは、バスバー及びヒューズの図である。
【図27C】図27Cは、ヒューズ及びセルを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
発明の例示的な実施形態は、図面を参照して記述され、図面は、例示の目的のみのために提供され、発明の範囲は、請求項で述べられている。
本発明の態様は、互いに重ねられた複数のセルを有する柔軟な複数電圧の電池モジュールを提供する。種々の実施形態によれば、モジュールにおける電池セルは、効率的にパッケージ化可能であり、異なる構成で異なる出力電圧を提供することができる。さらに、電池モジュールは、連結機構を用いてともにパッケージ化可能である。発明の例示的な実施形態は、また、効率的で、頑丈な方法でバスバーに溶接される電池セルを提供する。
【0024】
図2は、発明の一つ以上の実施形態による電池モジュール202における電池セル204の配置を示す平面図である。示されるように、セル204は、隣接するセルの中心(例えば中心208a、208b、208c)が、正三角形(例えば三角形210)を形成するように、重ねられた方法で配置される。このようにして、電池セル間の空間206は、最小化される。この重ねられた構成を用いて、モジュール内の空間の例えば約85%は、電池セルで占められる。
【0025】
図3Aは、発明の一つ以上の実施形態による電池モジュール302の分解組立図である。図3B及び図3Cは、図3Aの部分を拡大した図である。電池モジュール302は、カバー304、電圧及び温度モニター及びバランスプリント回路基板(PCB)306、上部及び下部の高電圧(HV)バスバー308、309、モジュールカバー・シール316a、ヒートシンク・シール316b、電池セル310、セルケース(あるいはハウジング)312、及び液冷式ヒートシンク314を含むことができる。
【0026】
電池セル310は、例えば円筒状のリチウムイオンセルになりえる。バスバー308は、一つ以上の導電物質を含むことができる。セルケース312は、プラスチック(例えばポリプロピレン、熱伝導性のポリテトラフルオロエチレン(PTFE))あるいはいずれかの適当な材料で作製可能である。シール316a、316bは、いずれかの適当な非導電性ゴム材料から作製可能である。
【0027】
組み立ての間、電池セル310は、セルケース312の内部に設けられ、それは、上述したように、重ねられた配置においてセル310を保持可能なスロットを有する。セルケース312の高さは、セル310の高さとほぼ同じであり、よって、モジュール302を組み立てるために異なる高さのセルが用いられる場合、異なる高さのセルケースが使用可能である。上述した電圧の柔軟性に加えて、セル310の高さ及びセルケース312の高さが同じになるように調節することにより、種々の長さのセルに対応して設計可能である。よって、同じ設計で複数の電圧とともにアンペア時容量を可能にする。バスバー308、309は、それぞれシール316a、316bの開口内に嵌め合わすことができ、その結果、それらは互いに接触することが妨げられ、電気的に絶縁される。バスバー308、309は、多くのセル310の、正及び負極の端子(例えば318)に電気的に連結される。
【0028】
PCB306は、電圧をモニターしバランスし、かつ電池モジュール302の温度をモニターするのに使用可能であり、カバー304によって保護される。例示的な実施形態において、モジュール302は、コスト、機械的な複雑さ、電子制御の複雑さ、及びソフトウェア制御の複雑さを減じるように、単一の電子制御PCB306を有する。図3Aに示すように、PCB306は、4つの上部バスバー308の上方で、モジュールの上部カバー304の下方に位置し、プラスチックでモールド可能である。
【0029】
実施形態において、PCB306は、モジュール302の全長に延在しないが、セルのモニタリング及びバランシングの電子制御機能に必要な電子デバイスを装着するのに十分な表面積を提供する。図3AのPCBには穴部があり、それは以下に述べるモジュール構造ネジ又は締付ボルト354を収容するために非メッキであってもよい。PCB306は、上部バスバー308へ直接取り付け可能なバスバー・サーミスターを収容するポート307を有する。PCB306は、ホスト電子制御モジュールと接続するためのケーブルを含んでいる。
【0030】
例えば図7に示すように、追加のバスバー・サーミスター313は、PCB306の外形と交差しない上部バスバー308へ取り付け可能である。サーミスター313のセンサは、端子の内側に接合され、PCB上で隣接する銅パッドにはんだ付けされる柔軟なリード線(不図示)を有する。同じ構成が他の3つのサーミスターに用いられる。
【0031】
以下により詳しく説明するように、バスバー308、309は、2つの金属であってもよい。図3Aの実施形態は、穴部へ押し込まれ上方へ突出する外面にネジを切ったスタッド311を有する3つの下部2金属バスバー309を含んでいる。上部バスバーは、正極のアルミニウムの上部バスバー308a、負極の銅の上部バスバー308b、及び、穴部へ押し込まれ上方へ突出する内面にネジを切ったスタッド313を有する2つの上部2金属バスバー308c、308dを含むことができる。
【0032】
いくつかの実施形態において、モジュール302の2つの対向端部での上部バスバー308a、308bは、それぞれ、セルケーシング312の外側部分に沿って延在するように曲げることができる拡張タブ324を有することができる。拡張タブ324においては、図17から図20に関して説明されるように、複数の電池モジュールを電気的に接続する一若しくは複数の穴部があってもよい。例示的な実施形態において、カバー304は、セルケーシング312に対して拡張タブ324を覆い保持可能な側板319を含んでいる。支持エレメント325は、拡張タブ324を支持するため拡張タブ324の後ろに用いられてもよい。さらに以下で説明する位置決めバー348は、セル310を回転式に位置決めするのを支援するために使用可能である。電圧感知ロッド350は、電圧をモニターし検出するために底部バスバー309からプリント回路基板306に延在する。例えば、電圧感知ロッド350は、各端にて内ネジでレンチ・フラットを有する固い銅の電圧感知ロッド350の形をしているかもしれない。ロッド350は、3つの下部2金属バスバー309とPCB306との間で電気的接続がなされるように、上方へ延在する。結合ネジあるいはボルト354が電池モジュールを通って延在し、ベース355に固定される。
【0033】
図4Aから図4Dに示されるように、ヒートシンク314は、液冷式でもよく、成型プラスチックでもよいベース250を有する部分組立品、液体を輸送する非同一外形のチューブ254、チューブ254の端にろう付けされあるいは取り付けられるマニホールド、液体輸送フィッティング260,262、成型プラスチック・カバー264、モジュールの環境保護を改善する弾性の周辺シール316b、及び、熱伝導板272を備えることができる。シール316bもまた、図3Aに示され、シール316aに類似している。
【0034】
熱伝導板272は、特別の熱伝導性の電気的に絶縁されたプラスチック材料から作製可能である。この板は、ヒートシンクのカバー264におけるポートに接着剤で接合可能である。この構成が用いられる場合、効率的な熱伝導を確保するために、図3Aに示すように、調合された熱界面グリースが板272とモジュールの下部バスバー309との間に配置可能である。
【0035】
熱伝導板272もまた熱伝導性の導電性のアルミニウム材料から作製可能である。板272は、ヒートシンクのカバー264におけるポートへ接着剤で接合することができる。この構成が用いられる場合、効率的な熱伝導及び電気的絶縁を確保するために、打ち抜きで弾性の熱界面パッドが板272とモジュールの下部2金属バスバー309との間で用いることができる。
【0036】
セルにそれほど厳しい要求を必要としないいくつかの応用例では、液体の代わりに空気が使用可能である。ヒートシンク314は、パッケージのコンパクト化のため、モジュールの全長内で重ね合わせることができる。別の実施形態では、ヒートシンク314は、専用の空気熱交換器と取り替えることができる。電池モジュール内で効率的な液体冷却システムを用いて、電池セル及びそれらの端子の環境暴露が低減される。モジュール内で、電池セルの電力端子は、腐食から電圧電極を保護してIP67規格により環境的にシール可能である。
【0037】
図5Aは、図3Aにおけるバスバー308、309の異なる型を図示する。発明の例示的な実施形態によって達成された特徴は、端子を包囲するエレメントとの不要な接触を避けるように、端子の周辺の外側表面への方向にレーザーを適用することにより、バスバーに電池セルの端子を効果的にレーザー溶接可能であることである。そのようにしなければ、そのような接触が起こるかもしれず、レーザーは、よりセルの軸方向つまり端子の方へ下方へ向けられる。図5aで示すように、バスバー628は、電池セル310の端子632の上方に配置され、端子632に対応した輪郭を有する。輪郭は、端子632の周囲に沿って延在する、例えば第1及び第2の側面640、644を有する三角形又は部分的にひし形形状の突起636を備えることができる。端子632がバスバー628の形状に一致するように配向されるので、この配置は、効果的な溶接作業を可能にする。溶接は、端子632とバスバー628との間に電気的接続を生成する。
【0038】
したがって、溶接は容易に行われ、増加した溶接長さにより構造的完全性を有する。電池モジュールの部品に損傷をもたらすかもしれない、電池セル310の軸方向に沿ってレーザーを向ける代わりに、セルケーシング312の側面から効率的にレーザー溶接を適用可能にしながら、他の適当な形状も、端子632に適切な電気的接続を提供する突起636に用いることもできる。電池セル310の群は、少なくとも第1及び第2の列を備えることができ、端子632は、複数の角を有する周縁形状を有する。例示的な実施形態において、第1列の端子632の角の一つは、第2列から離れて向けられ、第2列における端子632の角の一つは、第1列から離れて向けられる。
【0039】
組み立ての間、溶接648は、突起636の第1及び第2の側面640、644に沿った方向に適用される。バスバー628の形状は、各バスバーに要する材料量を減じながら、電池セル310の複数列のカバーを提供する。さらに図5bを参照して、電池が過熱した場合にガスを放出するために、通気孔652をセル310に設けることができる。バスバー628の下に通気孔を設置することは望ましいかもしれない。通気孔652は、ガスを放出するためにあり、電池セル310の一若しくは両端部で使用可能である。例えば、セル310が過熱した場合、通気孔652は除去された熱いガスを放出する。突起636に対して端子632を特定の配列にすることにより、通気孔は、突起636に対して例えばセル310に目印を整列することで、バスバー628の下の適切な位置に回転して位置決めすることができる。前の実施形態に類似して、対向端部でのバスバー628は、それぞれ、セルケース312の側面に沿って曲がっている拡張タブ656を有することができる。他の電池モジュールと電気的接続をなすために、穴部660を拡張タブ656に設けることができる。
【0040】
図5Bに示されるように、端子シール649が端子632の周囲に設けられる。バスバー628が端子632へ例えば溶接されて連結される場合、端子シール649は損傷を受けないことが重要である。発明の態様にしたがい、バスバー628は、端子シール649への損傷の機会を減じながら、端子632にレーザー溶接されるように構成される。このことは、外側を端子の周面650に配置することによりある程度実行され、周面650の方へ向けられる溶接レーザーによりそれらが接近しやすい。例えば、レーザー・ビームは、セル310の軸の方向に垂直あるいはほぼ垂直な方向に向けることができる。
【0041】
図5C及び図5Dは、セル310の長手方向にほぼ垂直な方法でセルの端子領域になされる溶接を図示している。発明の例示的な態様にしたがい、レーザー溶接がセル310の軸方向に適用される場合に別の方法で損傷されるかもしれない端子シール649への損傷を減じあるいは防ぎながら、レーザー・ビーム670は、バスバー設計のため、バスバー628の突起636と端子632との間の接触面積に影響を与え、効果的な溶接を提供する。レーザー・ビーム670は、端子632の第1及び第2の側面640、644の方向に突起636及び端子632に沿って移動するだろう。
【0042】
図6及び図7は、位置決めバー690を用いることにより所定の角度へクロックされた(clocked)あるいは回転して位置決めされたセル310のアレイを図示している。位置決めバー690は、図5bに示されるセル通気孔652がバスバー628の下に配置されることを確保する方法で回転式にセル310の位置決めを支援するために使用可能である。セル310がどのように位置決めされるかにかかわらず、いくつかの実施形態では、熱いガスが電池モジュールのカバーに達するのを防ぐことを助けるため、バスバー628の下に通気孔652を設置することは望ましく、そうでなければ損傷を引き起こすかもしれない。
【0043】
電池セル310は、セルケース312の内側に設けられるとき同じ配向にする必要はない。図8は、電池モジュール402の斜視図であり、ここではモジュール内のいくつかのセルは、モジュール内の他のセルと反対方向に配置される。例えば、モジュール402の左手側のセル410aは、上方へ面するそれらの正極電力端子を有することができ、一方、モジュール402の右手側のセル410bは、下方へ面するそれらの正極電力端子を有することができる。図9は、電池モジュール402の対応する底部を図示する。よって、別の様式で配置された電池セルを含む電池モジュールを設けることが可能である。例えば、あるセルは、上方へ面するそれらの負極電力端子を有することができ、一方、他のセルは、下方へ面するそれらの負極電力端子を有する。従って、ここで述べられるもののようなバスバーは、セルの正極電力端子をセルの負極電力端子と接続することができる。従って、あるセル群は並列に接続されているが、セル群は、また、直列に接続することもできる。
【0044】
図10aは、発明の一若しくは複数の実施形態による電池モジュール502の底面図であり、そのモジュール502は、2列の電池セル510及び一連のバスバー508を有する。示されるように、バスバー508は、電池セル510の両方の列をカバーする幅を有することができる。冷却液入口/出口320を有するヒートシンク314も示されている。
【0045】
図10bは、図10aの一部の拡大図である。図示されるように、3つの隣接した電池セル内に囲まれて、空間504が存在する。例示的な実施形態によれば、冷却装置又は流体に連通する冷却水路は、空間504内に配置することができる。冷却水路は、セルの温度を下げるために用いることができる。
【0046】
図11は、発明の一つ以上の実施形態による電池モジュール602の平面図である。モジュール602は、2列の電池セル610及び一連のバスバー608を持っている。バスバー608は、各々、単列における電池セルをカバーする幅を持っている。
【0047】
いくつかの実施形態において、電池モジュールは、異なる材料から作製された部分を有するバスバーを有することができる。例えば、図12及び図13aに示されるように、バスバー708、712は、アルミニウムで作製された第1部分708a、712a、及び銅から作製された第2部分708b、712bを有することができる。セル710aの正極端子がアルミニウムから作られる場合、これらの端子は、電気的接続を形成するためにアルミニウム部分712aと適切に溶接することができる。同様に、セル710bの負極端子が銅又はニッケル被覆された鋼材から作られる場合、これらの負極端子は、電気的接続を形成するために銅部分712bと容易に溶接することができる。それ故に、2つの金属のバスバーは、2つの異なった金属から作られた電力端子とバスバーとの接続を容易に行うことができる。2つの金属のバスバーは、異なった材料を連結するために摩擦溶接720で形成可能である。
【0048】
図13b及び図13cに示されるように、上部バスバー308及び下部バスバー309は、それらに直接結合されるヒューズを有することができる。上部バスバー308及び下部バスバー309の各々は、この構成を有することができる。このヒューズは、精密な打ち抜き穴及び/又はスロット777のアレイであり、ジッパー・ヒューズを形成する。バスバーにヒューズを組み入れることは、モジュールの安全能力を向上させるために、頑丈で、コンパクトで、コストに効果的なアプローチである。重大な自動車衝突で可能性のある最悪ケースの故障モードに関して、ヒューズは、バスバーから過負荷の状態で、セルと機械的に切断され電気的に分離される。モジュールにおける隣接するセルあるいは潜在的に全てのセルで連鎖故障モードを防ぐ特定の時間内でそれが動作するように、実験及び分析は、ジッパー・ヒューズの最適な配置を明らかにする。
【0049】
電池セル及びバスバーの異なる構成を用いることによって、一定の合計エネルギーを有する電池モジュールは、異なる出力電圧を提供することができる。図14A、図14B、及び図14Cは、この概念の実施例を図示する。図14A、図14B、及び図14Cの各々は、36個の電池セルを有する電池モジュールの平面図及び底面図を含み、よって、図14A、図14B、及び図14Cにおける3つの電池モジュールの合計エネルギーは、一定である。図14Aにおいて、36個のセルは、6群のセルにグループ化され(例えば群802a、802b)、ここでは、各群におけるセルは並列に接続され、6つの群は直列に接続される。したがって、図14Aで図示される電池モジュールによって提供される電圧は、個々の電池セルの電圧の6倍である。この構成は、6S6P構成と呼ばれ、バスバーのユニークな配置により容易になる。
【0050】
図14Bにおいて、36個のセルは、4個のセルの9つの群へグループ化される(例えば群804a、804b)。ここでは、各群におけるセルは、並列に接続され、9つの群は直列に接続される。したがって、図14Bに図示される電池モジュールによって提供される電圧は、個々の電池セルの電圧の9倍である。この構成は、9S4P構成と呼ばれる。図14Cでは、36個のセルは、9個のセルの4つの群へグループ化される(例えば群806a、806b)。ここでは、各群におけるセルは、並列に接続され、4つの群は直列に接続される。したがって、図8Cに図示された電池モジュールによって提供される電圧は、個々の電池セルの電圧の4倍である。この構成は、4S9P構成と呼ばれる。並列に接続されたセルは、偶数個のセルに制限されず、列の数に特別な制限もないことに注意すべきである。
【0051】
したがって、セル及びバスバーの配向を変更することにより、様々な実施形態による電池モジュールは、異なる出力電圧を提供するように柔軟に構成することができる。36のA123 32157 HD電池セルを使用し、図14A、図14B、及び図14Cに関して記述された3つの異なる構成の動作は、以下の表Iに記載されている。
【0052】
【表I】
【0053】
図3Aに関して記述されるように、例えば、いくつかの実施形態において、電池モジュール302は、拡張タブ324を有するバスバーを用いることができる。図15Aは、例示的な電池モジュール302の右上角を示す斜視図である。モジュール302は、電池セル310の上端上のバスバー308bを有する。バスバー308bは、バスバーの面328から下方へ曲げられた拡張タブ324を有し、タブ324の近位端だけが図15Aにおいて可視であるように、セルケース312の制限された開口へ拡張タブが差し込まれる。図15Bは、電池モジュール302の斜視図である。図15Bにおいて、拡張タブ324の遠位端の一部を可視とする開口902がセルケース302にある。拡張タブ324の遠位端は、穴部又は開口326を有し、それは、拡張タブ324を通りボルト(図示せず)が差し込まれるのを可能にし、タブ324との電気的接続を図ることを可能にする。ボルトは、ケース312に固定されたナットと結合可能である。ケース312において拡張タブ324を設けることによって、それは、適所に回転式に保持され、その結果、ボルトの回転の間、拡張タブ324に加えられた力は、ケース312に吸収され、モジュール302の他の部分に作用する偶発的な応力を減じるように、上記他の部分に作用しない。複数のモジュールが電池を形成するために、ともにグループ化され整列される場合、ボルトは、1モジュールの押し出しにおいて拡張タブを通過し、電力端子に機械的トルクを及ぼさずに、他のモジュールの拡張タブと電気的接続を行うことができる。電気的接続を行うため拡張タブを用いる別の利点は、モジュールカバーの周囲のまわりで電池カバーを密閉することができることであり、それにより、カバーにおいて複雑なシール構成を回避できる。
【0054】
図16Aは、ともに連結された複数の電池モジュール1002を示す斜視図である。この例示的な実施形態において、各電池モジュールは、所望の構成に依存して電池セルのより多くの列のうちの一つを含むことができる。いくつかの実施形態において、電池モジュールは、モジュールにおけるセルケース上の連結タブを用いることにより連結することができる。設計目的に依存して異なる数のモジュールを用いることができると認識されるだろう。
【0055】
図16Bは、図10aのラインA−Aに沿って得られた電池モジュールの一部の断面図である。図16Cは、図16AのラインA−Aに沿って得られた隣接したモジュール1010に連結された電池モジュール1008の断面図である。示されるように、モジュール1008は、モジュール1010のセルケースにおけるスロット1012と連結可能なセルケースから延在するタブ1004を有する。同様に、モジュール1008は、モジュール1010のセルケースのタブ1014とロックすることができるスロット1006を有する。図16Dは、連結機構を用いてともに連結された2つの電池モジュール1008、1010を示す図16aのラインA−Aに沿って得られた断面図である。電池モジュール1008、1010は、モジュール1008、1010、1012及び1014の遠位端1016、1018でスロット及びタブを用いて、隣接したモジュール1012、1014に連結される。
【0056】
図17及び図18は、連結された関係において複数の組み立てられたセルモジュール1050、1054などを図示する。セルモジュール1050、1054は、接続治具1058によって電気的に連結される。図17の実施形態において、セルモジュール1050、1054は、セルモジュール1050の負極端がセルモジュール1054の正極端に接続されるように、直列に接続される。2つのモジュールが並列に接続されるように、一つのモジュールの正極端子は、別のモジュールの正極端子と電気的に接続可能である(及び負極が負極と)。あるいは、2つのモジュールが直列に接続されるように、一つのモジュールの正極端子は、別のモジュールの負極端子と電気的に接続可能である。モジュールを重ねる能力は、複数モジュール構成を作るために有効で効率的な方法を提供する。
【0057】
接続治具1058は、セルモジュール間の電気的接続を行う導電性板1062あるいは他の適当なコネクターを備えることができる。図17の例示的な実施形態は、下部のバスバーにおける穴部1067、1068と結合する締結ボルト1066を利用するような接続治具1058を図示する。接続治具1058は、この設計に限定されず、適切な電気的接続を提供する他の構成の形態をとってもよいことが認識されるだろう。隣接するセルモジュール間の電気的接続を電気的に分離し保護するために、プラスチック・カバーのような絶縁カバー1070は、接続治具1058の上方に配置可能である。図19は、装着されたカバー1070を有する連結されたセルモジュール1074のアレイを図示する。図20は、前述のタブ及びスロット連結構成を用いてともに連結された、複数のセルモジュール1078の平面図である。締付ボルト1082の上端部は、セルモジュール及び冷却液体の入口及び出口1090、1094のベース部1086とともに、図17から図20において可視である。
【0058】
上述したように、いくつかの例示的な実施形態において、2つの金属のバスバーは、好ましくは、両極の電力端子と電気的接続を行うために使用可能であるが、必ずしもそうではない。2つの金属のバスバーは、例えば、両方の金属と溶接可能な中間材料を同一に扱うことで製造することができる。一例として、アルミニウムと銅の2つの金属のバスバー用の中間材料として、銀が使用可能である。2つの金属のバスバーを作る別の方法は、異種金属をともに接合するようにクラッディングによるものであり、例えば、ダイを通して2つの金属を押し出すことにより、あるいは高圧下で金属箔を押圧することによる。さらに、別の例示的なアプローチは、当業者により理解されるように、摩擦溶接技術を用いることである。
【0059】
図21は、本発明の様々な実施形態で使用される2つの金属のバスバーを製造するプロセスを図示する図である。最初に、銅部分1104a及びアルミニウム部分1104bを含むチューブ1102は、2つの異なる金属を摩擦溶接により作製される。よって、管部1106は、チューブ1102から切断され、2つの金属のバスバーを提供するようにロールされる。2金属片を製造するための当該技術分野で既知の他の方法が2金属バスバーを製造するために使用可能である。
【0060】
電池セルは、電池セルの一端あるいは両端部で一般的に通気孔(複数可)(ガスを放出するためのバルブ)を有することができる。通気孔は、例えば、セルが過熱したとき、熱い排出されたガスを放出する。温度の低下なしに熱いガスが電池モジュールのカバーに達するならば、それはモジュールを損傷させるかもしれない。本発明の実施形態は、また効率的なセル通気設計を有する電池モジュールを提供する。
【0061】
図22から図26は、セルモジュール1400のバスバーをセル端子にレーザー溶接するために使用される固定具を図示する。セル端子及びバスバーは、上の実施形態に記載されていたものであってもよい。固定具は、位置決めピン1401及びボルト1402でともに留められる4つの主な半組立部品を有する。組み立てられた固定具は、レーザ溶接の間、モジュールのセルケース1404、セル1406及びバスバー1408を位置決めし把持する。一つの実施形態において、固定具は、不可欠のハンドルを介して手動で固定具を反転するため、たった一つの短い休止とともに自動レーザ溶接を可能にする。ボルト1402の使用は、コスト及び複雑さを制限するのに向いている。大量生産に関して、製造時間を縮小するために、類似の固定具は、ボルトよりもむしろ迅速動作機構を使用してもよい。
【0062】
第1の主な半組立部品は、硬いランドプレート1410、及び位置決めピン、ボルト、ネジ固定接着剤を介してそのプレートに取り付けられる2つの硬い隙間ブロック1412を有する。ランドプレート1410の材料は、固定具が妥当な労力で手動で移動可能なようにアルミニウムでもよい。ランドプレート1410は、モジュールのセルケース1404を設置し把持するために多くの凹状表面を有する。隙間ブロック1412の材料は、モジュール1400に関して、各端部で隣接する上部正極アルミニウムバスバー及び上部負極銅バスバーとの偶発的な電気的短絡の危険を避けるように、ガラス繊維強化プラスチックであってもよい。隙間ブロック1412は、固定具の他の主な3つの半組立部品を保持する位置決めピン及びボルトと結合するため、複数の平面及びネジ穴を有する。
【0063】
第2の主な半組立部品は、硬い押圧板で、これを保持するためのピン及びボルトを有し、アルミニウムであってもよい、押圧板1416を有する。押圧板1416は、隙間ブロックの位置決めピンと結合する平面穴のパターンを除いてランドプレート1410に類似している。
【0064】
第3の主な半組立部品は、硬いプッシュバーで、これを保持するためのピン及びボルトを有し、ガラス繊維強化プラスチックであってもよい、プッシュバー1418を有する。プッシュバー1418は、また、モジュールの下部の2金属バスバーと接続する精度バスバー位置決めボタン1422を有する。プッシュバー1418は、また、各レーザー溶接経路に関してぴったりはまることを確保するために、セルサイト毎でバスバーを押圧するバネ付勢されたプランジャ1426を有する。
【0065】
第4の主な半組立部品は、硬いプッシュバーで、これを保持するためのピン及びボルトを有し、ガラス繊維強化プラスチックであってもよい、プッシュバー1428を有する。プッシュバー1418に類似して、プッシュバー1428は、モジュールの上部の正極アルミニウムバスバー、上部の負極銅バスバー、及び2つの上部の2金属バスバーと接続する精度バスバー位置決めボタンを有する。プッシュバー1428は、また、各レーザー溶接経路に関してぴったりはまることを確保するために、セルサイト毎でバスバーを押圧するバネ付勢されたプランジャを有する。完全なアセンブリーが図26に示され、これは溶接レーザーの入射用の開口1432を含んでいる。
【0066】
セルは、全体の電池システム容量を増加させるために、しばしば電池モジュール内で並列にて電気的に接続される。いくつかの電池システムの応用例は、成功した競争、及び内部セル短絡となる欠陥をシミュレートする酷使テストの合格を必要とする。セル爪で刺すことによるシミュレートされた短絡は、迅速なセル放電の間、セル内でセル温度増加となる。並列のセルは、刺されたセルによって放電される必要のある増加したエネルギーのため、さらに温度が上がる。並列セルからのエネルギーが刺されたセルに入るのを防ぐために、この状態の間、電流を遮断するため、ヒューズが並列セルの各々に直列に設置可能である。
【0067】
本発明の実施形態は、電池モジュール用の本質的に安全でコンパクトなヒューズを提供する。電池モジュールにおいて、ヒューズは、各セルに適用でき、重ねられたセル間の空間に位置することができる。あるいはヒューズは、バスバーに割り込むこともできる。図27Aは、バスバー1302及びヒューズ1304を含む電池モジュールの様々な部品の分解組立図である。図27Bは、バスバー1302及びヒューズ1304aを示す図である。図27Cは、ヒューズ1304a及びセル1308を図示する図である。
【0068】
発明の例示的な実施形態によるモジュールパッケージは、セル空間の有効な利用を提供する。円筒状セルを重ねることは、セル間に三角形の空間を生成する。その空間は、重ねられたセルの各々用のヒューズを収容するために使用可能である。プラスチックセルハウジングに封入されたヒューズは、セルヒューズが開いた場合に、電池モジュール内の潜在的可燃性の混合物が点火するのを防ぐのに役立つであろう本質的に安全な環境を提供する。例えば、円筒状セルに関して、ヒューズは、重ねられたセル間の三角形の空間に位置可能である。本質的に安全な溶断方法は、電気的バスバーに割り込ませたヒューズであるかもしれず、モジュール内で火花が潜在的燃焼性のガスに達するのを防ぐように密封した環境内に存在するような方法で密閉されてもよい。密閉されたバスバーは、セル端子への溶接あるいはボルト締めでの接続を許容しながら、溶断部分のみをカバーすることができ、よって、良好な空間利用を有するコンパクト設計を可能にする。
【0069】
多数の追加の利点あるいは変更は、当該技術における通常の技術を有する者によって実現されるかもしれない。従って、発明は、開示された非制限の実施形態に限定されていないが、添付の請求項の全部の精神及び範囲内にあると解釈されることは意図される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
セルケーシングと、
セルケーシング内に配置された複数の電池セルであり、それぞれ端子を有し、該端子は上部及び外周側面部分を有する、電池セルと、
一群の電池セル間の電気的接続を提供する少なくとも一つのバスバー・セグメントであり、少なくとも一つのバスバー・セグメントは端子の上部に接触するため電池セル群の長手方向端部を横切り延在する、バスバー・セグメントと、
を備え、
端子の外周側面は、端子を少なくとも一つのバスバー・セグメントに溶接するため、レーザーが外周側面の方へ向けられるように少なくとも一つのバスバー・セグメントによって遮られていない、
電池モジュール。
【請求項2】
端子は、少なくとも2つの外周側面を備え、バスバー・セグメントは、端子に接触する突起を備え、突起は、端子の少なくとも2つの外周側面とほぼ整列された第1面及び第2面を有する、請求項1記載の電池モジュール。
【請求項3】
複数のバスバー・セグメントを備え、複数のバスバー・セグメントの各々は、電池セルの列に沿って延在する方向において互いから隔てられる、請求項1記載の電池モジュール。
【請求項4】
セルケーシングは、隣接のセルケーシングにセルケーシングを連結するよう作用する連結機構を備える、請求項1記載の電池モジュール。
【請求項5】
連結機構は、タブ及びスロットの少なくとも一つを備える、請求項4記載の電池モジュール。
【請求項6】
連結機構は、隣接のセルケーシングのスロット及びタブの少なくとも一つとそれぞれ係合するタブ及びスロットを備える、請求項5記載の電池モジュール。
【請求項7】
電池セル群は、少なくとも第1及び第2の列を備え、端子は、複数の角を有する周縁形状を有し、第1列における端子の角の一つは、第2列から離れて向けられ、第2列における端子の角の一つは、第1列から離れて向けられる、請求項2記載の電池モジュール。
【請求項8】
端子は、正方形の周縁形状を有する、請求項7記載の電池モジュール。
【請求項9】
電池モジュールの電圧及び温度の少なくとも一つをモニターするプリント回路基板を備える、請求項3記載の電池モジュール。
【請求項10】
カバーを備え、プリント回路基板は、カバーと複数のバスバー・セグメントとの間で複数のバスバー・セグメントに沿って延在する、請求項9記載の電池モジュール。
【請求項11】
複数のバスバー・セグメントは、第1のバスバー構成を形成し、電池モジュールは、電池セルの別の端部で、第2のバスバー構成を形成する第2の複数のバスバー・セグメントを備える、請求項3記載の電池モジュール。
【請求項12】
第1のバスバー構成は、第2のバスバー構成よりも多数のセグメントを有する、請求項11記載の電池モジュール。
【請求項13】
第2のバスバー構成を冷却するヒートシンクを備える、請求項11記載の電池モジュール。
【請求項14】
ヒートシンクは、第2のバスバー構成に沿って延在し、冷却液入口及び出口を備える、請求項12記載の電池モジュール。
【請求項15】
電池セルの端子をそれぞれ囲むヒューズ構成を備える、請求項1記載の電池モジュール。
【請求項16】
電池セルは、隣接した電池セルの中心が正三角形を形成する重ねられた方法で配置される、請求項1記載の電池モジュール。
【請求項17】
電池セルは、円筒状のリチウムイオンセルである、請求項1記載の電池モジュール。
【請求項18】
複数のセルケーシングで、セルケーシングの各々が複数の開口を備えるセルケーシングと、
複数の開口内に配置された複数の電池セルと、
を備え、
各セルケーシングは、セルケーシングを互いに連結する連結機構を有し、連結機構は、セルケーシングの横に配置される、
電池モジュール構成。
【請求項19】
連結機構は、タブ及びスロットの少なくとも一つを備える、請求項18記載の電池モジュール構成。
【請求項20】
セルケーシングの一つの連結機構は、別のセルケーシングのスロット及びタブとそれぞれ係合するタブ及びスロットを備える、請求項18記載の電池モジュール構成。
【請求項21】
電池セルはそれぞれ電極を有し、少なくとも一つのバスバー・セグメントは、第1のセルケーシングにおける一群の電池セル間で電気的接続を提供し、少なくとも一つの他のバスバー・セグメントは、第2のセルケーシングにおける一群の電池セル間で電気的接続を提供する、請求項18記載の電池モジュール構成。
【請求項22】
端子は少なくとも2つの外周側面を備え、バスバー・セグメントは、端子に接触する突起を備え、突起は端子の少なくとも2つの外周側面に沿って配列される第1側面及び第2側面を有する、請求項21記載の電池モジュール構成。
【請求項23】
各セルケーシング用の複数のバスバー・セグメントを備え、各セルケーシングにおける複数のバスバー・セグメントは互いから離れている、請求項22記載の電池モジュール構成。
【請求項24】
電池セル群は、各々電池セルの少なくとも第1及び第2の列を備え、端子は、各端子の2つの角が列の長手方向に沿ってそれぞれ反対方向に向くように配向されている複数の角を持った周縁形状を有する、請求項21記載の電池モジュール構成。
【請求項25】
端子は、正方形の周縁形状を有する、請求項24記載の電池モジュール構成。
【請求項26】
複数のセルケーシングとそれぞれ結びつけられ、電池セルの電圧及び温度の少なくとも一つをモニターするプリント回路基板を備えた、請求項18記載の電池モジュール構成。
【請求項27】
電池セルは、円筒状のリチウムイオンセルである、請求項18記載の電池モジュール構成。
【請求項28】
電池モジュールを製造する方法であって、
アレイ状に複数の電池セルを配置し、ここで複数の電池セルは端子を持つ第1長手方向端部を有し、端子はそれぞれ上部及び外周側面を有し、
端子の上部を横切りバスバーを配置し、それにより端子の外周側面が露出され、
バスバーと端子との間で溶接を確立するように端子の外周側面でレーザーを向けること、
を備えた方法。
【請求項29】
端子は少なくとも2つの外周側面を備え、バスバーは端子と接触する突起を備える、請求項28記載の方法。
【請求項30】
突起は端子の少なくとも2つの外周側面と整列する第1側面及び第2側面を有し、レーザーは、溶接を確立するために端子の少なくとも2つの外周側面に沿って与えられる、請求項29記載の方法。
【請求項31】
レーザーを向ける操作の前に複数の電池セルが第1セルケーシングに配置され、セルケーシングは、電池セルを保持する複数のスロットを有する、請求項28記載の方法。
【請求項32】
第2セルケーシングを設け、第1及び第2のセルケーシングの横の連結機構を用いて第2セルケーシングを第1セルケーシングに連結することをさらに備える、請求項30記載の方法。
【請求項33】
第1セルケーシングにヒートシンクを設けることをさらに備え、ヒートシンクは、電池セルの第2の長手方向端から熱を抜き取る、請求項30記載の方法。
【請求項34】
溶接を確立するために、レーザーは、電池セルの長手方向にほぼ垂直な方向に向けられる、請求項28記載の方法。
【請求項1】
セルケーシングと、
セルケーシング内に配置された複数の電池セルであり、それぞれ端子を有し、該端子は上部及び外周側面部分を有する、電池セルと、
一群の電池セル間の電気的接続を提供する少なくとも一つのバスバー・セグメントであり、少なくとも一つのバスバー・セグメントは端子の上部に接触するため電池セル群の長手方向端部を横切り延在する、バスバー・セグメントと、
を備え、
端子の外周側面は、端子を少なくとも一つのバスバー・セグメントに溶接するため、レーザーが外周側面の方へ向けられるように少なくとも一つのバスバー・セグメントによって遮られていない、
電池モジュール。
【請求項2】
端子は、少なくとも2つの外周側面を備え、バスバー・セグメントは、端子に接触する突起を備え、突起は、端子の少なくとも2つの外周側面とほぼ整列された第1面及び第2面を有する、請求項1記載の電池モジュール。
【請求項3】
複数のバスバー・セグメントを備え、複数のバスバー・セグメントの各々は、電池セルの列に沿って延在する方向において互いから隔てられる、請求項1記載の電池モジュール。
【請求項4】
セルケーシングは、隣接のセルケーシングにセルケーシングを連結するよう作用する連結機構を備える、請求項1記載の電池モジュール。
【請求項5】
連結機構は、タブ及びスロットの少なくとも一つを備える、請求項4記載の電池モジュール。
【請求項6】
連結機構は、隣接のセルケーシングのスロット及びタブの少なくとも一つとそれぞれ係合するタブ及びスロットを備える、請求項5記載の電池モジュール。
【請求項7】
電池セル群は、少なくとも第1及び第2の列を備え、端子は、複数の角を有する周縁形状を有し、第1列における端子の角の一つは、第2列から離れて向けられ、第2列における端子の角の一つは、第1列から離れて向けられる、請求項2記載の電池モジュール。
【請求項8】
端子は、正方形の周縁形状を有する、請求項7記載の電池モジュール。
【請求項9】
電池モジュールの電圧及び温度の少なくとも一つをモニターするプリント回路基板を備える、請求項3記載の電池モジュール。
【請求項10】
カバーを備え、プリント回路基板は、カバーと複数のバスバー・セグメントとの間で複数のバスバー・セグメントに沿って延在する、請求項9記載の電池モジュール。
【請求項11】
複数のバスバー・セグメントは、第1のバスバー構成を形成し、電池モジュールは、電池セルの別の端部で、第2のバスバー構成を形成する第2の複数のバスバー・セグメントを備える、請求項3記載の電池モジュール。
【請求項12】
第1のバスバー構成は、第2のバスバー構成よりも多数のセグメントを有する、請求項11記載の電池モジュール。
【請求項13】
第2のバスバー構成を冷却するヒートシンクを備える、請求項11記載の電池モジュール。
【請求項14】
ヒートシンクは、第2のバスバー構成に沿って延在し、冷却液入口及び出口を備える、請求項12記載の電池モジュール。
【請求項15】
電池セルの端子をそれぞれ囲むヒューズ構成を備える、請求項1記載の電池モジュール。
【請求項16】
電池セルは、隣接した電池セルの中心が正三角形を形成する重ねられた方法で配置される、請求項1記載の電池モジュール。
【請求項17】
電池セルは、円筒状のリチウムイオンセルである、請求項1記載の電池モジュール。
【請求項18】
複数のセルケーシングで、セルケーシングの各々が複数の開口を備えるセルケーシングと、
複数の開口内に配置された複数の電池セルと、
を備え、
各セルケーシングは、セルケーシングを互いに連結する連結機構を有し、連結機構は、セルケーシングの横に配置される、
電池モジュール構成。
【請求項19】
連結機構は、タブ及びスロットの少なくとも一つを備える、請求項18記載の電池モジュール構成。
【請求項20】
セルケーシングの一つの連結機構は、別のセルケーシングのスロット及びタブとそれぞれ係合するタブ及びスロットを備える、請求項18記載の電池モジュール構成。
【請求項21】
電池セルはそれぞれ電極を有し、少なくとも一つのバスバー・セグメントは、第1のセルケーシングにおける一群の電池セル間で電気的接続を提供し、少なくとも一つの他のバスバー・セグメントは、第2のセルケーシングにおける一群の電池セル間で電気的接続を提供する、請求項18記載の電池モジュール構成。
【請求項22】
端子は少なくとも2つの外周側面を備え、バスバー・セグメントは、端子に接触する突起を備え、突起は端子の少なくとも2つの外周側面に沿って配列される第1側面及び第2側面を有する、請求項21記載の電池モジュール構成。
【請求項23】
各セルケーシング用の複数のバスバー・セグメントを備え、各セルケーシングにおける複数のバスバー・セグメントは互いから離れている、請求項22記載の電池モジュール構成。
【請求項24】
電池セル群は、各々電池セルの少なくとも第1及び第2の列を備え、端子は、各端子の2つの角が列の長手方向に沿ってそれぞれ反対方向に向くように配向されている複数の角を持った周縁形状を有する、請求項21記載の電池モジュール構成。
【請求項25】
端子は、正方形の周縁形状を有する、請求項24記載の電池モジュール構成。
【請求項26】
複数のセルケーシングとそれぞれ結びつけられ、電池セルの電圧及び温度の少なくとも一つをモニターするプリント回路基板を備えた、請求項18記載の電池モジュール構成。
【請求項27】
電池セルは、円筒状のリチウムイオンセルである、請求項18記載の電池モジュール構成。
【請求項28】
電池モジュールを製造する方法であって、
アレイ状に複数の電池セルを配置し、ここで複数の電池セルは端子を持つ第1長手方向端部を有し、端子はそれぞれ上部及び外周側面を有し、
端子の上部を横切りバスバーを配置し、それにより端子の外周側面が露出され、
バスバーと端子との間で溶接を確立するように端子の外周側面でレーザーを向けること、
を備えた方法。
【請求項29】
端子は少なくとも2つの外周側面を備え、バスバーは端子と接触する突起を備える、請求項28記載の方法。
【請求項30】
突起は端子の少なくとも2つの外周側面と整列する第1側面及び第2側面を有し、レーザーは、溶接を確立するために端子の少なくとも2つの外周側面に沿って与えられる、請求項29記載の方法。
【請求項31】
レーザーを向ける操作の前に複数の電池セルが第1セルケーシングに配置され、セルケーシングは、電池セルを保持する複数のスロットを有する、請求項28記載の方法。
【請求項32】
第2セルケーシングを設け、第1及び第2のセルケーシングの横の連結機構を用いて第2セルケーシングを第1セルケーシングに連結することをさらに備える、請求項30記載の方法。
【請求項33】
第1セルケーシングにヒートシンクを設けることをさらに備え、ヒートシンクは、電池セルの第2の長手方向端から熱を抜き取る、請求項30記載の方法。
【請求項34】
溶接を確立するために、レーザーは、電池セルの長手方向にほぼ垂直な方向に向けられる、請求項28記載の方法。
【図1】
【図2】
【図3A】
【図3B】
【図3C】
【図4A】
【図4B】
【図4C】
【図4D】
【図5A】
【図5B】
【図5C】
【図5D】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10A】
【図10B】
【図11】
【図12】
【図13A】
【図13B】
【図13C】
【図14A】
【図14B】
【図14C】
【図15A】
【図15B】
【図16A】
【図16B】
【図16C】
【図16D】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27A】
【図27B】
【図27C】
【図2】
【図3A】
【図3B】
【図3C】
【図4A】
【図4B】
【図4C】
【図4D】
【図5A】
【図5B】
【図5C】
【図5D】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10A】
【図10B】
【図11】
【図12】
【図13A】
【図13B】
【図13C】
【図14A】
【図14B】
【図14C】
【図15A】
【図15B】
【図16A】
【図16B】
【図16C】
【図16D】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27A】
【図27B】
【図27C】
【公表番号】特表2011−521403(P2011−521403A)
【公表日】平成23年7月21日(2011.7.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−505152(P2011−505152)
【出願日】平成21年4月14日(2009.4.14)
【国際出願番号】PCT/US2009/040583
【国際公開番号】WO2009/154855
【国際公開日】平成21年12月23日(2009.12.23)
【出願人】(505239219)エイ 123 システムズ,インク. (24)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成23年7月21日(2011.7.21)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年4月14日(2009.4.14)
【国際出願番号】PCT/US2009/040583
【国際公開番号】WO2009/154855
【国際公開日】平成21年12月23日(2009.12.23)
【出願人】(505239219)エイ 123 システムズ,インク. (24)
【Fターム(参考)】
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