説明

表面検査装置および光学装置

【課題】検出する光の光量低下を防止した表面検査装置を提供する。
【解決手段】本発明に係る表面検査装置1は、少なくとも熱線及び紫外光を射出する光源部と、所定の繰り返しパターンを有する被検基板の表面に、前記紫外光の直線偏光を照射する照明部と、前記直線偏光が照射された前記被検基板の表面からの反射光のうち前記直線偏光と振動方向が交差する偏光成分を検出する検出部と、前記検出部で検出された前記偏光成分に基づいて、前記繰り返しパターンにおける欠陥の有無を検査する検査部とを備え、
前記照明部または前記検査部の光路上に、前記直線偏光または前記偏光成分を得るための偏光板34が密閉部材36により外気に対して密閉された状態で配設されると共に、前記密閉部材36のうちの前記紫外光の透過領域表面に紫外光透過性熱線吸収膜が形成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体素子等の製造過程における、シリコンウェハ等の基板表面の欠陥を検出する表面検査装置および光学装置に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体素子等の製造過程における、ウェハの表面に形成された繰り返しパターンの欠陥を検査する検査装置として、従来から、回折を利用したものが知られている。しかしながら、繰り返しピッチの微細化(すなわち、配線パターンなどのライン・アンド・スペースの微細化)に対応するために、照明光の短波長化を行おうとすると、光源の種類が限定され、高価で大掛かりな光源となってしまう。また、照明系や受光系を構成する光学素子の材料も高価なものに限定され、好ましくない。
【0003】
このため、繰り返しパターンの構造性複屈折を利用した検査が提案されている。これは、繰り返しパターンへ直線偏光を照射し、その偏光成分と直交する成分の光を検出して検査を行うものである(例えば、特許文献1を参照)。この検査によれば、回折光が出ないような微細な繰り返しパターンの検査が可能であり、照明光を短波長化することなく検査を行うことができる。
【0004】
ただし、繰り返しパターンによる偏光状態の変化は微少である。このため、直線偏光を被検基板へ導く光学系により偏光が乱れる影響が無視できない。このような問題を解決するため、偏光の乱れを補正する偏光補正部材を光路中に配設することも提案されている。
【0005】
前述したように、繰り返しパターンの構造性複屈折を利用することで、回折光が出ないような微細な繰り返しパターンの検査が照明光を短波長化することなく可能になるが、波長選択の自由度は大きい方が望ましい。例えば、構造性複屈折による偏光状態の変化は、光の波長にほぼ反比例するため、短波長域の方が検査感度がよい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】国際公開第05/040776号パンフレット
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、検査精度を向上させるために短波長の紫外光を照明光として用いると、紫外光と検査装置内部を浮遊する物質との化学反応により生じた化合物が偏光板等に付着し、検出する光の光量が低下するという問題があった。
【0008】
本発明は、このような問題に鑑みてなされたものであり、検出する光の光量低下を防止した表面検査装置および光学装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
このような目的達成のため、本発明に係る表面検査装置は、少なくとも熱線及び紫外光を含む光を射出する光源部と、所定の繰り返しパターンを有する被検基板の表面に、前記紫外光の直線偏光を照射する照明部と、前記直線偏光が照射された前記被検基板の表面からの反射光のうち前記直線偏光と振動方向が交差する偏光成分を検出する検出部と、前記検出部で検出された前記偏光成分に基づいて、前記繰り返しパターンにおける欠陥の有無を検査する検査部とを備え、
前記照明部または前記検査部の光路上に、前記直線偏光または前記偏光成分を得るための偏光板が外気に対して少なくとも一部密閉された状態で密閉部材に配設されると共に、前記密閉部材のうちの前記紫外光の透過領域表面に紫外光透過性熱線吸収膜が形成されている。
【0010】
なお、上述の発明において、前記直線偏光または前記偏光成分における偏光の乱れを補正する偏光補正部材が更に、前記偏光板とともに外気に対して少なくとも一部密閉された状態で配設されることが好ましい。
【0011】
また、上述の発明において、前記偏光板は、前記照明部または前記検査部を通る光を透過させる光学素子を有した密閉部材により密閉されており、前記光学素子の主成分が二酸化珪素であり、前記光学素子の表面に前記紫外光透過性熱線吸収膜が形成されていることが好ましい。
【0012】
また、上述の発明において、前記偏光板および前記偏光補正部材は、前記照明部または前記検査部を通る光を透過させる光学素子を有した密閉部材により密閉されており、前記光学素子の主成分が二酸化珪素であり、前記光学素子の表面に前記紫外光透過性熱線吸収膜が形成されていることが好ましい。
【0013】
さらに、上述の発明において、前記光学素子の外面に前記紫外光透過性熱線吸収膜が形成されていることが好ましい。
【0014】
また、上述の発明において、前記検出部は、前記被検基板の表面からの光を結像させる結像レンズと、前記結像レンズにより結像された像を検出する撮像装置とを有しており、前記結像レンズが前記密閉部材に密閉されるとともに、前記撮像装置が前記密閉部材と連結して取り付けられることが好ましい。
【0015】
また、上述の発明において、前記偏光補正部材は、石英ガラスを主成分として形成された平行平面板であり、前記偏光板における前記偏光板と前記偏光補正部材との間隙部に面する一方の面および、前記偏光補正部材における前記間隙部に面する一方の面がそれぞれ前記間隙部を含んで密閉部材により密閉されるとともに、前記偏光板および前記偏光補正部材における他方の面が外側に面して、前記照明部または前記検査部を通る光が前記偏光板および前記偏光補正部材を透過するように構成され、前記偏光板および前記偏光補正部材における前記他方の面に前記紫外光透過性熱線吸収膜が形成されていることが好ましい。
【0016】
また、上述の発明において、前記密閉部材の内部が活性の低いガスで満たされていることが好ましい。
【0017】
また、本発明に係る光学装置は、偏光素子と、前記偏光素子の少なくとも一方側に配設され、前記偏光素子を通過する光を透過させる光学素子と、前記光学素子および前記偏光素子を保持するとともに、前記光学素子と前記偏光素子とが対向する内部を外気に対して密閉する保持部材とを備えて構成され、前記光学素子及び前記偏向素子が表面に紫外光透過性熱線吸収膜を有することが好ましい。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、検出する光の光量低下を防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、図面を参照して本発明の好ましい実施形態について説明する。第1実施形態の表面検査装置1は、図1に示すように、被検基板である半導体ウェハ10(以下、ウェハ10と称する)を支持するステージ20と、照明光学系30と、検出光学系40とを備えて構成されている。また、表面検査装置1は、検出光学系40で撮像された画像の画像処理を行う画像処理部50と、検出光学系40で撮像された画像や画像処理部50による画像処理結果を表示するモニタ55とを備えている。表面検査装置1は、半導体回路素子の製造工程において、ウェハ10の表面の検査を自動的に行う装置である。ウェハ10は、最上層のレジスト膜への露光・現像後、不図示の搬送系により、不図示のウェハカセットまたは現像装置から運ばれ、ステージ20に吸着保持される。
【0020】
ウェハ10の表面には、図2に示すように、複数のチップ領域11がXY方向に配列され、各チップ領域の中に所定の繰り返しパターン12が形成されている。繰り返しパターン12は、図3に示すように、複数のライン部2Aがその短手方向(X方向)に沿って一定のピッチPで配列されたレジストパターン(例えば、配線パターン)である。隣り合うライン部2A同士の間は、スペース部2Bである。なお、ライン部2Aの配列方向(X方向)を「繰り返しパターン12の繰り返し方向」と称する。
【0021】
ここで、繰り返しパターン12におけるライン部2Aの線幅DAの設計値をピッチPの1/2とする。設計値の通りに繰り返しパターン12が形成された場合、ライン部2Aの線幅DAとスペース部2Bの線幅DBは等しくなり、ライン部2Aとスペース部2Bとの体積比は略1:1になる。これに対して、繰り返しパターン12を形成する際の露光フォーカスが適正値から外れると、ピッチPは変わらないが、ライン部2Aの線幅DAが設計値と異なってしまうとともに、スペース部2Bの線幅DBとも異なってしまい、ライン部2Aとスペース部2Bとの体積比が略1:1から外れる。
【0022】
本実施形態の表面検査装置1は、上記のような繰り返しパターン12におけるライン部2Aとスペース部2Bとの体積比の変化を利用して、繰り返しパターン12の欠陥検査を行うものである。説明を簡単にするため、理想的な体積比(設計値)を1:1とする。体積比の変化は、露光フォーカスの適正状態からの外れに起因し、ウェハ10のショット領域ごとに現れる。なお、体積比を断面形状の面積比と言い換えることもできる。
【0023】
また、本実施形態においては、繰り返しパターン12に対する照明光(後述)の波長と比較して繰り返しパターン12のピッチPが十分小さいものとする。このため、繰り返しパターン12から回折光が発生することはなく、繰り返しパターン12の欠陥検査を回折光により行うことはできない。本実施形態における欠陥検査の原理は、以降、表面検査装置の構成(図1)とともに順に説明する。
【0024】
表面検査装置1のステージ20は、ウェハ10を上面で支持して、例えば真空吸着により固定保持する。さらに、ステージ20は、上面の中心における法線A1を中心軸として回転可能である。この回転機構によって、ウェハ10における繰り返しパターン12の繰り返し方向(図2および図3におけるX方向)を、ウェハ10の表面内で回転させることができる。なお、ステージ20は、上面が水平面であり、ウェハ10を常に水平な状態に保つことができる。
【0025】
本実施形態においては、ウェハ10における繰り返しパターン12の繰り返し方向(図2および図3におけるX方向)を、後述の照明光の入射面A2(図4を参照)に対して、45度の角度に傾けて設定する。なお、角度は45度に限らず、22.5度や67.5度など任意角度方向に設定可能である。
【0026】
照明光学系30は、光源31と、ライトガイドファイバ32と、第1偏光板ユニット33と、第1凹面反射鏡39とを有して構成され、ステージ20上のウェハ10の繰り返しパターン12を直線偏光L1(図5(a)を参照)により照明する。この直線偏光L1が、繰り返しパターン12に対する照明光である。直線偏光L1は、ウェハ10の表面全体に照射される。
【0027】
直線偏光L1の進行方向(ウェハ10表面上の任意の点に到達する直線偏光L1の主光線の方向)は、ステージ20の中心を通る法線A1に対して所定の角度θだけ傾けられている。ちなみに、直線偏光L1の進行方向を含み、ステージ20の法線A1に平行な平面が、直線偏光L1の入射面である。図4の入射面A2は、ウェハ10の中心における入射面である。
【0028】
また、本実施形態では、直線偏光L1がp偏光である。すなわち、図5(a)に示すように、直線偏光L1の進行方向と電気ベクトルの振動方向とを含む平面(直線偏光L1の振動面)が、直線偏光L1の入射面A2内に含まれる。直線偏光L1の振動面は、第1偏光板ユニット33に構成される第1偏光板34の透過軸により規定される。
【0029】
照明光学系30の光源31は、水銀ランプ等の放電光源であり、少なくとも熱線及び紫外光を含む光を射出する。なお、図示しない波長選択フィルタによって、光源31から射出される光のうち短波長(例えば313nm)の紫外光(輝線スペクトル)を選択的にライトガイドファイバ32へ透過させる。ライトガイドファイバ32は、光源31からの光を伝送する。
【0030】
ここで、波長選択フィルタは紫外光透過性熱線吸収膜により構成されており、熱線を吸収してフィルタの温度が上昇するので、フィルタ特性を変動させる検査装置内部の水分や浮遊物質がフィルタに付着しにくくなる。よって、フィルタに付着した水分や浮遊物質に起因する透過紫外光の光量低下を防止できる。紫外光透過性熱線吸収膜には、例えばケンコー光学製フィルターU-340が使用できる。
【0031】
第1偏光板ユニット33は、図9に示すように、第1偏光板34と、第1補償板35と、これらを密閉する第1密閉部材36とを有して構成され、ライトガイドファイバ32と第1凹面反射鏡39との間の光路上に配設される。第1偏光板34は、第1密閉部材36の内部に配設されるとともに、その透過軸が所定の方位に設定され、透過軸に応じてライトガイドファイバ32からの光を直線偏光にする。
【0032】
なお、第1偏光板34は、例えば図10に示すように、延伸して分子構造を一方向に揃えたポリビニールアルコールからなる偏光層34aと、偏光層34aをサンドイッチ状に挟むガラス板(石英ガラスを使用)からなる保護層34bとから構成され、第1偏光板34(保護層34b)の表面にそれぞれ、反射防止膜等のコーティングが施されている。
【0033】
第1補償板35は、第1密閉部材36の内部における第1偏光板32よりも第1凹面反射鏡39に近い側に配設され、第1凹面反射鏡39で反射する直線偏光L1の偏光の乱れを補正する。なお、第1補償板35は、石英ガラスを用いて形成された平行平面板であり、ライトガイドファイバ32と第1凹面反射鏡39との間の光軸に対し傾斜した状態で配置される。
【0034】
第1密閉部材36は、2枚の窓ガラス37,38を有する箱形に形成され、第1偏光板34および第1補償板35を外気に対し密閉した状態で収容保持する。また、第1密閉部材36は、図示しない配管等を介して窒素ガス供給装置(図示せず)と接続されており、この窒素ガス供給装置から供給される窒素ガスを用いて、第1密閉部材36の内部空間36aが比較的活性の低い窒素ガスで満たされパージされるようになっている。
【0035】
ライトガイドファイバ32側に近い第1の窓ガラス37は、石英ガラスを用いて板状に形成され、ライトガイドファイバ32からの光が透過して第1密閉部材36の内部に達し、第1偏光板34および第1補償板35をこの順で透過するようになっている。また、第1凹面反射鏡39側に近い第2の窓ガラス38も、石英ガラスを用いて板状に形成され、第1補償板35からの光が透過して第1凹面反射鏡39に向かうようになっている。
【0036】
なお、第1密閉部材36の内側に面する各窓ガラス37,38の内面37a,38aにはそれぞれ、反射防止膜等のコーティングが施されている。一方、第1密閉部材36の外側に面する各窓ガラス37,38の外面37b,38bにはそれぞれ、紫外光透過性熱線吸収膜が形成されており、前記紫外光透過性熱線吸収膜に前記光源31からの熱線が照射される。紫外光透過性熱線吸収膜には、例えばケンコー光学製フィルターU-340が使用できる。
【0037】
この際に、各窓ガラス37,38の外面37b,38bに形成された紫外光透過性熱線吸収膜が熱線を吸収して外面37b,38bの温度が上昇するので、検査装置内部の水分や浮遊物質が外面37b,38bに付着しにくくなる。よって、外面37b,38bに付着した水分や浮遊物質に起因する透過紫外光の光量低下を防止できる。
【0038】
なお、前記紫外光透過性熱線吸収膜への前記光源31からの熱線照射は、前記光源31光から熱線透過フィルタにより熱線を抽出して、この熱線を熱線反射光学素子を用いて前記紫外光透過性熱線吸収膜に向けて偏向させることにより行うことができる。熱線透過フィルタには、例えばケンコー光学製赤外透過フィルターR-70,R-72,IR-76,80,83,85が使用できる。
【0039】
熱線反射光学素子には熱線反射膜が設けられている。熱線反射膜を構成する物質としては、アルミニウム、銀、亜鉛、錫、クロム、ニッケル、チタン、ケイ素、ステンレス鋼、酸化ケイ素、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化スズ、酸化タンタル、ITO、酸化クロム、酸化ステンレス鋼、酸化ニクロム、フッ素含有酸化スズ、アンチモン含有酸化スズ、アルミニウム含有酸化亜鉛、窒化ケイ素、窒化クロム、窒化チタン、窒化ステンレス鋼等などあり、これらを1種又は2種以上組み合わせることが可能である。
【0040】
熱線反射膜は、例えば、化学蒸着法(プラズマCVD、熱CVD、レーザCVDなど)、物理蒸着法(真空蒸着、スパッタリングなど)により数十nm〜数百nmの厚さに形成される。
【0041】
第1凹面反射鏡39は、図1に示すように、第1凹面反射鏡39で反射する第1偏光板ユニット33からの光を平行光束にして、被検基板であるウェハ10へ照射する。すなわち照明光学系30は、ウェハ10側に対してテレセントリックな光学系である。
【0042】
上記の照明光学系30において、光源31からの紫外光は、ライトガイドファイバ32、第1の窓ガラス37、第1偏光板34、第1補償板35、第2の窓ガラス38、および第1凹面反射鏡39を介してp偏光の直線偏光L1となり、ウェハ10の表面全体に入射する。ウェハ10の各点における直線偏光L1の入射角度は、平行光束のため互いに同じであり、光軸と法線A1とのなす角度θに相当する。
【0043】
本実施形態では、ウェハ10に入射する直線偏光L1がp偏光であるため、図4に示すように、繰り返しパターン12の繰り返し方向(X方向)が直線偏光L1の入射面A2(ウェハ10の表面における直線偏光L1の進行方向)に対して45度の角度に設定された場合、ウェハ10の表面における直線偏光L1の振動面の方向と繰り返しパターン12の繰り返し方向(X方向)とのなす角度も、45度に設定される。
【0044】
言い換えると、直線偏光L1は、ウェハ10の表面における直線偏光L1の振動面の方向(図6におけるV方向)が繰り返しパターン12の繰り返し方向(X方向)に対して45度傾いた状態で、繰り返しパターン12を斜めに横切るようにして繰り返しパターン12に入射する。
【0045】
このような直線偏光L1と繰り返しパターン12との角度状態は、ウェハ10の表面全体において均一である。なお、45度を135度,225度,315度のいずれかに言い換えても、直線偏光L1と繰り返しパターン12との角度状態は同じである。また、図6の振動面の方向(V方向)と繰り返し方向(X方向)とのなす角度を45度に設定するのは、繰り返しパターン12の欠陥検査の感度を最も高くするためである。
【0046】
そして、上記の直線偏光L1を用いて繰り返しパターン12を照明すると、繰り返しパターン12から正反射方向に楕円偏光L2が発生する(図5(b)を参照)。この場合、楕円偏光L2の進行方向が正反射方向に一致する。正反射方向とは、直線偏光L1の入射面A2内に含まれ、ステージ20の法線A1に対して角度θ(直線偏光L1の入射角度θに等しい角度)だけ傾いた方向である。なお、上述の通り、繰り返しパターン12のピッチPが照明波長と比較して十分短いため、繰り返しパターン12から回折光が発生することはない。
【0047】
ここで、直線偏光L1が繰り返しパターン12での反射により楕円化し、繰り返しパターン12から楕円偏光L2が発生する理由について簡単に説明する。直線偏光L1は、繰り返しパターン12に入射すると、振動面の方向(図6のV方向)が、図7に示す2つの偏光成分VX,VYに分かれる。一方の偏光成分VXは、繰り返し方向(X方向)に平行な成分である。他方の偏光成分VYは、繰り返し方向(X方向)に垂直な成分である。そして、2つの偏光成分VX,VYは、それぞれ独立に、異なる振幅変化と位相変化とを受ける。振幅変化と位相変化が異なるのは、繰り返しパターン12の異方性に起因して複素屈折率がX方向とY方向で異なるからであり、構造性複屈折(form birefringence)と呼ばれる。その結果、2つの偏光成分VX,VYの反射光は互いに振幅と位相が異なり、これらの合成による反射光は楕円偏光L2となる(図5(b)を参照)。
【0048】
また、繰り返しパターン12の異方性に起因する楕円化の程度は、図5(b)で示す楕円偏光L2のうち、図5(a)で示す直線偏光L1の振動面に垂直な偏光成分L3(図5(c)を参照)と考えることができる。そして、この偏光成分L3の大きさは、繰り返しパターン12の材質および形状と、図6の振動面の方向(V方向)と繰り返し方向(X方向)とのなす角度に依存する。このため、V方向とX方向とのなす角度を一定の値(本実施形態では45度)に保つ場合、繰り返しパターン12の材質が一定であっても、繰り返しパターン12の形状が変化すると、楕円化の程度(偏光成分L3の大きさ)が変化することになる。
【0049】
繰り返しパターン12の形状と偏光成分L3の大きさとの関係について説明する。図3に示すように、繰り返しパターン12は、ライン部2Aとスペース部2BとをX方向に沿って交互に配列した凹凸形状を有し、適正な露光フォーカスで設計値通りに形成されると、ライン部2Aの線幅DAとスペース部2Bの線幅DBが等しくなるが、露光フォーカスが適正から外れると、ライン部2Aとスペース部2Bとの体積比が略1:1から外れる。このとき、偏光成分L3の大きさは理想的な場合と比較して変化する。偏光成分L3の大きさの変化の一例を図示すると、図8のようになる。図8の横軸は、ライン部2Aの線幅DAである。
【0050】
このように、直線偏光L1を用いて、図6の振動面の方向(V方向)が繰り返しパターン12の繰り返し方向(X方向)に対して45度だけ傾いた状態で、繰り返しパターン12を照明すると、正反射方向に反射して生じた楕円偏光L2は、その楕円化の程度(図5(c)における偏光成分L3の大きさ)が、繰り返しパターン12の形状(ライン部2Aとスペース部2Bとの体積比)に応じたものとなる。楕円偏光L2の進行方向は、直線偏光L1の入射面A2内に含まれ、ステージ20の法線A1に対して角度θだけ傾いている。
【0051】
さて、検出光学系40は、図1に示すように、第2凹面反射鏡41と、第2偏光板ユニット42と、結像レンズ48と、撮像装置49とを有して構成され、その光軸がステージ20の中心を通る法線A1に対して角度θだけ傾くように配設される。従って、繰り返しパターン12からの楕円偏光L2は、検出光学系40の光軸に沿って進行することになる。第2凹面反射鏡41は、第1凹面反射鏡39と同様の反射鏡であり、楕円偏光L2を反射して結像レンズ48の方へ導き、結像レンズ48と協働して撮像装置49の撮像面に結像させる。
【0052】
ただし、第2凹面反射鏡41と結像レンズ48との間の光路上には、第2偏光板ユニット42が配設されている。第2偏光板ユニット42は、図11に示すように、第2偏光板43と、第2補償板44と、これらを密閉する第2密閉部材45とを有して構成される。第2偏光板43は、第2密閉部材45の内部に配設されるとともに、第2偏光板43の透過軸の方位が、上述した照明光学系30の第1偏光板34の透過軸に対して直交するように設定される(クロスニコルの状態)。
【0053】
したがって、第2偏光板43により、楕円偏光L2の図5(c)の偏光成分L3に相当する直線偏光L4のみを抽出して、撮像装置49に導くことができる。その結果、撮像装置49の撮像面には、直線偏光L4(偏光成分L3)によるウェハ10の反射像が形成される。なお、第2偏光板43は、前述の第1偏光板34と同様の構成である。なお、第2偏光板43の透過軸の方位は、構造性複屈折の程度に応じて、クロスニコルの状態からずらしてもよい。
【0054】
第2補償板44は、第2密閉部材45の内部における第2偏光板43よりも第2凹面反射鏡41に近い側に配設され、第2凹面反射鏡41で反射する楕円偏光L2およびその偏光成分L3の偏光の乱れを補正する。なお、第2補償板44は、石英ガラスを用いて形成された平行平面板であり、第2凹面反射鏡41と結像レンズ48との間の光軸に対し傾斜した状態で配置される。
【0055】
第2密閉部材45は、2枚の窓ガラス46,47を有する箱形に形成され、第2偏光板43および第2補償板44を外気に対し密閉した状態で収容保持する。また、第2密閉部材45は、図示しない配管等を介して窒素ガス供給装置(図示せず)と接続されており、この窒素ガス供給装置から供給される窒素ガスを用いて、第2密閉部材45の内部空間45aが比較的活性の低い窒素ガスで満たされパージされるようになっている。第2凹面反射鏡41側に近い第3の窓ガラス46は、石英ガラスを用いて板状に形成され、第2凹面反射鏡41からの光が透過して第2密閉部材45の内部に達し、第2補償板44および第2偏光板43をこの順で透過するようになっている。また、結像レンズ48側に近い第4の窓ガラス47も、石英ガラスを用いて板状に形成され、第2偏光板43からの光が透過して結像レンズ48および撮像装置49に向かうようになっている。
【0056】
なお、第2密閉部材45の内側に面する各窓ガラス46,47の内面46a,47aにはそれぞれ、反射防止膜等のコーティングが施されている。一方、第2密閉部材45の外側に面する各窓ガラス46,47の外面46b,47bにはそれぞれ、紫外光透過性熱線吸収膜が形成されており、前記紫外光透過性熱線吸収膜に前記光源31からの熱線が照射される。紫外光透過性熱線吸収膜には、例えばケンコー光学製フィルターU-340が使用できる。
【0057】
この際に、各窓ガラス46,47の外面46b,47bに形成された紫外光透過性熱線吸収膜が熱線を吸収して外面46b,47bの温度が上昇するので、検査装置内部の水分や浮遊物質が外面46b,47bに付着しにくくなる。よって、外面46b,47bに付着した水分や浮遊物質に起因する透過紫外光の光量低下を防止できる。
【0058】
なお、前記紫外光透過性熱線吸収膜への前記光源31からの熱線照射は、前記光源31光から熱線透過フィルタにより熱線を抽出して、この熱線を熱線反射光学素子を用いて前記紫外光透過性熱線吸収膜に向けて偏向させることにより行うことができる。熱線透過フィルタには、例えばケンコー光学製赤外透過フィルターR-70,R-72,IR-76,80,83,85が使用できる。
【0059】
熱線反射光学素子には熱線反射膜が設けられている。熱線反射膜を構成する物質としては、アルミニウム、銀、亜鉛、錫、クロム、ニッケル、チタン、ケイ素、ステンレス鋼、酸化ケイ素、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化スズ、酸化タンタル、ITO、酸化クロム、酸化ステンレス鋼、酸化ニクロム、フッ素含有酸化スズ、アンチモン含有酸化スズ、アルミニウム含有酸化亜鉛、窒化ケイ素、窒化クロム、窒化チタン、窒化ステンレス鋼等などあり、これらを1種又は2種以上組み合わせることが可能である。
【0060】
熱線反射膜は、例えば、化学蒸着法(プラズマCVD、熱CVD、レーザCVDなど)、物理蒸着法(真空蒸着、スパッタリングなど)により数十nm〜数百nmの厚さに形成される。
【0061】
撮像装置49は、例えばCCDカメラ等から構成され、撮像面に形成されたウェハ10の反射像を光電変換して、画像信号を画像処理部50に出力する。ウェハ10の反射像の明暗は、直線偏光L4の光強度(図5(c)の偏光成分L3の大きさ)に略比例し、繰り返しパターン12の形状に応じて変化する。ウェハ10の反射像が最も明るくなるのは、繰り返しパターン12が理想的な形状(体積比が1:1)の場合である。なお、ウェハ10の反射像の明暗は、ショット領域ごとに現れる。
【0062】
画像処理部50は、撮像装置49から出力される画像信号に基づいて、ウェハ10の反射画像を取り込む。なお、画像処理装置50は、比較のため、良品ウェハの反射画像を予め記憶している。良品ウェハとは、繰り返しパターン12が理想的な形状(体積比が1:1)で表面全体に形成されたものである。良品ウェハの反射画像の輝度情報は、最も高い輝度値を示すと考えられる。
【0063】
したがって、画像処理部50は、被検基板であるウェハ10の反射画像を取り込むと、その輝度情報を良品ウェハの反射画像の輝度情報と比較する。そして、ウェハ10の反射画像における暗い箇所の輝度値の低下量(∝図8の低下量Δ)に基づいて、繰り返しパターン12の欠陥を検出する。例えば、輝度値の変化量が予め定められた閾値(許容値)より大きければ「欠陥」と判定し、閾値より小さければ「正常」と判断すればよい。そして、画像処理部50による輝度情報の比較結果およびそのときのウェハ10の反射画像がモニタ55で出力表示される。
【0064】
なお、画像処理部50においては、上述のように、良品ウェハの反射画像を予め記憶しておく構成の他、ウェハ10のショット領域の配列データと輝度値の閾値を予め記憶しておく構成でもよい。この場合、ショット領域の配列データに基づいて、取り込まれたウェハ10の反射画像中における各ショット領域の位置が分かるので、各ショット領域の輝度値を求める。そして、その輝度値と記憶されている閾値とを比較することにより、パターンの欠陥を検出する。閾値より輝度値の変化が小さいショット領域を「欠陥」と判断すればよい。
【0065】
このような構成の表面検査装置1によれば、直線偏光L1を用いて、図6の振動面の方向(V方向)が繰り返しパターン12の繰り返し方向(X方向)に対して傾いた状態で、繰り返しパターン12を照明するとともに、正反射方向に発生した楕円偏光L2のうち、直線偏光L4の光強度(図5(c)の偏光成分L3の大きさ)に基づいて、繰り返しパターン12の欠陥を検出することで、照明波長と比較して繰り返しパターン12のピッチPが十分小さくても、確実に欠陥検査を行うことができる。
【0066】
ところで、本実施形態においては、前述したように、第1密閉部材36に密閉された第1偏光板34および第1補償板35が照明光学系30の光路上に配設されるとともに、第2密閉部材45に密閉された第2偏光板43および第2補償板44が検出光学系40の光路上に配設されている。これにより、紫外光である照明光(および反射光)と装置内部を浮遊する物質との化学反応により生じた化合物が偏光板や補償板に付着するのを防止することができ、検出する光(直線偏光L4)の光量低下を防止することが可能になる。
【0067】
また、本実施形態においては、前述のように、密閉された第1密閉部材36に図示しない配管を介して窒素ガスを充填させたが、この不図示の配管は、窒素ガスを充填させた後に取り外しできるように逆止弁を介して配管してもよい。また、第1密閉部材36に開口部を設けるとともに窒素ガスを常に供給し窒素ガスを流すことにより外部から反応性ガスの侵入を防ぐ構造としてもよい。この場合、常に窒素ガスを流すことにより、第1密閉部材36の内部に熱がこもるのを防止することができ、第1偏光板34の熱による影響を低減することができる。
【0068】
なお、上述のような化合物として、例えば、装置内部を浮遊するシロキサンと紫外光との化学反応により生じる二酸化珪素(SiO2)が知られている。そのため、第1および第2密閉部材36,45における各窓ガラスの主成分を二酸化珪素(石英ガラス)にして、その外面にコーティングを施さないようにすることで、紫外光との化学反応により生じた二酸化珪素が各窓ガラスに付着したとしても、各窓ガラスを透過する光の特性が変化するのを防止することができ、検査精度の低下を防止することが可能になる。また、前述の化学反応が起きにくい低活性なプラスチック等を用いることもできる。
【0069】
また、第1および第2密閉部材36,45の内部空間36a,45aを活性の低い窒素ガスで満たすことにより、紫外光との化学反応により生じた物質が密閉部材の隙間から内部に侵入して偏光板や補償板に付着するのを防止することができる。
【0070】
なお、上述の第1実施形態において、第1密閉部材36に密閉された第1偏光板34および第1補償板35が照明光学系30の光路上に配設されるとともに、第2密閉部材45に密閉された第2偏光板43および第2補償板44が検出光学系40の光路上に配設されているが、これに限られるものではなく、第1偏光板34および第1補償板35のみを密閉する場合や、第2偏光板43および第2補償板44のみを密閉する場合でも、ある程度の効果は期待できる。 また、上述の第1実施形態において、偏光板および補償板が密閉部材により密閉されているが、これに限られるものではなく、補償板を使用しない構成の表面検査装置の場合には、偏光板のみを密閉するようにすればよい。
【0071】
次に、表面検査装置の第2実施形態について説明する。図12に示すように、第2実施形態の表面検査装置101は、第1実施形態の表面検査装置1と比較して、検出光学系40の構成のみ異なり、他の構成は同様であるので、同一部材に同一の番号を付して詳細な説明を省略する。
【0072】
第2実施形態の検出光学系140は、第2凹面反射鏡141と、対物レンズユニット142とを有して構成され、その光軸がステージ20の中心を通る法線A1に対して角度θだけ傾くように配設される。第2凹面反射鏡141は、第1実施形態の第2凹面反射鏡41と同様の反射鏡であり、楕円偏光L2を反射して対物レンズユニット142の方へ導き、図13に示す対物レンズユニット142の結像レンズ148a,148bと協働して撮像装置149の撮像面に結像させる。
【0073】
対物レンズユニット142は、図13に示すように、第2偏光板143と、第2補償板144と、結像レンズ148a,148bと、これらを密閉する第2密閉部材145と、第2密閉部材145に連結して取り付けられた撮像装置149とを有して構成される。第2偏光板143は、第1実施形態の第2偏光板43と同様の構成であり、第2密閉部材145の内部に配設されるとともに、第2偏光板143の透過軸の方位が、照明光学系30の第1偏光板34の透過軸に対して直交するように設定される(クロスニコルの状態)。したがって、第2偏光板143により、楕円偏光L2の図5(c)の偏光成分L3に相当する直線偏光L4のみを抽出して、撮像装置149に導くことができる。その結果、撮像装置149の撮像面には、直線偏光L4(偏光成分L3)によるウェハ10の反射像が形成される。
【0074】
第2補償板144は、第2密閉部材145の内部における第2偏光板143よりも第2凹面反射鏡141に近い側に配設され、第2凹面反射鏡141で反射する楕円偏光L2およびその偏光成分L3の偏光の乱れを補正する。なお、第2補償板144も、第1実施形態の第2補償板44と同様の構成であり、第2凹面反射鏡141と結像レンズ148a,148bとの間の光軸に対し傾斜した状態で配置される。
【0075】
第2密閉部材145は、先端に窓ガラス146を有する箱形に形成され、第2偏光板143、第2補償板144、および結像レンズ148a,148bを外気に対し密閉した状態で収容保持する。また、第2密閉部材145は、図示しない配管等を介して窒素ガス供給装置(図示せず)と接続されており、この窒素ガス供給装置から供給される窒素ガスを用いて、第2密閉部材145の内部空間145aが比較的活性の低い窒素ガスで満たされパージされるようになっている。
【0076】
窓ガラス146は、石英ガラスを用いて板状に形成され、第2凹面反射鏡141からの光が透過して第2密閉部材145の内部に達し、第2補償板144、第2偏光板143、および結像レンズ148a,148bをこの順で透過するようになっている。
【0077】
なお、第2密閉部材145の内側に面する窓ガラス146の内面146aには、反射防止膜等のコーティングが施されている。一方、第2密閉部材145の外側に面する窓ガラス146の外面146bには、紫外光透過性熱線吸収膜が形成されており、前記紫外光透過性熱線吸収膜に前記光源31からの熱線が照射される。紫外光透過性熱線吸収膜には、例えばケンコー光学製フィルターU-340が使用できる。
【0078】
この際に、窓ガラス146の外面146bに形成された紫外光透過性熱線吸収膜が熱線を吸収して外面146bの温度が上昇するので、検査装置内部の水分や浮遊物質が外面146bに付着しにくくなる。よって、外面146bに付着した水分や浮遊物質に起因する透過紫外光の光量低下を防止できる。
【0079】
なお、前記紫外光透過性熱線吸収膜への前記光源31からの熱線照射は、前記光源31光から熱線透過フィルタにより熱線を抽出して、この熱線を熱線反射光学素子を用いて前記紫外光透過性熱線吸収膜に向けて偏向させることにより行うことができる。熱線透過フィルタには、例えばケンコー光学製赤外透過フィルターR-70,R-72,IR-76,80,83,85が使用できる。
【0080】
熱線反射光学素子には熱線反射膜が設けられている。熱線反射膜を構成する物質としては、アルミニウム、銀、亜鉛、錫、クロム、ニッケル、チタン、ケイ素、ステンレス鋼、酸化ケイ素、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化スズ、酸化タンタル、ITO、酸化クロム、酸化ステンレス鋼、酸化ニクロム、フッ素含有酸化スズ、アンチモン含有酸化スズ、アルミニウム含有酸化亜鉛、窒化ケイ素、窒化クロム、窒化チタン、窒化ステンレス鋼等などあり、これらを1種又は2種以上組み合わせることが可能である。
【0081】
熱線反射膜は、例えば、化学蒸着法(プラズマCVD、熱CVD、レーザCVDなど)、物理蒸着法(真空蒸着、スパッタリングなど)により数十nm〜数百nmの厚さに形成される。
【0082】
また、窓ガラス146と対向する第2密閉部材145の基端部には、撮像装置149の形状に合わせた開口部(図示せず)が形成され、結像レンズ148a,148bからの光が通過して撮像装置149に達するようになっている。撮像装置149は、第1実施形態の撮像装置49と同様の構成であるが、第2密閉部材145の開口部を塞ぐようにして第2密閉部材145と連結される。
【0083】
そして、本実施形態においては、前述したように、第2偏光板143および第2補償板144が窓ガラス146を有する第2密閉部材145により密閉され、第2密閉部材145の内部空間145aが活性の低い窒素ガスで満たされるようになっている。このようにしても、第1実施形態の場合と同様の効果を得ることができる。さらに、結像レンズ148a,148bを第2密閉部材145で密閉するとともに、第2密閉部材145に撮像装置149を連結して、対物レンズユニット142を構成することで、窓ガラスの枚数を1枚減らすことができ、部品点数を減らして製造コストを低減させることが可能になる。
【0084】
続いて、表面検査装置の第3実施形態について説明する。第3実施形態の表面検査装置は、第1実施形態の表面検査装置1と比較して、第1偏光板ユニット33および第2偏光板ユニット42の構成のみ異なり、他の構成は同様であるので、同一部材に同一の番号を付して詳細な説明を省略する。
【0085】
第3実施形態における第1偏光板ユニット233は、図14に示すように、第1偏光板234と、第1補償板235と、第1密閉部材236とを有して構成され、ライトガイドファイバ32と第1凹面反射鏡39との間の光路上に配設される。第1偏光板234は、第1密閉部材236におけるライトガイドファイバ32側の端部に形成された開口部237に取り付けられるとともに、その透過軸が所定の方位に設定され、透過軸に応じてライトガイドファイバ32からの光を直線偏光にする。
【0086】
なお、第1偏光板234は、第1実施形態の第1偏光板34と同様の構成であるが、第1密閉部材236の内側に面する第1偏光板234の内面234aに反射防止膜等のコーティングが施される一方、第1密閉部材236の外側に面する第1偏光板234の外面234bには紫外光透過性熱線吸収膜が形成されており、前記紫外光透過性熱線吸収膜に前記光源31からの熱線が照射される。紫外光透過性熱線吸収膜には、例えばケンコー光学製フィルターU-340が使用できる。
【0087】
この際に、第1偏光板234の外面234bに形成された紫外光透過性熱線吸収膜が熱線を吸収して外面234bの温度が上昇するので、検査装置内部の水分や浮遊物質が外面234bに付着しにくくなる。よって、外面234bに付着した水分や浮遊物質に起因する透過紫外光の光量低下を防止できる。
【0088】
なお、前記紫外光透過性熱線吸収膜への前記光源31からの熱線照射は、前記光源31光から熱線透過フィルタにより熱線を抽出して、この熱線を熱線反射光学素子を用いて前記紫外光透過性熱線吸収膜に向けて偏向させることにより行うことができる。熱線透過フィルタには、例えばケンコー光学製赤外透過フィルターR-70,R-72,IR-76,80,83,85が使用できる。
【0089】
熱線反射光学素子には熱線反射膜が設けられている。熱線反射膜を構成する物質としては、アルミニウム、銀、亜鉛、錫、クロム、ニッケル、チタン、ケイ素、ステンレス鋼、酸化ケイ素、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化スズ、酸化タンタル、ITO、酸化クロム、酸化ステンレス鋼、酸化ニクロム、フッ素含有酸化スズ、アンチモン含有酸化スズ、アルミニウム含有酸化亜鉛、窒化ケイ素、窒化クロム、窒化チタン、窒化ステンレス鋼等などあり、これらを1種又は2種以上組み合わせることが可能である。
【0090】
熱線反射膜は、例えば、化学蒸着法(プラズマCVD、熱CVD、レーザCVDなど)、物理蒸着法(真空蒸着、スパッタリングなど)により数十nm〜数百nmの厚さに形成される。
【0091】
第1補償板235は、第1密閉部材236における第1凹面反射鏡39側の端部に形成された開口部238に取り付けられ、第1凹面反射鏡39で反射する直線偏光L1の偏光の乱れを補正する。
【0092】
なお、第1補償板235は、石英ガラスを用いて形成された平行平面板であり、ライトガイドファイバ32と第1凹面反射鏡39との間の光軸に対し傾斜した状態で配置されるが、第1密閉部材236の内側に面する第1補償板235の内面235aに反射防止膜等のコーティングが施される一方、第1密閉部材236の外側に面する第1補償板235の外面235bには紫外光透過性熱線吸収膜が形成されており、前記紫外光透過性熱線吸収膜に前記光源31からの熱線が照射される。紫外光透過性熱線吸収膜には、例えばケンコー光学製フィルターU-340が使用できる。
【0093】
この際に、第1補償板235の外面235bに形成された紫外光透過性熱線吸収膜が熱線を吸収して外面235bの温度が上昇するので、検査装置内部の水分や浮遊物質が外面235bに付着しにくくなる。よって、外面235bに付着した水分や浮遊物質に起因する透過紫外光の光量低下を防止できる。
【0094】
なお、前記紫外光透過性熱線吸収膜への前記光源31からの熱線照射は、前記光源31光から熱線透過フィルタにより熱線を抽出して、この熱線を熱線反射光学素子を用いて前記紫外光透過性熱線吸収膜に向けて偏向させることにより行うことができる。熱線透過フィルタには、例えばケンコー光学製赤外透過フィルターR-70,R-72,IR-76,80,83,85が使用できる。
【0095】
熱線反射光学素子には熱線反射膜が設けられている。熱線反射膜を構成する物質としては、アルミニウム、銀、亜鉛、錫、クロム、ニッケル、チタン、ケイ素、ステンレス鋼、酸化ケイ素、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化スズ、酸化タンタル、ITO、酸化クロム、酸化ステンレス鋼、酸化ニクロム、フッ素含有酸化スズ、アンチモン含有酸化スズ、アルミニウム含有酸化亜鉛、窒化ケイ素、窒化クロム、窒化チタン、窒化ステンレス鋼等などあり、これらを1種又は2種以上組み合わせることが可能である。
【0096】
熱線反射膜は、例えば、化学蒸着法(プラズマCVD、熱CVD、レーザCVDなど)、物理蒸着法(真空蒸着、スパッタリングなど)により数十nm〜数百nmの厚さに形成される。
【0097】
第1密閉部材236は、2つの開口部237,238を有する断面視くさび状の箱形に形成され、各開口部237,238を塞ぐ第1偏光板234と第1補償板235との間隙部を含んだ空間を密閉保持する。すなわち、第1偏光板234および第1補償板235の内面234a,235a側が第1密閉部材236により外気に対して密閉される。なお、第1偏光板234の偏光層(図示せず)も第1密閉部材236の内側に位置して密閉されるようになっている。そして、ライトガイドファイバ32からの光は、第1偏光板234を透過したのち第1密閉部材236の内部を通過し、第1補償板235を透過して第1凹面反射鏡39に向かうようになっている。また、第1密閉部材236は、図示しない配管等を介して窒素ガス供給装置(図示せず)と接続され、この窒素ガス供給装置から供給される窒素ガスを用いて、第1密閉部材236の内部空間236aが比較的活性の低い窒素ガスで満たされパージされるようになっている。
【0098】
第2偏光板ユニット242は、図15に示すように、第2偏光板243と、第2補償板244と、第2密閉部材245とを有して構成され、第2凹面反射鏡41と結像レンズ48との間の光路上に配設される。第2偏光板243は、第2密閉部材245における結像レンズ48側の端部に形成された開口部246に取り付けられるとともに、第2偏光板243の透過軸の方位が、第1偏光板234の透過軸に対して直交するように設定される(クロスニコルの状態)。また、第2偏光板243は、回転保持部材250により回転可能に保持されており、第2偏光板243の透過軸を回転させてクロスニコルの状態を調整することができるようになっている。
【0099】
なお、第2偏光板243は、第1実施形態の第2偏光板43と同様の構成であるが、第2密閉部材245の内側に面する第2偏光板243の内面243aに反射防止膜等のコーティングが施される一方、第2密閉部材245の外側に面する第2偏光板243の外面243bには紫外光透過性熱線吸収膜が形成されており、前記紫外光透過性熱線吸収膜に前記光源31からの熱線が照射される。紫外光透過性熱線吸収膜には、例えばケンコー光学製フィルターU-340が使用できる。
【0100】
この際に、第2偏光板243の外面243bに形成された紫外光透過性熱線吸収膜が熱線を吸収して外面243bの温度が上昇するので、検査装置内部の水分や浮遊物質が外面243bに付着しにくくなる。よって、外面243bに付着した水分や浮遊物質に起因する透過紫外光の光量低下を防止できる。
【0101】
なお、前記紫外光透過性熱線吸収膜への前記光源31からの熱線照射は、前記光源31光から熱線透過フィルタにより熱線を抽出して、この熱線を熱線反射光学素子を用いて前記紫外光透過性熱線吸収膜に向けて偏向させることにより行うことができる。熱線透過フィルタには、例えばケンコー光学製赤外透過フィルターR-70,R-72,IR-76,80,83,85が使用できる。
【0102】
熱線反射光学素子には熱線反射膜が設けられている。熱線反射膜を構成する物質としては、アルミニウム、銀、亜鉛、錫、クロム、ニッケル、チタン、ケイ素、ステンレス鋼、酸化ケイ素、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化スズ、酸化タンタル、ITO、酸化クロム、酸化ステンレス鋼、酸化ニクロム、フッ素含有酸化スズ、アンチモン含有酸化スズ、アルミニウム含有酸化亜鉛、窒化ケイ素、窒化クロム、窒化チタン、窒化ステンレス鋼等などあり、これらを1種又は2種以上組み合わせることが可能である。
【0103】
熱線反射膜は、例えば、化学蒸着法(プラズマCVD、熱CVD、レーザCVDなど)、物理蒸着法(真空蒸着、スパッタリングなど)により数十nm〜数百nmの厚さに形成される。
【0104】
第2補償板244は、第2密閉部材245における第2凹面反射鏡41側の端部に形成された開口部247に取り付けられ、第2凹面反射鏡41で反射する楕円偏光L2およびその偏光成分L3の偏光の乱れを補正する。
【0105】
なお、第2補償板244は、石英ガラスを用いて形成された平行平面板であり、第2凹面反射鏡41と結像レンズ48との間の光軸に対し傾斜した状態で配置されるが、第2密閉部材245の内側に面する第2補償板244の内面244aに反射防止膜等のコーティングが施される一方、第2密閉部材245の外側に面する第2補償板244の外面244bには紫外光透過性熱線吸収膜が形成されており、前記紫外光透過性熱線吸収膜に前記光源31からの熱線が照射される。紫外光透過性熱線吸収膜には、例えばケンコー光学製フィルターU-340が使用できる。
【0106】
この際に、第2補償板244の外面244bに形成された紫外光透過性熱線吸収膜が熱線を吸収して外面244bの温度が上昇するので、検査装置内部の水分や浮遊物質が外面244bに付着しにくくなる。よって、外面244bに付着した水分や浮遊物質に起因する透過紫外光の光量低下を防止できる。
【0107】
なお、前記紫外光透過性熱線吸収膜への前記光源31からの熱線照射は、前記光源31光から熱線透過フィルタにより熱線を抽出して、この熱線を熱線反射光学素子を用いて前記紫外光透過性熱線吸収膜に向けて偏向させることにより行うことができる。熱線透過フィルタには、例えばケンコー光学製赤外透過フィルターR-70,R-72,IR-76,80,83,85が使用できる。
【0108】
熱線反射光学素子には熱線反射膜が設けられている。熱線反射膜を構成する物質としては、アルミニウム、銀、亜鉛、錫、クロム、ニッケル、チタン、ケイ素、ステンレス鋼、酸化ケイ素、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化スズ、酸化タンタル、ITO、酸化クロム、酸化ステンレス鋼、酸化ニクロム、フッ素含有酸化スズ、アンチモン含有酸化スズ、アルミニウム含有酸化亜鉛、窒化ケイ素、窒化クロム、窒化チタン、窒化ステンレス鋼等などあり、これらを1種又は2種以上組み合わせることが可能である。
【0109】
熱線反射膜は、例えば、化学蒸着法(プラズマCVD、熱CVD、レーザCVDなど)、物理蒸着法(真空蒸着、スパッタリングなど)により数十nm〜数百nmの厚さに形成される。
【0110】
第2密閉部材245は、2つの開口部246,247を有する断面視くさび状の箱形に形成され、各開口部246,247を塞ぐ第2偏光板243と第2補償板244との間隙部を含んだ空間を密閉保持する。すなわち、第2偏光板243および第2補償板244の内面243a,244a側が第2密閉部材245により外気に対して密閉される。なお、第2偏光板243の偏光層(図示せず)も第2密閉部材245の内側に位置して密閉されるようになっている。 そして、第2凹面反射鏡41からの光は、第2補償板244を透過したのち第2密閉部材245の内部を通過し、第2偏光板243を透過して結像レンズ48および撮像装置49に向かうようになっている。また、第2密閉部材245は、図示しない配管等を介して窒素ガス供給装置(図示せず)と接続され、この窒素ガス供給装置から供給される窒素ガスを用いて、第2密閉部材245の内部空間245aが比較的活性の低い窒素ガスで満たされパージされるようになっている。
【0111】
そして、本実施形態においては、前述したように、第1偏光板234および第1補償板235の内面234a,235a側が第1密閉部材236により密閉されるとともに、第2偏光板243および第2補償板244の内面243a,244a側が第2密閉部材245により密閉され、各密閉部材236,245の内部空間236a,245aが活性の低い窒素ガスで満たされるようになっている。
【0112】
このようにしても、第1実施形態の場合と同様の効果を得ることができる。さらに、偏光板および補償板が窓ガラスとしても機能するので、別途窓ガラスを用いることによる透過効率の低下(すなわち光量損失)や、窓ガラスの歪に起因した偏光状態の変化による検査精度の低下を防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【0113】
【図1】第1実施形態の表面検査装置の全体構成を示す図である。
【図2】半導体ウェハの表面の外観図である。
【図3】繰り返しパターンの凹凸構造を説明する斜視図である。
【図4】直線偏光の入射面と繰り返しパターンの繰り返し方向との傾き状態を説明する図である。
【図5】直線偏光と楕円偏光の振動方向を説明する図である。
【図6】直線偏光の振動面の方向と繰り返しパターンの繰り返し方向との傾き状態を説明する図である。
【図7】直線偏光の振動面の方向が繰り返し方向に平行な偏光成分と垂直な偏光成分とに分かれる様子を説明する図である。
【図8】偏光成分の大きさと繰り返しパターンのライン部の線幅との関係の一例を説明する図である。
【図9】第1偏光板ユニットの断面図である。
【図10】第1偏光板の断面図である。
【図11】第2偏光板ユニットの断面図である。
【図12】第2実施形態の表面検査装置の全体構成を示す図である。
【図13】第2実施形態の第2偏光板ユニットの断面図である。
【図14】第3実施形態の第1偏光板ユニットの断面図である。
【図15】第3実施形態の第2偏光板ユニットの断面図である。
【符号の説明】
【0114】
1 表面検査装置(第1実施形態)
10 ウェハ(被検基板) 12 繰り返しパターン
30 照明光学系(照明部)
33 第1偏光板ユニット(光学装置) 34 第1偏光板
35 第1補償板(偏光補正部材) 36 第1密閉部材(36a 内部空間)
37 第1の窓ガラス 38 第2の窓ガラス
40 検出光学系(検出部)
42 第2偏光板ユニット(光学装置) 43 第2偏光板
44 第2補償板(偏光補正部材) 45 第2密閉部材(45a 内部空間)
46 第3の窓ガラス 47 第4の窓ガラス
101 表面検査装置(第2実施形態)
140 検出光学系(検出部) 142 対物レンズユニット
143 第2偏光板 144 第2補償板(偏光補正部材)
145 第2密閉部材(145a 内部空間)
146 窓ガラス 148a,148b 結像レンズ
149 撮像装置
233 第1偏光板ユニット(第3実施形態)234 第1偏光板 235 第1補償板(偏光補正部材)
236 第1密閉部材(236a 内部空間)
242 第2偏光板ユニット
243 第2偏光板 244 第2補償板(偏光補正部材)
245 第2密閉部材(245a 内部空間)
L1 直線偏光 L2 楕円偏光
L3 偏光成分 L4 直線偏光


【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも熱線及び紫外光を射出する光源部と、
所定の繰り返しパターンを有する被検基板の表面に、前記紫外光の直線偏光を照射する照明部と、
前記直線偏光が照射された前記被検基板の表面からの反射光のうち前記直線偏光と振動方向が交差する偏光成分を検出する検出部と、
前記検出部で検出された前記偏光成分に基づいて、前記繰り返しパターンにおける欠陥の有無を検査する検査部とを備え、
前記照明部または前記検査部の光路上に、前記直線偏光または前記偏光成分を得るための偏光板が外気に対して少なくとも一部密閉された状態で密閉部材に配設されると共に、前記密閉部材のうちの前記紫外光の透過領域表面に紫外光透過性熱線吸収膜が形成されていることを特徴とする表面検査装置。
【請求項2】
前記直線偏光または前記偏光成分における偏光の乱れを補正する偏光補正部材が更に、前記偏光板とともに外気に対して少なくとも一部密閉された状態で配設されることを特徴とする請求項1に記載の表面検査装置。
【請求項3】
前記偏光板は、前記照明部または前記検査部を通る光を透過させる光学素子を有した密閉部材により密閉されており、前記光学素子の主成分が二酸化珪素であり、前記光学素子の表面に前記紫外光透過性熱線吸収膜が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の表面検査装置。
【請求項4】
前記偏光板および前記偏光補正部材は、前記照明部または前記検査部を通る光を透過させる光学素子を有した密閉部材により密閉されており、前記光学素子の主成分が二酸化珪素であり、前記光学素子の表面に前記紫外光透過性熱線吸収膜が形成されていることを特徴とする請求項2に記載の表面検査装置。
【請求項5】
前記光学素子の外表面に前記紫外光透過性熱線吸収膜が形成されていることを特徴とする請求項3もしくは請求項4に記載の表面検査装置。
【請求項6】
前記検出部は、前記被検基板の表面からの光を結像させる結像レンズと、前記結像レンズにより結像された像を検出する撮像装置とを有しており、
前記結像レンズが前記密閉部材に密閉されるとともに、前記撮像装置が前記密閉部材と連結して取り付けられることを特徴とする請求項3から請求項5のうちいずれか一項に記載の表面検査装置。
【請求項7】
前記偏光補正部材は、石英ガラスを主成分として形成された平行平面板であり、
前記偏光板における前記偏光板と前記偏光補正部材との間隙部に面する一方の面および、前記偏光補正部材における前記間隙部に面する一方の面がそれぞれ前記間隙部を含んで密閉部材により密閉されるとともに、前記偏光板および前記偏光補正部材における他方の面が外側に面して、前記照明部または前記検査部を通る光が前記偏光板および前記偏光補正部材を透過するように構成され、
前記偏光板および前記偏光補正部材における前記他方の面に前記紫外光透過性熱線吸収膜が形成されていることを特徴とする請求項2に記載の表面検査装置。
【請求項8】
前記密閉部材の内部が活性の低いガスで満たされていることを特徴とする請求項1から請求項7のうちいずれか一項に記載の表面検査装置。
【請求項9】
偏光素子と、
前記偏光素子の少なくとも一方側に配設され、前記偏光素子を通過する光を透過させる光学素子と、前記光学素子および前記偏光素子を保持するとともに、前記光学素子と前記偏光素子とが対向する内部を外気に対して密閉する保持部材とを備えて構成され、前記光学素子及び前記偏光素子が表面に紫外光透過性熱線吸収膜を有することを特徴とする光学装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2011−17539(P2011−17539A)
【公開日】平成23年1月27日(2011.1.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−160356(P2009−160356)
【出願日】平成21年7月7日(2009.7.7)
【出願人】(000004112)株式会社ニコン (12,601)
【Fターム(参考)】