説明

補給施設案内装置、補給施設案内方法及びコンピュータプログラム

【課題】時間帯によって同一の補給施設でも補給価格が変化することを考慮してエネルギーの補給を行う補給施設を案内する補給施設案内装置、補給施設案内方法及びコンピュータプログラムを提供する。
【解決手段】目的地が設定された場合に、自車の現在位置から目的地までの経路上にある複数の充電施設を検出し、検出されたそれぞれの充電施設について自車が到達する到達予想時刻を算出し、更に、時間帯によって異なる充電価格を考慮して到達予想時刻における充電価格を比較し、充電に必要なコストが最も安くなるように充電を実施する対象となる充電施設を選択とともに、選択された充電施設を案内するように構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両の駆動源に用いるエネルギーを補給する為の補給施設を案内する補給施設案内装置、補給施設案内方法及びコンピュータプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、運転者は走行中に時々燃料計を見て燃料残量が少なくなってくると、自らの記憶にある給油施設(例えば、ガソリンスタンド)まで走行して給油を行っていた。また、ナビゲーションシステムを利用すれば、運転者の知らない土地であっても、ナビゲーションシステムによって自車位置を検出し、その付近の給油施設をナビゲーション画面上に表示することにより、運転者は表示されたナビゲーション画面を参照して最寄りの給油所の位置を探して給油を行うことも可能であった。
【0003】
更には、従来のナビゲーションシステムでは、単に給油施設を表示するのみではなく、給油施設でのガソリンの価格を取得することにより、給油施設毎のガソリンの価格を考慮して案内することも行われていた。例えば、特開2005−17194号公報では、現在位置から自宅までの経路上にあるガソリンスタンドのガソリンの価格を取得し、自宅に到達するまでの燃料コストを最も安くする為に給油すべき給油施設を案内するナビゲーションシステムについて記載されている。
【特許文献1】特開2005−17194号公報(第13頁〜第15頁、図3〜図7)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1に記載のナビゲーションシステムでは、場所によって補給施設でエネルギーを補給する為の補給価格が異なることを考慮して、案内する対象となる補給施設の選択を行っているが、同じ補給施設で時間帯によって補給価格が異なる場合は想定していない。
【0005】
ここで、近年においては、バッテリから供給される電力に基づいて駆動されるモータを駆動源とする電気自動車や、モータとエンジンを併用して駆動源とするハイブリッド車両等の電動車両が多く存在する。そして、このような電動車両が備えるバッテリの充電を行う場合には、自宅や専用の充電施設で充電を行うのが一般である。しかし、充電施設でバッテリを充電する為に必要な補給価格は、電力会社の電気料金に従って決定される為、昼間と夜間とでは同じ施設でも大きく価格が変化する。
この場合に、上記特許文献1に記載のナビゲーションシステムでは、同一の施設では基本的に補給価格が変化しないことを前提としているので、特に電気料金が変化する時刻(例えば、7:00と23:00)を跨いで走行する場合には、適切な補給施設を案内することができなかった。
【0006】
本発明は前記従来における問題点を解消するためになされたものであり、時間帯によって同一の補給施設でも補給価格が変化することを考慮してエネルギーの補給を行う補給施設を案内することにより、走行時刻に関わらず目的地に到達する為に適当な補給施設を案内することが可能な補給施設案内装置、補給施設案内方法及びコンピュータプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記目的を達成するため本願の請求項1に係る補給施設案内装置(1)は、車両(2)の駆動源(5)に用いるエネルギーを補給する補給価格が時間帯によって異なる補給施設の位置情報を取得する補給施設位置取得手段(33)と、車両の現在位置を取得する自車位置取得手段(33)と、目的地を設定する目的地設定手段(33)と、前記補給施設位置取得手段によって取得された補給施設の位置情報に基づいて前記車両の現在位置から目的地までの経路上にある複数の補給施設を検出する補給施設検出手段(33)と、前記補給施設検出手段によって検出された複数の補給施設に前記車両が到達する到達予想時刻をそれぞれ算出する到達予想時刻算出手段(33)と、前記到達予想時刻算出手段により算出された到達予想時刻における各補給施設の補給価格を取得する価格取得手段(33)と、前記複数の補給施設の位置と前記価格取得手段により取得した補給価格に基づいてエネルギーの補給を行う補給施設を選択する補給施設選択手段(33)と、前記補給施設選択手段によって選択された補給施設を案内する補給施設案内手段(33)と、を有することを特徴とする。
ここで、「エネルギーを補給する」とは、エンジン用の給油タンクに対してガソリン、軽油、エタノールなどを給油すること、バッテリに対して電力を充電することを含む。
【0008】
また、請求項2に係る補給施設案内装置(1)は、請求項1に記載の補給施設案内装置であって、前記到達予想時刻算出手段(33)により算出された到達予想時刻における各補給施設の補給価格を比較する価格比較手段(33)を備え、前記補給施設選択手段(33)は前記価格比較手段の比較結果に基づいてエネルギーの補給を行う補給施設を選択することを特徴とする。
【0009】
また、請求項3に係る補給施設案内装置(1)は、請求項1又は請求項2に記載の補給施設案内装置であって、前記複数の補給施設の位置と前記価格取得手段により取得した補給価格に基づいて、前記補給施設選択手段(33)により選択された補給施設でエネルギーの補給を行う補給量を算出する補給量算出手段(33)と、前記補給量算出手段によって算出された補給量を案内する補給量案内手段(33)と、を有することを特徴とする。
【0010】
また、請求項4に係る補給施設案内装置(1)は、請求項3に記載の補給施設案内装置であって、前記補給量算出手段(33)は車両(2)が目的地に到着した時点で前記車両の駆動源(5)に用いるエネルギーの残量が無くなるように補給を行う補給量を算出することを特徴とする。
【0011】
また、請求項5に係る補給施設案内方法は、車両(2)の駆動源(5)に用いるエネルギーを補給する補給価格が時間帯によって異なる補給施設の位置情報を取得する補給施設位置取得ステップ(S12)と、車両の現在位置を取得する自車位置取得ステップ(S2)と、目的地を設定する目的地設定ステップ(S1)と、前記補給施設位置取得ステップによって取得された補給施設の位置情報に基づいて前記車両の現在位置から目的地までの経路上にある複数の補給施設を検出する補給施設検出ステップ(S12)と、前記補給施設検出ステップによって検出された複数の補給施設に前記車両が到達する到達予想時刻をそれぞれ算出する到達予想時刻算出ステップ(S13)と、前記到達予想時刻算出ステップにより算出された到達予想時刻における各補給施設の補給価格を取得する価格取得ステップ(S22、S23)と、前記複数の補給施設の位置と前記価格取得ステップにより取得した補給価格に基づいてエネルギーの補給を行う補給施設を選択する補給施設選択ステップ(S31〜S34)と、前記補給施設選択ステップによって選択された補給施設を案内する補給施設案内ステップ(S31、S33)と、を有することを特徴とする。
【0012】
更に、請求項6に係るコンピュータプログラムは、コンピュータに搭載され、車両(2)の駆動源(5)に用いるエネルギーを補給する補給価格が時間帯によって異なる補給施設の位置情報を取得する補給施設位置取得機能(S12)と、車両の現在位置を取得する自車位置取得機能(S2)と、目的地を設定する目的地設定機能(S1)と、前記補給施設位置取得機能によって取得された補給施設の位置情報に基づいて前記車両の現在位置から目的地までの経路上にある複数の補給施設を検出する補給施設検出機能(S12)と、前記補給施設検出機能によって検出された複数の補給施設に前記車両が到達する到達予想時刻をそれぞれ算出する到達予想時刻算出機能(S13)と、前記到達予想時刻算出機能により算出された到達予想時刻における各補給施設の補給価格を取得する価格取得機能(S22、S23)と、前記複数の補給施設の位置と前記価格取得機能により取得した補給価格に基づいてエネルギーの補給を行う補給施設を選択する補給施設選択機能(S31〜S34)と、前記補給施設選択機能によって選択された補給施設を案内する補給施設案内機能(S31、S33)と、を実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
前記構成を有する請求項1に記載の補給施設案内装置によれば、時間帯によって同一の補給施設でも補給価格が変化することを考慮して、エネルギーの補給を行う補給施設を案内することが可能となる。従って、走行時刻に関わらず目的地に到達する為に適当な補給施設を案内することができる。
【0014】
また、請求項2に記載の補給施設案内装置によれば、各充電施設の到達予想時刻における充電価格を比較して、エネルギーの補給を行う補給施設を選択するので、時間帯によって補給価格が変化する充電施設を選択対象とする場合であっても、例えば、補給に必要なコストを抑えた補給施設を選択することができる。
【0015】
また、請求項3に記載の補給施設案内装置によれば、補給施設で補給を行う補給量についても案内するので、ユーザは目的地へ走行するのに最低限必要なエネルギーの補給のみを行うことが可能となる。従って、補給に必要なコストや時間を削減することが可能となる。
【0016】
また、請求項4に記載の補給施設案内装置によれば、ユーザは目的地へ走行するのに最低限必要なエネルギーの補給のみを行うこととなり、目的地への到達時間を短縮することが可能となる。また、特に自宅を目的地とする場合には、補給に必要なコストも削減することが可能となる。
【0017】
また、請求項5に記載の補給施設案内方法によれば、時間帯によって同一の補給施設でも補給価格が変化することを考慮して、エネルギーの補給を行う補給施設を案内することが可能となる。従って、走行時刻に関わらず目的地に到達する為に適当な補給施設を案内することができる。
【0018】
更に、請求項6に記載のコンピュータプログラムによれば、時間帯によって同一の補給施設でも補給価格が変化することを考慮して、エネルギーの補給を行う補給施設を案内することが可能となる。従って、走行時刻に関わらず目的地に到達する為に適当な補給施設を案内することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、本発明に係る補給施設案内装置についてナビゲーション装置に具体化した一実施形態に基づき図面を参照しつつ詳細に説明する。先ず、本実施形態に係るナビゲーション装置1を車載機として搭載した電動車両2の電動車両制御システム3の概略構成について図1及び図2を用いて説明する。図1は本実施形態に係る電動車両制御システム3の概略構成図、図2は本実施形態に係る電動車両制御システム3の制御系を模式的に示すブロック図である。尚、電動車両としてはモータのみを駆動源とする電気自動車や、モータとエンジンを併用して駆動源とするハイブリッド車両があるが、以下に説明する本実施形態ではハイブリッド車両を用いることとする。
【0020】
図1及び図2に示すように、本実施形態に係る電動車両制御システム3は、車両2に対して設置されたナビゲーション装置1と、エンジン4と、駆動モータ5と、発電機6と、バッテリ7と、プラネタリギヤユニット8と、車両制御ECU9と、エンジン制御ECU10と、駆動モータ制御ECU11と、発電機制御ECU12とから基本的に構成されている。
【0021】
ここで、ナビゲーション装置1は、車両2の室内のセンターコンソール又はパネル面に備え付けられ、車両周辺の地図や目的地までの探索経路を表示する液晶ディスプレイ15や、経路案内に関する音声ガイダンスを出力するスピーカ16等を備えている。そして、GPS等によって車両2の現在位置を特定するととともに、目的地が設定された場合においては目的地までの経路の探索、並びに設定された経路に従った案内を液晶ディスプレイ15やスピーカ16を用いて行う。また、本実施形態に係るナビゲーション装置1では、後述するように目的地が設定された場合であって、且つ現在のバッテリ7の残容量が0になるまでにその目的地へと到達できない場合に、最も充電に必要なコストが安くなるように充電を実施する充電施設の案内を液晶ディスプレイ15やスピーカ16を用いて行う。尚、ナビゲーション装置1の詳細な構成については後述する。
【0022】
また、エンジン4はガソリン、軽油、エタノール等の燃料によって駆動される内燃機関等のエンジンであり、車両2の第1の駆動源として用いられる。そして、エンジン4の駆動力であるエンジントルクはプラネタリギヤユニット8に伝達され、プラネタリギヤユニット8により分配されたエンジントルクの一部により駆動輪17が回転させられ、車両2が駆動される。
【0023】
また、駆動モータ5はバッテリ7から供給される電力に基づいて回転運動するモータであり、車両2の第2の駆動源として用いられる。駆動モータはバッテリ7から供給された電力により駆動され、駆動モータ5のトルクである駆動モータトルクが発生する。そして、発生した駆動モータトルクにより駆動輪17が回転させられ、車両2が駆動される。特に、ハイブリッド車両ではエンジン4の効率が悪い発進時や上り坂路等の低回転域において、駆動モータ5により車両2が駆動される。また、加速走行時にはエンジン4と駆動モータ5の両方により駆動力を発生させ、車両2が駆動される。
更に、エンジンブレーキ必要時及び制動停止時において、駆動モータ5は回生ブレーキとして車輌慣性エネルギーを電気エネルギーとして回生する。具体的には、定常低・中速走行及び降坂路走行等によりエンジン4の出力に余裕がある場合、バッテリ7の残容量に応じて、駆動モータ5を発電機として機能させてバッテリ7を充電する。特に、降坂時においてエンジンブレーキを要求する場合、発電機として機能する駆動モータ5の回生電力を大きくして、充分なエンジンブレーキ効果を得ることができる。また、運転者がフットブレーキを踏んで車両2の停止を要求する場合には、駆動モータ5の回生電力を更に大きくして、回生ブレーキとして作動し、車両2の慣性エネルギーを電力として回生して、摩擦ブレーキに基づく熱によるエネルギー放散を減少する。また、中速域においても、エンジン4をより高出力、高効率な領域で運転できるように、駆動モータ5を回生状態する。それにより、エンジン効率を向上できると共に、上記回生によるバッテリ7の充電に基づきモータ走行を増大することができ、エネルギー効率が向上する。尚、駆動モータ5としては交流モータやDCブラシレスモータ等が用いられる。
【0024】
また、発電機6はプラネタリギヤユニット8により分配されたエンジントルクの一部により駆動され、電力を発生させる発電装置である。そして、発電機6は図示されない発電機用インバータを介してバッテリ7に接続されており、発生した交流電流を直流電流に変換し、バッテリ7に供給する。尚、駆動モータ5と発電機6を一体的に構成しても良い。
【0025】
また、バッテリ7は充電と放電とを繰り返すことができる蓄電手段としての二次電池であり、鉛蓄電池、ニッケルカドミウム電池、ニッケル水素電池、リチウムイオン電池、ナトリウム硫黄電池等が用いられる。更に、バッテリ7は車両2の側壁に設けられた充電コネクタ18と接続されている。そして、自宅や所定の充電設備を備えた充電施設において、充電コネクタ18をコンセント等の電力供給源に接続することにより、バッテリ7の充電を行うことが可能となる。更に、バッテリ7は上記駆動モータで発生した回生電力や発電機で発電された電力によっても充電される。
【0026】
また、プラネタリギヤユニット8はサンギヤ、ピニオン、リングギヤ、キャリア等によって構成され、エンジン4の駆動力の一部を発電機6へと分配し、残りの駆動力を駆動輪17へと伝達する。
【0027】
また、車両制御ECU(エレクトロニック・コントロール・ユニット)9は、車両2の全体の制御を行う電子制御ユニットである。また、車両制御ECU9には、エンジン4の制御を行う為のエンジン制御ECU10、駆動モータ5の制御を行う為の駆動モータ制御ECU11、発電機6の制御を行う為の発電機制御ECU12が接続されるとともに、ナビゲーション装置1が備える後述のナビゲーションECU33に接続されている。
そして、車両制御ECU9は、演算装置及び制御装置としてのCPU21、並びにCPU21が各種の演算処理を行うに当たってワーキングメモリとして使用されるRAM22、制御用のプログラム等が記録されたROM23等の内部記憶装置を備えている。
【0028】
また、エンジン制御ECU10、駆動モータ制御ECU11及び発電機制御ECU12は、図示しないCPU、RAM、ROM等からなり、それぞれエンジン4、駆動モータ5、発電機6の制御を行う。
【0029】
続いて、ナビゲーション装置1の構成について図2を用いて説明する。
図2に示すように本実施形態に係るナビゲーション装置1は、自車の現在位置を検出する現在位置検出部31と、各種のデータが記録されたデータ記録部32と、入力された情報に基づいて、各種の演算処理を行うナビゲーションECU(補給施設位置取得手段、自車位置取得手段、目的地設定手段、補給施設検出手段、到達予想時刻算出手段、価格取得手段、補給施設選択手段、補給施設案内手段、価格比較手段、補給量算出手段、補給量案内手段)33と、ユーザからの操作を受け付ける操作部34と、ユーザに対して自車周辺の地図や充電施設の案内を表示する液晶ディスプレイ15と、経路案内に関する音声ガイダンスや充電施設の案内を出力するスピーカ16と、プログラムを記憶した記憶媒体であるDVDを読み取るDVDドライブ37、交通情報センタ等の情報センタとの間で通信を行う通信モジュール38と、から構成されている。また、ナビゲーションECU33には、自車の走行速度を検出する車速センサ等が接続される。
【0030】
以下に、ナビゲーション装置1を構成する各構成要素について順に説明する。
現在位置検出部31は、GPS41、地磁気センサ42、距離センサ43、ステアリングセンサ44、方位検出部としてのジャイロセンサ45、高度計(図示せず)等からなり、現在の自車の位置、方位等を検出することが可能となっている。
【0031】
また、データ記録部32は、外部記憶装置及び記録媒体としてのハードディスク(図示せず)と、ハードディスクに記録された地図情報DB47、所定のプログラム等を読み出すとともにハードディスクに所定のデータを書き込む為のドライバである記録ヘッド(図示せず)とを備えている。
【0032】
ここで、地図情報DB47は、経路案内、交通情報案内及び地図表示に必要な各種地図データが記録されている。具体的には、レストランや駐車場等の施設に関する施設データ、道路(リンク)形状に関するリンクデータ、ノード点に関するノードデータ、各交差点に関する交差点データ、経路を探索するための探索データ、地点を検索するための検索データ、地図、道路、交通情報等の画像を液晶ディスプレイ15に描画するための画像描画データ等から構成されている。また、特に本実施形態に係るナビゲーション装置1は、充電施設に関する充電施設情報48についても記録されている。ここで、充電施設とは、バッテリ7に車両2の駆動源に用いるエネルギーの一つである電力を補給する為の専用の充電設備を備えた補給施設をいい、例えば、ガソリンスタンドやショッピングセンタが該当する。また、地図情報DB47に記憶される充電施設情報48としては、充電施設の位置座標、充電施設の昼間充電料金と昼間充電料金が適用される時間帯、充電施設の夜間充電料金と夜間充電料金が適用される時間帯、充電施設の営業時間等がある。そして、ナビゲーションECU33は充電施設情報48に基づいて、後述するように目的地までの経路上にある複数の充電施設からバッテリ7の充電を行うべき充電施設を選択する。
【0033】
一方、ナビゲーションECU(エレクトロニック・コントロール・ユニット)33は、目的地が選択された場合に現在位置から目的地までの誘導経路を設定する誘導経路設定処理、車両の現在位置から目的地までの経路上にある充電施設を検出する充電施設検出処理、検出された各充電施設の充電料金を比較して最も充電に必要なコストが安くなるように充電を実施する充電施設を選択する充電施設選択処理、選択された充電施設を液晶ディスプレイ15等を用いて案内する充電施設案内処理等のナビゲーション装置1の全体の制御を行う電子制御ユニットである。そして、演算装置及び制御装置としてのCPU51、並びにCPU51が各種の演算処理を行うに当たってワーキングメモリとして使用されるとともに、経路が探索されたときの経路データ等が記憶されるRAM52、制御用のプログラムのほか、充電施設案内処理プログラム(図11〜図15参照)等が記録されたROM53、ROM53から読み出したプログラムを記録するフラッシュメモリ54等の内部記憶装置を備えている。
【0034】
操作部34は、案内開始地点としての出発地及び案内終了地点としての目的地を入力する際等に操作され、各種のキー、ボタン等の複数の操作スイッチ(図示せず)から構成される。そして、ナビゲーションECU33は、各スイッチの押下等により出力されるスイッチ信号に基づき、対応する各種の動作を実行すべく制御を行う。尚、液晶ディスプレイ15の前面に設けたタッチパネルによって構成することもできる。
【0035】
また、液晶ディスプレイ15には、道路を含む地図画像、交通情報、操作案内、操作メニュー、キーの案内、現在位置から目的地までの誘導経路、誘導経路に沿った案内情報、ニュース、天気予報、時刻、メール、テレビ番組等が表示される。また、ナビゲーション装置1で設定された目的地まで走行するのにバッテリ7の残容量が不足する場合には、車両2のバッテリ7の充電を行う充電施設の案内を表示する。
【0036】
また、スピーカ16は、ナビゲーションECU33からの指示に基づいて誘導経路に沿った走行を案内する音声ガイダンスや、交通情報の案内を出力する。また、ナビゲーション装置1で設定された目的地まで走行するのにバッテリ7の残容量が不足する場合には、車両2のバッテリ7の充電を行う充電施設の案内を出力する。
【0037】
また、DVDドライブ37は、DVDやCD等の記録媒体に記録されたデータを読み取り可能なドライブである。そして、読み取ったデータに基づいて地図情報DB47の更新等が行われる。
【0038】
また、通信モジュール38は、交通情報センタ、例えば、VICS(登録商標:Vehicle Information and Communication System)センタやプローブセンタ等から送信された渋滞情報、規制情報、駐車場情報、交通事故情報等の各情報から成る交通情報を受信する為の通信装置であり、例えば携帯電話機やDCMが該当する。尚、本実施形態では通信モジュール38を介して外部の情報センタから充電施設情報を取得することも可能である。
【0039】
ここで、本実施形態に係るナビゲーション装置1では、目的地が設定された場合であって、且つ現在のバッテリ7の残容量が0になるまでにその目的地へと到達できない場合に、最も充電に必要なコストが安くなるように充電を実施する充電施設の案内を液晶ディスプレイ15やスピーカ16を用いて行う。そこで、以下には、目的地までの経路上にある複数の充電施設の内から、充電を実施する充電施設として案内を行う充電施設を選択する選択手順と、その充電施設での充電量の算出手順について具体例を挙げて説明する。
【0040】
図3は、出発地である会社61に車両2が位置する場合に、ナビゲーション装置1において目的地として自宅62が選択され、会社61から自宅62までの経路63が誘導経路として設定された一例を示す。尚、経路63上にはガソリンスタンドA店64、ガソリンスタンドB店65、屋外ショッピングセンタ66、ガソリンスタンドC店67の4箇所の充電施設がある。
【0041】
尚、以下の例では説明を簡略化するために、バッテリ7の充電量が最大(100kw=100%)である時に100kmの走行が可能な車両が走行すると仮定する。また、車両が経路を走行する車速は常に60km/hで、充電施設において充電に必要な時間は充電量に関わらず0(min)とする。更に、会社61を出発する地点でバッテリ7の充電量は最大であり、バッテリ7の充電量を1%消費することによって1km走行することが可能であると仮定する。また、他の充電施設と比較して自宅62で充電を行う費用が常に最も少ないと仮定する。従って、充電に必要なコストを安くする為に、車両は自宅62へ到達した時点でのバッテリ7の残容量が0となるように走行するものとする。
【0042】
図3に示すように、経路63上にある各充電施設64〜67は、充電を行うのに必要な充電料金がそれぞれ異なっている。更に、同一の充電施設であっても、時間帯によって充電料金が異なっている。
例えば、ガソリンスタンドA店64は、会社61からの距離が20kmの地点にある。そして、7:00〜23:00までの昼間充電料金が30円/kwであり、23:00〜7:00までの夜間充電料金が11円/kwである。
また、ガソリンスタンドB店65は、会社61からの距離が60kmの地点にある。そして、6:00〜24:00までの昼間充電料金が28円/kwであり、24:00〜6:00までの夜間充電料金が9円/kwである。
また、屋外ショッピングセンタ66は、会社61からの距離が80kmの地点にある。そして、7:00〜22:00までの昼間充電料金が26円/kwであり、22:00〜7:00までは閉店する。
また、ガソリンスタンドC店67は、会社61からの距離が120kmの地点にある。そして、6:00〜22:00までの昼間充電料金が35円/kwであり、22:00〜6:00までの夜間充電料金が10円/kwである。
尚、図4は図3に示す充電施設を含む各施設61、62、64〜67に関する情報一覧を示した図である。
【0043】
ここで、先ず、車両が14:00に会社61を出発した場合における充電を行う充電対象施設の選択手順と充電量の算出手順について図5及び図6を用いて説明する。
図5に示すように車両が会社61を14:00に出発した場合には、ガソリンスタンドA店64に14:20に到達し、ガソリンスタンドB店65に15:00に到達し、屋外ショッピングセンタ66に15:20に到達し、ガソリンスタンドC店67に16:00に到達する。従って、図6に示すように、各充電施設の到達予想時刻での充電料金(実際に到達時点で払うこととなる実料金)は、ガソリンスタンドA店64が30円/kw、ガソリンスタンドB店65が28円/kw、屋外ショッピングセンタ66が26円/kw、ガソリンスタンドC店67が35円/kwとなる。
そして、充電を行う充電対象施設の選択では、先ず目的地である自宅62から100km以内に存在する充電施設の内、最も実料金の安価な充電施設を第1の充電対象施設候補として検索する。具体的に、図5及び図6の場合には、自宅62から100km以内に存在するガソリンスタンドB店65、屋外ショッピングセンタ66、ガソリンスタンドC店67の内で最も実料金の安価な充電施設が検索される。そして、検索の結果、屋外ショッピングセンタ66が26円で最も安価であり、第1の充電対象施設候補として選択される。
次に、選択された屋外ショッピングセンタ66から更に100km以内に存在する充電施設の内、最も実料金の安価な充電施設を第2の充電対象施設候補として検索する。具体的に、図5及び図6の場合には、屋外ショッピングセンタ66から100km以内に存在するガソリンスタンドA店64、ガソリンスタンドB店65の内で最も実料金の安価な充電施設が検索される。そして、検索の結果、ガソリンスタンドB店65が28円で最も安価であり、第2の充電対象施設候補として選択される。
但し、会社61から屋外ショッピングセンタ66までの距離が100km以内であり、且つ、屋外ショッピングセンタ66の方がガソリンスタンドB店65より実料金が安価であるので、第2の充電対象施設候補であるガソリンスタンドB店65は充電対象施設として選択されない。
以上より、車両が14:00に会社61を出発した場合には、屋外ショッピングセンタ66のみが充電対象施設として選択され、屋外ショッピングセンタ66で1回のみ充電を行うことが案内される。また、この場合の屋外ショッピングセンタ66での充電量は、「次回充電地点(この場合は自宅62)までの使用電力」−「バッテリの残容量」によって算出される。具体的には、屋外ショッピングセンタ66から自宅までの使用電力が70kwであり、また、会社61を出発して屋外ショッピングセンタ66に到達した時点でのバッテリの残容量が20kwであることから、充電量=70kw−20kw=50kwとなる。
【0044】
即ち、上記図5及び図6に示した車両が14:00に会社61を出発した場合では、屋外ショッピングセンタ66が最も充電に必要なコストが少なくなる。また、出発地から屋外ショッピングセンタ66までの距離は80kmで、バッテリ7の充電を行うことなく到達可能である。従って、最も充電料金の安い屋外ショッピングセンタ66で目的地まで到達可能な必要最低限の充電のみ行うようにすることで、コストが最小となる。
【0045】
次に、車両が20:00に会社61を出発した場合における充電を行う充電対象施設の選択手順と充電量の算出手順について図7及び図8を用いて説明する。
図7に示すように車両が会社61を20:00に出発した場合には、ガソリンスタンドA店64に20:20に到達し、ガソリンスタンドB店65に21:00に到達し、屋外ショッピングセンタ66に21:20に到達し、ガソリンスタンドC店67に22:00に到達する。従って、図8に示すように、各充電施設の到達予想時刻での充電料金(実際に到達時点で払うこととなる実料金)は、ガソリンスタンドA店64が30円/kw、ガソリンスタンドB店65が28円/kw、屋外ショッピングセンタ66が26円/kw、ガソリンスタンドC店67が10円/kwとなる。
そして、充電を行う充電対象施設の選択では、先ず目的地である自宅62から100km以内に存在する充電施設の内、最も実料金の安価な充電施設を第1の充電対象施設候補として検索する。図7及び図8の場合には、夜間充電料金の適用されるガソリンスタンドC店67が最も安価であり、第1の充電対象施設候補として選択される。
次に、選択されたガソリンスタンドC店67から更に100km以内に存在する充電施設の内、最も実料金の安価な充電施設を第2の充電対象施設候補として検索する。図7及び図8の場合には、屋外ショッピングセンタ66が最も安価であり、屋外ショッピングセンタ66が第2の充電対象施設候補として選択される。
続いて、選択された屋外ショッピングセンタ66から更に100km以内に存在する充電施設の内、最も実料金の安価な充電施設を第3の充電対象施設候補として検索する。図7及び図8の場合には、ガソリンスタンドB店65が最も安価であり、ガソリンスタンドB店65が第3の充電対象施設候補として選択される。
但し、会社61から屋外ショッピングセンタ66までの距離が100km以内であり、且つ、屋外ショッピングセンタ66の方がガソリンスタンドB店65より実料金が安価であるので、第3の充電対象施設候補であるガソリンスタンドB店65は充電対象施設として選択されない。
以上より、車両が20:00に会社61を出発した場合には、ガソリンスタンドC店67と屋外ショッピングセンタ66が充電対象施設として選択され、屋外ショッピングセンタ66で一回目の充電を行い、その後にガソリンスタンドC店67で2回目の充電を行うことが案内される。また、この場合のガソリンスタンドC店67と屋外ショッピングセンタ66での充電量については、実料金が屋外ショッピングセンタ66よりガソリンスタンドC店67の方が安価であるので、ガソリンスタンドC店67で最大(但し、目的地まで30kmしかないので30kwの充電が最大)まで充電するように充電を行う。
具体的に、ガソリンスタンドC店67の充電量については、「次回充電地点(この場合は自宅62)までの使用電力」−「バッテリの残容量」によって算出され、30kwとなる。そして、屋外ショッピングセンタ66の充電量については、「次回充電地点(この場合はガソリンスタンドC店67)までの使用電力」−「バッテリの残容量」によって算出され、20kwとなる。
【0046】
即ち、上記図7及び図8に示した車両が20:00に会社61を出発した場合では、夜間充電料金で充電可能なガソリンスタンドC店67が最も充電に必要なコストが少なくなる。但し、ガソリンスタンドC店67に到達する為には120km走行が必要となるため、その手前で充電をすることが必要となる。従って、ガソリンスタンドC店67の手前で最も充電料金の安い屋外ショッピングセンタ66で必要最低限の充電のみ行い、その後に最も充電料金の安いガソリンスタンドC店67で目的地まで到達可能な必要最低限の充電のみ行うようにすることで、コストが最小となる。
【0047】
次に、車両が6:00に会社61を出発した場合における充電を行う充電対象施設の選択手順と充電量の算出手順について図9及び図10を用いて説明する。
図9に示すように車両が会社61を6:00に出発した場合には、ガソリンスタンドA店64に6:20に到達し、ガソリンスタンドB店65に7:00に到達し、屋外ショッピングセンタ66に7:20に到達し、ガソリンスタンドC店67に8:00に到達する。従って、図10に示すように、各充電施設の到達予想時刻での充電料金(実際に到達時点で払うこととなる実料金)は、ガソリンスタンドA店64が11円/kw、ガソリンスタンドB店65が28円/kw、屋外ショッピングセンタ66が26円/kw、ガソリンスタンドC店67が35円/kwとなる。
そして、充電を行う充電対象施設の選択では、先ず目的地である自宅62から100km以内に存在する充電施設の内、最も実料金の安価な充電施設を第1の充電対象施設候補として検索する。図9及び図10の場合には、屋外ショッピングセンタ66が最も安価であり、第1の充電対象施設候補として選択される。
次に、選択された屋外ショッピングセンタ66から更に100km以内に存在する充電施設の内、最も実料金の安価な充電施設を第2の充電対象施設候補として検索する。図9及び図10の場合には、夜間充電料金の適用されるガソリンスタンドA店64が最も安価であり、ガソリンスタンドA店64が第2の充電対象施設候補として選択される。
更に、ガソリンスタンドA店64の方が屋外ショッピングセンタ66より実料金が安価であるので、第2の充電対象施設候補であるガソリンスタンドA店64は充電対象施設としても選択される。
続いて、選択されたガソリンスタンドA店64から更に100km以内に存在する充電施設の内、最も実料金の安価な充電施設を第3の充電対象施設候補として検索する。しかしながら、図9及び図10の場合には、出発地である会社61とガソリンスタンドA店64との間に他の充電施設がないので第3の充電対象施設候補は選択されない。
以上より、車両が6:00に会社61を出発した場合には、屋外ショッピングセンタ66とガソリンスタンドA店64が充電対象施設として選択され、ガソリンスタンドA店64で一回目の充電を行い、その後に屋外ショッピングセンタ66で2回目の充電を行うことが案内される。また、この場合の屋外ショッピングセンタ66とガソリンスタンドA店64での充電量については、実料金が屋外ショッピングセンタ66よりガソリンスタンドA店64の方が安価であるので、ガソリンスタンドA店64で最大まで充電するようにする。
具体的に、ガソリンスタンドA店64の充電量については、「満充電量(この場合は100kw)」−「バッテリの残容量」によって算出され、20kwとなる。そして、屋外ショッピングセンタ66の充電量については、「次回充電地点(この場合は自宅62)までの使用電力」−「バッテリの残容量」によって算出され、30kwとなる。
【0048】
即ち、上記図9及び図10に示した車両が6:00に会社61を出発した場合では、夜間充電料金で充電可能なガソリンスタンドA店64が最も充電に必要なコストが少なくなる。但し、ガソリンスタンドA店64から目的地に到達する為には130km走行が必要となるため、その間で充電をすることが必要となる。従って、ガソリンスタンドA店64で満充電になるまで充電を行った後に、ガソリンスタンドA店64から到達可能な範囲で最も充電料金の安い屋外ショッピングセンタ66で目的地まで到達可能な必要最低限の充電のみ行うようにすることで、コストが最小となる。
【0049】
続いて、上記図3〜図10を用いて説明した「充電を実施する充電施設として案内を行う充電施設を選択する選択手順」と、「その充電施設での充電量の算出手順」をナビゲーション装置1において実行する為の充電施設案内処理プログラムについて図11に基づき説明する。図11は本実施形態に係る充電施設案内処理プログラムのフローチャートである。ここで、充電施設案内処理プログラムはナビゲーション装置1で目的地の入力操作が行われた場合に実行され、目的地に到達可能であって、最も充電に必要なコストが安くなるように充電を実施する充電施設を案内するプログラムである。尚、以下の図11〜図15にフローチャートで示されるプログラムは、ナビゲーション装置1が備えているRAM52やROM53に記憶されており、CPU51により実行される。
【0050】
先ず、充電施設案内処理プログラムではステップ(以下、Sと略記する)1において、CPU51は操作部34から入力された操作信号に基づいて目的地を設定する。尚、上記S1が目的地設定手段の処理に相当する。
【0051】
続いて、S2でCPU51は現在位置検出部31により自車の現在位置を取得する。また、取得した自車の現在位置を地図上で特定するマップマッチングも行われる。尚、上記S2が自車位置取得手段の処理に相当する。
【0052】
次に、S3でCPU51は前記S2で取得された自車の現在位置(出発地)から目的地までの経路を探索し、設定された誘導経路の距離が100km以内であるか否か判定する。その結果、出発地から目的地までの誘導経路の距離が100km以内であると判定された場合(S3:YES)には、目的地まで充電を行うことなく到達できるので、充電施設の案内を行わずに当該充電施設案内処理プログラムを終了する。一方、出発地から目的地までの誘導経路の距離が100kmより長いと判定された場合(S3:NO)には、S4へと移行する。
【0053】
S4でCPU51は、後述のデータ収集処理(図12)を行う。尚、データ収集処理では、出発地から目的地までの経路上にある複数の充電施設に関する各種情報が収集される。
【0054】
その後、S5でCPU51は、後述の充電料金取得処理(図13)を行う。尚、充電料金取得処理では、経路上にある複数の充電施設でバッテリの充電を行う際の充電料金の取得が行われる。
【0055】
次に、S6でCPU51は、後述の充電施設選択処理(図14)を行う。尚、充電施設選択処理では、経路上にある複数の充電施設の充電料金を比較して、目的地までの走行する際に最も充電に必要なコストを安くする為の充電対象となる充電施設を1又は複数選択する。
【0056】
続いて、S7でCPU51は、後述の充電量算出処理(図15)を行う。尚、充電量算出処理では、前記S6において選択された充電対象施設で充電を行う充電量を算出する。
【0057】
その後、S8においてCPU51は、前記S6で選択された充電施設を液晶ディスプレイ15やスピーカ16を用いてユーザに案内する。具体的には、液晶ディスプレイ15に表示された地図上で該当する充電施設の場所を強調して表示したり、充電施設の名称を表示する。また、該当する充電施設が300m以内に接近した場合には、「充電施設へ寄って下さい」との音声案内をスピーカ16より出力する。尚、上記S8が補給施設案内手段の処理に相当する。
【0058】
一方、S9においてCPU51は、前記S7で算出された充電施設での充電量をユーザに案内する。具体的には、充電施設で充電を開始した際に「○○分充電してください」との案内を液晶ディスプレイ15に表示したり、スピーカ16から出力する。また、算出された充電量が充電されたと判定した時点で、充電を強制的に終了しても良い。尚、上記S9が補給量案内手段の処理に相当する。
【0059】
次に、上記S4のデータ収集処理のサブ処理について図12に基づき説明する。図12は本実施形態に係るデータ収集処理のサブ処理プログラムのフローチャートである。
【0060】
先ず、S11でCPU51は、GPS41を用いて現在時刻を取得する。
【0061】
続いて、S12においてCPU51は、地図情報DB47に記憶された充電施設情報48に基づいて、自車周辺にある充電施設の位置情報を取得し、その充電施設の中から出発地から目的地までの経路上にある充電施設を検出する。例えば、図3に示した例ではガソリンスタンドA店64、ガソリンスタンドB店65、屋外ショッピングセンタ66、ガソリンスタンドC店67の4箇所の充電施設が検出される。尚、上記S12が補給施設位置取得手段及び補給施設検出手段の処理に相当する。
【0062】
そして、S13でCPU51は、前記S11で取得した現在時刻と、出発地から前記S12で検出された各充電施設までの距離に基づいて、各充電施設への車両の到達予想時刻を算出する。尚、上記S13が到達予想時刻算出手段の処理に相当する。
【0063】
次に、S14においてCPU51は、地図情報DB47に記憶された充電施設情報48に基づいて、出発地から目的地までの経路上にある各充電施設の昼間充電料金と夜間充電料金とを取得する。また、昼間充電料金と夜間充電料金とをそれぞれ適用する時間帯についても取得する。
【0064】
その後、S15においてCPU51は、地図情報DB47に記憶された充電施設情報48に基づいて、出発地から目的地までの経路上にある各充電施設の営業時間を取得する。
【0065】
続いて、S16でCPU51は、出発地から前記S12で検出された各充電施設間でまでの距離に基づいて、車両が各充電施設間を走行するのに消費するエネルギー量を取得する。その後、S5へと移行する。
【0066】
次に、上記S5の充電料金取得処理のサブ処理について図13に基づき説明する。図13は本実施形態に係る充電料金取得処理のサブ処理プログラムのフローチャートである。
【0067】
ここで、以下のS21〜S23の処理は、前記S12で検出された出発地から目的地までの経路上にある複数の充電施設に対してそれぞれ行われる。
【0068】
先ず、S21でCPU51は、前記S13で算出した当該充電施設への車両の到達予想時刻と、前記S14で取得した当該充電施設の夜間充電料金を適用する時間帯から、当該充電施設への到達予想時刻が夜間充電料金の適用される時間帯に含まれているか否か判定する。
【0069】
その結果、当該充電施設への到達予想時刻が夜間充電料金の適用される時間帯に含まれていると判定された場合(S21:YES)には、当該施設の充電料金として夜間充電価格を取得する(S22)。一方、当該充電施設への到達予想時刻が昼間充電料金の適用される時間帯に含まれていると判定された場合(S21:NO)には、当該施設の充電料金として昼間充電価格を取得する(S23)。尚、上記S22及びS23が価格取得手段の処理に相当する。
【0070】
そして、上記S21〜S23の処理が、前記S12で検出された出発地から目的地までの経路上にある全充電施設に対して行われた後には、S6へと移行する。
【0071】
次に、上記S6の充電施設選択処理のサブ処理について図14に基づき説明する。図14は本実施形態に係る充電施設選択処理のサブ処理プログラムのフローチャートである。
【0072】
ここで、以下のS31〜S34の処理は、前記S12で検出された出発地から目的地までの経路上にある複数の充電施設に対して目的地に近い施設から順に行われる。
【0073】
先ず、S31でCPU51は、当該充電施設(但し、1回目のループは目的地)から100km以内にある他の充電施設の充電価格を比較し、他の充電施設の内、各到達予想時刻における充電料金が最も安い充電施設を選択する。
【0074】
そして、S32でCPU51は、当該充電施設が出発地から経路に沿って道なりで100km以内に位置するか否か判定する。そして、当該充電施設が出発地から経路に沿って道なりで100km以内に位置すると判定された場合(S32:YES)には、更に、CPU51は出発地から目的地に向かって経路に沿って道なり100km以内で最も安い充電施設の充電料金と、当該充電施設の充電料金とを比較し、当該充電施設の充電料金の方が安価であるか否か判定する(S33)。
【0075】
その結果、当該充電施設の充電料金の方が安価であると判定された場合(S33:YES)には、処理の対象を次の充電施設に変更してS31以下の同様の処理を行う。
【0076】
一方、当該充電施設が出発地から経路に沿って道なりで100kmより遠方に位置すると判定された場合(S32:NO)、及び、出発地から目的地に向かって経路に沿って道なり100km以内で最も安い充電施設の充電料金より、当該充電施設の充電料金の方が高価であると判定された場合(S33:NO)には、前記S31で選択された施設を充電実施対象施設として記憶する(S34)。尚、上記S31〜S34が補給施設選択手段の処理に相当し、S31及びS33が価格比較手段の処理に相当する。
【0077】
そして、上記S31〜S34の処理が、前記S12で検出された出発地から目的地までの経路上にある全充電施設に対して行われた後には、S7へと移行する。
【0078】
次に、上記S7の充電量算出処理のサブ処理について図15に基づき説明する。図15は本実施形態に係る充電量算出処理のサブ処理プログラムのフローチャートである。
【0079】
ここで、以下のS41〜S43の処理は、前記S12で検出された出発地から目的地までの経路上にある複数の充電施設に対して充電料金の安い順に行われる。
【0080】
先ず、S41でCPU51は、当該充電施設から100km以内に、既に後述のS42又はS43で充電量の算出された次の目的地側の充電施設(又は、目的地)があるか否か判定する。
【0081】
そして、当該充電施設から100km以内に、充電量の算出された次の目的地側の充電施設(又は、目的地)があると判定された場合(S41:YES)にはS42へと移行する。一方、当該充電施設から100km以内に、充電量の算出された次の目的地側の充電施設(又は、目的地)がないと判定された場合(S41:NO)にはS43へと移行する。
【0082】
S42でCPU51は、充電量が既に算出されている次の目的地側の充電施設(又は、目的地)に到達するまでに最低限必要な充電量を充電するように充電量の算出を行う。具体的には、「当該充電施設の充電量」=「次回充電地点(目的地を含む)までの使用電力」−「バッテリの残容量」によって算出される。これによって、車両は目的地へ到達した時点で、バッテリ7の残容量が0となるように充電される。
【0083】
それに対して、S43でCPU51は、当該充電施設で満充電するように充電量の算出を行う。具体的には、「当該充電施設の充電量」=「満充電量(この場合は100kw)」−「バッテリの残容量」によって算出される。尚、上記S41〜S43が補給量算出手段の処理に相当する。
【0084】
そして、上記S41〜S43の処理が、前記S12で検出された出発地から目的地までの経路上にある全充電施設に対して行われた後には、S8へと移行する。
【0085】
以上詳細に説明した通り、本実施形態に係るナビゲーション装置1、ナビゲーション装置1による補給施設案内方法及びナビゲーション装置1で実行されるコンピュータプログラムでは、目的地が設定された場合に、自車の現在位置から目的地までの経路上にある複数の充電施設を検出し(S12)、検出されたそれぞれの充電施設について自車が到達する到達予想時刻を算出し(S13)、更に、時間帯によって異なる充電価格を考慮して到達予想時刻における充電価格を比較し(S31、S33)、充電に必要なコストが最も安くなるように充電を実施する対象となる充電施設を選択する(S34)とともに、選択された充電施設を案内する(S8)ので、時間帯によって同一の補給施設でも補給価格が変化することを考慮して、バッテリ7の充電を行う充電施設を案内することが可能となる。従って、走行時刻に関わらず目的地に到達する為に補給に必要なコストを抑えた適当な充電施設を案内することができる。
また、充電施設で充電を行う充電量についても案内する(S9)ので、ユーザは目的地へ走行するのに最低限必要なエネルギーの補給のみを行うことが可能となる。従って、補給に必要なコストや時間を削減することが可能となる。
また、目的地に到達した時点でバッテリ7の残量が無くなるように充電を行う充電施設や充電量を案内するので、ユーザは目的地へ走行するのに最低限必要なエネルギーの補給のみを行うこととなり、目的地への到達時間を短縮することが可能となる。また、特に自宅を目的地とする場合には、補給に必要なコストも削減することが可能となる。
【0086】
尚、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の改良、変形が可能であることは勿論である。
例えば、本実施形態では、本願発明に係る補給施設をハイブリッド車両等の電動車両に搭載された駆動モータ5に用いる電力を補給する充電施に適用して説明したが、エンジンに用いるガソリン、軽油等を補給する給油施設に適用しても良い。更に、双方に適用することとしても良い。
【0087】
また、本実施形態では車両の現在位置を出発地として目的地までの経路にある充電施設を検出しているが、ユーザの選択した任意の出発地から目的地までの経路にある充電施設を検出するようにしても良い。
【0088】
また、上記実施形態では本願発明をモータとエンジンを併用して駆動源とするハイブリッド車両に適用した場合を説明したが、モータのみを駆動源とする電気自動車にも適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0089】
【図1】本実施形態に係る電動車両駆動制御システムの概略構成図である。
【図2】本実施形態に係る電動車両制御システムの制御系を模式的に示すブロック図である。
【図3】出発地から目的地までに設定される経路と経路上に位置する充電施設の一例を示した図である。
【図4】図3に示す各施設に関する情報一覧を示した図である。
【図5】車両が14:00に出発地を出発した場合における充電を行う充電対象施設の選択手順と充電量の算出手順について説明した説明図である。
【図6】車両が14:00に出発地を出発した場合における充電を行う充電対象施設の選択手順と充電量の算出手順について説明した説明図である。
【図7】車両が20:00に出発地を出発した場合における充電を行う充電対象施設の選択手順と充電量の算出手順について説明した説明図である。
【図8】車両が20:00に出発地を出発した場合における充電を行う充電対象施設の選択手順と充電量の算出手順について説明した説明図である。
【図9】車両が6:00に出発地を出発した場合における充電を行う充電対象施設の選択手順と充電量の算出手順について説明した説明図である。
【図10】車両が6:00に出発地を出発した場合における充電を行う充電対象施設の選択手順と充電量の算出手順について説明した説明図である。
【図11】本実施形態に係る充電施設案内処理プログラムのフローチャートである。
【図12】本実施形態に係るデータ収集処理のサブ処理プログラムのフローチャートである。
【図13】本実施形態に係る充電料金取得処理のサブ処理プログラムのフローチャートである。
【図14】本実施形態に係る充電施設選択処理のサブ処理プログラムのフローチャートである。
【図15】本実施形態に係る充電量算出処理のサブ処理プログラムのフローチャートである。
【符号の説明】
【0090】
1 ナビゲーション装置
2 車両
3 電動車両制御システム
4 エンジン
5 駆動モータ
15 ディスプレイ
16 スピーカ
33 ナビゲーションECU
47 地図情報DB
48 充電施設情報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の駆動源に用いるエネルギーを補給する補給価格が時間帯によって異なる補給施設の位置情報を取得する補給施設位置取得手段と、
車両の現在位置を取得する自車位置取得手段と、
目的地を設定する目的地設定手段と、
前記補給施設位置取得手段によって取得された補給施設の位置情報に基づいて前記車両の現在位置から目的地までの経路上にある複数の補給施設を検出する補給施設検出手段と、
前記補給施設検出手段によって検出された複数の補給施設に前記車両が到達する到達予想時刻をそれぞれ算出する到達予想時刻算出手段と、
前記到達予想時刻算出手段により算出された到達予想時刻における各補給施設の補給価格を取得する価格取得手段と、
前記複数の補給施設の位置と前記価格取得手段により取得した補給価格に基づいてエネルギーの補給を行う補給施設を選択する補給施設選択手段と、
前記補給施設選択手段によって選択された補給施設を案内する補給施設案内手段と、を有することを特徴とする補給施設案内装置。
【請求項2】
前記到達予想時刻算出手段により算出された到達予想時刻における各補給施設の補給価格を比較する価格比較手段を備え、
前記補給施設選択手段は前記価格比較手段の比較結果に基づいてエネルギーの補給を行う補給施設を選択することを特徴とする請求項1に記載の補給施設案内装置。
【請求項3】
前記複数の補給施設の位置と前記価格取得手段により取得した補給価格に基づいて、前記補給施設選択手段により選択された補給施設でエネルギーの補給を行う補給量を算出する補給量算出手段と、
前記補給量算出手段によって算出された補給量を案内する補給量案内手段と、を有することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の補給施設案内装置。
【請求項4】
前記補給量算出手段は車両が目的地に到着した時点で前記車両の駆動源に用いるエネルギーの残量が無くなるように補給を行う補給量を算出することを特徴とする請求項3に記載の補給施設案内装置。
【請求項5】
車両の駆動源に用いるエネルギーを補給する補給価格が時間帯によって異なる補給施設の位置情報を取得する補給施設位置取得ステップと、
車両の現在位置を取得する自車位置取得ステップと、
目的地を設定する目的地設定ステップと、
前記補給施設位置取得ステップによって取得された補給施設の位置情報に基づいて前記車両の現在位置から目的地までの経路上にある複数の補給施設を検出する補給施設検出ステップと、
前記補給施設検出ステップによって検出された複数の補給施設に前記車両が到達する到達予想時刻をそれぞれ算出する到達予想時刻算出ステップと、
前記到達予想時刻算出ステップにより算出された到達予想時刻における各補給施設の補給価格を取得する価格取得ステップと、
前記複数の補給施設の位置と前記価格取得ステップにより取得した補給価格に基づいてエネルギーの補給を行う補給施設を選択する補給施設選択ステップと、
前記補給施設選択ステップによって選択された補給施設を案内する補給施設案内ステップと、を有することを特徴とする補給施設案内方法。
【請求項6】
コンピュータに搭載され、
車両の駆動源に用いるエネルギーを補給する補給価格が時間帯によって異なる補給施設の位置情報を取得する補給施設位置取得機能と、
車両の現在位置を取得する自車位置取得機能と、
目的地を設定する目的地設定機能と、
前記補給施設位置取得機能によって取得された補給施設の位置情報に基づいて前記車両の現在位置から目的地までの経路上にある複数の補給施設を検出する補給施設検出機能と、
前記補給施設検出機能によって検出された複数の補給施設に前記車両が到達する到達予想時刻をそれぞれ算出する到達予想時刻算出機能と、
前記到達予想時刻算出機能により算出された到達予想時刻における各補給施設の補給価格を取得する価格取得機能と、
前記複数の補給施設の位置と前記価格取得機能により取得した補給価格に基づいてエネルギーの補給を行う補給施設を選択する補給施設選択機能と、
前記補給施設選択機能によって選択された補給施設を案内する補給施設案内機能と、
を実行させることを特徴とするコンピュータプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2009−8609(P2009−8609A)
【公開日】平成21年1月15日(2009.1.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−172239(P2007−172239)
【出願日】平成19年6月29日(2007.6.29)
【出願人】(000100768)アイシン・エィ・ダブリュ株式会社 (3,717)
【Fターム(参考)】