説明

複数の誘電体を備えた半導体装置の製造方法

【課題】複数の誘電体を備えた半導体装置を製造するためのより良い方法を提供する。
【解決手段】基板200上に、第1制御電極誘電体材料202を設けること、基板200の少なくとも第1領域210aに、第1誘電体材料202を覆うパターン化した犠牲層を設けること、第1領域210aではパターン化した犠牲層を覆い、第2領域210bでは第1誘電体材料202を覆う第2誘電体材料203を設けること、但し、第2領域210bは、第1領域210aと異なっており、第2誘電体材料203をパターン化して、パターン化した第2誘電体材料が、第2領域210bでは第1誘電体材料202を覆い、第1領域210aではパターン化した犠牲層を覆わないようにすること、パターン化した犠牲層を除去することを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に半導体装置に関し、特に、異なる誘電体材料を備えた半導体構造を含む半導体装置の製造に関する。例えば、本発明は、相補型金属酸化物半導体(CMOS)装置に関するものでもある。
【背景技術】
【0002】
今まで、半導体産業は、金属酸化物半導体電界効果トランジスタ(MOSFET)の幾何形状のスケール縮小によって推進されている。従来のMOSFET技術では、二酸化シリコン(SiO)をゲート誘電体として用い、多結晶シリコン(ポリ(poly)−Si)をゲート材料として用いることによって、100nm以下にスケール縮小した場合、多くの問題が発生している。
【0003】
ゲート誘電体の厚さが減少すると、ゲート直接トンネリング電流が指数関数的に増加する。45nmノードおよびそれ以上では、この問題を解決する1つの方法は、ゲート誘電体として、いわゆる高誘電率(high-k)の誘電体の導入である。高誘電率(high-k)の誘電体は、SiOの誘電率より高い誘電率(k)、即ち、k>3.9という特徴を有する誘電体である。高誘電率(high-k)の誘電体は、同じ実効容量を得るために、かなり薄いSiO層を用いて得られるものより、(SiOと比べて)より大きな物理的厚さを可能にする。高誘電率(high-k)材料の物理的厚さが大きいほど、ゲート漏れ電流を減少させることになる。
【0004】
ゲート誘電体のスケール縮小とともに、ゲート寸法もスケール縮小される。しかしながら、2nm以下のSiO酸化物では、ポリシリコン(ポリ−Si)空乏効果が、ポリ−Siゲートにおいて支配的になり始める。この問題の解決法は、ゲート材料(制御電極材料)として金属の導入である。金属ゲートの利点は、ポリシリコン空乏効果の排除、極めて低い抵抗、可能性あるドーパント浸透が生じないこと、高誘電率(high-k)ゲート誘電体とのより良い適合性である。
【0005】
しかしながら、金属ゲートを導入することによって、MOSFETの閾値電圧が金属の仕事関数によって制御可能になる。ポリシリコンゲートMOSFETに匹敵する金属ゲートを備えたMOSFET(nMOSFETおよびpMOSFET)の製造は、産業研究者へ多大な挑戦を残している。金属電極の実効仕事関数は、組成、下地となる誘電体、処理中のヒートサイクルなど幾つかの要因に影響されるからである。
【0006】
例えば、高誘電率(high-k)誘電体および金属ゲート電極など、新たな材料の導入は簡単ではない。エッチングや剥離(strip)など、製造処理工程において問題が発生することがあるからである。高い熱量も問題を引き起こすことがある。よって、相補型金属酸化物半導体(CMOS)装置における高誘電率(high-k)誘電体および金属ゲート電極の集積化では、新しい代替物を処理フローに導入する必要がある。
【0007】
金属ゲート電極に関して、PMOSよりもNMOSについて異なる仕事関数が必要であるため、仕事関数の調整は単純ではない。ポリシリコンゲート電極の仕事関数は、イオン注入(implantation)によって調整可能であるのに対して、金属ゲート電極の仕事関数は、容易に変更できない材料特性である。
【0008】
金属ゲートの仕事関数についての要件に応じて、幾つかの集積化機構が、金属ゲートをCMOS処理フローに組み込むために可能である。例えば、完全にシリサイド化した(FUSI)金属ゲートや、2つの異なるバンド端の金属ゲート、または選択的に調整した仕事関数を備えた単一の金属ゲートを用いて、nチャネル素子およびpチャネル素子について所望の値を作成できる。
【0009】
NMOSおよびPMOSトランジスタの仕事関数を独立に調整するために、NMOSおよびPMOSトランジスタの上に、異なる誘電体材料または異なる誘電体キャップ層を配置できることが必要であろう。NMOSおよびPMOSについて異なる誘電体材料の集積化では、誘電体材料がウエハ上に堆積したブランケット(blanket)であり、n型およびp型トランジスタのうちの1つから除去しなければならない。例えば、文献(Hyung-Suk Jung et al. and presented at 2006 Symposium on VLSI Technology)では、窒素およびフッ素を取り込んだ選択AlOxエッチングプロセスを用いた、デュアル高誘電率(high-k)ゲート誘電体技術が提案されている。最終結果は、図1に示している。
【0010】
基板100において、浅い溝分離(STI)101を用いて、PMOS領域およびNMOS領域が規定される。CMOS素子は、NMOSについてはHfSiO 102/ポリ−Si 104の積層を備え、PMOSについてはHfSiO 102/AlOx 103/ポリ−Si 104の積層を備える。
【0011】
プロセス集積化機構では、AlOx 103からなる誘電体キャップ層が高誘電率(high-k)誘電体102の上に設けられ、PMOSの仕事関数を調整している。高誘電率(high-k)誘電体102(HfSiO)の堆積後、第1の堆積後(post)アニールが行われ、HFエッチング溶液に対してより良い選択性を持つようにする。HfSiO上のAlOx 103の堆積後、第2の堆積後(post)アニールが行われる。PMOS領域をブロックするためのフォトレジストのパターン形成に続いて、HF溶液によってAlOx 103がNMOS領域から除去される。ポリ−Si 104の堆積後、残りの処理工程については標準的なCMOS集積手順が採用できる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
例えば、文献(Hyung-Suk Jung et al.)に提案されたような先行技術の方法を用いた主な不具合は、下地となる高誘電率(high-k)誘電体を損傷させることなく、誘電体キャップ材料を除去することが困難な点である。
【0013】
本発明の目的は、複数の誘電体を備えた半導体装置を製造するためのより良い方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明の利点は、ホスト誘電体材料とも称される、同じ誘電体材料を半導体装置の異なる半導体構造に使用する点である。1つのホスト誘電体材料(即ち、第1誘電体材料)が、異なる半導体構造に使用されるため、処理が、周知である従来のCMOSプロセスに接近し、ゲート誘電体材料の完全性性能のより良い制御を与える。
【0015】
本発明の利点は、下地となる第1誘電体材料を損傷させることなく、第2誘電体材料及び/又は第3誘電体材料を設けることができる点である。ホスト誘電体材料(即ち、第1誘電体材料)は、犠牲層の使用により、処理全体の間で無傷のままとなる。
【0016】
基板上に、第1誘電体材料を設けることと、
基板の少なくとも第1領域に、第1誘電体材料を覆うパターン化した犠牲層を設けることと、
第1領域ではパターン化した犠牲層を覆い、基板の少なくとも第2領域では第1誘電体材料を覆う第2誘電体材料を設けること(第2領域は、第1領域と異なる)と、
第2誘電体材料をパターン化して、パターン化した第2誘電体材料が、第2領域では第1誘電体材料を覆い、第1領域ではパターン化した犠牲層を覆わないようにすることと、
パターン化した犠牲層を除去することとを含む半導体装置の製造方法が開示されている。
【0017】
本発明の好ましい実施形態において、パターン化した犠牲層を除去することは、犠牲層によって覆われた第1誘電体材料を損傷することなく行ってもよい。
【0018】
本発明の好ましい他の実施形態において、半導体装置の製造方法は、第1電極を第1領域に、第2電極を第2領域に設けることをさらに含んでもよい。
【0019】
第1電極および第2電極は、同じ電極材料層で形成してもよい。代替として、第1電極および第2電極は、異なる電極材料層で形成してもよい。
【0020】
前記電極材料は、金属含有材料であってもよい。金属含有材料は、金属、金属合金、金属シリサイド(silicide)、導電性金属窒化物(nitride)、または導電性金属酸化物(oxide)の何れかを含む。前記電極材料は、Ta,Hf,Mo,W,またはRuを含んでもよい。前記電極材料は、ポリシリコンでもよい。
【0021】
前記第1及び/又は第2電極は、シリサイド化した電極でもよい。前記シリサイド化した第1及び/又は第2電極は、完全にシリサイド化(fully silicided)されることが好ましい。
【0022】
本発明の好ましい他の実施形態において、半導体装置の製造方法は、
第2誘電体材料を設けた後、第2誘電体材料の上に、これと接触する第2電極を形成することと、
第2電極をパターン化して、第2電極が、第2領域では第2誘電体材料を覆い、第1領域では第1誘電体材料を覆わないようにすることと、をさらに含んでもよく、
第2電極のパターン化および第2誘電体材料のパターン化は、同時に行うようにする。
【0023】
第1誘電体材料は、シリコンベースの誘電体材料を含んでもよい。シリコンベースの誘電体材料は、SiO,Si,またはSiONを含んでもよい。
【0024】
第1誘電体材料は、高誘電率(high-k)誘電体材料を含んでもよい。高誘電率(high-k)誘電体材料は、Al,Si,Gd,Yb,Dy,Nb,Y,La,ZrO,HfO,TiO,Ta,SrTiO,BaSr1−xTiO,ZrO25,ZrSi1−x,HfSi1−x,AlZr1−x,Prまたはこれらの何れの組合せを含んでもよい。
【0025】
第2誘電体材料は、第1及び/又は第2電極の仕事関数を調整するのに適した材料を含んでもよい。第2誘電体材料は、誘電体キャップ層でもよい。第2誘電体材料は、LaO(N),AlO(N),AlN,DyO(N),ScO(N),GdO(N),CeO(N),TbO(N),ErO(N),YbO(N)またはこれらの何れの組合せを含んでもよい。
【0026】
犠牲層は、TiN,Geまたはアモルファス・カーボンを含んでもよい。
【0027】
第1誘電体材料は、0.2nm〜3nm(2Å〜30Å)の範囲の等価酸化物膜厚を有してもよい。
【0028】
第2誘電体材料は、0.2nm〜1nm(2Å〜10Å)の範囲の等価酸化物膜厚を有してもよい。
【0029】
犠牲層は、5nm〜100nmの範囲の厚さを有してもよい。
【0030】
本発明の好ましい他の実施形態において、半導体装置の製造方法は、第1領域において、第1誘電体材料と第1電極の間に第3誘電体材料を設けることをさらに含んでもよい。
【0031】
前記第3誘電体材料を設けることは、
第1領域では第1誘電体材料を覆い、第2領域では第2誘電体材料を覆う第3誘電体材料を設けることと、
第3誘電体材料をパターン化して、パターン化した第3誘電体材料が、第1領域では第1誘電体材料を覆い、第2領域では第2誘電体材料を覆わないようにすることと、を含んでもよい。
【0032】
第3誘電体材料は、第1及び/又は第2電極の仕事関数を調整するのに適した材料を含んでもよい。第3誘電体材料は、LaO(N),AlO(N),AlN,DyO(N),ScO(N),GdO(N),CeO(N),TbO(N),ErO(N),YbO(N)またはこれらの何れの組合せを含んでもよい。第3誘電体材料は、0.2nm〜1nm(2Å〜10Å)の範囲の等価酸化物膜厚を有してもよい。
【0033】
本発明の上記または他の特性、特徴および利点は、本発明の原理を例として示した添付図面と関連した下記詳細な説明から明らかとなろう。この説明は、本発明の範囲を制限することなく、例示のために過ぎない。下記の参照図は添付図面を参照している。
【0034】
全ての図面は、本発明の幾つかの態様および実施形態を示すことを意図している。記載した図面は、概略的であって、非限定なものである。図面において、幾つかの要素のサイズは、強調しているかもしれず、説明目的のため縮尺どおりには描いていない。
【0035】
例示の実施形態は、図面の参照図に図示されている。ここで開示した実施形態および図は、限定的ではなくて例示的であることを意図している。
【発明を実施するための最良の形態】
【0036】
本発明の1つ又はそれ以上の実施形態について、添付した図面を参照しつつ詳細に説明する。本発明は、これによっては限定されず、請求項によって限定される。記載した図面は、概略的であって、非限定なものである。図面において、幾つかの要素のサイズは、強調しているかもしれず、説明目的のため縮尺どおりには描いていない。寸法および相対寸法は、本発明の現実の実施に必ずしも対応していない。当業者は、本発明の範囲に包含される本発明の数多くの変形および修正を認識することができる。従って、好ましい実施形態の説明は、本発明の範囲を制限するものとみなすべきでない。
【0037】
さらに、説明および請求項の中の用語「第1」「第2」等は、類似した要素を区別するために用いており、必ずしも連続した順番または時系列の順番を記述するためのものでない。こうして用いた用語は、適切な状況下で交換可能であって、ここで説明した本発明の実施形態がここで説明または図示した以外の他の順番で動作可能であると理解すべきである。
【0038】
さらに、説明および請求項の中の用語「上(above)」、「底(bottom)」、「の上に(over)」、「の下に(under)」等は、説明目的で使用しており、必ずしも相対的な位置を記述するためのものでない。こうして用いた用語は、適切な状況下で交換可能であって、ここで説明した本発明の実施形態がここで説明または図示した以外の他の向きで動作可能である。例えば、要素の「下(underneath)」と「上(above)」は、この要素の対向する側に配置されていることを示す。
【0039】
請求項で使用した用語「備える、含む(comprising)」は、それ以降に列挙された手段に限定されるものと解釈すきべきでなく、他の要素またはステップを除外していないことに留意すべきである。そして「手段A,Bを備える素子」という表現の範囲は、構成要素A,Bだけからなる素子に限定すべきでない。本発明に関して、素子の関連した構成要素だけがA,Bであることを意味する。
【0040】
下記において、ドレイン、ソースおよびゲートを有する電界効果トランジスタなどの参照デバイス構造を用いて、ある実施形態について説明しているが、本発明の態様はこれに限定されない。下記において、シリコン基板を参照しつつある実施形態について説明しているが、ある発明の態様は他の半導体基板にも等しく適用されると理解すべきである。実施形態において、「基板」は、例えば、シリコン、ガリウムヒ素(GaAs)、ガリウムヒ素リン(GaAsP)、インジウムリン(InP)、ゲルマニウム(Ge)またはシリコンゲルマニウム(SiGe)の基板などの半導体基板を含んでもよい。「基板」は、半導体基板部に追加された、例えば、SiOまたはSi層などの絶縁層を含んでもよい。こうして用語「基板」は、シリコン・オン・ガラス、シリコン・オン・サファイアの基板を含んでもよい。用語「基板」は、興味のある層または部分の下地となる層に関する要素を一般的に定義するために使用している。「基板」は、例えば、ガラスまたは金属の層など、その上にある層が形成される何れか他のベースでもよい。従って、基板は、ブランケットウエハなどのウエハでもよく、あるいは他のベース材料に成膜した層、例えば、下層の上に成長したエピタキシャル層などでもよい。
【0041】
幾つかの実施形態は、CMOSデバイスを提供するCMOSプロセスへの組み込みに適している。こうしたプロセスにおいて、活性領域は、半導体層をドーピングすることによって形成できる。活性領域は、例えば、As,B,Ph,Sbなどのドーピングの注入(implantation)によって活性化する何れの領域として規定される。MOSデバイスにおいて、この活性領域は、しばしばソース領域及び/又はドレイン領域と称される。しかしながら、ある発明の態様はこれに限定されない。
【0042】
本発明は、異なる半導体構造を含み、少なくとも第1および第2誘電体材料を含む半導体装置の製造方法を提供する。本発明の方法によれば、下地となる誘電体材料を損傷することなく除去可能な犠牲層が用いられる。
【0043】
本発明に係る方法は、基板上に、第1誘電体材料を設けることと、
基板の少なくとも第1領域に、第1誘電体材料を覆うパターン化した犠牲層を設けることと、
前記第1領域ではパターン化した犠牲層を覆い、基板の少なくとも第2領域では第1誘電体材料を覆う第2誘電体材料を設けること(第2領域は、第1領域と異なる)と、
前記第2誘電体材料をパターン化して、前記パターン化した第2誘電体材料が、前記第2領域では第1誘電体材料を覆い、第1領域ではパターン化した犠牲層を覆わないようにすることと、
前記パターン化した犠牲材料を除去することとを含む。
【0044】
本発明に係る方法は、半導体デバイスを製造するための多くの方法で使用できる。一例は、異なる半導体構造を含み、それぞれが制御電極、例えば、ゲート電極と、少なくとも2つの主電極、例えば、ソース電極およびドレイン電極とを含む半導体デバイスの製造である。以下の説明では、2つの半導体構造を有し、それぞれが制御電極としてゲート電極と、第1および第2主電極としてソースおよびドレイン領域を備えた半導体デバイスの製造について説明している。この例は、説明容易のために用いており、本発明を限定するものではない。
【0045】
本発明の実施形態に係る半導体デバイスの製造方法は、図6のフローチャートに示しており、異なるステップを図示している。
【0046】
第1ステップ610は、基板内で少なくとも第1領域を規定することと、前記基板内で少なくとも第2領域を規定することとを含み、第1領域は第2領域と異なっている。基板は、上述したような何れのタイプの基板でもよい。第1領域とは、基板の少なくとも一部を意味する。第2領域とは、基板の少なくとも他の部分を意味する。第1領域と第2領域の間に重複部分は存在しない。第1領域および第2領域は、例えば、浅い溝分離(STI:shallow trench isolation)ゾーンまたはシリコン局所酸化(LOCOS:local oxidation of silicon)ゾーンなど、前記第1および第2領域の間の分離を用いて分離してもよい。
【0047】
第2ステップ611において、第1誘電体材料は、基板上に、例えば、前記基板の前記第1領域および前記第2領域の上に設けられる。前記誘電体材料は、基板全体を覆ってもよく、その一部だけを覆ってもよい。前記第1誘電体材料は、半導体デバイス全体について、即ち、基板上に形成された異なる半導体構造について同一であるホスト誘電体材料として機能する。この例において、第1誘電体材料またはホスト誘電体材料は、第1領域および第2領域の両方について同一である。ホスト誘電体材料とは、誘電体材料が、主たる目的として、半導体デバイスにおける制御電極誘電体、例えば、ゲート誘電体として、即ち、制御電極、例えば、ゲート電極と、半導体デバイスを形成する半導体構造のチャネル領域との間の誘電体バリアとして用いられることを意味する。
【0048】
第3ステップ612において、パターン化した犠牲層を設けて、基板の少なくとも第1領域で第1誘電体材料を覆うようにする。前記パターン化した犠牲層は、前記第1領域において、前記下地となる第1誘電体材料の上にあって、これと接触している。「接触」とは、犠牲層が、基板と犠牲層との間に位置決めされた第1誘電体材料と直接に接していることを意味し、換言すると、犠牲層は、パターン化した犠牲層の下に横たわる誘電体材料と直接に接していることを意味する。「犠牲」とは、この層が、本発明の実施形態に係る方法によって形成された半導体デバイスの適切な作動のための機能を有していないことを意味する。換言すると、犠牲層は、半導体デバイスの適切な電気的作動に必要ではない。犠牲層は、本発明に係る方法の処理フローまたは異なるステップにおける支援として機能する。エッチングや除去ステップなどの後続の処理ステップの際、犠牲層は、下地となる材料、即ち、下地となる第1誘電体材料、即ち、下地となるホスト誘電体材料への損傷を防止するために用いられることが本発明の利点である。
【0049】
次のステップ613は、第1領域ではパターン化した犠牲層を覆い、第2領域では第1誘電体材料を覆う第2誘電体材料を設けることを含む。前記第2誘電体材料は、前記第1領域では前記パターン化した犠牲層の上にあって、これと直接に接触しており、前記第2領域では前記第1ゲート誘電体材料の上にあって、これと直接に接触している。換言すると、第1領域において、犠牲層は、第2誘電体材料と第1誘電体材料の間に挟まれており、一方、第2領域では、第2誘電体材料は、第1誘電体材料の上にあって、これと直接に接触している。第2領域において、第1誘電体材料は、基板と第2誘電体材料の間に挟まれている。第2誘電体材料は、第2領域での仕事関数を所望の値に調整するために用いられる。
【0050】
次のステップ614において、前記第2誘電体材料はパターン化されて、パターン化した第2誘電体材料が、第2領域では第1誘電体材料を覆い、第1領域ではパターン化した犠牲層を覆わないようにする。前記パターン化した第2誘電体材料は、前記第2領域において前記第1誘電体材料の上にあり、これと直接に接触した状態にある。換言すると、第2誘電体材料は、第2誘電体材料をパターン化した後、第1領域にはもはや存在していない。
【0051】
次のステップ615において、前記パターン化した犠牲層は除去される。パターン化した犠牲層の除去は、下地となる第1誘電体材料をほぼ損傷することなく行われる。
【0052】
本発明は、本発明の幾つかの特定の実施形態についての詳細な説明によって説明する。本発明の他の実施形態は、本発明の真の精神または技術的な教示から逸脱することなく、当業者の知識に従って構成可能であることは明らかであり、本発明は添付請求項の用語によってのみ限定される。
【0053】
図2A〜図2Hは、下地となる誘電体材料を損傷することなく除去可能な犠牲層を用いて、本発明の実施形態に従って、半導体基板200の上に複数の誘電体材料を備えた半導体デバイスを製造するための方法を示す。
【0054】
本発明の本実施形態に係る第1ステップにおいて、少なくとも第1領域および第2領域が基板内に規定される(図2A)。好ましくは、基板200は、複数の別個の領域を含んでもよい。最も好ましくは、2つの別個の領域は基板200内に規定してもよく、図2Aに示すように、第1領域210a(左側に見える)と第2領域210b(右側に見える)とである。第2領域は、別個であり、第1領域とは重なっていない。前記第1領域は、例えば、前記半導体デバイスのNMOS領域を提供できるものであり、前記第2領域は、例えば、前記半導体デバイスのPMOS領域を提供できるものであり、あるいは逆も同様である。
【0055】
前記第1領域および第2領域を互いに分離する可能な方法は、間にある浅い溝分離(STI)201を用いることである。STIは、集積回路の半導体基板内で隣接デバイス間にエッチングされ、酸化物で充填された深く狭い溝であり、両者間に電気分離を提供している。代替として、シリコン局所酸化(LOCOS)を使用してもよい。代替として、例えば、シリコン・オン・インシュレータ(SOI)基板を用いた場合には、メサ分離を使用してもよい。
【0056】
最初に、基板200の表面は、例えば、RCAクリーンなどの標準的なクリーニング技術を用いて前洗浄してもよく、ウエハ表面または半導体基板の上にある有機汚染物や元々の酸化物を除去する。
【0057】
本発明の本実施形態に係る次のステップでは、第1誘電体材料202が基板200の上に設けられる(図2A)。
【0058】
第1誘電体材料202は、好ましくは、高誘電率(high-k)誘電体材料を含んでもよい。本発明の実施形態によれば、高誘電率(high-k)材料は、3.9より大きい、例えば、4より高く、4〜30の範囲にあるk値を有してもよい。典型的な値は、10〜12の範囲である。約4またはこれより高い誘電率を有する誘電体材料の例は、例えば、Al,Si,Gd,Yb,Dy,Nb,Y,La,ZrO,HfO,TiO,Ta,SrTiO,BaSr1−xTiO,ZrO25,ZrSi1−x,HfSi1−x,AlZr1−x,Prまたはこれらの何れの組合せである。前記高誘電率(high-k)誘電体材料は、通常、化学気相成長(CVD)技術によって成膜してもよい。最も広く用いられるものは、金属有機CVD(MOCVD)および原子層堆積(ALD)である。物理気相成長(PVD)も使用できる。代替として、前記第1誘電体材料202は、当業者に知られた他の適切な成膜技術を用いて成膜してもよい。
【0059】
第1誘電体材料202は、代替として、例えば、Si,SiO,SiONまたは何れか他のシリコンベースの誘電体など、他の誘電体材料でもよい。前記第1誘電体材料202の成膜は、酸化、例えば、UV酸化、プラズマ酸化、急速熱(rapid thermal)酸化などで行ってもよい。
【0060】
第1誘電体材料202は、好ましくは、0.2nm〜3nm(2Å〜30Å)の範囲、0.2nm〜2nm(2Å〜20Å)の範囲、0.2nm〜1nm(2Å〜10Å)の範囲にある等価酸化物膜厚(EOT)を有してもよい。膜厚Tおよび比誘電率kを持つゲート誘電体については、EOTは、EOT=T/(k/3.9)で定義される。ここで、3.9は、熱シリコン酸化物の比誘電率である。
【0061】
こうして膜厚Tのゲート誘電体を備えたMOSFETでは、理想的な単位面積当りのゲート容量は、膜厚EOTを持つ熱二酸化シリコンからなるゲート誘電体を備えた同様なMOSFETと同じである。例として、比誘電率16を持つ第1誘電体材料202は、約4.1nmの物理厚さで1nmのEOTを得ることが可能になる。
【0062】
前記第1誘電体材料202は、前記基板200の少なくとも第1および少なくとも第2領域210a,210bの両方に成膜され、ホスト誘電体材料とも称される。前記第1誘電体材料202は、半導体デバイス全体に渡って、即ち、第1領域210aおよび第2領域210bの両方に存在するホスト誘電体材料として機能する。ホスト誘電体材料とは、誘電体材料が、主たる目的として、半導体デバイスにおける制御電極誘電体、例えば、ゲート誘電体として、即ち、制御電極、例えば、ゲート電極と、半導体デバイスのチャネル領域との間の誘電体バリアとして用いられることを意味する。
【0063】
次に、第1誘電体材料202の電気的特性を改善するために、成膜後アニール(PDA:post-deposition annealing)を行ってもよい。
【0064】
本発明の本実施形態に係る次のステップにおいて、パターン化した犠牲層204が前記第1誘電体材料202の上に設けられる(図2A)。このパターン化犠牲層204の1つの目的は、下地となる誘電体材料(本実施形態によれば、第1誘電体材料202)を、例えば、第2誘電体材料のパターン化の際など、後続の処理ステップから保護することである。
【0065】
材料が、犠牲層204をパターン化するために用いられるエッチング薬品に対して鋭敏である場合、多くの誘電体材料は著しく損傷を受けることがあることは先行技術から知られている。これは、前記犠牲層204の一部を除去するステップを含む何れか後続の処理ステップにおいて、前記犠牲層204の除去は、下地となる誘電体材料に関して選択的に行うことができるか、あるいは下地となる誘電体材料(本実施形態によれば、第1誘電体材料202、即ち、ホスト誘電体材料)への損傷無しで行うようにする必要があることを意味する。
【0066】
前記犠牲層204を除去するのに要する薬品は、使用する下地となる誘電体材料に対して適合させるべきである。「犠牲」とは、この層が、本発明の実施形態に係る方法によって形成された半導体デバイスの適切な作動のための機能を有していないことを意味する。換言すると、犠牲層204は、半導体デバイスの適切な電気的作動に必要ではない。犠牲層204は、本発明に係る方法の処理フローまたは異なるステップにおける支援として機能する。エッチングや除去ステップなどの後続の処理ステップの際、犠牲層204は、下地となる材料、即ち、本実施形態によれば、下地となる第1誘電体材料202、即ち、下地となるホスト誘電体材料への損傷を防止するために用いられることが本発明の利点である。
【0067】
本発明の実施形態によれば、犠牲層204は、下地となる誘電体材料、本実施形態によれば、第1誘電体材料202を損傷することなく除去可能である何れの材料を含んでもよい。より好ましくは、犠牲層204は、TiN、Geまたはアモルファス・カーボンを含んでもよい。
【0068】
犠牲層204の膜厚は、前記犠牲層204を除去するために用いられる薬品に依存して、5〜100nmの範囲であってもよい。例えば、前記犠牲層204が、下地となる誘電体材料に対して選択的であるウェットエッチングによって除去される場合、前記犠牲層204の膜厚は、好ましくは5〜30nmの範囲でもよい。例えば、前記犠牲層204が、下地となる誘電体材料に対して選択的であるリフトオフ(lift-off)によって除去される場合、前記犠牲層204の膜厚はより厚いのが好ましく、例えば、10〜100nmの範囲でもよい。
【0069】
前記犠牲層204は、通常、CVD,ALDまたはPVD技術によって成膜してもよい。代替として、前記犠牲層204は、当業者に知られた他の適切な低温成膜技術を用いて成膜してもよい。前記犠牲層204の成膜後、犠牲層204は、下地となる第1誘電体材料202と直接に接触している。こうして第1誘電体材料202は、基板200と犠牲層204との間に位置決めされる。
【0070】
前記犠牲層204は、犠牲層204が前記基板の第1領域210aだけに残り、前記基板の前記第2領域210bから除去されるようにして、パターン化する必要がある(図2B)。換言すると、本実施形態によれば、パターン化した犠牲層204は、第1領域210aでは第1誘電体材料202を覆っているが、基板200の第2領域210bでは第1誘電体材料202を覆っていない。前記犠牲層204のパターン化では、例えば、レジスト205など、マスキング材料205が前記犠牲層204の上に成膜され、続いてリソグラフステップが行われる。
【0071】
リソグラフステップは、マスクを用いてレジスト205を露光し、続いて、露光領域をパターン化して、前記露光領域(即ち、本実施形態では、前記第2領域210b)が除去されるようにする。代替として、使用するリソグラフの種類に依存して、第1領域210aが露光され、レジストの未露光部分、即ち、第2領域210bにあるレジストが除去される。
【0072】
前記リソグラフステップの後、前記犠牲層204は、例えば、エッチングステップを用いることによって、前記第2領域210bから容易に除去できる。犠牲層204を第2領域210bから除去するために、好ましくは、ウェットエッチングを使用してもよい。本発明によれば、前記エッチング薬品は、エッチングステップの際、前記下地となる第1誘電体材料202が損傷しないようにすることが好ましい。
【0073】
前記犠牲層204をパターン化する前記ステップの後、前記マスキング材料205、例えば、レジストが、除去され、例えば、剥離される。除去、例えば、剥離が完了した後、脱イオン水を用いたリンスが行われ、残留する薬品やレジスト材料を除去する。
【0074】
本発明の本実施形態に係る次のステップでは、第2誘電体材料203が、前記第1領域210aでは、前記パターン化した犠牲層204の上に、これと接触するように設けられ、前記第2領域210bでは、前記第1誘電体材料202の上に、これと接触するように設けられる(図2C)。換言すると、第2誘電体材料203は、第1領域210aではパターン化した犠牲層204を覆っており、基板200の第2領域210bでは第1誘電体材料202を覆っている。
【0075】
前記第2誘電体材料203は、典型的には、CVD,ALDまたはPVD技術によって成膜してもよい。代替として、前記第2誘電体材料203は、当業者に知られた他の適切な低温成膜技術を用いて成膜してもよい。第2誘電体材料203を設けるステップの後、前記パターン化した犠牲層204は、前記第1領域210aにおいて、前記第1誘電体材料202と前記第2誘電体材料203の間にある。第2誘電体材料203を設けるステップの後、前記第2誘電体材料203は、前記第2領域210bにおいて、前記第1誘電体材料202と直接に接触している。
【0076】
本発明の本実施形態によれば、前記第2誘電体材料203は、後続の処理ステップにおいて前記第1誘電体材料202の上に形成されるゲート電極の仕事関数を調整できる誘電体材料を含んでもよい。こうした誘電体材料は、しばしば誘電体キャップ層と称される。
【0077】
前記誘電体材料は、LaO(N),AlO(N),AlN,DyO(N),ScO(N),GdO(N),CeO(N),TbO(N),ErO(N),YbO(N)またはこれらの何れの組合せ、あるいは誘電体/金属界面、例えば、誘電体/金属制御電極界面、例えば、誘電体/金属ゲート電極界面、の仕事関数を調整できる何れか他の誘電体材料を含んでもよい。
【0078】
第2誘電体材料203は、好ましくは、0.2nm〜1nm(2Å〜10Å)の範囲、0.2nm〜0.5nm(2Å〜5Å)の範囲にある等価酸化物膜厚(EOT)を有してもよい。
【0079】
本発明の本実施形態に係る次のステップでは、前記第2誘電体材料203はパターン化されて、前記第2誘電体材料203は前記第1領域210aでは除去されるが、パターン化した第2誘電体材料203は、前記第2領域210bでは前記第1誘電体材料202の上にあって、これと接触するようにしている(図2D,図2E,図2F)。前記第2誘電体材料203のパターン化では、例えば、レジストなど、マスキング材料205’が前記第2誘電体材料203の上に成膜され、続いてリソグラフステップが行われる(図2D)。
【0080】
このリソグラフステップは、マスクを用いてレジストを露光し、続いて、露光領域をパターン化して、前記露光領域(即ち、前記第1領域210a)が除去されるようにする(図2E)。代替として、使用するリソグラフの種類に依存して、第2領域210bが露光され、レジストの未露光部分、即ち、第1領域210aにあるレジストが除去される。
【0081】
前記リソグラフステップの後、前記第2誘電体材料203は、材料に応じてドライエッチングまたはウェットエッチング技術を用いて、エッチングすることができる(図2E)。第1領域210aでは、犠牲層204が前記第1誘電体材料202と前記第2誘電体材料203の間にあるため、前記第2誘電体材料203についてのこのエッチングステップは、第1誘電体材料202が損傷しないように行うことができる。
【0082】
前記第2誘電体材料203のエッチングは、犠牲層204に関して選択的に実施することができ、前記犠牲層204の上で停止するようになる。ある誘電体材料は、下地となる誘電体材料を損傷しないで除去することができないことが知られている。本発明によれば、間にある犠牲層を使用することによって、この問題を回避することができる。
【0083】
本発明の本実施形態に係る次のステップでは、前記パターン化した犠牲層204が除去される(図2F)。前記第2誘電体材料203をパターン化した後、前記下地にある犠牲層204は、例えば、エッチングステップを用いることによって、前記第1領域210aから容易に除去できる。犠牲層204を除去するために、好ましくは、ウェットエッチングが用いられる。前記エッチング薬品は、エッチングステップの際、前記下地となる第1誘電体材料202が損傷しないようにするものである。
【0084】
犠牲層204を除去する前記ステップの後、第1領域210aは、第1誘電体材料202を備え、第2領域210bは、第1誘電体材料202と、第1誘電体材料202の上にある第2誘電体材料203とを備える(図2F)。
【0085】
代替として、前記第2誘電体材料203のパターン化と、第1領域210aでの犠牲層204の除去とを同時に実施してもよい。これは、第1領域210aにおいて前記犠牲層204のリフトオフによって行うことができる。前記第1領域210aにおいて犠牲層204のリフトオフを行う場合、第2誘電体材料203の重複部分もリフトオフされるようになる。こうして第1誘電体材料202が前記第1領域210a(および前記第2領域210b)に残って、第2誘電体材料203は、前記第2領域210bにおいて前記第1誘電体材料202の上にあり、これと接触している。
【0086】
本発明の実施形態によれば、前記パターン化した犠牲層204を除去する前記ステップの後、第1電極、例えば、第1ゲート電極が、前記第1領域210aにおいて前記第1誘電体材料202の上に、これと接触するように形成することができ、第2電極、例えば、第2ゲート電極が、前記第2領域210bにおいて、前記第2誘電体材料203の上に、これと接触するように形成することができる。
【0087】
本発明の実施形態によれば、第1電極は第2電極と同じでもよく、換言すると、第1電極および第2電極、例えば、第1ゲート電極および第2ゲート電極は、同じ層の電極材料、例えば、ゲート材料で形成できる。こうして、前記パターン化した犠牲層204を除去する前記ステップの後、代替として、ゲート電極206は、前記第1領域210aでは前記第1誘電体材料202の上に、これと接触するように、そして、前記第2領域210bでは前記第2誘電体材料203の上に、これと接触するように形成することができる(図2G)。
【0088】
前記第1及び/又は第2ゲート電極材料206は、金属含有材料を含んで、ゲート電極を形成することができる。金属含有材料では、金属、金属合金、金属シリサイド(silicide)、導電性金属窒化物(nitride)、導電性金属酸化物(oxide)が考えられ、例えば、金属含有材料は、Ta,Hf,Mo,W,またはRuを含んでもよく、あるいはTaベースの金属、例えば、TACを含んでもよい。
【0089】
使用する金属含有材料に応じて、前記金属含有材料の仕事関数は、従来のp型ドープ半導体の仕事関数または従来のn型ドープ半導体の仕事関数と同程度であってもよい。例えば、ニッケル(Ni)、ルテニウム酸化物(RuO)およびモリブデン窒化物(MoN)は、p型ドープ半導体材料と同程度の仕事関数を有する。例えば、ルテニウム(Ru)、ジルコニウム(Zr)、ニオブ(Nb)、タンタル(Ta)、チタンシリサイド(TiSi)は、n型ドープ半導体材料と同程度の仕事関数を有する。
【0090】
例えば、前記第1領域210aが前記半導体デバイスのNMOSトランジスタを備え、前記第2領域210bが前記半導体デバイスのPMOSトランジスタを備える場合、n型金属ゲート電極206を、前記第1および第2領域210a,210bの両方に成膜してもよい。PMOS領域(前記第2領域)における前記n型金属ゲート電極206の仕事関数を調整するためには、第2誘電体材料203が前記第1誘電体材料202の上に成膜される。
【0091】
前記ゲート電極206は、代替として、ポリシリコンを含んでもよく、あるいは完全シリサイド化(FUSI)金属ゲートであってもよい。FUSI技術において、従来のCMOSプロセスのように、薄いポリシリコンゲートが成膜される。次に、金属(例えば、ニッケルまたはハフニウム)が成膜され、続いて急速熱アニール(RTA:rapid thermal anneal)が行われ、膜を完全にシリサイド化する。
【0092】
ゲート電極206の成膜後、当業者に知られた従来のCMOSプロセスのような更なる処理ステップを実施してもよい(図2H)。前記処理ステップは、前記ゲート電極206、第1誘電体材料202および第2誘電体材料203のパターン化、前記第1領域210aおよび前記第2領域210bにおけるソース領域およびドレイン領域を形成するための注入ステップ、ゲート電極206の側方にスペーサの形成を含んでもよい。
【0093】
本発明の他の実施形態によれば、さらに、第3誘電体材料を設けてパターン化してもよく、前記パターン化した第3誘電体材料が、前記第1領域210aにおいて前記第1誘電体材料202の上にあって、これと接触するようにしてもよい(図3A〜図3K)。第3誘電体材料は、第1領域において第1誘電体材料と第1電極の間に設けてもよい。
【0094】
本実施形態に係る方法の第1ステップは、第1実施形態で説明したような方法で実施されるステップと同様であり、即ち、第1領域310aおよび第2領域310bを基板300内に規定するステップ(図3A)、第1誘電体材料302を前記基板300の上に設けるステップ(図3A)、犠牲層304をパターン化して、前記パターン化した犠牲層304が、前記第1領域310aでは前記下地となる第1誘電体材料302と接触するが、前記第2領域310bでは接触しないようにするステップ(図3B)、第2誘電体材料303を、前記第1領域310aでは前記パターン化した犠牲層304の上に、これと接触するように、前記第2領域310bでは前記第1ゲート誘電体302の上に、これと接触するように形成するステップ(図3C)、前記第2誘電体材料303をパターン化して、前記第2領域310bにおいて前記第1誘電体材料304の上に、これと接触するようにするステップ(図3D〜図3E)、前記パターン化した犠牲層304を除去するステップ(図3F)を含む。
【0095】
上述したステップを実施した後、第3誘電体材料307を、前記第1領域310aでは前記第1誘電体材料302の上に、これと接触するように、前記第2領域310bでは前記第2誘電体材料303の上に、これと接触するように設けてもよい(図3G)。第3誘電体材料は、第1領域における仕事関数を所望の値に調整するために用いられる。
【0096】
本発明の実施形態によれば、前記第3誘電体材料307は、後続の処理ステップにおいて第1領域310aで前記第1誘電体材料302の上に形成されるゲート電極の仕事関数を調整できる誘電体材料を含んでもよい。こうした誘電体材料は、しばしば誘電体キャップ層と称される。
【0097】
前記第3誘電体材料は、LaO(N),AlO(N),AlN,DyO(N),ScO(N),GdO(N),CeO(N),TbO(N),ErO(N),YbO(N)またはこれらの何れの組合せ、あるいは金属ゲート電極材料の仕事関数を調整できる何れか他の誘電体材料を含んでもよい。
【0098】
第3誘電体材料307は、好ましくは、0.2nm〜1nm(2Å〜10Å)の範囲、0.2nm〜0.5nm(2Å〜5Å)の範囲にある等価酸化物膜厚(EOT)を有してもよい。
【0099】
前記第3誘電体材料307を設けた後、前記第3誘電体材料307をパターン化して、前記第3誘電体材料307が、前記第1領域310aにおいて前記第1誘電体材料302の上にあり、これと接触するようにしてもよい(図3H〜図3I)。換言すると、第3誘電体材料307をパターン化した後、パターン化した第3誘電体材料307は、第1領域310aでは第1誘電体材料302を覆っているが、第2領域310bでは第2誘電体材料303を覆っていない。
【0100】
前記第3誘電体材料307のパターン化では、例えば、レジストなど、マスキング材料305”が前記第1領域310aにおいて前記第3誘電体材料307の上に成膜され、続いてリソグラフステップが行われる(図3H)。
【0101】
リソグラフステップは、マスクを用いてレジストを露光し、続いて、露光領域をパターン化して、前記露光領域(即ち、前記第2領域310b)が除去されるようにする。代替として、使用するリソグラフの種類に依存して、第1領域310aが露光され、レジスト305”の未露光部分、即ち、第2領域310bにあるレジストが除去される。
【0102】
前記リソグラフステップの後、前記第3誘電体材料307は、材料に応じてドライエッチングまたはウェットエッチング技術を用いて、エッチングされる(図3H)。前記第3誘電体材料307のエッチングは、第2誘電体材料303に関して選択的に実施することができ、前記第2誘電体材料303の上で停止するようになる。
【0103】
このパターン化ステップの後、前記第1領域310aは、前記下地となる第1誘電体材料302と接触した第3誘電体材料307を備え、前記第2領域310bは、前記下地となる第1誘電体材料302と接触した第2誘電体材料303を備える。
【0104】
本発明の実施形態によれば、制御電極、例えば、ゲート電極306が、前記第1領域310aでは前記第3誘電体材料307の上に、これと接触するように、そして、前記第2領域310bでは前記第2誘電体材料303の上に、これと接触するように形成することができる(図3J)。
【0105】
前記ゲート電極材料306は、金属含有材料を含んで、ゲート電極を形成することができる。金属含有材料では、金属、金属合金、金属シリサイド(silicide)、導電性金属窒化物(nitride)、導電性金属酸化物(oxide)が考えられる。金属に応じて、前記金属含有材料の仕事関数は、従来のp型ドープ半導体の仕事関数または従来のn型ドープ半導体の仕事関数と同程度であってもよい。例えば、ニッケル(Ni)、ルテニウム酸化物(RuO)およびモリブデン窒化物(MoN)は、p型ドープ半導体材料と同程度の仕事関数を有する。例えば、ルテニウム(Ru)、ジルコニウム(Zr)、ニオブ(Nb)、タンタル(Ta)、チタンシリサイド(TiSi)は、n型ドープ半導体材料と同程度の仕事関数を有する。
【0106】
例えば、前記第1領域310aが前記半導体デバイスのNMOSトランジスタを備え、第2領域310bが前記半導体デバイスのPMOSトランジスタを備える場合、n型金属ゲート電極306を、前記第1および第2領域310a,310bの両方に成膜してもよい。PMOS領域(前記第2領域)における前記n型金属ゲート電極306の仕事関数を調整するためには、第2誘電体材料303が前記第1誘電体材料302の上に成膜される。必要ならば、前記第1誘電体材料302の上に成膜される第3誘電体材料307によって、NMOS領域(前記第1領域310a)における前記n型金属ゲート電極306の仕事関数を調整してもよい。
【0107】
前記ゲート電極306は、代替として、ポリシリコンを含んでもよく、あるいは完全シリサイド化(FUSI)金属ゲートであってもよい。FUSI技術において、従来のCMOSプロセスのように、薄いポリシリコンゲートが成膜される。次に、金属(例えば、ニッケルまたはハフニウム)が成膜され、続いて急速熱アニール(RTA:rapid thermal anneal)が行われ、膜を完全にシリサイド化する。
【0108】
ゲート電極306の成膜後、当業者に知られた従来のCMOSプロセスのような更なる処理ステップを実施してもよい(図3K)。前記処理ステップは、前記ゲート電極306、第1誘電体材料302、第2誘電体材料303および第3誘電体材料307のパターン化、前記第1領域310aおよび前記第2領域310bにおけるソース領域およびドレイン領域を形成するための注入ステップ、ゲート電極306の側方にスペーサの形成を含んでもよい。
【0109】
本発明に係るさらに他の実施形態において、前記第2誘電体材料403を設けた後、第1ゲート電極を、前記第2誘電体材料403の上に、これと接触するように形成してもよい(図4A〜図4I)。
【0110】
本実施形態に係る方法の第1ステップは、第1および第2実施形態で説明したようなステップと同様であり、即ち、第1領域410aおよび第2領域410bを基板400内に規定するステップ(図4A)、第1誘電体材料402を前記基板400の上に設けるステップ(図4A)、犠牲層404をパターン化して、前記パターン化した犠牲層404が、前記第1領域410aでは前記下地となる第1誘電体材料402と接触するようにするステップ(図4B)、第2誘電体材料403を、前記第1領域410aでは前記パターン化した犠牲層404の上に、これと接触するように、前記第2領域410bでは前記第1誘電体材料402の上に、これと接触するように形成するステップ(図4C)を含む。
【0111】
上述したステップを実施した後、第1ゲート電極406を、基板200全体に渡って、本実施形態によれば、第1領域410aおよび第2領域410bに渡って、前記第2誘電体材料403の上に、これと接触するように設けてもよい(図4D)。
【0112】
前記第1ゲート電極材料406は、金属含有材料を含んで、ゲート電極を形成することができる。金属含有材料では、金属、金属合金、導電性金属シリサイド(silicide)、導電性金属窒化物(nitride)、導電性金属酸化物(oxide)が考えられる。金属含有材料に応じて、前記金属含有材料の仕事関数は、従来のp型ドープ半導体の仕事関数または従来のn型ドープ半導体の仕事関数と同程度であってもよい。例えば、ニッケル(Ni)、ルテニウム酸化物(RuO)およびモリブデン窒化物(MoN)は、p型ドープ半導体材料と同程度の仕事関数を有する。例えば、ルテニウム(Ru)、ジルコニウム(Zr)、ニオブ(Nb)、タンタル(Ta)、チタンシリサイド(TiSi)は、n型ドープ半導体材料と同程度の仕事関数を有する。
【0113】
例えば、前記第1領域410aが前記半導体デバイスのNMOSトランジスタを備え、第2領域410bが前記半導体デバイスのPMOSトランジスタを備える場合、n型金属ゲート電極406を前記NMOS(第1)領域の上に成膜してもよく、p型金属ゲート電極406を前記PMOS(第2)領域の上に成膜してもよい。前記p型金属ゲート電極406の仕事関数を調整するためには、第2誘電体材料403が、前記第2領域410bにおいて前記第1誘電体材料402の上に成膜される。
【0114】
前記第1ゲート電極406は、代替として、ポリシリコンを含んでもよく、あるいは完全シリサイド化(FUSI)金属ゲートであってもよい。FUSI技術において、従来のCMOSプロセスのように、薄いポリシリコンゲートが成膜される。次に、金属(例えば、ニッケルまたはハフニウム)が成膜され、続いて急速熱アニール(RTA:rapid thermal anneal)が行われ、膜を完全にシリサイド化する。
【0115】
次のステップにおいて、本実施形態に従って、前記第1ゲート電極406は、前記第2誘電体材料403のパターン化する同じステップでパターン化してもよく、前記第1ゲート電極406は、第2領域410bにおいて前記第2誘電体材料403の上にあって、これと接触するようにする(図4E〜図4F)。
【0116】
例えば、レジストなど、マスキング材料405’を前記第2領域410bにおいて前記第1ゲート電極406の上に成膜した後に、このパターン化ステップは、第1領域410aにおいて前記犠牲層404のリフトオフによって1つのステップで行ってもよい。続いてリソグラフステップが行われる。リフトオフ処理では、第2誘電体材料403および第1ゲート電極材料406が除去されることになる。
【0117】
代替として、異なるエッチングステップを実施してもよい。例えば、前記第1ゲート電極406を最初にエッチングし、次に、前記第2誘電体材料403をエッチングし、最後に、前記犠牲層404が、例えば、エッチングによって除去される。エッチングステップは、犠牲層404の材料に応じてウェットエッチングまたはドライエッチングを含んでもよい。
【0118】
この方法の利点は、第1ゲート電極406および第2誘電体材料403のエッチングステップの際、前記第1誘電体材料402と前記第2誘電体材料403の間に位置する保護用犠牲層404に起因して、下地となる第1誘電体材料402が損傷しない点である。さらに、他の利点は、レジストパターニングおよび第1ゲート電極406によるレジスト剥離の際、第2誘電体材料が保護される点である。
【0119】
前記パターン化ステップの後、レジスト405’が剥離され(図4G)、前記第1領域410aは第1誘電体材料402を備え、前記第2領域410bは、前記第1誘電体材料402と接する第2誘電体材料403の上にあって、これと接触する第1ゲート電極406を備える。
【0120】
本発明の実施形態によれば、第2ゲート電極408を形成してもよい(図4H)。前記第2ゲート電極408は、金属、ポリシリコンまたは完全シリサイド化金属ゲートを含んでもよく、これらは、仕事関数の調整の際に追加の自由度を提供する第1ゲート電極406と同じである必要はない。
【0121】
第1ゲート電極406及び/又は第2ゲート電極408を成膜する前記ステップの後、当業者に知られた従来のCMOSプロセスのような更なる処理ステップを実施してもよい(図4I)。前記処理ステップは、前記ゲート電極406のパターン化、前記第1領域410aおよび前記第2領域(410b)におけるソース領域およびドレイン領域を形成するための注入ステップ、ゲート電極406,408の側方にスペーサの形成を含んでもよい。
【0122】
本発明の他の実施形態によれば、例えば、NMOS領域(即ち、第1領域)における前記n型金属ゲート電極の仕事関数を調整するために、第3誘電体材料507を第1誘電体材料502の上に成膜してもよい(図5A〜図5J)。換言すると、複数の誘電体材料が設けられ、複数の制御電極が設けられ、第3誘電体材料は第1領域における第1制御電極を調整するためのものであり、第2誘電体材料は第2領域における第2制御電極を調整するためのものである。
【0123】
本実施形態に係る方法の第1ステップは、第1および第2実施形態で説明したようなステップと同様であり、即ち、第1領域510aおよび第2領域510bを基板500内に規定するステップ(図5A)、第1誘電体材料502、即ち、ホスト誘電体材料を前記基板500の上に設けるステップ(図5A)、犠牲層504をパターン化して、前記パターン化した犠牲層504が、前記第1領域510aでは前記下地となる第1誘電体材料502と接触するが、前記第2領域510bでは第1誘電体材料502を覆わないようにするステップ(図5B)、第2誘電体材料503を、前記第1領域510aでは前記パターン化した犠牲層504の上に、これと接触するように、前記第2領域510bでは前記第1誘電体材料502の上に、これと接触するように設けるステップ(図5C)を含む。
【0124】
第2誘電体材料503を設けた後、第2ゲート電極506を成膜してもよい。第2ゲート電極506は、前記第1および第2領域510a,510bを覆っている(図5D参照)。
【0125】
次に、第2ゲート電極506をパターン化して、パターン化した第2ゲート電極506は第2領域510bでは第2誘電体材料503を覆っているが、第1領域510aでは第1誘電体材料502を覆わないようにする(図5F参照)。パターン化は、第2領域510bでは第2ゲート電極506を覆い、第1領域510aでは覆っていない、例えば、レジストなどのマスク505’を設けることによって実施してもよい(図5E参照)。第2ゲート電極506をパターン化した後、マスク505’は除去される(図5G参照)。
【0126】
第2ゲート電極506の成膜およびパターン化のステップ後、第1ゲート電極508を成膜するステップの前に、第3誘電体材料507を設けて(図5H参照)、パターン化してもよく(図5I参照)、パターン化した第3誘電体材料507が第1領域510aでは第1誘電体材料502を覆っているが、第2領域510bではパターン化した第2ゲート電極506を覆わないようにする。
【0127】
前記第3誘電体材料のパターン化は、第1ゲート電極のパターン化と同時に実施してもよい(図5I参照)。前記パターン化は、レジスト505”などのマスキング材料とリソグラフステップを用いて実施してもよい。
【0128】
前記リソグラフステップの後、第2領域510bにおける前記第3誘電体材料507および前記第1ゲート電極材料508が、例えば、第2ゲート電極材料506に対して選択的なエッチングによって除去される。
【0129】
上記ステップを行った後、当業者に知られた従来のCMOSプロセスのような更なる処理ステップを実施してもよい。前記処理ステップは、前記ゲート電極506,508、第1誘電体材料502、第2誘電体材料503および第3誘電体材料507のパターン化(図5I)、前記第1領域510aおよび前記第2領域(510b)におけるソース領域およびドレイン領域を形成するための注入ステップ、ゲート電極506,508の側方にスペーサの形成を含んでもよい。
【0130】
上記方法の実施形態により、第1誘電体材料502の上にあって、これと接触する下地となる第3誘電体材料507の上にあって、これと接触する第1ゲート電極508を含む第1領域510aと、第1誘電体材料502の上にあって、これと接触する第2誘電体材料503の上にあって、これと接触する第2ゲート電極506を含む第2領域510bとを備えた半導体デバイスが製造可能である。
【0131】
本発明に係るデバイスとして、好ましい実施形態、特定の構造および構成、そして材料についてここで説明したが、本発明の範囲および精神から逸脱することなく、形態および詳細での種々の変化や変更が可能であると理解すべきである。例えば、ステップは、本発明の範囲内で記述された方法に対して追加または削除してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0132】
【図1】(先行技術)デュアル高誘電率(high-k)ゲート技術の概略図である。本発明に係るガスエッチングプロセスを示す。
【図2A】第1領域および第2領域について2つの異なるゲート誘電体を備えた半導体装置を製造するための、本発明に係る方法の実施形態を示す。
【図2B】第1領域および第2領域について2つの異なるゲート誘電体を備えた半導体装置を製造するための、本発明に係る方法の実施形態を示す。
【図2C】第1領域および第2領域について2つの異なるゲート誘電体を備えた半導体装置を製造するための、本発明に係る方法の実施形態を示す。
【図2D】第1領域および第2領域について2つの異なるゲート誘電体を備えた半導体装置を製造するための、本発明に係る方法の実施形態を示す。
【図2E】第1領域および第2領域について2つの異なるゲート誘電体を備えた半導体装置を製造するための、本発明に係る方法の実施形態を示す。
【図2F】第1領域および第2領域について2つの異なるゲート誘電体を備えた半導体装置を製造するための、本発明に係る方法の実施形態を示す。
【図2G】第1領域および第2領域について2つの異なるゲート誘電体を備えた半導体装置を製造するための、本発明に係る方法の実施形態を示す。
【図2H】第1領域および第2領域について2つの異なるゲート誘電体を備えた半導体装置を製造するための、本発明に係る方法の実施形態を示す。
【図3A】第1領域および第2領域について3つの異なるゲート誘電体を備えた半導体装置を製造するための、本発明に係る方法の実施形態を示す。
【図3B】第1領域および第2領域について3つの異なるゲート誘電体を備えた半導体装置を製造するための、本発明に係る方法の実施形態を示す。
【図3C】第1領域および第2領域について3つの異なるゲート誘電体を備えた半導体装置を製造するための、本発明に係る方法の実施形態を示す。
【図3D】第1領域および第2領域について3つの異なるゲート誘電体を備えた半導体装置を製造するための、本発明に係る方法の実施形態を示す。
【図3E】第1領域および第2領域について3つの異なるゲート誘電体を備えた半導体装置を製造するための、本発明に係る方法の実施形態を示す。
【図3F】第1領域および第2領域について3つの異なるゲート誘電体を備えた半導体装置を製造するための、本発明に係る方法の実施形態を示す。
【図3G】第1領域および第2領域について3つの異なるゲート誘電体を備えた半導体装置を製造するための、本発明に係る方法の実施形態を示す。
【図3H】第1領域および第2領域について3つの異なるゲート誘電体を備えた半導体装置を製造するための、本発明に係る方法の実施形態を示す。
【図3I】第1領域および第2領域について3つの異なるゲート誘電体を備えた半導体装置を製造するための、本発明に係る方法の実施形態を示す。
【図3J】第1領域および第2領域について3つの異なるゲート誘電体を備えた半導体装置を製造するための、本発明に係る方法の実施形態を示す。
【図3K】第1領域および第2領域について3つの異なるゲート誘電体を備えた半導体装置を製造するための、本発明に係る方法の実施形態を示す。
【図4A】第1領域および第2領域について2つの異なるゲート誘電体と、第1領域および第2領域について異なるゲート電極を備えた半導体装置を製造するための、本発明に係る方法の実施形態を示す。
【図4B】第1領域および第2領域について2つの異なるゲート誘電体と、第1領域および第2領域について異なるゲート電極を備えた半導体装置を製造するための、本発明に係る方法の実施形態を示す。
【図4C】第1領域および第2領域について2つの異なるゲート誘電体と、第1領域および第2領域について異なるゲート電極を備えた半導体装置を製造するための、本発明に係る方法の実施形態を示す。
【図4D】第1領域および第2領域について2つの異なるゲート誘電体と、第1領域および第2領域について異なるゲート電極を備えた半導体装置を製造するための、本発明に係る方法の実施形態を示す。
【図4E】第1領域および第2領域について2つの異なるゲート誘電体と、第1領域および第2領域について異なるゲート電極を備えた半導体装置を製造するための、本発明に係る方法の実施形態を示す。
【図4F】第1領域および第2領域について2つの異なるゲート誘電体と、第1領域および第2領域について異なるゲート電極を備えた半導体装置を製造するための、本発明に係る方法の実施形態を示す。
【図4G】第1領域および第2領域について2つの異なるゲート誘電体と、第1領域および第2領域について異なるゲート電極を備えた半導体装置を製造するための、本発明に係る方法の実施形態を示す。
【図4H】第1領域および第2領域について2つの異なるゲート誘電体と、第1領域および第2領域について異なるゲート電極を備えた半導体装置を製造するための、本発明に係る方法の実施形態を示す。
【図4I】第1領域および第2領域について2つの異なるゲート誘電体と、第1領域および第2領域について異なるゲート電極を備えた半導体装置を製造するための、本発明に係る方法の実施形態を示す。
【図5A】第1領域および第2領域について3つの異なるゲート誘電体と、第1領域および第2領域について異なるゲート電極を備えた半導体装置を製造するための、本発明に係る方法の実施形態を示す。
【図5B】第1領域および第2領域について3つの異なるゲート誘電体と、第1領域および第2領域について異なるゲート電極を備えた半導体装置を製造するための、本発明に係る方法の実施形態を示す。
【図5C】第1領域および第2領域について3つの異なるゲート誘電体と、第1領域および第2領域について異なるゲート電極を備えた半導体装置を製造するための、本発明に係る方法の実施形態を示す。
【図5D】第1領域および第2領域について3つの異なるゲート誘電体と、第1領域および第2領域について異なるゲート電極を備えた半導体装置を製造するための、本発明に係る方法の実施形態を示す。
【図5E】第1領域および第2領域について3つの異なるゲート誘電体と、第1領域および第2領域について異なるゲート電極を備えた半導体装置を製造するための、本発明に係る方法の実施形態を示す。
【図5F】第1領域および第2領域について3つの異なるゲート誘電体と、第1領域および第2領域について異なるゲート電極を備えた半導体装置を製造するための、本発明に係る方法の実施形態を示す。
【図5G】第1領域および第2領域について3つの異なるゲート誘電体と、第1領域および第2領域について異なるゲート電極を備えた半導体装置を製造するための、本発明に係る方法の実施形態を示す。
【図5H】第1領域および第2領域について3つの異なるゲート誘電体と、第1領域および第2領域について異なるゲート電極を備えた半導体装置を製造するための、本発明に係る方法の実施形態を示す。
【図5I】第1領域および第2領域について3つの異なるゲート誘電体と、第1領域および第2領域について異なるゲート電極を備えた半導体装置を製造するための、本発明に係る方法の実施形態を示す。
【図5J】第1領域および第2領域について3つの異なるゲート誘電体と、第1領域および第2領域について異なるゲート電極を備えた半導体装置を製造するための、本発明に係る方法の実施形態を示す。
【図6】本発明の実施形態に係る方法を表すフローチャートを示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
異なる半導体構造を備えた半導体装置の製造方法であって、
各構造は制御電極を有し、半導体装置は少なくとも第1および第2制御電極誘電体材料を含んでおり、
該方法は、基板(200,300,400,500)上に、第1制御電極誘電体材料(202,302,402,502)を設けること、
基板(200,300,400,500)の少なくとも第1領域(210a,310a,410a,510a)に、第1制御電極誘電体材料(202,302,402,502)を覆うパターン化した犠牲層(204,304,404,504)を設けること、
第1領域(210a,310a,410a,510a)ではパターン化した犠牲層(204,304,404,504)を覆い、基板(200,300,400,500)の少なくとも第2領域(210b)では第1制御電極誘電体材料(202,302,402,502)を覆う第2制御電極誘電体材料(203,303,403,503)を設けること、但し、第2領域(210b)は、第1領域(210a,310a,410a,510a)と異なるものであり、
第2制御電極誘電体材料(203,303,403,503)をパターン化して、パターン化した第2制御電極誘電体材料が、第2領域(210b)では第1制御電極誘電体材料(202,302,402,502)を覆い、第1領域(210a,310a,410a,510a)ではパターン化した犠牲層(204,304,404,504)を覆わないようにすること、
パターン化した犠牲層(204,304,404,504)を除去すること、を含む半導体装置の製造方法。
【請求項2】
パターン化した犠牲層(204,304,404,504)を除去することは、犠牲層(204,304,404,504)によって覆われた第1制御電極誘電体材料(202,302,402,502)を損傷することなく行うようにした請求項1記載の半導体装置の製造方法。
【請求項3】
第1制御電極(206,306,408,508)を第1領域(210a,310a,410a,510a)に、第2制御電極(206,306,406,506)を第2領域(210b,310b,410b,510b)に設けることをさらに含む請求項1または2記載の半導体装置の製造方法。
【請求項4】
第1制御電極(206,306)および第2制御電極(206,306)は、同じ電極材料層で形成される請求項3記載の半導体装置の製造方法。
【請求項5】
第1制御電極(408,508)および第2制御電極(406,506)は、異なる電極材料層で形成される請求項3記載の半導体装置の製造方法。
【請求項6】
電極材料は、金属含有材料である請求項4または5記載の半導体装置の製造方法。
【請求項7】
第2制御電極誘電体材料(403)を設けた後、第2制御電極誘電体材料(403)の上に、これと接触する第2制御電極(406)を形成すること、
第2制御電極(406)をパターン化して、第2制御電極(406)が、第2領域(410b)では第2制御電極誘電体材料(403)を覆い、第1領域(410a)では第1制御電極誘電体材料(402)を覆わないようにすること、をさらに含み、
第2制御電極(406)のパターン化および第2制御電極誘電体材料(403)のパターン化は、同時に実施するようにした請求項3〜6のいずれかに記載の半導体装置の製造方法。
【請求項8】
第1制御電極誘電体材料(202,302,402,502)は、シリコンベースの誘電体材料を含む請求項1〜7のいずれかに記載の半導体装置の製造方法。
【請求項9】
シリコンベースの誘電体材料は、SiO,SiまたはSiONを含む請求項8記載の半導体装置の製造方法。
【請求項10】
第1制御電極誘電体材料(202,302,402,502)は、高誘電率誘電体材料を含む請求項1〜7のいずれかに記載の半導体装置の製造方法。
【請求項11】
高誘電率誘電体材料は、Al,Si,Gd,Yb,Dy,Nb,Y,La,ZrO,HfO,TiO,Ta,SrTiO,BaSr1−xTiO,ZrO25,ZrSi1−x,HfSi1−x,AlZr1−x,Prまたはこれらの何れの組合せを含む請求項10記載の半導体装置の製造方法。
【請求項12】
第2制御電極誘電体材料(203,303,403,503)は、第1制御電極(206,306,408,508)及び/又は第2制御電極(206,306,406,506)の仕事関数を調整するのに適した材料を含む請求項3〜11のいずれかに記載の半導体装置の製造方法。
【請求項13】
第2制御電極誘電体材料(203,303,403,503)は、LaO(N),AlO(N),AlN,DyO(N),ScO(N),GdO(N),CeO(N),TbO(N),ErO(N),YbO(N)またはこれらの何れの組合せを含む請求項1〜12のいずれかに記載の半導体装置の製造方法。
【請求項14】
犠牲層(204,304,404,504)は、TiN,Geまたはアモルファス・カーボンを含む請求項1〜13のいずれかに記載の半導体装置の製造方法。
【請求項15】
第1制御電極誘電体材料(202,302,402,502)は、0.2nm〜3nmの範囲の等価酸化物膜厚を有する請求項1〜14のいずれかに記載の半導体装置の製造方法。
【請求項16】
第2制御電極誘電体材料(203,303,403,503)は、0.2nm〜1nmの範囲の等価酸化物膜厚を有する請求項1〜15のいずれかに記載の半導体装置の製造方法。
【請求項17】
犠牲層(204,304,404,504)は、5nm〜100nmの範囲の厚さを有する請求項1〜16のいずれかに記載の半導体装置の製造方法。
【請求項18】
第1領域(310a)において、第1制御電極誘電体材料(302)と第1制御電極(306)の間に第3制御電極誘電体材料(307)を設けることをさらに含む請求項3〜17のいずれかに記載の半導体装置の製造方法。
【請求項19】
第3制御電極誘電体材料(307)を設けることは、
第1領域(310a)では第1制御電極誘電体材料(302)を覆い、第2領域(310b)では第2制御電極誘電体材料(303)を覆う第3制御電極誘電体材料(307)を設けること、
第3制御電極誘電体材料(307)をパターン化して、パターン化した第3制御電極誘電体材料(307)が、第1領域(310a)では第1制御電極誘電体材料(302)を覆い、第2領域(310b)では第2制御電極誘電体材料(303)を覆わないようにすること、を含む請求項18記載の半導体装置の製造方法。
【請求項20】
第3制御電極誘電体材料(307)は、第1及び/又は第2制御電極の仕事関数を調整するのに適した材料を含む請求項18〜19のいずれかに記載の半導体装置の製造方法。
【請求項21】
第3制御電極誘電体材料(307)は、LaO(N),AlO(N),AlN,DyO(N),ScO(N),GdO(N),CeO(N),TbO(N),ErO(N),YbO(N)またはこれらの何れの組合せを含む請求項18〜20のいずれかに記載の半導体装置の製造方法。
【請求項22】
第3制御電極誘電体材料(307)は、0.2nm〜1nmの範囲の等価酸化物膜厚を有する請求項18〜21のいずれかに記載の半導体装置の製造方法。

【図6】
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【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【図2C】
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【図2D】
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【図2E】
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【図2F】
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【図2G】
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【図2H】
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【図3A】
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【図3B】
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【図3C】
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【図3D】
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【図3E】
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【図3F】
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【図3G】
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【図3H】
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【図3I】
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【図3J】
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【図3K】
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【図4A】
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【図4B】
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【図4C】
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【図4D】
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【図4E】
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【図4F】
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【図4G】
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【図4H】
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【図4I】
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【図5A】
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【図5B】
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【図5C】
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【図5D】
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【図5E】
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【図5F】
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【図5G】
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【図5H】
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【図5I】
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【図5J】
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【公開番号】特開2008−166713(P2008−166713A)
【公開日】平成20年7月17日(2008.7.17)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2007−272232(P2007−272232)
【出願日】平成19年10月19日(2007.10.19)
【出願人】(591060898)アンテルユニヴェルシテール・ミクロ−エレクトロニカ・サントリュム・ヴェー・ゼッド・ドゥブルヴェ (302)
【氏名又は名称原語表記】INTERUNIVERSITAIR MICRO−ELEKTRONICA CENTRUM VZW
【Fターム(参考)】