説明

超音波洗浄装置、超音波洗浄方法、およびこの超音波洗浄方法を実行するためのコンピュータプログラムが記録された記録媒体

【課題】被処理体の全域を均一に超音波洗浄することができる超音波洗浄装置を提供する。
【解決手段】本発明による超音波洗浄装置1は、洗浄液を貯留する洗浄槽10と、洗浄槽10内に挿入可能に設けられ、被処理体Wを保持して洗浄液に浸漬させる被処理体保持装置20と、洗浄槽10の底部に設けられた振動子40と、振動子40に超音波振動を生じさせる超音波発振装置42とを備えている。洗浄槽10内には、被処理体Wを保持する側部保持部材50が設けられている。また、被処理体保持装置20は、駆動装置26によって側方に移動するようになっている。制御装置44は、被処理体Wを側部保持部材50に保持させた後、被処理体保持装置20を側方へ移動させるように駆動装置26を制御すると共に、振動子40に超音波振動を生じさせて振動子40からの超音波振動を被処理体Wに伝播させるようになっている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、洗浄液に浸漬された被処理体を、超音波を利用して洗浄する超音波洗浄装置、超音波洗浄方法、およびこの超音波洗浄方法を実行するためのコンピュータプログラムが記録された記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、半導体ウエハまたはLCD用ガラス基板等の被処理体を、洗浄槽に貯留された純水または薬液等の洗浄液に浸漬して、超音波を利用して超音波洗浄(メガソニック処理を含む)を行う超音波洗浄装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。この超音波洗浄装置においては、洗浄槽の底部に超音波振動可能な振動子が取り付けられ、この振動子に超音波振動を生じさせる超音波発振装置が接続されている。
【0003】
このような超音波洗浄装置において被処理体を洗浄する場合、被処理体を洗浄槽内の洗浄液に浸漬させ、洗浄槽の底部に取り付けられた振動子に超音波発振装置によって超音波振動を生じさせる。このことにより、洗浄液に超音波振動が伝播されて被処理体に下方から超音波が照射され、被処理体に付着していたパーティクル等が除去される。このようにして、被処理体が超音波洗浄される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003−209086号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、このような超音波洗浄装置において被処理体を超音波洗浄する際、被処理体はウエハボードによって保持されている。この場合、被処理体の下方にウエハボードの保持棒が存在している。このことにより、下方から照射される超音波振動がウエハボードの保持棒によって遮蔽される。すなわち、振動子から伝播される超音波振動は、直進性が強い。このことにより、被処理体のうちウエハボードの保持棒の上方領域に超音波振動が伝播されにくくなり、被処理体の全域を均一に超音波洗浄することが難しいという問題があった。
【0006】
本発明は、このようなことを考慮してなされたものであり、被処理体の全域を均一に超音波洗浄することができる超音波洗浄装置、超音波洗浄方法、およびこの超音波洗浄方法を実行するためのコンピュータプログラムが記録された記録媒体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、洗浄液を貯留する洗浄槽と、前記洗浄槽内に挿入可能に設けられ、被処理体を保持して洗浄液に浸漬させる被処理体保持装置と、前記洗浄槽の底部に設けられた振動子と、前記振動子に超音波振動を生じさせる超音波発振装置と、前記洗浄槽内に設けられ、前記被処理体を保持する側部保持部材と、前記被処理体保持装置を側方に移動させる駆動装置と、前記超音波発振装置および前記駆動装置を制御する制御装置と、を備え、前記制御装置は、前記被処理体を前記側部保持部材に保持させた後、前記被処理体保持装置を側方へ移動させるように前記駆動装置を制御すると共に、前記振動子に超音波振動を生じさせ、当該振動子からの超音波振動を、前記被処理体に伝播させるように前記超音波発振装置を制御することを特徴とする超音波洗浄装置を提供する。
【0008】
なお、上述した超音波洗浄装置において、前記側部保持部材は、前記被処理体保持装置から前記被処理体を引き受けて保持するように構成され、前記駆動装置は、前記被処理体保持装置を、前記被処理体を保持する保持位置から当該保持位置の側方に位置する側方位置まで移動させるように構成されており、前記制御装置は、前記被処理体を前記被処理体保持装置から前記側部保持部材に引き渡した後、当該被処理体保持装置を前記保持位置から前記側方位置へ移動させ、当該被処理体保持装置が少なくとも当該側方位置にあるときに、前記振動子に超音波振動を生じさせ、当該振動子からの超音波振動を、前記被処理体のうち前記被処理体保持装置により保持される領域に伝播させるように前記超音波発振装置および前記駆動装置を制御するようにしてもよい。この場合、洗浄槽内の洗浄液に浸漬されるとともに被処理体保持装置により保持されている被処理体が、洗浄槽内に設けられた側部保持部材に引き渡され、被処理体保持装置が、保持位置から側方位置まで移動し、被処理体保持装置が少なくとも側方位置にあるときに、制御装置が振動子に超音波振動を生じさせる。このことにより、振動子からの超音波振動を、被処理体のうち被処理体保持装置により保持される領域に伝播させることができる。このため、被処理体の全域を均一に超音波洗浄することができる。
【0009】
また、上述した超音波洗浄装置において、前記被処理体保持装置は、前記被処理体を保持する一対の被処理体保持部を有し、前記各被処理体保持部は、個別に移動自在となっているようにしてもよい。
【0010】
また、上述した超音波洗浄装置において、一対の前記被処理体保持部は、前記被処理体に対して略対称的に移動するようにしてもよい。
【0011】
また、上述した超音波洗浄装置において、前記制御装置は、前記被処理体保持装置を前記保持位置から当該保持位置の下方に位置する下降位置に移動させ、その後当該下降位置から前記側方位置へ移動させ、当該被処理体保持装置を当該下降位置から当該側方位置へ移動させている間においても前記振動子に超音波振動を生じさせるように、前記超音波発振装置および前記駆動装置を制御するようにしてもよい。
【0012】
また、上述した超音波洗浄装置において、前記制御装置は、前記被処理体保持装置を前記側方位置から前記下降位置に移動させ、当該被処理体保持装置を当該側方位置から当該下降位置へ移動させている間においても前記振動子に超音波振動を生じさせるように前記超音波発振装置および前記駆動装置を制御するようにしてもよい。
【0013】
また、上述した超音波洗浄装置において、前記側部保持部材は、前記被処理体を引き受けて保持する受渡位置と、前記被処理体から離れて退避する退避位置との間を移動するようにしてもよい。
【0014】
また、上述した超音波洗浄装置において、前記側部保持部材は、前記被処理体の側面に当接して当該被処理体を挟持する一対の挟持部を有しているようにしてもよい。
【0015】
また、上述した超音波洗浄装置において、前記側部保持部材は、前記被処理体保持装置から前記被処理体を引き受けて保持するように構成され、前記駆動装置は、前記被処理体保持装置を、前記被処理体を保持する保持位置から当該保持位置の側方に位置する側方位置まで移動させるように構成され、前記被処理体保持装置は、前記被処理体を保持する一対の被処理体保持部を有しており、前記制御装置は、前記被処理体を前記被処理体保持装置から前記側部保持部材に引き渡した後、前記被処理体保持装置の少なくとも一方の前記被処理体保持部を前記保持位置から前記側方位置へ移動させ、当該一方の被処理体保持部が少なくとも当該側方位置にあるときに、前記振動子に超音波振動を生じさせ、当該振動子からの超音波振動を、前記被処理体のうち当該一方の被処理体保持部により保持される領域に伝播させるように、前記超音波発振装置および前記駆動装置を制御するようにしてもよい。この場合、洗浄槽内の洗浄液に浸漬されるとともに、被処理体保持装置により保持されている被処理体が、洗浄槽内に設けられた側部保持部材に引き渡され、被処理体保持装置の少なくとも一方の被処理体保持部が、保持位置から側方位置まで移動し、当該一方の被処理体保持部が少なくとも側方位置にあるときに、制御装置が振動子に超音波振動を生じさせる。このことにより、振動子からの超音波振動を、被処理体のうちこの一方の被処理体保持部により保持される領域に伝播させることができる。このため、被処理体の全域を均一に超音波洗浄することができる。
【0016】
また、上述した超音波洗浄装置において、前記被処理体保持装置は、個別に移動自在な第1被処理体保持部と第2被処理体保持部とを有しており、前記駆動装置は、前記被処理体保持装置の前記第1被処理体保持部を、前記被処理体を保持する第1保持位置から当該第1保持位置の側方に位置する第1側方位置まで移動させると共に、前記第2被処理体保持部を、前記被処理体を保持する第2保持位置から当該第2保持位置の側方に位置する第2側方位置まで移動させるように構成され、前記制御装置は、前記被処理体を前記側部保持部材および前記第1被処理体保持部に保持させた後、前記被処理体保持装置の前記第2被処理体保持部を前記第2保持位置から前記第2側方位置へ移動させ、その後に当該第2保持位置に戻し、更に、前記被処理体を前記側部保持部材および当該第2被処理体保持部に保持させた後、当該第1被処理体保持部を前記第1保持位置から前記第2側方位置へ移動させ、その後に当該第1保持位置に戻すように前記駆動装置を制御すると共に、当該第1被処理体保持部が少なくとも当該第1側方位置にあるとき、および当該第2被処理体保持部が少なくとも当該第2側方位置にあるときに、前記振動子に超音波振動を生じさせ、当該振動子からの超音波振動を、前記被処理体のうち前記第1被処理体保持部および前記第2被処理体保持部により保持される領域に伝播させるように、前記超音波発振装置を制御するようにしてもよい。この場合、洗浄槽内の洗浄液に浸漬されるとともに、被処理体保持装置により保持されている被処理体が、洗浄槽内に設けられた側部保持部材および第1被処理体保持部に保持され、被処理体保持装置の第2被処理体保持部が、第2保持位置から第2側方位置まで移動し、その後に第2保持位置に戻り、更に、第1被処理体保持部が、第1保持位置から第1側方位置まで移動し、その後に第1保持位置に戻り、第1被処理体保持部が少なくとも第1側方位置にあるとき、および第2被処理体保持部が少なくとも第2側方位置にあるときに、制御装置が振動子に超音波振動を生じさせる。このことにより、振動子からの超音波振動を、被処理体のうち第1被処理体保持部および第2被処理体保持部により保持される領域に伝播させることができる。このため、被処理体の全域を均一に超音波洗浄することができる。
【0017】
また、本発明は、被処理体保持装置によって保持され、洗浄槽内の洗浄液に浸漬されている被処理体を、当該洗浄槽内に設けられた側部保持部材に保持させる工程と、前記被処理体保持装置を側方に移動させる工程と、前記洗浄槽の底部に設けられた振動子に超音波振動を生じさせて前記被処理体を超音波洗浄する工程と、を備え、前記被処理体保持装置を側方に移動させる工程と超音波洗浄する工程は、前記被処理体を前記側部保持部材に保持させる工程の後に行われることを特徴とする超音波洗浄方法を提供する。
【0018】
なお、上述した超音波洗浄方法において、前記被処理体を前記側部保持部材に保持させる工程において、前記被処理体保持装置によって保持されている前記被処理体は、前記側部保持部材に引き渡され、前記被処理体保持装置を側方に移動させる工程において、当該被処理体保持装置は、前記被処理体を保持する保持位置から当該保持位置の側方に位置する側方位置まで移動し、前記被処理体保持装置が少なくとも前記側方位置にあるときに、前記振動子からの超音波振動を、前記被処理体のうち当該被処理体保持装置により保持される領域に伝播させるようにしてもよい。この場合、洗浄槽内の洗浄液に浸漬されるとともに被処理体保持装置により保持されている被処理体が、洗浄槽内に設けられた側部保持部材に引き渡され、被処理体保持装置が、保持位置から側方位置まで移動し、被処理体保持装置が少なくとも側方位置にあるときに、制御装置が振動子に超音波振動を生じさせる。このことにより、振動子からの超音波振動を、被処理体のうち被処理体保持装置により保持される領域に伝播させることができる。このため、被処理体の全域を均一に超音波洗浄することができる。
【0019】
また、上述した超音波洗浄方法において、前記被処理体保持装置は、前記被処理体を保持する一対の被処理体保持部を有し、前記各被処理体保持部は、個別に移動自在になっているようにしてもよい。
【0020】
また、上述した超音波洗浄方法において、一対の前記被処理体保持部は、前記被処理体に対して略対称的に移動するようにしてもよい。
【0021】
また、上述した超音波洗浄方法において、前記被処理体保持装置を側方に移動させる工程において、当該被処理体保持装置は、前記保持位置から当該保持位置の下方に位置する下降位置に移動して、その後当該下降位置から前記側方位置へ移動し、前記被処理体保持装置を前記下降位置から前記側方位置へ移動させている間においても、前記振動子に超音波振動を生じさせるようにしてもよい。
【0022】
また、上述した超音波洗浄方法において、前記被処理体保持装置を前記側方位置から前記下降位置に移動させる工程を更に備え、前記被処理体保持装置を前記側方位置から前記下降位置に移動させている間においても、前記振動子に超音波振動を生じさせるようにしてもよい。
【0023】
また、上述した超音波洗浄方法において、前記被処理体を前記側部保持部材に保持させる工程において、当該側部保持部材は、前記被処理体から離れて退避する退避位置から当該被処理体を引き受けて保持する受渡位置に移動して、当該被処理体を保持するようにしてもよい。
【0024】
また、上述した超音波洗浄方法において、前記側部保持部材は、前記被処理体の側面に当接して当該被処理体を挟持する一対の挟持部を有し、前記被処理体を前記側部保持部材に保持させる工程において、当該側部保持部材は、一対の前記挟持部を当該被処理体の前記側面に当接させて当該被処理体を挟持するようにしてもよい。
【0025】
また、上述した超音波洗浄方法において、前記被処理体保持装置は、前記被処理体を保持する一対の被処理体保持部を有し、前記被処理体を前記側部保持部材に保持させる工程において、前記被処理体保持装置によって保持されている前記被処理体は、前記側部保持部材に引き渡され、前記被処理体保持装置を側方に移動させる工程において、当該被処理体保持装置の少なくとも一方の前記被処理体保持部は、前記被処理体を保持する保持位置から当該保持位置の側方に位置する側方位置まで移動し、前記被処理体保持装置の前記一方の被処理体保持部が少なくとも前記側方位置にあるときに、前記振動子からの超音波振動を、前記被処理体のうち当該被処理体保持装置により保持される領域に伝播させるようにしてもよい。この場合、洗浄槽内の洗浄液に浸漬されるとともに、被処理体保持装置により保持されている被処理体が、洗浄槽内に設けられた側部保持部材に引き渡され、被処理体保持装置の少なくとも一方の被処理体保持部が、保持位置から側方位置まで移動し、当該一方の被処理体保持部が少なくとも側方位置にあるときに、制御装置が振動子に超音波振動を生じさせる。このことにより、振動子からの超音波振動を、被処理体のうちこの一方の被処理体保持部により保持される領域に伝播させることができる。このため、被処理体の全域を均一に超音波洗浄することができる。
【0026】
また、上述した超音波洗浄方法において、前記被処理体保持装置は、個別に移動自在な第1被処理体保持部と第2被処理体保持部とを有し、前記被処理体保持装置を側方に移動させる工程において、前記被処理体を前記側部保持部材および前記第1被処理体保持部に保持させた後、当該被処理体保持装置の前記第2被処理体保持部は、前記被処理体を保持する第2保持位置から当該第2保持位置の側方に位置する第2側方位置まで移動し、その後に当該第2保持位置に戻し、更に、前記被処理体を前記側部保持部材および当該第2被処理体保持部に保持させた後、当該第1被処理体保持部は、前記被処理体を保持する第1保持位置から当該第1保持位置の側方に位置する第1側方位置まで移動し、その後に当該第1保持位置に戻し、前記被処理体保持装置の前記第1被処理体保持部が少なくとも前記第1側方位置にあるとき、および前記第2被処理体保持部が少なくとも前記第2側方位置にあるときに、前記振動子からの超音波振動を、前記被処理体のうち前記第1被処理体保持部および前記第2被処理体保持部により保持される領域に伝播させるようにしてもよい。この場合、洗浄槽内の洗浄液に浸漬されるとともに、被処理体保持装置により保持されている被処理体が、洗浄槽内に設けられた側部保持部材および第1被処理体保持部に保持され、被処理体保持装置の第2被処理体保持部が、第2保持位置から第2側方位置まで移動し、その後に第2保持位置に戻り、更に、第1被処理体保持部が、第1保持位置から第1側方位置まで移動し、その後に第1保持位置に戻り、第1被処理体保持部が少なくとも第1側方位置にあるとき、および第2被処理体保持部が少なくとも第2側方位置にあるときに、制御装置が振動子に超音波振動を生じさせる。このことにより、振動子からの超音波振動を、被処理体のうち第1被処理体保持部および第2被処理体保持部により保持される領域に伝播させることができる。このため、被処理体の全域を均一に超音波洗浄することができる。
【0027】
さらに、本発明は、超音波洗浄方法を実行するためのコンピュータプログラムが記録された記録媒体であって、当該超音波洗浄方法は、被処理体保持装置によって保持され、洗浄槽内の洗浄液に浸漬されている被処理体を、当該洗浄槽内に設けられた側部保持部材に保持させる工程と、前記被処理体保持装置を側方に移動させる工程と、前記洗浄槽の底部に設けられた振動子に超音波振動を生じさせて前記被処理体を超音波洗浄する工程と、を備え、前記被処理体保持装置を側方に移動させる工程と超音波洗浄する工程は、前記被処理体を前記側部保持部材に保持させる工程の後に行われることを特徴とする記録媒体を提供する。
【発明の効果】
【0028】
本発明によれば、被処理体を側部保持部材に保持させた後、被処理体保持装置を側方へ移動させて、振動子からの超音波振動を、被処理体に伝播させることができる。このため、被処理体の全域を均一に超音波洗浄することができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】図1は、本発明の第1の実施の形態における超音波洗浄装置を示す図である。
【図2】図2は、図1の側方断面図である。
【図3】図3は、図1の平面図である。
【図4】図4は、本発明の第1の実施の形態において、排出弁機構を示す図である。
【図5】図5は、本発明の第1の実施の形態において、被処理体保持装置の構成を示す図である。
【図6】図6は、本発明の第1の実施の形態における超音波洗浄方法において、洗浄槽内にウエハが挿入される状態を示す図である。
【図7】図7は、本発明の第1の実施の形態における超音波洗浄方法において、洗浄槽内の洗浄液にウエハが浸漬された状態を示す図である。
【図8】図8は、本発明の第1の実施の形態における超音波洗浄方法において、ウエハがウエハボードからバスハンドに引き渡される状態を示す図である。
【図9】図9は、本発明の第1の実施の形態における超音波洗浄方法において、ウエハボードが下降位置に移動した状態を示す図である。
【図10】図10は、本発明の第1の実施の形態における超音波洗浄方法において、ウエハボードが側方位置に移動した状態を示す図である。
【図11】図11は、本発明の第1の実施の形態における超音波洗浄方法において、ウエハボードが下降位置に移動した状態を示す図である。
【図12】図12は、本発明の第1の実施の形態における超音波洗浄方法において、ウエハがバスハンドからウエハボードに引き渡される状態を示す図である。
【図13】図13は、本発明の第1の実施の形態における超音波洗浄方法において、バスハンドが退避位置に移動した状態を示す図である。
【図14】図14は、本発明の第1の実施の形態における超音波洗浄方法において、洗浄槽内からウエハが取り出された状態を示す図である。
【図15】図15は、本発明の第2の実施の形態における超音波洗浄方法において、第2ウエハ保持部が第2下降位置に移動した状態を示す図である。
【図16】図16は、本発明の第2の実施の形態における超音波洗浄方法において、第2ウエハ保持部が第2側方位置に移動した状態を示す図である。
【図17】図17は、本発明の第2の実施の形態における超音波洗浄方法において、第2ウエハ保持部が第2下降位置に移動した状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
第1の実施の形態
以下、図面を参照して、本発明の第1の実施の形態について説明する。図1乃至図14は、第1の実施の形態における超音波洗浄装置、超音波洗浄方法、およびこの超音波洗浄方法を実行するためのコンピュータプログラムが記録された記録媒体の第1の実施の形態を説明するための図である。
【0031】
まず、図1により超音波洗浄装置1の全体構成について説明する。
【0032】
図1に示すように超音波洗浄装置1は、洗浄液(例えば純水または薬液)を貯留する洗浄槽10と、洗浄槽10内に挿入可能に設けられ、被処理体(例えば、半導体ウエハ、以下単にウエハWと記す)を保持して洗浄液に浸漬するウエハボード(被処理体保持装置)20とを備えている。このうち洗浄槽10の底板(底部)14の外面に振動子40が設けられている。振動子40に超音波発振装置42が接続され、振動子40に超音波振動を生じさせるように構成されている。
【0033】
洗浄槽10に、洗浄槽10内に洗浄液を供給する洗浄液供給装置60が設けられ、洗浄槽10の底板14に、洗浄液を排出する排出弁機構80が設けられている。
【0034】
次に、図1乃至図3を用いて各部の詳細構造について説明する。
【0035】
図1乃至図3に示すように、洗浄槽10は、4つの側壁11と、各側壁11の下端に、パッキング12を介して気水密(気密・水密)に密接されるとともに固定ボルト13により固定された底板14とを有し、略直方体状に形成されている。このうち側壁11の上端に切欠溝15が形成され、洗浄液の液面が側壁11の上端に達した場合に洗浄液が洗浄槽10から流出するようになっている。
【0036】
洗浄槽10の側壁11は、耐薬品性に富む材料、例えばポリテトラフルオロエチレン(PTFE)あるいはフッ素樹脂(PFA)等にて形成されている。また、底板14は、耐薬品性および音波透過性に富む材料、例えばアモルファスカーボンあるいは炭化ケイ素等のカーボン系材料にて形成されている。このことにより、薬液として後述するアンモニア過水、塩酸過水、あるいは希フッ酸等を用いる場合においても、洗浄槽10の側壁11および底板14は耐薬品性を有することができる。このため、側壁11および底板14が洗浄液によって溶解することを防止し、メタルコンタミ等が発生することを防止することができる。また、底板14の材料は、上述したように音波透過性をも有しているため、振動子40により生じた超音波振動を確実に透過することができる。
【0037】
洗浄槽10は容器16に収容されている。この容器16の底部に、洗浄槽10の側壁11の上端に形成された切欠溝15から流出する洗浄液を回収するパン(図示せず)が設けられ、このパンに、回収された洗浄液を排出するドレン(図示せず)が設けられている。
【0038】
図1、図2、および図5に示すように、ウエハボード20は、複数枚(例えば50枚)のウエハWを保持する一対のウエハ保持部(被処理体保持部)21a、21bと、各ウエハ保持部21a、21bにそれぞれ連結され、略垂直方向に延びる一対の基部22a、22bとを有している。このうち一対のウエハ保持部21a、21bは、ウエハWの中心を通る垂直方向軸線Y(図6乃至図14参照)に対して略対称的に配置されている。
【0039】
各ウエハ保持部21a、21bは、略水平方向に延びる2つの保持棒23a、23bと、各保持棒23a、23bの先端に連結された連結部材24a、24bとからそれぞれなっている。各保持棒23a、23bの基端には、基部22a、22bがそれぞれ連結されている。各保持棒23a、23bには、ウエハWに係合自在な複数の保持溝25a、25b(図1および図4参照)がそれぞれ形成され、各保持溝25a、25bは、略同一形状を有し、互いに整列されている。このような保持溝25a、25bにウエハWを係合させることにより、ウエハWを保持棒23a、23bに対して略直交する方向、すなわち垂直方向に保持することができるように構成されている。
【0040】
ここで、ウエハボード20の各部は、耐薬品性に富む石英を用いて形成され、各々の表面にはテフロン(登録商標)コーティングまたはSiC(炭化ケイ素)コーティングが施されている。
【0041】
ウエハボード20に、ウエハボード20を昇降駆動する駆動装置26が連結されている。すなわち、駆動装置26は、各ウエハ保持部21a、21bをそれぞれ昇降させる昇降駆動部27a、27bと、各昇降駆動部27a、27bと各基部22a、22bとの間にそれぞれ連結され、昇降駆動部27a、27bの駆動力を伝達する昇降駆動力伝達部28a、28bとを有している。このうち各昇降駆動力伝達部28a、28bは、アダプタ29a、29bを介して基部22a、22bにそれぞれ連結されている。このようにして、各ウエハ保持部21a、21bは、互いに個別に移動自在(昇降自在)に構成されている。なお、各昇降駆動部27a、27bを用いることにより、各ウエハ保持部21a、21bの位置関係を調整することも可能になっている。
【0042】
各昇降駆動部27a、27bに、制御装置44が接続され、制御装置44は、各昇降駆動部27a、27bを同期して駆動させるように構成されている。このようにして、昇降駆動部27a、27bは、制御装置44からの制御信号に基づいて、ウエハ保持部21a、21bを下降させてウエハWを洗浄槽10内に挿入して洗浄液に浸漬する、あるいはウエハ保持部21a、21bを上昇させてウエハWを洗浄槽10から搬出するように構成されている。
【0043】
また、ウエハボード20は、洗浄槽10内においてウエハWを保持する保持位置(後述するバスハンド50にウエハWを引き渡す位置)と、この保持位置のわずかに下方に位置する下降位置との間を、駆動装置26により略垂直方向に移動自在(昇降自在)に構成されている。すなわち、制御装置44からの制御信号に基づいて、各ウエハ保持部21a、21bは、昇降駆動部27a、27bにより保持位置と下降位置との間を移動するようになっている。
【0044】
また、ウエハボード20は、下降位置と、下降位置(保持位置)の側方に位置する側方位置との間を略水平方向にも移動自在に構成されており、各ウエハ保持部21a、21bは、略水平方向においても互いに個別に移動自在に構成されている。なお、本明細書における「側方」という文言は、厳密な水平方向を意味するのではなく、例えば、ウエハWのうち振動子40から伝播される超音波振動がウエハ保持部20a、20bにより遮蔽される領域から、当該領域に超音波振動が伝播される程度にウエハ保持部20a、20bが変位可能であれば、水平方向に対して斜めの方向を含むものとして使用される。
【0045】
ウエハボード20に連結された駆動装置26は、ウエハボード20を下降位置と側方位置との間で移動させるようにもなっている。すなわち、駆動装置26は、ウエハ保持部21a、21bを下降位置と側方位置との間でそれぞれ移動させる側方移動駆動部30a、30bと、この側方移動駆動部30a、30bと昇降駆動力伝達部28a、28bとの間にそれぞれ連結され、側方移動駆動部30a、30bの駆動力を伝達する側方駆動力伝達部31a、31bとを有している。
【0046】
各側方移動駆動部30a、30bに、制御装置44が接続されている。このようにして、側方移動駆動部30a、30bは、制御装置44からの制御信号に基づいて、ウエハ保持部21a、21bを下降位置と側方位置との間でそれぞれ移動させるように構成されている。この場合、制御装置44は、ウエハ保持部21a、21bを、ウエハWの中心を通る垂直方向軸線Yに対して略対称的に移動させるようになっている。
【0047】
図2、および図6乃至図14に示すように、洗浄槽10内に、ウエハボード20からウエハWを引き受けて保持するバスハンド(側部保持部材)50が設けられている。このバスハンド50は、洗浄槽10内において、ウエハWを引き受けて保持する受渡位置と、ウエハWから離れて退避する退避位置との間を略水平方向に移動可能に構成されている。すなわち、バスハンド50は、ウエハボード20に保持されたウエハWの両側方に位置し、ウエハWの側面に当接してウエハWを挟持する一対の挟持部51を有している。各挟持部51は、ウエハWの側面に当接する2つの当接棒52と、各当接棒52を連結する連結部材53とを含んでいる。このうち各挟持部51の2つの当接棒52は、ウエハWの中心を通る水平方向軸線X(図6乃至図14参照)に対して対称的に配置されるとともに、ウエハWの水平方向軸線XとウエハWの外縁との交点の近傍に配置されている。このことにより、ウエハWに、下方から伝播されてくる超音波振動を各挟持部51によって遮蔽する領域が形成されることを防止することができ、ウエハWの全域を均一に超音波洗浄することができる。
【0048】
ここで、バスハンド50の各部は、ウエハボード20と同様に、耐薬品性に富む石英を用いて形成され、各々の表面にはテフロンコーティングまたはSiCコーティングが施されている。
【0049】
また、各挟持部51には、各挟持部51を受渡位置と退避位置との間で連動させるハンド駆動部(図示せず)が連結され、ハンド駆動部に制御装置44が連結されている。このように、ハンド駆動部は、制御装置44からの制御信号に基づいて、各挟持部51を受渡位置と退避位置との間で連動させるように構成されている。
【0050】
洗浄液供給装置60は、洗浄槽10の対向する側壁11に沿って設けられた2つの洗浄液供給ノズル61を有している。各洗浄液供給ノズル61は、洗浄槽10の側壁11に略水平方向に延びる管状ノズル本体61aと、この管状ノズル本体61aに形成され、長手方向に沿って適宜間隔をおいて配設された多数の第1ノズル孔61bおよび第2ノズル孔61cとを含んでいる。このうち、第1ノズル孔61bは、ウエハWの中心側に向けて洗浄液を噴射するように構成され、第2ノズル孔61cは、洗浄槽10の底板14に向けて洗浄液を噴射するように構成されている。
【0051】
洗浄液供給ノズル61に洗浄液供給管62を介して切換弁63が連結されている。この切換弁63に、純水供給管64を介して純水供給源65が連結されるとともに、薬液供給管66を介して薬液供給源(薬液タンク)67が連結されている。切換弁63は制御装置44に接続され、制御装置44は、切換弁63を介して、洗浄液供給管62に連通させる供給管(純水供給管64または薬液供給管66)の切り換えを制御するようになっている。
【0052】
純水供給管64に、純水供給管64を通る純水の流量を調整する開閉弁68が設けられている。この開閉弁68は制御装置44に接続され、制御装置44は、開閉弁68を介して、純水供給源65から洗浄槽10への純水の供給を制御するようになっている。
【0053】
薬液供給管66に、薬液を洗浄槽10に供給するための薬液ポンプ69が設けられている。この薬液ポンプ69は制御装置44に接続され、制御装置44は、薬液ポンプ69を介して、薬液タンク67から洗浄槽10への薬液の供給を制御するようになっている。ここで、薬液としては、洗浄の目的に応じて、アンモニア過水(SC1、具体的にはNHOH/H/HO)、塩酸過水(SC2、具体的にはHCl/H/HO)、あるいは希フッ酸(DHF)等が使用される。
【0054】
なお、このような薬液ポンプ69を用いることなく、薬液タンク67内に、制御装置44からの制御信号に基づいて窒素(N)ガス等を供給して薬液を薬液供給管66に供給するように構成してもよい。また、切換弁63に連結される薬液タンク67は1つに限られることはなく、複数の薬液タンク67が連結されていてもよい。この場合、複数種類の薬液を洗浄槽10に供給することが可能になる。
【0055】
図3および図4に示すように、洗浄槽10の底板14に、洗浄液を排出する2つの排出弁機構80が設けられている。各排出弁機構80は、底板14の外面に取り付けられた被当接部81と、この被当接部81に気水密に当接自在な弁体82と、この弁体82を駆動するピストンロッド83を含むシリンダ装置84とを有している。被当接部81および底板14に、排液口85が貫通して形成されている。シリンダ装置84に制御装置44が接続され、シリンダ装置84は、制御装置44からの制御信号に基づいて、弁体82を駆動するように構成されている。なお、排液口85は、ウエハボード20の基部の直下位置に配置されている。このことにより、洗浄槽10の底板14の外面うちウエハWに対応する位置に、排出弁機構80が配置されることがなく、振動子40を取り付けることができ、ウエハWを確実に洗浄することができる。なお、本実施の形態においては、排液口85は矩形状に形成されているが、円形等の任意の形状にすることもできる。また、洗浄槽10に設ける排出弁機構80の個数は、2つに限られることはなく、1つまたは3つ以上とすることもできる。
【0056】
図1および図2に示すように、洗浄槽10の振動子40は、複数の振動子単体41からなり、洗浄槽10の底板14の外面に、複数の振動子単体41が取り付けられている。各振動子単体41は、結線されて振動子40として構成され超音波発振装置42に接続されている。なお、洗浄槽10に取り付けられる振動子単体41の個数は、洗浄槽10の底板14の外面のうち、ウエハボード20に保持されるウエハWに対応する位置を占めることができれば1つでも良く、任意の個数とすることもできる。
【0057】
振動子40に、超音波発振装置42が接続され、この超音波発振装置42に、電力を供給する駆動電源部43が接続されている。また、超音波発振装置42に制御装置44が接続され、超音波発振装置42は、制御装置44からの指示に基づいて、高周波駆動電力(駆動信号)を振動子40に送るように構成されている。
【0058】
制御装置44は、ウエハWをウエハボード20からバスハンド50に引き渡した後、ウエハボード20のウエハ保持部21a、21bを保持位置から下降位置に移動させ、下降位置と側方位置との間で略対称的に連続移動させる。そして、制御装置44は、下降位置と側方位置との間で移動している間、振動子40に超音波振動を生じさせるように構成されている。このようにして、振動子40からの超音波振動が、ウエハWのうちウエハ保持部21a、21bにより保持される領域に伝播され、ウエハWの全域に均一に超音波振動を伝播させるようになっている。また、制御装置44は、ウエハWの超音波洗浄が終了した後、ウエハ保持部21a、21bを下降位置を介して保持位置に移動させ、ウエハWをバスハンド50からウエハボード20に引き渡すように構成されている。
【0059】
本実施の形態においては、制御装置44はコンピュータを含み、このコンピュータが記録媒体45に予め記憶されたプログラムを実行することによって、超音波洗浄装置1を用いたウエハWの洗浄が実施されるようになっている。
【0060】
次に、このような構成からなる本実施の形態の作用、すなわち本実施の形態による超音波洗浄方法について図6乃至図14を用いて説明する。
【0061】
まず、洗浄槽10に洗浄液が貯留される(第1工程)。この場合、まず、図1に示すように、制御装置44からの制御信号を受けて開閉弁68が開き、純水供給源65から切換弁63を介して洗浄液供給ノズル61に純水が供給される。この際、切換弁63は、制御装置44により制御されて、洗浄液供給管62に純水供給管64が連通される。
【0062】
純水を供給した後、制御装置44からの制御信号を受けて薬液ポンプ69が駆動され、薬液タンク67から切換弁63を介して洗浄液供給ノズル61に薬液が供給される。この際、切換弁63は制御装置44により制御され、洗浄液供給管62に薬液供給管66が連通される。
【0063】
貯留された洗浄液の液面が、洗浄槽10の側壁11の上端に設けられた切欠溝15に達すると、洗浄液は、この切欠溝15を通って洗浄槽10から流出する。流出した洗浄液は、洗浄槽10を収容する容器16のパン(図示せず)に回収され、図示しないドレンから容器16外部に排出される。この後においても、薬液タンク67からの薬液の供給は継続される。
【0064】
次に、洗浄槽10内の洗浄液にウエハWが浸漬される(第2工程)。この場合、まず、図示しない搬送機構により搬送された複数枚、例えば50枚のウエハWが、ウエハボード20の保持棒23a、23bに形成された保持溝25a、25bに係合して、ウエハ保持部21a、21bに保持される(図6参照)。次に、制御装置44からの制御信号を受けて昇降駆動部27a、27bが同期して駆動され、ウエハWが保持されたウエハ保持部21a、21bが下降し、洗浄槽10内に挿入される(図7参照)。このようにして、洗浄液にウエハWが浸漬される。このとき、ウエハ保持部21a、21bはウエハWを保持する保持位置に位置している。
【0065】
次に、ウエハWがウエハボード20からバスハンド50に引き渡される(第3工程)。
この場合、まず、制御装置44からの制御信号を受けてハンド駆動部が駆動されて、各挟持部51が退避位置から受渡位置に移動し、各挟持部51がウエハWの側面に当接する(第3工程、図8参照)。このことにより、ウエハWは一対の挟持部51により挟持され、バスハンド50に保持される。このとき、ウエハ保持部21a、21bはウエハWを保持する保持位置に維持されている。
【0066】
次に、ウエハボード20が、ウエハWを保持していた位置から下降する(第4工程)。
すなわち、制御装置44からの制御信号を受けて昇降駆動部27a、27bが同期して駆動され、ウエハ保持部21a、21bが下降する(図9参照)。このことにより、ウエハ保持部21a、21bはウエハWから離れる。このとき、ウエハ保持部21a、21bは、保持位置よりも下方に位置する下降位置にある。
【0067】
次に、ウエハボード20が、下降位置と側方位置との間を連続して移動する(第5工程)。この場合、制御装置44からの制御信号を受けて側方移動駆動部30a、30bが駆動され、ウエハ保持部21a、21bは、ウエハWの中心を通る垂直方向軸線Yに対して略対称的に移動する。すなわち、一方のウエハ保持部21aは、図9における左方向に移動するとともに、他方のウエハ保持部21bは右方向に移動して、ウエハ保持部21a、21bが側方位置に達する(図10参照)。その後、左方向に移動した一方のウエハ保持部21aは右方向に移動するとともに、右方向に移動した他方のウエハ保持部21bは左方向に移動し、ウエハ保持部21a、21bは下降位置に戻る(図11参照)。このようにしてウエハ保持部21a、21bは下降位置と側方位置との間を略対称的に連続して往復移動する。すなわち、後述する超音波洗浄する工程(第6工程)が終了した時点で、ウエハ保持部21a、21bは、下降位置に戻る。なお、下降位置と側方位置との間をウエハ保持部21a、21bが往復する回数は、1回に限られることはなく、複数の回数としてもよい。
【0068】
ウエハボード20が下降位置と側方位置との間を連続して移動している間、制御装置44は振動子40に超音波振動を生じさせる(第6工程)。この場合、洗浄槽10の振動子40に超音波発振装置42から高周波駆動電力(駆動信号)を送ることにより、この振動子40に超音波振動を生じさせて、ウエハWが超音波洗浄される。このようにウエハボード20を移動しながら超音波振動を生じさせることにより、超音波洗浄を短時間で効率良く行うことができる。また、この間、ウエハ保持部21a、21bは、保持位置よりも下方に位置する下降位置と側方位置との間を連続して移動している。このことにより、ウエハ保持部21a、21bが下降位置と側方位置との間を移動している間、ウエハWに接触することを確実に防止することができる。
【0069】
振動子40が超音波振動している間、この超音波振動は、洗浄槽10の底板14を透過して洗浄液に伝播される。このようにして、ウエハWに付着したパーティクル等が除去される。この間、洗浄槽10内に薬液が供給され続けている。このことにより、ウエハWから除去されて洗浄液の液面に浮かんだパーティクルを、オーバーフローする洗浄液とともに洗浄槽10の切欠溝15から流出させることができる。このため、洗浄液を清浄な状態に維持することができ、ウエハWの洗浄効率を向上させることができる。
【0070】
ウエハWの超音波洗浄処理を行った後、洗浄槽10内のウエハWのリンス処理が行われる(第7工程)。この場合、まず、薬液ポンプ69を停止し、洗浄槽10への薬液の供給が止められる。次に、制御装置44は、開閉弁68を開くとともに切換弁63を動作して、純水供給源65から洗浄槽10に純水が供給される。その後、上述した第6工程と同様にして、振動子40に超音波振動を生じさせて、洗浄液に超音波振動を伝播させる。
【0071】
次に、ウエハWがバスハンド50からウエハボード20に引き渡される(第8工程、第9工程)。この場合、まず、制御装置44からの制御信号を受けて昇降駆動部27a、27bが同期して駆動され、ウエハ保持部21a、21bが上昇し、ウエハWが保持棒23a、23bの保持溝25a、25bに係合して、ウエハ保持部21a、21bに保持される(第8工程、図12参照)。このようにして、ウエハWがバスハンド50からウエハボード20に引き渡される。このとき、ウエハ保持部21a、21bはウエハWを保持する保持位置にある。
【0072】
その後、制御装置44からの制御信号を受けてハンド駆動部が駆動されて、各挟持部51が受渡位置から退避位置に移動する(第9工程、図13参照)。このことにより、バスハンド50は、ウエハWから離れる。このとき、ウエハ保持部21a、21bは保持位置に維持されている。
【0073】
次に、洗浄液に浸漬しているウエハWが洗浄槽10から搬出される(第10工程)。この場合、制御装置44からの制御信号を受けて昇降駆動部27a、27bが同期して駆動され、ウエハWが保持されたウエハ保持部21a、21bが上昇し、洗浄槽10からウエハWが搬出される。その後、ウエハWがウエハボード20から図示しない搬送機構に引き渡される。
【0074】
その後、上述した工程を適宜繰り返すことにより、洗浄槽10において、ウエハWを順次超音波洗浄することができる。
【0075】
なお、洗浄槽10内の洗浄液は、必要に応じて交換される。この場合、まず、図3に示すように、制御装置44からの制御信号に基づいて、排出弁機構80のシリンダ装置84が駆動されて、弁体82が被当接部81から引き離される。このことにより、排液口85を通って洗浄液が排出され、洗浄槽10内の洗浄液を短時間で排出することができる。洗浄液の排出が終了した後、シリンダ装置84が駆動されて弁体82が被当接部81に当接され、被当接部81と弁体82との間が気水密に維持される。その後、上述した第1工程と同様にして、洗浄槽10に洗浄液が貯留される。このようにして、洗浄液が交換される。
【0076】
このように本実施の形態によれば、洗浄槽10内の洗浄液に浸漬されるとともにウエハボード20のウエハ保持部21a、21bにより保持されているウエハWが、洗浄槽10内に設けられたバスハンド50に引き渡され、その後、ウエハ保持部21a、21bが、保持位置から下降位置に移動して、下降位置と側方位置との間を連続移動する。ウエハ保持部21a、21bが下降位置と側方位置との間を移動している間、制御装置44が振動子40に超音波振動を生じさせる。このことにより、振動子40からの超音波振動を、ウエハWのうちウエハ保持部21a、21bにより保持される領域(遮蔽される領域)に伝播させるとともに、ウエハWの全域に超音波振動を均一に伝播させることができる。このため、ウエハWの全域を均一に超音波洗浄することができる。
【0077】
また、本実施の形態によれば、ウエハ保持部21a、21bは、ウエハWの中心を通る垂直方向軸線Yに対して略対称的に配置されるとともに、下降位置と側方位置との間を垂直方向軸線Yに対して略対称的に移動する。このことにより、ウエハWをウエハボード20からバスハンド50に引き渡した後、ウエハ保持部21a、21bを下降させる距離(保持位置と下降位置との間の距離)を短くすることができる。また、ウエハ保持部21a、21bの下降位置と側方位置との間の移動距離を短くすることもできる。このため、駆動装置26の構造を簡素化することができる。
【0078】
なお、上述した本実施の形態においては、本発明の要旨の範囲内で種々の変形が可能である。以下、代表的な変形例について述べる。
【0079】
すなわち、本実施の形態においては、ウエハボード20のウエハ保持部21a、21bが下降位置と側方位置との間を連続移動している例について述べた。しかしながら、このことに限られることはなく、ウエハ保持部21a、21bが、下降位置から側方位置に達した後、所定時間停止して、その後に、側方位置から下降位置に移動するように制御装置44を構成しても良い。この場合においても、振動子40からの超音波振動を、ウエハWのうちウエハ保持部21a、21bにより保持される領域に伝播させるとともに、ウエハWの全域に超音波振動を均一に伝播させることができる。
【0080】
また、上述のように、側方位置に達したウエハ保持部21a、21bを所定時間停止させる場合、ウエハ保持部21a、21bが側方位置で停止している間にのみ、振動子40に超音波振動を生じさせるように制御装置44を構成してもよい。すなわち、制御装置44は、ウエハWをウエハボード2からバスハンド50に引き渡した後、ウエハ保持部21a、21bを下降位置から側方位置へ移動させ、ウエハ保持部21a、21bが少なくとも側方位置にあるときに、振動子40に超音波振動を生じさせるように構成していれば良く、この場合に、振動子40からの超音波振動を、ウエハWのうちウエハ保持部21a、21bにより保持される領域に確実に伝播させるとともに、ウエハWの全域に超音波振動を均一に伝播させることができる。
【0081】
また、本実施の形態においては、ウエハ保持部21a、21bが下降位置と側方位置との間を連続移動している間、制御装置44が振動子40に超音波振動を生じさせている例について述べた。しかしながら、このことに限られることはなく、ウエハ保持部21a、21bが下降位置から側方位置へ移動している間にのみ、振動子40が超音波振動を生じさせるようにしても良く、あるいはウエハ保持部21a、21bが側方位置から下降位置へ移動している間にのみ、振動子40が超音波振動を生じさせるようにしても良い。いずれの場合においても、振動子40からの超音波振動を、ウエハWのうちウエハ保持部21a、21bにより保持される領域に伝播させるとともに、ウエハWの全域に超音波振動を均一に伝播させることができる。
【0082】
また、本実施の形態においては、ウエハボード20が、一対のウエハ保持部21a、21bを有し、これらウエハ保持部21a、21bが個別に移動する例について述べた。しかしながらこのことに限られることはなく、ウエハ保持部21a、21bが一体に形成されて、下降位置と側方位置との間を一体に移動するように構成しても良い。この場合においても、振動子40からの超音波振動を、ウエハWのうちウエハボード20により保持される領域に伝播させるとともに、ウエハWの全域に超音波振動を均一に伝播させることができる。
【0083】
また、本実施の形態においては、ウエハ保持部21a、21bは、保持位置よりも下方に位置する下降位置を経由して保持位置から側方位置へ移動するとともに、下降位置を経由して側方位置から保持位置へ移動する例について述べた。しかしながらこのことに限られることはなく、ウエハ保持部21a、21bを、下降位置を経由することなく、保持位置と側方位置との間を移動させるように構成しても良い。この場合、ウエハ保持部21a、21bの駆動制御を簡素化することができる。
【0084】
また、本実施の形態においては、ウエハ保持部21a、21bがウエハWの中心を通る垂直方向軸線Yに対して略対称的に移動する例について述べた。しかしながらこのことに限られることはなく、ウエハ保持部21a、21bが、互いに同一方向に下降位置と側方位置との間を移動するように構成しても良い。この場合、例えば、まず、一方のウエハ保持部(第1ウエハ保持部)21aを下降位置から側方位置へ左方向(図10参照)に移動する。次に、第1ウエハ保持部21aを側方位置から下降位置へ右方向に移動するとともに、他方のウエハ保持部(第2ウエハ保持部)21bを下降位置から側方位置へ右方向に移動する。その後、第2ウエハ保持部21bを側方位置から下降位置へ左方向に移動する。このようにしてウエハ保持部21a、21bを移動している間に、振動子40に超音波振動を生じさせるようにしても良い。この場合においても、振動子40からの超音波振動を、ウエハWのうちウエハ保持部21a、21bにより保持される領域に伝播させるとともに、ウエハWの全域に超音波振動を均一に伝播させることができる。なお、この場合、ウエハ保持部21a、21bが下降位置と側方位置との間を往復移動する回数は、任意の回数とすることができる。
【0085】
また、ウエハ保持部21a、21bを、上述のように下降位置と側方位置との間を互いに同一方向に移動させる場合、制御装置44は、ウエハWをウエハボード20からバスハンド50に引き渡した後、いずれか一方のウエハ保持部、例えば第1ウエハ保持部21aを下降位置から側方位置へ移動させ、この第1ウエハ保持部21aが少なくとも側方位置にあるときに、振動子40に超音波振動を生じさせるように構成しても良い。あるいは、第1ウエハ保持部21aを下降位置から側方位置へ移動している間と、他方のウエハ保持部(第2ウエハ保持部)21bを側方位置から下降位置へ移動している間にのみ、振動子40に超音波振動を生じさせても良い。あるいは、第1ウエハ保持部21aを側方位置から下降位置に移動させるとともに第2ウエハ保持部21bを下降位置から側方位置に移動させている間にのみ、振動子40に超音波振動を生じさせても良い。この場合においても、振動子40からの超音波振動を、ウエハWのうちウエハ保持部21a、21bにより保持される領域に伝播させるとともに、ウエハWの全域に超音波振動を均一に伝播させることができる。
【0086】
また、本実施の形態においては、洗浄槽10が容器16に収容され、この容器16の底部に、洗浄槽10から流出した洗浄液を回収するパンが配設されている例について述べた。しかしながらこのことに限られることはなく、洗浄槽10が、洗浄液を貯留する内槽と、内槽からオーバーフローする洗浄液を回収する外槽とを有していてもよい。この場合、外槽に、洗浄液を内槽内に配設される洗浄液供給ノズルに供給する循環管路が連結されていてもよく、あるいは外槽に洗浄液を排出する排出弁機構が設けられていてもよい。
【0087】
また、本実施の形態においては、洗浄槽10内に、2つの洗浄液供給ノズル61が設けられている例について述べた。しかしながらこのことに限られることはなく、4つの洗浄液供給ノズル(図示せず)を設けても良い。
【0088】
また、本実施の形態においては、洗浄槽10の底板14をアモルファスカーボンまたは炭化ケイ素により形成し、この底板14の肉厚を比較的厚く(例えば、6.5mm)して振動子40を直接取り付ける例について述べた。しかしながらこのことに限られることはなく、底板14の肉厚をこれよりも薄くし、この底板14に音波透過性が良好なステンレス性の補強用板を介在させて振動子40を取り付けるように構成してもよい。この場合においても、振動子40からの超音波を効率良く透過させることができる。
【0089】
さらに、本実施の形態においては、洗浄槽10の底板14に振動子40が直接取り付けられている。しかしながらこのことに限られることはなく、洗浄槽10の下方に、洗浄槽10の少なくとも底部が浸漬するように純水を貯留した追加の槽(図示せず)を設けて、この追加の槽の底部に振動子40を取り付けるように構成しても良い。この場合、振動子40から生じた超音波振動は、追加の槽の純水を介して洗浄槽10に伝播され、洗浄槽10においてウエハWを確実に超音波洗浄することができる。
【0090】
なお、上述した実施の形態についてのいくつかの変形例を述べたが、複数の変形例を適宜組み合わせて適用することも可能である。
【0091】
第2の実施の形態
次に、図15乃至図17により、本発明の第2の実施の形態について説明する。図15乃至図17は、第2の実施の形態における超音波洗浄装置、超音波洗浄方法、およびこの超音波洗浄方法を実行するためのコンピュータプログラムが記録された記録媒体の第2の実施の形態を説明するための図である。
【0092】
図15乃至図17に示す第2の実施の形態においては、ウエハをバスハンドおよびウエハボードの第1ウエハ保持部に保持させた後、第2ウエハ保持部が側方に移動して、超音波洗浄が行われる点が主に異なり、他の構成は、図1乃至図14に示す第1の実施の形態と略同一である。なお、図15乃至図17において、図1乃至図14に示す第1の実施の形態と同一部分には同一符号を付して詳細な説明は省略する。
【0093】
本実施の形態におけるウエハボード20は、個別に移動自在な一対のウエハ保持部21a、21b(すなわち、第1ウエハ保持部21aと第2ウエハ保持部21b)を有している。
【0094】
制御装置44は、ウエハWをバスハンド50およびウエハボード20の第1ウエハ保持部21aに保持させた後、ウエハボード20の第2ウエハ保持部21bを第2保持位置から第2下降位置を経由して第2側方位置に移動させて、その後に第2側方位置から第2下降位置を経由して第1保持位置に戻すように駆動装置26を制御する。その後、制御装置44は、ウエハWをバスハンド50および第2ウエハ保持部21bに保持させた後、第1ウエハ保持部20aを、第1保持位置から第1下降位置を経由して第1側方位置に移動させて、その後に第1側方位置から第1下降位置を経由して第1保持位置に戻すように駆動装置26を制御する。
【0095】
制御装置44は、第2ウエハ保持部21bが、第2下降位置と第2側方位置との間で移動している間、および第1ウエハ保持部21aが、第1下降位置と第1側方位置との間で移動している間、振動子40に超音波振動を生じさせるように超音波発振装置42を制御する。このようにして、振動子40からの超音波振動を、ウエハWのうち第1ウエハ保持部21aおよび第2ウエハ保持部21bにより保持される領域(遮蔽される領域)に伝播させるようになっている。なお、制御装置44は、第1ウエハ保持部21aの移動と、第2ウエハ保持部21bの移動を均等にして、ウエハWの各領域において第1ウエハ保持部21aにより超音波振動が遮蔽される時間と、第2ウエハ保持部21bにより超音波振動が遮蔽される時間が均等になるように、駆動装置26を制御する。
【0096】
本実施の形態における超音波洗浄方法について説明する。ここでは、主に、第1の実施の形態と異なる工程について説明する。
【0097】
まず、洗浄液に浸漬されたウエハWが、バスハンド50の一対の挟持部51により挟持される(第3工程、図8参照)。この場合、制御装置44からの制御信号を受けてハンド駆動部が駆動されて、各挟持部41が退避位置から受渡位置に移動し、各挟持部51がウエハWの側面に当接する。このことにより、ウエハWが一対の挟持部51により挟持される。このとき、第1ウエハ保持部21aおよび第2ウエハ保持部21bは、ウエハWを保持する第1保持位置および第2保持位置にそれぞれ維持されている。
【0098】
次に、ウエハボード20の第2ウエハ保持部21bが側方に移動してウエハWの超音波洗浄が行われる。
【0099】
この場合、まず、ウエハボード20の第2ウエハ保持部21bが、ウエハWを保持していた位置から下降する(第21工程)。すなわち、制御装置44からの制御信号を受けて昇降駆動部27bが駆動され、第2ウエハ保持部21bが下降する(図15参照)。このことにより、ウエハWがバスハンド50および第1ウエハ保持部21aに保持されると共に、第2ウエハ保持部21bがウエハWから離れる。このとき、第2ウエハ保持部21bは、第2保持位置よりも下方に位置する第2下降位置にある。
【0100】
次に、第2ウエハ保持部21bが、第2下降位置と第2側方位置との間を連続して移動する(第22工程)。この場合、制御装置44からの制御信号を受けて側方移動駆動部30bが駆動され、図15における右方向に移動して、第2側方位置に達する(図16参照)。その後、右方向に移動した第2ウエハ保持部21bは、左方向に移動し、第2下降位置に戻る(図17参照)。なお、この間、第1ウエハ保持部21aは、バスハンド50と共にウエハWを保持した状態で停止している。このようにして、第2ウエハ保持部21bは、第2下降位置と第2側方位置との間を連続して往復移動する。なお、第2下降位置と第2側方位置との間を第2ウエハ保持部21bが往復する回数は、1回に限られることはなく、複数の回数としてもよい。
【0101】
第2ウエハ保持部21bが第2下降位置と第2側方位置との間を連続して移動している間、制御装置44は振動子40に超音波振動を生じさせる(第23工程)。このようにして、ウエハWのうち第2ウエハ保持部21bにより遮蔽される領域に超音波振動を伝播させることができる。
【0102】
次に、第2ウエハ保持部21bが、第2下降位置から上昇してウエハWを保持する第2保持位置に戻る(第24工程、図12参照)。この場合、制御装置44からの制御信号を受けて昇降駆動部27bが駆動され、第2ウエハ保持部21bが上昇する。このことにより、第1ウエハ保持部21aおよび第2ウエハ保持部21bは、略同一の高さとなり、ウエハWが、保持棒23bの保持溝25bに係合して、第2ウエハ保持部21bに保持されるようになる。このようにして、バスハンド50、第1ウエハ保持部21a、および第2ウエハ保持部21bにより、ウエハWが保持される。このとき、第2ウエハ保持部21bは、ウエハWを保持する第2保持位置にある。
【0103】
その後、第2ウエハ保持部21bと同様にして、第1ウエハ保持部21aが側方に移動してウエハWの超音波洗浄が行われる。
【0104】
この場合、まず、第1ウエハ保持部21aが、ウエハWを保持していた位置から下降する(第25工程)。すなわち、制御装置44からの制御信号を受けて昇降駆動部27aが駆動され、第1ウエハ保持部21aが下降する。このことにより、ウエハWがバスハンド50および第2ウエハ保持部21bに保持されると共に、第1ウエハ保持部21aがウエハWから離れる。このとき、第1ウエハ保持部21aは、第1保持位置よりも下方に位置する第1下降位置にある。
【0105】
次に、第1ウエハ保持部21aが、第1下降位置と第1側方位置との間を連続して移動する(第26工程)。この場合、制御装置44からの制御信号を受けて側方移動駆動部30aが駆動され、図15における左方向に移動して、第1側方位置に達する。その後、左方向に移動した第1ウエハ保持部21aは、右方向に移動し、第1下降位置に戻る。なお、この間、第2ウエハ保持部21bは、バスハンド50と共にウエハWを保持した状態で停止している。このようにして、第1ウエハ保持部21aは、第1下降位置と第1側方位置との間を連続して往復移動する。なお、第1下降位置と第1側方位置との間を第1ウエハ保持部21aが往復する回数は、1回に限られることはなく、複数の回数としてもよい。
【0106】
第1ウエハ保持部21aが第1下降位置と第1側方位置との間を連続して移動している間、制御装置44は振動子40に超音波振動を生じさせる(第27工程)。このようにして、ウエハWのうち第1ウエハ保持部21aにより遮蔽される領域に超音波振動を伝播させることができる。
【0107】
次に、第1ウエハ保持部21bが、第1下降位置から上昇してウエハWを保持する保持位置に戻る(第28工程、図12参照)。この場合、制御装置44からの制御信号を受けて昇降駆動部27aが駆動され、第1ウエハ保持部21aが上昇する。このことにより、第1ウエハ保持部21aおよび第2ウエハ保持部21bは、略同一の高さとなり、ウエハWが保持棒23aの保持溝25aに係合して、第1ウエハ保持部21aに保持されるようになる。このようにして、バスハンド50、第1ウエハ保持部21a、および第2ウエハ保持部21bにより、ウエハWが保持される。このとき、第1ウエハ保持部21aは、ウエハWを保持する第1保持位置にある。
【0108】
次に、洗浄槽10内のウエハWのリンス処理が行われる(第29工程)。この場合、洗浄槽10内の薬液が排出されて純水が供給され、上述した第21工程乃至第28工程と同様にして、第1ウエハ保持部21aまたは第2ウエハ保持部21bを移動させながら、洗浄液に超音波振動を伝播させる。
【0109】
その後、ウエハWは洗浄槽10から搬出される。
【0110】
このように本実施の形態によれば、洗浄槽10内の洗浄液に浸漬されるとともにウエハボード20の第1ウエハ保持部21aおよび第2ウエハ保持部21bにより保持されているウエハWが、洗浄槽10内に設けられたバスハンド50および第1ウエハ保持部21aに保持され、その後、第2ウエハ保持部21bが、第2保持位置から第2下降位置に移動して、第2下降位置と第2側方位置との間を連続移動し、第2保持位置に戻る。さらにその後、ウエハWが、バスハンド50および第2ウエハ保持部21bに保持されて、第1ウエハ保持部21aが、第1保持位置から第1下降位置に移動して、第1下降位置と第1側方位置との間を連続移動し、第1保持位置に戻る。第1ウエハ保持部21aが第1下降位置と第1側方位置との間を移動している間、および第2ウエハ保持部21bが第2下降位置と第2側方位置との間を移動している間、制御装置44が振動子40に超音波振動を生じさせる。このことにより、振動子40からの超音波振動を、ウエハWのうち第1ウエハ保持部21aおよび第2ウエハ保持部21bにより保持される領域(遮蔽される領域)に伝播させるとともに、ウエハWの全域に超音波振動を均一に伝播させることができる。このため、ウエハWの全域を均一に超音波洗浄することができる。
【0111】
また、本実施の形態によれば、ウエハWを超音波洗浄する際、ウエハWが、バスハンド50およびウエハボード20の一方のウエハ保持部により保持される。このことにより、ウエハWを安定して保持することができる。
【0112】
なお、上述した第2の実施の形態においては、第1の実施の形態と同様に、本発明の要旨の範囲内で種々の変形が可能である。
【0113】
とりわけ、第2の実施の形態においては、第2ウエハ保持部21bが、第2下降位置と第2側方位置との間で移動している間、および第1ウエハ保持部21aが、第1下降位置と第1側方位置との間で移動している間、振動子40に超音波振動を生じさせる例について説明した。しかしながら、このことに限られることはなく、第1側方位置、第2側方位置に達した第1ウエハ保持部21a、第2ウエハ保持部21bを所定時間停止させる場合に、第1ウエハ保持部21aが第1側方位置で停止している間、および第2ウエハ保持部21bが第2側方位置で停止している間にのみ、振動子40に超音波振動を生じさせるように制御装置44を構成しても良い。すなわち、制御装置44は、ウエハWをバスハンド50および第1ウエハ保持部21aに保持させた後、第2ウエハ保持部21bを第2保持位置から第2側方位置へ移動させ、その後に第2保持位置に戻し、更に、ウエハWをバスハンド50および第2ウエハ保持部21bに保持させた後、第1ウエハ保持部21aを第1保持位置から第1側方位置へ移動させ、その後に第1保持位置に戻し、第1ウエハ保持部21aが少なくとも第1側方位置にあるとき、および第2ウエハ保持部21bが少なくとも第2側方位置にあるときに、振動子40に超音波振動を生じさせるように構成してれば良い。この場合においても、振動子40からの超音波振動を、ウエハWのうち第1ウエハ保持部21aおよび第2ウエハ保持部21bにより保持される領域(遮蔽される領域)に伝播させるとともに、ウエハWの全域に超音波振動を均一に伝播させることができる。
【0114】
ところで、上述したように、超音波洗浄装置1はコンピュータを含む制御装置44を有している。この制御装置44により、超音波洗浄装置1の各構成要素が動作し、ウエハWの洗浄が実施されるよう構成されている。そして、超音波洗浄装置1を用いたウエハWの洗浄を実施するために、制御装置44のコンピュータによって実行されるプログラムを記録した記録媒体45も本件の対象である。ここで、記録媒体45は、ROMまたはRAMなどのメモリーでもよく、また、ハードディスクまたはCD−ROMなどのディスク状の記録媒体45であってもよい。
【0115】
なお、以上の説明においては、本発明による超音波洗浄装置1、超音波洗浄方法、およびこの超音波洗浄方法を実行するためのコンピュータプログラムが記録された記録媒体45を、半導体ウエハWの洗浄処理に適用した例を示している。しかしながらこのことに限られることはなく、LCD基板またはCD基板等、種々の基板等の洗浄に本発明を適用することも可能である。
【符号の説明】
【0116】
1 超音波洗浄装置
10 洗浄槽
11 側壁
12 パッキング
13 固定ボルト
14 底板
15 切欠溝
16 容器
20 ウエハボード
21a、21b ウエハ保持部
22a、22b 基部
23a、23b 保持棒
24a、24b 連結部材
25a、25b 保持溝
26 駆動装置
27a、27b 昇降駆動部
28a、28b 昇降駆動力伝達部
29a、29b アダプタ
30a、30b 側方移動駆動部
31a、31b 側方駆動力伝達部
40 振動子
41 振動子単体
42 超音波発振装置
43 駆動電源部
44 制御装置
45 記録媒体
50 バスハンド
51 挟持部
52 当接棒
53 連結部材
60 洗浄液供給装置
61 洗浄液供給ノズル
61a 管状ノズル本体
61b 第1ノズル孔
61c 第2ノズル孔
62 洗浄液供給管
63 切換弁
64 純水供給管
65 純水供給源
66 薬液供給管
67 薬液タンク
68 開閉弁
69 薬液ポンプ
80 排出弁機構
81 被当接部
82 弁体
83 ピストンロッド
84 シリンダ装置
85 排液口
W ウエハ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
洗浄液を貯留する洗浄槽と、
前記洗浄槽内に挿入可能に設けられ、被処理体を保持して洗浄液に浸漬させる被処理体保持装置と、
前記洗浄槽の底部に設けられた振動子と、
前記振動子に超音波振動を生じさせる超音波発振装置と、
前記洗浄槽内に設けられ、前記被処理体を保持する側部保持部材と、
前記被処理体保持装置を側方に移動させる駆動装置と、
前記超音波発振装置および前記駆動装置を制御する制御装置と、を備え、
前記制御装置は、前記被処理体を前記側部保持部材に保持させた後、前記被処理体保持装置を側方へ移動させるように前記駆動装置を制御すると共に、前記振動子に超音波振動を生じさせ、当該振動子からの超音波振動を、前記被処理体に伝播させるように前記超音波発振装置を制御することを特徴とする超音波洗浄装置。
【請求項2】
前記側部保持部材は、前記被処理体保持装置から前記被処理体を引き受けて保持するように構成され、
前記駆動装置は、前記被処理体保持装置を、前記被処理体を保持する保持位置から当該保持位置の側方に位置する側方位置まで移動させるように構成されており、
前記制御装置は、前記被処理体を前記被処理体保持装置から前記側部保持部材に引き渡した後、当該被処理体保持装置を前記保持位置から前記側方位置へ移動させ、当該被処理体保持装置が少なくとも当該側方位置にあるときに、前記振動子に超音波振動を生じさせ、当該振動子からの超音波振動を、前記被処理体のうち前記被処理体保持装置により保持される領域に伝播させるように前記超音波発振装置および前記駆動装置を制御することを特徴とする請求項1に記載の超音波洗浄装置。
【請求項3】
前記被処理体保持装置は、前記被処理体を保持する一対の被処理体保持部を有し、
前記各被処理体保持部は、個別に移動自在となっていることを特徴とする請求項2に記載の超音波洗浄装置。
【請求項4】
一対の前記被処理体保持部は、前記被処理体に対して略対称的に移動することを特徴とする請求項3に記載の超音波洗浄装置。
【請求項5】
前記制御装置は、前記被処理体保持装置を前記保持位置から当該保持位置の下方に位置する下降位置に移動させ、その後当該下降位置から前記側方位置へ移動させ、当該被処理体保持装置を当該下降位置から当該側方位置へ移動させている間においても前記振動子に超音波振動を生じさせるように、前記超音波発振装置および前記駆動装置を制御することを特徴とする請求項2乃至4のいずれかに記載の超音波洗浄装置。
【請求項6】
前記制御装置は、前記被処理体保持装置を前記側方位置から前記下降位置に移動させ、当該被処理体保持装置を当該側方位置から当該下降位置へ移動させている間においても前記振動子に超音波振動を生じさせるように前記超音波発振装置および前記駆動装置を制御することを特徴とする請求項5に記載の超音波洗浄装置。
【請求項7】
前記側部保持部材は、前記被処理体を引き受けて保持する受渡位置と、前記被処理体から離れて退避する退避位置との間を移動することを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の超音波洗浄装置。
【請求項8】
前記側部保持部材は、前記被処理体の側面に当接して当該被処理体を挟持する一対の挟持部を有していることを特徴とする請求項7に記載の超音波洗浄装置。
【請求項9】
前記側部保持部材は、前記被処理体保持装置から前記被処理体を引き受けて保持するように構成され、
前記駆動装置は、前記被処理体保持装置を、前記被処理体を保持する保持位置から当該保持位置の側方に位置する側方位置まで移動させるように構成され、
前記被処理体保持装置は、前記被処理体を保持する一対の被処理体保持部を有しており、
前記制御装置は、前記被処理体を前記被処理体保持装置から前記側部保持部材に引き渡した後、前記被処理体保持装置の少なくとも一方の前記被処理体保持部を前記保持位置から前記側方位置へ移動させ、当該一方の被処理体保持部が少なくとも当該側方位置にあるときに、前記振動子に超音波振動を生じさせ、当該振動子からの超音波振動を、前記被処理体のうち当該一方の被処理体保持部により保持される領域に伝播させるように、前記超音波発振装置および前記駆動装置を制御することを特徴とする請求項1に記載の超音波洗浄装置。
【請求項10】
前記被処理体保持装置は、個別に移動自在な第1被処理体保持部と第2被処理体保持部とを有しており、
前記駆動装置は、前記被処理体保持装置の前記第1被処理体保持部を、前記被処理体を保持する第1保持位置から当該第1保持位置の側方に位置する第1側方位置まで移動させると共に、前記第2被処理体保持部を、前記被処理体を保持する第2保持位置から当該第2保持位置の側方に位置する第2側方位置まで移動させるように構成され、
前記制御装置は、前記被処理体を前記側部保持部材および前記第1被処理体保持部に保持させた後、前記被処理体保持装置の前記第2被処理体保持部を前記第2保持位置から前記第2側方位置へ移動させ、その後に当該第2保持位置に戻し、更に、前記被処理体を前記側部保持部材および当該第2被処理体保持部に保持させた後、当該第1被処理体保持部を前記第1保持位置から前記第2側方位置へ移動させ、その後に当該第1保持位置に戻すように前記駆動装置を制御すると共に、当該第1被処理体保持部が少なくとも当該第1側方位置にあるとき、および当該第2被処理体保持部が少なくとも当該第2側方位置にあるときに、前記振動子に超音波振動を生じさせ、当該振動子からの超音波振動を、前記被処理体のうち前記第1被処理体保持部および前記第2被処理体保持部により保持される領域に伝播させるように、前記超音波発振装置を制御することを特徴とする請求項1に記載の超音波洗浄装置。
【請求項11】
被処理体保持装置によって保持され、洗浄槽内の洗浄液に浸漬されている被処理体を、当該洗浄槽内に設けられた側部保持部材に保持させる工程と、
前記被処理体保持装置を側方に移動させる工程と、
前記洗浄槽の底部に設けられた振動子に超音波振動を生じさせて前記被処理体を超音波洗浄する工程と、を備え、
前記被処理体保持装置を側方に移動させる工程と超音波洗浄する工程は、前記被処理体を前記側部保持部材に保持させる工程の後に行われることを特徴とする超音波洗浄方法。
【請求項12】
前記被処理体を前記側部保持部材に保持させる工程において、前記被処理体保持装置によって保持されている前記被処理体は、前記側部保持部材に引き渡され、
前記被処理体保持装置を側方に移動させる工程において、当該被処理体保持装置は、前記被処理体を保持する保持位置から当該保持位置の側方に位置する側方位置まで移動し、
前記被処理体保持装置が少なくとも前記側方位置にあるときに、前記振動子からの超音波振動を、前記被処理体のうち当該被処理体保持装置により保持される領域に伝播させることを特徴とする請求項11に記載の超音波洗浄方法。
【請求項13】
前記被処理体保持装置は、前記被処理体を保持する一対の被処理体保持部を有し、
前記各被処理体保持部は、個別に移動自在になっていることを特徴とする請求項12に記載の超音波洗浄方法。
【請求項14】
一対の前記被処理体保持部は、前記被処理体に対して略対称的に移動することを特徴とする請求項13に記載の超音波洗浄方法。
【請求項15】
前記被処理体保持装置を側方に移動させる工程において、当該被処理体保持装置は、前記保持位置から当該保持位置の下方に位置する下降位置に移動して、その後当該下降位置から前記側方位置へ移動し、
前記被処理体保持装置を前記下降位置から前記側方位置へ移動させている間においても、前記振動子に超音波振動を生じさせることを特徴とする請求項12乃至14のいずれかに記載の超音波洗浄方法。
【請求項16】
前記被処理体保持装置を前記側方位置から前記下降位置に移動させる工程を更に備え、
前記被処理体保持装置を前記側方位置から前記下降位置に移動させている間においても、前記振動子に超音波振動を生じさせることを特徴とする請求項15に記載の超音波洗浄方法。
【請求項17】
前記被処理体を前記側部保持部材に保持させる工程において、当該側部保持部材は、前記被処理体から離れて退避する退避位置から当該被処理体を引き受けて保持する受渡位置に移動して、当該被処理体を保持することを特徴とする請求項11乃至16のいずれかに記載の超音波洗浄方法。
【請求項18】
前記側部保持部材は、前記被処理体の側面に当接して当該被処理体を挟持する一対の挟持部を有し、
前記被処理体を前記側部保持部材に保持させる工程において、当該側部保持部材は、一対の前記挟持部を当該被処理体の前記側面に当接させて当該被処理体を挟持することを特徴とする請求項17に記載の超音波洗浄方法。
【請求項19】
前記被処理体保持装置は、前記被処理体を保持する一対の被処理体保持部を有し、
前記被処理体を前記側部保持部材に保持させる工程において、前記被処理体保持装置によって保持されている前記被処理体は、前記側部保持部材に引き渡され、
前記被処理体保持装置を側方に移動させる工程において、当該被処理体保持装置の少なくとも一方の前記被処理体保持部は、前記被処理体を保持する保持位置から当該保持位置の側方に位置する側方位置まで移動し、
前記被処理体保持装置の前記一方の被処理体保持部が少なくとも前記側方位置にあるときに、前記振動子からの超音波振動を、前記被処理体のうち当該被処理体保持装置により保持される領域に伝播させることを特徴とする請求項11に記載の超音波洗浄方法。
【請求項20】
前記被処理体保持装置は、個別に移動自在な第1被処理体保持部と第2被処理体保持部とを有し、
前記被処理体保持装置を側方に移動させる工程において、前記被処理体を前記側部保持部材および前記第1被処理体保持部に保持させた後、当該被処理体保持装置の前記第2被処理体保持部は、前記被処理体を保持する第2保持位置から当該第2保持位置の側方に位置する第2側方位置まで移動し、その後に当該第2保持位置に戻し、更に、前記被処理体を前記側部保持部材および当該第2被処理体保持部に保持させた後、当該第1被処理体保持部は、前記被処理体を保持する第1保持位置から当該第1保持位置の側方に位置する第1側方位置まで移動し、その後に当該第1保持位置に戻し、
前記被処理体保持装置の前記第1被処理体保持部が少なくとも前記第1側方位置にあるとき、および前記第2被処理体保持部が少なくとも前記第2側方位置にあるときに、前記振動子からの超音波振動を、前記被処理体のうち前記第1被処理体保持部および前記第2被処理体保持部により保持される領域に伝播させることを特徴とする請求項11に記載の超音波洗浄方法。
【請求項21】
超音波洗浄方法を実行するためのコンピュータプログラムが記録された記録媒体であって、
当該超音波洗浄方法は、
被処理体保持装置によって保持され、洗浄槽内の洗浄液に浸漬されている被処理体を、当該洗浄槽内に設けられた側部保持部材に保持させる工程と、
前記被処理体保持装置を側方に移動させる工程と、
前記洗浄槽の底部に設けられた振動子に超音波振動を生じさせて前記被処理体を超音波洗浄する工程と、を備え、
前記被処理体保持装置を側方に移動させる工程と超音波洗浄する工程は、前記被処理体を前記側部保持部材に保持させる工程の後に行われることを特徴とする記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2011−100969(P2011−100969A)
【公開日】平成23年5月19日(2011.5.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−174604(P2010−174604)
【出願日】平成22年8月3日(2010.8.3)
【出願人】(000219967)東京エレクトロン株式会社 (5,184)
【Fターム(参考)】